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特開2024-155161検査レベル管理システム及び検査レベル管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155161
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】検査レベル管理システム及び検査レベル管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069620
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 慧
(72)【発明者】
【氏名】野口 大介
(72)【発明者】
【氏名】中山 博義
(72)【発明者】
【氏名】河部 匡剛
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】受注した印刷物の納期遅れの抑制を図る。
【解決手段】検査レベル管理システム100は、プロセッサを有し、プロセッサは、受注した印刷作業による印刷物の納期までの残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定し、残日数が基準作業日数未満である場合、印刷物に対する検査レベルを、第1検査レベルから、第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定し、設定した第2検査レベルを出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
受注した印刷作業による印刷物の納期までの残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定し、
前記残日数が前記基準作業日数未満である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、前記第1検査レベルから、前記第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定し、
設定した前記第2検査レベルを出力する、
検査レベル管理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
受注した前記印刷作業から定まる処理量に応じて、前記基準作業日数を調整する、
請求項1に記載の検査レベル管理システム。
【請求項3】
前記処理量は、納品する前記印刷物の量に応じた印刷工数、及び検査後で前記印刷物を完成するまでの後処理工数の少なくとも一方を含む、
請求項2に記載の検査レベル管理システム。
【請求項4】
前記印刷工数及び前記後処理工数は、複数の単位によりそれぞれ表され、
前記単位のそれぞれに、前記処理量が多い程、大きな作業日数が対応付けられており、
前記プロセッサは、
受注した前記印刷作業のそれぞれの前記単位の中で、前記処理量に対応する前記作業日数が異なる場合、最も大きな前記作業日数を前記基準作業日数として設定する、
請求項3に記載の検査レベル管理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
受注した前記印刷物の特性に応じて、前記検査レベルの下げ幅を調整する、
請求項1に記載の検査レベル管理システム。
【請求項6】
前記特性は、前記印刷物の描画に使用されるインク色、及び前記印刷物の用紙の色である用紙色の少なくとも一方を含む、
請求項5に記載の検査レベル管理システム。
【請求項7】
前記インク色となりうる複数の色毎に、及び前記用紙色となりうる複数の色毎に、前記検査レベルの前記下げ幅がそれぞれ対応付けられており、
前記プロセッサは、
前記印刷物の前記インク色に対応する前記下げ幅と、前記用紙色に対応する前記下げ幅とが異なる場合、最も小さな下げ幅によって前記検査レベルを引き下げる、
請求項6に記載の検査レベル管理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記残日数が少ないほど前記検査レベルの下げ幅が大きくなるように、前記残日数に応じて前記下げ幅を段階的に調整する、
請求項1に記載の検査レベル管理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記基準作業日数を下げる段階数で除することによって段階的な日数幅を算出し、
予め設定された最大下げ幅を前記下げる段階数で除することによって単位下げ幅を算出し、
前記残日数が複数の段階のうち最初の前記段階に対応する場合、前記単位下げ幅によって前記第1検査レベルを引き下げ、
前記残日数が複数の段階のうち最初の前記段階と最後の前記段階との中央に対応する場合、最初の前記段階の側から最後の前記段階の側に向かって前記段階が1つ移行するに従って前記単位下げ幅の分1つずつ大きくなるように前記第1検査レベルを引き下げ、
前記残日数が複数の段階のうち最後の前記段階に対応する場合、前記最大下げ幅によって前記第1検査レベルを引き下げる、
請求項8に記載の検査レベル管理システム。
【請求項10】
検査レベル管理システムのプロセッサに、
受注した印刷作業による印刷物の納期までの残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定する処理と、
前記残日数が前記基準作業日数未満である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、前記第1検査レベルから、前記第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定する処理と、
