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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155111
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】印刷装置及び印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 39/16 20060101AFI20241024BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241024BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20241024BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20241024BHJP
   B65H 41/00 20060101ALI20241024BHJP
   B65H 20/02 20060101ALI20241024BHJP
   D06B 11/00 20060101ALI20241024BHJP
   D06C 23/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B65H39/16
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/165 209
B41J15/04
B65H41/00 A
B65H20/02 Z
D06B11/00 A
D06C23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069541
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142653
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】飽田 俊介
【テーマコード(参考)】
2C056
2C060
3B154
3F050
3F103
3F108
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EA23
2C056EA24
2C056EB13
2C056EB45
2C056EC07
2C056EC12
2C056EC28
2C056EC35
2C056EC54
2C056FB03
2C056HA29
2C056HA33
2C056HA46
2C060BC00
2C060BC91
3B154AB19
3B154AB27
3B154BA09
3B154BB33
3B154BB47
3B154BC08
3B154BC16
3B154BC22
3B154BD01
3B154BD02
3B154DA13
3F050BE16
3F050CA01
3F050LA07
3F050LB03
3F103AA07
3F103BA00
3F103EA15
3F108JA04
(57)【要約】
【課題】印刷装置において、媒体の搬送をより適切に行う。
【解決手段】印刷を行う印刷装置10であって、吐出ヘッドであるインクジェットヘッド102と、ロール状に巻かれた媒体50から媒体50を供給する媒体供給部202と、インクジェットヘッド102と対向する位置を通過する搬送経路に沿って媒体50を搬送する搬送機構22と、シート状の貼付シート52を媒体50に貼り付けるシート貼付部20とを備え、シート貼付部20は、媒体供給部202と、インクジェットヘッド102と対向する位置との間の位置において、貼付シート52を媒体50に貼り付け、搬送機構22は、搬送経路の少なくとも一部において、貼付シート52が貼り付けられた媒体50を搬送し、インクジェットヘッド102は、貼付シート52が貼り付けられた媒体50へインクを吐出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に対して印刷を行う印刷装置であって、
前記媒体へインクを吐出する吐出ヘッドと、
ロール状に巻かれた前記媒体から前記媒体を繰り出すことで前記吐出ヘッドへ向けて前記媒体を供給する媒体供給部と、
前記媒体供給部から供給される前記媒体を搬送する機構であり、前記吐出ヘッドと対向する位置を通過する搬送経路に沿って前記媒体を搬送する搬送機構と、
シート状の貼付シートを前記媒体に貼り付けるシート貼付部と
を備え、
前記シート貼付部は、前記媒体供給部と、前記吐出ヘッドと対向する位置との間の位置において、前記貼付シートを前記媒体に貼り付け、
前記搬送機構は、前記搬送経路の少なくとも一部において、前記貼付シートが貼り付けられた前記媒体を搬送し、
前記吐出ヘッドは、前記貼付シートが貼り付けられた前記媒体へインクを吐出することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記媒体は、布であり、
前記貼付シートは、前記媒体よりも伸縮性が低いシートであることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
布の前記媒体である布媒体の他に、非伸縮性の媒体である非伸縮媒体に対しても印刷が可能であり、
前記布媒体に対して印刷を行う場合には、前記シート貼付部によって前記布媒体に前記貼付シートを貼り付け、
前記非伸縮媒体に対して印刷を行う場合には、前記非伸縮媒体へ前記貼付シートを貼り付けることなく、前記搬送機構によって前記非伸縮媒体を搬送し、前記吐出ヘッドにより、前記貼付シートが貼り付けられていない前記非伸縮媒体へインクを吐出することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記吐出ヘッドからインクが吐出された後の前記媒体を巻き取る媒体巻取部を更に備え、
前記吐出ヘッドと対向する位置で前記媒体が搬送される方向において、前記吐出ヘッドに対し、前記媒体巻取部は、前記媒体供給部と同じ側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記貼付シートの幅は、前記媒体の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記吐出ヘッドと対向する位置において前記媒体が搬送される方向と直交する主走査方向へ移動しつつインクを吐出する主走査動作を前記吐出ヘッドに行わせる主走査駆動部と、
前記吐出ヘッド及び前記主走査駆動部の動作を制御する制御部と
を更に備え、
少なくとも一部の回の前記主走査動作において、前記制御部は、前記貼付シートにおいて前記媒体が貼り付けられていない部分に対して、前記吐出ヘッドにインクを吐出させることを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記吐出ヘッドからインクが吐出された後の前記媒体から前記貼付シートを剥離するシート剥離部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記吐出ヘッドからインクが吐出された後の前記媒体を巻き取る媒体巻取部を更に備え、
前記貼付シートは、印刷がされた後の前記媒体に対して行う後工程の実行時にも前記媒体に貼り付けた状態で使用されるものであり、
前記媒体巻取部は、前記貼付シートが貼り付けられた状態で、前記媒体を巻き取ることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記媒体は、伸縮性が互いに異なる複数の層を有し、
前記貼付シートは、前記媒体におけるいずれの前記層よりも伸縮性が低いシートであることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項10】
