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特開2024-155162運行制御装置、運行管理システム、及び運行管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155162
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】運行制御装置、運行管理システム、及び運行管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G08G1/123 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069621
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沢田 裕理
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA14
5H181AA16
5H181BB12
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF03
5H181FF17
5H181FF27
5H181FF33
5H181MA32
(57)【要約】
【課題】車両に乗っている乗客と車両を待っている客との両方に対して、サービス性を向上させる。
【解決手段】予め定められた経路Rに沿って走行する複数の車両10の運行を制御する運行制御装置20であって、前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶する記憶部104と、前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定する決定部22と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた経路(R)に沿って走行する複数の車両(10)の運行を制御する運行制御装置(20)であって、
前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶する記憶部(104)と、
前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定する決定部(22)と、
を備える運行制御装置。
【請求項2】
前記要素情報には、各区間(T)の障害の障害発生の頻度に関する頻度情報(111)、停留所(S)で待機する乗客の人数に関する待機情報(112)、及び各区間の前記車両の乗車率に関する乗車率情報(113)の少なくとも1つを含む請求項1に記載の運行制御装置。
【請求項3】
前記要素情報は、前記頻度情報、前記待機情報、又は前記乗車率情報を統計した統計データに基づきモデリングしたモデルである請求項2に記載の運行制御装置。
【請求項4】
前記決定部は、予め定められた運行計画データから前記運行計画を決定する請求項1に記載の運行制御装置。
【請求項5】
前記運行計画データには、前記車両毎の時間間隔を決める時間間隔データ、走行速度を決める走行速度データ、停留所での停止時間を決める停止時間データ及び走行ルートを決める走行ルートデータの少なくとも1つを含む請求項4に記載の運行制御装置。
【請求項6】
予め定められた経路に沿って走行する複数の車両の運行を制御する運行管理システム(100)であって、
前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶する記憶部と、
前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定する決定部と、
を備える運行管理システム。
【請求項7】
予め定められた経路に沿って走行する複数の車両の運行を制御するプログラムであって、
少なくとも1つのプロセッサ(101)に、
前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶させ、
前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定させる、
ことを含む処理を実行させるための運行管理プログラム(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運行制御装置、運行管理システム、及び運行管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転モード及び手動運転モードのうち何れかの運転モードで予め定められた経路に沿って周回走行する各車両の運行を制御する運行制御装置であって、前記自動運転モードで走行する各車両が前記経路上の任意の地点を通過する時間間隔が略一定となるように、前記自動運転モードで走行する各車両に運行指示を送信する手段と、前記自動運転モードで走行する何れかの車両から、搭乗係員の指示により、前記手動運転モードに切り替えて走行する旨の通知を受信する手段と、前記自動運転モードから前記手動運転モードに切り替わった車両と前記自動運転モードで走行し続ける各車両とが、前記運行制御装置が前記通知を受信してから一定時間の間、前記経路上の任意の地点を通過する時間間隔が略一定となるように、前記自動運転モードから前記手動運転モードに切り替わった車両と前記自動運転モードで走行し続ける各車両とに運行指示を送信する手段と、を備える運行制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-154420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された技術は、各車両が経路上の任意の地点を通過する時間間隔が略一定となるように、運行制御する。
