(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155001
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】トイレットペーパーホルダー
(51)【国際特許分類】
A47K 10/36 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A47K10/36 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069318
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】523141965
【氏名又は名称】小川 和男
(71)【出願人】
【識別番号】522096606
【氏名又は名称】杉山 秀造
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】小川 和男
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀造
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トイレットペーパーを使用した後に、次に使用する時にトイレットペーパーの先端を容易かつ迅速につかむことができるトイレットペーパーホルダーを提供する。
【解決手段】本発明のトイレットペーパーホルダー100は、壁面に取り付けられ、トイレットペーパーロールの中心の空洞部を支持する支持部を有するベース部10と、ベース部10に取り付けられるトイレットペーパーロールの上面側に配置され、トイレットペーパーロールの先端部をロール部と分離した状態を維持する分離用蓋30と、分離用蓋30の上方側に配置され、トイレットペーパーを切断する切断部を有する上方蓋50と、を備え、分離用蓋30は、根元部近傍にロール部の幅方向の長孔となるように形成されたペーパー取出部31と、この長孔から先端まで連通したペーパーセット用溝32と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーロールを保持するためのトイレットペーパーホルダーにおいて、
壁面に取り付けられ、前記トイレットペーパーロールの中心の空洞部を支持する支持部を有するベース部と、
前記ベース部に取り付けられる前記トイレットペーパーロールの上面側に配置され、トイレットペーパーの先端部をトイレットペーパーロールと分離した状態を維持する分離用蓋と、
前記分離用蓋の上方側に配置され、トイレットペーパーを切断する上方蓋と、
を備え、
前記分離用蓋は、根元部近傍にトイレットペーパーロールの幅方向の長孔となるように形成されたペーパー取出部と、この長孔から先端まで連通したペーパーセット用溝と、を備えていることを特徴とするトイレットペーパーホルダー。
【請求項2】
前記分離用蓋の前記ペーパーセット用溝は、先端側と根元側の幅が広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトイレットペーパーホルダー。
【請求項3】
前記分離用蓋の前記ペーパーセット用溝は、面取が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトイレットペーパーホルダー。
【請求項4】
前記分離用蓋の先端は、トイレットペーパーロールよりも先端側に延設されていることを特徴とする請求項1に記載のトイレットペーパーホルダー。
【請求項5】
前記上方蓋の先端は、前記分離用蓋の先端よりも少なくとも2cm以上延設されていることを特徴とする請求項1に記載のトイレットペーパーホルダー。
【請求項6】
トイレットペーパーロールを保持するためのトイレットペーパーホルダーにおいて、
壁面に取り付けられ、前記トイレットペーパーロールの中心の空洞部を支持する支持部を有するベース部と、
前記ベース部に取り付けられる前記トイレットペーパーロールの上面側に配置され、トイレットペーパーの先端部をトイレットペーパーロールと分離した状態を維持する分離用蓋と、
前記分離用蓋に設けられた支持部に対して回動可能に取り付けられ、トイレットペーパーを切断する上方蓋と、
を備え、
前記分離用蓋は、トイレットペーパーロールの幅方向の長孔となるように形成されたペーパー取出部と、このペーパー取出部の幅方向の内側端面からの距離Bが0cm~1cmの範囲にペーパー取出部から先端まで連通したペーパーセット用溝と、を備えていることを特徴とするトイレットペーパーホルダー。
【請求項7】
前記前記分離用蓋の先端には、上方蓋の先端が密接配置される上方蓋用溝が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のトイレットペーパーホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーホルダーは一般的に、トイレットペーパーロールを取り付けるベース部と、トイレットペーパーを切断するための上蓋を備えている。こうしたトイレットペーパーホルダーは、必要な長さを引き出した後、上蓋で切断して使用する。
