(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154888
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置
(51)【国際特許分類】
B65G 43/08 20060101AFI20241024BHJP
B65G 47/28 20060101ALI20241024BHJP
F27B 9/24 20060101ALI20241024BHJP
F27D 21/00 20060101ALI20241024BHJP
F27B 9/40 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B65G43/08 D
B65G47/28 B
F27B9/24 R
F27D21/00 A
F27B9/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069098
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591076109
【氏名又は名称】エヌジーケイ・キルンテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391008283
【氏名又は名称】高浜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150533
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 雅登
(72)【発明者】
【氏名】小畑 雅人
(72)【発明者】
【氏名】山口 実
(72)【発明者】
【氏名】大山 智明
(72)【発明者】
【氏名】磯野 隆規
(72)【発明者】
【氏名】浅野 良充
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】谷野 順平
【テーマコード(参考)】
3F027
3F081
4K050
4K056
【Fターム(参考)】
3F027AA03
3F027CA02
3F027DA09
3F027EA01
3F027FA16
3F081AA10
3F081BC01
3F081CC12
3F081DA02
3F081DA09
3F081EA15
4K050AA04
4K050BA16
4K050CG06
4K050CG29
4K050EA04
4K050EA10
4K056AA12
4K056CA18
4K056FA10
4K056FA11
4K056FA27
(57)【要約】
【課題】搬送物の平面上の傾きが、どのような角度の場合であっても、搬送物の傾きを修正することができる、ローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置を提供すること。
【解決手段】ローラハースキルンにおいて、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラ17からなる第一のローラ群18と、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラ19からなる第二のローラ群20と、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを同時に昇降自在に設けた昇降手段と、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するための、搬送路の両側に一対ずつ設けられた、第一のセンサA、Aと、第二のセンサB、Bと、第三のセンサC、Cと、第四のセンサD、Dと、を有する傾き修正装置10。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搬送するためのローラ式コンベヤにおいて、
搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラからなる第一のローラ群と、
搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラからなる第二のローラ群と、
第一のローラ群と第二のローラ群とを同時に昇降自在に設けた昇降手段と、
搬送物の平面上の傾きを検知するためのセンサと、
を有することを特徴とする搬送物の傾き修正装置。
【請求項2】
搬送物を搬送するためのローラ式コンベヤにおいて、
搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のスプロケットとローラチェーンとを組み合わせた第一のローラチェーン部と、
搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のスプロケットとローラチェーンとを組み合わせた第二のローラチェーン部と、
第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを同時に昇降自在に設けた昇降手段と、
搬送物の平面上の傾きを検知するためのセンサと、
を有することを特徴とする搬送物の傾き修正装置。
【請求項3】
搬送物を搬送するためのローラ式コンベヤにおいて、
搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のプーリとベルトとを組み合わせた第一のベルト部と、
搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のプーリとベルトとを組み合わせた第二のベルト部と、
第一のベルト部と第二のベルト部とを同時に昇降自在に設けた昇降手段と、
搬送物の平面上の傾きを検知するためのセンサと、
を有することを特徴とする搬送物の傾き修正装置。
【請求項4】
搬送方向に対して垂直方向に向いたストッパを一側に設けたことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の搬送物の傾き修正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、リチウムイオン二次電池正極材の焼成においては、ローラ式コンベヤであるローラハースキルンの搬送ローラ表面に付着物が発生することがある。
