IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノーリツの特許一覧

<>
  • 特開-浴室システム 図1
  • 特開-浴室システム 図2
  • 特開-浴室システム 図3
  • 特開-浴室システム 図4
  • 特開-浴室システム 図5
  • 特開-浴室システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154911
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 4/00 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A47K4/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069131
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】市丸 秀仁
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132GA00
(57)【要約】
【課題】全体構成の複雑化やコスト上昇などを抑制しつつ、入浴者の健康管理およびリラックス感の付与を適切に図ることが可能な浴室システムを提供する。
【解決手段】浴槽10への入浴者の心電情報検知用のセンサ3と、このセンサ3の検知信号に基づき、入浴者の心拍数または心拍上昇率に関する情報を取得する制御部40と、浴槽10に設置される水中照明用の光源6と、を備えている、浴室システムSYであって、制御部40は、入浴者の心拍数または心拍上昇率に対応させて光源6による水中照明に変化を生じさせる制御を実行可能であり、センサ3および光源6は、共通の部材5A,5Bに組み付けられることにより単一の組立構造体とされたセンサ・光源モジュールMを構成している。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽への入浴者の心電情報検知用のセンサと、
このセンサの検知信号に基づき、前記入浴者の心拍数または心拍上昇率に関する情報を取得する制御部と、
前記浴槽に設置される水中照明用の光源と、
を備えている、浴室システムであって、
前記制御部は、前記入浴者の心拍数または心拍上昇率に対応させて前記光源による水中照明に変化を生じさせる制御を実行可能であり、
前記センサおよび前記光源は、共通の部材に組み付けられることにより単一の組立構造体とされたセンサ・光源モジュールを構成していることを特徴とする、浴室システム。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室システムであって、
前記センサ・光源モジュールは、
前記センサが内側に収容される筒状部を有する第1のケースと、
この第1のケースに取付けられ、かつ前記筒状部の周囲を覆う周壁部を有し、この周壁部と前記筒状部との相互間に、前記光源が配置される空間部を形成するとともに、前記光源からの光を外部に透過させる透光部を有する第2のケースと、
を備えており、
前記第1および第2のケースが、前記共通の部材に相当する、浴室システム。
【請求項3】
請求項1に記載の浴室システムであって、
前記入浴者の心拍数または心拍上昇率が高いほど、前記光源による水中照明が明るくなるように構成されている、浴室システム。
【請求項4】
請求項1に記載の浴室システムであって、
前記光源による水中照明が点滅し、かつその点滅周期は変更可能とされており、
前記前記入浴者の心拍数または心拍上昇率が高いほど、前記点滅周期は短くなるように構成されている、浴室システム。
【請求項5】
請求項1に記載の浴室システムであって、
前記光源による水中照明の色は変更可能とされており、
前記入浴者の心拍数または心拍上昇率が所定の閾値以上になったときには、前記水中照明の色は、前記入浴者に前記浴槽からの退浴を促すための所定の色になるように構成されている、浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室システムの具体例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載の浴室システムにおいては、入浴者の心電情報検知用のセンサが浴槽に設置されており、このセンサを利用して検出される入浴者の心拍数が、浴室に設置されているリモコンにリアルタイムで表示されるように構成されている。
