(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154972
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】トナー収容容器
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G03G15/08 346
G03G15/08 348B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069251
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】橋本 侑典
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA09
2H077AA35
2H077AB01
2H077AB12
2H077AC02
2H077BA01
2H077BA08
2H077BA09
2H077CA12
(57)【要約】
【課題】 トナーの外部への排出を抑制する。
【解決手段】 トナー収容容器100は、トナーを収容する第1収容部と、第1収容部と連通する第1受入口116と外部に連通する第1排出口117とを有する第2収容部110と、連続する接触面で第2収容部110と接触しつつ第1位置と第2位置との間を移動可能に設けられ、第1位置で第1受入口116および第1排出口117とそれぞれ一致する第2受入口126および第2排出口127が形成された開閉部材120と、開閉部材120を第1位置から第2位置に向かう方向に付勢する弾性部材135と、第2収容部110に着脱可能かつ開閉部材120の移動を抑制する保持部材151と、第2収容部110に装着された保持部材151を第2収容部110に固定する固定部材155と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容する第1収容部と、
前記第1収容部と連通する第1受入口と外部に連通する第1排出口とを有する第2収容部と、
連続する接触面で前記第2収容部と接触しつつ第1位置と第2位置との間を移動可能に設けられ、前記第1位置で前記第1受入口および前記第1排出口とそれぞれ一致する第2受入口および第2排出口が形成された開閉部材と、
前記開閉部材を前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、
前記第2収容部に着脱可能かつ前記開閉部材の移動を抑制する保持部と、
前記第2収容部に装着された前記保持部を前記第2収容部に固定する固定部材と、を備えたトナー収納容器。
【請求項2】
前記第2収容部は、前記開閉部材の移動方向の延長線上に交わる第1側壁および第2側壁を有し、
前記付勢部材は、前記開閉部材を前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向に付勢し、
前記保持部は、前記第2収容部に装着された状態で前記第2側壁に形成された開口を塞ぐ閉塞部を有する、請求項1に記載のトナー収容容器。
【請求項3】
前記保持部は、前記閉塞部から前記開閉部材の移動方向に延び、前記固定部材に接続される接続部と、
前記第2収容部に装着された状態で、前記接続部の一端から前記第2収容部と反対方向に突出する係合部と、を有する請求項2に記載のトナー収容容器。
【請求項4】
前記第2収容部は、前記開閉部材の移動方向の延長線上に交わる第1側壁および第2側壁を有し、
前記付勢部材は、前記開閉部材を前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向に付勢し、
前記保持部は、前記第2収容部に装着された状態で前記第1側壁に形成された開口を貫通し、前記開閉部材が前記第2位置または前記第2位置と前記第1位置との間に位置する場合に、前記開閉部材に当接する当接部を有する、請求項1に記載のトナー収容容器。
【請求項5】
前記固定部材は、前記第2収容部に着脱可能であり、前記第2収容部に装着された状態で前記第1排出口を覆う封止部を、さらに有する、請求項1~4のいずれかに記載のトナー収容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に着脱可能なトナー収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにて現像する現像器と、その現像器に供給するトナーを収容するトナー収容容器とを備えている。トナー収容容器は、画像形成装置に着脱自在である。このトナー収容容器は、現像器に繋がる開口を有しており、トナー収容容器を着脱する際に、トナー収容容器に収容されたトナーが開口から排出されないように、開口が閉じられる。
【0003】
特開平10-293451号公報には、画像形成装置に対して着脱自在に構成されたトナーカートリッジにおいて、該トナーカートリッジからのトナーの排出通路を、上記着脱動作に連動して開閉するシャッタ装置と、引き剥がし自由なシール部材の2段で閉じるようにしたことを特徴とするトナーカートリッジが記載されている。
【0004】
しかしながら、特開平10-293451号公報に記載のトナーカートリッジにおいて、シール部材がトナーと接触するので、シール部材が引き剥がされる際にシール部材に付着したトナーが飛び散る場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、トナーの外部への排出を抑制したトナー収容容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のある局面によれば、トナー収容容器は、トナーを収容する第1収容部と、第1収容部と連通する第1受入口と外部に連通する第1排出口とを有する第2収容部と、連続する接触面で第2収容部と接触しつつ第1位置と第2位置との間を移動可能に設けられ、第1位置で第1受入口および第1排出口とそれぞれ一致する第2受入口および第2排出口が形成された開閉部材と、開閉部材を第1位置から第2位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、第2収容部に着脱可能かつ開閉部材の移動を抑制する保持部と、第2収容部に装着された保持部を第2収容部に固定する固定部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。