搬送ローラ表面の付着物によって、焼成炉内で、焼成物の入った匣鉢である搬送物が正常に搬送されず、搬送物が平面上に傾いた状態で焼成炉から搬送されることがある。
【0003】
従来の技術として、ローラ式コンベヤであるローラハースキルンの一部であって、搬送物の平面上の傾きを検知するセンサを設け、センサが搬送物の傾きを検知すると、搬送路の両側から、搬送方向に対して垂直方向に、エアシリンダを用いたアクチュエータによるシリンダ制御によって、進退自在に設けられた、三個の偏平なローラを有する押込板を搬送物に押し当て、搬送物の傾きを修正する装置(整列装置又は矯正装置とも呼ばれる)がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来の搬送物の傾き修正装置は、搬送物の傾きを修正することによって、搬送物を搬送路上の正規の位置に戻して整列させることができた。
したがって、搬送物の傾きによって搬送物が搬送路の側壁へ当たって動かなくなり、その結果、搬送の停止や渋滞などの事故が発生することを、防ぐことが期待できた。
【0005】
しかし、従来の搬送物の傾き修正装置では、搬送物の平面上の傾き角度によっては、搬送物の角と角とを、両側から押込板によって押し当てたままの状態となることにより、搬送物の傾きが期待通りに修正されなかった。
また、傾き角度を矯正するため搬送物への押圧力を増すと、搬送物(例えばセラミックス製匣鉢)を損傷させることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するため、搬送物の平面上の傾きが、どのような角度の場合であっても、搬送物にダメージを与えることなく搬送物の傾きを修正することができる、ローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の課題解決手段は、搬送物を搬送するためのローラ式コンベヤにおいて、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラからなる第一のローラ群と、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラからなる第二のローラ群と、第一のローラ群と第二のローラ群とを同時に昇降自在に設けた昇降手段と、搬送物の平面上の傾きを検知するためのセンサと、を有することを特徴とする搬送物の傾き修正装置である。
【0009】
本発明の第2の課題解決手段は、搬送物を搬送するためのローラ式コンベヤにおいて、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のスプロケットとローラチェーンとを組み合わせた第一のローラチェーン部と、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のスプロケットとローラチェーンとを組み合わせた第二のローラチェーン部と、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを同時に昇降自在に設けた昇降手段と、搬送物の平面上の傾きを検知するためのセンサと、を有することを特徴とする搬送物の傾き修正装置である。
【0010】
本発明の第3の課題解決手段は、搬送物を搬送するためのローラ式コンベヤにおいて、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のプーリとベルトとを組み合わせた第一のベルト部と、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のプーリとベルトとを組み合わせた第二のベルト部と、第一のベルト部と第二のベルト部とを同時に昇降自在に設けた昇降手段と、搬送物の平面上の傾きを検知するためのセンサと、を有することを特徴とする搬送物の傾き修正装置である。
【0011】
本発明の第4の課題解決手段は、第1、2、又は3の課題解決手段であって、搬送方向に対して垂直方向に向いたストッパを一側に設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の課題解決手段は、第一のローラ群と第二のローラ群との上に搬送物を搬送させた後、第一のローラ群と第二のローラ群とを上昇させ、センサが搬送物の平面上の傾きを検知しなくなるまで、第一のローラ群と第二のローラ群とを互いに反対方向に回転させて搬送物を平面上で一方向に回転させることにより、搬送物の平面上の傾きを修正した後、第一のローラ群と第二のローラ群とを下降させ、搬送物を搬送することができる。
【0013】
また、本発明の第1の課題解決手段は、第一のローラ群と第二のローラ群との上に搬送物を搬送させた後、第一のローラ群と第二のローラ群とを上昇させ、センサが搬送物の平面上の傾きを検知しなくなるまで、第一のローラ群と第二のローラ群とを一定の異なる速度(例えば、第一のローラ群よりも第二のローラ群を速く)で同方向に回転させて搬送物を平面上で一方向に回転させることにより、搬送物の平面上の傾きを修正した後、第一のローラ群と第二のローラ群とを下降させ、搬送物を搬送することができる。
【0014】
したがって、搬送物の平面上の傾きが、どのような角度の場合であっても、搬送物の傾きを修正することができる。
したがって、搬送物の傾きによって搬送物が搬送路の側壁へ当たって動かなくなり、その結果、搬送の停止や渋滞などの事故が発生することを、防ぐことができる。
【0015】
本発明の第2の課題解決手段は、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部との上に搬送物を搬送させた後、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを上昇させ、センサが搬送物の平面上の傾きを検知しなくなるまで、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを互いに反対方向に回転させて搬送物を平面上で一方向に回転させることにより、搬送物の平面上の傾きを修正した後、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを下降させ、搬送物を搬送することができる。
