(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155165
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報提供システムおよび情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069624
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】小川 秀和
(72)【発明者】
【氏名】村田 浩二
(72)【発明者】
【氏名】下山田 直人
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA00
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】通信機器利用制限エリアにおいて、現在の状況や、現在の状況から予測される未来の状況によって、ユーザが適切な行動をとることを可能とする情報提供システムを提供する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、通信機器利用制限エリアの情報について、情報提供を行う情報提供装置を備える。さらに前記情報提供システムは、環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、ユーザに対して注意を喚起する注意喚起情報またはユーザに対して行動を喚起する行動喚起情報を生成する情報収集装置を備える。さらに前記情報提供システムは、前記情報収集装置から前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を受信し、前記情報提供装置が所定の情報提供手段で前記情報提供を行うための出力信号を生成する情報処理装置を備える。さらに前記情報提供装置は、前記通信機器利用制限エリアの情報について、前記出力信号に基づいて、前記情報提供を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機器利用制限エリア内または通信機器利用制限エリア外の情報について、情報提供を行う情報提供装置と、
環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、ユーザに対して注意を喚起する注意喚起情報またはユーザに対して行動を喚起する行動喚起情報を生成する情報収集装置と、
前記情報収集装置から前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を受信し、前記情報提供装置が所定の情報提供手段で前記情報提供を行うための出力信号を生成する情報処理装置とを備え、
前記情報提供装置は、前記通信機器利用制限エリア内または前記通信機器利用制限エリア外の情報について、前記出力信号に基づいて、前記情報提供を行う、
情報提供システム。
【請求項2】
前記情報提供装置は、前記通信機器利用制限エリアに設置され、
前記情報収集装置は、前記環境測定機器からネットワークを介して前記第1の測定データを受信し、
前記情報提供装置は、前記情報収集装置から前記ネットワークを介して前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を受信する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記環境測定機器は、前記通信機器利用制限エリア内または前記通信機器利用制限エリア外における前記第1の測定データを取得する、請求項1の情報提供システム。
【請求項4】
前記所定の情報提供手段は、映像、音声、振動または光である、請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記情報収集装置は、
第2の時刻において前記環境測定機器から受信した第2の測定データに基づいて、閾値を算出する算出部と、
前記第2の時刻よりも後の時刻である第1の時刻において前記環境測定機器から受信した前記第1の測定データと、前記閾値との比較に基づいて異常を判定する判定部と、
前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を生成する生成部とを含む、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記情報収集装置は、
第2の時刻において前記環境測定機器から受信した第2の測定データと、前記第2の時刻よりも後の時刻である第1の時刻において前記環境測定機器から受信した前記第1の測定データとに基づいて、将来の測定データを予測する予測部と、
前記将来の測定データの値に基づいて異常を判定する判定部と、
前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を生成する生成部とを含む、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記情報提供装置は、前記通信機器利用制限エリアとは別のエリアに設置され、
前記情報収集装置は、前記環境測定機器からネットワークを介して前記第1の測定データを受信し、
前記情報提供装置は、前記情報収集装置から前記ネットワークを介して前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を受信する、
請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記注意喚起情報または前記行動喚起情報は、前記測定データを送信した前記環境測定機器に関する位置情報を含む、請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記注意喚起情報または前記行動喚起情報は、前記所定の情報提供手段で再生させるための識別情報を含み、
前記情報処理装置は、前記識別情報に基づいて出力信号の生成の要否を判定する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項10】
情報収集装置が、環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、ユーザに対して注意を喚起する注意喚起情報またはユーザに対して行動を喚起する行動喚起情報を生成し、
情報処理装置が、前記情報収集装置から前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を受信し、情報提供装置が所定の情報提供手段で情報提供を行うための出力信号を生成し、
前記情報提供装置が、通信機器利用制限エリア内または通信機器利用制限エリア外の情報について、前記出力信号に基づいて、前記情報提供を行う、
ことを含む情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供システムおよび情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルサイネージシステムは、文字、画像、映像、音声、光または振動等によって、情報を必要としている人に対して、その場で、分かりやすくかつ効果的に情報を提供する情報提供設備である。
