(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155102
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】会議支援システム、及び会議支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241024BHJP
H04R 27/00 20060101ALI20241024BHJP
G10K 11/178 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06Q10/10
H04R27/00 G
G10K11/178
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069528
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 敬史
【テーマコード(参考)】
5D061
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5D061FF02
5L010AA12
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】複数の乗員が登場する移動体の室内において一部の乗員がオンライン会議に参加する場合に、オンライン会議における会話を他の乗員に聞かれないようにする。
【解決手段】
会議支援システムは、移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者の、参加を予定しているオンライン会議の識別情報及び参加時間帯についての情報を含む会議予定情報を収集する予定情報収集部と、前記会議予定情報に基づき、前記参加者が搭乗する移動体における前記参加者の座席配置を決定する座席決定部と、前記参加者が前記移動体に搭乗したときに前記決定した座席配置を前記参加者に提示する提示部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者の、参加を予定しているオンライン会議の識別情報及び開催時間帯についての情報を含む会議予定情報を収集する予定情報収集部と、
前記会議予定情報に基づき、前記参加者が搭乗する移動体における前記参加者の座席配置を決定する座席決定部と、
前記参加者が前記移動体に搭乗したときに前記決定した座席配置を前記参加者に提示する提示部と、
を有する会議支援システム。
【請求項2】
前記座席決定部は、前記会議予定情報に基づき、前記移動体の室内を複数の室内領域に区分して、同一のオンライン会議に参加する前記参加者が同一の前記室内領域内に着座するように前記座席配置を決定する、
請求項1に記載の会議支援システム。
【請求項3】
前記座席決定部は、いずれのオンライン会議にも参加しない非参加者が同一の前記室内領域内に着座するように前記座席配置を決定する、
請求項2に記載の会議支援システム。
【請求項4】
前記移動体の室内に備えられた一つ又は複数の指向性スピーカと、
前記指向性スピーカから前記室内に出力する音響を制御する音響制御部と、
を備え、
前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御して、一の前記室内領域から他の前記室内領域へ伝わる音を、前記他の室内領域において消音する、
請求項2に記載の会議支援システム。
【請求項5】
前記移動体の室内に備えられた一つ又は複数の指向性スピーカと、
前記指向性スピーカから前記室内に出力する音響を制御する音響制御部と、
を備え、
前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御し、一の前記室内領域において、複数の他の前記室内領域から伝わる音を消音する、
請求項2に記載の会議支援システム。
【請求項6】
前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御し、一の前記室内領域において、一の座席に着座する人物の音声を他の座席に着座する人物の位置において消音し、及び又は、一の座席に着座する人物の位置において他の複数の座席のそれぞれに着座する人物の音声を消音する、
請求項4に記載の会議支援システム。
【請求項7】
前記提示部は、前記移動体に設けられたスピーカ又は表示装置により、前記決定した座席配置を前記参加者に提示する、
請求項1に記載の会議支援システム。
【請求項8】
前記参加者の利用に供される移動体のそれぞれについての定員数、座席レイアウト、及び空席状況の情報を含む移動体情報を収集する移動体情報収集部と、
前記参加者のそれぞれに、オンライン会議に参加する際に利用する移動体を割り当てる割当部と、
を備え、
前記割当部は、前記会議予定情報に基づいて同一のオンライン会議に参加する前記参加者の人数を算出し、前記算出した人数と、前記移動体情報が示す前記移動体のそれぞれの定員数、座席レイアウト、又は空席状況と、に基づき、前記同一のオンライン会議に参加する前記参加者に、当該同一のオンライン会議に参加する際に利用する移動体を割り当てる、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の会議支援システム。
【請求項9】
移動体からのオンライン会議への参加を支援する会議支援システムのコンピュータが実行する会議支援方法であって、
移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者の、参加を予定しているオンライン会議の識別情報及び開催時間帯についての情報を含む会議予定情報を収集する予定情報収集ステップと、
前記会議予定情報に基づき、前記参加者が搭乗する移動体における前記参加者の座席配置を決定する座席決定ステップと、
前記参加者が前記移動体に搭乗したときに前記決定した座席配置を前記参加者に提示する提示ステップと、
を有する、会議支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の乗客がオンライン会議に参加するための会議支援システム及び会議支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて車両の居住性に関する開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
