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特開2024-154907無人飛行体、無人飛行体の制御システム及び無人飛行体の制御方法
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  • 特開-無人飛行体、無人飛行体の制御システム及び無人飛行体の制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154907
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】無人飛行体、無人飛行体の制御システム及び無人飛行体の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B64U 50/23 20230101AFI20241024BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20241024BHJP
   B64U 50/19 20230101ALI20241024BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20241024BHJP
   G05D 1/49 20240101ALI20241024BHJP
【FI】
B64U50/23
B64U10/13
B64U50/19
B64C13/18 Z
G05D1/08
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069125
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】717007295
【氏名又は名称】株式会社Liberaware
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池田 慶祐
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA06
5H301BB14
5H301CC04
5H301CC07
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL11
(57)【要約】
【課題】機体が上下反転姿勢で接地した状態となっても、正立姿勢に戻して再び飛行することが可能な無人飛行体、無人飛行体の制御システム及び無人飛行体の制御方法を提供する。
【解決手段】本開示の無人飛行体は、機体に設けられた複数の回転翼と、前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、無人飛行体。
【請求項2】
前記制御部は、前記機体の水平面に対する角度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項3】
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の角速度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項4】
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の所定の面又は点から前記機体の特定点までの距離が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項5】
前記制御部は、前記回転翼が逆方向の回転を開始してからの経過時間が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項6】
前記制御部は、前記逆方向に回転させる回転翼以外の回転翼の少なくとも一部を通常飛行時と同じ順方向に回転させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項7】
前記制御部は、前記逆方向に回転させる回転翼の回転速度を、前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、高速度から、高速度よりも低い中間速度となるように制御する、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項8】
前記複数の回転翼は、平面視で前記機体の周囲に配置される4以上の回転翼であり、
前記逆方向に回転させる回転翼は、前記機体の前側、後側、左側、右側の何れかに位置する複数の回転翼である、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項9】
前記制御部は、操縦装置から送信される操縦信号に基づいて、前記逆方向に回転させる回転翼を決定する、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項10】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御システムであって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、無人飛行体の制御システム。
