IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図1
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図2
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図3
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図4
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図5
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図6
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図7
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図8
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図9
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図10
  • 特開-作業機の稼働情報管理システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154960
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】作業機の稼働情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/04 20220101AFI20241024BHJP
【FI】
H04L43/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069219
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】福村 貴志
(72)【発明者】
【氏名】衣川 亮祐
(57)【要約】
【課題】作業機における稼働情報を管理するための通信効率を向上させる。
【解決手段】作業機の稼働情報管理システムは、作業機に構築された第1ネットワークへ出力された稼働情報を複数取得して記憶装置に記憶させる情報処理装置と、前記記憶装置に記憶された前記稼働情報を管理装置に送信する通信制御装置と、を備え、前記通信制御装置は、所定の時間帯を示す時間帯情報を生成し、前記時間帯情報に対して前記記憶装置から読み出した前記所定の時間帯の複数の前記稼働情報を対応付けて、当該対応付けた前記時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記管理装置に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機に構築された第1ネットワークへ出力された稼働情報を複数取得して記憶装置に記憶させる情報処理装置と、
前記記憶装置に記憶された前記稼働情報を管理装置に送信する通信制御装置と、
を備え、
前記通信制御装置は、所定の時間帯を示す時間帯情報を生成し、前記時間帯情報に対して前記記憶装置から読み出した前記所定の時間帯の複数の前記稼働情報を対応付けて、当該対応付けた前記時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記管理装置に送信する作業機の稼働情報管理システム。
【請求項2】
前記通信制御装置は、前記所定の時間帯ごとに、前記時間帯情報を生成して、当該時間帯情報に対して複数の稼働情報を対応付けて、当該対応付けた前記時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記管理装置に送信する請求項1に記載の作業機の稼働情報管理システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記作業機に搭載された電子装置から前記第1ネットワークへ出力された前記作業機及び前記電子装置の少なくともいずれかの前記稼働情報を取得して、当該稼働情報と当該稼働情報の存在が確認された時刻を示す時刻情報とを対応付けて前記記憶装置に記憶させ、
前記通信制御装置は、対応付けた前記時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記作業機の外部にある第2ネットワークを介して前記管理装置に送信する請求項2に記載の作業機の稼働情報管理システム。
【請求項4】
前記通信制御装置は、前記所定の時間帯の複数の前記稼働情報にそれぞれ対応する前記時刻情報に基づいて、前記所定の時間帯に含まれ且つ前記時間帯情報で示されていない時刻を示す下位時刻情報を生成し、前記下位時刻情報を対応する複数の前記稼働情報にそれぞれ対応付けて、対応する前記時間帯情報と複数の前記稼働情報と前記下位時刻情報とを前記管理装置に送信する請求項3に記載の作業機の稼働情報管理システム。
【請求項5】
前記電子装置を1つ以上備え、
前記電子装置及び前記情報処理装置の少なくともいずれかが前記時刻情報を生成して前記稼働情報に対応付ける請求項3に記載の作業機の稼働情報管理システム。
【請求項6】
前記通信制御装置は、前記作業機で発生したイベントに応じて前記所定の時間帯を設定して、当該所定の時間帯を示す前記時間帯情報を生成し、前記イベントに関する前記所定の時間帯の複数の前記稼働情報を前記記憶装置から読み出して前記時間帯情報に対応付け、当該対応付けた時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記管理装置に送信する請求項1~5のいずれかに記載の作業機の稼働情報管理システム。
【請求項7】
前記作業機の外部に設けられ、且つデータベースが構築された前記管理装置を備え、
前記管理装置は、
前記通信制御装置により対応付けられた状態で送信された前記時間帯情報と複数の前記稼働情報と複数の前記下位時刻情報とを受信して、少なくとも複数の稼働情報を前記データベースに格納し、
