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特開2024-155098血液成分検出装置及び血液成分検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155098
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】血液成分検出装置及び血液成分検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61B5/1455
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069523
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】磯部 直希
(72)【発明者】
【氏名】上野 洋
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK04
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX02
(57)【要約】
【課題】血液成分の検出を精度良く検出可能な血液成分検出装置及び血液成分検出プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】制御部が、脈拍検出用LED16及び脈拍検出用センサ18を駆動させて、脈拍検出用センサ18の検出結果から脈拍を検出することによって、血流の疎密を検出する。そして、流量が大きい密部34のタイミングで血液成分検出用LED22及び血液成分検出用センサ24により血液成分を検出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血流の疎密を検出するための情報を検出する疎密検出部と、
血液成分を検出するための情報を検出する成分検出部と、
前記疎密検出部の検出結果に基づいて、前記血流が密のタイミングで前記血液成分を検出するように前記成分検出部の検出タイミングを制御する制御部と、
を含む血液成分検出装置。
【請求項2】
前記疎密検出部は、前記疎密を検出する波長の光を照射する第1照射部と、前記第1照射部から照射され生体組織で反射された光を受光する第1受光部と、を備え、前記成分検出部は、前記血液成分を検出する波長の光を照射する第2照射部と、前記第2照射部から照射され生体組織で反射された光を受光する第2受光部と、を備えた請求項1に記載の血液成分検出装置。
【請求項3】
前記第1受光部と前記第2受光部は、同一の受光部である請求項2に記載の血液成分検出装置。
【請求項4】
前記疎密検出部と、前記成分検出部とを隣り合う位置、又は隣接する位置に配置した請求項1に記載の血液成分検出装置。
【請求項5】
コンピュータに、
血流の疎密を検出し、
前記疎密の検出結果に基づいて、前記血流が密のタイミングで血液成分を検出する処理を実行させるための血液成分検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液成分検出装置及び血液成分検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、個人認証のために検出部位を撮影するカメラと、ドライバの飲酒状態の検出のために検出部位の脈波信号を検出する受光素子とが、1つの筐体の中に収められ、筐体に検出部位が近づけられたときに、カメラによる個人認証および受光素子による飲酒状態の検出が実行されるエンジン始動制御装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-36799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
脈動により血管内の血流量に疎密が発生するため、血中アルコール濃度などの血液成分を検出しようとした場合、検出タイミングによって血流量が少なく検出が難しいタイミングに当たってしまう可能性がある。血液成分の検出を精度良く検出するためには改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、血液成分の検出を精度良く検出可能な血液成分検出装置及び血液成分検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために第1の態様に係る血液成分検出装置は、血流の疎密を検出するための情報を検出する疎密検出部と、血液成分を検出するための情報を検出する成分検出部と、前記疎密検出部の検出結果に基づいて、前記血流が密のタイミングで前記血液成分を検出するように前記成分検出部の検出タイミングを制御する制御部と、を含む。
【0007】
第1の態様によれば、疎密検出部では、血流の疎密を検出するための情報が検出され、成分検出部では、血液成分を検出するための情報が検出される。
【0008】
そして、制御部では、疎密検出部の検出結果に基づいて、血流が密のタイミングで血液成分を検出するように成分検出部の検出タイミングが制御される。これにより、血流が疎のタイミングで血液成分を検出する場合よりも精度良く血液成分を検出できる。
【0009】
第2の態様に係る血液成分検出装置は、第1態様に係る血液成分検出装置において、前記疎密検出部は、前記疎密を検出する波長の光を照射する第1照射部と、前記第1照射部から照射され生体組織で反射された光を受光する第1受光部と、を備え、前記成分検出部は、前記血液成分を検出する波長の光を照射する第2照射部と、前記第2照射部から照射され生体組織で反射された光を受光する第2受光部と、を備える。
【0010】