【請求項11】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御方法であって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、無人飛行体の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人飛行体、無人飛行体の制御システム及び無人飛行体の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、設備点検などの様々な分野において、ドローン等の無人飛行体が活用されている。無人飛行体は、複数の回転翼を備え、浮上するための推力を得ている。例えば特許文献1には、回転翼の回転速度に差を付けることで、機体を旋回させる機体の制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-111181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような複数の回転翼を備える無人飛行体において、着陸に失敗したり、墜落したりして、上下反転姿勢(機体が引っくり返った状態)で接地してしまうと、再び飛行することができなかったり、落下場所によっては、機体を回収することができなくなったりする虞もある。
【0005】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、機体が上下反転姿勢で接地した状態となっても、正立姿勢に戻して再び飛行することが可能な無人飛行体、無人飛行体の制御システム及び無人飛行体の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、無人飛行体が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、機体が上下反転姿勢で接地した状態となっても、正立姿勢に戻して再び飛行することが可能な無人飛行体、無人飛行体の制御システム及び無人飛行体の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る無人飛行体を模式的に示す平面図である。
図2】同実施形態に係る無人飛行体の正面図である。
図3】同実施形態に係る無人飛行体の構成例を示す図である。
図4】同実施形態に係る無人飛行体の上下反転姿勢での正面図である。
図5】同実施形態に係る無人飛行体の上下反転姿勢から正立姿勢への起き上がり過程を示す図である。
図6】同実施形態に係る無人飛行体の制御の変形例を示す図である。
図7図5の状態から正立姿勢への起き上がり過程を示す図である。
図8】無人飛行体が正立姿勢となる際の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0010】
<概要>
図1は、本開示の一実施形態に係る無人飛行体(ドローン)の平面視での概要図である。本例の無人飛行体1(以下、単に「飛行体」とも称する)は、複数の回転翼により揚力や推力を得る回転翼機である。なお、本例の飛行体1は無人飛行体であるが、人が搭乗する有人飛行体に応用してもよい。
【0011】
飛行体1は、屋外、屋内を問わず、任意の空間を飛行可能である。特に、人が入ることが困難な狭小空間、閉鎖された空間、暗所、特殊なガスや高温の気体が充満する環境など、飛行体1が墜落した場合に、直接ユーザが飛行体1を回収困難な環境下で、本願発明は特に有効である。
【0012】
図1の平面図、及び図2の正面図に示すように、飛行体1は、本体部10(機体)に設けられた複数の回転翼20と、回転翼20(20A、20B、20C、20D)を制御する制御部(例えば、フライトコントローラー23)とを備える。
【0013】
本体部10は、後述する制御部、記憶部、通信部、センサ部、撮像部(カメラ)等を構成する電子部品等が設けられており、それらを支持するフレーム、電子部品を覆うカバー等を有する。飛行体1の重心は、平面視で本体部10の略中心に位置することが好ましいが、これに限られるものではない。
【0014】
図1に示すように、本例の回転翼20(20A、20B、20C、20D)は、平面視で本体部10の周囲の4カ所に配置されている。回転翼20の数は4つに限られず、3つ以下でも5つ以上でもよい。なお、回転翼20を構成する羽根(ブレード)の枚数は特に限定されず、任意の形状、任意の数の羽根を採用することができる。また、それぞれの回転翼は、軸方向に複数の羽根が設けられていてもよい。
【0015】
図2に示すように、回転翼20は、上下方向の中央側に位置することが好ましい。つまり、飛行体1が正立姿勢、及び上下反転姿勢である状態で、回転翼20のプロペラが地面に接触しない構造となっていることが好ましい。飛行体1は、回転翼20を上方から支持する上側フレーム10Aと、上側フレーム10Aよりも下方に位置する下側フレーム10Bとを有する。上側フレーム10Aと下側フレーム10Bの間に、制御部等を構成する電子部品等が設けられている。
【0016】
本例の飛行体1は、本体部10の左前側に位置する左前側回転翼20A、右前側に位置する右前側回転翼20B、左後側に位置する左後側回転翼20C、右後側に位置する右後側回転翼20Dを備えている。本例において、本体部10の周方向に隣接する2つ回転翼20は、飛行時において、互いに逆方向に回転するように構成されているが、同一方向に回転するようにしてもよい。
【0017】