設定した前記第2検査レベルを出力する処理と、
を実行させる、検査レベル管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査レベル管理システム及び検査レベル管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、制御部及び記憶部を備えた検査管理装置であって、前記記憶部には、得意先と納入先の組み合わせである向け先毎及び商品毎に、検査パターンを登録した第1のマスタと、検査パターン毎に、複数の検査項目を登録した第2のマスタと、が格納されており、前記制御部は、生産した商品毎に、所定の検査項目の検査結果を含む検査実績データを入力する検査実績入力手段と、向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力手段と、前記受注情報の向け先及び商品をキーとして、前記第1のマスタから検査パターンを取得し、取得した検査パターンをキーとして、前記第2のマスタから検査項目を取得し、取得した前記第2のマスタの検査項目と、商品についての検査実績データの検査項目とを比較して、取得した前記第2のマスタの検査項目のうち、検査実績データの検査項目に存在しない検査項目がある場合には、追加検査が必要と判定する追加検査判定手段と、を備えたことを特徴とする検査管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-97221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、受注した印刷物の納期遅れの抑制を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様の検査レベル管理システムは、プロセッサを有し、前記プロセッサは、受注した印刷作業による印刷物の納期までの残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定し、前記残日数が前記基準作業日数未満である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、前記第1検査レベルから、前記第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定し、設定した前記第2検査レベルを出力する。
【0006】
第2態様の検査レベル管理システムでは、第1態様において、前記プロセッサは、受注した前記印刷作業から定まる処理量に応じて、前記基準作業日数を調整する。
【0007】
第3態様の検査レベル管理システムでは、第2態様において、前記処理量は、納品する前記印刷物の量に応じた印刷工数、及び検査後で前記印刷物を完成するまでの後処理工数の少なくとも一方を含む。
【0008】
第4態様の検査レベル管理システムでは、第3態様において、前記印刷工数及び前記後処理工数は、複数の単位によりそれぞれ表され、前記単位のそれぞれに、前記処理量が多い程、大きな作業日数が対応付けられており、前記プロセッサは、受注した前記印刷作業のそれぞれの前記単位の中で、前記処理量に対応する前記作業日数が異なる場合、最も大きな前記作業日数を前記基準作業日数として設定する。
【0009】
第5態様の検査レベル管理システムでは、第1態様において、前記プロセッサは、受注した前記印刷物の特性に応じて、前記検査レベルの下げ幅を調整する。
【0010】
第6態様の検査レベル管理システムでは、第5態様において、前記特性は、前記印刷物の描画に使用されるインク色、及び前記印刷物の用紙の色である用紙色の少なくとも一方を含む。
【0011】
第7態様の検査レベル管理システムでは、第6態様において、前記インク色となりうる複数の色毎に、及び前記用紙色となりうる複数の色毎に、前記検査レベルの前記下げ幅がそれぞれ対応付けられており、前記プロセッサは、前記印刷物の前記インク色に対応する前記下げ幅と、前記用紙色に対応する前記下げ幅とが異なる場合、最も小さな下げ幅によって前記検査レベルを引き下げる。
【0012】
第8態様の検査レベル管理システムでは、第1態様において、前記プロセッサは、前記残日数が少ないほど前記検査レベルの下げ幅が大きくなるように、前記残日数に応じて前記下げ幅を段階的に調整する。
【0013】
第9態様の検査レベル管理システムでは、第8態様において、前記プロセッサは、前記基準作業日数を下げる段階数で除することによって段階的な日数幅を算出し、予め設定された最大下げ幅を前記下げる段階数で除することによって単位下げ幅を算出し、前記残日数が複数の段階のうち最初の前記段階に対応する場合、前記単位下げ幅によって前記第1検査レベルを引き下げ、前記残日数が複数の段階のうち最初の前記段階と最後の前記段階との中央に対応する場合、最初の前記段階の側から最後の前記段階の側に向かって前記段階が1つ移行するに従って前記単位下げ幅の分1つずつ大きくなるように前記第1検査レベルを引き下げ、前記残日数が複数の段階のうち最後の前記段階に対応する場合、前記最大下げ幅によって前記第1検査レベルを引き下げる。
【0014】
第10態様の検査レベル管理プログラムは、検査レベル管理システムのプロセッサに、受注した印刷作業による印刷物の納期までの残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定する処理と、前記残日数が前記基準作業日数未満である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、前記第1検査レベルから、前記第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定する処理と、設定した前記第2検査レベルを出力する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様の構成によれば、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【0016】
