(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155184
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】医療用針の引抜具
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20241024BHJP
A61B 17/06 20060101ALI20241024BHJP
A61B 17/34 20060101ALI20241024BHJP
A61M 27/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61M25/00 530
A61B17/06
A61B17/34
A61M27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069648
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】中村 拓真
(72)【発明者】
【氏名】中井 翔太
(72)【発明者】
【氏名】磯野 幸紀
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160FF42
4C160MM32
4C267AA39
4C267BB02
4C267CC06
(57)【要約】
【課題】操作が容易な引抜具を実現できるようにする。
【解決手段】医療用針の引抜具は、係合部形成部172と、針先収容部形成部171とを備えている。係合部形成部172は、穿刺部201が貫通することにより、穿刺部の通り抜けを阻害するバリ175が発生する。針先収容部形成部171は、係合部形成部172を貫通した穿刺部201が収容される針先収容部を形成する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、前記穿刺部の基端側に設けられ前記穿刺部の基端部よりも縮径された細径部とを有する医療用針の引抜具であって、
前記穿刺部が貫通することにより、前記穿刺部の通り抜けを阻害するバリが発生する、係合部形成部と、
前記係合部形成部を貫通した前記穿刺部が収容される針先収容部を形成する針先収容部形成部とを備えている、医療用針の引抜具。
【請求項2】
前記針先収容部形成部は、ブロック状の成形体であり、
前記係合部形成部は、前記穿刺部の穿刺方向と交差するように前記針先収容部形成部に設けられた係合部形成板である、請求項1に記載の医療用針の引抜具。
【請求項3】
前記医療用針は、前記穿刺部と前記細径部との間に段部を有している、請求項1又は2に記載の医療用針の引抜具。
【請求項4】
先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、前記穿刺部の基端側に設けられ前記穿刺部の基端部よりも縮径された細径部と、前記穿刺部と前記細径部との間に設けられた医療用針側テーパ部とを有する医療用針の引抜具であって、
前記穿刺部を収容する引抜具本体と、
前記医療用針側テーパ部に係合する係合部とを備えている、医療用針の引抜具。
【請求項5】
前記係合部は、前記医療用針側テーパ部に対応する引抜具側テーパ部である、請求項4に記載の医療用針の引抜具。
【請求項6】
蝶番により前記引抜具本体と接続され、前記引抜具本体と重ね合わせることができる蓋部を有する、請求項4又は5に記載の医療用針の引抜具。
【請求項7】
前記引抜具本体は、前記穿刺部を挿入する開口部を基端に有する外筒部を有し、
前記係合部は、前記外筒部内に互いに対向して配置され且つ先端側の第1の位置から基端側の第2の位置へ移動可能な少なくとも2つの固定用凸片とを有し、
少なくとも2つの前記固定用凸片は、前記第1の位置において、前記穿刺部が通過可能な間隔で配置され、前記第2の位置において、前記穿刺部が通過不能な間隔で配置され、且つ前記第2の位置に固定可能である、請求項4に記載の医療用針の引抜具。
【請求項8】
前記引抜具本体は、先端部に手指を挿入可能なリング状部材を有する、請求項7に記載の医療用針の引抜具。
【請求項9】
先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、前記穿刺部の基端側に設けられ前記穿刺部の基端部よりも縮径された細径部とを有する医療用針の引抜具であって、
前記穿刺部を収容可能で且つ側面にスリットを有する筒状の引抜具本体を備え、
前記スリットは、前記穿刺部は通過不能で且つ前記細径部は通過可能である第1の部分及び第2の部分と、最小幅が前記細径部の直径よりも小さく且つ弾性変形して前記細径部が通過可能である狭小部とを有している、医療用針の引抜具。
【請求項10】
前記第1の部分は、前記引抜具本体の軸に沿った方向に設けられ、
前記狭小部は、前記引抜具本体の軸と交差する方向に設けられている、請求項9に記載の医療用針の引抜具。
【請求項11】
医療用針の引抜具であって、
穿刺部を収容する筒状で且つ可撓性の内筒部と、
前記内筒部を収容する硬質の外筒部とを備え、
前記穿刺部と前記内筒部及び前記内筒部と前記外筒部とを摩擦力結合させる、医療用針の引抜具。
【請求項12】
前記内筒部は、基端部にフレア状に拡径されたフレア状部を有する、請求項11に記載の医療用針の引抜具。