本例では、通常飛行時において、左前側回転翼20A及び右後側回転翼20Dが平面視で時計回り(CW(Clockwise)方向)に回転するように構成されており、右前側回転翼20B及び左後側回転翼20Cが平面視で反時計回り(CCW(Counterclockwise)方向)に回転するように構成されている。そして、飛行体1が上下反転姿勢から起き上がり、正立姿勢に反転する際には、上記と逆方向に回転翼20を回転させる。なお、このような構成に限られず、それぞれ逆方向に回転する構成としてもよい。
【0018】
ここで、回転翼の外側(平面視で機体の中心から見て外側)には、本体部10(本例では下側フレーム10B)から延びて回転翼20を保護するプロペラガード11が設けられている。プロペラガード11は、下側フレーム10Bと一体であってもよいし、下側フレーム10Bに対して着脱可能であってもよい。また、それぞれの回転翼には、各回転翼の周囲を取り囲む筒状のプロペラダクトが設けられていてもよい。
【0019】
本例の回転翼20は、本体部10の中心から外側に延びる回転翼支持部(上側フレーム10A)により支持されている。また、回転翼20は、回転翼支持部の下側に保持されている。本例では、回転翼20を構成するプロペラの上方にモータが位置し、モータの上方に回転翼支持部が位置する。これにより、上下反転姿勢で接地しても、プロペラが地面に接触しない。なお、回転翼20は、本体部10によって下側から支持されていてもよい。また、本例の上側フレーム10Aは、回転翼20の上側に位置して回転翼20を保護する保護フレームの機能を有しているが、上側フレーム10Aとは別に保護フレームを回転翼20の上側、下側に設けてもよい。
【0020】
本例の飛行体1は、本体部10の下側に着脱可能に設けられたベース部30を備える。ベース部30は、機体の幅方向(左右方向)における中央に位置するが、これに限られない。ベース部30は、機体の前後方向の中央部に位置するが、これに限られない。
【0021】
ベース部30は、例えばバッテリパックであり、充電して繰返し使用可能なバッテリが内蔵されている。予め複数のバッテリパックを準備しておき充電しておくことで、飛行後において、充電済みのバッテリパックを付け替えてすぐに飛行することができる。バッテリは、回転翼や制御部等に電力を供給する。ベース部30と本体部10の結合部には、電源供給、または、信号通信用のコネクタ(接点)が設けられている。ベース部30の内部には、後述する記憶部、制御部等の少なくとも一部を構成する部品を有してもよい。
【0022】
本例の飛行体1は、着陸時には、ベース部30の下面側が接地する構造であるが、例えば飛行体の4隅(左前側、右前側、左右後側)に4本の脚部等を備えていてもよいし、前後方向に延びる左右一対の脚部を備えていてもよい。
【0023】
ここで、図3は、本実施形態に係る飛行体1のハードウェア構成例を示す図(平面図)である。図3に示すように、本実施形態に係る飛行体1は、推力を発生させるための回転翼20、モータ21、及びESC(Electric Speed Controller)22を有する。また、飛行体1は、本体部10において、制御部としてのフライトコントローラ23を備える。フライトコントローラ23は、例えば、中央演算処理装置(CPU)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルプロセッサなど、1つ以上のプロセッサ23bを有することができる。フライトコントローラ23は、メモリ23aを有しており、当該メモリ23aにアクセス可能である。メモリ23aは、1つ以上のステップを行うためにフライトコントローラ23が実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶している。フライトコントローラ23は、制御部の一例である。また、本例の飛行体1は、情報取得部としてのカメラ及び/又はセンサ24を備える。また、飛行体1は、送受信部25を備える。なお、図3に示す飛行体1の構成は一例であり、図3に示す本体部10とは異なる構成を有する回転翼機であっても、本発明の範疇に含まれうる。
【0024】
本体部10は、飛行体1を構成するフレーム等により形成される。本体部10を構成する素材は特に限定されず、例えば、炭素繊維樹脂、ガラス繊維樹脂、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄鋼、チタンその他の材料であり得る。回転翼20はモータ21に取り付けられる。回転翼20は、モータ21の回転により回転することで、飛行体1に揚力(推力)を発生させ、上下反転姿勢では、正立姿勢となるよう起き上がるための力を生じ得る。なお、回転翼20は、本実施形態においては、前後左右の4箇所に設けられているが、本発明はかかる例に限定されず、例えば回転翼20を機体の周囲の6箇所、7箇所、8箇所等に設けてもよい。飛行体1の構造、形状、装備およびサイズ等に応じて、回転翼20の数、サイズや構造は適宜変更されうる。
【0025】
メモリ23aは、たとえば、SDカードやランダムアクセスメモリ(RAM)などの分離可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。カメラ/センサ24から取得したデータは、メモリ23aに直接に伝達されかつ記憶されてもよい。たとえば、カメラで撮影した静止画・動画データが内蔵メモリ又は外部メモリに記録される。また、メモリ23aは、信号コネクタ13を介して接続される外部の情報処理装置から取得した情報、または操縦用端末26から送信される情報など、各種の情報を適宜記憶することができる。
【0026】