第2態様の構成によれば、基準作業日数の設定精度が高まる。
【0017】
第3態様の構成によれば、基準作業日数の設定精度が高まる。
【0018】
第4態様の構成によれば、他よりも小さな値の作業日数を基準作業日数として設定する場合に比べ、遅れ抑制効果が高い。
【0019】
第5態様の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0020】
第6態様の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0021】
第7態様の構成によれば、他よりも大きな下げ幅によって検査レベルを引き下げる場合に比べ、検査品質を維持し易い。
【0022】
第8態様の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0023】
第9態様の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0024】
第10態様の構成によれば、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る検査レベル管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る検査レベル管理システムの検査レベル管理装置を説明するブロック図である。
図3】第1実施形態に係る検査レベル管理装置において実行される検査レベル管理処理の一例を説明するフローチャートである。
図4】第1実施形態に係る検査レベル管理処理における条件設定画面の一例である。
図5】第2実施形態に係る検査レベル管理装置において実行される検査レベル管理処理の一例を説明するフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る検査レベル管理処理における条件設定画面の一例である。
図7】第3実施形態に係る検査レベル管理装置において実行される検査レベル管理処理の一例を説明するフローチャートである。
図8】第3実施形態に係る検査レベル管理処理における条件設定画面の一例である。
図9】第4実施形態に係る検査レベル管理装置において実行される検査レベル管理処理の一例を説明するフローチャートである。
図10】第4実施形態に係る検査レベル管理処理における条件設定画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本開示に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0027】
《第1実施形態》
<検査レベル管理システム>
まず、本実施形態に係る検査レベル管理システム100の一例を、図1図2を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る検査レベル管理システム100は、検査レベル管理装置10と、受注管理装置20と、印刷装置30と、検査装置40と、を備える。なお、本実施形態における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの及び単一の装置によって構成されたものの両方を含む。
【0028】
(受注管理装置)
受注管理装置20は、検査レベル管理装置10に接続される。受注管理装置20は、外部から受注した印刷物の納期、印刷用サンプル、納品先等の情報を含む受注内容を、検査レベル管理装置10に送信する。なお、本実施形態では、1つの受注管理装置20に1つの検査レベル管理装置10が接続された場合が例示されたが、本開示では、1つの受注管理装置に複数の検査レベル管理装置が接続されてよい。また、本明細書では、装置同士の接続は、特に説明がない限り、無線状態で形成されてもよいし、或いは、有線状態で形成されてもよい。
【0029】
本実施形態の印刷物としては、例えば、雑誌やチラシ等、1つ以上の平面的なシート状の印刷物を含む。なお、本開示では、印刷物は、平面的な印刷物に限定されず、例えばシャツや箱等、印刷部分が含まれる立体的な印刷物であることも排除されない。
【0030】
(検査レベル管理装置)
検査レベル管理装置10は、受注管理装置20から受信した受注内容に基づき、受注した印刷物の印刷作業(すなわち、ジョブ)を行う指示を印刷装置30に送信する。また、印刷装置30によって印刷された印刷物を検査する指示を検査装置40に送信する。本実施形態の検査レベル管理装置10は、検査装置40で行われる検査の検査レベルを、受注したジョブの納期までの残日数に応じて引き下げる。
【0031】
(印刷装置)
印刷装置30は、検査レベル管理装置10に接続される。印刷装置30は、検査レベル管理装置10から受信したジョブの指示に基づき、印刷物を印刷する。印刷物は、発注元である客先によって、又は、受注管理装置20によって提示された印刷用サンプルに基づいて印刷される。印刷された印刷物は、検査装置40に送られる。なお、本実施形態では、1つの検査レベル管理装置10に1つの印刷装置30が接続された場合が例示されたが、本開示では、1つの検査レベル管理装置に複数の印刷装置が接続されてよい。
【0032】
(検査装置)
