IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フジテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-エレベータ 図1
  • 特開-エレベータ 図2
  • 特開-エレベータ 図3
  • 特開-エレベータ 図4
  • 特開-エレベータ 図5
  • 特開-エレベータ 図6
  • 特開-エレベータ 図7
  • 特開-エレベータ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154919
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/06 20060101AFI20241024BHJP
   B66B 9/02 20060101ALI20241024BHJP
   B66B 9/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B66B1/06 Z
B66B9/02
B66B9/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069143
(22)【出願日】2023-04-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大脇 裕之
(72)【発明者】
【氏名】片山 知
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】能 愛莉
【テーマコード(参考)】
3F301
3F502
【Fターム(参考)】
3F301BA16
3F301BB05
3F301DC07
3F301DC08
3F502HA02
3F502HA03
3F502HB01
3F502JA91
(57)【要約】
【課題】 輸送効率を向上させることができるエレベータを提供する。
【解決手段】 エレベータは、上下方向へ延びる昇降路と、横方向へ延び、昇降路に連結される横行路と、昇降路を上下方向へ走行し、横行路を横方向へ走行する複数のかごと、を備え、昇降路は、第1昇降路を含み、横行路は、第1昇降路に連結される第1~第3横行路を含み、第1~第3横行路のそれぞれは、人がかごに乗り降りするための乗場を備え、乗場は、第1昇降路に備えられていない。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向へ延びる昇降路と、
横方向へ延び、前記昇降路に連結される横行路と、
前記昇降路を上下方向へ走行し、前記横行路を横方向へ走行する複数のかごと、を備え、
前記昇降路は、第1昇降路を含み、
前記横行路は、前記第1昇降路に連結される第1~第3横行路を含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、人が前記かごに乗り降りするための乗場を備え、
前記乗場は、前記第1昇降路に備えられていない、エレベータ。
【請求項2】
前記昇降路は、第2昇降路をさらに含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、前記第1昇降路と前記第2昇降路とを接続するために、前記第2昇降路にも連結され、
前記乗場は、前記第2昇降路に備えられていない、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記第1及び第2昇降路と前記第1及び第2横行路とは、前記かごが一方通行で循環走行する循環走行路を構成する、請求項2に記載のエレベータ。
【請求項4】
前記かごの走行の指示情報が入力される入力部と、
前記かごの走行を制御する処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記入力部への入力に基づいて、前記かごを、走行させるかごと走行させずに待機させるかごとに分け、
前記待機させるかごの待機位置を、前記第1及び第2昇降路と前記第1及び第2横行路とにすることよりも、前記第3横行路にすることを優先する、請求項3に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記第1及び第2昇降路と前記第1~第3横行路とで、前記かごを走行させるかご駆動部と、
前記第1~第3横行路にそれぞれ配置され、前記かごを下方から支持し且つ前記かごを前記横方向へガイドする横ガイドと、
前記かごの走行の指示情報が入力される入力部と、
前記かごの走行を制御する処理部と、を備え、
前記かご駆動部は、リニアモータであり、
前記処理部は、
前記入力部への入力に基づいて、前記かごを、走行させるかごと走行させずに待機させるかごとに分け、
