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特開2024-155135楽曲提供装置、楽曲提供方法、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155135
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】楽曲提供装置、楽曲提供方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/63 20190101AFI20241024BHJP
   A61M 21/02 20060101ALI20241024BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241024BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06F16/63
A61M21/02 G
G06Q50/10
G10K15/02
A61M21/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069578
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】520127960
【氏名又は名称】Co-Studio株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】今林 知柔
(72)【発明者】
【氏名】玉木 浩子
(72)【発明者】
【氏名】江上 慎
【テーマコード(参考)】
5B175
5D208
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175DA05
5B175FA01
5B175FB03
5B175HA01
5D208BA02
5D208BB03
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザの心理的状態に対応して、特定の状態に導くための楽曲を提供することができるようにする技術を実現する。
【解決手段】ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、ハーモニー、音色、リズム、メロディ、および、テンションの少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースと、アンケートに対するユーザの回答を参照して、ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成する評価指標生成部と、ストレス評価指標と、楽曲特徴指標とを比較することで、ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、楽曲データベースの楽曲から選択する楽曲選択部とを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、
ハーモニー、音色、リズム、メロディ、および、テンションの少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースと、
アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成する評価指標生成部と、
前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、前記楽曲データベースの楽曲から選択する楽曲選択部と
を備える楽曲提供装置。
【請求項2】
前記ストレス評価指標は、POMS形式のアンケート結果に基づいて生成される
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項3】
前記ハーモニーの要素に係る特徴は、前記楽曲における単位時間内の音数を少なくとも含む
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項4】
前記音色の要素に係る特徴は、前記楽曲の原音に対して与えられるエフェクト強度を少なくとも含む
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項5】
前記リズムの要素に係る特徴は、前記楽曲のBPM(Beat per Minite)の上限値と下限値とを少なくとも含む
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項6】
前記メロディの要素に係る特徴は、前記楽曲の中でメロディラインが演奏される部分の時間を少なくとも含む
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項7】
前記テンションの要素に係る特徴は、前記楽曲の1拍の長さを変更した箇所の出現回数を少なくとも含む
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項8】
前記楽曲選択部は、
前記ストレス評価指標の数値から成るベクトルと、前記楽曲特徴指標から成るベクトルとの内積の演算結果に基づいて、前記楽曲を選択する
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項9】
前記ユーザに係る情報であって、少なくとも、前記ユーザの属性、前記ユーザが回答したアンケート結果、および、前記ユーザに提供された楽曲に対するフィードバックを含む情報をユーザごとに記憶する記憶部をさらに備え、
前記評価指標生成部は、前記記憶部に記憶された情報を参照して前記ストレス評価指標を生成する
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項10】
前記アンケートは複数の質問によって構成され、
前記アンケートに対する回答は、選択肢を特定する数値として入力され、
前記評価指標生成部は、
前記記憶部に記憶された前記ユーザが回答した前記楽曲に対するフィードバックに基づいて各回のアンケート結果を重み付けした回答を生成し、
前記重み付けした回答を参照して前記ストレス評価指標を生成する
請求項9に記載の楽曲提供装置。
【請求項11】
前記評価指標生成部は、
前記フィードバックと、前記フィードバックに係る楽曲の識別子とを対応付けた楽曲フィードバック情報をさらに生成する
請求項9に記載の楽曲提供装置。
【請求項12】
前記評価指標生成部は、
前記ユーザの属性に基づいて、前記アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して生成された前記ストレス評価指標を補正する
請求項9に記載の楽曲提供装置。
【請求項13】
前記楽曲は、前記ユーザを眠りやすい状態に導くための楽曲である
請求項1に記載の楽曲提供装置。
【請求項14】
ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、テンション、リズム、ハーモニー、メロディ、および、音色の少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースを有する楽曲提供装置の楽曲提供方法であって、
アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成し、
