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特開2024-154995情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154995
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241024BHJP
   G06Q 50/163 20240101ALI20241024BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241024BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20241024BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20241024BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G06Q50/16 300
G06Q50/10
A47K17/00
E03D9/00 Z
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069292
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(72)【発明者】
【氏名】小柴 真道
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
5C086
5C087
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2D037EA00
2D038KA02
2D038KA03
2D038ZA00
5C086AA22
5C086CA25
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087AA19
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD49
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG35
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5L049CC11
5L049CC29
5L050CC11
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】トイレ個室の利用に関して、トイレ施設の管理者に適切なアラ-トを通知する。
【解決手段】トイレ個室に関する情報を管理する情報処理装置であって、前記トイレ個室には、ドアの開閉状態を検知する第1センサと、前記トイレ個室内の便座に着座したことを検知する第2センサが設置され、前記第1センサによる検知結果を示す第1の検知情報と、前記第2センサによる検知結果を示す第2の検知情報を取得する取得手段と、前記第1の検知情報と前記第2の検知情報とに応じて前記トイレ個室の利用に関する通知を出力する通知手段とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ個室に関する情報を管理する情報処理装置であって、
前記トイレ個室には、ドアの開閉状態を検知する第1センサと、前記トイレ個室内の便座に着座したことを検知する第2センサが設置され、
前記第1センサによる検知結果を示す第1の検知情報と、前記第2センサによる検知結果を示す第2の検知情報を取得する取得手段と、
前記第1の検知情報と前記第2の検知情報とに応じて前記トイレ個室の利用に関する通知を出力する通知手段とを有する情報処理装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記トイレ個室を利用開始した後に、前記トイレ個室の滞在時間が第1の所定時間を超え、かつ、利用者の着座が検知されない場合に、通知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
さらに、前記第1の検知情報に基づいて、前記トイレ個室の利用状況を示す利用情報を管理する管理手段を有し、
前記利用情報は、前記第2の検知情報を参照せずに利用状況を判定された情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知手段はさらに、前記トイレ個室の滞在時間が、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を超えた場合には、前記第2の検知情報にかかわらず通知を出力することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュ-タを、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるプログラム。