【請求項13】
先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、前記穿刺部に設けられた医療用針側係合孔とを有する医療用針の引抜具であって、
前記穿刺部を収容する引抜具本体と、
前記医療用針側係合孔と係合する引抜具側係合突起と、
前記医療用針側係合孔と前記引抜具側係合突起との係合が解除されないようにするロック機構とを備えている医療用針の引抜具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用針の引抜具に関し、特に吸引・排液用のカテーテルを留置するために用いられる医療用針の引抜具に関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術の後に、創傷部に吸引・排液用のカテーテルを留置し、体内の分泌液を排出させる場合がある。吸引・排液用のカテーテルを留置する際には、カテーテルの先端部に取り付けた医療用針を、留置部位において体内から体外へ貫通させて引き抜くことにより、カテーテルを体外へ引き出す。
【0003】
医療用針を引き抜く際に、手で直接医療用針を持ったり、鉗子で医療用針を挟んだりすることが行われている。しかし、医療用針を引き抜く際に手や鉗子が滑り易いという問題がある。また、鋭利な医療用針の先端部において怪我をするおそれもある。このため、医療用針の先端部に係合用の段部を設け、専用の引抜具を段部に係合させて固定し、引抜具を把持して医療用針を引き抜く方法が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、医療用針の表面に係合用段部を設けているため、排液チューブを体内に配置する際、医療用針の段部により手術後の創傷部を傷つけてしまうおそれがある。また、係合用段部が存在することにより医療用針の強度が低下するおそれがある。
【0006】
本開示の課題は、人体にとってより安全で且つ操作が容易な引抜具を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の引抜具の第1の態様は、先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、穿刺部の基端側に設けられ穿刺部の基端部よりも縮径された細径部とを有する医療用針の引抜具であって、穿刺部が貫通することにより、穿刺部の通り抜けを阻害するバリが発生する 、係合部形成部と、係合部形成部を貫通した穿刺部が収容される針先収容部を形成する針先収容部形成部とを備えている。
【0008】
引抜具の第1の態様によれば、穿刺部を穿刺する操作だけで医療用針の引抜が可能な状態となるため、引抜操作を容易にすることができる。また、引抜具の構成が非常に単純であり製造が容易である。
【0009】
引抜具の第1の態様において、針先収容部形成部は、ブロック状の成形体であり、係合部形成部は、前記穿刺部の穿刺方向と交差するように針先収容部形成部に設けられた係合部形成板とすることができる。係合部形成板をブロック状の成形体であり針先収容部に設けることにより、医療用針と引抜具とをさらに確実に係合させることができ、操作性が向上する。また、製造が容易となりコストも抑えることができる。
【0010】
引抜具の第1の態様において、医療用針は、穿刺部と細径部との間に段部を有していてもよい。このような構成とすることにより、医療用針と引抜具とをさらに確実に係合させることができ、操作性が向上する。
【0011】
本開示の引抜具の第2の態様は、先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、穿刺部の基端側に設けられ穿刺部の基端部よりも縮径された細径部と、穿刺部と細径部との間に設けられた医療用針側テーパ部とを有する医療用針の引抜具であって、穿刺部を収容する引抜具本体と、医療用針側テーパ部に係合する係合部を備えている。
【0012】
引抜具の第2の態様によれば、テーパ部と係合する係合部を有しており、係合面を大きくすることができるため、安定して引き抜くことが可能となる。
【0013】
引抜具の第2の態様において、係合部は、医療用針側テーパ部に対応する引抜具側テーパ部とすることができる。このような構成とすることにより、テーパ面同士が当接して係合するため、係合をさらに安定させることができる。
【0014】
引抜具の第2の態様において、引抜具本体は、蝶番により引抜具本体と接続され、引抜具本体と重ね合わせることができる蓋部とを有していてもよい。このような構成とすることにより、穿刺部を確実に収容することができ、操作性が向上する。
【0015】
引抜具の第2の態様において、引抜具本体は、穿刺部を挿入する開口部を基端に有する外筒部を有し、係合部は、外筒部内に互いに対向して配置され且つ先端側の第1の位置から基端側の第2の位置へ移動可能な少なくとも2つの固定用凸片を有し、少なくとも2つの固定用凸片は、第1の位置において、穿刺部が通過可能な間隔で配置され、第2の位置において、穿刺部が通過不能な間隔で配置され、且つ第2の位置に固定可能とすることができる。
【0016】
このような構成とすることにより、医療用針の軸に沿った方向の操作により引抜が可能な状態となるため、引抜操作を容易にすることができる。
