(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155140
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
A01D 41/12 20060101AFI20241024BHJP
B60K 5/00 20060101ALI20241024BHJP
B60K 11/04 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A01D41/12 R
B60K5/00 D
B60K11/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069583
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】佐嶋 圭介
(72)【発明者】
【氏名】福井 祐己
【テーマコード(参考)】
2B074
3D038
3D235
【Fターム(参考)】
2B074AA01
2B074AB01
2B074AC02
2B074BA04
2B074CD05
2B074DF08
3D038AA10
3D038AB08
3D038AC03
3D038AC04
3D038AC11
3D038AC13
3D038AC15
3D038AC20
3D235AA13
3D235BB24
3D235CC01
3D235DD03
3D235FF22
3D235FF25
3D235FF43
3D235HH02
(57)【要約】
【課題】ラジエータのメンテナンスを容易に行う。
【解決手段】水冷式のエンジンと、エンジンに対して機体左右方向の外側に配置され、エンジン用の冷却水を冷却するラジエータ20と、ラジエータ20に対して機体左右方向の外側に配置される第一冷却装置21と、ラジエータ20に対して機体左右方向の外側に配置される第二冷却装置22と、が備えられている。第一冷却装置21は、第一揺動軸心Z1まわりにおいて、使用時の姿勢となる第一閉位置と、第一閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる第一開位置と、に亘って揺動開閉可能に構成されている。第一揺動軸心Z1は、機体前後方向に沿って延びる軸心であり、かつ、第一冷却装置21に対して上側に位置している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水冷式のエンジンと、
前記エンジンに対して機体左右方向の外側に配置され、前記エンジン用の冷却水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第一冷却装置と、
前記ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第二冷却装置と、
が備えられ、
前記第一冷却装置は、第一揺動軸心まわりにおいて、前記第一冷却装置が使用時の姿勢となる第一閉位置と、前記第一冷却装置が前記第一閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる第一開位置と、に亘って揺動開閉可能に構成され、
前記第二冷却装置は、第二揺動軸心まわりにおいて、前記第二冷却装置が使用時の姿勢となる第二閉位置と、前記第二冷却装置が前記第二閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる第二開位置と、に亘って揺動開閉可能に構成され、
前記第一揺動軸心は、機体前後方向に沿って延びる軸心であり、かつ、前記第一冷却装置に対して上側に位置している収穫機。
【請求項2】
前記第二揺動軸心は、上下方向に沿って延びる軸心であり、かつ、前記第二冷却装置に対して機体前後一方側に位置している請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
前記第二揺動軸心は、前記第二冷却装置に対して機体後側に位置する請求項2に記載の収穫機。
【請求項4】
前記第一冷却装置は、エアコン用の冷媒を冷却するコンデンサであって、
前記コンデンサ用のレシーバが備えられ、
前記コンデンサ及び前記レシーバは、前記第一揺動軸心まわりに一体的に揺動するように構成されている請求項1に記載の収穫機。
【請求項5】
前記第一冷却装置は、エアコン用の冷媒を冷却するコンデンサであって、
前記コンデンサに、前記コンデンサに前記冷媒を導入する管状の第一導入部材と、前記コンデンサから前記冷媒を導出する第一導出部材と、が接続され、
前記第一導入部材と前記第一導出部材との少なくとも一方は、前記コンデンサのうち前記第一揺動軸心が位置する側の部分に接続されている請求項1に記載の収穫機。
【請求項6】
前記第一導入部材と前記第一導出部材との少なくとも一方は、前記第一揺動軸心に沿って延びている請求項5に記載の収穫機。
【請求項7】
前記ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第三冷却装置が備えられ、
前記第三冷却装置は、前記第二揺動軸心まわりにおいて、前記第三冷却装置が使用時の姿勢となる第三閉位置と、前記第三冷却装置が前記第三閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる第三開位置と、に亘って揺動開閉可能に構成され、
前記第二冷却装置及び前記第三冷却装置は、前記第二揺動軸心まわりに一体的に揺動するように構成されている請求項1から6の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項8】
前記第二冷却装置に、冷却対象を前記第二冷却装置に導入する管状の第二導入部材と、冷却対象を前記第二冷却装置から導出する第二導出部材と、が接続され、
前記第三冷却装置に、冷却対象を前記第三冷却装置に導入する管状の第三導入部材と、冷却対象を前記第三冷却装置から導出する第三導出部材と、が接続され、
前記第二導入部材及び前記第二導出部材は、前記第二冷却装置に対して前記第二揺動軸心が位置する側に配置され、
前記第三導入部材及び前記第三導出部材は、前記第三冷却装置に対して前記第二揺動軸心が位置する側に配置されている請求項7に記載の収穫機。
【請求項9】
前記第二導入部材、前記第二導出部材、前記第三導入部材及び前記第三導出部材は、それぞれ、少なくとも一部が弾性変形可能な部材によって構成されている請求項8に記載の収穫機。
