(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155258
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 315A
A63F7/02 333A
A63F7/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069843
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】岡村 鉉
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA11
2C088AA31
2C088AA42
2C088BA15
2C088BA43
2C088BC58
2C088CA15
2C088CA17
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】好適な制御を行うことが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】主制御装置は、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への入球履歴を収集するとともに、収集した入球履歴に基づいて差球数や、停止用球数までの残り球数を導出し、その導出した残り球数が0個以下となることに基づいて遊技停止状態に移行させる。主制御装置は、開閉実行モード中に残り球数が0個以下となった場合は、開閉実行モードが終了してから遊技停止状態となるように遊技停止待ち状態に移行させる。遊技停止待ち状態となった場合、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態となることを特定することが可能なコマンドを演出制御装置に出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1制御を行うことが可能な第1制御手段と、
前記第1制御手段からの出力情報に基づいて第2制御を行うことが可能な第2制御手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、
所定の判定契機の成立に基づいて特定判定を実行する手段と、
前記特定判定の結果に基づいて第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行させることが可能な手段と、
所定事象の発生に基づいて前記第2遊技状態の終了より後に特定制御が実行されることを可能とする所定手段と、
を備え、
前記特定制御の実行状態では、所定遊技の進行が制限されるように構成されており、
前記第1制御手段は、前記第2遊技状態の終了より後に前記特定制御が実行されることを特定することが可能な特定情報が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする出力手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記例示したような遊技機等においては好適な制御が望まれている。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、好適な制御を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
第1制御を行うことが可能な第1制御手段と、
前記第1制御手段からの出力情報に基づいて第2制御を行うことが可能な第2制御手段と、
を備え、
前記第1制御手段は、
所定の判定契機の成立に基づいて特定判定を実行する手段と、
前記特定判定の結果に基づいて第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行させることが可能な手段と、
所定事象の発生に基づいて前記第2遊技状態の終了より後に特定制御が実行されることを可能とする所定手段と、
を備え、
前記特定制御の実行状態では、所定遊技の進行が制限されるように構成されており、
前記第1制御手段は、前記第2遊技状態の終了より後に前記特定制御が実行されることを特定することが可能な特定情報が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする出力手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、好適な制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【
図2】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【
図3】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【
図5】(a)は閉鎖状態である場合の第2作動口の概略図、(b)は開放状態である場合の第2作動口の概略図である。
【
図6】(a)は閉鎖状態である場合の可変入賞装置の断面図、(b)は開放状態である場合の可変入賞装置の断面図である。
【
図7】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図9】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図10】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図12】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図13】(a)は低確率モード用の当否テーブルの一例を示す図、(b)は高確率モード用の当否テーブルの一例を示す図である。
【
図14】(a)は第1特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)は第2特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図15】(a)は特殊外れ結果の種別の一例を示す図、(b)は突然時短遊技状態の一例を示す図、(c)は天井時短遊技状態の一例を示す図である。
【
図16】サポート抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図17】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図18】作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
【
図19】情報取得処理を示すフローチャートである。
【
図21】特図遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図22】データ設定処理を示すフローチャートである。
【
図23】変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図24】第2特図に対応した大当たり用の停止結果テーブルの一例を示す図である。
【
図25】(a)は第1特図に対応した大当たり用の停止結果テーブルの一例を示す図、(b)は特殊外れ用の停止結果テーブルの一例を示す図である。
【
図26】(a)は第2特図に対応した通常外れ用の停止結果テーブルの一例を示す図、(b)は第1特図に対応した通常外れ用の停止結果テーブルの一例を示す図である。
【
図27】遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
【
図28】大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
【
図29】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図30】高頻度サポートモード更新用処理を示すフローチャートである。
【
図31】天井時短遊技状態の移行判定用処理を示すフローチャートである。
【
図33】突然時短遊技状態の移行判定用処理を示すフローチャートである。
【
図34】変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。
【
図35】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図37】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図38】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図39】高頻度サポートモード終了用処理を示すフローチャートである。
【
図40】時短遊技状態の移行用処理を示すフローチャートである。
【
図41】普図遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図42】(a)は普図変動開始処理を示すフローチャート、(b)は普図変動表示時間の一例を示す図である。
【
図44】電役サポート用処理を示すフローチャートである。
【
図45】役物開閉処理を示すフローチャートである。
【
図46】演出制御装置及びその周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図47】演出制御装置のMPUにおける演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図48】第1移行用演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図50】残り回数用処理を示すフローチャートである。
【
図51】特図変動表示用処理を示すフローチャートである。
【
図52】変動開始用処理を示すフローチャートである。
【
図53】遊技回用演出の第1設定処理を示すフローチャートである。
【
図55】遊技回用演出の第2設定処理を示すフローチャートである。
【
図56】遊技回用演出の第3設定処理を示すフローチャートである。
【
図57】遊技回用演出の第4設定処理を示すフローチャートである。
【
図59】外れ回数表示の更新用処理を示すフローチャートである。
【
図60】(a)は第2移行用演出設定処理を示すフローチャート、(b)は図柄表示装置の表示例を示す図である。
【
図61】(a)は第3移行用演出設定処理を示すフローチャート、(b)は終了用演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図62】時短遊技状態中の遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図63】時短遊技状態中の遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図64】時短遊技状態中の遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図66】第1の実施の形態の変形例1に係る図柄表示装置の表示例を示す図である。
【
図69】第1の実施の形態の変形例2に係る変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図70】特殊外れ用の停止結果設定処理を示すフローチャートである。
【
図72】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図73】時短遊技状態中の遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図76】第2の実施の形態に係る遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
【
図78】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図79】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図80】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図81】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図82】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図83】主側ROMに記憶されている各種テーブルを説明するための説明図である。
【
図84】報知用表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
【
図85】主側ROMのプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。
【
図86】主側RAMにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【
図87】主制御装置のMPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図88】設定値更新処理を示すフローチャートである。
【
図89】設定確認用処理を示すフローチャートである。
【
図90】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図91】特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【
図92】特図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図93】入球検知センサの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
【
図94】入球検知処理を示すフローチャートである。
【
図95】払出制御装置及び当該払出制御装置との間で通信を行う各種装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【
図96】払出制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図97】ベース値及び差球数処理を示すフローチャートである。
【
図98】ベース値及び差球数用実行処理を示すフローチャートである。
【
図99】ベース値算出処理を示すフローチャートである。
【
図100】非特定制御用のワークエリアにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【
図101】超過判定用処理を示すフローチャートである。
【
図102】(a)は表示設定用処理を示すフローチャート、(b)は表示種別カウンタの値と表示種別との対応関係を説明するための説明図である。
【
図103】報知用表示処理を示すフローチャートである。
【
図104】報知用表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
【
図105】遊技停止判定用処理を示すフローチャートである。
【
図106】(a)は超過時立上げ用処理を示すフローチャート、(b)は部分クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図107】部分クリア用実行処理を示すフローチャートである。
【
図108】(a)は差球数を利用した遊技制限における処理の流れを説明するための説明図、(b)は差球数の変化の様子を示す図である。
【
図109】(a)遊技停止状態の態様を説明するための説明図、(b)は復電時における初期化処理の態様を説明するための説明図である。
【
図110】第2の実施の形態の変形例1に係る差球数の変化の様子を示す図である。
【
図111】(a)非特定制御用のワークエリアの設定態様を説明するための説明図、(b)は最下点判定処理を説明するための説明図である。
【
図112】超過判定用処理を示すフローチャートである。
【
図113】第2の実施の形態の変形例2に係る停電情報記憶処理を示すフローチャートである。
【
図114】電断時クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図115】電断時クリア用実行処理を示すフローチャートである。
【
図116】第3の実施の形態に係る当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図118】(a)は第1特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)は第2特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図、(c)は突然時短遊技状態の一例を示す図である。
【
図119】サポート抽選テーブルの一例を示す図である。
【
図120】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図121】作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
【
図122】情報取得処理を示すフローチャートである。
【
図124】特図遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図125】データ設定処理を示すフローチャートである。
【
図126】変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図127】遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
【
図128】大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
【
図129】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図130】高確率モード更新用処理を示すフローチャートである。
【
図131】高頻度サポートモード更新用処理を示すフローチャートである。
【
図132】(a)突然時短遊技状態の移行判定用処理を示すフローチャート、(b)は特殊外れ結果になったときの遊技状態と突然時短遊技状態への移行有無との関係を説明するための説明図である。
【
図133】変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。
【
図134】対応する変動表示時間テーブルを説明するための説明図である。
【
図135】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図136】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図137】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図142】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図144】高確率モード終了用処理を示すフローチャートである。
【
図145】高頻度サポートモード終了用処理を示すフローチャートである。
【
図146】突然時短遊技状態の移行用処理を示すフローチャートである。
【
図147】普図遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図148】(a)は普図変動開始処理を示すフローチャート、(b)は変動表示時間の一例を示す図である。
【
図149】(a)は電役サポート用処理を示すフローチャート、(b)は役物開閉遊技の態様例を示す図である。
【
図150】役物開閉処理を示すフローチャートである。
【
図151】演出制御装置及びその周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図152】演出制御装置のMPUにおける演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図153】第1移行用演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図155】特図変動表示用処理を示すフローチャートである。
【
図156】(a)は変動開始用処理を示すフローチャート、(b)は変動表示パターンと遊技回用演出との対応関係を説明するための説明図である。
【
図157】第2移行用演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図159】終了用演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図160】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図161】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図162】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図163】第3の実施の形態の変形例1に係る第2特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図164】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図165】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図166】第3の実施の形態の変形例2に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理を示すフローチャートである。
【
図167】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図168】ガイド演出実行用処理を示すフローチャートである。
【
図170】変動表示時間テーブルの一例を示す図である。
【
図171】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図172】第4の実施の形態に係る遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
【
図174】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図175】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図176】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図177】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図178】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図179】主側ROMに記憶されている各種テーブルを説明するための説明図である。
【
図180】(a)は第1特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)は第2特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図181】報知用表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
【
図182】主側ROMのプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。
【
図183】主側RAMにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【
図184】主制御装置のMPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図185】設定値更新処理を示すフローチャートである。
【
図186】設定確認用処理を示すフローチャートである。
【
図187】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図188】特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【
図189】特図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図190】特図変動中処理を示すフローチャートである。
【
図191】特電開始処理を示すフローチャートである。
【
図192】特電終了処理を示すフローチャートである。
【
図193】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図194】高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を示すフローチャートである。
【
図195】高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理を示すフローチャートである。
【
図196】入球検知センサの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
【
図197】入球検知処理を示すフローチャートである。
【
図198】払出制御装置及び当該払出制御装置との間で通信を行う各種装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【
図199】払出制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図200】ベース値及び差球数処理を示すフローチャートである。
【
図201】ベース値及び差球数用実行処理を示すフローチャートである。
【
図202】ベース値算出処理を示すフローチャートである。
【
図203】非特定制御用のワークエリアにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【
図204】超過判定用処理を示すフローチャートである。
【
図206】(a)非特定制御用のワークエリアの設定態様を説明するための説明図、(b)は最下点判定処理を説明するための説明図である。
【
図207】(a)は表示設定用処理を示すフローチャート、(b)は表示種別カウンタの値と表示種別との対応関係を説明するための説明図である。
【
図208】報知用表示処理を示すフローチャートである。
【
図209】報知用表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
【
図210】遊技停止判定用処理を示すフローチャートである。
【
図211】(a)は超過時立上げ用処理を示すフローチャート、(b)は部分クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図212】部分クリア用実行処理を示すフローチャートである。
【
図213】(a)は差球数を利用した遊技制限における処理の流れを説明するための説明図、(b)は差球数の変化の様子を示す図である。
【
図214】(a)遊技停止状態の態様を説明するための説明図、(b)は復電時における初期化処理の態様を説明するための説明図である。
【
図215】演出制御装置及びその周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図216】演出制御装置のMPUにおける演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図217】特図変動表示用処理を示すフローチャートである。
【
図218】変動開始用処理を示すフローチャートである。
【
図219】コマンド対応処理を示すフローチャートである。
【
図220】第1停止予告用処理を示すフローチャートである。
【
図222】第1停止予告用処理の更新内容及び更新タイミングを説明するための説明図である。
【
図223】第2停止予告用処理を示すフローチャートである。
【
図226】各遊技状態での停止予告用報知の開始有無やその開始条件を説明するための説明図である。
【
図227】各遊技状態と停止予告用報知の有無との関係を説明するための説明図である。
【
図228】上記第4の実施の形態の変形例1に係る図柄表示装置の表示例を示す図である。
【
図230】上記第4の実施の形態の変形例2に係るコマンド対応処理を示すフローチャートである。
【
図231】開閉実行モード用演出の設定処理を示すフローチャートである。
【
図234】開閉実行モード用演出と第2停止予告用報知との関係を説明するための説明図である。
【
図235】上記第4の実施の形態の変形例3に係る第1停止予告用処理を示すフローチャートである。
【
図236】各遊技状態と第1停止予告用報知の有無との関係を説明するための説明図である。
【
図242】第5の実施の形態にかかる遊技盤の正面図である。
【
図243】(a)は閉鎖状態である場合の第2作動口の概略図、(b)は開放状態である場合の第2作動口の概略図である。
【
図244】(a)は閉鎖状態である場合の第1可変入賞装置の断面図、(b)は開放状態である場合の第1可変入賞装置の断面図である。
【
図245】(a)は第2可変入賞装置の側面側から見た縦断面図、(b)は第2可変入賞装置の背面側から見た縦断面図である。
【
図246】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図247】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図248】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図249】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図250】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図252】(a)は第1特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)は第2特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図253】(a)は第1特図用の小当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)は第2特図用の小当たり種別テーブルの一例を示す図、(c)はV大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図254】(a)は低振分態様を示す概略図、(b)は高振分態様を示す概略図である。
【
図255】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図256】作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
【
図257】情報取得処理を示すフローチャートである。
【
図259】特図遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図260】変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図261】小当たり遊技状態への移行処理を示すフローチャートである。
【
図262】小当たり用開閉処理を示すフローチャートである。
【
図263】小当たり遊技の終了用処理を示すフローチャートである。
【
図264】V振分設定処理を示すフローチャートである。
【
図265】V入賞用処理を示すフローチャートである。
【
図266】大当たり遊技状態への移行処理を示すフローチャートである。
【
図267】大当たり遊技終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図268】高サポ更新用処理を示すフローチャートである。
【
図269】変動回数対応の高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図270】小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図271】小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図272】当たり回数クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図273】パンク時対応の高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図274】変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。
【
図275】変動パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図276】変動パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図278】遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。
【
図279】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図280】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図281】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図282】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図283】第5の実施の形態の変形例1に係る第1特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図284】(a)は第2特図用の小当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)はV大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図285】小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図286】小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図287】当たり回数クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図288】パンク時対応の高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図289】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図290】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図292】第5の実施の形態の変形例2に係る当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図294】(a)は第1特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)は第2特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図295】(a)は第2特図用の小当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)はV大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図296】情報取得処理を示すフローチャートである。
【
図297】データ設定処理を示すフローチャートである。
【
図298】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図299】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図300】保留先読み処理を示すフローチャートである。
【
図301】演出制御装置及びその周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図302】保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。
【
図303】保留用記憶エリアの構成を示す図である。
【
図304】保留予告演出を説明するための説明図である。
【
図305】(a)はシフト時コマンド対応処理を示すフローチャート、(b)は保留用画像のシフト処理を説明するための図である。
【
図306】保留予告用の設定処理を示すフローチャートである。
【
図307】保留予告用の可否判定処理を示すフローチャートである。
【
図308】保留予告演出の流れを説明するための説明図である。
【
図309】保留予告演出の流れを説明するための説明図である。
【
図310】(a)は第5の実施の形態の変形例3に係る第2特図用の小当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)はV大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図311】V入賞用処理を示すフローチャートである。
【
図312】小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図313】小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を示すフローチャートである。
【
図314】リミッタ再セット用処理を示すフローチャートである。
【
図315】大当たり遊技終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図316】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図318】第5の実施の形態の変形例4に係る特図遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図319】変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図320】V入賞用処理を示すフローチャートである。
【
図321】当たり回数クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図322】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図323】遊技の流れを説明するための説明図である。
【
図324】連続予告演出を説明するための説明図である。
【
図327】第6の実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【
図328】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【
図329】パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。
【
図331】(a)は閉鎖状態である場合の第2作動口の概略図、(b)は開放状態である場合の第2作動口の概略図である。
【
図332】(a)は閉鎖状態である場合の可変入賞装置の断面図、(b)は開放状態である場合の可変入賞装置の断面図である。
【
図333】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図334】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図335】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図336】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図337】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図338】主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図339】異常監視処理を示すフローチャートである。
【
図341】遊技回制御処理を示すフローチャートである。
【
図342】遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
【
図343】大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。
【
図344】払出制御装置にて実行される払出状態検知処理を示すフローチャートである。
【
図345】演出制御装置及びその周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図346】音声の出力制御に関する構成を示すブロック図である。
【
図347】(a)は音データの一例を示す図、(b)は音データテーブルの一例を示す図、(c)は再生音データ記憶エリアの一例を示す図である。
【
図348】サウンドICにおける音出力処理を示すフローチャートである。
【
図352】演出制御装置のMPUにおけるミュート制御処理を示すフローチャートである。
【
図353】一時解除中処理を示すフローチャートである。
【
図354】ミュート処理の流れを説明するための説明図である。
【
図355】第6の実施の形態の変形例1に係る音声の出力制御に関する構成を示すブロック図である。
【
図356】第6の実施の形態の変形例2に係る音声の出力制御に関する構成を示すブロック図である。
【
図357】(a)は入力用操作部を示す平面図、(b)は第1音量スイッチを示す平面図である。
【
図358】メイン処理を示すフローチャートである。
【
図359】操作対応処理を示すフローチャートである。
【
図360】メニュー表示中の操作対応処理を示すフローチャートである。
【
図361】音量設定画面の表示用処理を示すフローチャートである。
【
図362】音量設定表示中の操作対応処理を示すフローチャートである。
【
図363】出力切替用処理を示すフローチャートである。
【
図364】音出力設定処理を示すフローチャートである。
【
図365】エラー音対応処理を示すフローチャートである。
【
図366】エラー音量設定テーブルの一例を示す図である。
【
図367】一時解除中処理を示すフローチャートである。
【
図368】立ち上げ時音量設定処理を示すフローチャートである。
【
図373】音量制御の流れを説明するための説明図である。
【
図374】第6の実施の形態の変形例3に係るエラー音対応処理を示すフローチャートである。
【
図375】(a)はヘッドホン用のエラー音量設定テーブルの一例を示す図、(b)はスピーカ用のエラー音量設定テーブルの一例を示す図である。
【
図377】第6の実施の形態の変形例4に係る操作対応処理を示すフローチャートである。
【
図378】第1音量設定画面の表示用処理を示すフローチャートである。
【
図379】第1音量設定カウンタと第2音量設定カウンタとの関係を示す図である。
【
図380】第2音量設定画面の表示用処理を示すフローチャートである。
【
図381】第1音量設定表示中の操作対応処理を示すフローチャートである。
【
図382】第2音量設定表示中の操作対応処理を示すフローチャートである。
【
図383】メニュー表示中の操作対応処理を示すフローチャートである。
【
図384】規制切替用処理を示すフローチャートである。
【
図385】第1音量設定画面の一例を示す図である。
【
図386】第2音量設定画面の一例を示す図である。
【
図388】第2音量設定画面の一例を示す図である。
【
図389】表示画面での音量調整用表示の一例を示す図である。
【
図390】ヘッドホン用の音量設定の一例を示す図である。
【
図391】第7の実施の形態に係る遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
【
図393】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図394】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図395】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図396】図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための図である。
【
図397】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
【
図399】(a)は第1特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図、(b)は第2特図用の大当たり種別テーブルの一例を示す図である。
【
図400】報知用表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
【
図401】主側ROMのプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。
【
図402】主側RAMにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【
図403】主制御装置のMPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図404】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図405】特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【
図406】特図変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図407】特図変動中処理を示すフローチャートである。
【
図408】特電開始処理を示すフローチャートである。
【
図409】特電終了処理を示すフローチャートである。
【
図410】開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。
【
図411】高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を示すフローチャートである。
【
図412】高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理を示すフローチャートである。
【
図413】入球検知センサの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
【
図414】入球検知処理を示すフローチャートである。
【
図415】払出制御装置及び当該払出制御装置との間で通信を行う各種装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【
図416】払出制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【
図417】ベース値及び差球数処理を示すフローチャートである。
【
図418】ベース値及び差球数用実行処理を示すフローチャートである。
【
図419】ベース値算出処理を示すフローチャートである。
【
図420】非特定制御用のワークエリアにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【
図421】超過判定用処理を示すフローチャートである。
【
図423】(a)非特定制御用のワークエリアの設定態様を説明するための説明図、(b)は最下点判定処理を説明するための説明図である。
【
図424】(a)は表示設定用処理を示すフローチャート、(b)は表示種別カウンタの値と表示種別との対応関係を説明するための説明図である。
【
図425】報知用表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
【
図426】遊技停止判定用処理を示すフローチャートである。
【
図427】(a)は超過時立上げ用処理を示すフローチャート、(b)は第1部分クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図428】第1部分クリア用実行処理を示すフローチャートである。
【
図429】復電時用のコマンド設定処理を示すフローチャートである。
【
図430】(a)は差球数を利用した遊技制限における処理の流れを説明するための説明図、(b)は差球数の変化の様子を示す図である。
【
図431】(a)遊技停止状態の態様を説明するための説明図、(b)は復電時における初期化処理の態様を説明するための説明図である。
【
図432】演出制御装置及びその周辺機器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図433】演出制御装置のMPUにおける演出設定処理を示すフローチャートである。
【
図434】特図変動表示用処理を示すフローチャートである。
【
図435】変動開始用処理を示すフローチャートである。
【
図436】コマンド対応処理を示すフローチャートである。
【
図437】第1停止予告用処理を示すフローチャートである。
【
図439】第1停止予告用処理の更新内容及び更新タイミングを説明するための説明図である。
【
図440】第2停止予告用処理を示すフローチャートである。
【
図443】復電用コマンド対応処理を示すフローチャートである。
【
図446】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【
図447】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【
図448】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【
図449】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【
図450】第7の実施の形態の変形例1に係る停電情報記憶処理を示すフローチャートである。
【
図451】電断時クリア用処理を示すフローチャートである。
【
図452】電断時クリア用実行処理を示すフローチャートである。
【
図453】第7の実施の形態の変形例2に係る復電時用のコマンド設定処理を示すフローチャートである。
【
図454】復電用コマンド対応処理を示すフローチャートである。
【
図455】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【
図456】(a)は第7の実施の形態の変形例3に係る遊技盤の構成を示す正面図、(b)は差球数報知部の構成を示す正面図である。
【
図457】差球数報知部の発光態様の一例を示す図である。
【
図458】差球数報知部の発光態様の一例を示す図である。
【
図459】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【
図460】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【
図461】電断後に復電した場合の流れを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、
図2及び
図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、
図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
【0011】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機本体12とを有している。
【0012】
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0013】
遊技機本体12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機本体12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(
図2及び
図3参照)。
【0014】
図2に示すように、遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0015】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(
図3参照)。
【0016】
次に、前扉枠14について説明する。
図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
【0017】
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
【0018】
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
【0019】
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵したランプ部(環状電飾部)26が設けられている。ランプ部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、ランプ部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
【0020】
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31の内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32の内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0021】
また、上側膨出部31の上面部には、遊技者により手動操作される演出用操作部36(詳しくは押し操作ボタン)が設けられている。例えば、後述する図柄表示装置75の表示画面Gに表示された示唆等に従って演出用操作部36が手動操作されることにより、表示画面G等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
【0022】
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【0023】
前扉枠14の背面には、
図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
【0024】
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、
図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
【0025】
次に、
図2及び
図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
【0026】
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
【0027】
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、
図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる複数の内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機本体12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
【0028】
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
【0029】
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
【0030】
以下、
図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。
図4は遊技盤60の正面図である。
【0031】
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65、可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。
【0032】
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62及び第2作動口63への入球が発生すると、それが入賞センサ(検知センサ)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。この場合に、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置65への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行される。また、第1作動口62への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口63への入球が発生した場合には1個の遊技球の払出が実行される。ちなみにスルーゲート64への入球が発生しても遊技球の払出は実行されない。
【0033】
なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口62に係る賞球個数と第2作動口63に係る賞球個数とが同数となる構成としてもよいし、第2作動口63に係る賞球個数の方が第1作動口62に係る賞球個数よりも多い構成としてもよい。また、可変入賞装置65に係る賞球個数が他の作動口等に係る賞球個数と同数又は少ない構成としてもよい。また、スルーゲート64への入球が発生した場合に所定数の遊技球が払い出される構成してもよい。
【0034】
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動口62,63、可変入賞装置65又はスルーゲート64への入球を、入賞とも表現する。
【0035】
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって遊技球の流れが多様化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
【0036】
遊技盤60の中央部には、上記可変表示ユニット67が配置されている。可変表示ユニット67は、遊技盤60の裏面側に設置されており(
図3)、遊技盤60の中央部に設けられた開口部を通じてその表示画面Gを視認することが可能となっている。遊技盤60の前面には、上記開口部の周縁部に対応させて枠状のセンターフレーム76が取り付けられている。
【0037】
センターフレーム76は遊技盤60の前面から前方に突出しており、センターフレーム76の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球がセンターフレーム76の内側領域に流入して表示画面Gに接触することが回避されている。また、センターフレーム76により、遊技球が遊技領域PEを流下する際の流下経路が左右に分散され、センターフレーム76の左側を通る左ルートと右側を通る右ルートとが形成されている。
【0038】
左ルートと右ルートのいずれを遊技球が流下(通過)するかは、遊技球発射ハンドル41の回動操作量、すなわち、遊技球の発射勢によって定まる。発射された遊技球は、遊技盤60の左側上部から遊技領域PEに進入するため、遊技球の発射勢が強いほど遊技球が右ルートを流下しやすくなる。
【0039】
詳しくは、遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が左ルートを流下し、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が右ルートを流下する。なお、所定回動量とは、発射された遊技球が後述する誘導レール100を通過して遊技領域PEに進入可能となる回動操作量であり、基準回動量とは、センターフレーム76の頂部に到達可能な発射勢で遊技球を発射する回動操作量である。
【0040】
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の下方には、上向きに開放された第1作動口62が配置されている。第1作動口62は、遊技盤60の左右中央部に位置するが、右ルートを流下する遊技球は第1作動口62に入賞しないように釘69等の遊技部品が配設されている。すなわち、左ルートを流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となっている。よって、遊技者が第1作動口62への入賞を狙う場合には、遊技球が左ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。第1作動口62には第1作動口用入賞センサ62a(
図7)が設けられており、当該入賞センサ62aにより第1作動口62に入賞した遊技球が検知される。
【0041】
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の右方には、第2作動口63が配置されている。第2作動口63の構成について
図5を参照しながら説明する。
【0042】
第2作動口63には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物63a(可変受入手段)が設けられている。具体的には、左右方向に回動可能に支持された上記一対の可動片が第2作動口63としての開口部を左右両側から挟むようにして配置されている。
【0043】
そして、上記各可動片が回動することで、
図5(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、
図5(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替わり可能となっている。詳しくは、第2作動口63の上部には、前方に突出するようにして突出部63dが設けられており、
図5(a)に示すように上記可動片が起立姿勢である場合には、それら各可動片と突出部63dとの隙間が遊技球の直径未満となり、第2作動口63への遊技球の流入が阻止される。一方、
図5(b)に示すように上記可動片が外側へ傾斜するように回動した場合には、上記突出部63dとの間に遊技球が通過可能な大きさの開口部が形成され、第2作動口63への遊技球の流入が許容される。第2作動口63には第2作動口用入賞センサ63cが設けられており、当該入賞センサ63cにより第2作動口63に入賞した遊技球が検知される。
【0044】
また、普電役物63aには、各可動片を駆動する駆動部63bが設けられている。各可動片は、駆動部63bにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、開放状態(傾斜姿勢)と閉鎖状態(起立姿勢)とに切り替えられる。因みに第1作動口62には普電役物(開閉構造)が設けられていない。
【0045】
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2作動口63への入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。また、普電役物63aの構成は上記に限定されるものではなく、例えば、可動片が前後に回動したり、前後又は左右にスライド移動したりすることで、第2作動口63を開閉するものであってもよい。
【0046】
図4に示すように、右ルートにおいて第2作動口63の上方(上流側)にはスルーゲート64が配置されている。スルーゲート64は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート64に入賞した遊技球は、スルーゲート64を通過して再び遊技領域PEを流下する。よって、スルーゲート64に入賞した遊技球は、第2作動口63にも入賞することが可能となっている。スルーゲート64にはスルー用入賞センサ64a(
図7)が設けられており、当該入賞センサ64aによりスルーゲート64に入賞した遊技球が検知される。
【0047】
スルーゲート64は、第2作動口63に設けられた上記普電役物63aを開放状態とするためのトリガとなっている。具体的には、スルーゲート64への入賞を契機として内部抽選が行われ、その内部抽選の結果が開放結果(サポート当選)となることで、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態に復帰させる役物開閉遊技(サポート実行モード)が実行される。
【0048】
右ルートにおいて第2作動口63の下方(下流側)には可変入賞装置65が配置されている。可変入賞装置65の構成について
図6を参照しながら説明する。
【0049】
可変入賞装置65は、前方に開口する大入賞口65aと、当該大入賞口65aを開閉する開閉扉65bとを備えている。大入賞口65aは、正面視で横長の長方形状をなしており、複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。大入賞口65aは、遊技盤60の背面側に設けられた案内通路65eと連通しており、大入賞口65aに入賞した遊技球は全て案内通路65eに導かれるように構成されている。案内通路65eには大入賞口用入賞センサ65cが設けられており、当該入賞センサ65cにより大入賞口65aに入賞した遊技球が検知される。
【0050】
また、可変入賞装置65には、開閉扉65bを駆動する駆動部65dが設けられている。開閉扉65bは、駆動部65dにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、大入賞口65aに遊技球が入賞不能な閉鎖状態(
図6(a))と、大入賞口65aに遊技球が入賞可能な開放状態(
図6(b))とに切り替えられる。具体的には、通常は開閉扉65bが閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(大当たり遊技)への移行に当選した場合に開放状態に切り替えられる。
【0051】
開閉実行モードとは、大当たりに当選した場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置65の開放態様としては、大当たりである場合は、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば10ラウンド)を上限として可変入賞装置65が繰り返し開放される態様がある。
【0052】
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に大入賞口65aへの入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に、大入賞口65aへの入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで大入賞口65aへの入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
【0053】
ここで、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65に対しては、右ルートを流下する遊技球のみが入賞可能となっている。よって、遊技者が第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を狙う場合には、遊技球が右ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。
【0054】
図4に示すように、可変入賞装置65の下方には、主表示ユニット81が設けられている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面から前方に突出している。主表示ユニット81の前面には、所定の絵柄等が表示される特図用表示部43及び普図用表示部44が設けられている。これら各表示部43,44は、前扉枠14のガラスユニット22を通じて前方から視認可能となっている。なお、主表示ユニット81の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径よりも小さくなっている。これにより、主表示ユニット81の前方を遊技球が通過することが回避されており、各種表示部43,44の視認性が担保されている。
【0055】
特図用表示部43には、第1作動口62への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第1特図表示部ASと、第2作動口63への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2特図表示部BSとが設けられている。
【0056】
第1特図表示部ASでは、第1作動口62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動口62への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第1特図表示部ASにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードに移行する。
【0057】
第2特図表示部BSでは、第2作動口63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2作動口63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第2特図表示部BSにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードに移行する。
【0058】
以下においては、第1作動口62への入賞を契機に変動表示される絵柄と、第2作動口63への入賞を契機に変動表示される絵柄とを区別すべく、前者を第1特別図柄又は第1特図といい、後者を第2特別図柄又は第2特図ということがある。
【0059】
ここで、いずれかの作動口62,63への入賞に基づいて、対応する特図表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが特図表示部AS,BSにおける遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
【0060】
また、主表示ユニット81には特図保留数表示部AMが設けられている。遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、特図保留数表示部AMには、第1特図(第1作動口62)の保留数と第2特図(第2作動口63)の保留数とを各別に表示可能となっている。
【0061】
普図用表示部44は、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、普図用表示部44では、スルーゲート64への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート64への入賞に基づく内部抽選の結果が普電役物63aを開放させるサポート状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、サポート状態へ移行する。なお、スルーゲート64への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
【0062】
ここで、スルーゲート64への入賞に基づいて、普図用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、普図用表示部44における遊技回の1回に相当する。以下においては、普図用表示部44における遊技回と特図表示部AS,BSにおける遊技回とを区別すべく、前者を普図遊技回といい、後者を特図遊技回ということがある。
【0063】
また、普図用表示部44には普図保留数表示部FMが設けられている。遊技球がスルーゲート64に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、普図保留数表示部FMには普図(スルーゲート64)の保留数を表示可能となっている。
【0064】
特図用表示部43及び普図用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置により構成されてもよい。
【0065】
その他、図示を省略しているが、主表示ユニット81には、開閉実行モードでのラウンド数を明示するためのラウンド表示部が設けられている。ラウンド表示部では、開閉実行モードが開始される場合又は開始された場合に上記ラウンド数の表示が開始される。この表示は、開閉実行モードが実行されている間、表示内容を変更することなく継続して行われ、開閉実行モードが終了する場合又は終了した場合に終了する。
【0066】
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切替表示)する図柄表示装置75が設けられている。
【0067】
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置75は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
【0068】
図柄表示装置75には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置75における変動表示は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて開始される。すなわち、特図用表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置75においても変動表示が行われる。そして、可変入賞装置65が開放状態とされる大当たり遊技状態(開閉実行モード)に移行する場合には、図柄表示装置75では予め設定されている有効ライン上に所定の図柄組み合わせが停止表示される。
【0069】
また、図柄表示装置75には、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSに対応した保留表示が行われる。この保留表示では、所定の保留用画像が表示され、その表示個数により各作動口63,64の保留個数が示されるようになっている。なお、保留個数は、上記保留用画像により示されるものに限定されず、数字表示により示されるものであってもよい。また、図柄表示装置75に限らず、例えば、図柄表示装置75とは別に遊技盤60上に設けられた表示部(主表示ユニット81の各保留数表示部AM,FMとは別の表示部)や発光部(保留ランプ部)等により示される構成であってもよい。
【0070】
再び
図2を参照して内枠13の構成について説明する。樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えている。ベースプレート114は樹脂ベース50に固定されており、これにより、遊技球発射機構110が樹脂ベース50と一体化されている。
【0071】
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが設けられている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
【0072】
ソレノイド111は、後述する電源及び発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
【0073】
図4に示すように、誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。
【0074】
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
【0075】
図2に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより、両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間に所定間隔の隙間を形成している。
【0076】
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制されつつ、ファール球となった遊技球が遊技者に返却される。
【0077】
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
【0078】
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
【0079】
次に、
図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
【0080】
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
【0081】
樹脂ベース50の背面には、係止金具が複数設けられており、これら係止金具により樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
【0082】
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に演出制御装置143が装着されている。
【0083】
演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
【0084】
遊技盤60の背面には、
図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
【0085】
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
【0086】
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する入賞センサ(検知センサ)が設けられている。これら各種入賞センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。すなわち、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知する。入賞センサは、例えば、検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサにより構成されている。
【0087】
これら各種入賞センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら入賞センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
【0088】
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
【0089】
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
【0090】
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われたことを容易に発見できる。
【0091】
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
【0092】
次に、
図2及び
図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
【0093】
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
【0094】
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、
図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
【0095】
ベース部211には、その右側上部に外部出力端子213が設けられている。外部出力端子213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHC(管理制御装置)に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
【0096】
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
【0097】
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
【0098】
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【0099】
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0100】
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【0101】
電源及び発射制御装置191は、基板ボックス内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
【0102】
電源及び発射制御装置191には、電源を監視して停電等の電断状態の発生を検知する停電監視部(停電監視回路)315が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。また、電源及び発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【0103】
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図7のブロック図に基づいて説明する。
【0104】
主制御装置162の主制御基板311には、MPU312が搭載されている。MPU312には、当該MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM313と、そのROM313内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM314と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【0105】
RAM314は、電断状態が発生した後においても電源及び発射制御装置191からのバックアップ電圧によりデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM314には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアとは別にバックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、電断状態が発生した場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。電断状態からの復帰時(復電時)には、バックアップエリアの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電断前の状態に復帰できるようになっている。
【0106】
なお、
図7に示す構成では、MPU312に対してROM313及びRAM314を1チップ化しているが、これに限定されるものではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置162以外の制御装置のMPUについても同様である。
【0107】
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。また、MPU312の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ61a、第1作動口用入賞センサ62a、第2作動口用入賞センサ63c、スルー用入賞センサ64a、大入賞口用入賞センサ65c等が設けられている。MPU312では、これら各種センサ61a,62a,63c,364a,65cの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
【0108】
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
【0109】
演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【0110】
また、MPU312の出力側には各種駆動部として、普電役物63a用の駆動部63b、可変入賞装置65用の駆動部65dが接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モードへの移行が発生すると、可変入賞装置65の開閉扉65bが駆動されるようにMPU312において駆動部65dの駆動制御が実行される。また、サポート状態への移行が発生すると、普電役物63aの各可動片が駆動されるようにMPU312において駆動部63bの駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、特図用表示部43における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行される。また、普図遊技回に際しては、普図用表示部44の表示制御が実行される。
【0111】
さらには、MPU312の出力側に上述した外部出力端子213が接続されており、この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
【0112】
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
【0113】
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。ちなみに、電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がOFF状態の場合には当該電断時用電源部から主制御装置162のRAM314に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0114】
払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。