フライトコントローラ23は、飛行体1の状態を制御するように構成された制御モジュールを含んでいる。たとえば、制御モジュールは、6自由度(並進運動x、y及びz、並びに回転運動θx、θy及びθz)を有する飛行体1の空間的配置、速度、および/または加速度を調整するために、ESC22を経由して飛行体1の推進機構であるモータ21を制御する。モータ21により回転翼20が回転することで飛行体1の揚力や上下反転姿勢から起き上がるための推力等を生じさせる。フライトコントローラ23は、モータ21の回転方向、回転速度(回転数)を制御して、回転翼20が発生する力を調整し得る。回転数は、所定時間あたりの回転数をも意味する。
【0027】
フライトコントローラ23は、1つ以上の外部のデバイス(たとえば、操縦用端末26)からのデータを送信および/または受け取るように構成された送受信部25と通信可能である。送受信部25は、有線通信または無線通信などの任意の適当な通信手段を使用することができる。送受信部25は、たとえば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信などの任意の通信方式のうちの1つ以上を利用することができる。
【0028】
送受信部25は、センサ24で取得したデータ、フライトコントローラ23が生成した処理結果、所定の制御データ、端末または遠隔の制御器からのユーザコマンドなどのうちの1つ以上を送信および/または受け取ることができ、受け取った情報はメモリ23a等の記憶部に記憶することができる。カメラ、センサ24により得られた情報は、送受信部25を介して操縦用端末26や外部の装置等に出力されてもよい。
【0029】
操縦用端末26は、飛行体1の飛行及び起き上がり(フリップ動作)等の動作を指示(つまり、飛行体を操縦)するための装置である。ユーザは、操縦用端末26を操作して、起き上がること、及び、起き上がり方向を指示することができる。例えば、操縦用端末26における起き上がりを指示するボタン(タッチパネルの場合はアイコン画像)の入力操作を行うことで、起き上がりを指示する信号が飛行体1に送信される。また、操縦用端末26から、起き上がり方向を指示するために、前側、後側、左側、右側等の何れかの方向への方向入力操作(スティックを当該方向に倒す操作など)を行うことで、起き上がり方向を指示する信号が飛行体1に送信される。ユーザは、操縦用端末26を用いて、起き上がりを指示するボタンの操作と、起き上がり方向を指示する操作を行うことで、希望する方向に飛行体1を起き上がらせることができる。前方に起き上がる入力操作をした場合、後側の回転翼が逆回転して後側が浮上し、飛行体1は、機体の前方側に起き上がる。
【0030】
なお、飛行体1の飛行及び起き上がりは、地上等にいるオペレータの操縦により制御されてもよいし、飛行経路情報やセンシングによる自律的な飛行プログラム(例えば、GCS(Ground Control Station))に基づく自動操縦または手動操縦により制御されてもよい。操縦用端末26は、例えば、送受信機(プロポ)、スマートフォン、タブレット等の端末等であってもよい。操縦用端末26は、フライトコントローラ23に対して、飛行制御指示情報を送出しうる。
【0031】
本実施の形態に係るセンサ24は、飛行体1の3軸方向の傾き(少なくとも水平面に対する角度を含む)、角速度、速度、加速度等の各種情報を直接的に取得したり、それらを算出するためのデータを取得したりすることができる。センサ24は、例えば、慣性センサ(IMU(Inertial Measurement Sensor)等の慣性計測装置)、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、風センサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、高度センサ、LiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)等の近接センサ、またはカメラ以外のビジョン/イメージセンサ等を含み得る。また、センサ24は、フライトコントローラ23に搭載されるものであってもよいし、フライトコントローラ23の外部に設けられるものであってもよい。また、カメラが設けられる場合は、かかるカメラは、任意のカメラであってもよい。例えば、カメラは、一般的なカメラの他に、赤外線カメラ、ステレオカメラ等であってもよい。カメラは、例えば、自己位置推定に用いるためのカメラと、撮影対象を撮像するためのカメラとがそれぞれ設けられていてもよい。本例の飛行体1は、非飛行状態において、バッテリパックを本体部10から取り外し、充電することができる。また、飛行体1は複数のバッテリを備えていてもよいし、1つのみのバッテリを備えていてもよい。
【0032】
飛行体1は、空中で停止するホバリング時においては、基本的に4つの回転翼20を同一の回転速度で回転させる。なお、飛行環境に応じて回転翼20の回転速度はそれぞれ適宜制御される。例えば、飛行空間の温度、気圧、風速、風向き等の飛行環境の情報を各種センサで取得したり、外部装置から受信したりして、当該情報に基づいてフライトコントローラがそれぞれの回転翼20の回転速度を決定し、適切な飛行状態が維持される。
【0033】