検査装置40は、検査レベル管理装置10に接続される。検査装置40は、印刷装置30から送られた印刷物を検査する。検査は、印刷用サンプルとの同一性、すなわち再現性を確認するための作業である。検査レベルとしては、印刷物の検査対象部分の面積、1つの印刷物中の検査対象部分の個数、1つの検査対象部分にかける作業時間等に応じて、複数の検査レベルを設定できる。
【0033】
なお、本実施形態では、基準作業日数及び残日数のように、作業時間を測る単位として「日」の長さが採用されたが、本開示ではこれに限定されない。作業時間を測る単位として「時間」「分」「秒」等、他の長さが採用されてもよい。例えば「時間」が採用される場合、基準作業時間及び残時間、のように表現できる。また、本開示では、「日」「時間」「分」「秒」等のそれぞれを、基準作業時間及び残時間、のように包括的に表現してもよい。
【0034】
図2に示すように、検査レベル管理装置の一例である検査レベル管理装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、ユーザインタフェース15及び通信インタフェース16を有する。各構成は、バス17を介して相互に通信可能に接続されている。
【0035】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。CPU11は、本開示のプロセッサである。検査レベル管理装置は、少なくとも1つのプロセッサを有する。
【0036】
本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、検査レベル管理プログラムが格納されている。検査レベル管理プログラムは、電子機器の電源を管理するための演算プログラムである。
【0037】
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0038】
ユーザインタフェース15は、使用者が検査レベル管理装置10を使用する際のインタフェースである。ユーザインタフェース15は、例えば、使用者によるタッチ操作を可能とするタッチパネルを備えた液晶ディスプレイ、使用者による音声入力を受け付ける音声入力受付部、及び使用者が押下可能なボタン等の少なくとも一つを含み得る。本実施形態の表示部は、ユーザインタフェース15の一例である。なお、ユーザインタフェース15は、必須ではない。
【0039】
通信インタフェース16は、検査レベル管理装置10が、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0040】
検査レベル管理プログラムを実行する際に、検査レベル管理装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。検査レベル管理装置10が実現する機能構成として、検査レベル管理装置10は、条件設定部、ジョブ受注部、残日数算出部、日数判定部、及び検査レベル割当部を有する。各機能構成は、CPU11が、ROM12又はストレージ14に記憶された検査レベル管理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0041】
<検査レベル管理処理>
次に、本実施形態に係る検査レベル管理システムにおいて実行される検査レベル管理処理の一例を、図3図4を参照して説明する。
【0042】
まず、検査レベル管理装置10の条件設定部は、図3中のステップS10に示すように、条件として、基準作業日数、第1検査レベルの下げ幅を設定する。第1検査レベルは、例えば経験則に応じて予め設定されている。図4中には、本実施形態の条件設定処理を行うインタフェース上の条件設定画面が例示されている。設定された基準作業日数及び第1検査レベルの下げ幅は、検査レベル管理装置10に格納される。
【0043】
次に、ジョブ受注部は、図3中のステップS20に示すように、ジョブを受注する。次に、残日数算出部は、図3中のステップS30に示すように、ジョブの納期までの稼働日の残日数を算出する。具体的には、例えば、納期の日付の値から、検査レベル管理処理が行われる当日の日付の値を減じればよい。
【0044】
なお、検査レベル管理処理が行われる時点の日そのものは、残日数に含まれない。印刷作業は、検査レベル管理処理の後、開始される。このため、検査レベル管理処理が行われる時点の日の翌日が、残日数の起算日、すなわち、印刷作業の1日目である。例えば、6日間の基準作業日数のうちの1日目の午前中に検査レベル管理処理が行われると共に、検査レベル管理処理が行われる日の午後に印刷作業を開始できる場合であっても、残日数は5日間であると定義される。
【0045】
次に、日数判定部は、図3中のステップS40に示すように、納期までの残日数が、基準作業日数未満であるかどうかを判定する。受注したジョブによる印刷物の納期までの残日数が基準作業日数未満である場合、YES判定として、処理は、ステップS50に移行する。
【0046】
そして、ステップS50において、検査レベル割当部は、印刷物に対する検査レベルを、第1検査レベルから、第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定する。また、検査レベル割当部は、第2検査レベルをジョブに割り当てる。そして、検査レベル管理装置10は、設定した第2検査レベルを、例えば図2中のユーザインタフェース15を用いて外部に対して出力する。
【0047】
一方、ステップS40において、残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、NO判定として、処理は終了する。図示を省略するが、検査レベル割当部は、印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定する。また、検査レベル割当部は、第1検査レベルをジョブに割り当てる。そして、検査レベル管理装置10は、設定した第1検査レベルを外部に対して出力する。
