IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-洗濯機 図1
  • 特開-洗濯機 図2
  • 特開-洗濯機 図3
  • 特開-洗濯機 図4
  • 特開-洗濯機 図5
  • 特開-洗濯機 図6
  • 特開-洗濯機 図7
  • 特開-洗濯機 図8
  • 特開-洗濯機 図9
  • 特開-洗濯機 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155241
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/28 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
D06F37/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069826
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】埜邨 浩之
(72)【発明者】
【氏名】林 敬彦
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA11
3B165AE01
3B165AE02
3B165BA82
3B165CA01
3B165CA13
3B165CA17
(57)【要約】
【課題】回転可能に設けられた2つの蓋片を有する上蓋において、2つの蓋片間の遊びを小さくする。
【解決手段】洗濯機の蓋は、第1蓋片と、第1蓋片に回転可能に取り付けられた第2蓋片とを有する。第1蓋片は、第1蓋片本体と、第2蓋片と対向する辺に沿って配置され、かつ、嵌合部をそれぞれが含む複数の接続部とを有する。第2蓋片は、第2蓋片本体と、第1蓋片と対向する辺に沿って配置され、かつ、嵌合部を回転可能に保持する被嵌合部をそれぞれに有する複数の被接続部と、接続部に対して、幅方向において当該接続部の嵌合部が設けられた側とは反対側の部分に当接する複数の固定部を含む固定部材とを有する。複数の接続部のうち、幅方向に隣り合う2つの接続部を第1接続部および第2接続部とするとき、固定部材は、第1接続部に当接する第1固定部と、第2接続部に当接する第2固定部とを連結する連結部を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1蓋片と、前記第1蓋片の幅方向に対して垂直な方向に位置し、前記第1蓋片に回転可能に取り付けられた第2蓋片とを有する蓋を備え、
前記第1蓋片は、
第1蓋片本体と、
前記第1蓋片本体に設けられ、前記第2蓋片と対向する辺に沿って配置され、かつ、嵌合部をそれぞれが含む複数の接続部と、を有し、
前記第2蓋片は、
第2蓋片本体と、
前記第2蓋片本体に設けられ、前記第1蓋片と対向する辺に沿って配置され、かつ、前記嵌合部を回転可能に保持する被嵌合部をそれぞれに有する複数の被接続部と、
前記接続部に対して、前記幅方向において当該接続部の前記嵌合部が設けられた側とは反対側の部分に当接する複数の固定部を含む固定部材と、を有し、
前記複数の接続部のうち、前記幅方向に隣り合う2つの前記接続部を第1接続部および第2接続部とするとき、
前記固定部材は、前記第1接続部に当接する第1固定部と、前記第2接続部に当接する第2固定部とを連結する連結部をさらに含む洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機であって、
前記固定部材は、当該固定部材の幅方向における両側に位置する前記接続部の両方に至る洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載の洗濯機であって、
前記嵌合部は、前記接続部の一方の端面から幅方向に沿って延びる突起部であり、
前記被嵌合部は、前記突起部が回転可能に挿入される凹部または孔である洗濯機。
【請求項4】
請求項1に記載の洗濯機であって、
前記固定部材および前記第2蓋片本体の一方が係合部を有し、他方が、前記係合部と係合する被係合部を有する洗濯機。
【請求項5】
請求項4に記載の洗濯機であって、
被係合部が凹部または開口であり、前記係合部が前記凹部または前記開口に挿入されて係合する洗濯機。
【請求項6】
請求項4または5に記載の洗濯機であって、
前記固定部材のうち、前記固定部および前記連結部のそれぞれが、前記係合部または被係合部を有する洗濯機。
【請求項7】
請求項1に記載の洗濯機であって、