飛行体1が上昇する際には、4つの回転翼20の回転速度を均等にホバリング時よりも大きく(速く)し、逆に降下する際には、回転速度を均等にホバリング時よりも小さく(遅く)する。飛行体1が前進する際には、前側の回転翼(左前側回転翼20Aと右前側回転翼20B)よりも後側の回転翼(左後側回転翼20Cと右後側回転翼20D)の回転速度を大きくし、後退する際には逆に小さくする。飛行体1が左側に進行する際には、左側の回転翼(左前側回転翼20Aと左後側回転翼20C)よりも右側の回転翼(右前側回転翼20Bと右後側回転翼20D)の回転速度を大きくし、右側に進行する際には逆に小さくする。なお、飛行体1は、ホバリング時の基準姿勢から、移動方向に傾いて移動する。
【0034】
飛行体1が左(反時計周り)に旋回する際には、時計回り(CW(Clockwise)方向)に回転する回転翼(本例では左前側回転翼20A及び右後側回転翼20D)の回転速度を、反時計回り(CCW(Counterclockwise)方向)に回転する回転翼(本例では右前側回転翼20B及び左後側回転翼20C)の回転速度よりも大きくし、右に旋回する際には逆に小さくする。これは、回転翼20の回転方向とは逆方向の旋回トルクが機体に生じることを利用している。
【0035】
図4は、例えば、操縦用端末26を用いるユーザの操作ミスや障害物への接触等により墜落した飛行体1が、上下反転姿勢で接地した状態を示している。制御部23は、機体が上下反転姿勢で接地している状態で、複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる。
【0036】
ユーザは、例えば操縦用端末26の起き上がりボタンを押圧(あるいは、入力画面のボタンアイコンを選択入力)すること等により、飛行体1の起き上がり(正立姿勢への反転動作)を指示する入力操作を行うことができ、これにより操縦用端末26から飛行体1に起き上がりを指示する信号が送信される。飛行体1の制御部は、受信した指示信号に基づいて回転翼20を制御し、起き上がり動作(フリップ動作)を実行する。
【0037】
図4の例では、飛行体1の一方側(図の右側:飛行体1にとっての左側)に障害物Aがあるため、障害物Aが存在しない他方側(図の左側:飛行体1にとっての右側)に向けて飛行体1を起き上がらせて反転させる。このため、制御部23は、右側の回転翼(右前側回転翼20Bと右後側回転翼20D)を通常とは逆方向に回転させて、地面Gに向けて下方に推力Pを発生させる。この場合、逆回転させる回転翼以外の回転翼(左前側回転翼20Aと左後側回転翼20C)は停止させてもよいし、通常方向に回転させてもよい。
【0038】
図5に示すように、右側の回転翼20の回転により生じる推力Pにより、飛行体1の右側が上昇する。図5の例では、逆回転させる回転翼と逆側の機体外端部であるプロペラガード11が支点となって、徐々に飛行体1が起き上がる。このとき、逆回転させる回転翼と逆側に位置する回転翼(左前側回転翼20Aと左後側回転翼20C)、つまり支点側の回転翼を通常飛行時と同様に回転させて推力P2を発生させることにより(図6参照)、支点が図5の左方向(逆回転させる回転翼とは逆の方向)に滑ることを抑制することができる。その結果、飛行体1の不要な移動を抑えて効率よく反転させることができる。なお、逆回転させる回転翼20は、1つのみでもよいし、複数でもよい。また、推力P2を発生させるために通常飛行時と同じ方向に回転させる回転翼20も、1つのみでもよいし、複数であってもよい。
【0039】
図7に示すように、制御部10は、機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、逆方向に回転する回転翼20の回転速度を低下させるか、又は、回転を停止させる。これにより、飛行体1が反転する際の勢いを適切に抑えることができる。例えば、飛行体1が正立姿勢に戻るまで逆方向に回転する回転翼20の回転速度を維持し続けた場合、図8に示すように、飛行体1が正立姿勢に戻る際に地面Gと強く接触して機体が損傷してしまう恐れがあるところ、本発明のように機体が正立姿勢に戻るまでの過程で少なくとも逆方向に回転する回転翼20の回転速度を低減すれば、飛行体1の反転の勢いを抑えることができ、損傷の可能性を低減することができる。すなわち、緩やかに反転させることができ、接地時に飛行体1の下面(ベース部30)に掛かる負荷を小さくすることができる。なお、制御部10は、機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、逆方向に回転する回転翼20の回転方向を変えて、通常飛行時の方向に回転させるようにしてもよい。
【0040】
上記の通り、本実施形態の無人飛行体は、機体に設けられた複数の回転翼と、回転翼の回転を制御する制御部と、を備え、制御部は、機体が上下反転姿勢で接地している状態で、複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させることを特徴としている。このような構成により、墜落時などに上下反転姿勢で接地した状態であっても、正立姿勢に戻して再び飛行することが可能となる。また、上下反転姿勢から正立姿勢に反転させる際の機体の損傷も防止することができる。
【0041】
また、本実施形態において、制御部は、機体の水平面に対する角度(例えば図5における角度θ)が所定条件を満たす場合に、逆方向に回転する回転翼の回転速度を低下させる、又は回転を停止させるようにしてもよい。飛行体1の角度θは、慣性センサ等の情報取得部から取得することができ、予め記憶部に記憶された閾値となる角度と比較して、角度θが閾値以上である場合に、逆方向に回転する回転翼の回転速度を低下させる、又は回転を停止させるようにしてもよい。閾値となる角度は、例えば90度としてもよいし、90度以上でも、90度以下でもよい。