【0115】
演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【0116】
ここで、図柄表示装置75の表示内容について
図8~
図10に基づいて説明する。
【0117】
図8(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【0118】
図9(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図9(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0119】
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常4R大当たり結果又は10R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0120】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、10R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大4R当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【0121】
ここで、各図柄列の変動表示について
図10を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、
図10(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り替わる。そして、
図10(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り替わる。そして、
図10(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
【0122】
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
【0123】
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(
図8)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
【0124】
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
【0125】
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、絵柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた絵柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(絵柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での絵柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
【0126】
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
【0127】
図9(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaと、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbとが設定されている。
【0128】
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【0129】
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【0130】
また、第2保留表示領域Gbでは、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
【0131】
例えば、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【0132】
また、第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとに挟まれるようにして実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1又は第2保留表示領域Gbの第1単位保留表示領域Gb1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
【0133】
<特図用表示部43の構成>
ここで、特図用表示部43の構成について
図11を参照しながら説明する。
図11(a)は特図用表示部43の正面図、(b)は特図用表示部43及びその前方側を含めた領域の縦断面図である。特図用表示部43には、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSが設けられているところ、これらは同一の構成を有するため、第1特図表示部ASを例にとってその構成を説明する。
【0134】
図11(a)に示すように、第1特図表示部ASには、セグメント表示器801が設けられている。セグメント表示器801の表示面には表示領域805が形成されており、表示領域805には7個の表示用セグメントSG1~SG7が設けられている。各表示用セグメントSG1~SG7は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させたり、任意の組み合わせで複数個の表示用セグメントを点灯させたりすることができる。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、表示用セグメントSG1~SG7による表示は単一色でなされる。
【0135】
各表示用セグメントSG1~SG7は、パチンコ機10前方からの正面視において直線状をなしており、表示領域805では、これら各表示用セグメントSG1~SG7が数字の「8」の字状に並ぶようにして配置されている。そして、それら各表示用セグメントSG1~SG7のうちいずれを点灯させ、いずれを消灯させるかを制御することで、表示態様(見た目)が互いに異なる複数種類の絵柄を表示することが可能となっている。
【0136】
表示領域805では、第1作動口62への入賞を契機として各表示用セグメントSG1~SG7の点灯及び消灯が繰り返され、絵柄の変動表示(可変表示又は切換表示)が行われる。そして、変動表示が行われた後、点灯対象に設定された表示用セグメントSG1~SG7が停止表示期間に亘って継続点灯され、停止結果としての絵柄が停止表示される。これにより、第1作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が報知される。
【0137】
なお、第2特図表示部BSの表示領域805では、第2作動口63への入賞を契機として各表示用セグメントSG1~SG7の点灯及び消灯による絵柄の変動表示が行われ、その後、停止結果としての絵柄が停止表示される。
【0138】
このように各特図表示部AS,BSの表示領域805にて絵柄の停止表示が行われるところ、この表示領域805は、図柄表示装置75の表示画面G(又は表示画面Gのうちパチンコ機10前方からの正面視で視認可能な領域)よりも表面積が小さく形成されている。すなわち、表示領域805での絵柄は、図柄表示装置75に表示される図柄よりも表示サイズが小さく、各図柄列Z1~Z3の図柄よりも目立ちにくい態様で表示される。
【0139】
図11(b)に示すように、セグメント表示器801は表示器用基板802上に搭載されている。表示器用基板802は主制御装置162と電気配線を通じて電気的に接続されており、主制御装置162から表示器用基板802に駆動信号が出力されることで、各表示用セグメントSG1~SG7が点灯される。表示器用基板802は、遊技盤60上の装飾部材39に設けられた開口部39aからセグメント表示器801の表示領域805の全体が露出するように、装飾部材39に対して位置決めされ、装飾部材39の裏側から固定されている。
【0140】
セグメント表示器801の前方には、表示領域805と対向するようにしてカバーパネル803が設けられている。カバーパネル803は、装飾部材39の開口部39aを後方から塞ぐようにして配置され、パチンコ機10前方からガラスパネル23及びカバーパネル803を通じて表示領域805の表示が視認可能となるように半透明に形成されている。具体的には、カバーパネル803は、黒色半透明の合成樹脂により形成されている。
【0141】
このようにカバーパネル803を半透明とすることで、第1特図表示部ASにおける表示を視認可能としつつ、カバーパネル803を無色透明とする場合に比べて第1特図表示部ASにおける表示を目立ちにくくできる。これにより、第1特図表示部ASにおける表示よりも図柄表示装置75の表示などに遊技者の注意を引き付けることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、カバーパネル803を無色透明に形成したり、当該カバーパネル803を備えない構成としてもよい。
【0142】
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図12を用いて説明する。
【0143】
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図12に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3を用いることとしている。
【0144】
各カウンタC1~C4,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
【0145】
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が、保留情報(特別情報)としていずれかのエリアに格納される。
【0146】
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【0147】
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【0148】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~2999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり2999)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~2999)。
【0149】
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【0150】
大当たり乱数カウンタC1は、大当たりであるか否かを抽選する当否抽選に用いられるものであり、大当たり当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている当否テーブルにて設定されている。
図13に示すように、当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(
図13(a))と、高確率モード用の当否テーブル(
図13(b))とが設定されている。本パチンコ機10では、当否抽選における抽選モードとして、大当たりとなる確率が相対的に低い低確率モード(低確率状態)と、大当たりとなる確率が相対的に高い高確率モード(高確率状態)とが設けられている。当否抽選に際して抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルが参照される。
【0151】
図13(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定されている。すなわち、低確率モードでの大当たり当選確率は1/300に設定されている。
【0152】
大当たり当選となる乱数の値以外は抽選結果が外れ結果となるが、本実施の形態では外れ結果として特殊外れ結果と通常外れ結果とが含まれている。上記低確率モード用の当否テーブルにおいて特殊外れ結果となる乱数の値としては「10」~「29」の計20個が設定されており、特殊外れ結果となる確率は1/150となっている。
【0153】
図13(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルでは、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されている。すなわち、高確率モードでの大当たり当選確率は1/60に設定されている。高確率モード用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されておらず、大当たり当選となる乱数の値以外はすべて通常外れ結果となる。
【0154】
なお、各確率モードでの大当たり当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、高確率モードにおいて低確率モードよりも大当たりの当選確率が高くなるのであれば、大当たりに対応する乱数の数及び値は任意である。また、低確率モード用の当否テーブルでの特殊外れ結果の確率についても上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。この場合において特殊外れ結果の確率を必ずしも大当たり当選確率よりも高くする必要はなく、大当たり当選確率と同じとしてもよい。また、特殊外れ結果の確率を大当たり当選確率よりも低くしてもよい。
【0155】
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【0156】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。
図14に示すように、大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(
図14(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(
図14(b))とが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
【0157】
図14(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果と、7R確変大当たり結果と、3R確変大当たり結果と、7R通常大当たり結果と、3R通常大当たり結果とが設定されている。これら各大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数がそれぞれ10回、7回、3回、7回、3回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
【0158】
10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果の各確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、確変大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)となる。この場合の高確遊技状態は次回の大当たりが発生するまで(次回の開閉実行モードが開始されるまで)継続される。ちなみに、開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
【0159】
高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普電役物63aが開放状態とされる頻度が低頻度サポートモードよりも高く、また、1回の開放における開放期間についても低頻度サポートモードよりも長くなるようになっている。
【0160】
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードにおいて遊技者は持ち球の減りを抑えながら遊技を行うことができる。
【0161】
なお、本実施の形態では、高頻度サポートモードとして第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとが設けられている。このうち確変大当たり結果となった場合に移行するのは第1高頻度サポートモードである。第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとの違いについては後に説明する。
【0162】
7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果の各通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、これらの通常大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となる。
【0163】
7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果になった場合の時短遊技状態は、外れ結果の特図遊技回(外れ遊技回)の回数が例えば100回に達するまで継続される。この場合の外れ遊技回の回数は、開閉実行モードが終了した後の特図遊技回を対象としてカウントされる。外れ遊技回の回数が上限回数(100回)に達した場合は、時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って時短遊技状態が終了する。
【0164】
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「4」が10R確変大当たり結果に対応し、「5」~「14」が7R確変大当たり結果に対応し、「15」~「60」が3R確変大当たり結果に対応し、「61」~「80」が7R通常大当たり結果に対応し、「81」~「99」が3R大当たり結果に対応している。すなわち、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選にて大当たりとなった場合に10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は5%、7R確変大当たり結果に振り分けられる確率は10%、3R確変大当たり結果に振り分けられる確率は36%、7R通常大当たり結果に振り分けられる確率は20%、3R通常大当たり結果に振り分けられる確率は19%に設定されている。
【0165】
図14(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果と、7R確変大当たり結果と、3R確変大当たり結果と、10R通常大当たり結果A~Dと、7R通常大当たり結果A~Dと、3R通常大当たり結果A~Dとが設定されている。10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果については、第1特図用の大当たり種別テーブルにおける10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果と同様であるため、説明を省略する。
【0166】
10R通常大当たり結果A~D、7R通常大当たり結果A~D、3R通常大当たり結果A~Dの各通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、これらの通常大当たり結果となった場合は、開閉実行モード終了後の遊技状態が低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となる。
【0167】
10R通常大当たり結果A~Dは、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。10R通常大当たり結果Aになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば3000回に達するまで継続され、10R通常大当たり結果Bになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば300回に達するまで継続される。また、10R通常大当たり結果Cになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続され、10R通常大当たり結果Dになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
【0168】
7R通常大当たり結果A~Dは、実行されるラウンド遊技の回数が7回となるものである。7R通常大当たり結果Aになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば3000回に達するまで継続され、7R通常大当たり結果Bになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば300回に達するまで継続される。また、7R通常大当たり結果Cになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続され、7R通常大当たり結果Dになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
【0169】
3R通常大当たり結果A~Dは、実行されるラウンド遊技の回数が3回となるものである。3R通常大当たり結果Aになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば3000回に達するまで継続され、3R通常大当たり結果Bになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば300回に達するまで継続される。また、3R通常大当たり結果Cになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続され、3R通常大当たり結果Dになった場合の時短遊技状態は、外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
【0170】
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「50」が10R確変大当たり結果に対応し、「51」~「55」が7R確変大当たり結果に対応し、「56」~「60」が3R確変大当たり結果に対応し、「61」が10R通常大当たり結果Aに対応し、「62」~「65」、「66」~「69」、「70」~「73」がそれぞれ10R通常大当たり結果B、10R通常大当たり結果C、10R通常大当たり結果Dに対応している。また、大当たり種別カウンタC2の「74」が7R通常大当たり結果に対応し、「75」~「78」、「79」~「82」、「83」~「86」がそれぞれ7R通常大当たり結果B、7R通常大当たり結果C、7R通常大当たり結果Dに対応し、「87」が3R通常大当たり結果に対応し、「88」~「91」、「92」~「95」、「96」~「99」がそれぞれ3R通常大当たり結果B、3R通常大当たり結果C、3R通常大当たり結果Dに対応している。すなわち、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選にて大当たりとなった場合に10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は51%、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果に振り分けられる確率はいずれも5%となっている。また、10R通常大当たり結果A、7R通常大当たり結果A、3R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率はいずれも1%となり、それら以外の通常大当たり結果に振り分けられる確率はいずれも4%となっている。
【0171】
ここで、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は61%に設定され、同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図表示部の種別テーブルでは10R大当たり結果となる確率が51%に設定され、第1特図表示部の種別テーブルにおける5%よりも高くなっている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
【0172】
このように、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
【0173】
なお、本実施の形態では、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとで確変大当たり結果に振り分けられる確率を同一としているが、異なる確率としてもよい。具体的には、第2特図表示部の種別テーブルにおいて、第1特図表示部の種別テーブルよりも確変大当たり結果に振り分けられる確率が高くなる構成としてもよい。このような構成によっても、第1作動口62に入賞させるよりも第2作動口63に入賞させる方が遊技者にとって有利な構成とすることができる。その際、必ずしも開閉実行モードでのラウンド数と確変大当たり結果への振分確率との両方について第1作動口62よりも第2作動口63の方が優遇される構成とする必要はなく、確変大当たり結果への振分確率のみが優遇される構成としてもよい。
【0174】
大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
【0175】
ここで、本実施の形態では、通常大当たり結果になったことを契機として移行する時短遊技状態とは別に、大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選の結果が特殊外れ結果になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている。この場合の時短遊技状態は、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。
【0176】
なお、特殊外れ結果は外れ結果の一種であるため、上記時短遊技状態へは開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、特殊外れ結果になった場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が時短遊技状態に移行する。以下においては、通常大当たり結果を契機とする時短遊技状態と、特殊外れ結果を契機とする時短遊技状態とを区別する場合に、前者を「通常時短遊技状態」、後者を「突然時短遊技状態」ということがある。
【0177】
図15(a)に示すように、特殊外れ結果には複数種類の結果が設けられている。具体的には、特殊外れ結果A~特殊外れ結果Cの3種類の特殊外れ結果が設けられている。これら各特殊外れ結果は、大当たり乱数カウンタC1の値に対応付けられている。詳しくは、特殊外れ結果となる大当たり乱数カウンタC1の値「10」~「29」のうち、「10」~「13」が特殊外れ結果Aに対応し、「14」~「19」が特殊外れ結果Bに対応し、「20」~「29」が特殊外れ結果Cに対応する。すなわち、特殊外れ結果となる場合において特殊外れ結果Aとなる確率は20%、特殊外れ結果Bとなる確率は30%、特殊外れ結果Cとなる確率は50%に設定されている。
【0178】
なお、各種特殊外れ結果に対応する乱数の数及び値は一例に過ぎず、各種特殊外れ結果の確率や対応する乱数等は任意に設定することができる。
【0179】
図15(b)に示すように、特殊外れ結果Aは、突然時短遊技状態A(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Aは、突然時短遊技状態Aに移行してからの外れ遊技回の回数が例えば200回に達するまで継続される。
【0180】
特殊外れ結果Bは、突然時短遊技状態B(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Bは、突然時短遊技状態Bに移行してからの外れ遊技回の回数が例えば100回に達するまで継続される。
【0181】
特殊外れ結果Cは、突然時短遊技状態C(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)の移行契機となる特殊外れ結果である。突然時短遊技状態Cは、突然時短遊技状態Cに移行してからの外れ遊技回の回数が例えば50回に達するまで継続される。
【0182】
突然時短遊技状態A~Cにおいて外れ遊技回の回数が各上限回数に達した場合は、滞在中の突然時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、各上限回数に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って各突然時短遊技状態が終了する。
【0183】
さらに本実施の形態では、
図15(c)に示すように、通常時短遊技状態や突然時短遊技状態とは別に、当否抽選結果が外れ結果となった特図遊技回(外れ遊技回)の累積回数(所謂ハマリ回数)が予め定められた天井回数(例えば990回)になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている。以下においては、この時短遊技状態を他の時短遊技状態と区別するため、「天井時短遊技状態」ということがある。
【0184】
外れ遊技回の計数においては、天井回数への到達前に大当たり結果になると、天井回数までの残り回数が初期値(例えば990回)に再設定され、それまでの外れ回数が破棄される。また、高確遊技状態中の外れ遊技回は計数の対象外とされる。よって、天井時短遊技状態に移行するには、開閉実行モードが終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となり、また、開閉実行モード後に高確遊技状態に移行した場合は、高確遊技状態が終了してからの外れ遊技回の回数が天井回数に到達することが必要となる。
【0185】
天井時短遊技状態は、突然時短遊技状態と同様に、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。天井時短遊技状態への移行契機は外れ結果であるため、天井時短遊技状態には開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が天井時短遊技状態に移行する。天井時短遊技状態は、天井時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が例えば1100回に達するまで継続される。なお、上限回数(1100回)に達する前に大当たり結果となった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って天井時短遊技状態が終了する。天井時短遊技状態が終了した場合は通常遊技状態に移行する。
【0186】
図12の説明に戻り、変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
【0187】
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【0188】
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。変動表示時間テーブルの詳細については後述する。
【0189】
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。
【0190】
普図当たり乱数カウンタC3は、普図当たり(サポート当選)であるか否かを抽選する普図当否抽選(サポート抽選)に用いられるものであり、サポート当選結果になった場合には、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする開閉制御が少なくとも1回行われる役物開閉遊技が実行される。
【0191】
サポート当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されたサポート抽選テーブルにて設定されている。
図16に示すように、サポート抽選テーブルとしては、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図16(a))と、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図16(b))と、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図16(c))とが設定されている。サポート抽選に際してサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照される。
【0192】
図16(a)に示すように、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。
【0193】
図16(b)に示すように、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、「0」~「89」の計90個が設定されており、サポート当選確率は9/10となっている。すなわち、第1高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが高確率モードとなり、低頻度サポートモードの場合よりもサポート当選となりやすくなっている。
【0194】
図16(c)に示すように、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。すなわち、第2高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが低確率モードとされ、第1高頻度サポートモードである場合よりもサポート当選確率が低い状態でサポート抽選が行われる。
【0195】
各サポートモードにおいて、サポート当選となる乱数の値以外は、抽選結果が普図外れ結果となる。この場合は役物開閉遊技が実行されない。
【0196】
なお、各サポートモードでのサポート当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、第1高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりもサポート当選の確率が高くなるのであれば、サポート当選となる乱数の数及び値は任意である。また、上記構成では、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を低頻度サポートモードの場合と同じ確率としているが、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率が低頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くなる構成であってもよい。その場合、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率と同じにしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも低くしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くしてもよい。また、低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード及び第2高頻度サポートモードでサポート当選確率が等しくなる構成としてもよい。
【0197】
ちなみに本実施の形態のように、低頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとでサポート当選確率を等しくする場合、すなわち、これら各モード間でサポート当選の確率変動を生じさせない場合は、これら各モード用のサポート抽選テーブルを共通化し、1の抽選テーブルを備える構成としてもよい。
【0198】
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【0199】
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について
図17のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【0200】
ステップSe101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
【0201】
ステップSe102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【0202】
ステップSe103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【0203】
ステップSe104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、ステップSe103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
【0204】
ステップSe105では、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、その後、タイマ割込み処理を終了する。
【0205】
<作動口用の入賞処理>
ステップSe105の作動口用の入賞処理について
図18のフローチャートを参照しながら説明する。
【0206】
先ずステップSe201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSe202にて払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
【0207】
ステップSe203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSe204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップSe205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0208】
また、ステップSe201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSe206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSe207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
【0209】
ステップSe208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSe209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップSe205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【0210】
また、ステップSe206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
【0211】
なお、上記ステップSe202又はステップSe207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
【0212】
ここで、ステップSe205の情報取得処理について
図19のフローチャートを参照しながら説明する。
【0213】
先ずステップSe301にて、上述したステップSe204又はステップSe209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSe302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1加算する。ステップSe303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
【0214】
ステップSe304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSe302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
【0215】
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSe302にて1加算した第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
【0216】
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSe302にて1加算した第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
【0217】
ステップSe305では、主表示ユニット81の特図保留数表示部AMについて表示更新処理を実行する。特図保留数表示部AMでは、第1特図用の保留数と第2特図用の保留数とを各別に表示することが可能となっている。ステップSe305の表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が第1作動口62の場合には第1特図用の保留数の表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が第2作動口63の場合には第2特図用の保留数の表示を更新する。
【0218】
ステップSe306では、演出制御装置143への送信対象として保留コマンドを設定する。保留コマンドには、第1特図又は第2特図のいずれの始動入賞であるかを示す情報や、保留数を示す情報等が含まれる。ステップSe306の実行後は、本情報取得処理を終了する。
【0219】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを
図20のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSe401~ステップSe408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSe409~ステップSe411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0220】
通常処理においては先ず、ステップSe401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSe401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
【0221】
ステップSe402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【0222】
ステップSe403では、各特図遊技回における遊技を制御するための特図遊技回制御処理を実行する。特図遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。ステップSe404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。ステップSe403の特図遊技回制御処理及びステップSe404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
【0223】
ステップSe405では、普図遊技回における遊技を制御するための普図遊技回制御処理を実行する。普図遊技回制御処理では、サポート抽選(普図当否抽選)、普図用表示部44の表示制御などを行う。ステップSe406では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。ステップSe405の普図遊技回制御処理及びステップSe406の電役サポート用処理についての詳細は後述する。
【0224】
ステップSe407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
【0225】
ステップSe408では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
【0226】
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSe409にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。今回の通常処理の開始から所定時間が経過していない場合は、ステップSe410にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
【0227】
ステップSe411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
【0228】
ステップSe409で肯定判定した場合(今回の通常処理の開始から所定時間が経過した場合)は、ステップSe401に処理を戻り、ステップSe401以降の処理を実行する。
【0229】
このように、ステップSe408の処理を実行した後、次の通常処理の実行タイミングが到来するまでの残余期間を利用し、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。ここで、ステップSe401~ステップSe408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【0230】
ステップSe408で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップSe412に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップSe413では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップSe414では、演出制御装置143への送信対象として停電コマンドを設定する。停電コマンドが送信されることにより、電断状態の発生が演出制御装置143に通知される。
【0231】
ステップSe415ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップSe416では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
【0232】
<特図遊技回制御処理>
ステップSe403の特図遊技回制御処理について
図21のフローチャートを参照しながら説明する。
【0233】
先ずステップSe501にて、可変入賞装置65を用いた開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグがセットされているか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
【0234】
開閉実行モード中でない場合には、ステップSe502にて、特図用表示部43が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグがセットされているか否かを判定する。確定表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで確定表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【0235】
特図用表示部43が確定表示中でない場合は、ステップSe503にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグがセットされているか否かを判定する。変動表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【0236】
特図用表示部43が変動表示中でない場合は、ステップSe504にて、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。よって、共通保留数CRNが「0」である場合は、実行対象となる保留情報が存在しないことになるため、そのまま特図遊技回制御処理を終了する。
【0237】
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップSe505にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSe506にて特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【0238】
ここで、ステップSe505のデータ設定処理及びステップSe506の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
【0239】
先ず、データ設定処理について
図22のフローチャートを参照して説明する。
【0240】
先ずステップSe601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSe602~ステップSe608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSe609~ステップSe615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
【0241】
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なくとも一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
【0242】
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSe602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。ステップSe603では共通保留数CRNを1減算する。ステップSe604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0243】
ステップSe605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
【0244】
ステップSe606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップSe607にて第2特図フラグを消去する。
【0245】
ステップSe607の実行後又はステップSe606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップSe608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0246】
ステップSe608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0247】
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSe609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。ステップSe610では共通保留数CRNを1減算する。ステップSe611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【0248】
ステップSe612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSe613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップSe614にて第2特図フラグをセットする。
【0249】
ステップSe614の実行後又はステップSe613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップSe615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【0250】
ステップSe615にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【0251】
次に、変動開始処理について
図23のフローチャートを参照して説明する。
【0252】
先ずステップSe701では、現在の遊技状態に対応する当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、現在の抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブル(
図13(a))を参照して当否判定を行い、現在の抽選モードが高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブル(
図13(b))を参照して当否判定を行う。本ステップでは、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、参照する当否テーブルにて大当たり用の乱数として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
【0253】
ステップSe702では、ステップSe701における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSe703にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。具体的には、今回の大当たり結果が第1特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(
図14(a))を参照して種別判定を行い、今回の大当たり結果が第2特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(
図14(b))を参照して種別判定を行う。例えば、第1特図用の大当たり種別テーブルを参照した種別判定の場合であれば、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果、7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果のいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
【0254】
ステップSe704では、ステップSe703の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合は、10R確変大当たりフラグをセットする。
【0255】
ステップSe705では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果(大当たり図柄)を設定する。ここで、大当たり用の停止結果テーブルについて
図24、
図25(a)を参照しながら説明する。
【0256】
大当たり用の停止結果テーブルとしては、大当たり用の第1特図停止結果テーブル(
図25(a))と大当たり用の第2特図停止結果テーブル(
図24)とが設定されている。大当たり用の第1特図停止結果テーブルは、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選で大当たりとなった場合に参照されるものであり、第1特図に対応するものである。一方、大当たり用の第2特図停止結果テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選で大当たりとなった場合に参照されるものであり、第2特図に対応するものである。
【0257】
先ず、大当たり用の第2特図停止結果テーブルについて説明する。
図24に示すように、大当たり用の第2特図停止結果テーブルには、大当たり結果用の第2特図の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD0~SD14からなる15種類の停止結果データが記憶されている。これら各停止結果SD0~SD14には大当たり種別カウンタC2の値が対応付けられており、例えば、停止結果SD0には、大当たり種別カウンタC2の「0」~「50」が割り当てられている。
【0258】
ここで、大当たり種別の抽選に用いられる第2特図用の大当たり種別テーブル(
図14(b))では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「50」に対して10R確変大当たり結果が割り当てられている。停止結果テーブルを参照した大当たり図柄の抽選と、大当たり種別テーブルを参照した大当たり種別の抽選とには、同じタイミングで取得された同一の大当たり種別カウンタC2(取得乱数)が用いられるため、大当たり種別として10R確変大当たり結果が選ばれる場合、大当たり図柄として停止結果SD0が選ばれることになる。このため、停止結果SD0は、10R確変大当たり結果に対応した停止結果として機能し得るものとなる。
【0259】
図24に示すように、大当たり用の第2特図停止結果テーブルでは、停止結果SD0以外の停止結果SD1~SD14においても、それぞれ7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果、10R通常大当たり結果A~D、7R通常大当たり結果A~D、3R通常大当たり結果A~Dに対応した停止結果となるように、大当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。
【0260】
既に述べたように、第2特図表示部BSには停止結果を表示するための手段として複数の表示用セグメントSG1~SG7が設けられており、停止結果データは、それら表示用セグメントSG1~SG7のうち、どの表示用セグメントを点灯させ、どの表示用セグメントを消灯させるかを示す情報となっている。
図24の「結果表示」欄に示す各絵柄は、各停止結果データによって表示される絵柄を示すものである。
【0261】
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「0」である場合の停止結果SD0に対応する停止結果データは、表示用セグメントSG1,SG6,SG7を点灯させる一方、表示用セグメントSG2~SG5を消灯させるものとなっている。このため、停止結果として停止結果SD0が設定された場合には、第2特図表示部BSにおいて数字の「7」に類似する表示態様の絵柄が表示される。
【0262】
停止結果SD0~SD14に対応する各停止結果データでは、点灯させる表示用セグメントと消灯させる表示用セグメントとの組み合わせが相違しており、これによって、それらの停止結果ごとに固有の絵柄が表示される。大当たり用の停止結果SD0~SD14はいずれも、セグメント表示器801に配置される7個の表示用セグメントSG1~SG7のうち、2個以上の表示セグメントを点灯させて絵柄(大当たり図柄)が表示されるように設定されている。
【0263】
なお、
図24では、各停止結果の表示絵柄がどのような絵柄であるのかや、各停止結果(各大当たり図柄)がいずれの大当たり種別と組みになっているのかを分かりやすくするために、「結果表示」及び「大当たり種別」の項目を記載しているが、これらは停止結果テーブルに記憶されるものではない。
【0264】
図25(a)に示すように、大当たり用の第1特図停止結果テーブルには、大当たり結果用の第1特図の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD0~SD2、SD10、SD14からなる5種類の停止結果データが記憶されている。これらにおいても、第1特図用の大当たり種別テーブル(
図14(a))に設定された10R確変大当たり結果、7R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果、7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果にそれぞれ対応するように、大当たり種別カウンタC2の値が割り当てられている。
【0265】
本実施の形態では、第1特図用の大当たり図柄と第2特図用の大当たり図柄とで停止結果データを共有しており、例えば、大当たり種別として10R確変大当たり結果が選ばれる場合には、第1特図及び第2特図のいずれにおいても停止結果SD0が選択され、数字の「7」に類似する絵柄が表示されるように構成されている。なお、これに限定されるものではなく、例えば、大当たり種別として10R確変大当たり結果が選ばれる場合において第1特図と第2特図とで表示される絵柄が異なるなど、別々の停止結果が設定される構成としてもよい。
【0266】
変動開始処理(
図23)の説明に戻り、ステップSe705では、今回の大当たりが第1特図と第2特図のいずれの当否抽選によるものなのかを判定し、その判定結果に対応する停止結果テーブルを参照する。そして、参照した停止結果テーブルにおいて、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【0267】
ステップSe702で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSe706に進み、ステップSe701の当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSe707にて、特殊外れ結果の種別に対応した特殊外れ種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合は、特殊外れAフラグをセットする。
【0268】
ステップSe708では、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている特殊外れ用の停止結果テーブルを参照して特殊外れ用の停止結果(特殊外れ図柄)を設定する。ここで、特殊外れ用の停止結果テーブルについて
図25(b)参照しながら説明する。
【0269】
特殊外れ用の停止結果テーブルには、特殊外れ用の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD15~SD17よりなる3種類の停止結果データが記憶されている。これら各停止結果SD15~SD17には大当たり乱数カウンタC1の値が対応付けられており、例えば、停止結果SD15には、大当たり乱数カウンタC1の「10」~「13」が割り当てられている。
【0270】
ここで、特殊外れ種別の抽選に用いられる特殊外れ用の種別テーブル(
図15(a))では、大当たり乱数C1の「10」~「13」に対して特殊外れ結果Aが割り当てられている。このため、当否抽選の結果が特殊外れ結果となった場合において特殊外れ結果Aが得られる場合は、特殊外れ図柄として停止結果SD15が選ばれることになり、停止結果SD15は、特殊外れ結果Aに対応した停止結果として機能し得るものとなる。
【0271】
図25(b)に示すように、特殊外れ用の停止結果テーブルでは、他の停止結果SD16、SD17においても、それぞれ特殊外れ結果B、特殊外れ結果Cに対応した停止結果となるように、大当たり乱数カウンタC1の値が対応付けられている。
【0272】
停止結果SD15~SD17に対応する各停止結果データは、それらの停止結果間において、点灯させる表示用セグメントと消灯させる表示用セグメントとの組み合わせが異なるだけでなく、大当たり用の停止結果SD0~SD14のいずれに対しても上記組み合わせが異なるようになっている。このため、停止結果SD15~SD17は、表示される際の見た目(絵柄)が相互に異なり、大当たり用の停止結果SD0~SD14との関係でも絵柄が重複しないようになっている。特殊外れ用の停止結果SD15~SD17はいずれも、セグメント表示器801に配置される7個の表示用セグメントSG1~SG7のうち、2個以上の表示セグメントを点灯させて絵柄(特殊外れ図柄)が表示されるように設定されている。
【0273】
なお、本実施の形態では、第1特図の当否抽選と第2特図の当否抽選との両方において特殊外れ結果となり得るが、前者の抽選で特殊外れ結果になった場合と、後者の抽選で特殊外れ結果になった場合とで同一の停止結果テーブルを用いることとしている。すなわち、第1作動口62への入賞により特殊外れ結果になった場合と、第2作動口63への入賞により特殊外れ結果になった場合とで、同じ特殊外れ図柄が表示されるように構成されている。
【0274】
但し、これに限定されるものではなく、第1特図に対応する特殊外れ結果用の停止結果テーブルと第2特図に対応する特殊外れ結果用の停止結果テーブルとが各別に設けられ、第1作動口62への入賞により特殊外れ結果になった場合と第2作動口63への入賞により特殊外れ結果になった場合とで異なる停止結果テーブルが参照される構成としてもよい。この場合、両者の場合で同じ特殊外れ図柄が表示されてもよいし、異なる特殊外れ図柄が表示されてもよい。
【0275】
変動開始処理(
図23)の説明に戻り、ステップSe708では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を特殊外れ用の停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【0276】
ステップSe706で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、今回の当否判定の結果が通常外れ結果であることを意味する。この場合は、ステップSe709に進み、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている通常外れ用の停止結果テーブルを参照して通常外れ用の停止結果(通常外れ図柄)を設定する。ここで、通常外れ用の停止結果テーブルについて
図26を参照しながら説明する。
【0277】
通常外れ用の停止結果テーブルとしては、通常外れ用の第1特図停止結果テーブル(
図26(b))と通常外れ用の第2特図停止結果テーブル(
図26(a))とが設定されている。通常外れ用の第1特図停止結果テーブルは、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものであり、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものである。
【0278】
先ず、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルについて説明する。
図26(a)に示すように、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルには、通常外れ用の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には、停止結果SD18、SD19からなる2種類の停止結果データが記憶されている。
【0279】
停止結果SD18、SD19に対応する各停止結果データは、それらの停止結果間において、点灯させる表示用セグメントと消灯させる表示用セグメントとの組み合わせが異なるだけでなく、大当たり用や特殊外れ用の停止結果SD0~SD17のいずれに対しても上記組み合わせが異なるようになっている。このため、停止結果SD18、SD19は、表示される際の見た目(絵柄)が相互に異なり、他の停止結果SD0~SD17との関係でも絵柄が重複しないようになっている。
【0280】
停止結果SD18は、複数の表示用セグメントSG1~SG7のうち中央の表示用セグメントSG3のみが点灯されるものである。すなわち、1個の表示セグメントの点灯により表示される絵柄となっており、見た目がシンプルな絵柄となっている。このため、2個以上の表示用セグメントが点灯される見た目が複雑な大当たり用の停止結果SD0~SD14や特殊外れ用の停止結果SD15~SD17との見分けが付きやすくなっている。一方、停止結果SD19は、2個以上の表示用セグメントが点灯されて絵柄が表示されるものであり、上記各停止結果との見分けが付きにくくなっている。すなわち、停止結果SD18は、通常外れ結果であることを識別しやすく、停止結果SD19は、通常外れ結果であることを識別しにくいものとなっている。
【0281】
ここで、停止結果SD19は、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17のうち選択確率が最も高い停止結果SD17との間において、点灯される表示用セグメントの少なくとも1つが重複するように設定されている。すなわち、停止結果SD17では、表示用セグメントSG2、SG3、SG4が点灯され、その他の表示用セグメントが消灯されるところ(
図25(b))、停止結果SD19では、表示用セグメントSG1、SG2、SG4が点灯され、その他の表示用セグメントが消灯されるように、その停止結果データが設定される。
【0282】
つまり、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と、特殊外れ結果に対応する停止結果SD17とでは、表示用セグメントSG2、SG4にて点灯される表示用セグメントが共通している。よって、停止結果SD19の絵柄は、特殊外れ結果に対応する3種類の絵柄のうち最も表示されやすい絵柄に類似するようになっている。
【0283】
通常外れ用の第2特図停止結果テーブルでは、停止結果SD18、SD19のそれぞれに対して大当たり乱数カウンタC1の値が対応付けられている。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の「30」~「2977」が停止結果SD18に対応し、大当たり乱数カウンタC1の「2978」~「2999」が停止結果SD19に対応している。すなわち、停止結果SD19に対応する大当たり乱数カウンタC1の範囲が停止結果SD18に対応する大当たり乱数カウンタC1の範囲よりも狭くされ、停止結果SD19の選択確率が停止結果SD18の選択確率よりも低く抑えられている。
【0284】
図26(b)に示すように、通常外れ用の第1特図停止結果テーブルには、通常外れ用の停止結果として停止結果SD18からなる1種類の停止結果データが記憶されている。すなわち、第1特図の当否抽選で通常外れ結果となった場合には、そのときの大当たり乱数カウンタC1の値にかかわらず、停止結果SD18が選択されるように設定されている。
【0285】
変動開始処理(
図23)の説明に戻り、ステップSe709では、今回の通常外れ結果が第1特図と第2特図のいずれの当否抽選によるものなのかを判定し、その判定結果に対応する停止結果テーブルを参照する。そして、参照した停止結果テーブルにおいて、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【0286】
ステップSe705、ステップSe708又はステップSe709の実行後は、ステップSe710にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。ステップSe711では、天井時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための天井時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe712では、突然時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe713では、変動パターンを抽選して変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。ステップSe710~ステップSe713の詳細については後述する。
【0287】
ステップSe714では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【0288】
ステップSe715では、演出制御装置143への送信対象として変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれるところ、遊技状態ごとに各別の変動パターンが設定され、また、大当たりであるか外れであるかによっても各別の変動パターンが設定される。よって、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することで、変動表示時間の情報だけでなく、大当たりの有無や現在の遊技状態についても把握することが可能になる。また、種別コマンドには大当たり種別や特殊外れ種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合や特殊外れである場合に設定される。
【0289】
ステップSe716では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、今回の特図遊技回が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させ、第2作動口63への入賞に基づくものである場合は第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。ステップSe716の実行後は変動開始処理を終了する。
【0290】
特図遊技回制御処理(
図21)の説明に戻り、ステップSe506の実行後は、特図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSe501で肯定判定した場合(開閉実行モード中)である場合は、ステップSe502以降の処理を実行することなく特図遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合は、保留情報が存在していても特図用表示部43での変動表示は行われない。
【0291】
ステップSe503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSe507に進み、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSe508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSe508の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。
【0292】
ステップSe507で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)には、ステップSe509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSe510では、高頻度サポートモードを終了させるための高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSe511では時短遊技状態の移行用処理を実行する。時短遊技状態の移行用処理は、遊技状態を突然時短遊技状態や天井時短遊技状態に移行させるためのものである。ステップSe510及びステップSe511の詳細については後述する。
【0293】
ステップSe512では、確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。確定表示開始用処理では、ステップSe705、ステップSe708又はステップSe709で設定した停止結果にて絵柄の停止表示を行うように特図用表示部43を制御する。また、ステップSe512では、上記停止表示を継続する確定表示時間の設定も行う。
【0294】
ステップSe502で肯定判定した場合(特図用表示部43が確定表示中である場合)は、ステップSe513に進み、確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了用処理では、ステップSe512で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合は絵柄の停止表示を終了させるように特図用表示部43を制御する。なお、確定表示時間の経過時において次の保留情報が存在しない場合は、作動口62,63への入賞が発生するまで、そのまま上記停止表示を継続するように制御する。ステップSe513の終了後は特図遊技回制御処理を終了する。
【0295】
<遊技状態移行処理>
ステップSe404(
図20)の遊技状態移行処理について、
図27のフローチャートを参照しながら説明する。
【0296】
先ずステップSe901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSe902に進み、特図遊技回が終了したタイミングであるか否か(特図用表示部43での確定表示が終了したタイミングであるか否か)を判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0297】
特図遊技回の終了タイミングである場合には、ステップSe903にて、今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに大当たり種別フラグ(ステップSe704)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0298】
ステップSe903で肯定判定した場合(今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップSe904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグをセットする。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、後述する高確率フラグや各種サポートフラグが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合は、これらのフラグをクリアする。
【0299】
ステップSe905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
【0300】
ステップSe906では、対応するラウンド数をセットする。具体的には、上記ステップSe905で把握した大当たり種別に対応するラウンド数を特定し、そのラウンド数に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1にセットする。例えば、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合はラウンドカウンタエリアRC1に「10」をセットし、7R確変大当たり結果である場合はラウンドカウンタエリアRC1に「7」をセットする。
【0301】
ステップSe907では、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて、演出制御装置143に送信される。
【0302】
ステップSe908では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
【0303】
ステップSe901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSe909に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSe910にて大入賞口開閉処理を実行する。
【0304】
ここで、大入賞口開閉処理について
図28のフローチャートを参照しながら説明する。
【0305】
先ずステップSe1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSe1002にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSe1003にて、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
【0306】
タイマエリアT1の値が「0」である場合は、ステップSe1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアT1に「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(
図17)が起動される都度、1ずつ減算される。ステップSe1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC1に「10」をセットする。
【0307】
ステップSe1006では、大入賞口65aを開放すべく駆動部65dを駆動状態とする。ステップSe1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
【0308】
ステップSe1002で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)又はステップSe1003で否定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【0309】
ステップSe1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSe1008に進み、タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSe1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
【0310】
タイマエリアT1の値が「0」でない場合は、ステップSe1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSe1010にて入賞カウンタエリアPC1の値を1減算し、その後、ステップSe1011にて入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPC1の値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【0311】
ステップSe1008で肯定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」である場合)又はステップSe1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC1の値が「0」である場合)は、ステップSe1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSe1013では、ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、ステップSe1014では、ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。
【0312】
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSe1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアT1に「1000」をセットする。
【0313】
ステップSe1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
【0314】
ステップSe1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSe1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSe1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
【0315】
遊技状態移行処理(
図27)の説明に戻り、ステップSe910の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSe911にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【0316】
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSe912に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップSe913に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
【0317】
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について
図29のフローチャートを参照しながら説明する。
【0318】
先ずステップSe1101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされた大当たり種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSe1102にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
【0319】
ステップSe1103では、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。サポートAフラグは第1高頻度サポートモードに対応するものである。サポートAフラグがセットされることにより、第1高頻度サポートモードに対応した内部状態となる。
【0320】
ステップSe1104では、演出制御装置143への送信対象として高確開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSe1104で設定された高確開始コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。高確開始コマンドが送信されることにより、高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)への移行が演出制御装置143に通知される。
【0321】
ステップSe1101で否定判定した場合(今回の大当たり結果が通常大当たり結果である場合)は、ステップSe1105に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。これにより、通常時短遊技状態に移行する。