【0016】
また、本発明の第2の課題解決手段は、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部との上に搬送物を搬送させた後、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを上昇させ、センサが搬送物の平面上の傾きを検知しなくなるまで、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを一定の異なる速度(例えば、第一のローラチェーン部よりも第二のローラチェーン部を速く)で同方向に回転させて搬送物を平面上で一方向に回転させることにより、搬送物の平面上の傾きを修正した後、第一のローラチェーン部と第二のローラチェーン部とを下降させ、搬送物を搬送することができる。
【0017】
したがって、搬送物の平面上の傾きが、どのような角度の場合であっても、搬送物の傾きを修正することができる。
したがって、搬送物の傾きによって搬送物が搬送路の側壁へ当たって動かなくなり、その結果、搬送の停止や渋滞などの事故が発生することを、防ぐことができる。
【0018】
本発明の第3の課題解決手段は、第一のベルト部と第二のベルト部との上に搬送物を搬送させた後、第一のベルト部と第二のベルト部とを上昇させ、センサが搬送物の平面上の傾きを検知しなくなるまで、第一のベルト部と第二のベルト部とを互いに反対方向に回転させて搬送物を平面上で一方向に回転させることにより、搬送物の平面上の傾きを修正した後、第一のベルト部と第二のベルト部とを下降させ、搬送物を搬送することができる。
【0019】
また、本発明の第3の課題解決手段は、第一のベルト部と第二のベルト部との上に搬送物を搬送させた後、第一のベルト部と第二のベルト部とを上昇させ、センサが搬送物の平面上の傾きを検知しなくなるまで、第一のベルト部と第二のベルト部とを一定の異なる速度(例えば、第一のベルト部よりも第二のベルト部を速く)で同方向に回転させて搬送物を平面上で一方向に回転させることにより、搬送物の平面上の傾きを修正し、第一のベルト部と第二のベルト部とを下降させ、搬送物を搬送することができる。
【0020】
したがって、搬送物の平面上の傾きが、どのような角度の場合であっても、搬送物の傾きを修正することができる。
したがって、搬送物の傾きによって搬送物が搬送路の側壁へ当たって動かなくなり、その結果、搬送の停止や渋滞などの事故が発生することを、防ぐことができる。
【0021】
本発明の第4の課題解決手段は、第1、2、又は3の課題解決手段によって、搬送物の平面上の傾きを修正した後、更に搬送物をストッパに押し付け、再度修正させた後、搬送物を搬送することができる。
【0022】
したがって、搬送物の傾きを念入りに修正することができる。
したがって、搬送物の傾きによって搬送物が搬送路の側壁へ当たって動かなくなり、その結果、搬送の停止や渋滞などの事故が発生することを、いっそう防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】切出し装置と本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の平面図である。
【
図2】本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の側面図である。
【
図3】(a)本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の作用を示す平面図である。(b)本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の作用を示す平面図である。
【
図4】(a)本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の作用を示す平面図である。(b)本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の作用を示す平面図である。
【
図5】(a)本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の作用を示す平面図である。(b)本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の作用を示す平面図である。
【
図6】本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の作用を示すフロー図である。
【
図7】切出し装置と本発明の傾き修正装置(実施の形態1)の別のセンサを設けた平面図である。
【
図8】切出し装置と本発明の傾き修正装置(実施の形態2)の平面図である。
【
図9】切出し装置と本発明の傾き修正装置(実施の形態3)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置10の実施の形態1を説明する(
図1、2参照)。
なお、付随するプログラム制御、エア配管、電気配線等の説明は、省略する。
【0025】
傾き修正装置10は、ローラ式コンベヤである公知のローラハースキルン11の一部である、焼成炉出口以降の搬送路に設けられたものである。
傾き修正装置10は、焼成物が入った複数の角形のセラミックス製匣鉢Kである搬送物の平面上の傾きを修正し、正規の状態に修正するためのものである。
なお、本発明の傾き修正装置10における搬送物は、角形のセラミックス製匣鉢Kに限定されない。
【0026】
なお、ローラハースキルン11の搬送路の幅は、予め匣鉢Kが最大二個横並び可能な幅に設けられている。
また、傾き修正装置10は、ローラハースキルン11の一部に設けられたものに限定されない。
一般的にローラ式コンベヤと呼ばれるものの一部に設けられたものであれば良い。
【0027】
傾き修正装置10は、ローラハースキルン11の搬送路の途中にある切出し装置12の後工程に設けられている。
切出し装置12は、傾き修正装置10に向けて、匣鉢Kを一個ずつ切り出す(送り出す)ためのものである。
