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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155059
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】複合部材及び建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/273 20060101AFI20241024BHJP
   E06B 3/54 20060101ALI20241024BHJP
   E06B 3/16 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
E06B3/273
E06B3/54 B
E06B3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069453
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 純
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 岳宏
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA01
2E014BA01
2E014BA08
2E014BB01
2E014BD03
2E014BD04
2E014BD06
2E016AA03
2E016BA01
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC02
(57)【要約】
【課題】高温環境下であっても樹脂形材が変形しにくい複合部材等を提供する。
【解決手段】見込み方向に対向し溝を形成する2つの壁部のうちの一方の壁部を有する樹脂形材と、前記2つの壁部のうちの他方の壁部を有する金属形材とを有し、前記樹脂形材と前記金属形材とは、前記溝内にて互いに係合する係合部がかしめにより係止された係止部を有しており、前記溝内に、前記係止部における前記樹脂形材の変形を防止する変形防止部材を有している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
見込み方向に対向し溝を形成する2つの壁部のうちの一方の壁部を有する樹脂形材と、前記2つの壁部のうちの他方の壁部を有する金属形材とを有し、
前記樹脂形材と前記金属形材とは、前記溝内にて互いに係合する係合部がかしめにより係止された係止部を有しており、
前記溝内に、前記係止部における前記樹脂形材の変形を防止する変形防止部材を有していることを特徴とする複合部材。
【請求項2】
請求項1に記載の複合部材であって、
前記樹脂形材において前記係合部をなす樹脂係合部は、前記金属形材において前記係合部をなす金属係合部と前記変形防止部材との間に位置し当該変形防止部材と対向していることを特徴とする複合部材。
【請求項3】
請求項2に記載の複合部材であって、
前記変形防止部材は、前記樹脂係合部に当接していることを特徴とする複合部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の複合部材であって、
前記樹脂形材は、前記壁部と繋がり前記係合部よりも延出された延出部を有し、
前記壁部から前記延出部側に至る部位が中実に形成されていることを特徴とする複合部材。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の複合部材が枠組みされた枠体を有する建具であって、
前記枠体は、前記溝内に面材の周端部が収容され、
前記変形防止部材は、前記面材の移動を規制することを特徴とする建具。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載の複合部材が枠組みされた枠体を有する建具であって、
前記変形防止部材は、前記複合部材の補強材であることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂形材と金属形材とを有する複合部材及び建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂形材(樹脂框材)が有する壁部と金属形材(金属框材)が有する壁部とが見込み方向に間隔を空けて対向して溝を形成する複合部材を有する建具は知られている(例えば、特許文献1参照)。この建具の複合部材は、樹脂形材と金属形材との係合部をかしめることにより、金属形材を樹脂形材側に突出させ、突出したかしめ片が樹脂形材に喰い込むことにより樹脂形材と金属形材とがスライド不能に係止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-90983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような建具の複合部材が有する樹脂形材は、高温の環境下では熱によりかしめ部が変形し、溝を形成している樹脂形材の壁部が湾曲するように変形し、意匠性が損なわれる虞があるという課題があった。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高温環境下であっても樹脂形材が変形しにくい複合部材及び建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための主たる発明は、見込み方向に対向し溝を形成する2つの壁部のうちの一方の壁部を有する樹脂形材と、前記2つの壁部のうちの他方の壁部を有する金属形材とを有し、前記樹脂形材と前記金属形材とは、前記溝内にて互いに係合する係合部がかしめにより係止された係止部を有しており、前記溝内に、前記係止部における前記樹脂形材の変形を防止する変形防止部材を有していることを特徴とする複合部材である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高温環境下であっても樹脂形材が変形しにくい複合部材及び建具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る建具の一例を示す外観図である。