【0322】
なお、サポートAフラグは、通常大当たり結果として、第1特図に対応した7R通常大当たり結果、3R通常大当たり結果に対応した2種類と、第2特図に対応した10R通常大当たり結果A~3R通常大当たり結果Dの15種類との計17種類が設定されていることに対応して、サポートA1フラグ~サポートA17フラグの17種類のフラグが設定されている。例えば、今回の通常大当たり結果が第1特図の7R通常大当たり結果である場合は、サポートAフラグとしてサポートA1フラグがセットされる。
【0323】
ステップSe1106では、今回の大当たり結果に対応する上限回数をセットする。例えば、今回の大当たり結果が10R通常大当たり結果Aである場合は、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに例えば「3000」をセットし、10R通常大当たり結果Bである場合はサポートカウンタエリアSCに例えば「300」をセットし、10R通常大当たり結果Cである場合はサポートカウンタエリアSCに例えば「200」をセットし、10R通常大当たり結果Dである場合はサポートカウンタエリアSCに例えば「100」をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
【0324】
ステップSe1107では、演出制御装置143への送信対象として通常時短開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSe1107で設定された通常時短開始コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。通常時短開始コマンドが送信されることにより、通常時短遊技状態(低確率モード且つ第1高頻度サポートモード)への移行が演出制御装置143に通知される。なお、通常時短開始コマンドには、移行対象となる通常時短遊技状態の種別を示す情報のほか、その上限回数を示す情報が含まれる。
【0325】
遊技状態移行処理(
図27)の説明に戻り、ステップSe913の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップSe914にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
【0326】
ステップSe915では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
【0327】
次に、ステップSe710の高頻度サポートモード更新用処理、ステップSe711の天井時短遊技状態の移行判定用処理、ステップSe712の突然時短遊技状態の移行判定用処理について説明する。これらの処理は、変動開始処理(
図23)にて実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での変動表示が開始される場合に実行されるものである。
【0328】
<高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSe710の高頻度サポートモード更新用処理について
図30のフローチャートを参照しながら説明する。
【0329】
先ずステップSe1201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。具体的には、サポートAフラグ、サポートBフラグ、サポートCフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。サポートAフラグは通常時短遊技状態に対応し、サポートBフラグは天井時短遊技状態に対応し、サポートCフラグは突然時短遊技状態に対応する。
【0330】
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、高頻度サポートモード中である場合は、ステップSe1202に進み、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSe1203にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。これにより、時短遊技状態の残り回数(時短遊技状態に滞在可能な遊技回の残り回数)が1減算される。
【0331】
ステップSe1204では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、時短遊技状態での遊技回の実行回数が上限回数に到達している場合には、ステップSe1205に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。時短終了用フラグは、各時短遊技状態を終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【0332】
また、ステップSe1202で肯定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果である場合)は、ステップSe1203及びステップSe1204の処理をスキップした上でステップSe1205の処理を実行する。すなわち、時短遊技状態の途中で大当たり結果となった場合には、その残り回数にかかわらず、当該時短遊技状態を終了させる。
【0333】
ステップSe1205の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。ステップSe1201で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、時短遊技状態の残り回数を更新しないとして、ステップSe1202以降の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSe1204で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、時短遊技状態を終了すべきではないとして、ステップSe1205の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
【0334】
<天井時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSe711の天井時短遊技状態の移行判定用処理について
図31のフローチャートを参照しながら説明する。
【0335】
先ずステップSe1301では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合には、ステップSe1302に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。到達済みフラグは、外れ遊技回の回数が天井回数に到達済みであることをMPU312が把握するためのものである。
【0336】
到達済みフラグがセットされていない場合は、ステップSe1303にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、現在の抽選モードが低確率モードである場合は、ステップSe1304に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた外れ回数カウンタエリアHCの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアHCの値を1減算する。外れ回数カウンタエリアHCは、天井回数までの残り回数をMPU312が把握するためのものである。
【0337】
ステップSe1305では、上記外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合、すなわち、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した場合には、ステップSe1306に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグをセットする。
【0338】
ステップSe1307では、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、通常時短遊技状態又は突然時短遊技状態のいずれかの時短遊技状態に滞在中であるか否かを判定する。
【0339】
いずれのサポートフラグもセットされておらず、現在の遊技状態が時短遊技状態でない場合は、通常遊技状態である状況で外れ回数が天井回数に到達したことを意味する。この場合は、ステップSe1308に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグをセットする。天井時短開始用フラグは、天井時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【0340】
ステップSe1307で否定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)は、時短遊技状態に滞在している状況で外れ回数が天井回数に到達したことを意味する。この場合は、ステップSe1309に進み、滞在中の時短遊技状態と天井時短遊技状態とのいずれを優先するかを選択するための優先用処理を実行する。ステップSe1309の詳細については後述する。
【0341】
ステップSe1308又はステップSe1309の実行後は天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSe1302で肯定判定した場合(到達済みフラグがセットされている場合)又はステップSe1303で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされている場合)は、ステップSe1304以降の処理を実行することなく、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSe1305で否定判定した場合(外れ回数カウンタエリアHCの値が「0」でない場合)は、ステップSe1306以降の処理を実行することなく、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
【0342】
ステップSe1301で肯定判定した場合(大当たり結果である場合)は、ステップSe1310に進み、上記カウンタエリアHCに天井回数に対応した値(例えば990)をセットする。ステップSe1311では、上記各種フラグ格納エリア314eに到達済みフラグがセットされているか否かを判定する。
【0343】
到達済みフラグがセットされている場合は、ステップSe1312にて、その到達済みフラグをクリアする処理を実行する。ステップSe1312の実行後又はステップSe1311で否定判定した場合(到達済みフラグがセットされていない場合)は、天井時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
【0344】
<優先用処理>
ステップSe1309の優先用処理について
図32のフローチャートを参照しながら説明する。
【0345】
先ずステップSe1401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の特図遊技回が滞在中の時短遊技状態(滞在時短)における最終遊技回であるか否かを判定する。
【0346】
時短終了用フラグがセットされていない場合は、時短遊技状態に滞在している状況において、その最終遊技回よりも前の特図遊技回にて外れ遊技回の回数が天井回数に到達したことを意味する。この場合はステップSe1402に進み、滞在時短の残り回数(その時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数)を把握する。この把握は、RAM314の各種カウンタエリア314dにおける外れ回数カウンタエリアHCの値を参照して行う。
【0347】
ステップSe1403では、天井時短遊技状態の上限回数(今回の上限回数)を把握する。本ステップでは、当該上限回数として990回を把握する。
【0348】
ステップSe1404では、ステップSe1402で把握した滞在時短の残り回数と、ステップSe1403で把握した今回の上限回数とを比較し、後者が前者よりも多いか否かを判定する。今回の上限回数(天井時短遊技状態の上限回数)が滞在時短の残り回数よりも多い場合、すなわち、天井時短遊技状態に移行することで時短遊技状態の残り回数が増えることになる場合は、滞在時短の継続よりも天井時短遊技状態への移行を優先すべきと認識する。
【0349】
この場合は、ステップSe1405にて、滞在中の時短遊技状態を終了させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。続くステップSe1406では、天井時短遊技状態(今回の時短遊技状態)に移行させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグをセットし、その後、優先用処理を終了する。
【0350】
ステップSe1404で否定判定した場合(今回の上限回数が滞在時短の残り回数以下である場合)は、天井時短遊技状態への移行よりも滞在時短の継続を優先すべきと認識する。この場合は、ステップSe1405及びステップSe1406の処理を実行することなく、そのまま優先用処理を終了する。
【0351】
また、ステップSe1401で肯定判定した場合(時短終了用フラグがセットされている場合)は、今回の特図遊技回が滞在時短の最終遊技回であり、今回の特図遊技回の終了により滞在時短が終了することを意味する。この場合は、ステップSe1402~ステップSe1405をスキップしてステップSe1406に進み、天井時短遊技状態に移行させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグをセットする。
【0352】
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSe712の突然時短遊技状態の移行判定用処理について
図33のフローチャートを参照しながら説明する。
【0353】
先ずステップSe1501では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れ種別フラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れ種別フラグは、ステップSe701(
図23)の当否判定で特殊外れ結果と判定された場合にセットされるものである(ステップSe707)。
【0354】
特図当否抽選の結果が特殊外れ結果でない場合(特殊外れ種別フラグがセットされていない場合)は、そのまま突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。一方、特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSe1502に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。
【0355】
天井時短開始用フラグがセットされている場合は、今回の特図遊技回が天井回数への到達遊技回であることを意味し、換言すれば、外れ遊技回の回数の天井回数への到達と特殊外れ結果への当選とが同一の特図遊技回で発生したことを意味する。この場合は、天井時短遊技状態への移行を優先すべく、突然時短遊技状態への移行を行わないとして、そのまま突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
【0356】
なお、天井時短遊技状態への移行と突然時短遊技状態への移行とが競合した場合に前者を優先するのは次の理由による。
【0357】
天井時短遊技状態は、外れ遊技回の累積回数により移行するため、外れ遊技回が天井回数に到達する前(移行契機が成立する前)から遊技者が天井時短遊技状態への移行を予測できるという特性がある。一方、突然時短遊技状態は特殊外れ結果への当選を移行契機とし、1の遊技回の中で成立する条件に基づいて移行するため、当該移行契機が成立する前の段階から遊技者が突然時短遊技状態への移行を予測することができない。これらのことより、天井時短遊技状態への移行契機と突然時短遊技状態への移行契機とが同時に成立し、いずれかの時短遊技状態を選ばざるを得ない場合にあっては、突然時短遊技状態への移行を制限し、天井時短遊技状態への移行を優先させることで、遊技者の気付きを抑制しながら移行先の時短遊技状態を調整することができる。
【0358】
ステップSe1502で否定判定した場合(天井時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSe1503にて、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのサポートフラグもセットされていない場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合は、ステップSe1504にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。ステップSe1504の実行後は突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
【0359】
ステップSe1503で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態であり、時短遊技状態に滞在している状況で特殊外れ結果となったことを意味する。この場合は、ステップSe1505にて、滞在中の時短遊技状態と突然時短遊技状態とのいずれを優先するかを選択するための優先用処理を実行し、その後、突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
【0360】
ステップSe1505の優先用処理は、ステップSe1309(
図31)の優先用処理(
図32)と基本的に同じである。
図32を援用して説明すると、ステップSe1401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグがセットされていない場合、すなわち、時短遊技状態に滞在している状況において、その最終遊技回よりも前の特図遊技回にて特殊外れ結果となった場合は、ステップSe1402に進み、滞在時短の残り回数(その時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数)を把握する。
【0361】
ステップSe1403では、今回の特殊外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態の上限回数(今回の上限回数)を把握する。この把握は、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている特殊外れ種別フラグを参照して今回の特殊外れ結果の種別を特定し、その特定に基づいて今回の突然時短遊技状態の種別を導出することにより行う。例えば、セットされている特殊外れ種別フラグが特殊外れ結果Aに対応するフラグである場合は、突然時短遊技状態Aの上限回数(例えば200回)を今回の上限回数として把握する。
【0362】
ステップSe1404では、ステップSe1402で把握した滞在時短の残り回数と、ステップSe1403で把握した今回の上限回数とを比較し、後者が前者よりも多いか否かを判定する。今回の上限回数(当選した特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の上限回数)が滞在時短の残り回数よりも多い場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行することで時短遊技状態の残り回数が増えることになる場合は、滞在時短の継続よりも突然時短遊技状態への移行を優先すべきと認識する。
【0363】
この場合は、ステップSe1405にて、滞在中の時短遊技状態を終了させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに時短終了用フラグをセットする。続くステップSe1406では、突然時短遊技状態(今回の時短遊技状態)に移行させるべく、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。
【0364】
ステップSe1404で否定判定した場合(今回の上限回数が滞在時短の残り回数以下である場合)は、突然時短遊技状態への移行よりも滞在時短の継続を優先すべきと認識する。この場合は、ステップSe1405及びステップSe1406の処理を実行することなく、そのまま優先用処理を終了する。
【0365】
<変動表示時間の設定処理>
ステップSe713の変動表示時間の設定処理について
図34のフローチャートを参照しながら説明する。
【0366】
先ずステップSe1601では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、高確率フラグ、各種サポートフラグのいずれがRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているかを把握し、その結果に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態、天井時短遊技状態のいずれであるかを特定する。本ステップでは、高確率フラグ及びサポートAフラグがセットされている場合に高確遊技状態であると特定し、サポートAフラグのみがセットされている場合に通常時短遊技状態であると特定し、サポートBフラグがセットされている場合に天井時短遊技状態であると特定し、サポートCフラグがセットされている場合に突然時短遊技状態であると特定する。
【0367】
ステップSe1602では、ステップSe1601で把握した遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合は、ステップSe1603に進み、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。変動表示時間テーブルは、変動種別カウンタCSの値に基づいて変動表示時間(変動パターン)を選択するために用いられるものである。
【0368】
ここで、通常遊技状態用の変動表示時間テーブルについて
図35を参照しながら説明する。通常遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(
図35(a))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(
図35(b))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(
図35(c))とが設定されている。各変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。
【0369】
通常遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。
図35(a)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示時間として、選択された変動パターンに対応する変動表示時間が設定される。
【0370】
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
【0371】
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回用演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPSPリーチ当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回用演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
【0372】
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)になった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【0373】
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
【0374】
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。なお、
図35(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
【0375】
通常遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となった場合に参照されるものである。
図35(b)に示すように、この特殊外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1(15sec)が設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンZ1が選択される。既に説明したように、特殊外れ結果は突然時短遊技状態への移行契機となるものである。
【0376】
変動パターンZ1は特殊リーチ外れA演出に対応しており、変動パターンZ1に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行される。ここで、特殊リーチ外れA演出について
図36を参照しながら説明する。
【0377】
特殊リーチ外れA演出では先ず、
図36(a)に示すように、表示画面G上の有効ラインL1~L5のいずれかに上図柄列Z1と下図柄列Z3がリーチの組み合わせで停止表示され、リーチ表示が実行される。その後、中図柄列Z2(最終停止列の図柄列)が高速変動表示から低速変動表示に切り替えられるが、その際、
図36(b)に示すように、大当たりの組合せとなる図柄とは異なる図柄の位置に、例えば「LUCKY」等の文字が付された特殊図柄811が配置された状態で低速変動表示が行われる。これにより、特殊図柄811の存在を遊技者が把握できるようにして変動表示が行われる。なお、
図36(b)には、大当たりの組合せとなる「3」図柄に対して次の図柄となる「4」図柄の位置に特殊図柄811が配置された例を示している。
【0378】
次いで、
図36(c)に示すように、低速変動表示している特殊図柄811がリーチライン上に停止表示される。本実施の形態では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチラインが形成された後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の特殊図柄811が停止表示される図柄組合せが特殊外れ結果に対応する図柄組合せとなっており、これにより、特殊外れ結果になったことが報知される。
【0379】
通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。
図35(c)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの第1特図又は第2特図の保留数によって変動するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secよりも短い4secとなるように構成されている。
【0380】
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチ外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPSPリーチ外れ演出に対応している。
【0381】
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチ外れ演出は、SPリーチ当たり演出に対応するものであり、SPリーチ当たり演出と同種の所定演出が行われた後、外れ対応の結末映像が表示され、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPSPリーチ外れ演出についてもSPSPリーチ当たり演出に対応するものである。
【0382】
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「29」が変動パターン2Aに対応し、「30」~「99」が変動パターン3Aに対応している。一方、通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「64」が変動パターン1Hに対応し、「65」~「84」が変動パターン2Hに対応し、「85」~「94」が変動パターン3Hに対応し、「95」~「98」が変動パターン4Hに対応している。
【0383】
作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン3Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が通常外れ結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン4Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチ演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、通常外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
【0384】
変動パターン3Aや変動パターン4H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、通常外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチ演出<SPSPリーチ演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
【0385】
また、
図35(c)に示すように、通常遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ2が設定されている。変動パターンZ2は、変動種別カウンタの値が「99」である場合に選択されるものである。
【0386】
変動パターンZ2は特殊リーチ外れB演出に対応しており、変動パターンZ2に対応する変動開始コマンドが演出制御装置143に送信された場合、演出制御装置143では、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れB演出が実行されるように制御する。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れへの期待感を煽った上でそれとは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。
【0387】
特殊リーチ外れB演出では、
図36(a)、(b)に示すように、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によるリーチ表示が実行された後、特殊図柄711を含む状態で中図柄列Z2が低速変動表示される。すなわち、特殊リーチ外れA演出と同様の態様にて図柄変動演出の途中までが実行される。その後、例えば、特殊図柄711がリーチラインを通り過ぎるなどして、
図36(d)に示すように、中図柄列Z2において特殊図柄711とは異なる図柄がリーチライン上に停止表示される。つまり、特殊外れ結果に対応する図柄組合せが成立するかのように見せかけつつ、最終的には当該組合せが成立しないようにして図柄列Z1~Z3が停止表示される。
【0388】
変動表示時間の設定処理(
図34)の説明に戻り、ステップSe1603では、通常遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定(ステップSe702)の結果に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果が大当たり結果である場合は大当たり用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が特殊外れ結果である場合は特殊外れ用の変動表示時間テーブルを取得し、今回の特図当否判定の結果が通常外れ結果である場合は通常外れ用の変動表示時間テーブルを取得する。
【0389】
ステップSe1602で否定判定した場合(通常遊技状態でない場合)は、ステップSe1604に進み、ステップSe1601で把握した現在の遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態である場合はステップSe1605にて、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
【0390】
高確遊技状態用の変動表示時間テーブルについて
図37を参照しながら説明する。高確遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(
図37(a))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(
図37(b))とが設定されている。
【0391】
高確遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルは、高確遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。
図37(a)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてSPリーチ当たりに対応する変動パターン11A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン12A(120sec)とが設定されている。
【0392】
高確遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルは、高確遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。
図37(b)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPリーチ外れに対応する変動パターン12H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン13H(120sec)とが設定されている。高確遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、完全外れに対応する変動種別カウンタCSの範囲が通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも広くなっている。すなわち、リーチ外れ演出が発生しにくくなっており、スピーディに遊技を進められるようになっている。
【0393】
なお、完全外れに対応する変動パターン11Hの変動表示時間については、通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも早く変動表示時間の短縮機能が発動するものとなっている。具体的には、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合は4secとなるように構成されている。
【0394】
ステップSe1605では、高確遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中から今回の特図当否判定の結果に対応したものを取得する。なお、高確遊技状態用の当否テーブルには特殊外れ結果が設定されていないため(
図13(b))、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルにおいても特殊外れ結果に対応するものは設定されていない。
【0395】
ステップSe1604で否定判定した場合(高確遊技状態でない場合)は、現在の遊技状態が時短遊技状態(通常時短遊技状態、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態)であることを意味する。この場合はステップSe1606にて、時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。
【0396】
時短遊技状態用の変動表示時間テーブルについて
図38を参照しながら説明する。時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(
図38(a))と、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(
図38(b))と、通常外れ用の変動表示時間テーブルA(
図38(c))と、通常外れ用の変動表示時間テーブルB(
図38(d))とが設定されている。
【0397】
時短遊技状態に対応する大当たり用の変動表示時間テーブルは、時短遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。
図38(a)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてノーマルリーチ当たりに対応する変動パターン21A(15sec)と、SPリーチ当たりに対応する変動パターン22A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン23A(120sec)とが設定されている。
【0398】
時短遊技状態に対応する特殊外れ用の変動表示時間テーブルは、時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となった場合に参照されるものである。
図38(b)に示すように、この変動表示時間テーブルでは、突然時短遊技状態への移行の有無により変動パターンの選択態様が異なるように構成されている。具体的には、突然時短遊技状態への移行がある場合は変動パターンW1(15sec)が選択され、突然時短遊技状態への移行がない場合は変動パターンW2(15sec)が選択されるようになっている。
【0399】
変動パターンW1は特殊リーチ外れA演出に対応し、変動パターンW2は特殊リーチ外れA演出及び特殊リーチ外れB演出に対応している。変動パターンW2に対応する変動開始コマンドが送信された場合、演出制御装置143では、特殊リーチ外れA演出と特殊リーチ外れB演出とのいずれかを選択して実行する。特殊リーチ外れA演出又は特殊リーチ外れB演出を選択して実行するための構成については、後に詳細に説明する。
【0400】
時短遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルAは、時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD18(
図26(a))が選択された場合に参照されるものである。
図38(c)に示すように、この変動表示時間テーブルAでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン21Hと、ノーマルリーチ外れに対応する変動パターン22H(15sec)と、SPリーチ外れに対応する変動パターン23H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン24H(120sec)とが設定されている。
【0401】
時短遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルAでは、通常遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルに比べて完全外れの割合が少なくなっているが、これは、リーチ演出の発生頻度を高めることで、リーチ演出が発生しないまま時短遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。なお、完全外れに対応する変動パターン21Hの変動表示時間については、高確遊技状態の通常外れ用変動表示時間テーブルと同様に、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合には4secとなるように構成されている。
【0402】
時短遊技状態に対応する通常外れ用の変動表示時間テーブルBは、時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD19(
図26(a))が選択された場合に参照されるものである。
図38(d)に示すように、選択可能な変動パターンとして特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れに対応する変動パターンW3(15sec)が設定されている。変動パターンW3は、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れの3種類のリーチ外れ演出に対応するところ、変動パターンW3が送信された場合、演出制御装置143では、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れのいずれかを選択して実行する。それら各リーチ外れ演出を選択して実行するための構成については、後に詳細に説明する。
【0403】
なお、本実施の形態では、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態及び突然時短遊技状態に対して共通の変動表示時間テーブルが設定されるが、これら各時短遊技状態に対して各別に変動表示時間テーブルが設定される構成としてもよい。また、
図35、
図37、
図38に示す各変動表示時間テーブルは一例に過ぎず、変動パターンの種類数や各変動パターンに対応する変動種別カウンタCSの数値範囲は任意に設定することができる。
【0404】
変動表示時間の設定処理(
図34)の説明に戻り、ステップSe1606では、時短遊技状態用の各種変動表示時間テーブルの中からその時点での状況に対応したものを取得する。具体的には、今回の特図当否判定の結果と、当該結果に基づく突然時短遊技状態への移行の有無とを参照し、それらに対応したテーブルを取得する。
【0405】
ステップSe1603、ステップSe1605又はステップSe1606の実行後は、ステップSe1607にて、それら各ステップで取得した変動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
【0406】
ステップSe1608では、上記ステップSe1607で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(
図17)が起動される度に1減算される。
【0407】
ステップSe1609では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合は、ステップSe1610に進み、当該フラグをクリアする処理を実行する。ステップSe1610の実行後又はステップSe1609で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)は変動表示時間の設定処理を終了する。
【0408】
次に、ステップSe510(
図21)の高頻度サポートモード終了用処理、ステップSe511の時短遊技状態の移行用処理について説明する。これらの処理は、特図遊技回において変動表示時間が経過した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での確定表示が開始される場合に実行されるものである。
【0409】
<高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSe510の高頻度サポートモード終了用処理について
図39のフローチャートを参照しながら説明する。
【0410】
先ずステップSe1701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態のいずれかに滞在中である場合は、ステップSe1702に進み、時短終了用フラグがセットされているか否かを判定する。時短終了用フラグは時短遊技状態を終了すべきであることを示すものであり、今回の特図遊技回が時短遊技状態における上限回数目の遊技回(最終回の遊技回)である場合や、優先用処理(ステップSe1309、ステップSe1505)において、滞在時短を終了させて突然時短遊技状態への移行を実行する旨を判定した場合等に当該フラグがセットされる。
【0411】
時短終了用フラグがセットされている場合は、ステップSec1703に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、滞在中の時短遊技状態が終了する。すなわち、本実施の形態では、時短遊技状態の終了条件が成立した特図遊技回の確定表示の開始タイミングにて時短遊技状態の終了処理が行われる。
【0412】
ステップSe1704では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短終了用フラグをクリアする。続くステップSe1705では、演出制御装置143への送信対象として、対応する時短遊技状態終了コマンドを設定する。例えば、通常時短遊技状態を終了させた場合には、通常遊技状態の終了に対応した時短遊技状態終了コマンドを設定する。
【0413】
ステップSe1705の実行後は高頻度サポートモード終了用処理を終了する。また、ステップSe1701で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)又はステップSe1702で否定判定した場合(時短終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSe1703以降の処理を実行することなく、高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
【0414】
<時短遊技状態の移行用処理>
ステップSe511の時短遊技状態の移行用処理について
図40のフローチャートを参照しながら説明する。
【0415】
先ずステップSe1801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに天井時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。天井時短開始用フラグは、変動開始時におけるステップSe711の移行判定用処理でセットされるものであり(ステップSe1308、ステップSe1406)、天井時短遊技状態に移行すべきであることを示すものである。
【0416】
天井時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、天井時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSe1802に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートBフラグをセットする。これにより、天井時短遊技状態に移行する。
【0417】
ステップSe1801で否定判定した場合(天井時短開始用フラグがセットされていない場合)は、ステップSe1803に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグは、変動開始時におけるステップSe712の移行判定処理でセットされるものであり(ステップSe1504、ステップSe1406)、突然時短遊技状態に移行すべきであることを示すものである。
【0418】
突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSe1804に進み、サポートCフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。これにより、突然時短遊技状態に移行する。なお、サポートCフラグは、突然時短遊技状態として突然時短遊技状態A~突然時短遊技状態Cの3種類が設定されていることに対応して、サポートC1フラグ~サポートC3フラグの3種類のフラグが設定されている。例えば、移行すべき突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合(今回の特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合)は、サポートCフラグとしてサポートC1フラグがセットされる。
【0419】
ステップSe1802又はステップSe1804の実行後は、ステップSe1805にて、移行する時短遊技状態に対応した上限回数をセットする。具体的には、当該上限回数に対応する値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCにセットする。例えば、移行対象の時短遊技状態が天井時短遊技状態である場合は、上限回数に対応する値として1100をセットし、移行対象の時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合は、上限回数に対応する値として200をセットする。サポートカウンタエリアSCは、時短遊技状態の残り回数をMPU312が把握するためのものである。
【0420】
ステップSe1806では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている時短開始用フラグをクリアし、ステップSe1807では、演出制御装置143への送信対象として、移行対象の時短遊技状態に対応する時短開始コマンドを設定する。例えば、移行対象の時短遊技状態が天井時短遊技状態である場合は天井時短開始コマンドを設定し、移行対象の時短遊技状態が突然時短遊技状態である場合は突然時短開始コマンドを設定する。
【0421】
ステップSe1807で設定された各時短開始コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。これらの時短開始コマンドが送信されることにより、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態への移行が通知される。なお、各時短開始コマンドには、移行対象となる時短遊技状態の種別を示す情報のほか、その上限回数を示す情報が含まれる。
【0422】
ステップSe1807の実行後は時短遊技状態の移行用処理を終了する。また、ステップSe1803で否定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされていない場合)は、時短遊技状態への移行を実行しないとして、そのまま時短遊技状態の移行用処理を終了する。
【0423】
<普図遊技回制御処理>
ステップSe405(
図20)の普図遊技回制御処理について
図41のフローチャートを参照しながら説明する。
【0424】
先ずステップSe2001では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグが格納されているか否かを判定する。役物開閉中フラグは、役物開閉遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものであり、役物開閉遊技が実行される場合にセットされる。
【0425】
役物開閉遊技中である場合は、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。一方、役物開閉遊技中でない場合は、ステップSe2002にて、普図用表示部44において普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。この場合における普図遊技回は、普図用表示部44における絵柄の変動表示と、普図用表示部44における絵柄の停止表示(確定表示)とを含む概念であり、ステップSe2002では上記変動表示又は停止表示のいずれかを実行中であるか否かを判定する。
【0426】
なお、特図用表示部43における特図遊技回では、可変入賞装置65を用いた開閉実行モードの実行中であると変動表示の実行が制限されるが、普図遊技回では開閉実行モード中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であると変動表示の実行が制限されるが、特図遊技回では役物開閉遊技中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回は特図遊技回の実行中に開始することができ、特図遊技回は普図遊技回の実行中に開始することができる。すなわち、これらの遊技回は並行して実行することが可能である。但し、連携しておらず、互いに独立して実行制御されるため、普図遊技回と特図遊技回は非同期に実行されるものとなる。
【0427】
ステップSe2002で否定判定した場合(普図遊技回の実行中でない場合)は、ステップSe2003に進み、普図保留記憶数FNが「0」であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが「0」である場合には、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。
【0428】
普図保留記憶数FNが「0」でない場合には、ステップSe2004にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1減算するとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを普図用の実行エリアに移動する。その後、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行し、さらに、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に認識させるための情報である普図シフトコマンドを設定する。
【0429】
ステップSe2005では普図変動開始処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について
図42(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
【0430】
先ずステップSe2101では、現在のサポートモードに対応するサポート抽選テーブルを参照してサポート抽選を行う。具体的には、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図16(a))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図16(b))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図16(c))を参照してサポート抽選を行う。
【0431】
ステップSe2102では、ステップSe2101のサポート抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合には、ステップSe2103に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図当たり用の停止結果を設定する。サポート当選結果でない場合、すなわち、普図外れ結果である場合には、ステップSe2104に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図外れ用の停止結果を設定する。
【0432】
ステップSe2103又はステップSe2104の実行後は、ステップSe2105にて普図変動表示時間の設定処理を実行する。当該設定処理では、普図用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定する。
【0433】
本実施の形態では、ステップSe2105で設定可能な変動表示時間として、遊技状態の種別に応じて長さの異なる複数の変動表示時間が設けられている。具体的には、
図42(b)に示すように、通常遊技状態用(低頻度サポートモード用)として最も長い第1変動表示時間(例えば100sec)が設けられ、通常時短遊技状態用として第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間(例えば2sec)が設けられ、天井時短遊技状態用として第2変動表示時間よりも短い第3変動表示時間(例えば1sec)が設けられ、突然時短遊技状態用として第3変動表示時間よりも短い第4変動表示時間(例えば0.5sec)が設けられている。ステップSe2105では、今回の変動表示時間として現在の遊技状態に対応した変動表示時間を設定する。
【0434】
なお、上記構成では、各遊技状態に1つずつ変動表示時間が対応付けられているが、上記各遊技状態の少なくとも1つにおいて複数の変動表示時間が対応付けられてもよい。その際、遊技状態間において普図変動表示時間の長短の順序を上記のように定める場合には、各遊技状態での変動表示時間の期待値(「変動表示時間×その変動表示時間の選択確率」の和)が上記長短関係を満たすように変動表示時間の長さや選択確率を設定すればよい。
【0435】
ステップSe2106では、演出制御装置143への送信対象として普図変動開始コマンドを設定する。普図変動開始コマンドには、普図変動パターンの情報(普図当否結果及び変動表示時間を示す情報)が含まれる。設定された普図変動開始コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
【0436】
ステップSe2107では、普図用表示部44において絵柄の変動表示を開始させる処理を実行し、その後、本普図変動開始処理を終了する。
【0437】
普図遊技回制御処理(
図41)の説明に戻り、ステップSe2002で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSe2006に進み、ステップSe2105で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合は、ステップSe2007に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、普図用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該普図用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。その後、普図遊技回制御処理を終了する。
【0438】
ステップSe2006で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSe2008にて普図確定表示用処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。普図確定表示用処理では、ステップSe2103又はステップSe2104で設定した停止結果にて絵柄が停止表示されるように普図用表示部44を制御する。その際、確定表示時間を予め定められた所定時間(例えば0.5sec)に設定する。また、普図確定表示用処理では、演出制御装置143への送信対象として普図変動終了コマンドを設定する。普図変動終了コマンドには、今回の普図遊技回の確定表示時間の情報が含まれる。
【0439】
なお、本実施の形態では、その時点での遊技状態にかかわらず、同じ長さの確定表示時間が設定される構成としているが、遊技状態に応じて長さの異なる確定表示時間が設定される構成としてもよい。例えば、通常遊技状態での確定表示時間として各時短遊技状態での確定表示時間よりも長い時間が設定される構成としてもよい。
【0440】
<電役サポート用処理>
ステップSe406(
図20)の電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、普電役物63aを開閉する役物開閉遊技を制御するための処理であるところ、本実施の形態では、役物開閉遊技として複数種類の役物開閉遊技が設定されている。先ず、これらの役物開閉遊技について
図43を参照しながら説明する。
【0441】
役物開閉遊技としては、低入賞役物開閉遊技(
図43(a))と、第1高入賞役物開閉遊技(
図43(b))、第2高入賞役物開閉遊技(
図43(c))と、第3高入賞役物開閉遊技(
図43(d))が設定されている。
【0442】
低入賞役物開閉遊技は、通常遊技状態である状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。低入賞役物開閉遊技は、普電役物63aの開放期間が他の役物開閉遊技よりも短く、他の役物開閉遊技に比べて第2作動口63への入賞率(入賞期待値)が低くなっている。
【0443】
低入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、比較的に長めの期間とされるオープニング及びエンディングと、比較的に短めの期間とされる開放期間とを有する態様に設定される。なお、オープニングとは、役物開閉遊技の開始後、普電役物63aを閉鎖した状態で普電役物63aの初回目開放を待機する期間である。また、エンディングとは、普電役物63aの最終開放の終了後、普電役物63aを閉鎖した状態で役物開閉遊技の終了を待機する期間である。
【0444】
低入賞役物開閉遊技は、例えば、
図43(a)に示すように、普電役物63aの開放回数(開閉制御の回数)が1回に設定された上で、5secのオープニングと、0.1secの開放と、5secのエンディングとを順に有する構成となっている。この場合、普電役物63aの開放期間が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短いため、第2作動口63への入賞が発生しにくくなる。また、オープニング及びエンディングの期間が長く、役物開閉遊技の全体期間において開放期間の占める割合が少ないことからも、第2作動口63への入賞が困難化されている。
【0445】
第1高入賞役物開閉遊技は、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。第1高入賞役物開閉遊技は、普電役物63aの開放期間が低入賞役物開閉遊技よりも長く、低入賞役物開閉遊技に比べて第2作動口63への入賞率(入賞期待値)が高くなっている。
【0446】
第1高入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、比較的に短めの期間とされるオープニング及びエンディングと比較的に長めの期間とされる開放期間とを有する態様に設定される。例えば、
図43(b)に示すように、普電役物63aの開放回数が1回に設定された上で、0.5secのオープニングと、2secの開放と、0.5secのエンディングとを順に有する構成となっている。この場合、普電役物63aの開放期間が遊技球の発射周期よりも長いため、第2作動口63への入賞が発生しやすくなる。また、オープニング及びエンディングの期間が短く、役物開閉遊技の全体期間において開放期間の占める割合が多いことからも、第2作動口63への入賞が容易化されている。
【0447】
第2高入賞役物開閉遊技は、天井時短遊技状態で状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。第2高入賞役物開閉遊技は、第1高入賞役物開閉遊技と同じく低入賞役物開閉遊技よりも普電役物63aの開放期間が長く、第2作動口63への入賞の発生を遊技者が期待できるものとなっている。
【0448】
但し、第1高入賞役物開閉遊技と比べると、普電役物63aの開放期間、オープニング期間、エンディング期間が異なっており、高確遊技状態や通常時短遊技状態にて実行される役物開閉遊技の態様とは異なるものとなっている。第2高入賞役物開閉遊技の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、
図43(c)に示すように、普電役物63aの開放回数が1回に設定された上で、0.1secのオープニングと、2secの開放と、0.1secのエンディングとを順に有する構成となっている。
【0449】
第3高入賞役物開閉遊技は、突然時短遊技状態である状況でサポート抽選の結果がサポート当選結果となった場合に実行されるものである。第3高入賞役物開閉遊技は、第1及び第2高入賞役物開閉遊技と同じく低入賞役物開閉遊技よりも普電役物63aの開放期間が長く、第2作動口63への入賞の発生を遊技者が期待できるものとなっている。
【0450】
但し、第1及び第2高入賞役物開閉遊技と比べると、普電役物63aの開放回数が異なっており、高確遊技状態、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態にて実行される役物開閉遊技の態様とは異なるものとなっている。例えば、
図43(d)に示すように、普電役物63aの開放回数が2回に設定された上で、0.1secのオープニングと、0.2secの1回目開放と、0.3secの閉鎖と、2secの2回目開放と、0.1secのエンディングとを順に有する構成となっている。この場合、1回目開放の開放期間が遊技球の発射周期よりも短く、当該開放での第2作動口63への入賞は見込みにくいものの、2回目開放の開放期間が遊技球の発射周期よりも長く、当該開放にて第2作動口63への入賞を期待することができる。
【0451】
次に、電役サポート用処理の流れについて
図44のフローチャートを参照しながら説明する。
【0452】
先ずステップSe2201では、役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグがセットされているか否かを判定する。
【0453】
役物開閉遊技中でない場合は、ステップSe2202に進み、普図遊技回が終了したタイミングであるか否かを判定する。普図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
【0454】
普図遊技回の終了タイミングである場合は、ステップSe2203に進み、今回の普図遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
【0455】
サポート当選結果である場合は、ステップSe2204にて、役物開閉遊技の開始処理を実行する。当該開始処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグをセットする。また、普電役物63aを閉鎖状態としたまま当該役物36aの1回目開放を待機するためのオープニング期間を設定する。
【0456】
この際、オープニング期間は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した期間を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は例えば5secを設定し、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である場合は例えば0.5secを設定し、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は例えば0.1secを設定する。
【0457】
なお、オープニング期間として、その設定時における遊技状態に対応した期間を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、オープニング期間の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した期間(例えば0.1sec)を設定してもよい。
【0458】
ステップSe2205では、今回の役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数を設定する。この際、開放回数は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した回数を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、通常時短遊技状態又は天井時短遊技状態である場合は例えば1回を設定し、突然時短遊技状態である場合は例えば2回を設定する。本ステップでは、これらの開放回数に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた開放回数カウンタエリアRC2にセットする。例えば、開放回数が2回である場合は、これに対応する値として「2」を開放回数カウンタエリアRC2にセットする。
【0459】
なお、開放回数として、その設定時における遊技状態に対応した回数を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、開放回数の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した回数(例えば2回)を設定してもよい。
【0460】
ステップSe2206では、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するための普図オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
【0461】
ステップSe2207では、外部信号設定処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。
【0462】
ステップSe2201で肯定判定した場合(役物開閉遊技中である場合)は、ステップSe2208にてオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま電役サポート用処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSe2209にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について
図45のフローチャートを参照しながら説明する。
【0463】
先ずステップSe2301では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSe2302にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
【0464】
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSe2303に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、役物開閉遊技にて普電役物63aを複数回開放する場合において、各開放間の待機期間が経過したか否かを判定するものである。
【0465】
タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSe2304にて、今回の開放における普電役物63aの上限開放時間を設定する。この際、上限開放時間は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した期間を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は例えば0.1secを設定し、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である場合は例えば1.5secを設定し、天井時短遊技状態である場合は例えば2secを設定する。また、突然時短遊技状態である場合において1回目開放の場合は例えば0.2secを設定し、2回目開放である場合は例えば2secを設定する。
【0466】
本ステップでは、上記上限開放時間に対応する値を上記タイマエリアT2にセットする。例えば、上限開放時間が0.1secである場合は、これに対応する値として「100」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(
図17)が起動される都度、1ずつ減算される。
【0467】
なお、上限開放時間として、その設定時における遊技状態に対応した期間を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、開放回数の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した上限開放時間(例えば0.1sec)を設定してもよい。
【0468】
ステップSe2305では、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC2に「6」をセットする。この値は、役物開閉遊技における普電役物63a(第2作動口63)への上限入賞個数(6個)に対応するものである。
【0469】
ステップSe2306では、普電役物63aを開放すべく駆動部63bを駆動状態とする。ステップSe2307では、演出制御装置143への送信対象として役物開放コマンドを設定する。設定された役物開放コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの閉鎖状態から開放状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
【0470】
ステップSe2307の実行後は役物開閉処理を終了する。また、ステップSe2302で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)又はステップSe2303で否定判定した場合(タイマエリアT2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aを開放しないとして、ステップSe2304以降の処理を実行せずに役物開閉処理を終了する。
【0471】
ステップSe2301で肯定判定した場合(普電役物63aが開放中である場合)は、ステップSe2308に進み、上記タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップSe2304で設定した普電役物63aの上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
【0472】
タイマエリアT2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの上限開放時間が経過していない場合は、ステップSe2309にて、第2作動口63に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生している場合は、ステップSe2310にて、上記入賞カウンタエリアPC2の値を1減算する。ステップSe2311では、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であるか否か、すなわち、第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達したか否かを判定する。
【0473】
ステップSe2309で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)又はステップSe2311で否定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aの開放状態を継続すべく、そのまま役物開閉処理を終了する。
【0474】
ステップSe2308で肯定判定した場合(普電役物63aの上限開放時間が経過している場合)又はステップSe2311で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合)は、ステップSe2312にて、普電役物63aを閉鎖すべく駆動部63bを非駆動状態とする。
【0475】
ステップSe2313では、上記開放回数カウンタエリアRC2の更新処理を実行する。当該更新処理では、入賞カウンタエリアPC2の値を参照し、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達していない場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値を1減算する。一方、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達している場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値に「0」をセットする。
【0476】
ステップSe2314では、開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの残り開放が存在する場合は、ステップSe2315にて、上記タイマエリアT2に対し、普電役物63aを閉鎖状態として次の開放を待機するインターバル時間(待機時間)の値をセットする。
【0477】
ステップSe2316では、演出制御装置143への送信対象として役物閉鎖コマンドを設定し、その後、役物開閉処理を終了する。設定された役物閉鎖コマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの開放状態から閉鎖状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
【0478】
ステップSe2314で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)は、ステップSe2317にてエンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、普電役物63aを閉鎖状態としたまま次の遊技回(役物開閉遊技が終了した後の最初の普図遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。
【0479】
この際、エンディング期間は、役物開閉遊技の契機となったサポート抽選の実行時における遊技状態に対応した期間を設定する。サポート抽選時の遊技状態が通常遊技状態である場合は例えば5secを設定し、高確遊技状態又は通常時短遊技状態である場合は例えば0.5secを設定し、天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は例えば0.1secを設定する。
【0480】
なお、エンディング期間として、その設定時における遊技状態に対応した期間を設定する構成としてもよい。例えば、サポート抽選の実行時における遊技状態が通常時短遊技状態であり、エンディング期間の設定時における遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態に対応した期間(例えば0.1sec)を設定してもよい。
【0481】
ステップSe2318では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するための普図エンディングコマンドを設定し、その後、役物開閉処理を終了する。設定された普図エンディングコマンドは、通常処理(
図20)におけるステップSe401にて演出制御装置143に送信される。
【0482】
電役サポート用処理(
図44)の説明に戻り、ステップSe2209の役物開閉処理を実行した後はステップSe2210にて、上記開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、役物開閉遊技を継続させるべく、そのまま電役サポート用処理を終了する。
【0483】
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合は、ステップSe2211に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま電役サポート用処理を終了する。
【0484】
エンディングが終了している場合は、ステップSe2212にて役物開閉遊技の終了処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。役物開閉遊技の終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされた役物開閉中フラグをクリアしたりするなどの処理を実行する。
【0485】
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、
図46のブロック図を参照して以下に説明する。
【0486】
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【0487】
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンドや、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
【0488】
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
【0489】
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
【0490】
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
【0491】
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
【0492】
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
【0493】
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
【0494】
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
【0495】
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
【0496】
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
【0497】
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
【0498】
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
【0499】
<演出設定処理>
演出設定処理について
図47のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
【0500】
先ずステップSe2501では、主制御装置162からのエンディングコマンド(ステップSe1018)を受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドは、特図遊技回での当否判定結果が大当たりになった場合に行われる開閉実行モードにおいてエンディングが開始される場合に送信されるものである。
【0501】
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
【0502】
ステップSe2501の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアにエンディングコマンドが格納されているか否かを判定する。これらのコマンドが格納されている場合(エンディングコマンドを受信している場合)には、ステップSe2502にて、高確遊技状態や通常時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。第1移行用演出設定処理の詳細については後述する。
【0503】
ステップSe2502の実行後又はステップSe2501で否定判定した場合(エンディングコマンドを受信していない場合)は、ステップSe2503にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
【0504】
ステップSe2504では、主制御装置162からの突然時短開始コマンド(ステップSe1807)を受信しているか否かを判定する。突然時短開始コマンドは、突然時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、突然時短遊技状態への移行タイミングにて送信されるものである。なお、本実施の形態では、特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて突然時短遊技状態への移行が行われるため、確定表示の開始タイミングにて突然時短開始コマンドが送信される。
【0505】
突然時短開始コマンドを受信している場合は、ステップSe2505にて、突然時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第2移行用演出設定処理を実行する。第2移行用演出設定処理の詳細については後述する。
【0506】
ステップSe2505の実行後又はステップSe2504で否定判定した場合(突然時短開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSe2506にて、主制御装置162からの天井時短開始コマンド(ステップSe1807)を受信しているか否かを判定する。天井時短開始コマンドは、天井時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、天井時短遊技状態への移行タイミングにて送信されるものである。なお、本実施の形態では、外れ遊技回の回数が天井回数に到達した特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて天井時短遊技状態への移行が行われるため、確定表示の開始タイミングにて天井時短開始コマンドが送信される。
【0507】
天井時短開始コマンドを受信している場合は、ステップSe2507にて、天井時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第3移行用演出設定処理を実行する。第3移行用演出設定処理の詳細については後述する。
【0508】
ステップSe2507の実行後又はステップSe2506で否定判定した場合(天井時短開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSe2508にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、高確遊技状態終了コマンド、時短遊技状態終了コマンド(ステップSe1705)のいずれかを受信しているか否かを判定する。
