IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特開2024-155157請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム
<>
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図1
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図2
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図3
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図4
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図5
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図6
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図7
  • 特開-請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155157
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q40/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069610
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 志文
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB23
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】顧客に融資した場合に、請求額が変わるタイミングで事前にパフォーマンスに影響のある演算処理を事前に行うことにより、顧客からの照会に対する応答のパフォーマンスを向上させること。
【解決手段】本実施の形態の請求額算出システムは、顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベースに格納する債権登録手段と、請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成して前記データベースに格納する請求額算出手段と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた請求額算出システムであって、
顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベースに格納する債権登録手段と、
請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成して前記データベースに格納する請求額算出手段と、
を備えたことを特徴とする請求額算出システム。
【請求項2】
前記請求利息は、請求利息=(残高×契約利率×経過日数)/(365×100)で算出することを特徴とする請求項1に記載の請求額算出システム。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
顧客から請求額の照会があった場合に、前記データベースの請求額データを参照して応答する応答手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の請求額算出システム。
【請求項4】
前記請求額が変動するタイミングは、融資実行、融資取消、入金登録、入金取消、契約利率の変更、又は日付の変更を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の請求額算出システム。
【請求項5】
制御部を備えた情報処理装置が実行する請求額算出方法であって、
前記制御部において実行される、
顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベースに格納する債権登録工程と、
請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成して前記データベースに格納する請求額算出工程と、
を含むことを特徴とする請求額算出方法。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための請求額算出プログラムであって、
前記制御部において実行される、
顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベースに格納する債権登録工程と、
請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成して前記データベースに格納する請求額算出工程と、
を実行するための請求額算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの普及により、例えば、個人向けの包括方式のローン商品需要が高まっている。スマートフォンなどの媒体を用いて、個人が簡単に借入・返済できるようになり、その取引にはこれまで以上のスピードが求められる。従来、ローンの請求額や残高を照会するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-40114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、顧客に融資した場合に、請求額が変わるタイミングで事前にパフォーマンスに影響のある演算処理を事前に行うことにより、顧客からの照会に対する応答のパフォーマンスを向上させることに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、顧客に融資した場合に、請求額が変わるタイミングで事前にパフォーマンスに影響のある演算処理を事前に行うことにより、顧客からの照会に対する応答のパフォーマンスを向上させることが可能な請求額算出システム、請求額算出方法、及び請求額算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた請求額算出システムであって、顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベースに格納する債権登録手段と、請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成して前記データベースに格納する請求額算出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記請求利息は、請求利息=(残高×契約利率×経過日数)/(365×100)で算出することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、顧客から請求額の照会があった場合に、前記データベースの請求額データを参照して応答する応答手段を備えることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記請求額が変動するタイミングは、融資実行、融資取消、入金登録、入金取消、契約利率の変更、又は日付の変更を含むことにしてもよい。