媒体に対して印刷を行う印刷方法であって、
媒体供給部により、ロール状に巻かれた前記媒体から前記媒体を繰り出すことで吐出ヘッドへ向けて前記媒体を供給し、
シート貼付部により、シート状の貼付シートを前記媒体に貼り付け、
前記媒体供給部から供給される前記媒体を搬送する搬送機構により、前記吐出ヘッドと対向する位置を通過する搬送経路に沿って前記媒体を搬送し、
前記吐出ヘッドにより、前記媒体へインクを吐出し、
前記シート貼付部は、前記媒体供給部と、前記吐出ヘッドと対向する位置との間の位置において、前記貼付シートを前記媒体に貼り付け、
前記搬送機構は、前記搬送経路の少なくとも一部において、前記貼付シートが貼り付けられた前記媒体を搬送し、
前記吐出ヘッドは、前記貼付シートが貼り付けられた前記媒体へインクを吐出することを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット方式で印刷を行う印刷装置であるインクジェットプリンタが広く用いられている。また、インクジェットプリンタの構成として、布帛等の布の媒体に対して印刷を行う構成が知られている。このようなインクジェットプリンタでは、例えば、布帛等の媒体をベルトに対して貼り付け、ベルトを移動させることで、媒体の搬送を行う(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-106374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェットプリンタ等の印刷装置において、ベルトに媒体を貼り付けて搬送を行う場合、通常、ベルトと共に媒体を搬送するために必要なテンション(適正テンション)が高くなる。また、その結果、例えば、搬送機構におけるローラやテンション調整機構等が大型化し、装置のコストが上昇する。特に、例えば300平米/時程度以上の搬送速度で媒体を搬送する高速機においては、ベルトや搬送機構に求められる品質が高くなることで、高コスト化の問題が顕著になる。更に、媒体を貼り付けるベルトを用いる場合、通常、ベルトの洗浄機構も必要になる。また、その結果、装置のコストが更に上昇することが考えられる。そのため、従来、印刷装置における媒体の搬送をより適切に行うことが求められていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の発明者は、印刷装置における媒体の搬送をより適切に行うための構成について、鋭意研究を行った。そして、先ず、従来の構成においてベルトに貼り付けて搬送を行っていた媒体について、ベルトを省略して搬送を行うことを考えた。この場合、ベルトについては、例えば、印刷装置に設置されていて繰り返して用いられる環状のベルト等と考えることができる。このように構成した場合、例えば、ベルトを用いる構成と比べて小型の搬送機構で媒体を搬送することが可能になり、装置のコストを低減することができる。また、ベルトの洗浄機構も不要になることで、装置のコストを更に低減することもできる。
【0006】
しかし、従来の構成ではベルトに貼り付けて搬送を行っていた媒体について、単にベルトを省略して搬送を行った場合、例えば搬送の精度が低下することで、印刷の品質が低下する場合がある。より具体的に、例えば、布の媒体等を用いる場合、ロール状に巻かれた媒体を順次繰り出して印刷を行うことが考えられる。そして、この場合、例えば媒体の搬送経路において搬送方向と平行な方向へ引っ張る力が媒体にかかることで、媒体に意図しない伸縮が生じやすくなる。また、その結果、例えば、印刷の品質に影響が生じることが考えられる。また、布の媒体等を用いる場合、インクジェットヘッドと対向する位置において、媒体をインクが通り抜けることが考えられる。そして、この場合、インクジェットヘッドと対向する位置において、例えば媒体を通り抜けたインクによって媒体が汚れることを防ぐために、媒体の裏面側を支えない状態で、いわゆる空中搬送を行うことが必要になる場合がある。また、その結果、このような位置において、例えば、媒体に意図しない振動(いわゆる、ばたつき)が生じて、印刷の品質に影響が生じることも考えられる。
【0007】
これに対し、本願の発明者は、例えば間紙のようなシート状の部材を媒体に貼り付けて媒体の搬送を行うことを考えた。このように構成すれば、例えば、ベルトを用いることなく、媒体の搬送をより適切に行うことができる。また、この場合、従来のベルトを用いる場合と比べて、低コストな搬送機構を用いることも可能になる。また、例えば、ベルトの洗浄機構を省略すること等も可能になる。
【0008】
また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。上記の課題を解決するために、本発明は、媒体に対して印刷を行う印刷装置であって、前記媒体へインクを吐出する吐出ヘッドと、ロール状に巻かれた前記媒体から前記媒体を繰り出すことで前記吐出ヘッドへ向けて前記媒体を供給する媒体供給部と、前記媒体供給部から供給される前記媒体を搬送する機構であり、前記吐出ヘッドと対向する位置を通過する搬送経路に沿って前記媒体を搬送する搬送機構と、シート状の貼付シートを前記媒体に貼り付けるシート貼付部とを備え、前記シート貼付部は、前記媒体供給部と、前記吐出ヘッドと対向する位置との間の位置において、前記貼付シートを前記媒体に貼り付け、前記搬送機構は、前記搬送経路の少なくとも一部において、前記貼付シートが貼り付けられた前記媒体を搬送し、前記吐出ヘッドは、前記貼付シートが貼り付けられた前記媒体へインクを吐出することを特徴とする。
【0009】
このように構成すれば、例えば、媒体の搬送を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、従来の印刷装置の構成ではベルトに貼り付けて搬送を行っていた媒体を用いる場合等にも、高い品質でより適切に印刷を行うことができる。
【0010】
この構成において、吐出ヘッドとしては、インクジェットヘッド等を好適に用いることができる。貼付シートについては、例えば、媒体に貼り付けられる薄膜状の部材等と考えることができる。また、貼付シートとしては、例えば、ローラ状に巻かれた状態から順次繰り出されて媒体に貼り付けられるシート等を好適に用いることができる。より具体的に、貼付シートとしては、例えば、紙のシート等を好適に用いることができる。この場合、貼付シートについて、間紙や台紙等に相当する部材等と考えることができる。また、貼付シートとして、例えば、紙以外の素材のシートを用いることも考えられる。この場合、貼付シートについて、例えば、機能的に、間紙や台紙等に相当する部材等と考えることもできる。また、媒体としては、例えば布の媒体を用いることが考えられる。貼付シートとしては、例えば、媒体よりも伸縮性が低いシートを用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、布のような伸縮性の高い媒体を用いる場合にも、搬送時にかかる力の影響で媒体に意図しない伸縮が生じることを適切に防止することができる。また、これにより、例えば、高い品質での印刷をより適切に行うことができる。
【0011】
