(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154914
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】点灯制御装置、報知装置、及び点灯制御方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20241024BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20241024BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20241024BHJP
H05B 45/50 20220101ALI20241024BHJP
H05B 47/20 20200101ALI20241024BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20241024BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B45/20
H05B47/16
H05B45/50
H05B47/20
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069134
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 繁年
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA07
3K273QA37
3K273SA20
3K273SA37
3K273SA57
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA26
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA40
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】無人搬送車Vの検知だけでなく、表示灯3の故障を簡素な構成で作業者Mに知らせる点灯制御装置5、報知装置1及び点灯制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】発光色の異なる3つの発光素子34を有するとともに、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を点灯によって報知する表示灯3の点灯動作を制御する点灯制御装置5であって、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知する接近検知センサー2と、接近検知センサー2が第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知している場合、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gを発光させる発光手段(制御部4)と、接近検知センサー2が第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知していない場合、3つ全ての発光素子34を発光させる常時発光手段(制御部4)とが備えられたことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光色の異なるN個の発光素子を有するとともに、検知対象の検知を点灯によって報知する点灯部の点灯動作を制御する点灯制御装置であって、
前記検知対象を検知する検知手段と、
該検知手段が前記検知対象を検知している場合、N個の前記発光素子のうち、M個の前記発光素子を発光させる発光手段と、
前記検知手段が前記検知対象を検知していない場合、N個全ての前記発光素子を発光させる常時発光手段とが備えられた
点灯制御装置。
【請求項2】
前記発光手段によってM個の前記発光素子を発光させた状態において、N-M個の前記発光素子を所定時間間隔で繰り返し発光させる割込手段が備えられた
請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項3】
前記割込手段は、
前記所定時間間隔の半分以下の時間でN-M個の前記発光素子を繰り返し発光させる構成である
請求項2に記載の点灯制御装置。
【請求項4】
N個の前記発光素子を、赤色に発光する赤色発光素子、緑色に発光する緑色発光素子及び青色に発光する青色発光素子として、
前記発光手段は、
前記検知手段が前記検知対象を検知している場合、前記点灯部における前記赤色発光素子及び前記緑色発光素子の両方、または前記赤色発光素子を発光させる構成である
請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項5】
発光色の異なるN個の発光素子を有する点灯部と、
請求項1から請求項4のいずれかに1つに記載の点灯制御装置とが備えられ、
検知対象の検知を点灯部の点灯によって報知する
報知装置。
【請求項6】
発光色の異なるN個の発光素子を有するとともに、検知対象の検知を点灯によって報知する点灯部の点灯動作を制御する点灯制御方法であって、
検知手段が前記検知対象を検知する検知工程と、
前記検知手段が前記検知対象を検知している場合、発光手段が、N個の前記発光素子のうち、M個の前記発光素子を発光させる発光工程と、
前記検知手段が前記検知対象を検知していない場合、常時発光手段がN個全ての前記発光素子を発光させる常時発光工程とを行う
点灯制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば無人搬送車の接近や通過、あるいは立ち入りが制限された区域への人の接近を点灯によって報知する点灯部の点灯動作を制御するような点灯制御装置、報知装置及び点灯制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生産現場などでは、無人搬送車のように移動を伴う装置、あるいはロボットのように所定範囲内で動作する装置などが稼働している。このため、生産現場では、作業者と無人搬送車との接触、あるいは作業者とロボットとの接触を防止して、作業者の安全を確保する必要がある。
【0003】
例えば特許文献1には、ロボットの周囲に設定された監視領域に検知対象である人が侵入したことを検知すると、ロボットを支持する設置台に設けた点灯部を管理領域への侵入を示す点灯色で点灯させることで、監視領域への侵入を人に報知する装置が記載されている。
【0004】
ところで、このような点灯部は、発光色の異なる複数の発光素子が同時に発光することで所望される点灯色に点灯するため、複数の発光素子の1つに不具合が生じて発光しない場合、所望される点灯色とは異なる色に点灯して正しく報知できないという問題がある。このため、点灯によって人に報知する装置では、点灯部の故障を人に報知する手段が必要であった。
【0005】
例えば特許文献2には、発光素子の通電を制御する手段による通電の制御状況と、発光素子の端子電圧に応じて変化する診断電圧とに基づいて発光素子の故障を検知するとともに、例えば音などで点灯部の故障を報知する装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献2では、発光素子の故障を検知する回路構成が必要となるだけでなく、発光素子の故障を報知する手段を別途設ける必要があるため、簡素化し難いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016-137544号公報
【特許文献2】特開2021-45820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑み、検知対象の検知だけでなく、点灯部の故障を簡素な構成で作業者などの人に知らせる点灯制御装置、報知装置及び点灯制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、発光色の異なるN個の発光素子を有するとともに、検知対象の検知を点灯によって報知する点灯部の点灯動作を制御する点灯制御装置であって、前記検知対象を検知する検知手段と、該検知手段が前記検知対象を検知している場合、N個の前記発光素子のうち、M個の前記発光素子を発光させる発光手段と、前記検知手段が前記検知対象を検知していない場合、N個全ての前記発光素子を発光させる常時発光手段とが備えられたことを特徴とする。
