(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155212
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】車両制御装置及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241024BHJP
B60W 30/08 20120101ALI20241024BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/08
B60W30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069696
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 寛征
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA15
3D241BA31
3D241BB37
3D241DC25Z
3D241DC33Z
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC14
5H181CC24
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】第2の物標が、第1の物標と自車両との間の通過を試みたときに、第2の物標が自車両に異常接近してしまう状況を防止する。
【解決手段】自車両の前後一定距離範囲内かつ自車両の側方に存在する第1の物標に関する情報である第1物標検出情報と、第2の物標に関する情報である第2物標検出情報とを取得する検出情報取得部11と、第1物標検出情報と第2物標検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定する通過可能性判定部14とを備え、車両制御装置4は、通過可能性判定部14によって第2の物標が通過する可能性があると判定されれば、第2の物標が自車両と第1の物標との間を通過する際の自車両と第1の物標との間の自車両の車幅方向の距離である隙間距離が、隙間距離についての基準距離よりも広がるように、自車両の走行予定の経路である目標経路を更新する目標経路更新部15を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の前後一定距離範囲内かつ自車両の側方に存在する第1の物標に関する情報である第1物標検出情報と、第2の物標に関する情報である第2物標検出情報とを取得する検出情報取得部と、
前記検出情報取得部により取得された、前記第1物標検出情報と前記第2物標検出情報とに基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定する通過可能性判定部と、
前記通過可能性判定部によって前記第2の物標が通過する可能性があると判定されれば、前記第2の物標が自車両と前記第1の物標との間を通過する際の自車両と前記第1の物標との間の自車両の車幅方向の距離である隙間距離が、前記隙間距離についての基準距離よりも広がるように、自車両の走行予定の経路である目標経路を更新する目標経路更新部と
を備えた車両制御装置。
【請求項2】
前記第1の物標が自車両と異なる車線に存在しており、
前記検出情報取得部は、
前記第1の物標を検出する第1の物標検出センサから前記第1物標検出情報を取得し、前記第2の物標を検出する第2の物標検出センサから前記第2物標検出情報を取得し、前記第1の物標が存在している車線の両側の区画線のうち、自車両が走行している車線側の区画線を検出する区画線検出センサから、前記車線側の区画線に関する情報である区画線検出情報を取得し、
前記通過可能性判定部は、
前記第1物標検出情報と前記第2物標検出情報と前記区画線検出情報とに基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記通過可能性判定部は、
前記第1物標検出情報と前記区画線検出情報とに基づいて、前記第1の物標と前記車線側の区画線との間の自車両の車幅方向の距離である物標区画線間距離を算出し、前記第1の物標と前記車線側の区画線との間の、自車両の車幅方向の距離についての第1の基準距離よりも前記物標区画線間距離が短ければ、前記第2物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項2記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記第1物標検出情報と前記区画線検出情報とに基づいて、前記物標区画線間距離を算出する距離算出部を備え、
前記通過可能性判定部は、
前記物標区画線間距離を算出する代わりに、前記距離算出部により算出された物標区画線間距離を取得することを特徴とする請求項3記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記第1物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との間の自車両の車幅方向の距離である自車両物標間距離を算出し、自車両と前記第1の物標との接近が許容される接近許容距離よりも前記自車両物標間距離が短いか否かを判定する接近判定部を備え、
前記目標経路更新部は、
前記接近判定部によって前記接近許容距離よりも前記自車両物標間距離が短いと判定されれば、前記自車両物標間距離が前記接近許容距離以上になるように、前記目標経路を更新することを特徴とする請求項3記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記通過可能性判定部は、
前記第1の基準距離よりも長い第2の基準距離よりも前記物標区画線間距離が長ければ、前記第2物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かをさらに判定することを特徴とする請求項3記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記通過可能性判定部は、
前記第2物標検出情報に基づいて、前記第2の物標の幅を特定し、前記隙間距離が前記第2の物標の幅よりも長ければ、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があると判定することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記通過可能性判定部は、
前記第2物標検出情報に基づいて、自車両と前記第2の物標との相対速度を特定し、前記相対速度が自車両に近づく方向の速度であれば、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があると判定することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記通過可能性判定部は、
前記第2物標検出情報に基づいて、前記第2の物標が走行している車線を特定し、前記第2の物標が走行している車線が、自車両が走行している車線と同じ車線、又は、前記第1の物標が存在している車線と同じ車線であれば、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があると判定することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項10】
前記通過可能性判定部は、
前記第1物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との相対速度を特定し、前記相対速度が自車両に近づく方向の速度である場合に限り、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否か判定することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記検出情報取得部は、
自車両が走行している車線の路肩を検出する路肩検出センサから、前記路肩の検出情報を取得すれば、前記路肩の検出情報を前記通過可能性判定部に出力し、
前記通過可能性判定部は、
前記検出情報取得部から、前記路肩の検出情報が出力されれば、前記第2の物標が自車両の路肩側の脇を通過する可能性がないと判定することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項12】
前記検出情報取得部は、
自車両が走行している車線の路肩を検出する路肩検出センサから、前記路肩の検出情報を取得すれば、前記路肩の検出情報を前記目標経路更新部に出力し、
前記目標経路更新部は、
前記検出情報取得部から、前記路肩の検出情報が出力されている場合、前記路肩の検出情報が出力されていない場合よりも、前記目標経路を大きく更新することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項13】
前記検出情報取得部は、
自車両が走行している車線の車線幅を検出する車線幅検出センサから、前記車線幅の検出情報を取得すれば、前記車線幅の検出情報を前記通過可能性判定部に出力し、
前記通過可能性判定部は、
前記第2物標検出情報と前記車線幅の検出情報とに基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項14】
前記検出情報取得部は、
自車両が走行している車線の車線幅を検出する車線幅検出センサから、前記車線幅の検出情報を取得すれば、前記車線幅の検出情報を前記目標経路更新部に出力し、
前記目標経路更新部は、
前記車線幅が広いほど、前記隙間距離が長くなるように、前記目標経路を更新することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
【請求項15】
前記通過可能性判定部は、
前記第1物標検出情報に基づいて、前記第1の基準距離及び前記第2の基準距離のそれぞれを設定し、前記設定した第1の基準距離よりも前記物標区画線間距離が短ければ、前記第2物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定し、前記設定した第2の基準距離よりも前記物標区画線間距離が長ければ、前記第2物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項6記載の車両制御装置。
【請求項16】
前記通過可能性判定部は、
前記第2物標検出情報に基づいて、前記第1の基準距離及び前記第2の基準距離のそれぞれを設定し、前記設定した第1の基準距離よりも前記物標区画線間距離が短ければ、前記第2物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定し、前記設定した第2の基準距離よりも前記物標区画線間距離が長ければ、前記第2物標検出情報に基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定することを特徴とする請求項6記載の車両制御装置。
【請求項17】
前記目標経路更新部は、