【請求項6】
トイレ個室に関する情報を管理する情報処理方法であって、
前記トイレ個室には、ドアの開閉状態を検知する第1センサと、前記トイレ個室内の便座に着座したことを検知する第2センサが設置され、
前記第1センサによる検知結果を示す第1の検知情報と、前記第2センサによる検知結果を示す第2の検知情報を取得し、
前記第1の検知情報と前記第2の検知情報とに応じて前記トイレ個室の利用に関する通知を出力する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ施設の個室のドアに、ドアの開閉状態を検知するセンサを設置し、ドアが閉じている状態が長いことを検知すると外部に通知するシステムがある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-87882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、個室内で異常事態が発生している場合などに備えてトイレ個室の長期滞在の警報を出力する場合、どの程度の時間を長期滞在とみなすべきかを最適化するのは難しい。長期滞在とみなす時間を短くすると、腹痛などの理由により本人が意図的にトイレ個室を長期に利用している場合でも通知してしまう。
【0005】
そこで、本開示は、トイレ個室内の利用に関して、より適切なアラ-トを通知する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の情報処理装置は、トイレ個室に関する情報を管理する情報処理装置であって、前記トイレ個室には、ドアの開閉状態を検知する第1センサと、前記トイレ個室内の便座に着座したことを検知する第2センサが設置され、前記第1センサによる検知結果を示す第1の検知情報と、前記第2センサによる検知結果を示す第2の検知情報を取得する取得手段と、前記第1の検知情報と前記第2の検知情報とに応じて前記トイレ個室の利用に関する通知を出力する通知手段とを有する。
【0007】
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではない。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術によれば、トイレ個室内の利用に関して、より適切なアラ-トを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】トイレ管理システム1の構成例を示す図である。
図2】管理サ-バ20のハ-ドウェア構成例及び機能構成例を示す図である。
図3】トイレ施設テ-ブルおよび個室管理テ-ブルを示す図である。
図4】管理サ-バ20が実行する通知判定処理のフロ-チャ-トである。
図5】管理端末30に表示される管理画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。同一の構成については、同じ符号を付して説明する。なお、以下の実施形態は本開示の技術を限定するものではなく、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが上記課題の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
[第1実施形態]
第1実施形態では、トイレ個室のドアの開閉状態を検知するドアセンサと、トイレ個室内の便座に人が着座しているか否かを検知する着座センサとを設置し、ドアセンサの検知結果と着座センサの検知結果とに基づいて、トイレ施設の管理者に各種アラ-トを通知するシステムについて説明する。なお、以下では、同じ出入り口により利用可能なトイレ個室群を、1つのトイレ施設とする。
【0012】
<管理システムの構成例>
図1は、本実施形態に係るトイレ管理システム1の構成例を示す図である。トイレ管理システム1は、管理サ-バ20と、トイレ個室400a~400nそれぞれに設置されたドアセンサ401a~401および着座センサ402a~402n、およびGW(ゲ-トウェイ)410、管理端末30を備える。なお、nは2以上の整数であり、以下、総称して、あるいはいずれかを示す場合には、トイレ個室400、ドアセンサ401、あるいは着座センサ402aのように略して表現する場合がある。
【0013】
管理サ-バ20は、各トイレ個室に関する情報を管理する情報処理装置であり。管理サ-バ20は、各トイレ個室400のドアセンサ401が検知した検知結果(以下、検知情報とする)や着座センサ402が検知した検知結果を、GW410を介して受信する。管理サ-バ20は、受信した検知結果に基づいて、各トイレ個室の利用状況を管理したり、管理端末30にアラ-トを通知したりする。
【0014】