前記待機させるかごの待機位置を、前記第1及び第2昇降路にすることよりも、前記第1~第3横行路にすることを優先する、請求項2~4の何れか1項に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、上下方向へ延びる第1及び第2昇降路と、横方向へ延び、第1及び第2昇降路を接続する第1及び第2横行路と、昇降路を上下方向へ走行し、横行路を横方向へ走行するかごとを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、特許文献1に係るエレベータにおいては、昇降路が乗場を備えているため、かごが乗場で停止することによって、後続のかごは、昇降路で停止する必要がある。これにより、輸送効率は、低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-39173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、輸送効率を向上させることができるエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータは、
上下方向へ延びる昇降路と、
横方向へ延び、前記昇降路に連結される横行路と、
前記昇降路を上下方向へ走行し、前記横行路を横方向へ走行する複数のかごと、を備え、
前記昇降路は、第1昇降路を含み、
前記横行路は、前記第1昇降路に連結される第1~第3横行路を含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、人が前記かごに乗り降りするための乗場を備え、
前記乗場は、前記第1昇降路に備えられていない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係るエレベータのかごの走行イメージ図
図2】同実施形態に係るエレベータの乗場概要図
図3】同実施形態に係るかごが昇降路を走行する図
図4】同実施形態に係るかごが横行路を走行する図
図5】同実施形態に係るエレベータの制御ブロック図
図6】他の実施形態に係るエレベータの図((a)かごの走行イメージ図、(b)乗場概要図)
図7】さらに他の実施形態に係るエレベータの図((a)かごの走行イメージ図、(b)乗場概要図)
図8】さらに他の実施形態に係るエレベータの図((a)かごの走行イメージ図、(b)乗場概要図)
【発明を実施するための形態】
【0007】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0008】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0009】
以下、エレベータにおける一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータの構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータの構成を限定するものではない。
【0010】
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、人(乗客)が乗るための複数のかご2と、かご2を走行させるかご駆動部3と、エレベータ1の各部を制御する処理部4(図5参照)とを備えていてもよい。なお、かご2の個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、8個でもよく、また、例えば、2個~7個又は9個以上でもよい。
【0011】
エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、鉛直方向の上下方向D1へ沿って延びる第1及び第2昇降路51,52と、水平方向の横方向D2へ沿って延び、第1昇降路51と第2昇降路52とを接続するために、第1昇降路51及び第2昇降路52にそれぞれ連結される複数の横行路61~64とを備えていてもよい。なお、水平方向のうち、横方向D2と直交する方向D3は、前後方向D3という。
【0012】
横行路61~64は、例えば、本実施形態のように、第1及び第2昇降路51,52よりも上方に配置される最上横行路61と、第1及び第2昇降路51,52よりも下方に配置される最下横行路62と、最上横行路61及び最下横行路62との間に配置される中間横行路63,64とを備えていてもよい。
【0013】
中間横行路63,64の個数は、特に限定されず、例えば、図1においては、2個のみ図示されている。なお、横行路61~64の個数は、特に限定されず、少なくとも3個あればよく、例えば、図1においては、4個のみ図示されている。
【0014】
かご駆動部3の駆動方式は、特に限定されない。例えば、本実施形態のように、かご駆動部3の駆動方式は、リニアモータ式の駆動方式であってもよい。具体的には、かご駆動部3は、リニアモータであって、かご2に接続される磁石5と、昇降路51,52や横行路61~64に接続され、電流が流れることによって磁石5に電磁力を与えるコイル6とを備えている、という構成でもよい。