前記物標区画線間距離と前記第1の基準距離とに基づいて、自車両の目標経路のオフセット量を算出し、前記オフセット量を現在の目標経路に加算することによって、当該目標経路を更新することを特徴とする請求項3記載の車両制御装置。
【請求項18】
前記目標経路更新部は、
前記自車両物標間距離と前記接近許容距離とに基づいて、自車両の目標経路のオフセット量を算出し、前記オフセット量を現在の目標経路に加算することによって、当該目標経路を更新することを特徴とする請求項5記載の車両制御装置。
【請求項19】
前記目標経路更新部は、
前記接近判定部によって前記接近許容距離よりも前記自車両物標間距離が短いと判定されたときに、前記目標経路を更新する場合の更新タイミングが、前記通過可能性判定部によって前記第2の物標が通過する可能性があると判定されたときに、前記目標経路を更新する場合の更新タイミングよりも早いことを特徴とする請求項5記載の車両制御装置。
【請求項20】
検出情報取得部が、自車両の前後一定距離範囲内かつ自車両の側方に存在する第1の物標に関する情報である第1物標検出情報と、第2の物標に関する情報である第2物標検出情報とを取得し、
通過可能性判定部が、前記検出情報取得部により取得された、前記第1物標検出情報と前記第2物標検出情報とに基づいて、自車両と前記第1の物標との間を前記第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定し、
目標経路更新部が、前記通過可能性判定部によって前記第2の物標が通過する可能性があると判定されれば、前記第2の物標が自車両と前記第1の物標との間を通過する際の自車両と前記第1の物標との間の自車両の車幅方向の距離である隙間距離が、前記隙間距離についての基準距離よりも広がるように、自車両の走行予定の経路である目標経路を更新する
車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両制御装置及び車両制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自車両の走行経路が目標経路に沿うように、自車両を制御する車両制御装置がある。
このような車両制御装置として、例えば、特許文献1には、設定部と検出部と制御部とを備える車両制御装置が開示されている。
当該設定部は、自車両の周囲に存在している物標と自車両との接近が許容される接近許容距離として、自車両の車幅方向の距離を設定する。物標としては、例えば、駐車車両、停車車両、並走車両、対向車両、又は、車両以外の物体がある。当該検出部は、自車両の周囲に存在している物標を検出する。当該制御部は、検出部により検出された物標と自車両との車幅方向の距離が、設定部により設定された接近許容距離よりも短ければ、自車両が物標から離れるように、自車両を車幅方向に移動させるオフセット制御を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている車両制御装置では、検出部により検出された物標(以下「第1の物標」という)と自車両との車幅方向の距離が、設定部により設定された接近許容距離よりも短くなければ、自車両が物標から離れるように、自車両を車幅方向に移動させることができないという課題があった。この結果、第1の物標と異なる他の物標(以下「第2の物標」という)が、第1の物標と自車両との間の通過を試みたときに、第2の物標が自車両に異常接近してしまうことがある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第2の物標が、第1の物標と自車両との間の通過を試みたときに、第2の物標が自車両に異常接近してしまう状況の発生を防止することができる車両制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車両制御装置は、自車両の前後一定距離範囲内かつ自車両の側方に存在する第1の物標に関する情報である第1物標検出情報と、第2の物標に関する情報である第2物標検出情報とを取得する検出情報取得部と、検出情報取得部により取得された、第1物標検出情報と第2物標検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定する通過可能性判定部とを備えている。また、車両制御装置は、通過可能性判定部によって第2の物標が通過する可能性があると判定されれば、第2の物標が自車両と第1の物標との間を通過する際の自車両と第1の物標との間の自車両の車幅方向の距離である隙間距離が、隙間距離についての基準距離よりも広がるように、自車両の走行予定の経路である目標経路を更新する目標経路更新部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第2の物標が自車両に異常接近してしまう状況の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る車両制御装置4を示す構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る車両制御装置4のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【
図3】車両制御装置4が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
【
図4】車両制御装置4の処理手順である車両制御方法を示すフローチャートである。
【
図5】接近判定部13の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】通過可能性判定部14の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】目標経路更新部15の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
【
図9】自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
【
図10】自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
【
図11】自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
【
図12】自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
【
図13】実施の形態2に係る車両制御装置4を示す構成図である。
【
図14】実施の形態2に係る車両制御装置4のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【
図15】自車両及び第2の物標の一例を示す説明図である。
【
図16】実施の形態3に係る車両制御装置4を示す構成図である。
【
図17】実施の形態3に係る車両制御装置4のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る車両制御装置4を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る車両制御装置4のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1において、第1の物標検出センサ1は、例えば、カメラ、又は、レーダによって実現される。
第1の物標検出センサ1は、自車両の前後一定距離範囲内かつ自車両の側方に存在する第1の物標T
1の検出処理を行う。第1の物標T
1は、例えば、駐車車両、停車車両、並走車両、対向車両、又は、車両以外の物体である。自車両の前後一定距離範囲は、例えば、自車両の前方〇〇メートルから、自車両の後方△△メートルの範囲である。ただし、これは一例に過ぎず、自車両の後方をゼロメートルとして、自車両の後方については、自車両の前後一定距離範囲に含まれていなくてもよい。
第1の物標検出センサ1は、第1の物標T
1に関する情報である第1物標検出情報を車両制御装置4に出力する。
【0011】
第2の物標検出センサ2は、例えば、カメラ、又は、レーダによって実現される。
第2の物標検出センサ2は、第1の物標T1と異なる物標である第2の物標T2の検出処理を行う。第2の物標は、例えば、自車両の後続車両、又は、対向車両である。
第2の物標検出センサ2は、第2の物標T2に関する情報である第2物標検出情報を車両制御装置4に出力する。
【0012】
区画線検出センサ3は、例えば、カメラによって実現される。
区画線検出センサ3は、例えば、後述する
図8に示すように、第1の物標T
1が存在している車線の2つの区画線DLa,DLbのうち、自車両が走行している車線側の区画線DLaを検出する。
区画線検出センサ3は、区画線DLaの検出情報を車両制御装置4に出力する。
【0013】
車両制御装置4は、検出情報取得部11、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部14、目標経路更新部15及び車両制御部16を備えている。
アクチュエータ制御部5は、車両制御装置4の車両制御部16から出力された制御信号に従って、例えば、自車両のステアリング、自車両のアクセル、又は、自車両のブレーキのうち、いずれか1つ以上を制御する。
【0014】
検出情報取得部11は、例えば、
図2に示す検出情報取得回路21によって実現される。
検出情報取得部11は、第1の物標検出センサ1から第1物標検出情報を取得し、第2の物標検出センサ2から第2物標検出情報を取得し、区画線検出センサ3から区画線DLaの検出情報を取得する。
検出情報取得部11は、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを距離算出部12に出力し、第2物標検出情報を通過可能性判定部14に出力する。
【0015】
距離算出部12は、例えば、
図2に示す距離算出回路22によって実現される。
距離算出部12は、検出情報取得部11から、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを取得する。
距離算出部12は、第1物標検出情報と区画線DLaの検出情報とに基づいて、第1の物標T
1と区画線DLaとの間の、自車両の車幅方向の距離である物標区画線間距離Laを算出する。
距離算出部12は、物標区画線間距離Laを示す距離情報を通過可能性判定部14に出力する。
また、距離算出部12は、第1物標検出情報を接近判定部13に出力する。
【0016】
接近判定部13は、例えば、
図2に示す接近判定回路23によって実現される。
接近判定部13は、距離算出部12から、第1物標検出情報を取得する。
接近判定部13は、第1物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間の自車両の車幅方向の距離である自車両物標間距離CLを算出する。
接近判定部13は、自車両物標間距離CLと接近許容距離AADとを比較し、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短いか否かを判定する。接近許容距離AADは、自車両と第1の物標T