また、印刷装置は、布の媒体である布媒体の他に、非伸縮性の媒体である非伸縮媒体に対しても印刷が可能であってよい。この場合、非伸縮媒体については、例えば、搬送時に媒体にかかる力による意図しない伸縮が実質的に生じない媒体等と考えることができる。意図しない伸縮が実質的に生じないことについては、例えば、印刷に求められる品質において問題となる伸縮が媒体に生じないこと等と考えることができる。このような非伸縮媒体としては、例えば公知の印刷用の紙やフィルム等を用いることが考えられる。また、この場合、印刷装置において、布媒体に対して印刷を行う印刷時には、シート貼付部によって布媒体に貼付シートを貼り付けることが考えられる。そして、非伸縮媒体に対して印刷を行う場合には、例えば、非伸縮媒体へ貼付シートを貼り付けることなく、印刷を行うことが考えられる。より具体的に、この場合、非伸縮媒体に対して印刷を行う印刷時には、例えば、非伸縮媒体へ貼付シートを貼り付けることなく、搬送機構によって非伸縮媒体を搬送する。そして、吐出ヘッドにより、貼付シートが貼り付けられていない非伸縮媒体へインクを吐出する。このように構成すれば、例えば、多様な媒体に対してより適切に印刷を行うことができる。
【0012】
また、この構成において、印刷装置は、例えば、吐出ヘッドからインクが吐出された後の媒体を巻き取る媒体巻取部を更に備える。このように構成すれば、例えば、印刷後の媒体を適切に巻き取ることができる。また、この場合、吐出ヘッドと対向する位置で媒体が搬送される方向において、吐出ヘッドに対し、媒体巻取部は、例えば、媒体供給部と同じ側に配設される。このように構成すれば、例えば、吐出ヘッドに対して反対の側に媒体供給部と媒体巻取部とが配設される場合と比べて、媒体供給部及び媒体巻取部の設置に要する面積を低減することができる。また、吐出ヘッドに対して同じ側に媒体供給部及び媒体巻取部を配設することで、例えば、筐体のカバー等の一部の部品を共通にして、装置のコストを低減すること等も可能になる。更に、吐出ヘッドに対して同じ側に媒体供給部及び媒体巻取部を配設する場合、媒体の搬送経路において、媒体が移動する方向を反転させることが必要になる。そして、この場合、搬送時に媒体にかかる力のかかり方が複雑になることで、例えば、媒体のみを搬送する構成であると、媒体に意図しない伸縮が生じやすくなることが考えられる。これに対し、上記のように、媒体に貼付シートを貼り付ける場合、このような構成においても、意図しない媒体の伸縮等を適切に防止することができる。
【0013】
また、この構成において、貼付シートとしては、例えば、幅が媒体よりも大きいシートを用いることが考えられる。この場合、貼付シート及び媒体の幅については、例えば、搬送時に媒体が移動する方向と直交する方向における幅等と考えることができる。このように構成すれば、例えば、媒体に対して貼付シートをより容易かつ適切に貼り付けることができる。また、この場合、例えば、貼付シートにおいて媒体が貼り付けられていない部分である貼付シートの余白に対し、吐出ヘッドにインクを吐出させること等も考えられる。より具体的に、この場合、印刷装置は、例えば、主走査駆動部及び制御部を更に備える。主走査駆動部については、例えば、主走査動作を吐出ヘッドに行わせる駆動部等と考えることができる。主走査動作については、例えば、吐出ヘッドと対向する位置において媒体が搬送される方向と直交する主走査方向へ媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する動作等と考えることができる。そして、制御部は、例えば、吐出ヘッド、搬送機構、及び主走査駆動部等の動作を制御する。また、これにより、制御部は、例えば、主走査動作の合間に搬送機構に媒体の搬送を行わせつつ吐出ヘッドに複数回の主走査動作を行わせる。また、少なくとも一部の回の主走査動作において、制御部は、例えば、貼付シートの余白に対して、吐出ヘッドにインクを吐出させる。
【0014】
このように構成した場合、貼付シートの余白部分へのインクの吐出を吐出ヘッドに行わせることで、例えば、印刷の成果物となる画像への影響を防ぎつつ、吐出ヘッドにインクを吐出させることができる。また、これにより、例えば、吐出ヘッドにフラッシングの動作を行わせることができる。余白部分へのインクの吐出については、例えば、フラッシング以外の目的で行うことも考えられる。例えば、媒体の幅の全体に対して画像の印刷を行う場合、余白部分にまで広がるように画像を印刷すること等も考えられる。このように構成すれば、例えば、媒体の幅の全体に対してより適切に画像の印刷を行うことができる。
【0015】
また、この構成において、吐出ヘッドから媒体へのインクの吐出を行った後には、例えば、媒体から貼付シートを剥離することが考えられる。この場合、印刷装置は、例えば、シート剥離部を更に備える。シート剥離部は、例えば、媒体の搬送経路において吐出ヘッドよりも下流側に配設され、吐出ヘッドからインクが吐出された後の媒体から貼付シートを剥離する。このように構成すれば、例えば、媒体から貼付シートを適切に剥離することができる。また、この場合、貼付シートが剥離された媒体について、例えば、媒体巻取部によって巻き取ることが考えられる。このように構成すれば、例えば、印刷後の媒体を適切に巻き取ることができる。印刷後の媒体を巻き取ることについては、例えば、連続してつながる媒体のうち、吐出ヘッドからインクが吐出された部分を順次巻き取ること等と考えることができる。また、連続してつながる媒体については、例えば、媒体供給部から順次供給される媒体等と考えることができる。
【0016】
また、印刷物の用途等によっては、印刷装置において貼付シートの剥離を行わないこと等も考えられる。この場合、媒体巻取部は、例えば、貼付シートが貼り付けられた状態で、媒体を巻き取る。また、この場合、媒体に貼付シートを貼り付けたまま、印刷後に媒体に対して行う後工程を実行すること等も考えられる。このように構成すれば、例えば、貼付シートをより有効に活用することができる。このような後工程としては、例えば、布の媒体への印刷後にインクを発色させる発色工程や、媒体を切断する切断工程等を行うこと等が考えられる。また、この場合、貼付シートについて、例えば、印刷がされた後の媒体に対して行う後工程の実行時にも媒体に貼り付けた状態で使用されるシート等と考えることができる。
【0017】
また、媒体としては、布帛等の一般的な布に限らず、様々な素材の媒体を用いることも考えられる。また、例えば、伸縮性が互いに異なる複数の層を有する構成の媒体を用いること等も考えられる。この場合、貼付シートとしては、例えば、媒体におけるいずれの層よりも伸縮性が低いシートを用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、複雑な伸縮性を有する媒体を用いる場合等にも、より適切に媒体の搬送を行うことができる。また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印刷装置において、媒体の搬送をより適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置10の構成の一例を示す図である。
図2】媒体50及び貼付シート52について更に詳しく説明をする図である。図2(a)は、貼付シート52に対する媒体50の貼り付け方の一例を示す。図2(b)は、媒体50の構成の変形例を示す。
図3】印刷物を作成する動作について説明をする図である。図3(a)は、印刷物を作成する動作の一例を示すフローチャートである。図3(b)は、発色工程の実行時における媒体50の状態の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10の構成の一例を示す。以下に説明をする点を除き、印刷装置10は、公知の印刷装置と同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、印刷装置10は、図示した構成以外に、公知の印刷装置と同一又は同様の構成を更に有してよい。本例において、印刷装置10は、印刷対象の媒体(メディア)50としてロール状の媒体50(ロールメディア)を用いてインクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、以下において説明をするように、媒体50に対して貼付シート52を貼り付けて、媒体50に対する印刷を行う。この場合、貼付シート52については、例えば、媒体50に貼り付けられる薄膜状の部材等と考えることもできる。また、本例において、媒体50としては、例えば布帛等の布の媒体50を用いる。この場合、印刷装置10について、例えば、布に対して印刷を行うテキスタイルプリンタ等と考えることができる。布の媒体50は、伸縮性の媒体の一例である。
