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  • 特開-草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造 図1
  • 特開-草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造 図2
  • 特開-草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造 図3
  • 特開-草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154971
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/76 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A01D34/76 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069242
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】390005234
【氏名又は名称】株式会社筑水キャニコム
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】弁理士法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】包行 良光
(72)【発明者】
【氏名】松本 征次朗
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083EA08
2B083EA10
(57)【要約】
【課題】シャーピンが折れて破損した場合でも刈刃駆動軸側のギヤ機構の入力軸とユニバーサルジョイント接続部との接続状態を維持し、伝動ロッド部が暴れ回るのを防止することができる草刈機の刈刃駆動ジョイント部の構造の提供
【解決手段】草刈機における刈刃駆動用トランスミッション1の駆動軸1aとギヤボックス2内のギヤ機構2aを介して刈刃駆動軸2bに接続されたギヤ機構2aの入力軸2cとの間が、それぞれユニバーサルジョイント3、4を介してトランスミッション駆動軸1a側の外筒部5aとギヤ機構2aの入力軸2c側のロッド部5bで構成される伸縮自在な回転伝動ロッド5を介して接続され、ギヤ機構2aの入力軸2cとユニバーサルジョイント4との間が回転自在な状態で接続され、該接続部がシャーピン6で回動伝達可能に連結され、前記回転伝動ロッド5の外筒部5a内には、回転伝動ロッド5を伸ばす方向にロッド部5bを押圧するコイルスプリング7が内装されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草刈機における刈刃駆動用トランスミッションの駆動軸とギヤ機構を介して刈刃駆動軸に接続されたギヤ機構の入力軸との間が、それぞれユニバーサルジョイントを介してトランスミッション駆動軸側の外筒部とギヤ機構の入力軸側のロッド部で構成される伸縮自在な回転伝動ロッドを介して接続され、ギヤ機構の入力軸とユニバーサルジョイントとの間が回転自在な状態で接続され、該接続部がシャーピンで回動伝達可能に連結され、
前記回転伝動ロッドの外筒部内に、回転伝動ロッドを伸ばす方向にロッド部を押圧するスプリングを内装していることを特徴とする草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造。
請求項2記載の草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造は、請求項1記載の草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造において、
前記スプリングがコイルスプリングであることを特徴とする草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈機における刈刃駆動用トランスミッションと刈刃駆動軸との間をそれぞれユニバーサルジョイントを介して接続する刈刃駆動ジョイント部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、草刈機における刈刃駆動用トランスミッションの駆動軸と、ギヤ機構を介して刈刃駆動軸に接続されたギヤ機構の入力軸との間が、それぞれユニバーサルジョイントを介し、トランスミッション駆動軸側の外筒部とギヤ機構の入力軸側のロッド部で構成される伸縮自在な回転伝動ロッドを介して接続され、ギヤ機構の入力軸とユニバーサルジョイントとの間が回転自在な状態で接続され、該接続部がシャーピンで回動伝達可能に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-27817号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の刈刃駆動ジョイントでは、シャーピンが折れて破損した場合、ギヤ機構の入力軸とユニバーサルジョイントの接続部との回動伝達可能な接続状態が解除され、回転伝動ロッドが伸縮自在であるため、ギヤボックスの入力軸とユニバーサルジョイントとの回転自在な接続状態が解除され、回転伝動ロッド部がフリー状態になってトランスミッション側で暴れ回ってしまうという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明では、シャーピンが折れて破損した場合でも刈刃駆動軸側のギヤ機構の入力軸とユニバーサルジョイント接続部との接続状態を維持し、回転伝動ロッド部が暴れ回るのを防止することができる草刈機の刈刃駆動ジョイント部の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造は、草刈機における刈刃駆動用トランスミッションの駆動軸とギヤ機構を介して刈刃駆動軸に接続されたギヤ機構の入力軸との間が、それぞれユニバーサルジョイントを介してトランスミッション駆動軸側の外筒部とギヤ機構の入力軸側のロッド部で構成される伸縮自在な回転伝動ロッドを介して接続され、ギヤ機構の入力軸とユニバーサルジョイントとの間が回転自在な状態で接続され、該接続部がシャーピンで回動伝達可能に連結され、