1との接近が許容される距離である。接近許容距離AADを示す情報は、接近判定部13の内部メモリに格納されていてもよいし、車両制御装置4の外部から与えられるものであってもよい。
接近判定部13は、判定の結果を目標経路更新部15に出力する。
【0017】
通過可能性判定部14は、例えば、
図2に示す通過可能性判定回路24によって実現される。
通過可能性判定部14は、検出情報取得部11から、第2物標検出情報を取得し、距離算出部12から、物標区画線間距離Laを示す距離情報を取得する。
通過可能性判定部14は、第1の基準距離L
ref,1と物標区画線間距離Laとを比較し、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短いか否かを判定する。
また、通過可能性判定部14は、第2の基準距離L
ref,2と物標区画線間距離Laとを比較し、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長いか否かを判定する。
【0018】
第1の基準距離Lref,1は、第1の物標T1と区画線DLaとの間の、自車両の車幅方向の距離についての基準距離であり、通常距離範囲の最小距離を示すものである。第2の基準距離Lref,2は、第1の基準距離Lref,1よりも長い基準距離であり、通常距離範囲の最大距離を示すものである。
通常距離範囲は、例えば、車両が車線を直進する際、車線中央からの一般的なばらつきを加味して設定される。
第1の基準距離Lref,1及び第2の基準距離Lref,2のそれぞれを示す情報は、通過可能性判定部14の内部メモリに格納されていてもよいし、車両制御装置4の外部から与えられるものであってもよい。
通過可能性判定部14は、第1の基準距離Lref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離Lref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T1との間を第2の物標T2が通過する可能性があるか否かを判定する。
通過可能性判定部14は、判定の結果を目標経路更新部15に出力する。
【0019】
図1に示す車両制御装置4では、距離算出部12と通過可能性判定部14とが、別個に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、通過可能性判定部14が、距離算出部12を内蔵し、通過可能性判定部14が、物標区画線間距離Laを算出するようにしてもよい。この場合、通過可能性判定部14は、第1物標検出情報と第2物標検出情報と区画線検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定することになる。このとき、通過可能性判定部14は、自車両が走行している道路が、片側二車線以上の道路であるものとして、第1の物標T
1と区画線DLaとの間の物標区画線間距離Laを算出する。
自車両が走行している道路が、例えば、片側一車線の道路である場合、通過可能性判定部14は、第1の物標T
1と区画線DLaとの間の物標区画線間距離Laを算出する必要がない。このため、この場合、通過可能性判定部14は、第1物標検出情報と第2物標検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
【0020】
目標経路更新部15は、例えば、
図2に示す目標経路更新回路25によって実現される。
目標経路更新部15は、接近判定部13から判定結果を取得し、通過可能性判定部14から判定結果を取得する。
目標経路更新部15は、接近判定部13によって接近許容距離ADDよりも自車両物標間距離CLが短いと判定されれば、自車両物標間距離CLが接近許容距離ADD以上になるように、自車両の走行予定の経路である目標経路を更新する。
目標経路更新部15は、通過可能性判定部14によって第2の物標T
2が通過する可能性があると判定されれば、第2の物標T
2が自車両と第1の物標T
1との間を通過する際の隙間距離GDが、隙間距離GDについての基準距離L
ref,GDよりも広がるように、目標経路を更新する。隙間距離GDは、自車両と第1の物標T
1との間の自車両の車幅方向の距離である。隙間距離GDは、自車両物標間距離CLと概念が異なる距離ではあるが、
図8に示すように、隙間距離GDと自車両物標間距離CLとは一致する。
目標経路更新部15は、更新後の目標経路を車両制御部16に出力する。
【0021】
車両制御部16は、例えば、
図2に示す車両制御回路26によって実現される。
車両制御部16は、目標経路更新部15から、更新後の目標経路を取得する。
車両制御部16は、自車両の走行経路が更新後の目標経路に沿うように、自車両を制御するための制御信号をアクチュエータ制御部5に出力する。
【0022】
図1では、車両制御装置4の構成要素である検出情報取得部11、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部14、目標経路更新部15及び車両制御部16のそれぞれが、
図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、車両制御装置4が、検出情報取得回路21、距離算出回路22、接近判定回路23、通過可能性判定回路24、目標経路更新回路25及び車両制御回路26によって実現されるものを想定している。
検出情報取得回路21、距離算出回路22、接近判定回路23、通過可能性判定回路24、目標経路更新回路25及び車両制御回路26のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0023】
車両制御装置4の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、車両制御装置4が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
【0024】
図3は、車両制御装置4が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
車両制御装置4が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、検出情報取得部11、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部14、目標経路更新部15及び車両制御部16におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ31に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0025】
また、
図2では、車両制御装置4の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、車両制御装置4がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、車両制御装置4における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0026】
次に、
図1に示す車両制御装置4の動作について説明する。
図4は、車両制御装置4の処理手順である車両制御方法を示すフローチャートである。
図5は、接近判定部13の処理手順を示すフローチャートである。
図6は、通過可能性判定部14の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、目標経路更新部15の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
図8の例では、片側二車線の道路において、第1の物標が左側の走行車線を走行し、自車両及び第2の物標のそれぞれが右側の追越車線を走行している。
【0027】
図1に示す車両制御装置4では、自車両の走行経路が、設定された目標経路に沿うように、自車両が自動運転されているものとする。
第1の物標検出センサ1は、自車両が走行している車線と異なる車線に存在している第1の物標T
1の検出処理を行う。
具体的には、第1の物標T
1が自車両の前後一定距離範囲内に存在しており、かつ、第1の物標T
1が自車両の側方に存在しているときに、第1の物標検出センサ1は、第1の物標T
1の検出処理を行う。
第1の物標検出センサ1は、第1の物標T
1が存在していれば、第1の物標T
1を検出し、第1物標検出情報を車両制御装置4に出力する。第1物標検出情報は、例えば、第1の物標T
1の位置を示す位置情報及び第1の物標T
1の速度を示す速度情報のそれぞれを含んでいる。
【0028】
第2の物標検出センサ2は、例えば、自車両の後方に存在している第2の物標T
2の検出処理を行う。
第2の物標検出センサ2は、第2の物標T
2が存在していれば、第2の物標T
2を検出し、第2物標検出情報を車両制御装置4に出力する。第2物標検出情報は、例えば、第2の物標T
2の位置を示す位置情報及び第2の物標T
2の速度を示す速度情報のそれぞれを含んでいる。
図1に示す車両制御装置4では、第2の物標T
2が後続車両であるとして、第2の物標検出センサ2が、自車両の後方に存在している第2の物標T
2の検出処理を行っている。しかし、これは一例に過ぎず、第2の物標T
2が対向車両であるとして、第2の物標検出センサ2が、自車両の前方に存在している第2の物標T
2の検出処理を行うようにしてもよい。
【0029】
区画線検出センサ3は、
図8に示すように、第1の物標T
1が存在している車線の両側の区画線DLa,DLbのうち、自車両が走行している車線側の区画線DLaを検出する。
区画線検出センサ3は、区画線DLaの検出情報を車両制御装置4に出力する。区画線DLaの検出情報は、区画線DLaの位置を示す位置情報を含んでいる。
【0030】
検出情報取得部11は、第1の物標検出センサ1から第1物標検出情報を取得し、第2の物標検出センサ2から第2物標検出情報を取得し、区画線検出センサ3から区画線DLaの検出情報を取得する(
図4のステップST1)。
検出情報取得部11は、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを距離算出部12に出力し、第2物標検出情報を通過可能性判定部14に出力する。
【0031】
距離算出部12は、検出情報取得部11から、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを取得する。
距離算出部12は、第1物標検出情報と区画線DLaの検出情報とに基づいて、第1の物標T
1と区画線DLaとの間の、自車両の車幅方向の距離である物標区画線間距離Laを算出する(
図4のステップST2)。
具体的には、
図8に示すように、第1の物標T
1における自車両の車幅方向の位置のうち、進行方向右端の位置がx
1a、区画線DLaにおける自車両の車幅方向の位置がx
DLaであれば、距離算出部12は、以下の式(1)に示すように、物標区画線間距離Laを算出する。
La=|x
1a-x
DLa|(1)
