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特開2024-155099情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155099
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q30/0207 346
G06Q30/0207 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069524
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 ▲隆▼顕
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】配送業者による新規なプロモーションを提供すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、所定の決済業者を介して行った利用者による決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果に応じて、利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブを決定する決定部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の決済業者を介して行った利用者による決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に応じて、前記利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブを決定する決定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記利用者の端末装置を用いて行われる前記決済の履歴が前記所定の条件を満たすか否かを判定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、
前記決済の履歴が前記所定の条件を満たすと判定された前記利用者に対して前記配送料金を値下げすること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記利用者が前記所定の決済業者を利用して前記電子商店街で商品を購入し、かつ、所定の配送業者を選択した場合に、前記配送料金を値下げすること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記利用者によるオンライン店舗およびオフライン店舗それぞれで行った前記決済の履歴に基づいて判定を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記決済の履歴に含まれる発送業者の利用履歴に応じて判定を行うこと
を特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記利用者が商品を受け取る際に利用した配送業者の利用履歴に応じて判定を行うこと
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定部は、
前記利用者が商品を発送する際に利用した配送業者の利用履歴に応じて判定を行うこと
を特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記インセンティブは、
配送業者が原資を負担すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記判定部は、
前記利用者による決済の履歴が配送業者によって指定された達成条件を満たすか否かを判定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定の決済業者を介して行った利用者による決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程による判定結果に応じて、前記利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブを決定する決定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
所定の決済業者を介して行った利用者による決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順による判定結果に応じて、前記利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブを決定する決定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子商店街のプロモーションとして、利用者に対して割引等を行うことが広く普及している。かかる分野では、電子商取引を利用する利用者の購買行動等に応じてインセンティブが付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-177262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、電子商取引における利用者の購買行動を促進することを目的としているものの、配送業者によるプロモーションについては考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、配送業者による新規なプロモーションを提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、所定の決済業者を介して行った利用者による決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に応じて、前記利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブを決定する決定