【0048】
(第1実施形態の作用)
第1実施形態では、検査レベル管理システム100は、受注したジョブによる印刷物の納期までの残日数が、基準作業日数未満である場合、印刷物に対する検査レベルを、第1検査レベルから、第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定する。このため、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【0049】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る検査レベル管理システムの構成を、図5図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0050】
<検査レベル管理システム>
第2実施形態では、検査レベル管理システムの検査レベル管理装置が実現する機能構成として、検査レベル管理装置は、単位間作業日数比較部と、基準作業日数調整部と、を更に有する。第2実施形態における他の構成は、第1実施形態における対応する構成と共通であるため、重複説明を省略する。
【0051】
<検査レベル管理処理>
第2実施形態に係る検査レベル管理システムでは、検査レベル管理処理が、更に、受注したジョブから定まる処理量に応じて基準作業日数を調整する点が、第1実施形態と異なる。
【0052】
具体的には、ジョブから定まる処理量は、印刷工数、後処理工数等を含む。印刷工数は、総ページ数、部数等といった、ジョブの印刷作業自体に係る工数を意味する。総ページ数及び部数は、印刷工数を表す複数の単位である。後処理工数は、検査作業後に生じると共に出荷のために行われる各種作業の工数を含む。後処理工数としては、例えば、面付けによる裁断、梱包等の作業がある。面付けによる裁断及び梱包は、後処理工数を表す複数の単位である。なお、本開示では、裁断前の検査作業の工数がジョブから定まる処理量に含まれてもよい。裁断前の検査作業の工数がジョブから定まる処理量に含まれることによって、検査品質をより向上できる。
【0053】
第2実施形態では、処理量は、納品する印刷物の量に応じた印刷工数、及び検査後で印刷物を完成するまでの後処理工数の少なくとも一方を含む。なお、本開示では、処理量としては、印刷工数及び後処理工数に限定されず、他の要素が採用されてもよい。
【0054】
図5中のステップS10Aに示すように、条件設定部は、基準作業日数及び第1検査レベルの下げ幅に加え、ジョブ要素の対応表を更に設定する。対応表では、ジョブの印刷工数を表す複数の単位毎に作業日数が対応付けられている。図6中の条件設定画面には、印刷工数を表す複数の単位として、いずれもジョブ要素である総ページ数と部数とが、それぞれ対応する日数と紐づけされた状態が例示されている。総ページ数と部数との単位のそれぞれには、処理量が多い程、大きな作業日数が対応付けられている。
【0055】
そして、図5中のステップS21Aに示すように、単位間作業日数比較部は、対応表を用いて、受注したジョブのそれぞれの単位の中で、処理量に対応する作業日数を比較する。受注したジョブのそれぞれの単位の中で、処理量に対応する作業日数が異なる場合、YES判定として、処理は、ステップS22Aに移行する。
【0056】
そして、ステップS22Aにおいて、基準作業日数調整部は、最も大きな作業日数を基準作業日数として設定する。なお、本開示では、最も大きな作業日数を基準作業日数として設定する方法は、必須ではない。例えば、残日数を更に考慮して、上から2番目に大きな作業日数等、他の作業日数が採用されることも阻害されない。
【0057】
一方、ステップS21Aにおいて、受注したジョブのそれぞれの単位の中で、処理量に対応する作業日数が同一である場合、NO判定として、処理は、ステップS30に移行する。ステップS30以降の処理は、図3を用いて説明した第1実施形態の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
(第2実施形態の作用)
第2実施形態においても第1実施形態のように、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【0059】
また、第2実施形態では、検査レベル管理システム100は、受注したジョブから定まる処理量に応じて、基準作業日数を調整する。このため、基準作業日数の設定精度が高まる。
【0060】
また、第2実施形態では、処理量は、納品する印刷物の量に応じた印刷工数、及び検査後で印刷物を完成するまでの後処理工数の少なくとも一方を含む。このため、基準作業日数の設定精度が高まる。
【0061】
また、第2実施形態では、印刷工数及び後処理工数は、複数の単位によりそれぞれ表される。また、単位のそれぞれに、処理量が多い程、大きな作業日数が対応付けられている。そして、検査レベル管理システム100は、受注したジョブのそれぞれの単位の中で、処理量に対応する作業日数が異なる場合、最も大きな作業日数を基準作業日数として設定する。このため、他よりも小さな値の作業日数を基準作業日数として設定する場合に比べ、遅れ抑制効果が高い。
【0062】
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係る検査レベル管理システムの構成を、図7図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0063】
<検査レベル管理システム>
