(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155136
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】載置台
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/68 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069579
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】董 浙广
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA12
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA42
5F131FA02
5F131FA14
5F131GA14
5F131GA33
5F131GB02
5F131GB22
5F131GB29
(57)【要約】
【課題】収納容器の荷重が増大した場合であっても、位置決めの際のパーティクルの発生を抑制することができる載置台を実現する。
【解決手段】載置台(10)は、収納容器(100)が載置される載置台上面(10a)から上方に突出する複数の位置決めピン(20)と、複数の緩衝体(30)と、を備え、複数の位置決めピン(20)のそれぞれは、複数の位置決め溝(112)のそれぞれに係合するように載置台上面(10a)に配置されており、複数の位置決めピン(20)のそれぞれについて、緩衝体(30)が設けられており、緩衝体(30)は、上端が下方に押し込まれ得るとともに、押し込まれた場合に上方向に付勢されるように構成されており、上端が下方に押し込まれていない状態で、載置される収納容器(100)の底面(101)に位置決めピン(20)よりも先に接触する高さに位置している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に複数の位置決め溝が設けられた収納容器を載置するための載置台であって、
前記収納容器が載置される載置台上面から上方に突出する複数の位置決めピンと、
前記載置台上面から上方に突出する複数の緩衝体と、を備え、
前記複数の位置決めピンのそれぞれは、前記複数の位置決め溝のそれぞれに係合するように前記載置台上面に配置されており、
前記複数の位置決めピンのそれぞれについて、前記緩衝体が設けられており、
前記緩衝体は、
上端が下方に押し込まれ得るとともに、押し込まれた場合に上方向に付勢されるように構成されており、更に、
上端が下方に押し込まれていない状態で、載置される前記収納容器の前記底面に前記位置決めピンよりも先に接触する高さに位置している、載置台。
【請求項2】
前記緩衝体は、弾性材料からなる弾性部を有しており、
前記収納容器の前記底面の、前記位置決め溝以外の位置に対応するように、前記載置台上面に配置されている、請求項1に記載の載置台。
【請求項3】
前記弾性部が前記緩衝体の上端部を含み、
前記緩衝体の前記上端部は、中央部が最上端となる球面状に形成されている、請求項2に記載の載置台。
【請求項4】
前記緩衝体は、前記位置決めピンよりも径が大きい柱状である、請求項2に記載の載置台。
【請求項5】
前記載置台上面において、
第1の三角形の各頂点の位置に前記位置決めピンが配置され、
前記第1の三角形を内包する、前記第1の三角形を拡大した第2の三角形の各頂点の位置に前記緩衝体が配置される、請求項2に記載の載置台。
【請求項6】
前記載置台は、
上面が前記載置台上面の一部を構成するプレートを備え、
前記位置決めピンは、前記プレートに固定されており、
前記緩衝体は、前記プレート以外の前記載置台の部分に固定されている、請求項2から5のいずれか1項に記載の載置台。
【請求項7】
前記緩衝体は、ばねにより上方向に付勢された可動部を有し、
前記収納容器の前記底面の前記位置決め溝の内側であって幅方向の中央に位置するように、前記載置台上面に配置されている、請求項1に記載の載置台。
【請求項8】
前記位置決め溝の幅方向の中央部は、前記収納容器の前記底面の主面に平行な平坦部を成しており、
前記緩衝体において少なくとも前記収納容器の前記底面と接触する部分は、前記平坦部の幅よりも径が小さい、請求項7に記載の載置台。
【請求項9】
前記載置台は、