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配送業者による新規なプロモーションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る利用者情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る商品情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るインセンティブ情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る決済履歴の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るインセンティブの適用画面の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る決定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、実施形態に係る情報処理は、図1に示す情報処理装置1によって実現される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、各種ECサイトを運営する情報処理装置である。各種ECサイトは、ネットショッピング、ネットオークション、フリーマーケット等を含む。
【0012】
情報処理装置1は、ECサイトを通じて、商品を利用者に対して販売する。なお、情報処理装置1は、例えば、クラウドシステムやサーバによって実現される。
【0013】
また、情報処理装置1は、決済サーバ50と連携し、利用者に対して各種サービスを提供する。例えば、情報処理装置1は、決済サーバ50によって提供される電子マネー取引を用いたECサイトの決済を行うことができる。
【0014】
決済サーバ50は、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ50は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、決済サーバ50は、取引対象の提供者(事業者)や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0015】
また、決済サーバ50は、電子決済サービスにおいて利用者に付与され、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンに関するクーポン情報(例えば、クーポンの適用対象である取引対象(商品)を識別する識別情報(取引対象識別情報)、クーポンにより利用者に付与される利益の内容(所定の金額のキャッシュバック等)、利用者がクーポンを獲得するための獲得条件等)を、クーポンの提供者(言い換えると、クーポンの企画、設定等を行い、クーポンの原資を出資(提供)する者)から受け付け、自装置の記憶部で管理する。例えば、決済サーバ50は、取引対象識別情報として、取引対象に添付されるバーコード(JANコードや、インストアコード等のバーコード)が示す情報を管理する。
【0016】
利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、情報処理装置1や決済サーバ50によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。
【0017】
〔利用者端末100を用いた決済について〕
ここで、実施形態に係る情報処理の説明に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、店舗に配置(もしくは表示)された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗を識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者が利用者端末100を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0018】
例えば、利用者が店舗にて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者、利用者端末100に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者は、決済アプリを介して、店舗に設置(または表示)された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末100は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者或いは店舗の店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末100は、利用者を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗(若しくは店舗の事業者)を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ50へと送信する。
【0019】
このような場合、決済サーバ50は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、店舗識別情報が示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ50は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100へと送信する。このような場合、利用者端末100は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。ここで、決済サーバ50は、店舗の口座へ電子マネーを移行させる際、若しくは、所定のタイミングで、所定の手数料(管理手数料等)を店舗の口座から減算してもよい。
【0020】