【
図2】MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第2の斜視図である。
【
図4】トナー収容容器が現像器に結合した状態の一例を示す斜視図である。
【
図5】トナー収容容器の内部構成の一例を示す断面斜視図である。
【
図6】開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第1の図である。
【
図7】開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第2の図である。
【
図8】保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す図である。
【
図9】保持部材が装着された状態のトナー収容容器の一部の斜視図である。
【
図11】変形例における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第1の図である。
【
図12】変形例におけるトナー収容容器がMFPに装着される途中の状態における断面図である。
【
図13】変形例における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第2の図である。
【
図14】変形例における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第3の図である。
【
図15】第2の実施の形態における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す図である。
【
図16】第2の実施の形態における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0010】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。
図1を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)1は、画像形成装置の一例であり、その前面に本体ケースの一部を構成するカバー部材50を備える。カバー部材50は、開閉可能であり、
図1においては、カバー部材50が閉じた閉状態におけるMFP1を示している。ここで、互いに垂直に交わるX方向、Y以下方向およびZ方向を定義する。X方向およびY方向は水平面に平行である。Y方向のうちMFP1の背面から前面に向かう方向(Y方向正側から負側に向かう方向)を正面方向といい、正面から背面に向かう水平な方向(Y方向負側から正側に向かう方向)を背面方向という。
【0011】
図2は、MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。
図1および
図2を参照して、MFP1は、原稿を読み取る原稿読取部2と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部3と、画像形成部3に用紙を供給する給紙部4と、を含む。
【0012】
原稿読取部2は、原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダー12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。
【0013】
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換される。画像データは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換されて、画像形成部3に出力される。
【0014】
画像形成部3は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
【0015】
画像形成ユニット20Yは、イエローの印字用データが入力される露光装置21Yと、像担持体である感光体ドラム23Yと、感光体ドラム23Yの表面を一様に帯電するための帯電ローラー22Yと、現像器24Yと、感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像を電界力の作用で像担持体である中間転写ベルト30上に転写するための1次転写ローラー25Yと、感光体ドラム23Y上の転写残トナーを除去するためドラム清掃ブレード27Yと、を備える。
【0016】
感光体ドラム23Yの周辺に、帯電ローラー22Y、露光装置21Y、現像器24Y、1次転写ローラー25Y、ドラム清掃ブレード27Yが、感光体ドラム23Yの回転方向に沿って順に配置される。
【0017】
感光体ドラム23Yは、帯電ローラー22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射される。露光装置21Yは、感光体ドラム23Yの表面の画像対応部を露光する。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像を帯電したトナーで現像する。具体的には、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像上に電界力の作用でトナーが載せられることにより、トナー像が感光体ドラム23Yに形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写ベルト30上に1次転写ローラー25Yにより電界力の作用で転写される。感光体ドラム23Y上で転写されずに残ったトナーは、ドラム清掃ブレード27Yにより感光体ドラム23Yから除去される。