第2の態様によれば、第1照射部から検出部位に照射された光を、第1受光部で受光することにより、脈拍を検出して血流の疎密を検出できる。また、第2照射部から検出部位に照射された光を、第2受光部で受光することにより、血液成分を検出できる。
【0011】
第3態様に係る血液成分検出装置は、第2態様に係る血液成分検出装置において、前記第1受光部と前記第2受光部は、同一の受光部である。
【0012】
第3態様によれば、特定の成分を検出する場合に装置の小型化及び低コスト化が可能となる。
【0013】
第4態様に係る血液成分検出装置は、第1態様~第3態様の何れか1の態様に係る血液成分検出装置において、前記疎密検出部と、前記成分検出部とを隣り合う位置、又は隣接する位置に配置する。
【0014】
第4態様によれば、疎密検出部と成分検出部を隣り合う位置、又は隣接する位置に配置することにより、装置の小型化が可能となり、かつそれぞれの同じ位置を検出することができる。同じ位置を検出することで、密のタイミングで血液成分の検出が可能となる。
【0015】
第5態様に係る血液成分検出プログラムは、コンピュータに、血流の疎密を検出し、前記疎密の検出結果に基づいて、前記血流が密のタイミングで血液成分を検出する処理を実行させる。
【0016】
第5態様によれば、血流が疎のタイミングで血液成分を検出する場合よりも精度良く血液成分を検出できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、血液成分の検出を精度良く検出可能な血液成分検出装置及び血液成分検出プログラムを提供できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る血液成分検出装置の概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る血液成分検出装置の疎密検出部及び成分検出部の配置例を示す図である。
図3】本実施形態に係る血液成分検出装置の制御部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】本実施形態に係る血液成分検出装置の制御部で行われる変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】脈拍検出用LEDと血液成分検出用LEDの2つのLEDと、脈拍検出用センサの1つのセンサとして脈拍検出用センサで血液成分検出用LEDの光も検出するようにした例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る血液成分検出装置の概略構成を示す図である。
【0020】
本実施形態に係る血液成分検出装置10は、図1に示すように、制御部12、疎密検出部14、及び成分検出部20を備え、制御部12に疎密検出部14及び成分検出部20が接続されている。
【0021】
疎密検出部14は、第1照射部の一例としての脈拍検出用LED(Light Emitting Diode)16及び第1受光部の一例としての脈拍検出用センサ18を備えて、検出部位の血流の疎密を検出するための情報を検出する。なお、本実施形態では、検出部位として指先を適用するが、指先以外の部位を検出部位としてもよい。
【0022】
脈拍検出用LED16は、脈拍を検出する予め定めた波長の光を検出部位に照射する。すなわち、表皮、真皮、及び皮下組織等の皮膚及び血管を含む生体組織を透過して、脈拍を検出するための波長の光を検出部位に照射する。脈拍検出用LED16は、例えば、赤色や緑色の波長の可視光を照射する。
【0023】
脈拍検出用センサ18は、脈拍検出用LED16から照射されて生体組織で反射された光を受光する。脈拍検出用センサ18の検出結果は、血流の脈動によって変動するため、脈拍検出用センサ18の検出結果から脈拍を検出することができる。また、脈拍から血流の疎密を検出できる。
【0024】
成分検出部20は、第2照射部の一例としての血液成分検出用LED22及び第2受光部の一例としての血液成分検出用センサ24を備えて、検出部位を流れる血液の予め定めた成分を検出するための情報を検出する。
【0025】
血液成分検出用LED22は、予め定めた血液成分を検出する予め定めた波長の光を検出部位に照射する。すなわち、表皮、真皮、及び皮下組織等の皮膚及び血管を含む生体組織を透過して、血管内を流れる血液中の予め定めた成分を検出するための波長の光を検出部位に照射する。本実施形態では、例えば、検出対象の成分としてアルコールを検出する。検出対象の成分としては、酸素等の他の成分を検出対象としてもよい。他の成分を検出する場合には、照射する光の波長を検出対象の成分に合わせた波長の光を照射する。
【0026】
血液成分検出用センサ24は、血液成分検出用LED16から照射されて生体組織で反射された光を受光する。検出部位に照射された光は、検出部位の内部の血管を流れる血液の成分(例えば、ヘモグロビン、血中アルコール、血中アルコール濃度の変化に応じて変化する成分等)に吸収され、残りが生体組織で反射され、血液成分検出用センサ24に受光する。血液成分によって吸収される吸光度が変化するので、吸光度の変化から血液成分を検出することができる。
【0027】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、及びフラッシュメモリ等のメモリ12Dを含むコンピュータで構成されている。ROM12Bには、血液成分検出プログラム等のプログラムが記憶される。そして、CPU12Aは、メモリ12Dに予め記憶されたプログラムを実行することにより、疎密検出部14及び成分検出部20を制御して血液成分を検出する処理を実行する。
【0028】
図2は、本実施形態に係る血液成分検出装置10の疎密検出部14及び成分検出部20の配置例を示す図である。
【0029】