より詳細な例を説明する。例えば、店舗に設置(または表示)された店舗識別情報は、店舗ごとに設定されるURLであって、店舗が属するグループを示すグループ識別情報と、そのグループにおいて店舗を識別するグループ店舗識別情報とに紐づけ、決済サーバ50が参照可能に管理されている。なお、店舗識別情報となるURLは、決済サーバ50にアクセスするためのURLとなる。利用者端末100は、店舗識別情報を撮影すると、撮影した店舗識別情報が示すURLにアクセスし、利用者識別情報を送信する。このような場合、決済サーバ50は、アクセスされたURLと対応するグループ識別情報を特定し、特定したグループ識別情報と紐づけられた電子マネーの口座(「ウォレット」と表示する場合がある)を特定する。続いて、決済サーバ50は、利用者端末100に対して金額入力画面を表示させ、金額を入力させる。そして、決済サーバ50は、利用者端末100から受けつけた利用者識別情報と紐づけられたウォレットから、グループ識別情報を特定し、特定したグループ識別情報と紐づけられたウォレットに対して、入力された金額の電子マネーを移動させる。なお、決済サーバ50は、グループ識別情報およびグループ店舗識別情報に紐づけられるウォレットに電子マネーを移動させてもよい。
【0021】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述の例に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、店舗端末(不図示)を用いたものであってもよい。例えば、利用者端末100は、利用者を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗端末は、利用者端末100に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗を識別する情報とを含んだ決済に関する情報を決済サーバ50へと送信する。このような場合、決済サーバ50は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗の店舗端末或いは利用者端末100に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0022】
より詳細には、利用者端末100は、利用者識別情報とともに決済サーバ50に対して支払いリクエストを送信する。このような場合、決済サーバ50は、ワンタイムコードを生成し、生成したワンタイムコードと利用者識別情報とを紐づけるとともに、ワンタイムコードを利用者端末100に送信する。すると、利用者端末100は、画面上にワンタイムコード(すなわち、利用者を識別する情報)を表示する。このような場合、店舗端末は、利用者端末100に表示されたワンタイムコードを読み取ると、読み取ったワンタイムコードと、グループ識別情報、グループ店舗識別情報および決済金額を決済サーバ50に送信する。すると、決済サーバ50は、ワンタイムコードに紐づけられた利用者識別情報に紐づくウォレットから、グループ識別情報およびグループ店舗識別情報とに紐づけられるウォレットに決済金額分の電子マネーを移動させる。
【0023】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者が予め電子マネーをチャージした口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末100は、店舗の口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者のクレジットカードの運用会社(カード会社)に対し、決済金額を請求してもよい。
【0024】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者の口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、決済サーバ50が、利用者の口座から決済金額分の電子マネーを引き出し、決済金額から所定の手数料(管理手数料等)を減算した額の現金を店舗の銀行口座に入金する処理が行われてもよい。このような場合、例えば、決済サーバ50は、各利用者から店舗に対する決済金額を、店舗の売上情報として管理し、所定のタイミングで、売上情報に基づき、店舗の銀行口座に、売り上げ(売上情報が示す決済金額の合計額)から所定の手数料を減算した額の現金を入金する。
【0025】
なお、決済サーバ50は、決済の際に利用されたクーポンの原資が店舗の負担するものである場合、店舗の銀行口座に現金を入金する際、若しくは、店舗の口座に電子マネーを移行する際等に、決済金額から負担分の現金を減算して銀行口座に入金、若しくは、決済金額から担分の電子マネーを減算して店舗の口座に移行させる処理を実行してもよい。
【0026】
なお、クーポンの原資は、店舗ではなく、決済対象の提供者(例えば、商品のメーカ)が負担する場合がある。その場合、決済サーバ50は、上記の減算する処理を行わない。
【0027】
なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。例えば、上述したように、決済手段や決済サービスは、複数のユーザが有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、ユーザや店舗等、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、決済サーバ50は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0028】
〔情報処理の概要について〕
ところで、ECサイトにおけるプロモーションとして、利用者ごとに価格を設定するダイナミックプライシングがある。現状、これらの施策は、ECサイト等のオンラインに限定されており、オンラインとオフラインを融合したマーケティング施策は1つの課題として挙げられる。
【0029】
特に、近年では、たとえば、フリマサイト等を利用したCtoC市場の拡大により、利用者が配送業者を選択し、活用するシーンが増加している。このため、配送業者による利用者の囲い込みのニーズが今後増加することが想定される。
