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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154964
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/625 20060101AFI20241024BHJP
   H01R 13/622 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
H01R13/625
H01R13/622
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069225
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】藤原 泰治郎
(72)【発明者】
【氏名】星野 博一
(72)【発明者】
【氏名】的場 正人
(72)【発明者】
【氏名】小野 真広
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC31
5E021HA07
5E021HB11
5E021HC02
5E021HC04
5E021KA05
(57)【要約】
【課題】使用者がプラグおよびソケットの接続が正常に完了したと誤認識することを防止可能なコネクタを提供すること。
【解決手段】
コネクタが、第1接続部材を有するプラグと第2接続部材を有するソケットとを備える。第1接続部材が、第1本体部と爪部とを含む。第2接続部材が、第2本体部と第2本体部の第1本体部に対向する部分に位置し爪部を収容する接続溝部とを含む。接続溝部が、第2接続部材が第1位置に位置している状態で爪部の第1方向への移動を案内するように構成されている第1溝部と、第2接続部材が第2位置に位置している状態で爪部の第1方向でかつプラグに接近する方向への移動を規制するように構成されている第2溝部とを有する。第2本体部が、爪部を収容してソケットのプラグに対する周方向の回転を規制可能に構成された規制部を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続部材を有するプラグと、
第1方向から前記第1接続部材が取り外し可能に接続された第2接続部材を有し、前記第2接続部材は、前記第1方向に延びる中心線に対する周方向において、前記第1方向から前記第1接続部材を取り外し可能な第1位置と前記第1方向から前記第1接続部材を取り外し不可能な第2位置との間を前記第1接続部材に対して回転可能に構成されているソケットと
を備え、
前記第1接続部材が、
前記第1方向に沿って延びる第1本体部と、
前記第1本体部から前記中心線に対する径方向に突出する爪部と
を含み、
前記第2接続部材が、
前記第1方向に沿って延びると共に前記第1本体部に接続可能に構成され、一部が前記第1本体部の前記径方向の外側に位置する第2本体部と、
前記第2本体部の前記第1本体部に対向する部分に位置し、前記爪部を収容する接続溝部と
を含み、
前記接続溝部が、
前記第2本体部の前記第1接続部材に対向する端部から前記第1方向に沿って延びると共に、前記第2接続部材が前記第1位置に位置している状態で、前記爪部の前記第1方向への移動を案内するように構成されている第1溝部と、
前記第1溝部の前記第1方向において前記第1接続部材から遠い端部に接続され、前記周方向に沿って延びて前記爪部が前記周方向に移動可能に構成されていると共に、前記第2接続部材が前記第2位置に位置している状態で、前記爪部の前記第1方向でかつ前記プラグに接近する方向への移動を規制するように構成されている第2溝部と
を有し、
前記第2本体部が、
前記第1接続部材に対向する端部における前記第1溝部とは異なる位置に設けられ、前記爪部を収容して前記ソケットの前記プラグに対する前記周方向の回転を規制可能に構成された規制部を有する、コネクタ。
【請求項2】