前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、楽曲データベースの楽曲から選択するステップを含む
楽曲提供方法。
【請求項15】
コンピュータを、
ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、
テンション、リズム、ハーモニー、メロディ、および、音色の少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースと、
アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成する評価指標生成部と、
前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、前記楽曲データベースの楽曲から選択する楽曲選択部とを備える楽曲提供装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲提供装置、楽曲提供方法、および、プログラムに関し、特に、ユーザの心理的状態に対応して、特定の状態に導くための楽曲を提供することができるようにする楽曲提供装置、楽曲提供方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特定の音を聴くことにより、生理機能を調節する治療法も注目されている。例えば、528Hzの周波数を有する音は、副交感神経を効果的に刺激する効果があると言われており、例えば、自律神経のバランスを整える効果が期待されている。
【0003】
さらに、楽曲の要素、例えば、単位時間あたりの音数、単位時間当たりのビート数などの変動が、楽曲を聴く人の心拍数や呼吸などに影響することについても研究が進んでいる(例えば、非特許文献1~非特許文献4)。
【0004】
また、例えば、インターネットなどを介してユーザに楽曲を提供するサービスが知られている。提供される楽曲には、ヒーリング効果を謳うものや、リラックス効果を謳うものなどがある。例えば、眠れないときに、リラックス効果のある楽曲を聴くことで心地よく眠れることもある。
【0005】
さらに、ユーザの状態に応じて楽曲や音が出力されるようにする技術も提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、ユーザの顔画像を認識して、顔画像の変化に対応した音声を出力する技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献2にはユーザの生体情報を取得して、生体情報に対応する状態のユーザに適した効果楽曲を選定する技術が開示されている。
【0008】
さらに、特許文献3には、更年期の女性に特有の心理的負荷を軽減させる音楽について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006-64973号公報
【特許文献2】特開2008-197813号公報
【特許文献3】特開2000-140117号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】「心拍数をベースにBGMを自動生成。スマホアプリEndelで、あっと言う間にリラックスできた」2019.12.26 https://community.exawizards.com/aishinbun/20191226/
【非特許文献2】「TEDTalks: Julian Treasure: The 4 ways sound affects us - YouTube」
【非特許文献3】千葉大学教育学部研究紀要 第60巻 441~445頁(2012) 生理機能とテンポとの同調に関する一考察 https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900116222/13482084_60_441.pdf
【非特許文献4】日本生理人類学会誌 Vol.8.No.2,2003年5月 音楽要素別の血圧影響に関する研究 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/8/2/8_KJ00001053454/_pdf/-char/ja
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、不眠を訴える人を、眠りやすい状態に導く楽曲は、必ずしも、クラッシック音楽のような美しさをもつ楽曲とは限らない。この点から、例えば、音楽療法士などの専門家によって、眠りやすい状態に導くための様々な楽曲の創作が試みられている。
【0012】
また、不眠の原因は、その人が感じているストレスと関係がある場合が多い。一方、人間が感じるストレスには、様々な種類があり、例えば、不眠を訴える人が心地よく眠れるようにするためには、ストレスの種類に応じた対処を行う必要がある。例えば、イライラして眠れない人と、緊張して眠れない人とでは異なった対処が必要である。
【0013】
すなわち、ストレスの種類に応じて適切な楽曲や音を選択しなければ、聴く人の心身をリラックスさせることができず、結果として心地よく眠ることができない。
【0014】
本発明の一態様は、ユーザの心理的状態に対応して、特定の状態に導くための楽曲を提供することができるようにする技術を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る楽曲提供装置は、ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、ハーモニー、音色、リズム、メロディ、および、テンションの少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースと、アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成する評価指標生成部と、前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、前記楽曲データベースの楽曲から選択する楽曲選択部とを備える。
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る楽曲提供方法は、ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、テンション、リズム、ハーモニー、メロディ、および、音色の少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースを有する楽曲提供装置の楽曲提供方法であって、アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成し、前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、楽曲データベースの楽曲から選択するステップを含む。
【0017】
本発明の各態様に係る楽曲提供装置は、コンピュータによって実現することも可能であり、この場合には、コンピュータを前記楽曲提供装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記楽曲提供装置をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、ユーザの心理的状態に対応して、特定の状態に導くための楽曲を提供することができるようにする技術を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態1に係る楽曲提供システムの構成例を示す図である。