【0018】
一方、中間転写ベルト30は、駆動ローラー33と従動ローラー34とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラー33が
図2中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、従動ローラー34が、反時計回りに回転する。
【0019】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークの検出に基づいて、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
【0020】
中間転写ベルト30に形成されたトナー像は、転写部材である2次転写ローラー26によって電界力の作用で用紙に転写される。タイミングローラー31により搬送される用紙は、中間転写ベルト30と2次転写ローラー26とが接するニップ部に搬送される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラー32に搬送され、定着ローラー32により加熱および加圧される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は排紙トレイ39に排出される。
【0021】
中間転写ベルト30の画像形成ユニット20Yの上流に、ベルト清掃ブレード28が設けられている。ベルト清掃ブレード28は、中間転写ベルト30上で用紙に転写されずに残ったトナーを除去する。
【0022】
給紙カセット35,35Aには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。給紙カセット35,35Aそれぞれに収容された用紙は、給紙カセット35,35Aにそれぞれ取付けられている取出ローラー36,36Aにより、搬送経路へ供給され、給紙ローラー37によりタイミングローラー31へ送られる。
【0023】
MFP1は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、MFP1は、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備えたタンデム方式を採用する例について説明するが、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式を採用してもよい。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第2の斜視図である。
図3においては、カバー部材50を開いた開状態におけるMFP1を示している。
図3を参照して、カバー部材50が開状態において、画像形成部3のトナー収容容器100Y,100M,100C,100Kが収納される収納領域が外部に露出する。
【0025】
トナー収容容器100Y,100M,100C,100KがMFP1に装着された状態で、トナー収容容器100Y,100M,100C,100Kは、現像器24Y,24M,24C,24Kのそれぞれ上方に配置される。
【0026】
トナー収容容器100Y,100M,100C,100Kそれぞれは、ユーザーにより正面方向(Y方向負側)に引き出されることにより、MFP1から脱着され、ユーザーにより背面方向(Y方向正側)に押し込まれることにより、MFP1に装着される。
図3においては、トナー収容容器100YがMFP1から脱着された様子を示している。
【0027】
図4は、トナー収容容器が現像器に結合した状態の一例を示す斜視図である。
図4を参照して、トナー収容容器100Yは、MFP1に装着された状態では、現像器24Yと結合する。具体的には、現像器24Yの上面に、トナー収容容器100Yをガイドするガイド部材が形成されている。トナー収容容器100Yの底面が現像器24Yのガイド部材に誘導されることにより、トナー収容容器100Yが現像器24Yに装着される。トナー収容容器100Yは、現像器24Yと結合していない状態で、現像器24Yの上方で現像器24Yに対して背面方向にスライドすることにより現像器24Yと結合する。また、トナー収容容器100Yは、現像器24Yと結合した状態で、現像器24Yに対して正面方向にスライドすることにより現像器24Yから離脱する。
【0028】
図5は、トナー収容容器の内部構成の一例を示す断面斜視図である。
図5を参照して、トナー収容容器100Yは、第1収容部140と、第2収容部110と、を含む。第1収容部140は、トナーを収容する第1収容空間140aを有する。また、第1収容部140は、背面方向の側壁で、第1ギア141および第2ギアそれぞれの回転軸を軸支する。第1ギアは、トナー収容容器100YがMFP1に装着された状態で、MFP1の本体に設けられたモーターと接続され、モーターにより回転する。第1ギア141の回転軸は、第1収容部140の第1収容空間140aに配置された撹拌部材と連結される。撹拌部材は、第1ギア141とともに回転することにより、第1収容空間140aに収容されたトナーを撹拌する。第2ギア142は、第1ギア141および後述する第3ギアと133と噛合し、第1ギア141の回転に伴って回転する。
【0029】
第2収容部110は、第1収容部140の下方に配置される。第2収容部110は、第2収容空間110aを有する中空の円筒形状であり、側壁111と、両端部に上壁113および底壁112を有する。第1収容空間140aと第2収容空間110aとは、第2収容部110の側壁111により仕切られる。第2収容部110の側壁111の上方に第2収容空間110aと第1収容空間140aとを連通する第1受入口116が形成される。また、第2収容部110の側壁111の下方に、第2収容空間110aと第2収容部110の外部とを連通する第1排出口117が形成される。第2収容部110の上壁113には、第2収容空間110aを外部に開放する開口115が形成されている。また、第2収容部110の底壁112には、第2収容空間110aと外部とが連通する挿入口114が形成されている。