特許文献1には、車両の後席乗員の会話が前席乗員に漏れるのを防止するスピーチプライバシー保護装置が記載されている。このスピーチプライバシー保護装置では、前席へ伝わる後席乗員の会話音声と逆位相の音響を、前席に配されたスピーカから出力することにより、前席に漏れる後席乗員の会話音声が相殺されて、当該会話音声が消去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両の居住性においては、複数の乗員が登場する車両の車室内において一部の乗員がオンライン会議に参加する場合に、オンライン会議における会話を他の乗員に聞かれないようにすることが課題である。
【0006】
本願は上記課題の解決のため、移動体の室内において乗員が行うオンライン会議の会話を他の乗員に聞かれないようにすることを目的としたものである。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様は、移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者の、参加を予定しているオンライン会議の識別情報及び開催時間帯についての情報を含む会議予定情報を収集する予定情報収集部と、前記会議予定情報に基づき、前記参加者が搭乗する移動体における前記参加者の座席配置を決定する座席決定部と、前記参加者が前記移動体に搭乗したときに前記決定した座席配置を前記参加者に提示する提示部と、を有する、会議支援システムである。
本発明の他の態様によると、前記座席決定部は、前記会議予定情報に基づき、前記移動体の室内を複数の室内領域に区分して、同一のオンライン会議に参加する前記参加者が同一の前記室内領域内に着座するように前記座席配置を決定する。
本発明の他の態様によると、前記座席決定部は、いずれのオンライン会議にも参加しない非参加者が同一の前記室内領域内に着座するように前記座席配置を決定する。
本発明の他の態様によると、前記移動体の室内に備えられた一つ又は複数の指向性スピーカと、前記指向性スピーカから前記室内に出力する音響を制御する音響制御部と、を備え、前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御して、一の前記室内領域から他の前記室内領域へ伝わる音を、前記他の室内領域において消音する。
本発明の他の態様によると、前記移動体の室内に備えられた一つ又は複数の指向性スピーカと、前記指向性スピーカから前記室内に出力する音響を制御する音響制御部と、を備え、前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御し、一の前記室内領域において、複数の他の前記室内領域から伝わる音を消音する。
本発明の他の態様によると、前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御し、一の前記室内領域において、一の座席に着座する人物の音声を他の座席に着座する人物の位置において消音し、及び又は、一の座席に着座する人物の位置において他の複数の座席のそれぞれに着座する人物の音声を消音する。
本発明の他の態様によると、前記提示部は、前記移動体に設けられたスピーカ又は表示装置により、前記決定した座席配置を前記参加者に提示する。
本発明の他の態様によると、前記参加者の利用に供される移動体のそれぞれについての定員数、座席レイアウト、及び空席状況の情報を含む移動体情報を収集する移動体情報収集部と、前記参加者のそれぞれに、オンライン会議に参加する際に利用する移動体を割り当てる割当部と、を備え、前記割当部は、前記会議予定情報に基づいて同一のオンライン会議に参加する前記参加者の人数を算出し、前記算出した人数と、前記移動体情報が示す前記移動体のそれぞれの定員数、座席レイアウト、又は空席状況と、に基づき、前記同一のオンライン会議に参加する前記参加者に、当該同一のオンライン会議に参加する際に利用する移動体を割り当てる。
本発明の他の態様によると、移動体からのオンライン会議への参加を支援する会議支援システムのコンピュータが実行する会議支援方法であって、移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者の、参加を予定しているオンライン会議を識別する識別情報及び開催時間帯についての情報を含む会議予定情報を収集する予定情報収集ステップと、前記会議予定情報に基づき、前記参加者が搭乗する移動体における前記参加者の座席配置を決定する座席決定ステップと、前記参加者が前記移動体に搭乗したときに前記決定した座席配置を前記参加者に提示する提示ステップと、を有する、会議支援方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動体の室内において、当該移動体の一部の乗員が行うオンライン会議の会話を他の乗員に聞かれないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る会議支援システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、会議支援システムにおいてオンライン会議の参加者の利用に供される移動体の構成を示す図である。
【
図3】
図3は、移動体に搭載される会議支援装置の構成を示す図である。
【
図4】
図4は、会議支援装置が決定する移動体内の座席配置の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、マッチングサーバの構成を示す図である。
【
図6】
図6は、会議支援方法を構成する、マッチングサーバが実行するマッチング処理の手順を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、会議支援方法を構成する、会議支援装置が実行する会議支援処理の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[1.会議支援システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る会議支援システム1の構成を示す図である。会議支援システム1は、移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者Uの利用に供される移動体である一つ又は複数の車両2と、車両2のそれぞれに搭載された会議支援装置3と、を含む。また、会議支援システム1は、移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者Uのそれぞれに、オンライン会議に参加する際に利用する車両2を決定するマッチングサーバ4を含む。