図2】眠りやすい状態にするために必要となる心理的治療と楽曲の要素の調整との関係を説明する図である。
図3】段階的に調整される楽曲の各要素の例を説明する図である。
図4】楽曲提供処理の例を説明するフローチャートである。
図5】本発明の実施形態2に係る楽曲提供システムの構成例を示す図である。
図6】ユーザデータ管理部の詳細な構成例を示すブロック図である。
図7】ユーザ属性記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
図8】アンケート結果記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
図9】フィードバック記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
図10】各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る楽曲提供システム1の構成例を示す図である。
【0021】
図1において、ユーザ11が所持する端末21は、インターネットなどのネットワーク40に接続する。端末21は、例えば、スマートフォンなどであってもよいし、ネットワーク接続機能を有するAV機器などであってもよい。
【0022】
図1には、楽曲提供装置100が開示されている。楽曲提供装置100は、例えば、図1のネットワーク40に接続されるサーバとして構成されてもよいし、クラウドサーバなどによって構成されてもよい。
【0023】
例えば、不眠に悩むユーザ11が、眠りやすい状態に導くための楽曲の提供を受ける際に、楽曲提供システム1を利用する。ユーザ11は、例えば、スマートフォンで実行されるアプリなどを利用して楽曲提供装置100にアクセスし、楽曲提供装置100から、楽曲のデータをダウンロードする。このように、楽曲提供装置100は、ユーザを眠りやすい状態に導くための楽曲を提供する。
【0024】
なお、この例では、1人のユーザ11のみが示されているが、実際には、多くのユーザが楽曲提供システム1を利用する。
【0025】
(楽曲提供装置の構成)
楽曲提供装置100は、ストレス診断実行部121、楽曲データベース122、および、楽曲選択部123を有している。
【0026】
(ストレス診断実行部)
ストレス診断実行部121は、例えば、ネットワーク40を介して端末21と通信し、ユーザ11が感じているストレスに係る診断を実行する。ストレス診断実行部121は、例えば、予め定められた形式によるアンケートを、端末21のディスプレイに表示させ、ユーザ11にアンケートの回答を入力させる。
【0027】
ストレス診断実行部121は、アンケートの回答に基づいてユーザ11が感じているストレスを複数の種類に分類し、それぞれの種類のストレスの強度を数値化したデータ(ストレス評価指標と称することにする)を生成して出力する。
【0028】
(楽曲データベース)
楽曲データベース122は、複数の楽曲のデータを記憶する。楽曲のデータは、例えば、AAC(Advanced Audio Coding)、MP3(MPEG-1 Audio Layer 3)などの方式によって圧縮されたデータであってよい。あるいは、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式で記述された電子楽器の演奏データが、楽曲のデータとして楽曲データベース122に記憶されるようにしてもよい。
【0029】
楽曲データベース122に記憶されるデータの楽曲は、例えば、音楽療法士によって作曲された楽曲であり、それぞれの楽曲が聴く人の生理機能を調節する効果を有する。楽曲データベース122に記憶される楽曲のデータのそれぞれには、予め楽曲の特徴を示すラベル(楽曲特徴指標と称することにする)が付されている。
【0030】
(楽曲選択部)
楽曲選択部123は、ストレス診断実行部121により生成されたストレス評価指標と、楽曲特徴指標とを比較することで、ユーザ11を眠りやすい状態に導くための楽曲を、楽曲データベース122の楽曲から選択する。すなわち、楽曲選択部123は、ユーザ11が感じているストレスを低減させる効果を有する楽曲を、楽曲データベース122に記憶されているデータの中から選択する。
【0031】
一例として、楽曲選択部123は、ベクトルとして生成されたストレス評価指標と、やはりベクトルとして生成された楽曲特徴指標とをマッチングすることにより、ユーザ11に提供すべき楽曲を選択する。
【0032】
そして、楽曲選択部123は、選択した楽曲のデータをユーザ11に提供する。楽曲の提供は、例えば、楽曲データベース122に記憶された楽曲のデータを再生するためのURL、パスワードなどを送信することにより行われる。あるいは、楽曲のデータが、ネットワーク40を介して端末21に送信されることにより、楽曲の提供が行われるようにしてもよい。
【0033】
(ストレス診断)
次に、ストレス診断実行部121により提示されるアンケートの例について説明する。ストレス診断実行部121は、一例として、POMS(Profile of Mood States)形式のアンケートを端末21のディスプレイに表示させる。
【0034】
POMS形式のアンケートでは、数十の質問が提示され、回答者は、各質問に対して、「まったくなかった」、「少しあった」、「まあまああった」、「かなりあった」、および、「非常に多くあった」のうちのいずれかを選択して回答する。このように、ストレス診断実行部121により提示されるアンケートの回答は、数値(例えば、選択肢の番号)により表すことができる。
【0035】
POMS形式のアンケート結果から、回答者の気分を測定することが可能となる。ここで、回答者の気分は7種類に分類され、それぞれの気分に対応する尺度が求められる。7種類の気分は、「怒りおよび敵意」、「混乱および当惑」、「抑うつおよび落込み」、「疲労および無気力」、「緊張および不安」、「活気および活力」、並びに、「友好」である。
【0036】
上述した7種類の気分のうち、「怒りおよび敵意」、「混乱および当惑」、「抑うつおよび落込み」、「疲労および無気力」、並びに、「緊張および不安」は、回答者が感じているストレスである。POMS形式のアンケート結果から、これら5種類のストレスの度合(例えば、ストレスの強さ)を測定することができる。
【0037】
ストレスの度合を、例えば、5段階の強度によって表す場合、「怒りおよび敵意」の強度は「1」、「混乱および当惑」の強度は「3」、「抑うつおよび落込み」の強度は「5」、「疲労および無気力」の強度は「2」、「緊張および不安」の強度は「4」のように、5種類のストレスのそれぞれの度合を数値により表すことができる。なお、5段階の強度は、一例であり、例えば、3段階、7段階、10段階の強度によってストレスの度合いが表されるようにしてもよい。
【0038】
このように、POMS形式のアンケート結果に基づいて、それぞれの種類のストレスの強度を数値化したデータがストレス評価指標として生成される。
【0039】
これら5種類のストレスを軽減するためには、それぞれの種類に応じて異なる対処を行う必要がある。
【0040】
(楽曲の要素)
次に、聴く人の生理機能を調節する効果を有する楽曲の例について説明する。ここでは、楽曲を特徴づける5つ要素について説明する。ここで、5つの要素は、「ハーモニー」、「音色」、「リズム」、「メロディ」、および、「テンション」である。