前記複数の固定部は、前記複数の接続部のそれぞれの前記係合部が設けられた側とは反対側に当接する固定部を含む洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
2つ折れ式の上蓋が設けられた洗濯機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-169831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2つ折れ式の上蓋には、上蓋を構成しており、相対的に回転可能に設けられた2枚の蓋片が幅方向において相対的に大きく変位しないように、2枚の蓋片同士を接続することが求められている。以下、相互に接続された2部材間の相対的に変位可能な可動領域の幅方向寸法を「遊び」と称呼することがある。
【0005】
本開示は、回転可能に設けられた2つの蓋片を有する上蓋において、2つの蓋片間の遊びを小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の洗濯機は、第1蓋片と、第1蓋片の幅方向に対して垂直な方向に位置し、第1蓋片に回転可能に取り付けられた第2蓋片とを有する蓋を備え、第1蓋片は、第1蓋片本体と、第1蓋片本体に設けられ、第2蓋片と対向する辺に沿って配置され、かつ、嵌合部をそれぞれが含む複数の接続部と、を有し、第2蓋片は、第2蓋片本体と、第2蓋片本体に設けられ、第1蓋片と対向する辺に沿って配置され、かつ、嵌合部を回転可能に保持する被嵌合部をそれぞれに有する複数の被接続部と、接続部に対して、幅方向において当該接続部の嵌合部が設けられた側とは反対側の部分に当接する複数の固定部を含む固定部材と、を有し、複数の接続部のうち、幅方向に隣り合う2つの接続部を第1接続部および第2接続部とするとき、固定部材は、第1接続部に当接する第1固定部と、第2接続部に当接する第2固定部とを連結する連結部をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】洗濯機の模式的斜視図である。
図2】第1実施形態の蓋を裏面側から見た斜視図である。
図3】第1実施形態の蓋を裏面側から見た分解斜視図である。
図4】第1実施形態の蓋の組立て手順を説明する拡大裏面図である。
図5】第1実施形態の蓋の組立て手順を説明する拡大裏面図である。
図6】第1実施形態の蓋の組立て手順を説明する拡大裏面図である。
図7】蓋における接続部と固定部との寸法関係を示す説明図である。
図8】蓋における係合部と被係合部とを示す斜視図である。
図9】蓋におけるヒンジ部付近を示す裏面図である。
図10】第2実施形態の蓋を裏面側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態に係る洗濯機1の模式的斜視図である。尚、本発明において、「洗濯機」とは、被洗濯物に対して洗濯等の各種処理を行う機器全般を意味する。洗濯機は、被洗濯物の処理としては、例えば、洗いや乾燥、脱臭、除菌等が挙げられる。被洗濯物は、特に限定されない。被洗濯物としては、例えば、布製品が挙げられる。被洗濯物の具体例としては、例えば、衣服、帽子、手袋等の衣類、靴、カバン、ハンカチ、タオル等の持ち物、カーテン、毛布、タオルケット、布団カバー等の寝具、カーペット、ぬいぐるみ等が挙げられる。
【0009】
以下の説明において、設置された洗濯機1側を向いて立ったユーザから視たときの方向を使用する。
【0010】
図1に示すように、洗濯機1は、主に筐体10と蓋20とを備えている。蓋20は、蓋前部21と蓋後部22とが相互に回転可能に接続されており、折曲げ可能な所謂2つ折れ式の上蓋である。具体的には、蓋後部22は、蓋前部21の幅方向(洗濯機1の正面から見て左右方向(幅方向))に対して垂直な方向(前後方向)に位置している。蓋後部22は、蓋前部21に対して回転可能に取り付けられている。蓋前部21には、ユーザが蓋20を開くときに手指を掛けるための取っ手24が設けられている。
【0011】
図2は、蓋20を裏面側から見た斜視図である。図3は、蓋20を裏面側から見た分解斜視図である。図2および図3に示すように、本実施形態では、蓋20は、蓋前部21、蓋後部22、および固定部材23の3パーツで構成されている。蓋前部21および蓋後部22は、複数の部品を含む組立体であってもよい。
【0012】