切出し装置12と傾き修正装置10とは、別々の減速機付きモータ、ローラチェーン、スプロケット等の組み合わせからなる公知の駆動手段によって駆動され、匣鉢Kが搬送される。
【0028】
切出し装置12には、搬送路の両側に、搬送方向に対して垂直方向に、一対のエアシリンダを用いたアクチュエータ32によるシリンダ制御によって内側に進退自在に備えられた、一対の押圧板13、13と、一対の押圧板13、13の傍らであって、搬送路の両側に備えられた、二対の光電センサ14、14、14、14と、が設けられている。
【0029】
一対の押圧板13、13には、複数のアタッチメントが備えられている。
なお、アタッチメントの材質は、セラミックス、樹脂、金属など、どのようなものであっても良い。
一対の押圧板13、13は、二対の光電センサ14、14、14、14が、搬送された匣鉢Kを検知した後、匣鉢Kが正規の搬送路から、はみ出さないように、両側から押圧して整列させるためのものである。
【0030】
さらに、切出し装置12には、搬送路の幅方向に沿って、所定間隔に、五つの光電センサ15a、15b、15c、15d、15eと、四つの切出し用ストッパ16a、16b、16c、16dと、二対の光電センサ37、37、37、37と、が設けられている。
【0031】
五つの光電センサ15a、15b、15c、15d、15eは、搬送された匣鉢Kを検知するためのものである。
二対の光電センサ37、37、37、37は、傾き修正装置10の手前まで搬送された匣鉢Kを検知するためのものである。
【0032】
四つの切出し用ストッパ16a、16b、16c、16dのそれぞれは、複数のアタッチメントを備えた板材からなり、接続されたエアシリンダを用いたアクチュエータ38のシリンダ制御によって、搬送路上に出没自在に設けられている。
なお、アタッチメントの材質は、セラミックス、樹脂、金属など、どのようなものであっても良い。
【0033】
四つの切出し用ストッパ16a、16b、16c、16dは、搬送された匣鉢Kを、後工程の傾き修正装置10に向けて、一個ずつ切り出すために、匣鉢Kに当てて、匣鉢Kを一時的に停止させるためのものである。
【0034】
四つの切出し用ストッパ16a、16b、16c、16dは、常に、搬送された匣鉢Kを停止させることができるように、搬送路上に突き出た状態となっている。
例えば、まず、平面上に傾いた匣鉢K1が搬送されて、切出し用ストッパ16a、16bによって、一時停止される。
【0035】
その後直ぐに、匣鉢K1の横に、平面上に傾いた匣鉢K2が搬送されて、切出し用ストッパ16c、16dによって、一時停止される。
そして、五つの光電センサ15a、15b、15c、15d、15eが、匣鉢K1と匣鉢K2とを検知し、先に搬送された匣鉢K1を、まず、後工程の傾き修正装置10に向けて切り出すために、切出し用ストッパ16a、16bを搬送路下に下げる。
【0036】
匣鉢K1が、傾き修正装置10に向けて切り出され、五つの光電センサ15a、15b、15c、15d、15eが、匣鉢K1を検知しなくなると、続いて搬送される匣鉢Kを一時停止させるために、切出し用ストッパ16a、16bが、再び搬送路上に突き出た状態となる。
【0037】
なお、切出し装置12から傾き修正装置10に向けては、匣鉢Kを一個ずつ切り出すため、傾き修正装置10において、匣鉢K1の平面上の傾きの修正が完了し、後工程に搬送された後に、匣鉢K2を、傾き修正装置10に向けて切り出すために、切出し用ストッパ16c、16dが搬送路下に下がることとなる。
【0038】
なお、傾き修正装置10に向けて、匣鉢Kを一個ずつ切り出すための装置は、切出し装置12に限定されない。
傾き修正装置10に向けて、匣鉢Kを一個ずつ切り出す工夫がなされた装置であれば、どのようなものであっても良い。
【0039】
本発明の傾き修正装置10は、主に、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラ17からなる第一のローラ群18と、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のローラ19からなる第二のローラ群20と、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを同時に昇降自在に設けた昇降手段21と、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するための光電センサ群36と、を有するものである。
【0040】
第一のローラ群18と第二のローラ群20とは、多数の搬送ローラ22が備えられた複数列の搬送ローラ群のうちの二列を挟んで、平行に設けられている。
第一のローラ群18は、多数のローラ17のそれぞれが、搬送方向に沿ったシャフト23に、搬送方向に対して垂直方向に回転自在となるように取り付けられている。
【0041】
それぞれのシャフト23の一端は、スプロケット26が取り付けられた上で、後述する昇降手段21の枠体30に軸受けされている。
それぞれのシャフト23の他端は、後述する昇降手段21の仕切り材24に軸受けされている。
【0042】
それぞれのシャフト23の一端のスプロケット26は、ローラチェーン28を介して、後述する昇降手段21の一側に設けられた減速機付きモータM1に接続されている。
このため、モータM1を駆動させることにより、それぞれのシャフト23を回転させ、第一のローラ群18の多数のローラ17を、搬送方向に対して垂直方向に回転自在とすることができる。
【0043】
第二のローラ群20は、多数のローラ19のそれぞれが、搬送方向に沿ったシャフト25に、搬送方向に対して垂直方向に回転自在となるように取り付けられている。
それぞれのシャフト25の一端は、スプロケット27が取り付けられた上で、後述する昇降手段21の枠体30に軸受けされている。
それぞれのシャフト25の他端は、後述する昇降手段21の仕切り材24に軸受けされている。
【0044】
それぞれのシャフト25の一端のスプロケット27は、ローラチェーン29を介して、後述する昇降手段21の一側に設けられた減速機付きモータM2に接続されている。