距離算出部12は、物標区画線間距離Laを示す距離情報を通過可能性判定部14に出力する。距離算出部12は、第1物標検出情報を接近判定部13に出力する。
【0032】
接近判定部13は、距離算出部12から、第1物標検出情報を取得する(
図5のステップST11)。
接近判定部13は、第1物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間の自車両の車幅方向の距離である自車両物標間距離CLを算出する。自車両物標間距離CLの算出処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
接近判定部13は、自車両物標間距離CLと接近許容距離AADとを比較し、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短いか否かを判定する(
図5のステップST12、
図4のステップST3)。
図8には、自車両物標間距離CLが接近許容距離AADよりも長い例が示されている。
【0033】
接近判定部13は、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短ければ(
図5のステップST12:YESの場合)、自車両物標間距離CLが、接近許容距離AADよりも短い旨を示す判定結果を目標経路更新部15に出力する(
図5のステップST13)。
接近判定部13は、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短くなければ(
図5のステップST12:NOの場合)、自車両物標間距離CLが、接近許容距離AADよりも短くない旨を示す判定結果を目標経路更新部15に出力する(
図5のステップST14)。
【0034】
通過可能性判定部14は、検出情報取得部11から第2物標検出情報を取得し、距離算出部12から物標区画線間距離Laを示す距離情報を取得する(
図6のステップST21)。
通過可能性判定部14は、第1の基準距離L
ref,1と物標区画線間距離Laとを比較し、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短いか否かを判定する(
図6のステップST22)。
通過可能性判定部14は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短くなければ(
図6のステップST22:NOの場合)、第2の基準距離L
ref,2と物標区画線間距離Laとを比較し、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長いか否かを判定する(
図6のステップST23)。
【0035】
通過可能性判定部14は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短くなく(
図6のステップST22:NOの場合)、かつ、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長くなければ(
図6のステップST23:NOの場合)、目標経路を更新する必要がないため、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かの判定処理を行わない。
通過可能性判定部14は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合(
図6のステップST22:YESの場合)、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合(
図6のステップST23:YESの場合)、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する(
図6のステップST25、
図4のステップST4)。
【0036】
具体的には、通過可能性判定部14は、第2物標検出情報に基づいて、第2の物標T
2の幅W、自車両と第2の物標T
2との相対速度V、又は、第2の物標T
2が走行している車線を特定する。
通過可能性判定部14は、物標区画線間距離Laが第2の物標T
2の幅Wよりも長ければ、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があると判定する(
図6のステップST26)。
通過可能性判定部14は、物標区画線間距離Laが第2の物標T
2の幅W以下であれば、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がないと判定する(
図6のステップST24)。
【0037】
通過可能性判定部14は、相対速度Vが自車両に近づく方向の速度であれば、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があると判定する(
図6のステップST26)。
通過可能性判定部14は、相対速度Vが自車両から遠ざかる方向の速度であれば、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がないと判定する(
図6のステップST24)。
【0038】
通過可能性判定部14は、第2の物標T
2が走行している車線が、自車両が走行している車線と同じ車線、又は、第1の物標T
1が存在している車線と同じ車線であれば、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があると判定する(
図6のステップST26)。
例えば、自車両が走行している車線が追越車線であり、第1の物標T
1が存在している車線が追越車線の左隣の走行車線であるとき、第2の物標T
2が走行している車線が、上記の追越車線である場合、又は、上記の走行車線である場合、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があると判定する。
通過可能性判定部14は、第2の物標T
2が走行している車線が、自車両が走行している車線と異なる車線であり、かつ、第1の物標T
1が存在している車線と異なる車線であれば、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がないと判定する(
図6のステップST24)。
例えば、自車両が走行している車線が追越車線であり、第1の物標T
1が存在している車線が追越車線の左隣の走行車線であるとき、第2の物標T
2が走行している車線が、上記の走行車線の左隣の走行車線である場合、又は、上記の追越車線の右隣の追越車線である場合、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がないと判定する。
【0039】
自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かの判定処理は、第1物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1の相対速度を特定し、相対速度が自車両に近づく方向の速度である場合に限り、通過可能性判定部14が行うようにしてもよい。
通過可能性判定部14は、第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを示す判定結果を目標経路更新部15に出力する。
図8の例では、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がない旨の判定が行われる。
図9及び
図10の例では、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がある旨の判定が行われる。
図9及び
図10のそれぞれは、自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
【0040】
目標経路更新部15は、接近判定部13から判定結果を取得し、通過可能性判定部14から判定結果を取得する(
図7のステップST31)。
目標経路更新部15は、接近判定部13によって接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短いと判定された場合(
図7のステップST32:YESの場合)、自車両物標間距離CLが接近許容距離ADD以上になるように、目標経路を更新する(
図7のステップST34、
図4のステップST5)。
また、目標経路更新部15は、通過可能性判定部14によって第2の物標T
2が通過する可能性があると判定された場合(
図7のステップST33:YESの場合)、第2の物標T
2が自車両と第1の物標T
1との間を通過する際の隙間距離GDが、基準距離L
ref,GDよりも広がるように、目標経路を更新する(
図7のステップST34、
図4のステップST5)。即ち、目標経路更新部15は、例えば、
図9、又は、
図10に示すように、目標経路が区画線DLaから離れるように、目標経路を更新する。
【0041】
具体的には、目標経路更新部15は、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短ければ、例えば、以下の式(2)に示すように、更新後の目標経路において、自車両と第1の物標T1との間の自車両物標間距離CL’が接近許容距離AADとなるように、オフセット量Offsetを算出する。
Offset=AAD-CL’ (2)
ただし、これは一例に過ぎず、目標経路更新部15は、例えば、自車両物標間距離CL’よりも大きくなるようなオフセット量Offsetを算出してもよい。
【0042】
目標経路更新部15は、第1の基準距離Lref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合において、第2の物標T2が通過する可能性があると判定されれば、例えば、以下の式(3)に示すように、更新後の目標経路において、第1の物標T1と区画線DLaとの間の物標区画線間距離La’が第1の基準距離Lref,1となるように、オフセット量Offsetを算出する。
Offset=Lref,1-La’ (3)
ただし、これは一例に過ぎず、目標経路更新部15は、例えば、物標区画線間距離La’が第1の基準距離Lref,1よりも大きくなるようなオフセット量Offsetを算出してもよい。
【0043】
目標経路更新部15は、第2の基準距離L
ref,2xよりも物標区画線間距離Laが長い場合において、第2の物標T
2が通過する可能性があると判定されれば、更新後の目標経路において、第1の物標T
1と区画線DLbとの間の物標区画線間距離La’が、現在の物標区画線間距離Laよりも広がるようなオフセット量Offsetを算出する。
目標経路更新部15は、自車両の目標経路が、オフセット量Offsetだけ、区画線DLaから離れるように、目標経路を更新する。
図9及び
図10の例では、自車両の目標経路が、区画線DLcに近づくように、目標経路を更新している。
【0044】
目標経路更新部15は、更新後の目標経路を車両制御部16に出力する。
図1に示す車両制御装置4では、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが近く、かつ、第2の物標T