【0021】
また、本例において、印刷装置10は、ヘッド部12、プラテン14、Yバー16、媒体繰出巻取部18、シート貼付部20、搬送機構22、シート剥離部24、シート巻取部26、ヒータ28、主走査駆動部32、副走査駆動部34、及び制御部36を備える。ヘッド部12は、媒体50に対してインクを吐出するインクジェットヘッド102を有する部分である。本例において、インクジェットヘッド102は、吐出ヘッドの一例であり、例えば図示を省略したインク供給部から供給されるインクを吐出する。インク供給部としては、例えば、ヘッド部12の外部に配設されるインクカートリッジやインクタンク等を好適に用いることができる。ヘッド部12は、インクジェットヘッド102以外に、例えばインクジェットヘッド102を保持するキャリッジや、電装部品等を更に有してよい。また、ヘッド部12は、複数のインクジェットヘッド102を有してもよい。この場合、複数のインクジェットヘッド102により、複数色のインクを吐出することが考えられる。より具体的に、この場合、複数のインクジェットヘッド102により、例えば、イエロー色(Y色)、マゼンタ色(M色)、シアン色(C色)、及びブラック色(K色)のインクを吐出して、媒体50に対してカラー印刷を行うことが考えられる。
【0022】
プラテン14は、ヘッド部12におけるインクジェットヘッド102と対向する位置において媒体50を支持する台状部材である。本例において、プラテン14は、インクジェットヘッド102と対向する位置において媒体50の裏面側と接触することで、媒体50においてインクジェットヘッド102と対向する部分を支持する。また、図示した構成等から理解できるように、プラテン14の位置では、媒体50及び貼付シート52とプラテン14との位置関係について、例えば、上側から順に、媒体50、貼付シート52、プラテン14の順番になっていると考えることができる。そのため、この場合、プラテン14が媒体50の裏面側と接触することについては、例えば、媒体50の裏面に貼り付けられている貼付シート52に対してプラテン14が接触すること等と考えることができる。また、プラテン14は、例えば、媒体50を吸着して保持してもよい。Yバー16は、所定の主走査方向へ延伸する梁状の部材であり、例えばインクジェットヘッド102を保持するキャリッジを移動可能に保持することで、主走査動作時におけるインクジェットヘッド102の移動をガイドする。本例において、主走査方向は、インクジェットヘッド102と対向する位置において媒体50が搬送される方向と直交する方向である。主走査動作については、例えば、媒体50に対して相対的に主走査方向へ移動しつつインクを吐出する動作等と考えることができる。
【0023】
媒体繰出巻取部18は、媒体50の繰り出しと巻き取りを行うことで印刷装置10において媒体50の供給と回収とを行う部分である。本例において、媒体繰出巻取部18は、媒体供給部202及び媒体巻取部204を有する。媒体供給部202は、ロール状に媒体50が巻かれたローラ軸を保持する構成であり、ローラ軸の回転に応じてロール状に巻かれた媒体50から媒体50を繰り出すことで、インクジェットヘッド102へ向けて媒体50を供給する。インクジェットヘッド102へ向けて媒体50を供給することについては、例えば、インクジェットヘッド102と対向する位置を通過する搬送経路に沿って媒体50の各位置が移動するように媒体50を供給すること等と考えることができる。搬送経路に沿って媒体50の各位置が移動することについては、例えば、媒体供給部202におけるローラ軸の回転に応じて媒体供給部202から順次繰り出される媒体50が搬送経路に沿って移動すること等と考えることができる。また、媒体巻取部204は、印刷後の媒体50が巻かれるローラ軸を保持する構成であり、媒体50の搬送経路においてインクジェットヘッド102よりも下流側に配設されることで、インクジェットヘッド102からインクが吐出された後の媒体50を巻き取る。媒体50の搬送経路におけるインクジェットヘッド102よりも下流側については、例えば、搬送経路においてインクジェットヘッド102と対向する位置よりも下流の側等と考えることができる。
【0024】
また、図示した構成等から理解できるように、本例において、媒体50において媒体供給部202から繰り出された部分は、媒体供給部202に残っている部分つながった状態のまま、媒体巻取部204の位置まで搬送される。そのため、媒体供給部202が媒体50を供給することについては、例えば、このようにして媒体50の各部を順次繰り出すこと等と考えることもできる。また、媒体巻取部204が媒体50を巻き取ることについては、例えば、このようにして媒体50の各部を順次巻き取ること等と考えることもできる。媒体巻取部204の動作については、例えば、連続してつながる媒体50のうち、インクジェットヘッド102からインクが吐出された部分を順次巻き取る動作等と考えることもできる。また、媒体50について、例えば、公知のテキスタイルプリンタと同様の経路を辿って媒体巻取部204で巻き取られると考えることもできる。更に、以下において説明をするように、本例において、媒体巻取部204は、貼付シート52が剥離された後の媒体50を巻き取る。
【0025】
本例によれば、例えば、印刷前の媒体50の供給、及び印刷後の媒体50の巻き取りを適切に行うことができる。また、図中に示すように、本例の媒体供給部202及び媒体巻取部204は、インクジェットヘッド102と対向する位置で媒体50が搬送される方向において、インクジェットヘッド102に対する同じ側(例えば、印刷装置10における背面側)に配設されている。このように構成した場合、例えば、インクジェットヘッド102に対して反対の側に媒体供給部202と媒体巻取部204とが配設される場合と比べて、媒体供給部202及び媒体巻取部204の設置に要する面積を低減することができる。また、この場合、例えば、印刷装置10の手前側(正面側)においても、媒体50に対してより適切にテンションをかけることが可能になる。
【0026】
更に、この場合、インクジェットヘッド102に対して同じ側に媒体供給部202及び媒体巻取部204を配設することで、例えば、媒体供給部202及び媒体巻取部204を覆う筐体のカバー等の一部の部品を共通にして、装置のコストを低減すること等も可能になる。この場合、印刷装置10において媒体供給部202及び媒体巻取部204を含む部分について、例えば、一つのユニット部品として構成すること等も考えられる。ユニット部品については、例えば、印刷装置10においてまとめて交換される単位の部品等と考えることができる。媒体供給部202及び媒体巻取部204を含むユニット部品は、例えば、ロールメディアを用いる場合に選択的に使用される構成であってもよい。また、このユニット部品は、媒体供給部202及び媒体巻取部204以外の構成を更に含んでもよい。例えば、以下において説明をするシート貼付部20、シート剥離部24、及びシート巻取部26の少なくとも一部について、媒体供給部202及び媒体巻取部204を含むユニット部品に含めてもよい。また、搬送機構22の少なくとも一部(例えば、一部のローラ)について、このユニット部品に含めてもよい。
【0027】