【0005】
しかし、例えば、複数の車両のうち、1台が遅れると、後続の車両も遅れるため、バスに乗っている客の不満が出るという問題がある。一方、時間間隔が略一定となるように運行制御しない場合は、経路上で車両が詰まり、車両毎の間隔が広がる箇所ができて、バス停で車両を待っている客の不満が出るという問題がある。
【0006】
本開示は、車両を時間間隔で運行管理する場合に比べ、車両に乗っている乗客と車両を待っている客との両方に対して、サービス性を向上させる運行制御装置、運行管理システム、及び運行管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様に係る運行制御装置(20)は、予め定められた経路(R)に沿って走行する複数の車両(10)の運行を制御する運行制御装置であって、前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶する記憶部(104)と、前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定する決定部(22)と、を備える。
【0008】
第2態様に係る運行制御装置は、前記要素情報には、各区間(T)の障害の障害発生の頻度に関する頻度情報(111)、停留所(S)で待機する乗客の人数に関する待機情報(112)、及び各区間の前記車両の乗車率に関する乗車率情報(113)の少なくとも1つを含む。
【0009】
第3態様に係る運行制御装置は、前記要素情報は、前記頻度情報、前記待機情報、又は前記乗車率情報を統計した統計データに基づきモデリングしたモデルである。
【0010】
第4態様に係る運行制御装置は、前記決定部は、予め定められた運行計画データから前記運行計画を決定する。
【0011】
第5態様に係る運行制御装置は、前記運行計画データには、前記車両毎の時間間隔を決める時間間隔データ、走行速度を決める走行速度データ、停留所での停止時間を決める停止時間データ及び走行ルートを決める走行ルートデータの少なくとも1つを含む。
【0012】
第6態様に係る運行管理システム(100)は、予め定められた経路に沿って走行する複数の車両の運行を制御する運行管理システムであって、前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶する記憶部と、前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定する決定部と、を備える。
【0013】
第7態様に係る運行管理プログラム(110)は、予め定められた経路に沿って走行する複数の車両の運行を制御するプログラムであって、少なくとも1つのプロセッサ(101)に、前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶させ、前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定させる、ことを含む処理を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、車両を時間間隔で運行管理する場合に比べ、車両に乗っている乗客と車両を待っている客との両方に対して、サービス性を向上させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】運行管理システムの構成図である。
図2】経路について説明するための図である。
図3】運行制御装置のハードウエア構成を示す図である。
図4】頻度情報の一例を示す図である。
図5】待機情報の一例を示す図である。
図6】乗車率情報の一例を示す図である。
図7】運行制御装置による運行計画データ出力処理のフローチャートである。
図8】運行制御の一例を示す図である。
図9】運行制御装置の他の一例を示す図である。
図10】運行制御装置の他の一例を示す図である。
図11】運行制御装置の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の運行管理システム100は、複数の車両10(車両10A、車両10B、車両10C・・・)及び運行制御装置20を備える。また、複数の車両10と運行制御装置20とはネットワークNを介して接続されている。本実施形態の運行管理システム100は、予め定められた経路Rに沿って走行する複数の車両10の運行を制御するシステムである。
【0018】
本実施形態における車両10は、運行制御装置20から出力された運行計画に従って、予め定められた経路Rに沿って、自動的に運行される自動運転車両である。車両10には、乗合自動車及び列車を含む。乗合自動車は、不特定多数の乗客を乗せて予め定められた経路Rを走行する自動車であり、乗合バス、路線バスなどのバス及びタクシーを含む。列車は、予め定められた経路Rを走行する鉄道用の車両である。なお、列車は車両が一両の場合も含む。また、以下では、車両10A、車両10B、車両10C・・・を区別しない場合は、単に「車両10」という。また、本実施形態では、車両10について、バスを想定して説明する。