【0010】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行する請求額算出方法であって、前記制御部において実行される、顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベースに格納する債権登録工程と、請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成して前記データベースに格納する請求額算出工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための請求額算出プログラムであって、前記制御部において、顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベースに格納する債権登録工程と、請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成して前記データベースに格納する請求額算出工程と、を実行するための請求額算出プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、顧客に融資した場合に、請求額が変わるタイミングで事前にパフォーマンスに影響のある演算処理を事前に行うことにより、顧客からの照会に対する応答のパフォーマンスを向上させることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、従来のシステムを説明するための図である。
図2図2は、本発明の請求額算出システムを説明するための図である。
図3図3は、本実施の形態における請求額算出システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、本実施の形態における請求額算出システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図5図5は、本実施の形態における請求額算出システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施の形態における請求額算出システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施の形態における請求額算出システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施の形態における請求額算出システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
例えば、貸金業において、スマートフォンの普及などにより債務者が請求額や残高の照会をリアルタイムに実施する需要が増加している。そのため、照会時のレスポンスをよくすることがサービス向上の上で必要となっている。
【0016】
しかしながら、従来は、債務者から請求額の照会がある都度、請求額を算出していため、例えば、多数の契約がある場合に多数の債務者から請求額の照会があった場合等に、応答時のパフォーマンスアップが難しかった。
【0017】
そこで、本実施の形態では、請求額が変わるタイミングで事前にパフォーマンスに影響のある演算処理を事前に行う構成とした。
【0018】
本実施の形態によれば、請求額が変わるタイミングで事前にパフォーマンスに影響のある演算処理を事前に行うことにより応答のパフォーマンスアップを行うことができる。付言すると、従来は、顧客からの請求額照会の要求のあったタイミングで演算しており、負荷がかかるタイミングが分からない状態であったが、事前の算出でピークタイムをずらすことで同時処理時の応答のパフォーマンスを向上させることができる。
【0019】
図1は、従来のシステムを説明するための図である。従来は、システムでは、顧客の顧客端末から請求額照会の要求を受け取った場合に、データベースに格納されている債権データに基づいて、演算処理して請求額を算出し、請求額の応答を顧客端末に送信していた。このように、従来は、請求額照会の要求がある毎に、請求額を算出する演算を行っていたため、応答のパフォーマンスが悪化していた。
【0020】
図2は、本発明の請求額算出システムを説明するための図である。図2(A)は、債権データの例を示す図である。図2(B)は、請求額データの例を示す図である。データベースには、債権データが登録されている。債権データは、図2(A)に示す例では、債権No(キー情報)「1000000001-001」、残高「1,000,000」、契約利率「2.12345」、前回取引日「2023/01/10」となっている。
【0021】
本発明の請求額算出システムは、顧客の顧客端末から請求額照会の要求を受け取る前に、請求額が変動するタイミングで、債権データに基づいて請求額データを作成してデータベースに格納する。請求額データは、図2(B)に示す例では、債権No(キー情報)「1000000001-001」、残高「1,000,000」、契約利率「2.12345」、前回取引日「2023/01/10」、請求日「2023/01/20」、経過日数「10」、請求利息「581」、請求元金「0」、請求額「581」となっている。
【0022】
本発明の請求額算出システムは、顧客の顧客端末から請求額照会の要求を受け取った場合に、データベースに格納した請求額データを参照して請求額の応答を行う。このように、本発明の請求額算出システムでは、データベースの参照のみであるため、請求額照会の応答のパフォーマンスを向上させることができる。
【0023】
本発明の請求額算出システムは、銀行、ネットバンク、ノンバンク等の貸金業等に広く
適用可能である。
【0024】
[2.構成]
図3は、本実施の形態に係る請求額算出システム100の構成の一例を示すブロック図である。請求額算出システム100は、例えば、Webサーバであり、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータやワークステーションで構成することができる。ここでは、個人向けの包括方式のローン商品について説明する。
【0025】
図3において、請求額算出システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。請求額算出システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、請求額算出システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、請求額算出システム100と、サーバ200や顧客端末400とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