【0010】
またこの発明は、発光色の異なるN個の発光素子を有する点灯部と、上述の点灯制御装置とが備えられ、検知対象の検知を点灯部の点灯によって報知する報知装置であることを特徴とする。
【0011】
またこの発明は、発光色の異なるN個の発光素子を有するとともに、検知対象の検知を点灯によって報知する点灯部の点灯動作を制御する点灯制御方法であって、検知手段が前記検知対象を検知する検知工程と、前記検知手段が前記検知対象を検知している場合、発光手段が、N個の前記発光素子のうち、M個の前記発光素子を発光させる発光工程と、前記検知手段が前記検知対象を検知していない場合、常時発光手段がN個全ての前記発光素子を発光させる常時発光工程とを行うことを特徴とする。
【0012】
上記検知対象とは、作業者などの人、無人搬送車やロボットのような産業用機械、点灯部、あるいは点灯制御装置の回路や検知手段などのことをいう。
上記検知対象の検知とは、人や産業用機械の接近または通過を検知する、産業用機械の回転動作や伸縮動作を検知する、人の侵入を検知する、点灯部の回路や動作の異常を検知する、あるいは点灯制御装置の回路や検知手段などの異常を検知することをいう。
【0013】
この発明によれば、検知対象を検知している場合、M個の発光素子を発光させる発光手段により、M個の発光素子の発光による点灯色で点灯部を点灯させることができる。このため、検知手段が検知対象を検知している場合、点灯部は、検知対象の検知を示す点灯色で点灯することになる。
【0014】
一方で、検知手段が検知対象を検知していない場合、N個全ての発光素子を発光させる常時発光手段により、点灯制御装置は、N個全ての発光素子の発光による点灯色で点灯部を点灯させた状態で、検知対象の検知を待機することになる。
【0015】
この際、N個全ての発光素子の発光に不具合がなく、N個全ての発光素子が正常に発光する場合、検知対象の検知を示す点灯色、及びN個全ての発光素子の発光による点灯色がそれぞれ所望される色となる。
【0016】
一方、発光素子自体に故障が生じる、あるいは発光素子を実装した基板や回路に故障が生じるなどして、N個の発光素子のうち少なくとも1つの発光に不具合が発生した場合、少なくともN個全ての発光素子の発光による点灯色が、所望される点灯色とは異なる色となる。
【0017】
例えば発光手段によって発光するM個の発光素子のうち1つの発光に不具合がある場合、検知対象の検知を示す点灯色及びN個全ての発光素子の発光による点灯色が、それぞれ所望される色とは異なる色となる。
【0018】
あるいは、N-M個の発光素子のうち1つの発光に不具合がある場合、検知対象の検知を示す点灯色が所望される色となるが、N個全ての発光素子の発光による点灯色が所望される色とは異なる色となる。
【0019】
このため、常時発光手段によってN個全ての発光素子を発光させることで、点灯制御装置は、N個全ての発光素子の発光に不具合がない場合の点灯色を、検知対象を検知していない間に作業者などの人に知らせることができる。
【0020】
そして、N個の発光素子のうち少なくとも1つの発光に不具合が生じた際、点灯制御装置は、例えば点灯部の点灯状態を画像で識別する画像識別手段や故障を報知する報知手段を用いることなく、発光素子における発光の不具合を点灯部によって報知させて、点灯部の故障を作業者などの人に早期に知らせることができる。
【0021】
これにより、作業者などの人は、点灯部の故障を点灯部の点灯色によって知ることができるとともに、点灯部の点灯色が検知対象の検知に対応した正常な点灯色であると知ることができる。
【0022】
よって、点灯制御装置、報知装置及び点灯制御装置を用いた点灯制御方法は、検知手段が前記検知対象を検知していない場合、N個全ての発光素子を発光させる常時発光手段により、検知対象の検知だけでなく、点灯部の故障を簡素な構成で作業者などの人に知らせることができる。
【0023】
この発明の態様として、前記発光手段によってM個の前記発光素子を発光させた状態において、N-M個の前記発光素子を所定時間間隔で繰り返し発光させる割込手段が備えられてもよい。
この構成によれば、M個の発光素子の発光による点灯色で点灯した状態に、N個全ての発光素子の発光による点灯色での点灯を繰り返し割り込ませることができる。
【0024】
つまり、点灯制御装置は、検知対象を検知している場合、検知対象の検知を示す点灯色での点灯と、N個全ての発光素子の発光による点灯色での点灯とを点灯部に交互に行わせることができる。
この際、N-M個の発光素子のうち少なくとも1つの発光に不具合があれば、少なくともN個全ての発光素子の発光による点灯色が、所望される点灯色とは異なる色となる。
【0025】
これにより、点灯制御装置は、検知対象を検知している場合も繰り返し点灯色が変わるため、N個全ての発光素子の発光による点灯色の識別性を向上して、発光素子における発光の不具合を点灯部によって報知させることができる。
【0026】
このため、作業者などの人は、検知対象の検知を示す点灯色での点灯に気が付いた際、点灯部の故障を点灯部の点灯色によって知ることができるとともに、点灯部の点灯色が検知対象の検知に対応した正常な点灯色か異常な点灯色であるかを知ることができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記割込手段は、前記所定時間間隔の半分以下の時間でN-M個の前記発光素子を繰り返し発光させる構成であってもよい。
この構成によれば、N個全ての発光素子の発光による点灯色の点灯時間長さを、検知対象の検知を示す点灯色の点灯時間長さよりも短くすることができる。
【0028】
これにより、点灯制御装置は、検知対象の検知による点灯部の点灯と、N個全ての発光素子の発光による点灯部の点灯とを、作業者などの人に容易に区別させることができる。このため、点灯制御装置は、検知対象の検知だけでなく、点灯部の故障を作業者などの人に確実に知らせることができる。
【0029】
そして、作業者などの人は、検知対象の検知を示す点灯色での点灯に気が付いた際、点灯部の故障を点灯部の点灯色によってより確実に知ることができるとともに、点灯部の点灯色が検知対象の検知に対応した正常な点灯色か異常な点灯色であるかをより確実に知ることができる。
【0030】
またこの発明の態様として、N個の前記発光素子を、赤色に発光する赤色発光素子、緑色に発光する緑色発光素子及び青色に発光する青色発光素子として、前記発光手段は、前記検知手段が前記検知対象を検知している場合、前記点灯部における前記赤色発光素子及び前記緑色発光素子の両方、または前記赤色発光素子を発光させる構成であってもよい。
【0031】
この構成によれば、全ての発光素子の発光に不具合が生じていない場合、発光手段が点灯部を黄色または赤色の警告色で点灯させ、全ての発光素子を発光させる常時発光手段が点灯部を白色の点灯色で点灯させることができる。
【0032】
このため、全ての発光素子の発光に不具合が生じていない場合、点灯制御装置は、検知対象の検知を示す点灯色を、全ての発光素子を発光させる常時発光手段による点灯色よりも目立たせることができる。
【0033】
加えて、発光手段が赤色発光素子及び緑色発光素子を発光させる場合、青色発光素子の発光に不具合が生じていると、全ての発光素子を発光させる常時発光手段による点灯色が所望される白色ではなく、発光手段による点灯色と同じ黄色となる。
この場合であっても、点灯制御装置は、点灯部の点灯色が変化しないことで、点灯部の故障を点灯部に報知させることができる。
【0034】
よって、点灯制御装置は、発光手段による点灯色を目立たせて検知対象の検知を作業者などの人に知らせるだけでなく、例えば点灯部の点灯状態を画像で識別する画像識別手段や故障を報知する報知手段を用いることなく、点灯部の故障を作業者などの人に確実に知らせることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明により、検知対象の検知だけでなく、点灯部の故障を簡素な構成で作業者などの人に知らせる点灯制御装置、報知装置及び点灯制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図3】表示灯の概略を正面視で説明する概略説明図。