図2】本実施形態に係る建具の縦断面図である。
図3】本実施形態に係る建具に備えられた障子の下端側の部位を示す縦断図である。
図4】下框材を構成する金属框材と樹脂框材を示す縦断面図である。
図5】下框材の溝内に設けられたセッティングブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の複合部材及び建具の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態においては、面材としてのガラス板を有する障子を備えた建具を例に挙げて説明する。
【0010】
本実施形態の建具1は、例えば図1に示すような断熱性を有する建具1であり、図2に示すように、障子2と、障子2を左右方向にスライド自在に支持する窓枠3とを有している。障子2は、複層ガラス20の周端部を収容するガラス収容部をなす溝21a(図3)を備えた框体21を有し、框体21を構成する4本の框材22に、本発明に係る複合部材が用いられている。
【0011】
以下の説明においては、建具1が取り付けられている状態において、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、障子2における面外方向を見込み方向として示す。建具1の各部位であっても、また、建具1をなす各部材が単体の状態であっても、取り付けられた状態にて上下方向、左右方向、見込み方向となる方向にて方向を特定して説明する。
【0012】
框体21を構成する各框材22は、図3に示すように、いずれも、アルミニウム製の押出成形材でなる金属形材としての金属框材23と、合成樹脂製の押出成形部材でなる樹脂形材としての樹脂框材24とが接合されている。樹脂框材24は、金属框材23の室内側に配置される。以下の説明では、4本の框材22のうちの複層ガラス20の下に配置される下框材22を例に挙げて説明する。尚、下框材22においては、上側が、矩形状をなす框体21の内周側、下側が框体21の外周側となる。
【0013】
下框材22の金属框材23は、図4に示すように、長手方向に貫通する中空部23aを有し縦断面形状がほぼ矩形状をなす金属框本体部23bと、金属框本体部23bを形成し中空部23aの室外側に位置する板部(以下、室外板部という)23cが上方(框体21の内周側)に延出された室外上延出壁部23dと、室外板部23cが下方(框体21の外周側)に延出された室外下延出壁部23eと、金属框本体部23bの室内側の下端から下方(框体21の外周側)に延出された室内下延出壁部23fと、金属框材23における室内側に上下方向に互いに間隔を空けて設けられ樹脂框材24と係合する3つの金属係合部23g、23h、23iと、を有している。
【0014】
最も上に位置する金属係合部23gは、金属框本体部23bを形成し中空部23aの上側に位置してほぼ水平をなす平板部23jが室内側に延出された先端に設けられており、最も下に位置する金属係合部23iは、室内下延出壁部23fの下端に設けられており、金属係合部23hは、金属係合部23gと金属係合部23iとの間に各々間隔を空けて設けられている。
【0015】
金属係合部23gは、平板部23jから室内側に延出された係合延出部23kと、係合延出部23kの先端に設けられ上方に突出する上方突部23lと、上方突部23lの上端に設けられ室外側に突出する室外突出部23mと、を有している。係合延出部23kには、室外突出部23mの室外側の端よりも室外側に間隔を空けて上方に突出する上突片23nと、上方突部23lよりも僅かに室外側に設けられ、下方に突出する下突片23oと、を有している。また、平板部23jには、框体21を構成する縦框と接合するためのねじが螺合されるねじ螺合部23pが長手方向に沿って設けられている。
【0016】
樹脂框材24は、中空部を有しない中実の所謂ソリッド状に形成された押し出し形材である。樹脂框材24は、金属框材23と接合された複合部材としての下框材22の状態で、金属框材23の室外上延出壁部23dと見込み方向に間隔を空けて対向する室内上壁部24aと、室内上壁部24aと繋がって下方に延出された室内壁本体部24bとを有しており、樹脂框材24における室外側に上下方向に互いに間隔を空けて設けられ金属框材23と係合する3つの樹脂係合部24c、24d、24eと、を有している。
【0017】
最も上に位置する樹脂係合部24cは、金属框材23の最も上の金属係合部23gと対向する位置にて室外側に突出しており、最も下に位置する樹脂係合部24eは、室内壁本体部24bの下端に設けられており、樹脂係合部24dは、樹脂係合部24cと樹脂係合部24eとの間に各々間隔を空けた位置に室外側に突出して設けられ、それぞれ金属係合部23g、23h、23iと係合する。
【0018】