【0509】
これらのコマンドのいずれかを受信している場合は、ステップSe2509にて、高確遊技状態又は各時短遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。終了用演出設定処理の詳細については後述する。
【0510】
ステップSe2510では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
【0511】
<第1移行用演出設定処理>
ステップSe2502の第1移行用演出設定処理について
図48のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からのエンディングコマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、開閉実行モードのエンディング開始タイミングに合わせて実行されるものである。
【0512】
先ずステップSe2601では、高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる状況であるか否かを判定する。すなわち、エンディングコマンドが送信された開閉実行モードが高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行を生じさせる大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、主制御装置162からの高確開始コマンド(ステップSe1104)や通常時短開始コマンド(ステップSe1107)を受信しているか否かに基づいて行う。
【0513】
高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じない場合は、そのまま第1移行用演出設定処理を終了する。一方、高確遊技状態又は通常時短遊技状態への移行が生じる場合は、ステップSe2602にて、高確遊技状態又は通常時短遊技状態に対応した開始演出を設定する。
【0514】
高確遊技状態用の開始演出では、
図49(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて、例えば「ラッキータイム」等の高確遊技状態に対応したタイトル画像821が表示される。また、通常時短遊技状態用の開始演出では、
図49(b)に示すように、例えば「チャンスタイム」等の通常時短遊技状態に対応したタイトル画像822と、残り回数画像823とが表示される。残り回数画像823は、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
【0515】
なお、
図49(c)は、通常時短遊技状態への滞在中に実行される時短中演出を示すものである。時短中演出は、
図49(b)の開始演出の終了後、通常時短遊技状態が終了するまで行われる。この時短中演出では、例えば、通常遊技状態中の通常時演出とは背景画像等が異なるなど通常時演出とは異なる態様の表示演出が実施される。
【0516】
ステップSe2602では、開閉実行モードのエンディング期間にて上記各種開始演出が表示画面Gに表示されるように設定する。この場合、それら開始演出がエンディング期間の全体で表示される構成としてもよいし、エンディング期間の一部で表示される構成としてもよい。
【0517】
ステップSe2603では、今回の移行が通常時短遊技状態への移行であるか否かを判定する。ステップSe2603で肯定判定した場合は、ステップSe2604にて残り回数用処理を実行する。残り回数用処理は、時短遊技状態の残り回数等に関連した各種カウンタ値を設定するためのものである。ここで、ステップSe2604の残り回数用処理について
図50のフローチャートを参照しながら説明する。
【0518】
先ずステップSe2701では、移行対象となる時短遊技状態(移行時短)の上限回数を把握する。例えば、移行時短が10R通常大当たり結果Bに対応する通常時短遊技状態である場合は、上記上限回数として300回を把握する(
図14(b))。この把握は、主制御装置162から送信される通常時短開始コマンドを解析することで行う。
【0519】
ステップSe2702では、ステップSe2701で把握した上限回数に対応する値を、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた実残り回数カウンタエリアSS1にセットする。例えば、移行時短が10R通常大当たり結果Bに対応する通常時短遊技状態である場合は、上限回数に対応する値として実残り回数カウンタエリアSS1に「300」をセットする。実残り回数カウンタエリアSS1は、時短遊技状態の実際の残り回数をMPU342が把握するためのものであり、特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【0520】
ステップSe2703では、初期報知回数の抽選処理を実行する。初期報知回数は、時短遊技状態の開始時において報知する残り回数であり、ステップSe2701で把握した実際の上限回数の範囲内で抽選される。例えば、実際の上限回数が300回である場合は、初期報知回数が300回以下の数となるように当該報知回数が抽選される。
【0521】
ステップSe2704では、ステップSe2703で抽選した初期報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた報知残り回数カウンタエリアSS2にセットする。例えば、初期報知回数として50回が抽選された場合は、それに対応する値として「50」を報知残り回数カウンタエリアSS2にセットする。報知残り回数カウンタエリアSS2は、報知上の残り回数をMPU342が把握するためのものであり、実残り回数カウンタエリアSS1と同様に、特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【0522】
ステップSe2705では、未報知回数を把握する。未報知回数は、実際の残り回数(上限回数)のうち遊技者に報知していない回数であり、移行対象となる時短遊技状態の上限回数から初期報知回数を差し引いたものである。例えば、ステップSe2701で把握した上限回数が300回であり、ステップSe2703で抽選した初期報知回数が50回である場合は、未報知回数として250回を導出する。
【0523】
ステップSe2706では、ステップSe2705で把握した未報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた未報知回数カウンタエリアSS3にセットする。上記の例であれば、未報知回数に対応する値として「250」を未報知回数カウンタエリアSS3にセットする。未報知回数カウンタエリアSS3は、実際の残り回数のうち報知していないものが何回であるかや、報知していない回数の有無をMPU342が把握するためのものである。
【0524】
ステップSe2707では、残り回数画像823の表示を開始するように設定する。その際、ステップSe2703で抽選された初期報知回数の残り回数画像823が表示されるように設定する。ここで、ステップSe2703で抽選された初期報知回数が実際の残り回数よりも少ない回数である場合には、残り回数画像823を通じて遊技者に報知される残り回数が実際の残り回数よりも少ないものとなる。なお、残り回数画像823の表示は、ステップSe2602で設定した開始演出(エンディング期間を利用して行われる演出)にて開始されてもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから開始されてもよい。
【0525】
ステップSe2708では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグをセットし、その後、残り回数用処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像823の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
【0526】
第1移行用演出設定処理(
図48)の説明に戻り、ステップSe2604の残り回数用処理を実行した後は、ステップSe2605にて、外れ回数画像824の表示を開始するように設定する。外れ回数画像824は、外れ遊技回の回数を報知するものであり、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される(
図49(c))。外れ回数画像824の初期表示は「0回」であり、外れ回数画像824の天井回数に到達するまで継続される。なお、外れ回数画像824の表示は、ステップSe2602で設定した開始演出にて開始されてもよいし、開始演出の終了後、通常時短遊技状態に移行してから開始されてもよい。
【0527】
ステップSe2606では、上記各種フラグ格納エリア344cに外れ回数表示フラグをセットし、その後、第1移行用演出設定処理を終了する。外れ回数表示フラグは、外れ回数画像824の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
【0528】
<特図変動表示用処理>
ステップSe2503の特図変動表示用処理について
図51のフローチャートを参照しながら説明する。
【0529】
先ずステップSe2801では、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップSe2802に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
【0530】
変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理で抽選された変動パターンの情報が含まれる。この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
【0531】
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSe2803に進み、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける実残り回数カウンタエリアSS1の値を更新する。具体的には、実残り回数カウンタエリアSS1の値を1減算する。これにより、MPU342(演出制御装置143)にて把握される時短遊技状態の実際の残り回数が1減算される。
【0532】
なお、本実施の形態では、演出制御装置143にて主制御装置162とは別に時短遊技状態の残り回数をカウントする構成としているが、主制御装置162での更新結果に基づいて演出制御装置143が時短遊技状態の残り回数を把握する構成としてもよい。例えば、サポートカウンタエリアSCの更新結果(ステップSe1203)を所定コマンドの送信により主制御装置162から演出制御装置143に通知し、演出制御装置143が当該コマンドを解析して上記更新結果を把握する構成としてもよい。その際、変動開始コマンド等の既存コマンドに上記各更新結果の情報を含ませて上記所定コマンドとしてもよいし、上記各更新結果を通知するための専用コマンドにより上記所定コマンドを構成してもよい。
【0533】
ステップSe2804では、上記各種カウンタエリア344bの報知残り回数カウンタエリアSS2の値を更新する。具体的には、報知残り回数カウンタエリアSS2の値を1減算する。これにより、MPU342にて把握される報知上の残り回数が1減算される。
【0534】
ステップSe2805では、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。変動開始用処理では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを特定する。さらに特定した変動パターンに基づいて今回の特図遊技回における変動表示時間を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、各変動パターンと対応付けて変動表示時間が定められた演出パターンテーブルが記憶されている。
【0535】
演出パターンテーブルで定められる変動表示時間は、主制御装置162において各変動パターン(
図35、
図37、
図38)が対応する変動表示時間に対応しており、演出制御装置143と主制御装置162とでは、1つの変動パターンに対して共通の変動表示時間が割り当てられている。例えば、変動パターンが変動パターン1Aである場合、それに対応する変動表示時間は、演出制御装置143及び主制御装置162のいずれも15secとなる。変動開始処理では、演出パターンテーブルを参照して変動開始コマンドから解析した変動パターンに対応する変動表示時間を特定し、これを今回の特図遊技回の変動表示時間として把握する。
【0536】
また、演出パターンテーブルには、各変動パターンと対応付けて遊技回演出用の演出パターンが対応付けられている。それら各演出パターンとしては、変動表示時間テーブルの説明の際に述べたノーマルリーチ当たり、SPリーチ当たり、SPSPリーチ当たり、完全外れ、ノーマルリーチ外れ、SPリーチ外れ、SPSPリーチ外れ、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出が設定されている。変動パターンと演出パターンとの対応関係については、
図35、
図37、
図38を参照して既に述べているため、説明を省略する。
【0537】
なお、ステップSe2805の変動開始用処理における遊技回演出の設定に関する詳細については後述する。
【0538】
ステップSe2806では、残り回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。残り回数表示の更新用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグがセットされているか否かを判定し、残り回数表示フラグがセットされている場合(残り回数画像823の表示中である場合)は、ステップSe2804で更新した報知残り回数カウンタエリアSS2の値を参照して残り回数画像823の表示内容を更新する。これにより、残り回数画像823により報知される残り回数が1減算される。
【0539】
ステップSe2801で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSe2807に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSe2808にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
【0540】
ステップSe2807で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、ステップSe2809にて変動終了用処理を実行する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSe2809では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
【0541】
ステップSe2810では、外れ回数画像824の表示内容を更新したりするための外れ回数表示の更新用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。ステップSe2810の詳細については後述する。
【0542】
<変動開始用処理>
ステップSe2805の変動開始用処理について
図52のフローチャートを参照しながら説明する。
【0543】
ステップSe2901では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを把握する。ステップSe2902では、ステップSe2901で把握した変動パターンが変動パターンW1であるか否かを判定する。変動パターンW1は、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となり、且つ、その結果に基づいて突然時短遊技状態への移行が行われる場合に選択されるものである(
図38(b))。
【0544】
把握した変動パターンが変動パターンW1である場合は、ステップSe2903に進み、遊技回用演出の第1設定処理を実行する。遊技回用演出の第1設定処理では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行されるとともに、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数の一部又は全部が上乗せ演出にて報知されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第1設定処理について
図53のフローチャートを参照しながら説明する。
【0545】
先ずステップSe3101では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。特殊リーチ外れA演出は、特殊外れ結果になったことを報知する遊技回用演出であり、
図36(a)~(c)に示すように、所定のリーチラインにてリーチ表示を行った後、そのリーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄811を停止表示させるものである。ステップSe3101では、抽選で決定した有効ラインL1~L5のいずれかにリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、リーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄811が停止表示されるように停止図柄を決定する。このように、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となり、滞在時短の途中で突然時短遊技状態に移行する場合は、図柄表示装置75の表示画面Gにて特殊外れ結果になったことが遊技者に報知される。
【0546】
ステップSe3102では、今回の特殊外れ結果の種別を把握する。この把握は主制御装置162から送信される種別コマンド(ステップSe715)に基づいて行う。続くステップSe3103では、ステップSe3102で把握した特殊外れ結果の種別に基づき、移行する突然時短遊技状態の上限回数Kを把握する。例えば、把握した特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aであり、移行する突然時短遊技状態が突然時短遊技状態Aである場合は、上限回数Kとして200回を把握する(
図15(b))。
【0547】
ステップSe3104では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける実残り回数カウンタエリアSS1に、ステップSe3103で把握した上限回数Kに対応する値を上書きする。これにより、実残り回数カウンタエリアSS1の値が滞在時短の残り回数から上限回数Kに対応する値に変更され、MPU342にて把握される時短遊技状態の残り回数が、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数(残り回数)に置き換えられる。
【0548】
ステップSe3105では、上記各種カウンタエリア344bの未報知回数カウンタエリアSS3の値を更新する。具体的には、ステップSe3103で把握した上限回数Kから上記各種カウンタエリア344bにおける報知残り回数カウンタエリアSS2の値を減算し、その減算結果を未報知回数カウンタエリアSS3に上書きする。これにより、MPU342にて把握される未報知回数が、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数から、残り回数画像823により報知されている現在の残り回数を差し引いた回数に置き換えられる。
【0549】
ステップSe3106では、報知上乗せ回数Mの抽選処理を実行する。本実施の形態では、滞在時短の途中で突然時短遊技状態に移行する場合、後述する上乗せ演出を行って時短遊技状態の残り回数が追加されたように見せるところ、報知上乗せ回数Mは、その上乗せ演出に際して報知する追加の残り回数である。本ステップでは、ステップSe3105で更新した未報知回数カウンタエリアSS3の値を参照し、その範囲内で報知上乗せ回数Mを抽選する。例えば、更新後の未報知回数が150回である場合は、報知上乗せ回数Mが150回以下の回数となるように当該回数Mが抽選される。
【0550】
ステップSe3107では、上記報知残り回数カウンタエリアSS2の値を更新する。具体的には、その時点での報知残り回数カウンタエリアSS2の値に、ステップSe3106で抽選した報知上乗せ回数Mに対応する値を加算する。これにより、MPU342にて把握される報知上の残り回数が、その時点で残り回数と、上乗せ演出により報知する追加の残り回数との合計回数に変更される。
【0551】
ステップSe3108では、未報知回数カウンタエリアSS3の値の再更新を行う。具体的には、ステップSe3105で更新された未報知回数カウンタエリアSS3の値から、ステップSe3106で抽選した報知上乗せ回数Mに対応する値を減算する。
【0552】
ステップSe3109では、第1上乗せ演出(残り回数の上乗せ演出)が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。第1上乗せ演出では、
図54(a)、(b)に示すように、特殊外れ結果に対応する図柄組合せで図柄列Z1~Z3の各図柄が停止表示された後、その特図遊技回にて、ステップSe3106で抽選した報知上乗せ回数Mを文字等により報知する上乗せ画像826が表示される。これにより、時短遊技状態の残り回数の追加が遊技者に報知される。
【0553】
上乗せ画像826は、確定表示時間の一部又は全部を利用して表示されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで表示されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像が消去された上で上乗せ画像826が表示されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像が消去されず、図柄列Z1~Z3の手前側に上乗せ画像826が配置されるように表示されてもよい。
【0554】
なお、上乗せ画像826が表示された後は、ステップSe3107で更新された報知残り回数カウンタエリアSS2の値が参照され、
図54(c)に示すように、上乗せ画像826により報知された追加の残り回数が反映された残り回数画像823が表示される。
【0555】
ステップSe3110では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに上乗せ報知フラグをセットし、その後、遊技回用演出の第1設定処理を終了する。上乗せ報知フラグは、第1上乗せ演出を実行したことをMPU342が把握するためのものである。
【0556】
変動開始用処理(
図52)の説明に戻り、ステップSe2902で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターンW1でない場合)は、ステップSe2904に進み、把握した変動パターンが変動パターンW2であるか否かを判定する。変動パターンW2は、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になったものの、突然時短遊技状態への移行が行われない場合に選択されるものである(
図38(b))。
【0557】
把握した変動パターンが変動パターンW2である場合は、ステップSe2905に進み、遊技回用演出の第2設定処理を実行する。遊技回用演出の第2設定処理では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出又は特殊リーチ外れB演出のいずれかが実行されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第2設定処理について
図55のフローチャートを参照しながら説明する。
【0558】
先ずステップSe3201では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きいか否かを判定する。未報知回数カウンタエリアSS3は、滞在している時短遊技状態の実際の残り回数のうち未だ報知していない回数がいくつかあるかを把握するためのものである。このため、本ステップの判定処理は、遊技者に未だ知らせていない残り回数が一定数以上存在するか否かを判定するものとなっている。
【0559】
なお、本実施の形態では、第1所定数を0回としており、ステップSe3201において未報知の残り回数が存在するか否かを判定する構成となっている。但し、これに限定されるものではなく、例えば10回等の0回よりも大きい数を第1所定数としてもよい。
【0560】
未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きい場合(未報知の残り回数が存在する場合)は、ステップSe3202に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。特殊リーチ外れA演出は、特殊外れ結果になったことを報知する遊技回用演出である。本ステップの処理は、既に説明したステップSe3101(
図53)と同様のものである。
【0561】
ステップSe3203では、報知上乗せ回数Mの抽選処理を実行する。前述のように、報知上乗せ回数Mは、上乗せ演出に際して報知する追加の残り回数である。本ステップでは、未報知回数カウンタエリアSS3の値を参照し、その範囲内で報知上乗せ回数Mを抽選する。例えば、その時点での未報知回数が50回である場合は、報知上乗せ回数Mが50回以下の回数となるように当該回数Mが抽選される。
【0562】
ステップSe3204では、上記各種カウンタエリア344bにおける報知残り回数カウンタエリアSS2の値を更新する。具体的には、その時点での報知残り回数カウンタエリアSS2の値に、ステップSe3203で抽選した報知上乗せ回数Mに対応する値を加算する。
【0563】
ステップSe3205では、上記未報知回数カウンタエリアSS3の値を更新する。具体的には、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値からステップSe3203で抽選した報知上乗せ回数Mを減算する。
【0564】
ステップSe3206では、第1上乗せ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。この場合の第1上乗せ演出では、ステップSe3203で抽選した報知上乗せ回数Mに対応した上乗せ画像826が表示されるように設定される。
【0565】
このように、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になり、突然時短遊技状態への移行が行われない場合において、未報知の残り回数が残存している場合は、その範囲内で追加の回数が報知される上乗せ演出を実行するように構成されている。これにより、実際には突然時短遊技状態への移行が制限されて残り回数が増えていない状態であっても、あたかも、突然時短遊技状態への移行が発生して残り回数が増えたかのような印象を与えることができる。
【0566】
ステップSe3206の実行後は遊技回用演出の第2設定処理を終了する。ステップSe3201で否定判定した場合(未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合)は、ステップSe3207に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れB演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなす所謂ガセ演出であり、特殊外れへの期待感を煽った上でそれとは異なる図柄組合せで図柄列Z1~Z3を停止表示させるものである。ステップSe3207では、抽選で決定した有効ラインL1~L5のいずれかにリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、そのリーチライン上の中図柄列Z2に特殊図柄811とは異なる図柄が停止表示されるように決定する。
【0567】
ステップSe3207の実行後は遊技回用演出の第2設定処理を終了する。すなわち、第1上乗せ演出の実行設定を行うことなく、遊技回用演出の第2設定処理を終了する。このように、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になり、突然時短遊技状態への移行が行われない場合において、未報知の残り回数が不足している場合(或いは残存しない場合)は、特殊リーチ外れA演出とは異なる遊技回用演出を実行し、特殊外れ結果になったことを報知せず、また、上乗せ演出も実行しない。
【0568】
変動開始用処理(
図52)の説明に戻り、ステップSe2904で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターンW1でない場合)は、ステップSe2906に進み、把握した変動パターンが変動パターンW3であるか否かを判定する。変動パターンW3は、時短遊技状態である状況で通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD19(
図26(a))が決定された場合に選択されるものである(
図38(d))。変動パターンW3は、特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出及びノーマルリーチ外れに対応する変動パターンである。
【0569】
把握した変動パターンが変動パターンW3である場合は、ステップSe2907に進み、遊技回用演出の第3設定処理を実行する。遊技回用演出の第3設定処理では、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出、特殊リーチ外れB演出又はノーマルリーチ外れ演出のいずれかが実行されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第3設定処理について
図56のフローチャートを参照しながら説明する。
【0570】
先ずステップSe3301では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きいか否かを判定する。この処理は、既に説明したステップSe3201と同様のものである。
【0571】
未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きい場合(未報知の残り回数が一定数以上である場合又は存在する場合)は、ステップSe3302に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が実行されるように設定する。特殊リーチ外れA演出は、特殊外れ結果になったことを報知する遊技回用演出である。本ステップの処理は、既に説明したステップSe3101(
図53)と同様のものである。
【0572】
ステップSe3303では、未報知回数カウンタエリアSS3の値を参照し、その範囲内で報知上乗せ回数Mを抽選する。例えば、その時点での未報知回数が50回である場合は、報知上乗せ回数Mが50回以下の回数となるように当該回数Mが抽選される。
【0573】
ステップSe3304では、報知残り回数カウンタエリアSS2の値にステップSe3303で抽選した報知上乗せ回数Mを加算し、MPU342により把握される報知上の残り回数を更新する。続くステップSe3305では、未報知回数カウンタエリアSS3の値からステップSe3303で抽選した報知上乗せ回数Mを減算し、MPU342により把握される未報知の残り回数(換言すれば、上乗せ演出により追加の回数として報知することが可能な余裕分)を更新する。
【0574】
ステップSe3306では、第1上乗せ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定し、その後、遊技回用演出の第3設定処理を終了する。ステップSe3306の第1上乗せ演出では、ステップSe3304で抽選した報知上乗せ回数Mに対応した上乗せ画像826が表示されるように設定される。
【0575】
ステップSe3301で否定判定した場合(未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合)は、ステップSe3307に進み、特殊リーチ外れB演出を実行するか否かの抽選処理を行う。ステップSe3307では、ROM343に記憶された実行抽選用テーブルと、各種カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて特殊リーチ外れB演出の実行抽選を行う。
【0576】
ステップSe3308では、ステップSe3307の実行抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はステップSe3309に進み、今回の遊技回用演出として特殊リーチ外れB演出が実行されるように設定する。本ステップの処理はステップSe3207と同様のものである。
【0577】
ステップSe3308で否定判定した場合(実行抽選に外れた場合)は、ステップSe3310に進み、今回の遊技回用演出としてノーマルリーチ外れ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。ステップSe3310では、抽選で決定した有効ラインL1~L5のいずれかにリーチが形成されるように上図柄列Z1及び下図柄列Z3の停止図柄を決定し、さらに、その停止図柄とは異なる図柄がリーチライン上の中図柄列Z2に停止表示されるように中図柄列Z2の停止図柄を決定する。
【0578】
ステップSe3309又はステップSe3310の実行後は、第1上乗せ演出の実行設定を行うことなく、そのまま遊技回用演出の第3設定処理を終了する。
【0579】
変動開始用処理(
図52)の説明に戻り、ステップSe2906で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターンW3でない場合)は、ステップSe2908に進み、把握した変動パターンが変動パターン21Hであるか否かを判定する。変動パターン21Hは、時短遊技状態である状況で通常外れ結果となり、特図用表示部43での停止結果として停止結果SD18(
図26(a))が決定された場合に選択され得る複数種類の変動パターン21H~24Hのうち、完全外れ演出用の変動表示時間に対応付けられた変動パターンである(
図38(c))。
【0580】
把握した変動パターンが変動パターン21Hである場合は、ステップSe2909に進み、遊技回用演出の第4設定処理を実行する。遊技回用演出の第4設定処理では、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定する。ここで、遊技回用演出の第4設定処理について
図57のフローチャートを参照しながら説明する。
【0581】
ステップSe3401では、RAM344の各種カウンタエリア344bにおける未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きいか否かを判定する。この処理は、既に説明したステップSe3201と同様のものである。
【0582】
未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数より大きい場合(未報知の残り回数が一定数以上である場合又は存在する場合)は、ステップSe3402に進み、上記各種カウンタエリア344bにおける報知残り回数カウンタエリアSS2の値が第2所定数以下であるか否かを判定する。報知残り回数カウンタエリアSS2は、残り回数画像823(
図49(c))により報知される残り回数をMPU342が把握するためのものである。このため、本ステップの判定処理は、遊技者に報知している残り回数が一定数以下になったか否かを判定するものとなっている。
【0583】
本実施の形態では、第2所定数を5としており、ステップSe3402では報知上の残り回数が5回以下となったか否かを判定する構成となっている。これにより、報知上の残り回数が僅かであるか否かが判定される。なお、第2所定数は上記に限定されるものではなく、例えば第2所定数を0回として今回の特図遊技回が報知上の最終遊技回であるか否かを判定する構成としてもよい。
【0584】
報知残り回数カウンタエリアSS2が第2所定数以下である場合は、ステップSe3403に進み、報知上乗せ回数Mの抽選を行う。続くステップSe3404では、報知残り回数カウンタエリアSS2の値にステップSe3403で抽選した報知上乗せ回数Mを加算し、ステップSe3405では、未報知回数カウンタエリアSS3の値からステップSe3403で抽選した報知上乗せ回数Mを減算する。これらステップSe3403~ステップSe3405の処理はステップSe3106~ステップSe3108と同様のものである。
【0585】
ステップSe3406では、図柄表示装置75の表示画面Gにて第2上乗せ演出Aが実行されるように設定する。第2上乗せ演出Aは、特殊リーチ外れA演出(特殊外れ結果となったことの報知)の実行を伴わずに、時短遊技状態の残り回数の上乗せを報知するものである。
【0586】
第2上乗せ演出Aでは、
図58(a)、(b)に示すように、各図柄列Z1~Z3の図柄が完全外れの組合わせで停止表示された後、例えば「押せ!」等の文字表示からなる操作指示画像831と、演出用操作部36を模したボタン画像832とが表示され、遊技者に対して演出用操作部36の押し下げ操作が指示される。これと併せ、演出用操作部36の有効操作期間(操作残り期間)を示す操作期間用画像833が表示される。
【0587】
そして、有効操作期間内に演出用操作部36の押し下げ操作が行われた場合には、
図58(c)に示すように、ステップSe3403で抽選した報知上乗せ回数Mを文字等により報知する上乗せ画像826が表示される。これにより、時短遊技状態の残り回数の追加が遊技者に報知される。
【0588】
なお、有効操作期間内に押し下げ操作が行われなかった場合は、有効操作期間の経過タイミングにて上記上乗せ画像826が表示されるか、又は、上乗せ画像826が表示されることなく、操作指示画像831やボタン画像832等が消去される。
【0589】
第2上乗せ演出Aは、確定表示時間の一部又は全部を利用して実行されてもよいし、変動表示時間(変動表示時間の一部)と確定表示時間(確定表示時間の一部又は全部)とを跨いで実行されてもよい。その際、停止表示された図柄列Z1~Z3の画像が消去された上で第2上乗せ演出Aが実行されてもよいし、図柄列Z1~Z3の画像が消去されず、図柄列Z1~Z3の手前側に操作指示画像831やボタン画像832等が表示されるように実行されてもよい。
【0590】
このように、完全外れ用の変動パターンが選択された場合でも上乗せ演出を実行し得る構成であることで、報知上の残り回数が第3所定数以下となった際に、第2上乗せ演出Aを実行して上乗せ画像826により報知される残り回数を増加させることができる。これにより、報知上の残り回数を時短遊技状態の継続状況と整合させることができ、報知される残り回数が0回となった後も時短遊技状態が継続して遊技者に不自然な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
【0591】
ステップSe3406の実行後はステップSe3407にて、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。ステップSe3407では、有効ラインL1~L5のいずれにも大当たり、リーチ外れ、特殊リーチ外れの図柄組合せが成立しないように、各図柄列Z1~Z3の停止図柄を決定する。
【0592】
なお、変動表示時間の一部を利用して第2上乗せ演出Aを実行する場合は、第2上乗せ演出Aを実行しない場合よりも早く各図柄列Z1~Z3の変動表示が終了するように設定する。これにより、第2上乗せ演出の実行前において、遊技者が各図柄列Z1~Z3の停止結果を視認するための期間を好適に確保することができる。
【0593】
このように、報知上の残り回数が第2所定数以下となった状況で通常外れ結果となり、完全外れ用の変動パターンが選択された場合は、第2上乗せ演出Aを実行して報知上の残り回数の追加を行う。これにより、報知上の残り回数を時短遊技状態の継続状況と整合させることができ、報知される残り回数が0回となった後も時短遊技状態が継続して遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能となる。
【0594】
ステップSe3407の実行後は遊技回用演出の第4設定処理を終了する。ステップSe3402で否定判定した場合(報知残り回数カウンタエリアSS2が第2所定数より大きい場合)は、ステップSe3408に進み、第2上乗せ演出Aを実行するか否かの抽選処理を行う。ステップSe3408では、ROM343に記憶された実行抽選用テーブルと、各種カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて第2上乗せ演出Aの有無を抽選する。なお、ステップSe3408での実行抽選における当選確率は特に限定されるものではないが、例えば、当選確率よりも外れ確率の方が高くなるように設定することができる。
【0595】
ステップSe3409では、ステップSe3408の実行抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はステップSe3403に進み、第2上乗せ演出Aが実行されるように設定する。また、ステップSe3407にて、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定する。
【0596】
ステップSe3409で否定判定した場合(実行抽選に外れた場合)は、ステップSe3410に進み、第2上乗せ演出Bを実行するか否かの抽選を行う。第2上乗せ演出Bは、第2上乗せ演出Aと対をなす所謂ガセ演出である。第2上乗せ演出Bでは、
図58(b)に示すように、操作指示画像831及びボタン画像832が表示された後、有効操作期間内に演出用操作部36の押し下げ操作が行われると、
図58(d)に示すように、上乗せ画像826が表示されることなく、操作指示画像831及びボタン画像832が消去される。なお、有効操作期間内に押し下げ操作が行われなかった場合も、有効操作期間の経過タイミングにて上記と同様の表示態様とされる。
【0597】
ステップSe3410では、ROM343に記憶された実行抽選用テーブルと、各種カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて第2上乗せ演出Bの実行抽選を行う。
【0598】
ステップSe3411では、ステップSe3410の実行抽選に当選したか否かを判定する。当選した場合はステップSe3412に進み、第2上乗せ演出Bが実行されるように設定する。その後、ステップSe3407に進み、今回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定する。一方、ステップSe3411で否定判定した場合(実行抽選に外れた場合)は、そのままステップSe3407に進み、完全外れ演出の実行設定を行う。
【0599】
変動開始用処理(
図52)の説明に戻り、ステップSe2908で否定判定した場合(把握した変動パターンが変動パターン21Hでない場合)は、ステップSe2910に進み、ステップSe2901で把握した変動パターンに対応する遊技回用演出が実行されるように設定する。例えば、把握した変動パターンが変動パターン3A(
図35(a))である場合はSPSPリーチ当たり演出が実行されるように設定する。
【0600】
ステップSe2903、ステップSe2905、ステップSe2907、ステップSe2909、ステップSe2910の実行後はステップSe2911にて、表示制御装置350への出力対象として停止結果コマンド及びパターンコマンドを送信する。停止結果コマンドは、図柄列Z1~Z3の停止結果を指定するコマンドであり、パターンコマンドは、実行すべき遊技回用演出を指定する演出パターンコマンドである。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、指定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、指定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。ステップSe2911の実行後は変動開始用処理を終了する。
【0601】
<外れ回数表示の更新用処理>
ステップSe2310(
図51)の外れ回数表示の更新用処理について
図59のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの変動終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて実行されるものである。
【0602】
先ずステップSe3601では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに外れ回数表示フラグがセットされているか否か、すなわち、外れ回数画像824(
図49(c))の表示中であるか否かを判定する。外れ回数表示フラグがセットされている場合は、ステップSe3602にて、今回の特図当否抽選の結果が外れ結果(通常外れ結果又は特殊外れ結果)であるか否かを判定する。
【0603】
外れ結果である場合は、ステップSe3603に進み、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた外れ回数カウンタエリアの値を更新する。具体的には、外れ回数カウンタエリアの値を1加算する。外れ回数カウンタエリアは、天井回数までの残り回数をMPU342が把握するためのものである。
【0604】
ステップSe3604では、ステップSe3603の更新結果を参照して外れ回数画像824の表示内容を更新する。これにより、外れ回数画像824により報知される外れ回数が1加算される。
【0605】
ステップSe3603における外れ回数カウンタの更新処理は確定表示の開始タイミングにて実行されるが、ステップSe3604では、確定表示時間が経過した以後に外れ回数画像824が更新されるように設定する。この場合における外れ回数画像824の更新タイミングは、確定表示の終了タイミングであってもよいし、次の特図遊技回が開始されてからのタイミングであってもよい。
【0606】
外れ遊技回の終了ごとに外れ回数画像824の表示が更新されることで、遊技者は天井到達までの過程における進捗状況を知ることができる。具体的には、現在の外れ遊技回の回数を把握したり、天井回数を知っている遊技者であれば、天井回数までの残り回数を把握したりすることができる。
【0607】
ステップSe3604の実行後は外れ回数表示の更新用処理を終了する。また、ステップSe3601で否定判定した場合(外れ回数表示フラグがセットされていない場合)又はステップSe3602で否定判定した場合(今回の特図遊技回の当否結果が大当たり結果である場合)は、ステップSe3603以降の処理を実行することなく外れ回数表示の更新用処理を終了する。
【0608】
<第2移行用演出設定処理>
ステップSe2505(
図47)の第2移行用演出設定処理について
図60(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの突然時短開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、突然時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
【0609】
先ずステップSe3701では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに上乗せ報知フラグがセットされているか否かを判定する。上乗せ報知フラグがセットされていない場合、すなわち、特殊外れ結果となった特図遊技回にて第1上乗せ演出Aを実行していない場合は、ステップSe3702に進み、突然時短遊技状態用の開始演出を設定する。突然時短遊技状態用の開始演出では、
図60(b)に示すように、例えば「突然チャンスタイム」等の突然時短遊技状態に対応したタイトル画像835と、残り回数画像823とが表示される。残り回数画像823は、突然時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
【0610】
本ステップでは、突然時短遊技状態用の開始演出が特図遊技回における確定表示時間にて実行されるように当該開始演出の設定処理を行う。その際、開始演出のすべてが上記確定表示時間にて実行されてもよいし、開始演出の一部が上記確定表示時間にて実行されてもよい。なお、開始演出の一部が確定表示時間内に実行される場合は、当該確定表示時間と次の特図遊技回とを跨いで上記開始演出が実行される。
【0611】
ステップSe3703では、残り回数用処理を実行する。残り回数用処理は、時短遊技状態の残り回数等に関連した各種カウンタ値を設定するためのものである。この処理は、第1移行用演出設定処理(
図48)に係る
図50の残り回数用処理と同様のものである。
【0612】
図50を援用してステップSe3703の残り回数用処理を説明すると、先ずステップSe2701では、移行する突然時短遊技状態(移行時短)の上限回数を把握する。例えば、移行時短が突然時短遊技状態Aである場合は上記上限回数として200回を把握する(
図15(b))。この把握は、主制御装置162から送信される突然時短開始コマンドを解析することで行う。
【0613】
ステップSe2702では、ステップSe2701で把握した上限回数に対応する値を、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた実残り回数カウンタエリアSS1にセットする。ステップSe2703では、初期報知回数の抽選処理を実行する。初期報知回数は、時短遊技状態の開始時において報知する残り回数であり、ステップSe2701で把握した実際の上限回数の範囲内で抽選される。
【0614】
ステップSe2704では、ステップSe2703で抽選した初期報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた報知残り回数カウンタエリアSS2にセットする。ステップSe2705では、ステップSe2701で把握した実際の上限回数からステップSe2703で抽選した初期報知回数を減算し、未報知回数を把握する。
【0615】
ステップSe2706では、ステップSe2705で把握した未報知回数に対応する値を、上記各種カウンタエリア344bに設けられた未報知回数カウンタエリアSS3にセットする。ステップSe2707では、残り回数画像823の表示を開始するように設定する。その際、ステップSe2703で抽選された初期報知回数の残り回数画像823が表示されるように設定する。ステップSe2708では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグをセットし、その後、残り回数用処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像823の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
【0616】
第2移行用演出設定処理(
図60)の説明に戻り、ステップSe3701で肯定判定した場合(上乗せ報知フラグがセットされている場合)は、ステップSe3704に進み、上記各種フラグ格納エリア344cにセットされている上乗せ報知フラグをクリアし、その後、第2移行用演出設定処理を終了する。すなわち、特殊外れ結果となった特図遊技回にて第1上乗せ演出を実行する場合は、突然時短遊技状態用の開始演出を実行しない。
【0617】
<第3移行用演出設定処理>
ステップSe2507(
図47)の第3移行用演出設定処理について
図61(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの天井時短開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、天井時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
【0618】
ステップSe3801では、天井時短遊技状態用の開始演出を設定する。天井時短遊技状態用の開始演出では、通常時短遊技状態の開始演出(
図49(b))と同様に、例えば「チャンスタイム」等の天井時短遊技状態に対応したタイトル画像822と、残り回数画像823とが表示される。
【0619】
本ステップでは、天井時短遊技状態用の開始演出が特図遊技回における確定表示時間にて実行されるように当該開始演出の設定処理を行う。その際、開始演出のすべてが上記確定表示時間にて実行されてもよいし、開始演出の一部が上記確定表示時間にて実行されてもよい。なお、開始演出の一部が確定表示時間内に実行される場合は、当該確定表示時間と次の特図遊技回とを跨いで上記開始演出が実行される。
【0620】
ステップSe3802では、時短遊技状態の残り回数等に関連した各種カウンタ値を設定するための残り回数用処理を実行する。この処理は、第1移行用演出設定処理(
図48)に係る
図50の残り回数用処理と同様のものであるため、説明を省略する。
【0621】
ステップSe3803では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた外れ回数カウンタエリアの値をクリアする。外れ回数カウンタエリアは、外れ結果の特図遊技回をカウントするものであり、外れ回数画像824を表示する場合に参照される。
【0622】
ステップSe3804では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている外れ回数画像824を消去する処理を実行する。続くステップSe3805では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットされている外れ回数表示フラグをクリアし、その後、第3移行用演出設定処理を終了する。
【0623】
<終了用演出設定処理>
ステップSe2509(
図47)の終了用演出設定処理について
図61(b)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの時短遊技状態終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、各時短遊技状態が終了する場合に実行されるものである。
【0624】
ステップSe3901では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに上乗せ報知フラグがセットされているか否かを判定する。上乗せ報知フラグがセットされていない場合は、ステップSe3902にて、終了対象の遊技状態に対応した終了演出を設定する。例えば、通常時短遊技状態の終了である場合には、通常時短遊技状態用の終了演出が実行されるように設定する。
【0625】
ステップSe3903では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている残り回数画像823を消去する。続くステップSe3904では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットされている残り回数表示フラグをクリアし、その後、終了用演出設定処理を終了する。
【0626】
ステップSe3901で肯定判定した場合(上乗せ報知フラグがセットされている場合)、すなわち、時短遊技状態が終了する特図遊技回で上乗せ演出が実行される場合は、ステップSe3902以降の処理を実行することなく終了用演出設定処理を終了する。例えば、滞在時短の途中で特殊外れ結果となり、滞在時短を終了させて突然時短遊技状態に移行する場合は、滞在時短が終了する特図遊技回にて上乗せ演出が実行されるが、このような場合には時短遊技状態の終了演出を実行しない。
【0627】
なお、時短遊技状態中に大当たりに当選して開閉実行モードに移行する場合も時短遊技状態が終了するが、この場合は上記ステップSe3902~ステップSe3904の処理を実行した後、さらに、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた実残り回数カウンタエリアSS1、報知残り回数カウンタエリアSS2、未報知回数カウンタエリアSS3の値をクリアする処理を実行する。
【0628】
<時短遊技状態中の遊技の流れについて>
時短遊技状態中の遊技の流れについて説明する。先ず
図62を参照しつつ、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の基本的な流れについて説明する。ここでは、現在の遊技状態が通常時短遊技状態であり、第2作動口63を狙った右打ち遊技の状況において通常大当たり結果となり、その後、その通常大当たり結果に対応した通常時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果になった場合を例にとって説明する。
【0629】
タイミングt1において第2特図の当否抽選により大当たり結果になり、その大当たり種別として7R通常大当たり結果C(
図14(b))が選択されると、当該当否抽選に対応する特図遊技回にて、図柄表示装置75に変動表示される図柄列Z1~Z3が通常大当たり結果に対応する図柄組合せで停止表示される(
図62(f))。また、特図用表示部43には、上記特図遊技回での確定表示の期間にて7R通常大当たり結果Cに対応した停止結果SD9(
図24)が停止表示される。
【0630】
タイミングt2において上記特図遊技回が終了すると、可変入賞装置65が開閉する開閉実行モードが開始される(
図62(b))。この場合の開閉実行モードでは、今回の大当たり結果が7R通常大当たり結果Cであることに基づき、7ラウンド分のラウンド遊技が実行される。
【0631】
タイミングt3において開閉実行モードが終了すると、通常時短遊技状態への移行が行われる(
図62(c))。図柄表示装置75では、通常時短遊技状態への移行に対応した開始演出が実行される(
図62(g))。
【0632】
その際、主制御装置162では、今回の大当たり結果の種別である7R通常大当たり結果Cに対応した上限回数(例えば200回、
図14)が把握され、その把握した上限回数に対応する値がRAM314のサポートカウンタエリアSCにセットされる。これにより、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数(残り回数)が200回に設定される。
【0633】
また、演出制御装置143では、主制御装置162からの通常時短開始コマンドに基づいて今回の通常時短遊技状態における残り回数が把握されるとともに、初期報知回数の抽選が実行される。初期報知回数は、時短遊技状態の開始時に報知する残り回数であり、上記開始演出にて残り回数画像823により報知される。初期報知回数の抽選は実際の残り回数の範囲内で行われ、当該初期報知回数が実際の残り回数以下となるように抽選される。
【0634】
ここでは、初期報知回数として例えば100回が抽選されたものとする。よって、通常時短遊技状態の開始時点では、実際の残り回数である200回のうち、その一部である100回のみが報知され、残りの100回は未報知分の残り回数となる。
【0635】
演出制御装置143では、実際の残り回数(200回)に対応した値、初期報知回数(100回)に対応した値、未報知分の残り回数(100回)に対応した値がRAM344の実残り回数カウンタエリアSS1、報知残り回数カウンタエリアSS2、未報知回数カウンタエリアSS3にそれぞれセットされる。このうち、実残り回数カウンタエリアSS1及び報知残り回数カウンタエリアSS2の値は、特図遊技回が実行される都度、1ずつ減算される。これにより、演出制御装置143において実際の残り回数及び報知上の残り回数(残り回数画像823を通じて遊技者が認識する残り回数)が更新・管理される。
【0636】
通常時短遊技状態に移行してからの80回目の特図遊技回(タイミングt4)において特殊外れ結果になり、その種別が特殊外れ結果A(
図15(b))であったとする。特殊外れ結果Aになったことに基づき、特図用表示部43では、その特図遊技回における確定表示の期間にて停止結果SD15(
図25(b))が停止表示される。
【0637】
また、主制御装置162では、滞在中の通常時短遊技状態(滞在時短)を継続させるか、それとも、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態に移行させるかの振り分けが実行される。当該振り分けに際しては、先ず特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態の上限回数が把握される。前述のとおり、今回の特殊外れ結果は特殊外れ結果Aであるため、対応上限回数として200回が把握される。
【0638】
そして、滞在時短における現在の残り回数(120回)と、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数(200回)とが比較され、回数の多い側の時短遊技状態を優先実施するように上記振り分けが行われる。ここでは、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数の方が滞在時短における現在の残り回数よりも多いため、突然時短遊技状態に移行させる旨が決定される。
【0639】
特殊外れ結果になった特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行される(
図62(h))。これにより、図柄表示装置75での演出表示にて特殊外れ結果になったことが報知される。
【0640】
また、その特図遊技回における確定表示の開始タイミング(タイミングt5)では、滞在中の通常時短遊技状態の終了処理と、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態(突然時短遊技状態A)への移行処理とがそれぞれ行われる(
図62(c)、(e))。その際、RAM314のサポートカウンタエリアSCの値が、滞在時短に対応する値から移行先の突然時短遊技状態に対応する値に書き換えられ、時短遊技状態の残り回数が120回から200回に変更される。
【0641】
演出制御装置143では、主制御装置162からの変動開始コマンドに基づき、突然時短遊技状態への移行とともにその上限回数K(200回)が把握され、RAM344の実残り回数カウンタエリアSS1の値が上限回数Kに対応した値に変更される。また、RAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が、上限回数Kからその時点での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(20)を減算した減算値(180)に変更される。
【0642】
さらに、演出制御装置143では、報知上乗せ回数Mの抽選が実行される。報知上乗せ回数Mは、上乗せ演出により追加の残り回数として遊技者に報知されるものである。報知上乗せ回数Mの抽選は、上記変更された未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)の範囲内で行われる。例えば、報知上乗せ回数Mとして150回が抽選された場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回において特殊リーチ外れA演出の実行後、150回の残り回数の上乗せを報知する第1上乗せ演出が図柄表示装置75にて実行される(
図62(i))。
【0643】
なお、
図62では、上記第1上乗せ演出が確定表示時間にて実行されるように図示しているが、当該演出は、確定表示時間に限らず、変動表示時間の一部にて実行されてもよいし、変動表示時間と確定表示時間とに跨って実行されてもよい。
【0644】
また、演出制御装置143では、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2の値が更新される。具体的には、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(20)に報知上乗せ回数M(150)を加算した加算値(170)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされる。これにより、第1上乗せ演出で報知された上乗せ回数が反映された状態の残り回数画像823が表示される。
【0645】
さらに、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が更新される。具体的には、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)から報知上乗せ回数M(150)を減算した減算値(30)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。これにより、演出制御装置143にて把握される未報知分の残り回数が、第1上乗せ演出で報知した分だけ減らされた回数に変更される。
【0646】
これら報知残り回数カウンタエリアSS2及び未報知回数カウンタエリアSS3の各値の更新は、特殊外れ結果になった特図遊技回の変動開始タイミングにて実行される。但し、これに限定されるものではなく、例えば、突然時短遊技状態への移行に対応したタイミング(確定表示の開始タイミング)で行われてもよい。すなわち、特殊外れ結果になった特図遊技回の中で処理が完了するものであれば、いずれのタイミングで行われてもよい。
【0647】
次に、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の他の流れについて
図63を参照しながら説明する。なお、タイミングt1からタイミングt3までの流れは、上記
図62の場合と同様であるため、その説明を省略する。
【0648】
通常時短遊技状態に移行してからの80回目の特図遊技回(タイミングt4)において特殊外れ結果になり、その種別が特殊外れ結果C(
図15(b))であったとする。特殊外れ結果Cになったことに基づき、特図用表示部43では、その特図遊技回における確定表示の期間にて停止結果SD17が停止表示される(
図63(g))。
【0649】
また、滞在中の通常時短遊技状態(滞在時短)を継続させるか、それとも、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態に移行させるかを振り分けるべく、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数(50回)が把握されるとともに、その把握した上限回数と滞在時短における現在の残り回数(120回)とが比較される。ここでは、滞在時短における現在の残り回数の方が今回の特殊外れ結果に対応する上限回数よりも多いため、突然時短遊技状態への移行を制限(無効化)して滞在時短を継続させる旨が決定される。
【0650】
演出制御装置143では、主制御装置162からの変動開始コマンドに基づき、特殊外れ結果への当選とともに突然時短遊技状態への移行が実施されないことが把握される。そして、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数である100回に対応した値)が第1所定数(例えば0)よりも大きいことを条件として、特殊外れ結果となった今回の特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出が実行されるように設定される(
図63(g))。
【0651】
また、演出制御装置143では報知上乗せ回数Mの抽選が実行される。報知上乗せ回数Mの抽選は、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(100)の範囲内で行われる。例えば、報知上乗せ回数Mとして50回が抽選された場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回において特殊リーチ外れA演出の実行後、50回の残り回数の上乗せを報知する第1上乗せ演出Aが図柄表示装置75にて実行される(
図63(h))。
【0652】
ここで、時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果となった場合に、突然時短遊技状態への移行を行うか、それとも滞在時短をそのまま継続するかを振り分けるのは、複数の時短遊技状態の重複実施を回避するための対策であるが、その場合において、特殊外れ結果になったにもかかわらず突然時短遊技状態への移行を実施しない場合は、特殊外れ結果になったことの恩恵が遊技者に提供されないことを踏まえ、例えば、その特図遊技回において完全外れ演出を実行するなど、特殊外れ結果となったことを非明示とすることが考えられる。しかしながら、特図用表示部43には特殊外れ結果に対応した停止結果が停止表示されるため、仮に図柄表示装置75上での演出において特殊外れ結果となったことを秘匿化しても、遊技者が特図用表示部43の停止結果を見てしまえば、特殊外れ結果となったことに気づかれてしまうおそれがある。その結果、内部的に突然時短遊技状態への移行が制限されたことを悟られてしまい、せっかく特殊外れ結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして遊技者の気分を害する懸念がある。
【0653】
この点、本実施の形態では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が行われない場合に、特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行され、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と同じ態様の報知(例えば特殊図柄811や上乗せ画像826等)を含む報知演出が行われる。このため、特図用表示部43に停止表示される停止結果から特殊外れ結果への当選が察知されたとしても、突然時短遊技状態への移行の有無を演出内容から判別しにくくすることができる。特に、図柄表示装置75にて特殊リーチ外れA演出を実行して特殊外れ結果になったことを報知し、さらにその後、第1上乗せ演出を実行して時短遊技状態の残り回数が増加したように報知するため、実際には時短遊技状態の残り回数が増えていない中でも、あたかも残り回数の増加を引き当てたかのような印象を与えることができる。これにより、突然時短遊技状態への移行が制限される場合でも遊技者の気分を害することが抑制され、遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能になる。
【0654】
しかも、実際の残り回数よりも少ない回数を報知して未報知分の回数を確保し、それを利用して、突然時短遊技状態への移行がなされない場合の第1上乗せ演出A(疑似的な上乗せ)が実行されるため、実際の残り回数と整合させながら当該演出を実行することができる。この場合、移行がなされない状況で第1上乗せ演出Aが行われたとしても、少なくとも当該演出により報知された回数の分だけ実際に時短遊技状態が継続するものとなるため、当該演出による上乗せ回数の真偽を遊技者が判別しにくくなり、残り回数の増加を引き当てた印象をより好適に与えることができる。
【0655】
演出制御装置143では、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2の値が更新される。具体的には、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(20)に報知上乗せ回数M(50)を加算した加算値(70)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされる。これにより、第1上乗せ演出で報知された上乗せ回数が反映された状態の残り回数画像823が表示される。
【0656】
また、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が更新される。具体的には、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(100)から報知上乗せ回数M(50)を減算した減算値(50)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。これにより、演出制御装置143にて把握される未報知分の残り回数が、第1上乗せ演出で報知した分だけ減らされた回数に変更される。
【0657】
なお、特殊外れ結果となった特図遊技回において、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合は、当該遊技回での演出として、特殊外れ結果になっていないことに対応した特殊リーチ外れB演出が実行される。この場合、第1上乗せ演出は実行されない。
【0658】
ところで、本実施の形態では、通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とにおいて、普図遊技回での変動表示時間の長さや役物開閉遊技の態様が異なるものとなっている。具体的には、突然時短遊技状態では、普図遊技回における変動表示時間が通常時短遊技状態の場合よりも短く(
図42(b))、また、役物開閉遊技における普電役物63aの開放回数が多くなっている(
図43(b)、(d))。さらには、通常時短遊技状態でのサポート抽選における当選確率は、突然時短遊技状態のそれよりも高くなっている(
図16(b)、(c))。このため、特殊外れ結果になった特図遊技回を境界として普図遊技回の実行期間や役物開閉遊技での普電役物63aの挙動等が変化した場合は、通常時短遊技状態の途中で突然時短遊技状態に移行したと遊技者が気付くことができ、逆に、特殊外れ結果になった特図遊技回の前後でそれらの挙動等が変化しない場合は、突然時短遊技状態への移行が行われず、通常時短遊技状態が継続されたと遊技者が気付くことができるようになっている。
【0659】
さらに本実施の形態では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、滞在時短の残り回数と今回の特殊外れ結果に対応した上限回数とが比較され、回数が多い側の時短遊技状態が採用されるように構成されている。このため、突然時短遊技状態への移行が行われず、通常時短遊技状態が継続されたと遊技者が気付いた場合には、滞在時短である通常時短遊技状態の残り回数が今回の特殊外れ結果に対応した上限回数よりも多いと予測することができる。
【0660】
そのような状況において、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17の表示態様を遊技者が覚えており、特図用表示部43に停止表示される絵柄から、その絵柄に対応する上限回数を導出することができれば、滞在時短の残り回数がどの程度であるかを予測することが可能になる。例えば、特図用表示部43に停止結果SD16が停止表示され、それに対応した上限回数として100回を導出することができれば、滞在時短におけるそれ以降の残り回数が少なくとも100回より多いものであることを予測することができる。このような構成であることで、遊技者が特殊外れ結果に対応する各停止結果を覚えた場合のメリットとして、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測する遊技を付与することができ、興趣性を高めることが可能になる。
【0661】
さらに、時短遊技状態において残り回数画像823を通じて報知される残り回数が実際の残り回数とは異なったものとなっており、滞在時短の実際の残り回数が分かりにくくなっている。これにより、特殊外れ結果に対応する各停止結果を覚えて滞在時短の残り回数の予測に挑む意欲を喚起することができ、当該予測する遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
【0662】
なお、本実施の形態では、通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とにおいて、それら各時短遊技状態中における図柄表示装置75の表示画面G上での演出態様(例えば背景画像等)に差異がなく、遊技者が表示画面Gだけを見ていても通常時短遊技状態であるのか、それとも突然時短遊技状態であるのかを判別しにくくなっている。すなわち、普図遊技回の実行期間や役物開閉遊技での普電役物63aの挙動等を注意深く見ていることで、通常時短遊技状態から突然時短遊技状態に切り替わったのか、それとも、そのような切り替わりが行われておらず、通常時短遊技状態がそのまま維持されているのかを判別可能となり、当該判別の難易度が一定程度引き上げられている。これにより、特殊外れ結果となった状況で突然時短遊技状態への移行が行われない場合に特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出を実行し、突然時短遊技状態への移行制限を遊技者に悟られにくくしたことの効果が過度に損なわれないようにし、当該構成との好適な両立が図られている。
【0663】
図62及び
図63では、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合を例示したが、天井時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合や、突然時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合も、滞在時短の残り回数と今回の上限回数とが比較され、いずれの回数が多いかに応じて、滞在時短の継続か、突然時短遊技状態への移行かが振り分けられる。そして、図柄表示装置75では、上記と同様に、突然時短遊技状態への移行が実行される場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出Aが実行され、滞在時短が継続される場合は、未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数の状況)に基づいて特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出Aを実行するか否かが振り分けられる。
【0664】
なお、通常時短遊技状態である状況で外れ遊技回が天井回数(990回)に到達した場合については、上限回数が3000回である通常時短遊技状態でのみ通常時短遊技状態の途中で天井回数への到達が成立し得るところ、この場合は天井時短遊技状態の上限回数(1100回)よりも滞在時短の残り回数(2010回)の方が多くなる。このため、天井時短遊技状態への移行が制限され、滞在中の通常時短遊技状態が継続される。
【0665】
また、突然時短遊技状態である状況で外れ遊技回が天井回数に到達した場合には、突然時短遊技状態への移行タイミングやその種別によって、滞在時短の残り回数と天井時短遊技状態の上限回数との大小が変化するため、都度の比較結果に応じて、突然時短遊技状態が継続されるか、天井時短遊技状態への移行が行われるかが振り分けられる。
【0666】
次に、時短遊技状態において特殊外れ結果になっていない状況で上乗せ演出を行う場合の流れについて
図64及び
図65を参照しながら説明する。ここでは、第2作動口63を狙った右打ち遊技の状況において3R通常大当たり結果B(
図14)となり、開閉実行モードの終了後、上限回数が300回である通常時短遊技状態に移行した場合を例にとって説明する。
【0667】
タイミングt1において上限回数が300回である通常時短遊技状態への移行が行われると、演出制御装置143では、RAM344の実残り回数カウンタエリアSS1に上記上限回数に対応した値(300)がセットされる。また、演出制御装置143では初期報知回数の抽選が実行される。ここでは初期報知回数として70回が抽選されたものとする。
【0668】
これに伴い、RAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2に上記初期報知回数に対応する値(70)がセットされるとともに、RAM344の未報知回数カウンタエリアSS3に、上限回数から初期報知回数を減算した減算値(230)がセットされる。このうち、実残り回数カウンタエリアSS1及び報知残り回数カウンタエリアSS2の値は、特図遊技回が実行される都度、1ずつ減算される。
【0669】
通常時短遊技状態に移行してから40回目の特図遊技回(タイミングt2)において、通常外れ結果となり、それに対応する停止結果として停止結果SD19(
図26(a))が選択されたものとする。この場合、特図用表示部43では、その選択された停止結果SD19がその特図遊技回の確定表示の期間にて停止表示される(
図65(a))。また、主制御装置162では、その特図遊技回の変動パターンとして変動パターンW3(
図38(d))が選択される。
【0670】
演出制御装置143では、主制御装置162からの変動開始コマンドに基づいて変動パターンW3の選択が把握される。この場合、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数である190回に対応した値)が第1所定数よりも大きいことを条件として今回の特図遊技回にて特殊リーチ外れA演出が実行されるように設定される(
図65(a))。
【0671】
また、演出制御装置143では報知上乗せ回数Mの抽選が実行される。例えば、報知上乗せ回数Mとして50回が抽選された場合は、特殊外れ結果になった特図遊技回において特殊リーチ外れA演出の実行後、50回の残り回数の上乗せを報知する第1上乗せ演出が図柄表示装置75にて実行される(
図65(b))。
【0672】
このように、特殊外れ結果になった場合に限らず、通常外れ結果になった場合にも特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行されるため、遊技者に対して特殊外れ結果となる確率を実際の確率よりも高いように感じさせることができる。これにより、時短遊技状態中において残り回数の上乗せが発生しやすい印象を与え、遊技意欲を好適に高めることが可能になる。
【0673】
その際、通常外れ結果となった場合のうち、通常外れ結果を報知する停止結果として停止結果SD19が停止表示される場合を対象として特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行される。ここで、停止結果SD19は、表示用セグメントSG1~SG8のうち点灯状態とされる表示用セグメントの数が複数個となっており、点灯状態の表示用セグメントの数が1個である停止結果SD18(
図26(a))と比べて、特殊外れ結果に対応するSD15~SD17との識別が困難となっている。このため、遊技者が特図用表示部43を見ていても、その特図遊技回における当否抽選の結果が特殊外れ結果ではなく、実際には通常外れ結果であることを悟られにくくすることができ、その状態で特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出が実行されるものとなる。これにより、特殊外れ結果となった状況で残り回数の上乗せが報知されたと思わせやすくすることができ、上乗せが発生しやすい印象をより好適に与えることが可能になる。
【0674】
演出制御装置143では、停止結果SD19が停止表示される特図遊技回において、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づきRAM344の報知残り回数カウンタエリアSS2の値が更新される。具体的には、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(30)に報知上乗せ回数M(50)を加算した加算値(80)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされる。これにより、第1上乗せ演出で報知された上乗せ回数が反映された状態の残り回数画像823が表示される。
【0675】
また、報知上乗せ回数Mの抽選結果に基づいてRAM344の未報知回数カウンタエリアSS3の値が更新される。具体的には、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(230)から報知上乗せ回数M(50)を減算した減算値(180)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。これにより、演出制御装置143にて把握される未報知分の残り回数が、第1上乗せ演出で報知した分だけ減らされた回数に変更される。
【0676】
これら報知残り回数カウンタエリアSS2及び未報知回数カウンタエリアSS3の更新は、上記特図遊技回の変動開始タイミングにて実行される。但し、これに限定されるものではなく、例えば、確定表示の開始タイミングにて行われてもよい。すなわち、上記特図遊技回の中で処理が完了するものであれば、いずれのタイミングで行われてもよい。
【0677】
なお、上記特図遊技回において、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値が第1所定数以下である場合は、当該遊技回での演出として特殊リーチ外れB演出又はノーマルリーチ外れ演出が実行される。特殊リーチ外れB演出は、特殊リーチ外れA演出と対をなすガセ演出であり、特殊外れ結果とならなかったことに対応する遊技回用演出である。これらのリーチ外れ演出が実行される場合、第1上乗せ演出は実行されない。
【0678】