【0003】
しかし、こうした従来のトイレットペーパーホルダーは、上蓋でトイレットペーパーを切断した後、トイレットペーパーの先端がトイレットペーパーロールに接触しているため、先端を見つけ引き出すことが困難であるという問題があった。特に、幼児や高齢者は先端を引き出すことが困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこうした課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、トイレットペーパーホルダーでトイレットペーパーを使用した後に、次に使用する時にトイレットペーパーの先端を容易かつ迅速につかむことができるトイレットペーパーホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
【0006】
本発明にかかるトイレットペーパーホルダーは、
トイレットペーパーロールを保持するためのトイレットペーパーホルダーにおいて、
壁面に取り付けられ、前記トイレットペーパーロールの中心の空洞部を支持する支持部を有するベース部と、
前記ベース部に取り付けられる前記トイレットペーパーロールの上面側に配置され、トイレットペーパーの先端部をトイレットペーパーロールと分離した状態を維持する分離用蓋と、
前記分離用蓋の上方側に配置され、トイレットペーパーを切断する上方蓋と、
を備え、
前記分離用蓋は、根元部近傍にトイレットペーパーロールの幅方向の長孔となるように形成されたペーパー取出部と、この長孔から先端まで連通したペーパーセット用溝と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明にかかるトイレットペーパーホルダーによれば、トイレットペーパーの先端を持ってペーパーセット用溝を通してペーパー取出部まで移動させるだけで、トイレットペーパーの先端を分離用蓋と上方蓋の間にセットすることができる。このようにセットされたトイレットペーパーは、必要なトイレットペーパーを引き出して使用した後、トイレットペーパーの先端が分離用蓋の先端から垂下されるため、次に使用する場合に、容易かつ迅速にトイレットペーパーの先端を把持することができる。
【0008】
また、本発明にかかるトイレットペーパーホルダーにおいて、前記分離用蓋の前記ペーパーセット用溝は、先端側と根元側の幅が広くなるように形成されていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、先端側を広くすることによってトイレットペーパーを挿入しやすくすることができ、ペーパー取出部側(根元側)を広く形成することによってトイレットペーパーをペーパー取出部側に引き込むことで自然にトイレットペーパーの幅が広くなり、ペーパー取出部に移動させた際にトイレットペーパーを自然に広がった状態にすることができる。
【0009】
さらに、本発明にかかるトイレットペーパーホルダーにおいて、前記分離用蓋の前記ペーパーセット用溝は、面取りが形成されていることを特徴とするものであってもよい。面取りをすることによって、トイレットペーパーが接触した状態で引っ張っても、トイレットペーパーが切断されることを低減でき、トイレットペーパーが滑ってペーパー取出部に移動させやすくすることができる。
【0010】
さらに、本発明にかかるトイレットペーパーホルダーにおいて、前記分離用蓋の先端は、トイレットペーパーロールよりも先端側に延設されていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、垂下されるトイレットペーパーの先端を掴みやすくすることができる。
【0011】
さらに、本発明にかかるトイレットペーパーホルダーにおいて、前記上方蓋の先端は、前記分離用蓋の先端よりも少なくとも2cm以上延設されていることを特徴とするものであってもよい。上方蓋でトイレットペーパーを切断した際に、トイレットペーパーの先端を垂下させることができ、次に使用する場合に容易にトイレットペーパーの先端を把持することができる。
【0012】
本発明にかかるトイレットペーパーホルダーは、
トイレットペーパーロールを保持するためのトイレットペーパーホルダーにおいて、
壁面に取り付けられ、前記トイレットペーパーロールの中心の空洞部を支持する支持部を有するベース部と、
前記ベース部に取り付けられる前記トイレットペーパーロールの上面側に配置され、トイレットペーパーの先端部をトイレットペーパーロールと分離した状態を維持する分離用蓋と、
前記分離用蓋に設けられた支持部に対して回動可能に取り付けられ、トイレットペーパーを切断する上方蓋と、
を備え、
前記分離用蓋は、トイレットペーパーロールの幅方向の長孔となるように形成されたペーパー取出部と、このペーパー取出部の幅方向の内側端面からの距離が0cm~1cmの範囲にペーパー取出部から先端まで連通したペーパーセット用溝と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
