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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154933
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】パネル構造体
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/42 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
E04C2/42 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069168
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克行
(72)【発明者】
【氏名】阿部 祐太
【テーマコード(参考)】
2E162
【Fターム(参考)】
2E162BA03
2E162BB10
(57)【要約】
【課題】日射低減機能を有するパネル構造体を提供する。
【解決手段】互いに平行な状態で並んで配置された複数の支柱20と、隣り合う支柱20の各々に対して個別に嵌合する嵌合部37を有し、当該隣り合う支柱同士を連結するパネルユニット30とを有し、パネルユニット30は、支柱20に沿った方向及び複数の支柱の並び方向に直交する方向に沿った複数の平板部31,32を有する。各平板部31,32は、上記方向により日射を適度に抑制する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な状態で並んで配置された複数の支柱と、
隣り合う前記支柱の各々に対して個別に嵌合する嵌合部を有し、当該隣り合う前記支柱同士を連結するパネルユニットとを有し、
前記パネルユニットは、前記支柱に沿った方向及び複数の前記支柱の並び方向の両方に直交する方向に沿った複数の平板部を有することを特徴とするパネル構造体。
【請求項2】
前記パネルユニットは、隣り合う前記支柱の間で、当該支柱に沿った方向に複数並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体。
【請求項3】
前記パネルユニットは、隣の前記パネルユニットと連結するための連結部材を有することを特徴とする請求項2に記載のパネル構造体。
【請求項4】
前記連結部材は、前記嵌合部として機能することを特徴とする請求項3に記載のパネル構造体。
【請求項5】
前記支柱は、当該支柱に沿った被嵌合部を有し、
複数の前記パネルユニットは、前記被嵌合部に沿って移動させて配置可能であることを特徴とする請求項2に記載のパネル構造体。
【請求項6】
前記パネルユニットの複数の前記平板部の内の一つの前記平板部と他の前記平板部とが交差した形状であることを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体。
【請求項7】
前記パネルユニットの複数の前記平板部の内の一つの前記平板部が他の前記平板部に突き当てられた形状であることを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体。
【請求項8】
前記パネルユニットは、押出形材を押し出し方向に対して垂直に切断した部材を有する構成であることを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体。
【請求項9】
前記支柱は、前記支柱に沿った方向及び複数の前記支柱の並び方向の両方に直交する方向の一方と他方に位置する第一部材及び第二部材と、前記第一部材と前記第二部材とを連結する支柱パネルユニットとを有し、
前記支柱パネルユニットは、複数の前記支柱の並び方向に沿った複数の平板部を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体。
【請求項10】
前記支柱パネルユニットは、前記パネルユニットと同一の部材からなることを特徴とする請求項9に記載のパネル構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物の外側等に取り付けるパネルとして、格子状の枠の内側に、斜め十字形の骨組み部材を平面状に連結して配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4155895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のパネルは、構造の簡単化、強度の向上を狙って作られており、日射低減の機能は殆ど有していなかった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するために、日射低減機能を有するパネル構造体を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、パネル構造体において、
互いに平行な状態で並んで配置された複数の支柱と、
隣り合う前記支柱の各々に対して個別に嵌合する嵌合部を有し、当該隣り合う前記支柱同士を連結するパネルユニットとを有し、
前記パネルユニットは、前記支柱に沿った方向及び複数の前記支柱の並び方向に直交する方向に沿った複数の平板部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、日射低減を図ることができるパネル構造体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一の実施形態としてのパネル構造体の斜視図である。