管理端末30は、トイレ施設40を管理する管理者が利用する端末であり、例えば、PC(パ-ソナルコンピュ-タ)、タブレット端末、スマ-トホンなどである。ここでは管理端末30はタブレット端末とし、ディスプレイには本管理システム1から提供される各種情報を表示することができる。
【0015】
トイレ個室に設置される機器について説明する。本実施形態において、トイレ個室400は、常開トイレであるものとし、利用者がトイレ個室に入室すると、ドアが施錠され閉じた状態となる。ドアにはマグネットセンサであるドアセンサ401が設置され、ドアが閉じた状態であるか開いた状態であるかが検知できる。ドアセンサ401は、定期的(例えば10秒おき)にドアの開閉状態を検知し、ドアセンサ401の識別情報とともに検知結果を発信する。なお、ドアセンサ401は、ドアの開閉状態を検知できるセンサであればマグネットセンサ以外でもよく、例えば、ドアの鍵の施錠状態(開場されているか、施錠されているか)を検知できるセンサを設置することで、ドアの開閉状態を検知するようにしてもよい。
【0016】
トイレ個室400には、個室内の便座に利用者が着座しているか否かを検知するための着座センサ402が便座に設置されている。着座センサ402としては、例えば、便座に加重されたことを検知したり、赤外線の反射した光を検知したりすることにより、利用者が便座に座ったことを感知できるセンサを用いるものとする。着座センサ402は、ドアセンサ401と同様に、定期的に(例えば10秒おき)に着座を検知し、着座センサ402の識別情報とともに発信する。なお、ここではドアセンサ401および着座センサ402は、いずれも10秒おきに検知することとしたが、検知する時間間隔は異なっていてもいいし、同じ個室に設置されたセンサは必ずしも互いに同期している必要はない。
【0017】
トイレ施設40内には、センサから受信した検知結果を管理サ-バ20に送信するためのGW410も設置されている。
【0018】
ネットワ-ク50は、有線、無線を含む通信ネットワ-クである。ネットワ-ク50は例えば、インタ-ネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。管理サ-バ20と管理端末30は、ネットワ-ク50を介して通信可能である。また、ドアセンサ401、着座センサ402は、BLEなど既存の通信モジュ-ルが内蔵されており、検知結果をセンサを一意に特定可能なID(識別情報)とともに発信することができる。GW410は、各種センサから検知結果を受信すると、識別情報と検知結果を、ネットワ-ク50で接続された管理サ-バ20に送信することができる。
【0019】
<管理サ-バ20のハ-ドウェア構成および機能構成>
図2Aは、管理サ-バ20のハ-ドウェア構成図である。管理サ-バ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶装置24及び通信装25を備える。CPU21は、後述するプログラムを実行することにより、管理サ-バ20が提供する機能を実現する。ROM22及びRAM23は、CPU21が用いるデ-タを保持する。記憶装置24は、後述するプログラム及びデ-タベ-スを格納する。通信装置25は、ネットワ-ク50を介して管理端末30やGW410と通信する。
【0020】
図2Bは、管理サ-バ20の機能構成を示すブロック図である。管理サ-バ20は、CPU21が実行するソフトウェアモジュ-ル(各種プログラムがCPU21の内部メモリに展開されて構成される機能)として、受信部210、管理部220、判定部230、通知部240、記憶部250を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュ-ルを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュ-ルを実行するのはCPU21であるため、CPU21を動作主体とすることもできる。
【0021】
受信部210は、ドアセンサ401や着座センサ402が検知した検知結果を受信したり、管理端末30にトイレ施設40に関する各種情報を送信する。記憶部250は、トイレ施設テ-ブルや個室管理テ-ブルを有している。管理部220は、受信部210が受信した検知情報に基づいて、トイレ施設テ-ブルや個室管理テ-ブルを更新する。判定部230は、各トイレ個室について、管理端末30に通知するか否かを判定する処理を実行する。
【0022】