トイレットペーパーの先端を持ってペーパーセット用溝を通して、ペーパー取出部まで移動させるだけで、分離用蓋と上方蓋の間にセットすることができる。このようにセットされたトイレットペーパーは、必要なトイレットペーパーを引き出して使用した後、トイレットペーパーの先端をペーパーセット用溝でつまんで引くことで、容易かつ迅速にトイレットペーパーの先端を引き出すことができる。
【0014】
また、本発明にかかるトイレットペーパーホルダーにおいて、前記前記分離用蓋の先端には、上方蓋の先端が密接配置される上方蓋用溝が形成されていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、トイレットペーパーを分離用蓋と上方蓋で挟み込んで確実に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパーロール91をセットした状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパーロール91をセットした状態の断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100の分離用蓋30を下方側絡みた斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパーロール91をセットする方法示す説明図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパーロール91をセットする方法示す説明図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100の別実施形態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100の上方蓋50を分離した状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパーロール91をセットした状態の斜視図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100を使用する仕様不法を示す斜視
図8である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。また、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。なお、本発明において、「先端側」とは、
図1に示されたように、ベース部側の壁面取付板部からトイレットペーパーが取り付けられる側を示し、「根元側」とは壁面側を示す。
【0017】
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100の斜視図が
図1に示されている。また、トイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパー90が取り付けられた状態の斜視図が
図2に、断面図が
図3に示されている。本実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー100は、主として、トイレットペーパーロール91が取り付けられるとともに壁面に取り付ける壁面取付板部11を有するベース部10と、このベース部10に取り付けられるトイレットペーパーロール91の上面に配置される分離用蓋30と、この分離用蓋30の上方に配置される上方蓋50と、を備えている。
【0018】
ベース部10は、壁面に取り付けられる壁面取付板部11と、この壁面取付板部11の両側から先端方向に伸びる側方板部12と、を有し、側方板部12には、トイレットペーパーロール91の中心の空洞91aを支持する支持部13を有している。支持部13は、特に限定するものではなく、両側の側方板部12を架設可能に取り付けられる棒状部材であってもよい。また、支持部13が両側の側方板部12に取り付けられており、支持部13が可動式となっており、トイレットペーパーロール91をそのまま下方から押し込んで交換するタイプ等、トイレットペーパーロール91の取り付け方法は特に限定するものではなく、既知のものを採用することができる。また、
図7に示すように、側方板部12は両側に設けなくてもよく、片方のみを設けて、支持部13が片側に設けられている片持ち式であってもよい。
【0019】
分離用蓋30は、