【0015】
かご2は、例えば、本実施形態のように、開閉されるかご戸(図示していない)と、情報が入力されるかご入力部7と、かご2の内部へ情報を出力(例えば、表示、発音)するかご出力部8と、かご2の内部の人の有無を検出する人検出部9(図5参照)とを備えていてもよい。
【0016】
人検出部9の構成は、特に限定されない。人検出部9は、例えば、かご2の内部の重量を検出するロードセルであってもよく、また、例えば、赤外線を検出する人感センサであってもよく、また、例えば、かご2の内部を撮像するカメラであってもよい。
【0017】
図2に示すように、エレベータ1は、例えば、開閉される乗場戸10と、情報が入力される乗場入力部11と、情報が出力される乗場出力部12とを備えていてもよい。例えば、本実施形態のように、乗場戸10、乗場入力部11及び乗場出力部12のそれぞれは、横行路61~64のみに備えられ、昇降路51,52に備えられていない、という構成でもよい。
【0018】
これにより、人がかご2に乗り降りするための乗場71~77は、横行路61~64のみに設けられ、昇降路51,52に設けられていない。なお、最下階の乗場71~74、即ち、最下横行路62の乗場71~74は、最下乗場71~74といい、最上階の乗場75、即ち、最上横行路61の乗場75は、最上乗場75といい、中間階の乗場76,77、即ち、中間横行路63,64の乗場76,77は、中間乗場76,77という。
【0019】
図3に示すように、例えば、エレベータ1は、昇降路51,52の内部で上下方向D1へ延びる縦ガイド13を備えており、かご2は、縦ガイド13にガイドされる被縦ガイド部14を備えている、という構成でもよい。これにより、かご2は、縦ガイド13によって、上下方向D1へガイドされる。
【0020】
なお、被縦ガイド部14は、例えば、本実施形態のように、縦ガイド13の上を転動するローラ14でもよく、また、例えば、縦ガイド13の上をスライドするガイドシュー(滑走部品)でもよい。そして、被縦ガイド部14が、縦ガイド13に横方向D2及び前後方向D3で当たっているため、かご2が横方向D2及び前後方向D3へ揺れることを抑制することができる。
【0021】
図4に示すように、例えば、エレベータ1は、横行路61~64の内部で横方向D2へ延びる横ガイド15を備えており、かご2は、横ガイド15にガイドされる被横ガイド部16を備えている、という構成でもよい。これにより、かご2は、横ガイド15によって、横方向D2へガイドされ、且つ、下方から支持されている。
【0022】
なお、被横ガイド部16は、例えば、本実施形態のように、横ガイド15の上を転動するローラ16でもよく、また、例えば、横ガイド15の上をスライドするガイドシュー(滑走部品)でもよい。そして、被横ガイド部16が横ガイド15に下方から支持されているため、かご2が上下方向D1へ揺れることを抑制することができ、しかも、被横ガイド部16が、横ガイド15に前後方向D3で当たっているため、かご2が前後方向D3へ揺れることを抑制することができる。
【0023】
図5に示すように、処理部4は、例えば、各部7,9,11から各情報(データ)を取得する取得部4aと、各情報を記憶する記憶部4bと、各情報を演算する演算部4cと、各部3,8,12を制御する制御部4dとを備えていてもよい。これにより、処理部4は、例えば、各入力部7,11に入力されたかご2の走行の指示情報に基づいて、かご2を走行させ、かご2を所定の乗場71~77で停止させる。
【0024】
なお、処理部4は、例えば、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部4c、制御部4d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部4a、記憶部4b)、各種インターフェイス等を備えるコンピュータとしてもよい。これにより、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理部4の各部4a~4dが実現される。
【0025】
また、処理部4は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理部4の各部4a~4dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0026】
次に、本実施形態に係るかご2の走行及びその制御について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の内容は、かご2の走行及びその制御の理解を助けるために例示するものであり、かご2の走行及びその制御を限定するものではない。
【0027】
図1及び図2に示すように、乗場71~77は、第1及び第2昇降路51,52に備えられていない。これにより、かご2が乗場71~77で停止した場合に、他のかご2は、乗場71~77で停止するかご2に当たることを回避するために、第1及び第2昇降路51,52で停止する必要がない。