このような構成によれば、入浴者はリモコンに表示された心拍数に基づき、入浴時における自己の健康管理を行なうことが可能である。また、心拍数が上昇すると、入浴者はこれを的確に察知できるため、入浴時の安心感を高める効果も得られる。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、未だ改善すべき余地がある。
【0004】
すなわち、入浴者が自己の心拍数を確認するには、リモコンに表示された心拍数の数値を目視する必要がある。ただし、心拍数の数値は、とくに面白みがあるものではない。したがって、入浴者により好ましいリラックス感を付与する観点からすると、未だ改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-265572号公報
【特許文献2】特許第2594217号公報
【特許文献3】特許第4117137号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、全体構成の複雑化やコスト上昇などを抑制しつつ、入浴者の健康管理およびリラックス感の付与を適切に図ることが可能な浴室システムを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明により提供される浴室システムは、浴槽への入浴者の心電情報検知用のセンサと、このセンサの検知信号に基づき、前記入浴者の心拍数または心拍上昇率に関する情報を取得する制御部と、前記浴槽に設置される水中照明用の光源と、を備えている、浴室システムであって、前記制御部は、前記入浴者の心拍数または心拍上昇率に対応させて前記光源による水中照明に変化を生じさせる制御を実行可能であり、前記センサおよび前記光源は、共通の部材に組み付けられることにより単一の組立構造体とされたセンサ・光源モジュールを構成していることを特徴としている。
なお、心拍上昇率とは、入浴時間の経過に伴って生じる入浴者の心拍数の上昇率である。上昇率の算定基準は、たとえば試験により予め求められていた数値、あるいは入浴者が健康である際の非入浴時の平均的な心拍数であるなど、適宜の値を用いることが可能である。また、心拍上昇率の具体的な算出方法も限定されない。
【0009】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、入浴者の心拍数または心拍上昇率がどのような状況にあるかを、浴槽に設置された光源による水中照明の変化により、入浴者に自然に、かつ確実に察知させることができ、入浴者の健康管理を的確に図る上で好ましいものとなる。前記従来技術とは異なり、リモコンに表示された心拍数の数値を目視し続ける必要をなくすことが可能である。
第2に、入浴者の心拍数または心拍上昇率に異常がない通常時においては、前記水中照明による視覚効果により、入浴者に安心感およびリラックス感を与えることも可能である。
第3に、センサおよび光源は、ともに共通の部材に組み付けられることにより単一の組立構造体とされたセンサ・光源モジュールを構成している。このため、センサおよび光源が、互いに分離したかたちで取り扱われる場合と比較すると、全体の小型化、簡素化、製造コストの低減化などを好適に図ることができる。それらセンサおよび光源(センサ・光源モジュール)を浴槽に設置した状態においては、それらセンサおよび光源が浴槽内に大きく嵩張った状態に突出したり、あるいは乱雑な見栄えになることを回避し、全体の体裁をよくすることも可能となる。また、浴槽への設置作業も容易にし、その設置作業コストも低くすることが可能である。
【0010】
本発明において、好ましくは、前記センサ・光源モジュールは、前記センサが内側に収容される筒状部を有する第1のケースと、この第1のケースに取付けられ、かつ前記筒状部の周囲を覆う周壁部を有し、この周壁部と前記筒状部との相互間に、前記光源が配置される空間部を形成するとともに、前記光源からの光を外部に透過させる透光部を有する第2のケースと、を備えており、前記第1および第2のケースが、前記共通の部材に相当する。
【0011】
このような構成によれば、センサ・光源モジュールの全体を、部品総数が少なく、簡素かつ合理的な構成とすることができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、前記入浴者の心拍数または心拍上昇率が高いほど、前記光源による水中照明が明るくなるように構成されている。
【0013】