樹脂係合部24cは、室内上壁部24aから室内側に突出する樹脂突出部24fと、樹脂突出部24fの先端に設けられ下方に突出する下方突部24gと、を有し、下方突部24gの下端部には、厚みが上部よりも厚い肉厚部24hが設けられている。また、樹脂框材24には、樹脂係合部24c、24dの下に各々室外側に突出し、その先端が金属框材23に近接または当接する突起24iが設けられている。
【0019】
下框材22は、金属框材23の金属係合部23g、23h、23iと、樹脂框材24の樹脂係合部24c、24d、24eが、互いに係合されて組み合わされ、各々最も上に位置する金属係合部23gと樹脂係合部24cとの係合部22aが互いに係合された状態で、金属框材23の上突片23nがかしめられて係止されている。すなわち、係合部22aにおいてかしめられている部位が係止部22b(図5)に相当する。
【0020】
より具体的には、下框材22の最上に位置する係合部22aは、樹脂係合部24cの下方突出部24gが金属框材23の室外突出部23mと上突片23nとの間に挿入され、金属係合部23gが下方突出部24gの室内側に位置している。この状態で、室外突出部23mは、図3に示すように、樹脂突出部24fと下方突出部24gの肉厚部24hとの間に位置し、金属係合部23gと樹脂係合部24cとが係合している。
【0021】
そして、金属係合部23gと樹脂係合部24cとが係合している状態で、下方突出部24gの室外側に位置している上突片23nをかしめ工具によりかしめて塑性変形させ室内側に突出した係止片23qが樹脂係合部24cに喰い込むことにより金属框材23と樹脂框材24とがスライド不能に係止されている。
【0022】
金属框材23と樹脂框材24とが係止された下框材22は、室外上延出壁部23d、平板部23j、係合延出部23k及び係合部22aにて繋がった室内上壁部24aが、上方が開放された溝21aをなしている。下框材22の溝21aは、複層ガラス20の下端部がガスケット4と共に挿入されるガラス収容部をなしており、溝21a内には、複層ガラス20の下方への移動を規制するセッティングブロック5が設けられている。そして、セッティングブロック5の上に複層ガラス20が載置される。
【0023】
セッティングブロック5は、外形形状がほぼ直方体状をなし、見込み方向の幅が溝21aの室外上延出壁部23dと室内上壁部24aとの間隔より僅かに狭く形成されている。セッティングブロック5の平板部23jに当接される下面5a側には、平板部23jに設けられているねじ螺合部23pとの干渉を避けるために上方に窪ませた第1凹部5bと、係合部22a、係止部22bとの干渉を避けるための第2凹部5cとを有している。このため、セッティングブロック5の室内側の上部には、室内側に突出する突出板部5dが設けられている。
【0024】
セッティングブロック5は、図5に示すように、下框材22の長手方向に間隔を空けて2箇所に設けられ、金属框材23に設けられた嵌合穴23rに嵌合部5eが嵌合されて平板部23j上に固定されている。平板部23j上に固定されたセッティングブロック5は、突出板部5dの下面5fが、係合部22aの樹脂突出部24fの上に位置しており、突出板部5dの下面5fと樹脂突出部24fとは、上下方向において近接して対向する、或いは、当接している。
【0025】
下框材22の長手方向に間隔を空けて設けられる2つのセッティングブロック5のうちの一方は、係止片23qが樹脂係合部24cに喰い込んでいる係止部22bの上に突出板部5dが位置するように配置されている。
セッティングブロック5の上には、ガスケット4が装着された複層ガラス20が溝21aの上方から挿入されて載置されている。
【0026】
本実施形態の下框材22及び建具1によれば、金属框材23と樹脂框材24とが溝21a内に設けられているセッティングブロック5の突出板部5dの下面5fが、係止部22bの樹脂突出部24fの上に位置しており、突出板部5dの下面5fと樹脂突出部24fとが、上下方向において近接して対向する、或いは、当接しているので、熱などにより樹脂突出部24fが上方に持ち上がるように変形することを防止することが可能となる。すなわち、セッティングブロック5が、溝内に設けられて、係止部における樹脂形材の変形を防止する変形防止部材に相当する。
【0027】
また、突出板部5dの下面5fと樹脂突出部24fとが当接している場合には、突出板部5dの下面5fと樹脂突出部24fとの間で生じる摩擦によっても樹脂突出部24fが見込み方向に移動するような変形をも抑制することが可能となる。また、たとえ高温環境下にいても、熱による係止部22bの変形が抑制され、溝21aを形成している樹脂框材24の室内上壁部24aの変形が抑制されるので、意匠性が損なわれることを防止することが可能となる。
【0028】
また、樹脂框材24の変形を、複層ガラス20が載置されて重量が作用しているセッティングブロック5により防止するので、たとえ樹脂突出部24fが上方に持ち上がる、或いは、樹脂突出部24fが見込み方向に移動しようとする場合であっても、セッティングブロック5に作用する複層ガラス20の重量により、より確実に樹脂框材24の変形を防止することが可能となる。
【0029】
また、セッティングブロック5により樹脂突出部24fの変形をも抑制するので、複層ガラス20の重量を利用することが可能となり、樹脂突出部24fの変形を防止する部材、及び、この部材の移動を規制する部材を別途設ける必要がない。このため、部材の点数を低減しコストを抑えることが可能となる。
【0030】