蓋後部22は、蓋後部本体221と、蓋後部本体221における前端側の辺(蓋前部21と対向する辺)に沿って複数配置される接続部222とを有する。本実施形態では、接続部222は、蓋後部本体221における前端側の端面から前方に向かって突出して設けられている。また、接続部222のそれぞれは、幅方向における両端面のうち、全ての接続部222において同一側となる一方の端面に嵌合部222aを含む。本実施形態では、嵌合部222aは、接続部222の端面から幅方向に沿って延びる突起部である。
【0013】
蓋前部21は、蓋前部本体211と、蓋前部本体211における後端側の辺(蓋後部22と対向する辺)に沿って配置された複数の被接続部212とを有する。尚、本実施形態では、接続部222および被接続部212の数は互いに同数である。接続部222の配置間隔および被接続部212の配置間隔は、互いに実質的に等しい。本実施形態では、被接続部212は、蓋前部本体211の裏面から下方に向かって突出して設けられている。また、被接続部212のそれぞれには、被嵌合部212aが形成されている。本実施形態では、被嵌合部212aは、突起部として形成された嵌合部222aが挿入され、嵌合部222aを軸として回転可能に保持する孔もしくは凹部である。
【0014】
固定部材23は、蓋20の幅方向に沿って配置される複数の固定部231と、これを複数の固定部231を連結する連結部232とを有する。固定部材23は、蓋前部21に対して固定的に取り付けられ、蓋20における蓋前部21と蓋後部22との接続箇所(以下、ヒンジ部と称する)において被接続部212と接続部222との幅方向の位置関係を固定する。
【0015】
本実施形態では、接続部222を含む蓋後部22が、第1蓋片P1(図3参照)を構成している。また、被接続部212を含む蓋前部21と、蓋前部21に取り付けられる固定部材23とが、第2蓋片P2(図3参照)を構成している。但し、蓋前部21に接続部を含め、蓋後部22に被接続部を含めてもよい。このような場合、蓋前部21が第1蓋片を構成していてもよい。また、固定部材23が蓋後部22に組み合わされ、蓋後部22と固定部材23とが第2蓋片を構成していてもよい。
【0016】
図4ないし図6は、それぞれ、蓋20の組立て手順を説明する拡大裏面図である。蓋20の組立ては、図4に示すように、被接続部212と接続部222とが交互に位置するように蓋前部21と蓋後部22とを配置した後に、蓋前部21および蓋後部22を幅方向に相対的に移動させることで、被嵌合部212aに嵌合部222aを挿入させる。図4の例では、蓋前部21を矢印A1方向に、蓋後部22を矢印A2方向に移動させることで被嵌合部212aに嵌合部222aが挿入される。
【0017】
図5は、被嵌合部212aに嵌合部222aを挿入させた状態を示している。また、図5の状態では、蓋前部21に対して固定部材23が取り付けられておらず、隣り合う2つの接続部222の間には隙間Sが存在している。
【0018】
図6は、図5の状態から、さらに固定部材23を取り付けた状態を示している。図6の状態では、図5で示される隙間Sに固定部材23における固定部231が嵌入される。このとき、隙間Sに嵌入される固定部231は、その両側に位置する接続部222の両方に実質的に至るように配置される。これにより、蓋20のヒンジ部においては、接続部222と固定部231とが幅方向に沿って交互に配置され、かつ、隙間Sは固定部231によってほぼ覆われる。
【0019】
尚、図7に示すように、隙間Sの幅方向の寸法をL1、固定部231の幅方向の寸法をL2とする場合、寸法L1は寸法L2よりも幾分大きくされる(L1>L2)。すなわち、隙間Sの寸法L1には、固定部231の嵌め込みを容易にするために、固定部231の幅方向の寸法L2に対して余裕を持たせるための付加的な寸法(以下、付加寸法と称する)が含まれる。このため、固定部231が、その両側に位置する接続部222の両方に実質的に至るとは、固定部231と接続部222との間に全く隙間が無くなる状態を意味するものではなく、ユーザの視認において殆ど認識されない程度の隙間が生じることは許容される。このように隙間Sに付加寸法を設ける場合、この付加寸法がヒンジ部における蓋前部21と蓋後部22との幅方向の遊びとなりうる。
【0020】
本実施形態では、固定部材23において複数の固定部231を連結部232にて連結していることにより、蓋前部21と蓋後部22との幅方向の遊びを小さくすることができる。以下、固定部材23が、幅方向の遊びを小さくする作用について説明する。
【0021】