【請求項10】
前記第二導入部材と前記第二導出部材と前記第三導入部材と前記第三導出部材との少なくとも一つは、前記第二揺動軸心に沿って延びている請求項8に記載の収穫機。
【請求項11】
前記第二冷却装置は、油圧用の作動油を冷却するオイルクーラであって、
前記第三冷却装置は、前記エンジンに供給する燃料を冷却する燃料クーラである請求項7に記載の収穫機。
【請求項12】
前記第一冷却装置は、前記第二冷却装置よりも軽く構成されている請求項1から6の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項13】
前記第一冷却装置及び前記第二冷却装置に対して機体左右方向の外側に配置される防塵カバーが備えられ、
前記防塵カバーは、前記防塵カバーの下部に設けられ、機体前後方向に沿って延びる揺動軸心まわりに揺動開閉可能に構成されている請求項1から6の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項14】
前記第一冷却装置は、前記第二冷却装置に対して機体左右方向の外側に配置され、
前記第一冷却装置は、前記防塵カバーを開いた状態で、前記第一閉位置から前記第一開位置に位置変更可能となり、
前記第二冷却装置は、前記第一冷却装置が前記第一開位置に位置している状態で、前記第二閉位置から前記第二開位置に位置変更可能となる請求項13に記載の収穫機。
【請求項15】
前記第一冷却装置を前記第一開位置に保持する保持具が備えられている請求項1から6の何れか一項に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収穫機として、例えば、特許文献1に記載の収穫機が知られている。特許文献1に記載の収穫機は、水冷式のエンジン(文献では「エンジン〔16〕」)と、エンジンに対して機体左右方向の外側に配置され、エンジン用の冷却水を冷却するラジエータ(文献では「ラジエータ〔17〕」)と、機体左右方向でエンジンとラジエータとの間に配置され、ラジエータに冷却風を供給する冷却ファン(文献では「冷却ファン〔18〕」)と、ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第一冷却装置(文献では「オイルクーラ〔60〕」)と、ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第二冷却装置(文献では「インタークーラ〔80〕」)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の収穫機では、ラジエータのメンテナンスを行う際に、第一冷却装置や第二冷却装置を取り外さなければならず、ラジエータのメンテナンスを容易に行う点で改善の余地がある。
【0005】
上述の状況に鑑み、ラジエータのメンテナンスを容易に行うことが可能な収穫機が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の収穫機は、水冷式のエンジンと、前記エンジンに対して機体左右方向の外側に配置され、前記エンジン用の冷却水を冷却するラジエータと、前記ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第一冷却装置と、前記ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第二冷却装置と、備えられ、前記第一冷却装置は、第一揺動軸心まわりにおいて、前記第一冷却装置が使用時の姿勢となる第一閉位置と、前記第一冷却装置が前記第一閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる第一開位置と、に亘って揺動開閉可能に構成され、前記第二冷却装置は、第二揺動軸心まわりにおいて、前記第二冷却装置が使用時の姿勢となる第二閉位置と、前記第二冷却装置が前記第二閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる第二開位置と、に亘って揺動開閉可能に構成され、前記第一揺動軸心は、機体前後方向に沿って延びる軸心であり、かつ、前記第一冷却装置に対して上側に位置していることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、例えば作業者等が第一冷却装置を第一揺動軸心まわりで上向きに揺動させて第一開位置に位置変更し、第二冷却装置を第二揺動軸心まわりで揺動させて第二開位置に位置変更すると、ラジエータのうち機体左右方向の外側の側面部(横外側面部)が開放される。これにより、ラジエータのメンテナンスを行う際に、ラジエータの横外側面に対して機体左右方向の外側から容易にアクセスすることができる。また、第一冷却装置の裏面及び第二冷却装置の裏面もそれぞれ開放される。特に、第一冷却装置が上向きに揺動して第一開位置に位置変更した際に、第一冷却装置の裏面に付いた塵埃等が落下し易くなる。これにより、作業者等は第一冷却装置及び第二冷却装置のメンテナンスを容易に行える。即ち、ラジエータのメンテナンスを容易に行うことが可能な収穫機を実現することができる。
【0008】
本発明において、前記第二揺動軸心は、上下方向に沿って延びる軸心であり、かつ、前記第二冷却装置に対して機体前後一方側に位置していると好適である。
【0009】
本構成によれば、第二冷却装置が水平方向に揺動開閉する。したがって、例えば作業者等が第二冷却装置を揺動開閉する際に、これらを持ち上げる必要がない。これにより、第二冷却装置が重量物であっても、作業者等は第二冷却装置を小さな力で揺動開閉できる。また、第一冷却装置と第二冷却装置とが互いに異なる方向に揺動して開閉する。これにより、第一冷却装置及び第二冷却装置を揺動開閉する際に、これらが互いに干渉しない構成が可能となる。
【0010】
本発明において、前記第二揺動軸心は、前記第二冷却装置に対して機体後側に位置すると好適である。
【0011】
本構成によれば、作業者等が第二冷却装置を後向きに揺動することによって、第二冷却装置を第二開位置に位置変更できる。したがって、例えば作業者等が第二冷却装置を揺動開閉する際に、機体前方から容易に第二冷却装置を操作できる。
【0012】