【0003】
一方、デジタルサイネージシステム以外にも携帯電話、スマートフォン又はPC(Personal Computer)等の情報提供設備があるが、工場内のクリーンルームやサーバ室等では、これらの通信機器が利用できない「通信機器利用制限エリア」が設けられている場合がある。このような通信機器利用制限エリアでは、情報を必要としている人に対して、適切な情報提供ができない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の実施形態は、通信機器利用制限エリアにおいて、エリア内もしくはエリア外の現在の状況や、現在の状況から予測される未来の状況によって、ユーザが適切な行動をとることを可能とする情報提供システムおよび情報提供方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、通信機器利用制限エリア内または通信機器利用制限エリア外の情報について、情報提供を行う情報提供装置を備える。さらに前記情報提供システムは、環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、ユーザに対して注意を喚起する注意喚起情報またはユーザに対して行動を喚起する行動喚起情報を生成する情報収集装置を備える。さらに前記情報提供システムは、前記情報収集装置から前記注意喚起情報または前記行動喚起情報を受信し、前記情報提供装置が所定の情報提供手段で前記情報提供を行うための出力信号を生成する情報処理装置を備える。さらに前記情報提供装置は、前記通信機器利用制限エリア内または前記通信機器利用制限エリア外の情報について、前記出力信号に基づいて、前記情報提供を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態における情報提供システムの全体構成図である。
【
図2】第1実施形態における情報収集装置の機能ブロック図である。
【
図3】第1実施形態における環境情報データベースの例である。
【
図4】第1実施形態における情報収集装置のフローチャートの例である。
【
図5】第1実施形態における情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図6】第1実施形態における情報処理装置のフローチャートの例である。
【
図7】第1実施形態における情報提供装置の提示例である。
【
図8】第2実施形態における情報収集装置の機能ブロック図である。
【
図9】第2実施形態における情報収集装置のフローチャートの例である。
【
図10】第2実施形態における情報提供装置の提示例である。
【
図11】第3実施形態における情報提供システム情報提供システムの全体構成図である。
【
図12】第3実施形態における情報提供装置の提示例である。
【
図13】第4実施形態における情報収集装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における情報提供システムの全体構成図である。
【0009】
情報提供システム1は、環境測定機器14によって測定される測定データに基づいて異常検知を行い、通信機器利用制限エリア15における情報提供装置11のユーザに対して、注意喚起を行う注意喚起情報や行動喚起を行う行動喚起情報を提供する。
【0010】
通信機器利用制限エリア15は、通信機器の利用が禁止され、または、通信機器の利用が不可能であるエリアを指す。例えば、工場のクリーンルーム等の異物の持ち込みを防止する観点から通信機器の利用が禁止されているエリア、サーバ室等の情報流出を防止する観点から通信機器の利用が禁止されているエリアまたは変電所建屋内等の他の設備への電波干渉を防止する観点から通信機器の利用が禁止されているエリアが該当する。また、通信機器利用制限エリア15には、地下等の通信機器の電波が届かず、通信機器の利用が不可能であるエリアが該当する。工事現場等の通信機器の音声が聞き取りにくいエリアも通信機器の利用が不可能であるエリアとして含めてもよい。
【0011】
また、本実施形態では、情報提供装置11、情報処理装置12は、通信機器利用制限エリア15に設置される。また、環境測定機器14は、通信機器利用制限エリア15内もしくは通信機器利用制限エリア15外に設置される。この例では、環境測定機器14は、通信機器利用制限エリア15に設置される例を取り上げて説明する。情報提供装置11のユーザは、環境測定機器14によって測定された現場の測定データに基づいて生成される注意喚起情報または行動喚起情報を情報提供装置11で確認する。また、本実施形態では、情報収集装置10は、クラウド上に存在し、ネットワーク16を介して測定データを受信し、これらのデータから注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。以下、各装置や機器について説明を行う。
【0012】
環境測定機器14は、例えばセンサであり、設置場所の環境情報を測定する。環境測定機器14が測定する環境情報は、例えば温度、湿度、照度、加速度、CO2濃度、圧力、映像微粒子濃度、位置、振動、画像または音であり、情報収集装置10が生成する注意喚起情報または行動喚起情報の内容によって、種々の環境測定機器14が設置される。環境測定機器14は、例えば、測定したアナログの環境情報の測定データをデジタルに変換し、情報中継装置13に伝送する。
【0013】
情報中継装置13は、例えばルータであり、環境測定機器14をネットワーク16に接続し、情報収集装置10に伝送するための通信方式の変換を行うゲートウェイとなる装置である。例えば、情報中継装置13から見て環境測定機器14側はLAN(Local Area Network)側であり、情報中継装置13情報収集装置10側はWAN(Wide Area Network)側である。例えば、情報中継装置13は、インターネット回線を通じて、環境情報をクラウド上の情報収集装置10に送信する。
【0014】
また、ネットワーク16は、光回線またはメタル回線等の有線回線の他、4G(4th Generation)回線、5G(5th Generation)回線、多重無線回線または衛星回線等の無線回線によって構築される。またネットワーク16は複数の回線によって冗長化されていてもよい。情報中継装置13には、これらネットワーク16の通信方式に適合するためのゲートウェイとなる装置が採用される。
【0015】
情報収集装置10は、環境測定機器14からの測定データの入力を受け付け、これらの情報を処理し、通信機器利用制限エリア15にいる情報提供装置11のユーザに対する注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。つまり、環境測定機器14が通信機器利用制限エリア15内に設置される場合、情報収集装置10は、通信機器利用制限エリア15内の情報について、注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。また、環境測定機器14が通信機器利用制限エリア15外に設置される場合、情報収集装置10は、通信機器利用制限エリア15外の情報について、注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。また、情報収集装置10は、各環境測定機器14が測定した環境情報に加え、環境測定機器14の位置情報及び測定された時刻情報を取得してもよい。また、情報収集装置10は、環境情報を瞬時値として処理する他、平均値や積算値を算出してもよい。また、情報収集装置10は、収集された環境情報を時間帯別、曜日別、日別、月別または年別等、測定時における特性を表す値(特性値)として分類し、処理してもよい。情報収集装置10の詳細は後述する。