シート貼付部20は、貼付シート52を媒体50に貼り付けるための構成である。貼付シート52としては、例えば、媒体50よりも伸縮性が低いシートを用いることが考えられる。このように構成した場合、貼付シート52が貼り付けられた状態で媒体50の搬送を行うことで、例えば、布のような伸縮性の高い媒体50を用いる場合にも、搬送時にかかる力の影響で媒体50に意図しない伸縮が生じることを適切に防止することができる。また、これにより、例えば、高い品質(印字品質)での印刷をより適切に行うことができる。また、本例において、貼付シート52としては、例えば、表面に糊剤が塗布された紙を用いる。この紙としては、例えば、公知のベースペーパー等を好適に用いることができる。この場合、貼付シート52について、例えば、間紙や台紙等に相当する紙のシート等と考えることもできる。糊剤の強度については、例えば、媒体50の搬送中には媒体50から貼付シート52が剥がれず、かつ、必要に応じて媒体50から貼付シート52を引きはがせる強度とすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、搬送時における媒体50の伸縮を適切に抑えつつ、貼付シート52が不要になった時点で貼付シート52を適切に剥離することができる。また、本例において、貼付シート52としては、ローラ状に巻かれた状態から順次繰り出されて媒体50に貼り付けられるシートを用いる。
【0028】
貼付シート52としては、例えば、紙以外の素材のシートを用いてもよい。この場合、貼付シート52について、例えば、機能的に、間紙や台紙等に相当する部材等と考えることもできる。また、貼付シート52としては、非伸縮性のシートを用いることが好ましい。貼付シート52について、非伸縮性であることについては、例えば、印刷に求められる品質や、媒体50の伸縮性との関係に応じて、実質的に非伸縮性であること等と考えることができる。より具体的に、例えば、布の媒体50を用いる場合、紙の貼付シート52や、紙と同程度の伸縮性の貼付シート52について、非伸縮性であると考えることができる。また、本例において、貼付シート52としては、媒体50を通り抜けたインクを吸収する性質のシートを用いる。このように構成すれば、例えば、媒体50を通り抜けたインクの影響で媒体50に意図しない汚れが生じること等を適切に防止することができる。
【0029】
また、本例において、シート貼付部20は、シート供給部212及び加圧ローラ222を有し、媒体50の搬送経路における媒体供給部202と、プラテン14との間の位置で、貼付シート52を貼り付ける。この場合、プラテン14の位置について、例えば、インクジェットヘッド102と対向する位置等と考えることができる。また、図示した構成等から理解できるように、本例において、媒体50に対して貼付シート52を貼り付けることについては、例えば、連続してつながる媒体50においてシート貼付部20の位置に達した部分に順次貼付シート52を貼り付けること等と考えることができる。連続してつながる媒体50については、例えば、媒体供給部202から順次供給される媒体50等と考えることができる。また、シート供給部212は、媒体50の搬送に合わせて貼付シート52を供給する構成であり、ロール状に貼付シート52が巻かれたローラ軸を保持し、ローラ軸の回転に応じてロール状に巻かれた貼付シート52から貼付シート52を繰り出すことで、加圧ローラ222の位置に向けて貼付シート52を供給する。より具体的に、本例において、シート供給部212は、加圧ローラ222の位置で媒体50と貼付シート52とが重なるように、媒体50の搬送経路における所定の位置へ向けて、貼付シート52を供給する。また、図示した構成の場合、貼付シート52としては、ロール状に巻かれた状態で外側になる面(表面)が糊面になるシートを用いる。加圧ローラ222は、媒体50に対して貼付シート52を貼り付けるための加圧を行うローラであり、搬送機構22におけるローラ302と対向する位置に配設され、重なった状態の媒体50及び貼付シート52をローラ302との間に挟み、ローラ302へ向けて押圧をすることで、媒体50に対して貼付シート52を貼り付ける。このように構成すれば、例えば、媒体50の搬送経路において、媒体50に対して貼付シート52を適切に貼り付けることができる。
【0030】
搬送機構22は、媒体供給部202から供給される媒体50を搬送する機構である。本例において、搬送機構22は、複数のローラ302~318を有し、インクジェットヘッド102と対向する位置を通過する搬送経路に沿って、媒体50を搬送する。また、搬送機構22は、搬送経路の少なくとも一部において、貼付シート52が貼り付けられた媒体50を搬送する。この場合、搬送機構22について、例えば、媒体50と貼付シート52とを一体にした状態で少なくとも一部のローラを媒体50が通過する構成になっていると考えることができる。また、より具体的に、本例において、搬送機構22は、加圧ローラ222と対向する位置に配設されるローラ302よりも下流側で、かつ、シート剥離部24によって貼付シート52が剥離される位置までの範囲において、貼付シート52が貼り付けられた媒体50を搬送する。そして、この場合、例えば図中に示すように、少なくともプラテン14上を通過するタイミングにおいて、媒体50には、貼付シート52が貼り付けられている。また、この場合、インクジェットヘッド102の動作について、例えば、貼付シート52が貼り付けられた媒体50へインクを吐出すると考えることができる。このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッド102によってインクを吐出する位置において、媒体50に意図しない伸縮が生じることを適切に防止することができる。また、これにより、例えば、高い品質での印刷を適切に行うことができる。
【0031】
搬送機構22において、複数のローラ302~318としては、例えば、公知の搬送機構におけるローラと同一又は同様のローラを用いることができる。また、複数のローラ302~318として、例えば、搬送経路におけるローラの位置やローラの用途等に応じて、サイズや特徴が異なる複数種類のローラを用いることが考えられる。より具体的に、図示した構成の場合、搬送機構22における複数のローラ302~318のうち、ローラ302、ローラ308、及びローラ312として、ブレーキローラを用いる。ブレーキローラについては、例えば、媒体50の搬送速度を制御するためのローラ等と考えることができる。また、これらのブレーキローラについては、例えば、搬送経路において布の媒体50を導く導布用のローラ等と考えることもできる。ブレーキローラは、例えば、媒体が搬送される方向へ媒体50が引っ張られる力と、ローラの回転を制御するトルクリミッタの設定とに応じて、媒体50の搬送にブレーキをかけることで、媒体50の搬送速度を制御する。また、搬送機構22におけるブレーキローラについては、例えば、媒体50にかかるテンション(張力)の区切りになっていると考えることもできる。また、本例において、ローラ310としては、ゴムローラを用いる。この場合、ローラ310として、例えば、搬送機構22において求められる搬送性能に応じた把持力が得られるゴムローラを用いることが考えられる。ローラ306、ローラ314、及びローラ318としては、ブラシローラを用いる。ゴムローラ及びブラシローラとしては、例えば、公知の搬送機構において用いられているゴムローラ及びブラシローラと同一又は同様のローラを用いることができる。搬送機構22における上記以外のローラとしても、例えば、公知の搬送機構において用いられているローラと同一又は同様のローラを用いることができる。
【0032】