第3実施形態では、検査レベル管理システムの検査レベル管理装置が実現する機能構成として、検査レベル管理装置は、下げ幅比較部と、下げ幅調整部と、を更に有する。第3実施形態における他の構成は、第1実施形態における対応する構成と共通であるため、重複説明を省略する。
【0064】
<検査レベル管理処理>
第3実施形態に係る検査レベル管理システムでは、検査レベル管理処理が、受注した印刷物の特性に応じて検査レベルの下げ幅を調整する点が、第1実施形態と異なる。
【0065】
第3実施形態では、特性は、印刷物の描画に使用されるインク色、及び印刷物の用紙の色である用紙色の少なくとも一方を含む。なお、本開示では、印刷物の特性としては、インク色及び用紙色に限定されず、他の要素が採用されてもよい。また、色の種類だけでなく、色の量が、特性として含まれてもよい。
【0066】
図7中のステップS10Bに示すように、条件設定部は、基準作業日数及び第1検査レベルの下げ幅に加え、ジョブ要素の対応表を更に設定する。対応表では、インク色となりうる複数の色毎に、及び用紙色となりうる複数の色毎に、検査レベルの下げ幅がそれぞれ対応付けられている。図8中の条件設定画面には、特性として、いずれもジョブ要素であるインク色の色と用紙色の色とが、それぞれ対応する下げ幅と紐づけされた状態が例示されている。
【0067】
なお、図8中の対応表の最上段で、インク色の色としての「特色」は、印刷の4原色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)以外の色と、金色と、銀色と、蛍光色とのうち少なくとも1つを含む色であることを意味する。特色が印刷用サンプルに含まれる場合、特色を印刷物で再現することは、特色以外の色を再現する場合よりも難しい。
【0068】
また、図8中の対応表の上から2段目で、インク色の色としての「カラー」は、白または黒によるモノクロでない色が含まれることを意味する。また、図8中の対応表の最上段で、用紙色の色としての「赤、青、緑」は、赤、青、緑のうち少なくとも1つを含む色であることを意味する。インク色の色と用紙色の色とのそれぞれには、検査作業時間が多い色である程、大きな下げ幅が対応付けられている。
【0069】
そして、図7中のステップS21Bに示すように、下げ幅比較部は、対応表を用いて、受注したジョブの印刷物のインク色に対応する下げ幅と用紙色に対応する下げ幅とを比較する。受注したジョブの印刷物のインク色に対応する下げ幅と用紙色に対応する下げ幅とが異なる場合、YES判定として、処理は、ステップS22Bに移行する。
【0070】
そして、ステップS22Bにおいて、下げ幅調整部は、最も小さな下げ幅を予定される検査の検査レベルの下げ幅として設定する。なお、本開示では、最も小さな下げ幅によって検査レベルを引き下げる方法は、必須ではない。例えば、残日数を更に考慮して、下から2番目に小さな下げ幅等、他の下げ幅が採用されることも阻害されない。
【0071】
一方、ステップS21Bにおいて、受注したジョブの印刷物のインク色に対応する下げ幅と用紙色に対応する下げ幅とが同一である場合、NO判定として、処理は、ステップS30に移行する。ステップS30以降の処理は、図3を用いて説明した第1実施形態の場合と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
(第3実施形態の作用)
第3実施形態においても第1実施形態のように、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【0073】
また、第3実施形態では、検査レベル管理システム100は、受注した印刷物の特性に応じて、検査レベルの下げ幅を調整する。このため、下げ幅の設定精度が高まる。
【0074】
また、第3実施形態では、特性は、印刷物の描画に使用されるインク色、及び印刷物の用紙の色である用紙色の少なくとも一方を含む。このため、下げ幅の設定精度が高まる。
【0075】
また、第3実施形態では、インク色となりうる複数の色毎に、及び用紙色となりうる複数の色毎に、検査レベルの下げ幅がそれぞれ対応付けられている。検査レベル管理システム100は、印刷物のインク色に対応する下げ幅と、用紙色に対応する下げ幅とが異なる場合、最も小さな下げ幅によって検査レベルを引き下げる。このため、他よりも大きな下げ幅によって検査レベルを引き下げる場合に比べ、検査品質を維持し易い。
【0076】
《第4実施形態》
次に、第4実施形態に係る検査レベル管理システムの構成を、図9図10を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0077】
<検査レベル管理システム>
第4実施形態では、検査レベル管理システムの検査レベル管理装置が実現する機能構成は、第1実施形態における対応する構成と共通であるため、重複説明を省略する。
【0078】
<検査レベル管理処理>
第4実施形態に係る検査レベル管理システムでは、検査レベル管理処理が、更に、残日数が少ないほど検査レベルの下げ幅が大きくなるように、残日数に応じて下げ幅を段階的に調整する点が、第1実施形態と異なる。
【0079】
図9中のステップS10Cに示すように、条件設定部は、基準作業日数、第1検査レベルの最大下げ幅、下げる段階数を予め設定する。第1実施形態では第1検査レベルの下げ幅が設定されたが、第4実施形態では第1検査レベルの最大下げ幅が設定される。下げる段階数は、基準作業日数を区分けする数値である。図10中の条件設定画面には、基準作業日数が6日である場合に、最大下げ幅として設定された3の数値と、下げる段階数として設定された3の数値とが例示されている。
【0080】