【0017】
引抜具の第2の態様において、引抜具本体は、先端部に手指を挿入可能なリング状部材を有していてもよい。このような構成とすることにより操作性をさらに向上させることができる。
【0018】
本開示の引抜具の第3の態様は、先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、穿刺部の基端側に設けられ穿刺部の基端部よりも縮径された細径部とを有する医療用針の引抜具であって、穿刺部を収容可能で且つ側面にスリットを有する筒状の引抜具本体を備え、スリットは、基端から先端側に延び、穿刺部は通過不能で且つ細径部は通過可能である第1の部分及び第2の部分と、最小幅が細径部の直径よりも小さく且つ弾性変形して細径部が通過可能である狭小部とを有している。
【0019】
引抜具の第3の態様によれば、細径部をスリットに押し込むだけで引抜が可能な状態となるため、引抜操作を容易にすることができる。また、引抜具の構成が非常に単純であり製造が容易である。
【0020】
引抜具の第3の態様において、第1の部分は、引抜具本体の軸に沿った方向に設けられ、狭小部は、引抜具本体の軸と交差する方向に設けられていてもよい。このような構成とすることにより、スリットから医療用針を脱落しにくくすることができる。
【0021】
本開示の引抜具の第4の態様は、医療用針の引抜具であって、穿刺部を収容する筒状で且つ可撓性の内筒部と、内筒部を収容する硬質の外筒部とを備え、穿刺部と内筒部及び内筒部と外筒部とを摩擦力結合させる。
【0022】
このような構成とすることにより、簡単な構造で穿刺針と係合させて引き抜くことが可能となる。
【0023】
この場合において、内筒部は、基端部にフレア状に拡径されたフレア状部を有していてもよい。このような構成とすることにより穿刺部の挿入が容易となる。
【0024】
本開示の引抜具の第5の態様は、先端側に設けられた生体組織貫通用の穿刺部と、穿刺部に設けられた医療用針側係合孔とを有する医療用針の引抜具であって、穿刺部を収容する引抜具本体と、医療用針側係合孔に挿入される引抜具側係合突起と、医療用針側係合孔と引抜具側係合突起との係合が解除されないようにするロック機構とを備えている。このような構成とすることにより、簡単な構造で、医療用針が引抜具から容易に抜けないようにすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の引抜具によれば、引抜操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】第1の実施形態に係る引抜具を示す平面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る引抜具の第1の変形例を示す平面図である。
【
図4】医療用針の第1の変形例を示す側面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る引抜具の第2の変形例を示す平面図である。
【
図6】第2の実施形態に係る引抜具の非係合状態を示す断面図である。
【
図7】第2の実施形態に係る引抜具の係合状態を示す断面図である。
【
図8】第3の実施形態に係る引抜具を示す平面図である。
【
図9】第3の実施形態に係る引抜具を示す斜視図である。
【
図10】第4の実施形態に係る引抜具を示す断面図である。
【
図11】第5の実施形態に係る引抜具を示す斜視図である。
【
図12】第5の実施形態に係る引抜具を示す断面図である。
【
図13】第5の実施形態に係る引抜具の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の引抜具を取り付けて引抜操作を行う医療用針200Aを示している。医療用針200Aは、円柱状の本体部202と、本体部202の先端側に設けられた穿刺部201と、本体部202の基端部に設けられたカテーテル接続部203と、穿刺部201と本体部202との間に設けられた、細径部204とを有している。
【0028】
穿刺部201は、皮下組織を切り裂いて穿刺できれば特に限定されないが、例えば2つのカットされた面である刃面を有し、刃面の交線が鋭角になっている構成とすることができる。本体部202は、太さがほぼ一定の円柱状であり、穿刺部201の刃面の無い部分の直径と、本体部の直径とはほぼ同一である。このため、穿刺部201を皮下組織に穿刺した後、大きな抵抗無く医療用針200A全体を引き抜くことができる。
【0029】
細径部204は、穿刺部201及び本体部202よりも径が小さくなっている。穿刺部201と細径部204との間には、穿刺部201の基端から細径部204に向かって次第に縮径する医療用針側テーパ部205と、細径部204の基端から本体部202に向かって次第に拡径する拡径テーパ部207が設けられている。穿刺部201と本体部202との間に細径部204を設けることにより、細径部204を曲げて、穿刺の方向付けができる。また、穿刺部201と細径部204とが医療用針側テーパ部205により接続されているため、穿刺の際に人体にひっかかりにくくすることができる。
図1において、細径部204と本体部202との間は次第に拡径する拡径テーパ部207になっているが、この部分はテーパ状になっていなくてもよい。
【0030】
第1の実施形態に係る引抜具100Aは、