【0016】
また、情報収集装置10は収集した各環境情報について、例えば、温度データ及び湿度データを組み合わせて快適指数を算出してもよく、照度データ及び加速度データを組み合わせて動作効率を算出してもよい。また、情報収集装置10は、CO2濃度及び圧力を組み合わせて人的密度を算出してもよく、画像及び音を組み合わせて人検知または距離検知を行ってもよい。
【0017】
また、情報収集装置10は、生成した注意喚起情報または行動喚起情報について、例えば、映像、振動、音声または光のうち、選択した情報提供手段によって情報提供装置11のユーザに知らせるため、それぞれの情報提供手段を識別情報によって管理する。例えば、情報収集装置10は、識別情報として、映像、振動、音声または光についてそれぞれ、「0」と「1」といった1ビットのフラグによって管理し、「1」のフラグが立っている情報提供手段によって情報提供を行う。これらの識別情報は、例えば、注意喚起情報または行動喚起情報のデータの中に識別ヘッダとして付与してもよく、また、別のデータとしてもよい。以下の説明では、識別情報は識別ヘッダに付与されている例を取り上げて説明する。
【0018】
情報処理装置(セットトップボックスとも呼ぶ)12は、情報提供手段ごとに設置される。例えば、情報提供装置11は、情報提供手段として映像、振動、音声及び光によって情報提供を行う場合、4つの情報処理装置12が設置される。映像及び音声等、複合的な情報を1台の情報提供装置11で提供する場合は、1台の情報処理装置12によって実現されてもよい。情報処理装置12は、情報収集装置10が生成した注意喚起情報または行動喚起情報を受信し、情報提供装置11が所定の情報提供手段で出力するための出力信号を生成する。例えば、情報提供装置11が映像により注意喚起情報または行動喚起情報を出力する場合、情報処理装置12は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)信号等の映像信号を生成し、出力する。また、情報提供装置11が音声によって、注意喚起情報または行動喚起情報を出力する場合、情報処理装置12は、デジタル音声信号を生成し、出力する。この例に限定されず、情報処理装置12は、その他、映像、振動、音声または光によって注意喚起情報または行動喚起情報を提供するたに必要なアナログまたはデジタル信号を出力信号として生成し、出力する。
【0019】
情報処理装置12と、情報提供装置11との間が無線によって接続される場合、情報処理装置12は、Wi-FiやBluetooth(登録商標)等の通信規格によって通信するための出力信号を生成し、出力してもよい。
【0020】
また、情報処理装置12は、情報収集装置10から受信した識別情報に基づいて、情報提供装置への出力信号を生成するか否かを判断する。例えば、映像用の情報処理装置であれば、情報収集装置10から受信した識別情報のビット列の中に、映像のフラグが「1」である場合、情報処理装置12は、出力信号を生成する。映像のフラグが「0」である場合には、情報処理装置12は、受信した注意喚起情報または行動喚起情報を破棄する。
【0021】
また、この図では、情報処理装置12と、情報提供装置11とは、1対1で接続されている例を示しているが、情報処理装置12と、情報提供装置11とは、1対N(Nは1以上の整数)で接続されていてもよい。情報処理装置12は、接続されるN個の情報提供装置11すべてに対して、出力信号を出力(以下、マルチキャストと呼ぶ)することができる。
【0022】
情報提供装置11は、情報処理装置12からの出力信号を受信し、受信した出力信号に基づいて、所定の情報提供手段により、注意喚起情報または行動喚起情報を出力する。情報提供装置11が映像として情報提供を行う場合、情報提供装置11は、例えばモニタとして実装され、文字、画像または映像といった方法により映像情報を提供する。また、情報提供装置11が振動として情報提供を行う場合、情報提供装置11は、例えばウェアラブル端末として実装され、ウェアラブル端末内のアプリケーションと連動して同端末内のアクチュエータが駆動し、振動情報を提供する。また、情報提供装置11が音声によって情報提供を行う場合、情報提供装置11は、例えばスピーカとして実装され、アラーム音によって音情報を提供する。また、情報提供装置11が光として情報提供を行う場合、情報提供装置11は、例えば照明、発光灯または床表示灯として実装され、これら設備のアプリケーションと連動して光情報を提供する。
【0023】
図2は、第1実施形態における情報収集装置の機能ブロック図である。
【0024】
情報収集装置10は、受信部20、記憶部21、判定部22、生成部23、出力部24及び算出部25を備える。また、情報収集装置10は、例えばPCに情報収集装置10用のプログラムをインストールすることで実現できる。情報収集装置10内のCPU(Central Processing Unit)が、情報収集装置10のプログラムを実行することにより、受信部20、記憶部21、判定部22、生成部23、出力部24及び算出部25の機能が実現される。記憶部21は、測定データ等を取得日時等と紐づけて記憶する領域である環境情報データベースを備え、例えば、HDD(Hard Disc Drive)上の補助記憶装置上に構築される。
【0025】
受信部20は、情報中継装置13を介して環境測定機器14から測定データを受信する。また、この例では、受信部20は、受信した測定データを測定日時、曜日及び測定した位置情報と紐づけて記憶部21内の環境情報データベースに格納する。以下、説明のため、第2の時刻における測定データを第2の測定データと呼び、第2の時刻よりも後の時刻である第1の時刻における測定データを第1の測定データと呼ぶ。第1の時刻に第1の測定データが取得され、次の時刻に再び第1の測定データが取得された場合、初めの第1のデータは、第2の時刻に取得された第2の測定データとして扱われる。
【0026】
算出部25は、記憶部21内の環境情報データベースに格納された第2の測定データに基づいて、注意喚起情報または行動喚起情報の提供の判断基準となる閾値を算出する。この閾値は、通信機器利用制限エリア15における測定目的によって種々の閾値が設定され得る。例えば、算出部25は、通信機器利用制限エリア15における生産設備の異常を検出する場合、例えば生産設備内のモータの温度や振動数を第2の測定データとして環境情報データベースに蓄積する。算出部25は、これらのプロットデータがとりうる範囲に基づいて、平常値から逸脱した値を閾値として算出することが考えられる。算出部25は、閾値の算出に当たり、プロットデータの最小値、最大値または平均値を用いてもよく、統計的な手法を用いてもよい。また、生産設備が稼働している時間帯や、曜日別に分類して閾値を算出する等、算出部25は、複数の閾値を算出してもよい。