上面が前記載置台上面の一部を構成するプレートを備え、
前記位置決めピン及び前記緩衝体は、前記プレートに固定されている、請求項7または8に記載の載置台。
【請求項10】
前記緩衝体は、前記緩衝体が前記載置台上面から上方に突出する長さを調整する長さ調整機構を備えている、請求項1に記載の載置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器を載置するための載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送された半導体ウエハ等の収納容器を正確に載置するために、位置決め機構を設ける技術が用いられている。例えば、特許文献1には、容器本体部の底面に設けられた底面凹部と、支持体に備えられている上下方向に弾性変形自在な位置決め部材とが係合することで、容器が水平方向における適正な位置に載置される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術では、容器の荷重が増大した場合、短期間で位置決め部材と容器との間に摩耗が生じ、パーティクルが発生する場合がある。パーティクルの発生は、高い清浄度を必要とする製品を取り扱う際に問題となる。
【0005】
本発明の一態様は、収納容器の荷重が増大した場合であっても、位置決めの際のパーティクルの発生を抑制することができる載置台を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る載置台は、底面に複数の位置決め溝が設けられた収納容器を載置するための載置台であって、前記収納容器が載置される載置台上面から上方に突出する複数の位置決めピンと、前記載置台上面から上方に突出する複数の緩衝体と、を備え、前記複数の位置決めピンのそれぞれは、前記複数の位置決め溝のそれぞれに係合するように前記載置台上面に配置されており、前記複数の位置決めピンのそれぞれについて、前記緩衝体が設けられており、前記緩衝体は、上端が下方に押し込まれ得るとともに、押し込まれた場合に上方向に付勢されるように構成されており、更に、上端が下方に押し込まれていない状態で、載置される前記収納容器の前記底面に前記位置決めピンよりも先に接触する高さに位置している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、収納容器の荷重が増大した場合であっても、位置決めの際のパーティクルの発生を抑制することができる載置台を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係る載置台及び収納容器を示す断面図である。
【
図3】上記載置台に収納容器を載置する際の緩衝体及び位置決めピンを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係る載置台及び収納容器を示す断面図である。
【
図6】上記載置台に収納容器を載置する際の緩衝体及び位置決めピンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。ただし、以下の説明は本発明に係る載置台10の一例であり、本発明の技術的範囲は図示例に限定されるものではない。なお、説明を簡単にするために、以下において、
図1の容器本体120に対して、把持部121側を上方向とし、底面101側を下方向として説明する。
【0010】
〔載置台の概略〕
搬送された収納容器100を正確に載置するために、収納容器100及び載置台10には位置決め機構が配設されている。位置決め機構は、収納容器100の底面101に配設された位置決め溝112と、載置台10に配置された位置決めピン20とで機能する。
【0011】
図1は本発明の実施形態1に係る載置台10及び収納容器100を示す断面図である。位置決め機構においては、収納容器100を載置台10に向けて下方に降下させることにより、位置決め溝112の傾斜部114と位置決めピン20の先端とが接触する。その状態で更に収納容器100を降下させることにより、位置決めピン20が位置決め溝112の平坦部113に案内され、収納容器100が載置位置に案内される。
【0012】
本実施形態では、
図1に示すように、載置台10は、位置決めピン20のそれぞれについて、緩衝体30が設けられている。緩衝体30は、上端が下方に押し込まれ得るとともに、押し込まれた場合に上方向に付勢されるように構成されており、更に、上端が下方に押し込まれていない状態で、載置される収納容器100の底面101に位置決めピン20よりも先に接触する高さに位置している。