図2に示すように、引抜具本体101と、引抜具本体101に設けられ、医療用針側テーパ部205と係合する係合部102とを備えている。
【0031】
本実施形態において引抜具本体101は、穿刺部201を収容する針先収容部116と、針先収容部116の先端側に設けられた把持用の翼部117とを有している。
【0032】
針先収容部116は、穿刺部201を収容する収容溝112を有している。収容溝112の深さは、医療用針200Aの最大径よりも深くなっている。これにより、穿刺部201が溝部112からはみ出すことがなく、医療従事者が怪我をすることを防止できる。係合部102は、収容溝112の基端部に設けられ、基端側に向かって次第に縮径する医療用針側テーパ部205のテーパ面と一致したテーパ面を有するテーパ溝である引抜具側テーパ部113を有している。
【0033】
引抜具側テーパ部113の最小幅は、医療用針側テーパ部205の最大径以下であり、且つ医療用針側テーパ部205の最小径(細径部204の径)以上である。収容溝112は、穿刺部201を収容できるだけの長さ及び幅を有している。なお、長さ方向は
図2における医療用針200Aの軸方向に沿った方向であり、幅方向は
図2における長さ方向と交差する方向である。このため、引抜具側テーパ部113の最小幅の部分に医療用針200Aの細径部204が位置するようにして、上方(
図2における紙面と垂直な方向)から収容溝112内に医療用針200Aの穿刺部201を収容した後、引抜具100Aを先端側に移動させると、医療用針側テーパ部205が引抜具側テーパ部113と係合する。
【0034】
本実施形態の引抜具100Aは、穿刺部201を収容溝112内に収容した際に、医療用針側テーパ部205と引抜具側テーパ部113とが完全に係合していなくても、引抜具100Aを引くことにより、医療用針側テーパ部205と引抜具側テーパ部113とが当接してしっかりと係合する。また、医療用針側テーパ部205と引抜具側テーパ部113とが相補的な面同士で当接するため、医療用針側テーパ部205が無く端面同士が当接する場合と異なり、医療用針200Aは引抜具100Aとしっかりと係合する。このため、係合部102と係合した医療用針200Aは、上方(
図2における紙面と垂直な方向)に移動させようとしても簡単には外れないので、穿刺部201が収容溝112から外れないようにする蓋部や、突起部を設けなくてもよい。ただし、上方(
図2における紙面と垂直な方向)へ確実に抜けないようにするために、蓋部や突起部を設けてもよい。
【0035】
但し、医療用針200Aが捻られるような力や上方(
図2における紙面と垂直な方向)への力が加わった際に、医療用針が溝から外れないようにするために、収容溝112を覆う蓋部を設けたり、抜け止めとなる突起部を設けたりしてもよい。例えば、
図3に示すように、引抜具本体101の先端側に蝶番106を設けて蓋部105を接続することができる。引抜具本体101と蓋部105とは、互いに係合する係合用凹凸115により固定できる。これに限らず、引抜具本体101と蓋部105とを他の方法により固定することもできる。
【0036】
また、収容溝112を穿刺部201及び医療用針側テーパ部205と略同一の形状として、収容溝112に穿刺部201及び医療用針側テーパ部205が嵌合するようにして、穿刺部201が収容溝112から抜け出ることを抑制するようにしてもよい。
【0037】
なお、引抜具側テーパ部113を医療用針200Aの軸方向と交差する断面が矩形状の溝とすることにより、引抜具側テーパ部113を容易に形成することができる。また、引抜具側テーパ部113の少なくとも一部において医療用針200Aの軸方向と交差する断面をC字状として、開口部の幅が医療用針側テーパ部205の最大径よりも小さい溝とすることもできる。引抜具側テーパ部113を断面C字状のテーパ溝とすることにより、医療用針200Aの軸方向と交差する方向に力が加わった場合にも、係合が外れにくくすることができる。
【0038】
本実施形態において、引抜具本体101を、針先収容部116と針先収容部116から両側(医療用針200Aの軸方向に交差する方向)に拡がる翼部117とを有する平面視T字形状とした。翼部117を設けることにより、引抜具100Aの把持が容易となり、医療用針200Aを容易に引き抜くことができる。但し、引抜具100Aを容易に把持できれば、どのような構成としてもよい。
【0039】
本実施形態の引抜具は、医療用針の形状に応じて他の構成とすることができる。例えば、
図4に示すような、穿刺部201の基端に医療用針側テーパ部205が設けられ、医療用針側テーパ部205と細径部204との間にストレート部206が設けられている医療用針200Bに対応することができる。この場合、引抜具側テーパ部113であるテーパ溝の最小幅は、医療用針側テーパ部205の最大径以下であり、且つストレート部206の径以上とすればよい。
【0040】
医療用針側テーパ部205と引抜具側テーパ部113とが係合する例を示したが、
図5に示すように、穿刺部201に医療用針側係合孔201aが設けられた穿刺針200Cと、引抜具側係合突起121とが係合するようにすることもできる。
【0041】