【0028】
そして、例えば、本実施形態のように、かご2は、第1昇降路51を上方向D11へのみ走行し、最上横行路61を第1横方向D21へのみ走行し、第2昇降路52を下方向D12へのみ走行し、最下横行路62を、第1横方向D21と反対方向である第2横方向D22へのみ走行する、という構成でもよい。
【0029】
これにより、かご2は、第1昇降路51、最上横行路61、第2昇降路52及び最下横行路62を、一方通行で循環して走行することができる。即ち、第1昇降路51、最上横行路61、第2昇降路52及び最下横行路62は、かご2が一方通行で循環走行する循環走行路を構成している。
【0030】
したがって、かご2が、当該循環走行路を主幹の走行路にして、各昇降路51,52及び各横行路61~64を走行するため、輸送効率を向上させることができる。なお、かご2は、例えば、本実施形態のように、中間横行路63,64を、横方向D2の両方向(第1横方向D21,第2横方向D22)へ走行してもよい。
【0031】
また、横行路61~64に設けられる乗場71~77の個数は、特に限定されない。例えば、最上横行路61及び中間横行路63,64のように、乗場75~77は、1個でもよく、最下横行路62のように、乗場71~74は、複数(図2においては、4個)でもよい。なお、例えば、本実施形態のように、かご2の循環走行路を構成する最下横行路62の乗場71~74の個数は、最大となっていてもよい。
【0032】
また、特に限定されないが、例えば、乗場71~77の乗場入力部11に、かご2の行先階の指示情報である行先情報が入力されてもよい。そして、かご2が当該乗場71~77に到着したときに、乗場出力部12は、当該かご2の行先階を出力してもよい。
【0033】
なお、特に限定されないが、例えば、乗場出力部12が出力する行先階は、一つの階のみとしてもよい。即ち、例えば、処理部4は、乗場入力部11の入力に基づいて、かご2の行先階を一つのみ設定する、という構成でもよい。
【0034】
そして、かご2の稼働率が高い、即ち、入力部7,11の入力が多い場合には、全てのかご2は、走行する。一方で、かご2の稼働率がそれほど高くない場合には、一部のかご2のみが、走行する。そして、斯かる場合には、処理部4は、例えば、本実施形態のように、入力部7,11への入力に基づいて、かご2を、走行させるかご2と走行させずに待機させるかご2とに分けてもよい。
【0035】
ところで、かご駆動部3がリニアモータであるため、かご2が昇降路51,52で停止する場合には、リニアモータで生じさせる上方向D11の推進力は、かご2の自重に相当する力である。一方で、かご2が横行路61~64で停止する場合には、横ガイド15がかご2を下方から支持するため、リニアモータで生じさせる上方向D11の推進力は、小さくなる。
【0036】
それに対して、処理部4は、例えば、本実施形態のように、待機させるかご2の待機位置を、昇降路51,52にすることよりも、横行路61~64にすることを優先してもよい。これにより、かご2の待機位置が、優先的に横行路61~64にされるため、エレベータ1全体で、リニアモータに生じさせる上方向D11の推進力を小さくすることができる。したがって、例えば、省エネルギーを図ることができる。
【0037】
また、第1昇降路51、最上横行路61、第2昇降路52及び最下横行路62は、かご2の循環走行路を形成している。それに対して、処理部4は、例えば、本実施形態のように、待機させるかご2の待機位置を、第1及び第2昇降路51,52と最上及び最下横行路61,62とにすることよりも、中間横行路63,64にすることを優先してもよい。これにより、かご2が、かご2の循環走行路以外の位置で待機するため、輸送効率をさらに向上させることができる。
【0038】
[1]
以上より、エレベータ1は、本実施形態のように、
上下方向D1へ延びる昇降路51,52と、
横方向D2へ延び、前記昇降路51,52に連結される横行路61~64と、
前記昇降路51,52を上下方向D1へ走行し、前記横行路61~64を横方向D2へ走行する複数のかご2と、を備え、
前記昇降路51,52は、第1昇降路51を含み、
前記横行路61~64は、前記第1昇降路51に連結される第1~第3横行路(本実施形態においては、最上横行路61、最下横行路62、中間横行路63,64)を含み、
前記第1~第3横行路61~64のそれぞれは、人が前記かご2に乗り降りするための乗場71~77を備え、
前記乗場71~77は、前記第1昇降路51に備えられていない、
という構成が好ましい。
【0039】
斯かる構成によれば、乗場71~77は、第1~第3横行路61~64のそれぞれに備えられている一方で、第1昇降路51に備えられていない。これにより、かご2が乗場71~77で停止した場合に、他のかご2は、乗場71~77に停止したかご2に当たることを回避するために、第1昇降路51で停止する必要がない。これにより、輸送効率を向上させることができる。