また、本例において、ローラ304及びローラ314は、媒体50が搬送される方向と交差する交差方向へ移動可能であり、交差方向へ移動することで、媒体50にかかるテンションを調整する。この場合、ローラ304及びローラ314について、媒体50にかかるテンションを調整するテンション調整機構の一例と考えることができる。また、搬送機構22について、例えば、テンション調整機構を有していると考えることができる。また、本例の構成の場合、ローラ304により、例えば、媒体50の搬送経路におけるインクジェットヘッド102よりも上流側で媒体50のテンションを調整していると考えることができる。そして、ローラ314により、例えば、媒体50の搬送経路におけるインクジェットヘッド102よりも下流側で媒体50のテンションを調整していると考えることができる。このような構成の搬送機構22を用いることにより、印刷装置10において、例えば、媒体50の搬送を適切に行うことができる。また、搬送機構22において、例えば、上記と異なる構成のテンション調整機構を用いてもよい。この場合、例えば、テンション調整用の棒状部材であるテンションバーによってテンションを調整するテンション調整機構を用いること等が考えられる。
【0033】
シート剥離部24は、インクジェットヘッド102からインクが吐出された後の媒体50から貼付シート52を剥離する構成であり、媒体50の搬送経路においてインクジェットヘッド102よりも下流側に配設される。本例において、シート剥離部24は、搬送機構22におけるローラ316とローラ318との間において、媒体50から貼付シート52を剥離する。媒体50から貼付シート52を引きはがす動作については、例えば、媒体50から貼付シート52を分離する動作等と考えることもできる。シート巻取部26は、シート剥離部24によって剥離された貼付シート52を巻き取る構成である。本例によれば、例えば、印刷装置10内において、媒体50から貼付シート52を適切に剥離することができる。また、剥離した貼付シート52について、シート巻取部26によって適切に回収することができる。また、図示した構成等から理解できるように、本例において、媒体巻取部204は、媒体50の搬送経路におけるシート剥離部24よりも下流側で、貼付シート52が剥離された媒体50を巻き取る。シート巻取部26で巻き取られる貼付シート52については、例えば、インクによる汚損が生じている廃棄物等と考えることができる。使用後の貼付シート52については、例えば、昇華型のインクを用いる場合に実行する昇華発色処理で用いるベースペーパー等と同様にして廃棄処理を行うことが考えられる。
【0034】
ヒータ28は、媒体50にインクを定着させる定着手段の一例であり、媒体50の搬送経路においてヘッド部12よりも下流側において、媒体50を加熱することでインクを乾燥させて、媒体50にインクを定着させる。主走査駆動部32は、インクジェットヘッド102に主走査動作を行わせる駆動部である。本例において、主走査駆動部32は、ヘッド部12においてインクジェットヘッド102を保持するキャリッジをYバー16に沿って移動させつつ、インクジェットヘッド102にインクを吐出させることで、インクジェットヘッド102に主走査動作を行わせる。副走査駆動部34は、インクジェットヘッド102に副走査動作を行わせる駆動部である。副走査動作については、例えば、主走査方向と直交する副走査方向へ媒体50に対して相対的に移動する動作等と考えることができる。本例において、副走査駆動部34は、搬送機構22による媒体50の搬送の駆動を行うことにより、インクジェットヘッド102に副走査動作を行わせる。また、制御部36は、例えば印刷装置10におけるCPUを含む部分であり、印刷装置10の各部の動作を制御する。より具体的に、制御部36は、例えば、インクジェットヘッド102及び主走査駆動部32等の動作を制御することで、インクジェットヘッド102に主走査動作を行わせる。また、搬送機構22及び副走査駆動部34等の動作を制御することで、インクジェットヘッド102に副走査動作を行わせる。また、これにより、制御部36は、例えば、主走査動作の合間に搬送機構22に媒体50の搬送を行わせつつ、インクジェットヘッド102に複数回の主走査動作を行わせる。
【0035】
本例によれば、例えば、媒体50に対して適切に印刷を行うことができる。また、この場合において、媒体50に貼付シート52を貼り付けた状態で媒体50の搬送を行うことで、例えば、媒体50の搬送や媒体50に対するインクの吐出を高い精度でより適切に行うことが可能になる。より具体的に、例えば、布の媒体50のような伸縮性の高い媒体50を用いる場合、媒体50をそのまま搬送すると、媒体50に意図しない伸縮が生じやすくなる。また、その結果、搬送の精度が低下して、印刷の品質への影響が生じるおそれがある。これに対し、本例においては、媒体50に対して貼付シート52を貼り付けることで、伸縮性の高い媒体50を用いる場合にも、高い精度での媒体50の搬送をより適切に行うことができる。
【0036】
また、布の媒体50をそのまま搬送する場合、例えば、インクジェットヘッド102と対向する位置において、媒体50をインクが通り抜けることが考えられる。そして、この場合、例えば、媒体50を通り抜けたインクによって媒体50が汚れることを防ぐために、プラテン14によって媒体50の裏面側を支えることなく、いわゆる空中搬送を行うことが必要になる場合がある。また、その結果、このような位置において、例えば、媒体50に意図しない振動(いわゆる、ばたつき)が生じて、印刷の品質に影響が生じることも考えられる。これに対し、本例においては、媒体50に対して貼付シート52を貼り付けることで、例えば、媒体50を通り抜けたインクを貼付シート52によって適切に受け止めることができる。そして、この場合、例えば、プラテン14によって媒体50の裏面側を支える構成を用いても、媒体50を通り抜けたインクによって媒体50が汚れることを適切に防止することができる。そのため、本例によれば、例えば、インクジェットヘッド102と対向する位置においても、空中搬送を行うことなく、より高い精度で媒体50の搬送を行うことができる。また、これにより、例えば、インクジェットヘッド102から媒体50へのインクの吐出をより高い精度で適切に行い、印刷の品質を適切に向上させることができる。
【0037】
ここで、布の媒体50等を高い精度で搬送するための構成としては、従来から、例えば、印刷装置に備え付けられた環状のベルトを繰り返し用いる構成等が知られている。しかし、この場合、印刷装置の大型化や高コスト化等の問題が生じやすくなる。これに対し、本例においては、このようなベルトを用いることなく、媒体50の搬送を適切に行うことができる。また、この場合、ベルト用の搬送機構と比べて小型の搬送機構22を用いることが可能になることや、ベルトの洗浄機構が不要になること等により、印刷装置10の小型化や低コスト化等を適切に実現することができる。また、ベルトの洗浄が不要になることで、例えば、ベルトの洗浄等に使用する水を完全に排除すること等も可能になる。また、これにより、例えば、布の媒体50への印刷を行う構成として、印刷装置10において使用する水を極限にまで減らした無水捺染をより適切に実現することができる。
【0038】