【0013】
これにより、収納容器100が載置台10に載置される際の、収納容器100の荷重または振幅を緩衝体30に負担または吸収させることができる。そのため、収納容器100の荷重が大きい場合であっても位置決めピン20と収納容器100との間に摩耗が生じることを抑制することができるので、収納容器100の荷重が増大した場合であっても、位置決めの際のパーティクルの発生を抑制することができる。
【0014】
(収納容器)
収納容器100は、製品を搬送する際に用いられる搬送容器であり、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)またはFOSB(Front Open Shipping Box)である。収納容器100は、容器本体120と、把持部121と、を備えている。容器本体120は、略直方体の筐体であり、図示は無いが内部に高い清浄度を必要とする製品、例えば、半導体ウエハ等が収納されている。収納容器100は、任意の位置から把持部121を把持されて載置台10の上方に搬送された後、降下されて載置台10に載置される。
【0015】
収納容器100の底面101には底面101の一部として複数の位置決め溝112が設けられている。
図2は、収納容器100の底面101を示す図である。なお、
図2では、位置決めピン20及び緩衝体30が、底面101に当接する位置も実線で図示している。
図2に示すように、位置決め溝112は、底面101の略中心部から外周部に向かって、放射線状に3つ設けられている。位置決め溝112は、上方に凹となる形状であり、上方向に向かうほど細くなる先細り形状に形成されるため、傾斜部114を有している。
【0016】
また、位置決め溝112の幅方向D1の中央部は、収納容器100の底面101の主面に平行な平坦部113を成している。ここで、底面101の主面とは、底面101全体を一面であるとみなした際の面を示す。すなわち、底面101の主面に平行とは、底面101全体を一面であるとみなした際の面の方向に平行であることを示す。位置決め溝112は、収納容器100が載置台10に載置される際に、載置台10に備えられている位置決めピン20が下方から係合するように備えられている。
【0017】
(載置台)
載置台10には収納容器100が載置される。載置台10は、位置決めピン20と、緩衝体30と、を備えている。
【0018】
載置台10において、載置台上面10aの一部はプレート11の上面11aで構成されている。プレート11は、載置台10の一部に支持されていてもよく、上下方向に高さ及び水平方向の位置が調整できるものであってもよい。
【0019】
(位置決めピン)
位置決めピン20は、複数あり、収納容器100が載置される載置台上面10aから上方に突出する。複数の位置決めピン20のそれぞれは、複数の位置決め溝112のそれぞれに係合するように載置台上面10aに配置されている。また、
図2に示すように、位置決めピン20は、収納容器100が載置台10に載置された際に、位置決め溝112の平坦部113において、底面101の外縁側の端部に位置するように、載置台上面10aに配置されている。
【0020】
位置決めピン20は略円柱であり、位置決めピン20の上端部は、水平方向に略平行となる平坦部21が形成されている。収納容器100が載置台10に載置される際に、収納容器100が載置位置に対して水平方向にずれている場合は、位置決めピン20が位置決め溝112の平坦部113に案内されることで、適正な載置位置に収納容器100が案内される。
【0021】
位置決めピン20は、プレート11に固定されている。例えば、先端がネジ切りされた位置決めピン20のベースとなる部分が載置台10に固定されており、当該ベースに位置決めピン20を螺合することで、位置決めピン20を載置台10に固定する。
【0022】
(緩衝体)
緩衝体30は、複数あり、載置台上面10aから上方に突出する。また、緩衝体30は、複数の位置決めピン20のそれぞれについて設けられている。本実施形態では、1つの位置決めピン20に対して、1つの緩衝体30が設けられている。上記に限らず、1つの位置決めピン20に対して、複数の緩衝体30が設けられていてもよい。
【0023】
