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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155187
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】内径測定装置。
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/12 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G01B5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069652
(22)【出願日】2023-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100100516
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 惠
(72)【発明者】
【氏名】三角 久
【テーマコード(参考)】
2F062
【Fターム(参考)】
2F062AA01
2F062AA34
2F062BB04
2F062CC26
2F062LL03
(57)【要約】
【課題】簡便に小さな管路または削孔穴の内径を測定できる内径測定装置を提供することである。
【解決手段】管路または削孔穴の内径の寸法を測定するための目盛14が設けられた円板11に可動部12を摺動可能に搭載し、操作部13は、円板11を管路または削孔穴に挿入する際は可動部12を円板11の上で摺動させて可動部12が管路または削孔穴の内壁に接しない位置に保持し、管路または削孔穴への挿入後は可動部12の摺動位置を可動部12が管路または削孔穴の内壁に当接する位置に移動させて可動部12を管路または削孔穴の内壁の大きさに応じた位置で停止させ、可動部12に停止位置の目盛14の値を読み取り管路または削孔穴の内径であるとして測定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路または削孔穴の内径の寸法を測定するための目盛が設けられた円板と、
前記円板に搭載され前記円板の上を摺動し前記管路または前記削孔穴に挿入されたときに前記管路または前記削孔穴の内壁に当接し前記管路または前記削孔穴の内壁の大きさに応じた位置で停止する可動部と、
前記可動部を搭載した前記円板を前記管路または前記削孔穴に挿入する際は前記可動部が前記管路または前記削孔穴の内壁に接しない位置に前記可動部の摺動位置を保持し前記管路または前記削孔穴への挿入後は前記可動部の摺動位置を前記可動部が前記管路または前記削孔穴の内壁に当接する位置に移動させる操作部とを備えたことを特徴とする内径測定装置。
【請求項2】
前記可動部は、前記円板上を摺動し一方端に前記管路または前記削孔穴の内壁に当接する当接部を有したスライド部と、
前記スライド部の他方端に取り付けられ前記管路または前記削孔穴に挿入する際は前記操作部の回転力を受け前記スライド部の当接部が前記管路または前記削孔穴の内壁に接しない位置に前記スライド部の摺動位置を保持
する押し当て受部と、
一方端が前記円板に取り付けられ他方端が前記押し当て受部に取り付けられたバネ部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の内径測定装置。
【請求項3】
操作部は、前記可動部の前記押し当て受部に回転力を加える押し当て部と、
前記円板に取り付けられハンドル部により回転力が加えられるシャフトと、
前記シャフトの上部に設けられ前記ハンドル部により前記シャフトに回転力を加える際に前記シャフトを回転自在に支承し保持する保持部と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の内径測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に構築された管路や削孔穴の内径を計測する内径測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水道管、ケーブル布設管等を地中に非開削にて布設する工法として、地中に管路や削孔穴を構築する小口径推進工法がある。この工法は、地上から掘削して管を配管する開削工法と比べ、交通への阻害も少なくかつ掘削箇所も小さい、効率の良い工法である。
【0003】
小口径推進工法では、先端にヘッドを有した管を地中に推進させ、そのまま地中に管路を構築する方法や、予め細いヘッドで地中を削孔・貫通し、その穴にリーマと呼ばれる削孔装置によりヘッドの削孔穴を拡大し、拡大した削孔穴に管路を引き入れ布設する工法がある。小口径推進工法で地中に構築された管路や削孔穴は場合によっては、上載荷重や周囲の土が戻るなどの要因で内径が小さくなる可能性があるため、その内径の確認が必要となる場合がある。
