(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154935
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】配送システム、及び、共用制御システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20241024BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20241024BHJP
【FI】
E05B49/00 J
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069172
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】519010178
【氏名又は名称】株式会社PacPort
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】チン ヨウ
【テーマコード(参考)】
2E250
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
2E250AA04
2E250BB47
2E250EE10
2E250EE14
2E250FF11
2E250FF18
2E250FF36
2E250GG05
5L010AA16
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】配達員による集合住宅の扉の解錠作業を簡単にする。
【解決手段】業務端末5は、入口H1のうち視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込む識別コード読込部57と、識別コード読込部57が識別コードを読み込んだ場合、配送事業者サーバ4に第一信号を送信する解錠依頼部60と、を備え、配送事業者サーバ4は、業務端末5から第一信号を受け付ける依頼受付部45と、依頼受付部45によって当該第一信号を受け付けた場合、扉制御装置サーバ3に第二信号を送信する要求部46と、を備え、扉制御装置サーバ3は、配送事業者サーバ4から第二信号を受け付ける要求受付部34と、要求受付部34によって第二信号を受け付けた場合、扉制御装置2に扉6を解錠する解錠指示を送信する指示部36と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅における入口から各部屋までの移動経路上にある一つ以上の共用装置を制御する制御部を備える、共用制御装置と、
前記共用制御装置と通信可能な制御装置サーバと、
荷物の配送事業者に管理され、前記制御装置サーバと通信可能な配送事業者サーバと、
前記荷物を配達する配達員に所有され、前記配送事業者サーバと通信可能な業務端末と、
を有し、
前記業務端末は、
前記集合住宅における視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込む識別コード読込部と、当該識別コード読込部が当該識別コードを読み込んだ場合、前記配送事業者サーバに第一信号を送信する制御依頼部と、を備え、
前記配送事業者サーバは、
前記業務端末から前記第一信号を受け付ける依頼受付部と、当該依頼受付部によって当該第一信号を受け付けた場合、前記制御装置サーバに第二信号を送信する要求部と、を備え、
前記制御装置サーバは、
前記配送事業者サーバから前記第二信号を受け付ける要求受付部と、当該要求受付部によって当該第二信号を受け付けた場合、前記共用制御装置に前記共用装置を制御する指示を送信する指示部と、を備える、
配送システム。
【請求項2】
集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する制御部を備える、扉制御装置と、
前記扉制御装置と通信可能な扉制御装置サーバと、
荷物の配送事業者に管理され、前記扉制御装置サーバと通信可能な配送事業者サーバと、
前記集合住宅に前記荷物を配達する配達員に所有され、前記配送事業者サーバと通信可能な業務端末と、
を有し、
前記業務端末は、
前記入口のうち視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込む識別コード読込部と、当該識別コード読込部が当該識別コードを読み込んだ場合、前記配送事業者サーバに第一信号を送信する解錠依頼部と、を備え、
前記配送事業者サーバは、
前記業務端末から前記第一信号を受け付ける依頼受付部と、当該依頼受付部によって当該第一信号を受け付けた場合、前記扉制御装置サーバに第二信号を送信する要求部と、を備え、
前記扉制御装置サーバは、
前記配送事業者サーバから前記第二信号を受け付ける要求受付部と、当該要求受付部によって当該第二信号を受け付けた場合、前記扉制御装置に前記扉を解錠する解錠指示を送信する指示部と、を備える、
配送システム。
【請求項3】
前記識別コードには、前記扉制御装置を特定する装置識別情報が含まれ、
前記業務端末は、前記識別コード読込部が読み込んだ前記識別コードから前記装置識別情報を取得する識別部を更に備え、
前記第一信号及び前記第二信号には、前記識別部が取得した前記装置識別情報が含まれ、
前記指示部は、前記第二信号に含まれる装置識別情報が示す前記扉制御装置に前記解錠指示を送信する、
請求項2に記載の配送システム。
【請求項4】
前記識別コードには、前記扉制御装置サーバを特定するサーバ識別情報が更に含まれ、
前記識別部は、前記識別コード読込部が読み込んだ前記識別コードから前記サーバ識別情報を更に取得し、
前記第一信号には、前記識別部が取得した前記サーバ識別情報が更に含まれ、
前記要求部は、前記第一信号に含まれる前記サーバ識別情報が示す前記扉制御装置サーバに前記第二信号を送信する、
請求項3に記載の配送システム。
【請求項5】
前記扉制御装置は、前記識別コードを画面表示する表示部を更に備え、
前記識別コードには、所定のタイミング毎に変更される乱数情報が含まれ、
前記業務端末は、前記識別コード読込部が読み込んだ前記識別コードから前記乱数情報を取得する識別部を更に備え、
前記第一信号及び前記第二信号には、前記識別部が取得した前記乱数情報が含まれ、
前記扉制御装置サーバは、
前記要求受付部によって受け付けた前記解錠要求に含まれる前記乱数情報が最新であるか否かを判定する乱数判定部を備え、
前記指示部は、前記要求受付部によって前記第二信号を受け付けた場合、かつ、前記乱数判定部によって前記乱数情報が最新であると判定した場合に、前記解錠指示を送信する、
請求項2に記載の配送システム。
【請求項6】