本発明において、前記第一冷却装置は、エアコン用の冷媒を冷却するコンデンサであって、前記コンデンサ用のレシーバが備えられ、前記コンデンサ及び前記レシーバは、前記第一揺動軸心まわりに一体的に揺動するように構成されていると好適である。
【0013】
本構成であれば、コンデンサとレシーバとが、隣り合わせで配置され、かつ、一体的に揺動する。このため、コンデンサとレシーバとの間の配管を、冷媒が漏れにくい強固なものに、かつ、短いものにする構成が可能となる。
【0014】
本発明において、前記第一冷却装置は、エアコン用の冷媒を冷却するコンデンサであって、前記コンデンサに、前記コンデンサに前記冷媒を導入する管状の第一導入部材と、前記コンデンサから前記冷媒を導出する第一導出部材と、が接続され、前記第一導入部材と前記第一導出部材との少なくとも一方は、前記コンデンサのうち前記第一揺動軸心が位置する側の部分に接続されていると好適である。
【0015】
本構成によれば、第一導入部材と第一導出部材との少なくとも一方が第一揺動軸心側に位置することになる。これにより、エアコン用の冷媒を扱う部材をコンパクトにまとめることができる。
【0016】
本発明において、前記第一導入部材と前記第一導出部材との少なくとも一方は、前記第一揺動軸心に沿って延びていると好適である。
【0017】
本構成によれば、第一導入部材と第一導出部材との少なくとも一方が第一揺動軸心に沿って延びているため、作業者等が第一冷却装置を揺動開閉する際に、第一導入部材と第一導出部材との少なくとも一方をねじれ難くすることができる。
【0018】
本発明において、前記ラジエータに対して機体左右方向の外側に配置される第三冷却装置が備えられ、前記第三冷却装置は、前記第二揺動軸心まわりにおいて、前記第三冷却装置が使用時の姿勢となる第三閉位置と、前記第三冷却装置が前記第三閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる第三開位置と、に亘って揺動開閉可能に構成され、前記第二冷却装置及び前記第三冷却装置は、前記第二揺動軸心まわりに一体的に揺動するように構成されていると好適である。
【0019】
本構成によれば、作業者等が第三冷却装置を第二揺動軸心まわりで揺動させて第三開位置に位置変更すると、ラジエータのうち機体左右方向の外側の側面部(横外側面部)が開放される。これにより、作業者等がラジエータのメンテナンスを行う際に、ラジエータの横外側面に対して機体左右方向の外側から容易にアクセスできる。また、第三冷却装置の裏面も開放される。これにより、作業者等は第三冷却装置のメンテナンスを容易に行える。また、作業者等が第二冷却装置と第三冷却装置とを一度の操作で開閉できる。
【0020】
本発明において、前記第二冷却装置に、冷却対象を前記第二冷却装置に導入する管状の第二導入部材と、冷却対象を前記第二冷却装置から導出する第二導出部材と、が接続され、前記第三冷却装置に、冷却対象を前記第三冷却装置に導入する管状の第三導入部材と、冷却対象を前記第三冷却装置から導出する第三導出部材と、が接続され、前記第二導入部材及び前記第二導出部材は、前記第二冷却装置に対して前記第二揺動軸心が位置する側に配置され、前記第三導入部材及び前記第三導出部材は、前記第三冷却装置に対して前記第二揺動軸心が位置する側に配置されていると好適である。
【0021】
本構成によれば、第二導入部材及び第二導出部材が第二冷却装置に対して同じ側(第二揺動軸心が位置する側)に位置する。これにより、第二導入部材及び第二導出部材を容易にまとめることができる。また、第三導入部材及び第三導出部材が第三冷却装置に対して同じ側(第二揺動軸心が位置する側)に位置する。これにより、第三導入部材及び第三導出部材を容易にまとめることができる。
【0022】
本発明において、前記第二導入部材、前記第二導出部材、前記第三導入部材及び前記第三導出部材は、それぞれ、少なくとも一部が弾性変形可能な部材によって構成されていると好適である。
【0023】
本構成であれば、第二冷却装置及び第三冷却装置が揺動開閉して、前記第二導入部材、前記第二導出部材、前記第三導入部材及び前記第三導出部材がねじれる場合であっても、そのねじれが当該部材の弾性変形によって吸収される。
【0024】
本発明において、前記第二導入部材と前記第二導出部材と前記第三導入部材と前記第三導出部材との少なくとも一つは、前記第二揺動軸心に沿って延びていると好適である。
【0025】
第二導入部材及び第二導出部材が第二揺動軸心に沿って延びる構成であると、第二支持フレームを揺動開閉する際に、第二導入部材及び第二導出部材をねじれ難くすることができる。また、第三導入部材及び第三導出部材が第三揺動軸心に沿って延びる構成であると、第三支持フレームを揺動開閉する際に、第三導入部材及び第三導出部材をねじれ難くすることができる。
【0026】
本発明において、前記第二冷却装置は、油圧用の作動油を冷却するオイルクーラであって、前記第三冷却装置は、前記エンジンに供給する燃料を冷却する燃料クーラであると好適である。
【0027】
本構成であれば、作業者等がオイルクーラと燃料クーラとを一度の操作で開閉できる。
【0028】
本発明において、前記第一冷却装置は、前記第二冷却装置よりも軽く構成されていると好適である。
【0029】
本構成によって、作業者等は第一冷却装置を出来るだけ小さな力で揺動開閉できる。
【0030】
本発明において、前記第一冷却装置及び前記第二冷却装置に対して機体左右方向の外側に配置される防塵カバーが備えられ、前記防塵カバーは、前記防塵カバーの下部に設けられ、機体前後方向に沿って延びる揺動軸心まわりに揺動開閉可能に構成されていると好適である。
【0031】
本構成であれば、ラジエータ、第一冷却装置及び第二冷却装置に対して機体左右方向の外側に防塵カバーが配置されている。このため、ラジエータ、第一冷却装置及び第二冷却装置に塵埃が堆積する虞が軽減される。また、防塵カバーの下部に設けられた揺動軸心まわりに防塵カバーが揺動する。このことから、第一冷却装置と防塵カバーとが互いに異なる方向に揺動して開閉する。これにより、第一冷却装置及び防塵カバーを揺動開閉する際に、これらが互いに干渉しない構成が可能となる。
【0032】
本発明において、前記第一冷却装置は、前記第二冷却装置に対して機体左右方向の外側に配置され、前記第一冷却装置は、前記防塵カバーを開いた状態で、前記第一閉位置から前記第一開位置に位置変更可能となり、前記第二冷却装置は、前記第一冷却装置が前記第一開位置に位置している状態で、前記第二閉位置から前記第二開位置に位置変更可能となると好適である。