前記規制部が、前記周方向に沿って延びて前記第1溝部に接続されていると共に、前記第1方向から前記爪部を収容可能な切欠で構成されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記規制部が、前記第1方向において前記爪部に対向可能に位置し、前記周方向において前記第1溝部に接近するに従って前記第1方向において前記第1接続部材から離れる方向に傾斜する傾斜面を有する、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記規制部が、前記第1方向から前記爪部を収容可能な前記第1溝部とは独立した溝で構成されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記規制部が、前記周方向でかつ前記第2接続部材が前記第1位置から前記第2位置に向かう方向における前記第1溝部の上流側に隣接している、請求項1~4のいずれかに記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラグホルダとソケットホルダとを相対的に回転させることにより、係合突起が係合溝に沿って係合するように構成されたコネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-103046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコネクタでは、回転動作開始位置を誤ってしまうと、係合突起が係合溝以外の部分に係合してしまうことが考えられる。この場合、係合突起および係合溝の係合によるロック機構が働いていない状態にも関わらず、プラグおよびソケットを相互に引っ張っても抜けなくなり、使用者がプラグおよびソケットの接続が正常に完了したと誤認識する場合がある。
【0005】
本開示は、使用者がプラグおよびソケットの接続が正常に完了したと誤認識することを防止可能なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のコネクタは、
第1接続部材を有するプラグと、
第1方向から前記第1接続部材が取り外し可能に接続された第2接続部材を有し、前記第2接続部材は、前記第1方向に延びる中心線に対する周方向において、前記第1方向から前記第1接続部材を取り外し可能な第1位置と前記第1方向から前記第1接続部材を取り外し不可能な第2位置との間を前記第1接続部材に対して回転可能に構成されているソケットと
を備え、
前記第1接続部材が、
前記第1方向に沿って延びる第1本体部と、
前記第1本体部から前記中心線に対する径方向に突出する爪部と
を含み、
前記第2接続部材が、
前記第1方向に沿って延びると共に前記第1本体部に接続可能に構成され、一部が前記第1本体部の前記径方向の外側に位置する第2本体部と、
前記第2本体部の前記第1本体部に対向する部分に位置し、前記爪部を収容する接続溝部と
を含み、
前記接続溝部が、
前記第2本体部の前記第1接続部材に対向する端部から前記第1方向に沿って延びると共に、前記第2接続部材が前記第1位置に位置している状態で、前記爪部の前記第1方向への移動を案内するように構成されている第1溝部と、
前記第1溝部の前記第1方向において前記第1接続部材から遠い端部に接続され、前記周方向に沿って延びて前記爪部が前記周方向に移動可能に構成されていると共に、前記第2接続部材が前記第2位置に位置している状態で、前記爪部の前記第1方向でかつ前記プラグに接近する方向への移動を規制するように構成されている第2溝部と
を有し、
前記第2本体部が、
前記第1接続部材に対向する端部における前記第1溝部とは異なる位置に設けられ、前記爪部を収容して前記ソケットの前記プラグに対する前記周方向の回転を規制可能に構成された規制部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、使用者がプラグおよびソケットの接続が正常に完了したと誤認識することを防止可能なコネクタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態のコネクタを示す斜視図。
図2図1のII-II線に沿った断面図。
図3図1のコネクタのプラグを示す斜視図。
図4図1のコネクタのソケットを示す斜視図。
図5図1のコネクタの接続溝部を露出させた状態を示す平面図。
図6図1のコネクタの第1の変形例を示す平面図。
図7図1のコネクタの第2の変形例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物および本開示の用途を制限することを意図するものではない。添付図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものと必ずしも合致していない。
【0010】
本開示の一実施形態のコネクタ1は、図1に示すように、プラグ2と、プラグ2が取り外し可能に接続されたソケット3とを備える。プラグ2は、第1接続部材10を有し、ソケット3は、第1方向(例えば、X方向)から第1接続部材10が取り外し可能に接続された第2接続部材20を有している。プラグ2およびソケット3は、第1接続部材10および第2接続部材20を介して相互に回転可能に接続されている。
【0011】