【0019】
車両10は、機能的には、図1に示されるように、車両通信部11及び車両制御部12を備える。
車両通信部11は、運行制御装置20との間で無線通信を行う。車両制御部12は、運行制御装置20から出力された運行計画に従って車両10の運行を制御する。ここで、車両10の運行は、車両10を経路Rで走行させること、車両10の速度を変更すること、車両10を停止すること、などを含む。
【0020】
また、車両10には、図示しないが、車両10の前後左右を撮影する撮影装置(例えば、カメラ)、車両10の位置情報を検出する位置検出装置(例えば、Global Navigation Satellite System:GNSS/全球測位衛星システム)、車両10付近の障害物を検知するセンサ類(例えば、LiDAR、ミリ波レーダー)、車両10の車輪速を検出する車輪速センサ、車両10の操舵角を検出する操舵角センサ等を備える。
【0021】
運行制御装置20は、複数の車両10と予め定められた契機で通信し、車両10の運行計画を決定する。そして、車両10に運行計画を出力して、車両10の運行を制御する。
【0022】
運行制御装置20は、機能的には、図1に示されるように、通信部21及び決定部22を備える。
【0023】
通信部21は、車両10との間で無線通信を行う。
【0024】
決定部22は、予め定められた運行計画データ114から運行計画を決定する。すなわち、様々な条件から当該条件に合致する運行計画を運行計画データ114から選択して、決定する。なお、決定部22は、様々な条件に合致する運行計画を運行計画データ114から選択して、決定する場合に限定されず、様々な条件によって運行計画データ114を生成してもよい。
【0025】
図2は、本実施形態における経路Rの概略構成を示す説明図である。経路Rは、車両10の一例であるバスが走行する道路である。また、複数の車線が設けられている道路においては、経路Rは車両10が走行する車線を意味する。また、本実施形態では、車両10は、経路Rを左回りで周回している。また、経路Rには、図2に示すように、バスが停車し、乗客が乗り降りする停留所Sが複数設けられている。そして、本実施形態では、図2に示すように、経路Rを、第1停留所S1と第2停留所S2との間の第1区間T1、第2停留所S2と第3停留所S3との間の第2区間T2、第3停留所S3と第1停留所S1との間の第3区間T3に区切っている。なお、本実施形態では、区間Tは停留所Sの間を例示しているが、これに限定されず、停留所Sとは関係なく区切ってもよい。また、本実施形態では、経路Rは、車両10が周回走行できるように閉曲線状に設定されているが、これに限定されない。
【0026】
図3は、運行制御装置20のハードウエアの構成図である。運行制御装置20は、一般的なコンピュータを含む装置で構成される。
【0027】
図3に示すように、運行制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶部104、入力部105、表示部106及び通信インタフェース(I/F)107を有する。各構成は、バス108を介して相互に通信可能に接続されている。
【0028】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又は記憶部104からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102又は記憶部104に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、記憶部104には、CPU101が予め定められた経路Rに沿って走行する複数の車両10の運行を制御するために読み込む運行管理プログラム110が記憶されている。また、CPU101は、プロセッサの一例である。ここでいうプロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0029】
ROM102は、各種プログラム及び各種データを記憶する。RAM103は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部104は、不揮発性メモリであり、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを記憶する。
【0030】
入力部105は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、及び音声入力デバイスを含み、各種の入力を行うために使用される。表示部106は、例えば、液晶ディスプレイ又はスピーカーであり、各種の情報を表示又は再生する。表示部106は、タッチパネル方式を採用して、入力部105として機能しても良い。通信インタフェース107は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0031】
また、記憶部104には、経路R上に生じる車両10の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報が記憶されている。要素情報は、本実施形態では、各区間Tの障害の障害発生の頻度に関する頻度情報111、停留所Sで待機する乗客の人数に関する待機情報112、及び各区間Tの車両10の乗車率に関する乗車率情報113の少なくとも1つを含む。