【
図4】報知装置における処理動作を示すフローチャート。
【
図6】第1接近報知処理における処理動作を示すフローチャート。
【
図7】第2接近報知処理における処理動作を示すフローチャート。
【
図8】発光素子の発光に不具合がある場合の表示灯の点灯状態を説明する説明図。
【
図9】実施例2に報知装置の概略を説明する概略説明図。
【
図10】実施例2における報知装置の内部構成を示すブロック図。
【
図11】報知装置における処理動作を示すフローチャート。
【
図12】第1接近報知処理における処理動作を示すフローチャート。
【
図13】第2接近報知処理における処理動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例0038】
実施例1の報知装置1は、無人搬送車Vに搭載され、走行する無人搬送車Vへの接近を点灯によって作業者Mに報知する装置である。このような報知装置1について、
図1から
図3を用いて説明する。
なお、
図1は報知装置1の概略を説明する概略説明図を示し、
図2は報知装置1のブロック図を示し、
図3は表示灯3の概略を正面視で説明する概略説明図を示している。
【0039】
まず、報知装置1が搭載された無人搬送車Vは、
図1に示すように、搬送物を自動的に搬送する車両であって、走行通路Xを予め設定された経路で走行するよう構成されている。
【0040】
そして、報知装置1は、無人搬送車Vの進行方向Xa側における所定範囲内に侵入した作業者Mを検知して、無人搬送車Vと作業者Mとの距離に応じた点灯色で作業者Mの接近を報知可能に構成されている。
【0041】
この報知装置1は、
図2に示すように、無人搬送車Vへの作業者Mの接近を検知する少なくとも1つの接近検知センサー2と、無人搬送車Vへの接近を点灯によって作業者Mに報知するための表示灯3と、これらの動作を制御する制御部4とを備えている。
【0042】
そして、少なくとも1つの接近検知センサー2と制御部4とは、
図2に示すように、表示灯3の点灯動作を制御する点灯制御装置5を構成している。
【0043】
詳述すると、接近検知センサー2は、
図2に示すように、制御部4に電気的に接続されたセンサーであって、例えば超音波センサーなどで構成されている。
この接近検知センサー2は、
図1に示すように、無人搬送車Vの進行方向Xa側において平面視扇状に広がる検知範囲Eへの作業者Mの侵入を検知する機能と、検知範囲Eへの侵入を検知したことを示す信号を、検知範囲Eに侵入した作業者Mとの距離に応じて制御部4に出力する機能とを有している。
【0044】
ここで、無人搬送車Vの進行方向Xa側において平面視扇状に広がる検知範囲Eのうち、無人搬送車Vからの進行方向Xaに離間した遠方の範囲を第1検知範囲E1とし、第1検知範囲E1よりも無人搬送車Vに近い範囲を第2検知範囲E2とする(
図1参照)。
【0045】
また、表示灯3は、所定の点灯色による点灯を作業者Mが外部から視認可能な無人搬送車Vの前面に配置されるとともに、制御部4に電気的に接続されている。この表示灯3は、
図3に示すように、1つのLEDチップ31が実装された正面視略円形の基板32と、基板32を収容保持する略円筒状の筐体33とを備えている。
【0046】
さらに、LEDチップ31には、
図2及び
図3に示すように、発光色が異なる3つの発光素子34が図中の上側から下側へ向けて並置されている。
具体的には、3つの発光素子34は、発光色が赤色の赤色発光素子34R、発光色が緑色の緑色発光素子34G、及び発光色が青色の青色発光素子34Bで構成されている。
なお、3つの発光素子34は、
図3中の上側から赤色発光素子34R、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bの順に並置されている。
【0047】
また、制御部4は、CPUやメモリなどのハードウェアと、制御プログラムなどのソフトウェアとで構成されている。
この制御部4は、接近検知センサー2との各種信号の授受に係る処理機能と、表示灯3との各種信号の授受に係る処理機能と、所定のバスを介して接続された各部の動作を制御する機能とを有している。
【0048】
次に、上述した構成の報知装置1において、電力の供給が開始された際の制御部4の処理動作について、
図4から
図8を用いて説明する。
なお、
図4は報知装置1における処理動作のフローチャートを示し、
図5は表示灯3の正常な点灯状態を説明する説明図を示している。
【0049】
具体的には、
図5(a)は全ての発光素子34を発光させた状態の説明図を示し、
図5(b)は赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gを発光させた状態の説明図を示し、
図5(c)は赤色発光素子34Rを発光させた状態の説明図を示している。
【0050】
さらに、
図6は第1接近報知処理のフローチャートを示し、
図7は第2接近報知処理のフローチャートを示し、
図8は発光素子34の発光に不具合がある場合の表示灯3の点灯状態を説明する説明図を示している。
【0051】
具体的には、
図8(a)は赤色発光素子34Rの発光に不具合がある状態の説明図を示し、
図8(b)は緑色発光素子34Gの発光に不具合がある状態の説明図を示し、
図8(c)は青色発光素子34Bの発光に不具合がある状態の説明図を示している。
【0052】
まず、電力の供給が開始されると、報知装置1の制御部4は、
図4に示すように、処理動作を開始したのち、3つの発光素子34を全て発光させる信号を表示灯3に出力して、表示灯3を点灯させる(ステップS101)。
【0053】
この際、3つの発光素子34の発光に不具合がなければ、3つの発光素子34は、
図5(a)に示すように、赤色発光素子34Rが赤色の発光色で発光し、緑色発光素子34Gが緑色の発光色で発光し、青色発光素子34Bが青色の発光色で発光する。
【0054】
このため、表示灯3は、赤色発光素子34Rの発光色、緑色発光素子34Gの発光色及び青色発光素子34Bの発光色の混合色である白色の点灯色で点灯する。
つまり、制御部4は、外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させることで、3つの発光素子34の発光に不具合がないことを表示灯3に報知させている。
【0055】
なお、発光素子34の発光に不具合がない状態とは、LEDチップ31、基板32、あるいは発光素子34自体に故障がなく発光素子34が正常に発光する状態とする。
【0056】
外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させると、制御部4は、
図4に示すように、接近検知センサー2が第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知したか否かを判定する(ステップS102)。
【0057】
第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知していない場合(ステップS102:No)、制御部4は、処理をステップS104に進めて、接近検知センサー2が第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知したか否かを判定する。
【0058】
一方、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知した場合(ステップS102:Yes)、制御部4は、表示灯3の点灯色を変更して、第1検知範囲E1への侵入を作業者Mに報知する第1接近報知処理を開始する(ステップS103)。
【0059】
具体的には、第1接近報知処理を開始すると、制御部4は、
図6に示すように、発光している3つの発光素子34のうち、青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を表示灯3に出力して、表示灯3の点灯色を変更させる(ステップS111)。