【0011】
図1に示す例では、参加者Uの利用に供される移動体である車両2の例として、三列シートの乗用車2a、二列シートの乗用車2b、及びバス2cが示されている。ただし、これらは一例であって、車両2は、複数の参加者Uが搭乗することのできる任意の車両(例えば、シェアカー、タクシー、乗合バス等)であり得る。
【0012】
また、参加者Uの利用に供される移動体は、車両に限らず、複数の参加者Uが搭乗することのできる任意の移動体であり得る。そのような移動体は、乗用車、バス、タクシー、列車等の陸上移動体のほか、船舶、潜水艇等の海洋移動体、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)を含む航空機、飛行船等の空中移動体、あるいは、宇宙船、人工衛星などの宇宙移動体であってもよい。
【0013】
参加者Uのそれぞれは、車両2に乗車した際に自身が保有する端末装置6を用いて、オンライン会議の機能を提供する会議サーバ5と通信して所望のオンライン会議に参加する。端末装置6は、本実施形態では、例えばスマートフォン等の携帯端末である。ただし、端末装置6は、携帯端末に限らず、ラップトップPCや、タブレットPC等であってもよい。
【0014】
車両2のそれぞれの会議支援装置3、マッチングサーバ4、会議サーバ5、及び端末装置6は、インターネット等の通信ネットワーク7を介して互いに通信可能に接続されている。
【0015】
参加者Uのそれぞれは、従来技術に従い、端末装置6により、会議サーバ5から配信されるオンライン会議の開催通知メールを受信する。開催通知メールには、オンライン会議の識別情報及び開催時間帯(例えば、その会議の開始時刻と終了時刻)の情報が含まれ得る。上記オンライン会議の識別情報は、本実施形態では、例えば会議IDである。この開催通知メールは、従来技術に従い、オンライン会議の開催者が、当該オンライン会議への参加を要請する参加者Uのメールアドレスを含む会議設定要求を、端末装置等により会議サーバ5に送信することにより、対応する参加者Uの端末装置6へ送信される。
【0016】
[2.会議支援システムの動作概要]
マッチングサーバ4は、同一のオンライン会議に参加する予定の複数の参加者Uに、そのオンライン会議への参加の際に利用し得る車両2を割り当てる。
【0017】
本実施形態では、それぞれの参加者Uは、自身が参加するオンライン会議の開催前に、自身の端末装置6により、会議予定情報をマッチングサーバ4へ送信する。会議予定情報には、その参加者Uを識別するユーザ識別情報、その参加者Uが参加を予定するオンライン会議の識別情報である会議ID及び開催時間帯の情報が含まれ得る。ユーザ識別情報は、本実施形態では、例えばユーザIDである。
【0018】
また、会議予定情報には、その参加者Uがオンライン会議に車両から参加することを希望する旨の情報、当該オンライン会議の際の車両移動の希望出発地及び希望目的地の情報、及び又は、上記と同じオンライン会議に同じ車両から参加することを希望する一人又は複数の他の参加者UのユーザIDのリストが含まれ得る。
【0019】
車両2のそれぞれの会議支援装置3は、その車両2の定員数、座席レイアウト、及び利用予定の情報(後述する、利用予定情報23)を含む移動体情報を、マッチングサーバ4へ送信する。上記利用予定の情報には、走行予定時間帯、走行予定時間帯のそれぞれにおける走行ルート、各走行ルートにおける空席情報が含まれ得る。
【0020】
マッチングサーバ4は、会議予定情報に基づいて同一のオンライン会議に参加する参加者Uの人数を算出する。マッチングサーバ4は、上記算出した人数と、移動体情報が示す車両2のそれぞれの定員数、座席レイアウト、又は空席状況と、に基づき、上記同一のオンライン会議に参加する参加者Uに、当該同一のオンライン会議に参加する際に利用する車両2を割り当てる。そして、マッチングサーバ4は、上記割り当てた車両2の情報(例えば、車両2の車両番号等の識別情報、その車両2に乗車するための待合場所及び待合時刻の情報等)を、参加者Uの端末装置6へ送信する。また、マッチングサーバ4は、上記割り当てた車両2の会議支援装置3へ、その車両2に割り当てた参加者Uのリストと、それぞれの参加者Uの車両2との待合場所、待合時刻、及び目的地の情報と、オンライン会議の会議ID及び開催時間帯の情報と、を含むマッチング情報を送信する。
【0021】
ここで、車両2には、その車両2の座席数に依存して、相異なる複数のオンライン会議にそれぞれ参加する複数の参加者グループが、同じ時間帯に乗り合わせるように割り当てられ得る。このため、車両2では、相異なる複数のオンライン会議にそれぞれ参加する複数の参加者グループの会議音声が、その車両2の車室内において錯綜することとなり得る。このような会議音声の錯綜は、それぞれのオンライン会議の円滑な推進や、会議内容についての秘密保持の観点から、防止されることが望ましい。また、車両2には、いずれのオンライン会議にも参加しない非参加者も搭乗し得ることから、同乗する参加者の会議音声が非参加者に届かないようにすることが好ましい。
【0022】
このため、本実施形態では、車両2の会議支援装置3は、参加者Uが車両2に乗車する際に、車室内を複数の領域(室内領域)に区分して、同一のオンライン会議に参加する参加者Uが同一の室内領域内に着座するように、それぞれの参加者Uの座席配置を提案する。これにより、会議支援システム1では、同一のオンライン会議に出席する参加者の座席をそれぞれ同一の室内領域に集めるので、オンライン会議の会議会話をその会議に関係しない他の乗員に聞こえ難くすることができる。
【0023】
また、会議支援装置3は、車両2の車室内に配された指向性スピーカ14(後述)から出力する音響を制御することにより、一の室内領域から他の室内領域へ伝わる音(音声を含む)を、他の室内領域において消音する。これにより、会議支援システム1では、室内領域毎に、当該室内領域に伝わる他の室内領域からの音声を消音するので、それぞれの室内領域において行われる会議会話の、室内領域間における秘匿性を確保することができる。
【0024】
[3.車両の構成]
オンライン会議に参加する参加者Uの利用に供される車両2の構成について説明する。
図2は、車両2の構成の一例を示す図である。
図2には、一例として、3列シートの車両2aの構成を示すが、他の車両2b、2cも同様に構成され得る。