【0033】
本構成であれば、作業者等は、最初に防塵カバーを開き、次に第一冷却装置を開き、そして第二冷却装置を開くことによって、ラジエータと、防塵カバーの裏面と、第一冷却装置の裏面と、第二冷却装置の裏面と、を容易にメンテナンスできる。
【0034】
本発明において、前記第一冷却装置を前記第一開位置に保持する保持具が備えられていると好適である。
【0035】
本構成であれば、第一冷却装置が上下に揺動開閉する構成であっても、第一冷却装置が保持具によって第一開位置に保持される。これにより、第一冷却装置が自重で第一閉位置に戻る虞が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図5】防塵カバーが閉じた状態における冷却系ユニットを示す背面図である。
【
図6】防塵カバーが開いた状態における冷却系ユニットを示す背面図である。
【
図7】防塵カバーが開いた状態、かつ、第一冷却装置が第一開位置に位置する状態における冷却系ユニットを示す背面図である。
【
図8】防塵カバーが開いた状態、かつ、第一冷却装置が第一開位置に位置する状態、かつ、第二冷却装置が第二開位置に位置する状態における冷却系ユニットを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印「F」の方向を「機体前側」、矢印「B」の方向を「機体後側」、矢印「L」の方向を「機体左側」、矢印「R」の方向を「機体右側」、矢印「U」の方向を「機体上側」、矢印「D」の方向を「機体下側」とする。
【0038】
〔コンバインの全体構成〕
図1及び
図2には、自脱型コンバイン(本発明に係る「収穫機」に相当)を示している。本コンバインは、走行機体1と、刈取部2と、脱穀装置3と、穀粒貯留タンク4と、穀粒排出装置5と、運転キャビン6と、原動部7と、を備えている。
【0039】
走行機体1は、左右のクローラ走行装置9と、機体フレーム10と、を備えている。機体フレーム10は、左右のクローラ走行装置9に支持されている。機体フレーム10の後部には、燃料タンク(図示省略)が設けられている。刈取部2は、走行機体1の前方に配置されている。刈取部2は、植立穀稈を刈り取るように構成されている。
【0040】
脱穀装置3は、刈取穀稈を脱穀するように構成されている。穀粒貯留タンク4は、脱穀装置3と横並び(本実施形態では、右隣り)に配置されている。穀粒貯留タンク4は、穀粒を貯留するように構成されている。穀粒排出装置5は、穀粒貯留タンク4内の穀粒を排出するように構成されている。
【0041】
運転キャビン6は、走行機体1における左右一方側(本実施形態では、右側)に偏倚した位置に配置されている。運転キャビン6は、運転者が搭乗する運転部11と、運転部11を覆うキャビン部12と、を備えている。運転部11は、運転座席13を備えている。運転キャビン6内を空調するエアコンユニット(図示省略)が設けられている。当該エアコンユニットは、例えば、キャビン部12のルーフ部に収容されている。
【0042】
運転座席13の下方には、エンジンルーム14が形成されている。エンジンルーム14には、原動部7が収容されている。運転座席13の後方には、エアクリーナルーム15が形成されている。エアクリーナルーム15には、エンジンE用のエアクリーナ16が収容されている。
【0043】
走行機体1の右側部に防塵カバー17が設けられている。防塵カバー17は、エンジンルーム14及びエアクリーナルーム15を機体左右方向の外側(本実施形態では右側となる、以下同じ)から覆う。防塵カバー17は、通気を許容し、かつ、塵埃の通過を阻止する状態で、エンジンルーム14及びエアクリーナルーム15を機体左右方向の外側から覆うように構成されている。防塵カバー17は、機体前後方向に沿って延びる揺動軸心Z3まわりで揺動開閉可能に構成されている。揺動軸心Z3は、防塵カバー17の下部に設けられている。
【0044】
原動部7は、水冷式のエンジンEと、排気浄化装置18と、冷却系ユニットUと、冷却ファン19と、を備えている。排気浄化装置18は、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)を有し、エンジンEの排気を浄化するように構成されている。冷却系ユニットUは、エンジンEに対して機体左右方向の外側に配置されている。冷却系ユニットUは、ラジエータ20と、コンデンサ21(特許請求の範囲に記載の『第一冷却装置』)と、オイルクーラ22(特許請求の範囲に記載の『第二冷却装置』)と、燃料クーラ23(特許請求の範囲に記載の『第三冷却装置』)と、を備えている。
【0045】
エンジンEからの動力は、不図示の変速部(静油圧式無段変速装置、ギヤ式変速機構を含む)を介して左右のクローラ走行装置9や刈取部2に伝達するように構成されている。当該変速部は、左側のクローラ走行装置9の前部と右側のクローラ走行装置9の前部との間に配置されている。
【0046】
冷却ファン19は、機体左右方向でエンジンEとラジエータ20との間に配置されている。冷却ファン19は、冷却系ユニットUに冷却風を供給するように構成されている。冷却ファン19は、機外の空気が防塵カバー17を介してエンジンルーム14内に流入する正転状態と、エンジンルーム14内の空気が防塵カバー17を介して機外に流出する逆転状態とに切り替え可能に構成されている。
【0047】
〔冷却系ユニット〕
ラジエータ20は、エンジンE用の冷却水を冷却するように構成されている。
図2~
図8に示すように、ラジエータ20は、エンジンEに対して機体左右方向の外側に配置されている。ラジエータ20の左側部(機体内側部)には、冷却ファン19を覆うシュラウド25が支持されている。ラジエータ20は、枠状のラジエータフレーム26に支持されている。
【0048】
図3~
図6に示すように、ラジエータフレーム26の右側部(機体外側部)に、コンデンサ21とオイルクーラ22と燃料クーラ23とレシーバ24とが支持される。冷却ファン19によって流れる空気の通路となるラジエータダクトが、防塵カバー17によって形成されている。防塵カバー17は機体フレーム10に支持されている。コンデンサ21、オイルクーラ22、燃料クーラ23、及び、レシーバ24は、ラジエータダクトの内部に配置されている。
【0049】