【0041】
「ハーモニー」は、楽曲において、単位時間内に聞こえる音の数を意味する。この音の数(数値)によって要素「ハーモニー」に係る特徴が表現される。このように、ハーモニーの要素に係る特徴は、楽曲における単位時間内の音数を少なくとも含む。
【0042】
「音色」は、楽曲の原音に対して与えられるエフェクトの強度を意味する。なお、エフェクトは、フェイザー、コーラス、トレモロなど、ギターやキーボードなどの楽器に接続されるエフェクターによって得られる効果と同様のものを意味する。このエフェクトの強度を表す数値によって要素「音色」に係る特徴が表現される。このように、音色の要素に係る特徴は、楽曲の原音に対して与えられるエフェクト強度を少なくとも含む。
【0043】
「リズム」は、楽曲の中で変動するビート数の範囲を意味する。ビート数は、一般にBPM(Beat per Minite)で表され、1分間に演奏される4分音符の数である。楽曲の中では、BPMの値が高くなったり、低くなったりするように変動する。このBPMの変動の範囲を数値により表すことで、要素「リズム」に係る特徴が表現される。このように、リズムの要素に係る特徴は、楽曲のBPMの上限値と下限値とを少なくとも含む。
【0044】
「メロディ」は、楽曲の中のメロディラインを意図的に演奏しない時間を意味する。例えば、メロディラインの一部のみを演奏することで、聴く人にメロディラインが見え隠れする印象を与える。演奏される部分の時間的長さを数値により表すことで、要素「メロディ」に係る特徴が表現される。このように、メロディの要素に係る特徴は、楽曲の中でメロディラインが演奏される部分の時間を少なくとも含む。
【0045】
「テンション」は、楽曲の中の1拍の時間を延長することで、タイムラグ(間延びさせる部分)を作ることを意味する。このタイムラグの出現頻度を数値により表すことで、要素「テンション」に係る特徴が表現される。このように、テンションの要素に係る特徴は、楽曲の1拍の長さを変更した箇所の出現回数を少なくとも含む。
【0046】
上述した5つの要素を調整することで、楽曲を聴く人の生理機能を調節する効果を奏するようにすることができる。例えば、要素「ハーモニー」において、単位時間内に聞こえる音の数を減らすことで、聴く人の心拍数を下げる効果が期待できる。また、要素「音色」において、エフェクトの強度を大きくすることで、聴く人の呼吸が深くなるようにする効果が期待できる。
【0047】
さらに、要素「リズム」において、BPMの変動の範囲を大きくすることで、聴く人の呼吸を長い呼吸にする効果が期待できる。また、要素「メロディ」において、演奏される部分の時間的長さを短くすることで、聴く人の血圧の低下を促進する効果が期待できる。さらに、要素「テンション」において、タイムラグの出現頻度を高くすることで、聴く人の肩の位置が下がり首をのばすようにする効果が期待できる。
【0048】
(楽曲の要素の調整による効果)
図2は、眠りやすい状態にするために必要となる心理的治療と楽曲の要素の調整との関係を説明する図である。
【0049】
同図の表における最も左の列「治療」は、ユーザ11を眠りやすい状態にするために必要となる心理的治療の内容を示している。この例では、「治療」の列に、「イライラを減らす」、「堂々巡りを止める」、「息苦しさを緩和する」、「圧力・タスクから解放する」、および、「首肩の緊張を取る」が記載されている。すなわち、これらの治療によって、不眠の原因が解消される。
【0050】
図2の表における「要素」の列は、上述した楽曲の5つの要素に対応する。
【0051】
図2の表における「処方」の列には、5つの要素のそれぞれをどのように調整するかが記載されている。
【0052】
図2の表における「効果」の列には、各要素を調整することで期待される効果が記載されている。
【0053】
例えば、人は、イライラしているときに心拍数が上がるので、心拍数が下がるようにすることは「イライラを減らす」のに効果的と考えられる。また、例えば、人は、考えが混乱すると呼吸が浅くなるので深く呼吸することは「堂々巡りを止める」のに効果的と考えられる。なお、1回あたりの呼吸において吸って吐く空気の容量が大きいほど深い呼吸となる。例えば、腹式呼吸をする際に腹部の凹みと膨らみが大きいほど深い呼吸となる。
【0054】
さらに、人は、うつ状態になると、息苦しく感じられる。長い呼吸をすることは「息苦しさを緩和する」のに効果的と考えられる。なお、呼吸する際に空気を吸い始めてから吐き終わるまでに要する時間が長いほど長い呼吸となる。また、人は、心理的にプレッシャーがかかると血圧が高くなるので、血圧の低下を促進することは「圧力・タスクから解放する」のに効果的と考えられる。また、肩の位置が下がり首をのばすようにすることは「首肩の緊張を取る」のに効果的と考えられる。
このように、「ハーモニー」、「音色」、「リズム」、「メロディ」、および、「テンション」の各要素を調整した楽曲をユーザ11に聴かせることにより、ユーザ11を眠りやすい状態に導くための心理的治療を行うことが可能となる。
【0055】
「イライラを減らす」治療が必要となるユーザは、POMS形式のアンケート結果から、「怒りおよび敵意」の強度が高いと診断されるユーザである。また、「堂々巡りを止める」治療が必要となるユーザは、POMS形式のアンケート結果から、「混乱および当惑」の強度が高いと診断されるユーザとほぼ等しい。
【0056】
さらに、「息苦しさを緩和する」治療が必要となるユーザは、POMS形式のアンケート結果から、「抑うつおよび落込み」の強度が高いと診断されるユーザとほぼ等しい。また、「圧力・タスクから解放する」治療が必要となるユーザは、POMS形式のアンケート結果から、「疲労および無気力」の強度が高いと診断されるユーザとほぼ等しい。さらに、「首肩の緊張を取る」治療が必要となるユーザは、POMS形式のアンケート結果から、「緊張および不安」の強度が高いと診断されるユーザとほぼ等しい。
【0057】
(楽曲の各要素の段階的調整)
本実施形態では、「ハーモニー」、「音色」、「リズム」、「メロディ」、および、「テンション」の各要素が、ストレスの種類と強度に応じて段階的に調整されるようにする。図3は、段階的に調整される楽曲の各要素の例を説明する図である。
【0058】
この例では、楽曲の各要素が5段階に調整されている。すなわち、図3の表における「レベル」の行は、5段階のそれぞれを示している。
【0059】
図3の表から分かる通り、レベル1のテンションの調整は、420秒あたり1回のタイムラグを出現させるように楽曲を調整することを意味する。レベル1のテンションの調整は、120秒あたり1回のタイムラグを出現させるように楽曲を調整することを意味する。同様に、レベル3からレベル5に渡ってタイムラグの出現頻度が高くなるように楽曲が調整される。
【0060】
また、図3の表から分かる通り、レベル1のリズムの調整は、BPMの変動がないように楽曲を調整することを意味する。レベル2のリズムの調整は、BPM5の範囲で変動させる、すなわち、楽曲の中で最も高い速い部分のBPMと最も遅い部分のBPMの差が5となるように楽曲を調整することを意味する。同様に、レベル3からレベル5に渡ってBPMの変動範囲が大きくなるように楽曲が調整される。
【0061】