【0030】
一方で、配送業者は、利用者による利用履歴を集約することは困難であり、たとえば、自社のサービスをよく利用する優良な顧客に対して独自にプロモーションを行うことは困難である。
【0031】
このような背景の基、実施形態に係る情報処理は、決済プラットフォーマーである決済サーバ50と連携し、配送業者による新たなマーケティングを提案する。上述のように、決済サーバ50には、利用者が利用者端末100を用いた決済履歴が蓄積され、情報処理装置1は、かかる決済履歴を活用して、配送業者によるプロモーションを展開する。
【0032】
具体的には、決済サーバ50には、オンラインで行われた決済およびオフラインで行われた決済それぞれの履歴が格納される。また、将来的には、決済サーバ50には、各決済の詳細情報が格納されることが想定される。詳細情報は、オンラインで購入した商品の受け取り時に利用した配送業者や、オンラインで商品を販売した際に利用した配送業者に関する情報、オフラインで商品(荷物)を配送する際に利用した配送業者に関する情報および支払った送料等に関する情報を含む。
【0033】
より具体的には、決済サーバ50には、利用者がオンラインで商品を購入し、商品の受け取り時に利用した配送業者や、利用者がオンラインで商品を販売した際に、商品の配送時に利用した配送業者、さらに、オフラインで利用した配送業者に関する情報(すなわち、オフラインで荷物を送った情報)が蓄積されることが想定される。
【0034】
つまり、これらの詳細情報に基づき、オンラインおよびオフラインの双方で、利用者が各配送業者を利用した日時、支払った送料等を把握することができる。そのため、配送業者は、自社のサービスについて利用頻度の高い利用者や新規利用者など、ターゲットとする利用者毎に独自のプロモーションを展開することができる。なお、図1では、説明を簡単にするため、ひとつの配送業者を示しているが、配送業者は複数含まれる。
【0035】
図1に示すように、情報処理装置1は、まず、配送業者からインセンティブ情報の登録を受け付ける(ステップS1)。インセンティブ情報は、インセンティブを付与するための達成条件、インセンティブの内容、ターゲティング条件に関する情報を含む。達成条件は、例えば、利用回数、支払金額等に関する条件を含む。なお、利用回数に関する達成条件は、例えば、1回あたりの利用で1つのスタンプが付与されるスタンプカード方式であってもよく、1カ月ごとの利用回数を規定するものであってもよい。
【0036】
情報処理装置1は、配送業者によって登録されたインセンティブ情報を内部の記憶部に格納する。つづいて、情報処理装置1は、決済サーバ50に対し、各利用者の決済履歴を問い合わせ(ステップS2)、決済サーバ50から各利用者の決済履歴を取得する(ステップS3)。
【0037】
つづいて、情報処理装置1は、各利用者の決済履歴がインセンティブ情報として登録された達成条件を満たすか否かの判定処理を実行する(ステップS4)。すなわち、情報処理装置1は、決済履歴に基づき、各利用者による各配送業者の利用回数や、各利用者に対して支払った送料の総額等を算出し、これらが配送業者によって指定された達成条件を満たすか否かを判定する。なお、この際、情報処理装置1は、各利用者が配送業者によって指定されたターゲティング条件を満たすか否かをあわせて判定するようにしてもよい。ターゲティング条件は、年齢、性別、居住区などに関する各種条件を含む。すなわち、配送業者は、これらのターゲティング条件を設定することにより、より詳細なプロモーションを展開することができる。
【0038】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS4の判定処理の結果に応じて、各利用者に対して付与するインセンティブを決定する(ステップS5)。具体的には、情報処理装置1は、決済履歴が達成条件を満たす利用者や、ターゲティング条件を満たす利用者に対し、配送業者によって指定されたインセンティを付与する。
【0039】
その後、情報処理装置1は、利用者端末100を通じて、利用者からECサイトに出品された商品の注文を受け付けると(ステップS6)、かかる利用者に対して付与したインセンティブを適用する(ステップS7)。
【0040】
具体的には、情報処理装置1は、利用者が商品の注文時に、インセンティブの適用条件を満たす注文を行う際に、利用者が支払う送料をインセンティブに応じて値下げする。例えば、情報処理装置1は、利用者による決済が、決済サーバ50を利用する決済であり、かつ、利用者が商品を配送業者としてインセンティブを付与元となる配送業者を選択した場合に、利用者が支払う送料をインセンティブに応じて値下げする。
【0041】
なお、この際、情報処理装置1は、たとえば、ポイント付与率アップなど、利用者に対してポイントを還元するようにしてもよい。すなわち、インセンティブは、配送料金の割引や値下げに限らず、ポイント還元等他のインセンティブを与えることによって配送料金を実質的に値下げするものであってもよい。
【0042】
これにより、利用者は、配送業者によって指定されたインセンティブを適用し、ECサイトにおいて送料の割引を受けることができる。なお、情報処理装置1は、たとえば、ECサイト内において、各配送業者のプロモーションを告知するようにしてもよく、各プロモーションの達成条件や、現在の達成状況を利用者毎に通知するようにしてもよい。
【0043】
これにより、利用者が達成条件を認知することで、プロモーションを展開中の配送業者を優先的に利用することが期待される。すなわち、プロモーションの告知によって、配送業者は、利用者の囲い込みを図ることができる。なお、プロモーションの原資は、配送業者の負担であるが、情報処理装置1の運営や決済サーバ50の運営が一部またはすべてを負担するようにしてもよい。
【0044】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、決済サーバ50と連携し、各利用者の決済履歴に基づいて、配送業者によって指定されたインセンティブを利用者に対し付与する。
