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特開2024-155017サイレンサの据付方法および据付構造
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  • 特開-サイレンサの据付方法および据付構造 図1
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  • 特開-サイレンサの据付方法および据付構造 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155017
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】サイレンサの据付方法および据付構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
F16L55/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069357
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000143972
【氏名又は名称】株式会社ササクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】水川 貴彰
(72)【発明者】
【氏名】畠中 晋司
【テーマコード(参考)】
3H025
【Fターム(参考)】
3H025CA01
3H025CB03
(57)【要約】

【課題】 サイレンサの据え付けを迅速容易に行うことができるサイレンサの据付構造を提供する。
【解決手段】 間隔をあけて並列配置される複数のスプリッタ10を備えるサイレンサ1を、流体がスプリッタ10間を上下方向に流れるように架台60の上面に据え付けたサイレンサ1の据付構造であって、サイレンサ1は、複数のスプリッタ10の下部を並列方向に延びる連結部材20により連結して構成されており、連結部材20が架台60に取り付けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて並列配置される複数のスプリッタを備えるサイレンサを、流体が前記スプリッタ間を上下方向に流れるように架台の上面に据え付けるサイレンサの据付方法であって、
複数の前記スプリッタの下部を並列方向に延びる連結部材により連結して前記サイレンサを構成する連結ステップと、
前記サイレンサを前記架台の上方に吊り下げ支持する吊下ステップと、
前記連結部材を前記架台に取り付ける締結ステップとを備えるサイレンサの据付方法。
【請求項2】
前記スプリッタは、平板状に形成されており、幅方向の両側下部に前記連結部材が収容される切欠部が形成されている請求項1に記載のサイレンサの据付方法。
【請求項3】
前記連結部材は、帯板状の底板部と、前記底板部に直交する帯板状の側板部とを備えており、
前記連結ステップは、前記側板部を前記切欠部に取り付けるステップを備え、
前記締結ステップは、前記底板部を前記架台に取り付けるステップを備える請求項2に記載のサイレンサの据付方法。
【請求項4】
間隔をあけて並列配置される複数のスプリッタを備えるサイレンサを、流体が前記スプリッタ間を上下方向に流れるように架台の上面に据え付けたサイレンサの据付構造であって、
前記サイレンサは、複数の前記スプリッタの下部を並列方向に延びる連結部材により連結して構成されており、前記連結部材が前記架台に取り付けられたサイレンサの据付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイレンサの据付方法および据付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
スプリッタ型サイレンサの据付方法として、特許文献1には、ケーシングの内面下部に固定した下部止め金具に対して、クレーン等を用いてスプリッタを吊り降ろして、スプリッタの下端を下部止め金具内に挿入する方法が、従来技術として開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61-73997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された上記の据付方法は、スプリッタを下部止め金具に対して個別に取り付ける必要があるため、サイレンサが多数のスプリッタを備える場合には、サイレンサの据付作業が煩雑で時間がかかるおそれがあり、工事工程を組みにくいという問題があった。
【0005】
このため、特許文献1においては、ケーシングの内面中央部に中央支柱を水平に固定し、この中央支柱の上下に形成された溝に対して、分割された複数のスプリッタを挿入することで、クレーン等によるスプリッタの吊り下げを不要にすることが提案されている。ところが、この場合には、複数の中央支柱が新たに必要になるために据付場所の制約を受け易いだけでなく、多数のスプリッタを分割して中央支柱に挿入する作業が依然として煩雑で長時間を要するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、サイレンサの据え付けを迅速容易に行うことができるサイレンサの据付方法および据付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、間隔をあけて並列配置される複数のスプリッタを備えるサイレンサを、流体が前記スプリッタ間を上下方向に流れるように架台の上面に据え付けるサイレンサの据付方法であって、複数の前記スプリッタの下部を並列方向に延びる連結部材により連結して前記サイレンサを構成する連結ステップと、前記サイレンサを前記架台の上方に吊り下げ支持する吊下ステップと、前記連結部材を前記架台に取り付ける締結ステップとを備えるサイレンサの据付方法により達成される。
【0008】
このサイレンサの据付方法において、前記スプリッタは、平板状に形成されており、幅方向の両側下部に前記連結部材が収容される切欠部が形成されていることが好ましい。前記連結部材は、帯板状の底板部と、前記底板部に直交する帯板状の側板部とを備えることが好ましく、前記連結ステップは、前記側板部を前記切欠部に取り付けるステップを備えることができ、前記締結ステップは、前記底板部を前記架台に取り付けるステップを備えることができる。
【0009】