集合住宅における入口から各部屋までの移動経路上にある一つ以上の共用装置を制御する制御部を備える、共用制御装置と、
業務端末が前記集合住宅における視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込んだ場合に、当該業務端末又は当該業務端末と紐付けられた配送事業者サーバから信号を受け付ける受付部と、当該受付部が当該信号を受け付けた場合、前記共用制御装置に前記共用装置を制御する指示を送信する指示部と、を備える、制御装置サーバと、
を有する、
共用制御システム。
【請求項7】
集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する制御部を備える、扉制御装置と、
業務端末が前記入口のうち視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込んだ場合に、当該業務端末又は当該業務端末と紐付けられた配送事業者サーバから信号を受け付ける受付部と、当該受付部が当該信号を受け付けた場合に、前記扉制御装置に前記扉を解錠する解錠指示を送信する指示部と、を備える、扉制御装置サーバと、
を有する、
共用制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システム、及び、共用制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1に示すように、集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する扉制御装置が知られている。
【0003】
荷物を配達する配達員による上記扉の解錠方法として、従来は、配送先の集合住宅の入口において、配達員が、荷物に付された伝票番号を上記扉制御装置に手入力する方法が一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、伝票番号は十桁以上の数字から成る。したがって、上述の解錠方法では、このような伝票番号を手入力することが、配達員にとって手間となっていた。
【0006】
上述の問題に鑑み、本発明は、配達員による集合住宅の扉の解錠作業を簡単にする、配送システム、及び、共用制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る配送システムは、集合住宅における入口から各部屋までの移動経路上にある一つ以上の共用装置を制御する制御部を備える、共用制御装置と、前記共用制御装置と通信可能な制御装置サーバと、荷物の配送事業者に管理され、前記制御装置サーバと通信可能な配送事業者サーバと、前記荷物を配達する配達員に所有され、前記配送事業者サーバと通信可能な業務端末と、を有し、前記業務端末は、前記集合住宅における視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込む識別コード読込部と、当該識別コード読込部が当該識別コードを読み込んだ場合、前記配送事業者サーバに第一信号を送信する制御依頼部と、を備え、前記配送事業者サーバは、前記業務端末から前記第一信号を受け付ける依頼受付部と、当該依頼受付部によって当該第一信号を受け付けた場合、前記制御装置サーバに第二信号を送信する要求部と、を備え、前記制御装置サーバは、前記配送事業者サーバから前記第二信号を受け付ける要求受付部と、当該要求受付部によって当該第二信号を受け付けた場合、前記共用制御装置に前記共用装置を制御する指示を送信する指示部と、を備える。
【0008】
また、本発明の第二態様に係る配送システムは、集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する制御部を備える、扉制御装置と、前記扉制御装置と通信可能な扉制御装置サーバと、荷物の配送事業者に管理され、前記扉制御装置サーバと通信可能な配送事業者サーバと、前記集合住宅に前記荷物を配達する配達員に所有され、前記配送事業者サーバと通信可能な業務端末と、を有し、前記業務端末は、前記入口のうち視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込む識別コード読込部と、当該識別コード読込部が当該識別コードを読み込んだ場合、前記配送事業者サーバに第一信号を送信する解錠依頼部と、を備え、前記配送事業者サーバは、前記業務端末から前記第一信号を受け付ける依頼受付部と、当該依頼受付部によって当該第一信号を受け付けた場合、前記扉制御装置サーバに第二信号を送信する要求部と、を備え、前記扉制御装置サーバは、前記配送事業者サーバから前記第二信号を受け付ける要求受付部と、当該要求受付部によって当該第二信号を受け付けた場合、前記扉制御装置に前記扉を解錠する解錠指示を送信する指示部と、を備える。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記識別コードには、前記扉制御装置を特定する装置識別情報が含まれ、前記業務端末は、前記識別コード読込部が読み込んだ前記識別コードから前記装置識別情報を取得する識別部を更に備え、前記第一信号及び前記第二信号には、前記識別部が取得した前記装置識別情報が含まれ、前記指示部は、前記第二信号に含まれる装置識別情報が示す前記扉制御装置に前記解錠指示を送信する。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記識別コードには、前記扉制御装置サーバを特定するサーバ識別情報が更に含まれ、前記識別部は、前記識別コード読込部が読み込んだ前記識別コードから前記サーバ識別情報を更に取得し、前記第一信号には、前記識別部が取得した前記サーバ識別情報が更に含まれ、前記要求部は、前記第一信号に含まれる前記サーバ識別情報が示す前記扉制御装置サーバに前記第二信号を送信する。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記扉制御装置は、前記識別コードを画面表示する表示部を更に備え、前記識別コードには、所定のタイミング毎に変更される乱数情報が含まれ、前記業務端末は、前記識別コード読込部が読み込んだ前記識別コードから前記乱数情報を取得する識別部を更に備え、前記第一信号及び前記第二信号には、前記識別部が取得した前記乱数情報が含まれ、前記扉制御装置サーバは、前記要求受付部によって受け付けた前記解錠要求に含まれる前記乱数情報が最新であるか否かを判定する乱数判定部を備え、前記指示部は、前記要求受付部によって前記第二信号を受け付けた場合、かつ、前記乱数判定部によって前記乱数情報が最新であると判定した場合に、前記解錠指示を送信する。