緩衝体30は、上端が下方に押し込まれ得るとともに、押し込まれた場合に上方向に付勢されるように構成されている。また、緩衝体30は、上端が下方に押し込まれていない状態で、載置される収納容器100の底面101に位置決めピン20よりも先に接触する高さに位置している。
【0024】
これにより、収納容器100を載置台10に載置する際、位置決めピン20が収納容器100の底面101に接触するよりも先に、緩衝体30と収納容器100の底面101とが接触する。そのため、収納容器100が載置台10に載置される際の、収納容器100の荷重を緩衝体30が負担することができるので、収納容器100の荷重が大きい場合であっても位置決めピン20と収納容器100との間に摩耗が生じることを抑制することができる。その結果、収納容器100の荷重が増大した場合であっても、位置決めの際のパーティクルの発生を抑制することができる。
【0025】
図3は、載置台10に収納容器100を載置する際の緩衝体30及び位置決めピン20を示す図である。
図3の3001は、緩衝体30が収納容器100の底面101に接触し始める時点での緩衝体30及び位置決めピン20を示し、
図3の3002は、収納容器100が載置台10に載置されている状態での緩衝体30及び位置決めピン20を示す。
図3に示すように、緩衝体30は、弾性材料からなる弾性部31を有しており、弾性部31は緩衝体30の上端部33を含む。弾性材料は、例えば、ゴムである。
【0026】
図3の3001に示すように、収納容器100が載置台10の上方から降下して緩衝体30が収納容器100の底面101に接触しても、位置決めピン20は底面101(位置決め溝112)には接触しない。そこから更に収納容器100が降下すると、
図3の3002に示すように、緩衝体30の上端部33が下方に押し込まれ、位置決めピン20が平坦部113に接触して静止し、収納容器100が載置台10に載置される。
【0027】
このように、緩衝体30の上端部33が弾性部31となるため、収納容器100が載置台10に載置される際に弾性部31が変形する。これにより、緩衝体30により収納容器100の荷重を負担しつつ、位置決めピン20により収納容器100を載置台10に載置することができる。
【0028】
緩衝体30は、収納容器100が載置台10に載置された際に、収納容器100の底面101の、位置決め溝112以外の位置に対応するように、載置台上面10aに配置されている。
【0029】
このように、緩衝体30が位置決め溝112以外の位置に対応するように載置台上面10aに配置されるので、収納容器100の位置決め機能に影響を及ぼさない。また、緩衝体30の大きさを位置決め溝112の大きさに関係なく設けることができる。例えば、収納容器100が載置台10に載置された際の、底面101と緩衝体30との接触面積を大きくすることで、緩衝体30が負担する収納容器100の荷重を大きくすることができ、より荷重が大きい収納容器100にも対応することができる。
【0030】
緩衝体30において、緩衝体30の上端部33は、中央部34が最上端となる球面状に形成されている。収納容器100を載置台10に向かって降下させる際は、完全に水平な状態で収納容器100を降下できない場合がある。そのため、緩衝体30の上端部33が水平方向に略平行に平坦だと緩衝体30に角部が形成され、該角部が摩耗する。そのため、緩衝体30の最上端を球面上とすることで、バランスよく緩衝体30に収納容器100の荷重がかかり、緩衝体30の片減り等を防止することができる。
【0031】
また、緩衝体30は、上端部33の下部に、緩衝体30が載置台上面10aから上方に突出する長さを調整する長さ調整機構32を備えている。これにより、緩衝体30の上下方向の長さを調整することができるので、緩衝体30が負担する収納容器100の荷重の大きさの調整を行うことができる。更に、緩衝体30の使用により弾性部31が変形した場合であっても緩衝体30の長さを調整することで、長期間の使用が可能になる。長さ調整機構32は、例えば、ネジにより構成されていてもよい。
【0032】
緩衝体30は、位置決めピン20よりも径が大きい柱状である。具体的には、緩衝体30は略円柱状であり、
図3の3002に示すように、収納容器100が載置台10に載置されている状態では、位置決めピン20の上端の平坦部21は位置決め溝112の平坦部113と接触し、緩衝体30の上端部33は変形して収納容器100の底面101に接触する。この位置決めピン20の上端の平坦部21の径をR1とし、変形した緩衝体30と収納容器100の底面101との接触部の径をR2とした場合、R1<R2となる。