【0060】
この際、3つの発光素子34の発光に不具合がなければ、表示灯3は、
図5(b)に示すように、赤色発光素子34Rの発光色及び緑色発光素子34Gの発光色の混合色である黄色の点灯色で点灯する。
これにより、報知装置1は、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を接近検知センサー2が検知したことを黄色の点灯色で報知する。
【0061】
外部から見た点灯色が黄色となるように表示灯3を点灯させると、制御部4は、
図6に示すように、青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、黄色の点灯色で点灯させる時間長さである第1所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS112)。
【0062】
青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過していない場合(ステップS112:No)、制御部4は、第1所定時間を経過するまで処理を待機する。
【0063】
一方、青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過した場合(ステップS112:Yes)、制御部4は、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を報知する黄色の点灯色を、表示灯3の故障の有無を報知する点灯色に変更する。
【0064】
具体的には、制御部4は、
図6に示すように、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gが発光している表示灯3に対して、青色発光素子34Bを発光させる信号を表示灯3に出力して、表示灯3の点灯色を変更させる(ステップS113)。
【0065】
この際、3つの発光素子34の発光に不具合がなければ、表示灯3は、
図5(a)に示すように、赤色発光素子34Rの発光色、緑色発光素子34Gの発光色及び青色発光素子34Bの発光色の混合色である白色の点灯色で点灯する。
つまり、制御部4は、外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させることで、3つの発光素子34の発光に不具合がないことを表示灯3に報知させている。
【0066】
外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させると、制御部4は、
図6に示すように、青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、白色の点灯色で点灯させる時間長さである第2所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS114)。
なお、第2所定時間は、ステップS112における第1所定時間の半分以下の時間長さとする。
【0067】
青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、第2所定時間を経過していない場合(ステップS114:No)、制御部4は、第2所定時間を経過するまで処理を待機する。
【0068】
一方、青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、第2所定時間を経過した場合(ステップS114:Yes)、制御部4は、接近検知センサー2が第1検知範囲E1に侵入した作業者Mを依然として検知しているか否かを判定する(ステップS115)。
【0069】
第1検知範囲E1に侵入した作業者Mを検知している場合(ステップS115:Yes)、制御部4は、処理をステップS111に戻して、接近検知センサー2が第1検知範囲E1に侵入した作業者Mを検知しなくなるまでステップS111からステップS115の処理を繰り返す。
【0070】
一方、第1検知範囲E1に侵入した作業者Mを検知できない場合(ステップS115:No)、制御部4は、作業者Mが第1検知範囲E1外に脱出したと判定し、第1接近報知処理を終了して、処理を
図4のステップS104に進める。
【0071】
このような制御部4の処理動作により、報知装置1の表示灯3は、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を接近検知センサー2が検知しなくなるまでの間、3つの発光素子34の発光に不具合がない場合の点灯色である黄色の点灯色と白色の点灯色とを繰り返し点灯する。
【0072】
図4に戻り、ステップS103の第1接近報知処理が完了すると、制御部4は、接近検知センサー2が第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知したか否かを判定する(ステップS104)。
【0073】
第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知していない場合(ステップS104:No)、制御部4は、処理をステップS101に戻して、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知するまで処理を待機する。
【0074】
一方、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知した場合(ステップS104:Yes)、制御部4は、表示灯3の点灯色を変更して、第2検知範囲E2への侵入を作業者Mに報知する第2接近報知処理を開始する(ステップS105)。
【0075】
具体的には、第2接近報知処理を開始すると、制御部4は、
図7に示すように、少なくとも赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gが発光している表示灯3に対して、緑色発光素子34Gの発光及び青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を表示灯3に出力して、表示灯3の点灯色を変更させる(ステップS121)。
【0076】
この際、赤色発光素子34Rの発光に不具合がなければ、表示灯3は、
図5(c)に示すように、赤色発光素子34Rの発光色である赤色の点灯色で点灯する。
これにより、報知装置1は、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を接近検知センサー2が検知したことを赤色の点灯色で報知する。
【0077】
外部から見た点灯色が赤色となるように表示灯3を点灯させると、制御部4は、
図7に示すように、緑色発光素子34Gの発光及び青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、赤色の点灯色で点灯させる時間長さである第1所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS122)。
なお、第1所定時間は、
図6のステップS112における第1所定時間に略同じ時間長さとする。
【0078】
緑色発光素子34Gの発光及び青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過していない場合(ステップS122:No)、制御部4は、第1所定時間を経過するまで処理を待機する。
【0079】
一方、緑色発光素子34Gの発光及び青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過した場合(ステップS122:Yes)、制御部4は、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を報知する赤色の点灯色を、表示灯3の故障の有無を報知する点灯色に変更する。
【0080】
具体的には、制御部4は、
図7に示すように、赤色発光素子34Rが発光している表示灯3に対して、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bを発光させる信号を表示灯3に出力して、表示灯3の点灯色を変更させる(ステップS123)。
【0081】