本実施形態では、図2に示すように、疎密検出部14と成分検出部20が隣り合う位置、または隣接する位置に配置されている。具体的には、図2に示すように、脈拍検出用LED16、脈拍検出用センサ18、血液成分検出用センサ24、血液成分検出用LED22の順に、それぞれ隣り合う位置、または隣接する位置に配置されている。また、疎密検出部14と成分検出部20は、図2に示すように、同じ位置に照射した光を受光するように配置されている。なお、本実施形態では、疎密検出部14と成分検出部20を隣り合う位置、または隣接する位置に配置する例を説明するが、それぞれ別の位置に設けてもよい。ただし、別の位置に設ける場合も検出位置は同一位置を検出するものとする。また、配置順については、図2の配置順に限定されるものではない。
【0030】
ところで、血液成分を検出する場合、脈動により血管32内の血流量に疎密が発生するため、光を照射して血液成分を非接触かつ非侵襲で測定しようとした場合、光を照射するタイミングによって血流量が少なく検出が難しいタイミングに当たってしまう可能性がある。例えば、図2に示すように、血管32内の血流に疎部36と、密部34とが発生し、疎部36では、密部34に比べて、検出対象の血液成分が少ないため、密部34のタイミングで血液成分を検出する方が好ましい。
【0031】
そこで、制御部12は、脈拍検出用LED16及び脈拍検出用センサ18を駆動させて、脈拍検出用センサ18の検出結果から脈拍を検出することによって、血流の疎密を検出する。そして、制御部12は、血流量が大きい密部34のタイミングで血液成分を検出するように血液成分検出用LED22及び血液成分検出用センサ24による血液成分の検出タイミングを制御する。これによって血管32内に血液が多いタイミングを狙って血液成分を測定することができる。光が皮膚30を透過するタイミングで光が減衰するため、血液量が多いタイミングで測定することにより、血液成分を検出し易くすることができる。
【0032】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る血液成分検出装置10の制御部12で行われる血液成分を検出する具体的な処理について説明する。図3は、本実施形態に係る血液成分検出装置10の制御部12で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3の処理は、例えば、図示しないスイッチ等によって血液成分の検出開始が指示され、血液成分検出装置10に指がかざされた場合に開始する。
【0033】
ステップ100では、CPU12Aが、脈拍検出用LED16及び血液成分検出用LED22を駆動してステップ102へ移行する。すなわち、脈拍検出用LED16から指に対して脈拍を検出する予め定めた波長の光が照射され、血液成分検出用LED22から指に対して予め定めた血液成分を検出する波長の光が照射される。
【0034】
ステップ102では、CPU12Aが、脈拍検出用センサ18及び血液成分検出用センサ24を駆動してステップ104へ移行する。すなわち、脈拍検出用センサ18は、脈拍検出用LED16から照射され、血管32で反射された光を受光する。一方、血液成分検出用センサ24は、血液成分検出用LED22から照射され、血管32で反射された光を受光する。
【0035】
ステップ104では、CPU12Aが、脈拍を検出し、血流の疎密を検出してステップ106へ移行する。例えば、脈拍検出用LED16から照射されて脈拍検出用センサ18で受光する光は、皮膚30や血管32によって吸収されると共に、血管32の収縮により吸光度が変化するので、吸光度の変化から脈拍を検出する。
【0036】
ステップ106では、CPU12Aが、血液成分検出用センサ24の検出結果から血流の密部34に対応する検出結果を抽出してステップ108へ移行する。すなわち、血流が多いタイミングの血液成分検出用センサ24の検出結果を抽出する。
【0037】
ステップ108では、CPU12Aが、密部34のタイミングの抽出結果に基づいて血液成分を検出してステップ110へ移行する。例えば、予め定めた波長領域に予め定めた成分固有の吸収波長が存在し、発光量に対する受光量の比を求める等によって予め定めた波長の光の吸光度を求めることで予め定めた成分を検出できる。予め定めた成分がアルコールの場合には、近赤外領域にアルコール分固有の吸収波長が存在し、発光量に対する受光量の比を求める等により吸光度を求めることでアルコール成分量が分かるので、アルコール成分を検出することができる。
【0038】
ステップ110では、CPU12Aが、処理を終了するか否かを判定する。該判定は、例えば、図示しないスイッチ等によって終了指示が行われたか否か、或いは、脈拍検出用センサ18や血液成分検出用センサ24の検出結果から指が未検出と判定されたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ104に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合には一連の血液成分を検出する処理を終了する。
【0039】
このように、本実施形態に係る血液成分検出装置10では、血液成分を検出する際に、脈拍を検出することにより、血流が密部34となるタイミングを検出し、血流の密部34となるタイミングの成分検出部20の検出結果を用いて血液成分を検出するので、血流が疎部36となるタイミングで血液成分を検出する場合よりも精度良く血液成分を検出できる。
【0040】
また、本実施形態では、疎密検出部14と成分検出部20を隣り合う位置、又は隣接する位置に配置することにより、装置の小型化が可能となり、かつそれぞれの同じ位置を検出することができる。同じ位置を検出することで、密のタイミングで血液成分の検出が可能となる。
【0041】
続いて、本実施形態に係る血液成分検出装置10の制御部12で行われる血液成分を検出する処理の変形例について説明する。