【0042】
また、本実施形態において、制御部は、機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の角速度が所定条件を満たす場合に、逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させるようにしてもよい。この場合、飛行体1の角速度は、慣性センサ等の情報取得部から取得することができ、予め記憶部に記憶された閾値となる角速度と比較して、閾値以上である場合に、逆方向に回転する回転翼の回転速度を低下させる、又は回転を停止させるようにしてもよい。閾値となる角速度は、例えば360度/秒とすることができるが、これに限られず、それより大きい値でも小さい値でもよい。
【0043】
また、本実施形態において、制御部は、機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の地面、壁面などの所定の面又は点から機体の特定点までの距離が所定条件を満たす場合に、逆方向に回転する回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させるようにしてもよい。所定の面又は点から機体の特定点までの距離は、例えば、図5の長さdのように、飛行体1に設けたToFセンサ等の測距センサで測定した長さの情報に基づいて算出することができる。また、特定点とは、測距センサが設けられた位置とすることができるが、これに限られず、測距センサのデータを用いて所定の面又は点から機体の中心点までの距離を算出するようにしてもよい。この場合も、予め記憶部に記憶された閾値となる距離の数値と比較して、所定の面又は点から機体の特定点までの距離が閾値以上である場合に、逆方向に回転する回転翼の回転速度を低下させる、又は回転を停止させるようにしてもよい。所定の面又は点は、地面に限られず、側壁の壁面、障害物Aなど、測距センサで測定可能な任意の面又は点とすることができる。
【0044】
また、本実施形態において、制御部は、回転翼が逆方向の回転を開始してからの経過時間が所定条件を満たす場合に、逆方向に回転する回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させるようにしてもよい。この場合、飛行体1の制御部が有するクロック機能により、回転翼が逆方向の回転を開始してからの経過時間を測定し、予め記憶部に記憶された閾値となる経過時間の数値と比較して、閾値以上である場合に、逆方向に回転する回転翼の回転速度を低下させる、又は回転を停止させるようにしてもよい。例えば、回転翼が逆方向の回転を開始してから0.5秒後、1秒後、2秒後、等に、回転翼の回転速度を低下させる、又は回転を停止させるようにしてもよい。
【0045】
また、本実施形態において、制御部は、逆方向に回転させる回転翼以外の回転翼の少なくとも一部を通常飛行時と同じ順方向に回転させるようにしてもよい。これによれば、反転過程での支点の滑りを抑制することで効率的に反転させることができる。
【0046】
また、本実施形態において、制御部は、前記逆方向に回転させる回転翼の回転速度を、前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、高速度から、高速度よりも低い中間速度となるように制御するようにしてもよい。これによれば、逆回転のオン、オフ、という単純な切替えによらずに、推力Pの適度な変化(推移)を実現できる。
【0047】
また、本実施形態において、複数の回転翼は、平面視で前記機体の周囲に配置される4以上の回転翼であり、逆方向に回転させる回転翼は、機体の前側、後側、左側、右側の何れかに位置する複数の回転翼であるようにしてもよい。これによれば、飛行体1の前側、後側、左側、右側の4方向に飛行体1を反転させることができる。
【0048】
また、本実施形態において、制御部は、操縦装置から送信される操縦信号に基づいて、前記逆方向に回転させる回転翼を決定するようにしてもよい。例えば、飛行体を反転させる方向と、逆方向に回転させる1以上の回転翼とが関連付けられた複数の選択肢が予め記憶部に記憶されて、ユーザが反転させたい方向に応じて適切な回転翼を制御部が選択するようにしてもよい。すなわち、飛行体1を前側に反転させることをユーザが操縦用端末26から指示した場合には、後側の回転翼20が逆回転し、飛行体1を後側に反転させることをユーザが操縦用端末26から指示した場合には、前側の回転翼20が逆回転する、といったように、飛行体1は複数の方向(前後左右の4方向、斜めを含めた8方向など)に反転させることができることが好ましい。
【0049】
飛行体1の制御部は、上下反転姿勢であることを検知可能であることが好ましい。例えば、慣性センサ等のセンサデータ(飛行体の姿勢を示すデータ)、あるいは、カメラの画像データに基づいて、飛行体1が現在、上下反転姿勢であることを検知することができる。この場合、飛行体1の制御部は、上下反転姿勢であることを操縦用端末26
【0050】
また、制御部は、上下反転姿勢であることを検知した場合に、自動的に、フリップ機能(上下反転姿勢から正立姿勢に起き上がる機能)を実行するためのモード(フリップモード)に切り替わるようにしてもよい。このフリップモードにおいては、予め記憶された特定の回転翼20もしくはユーザの操縦用端末26からの入力情報に基づく特定の回転翼20が、通常飛行時とは逆方向に回転することとなる。
【0051】