対応付けられた前記時間帯情報及び複数の前記下位時刻情報に基づいて、対応付けられた複数の前記稼働情報の前記時刻情報をそれぞれ復元する請求項4に記載の作業機の稼働情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機及び作業機に搭載された電子装置の少なくともいずれかの稼働情報を管理する作業機の稼働情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業機における稼働情報を収集するため、例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1に開示されたデータ収集装置は、作業機の車載ネットワークに接続されていて、作業機に搭載された電子装置から車載ネットワークに出力された作業機或いは電子装置の稼働情報などのデータをグループ単位で取得する第1取得部と、第1取得部で取得したグループ単位のデータを、個別単位のデータに分けて取得する第2取得部と、第1取得部で取得したグループ単位のデータと、第2取得部で取得した個別単位のデータとを外部に出力する入出力部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6148159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、作業機における稼働情報を活用することができるように、稼働情報がデータ収集装置からサーバなどの管理装置に送信されて、管理装置で管理(保存)される。この際、通信回数を減らすなどのため、複数の稼働情報が一括してデータ収集装置からサーバへ送信される。また、稼働情報の信頼性の確保及び管理などのため、複数の稼働情報のそれぞれに、当該稼働情報の存在が確認された日時を示すタイムスタンプなどの時刻情報が対応付けられて、これら複数の稼働情報と複数の時刻情報とがデータ収集装置からサーバへ送信される。しかし、この場合、データ収集装置から管理装置へ送信するデータ容量が多くなるので、通信時間が長くなって、通信コストが嵩むなどの問題があり、効率がよくない。
【0005】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、作業機における稼働情報を管理するための通信効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
本発明に係る作業機の稼働情報管理システムは、作業機に構築された第1ネットワークへ出力された稼働情報を複数取得して記憶装置に記憶させる情報処理装置と、前記記憶装置に記憶された前記稼働情報を管理装置に送信する通信制御装置と、を備え、前記通信制御装置は、所定の時間帯を示す時間帯情報を生成し、前記時間帯情報に対して前記記憶装置から読み出した前記所定の時間帯の複数の前記稼働情報を対応付けて、当該対応付けた前記時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記管理装置に送信する。
【0007】
本発明の一態様では、前記通信制御装置は、前記所定の時間帯ごとに、前記時間帯情報を生成して、当該時間帯情報に対して複数の稼働情報を対応付けて、当該対応付けた前記時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記管理装置に送信してもよい。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記情報処理装置は、前記作業機に搭載された電子装置から前記第1ネットワークへ出力された前記作業機及び前記電子装置の少なくともいずれか
の前記稼働情報を取得して、当該稼働情報と当該稼働情報の存在が確認された時刻を示す時刻情報とを対応付けて前記記憶装置に記憶させ、前記通信制御装置は、対応付けた前記時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記作業機の外部にある第2ネットワークを介して前記管理装置に送信してもよい。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記通信制御装置は、前記所定の時間帯の複数の前記稼働情報にそれぞれ対応する前記時刻情報に基づいて、前記所定の時間帯に含まれ且つ前記所定時間帯で示されていない時刻を示す下位時刻情報を生成し、前記下位時刻情報を対応する複数の前記稼働情報にそれぞれ対応付けて、対応する前記時間帯情報と複数の前記稼働情報と前記下位時刻情報とを前記管理装置に送信してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記作業機の稼働情報管理システムは、前記電子装置を1つ以上備え、前記電子装置及び前記情報処理装置の少なくともいずれかが前記時刻情報を生成して前記稼働情報に対応付けてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記通信制御装置は、前記作業機で発生したイベントに応じて前記所定の時間帯を設定して、当該所定の時間帯を示す前記時間帯情報を生成し、前記イベントに関する前記所定の時間帯の複数の前記稼働情報を前記記憶装置から読み出して前記時間帯情報に対応付け、当該対応付けた時間帯情報及び複数の前記稼働情報を前記管理装置に送信してもよい。
【0012】
さらに、本発明の一態様では、前記作業機の稼働情報管理システムは、前記作業機の外部に設けられ、且つデータベースが構築された前記管理装置を備え、前記管理装置は、前記通信制御装置により対応付けられた状態で送信された前記時間帯情報と複数の前記稼働情報と複数の前記下位時刻情報とを受信して、少なくとも複数の稼働情報を前記データベースに格納し、対応付けられた前記時間帯情報及び複数の前記下位時刻情報に基づいて、対応付けられた複数の前記稼働情報の前記時刻情報をそれぞれ復元してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業機における稼働情報を管理するための通信効率を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】作業機の稼働情報管理システムの構成図である。
図2】記憶装置に記憶された複数のレコードを示す図である。
図3】タイムスタンプのデータ構成図である。
図4】作業機の稼働情報管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図5】通信制御装置から管理装置に送信されるメッセージの一例を示す図である。