コンデンサ21は、上述のエアコンユニット用(エアコン用)の冷媒を冷却するように構成されている。コンデンサ21は、ラジエータ20に対して機体左右方向の外側に配置され、かつ、オイルクーラ22及び燃料クーラ23に対して機体左右方向の外側に配置されている。具体的には、コンデンサ21は、オイルクーラ22及び燃料クーラ23の右隣りに配置されている。コンデンサ21は、第一ブラケット31に支持されている。具体的には、コンデンサ21の前縁部と後縁部とのそれぞれの上下二箇所に連結部21Aが形成されている。四箇所の連結部21Aは、ボルト31aで第一ブラケット31に連結されている。
【0050】
第一ブラケット31は、前後一対の第一ヒンジ34を介してラジエータフレーム26に支持されている。このため、第一ブラケット31は、第一揺動軸心Z1まわりに揺動可能に構成されている。第一揺動軸心Z1は、機体前後方向に沿って延びる軸心であり、かつ、コンデンサ21に対して上側に位置する。換言すると、コンデンサ21は、第一揺動軸心Z1まわりに揺動可能に構成されている。本実施形態では、第一揺動軸心Z1と揺動軸心Z3とは、互いに平行である。
【0051】
コンデンサ21には、コンデンサ21に冷媒を導入する管状の第一導入部材28Aと、コンデンサ21から当該冷媒を導出する管状の第一導出部材28Bと、が接続されている。第一導入部材28Aは、可撓性を有する管状部材によって構成されている。また、第一導入部材28Aは、コンデンサ21の前方においてラジエータフレーム26を貫通する。第一導出部材28Bは、金属製の管状部材によって構成され、コンデンサ21用のレシーバ24と接続されている。第一導入部材28Aは、コンデンサ21の前縁部の上部に接続されている。第一導出部材28Bは、コンデンサ21の前縁部の下部に接続されている。第一導入部材28Aは、コンデンサ21のうち第一揺動軸心Z1が位置する側の部分に接続されている。
【0052】
オイルクーラ22は、HST用の油(油圧用の作動油)を冷却するように構成されている。オイルクーラ22は、ラジエータ20に対して機体左右方向の外側に配置されている。具体的には、オイルクーラ22は、ラジエータ20の右隣りに配置されている。なお、オイルクーラ22は、例えばトランスミッションケース用の油(潤滑油)を冷却するように構成されても良い。
【0053】
オイルクーラ22には、冷却対象の作動油をオイルクーラ22に導入する管状の第二導入部材29Aと、冷却対象の作動油をオイルクーラ22から導出する管状の第二導出部材29Bと、が接続されている。第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、可撓性を有する管状部材によって構成されている。換言すると、第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、それぞれ、少なくとも一部が弾性変形可能な部材によって構成されている。第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、オイルクーラ22の後方においてラジエータフレーム26を貫通する。
【0054】
第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、オイルクーラ22に対して第二揺動軸心Z2が位置する側に配置されている。第二導入部材29Aは、オイルクーラ22の後縁部の上部に接続されている。第二導出部材29Bは、オイルクーラ22の後縁部の下部に接続されている。
【0055】
燃料クーラ23は、エンジンEに供給する燃料を冷却するように構成されている。燃料クーラ23は、ラジエータ20に対して機体左右方向の外側に配置されている。燃料クーラ23は、第二ブラケット32に支持されている。具体的には、燃料クーラ23の後縁部が、第二ブラケット32に連結されている。
【0056】
燃料クーラ23のうち、第二ブラケット32と連結されている側と反対側の前縁部に、第三ブラケット33を介してオイルクーラ22が連結されている。オイルクーラ22と燃料クーラ23とは、ラジエータダクトの内部において、前後に並ぶ。オイルクーラ22は燃料クーラ23よりも前側に位置する。
【0057】
第二ブラケット32は、上下一対の第二ヒンジ35を介してラジエータフレーム26に支持されている。このため、第二ブラケット32は、第二揺動軸心Z2まわりに揺動可能に構成されている。第二揺動軸心Z2は、機体上下方向に沿って延びる軸心であり、かつ、オイルクーラ22及び燃料クーラ23に対して後側に位置する。換言すると、オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、第二揺動軸心Z2まわりに揺動可能に構成されている。
【0058】
オイルクーラ22は燃料クーラ23よりも上下に長い。このため、オイルクーラ22の上縁部は燃料クーラ23の上縁部よりも上側に位置し、オイルクーラ22の下縁部は燃料クーラ23の下縁部よりも下側に位置する。コンデンサ21とオイルクーラ22とは、閉位置において、側面視で互いに重複する。また、コンデンサ21と燃料クーラ23とは、閉位置において、側面視で互いに重複する。更に、オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、閉位置において、前面視及び背面視で互いに重複する。
【0059】
燃料クーラ23には、冷却対象の燃料を燃料クーラ23に導入する管状の第三導入部材30Aと、冷却対象の燃料を燃料クーラ23から導出する管状の第三導出部材30Bと、が接続されている。第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、可撓性を有する管状部材によって構成されている。換言すると、第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、それぞれ、少なくとも一部が弾性変形可能な部材によって構成されている。第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、第二揺動軸心Z2に沿って延びている。第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、燃料クーラ23の後方においてラジエータフレーム26を貫通する。
【0060】