前記伝動ロッドの外筒部内に、回転伝動ロッドを伸ばす方向にロッド部を押圧するスプリングを内装していることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造は、請求項1記載の草刈機の刈刃駆動ジョイントにおいて、
前記スプリングがコイルスプリングであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の草刈機の刈刃駆動ジョイント部の構造では、上述のように、回転伝動ロッドの外筒部内に、回転伝動ロッドを伸ばす方向にロッド部を押圧するスプリングを内装しているため、シャーピンが折れて破損した場合、トランスミッション駆動軸とギヤ機構の入力軸との間の回転伝達ができなくなるが、回転伝動ロッドの外筒部内に内装されたスプリングが回転伝動ロッドを伸ばす方向にロッド部を押圧しているため、ギヤ機構の入力軸とユニバーサルジョイントとの回転自在な接続状態は維持され、ギヤ機構の入力軸から回転伝動ロッドが外れて暴れ回ることはない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造を示す平面図である。
図2】同正面図である。
図3】実施例1の草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造を示す拡大図である。
図4図1のA―A線における拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
【実施例0011】
まず、この実施例1の草刈機の刈刃駆動ジョイントを図面に基づいて説明する。
この実施例1の草刈機の刈刃駆動ジョイントは、図1~3に示すように、草刈機における刈刃駆動用トランスミッション1の駆動軸1aとギヤボックス2内のギヤ機構2aを介して刈刃駆動軸2bに接続されたギヤ機構2aの入力軸2cとの間が、それぞれユニバーサルジョイント3、4を介してトランスミッション駆動軸1a側の外筒部5aとギヤ機構2aの入力軸2c側のロッド部5bで構成される伸縮自在な回転伝動ロッド5を介して接続され、ギヤ機構2aの入力軸2cとユニバーサルジョイント4との間が回転自在な状態で接続され、該接続部がシャーピン6で回動伝達可能に連結されている。
【0012】
前記回転伝動ロッド5の外筒部5a内には、回転伝動ロッド5を伸ばす方向にロッド部5bを押圧するコイルスプリング7が内装されている。
なお、図における8は、外筒部5aを貫通する状態に装着されたコイルスプリング7が伸びるのを阻止するストッパーボルトであり、これによりコイルスプリング7の押圧力で回転伝動ロッド5が伸びた状態に維持されている。
【0013】
次に実施例1の作用を説明する。
先ず、実施例1の草刈機の刈刃駆動ジョイント部構造における通常時は、図3の詳細断面図に示すように、ギヤ機構2aの入力軸2cとユニバーサルジョイント4との間が回転自在な状態で接続され、該接続部がシャーピン6で回動伝達可能に連結されている。
従って、トランスミッション駆動軸1aの回転が→ユニバーサルジョイント3→回転伝達ロッド5→ユニバーサルジョイント4→ギヤ機構2aの入力軸2cを介して刈刃駆動軸2に伝達される。
【0014】
次に、シャーピン6が折れて破損した場合は、図3、4に示すように、回転伝動ロッド5の外筒部5a内に内装されたコイルスプリング7が回転伝動ロッド5を伸ばす方向にロッド部5bを押圧しているため、トランスミッション駆動軸1aの回転伝達はできなくなるが、ギヤ機構2aの入力軸2cとユニバーサルジョイント4との回転自在な接続状態は維持される。
【0015】
次に実施例1の効果を説明する
本発明実施例の刈刃駆動ジョイント部構造では、上述のように、前記回転伝動ロッド5の外筒部5a内には、回転伝動ロッド5を伸ばす方向にロッド部5bを押圧するスプリング7を内装されているため、シャーピン6が折れて破損した場合、トランスミッション駆動軸1aとギヤ機構2aの入力軸2cとの間の回転伝達はできなくなるが、回転伝動ロッド5の外筒部5a内に内装されたコイルスプリング7が回転伝動ロッド5を伸ばす方向にロッド部5bを押圧しているため、ギヤ機構2aの入力軸2cとユニバーサルジョイント4との回転自在な接続状態は維持され、ギヤ機構2aの入力軸2cから回転伝動ロッド5が外れて暴れ回ることはない。
【0016】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、スプリング7としてコイルスプリングを例示したが、その他ループスプリング、板スプリングなど、反発力を有するものであれば良い。
【符号の説明】
【0017】
1 トランスミッション
1a 駆動軸
2 ギヤボックス
2a ギヤ機構
2b 刈刃駆動軸
2c 入力軸
3 ユニバーサルジョイント
4 ユニバーサルジョイント
5 回転伝動ロッド
5a 外筒部
5b ロッド部
6 シャーピン
7 コイルスプリング(スプリング)
図1
図2
図3
図4