図5に示すように、引抜具本体101の収容溝112は、基端側の壁面に穿刺針200Cの穿刺部201が通過できる幅の開口部122を有しており、開口部122には、医療用針側係合孔201aに挿入される引抜具側係合突起121が設けられている。医療用針側係合孔201aに引抜具側係合突起121が挿入された状態で蓋部105を閉じることにより、医療用針200Cは前後方向(穿刺針の軸に沿った方向)だけでなく、上方(
図5における紙面上方)にも抜けなくなるため、引抜具本体101を掴んで容易に引き抜くことができる。
図5には、蓋部105が係合用凹凸115により引抜具本体101に係合固定される例を示したが、蓋部105が外れないようにできれば、種々の構成を採用し得る。
【0042】
図5は、蓋部105が収容溝112の全体を覆うようにした例を示しているが、医療用針側係合孔201aと引抜具側係合突起121との係合が外れないようにできれば、収容溝112の一部分を覆う構成とすることもできる。また、蓋部105に限らず、医療用針側係合孔201aと引抜具側係合突起121との係合が外れないようにする何らかのロック機構があればよい。
【0043】
図5では、収容溝112に収容された穿刺部201ががたつかないようにするガイド123を設けているが、ガイド123は必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。
【0044】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る引抜具100Bは、
図6及び
図7に示すように、穿刺部201を基端側から挿入可能な引抜具本体131を有している。引抜具本体131は、中空の外筒部132と、外筒部132内にスライド可能に収容された固定機構133とを有している。本実施形態において、医療用針が引抜具100Bに挿入される方向を軸方向と定義する。
【0045】
本実施形態において、外筒部132は角筒状であり、ストレート部135と、基端側に設けられ幅が次第に小さくなるテーパ状部136とを有している。ストレート部135は、先端側に設けられた第1の係止孔137と、基端側に設けられた第2の係止孔138とを有している。
【0046】
固定機構133は、天板部141と、天板部141から基端側に延びる2枚の可撓片143とを有している。可撓片143は、先端側に設けられた係止凸部146を有している。係止凸部146は、先端側の第1の位置においては、第1の係止孔137と係合し、基端側の第2の位置においては、第2の係止孔138と係合する。係止凸部146の基端側の面は軸に対し傾斜する傾斜面となり、先端側の面は軸に対し垂直な起立面となっている。このため、固定機構133を、係止凸部146が第1の係止孔137に係合した第1の位置から、基端側の第2の位置へ移動させることは容易である。一方、通常の操作では係止凸部146が第2の係止孔138に係合した第2の位置から、先端側の第1の位置へ移動させることはできない。
【0047】
可撓片143の基端部には、医療用針と係合する係合部として機能する固定用凸片145が設けられている。第1の位置において、可撓片143の基端部はストレート部135に位置している。このため、2つの固定用凸片145の間隔は拡がっており、2つの固定用凸片145の間を穿刺部201及び本体部202が通過することができる。従って、穿刺部201を外筒部132の基端に設けられた開口部から挿入して、穿刺部201の先端が固定機構133の天板部141に当接する位置まで容易に移動させることができる。
【0048】
図7に示すように、固定機構133を第2の位置に移動させると、固定用凸片145はテーパ状部136の位置に移動する。2つの固定用凸片145の間隔は、細径部204に当接するように狭められる。これにより、穿刺部201は2つの固定用凸片145の間を通過することができなくなり、医療用針は引抜具100Bと係合する。従って、引抜具100Bを先端側に引くことにより、医療用針を容易に引き抜くことができる。固定用凸片145の間隔は、固定用凸片145がテーパ状部136に当接することによっても、引抜具100Bの引き抜き動作時に押し開かれないようになっている。
【0049】
図7において、固定用凸片145が医療用針の細径部204及び基端側の拡径テーパ部207とに跨がって係合している例を示している。この場合において、固定用凸片145が細径部204及び拡径テーパ部207を押圧する力によって医療用針が引抜具本体131内に収容された状態で固定される。但し、医療用針が引抜具本体131の中で軸方向に移動可能となっていてもよい。引抜具本体131を先端側に引くことにより医療用針がスライドし、医療用針側テーパ部205が固定用凸片145に当接して、医療用針が引抜具本体131から抜け出ないように構成されていてもよい。
【0050】
本実施形態の引抜具は、医療用針の軸に沿って穿刺部201を引抜具本体131内に挿入し、軸に沿って固定機構133を押圧して第1の位置から第2の位置へ移動させることにより、医療用針と引抜具とを係合させ引き抜ける状態とすることができる。2つの操作をいずれも医療用針の軸に沿って行うことができるため、引抜操作が容易となる。
【0051】