図6】作業機の稼働情報管理システムの動作の他例を示すフローチャートである。
図7】通信制御装置から管理装置に送信されるメッセージの他例を示す図である。
図8】管理装置のデータベースに格納されたメッセージの一例を示す図である。
図9】管理装置のデータベースに格納されたメッセージの他例を示す図である。
図10】管理装置のデータベースから読み出されたメッセージの一例を示す図である。
図11】作業機の稼働情報管理システムの動作の他例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、便宜上、同一の構成及び対応する構成については、同一符号を付している。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態の作業機の稼働情報管理システム100の構成図である。作業機の稼働情報管理ステム(以下、単に「稼働情報管理ステム」ということがある。)100は、情報処理装置1、記憶装置2、通信制御装置3、電子装置4、及び管理装置5を備えている。情報処理装置1、記憶装置2、通信制御装置3、及び電子装置4は、作業機10に搭載されている。管理装置5は、作業機10の外部に設けられている。
【0017】
作業機10は、例えばトラクタ、田植え機、若しくはコンバインのような農業機械、又は掘削機のような建設機械などの走行可能な作業車両である。本実施形態では、情報処理装置1、記憶装置2、及び通信制御装置3は作業機10に搭載されているが、他の例として、情報処理装置1、記憶装置2、及び通信制御装置3は作業機10に搭載されていなくてもよいし、或いは作業機10に対して着脱可能であってもよい。管理装置5は、例えばクラウド環境に存在するクラウドサーバである。他の例として、管理装置5は、所定の施設に設置されたオンプレミスの物理サーバであってもよい。
【0018】
作業機10には、例えばCAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、又はFlexRayなどの車載ネットワーク8が構築されている。車載ネットワーク8は、本発明の「第1ネットワーク」の一例である。車載ネットワーク8には、情報処理装置1と電子装置4とが接続されている。記憶装置2及び通信制御装置3も、車載ネットワーク8に接続されていてもよい。
【0019】
電子装置4は、作業機10の電装品であり、例えばセンサ、スイッチ、及びECU(Electronic Control Unit)などの少なくともいずれかから構成されている。他の例として、電子装置4は、MPU(Micro Processor Unit)又はGUI(Graphical User Interface)などから構成されていてもよい。ECUとMPUには、CPUとメモリなどが含まれている。電子装置4は、作業機10、電子装置4自身、及び他の電子装置4の少なくともいずれかの稼働情報を含むレコードを、車載ネットワーク8に随時出力する。なお、図1の例では、電子装置4は作業機10に複数搭載されているが、レコードを出力する電子装置4は、作業機10に1つ以上搭載されていればよい。
【0020】
情報処理装置1は、例えばECUから構成され、作業機10の走行及び作業を行うための動作を制御する。他の例として、情報処理装置1は、MPU或いはコンピュータなどから構成されてもよい。また、情報処理装置1は、固定型の端末装置或いはタブレット機器のような携帯型の端末装置から構成されてもよい。情報処理装置1は、作業機10のメインのコントローラであり、CPU及びメモリなどを含んでいる。情報処理装置1は、電子装置4から車載ネットワーク8へ出力されたレコード(稼働情報)を複数取得(受信)する。
【0021】
記憶装置2は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリから構成されている。記憶装置2には、作業機10の動作を制御するためのソフトウェアプログラムとデータが予め記憶されている。また、記憶装置2には、情報処理装置1が取得したレコードが複数記憶される。
【0022】
通信制御装置3は、例えばDCU(Domain Control Unit)から構成されていて、CPU、メモリ、入出力インタフェイスなどを含んでいる。他の例として、通信制御装置3は、ECU或いはコンピュータなどから構成されていてもよい。また、通信制御装置3は、固定型又は携帯型の端末装置から構成されていてもよい。通信制御装置3は、入出力インタフェイスにより、作業機10の外部に構築された公衆ネットワーク9を介して、管理装置5と無線で通信する。また、通信制御装置3は、記憶装置2に記憶された稼働情報を、公衆ネットワーク9を介して管理装置5に送信する。
【0023】
公衆ネットワーク9には、インターネットと携帯電話通信網(符号省略)などが含まれている。公衆ネットワーク9は、本発明の「第2ネットワーク」の一例である。他の例として、通信規格であるIEEE802.11シリーズに準拠したWi-Fi(登録商標)及び無線LAN(Local Area Network)の少なくともいずれかを介して、通信制御装置3と管理装置5とが通信してもよい。
【0024】
管理装置5には、データベース6が構築されている。データベース6には、作業機10の作業計画、作業内容、及び作業場所などに関する情報が格納されている。また、管理装置5は、作業機10及び電子装置4の少なくともいずれかの稼働情報を含むレコードを、通信制御装置3から公衆ネットワーク9を介して受信して、当該受信した稼働情報をデータベース6に格納することにより管理する。管理装置5には、通信制御装置3だけでなく、作業機10の外部にある端末装置(以下、「外部端末装置」という。)からもアクセス可能である。外部端末装置は、管理装置5のデータベース6に格納された各種の情報を受信して、当該情報を利用する。
【0025】
図2は、情報処理装置1により記憶装置2に記憶された複数のレコード14を示す図である。各レコード14には、作業機10及び電子装置4の少なくともいずれかの稼働情報が含まれている。作業機10の稼働情報には、例えば、作業機10の車速、位置、稼働状態、作業状況、走行状況などの作業機情報が含まれている。
【0026】