このため、モータM2を駆動させることにより、それぞれのシャフト25を回転させ、第二のローラ群20の多数のローラ19を、搬送方向に対して垂直方向に回転自在とすることができる。
【0045】
また、モータM1とモータM2との駆動は、独立して制御される。
このため、第一のローラ群18の多数のローラ17と第二のローラ群20の多数のローラ19とは、個別に又は同時に、搬送方向に対して垂直方向に、正逆に回転自在となる。
【0046】
したがって、第一のローラ群18と第二のローラ群20との上に匣鉢Kを載せ、モータM1とモータM2とを駆動し、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを互いに反対方向に回転させることにより、匣鉢Kを平面上の一方向に回転させることができる。
【0047】
また、第一のローラ群18と第二のローラ群20との上に匣鉢Kを載せ、モータM1とモータM2とを駆動し、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを一定の異なる速度で同方向に回転させることによっても、匣鉢Kを平面上の一方向に回転させることができる。
【0048】
昇降手段21は、主に、搬送路の下に設けられた枠体30と、枠体30に接続されたエアシリンダを用いたアクチュエータ31とからなる。
枠体30は、第一のローラ群18のシャフト23と第二のローラ群20のシャフト25とを、両端で軸受し、かつ、中央で仕切り材24にて軸受して支持すると共に、シャフト23の一端のスプロケット26とローラチェーン28を介して接続されたモータM1と、シャフト25の一端のスプロケット27とローラチェーン29を介して接続されたモータM2と、を一側に支持したものである。
【0049】
昇降手段21は、エアシリンダを用いたアクチュエータ31によるシリンダ制御によって、枠体30を昇降自在に設けている。
昇降手段21は、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを、同時に、搬送ローラ22の高さよりも高い位置に上昇させ、かつ、搬送ローラ22の高さよりも低い位置に下降できるように設けられている。
【0050】
このため、搬送ローラ22の駆動と、第一のローラ群18及び第二のローラ群20の駆動とが、互いに干渉することがない。
なお、昇降手段21は、必ずしもエアシリンダによるものでなくても良く、例えば減速機付きモータの回転機構とカムとを組み合わせた方法、あるいは他の方法による手段でも良い。
【0051】
したがって、第一のローラ群18と第二のローラ群20との上方に、平面上に傾いた匣鉢Kを搬送して停止させた後、昇降手段21を作動させ、平面上に傾いた匣鉢Kを、第一のローラ群18と第二のローラ群20との上に載せて上昇させ、モータM1とモータM2とを駆動させ、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを互いに反対方向に回転させることにより、匣鉢Kを平面上に回転自在にさせることができる。
【0052】
なお、第一のローラ群18と第二のローラ群20とは、多数の搬送ローラ22が備えられた複数列の間に隙間を設けて備えられているため、多数の搬送ローラ22が備えられた複数列の間から、支障なく、昇降自在となっている。
【0053】
匣鉢Kの平面上の傾きを検知するための光電センサ群36は、搬送路の両側に一対ずつ設けられた、第一のセンサA、Aと、第二のセンサB、Bと、第三のセンサC、Cと、第四のセンサD、Dと、の四つのセンサからなる(
図3~5参照)。
【0054】
光電センサ群36の配置は、匣鉢Kの平面上の傾きを円滑に修正することができるように、予め設けられている。
なお、光電センサ群36の数、役割、及び配置等は、搬送物である匣鉢Kの形状や大きさ、合格とする傾きの修正基準範囲等によって異なり、多種多様である。
また、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するためのセンサは、光電センサに限定されない。
【0055】
第一のセンサA、Aは、匣鉢Kが異常な位置にあることを検知するためのものである。
第二のセンサB、Bは、匣鉢Kの平面上の傾きが修正されたことを検知するためのものである。
第三のセンサC、Cは、匣鉢Kが正常な位置にあることを検知するためのものである。
さらに、第三のセンサC、Cは、匣鉢Kの搬送を停止させる位置であることを検知するためのものでもある。
【0056】
第三のセンサC、Cが匣鉢Kを検知した場合は、平面上の傾き加減によって異なるが、多くの場合が、第一のローラ群18と第二のローラ群20との間に、匣鉢Kの重心がほぼ配置された状態となり、匣鉢Kの平面上の傾きが円滑に行われることとなる。
【0057】
第四のセンサD、Dは、匣鉢Kが第三のセンサC、Cに検知されるまで搬送されたとき、同時に第一のセンサA、Aも匣鉢Kを検知した場合に、搬送を更に進め、改めて匣鉢Kを検知するためのものである。
第四のセンサD、Dが匣鉢Kを検知すると、搬送が停止する。
【0058】
匣鉢Kが第三のセンサC、Cに検知されるまで搬送されたとき、同時に第一のセンサA、Aも匣鉢Kを検知した場合には、匣鉢Kの重心が、第一のローラ群18と第二のローラ群20との間に配置されていない。
【0059】
このため、第四のセンサD、Dが匣鉢Kを検知するまで搬送を更に進めて、停止させ、匣鉢Kの重心が第一のローラ群18と第二のローラ群20との間にほぼ配置されるようにする。
匣鉢Kの重心が、第一のローラ群18と第二のローラ群20との間にほぼ配置されることにより、匣鉢Kの平面上の傾きの修正が円滑に行われることとなる。
【0060】
傾き修正装置10には、更に、搬送路の一側に、搬送方向に対して垂直方向に、エアシリンダを用いたアクチュエータ33によるシリンダ制御によって内側に進退自在に備えられた、ストッパ34が設けられている。
【0061】
ストッパ34には、複数のアタッチメントが備えられている。
なお、アタッチメントの材質は、セラミックス、樹脂、金属など、どのようなものであっても良い。
ストッパ34の傍らには、匣鉢Kを検知するための光電センサ35が設けられている。