【0045】
これにより、実施形態に係る情報処理装置1は、配送業者による新たなマーケティング手法を提供することができる。また、決済サーバ50には、オンラインおよびオフラインの双方の決済履歴を集約されるため、オンラインとオフラインを融合したマーケティングの施策を行うことも可能である。
【0046】
そして、利用者は、上述した配送業者によるインセンティブを得るためには、オンラインとオフラインの決済履歴を集約する決済サーバ50を利用した決済を行うことが求められる。
【0047】
そのため、上述の配送業者によるマーケティングを通じて、決済サーバ50の普及にも貢献することが期待される。なお、ここでは、決済サーバ50がいわゆるQRコード(登録商標)を利用した電子マネー決済である場合について説明したがこれに限定されるものではない。クレジットカード決済等の決済履歴がサーバに蓄積される各種決済に、本願発明を適用することができる。
【0048】
〔2.情報処理装置〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを備える。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1を利用する管理者などから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウスなど)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)を有してもよい。
【0049】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部2は、4G(4th Generation)または5G(5th Generation)などの通信ネットワークと有線または無線で接続され、通信ネットワークを介して、決済サーバ50、利用者端末100などの各々との間で情報の送受信を行う。
【0050】
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部3は、利用者情報記憶部31と、商品情報記憶部32と、インセンティブ情報記憶部33とを備える。
【0051】
利用者情報記憶部31は、利用者に関する各種情報を記憶する。図3は、実施形態に係る利用者情報記憶部31に格納される情報の一例を示す図である。図3に示すように、利用者情報記憶部31は、「利用者ID」、「決済アカウント」、「アカウント情報」、「購入履歴」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0052】
「利用者ID」項目は、ECサイトにおける利用者を識別するための識別子が格納される。「決済アカウント」項目は、対応する利用者IDによって識別される利用者の決済サーバ50におけるアカウント情報が格納される。例えば、アカウント情報は、利用者ID、ウォレット残高等を含む。
【0053】
「アカウント情報」項目は、対応する利用者IDによって識別される利用者のECサイトにおけるアカウント情報が格納される。例えば、アカウント情報は、氏名、年齢、住所、家族構成などといったデモグラフィック属性や、趣味、嗜好などといったサイコグラフィック属性を含む。なお、サイコグラフィック属性については、利用者によるECサイトの閲覧履歴や購入履歴から推定することができる。
【0054】
「購入履歴」項目は、対応する利用者IDによって識別される利用者のECサイトにおける購入履歴が格納される。例えば、購入履歴は、購入した商品、日時、金額等に加え、商品の発送時に利用した配送業者に関する情報を含む。
【0055】
図2の説明に戻り、商品情報記憶部32について説明する。商品情報記憶部32は、ECサイトに出品された商品に関する情報を記憶する。図4は、実施形態に係る商品情報記憶部32に格納される情報の一例を示す図である。
【0056】
図4に示すように、たとえば、商品情報記憶部32は、「商品ID」、「出品者」、「商品詳細」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「商品ID」項目は、ECサイトに出品された商品を識別するための識別子が格納される。
【0057】
「出品者」項目は、対応する商品IDによって識別される商品の出品者に関する情報が格納される。なお、出品者は、個人であってもよく、ストアであってもよい。「商品詳細」項目は、対応する対応する商品IDによって識別される商品の詳細情報が格納される。詳細情報は、商品名、販売価格、サイズ、状態等に関する情報を含む。
【0058】
図2の説明に戻り、インセンティブ情報記憶部33について説明する。インセンティブ情報記憶部33は、インセンティブ情報を記憶する。インセンティブ情報は、配送業者が展開するプロモーションによって利用者へ付与されるインセンティブに関する情報である。
【0059】
図5は、実施形態に係るインセンティブ情報記憶部33に格納される情報の一例を示す図である。図5に示すように、インセンティブ情報記憶部33は、「インセンティブID」、「配送業者」、「達成条件」、「インセンティブ」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0060】
「インセンティブID」項目は、各インセンティブを識別するための識別子が格納される。「配送業者」項目は、対応するインセンティブIDによって識別されるインセンティブの付与元となる配送業者に関する情報が格納される。
【0061】
「達成条件」項目は、対応するインセンティブIDによって識別されるインセンティブが付与されるための条件が格納される。「インセンティブ」項目は、対応する達成条件を利用者が達成した場合に付与されるインセンティブの詳細情報が格納される。
【0062】
図2の説明に戻り、制御部4について説明する。制御部4は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部4は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0063】