さらに、図3の表から分かる通り、レベル1のハーモニーの調整は、楽曲の中での10秒当たりの音の数が最大60となるように楽曲を調整することを意味する。レベル2のハーモニーの調整は、楽曲の中での10秒当たりの音の数が最大30となるように楽曲を調整することを意味する。同様に、レベル3からレベル5に渡って10秒あたりの最大音数が少なくなるように楽曲が調整される。
【0062】
また、図3の表から分かる通り、レベル1のメロディの調整は、楽曲の中でメロディラインが演奏される部分の時間が60秒となるように楽曲を調整することを意味する。レベル2のメロディの調整は、楽曲の中でメロディラインが演奏される部分の時間が45秒となるように楽曲を調整することを意味する。同様に、レベル3からレベル5に渡って楽曲の中でメロディラインが演奏される部分の時間が短くなるように楽曲が調整される。
【0063】
さらに、図3の表から分かる通り、レベル1の音色の調整は、エフェクトの強度が10となるように楽曲を調整することを意味する。レベル2の音色の調整は、エフェクトの強度が30となるように楽曲を調整することを意味する。同様に、レベル3からレベル5に渡ってエフェクトの強度が高くなるように楽曲が調整される。
【0064】
このように、本実施形態において、楽曲の5つの要素は、それぞれ5段階に調整される。なお、5段階の調整は、一例であり、例えば、3段階、7段階、10段階などに調整されるようにしてもよい。
【0065】
なお、ここでは、「ハーモニー」、「音色」、「リズム」、「メロディ」、および、「テンション」の5つの要素が全て調整される例について説明したが、必ずしもこれらの全てが調整されなくてもよい。例えば、上述した5つの要素のうち、少なくとも1つが調整されるようにしてもよい。このような場合、例えば、各要素のレベルにおいて、何ら調整または変更されないことを意味するレベル0が選択できるようにすればよい。
【0066】
このように、楽曲の各要素に係る特徴を数値化したデータが楽曲特徴指標となる。
【0067】
また、このように各要素が調整された楽曲が、例えば、音楽療法士などの専門家によって多数作曲され、それらの楽曲のデータが楽曲データベース122に記憶されている。ここで、上述したように、それぞれの楽曲の特徴を示すラベルとして楽曲特徴指標が各楽曲のデータに付される。
【0068】
(楽曲の選択)
上述のように、本実施形態においては、ユーザ11が感じる各ストレスの強度が段階的に測定され、また、楽曲の各要素が段階的に調整される。
【0069】
また、「怒りおよび敵意」を感じているユーザ11には、要素「ハーモニー」を調整した楽曲を聴かせるとイライラが減るので、眠りやすい状態に導くことができる。「混乱および当惑」を感じているユーザ11には、要素「音色」を調整した楽曲を聴かせると堂々巡りを止めることができるので、眠りやすい状態に導くことができる。「抑うつおよび落込み」を感じているユーザ11には、要素「リズム」を調整した楽曲を聴かせると息苦しさが緩和されるので、眠りやすい状態に導くことができる。「疲労および無気力」を感じているユーザ11には、要素「メロディ」を調整した楽曲を聴かせると圧力・タスクから解放されるので、眠りやすい状態に導くことができる。「緊張および不安」を感じているユーザ11には、要素「テンション」を調整した楽曲を聴かせると首肩の緊張を取ることができるので、眠りやすい状態に導くことができる。
【0070】
例えば、ユーザ11のストレス評価指標が与えられた場合、ストレス評価指標の数値から成るベクトルと、楽曲特徴指標の数値から成るベクトルとの内積を演算し、演算結果の値が最も大きくなるように楽曲を選択すれば、ユーザ11を眠りやすい状態に導くことができる。楽曲選択部123は、このように、ストレス評価指標と、楽曲特徴指標とをマッチングすることにより、ユーザ11に提供すべき楽曲を選択する。
【0071】
このようにすることで、そのときのユーザ11の心理的状態に応じて、ユーザ11を眠り安い状態に導くのに適した楽曲を提供することができる。
【0072】
(楽曲提供処理の流れ)
次に、本実施形態の楽曲提供装置100による楽曲提供処理の流れについて説明する。図4は、楽曲提供処理の例を説明するフローチャートである。
【0073】
ステップS21において、ストレス診断実行部121は、ユーザ11の端末21のディスプレイにアンケートを表示させる。このとき、例えば、POMS形式のアンケートが表示される。
【0074】
ステップS22において、ストレス診断実行部121は、アンケートへの回答の入力を受け付ける。
【0075】
ステップS23において、ストレス診断実行部121は、ステップS22で入力を受け付けたアンケートへの回答に基づいてストレス評価指標を生成する。
【0076】
ここでは、上述した「怒りおよび敵意」、「混乱および当惑」、「抑うつおよび落込み」、「疲労および無気力」、並びに、「緊張および不安」の5種類のストレスの強度を5段階に数値化したデータが、ストレス評価指標として生成されるものとする。従って、ストレス評価指標は、5次元のベクトルとなる。
【0077】
ステップS24において、楽曲選択部123は、楽曲特徴指標を取得する。このとき、楽曲データベース122に記憶されている各楽曲のデータに付された楽曲特徴指標が取得される。
【0078】
ここでは、上述した「ハーモニー」、「音色」、「リズム」、「メロディ」、および、「テンション」の5つの要素について調整のレベルを5段階に数値化したデータが、楽曲特徴指標として各楽曲のデータに付されているものとする。従って、ストレス評価指標は、5次元のベクトルとなる。
【0079】
ステップS25において、楽曲選択部123は、ステップS24で取得された楽曲特徴指標のうち、ステップS23で生成されたストレス評価指標に適合する楽曲特徴指標を特定する。このとき、例えば、ストレス評価指標のベクトルと、楽曲特徴指標のベクトルとの内積が演算され、演算結果の値が最も大きくなる楽曲特徴指標のベクトルが特定される。
【0080】
ステップS26において、楽曲選択部123は、ステップS25で特定した楽曲特徴指標に対応する楽曲のデータをユーザ11に提供する。
【0081】
このとき、楽曲選択部123は、例えば、楽曲データベース122に記憶された楽曲のデータを再生するためのURL、パスワードなどを、端末21に送信する。あるいは、楽曲のデータが、ネットワーク40を介して端末21に送信されるようにしてもよい。
【0082】
(実施形態の効果)
このように、本実施形態によれば、ユーザ11の不眠の原因となるストレスの種類と強度が測定されてストレス評価指標が生成される。そして生成されたストレス評価指標に適合するように、各要素が調整された楽曲がユーザ11に提供される。
【0083】
これにより、ユーザ11の不眠の原因となるストレスが、その種類と強度に応じて適切に軽減されるようにすることができる。従って、本実施形態によれば、ユーザの心理的状態に対応して、眠りやすい状態に導くための楽曲を提供することができる。
【0084】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0085】
図5は、本実施形態に係る楽曲提供システム1の構成例を示す図である。
【0086】
図5の例の場合、楽曲提供装置100の構成が図1に示した構成とは異なっている。また、図5の例の場合、楽曲の提供を受けたユーザ11は、提供された楽曲に対するフィードバックを、端末21からネットワーク40を介して楽曲提供装置100に送信できる。
【0087】
フィードバックの内容は、例えば、「よく眠れた」、「少し眠れた」、「あまり眠れなかった」、「ほとんど眠れなかった」、などの内容を数値(例えば、4、3、2、1)によって表したものであってよい。