なお、ストッパ34は、エアシリンダを用いたアクチュエータ33によるシリンダ制御を用いず、搬送方向に対して垂直方向に向いて固定されただけのものとしても良い。
【0062】
ストッパ34は、匣鉢Kに押し付けることによって、念入りに平面上の傾きを再度修正するためのものである。
第一のローラ群18と第二のローラ群20とを同方向に回転させることによって、平面上の傾きが修正された匣鉢Kが、ストッパ34の手前まで搬送される。
そして、光電センサ35が匣鉢Kを検知した後、ストッパ34が作動し、匣鉢Kにストッパ34を押し付ける。
【0063】
ストッパ34によって、念入りに平面上の傾きが再度修正された匣鉢Kは、後の行程へと搬送される。
なお、傾き修正装置10は、ストッパ34を省略して、匣鉢Kの平面上の傾きを修正するものとしても良い。
【0064】
本発明のローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置10の実施例1の作用を説明する(
図1~6参照)。
光電センサ群36の働きに基づく傾き修正装置10の作用は、プログラムによって自動制御されるものである。
【0065】
平面上に傾いた一個の匣鉢Kが、切出し装置12から傾き修正装置10へと搬入される(
図3(a)参照)。
傾き修正装置10の搬送ローラ22の回転により、匣鉢Kが前方へと搬送される。
【0066】
搬送中の匣鉢Kが、第三のセンサC、Cによって検知される(
図3(b)参照)。
このとき、匣鉢Kは、同時に、第一のセンサA、A、及び第二のセンサB、Bによっても検知される。
【0067】
第一のセンサA、Aも匣鉢Kを検知しているため、第四のセンサD、Dによって検知されるまで、匣鉢Kの搬送が進められる。
匣鉢Kの重心が、第一のローラ群18と第二のローラ群20との間にほぼ配置されるようにするためである。
【0068】
なお、匣鉢Kが第三のセンサC、Cに検知されるまで搬送されたとき、同時に第一のセンサA、Aによっても匣鉢Kが検知されない場合は、匣鉢Kの重心が、第一のローラ群18と第二のローラ群20との間に、ほぼ配置されているため、搬送が停止する。
【0069】
搬送中の匣鉢Kが、第四のセンサD、Dによって検知された後、搬送が停止する(
図4(a)参照)。
このとき、匣鉢Kは、同時に、第二のセンサB、B、及び第三のセンサC、Cによっても検知される。
更にこのとき、匣鉢Kの重心が、第一のローラ群18と第二のローラ群20との間に、ほぼ配置されていることとなる。
【0070】
匣鉢Kの搬送が停止すると、昇降手段21が作動し、匣鉢Kを載せて、第一のローラ群18と第二のローラ群20とが上昇する。
そして、モータM1とモータM2とを駆動させ、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを互いに反対方向に回転させる(
図4(b)参照)。
すると、第一のローラ群18と第二のローラ群20との上に載った匣鉢Kが、平面上の一方向に回転する。
【0071】
匣鉢Kの平面上の一方向の回転は、第三のセンサC、Cが匣鉢Kを検知しつつ、第二のセンサB、Bが匣鉢Kを検知しなくなるまで行われる。
匣鉢Kが、第二のセンサB、Bによって検知されなくなると、匣鉢Kの平面上の傾きが修正されたこととなる。
そして、モータM1とモータM2との駆動が停止し、第一のローラ群18と第二のローラ群20との回転が停止する(
図5(a)参照)。
【0072】
そして、匣鉢Kをストッパ34に向けて搬送させるために、再びモータM1とモータM2とを駆動させ、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを、互いに同一方向に回転させる。
ストッパ34の傍らに設けられた光電センサ35が、第一のローラ群18と第二のローラ群20とによって搬送された匣鉢Kを検知すると、エアシリンダを用いたアクチュエータ33を作動させ、匣鉢Kにストッパ34を押し付ける(
図5(b)参照)。
【0073】
そして、モータM1とモータM2との駆動が停止し、第一のローラ群18と第二のローラ群20との回転が停止すると、昇降手段21が作動し、匣鉢Kを載せて、第一のローラ群18と第二のローラ群20とが下降する。
【0074】
ストッパ34によって押し付けられた匣鉢Kは、念入りに平面上の傾きが再度修正された後、搬送ローラ22の回転により、次の工程へと搬出される。
そして、新たな平面上に傾いた一個の匣鉢Kが、切出し装置12から傾き修正装置10へと、搬送ローラ22の回転によって搬送され、上記の作用が繰り返される。
【0075】
なお、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するためのセンサは、光電センサ群36ではなく、レーザ距離センサとしても良い。
例えば、光電センサ群36の代わりに、第一のレーザ距離センサGと、第二のレーザ距離センサHと、第三のレーザ距離センサIと、の三つのセンサを、匣鉢Kの重心が、第一のローラ群18と第二のローラ群20との間に、ほぼ配置された際に、匣鉢Kにレーザを当てることができる位置に、それぞれ設けた場合である(
図7参照)。
【0076】
第一のレーザ距離センサGと、第二のレーザ距離センサHと、第三のレーザ距離センサIとには、匣鉢Kの平面上の傾きが修正されたと判断できる距離を、予め設定しておく。
【0077】
なお、レーザ距離センサを二つではなく、三つ設けたのは、次の理由からである。
二つのレーザ距離センサのみを設けた場合、万一、匣鉢Kの平面上の傾きが、二つのレーザ距離センサが共に同じ距離を認識するおそれのある菱形の傾きの場合、傾いているのにもかかわらず、傾きの修正がされたとの誤った判断をしてしまうため、これを回避するためである。
【0078】
光電センサ群36の代わりに、第一のレーザ距離センサGと、第二のレーザ距離センサHと、第三のレーザ距離センサIとを設けた場合の傾き修正装置10の作用は、次のとおりである。
平面上に傾いた一個の匣鉢Kが、切出し装置12から傾き修正装置10へと搬入され、第一のレーザ距離センサGと、第二のレーザ距離センサHと、第三のレーザ距離センサIとが、匣鉢Kを検知すると、搬送ローラ22の回転が停止し、搬送が停止する。
【0079】