また、作業機10に備わるエンジン若しくは電動モータなどの原動機の回転数、燃料の残量、バッテリの残電力量、作業装置(インプルメント或いはアタッチメント)の稼働状態、油圧機器の稼働状態などが、作業機10及び電子装置4の少なくともいずれかの稼働情報に含まれていてもよい。さらに、作業機10の油圧機器を作動させる作動油の油圧と温度、油圧機器などを冷却する冷却装置の稼働状態、電装品などを冷却する冷却水の温度、カメラによる撮像画像、対象物センサの検出結果、各部のエラーの有無などの電装品情報なども、作業機10及び電子装置4の少なくともいずれかの稼働情報に含まれていてもよい。
【0027】
電子装置4は、所定のタイミング又は所定の周期でレコード14を生成して、車載ネットワーク8に出力する。情報処理装置1は、車載ネットワーク8に出力されたレコード14を随時取得して、記憶装置2の所定の記憶領域に随時記憶させることにより、レコード14を収集する。即ち、記憶装置2には、複数のレコード14が記憶される。
【0028】
記憶装置2に記憶されたレコード14には、当該レコード14の存在が確認された日時を複数桁の数値で示す複数バイトのデータから成るタイムスタンプ15が対応付けられている。例えば、電子装置4がプロセッサを有している場合は、当該プロセッサが、レコード14を生成した日時若しくはレコード14を出力する直前の日時を、レコード14の存在が確認された日時に決定してもよい。そして、当該プロセッサが、その決定した日時を示すタイムスタンプ15を生成し、当該タイムスタンプ15をレコード14に対応付けて、レコード14とタイムスタンプ15を車載ネットワーク8に出力してもよい。
【0029】
或いは、情報処理装置1が、レコード14を取得した日時を、レコード14の存在が確認された日時に決定してもよい。そして、情報処理装置1が、その決定した日時を示すタイムスタンプ15を生成し、当該タイムスタンプ15をレコード14に対応付けて、レコード14とタイムスタンプ15とを記憶装置2に記憶させてもよい。
【0030】
稼働情報管理システム100には、上記のようにタイムスタンプ15を生成して、当該タイムスタンプ15をレコード14に対応付けるプロセッサを有した電子装置4又は情報処理装置1が備わっている。タイムスタンプ15は、本発明の「時刻情報」の一例である
【0031】
図3は、タイムスタンプ15のデータ構成図である。タイムスタンプ15は、当該タイムスタンプ15に対応付けられたレコード14の存在が確認された日時を、複数桁の数値で示す複数バイトのデータから構成されている。本実施形態では、図3に示すようにタイムスタンプ15は、レコード14の存在が確認された「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」、「小数秒」の各単位を示す5byte(=40bit)のデータである。タイムスタンプ15が示す小数秒の最小単位は、10ミリ秒である。例えば、10ミリ秒刻みで計時するカウンタが、電子装置4又は情報処理装置1に設けられていて、レコード14の存在が確認された時の当該カウンタのカウント値が、タイムスタンプ15に示されている。
【0032】
より詳しくは、タイムスタンプ15は、10ミリ秒刻みのUNIX(登録商標)時間を2進数で示している。即ち、タイムスタンプ15は、協定世界時(UTC)である「1970年01月01日午前00時00分00秒000ミリ秒」を基準時点とし、当該基準時点からの経過時間を一旦41桁の2進数に変換して、そのうち下位1桁を省略した40桁の数値を示している。
【0033】
例えば、図3に示すタイムスタンプ15の40桁(40bit)の数値(2進数)「1100000101000010101000011111101101000000」は、省略した下1桁に「0」を追加してから、UNIX(登録商標)時間(10進数)に変換すると、「1660093200000」となり、さらに日時に変換すると「2022年8月10日10時00分00秒000ミリ秒」となる。また例えば、さらに「10ミリ秒」経過した「2022年8月10日10時00分00秒010ミリ秒」では、UNIX(登録商標)時間(10進数)は、「1660093200010」となり、タイムスタンプ15が示す時刻(2進数の数値)は、「1100000101000010101000011111101101000101」となる。
【0034】
タイムスタンプ15の5byteのデータのうち、下位側(図3で右側)から1byte目の1~7番目のビットのデータは、「ミリ秒(millisecond)」に相当する値を示している。また、下位側から1byte目の7、8番目のビットと2byte目の1~5番目のビットのデータは、「秒(second)」に相当する値を示している。また、下位側から2byte目の5~8番目のビットと3byte目の1~3番目のビットのデータは、「分(minute)」に相当する値を示している。また、下位側から3byte目の3~8番目のビットと4byte目の1番目のビットのデータは、「時(hour)」に相当する値を示している。また、下位側から4byte目の1~4番目のビットのデータは、「日(day)」に相当する値を示している。また、下位側から4byte目の4~8番目のビットのデータは、「月(month)」に相当する値を示している。
【0035】
そして、タイムスタンプ15の下位側から4byte目の8番目のビットと5byte目の1~8番目のビットのデータは、「年(year)」に相当する値を示している。そのうち、タイムスタンプ15の下位側から5byte目の8つのビットのデータは、所定期間(約497日、より詳しくは497日+15分程度)が経過する毎にインクリメント(増加)される。
【0036】
即ち、タイムスタンプ15の上位側(図3で左側)から1byte目の8つのビットのデータは、経過時間が約497日未満では、インクリメント(カウントアップ)されずに一定値を示す。タイムスタンプ15の下位側から1~4byteのデータは、経過時間が約497日未満でもインクリメントされ得る。情報処理装置1が電子装置4からのレコード14を取得する間隔又は周期(例えば1秒)は、タイムスタンプ15の上位側から1byte及び2byteのデータがインクリメントされる所定期間よりも短くなっている。
【0037】