図2】パネル構造体の左端部の正面図である。
図3】パネル構造体の左端部の平面図である。
図4】支柱の本体部の平面図である。
図5】パネルユニットの斜視図である。
図6】パネルユニットの正面図である。
図7】連結部材の正面図である。
図8】第二の実施形態としてのパネル構造体の正面図である。
図9】パネル構造体の左側面図である。
図10】パネル構造体の左端部分の正面図である。
図11】パネル構造体の上下方向中間部分の左側面図である。
図12】パネル構造体の左右方向中間部分の平面図である。
図13】本体部の平面図である。
図14】平板部の構造が異なるパネルユニットを使用したパネル構造体の正面図である。
図15】平板部の構造が異なる二種類のパネルユニットを併用したパネル構造体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一の実施形態]
本発明に係るパネル構造体の第一の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
以下に述べるパネル構造体は、建造物の躯体の開口部だけでなく、開口部以外の外壁の外側に外装として取り付けられ、また、建造物の外部設備(エアコンの室外機や非常階段等)の覆いや目隠しとしても利用可能なものを例示する。但し、上記に限定されず、建造物の外側のいかなる場所に取り付けて利用してもよい。
【0010】
[パネル構造体の概略構成]
図1はパネル構造体100の斜視図、図2はパネル構造体100の左端部の正面図、図3はパネル構造体100の左端部の平面図である。
【0011】
以下、各構成の説明については、パネル構造体100の幅方向を左右方向(見付け方向、面内方向という場合もある)、高さ方向を上下方向(見付け方向、面内方向という場合もある)、図2における紙面奥行き方向を前後方向(見込み方向、面外方向という場合もある)と定義して説明する。
また、パネル構造体100については、建造物に取り付けられた状態で建造物の外側からパネル構造体100を見た場合の上下左右をパネル構造体100の上下左右と定義する。さらに、パネル構造体100については、パネル構造体100に対する建造物側を「後」、パネル構造体100に対する建造物とは逆側を「前」と定義する。
なお、本実施形態では、特に断りがない場合には、パネル構造体100の上下が鉛直上下方向に平行となり、パネル構造体100の前後左右が水平方向に平行となるように建造物に設置されている前提で各部の方向について説明する。
【0012】
パネル構造体100は、互いに平行な状態で並んで配置された複数の支柱20と、隣り合う支柱20同士を連結するパネルユニット30とを有する。
【0013】
[支柱]
図4は支柱20の本体部200の平面図である。
支柱20は、図2に示すように、四角柱状の本体部200と、本体部200の下端部に取り付けられる底板201と、本体部200の上端部に取り付けられる天板202(図3では図示略)とを有する。これらはいずれも金属材料、例えば、アルミニウム合金からなる。なお、底板201及び天板202は樹脂材料が用いられてもよい。
【0014】
底板201は、本体部200の下端部とほぼ等しいサイズの矩形の平板である。底板201は、平板の上面から立ち上げられた本体部200の下端部に挿入可能な側壁を有する構成としてもよい。
底板201は、本体部200の下端部に対して固定されている。固定方法は、ネジ止め、締り嵌め等による嵌合、或いは、溶接や接着等のように取り外しを想定しない方法で固定してもよい。
【0015】
天板202は、本体部200の上端部とほぼ等しいサイズの矩形の平板である。天板202は、平板の下面から立ち上げられた本体部200の上端部に挿入可能な側壁を有する構成としてもよい。
天板202は、本体部200の上端部に装着されている。装着方法は、ネジ止め、締り嵌め等による嵌合、或いは、接着等のように、あらゆる装着方法を利用できる。但し、天板202は、底板201と異なり、本体部200から取り外しができる方法で装着することが好ましい。
【0016】
本体部200は、図4に示す平面視形状が上下方向の全長に渡って連続する柱状体である。本体部200は、押し出し成型によって形成されている。
本体部200は、左側と右側とに、平面視矩形の溝状の被嵌合部210,220が上下方向の全長に渡って形成されている。また、本体部200の後側には、平面視矩形の溝状部230が上下方向の全長に渡って形成されている。
【0017】
左の被嵌合部210は、上下方向の全長に渡って左方に開口している。この開口部の前側の縁部と後側の縁部とには、互いに対向するように突出した凸条211,212が上下方向の全長に渡って設けられている。これにより、被嵌合部210の前後方向の開口幅が狭められている。
【0018】
右の被嵌合部220は、上下方向の全長に渡って右方に開口している。この開口部の前側の縁部と後側の縁部とには、互いに対向するように突出した凸条221,222が上下方向の全長に渡って設けられている。これにより、被嵌合部220の前後方向の開口幅が狭められている。
被嵌合部210と被嵌合部220は、内部の前後幅及び左右幅(深さ)が等しく、凸条211,212間の開口幅と凸条221,222間の開口幅も等しい。
【0019】
後の溝状部230は、上下方向の全長に渡って後方に開口している。この開口部の左側の縁部と右側の縁部とには、互いに対向するように突出した凸条231,232が設けられている。これにより、溝状部230の左右方向の開口幅が狭められている。