顧客端末400・・・は、顧客が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、携帯端末、タブレット、ノートPC等である。請求額算出システム100は、顧客の顧客端末400からのアクセスに応じて、融資契約画面、入金画面、請求額照会画面等の各種画面(Webページ)を提供し、顧客は顧客端末400を操作して、これらの画面上で、融資の申込・取消、入金、請求額照会等を行うことができる。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、データベース106a等を格納する。
【0030】
データベース106aには、債権データや請求額データが格納される。債権データは、債権No(キー情報)、残高、契約利率、取引日、繰越利息、各月元本支払額を含んでいてもよい。請求額データは、債権No(キー情報)、残高、契約利率、前回取引日、請求日、経過日数、請求利息を含んでいてもよい。
【0031】
制御部102は、請求額算出システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0032】
制御部102は、記憶部106に格納されている、データベース106a等にアクセス可能に構成されている。なお、データベース106aは、他の場所(例えば、サーバ200)に格納されてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0033】
制御部102は、機能概念的に、債権登録部102aと、請求額算出部102bと、応答部102cと、画面表示制御部102dと、を備えている。
【0034】
債権登録部102aは、例えば、融資登録画面上での顧客端末400の顧客の操作に応じて、顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成してデータベース106aに格納し、また、その更新を行う。
【0035】
請求額算出部102bは、請求額が変動するタイミングで、データベース106aに格納されている債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額(請求元金)、請求額を含む請求額データを作成してデータベース106bに格納する。請求利息は、例えば、請求利息=(残高×契約利率×経過日数)/(365×100)で算出する。請求額は、請求利息+元本請求額で算出する。契約利率は、契約締結時に定まるため、残高および経過日数が変わるタイミングで請求額が変動する。
【0036】
請求額が変動するタイミングは、融資実行、融資取消、入金登録、入金取消、契約利率の変更、又は日付の変更を含むことにしてもよい。
【0037】
応答部102cは、例えば、請求額照会画面上での顧客端末400の顧客の操作により請求額の照会の要求を受け取った場合には、データベース106aの請求額データを参照して応答を行う。
【0038】
画面表示制御部102dは、顧客端末400からのアクセスに応じて、融資契約画面、入金画面、請求額照会画面等の各種画面(Webページ)を顧客端末400に提供し、その表示や入力の受付を制御する。
【0039】
[3.具体例]
図2図8を参照して、本実施の形態における請求額算出システム100の制御部102の処理の具体例について説明する。図4図8は、本実施の形態における請求額算出システム100の制御部102の処理の具体例について説明するための図である。
【0040】
契約利率は、契約締結時に定まるため、残高および経過日数が変わるタイミングで請求額が変動する。例えば、請求利息は、請求利息=(残高×契約利率×経過日数)/(365×100)で算出することができる。
【0041】
請求額算出部102bは、以下のタイミングで請求額が変わるため、以下のタイミングで請求額を確定しておく(請求額データを更新する)。
・融資実行(残高が増える)及びその取消(残高が減る)
・入金登録(残高が減る)及びその取消(残高が増える)
・契約利率が変わる(利率が上がる、下がる)
・日付が変わる(経過日数が増える)
【0042】
以下の例では、債権No(キー情報)「1000000001-001」の顧客(債務者)の例を説明する。制御部102は、顧客端末400に表示される上記各種画面で顧客により指定される債権Noをキーとして、以下の処理を行う。また、上記図2の債権データと請求額データがデータベース106aに登録されていることを前提として説明する。また、この例では、各月の元本請求額は「0円」で、元本の支払は、顧客が任意のタイミングで行うことが可能な商品を例に挙げて説明する。なお、ここでは、各月の元本請求額を[0円]としているが、各月の元本請求額を所定金額(>0円)としてもよい。
【0043】
(融資実行)
図4は、顧客に追加で融資を行った場合の例を説明するための図である。顧客の顧客端末400から融資契約画面で追加の融資要求を受け取った場合は、債権登録部102aは、債権データの残高を更新する。そして、請求額算出部102bは、更新した債権データに基づいて、請求額データを作成して、データベース106aに登録する。
【0044】
この例では、顧客の顧客端末400から2023/1/20に、30万円追加の融資要求を受け取った場合は、図4(A)に示すように、債権データの残高を「1,300,000」に更新する。そして、図4(B)に示すような請求額データを作成してデータベース106aに登録する。この例では、請求額データは、債権No(キー情報)「1000000001-001」、残高「1,000,000」、契約利率「2.12345」、前回取引日「2023/01/20」、請求日「2023/01/20」、経過日数「10」、請求利息「898」、請求元本「0」、請求額「898」となっている。残高、契約利率は、債権データより複製する。前回取引日は、債権データの取引日より複製する。請求日は、処理当日とする。経過日数は、前回取引日~請求日の日数差とする。請求利息は、1,000,000×2.12345×10/365×100=581と、300,000×2.12345×1/365×100=17とを加算して、581+17=898で算出される。
【0045】
(入金登録)
図5は、顧客から入金があった場合の例を説明するための図である。顧客の顧客端末400から入金画面上で入金要求を受け取った場合は、債権登録部102aは、債権データの残高を更新する。そして、請求額算出部102bは、更新した債権データに基づいて、請求額データを作成して、データベース106aに登録する。
【0046】
この例では、顧客の顧客端末400から2023/1/25に、5万円の入金要求を受け取った場合は、図5(A)に示すように、債権データの残高を「1,250,000」に、取引日を「2023/01/25」に更新する。そして、図5(B)に示すような請求額データを作成してデータベース106aに登録する。この例では、請求額データは、債権No(キー情報)「1000000001-001」、残高「1,250,000」、契約利率「2.12345」、前回取引日「2023/01/25」、請求日「2023/01/25」、経過日数「0」、請求利息「0」、請求元金「0」、請求額「0」となっている。本例は、上述したように、各月の元本請求額は「0円」で、元本を減らす入金は顧客の任意のタイミングで可能な商品となっている。そのため、1/25に「50,000」の入金が行われることにより、残高が1,300,000から1,250,000となる。その後の入金では、同日中の入金であり、請求額が発生しないため、各金額項目は「0円」となる。