通信制御装置3は、記憶装置2に記憶された複数のレコード14(作業機10又は電子装置4の稼働情報)のうち、所定の時間帯(例えば10分)に含まれる時刻を示すタイムスタンプ15(時刻情報)が対応付けられた複数のレコード14を読み出す。また、通信制御装置3は、当該複数のレコード14にそれぞれ対応付けられた複数のタイムスタンプ15に基づいて、所定の時間帯を示す時間帯情報を生成する。そして、通信制御装置3は、時間帯情報に対して記憶装置2から読み出した所定の時間帯の複数のレコード14を対応付けて、当該対応付けた時間帯情報及び複数のレコード14を含むメッセージを生成し、当該メッセージを管理装置5に送信する。
【0038】
上記のように、通信制御装置3は、所定の時間帯(例えば10分)ごとに対応付けた時間帯情報及び複数のレコード14を管理装置5に送信する。通信制御装置3がメッセージを管理装置5に送信する時間的間隔(送信周期、例えば10分)は、情報処理装置1がレコード14を取得する時間的間隔(取得周期、例えば1秒)よりも長くて、タイムスタンプ15の上位側から1byte及び2byteのデータがインクリメントされる所定期間よりも短くなっている。
【0039】
図4は、稼働情報管理システム100の動作を示すフローチャートである。図4の各処理は、情報処理装置1及び通信制御装置3に備わるCPUが内部メモリ又は記憶装置2に記憶されたソフトウェアプログラムに従って実行する。後述する図6及び図11のフローチャートの各処理も同様である。
【0040】
情報処理装置1は、電子装置4から車載ネットワーク8へ出力されたレコード14を取得すると(図4のS1)、当該レコード14を記憶装置2の所定の記憶領域に記憶させる(S2)。このとき、情報処理装置1は、レコード14に対応するタイムスタンプ15を、レコード14に対応付けて記憶装置2に記憶させる。レコード14の取得処理(S1)と記憶処理(S2)とは、情報処理装置1によって繰り返し実行される。
【0041】
通信制御装置3は、メッセージを管理装置5に送信する所定の送信条件が成立するのを待つ。送信条件には、情報処理装置1及び通信制御装置3が起動してから或いは前回メッセージを送信した時刻から、所定時間(例えば10分)が経過したことが含まれている。これ以外に、例えば、情報処理装置1によるレコード14の取得数若しくは記憶数が所定数に達したこと、作業機10で発生した所定のイベントが終了したこと、及び管理装置5からメッセージの送信を要求する信号を受信したことなどのうち、少なくともいずれかが、送信条件に含まれていてもよい。
【0042】
また、作業機10で発生するイベントには、作業機10の稼働開始、稼働停止、稼働中の所定動作の実行、作業機10による作業開始、作業終了、作業中の所定動作の実行、及び作業機10若しくは作業機10の装備品(電子装置4などの電装品を含む)でのエラー発生などが含まれていてもよい。上述した送信条件は一例であって、限定されるものではない。
【0043】
図4の処理S1~S3が繰り返し実行されることで、記憶装置2の所定の記憶領域には、図2に示すように、複数のレコード14が記憶される。記憶装置2に記憶されたレコード14には、それぞれタイムスタンプ15が対応付けられている。
【0044】
通信制御装置3は、送信条件が成立すると(図4のS3:YES)、記憶装置2から所定の時間帯の複数のレコード14(稼働情報)を読み出す(S4)。詳しくは、通信制御装置3は、所定の時間帯として、情報処理装置1及び通信制御装置3が起動してから或いは前回メッセージを送信した時刻から、所定時間が経過した時刻までの時間帯を特定し、当該時間帯に含まれる時刻を示す複数のタイムスタンプ15がそれぞれ対応付けられた複
数のレコード14を読み出す。
【0045】
次に、通信制御装置3は、所定の時間帯を示す時間帯情報17(図5)を生成し、当該時間帯情報17に対して所定の時間帯の複数のレコード14を対応付ける(S5)。このとき、例えば、所定の時間帯が「2022年3月26日10時00分」から「2022年3月26日10時10分」までである場合、通信制御装置3は、この「年」、「月」、「日」、「時」、「分」を示す時間帯情報17を生成してもよいし、或いは「2022年3月26日10」時00分00秒000ミリ秒」から「2022年3月26日10時10分00秒999ミリ秒」までのように、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」、「ミリ秒」を示す時間帯情報17を生成してもよい。
【0046】
そして、通信制御装置3は、図5に示すように、時間帯情報17とこれに対応付けた複数のレコード14とを含むメッセージ16を作成し(図4のS6)、公衆ネットワーク9を介してメッセージ16を管理装置5に送信する(S7)。
【0047】
通信制御装置3は、例えば図5に示すように、メッセージ16の先頭に時間帯情報17を付加する。また、通信制御装置3は、上述したように所定の時間帯の複数のレコード14をメッセージ16に含めるが、当該複数のレコード14にそれぞれ対応するタイムスタンプ15をメッセージ16に含めない。他の例として、通信制御装置3は、メッセージ16に含まれる複数のレコード14の存在が確認された順番を示す情報を、メッセージ16に含めてもよい。
【0048】
また、通信制御装置3は、図7に示すように、複数のレコード14に下位時刻情報18を対応付けてもよい。詳しくは、図6に示すように、通信制御装置3は、所定の時間帯を示す時間帯情報17を生成して、当該時間帯情報17に所定の時間帯の複数のレコード14を対応付けた(S5)後、当該複数のレコード14にそれぞれ対応する複数のタイムスタンプ15を参照する。そして、通信制御装置3は、当該複数のタイムスタンプ15に基づいて、所定の時間帯に含まれ且つ時間帯情報17で示されていない時刻を示す下位時刻情報18を生成し、当該下位時刻情報18を複数のレコード14に対応付ける(S8)。
【0049】
例えば、所定の時間帯が「2022年3月26日10時00分」~「2022年3月26日10時10分」であって、所定の時間帯の複数のレコード14に対応する複数のタイムスタンプ15で示される時刻が「2022年3月26日10時01分11秒011ミリ秒」、「2022年3月26日10時03分40秒555ミリ秒」、・・・、「2022年3月26日10時09分32秒711ミリ秒」などである場合を想定する。この場合、例えば通信制御装置3は、当該複数のタイムスタンプ15から共通する上位単位の時刻情報「2022年3月26日10時」をそれぞれ省略した時刻「01分11秒011ミリ秒」、「03分40秒555ミリ秒」、・・・、「09分32秒711ミリ秒」を示すように、下位時刻情報18をそれぞれ生成する。このような下位時刻情報18のデータ容量は、タイムスタンプ15のデータ容量及び時間帯情報17のデータ容量よりも少なくなっている。