第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、燃料クーラ23に対して第二揺動軸心Z2が位置する側に配置されている。第三導入部材30Aは、燃料クーラ23の後縁部の上部に接続されている。第三導出部材30Bは、燃料クーラ23の後縁部の下部に接続されている。
【0061】
第二導入部材29Aのオイルクーラ22に対する接続部は、第三導入部材30Aの燃料クーラ23に対する接続部よりも上側かつ前側に位置する。また、第二導出部材29Bのオイルクーラ22に対する接続部は、第三導出部材30Bの燃料クーラ23に対する接続部よりも下側かつ前側に位置する。
【0062】
レシーバ24に、第一導出部材28Bと液体導出部材37とが接続されている。レシーバ24は、コンデンサ21によって冷却された冷媒を第一導出部材28Bから受け入れる。このとき、当該冷媒には気体と液体とが混在する。このため、レシーバ24は、当該冷媒における気体と液体とを分離する。液体導出部材37は、コンデンサ21の後方においてラジエータフレーム26を貫通し、公知のエキスパンションバルブ(不図示)、公知のエバポレータ(不図示)等と接続する。そして、レシーバ24は、当該液体の冷媒を、液体導出部材37へ送り出し、当該エキスパンションバルブ、当該エバポレータ等へ供給する。
【0063】
〔冷却系ユニット用の支持構造〕
図3~
図8に示すように、ラジエータフレーム26は、枠状のフレーム体を備えている。
【0064】
第一ブラケット31は、第一揺動軸心Z1まわりで揺動可能なように、前後一対の第一ヒンジ34を介してラジエータフレーム26に支持されている。コンデンサ21は、第一揺動軸心Z1まわりにおいて、コンデンサ21が使用時の姿勢となる閉位置(特許請求の範囲に記載の『第一閉位置』)と、コンデンサ21が当該閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる開位置(特許請求の範囲に記載の『第一開位置』)と、に亘って揺動開閉可能に構成されている。
【0065】
第一ブラケット31の前部にレシーバ24が支持されている。このため、コンデンサ21及びレシーバ24は、第一揺動軸心Z1まわりに一体的に揺動するように構成されている。
【0066】
図3、
図5及び
図6に示すように、第一ブラケット31の遊端部は、ボルト31bによってラジエータフレーム26に対して着脱可能に固定される。即ち、第一ブラケット31は、閉位置に位置する状態において、着脱可能なボルト31bによって固定されている。第一ブラケット31の遊端部には前後一対の固定部31cが設けられている。前後一対の固定部31cは、ボルト31bによってラジエータフレーム26に固定される。
【0067】
前後の第一ヒンジ34は、第一ブラケット31を介してコンデンサ21及びレシーバ24を第一揺動軸心Z1まわりで揺動可能に支持している。
図3~
図7に示すように、ラジエータフレーム26の上部に前後ビーム部26Bが備えられている。前後ビーム部26Bは、機体横外方に突出するとともに機体前後方向に沿って延びる。第一ヒンジ34は、前後ビーム部26Bにボルト固定されている。
【0068】
図3~
図8に示すように、第二ブラケット32は、上下方向に沿って延びる第二揺動軸心Z2まわりで揺動可能なように、上下の第二ヒンジ35を介してラジエータフレーム26の後部に支持されている。オイルクーラ22は、第二揺動軸心Z2まわりにおいて、オイルクーラ22が使用時の姿勢となる閉位置(特許請求の範囲に記載の『第二閉位置』)と、オイルクーラ22が当該閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる開位置(特許請求の範囲に記載の『第二開位置』)と、に亘って揺動開閉可能に構成されている。また、燃料クーラ23は、第二揺動軸心Z2まわりにおいて、燃料クーラ23が使用時の姿勢となる閉位置(特許請求の範囲に記載の『第三閉位置』)と、燃料クーラ23が当該閉位置よりも機体左右方向の外側に開いた姿勢となる開位置(特許請求の範囲に記載の『第三開位置』)と、に亘って揺動開閉可能に構成されている。このとき、オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、第二揺動軸心Z2まわりに一体的に揺動するように構成されている。
【0069】
オイルクーラ22は、ボルト22aによってラジエータフレーム26に着脱可能に固定されている。オイルクーラ22の前縁部には上下の固定部22bが設けられている。上下の固定部22bは、ボルト22aによってラジエータフレーム26に固定される。オイルクーラ22の後縁部には上下の固定部22cが設けられている。上下の固定部22cは、ボルト33bによって第三ブラケット33に固定される。
【0070】
燃料クーラ23は、ボルト32bによって第二ブラケット32に着脱可能に固定されている。燃料クーラ23の後縁部には上下の固定部23aが設けられている。上下の固定部23aは、ボルト32bによって第二ブラケット32に固定される。燃料クーラ23は、ボルト33aによって第三ブラケット33に着脱可能に固定されている。燃料クーラ23の前縁部には上下の固定部23bが設けられている。上下の固定部23bは、ボルト33aによって第三ブラケット33に固定される。
【0071】
オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、第三ブラケット33を介して前後に並ぶ状態で連結されている。オイルクーラ22、燃料クーラ23、第二ブラケット32、及び、第三ブラケット33は、閉位置に位置する状態において、着脱可能なボルト22aによって固定されている。
【0072】
上下の第二ヒンジ35は、第二ブラケット32を介してオイルクーラ22及び燃料クーラ23を第二揺動軸心Z2まわりで揺動可能に支持している。第二ヒンジ35は、ラジエータフレーム26の後部にボルト固定されている。第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、オイルクーラ22に対して第二ヒンジ35が位置する側において延びている。第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、燃料クーラ23に対して第二ヒンジ35が位置する側において、第二揺動軸心Z2に沿って延びている。
【0073】