また、左右の凸条231,232の先端部には、いずれも前方に突出した補強用のリブ233,234が上下方向の全長に渡って形成されている。
【0020】
[パネルユニット]
図5はパネルユニット30の斜視図、図6は正面図である。
パネルユニット30は、正面視で略X字状であって、前後方向に一様な形状からなる。パネルユニット30は、金属材料、例えば、アルミニウム合金からなる。
パネルユニット30は、図6に示す図示形状で押し出し成型によって形成された押出形材を、図5に示す前後幅で均等に切断して形成されている。このため、パネルユニット30は、一度に多数個形成することができ、量産性が高い。
【0021】
また、パネルユニット30は、全体的に前後方向の幅が均一となっている。パネルユニット30の前後方向の幅は、前述した凸条211,212間の前後方向の開口幅及び凸条221,222間の前後方向の開口幅と等しいか又は僅かに狭く、パネルユニット30の左右の端部を左右の被嵌合部210,220に挿入することができる。
【0022】
パネルユニット30は、長方形状の平板からなる第一平板部31及び第二平板部32を有する。
第一平板部31は、全体が前後方向と左斜め上方向とに平行な平板である。
第二平板部32は、全体が前後方向と右斜め上方向とに平行な平板である。
第一平板部31と第二平板部32を正面から見た場合の傾斜角度の大きさは等しい。そして、第一平板部31と第二平板部32とは、互いの長辺の中間部で交差して一体化されている。
【0023】
さらに、第一平板部31及び第二平板部32は、両端部に正面視で略方形となる筒状部33,34,35,36を有する。
筒状部33は、第一平板部31の左上端部に連接された上面部331と、上面部331に連接された左面部332と、左面部332に連接された下面部333と、上面部331に連接された右面部334とを有する。筒状部33は、正方形の角柱に対して右下角部が欠損している。このため、下面部333と右面部334は、いずれも前後方向に延在する凸条の形体を呈している。
【0024】
筒状部34は、第一平板部31の右下端部に連接された下面部341と、下面部341に連接された右面部342と、右面部342に連接された上面部343と、下面部341に連接された左面部344とを有する。筒状部34は、正方形の角柱に対して左上角部が欠損した形状となっている。このため、上面部343と左面部344は、いずれも前後方向に延在する凸条の形体を呈している。
【0025】
筒状部35は、第二平板部32の右上端部に連接された上面部351と、上面部351に連接された右面部352と、右面部352に連接された下面部353と、上面部351に連接された左面部354とを有する。筒状部35は、正方形の角柱に対して左下角部が欠損した形状となっている。このため、下面部353と左面部354は、いずれも前後方向に延在する凸条の形体を呈している。
【0026】
筒状部36は、第二平板部32の左下端部に連接された下面部361と、下面部361に連接された左面部362と、左面部362に連接された上面部363と、下面部361に連接された右面部364とを有する。筒状部36は、正方形の角柱に対して右上角部が欠損した形状となっている。このため、上面部363と右面部364は、いずれも前後方向に延在する凸条の形体を呈している。
【0027】
また、各筒状部33~36は、いずれも中央部が前後方向の全長に渡って略方形に貫通している。
【0028】
パネルユニット30は、上下方向及び前後方向に平行な平面を基準として左右対称な立体形状となっている。さらに、パネルユニット30は、左右方向及び前後方向に平行な平面を基準として上下対称な立体形状となっている。
【0029】
そして、左上に位置する筒状部33の上面部331と右上に位置する筒状部35の上面部351とは、同一の水平面上に位置した面一となっている。
また、左下に位置する筒状部36の下面部361と右下に位置する筒状部34の下面部341とは、同一の水平面上に位置した面一となっている。
また、左上に位置する筒状部33の左面部332と左下に位置する筒状部36の左面部362とは、同一の鉛直平面上に位置した面一となっている。
また、右上に位置する筒状部35の右面部352と右下に位置する筒状部34の右面部342とは、同一の鉛直平面上に位置した面一となっている。
【0030】
パネルユニット30は、複数のパネルユニット30を上下方向から見て重合するように一列に連結される。
そして、上下に一列に連結された複数のパネルユニット30が左右に隣り合う支柱20の連結を行う。この場合、パネルユニット30は、上下に連結した状態での全長が支柱20の本体部200の長さに等しいか僅かに短い状態となる個数で連結される。
パネルユニット30は、上下に隣り合うパネルユニット30同士を連結するための連結部材37を有する。
【0031】
図7は連結部材37の正面図である。
図2に示すように、連結部材37は、上下に隣り合う上側のパネルユニット30の左下の筒状部36と下側のパネルユニット30の左上の筒状部33とを連結する。
また、連結部材37は、上下に隣り合う上側のパネルユニット30の右下の筒状部34と下側のパネルユニット30の右上の筒状部35とを連結する。
左下の筒状部36と左上の筒状部33とを連結する場合と、右下の筒状部34と右上の筒状部35とを連結する場合とで、向きが異なるが同一の連結部材37を利用することができる。図7の連結部材37は、左下の筒状部36と左上の筒状部33とを連結する場合の正面図を示している。
【0032】
連結部材37は、図7に示す正面視形状が前後方向の全長に渡って連続する略筒状体である。