【0030】
第2収容部110の第2収容空間110aに開閉部材120が挿入される。開閉部材120は、中空の円筒形状であり、側壁121と、両端部に上壁123(
図6参照)および底壁122とを有する。底壁122は、軸受け124を有し、第3ギア133の回転軸を軸支する。開閉部材120の側壁121の外周面は、第2収容部110の側壁111の内周面と接触する。具体的には、開閉部材120は、第2収容部110の側壁111の内周面のうち周方向に連続する接触面で第2収容部110と接触する。第2収容部110の側壁111のうち開閉部材120と接触する部分が接触部分である。開閉部材120の側壁121と、第2収容部110の側壁111との間をトナーが通過できないように、開閉部材120の側壁121の外周面または第2収容部110の側壁111の内周面に弾性部材が設けられてもよい。
【0031】
開閉部材120は、第2収容部110に対して第2収容空間110a内でY方向に平行に移動可能である。開閉部材120の上壁123と第2収容部110の上壁113との間に弾性部材135が配置される。弾性部材135は、開閉部材120を第2収容部110の上壁113から遠ざかる方向(Y方向正側)に付勢する。上壁113は、開閉部材120と接触しない非接触部分である。なお、上壁113は、開閉部材120と接触してもよい。
【0032】
開閉部材120が弾性部材135の弾性力に逆らって移動する場合、開閉部材120は、Y方向の負側に移動する。開閉部材120が弾性部材135の弾性力に逆らって移動するに伴って、第2収容部110の第2収容空間110aのうち開閉部材120と第2収容部110の上壁113との間の空間の体積が徐々に小さくなる。上壁113に開口115が形成されているので、開閉部材120と第2収容部110の上壁113との間の空間の圧力が上昇しない。このため、開閉部材120がスムーズに移動する。
【0033】
また、開閉部材120が弾性部材135の弾性力に従って移動する場合、開閉部材120は、Y方向の正側に移動する。開閉部材120が弾性部材135の弾性力に従って移動するに伴って、第2収容部110の第2収容空間110aのうち開閉部材120と第2収容部110の上壁113との間の空間の体積が徐々に大きくなる。上壁113に開口115が形成されているので、開閉部材120と第2収容部110の上壁113との間の空間の圧力が下降しない。このため、開閉部材120がスムーズに移動する。
【0034】
図6は、開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第1の図である。
図6は、開閉部材をX方向正側から負側に向かって見た図であり、トナー収容容器100Yが現像器24Yと結合していない状態における開閉部材120とその周辺を示している。
図6を参照して、開閉部材120は、弾性部材135により付勢され第2収容部110内でY方向正側に移動した第2位置に位置する。第2位置は、第3ギア133が第2収容部110の底壁112に当接する位置である。
【0035】
開閉部材120は、第3収容空間120aを有する円筒形状であり、側壁121と、両端部に上壁123および底壁122とを有する。底壁122は、軸受け124を有し、第3ギア133の回転軸を軸支する。開閉部材120は、側壁121の上方に第3収容空間120aを外部に開放する開口として第2受入口126が形成され、側壁の下方に、第3収容空間120aを外部に開放する開口として第2排出口127が形成される。第2受入口126は第1受入口116と形状およびサイズが同じであり、第2排出口127は第1排出口117と形状およびサイズが同じである。
【0036】
開閉部材120が第2位置に位置する状態において、第2受入口126は第2収容部110に形成された第1受入口と重ならない位置で開閉部材120に形成され、第2排出口127は第2収容部110に形成された第1排出口117と重ならない位置で開閉部材120に形成される。
【0037】
開閉部材120は、第3収容空間120aにスクリュー131が配置される。スクリュー131は、円柱形状の回転軸と、その回転軸から回転軸周りにらせん状に延びる羽を有する。スクリュー131の回転軸は、第3ギア133の回転軸に接続される。このため、スクリュー131は、第3ギア133の回転に伴って回転する。挿入口114は、第3ギア133の回転軸の延長線上の位置で、第2収容部110の底壁112に形成される。
【0038】
図7は、開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第2の図である。
図7は、トナー収容容器100Yが現像器24Yと結合した状態における開閉部材120とその周辺を示している。
図7を参照して、現像器24の上面に固定された棒状の押出部材161が、第2収容部110の底壁112に形成された挿入口114を貫通し、第3ギア133の回転軸に当接している。このため、開閉部材120は、第2収容部110内で第2位置から弾性部材135の弾性力に逆らってY方向負側に移動し、第1位置に位置する。
【0039】
トナー収容容器100Yが現像器24Yと結合した状態において、開閉部材120が第1位置に位置するとともに、第2収容部110に形成された第1排出口117は、現像器24Yの上面に形成されたトナー受入口163と重なる。
【0040】
開閉部材120が第1位置に位置する状態において、第2受入口126は第2収容部110に形成された第1受入口と一致する。このため、開閉部材120が第1位置に位置する状態において、第1収容部140に収納されたトナーが、第1受入口116および第2受入口126を介して、第2収容部110の第3収容空間120aに進入する。第2収容部110の第3収容空間120aに収容されたトナーは、スクリュー131が回転することにより第2排出口127に向かってY方向正側に搬送される。
【0041】