このような構成によれば、水中照明の明るさの変化により、入浴者が心拍数または心拍上昇率の変化を的確に察知できることとなる。また、心拍数または心拍上昇率が正常であるときには、たとえば水中照明を程よい明るさとしておくことにより、入浴者にリラックス感を与えることが可能である。一方、心拍数または心拍上昇率が高くなったときには、水中照明をかなり明るくし、入浴者に注意、または警告を与えることが可能である。
【0014】
本発明において、好ましくは、前記光源による水中照明が点滅し、かつその点滅周期は変更可能とされており、前記前記入浴者の心拍数または心拍上昇率が高いほど、前記点滅周期は短くなるように構成されている。
【0015】
このような構成によれば、水中照明の点滅の周期により、入浴者が心拍数または心拍上昇率の変化を的確に察知できることとなる。また、心拍数または心拍上昇率が正常であるときには、たとえば水中照明の点滅の周期を長めにし、入浴者にリラックス感を与えることが可能である。一方、心拍数または心拍上昇率が高くなったときには、水中照明の点滅の周期を短くし、入浴者に注意、または警告を与えることが可能である。
【0016】
本発明において、好ましくは、前記光源による水中照明の色は変更可能とされており、前記入浴者の心拍数または心拍上昇率が所定の閾値以上になったときには、前記水中照明の色は、前記入浴者に前記浴槽からの退浴を促すための所定の色になるように構成されている。
【0017】
このような構成によれば、水中照明の色の変化により、入浴者が心拍数または心拍上昇率の変化を的確に察知できることとなる。また、心拍数または心拍上昇率が正常であるときには、たとえば水中照明の色を落ち着いた色にすることにより、入浴者にリラックス感を与えることが可能である。一方、心拍数または心拍上昇率が高くなり、所定の閾値以上になったときには、水中照明の色は浴槽の退浴を促すための所定の色となり、入浴者の保護、健康管理を図る上で一層好ましいものとなる。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る浴室システムの一例を示す概略説明図である。
図2図1に示す浴室システムの概略説明図である。
図3図2のIII部拡大断面図であり、センサ・光源モジュールの一例を示す断面図である。
図4】(a)~(d)は、図1および図2に示す浴室システムにおける水中照明の制御の例を示すグラフである。
図5】浴室システムにおける水中照明の制御の他の例を示すグラフである。
図6】(a),(b)は、浴室システムにおける水中照明の制御の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1および図2に示す浴室システムSYは、複数(たとえば3つ)のセンサ・光源モジュールM、電力供給制御ユニット4、および給湯装置WHを備えている。
【0022】
センサ・光源モジュールMは、後述するセンサ3および光源6が、共通の部材に組み付けられることにより単一の組立構造体とされたものであり、浴槽10の壁部11に取付けられている。このセンサ・光源モジュールMは、入浴者の心拍数などの心電情報の検知機能、および浴槽10内における水中照明機能を有している。
【0023】
図3を参照し、センサ・光源モジュールMの構成を、以下に詳述する。
センサ・光源モジュールMは、第1および第2のケース5A,5B、心電情報検知用のセンサ3、および回路基板60に搭載された複数の光源6を備えている。第1および第2のケース5A,5Bは、本発明でいう「共通の部材」の一例に相当する。
【0024】
第1のケース5Aは、筒状部50、その前部(図3の右側部分)に連設された中空円板状のフランジ部51を有しており、たとえば樹脂製である。筒状部50内には、センサ3が収容されている。
センサ3は、本実施形態においては、浴槽10への入浴者の心電信号を検出するための電極であり、複数のセンサ・光源モジュールMは、入浴者を三方から囲む配置に設定されている。
図3においては、筒状部50内への水の進入がフランジ部51の前面部に取付けられたカバー体52によって防止されている。このカバー体52は、センサ3(電極)による前記心電信号の検出を妨げないものとして構成されている。ただし、このような構成に代えて、たとえばカバー体52を省略し、センサ3の一部を第1のケース5Aの外部に露出させた構成とすることもできる。この場合、筒状部50内への水の進入を防止するための防水シールは、別途追加で設けられる。
【0025】