この際、3つの発光素子34の発光に不具合がなければ、表示灯3は、
図5(a)に示すように、赤色発光素子34Rの発光色、緑色発光素子34Gの発光色及び青色発光素子34Bの発光色の混合色である白色の点灯色で点灯する。
つまり、制御部4は、外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させることで、3つの発光素子34の発光に不具合がないことを表示灯3に報知させている。
【0082】
外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させると、制御部4は、
図7に示すように、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、白色の点灯色で点灯させる時間長さである第2所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS124)。
なお、第2所定時間は、
図6のステップS114における第2所定時間に略同じ時間長さとする。
【0083】
緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、第2所定時間を経過していない場合(ステップS124:No)、制御部4は、第2所定時間を経過するまで処理を待機する。
【0084】
一方、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、第2所定時間を経過した場合(ステップS124:Yes)、制御部4は、接近検知センサー2が第2検知範囲E2に侵入した作業者Mを依然として検知しているか否かを判定する(ステップS125)。
【0085】
第2検知範囲E2に侵入した作業者Mを検知している場合(ステップS125:Yes)、制御部4は、処理をステップS121に戻して、接近検知センサー2が第2検知範囲E2に侵入した作業者Mを検知しなくなるまで、ステップS121からステップS125の処理を繰り返す。
【0086】
一方、第2検知範囲E2に侵入した作業者Mを検知できない場合(ステップS125:No)、制御部4は、作業者Mが第2検知範囲E2外に脱出したと判定し、第2接近報知処理を終了して、処理を
図4のステップS105に戻す。
【0087】
このような制御部4の処理動作により、報知装置1の表示灯3は、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を接近検知センサー2が検知しなくなるまでの間、3つの発光素子34の発光に不具合がない場合の点灯色である赤色の点灯色と白色の点灯色とを繰り返し点灯する。
【0088】
図4に戻り、ステップS105の第2接近報知処理を完了すると、制御部4は、処理をステップS101に戻して、外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させたのち、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を接近検知センサー2が検知するまで待機する。
【0089】
そして、制御部4は、電力の供給が途切れるまで、上述したステップS101からステップS105の処理を繰り返し行うことで、作業者Mに対して検知範囲Eへの侵入と表示灯3の故障の有無とを表示灯3に報知させる。
【0090】
このように報知装置1において、点灯制御装置5の制御部4は、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を接近検知センサー2が検知するまでの間、表示灯3を白色の点灯色で点灯させる処理動作を行っている。
【0091】
さらに、点灯制御装置5の制御部4は、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を接近検知センサー2が検知している間、表示灯3を所定時間間隔で白色の点灯色で点灯させる処理動作を行っている。
【0092】
ここで、外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させる
図4のステップS101、
図6のステップS113、及び
図7のステップS123において、3つの発光素子34のうち少なくとも1つの発光に不具合がある場合の表示灯3の点灯色について説明する。
【0093】
なお、発光素子34の発光に不具合がある状態とは、LEDチップ31や基板32の故障によって発光素子34が発光しない状態、あるいは発光素子34自体の故障によって発光素子34が発光しない状態とする。
【0094】
まず、上述した
図4のステップS101、
図6のステップS113、及び
図7のステップS123において、制御部4は、外部から見た点灯色が白色となるように、赤色発光素子34R、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bを発光させる信号を表示灯3に出力している。
【0095】
この際、赤色発光素子34R、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bのうち少なくとも1つの発光に不具合があると、表示灯3は、外部から見た点灯色が白色以外の色となる。
【0096】
例えば赤色発光素子34Rの発光に不具合がある場合、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bが発光するため、表示灯3は、
図8(a)に示すように、外部から見た点灯色が緑色の発光色と青色の発光色の混合色である青緑色となる。
【0097】
あるいは、緑色発光素子34Gの発光に不具合がある場合、赤色発光素子34R及び青色発光素子34Bが発光するため、表示灯3は、
図8(b)に示すように、外部から見た点灯色が赤色の発光色と青色の発光色の混合色である赤紫色となる。
【0098】
もしくは、青色発光素子34Bの発光に不具合がある場合、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gが発光するため、表示灯3は、
図8(c)に示すように、外部から見た点灯色が赤色の発光色と緑色の発光色の混合色である黄色となる。
【0099】
このように、外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させた際、3つの発光素子34のうち少なくとも1つの発光に不具合があれば、報知装置1の表示灯3は、白色以外の点灯色で点灯することになる。
【0100】
これにより、制御部4は、外部から見た点灯色が白色となるように表示灯3を点灯させる処理によって、表示灯3の故障を表示灯3に報知させている。そして、作業者Mは、報知装置1における表示灯3の点灯色によって、表示灯3の故障を知ることができる。
【0101】
以上のように、実施例1の報知装置1は、発光色の異なる3つの発光素子34を有する表示灯3と、表示灯3の点灯動作を制御する点灯制御装置5とが備えられ、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を表示灯3の点灯によって報知するものである。
【0102】
また、実施例1の点灯制御装置5は、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知する接近検知センサー2と、接近検知センサー2が第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知している場合、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gの両方を発光させる発光手段(制御部4)とを備えている。
【0103】
さらに、点灯制御装置5は、接近検知センサー2が第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知している場合、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34Rを発光させる発光手段(制御部4)を備えている。
【0104】