また、本実施形態の樹脂框材24は、室内上壁部24aから室内壁本体部24b側に至る部位を中実に形成しているので、樹脂框材24を小さくしつつも、セッティングブロック5の突出板部5dの下面5fと樹脂突出部24fとを上下方向に近接または当接させることにより樹脂係合部24cの変形を防止することが可能となる。
【0031】
上記実施形態においては、セッティングブロック5により樹脂突出部24fの変形を防止する例について説明したがこれに限るものではない。たとえば、図2において上框材22をなす複合部材が備える溝21a内に設けられ、上框材22に固定されて補強するための補強部材6など、変形防止部材は、係止部と近接して対向する、或いは、当接して係止部の変形を防止することが可能な部材であれば構わない。
【0032】
上記実施形態においては、下框材を例に挙げて説明したが、これに限るものではない。例えば、見込み方向に対向し溝を形成する2つの壁部のうちの一方の壁部を有する樹脂形材と、2つの壁部のうちの他方の壁部を有する金属形材とを有する複合部材であれば、上框及び左右の縦框であっても、また、障子の周端部が収容される窓枠を構成する、上枠、下枠及び左右の縦枠であっても構わない。
【0033】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0034】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
態様1:見込み方向に対向し溝を形成する2つの壁部のうちの一方の壁部を有する樹脂形材と、前記2つの壁部のうちの他方の壁部を有する金属形材とを有し、前記樹脂形材と前記金属形材とは、前記溝内にて互いに係合する係合部がかしめにより係止された係止部を有しており、前記溝内に、前記係止部における前記樹脂形材の変形を防止する変形防止部材を有していることを特徴とする複合部材である。
【0035】
態様1の複合部材によれば、樹脂形材と金属形材とが、溝内にてかしめにより係止されている係止部における樹脂形材の変形を防止する変形防止部材が溝内に設けられているので、係止部における樹脂形材の変形を防止することが可能である。このため、例え高温環境下にいても、熱によるかしめ部の変形が抑制され、溝を形成している樹脂形材の壁部の変形が抑制されるので、意匠性が損なわれることを防止することが可能となる。
【0036】
態様2:態様1に記載の複合部材であって、前記樹脂形材において前記係合部をなす樹脂係合部は、前記金属形材において前記係合部をなす金属係合部と前記変形防止部材との間に位置し当該変形防止部材と対向していることを特徴とする。
【0037】
態様2の複合部材によれば、樹脂係合部は、金属係合部と変形防止部材との間に位置し当該変形防止部材と対向しているので、樹脂係合部が金属係合部から離れる方向に変形しても、対向している変形防止部材により変形が抑制される。このため、より確実に樹脂形材の変形を防止することが可能となる。
【0038】
態様3:態様1または態様2に記載の複合部材であって、前記変形防止部材は、前記樹脂係合部に当接していることを特徴とする。
【0039】
態様3の複合部材によれば、変形防止部材は、樹脂係合部に当接しているので、樹脂係合部は金属係合部から離れる方向に変形しない。このため、さらに確実に樹脂形材の変形を防止することが可能となる。
【0040】
態様4:態様1乃至態様3のいずれかに記載の複合部材であって、前記樹脂形材は、前記壁部と繋がり前記係合部よりも延出された延出部を有し、前記壁部から前記延出部側に至る部位が中実に形成されていることを特徴とする。
【0041】
樹脂形材の壁部から延出部側に至る部位が中実に形成されている場合には、中空部を有する場合よりも、樹脂形材を小さくすることができる一方で剛性が低く変形しやすい。態様4の複合部材は、壁部から延出部側に至る部位が中実に形成されていても、変形防止部材により樹脂係合部の変形を防止しているので、樹脂形材を小さくしつつも熱による変形を防止することが可能となる。
【0042】
態様5:態様1乃至態様3のいずれかに記載の複合部材が枠組みされた枠体を有する建具であって、前記枠体は、前記溝内に面材の周端部が収容され、前記変形防止部材は、前記面材の移動を規制することを特徴とする。
【0043】
態様5の建具によれば、面材の移動を規制する変形防止部材は、面材の移動を規制するだけの抗力を有しているので、係止部における樹脂形材の変形をより確実に防止することが可能である。そして、変形防止部材が面材の移動を規制することにより、面材の移動を規制する部材を別途設ける必要がない。このため、部材の点数を低減しコストを抑えることが可能となる。
【0044】
態様6:態様1乃至態様3のいずれかに記載の建具であって、前記変形防止部材は、前記複合部材の補強材であることを特徴とする。
【0045】
態様5の建具によれば、複合部材を補強する補強部材を変形防止部材として用いることにより、部材の点数を低減しコストを抑えることが可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 建具、3 窓枠、5 セッティングブロック(変形防止部材)、
6 補強材、20 複層ガラス、21 框体(枠体)、21a 溝(ガラス収容部)、
22 框材(複合部材)、22a 係合部、22b 係止部、
23 金属框材(金属形材)、23d 室外上延出壁部、23g 金属係合部、
24 樹脂框材(樹脂形材)、24a 室内上壁部、24b 室内壁本体部、
24c 樹脂係合部、
図1
図2
図3
図4
図5