【0004】
ここで、管路や削孔穴の内径を測定するものとして、被測定管の内面までの距離を測定する距離センサを備え、被測定管の内面形状を容易かつ高精度で測定することができるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-249652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のものは、被測定管の内面までの距離を測定する距離センサを備えているので、被測定管の内径だけでなく削孔穴の内径も測定できるものではあるが、内径が大きな径管の内面形状を測定するのに適したものであり、小さな径管の内径や小さな削孔穴の内径の測定には適さない。すなわち、特許文献1のものは、径管の内径を高精度に測定することができるが、小さな管路や削孔穴の内径の測定には適さない。また、装置構成が複雑であり高価である。
【0007】
本発明の目的は、簡便に小さな管路または削孔穴の内径を測定できる内径測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係わる内径測定装置は、管路または削孔穴の内径の寸法を測定するための目盛が設けられた円板と、前記円板に搭載され前記円板の上を摺動し前記管路または前記削孔穴に挿入されたときに前記管路または前記削孔穴の内壁に当接し前記管路または前記削孔穴の内壁の大きさに応じた位置で停止する可動部と、前記可動部を搭載した前記円板を前記管路または前記削孔穴に挿入する際は前記可動部が前記管路または前記削孔穴の内壁に接しない位置に前記可動部の摺動位置を保持し前記管路または前記削孔穴への挿入後は前記可動部の摺動位置を前記可動部が前記管路または前記削孔穴の内壁に当接する位置に移動させる操作部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係わる内径測定装置は、請求項1の発明において、前記可動部は、前記円板上を摺動し一方端に前記管路または前記削孔穴の内壁に当接する当接部を有したスライド部と、前記スライド部の他方端に取り付けられ前記管路または前記削孔穴に挿入す
る際は前記操作部の回転力を受け前記スライド部の当接部が前記管路または前記削孔穴の内壁に接しない位置に前記スライド部の摺動位置を保持する押し当て受部と、一方端が前記円板に取り付けられ他方端が前記押し当て受部に取り付けられたバネ部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係わる内径測定装置は、請求項2の発明において、前記操作部は、前記可動部の前記押し当て受部に回転力を加える押し当て部と、前記円板に取り付けられハンドル部により回転力が加えられるシャフトと、前記シャフトの上部に設けられ前記ハンドル部により前記シャフトに回転力を加える際に前記シャフトを回転自在に支承し保持する保持部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、内径測定装置を管路または削孔穴に挿入する際は、操作部にて可動部が管路または削孔穴の内壁に接しない位置に保持し、内径測定装置の管路または削孔穴への挿入後は、操作部にて可動部の摺動位置を開放して管路または削孔穴の内壁の大きさに応じた位置で停止させ、可動部の位置を円板に設けられた目盛で測定するので、簡便に管路または削孔穴の内径を測定できる
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、内径測定装置を管路または削孔穴に挿入する際は、操作部の回転力を受け押し当て受部により可動部の当接部が管路または削孔穴の内壁に接しない位置に保持されるので、内径測定装置を管路または削孔穴に挿入できる。また、内径測定装置の管路または削孔穴への挿入後は、可動部の摺動位置をバネ部により開放するので、管路または削孔穴の内壁の大きさに応じた位置で可動部を停止できる。
【0012】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、操作部の保持部で回転自在に支承されたシャフトにハンドル部により回転力を加えて、可動部の押し当て受部に回転力を加える押し当て部を回転させるので、操作部の回転力を可動部の押し当て受部に加えることができる。これにより、内径測定装置を管路または削孔穴に挿入する際は、可動部の当接部が管路または削孔穴の内壁に接しない位置に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る内径測定装置の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る内径測定装置の構成要素である円板の斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る内径測定装置の構成要素である可動部の斜視図。