【0012】
また、本発明の第六態様に係る共用制御システムは、集合住宅における入口から各部屋までの移動経路上にある一つ以上の共用装置を制御する制御部を備える、共用制御装置と、業務端末が前記集合住宅における視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込んだ場合に、当該業務端末又は当該業務端末と紐付けられた配送事業者サーバから信号を受け付ける受付部と、当該受付部が当該信号を受け付けた場合、前記共用制御装置に前記共用装置を制御する指示を送信する指示部と、を備える、制御装置サーバと、を有する。
【0013】
また、本発明の第七態様に係る共用制御システムは、集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する制御部を備える、扉制御装置と、業務端末が前記入口のうち視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込んだ場合に、当該業務端末又は当該業務端末と紐付けられた配送事業者サーバから信号を受け付ける受付部と、当該受付部が当該信号を受け付けた場合に、前記扉制御装置に前記扉を解錠する解錠指示を送信する指示部と、を備える、扉制御装置サーバと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る配送システム、及び、共用制御システムによれば、配達員による集合住宅の扉の解錠作業を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る配送システムを示す概略図である。
【
図2】
図1に示す配送システムのハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す配送システムの機能的構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図1に示す荷物に設けられたバーコードを業務端末によって読み込む様子の一例を説明する概略図である。
【
図5】
図1に示す集合住宅の入口の一例を概略的に示す斜視図である。
【
図6】
図1に示す扉制御装置によって表示したQRコード(登録商標、以下同じ)を業務端末によって読み込む様子の一例を示す概略図である。
【
図7】
図1に示す配送システムによる処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては極力同一の符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
【0017】
===実施形態===
≪全体構成≫
図1は、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と呼称する。)に係る配送システム1を示す概略図である。
図1に示すように、配送システム1は、本実施形態に係る共用制御システム10と、配送事業者サーバ4と、業務端末5と、を主要部として備えている。また、このうち共用制御システム10は、扉制御装置2と、扉制御装置サーバ3と、を主要部として備えている。
【0018】
扉制御装置2は、集合住宅Hの入口H1(
図1では省略。)に設置された扉6の施錠及び解錠を制御する装置である。なお、複数の集合住宅Hにそれぞれ異なる扉制御装置2が設けられる場合も有り得る。
【0019】
扉制御装置サーバ3は、扉制御装置2の管理会社Mに管理され、通信ネットワークNT(インターネット等)を介して扉制御装置2と通信可能なサーバである。なお、複数の管理会社Mにそれぞれ異なる扉制御装置2が管理される場合も有り得る。
【0020】
配送事業者サーバ4は、荷物Lの配送事業者Dに管理され、通信ネットワークNTを介して扉制御装置サーバ3と通信可能なサーバである。
【0021】
業務端末5は、集合住宅Hに荷物Lを配達する配達員dに所有される携帯通信端末(携帯電話、タブレット、スマートフォン等)であり、通信ネットワークNTを介して配送事業者サーバ4と通信可能である。
【0022】
また、
図1に示すバーコードC1は、荷物L(の梱包材。例えば段ボール箱や封筒等。)の表面に貼られたバーコード(サービスコード)である。バーコードC1は、配送事業者Dによって荷物L毎に設定された伝票番号情報40A(サービス番号情報)を含んでいる。伝票番号情報40Aとは、荷物Lの伝票番号と、当該荷物Lの配送先住所と、当該荷物Lの受取人と、当該荷物Lの差出人と、が紐付けられた情報である。
【0023】
さらに、
図1に示すQRコード(登録商標)C2は、扉制御装置2によって画面表示される識別コードである。QRコードC2には、扉制御装置サーバ3を特定するサーバID41A(サーバ識別情報)、扉制御装置2を特定する装置ID41B(装置識別情報)、所定のタイミング毎にランダムに変更される乱数情報41Cが含まれている(いずれも
図1では省略)。
【0024】
なお、
図1では、簡略化のために、配送システム1に一つの共用制御システム10が含まれる状態、かつ、共用制御システム10に一つの扉制御装置2と、一つの扉制御装置サーバ3と、が含まれる状態を示している。
【0025】
しかしながら本実施形態では、配送システム1に含まれる共用制御システム10は、一つ以上であればいくつであってもよく、かつ、一つの共用制御システム10に含まれる扉制御装置2も、一つ以上であればいくつであってもよい。したがって、例えば、共用制御システム10が三つ(つまり扉制御装置サーバ3が三つ)、かつ、扉制御装置2が六つの場合なども有り得る。
【0026】
≪ハードウェア構成≫
図2は、
図1に示す配送システム1のハードウェア構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、まず、扉制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)2Aと、メモリ2Bと、通信装置2Cと、表示装置2Dと、通話装置2Eと、カメラ2Fと、光源2Gと、施錠機構2Hと、電源2Iと、を備えている。
【0028】
CPU2Aは、扉制御装置2の各種構成を制御するものである。
【0029】
メモリ2Bは、例えば扉制御装置2の装置ID41Bやプログラム等を記憶するものである。
【0030】
通信装置2Cは、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置2Cは、例えば、扉制御装置サーバ3との間で各種情報又は/及び各種データを送受信する。
【0031】