【0088】
それ以外の構成は、図1の場合と同様である。
【0089】
(楽曲提供装置の構成)
図5に示す楽曲提供装置100は、ストレス診断実行部121、楽曲データベース122、楽曲選択部123、および、ユーザデータ管理部130を有している。
【0090】
図5の例の場合、ユーザ11は、例えば、楽曲提供装置100から楽曲の提供を受ける前に、端末21を使ってユーザデータ管理部130に、自身の属性を登録する。そして、ストレス診断実行部121が、例えば、予め定められた形式によるアンケートを、端末21のディスプレイに表示させ、ユーザ11にアンケートの回答を入力させる。ストレス診断実行部121は、ユーザ11によるアンケートの回答をユーザデータ管理部130に出力する。
【0091】
楽曲選択部123は、ユーザデータ管理部130により生成されたストレス評価指標に基づいて、ユーザ11に提供すべき楽曲を選択する。一例として、楽曲選択部123は、ベクトルとして生成されたストレス評価指標と、やはりベクトルとして生成された楽曲特徴指標とをマッチングすることにより、ユーザ11に提供すべき楽曲を選択する。そして、楽曲選択部123は、選択した楽曲のデータをユーザ11に提供する。
【0092】
(ユーザデータ管理部の構成)
図6は、ユーザデータ管理部130の詳細な構成例を示すブロック図である。図6の例では、ユーザデータ管理部130は、ユーザ属性記憶部131、アンケート結果記憶部132、フィードバック記憶部133、および、評価指標生成部134を備えている。
【0093】
ユーザ属性記憶部131、アンケート結果記憶部132、および、フィードバック記憶部133は、ユーザに係る情報であって、少なくとも、ユーザの属性、ユーザが回答したアンケート結果、および、ユーザに提供された楽曲に対するフィードバックを含む情報をユーザごとに記憶する記憶部として機能する。評価指標生成部134は、記憶部に記憶された情報を参照してストレス評価指標を生成する。
【0094】
(ユーザ属性記憶部)
ユーザ属性記憶部131は、ユーザの属性であって、例えば、氏名、生年月日、性別、職業、病歴などの情報を記憶する。ユーザ属性記憶部131は、楽曲提供システム1を利用する複数のユーザのそれぞれに対応する属性を記憶する。ユーザ属性記憶部131は、例えば、データベースとして構成されるようにしてもよい。
【0095】
図7は、ユーザ属性記憶部131が記憶する情報の例を示す図である。この例では、ユーザID0001のユーザの属性として、氏名「AAA」、生年月日「1988/3/1」、性別「女」、職業「接客業」、病歴「うつ病」、・・・が記憶されている。同様に、ユーザID0002、0003、0004、・・・のユーザの氏名、生年月日、性別、職業、病歴、・・・がユーザ属性記憶部131に記憶される。
【0096】
なお、ストレス診断実行部121が端末21にアンケート表示させる際に、ユーザ属性記憶部131が記憶する情報を参照することで、予め所定の質問に対する回答が入力された状態でアンケートが表示されるようにしてもよい。
【0097】
(アンケート結果記憶部)
アンケート結果記憶部132は、ストレス診断実行部121から出力されるアンケートの回答を記憶する。アンケート結果記憶部132は、楽曲提供システム1を利用する複数のユーザのそれぞれに対応するアンケート結果を記憶する。また、ユーザが複数回アンケートに回答している場合、アンケート結果記憶部132は、各回のアンケート結果を記憶する。アンケート結果記憶部132は、例えば、データベースとして構成されるようにしてもよい。
【0098】
図8は、アンケート結果記憶部132が記憶する情報の例を示す図である。この例では、ユーザID0001のアンケート結果として、日付「2020/10/1」、アンケート結果「XXX」、日付「2021/4/1」、アンケート結果「XXX」、日付「2022/12/1」、アンケート結果「XXX」・・・が記憶されている。この場合、日付「2020/10/1」に回答されたアンケート結果が1回目のアンケートの回答であり、日付「2021/4/1」に回答されたアンケート結果が2回目のアンケートの回答であり、日付「2022/12/1」に回答されたアンケート結果が3回目のアンケートの回答である。なお、ここでは、アンケート結果が「XXX」として示されているが、実際には、アンケートの各質問に対する回答として選択された選択肢を示す数値など記述されることになる。
【0099】
同様に、ユーザID0002、0003、0004、・・・のユーザの各回のアンケート結果がアンケート結果記憶部132に記憶される。なお、まだ、アンケートが実施されていない場合、日付およびアンケート結果として「-」が記述されている。
【0100】
フィードバック記憶部133は、ユーザから送信されたフィードバックをユーザ別に記憶する。フィードバックは、ユーザに提供された楽曲の識別子とともに記憶される。また、ユーザに複数回楽曲を提供している場合、フィードバック記憶部133は、各回のフィードバックを記憶する。
【0101】
(フィードバック記憶部)
図9は、フィードバック記憶部133が記憶する情報の例を示す図である。この例では、ユーザID0001のユーザからのフィードバックとして、日付「2020/11/1」、楽曲ID「ma121」、フィードバック「3」、日付「2021/4/2」、楽曲ID「md151」、フィードバック「1」、・・・が記憶されている。
【0102】
この場合、日付「2020/11/1」に送信されたフィードバックが1回目のフィードバックであり、当該ユーザに提供された楽曲であって、楽曲ID「ma121」の楽曲に対するフィードバックである。また、日付「2021/4/2」に送信されたフィードバックが2回目のフィードバックであり、当該ユーザに提供された楽曲であって、楽曲ID「md151」の楽曲に対するフィードバックである。
【0103】
同様に、ユーザID0002、0003、0004、・・・のユーザの各回のフィードバックがフィードバック記憶部133に記憶される。なお、フィードバックが送信されていない場合、日付およびフィードバックとして「-」が記述されている。
【0104】
(評価指標生成部)
評価指標生成部134は、アンケート結果記憶部132が記憶する情報と、フィードバック記憶部133が記憶する情報とに基づいてストレス評価指標を生成する。なお、ここでは、説明を簡単にするため、ユーザがアンケートに回答すると、楽曲が1回提供され、楽曲が1回提供されると、その楽曲に対してフィードバックが送信されるものとして説明する。
【0105】
評価指標生成部134は、例えば、アンケート結果記憶部132が記憶する情報に基づいて、各回のアンケートの各質問に対する回答として選択された選択肢を示す数値を平均して、総合回答を作成してもよい。そして、総合回答に基づいて、ユーザが感じているストレスを複数の種類に分類し、それぞれの種類のストレスの強度を数値化したストレス評価指標を生成して出力するようにしてもよい。
【0106】
また、評価指標生成部134は、例えば、総合回答を作成する際に、フィードバックに基づいて各回のアンケートの回答に対する重み付けを行った加重平均を算出するようにしてもよい。例えば、1回目のフィードバックが「4」であり、2回目のフィードバックが「1」であった場合、1回目のアンケートの回答の数値には重み1が乗じられ、2回目のアンケートの回答の数値には重み0.25が乗じられるようにしてもよい。