第一揺動軸心Z1は、ラジエータフレーム26の上部における前後ビーム部26Bに隣接する位置となっている。第一揺動軸心Z1は、オイルクーラ22及び燃料クーラ23に対して機体左右方向の外側に配置されている。即ち、第一揺動軸心Z1は、オイルクーラ22及び燃料クーラ23の右端の位置よりも機体左右方向の外側に配置されている。具体的には、第一揺動軸心Z1は、機体左右方向でコンデンサ21の機体横外端部とオイルクーラ22及び燃料クーラ23の機体横内側端部とに亘る範囲W内に配置されている。
【0074】
第二揺動軸心Z2は、ラジエータフレーム26の後部に隣接する位置に配置されている。第二揺動軸心Z2は、オイルクーラ22及び燃料クーラ23に対して機体左右方向の外側に配置されている。即ち、第二揺動軸心Z2は、オイルクーラ22及び燃料クーラ23の左端の位置よりも機体左右方向の外側に配置されている。具体的には、第二揺動軸心Z2は、機体左右方向でコンデンサ21の機体横外側端部とオイルクーラ22及び燃料クーラ23の機体横内側端部とに亘る範囲W内に配置されている。
【0075】
〔コンデンサ、オイルクーラ及び燃料クーラの開閉方法〕
次に、コンデンサ21、オイルクーラ22及び燃料クーラ23の開閉方法について、
図6から
図8に基づいて説明する。
【0076】
防塵カバー17は、コンデンサ21、オイルクーラ22及び燃料クーラ23に対して機体左右方向の外側に配置されている。先ず、
図6に示すように、作業者等は防塵カバー17を開く。第一ブラケット31は、ボルト31bによってラジエータフレーム26に固定されている。作業者等はボルト31bを、ラジエータフレーム26から取り外す。これにより、コンデンサ21及びレシーバ24の閉位置への固定が解除される。
【0077】
図7に示すように、コンデンサ21、レシーバ24、及び、第一ブラケット31は、作業者等が第一揺動軸心Z1まわりで上側に揺動することによって、開位置に位置変更される。即ち、コンデンサ21及びレシーバ24は、第一揺動軸心Z1まわりで上側に揺動して開位置に位置変更されるように構成されている。
【0078】
コンデンサ21及びレシーバ24が開位置に位置変更されると、第一導入部材28Aは弾性変形する。このとき、第一導入部材28Aのうち、ラジエータ20の前方において撓んでいる部分が機体横外方へ変位する。第一導入部材28Aは第一揺動軸心Z1の近傍においてコンデンサ21と接続する。このため、コンデンサ21が閉位置から開位置に位置変更される際に、第一導入部材28Aの変位量が抑制される。
【0079】
また、液体導出部材37は、第一揺動軸心Z1の下方において、第一揺動軸心Z1に沿って延びている。このため、コンデンサ21及びレシーバ24が開位置に位置変更されると、液体導出部材37は主に周方向に捩れる。このため、液体導出部材37の位置が大きく変位したり、液体導出部材37が大きく捩れたりする虞が軽減される。
【0080】
図3及び
図7に示すように、コンデンサ21よりも前側及び機体横内側に、突っ張り棒36が備えられている。突っ張り棒36は、特許請求の範囲に記載の『保持具』に相当する。
図7に示すように、突っ張り棒36は、コンデンサ21及びレシーバ24を開位置に位置保持するように構成されている。作業者等は、コンデンサ21及びレシーバ24が開位置に位置変更された状態で、突っ張り棒36を第一ブラケット31に引っ掛ける。この状態で、コンデンサ21、レシーバ24、及び、第一ブラケット31が、突っ張り棒36に支持される。これにより、コンデンサ21、レシーバ24、及び、第一ブラケット31が、自重で閉位置側に揺動しなくなる。
【0081】
オイルクーラ22は、ボルト22aによってラジエータフレーム26に固定されている(
図3及び
図4参照)。作業者等は、ボルト22aをラジエータフレーム26から取り外す。これにより、オイルクーラ22及び燃料クーラ23の閉位置への固定が解除される。
【0082】
図8に示すように、オイルクーラ22、燃料クーラ23、第二ブラケット32、及び、第三ブラケット33は、作業者等が第二揺動軸心Z2まわりで後側に揺動することによって、開位置に位置変更される。即ち、オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、第二揺動軸心Z2まわりで後側に揺動して開位置に位置変更されるように構成されている。
【0083】
オイルクーラ22及び燃料クーラ23が開位置に位置変更されると、第二導入部材29A、第二導出部材29B、第三導入部材30A、第三導出部材30Bは弾性変形する。このとき、第二導入部材29A及び第二導出部材29Bのうち、ラジエータ20の後方において撓んでいる部分が機体横内方へ変位する。第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、第二揺動軸心Z2の近傍においてオイルクーラ22と接続する。このため、オイルクーラ22が閉位置から開位置に位置変更される際に、第二導入部材29A及び第二導出部材29Bの変位量が抑制される。
【0084】
また、第三導入部材30A及び第三導出部材30Bのうち、燃料クーラ23の接続口と対向する部分は水平方向に沿って延びる。そして、第三導入部材30A及び第三導出部材30Bのうち、燃料クーラ23の接続口から離れた部分は、湾曲して上下方向に沿う姿勢になっている。第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、第二揺動軸心Z2の前方において第二揺動軸心Z2に沿って延びている。このため、燃料クーラ23が開位置に位置変更されると、第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは主に周方向に捩れる。このため、第三導入部材30A及び第三導出部材30Bの位置が大きく変位したり、第三導入部材30A及び第三導出部材30Bが大きく捩れたりする虞が軽減される。
【0085】
このように、コンデンサ21及びレシーバ24は、防塵カバー17を開いた状態で、閉位置から開位置に位置変更可能となる。また、オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、コンデンサ21及びレシーバ24が開位置に位置している状態で、閉位置から開位置に位置変更可能となる。このとき、オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、コンデンサ21及びレシーバ24と異なる方向に揺動して開閉するように構成されている。
【0086】