図1に示すように、取り付けられたトイレットペーパーロール91の直上に配置される蓋部材であり、上方かつ壁面側の根元で回動可能に形成されている。分離用蓋30は、根元近傍に、トイレットペーパーロール91の幅方向の長孔からなるペーパー取出部31とこのペーパー取出部31から分離用蓋30の先端まで連通するペーパーセット用溝32が形成されている。好ましくは、ペーパー取出部31の長孔の長さは、トイレットペーパーロール91の幅の長さよりも長くなるように形成するとよい。この長さに作製することによって、トイレットペーパーロール91をペーパー取出部31に通した場合に、トイレットペーパー90の幅を縮ませることなく、ロール幅を保ったまま通すことができる。ペーパーセット用溝32は、ペーパー取出部31から先端が連通する溝で形成されており、トイレットペーパー90の先端近傍をペーパーセット用溝32を通過させて、ペーパー取出部31にセットすることができる。このペーパーセット用溝32は、好ましくは、先端側の溝32a及びペーパー取出部31側の溝32bの溝幅が中央付近の溝幅より広く略中央又は中央近傍の溝幅が狭くなるように、ペーパーセット用溝32の両側が湾曲して形成するとよい。先端の溝幅Aは、2cm以上の幅に形成するとよい。先端の溝幅Aを広く形成することによって、トイレットペーパー90を挿入しやすくすることができる。一方、ペーパー取出部31側を広く形成することによって、トイレットペーパー90をペーパー取出部31側に引き込むことで自然に、トイレットペーパー90の幅が広くなり、ペーパー取出部31に移動させた際にトイレットペーパー90を自然に広がった状態にすることができる。
【0020】
また、
図4に示すように、分離用蓋30の先端34及びペーパーセット用溝32の下端の稜線部33を面取りして曲面に形成するとよい。曲面にすることでトイレットペーパー90をペーパー取出部31にセットする際に、トイレットペーパー90が分離用蓋30の先端34及びペーパーセット用溝32に接触した状態で引っ張ってもトイレットペーパーが裂ける可能性を低減することができ、滑るように移動させることができる。
【0021】
さらに、分離用蓋30は、ベース部10に取り付けられたトイレットペーパーロール91の先端側端部93よりも先端側に延設されている。好ましくは、トイレットペーパーロール91の先端側端部93よりも1cm以上延設されていることが好ましい。かかる構成を採用することによって、垂下されるトイレットペーパー90の先端を掴みやすくすることができる。
【0022】
上方蓋50は、分離用蓋30の上方に配置される蓋であり、
図1に示すように、取り付けられたトイレットペーパーロール91の直上に配置される蓋部材であり、上方かつ壁面側の根元で回動可能に形成されている。上方蓋50は、使用する長さのトイレットペーパー90を引き出した後、トイレットペーパー90を切断するための蓋であり、先端52が鋭角又はのこぎり状に形成され、切断部を構成する。上方蓋50は、分離用蓋30の先端34よりも先端側に延設されている。好ましくは、分離用蓋30の先端34よりも2cm以上先端側に延設されていることが好ましい。上方蓋50は、分離用蓋30の先端34よりも先端側に延設して形成することによって、上方蓋50でトイレットペーパー90を切断した際に、分離用蓋30の先端34からトイレットペーパーの先端95を垂下させることができ、次に使用する場合に容易にトイレットペーパー90の先端を把持することができる。
【0023】
以上のように、作製されたトイレットペーパーホルダー100は以下のようにして使用される。まず、
図5に示すように、トイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパーロール91を取り付ける。取り付け方法は、従来の方法でよい。こうして取り付けられたトイレットペーパーロール91の先端95を10cm程度引き出す。引き出したトイレットペーパー90を持ち、ペーパーセット用溝32に挿入する。この状態から上方にトイレットペーパー90を持ち上げつつ根元側にトイレットペーパー90を移動すると、トイレットペーパー90はペーパーセット用溝32を根元側に移動し、ペーパー取出部31に移動する。このペーパー取出部31内でトイレットペーパー90を広げつつ、分離用蓋30の上方に引き出し、分離用蓋30の先端からトイレットペーパー90の先端を垂下する。こうして、
図6に示すように、トイレットペーパー90のセットが完了する。
【0024】
この状態からトイレットペーパー90を使用する場合には、トイレットペーパー90の先端95を持ち、使用する長さのトイレットペーパー90を引き出す。必要な長さのトイレットペーパー90を引き出した後、上方蓋50の先端を使用してトイレットペーパー90を切断する。すると、分離用蓋30と上方蓋50の長さの差だけ、分離用蓋30の先端34よりトイレットペーパー90の先端95が垂下することになる。したがって、次に使用する場合は、この垂下したトイレットペーパー90の先端95を簡単に把持することができる。
【0025】
(第2実施形態)
第2実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー200の斜視図が
図8に示されている。第2実施形態にかかるトイレットペーパーホルダー200は、第1実施形態と同様に、主として、トイレットペーパーロール91が取り付けられるとともに壁面に取り付ける壁面取付部を有するベース部10と、このベース部10に取り付けられるトイレットペーパーロール91の上面に配置される分離用蓋30と、この分離用蓋30の上方に配置される上方蓋50と、を備えている。第2実施形態では、分離用蓋30のペーパーセット用溝32の位置及び上方蓋50の取り付け位置が異なる。