隙間Sに嵌入される固定部231は、接続部222に対して、幅方向において嵌合部222aが設けられた側とは反対側の部分(端面)に当接する。これにより、接続部222に対して、嵌合部222aが被接続部212の被嵌合部212aから抜ける方向への移動を規制する。
【0022】
ここで、複数の固定部231が連結されておらず、個別に分離された固定部231が隙間Sに嵌入されている場合を仮定する。この場合、固定部231は、隙間Sに設けられた付加寸法によってその位置が完全に決まりにくい。すなわち、被接続部212に対する固定部231の位置決めが困難であり、ヒンジ部における蓋前部21と蓋後部22との幅方向の遊びが生じやすい。
【0023】
これに対し、図7に示すように、複数の固定部231が連結部232にて連結されている場合には、以下の作用にて遊びが低減される。まず、蓋後部22において、隣り合う2つの接続部222を、第1接続部222Aおよび第2接続部222Bと称する。さらに、固定部材23において、隣り合う2つの固定部231を、第1固定部231Aおよび第2固定部231Bと称する。このとき、第1固定部231Aが第1接続部222Aに対して嵌合部222aが設けられた側とは反対側の端面に当接し、第2固定部231Bが第2接続部222Bに対して嵌合部222aが設けられた側とは反対側の端面に当接する。
【0024】
図7において、第1接続部222Aおよび第2接続部222Bにおける固定部231との当接面(図7において左側端面)の面間距離L3は固定値となる。固定部材23において複数の固定部231が連結部232にて連結される場合は、第1固定部231Aおよび第2固定部231Bにおける接続部222との当接面(図7において右側端面)の面間距離L4も固定値となる。そして、面間距離L3と面間距離L4とを同一寸法(L3=L4)とすることで、被接続部212に対する固定部231の位置決めを、被接続部212および固定部231の複数の組み合わせに対して精度良く行うことができる。その結果、ヒンジ部における蓋前部21と蓋後部22との幅方向の遊びを小さくすることができる。
【0025】
本実施形態では、図5の段階で生じる隙間Sの全てに対して、固定部231が嵌入される。これにより、蓋20のヒンジ部において、複数の接続部222と複数の固定部231とがほぼ連続的に繋がるように配置され、蓋20の意匠性を向上させる。ここで、固定部231が嵌入される隙間Sは、固定部231の嵌め込みを容易にするための付加寸法を有するが、この付加寸法の寸法は十分に小さいものである。このため、固定部231が嵌入された隙間Sにおいて、付加寸法分の隙間はユーザの視認において殆ど認識されず、実質的には、ヒンジ部において複数の接続部222と複数の固定部231とが連続的に繋がっているように認識されうる。
【0026】
固定部材23は、ビスやネジ等の締結部材により蓋全部21に取り付けられていてもよいが、固定部材23は、蓋前部21に対してビスやネジを用いずに、係合部と被係合部との係合により取り付けられていることが好ましい。この場合、蓋前部21の裏面のヒンジ部において、ビスやネジが露出せず、蓋20の意匠性を向上させることができる。例えば、被係合部が凹部又は開口で、係合部が凹部又は開口に挿入される凸部やピンであってもよい。挿入方向に対して垂直な方向に係合部と被係合部とが係合していてもよい。また、係合部及び被係合部は、係合部をその垂直な方向に押圧して弾性変形させた状態で相互に取り外し可能に構成されていてもよい。
【0027】
図8に示す例では、固定部材23における蓋前部21との対向面に、固定部231に第1係合部233が設けられており、連結部232に第2係合部234が設けられている。第1係合部233および第2係合部234は、それぞれ複数設けられている。
【0028】
一方、蓋前部21との裏面には、第1係合部233と係合する第1被係合部213と、第2係合部234と係合する第2被係合部214とが設けられる。第1被係合部213および第2被係合部214は、それぞれ、第1係合部233または第2係合部234に対応して複数ずつ設けられる。これにより、固定部材23は、固定部231および連結部232の両方で蓋前部21に対して取り付けられ、固定部材23の取付をより強固にすることができる。また、固定部材23の取付が強固になることで、ヒンジ部における蓋前部21と蓋後部22との幅方向の遊びもより確実に低減できる。
【0029】
尚、上記説明においては、固定部材23側に係合部を設け、蓋前部21側に被係合部を設けているが、これとは逆に、固定部材23側に被係合部を設け、蓋前部21側に係合部を設けてもよい。あるいは、固定部材23および蓋前部21の少なくとも一方に、係合部および被係合部の両方が設けられていてもよい。