【0107】
すなわち、アンケートは複数の質問によって構成され、アンケートに対する回答は、選択肢を特定する数値として入力され、評価指標生成部134は、記憶部に記憶されたユーザが回答した記楽曲に対するフィードバックに基づいて各回のアンケート結果を重み付けした回答を生成し、重み付けした回答を参照して前記ストレス評価指標を生成する。
【0108】
さらに、評価指標生成部134は、例えば、フィードバックの数値と楽曲IDとを対応付けた楽曲フィードバック情報をさらに生成するようにしてもよい。この場合、楽曲選択部123がストレス評価指標のベクトルと、楽曲特徴指標のベクトルの内積を演算するとき、楽曲フィードバック情報に含まれる楽曲の楽曲特徴指標のベクトルとの内積に、フィードバックに応じた重みを乗じるようにしてもよい。
【0109】
このようにすることで、例えば、ユーザからある楽曲について「あまり眠れなかった」、「ほとんど眠れなかった」といったフィードバックが送信されている場合に、同じ楽曲が再度提供される確率を低くすることができる。
【0110】
さらに、評価指標生成部134は、ユーザ属性記憶部131が記憶する情報を参照して、ストレス評価指標の数値を補正するようにしてもよい。例えば、性別、年齢、職業に応じて、所定の種類のストレスの強度が高くなるように、ストレス評価指標の数値を補正するようにしてもよい。例えば、職業が「接客業」である場合、「緊張および不安」の強度が1.5倍されるようにしてもよい。
【0111】
あるいはまた、ユーザの性別、年齢、職業などの属性に応じて、当該ユーザからのフィードバックに応じて、アンケートの各質問に対する回答として選択された選択肢を示す数値に対して補正または重み付けが行われるようにしてもよい。
【0112】
なお、評価指標生成部134の処理の一部または全部は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。例えば、楽曲に対するフィードバックと、楽曲特徴指標との因果関係をAIによって解析し、よりユーザに適した楽曲が選択されるようにしてもよい。
【0113】
評価指標生成部134は、このように、ユーザ毎に適正なストレス評価指標を生成する。
【0114】
上記では、1回のアンケートの回答の後、楽曲が1回提供され、その楽曲に対してフィードバックが送信される前提で説明したが、例えば、1回のアンケートの回答の後、複数回楽曲が提供されるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは、都度、アンケートに回答することなく、必要なときに楽曲の提供を受けることができる。
【0115】
また、このようにする場合、例えば、フィードバック記憶部133に記憶される情報において、楽曲の提供時に参照したアンケート結果の中の最新の日付が合わせて記憶されるようにすると好適である。このようにすることで、楽曲の提供時に参照したアンケート結果を特定することができ、楽曲とフィードバックの関係を解析するときにアンケート結果の内容も考慮した解析を行うことも可能となる。
【0116】
(実施形態の効果)
本実施形態によれば、ユーザデータ管理部130によって、各ユーザの属性、過去のアンケート結果、ユーザからのフィードバックに係る情報が記憶され、これらの情報が参照されてストレス評価指標が生成される。
【0117】
ユーザデータ管理部130には、アンケート結果が記憶されるので、例えば、ユーザは、都度、アンケートに回答することなく、必要なときに楽曲の提供を受けることができる。
【0118】
また、ユーザデータ管理部130には、ユーザからのフィードバックが記憶されるので、個々のユーザにより適した楽曲が選択されるように、ストレス評価指標が生成されるようにすることができる。さらに、各ユーザの属性を参照することにより、アンケートの回答だけでは判明し難い不眠の原因を想定してストレス評価指標を生成することも可能となる。
【0119】
さらに、ユーザデータ管理部130には、ユーザからのフィードバックが、提供された楽曲の楽曲IDと対応付けられて記憶されているので、個々のユーザが、あまり効果を感じられなかった楽曲が再度提供される確率が低くなるようにすることができる。
【0120】
従って、本実施形態によれば、ユーザの個々の状態をより適格に反映して、眠りやすい状態に導くための楽曲を提供することができる。
【0121】
〔その他の実施形態〕
以上においては、楽曲がネットワークを介してダウンロードされる例について説明したが、例えば、CD―ROM、USBメモリなどの記録媒体に記録されてユーザに提供されるようにしてもよい。この場合、例えば、記録媒体が郵送されて楽曲がユーザに提供されるようにしてもよいし、診療所などにおいてユーザに記録媒体が提供されるようにしてもよい。
【0122】
上述した実施形態で説明した楽曲によって、ユーザを眠りやすい状態に導くことができるが、例えば、心拍数を下げること、呼吸を深くすることなど(図2に示した効果)は、抑うつの引き金になる諸症状を緩和することにもつながる。すなわち、ハーモニー、音色、リズム、メロディ、および、テンションの少なくとも1つの要素に係る特徴を調整した楽曲を提供することによって、例えば、ユーザを、精神疾患を予防するための特定の状態に導くことも可能である。従って、上述した各実施形態によってメンタルストレスのセルフマネジメントが可能になる。
【0123】
<ソフトウェアによる実現例>
楽曲提供装置100の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0124】
図10は、楽曲提供装置100として用いられるコンピュータ500の物理的構成を例示したブロック図である。楽曲提供装置100は、図10に示すように、バス510と、プロセッサ501と、主メモリ502と、補助メモリ503と、通信インタフェース504と、入出力インタフェース505とを備えたコンピュータ500によって構成可能である。プロセッサ501、主メモリ502、補助メモリ503、通信インタフェース504、及び入出力インタフェース505は、バス510を介して互いに接続されている。入出力インタフェース505には、入力装置506および出力装置507が接続されている。
【0125】
プロセッサ501としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ、またはこれらの組み合わせ等が用いられる。
【0126】
主メモリ502としては、例えば、半導体RAM(random access memory)等が用いられる。
【0127】
補助メモリ503としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはこれらの組み合わせ等が用いられる。補助メモリ503には、上述した楽曲提供装置100の動作をプロセッサ501に実行させるためのプログラムが格納されている。プロセッサ501は、補助メモリ503に格納されたプログラムを主メモリ502上に展開し、展開したプログラムに含まれる各命令を実行する。
【0128】
通信インタフェース504は、ネットワークに接続するインタフェースである。
【0129】
入出力インタフェース505としては、例えば、USBインタフェース、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離通信インタフェース、またはこれらの組み合わせが用いられる。
【0130】