図4】本発明の実施形態における円板に可動部を搭載した状態を示す斜視図。
図5】本発明の実施形態に係る内径測定装置の構成要素である操作部の斜視図。
図6】本発明の実施形態に係る内径測定装置を管路に挿入する際に円板に搭載した可動部を管路の内壁に接しない位置に保持する操作説明の平面図。
図7】本発明の実施形態に係る内径測定装置を小径の管路に挿入した後に操作部にて可動部の摺動位置を小径の管路の内壁の大きさに応じた位置で停止させる操作説明の平面図。
図8】本発明の実施形態に係る内径測定装置を大径の管路に挿入した後に操作部にて可動部の摺動位置を大径の管路の内壁の大きさに応じた位置で停止させる操作説明の平面図。
図9】本発明の実施形態に係る内径測定装置を最大径の管路に挿入した後に操作部にて可動部の摺動位置を最大径の管路の内壁の大きさに応じた位置で停止させる操作説明の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る内径測定装置の斜
視図である。本発明の実施形態に係る内径測定装置にて、地中に構築された管路や削孔穴の内径を計測する工法は、管路または削孔穴のいずれも場合であっても同様であるので、以下の説明では、地中に構築された管路の内径を計測する場合について説明する。
【0015】
図1において、内径測定装置は、円板11と可動部12と操作部13とから構成される。円板11には管路の寸法を測定するための目盛14が設けられ、円板11には可動部12が搭載されている。円板11は小口径管を敷設する推進工法にて形成された管路に多少の隙間を確保して挿入できる大きさで形成される。これは、形成した管路が小口径管を管路に通した後に管路内の土が小口径管の周囲に戻ってきて密着して小口径管を固定できる大きさであるか否かを管路に円板11を管路に挿入して測定するためである。
【0016】
可動部12は、スライド部15と押し当て受部16とバネ部17と当接部18とを備えている。可動部12の長さは円板11の直径と同じ長さに形成されている。可動部12のスライド部15は、管路の内径の寸法を測定するための円板11上の目盛14に沿って円板11上を摺動する。後述するように、スライド部15が管路の内壁の大きさに応じた位置で停止したとき目盛14により内径寸法を読み取り管路の内径を測定する。スライド部15の一方端には管路の内壁に当接する当接部18が設けられ、他方端には押し当て受部16が取り付けられている。また、後述するように、バネ部17の一方端が円板11に取り付けられ、バネ部17の他方端は押し当て受部16に取り付けられている。このバネ部17へのバネ力の蓄積により、円板11を管路に挿入する際は可動部12が管路の内壁に接しない位置に可動部12の摺動位置を保持する。一方、このバネ部17のバネ力の開放により円板11の管路への挿入後は可動部12の摺動位置を可動部12が管路の内壁に当接する位置に移動させる。これらの動作については後述する。
【0017】
次に、操作部13は、押し当て部19とシャフト20と保持部21とハンドル部22とを備えている。シャフト20はナット23により円板11に回転自在に支承される。また、シャフト20の保持部21は操作員がハンドル部22によりシャフト20に回転力を加える際に手に持ってシャフト20を保持するものであり、押し当て部19は可動部12の押し当て受部16に回転力を加えるものである。つまり、操作部13は可動部12の円板11上での位置決めをするためのものである。
【0018】
図2は本発明の実施形態に係る内径測定装置の構成要素である円板11の斜視図である。円板11の中心線に沿って管路の内径の寸法を測定するための目盛14が設けられている。また、円板11の中心線上に第1ネジ穴24及び第2ネジ穴25が設けられ、第1ネジ穴24には後述の第1ネジが螺合され第2ネジ穴25には第2ネジが螺合される。さらに円板11にはシャフト20の端部を挿入するための取付穴26が設けられており、取付穴26にシャフト20の下部が挿入され、シャフト20は前述のようにナット23で円板11に回転自在に取り付けられる。
【0019】
図3は、本発明の実施形態に係る内径測定装置の構成要素である可動部12の斜視図である。可動部12のスライド部15の一方端には当接部18が設けられ、他方端には押し当て受部16が取り付けられている。第1ネジ27はスライド部15の切り欠き溝部29の上部に頭部が突出するように円板11の第1ネジ穴24に螺合される。同様に第2ネジ28はスライド部15の切り欠き溝部29の上部に頭部が突出するように円板11の第2ネジ穴25螺合されるとともに、さらに、この第2ネジ28はバネ部17の一方端を円板11に固定する、バネ部17の他方端は押し当て受部16に取り付けられている。これにより、スライド部15は切り欠き溝部29により第1ネジ27及び第2ネジ28に案内されて円板11上を移動可能となる。