表示装置2Dは、通話先の相手を表示したり、QRコードC2を表示したりする。また、表示装置2Dはタッチパネル式ディスプレイを有することで各種操作を行う操作手段も兼ねている(ただし、操作手段は別に設けてもよい)。
【0032】
通話装置2Eは、上記操作手段を用いて入力した部屋番号の住人と通話可能に構成されている。
【0033】
カメラ2Fは、扉制御装置2の前方向の撮影を行う。
【0034】
光源2Gは、CPU2Aにより発光の有無が制御される。光源2Gとしては、ダイオードやランプ等が挙げられる。
【0035】
施錠機構2Hは、扉6を施錠したり解錠したりするものである。
【0036】
電源2Iは、CPU2Aやメモリ2B等に電力を供給するものである。この電源2Iとしては、例えば電池が好ましい。
【0037】
次に、扉制御装置サーバ3は、制御装置3Aと、通信装置3Bと、記憶装置3Cと、を備えている。制御装置3Aは、CPU3D及びメモリ3Eを主に備えて構成される。
【0038】
制御装置3Aは、CPU3Dが記憶装置3Cあるいはメモリ3E等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。
【0039】
通信装置3Bは、外部の装置と通信(例えば各種情報又は/及び各種データの送受信)を行う通信インターフェース等で構成される。
【0040】
記憶装置3Cは、ハードディスク等で構成される。記憶装置3Cは、制御装置3Aにおける処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び、処理結果の情報を記憶する。
【0041】
なお、扉制御装置サーバ3は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、扉制御装置サーバ3は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、扉制御装置サーバ3が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、扉制御装置サーバ3は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0042】
また、配送事業者サーバ4は、制御装置4Aと、通信装置4Bと、記憶装置4Cと、を備える。制御装置4Aは、CPU4D及びメモリ4Eを主に備えて構成される。これらは、扉制御装置サーバ3における制御装置3A、通信装置3B、記憶装置3C、CPU3D、及び、メモリ3Eと同様であるため、説明は省略する。
【0043】
なお、配送事業者サーバ4においても、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、配送事業者サーバ4においても、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図2は、配送事業者サーバ4が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、配送事業者サーバ4は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0044】
また、業務端末5のハードウェア構成は、制御装置5Aと、通信装置5Bと、記憶装置5Cと、を備える。制御装置5Aは、CPU5G及びメモリ5Hを主に備えて構成される。これらは、扉制御装置サーバ3における制御装置3A、通信装置3B、記憶装置3C、CPU3D、及び、メモリ3Eと同様である。
【0045】
さらに業務端末5のハードウェア構成は、カメラ5Dと、表示装置5Eと、GPS受信部5Fと、を備える。
【0046】
カメラ5Dは、各種撮影を行う。例えば、
図1のバーコードC1やQRコードC2を撮影し、その情報を読み込むことができる。
【0047】
表示装置5Eは、通信装置5Bによって送受信する各種情報又は/及び各種データを表示する。また、表示装置5Eは、タッチパネル式ディスプレイを有することで、各種操作を行う操作手段も兼ねるようにしてもよい(あるいは、操作手段を別に設けてもよい)。
【0048】
GPS受信部3Fは、自身の位置を特定するためのGPS(Global Positioning System)信号を受信する。
【0049】
また、
図2は、業務端末5が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、業務端末5は、携帯通信端末(携帯電話、タブレット、スマートフォン等)が一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0050】
≪業務端末の機能的構成≫
図3は、
図1に示す配送システム1の機能的構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0051】
まず、業務端末5については、
図3に示すように、伝票コード読込部51と、番号取得部52と、位置取得部53と、照合依頼部54と、判定受付部55と、端末表示部56と、識別コード読込部57と、識別部58と、端末記憶部59と、解錠依頼部60と、を備えている。
【0052】
伝票コード読込部51は、バーコードC1を読み込む。
【0053】
ここで、
図4は、
図1に示す荷物Lに設けられたバーコードC1を業務端末5によって読み込む様子の一例を説明する概略図である。
【0054】
図4のように、荷物L(の梱包材。例えば、段ボール箱や封筒等。)の表面には、伝票Sが貼られている。この伝票Sには、伝票番号情報40A(
図4では省略。)を含むバーコードC1が設けられている。伝票コード読込部51は、このバーコードC1を撮影し、読み込む。
【0055】
番号取得部52は、伝票コード読込部51によって読み込まれたバーコードC1から伝票番号情報40Aを取得する。
【0056】
位置取得部53は、GPS信号に基づいて自身の位置情報を取得する。
【0057】
照合依頼部54は、番号取得部52によって取得された伝票番号情報40A、及び、位置取得部53によって取得された位置情報を含む照合依頼(第三信号)を、配送事業者サーバ4に送信する。
【0058】
判定受付部55は、配送事業者サーバ4から送信された判定結果を受け付ける。
【0059】
端末表示部56は、判定受付部55によって受け付けた判定結果を画面表示する。
【0060】
識別コード読込部57は、扉制御装置2の装置表示部24に画面表示されたQRコードC2を読み込む。
【0061】
識別部58は、識別コード読込部57が読み込んだQRコードC2から、サーバID41Aと、装置ID41Bと、乱数情報41Cと、を取得する。
【0062】
端末記憶部59は、配送事業者サーバ4のサーバアドレス(送信先)である配送サーバアドレス59Aが記憶されている。