匣鉢Kの搬送が停止すると、昇降手段21が作動し、匣鉢Kを載せて、第一のローラ群18と第二のローラ群20とが上昇する。
そして、モータM1とモータM2とを駆動させ、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを互いに反対方向に回転させる。
すると、第一のローラ群18と第二のローラ群20との上に載った匣鉢Kが、平面上の一方向に回転する。
【0080】
匣鉢Kの平面上の一方向の回転は、第一のレーザ距離センサGと、第二のレーザ距離センサHと、第三のレーザ距離センサIとが、匣鉢Kの平面上の傾きが修正されたと判断できる距離を認識するまで行われる。
第一のレーザ距離センサGと、第二のレーザ距離センサHと、第三のレーザ距離センサIとが、匣鉢Kの平面上の傾きが修正されたと判断できる距離を認識すると、匣鉢Kの平面上の傾きが修正されたこととなる。
そして、モータM1とモータM2との駆動が停止し、第一のローラ群18と第二のローラ群20との回転が停止する。
【0081】
そして、匣鉢Kをストッパ34に向けて搬送させるために、再びモータM1とモータM2とを駆動させ、第一のローラ群18と第二のローラ群20とを互いに同一方向に回転させる。
第一のレーザ距離センサGと、第二のレーザ距離センサHと、第三のレーザ距離センサIとが、予め設定された匣鉢Kとの距離を認識すると、エアシリンダを用いたアクチュエータ33を作動させ、匣鉢Kにストッパ34を押し付ける。
【0082】
そして、モータM1とモータM2との駆動が停止し、第一のローラ群18と第二のローラ群20との回転が停止すると、昇降手段21が作動し、匣鉢Kを載せて、第一のローラ群18と第二のローラ群20とが下降する。
ストッパ34によって押し付けられた匣鉢Kは、念入りに平面上の傾きが再度修正された後、搬送ローラ22の回転により、次の工程へと搬出される。
【0083】
本発明のローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置10の実施の形態2を説明する(
図8参照)。
なお、傾き修正装置10の実施の形態1と共通する構成については、同じ符号を使用して説明する。
【0084】
傾き修正装置10の実施の形態2は、主に、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のスプロケット39とローラチェーンとを組み合わせた第一のローラチェーン部40と、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のスプロケット41とローラチェーンとを組み合わせた第二のローラチェーン部42と、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とを同時に昇降自在に設けた昇降手段21と、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するための光電センサ群36と、を有するものである。
なお、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とのローラチェーンは、公知のローラチェーンであり、種類は問わない。
【0085】
傾き修正装置10の実施の形態2は、傾き修正装置10の実施の形態1の第一のローラ群18と第二のローラ群20とを、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とに置き換えたものである。
第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とは、多数の搬送ローラ22が備えられた複数列の搬送ローラ群のうちの二列を挟んで、平行に設けられている。
【0086】
第一のローラチェーン部40は、昇降手段21の枠体30の一端に軸受けされたシャフト23を介して接続されたプレート43に軸受けされた多数のスプロケット39と、ローラチェーンと、を組み合わせたものである。
【0087】
多数のスプロケット39は、ローラチェーンを介して、昇降手段21の一側に設けられた減速機付きモータM1に接続されている。
このため、モータM1を駆動させることにより、多数のスプロケット39を回転させ、第一のローラチェーン部40を、搬送方向に対して垂直方向に回転自在とすることができる。
【0088】
第二のローラチェーン部42は、昇降手段21の枠体30の他端に軸受けされたシャフト25を介して接続されたプレート44に軸受けされた多数のスプロケット41と、ローラチェーンと、を組み合わせたものである。
【0089】
多数のスプロケット41は、ローラチェーンを介して、昇降手段21の一側に設けられた減速機付きモータM2に接続されている。
このため、モータM2を駆動させることにより、多数のスプロケット41を回転させ、第二のローラチェーン部42を、搬送方向に対して垂直方向に回転自在とすることができる。
【0090】
また、モータM1とモータM2との駆動は、独立して制御される。
このため、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とは、個別に又は同時に、搬送方向に対して垂直方向に、正逆に回転自在となる。
【0091】
したがって、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42との上に匣鉢Kを載せ、モータM1とモータM2とを駆動し、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とを互いに反対方向に回転させることにより、匣鉢Kを平面上の一方向に回転させることができる。
【0092】
また、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42との上に匣鉢Kを載せ、モータM1とモータM2とを駆動し、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とを一定の異なる速度で同方向に回転させることによっても、匣鉢Kを平面上の一方向に回転させることができる。
【0093】