判定部230が実行する処理の詳細は、後述するが、ドアセンサ401の検知情報および着座センサ402の検知情報とに基づいて、「体調不良アラ-ト」と「長期滞在アラ-ト」の通知判定処理を実行する。管理サ-バ20の判定部230は、ドアセンサ401による検知結果および着座センサ402による検知結果の両方に基づいて、体調不良アラ-トを管理端末30に通知するか否かを判定する。具体的には、「利用者の入室後、第1の所定時間以上が経過しており、かつ、入室後一度も着座していない」とみなせる場合に、体調不良アラ-トが通知される。また、判定部230は、ドアセンサ401による検知結果に基づいて、長期滞在アラ-トを管理端末30に通知するか否かを判定する。具体的には、「利用者が入室したまま、第2の所定時間(>第1の所定時間)経過している」とみなせる場合に、長期滞在アラ-トが通知される。通知部240は、判定部230による通知判定処理の結果、通知すると判定されたアラ-トがある場合には、管理端末30に対象のトイレ個室の情報とともに通知する。
【0023】
図3は、トイレ施設テ-ブルや個室管理テ-ブルの構成例を示す図である。各テ-ブルは、例えばレコ-ドの内容を記述したデ-タを記憶部25内に格納することによって構成できる。なお、本形態では、トイレ施設テ-ブルや個室管理テ-ブルを、テ-ブル形式としたが、この形式に限らず、各デ-タが紐付けされていればどのような形式で構築してもよい。
【0024】
図3(a)に示すトイレ施設は、各トイレ施設に関する情報を管理するデ-タテ-ブルである。トイレ施設テ-ブルは、例えば、トイレID(トイレ施設を識別可能な識別情報)、設置場所(トイレ施設が設置されている場所)、トイレ施設が利用の対象とする性別属性(男性、女性、多目的など)、トイレ施設に対応するGWのID、開設時間などを構成項目として有している。ここで、開設時間とは、トイレ施設を利用可能な時間であり、開始する時間と終了する時間とによって定義される時間帯である。
【0025】
図3(b)に示す個室管理テ-ブルは、各トイレ個室の利用状況や設置されている2つのセンサを特定するための情報、アラ-トの通知状況などを管理するためのデ-タテ-ブルである。例えば、個室管理テ-ブルは、個室ID、名称、トイレID、ドアセンサID、着座センサID、利用状況、体調不良、長期滞在を構成項目とする。「利用状況」は、トイレ個室が利用中か否かを示す情報である。管理サ-バ20の管理部220は、ドアセンサ401から受信した検知結果に基づいて、利用状況を更新する。つまり、トイレ個室400の利用状況は、ドアセンサ401による検知結果に基づいて判定されたステ-タスであり、検知結果がドアがしまっていることを示す場合には、「利用中」検知結果がドアがあいていることを示す場合には「空」が更新されることになる。
【0026】
「体調不良」とは、上述の体調不良アラ-トの通知状況であり、通知の有無や最後に通知した時刻に関する情報が格納されている。「長期滞在」とは、長期滞在アラ-トの通知状況を示す情報である、通知の有無や最後に通知した時刻に関する情報が格納されている。
【0027】
<通知判定処理>
管理サ-バ20の判定部230が実行する通知判定処理について説明する。図4は、通知判定処理のフロ-チャ-トである。なお、以下の説明では、各工程(ステップ)を「S」と表記する。また、以下の処理は、トイレ個室400aを処理対象とし、トイレ個室400aの開設時間が開始になったら、実行するものとする。
【0028】
S601において判定部230は、処理対象のトイレ個室400aに対応するドアセンサ401aの最新の検知情報と着座センサ402aの最新の検知情報を取得する。
S402において判定部230は、ドアセンサ401aの検知情報に基づいて、トイレ個室400aの利用が開始されたか否かを判定する。ここでは、ドアセンサ401aの検知情報がドアが閉じていることを示している場合には、利用開始されたとみなし、S403に進む。ドアセンサ401aの検知情報がドアが開いていることを示している場合には、利用開始されていないため、S401に戻る。なお、S401において検知情報を再び取得する場合には、前回取得した日時から一定期間(例えば、15秒など)時間をおいてから再取得するとよい。
【0029】
S403において判定部230は、利用開始と判定された日時からの経過時間を参照し、第1の所定時間が経過しているか否かを判定する。ここでは、例えば、第1の所定時間を10分とする。判定部230が入室時間が第1の所定時間を経過していると判定した場合にはS406に進み、経過していないと判定した場合には、S404に進む。
【0030】
S404において判定部230は、再度、トイレ個室400aに対応する検知情報を取得する。ここでは、前回取得した検知情報の次に受信した検知情報を取得するようにする。S405において、判定部230は、ドアセンサ401aの検知情報に基づいて利用中が否かを判定する。判定部230が利用中でないと判定した場合、利用者は利用開始後、第1の所定時間が経過する前に退室したことを示すため、判定部230はアラ-ト通知は不要とみなして通知判定処理を終了する。判定部230がS450において利用中と判定した場合、利用者が継続して利用していることを示すため、S403に戻る。なお、利用者がトイレ個室400aに滞在し続けている場合、S403、S404、S405における処理を繰り返すことになる。