【0032】
頻度情報111は、図4に示すように、各区間Tにおける時間帯毎の障害が発生する頻度が記録されたデータである。
【0033】
本実施形態では、頻度情報111は、各区間Tの運行障害発生頻度と、運行障害発生による走行停止時間と、運行障害発生時間帯とにより作成される。頻度情報111には、例えば、1時間で運行停止総時間20分以上又は運行停止総回数50回以上の場合は「高」、1時間で運行停止総時間10分以上20分未満又は運行停止総回数10回以上50回未満の場合「中」、1時間で運行停止総時間0分以上10分未満又は運行停止総回数0回以上10回未満の場合「低」が記録される。具体的には、図4に示すように、時間帯が「8:00~9:00」の場合は、第1区間T1の頻度情報111が「高」、第2区間T2の頻度情報111が「中」、第3区間T3の頻度情報111が「低」であることを示している。ここで、本実施形態では、障害が発生する頻度が高い順に「高」「中」「低」の3段階で表している。また、障害は、通行人が横断歩道をわたる頻度や、急病人と認識される通行人が存在している場合などが含まれる。かかる頻度情報111は、運行制御装置20のCPU101が作成及び更新しているが、他の装置のCPUが作成及び更新してもよい。また、作業員が作成及び更新することを除外するものではない。
また、頻度情報111は、過去の統計データ又は過去の統計データから推定される情報であってもよいし、又、車両10に備えたカメラや、停留所Sや経路Rを撮影するインフラカメラを用いて取得したデータであってもよい。また、過去の統計データは、車両10に備えたカメラや、停留所Sや経路Rを撮影するインフラカメラを用いて取得したデータにより更新してもよい。
【0034】
また、例えば、物、人、動物、車、自転車などの運行障害物種別、高齢者、子供などの運行障害物詳細、横断歩道上、路上、側道、などの運行障害発生場所などの特徴点を用いて、頻度情報111を更新してもよい。具体的には、例えば、路駐自動車が運行障害物となっている場合は頻度情報111の段階を「低」から「中」へ更新したり、「中」から「高」へ変更したりしてもよい。また、高齢者や子供が運行障害物となっている場合は、頻度情報111の段階を「高」に変更してもよい。
【0035】
待機情報112は、図5に示すように、各停留所Sにおける時間帯毎の待ち人数に関する情報が記録されたデータである。
【0036】
待機情報112は、停留所待ち発生時間帯と、当該停留所待ち発生時間帯毎の停留所待ち人数とにより作成される。例えば、1時間で10人以上の待ち人数が発生する場合は待機情報112の段階に「高」、1時間で3~9人の待ち人数が発生する場合は待機情報112の段階に「中」、1時間で0~2人の待ち人数が発生する場合は待機情報112の段階に「低」が記録される。ここで、本実施形態では、待ち人数が多い順に「高」「中」「低」の3段階で表している。
【0037】
かかる待機情報112は、運行制御装置20のCPU101が作成及び更新しているが、他の装置のCPUが作成及び更新してもよい。また、作業員が作成及び更新することを除外するものではない。
【0038】
また、待機情報112は、車両10に備えたカメラや、停留所Sや経路Rを撮影するインフラカメラを用いて、更新してもよい。例えば、各停留所待ち時間、各停留所待ち人種別、各停留所乗降時間などの特徴点を用いて、待機情報112を更新してもよい。具体的には、ある停留所Sにおける待っている人の特徴が高齢者又は障碍者が70%以上で、乗降時間が全体平均の2倍以上になっている場合は、待機情報112の段階を「低」から「中」へ更新したり、「中」から「高」へ変更したりしてもよい。
【0039】
また、待機情報112とは、過去の統計データ又は過去の統計データから推定される情報であってもよいし、又、カメラなどで撮影した停留所Sの画像データから算出されるバス待ち人数などであってもよい。また、過去の統計データは、カメラなどで撮影した停留所Sの画像データから算出されるバス待ち人数により更新してもよい。
【0040】
乗車率情報113は、図6に示すように、各区間Tにおける時間帯毎の乗車率が記録されたデータである。
【0041】
乗車率情報113は、区間毎の乗車率により作成される。例えば、区間Tの乗車人数が10人以上の場合は乗車率情報113の段階に「高」、乗車人数が3~9人の場合は乗車率情報113の段階に「中」、乗車人数が0~2人の場合は乗車率情報113の段階に「低」が記録される。ここで、本実施形態では、乗車率が多い順に「高」「中」「低」の3段階で表している。
【0042】
かかる乗車率情報113は、運行制御装置20のCPU101が作成及び更新しているが、他の装置のCPUが作成及び更新してもよい。また、作業員が作成及び更新することを除外するものではない。
【0043】
また、乗車率情報113は、車両10に備えたカメラや、停留所Sや経路Rを撮影するインフラカメラを用いて、更新してもよい。例えば、乗客の年齢、性別、体格などの特徴点を用いて、乗車率情報113を更新してもよい。具体的には、ある区間Tにおける乗客の特徴が高齢者又は障碍者が70%以上になっている場合は、乗車率情報113の段階を「低」から「中」へ更新したり、「中」から「高」へ変更したりしてもよい。