連結部材37は、金属材料、例えば、アルミニウム合金からなる。連結部材37は、図7に示す図示形状で押し出し成型によって形成された押出形材を、図3に示す前後幅で均等に切断して形成されている。このため、連結部材37は、一度に多数個形成することができ、量産性が高い。
連結部材37の前後方向の幅は、支柱20の被嵌合部210,220の内部の前後方向の幅と等しいか僅かに狭い。また、連結部材37の左右方向の幅は、支柱20の被嵌合部210,220の内部の左右方向の幅(凸条211,212,221,222を除いた幅)と等しいか僅かに狭い。
従って、連結部材37は、被嵌合部210,220内に挿入し、上下方向に移動させることができる。
【0033】
連結部材37は、正面視で上下に長い長方形状の角筒であって、長方形の長辺に相当する第一壁部371と、第一壁部371の両端部にそれぞれ連なる長方形の短辺に相当する一対の第二壁部372とを有する。
さらに、連結部材37は、一対の第二壁部372における第一壁部371とは逆側の端部に連なる一対の第三壁部373を有する。
一対の第三壁部373は、互いに接近する方向に延びて、途中から湾曲して第一壁部371側に延出されている。一対の第三壁部373は、その延出端部が第一壁部371の内面に対向している。
これにより、連結部材37は、一対の第三壁部373の間が前後方向の全長に渡って分断されてスリットが形成されている。
【0034】
図7に示すように、上下に隣り合う上側のパネルユニット30の左下の筒状部36と下側のパネルユニット30の左上の筒状部33とは、下面部361と上面部331とを当接又は近接対向させた状態で、連結部材37の前後方向のいずれかの端部から内側に挿入することができる。
この時、上下に並んだ左下の筒状部36と左上の筒状部33は、三方が連結部材37の第一壁部371及び一対の第二壁部372に囲繞される。また、左下の筒状部36と左上の筒状部33のそれぞれの内側部分には、一対の第三壁部373が入り込んだ状態となる。
これにより、左下の筒状部36と左上の筒状部33は、上下左右いずれの方向に対しても拘束された状態となる。
【0035】
なお、左下の筒状部36に連接された第二平板部32と左上の筒状部33に連接された第一平板部31とは、連結部材37の一対の第三壁部373の間から連結部材37の外側に出ている。このため、連結部材37の端部から筒状部33,36を挿入する際に妨げとならない。
【0036】
また、上下に隣り合う上側のパネルユニット30の右下の筒状部34と下側のパネルユニット30の右上の筒状部35とは、下面部341と上面部351とを当接又は近接対向させた状態で、連結部材37の前後方向のいずれかの端部から内側に挿入することができる。
なお、この場合、連結部材37は、図7の向きから前後方向に沿った軸回りに180°回転させた向きで使用される。
これにより、右下の筒状部34と右上の筒状部35も、上下左右いずれの方向に対しても拘束された状態となる。
【0037】
上下に一列に並べられた複数のパネルユニット30は、上記の要領で全て連結することができる。
そして、図3に示すように、パネルユニット30の連結体の左側で上下に並んだ複数の連結部材37を、左側に位置する支柱20の本体部200の右の被嵌合部220に対して上から挿入することができる。
同様にして、パネルユニット30の連結体の右側で上下に並んだ複数の連結部材37を、右側に位置する支柱20の本体部200の左の被嵌合部210に対して上から挿入することができる。
これらの挿入により、各パネルユニット30の第一平板部31及び第二平板部32は、被嵌合部210,220の開口部から支柱20の外側に位置する状態となる。これにより、連結部材37は、第一平板部31及び第二平板部32に対して前後方向にも拘束されるので、上下に並んだ複数のパネルユニット30は、連結状態が維持される。
【0038】
複数のパネルユニット30の連結体の左側で上下に並んだ複数の連結部材37と右側で上下に並んだ複数の連結部材37とが嵌合部として機能する。即ち、連結部材37は、被嵌合部210,220内において、上下にスライド移動を行うことしかできないので、左右に並んだ支柱20は、複数のパネルユニット30の連結体によって前後方向と左右方向とについて拘束される。
さらに、本体部200の上端部に天板202を装着し、固定することにより支柱20とパネルユニット30の連結体との相対的な上下の移動も規制される。左右方向に並んだ隣り合う支柱20ごとに、同様にして連結することで、図1に示すような、一枚のパネル状のパネル構造体100を形成することができる。
【0039】
なお、複数のパネルユニット30の連結体と支柱20の本体部200の上下の長さが完全に一致しない場合には、本体部200の左右の被嵌合部210,220には、これらの内側に隙間なく嵌合するスペーサ203を配置してから天板202を取り付けることが好ましい。スペーサ203は、変形性や緩衝性を有する弾性材料、多孔質材料からなることが好ましい。
【0040】
[パネル構造体の取付構造]
図3に基づいてパネル構造体100を建造物の壁面に取り付ける取付構造について説明する。
取付構造は、パネル構造体100の後面側に連結される連結材11と、連結材11を建造物の壁面に固定する固定ブラケット14とを有する。
【0041】
連結材11は、アルミニウム合金の押出形材やスチール材からなり、断面L字状の左右方向に長い構造材である。
連結材11は、断面L字状であるため、左右方向と上下方向に沿った平板状の縦板部111と、左右方向と前後方向に沿った平板状の横板部112とを有する。横板部112は、縦板部111の下端部から後方に延出されている。
【0042】