報知上乗せ回数Mが反映されて報知残り回数カウンタエリアSS2の値が80に更新されたタイミングt2から75回目の特図遊技回が開始されると(タイミングt3)、報知残り回数カウンタエリアSS2の値が第2所定数(例えば5)以下となる。すなわち、残り回数画像823を通じて遊技者に報知される残り回数が0回に近い一定値以下となる。ここでは、上記75回目の特図遊技回において当否抽選の結果が通常外れ結果となり、変動パターンとして完全外れ演出に対応した変動パターン21Hが選択されたものとする。
【0679】
この場合、演出制御装置143では、その特図遊技回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行されるように設定される(
図65(c))。また、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(未報知分の残り回数である190回に対応した値)が第1所定数よりも大きいことを条件として、その特図遊技回の中で第2上乗せ演出Aが実行されるように設定される(
図58(b))。
【0680】
第2上乗せ演出Aの実行に際しては、その時点での未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)が参照され、その範囲内で報知上乗せ回数Mが抽選される。例えば、報知上乗せ回数Mとして100回が抽選された場合は、
図58(b)のボタン操作指示画像の後、残り回数の100回の追加が報知される報知画像が表示される。
【0681】
このように、報知上の残り回数が第2所定数以下となると、第2上乗せ演出Aが実行されて報知上の残り回数が増加され、当該残り回数が0回となることが回避される。例えば、残り回数画像823を通じて遊技者が認識する残り回数が尽きた後も時短遊技状態が継続すると、不自然な印象になり、実際の残り回数とずれた状態で残り回数が報知されていることへの気づきが促される懸念がある。この点、本構成であることで、その後も時短遊技状態が継続する中で報知上の残り回数が0回となることが抑制され、実際の残り回数の一部が秘匿化された状態で報知が行われていることに気づかせにくくすることが可能になる。
【0682】
第2上乗せ演出Aが実行される特図遊技回において、演出制御装置143では、報知残り回数カウンタエリアSS2及び未報知回数カウンタエリアSS3の更新が行われる。すなわち、その時短での報知残り回数カウンタエリアSS2の値(5)に報知上乗せ回数M(100)を加算した加算値(105)が新たな値として報知残り回数カウンタエリアSS2にセットされるとともに、その時短での未報知回数カウンタエリアSS3の値(180)から報知上乗せ回数M(100)を減算した減算値(80)が新たな値として未報知回数カウンタエリアSS3にセットされる。
【0683】
なお、上記特図遊技回において変動パターン21H以外の変動パターンが選択された場合は、第2上乗せ演出Aは実行されない。
【0684】
その後、55回目の特図遊技回(タイミングt4)において、当否抽選の結果が通常外れ結果となり、変動パターンとして完全外れ演出に対応した変動パターン21Hが選択されたものとする。また、この特図遊技回では、演出制御装置143での第2上乗せ演出Aの実行抽選に当選したものとする。
【0685】
この場合、演出制御装置143では、その特図遊技回の遊技回用演出として完全外れ演出が実行され、さらに第2上乗せ演出Aが実行されるように設定される。このため、残り回数画像823により報知される残り回数が第2所定数より大きい場合でも第2上乗せ演出Aが発生し得るものとなり、不自然な印象となることを抑制できる。これにより、当該演出による残り回数の上乗せが疑似的なものであることに気づかせにくくすることができ、演出効果を好適に高めることが可能になる。
【0686】
<特図用表示部43での停止結果について>
前述のとおり、本実施の形態では、遊技者が特殊外れ結果に対応する各停止結果を覚えることで、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測することが可能となっている。これを踏まえて、特図用表示部43に停止表示される停止結果について構成が工夫されており、以下、かかる工夫について
図24~
図26を参照しながら説明する。
【0687】
図24及び
図25(b)に示すように、通常大当たり結果に対応する停止結果(停止結果SD3~SD14)の数が相対的に多く、特殊外れ結果に対応する停止結果(停止結果SD15~SD17)の数が相対的に少なくなっている。これにより、遊技者が通常大当たり結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えにくく、特殊外れ結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えやすくすることができる。よって、通常時短遊技状態への移行が行われた後、その途中で特殊外れ結果になるという流れの中で、先に移行する通常時短遊技状態の上限回数(残り回数)については特図用表示部43の停止結果から識別しにくく、後の特殊外れ結果への当選時における突然時短遊技状態の上限回数については特図用表示部43の停止結果から識別しやすい特性とすることができ、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測する遊技をより好適に楽しませることが可能になる。
【0688】
但し、特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示された場合に、それを遊技者があまりにも簡単に識別できてしまう構成であると、滞在時短の残り回数の予測が容易になり過ぎてしまう。その結果、実際の残り回数が報知上の残り回数よりも多く残っていることが簡単に判明する構成となってしまい、上乗せ演出による演出効果が損なわれてしまう懸念がある。そこで、本実施の形態では、特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示された際にその識別が容易になり過ぎることを抑制するための構成も盛り込まれている。以下、これらの構成について説明する。
【0689】
図25(b)及び
図26(a)に示すように、特殊外れ結果に対応する停止結果と通常外れ結果に対応する停止結果とにおいて複数種の停止結果が設定されている。この場合、それぞれに表示態様が複数存在するため、遊技者が特殊外れ結果に対応する停止結果と通常外れ結果に対応する停止結果との各表示態様を記憶する負荷が高まる。その分、それらの見分けが困難化し、特殊外れ結果になったことの識別難易度を高めることができる。
【0690】
特殊外れ結果に対応する停止結果と通常外れ結果に対応する停止結果とのそれぞれにおいて、点灯される表示用セグメントが複数個である停止結果を含むように設定されている。点灯される表示用セグメントの数が多くなるほど表示態様が複雑化して覚えにくくなるところ、そのような表示態様の停止結果が特殊外れ結果と通常外れ結果とのそれぞれで存在するため、外れ結果の特図遊技回にて特図用表示部43に停止表示された停止結果が特殊外れ結果と通常外れ結果とのいずれに対応するかの識別難易度を高めることができる。
【0691】
但し、その場合でも、点灯状態の表示用セグメントが複数である停止結果の数について、特殊外れ結果に対応する停止結果では3個であるのに対し、通常外れ結果に対応する停止結果では1個とされ、後者が前者よりも少なく抑えられている。このため、外れ結果の特図遊技回において点灯される表示用セグメントが複数である停止結果が停止表示された場合に、遊技者が特殊外れ結果に対応する可能性が高いと予測することが可能となっており、識別難易度が過度に高くなることが抑制されている。
【0692】
図26(a)に示すように、通常外れ結果に対応する停止結果として停止結果SD18、SD19を含む複数種の停止結果が設けられ、停止結果SD18では点灯される表示用セグメントの数が1個となり、停止結果SD19では点灯される表示用セグメントの数が複数個となるように設定されている。この場合、停止結果SD18、SD19において点灯状態の表示用セグメントの数が異なることで、それらの停止結果SD18,SD19が同種の外れ結果(通常外れ結果)に対応するものであることを分かりにくくすることができる。これにより、停止表示された停止結果が通常外れ結果に対応するものであるか否かの識別難易度を高めることができ、延いては、特殊外れ結果になったことの識別難易度を高めることが可能になる。
【0693】
図25(b)及び
図26(a)に示すように、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17の中に、点灯される表示用セグメントの数が通常外れ結果に対応する停止結果SD19と同数(3個)である停止結果SD17が含まれるように設定されている。この場合、遊技者が点灯状態の表示用セグメントの数から特殊外れ結果と通常外れ結果とのいずれに対応するかを識別することが困難となり、特殊外れ結果になったことの識別難易度を高めることが可能になる。
【0694】
図25(b)及び
図26(a)に示すように、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と、特殊外れ結果に対応する停止結果SD17とにおいて、点灯される表示用セグメントが重複するように設定されている。具体的には、それら停止結果SD19、SD17のいずれにおいても表示用セグメントSG2、SG4が点灯されるようになっている。これにより、これらの停止結果SD19、SD17の見た目を類似させることができ、見分けにくくすることが可能になる。
【0695】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【0696】
時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と同様に特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aを実行する構成とした。
【0697】
パチンコ遊技機では、当否抽選の結果に対応した報知を特図用表示部43にて行わざるを得ないところ、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、遊技者が特図用表示部43を視認することで、特殊外れ結果になったことを把握できてしまい、延いては移行制限の実施が察知されてしまうおそれがある。突然時短遊技状態への移行が制限される場合、遊技者としては、特殊外れ結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を受けられないことになるため、当該制限の実施に遊技者が気付くと、損をしたような印象になって遊技者の気分を害する懸念がある。
【0698】
この点、本構成では、突然時短遊技状態への移行制限を行う場合に、移行の実施に対応した特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aを実行するため、制限の実施を分かりにくくすることができ、遊技者の気分を害することを抑制できる。しかも、突然時短遊技状態への移行(演出上は残り回数の上乗せ)を生じさせた印象を付与できるため、遊技者の気分を高揚させ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【0699】
突然時短遊技状態への移行に対応する演出として、時短遊技状態の残り回数の上乗せを報知する上乗せ演出を実行する構成とした。
【0700】
上記構成では、時短遊技状態の残り回数が増加した又は追加されたと遊技者に認識させることができる。これにより、内部的には突然時短遊技状態への移行制限を実施しているものの、遊技者の目線では特殊外れ結果を引き当てて時短遊技状態の延長を勝ち取ったかのような印象となり、上記移行制限を行う中でも遊技者の遊技意欲が低下することを抑制できる。
【0701】
また、上乗せ演出を実施することで、時短遊技状態が継続しているかのような印象とすることができ、移行制限が行われる場合の不自然さを軽減することが可能になる。例えば、突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、滞在時短の終了用演出を実行し、その後、突然時短遊技状態の開始用演出を実行すると、演出上、前後の時短遊技状態の境界が明確になる。これを上記移行が制限される場合にも同様に実施すると、実際には移行が生じていないため、不自然な印象となる懸念がある。この点、終了と開始を明示しないで上乗せ演出により繋ぐ構成とすることで、時短遊技状態間の境界を曖昧化することができ、実際には移行が生じておらず滞在時短が継続しているだけであっても、不自然な印象となることを抑制することが可能になる。
【0702】
特図当否抽選の結果が通常外れ結果である場合に、特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aを実行し得る構成とした。
【0703】
上記構成では、突然時短遊技状態への移行が制限される場合だけでなく、特殊外れ結果になっていない場合にも特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aが実行されるため、移行制限時における特殊リーチ外れA演出等の実施を目立ちにくくして不自然な印象となることを抑制することができる。これにより、移行制限の実施をより一層分かりにくくすることができる。
【0704】
また、上記構成では、特殊外れ結果になった場合と通常外れ結果になった場合との両方で特殊リーチ外れA演出や第1上乗せ演出Aが実行されるため、これらの演出の出現回数が特殊外れ結果となった回数よりも多くなる。これにより、特殊外れ結果を引き当てやすい(換言すれば、残り回数の上乗せが発生しやすい)印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【0705】
時短遊技状態の残り回数を報知する残り回数画像823を表示するとともに、その残り回数画像823での報知において実際の残り回数よりも少ない回数を報知する構成とした。
【0706】
上記構成では、滞在中の時短遊技状態についての残り回数が実際の残り分より少なく減らされて報知されるため、実際の残り回数の一部を未報知分の残り回数として確保することができる。この未報知分の残り回数を利用し、突然時短遊技状態への移行が制限される場合の上乗せ演出や通常外れ結果である場合の上乗せ演出を実施すれば、これらの上乗せ演出を実際の残り回数と整合させながら行うことができる。すなわち、遊技者の目線では、当該上乗せ演出で報知された回数どおりに時短遊技状態が継続しているように見えるため、実際に残り回数の上乗せが行われた印象を与えることができる。これにより、疑似的な報知であることが分かりにくくなり、移行制限の実施に気づきにくくすることが可能になる。
【0707】
報知上の残り回数が所定数(第2所定数)以下であるか否かを判定し、その結果に基づいて上乗せ演出を実行する構成とした。
【0708】
滞在中の時短遊技状態について実際の残り分よりも少ない数を報知する構成では、時短遊技状態の終了よりも早く報知上の残り回数が尽きてしまう可能性がある。この点、報知上の残り回数が少なくなると、当否抽選の結果や移行制限の有無にかかわらず上乗せ演出を実行するため、報知上の残り回数が少なくなる都度、当該残り回数を補充することができる。これにより、時短遊技状態の途中で報知上の残り回数が尽きてしまうことが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能になる。
【0709】
その際、上乗せ演出として演出期間が異なる第1上乗せ演出と第2上乗せ演出を設ける構成とした。この構成によれば、リーチ外れ演出用の変動パターン(変動表示時間)が選択された場合に限らず、完全外れ演出用の変動パターンが選択された場合にも上乗せ演出を実行することができ、上記残り回数の補充を適宜に行うことが可能になる。
【0710】
通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とにおいて、普図遊技回における変動表示時間の長さ、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率等の態様を異ならせ、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、滞在中の通常時短遊技状態におけるその時点での残り回数と、その特殊外れ結果に対応する突然時短遊技状態の上限回数とを比較し、回数が多い側の時短遊技状態を優先して採用する構成とした。
【0711】
上記構成では、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、普図遊技回における変動表示時間の長さ、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率等の態様の変化が生じるか否かを遊技者が判別することにより、通常時短遊技状態の継続と突然時短遊技状態の移行とのいずれが選ばれたかを推測して楽しむことが可能になる。その際、残り回数の多い側の時短遊技状態が選択される構成であるため、例えば、遊技者が通常時短遊技状態の継続が選択されていると推測した場合には、特殊外れ結果になった時点での通常時短遊技状態の残り回数が突然時短遊技状態の上限回数よりも多いことを推測することができ、態様変化の有無からいずれの時短遊技状態が選択されているかを推測する遊技の面白みを高めることが可能になる。
【0712】
また、突然時短遊技状態として、上限回数が異なる突然時短遊技状態A~Cが設けられるとともに、それら突然時短遊技状態A~Cに対応して停止結果SD15~SD17が設けられるため、遊技者が停止結果SD15~SD17の表示態様を覚えることで、特殊外れ結果になった際に停止表示される停止結果から突然時短遊技状態の種別や上限回数を特定することができる。この特定結果を選択時短の推測に利用することで、より具体的に通常時短遊技状態の残り回数を推測することができ、例えば、停止結果から特定した上限回数が200回であれば、通常時短遊技状態の残り回数が少なくとも200回あることを推測することが可能になる。これにより、態様変化の有無からいずれの時短遊技状態が選択されているかを推測する遊技をより好適に盛り上げることができる。
【0713】
特殊外れ結果に対応する停止結果(停止結果SD15~SD17)の種類数を通常大当たり結果に対応する停止結果(停止結果SD3~SD14)の種類数よりも少なくする構成とした。
【0714】
上記構成によれば、遊技者が通常大当たり結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えにくく、特殊外れ結果に対応する各停止結果の表示態様を覚えやすくすることができる。よって、通常時短遊技状態への移行が行われた後、その途中で特殊外れ結果になるという流れの中で、先に移行する通常時短遊技状態の上限回数(残り回数)については特図用表示部43の停止結果から識別しにくく、後の特殊外れ結果への当選時における突然時短遊技状態の上限回数については特図用表示部43の停止結果から識別しやすい特性とすることができ、特殊外れ結果となったことを契機に滞在時短の残り回数を予測する遊技をより好適に楽しませることが可能になる。
【0715】
<変形例1>
上記第1の実施の形態の変形例1について
図66~
図68を参照しながら説明する。これらの図において第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0716】
本変形例では、時短遊技状態中の演出態様が上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
【0717】
突然時短遊技状態、通常時短遊技状態及び天井時短遊技状態では、図柄表示装置75の表示画面Gにおける背景画像の態様が異なっている。具体的には、時短遊技状態中に実施される時短中演出での背景色が各時短遊技状態ごとに相違している。すなわち、
図66に示すように、突然時短遊技状態の時短中演出では背景色が第1表示色(例えば紫色)となり、通常時短遊技状態の時短中演出では背景色が第2表示色(例えば赤紫)となり、天井時短遊技状態の時短中演出では背景色が第3表示色(例えば青紫)となるように差別化されている。
【0718】
また、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の演出態様についても上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本変形例に係る時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合の演出の流れについて説明する。先ず、通常時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態に移行する場合について
図67を参照しながら説明する。
【0719】
通常時短遊技状態の時短中演出では
図66(b)に示すように背景色が第2表示色(例えば赤紫)とされる。そして、通常時短遊技状態に滞在中の所定の特図遊技回にて特殊外れ結果になり、その時点における滞在中の通常時短遊技状態の残り回数が120回であり、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数が200回であったとする。この場合、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数の方が滞在時短における現在の残り回数よりも多いため、突然時短遊技状態に移行させる旨が決定される。
【0720】
特殊外れ結果になった特図遊技回では、特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行され(
図67(a))、特殊外れ結果になったことが報知される。その特図遊技回における確定表示の開始タイミングでは、滞在中の通常時短遊技状態の終了処理と、今回の特殊外れ結果に対応した突然時短遊技状態への移行処理とがそれぞれ行われる。
【0721】
また、特殊外れ結果になった特図遊技回では、特殊リーチ外れA演出の実行後、時短遊技状態の切り替わりや残り回数の変化を示唆するチェンジ演出が実行される。このチェンジ演出では、先ず、表示画面Gの全体が黒表示861とされて暗転(ブラックアウト)される(
図67(b))。この暗転表示は、確定表示の開始前に行われてもよいし、開始後に行われてもよい。
【0722】
その後、時短遊技状態の残り回数を報知するための回数報知画面862が表示される。この際、回数報知画面862の表示画面では、突然時短遊技状態への移行が行われることに対応して、その背景色が突然時短遊技状態用の背景色(第1表示色)とされる(
図67(c))。
【0723】
なお、回数報知画像863により報知される残り回数は、必ずしも移行先の突然時短遊技状態における実際の残り回数と一致するとは限らない。すなわち、実際の残り回数の一部が報知される場合もあれば、全部が報知される場合もある。その際、一部を報知する場合でも、残り回数が増えた印象を遊技者に与えるべく、上記回数報知画像863により報知される残り回数が、残り回数画像823により報知されていた直前の残り回数(
図67の場合であれば40回)よりも多くなるように設定される。
【0724】
その後、次の特図遊技回(突然時短遊技状態に移行してからの最初の特図遊技回)が開始されると、突然時短遊技状態に対応した背景色(第1表示色)とされた時短中演出が開始される(
図67(d))。当該時短中演出では、表示画面Gの隅部において上記回数報知画像863により報知された回数に対応する残り回数画像823が表示される。
【0725】
次に、通常時短遊技状態への滞在中に特殊外れ結果となったものの、通常時短遊技状態が継続される場合について
図68を交えて参照しながら説明する。
【0726】
通常時短遊技状態に滞在中の所定の特図遊技回にて特殊外れ結果になり、その時点における滞在中の通常時短遊技状態の残り回数が120回であり、今回の特殊外れ結果に対応する上限回数が50回であったとする。この場合、滞在時短における現在の残り回数の方が今回の特殊外れ結果に対応する上限回数よりも多いため、突然時短遊技状態への移行を制限(無効化)して滞在時短を継続させる旨が決定される。
【0727】
特殊外れ結果になった特図遊技回では、特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行され(
図67(a))、特殊外れ結果になったことが報知される。また、その特図遊技回では、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と同様に、特殊リーチ外れA演出の実行後、チェンジ演出が実行される。
【0728】
チェンジ演出では、表示画面Gの全体が黒表示861とされた後、時短遊技状態の残り回数を報知するための回数報知画面862が表示される。この際、回数報知画面862の表示画面では、通常時短遊技状態が継続されることに対応して、その背景色が通常時短遊技状態用の背景色(第2表示色)とされる(
図68(a))。なお、
図68(a)には、実際の残り回数の全部を回数報知画像863にて報知する場合を示している。
【0729】
上記チェンジ演出の実行後、次の特図遊技回(通常時短遊技状態の継続が決定された後の最初の特図遊技回)が開始されると、通常時短遊技状態に対応した背景色(第2表示色)とされた時短中演出が開始される(
図68(b))。当該時短中演出では、表示画面Gの隅部において上記回数報知画像863により報知された回数に対応する残り回数画像823が表示される。
【0730】
以上のように本変形例では、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態、突然時短遊技状態において、図柄表示装置75の表示画面Gにおける背景色を相違させ、時短遊技状態の種別ごとに時短中演出での表示態様が異なる構成とした。
【0731】
上記構成によれば、遊技者が図柄表示装置75の表示画面Gを視認している状態で、態様変化の有無を判別することができ、延いては、特殊外れ結果になった際にいずれの時短遊技状態が選択されたかを推測することができる。すなわち、注目箇所の集約が図られるため、上記表示画面Gにて行われる遊技演出の見落とし等の発生を抑制しながら、上記推測する遊技を楽しませることができる。
【0732】
なお、本変形では、突然時短遊技状態用の第1表示色を基本色とし、通常時短遊技状態用の第2表示色と天井時短遊技状態用の第3表示色とは、上記基本色に対して他の色味を加えたものとなっている。具体的には、第2表示色は、第1表示色の紫に対して若干の赤みを加えた赤紫であり、第3表示色は、第1表示色の紫に対して若干の青みを加えた青紫である。三者を比較すると、第1表示色と第2表示色、第1表示色と第3表示色の差分(相違度)は、第2表示色と第3表示色の差分よりも小さくなっている。これは、本変形例の前提である上記第1の実施の形態に係る構成では、通常時短遊技状態の途中で突然時短遊技状態に移行したり、突然時短遊技状態の途中で天井時短遊技状態に移行したりすること(第2表示色から第1表示色への変化、第1表示色から第3表示色への変化)がある一方で、通常時短遊技状態の途中で天井時短遊技状態に移行すること(第2表示色から第3表示色への変化)がないことを踏まえたものである。
【0733】
例えば、通常時短遊技状態の途中で突然時短遊技状態に移行する場合に、その背景色が大きく変化すると、時短遊技状態の種別が切り替わった印象が強調され過ぎ、残り回数が増えたように遊技者に感じさせる上で妨げになる懸念がある。この点、途中での切り替わりが想定される時短遊技状態間では、背景色の変化度合を比較的に小さく抑えることで、時短遊技状態の種別の切り替わりが目立ち過ぎることが抑制され、残り回数が増えた印象を与えやすくすることが可能になる。
【0734】
<変形例2>
上記第1の実施の形態の変形例2について
図69~
図73を参照しながら説明する。これらの図において第1の実施の形態や変形例1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0735】
本変形例では、特図用表示部43に停止表示される絵柄について特殊外れ結果となった場合の設定態様が上記第1の実施の形態や変形例1と異なっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
【0736】
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について
図69のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による特図遊技回制御処理(
図21)のステップSe506で実行されるものであり、
図23の変動開始処理に代えて実行されるものである。
図69において
図23と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0737】
先ずステップSe4101では、大当たりであるか否かの大当たり判定(当否判定)を行う。当該判定では、現在の遊技状態(抽選モード)に対応する当否テーブルを参照し、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、参照する当否テーブルにて大当たり用の乱数として設定されている値と一致しているか否かを判定する。例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率モード)である場合は、低確率モード用の当否テーブル(
図13(a))を参照して上記判定を行う。
【0738】
ステップSe710では、高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行し、続くステップSe711では、天井時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための天井時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe712では、突然時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSe710~ステップSe712の詳細については
図30~
図33を参照して説明したとおりである。
【0739】
ここで、ステップSe711の天井時短遊技状態の移行判定用処理及びステップSe712の突然時短遊技状態の移行判定用処理には、時短遊技状態への滞在中に天井時短遊技状態又は突然時短遊技状態の移行契機が成立した場合に実行される優先用処理(ステップSe1309、ステップSe1505)が含まれている。優先用処理では、滞在中の時短遊技状態の残り回数(滞在時短の残り回数)と、成立した移行契機に対応する時短遊技状態の上限回数(今回の上限回数)とに基づいて、いずれの時短遊技状態を優先すべきかを判定する。
【0740】
具体的には、滞在時短の残り回数と今回の上限回数とを比較し、今回の上限回数よりも滞在時短の残り回数の方が多い場合は、滞在時短を優先すべく、成立契機に対応する時短遊技状態への移行を不実行として滞在時短を継続させる旨を判定する。逆に、滞在時短の残り回数よりも今回の上限回数の方が多い場合は、移行契機に対応する時短遊技状態を優先すべく、滞在時短を終了して成立契機に対応する時短遊技状態への移行を行う旨を判定する。そして、成立契機に対応する時短遊技状態への移行を行う旨を判定した場合は、その旨を記憶すべく、移行契機が成立した時短遊技状態の時短開始用フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする(ステップSe1404でYES、ステップSe1406)。例えば、移行契機が成立した時短遊技状態が突然時短遊技状態である場合は突然時短開始用フラグをセットする。
【0741】
ステップSe4102では、ステップSe4101における大当たり判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSe4103にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。具体的には、今回の大当たり結果が第1特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(
図14(a))を参照して種別判定を行い、今回の大当たり結果が第2特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(
図14(b))を参照して種別判定を行う。
【0742】
ステップSe4104では、ステップSe4103の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。続くステップSe4105では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果(大当たり図柄)を設定する。なお、大当たり用の停止結果テーブルの詳細については
図24、
図25(a)を参照して説明したとおりである。
【0743】
ステップSe4102で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSe4106に進み、ステップSe4101の当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSe4107にて、特殊外れ結果の種別に対応した特殊外れ種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Aである場合は、特殊外れAフラグをセットする。
【0744】
ステップSe4108では、特図用表示部43に停止表示させる特殊外れ用の停止結果(特殊外れ図柄)を設定するための特殊外れ用の停止結果設定処理を実行する。ここで、ステップSe4108の特殊外れ用の停止結果設定処理について
図70のフローチャートを参照しながら説明する。
【0745】
特殊外れ用の停止結果設定処理では先ずステップSe4201にて、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグがセットされている場合は、当否判定の結果が特殊外れ結果となり、それに基づいて突然時短遊技状態への移行を行う状況であることを意味する。このような状況としては、通常遊技状態中に特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態に移行する場合や、時短遊技状態中に特殊外れ結果となり、上記優先用処理での判定により突然時短遊技状態への移行が判定された場合が該当する。
【0746】
ステップSe4201で肯定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされている場合)は、ステップSe4202に進み、特殊外れ用の第1停止結果テーブルを取得する。この第1停止結果テーブルは、突然時短遊技状態への移行を行う場合に参照すべくROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されているものであり、上記第1の実施の形態に係る特殊外れ用の停止結果テーブル(
図25(b))と同様のものである。特殊外れ用の第1停止結果テーブルでは、
図71(a)に示すように、選択可能な停止結果として停止結果SD15~SD17が設定されている。これら停止結果SD15~SD17は、上記第1の実施の形態に係る停止結果SD15~SD17と同様のものであり、セグメント表示器801に配置される7個の表示用セグメントSG1~SG7のうち、2個以上の表示セグメントを点灯させて絵柄(特殊外れ図柄)が表示されるものである。
【0747】
ステップSe4203では、ステップSe4202で取得した特殊外れ用の第1停止結果テーブルを参照し、特図用表示部43に停止表示させる停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を上記第1停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。例えば、大当たり乱数カウンタC1の値が「23」であれば、今回の停止結果として停止結果SD17を設定する。ステップSe4203の実行後は、特殊外れ用の停止結果設定処理を終了する。
【0748】
ステップSe4201で否定判定した場合、すなわち、突然時短開始用フラグがセットされていない場合は、当否判定の結果が特殊外れ結果となったものの、突然時短遊技状態への移行が行われない状況であることを意味する。このような状況には、時短遊技状態中に特殊外れ結果となり、上記優先用処理での判定により滞在時短の継続が判定された場合が該当する。
【0749】
かかる場合は、ステップSe4204に進み、特殊外れ用の第2停止結果テーブルを取得する。この第2停止結果テーブルは、突然時短遊技状態への移行を制限する場合に参照すべく上記各種テーブル記憶エリア313aに記憶されているものである。ここで、特殊外れ用の第2停止結果テーブルについて
図71(b)を参照しながら説明する。
【0750】
上記第2停止結果テーブルには、特殊外れ用の停止結果として停止結果SD20からなる1種類の停止結果データが記憶されている。停止結果データSD20は、複数の表示用セグメントSG1~SG7のうち左下の表示用セグメントSG4のみが点灯されるものである。すなわち、1個の表示セグメントの点灯により表示される絵柄となっており、通常外れ用の停止結果に類似した表示態様となっている。
【0751】
特殊外れ用の第2停止結果テーブルでは、停止結果SD20に対して大当たり乱数カウンタC1の「10」~「29」が対応付けられている。すなわち、当否判定の結果が特殊外れ結果となった状況で当該第2停止結果テーブルが参照された場合には、必ず停止結果SD20が選択されるものとなっている。
【0752】
特殊外れ用の停止結果設定処理(
図70)の説明に戻り、ステップSe4204の処理を実行した後はステップSe4203にて停止結果の設定を行う。ここでは、特殊外れ用の第2停止結果テーブルから読み出した停止結果SD20を今回の遊技回の停止結果として設定する。
【0753】
変動開始処理(
図69)の説明に戻り、ステップSe4106で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、今回の当否判定の結果が通常外れ結果であることを意味する。この場合は、ステップSe4109に進み、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている通常外れ用の停止結果テーブルを参照して通常外れ用の停止結果(通常外れ図柄)を設定する。ここで、通常外れ用の停止結果テーブルについて
図71(c)を参照しながら説明する。
【0754】
通常外れ用の停止結果テーブルとしては、通常外れ用の第1特図停止結果テーブルと通常外れ用の第2特図停止結果テーブルとが設定されている。通常外れ用の第1特図停止結果テーブルは、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものであり、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選で通常外れとなった場合に参照されるものである。通常外れ用の第1特図停止結果テーブルについては上記第1の実施の形態に係るテーブル(
図26(b))と同様であるため、説明を省略する。
【0755】
図71(c)に示すように、通常外れ用の第2特図停止結果テーブルには、通常外れ用の停止結果として複数の停止結果データが記憶されており、具体的には停止結果SD18、SD21からなる2種類の停止結果データが記憶されている。停止結果SD18は、複数の表示用セグメントSG1~SG7のうち中央の表示用セグメントSG3のみが点灯されるものであり、停止結果SD21は、右上の表示用セグメントSG7のみが点灯されるものである。すなわち、これら各停止結果SD18、SD21は、1個の表示セグメントの点灯により表示される絵柄となっており、シンプルな表示態様になっている。
【0756】
通常外れ用の第2特図停止結果テーブルでは、停止結果SD18に対して大当たり乱数カウンタC1の「30」~「1977」が対応付けられ、停止結果SD21に対して「1978」~「2999」が対応付けられている。すなわち、停止結果SD18の方が選択確率が高く、停止結果SD21よりも選ばれやすくなっている。但し、これに限定されるものではなく、例えば、両者の選択確率が等しくてもよいし、停止結果SD21の方が停止結果SD18よりも選択されやすい構成でもよい。
【0757】
変動開始処理(
図69)の説明に戻り、ステップSe4109では、今回の通常外れ結果が第1特図と第2特図のいずれの当否抽選によるものなのかを判定し、その判定結果に対応する停止結果テーブルを参照する。そして、参照した停止結果テーブルにおいて、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に対応する停止結果を読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【0758】
ステップSe4105、ステップSe4108又はステップSe4109の実行後は、ステップSe713にて変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、今回の遊技回における変動パターンの選択・設定を行う。
【0759】
主制御装置162にて行う変動表示時間の設定処理については上記第1の実施の形態の場合(
図34)と同様であるが、上記のとおり本変形例では、当否判定にて特殊外れ結果が判定された場合に突然時短遊技状態への移行制限を実行するか否かに応じて異なる停止結果が設定されるように構成されている。これに合わせ、特殊外れ結果用の変動表示時間テーブルの構成を上記第1の実施の形態の場合とは異ならせている。ここで、上記変動表示時間テーブルについて
図72を参照しながら説明する。
【0760】
図72の特殊外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)は、時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルは、
図38(b)の特殊外れ用の変動表示時間テーブル(時短遊技状態用)に代えてROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに記憶されるものである。
【0761】
図72に示す本変形例に係る特殊外れ用の変動表示時間テーブルでは、突然時短遊技状態への移行の有無により変動パターンの選択態様が異なっており、より詳しくは、上記移行の有無に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、突然時短遊技状態への移行がある場合は変動パターンW1(15sec)が選択され、突然時短遊技状態への移行がない場合は変動パターンW4(8sec又は4sec)が選択されるようになっている。変動パターンW1は特殊リーチ外れA演出に対応し、変動パターンW4は完全外れ演出に対応している。このため、当否抽選の結果が特殊外れ結果とった状況で変動パターンW4が選択された場合、演出制御装置143では、その特図遊技回での遊技回用演出として通常外れ結果に対応した完全外れ演出を選択して実行する。
【0762】
変動開始処理(
図69)の説明に戻り、ステップSe713の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップSe714に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。その後、ステップSe715以降の処理を実行する。
【0763】
<時短遊技状態中の遊技の流れについて>
時短遊技状態中の遊技の流れについて
図73を参照しながら説明する。ここでは、現在の遊技状態が通常時短遊技状態(第2作動口63を狙った右打ち遊技の状況)である場合を例にとって説明する。
【0764】
通常時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となり、これに基づいて突然時短遊技状態への移行が実行される場合は、
図73(a)に示すように、特図用表示部43にて停止結果SD15~SD17のいずれかが停止表示される。この停止結果は、特殊外れ結果に対応しており、特殊外れ用の第1停止結果テーブル(
図71(a))を参照して選択されるものである。当該停止結果の停止表示は、上記特図遊技回の確定表示期間にて行われる。
図73(a)には、特殊外れ結果の種別が特殊外れ結果Cであり、停止結果SD17が停止表示される場合を示している。
【0765】
また、上記特図遊技回では、遊技回用演出として特殊リーチ外れA演出が図柄表示装置75にて実行される。これにより、図柄表示装置75での演出表示にて特殊外れ結果になったことが報知される。特殊リーチ外れA演出の実行後は第1上乗せ演出が実行され、時短遊技状態の残り回数の追加が報知される。
【0766】
通常時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合は、
図73(b)に示すように、特図用表示部43にて停止結果SD18、SD21のいずれかが停止表示される。この停止結果は、通常外れ結果に対応しており、第2特図に対応する通常外れ用の停止結果テーブル(
図71(c))を参照して選択されるものである。
図73(b)には、停止結果SD18、SD21のうち停止結果SD18が選ばれて停止表示される場合を示している。
【0767】
また、上記特図遊技回にて変動パターン21Hが選択された場合は、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。これにより、図柄表示装置75での演出表示にて通常外れ結果になったことが報知される。なお、変動パターン22H~変動パターン24Hのいずれかが選択された場合は、それら各変動パターンに対応する各種リーチ外れ演出が実行される。
【0768】
通常時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となったものの、当該結果に基づく突然時短遊技状態への移行が制限される場合は、
図73(c)に示すように、特図用表示部43にて停止結果SD20が停止表示される。この停止結果SD20は、特殊外れ用の第2停止結果テーブル(
図71(b))を参照して選択されるものである。
【0769】
停止結果SD20は、特殊外れ結果に対応するものであるが、点灯される表示用セグメントの数が1個とされ、通常外れ結果に対応する停止結果SD18、SD21と混同しやすい表示態様となっている。このため、遊技者が特図用表示部43を視認していたとしても、特殊外れ結果になったとは気づきにくく、むしろ通常外れ結果になったと認識しやすくなっている。
【0770】
また、上記特図遊技回では、遊技回用演出として完全外れ演出が図柄表示装置75にて実行される。すなわち、図柄表示装置75での演出表示でも通常外れ結果に対応した報知が行われるため、今回の当否判定の結果が特殊外れ結果であるとより一層気づきにくくなっている。この場合、第1上乗せ演出は実行されない。
【0771】
このように特殊外れ結果となったにもかかわらず、突然時短遊技状態への移行が行われない場合は、通常外れ結果時に停止表示される停止結果と類似する態様の停止結果が停止表示されるため、遊技者が特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果になったと認識することが抑制される。このため、突然時短遊技状態への移行がなされなくても不自然な印象とはならず、遊技者が移行の制限に気づくことが抑制される。
【0772】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【0773】
特殊外れ結果になった場合に、特図用表示部43に停止表示する停止結果を、突然時短遊技状態への移行が行われるか否かの判定結果を加味して決定する構成とした。
【0774】
この構成によれば、突然時短遊技状態への移行の有無を踏まえて特図用表示部43での停止結果の調整を行うことができ、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、遊技者が特殊外れ結果を連想しにくい表示態様の停止結果を選択・設定することができる。これにより、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果が把握されることが抑制され、移行制限の実施に遊技者が気付きにくい構成とすることができる。
【0775】
特殊外れ結果になった遊技回において、突然時短遊技状態への移行有無の判定処理を実行した後、特図用表示部43の停止結果を決定する処理を実行する構成とした。この構成によれば、特殊外れ結果に対応する停止結果を決定する場合に、上記移行有無の判定結果を反映させた決定を好適に行うことが可能になる。
【0776】
特殊外れ結果用の停止結果として、点灯される表示用セグメント(点灯表示部)の数が通常外れ結果用の停止結果(停止結果SD18、SD21)と同数である停止結果(停止結果SD20)が設けられる構成とした。
【0777】
上記構成では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、点灯表示部の数が通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21と同数である停止結果SD20が特図用表示部43に停止表示されるようにすることで、特殊外れ結果に対応する停止表示を通常外れ結果に対応する停止表示に似せて行うことができる。これにより、通常外れ結果になったと遊技者に思わせることができ、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果を簡単に把握できてしまうことを抑制可能となる。
【0778】
特殊外れ結果用の停止結果として複数種の停止結果を設け、上記停止結果SD20のほか、点灯表示部の数が通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21よりも多い停止結果SD15~SD17が設けられる構成とした。
【0779】
上記構成では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、点灯表示部の数が通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21よりも多い停止結果SD15~SD17が停止表示されるようにすることで、通常外れ結果との識別が行いやすい態様で特殊外れ結果に対応する停止表示を行うことができる。すなわち、特殊外れ結果になった場合の停止表示のうち、一部について通常外れ結果である場合との識別が行いにくく、他の一部について識別が行いやすい構成とすることができる。よって、特殊外れ結果になった場合の結果報知としての機能が過度に損なわれることを抑制しつつ、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果を簡単に把握できてしまうことを抑制可能となる。
【0780】
通常外れ結果用の停止結果として複数種の停止結果(停止結果SD18、SD21)が設けられる構成とした。
【0781】
上記構成では、特殊外れ結果用の停止結果SD20を含め、類似する態様の停止結果の数が増えるため、遊技者がそれらを区別して覚える負荷が高まる。その結果、特殊外れ結果用の停止結果SD20と通常外れ結果用の停止結果SD18、SD21とを遊技者が混同しやすくなり、特殊外れ結果用の停止結果SD20が特図用表示部43に停止表示された場合に通常外れ結果になったと思わせやすくすることができる。よって、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果が把握されることを抑制でき、移行制限の実施に遊技者が気付きにくくすることが可能になる。
【0782】
特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、図柄表示装置75の表示画面Gにて通常外れ結果に対応する完全外れ演出が実行されるように構成した。この構成によれば、遊技者に対してより強く通常外れ結果になったと思わせることができ、移行制限の実施に一層気づきにくい構成とすることが可能になる。
【0783】
<その他の変形例>
なお、上述した第1の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第1の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第1の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第1の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【0784】
また、理解の容易のため、例えば「第1の実施の形態の変形例1では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施の形態や変形例に対しても適用することが可能である。
【0785】
(1)上記第1の実施の形態や各変形例では、特図当否抽選の結果の一部として特殊外れ結果が設けられる構成としたが、特図当否抽選では大当たり結果であるか、それとも外れ結果であるかを抽選し、その結果が外れ結果となった場合に別抽選(外れ結果の種別抽選)にて特殊外れ結果であるか否かを抽選する構成としてもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
【0786】
また、外れ結果の種別抽選に代えて突然時短遊技状態への移行条件を成立させるか否かの移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合の抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、移行条件の成立有無を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
【0787】
また、特図当否抽選において大当たり結果であるか、特殊外れ結果であるか、それとも通常外れ結果であるかを抽選し、その結果が特殊外れ結果になった場合に別抽選にて特殊外れ結果の種別を抽選してもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、特殊外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
【0788】
(2)上記第1の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態への移行(サポートフラグのセット処理)が特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、特殊外れ結果となった特図遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて突然時短遊技状態への移行が実行されてもよい。
【0789】
(3)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として突然時短遊技状態に移行する構成としたが、他の事象を契機として当該時短遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて上記時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。
【0790】
これらの場合、サポートフラグのセットは、特定の入球部に遊技球が入球したタイミングや特定の通過部を遊技球が通過したタイミングにて行われる。また、サポートフラグのセットに代えて上記入球に対応した入球フラグや上記通過に対応した通過フラグがセットされる構成としてもよい。この場合、入球フラグや通過フラグがセットされた後、それらのフラグがセットされていることに基づいて高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる構成とすればよい。
【0791】
なお、特定の入球部について、開閉機構を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、遊技球が入球可能又は入球しやすい開状態と、遊技球が入球不可又は開状態よりも入球しにくい閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。このことは上記所定入球部についても同様である。
【0792】
また、特定の入球部や通過部が所定入球部内に設けられる構成では、当該所定入球部内に特定の入球部や通過部のみが設けられ、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部や通過部に必ず入球又は通過する構成としてもよいし、所定入球部内に特定の入球部や通過部とは異なる1又は複数の他の入球部や通過部が設けられ、所定入球部に入球した遊技球が振り分けられることにより、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球しなかったり、特定の通過部を通過しなかったりする場合が生じる構成としてもよい。後者の構成では、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球したり、特定の通過部を通過したりすることにより、時短遊技状態への移行契機が成立する一方で、所定入球部に入球した遊技球が上記他の入球部に入球したり、他の通過部を通過したりしても、時短遊技状態への移行契機が成立しない構成とすることができる。
【0793】
(4)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合の突然時短遊技状態や外れ回数が天井回数に到達した場合の天井時短遊技状態として普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としたが、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態よりも高確率となる第1高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。この場合、突然時短遊技状等における普図サポート抽選の当選確率について、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態と同じ確率としてもよいし、異なる確率としてもよい。例えば、開閉実行モード後の遊技状態における優位性を確保する上では、通常時短遊技状態よりも突然時短遊技状態等のサポート当選確率を低くするとよい。
【0794】
また、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態について、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。
【0795】
(5)上記第1の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態の種別と特殊外れ結果の種別とが1対1で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、1の突然時短遊技状態に対応する特殊外れ結果の数が各突然時短遊技状態で同じである構成としてもよいし、異なる構成としてもよい。
【0796】
(6)上記第1の実施の形態や各変形例では、通常時短遊技状態、天井時短遊技状態及び突然時短遊技状態を備える構成としたが、これらのうちの1つ又は2つを備えない構成としてもよい。例えば、通常時短遊技状態を備えずに天井時短遊技状態及び突然時短遊技状態を備える構成としてもよいし、通常時短遊技状態及び天井時短遊技状態を備えずに突然時短遊技状態を備える構成としてもよい。
【0797】
また、上記第1の実施の形態や各変形例では複数種類の突然時短遊技状態を備える構成としたが、1種類のみの突然時短遊技状態を備える構成としてもよい。このことは通常時短遊技状態についても同様であり、1種類のみ通常時短遊技状態を備える構成としてもよい。
【0798】
また、上記第1の実施の形態や各変形例では高確遊技状態を備えるが、高確遊技状態を備えない構成としてもよい。
【0799】
(7)上記第1の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態の終了(サポートフラグのクリア処理)が最終遊技回の確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、最終遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて時短遊技状態の終了が実行されてもよい。
【0800】
(8)上記第1の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が上限回数に達することで時短遊技状態の終了(サポートフラグのクリア処理)が行われる構成としたが、これに代えて又は加えて、時短遊技状態への移行後、特図当否抽選にて小当たり結果となった回数が予め定められた上限回数(例えば5回)に達することで時短遊技状態が終了する構成としてもよい。
【0801】
かかる構成において時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合には、滞在時短における残りの小当たり回数と、移行条件の成立に対応した時短遊技状態における上限回数としての小当たり回数とが比較され、多い側の時短遊技状態が採用される構成とすればよい。
【0802】
なお、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、小当たり結果の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。
【0803】
ちなみに、特図当否抽選の結果が小当たり結果となった場合には、可変入賞装置が開閉される小当たり遊技(小当たり結果を契機とする1ラウンド分の開閉実行モード)が実行される。この小当たり遊技は、大当たり遊技(大当たり結果を契機とする開閉実行モード)よりも遊技者に不利な態様で実行され得る。例えば、可変入賞装置への上限入賞個数が大当たり遊技よりも少なく設定されたり、1開放当たりの上限開放時間が大当たり遊技での1ラウンド遊技又は1開放当たりの上限開放時間よりも短く設定されたりすることで、大当たり遊技よりも少ない期待獲得球数となる態様で実行される。
【0804】
また、上記に代えて又は加えて、時短遊技状態に移行してからの普図遊技回の回数が上限回数に達することで時短遊技状態が終了する構成としてもよい。この場合、サポート抽選の結果にかかわらず全ての普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら時短遊技状態が終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が当たり結果となった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら時短遊技状態が終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が外れ結果となった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら時短遊技状態が終了する構成としてもよい。
【0805】
例えば、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、普図遊技回の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら時短遊技状態の終了が行われる構成としてもよい。
【0806】
また、上記に代えて又は加えて、時短遊技状態に移行してからの期間が予め定められた上限期間に達することで時短遊技状態が終了する構成としてもよい。かかる構成において時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合には、滞在時短の残り期間と、移行条件の成立に対応した時短遊技状態の上限期間とが比較され、長い側の時短遊技状態が採用される構成とすればよい。
【0807】
(9)上記第1の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCに上限回数に対応した値をセットし、特図遊技回が行われるごとにその値を1ずつ減算することで、時短遊技状態の残り回数を更新する構成としたが、時短遊技状態への移行時にサポートカウンタエリアSCへの上限回数に対応した値をセットせず、特図遊技回が行われるごとにサポートカウンタエリアSCの値を1ずつ加算することで、時短遊技状態において実行された特図遊技回の回数を更新する構成としてもよい。この場合、その更新されたカウンタ値が上限回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とすればよい。
【0808】
(10)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として、時短遊技状態への移行が行われる構成としたが、高確遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。この場合、高確遊技状態でのサポートモードは高頻度サポートモードであってもよいし、低頻度サポートモードであってもよい。
【0809】
また、時短遊技状態や高確遊技状態への移行が行われる構成に代えて、通常の演出モードでは見ることができない特殊な演出が行われたり、特殊なキャラクタ等が登場したりする特定の演出モードへの移行が行われるものであってもよい。また、通常遊技状態では行われない特殊な抽選が行われる状態への移行が行われるものであってもよい。これらの場合、特殊な演出等を見ることができたり、特殊な抽選が受けられたりする点で遊技者にとって有利な状態となる。なお、特殊な抽選の一例としてはポイント抽選が考えられる。当該ポイント抽選にて付与されたポイントやその合計数により時短遊技状態や高確遊技状態、開閉実行モードに移行したりする構成としてもよい。また、特殊な演出(例えばキャラクタの衣装等)が解放されたり、パチンコ機10に関する開発秘話が表示されたりしてもよい。また、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいてポイント抽選が行われてもよい。
【0810】
(11)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果への当選に対応した報知が特図用表示部43や図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、時短回数の残り回数の報知や上乗せ演出等についても同様である。
【0811】
(12)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果に対応した報知として特殊リーチ演出が実行される構成としたが、リーチ演出を伴わない遊技回用演出により特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、図柄列Z1~Z3を用いた報知でなくてもよく、例えば、図柄表示装置75に所定キャラクタ等の所定絵柄が表示されることにより、特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
【0812】
また、特図用表示部43に変動表示される特図絵柄と完全同期するものであって、図柄列Z1~Z3の各図柄よりも小サイズで表示される図柄(いわゆる第4図柄)が図柄表示装置75に表示されるパチンコ機にあっては、その第4図柄が通常態様とは異なる特定態様で表示されることにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、停止表示される上記第4図柄の態様と、停止表示される図柄列Z1~Z3の少なくとも一部の図柄列との組合せにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
【0813】
なお、特殊外れ結果に対応した報知は、特図遊技回の全般で行われてもよいし、特図遊技回における一部の期間にて行われてもよい。ちなみに、上記第1の実施の形態や各変形例で例示した特殊リーチ演出は、特図遊技回の開始時には特殊外れ結果であるか否かを遊技者が判別できず、特図遊技回の終盤で特殊外れ結果であることを遊技者が判別できる構成としているため、特図遊技回における一部の期間で特殊外れ結果に対応した報知を実行するものといえる。
【0814】
(13)上記第1の実施の形態や各変形例では、図柄列Z1~Z3の停止態様から特殊外れ結果になったことを遊技者が認識できるに留まり、特殊外れ結果の種別(突然時短遊技状態の種別)までは認識できない又は認識することが困難な構成としたが、これに代えて又は加えて、当該種別を図柄列Z1~Z3の停止態様から認識可能又は認識容易な構成としてもよい。例えば、突然時短遊技状態Aへの移行が行われる場合は、特殊リーチ外れA演出におけるリーチ図柄として7図柄が設定されたり、他の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)よりも7図柄が設定されやすくなったりする構成が考えられる。また、突然時短遊技状態Aへの移行が行われる場合は、ダブルリーチが設定されたり、他の突然時短遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)よりもダブルリーチが設定されやすくなったりする構成が考えられる。
【0815】
(14)上記第1の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選と第2作動口63への入賞に基づく当否抽選との両方において抽選結果の種別に特殊外れ結果が含まれる構成としたが、いずれかの作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果にのみ特殊外れ結果が含まれる構成としてもよい。例えば、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選の結果に特殊外れ結果が含まれる一方、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選の結果には特殊外れ結果が含まれない構成としてもよい。
【0816】
(15)上記第1の実施の形態や各変形例では、高確遊技状態中に行われる当否抽選の結果に特殊外れ結果が含まれない構成としたが、特殊外れ結果が含まれる構成としてもよい。すなわち、高確遊技状態である状況で特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われ得る構成としてもよい。
【0817】
(16)上記第1の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に優先用処理が実行され、突然時短遊技状態への移行が行われる場合と、当該移行が制限される場合とが生じる構成としたが、時短遊技状態中に特殊外れ結果になった場合について一律に突然時短遊技状態への移行が制限される構成としてもよい。
【0818】
また、上記第1の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で外れ回数が天井回数に到達した場合も優先用処理が実行される構成としたが、当該処理が行われずに一律に天井時短遊技状態への移行が制限される構成としてもよい。
【0819】
(17)上記第1の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となった場合に、滞在時短の残り回数と今回の上限回数(今回の特定外れ結果の種別に対応する突然時短遊技状態の上限回数)とが比較され、その結果に基づいて突然時短遊技状態への移行と滞在時短の継続とのいずれを採用するかが振り分けられる構成としたが、上記比較を行わず、滞在中の時短遊技状態と今回の特殊外れ結果に基づく突然時短遊技状態とのいずれを採用するかが予め定められる構成としてもよい。例えば、各種の時短遊技状態に対して固有の優先度を設定しておき、時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合にそれら各時短遊技状態の優先度を比較し、優先度が高い側の時短遊技状態を採用する構成とすることができる。
【0820】
なお、上記構成によっても、通常時短遊技状態と突然時短遊技状態とで何らかの態様が異なる構成とすることで、通常時短遊技状態を遊技する過程で態様の変化が生じたか否かを遊技者が判別することにより、特殊外れ結果となった際に通常時短遊技状態の継続と突然時短遊技状態の移行とのいずれが選ばれたかを推測する遊技を付与することができる。
【0821】
(18)上記第1の実施の形態や各変形例では、今回の上限回数が滞在時短の残り回数よりも多い場合に突然時短遊技状態への移行が行われる構成としたが、滞在時短の残り回数以上である場合に突然時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。すなわち、今回の上限回数と滞在時短の残り回数とが同じである場合に突然時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。
【0822】
(19)上記第1の実施の形態や各変形例において、時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合に、当該成立に基づく時短遊技状態への移行が制限されることなく、常に当該移行が行われる構成としてもよい。
【0823】
(20)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が実行されるか否かにかかわらず、特図用表示部43にて特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示される構成としたが、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示されない構成としてもよい。例えば、かかる場合において通常外れ結果に対応する停止結果が停止表示される構成としてもよい。
【0824】
(21)上記第1の実施の形態や各変形例では、滞在中の時短遊技状態と、その滞在時短の途中から移行する時短遊技状態との態様が異なる構成として、普図遊技回における変動表示時間の長さや、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率、図柄表示装置75にて行われる時短中演出での背景色等が異なる構成を例示したが、必ずしもこれらのすべてが異なる必要はなく、少なくとも1つが異なればよい。
【0825】
(22)上記第1の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態である状況で時短遊技状態への移行条件が成立した場合に、それら各時短遊技状態に滞在可能な残り回数の比較によりいずれの時短遊技状態を採用するかが決定される構成としたが、他の要素も加味されて当該決定が行われる構成としてもよい。例えば、所定の突然時短遊技状態にて行われる役物開閉遊技での開放回数が1回であるのに対し、所定の通常時短遊技状態にて行われる役物開閉遊技での開放回数が2回であり、第2作動口63への入賞期待値が通常時短遊技状態である場合の2倍である構成において、上記所定の通常時短遊技状態への滞在中に上記所定の突然時短遊技状態の移行条件が成立した場合の上記比較において、開放回数や入賞期待値に対応する重み付けを行ってもよい。具体的には、滞在中である所定の通常時短遊技状態の残り回数に対し上記重み付けとして2を乗算し、その乗算結果と、所定の突然時短遊技状態の上限回数とが比較される構成としてもよい。
【0826】
(23)上記第1の実施の形態や各変形例では、残り回数画像823により時短遊技状態の残り回数を報知する構成としたが、残り回数画像823を表示せず、時短遊技状態の残り回数を報知しない構成としてもよい。すなわち、実際の残り回数のすべてを非明示とする構成としてもよい。
【0827】
この際、全ての時短遊技状態で残り回数を報知しない構成としてもよいし、一部の時短遊技状態で残り回数を報知しない構成としてもよい。例えば、突然時短遊技状態では残り回数を報知する一方で、通常時短遊技状態では残り回数を報知しない構成としてもよい。
【0828】
また、時短遊技状態の途中で時短遊技状態に移行する場合において、先の時短遊技状態と後の時短遊技状態との一方で残り回数を報知し、それら時短遊技状態の他方で残り回数を報知しない構成としてもよい。その際、先の時短遊技状態と後の時短遊技状態とは必ずしも異種の時短遊技状態である必要はなく、同種の時短遊技状態であってもよい。例えば、突然時短遊技状態の途中で特殊外れ結果となり、当該結果に基づいて突然時短遊技状態への移行が行われる場合において、それらの一方で残り回数を報知し、他方で残り回数を報知しない構成としてもよい。
【0829】
(24)上記第1の実施の形態や各変形例では、通常時短遊技状態の最大上限回数を天井回数(例えば990回)と天井時短遊技状態の上限回数(1100回)との合計値(2090回)よりも多い回数(3000回)とし、通常時短遊技状態の途中で外れ遊技回が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態への移行が制限される構成としたが、上記最大上限回数を上記合計値よりも小さい回数(例えば1000回)とし、通常時短遊技状態の途中で外れ回数が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態に移行する構成としてもよい。
【0830】
(25)上記第1の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態の最大上限回数を天井時短遊技状態の上限回数(1100回)よりも少ないとし、突然時短遊技状態の途中で外れ遊技回が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態に移行する構成としたが、上記最大上限回数を上記上限回数よりも多い回数(例えば1500回)とし、突然時短遊技状態の途中で外れ回数が天井回数に到達した場合に天井時短遊技状態への移行が制限され得る構成としてもよい。
【0831】
(26)上記第1の実施の形態や各変形例において、時短遊技状態である状況で外れ遊技回が天井回数に到達した場合に、滞在時短の残り回数にかかわらず、滞在時短の継続よりも天井時短遊技状態への移行が優先される構成としてもよい。天井時短遊技状態は、外れ遊技回の累積回数により移行するため、外れ遊技回が天井回数に到達する前(移行契機が成立する前)から遊技者が天井時短遊技状態への移行を予測できるという特性がある。このため、実際に外れ遊技回が天井回数に到達して移行契機が成立しているにもかかわらず、天井時短遊技状態に移行させないでいると、天井時短遊技状態に移行していないことに遊技者が気付きやすい。この場合、天井到達は一体どうなってしまったのかと困惑し、遊技意欲の減退を招く懸念がある。そのような特性を踏まえ、滞在時短の継続よりも天井時短遊技状態への移行を優先し、時短遊技状態である状況で天井回数への到達が成立したら必ず天井時短遊技状態への移行が生じる構成とすることで、遊技者の予測どおりに時短遊技状態の切り替えを生じさせることができ、遊技者の困惑を招く不都合を抑制することが可能になる。
【0832】
(27)上記第1の実施の形態や各変形例では、7個の表示用セグメントSG1~SG7が数字の8の形状に配列された表示領域805により特図用表示部43を構成したが、特図用表示部43の構成は複数の表示部により停止結果が停止表示されるものであれば、これに限定されるものではない。例えば、
図74(a)に示すように、さらにドットとしての8個目の表示用セグメントSG8を備える表示領域により特図用表示部43を構成してもよい。また、
図74(b)に示すように、8個のLED(表示部)865を直線状に配列した表示領域866により特図用表示部43を構成してもよいし、
図74に示すうに、8個のLED(表示部)867を複数列に配列した表示領域868により特図用表示部43を構成してもよい。また、上記各種の表示領域を複数配置し、これらの複数の表示領域により1の停止結果を停止表示する構成としてもよい。
【0833】
(28)上記第1の実施の形態や各変形例では、各種停止結果が特図用表示部43に停止表示される構成としたが、例えば、図柄表示装置75の表示画面Gなど、特図用表示部43以外の表示装置に停止表示される構成としてもよい。
【0834】
(29)上記第1の実施の形態や各変形例では、点灯させる表示部(表示用セグメント)と消灯させる表示部との組み合わせにより停止結果が停止表示されるが、これに限定されるものではない。例えば、表示色(発光色)が第1表示色とされる表示部と第1表示色とは異なる第2表示色とされる表示部との組み合わせにより停止結果が停止表示されてもよいし、点滅状態とされる表示部と連続発光される表示部との組み合わせにより停止結果が停止表示されてもよい。
【0835】
(30)上記第1の実施の形態や各変形例において、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17に関し、点灯される表示部の数が突然時短遊技状態の有利度合に対応する構成としてもよい。例えば、有利度合が最も高い突然時短遊技状態Aに対応する停止結果SD15で点灯表示部の数が最も多く、有利度合が最も低い突然時短遊技状態Cに対応する停止結果SD17で点灯表示部の数が最も少なく、突然時短遊技状態Bに対応する停止結果SD16で点灯表示部の数がそれらの中間値となるようにすることができる。このような構成によれば、特殊外れ結果に対応する停止結果同士の識別において遊技者が各停止結果の詳細まで記憶していなくても、点灯表示部の数に基づいて感覚的に有利度合を把握することが可能になる。
【0836】
(31)上記第1の実施の形態や各変形例では、通常外れ用の停止結果として停止結果SD18、SD19からなる2種類の停止結果が設けられるが、それらのうちの一方のみを有する構成としてもよい。すなわち、通常外れ用の停止結果が1種類のみであってもよい。また、通常外れ用の停止結果として3種類以上の停止結果が設けられてもよい。
【0837】
(32)上記第1の実施の形態や各変形例では、1の大当たり種別に対して1の停止結果(大当たり図柄)が対応付けられる構成としたが、1の大当たり種別に対して複数種の停止結果が対応付けられる構成としてもよい。また、上記第1の実施の形態や各変形例では、1の特殊外れ種別に対して1の停止結果(特殊外れ図柄)が対応付けられる構成としたが、1の特殊外れ種別に対して複数種の停止結果が対応付けられる構成としてもよい。
【0838】
このような場合、特殊外れ結果に対応する停止結果の種類数が通常大当たり結果に対応する停止結果の種類数よりも少ないという関係を構築するには、特殊外れ結果に対応する停止結果の総数が通常大当たり結果に対応する停止結果の総数よりも少ない構成であってもよいし、1個の特殊外れ結果に対する停止結果数の平均値が1個の通常大当たり結果に対する停止結果数の平均値よりも少ない構成であってもよい。また、所定の特殊外れ結果に対応する停止結果の数が所定の通常大当たり結果に対応する停止結果の数よりも少ない構成であってもよい。
【0839】
(33)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果に対応する停止結果の種類数が通常大当たり結果に対応する停止結果の種類数よりも少ない構成としたが、これに限定されるものではない。前者の停止結果の種類数が後者の停止結果の種類数よりも多い構成としてもよいし、両者の停止結果の種類数が同じである構成としてもよい。
【0840】
(34)上記第1の実施の形態や各変形例において、特殊外れ結果に対応する所定の停止結果の停止表示期間を通常大当たり結果に対応する所定の停止結果の停止表示期間よりも短くする構成としてもよい。例えば、停止結果SD15の停止表示期間を停止結果SD3の停止表示期間よりも短くしてもよい。この場合、特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示された際に、その停止結果を遊技者が視認できる期間が短く抑えられることで、特殊外れ結果になったことの識別難易度をある程度高めることができる。これにより、特殊外れ結果に対応する停止結果を遊技者が覚えやすい構成でありながらも、その識別が簡単化し過ぎることを抑制できる。
【0841】
なお、特殊外れ結果に対応するすべての停止結果SD15~SD17において、通常大当たり結果に対応する停止結果SD3~SD14のいずれか又はそれら停止結果SD3~SD14のいずれよりも停止表示期間が短くされる構成としてもよい。
【0842】
(35)上記第1の実施の形態や各変形例では、特定報知としての第1上乗せ演出が確定表示の開始後に実行され、突然時短遊技状態への移行が制限された場合に特定報知が実行される構成としたが、第1上乗せ演出が確定表示の開始前に実行され、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に特定報知が実行される構成としてもよい。なお、上記第1の実施の形態や各変形例では、第1上乗せ演出が一律に特殊外れ結果になった特図遊技回にて実行されるが、当該特図遊技回より後(次の特図遊技回の開始後)に第1上乗せ演出が実行されることがある構成としてもよい。
【0843】
(36)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われる場合や、特殊外れ結果になったものの、突然時短遊技状態への移行が制限される場合において、特定報知として第1上乗せ演出を実行することにより、遊技者が残り回数の増加や追加を認識できる報知が実行される構成としたが、特定報知として遊技者が突然時短遊技状態への移行を認識できる報知が実行される構成としてもよい。例えば、第1上乗せ演出に代えて時短遊技状態の開始用演出が実行される構成としてもよい。
【0844】