【0050】
そして、通信制御装置3は、対応付けた時間帯情報17と複数のレコード14と複数の下位時刻情報18とを含むメッセージ19を作成し(図6のS9)、当該メッセージ19を管理装置5に送信する(S7)。
【0051】
なお、所定の時間帯が「2022年3月26日13時55分」~「2022年3月26日14時05分」であって、所定の時間帯の複数のレコード14に対応する複数のタイムスタンプ15で示される時刻が「2022年3月26日13時57分10秒001ミリ秒」、「2022年3月26日14時01分34秒554ミリ秒」、・・・、「2022年3月26日14時04分56秒998ミリ秒」などのように、単位「時(hour)」の値が変わることがある。この場合、通信制御装置3は、当該複数のタイムスタンプ15から共通する上位単位の時刻情報「2022年3月26日」をそれぞれ省略した時刻「13時57分10秒001ミリ秒」、「14時01分34秒554ミリ秒」、・・・、「14時04分56秒998ミリ秒」
を示すように、下位時刻情報18をそれぞれ生成してもよい。
【0052】
メッセージ16、19の送信後、一定時間経過すると、或いは、管理装置5からメッセージ16、19を受信したことを示すアンサ信号が通信制御装置3により受信されると、情報処理装置1(又は通信制御装置3)が、送信したメッセージ16、19に含まれていたレコード14と同一のレコード14を、記憶装置2の所定の記憶領域から削除する。
【0053】
上述したように、通信制御装置3は、所定の時間帯ごとに複数のレコード14をメッセージ16、19に含めて管理装置5に送信する。なお、通信制御装置3は、内部メモリの所定の記憶領域をカウンタ(タイマ)として用いて、所定の時間帯が経過したことを監視(計時)してもよい。
【0054】
通信制御装置3は、例えばメッセージ16、19を複数のパケットに分割して、当該複数のパケットを、公衆ネットワーク9を介して管理装置5に送信する。管理装置5は、公衆ネットワーク9を介してメッセージ16、19の複数のパケットを受信し、当該複数のパケットを組み合わせて、メッセージ16、19を復元し、当該メッセージ16、19をデータベース6に格納する。即ち、管理装置5は、メッセージ16、19に含まれる時間帯情報17に基づいて、複数のレコード14(稼働情報)を管理する。
【0055】
また、管理装置5は、メッセージ19を受信した場合、当該メッセージ19に含まれる時間帯情報17と複数の下位時刻情報18とに基づいて、当該メッセージ19に含まれる複数のレコード14にそれぞれ対応するタイムスタンプ15を復元してもよい。
【0056】
詳しくは、例えば管理装置5は、通信制御装置3から送信されたメッセージ19(図7)を受信すると、当該メッセージ19に含まれる時間帯情報17と複数の下位時刻情報18とを読み込む。次に、管理装置5は、読み込んだ時間帯情報17と複数の下位時刻情報18とに基づいて、受信したメッセージ19に含まれる複数のレコード14にそれぞれ対応するタイムスタンプ15を復元する。このとき、管理装置5は、例えば複数の下位時刻情報18に時間帯情報17を合成して、対応するタイムスタンプ15を復元してもよい。
【0057】
そして、管理装置5は、図8に示すように、復元したタイムスタンプ15がそれぞれ対応付けられた複数のレコード14を含んだ状態のメッセージ19を、データベース6に格納する。管理装置5は、メッセージ19から時間帯情報17を削除してもよい。即ち、管理装置5は、復元したタイムスタンプ15に基づいて、メッセージ19に含まれる複数のレコード14(稼働情報)を管理する。
【0058】
他の例として、管理装置5は、メッセージ19というまとまりを解除して、復元したタイムスタンプ15がそれぞれ対応付けられた複数のレコード14を、データベース6に格納してもよい。
【0059】
また、管理装置5は、メッセージ19をデータベース6に格納する際には、タイムスタンプ15を復元せず、データベース6に格納されたメッセージ19に含まれるレコード14を読み出す際に、当該レコード14に対応するタイムスタンプ15を復元してもよい。
【0060】
詳しくは、例えば管理装置5は、通信制御装置3から送信されたメッセージ19を受信すると、当該メッセージ19をそのままデータベース6に格納する。即ち、管理装置5は、図9に示すように、時間帯情報17と複数のレコード14と複数の下位時刻情報18とが対応付けられた状態のメッセージ19を、データベース6に格納する。
【0061】
その後、管理装置5は、データベース6から少なくともいずれか1つのレコード14を
読み出す際に、当該レコード14に対応付けられた時間帯情報17と複数の下位時刻情報18とを読み込む。次に、管理装置5は、読み込んだ時間帯情報17と複数の下位時刻情報18とに基づいて、データベース6から読み出したレコード14に対応するタイムスタンプ15を復元する。
【0062】
そして、管理装置5は、図10に示すように、読み出したレコード14に復元したタイムスタンプ15を対応付けて、例えば外部端末装置など(作業機10の通信制御装置3でもよい。)に出力する。即ち、管理装置5は、データベース6に格納されたレコード14を外部に出力する際に、当該レコード14に対応するタイムスタンプ15を復元する。
【0063】
他の例として、管理装置5は、複数のレコード14を含むメッセージ19をデータベース6から読み出す際に、当該メッセージ19に含まれる複数のレコード14にそれぞれ対応するタイムスタンプ15を復元して、当該タイムスタンプ15を複数のレコード14に対応付けてもよい。
【0064】
以上述べた実施形態では、通信制御装置3は、送信条件が成立すると、所定の時間帯に対応するタイムスタンプ15が対応付けられた複数のレコード14を全て、メッセージ16、19に含めて管理装置5に送信した例を示したが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、通信制御装置3は、例えば、作業機10で発生した同一のイベントに関する複数のレコード14を、メッセージ16、19に含めて管理装置5に送信してもよい。