【0044】
また、乗車率情報113とは、過去の統計データ又は過去の統計データから推定される情報であってもよいし、又、カメラなどで撮影した停留所Sの画像データから算出されるバス待ち人数や、バスの乗り降りにより計数した乗車人数から算出される乗車率などであってもよい。また、過去の統計データは、カメラなどで撮影した停留所Sの画像データから算出されるバス待ち人数や、バスの乗り降りにより計数した乗車人数から算出される乗車率により更新してもよい。
【0045】
また、上述した頻度情報111は、各区間Tの障害の障害発生の頻度に関する情報を統計した統計データに基づきモデリングしたモデルであってもよい。また、待機情報112は、停留所Sで待機する乗客の人数に関する情報を統計した統計データに基づきモデリングしたモデルであってもよい。また、乗車率情報113は、各区間Tの車両10の乗車率に関する情報を統計した統計データに基づきモデリングしたモデルであってもよい。ここで、モデリングは、既知の技術、例えば、実体関連図(ER図)などを用いて行われる。
【0046】
また、記憶部104には、運行計画データ114が記憶されている。本実施形態では、運行計画データ114には、車両10毎の時間間隔を決める時間間隔データ、走行速度を決める走行速度データ、停留所Sでの停止時間を決める停止時間データ及び走行ルートを決める走行ルートデータの少なくとも1つが含まれる。そして、運行計画データ114は、様々な条件に合致する複数の運行計画が記憶されている。
【0047】
なお、記憶部104に記憶される運行計画データ114、頻度情報111、待機情報112及び乗車率情報113などの情報は、暗号化されて記憶されるようにしてもよい。また、記憶部104における記憶は、処理をするための一時的な記憶を含む。また、これらの情報は、運行制御装置20の記憶部104に記憶される場合に限定されず、他の装置に記憶されてもよいし、又、車両10に記憶されてもよい。
【0048】
次に、図7を用いて運行制御装置20のCPU101で実行される運行計画データ出力処理について説明する。図7に示した運行計画データ出力処理は、運行管理システム100が稼働している間、運行制御装置20において所定の周期で繰り返し実行される処理である。
【0049】
ステップS100では、CPU101が、記憶部104に記憶している要素情報を取得する。要素情報を取得した場合は、次のステップS102に進む。一方、要素情報を取得しない場合は、再度ステップS100となり、要素情報を取得するまで待機する。
【0050】
ステップS102では、CPU101が、ステップS100で取得した要素情報に基づいて、車両10の運行計画を決定する。そして、次のステップS104に進む。
【0051】
ステップS104では、CPU101が、ステップS102で決定した車両10の運行計画を出力する。具体的には、通信部21を用いて、車両10に運行計画を送信する。ここで、運行計画を受信した車両10は、それまでの運行計画からステップS104で送信されてきた運行計画に変更して、車両10の運行を制御する。
【0052】
次に、図8を用いて、運行制御装置20が行う具体的な運行制御の一例について説明する。本例は、頻度情報111として、車両10の運行に影響を与える可能性のある要素が、横断歩道を渡る通行人である場合である。
【0053】
前提として、運行制御装置20により、図2に示すように、各車両10は経路R上の任意の地点を通過する時間間隔が略一定となるように運行されている。かかる時間間隔は、例えば、車両10が経路Rを一周するのに要する時間を、経路を走行している車両10の台数で除した時間に相当する。また、運行制御装置20は、各車両10の位置情報についても取得している。ここで、かかる時間間隔を守るために、次の停留所Sまでの距離と時間間隔とに基づいて算出する走行速度を通常速度という。
【0054】
まず、要素情報として、現在の時間帯の頻度情報111、待機情報112及び乗車率情報113を取得する。そして、頻度情報111が「高」となっている区間Tがある場合は、当該区間Tの待機情報112及び乗車率情報113を取得する。かかる処理は、図7のステップS100に相当する。
【0055】
そして、運行制御装置20は、以下のような条件の場合に予め定められた運行計画データ114から運行計画を決定し、出力する。かかる処理は、図7のステップS102及びステップS104に相当する。
【0056】
例えば、現在の時間帯である「8:00~9:00」の頻度情報111を取得する。そして、頻度情報111が「高」となっている区間、本例では、第1区間T1(の要素情報を取得する。具体的には、同時刻の第1区間)以外の区間Tの待機情報112及び乗車率情報113を取得する。
【0057】
第1区間T1以外の区間Tの停留所での待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「中」以上であり、又、第1区間T1以外の区間Tの乗車率情報113が予め定められた段階、例えば「中」以上である場合は、障害が発生する第1区間T1を通らない迂回ルート(図8中点線の走行ルートU1)を走行する車両10を追加する運行計画データ114を出力する。例えば、第1区間の横断歩道Yをわたる通行人P1が多く、車両10Aの走行が妨げられる場合であり、第2停留所で車両10を待っている乗客P2の数が多い場合は、第2停留所S2に追加の車両10Dを派遣する運行計画データ114を出力する。追加された車両10Dは、時間間隔のデータを後続の車両10Cから取得する。すなわち、追加の車両10Dは、車両10Aの代わりに時間間隔を守って走行することとなる。また、車両10Cも後続の車両10Bから時間間隔のデータを取得する。なお、時間間隔のデータは、運行制御装置20から取得してもよい。そして、追加した車両10Dは、第1区間T1での頻度情報111が「高」である間は走行を継続し、「高」ではなくなった場合に、走行を停止させる。