【0042】
変形例では、密のタイミングを予測して密のタイミングで成分検出部20を駆動するように制御するようにしたものである。図4は、本実施形態に係る血液成分検出装置10の制御部12で行われる変形例の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図4の処理は、例えば、図示しないスイッチ等によって血液成分の検出開始が指示され、血液成分検出装置10に指がかざされた場合に開始する。また、図3と同一処理については同一符号を付して説明する。
【0043】
ステップ101では、CPU12Aが、脈拍検出用LED16及び脈拍検出用センサ18を駆動してステップ104へ移行する。すなわち、脈拍検出用LED16から指に対して脈拍を検出する予め定めた波長の光が照射され、脈拍検出用センサ18による脈拍の検出を開始する。
【0044】
ステップ104では、CPU12Aが、脈拍を検出し、血流の疎密を検出してステップ105へ移行する。例えば、脈拍検出用LED16から照射されて脈拍検出用センサ18で受光する光は、皮膚30や血管32によって吸収されると共に、血管32の収縮により吸光度が変化するので、吸光度の変化から脈拍を検出する。
【0045】
ステップ105では、CPU12Aが、血流の密部34のタイミングを予測してステップ107へ移行する。例えば、血流の疎部36と密部34の間隔の平均値等を算出することにより、密部34となるタイミングを予測する。
【0046】
ステップ107では、CPU12Aが、予測した密部34のタイミングに合わせて血液成分検出用LED22及び血液成分検出用センサ24を駆動してステップ109へ移行する。
【0047】
ステップ109では、CPU12Aが、血液成分検出用センサ24の検出結果に基づいて血液成分を検出してステップ110へ移行する。例えば、予め定めた波長領域に予め定めた成分固有の吸収波長が存在し、発光量に対する受光量の比を求める等によって予め定めた波長の光の吸光度を求めることで予め定めた成分を検出できる。予め定めた成分がアルコールの場合には、近赤外領域にアルコール分固有の吸収波長が存在し、発光量に対する受光量の比を求める等により吸光度を求めることでアルコール成分量が分かるので、アルコール成分を検出することができる。
【0048】
ステップ110では、CPU12Aが、処理を終了するか否かを判定する。該判定は、例えば、図示しないスイッチ等によって終了指示が行われたか否か、或いは、脈拍検出用センサ18や血液成分検出用センサ24の検出結果から指が未検出と判定されたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ104に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合には一連の血液成分を検出する処理を終了する。
【0049】
このように、変形例では、血液成分を検出する際に、脈拍を検出して血流が密部34となるタイミングを予測し、予測した血流の密部34となるタイミングで成分検出部20の検出を行って血液成分を検出するので、血流が疎部36となるタイミングで血液成分を検出する場合よりも精度良く血液成分を検出できる。
【0050】
なお、上記の実施形態では、成分検出部20を1つの例を説明したが、成分検出部20は検出する成分数に応じて複数備えてもよい。
【0051】
また、上記の実施形態では、脈拍検出用LED16、脈拍検出用センサ18、血液成分検出用LED22、及び血液成分検出用センサ24の2つのLEDと2つのセンサを備える例を説明したが、これに限るものではない。例えば、検出対象の血液成分を検出するための光の波長が、脈拍検出用センサ18で検出可能な波長の場合には、図5に示すように、脈拍検出用LED16と血液成分検出用LED22の2つのLEDと、脈拍検出用センサ18の1つのセンサとして脈拍検出用センサ18で血液成分検出用LED22の光も検出するようにしてもよい。この場合には、疎密検出部14は上記実施形態同様に脈拍検出用LED16と脈拍検出用センサ18で構成され、成分検出部20は血液成分検出用LED22と脈拍検出用センサ18で構成され、同一センサを疎密検出部14と成分検出部20とで共有することになる。
【0052】
また、上記の実施形態では、脈拍検出用LED16と脈拍検出用センサ18によって脈拍を検出したが、脈拍の検出は他の方法で検出してもよい。例えば、成分検出部20の検出位置と同位置に超音波を照射し、血管32の脈動による血管32までの距離変化を超音波で検出することにより脈拍を検出して血流の疎密を検出してもよい。
【0053】
また、上記の各実施形態における制御部12で行われる処理は、プログラムを実行することにより行われるソフトウエア処理として説明したが、これに限るものではない。例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウエアで行う処理としてもよい。或いは、ソフトウエア及びハードウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。また、ソフトウエアの処理とした場合には、プログラムを各種記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0054】
さらに、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
10・・・血液成分検出装置、12・・・制御部、14・・・疎密検出部、16・・・脈拍検出用LED、18・・・脈拍検出用センサ、20・・・成分検出部、22・・・血液成分検出用LED、24・・・血液成分検出用センサ、32・・・血管、34・・・密部、36・・・疎部
図1
図2
図3
図4
図5