ソケット3は、コネクタ1の軸方向である第1方向(例えば、X方向)に延びる中心線CL(図2に示す)に対する周方向(以下、周方向という。)において、第1位置P1(図5参照)と第2位置P2との間をプラグ2に対して回転可能に構成されている。第1位置P1は、第1方向Xから第1接続部材10を取り外し可能な第2接続部材20の第1接続部材10に対する周方向の相対位置である。第2位置P2は、第1方向Xから第1接続部材10を取り外し不可能な第2接続部材20の第1接続部材10に対する周方向の相対位置である。
【0012】
第1接続部材10は、図1および図2に示すように、第1本体部11と、第1本体部11から中心線CLに対する径方向(以下、径方向という。)に突出する爪部32とを含む。本実施形態では、第1本体部11は、プラグ本体101と、プラグ本体101の第1方向Xにおいてソケット3に近い端部111に位置するプラグ側接続部材30と、付勢部材13(図2参照)とを有している。
【0013】
プラグ本体101は、一例として、第1方向Xに沿って延びる略円柱形状を有している。図2に示すように、プラグ本体101の端部111には、複数のプラグ端子14が収容された凹部112が設けられている。凹部112は、ソケット3に対向する開口部113を有している。各プラグ端子14は、凹部112の底面から第1方向Xに突出している。プラグ本体101の第1方向Xにおいて第2接続部材20から遠い端部には、ケーブル4が接続されている。
【0014】
プラグ側接続部材30は、図2に示すように、第1部材33と、第2部材34とを含む。本実施形態では、第1部材33および第2部材34は、径方向におけるプラグ本体101の外側に位置している。
【0015】
第1部材33は、一例として、略円筒形状で、プラグ本体101の一部に接触する第1部分331と、第1方向Xにおいて第1部分331よりもソケット3から離れて位置した第2部分332とを有している。第1部分331には、雄ねじ333が設けられている。第2部分332は、径方向においてプラグ本体101との間に隙間35が設けられている。この隙間35に、第2部材34の一部と付勢部材13とが収容されている。
【0016】
第2部材34は、図2に示すように、第1部材33の隙間35に位置する第1部分341と、径方向において第1部材33よりもプラグ本体101から離れて位置する第2部分342とを有している。本実施形態では、第2部材34は、第1部材33に固定されている。
【0017】
爪部32は、図3に示すように、第2部材34の第2部分342に設けられ、第2部分342から径方向の外側に向かって突出している。本実施形態では、第1接続部材10は、複数の爪部32を有している。各爪部32は、一例として、略直方体形状で、第1方向Xの第2接続部材20から遠い端面321が湾曲している。周方向に隣接する爪部32の間に雄ねじ333が位置している。
【0018】
付勢部材13は、一例として、コイルばねで構成されている。付勢部材13は、隙間35における第1方向Xにおいて第2部材34よりもソケット3から離れており、第1部材33および第2部材34をソケット3に接近する方向に向かって付勢している。
【0019】
第2接続部材20は、図1および図2に示すように、第2本体部21と、第2本体部21に設けられた接続溝部42とを含む。第2本体部21は、第1方向Xに沿って延びると共に、第1接続部材10の第1本体部11に接続可能に構成されている。本実施形態では、第2本体部21は、ソケット本体201と、ソケット本体201の第1方向Xにおいてソケット3に近い端部211に位置するソケット側接続部材41とを有している。
【0020】
ソケット本体201は、一例として、略円柱形状を有し、プラグ本体101の凹部112に収容可能に構成されている。図3に示すように、ソケット本体201の端部211には、各々にソケット端子(図示せず)が収容された複数の収容部212が設けられている。図1に示すように、ソケット本体201の第1方向Xにおいて第1接続部材10から遠い端部には、ケーブル4が接続されている。各ソケット端子は、ケーブル4と電気的に接続されている。収容部212は、ソケット端子に加えてプラグ端子14を収容可能に構成されている。収容部212内でプラグ端子14およびソケット端子が接続され、プラグ2およびソケット3が電気的に接続される。
【0021】