本実施形態においては、固定機構133の天板部141に、リング147が接続されており、リング147に指を掛けて引くことにより、医療用針を容易に引き抜くことができる。但し、リング147は、必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。また、外筒部132の先端部には、両側に張り出した翼部139が設けられている、翼部139に指を掛けて固定機構133の天板部141を抑えることにより、固定機構133を第1の位置から第2の位置へ容易に移動させることができる。但し、翼部139は必要に応じて設ければよく、設けなくてもよい。
【0052】
本実施形態において、固定機構133は、2つの固定用凸片145の間隔を第1の位置において穿刺部201の通過を許容し、第2の位置において穿刺部201の通過を不可能とし、且つ固定機構133が第2の位置に固定されるようにできれば、どのような構成としてもよい。固定機構133を第2の位置に固定する機構は、2つの固定用凸片145がテーパ状部136に当接し固定される機構であってもよい。また、2つの固定用凸片145が第1の位置から第2の位置へ移動する例を示したが、固定用凸片の一方は第2の位置に固定されている構成とすることもできる。固定用凸片145が2つである例を示したが、固定用凸片145は、3つ又は4つ以上とすることもできる。
【0053】
外筒部132が角筒状である例を示したが、穿刺部201を挿入できる中空部を形成できればどのような形状としてもよい。
【0054】
本実施形態の引抜具100Bは、例示した医療用針に限らず、穿刺部201の基端側に細径部を有している種々の医療用針の引抜に用いることができる。
【0055】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る引抜具100Cは、
図8及び
図9に示すように、穿刺部201を収容可能で且つ側面にスリット152を有する筒状の引抜具本体151を有している。本実施形態においてスリット152は、第1の部分153、狭小部155及び第2の部分154が連続して略J字状に形成されている。本実施形態において、第1の部分153及び第2の部分154は、穿刺部201が通過不能で且つ細径部204は通過可能な幅を有している。第1の部分153は引抜具本体151の基端から先端側に延びている。第2の部分154は、第1の部分153と間隔をおいて略平行に設けられており、第1の部分153よりも短く引抜具本体151の基端に達していない。狭小部155は、第1の部分153の先端と、第2の部分154の先端とを斜めに接続しており、最小幅が細径部204の直径よりも小さく且つ弾性変形して細径部204が通過可能である部分を有している。
【0056】
図9に示すように、穿刺部201が引抜具本体151内に入り、細径部204がスリット152の第1の部分153の基端に位置するように医療用針を引抜具100Cに対して配置する。医療用針を先端側に押し込むと、細径部204は第1の部分153を先端側に移動し、狭小部155に達する。医療用針200Aをさらに押し込むと、細径部204は狭小部155を乗り越えて第2の部分154の先端に到達する。
【0057】
本実施形態において、狭小部155は、引抜具本体151の軸方向に対して交差する方向に設けられており、且つ幅が狭い。このため、引抜具本体151を先端側に引っ張っても、細径部204が狭小部155を越えて第1の部分153に戻ることは困難であり、細径部204は第2の部分154を基端側に移動し、第2の部分154の端部に当接する。この状態で、引抜具本体151を先端側にさらに引っ張っても、細径部204よりも径が大きい穿刺部201が第2の部分154の基端において引抜具本体151の壁面に当接して抜けないため、医療用針を安全に引き抜くことができる。
【0058】
本実施形態において、スリット152は略J字状に形成されている。しかし、狭小部155を乗り越えて第2の部分154に移動するような構成であれば、種々の構成を採用することができる。例えば、狭小部155の形状によっては、第1の部分153、狭小部155及び第2の部分154が直線状に配置された構成とすることもできる。
【0059】
なお、狭小部155は、第1の部分153及び第2の部分154の先端に限らずどの部分を接続していてもよい。また、狭小部155は、第1の部分153側から第2の部分154側へは容易に通り抜けることができ、第2の部分154側から第1の部分153側へは容易に通り抜けることができなければ、どのような構成としてもよい。例えば、スリットの幅方向に突出する突起とすることもできる。この場合、第1の部分153側は傾斜が緩やかで、第2の部分側はほぼ垂直に起立する、平面略三角形状の突起とすれば第2の部分154側から第1の部分153側への移動が生じにくく好ましい。
【0060】
引抜具本体151は、穿刺部201を収容できればどのような構成としてもよい。例えば、細径部204が曲げられていない状態においても、穿刺部201を斜めにして引抜具本体151内に収容できるように引抜具本体151の途中に屈曲部を有する構成とすることができる。細径部204を屈曲させて医療用針200Aを使用した場合には、円筒形状の引抜具本体151であっても穿刺部201を容易に収容することができる。
【0061】
引抜具本体151には、把持を容易にするために翼部及びリング部の少なくとも一方を設けることができる。また、把持を容易にするために凹凸等を引抜具本体151の表面に設けることもできる。