【0025】
車両2の車室10には、ステアリングホイール11を操作する運転者が着座する運転席12aと、助手席12bと、第2列目左席12cと、第2列目右席12dと、第3列目左席12eと、第3列目右席12fと、が配されている。以下、運転席12a、助手席12b、第2列目左席12c、第2列目右席12d、第3列目左席12e、及び第3列目右席12fを総称して座席12ともいうものとする。
【0026】
運転席12a、助手席12b、第2列目左席12c、第2列目右席12d、第3列目左席12e、及び第3列目右席12fのそれぞれには、背もたれ(バックレスト)上部のヘッドレストの近傍に、マイクロホン13a、13b、13c、13d、13e、及び13fが設けられている。
【0027】
また、車室10の天井面には、運転席12a、助手席12b、第2列目左席12c、第2列目右席12d、第3列目左席12e、及び第3列目右席12fのそれぞれの上部に対応する位置に、その下部の座席12に向かって音響を出力する指向性スピーカ14a、14b、14c、14d、14e、及び14fが設けられている。
【0028】
また、運転席12a、助手席12b、第2列目左席12c、第2列目右席12d、第3列目左席12e、及び第3列目右席12fのそれぞれに着座した参加者Uが操作することのできる位置(例えば、それぞれの座席12の横の車室10の壁)に、会議支援装置3が行う指向性スピーカ14による消音動作(後述)を切り替えるための切替スイッチ15a、15b、15c、15d、15e、及び15fが設けられている。
【0029】
さらに、車室10の、車両2の前方(図示上方)の左右に、それぞれ、車室10内に案内音声を出力する案内スピーカ16が配されている。また、車室10の前方の、乗員から見やすい位置、例えばインストルメントパネルの車幅方向中央に、表示装置17が設けられている。表示装置17は、例えば、タッチパネルである。
【0030】
以下、マイクロホン13a、13b、13c、13d、13e、及び13fを総称してマイクロホン13ともいい、指向性スピーカ14a、14b、14c、14d、14e、及び14fを総称して指向性スピーカ14ともいうものとする。また、切替スイッチ15a、15b、15c、15d、15e、及び15fを総称して切替スイッチ15ともいうものとする。
【0031】
[4.会議支援装置の構成]
図3は、車両2に搭載される会議支援装置3の構成を示す図である。
会議支援装置3は、第1プロセッサ20と、第1メモリ21と、第1通信装置22と、を備える。第1メモリ21は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。第1通信装置22は、会議支援装置3が、通信ネットワーク7を介して外部装置(マッチングサーバ4、会議サーバ5、端末装置6を含む)と無線通信するための送受信器である。また、第1通信装置22は、参加者Uが車両2に搭乗した際に端末装置6とBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うため送受信器を含んでもよい。
【0032】
第1プロセッサ20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を備えるコンピュータである。第1プロセッサ20は、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有する構成であってもよい。そして、第1プロセッサ20は、機能要素又は機能ユニットとして、利用管理部25と、座席決定部26と、提示部27と、音響制御部28と、を備える。
【0033】
第1プロセッサ20が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第1プロセッサ20が第1メモリ21に記憶された支援プログラム24を実行することにより実現される。なお、支援プログラム24は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第1プロセッサ20が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0034】
利用管理部25は、車両2の利用予定の情報を管理する。具体的には、利用管理部25は、第1メモリ21に保存されている利用予定情報23を管理する。利用予定情報23には、利用予定の情報として、その車両2の走行予定時間帯と、走行予定時間帯のそれぞれにおける走行ルートと、各走行ルートにおける空席情報と、が保存されている。
【0035】
上記利用予定の情報は、例えば、その車両2の管理者により、タッチパネルである表示装置17から入力され得る。利用管理部25は、上記利用予定に関するいずれかの情報が入力されたときに、入力された情報に基づき、利用予定情報23に含まれる利用予定の情報を更新する。また、利用管理部25は、マッチングサーバ4からマッチング情報を受信したときは、上記受信したマッチング情報を利用予定情報23に保存する。また、利用管理部25は、上記受信したマッチング情報に含まれる、その車両2に割り当てられた参加者Uの人数等に基づいて、利用予定情報23のうち、利用予定の情報の一部である空席情報等を更新する。
【0036】
利用管理部25は、また、車両2の定員数、座席レイアウト、及び上記利用予定の情報を含む移動体情報を、マッチングサーバ4へ送信する。例えば、利用管理部25は、利用予定情報23に含まれる利用予定の情報を更新したときに、その利用予定情報23に基づいて、利用予定の情報を含む移動体情報をマッチングサーバ4へ送信する。
【0037】
また、利用管理部25は、利用予定情報23に保存したマッチング情報のうち、開催時間帯が終了したオンライン会議についてのマッチング情報を、利用予定情報23から削除する。
【0038】
座席決定部26は、マッチングサーバ4が収集した会議予定情報に基づき、車両2における参加者Uの座席配置を決定する。具体的には、座席決定部26は、マッチングサーバ4が会議予定情報に基づいて生成したマッチング情報に基づき、車両2の車室10内を複数の室内領域に区分して、同一のオンライン会議に参加する参加者Uが同一の室内領域内に着座するように座席配置を決定する。
【0039】