開閉部材120が第1位置に位置する状態において、第2排出口127は第2収容部110に形成された第1排出口117と一致する。このため、開閉部材120が第1位置に位置する状態において、スクリュー131によって搬送されるトナーは、第2排出口127に到達すると、第2排出口127、第1排出口117およびトナー受入口163を介して、現像器24Yの内部空間に進入する。
【0042】
図6に示したように、トナー収容容器100Yが現像器24Yと結合する前の状態においては、開閉部材120は、弾性部材135により付勢され第2収容部110内でY方向正側に移動した第2位置に位置する。開閉部材120が第2位置に位置する状態において、第2受入口126は第2収容部110に形成された第1受入口と重ならず、第2排出口127は第2収容部110に形成された第1排出口117と重ならない。このため、第1収容部140に収容されたトナーが第2収容部110に進入しないようにできる。
【0043】
開閉部材120は、弾性部材135の弾性力が付勢されて第2位置に位置するが、開閉部材120に弾性部材135の弾性力よりも大きな反対方向の力が付勢される場合、開閉部材120が第1位置まで移動する場合がある。本実施の形態におけるトナー収容容器100Yにおいては、トナー収容容器100Yに保持部材151が装着される。
【0044】
図8は、保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第1の図である。
図8を参照して、
図6に示した断面図と異なる点は、保持部材151および固定部材155が追加された点である。その他の構成は同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
図9は、保持部材が装着された状態のトナー収容容器の一部の斜視図である。
図10は、
図9の断面図である。
【0045】
図8~
図10を参照して、保持部材151は、閉塞部152と、第1接続部153と、第2接続部154とを含む。閉塞部152は、円形の平板形状であり、第2収容部110の底壁112よりも直径が大きな面を有する。第1接続部153は、円筒形状であり、閉塞部152の外周から第2収容部110の側壁111に沿って延びる。第2接続部154は、平板形状であり、第1接続部153の一部から第2収容部110の側壁111に沿って延びる。
【0046】
保持部材151は、第2収容部110の底壁112側の端部から第2収容部110に装着される。第1接続部153の内周面の一部が、第2収容部110の側壁111に接触し、閉塞部152が位置決めされる。保持部材151が第2収容部110に装着された状態で、閉塞部152が第2収容部110の底壁112に当接し、第2収容部110の底壁112が第1接続部153の内部に位置する。
【0047】
第2接続部154は、第1接続部153と接続される端部と反対側の端部において固定部材155に接続される。固定部材155は、可塑性を有し、一方の面が粘着性を有する。固定部材155は、例えば、粘着テープである。固定部材155は、一部が第2接続部154の一部に貼り付けられ、他の部分が第2収容部110の側壁111に貼り付けられる。固定部材155のうちで、第2収容部110の側壁111に貼り付けられる部分は、第1排出口117と重なる部分を取り囲む。このため、固定部材155は、第1排出口117と重なる封止部材156を有する。固定部材155が第2接続部154および第2収容部110に貼り付けられた状態において、封止部材156が第1排出口117を覆うので、第1排出口117からトナーが排出されるのが防止される。
【0048】
保持部材151が固定部材155により第2収容部110に固定された状態で、閉塞部152は、底壁112に形成された挿入口114を閉塞する。したがって、保持部材151が第2収容部110に装着された状態で、押出部材161等の棒状の部材が、挿入口114から第2収容空間110aに進入するのを防止できる。このため、開閉部材120に弾性部材135の弾性力よりも大きな反対方向の力が付勢されないようにして、開閉部材120が第1位置に移動しないようにできる。
【0049】
また、保持部材151が固定部材155により第2収容部110に固定された状態において、閉塞部152が押出部材161の挿入口114から第2収容空間110aへの進入を規制するので、固定部材155を取り外すことなく、トナー収容容器100がMFP1に装着される誤操作を防止することができる。
【0050】
<変形例>
図11は、変形例における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第1の図である。
図11を参照して、
図8に示した断面図と異なる点は、保持部材151および固定部材155が保持部材151Aおよび固定部材155Aに変更された点である。その他の構成は同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0051】
図11を参照して、保持部材151Aは、閉塞部152と、第1接続部153Aと、第2接続部154Aとを含む。閉塞部152は、
図10に示した閉塞部152と同じである。第1接続部153Aは、
図10に示した第1接続部153よりも高さが短い円筒形状である。
【0052】
第2接続部154Aは、樹脂または金属等の弾性を有する素材で形成される。第2接続部154Aは、第1連結部171と、第2連結部172と、係合部173と、支持部174と、を含む。第1連結部171は、閉塞部152の下端から下方に延び、下端で第2連結部172の一端と接続される。第1連結部171は、閉塞部152と第2連結部172とを連結する。
【0053】
第2連結部172は、平板形状であり、一端が第1連結部171に接続され、第1連結部171の下端から第2収容部110の側壁111に沿って延びる。第2連結部172は、他端が係合部173および支持部174と接続される。係合部173は、平板形状であり、第2連結部172の他端から第2収容部110と反対側の下方に突出する。支持部174は、第2連結部172の一端から第2収容部110に向かって上方に延び、第2連結部172から所定距離だけ上方で直角に折れ曲がって第2収容部110の側壁111に沿って延びる。