【0027】
また、算出部25は、通信機器利用制限エリア15における測定目的に応じて、第2の測定データの平均値や積算値を算出してもよい。例えば、流量を測定する場合等は、流量計を用いて平均値や積算値を算出することが考えられる。
【0028】
算出部25は、例えば、情報提供システム1の試運転時等に、この閾値を算出することが考えられる。算出部25は、情報提供システム1の運転後に、改めて閾値を算出し直してもよい。また、算出部25は、算出した閾値を記憶部21に格納する。この閾値は、環境情報データベースに保存されてもよい。
【0029】
また、算出部25は、ユーザによってあらかじめ定められた算出式によって、これら閾値を算出してもよい。例えば、通信機器利用制限エリア15における作業条件の快適さを表す快適指数に関する閾値を算出する例を取り上げて説明すると、ユーザは温度及び湿度をパラメータとする快適指数の算出式をあらかじめ定めておき、算出部25が、温度及び湿度の第2の測定データを快適指数の算出式に代入し、得られた値のプロットデータから閾値を算出することが考えられる。
【0030】
判定部22は、取得した第1の測定データと、閾値とを比較して異常状態を判定する。判定部22は、環境情報データベースに最新のデータが格納された場合、都度、第1の測定データと閾値との比較を行う。例えば、環境情報データベースに格納される第1の測定データに通番を振り、判定部22が所定のタイミングごとに環境情報データベースにアクセスし、その番号を確認することで、環境情報データベースに最新のデータが格納されたか否かを知ることができる。
【0031】
生成部23は、判定部22により、第1の測定データが異常状態と判定された場合、注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。例えば、注意喚起情報を文字情報として生成する場合、生成部23は、第1の測定データに含まれる情報に基づいて、「いつ、どの場所で、どのような異常が発生した」といった情報を生成する。また、生成部23は、上述した識別情報を生成する。注意喚起情報または行動喚起情報をどの情報提供手段で伝達するかについて、情報収集装置10は、例えば、設定部の機能ブロックを設ける等により、ユーザからの設定変更の入力を受け付けてもよい。以下の例では、生成部23が生成した注意喚起情報または行動喚起情報について、映像、振動、音声または光の4つの情報提供手段によって情報提供を行う例を取り上げて説明する。つまり、識別情報における映像、振動、音声及び光のフラグがすべて「1」となっている状態を取り上げる。
【0032】
出力部24は、生成部23が生成した注意喚起情報または行動喚起情報を情報処理装置12に送信する。
【0033】
図3は、第1実施形態における環境情報データベースの例である。
【0034】
図3では、受信部20は、温度及び振動数を第1の測定データとして受信し、記憶部21の環境情報データベースに格納した例を示している。この例では、第1の測定データは、測定日時、曜日及び測定場所と紐づけて環境情報データベースに格納される。また、第1の測定データの通番も併せて紐づけて格納される。
【0035】
「測定日時」のデータは、秒までの値を格納してもよい。また、「測定場所」のデータは、例えば環境測定機器14の位置情報をGPS(Global Positioning System)情報として取得してもよく、環境測定機器14の設置場所を頻繁に移動しない場合は固定値としてもよい。
【0036】
図4は、第1実施形態における情報収集装置のフローチャートの例である。
【0037】
このフローチャートでは、算出部25による閾値の算出が完了し、記憶部21に格納されているものとして説明する。また、このフローチャートにおける閾値は、第1の測定データが閾値を超えた場合に、異常であると判断するための値である。ステップS1では、受信部20は、第1の測定データ、測定日時及び測定した位置情報を受信する。また、受信部20は、第1の測定データを受信した後、記憶部21の環境情報データベースに格納する。ステップS2では、判定部22は環境情報データベースにアクセスし、最新の第1の測定データがあるかを確認する。ステップS2で、最新の第1の測定データがない場合、情報収集装置10は処理を終了する。
【0038】
ステップS2で、最新の第1の測定データがある場合、ステップS3では、判定部22は、その第1の測定データの値と、閾値とを比較する。ステップS4では、判定部22は、第1の測定データの値が閾値を超えたかを判定する。ステップS4で、第1の測定データの値が閾値を超えていない場合、情報収集装置10は処理を終了する。
【0039】
ステップS4で、第1の測定データの値が閾値を超えている場合、ステップS5では、生成部23は、注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。また、生成部23は、識別情報を生成する。ステップS6では、出力部24は、識別情報を送信データの送信ヘッダに埋め込み、注意喚起情報または行動喚起情報を送信する。
【0040】
図5は、第1実施形態における情報処理装置の機能ブロック図である。
【0041】
本実施形態では、情報処理装置12は、情報収集装置10から出力された注意喚起情報を受信し、情報提供装置11が再生するための出力信号を出力する例を取り上げて説明する。
【0042】
情報処理装置12は、受信部20’、選択部26、記憶部21’、生成部23’及び出力部24’を備える。また、情報処理装置12は、例えばPCに情報処理装置12用のプログラムをインストールすることで実現できる。情報処理装置12内のCPUが、情報収集装置10のプログラムを実行することにより、受信部20’、選択部26、記憶部21’、生成部23’及び出力部24’の機能が実現される。記憶部21’は、例えば、HDD上の補助記憶装置上に構築される。
【0043】
受信部20’は、情報収集装置10から注意喚起情報または行動喚起情報を受信する。
【0044】
選択部26は、注意喚起情報または行動喚起情報の受信データの識別ヘッダから、この情報処理装置12に接続されている情報提供装置11で情報提供を行うか否かを選択する。具体的には、選択部26は、識別ヘッダのフラグが「1」である場合、情報提供装置11で情報提供を行うものとして、注意喚起情報または行動喚起情報の受信データを記憶部21’に格納する。識別ヘッダのフラグが「0」である場合、選択部26は、情報提供装置11で情報提供を行わないものとして、受信データを破棄する。記憶部21’に受信データを格納しておくことで、情報処理装置12は、繰り返し注意喚起情報または行動喚起情報を情報提供装置11に送信する場合や、後々のログ解析にこれら情報を用いることができる。
【0045】
生成部23’は、記憶部21’から注意喚起情報または行動喚起情報を読み出して、情報提供装置11に出力するための出力信号を生成する。出力信号は、映像として出力する場合のHDMI信号であったり、Wi-Fiで無線伝送する場合のパケットを生成する。
【0046】
出力部24’は、生成部23’が生成した出力信号を情報提供装置11に送信する。