【0062】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る引抜具100Dは、
図10に示すように、穿刺部201を収容する筒状で且つ可撓性の内筒部162と、内筒部162を収容する硬質の外筒部161とを備えている。内筒部162は、摩擦係数が大きな軟質の樹脂等により形成されている。例えば、軟質塩化ビニル、軟質ポリウレタン及び軟質ポリエステル等により形成することができる。
【0063】
内筒部162は、穿刺部201を大きな抵抗無く挿入できるように、穿刺部201の直径とほぼ同等の内径を有している。内筒部162は、摩擦によって医療用針の穿刺部201(先端部)と係合する係合部材である。内筒部162の内面は、穿刺部201と密着するように、平滑面であることが好ましい。穿刺部201をスムーズに挿入できれば、穿刺部201の直径よりも僅かに小さくてもよく、容易に抜け落ちなければ穿刺部201の直径よりも僅かに大きくてもよい。具体的には、穿刺部201の直径の±0.5%程度を許容する。
【0064】
外筒部161は、硬質の樹脂や金属等により形成されている。例えば、硬質ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル及びポリエステル等により形成することができる。穿刺部201が挿入された内筒部162を挿入できるように、穿刺部201が挿入された内筒部162の外径よりも僅かに小さい内径を有している。具体的には、穿刺部201が挿入された内筒部の外径の-0.5%程度を許容する。
【0065】
穿刺部201が挿入された内筒部162を外筒部161に挿入すると、内筒部162は外筒部161により締め付けられるため、内筒部162と穿刺部201とが摩擦力により係合する。同時に、内筒部162と外筒部161との間も摩擦力により係合する。このため、外筒部161を引っ張ることにより、医療用針200Aを容易に引き抜くことができる。
【0066】
内筒部162の基端には、穿刺部201の挿入を容易にするために、基端部にフレア状に拡がるフレア状部163を設けることができる。フレア状部163は、成形により形成しても、複数のスリット状の切れ込みを設けてフレア状に拡げることにより形成してもよい。外筒部161には、把持を容易にするために翼部及びリング部の少なくとも一方を設けることができる。また、把持を容易にするために凹凸等を外筒部161の表面に設けることもできる。
【0067】
本実施形態の引抜具100Dは、細径部を有する医療用針に限らず、細径部を有していない医療用針の引抜に用いることもできる。
【0068】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る引抜具100Eは、
図11及び
図12に示すように、針先収容部形成部171と、係合部形成部とを有している。
図11及び
図12は、係合部形成部が、針先収容部形成部171の内部に埋め込まれた係合部形成板172である例を示している。
【0069】
針先収容部形成部171は、穿刺部201を穿刺することにより、穿刺部201を収容する収容孔を形成可能な、ブロック状の硬質スポンジ等からなる。例えば、ポリエチレン、及びポリウレタン等の材料からなる硬質スポンジとすることができる。
【0070】
係合部形成部である係合部形成板172は、針先収容部形成部171よりも硬質の、穿刺部201が貫通可能で貫通によりバリが発生するある程度硬質の樹脂製板等からなる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、及び硬質塩化ビニル等の材料からなる板とすることができる。
【0071】
引抜具100Eを使用する際には、穿刺部201が係合部形成板172を貫通するように、第1の端面173側から針先収容部形成部171に突き刺す。これにより、針先収容部形成部171には、穿刺部201を収容する収容穴が形成される。穿刺部201によって係合部形成板172に形成された貫通孔には、先端側に向かってバリ175が発生する。穿刺部201を基端側に引き抜こうとすると、バリ175が医療用針にひっかかり、穿刺部201の戻りを阻害するため、係合部形成板172は、細径部204と係合する係合部として機能する。
【0072】
針先収容部形成部171における係合部形成板172が挿入された位置から、穿刺部201を穿刺する第1の端面173と反対側の第2の端面174までの長さを、穿刺部201の長さよりも長くすることにより、穿刺部201を針先収容部形成部171に収容することができる。
【0073】
係合部形成板172は、第1の端面173とほぼ平行になるように埋め込むことができればよく、その方法は問わない。例えば、係合部形成板172は、針先収容部形成部171の側面に形成されたスリットに挿入して、針先収容部形成部171内部に埋め込むことができる。なお、係合部形成板172の全体が、針先収容部形成部171に埋め込まれている状態であっても、一部が埋め込まれていない状態であってもよい。係合部形成板172の埋め込み位置は、穿刺部201を容易に貫通させられるように、第1の端面173の近傍が好ましい。
【0074】