【0033】
これにより、緩衝体30が負担する収納容器100の荷重を位置決めピン20よりも大きくすることができるので、より位置決めピン20と収納容器100との間に摩耗が生じることを抑制することができる。
【0034】
また、載置台上面10aにおいて、収納容器100が載置台10に載置された際に、第1の三角形T1(
図2参照)の各頂点に対応する位置に位置決めピン20が配置され、第1の三角形T1を内包する、第1の三角形T1を拡大した第2の三角形T2(
図2参照)の各頂点に対応する位置に緩衝体30が配置される。
【0035】
言い換えると、緩衝体30は、底面101の略中心から各位置決め溝112を通る放射線上において、位置決め溝112の底面101の外周部側に設けられている。緩衝体30は、位置決めピン20に隣接していることが望ましい。これにより、収納容器100の底面101に対して緩衝体30をバランスよく配置することができるので、より位置決めピン20と収納容器100との間に摩耗が生じることを抑制することができる。
【0036】
載置台上面10aにおける緩衝体30の配置位置は上記に限らない。例えば、バランスよく収納容器100の荷重が位置決めピン20と分担できるのであれば、載置台上面10aにおいて、第1の三角形T1の略中心に対応する位置に1つの緩衝体30が配置されるものであってもよい。
【0037】
緩衝体30は、プレート11以外の載置台10の部分に固定されている。緩衝体30をプレート11以外の載置台10に設置することで、緩衝体30の支持を強固にすることができるため、より大きな荷重に耐えることが可能となる。
【0038】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
図4は、本発明の実施形態2に係る載置台10X及び収納容器100を示す断面図である。
図4に示すように、載置台10Xは載置台10と比較して、緩衝体30にかえて緩衝体30Xを備えている点が異なり、その他の構成は同じである。
【0040】
(緩衝体)
図5は、収納容器100の底面101を示す図である。
図5では、位置決めピン20及び緩衝体30Xが底面101に当接する位置も実線で図示している。
図6は、載置台10Xに収納容器100を載置する際の緩衝体30X及び位置決めピン20を示す図であり、緩衝体30Xが収納容器100の底面101に接触し始める時点での緩衝体30X及び位置決めピン20を示す。
【0041】
図5に示すように、緩衝体30Xは、収納容器100が載置台10Xに載置される際に、収納容器100の底面101の位置決め溝112の内側であって幅方向D1の略中央に位置するように、載置台上面10Xaに配置されている。また、緩衝体30Xは、収納容器100が載置台10Xに載置される際に、収納容器100の底面101の位置決め溝112の内側であって長さ方向D2の略中央に位置するように、載置台上面10Xaに配置されている。収納容器100が載置台10Xに載置されている状態では、緩衝体30Xの上端の平坦部37は、平坦部113に当接する。
【0042】
緩衝体30Xは、上端が下方に押し込まれていない状態で、載置される収納容器100の底面101に位置決めピン20よりも先に接触する高さに設けられている。そのため、
図6に示すように、収納容器100が載置台10Xの上方から降下して緩衝体30Xが収納容器100の底面101に接触しても、位置決めピン20は底面101(位置決め溝112)には接触しない。そこから更に収納容器100が降下すると、緩衝体30Xの上端部が下方に押し込まれ、位置決めピン20が平坦部113に接触して静止し、収納容器100が載置台10Xに載置される。
【0043】
緩衝体30Xにおいて少なくとも収納容器100の底面101と接触する部分(平坦部37)は、平坦部113の幅B1よりも径が小さい柱状である。具体的には、収納容器100が載置台10Xに載置されている状態では、緩衝体30Xは上端の平坦部37のみが位置決め溝112(底面)と接触し、緩衝体30Xの上端の平坦部37の径をR3とした場合、B1>R3となる(
図5及び
図6参照)。これにより、収納容器100の位置決め機能に影響を及ぼさないように、収納容器100を載置台10Xに載置する際の収納容器100の振幅を抑制することができる。
【0044】