【0054】
固定部材155Aは、可塑性を有し、一方の面が粘着性を有する。固定部材155Aは、例えば、粘着テープである。固定部材155Aは、一部が支持部174の第2連結部172と反対側の面に貼り付けられる。固定部材155Aは、支持部174の第2収容部110の側壁111に沿って延びる部分に貼り付けられる。固定部材155Aは、支持部174の第2収容部110の側壁111に沿って延びる部分の端部で、粘着面が上方を向く方向に折り返される。固定部材155Aの粘着面が上方を向く部分は、第2収容部110の側壁111に貼り付けられる。固定部材155Aが第2接続部154Aの支持部174および第2収容部110に貼り付けられた状態において、閉塞部152が底壁112に接触する位置に位置決めされる。
【0055】
固定部材155Aのうちで、第2収容部110の側壁111に貼り付けられる部分は、第1排出口117と重なる部分を取り囲む。このため、固定部材155Aは、第1排出口117と重なる封止部材156を有する。固定部材155Aが第2接続部154Aの支持部174および第2収容部110に貼り付けられた状態において、封止部材156が第1排出口117を覆うので、第1排出口117からトナーが排出されるのが防止される。
【0056】
図3に示したように、トナー収容容器100がMFP1に装着される場合、トナー収容容器100は、ユーザーにより背面方向(Y方向正側)に押し込まれる。トナー収容容器100は、ユーザーにより背面方向(Y方向正側)に押し込まれる途中で、係合部173がMFP1に設けられた係止部165に係合する。
【0057】
図12は、変形例におけるトナー収容容器100がMFP1に装着される途中の状態における断面図である。
図13は、変形例における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第2の図である。
図14は、変形例における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第3の図である。
【0058】
図12の太い矢印で示す方向に、トナー収容容器100がユーザーにより押し込まれる。この時、係合部173が係止部165に係合するので、第2接続部154が矢印と反対方向の力を受ける。
【0059】
係合部173が係止部165に当接した状態から、トナー収容容器100がさらにユーザーにより矢印方向に押し込まれると、係合部173が係止部165に係合した状態が維持されつつ、トナー収容容器100が進行する。これに伴い、
図13に示されるように、第1連結部171が弾性変形して、閉塞部152が底壁112から離間するとともに、固定部材155Aの開閉部材120の側壁121との接着面が徐々に剥がれる。
【0060】
さらに、トナー収容容器100がユーザーにより矢印方向に押し込まれると、
図14に示されるように、閉塞部152がトナー収容容器100の下方に移動する。また、固定部材155Aの開閉部材120の側壁121との接着面が徐々に剥がれ、第1排出口117が露出する。
【0061】
さらに、トナー収容容器100がユーザーにより矢印方向に押し込まれると、固定部材155Aが開閉部材120の側壁121から剥がれて、保持部材151Aがトナー収容容器100から離脱する。
【0062】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態におけるトナー収容容器100に装着される保持部材151,151Aは、第2収容部110の底壁112側の挿入口114を閉塞する。第2の実施の形態におけるトナー収容容器100に装着される保持部材151Bは、第2収容部110の上壁113に形成された開口115を閉塞する。
【0063】
図15は、第2の実施の形態における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の開閉部材とその周辺の断面図の一例を示す第1の図である。
図15を参照して、
図6に示した断面図と異なる点は、保持部材151Bおよび固定部材155が追加された点である。その他の構成は同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
図16は、第2の実施の形態における保持部材が装着された状態のトナー収容容器の一部の斜視図である。
図17は、
図16の断面図である。
【0064】
図15~
図17を参照して、保持部材151Bは、第1接続部152Bと、第2接続部154Bと、当接部157Bと、を含む。第1接続部152Bおよび第2接続部154Bそれぞれは、平板形状であり、それぞれの一端で、垂直に接続される。第1接続部152Bは、第2収容部110の上壁113に形成された開口115を覆う。当接部157Bは、第1接続部152Bから垂直に延びる円柱形状である。保持部材151Bがトナー収容容器100に装着される場合、当接部157Bは、第2収容部110の上壁113に形成された開口115を貫通し、開閉部材120の上壁123に当接する。当接部157Bは、その直径が開口115の内径よりやや大きく設定されている。このため、保持部材151Bがトナー収容容器100に装着された状態において、当接部157Bと開口115との間で発生する摩擦力が発生する。トナー収容容器100Yが搬送される間に外部から衝撃を受ける場合に、開閉部材120に働く慣性力が弾性部材135の付勢力より大きくなる場合が想定される。第2の実施の形態における保持部材151Bは当接部157Bを有するので、弾性部材135の弾性力に加えて当接部157Bと開口115との間で発生する摩擦力を開閉部材120に加えることができる。このため、トナー収容容器100Yが搬送される間に外部から衝撃を受ける場合であっても、開閉部材120の第2位置から第1位置への移動を抑制することができる。