【0040】
[2]
また、上記[1]のエレベータ1においては、本実施形態のように、
前記昇降路51,52は、第2昇降路52をさらに含み、
前記第1~第3横行路(本実施形態においては、最上横行路61、最下横行路62、中間横行路63,64)のそれぞれは、前記第1昇降路51と前記第2昇降路52とを接続するために、前記第2昇降路52にも連結され、
前記乗場71~77は、前記第2昇降路52に備えられていない、
という構成が好ましい。
【0041】
斯かる構成によれば、乗場71~77は、第1~第3横行路61~64のそれぞれに備えられている一方で、第1及び第2昇降路51,52に備えられていない。これにより、かご2が乗場71~77で停止した場合に、他のかご2は、乗場71~77に停止したかご2に当たることを回避するために、第1及び第2昇降路51,52で停止する必要がない。これにより、輸送効率をさらに向上させることができる。
【0042】
[3]
また、上記[2]のエレベータ1においては、本実施形態のように、
前記第1及び第2昇降路51,52と前記第1及び第2横行路(本実施形態においては、最上及び最下横行路61,62)とは、前記かご2が一方通行で循環走行する循環走行路を構成する、
という構成が好ましい。
【0043】
斯かる構成によれば、かご2は、第1昇降路51、第1横行路61、第2昇降路52及び第2横行路62を、一方通行で循環して走行することができる。これにより、輸送効率をさらに向上させることができる。
【0044】
[4]
また、上記[2]又は[3]のエレベータ1は、本実施形態のように、
前記かご2の走行の指示情報が入力される入力部(本実施形態においては、かご入力部7、乗場入力部11)と、
前記かご2の走行を制御する処理部4と、を備え、
前記処理部4は、
前記入力部7,11への入力に基づいて、前記かご2を、走行させるかご2と走行させずに待機させるかご2とに分け、
前記待機させるかご2の待機位置を、前記第1及び第2昇降路51,52と前記第1及び第2横行路(本実施形態においては、最上及び最下横行路)61,62とにすることよりも、前記第3横行路(本実施形態においては、中間横行路)63,64にすることを優先する、
という構成が好ましい。
【0045】
斯かる構成によれば、かご2の待機位置は、優先的に第3横行路63,64にされる。これにより、かご2が、かご2の循環走行路以外の位置で待機するため、輸送効率をさらに向上させることができる。
【0046】
[5]
また、上記[2]~[4]の何れか一つのエレベータ1は、本実施形態のように、
前記第1及び第2昇降路51,52と前記第1~第3横行路(本実施形態においては、最上横行路61、最下横行路62、中間横行路63,64)とで、前記かご2を走行させるかご駆動部3と、
前記第1~第3横行路61~64にそれぞれ配置され、前記かご2を下方から支持し且つ前記かご2を前記横方向D2へガイドする横ガイド15と、
前記かご2の走行の指示情報が入力される入力部(本実施形態においては、かご入力部7、乗場入力部11)と、
前記かご2の走行を制御する処理部4と、を備え、
前記かご駆動部3は、リニアモータであり、
前記処理部4は、
前記入力部7,11への入力に基づいて、前記かご2を、走行させるかご2と走行させずに待機させるかご2とに分け、
前記待機させるかご2の待機位置を、前記第1及び第2昇降路51,52にすることよりも、前記第1~第3横行路61~64にすることを優先する、
という構成が好ましい。
【0047】
斯かる構成によれば、かご駆動部3がリニアモータであるため、かご2が昇降路51,52で停止する場合には、リニアモータで生じさせる上方向D11の推進力は、かご2の自重に相当する力である。一方で、かご2が横行路61~64で停止する場合には、横ガイド15がかご2を下方から支持するため、リニアモータで生じさせる上方向D11の推進力は、小さくなる。それに対して、かご2の待機位置が、優先的に横行路61~64にされるため、エレベータ1全体で、リニアモータに生じさせる上方向D11の推進力を小さくすることができる。
【0048】
なお、エレベータ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0049】
(A)上記実施形態に係るエレベータ1においては、第1及び第2昇降路51,52と最上及び最下横行路61,62とは、かご2の循環走行路を構成する、即ち、第1及び第2横行路61,62は、最上及び最下横行路61,62である、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0050】