【0020】
図4は本発明の実施形態における円板11に可動部12を搭載した状態を示す斜視図で
ある。図4ではバネ部17にバネ力が蓄積されていない状態であり、スライド部15の一方端の当接部18は円板11から突出した状態で維持されている。前述したように、可動部12のバネ部17の一方端は第2ネジ28で円板11に固定されており、可動部12はスライド部15の切り欠き溝部29により第1ネジ27及び第2ネジ28に案内されて円板11上を移動可能となっている。したがって、可動部12が円板11上を移動し図4の左方向に移動したときはバネ部17が伸張しバネ部17にバネ力が蓄積され、バネ部17のバネ力が開放されたときは可動部12は図4の右方向に移動する。バネ部17の伸張が解放されバネ力が開放されると可動部12が図4の右方向に移動し可動部12が管路の内壁に当接する。このときの可動部12の停止した位置での目盛14の値により管路内径を測定することになる。円板11の取付穴26にはシャフト20の下部が挿入されナット23でシャフト20は円板11に回転自在に取り付けられる。
【0021】
図5は本発明の実施形態に係る内径測定装置の構成要素である操作部13の斜視図である。シャフト20の下部は円板11の取付穴26に挿入され、ナット23によりシャフト20は回転自在に支承される。一方、シャフト20の上部にはシャフト20を回転自在に支承する保持部21が設けられており、保持部21は、操作員がハンドル部22によりシャフト20に回転力を加える際に手に持ってシャフト20を保持する。また、シャフト20の下部には可動部12の押し当て受部16に回転力を加える押し当て部19が設けられている。つまり、保持部21を手に持ってハンドル部22によりシャフト20に回転力を加えシャフト20を回転させると、シャフト20の回転力が押し当て部19に加わり、押し当て部19が可動部12の押し当て受部16に回転力を加えることになる。
【0022】
図6は本発明の実施形態に係る内径測定装置を管路に挿入する際に円板に搭載した可動部を管路の内壁に接しない位置に保持する操作説明の平面図であり、図6(a)は図4に対し操作部13の押し当て部19を追加して記載した平面図、図6(b)は図6(a)に対し操作部13の押し当て部19で可動部12の押し当て受部16に回転力を加え可動部12を円板11内に移動させた平面図である。
【0023】
図6(a)に示すように、操作部13の押し当て部19は操作員による操作が行われていない状態であるので、可動部12の押し当て受部16に回転力は加えられていない。したがって、バネ部17にはバネ力が蓄積されていない状態であり、スライド部15の一方端の当接部18は円板11から突出した状態である。この図6(a)の状態から操作部1
3の押し当て部19で可動部12の押し当て受部16に左方向の回転力を加えると、可動部12は図6(a)の左方向に移動する。すなわち、可動部12のスライド部15はその切り欠き溝部29により第1ネジ27及び第2ネジ28に案内されて円板11上を移動する。その際には、バネ部17の一方端は第2ネジ28により円板11に固定されているのでバネ部17にバネ力が蓄積される。
【0024】
そして、可動部12の全体が円板11内に搭載された状態になるまで、操作部13の押し当て部19で可動部12の押し当て受部16に左方向の回転力を加える。これにより、前述したように、可動部12の長さは円板11の直径と同じ長さに形成されているので、図6(b)に示すように、可動部12におけるスライド部15の一方端の当接部18が円板11から突出しない状態となる。図6(b)に示す状態の円板11(内径測定装置)を前述の小口径管を敷設する推進工法にて形成された管路に挿入しその管路の内径を測定することになる。
【0025】
図7は本発明の実施形態に係る内径測定装置を小径の管路に挿入した後に操作部にて可動部の摺動位置を小径の管路の内壁の大きさに応じた位置で停止させる操作説明の平面図であり、図7(a)は図6(b)に示す状態の円板11(内径測定装置)を小径の管路30内に挿入した状態を示す平面図、図7(b)は図7(a)の状態から操作部13の押し
当て部19の回転力を除去して可動部12の当接部18が小径の管路30の内壁に当接する位置に移動させた状態を示す平面図である。
【0026】