【0031】
トイレ個室400aに入室した利用者が、第1の所定時間を超えて滞在してる場合、S406において判定部230は、さらにトイレ個室400aに入室した後に取得した着座センサ402aの検知情報(本形態ではS406までに複数回取得していることになる)に基づいて、入室した利用者が着座したか否かを判定する。判定部230は、着座センサ402aの検知情報に、利用者が着座したことを示す検知結果が1つもない場合には、着座していないとみなしてS407に進む。着座センサ402aの検知情報に、1つでも利用者が着座したことを示す検知結果がある場合には、利用者が入室後着座したとみなし、S408に進む。
【0032】
S407において判定部230は、トイレ個室400aについて体調不良アラ-トを指示する。さらに判定部230は、S408に進み、再度、トイレ個室400aに対応する検知情報を取得する。S408では、S404において最後に取得した検知情報の次に受信部210が受信した検知情報を取得するようにする。
【0033】
S409において判定部230は、トイレ個室400aが第1の所定時間を経過した後も利用が継続しているか否かを判定する。S409において利用中でないとみなせる場合には、第1の所定時間を経過した後、第2の所定時間に到達する前に利用者が退室したことを意味し、この場合、判定部230は、処理を終了する。S409において利用者が利用中であるとみなせる場合、S410に進む。
【0034】
S410において判定部230は、トイレ個室400aが利用開始と判定された日時からの経過時間を参照し、第2の所定時間が経過しているか否かを判定する。ここで、第2の所定時間は、第1の所定時間より長い時間とし、ここでは、例えば20分とする。S410において判定部230が、利用者の入室時間が第2の所定時間を超えたと判定した場合、S411に進み、長期滞在アラ-トを支持し、処理を終了する。S410において判定部230が、利用者の入室時間が第2の所定時間を超えていないと判定した場合は、S408に戻る。
【0035】
以上により、一連の通知判定処理を終了する。なお、判定部230は、S401を開始した後、一連の処理が終了するまでは、新たに受信部210が検知情報を取得しても、S401の処理を開始することはしない。ただし、処理が完了した後に、受信部210が新たに検知情報を受信すると、S401から処理を開始する。
【0036】
図5は、管理端末30に表示される管理画面の一例を示す図である。管理端末30は、一定期間おき(例えば10秒おき)に管理サ-バ20に問い合わせ、表示対象のトイレ施設に含まれる各トイレ個室の利用状況、体調不良アラ-トの有無、滞在時間アラ-トの有無に関する情報を取得する。また、管理サ-バ20の通知部240から、体調不良アラ-トや長期滞在アラ-トの通知を受信する。管理端末30は、取得した情報に基づいて、図5に示すような表示画面に表示された情報を更新する。図5に示す表示画面では、トイレ施設の名称とともに、トイレ施設内のトイレ個室ごとの情報が一覧として表示されている。各トイレ個室の情報としては、名称、利用状況(空きあり、または利用中)、アラ-トの種類と、アラ-トされた時刻、アラ-トを解除するためのリセットボタンが表示される。
【0037】
「利用状況」は、ドアセンサ401の検知結果に基づいて判定されたステ-タスであり、ドアが開いている場合には「空き」、ドアが閉じている場合には「利用中」が表示される。また、「アラ-ト」には、管理サ-バ20の通知部240から体調不良アラ-トが通知されている場合には「体調不良」、長期滞在アラ-トが通知されている場合には「長期滞在」と表示する。リセットボタンをタッチ操作すると、表示画面上のアラ-トが解除され、管理端末30は管理サ-バ20にトイレ個室のIDとともにアラ-トを解除した旨を通知する。ここでは、体調不良アラ-トが通知された後、リセットされないまま、長期滞在アラ-トも通知された場合には、「アラ-ト」および「アラ-ト時刻」を長期滞在アラ-トにより上書きすることとする。表示画面の構成は図5に示す例に限らず、体調不良アラ-トと長期滞在アラ-トの通知の有無を分けて表示するようにしてもよい。さらに、管理端末30への通知方法は、表示画面への表示に限らず、プッシュ通知などを表示するようにしてもよいし、管理サ-バ20は事前に登録されたアドレスや電話番号に通知を連絡するようにすることもできる。
【0038】
なお、管理端末30のハ-ドウェア構成や機能構成は、一般的な情報処理装置と同様であり、管理サ-バ30からの情報取得や、取得した情報に基づく表示画面の生成、表示については処理の詳細を省略する。
【0039】