緩衝体30Xは、ばねにより上方向に付勢された可動部35を有し、可動部35は支持部36を介してプレート11に固定されている。緩衝体30Xは、例えば、バネを利用したショックアブソーバである。
【0045】
これにより、収納容器100が載置台10Xに載置される際の、収納容器100の衝撃を緩衝体30Xが位置決め溝112内で吸収することができる。そのため、収納容器100が載置台10Xに載置される際の、収納容器100と位置決めピン20との相対移動の振幅を抑制することができ、位置決めピン20と収納容器100との間に摩耗が生じることを抑制することができる。
【0046】
また、緩衝体30Xは弾性が緩衝体30と比較して弱く、収納容器100を載置台10Xに載置した状態において、収納容器100の荷重をほぼ負担しない。そのため、緩衝体30Xが位置決め溝112内で収納容器100に接触しても、収納容器100の載置台10Xに対する位置決めに影響を与えない。
【0047】
位置決めピン20及び緩衝体30Xは、プレート11に固定されている。また、図示にはないが、緩衝体30Xは、可動部35の下部に、緩衝体30Xが載置台上面10Xaから上方に突出する長さを調整するネジ等の長さ調整機構を備えていてもよい。
【0048】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る載置台(10・10X)は、底面(101)に複数の位置決め溝(112)が設けられた収納容器(100)を載置するための載置台であって、前記収納容器(100)が載置される載置台上面(10a・10Xa)から上方に突出する複数の位置決めピン(20)と、前記載置台上面(10a・10Xa)から上方に突出する複数の緩衝体(30・30X)と、を備え、前記複数の位置決めピン(20)のそれぞれは、前記複数の位置決め溝(112)のそれぞれに係合するように前記載置台上面(10a・10Xa)に配置されており、前記複数の位置決めピン(20)のそれぞれについて、前記緩衝体(30・30X)が設けられており、前記緩衝体(30・30X)は、上端が下方に押し込まれ得るとともに、押し込まれた場合に上方向に付勢されるように構成されており、更に、上端が下方に押し込まれていない状態で、載置される前記収納容器(100)の前記底面(101)に前記位置決めピン(20)よりも先に接触する高さに位置している。
【0049】
上記の構成によれば、位置決めピンが収納容器の底面に接触するよりも先に、緩衝体が収納容器の底面に接触する。そのため、収納容器が載置台に載置される際の、収納容器の荷重または衝撃を緩衝体に負担または吸収させることができるので、収納容器の荷重が大きい場合であっても位置決めピンと収納容器との間に摩耗が生じることを抑制することができる。その結果、収納容器の荷重が増大した場合であっても、位置決めの際のパーティクルの発生を抑制することができる。
【0050】
本発明の態様2に係る載置台(10)では、上記態様1において、前記緩衝体(30)は、弾性材料からなる弾性部(31)を有しており、前記収納容器(100)の前記底面(101)の、前記位置決め溝(112)以外の位置に対応するように、前記載置台上面(10a)に配置されていてもよい。
【0051】
上記の構成によれば、緩衝体が位置決め溝以外の位置に対応するように、載置台上面に配置されるので、収納容器の位置決め機能に影響を及ぼさないように緩衝体を配置することができる。また、緩衝体の大きさを位置決め溝の大きさに関係なく設けることができるので、例えば、収納容器が載置台に載置される際の、緩衝体と底面との接触面積を大きくすることで、緩衝体が負担する収納容器の荷重を大きくすることができ、より荷重が大きい収納容器にも対応することができる。
【0052】
本発明の態様3に係る載置台(10)では、上記態様2において、前記弾性部(31)が前記緩衝体(30)の上端部(33)を含み、前記緩衝体(30)の前記上端部(33)は、中央部(34)が最上端となる球面状に形成されていてもよい。
【0053】
上記の構成によれば、緩衝体の上端部が弾性部となるため、収納容器が載置台に載置される際に弾性部が変形する。これにより、緩衝体により収納容器の荷重を吸収しつつ、位置決めピンにより収納容器を載置台に載置することができる。
【0054】
さらに、緩衝体の最上端を球面上とすることで、バランスよく緩衝体に収納容器の荷重がかかり、緩衝体の片減りを防止することができる。
【0055】
本発明の態様4に係る載置台(10)では、上記態様2または3において、前記緩衝体(30)は、前記位置決めピン(20)よりも径が大きい柱状であってもよい。