ソケット側接続部材41は、図2および図4に示すように、一例として、略円筒形状を有し、一部が径方向において第1本体部11の外側に位置している。本実施形態では、ソケット側接続部材41は、第1方向Xにおいて第1接続部材10から遠い端部414がソケット本体201に接続されて固定されている。径方向におけるソケット側接続部材41およびソケット本体201との間には、ソケット本体201をプラグ本体101の凹部112に収容するための隙間43が形成されている。ソケット本体201がプラグ本体101の凹部112に収容された状態において、隙間43には、プラグ本体101と、第1接続部材10の第1部材33の第1部分331と、第2部材34の第2部分342とが位置している。
【0022】
ソケット側接続部材41の第1方向Xにおいて第1接続部材10に対向する端部411には、後述する接続溝部42の第1溝部421とは異なる位置に設けられた規制部44が設けられている。規制部44は、爪部32を収容してソケット3のプラグ2に対する周方向の回転を規制可能に構成されている。
【0023】
本実施形態では、規制部44は、図5に示すように、周方向に沿って延びると共に、第1方向Xから爪部32を収容可能な切欠で構成されている。規制部44は、周方向でかつ第2接続部材20が第1位置P1から第2位置P2に向かう方向(矢印Aで示す)における第1溝部421の上流側に隣接し、周方向の一端が第1溝部421に接続されている。規制部44の周方向は、後述する第2溝部422と略同一の周方向の長さを有している。
【0024】
接続溝部42は、ソケット側接続部材41の径方向においてプラグ2に対向する部分412に位置し、爪部32を収容可能に構成されている。本実施形態では、ソケット側接続部材41には、3つの爪部32の各々に対応する3つの接続溝部42が設けられている。図4に示すように、周方向に隣接する接続溝部42の間には、第1方向Xからプラグ2の雄ねじ333に対して締結可能な雌ねじ413が設けられている。
【0025】
図5に示すように、接続溝部42は、第1溝部421と第2溝部422とを有している。
【0026】
第1溝部421は、ソケット側接続部材41の第1方向Xにおいて第1接続部材10に対向する端部411から第1方向Xに沿って延びている。第2接続部材20が第1位置P1に位置している状態で、爪部32の第1方向Xへの移動を案内するように構成されている。第2溝部422は、第1溝部421の第1方向Xにおいて第1接続部材10から遠い端部に接続されている。
【0027】
第2溝部422は、周方向に沿って延びて爪部32が周方向に移動可能に構成されている。本実施形態では、爪部32が第2溝部422の周方向の一端に位置しているときに、第2接続部材20が第1位置P1に位置し、爪部32が第2溝部422の周方向の他端に位置しているときに、第2接続部材20が第2位置P2に位置する。第2溝部422は、第2接続部材20が第2位置P2に位置している状態で、爪部32の第1方向Xでかつプラグ2に接近する方向への移動を規制するように構成されている。本実施形態では、第2溝部422の第1方向Xにおいてプラグ2に近い方の端部に、爪部32の端面321の湾曲形状に沿った凹部423が設けられている。
【0028】
第2溝部422の周方向における第1溝部421および凹部423の間には、爪部32の周方向の移動を案内可能なガイド面424が設けられている。周方向において第1溝部421から離れるに従って第1方向Xにおいてプラグ2から離れる方向に傾斜しつつ湾曲している。
【0029】
第1接続部材10の爪部32および第2接続部材20の接続溝部42により、プラグ2およびソケット3を接続する場合、プラグ2およびソケット3の周方向の位置を合わせて、第2接続部材20を第1位置P1に位置させる。第2接続部材20が第1位置P1に位置した状態で、爪部32が第1溝部421を通って第2溝部422に到達するまで、プラグ2およびソケット3を相互に接近させる。爪部32が第2溝部422に到達したら、第2接続部材20を第1接続部材10に対して回転しなくなるまで回転させて、第2接続部材20を第1位置P1から第2位置P2に移動させる。
【0030】
プラグ2およびソケット3が接続されている状態において、第1接続部材10および第2接続部材20間は、図2に示すように、封止部材50によりプラグ端子およびソケット端子への液体または塵埃などの接触を防止可能に封止されている。
【0031】
コネクタ1は、次の効果を発揮できる。
【0032】