図2に示すように、制御部4は、取得部41と、判定部42と、決定部43と、仲介処理部44とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部4の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部4が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0064】
取得部41は、決済サーバ50から各利用者の決済履歴に関する情報を取得する。例えば、取得部41は、利用者情報記憶部31に格納された決済アカウントに基づき、各決済アカウントの決済履歴を決済サーバ50から取得する。
【0065】
この際、取得部41は、すべての決済履歴を取得するようにしてもよく、配送業者の利用履歴が紐づいた決済履歴を抽出して取得するようにしてもよい。なお、決済履歴の抽出は、決済サーバ50が行うようにしてもよいし、取得部41が行うようにしてもよい。また、取得部41は、配送業者からインセンティブ情報を取得し、インセンティブ情報記憶部33に登録する。
【0066】
判定部42は、所定の決済業者を介して行った利用者による決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、判定部42は、取得部41によって取得された決済履歴がインセンティブ情報記憶部33に格納される達成条件を満たすか否かを判定する。
【0067】
ここで、図6を用いて、判定部42による判定処理について説明する。図6は、実施形態に係る決済履歴の一例を示す図である。なお、図6では、ひとりの利用者の決済履歴を抜粋して示す。
【0068】
たとえば、図6に示すように、決済履歴は、「決済ID」、「支払先事業者」、「詳細情報」などといった項目の情報を含む。「決済ID」は、各決済を識別するための識別子であり、「決済日時」は、対応する決済が行われた日時を示す。
【0069】
「支払先事業者」は、対応する決済で代金の支払先となる事業者であり、「詳細情報」は、対応する決済に関する詳細情報である。例えば、図6に示すように、決済ID「Pa01」で識別される決済の支払先事業者は、「AAストア」であり、オフライン店舗であるとする。この場合、決済ID「Pa01」で識別される決済では、配送業者の利用がなかったものとする。
【0070】
また、決済ID「Pa02」で識別される決済の支払先事業者は、配送業者である「XX運送」であり、利用者は、配送業者のオフライン店舗を利用したことを示している。決済ID「Pa03」で識別される決済の支払先事業者は、オンライン店舗である「AXネットストア」であり、詳細情報から「XX運送」を利用したことが分かる。
【0071】
つまり、図6の例では、利用者は、決済ID「Pa02」および決済ID「Pa03」にて「XX運送」を利用したことが分かる。判定部42は、配送業者の利用履歴が紐づいた決済履歴を利用者毎に集計する。
【0072】
そして、判定部42は、利用者毎の集計結果と、インセンティブ情報記憶部33に格納された各達成条件とを比較し、利用者毎に達成した達成条件を判定する。なお、ここでは、決済履歴から配送業者の利用回数を集計する場合について示しているが、判定部42は、さらに、配送業者へ支払った送料を集計するようにしてもよい。
【0073】
図2の説明に戻り、決定部43について説明する。決定部43は、判定部42による判定結果に応じて、利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブを決定する。
【0074】
具体的には、決定部43は、判定部42により達成条件を満たすと判定された利用者に対し、達成した達成条件に対応するインセンティブを利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブとして決定する。
【0075】
例えば、インセンティブは、配送業者による原資を基にしたものであり、配送料金の割引や、ポイント付与率アップなどがある。決定部43は、インセンティブを決定すると、決定したインセンティブを利用者情報記憶部31に登録する。
【0076】
これにより、利用者は、ECサイトで商品の購入する際に、自身のアカウントが保有するインセンティブを利用することができる。
【0077】
仲介処理部44は、ECサイトにおける商品の売買を仲介する。例えば、仲介処理部44は、出品者から商品の販売を受け付けるとともに、利用者に対して出品者が出品した商品を販売する。
【0078】
また、仲介処理部44は、利用者が商品を購入すると、注文情報を注文情報記憶部34に登録するとともに、出品者に対して注文情報を通知する。また、仲介処理部44は、注文された商品の決済処理等に関する各種処理を行う。
【0079】
この際、仲介処理部44は、決定部43によって決定されたインセンティブの適用の有無を利用者から受け付ける。図7は、実施形態に係るインセンティブの適用画面の一例を示す図である。図7に示すように、ECサイトの決済画面において、送料クーポンの適用欄Aが表示される。なお、送料クーポンは、インセンティブの一例に対応する。
【0080】
同図に示す例では、送料クーポンを適用することで、送料が300円値下げされる場合を示している。例えば、利用者は、送料クーポンの適用欄Aの「変更」を選択すると、自身のアカウントが保有する送料クーポンの一覧を確認することができ、さらに、現在のクーポンを適用解除などといった対応を行うことができる。
【0081】
そして、利用者は、決済方法や送料クーポンを確認し、「ご注文を確定」を選択すると、仲介処理部44は、注文内容を確定させることになる。なお、確認画面においては、利用者が配送業者を指定する項目を表示するようにしてもよい。例えば、この場合、出品者は、取扱可能な配送業者を予め登録して置き、仲介処理部44は、出品者が登録した配送業者の中から、利用者に今回の注文で利用する配送業者を選択させるようにしてもよい。
【0082】