【0065】
図11は、稼働情報管理システム100の動作の他の例を示すフローチャートである。情報処理装置1が処理S1、S2を実行した後、通信制御装置3は、例えば作業機10で発生した所定のイベントが終了したため、送信条件が成立したと判断すると(S3:YES)、当該イベントに応じた所定の時間帯を設定する(S10)。このとき、通信制御装置3は、イベント毎に予め定められた所定の時間帯を設定してもよい。或いは、通信制御装置3は、イベントが開始してから終了するまでの時間を所定の時間帯として設定してもよい。或いは、通信制御装置3は、イベントが開始してから終了するまでの時間を所定の間隔で区切った時間を所定の時間帯として設定してもよい。
【0066】
次に、通信制御装置3は、記憶装置2に記憶された所定の時間帯の複数のレコード14のうち、所定のイベントに関する複数のレコード14を読み出す(S11)。次に、通信制御装置3は、所定の時間帯を示す時間帯情報17を生成し、読み出した所定のイベントに関する複数のレコード14を時間帯情報17に対応付ける(S12)。そして、通信制御装置3は、時間帯情報17とこれに対応付けた複数のレコード14とを含むメッセージ16を作成し(S6)、当該メッセージ16を管理装置5に送信する(S7)。
【0067】
他の例として、通信制御装置3は、図11の処理S6に代えて、図6の処理S8のように、複数のレコード14にそれぞれ対応する複数のタイムスタンプ15に基づいて下位時刻情報18を生成し、当該下位時刻情報18を複数のレコード14に対応付けてもよい。そして、通信制御装置3は、図6の処理S9のように、対応付けた時間帯情報17と複数のレコード14と複数の下位時刻情報18とを含むメッセージ19を作成し、当該メッセージ19を管理装置5に送信(S7)してもよい。
【0068】
上述した実施形態では、タイムスタンプ15の基準時点を協定世界時(UTC)にした例を示したが、本発明はこれに限定しない。これ以外に、例えば、作業機10の発売日時又は作業機10での最初のイベント発生日時などを基準時点に設定し、当該基準時点から経過したミリ秒数をタイムスタンプ15に示してもよい。なお、これらはタイムスタンプ15が示す日時の一例であって、本発明における「タイムスタンプ」及び「時刻情報」が
示す日時は上記に限定されない。
【0069】
上述した実施形態では、情報処理装置1と記憶装置2と通信制御装置3とが稼働情報管理システム100にそれぞれ1つずつ設けられた例を示したが、本発明はこれに限定せず、情報処理装置1と記憶装置2と通信制御装置3とのうち、少なくともいずれかが稼働情報管理システム100に複数台設けられていてもよい。また、管理装置5及び作業機10の少なくともいずれかが、稼働情報管理システム100に複数台設けられていてもよい。この場合、レコード14の生成元である作業機10或いは電子装置4の識別情報と、メッセージ16、19の生成元である通信制御装置3の識別情報とを、メッセージ16、19に含めて対応する管理装置5に送信してもよい。
【0070】
上述した実施形態では、作業機10に構築された車載ネットワーク8を介して、作業機10に搭載された情報処理装置1が、作業機10に搭載された電子装置4からレコード14を取得(受信)する例を示したが、本発明はこれに限定しない。例えば、車載ネットワーク8に代えて、或いは車載ネットワーク8に加えて、作業機10の外部に構築された外部ネットワークを介して、情報処理装置1が電子装置4からレコード14を取得してもよい。
【0071】
上述した実施形態では、通信制御装置3が公衆ネットワーク9を介して管理装置5にメッセージ16、19を送信する例を示したが、本発明はこれに限定しない。例えば、公衆ネットワーク9に代えて、或いは公衆ネットワーク9に加えて、作業機10の外部に構築された外部ネットワークを介して、通信制御装置3が管理装置5にメッセージ16、19を転送してもよい。
【0072】
また、上述の外部ネットワークには、例えば、無線若しくは有線のLAN(ローカルエリアネットワーク)などのような狭域ネットワーク、WAN(ワールドエリアネットワーク)、MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)、VPN(仮想専用ネットワーク)、イーサネット、イントラネット、インターネットなどのような広域ネットワーク、携帯電話通信網などの公衆通信網などが含まれていてもよい。
【0073】
上述した実施形態では、情報処理装置1と通信制御装置3とが別々に構成された例を示したが、情報処理装置1と通信制御装置3とを同一のコンピュータなどで構成してもよい。また、情報処理装置1によるレコード14の取得周期、通信制御装置3によるメッセージ16、19の送信周期、及び所定の時間帯として例示した数値は、一例であって、限定するものではない。
【0074】
以上説明した本実施形態の作業機の稼働情報管理システム100は、以下の構成を備え、効果を奏する。
【0075】
本実施形態の作業機10の稼働情報管理システム100は、作業機10に構築された第1ネットワーク(車載ネットワーク)8へ出力された稼働情報(レコード14)を複数取得して記憶装置2に記憶させる情報処理装置1と、記憶装置2に記憶された稼働情報を管理装置5に送信する通信制御装置3と、を備え、通信制御装置3は、所定の時間帯を示す時間帯情報17を生成し、当該時間帯情報17に対して記憶装置2から読み出した所定の時間帯の複数の稼働情報を対応付けて、当該対応付けた時間帯情報17及び複数の稼働情報を管理装置5に送信する。
【0076】
上記構成によれば、作業機10における所定の時間帯の複数の稼働情報が、所定の時間帯を示す時間帯情報17に対応付けられて、通信制御装置3から管理装置5に送信される。このため、複数の稼働情報のそれぞれにタイムスタンプのような時刻情報を対応付けた
状態で、当該複数の稼働情報及び時刻情報を管理装置5へ送信する場合よりも、通信制御装置3から管理装置5へ送信するデータ容量が減少し、通信時間が短くなり、通信コストを低く抑えることができる。よって、作業機10における稼働情報を管理するための通信効率を向上させることが可能となる。また、管理装置5では、時間帯情報17に基づいて複数の稼働情報を管理することができる。
【0077】