第2のケース5Bは、第1のケース5Aに取付けられており、かつ筒状部50の周囲を覆う周壁部53を有している。この周壁部53と筒状部50との相互間には、外部からの水の進入が困難とされた空間部54が形成されており、この空間部54に、複数の光源6が搭載された回路基板60が収容されている。回路基板60は、筒状部50との干渉を回避するための手段として、たとえば筒状部50が挿通する孔部61が略中央部に設けられたものである。複数の光源6は、たとえばLED光源であって、発光輝度、発光周期、および発光色のうち、いずれか、好ましくは全てを変更可能なものである。周壁部53は、透光性を有しており、複数の光源6から発せられた光は周壁部53を透過して浴槽10の湯水中に進行する。このことにより、浴槽10内においての水中照明が図られる。周壁部53は、本発明の「透光部」の具体例に相当する。
【0026】
第1のケース5Aの筒状部50は、浴槽10の壁部11に設けられた孔部11aに差し込まれている。また、筒状部50にはネジ部50a設けられて、ナット部材55が螺合されており、このナット部材55と第2のケース5Bとの相互間に壁部11が挟まれている。このことにより、壁部11に対するセンサ・光源モジュールMの取付けが図られている。図3中の符号56は、シール用パッキンを示している。
【0027】
電力供給制御ユニット4は、制御部40、および電源回路41を備えており、たとえば浴室1の天井壁上などに設置され、配線Lを介してセンサ・光源モジュールMと電気的に接続されている。配線Lとしては、図3に示すように、センサ3および回路基板60に接続された配線L(La,Lb)がある。センサ3による検知信号(入浴者の心電信号)は、配線Laを介して制御部40に入力する。光源6の点灯駆動に必要な電力は、配線Lbを介して電源回路41から供給可能である。
【0028】
制御部40は、給湯装置WHの後述する制御部7と同様に、マイクロコンピュータを用いて構成されており、センサ・光源モジュールM(のセンサ3)からの検知信号に基づき、入浴者の心拍数を判断可能である。この心拍数は、単位時間(たとえば1分)当たりの心拍数である。また、制御部40は、そのような心拍数に対応させて光源6による水中照明を変化させる制御をも実行する。ただし、その詳細については後述する。
なお、水中照明を変化させる制御は、制御部40のみによって実行させることも可能であるが、これに代えて、または加えて、給湯装置WHの制御部7(制御部40と配線Lcを介して接続)をも利用して実行させることもできる。
【0029】
給湯装置WHは、たとえば瞬間式ガス給湯装置であり、制御部7、およびこの制御部7によって制御される給湯動作部78を備えている。給湯動作部78は、配管部80を介しての浴槽10への湯張り機能、風呂追い焚き機能、一般給湯機能などを有している。給湯装置WHには、浴室1に設置されるリモコン7Aが付属して設けられている。このリモコン7Aは、データを表示する表示部73や、各種の操作スイッチ72を備えている。このリモコン7Aの操作により、センサ・光源モジュールMを利用した入浴者の心電情報の処理動作および水中照明のオン・オフを任意に切替え設定可能とされている。また、リモコン7Aの表示部73には、制御部40,7の制御により、入浴者の心拍数を表示可能とされている。
【0030】
次に、前記した浴室システムSYにおける動作制御の具体例、および作用について説明する。
【0031】
電力供給制御ユニット4の制御部40においては、センサ・光源モジュールMを利用して入浴者の心拍数が判断された上で、その心拍数に対応させて光源6による水中照明を変化させる制御が実行される。
ここで、水中照明の変化の例としては、たとえば図4図6に示すような例があり、以
下、これらについて説明する。
【0032】
図4(a)は、水中照明の明るさが変化する例である。この場合、光源6は、制御部40の制御により、その発光輝度が変更可能とされている。
同図においては、心拍数が正常範囲にあり、所定の閾値未満であるときには、水中照明は、入浴者をリラックスさせるのに好ましい明るさとされる。一方、心拍数が前記閾値以上になると、水中照明の明るさは、急増する。このような明るさの急増により、入浴者は心拍数が閾値以上の高い数値になったことを的確に察知することができる。
【0033】
なお、図4(a)に代えて、同図(b)~(d)に示すような制御としてもよい。
図4(b)においては、入浴者の心拍数がやや高く、所定の閾値に近い範囲Saになると、水中照明がやや高くなる。このような制御によれば、心拍数が閾値に到達する前に、水中照明の明るさが少し増すため、この明るさの変化が、入浴者への注意換気となる。