医療用針の大きさ、針先収容部形成部171及び係合部形成板172の材質等にもよるが、具体的には、係合部形成板172の位置は、第1の端面173から好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下である。また、係合部形成板172を針先収容部形成部171に確実に埋め込む観点から、係合部形成板172の位置は、第1の端面173から好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上である。
【0075】
なお、係合部形成板172を針先収容部形成部171に埋め込むのではなく、針先収容部形成部171の第1の端面に接着又は融着等により固定することもできる。また、係合部形成板172と針先収容部形成部171とをインサート成形等により一体に形成することもできる。
【0076】
針先収容部形成部171の第2の端面174側に、穿刺部201が貫通しない硬質の材料からなる阻止板を埋め込むことができる。阻止板を埋め込むことにより、穿刺部201が針先収容部形成部171を貫通してしまう事故を発生しにくくすることができる。また、針先収容部形成部171を硬質のケース内に収容することにより、穿刺部201が貫通しないようにすることもできる。
【0077】
針先収容部形成部171の形状は、穿刺部201を穿刺しやすい端面と、十分な厚さを確保できればどのようにしてもよく、円柱状及び角柱状等とすることができる。また、把持しやすいように側面に凹凸を設けたり、手にフィットしやすい曲面を有する形状としたりすることもできる。
【0078】
図13に示す引抜具100Fのように、係合部形成部を中空体177とすることもできる。中空体177は、針先収容部形成部176となる内腔を有する立体であればよいが、角筒又は円筒が好ましい。このようにすれば、医療用針を端面に対して垂直に突き刺すことが容易となり、端面に突き刺された医療用針を抜けにくくすることができる。
【0079】
針先収容部形成部176は、中空体177の内腔であり、スポンジ等が充填されていてもよい。中空体177の内腔にスポンジ等を充填することにより、中空体177の形状を維持し、中空体177を手で握った際に押しつぶされないようにすることができる。中空体177の内腔に充填するスポンジは、例えば、ポリエチレン、及びポリウレタン等の材料からなる硬質スポンジとすることができる。また、中空体177の材質にもよるが、ポリエチレン、ポリウレタン、及びシリコーンゴム等からなる軟質のスポンジとすることもできる。さらに、中空体177の材質によってはスポンジ等が充填されていない空洞とすることもできる。
【0080】
中空体177は、医療用針の穿刺部が貫通可能で貫通によりバリが発生するある程度硬質の樹脂等により形成することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、及び硬質塩化ビニル等の材料から形成することができる。中空体177は、内腔に充填されたスポンジ等よりも硬質の材料により形成することが好ましい。
【0081】
中空体177は、一体に形成することができるが、医療用針を突き刺す端面と、他の部分とを異なる材料により形成することもできる。医療用針を突き刺す端面以外の部分をより硬質の材料により形成すれば、中空体177の内腔を空洞としても、中空体177の形状を維持することが容易となる。また、中空体は、6面体のようにすべての面が閉ざされた立体ではなく、1面又は2面が開口となった筒状とすることもできる。
【0082】
本実施形態の引抜具100E及びその変形例の引抜具100Fは、
図14に示すような、穿刺部201と細径部204との間にテーパ部が無く、段差がある医療用針200Dにも用いることができる。このような段差がある医療用針の場合、係合部形成板172に形成された貫通孔から穿刺部201がより抜けにくくできる。段差を設ける場合、穿刺部201の基端側のどの位置に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示の医療用針の引抜具は、引抜操作を容易に行うことができ、医療分野等において有用である。
【符号の説明】
【0084】
100A 引抜具
100B 引抜具
100C 引抜具
100D 引抜具
100E 引抜具
100F 引抜具
101 引抜具本体
102 係合部
105 蓋部
106 蝶番
112 収容溝
113 引抜具側テーパ部
115 係合用凹凸
116 針先収容部
117 翼部
121 引抜具側係合突起
122 開口部
131 引抜具本体
132 外筒部
133 固定機構
135 ストレート部
136 テーパ状部
137 第1の係止孔
138 第2の係止孔
139 翼部
141 天板部
143 可撓片
145 固定用凸片
146 係止凸部
147 リング
151 引抜具本体
152 スリット
153 第1の部分
154 第2の部分
155 狭小部
161 外筒部
162 内筒部
163 フレア状部
171 針先収容部形成部
172 係合部形成板
173 第1の端面
174 第2の端面
175 バリ
176 針先収容部形成部
177 中空体
200A 医療用針
200B 医療用針
200C 医療用針
200D 医療用針
201 穿刺部
201a 医療用針側係合孔
202 本体部
203 カテーテル接続部
204 細径部
205 医療用針側テーパ部
206 ストレート部
207 拡径テーパ部