図4は、座席決定部26が決定する座席配置の一例を示す図である。図示の座席配置は、会議IDがそれぞれM100a、M100b、M100cである3つの相異なるオンライン会議に参加する参加者Uが車両2に乗車する場合の例である。具体的には、例えば、会議IDがM100aであるオンライン会議には1名の参加者Uが参加し、会議IDがM100bであるオンライン会議及び会議IDがM100cであるオンライン会議には、それぞれ2名の参加者Uが参加する。座席決定部26は、これらの、会議IDで識別されるオンライン会議のそれぞれに参加する参加者Uの人数の情報を、上記マッチング情報から取得する。
【0040】
座席決定部26は、上記情報に基づき、会議IDがM100a、M100b、M100cであるオンライン会議に参加する参加者Uの人数が、それぞれ、1名、2名、2名であることから、車室10の内部を、座席12を1つ含む1つの室内領域Saと、座席12をそれぞれ2つ含む2つの室内領域Sb及びSbと、に区分する。図示の例では、座席決定部26は、室内領域Saが助手席12bを含み、室内領域Sbが第2列目左席12c及び第2列目右席12dを含み、室内領域Scが第3列目左席12e及び第3列目右席12fを含むように、車室10を区分している。
【0041】
そして、座席決定部26は、会議IDがM100aのオンライン会議に参加する1名の参加者Uの座席として室内領域Sa内の助手席12bを割り当て、会議IDがM100bのオンライン会議に参加する2名の参加者Uの座席として、室内領域Sb内の第2列目左席12c及び第2列目右席12dを割り当てる。また、座席決定部26は、会議IDがM100cのオンライン会議に参加する2名の参加者Uの座席として、室内領域Sc内の第3列目左席12e及び第3列目右席12fを割り当てる。
【0042】
なお、それぞれの室内領域は、車室10内の一まとまりの空間(分断されない空間)であればよく、室内領域Sb、Scのように車両2の車幅方向に広がる領域には限られない。例えば、室内領域は、車両2の車幅方向及び又は進行方向に広がる任意の形状の領域であり得る。また、オンライン会議の開催時において運転席12aに着座する人物が運転操作を行う必要がない場合(例えば、開催時において自動運転される場合や停車される場合)には、運転席12aを含む室内領域を設けて、運転席12aに参加者Uが着座するように座席配置を決定してもよい。
【0043】
座席決定部26は、また、いずれのオンライン会議にも参加しない複数の非参加者が車両2に乗車するときは、それら複数の非参加者が同一の室内領域内に着座するように座席配置を決定するものとしてもよい。車両2への非参加者の乗車予定は、例えば、その車両2の管理者が、予め、タッチパネルである表示装置17により会議支援装置3に入力しておくものとすることができる。例えば、利用管理部25は、上記入力された非参加者の乗車予定の情報を、利用予定情報23に含めて第1メモリ21に記憶しておくものとすることができる。
【0044】
提示部27は、座席決定部26が決定した参加者Uの座席配置を、対応する参加者Uが車両2に乗車する際に当該参加者Uに提示する。例えば、提示部27は、車両2に設けられた案内スピーカ16又は表示装置17により、参加者Uに対する上記座席配置の提示を行う。これにより、会議予定情報に基づいて決定した座席配置を、車両2に乗車する参加者に容易かつ確実に伝えることができる。
【0045】
音響制御部28は、指向性スピーカ14から車室10内に出力する音響を制御して、車室10内における消音動作を実行する。上記消音動作として、音響制御部28は、指向性スピーカ14から出力する音響を制御し、座席決定部26が区分した一の室内領域から他の室内領域へ伝わる音を、他の室内領域において消音する。上記一の室内領域から他の室内領域へ伝わる音とは、例えば、一の室内領域に着座した参加者Uが端末装置6を用いて行うオンライン会議の会議音声である。
【0046】
具体的には、音響制御部28は、一の室内領域における音(以下、領域音声という)を、当該一の室内領域に設けられているマイクロホン13により取得し、他の室内領域におけるマイクロホン13から上記領域音声が聞こえなくなるように、当該他の室内領域に設けられている指向性スピーカ14から領域音声のキャンセル音を出力する。上記キャンセル音は、例えば、当該他の室内領域内に伝搬する領域音声の音声波形に対し逆位相を持つ音であり得る。
【0047】
例えば、
図4に示す例において、音響制御部28は、室内領域Sbから室内領域Scの第3列目左席12eへ伝わる音を、室内領域Scに設けられている指向性スピーカ14e及び14fから出力する音響を制御することにより、室内領域Scにおいて消去する。具体的には、音響制御部28は、室内領域Sb内の第2列目左席12c及び第2列目右席12dにおいて発生する会議音声を、それぞれ、第2列目左席12c及び第2列目右席12dに設けられたマイクロホン13c及び13dにより取得する。
【0048】
そして、音響制御部28は、上記取得された会議音声が、室内領域Sb内の第3列目左席12eのマイクロホン13eから聞こえなくなるように、第3列目左席12eの指向性スピーカ14eから上記会議音声のキャンセル音を出力する。また、音響制御部28は、上記取得された会議音声が、室内領域Sb内の第3列目右席12fのマイクロホン13fから聞こえなくなるように、第3列目右席12fの指向性スピーカ14fから上記会議音声のキャンセル音を出力する。
【0049】
音響制御部28は、また、消音動作として、指向性スピーカ14から出力する音響を制御し、一の室内領域において、他の複数の室内領域から伝わる音を消音するものとしてもよい。例えば、
図4の例において、音響制御部28は、室内領域SaおよびSbから室内領域Scへ伝わる音を、室内領域Sc内の第3列目左席12e及び第3列目右席12fに設けられている指向性スピーカ14e及び14fから出力する音響を制御することにより、室内領域Scにおいて消去するものとすることができる。
【0050】
また、音響制御部28は、消音動作として、指向性スピーカ14から出力する音響を制御し、一の室内領域において、一の座席12に着座する人物の音声を、他の座席12に着座する人物の位置において消音し、及び又は、一の座席12に着座する人物の位置において、他の複数の座席12のそれぞれに着座する人物の音声を消音する。ここで、上記人物は、参加者U及び非参加者のいずれでもよい。これにより、一の室内領域内に着座して同一のオンライン会議に参加する複数の参加者のうちの一の参加者が会議中に電話に応答するような場合でも、その電話応答の会話を他の参加者に聞かれないようにすることができる。同様に、一の非参加者の通話音声等を他の非参加者に聞かれないようにすることができる。
【0051】