【0063】
解錠依頼部60は、識別コード読込部57がQRコードC2を読み込んだ場合、端末記憶部59に記憶された配送事業者サーバ4の配送サーバアドレス59Aに基づいて、配送事業者サーバ4に解錠依頼(第一信号)を送信する。また、解錠依頼には、識別部58が取得したサーバID41Aと、装置ID41Bと、乱数情報41Cと、が含まれている。
【0064】
≪配送事業者サーバの機能的構成≫
配送事業者サーバ4は、
図3に示すように、配送サーバ記憶部41と、照合受付部42と、位置判定部43と、判定送信部44と、依頼受付部45と、要求部46と、を備えている。
【0065】
配送サーバ記憶部41は、伝票番号情報40Aと、サーバ関連情報31Aと、が記憶されている。
【0066】
サーバ関連情報31Aとは、サーバID41Aと、扉制御装置サーバ3のサーバドレス(送信先)である制御サーバアドレス41Aaと、が紐付けられた情報である。
【0067】
照合受付部42は、業務端末5から送信された照合依頼を受け付ける。
【0068】
位置判定部43は、照合受付部42によって照合依頼を受け付けた場合、伝票番号情報40Aに基づいて、位置情報と配送先住所とが一致しているか否かを判定する。
【0069】
判定送信部44は、位置判定部43による判定結果を業務端末5へ送信する。
【0070】
依頼受付部45は、業務端末5から解錠依頼を受け付ける。
【0071】
要求部46は、位置判定部43によって位置情報と配送先住所とが一致していると判定(肯定判定)した場合、かつ、依頼受付部45によって解錠依頼を受け付けた場合に、まず、配送サーバ記憶部41に記憶されたサーバ関連情報31Aに基づいて、解錠依頼に含まれたサーバID41Aに紐付く制御サーバアドレス41Aaを抽出する。
【0072】
さらに要求部46は、抽出した制御サーバアドレス41Aaに基づいて、扉制御装置サーバ3に解錠要求(第二信号)を送信する。すなわち、要求部46は、解錠依頼に含まれるサーバID41Aが示す扉制御装置サーバ3に、解錠要求を送信する。また、解錠要求には、装置ID41Bと、乱数情報41Cと、が含まれている。
【0073】
≪扉制御装置サーバの機能的構成≫
扉制御装置サーバ3は、
図3に示すように、制御サーバ記憶部31と、コード生成部32と、コード送信部33と、要求受付部34と、乱数判定部35と、指示部36と、を備えている。
【0074】
制御サーバ記憶部31は、扉制御装置サーバ3自身のサーバID41Aと、当該扉制御装置サーバ3と紐付く(当該扉制御装置サーバ3を管理する管理会社Mの)各扉制御装置2についての装置関連情報31Bと、乱数情報41Cと、が記憶されている。
【0075】
装置関連情報31Bとは、装置ID41Bと、扉制御装置2のアドレス(送信先)である装置アドレス31Bbと、が紐付けられた情報である。
【0076】
コード生成部32は、所定のタイミング毎にQRコードC2を生成する。
【0077】
詳述すると、コード生成部32は、所定のタイミング毎に乱数情報41Cを生成(変更)し、これを、制御サーバ記憶部31に予め記憶されたサーバID41A及び装置ID41Bとともに含めたQRコードC2を生成する(QRコードC2は、各扉制御装置2について生成する)。
【0078】
上記「所定のタイミング」とは、例えば、所定時間(1分間等)経過のタイミングとしてもよい。また、乱数情報41Cは、生成(変更)される度に制御サーバ記憶部31に記憶される。
【0079】
コード送信部33は、コード生成部32によってQRコードC2が生成される度に、生成されたQRコードC2を、各装置アドレス31Bbに基づいて各扉制御装置2に送信する。
【0080】
要求受付部34は、配送事業者サーバ4から解錠要求を受け付ける。
【0081】
乱数判定部35は、要求受付部34によって受け付けた解錠要求に含まれる乱数情報41Cが、最新であるか否かを判定する。
【0082】
指示部36は、要求受付部34によって解錠要求を受け付けた場合、かつ、乱数判定部35によって乱数情報41Cが最新であると判定した場合に、まず、制御サーバ記憶部31に記憶された装置関連情報31Bに基づいて、解錠要求に含まれた装置ID41Bに紐付く装置アドレス31Bbを特定する。
【0083】
さらに指示部36は、特定した装置アドレス31Bbに基づいて、扉制御装置2に扉6を解錠する解錠指示を送信する。すなわち、指示部36は、解錠要求に含まれる装置ID41Bが示す扉制御装置2に解錠指示を送信する。なお、解錠指示を受けた扉制御装置2は、扉6の解錠を行う。
【0084】
また、図示していないが、制御サーバ記憶部31に、配送事業者サーバ4の配送サーバアドレス59Aを記憶するようにしてもよい。そして、要求受付部34が配送サーバアドレス59A以外のアドレスから解錠要求を受信した場合、指示部36は解錠指示を行わないようにしてもよい。これにより、第三者がQRコードC2を読み取って解錠要求を直接扉制御装置サーバ3に送信して来た場合には、解錠指示を出さないので、セキュリティが向上する。
【0085】
≪扉制御装置の機能的構成≫
扉制御装置2は、
図3に示すように、制御部21と、コード受付部22と、装置記憶部23と、装置表示部24(表示部)と、を備えている。
【0086】
制御部21は、集合住宅Hの入口H1に設置された扉6の施錠及び解錠を制御する。
【0087】
コード受付部22は、扉制御装置サーバ3からQRコードC2を受け付ける。
【0088】
装置記憶部23は、コード受付部22が受け付けたQRコードC2が記憶されている。
【0089】
装置表示部24は、コード受付部22が受け付けた(装置記憶部23に記憶された)QRコードC2を画面表示する。
【0090】
図5は、
図1に示す集合住宅Hの入口H1の一例を概略的に示す斜視図である。
図5に示すように、扉制御装置2は、集合住宅の入口H1における扉6の付近に、表示装置2D(ユーザインターフェース部分)が露出するようにして、設けられている。
【0091】
図6は、
図1に示す扉制御装置2によって表示したQRコードC2を業務端末5によって読み込む様子の一例を示す概略図である。
【0092】
図6に示すように、扉制御装置2のユーザインターフェース部分上方にカメラ2Fが設けられ、中央には表示装置2Dのタッチパネルディスプレイが設けられている。さらに、当該タッチパネルディスプレイには、クリック可能な表示ボタン23Aが表示されている。配達員dが表示ボタン23Aをクリックすることで、表示装置2DにQRコードC2が表示される。あるいは、表示装置2Dに画面表示される番号入力画面(図示略)において、配達員dが部屋番号を入力することで受取人を呼び出し、受取人が不在の場合(一定時間が経過しても受取人が出ない場合)に、自動的にQRコードC2が表示されるようにしてもよい。装置表示部24はこれらの制御を行う。