【0047】
図6は、第1実施形態における情報処理装置のフローチャートの例である。
【0048】
ステップS21では、受信部20’は、情報収集装置10から注意喚起情報または行動喚起情報を受信する。ステップS22では、選択部26は、受信データの識別ヘッダを確認し、識別ヘッダのフラグが「1」であるか否かを確認する。
【0049】
ステップS22でフラグが「0」である場合、ステップS23では、選択部26は注意喚起情報または行動喚起情報を提示する必要がないため、受信データを破棄する。ステップS22でフラグが「1」である場合、ステップS24では、選択部26は注意喚起情報または行動喚起情報を記憶部21’に格納する。
【0050】
ステップS25では、生成部23’は、記憶部21’から注意喚起情報または行動喚起情報を読み出し、出力信号を生成する。ステップS26では、出力部24’は、出力信号を情報提供装置11に出力する。
【0051】
図7は、第1実施形態における情報提供装置の提示例である。
【0052】
図7は、通信機器利用制限エリア15の例として、工場のクリーンルームを表しており、クリーンルーム内の情報提供装置11によって設備の異常に関する注意喚起情報を提供する例を表している。
【0053】
この例では、クリーンルーム内の装置A~Cに設置された温度センサ、湿度センサ及び振動センサにて環境情報を測定し、情報提供システム1は、これら装置の異常について、注意喚起情報を情報提供装置11で提供している。この例では、情報提供装置11として、画像及び文字情報により情報提供を行う情報提供装置11aであるモニタと、振動情報により情報提供を行う情報提供装置11bであるウェアラブル端末を取り上げる。
【0054】
上述したように、情報収集装置10はこれらの環境情報を第1の測定データとして受信し、閾値との比較によって異常を判定する。この例では、情報収集装置は、装置Cの振動データが異常であると判定し、情報処理装置12に対して、注意喚起情報を送信する。また、映像用の情報処理装置12及び振動用の情報処理装置12はWi-Fiを介して接続される情報提供装置11a及び11bに注意喚起情報を送信する。これにより、情報提供装置11a及び11bは、ユーザに対してそれぞれの情報提供手段により、注意喚起情報を提供する。また、ユーザは、通信機器利用制限エリア15においても、設備の異常を知ることができ、故障対応等の適切な行動をとることができる。
【0055】
この図では、説明の簡単化のため、情報提供装置11a及び11bをそれぞれ1台ずつ示している。しかし、各情報処理装置12は、注意喚起情報の出力信号をマルチキャストし、該当するすべての情報提供装置11a及び11bに対して注意喚起情報を提供することができる。
【0056】
本実施形態によれば、通信機器利用制限エリア15において、情報提供システム1は、情報提供装置11を介して、ユーザに注意喚起情報または行動喚起情報を知らせることができ、また、ユーザはこれらの情報によって、適切な行動をとることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、情報提供システム1は、種々の環境情報を組み合わせて注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。これにより、情報提供システム1は、情報提供場所の状況に応じた必要な情報を提供することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、情報収集装置10は、第2の測定データに基づいて、異常状態を判定する閾値を算出する。これにより、情報提供システム1は、精度よく異常判定を行うことができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、情報提供システム1は、映像、振動、音声または光等、種々の情報提供手段により、ユーザに注意喚起情報または行動喚起情報を知らせることができる。これにより、各ユーザは、自分が使用する情報提供装置11の種類に応じた情報提供手段により、注意喚起情報または行動喚起情報を確認することができる。
【0060】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態における情報収集装置の機能ブロック図である。
【0061】
本実施形態では、情報収集装置10は、算出部25の代わりに、予測部27の機能ブロックを備える。また、情報提供システム1の全体構成図は、
図1と同様であるため説明を省略する。
【0062】
予測部27は、第1及び第2の測定データに基づいて、将来の測定データを予測し、将来の異常予測を行う。将来の測定データは、例えば、第2の測定データのプロットデータから予測される。予測部27は、第1の測定データと、第2の測定データとを比較し、第1の測定データが、過去に異常が発生した際のデータと同様の推移をした場合は、将来、異常が発生すると予測する。予測部27は、複数の第1の測定データと、複数の第2の測定データとを比較し、第1の測定データと、第2の測定データとの値が近似しているかどうかによって、将来の異常予測を行ってもよい。また、予測部27は、第1の測定データの変化量と、第2の測定データの変化量とを比較して将来の異常予測を行ってもよい。
【0063】
図9は、第2実施形態における情報収集装置のフローチャートの例である。
【0064】
ステップS31では、受信部20は、第1の測定データ、測定日時及び測定した位置情報を受信する。また、受信部20は、第1の測定データを受信した後、記憶部21の環境情報データベースに格納する。ステップS32では、判定部22は環境情報データベースにアクセスし、最新の第1の測定データがあるかを確認する。ステップS32で、最新の第1の測定データがない場合、情報収集装置10は処理を終了する。
【0065】
ステップS32で、最新の第1の測定データがある場合、ステップS33では、予測部27は、将来の測定データを予測する。ステップS34では、判定部22は、将来の測定データの値が異常かどうかを判定する。この判定にあたり、判定部22は、将来の測定データの値と、閾値とを比較して異常を判定してもよい。異常の判定にあたり、閾値を用いる場合、閾値は、第1の実施形態と同様な方法により算出される。ステップS34で、第1の測定データの値が閾値を超えていない場合、情報収集装置10は処理を終了する。
【0066】
ステップS34で、第1の測定データの値が閾値を超えている場合、ステップS35では、生成部23は、注意喚起情報または行動喚起情報を生成する。また、生成部23は、識別情報を生成する。ステップS36では、出力部24は、識別情報を送信データの送信ヘッダに埋め込み、注意喚起情報または行動喚起情報を送信する。
【0067】
図10は、第2実施形態における情報提供装置の提示例である。
【0068】
図10は、通信機器利用制限エリア15である工事現場において、情報提供装置11により注意喚起情報を提供している例を示している。
【0069】
この例では、情報提供システム1は、温度センサ及び湿度センサを用いて現場の環境情報を測定し、現場環境の現在の異常及び将来の異常について、注意喚起情報として情報提供装置11により提供している。この例では、情報提供装置11は、画像及び文字情報により情報提供を行うモニタを例に取り上げる。また、将来の異常として、暑さ指数が警戒クラスになる例を取り上げる。