例えば、一の座席12に着座する人物は、その座席12の近傍に設けられた切替スイッチ15を操作することにより、音響制御部28に指示して、その座席12に着座する人物の音声を、他の座席12に着座する人物の位置において消音し、及び又は、上記一の座席12に着座する人物の位置において、他の複数の座席12のそれぞれに着座する人物の音声を消音するように、指向性スピーカ14を制御させるものとすることができる。
【0052】
[5.マッチングサーバの構成]
図5は、マッチングサーバ4の構成を示す図である。
マッチングサーバ4は、第2プロセッサ40と、第2メモリ41と、第2通信装置42と、を備える。第2メモリ41は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。第2通信装置42は、マッチングサーバ4が通信ネットワーク7を介して外部装置と無線通信するための送受信器である。
【0053】
第2プロセッサ40は、例えば、CPU等を備えるコンピュータである。第1プロセッサ20は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、第2プロセッサ40は、機能要素又は機能ユニットとして、予定情報収集部44と、移動体情報収集部45と、割当部46と、を備える。
【0054】
第2プロセッサ40が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第2プロセッサ40が第2メモリ41に記憶されたマッチングプログラム43を実行することにより実現される。なお、マッチングプログラム43は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第2プロセッサ40が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0055】
予定情報収集部44は、移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者Uの会議予定情報を収集する。会議予定情報は、参加者Uの端末装置6から収集される。参加者Uは、オンライン会議の参加予定が生じたときに、そのオンライン会議についての会議予定情報を、端末装置6によりマッチングサーバ4へ送信する。
【0056】
上述したように、会議予定情報には、その参加者Uを識別するユーザID、その参加者Uが参加を予定するオンライン会議の会議ID及び開催時間帯の情報が含まれ得る。また、会議予定情報には、その参加者Uが当該オンライン会議に車両から参加することを希望する旨の情報、オンライン会議の際の車両移動の希望出発地及び希望目的地の情報、及び又は、上記と同じオンライン会議に同じ車両から参加することを希望する一人又は複数の他の参加者UのユーザIDのリストが含まれる。
【0057】
移動体情報収集部45は、参加者Uの利用に供される車両2のそれぞれについての移動体情報を収集する。移動体情報は、車両2のそれぞれの会議支援装置3からマッチングサーバ4へ送信される。上述したように、移動体情報には、その車両2の定員数、座席レイアウト、及び利用予定の情報が含まれる。
【0058】
割当部46は、会議予定情報及び移動体情報に基づいて、参加者Uのそれぞれに、オンライン会議に参加する際に利用する車両2を割り当てて、マッチング情報を生成する。具体的には、割当部46は、会議予定情報に基づいて同一のオンライン会議に参加する参加者Uの人数を算出する。そして、割当部46は、上記算出した人数と、移動体情報が示す車両2のそれぞれの定員数、座席レイアウト、又は空席状況と、に基づき、上記同一のオンライン会議に参加する参加者Uに、当該同一のオンライン会議に参加する際に利用する車両2を割り当てる。例えば、割当部46は、同一のオンライン会議に参加する全ての参加者Uを1台の車両2に割り当てる。
【0059】
これに代えて、割当部46は、同一のオンライン会議に参加する参加者Uが複数の車両2に分乗するように、複数の車両2を割り当ててもよい。例えば、割当部46は、上記同一のオンライン会議に参加する参加者Uを複数の小グループにグルーピングして、小グループ毎に異なる車両2に分乗するように、車両2を割り当ててもよい。割当部46は、会議予定情報に含まれるそれぞれの参加者Uの、希望出発地及び希望目的地の情報、及び又は同じ車両から参加することを希望する一人又は複数の他の参加者UのユーザIDのリストの情報に基づいて、上記グルーピングを行うものとすることができる。
【0060】
これにより、会議支援システム1では、特定の車両2に参加者Uが密集してしまうのを避けて(例えば、それぞれの車両2における参加者Uの搭乗率(定員数に対する参加者Uの人数の割合)を均等化して)、それぞれの車両2における会議会話の漏洩を防止し易くすることができる。
【0061】
割当部46は、参加者Uのそれぞれの端末装置6へ、当該参加者Uに割り当てた車両2の情報を、例えば電子メールにより送信する。上記車両2の情報には、その車両2の車種や車両番号等の車両を識別する情報、並びにその車両2に乗車するための待合場所及び待合時間の情報等が含まれ得る。
【0062】
また、割当部46は、会議予定情報に基づいて割り当てた車両2の会議支援装置3へ、その会議予定情報(オンライン会議の会議ID及び開催時間帯の情報を含む)と、その車両2に割り当てた参加者Uのリスト(例えば、ユーザIDのリスト)と、それぞれの参加者Uの車両2との待合場所、待合時刻、及び目的地の情報と、と、を含むマッチング情報を送信する。
【0063】
[6.会議支援システムにおける処理]
次に、会議支援システム1のコンピュータが協働して実行する会議支援方法の処理の手順について説明する。ここで、会議支援システム1のコンピュータとは、車両2に搭載される会議支援装置3の第1プロセッサ20及びマッチングサーバ4の第2プロセッサ40を含む。会議支援方法は、マッチングサーバ4の第2プロセッサ40が実行するマッチング処理と、会議支援装置3の第1プロセッサ20が実行する会議支援処理と、を含む。
【0064】
まず、マッチング処理について、
図6に示すフロー図を参照して説明する。
図6に示すマッチング処理は、マッチングサーバ4の電源がオンされたときに開始したのち、繰り返し実行される。
【0065】
処理を開始すると、まず、マッチングサーバ4の予定情報収集部44は、会議予定情報を受信したか否かを判断する(S100)。上述したように、会議予定情報は、参加者Uが、オンライン会議の参加予定が生じたときに、端末装置6によりマッチングサーバ4へ送信する。