【0093】
そして、この画面表示されたQRコードC2を業務端末5のカメラ5Dで撮影することで、識別コード読込部57がQRコードC2を読み込む。
【0094】
≪処理≫
以下では、
図7のフローチャートを用いて、配送システム1による処理について詳述する。また、下記ステップは一例であり、その順番及び内容は適宜変更することができる。さらに、
図7では、簡略化のために扉制御装置2と扉制御装置サーバ3とをそれぞれ一つずつ示している。
【0095】
(ステップSP1)
集合住宅Hの入口H1に到着した配達員dが所有する業務端末5を用いて、伝票コード読込部51によって荷物Lに設けられたバーコードC1を読み込む。さらに、番号取得部52が、伝票コード読込部51によって読み込まれたバーコードC1から伝票番号情報を取得する。
その後、処理はステップSP2へ移行する。
【0096】
(ステップSP2)
業務端末5の位置取得部53が、GPS信号によって自身の位置情報を取得する。
その後、処理はステップSP3へ移行する。
【0097】
(ステップSP3)
業務端末5の照合依頼部54が、番号取得部52によって取得された伝票番号情報、及び、位置取得部53によって取得された位置情報を含む照合依頼を、配送事業者サーバ4に送信する。
その後、処理はステップSP4へ移行する。
【0098】
(ステップSP4)
配送事業者サーバ4の照合受付部42が、業務端末5から照合依頼を受け付ける。
その後、処理はステップSP5へ移行する。
【0099】
(ステップSP5)
配送事業者サーバ4の位置判定部43が、位置情報と伝票番号に紐付けられた荷物Lの配送先住所(伝票番号情報40Aに基づくもの)とが一致しているか否かを判定する。
その後、処理はステップSP6へ移行する。
【0100】
(ステップSP6)
配送事業者サーバ4の判定送信部44が、位置判定部43による判定結果を業務端末5へ送信する。
その後、処理はステップSP7へ移行する。
【0101】
(ステップSP7)
業務端末5の判定受付部55が、配送事業者サーバ4から送信された判定結果を受け付ける。さらに、端末表示部56が、判定受付部55によって受け付けた判定結果を画面表示する。
その後、処理はステップSP8へ移行する。
【0102】
(ステップSP8)
業務端末5の判定受付部55が受け付けた判定結果が、位置情報と配送先住所とが一致するとの判定結果(肯定判定)であるか否かによってステップが分岐する。一致するとの判定結果である場合(肯定判定の場合)は、処理はステップSP13へ移行し、一致しないとの判定結果である場合(否定判定の場合)は、配達員dが、配送事業者Dに問い合わせる、あるいは、地図を確認する等をして、位置情報が配送先住所と一致するように移動したうえで、処理はステップSP1に移行する。
【0103】
(ステップSP9)
扉制御装置サーバ3のコード生成部32が、所定のタイミング、例えば1分間経過毎に、QRコードC2を生成する。
その後、処理はステップSP10へ移行する。
【0104】
(ステップSP10)
扉制御装置サーバ3のコード送信部33が、コード生成部32によって生成されたQRコードC2を、(コード生成部32によって生成される度に)扉制御装置2に送信する。
その後、処理はステップSP11へ移行する。
【0105】
(ステップSP11)
扉制御装置2のコード受付部22が、扉制御装置サーバ3からQRコードC2を受け付ける。
その後、処理はステップSP12へ移行する。
【0106】
(ステップSP12)
扉制御装置2の装置表示部24が、コード受付部22が受け付けたQRコードC2を画面表示する。
その後、処理はステップSP13へ移行する。
【0107】
(ステップSP13)
業務端末5の識別コード読込部57が、扉制御装置2の装置表示部24に画面表示されたQRコードC2を読み込む。このQRコードC2には、サーバID41Aと、装置ID41Bと、乱数情報41Cと、が含まれている。
その後、処理はステップSP14へ移行する。
【0108】
(ステップSP14)
業務端末5の解錠依頼部60が、識別コード読込部57がQRコードC2を読み込んだ場合、端末記憶部59に記憶された配送サーバアドレス59Aに、解錠依頼を送信する。この解錠依頼には、サーバID41Aと、装置ID41Bと、乱数情報41Cと、が含まれている。
その後、処理はステップSP15へ移行する。
【0109】
(ステップSP15)
配送事業者サーバ4の依頼受付部45が、業務端末5から解錠依頼を受け付ける。
その後、処理はステップSP16へ移行する。
【0110】
(ステップSP16)
配送事業者サーバ4の要求部46が、配送サーバ記憶部41に記憶されたサーバ関連情報31Aに基づいて、解錠依頼に含まれたサーバID41Aに紐付く制御サーバアドレス41Aaを抽出する。
その後、処理はステップSP17へ移行する。
【0111】
(ステップSP17)
配送事業者サーバ4の要求部46が、抽出した制御サーバアドレス41Aaに解錠要求(第二信号)を送信する。すなわち、解錠依頼に含まれるサーバID41Aが示す扉制御装置サーバ3に、解錠要求(第二信号)を送信する。また、解錠要求には、装置ID41Bと、乱数情報41Cと、が含まれている。
その後、処理はステップSP18へ移行する。
【0112】
(ステップSP18)
扉制御装置サーバ3の要求受付部34が、配送事業者サーバ4から解錠要求を受け付ける。
その後、処理はステップSP19へ移行する。
【0113】
(ステップSP19)
扉制御装置サーバ3の乱数判定部35が、要求受付部34によって受け付けた解錠要求に含まれる乱数情報41Cが、最新であるか否かを判定する。
その後、処理はステップSP20へ移行する。
【0114】
(ステップSP20)
扉制御装置サーバ3の乱数判定部35による判定結果が、乱数情報41Cは最新のものであるとの判定結果(肯定判定)であるか否かによってステップが分岐する。最新のものであるとの判定結果の場合(肯定判定の場合)は、処理はステップSP21へ移行し、最新のものではないとの判定結果の場合(否定判定の場合)は、処理はステップSP13へ移行する。
【0115】
(ステップSP21)
扉制御装置サーバ3の指示部36が、解錠要求に含まれる装置ID41Bが示す扉制御装置2に、扉6を解錠する解錠指示を送信する。
その後、処理はステップSP22へ移行する。
【0116】
(ステップSP22)
扉制御装置サーバ3から解錠指示を受けた扉制御装置2が、扉6の解錠を行う。
その後、処理は終了する。