2が通過する可能性がある場合、目標経路更新部15は、式(2)に示すオフセット量Offsetを優先して、目標経路を更新する。第2の物標T
2が通過する可能性がある場合の危険性の回避は、予防的な回避である一方、第1の物標T
1が第2の物標T
2に接触する危険性の回避は、喫緊の回避だからである。
また、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが近く、かつ、第2の物標T
2が通過する可能性がある場合において、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが近いと判定された場合の目標経路更新部15による目標経路の更新タイミングと、第2の物標T
2が通過する可能性があると判定される場合の目標経路更新部15による目標経路の更新タイミングとが異なっていてもよい。
【0045】
具体的には、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが近いと判定されたときに、目標経路更新部15が目標経路を更新する場合の更新タイミングが、第2の物標T2が通過する可能性があると判定されたときに、目標経路更新部15が目標経路を更新する場合の更新タイミングよりも早くてもよい。
また、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが近いと判定されたときに、目標経路更新部15が目標経路を更新する速さが、第2の物標T2が通過する可能性があると判定されたときに、目標経路更新部15が目標経路を更新する速さよりも早くてもよい。目標経路を更新する速さとは、目標経路をオフセットする速さを意味する。
第2の物標T2が通過する可能性がある場合の危険性の回避は、予防的な回避である一方、第1の物標T1が第2の物標T2に接触する危険性の回避は、喫緊の回避だからである。
【0046】
目標経路更新部15は、接近判定部13によって接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短くないと判定され(
図7のステップST32:NOの場合)、かつ、通過可能性判定部14によって第2の物標T
2が通過する可能性がないと判定された場合(
図7のステップST33:NOの場合)、自車両の目標経路を更新しない(
図7のステップST35)。
また、目標経路更新部15は、接近判定部13によって接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短くないと判定され(
図7のステップST32:NOの場合)、かつ、通過可能性判定部14によって判定処理が行われない場合も、自車両の目標経路を更新しない。
【0047】
車両制御部16は、目標経路更新部15から、更新後の目標経路を取得する。
車両制御部16は、自車両の走行経路が更新後の目標経路に沿うように、自車両を制御するための制御信号をアクチュエータ制御部5に出力する(
図4のステップST6)。
アクチュエータ制御部5は、車両制御部16から、制御信号を取得する。
アクチュエータ制御部5は、制御信号に従って、例えば、自車両のステアリング、自車両のアクセル、又は、自車両のブレーキのうち、いずれか1つ以上を制御する。
【0048】
以上の実施の形態1では、自車両の前後一定距離範囲内かつ自車両の側方に存在する第1の物標に関する情報である第1物標検出情報と、第2の物標に関する情報である第2物標検出情報とを取得する検出情報取得部11と、検出情報取得部11により取得された、第1物標検出情報と第2物標検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定する通過可能性判定部14とを備えるように、車両制御装置4を構成した。また、車両制御装置4は、通過可能性判定部14によって第2の物標が通過する可能性があると判定されれば、第2の物標が自車両と第1の物標との間を通過する際の自車両と第1の物標との間の自車両の車幅方向の距離である隙間距離が、隙間距離についての基準距離よりも広がるように、自車両の走行予定の経路である目標経路を更新する目標経路更新部15を備えている。したがって、車両制御装置4は、第2の物標が、第1の物標と自車両との間の通過を試みたときに、第2の物標が自車両に異常接近してしまう状況の発生を防止することができる。
【0049】
図8の例では、片側二車線の道路において、第1の物標が左側の走行車線を走行し、自車両及び第2の物標のそれぞれが右側の追越車線を走行している。
しかし、これは一例に過ぎず、
図11に示すように、片側三車線の道路において、第1の物標が一番左側の走行車線を走行し、自車両及び第2の物標のそれぞれが一番右側の追越車線を走行しているものであってもよい。
図11は、自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
この場合も、接近判定部13は、接近許容距離AADと自車両物標間距離CLとを比較して、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短いか否かを判定する。
また、通過可能性判定部14についても、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短いか否かを判定し、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長いか否かを判定する。
そして、通過可能性判定部14は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
目標経路更新部15は、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短い場合、自車両物標間距離CLが接近許容距離ADD以上になるように、目標経路を更新する。
目標経路更新部15は、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がある場合、自車両の目標経路が、オフセット量Offsetだけ、区画線DLcから離れるように、目標経路を更新する。
【0050】
図8の例では、片側二車線の道路において、第1の物標が左側の走行車線を走行し、自車両及び第2の物標のそれぞれが右側の追越車線を走行している。
しかし、これは一例に過ぎず、
図12に示すように、片側二車線の道路において、第1の物標が右側の追越車線を走行し、自車両及び第2の物標のそれぞれが左側の走行車線を走行しているものであってもよい。
図12は、自車両、第1の物標及び第2の物標の一例を示す説明図である。
この場合も、距離算出部12は、第1物標検出情報と区画線DLaの検出情報とに基づいて、第1の物標T
1と区画線DLaとの間の、自車両の車幅方向の物標区画線間距離Laを算出する。
接近判定部13についても、接近許容距離AADと自車両物標間距離CLとを比較して、接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短いか否かを判定する。
通過可能性判定部14についても、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短いか否かを判定し、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長いか否かを判定する。
そして、通過可能性判定部14は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
目標経路更新部15は、接近許容距離AADよりも物標区画線間距離Laが短い場合、自車両物標間距離CLが接近許容距離ADD以上になるように、目標経路を更新する。
目標経路更新部15は、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性がある場合、自車両の目標経路が、オフセット量Offsetだけ、区画線DLaから離れるように、目標経路を更新する。
【0051】
図1に示す車両制御装置4では、距離算出部12、又は、通過可能性判定部14が、第1物標検出情報と区画線DLaの検出情報とに基づいて、物標区画線間距離Laを算出している。このとき、第1物標検出情報は、1つの第1の物標T
1に関する情報である。
第1の物標検出センサ1は、自車両の前後一定距離範囲内において、2つ以上の第1の物標T
1を検出することがある。このような場合、例えば、距離算出部12等は、2つ以上の第1の物標T
1の中から、自車両の前後方向の距離が近い順に、1つの第1の物標T
1を選択し、選択した第1の物標T
1についての物標区画線間距離Laを算出する。そして、通過可能性判定部14は、選択した第1の物標T
1についての物標区画線間距離Laと第1の基準距離L
ref,1等とを比較して、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
あるいは、距離算出部12等は、2つ以上の第1の物標T
1のそれぞれについての物標区画線間距離Laを算出する。そして、通過可能性判定部14は、2つ以上の第1の物標T
1の中から、物標区画線間距離Laが短い順に、1つの第1の物標T
1を選択し、選択した第1の物標T
1についての物標区画線間距離Laと第1の基準距離L
ref,1等とを比較して、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
【0052】
図1に示す車両制御装置4では、通過可能性判定部14が、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定している。しかし、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かの判定方法は、これに限るものではなく、例えば、人工知能であるAI(Artificial Intelligence)に基づく判定方法であってもよい。この判定方法は、例えば、第1の物標T
1と第2の物標T
2とが写っている学習用の全方位度画像と、第2の物標T
2が通過するか否かを示す教師データとを学習モデルに与えて、第2の物標T
2の通過の有無を学習させる。そして、通過可能性判定部14は、推論時において、第1の物標T
1と第2の物標T
2とが撮影された全方位度画像を学習モデルに与えて、学習モデルから、第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを示す判定結果を取得する。
また、このような学習モデルの代わりに、ルールベースを作成し、通過可能性判定部14は、ルールベースから、第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを示す判定結果を取得するようにしてもよい。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態2では、第2物標検出情報と路肩の検出情報とに基づいて、第2の物標T2が自車両の脇を通過する可能性があるか否かを判定する通過可能性判定部18を備える車両制御装置4について説明する。
【0054】