なお、第一のローラチェーン部40と第二のローラチェーン部42とを同時に昇降自在に設けた昇降手段21や、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するための光電センサ群36などのその他の構成については、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。
また、傾き修正装置10の実施例2の作用についても、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0094】
本発明のローラ式コンベヤの搬送物の傾き修正装置10の実施の形態3を説明する(
図9参照)。
なお、傾き修正装置10の実施の形態1、2と共通する構成については、同じ符号を使用して説明する。
【0095】
傾き修正装置10の実施の形態3は、主に、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のプーリ45と平ベルトとを組み合わせた第一のベルト部46と、搬送方向に対して垂直方向に回転自在に設けられた多数のプーリ47と平ベルトとを組み合わせた第二のベルト部48と、第一のベルト部46と第二のベルト部48とを同時に昇降自在に設けた昇降手段21と、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するための光電センサ群36と、を有するものである。
なお、第一のベルト部46と第二のベルト部48の平ベルトは、Vベルト、丸ベルトなどとしても良く、種類は問わない。
【0096】
傾き修正装置10の実施の形態3は、傾き修正装置10の実施の形態1の第一のローラ群18と第二のローラ群20とを、第一のベルト部46と第二のベルト部48とに置き換えたものである。
第一のベルト部46と第二のベルト部48とは、多数の搬送ローラ22が備えられた複数列の搬送ローラ群のうちの二列を挟んで、平行に設けられている。
【0097】
第一のベルト部46は、昇降手段21の枠体30の一端に軸受けされたシャフト23を介して接続されたプレート43に軸受けされた多数のプーリ45と、平ベルトとを組み合わせたものである。
多数のプーリ45は、平ベルトを介して、昇降手段21の一側に設けられた減速機付きモータM1に接続されている。
このため、モータM1を駆動させることにより、多数のプーリ45を回転させ、第一のベルト部46を、搬送方向に対して垂直方向に回転自在とすることができる。
【0098】
第二のベルト部48は、昇降手段21の枠体30の他端に軸受けされたシャフト25を介して接続されたプレート44に軸受けされた多数のプーリ47と、平ベルトとを組み合わせたものである。
多数のプーリ47は、平ベルトを介して、昇降手段21の一側に設けられた減速機付きモータM2に接続されている。
このため、モータM2を駆動させることにより、多数のプーリ47を回転させ、第二のベルト部48を、搬送方向に対して垂直方向に回転自在とすることができる。
【0099】
また、モータM1とモータM2との駆動は、独立して制御される。
このため、第一のベルト部46と第二のベルト部48とは、個別に又は同時に、搬送方向に対して垂直方向に、正逆に回転自在となる。
【0100】
したがって、第一のベルト部46と第二のベルト部48との上に匣鉢Kを載せ、モータM1とモータM2とを駆動し、第一のベルト部46と第二のベルト部48とを互いに反対方向に回転させることにより、匣鉢Kを平面上の一方向に回転させることができる。
【0101】
また、第一のベルト部46と第二のベルト部48との上に匣鉢Kを載せ、モータM1とモータM2とを駆動し、第一のベルト部46と第二のベルト部48とを一定の異なる速度で同方向に回転させることによっても、匣鉢Kを平面上の一方向に回転させることができる。
【0102】
なお、第一のベルト部46と第二のベルト部48とを同時に昇降自在に設けた昇降手段21や、匣鉢Kの平面上の傾きを検知するための光電センサ群36などのその他の構成については、実施の形態1と同じであるため、説明を省略する。
また、傾き修正装置10の実施例3の作用についても、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0103】
10 傾き修正装置
11 ローラハースキルン
12 切出し装置
13 押圧板(切出し装置)
14 光電センサ(切出し装置)
15a 光電センサ(切出し用ストッパ)
15b 光電センサ(切出し用ストッパ)
15c 光電センサ(切出し用ストッパ)
15d 光電センサ(切出し用ストッパ)
15e 光電センサ(切出し用ストッパ)
16a 切出し用ストッパ
16b 切出し用ストッパ
16c 切出し用ストッパ
16d 切出し用ストッパ
17 ローラ(第一のローラ群)
18 第一のローラ群
19 ローラ(第二のローラ群)
20 第二のローラ群
21 昇降手段
22 搬送ローラ
23 シャフト(第一のローラ群)
24 仕切り材
25 シャフト(第二のローラ群)
26 スプロケット(第一のローラ群)
27 スプロケット(第二のローラ群)
28 ローラチェーン(第一のローラ群)
29 ローラチェーン(第二のローラ群)
30 枠体
31 エアシリンダを用いたアクチュエータ(昇降手段)
32 エアシリンダを用いたアクチュエータ(切出し装置)
33 エアシリンダを用いたアクチュエータ(ストッパ)
34 ストッパ
35 光電センサ(ストッパ)
36 光電センサ群
37 光電センサ(切出し装置)
38 エアシリンダを用いたアクチュエータ(切出し用ストッパ)
39 スプロケット(第一のローラチェーン部)
40 第一のローラチェーン部
41 スプロケット(第二のローラチェーン部)
42 第二のローラチェーン部
43 プレート(第一のローラチェーン部、第一のベルト部)
44 プレート(第二のローラチェーン部、第二のベルト部)
45 プーリ(第一のベルト部)
46 第一のベルト部
47 プーリ(第二のベルト部)
48 第二のベルト部
A 第一のセンサ
B 第二のセンサ
C 第三のセンサ
D 第四のセンサ
G 第一のレーザ距離センサ
H 第二のレーザ距離センサ
I 第三のレーザ距離センサ
K 匣鉢
M1 減速機付きモータ(第一のローラ群)
M2 減速機付きモータ(第二のローラ群)