【0058】
一方、第1区間T1以外の区間の停留所Sでの待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「小」であり、第1区間T1以外の区間Tの乗車率情報113が予め定められた段階、例えば「小」である場合は、走行が妨げられる車両10Aの前を走る車両10Bが、時間間隔に対し早く進んでいることを条件に、当該車両10Bは、次の停留所S、例えば、第2停留所S2で乗客が現れる、又は、後続の車両10が接近するまで、時間間隔の範囲内で待機させる。乗客が現れた場合や、後続の車両10が接近した場合は通常速度で走行を再開させる。
【0059】
また、第1区間T1以外の区間Tの停留所Sでの待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「中」であり、第1区間T1以外の区間Tの乗車率情報113が予め定められた段階、例えば「小」である場合は、走行が妨げられる車両10Aの前を走る車両10Bの乗客が降車するまでの間は、車両10Aとの時間間隔を無視してそのまま通常速度で走行させる。また、停留所Sでは、停留所Sに停止していると予め定められた停止時間に、予め定められた時間、例えば、10秒など、を追加した時間、停止して出発を遅らせる。これにより後続の車両10との時間間隔を車両10Bの乗客に不満を与えない範囲で調整している。
【0060】
なお、走行が妨げられていた車両10Aは、障害が解消した後、時間間隔を守るため、車速を上げて走行させる。
【0061】
次に、図9を用いて、運行制御装置20が行う具体的な運行制御の他の一例について説明する。本例は、頻度情報111として、車両10の運行に影響を与える可能性のある要素が、急病人の存在である場合である。ここで、急病人の存在は、車両10に備えたカメラや、停留所Sや経路Rを撮影するインフラカメラで急病人を撮影した場合や、車両10に備えたスイッチ(図示せず)などが乗客などにより操作された場合などに認識される。
【0062】
まず、要素情報として、現在の時間帯の頻度情報111、待機情報112及び乗車率情報113を取得する。頻度情報111が「高」となっている区間Tがある場合は、当該時間帯の待機情報112及び乗車率情報113を取得する。ここで、頻度情報111の「高」は、「急病人が存在」と言い換えてもよい。かかる処理は、図7のステップS100に相当する。
【0063】
そして、運行制御装置20は、以下のような条件の場合に予め定められた運行計画データ114から運行計画を決定し、出力する。かかる処理は、図7のステップS102及びステップS104に相当する。
【0064】
急病人が乗車した車両10、例えば車両10Cは、他の車両10との時間間隔を無視して走行させる。また、急病人が乗車した車両10Cは、予め定められた経路Rに沿わず、救急車との引き継ぎ場所や病院まで最高速度で走行させる。ここで、最高速度は、時間間隔を守って走行する通常速度よりも速い速度であり、緊急自動車が走行する緊急走行、例えば80km/h、を上限とした速度である。また、図9は、予め定められた経路Rに沿わず、下側の第4停留所S4を走行する経路を経ずないルート(図9中×の矢印Q1の方向が予め定められた経路であるが、○の矢印Q2の方向に走行する)で走行させる。
【0065】
なお、急病人が乗車した車両10Cに乗っていた乗客については、急病人が乗車する際に降車して、後続の車両10Bに乗り換えて貰うことや、追加の車両10を手配して当該追加の車両10に乗り換えて貰うことなどが考えられる。
【0066】
また、急病人が乗車した車両10C以外の車両10A、10Bは、当該2台で時間間隔を再計算する。そして、時間間隔を守る車両10A、10Bは、次の停留所Sでの待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「小」である場合は、時間間隔に対し早く進んでいることを条件に、当該車両10は、次の停留所Sで乗客が現れる、又は、後続の車両10が接近するまで、時間間隔の範囲内で待機させる。乗客が現れた場合や、後続の車両10が接近した場合は通常速度で走行を再開させる。
【0067】
また、時間間隔を守る車両10A、10Bは、次の停留所Sでの待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「中」である場合は、乗客が降車するまでの間は、他の車両10との時間間隔を無視してそのまま通常速度で走行させる。また、停留所Sでは、停留所Sに停止していると予め定められた停止時間に、予め定められた時間、例えば、10秒など、を追加した時間、停止して出発を遅らせる。これにより後続の車両10との時間間隔を乗客に不満を与えない範囲で調整している。
【0068】