また、第1上乗せ演出に代えて、残り回数に関しての報知を含まない特定報知が実行される構成としてもよい。例えば、上乗せ画像826が表示されることなく、「ストック」や「まだまだ続くよ」等の文字表示が行われる構成としてもよい。
【0845】
(37)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われる場合に、特殊外れ結果となった特図遊技回にて常に特殊リーチ外れA演出(特殊外れ結果になったことに対応する遊技回用演出)が実行される構成としたが、特殊リーチ外れB演出やノーマルリーチ外れ演出等の特殊外れ結果になったことに対応しない遊技回用演出が実行される場合がある構成としてもよい。この場合、上記特殊外れ結果となった特図遊技回において、特殊リーチ外れA演出に実行するか否かの抽選を行い、当該抽選に当選した場合に特殊リーチ外れA演出を実行し、当該抽選に外れた場合に特殊リーチ外れB演出又はノーマルリーチ演出を実行する構成とすればよい。この場合、第1上乗せ演出は実行しない。
【0846】
上記のような構成とすることで、特図用表示部43に特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示される場合において特殊リーチ外れA演出が実行されない場合でも、突然時短遊技状態への移行が行われるケースを生じさせることができる。これにより、突然時短遊技状態への移行が制限される場合において未報知分の残り回数が不足し、特殊リーチ外れA演出に代えて特殊リーチ外れB演出を実行した場合でも、残り回数の上乗せが行われている(突然時短遊技状態への移行が行われている)ことへの遊技者の期待感を喚起することが可能になる。
【0847】
(38)上記第1の実施の形態や各変形例では、完全外れ演出に対応する変動パターン21Hが選択された場合に、抽選により第2上乗せ演出を実行する構成としたが、これを実行しない構成としてもよい。すなわち、完全外れ演出用の変動表示時間が設定される特図遊技回では上乗せ演出が実行されず、特定の変動表示時間(ノーマルリーチ外れ用の変動表示時間)が設定される特図遊技回でのみ上乗せ演出が実行される構成としてもよい。
【0848】
(39)上記第1の実施の形態や各変形例では、完全外れ演出に対応する変動パターン21Hが選択された場合に第2上乗せ演出を実行し得る構成としたが、他の変動パターンが選択された場合にも第2上乗せ演出を実行し得る構成としてもよい。具体的には、変動パターンW1~W3以外の変動パターンが選択された場合、すなわち、変動パターン21Hに限らず、外れ結果に対応した他の変動パターン22H~24Hが選択された場合にも第2上乗せ演出を実行し得る構成としてもよい。
【0849】
(40)上記第1の実施の形態や各変形例において、第1上乗せ演出にてボタン画像832が表示され、演出用操作部36の押し下げ操作が行われることにより上乗せ画像826が表示される構成としてもよい。演出用操作部36の操作を介在させることで、特図用表示部43から注意をそらすことができ、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果になったことを把握しにくくすることが可能になる。
【0850】
また、特図用表示部43での停止表示の期間(確定表示期間)における少なくとも一部で第1上乗せ演出が実行され、確定表示期間と第1上乗せ演出の実行期間とが重複する構成としてもよい。この場合、特殊外れ結果に対応した停止結果が停止表示される期間にて遊技者の注意を第1上乗せ演出(図柄表示装置75)に向けさせることにより、特図用表示部43の表示内容から特殊外れ結果になったことを把握しにくくすることが可能になる。
【0851】
また、第2上乗せ演出においても確定表示期間の少なくとも一部で実行され、確定表示期間と第2上乗せ演出の実行期間とが重複する構成としてもよい。この場合、通常外れ結果に対応した停止結果が停止表示されていることに気づかせにくくすることができ、第2上乗せ演出が疑似的なものであることを悟られにくくすることが可能になる。
【0852】
(41)上記第1の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果となり、突然時短遊技状態への移行が行われる変動パターンW1と、特殊外れ結果になったものの、突然時短遊技状態への移行が制限される変動パターンW2と、通常外れ結果となり、特図用表示部43に停止結果SD19が停止表示される場合の変動パターンW3とが対応する変動表示時間が等しい構成としたが、特殊リーチ外れA演出及び第1上乗せ演出の実行期間が確保される範囲で各変動パターンが対応する変動表示時間の長さが異なる構成としてもよい。
【0853】
(42)上記第1の実施の形態や変形例1では、点灯される表示部(点灯表示部)の数について、停止結果SD18が1個であり、他の停止結果が2個以上である構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、停止結果SD18が2個であり、他の停止結果が3個以上である構成としてもよい。
【0854】
(43)上記第1の実施の形態や変形例1では、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17のいずれにおいても点灯表示部が複数とされるが、それらのうちの1つ又は2つの停止結果において点灯表示部が1個である構成としてもよい。但し、それらの停止結果にあっては、通常外れ結果に対応する停止結果SD18とは異なる表示部が点灯される態様とする。
【0855】
(44)上記第1の実施の形態や変形例1では、特殊外れ結果に対応する停止結果SD15~SD17のうち停止結果SD15、SD17では、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と点灯表示部が重複し、停止結果SD16では、通常外れ結果に対応する停止結果SD19と点灯表示部が重複しない構成としたが、停止結果SD15~SD17のすべてで停止結果SD19と点灯表示部が重複する構成としてもよい。また、停止結果SD15~SD17のうちの1つでのみ停止結果SD19と点灯表示部が重複する構成としてもよい。
【0856】
(45)上記第1の実施の形態の変形例1では、各時短遊技状態において図柄表示装置75に表示される背景画像の背景色が異なる構成としたが、これに代えて又は加えて、図柄表示装置75の表示画面G上に各時短遊技状態を報知又は示唆する特定画像が表示される構成としてもよい。例えば、
図75に示すように、複数の黒点画像871が表示画面Gの隅部に表示される構成とした上で、それら黒点画像871の表示位置が時短遊技状態によって異なる構成としてもよい。具体的には、突然時短遊技状態の表示位置(
図75(b1))を基準位置とした上で、通常時短遊技状態では基準位置から左側にずらした表示位置(
図75(b2))とし、天井時短遊技状態では基準位置から右側にずらした表示位置(
図75(b3))とする。この構成では、黒点画像871の表示位置によって時短遊技状態の種別が示唆されることになり、特殊外れ結果となった特図遊技回を境界として上記黒点画像871の表示位置が変化するか否かにより、滞在時短が継続されたのか、突然時短遊技状態への移行が行われたのかを遊技者が判別することができる。
【0857】
(46)上記第1の実施の形態の変形例2では、通常外れ結果に対応する停止結果の数を複数としたが、1個としてもよい。但し、通常外れ結果に対応する停止結果の数が増えるほど、当該停止結果を遊技者が覚えにくくなり、特殊外れ結果に対応する停止結果SD20との混同が生じやすくなる観点では、上記変形例2のように複数とするのが好ましい。この際、通常外れ結果に対応する停止結果の数は2個に限定されるものではなく、3個以上であってもよい。
【0858】
(47)上記第1の実施の形態の変形例2では、通常外れ結果に対応する停止結果SD18、SD21と、特殊外れ結果に対応する停止結果SD20とにおいて、点灯表示部の数が同じである構成としたが、例えば、停止結果SD18、SD21又はそれらのいずれかの点灯表示部の数を2個とし、停止結果SD20の点灯表示部の数が停止結果SD18、SD21又はそれらのいずれかよりも少ない構成としてもよい。
【0859】
(48)上記第1の実施の形態の変形例2では、突然時短遊技状態への移行が制限される場合の特殊外れ結果用の停止結果が1種類のみ設けられる構成としたが、複数種類設けられる構成としてもよい。この場合、これらの停止結果において点灯表示部の数が停止結果SD18、SD21の点灯表示部の数以下とされる。
【0860】
上記の際、突然時短遊技状態への移行が行われる場合の停止結果SD15~SD17のそれぞれに対応して上記移行が制限される場合の停止結果が所定個ずつ設定される構成でもよいし、停止結果SD15~SD17とは関係なく、上記移行が制限される場合の停止結果が複数存在するという構成でもよい。
【0861】
(49)上記第1の実施の形態の変形例2では、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に必ず停止結果SD20が選択される構成としたが、停止結果SD15~SD17よりも停止結果SD20が選択されやすい構成としてもよい。また、上記第1の実施の形態の変形例2では、突然時短遊技状態への移行が行われる場合に必ず停止結果SD15~SD17が選択される構成としたが、停止結果SD20よりも停止結果SD15~SD17が選択されやすい構成としてもよい。
【0862】
(50)上記第1の実施の形態の変形例2では、特殊外れ結果に対応する停止結果SD20の表示態様が通常外れ結果SD18、SD21の表示態様と異なる構成としたが、これらの表示態様が共通する構成としてもよい。例えば、停止結果SD20と停止結果SD18との両方において、表示用セグメントSG3が点灯され、それ以外の表示用セグメントが消灯される表示態様としてもよい。
【0863】
(51)上記第1の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
【0864】
なお、「特定判定の結果が特定結果となることに基づいて所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」、「特定判定の結果が所定の第1結果となることに基づいて所定特典を付与する」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
【0865】
(52)上記第1の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応した所定の遊技価値(クレジット等の仮想遊技媒体)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
【0866】
(53)上記第1の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
【0867】
(54)上記第1の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
【0868】
(55)上記第1の実施の形態や各変形例において、予め定められた契機により実行される所定抽選の結果に基づき、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード、又は高確率モード且つ低頻度サポートモード)と低確遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード、又は低確率モード且つ高頻度サポートモード)との一方から他方に移行する構成であってもよい。この場合、上記所定抽選の結果が第1所定結果である場合に上記各状態の一方から他方への移行が行われ、上記所定抽選の結果が第1所定結果とは異なる第2所定結果である場合に上記各状態の他方から一方への移行が行われてもよいし、上記所定抽選の結果が所定結果である場合に上記各状態の一方から他方への移行が行われ、上記所定抽選とは異なる特定抽選の結果が特定結果である場合に上記各状態の他方から一方への移行が行われてもよい。
【0869】
これらの場合において移行条件が成立しても上記各状態の一方から他方への移行が制限され得る構成としてもよい。この際、移行条件の成立に対応した停止結果が特図用表示部43に停止表示される構成にあっては、上記制限が行われる場合でも移行条件の成立に対応した停止結果が停止表示されてもよい。また、上記の各移行に際して開閉実行モードを経由する構成でもよいし、経由しない構成でもよい。
【0870】
(56)上記第1の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
【0871】
(57)上記第1の実施の形態や各変形例において特図当否抽選の結果に小当たり結果が含まれる構成としてもよい。この場合、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選と第2作動口63への入賞に基づく当否抽選との両方に小当たり結果が含まれてもよいし、いずれに一方に小当たり結果が含まれてもよい。なお、小当たり結果は、特典の付与(開閉実行モードへの移行)に対応した結果であるという点で当たり結果の1種であると解することもできるし、大当たり結果となった場合ほどの特典は得られないという点で外れ結果の1種であると解することもできる。
【0872】
(58)上記第1の実施の形態や各変形例では、変動パターンと遊技回用演出とが1対1の関係で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、演出制御装置143にて演出抽選用の乱数を取得し、1の変動パターンに対応付けられている複数の遊技回用演出の中から上記取得した乱数を用いて1の遊技回用演出が選択される構成とすることができる。
【0873】
(59)上記第1の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0874】
(60)上記第1の実施の形態や各変形例では、主制御装置162において当否判定が行われたことに基づいて特図用表示部43における1の遊技回が開始される構成としたが、主制御装置162において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置162では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動開始コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動開始コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。この際、変動開始コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置75において図柄列Z1~Z3の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとするとよい。
【0875】
(61)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【0876】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0877】
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【0878】
<第2の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において
図1~
図6を参照して説明した遊技盤60等の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
【0879】
<遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成>
遊技領域PAを流下した遊技球の排出に関する構成について
図76を参照しながら説明する。
【0880】
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のいずれかに入球した遊技球は、遊技盤60の背面側に導かれて遊技領域PAから排出される。換言すれば、遊技球発射機構から発射されて遊技領域PAに流入した遊技球は一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のいずれかに入球することにより遊技領域PAから排出されることとなる。
【0881】
遊技盤60の背面には、一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のそれぞれに対応させて排出通路部91~96が形成されている。排出通路部91~96に流入した遊技球はその流入した排出通路部91~96を流下することにより、遊技盤60の背面側において遊技盤60の下端部に導かれ図示しない排出球回収部にて回収される。そして、排出球回収部にて回収された遊技球は、遊技ホールにおいてパチンコ機10が設置された島設備の球循環装置に排出される。
【0882】
各排出通路部91~96には遊技球を検知するための各種検知センサ91a~96aが設けられている。これら排出通路部91~96及び検知センサ91a~96aについて以下に説明する。
【0883】
一般入賞口61は3個設けられているため、それら3個のそれぞれに対応させて排出通路部91,92が存在している。この場合、最も左の一般入賞口61に対応する第1排出通路部91には1個の検知センサ91aが設けられている。具体的には、第1排出通路部91の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1入賞口検知センサ91aが設けられており、最も左の一般入賞口61に入球した遊技球は第1排出通路部91を通過する途中で第1入賞口検知センサ91aにて検知される。
【0884】
また、右側2個の一般入賞口61に対しては途中位置で合流するように形成された第2排出通路部92が設けられている。当該第2排出通路部92は、2個の一般入賞口61のそれぞれに対応する入口側領域を有しているとともに、それら入口側領域が途中で合流することで1個の出口側領域を有している。第2排出通路部92における出口側領域の途中位置に検知範囲が存在するように第2入賞口検知センサ92aが設けられている。右側2個のいずれかの一般入賞口61に入球した遊技球は第2排出通路部92を通過する途中で第2入賞口検知センサ92aにて検知される。
【0885】
第1作動口62に対応させて第3排出通路部93が存在している。第3排出通路部93の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1作動口検知センサ93aが設けられており、第1作動口62に入球した遊技球は第3排出通路部93を通過する途中で第1作動口検知センサ93aにて検知される。第2作動口63に対応させて第4排出通路部94が存在している。第4排出通路部94の途中位置に検知範囲が存在するようにして第2作動口検知センサ94aが設けられており、第2作動口63に入球した遊技球は第4排出通路部94を通過する途中で第2作動口検知センサ94aにて検知される。
【0886】
可変入賞装置65に対応させて第5排出通路部95が存在している。第5排出通路部95の途中位置に検知範囲が存在するようにして大入賞口検知センサ95aが設けられており、可変入賞装置65に入球した遊技球は第5排出通路部95を通過する途中で大入賞口検知センサ95aにて検知される。アウト口68に対応させて第6排出通路部96が存在している。第6排出通路部96の途中位置に検知範囲が存在するようにしてアウト口検知センサ96aが設けられており、アウト口68に入球した遊技球は第6排出通路部96を通過する途中でアウト口検知センサ96aにて検知される。
【0887】
なお、各種検知センサ91a~96aのうちいずれか1個の検知センサ91a~96aにて検知対象となった遊技球は他の検知センサ91a~96aの検知対象となることはない。また、スルーゲート64に対してもゲート検知センサ97aが設けられており、遊技領域PAを流下する途中でスルーゲート64を通過する遊技球はゲート検知センサ97aにて検知される。
【0888】
各種検知センサ91a~97aとしては、いずれも電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。また、各種検知センサ91a~97aは後述する主制御装置162と電気的に接続されており、各種検知センサ91a~97aの検知結果は主制御装置162に出力される。具体的には、各種検知センサ91a~97aは、遊技球を検知していない状況ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状況ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなくHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
【0889】
<主制御装置162の構成>
次に主制御装置162の構成について
図77を参照しながら説明する。
図77は主制御装置162の正面図である。
【0890】
主制御装置162は、
図77に示すように、主制御基板311が基板ボックス163aに収容されてなる。主制御基板311の一方の板面である素子搭載面には、MPU312が搭載されている。基板ボックス163aは当該基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容されたMPU312を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス163aは無色透明に形成されているが、基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容されたMPU312を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【0891】
主制御装置162は基板ボックス163aにおいて主制御基板311の素子搭載面と対向する対向壁部163bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース50の背面に搭載されている。したがって、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース50の背面を露出させることにより、基板ボックス163aの対向壁部163bを目視することが可能となるとともに当該対向壁部163bを通じてMPU312を目視することが可能となる。
【0892】
基板ボックス163aは複数のケース体163cを前後に組合せることにより形成されているが、これら複数のケース体163cには、これらケース体163cの分離を阻止するとともにこれらケース体163cの分離に際してその痕跡を残すための結合部163eが設けられている。結合部163eは、略直方体形状の基板ボックス163aにおける一辺に複数並設されている。これにより、一部の結合部163eを利用してケース体163cの分離を阻止している状態において当該一部の結合部163eを破壊してケース体163cを分離したとしても、その後に別の結合部163eを結合状態とすることでケース体163cの分離を再度阻止することが可能となる。また、ケース体163cの分離に際して結合部163eが破壊されてその痕跡が残ることにより、結合部163eを目視確認することでケース体163cの分離が不正に行われているか否かを把握することが可能となる。
【0893】
また、基板ボックス163aにおいて結合部163eが並設された一辺とは逆の一辺にはケース体163c間の境界を跨ぐようにして封印シール163fが貼り付けられている。封印シール163fはその引き剥がしに際して粘着層がケース体163cに残る。これにより、ケース体163cの分離に際して封印シール163fが剥がされた場合にはその痕跡を残すことが可能となる。
【0894】
上記構成の主制御装置162において主制御基板311には、パチンコ機10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更する契機を生じさせるために遊技ホールの管理者が所有する設定キーが挿入されてON操作される設定キー挿入部166aと、設定キー挿入部166aに対するON操作後においてパチンコ機10の設定状態を順次変更させるために操作される更新ボタン166bと、主制御装置162のMPU312に設けられた主側RAM314(
図78)のデータをクリアするために操作されるリセットボタン166cと、遊技履歴の管理結果を報知するための第1~第5報知用表示装置169a~169eとが設けられている。また、主制御基板311に搭載されたMPU312には、遊技履歴の管理結果又は主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)を外部装置にて読み取るために当該外部装置の接続端子を接続するための読み取り用端子166dが設けられている。なお、パチンコ機10の設定状態は「設定1」~「設定6」の6段階に限定されることはなく複数段階であれば任意である。
【0895】
これら設定キー挿入部166a、更新ボタン166b、リセットボタン166c、読み取り用端子166d(すなわちMPU312)及び第1~第5報知用表示装置169a~169dはいずれも主制御基板311の素子搭載面に設けられている。また、主制御基板311の素子搭載面は既に説明したとおり基板ボックス163aの対向壁部163bと対向しているが、設定キー挿入部166a、更新ボタン166b、リセットボタン166c及び読み取り用端子166dは対向壁部163bにより覆われていない。つまり、対向壁部163bには設定キー挿入部166a、更新ボタン166b、リセットボタン166c及び読み取り用端子166dのそれぞれと対向する領域が個別の開口部とされている。これにより、基板ボックス163aの開放を要することなく、設定キー挿入部166aに設定キーを挿入することが可能であり、更新ボタン166bを押圧操作することが可能であり、リセットボタン166cを押圧操作することが可能であり、読み取り用端子166dに外部装置の接続端子を接続することが可能である。
【0896】
設定キー挿入部166aに設定キーを挿入して所定方向に回転操作することにより設定キー挿入部166aがON操作された状態となる。その状態で、リセットボタン166cを押圧操作しながらパチンコ機10への動作電力の供給を開始させることで(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させることで)、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態となる。そして、この状態において更新ボタン166bを1回押圧操作する度にパチンコ機10の設定状態が「設定1」~「設定6」の範囲において昇順で1段階ずつ変更される。なお、「設定6」の状態で更新ボタン166bが操作された場合には「設定1」に更新される。
【0897】
また、設定キー挿入部166aがON操作された状態で、リセットボタン166cを押圧操作せずにパチンコ機10への動作電力の供給を開始させることで、現在の設定状態を確認することが可能な確認可能状態となる。なお、詳細は後述するが、確認可能状態では、現在の設定状態が第1~第5報知用表示装置169a~169dに表示される。
【0898】
また、設定キー挿入部166aに挿入している設定キーをON操作の位置から所定方向とは反対方向に回転操作して初期位置に復帰させることにより設定キー挿入部166aがOFF操作された状態となる。設定キー挿入部166aがOFF操作された状態となることで、上記変更可能状態や確認可能状態が終了する。
【0899】
設定キー挿入部166aに対するON操作はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後に設定キー挿入部166aに対するON操作を行ったとしても設定値の変更や確認を行うことはできない。
【0900】
パチンコ機10の設定状態は当該パチンコ機10における単位時間当たりの有利度を定めるものであり、「設定n」(nは「1」~「6」の整数)のnが大きい値ほど(すなわち設定値が高いほど)有利度が高くなる。詳細は後述するが、大当たり結果の当選確率を決定する当否抽選モードとして相対的に当選確率が低くなる低確率モードと相対的に当選確率が高くなる高確率モードとが存在しており、設定値が高いほど低確率モード及び高確率モードにおける大当たり結果の当選確率が高くなるように設定されている。
【0901】
リセットボタン166cは上記のとおり主側RAM314のデータをクリアするために操作されるが、当該データのクリアを発生させるためにはリセットボタン166cを押圧操作した状態でパチンコ機10への動作電力の供給を開始させる必要がある(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させる必要がある)。リセットボタン166cに対するON操作はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後にリセットボタン166cを押圧操作したとしても主側RAM314のデータをクリアすることはできない。
【0902】
読み取り用端子166dは既に説明したとおり遊技履歴の管理結果又は主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)を外部装置にて読み取るために当該外部装置の接続端子が接続されるが、外部装置への外部出力を行うためには読み取り用端子166dに外部装置の接続端子を接続した状態でパチンコ機10への動作電力の供給を開始させる必要がある(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させる必要がある)。読み取り用端子166dに対する外部装置の接続はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後に読み取り用端子166dに外部装置を接続したとしても当該外部装置への外部出力は行われない。
【0903】
第1~第5報知用表示装置169a~169eはいずれも、LEDによる表示用セグメントが7個配列されたセグメント表示器であるが、これに限定されることはなく多色発光タイプの単一の発光体であってもよく、液晶表示装置であってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。第1~第5報知用表示装置169a~169eはいずれもその表示面が主制御基板311の素子搭載面が向く方向を向くようにして設置されているとともに、基板ボックス163aの対向壁部163bにより覆われている。
【0904】
この場合に、基板ボックス163aが透明に形成されていることにより、基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容された第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面を目視することが可能となる。また、既に説明したとおり主制御装置162は基板ボックス163aにおいて主制御基板311の素子搭載面と対向する対向壁部163bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース50の背面に搭載されているため、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース50の背面をパチンコ機10前方に露出させた場合には、対向壁部163bを通じて第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面を目視することが可能となる。
【0905】
第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面においては「0」~「9」の数字だけではなく、アルファベット文字を含めた各種文字が表示可能となっている。第1~第5報知用表示装置169a~169eを利用して後述するベース値等が表示されるが、その表示態様については後の詳細に説明する。
【0906】
また、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態や現在の設定状態を確認することが可能な確認可能状態においては、設定値に対応する値が第4報知用表示装置169dにて表示される。なお、当該設定値に対応する値が第1~第3報知用表示装置169a~169c、第5報知用表示装置169eのいずれかにて表示される構成としてもよい。また、変更可能状態となる前における設定値が第1~第5報知用表示装置169a~169eのうちの一の報知用表示装置にて表示されるとともに現状の設定値が第1~第5報知用表示装置169a~169eのうちの他の一の報知用表示装置にて表示される構成としてもよい。
【0907】
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図78のブロック図に基づいて説明する。
【0908】
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る主制御基板311を具備しており、主制御基板311にはMPU312が搭載されている。MPU312には、主側ROM313及び主側RAM314のほか、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【0909】
主側ROM313は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。主側ROM313は、MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【0910】
主側RAM314は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM314は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM313よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM314は、主側ROM313内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【0911】
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。また、MPU312の入力側には、各入球検知センサ91a~97aといった各種センサが接続されている。各入球検知センサ91a~97aには、既に説明したとおり、第1入賞口検知センサ91a、第2入賞口検知センサ92a、第1作動口検知センサ93a、第2作動口検知センサ94a、大入賞口検知センサ95a、アウト口検知センサ96a及びゲート検知センサ97aが含まれる。これら入球検知センサ91a~97aの検知結果に基づいて、MPU312にて各入球部への入球判定が行われる。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
【0912】
また、MPU312の入力側には、主制御基板311に設けられた設定キー挿入部166a、更新ボタン166b及びリセットボタン166cが設けられている。設定キー挿入部166aには図示しないセンサが設けられており、当該センサにより当該設定キー挿入部166aがON操作の位置及びOFF操作の位置のいずれに配置されているのかが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいて設定キー挿入部166aがON操作の位置及びOFF操作の位置のいずれに配置されているのかを特定する。更新ボタン166bには図示しないセンサが設けられており、当該センサにより更新ボタン166bが押圧操作されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいて更新ボタン166bが押圧操作されているか否かを特定する。リセットボタン166cには図示しないセンサが設けられており、当該センサによりリセットボタン166cが押圧操作されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいてリセットボタン166cが押圧操作されているか否かを特定する。
【0913】
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入球部のうち入球の発生が遊技球(賞球)の払い出しに対応する賞球対応入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球コマンドが出力される。演出制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
【0914】
MPU312の出力側には、可変入賞装置65の開閉扉65bを開閉動作させる特電用の駆動部65d、第2作動口63の普電役物63aを開閉動作させる普電用の駆動部63b、特図用表示部43及び普図用表示部44が接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
【0915】
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置65が開閉されるように、MPU312において特電用の駆動部65dの駆動制御が実行される。また、普電役物63aの開放状態当選となった場合には、普電役物63aが開閉されるように、MPU312において普電用の駆動部63bの駆動制御が実行される。
【0916】
また、各遊技回に際しては、MPU312において特図用表示部43の表示制御が実行される。また、普電役物63aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU312において普図用表示部44の表示制御が実行される。また、第1作動口62若しくは第2作動口63への入賞が発生した場合、又は特図用表示部43において変動表示が開始される場合に、MPU312において特図保留数表示部AMの表示制御が実行され、スルーゲート64への入賞が発生した場合、又は普図用表示部44において変動表示が開始される場合に、MPU312において普図保留数表示部FMの表示制御が実行される。
【0917】
MPU312の出力側には、外部出力端子213が接続されている。この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報等が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
【0918】
MPU312の出力側には、第1~第4報知用表示装置169a~169dが接続されている。これら第1~第4報知用表示装置169a~169dを通じて遊技履歴の管理結果や設定値の情報が報知される。
【0919】
MPU312には読み取り用端子166dが設けられている。読み取り用端子166dには図示しないセンサが設けられており、当該センサにより読み取り用端子166dに外部装置の接続端子が接続されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいて読み取り用端子166dに外部装置の接続端子が接続されているか否かを特定する。また、読み取り用端子166dに外部装置が接続されている場合、MPU312における遊技履歴の管理結果や主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)が当該外部装置に外部出力される。
【0920】
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
【0921】
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。ちなみに、電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がOFF状態の場合には当該電断時用電源部から主制御装置162のRAM314にバックアップ電力(記憶保持用の電力)が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、払出機構部202には電源スイッチが設けられており、電源スイッチがON操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が開始され、電源スイッチがOFF操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が停止される。
【0922】
払出制御装置181は、主制御装置162から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。
【0923】
演出制御装置143は、主制御装置162から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【0924】
ここで、図柄表示装置75の表示内容について
図79~
図81に基づいて説明する。
【0925】
図79(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【0926】
図79(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図80(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【0927】
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常4R大当たり結果又は10R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【0928】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、10R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大4R当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【0929】
ここで、各図柄列の変動表示について
図81を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、
図81(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。そして、
図81(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。そして、
図81(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
【0930】
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
【0931】
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(
図79)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
【0932】
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
【0933】
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、絵柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた絵柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(絵柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での絵柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
【0934】
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
【0935】
図80(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaと、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbとが設定されている。
【0936】
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【0937】
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【0938】
また、第2保留表示領域Gbでは、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
【0939】
例えば、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【0940】
また、第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとに挟まれるようにして実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1又は第2保留表示領域Gbの第1単位保留表示領域Gb1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
【0941】
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図82を用いて説明する。
【0942】
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図82に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43及び図柄表示装置75における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、主側RAM314の各種カウンタエリア314bに設けられている。
【0943】
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、主側RAM314に取得情報記憶手段として設けられた保留格納エリア314aに格納される。
【0944】
保留格納エリア314aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1~RE4に格納される。
【0945】
この場合、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4には、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1~RE4が設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【0946】
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0947】
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【0948】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【0949】
まず、普電役物開放カウンタC4について説明する。普電役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の普電保留エリア314cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物63aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
【0950】
本パチンコ機10では、普電役物63aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63の普電役物63aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
【0951】
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物63aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物63aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図用表示部44における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
【0952】
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0953】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート64への入賞に基づき普図用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0954】
ここで、既に説明したとおりパチンコ機10には「設定1」~「設定6」の設定状態が存在しているが、低頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放頻度及び開放態様はいずれの設定値であっても同一であるとともに、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放頻度及び開放態様もいずれの設定値であっても同一となっている。但し、これに限定されることはなく、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードの少なくとも一方について普電役物63aの開放頻度及び開放態様の少なくとも一方がパチンコ機10の設定状態に応じて変動する構成としてもよい。例えば設定値が高いほど、低頻度サポートモードにおいて普電役物63aの開放頻度が高くなる構成としてもよく、低頻度サポートモードにおいて普電役物63aが1回開放状態となる場合における第2作動口63への遊技球の入球確率が高くなる構成としてもよい。また、設定値が高いほど、高頻度サポートモードにおいて普電役物63aの開放頻度が高くなる構成としてもよく、高頻度サポートモードにおいて普電役物63aが1回開放状態となる場合における第2作動口63への遊技球の入球確率が高くなる構成としてもよい。
【0955】
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングで主側RAM314の保留格納エリア314aに格納される。
【0956】
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM313に当否テーブルとして記憶されている。
図83は主側ROM313に記憶されている各種テーブルを説明するための説明図である。主側ROM313には、設定1用エリア411と、設定2用エリア412と、設定3用エリア413と、設定4用エリア414と、設定5用エリア415と、設定6用エリア416とが設けられている。
【0957】
設定1用エリア411には、パチンコ機10の設定状態が「設定1」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定1用の低確当否テーブル411aと、パチンコ機10の設定状態が「設定1」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定1用の高確当否テーブル411bと、が記憶されている。設定2用エリア412には、パチンコ機10の設定状態が「設定2」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定2用の低確当否テーブル412aと、パチンコ機10の設定状態が「設定2」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定2用の高確当否テーブル412bと、が記憶されている。設定3用エリア413には、パチンコ機10の設定状態が「設定3」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定3用の低確当否テーブル413aと、パチンコ機10の設定状態が「設定3」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定3用の高確当否テーブル413bと、が記憶されている。
【0958】
設定4用エリア414には、パチンコ機10の設定状態が「設定4」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定4用の低確当否テーブル414aと、パチンコ機10の設定状態が「設定4」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定4用の高確当否テーブル414bと、が記憶されている。設定5用エリア415には、パチンコ機10の設定状態が「設定5」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定5用の低確当否テーブル415aと、パチンコ機10の設定状態が「設定5」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定5用の高確当否テーブル415bと、が記憶されている。設定6用エリア416には、パチンコ機10の設定状態が「設定6」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定6用の低確当否テーブル416aと、パチンコ機10の設定状態が「設定6」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定6用の高確当否テーブル416bと、が記憶されている。
【0959】
低確当否テーブル411a~416aのそれぞれに設定されている大当たり結果の当選確率は相互に異なっている。例えば、設定1用の低確当否テーブル411a~設定6用の低確当否テーブル416aの各テーブルが参照された場合の大当たり当選確率はそれぞれ約1/320、約1/310、約1/300、約1/290、約1/280、約1/270となっている。
【0960】
また、高確当否テーブル411b~416bのそれぞれに設定されている大当たり結果の当選確率についても相互に異なっている。例えば、設定1用の高確当否テーブル411b~設定6用の高確当否テーブル416bの各テーブルが参照された場合の大当たり当選確率はそれぞれ約1/45、約1/40、約1/35、約1/30、約1/25、約1/20となっている。
【0961】
つまり、低確率モードにおける大当たり結果の当選確率だけでなく、高確率モードにおける大当たり結果の当選確率も含めて、パチンコ機10の設定状態が高い設定値であるほど高くなっている。よって、低確率モード及び高確率モードの双方において設定値が高いほど大当たりが発生しやすく、高い設定値が設定されていることに対する遊技者の有利度が好適に高められている。
【0962】
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングで保留格納エリア314aに格納される。
【0963】
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置65の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
【0964】
開閉実行モードにおける可変入賞装置65の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置65への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
【0965】
ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置65に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
【0966】
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置65の1回の開放態様が、可変入賞装置65が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29秒に設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06秒に設定された短時間態様と、が設定されている。
【0967】
本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置65に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置65への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
【0968】
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による可変入賞装置65の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による可変入賞装置65の開放が1回行われる。
【0969】
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置65の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置65への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
【0970】
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の振分先は、
図82に示すように主側ROM313に振分テーブル387として記憶されている。そして、振分テーブル387においては大当たり結果となった場合における大当たり結果の振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、高入賞大当たり結果とが設定されている。
【0971】
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
【0972】
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
【0973】
高入賞大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
【0974】
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。また、低入賞高確大当たり結果における開閉実行モードでは、ラウンド遊技の回数が低確大当たり結果及び高入賞大当たり結果の場合よりも少ない回数である構成としてもよい。
【0975】
振分テーブル387では、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~9」が低確大当たり結果に対応しており、「10~14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15~29」が高入賞大当たり結果に対応している。
【0976】
振分テーブル387は、「設定1」~「設定6」のいずれの設定状態であっても共通となるように1種類のみ設けられている。これにより、大当たり結果の振分態様についてパチンコ機10の設定状態による有利又は不利が生じないようにすることが可能となるとともに、振分テーブル387を主側ROM313にて予め記憶するための記憶容量を抑えることが可能となる。
【0977】
なお、パチンコ機10の設定状態に応じて大当たり結果の振分態様が相違する構成としてもよい。例えば、高い設定値ほど高入賞大当たり結果に振り分けられる確率を高くする構成としてもよく、高い設定値ほど高入賞大当たり結果又は低入賞高確大当たり結果に振り分けられる確率を高くする構成としてもよい。この場合、高い設定値ほど大当たり結果となった後に高確率モードとなる確率を高くすることが可能となる。また、高い設定値ほど低入賞高確大当たり結果に振り分けられる確率を低くする構成としてもよく、高い設定値では低入賞高確大当たり結果に振り分けられないのに対して低い設定値では低入賞高確大当たり結果に振り分けられ得る構成としてもよい。この場合、高い設定値ほど高頻度入賞モードの開閉実行モードが発生する確率を高くすることが可能となる。
【0978】
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。本パチンコ機10には、図柄表示装置75における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
【0979】
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【0980】
リーチ表示には、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1~Z3のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【0981】
予告表示には、図柄表示装置75の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【0982】
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM313に記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
【0983】
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置162において行うのではなく、演出制御装置143において行われる。この場合、演出制御装置143は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置75にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
【0984】
ここで、外れ結果となる遊技回においてリーチ表示の発生となる確率は「設定1」~「設定6」のいずれの設定状態であっても同一である。これにより、外れ結果となる遊技回においてリーチ表示が発生する確率に関してパチンコ機10の設定状態による有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、高い設定値ほど外れ結果となる遊技回においてリーチ表示が発生する確率が高くなる構成としてもよい。
【0985】
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43における表示継続時間と、図柄表示装置75における図柄の表示継続時間とをMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述するタイマ割込み処理が1回実行される毎に1回更新され、次回のタイマ割込み処理が実行されるまでの残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図用表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【0986】
ここで、本実施の形態に係るパチンコ機10では、ベース値に関する処理が実行される。当該処理でいうところのベース値は、全ての遊技状態を対象としたものではなく、大当たり結果による開閉実行モード中の期間と高頻度サポートモード中の期間とを除く期間を対象として、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(すなわち遊技領域PAに供給された遊技球の合計個数)に対する遊技球の合計払出個数の割合を導出したものであり、言い換えれば、通常時(左打ち遊技時)のベース値である。
【0987】
ベース値に関する処理では、主制御装置162のMPU312にて上記ベース値を算出して計測する。その際、総アウト個数(遊技領域PAからの遊技球の総排出個数)が所定個数(例えば60000個)に到達するまでの期間を単位として計測区間を定め、最新の計測区間における現状ベース値と、過去の計測期間におけるベース値とを第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示する。
【0988】
図84(a)に示すように、ベース値の表示に際しては、第1~第5報知用表示装置169a~169eのうち第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bを識別用表示部として使用し、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dを比率(ベース値)用表示部として使用する。識別用表示部は、比率用表示部に表示されるベース値がリアルタイムでのベース値なのか、過去分のベース値なのかを示すものとして用いる。なお、ベース値の表示に際して第5報知用表示装置169eは使用しない。
【0989】
図84(b)は、第1~第4報知用表示装置169a~169dにおけるベース値の表示態様を説明するための説明図である。第1~第4報知用表示装置169a~169dには、最新の計測区間におけるリアルタイムでのベース値である現状ベース値と、前回の計測区間におけるベース値である前回ベース値(前回の計測区間で総アウト個数が60000個に到達したときに計測されたベース値)と、前々回の計測区間におけるベース値である前々回ベース値と、前々々回の計測区間におけるベース値である前々々回ベース値とが、所定期間(例えば5sec)ごとに切り換えて表示される。
【0990】
その際、現状ベース値を表示するにあたっては、識別用表示部(第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169b)に「bL.」を表示し、比率用表示部(第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169d)に現状ベース値を2桁で表示する。また、前回ベース値を表示する場合、前々回ベース値を表示する場合、前々々回ベース値を表示する場合は、識別用表示部に「b1.」、「b2.」、「b3.」をそれぞれ表示し、比率用表示部に各計測期間のベース値(過去分のベース値)を表示する。このように識別用表示部とセットでベース値を表示することで、遊技ホール管理者等がベース値を確認する場合に、どの時点でのベース値であるのかを適切に把握することができる。
【0991】
このように、ベース値の表示は、現状ベース値の表示だけでなく、過去複数回分のベース値の表示も併せて行われる。一般的に遊技ホールでは、1台のパチンコ機10に対して1日約10000~20000個の遊技球が発射されて遊技が行われるため、総アウト個数が60000個ごとのベース値は、3~6日程度の数日間にわたるベース値に対応したものとなる。このような過去のベース値と比較して現状ベース値を確認できることで、現状ベースの適否を好適に判断することが可能となる。よって、例えば、第1作動口62や一般入賞口61への入賞率を高める不正行為が行われた場合に、その不正行為があった可能性を発見することができる。
【0992】
その際、例えば、過去分として前回ベース値のみを表示する構成の場合は、たまたまその際のベース値が低くなっていたりすることがあると、それを現状ベース値と比較しても不正行為の有無を判断しにくくなるおそれがある。この点、前々回ベース値及び前々々回ベース値も表示されることで、複数回分の過去ベース値との比較を行うことができ、不正行為の有無を判断しやすくすることが可能になる。
【0993】
なお、上記構成では、過去3回分の計測区間についてベース値を表示するが、2回分のベース値を表示してもよいし、4回以上分のベース値を表示してもよい。すなわち、複数回分の計測区間における過去ベース値を表示するにあたって、表示対象とする計測区間の回数は任意に定めることができる。
【0994】
また、本実施の形態では、上記のベース値に関する処理に加えて差球数に関する処理が実行される。当該処理でいうところの差球数は、遊技状態を問わず、遊技球の合計払出個数から総アウト個数(遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数)を差し引いたものであり、言い換えれば、遊技期間中における通算の差球数である。差球数に関する処理では、主制御装置162のMPU312にて上記差球数を算出して計測し、その計測値が特定個数(例えば100000個)以上となった場合に遊技進行を制限するための処理を実行する。また、都度の差球数を第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示する。これらの処理については、後に詳細に説明する。
【0995】
上記のように、本実施の形態では、遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理とともに、ベース値に関する処理と差球数に関する処理とが行われるが、主制御装置162のMPU312ではこれらの処理が特定制御と非特定制御とに区別して実行される。具体的には、ベース値に関する処理と差球数に関する処理の一部とが非特定制御とされ、遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理と、差球数に関する処理の他の一部とを含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされる。
【0996】
図85は、主側ROM313におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。MPU312にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、
図85に示すように、主側ROM313においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。
【0997】
具体的には、アドレスX(1)~X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)~X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)~X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)~X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。
【0998】
また、アドレスX(k+6)~X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)~X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)~X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)~X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)~X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)~X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。
【0999】
なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM313における物理アドレス及びMPU312において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【1000】
上記のように特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、例えば特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよく、例えば非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよい。よって、プログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、それに伴ってプログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別して修正する場合の作業を効率的に行うことが可能となる。
【1001】
特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲と、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、特定制御用のアドレス範囲と非特定制御用のアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【1002】
特定制御用のアドレス範囲及び非特定制御用のアドレス範囲のそれぞれにおいて、プログラムとデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、プログラムとデータとで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、プログラムが記憶されたエリアのアドレス範囲と、データが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、プログラムのアドレス範囲とデータのアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【1003】
図86は、主側RAM314における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。MPU312にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、
図86に示すように、主側RAM314においても特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392のアドレス範囲と、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394のアドレス範囲とが明確に区別されている。
【1004】
具体的には、アドレスY(1)~Y(r+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア391として設定されている。また、アドレスY(1)~Y(r+2)に連続するアドレスY(r+3)~Y(r+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+6)~Y(s+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア392として設定されている。
【1005】
また、アドレスY(r+6)~Y(s+2)に連続するアドレスY(s+3)~Y(s+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+6)~Y(t+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア393として設定されている。また、アドレスY(s+6)~Y(t+2)に連続するアドレスY(t+3)~Y(t+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+6)~Y(u+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア394として設定されている。
【1006】
なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM314における物理アドレス及びMPU312において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【1007】
上記のように特定制御用のワークエリア391と、非特定制御用のワークエリア393とが区別して設定されていることにより、MPU312において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、各種演算などを実行する場合において主側RAM314の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行する場合に他方において必要な主側RAM314の情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各ワークエリア391,393への情報の書き込み及び各ワークエリア391,393からの情報の読み出しに際してはMPU312にてロード命令が行われる。
【1008】
特定制御用のスタックエリア392と、非特定制御用のスタックエリア394とが区別して設定されていることにより、MPU312において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、MPU312のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合において主側RAM314の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行している状況においてMPU312のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合に、他方において使用される情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各スタックエリア392,394への情報の書き込みに際してはMPU312にてプッシュ命令が行われ、各スタックエリア392,394からの情報の読み出しに際してはMPU312にてポップ命令が行われる。また、各スタックエリア392,394からの情報の読み出しに際しては当該スタックエリア392,394への書き込み順序が後の情報から先に読み出し対象となる。
【1009】
ここで、MPU312において特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392への情報の書き込みが可能であるとともに、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392からの情報の読み出しが可能である。一方、MPU312において特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394からの情報の読み出しは可能であるものの、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394への情報の書き込みは不可である。これにより、特定制御に対応する処理が実行されている状況において、非特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
【1010】
また、MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394への情報の書き込みが可能であるとともに、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394からの情報の読み出しが可能である。一方、MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392からの情報の読み出しは可能であるものの、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392への情報の書き込みは不可である。これにより、非特定制御に対応する処理が実行されている状況において、特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
【1011】
なお、主側RAM314にはパチンコ機10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されることとなるが、当該バックアップ電力は特定制御用のワークエリア391、特定制御用のスタックエリア392、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394の全てに供給される。これにより、これら特定制御用のワークエリア391、特定制御用のスタックエリア392、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394に記憶された情報は、パチンコ機10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されている間は記憶保持される。
【1012】
<MPU312の処理構成について>
次に、主制御装置162のMPU312にて実行される各制御処理を説明する。かかるMPU312の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(例えば4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
【1013】
<メイン処理>
先ず、
図87のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。当該メイン処理は、タイマ割込み処理が禁止された状況下で開始される。なお、メイン処理は、基本的に特定制御用のプログラムにより実行されるが、一部の処理(ステップSf115)については非特制御用のプラグラムにより実行される。
【1014】
先ずステップSf101では、電源投入初期設定処理を実行する。電源投入初期設定処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。このウェイト用の所定期間において図柄表示装置75の動作開始及び初期設定が完了することとなる。また、主側RAM314のアクセスを許可する。
【1015】
ステップSf102では、内部機能レジスタ設定処理を実行する。内部機能レジスタ設定処理では、当該メイン処理に対して定期的に割り込んで起動される処理であるタイマ割込み処理(
図90)の割込み周期を所定周期(例えば4msec)に設定する。また、内部機能レジスタ設定処理では、タイマ割込み処理の割込み周期の設定以外にも例えば当たり乱数カウンタC1の数値範囲といった各種カウンタの数値範囲の設定処理などを実行する。
【1016】
ステップSf103では、リセットボタン166cが押圧操作されているか否かを判定する。つまり、リセットボタン166cが押圧操作されている状態でパチンコ機10の電源ON操作が行われてMPU312への動作電力の供給が開始されたか否かを判定する。
【1017】
リセットボタン166cが押圧操作されている場合は、ステップSf104に進み、特定制御用のエリアについて第1初期化処理を実行する。第1初期化処理では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391においてパチンコ機10の設定状態を示す設定値の情報が設定されたエリア(設定値カウンタ)を除き、当該特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。
【1018】
なお、第1初期化処理では、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394を「0」クリアしない。これにより、遊技ホールの従業員等によるクリア操作によっては非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394が「0」クリアされないようにすることが可能となる。
【1019】
ステップSf105では、設定キーを利用して設定キー挿入部166aがON操作されているか否かを判定する。設定キー挿入部166aがON操作されている場合は、ステップSf106に進み、設定値更新処理を実行する。
【1020】
ここで、ステップSf106の設定値更新処理について
図88のフローチャートを参照しながら説明する。なお、設定値更新処理におけるステップSf201~ステップSf207の処理は特定制御用のプログラムにより実行される。
【1021】
設定値更新処理では先ずステップSf201にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定更新表示フラグに「1」をセットする。設定更新表示フラグは、パチンコ機10の設定値を更新している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。
【1022】
ステップSf202では、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定値カウンタの値が「設定1」に対応する1以上であって「設定6」に対応する6以下であるか否かを判定する。設定値カウンタの値が「0」である場合又は7以上である場合は、ステップSf203に進み、設定値カウンタに「1」をセットする。これにより、パチンコ機10の設定値が「設定1」となる。
【1023】
ステップSf203の実行後又はステップSf202で肯定判定した場合(設定値が設定1~設定6の範囲内である場合)は、ステップSf204にて、設定キーを利用して設定キー挿入部166aがOFF操作されているか否かを判定する。この場合、設定キー挿入部166aがON状態からOFF状態に切り換わったか否かを判定する構成としてもよく、設定キー挿入部166aがOFF状態であるか否かを判定する構成としてもよい。
【1024】
設定キー挿入部166aがOFF操作されていない場合は、ステップSf205にて更新ボタン166bが押圧操作されているか否かを判定する。更新ボタン166bが押圧操作されている場合はステップSf206に進み、特定制御用のワークエリア391における設定値カウンタの値を1加算する。これにより、1段階上の設定値に更新される。
【1025】