【0066】
そして、会議予定情報を受信したときは(S100、YES)、予定情報収集部44は、受信した会議予定情報を第2メモリ41に保存して収集する(S102)。次に、移動体情報収集部45は、いずれかの車両2から移動体情報を受信したか否かを判断する(S104)。
【0067】
そして、移動体情報を受信したときは(S104、YES)、移動体情報収集部45は、受信した移動体情報を第2メモリ41に保存して収集する(S106)。次に、割当部46は、第2メモリ41に保存してある会議予定情報を参照し、現在時刻から所定時間以内(例えば、3日以内)に開始時刻が到来するオンライン会議(以下、対象会議ともいう)があるか否かを判断する(S108)。
【0068】
そして、所定時間以内に開始時刻が到来するオンライン会議(対象会議)があるときは(S108、YES)、割当部46は、第2メモリ41に保存してある移動体情報と会議予定情報と、に基づき、対象会議の参加者Uに車両2を割り当ててマッチング情報を生成する(S110)。その後、割当部46は、上記割り当てた車両2の情報を、対応する参加者Uの端末装置6へ送信すると共に、上記生成したマッチング情報を、上記割り当てた車両2へ送信したのち、本処理を終了する。
【0069】
一方、ステップS100において会議予定情報を受信しないときは(S100、NO)、予定情報収集部44は、ステップS104に処理を移す。また、ステップS104において移動体情報を受信しないときは(S104、NO)、移動体情報収集部45は、ステップS108に処理を移す。
【0070】
また、一方、ステップS108において所定時間以内に開始時刻が到来するオンライン会議(対象会議)がないときは(S108、NO)、割当部46は、本処理を終了する。
【0071】
次に、会議支援装置3の第1プロセッサ20が実行する会議支援処理について、
図7に示すフロー図を参照しつつ説明する。
図7に示す会議支援処理は、会議支援装置3の電源がオンされたときに開始したのち、繰り返し実行される。
【0072】
処理を開始すると、まず、会議支援装置3の利用管理部25は、タッチパネルである表示装置17により車両2の利用予定に関する情報が入力されたか否かを判断する(S200)。また、利用管理部25は、利用予定に関する情報が入力されないときは(S200、NO)、マッチングサーバ4からマッチング情報を受信したか否かを判断する(S202)。
【0073】
そして、利用管理部25は、利用予定に関する情報が入力されたとき(S200、YES)又はマッチング情報を受信したときは(S202、YES)、第2メモリ41に保存している利用予定情報23を更新する(S204)。その際、利用管理部25は、上記受信したマッチング情報を利用予定情報23に保存する。また、利用管理部25は、更新した利用予定情報23に基づき、移動体情報を生成してマッチングサーバ4へ送信する(S206)。
【0074】
次に、座席決定部26は、利用予定情報23に保存されているマッチング情報を参照し、現在時刻から所定時間以内(例えば、1日以内)に開始時刻が到来するオンライン会議(以下、対象会議ともいう)があるか否かを判断する(S208)。そして、所定時間以内に開始時刻が到来するオンライン会議(対象会議)があるときは(S208、YES)、座席決定部26は、車両2から対象会議に参加する参加者Uの座席配置を決定する(S210)。その際、座席決定部26は、利用予定情報23に含まれる、対象会議の開催時間帯において車両2に搭乗する予定の非参加者についての情報を取得し、当該非参加者の座席も考慮して、上記座席配置を決定してもよい。
【0075】
次に、提示部27は、対象会議の参加者Uが車両2に乗車する際に、上記決定された座席配置を参加者Uに提示する(S212)。例えば、提示部27は、対象会議の開始時刻前の所定時間内(例えば、2時間以内)に車両2に人が乗車する毎に、その人物に対して上記決定した座席配置を提示するものとすることができる。この座席配置の提示は、上述したように、案内スピーカ16からの音声メッセージ又は表示装置17への画面表示により行われ得る。
【0076】
次に、音響制御部28は、利用予定情報23に保存されているマッチング情報を参照し、対象会議の開始時刻が到来したか否かを判断する(S214)。そして、ステップS212において対象会議の開始時刻が到来していないとき(S214、NO)、音響制御部28は、ステップS214に戻って処理を繰り返し、対処会議の開始時刻が到来するのを待機する。
【0077】
一方、対象会議の開始時刻が到来したときは(S214、YES)、音響制御部28は、室内領域間での消音動作を開始する(S216)。次に、音響制御部28は、利用予定情報23に保存されているマッチング情報を参照し、対象会議の終了時刻が到来したか否かを判断する(S218)。そして、対象会議の終了時刻が到来していないときは(S218、NO)、音響制御部28は、ステップS216に戻って処理を繰り返し、対象会議の終了時刻が到来するのを待機する。一方、対象会議の終了時刻が到来したときは(S218、YES)、音響制御部28は、本処理を終了する。
【0078】
また、一方、ステップS208において所定時間以内に開始時刻が到来するオンライン会議(対象会議)がないときは(S208、NO)、座席決定部26は、本処理を終了する。
【0079】
ここで、
図6に示すマッチング処理におけるステップS100及びS102は、本開示における予定情報収集ステップに相当する。また、
図7に示す会議支援処理におけるステップS210及びS212は、それぞれ、本開示における座席決定ステップ及び提示ステップに相当する。
【0080】
なお、本発明は上記の実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0081】
[7.上記実施形態によりサポートされる構成]
上述した実施形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者の、参加を予定しているオンライン会議の識別情報及び開催時間帯についての情報を含む会議予定情報を収集する予定情報収集部と、前記会議予定情報に基づき、前記参加者が搭乗する移動体における前記参加者の座席配置を決定する座席決定部と、前記参加者が前記移動体に搭乗したときに前記決定した座席配置を前記参加者に提示する提示部と、を有する、会議支援システム。