また、上記においても説明をしたように、本例において、媒体供給部202及び媒体巻取部204は、インクジェットヘッド102に対して同じ側に配設されている。そして、このような配置に対応して、媒体50の搬送経路において媒体50が移動する方向は、例えば図中に示すように、反転している。この場合、媒体50の搬送経路について、例えば、媒体50を折り返す経路になっている等と考えることもできる。そして、このような場合、搬送時に媒体50にかかる力のかかり方が複雑になることが考えられる。また、その結果、例えば貼付シート52等を用いずに媒体50のみを搬送する構成であると、媒体50に意図しない伸縮が生じやすくなることが考えられる。これに対し、本例においては、媒体50に貼付シート52を貼り付けることにより、このような搬送経路で媒体50を搬送する場合にも、意図しない媒体50の伸縮等を適切に防止することができる。そのため、媒体50に対して貼付シート52を貼り付ける構成については、例えば、インクジェットヘッド102に対して同じ側に媒体供給部202及び媒体巻取部204を配設する場合に特に好ましい構成等と考えることもできる。また、媒体50のみを搬送する場合に生じる媒体50の意図しない伸縮等については、このような構成に限らず、例えば媒体50の搬送経路における搬送距離が長い場合等にも生じやすいと考えることができる。そのため、媒体50に対して貼付シート52を貼り付ける構成については、例えば、媒体50の搬送距離が長い場合等にも特に適していると考えることができる。また、求められる印刷の品質に応じて、より単純な搬送経路を用いる場合等でも、媒体50に対して貼付シート52を貼り付ける構成について、有効な構成になると考えることができる。
【0039】
また、本例において、貼付シート52としては、例えば、幅が媒体50と同程度以上のシートを用いることが考えられる。この場合、貼付シート52及び媒体50の幅については、例えば、搬送時に媒体50が移動する方向と直交する方向における幅等と考えることができる。また、貼付シート52の幅については、例えば図2(a)に示すように、媒体50よりも大きくしてもよい。図2は、媒体50及び貼付シート52について更に詳しく説明をする図である。図2(a)は、貼付シート52に対する媒体50の貼り付け方の一例を示す。
【0040】
このように構成した場合、貼付シート52の幅に余裕があることで、例えば、媒体50に対して貼付シート52をより容易かつ適切に貼り付けることができる。また、貼付シート52の幅を媒体50の幅よりも大きくすることで、例えば、インクジェットヘッド102(図1参照)と対向する位置において、プラテン14(図1参照)の汚損をより確実に防ぐことができる。また、この場合、例えば、貼付シート52の幅を媒体50の幅よりも一定量だけ大きくすることで、媒体50の幅の全体に対して印刷を行う縁なし印刷等を行う場合にも、プラテン14の汚損を適切に防止することができる。そのため、このように構成すれば、例えば、媒体50に対する縁なし印刷をより適切に行うこと等も可能になる。
【0041】
更に、この場合、例えば、貼付シート52において媒体50が貼り付けられていない部分である貼付シート52の余白に対して、意図的に、インクジェットヘッド102にインクを吐出させること等も考えられる。この場合、印刷装置10における制御部36(図1参照)は、例えば、インクジェットヘッド102及び主走査駆動部32(図1参照)等の動作を制御することで、少なくとも一部の回の主走査動作において、貼付シート52の余白に対して、インクジェットヘッド102にインクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、印刷の成果物となる画像への影響を防ぎつつ、インクジェットヘッド102にインクを吐出させることができる。また、より具体的に、この場合、例えば、貼付シート52の余白に対し、インクジェットヘッド102にフラッシング(捨て打ち)を行わせることが考えられる。このように構成すれば、例えば、プラテン14を汚すことなく、媒体50に近い位置において、インクジェットヘッド102にフラッシングを適切に行わせることができる。また、この場合、例えば、フラッシングで吐出されるインクを受けるための構成を別途設けることなく、インクジェットヘッド102にフラッシングを適切に行わせることもできる。
【0042】
また、意図的に行う余白部分へのインクの吐出については、例えば、フラッシング以外の目的で行うことも考えられる。例えば、縁なし印刷を行う場合のような、媒体50の幅の全体に対して画像の印刷を行う場合、余白部分にまで広がるように画像を印刷するオーバープリントを行うこと等も考えられる。このように構成すれば、例えば、媒体50の幅の全体に対してより適切に画像の印刷を行うことができる。また、貼付シート52の幅については、例えば、媒体50の幅以下にすること等も考えられる。例えば、貼付シート52の余白部分へのフラッシングやオーバープリントを行わない場合、貼付シート52の幅について、媒体50の幅と同じにすること等も考えられる。また、印刷の条件等によっては、貼付シート52の幅について、媒体50の幅よりも小さくすること等も考えられる。より具体的に、例えば、媒体50上において画像が印刷される領域である印刷範囲の幅が媒体50の幅よりも小さい場合、貼付シート52の幅について、例えば、媒体50の幅よりも小さく、かつ、印刷範囲の幅以上の幅にすること等が考えられる。
【0043】
また、貼付シート52に貼り付けられる媒体50に関し、上記においては、主に、布帛等の布の媒体50を用いる場合について、説明をした。しかし、媒体50としては、布帛等の一般的な布に限らず、様々な素材の媒体50を用いることも考えられる。また、この場合、例えば図2(b)に示すように、複数の層を有する構成の媒体50を用いること等も考えられる。図2(b)は、媒体50の構成の変形例を示す。また、より具体的に、図2(b)に示す構成において、媒体50は、伸縮性が互いに異なる複数の層152、154を有する。このような媒体50としては、例えば、布とゴムとを重ねた媒体50等を用いることが考えられる。この場合、層152及び層154の一方について、例えば、布の層と考えることができる。また、層152及び層154の他方について、例えば、布の層と考えることができる。このような媒体50については、例えば、異なる素材の層を重ねた構成の媒体50等と考えることもできる。
【0044】
また、この場合、貼付シート52としては、例えば、媒体50におけるいずれの層152、154よりも伸縮性が低いシートを用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、複雑な伸縮性を有する媒体50を用いる場合等にも、より適切に媒体50の搬送を行うことができる。より具体的に、このような複数の層152、154を有する媒体50を用いる場合、例えば貼付シート52を用いずに、媒体50をそのまま搬送しようとすると、複数の層152、154の間での伸縮性の違いにより、意図しない媒体50の反り等が生じて、媒体50を高い精度で搬送することが難しくなることが考えられる。これに対し、上記のように貼付シート52を用いる場合、媒体50における層152、154の過剰な伸縮を防ぎつつ、媒体50の搬送を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、複数の層152、154を有する媒体50を用いる場合にも、高い品質での印刷をより適切に行うことができる。
【0045】
続いて、印刷装置10(図1参照)を用いて印刷物を作成する動作について、更に詳しく説明をする。図3は、印刷物を作成する動作について説明をする図である。図3(a)は、印刷物を作成する動作の一例を示すフローチャートである。
【0046】
上記においても説明をしたように、本例において、印刷装置10は、布の媒体50に対して、印刷を行う(S102)。この場合、印刷装置10において媒体50に対して印刷を行う動作について、例えば、印刷処理を実行する印刷工程の動作等と考えることができる。また、この場合、印刷工程で印刷がされた後の媒体50に対し、様々な後工程を実行することが考えられる。より具体的に、本例の印刷工程(S102)において、印刷装置10は、布の媒体50に対し、例えば、印刷後に発色処理(例えば、昇華発色処理)が必要になる捺染用のインク(例えば、昇華型インク)を用いて、印刷を行う。そして、後工程として、例えば、インクを発色させる発色処理を実行する発色工程を行う(S104)。このような発色工程としては、例えば、公知の捺染用のインクに対して行う公知の工程と同一又は同様の工程を行うことが考えられる。より具体的に、発色工程としては、例えば、蒸気によって媒体50を加熱するスチーミングの工程等を実行することが考えられる。また、発色工程等の後工程の実行時には、台紙(ベースペーパー)となるシートを媒体50に対して貼り付けた状態で処理を実行すること等も考えられる。そして、この場合、例えば、印刷装置10において媒体50に対して貼り付けた貼付シート52をそのまま利用して、後工程を実行すること等も考えられる。