ステップSf206の実行後又はステップSf205で否定判定した場合(更新ボタン166bが押圧操作されていない場合)は、ステップSf202の処理に戻る。以後、ステップSf204で肯定判定するまでステップSf202~ステップSf206の処理を繰り返す。なお、ステップSf202にて設定値カウンタの値が7以上であると判定されると、ステップSf203にて設定値カウンタに「1」がセットされる。これにより、「設定6」の状況で更新ボタン166bが1回押圧操作された場合には「設定1」に戻ることになる。
【1026】
ステップSf204で肯定判定した場合(設定キー挿入部166aがOFF操作されている場合)は、ステップSf207に進み、特定制御用のワークエリア391における設定更新表示フラグを「0」クリアする。ステップSf207の実行後は設定値更新処理を終了する。
【1027】
メイン処理(
図87)の説明に戻り、ステップSf103で否定判定した場合(リセットボタン166cが押圧操作されていない場合)は、ステップSf107に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停電フラグは、後述するタイマ割込み処理(
図90)の停電情報記憶処理(ステップSf401)にて停電時処理が実行された場合に「1」がセットされるものであり、前回の電源遮断時において停電時処理が適切に行われたか否かをMPU312にて特定するためのフラグである。
【1028】
停電フラグに「1」がセットされている場合は、ステップSf108にて、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出する。続くステップSf109では、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
【1029】
ステップSf107又はステップSf109のいずれかで否定判定した場合は動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行し(ステップSf110)、その後、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、ステップSf104の初期化処理が実行されることにより解除される。
【1030】
ステップSf109で肯定判定した場合(チェックサムが正常である場合)は、ステップSf111にて、設定キー挿入部166aがON操作されているか否かを判定する。設定キー挿入部166aがON操作されている場合は、ステップSf112に進み、設定確認用処理を実行する。
【1031】
ここで、ステップSf112の設定確認用処理について
図89のフローチャートを参照しながら説明する。なお、設定確認用処理におけるステップSf301~ステップSf303の処理は特定制御用のプログラムにより実行される。
【1032】
設定確認用処理では先ずステップSf301にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定確認表示フラグに「1」をセットする。設定確認表示フラグは、パチンコ機10の現状の設定値を確認している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。現在の設定値は第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示される。なお、当該表示のための処理については後述する。
【1033】
ステップSf302では、設定キー挿入部166aがOFF操作されているか否かを判定する。この場合、設定キー挿入部166aがON状態からOFF状態に切り換わったか否かを判定する構成としてもよく、設定キー挿入部166aがOFF状態であるか否かを判定する構成としてもよい。設定キー挿入部166aがOFF操作されていない場は、そのままステップSf302の処理を繰り返す。
【1034】
設定キー挿入部166aがOFF操作されている場合は、特定制御用のワークエリア391における設定確認表示フラグを「0」クリアし、その後、設定確認用処理を終了する。これにより、設定値の確認状態(第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける設定値の表示状態)が解除される。
【1035】
メイン処理(
図87)の説明に戻り、ステップSf112の設定確認用処理の実行後、ステップSf106の設定値更新処理の実行後、ステップSf111で否定判定した場合(リセットボタン166cが押圧操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われた状況で設定キー挿入部166aがON操作されていない場合)又はステップSf105で否定判定した場合(リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われた状況で設定キー挿入部166aがON操作されていない場合)は、ステップSf113にて電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM314の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態に対応したコマンドを演出制御装置143に送信する。また、電源投入設定処理では、遊技停止中であるか否かを判定し、遊技停止中である場合はこれを解除する。すなわち、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされている場合は「0」にクリアして初期化する。
【1036】
ステップSf114では超過時立上げ用処理を実行し、続くステップSf115では部分クリア用処理を実行する。これらの処理は、差球数を利用した遊技制限に関するものであるが、その詳細については後述する。
【1037】
ステップSf116では、第1~第5報知用表示装置169a~169eの動作確認処理を実行する。この動作確認処理では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける全てのセグメントを点灯させ、その状態を所定期間(例えば5sec)に亘って継続する。第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて断線等の故障により点灯されないセグメントがあったりすると、ベース値等が正しく表示されなくなり、不正行為の判断等にあたって支障を来たすおそれがある。この点、動作確認処理が実行されることで、パチンコ機10の電源ON操作の都度、第1~第5報知用表示装置169a~169eが正常に点灯するかを確認することができ、ベース値等が正しく表示されない状態で遊技が進行することが抑制される。
【1038】
ステップSf117では、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行う。その後、ステップSf118~ステップSf121の残余処理に進む。つまり、MPU312はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップSf118~ステップSf121の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップSf118~ステップSf121の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
【1039】
残余処理では、まずステップSf118にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSf119では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップSf120にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、特定制御用のワークエリア391の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値を超えた際にそれぞれ「0」にクリアする。その後、ステップSf121にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップSf121の処理を実行した場合、ステップSf118に戻り、ステップSf118~ステップSf121の処理を繰り返す。
【1040】
<タイマ割込み処理>
次に、
図90のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。なお、タイマ割込み処理に対応するプログラムは特定制御用のプログラムに設定されている。
【1041】
先ずステップSf401では停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視部315から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行した後に無限ループとなる。停電時処理では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットするとともに、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出し、その算出したチェックサムを保存する。
【1042】
ステップSf402では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値を超えた際にそれぞれ「0」にクリアする。その後、ステップSf403ではステップSf119と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップSf404にてステップSf120と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
【1043】
ステップSf405では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。パチンコ機10には、振動検知センサや磁石検知センサ、電波検知センサ等の異常検知センサが搭載されており、不正検知処理では、これらの検知センサの出力に基づいて各種異常の有無を判定する。
【1044】
ステップSf406では、第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示制御を行うための報知用表示処理を実行する。続くステップSf407では、遊技停止状態とするか否かの判定を行ったりする遊技停止判定用処理を実行する。これらの詳細については後述する。
【1045】
ステップSf408では、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。遊技の進行を停止している状態でない場合は、ステップSf409に進み、ポート出力処理を実行する。
【1046】
ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部63b,65dに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置65を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部65dへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口63の普電役物63aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部63bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
【1047】
ステップSf410では読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
【1048】
ステップSf411では入球検知処理を実行する。当該入球検知処理では、各入球検知センサ91a~97aから受信している信号を読み込み、その読み込み結果に基づいて、アウト口68、一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びスルーゲート64への入球の有無を特定する。なお、入球検知処理の詳細については後に説明する。
【1049】
ステップSf412では、主側RAM314に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
【1050】
ステップSf413では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。遊技球発射ハンドル41への発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6秒に1個の遊技球が発射される。続くステップSf414では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。特図特電制御処理については後に詳細に説明する。
【1051】
ステップSf415では普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート64への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口63の普電役物63aを開閉させる処理を実行する。この場合、サポートモードが低頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行され、サポートモードが高頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行される。また、開閉実行モードである場合にはその直前のサポートモードが高頻度サポートモードであったとしても低頻度サポートモードとなる。
【1052】
ステップSf416では、直前のステップSf414及びステップSf415の処理結果に基づいて、特図用表示部43に係る保留情報の増減個数を特図保留数表示部AMに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図用表示部44に係る保留情報の増減個数を普図保留数表示部FMに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップSf416では、直前のステップSf414及びステップSf415の処理結果に基づいて、特図用表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
【1053】
ステップSf417では、払出制御装置181から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。続くステップSf418では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。また、ステップSf419では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
【1054】
ステップSf420では、ベース値や差球数を算出したりするためのベース値及び差球数処理を実行する。ベース値及び差球数処理の詳細については後に説明する。また、ステップSf408で肯定判定した場合(遊技停止中である場合)は、ステップSf421にて超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。超過フラグが「1」にセットされている場合は、ステップSf409からステップSf416までの各種処理を実行することなくステップSf417の払出状態受信処理を実行し、超過フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSf409からステップSf419までの各種処理を実行することなくステップSf420のベース値及び差球数処理を実行する。このように超過フラグの値により遊技停止中に不実行とされる処理を相違させるように制御するが、超過フラグについての詳細について後述する。
【1055】
<特図特電制御処理>
ステップSf414の特図特電制御処理について
図91のフローチャートを参照しながら説明する。
【1056】
特図特電制御処理では先ずステップSf501にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア314aにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップSf402にて更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1~RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
【1057】
なお、第1作動口62及び第2作動口63への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。また、保留情報の新たな取得が行われた場合にはそれに対応する取得時コマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143は当該コマンドを受信した場合、図柄表示装置75における保留情報の個数を示す画像の表示を保留情報の増加に対応する表示内容に更新させる。
【1058】
ステップSf502では、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップSf503では、主側ROM313に設けられた特図特電アドレステーブルを読み出す。続くステップSf504では、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得し、ステップSf505では、ステップSf506~ステップSf512の処理のうちその取得した開始アドレスが示す処理にジャンプする。特図特電カウンタは、ステップSf506~ステップSf512の各種処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU312にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、ステップSf506~ステップSf512の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
【1059】
ステップSf506では特図変動開始処理を実行する。特図変動開始処理について
図92のフローチャートを参照しながら説明する。
【1060】
特図変動開始処理では先ずステップSf501にて、保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が1以上であるか否かを判定する。保留情報の個数が1以上である場合は、ステップSf602にてデータ設定処理を実行する。
【1061】
データ設定処理では、まず保留数を1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1~RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であり、詳細には、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータをシフトさせた後に第4保留エリアRE4を「0」クリアする。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを認識させるためのシフト時コマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143は当該コマンドを受信した場合、図柄表示装置75における保留情報の個数を示す画像の表示を保留情報の減少に対応する表示内容に更新させる。
【1062】
ステップSf603では、主側ROM313から当否テーブルを読み出す。具体的には先ず特定制御用のワークエリア391に設けられた設定値カウンタの値を読み出し、パチンコ機10の設定状態を把握する。その上で、現状の当否抽選モードを把握し、高確率モードである場合には、把握した設定状態に対応する高確当否テーブルを読み出し、低確率モードである場合には、把握した設定状態に対応する低確当否テーブルを読み出す。
【1063】
ステップSf604では、ステップSf603にて読み出した当否テーブルを参照して当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が、ステップSf603にて読み出した当否テーブルに設定された大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
【1064】
当否判定処理の結果が大当たり当選結果である場合には(ステップSf605:YES)、ステップSf606にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を読み出す。そして、主側ROM313に設けられた振分テーブル387を参照して、上記読み出した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果、低入賞高確大当たり結果及び高入賞高確大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
【1065】
ステップSf607では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図用表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM313に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM314の特定制御用のワークエリア391に書き込む。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、特図用表示部43に停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
【1066】
ステップSf608では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、特定制御用のワークエリア391には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップSf608では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップSf606の振分判定処理の結果に対応したフラグに「1」をセットする。
【1067】
一方、ステップSf605にて大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップSf609にて外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図用表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM313に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を特定制御用のワークエリア391に書き込む。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【1068】
ステップSf608及びステップSf609のいずれかの処理を実行した後は、ステップSf610にて遊技回の継続期間の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置75にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が低確大当たり結果又は高入賞高確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
【1069】
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM313に記憶されているリーチ発生用継続期間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した遊技回の継続期間を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM313に記憶されているリーチ非発生用継続期間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した遊技回の継続期間を取得する。ちなみに、リーチ非発生用継続期間テーブルを参照して取得され得る遊技回の継続期間は、リーチ発生用継続期間テーブルを参照して取得され得る遊技回の継続期間と異なっている。
【1070】
なお、リーチ非発生時における遊技回の継続期間は、保留用エリアREに格納されている保留情報の数が多いほど遊技回の継続期間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い遊技回の継続期間が選択されるようにリーチ非発生用継続期間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留情報の数やサポートモードに応じて遊技回の継続期間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における遊技回の継続期間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に継続期間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた遊技回の継続期間の振分が行われることとなる。
【1071】
ステップSf611では、ステップSf610にて取得した遊技回の継続期間の情報を、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、タイマ更新処理(ステップSf412)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として、特図用表示部43における絵柄の変動表示と図柄表示装置75における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置75では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で最終停止期間(例えば0.5秒)に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップSf610にて取得される遊技回の継続期間は1遊技回分のトータル時間となっている。
【1072】
ステップSf612では、変動用コマンド及び種別コマンドを演出制御装置143に送信する。変動用コマンドには、遊技回の継続期間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用継続期間テーブルを参照して取得される遊技回の継続期間は、リーチ発生用継続期間テーブルを参照して取得される遊技回の継続期間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、演出制御装置143では遊技回の継続期間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
【1073】
演出制御装置143は変動用コマンド及び種別コマンドをMPU312から受信した場合、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75において遊技回用の演出が実行されるようにする。この場合、当該遊技回用の演出は変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応する態様で行われる。また、図柄表示装置75では遊技回用の演出として図柄の変動表示が行われ、当該遊技回用の演出が終了する場合には当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。
【1074】
ステップSf613では、特図用表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップSf614では特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。
【1075】
特図特電制御処理(
図91)の説明に戻り、ステップSf507では特図変動中処理を実行する。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば特図用表示部43における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。最終停止表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。なお、本実施の形態においてはMPU312から演出制御装置143に最終停止コマンドは送信されない。
【1076】
ステップSf508では特図確定中処理を実行する。特図確定中処理では、特図用表示部43における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、最終停止期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行う。開閉実行モードへの移行が発生しない場合には特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする。開閉実行モードへの移行が発生する場合には特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
【1077】
ステップSf509では特電開始処理を実行する。特電開始処理では今回の開閉実行モードにおけるオープニング期間を開始させるための処理を未だ実行していない場合、オープニング期間のセット処理を実行する。また、オープニングコマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143はオープニングコマンドを受信することにより、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75にてオープニング演出が実行されるようにする。オープニング期間が経過している場合、最初のラウンド遊技を開始させるための開始用処理を実行する。当該開始用処理では、可変入賞装置65を開放状態とするとともにラウンド遊技の終了条件を設定する。この終了条件の設定に際しては、今回の最初のラウンド遊技において可変入賞装置65を開放状態に継続させる場合の上限継続時間をセットするとともに、今回の最初のラウンド遊技において可変入賞装置65に入賞可能な遊技球の上限個数を特定制御用のワークエリア391に設けられた入賞個数カウンタにセットする。
【1078】
ステップSf510では特電開放中処理を実行する。特電開放中処理ではラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立している場合には可変入賞装置65を閉鎖状態とする。そして、今回終了したラウンド遊技が最後の実行回のラウンド遊技でなければ特図特電カウンタの数値情報を1加算することで当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新し、今回終了したラウンド遊技が最後の実行回のラウンド遊技であれば特図特電カウンタの数値情報を2加算することで当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
【1079】
ステップSf511では特電閉鎖中処理を実行する。特電閉鎖中処理では、ラウンド遊技間のインターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間は前回のラウンド遊技が終了する場合に設定される。インターバル期間が経過した場合には、可変入賞装置65を開放状態とするとともにラウンド遊技の終了条件を設定する。そして、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
【1080】
ステップSf512では特電終了処理を実行する。特電終了処理では、今回の開閉実行モードにおけるエンディング期間を開始させるための処理を未だ実行していない場合、エンディング期間(例えば5sec)をセットするとともに、エンディングコマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143はエンディングコマンドを受信することにより、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75にてエンディング演出が実行されるようにする。エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モードの終了後における当否抽選モード及びサポートモードのそれぞれを、今回の開閉実行モードの開始契機となった大当たり結果に対応するモードに設定する。
【1081】
次に、MPU312にて、各入球検知センサ91a~97aの検知結果に基づき、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68及びスルーゲート64への遊技球の入球の有無を特定するための構成について説明する。
図93はMPU312に入球検知センサ91a~97aの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
【1082】
MPU312には入力ポート312aが設けられている。入力ポート312aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0~第7ビットD7を備えている。但し、本パチンコ機10においては、第7ビットD7は使用せず、7種類の信号を同時に扱う構成としている。また、入力ポート312aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート312aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。
【1083】
タイマ割込み処理(
図90)の入球検知処理(ステップSf411)では、入力ポート312aへの入力対象となる信号群が各入球検知センサ91a~97aからの信号群に設定される。かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は第1入賞口検知センサ91aからの検知信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第2入賞口検知センサ92aからの検知信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第1作動口検知センサ93aからの検知信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第2作動口検知センサ94aからの検知信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は大入賞口検知センサ95aからの検知信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5はアウト口検知センサ96aからの検知信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はゲート検知センサ97aからの検知信号に対応した情報が格納される。
【1084】
上記各入球検知センサ91a~97aは、遊技球の通過を検知していない場合には検知信号として非検知中であることを示すLOWレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には検知信号として検知中であることを示すHIレベル信号を出力する。そして、入力ポート312aではLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報を格納し、HIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報を格納する。つまり、入球検知センサ91a~97aにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
【1085】
図94はタイマ割込み処理(
図90)のステップSf411にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
【1086】
第0ビットD0又は第1ビットD1において「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ91a又は第2入賞口検知センサ92aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSf801:YES)。この場合、ステップSf802にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた一般入賞センサフラグに「1」をセットし、ステップSf803にて、上記ワークエリア391に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する。
【1087】
一般入賞センサフラグは一般入賞口61への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、10個賞球用カウンタは10個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(
図90)におけるステップSf418の払出出力処理にて10個賞球コマンドを払出制御装置181に出力するとともに、10個賞球コマンドを1回出力した場合には10個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置181は10個賞球コマンドを受信した場合、10個の遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御する。
【1088】
第2ビットD2に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ93aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSf804:YES)。この場合、ステップSf805にて、上記ワークエリア391に設けられた第1作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップSf806にて、上記ワークエリア391に設けられた3個賞球用カウンタの値を1加算する。第1作動入賞フラグは第1作動口62への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、3個賞球用カウンタは3個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【1089】
タイマ割込み処理(
図90)の特図特電制御処理(ステップSf414)では第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア314aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特図特電制御処理(ステップSf414)にて第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。
【1090】
第3ビットD3に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ94aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSf807:YES)。この場合、ステップSf808にて、上記ワークエリア391に設けられた第2作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップSf809にて、上記ワークエリア391に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する。第2作動入賞フラグは第2作動口63への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、1個賞球用カウンタは1個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【1091】
タイマ割込み処理(
図90)の特図特電制御処理(ステップSf414)では第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア314aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特図特電制御処理(ステップSf414)にて第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。
【1092】
第4ビットD4に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、大入賞口検知センサ95aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSf810:YES)。この場合、ステップSf811にて、上記ワークエリア391に設けられた特電入賞フラグに「1」をセットし、ステップSf812にて、上記ワークエリア391に設けられた15個賞球用カウンタの値を1加算する。特電入賞フラグは可変入賞装置65への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、15個賞球用カウンタは15個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【1093】
タイマ割込み処理(
図90)の特図特電制御処理(ステップSf414)では特電入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、可変入賞装置65への1個の遊技球の入球が発生したことを特定し、ラウンド遊技における可変入賞装置65への残りの入球可能個数を1減算する。かかる入球可能個数を1減算する処理を実行した場合に特電入賞フラグを「0」クリアする。
【1094】
第5ビットD5に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ96aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSf813:YES)。この場合、上記ワークエリア391に設けられたアウトフラグに「1」をセットする。アウトフラグはアウト口68への遊技球の入球が発生したことをMPU312が特定するためのフラグである。
【1095】
第6ビットD6に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、ゲート検知センサ97aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSf815:YES)。この場合、ステップSf816にて、上記ワークエリア391に設けられたゲート入賞フラグに「1」をセットする。ゲート入賞フラグはスルーゲート64に1個の遊技球が入球したことをMPU312にて特定するためのフラグである。
【1096】
タイマ割込み処理(
図90)の普図普電制御処理(ステップSf415)ではゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普電保留エリア314cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、現状の普電役物開放カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普電保留エリア314cに格納する処理を実行する。普図普電制御処理(ステップSf415)にてゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合にゲート入賞フラグを「0」クリアする。
【1097】
次に、払出制御装置181にて実行される処理内容について説明する。まず払出制御装置181及び当該払出制御装置181との間で通信を行う各種装置の電気的構成について、
図95のブロック図を参照しながら説明する。
【1098】
払出制御装置181はMPU382を備えている。MPU382には、払出側ROM383、払出側RAM384、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【1099】
払出側ROM383は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。払出側ROM383は、払出側MPU382により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【1100】
払出側RAM384は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。払出側RAM384は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM383よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。払出側RAM384は、払出側ROM383内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【1101】
払出側MPU382は、主制御装置162のMPU312と双方向通信を行うことが可能となっている。払出側MPU382はMPU312から賞球コマンドを受信することにより、その賞球コマンドに対応する個数の遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御する。また、払出側MPU382は、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能な状態であるか否かを監視し、正常に行うことが可能ではない状態であると特定した場合には払出側RAM384に未払い出しの賞球個数情報が記憶されている状況であっても払出装置222を停止させる。また、払出側MPU382は、このように正常に払い出しを行うことが可能ではない状態であることを示す払出制限コマンドをMPU312に送信する。
【1102】
MPU312は当該払出制限コマンドを受信した場合、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態であることを示す報知が図柄表示装置75、ランプ部26~28及びスピーカ部29にて実行されるように演出制御装置143に報知用コマンドを送信する。遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態として、下皿34が遊技球で満タンとなる満タン状態と、タンク221に遊技球が補充されていない球無状態と、払出装置222が正常に動作しない払出異常状態と、遊技機本体12が外枠11から開放された本体開放状態と、前扉枠14が内枠13から開放された前扉開放状態と、が存在している。
【1103】
払出装置222から下皿34へと通じる遊技球通路の途中位置には図示しない満タン検知センサが設けられており、当該満タン検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、満タン検知センサにおいて遊技球が継続して検知された場合に満タン状態であると特定し、満タン検知センサにて遊技球が継続して検知される状態が解除された場合に満タン状態が解除されたと特定する。
【1104】
タンク221から払出装置222へと通じる遊技球通路の途中位置に図示しない球無検知センサが設けられており、当該球無検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、球無検知センサにおいて遊技球が継続して検知されない場合に球無状態であると特定し、球無検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に球無状態が解除されたと特定する。
【1105】
払出装置222には当該払出装置222から払い出される遊技球を検知するための図示しない払出検知センサが設けられており、当該払出検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、払出検知センサにて遊技球が検知された場合に払出装置222から1個の遊技球が払い出されたと特定する。また、払出側MPU382は、遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御しているにも関わらず払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない場合に払出異常状態であると特定し、払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に払出異常状態が解除されたと特定する。
【1106】
内枠13の前面部には前扉開放センサ232が設けられており、当該前扉開放センサ232の検知結果は払出側MPU382に入力される。この場合、内枠13に対して前扉枠14が閉鎖状態である場合に前扉開放センサ232は閉鎖検知信号を払出側MPU382に送信し、内枠13に対して前扉枠14が開放状態である場合に前扉開放センサ232は開放検知信号を払出側MPU382に送信する。
【1107】
払出側MPU382は、前扉開放センサ232から閉鎖検知信号を受信している場合に前扉枠14が閉鎖状態であると特定し、前扉開放センサ232から開放検知信号を受信している場合に前扉枠14が開放状態であると特定する。また、払出側MPU382は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングでMPU312に前扉開放コマンドを送信し、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングでMPU312に前扉閉鎖コマンドを送信する。MPU312は、前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放状態となったと特定し、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。
【1108】
裏パックユニット15の前面部には本体開放センサ233が設けられており、当該本体開放センサ233の検知結果は払出側MPU382に入力される。この場合、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖状態である場合に本体開放センサ233は閉鎖検知信号を払出側MPU382に送信し、外枠11に対して遊技機本体12が開放状態である場合に本体開放センサ233は開放検知信号を払出側MPU382に送信する。
【1109】
払出側MPU382は、本体開放センサ233から閉鎖検知信号を受信している場合に遊技機本体12が閉鎖状態であると特定し、本体開放センサ233から開放検知信号を受信している場合に遊技機本体12が開放状態であると特定する。また、払出側MPU382は、遊技機本体12が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングでMPU312に本体開放コマンドを送信し、遊技機本体12が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングでMPU312に本体閉鎖コマンドを送信する。MPU312は、本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放状態となったと特定し、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖状態となったと特定する。
【1110】
払出側MPU382にて実行されるタイマ割込み処理について
図96のフローチャートを参照しながら説明する。タイマ割込み処理は、予め定められた周期(例えば2msec)で繰り返し起動されるものである。
【1111】
先ずステップSf901では満タン用処理を実行する。満タン用処理では、満タン検知センサの検知結果に基づいて満タン状態であるか否かを特定し、満タン状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【1112】
ステップSf902では球無用処理を実行する。球無用処理では、球無検知センサの検知結果に基づいて球無状態であるか否かを特定し、球無状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【1113】
ステップSf903では払出異常監視処理を実行する。払出異常監視処理では、払出検知センサの検知結果に基づいて払出異常状態であるか否かを特定し、払出異常状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【1114】
ステップSf904では前扉開放監視処理を実行する。前扉開放監視処理では、前扉開放センサ232の検知結果に基づいて前扉枠14が開放状態であるか否かを特定し、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、前扉開放コマンドをMPU312に送信する。また、前扉枠14が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、前扉閉鎖コマンドをMPU312に送信する。
【1115】
ステップSf905では本体開放監視処理を実行する。本体開放監視処理では、本体開放センサ233の検知結果に基づいて遊技機本体12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機本体12が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、本体開放コマンドをMPU312に送信する。また、遊技機本体12が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、本体閉鎖コマンドをMPU312に送信する。
【1116】
ステップSf906ではコマンド読込処理を実行する。当該コマンド読込処理では、MPU312が送信した賞球コマンドを読み込む処理を実行し、その賞球コマンドを払出側RAM384に格納する。そして、その受信した賞球コマンドに対応する個数を払出側RAM384における未払い出しの賞球個数情報に加算するための賞球設定処理を実行した後に(ステップSf907)、払出装置222による遊技球の払い出しの実行制御を行うための払出制御処理を実行する(ステップSf908)。
【1117】
払出制御処理では、払出側RAM384に記憶されている未払い出しの賞球個数情報が1以上の値である場合に払出装置222の駆動制御を行い、払出検知センサにて1個の遊技球を検知した場合に賞球個数情報の値を1減算する。そして、賞球個数情報の値が「0」となった場合には払出装置222の駆動制御を停止する。その後、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップSf909)。
【1118】
<ベース値及び差球数処理>
ステップSf420のベース値及び差球数処理について
図97のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ベース値及び差球数処理におけるステップSf1001~ステップSf1005の処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【1119】
ベース値及び差球数処理では先ずステップSf1001にて、タイマ割込み処理(
図90)の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSf1002では、プッシュ命令により、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。フラグレジスタにはゼロフラグやサインフラグなどが含まれており、演算命令、ローテート命令及び入出力命令などの実行結果によってその情報は変化することとなる。このようなフラグレジスタの情報をベース値及び差球数用実行処理(ステップSf1003)に対応するサブルーチンのプログラムが開始される前に退避させることにより、当該サブルーチンのコールや当該サブルーチンの開始後において変化する前の状態のフラグレジスタの情報を特定制御用のワークエリア391に退避させておくことが可能になる。
【1120】
ステップSf1003では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているベース値及び差球数用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、ベース値及び差球数用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示すベース値及び差球数処理のプログラムに復帰する。
【1121】
ステップSf1003の実行後はステップSf1004にて、ポップ命令により、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させる。具体的には、ステップSf1002で特定制御用のスタックエリア392に退避させたフラグレジスタの情報を読み出し、それらをMPU312のフラグレジスタに格納する。これにより、MPU312のフラグレジスタの情報が、ステップSf1002が実行された時点の情報に復帰することとなる。
【1122】
ステップSf1005では、タイマ割込み処理(
図90)の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換えるために割込み許可の設定を行う。これにより、タイマ割込み処理の新たな実行が可能となる。
【1123】
次に、ステップSf1103にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行されるベース値及び差球数用実行処理について、
図98のフローチャートを参照しながら説明する。
【1124】
ステップSf1101では、ロード命令により、MPU312のスタックポインタに非特定制御用のスタックエリア394における開始位置のアドレス情報(具体的には
図86におけるアドレスY(u+2))を設定する。これにより、使用するスタックエリアが非特定制御用のスタックエリア394に切り換えられる。
【1125】
ステップSf1102では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち、後述のベース値算出処理(ステップSf1103)、超過判定用処理(ステップSf1104)、表示設定処理(ステップSf1105)で使用するレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393における所定領域に書き込んで退避させる。
【1126】
ステップSf1102の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSf1103~ステップSf1105のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理に先立ち、ステップSf1102にて使用レジスタの情報を退避させることで、ステップSf1103~ステップSf1105の実行に際してそれら各レジスタが上書きされたとしても、非特定制御用のワークエリア393に退避させた情報をこれらレジスタに書き込むことで、上書き前の状態に復帰させることができる。すなわち、特定制御に際して利用されていたレジスタの情報を保護することができる。
【1127】
なお、ステップSf1103~ステップSf1105の実行に際しては、それら各処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を非特定制御用のスタックエリア394に書き込む。そして、ステップSf1103~ステップSf1105が終了した場合には、当該エリア394に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示すベース値及び差球数用実行処理のプログラムに復帰する。
【1128】
ステップSf1103~ステップSf1105の処理を実行した後は、ステップSf1106にて、ロード命令により、MPU312のスタックポインタに特定制御用のスタックエリア392における固定アドレスを設定する。これにより、使用するスタックエリアが特定制御用のスタックエリア392に切り換えられる。
【1129】
なお、ベース値及び差球数用実行処理を含むステップSf420のベース値及び差球数処理は、タイマ割込み処理において遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理が終了した後に実行されるため、ステップSf1103~ステップSf1105の処理が実行される直前において特定制御用のスタックエリア39に記憶されている情報は常に一定となる。このため、その一定の情報量を踏まえて上記固定アドレスを定めておくことで、MPU312におけるスタックポインタの情報を事前に退避させていなくても、スタックポインタの状態を非特定制御に対応する処理が開始される直前の情報に復帰させることができる。よって、処理負荷を軽減させることが可能になるとともに当該退避させるための領域を主側RAM314において確保する必要がなくなる。
【1130】
ステップSf1107では、ステップSf1102にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をロード命令により読み出し、それらをMPU312の各レジスタに格納する。これにより、MPU312の各レジスタの情報が、ステップSf1102が実行された時点の情報に復帰することになる。
【1131】
次に、サブルーチンのプログラムが読み出されることにより実行されるステップSf1103のベース値算出処理、ステップSf1104の超過判定用処理、ステップSf1105の表示設定用処理について説明する。これらの処理では、ベース値や差球数の遊技履歴に関する情報を算出し、その結果を第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示するための表示データの設定を行ったり、算出した差球数が予め定められた特定個数(例えば100000個)以上となったか否かを判定したりする。
【1132】
<ベース値算出処理>
先ずステップSf1103のベース値算出処理について
図99のフローチャートを参照しながら説明する。
【1133】
ベース値算出処理では先ずステップSf1201にて、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。すなわち、第1入賞口検知センサ91a、第2入賞口検知センサ92a、第1作動口検知センサ93a、第2作動口検知センサ94a、大入賞口検知センサ95a及びアウト口検知センサ96aの各出力に基づいて上記判定を行う。
【1134】
入球が発生している場合は、ステップSf1202にて、計測区間用のアウトカウンタ501dの更新処理を実行する。
図100に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、ベース値の算出に対応するエリアとしてベース値用カウンタエリア501が設けられており、このベース値用カウンタエリア501に上記計測区間用のアウトカウンタ501dが設けられている。
【1135】
計測区間用のアウトカウンタ501dは、遊技領域PAから排出される遊技球の合計個数を計測するためのカウンタである。なお、本実施の形態では、アウト口検知センサ96aがアウト口68に入球した遊技球のみを検知するように構成されているため(
図76)、アウト口68への入球が発生した場合だけでなく、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63及び可変入賞装置65への入球が発生した場合にも、計測区間用のアウトカウンタ501dを1加算して更新する。計測区間用のアウトカウンタ501dの値は、所定個数(例えば60000個)ごとの計測区間を把握するのに利用される。
【1136】
ステップSf1203では、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合はステップSf1204に進み、上記ベース値用カウンタエリア501における通常用の一般入賞カウンタ501a、通常用の第1作動カウンタ501b、通常用のアウトカウンタ501cの更新処理を実行する。これらのカウンタ501a~501cは、通常遊技状態を対象として一般入賞口61への遊技球の入球数、第1作動口62への遊技球の入球数、遊技領域PAからの遊技球の排出個数をそれぞれ計測するためのものである。ステップSf1204では、一般入賞口61又は第1作動口62への入球が発生した場合は、一般入賞カウンタ501a及び第1作動カウンタ501bのうち対応するカウンタの値を1加算する。また、入球が発生した入球部の種別を問わず、入球が発生していれば、アウトカウンタ501cの値を1加算する。
【1137】
ステップSf1204の実行後又はステップSf1203で否定判定した場合(現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合)は、ステップSf1205にてベース値の算出処理を実行する。ベース値の算出処理では、通常用の各カウンタ501a~501cの値を用いて通常遊技状態におけるベース値を算出する。通常用の一般入賞カウンタ501a、通常用の第1作動カウンタ501b、通常用のアウトカウンタ501cの値をK1~K3とした場合にベース値は以下のものとなる。
・ベース値:遊技球の合計払出個数(K1×「一般入賞口61への入賞に対する賞球個数」+K2×「第1作動口62への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K3)の割合。
【1138】
ステップSf1206では、ステップSf1205で算出したベース値の情報を、非特定制御用のワークエリア393に設けられた現状用エリア504aに上書きする処理を実行する。なお、非特定制御用のワークエリア393には、
図100に示すように、演算結果を記憶するためのエリアとして演算結果用エリア504が設けられており、演算結果用エリア504には、現状用エリア504aのほか、前回ベース値の情報を記憶するための前回用エリア504bと、前々回ベース値の情報を記憶するための前々回用エリア504cと、前々々回ベース値の情報を記憶するための前々々回用エリア504dとが設けられている。
【1139】
ステップSf1206の実行後又はステップSf1201で否定判定した場合(入球が発生していない場合)は、ステップSf1207にて非特定制御用のワークエリア393に設けられた各種フラグ用エリア507(
図100)の管理開始フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。管理開始フラグは、算出したベース値を報知すべき状況であることをMPU312が特定するためのフラグである。
【1140】
管理開始フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSf1208に進み、計測区間用のアウトカウンタ501dの値が所定の管理開始基準値(例えば300個)に対応する値以上であるか否かを判定する。アウトカウンタ501dの値が管理開始基準値に対応する値以上である場合は、ステップSf1209に進み、管理開始フラグを「1」にセットする。これにより、算出したベース値が報知対象とされる。
【1141】
本実施の形態では、管理開始フラグが「0」クリアされた状態となるようにしてパチンコ機10が製造される。パチンコ機10の出荷段階などにおいては出荷前にパチンコ機10の動作チェックが行われることがあり、その際には各入球部に遊技球を手入れしてその後の動作がチェックされる。このような状況の下、パチンコ機10の製造後、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達するまでの期間においては、算出されたベース値を報知の対象外とすることで、上記手入れの影響を受けたベース値が報知されることを抑制できる。
【1142】
ステップSf1210では、ベース値用カウンタエリア501に設けられた各カウンタ501a~501dを全て「0」クリアする。その結果、それら各カウンタ501a~501dの値が初期化された状態で次回のベース値算出処理が開始されることになり、ステップSf1205では、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達する前の期間を対象外としてベース値が算出される。ステップSf1210の実行後又はステップSf1208で否定判定した場合(計測区間用のアウトカウンタ501dの値が管理開始基準値未満である場合)は、ベース値算出処理を終了する。
【1143】
ステップSf1207で肯定判定した場合(管理開始フラグが「1」である場合)は、ステップSf1211に進み、計測区間用のアウトカウンタ501dの値が計測区間を規定する所定個数(例えば60000個)に対応する値以上であるか否かを判定する。
【1144】
アウトカウンタ501dの値が所定個数に対応する値以上である場合は、ステップSf1212にてデータシフト処理を実行する。データシフト処理では、非特定制御用のワークエリア393の演算結果用エリア504における現状用エリア504a、前回用エリア504b、前々回用エリア504c、前々々回用エリア504dに記憶されたベース値の情報を、前々回用エリア504c→前々々回用エリア504d、前回用エリア504b→前々回用エリア504c、現状用エリア504a→前回用エリア504bの順序でシフトさせる。これにより、2回前の算出期間(計測区間)における最終的なベース値が3回前の算出期間における最終的なベース値として前々々回用エリア504dに記憶され、1回前の算出期間における最終的なベース値が2回前の算出期間における最終的なベース値として前々回用エリア504cに記憶され、現状の算出期間において最後に算出されたベース値が1回前の算出期間における最終的なベース値として前回用エリア504bに記憶される。
【1145】
ステップSf1213では、ベース値用カウンタエリア501に設けられた各カウンタ501a~501dを全て「0」クリアする。ステップSf1213の実行後又はステップSf1211で否定判定した場合(計測区間用のアウトカウンタ501dの値が所定個数未満である場合)は、ベース値算出処理を終了する。
【1146】
<超過判定用処理>
パチンコ機では、実遊技上での当選確率に関していずれは内部的に設定された当選確率に収束していくと考えられるものの、例えば、遊技者における1回の遊技や遊技ホールの1営業日という基準でみると、実遊技上の当選確率には大きなばらつきが生じているのが現状である。このため、遊技者から見たいわゆる勝ち分について遊技機設計者が想定しなかったレベルまで伸びてしまうことが起こり得る。このような場合、そのパチンコ機を遊技していた遊技者本人だけでなく、それを見ていた周囲の者まで過度に射幸心が煽られることになりかねない。
【1147】
このような事情を踏まえ、本実施の形態に係るパチンコ機10では、パチンコ機10自身が遊技履歴を参照して遊技者側から見たプラス分が予め定めた所定の範囲内に収まっているかを監視し、当該範囲を超える場合には遊技の進行を制限するようにしている。ステップSf1104の超過判定用処理はその一環として実行されるものであり、以下、当該処理について
図101のフローチャートを参照しながら説明する。
【1148】
超過判定用処理では先ずステップSf1301にて、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。なお、この判定には、ベース値算出処理(
図99)におけるステップSf1201の判定結果を用いる。
【1149】
入球が発生している場合は、ステップSf1302にて、差球数用カウンタエリア502の各種カウンタの値を更新する。
図100に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、差球数の算出に対応するエリアとして差球数用カウンタエリア502が設けられており、この差球数用カウンタエリア502には、常時用の一般入賞カウンタ502aと、常時用の第1作動カウンタ502bと、常時用の第2作動カウンタ502cと、常時用の特電カウンタ502dと、常時用のアウトカウンタ502eとが設けられている。
【1150】
これらのカウンタのうち一般入賞カウンタ502a、第1作動カウンタ502b、第2作動カウンタ502c、特電カウンタ502dは、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63及び可変入賞装置65への遊技球の各入球個数を計測するためのカウンタである。また、アウトカウンタ502eは、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を計測するためのカウンタである。これらのカウンタ502a~502eは、遊技状態を問わず、所定の計測開始契機からの各入球を計測するものとなっている。本実施の形態では、遊技状態として通常遊技状態、時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)、開閉実行モードが存在するため、上記各カウンタ502a~502eではこれら全ての遊技状態を対象とした通算の入球個数が計測される。
【1151】
ステップSf1302では、上記各カウンタ502a~502eのうち、ステップSf1301で入球発生を判定した入球部に対応するカウンタの値を更新する。例えば、第1作動口62への入球が発生したと判定した場合は、第1作動カウンタ502bの値を1加算する。なお、アウトカウンタ502eについては、入球が発生した入球部の種別を問わず、入球が発生していれば、その値を1加算する。
【1152】
続くステップSf1303では差球数の算出処理を実行する。差球数の算出処理では、差球数用カウンタエリア502における各カウンタ502a~502eの値を用いて差球数を算出する。常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eの値をK4~K8とした場合に差球数は以下のものとなる。
・差球数:遊技球の合計払出個数(K4×「一般入賞口61への入賞に対する賞球個数」+K5×「第1作動口62への入賞に対する賞球個数」+K6×「第2作動口63への入賞に対する賞球個数」+K7×「可変入賞装置65への入賞に対する賞球個数」)-遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K8)。
【1153】
上記差球数は、上記プラス分(勝ち分)を計るための指標として導出するものである。なお、ベース値算出処理(
図99)におけるベース値の算出では通常遊技状態でのベース値を算出したが、超過判定用処理における差球数の算出では、全ての遊技状態を対象としたトータルの差球数を算出する。
【1154】
ステップSf1304では、ステップSf1303で算出した差球数を、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用エリア504e(
図100)に上書きする処理を実行する。超過判定用処理は、タイマ割込み周期(
図90)の実行周期に対応して4msecごとに起動されるため、差球数用エリア504eには、4msecごとの差球数の情報が都度更新されながら記憶されていく。
【1155】
ステップSf1305では、ステップSf1304で差球数用エリア504eに上書きした差球数(ステップSf1303で算出した差球数)が特定個数(例えば100000個)以上であるか否かを判定する。これにより、上記プラス分が一定の範囲内に収まっているか否かを判定する。
【1156】
差球数が特定個数以上である場合は、ステップSf1306に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた各種フラグ用エリア507の超過フラグを「1」にセットする。超過フラグは差球数が特定個数以上となったことをMPU312が特定するためのフラグである。ステップSf1306の実行後、ステップSf1305で否定判定した場合(差球数が特定個数未満である場合)又はステップSf1301で否定判定した場合(入球が発生していない場合)は、超過判定用処理を終了する。
【1157】
<表示設定用処理>
次にステップSf1105の表示設定用処理について
図102(a)のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は、ステップSf1103のベース値算出処理で導出したベース値やステップSf1104の超過判定用処理で導出した差球数を表示により報知するための設定処理を行うものである。
【1158】
表示設定用処理では先ずステップSf1401にて、遊技停止中であるか否かを判定する。具体的には、主側RAM314における特定制御用のワークエリア391を参照し、遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
【1159】
遊技停止中でない場合は、ステップSf1402に進み、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける表示内容の切換タイミングであるか否かを判定する。本実施の形態では、ステップSf1103のベース値算出処理で導出したベース値と、ステップSf1103のベース値算出処理で導出したベース値とをいずれも第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示するようにしている。また、これらの値の表示に際し、ベース値に関しては、
図84を参照して既に説明したように、現在のベース値である現状ベース値と、過去分である1回前の前回ベース値と、2回前の前々回ベース値と、3回前の前々々回ベース値とを所定期間(例えば5sec)ごとに順番に切り換えて表示し、差球数に関しては、前々々回ベース値の表示が終了した後、差球数(現在の差球数)を表示するようにしている。ステップSf1402の処理は、上記各表示の切り換えタイミングが到来したか否かを判定するものである。
【1160】
ステップSf1402で肯定判定した場合(切換タイミングである場合)は、ステップSf1403にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた表示種別カウンタ505(
図100)の更新処理を実行する。表示種別カウンタ505は、上記各種ベース値及び差球数といった遊技履歴のうち現在の表示対象がいずれであるかをMPU312が特定するためのカウンタである。
【1161】
図102(b)に示すように、表示種別カウンタ505の値が「0」である場合は現状ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ505の値が「1」である場合は前回ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ505が「2」である場合は前々回ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ505が「3」である場合は前々々回ベース値が表示対象となる。また、表示種別カウンタ505が「4」である場合は差球数が表示対象となる。表示種別カウンタ505の更新処理では、表示種別カウンタ505の値を1加算するとともに、加算後の値が「4」を超えた場合には表示種別カウンタ505の値を「0」に設定する。これにより、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて、上記切換タイミングごとに現状ベース値、前回ベース値、前々回ベース値、前々々回ベース値及び差球数の表示が順次に変更されていく。
【1162】
なお、本実施の形態では、上記各値の表示を一定間隔で切り換えていくが、これに限定されるものではない。例えば、各ベース値のうち一部のベース値(例えば現状ベース値)の表示期間を他のベース値の表示期間と異ならせたり(例えば長くしたり)、差球数の表示期間を各ベース値の表示期間と異ならせたり(例えば短くしたり)してもよい。
【1163】
ステップSf1403の実行後又はステップSf1402で否定判定した場合(切換タイミングでない場合)は、ステップSf1404にて、現在の表示対象を示す表示種別データの設定処理を実行する。
図100に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、現在の表示対象に対応するエリアとして表示対象用エリア506が設けられている。表示対象用エリア506には、表示対象となる遊技履歴の種別を示す種別データが記憶される種別用エリア506aと、表示対象となる遊技履歴の値を示す履歴データが記憶される履歴用エリア506bとが設けられている。ステップSf1404の表示種別データの設定処理では、表示種別カウンタ505の値に対応した遊技履歴の種別データを上記表示対象用エリア506の種別用エリア506aに設定する。例えば、表示種別カウンタ505の値が「2」である場合には、前々回ベース値に対応した種別データを種別用エリア506aに上書きする処理を実行する。
【1164】
ステップSf1405では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた管理開始フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。管理開始フラグが「1」にセットされ、各種ベース値及び差球数を報知すべき状況である場合は、ステップSf1406にて履歴値データの設定処理を実行する。履歴値データの設定処理では、演算結果用エリア504の各エリア504a~504eのうち表示種別カウンタ505の値に対応したエリアからベース値又は差球数の情報を読み出し、上記表示対象用エリア506の履歴用エリア506bに履歴データを設定する。例えば、表示種別カウンタ505の値が「2」である場合には、前々回ベース値の履歴データを前々回用エリア504cから読み出して履歴用エリア506bに上書きする処理を実行する。
【1165】
ステップSf1405で否定判定した場合(管理開始フラグが「1」にセットされていない場合)は、ステップSf1407にて、上記表示対象用エリア506の履歴用エリア506bに初期表示用データを設定する。初期表示用データは、パチンコ機10の製造後、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値(例えば300個)となるまでの間の表示内容を示すものである。初期表示用データは、例えば、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dにて「-」が点滅表示されるように設定される。
【1166】
ステップSf1401で肯定判定した場合(遊技停止中である場合)は、ステップSf1408に進み、差球数に対応する表示種別データを上記表示対象用エリア506の種別用エリア506aに設定する。続くステップSf1409では、差球数に対応する履歴データを上記表示対象用エリア506の履歴用エリア506bに設定する。すなわち、遊技停止中である場合は、第1~第5報知用表示装置169a~169eにて差球数の表示が行われるように設定される。
【1167】
<報知用表示処理>
次にステップSf406の報知用表示処理について
図103のフローチャートを参照しながら説明する。報知用表示処理は、第1~第5報知用表示装置169a~169eへの表示出力を行うものであり、タイマ割込み処理(
図90)の一環として実行される。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【1168】
報知用表示処理では先ずステップSf1501にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定更新表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。設定更新表示フラグは、パチンコ機10の設定値を更新している状況、すなわち、設定値更新処理(
図88)を実行している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。
【1169】
設定更新表示フラグが「1」にセットされている場合は、ステップSf1502にて設定値更新用の表示データの設定処理を実行する。特定制御用のワークエリア391には、第1~第5報知用表示装置169a~169eに所定の表示を行わせるための表示データが格納される特定の表示データバッファが設けられており、第1~第5報知用表示装置169a~169eでは、当該特定の表示データバッファに格納された表示データに基づいてそれぞれの報知用表示装置169a~169eにおける各表示用セグメントの点灯/消灯が制御される。
【1170】
ステップSf1502では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて設定値が更新されている状況であることを示す表示及びパチンコ機10の現状の設定値を示す表示が行われるようにするための表示データを上記特定の表示データバッファに格納する。これにより、例えば、
図104(a)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bにおいて中央の表示用セグメントが点灯状態とされて「-」の表示が行われ、第3報知用表示装置169cにおいて設定値の更新状態であることに対応する「H」の表示が行われ、第4報知用表示装置169dにおいて設定値を示す数値の表示が行われる。なお、第5報知用表示装置169eは全ての表示用セグメントが消灯状態とされ、表示が行われていない状態とされる。