図13は、実施の形態2に係る車両制御装置4を示す構成図である。
図13において、
図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図14は、実施の形態2に係る車両制御装置4のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図14において、
図2と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図13において、路肩検出センサ6は、例えば、カメラ、又は、レーダによって実現される。
路肩検出センサ6は、自車両が走行している車線の路肩の検出処理を行う。
路肩検出センサ6は、路肩を検出すれば、路肩の検出情報を車両制御装置4に出力する。
【0055】
図13に示す車両制御装置4は、検出情報取得部17、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部18、目標経路更新部15及び車両制御部16を備えている。
検出情報取得部17は、例えば、
図14に示す検出情報取得回路27によって実現される。
検出情報取得部17は、第1の物標検出センサ1から第1物標検出情報を取得し、第2の物標検出センサ2から第2物標検出情報を取得し、区画線検出センサ3から区画線DLaの検出情報を取得する。
また、検出情報取得部17は、路肩検出センサ6から、路肩の検出情報を取得する。
検出情報取得部17は、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを距離算出部12に出力し、第2物標検出情報及び路肩の検出情報のそれぞれを通過可能性判定部18に出力する。
【0056】
通過可能性判定部18は、例えば、
図14に示す通過可能性判定回路28によって実現される。
通過可能性判定部18は、検出情報取得部17から、第2物標検出情報及び路肩の検出情報のそれぞれを取得し、距離算出部12から物標区画線間距離Laを示す距離情報を取得する。
通過可能性判定部18は、第1の基準距離L
ref,1と物標区画線間距離Laとを比較し、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短いか否かを判定する。
また、通過可能性判定部18は、第2の基準距離L
ref,2と物標区画線間距離Laとを比較し、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長いか否かを判定する。
第1の基準距離L
ref,1及び第2の基準距離L
ref,2のそれぞれを示す情報は、通過可能性判定部18の内部メモリに格納されていてもよいし、車両制御装置4の外部から与えられるものであってもよい。
通過可能性判定部18は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
通過可能性判定部18は、検出情報取得部17から、路肩の検出情報が出力されれば、第2の物標T
2が自車両の路肩側の脇を通過する可能性がないと判定する。
通過可能性判定部18は、判定の結果を目標経路更新部15に出力する。
【0057】
図13では、車両制御装置4の構成要素である検出情報取得部17、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部18、目標経路更新部15及び車両制御部16のそれぞれが、
図14に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、車両制御装置4が、検出情報取得回路27、距離算出回路22、接近判定回路23、通過可能性判定回路28、目標経路更新回路25及び車両制御回路26によって実現されるものを想定している。
検出情報取得回路27、距離算出回路22、接近判定回路23、通過可能性判定回路28、目標経路更新回路25及び車両制御回路26のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0058】
車両制御装置4の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、車両制御装置4が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
車両制御装置4が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、検出情報取得部17、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部18、目標経路更新部15及び車両制御部16におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図3に示すメモリ31に格納される。そして、
図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0059】
また、
図14では、車両制御装置4の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、車両制御装置4がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、車両制御装置4における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0060】
次に、
図13に示す車両制御装置4の動作について説明する。ただし、路肩検出センサ6、検出情報取得部17及び通過可能性判定部18以外は、
図1に示す車両制御装置4と同様である。このため、ここでは、主に、路肩検出センサ6、検出情報取得部17及び通過可能性判定部18の動作について説明する。
【0061】
路肩検出センサ6は、自車両が走行している車線の路肩の検出処理を行う。路肩の検出処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
例えば、
図15に示すように、自車両が走行している車線の左側に路肩がある場合、車線の左側に路肩がない場合よりも、第2の物標T
2が自車両の左側を通過する可能性は低い。
図15は、自車両及び第2の物標の一例を示す説明図である。
路肩検出センサ6は、路肩を検出すれば、路肩の検出情報を車両制御装置4に出力する。
【0062】
検出情報取得部17は、第1の物標検出センサ1から第1物標検出情報を取得し、第2の物標検出センサ2から第2物標検出情報を取得し、区画線検出センサ3から区画線DLaの検出情報を取得する。
また、検出情報取得部17は、路肩検出センサ6から、路肩の検出情報を取得する。
検出情報取得部17は、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを距離算出部12に出力する。
検出情報取得部17は、第2物標検出情報及び路肩の検出情報のそれぞれを通過可能性判定部18に出力する。
【0063】
通過可能性判定部18は、検出情報取得部17から、第2物標検出情報及び路肩の検出情報のそれぞれを取得し、距離算出部12から物標区画線間距離Laを示す距離情報を取得する。
通過可能性判定部18は、
図1に示す通過可能性判定部14と同様に、第1の基準距離L
ref,1と物標区画線間距離Laとを比較し、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短いか否かを判定する。
また、通過可能性判定部18は、
図1に示す通過可能性判定部14と同様に、第2の基準距離L
ref,2と物標区画線間距離Laとを比較し、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長いか否かを判定する。
【0064】
通過可能性判定部18は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、第2物標検出情報と路肩の検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
具体的には、通過可能性判定部18は、自車両の前方に第1の物標T
1が存在しているとき、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、
図1に示す通過可能性判定部14と同様に、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
また、通過可能性判定部18は、例えば、自車両が一番左側の走行車線を走行しているとき、検出情報取得部17から路肩の検出情報が出力されていれば、第2の物標T
2が、自車両の路肩側の脇を通過する可能性がないと判定する。
通過可能性判定部18は、例えば、自車両が一番左側の走行車線を走行しているとき、検出情報取得部17から路肩の検出情報が出力されていなければ、第2の物標T
2が、自車両の左側の脇を通過する可能性があると判定する。
通過可能性判定部18は、判定の結果を目標経路更新部15に出力する。
【0065】
目標経路更新部15は、接近判定部13から判定結果を取得し、通過可能性判定部18から判定結果を取得する。
目標経路更新部15は、接近判定部13によって接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短いと判定された場合、自車両物標間距離CLが接近許容距離ADD以上になるように、目標経路を更新する。
目標経路更新部15は、通過可能性判定部18によって、自車両と第1の物標T1との間を第2の物標T2が通過する可能性があると判定された場合、自車両の目標経路が区画線DLaから離れるように、目標経路を更新する。
また、目標経路更新部15は、通過可能性判定部18によって、第2の物標T2が自車両の左側の脇を通過する可能性があると判定された場合、自車両の目標経路が右側にずれるように、目標経路を更新する。
【0066】
以上の実施の形態2では、検出情報取得部17が、自車両が走行している車線の路肩を検出する路肩検出センサ6から、路肩の検出情報を取得すれば、路肩の検出情報を通過可能性判定部18に出力する。そして、通過可能性判定部18が、検出情報取得部17から、路肩の検出情報が出力されれば、第2の物標が自車両の路肩側の脇を通過する可能性がないと判定するように、
図13に示す車両制御装置4を構成した。したがって、
図13に示す車両制御装置4は、
図1に示す車両制御装置4と同様に、第2の物標が自車両に異常接近してしまう状況の発生を防止することができるほか、自車両が走行している車線に路肩がある場合に、不要な目標経路の更新を防ぐことができる。
【0067】
図13に示す車両制御装置4では、通過可能性判定部18が、検出情報取得部17から路肩の検出情報が出力されていれば、第2の物標T
2が、自車両の路肩側の脇を通過する可能性がないと判定し、目標経路更新部15が、目標経路を更新していない。
しかし、これとは逆に、目標経路更新部15は、検出情報取得部17から路肩の検出情報が出力されていれば、検出情報取得部17から路肩の検出情報が出力されていない場合よりも、目標経路を大きく更新するようにしてもよい。
【0068】
実施の形態3.