連結材11は、少なくともパネル構造体100の左右幅と同程度の長さを有するが、パネル構造体100の左右幅の複数倍の長さとして、複数枚のパネル構造体100を左右方向に並べて同時に支持してもよい。
また、連結材11は、少なくとも二本を平行に配置し、パネル構造体100の後面の上下二か所にそれぞれが連結される。連結材11はより多くの本数を用意して、パネル構造体100の上下のより多くの箇所に連結してもよい。
【0043】
縦板部111には、パネル構造体100の各支柱20に対応する間隔で前後に貫通する図示しない挿通孔が複数形成されている。この挿通孔は、縦板部111と支柱20とを連結するボルト12の挿通孔である。この挿通孔は、幾分横長の長穴からなり、ボルト12の左右位置を微調整することができる。
【0044】
ボルト12は、縦板部111の後方から挿入され、支柱20の本体部200の後部の溝状部230内に配置された正面視矩形又は方形のナット13に螺入され、締結によって連結材11と支柱20とを連結する。
ナット13は、左右方向の幅が、溝状部230の凸条231,232の間の左右方向の開口幅より幾分広い。そして、ナット13の後端部の左右両端部に段部が形成されて、ナット13の後端部側のみ、溝状部230の開口幅よりも僅かに狭く形成されている。従って、ナット13の後端部を溝状部230の凸条231,232の間に嵌合させることができる。
ナット13は、方形又は矩形なので、溝状部230の凸条231,232の間に嵌合すると、回転が規制される。これにより、ボルト12の締結時に共回りが回避され、ボルト締め作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0045】
固定ブラケット14は、アルミニウム合金やスチール材からなり、側方視L字状の部材である。固定ブラケット14は、連結材11に比べて、左右方向の幅は十分に狭い。
固定ブラケット14は、側方視L字状であるため、左右方向と上下方向に沿った平板状の縦板部141と、左右方向と前後方向に沿った平板状の横板部142とを有する。横板部142は、縦板部141の下端部から前方に延出されている。
【0046】
固定ブラケット14は、連結材11に対して、左右方向に一定の間隔で複数設けられている。固定ブラケット14を連結材11に取り付ける際には、固定ブラケット14の横板部142を連結材11の横板部112の下側に重ねてボルト15とナット16(図11参照)とによって連結される。
このため、連結材11の横板部112と固定ブラケット14の横板部142には、ボルト15の挿通孔が上下に貫通形成されている。このうち、連結材11と固定ブラケット14のいずれか一方の挿通孔は、幾分前後長が長い長穴からなり、固定ブラケット14と連結材11の間の前後位置を微調整することができる。
【0047】
固定ブラケット14の縦板部141は、建造物の壁面に対する取り付け面である。縦板部141にも前後に貫通した挿通孔が形成され、ボルトによって、固定ブラケット14を壁面に締結固定することができる。挿通孔は、幾分左右に長い長穴からなり、壁面に対する固定ブラケット14と間の左右位置を微調整可能することができる。
【0048】
[組立作業]
パネル構造体100の組立の際には、まず、必要数のパネルユニット30の左右両端部を連結部材37により連結し、上下方向に一列に連結された連結体を、支柱20の本数よりも一つ少ない個数分用意する。
そして、左右に並んだ複数の支柱20の本体部200の底部に底板201を取り付ける。
さらに、隣り合う左側の支柱20の右の被嵌合部220に対して上から各パネルユニット30の左側の連結部材37を挿入する。また、右側の支柱20の左の被嵌合部210に対して上から各パネルユニット30の右側の連結部材37を挿入する。このようにして、全ての隣り合う支柱20をパネルユニット30の連結体によって連結する。
そして、各支柱20の被嵌合部210,220の上部の余りスペースにスペーサ203を挿入して天板202で蓋をする。天板202は固定してもよい。
このようにしてパネル構造体100の組立が行われる。
【0049】
[第一実施形態の技術的効果]
上記構成のパネル構造体100は、パネルユニット30が、前後方向に沿った第一平板部31と第二平板部32とを有するので、これらの平板部31,32が日射を適度に遮ることができ、パネル構造体100の後側に対して過剰な日射を抑制することが可能である。
例えば、夏季の強力な日射の場合には、照射角度が水平面に対して垂直に近くなるので、第一平板部31、第二平板部32は、適度にこれを遮ることが可能である。これにより、建造物の過剰な温度上昇を抑制することが可能である。
また、冬季の弱い日射の場合には、照射角度が水平面に対して小さくなるので、第一平板部31、第二平板部32は、適度にこれを透過することが可能である。これにより、建造物の低温化を抑制することが可能である。
【0050】
また、第一平板部31と第二平板部32が前後方向に沿った平板なので、日射を過剰に遮らず、適度に採光を行うことも可能である。
さらに、パネルユニット30は、通風を遮らない構造であるため、建造物の風通しを適度に維持することが可能である。
【0051】
また、第一平板部31と第二平板部32が前後方向に沿った平板であり、ハニカム構造に近い構造なので、鉛直方向に沿った状態に近い平板に比べて、パネル構造体100に対する前方からの飛来物の衝突に対して高い強度を得ることができ、後側の建造物等を強固に保護することが可能である。
【0052】