加えて、点灯制御装置5は、接近検知センサー2が第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知していない場合、N個全ての発光素子34を発光させる常時発光手段(制御部4)を備えている。
【0105】
また、実施例1の点灯制御方法は、発光色の異なる3つの発光素子34を有するとともに、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を点灯によって報知する表示灯3の点灯動作を制御する方法である。
この点灯制御方法は、接近検知センサー2が第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知する検知工程を行う。
【0106】
さらに、点灯制御方法は、接近検知センサー2が第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知している場合、発光手段(制御部4)が、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gの両方を発光させる発光工程を行う。
【0107】
加えて、点灯制御方法は、接近検知センサー2が第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知している場合、発光手段(制御部4)が、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34Rを発光させる発光工程を行う。
【0108】
そして、点灯制御方法は、接近検知センサー2が第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知していない場合、常時発光手段(制御部4)が3つ全ての発光素子34を発光させる常時発光工程を行うものである。
【0109】
この構成によれば、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知している場合、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gの両方を発光させる発光手段により、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gの両方の発光による点灯色で表示灯3を点灯させることができる。
【0110】
このため、接近検知センサー2が第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知している場合、表示灯3は、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を示す点灯色で点灯することになる。
【0111】
さらに、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知している場合、赤色発光素子34Rを発光させる発光手段により、赤色発光素子34Rの発光による点灯色で表示灯3を点灯させることができる。
【0112】
このため、接近検知センサー2が第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知している場合、表示灯3は、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を示す点灯色で点灯することになる。
【0113】
一方で、接近検知センサー2が第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知していない場合、3つ全ての発光素子34を発光させる常時発光手段により、点灯制御装置5は、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色で表示灯3を点灯させた状態で、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を待機することになる。
【0114】
この際、3つ全ての発光素子34の発光に不具合がなく、3つ全ての発光素子34が正常に発光する場合、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を示す点灯色、及び3つ全ての発光素子34の発光による点灯色がそれぞれ所望される色となる。
【0115】
一方、発光素子34自体に故障が生じる、あるいは発光素子34を実装した基板32や回路に故障が生じるなどして、3つの発光素子34のうち少なくとも1つの発光に不具合が発生した場合、少なくとも3つ全ての発光素子34の発光による点灯色が、所望される点灯色とは異なる色となる。
【0116】
例えば発光手段によって発光する赤色発光素子34Rの発光に不具合がある場合、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を示す点灯色及び3つ全ての発光素子34の発光による点灯色が、それぞれ所望される色とは異なる色となる。
【0117】
あるいは、青色発光素子34Bの発光に不具合がある場合、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を示す点灯色が所望される色(黄色または赤色)となるが、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色が所望される色(白色)とは異なる色となる。
【0118】
このため、常時発光手段によって3つ全ての発光素子34を発光させることで、点灯制御装置5は、3つ全ての発光素子34の発光に不具合がない場合の点灯色(白色)を、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2に侵入していない作業者Mに知らせることができる。
【0119】
そして、3つの発光素子34のうち少なくとも1つの発光に不具合が生じた際、点灯制御装置5は、例えば表示灯3の点灯状態を画像で識別する画像識別手段や故障を報知する報知手段を用いることなく、発光素子34における発光の不具合を表示灯3によって報知させて、表示灯3の故障を作業者Mに早期に知らせることができる。
【0120】
これにより、作業者Mは、表示灯3の故障を表示灯3の点灯色によって知ることができるとともに、表示灯3の点灯色が作業者Mの検知に対応した正常な点灯色であると知ることができる。
【0121】
よって、点灯制御装置5、報知装置1及び点灯制御装置5を用いた点灯制御方法は、接近検知センサー2が第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知していない場合、3つ全ての発光素子34を発光させる常時発光手段(制御部4)により、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への侵入だけでなく、表示灯3の故障を簡素な構成で作業者Mに知らせることができる。
【0122】
また、点灯制御装置5は、発光手段によって赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gの両方を発光させた状態において、青色発光素子34Bを第1所定時間間隔で繰り返し発光させる割込手段(制御部4)を備えている。
【0123】
さらに、点灯制御装置5は、発光手段によって赤色発光素子34Rを発光させた状態において、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bの両方を第1所定時間間隔で繰り返し発光させる割込手段(制御部4)を備えている。
【0124】
この構成によれば、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gの両方の発光による点灯色で点灯した状態に、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色での点灯を繰り返し割り込ませ、赤色発光素子34Rの発光による点灯色で点灯した状態に、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色での点灯を繰り返し割り込ませることができる。
【0125】