【0056】
上記の構成によれば、位置決めピンよりも緩衝体の径が大きいことにより、緩衝体が負担する収納容器の荷重を位置決めピンよりも大きくすることができるので、より位置決めピンと収納容器との間に摩耗が生じることを抑制することができる。
【0057】
本発明の態様5に係る載置台(10)では、上記態様2から4のいずれかにおいて、前記載置台上面(10a)において、第1の三角形(T1)の各頂点の位置に前記位置決めピン(20)が配置され、前記第1の三角形(T1)を内包する、前記第1の三角形(T1)を拡大した第2の三角形(T2)の各頂点の位置に前記緩衝体(30)が配置されてもよい。
【0058】
上記の構成によれば、収納容器の底面に対して緩衝体をバランスよく配置することができるので、より位置決めピンと収納容器との間に摩耗が生じることを抑制することができる。
【0059】
本発明の態様6に係る載置台(10)では、上記態様2から5のいずれかにおいて、上面(11a)が前記載置台上面(10a)の一部を構成するプレートを(11)備え、前記位置決めピン(20)は、前記プレート(11)に固定されており、前記緩衝体(30)は、前記プレート(11)以外の前記載置台の部分に固定されていてもよい。
【0060】
上記の構成によれば、位置決めピン間の配置を正確にすることができる。また、緩衝体をプレート以外の載置台に設置することで、緩衝体の支持を強固にすることができるため、より大きな荷重に耐えることが可能となる。
【0061】
本発明の態様7に係る載置台(10X)では、上記態様1において、前記緩衝体(30X)は、ばねにより上方向に付勢された可動部(35)を有し、前記収納容器(100)の前記底面(101)の前記位置決め溝(112)の内側であって幅方向(D1)の中央に位置するように、前記載置台上面(10Xa)に配置されていてもよい。
【0062】
上記の構成によれば、位置決め溝内で、収納容器が載置台に載置される際の、収納容器の衝撃を緩衝体が吸収することができるため、収納容器が載置台に載置される際の、収納容器と位置決めピンとの相対移動の振幅を抑制することができる。
【0063】
本発明の態様8に係る載置台(10X)では、上記態様7において、前記位置決め溝(112)の幅方向(D1)の中央部は、前記収納容器(100)の前記底面の主面に平行な平坦部(113)を成しており、前記緩衝体(30)において少なくとも前記収納容器(100)の前記底面(101)と接触する部分は、前記平坦部(113)の幅(B1)よりも径が小さくてもよい。
【0064】
上記の構成によれば、緩衝体において少なくとも収納容器の底面と接触する部分は位置決め溝の平坦部の幅よりも径が小さいため、収納容器の位置決め機能に影響を及ぼさないように、収納容器を載置台に載置する際の振幅を抑制することができる。
【0065】
本発明の態様9に係る載置台(10X)では、上記態様7または8において、上面(11a)が前記載置台上面(10Xa)の一部を構成するプレート(11)を備え、前記位置決めピン(20)及び前記緩衝体(30)は、前記プレート(11)に固定されていてもよい。
【0066】
上記の構成によれば、位置決めピン及び緩衝体間の配置を正確にすることができる。
【0067】
本発明の態様10に係る載置台(10X)では、上記態様1から9のいずれかにおいて、前記緩衝体(30・30X)は、前記緩衝体(30・30X)が前記載置台上面(10a・10Xa)から上方に突出する長さを調整する長さ調整機構(32)を備えていてもよい。
【0068】
上記の構成によれば、緩衝体の上下方向の長さを調整することができるので、例えば、緩衝体が負担する収納容器の荷重の大きさの調整を行うことができる。更に、緩衝体の使用により弾性部が変形した場合であっても緩衝体の長さを調整することで、長期間の使用が可能になる。
【0069】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
10、10X 載置台
10a、10Xa 載置台上面
11 プレート
20 位置決めピン
113 位置決め溝の平坦部
30、30X 緩衝体
31 弾性部
32 長さ調整機構
33 緩衝体の上端部
34 緩衝体の中央部
35 可動部
100 収納容器
101 底面
112 位置決め溝
B1 位置決め溝の平坦部の幅
D1 位置決め溝の幅方向
T1 第1の三角形
T2 第2の三角形