コネクタ1は、第1接続部材10を有するプラグ2と、第1方向Xから第1接続部材10が取り外し可能に接続された第2接続部材20を有するソケット3とを備える。第2接続部材20は、第1方向Xに延びる中心線CLに対する周方向において、第1方向Xから第1接続部材10を取り外し可能な第1位置P1と第1方向Xから第1接続部材10を取り外し不可能な第2位置P2との間を第1接続部材10に対して回転可能に構成されている。第1接続部材10は、第1方向Xに沿って延びる第1本体部11と、第1本体部11から中心線CLに対する径方向に突出する爪部32とを含む。第2接続部材20は、第1方向Xに沿って延びると共に第1本体部11に接続可能に構成され、一部が第1本体部11の径方向の外側に位置する第2本体部21と、第2本体部21の第1本体部11に対向する部分412に位置し、爪部32を収容する接続溝部42とを含む。接続溝部42が、第1溝部421と第2溝部422とを有する。第1溝部421は、第2本体部21の第1接続部材10に対向する端部411から第1方向に沿って延びると共に、第2接続部材20が第1位置P1に位置している状態で、爪部32の第1方向Xへの移動を案内するように構成されている。第2溝部422は、第1溝部421の第1方向Xにおいて第1接続部材10から遠い端部に接続され、周方向に沿って延びて爪部32が周方向に移動可能に構成されていると共に、第2接続部材20が第2位置P2に位置している状態で、爪部32の第1方向Xでかつプラグ2に接近する方向への移動を規制するように構成されている。第2本体部21が、第1接続部材10に対向する端部411における第1溝部421とは異なる位置に設けられ、爪部32を収容してソケット3のプラグ2に対する周方向の回転を規制可能に構成された規制部44を有する。このような構成により、プラグ2およびソケット3を接続する際に回転動作開始位置を誤ってしまったとしても、プラグ2およびソケット3の相対的な回転が規制される。その結果、使用者がプラグ2およびソケット3の接続が正常に完了したと誤認識することを防止できる。
【0033】
規制部44が、周方向に沿って延びて第1溝部421に接続されていると共に、第1方向Xから爪部32を収容可能な切欠で構成されている。このような構成により、プラグ2およびソケット3を接続する際に回転動作開始位置を誤ってしまったとしても、正しい位置から遠ざかるプラグ2およびソケット3の相対的な回転を規制しつつ、正しい位置へと向かうプラグ2およびソケット3の相対的な回転を規制しないようにすることができる。
【0034】
規制部44が、周方向でかつ第2接続部材20が第1位置P1から第2位置P2に向かう方向における第1溝部421の上流側に隣接している。このような構成により、使用者がプラグ2およびソケット3の接続が正常に完了したと誤認識することをより確実に防止できる。
【0035】
コネクタ1は、次のように構成することもできる。
【0036】
規制部44は、図6に示すように、傾斜面441を有するように構成することができる。傾斜面441は、第1方向Xにおいて爪部32に対向可能に位置し、周方向において第1溝部421に接近するに従って第1方向Xにおいて第1接続部材10から離れる方向に傾斜する。このように構成することにより、規制部44に収容された爪部32を第1溝部421に向かって案内することができる。上記実施形態では、爪部32が設けられているプラグ側接続部材30が、付勢部材13によりソケット3に接近する方向に向かって付勢されている。このため、規制部44に収容された爪部32を第1溝部421に向かってより確実に案内することができる。
【0037】
規制部44は、切欠で構成されている場合に限らない。例えば、図7に示すように、規制部44は、第1方向Xから爪部32を収容可能な第1溝部421とは独立した溝で構成されていてもよい。図7のコネクタ1では、規制部44は、ソケット側接続部材41の端部411に開口し、第1方向Xに沿って見たときに、第2溝部422の凹部423と重なる位置に位置している。図7の規制部44は、収容された爪部32の周方向の正逆回転が規制されるので、回転開始位置の誤りを認識し易くすることができる。
【0038】
規制部44は、周方向でかつ第2接続部材20が第1位置P1から第2位置P2に向かう方向(図5の矢印A方向)における第1溝部421の上流側に隣接する場合に限らない。規制部44は、使用者がプラグおよびソケットの接続が正常に完了したと誤認識することを防止できる第2本体部21の任意の位置に設けることができる。例えば、規制部44は、図5の矢印A方向における第1溝部421の下流側に隣接して設けてもよい。
【0039】
コネクタ1は、雄ねじ333および雌ねじ413を用いたねじ接続でプラグ2およびソケット3を接続可能であると共に、爪部32および接続溝部42を用いたスナップフィット接続(バイオネット接続)でプラグ2およびソケット3を接続可能に構成されているが、これに限らない。例えば、コネクタ1は、雄ねじ333および雌ねじ413を省略して、スナップフィット接続のみでプラグ2およびソケット3を接続可能に構成されていてもよい。
【0040】
プラグ2およびソケット3の形状および構成は、上記実施形態に限らず、本開示を実現できる範囲において、任意に変更できる。