また、作業者等が上述した手順とは逆の手順を行うことによって、コンデンサ21、オイルクーラ22、及び、燃料クーラ23は、それぞれ閉位置に位置変更される。具体的には、作業者等は、オイルクーラ22及び燃料クーラ23を閉位置に位置変更し、ボルト22aでオイルクーラ22及び燃料クーラ23をラジエータフレーム26に固定する。次に作業者等は、突っ張り棒36の位置保持を解除した上でコンデンサ21及びレシーバ24を閉位置に位置変更し、ボルト31bでコンデンサ21及びレシーバ24をラジエータフレーム26に固定する。
【0087】
コンデンサ21は、少なくともオイルクーラ22よりも軽く構成されている。このため、オイルクーラ22が上下揺動する構成と比較して、作業者等が、コンデンサ21を上側に揺動して閉位置から開位置へ位置変更する際に、負担を感じ難くなる。また、コンデンサ21は、燃料クーラ23よりも軽く構成されても良い。
【0088】
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
【0089】
(1)上述のコンデンサ21は特許請求の範囲に記載の『第一冷却装置』に相当する。この実施形態に限定されず、例えば第一冷却装置はオイルクーラ22または燃料クーラ23であっても良い。この場合、第一冷却装置は、第二冷却装置よりも軽く構成されていなくても良い。
【0090】
(2)上述のオイルクーラ22は特許請求の範囲に記載の『第二冷却装置』に相当し、上述の燃料クーラ23は特許請求の範囲に記載の『第三冷却装置』に相当する。この実施形態に限定されず、オイルクーラ22は特許請求の範囲に記載の『第三冷却装置』に相当し、燃料クーラ23は特許請求の範囲に記載の『第二冷却装置』に相当する構成であっても良い。
【0091】
(3)上述の第二揺動軸心Z2は、オイルクーラ22に対して機体前側に位置する構成であっても良い。つまり、第二揺動軸心Z2は、第二冷却装置に対して機体前後一方側に位置する構成で良い。
【0092】
(4)上述の実施形態において、第一ブラケット31にコンデンサ21とレシーバ24とが支持されている。この実施形態に限定されず、第一ブラケット31にコンデンサ21のみが支持され、レシーバ24は第一ブラケット31に支持されない構成であっても良い。この場合、コンデンサ21及びレシーバ24は、第一揺動軸心Z1まわりに一体的に揺動しない構成であっても良い。また、この場合に、第一導出部材28Bは、金属製の管状部材ではなく、可撓性を有する管状部材によって構成されても良い。また、第一導出部材28Bは、コンデンサ21のうち第一揺動軸心Z1が位置する側の部分(上部)に接続されている構成であっても良い。つまり、第一導入部材28Aと第一導出部材28Bとの少なくとも一方は、コンデンサ21のうち第一揺動軸心Z1が位置する側の部分に接続されている構成であれば良い。更に、第一導出部材28Bは、第一揺動軸心Z1に沿って延びていても良い。つまり、第一導入部材28Aと第一導出部材28Bとの少なくとも一方は、第一揺動軸心Z1に沿って延びている構成であれば良い。
【0093】
(5)上述の実施形態では、オイルクーラ22及び燃料クーラ23は、第二揺動軸心Z2まわりに一体的に揺動するように構成されている。この実施形態に限定されず、燃料クーラ23が、オイルクーラ22とは独立して揺動する構成であっても良い。この場合、オイルクーラ22と燃料クーラ23とが、共通の第二揺動軸心Z2まわりに揺動しても良いし、各別の軸心まわりに揺動しても良い。更に、オイルクーラ22における閉位置(第二閉位置)と開位置(第二開位置)との揺動角度と、燃料クーラ23における閉位置(第三閉位置)と開位置(第三開位置)との揺動角度と、が異なっていても良い。
【0094】
(6)上述の第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、ラジエータ20の後部とオイルクーラ22に対する接続口とに亘って水平方向に沿って延びている。この実施形態に限定されず、第二導入部材29A及び第二導出部材29Bは、それぞれ、少なくとも一部が第二揺動軸心Z2に沿って延びても良い。つまり、第二導入部材29Aと第二導出部材29Bとの少なくとも一つは、第二揺動軸心Z2に沿って延びる構成であっても良い。
【0095】
(7)上述の第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、部分的に第二揺動軸心Z2に沿って延びている。この実施形態に限定されず、第三導入部材30A及び第三導出部材30Bは、第二揺動軸心Z2に沿って延びない構成であっても良い。つまり、第二導入部材29Aと第二導出部材29Bと第三導入部材30Aと第三導出部材30Bとの少なくとも一つは、第二揺動軸心Z2に沿って延びる構成で良い。
【0096】
(8)上述の揺動軸心Z3は防塵カバー17の下部に設けられ、防塵カバー17は、機体前後方向に沿って延びる揺動軸心Z3まわりに揺動開閉可能に構成されている。この実施形態に限定されず、揺動軸心Z3は、防塵カバー17の前部または後部に設けられた上下向きの軸心であっても良い。
【0097】
(9)上述の突っ張り棒36は、特許請求の範囲に記載の『保持具』に相当する。この実施形態に限定されず、例えば保持具は、例えばコイルバネ等の付勢部材を有する死点機構であって、コンデンサ21の閉位置(第一閉位置)と開位置(第一開位置)との間の死点を挟んで、コンデンサ21を閉位置と開位置とのそれぞれに位置保持する構成であっても良い。
【0098】
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、収穫機に適用可能である。このため、上述の実施形態に例示された自脱型のコンバインに限定されず、汎用型のコンバイン、種々の収穫機(例えばトウモロコシ収穫機、サトウキビ収穫機、ポテト収穫機、ビート収穫機、ニンジン収穫機等)に適用可能である。
【符号の説明】
【0100】
17 :防塵カバー
20 :ラジエータ
21 :コンデンサ(第一冷却装置)
22 :オイルクーラ(第二冷却装置)
23 :燃料クーラ(第三冷却装置)
24 :レシーバ
28A :第一導入部材
28B :第一導出部材
29A :第二導入部材
29B :第二導出部材
30A :第三導入部材
30B :第三導出部材
36 :突っ張り棒(保持具)
E :エンジン
Z1 :第一揺動軸心
Z2 :第二揺動軸心
Z3 :揺動軸心