また、本発明の前記目的は、間隔をあけて並列配置される複数のスプリッタを備えるサイレンサを、流体が前記スプリッタ間を上下方向に流れるように架台の上面に据え付けたサイレンサの据付構造であって、前記サイレンサは、複数の前記スプリッタの下部を並列方向に延びる連結部材により連結して構成されており、前記連結部材が前記架台に取り付けられたサイレンサの据付構造により達成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のサイレンサの据付方法および据付構造によれば、サイレンサの据え付けを迅速容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態で用いるサイレンサの正面図である。
図2図1の側面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4】本実施形態のサイレンサの据付方法の概略工程図である。
図5】本実施形態のサイレンサの据付構造を示す正面図である。
図6図5に示すサイレンサの据付構造を複数個所に設けた要部側面図である。
図7】本実施形態のサイレンサの据付構造の適用例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るサイレンサの据付方法に用いるサイレンサの正面図であり、図2は、図1の側面図である。図1および図2に示すサイレンサ1は、複数のスプリッタ10と、各スプリッタ10の下部同士を連結する連結部材20と、各スプリッタ10の上部同士を連結する振止部材30とを備えている。
【0013】
スプリッタ10は、矩形パネル状の吸音材により平板状に形成されており、本実施形態では7個のスプリッタ10が、一定の間隔をあけて互いに平行に並列配置されている。図2に示すように、スプリッタ10の幅方向(据付時の左右方向)の両側下部には、角部が切り欠かれて側面視矩形状の切欠部11,11が形成されている。
【0014】
連結部材20は、スプリッタ10の並列方向に沿って延びるロッド状の部材であり、スプリッタ10の幅方向両側において、切欠部11に収容されるように取り付けられている。
【0015】
図3は、図2に示すスプリッタ10の切欠部11の近傍を示す要部拡大図である。図3に示すように、連結部材20は、図を貫通する方向に延びる帯板状の底板部21と、底板部21に直交する帯板状の側板部22とを備える断面L字状に形成されており、側板部22がボルト・ナット等の締結部材23によって各切欠部11の側面(垂直面)に取り付けられている。底板部21は、ボルト・ナット等の締結部材24よって、後述する架台の上面に取り付けることができる。
【0016】
図1および図2に示すように、振止部材30は、スプリッタ10の並列方向に沿って延びる帯板状の部材であり、各スプリッタ10の幅方向両側の上部に締結部材31により取り付けられて各スプリッタ10の振れを防止し、連結部材20による各スプリッタ10の連結を補強する。
【0017】
次に、上記の構成を備えるサイレンサ1の据付方法を、図4に示す概略工程図を参照して説明する。まず、図4(a)に示すように、複数のスプリッタ10を、両側の切欠部11,11が下部となるように一定の間隔で並列配置した後、図3に示すように、各切欠部11に連結部材20を収容して、側板部22を締結部材23により切欠部11の側面に取り付けることにより、スプリッタ10の下部を連結部材20により連結する連結ステップを行う。この連結ステップにより、図1および図2に示すサイレンサ1が構成される。連結ステップにおいては、スプリッタ10の上部同士を振止部材30で連結することで、各スプリッタ10の起立状態を確実に維持することができる。
【0018】
次に、図4(b)に示すように、連結ステップにより得られたサイレンサ1の上部に吊り下げ治具50を取り付けて、架台60の上方にサイレンサ1を吊り下げ支持する吊下ステップを行う。架台60は、空気等の流体が上下に流通する各種施設の通気口に設けられて、上面が略水平になるように配置されており、サイレンサ1は、流体がスプリッタ10間を上下方向に流れる姿勢で支持される。
【0019】
ついで、図4(c)に示すように、サイレンサ1を架台60の上面に降ろして、サイレンサ1を吊り下げ支持した状態で、図3に示す連結部材20の底板部21を締結部材24により架台60に取り付ける締結ステップを行う。この後、吊り下げ治具50を取り外すことにより、サイレンサ1を架台60の上面に据え付けたサイレンサの据付構造が得られる。
【0020】
本実施形態のサイレンサ1の据付方法によれば、架台60の上面に吊り下ろした複数のスプリッタ10を、従来のように架台60に対して個別に取り付けるのではなく、連結ステップにおいて連結部材20により予め連結した後に、締結ステップにおいて連結部材20を架台60に取り付けるように構成しているので、架台60に対するサイレンサ1の据え付けを迅速容易に行うことができる。
【0021】
すなわち、本実施形態の7個のスプリッタ10を、架台60に対して個別に確実に取り付ける場合には、1個のスプリッタ10に対して4か所で取り付ける必要があるため、7×4=28か所において締結部材24を用いた締結作業が必要になる。一方、これらのスプリッタ10を連結部材20により予め連結した場合には、連結部材20を架台60に確実に取り付けるための締結作業でよく、具体的には、図5に示すように、片側4か所(合計8か所)で締結部材24を用いた締結作業を行うだけでよい。このように、本発明によれば、施工現場での作業負荷を大きく軽減することができる。
【0022】
また、本実施形態のスプリッタ10は、幅方向の両側下部に連結部材20が収容される切欠部11が形成されているため、図6に要部側面図で示すように、サイレンサ1をスプリッタ10の幅方向に沿って複数据え付けた場合に、連結部材20同士が互いに干渉するおそれがない。したがって、幅方向に隣接するスプリッタ10,10の間に隙間が生じるのを確実に防止して、吸音性能を良好に維持することができる。
【0023】
本発明のサイレンサの据付方法および据付構造が適用される施設や設備は特に限定されないが、図7に示す蒸気復水器70が設置されたごみ焼却場80の吸気口81のように、略水平な通気口に設置された架台60の上面に多数のサイレンサ1を据え付けるのに特に適しており、サイレンサ1は流体がスプリッタ10間を上下方向(本実施形態では下方向)に流れるように架台60の上面に据え付けられる。サイレンサ1は、吸気側サイレンサに限定されず、排気側サイレンサであってもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 サイレンサ
10 スプリッタ
11 切欠部
20 連結部材
21 底板部
22 側板部
60 架台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7