さらに、パネルユニット30は、隣り合う支柱20の各々に対して個別に嵌合する嵌合部としての連結部材37を有するので、パネル構造体100の組立の際には、支柱20に対する連結部材37の挿入による嵌合という容易な作業によって支柱20同士を連結することができ、組立作業の容易化を図ることが可能となる。また、パネルユニット30の嵌合部(連結部材)37が本体部200の被嵌合部210(220)の内部に配置されることから、パネルユニット30の嵌合状態が外部から見えないため、意匠的に見栄えの良いパネル構造体を得ることができる。
【0053】
また、パネル構造体100は、複数のパネルユニット30を隣り合う支柱20の間に並べて配置している。このため、各パネルユニット30は、狭い間隔で両側から支持された状態となり、パネル構造体100の全体的な剛性を高めることができ、前方からの飛来物の衝突に対してより高い強度を得ることが可能である。
さらに、パネル構造体100の組立の際には、複数のパネルユニット30を二本の支柱20の間に並べていけばよいので、作業性が良く、組み立てを容易且つ効率的に行うことが可能となる。
【0054】
また、パネルユニット30は、上下方向の隣のパネルユニット30と連結するための連結部材37を有するので、先にパネルユニット30を列状に連結しておけば、一度に支柱20の間に配置することができ、組立作業のさらなる容易化を図ることが可能となる。
【0055】
また、連結部材37は、嵌合部として機能するので、一連のパネルユニット30をまとめて支柱20に嵌合させることができ、組立作業を飛躍的に容易に行うことが可能となる。
また、連結部材37は、パネルユニット30において、各平板部31,32とは別部材で構成されているため、連結部材37を除いたパネルユニット30そのものは、支柱20に対する嵌合構造を設ける必要がなく、構造の簡略化を図ることができる。
特に、前後方向の全長に渡って一定の形状で形成すると共に、全体の前後方向の幅を一定としている。このため、連結部材37を除いたパネルユニット30の構成を、押し出し成型された押出形材を一定の幅で切断することで量産化でき、製造容易化とコスト低減を図ることが可能となる。また、連結部材37も同様に押出形材から得ることができ、量産に適した構造となっている。
なお、パネルユニット30は、前述したように、図6に示す図示形状で押し出し成型によって形成された形材を、図5に示す前後幅で均等に切断して量産される。着色工程を切断前の形材の状態で行い、さらに、形材を均等に切断した後で新たに別の着色工程を行うことによって、形材の押出方向の表面と、切断されることによって現れる切断面とで異なる色を着色することができる。それにより、良好な意匠性を実現することも可能である。
【0056】
また、各支柱20は、当該支柱20に沿った溝状の被嵌合部210,220を有し、各パネルユニット30が被嵌合部210,220に沿って移動させて配置することができる構造である。
このため、パネル構造体100の組立の際には、複数のパネルユニット30を被嵌合部210,220に沿ってスライド移動させて配置することができるため、組み立てを容易且つ迅速に行うことが可能となる。
【0057】
また、各パネルユニット30は、第一平板部31と第二平板部32とが交差した形状である。これにより、広い面積を最小限の平板部で網羅することができ、飛来物の衝突に対する防護効果を図りつつ軽量化を図ることが可能となる。
【0058】
[第二の実施形態]
本発明に係るパネル構造体の第二の実施形態について、図面を参照して説明する。
第二の実施形態たるパネル構造体100Aについては、前述したパネル構造体100と異なる点について主に説明し、同一の構成については同一の符号付して重複する説明は省略する。
【0059】
図8はパネル構造体100Aの正面図、図9は左側面図、図10はパネル構造体100Aの左端部分の正面図、図11は上下方向中間部分の左側面図、図12は左右方向中間部分の平面図である。
このパネル構造体100Aは、互いに平行な状態で並んで配置された複数の支柱20Aと、隣り合う支柱20A同士を連結するパネルユニット30とを有する。
このパネル構造体100Aは、支柱20Aが前述したパネル構造体100の支柱20と異なっている。
【0060】
支柱20Aは、上下に並んだパネルユニット30の連結体によって隣同士が連結される点は支柱20と同じである。
支柱20Aは、底板(図示略)と天板(図示略)と本体部200Aとを有する。本体部200Aは、前述した本体部200よりも左右方向の幅が広い。従って、底板及び天板は、前述した底板201及び天板202よりも左右方向の幅が広い。それ以外の点については、底板及び天板は、底板201及び天板202と同じである。
【0061】
図13は本体部200Aの平面図である。
図10図13に示すように、本体部200Aは、前側部分を構成する第一部材240Aと後側部分を構成する第二部材250Aと、これらを連結する、上下に並んだ複数の支柱パネルユニットとしてのパネルユニット30Aとを有する。
【0062】
パネルユニット30Aは、前述したパネルユニット30と正面視の形状が等しく、パネルユニット30における前後方向の幅がより狭いものとなっている。
パネルユニット30Aは、前述したパネルユニット30のパネル構造体100における姿勢(向き)に対して、上下方向に沿った軸回りに90°回転し、さらに、左右方向に沿った軸回りに90°回転させた姿勢で本体部200Aに配置される。
即ち、図11に示すように、本体部200Aに配置された状態で、パネルユニット30Aにおける左上の筒状部33は前上側に位置し、右下の筒状部34は後下側に位置し、右上の筒状部35は前下側に位置し、左下の筒状部36は後上側に位置した状態となる。
パネルユニット30Aは、この姿勢で、上から見て重合するように上下に並んだ状態で複数が本体部200Aに配置される。