そして、図9中のステップS11Cに示すように、条件設定部は、基準作業日数を下げる段階数で除することによって段階的な日数幅を算出する。また、最大下げ幅を下げる段階数で除することによって単位下げ幅を算出する。
【0081】
例えば、図10中に例示された条件設定の場合、基準作業日数の6を下げる段階数の3で除することによって、段階的な日数幅として2を算出する。また、最大下げ幅の3を下げる段階数の3で除することによって、単位下げ幅として1を算出する。このため、6日の基準作業日数は、2日ずつ、3つに区分される。また、6日の基準作業日数のうち、1日目と2日目との最初の段階において検査レベル管理処理が行われる場合、検査レベルの下げ幅として適用される値は、単位下げ幅の1である。
【0082】
また、6日の基準作業日数のうち、3日目と4日目の中央の段階において検査レベル管理処理が行われる場合、検査レベルの下げ幅として適用される値は、最初の段階の下げ幅の1に、単位下げ幅の1を加えることによって、2である。また、6日の基準作業日数のうち、5日目と6日目の最後の段階において検査レベル管理処理が行われる場合、検査レベルの下げ幅として適用される値は、中央の段階の下げ幅の2に、単位下げ幅の1を加えることによって、3である。
【0083】
ステップS20~ステップS40の処理は、図3を用いて説明した第1実施形態の場合と同様であるので、説明を省略する。そして、図9中のステップS50Cに示すように、検査レベル割当部は、残日数に応じて設定された下げ幅分、第1検査レベルを第2検査レベルに引き下げてジョブに割り当てる。具体的には、残日数が複数の段階のうち最初の段階に対応する場合、検査レベル割当部は、単位下げ幅によって第1検査レベルを引き下げる。
【0084】
また、残日数が複数の段階のうち最初の段階と最後の段階との中央に対応する場合、検査レベル割当部は、最初の段階の側から最後の段階の側に向かって段階が1つ移行するに従って単位下げ幅の分1つずつ大きくなるように第1検査レベルを引き下げる。また、残日数が複数の段階のうち最後の段階に対応する場合、検査レベル割当部は、最大下げ幅によって第1検査レベルを第2検査レベルに引き下げる。
【0085】
例えば、図10中に例示された条件設定において、検査レベル管理処理が行われる時点で残日数が5日又は6日である場合、最初の段階における下げ幅の1の分、第1検査レベルが引き下げられる。また、時間の経過に伴って残日数が3日又は4日に減少した場合、中央の段階における下げ幅の2の分、第1検査レベルが引き下げられる。また、残日数が1日又は2日減少した場合、中央の段階における下げ幅の3の分、第1検査レベルが引き下げられる。
【0086】
なお、残日数が少ないほど検査レベルの下げ幅が大きくなるように、残日数に応じて下げ幅を段階的に調整する方法としては、本実施形態の方法に限定されない。本開示では例えば、それぞれ異なる日数幅で段階が設定される等、他の方法が採用されてもよい。
【0087】
(第4実施形態の作用)
第4実施形態においても第1実施形態のように、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【0088】
また、第4実施形態では、検査レベル管理システム100は、残日数が少ないほど検査レベルの下げ幅が大きくなるように、残日数に応じて下げ幅を段階的に調整する。このため、下げ幅の設定精度が高まる。
【0089】
また、第4実施形態では、検査レベル管理システム100は、基準作業日数を下げる段階数で除することによって段階的な日数幅を算出すると共に、最大下げ幅を下げる段階数で除することによって単位下げ幅を算出する。残日数が複数の段階のうち最初の段階に対応する場合、検査レベル管理システム100は、単位下げ幅によって第1検査レベルを引き下げる。また、残日数が複数の段階のうち最初の段階と最後の段階との中央に対応する場合、検査レベル管理システム100は、最初の段階の側から最後の段階の側に向かって段階が1つ移行するに従って単位下げ幅の分1つずつ大きくなるように第1検査レベルを引き下げる。また、残日数が複数の段階のうち最後の段階に対応する場合、検査レベル管理システム100は、最大下げ幅によって第1検査レベルを引き下げる。このため、下げ幅の設定精度が高まる。
【0090】
<その他の実施形態>
本開示は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した実施形態、及び変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0091】
また、例えば、本開示では、上記の実施形態で、CPU11がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した検査レベル管理処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。
【0092】
また、検査レベル管理処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0093】
また、上記各実施形態では、検査レベル管理プログラムがROM12又はストレージ14に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0094】
本開示は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本開示の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0095】
<付記>
(((1)))
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