小径の管路30とは可動部12の当接部18が円板11から多少突出した状態となる管路である。前述したように、円板11は小口径管を敷設する推進工法にて形成された管路に多少の隙間を確保して挿入できる大きさで形成されるので、図7(a)に示すように、図6(b)に示す状態の円板11(内径測定装置)は小径の管路30であっても挿入できる。
【0027】
そして、図7(a)の状態から操作部13の押し当て部19による可動部12の押し当て受部16への回転力を除去すると、バネ部17のバネ力により可動部12が図6(a)に示す状態に戻ろうとし可動部12は右方向に移動する。すなわち、可動部12のスライド部15はその切り欠き溝部29により第1ネジ27及び第2ネジ28に案内されて右方向に移動し、図7(b)に示すように、可動部12におけるスライド部15の一方端の当接部18が円板11から突出し小径の管路30の内壁に当接する。この状態で可動部12におけるスライド部15の他方端の先端部31が位置する目盛14の値を目視で読み取り小径の管路30の内径であるとして測定する。
【0028】
図8は本発明の実施形態に係る内径測定装置を大径の管路に挿入した後に操作部にて可動部の摺動位置を大径の管路の内壁の大きさに応じた位置で停止させる操作説明の平面図であり、図8(a)は図6(b)に示す状態の円板11(内径測定装置)を大径の管路32内に挿入した状態を示す平面図、図8(b)は図8(a)の状態から操作部13の押し当て部19への回転力を除去し可動部12の当接部18が大径の管路32の内壁に当接する位置に移動させた状態を示す平面図である。
【0029】
大径の管路32とは小径の管路30より多少大きい管路である。円板11は小径の管路30に挿入できるので、図8(a)に示すように小径の管路30より大きい大径の管路32にも挿入できる。そして、図8(a)の状態から操作部13の押し当て部19による可動部12の押し当て受部16への回転力を除去すると、図7の場合と同様に、バネ部17のバネ力により可動部12が図6(a)に示す状態に戻ろうとし可動部12は右方向に移動する。これにより、図8(b)に示すように、可動部12におけるスライド部15の一方端の当接部18が大径の管路32の内壁に当接する。この状態で可動部12におけるスライド部15の他方端の先端部31が位置する目盛14の値を目視で読み取り大径の管路32の内径であるとして測定する。
【0030】
図9は本発明の実施形態に係る内径測定装置を最大径の管路に挿入した後に操作部にて可動部の摺動位置を最大径の管路の内壁の大きさに応じた位置で停止させる操作説明の平面図であり、図9(a)は図6(b)に示す状態の円板11(内径測定装置)を最大径の管路33内に挿入した状態を示す平面図、図9(b)は図9(a)の状態から操作部13の押し当て部19への回転力を除去し可動部12の当接部18が最大径の管路33の内壁に当接する位置に移動させた状態を示す平面図である。
【0031】
最大径の管路33とは大径の管路32より大きく可動部12の当接部18が円板11から最大限に突出した状態(図6(a)に示す状態)となる管路である。円板11は大径の管路32に挿入できるので、図9(a)に示すように大径の管路32より大きい最大径の管路33にも挿入できる。そして、図9(a)の状態から操作部13の押し当て部19による可動部12の押し当て受部16への回転力を除去すると、図7の場合と同様に、バネ部17のバネ力により可動部12が図6(a)に示す状態に戻ろうとし可動部12は右方向に移動する。これにより、図9(b)に示すように、可動部12におけるスライド部15の一方端の当接部18が最大径の管路33の内壁に当接する。この状態で可動部12に
おけるスライド部15の他方端の先端部31が位置する目盛14の値を目視で読み取り最大径の管路33の内径であるとして測定する。
【0032】
本発明の実施形態に係る内径測定装置では、最大径の管路33より大きい管路の内径は測定できないが問題はない。これは、最大径の管路33より大きい管路の内径は小口径管が地中に適切に埋設されるのに適した内径でないから、測定するまでもないからである。また、目盛14の値を目視で読み取る場合について説明したが、操作部13にカメラを設置してカメラの映像にから目盛14の値を読み取るようにしてもよい。
【0033】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
11…円板、12…可動部、13…操作部、14…目盛、15…スライド部、16…押し当て受部、17…バネ部、18…当接部、19…押し当て部、20…シャフト、21…保持部、22…ハンドル部、23…ナット、24…第1ネジ穴、25…第2ネジ穴、26…取付穴、27…第1ネジ、28…第2ネジ、29…切り欠き溝部、30…小径の管路、31…先端部、32…大径の管路、33…最大径の管路、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9