【0047】
この点に関し、上記においては、印刷装置10の動作について、主に、印刷装置10においてシート剥離部24(図1参照)を用いて媒体50から貼付シート52を剥離する動作について、説明をした。しかし、印刷物の用途等によっては、印刷装置10において、貼付シート52の剥離を行わないこと等も考えられる。この場合、印刷装置10において、媒体巻取部204(図1参照)は、例えば、貼付シート52が貼り付けられた状態で、媒体50を巻き取る。また、この場合、例えば、媒体50に貼付シート52を貼り付けたまま、印刷後に媒体50に対して行う後工程を実行することが考えられる。このように構成すれば、例えば、貼付シート52をより有効に活用することができる。また、この場合、貼付シート52について、例えば、後工程の実行時にも媒体50に貼り付けた状態で使用されるシート等と考えることができる。
【0048】
より具体的に、例えば、後工程として発色工程を行う場合、例えば図3(b)に示すように、台紙となるシートを媒体50の上下に重ねた状態で発色処理を行うことが考えられる。図3(b)は、発色工程の実行時における媒体50の状態の一例を示す。この場合、例えば、媒体50の一方の面の側で重なるシートとして貼付シート52をそのまま用い、媒体50の他方の面の側に、他のシートである後処理用シート54を貼り付ける。このように構成すれば、例えば、貼付シート52を有効に利用して、発色工程を適切に実行することができる。また、媒体50に貼付シート52を貼り付けたままで実行する後工程としては、発色工程以外の工程を行うことも考えられる。この場合、例えば、印刷後の媒体50を切断する切断工程について、媒体50に貼付シート52を貼り付けたままで実行すること等が考えられる。このように構成した場合、例えば、貼付シート52によって媒体50を支えた状態で切断を行うことで、切断工程をより容易に行うことが可能になる。
【0049】
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明や変形例の説明等を行う。説明の便宜上、以下においては、上記及び以下において説明をする変形例を含めて、本例の構成という場合がある。上記においても説明をしたように、本例においては、媒体50に対して貼付シート52を貼り付けることで、例えば布の媒体50のように伸縮性が高い媒体50を用いる場合にも、搬送時にかかるテンションによる媒体50の伸び量を適切に低減することができる。また、これにより、例えば、そのままではテンションがかかった状態で搬送を行うことが難しい媒体50を用いる場合にも、媒体50の搬送を適切に行うことができる。
【0050】
また、この場合、印刷装置10の構造として、例えば、いわゆる縦型機のプリンタと同様の構造を用いつつ、従来の縦型機のプリンタでは使用が難しかった媒体50を使用することが可能になる。そのため、本例の印刷装置10については、例えば、縦型機の構造を維持しつつ、使用可能な媒体50の種類(メディア適正)を従来の縦型機のプリンタよりも拡充できると考えることができる。また、この場合において、メディア適正について、例えば、ベルトを用いて媒体の搬送を行うベルト機と同様にすること等も可能になる。また、この場合、例えば、従来の縦型機等で媒体50として用いる紙等と同様の材質の貼付シート52を用いることで、搬送機構22(図1参照)におけるローラとして、従来の縦型機等で使用されているローラ(例えば、ゴムローラ等)と同一又は同様のローラを用いること等も可能になる。
【0051】
また、上記においては、主に、インクジェットヘッド102に対する同じ側に媒体供給部202及び媒体巻取部204(図1参照)が配設される構成の例について、説明をした。これに対し、印刷装置10の構成の変形例においては、例えば、インクジェットヘッド102に対し、媒体供給部202と反対側に媒体巻取部204を配設すること等も考えられる。また、この場合、搬送機構22の構成や、シート貼付部20、シート剥離部24、及びシート巻取部26等(図1参照)を配設する位置等について、媒体供給部202及び媒体巻取部204の位置に合わせて変更することが考えられる。
【0052】
また、印刷装置10は、伸縮性の布等の媒体50(布媒体)に対する印刷に加えて、非伸縮性の媒体である非伸縮性媒体に対する印刷を行ってもよい。この場合、非伸縮媒体については、例えば、搬送時に媒体50にかかる力による意図しない伸縮が実質的に生じない媒体等と考えることができる。意図しない伸縮が実質的に生じないことについては、例えば、印刷に求められる品質において問題となる伸縮が媒体50に生じないこと等と考えることができる。このような非伸縮媒体としては、例えば、公知の印刷用の紙やフィルム等を用いることが考えられる。また、この場合、布の媒体50に対して印刷を行う印刷時において、印刷装置10は、シート貼付部20によって、媒体50に貼付シート52を貼り付ける。そして、非伸縮媒体に対して印刷を行う場合、印刷装置10は、非伸縮媒体へ貼付シート52を貼り付けることなく、印刷を行う。より具体的に、非伸縮媒体に対して印刷を行う印刷時において、印刷装置10は、例えば、非伸縮媒体へ貼付シート52を貼り付けることなく、搬送機構22によって、非伸縮媒体を搬送する。そして、インクジェットヘッド102により、貼付シート52が貼り付けられていない非伸縮媒体へ、インクを吐出する。このように構成すれば、例えば、多様な媒体に対してより適切に印刷を行うことができる。また、この場合、非伸縮媒体への印刷時において、貼付シート52を使用しないことで、印刷のコストを低減することもできる。
【0053】
また、印刷装置10において、最初から貼付シート52が貼り付けられている媒体50を用いること等も考えられる。この場合、貼付シート52が貼り付けられている媒体50の使用時において、印刷装置10は、例えば、貼付シート52が貼り付けられている媒体50を媒体供給部202から供給して、印刷の動作を実行する。また、この場合も、必要に応じて、貼付シート52が貼り付けられていない布の媒体50等を用いることが考えられる。貼付シート52が貼り付けられていない布の媒体50等を用いる場合、印刷装置10は、例えば、シート貼付部20において、媒体50に対し、貼付シート52を貼り付ける。このように構成すれば、例えば、より多様な媒体に対してより適切に印刷を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0055】
10・・・印刷装置、102・・・インクジェットヘッド、12・・・ヘッド部、14・・・プラテン、152・・・層、154・・・層、16・・・Yバー、18・・・媒体繰出巻取部、20・・・シート貼付部、202・・・媒体供給部、204・・・媒体巻取部、212・・・シート供給部、22・・・搬送機構、222・・・加圧ローラ、24・・・シート剥離部、26・・・シート巻取部、28・・・ヒータ、302・・・ローラ、304・・・ローラ、306・・・ローラ、308・・・ローラ、310・・・ローラ、312・・・ローラ、314・・・ローラ、316・・・ローラ、318・・・ローラ、32・・・主走査駆動部、34・・・副走査駆動部、36・・・制御部、50・・・媒体、52・・・貼付シート、54・・・後処理用シート
図1
図2
図3