【0070】
この例では、情報収集装置10は、現在の温度センサ及び湿度センサの測定結果から、将来の気温、湿度、及び暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)を予測する例を示している。また、この例では、情報提供装置11は、雨量センサ、PM2.5センサ及び風向風速センサによって一時間雨量、PM2.5濃度、風速及び風向を測定し、提示している。情報収集装置10は、これらの測定データとしての注意喚起情報の他、熱中症警戒等の文字による注意喚起情報を提示している。
【0071】
上述の通り、第1及び第2の測定データに基づいて、情報収集装置10は、将来の気温、湿度、及び暑さ指数の予測を行う。この例では、第1の測定データによって測定された気温及び湿度はそれぞれ、26.5℃及び89.0%であり、暑さ指数が注意クラスであることを示している。また、情報収集装置10は、第1及び第2の測定データによって、その日中の気温及び湿度がそれぞれ、36℃及び90%まで上昇し、暑さ指数は警戒クラスまで上昇すると予測し、この予報を注意喚起情報として提供している。
【0072】
また、情報収集装置10は、これら予報に対応する屋外環境情報として、「現場では、熱中症にご注意ください」という注意喚起情報の文字情報を併せて提供している。この文字情報は、例えば、情報収集装置10内の記憶部21にいくつかの出力パターンを格納し、暑さ指数のクラスに応じて対応付けを行って出力することが考えられる。ユーザは、情報提供装置11によって、通信機器利用制限エリア15で発生する将来の異常を把握し、異常となる前に通信機器利用制限エリア15から退出する等の適切な行動をとることができる。
【0073】
本実施形態によれば、情報提供システム1は、第1及び第2の測定データに基づいて、異常予測を行うことができ、この異常予測結果に基づいて注意喚起情報または行動喚起情報をユーザに対して提供する。また、ユーザはこれらの情報によって、将来の異常を把握することができ、適切な行動をとることができる。
【0074】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態における情報提供システム情報提供システムの全体構成図である。
【0075】
機能ブロック図は、
図2及び
図5と同様であるため、説明を省略する。本実施形態では、環境測定機器14は、通信機器利用制限エリア15に設置される。また、情報提供装置11及び情報処理装置12は、別のエリア17に設置される。別のエリア17とは、通信機器利用制限エリア15とは、物理的に区切られた領域であってもよく、通信機器利用制限エリア15とは物理的に区切られていなくても、目的が異なる領域であればよい。本実施形態では、通信機器利用制限エリア15として、例えば、クリーンルームの室内を示しており、また、別のエリア17の例として、クリーンルームの室外を示している。
【0076】
このように、環境測定機器14と、情報提供装置11とが異なるエリアに設置される場合であっても、情報提供システム1は、クラウド上に存在する情報収集装置10によって注意喚起情報または行動喚起情報を生成することができる。これにより、ユーザは、遠隔で通信機器利用制限エリア15における注意喚起情報または行動喚起情報を確認することができる。
【0077】
図12は、第3実施形態における情報提供装置の提示例である。
【0078】
図12は、本実施形態では、通信機器利用制限エリア15として、クリーンルームの室内を表しており、別のエリア17として、クリーンルームの室外を表している。この例では、情報収集装置10は通信機器利用制限エリア15に設置された温度センサ、湿度センサ及び振動センサから、注意喚起情報を生成し、別のエリア17の情報提供装置11であるモニタに情報提供する例を表している。この例では、情報提供装置11は、設備に関する異常内容及びユーザに対する指示事項を注意喚起情報として示している。また、異常内容は、各設備の位置情報とともに表されるため、ユーザは、別のエリア17から、通信機器利用制限エリア15のどこで設備の異常が発生しているかを確認することができる。また、ユーザは、注意喚起情報を確認し後、通信機器利用制限エリア15に入室し、故障対応等の適切な行動をとることができる。
【0079】
本実施形態によれば、情報提供システム1は、通信機器利用制限エリア15に設置される環境測定機器14の第1の測定データに基づいて、注意喚起情報または行動喚起情報を生成し、別のエリア17にある情報提供装置11に対して情報提供することができる。また、ユーザは、環境測定機器14が設置されている通信機器利用制限エリア15とは別のエリア17から異常を把握することができ、適切な行動をとることができる。
【0080】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態における情報収集装置のハードウェア構成図である。
【0081】
図13の情報収集装置10は、CPU等のプロセッサ52と、RAM等の主記憶装置53と、HDD等の補助記憶装置54と、LAN(Local Area Network)ボード等のネットワークインタフェース55と、メモリスロットやメモリポート等のデバイスインタフェース56と、これらの機器を互いに接続するバス57とを備えている。情報収集装置10は例えば、PC等のコンピュータであり、キーボードやマウス等の入力装置や、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ等の出力装置を備えている。
【0082】
本実施形態においては、第1~第3実施形態のうち、いずれかにおける情報収集装置10の情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが、補助記憶装置54内にインストールされている。情報収集装置10は、このプログラムを主記憶装置53に展開して、プロセッサ52により実行する。これにより、
図2または8に示す各ブロックの機能を情報収集装置10内で実現し、第1~第3実施形態で説明した情報提供が可能となる。
【0083】
このプログラムは例えば、このプログラムを記録した外部装置58をデバイスインタフェース56に装着し、このプログラムを外部装置58から補助記憶装置54に格納することでインストール可能である。外部装置58の例は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体や、このような記録媒体を内蔵する記録装置である。記録媒体の例はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、CD-R(Compact Disk Recordable)、フレキシブルディスク、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、DVD-R (Digital Versatile Disk Recordable)であり、記録装置の例はHDDである。また、このプログラムは、例えば、ネットワークインタフェース55を介してダウンロードすることでインストール可能である。なお、情報処理装置12におけるハードウェア構成も同様である。