以上のように本実施形態では、トイレ個室400に設置したドアセンサ401が検知したドアの開閉状態と、着座センサ402が検知した着座状態とに基づいて、トイレ施設の管理者に対して2段階のアラ-トを通知する。1段階目は、入室後の滞在時間が第1の所定時間以上であり、かつ、着座がない場合に、アラ-トを通知する。これは、トイレ個室401に入室したにも関わらず利用者が着座していない場合、利用者がトイレ個室内401で倒れるなどの異常事態に陥っている可能性があるため、管理サ-バ20は管理端末30に通知する。一方で、利用者が着座している場合には、第1の所定時間を超えてもアラ-トを通知しない。腹痛などの体調不良により、トイレ利用が長期化していることもあるので、第1の所定時間では着座利用のない場合に限りアラ-トを通知する。
【0040】
2段階目は、入室後の滞在時間が第2の所定時間(>第1の所定時間)を超えた場合、着座の有無に関わらず、アラ-トを通知する。これは、トイレ個室400の滞在時間があまりに長期な場合には、着座していたとしても支援が必要なこともある。そこで管理サ-バ20は、トイレ個室400の滞在時間が第2の所定時間を超えている場合には、着座センサ402の検知情報に関わらずアラ-トを通知する。
【0041】
トイレ個室400内で利用者に異常事態が発生した場合に、個室内なので利用者の異常に気づきにくいという問題がある。ここで単に、滞在時間のみでアラ-トを通知する判定基準となる第2の所定時間を短く設定すると、腹痛などの理由で本人の希望でトイレ個室400を長時間利用している利用者の可能性もある。そこで、上述のように、段階的に通知アラ-トの条件を変えてアラ-トを通知した。これにより、不要なアラ-トを抑制しつつ、トイレ個室内でも異常事態を見逃さないようにすることができる。
【0042】
なお、管理他サ-バ20は、管理端末30以外にサイネ-ジや一般利用者が所有する情報端末に対して、各トレイ個室の利用情報を配信することもできる。この場合、トイレ施設の利用者に向けて空いているトイレ室の有無や混雑状況を知らせることができる。このとき各トイレ個室の利用情報は、ドアセンサ401による検知情報によってのみ判定されている。これは、トイレ個室を利用したいと考えてトイレ施設の利用状況を知りたい人にとっては、トイレ個室内に入室した人が着座しているか否かは問題なく、ドアが開いていて入室可能な状態であるかがわかればよい。そこで、サイネ-ジや一般利用者が所有する情報端末には、ドアセンサ401と着座センサ402とによる検知情報ではなく、ドアセンサ401の検知情報によってのみ判定された利用情報を配信する。
【0043】
<変形例>
上述の実施形態では、通知判定処理として、滞在時間が所定時間を超えたかを判定した後に、着座されたかを判定したが、処理順は限定されない。例えば、管理サ-バ20が、ドアセンサ401から検知情報に基づいて利用者が入室した後、定期的に滞在が継続しているか、滞在時間が第1の所定時間を超えているか、第2の所定時間を超えているかを判定する。また、並行して、着座センサ402からの検知情報に基づいて、利用者の入室後に着座されたかを定期的に判定する。さらに定期的にそれぞれの判定結果に基づいて、体調不良アラ-トの条件を満たすか、あるか、長期滞在アラ-トの条件を満たすかを判定する、というような処理順にすることもできる。
【0044】
上述の実施形態では、第1の所定時間を10分として「体調不良アラ-ト」とした。他にも、ドアセンサと着座センサとに基づいて、同様の通知判定処理をすることにより、例えば「不適切利用アラ-ト」として通知することもできる。トイレ個室は、排泄のための設備であり、排泄以外を目的とした利用がトイレ施設の過剰な混雑を招いてしまったり、排泄目的で利用したい人がトイレ個室を利用できなかったりしてしまうことがある。そこで、ドアが閉じていることによる「利用中」だけではなく、利用開始後に一定期間1度も着座していない場合は、不適切な利用として通知し、警備員などのスタッフが確認に行けるようにすることもできる。
【0045】
以上の通り、本開示の技術は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワ-ク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュ-タにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し作動させる処理によって実現することができる。また、1以上の機能を実現する回路によって実現しても良い。
【0046】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。さらにまた、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
【符号の説明】
【0047】
管理サ-バ20、CPU21、受信部210、管理部220、判定部230、通知部240
図1
図2
図3
図4
図5