図4(c)においては、心拍数が閾値未満の正常範囲にある場合において、水中照明の明るさを、心拍数に細かく対応させて無段階で変化させている。図4(d)においては、水中照明の明るさを、段階的に変化させている。このような制御によれば、心拍数が正常範囲である場合であっても、入浴者は水中照明の明るさの度合いによって心拍数が概略的にどの程度であるかを察知することが可能となる。
【0034】
図5は、水中照明の点滅周期が変化する例である。この場合、光源6は、制御部40の制御によって点滅駆動可能とされ、かつその点滅周期も変更可能とされている。
同図においては、心拍数が正常範囲にあり、所定の閾値未満であるときには、水中照明は、入浴者をリラックスさせるのに好ましいゆっくりとした長周期(点灯時間が長い)で点滅される。これに対し、心拍数が前記閾値以上になると、水中照明の点滅周期は、短周期(点灯時間および点滅時間の双方が短時間)となる。このことにより、入浴者は、心拍数が閾値以上の高い数値になったことを的確に察知することができる。
なお、心拍数に応じて水中照明の点滅周期を変化させる場合においても、図4(b)~(d)に示したのと同様な変化の仕方をさせることが可能である。
【0035】
図6は、水中照明の色が変化する例である。光源6は、たとえばR,G,Bの3色光源の組合せとされており、それら各色の発光輝度の増減により光源6の発光色は変化する。制御部40の制御により、光源6による水中照明の色を変化させることが可能とされている。
図6においては、入浴者の心拍数が正常範囲にあるときには、水中照明が落ち着いた色である、たとえば緑色系とされる。ただし、心拍数が所定の閾値に近付くと、たとえば黄色またはそれに近くなり、所定の閾値以上になると、警告色である赤色となる。このことにより、入浴者は心拍数が閾値以上になったことを直ちに察知することとなり、浴槽10からの退浴を促すことが可能である。
水中照明の色は、前記した例に限定されず、他の色を用いることができることは勿論である。
【0036】
図4図6においては、水中照明の明るさ、点滅周期、および色の計3つのパラメータをそれぞれ単独で変化させている。ただし、浴室システムSYにおいては、そのような構成に代えて、たとえばそれら3つのパラメータの全部を変化させ、またはいずれか2つのパラメータを組み合わせて変化させるように制御してもよい。
【0037】
本実施形態の浴室システムSYにおいては、センサ3および光源6が、単一の組立構造体とされたセンサ・光源モジュールMを構成している。このため、センサ3および光源6が互いに分離したかたちで取り扱われている場合と比較すると、全体の小型化や簡素化を図ることができる。浴槽10への設置状態の見栄えをよくし、また設置作業の容易化を図
ることも可能である。
【0038】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る浴室システムの各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0039】
上述の実施形態においては、入浴者の心電情報(心拍数)を検知するためのセンサとして、電極を用いているが、センサの種類はこれに限定されず、他の様々なセンサを用いることが可能である。
また、上述の実施形態においては、入浴者の心拍数に対応させて水中照明を変化させているが、本発明はこれに限定されない。入浴者の心拍数に代えて、心拍上昇率を求め、この心拍上昇率に対応させて水中照明を変化させてよい。心拍上昇率の定義については、先の「課題を解決するための手段」の欄において既に述べたとおりである。
入浴者の心拍数または心拍上昇率に対応させて水中照明を変化させる場合、図4図6に示した例とは異なる態様で変化させてもよい。
センサ・光源モジュールは、センサおよび光源が、共通の部材に組み付けられることにより単一の組立構造体とされた構成であればよく、たとえば1つの共通のケース内にセンサおよび光源を収容させた構成とすることもできる。また、「共通の部材」としては、ケース以外の部材を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
SY 浴室システム
A 浴室洗浄装置
M センサ・光源モジュール
10 浴槽
3 心電情報検知用のセンサ
40 制御部
5A,5B 第1および第2のケース(共通の部材)
6 光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6