【0084】
本実施形態によれば、第1~第3実施形態のうち、いずれかにおける情報収集装置10の機能をソフトウェアにより実現することが可能となる。
【0085】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な情報収集装置10は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した情報収集装置10の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0086】
1:情報提供システム、10:情報収集装置、11:情報提供装置、
12:情報処理装置、13:情報中継装置、14:環境測定機器、
15:通信機器利用制限エリア、16:ネットワーク、17:別のエリア、
20:受信部、20’:受信部、21:記憶部、21’:記憶部、
22:判定部、23:生成部、23’:生成部、24:出力部、
24’:出力部、25:算出部、26:選択部、27:予測部、
52:プロセッサ、53:主記憶装置、54:補助記憶装置、
55:ネットワークインタフェース、56:デバイスインタフェース、
57:バス、58:外部装置
【手続補正書】
【提出日】2024-09-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の周波数帯の無線通信機器が利用禁止または利用不可とされる特定の通信機器利用制限エリア内固有の環境情報に基づいて、前記通信機器利用制限エリア内の第1のユーザに対して、情報提供を行う情報提供装置と、
前記通信機器利用制限エリア内に配置され、前記通信機器利用制限エリア内の温度、湿度、照度、加速度、CO2濃度、圧力、映像、微粒子濃度、位置、振動、画像、音の内の少なくとも一つの前記固有の環境情報を測定する環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、前記通信機器利用制限エリア内における異常状態を判定および将来発生し得る異常予測のうち少なくとも一方を行い、前記第1のユーザに対して注意を喚起する注意喚起情報および行動を喚起する行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成する情報収集装置と、
前記情報収集装置から前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信し、前記情報提供装置が前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方に応じて、所定の情報提供手段で前記情報提供を行うための出力信号を生成する情報処理装置を備え、
前記情報提供装置は、前記情報処理装置からの前記出力信号に基づいて、所定の前記情報提供手段で前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方の提供を自動で行う、
情報提供システム。
【請求項2】
特定の周波数帯の無線通信機器が利用禁止または利用不可とされる特定の通信機器利用制限エリア内固有の環境情報に基づいて、前記通信機器利用制限エリアの外側である通信機器利用制限エリア外の第2のユーザに対して、情報提供を行う情報提供装置と、
前記通信機器利用制限エリア内に配置され、前記通信機器利用制限エリア内の温度、湿度、照度、加速度、CO2濃度、圧力、映像、微粒子濃度、位置、振動、画像、音の内の少なくとも一つの前記固有の環境情報を測定する環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、前記通信機器利用制限エリア内における異常状態を判定および将来発生し得る異常予測のうち少なくとも一方を行い、前記第2のユーザに対して注意を喚起する注意喚起情報および行動を喚起する行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成する情報収集装置と、
前記情報収集装置から前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信し、前記情報提供装置が前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方に応じて、所定の情報提供手段で前記情報提供を行うための出力信号を生成する情報処理装置を備え、
前記情報提供装置は、前記情報処理装置からの前記出力信号に基づいて、所定の前記情報提供手段で前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方の提供を自動で行う、
情報提供システム。
【請求項3】
特定の周波数帯の無線通信機器が利用禁止または利用不可とされる特定の通信機器利用制限エリアの外側である通信機器利用制限エリア外固有の環境情報に基づいて前記通信機器利用制限エリア内の第1のユーザに対して、情報提供を行う情報提供装置と、
前記通信機器利用制限エリア外に配置され、前記通信機器利用制限エリア内の温度、湿度、照度、加速度、CO2濃度、圧力、映像、微粒子濃度、位置、振動、画像、音の内の少なくとも一つの前記固有の環境情報を測定する環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、前記通信機器利用制限エリア外における異常状態を判定および将来発生し得る異常予測のうち少なくとも一方を行い、前記第1のユーザに対して注意を喚起する注意喚起情報および行動を喚起する行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成する情報収集装置と、
前記情報収集装置から前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信し、前記情報提供装置が前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方に応じて、所定の情報提供手段で前記情報提供を行うための出力信号を生成する情報処理装置を備え、
前記情報提供装置は、前記情報処理装置からの出力信号に基づいて、所定の前記情報提供手段で前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方の提供を自動で行う、
情報提供システム。
【請求項4】
前記情報提供装置は、前記通信機器利用制限エリア内に設置され、
前記情報収集装置は、前記環境測定機器からネットワークを介して前記第1の測定データを受信し、
前記情報提供装置は、前記情報収集装置から前記ネットワークを介して前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信する、
請求項1または3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記所定の情報提供手段は、映像、音声、振動または光である、請求項1~3のうちいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記情報収集装置は、