次に、図10を用いて、運行制御装置20が行う具体的な運行制御の他の一例について説明する。本例は、停留所Sの待ち人数が多く乗車率が高い区間Tと、停留所Sの待ち人数が少なく乗車率が低い区間Tとが混在している場合の例である。
【0069】
まず、要素情報として、現在の時間帯の待機情報112及び乗車率情報113を取得する。かかる処理は、図7のステップS100に相当する。
【0070】
そして、運行制御装置20は、以下のような条件の場合に予め定められた運行計画データ114から運行計画を決定し、出力する。かかる処理は、図7のステップS102及びステップS104に相当する。
【0071】
停留所Sの待機情報112が予め定められた高い段階、例えば「中」以上であり、当該待機情報112が予め定められた段階以上の停留所Sの経路Rにおける前後の区間Tの乗車率情報113が予め定められた高い段階、例えば「中」以上である情報と、停留所Sの待機情報112が予め定められた低い段階、例えば「低」であり、当該待機情報112が予め定められた段階の停留所Sの経路における前後の区間Tの乗車率情報113が予め定められた低い段階、例えば「低」である情報とが混在している場合は、停留所S毎の時間間隔を設定する。ここで設定される停留所S毎の時間間隔は、予め定められた時間間隔、例えば、待機情報112が予め定められた低い段階の停留所Sについては「60分」、予め定められた高い段階の停留所Sについては「15分」が設定される。そして、待機情報112が予め定められた低い段階の停留所Sを走行する車両10の割合を算出する。算出式は、例えば、待機情報112が高い段階の停留所Sについての時間間隔/低い段階の停留所Sの時間間隔である。上述の例では、15分/60分=0.25となり、車両10のうち4回に1回、低い段階の停留所Sを走行する。具体的には、第4停留所S4が待機情報112が低い段階の停留所Sの場合は、4回に3回は、第3停留所S3から第4停留所S4に向かわずに、図10に示す点線の経路の走行ルートU2を走行して、第1停留所S1に向かう運行計画が決定される。
【0072】
また、第3停留所S3から第4停留所S4を経ずに第1停留所S1に向かう車両10Cは、走行ルートを変更する際に他の車両10A、10Bとの時間間隔を再計算する。そして、次の停留所Sである第1停留所S1での待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「小」である場合は、時間間隔に対し早く進んでいることを条件に、当該車両10は、次の第1停留所S1で乗客が現れる、又は、後続の車両10が接近するまで、時間間隔の範囲内で待機させる。乗客が現れた場合や、後続の車両10が接近した場合は通常速度で走行を再開させる。また、第3停留所S3から第4停留所S4を経ずに第1停留所S1に向かう車両10Cは、次の停留所Sである第1停留所S1での待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「中」である場合は、乗客が降車するまでの間は、他の車両10A、10Bとの時間間隔を無視してそのまま通常速度で走行させる。また、第1停留所S1では、停留所Sに停止していると予め定められた停止時間に、予め定められた時間、例えば、10秒など、を追加した時間、停止して出発を遅らせる。これにより後続の車両10との時間間隔を乗客に不満を与えない範囲で調整している。
【0073】
次に、図11を用いて、運行制御装置20が行う具体的な運行制御の他の一例について説明する。本例は、停留所Sの待ち人数が多く乗車率が高い区間がある場合の例である。
【0074】
まず、現在の時間帯の待機情報112及び乗車率情報113を取得する。かかる処理は、図7のステップS100に相当する。
【0075】
そして、運行制御装置20は、以下のような条件の場合に予め定められた運行計画データ114から運行計画を決定し、出力する。かかる処理は、図7のステップS102及びステップS104に相当する。
【0076】
停留所S(例えば、第4停留所S4)の待機情報112が予め定められた高い段階、例えば「高」以上であり、当該待機情報112が予め定められた段階以上の停留所S(例えば、第4停留所S4)の次の区間T(例えば、第4区間T4)の乗車率情報113が予め定められた高い段階、例えば「高」以上である情報である場合は、待機情報112が高い停留所S(例えば、第4停留所S4)に到着する車両10(例えば、車両10C)については、他の車両10(例えば、車両10A、10B)との時間間隔を守らず、当該時間間隔を守るための速度よりも速い速度で次の停留所S(例えば、第1停留所S1)まで走行する。そして、次の停留所S(第1停留所S1)に到着した場合は、他の車両10(例えば、車両10A、10B)との時間間隔を再計算し、時間間隔を守る走行とする。そして、次の停留所S(例えば、第1停留所S1)での待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「小」である場合は、時間間隔に対し早く進んでいることを条件に、当該車両10(例えば、車両10C)は、次の停留所S(例えば、第1停留所S1)で乗客が現れる、又は、後続の車両10(例えば、車両10B)が接近するまで、時間間隔の範囲内で待機させる。乗客が現れた場合や、後続の車両10(車両10B)が接近した場合は通常速度で走行を再開させる。また、速い速度で次の停留所S(例えば、第1停留所S1)まで走行した車両10(例えば、車両10C)は、次の停留所S(例えば、第1停留所S1)での待機情報112の段階が予め定められた段階、例えば「中」である場合は、乗客が降車するまでの間は、他の車両10(例えば、車両10A、10B)との時間間隔を無視してそのまま通常速度で走行させる。また、停留所S(例えば、第1停留所S1)では、停留所S(例えば、第1停留所S1)に停止していると予め定められた停止時間に、予め定められた時間、例えば、10秒など、を追加した時間、停止して出発を遅らせる。これにより後続の車両10との時間間隔を乗客に不満を与えない範囲で調整している。