入力装置506としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、又はこれらの組み合わせ等が用いられる。出力装置507としては、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、又はこれらの組み合わせが用いられる。
【0131】
楽曲提供装置100の機能を、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現する場合、プロセッサ501と主メモリ502により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0132】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0133】
また、上記各ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。
【0134】
また、上記各ブロックの機能の一部または全部は、上記装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ(cloud server)等)で動作するものであってもよい。
【0135】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0136】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る楽曲提供装置は、ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、ハーモニー、音色、リズム、メロディ、および、テンションの少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースと、アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成する評価指標生成部と、前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、前記楽曲データベースの楽曲から選択する楽曲選択部とを備える。
【0137】
本発明の態様2に係る楽曲提供装置は、上記の態様1において、前記ストレス評価指標は、POMS形式のアンケート結果に基づいて生成される。
【0138】
本発明の態様3に係る楽曲提供装置は、上記の態様1または2において、前記ハーモニーの要素に係る特徴は、前記楽曲における単位時間内の音数を少なくとも含む。
【0139】
本発明の態様4に係る楽曲提供装置は、上記の態様1乃至3のいずれかにおいて、前記音色の要素に係る特徴は、前記楽曲の原音に対して与えられるエフェクト強度を少なくとも含む。
【0140】
本発明の態様5に係る楽曲提供装置は、上記の態様1乃至4のいずれかにおいて、前記リズムの要素に係る特徴は、前記楽曲のBPM(Beat per Minite)の上限値と下限値とを少なくとも含む。
【0141】
本発明の態様6に係る楽曲提供装置は、上記の態様1乃至5のいずれかにおいて、前記メロディの要素に係る特徴は、前記楽曲の中でメロディラインが演奏される部分の時間を少なくとも含む。
【0142】
本発明の態様7に係る楽曲提供装置は、上記の態様1乃至6のいずれかにおいて、前記テンションの要素に係る特徴は、前記楽曲の1拍の長さを変更した箇所の出現回数を少なくとも含む。
【0143】
本発明の態様8に係る楽曲提供装置は、上記の態様1乃至7のいずれかにおいて、前記楽曲選択部は、前記ストレス評価指標の数値から成るベクトルと、前記楽曲特徴指標から成るベクトルとの内積の演算結果に基づいて、前記楽曲を選択する。
【0144】
本発明の態様9に係る楽曲提供装置は、上記の態様1乃至8のいずれかにおいて、前記ユーザに係る情報であって、少なくとも、前記ユーザの属性、前記ユーザが回答したアンケート結果、および、前記ユーザに提供された楽曲に対するフィードバックを含む情報をユーザごとに記憶する記憶部をさらに備え、前記評価指標生成部は、前記記憶部に記憶された情報を参照して前記ストレス評価指標を生成する。
【0145】
本発明の態様10に係る楽曲提供装置は、上記の態様9において、前記アンケートは複数の質問によって構成され、前記アンケートに対する回答は、選択肢を特定する数値として入力され、前記評価指標生成部は、前記記憶部に記憶された前記ユーザが回答した前記楽曲に対するフィードバックに基づいて各回のアンケート結果を重み付けした回答を生成し、前記重み付けした回答を参照して前記ストレス評価指標を生成する。
【0146】
本発明の態様11に係る楽曲提供装置は、上記の態様9または10において、前記評価指標生成部は、前記フィードバックと、前記フィードバックに係る楽曲の識別子とを対応付けた楽曲フィードバック情報をさらに生成する。
【0147】
本発明の態様12に係る楽曲提供装置は、上記の態様9乃至11のいずれかにおいて、前記評価指標生成部は、前記ユーザの属性に基づいて、前記アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して生成された前記ストレス評価指標を補正する。
本発明の態様13に係る楽曲提供装置は、上記の態様9乃至11のいずれかにおいて、前記楽曲は、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲である。
【0148】
本発明の態様14に係る楽曲提供方法は、ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、テンション、リズム、ハーモニー、メロディ、および、音色の少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースを有する楽曲提供装置の楽曲提供方法であって、アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成し、前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、楽曲データベースの楽曲から選択するステップを含む。
【0149】
本発明の態様15に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザを特定の状態に導くための楽曲を提供する楽曲提供装置であって、テンション、リズム、ハーモニー、メロディ、および、音色の少なくとも1つの要素に係る特徴を数値化した楽曲特徴指標が付された楽曲のデータを複数記憶する楽曲データベースと、アンケートに対する前記ユーザの回答を参照して、前記ユーザのストレスの種類ごとに、ストレスの強さを評価したストレス評価指標を生成する評価指標生成部と、前記ストレス評価指標と、前記楽曲特徴指標とを比較することで、前記ユーザを特定の状態に導くための楽曲を、前記楽曲データベースの楽曲から選択する楽曲選択部とを備える楽曲提供装置として機能させる。
【符号の説明】
【0150】
1 楽曲提供システム
11 ユーザ
21 端末
40 ネットワーク
100 楽曲提供装置
121 ストレス診断実行部
122 楽曲データベース
123 楽曲選択部
130 ユーザデータ管理部
131 ユーザ属性記憶部
132 アンケート結果記憶部
133 フィードバック記憶部
134 評価指標生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10