以上が本実施形態に係る配送システム1による処理の説明である。
【0117】
≪作用効果≫
本実施形態に係る配送システム1は、集合住宅Hの入口H1に設置された扉6の施錠及び解錠を制御する制御部21を備える、扉制御装置2と、扉制御装置2の管理会社Mに管理され、扉制御装置2と通信可能な扉制御装置サーバ3と、荷物Lの配送事業者Dに管理され、扉制御装置サーバ3と通信可能な配送事業者サーバ4と、集合住宅Hに荷物Lを配達する配達員dに所有され、配送事業者サーバ4と通信可能な業務端末5と、を有し、業務端末5は、入口H1のうち視認可能な位置に設けられる識別コード(QRコードC2)を読み込む識別コード読込部57と、識別コード読込部57が識別コードを読み込んだ場合、配送事業者サーバ4に第一信号(解錠依頼)を送信する解錠依頼部60と、を備え、配送事業者サーバ4は、業務端末5から第一信号を受け付ける依頼受付部45と、依頼受付部45によって当該第一信号を受け付けた場合、扉制御装置サーバ3に第二信号(解錠要求)を送信する要求部46と、を備え、扉制御装置サーバ3は、配送事業者サーバ4から第二信号を受け付ける要求受付部34と、要求受付部34によって第二信号を受け付けた場合、扉制御装置2に扉6を解錠する解錠指示を送信する指示部36と、を備える。
このようにして本実施形態では、配達員dが業務端末5によって識別コードを読み込むことで、扉6を解錠することができるので、配達員dによる集合住宅Hの扉6の解錠作業が簡単になる。
【0118】
また本実施形態では、識別コードには、扉制御装置2を特定する装置識別情報(装置ID41B)が含まれ、業務端末5は、識別コード読込部57が読み込んだ識別コードから装置識別情報を取得する識別部58を更に備え、第一信号及び第二信号には、識別部58が取得した装置識別情報が含まれ、指示部36は、第二信号に含まれる装置識別情報が示す扉制御装置2に解錠指示を送信する。
このようにして本実施形態では、複数の集合住宅Hに扉制御装置2が設けられている場合に、配達先の集合住宅Hの扉制御装置2を特定することができるので、配達先の集合住宅Hの扉6を解錠することができる。
【0119】
また本実施形態では、識別コードには、扉制御装置サーバ3を特定するサーバ識別情報(サーバID41A)が更に含まれ、識別部58は、識別コード読込部57が読み込んだ識別コードからサーバ識別情報を更に取得し、第一信号には、識別部58が取得したサーバ識別情報が更に含まれ、要求部46は、第一信号に含まれるサーバ識別情報が示す扉制御装置サーバ3に第二信号を送信する。
このようにして本実施形態では、複数の集合住宅Hに、それぞれ管理会社Mの異なる扉制御装置2が設けられている場合に、配達先の集合住宅Hの扉制御装置2、及び、その管理会社Mを特定することができるので、配達先の集合住宅Hの扉6を解錠することができる。
【0120】
また本実施形態では、扉制御装置2は、識別コードを画面表示する表示部(装置表示部24)を更に備え、識別コードには、所定のタイミング毎に変更される乱数情報41Cが含まれ、業務端末5は、識別コード読込部57が読み込んだ識別コードから乱数情報41Cを取得する識別部58を更に備え、第一信号及び第二信号には、識別部58が取得した乱数情報41Cが含まれ、扉制御装置サーバ3は、要求受付部34によって受け付けた解錠要求に含まれる乱数情報41Cが最新であるか否かを判定する乱数判定部35を備え、指示部36は、要求受付部34によって第二信号を受け付けた場合、かつ、乱数判定部35によって乱数情報41Cが最新であると判定した場合に、解錠指示を送信する。
このようにして本実施形態では、識別コードが所定のタイミング毎に変化するため、識別コードの盗用を防止することができる。
【0121】
また本実施形態では、扉制御装置サーバ3は、識別コードを生成するコード生成部32と、コード生成部32によって生成された識別コードを、扉制御装置2に送信するコード送信部33と、を更に備え、扉制御装置2は、扉制御装置サーバ3から識別コードを受け付けるコード受付部22を更に備え、表示部は、コード受付部22が受け付けた識別コードを画面表示する。
このようにして本実施形態では、扉制御装置サーバ3が識別コードを生成するため、別の装置で識別コードを生成する場合と比べて、第二信号に含まれる乱数情報41Cが正しいか否かを判定することが容易となる。
【0122】
また本実施形態では、業務端末5は、荷物L毎に設定されたサービス番号(伝票番号情報40A)を含むサービスコード(バーコードC1)を読み込む伝票コード読込部51と、伝票コード読込部51によって読み込まれたサービスコードからサービス番号情報を取得する番号取得部52と、自身の位置情報を取得する位置取得部53と、番号取得部52によって取得されたサービス番号情報、及び、位置取得部53によって取得された位置情報を含む第三信号を、配送事業者サーバ4に送信する照合依頼部54と、を更に備え、配送事業者サーバ4は、業務端末5から第三信号を受け付ける照合受付部42と、照合受付部42によって第三信号を受け付けた場合、位置情報と、サービス番号情報に紐付けられた荷物Lの配送先住所とが一致しているか否かを判定する位置判定部43と、を更に備え、要求部46は、位置判定部43によって位置情報と配送先住所とが一致していると判定した場合、かつ、依頼受付部45によって第一信号を受け付けた場合に、扉制御装置サーバ3に第二信号を送信する。
このようにして本実施形態では、配達員dが配達先を間違える事態を防ぐことができる。
【0123】
また、本実施形態に係る共用制御システム10は、集合住宅Hの入口H1に設置された扉6の施錠及び解錠を制御する制御部21を備える、扉制御装置2と、業務端末5が入口H1のうち視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込んだ場合に、業務端末5又は業務端末5と紐付けられた配送事業者サーバ4から信号(第一信号又は第二信号)を受け付ける受付部(要求受付部34)と、受付部が当該信号を受け付けた場合に、解錠指示を送信する指示部36と、を備える、扉制御装置サーバ3と、を有する。
このようにして本実施形態では、配達員dが業務端末5によって識別コードを読み込むことで、扉6を解錠することができるので、配達員dによる集合住宅Hの扉6の解錠作業が簡単になる。
【0124】
===変形例===
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、上述した具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び下記変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0125】