【0065】
第2接続部154Bは、第1接続部152Bと接続される端部から第2収容部110の側壁111に沿って、第1排出口117と上壁113との間まで延びる。
【0066】
第2接続部154Bは、第1接続部152Bと接続される端部と反対側の端部において固定部材155に接続される。固定部材155は、可塑性を有し、一方の面が粘着性を有する。固定部材155は、一部が第2接続部154Bの一部に貼り付けられ、他の部分が第2収容部110の側壁111に貼り付けられる。固定部材155のうちで、第2収容部110の側壁111に貼り付けられる部分は、第1排出口117と重なる部分を取り囲む。このため、固定部材155は、第1排出口117と重なる封止部材156を有する。固定部材155が第2接続部154および第2収容部110に貼り付けられた状態において、封止部材156が第1排出口117を覆うので、第1排出口117からトナーが排出されるのが防止される。
【0067】
ユーザーは、トナー収容容器100をMFP1に装着する場合、固定部材155を第2収容部110から剥がして取り除いた後に、保持部材151Bをトナー収容容器100に装着した状態で、
図3に示したように、トナー収容容器100をMFP1に押し込む。この場合、押出部材161により開閉部材120が押されるので、開閉部材120が第2位置から第1位置に移動する。開閉部材120の移動に伴って、当接部157Bが開口115を摺動して開閉部材120の外部に押し出される。これにより、保持部材151Bがトナー収容容器100から離脱する。このため、保持部材151Bを取り外すことなく、トナー収容容器100がMFP1に装着される誤操作を防止することができるとともに、トナー収容容器100をMFP1に装着する作業を容易にすることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態におけるトナー収容容器100は、トナーを収容する第1収容部140と、第1収容部140と連通する第1受入口116と外部に連通する第1排出口117とを有する第2収容部110と、連続する接触面で第2収容部110と接触しつつ第1位置と第2位置との間を移動可能に設けられ、第1位置で第1受入口116および第1排出口117とそれぞれ一致する第2受入口126および第2排出口127が形成された開閉部材120と、開閉部材120を第1位置から第2位置に向かう方向に付勢する弾性部材135と、第2収容部110に着脱可能かつ開閉部材120の移動を抑制する保持部材151と、第2収容部110に装着された保持部材151を第2収容部110に固定する固定部材155と、を備える。第1位置と第2位置との間を移動可能な開閉部材120が、弾性部材135により第1位置から第2位置に向かう方向に付勢される。開閉部材120が第2位置に位置する場合、第2受入口126および第2排出口127が第1受入口116および第1排出口117とそれぞれ一致しない。このため、第1収容部140に収容されたトナーが第2収容部110に移動しない。また、第2収容部110に保持部材151が装着された状態で、固定部材155により保持部材151が第2収容部110に固定されるので、第2位置から第1位置への開閉部材120の移動が保持部材151により抑制される。このため、開閉部材120により第1収容部140に収容されたトナーが第2収容部110に進入しないようにできる。その結果、トナーの外部への排出を抑制したトナー収容容器を提供することができる。
【0069】
また、第2収容部110は、開閉部材120の移動方向の延長線上に交わる上壁113および底壁112を有し、弾性部材135は、開閉部材120を上壁113から底壁112に向かう方向に付勢し、保持部材151は、第2収容部110に装着された状態で底壁112に形成された挿入口114を塞ぐ閉塞部152を有する。開閉部材120は、弾性部材135により上壁113から底壁112に向かう方向に付勢されて、第2の位置に位置する。保持部材151が有する閉塞部152により、底壁112に形成された挿入口114が塞がれるので、挿入口114を通して開閉部材120に外力が加わることがない。このため、開閉部材120の移動を抑制することができる。
【0070】
変形例における保持部材151Aは、閉塞部152から開閉部材120の移動方向に延び、固定部材155Aに接続される第2接続部154Aと、第2収容部110に装着された状態で、第2接続部154Aの一端から第2収容部110と反対方向に突出する係合部173と、を有する。閉塞部152から開閉部材120の移動方向に延びる第2接続部154が、固定部材155Aに接続され、第2接続部154Aの一端から係合部173が第2収容部110と反対方向に突出する。このため、係合部173に移動方向の外力を加えることにより、保持部材151Aおよび固定部材155Aが第2収容部110から離脱させることができる。
【0071】
第2の実施の形態におけるトナー収容容器100において、第2収容部110は、開閉部材120の移動方向の延長線上に交わる底壁112および上壁113を有し、弾性部材135は、開閉部材120を上壁113から底壁112に向かう方向に付勢し、保持部材151Bは、第2収容部110に装着された状態で上壁113に形成された開口115を貫通し、開閉部材120が第2位置または第2位置と第1位置との間に位置する場合に、開閉部材120に当接する当接部157Bを有する。開閉部材120は、弾性部材135により上壁113から底壁112に向かう方向に付勢されて、第2位置に位置する。保持部材151Bが有する当接部157Bが上壁113に形成された開口115を貫通し、第2位置または第2位置と第1位置との間に位置する開閉部材120に当接するので、開閉部材120が当接部157Bから上壁113から底壁112へ向かう方向の力を受ける。このため、開閉部材120が底壁112から上壁113に向かう方向の力を受ける場合であっても、開閉部材120の上壁113から底壁112へ向かう方向の移動を抑制することができる。