例えば、図6に示すように、第1及び第2昇降路51,52の各一部(上側部)と、最上及び中間横行路61,64とは、かご2の循環走行路を構成する、即ち、第1及び第2横行路61,64は、最上及び中間横行路61,64である、という構成でもよい。
【0051】
(B)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、乗場71~77は、全ての横行路61~64に備えられている一方で、全ての昇降路51,52に備えられていない、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0052】
例えば、乗場は、第1昇降路51を除く昇降路52のうち、少なくとも一つに備えられていてもよい。また、例えば、図7に示すように、乗場76,77は、一部の横行路63,64のみに、備えられていてもよい。
【0053】
具体的には、図7に示すように、例えば、第1昇降路51、第1横行路(最上横行路)61、第2昇降路52及び第2横行路(最下横行路)62が、かご2の循環走行路を構成していることに対して、乗場76,77は、当該循環走行路を構成する路51,52,61,62に、備えられていない一方で、当該循環走行路を構成しない第3横行路(中間横行路)63,64に備えられている、という構成でもよい。
【0054】
斯かる構成によれば、かご2が乗場76,77で停止した場合に、他のかご2は、乗場76,77で停止したかご2に当たることを回避するために、循環走行路を形成する路51,52,61,62で停止する必要がない。これにより、輸送効率をさらに向上させることができる。
【0055】
(C)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、昇降路51,52は、2個備えられている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0056】
例えば、昇降路は、3個以上備えられている、という構成でもよい。また、例えば、図8に示すように、昇降路51は、1個のみ備えられている、という構成でもよい。図8に係るエレベータ1においては、乗場71,75~77は、各横行路61~64にそれぞれ備えられている一方で、第1昇降路51に備えられていない。
【0057】
(D)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、第1及び第2昇降路51,52と第1及び第2横行路61,62とは、かご2の循環走行路を構成する、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0058】
例えば、かご2は、全ての昇降路51,52で上方向D11及び下方向D12の両方向へ走行する、という構成でもよい。また、例えば、かご2は、全ての横行路61~64で第1横方向D21及び第2横方向D22の両方向へ走行する、という構成でもよい。
【0059】
(E)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、処理部4は、待機させるかご2の待機位置を、昇降路51,52にすることよりも、かご2が横ガイド15で下方から支持される横行路61~64にすることを優先し、さらに、かご2の循環走行路を構成する第1及び第2横行路(最上及び最下横行路)61,62にすることよりも、かご2の循環走行路を構成しない第3横行路(中間横行路)63,64にすることを優先する、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0060】
例えば、処理部4は、待機させるかご2の待機位置を、横行路61~64にすることよりも、昇降路51,52にすることを優先する、という構成でもよい。また、例えば、処理部41は、第3横行路(中間横行路)63,64にすることよりも、第1及び第2横行路(最上及び最下横行路)61,62にすることを優先する、という構成でもよい。
【0061】
(F)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、昇降路51,52でかご2を走行させるかご駆動部3と、横行路61~64でかご2を走行させるかご駆動部3とは、リニアモータであって、同じ駆動方式である、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0062】
例えば、昇降路51,52でかご2を走行させるかご駆動部3は、横行路61~64でかご2を走行させるかご駆動部3と、異なる駆動方式である、という構成でもよい。なお、昇降路51,52でかご2を走行させるかご駆動部3の駆動方式と、横行路61~64でかご2を走行させるかご駆動部3の駆動方式とは、特に限定されない。例えば、横行路61~64でかご2を走行させるかご駆動部3は、ローラ16を回転させる蓄電可能な電動機を備えていてもよい。
【0063】