例えば、上記実施形態では、QRコードC2について、扉制御装置サーバ3に設けられたコード生成部32が所定のタイミング毎に生成するものとして説明したが、扉制御装置2がQRコードC2を所定のタイミング毎に生成するようにしてもよい。すなわち、コード生成部32が扉制御装置2に設けられるものとしてもよい。
その場合は、コード送信部33、及び、コード受付部22を削除してもよい。あるいは、扉制御装置2にコード送信部33が設けられ、扉制御装置サーバ3にコード受付部22が設けられるようにすることで、扉制御装置2から扉制御装置サーバ3にQRコードC2が送信されるものとしてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、QRコードC2が、扉制御装置2によって画面表示されるものとしたが、これに代えて、QRコードC2が、集合住宅Hの入口H1付近の壁面などに貼られているものとしてもよい。すなわち、QRコードC2は、集合住宅Hの入口H1のうち配達員dが視認可能な位置に設けられていればよい。その場合は、コード生成部32及びコード送信部33は不要となり、QRコードC2は所定のタイミング毎に生成されるのではなく、一定期間ごとに貼り替えられるものとしてもよい。
【0127】
さらには、QRコードC2(識別コード)をバーコードあるいは他のコードとしてもよく、また、上記実施形態におけるバーコードC1(サービスコード)をQRコードあるいは他のコードとしてもよい。すなわち、上記実施形態で説明した、入口H1のうち視認可能な位置に設けられた識別コード、及び、荷物Lの表面に貼られたサービスコードは、それぞれ一次元コードであっても二次元コードであってもよく、コードの種類が限定されるものではない。
【0128】
また、上記実施形態では、配送事業者サーバ4及び業務端末5がそれぞれ一つずつであるものとして説明したが、当然、これらについても複数であってもよい。その場合には、各業務端末5の端末記憶部59に、各業務端末5と紐付けられた配送事業者サーバ4の配送サーバアドレス59Aが記憶されているようにしてもよい。さらに、扉制御装置サーバ3の制御サーバ記憶部31が、配送事業者サーバ4毎の配送サーバアドレス59Aを記憶するようにしてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、配送事業者サーバ4、及び、扉制御装置サーバ3の二種類のサーバを有するものとしていたが、このうち、配送事業者サーバ4を省略し、扉制御装置サーバ3の受付部34は、業務端末5から直接、解錠依頼(信号)を受け付けるものとしてもよい。
【0130】
さらに、上記実施形態では、配送システム1が、扉6を制御する扉制御装置2を有するものとして説明したが、集合住宅Hには、その入口H1から各部屋までの移動経路上に、扉6やエレベータ(図示略)等の共用装置が一つ以上設けられている場合がある。
その場合、配送システム1は、扉制御装置2に代えて、各共用装置を制御する制御部を備える共用制御装置(扉制御装置2の機能を含む。)を有するものとし、識別コードは、集合住宅Hにおける視認可能な位置に設けられるものとする。
さらに、配送システム1は、扉制御装置サーバ3に代えて、上記共用制御装置と通信可能な点で異なる制御装置サーバ(扉制御装置サーバ3の機能を含む。)を有し、配送事業者サーバ4は、当該制御装置サーバと通信可能であるものとする。
さらに、業務端末5は、そのような配送事業者サーバ4に、上記実施形態における解錠依頼を含む第一信号を送信する制御依頼部(解錠依頼部60の機能を含む。)を備えるものとし、上記制御装置サーバの指示部36は、上記共用制御装置に上記共用装置を制御する制御指示(解錠指示を含む。)を送信するものとする。
【0131】
上述のようにすることで、例えば、共用制御装置がエレベータを制御する場合、配達員dの業務端末5によって、エレベータ付近に設けられた識別コードを読み込むことで、共用制御装置の制御指示によって、エレベータを、配達員dがいる階に停止させ、配達員dを乗せた状態で、配送先の部屋がある階に向けて移動させることができる。
【0132】
すなわち、配送システム1は、集合住宅Hにおける入口H1から各部屋までの移動経路上にある一つ以上の共用装置を制御する制御部21を備える、共用制御装置と、共用制御装置と通信可能な制御装置サーバと、荷物Lの配送事業者Dに管理され、制御装置サーバと通信可能な配送事業者サーバ4と、荷物Lを配達する配達員dに所有され、配送事業者サーバ4と通信可能な業務端末5と、を有し、業務端末5は、集合住宅Hにおける視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込む識別コード読込部57と、識別コード読込部57が識別コードを読み込んだ場合、配送事業者サーバ4に第一信号を送信する制御依頼部と、を備え、配送事業者サーバ4は、業務端末5から第一信号を受け付ける依頼受付部45と、依頼受付部45によって第一信号を受け付けた場合、制御装置サーバに第二信号を送信する要求部46と、を備え、制御装置サーバは、配送事業者サーバ4から第二信号を受け付ける要求受付部34と、要求受付部34によって第二信号を受け付けた場合、共用制御装置に共用装置を制御する指示を送信する指示部36と、を備えるものとしてもよい。
【0133】
さらに、共用制御システム10は、集合住宅Hにおける入口H1から各部屋までの移動経路上にある一つ以上の共用装置を制御する制御部21を備える、共用制御装置と、業務端末5が集合住宅Hにおける視認可能な位置に設けられる識別コードを読み込んだ場合に、業務端末5又は業務端末5と紐付けられた配送事業者サーバ4から信号を受け付ける受付部34と、受付部34が当該信号を受け付けた場合、共用制御装置に共用装置を制御する指示を送信する指示部36と、を備える、制御装置サーバと、を有するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1:配送システム、2:扉制御装置、3:扉制御装置サーバ、4:配送事業者サーバ、5:業務端末、6:扉、10:共用制御システム、21:制御部、22:コード受付部、24:装置表示部(表示部)、32:コード生成部、33:コード送信部、34:要求受付部(受付部)、35:乱数判定部、36:指示部、42:照合受付部、43:位置判定部、45:依頼受付部、46:要求部、51:伝票コード読込部、52:番号取得部、53:位置取得部、54:照合依頼部、57:識別コード読込部、58:識別部、60:解錠依頼部
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】