この際、仲介処理部44は、利用者が選択した配送業者に表示する送料クーポンを適宜変更して確認画面に表示させる。これにより、各配送業者は、自社のサービスを利用する際に、自社のインセンティブを利用者に対して適用することができる。換言すれば、自社のインセンティブを他社の送料のインセンティブとして利用することを抑制することができる。
【0083】
また、仲介処理部44は、決済画面においては最も送料が安くなるクーポンや、最もポイント還元率が高くなるクーポン、あるいは有効期限が最も短いクーポンをデフォルトで適用するようにしてもよい。
【0084】
〔3.処理フロー〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。図7は、実施形態に係る決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理は、所定の周期で情報処理装置1によって繰り返し実行される。
【0085】
図8に示すように、情報処理装置1は、決済サーバ50から各利用者の決済履歴を取得する(ステップS101)、つづいて、情報処理装置1は、配送業者が指定したインセンティブの達成条件と、各利用者の決済履歴とを比較する(ステップS102)。
【0086】
つづいて、情報処理装置1は、達成条件と決済履歴との比較結果に応じて、各利用者に対するインセンティブを決定し(ステップS103)、処理を終了する。
【0087】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、情報処理装置1がECサイトの送料に関するインセンティブを決定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、インセンティブは、商品自体の割引するものであってもよく、プライベートセール等に関する各種優待であってもよい。
【0088】
つまり、インセンティブは、各配送業者が自社のサービスを普及するようなものであればよく、各配送業者が自由に設定することにしてもよい。
【0089】
〔5.効果〕
実施形態に係る情報処理装置1は、所定の決済業者を介して行った利用者による決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する判定部42と、判定部42による判定結果に応じて、利用者が電子商店街で商品を購入する際の配送料金に対するインセンティブを決定する決定部43とを備える。
【0090】
また、判定部42は、利用者の端末装置(利用者端末100)を用いて行われる決済の履歴が所定の条件を満たすか否かを判定する。また、決定部43は、決済の履歴が所定の条件を満たすと判定された利用者に対して配送料金を値下げする。
【0091】
また、決定部43は、決済の履歴が所定の条件を満たすと判定された利用者が所定の決済業者を利用して商品を購入する場合に、配送料金を値下げする。また、判定部42は、利用者によるオンライン店舗およびオフライン店舗それぞれで行った決済の履歴に基づいて判定を行う。
【0092】
また、判定部42は、決済の履歴に含まれる発送業者の利用履歴に応じて判定を行う。また、判定部42は、利用者が商品を受け取る際に利用した配送業者の利用履歴に応じて判定を行う。また、判定部42は、利用者が商品を発送する際に利用した配送業者の利用履歴に応じて判定を行う。
【0093】
また、インセンティブは、配送業者が原資を負担する。また、判定部42は、利用者による決済の履歴が配送業者によって指定された達成条件を満たすか否かを判定する。
【0094】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、配送業者による新規なプロモーションを提供することができる。
【0095】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図9は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0096】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0097】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0098】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(図9では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0099】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0100】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0101】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0102】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0103】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0104】
例えば、上述した情報処理装置は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0105】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0106】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0107】
1 情報処理装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
31 利用者情報記憶部
32 商品情報記憶部
33 インセンティブ情報記憶部
34 注文情報記憶部
41 取得部
42 判定部
43 決定部
44 仲介処理部
50 決済サーバ
100 利用者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9