つまり、点灯制御装置5は、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知している場合、第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を示す点灯色での点灯と、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色での点灯とを表示灯3に交互に行わせることができる。
【0126】
さらに、点灯制御装置5は、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知している場合、第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を示す点灯色での点灯と、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色での点灯とを表示灯3に交互に行わせことができる。
【0127】
この際、青色発光素子34Bの発光に不具合がある、または緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bのうち少なくとも1つの発光に不具合があれば、少なくとも3つ全ての発光素子34の発光による点灯色が、所望される点灯色とは異なる色となる。
【0128】
これにより、点灯制御装置5は、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知している場合も繰り返し点灯色が変わるため、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色の識別性を向上して、発光素子34における発光の不具合を表示灯3によって報知させることができる。
【0129】
このため、作業者Mは、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への侵入を示す点灯色での点灯に気が付いた際、表示灯3の故障を表示灯3の点灯色によって知ることができるとともに、表示灯3の点灯色が作業者Mの検知に対応した正常な点灯色か異常な点灯色であるかを知ることができる。
【0130】
また、割込手段(制御部4)は、第1所定時間間隔の半分以下の第2所定時間で青色発光素子34Bの発光、または緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bの両方を繰り返し発光させる構成である。
【0131】
この構成によれば、3つ全ての発光素子34の発光による点灯色の点灯時間長さを、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を示す点灯色の点灯時間長さよりも短くすることができる。
【0132】
これにより、点灯制御装置5は、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入による表示灯3の点灯と、3つ全ての発光素子34の発光による表示灯3の点灯とを、作業者Mに容易に区別させることができる。このため、点灯制御装置5は、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への侵入だけでなく、表示灯3の故障を作業者Mに確実に知らせることができる。
【0133】
そして、作業者Mは、第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への侵入を示す点灯色での点灯に気が付いた際、表示灯3の故障を表示灯3の点灯色によってより確実に知ることができるとともに、表示灯3の点灯色が作業者Mの検知に対応した正常な点灯色か異常な点灯色であるかをより確実に知ることができる。
【0134】
また、発光手段(制御部4)は、接近検知センサー2が第1検知範囲E1への作業者Mの侵入を検知している場合、表示灯3における赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gの両方を発光させる構成である。
さらに、発光手段(制御部4)は、接近検知センサー2が第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知している場合、赤色発光素子34Rを発光させる構成である。
【0135】
この構成によれば、全ての発光素子34の発光に不具合が生じていない場合、発光手段が表示灯3を黄色または赤色の警告色で点灯させ、全ての発光素子34を発光させる常時発光手段が表示灯3を白色の点灯色で点灯させることができる。
【0136】
このため、全ての発光素子34の発光に不具合が生じていない場合、点灯制御装置5は、第1検知範囲E1及び第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を示す点灯色を、全ての発光素子34を発光させる常時発光手段による点灯色よりも目立たせることができる。
【0137】
加えて、発光手段が赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gを発光させる場合、青色発光素子34Bの発光に不具合が生じていると、全ての発光素子34を発光させる常時発光手段による点灯色が所望される白色ではなく、発光手段による点灯色と同じ黄色となる。
この場合であっても、点灯制御装置5は、表示灯3の点灯色が変化しないことで、表示灯3の故障を表示灯3に報知させることができる。
【0138】
よって、点灯制御装置5は、発光手段による点灯色を目立たせて第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への侵入を作業者Mに知らせるだけでなく、例えば点灯部の点灯状態を画像で識別する画像識別手段や故障を報知する報知手段を用いることなく、表示灯3の故障を作業者Mに確実に知らせることができる。
第1通過検知センサー11が無人搬送車Vの通過を検知していない場合(ステップS202:No)、制御部14は、処理をステップS201に戻して、第1通過検知センサー11が無人搬送車Vを検知するまで待機する。
一方、第1通過検知センサー11が無人搬送車Vの通過を検知した場合(ステップS202:Yes)、制御部14は、表示灯3の点灯色を変更して、無人搬送車Vが歩行者通路Yに接近していることを作業者Mに報知する第1接近報知処理を開始する(ステップS203)。
青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過していない場合(ステップS212:No)、制御部14は、第1所定時間を経過するまで処理を待機する。
一方、青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過した場合(ステップS212:Yes)、制御部14は、無人搬送車Vの接近を報知する黄色の点灯色を、表示灯3の故障の有無を報知する点灯色に変更する。
青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、第2所定時間を経過していない場合(ステップS214:No)、制御部14は、第2所定時間を経過するまで処理を待機する。
第2通過検知センサー12が無人搬送車Vの通過を検知していない場合(ステップS204:No)、制御部14は、処理をステップS203に戻して、第2通過検知センサー12が無人搬送車Vの通過を検知するまで、第1接近報知処理を繰り返し行う。
このため、報知装置10の表示灯3は、無人搬送車Vが第2通過検知センサー12を通過するまでの間、3つの発光素子34の発光に不具合がない場合の点灯色である黄色の点灯色と白色の点灯色とを繰り返し点灯する。
一方、第2通過検知センサー12が無人搬送車Vの通過を検知した場合(ステップS204:Yes)、制御部14は、表示灯3の点灯色を変更して、無人搬送車Vが歩行者通路Yにさらに接近していることを作業者Mに報知する第2接近報知処理を開始する(ステップS205)。
緑色発光素子34Gの発光及び青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過していない場合(ステップS222:No)、制御部14は、第1所定時間を経過するまで処理を待機する。