受注した印刷作業による印刷物の納期までの残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定し、
前記残日数が前記基準作業日数未満である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、前記第1検査レベルから、前記第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定し、
設定した前記第2検査レベルを出力する、
検査レベル管理システム。
【0096】
(((2)))
前記プロセッサは、
受注した前記印刷作業から定まる処理量に応じて、前記基準作業日数を調整する、
(((1)))に記載の検査レベル管理装置。
【0097】
(((3)))
前記処理量は、納品する前記印刷物の量に応じた印刷工数、及び検査後で前記印刷物を完成するまでの後処理工数の少なくとも一方を含む、
(((2)))に記載の検査レベル管理装置。
【0098】
(((4)))
前記印刷工数及び前記後処理工数は、複数の単位によりそれぞれ表され、
前記単位のそれぞれに、前記処理量が多い程、大きな作業日数が対応付けられており、
前記プロセッサは、
受注した前記印刷作業のそれぞれの前記単位の中で、前記処理量に対応する前記作業日数が異なる場合、最も大きな前記作業日数を前記基準作業日数として設定する、
(((3)))に記載の検査レベル管理装置。
【0099】
(((5)))
前記プロセッサは、
受注した前記印刷物の特性に応じて、前記検査レベルの下げ幅を調整する、
(((1)))に記載の検査レベル管理装置。
【0100】
(((6)))
前記特性は、前記印刷物の描画に使用されるインク色、及び前記印刷物の用紙の色である用紙色の少なくとも一方を含む、
(((5)))に記載の検査レベル管理装置。
【0101】
(((7)))
前記インク色となりうる複数の色毎に、及び前記用紙色となりうる複数の色毎に、前記検査レベルの前記下げ幅がそれぞれ対応付けられており、
前記プロセッサは、
前記印刷物の前記インク色に対応する前記下げ幅と、前記用紙色に対応する前記下げ幅とが異なる場合、最も小さな下げ幅によって前記検査レベルを引き下げる、
(((6)))に記載の検査レベル管理装置。
【0102】
(((8)))
前記プロセッサは、
前記残日数が少ないほど前記検査レベルの下げ幅が大きくなるように、前記残日数に応じて前記下げ幅を段階的に調整する、
(((1)))に記載の検査レベル管理装置。
【0103】
(((9)))
前記プロセッサは、
前記基準作業日数を下げる段階数で除することによって段階的な日数幅を算出し、
予め設定された最大下げ幅を前記下げる段階数で除することによって単位下げ幅を算出し、
前記残日数が複数の段階のうち最初の前記段階に対応する場合、前記単位下げ幅によって前記第1検査レベルを引き下げ、
前記残日数が複数の段階のうち最初の前記段階と最後の前記段階との中央に対応する場合、最初の前記段階の側から最後の前記段階の側に向かって前記段階が1つ移行するに従って前記単位下げ幅の分1つずつ大きくなるように前記第1検査レベルを引き下げ、
前記残日数が複数の段階のうち最後の前記段階に対応する場合、前記最大下げ幅によって前記第1検査レベルを引き下げる、
(((8)))に記載の検査レベル管理装置。
【0104】
(((10)))
検査レベル管理システムのプロセッサに、
受注した印刷作業による印刷物の納期までの残日数が、予め定められた基準作業日数以上である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、予め定められた第1検査レベルに設定する処理と、
前記残日数が前記基準作業日数未満である場合、前記印刷物に対する検査レベルを、前記第1検査レベルから、前記第1検査レベルよりも工期が短くなる第2検査レベルに引き下げて設定する処理と、
設定した前記第2検査レベルを出力する処理と、
を実行させる、検査レベル管理プログラム。
【0105】
(((1)))の構成によれば、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【0106】
(((2)))の構成によれば、基準作業日数の設定精度が高まる。
【0107】
(((3)))の構成によれば、基準作業日数の設定精度が高まる。
【0108】
(((4)))の構成によれば、他よりも小さな値の作業日数を基準作業日数として設定する場合に比べ、遅れ抑制効果が高い。
【0109】
(((5)))の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0110】
(((6)))の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0111】
(((7)))の構成によれば、他よりも大きな下げ幅によって検査レベルを引き下げる場合に比べ、検査品質を維持し易い。
【0112】
(((8)))の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0113】
(((9)))の構成によれば、下げ幅の設定精度が高まる。
【0114】
(((10)))の構成によれば、受注した印刷物の納期遅れを抑制できる。
【符号の説明】
【0115】
10 検査レベル管理装置
14 ストレージ
15 ユーザインタフェース
16 通信インタフェース
17 バス
20 受注管理装置
30 印刷装置
40 検査装置
100 検査レベル管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10