(G)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0064】
1…エレベータ、2…かご、3…かご駆動部、4…処理部、4a…取得部、4b…記憶部、4c…演算部、4d…制御部、5…磁石、6…コイル、7…かご入力部、8…かご出力部、9…人検出部、10…乗場戸、11…乗場入力部、12…乗場出力部、13…縦ガイド、14…被縦ガイド部(ローラ)、15…横ガイド、16…被横ガイド部(ローラ)、51…第1昇降路、52…第2昇降路、61…最上横行路(第1横行路)、62…最下横行路(第2横行路)、63,64…中間横行路(第3横行路)、71,72,73,74…最下乗場、75…最上乗場、76,77…中間乗場、D1…上下方向、D2…横方向、D3…前後方向、D11…上方向、D12…下方向、D21…第1横方向、D22…第2横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向へ延びる昇降路と、
横方向へ延び、前記昇降路に連結される横行路と、
前記昇降路を上下方向へ走行し、前記横行路を横方向へ走行する複数のかごと、を備え、
前記昇降路は、一つのみ備えられ、
前記横行路は、前記昇降路に連結される第1~第3横行路を含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、人が前記かごに乗り降りするための乗場を備え、
前記乗場は、前記昇降路に備えられていない、エレベータ。
【請求項2】
前記第1横行路は、前記昇降路よりも上方に配置され、
前記第2横行路は、前記昇降路よりも下方に配置され、
前記第3横行路は、上下方向において、前記第1横行路及び前記第2横行路間に配置される、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
上下方向へ延びる昇降路と、
横方向へ延び、前記昇降路に連結される横行路と、
前記昇降路を上下方向へ走行し、前記横行路を横方向へ走行する複数のかごと、を備え、
前記昇降路は、第1昇降路を含み、
前記横行路は、前記第1昇降路に連結される第1~第3横行路を含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、人が前記かごに乗り降りするための乗場を備え、
前記乗場は、前記第1昇降路に備えられていない、エレベータであって、
前記昇降路は、第2昇降路をさらに含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、前記第1昇降路と前記第2昇降路とを接続するために、前記第2昇降路にも連結され、
前記乗場は、前記第2昇降路に備えられておらず、
前記第1及び第2昇降路と前記第1及び第2横行路とは、前記かごが一方通行で循環走行する循環走行路を構成し、
前記エレベータは、
前記かごの走行の指示情報が入力される入力部と、
前記かごの走行を制御する処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記入力部への入力に基づいて、前記かごを、走行させるかごと走行させずに待機させるかごとに分け、
前記待機させるかごの待機位置を、前記第1及び第2昇降路と前記第1及び第2横行路とにすることよりも、前記第3横行路にすることを優先する、エレベータ。
【請求項4】
上下方向へ延びる昇降路と、
横方向へ延び、前記昇降路に連結される横行路と、
前記昇降路を上下方向へ走行し、前記横行路を横方向へ走行する複数のかごと、を備え、
前記昇降路は、第1昇降路を含み、
前記横行路は、前記第1昇降路に連結される第1~第3横行路を含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、人が前記かごに乗り降りするための乗場を備え、
前記乗場は、前記第1昇降路に備えられていない、エレベータであって、
前記昇降路は、第2昇降路をさらに含み、
前記第1~第3横行路のそれぞれは、前記第1昇降路と前記第2昇降路とを接続するために、前記第2昇降路にも連結され、
前記乗場は、前記第2昇降路に備えられておらず、
前記エレベータは、
前記第1及び第2昇降路と前記第1~第3横行路とで、前記かごを走行させるかご駆動部と、
前記第1~第3横行路にそれぞれ配置され、前記かごを下方から支持し且つ前記かごを前記横方向へガイドする横ガイドと、
前記かごの走行の指示情報が入力される入力部と、
前記かごの走行を制御する処理部と、を備え、
前記かご駆動部は、リニアモータであり、
前記処理部は、
前記入力部への入力に基づいて、前記かごを、走行させるかごと走行させずに待機させるかごとに分け、
前記待機させるかごの待機位置を、前記第1及び第2昇降路にすることよりも、前記第1~第3横行路にすることを優先する、エレベータ。
【請求項5】
前記第1及び第2昇降路と前記第1及び第2横行路とは、前記かごが一方通行で循環走行する循環走行路を構成する、請求項に記載のエレベータ。