第2の時刻において前記環境測定機器から受信した第2の測定データに基づいて、閾値を算出する算出部と、
前記第2の時刻よりも後の時刻である第1の時刻において前記環境測定機器から受信した前記第1の測定データと、前記閾値との比較に基づいて異常を判定する判定部と、
前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成する生成部を含む、
請求項1~3のうちいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記情報収集装置は、
第2の時刻において前記環境測定機器から受信した第2の測定データと、前記第2の時刻よりも後の時刻である第1の時刻において前記環境測定機器から受信した前記第1の測定データに基づいて、将来の測定データを予測する予測部と、
前記将来の測定データの値に基づいて異常を判定する判定部と、
前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成する生成部を含む、
請求項1~3のうちいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記情報提供装置は、前記通信機器利用制限エリア外のエリアに設置され、
前記情報収集装置は、前記環境測定機器からネットワークを介して前記第1の測定データを受信し、
前記情報提供装置は、前記情報収集装置から前記ネットワークを介して前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信する、
請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方は、前記第1の測定データを送信した前記環境測定機器に関する位置情報を含む、請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方は、前記所定の情報提供手段で再生させるための識別情報を含み、
前記情報処理装置は、前記識別情報に基づいて出力信号の生成の要否を判定する、
請求項1~3のうちいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項11】
情報収集装置が、特定の周波数帯の無線通信機器が利用禁止または利用不可とされる特定の通信機器利用制限エリア内固有の温度、湿度、照度、加速度、CO2濃度、圧力、映像、微粒子濃度、位置、振動、画像、音の内の少なくとも一つの環境情報を測定する環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、前記通信機器利用制限エリア内の第1のユーザに対して、注意を喚起する注意喚起情報および前記第1のユーザに対して、行動を喚起する行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成し、
情報処理装置が、前記情報収集装置から前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信し、前記通信機器利用制限エリア内に設置された情報提供装置が前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方に応じて所定の情報提供手段で情報提供を行うための出力信号を生成し、
前記情報提供装置が、通信機器利用制限エリア内の情報について、前記出力信号に基づいて、自動で前記情報提供を行う、
ことを含む情報提供方法。
【請求項12】
情報収集装置が、特定の周波数帯の無線通信機器が利用禁止または利用不可とされる特定の通信機器利用制限エリア内固有の温度、湿度、照度、加速度、CO2濃度、圧力、映像、微粒子濃度、位置、振動、画像、音の内の少なくとも一つの環境情報を測定する環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、前記通信機器利用制限エリアの外側である通信機器利用制限エリア外の第2のユーザに対して、注意を喚起する注意喚起情報および前記第2のユーザに対して、行動を喚起する行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成し、
情報処理装置が、前記情報収集装置から前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信し、前記通信機器利用制限エリア外に設置された情報提供装置が前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方に応じて所定の情報提供手段で情報提供を行うための出力信号を生成し、
前記情報提供装置が、通信機器利用制限エリア内の情報について、前記出力信号に基づいて、自動で前記情報提供を行う、
ことを含む情報提供方法。
【請求項13】
情報収集装置が、特定の周波数帯の無線通信機器が利用禁止または利用不可とされる特定の通信機器利用制限エリア外固有の温度、湿度、照度、加速度、CO2濃度、圧力、映像、微粒子濃度、位置、振動、画像、音の内の少なくとも一つの環境情報を測定する環境測定機器から受信した第1の測定データに基づいて、前記通信機器利用制限エリア内の第1のユーザに対して、注意を喚起する注意喚起情報および前記第1のユーザに対して、行動を喚起する行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を生成し、
情報処理装置が、前記情報収集装置から前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方を受信し、前記通信機器利用制限エリア内に設置された情報提供装置が前記注意喚起情報および前記行動喚起情報のうち少なくともいずれか一方に応じて所定の情報提供手段で情報提供を行うための出力信号を生成し、
前記情報提供装置が、前記通信機器利用制限エリア外の情報について、前記出力信号に基づいて、自動で前記情報提供を行う、
ことを含む情報提供方法。
【請求項14】
前記情報収集装置が、
受信した前記環境情報の内、第1の時刻における温度、湿度および位置情報から前記通信機器利用制限エリア内の暑さ指数を算出して、前記第1の時刻における異常の有無を判定し、
前記第1の時刻における前記暑さ指数の算出値と、前記第1の時刻よりも前の第2の時刻において前記環境測定機器から受信した第2の測定データを用いた前記暑さ指数の算出値との比較によって、将来の異常予測を行ない、異常に至る可能性の有無を判定し、
前記情報提供装置が、
前記判定の結果を画像、音または振動により前記第1のユーザに伝達し注意喚起し、文字により行動喚起を行なうことを含む、
請求項11に記載の情報提供方法。
【請求項15】
前記情報処理装置が、
受信した前記環境情報の内、第1の時刻におけるCO2濃度または画像情報から人物の有無を検知して異常の有無を判定し、
前記第1の時刻よりも前の第2の時刻において前記環境測定機器から受信した第2の測定データによる測定値に基づいて、人的密度の算出を行ない、
前記情報提供装置が、
前記算出の結果を画像、音または振動により前記第1のユーザに伝達し注意喚起し、文字により行動喚起を行なうことを含む、
請求項11に記載の情報提供方法。