【0026】
ベース部10は、は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0027】
分離用蓋30は、
図8に示すように、取り付けられたトイレットペーパーロール91の直上に配置される蓋部材であり、上方かつ壁面側の根元で回動可能に形成されている。分離用蓋30は、トイレットペーパーロール91の幅方向の長孔からなるペーパー取出部31とこのペーパー取出部31から分離用蓋30の先端まで連通するペーパーセット用溝32が形成されている。ペーパー取出部31は、第1実施形態に対して先端側に配置されている。好ましくは、分離用蓋30の半分より先端側に形成されるように設けるとよい。また、第1実施形態と同様に、好ましくは、ペーパー取出部31の長孔の長さは、トイレットペーパーロール91の幅の長さよりも長くなるように形成するとよい。ペーパーセット用溝32は、ペーパー取出部31から先端が連通する溝で形成されており、トイレットペーパー90の先端近傍をペーパーセット用溝32を通過させて、ペーパー取出部31にセットすることができる。このペーパーセット用溝32は、分離用蓋30の幅中央ではなく、右側又は左側に寄せて形成されている。好ましくは、ペーパー取出部31の幅方向の内側端面31aからの距離Bが0cm~1cmの範囲にペーパーセット用溝32の一部が配置されるようにするとよい。このように構成することによって、一方側からトイレットペーパー90を切断する場合に、ペーパーセット用溝32まで達するまでの距離が長くなり、後述する上方蓋50と挟まれている長さが長くなり切断しやすくなる。なお、ペーパーセット用溝32は、第1実施形態と同様に、先端側の溝及びペーパー取出部31側の溝の溝幅が中央付近の溝幅より広くなるように形成し略中央又は中央近傍の溝幅が狭くなるように、ペーパーセット用溝32の両側が湾曲するように形成してもよい。また、面取りして曲面となるように形成してもよい。分離用蓋30のペーパー取出部31の根元側であって幅方向両側には、
図9に示すように、上方蓋50を回動可能に支持する支持部35が設けられており、上方蓋50の回動軸53が挿入される回動軸用孔36が設けられている。さらに、分離用蓋30の先端には、上方に配置される上方蓋50の先端が密接配置されるように、上方蓋用溝38が形成されている。これにより、トイレットペーパーが分離用蓋30と上方蓋用溝38とで挟持され、トイレットペーパーを切断しやすくすることができる。
【0028】
上方蓋50は、分離用蓋30の上方に配置される蓋であり、根元部には回動軸53が設けられており、
図8及び
図9に示すように、分離用蓋30の支持部35の回動軸用孔36に挿入され、分離用蓋30に対して回動可能に設けられている。上方蓋50は、使用する長さのトイレットペーパー90を引き出した後、トイレットペーパー90を切断するための蓋であり、先端52が鋭角又はのこぎり状に形成されている。上方蓋50の先端は、下方に湾曲して形成され上方蓋用溝38にはまり込むように形成されている。
【0029】
以上のように、作製されたトイレットペーパーホルダー100は以下のようにして使用される。まず、
図8に示すように、トイレットペーパーホルダー100にトイレットペーパーロール91を取り付ける。取り付け方法は、従来の方法でよい。こうして取り付けられたトイレットペーパーロール91の先端95を10cm程度引き出す。引き出したトイレットペーパー90を持ち、ペーパーセット用溝32に挿入する。この状態から上方にトイレットペーパー90を持ち上げつつペーパー取出部31に移動する。このペーパー取出部31内でトイレットペーパー90を広げつつ、分離用蓋30の上方に引き出し、分離用蓋30の先端からトイレットペーパー90の先端を垂下する。こうして、
図10に示すように、トイレットペーパー90のセットが完了する。
【0030】
この状態からトイレットペーパー90を使用する場合には、トイレットペーパー90の先端95を持ち、使用する長さのトイレットペーパー90を引き出す。必要な長さのトイレットペーパー90を引き出した後、
図11に示すように、上方蓋50を閉じて先端を使用してトイレットペーパー90を切断する。次に使用する場合は、ペーパーセット用溝32を利用してトイレットペーパー90の先端95を把持して引き出して使用する。
【0031】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
【0032】
上述した実施形態で示すように、トイレットペーパーロールを取り付けるトイレットペーパーホルダーとして、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
10…ベース部、100…トイレットペーパーホルダー、11…壁面取付板部、12…側方板部、13…支持部、30…分離用蓋、31…ペーパー取出部、32…ペーパーセット用溝、32a…溝、32b…溝、33…稜線部、34…先端、50…上方蓋、52…先端、90…トイレットペーパー、91…トイレットペーパーロール、91a…空洞、93…先端側端部、95…先端、