【0072】
また、固定部材155、155Aは、第2収容部110に着脱可能であり、第2収容部110に装着された状態で第1排出口117を覆う封止部材156を有する。このため、このため、第1排出口117からのトナーの排出を抑制することができる。
【0073】
<実施の形態の総括>
(項1) トナーを収容する第1収容部と、
前記第1収容部と連通する第1受入口と外部に連通する第1排出口とを有する第2収容部と、
連続する接触面で前記第2収容部と接触しつつ第1位置と第2位置との間を移動可能に設けられ、前記第1位置で前記第1受入口および前記第1排出口とそれぞれ一致する第2受入口および第2排出口が形成された開閉部材と、
前記開閉部材を前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、
前記第2収容部に着脱可能かつ前記開閉部材の移動を抑制する保持部と、
前記第2収容部に装着された前記保持部を前記第2収容部に固定する固定部材と、を備えたトナー収納容器。
【0074】
この局面に従えば、第1位置と第2位置との間を移動可能な開閉部材が、付勢部材により第1位置から第2位置に向かう方向に付勢される。開閉部材が第2位置に位置する場合、第2受入口および第2排出口が第1受入口および第1排出口とそれぞれ一致しない。このため、第1収容部に収容されたトナーが第2収容部に移動しない。また、第2収容部に保持部が装着された状態で、固定部材により保持部が第2収容部に固定されるので、第2位置から第1位置への開閉部材の移動が保持部により抑制される。このため、第1収容部に収容されたトナーが第2収容部に進入しないようにできる。その結果、トナーの外部への排出を抑制したトナー収容容器を提供することができる。
【0075】
(項2) 前記第2収容部は、前記開閉部材の移動方向の延長線上に交わる第1側壁および第2側壁を有し、
前記付勢部材は、前記開閉部材を前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向に付勢し、
前記保持部は、前記第2収容部に装着された状態で前記第2側壁に形成された開口を塞ぐ閉塞部を有する、項1に記載のトナー収容容器。
【0076】
この局面に従えば、開閉部材は、付勢部材により第1側壁から第2側壁に向かう方向に付勢されて、第2の位置に位置する。保持部が有する閉塞部により、第2側壁に形成された開口が塞がれるので、第2側壁に形成された開口を通して開閉部材に外力が加わることがない。このため、開閉部材の移動を抑制することができる。
【0077】
(項3) 前記保持部は、前記閉塞部から前記開閉部材の移動方向に延び、前記固定部材に接続される接続部と、
前記第2収容部に装着された状態で、前記接続部の一端から前記第2収容部と反対方向に突出する係合部と、を有する項2に記載のトナー収容容器。
【0078】
この局面に従えば、閉塞部から開閉部材の移動方向に延びる接続部が、固定部材に接続され、接続部の一端から係合部が第2収容部と反対方向に突出する。このため、係合部に移動方向の外力を加えることにより、保持部および固定部材が第2収容部から離脱させることができる。
【0079】
(項4) 前記第2収容部は、前記開閉部材の移動方向の延長線上に交わる第1側壁および第2側壁を有し、
前記付勢部材は、前記開閉部材を前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向に付勢し、
前記保持部は、前記第2収容部に装着された状態で前記第1側壁に形成された開口を貫通し、前記開閉部材が前記第2位置または前記第2位置と前記第1位置との間に位置する場合に、前記開閉部材に当接する当接部を有する、項1に記載のトナー収容容器。
【0080】
この局面に従えば、開閉部材は、付勢部材により第1側壁から第2側壁に向かう方向に付勢されて、第2の位置に位置する。保持部材が有する当接部が第1側壁に形成された開口を貫通し、第2位置または第2位置と第1位置との間に位置する開閉部材に当接するので、開閉部材が当接部から第1側壁から第2側壁へ向かう方向の力を受ける。このため、開閉部材が第2側壁から第1側壁に向かう方向の力を受ける場合であっても、開閉部材の第1側壁から第2側壁へ向かう方向の移動を抑制することができる。
【0081】
(項5)前記固定部材は、前記第2収容部に着脱可能であり、前記第2収容部に装着された状態で前記第1排出口を覆う封止部を、さらに有する、項1~4のいずれかに記載のトナー収容器。
【0082】
この局面に従えば、固定部材が有する封止部により、第1排出口が覆われる。このため、第1排出口からのトナーの排出を抑制することができる。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
1 MFP、2 原稿読取部、3 画像形成部、4 給紙部、20Y,20M,20C,20K 画像形成ユニット、21Y 露光装置、22Y 帯電ローラー、23Y 感光体ドラム、24Y,24M,24C,24K 現像器、50 カバー部材、100Y,100M,100C,100K トナー収容容器、110 第2収容部、110a 第2収容空間、112 底壁、113 上壁、114 挿入口、115 開口、116 第1受入口、117 第1排出口、120 開閉部材、120a 第3収容空間、122 底壁、123 上壁、126 第2受入口、127 第2排出口、131 スクリュー、133 第3ギア、135 弾性部材、140 第1収容部、140a 第1収容空間、141第1ギア、142第2ギア、151,151A,151B 保持部材、152 閉塞部、152B 第1接続部、153,153A 第1接続部、154,154A,154B 第2接続部、155,155A 固定部材、156 封止部材、157B 当接部、161 押出部材、163 トナー受入口、165 係止部、171 第1連結部、172 第2連結部、173 係合部、174 支持部。