【0077】
このように構成することで、車両10に乗っている乗客にも、停留所Sで車両10を待っている乗客にも不満を与えることを防止して、車両運行のサービス性を向上させることができる。
【0078】
その他、上記実施の形態で説明した運行管理システム100の構成(図1参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0079】
例えば、運行制御装置20を備えず、複数の車両10のいずれかが運行制御装置20の機能を備えた運行管理システム100であってもよい。
【0080】
上記の実施形態では、記憶部104に運行管理プログラム110が記憶されている例について説明した。しかしながら、運行管理プログラム110の記憶先は記憶部104に限定されない。運行管理プログラム110は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。
【0081】
例えば運行管理プログラム110をCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びブルーレイディスクのような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、運行管理プログラム110を、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。記憶部104、CD-ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0082】
また、上記実施の形態で説明した運行管理プログラム110の処理の流れ(図7参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0083】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0084】
本開示の技術に関して、以下の付記を開示する。
<付記>
(付記1)
予め定められた経路(R)に沿って走行する複数の車両(10)の運行を制御する運行制御装置(20)であって、
前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶する記憶部(104)と、
前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定する決定部(22)と、
を備える運行制御装置。
【0085】
(付記2)
前記要素情報には、各区間(T)の障害の障害発生の頻度に関する頻度情報(111)、停留所(S)で待機する乗客の人数に関する待機情報(112)、及び各区間の前記車両の乗車率に関する乗車率情報(113)の少なくとも1つを含む付記1に記載の運行制御装置。
【0086】
(付記3)
前記要素情報は、前記頻度情報、前記待機情報、又は前記乗車率情報を統計した統計データに基づきモデリングしたモデルである付記2に記載の運行制御装置。
【0087】
(付記4)
前記決定部は、予め定められた運行計画データから前記運行計画を決定する付記1~3の何れか1つに記載の運行制御装置。
【0088】
(付記5)
前記運行計画データには、前記車両毎の時間間隔を決める時間間隔データ、走行速度を決める走行速度データ、停留所での停止時間を決める停止時間データ及び走行ルートを決める走行ルートデータの少なくとも1つを含む付記4に記載の運行制御装置。
【0089】
(付記6)
予め定められた経路に沿って走行する複数の車両の運行を制御する運行管理システム(100)であって、
前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶する記憶部と、
前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定する決定部と、
を備える運行管理システム。
【0090】
(付記7)
予め定められた経路に沿って走行する複数の車両の運行を制御するプログラムであって、
少なくとも1つのプロセッサ(101)に、
前記経路上に生じる車両の運行に影響を与える可能性のある要素の発生に関する要素情報を記憶させ、
前記要素情報に基づいて前記車両の運行計画を決定させる、
ことを含む処理を実行させるための運行管理プログラム(110)。
【符号の説明】
【0091】
10 車両、20 運行制御装置、22 決定部、104 記憶部、110 運行管理プログラム、111 頻度情報、112 待機情報、113 乗車率情報、114 運行計画データ、R 経路、T 区間、S 停留所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11