構成1の会議支援システムによれば、会議予定情報に基づいて移動体内における座席配置を決定して提示するので、例えば同一のオンライン会議に出席する参加者の座席を移動体室内の一領域に集めて、会議会話を他の乗員に聞こえ難くすることができる。
【0082】
(構成2)前記座席決定部は、前記会議予定情報に基づき、前記移動体の室内を複数の室内領域に区分して、同一のオンライン会議に参加する前記参加者が同一の前記室内領域内に着座するように前記座席配置を決定する、構成1に記載の会議支援システム。
構成2の会議支援システムによれば、オンライン会議毎に、同一のオンライン会議に出席する参加者の座席をそれぞれ同一の室内領域に集めるので、移動体室内において複数のオンライン会議の会議会話が錯綜するのを防止することができる。
【0083】
(構成3)前記座席決定部は、いずれのオンライン会議にも参加しない非参加者が同一の前記室内領域内に着座するように前記座席配置を決定する、構成2に記載の会議支援システム。
構成3の会議支援システムによれば、オンライン会議に参加しない非参加者を移動体内の一領域に集めるので、例えば非参加者全員の座席を、オンライン会議の参加者から遠ざけて、非参加者が会議会話に煩わされ難い配置とすることができる。
【0084】
(構成4)前記移動体の室内に備えられた一つ又は複数の指向性スピーカと、前記指向性スピーカから前記室内に出力する音響を制御する音響制御部と、を備え、前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御して、一の前記室内領域から他の前記室内領域へ伝わる音を、前記他の室内領域において消音する、構成2又は3に記載の会議支援システム。
構成4の会議支援システムによれば、室内領域毎に、当該室内領域に伝わる他の室内領域からの音声を消音するので、それぞれの室内領域において行われる会議会話の、室内領域間における秘匿性を確保することができる。
【0085】
(構成5)前記移動体の室内に備えられた一つ又は複数の指向性スピーカと、前記指向性スピーカから前記室内に出力する音響を制御する音響制御部と、を備え、前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御し、一の前記室内領域において、複数の他の前記室内領域から伝わる音を消音する、構成2ないし4のいずれかに記載の会議支援システム。
構成5の会議支援システムによれば、それぞれの室内領域において行われる会議会話の、室内領域間における秘匿性を確保することができる。
【0086】
(構成6)前記音響制御部は、前記指向性スピーカから出力する音響を制御し、一の前記室内領域において、一の座席に着座する人物の音声を他の座席に着座する人物の位置において消音し、及び又は、一の座席に着座する人物の位置において他の複数の座席のそれぞれに着座する人物の音声を消音する、構成4又は5に記載の会議支援システム。
構成6の会議支援システムによれば、例えば、一の室内領域内に着座して同一のオンライン会議に参加する複数の参加者のうちの一の参加者が会議中に電話に応答するような場合でも、その電話応答の会話を他の参加者に聞かれないようにすることができる。
【0087】
(構成7)前記提示部は、前記移動体に設けられたスピーカ又は表示装置により、前記決定した座席配置を前記参加者に提示する、構成1ないし6のいずれかに記載の会議支援システム。
構成7の会議支援システムによれば、会議予定情報に基づいて決定した座席配置を、移動体に搭乗する参加者に容易かつ確実に伝えることができる。
【0088】
(構成8)前記参加者の利用に供される移動体のそれぞれについての定員数、座席レイアウト、及び空席状況の情報を含む移動体情報を収集する移動体情報収集部と、前記参加者のそれぞれに、オンライン会議に参加する際に利用する移動体を割り当てる割当部と、を備え、前記割当部は、前記会議予定情報に基づいて同一のオンライン会議に参加する前記参加者の人数を算出し、前記算出した人数と、前記移動体情報が示す前記移動体のそれぞれの定員数、座席レイアウト、又は空席状況と、に基づき、前記同一のオンライン会議に参加する前記参加者に、当該同一のオンライン会議に参加する際に利用する移動体を割り当てる、構成1ないし7のいずれかに記載の会議支援システム。
構成8の会議支援システムによれば、会議予定情報と移動体情報とに基づいて、同一のオンライン会議に参加する参加者に、会議参加の際に利用すべき移動体を割り当てるので、例えば、特定の移動体に参加者が密集してしまうのを避けて、それぞれの移動体内における会議会話の漏洩を防止し易くすることができる。
【0089】
(構成9)移動体からのオンライン会議への参加を支援する会議支援システムのコンピュータが実行する会議支援方法であって、移動体からオンライン会議に参加することを希望する参加者の、参加を予定しているオンライン会議の識別情報及び開催時間帯についての情報を含む会議予定情報を収集する予定情報収集ステップと、前記会議予定情報に基づき、前記参加者が搭乗する移動体における前記参加者の座席配置を決定する座席決定ステップと、前記参加者が前記移動体に搭乗したときに前記決定した座席配置を前記参加者に提示する提示ステップと、を有する、会議支援方法。
構成9の会議支援方法によれば、会議予定情報に基づいて移動体内における座席配置を決定して提示するので、例えば同一のオンライン会議に出席する参加者の座席を移動体室内の一領域に集めて、会議会話を他の乗員に聞こえ難くすることができる。
【符号の説明】
【0090】
1…会議支援システム、2、2a、2b、2c…車両(移動体)、3…会議支援装置、4…マッチングサーバ、5…会議サーバ、6…端末装置、7…通信ネットワーク、10…車室、11…ステアリングホイール、12…座席、12a…運転席、12b…助手席、12c…第2列目左席、12d…第2列目右席、12e…第3列目左席、12f…第3列目右席、13.13a、13b、13c、13d、13e、13f…マイクロホン、14、14a、14b、14c、14d、14e、14f…指向性スピーカ、15、15a、15b、15c、15d、15e、15f…切替スイッチ、16…案内スピーカ、17…表示装置、20…第1プロセッサ、21…第1メモリ、22…第1通信装置、23…利用予定情報、24…支援プログラム、25…利用管理部、26…座席決定部、27…提示部、28…音響制御部、40…第2プロセッサ、41…第2メモリ、42…第2通信装置、43…マッチングプログラム、44…予定情報収集部、45…移動体情報収集部、46…割当部、Sa、Sb、Sc…室内領域、U…参加者。