実施の形態3では、第2物標検出情報と車線幅の検出情報とに基づいて、第2の物標T2が自車両の脇を通過する可能性があるか否かを判定する通過可能性判定部20を備える車両制御装置4について説明する。
【0069】
図16は、実施の形態3に係る車両制御装置4を示す構成図である。
図16において、
図1及び
図13と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図17は、実施の形態3に係る車両制御装置4のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図17において、
図2及び
図14と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
図17において、車線幅検出センサ7は、例えば、カメラによって実現される。
車線幅検出センサ7は、自車両が走行している車線の車線幅の検出処理を行う。
車線幅検出センサ7は、車線幅を検出すれば、車線幅の検出情報を車両制御装置4に出力する。
【0070】
図16に示す車両制御装置4は、検出情報取得部19、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部20、目標経路更新部15及び車両制御部16を備えている。
検出情報取得部19は、例えば、
図17に示す検出情報取得回路29によって実現される。
検出情報取得部19は、第1の物標検出センサ1から第1物標検出情報を取得し、第2の物標検出センサ2から第2物標検出情報を取得し、区画線検出センサ3から区画線DLaの検出情報を取得する。
また、検出情報取得部19は、車線幅検出センサ7から、車線幅の検出情報を取得する。
検出情報取得部19は、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを距離算出部12に出力し、第2物標検出情報及び車線幅の検出情報のそれぞれを通過可能性判定部20に出力する。
【0071】
通過可能性判定部20は、例えば、
図17に示す通過可能性判定回路30によって実現される。
通過可能性判定部20は、検出情報取得部19から、第2物標検出情報及び車線幅の検出情報のそれぞれを取得し、距離算出部12から物標区画線間距離Laを示す距離情報を取得する。
通過可能性判定部20は、第1の基準距離L
ref,1と物標区画線間距離Laとを比較し、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短いか否かを判定する。
また、通過可能性判定部20は、第2の基準距離L
ref,2と物標区画線間距離Laとを比較し、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長いか否かを判定する。
第1の基準距離L
ref,1及び第2の基準距離L
ref,2のそれぞれを示す情報は、通過可能性判定部20の内部メモリに格納されていてもよいし、車両制御装置4の外部から与えられるものであってもよい。
通過可能性判定部20は、第1の基準距離L
ref,1よりも物標区画線間距離Laが短い場合、又は、第2の基準距離L
ref,2よりも物標区画線間距離Laが長い場合、第2物標検出情報と車線幅の検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標T
1との間を第2の物標T
2が通過する可能性があるか否かを判定する。
通過可能性判定部20は、判定の結果を目標経路更新部15に出力する。
【0072】
図16では、車両制御装置4の構成要素である検出情報取得部19、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部20、目標経路更新部15及び車両制御部16のそれぞれが、
図17に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、車両制御装置4が、検出情報取得回路29、距離算出回路22、接近判定回路23、通過可能性判定回路30、目標経路更新回路25及び車両制御回路26によって実現されるものを想定している。
検出情報取得回路29、距離算出回路22、接近判定回路23、通過可能性判定回路30、目標経路更新回路25及び車両制御回路26のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
【0073】
車両制御装置4の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、車両制御装置4が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
車両制御装置4が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、検出情報取得部19、距離算出部12、接近判定部13、通過可能性判定部20、目標経路更新部15及び車両制御部16におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが
図3に示すメモリ31に格納される。そして、
図3に示すプロセッサ32がメモリ31に格納されているプログラムを実行する。
【0074】
また、
図17では、車両制御装置4の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、
図3では、車両制御装置4がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、車両制御装置4における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
【0075】
次に、
図16に示す車両制御装置4の動作について説明する。ただし、車線幅検出センサ7、検出情報取得部19及び通過可能性判定部20以外は、
図1に示す車両制御装置4と同様である。このため、ここでは、主に、車線幅検出センサ7、検出情報取得部19及び通過可能性判定部20の動作について説明する。
【0076】
車線幅検出センサ7は、自車両が走行している車線の車線幅の検出処理を行う。車線幅の検出処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
車線幅検出センサ7は、車線幅を検出すれば、車線幅の検出情報を車両制御装置4に出力する。
【0077】
検出情報取得部19は、第1の物標検出センサ1から第1物標検出情報を取得し、第2の物標検出センサ2から第2物標検出情報を取得し、区画線検出センサ3から区画線DLaの検出情報を取得する。
また、検出情報取得部19は、車線幅検出センサ7から、車線幅Wの検出情報を取得する。
検出情報取得部19は、第1物標検出情報及び区画線DLaの検出情報のそれぞれを距離算出部12に出力する。
検出情報取得部19は、第2物標検出情報及び車線幅Wの検出情報のそれぞれを通過可能性判定部20に出力する。
【0078】
自車両が走行している車線の車線幅が広い場合は、車線幅が狭い場合よりも、自車両の目標経路が例えば右側に変更されたときに、自車両が走行している車線の右側の車線側に、自車両がはみ出す可能性が低い。したがって、自車両の目標経路が例えば右側に変更されても、自車両が走行している車線の右側の車線を走行している他の車両と、自車両との接触の可能性が低い。
【0079】
通過可能性判定部20は、検出情報取得部19から、第2物標検出情報及び車線幅Wの検出情報のそれぞれを取得し、距離算出部12から物標区画線間距離Laを示す距離情報を取得する。
通過可能性判定部20は、車線幅Wが大きいほど、小さな係数kを物標区画線間距離Laに乗算する。係数kは、例えば、1.0よりも小さい正の係数である。
通過可能性判定部20は、第1の基準距離Lref,1と係数乗算後の物標区画線間距離La×kとを比較し、第1の基準距離Lref,1よりも物標区画線間距離La×kが短いか否かを判定する。
通過可能性判定部20は、第2の基準距離Lref,2と係数乗算後の物標区画線間距離La×kとを比較し、第2の基準距離Lref,2よりも物標区画線間距離La×kが長いか否かを判定する。
【0080】
通過可能性判定部20は、第1の基準距離Lref,1よりも物標区画線間距離La×kが短い場合、又は、第2の基準距離Lref,2よりも物標区画線間距離La×kが長い場合、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標T1との間を第2の物標T2が通過する可能性があるか否かを判定する。
通過可能性判定部20は、判定の結果を目標経路更新部15に出力する。
【0081】
目標経路更新部15は、接近判定部13から判定結果を取得し、通過可能性判定部20から判定結果を取得する。
目標経路更新部15は、接近判定部13によって接近許容距離AADよりも自車両物標間距離CLが短いと判定された場合、自車両物標間距離CLが接近許容距離ADD以上になるように、目標経路を更新する。
目標経路更新部15は、通過可能性判定部20によって、自車両と第1の物標T1との間を第2の物標T2が通過する可能性があると判定された場合、自車両の目標経路が区画線DLaから離れるように、目標経路を更新する。
このとき、目標経路更新部15は、車線幅Wが広いほど、大きなオフセット量Offsetを算出することによって、目標経路を大きく更新するようにしてもよい。
【0082】
以上の実施の形態3では、検出情報取得部19が、自車両が走行している車線の車線幅を検出する車線幅検出センサ7から、車線幅の検出情報を取得すれば、車線幅の検出情報を通過可能性判定部20に出力する。そして、通過可能性判定部20が、第2物標検出情報と車線幅の検出情報とに基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定するように、
図16に示す車両制御装置4を構成した。したがって、
図16に示す車両制御装置4は、
図1に示す車両制御装置4と同様に、第2の物標が、第1の物標と自車両との間の通過を試みたときに、第2の物標が自車両に異常接近してしまう状況の発生を防止することができる。また、
図16に示す車両制御装置4は、自車両と他の車両との接触の可能性が低い場合に、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性のある旨の判定を行い易くできる。
【0083】
実施の形態4.