【0063】
第一部材240A及び第二部材250Aは、図13に示す平面視形状が上下方向の全長に渡って連続する柱状体である。第一部材240A及び第二部材250Aは、金属材料、例えば、アルミニウム合金からなる。これらは、押し出し成型によって形成されている。
【0064】
第一部材240Aは、図13に示すように、左右の両端部より幾分内側から後方に向かって延出された左右一対の側壁部241A,242Aと、左右の両端部から後方に向かって延出された左右一対の凸条243A,244Aとを有する。
【0065】
左右一対の側壁部241A,242Aは、後方に向かって同じ長さで延出されている。
左右一対の側壁部241A,242Aの間には、パネルユニット30Aの筒状部33,35が挿入される。
左右一対の側壁部241A,242Aには、図12に示すように、左右方向の内側に向かって貫通形成されたネジ38(図11参照)の挿通孔が上下に並んで形成されている。そして、筒状部33,35は、一対の側壁部241A,242Aの挿通孔を通じて左右両側からネジ38が螺入され、側壁部241A,242Aに固定される。
【0066】
左右一対の凸条243A,244Aは、後方に向かって同じ長さで延出されている。左右一対の凸条243A,244Aは、左右一対の側壁部241A,242Aよりも延出長さが短い。
左右一対の凸条243A,244Aは、前述した本体部200の凸条211,221と同じ機能を有する。
【0067】
左側の凸条243Aと左側の側壁部241Aとの間には、図12及び図13に示すように、支柱20Aの左側に位置するパネルユニット30の連結部材37の前端部が挿入される。左側の凸条243Aと左側の側壁部241Aとの間の領域は、パネルユニット30の嵌合部(連結部材37)と嵌合する被嵌合部210Aの前側部分を構成する。
【0068】
右側の凸条244Aと右側の側壁部242Aとの間には、図12及び図13に示すように、支柱20Aの右側に位置するパネルユニット30の連結部材37の前端部が挿入される。右側の凸条244Aと右側の側壁部242Aとの間の領域は、パネルユニット30の嵌合部(連結部材37)と嵌合する被嵌合部220Aの前側部分を構成する。
【0069】
第二部材250Aは、図13に示すように、左右の両端部より幾分内側から前方に向かって延出された左右一対の側壁部251A,252Aと、左右の両端部から前方に向かって延出された左右一対の凸条253A,254Aとを有する。
【0070】
左右一対の側壁部251A,252Aは、前方に向かって同じ長さで延出されている。
左右一対の側壁部251A,252Aの間には、パネルユニット30Aの筒状部34,36が挿入される。
左右一対の側壁部251A,252Aにもネジ38(図11参照)の挿通孔が上下に並んで形成されている。そして、筒状部34,36に対して、一対の側壁部251A,252Aの挿通孔を通じて左右両側からネジ38が螺入され、側壁部251A,252Aに固定される。
【0071】
左右一対の凸条253A,254Aは、前方に向かって同じ長さで延出されている。左右一対の凸条253A,254Aは、左右一対の側壁部251A,252Aよりも延出長さが短い。
左右一対の凸条253A,254Aは、前述した本体部200の凸条212,222と同じ機能を有する。
【0072】
左側の凸条253Aと左側の側壁部251Aとの間には、図12に示すように、支柱20Aの左側に位置するパネルユニット30の連結部材37の後端部が挿入される。左側の凸条253Aと左側の側壁部251Aとの間の領域は、パネルユニット30の嵌合部(連結部材37)と嵌合する被嵌合部210Aの後側部分を構成する。
【0073】
右側の凸条254Aと右側の側壁部252Aとの間には、図12に示すように、支柱20Aの右側に位置するパネルユニット30の連結部材37の後端部が挿入される。右側の凸条254Aと右側の側壁部252Aとの間の領域は、パネルユニット30の嵌合部(連結部材37)と嵌合する被嵌合部220Aの後側部分を構成する。
【0074】
このように、第一部材240Aと第二部材250Aは、上下に並んだパネルユニット30Aによって連結される。そして、連結状態の第一部材240A及び第二部材250Aにおいて、側壁部241A及び側壁部251Aと凸条243A及び凸条253Aとの間の領域が被嵌合部210Aを構成する。
また、連結状態の第一部材240A及び第二部材250Aにおいて、側壁部242A及び側壁部252Aと凸条244A及び凸条254Aとの間の領域が被嵌合部220Aを構成する。
また、連結状態の第一部材240A及び第二部材250Aにおいて、側壁部241A及び側壁部251Aと側壁部242A及び側壁部252Aとの間の領域がパネルユニット30Aの配置領域260Aを構成する。
【0075】
また、第二部材250Aには、溝状部230が設けられている。なお、この溝状部230は、本体部200の溝状部230に比べて左右方向の幅が全体的に広くなっている。このため、支柱20Aを連結材11の縦板部111に連結する場合には、幅広の溝状部230に対応してナット13も左右幅の広いものが使用される。
【0076】
[第二実施形態の技術的効果]
上記構成のパネル構造体100Aは、前述したパネル構造体100と同一の技術的効果を有する。
さらに、パネル構造体100Aの支柱20Aは、パネルユニット30Aが、左右方向に沿った第一平板部31と第二平板部32とを有する。
従って、パネルユニット30Aが向けられた左右方向について、日射を適度に透過し、適度に遮蔽するので、夏季の高温化、冬季の低温化をさらに抑制することが可能である。
【0077】