本実施形態では、通信制御装置3は、所定の時間帯ごとに、時間帯情報17を生成して、当該時間帯情報17に対して複数の稼働情報を対応付けて、当該対応付けた時間帯情報17及び複数の稼働情報を管理装置5に送信する。これにより、作業機10における複数の稼働情報を、所定の時間帯ごとに時間帯情報17に対応付けて管理装置5に送信することができる。また、管理装置5では、所定の時間帯ごとの作業機10における複数の稼働情報をまとめて受信して、データベース6などで管理することができる。
【0078】
また、本実施形態では、情報処理装置1は、作業機10に搭載された電子装置4から第1ネットワーク8へ出力された作業機10及び電子装置4の少なくともいずれかの稼働情報を取得して、当該稼働情報と当該稼働情報の存在が確認された時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)15とを対応付けて記憶装置2に記憶させ、通信制御装置3は、対応付けた時間帯情報17及び複数の稼働情報を作業機10の外部にある第2ネットワーク(公衆ネットワーク)9を介して管理装置5に送信する。
【0079】
上記により、通信制御装置3は、記憶装置2に記憶された作業機10及び電子装置4の少なくともいずれの稼働情報に対応付けられた時刻情報15を参照して、所定の時間帯に対応する複数の稼働情報を確実に読み出すことができ、当該複数の稼働情報を時間帯情報17に対応付けて、第2ネットワーク9を介して管理装置5に確実に送信することができる。
【0080】
また、本実施形態では、通信制御装置3は、所定の時間帯の複数の稼働情報にそれぞれ対応する時刻情報15に基づいて、前記所定の時間帯に含まれ且つ前記時間帯情報で示されていない時刻を示す下位時刻情報18を生成し、下位時刻情報18を対応する複数の稼働情報にそれぞれ対応付けて、対応する時間帯情報17と複数の稼働情報と下位時刻情報18とを管理装置5に送信する。
【0081】
上記により、作業機10における所定の時間帯の複数の稼働情報が、所定の時間帯を示す共通の時間帯情報17に対応付けられると共に、複数の稼働情報にそれぞれ対応する時刻情報(タイムスタンプ)15よりもデータ容量が少ない下位時刻情報18が対応する複数の稼働情報にそれぞれ対応付けられて、これら対応付けられた時間帯情報17と複数の稼働情報と下位時刻情報18とが通信制御装置3から管理装置5に送信される。このため、複数の稼働情報のそれぞれにタイムスタンプ15を対応付けて管理装置5へ送信する場合よりも、通信制御装置3から管理装置5へ送信するデータ容量が減少し、通信時間が短くなり、通信コストを低く抑えることができる。また、管理装置5では、時間帯情報17及び下位時刻情報18から、複数の稼働情報の存在が確認された日時をそれぞれ特定して、当該日時によっても複数の稼働情報を管理することができる。
【0082】
また、本実施形態では、作業機10の稼働情報管理システム100は、電子装置4を1つ以上備え、電子装置4及び情報処理装置1の少なくともいずれかが時刻情報15を生成して稼働情報に対応付ける。これにより、電子装置4及び情報処理装置1の少なくともいずれかによって、作業機10における稼働情報の存在が確認された日時を示す時刻情報15を生成して、当該時刻情報15を稼働情報に確実に対応付けることができる。
【0083】
また、本実施形態では、通信制御装置3は、作業機10で発生したイベントに応じて所
定の時間帯を設定して、当該所定の時間帯を示す時間帯情報17を生成し、前記イベントに関する所定の時間帯の複数の稼働情報を記憶装置2から読み出して時間帯情報17に対応付け、当該対応付けた時間帯情報17及び複数の稼働情報を管理装置5に送信する。これにより、作業機10で発生したイベントに応じた所定の時間帯の複数の稼働情報を、当該所定の時間帯を示す時間帯情報17と対応付けた状態で、情報処理装置1から管理装置5にまとめて送信することができ、通信効率を向上させることが可能になる。また、作業機10で発生したイベントに応じた所定の時間帯の複数の稼働情報を、管理装置5でまとめて管理することができる。
【0084】
また、本実施形態では、作業機10の稼働情報管理システム100は、作業機10の外部に設けられ、且つデータベース6が構築された管理装置5を備え、管理装置5は、通信制御装置3により対応付けられた状態で送信された時間帯情報17と複数の稼働情報と複数の下位時刻情報18とを受信して、少なくとも複数の稼働情報をデータベース6に格納し、対応付けられた時間帯情報17及び複数の下位時刻情報18に基づいて、対応付けられた複数の稼働情報の時刻情報15をそれぞれ復元する。これにより、複数の稼働情報のそれぞれに固有の時刻情報(タイムスタンプ)15が管理装置5で復元されるので、管理装置5又は管理装置5から稼働情報を受信した外部の端末装置において、稼働情報を対応する時刻情報15に基づいて取り扱うことができ、稼働情報の信頼性を向上させることもできる。
【0085】
さらに、本実施形態では、第1ネットワーク8は、走行可能な作業車両である作業機10に構築された車載ネットワークであり、第2ネットワーク9は、インターネットを含む公衆ネットワークである。これにより、情報処理装置1は、作業機10又は電子装置4の稼働情報を含む複数のレコード14を、車載ネットワーク8を介して短時間且つ低コストで収集して、記憶装置2に記憶させることができる。また、通信制御装置3は、記憶装置2に記憶された複数のレコード14を、所定の時間帯に応じて時間帯情報17(及び下位時刻情報18)に対応付けて、これらを含むメッセージ16、19を作成し、当該メッセージ16、19を、公衆ネットワーク9を介して管理装置5へ送信する。このため、メッセージ16、19の公衆通信時の通信時間を短くし、通信コストを低く抑え、通信効率を向上させることが可能になる。
【0086】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0087】
1 情報処理装置
2 記憶装置
3 通信制御装置
4 電子装置
5 管理装置
8 車載ネットワーク(第1ネットワーク)
9 公衆ネットワーク(第2ネットワーク)
10 作業機
14 レコード(稼働情報)
15 タイムスタンプ(時刻情報)
17 時間帯情報
18 下位時刻情報
100 作業機の稼働情報管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11