飛行体1の制御部は、起き上がり動作の妨げとなり得る障害物をセンサやカメラ画像から検出して、ユーザに通知したり、障害物のある方向への起き上がり動作を制限したりするようにしてもよい。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0053】
なお、上記実施形態においては、かかる自律飛行制御を飛行体1のフライトコントローラ23により実行するものとして説明したが、本技術はかかる例に限定されない。すなわち、かかる自律飛行制御方法は、飛行体においてエッジで処理される例に限られず、他の自律飛行制御装置により遠隔で上述した補正処理がなされ、その処理結果を飛行体に送信し、かかる結果をもとに駆動部を制御するようなものであってもよい。つまり、かかる自律飛行制御方法を実行するハードウェアの主体は特に限定されず、上述した機能部は複数のハードウェアにより実行されるものであってもよい。
【0054】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0055】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、無人飛行体。
(項目2)
前記制御部は、前記機体の水平面に対する角度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、項目1に記載の無人飛行体。
(項目3)
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の角速度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、項目1に記載の無人飛行体。
(項目4)
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の所定の面又は点から前記機体の特定点まで距離が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、項目1に記載の無人飛行体。
(項目5)
前記制御部は、前記回転翼が逆方向の回転を開始してからの経過時間が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、項目1に記載の無人飛行体。
(項目6)
前記制御部は、前記逆方向に回転させる回転翼以外の回転翼の少なくとも一部を通常飛行時と同じ順方向に回転させる、項目1に記載の無人飛行体。
(項目7)
前記制御部は、前記逆方向に回転させる回転翼の回転速度を、前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、高速度から、高速度よりも低い中間速度となるように制御する、項目1に記載の無人飛行体。
(項目8)
前記複数の回転翼は、平面視で前記機体の周囲に配置される4以上の回転翼であり、
前記逆方向に回転させる回転翼は、前記機体の前側、後側、左側、右側の何れかに位置する複数の回転翼である、項目1に記載の無人飛行体。
(項目9)
前記制御部は、操縦装置から送信される操縦信号に基づいて、前記逆方向に回転させる回転翼を決定する、項目1に記載の無人飛行体。
(項目10)
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御システムであって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、無人飛行体の制御システム。
(項目11)
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御方法であって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、無人飛行体の制御方法。
【符号の説明】
【0056】
1 無人飛行体
10 本体部
20 回転翼
23 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させることにより、前記機体が正立姿勢に戻る際の、地面との接触による衝撃を緩和する、無人飛行体。
【請求項2】
前記制御部は、前記機体の水平面に対する角度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項3】
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の角速度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項4】
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の所定の面又は点から前記機体の特定点までの距離が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項5】
前記制御部は、前記回転翼が逆方向の回転を開始してからの経過時間が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項6】
前記制御部は、前記逆方向に回転させる回転翼以外の回転翼の少なくとも一部を通常飛行時と同じ順方向に回転させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項7】