実施の形態1~3に係る車両制御装置4では、第1の基準距離L
ref,1及び第2の基準距離L
ref,2のそれぞれを示す情報が、例えば、通過可能性判定部14の内部メモリに格納されているものついて示している。
実施の形態4では、通過可能性判定部14(または、通過可能性判定部18,20)が、第1物標検出情報に基づいて、第1の基準距離L
ref,1及び第2の基準距離L
ref,2のそれぞれを設定する車両制御装置4について説明する。
実施の形態4に係る車両制御装置4の構成は、実施の形態1~3のいずれかに係る車両制御装置4の構成と同様であり、実施の形態4に係る車両制御装置4を示す構成図は、
図1、
図13、又は、
図16である。
【0084】
実施の形態4に係る車両制御装置4では、通過可能性判定部14(または、通過可能性判定部18,20)は、第1物標検出情報に基づいて、第1の基準距離Lref,1及び第2の基準距離Lref,2のそれぞれを設定する。
具体的には、通過可能性判定部14等は、第1物標検出情報に基づいて、第1の物標T1の車両幅CWを取得する。
通常距離範囲は、例えば、車両が車線を直進する際、車線中央からの一般的なばらつきを加味して設定されるが、ここでは、通過可能性判定部14等は、第1の物標T1の車両幅CWが大きいほど、幅が広い通常距離範囲を設定する。
【0085】
幅が広い通常距離範囲が設定された場合、幅が狭い通常距離範囲が設定された場合よりも、第1の基準距離Lref,1は、短くなり、第2の基準距離Lref,2は、長くなる。
したがって、第1の物標T1がバイクである場合の第1の基準距離Lref,1は、第1の物標T1が乗用車である場合の第1の基準距離Lref,1よりも長くなり、第1の物標T1がバイクである場合の第2の基準距離Lref,2は、第1の物標T1が乗用車である場合の第2の基準距離Lref,2よりも短くなる。
また、第1の物標T1が大型バスである場合の第1の基準距離Lref,1は、第1の物標T1が乗用車である場合の第1の基準距離Lref,1よりも短くなり、第1の物標T1が大型バスである場合の第2の基準距離Lref,2は、第1の物標T1が乗用車である場合の第2の基準距離Lref,2よりも長くなる。
【0086】
以上の実施の形態4では、通過可能性判定部14等が、検出情報取得部11等により取得された第1物標検出情報に基づいて、第1の基準距離及び第2の基準距離のそれぞれを設定し、設定した第1の基準距離よりも物標区画線間距離が短ければ、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定し、設定した第2の基準距離よりも物標区画線間距離が長ければ、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定するように、車両制御装置4を構成した。したがって、実施の形態4に係る車両制御装置4は、実施の形態1~3に係る車両制御装置4よりも、自車両に対する第2の物標の異常接近を高精度に防止することができる。
【0087】
実施の形態5.
実施の形態1~3に係る車両制御装置4では、第1の基準距離L
ref,1及び第2の基準距離L
ref,2のそれぞれを示す情報が、例えば、通過可能性判定部14の内部メモリに格納されているものついて示している。
実施の形態5では、通過可能性判定部14(または、通過可能性判定部18,20)が、第2物標検出情報に基づいて、第1の基準距離L
ref,1及び第2の基準距離L
ref,2のそれぞれを設定する車両制御装置4について説明する。
実施の形態5に係る車両制御装置4の構成は、実施の形態1~3のいずれかに係る車両制御装置4の構成と同様であり、実施の形態5に係る車両制御装置4を示す構成図は、
図1、
図13、又は、
図16である。
【0088】
実施の形態5に係る車両制御装置4では、通過可能性判定部14(または、通過可能性判定部18,20)は、第2物標検出情報に基づいて、第1の基準距離Lref,1及び第2の基準距離Lref,2のそれぞれを設定する。
具体的には、通過可能性判定部14等は、第2物標検出情報に基づいて、第2の物標T2の車両幅CWを取得する。
通常距離範囲は、例えば、車両が車線を直進する際、車線中央からの一般的なばらつきを加味して設定されるが、第2の物標T2の車両幅CWが狭いほど、自車両と第1の物標T1との間を第2の物標T2が通過できる可能性が高くなる。このため、通過可能性判定部14等は、第2の物標T2の車両幅CWが狭いほど、幅が広い通常距離範囲を設定する。
【0089】
幅が広い通常距離範囲が設定された場合、幅が狭い通常距離範囲が設定された場合よりも、第1の基準距離Lref,1は、短くなり、第2の基準距離Lref,2は、長くなる。
したがって、第2の物標T2がバイクである場合の第1の基準距離Lref,1は、第2の物標T2が乗用車である場合の第1の基準距離Lref,1よりも短くなり、第2の物標T2がバイクである場合の第2の基準距離Lref,2は、第2の物標T2が乗用車である場合の第2の基準距離Lref,2よりも長くなる。
また、第2の物標T2が大型バスである場合の第2の基準距離Lref,2は、第2の物標T2が乗用車である場合の第2の基準距離Lref,2よりも長くなり、第2の物標T2が大型バスである場合の第2の基準距離Lref,2は、第2の物標T2が乗用車である場合の第2の基準距離Lref,2よりも短くなる。
【0090】
以上の実施の形態5では、通過可能性判定部14等が、検出情報取得部11等により取得された第2物標検出情報に基づいて、第1の基準距離及び第2の基準距離のそれぞれを設定し、設定した第1の基準距離よりも物標区画線間距離が短ければ、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定し、設定した第2の基準距離よりも物標区画線間距離が長ければ、第2物標検出情報に基づいて、自車両と第1の物標との間を第2の物標が通過する可能性があるか否かを判定するように、車両制御装置4を構成した。したがって、実施の形態5に係る車両制御装置4は、実施の形態1~3に係る車両制御装置4よりも、自車両に対する第2の物標の異常接近を高精度に防止することができる。
【0091】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 第1の物標検出センサ、2 第2の物標検出センサ、3 区画線検出センサ、4 車両制御装置、5 アクチュエータ制御部、6 路肩検出センサ、7 車線幅検出センサ、11 検出情報取得部、12 距離算出部、13 接近判定部、14 通過可能性判定部、15 目標経路更新部、16 車両制御部、17 検出情報取得部、18 通過可能性判定部、19 検出情報取得部、20 通過可能性判定部、21 検出情報取得回路、22 距離算出回路、23 接近判定回路、24 通過可能性判定回路、25 目標経路更新回路、26 車両制御回路、27 検出情報取得回路、28 通過可能性判定回路、29 検出情報取得回路、30 通過可能性判定回路、31 メモリ、32 プロセッサ。