【0030】
本実施形態では、固定部材23における固定部231は、蓋後部22における全ての接続部222に対して設けられているが、全ての接続部222に対して固定部231が設けられている必要は必ずしもない。尚、上記実施形態では、固定部231は、隣り合う2つの接続部222の間の隙間Sに嵌入される場合について説明したが、全ての固定部231が隙間Sに嵌入されなくてもよい。例えば、図9に示す例では、図9中の左端に位置する固定部231C、すなわち幅方向の一方側端部に位置する湖底部231Cは、その右側に配置される接続部222に対して当接し、この接続部222の幅方向の移動を規制している。一方、固定部231Cの左側には接続部222は存在しない。このため、固定部231Cは隙間Sに嵌入されるものではなく、固定部231Cの幅方向の寸法は、他の固定部231のように隙間Sの幅方向の寸法に合わせなくてもよい。
【0031】
また、図9における右端の固定部231Dは、その右側に接続部222が配置されておらず、移動を規制する対象の接続部222を持たない。すなわち、固定部231Dは、ダミーとして設けられた固定部である。このようなダミーの固定部231Dは、図9に示すヒンジ部の右端で、嵌合部222aや被接続部212の被嵌合部212aを覆い隠し、蓋20の意匠性を向上させる。固定部231Dも隙間Sに嵌入されるものではなく、固定部231Dの幅方向の寸法は、他の固定部231のように隙間Sの幅方向の寸法に合わせなくてもよい。
【0032】
〔第2実施形態〕
上記の第1実施形態では、蓋20を、蓋前部21、蓋後部22、および固定部材23の3パーツで構成する場合を例示した。本実施形態では、これに代えて、蓋前部31および蓋後部32の2パーツで構成される蓋30を例示する。図10は、蓋30を裏面側から見た分解斜視図である。
【0033】
図3に示す蓋30では、蓋前部31は、少なくとも上側部品311と下側部品312とを含む組立体としてのパーツとされている。すなわち、蓋前部31は、上側部品311および下側部品312を上下に積層させて構成される。
【0034】
蓋前部31には、複数の被接続部313と複数の固定部314とが設けられる。より具体的には、上側部品311に被接続部313が設けられ、下側部品312に固定部314が設けられる。被接続部313のそれぞれには、被嵌合部313aが設けられる。一方、蓋後部32には、複数の接続部321が設けられる。接続部321のそれぞれには、被嵌合部313aに対して挿入される嵌合部321aが設けられる。
【0035】
蓋30の組み立てでは、最初に蓋後部32に対して上側部品311が組み付けられる。この組み付けにおいて、被接続部313の被嵌合部313aに接続部321の嵌合部321aが挿入される。次いで、上側部品311に積層させるように下側部品312が組み付けられる。この組み付けにおいて、固定部314が隣り合う2つの接続部321の間の隙間に嵌入される。
【0036】
本実施形態では、接続部321を含む蓋後部32が、特許請求の範囲に記載の第1蓋片に相当する。また、被接続部313と固定部314とを含む蓋前部31が、特許請求の範囲に記載の第2蓋片に相当する。さらに、蓋前部31のうち、上側部品311が特許請求の範囲に記載の第2蓋片本体に相当し、下側部品312が特許請求の範囲に記載の固定部材に相当する。
【0037】
また、蓋30では、複数の固定部314の全てが下側部品312に設けられており、下側部品312の本体部分が、複数の固定部314を連結する連結部として機能する。これにより、第1実施形態の蓋20と同様に、ヒンジ部における蓋前部31と蓋後部32との幅方向の遊びを小さくすることができる。
【0038】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【符号の説明】
【0039】
1 洗濯機
20,30 蓋
21,31 蓋前部
211 蓋前部本体
212,313 被接続部
212a,313a 被嵌合部
213 第1被係合部
214 第2被係合部
22,32 蓋後部
221 蓋後部本体
222,321 接続部
222a,321a 嵌合部
23 固定部材
231,314 固定部
232 連結部
233 第1係合部
234 第2係合部
311 上側部品
312 下側部品
P1 第1蓋片
P2 第2蓋片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10