前記制御部は、前記逆方向に回転させる回転翼の回転速度を、前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、高速度から、高速度よりも低い中間速度となるように制御する、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項8】
前記複数の回転翼は、平面視で前記機体の周囲に配置される4以上の回転翼であり、
前記逆方向に回転させる回転翼は、前記機体の前側、後側、左側、右側の何れかに位置する複数の回転翼である、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項9】
前記制御部は、操縦装置から送信される操縦信号に基づいて、前記逆方向に回転させる回転翼を決定する、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項10】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御システムであって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させることにより、前記機体が正立姿勢に戻る際の、地面との接触による衝撃を緩和する、無人飛行体の制御システム。
【請求項11】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御方法であって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させることにより、前記機体が正立姿勢に戻る際の、地面との接触による衝撃を緩和する、無人飛行体の制御方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで、前記逆方向に回転させる前記回転翼と逆側の機体外端部を支点として前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させることにより、前記機体が正立姿勢に戻る際の、地面との接触による衝撃を緩和する、無人飛行体。
【請求項2】
前記制御部は、前記機体の水平面に対する角度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項3】
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の角速度が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項4】
前記制御部は、前記機体が上下反転姿勢から正立姿勢に戻る際の所定の面又は点から前記機体の特定点までの距離が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項5】
前記制御部は、前記回転翼が前記逆方向の回転を開始してからの経過時間が所定条件を満たす場合に、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項6】
前記制御部は、前記逆方向に回転させる前記回転翼以外の回転翼の少なくとも一部を通常飛行時と同じ順方向に回転させる、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項7】
前記制御部は、前記逆方向に回転させる前記回転翼の回転速度を、前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、高速度から、高速度よりも低い中間速度となるように制御する、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項8】
前記複数の回転翼は、平面視で前記機体の周囲に配置される4以上の回転翼であり、
前記逆方向に回転させる前記回転翼は、前記機体の前側、後側、左側、右側の何れかに位置する複数の回転翼である、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項9】
前記制御部は、操縦装置から送信される操縦信号に基づいて、前記逆方向に回転させる前記回転翼を決定する、請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項10】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御システムであって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで、前記逆方向に回転させる前記回転翼と逆側の機体外端部を支点として前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させることにより、前記機体が正立姿勢に戻る際の、地面との接触による衝撃を緩和する、無人飛行体の制御システム。
【請求項11】
機体に設けられた複数の回転翼と、
前記回転翼の回転を制御する制御部と、を備える無人飛行体の制御方法であって、
前記制御部は、
前記機体が上下反転姿勢で接地している状態で、前記複数の回転翼のうちの一部のみを通常飛行時とは逆方向に回転させることで、前記逆方向に回転させる前記回転翼と逆側の機体外端部を支点として前記機体が正立姿勢となるよう起き上がらせるとともに、
前記機体が正立姿勢に戻るまでの過程で、前記逆方向に回転する前記回転翼の回転速度を低下させる又は回転を停止させることにより、前記機体が正立姿勢に戻る際の、地面との接触による衝撃を緩和する、無人飛行体の制御方法。