【0041】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。以下の説明では、一例として、参照符号を添えて記載する。
【0042】
本開示の第1態様のコネクタ1は、
第1接続部材10を有するプラグ2と、
第1方向から前記第1接続部材10が取り外し可能に接続された第2接続部材20を有し、前記第2接続部材20は、前記第1方向に延びる中心線CLに対する周方向において、前記第1方向から前記第1接続部材10を取り外し可能な第1位置P1と前記第1方向から前記第1接続部材10を取り外し不可能な第2位置P2との間を前記第1接続部材10に対して回転可能に構成されているソケット3と
を備え、
前記第1接続部材10が、
前記第1方向に沿って延びる第1本体部11と、
前記第1本体部11から前記中心線CLに対する径方向に突出する爪部32と
を含み、
前記第2接続部材20が、
前記第1方向に沿って延びると共に前記第1本体部11に接続可能に構成され、一部が前記第1本体部11の前記径方向の外側に位置する第2本体部21と、
前記第2本体部21の前記第1本体部11に対向する部分に位置し、前記爪部32を収容する接続溝部42と
を含み、
前記接続溝部42が、
前記第2本体部21の前記第1接続部材10に対向する端部411から前記第1方向に沿って延びると共に、前記第2接続部材20が前記第1位置P1に位置している状態で、前記爪部32の前記第1方向への移動を案内するように構成されている第1溝部421と、
前記第1溝部421の前記第1方向において前記第1接続部材10から遠い端部に接続され、前記周方向に沿って延びて前記爪部32が前記周方向に移動可能に構成されていると共に、前記第2接続部材20が前記第2位置P2に位置している状態で、前記爪部32の前記第1方向でかつ前記プラグ2に接近する方向への移動を規制するように構成されている第2溝部422と
を有し、
前記第2本体部21が、
前記第1接続部材10に対向する端部における前記第1溝部421とは異なる位置に設けられ、前記爪部32を収容して前記ソケット3の前記プラグ2に対する前記周方向の回転を規制可能に構成された規制部44を有する。
【0043】
本開示の第2態様のコネクタ1は、第1態様のコネクタ1において、
前記規制部44が、前記周方向に沿って延びて前記第1溝部421に接続されていると共に、前記第1方向から前記爪部32を収容可能な切欠で構成されている。
【0044】
本開示の第3態様のコネクタ1は、第2態様のコネクタ1において、
前記規制部44が、前記第1方向において前記爪部32に対向可能に位置し、前記周方向において前記第1溝部421に接近するに従って前記第1方向において前記第1接続部材10から離れる方向に傾斜する傾斜面441を有する。
【0045】
本開示の第4態様のコネクタ1は、第1態様のコネクタ1において、
前記規制部44が、前記第1方向から前記爪部32を収容可能な前記第1溝部421とは独立した溝で構成されている。
【0046】
本開示の第5態様のコネクタ1は、第1態様~第4態様のいずれかのコネクタ1において、
前記規制部44が、前記周方向でかつ前記第2接続部材20が前記第1位置P1から前記第2位置P2に向かう方向における前記第1溝部421の上流側に隣接している。
【0047】
前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【0048】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示のコネクタは、例えば、自動車用工作機械に適用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 コネクタ
2 プラグ
3 ソケット
4 ケーブル
10 第1接続部材
101 プラグ本体
111 端部
112 凹部
113 開口部
11 第1本体部
13 付勢部材
14 プラグ端子
20 第2接続部材
201 ソケット本体
211 端部
212 収容部
21 第2本体部
30 プラグ側接続部材
32 爪部
321 端面
33 第1部材
331 第1部分
332 第2部分
333 雄ねじ
34 第2部材
341 第1部分
342 第2部分
35 隙間
41 ソケット側接続部材
411、414 端部
412 部分
413 雌ねじ
42 接続溝部
421 第1溝部
422 第2溝部
423 凹部
424 ガイド面
43 隙間
44 規制部
441 傾斜面
50 封止部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7