一方、緑色発光素子34Gの発光及び青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力してからの経過時間が、第1所定時間を経過した場合(ステップS222:Yes)、制御部14は、無人搬送車Vの接近を報知する赤色の点灯色を、表示灯3の故障の有無を報知する点灯色に変更する。
緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bを発光させる信号を出力してからの経過時間が、第2所定時間を経過していない場合(ステップS224:No)、制御部14は、第2所定時間を経過するまで処理を待機する。
第3通過検知センサー13が無人搬送車Vの通過を検知していない場合(ステップS206:No)、制御部14は、処理をステップS205に戻して、第3通過検知センサー13が無人搬送車Vの通過を検知するまで、第2接近報知処理を繰り返し行う。
このため、報知装置10の表示灯3は、無人搬送車Vが第3通過検知センサー13を通過するまでの間、3つの発光素子34の発光に不具合がない場合の点灯色である赤色の点灯色と白色の点灯色とを繰り返し点灯する。
そして、制御部14は、電力の供給が途切れるまで、上述したステップS201からステップS206の処理を繰り返し行うことで、走行通路Xを横断しようとする作業者Mに対して、無人搬送車Vの接近及び通過と表示灯3の故障の有無とを表示灯3に報知させる。
このように報知装置10において、点灯制御装置15の制御部14は、第1通過検知センサー11が無人搬送車Vを検知するまでの間、表示灯3を白色の点灯色で点灯させる処理動作を行っている。
さらに、点灯制御装置15の制御部14は、第1通過検知センサー11が無人搬送車Vを検知してから第3通過検知センサー13が無人搬送車Vを検知するまでの間、表示灯3を所定時間間隔で白色の点灯色で点灯させる処理動作を行っている。
以上のように、実施例2の報知装置10は、発光色の異なる3つの発光素子34を有する表示灯3と、表示灯3の点灯動作を制御する点灯制御装置15とが備えられ、無人搬送車Vの検知を表示灯3の点灯によって報知するものである。
加えて、点灯制御装置15は、第2通過検知センサー12が無人搬送車Vを検知している場合、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34Rを発光させる発光手段(制御部14)を備えている。
そして、点灯制御装置15は、第1通過検知センサー11及び第2通過検知センサー12が無人搬送車Vを検知していない場合、3つ全ての発光素子34を発光させる常時発光手段(制御部14)を備えている。
また、実施例2の点灯制御方法は、発光色の異なる3つの発光素子34を有するとともに、無人搬送車Vの検知を報知する表示灯3の動作を制御する方法である。この点灯制御方法は、第1通過検知センサー11が無人搬送車Vを検知する検知工程と、第1通過検知センサー11が無人搬送車Vを検知している場合、発光手段(制御部14)が、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gを発光させる発光工程とを行う。
さらに、点灯制御方法は、第2通過検知センサー12が無人搬送車Vを検知する検知工程と、第2通過検知センサー12が無人搬送車Vを検知している場合、発光手段(制御部14)が、3つの発光素子34のうち、赤色発光素子34Rを発光させる発光工程とを行う。
そして、点灯制御方法は、第1通過検知センサー11及び第2通過検知センサー12が無人搬送車Vを検知していない場合、常時発光手段(制御部14)が3つ全ての発光素子34を発光させる常時発光工程を行うものである。
この構成によれば、上述の実施例1と同様に、3つの発光素子34のうち少なくとも1つの発光に不具合が生じた際、発光素子34における発光の不具合を表示灯3によって報知させて、表示灯3の故障を作業者Mに早期に知らせることができる。
このため、点灯制御装置15、報知装置10及び点灯制御装置15を用いた点灯制御方法は、無人搬送車Vの検知だけでなく、表示灯3の故障を簡素な構成で作業者Mに知らせることができる。
具体的には上述した実施例1の報知装置1を検知範囲Eへの作業者Mの侵入を検知して報知する装置とし、実施例2の報知装置10を無人搬送車Vの通過を検知して報知する装置したが、これに限定しない。
例えば無人搬送車Vの接近を検知して報知する報知装置、ロボットなどの産業用機械の回転動作を検知して報知する報知装置、産業用機械の伸縮動作を検知して報知する報知装置であってもよい。
また、走行通路Xを予め設定された経路で走行する無人搬送車Vとしたが、これに限定せず、例えばセンサーやカメラを備え、AIで周囲の状況に応じた適切な走行経路を決定して走行する無人搬送車であってもよい。
また、実施例1において、無人搬送車Vの進行方向Xa側に平面視扇状に広がる範囲を接近検知センサー2の検知範囲Eとしたが、これに限定せず、無人搬送車Vを中心とした平面視円形の範囲を接近検知センサー2の検知範囲Eとしてもよい。この場合、表示灯3の点灯を様々な角度から作業者Mが視認できるように、表示灯3を複数備えるなどする。
また、実施例1において、無人搬送車Vの前面に表示灯3を配置したが、これに限定せず、作業者Mから視認可能な位置であれば、表示灯3は適宜の位置に適宜の数を配置してもよい。
また、1つのLEDチップ31に3つの発光素子34を備えた構成としたが、これに限定せず、発光色の異なる2つ以上の発光素子34を備えたLEDチップであってもよい。
例えば赤色発光素子34R、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bに加えて、発光色が黄色の黄色発光素子を備えたLEDチップであってもよい。
あるいは、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gを備えたLEDチップであってもよい。
また、3つの発光素子34を赤色発光素子34R、緑色発光素子34G及び青色発光素子34Bとしたが、これに限定せず、異なる発光色であれば適宜の発光色で発光する発光素子であってもよい。
また、3つの発光素子34の発光に不具合が無い場合、外部から見た点灯色が黄色または赤色となるように、3つの発光素子34を組み合わせて発光させたが、これに限定せず、外部から見た点灯色が適宜の点灯色となるように、3つの発光素子34を適宜の組み合わせで発光させてもよい。
また、実施例1の第1接近報知処理のステップS111、及び実施例2の第1接近報知処理のステップS211において、青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力して表示灯3の点灯色を変更したが、これに限定せず、赤色発光素子34R及び緑色発光素子34Gを発光させる信号を出力して表示灯3の点灯色を変更してよい。
同様に、実施例1の第2接近報知処理のステップS121、及び実施例2の第2接近報知処理のステップS221において、緑色発光素子34Gの発光及び青色発光素子34Bの発光を停止させる信号を出力して表示灯3の点灯色を変更したが、これに限定せず、赤色発光素子34Rを発光させる信号を出力して表示灯3の点灯色を変更してよい。
また、実施例1の第1接近報知処理のステップS112、及び第2接近報知処理のステップS122において、発光素子34の発光を停止させる信号を出力してからの経過時間に基づいて判定したが、これに限定せず、接近検知センサー2が第1検知範囲E1または第2検知範囲E2への作業者Mの侵入を検知してからの経過時間に基づいて判定してもよい。
同様に、実施例2の第1接近報知処理のステップS212、及び第2接近報知処理のステップS222において、第1通過検知センサー11または第2通過検知センサー12が無人搬送車Vの通過を検知してからの経過時間に基づいて判定してもよい。
また、実施例1及び実施例2の第1接近報知処理における第1所定時間と、第2接近報知処理における第1所定時間とを略同じ時間長さとしたが、これに限定せず、異なる時間長さとしてもよい。
また、実施例1及び実施例2の第1接近報知処理における第2所定時間と、第2接近報知処理における第2所定時間とを略同じ時間長さとしたが、これに限定せず、第1所定時間の半分以下であれば異なる時間長さとしてもよい。