また、左右方向に沿った第一平板部31と第二平板部32とを有するので、支柱20が日射を過剰に遮らず、より適度に採光を行うことが可能である。
また、パネル構造体100Aは、パネル構造体100より効果的に建造物の風通しを維持することが可能である。
【0078】
また、各パネルユニット30Aは、第一平板部31と第二平板部32が左右方向に沿った平板なので、パネル構造体100Aに対する側方からの飛来物の衝突に対して高い強度を得ることができ、さらに、支柱20Aの軽量化を図ることが可能である。
【0079】
また、前述したように、パネルユニット30は、その正面視形状からなる長い形材をパネルユニット30の前後幅ごとに切断して形成される。パネルユニット30Aは、前後幅がパネルユニット30と異なるが、正面視形状が同一なので、同じ形材に対して幅を変えて切断することで形成することができる。従って、パネルユニット30とパネルユニット30Aとで材料となる形材の共通化を図ることができ、製造が容易であって、コスト低減を図ることが可能である。
【0080】
なお、パネル構造体100Aにおいて、支柱20Aの第一部材240A及び第二部材250Aの左右の幅を広げることで、第一部材240Aと第二部材250Aをパネルユニット30で連結可能としてもよい。
この場合、支柱20A同士の連結も支柱20Aの第一部材240Aと第二部材250Aの連結も全てパネルユニット30によって行うことが可能となる。従って、二種類のパネルユニット30,30Aを製造する必要がなくなるので、さらなる製造の容易化及びコスト低減を図ることが可能である。
なお、本実施形態においても、形材の切断の前後で着色を行うことで、形材の押出方向の表面と切断面とで異なる色を着色することができる。それにより、支柱部分においても良好な意匠性を実現することも可能である。
【0081】
[他のパネルユニットの適用例]
パネルユニットは、パネルユニット30のように、平板部同士が交差した形態に限定されない。
【0082】
例えば、図14のパネル構造体100Bのように、平板部32Bが他の平板部31B,33Bに突き当てられたパネルユニット30Bを使用してもよい。
パネルユニット30Bは、正面視の形状が横に倒れたH字状である。パネルユニット30Bは、上部と下部とに、前後方向及び左右方向に平行な平板状の平板部31B,33Bを有し、これらの間に前後方向及び上下方向に平行な平板状の平板部32Bを有する。
パネルユニット30Bも、図14に示す図示形状で押し出し成型によって形成された形材を、所定の前後幅で均等に切断して形成されている。
【0083】
平板部32Bの上端部は、平板部31Bの下面の左右方向中央部に突き当てられた状態で一体化されている。
平板部32Bの下端部は、平板部33Bの上面の左右方向中央部に突き当てられた状態で一体化されている。左上に筒状部33、右下に筒状部34、右上に筒状部35、左下に筒状部36を有する点は、パネルユニット30と同じである。
この場合も、パネルユニット30Bは、上下に重合して一列に並んで配置され、上下のパネルユニット30Bは、連結部材37によって連結される。
【0084】
パネルユニットの正面視の形状は、上記の例に限定されない。
但し、隣り合う支柱20を連結するパネルユニットの場合には、突き当てられる平板部がいずれも前後方向に平行な平面を有するものであることが好ましい。
【0085】
また、図15に示すパネル構造体100Cのように、パネルユニット30とパネルユニット30Bの前後幅と左右幅が等しい場合には、これらを併用してもよい。
【0086】
また、支柱パネルユニットとしてのパネルユニット30Aのように、支柱20Aの第一部材240Aと第二部材250Aとを連結する場合にパネルユニット30Bを利用することも可能である。
この場合も、パネルユニット30Bの正面視の形状は、上記の例に限定されない。
但し、第一部材240Aと第二部材250Aとを連結するパネルユニットを支柱パネルユニットとして使用する場合には、突き当てられる平板部がいずれも左右方向に平行な平面を有するものであることが好ましい。
【0087】
[その他]
以上、本発明の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。例えば、実施形態において、単一の部材により一体的に形成された構成要素は、複数の部材に分割されて互いに連結又は固着された構成要素に置換してもよい。また、複数の部材が連結されて構成された構成要素は、単一の部材により一体的に形成された構成要素に置換してもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0088】
例えば、パネル構造体100は、支柱20の長さ、本数、パネルユニット30の上下の並び数、各部材の前後幅や左右幅等は、任意に変更可能である。また、他のパネル構造体100A,100B,100Cの場合も同様である。
【符号の説明】
【0089】
11 連結材
14 固定ブラケット
20 支柱
20A 支柱
30,30B パネルユニット
30A パネルユニット(支柱パネルユニット)
31 第一平板部
31B,32B,33B 平板部
32 第二平板部
33,34,35,36 筒状部
37 連結部材(嵌合部)
100,100A,100B,100C パネル構造体
200,200A 本体部
201 底板
202 天板
203 スペーサ
210,220,210A,220A 被嵌合部
230 溝状部
240A 第一部材
250A 第二部材
260A 配置領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15