【0047】
(日付変更)
図6は、日付変更の場合の例を説明するための図である。日付が変更された場合は、債権データはそのままとして、請求額算出部102bは、債権データに基づいて、請求額データを作成して、データベース106aに登録する。例えば、この処理は、毎日夜間にバッチ処理で行うことにしてもよい。
【0048】
この例では、日付が2023/01/26になった場合は、図6(A)に示すように、債権データはそのままとして、図6(B)に示すような請求額データを作成してデータベース106aに登録する。この例では、請求額データは、債権No(キー情報)「1000000001-001」、残高「1,250,000」、契約利率「2.12345」、前回取引日「2023/01/25」、請求日「2023/01/26」、経過日数「1」、請求利息「72」、請求元金「0」、請求額「72」となっている。請求利息は、1,250,000×2.12345×1/365×100=72で算出される。
【0049】
(請求額照会)
図7は、顧客の顧客端末400から請求額照会の要求を受け取った場合の例を説明するための図である。顧客の顧客端末400から請求額照会画面上で請求額照会の要求を受け取った場合は、応答部102cは、データベース206に格納した請求額データに基づいた請求額の応答を行う。
【0050】
この例では、顧客の顧客端末400から2023/01/26に請求額照会の要求を受け取った場合は、応答部102cは、データベース106aに格納した図7(B)に示す請求額データを参照して応答を行う(例えば、請求額データを送信(表示出力)する)。
【0051】
(金利変更)
図8は、金利変更があった場合の例を説明するための図である。金利変更があった場合は、債権登録部102aは、債権データの契約利率、取引日、繰越利息を更新する。そして、請求額算出部102bは、更新した債権データに基づいて、請求額データを作成して、データベース106aに登録する。金利変更の場合は、応答部102cは、データベース206に格納した請求額データに基づいた請求額の通知を行う。
【0052】
この例では、2023/1/31に金利が2.22345に変更された場合は、図8(A)に示すように、債権データの契約利率を「1,250,000」に、取引日を「2023/01/31」に、繰越利息を「436」に更新する。請求利息は、1,250,000×2.12345×6/365×100=436となる。
【0053】
そして、図8(B)に示すような請求額データを作成してデータベース106aに登録する。この例では、請求額データは、債権No(キー情報)「1000000001-001」、残高「1,250,000」、契約利率「2.22345」、前回取引日「2023/01/31」、請求日「2023/01/31」、経過日数「0」、請求利息「436」、請求元金「0」、請求額「436」となる。請求利息は、繰越利息がそのままセットされる。金利変更の場合は、データベース106aに格納した図8(B)に示す請求額データを参照して、請求額の通知を行う(例えば、請求額データを通知する)。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、顧客から融資の申込があった場合に、債権番号、残高、契約利率、取引日を含む債権データを作成して、データベース106aに格納する債権登録部102aと、請求額が変動するタイミングで、前記債権データに基づいて、債権番号、残高、契約利率、前回取引日、請求日、前回取引日から請求日の日数差である経過日数、請求利息、元本請求額、請求利息+元本請求額で算出される請求額を含む請求額データを作成してデータベース106aに格納する請求額算出部102bと、顧客から請求額の照会があった場合に、データベース106aの請求額データを参照して応答する応答部102cと、を備えているので、顧客に融資した場合に、請求額が変わるタイミングで事前にパフォーマンスに影響のある演算処理を事前に行うことにより、顧客からの照会に対する応答のパフォーマンスを向上させることが可能となる。
【0055】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0056】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0058】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0059】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0060】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0061】
また、請求額算出システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0062】
例えば、請求額算出システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて請求額算出システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0063】
また、このコンピュータプログラムは、請求額算出システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0064】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0065】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0066】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0067】
また、請求額算出システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、請求額算出システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0068】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0069】
100 請求額算出システム
102 制御部
102a 債権登録部
102b 請求額算出部
102c 応答部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク
400 顧客端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8