【1171】
ステップSf1501で否定判定した場合(設定更新表示フラグが「1」にセットされていない場合)は、ステップSf1503に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。設定確認表示フラグは、パチンコ機10の現在の設定値を確認している状況、すなわち、設定確認用処理(
図89)を実行している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。
【1172】
設定確認表示フラグが「1」にセットされている場合は、ステップSf1504にて設定確認用の表示データの設定処理を実行する。設定確認用の表示データの設定処理では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて現在の設定値が確認されている状況及びパチンコ機10の現状の設定値を示す表示が行われるようにするための表示データを、特定制御用のワークエリア391における上記特定の表示データバッファに格納する。この場合は、例えば、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bにおいて設定値の更新状態の場合と同様の「-」の表示が行われ、第3報知用表示装置169cにおいて設定値の確認状態であることに対応する「C」の表示が行われ、第4報知用表示装置169dにおいて設定値を示す数値の表示が行われる。この場合も第5報知用表示装置169eは全ての表示用セグメントが消灯状態とされ、表示が行われていない状態とされる。
【1173】
ステップSf1503で否定判定した場合(確認表示フラグが「1」にセットされていない場合)は、設定値の更新状態と設定値の確認状態とのいずれでもないことを意味する。この場合は、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて上記各種ベース値や差球数を表示すべく、ステップSf1505及びステップSf1506の処理を実行する。
【1174】
ステップSf1505では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた表示対象用エリア506を参照し、上記各種ベース値や差球数のうちその時点で表示対象となっている遊技履歴の種別データ及び履歴データを把握する。そして、ステップSf1506では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて表示対象である遊技履歴の種別及び算出値を示す表示が行われるようにするための表示データを、特定制御用のワークエリア391における上記特定の表示データバッファに格納する。
【1175】
この際、現状ベース値が表示対象となっている状況では、例えば、
図104(b)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bからなる識別用表示部において現状ベース値に対応した「bL.」の表示が行われ、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dからなる比率用表示部において現状ベース値を示す2桁の数値表示が行われる。このうち識別用表示部での表示は、非特定制御用のワークエリア393の表示対象用エリア506における種別用エリア506aの参照結果に基づくものであり、比率用表示部での表示は、上記表示対象用エリア506における履歴用エリア506bの参照結果に基づくものである。
【1176】
また、差球数が表示対象となっている状況では、例えば、
図104(c)に示すように、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて差球数を示す5桁の数値表示が行われる。また、差球数に対応する表示であることを示すべく、各報知用表示装置169a~169eにおけるドット部197に対応する表示用セグメントが点灯状態とされる。このうち第1~第5報知用表示装置169a~169eでの数値表示は、上記表示対象用エリア506における履歴用エリア506bの参照結果に基づくものであり、各報知用表示装置169a~169eにおけるドット部197の表示は、上記表示対象用エリア506における種別用エリア506aの参照結果に基づくものである。
【1177】
その際、その時点での差球数が負の値である場合、すなわち、差球数の算出開始時点からの遊技球の合計払出個数が遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数よりも少ない場合は、
図104(d)に示すように、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて「00000」が表示されるように表示データが設定される。但し、内部的には、算出した差球数を負の値として記憶・管理する。
【1178】
なお、パチンコ機10の製造後、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達する前の状況であり、初期表示用データが表示対象となっている場合は、例えば、
図104(e)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bからなる識別用表示部において種別用エリア506aの参照結果に基づく表示が行われるとともに、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dからなる比率用表示部において中央の表示用セグメントが点灯状態とされて「--」の表示が行われる。また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達した後の状況においてベース値が表示対象である場合は、識別用表示部での表示が連続した点灯状態でなされるが、初期表示用データが表示対象である場合は、識別用表示部での表示が点滅状態でなされ、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に到達していないことが示される。
【1179】
<遊技停止判定用処理>
次にステップSf407の遊技停止判定用処理について
図105のフローチャートを参照しながら説明する。遊技停止判定用処理は、遊技停止状態とするか否かを判定し、その結果に基づいて遊技停止状態への移行を行うものであり、タイマ割込み処理(
図90)の一環として実行される。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【1180】
遊技停止判定用処理では先ずステップSf1601にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。遊技停止フラグは、遊技停止中であることをMPU312が特定するためのものである。
【1181】
遊技停止フラグが「1」にセットされている場合は、そのまま遊技停止判定用処理を終了する。一方、遊技停止フラグが「1」にセットされていない場合、すなわち、遊技停止中でない場合は、ステップSf1602にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用エリア504eを参照し、現在の差球数を把握する。続くステップSf1603では、ステップSf1602で把握した差球数を通知するための差球数コマンドを演出制御装置143に送信する。
【1182】
演出制御装置143では当該コマンドを受信した場合、現在の差枚数を遊技者に知らせるべく、差枚数を報知するための所定の報知画像が図柄表示装置75にて表示されるように表示制御装置350を制御する。この際、上記報知画像は、例えば、図柄表示装置75における表示部(表示画面Gのうち遊技機前方からの正面視において視認可能な領域)の隅部又は隅部寄りに表示するなど、図柄表示装置75にて停止表示される図柄と重ならない位置に表示するとよい。これにより、差枚数の報知画像により各図柄列Z1~Z3の視認性が損なわれることを抑制できる。
【1183】
図柄表示装置75での差枚数の報知は、差枚数の大きさにかかわらず常に行ってもよいし、差枚数が特定個数よりも少ない所定個数(例えば95000個)以上となった場合に行ってもよい。また、差枚数に代えて特定個数までの残り個数を報知してもよい。この場合もその時点での差枚数にかかわらず常に当該報知を行ってもよいし、差枚数が上記所定個数以上になってから当該報知を開始するようにしてもよい。
【1184】
なお、差枚数の報知箇所は図柄表示装置75に限定されるものではなく、図柄表示装置75とは別の報知部にて当該報知が行われてもよい。その場合、当該別の報知部は、差枚数を報知するための専用の報知部であってもよいし、他の報知と兼用される報知部であってもよい。
【1185】
ステップSf1603の実行後はステップSf1604にて、ステップSf405(
図90)の不正検知処理により不正が検知されているか否かを判定する。不正が検知されている場合は、ステップSf1605に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。これにより、以後のタイマ割込み処理(
図90)では、ステップSf409~ステップSf419における遊技の進行を制御するための処理が実行されないものとなり(ステップSf408:NO)、遊技の進行が制限される。
【1186】
ステップSf1606では、可変入賞装置65及び普電役物63aを閉鎖状態とする閉鎖制御処理を実行する。これにより、可変入賞装置65又は普電役物63aが開放中である場合は強制的に閉鎖される。
【1187】
ステップSf1607では、電源及び発射制御装置191への発射許可信号をLOWレベルに切り換える発射停止処理を実行する。これにより、遊技球の発射が規制され、遊技者が遊技球発射ハンドル41を操作しても遊技球が発射されないものとなる。
【1188】
ステップSf1608では、払出制御装置181に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置222による遊技球の払出を停止させる。これにより、遊技球を不正に払い出させる行為が行われていた場合には、それ以上の遊技球の払い出しを即座に規制し、遊技ホールの損害が拡大することを抑制する。また、ステップSf1608では、演出制御装置143に対しても遊技停止コマンドを出力し、図柄表示装置75における演出表示等を停止させたり、遊技停止中であることの画像報知や音声報知を実行させたりする。
【1189】
ステップSf1609では、不正を検知したことや遊技停止状態に移行したことに対応した所定の外部信号を外部出力端子213から出力すべく、外部情報設定処理を実行する。これにより、上記所定の外部信号が遊技ホール側のホールコンピュータHCに出力され、パチンコ機10で異常が発生したことが通知される。ステップSf1609の実行後は遊技停止判定用処理を終了する。
【1190】
ステップSf1604で否定判定した場合(不正が検知されていない場合)は、ステップSf1610に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。超過フラグが「1」に設定されている場合、すなわち、算出した差球数が特定個数以上となっている場合は、ステップSf1611にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。この処理は、ステップSf1605と同様のものであり、これにより、遊技停止状態に移行する。すなわち、本実施の形態では、差球数が特定個数以上となった場合には、遊技停止状態に移行し、その後の遊技の進行を制限するようにしている。
【1191】
ステップSf1612では、可変入賞装置65及び普電役物63aを閉鎖状態とする閉鎖制御処理を実行し、ステップSf1613では、電源及び発射制御装置191への発射許可信号をLOWレベルに切り換える発射停止処理を実行する。これらの処理はステップSf1606及びステップSf1607と同様のものである。
【1192】
続くステップSf1614では、演出制御装置143に対して超過コマンドを出力する。超過コマンドは、差球数が特定個数以上となったこと及び遊技停止状態に移行したことを演出制御装置143に通知するためのものである。演出制御装置143では当該コマンドを受信した場合、差球数が特定個数以上となったことに対応した報知画像や遊技停止中であることに対応した報知画像が図柄表示装置75にて表示されるように表示制御装置350を制御する。また、スピーカ部29から差球数が特定個数以上となったことや遊技停止中であることに対応した音声報知が出力されるように制御する。
【1193】
なお、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合は、払出制御装置181に遊技停止コマンドを出力して払出装置222からの遊技球の払い出しを規制するようにしたが(ステップSf1608)、差球数が特定個数以上となったことに対応して遊技停止状態に移行した場合は、遊技停止コマンドや超過コマンドを払出制御装置181に出力せず、払出装置222からの遊技球の払い出しを規制しない。また、タイマ割込み処理(
図90)においても、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合、すなわち、特定制御用のワークエリア391において遊技停止フラグが「1」にセットされ、超過フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSf417及びステップSf418の遊技球の払い出しを行うための処理を含め、ステップSf409~ステップSf419の処理を実行しないように制御するが(ステップSf421:NO)、差球数が特定個数以上となったことに対応して遊技停止状態に移行する場合、すなわち、特定制御用のワークエリア391において遊技停止フラグ及び超過フラグの両方が「1」にセットされている場合は、実行しない処理の範囲をステップSf409~ステップSf416に留めて、ステップSf417及びステップSf418の遊技球の払い出しを行うための処理を実行するようにしている。このように本実施の形態では、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合は、不正が検知されたことに基づいて遊技停止状態に移行する場合とは異なり、遊技球の払い出しを許容するように構成されている。
【1194】
開閉実行モード中である場合など多くの賞球が発生する場合において、例えば、下皿34が遊技球で満タンとなる満タン状態のままで遊技していることがあると、当該満タン状態により払出装置222からの遊技球の払い出しを行うことができないまま、未払い出しの賞球個数が増加していくことになる。このような状況で差球数が特定個数以上となり、遊技停止状態に移行した場合において、遊技球の払い出しを規制する構成とした場合には、当該遊技停止状態中に遊技者が下皿34から遊技球を抜いて満タン状態を解消しても、遊技球の払い出しが再開されず、賞球を得ることができなくなってしまうおそれがある。この点、遊技停止状態である状況で遊技球の払い出しが許容されていることで、満タン状態が解消されて払出装置222からの遊技球の払い出しが可能な状態となれば、未払い出しの賞球に対応した遊技球の払い出しを行わせることができる。
【1195】
また、本実施の形態では、差球数が特定個数以上となったことに対応して遊技停止状態に移行した場合に、ステップSf417及びステップSf418の遊技球の払い出しを行うための処理だけでなく、遊技機外部に外部信号を出力するためのステップSf419の外部情報設定処理も実行するように構成されている。この場合、遊技停止状態において遊技球の払い出しが行われた場合に、それに対応する外部信号(賞球信号)を出力させることでき、遊技停止状態である状況で払い出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに適切に把握させることが可能になる。
【1196】
ステップSf1614の実行後はステップSf1615にて、差球数が特定個数以上となったことに対応した所定の外部信号を外部出力端子213から出力すべく、外部情報設定処理を実行する。これにより、上記所定の外部信号が遊技ホール側のホールコンピュータHCに出力され、差球数が特定個数以上となったことが通知される。
【1197】
この際、差球数が特定個数以上となった場合の外部信号として、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合と共通の外部信号を用いるとよい。具体的には、外部出力端子213において、不正が検知された場合に外部信号が出力される出力端子と同じ端子から、差球数が特定個数以上となった場合の外部信号が出力される構成とするとよい。これにより、新たな出力端子を増設したり、外部出力端子213を新設したりしなくても、差球数が特定個数以上となった場合の外部信号を出力することができ、構成の簡略化を図ることが可能になる。
【1198】
なお、上記の場合では、不正が検知されたのか、それとも差球数が特定個数以上となったのかを遊技ホール側のホールコンピュータHCが外部信号から識別できないおそれがあるが、そのような場合でも、当該外部信号がホールコンピュータHCに出力され、遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の下に駆け付けることにより、上記いずれの場合であるのかを把握することができるため、運用上の支障はないものと考えられる。
【1199】
ステップSf1615の実行後又はステップSf1610で否定判定した場合(超過フラグが「1」にセットされていない場合)は、遊技停止判定用処理を終了する。
【1200】
<超過時立上げ用処理、部分クリア用処理>
次に、ステップSf114の超過時立上げ用処理と、ステップSf115の部分クリア用処理とについて説明する。これらの処理は、メイン処理(
図87)の一環として実行されるものであり、パチンコ機10の電源ON操作が行われてMPU312への動作電力の供給が開始された場合に実行されるものである。
【1201】
先ず、ステップSf114の超過時立上げ用処理について
図106(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【1202】
超過時立上げ用処理では先ずステップSf1801において、特定制御用のワークエリア391に設けられた超過フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。超過フラグに「1」がセットされている場合は、超過フラグに「1」がセットされた状態でMPU312の動作電力の供給が停止され、その後、当該動作電力の供給が再開されたことを意味する。このような状況としては、差球数が特定個数以上となり、外部信号が出力された場合において、パチンコ機10の下に駆け付けた遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の電源OFF操作を行い、その後、電源ON操作を行った場合が想定される。
【1203】
上記の際、MPU312の主側RAM314には電源及び発射制御装置191からのバックアップ電力が供給されるため、主側RAM314に記憶された情報は記憶保持される。このため、例えば、当否抽選モードが高確率モードである中で差球数が特定個数以上となり、その状況でパチンコ機10の電源OFF→ON操作が行われた場合、主側RAM314において高確率モードであることを示すエリアが「1」となっている。
【1204】
ちなみに本実施の形態では、パチンコ機10への動作電力の供給が停止された場合において、主制御装置162の主側RAM314にはバックアップ電力が供給されるものの、払出制御装置181の払出側RAM384にはバックアップ電力が供給されないように構成されている。このため、主側RAM314に記憶された情報は、パチンコ機10の電源OFF操作が行われても記憶保持されるのに対し、払出側RAM384に記載された情報は、パチンコ機10の電源OFF操作が行われることに伴い消去される。
【1205】
ステップSf1801で肯定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされている場合)は、ステップSf1802に進み、特定制御用のエリアについて第2初期化処理を実行する。第2初期化処理では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391においてパチンコ機10の設定状態を示す設定値の情報が設定されたエリア(設定値カウンタ)と、払出制御装置181(払出装置222)に賞球の払い出しを行わせるための賞球情報(少なくとも未払い出しの賞球個数に関する情報)が記憶されたエリアとを除き、当該特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。
【1206】
このように設定値のエリアと賞球情報のエリアとを除いて特定制御用のワークエリア391が「0」クリアされるため、例えば、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを示すエリアが「0」クリアされ、パチンコ機10への動作電力の供給が停止される直前における当否抽選モードに関係なく当否抽選モードは低確率モードとなる。また、遊技回が実行されていない状況となるとともに開閉実行モードが実行されていない状況となり、さらに普図用表示部44が変動表示されていない状況であって普電役物63aが閉鎖状態である状況となる。また、特定制御用のワークエリア391に設けられた保留格納エリア314a及び普電保留エリア314cも「0」クリアされるため、特図保留情報及び普図保留情報が消去される。
【1207】
その一方で、賞球情報についてはパチンコ機10への動作電力の供給が停止される直前の状態が引き継がれるため、未払い出しの賞球が残存している状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われても、その後、電源ON操作が行われた場合に、記憶保持された未払い出し分の賞球情報に基づいて賞球コマンドを払出制御装置181に出力することができる。
【1208】
よって、高確率モードの下で差球数が特定個数以上となった場合において、未払い出しの賞球が残っている状況で遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の電源OFF操作を行った場合は、電源ON操作後の抽選モードを低確モードとさせつつ、未払い出しの賞球については電源ON操作後において順次に遊技球を払い出させることができる。これにより、差球数の更なる増加を好適に抑制しながら、遊技者が本来得られるべき賞球を適切に払い出すことができる。
【1209】
なお、第2初期化処理では、ステップSf104(
図87)の第1初期化処理と同様に、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394を「0」クリアしない。これにより、遊技ホールの従業員等によるクリア操作によっては非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394が「0」クリアされないようにすることが可能となる。
【1210】
ステップSf1802の実行後は超過時立上げ処理を終了する。また、ステップSf1801で否定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされていない場合)は、ステップSf1802の処理を実行することなく、超過時立上げ処理を終了する。
【1211】
次に、ステップSf115の部分クリア用処理について説明する。部分クリア用処理は非特定制御用のワークエリア393に記憶された一部の情報について「0」クリアするための処理である。以下、部分クリア用処理について
図106(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、部分クリア用処理におけるステップSf1901~ステップSf1903の処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【1212】
部分クリア用処理では先ずステップSf1901にて、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図97)におけるステップSf1002と同様のものである。
【1213】
ステップSf1902では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている部分クリア用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、部分クリア用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示す部分クリア用処理のプログラムに復帰する。
【1214】
ステップSf1903では、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させ、その後、部分クリア用処理を終了する。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図97)におけるステップSf1004と同様のものである。
【1215】
ここで、ステップSf1902にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行される部分クリア用実行処理について、
図107のフローチャートを参照しながら説明する。
【1216】
ステップSf2101では、使用するスタックエリアを特定制御用のスタックエリア392から非特定制御用のスタックエリア394に切り換える。この処理は、ベース値及び差球数用実行処理(
図98)におけるステップSf1101と同様のものである。
【1217】
ステップSf2102では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち一部のレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393に退避させる。後のステップSf2103~ステップSf2106では、情報を退避させたそれらのレジスタを利用して処理を実行する。
【1218】
ステップSf2102の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSf2103~ステップSf2106のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理にあたっては先ずステップSf2103にて、差球数の情報をクリアする。具体的には、非特定制御用のワークエリア393に設けられた演算結果用エリア504における差球数用エリア504e(
図100)を全て「0」クリアする。これにより、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた時点で差球数用エリア504eに記憶されていた差球数の情報が消去される。
【1219】
ステップSf2103の実行後はステップSf2104にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e(
図100)を全て「0」クリアする。これにより、差球数の算出に利用する常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eについて、それらのカウント値が初期値(「0」)に変更される。
【1220】
ステップSf2105では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定し、「1」にセットされている場合には超過フラグを「0」クリアする(ステップSf2106)。
【1221】
このように本実施の形態では、パチンコ機10の電源ON操作が行われることに伴い、非特定制御用のワークエリア393において記憶されていた差球数の情報と、その算出に用いる遊技履歴の収集値(各入球部についての入球個数の計測値)と、差球数が特定個数以上となったことに対応した情報とが消去される。よって、電源ON操作の後に遊技を行う遊技者は、差球数に関する情報について電源ON操作が行われる前の状態を引き継がずに遊技を始めることになる。
【1222】
なお、パチンコ機10の電源ON操作が行われても、非特定制御用のワークエリア393のうち差球数用エリア504e及び差球数用カウンタエリア502以外の領域は「0」クリアしない。このため、演算結果用エリア504の各エリア504a~504dに記憶された現状ベース値及び各回ベース値の情報や、ベース値用カウンタエリア501における各カウンタ501a~501cの情報は消去されず、記憶されたままの状態となる。よって、電源ON操作の後に遊技を行う遊技者は、ベース値に関する情報について電源ON操作が行われる前の状態を引き継いで遊技を始めることになる。
【1223】
ステップSf2103~ステップSf2106の処理を実行した後は、ステップSf2107にて、使用するスタックエリアを非特定制御用のスタックエリア394から特定制御用のスタックエリア392に切り換える。続くステップSf2108では、ステップSf2102にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をMPU312の各レジスタに復帰させる。
【1224】
<差球数を利用した遊技制限の流れについて>
次に差球数を利用した遊技制限の流れについて
図108、
図109を参照しながら説明する。
【1225】
遊技者により遊技が行われている状況において、パチンコ機10では、主制御装置162のMPU312により、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68に対する入球判定を実行する(
図108(a))。具体的には、上記各入球部61~63,65,68に連通する排出通路部91~96(
図76)に設けられた入球検知センサ91a~96の出力を参照し、それら各入球部61~63,65,68について入球の有無を判定する。
【1226】
そして、上記各入球部61~63,65,68にて入球発生を判定した場合は、主側RAM314の非特定制御用のワークエリア393に設けられた常時用の一般入賞カウンタ502a、第1作動カウンタ502b、第2作動カウンタ502c、特電カウンタ502d、アウトカウンタ502eの値を更新する。これらのカウンタ502a~502eのうちカウンタ502a~502dは一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65にそれぞれ対応しており、それらの入球部61~63,65で入球が発生している場合は、対応するカウンタの値を1加算する。また、アウトカウンタ502eは、遊技領域PAから排出される遊技球の合計個数(総数)を計測する役割を果たしており、アウト口68も含めて上記各入球部61~63,65,68のいずれかで入球が発生している場合は、アウトカウンタ502eの値を1加算する。
【1227】
その後、MPU312では、上記各カウンタ502a~502eの更新結果を利用して差球数を算出する。差球数の算出にあたっては先ず、各カウンタ502a~502dの値(各入球部61~63,65の入球個数)と各入球部61~63,65の賞球数の情報とに基づき、遊技球の合計払出個数を算出する。そして、その合計払出個数からアウトカウンタ502eの値(遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数)を減算し、差球数を導出する。
【1228】
MPU312では、算出した差球数の情報を非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用エリア504eに記憶した後、算出した差球数が遊技制限を発動させるトリガとして設定された特定個数(例えば100000個)以上となっているか否かの超過判定を実行する。そして、差球数が特定個数以上となっている場合は、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグを「1」にセットする。
【1229】
ここで、主側RAM314には、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392と、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394とが設けられている。MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては情報の書き込みと情報の読み出しとの両方が可能である一方で、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に対しては情報の読み出しが可能であるものの、情報の書き込みは不可とされている。そして、遊技の進行を制御するための処理は特定制御に対応する処理に含まれ、上記入球判定から超過判定までの各処理は非特定制御に対応する処理に含まれている。よって、上記入球判定から超過判定までの処理が実行されることにより、遊技の進行を制御するための処理にて利用される情報が書き換えられたり、誤って消去されてしまったりしないようにすることが可能となる。
【1230】
また、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して特定制御に対応する処理がMPU312にて実行される場合、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に対しては情報の書き込みと情報の読み出しとの両方が可能である一方で、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては情報の読み出しが可能であるものの、情報の書き込みは不可とされている。よって、遊技の進行を制御するための処理の実行に際し、上記各カウンタ502a~502eの値や算出した差球数の情報等が書き換えられたり、誤って消去されてしまったりしないようにすることが可能となる。
【1231】
MPU312では、上記入球判定から超過判定までの各処理を、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(
図90)の一環として実行する。よって、上記周期により差球数が定期的に算出されつつ、都度の差球数が特定個数以上の数に到達したか否かが判定される。
【1232】
その際、都度の差球数は、主制御装置162に設けられた第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示される。よって、遊技ホールの従業員がパチンコ機10にて管理される差球数の確認を要する場合は、施錠装置55を解錠して内枠13をパチンコ機10の前方側に回動させることにより、それが可能となる。なお、第1~第5報知用表示装置169a~169eには、パチンコ機10にて算出、管理されるベース値も表示され、ベース値の表示と差球数の表示とで第1~第5報知用表示装置169a~169eが兼用される。よって、それらの各表示に対して各別の表示装置を設ける必要がなく、構成の簡略化が実現されるほか、第1~第5報知用表示装置169a~169eの有効活用を図ることができる。
【1233】
また、都度の差球数は主制御装置162から出力される差球数コマンドを通じて演出制御装置143に通知される。演出制御装置143では、常に又は差球数が一定数以上となった場合に差球数の報知画像が図柄表示装置75に表示されるように制御し、これにより、遊技者に対しても差球数が報知される。
【1234】
例えば通常遊技状態のように払い出される遊技球の総数が少なく抑えられ、遊技球の合計払出個数よりも合計排出個数の方が上回る状況では差球数が減少し、開閉実行モードのように多量の遊技球が払い出され、遊技球の合計排出個数よりも合計払出個数の方が上回る状況では差球数が増加するところ、想定以上に大当たりが繰り返されるなどし、差球数が大幅に増加して上記特定個数に到達すると(
図108(b)のタイミングt1)、MPU312では、前述のとおり超過フラグを「1」にセットした上で、遊技の進行を不可とする遊技停止状態に移行させる。
【1235】
大当たり当選確率は設定値ごとに一義的に定められているものの、実遊技上の当選確率にはばらつきが生じるため、遊技機設計者の想定を超えて出玉数が伸びることがあり、射幸性の高まりが懸念される。この点、本実施の形態では、都度の差球数を監視し、差球数が特定個数以上となることにより、遊技停止状態に移行して遊技継続を不可とするため、賞球を伴う各入球部61~63,65への入球が更に発生することを抑制できる。よって、遊技者が獲得する遊技球の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【1236】
遊技停止状態では、可変入賞装置65及び普電役物63aの閉鎖制御処理を実行してこれらを強制的に閉鎖状態とするとともに、遊技球発射機構110による遊技球の発射を不可とする発射停止処理を実行する。また、特図用表示部43や普図用表示部44にて遊技回の実行中である場合は、それらの進行を制御するための処理を中断することで、それら各遊技回が中止されるようにする。
【1237】
また、MPU312では、演出制御装置143に対して超過コマンドを出力し、差球数が特定個数以上となったことを演出制御装置143に通知する。差球数が特定個数以上となったことに対応した報知画像や、例えば「係員を呼んで下さい」などの呼び出しを求める報知画像が図柄表示装置75に表示されるように制御する。なお、超過コマンドは、差球数が特定個数以上となったことだけでなく、遊技停止状態に移行したことにも対応しているため、演出制御装置143では、図柄表示装置75における演出表示等を停止させたり、遊技停止中であることの画像報知や音声報知を実行させたりする。
【1238】
さらにまた、MPU312では、外部出力端子213を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHCに対し所定の外部信号を出力する。この際、外部出力端子213において、不正が検知された場合に外部信号が出力される出力端子と同じ端子から、上記外部信号が出力されるようにする。この場合、当該外部信号をパチンコ機10にて何等かの異常が発生したことを通知する信号として機能させ、ホール従業員がパチンコ機10の下に駆け付けるように促す。このように、差球数が特定個数以上となった場合と不正が検知された場合とで外部出力用の同一端子を兼用して外部信号を出力することで、新たな出力端子を増設しなくても差球数が特定個数以上となった場合の外部信号を出力することができ、さらには遊技ホールにおいても既存の設備(データカウンタ等の外部信号の受信機器)を利用して当該外部信号を受信することができる。
【1239】
なお、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合は、払出制御装置181に遊技停止コマンドを出力しない。すなわち、払出装置222を駆動して遊技球の払い出しを行わせるための制御処理を継続させ、遊技停止状態中での遊技球の払い出しを許容する。これにより、払い出しの途中で遊技停止状態に移行した場合でも、遊技球の払い出しが完了するまで払出処理が行われるものとなり、遊技者が本来得られるべき賞球を適切に払い出すことができる。
【1240】
また、差球数が特定個数以上となった場合は、遊技停止状態下での外部信号の出力を許容しながら遊技停止状態への移行を行い、遊技停止状態で遊技球の払い出しが行われた場合の外部信号(賞球信号)の出力を可能とする。これにより、遊技停止中での払い出しの発生やその個数をホールコンピュータHCに通知することができ、遊技停止状態下で払い出しが実行され得る構成であっても、ホールコンピュータHCが管理する払出個数と実際に払い出された個数とを好適に整合させることが可能になる。
【1241】
ちなみに遊技停止状態には、差球数が特定個数以上となった場合のほか、磁気や振動等の異常を検知した場合も移行する(
図109(a))。この場合は、払出制御装置181に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置222による遊技球の払出を停止させる。これにより、遊技球を不正に払い出させる行為が行われていた場合には、それ以上の遊技球の払い出しを即座に規制し、遊技ホールの損害が拡大することを抑制する。
【1242】
また、磁気や振動等の異常を検知した場合は外部信号の出力も規制する。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、遊技停止中の外部出力の出力を許容する構成としてもよい。
【1243】
差球数が特定個数以上となり上記所定の外部信号が出力された後、パチンコ機10の下に駆け付けたホール従業員によって、パチンコ機10の電源OFF操作が行われてMPU312への動作電力の供給が停止されると、MPU312では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットし、さらに特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392を対象としてチェックサムの算出及び保存を行う。動作電力の供給が停止されている間は、電源及び発射制御装置191からバックアップ電力を主側RAM314に供給し、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392に記憶された情報と非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394とに記憶された情報とを保持する。
【1244】
その後、ホール従業員により、リセットボタン166cが押圧操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われ、その状態でMPU312に動作電力の供給が開始されると、MPU312では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出し、これと電源遮断時に保存したチェックサムとが一致するか否かを判定する。
【1245】
それらが一致する場合は記憶保持した情報を有効なものであると認識し、その後、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされている否かを判定する。超過フラグが「1」にセットされている場合は、差球数が特定個数以上となっている状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われたことを意味する。この場合は、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392について第2初期化処理を実行する。第2初期化処理では、パチンコ機10における現在の設定値の情報が記憶されたエリアと、払出制御装置181(払出装置222)に賞球の払い出しを行わせるための賞球情報が記憶されたエリアとを除き、特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする(
図109(b))。
【1246】
上記クリア処理により特定制御用のワークエリア391の情報が消去されることで、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグが「0」クリアされ、遊技停状態が解除される。また、抽選モードが低確率モードとされるとともに、開閉実行モードや遊技回が実行されておらず、さらには特図保留情報及び普図保留情報が消去された状態となる。よって、例えば、高確モードにて大当たりが連荘している途中で差球数が特定個数以上となった場合は、その連荘状態が解除され、当否抽選モードが低確率モードに変更された上で遊技の再開が行われることになる。
【1247】
また、第2初期化処理では、賞球情報をクリア処理の対象外とし、電源遮断時における賞球情報の状態が電源投入後においても引き継がれる。このため、未払い出しの賞球が残存している状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われることがあっても、その後、電源ON操作が行われることで、続きの払い出しを行わせることができる。
【1248】
上記第2初期化処理の後、MPU312では非特定制御用のワークエリア393について部分クリア用処理を実行する。部分クリア用処理では、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア504eに記憶された差球数の情報を消去し、さらに、上記ワークエリア393において各入球部61~63,65,68への遊技球の入球履歴を収集するために設けられた各カウンタ502a~502eの値を初期化する。このため、差球数が特定個数以上となった状態でホール従業員によりパチンコ機10が再起動された場合は、差球数の超過状態が解除され且つ差球数の計測が初期状態から開始される状態でパチンコ機10が立ち上がる。
【1249】
なお、差球数が特定個数未満の状態であり、超過フラグが「1」にセットされていない状態で、リセットボタン166cが押圧操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合は、上記第2初期化処理を実行せず、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392について動作電力の供給が停止されたときに記憶されていた情報がそのまま保持された状態とする。
【1250】
その一方で、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては部分用クリア処理を実行し、差球数の情報を消去するとともに、各カウンタ502a~502eの値や超過フラグの状態を初期化する。これにより、遊技ホールの閉店に伴うパチンコ機10の電源OFF操作と、翌日の開店に伴うパチンコ機10の電源ON操作とが行われるだけで、前日の遊技により更新された各カウンタ502a~502eの値を初期化させたり、差球数の情報を消去させたりすることができる。例えば、各カウンタ502a~502eの初期化や差球数の情報の消去に、リセットボタン166cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うリセット操作を要する場合は、遊技ホールに設置された各パチンコ機について1台ずつリセット操作を行わなければならず、開店準備に際してのホール従業員の手間が大幅に増大するおそれがある。この点、上記構成であることで、そのような手間を無くすことができ、ホール従業員の作業負担を軽くすることができる。特に遊技ホールでは島設備に複数台のパチンコ機10が設置され、島設備の電源を投入することで当該島設備に設置された複数台のパチンコ機10の電源を一括して投入することが可能であるため、島設備の電源ON操作により、差球数の情報の消去等を複数台のパチンコ機10に対してまとめて行うことができ、遊技ホールでの開店準備の手間を好適に削減することが可能になる。
【1251】
上記のように電源ON操作する場合において、設定キー挿入部166aがオン操作の位置とされていた場合は、設定確認状態に移行する。設定確認状態では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにて設定値の表示を行う。
【1252】
また、差球数が特定個数未満の状態であり、超過フラグが「1」にセットされていない状態で、リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合は、上記第1初期化処理を実行する。第1初期化処理では、パチンコ機10における現在の設定値の情報が記憶されたエリアを除き、特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。また、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394について部分用クリア処理を実行し、差球数が特定個数に記憶された差球数の情報を消去するとともに、各カウンタ502a~502eの値や超過フラグの状態を初期化する。
【1253】
上記の際、設定キー挿入部166aがオン操作の位置とされた状態で電源ON操作が行われた場合は、第1初期化処理を実行した後、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な設定更新状態に移行する。設定更新状態では、更新ボタン166bを押圧操作することで「設定1」~「設定6」の範囲で設定値を切り換えることができる。この際、第1~第5報知用表示装置169a~169eにて設定値の表示を行う。なお、更新ボタン166bを備えず、リセットボタン166cを操作することにより設定値の切り換えを行うことが可能な構成としてもよい。
【1254】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【1255】
一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への入球が発生した場合に、それら各入球部61~63,65,68に対応する各カウンタ502a~502eを更新し、それらの情報に基づいて差球数を導出する構成とした。これにより、パチンコ機10において、各入球部61~63,65,68への入球発生の履歴を収集するとともに、都度の差球数をパチンコ機10が監視することができる。そして、導出した差球数が特定個数以上となった場合に遊技停止状態に移行させる構成とした。これにより、遊技者が獲得する賞球の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるようにパチンコ機10を動作させることが可能になる。
【1256】
主側RAM314において、特定制御用のプログラムにより処理が実行される場合に情報を読み書きするためのエリアとしての特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392と、非特定制御用のプログラムにより処理が実行される場合に情報を読み書きするためのエリアとしての特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394とをそれぞれ設け、特定制御用のプログラムにより処理が実行される場合は、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394からの情報の読み出しが可能であるものの、情報の書き込みが不可であり、非特定制御用のプログラムにより処理が実行される場合は、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392からの読み出しが可能であるものの、情報の書き込みが不可である構成とした。そして、特定制御用のプログラムにより実行される処理に遊技の進行を制御するためのステップSf409~ステップSf419の処理を含み、各入球部61~63,65,68への入球発生の履歴を収集するための各カウンタ502a~502eと、導出した差球数の情報が記憶される差球数用エリア504eとを非特定制御用のワークエリア393内に設ける構成とした。
【1257】
このような構成であることで、遊技の進行を制御するための処理により、各カウンタ502a~502eの情報や差球数用エリア504eに記憶される差球数の情報が書き換えられたり、消去されたりすることがないようにできる。よって、差球数が特定個数以上となったか否かの監視を適切に行うことができ、延いては当該監視結果に基づく遊技停止状態への移行制御を適切に行わせることができる。
【1258】
差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合の外部情報を、不正検知(異常検知)に基づいて遊技停止状態に移行する場合に外部情報を出力するときの外部出力用端子と同じ端子を用いて出力する構成とした。これにより、パチンコ機10では新たな外部出力用端子の増設が不要になり、遊技ホールではデータカウンタ等の情報受信部や、ホールコンピュータHC等の管理装置について既存の構成を用いることができ、双方においてコストの削減を図ることが可能になる。
【1259】
その際、差球数が特定個数以上となった場合の外部信号の信号態様(出力期間等)を不正検知が行われた場合の外部情報の信号態様と共通化し、前者の場合と後者の場合とで同じ信号を出力する構成とした。この場合、パチンコ機10では、差球数が特定個数以上となった場合に対応した専用態様の信号を出力するための処理プログラムを追加する必要がなく、遊技ホールでは、既存のホールコンピュータHCによって差球数が特定個数以上となった場合の外部情報を解析することができ、ホールコンピュータHCにおける改良や機能追加が不要となる。但し、差球数が特定個数以上となった場合の外部情報と、不正検知が行われた場合の外部情報とをホールコンピュータHCにて区別して認識することが不可又は困難となることが想定されるため、ホール従業員の呼び出しを求める信号として機能させることが好ましい。
【1260】
差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合にその遊技停止状態において遊技球の払い出しが許容される構成とした。例えば、遊技球を払い出している途中タイミングで差球数が特定個数以上となった場合、遊技停止状態への移行に伴って遊技球の払い出しが途中終了されてしまうおそれがある。この点、本構成によれば、払い出しの途中で遊技停止状態に移行しても最後まで遊技球の払い出しを行わせることができる。
【1261】
特に差球数が特定個数以上となる状況として、多くの賞球が短期間で発生する開閉実行モードの実行中が想定されるが、この際、満タン状態が発生して遊技球の払い出しが止まった状態が続いていることがあると、内部的に未払い出しの賞球が多く蓄積されていくことになる。この場合において例えば、遊技停止状態への移行に伴い払い出しが規制される構成では、遊技者が下皿34から遊技球を抜いて満タン状態を解消しても、遊技球の払い出しが再開されず、内部的に蓄積された多量の未払い出しの賞球を回収することができなくなるおそれがある。この点、遊技停止状態である状況で遊技球の払い出しが許容されていることで、満タン状態が解消されて払出装置222からの遊技球の払い出しが可能な状態となれば、未払い出しの賞球に対応した遊技球の払い出しを行わせることができ、遊技者が得られるべき賞球を適切に払い出すことが可能になる。
【1262】
差球数が特定個数以上となった場合の遊技停止状態において遊技球の払い出しに対応する外部情報の出力を許容する構成とした。この場合、遊技停止状態の中で遊技球の払い出しが行われても、当該払い出しの発生が上記外部情報の出力を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHCに適切に通知される。よって、遊技停止中に遊技球の払い出しが行われることに起因して、パチンコ機10において実際に払い出した遊技球の数と、ホールコンピュータHCが把握する数とに不整合が生じることを抑制することが可能になる。
【1263】
差球数が特定個数以上となっている状況でMPU312への動作電力の供給が停止され、その後、MPU312への動作電力の供給が開始された場合に、第2初期化処理を実行して特定制御用のワークエリア391に記憶された情報を消去する構成とした。これにより、例えば、当否抽選モードが高確率モードである状況で確変大当たりに当選し、その確変大当たりに対応する開閉実行モードの途中で差球数が特定個数以上となった場合に、開閉実行モード中であることに対応したフラグ情報や、当該開閉実行モード後に高確率モードに移行することに対応した情報(高確率モードへの移行に対応した種別の大当たりであることを示す大当たり種別情報)が初期化された上でパチンコ機10が起動される。このため、当否抽選モードが低確率モードであり且つ開閉実行モードが実行されていない状態に変更されて遊技が行われることになり、その結果として賞球の更なる獲得が制限される。よって、遊技者が獲得する賞球の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるようにパチンコ機10を動作させることが可能になる。また、そのような変更をパチンコ機10自身が自動的に行うため、差球数が特定個数以上となった場合のホール従業員の手間を軽減することができる。さらに当該変更を行うか否かにホール従業員の裁量が介入しないため、遊技の公平性を担保することもできる。
【1264】
第2初期化処理において、払出制御装置181(払出装置222)に賞球の払い出しを行わせるための賞球情報を初期化の対象外とする構成とした。これにより、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行し、その遊技停止状態において未払い出しの賞球が残っている状況でパチンコ機10の電源OFF操作を行っても、電源ON操作後において未払い出しの賞球に対応する遊技球を順次に払い出させることができる。つまり、当否抽選モード等の情報については初期化することで賞球の更なる獲得を制限しながらも、未払い出しの賞球については、それに対応する情報を記憶保持して遊技者が本来得られるべき賞球を適切に払い出させることが可能になる。
【1265】
なお、本実施の形態では、電源遮断時におけるRAMに記憶された情報のバックアップ機能について主制御装置162の主側RAM314には設けられるものの、払出制御装置181の払出側RAM384に設けられておらず、電源遮断時において、賞球の払い出しを行わせるための賞球情報が主側RAM314に記憶保持される。これを踏まえて、復電時の第2初期化処理に際し、主側RAM314を対象として賞球情報が消去されないように構成したが、払出側RAM384に対してバックアップ機能が設けられ、電源遮断時において賞球情報が払出側RAM384に記憶保持される場合は、その記憶保持された賞球情報が消去されないようにするとよい。
【1266】
差球数が特定個数以上となっているか否かにかかわらず、MPU312への動作電力の供給が停止され、その後、MPU312への動作電力の供給が開始された場合に、部分クリア用処理を実行し、差球数の情報や各カウンタ502a~502eの値を初期化する構成とした。この場合、遊技ホールの閉店に伴うパチンコ機10への電源遮断と翌日の開店に伴うパチンコ機10への電源投入とが順に行われることで、上記差球数の情報等を自然と消去することができる。このため、前日の遊技実績に基づく差球数等が引き継がれた状態で遊技が行われることが抑制され、遊技停止状態への移行が前日の遊技実績の影響により行われることを抑制できる。
【1267】
しかも、部分クリア用処理の実施に電源遮断及び電源投入以外の操作を求めない構成としたため、遊技ホールの開店時におけるホール従業員の手間を大きく削減できる。例えば、リセットボタン166cの押圧操作が行われながらMPU312への動作電力の供給が開始されることを条件として差球数の情報等が消去される場合は、遊技ホールに設置された各パチンコ機について1台ずつそのような操作を行う必要があり、ホール従業員にとって非常に手間のかかる作業となるおそれがある。この点、本構成であれば、パチンコ機10への電源投入に伴い自然と差球数の情報等が消去されるため、当該消去に要する手間を大きく減らすことができる。特に遊技ホールでは、島設備の電源を投入することで当該島設備に設置された複数のパチンコ機に一括して電源を投入し得るため、1の操作により複数のパチンコ機についてまとめて消去処理を行うことができ、差球数の情報等の効率的な消去を行うことが可能になる。
【1268】
なお、差球数の情報等は非特定制御用のワークエリア393に記憶されるため、上記部分クリア用処理でそれらの情報を消去する際に、特定制御用のワークエリア391に記憶される設定値等の情報が書き換えられたり、消去されたりすることを抑制できる。
【1269】
パチンコ機10の電源投入に伴い開始されるメイン処理(
図87)の中で上記部分クリア用処理を実行する構成とした。この場合、部分クリア用処理にて前日の差球数の情報等が消去されてから、遊技の進行に関する制御を行うタイマ割込み処理(
図90)が実行される順番とすることができる。これにより、前日の差球数の情報等が残ったままで遊技が進行することを確実に回避することができる。
【1270】
ベース値に対応する表示が行われる第1~第5報知用表示装置169a~169eを利用して差球数に対応する表示を行う構成とした。その際、ベース値に対応する表示と、差球数に対応する表示とに順次に切り換えて表示する構成とした。この場合、第1~第5報知用表示装置169a~169eを有効利用しながら、ベース値及び差球数に対応する各表示を好適に行うことが可能になる。
【1271】
また、第1~第5報知用表示装置169a~169eでの表示において、差球数が特定個数以上となった場合は、差球数に対応する表示に固定化する構成とした。これにより、差球数が特定個数以上となった場合の遊技停止状態においてホール従業員がパチンコ機10の下に駆け付けた際に、第1~第5報知用表示装置169a~169eを視認することで、その時点での差球数を即座に把握することができる。よって、遊技停止の確認を円滑に進めることができ、遊技ホール側の利便性を高めることが可能になる。
【1272】
<変形例1>
上記第2の実施の形態の変形例1について
図110~
図112を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【1273】
本変形例は、超過用判定において特定個数との比較に用いる差球数の態様が上記第2の実施の形態と異なる。具体的には、上記第2の実施の形態では、パチンコ機10の電源ON操作が行われた場合に差球数を初期化して0個とし、これを開始基準値として算出を開始した差球数(電源投入からの通算差球数)を特定個数と比較したが、本変形例では、差球数が減少状態から増加状態に転じた場合の変化点CP(
図110)を把握するとともに、その変化点CPを開始基準値とする判定用差球数SAを算出し、これを特定個数と比較する構成としている。以下、そのための構成について詳細に説明する。
【1274】
図111(a)は、非特定制御用のワークエリア393の設定態様を説明するための説明図である。本変形例において非特定制御用のワークエリア393には差球数用エリア601が設けられている。差球数用エリア601は、差球数の情報を記憶するためのエリアであり、上記第2の実施の形態における差球数用エリア504e(
図100)に代えて設けられるものである。
【1275】
本変形例は差球数の情報として複数の情報を扱う構成となっており、差球数用エリア601にはそれら複数の情報に対応させて複数の記憶エリアが設けられている。具体的には、0個を基準とした今回の差球数(上記第2の実施の形態と同様の差球数)を記憶するための現状差球用エリア601aと、0個を基準とした前回の差球数を記憶するための前回差球用エリア601bと、上記変化点CPに対応する開始基準値を記憶するための開始基準用エリア601cと、上記判定用差球数SAを記憶するための判定差球用エリア601dとが設けられている。
【1276】
<超過判定用処理>
本変形例に係る超過判定用処理について
図112のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、ベース値及び差球数用実行処理(
図98)のステップSf1104で実行されるものであり、
図101の超過判定用処理に代えて実行されるものである。
図112において
図101と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。なお、本処理は、非特定制御用のプログラムにより実行される。
【1277】
先ずステップSf1301では、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。入球が発生している場合はステップSf1302に進み、ステップSf1301での判定結果に基づき、非特定制御用のワークエリア393に設けられた入球検知用の各カウンタ502a~502eの値を更新する。
【1278】
ステップSf2301ではデータシフト処理を実行する。データシフト処理では、差球数用エリア601において現状差球用エリア601aに記憶されている差球数の情報を前回差球用エリア601bにシフトさせる。これにより、前回の処理回で算出された差球数の情報が前回差球用エリア601bに記憶される。
【1279】
ステップSf2302では差球数の算出処理を実行する。この場合の差球数は0個を基準とする電源投入からの通算差球数であり、本ステップの算出処理では、上記第2の実施の形態におけるステップSf1303(
図101)と同様の演算処理を実行して差球数を導出する。すなわち、その時点での各カウンタ502a~502eの値を利用し、遊技球の合計払出個数-遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数によって差球数を導出する。
【1280】
ステップSf2303ではステップSf2302で算出した差球数を上記現状差球用エリア601aに上書きする処理を実行する。これにより、現状差球用エリア601aに今回の差球数の情報が記憶される。続くステップSf2304では最下点判定処理を実行する。最下点判定処理は、
図110の変化点CPを把握するための処理である。ここで、最下点判定処理について
図111(b)を参照しながら説明する。
【1281】
最下点判定処理では先ず前回差球用エリア601bに記憶されている前回の差球数S2が、開始基準用エリア601cに記憶されている開始基準値よりも小さいか否かを判定する。開始基準用エリア601cの開始基準値は、パチンコ機10への電源投入により差球数の情報が初期化されてから前回の処理回の終了までの期間における各回で算出された差球数のうちの最小値であり、換言すれば、当該期間における最新の最下点である。そして、前回の差球数S2がその時点での開始基準値よりも小さい場合は、今回の差球数S1が前回の差球数S2よりも大きく、今回の処理回にて差球数が増加しているか否かを判定する。その結果、今回の処理回にて差球数が増加していると判定した場合は、前回の差球数S2を新たな最下点として認識する。
【1282】
超過判定用処理(
図112)の説明に戻り、ステップSf2304の最下点判定処理の実行後は、ステップSf2305にて開始基準値の更新処理を実行する。開始基準値の更新処理では、ステップSf2304の最下点判定処理にて前回の差球数S2を新たな最下点として認識した場合に、前回差球用エリア601bに記憶されている情報を開始基準用エリア601cに上書きする処理を実行する。これにより、開始基準値が更新される。
【1283】
ステップSf2306では判定用差球数SAの算出処理を実行する。判定用差球数SAは開始基準値からの差球数であり、その算出処理では今回の差球数S1から開始基準値を減算することにより判定用差球数SAを導出する。続くステップSf2307では、ステップSf2306で算出した判定用差球数SAを判定差球用エリア601dに上書きする処理を実行する。
【1284】
ステップSf2308では、ステップSf2307で判定差球用エリア601dに上書きした判定用差球数SA(ステップSf2306で算出した判定用差球数SA)が特定個数(例えば100000個)以上であるか否かを判定する。判定用差球数SAが特定個数以上である場合は、ステップSf2309に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた各種フラグ用エリア507の超過フラグを「1」にセットする。
【1285】
このようにして超過フラグを「1」にセットした場合は、タイマ割込み処理(
図90)におけるステップSf407の遊技停止判定用処理(
図105)にて遊技停止状態への移行処理(ステップSf1610~ステップSf1615)を実行する。これにより、開閉実行モード中であった場合は当該開閉実行モードが途中終了され、さらには可変入賞装置65及び普電役物63aが閉鎖状態とされるとともに、遊技領域PAへの遊技球の発射が規制され、その後の遊技の進行が制限される。
【1286】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【1287】
差球数の最下点CPを把握して開始基準値とするとともに、その開始基準値からの差球数の増加分である判定用差球数SAを導出し、これを特定個数と比較して遊技停止状態への移行制御を行う構成とした。
【1288】
例えば、0個を基準として算出した差球数を特定個数と比較する場合は、遊技の中で生じたマイナス分(いわゆるハマリ分)により実質的な差球数の上限に変動が生じる。例えば
図110に示すように、遊技の中で差球数が-25000個まで低下した場合に、そこから遊技を開始した遊技者がいたと仮定すると、その遊技者に対して許容される差球数の増加分SBは1250000個となり、実質的な差球数の上限は100000個よりも大きくなる。このような上限数の変動幅は、マイナス分にばらつきが生じることに起因してパチンコ機10ごとに相違するため、遊技の公平性を損なう要因となり得る。
【1289】
この点、本変形例によれば、マイナス分が終了した時点を始点とする期間TPを対象として差球数の増加分が把握されるため、マイナス分にかかわらず、実質的な差球数の上限を100000個に固定化することができる。これにより、遊技者間の公平性を高めることができ、遊技しやすい構成とすることが可能になる。
【1290】
<変形例2>
上記第2の実施の形態の変形例2について
図113~
図115を参照しながら説明する。これらの図において上記第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【1291】
上記第2の実施の形態では、MPU312への動作電力の供給が開始された場合に、差球数の情報の消去や差球数用カウンタエリア502における各カウンタ502a~502eの初期化を実行したが、本変形例では、これをMPU312への動作電力の供給が停止された場合に実行する構成としている。以下、そのための構成について詳細に説明する。
【1292】
<停電情報記憶処理>
本変形に係る停電情報記憶処理について
図113のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、タイマ割込み処理(
図90)のステップSf401で実行されるものである。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【1293】
停電情報記憶処理では先ずステップSf3101にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた繰り返しカウンタに停電信号用の繰り返し回数情報である「10」の情報をセットする。続くステップSf3102では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電検知カウンタを「0」クリアする。
【1294】
ステップSf3103では、MPU312の入力ポートに受信している停電信号の情報を読み込む処理を実行する。この場合、電源遮断が発生していないことに対応した停電信号(LOWレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに非電断情報として「0」の情報が格納されており、電源遮断が発生していることに対応した停電信号(HIレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに電断発生情報として「1」の情報が格納されている。ステップSf3103では、かかる停電信号の情報をMPU312のレジスタに読み込む処理を実行する。
【1295】
ステップSf3103にて読み込んだ停電信号の情報が停電の発生(電断の発生)に対応したものである場合は(ステップSf3104:YES)、ステップSf3105にて停電検知カウンタの値を1加算する。ステップSf3104で否定判定した場合又はステップSf3105の処理を実行した場合は、ステップSf3106にて繰り返しカウンタの値を1減算する。
【1296】
ステップSf3107では、その1減算後における繰り返しカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。繰り返しカウンタの値が「0」でない場合は、ステップSf3103に戻りステップSf3103~ステップSf3106の処理を繰り返す。一方、繰り返しカウンタの値が「0」である場合は、ステップSf3108に進み、停電検知カウンタの値が、停電発生に対応した契機基準回数以上となっているか否かを判定する。契機基準回数未満である場合には、そのまま本停電情報記憶処理を終了する。一方、契機基準回数以上である場合には、ステップSf3109~ステップSf3113の停電時処理を実行する。
【1297】
具体的には先ずステップSf3109にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットする。これにより、正常に停電時処理が実行されるとともに主側RAM314における情報の記憶保持が正常に行われた場合には、MPU312への動作電力の供給が再度開始された場合に特定制御用のワークエリア391の停電フラグに「1」がセットされていることとなる。
【1298】
ステップSf3110では、非特定制御用のワークエリア393に記憶された差枚数等を消去するための電断時クリア用処理を実行する。電断時クリア用処理の詳細については後述する。
【1299】
ステップSf3110の実行後はステップSf3111にて、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出する。この場合、チェックサムの算出に際して演算対象となる特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392における記憶エリアは、メイン処理(
図87)のステップSf106にてチェックサムの演算対象となる特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392における記憶エリアと同一である。また、このチェックサムの算出に際して演算対象となる記憶エリアには、特定制御用のワークエリア391においてパチンコ機10の設定状態を示す設定値の情報が設定されたエリア(具体的には設定値カウンタ)が含まれている。そして、その算出したチェックサムを特定制御用のワークエリア391における当該チェックサムを記憶するための記憶エリアであってチェックサムの算出対象から除外されている記憶エリアに記憶させる。
【1300】
ステップSf3112では、MPU312のレジスタにおける出力ポートの情報を全て「0」にセットし、続くステップSf3113では、主側RAM314へのアクセスを禁止する。そして、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【1301】
なお、タイマ割込み処理の最初の処理として停電情報記憶処理を実行するようにしたことにより、復電後にタイマ割込み処理の途中から実行する必要がなくなる。これにより、停電発生時に実行していた処理のアドレスをスタック情報として主側RAM314に記憶する必要がなくなり、停電発生時の処理負荷を軽減することが可能となる。
【1302】
<電断時クリア用処理>
ステップSf3110の電断時クリア用処理について
図114のフローチャートを参照しながら説明する。なお、電断時クリア用処理におけるステップSf3201~ステップSf3205の処理は特定制御用のプログラムにより実行される。
【1303】
電断時クリア用処理では先ずステップSf3201にて、タイマ割込み処理(
図90)の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSf3202では、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図97)におけるステップSf1002と同様のものである。
【1304】
ステップSf3203では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている電断時クリア用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、電断時クリア用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示す電断時クリア用処理のプログラムに復帰する。
【1305】
ステップSf3204では、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させ、その後、部分クリア用処理を終了する。ステップSf3204の処理は、この処理はベース値及び差球数算出処理(
図97)におけるステップSf1004と同様のものである。
【1306】
ステップSf3205では、タイマ割込み処理(
図90)の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換えるために割込み許可の設定を行う。これにより、タイマ割込み処理の新たな実行が可能となる。
【1307】
ここで、ステップSf3203にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行される電断時クリア用実行処理について、
図115のフローチャートを参照しながら説明する。
【1308】
ステップSf3301では、使用するスタックエリアを特定制御用のスタックエリア392から非特定制御用のスタックエリア394に切り換える。この処理は、ベース値及び差球数用実行処理(
図98)におけるステップSf1101と同様のものである。
【1309】
ステップSf3302では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち一部のレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393に退避させる。後のステップSf3303~ステップSf3306では、情報を退避させたそれらのレジスタを利用して処理を実行する。
【1310】
ステップSf3302の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSf3303~ステップSf3306のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理にあたっては先ずステップSf3303にて、差球数の情報をクリアする。具体的には、非特定制御用のワークエリア393に設けられた演算結果用エリア504における差球数用エリア504e(
図100)を全て「0」クリアする。これにより、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた時点で差球数用エリア504eに記憶されていた差球数の情報が消去される。
【1311】
なお、本変形例の構成を上記変形例1に適用した場合は、ステップSf3303にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用エリア601(
図111)の各エリア601a~601dを全て「0」クリアする。これにより、差球数が特定個数以上となっているか否かの判定に用いる判定用差球数SAが初期化されたり、当該判定用差球数SAの算出に用いる開始基準値等が初期化されたりする。
【1312】
ステップSf3303の実行後はステップSf3304にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e(
図100)を全て「0」クリアする。これにより、差球数の算出に利用する常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eについて、それらのカウント値が初期値(「0」)に変更される。
【1313】
ステップSf3305では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定し、「1」にセットされている場合には超過フラグを「0」クリアする(ステップSf3306)。
【1314】
ステップSf3307では、使用するスタックエリアを非特定制御用のスタックエリア394から特定制御用のスタックエリア392に切り換える。続くステップSf3308では、ステップSf3302にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をMPU312の各レジスタに復帰させる。
【1315】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【1316】
差球数が特定個数以上となっているか否かにかかわらず、MPU312への動作電力の供給が停止された場合に、電断時クリア用処理を実行し、差球数の情報や各カウンタ502a~502eの値を初期化する構成とした。この場合、遊技ホールの閉店に伴うパチンコ機10への電源遮断が行われることで、上記差球数の情報等が自然と消去されるため、翌日にパチンコ機10への電源投入が行われた場合に、差球数の情報等が消去されている状態で動作電力の供給が開始されることになる。これにより、前日の遊技実績に基づく差球数等が引き継がれた状態で遊技が行われることが抑制され、遊技停止状態への移行が前日の遊技実績の影響により行われることを抑制できる。その際、電断時クリア用処理の実施に電源遮断以外の操作を求めない構成としたため、遊技ホールの閉店時におけるホール従業員の手間を大きく削減することができる。
【1317】
<その他の変形例>
なお、上述した第2の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第2の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第2の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第2の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【1318】
また、理解の容易のため、例えば「第2の実施の形態では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施例に対しても適用することが可能である。
【1319】
(1)上記第2の実施の形態や各変形例では、遊技球の合計払出個数から遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を減算して差球数を導出したが、遊技球の合計払出個数から遊技領域PAに発射された遊技球の合計個数を減算して差球数を導出してもよい。この場合、遊技球発射機構110から発射されたものの、遊技領域PAに到達せずにファール球通路46に回収された遊技球を差球数の算出対象から除外するとよい。具体的には、遊技領域PAに到達可能な発射強度で発射された遊技球が通過する領域に遊技球検知センサを配置し、当該センサにより検知される遊技球の個数をカウントして上記発射された遊技球の合計個数とするとよい。なお、遊技領域PAに到達可能な発射強度で発射された遊技球が通過する領域としては、例えば、逆戻り防止部材106の配置領域やその周辺部等が考えられる。
【1320】
ちなみに上記第2の実施の形態や各変形例において、特定個数から差球数を減算して特定個数までの残り個数を導出し、この残り個数に基づいて超過判定を行う構成としてもよい。この場合、当該残り個数が0個以下となった場合に遊技停止状態への移行が行われるものとなる。
【1321】
(2)上記第2の実施の形態や各変形例では、各入球部61~63,65,68への入球の発生に基づいて各カウンタ502a~502eを更新することで、入球発生時を基準とした差球数を導出する構成としたが、賞球の付与がある入球部61~63,65については遊技球の払い出しが行われた場合に、その払い出し個数をカウントし、その合計値を「遊技球の合計払出個数」に用いることで、払い出し時を基準とした差球数を導出してもよい。この場合、例えば満タン状態となっていることにより遊技球の払い出しが中断されている状況で差球数が特定個数以上となることが回避され、未払い出しの遊技球が多く残存している中で遊技停止状態に移行することを抑制できる。
【1322】
但し、意図的に満タン状態を形成して遊技球の払い出しが行われないようにすることで、差球数が特定個数に到達するタイミングを遅らせることができ、遊技継続期間の実質的な延長を図ることができる懸念がある。そのような意味では、上記第2の実施の形態や各変形例のように入球発生時を基準として差球数を導出するか、又は、遊技停止状態において遊技球の払い出しを許容する機能を搭載しないようにした上で払い出し時を基準とした差球数の導出を行うとよい。
【1323】
(3)上記第2の実施の形態や各変形例において、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数から遊技球の合計払出個数を減算して差球数を導出してもよい。この場合、差出される差球数において遊技者側のプラス分が負の値によって示されるため、特定個数として負の値を用いる。つまり、算出される差球数が特定個数としての-100000個以下となったら遊技停止状態に移行する構成となる。
【1324】
(4)上記第2の実施の形態や各変形例では、全ての入球部61~63,65,68を対象として入球履歴の情報を収集したが、一部の入球部を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、可変入賞装置65のみを対象として入球履歴の情報を収集する構成とすれば、開閉実行モード中での差球数の増加により遊技停止状態に移行する構成とすることができる。
【1325】
(5)上記第2の実施の形態や各変形例では、全ての遊技状態を対象として各入球部61~63,65,68への入球履歴の情報を収集したが、一部の遊技状態を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、開閉実行モード中を対象として入球履歴の情報を収集してもよく、この場合、開閉実行モード中での差球数の増加により遊技停止状態に移行する構成とすることができる。
【1326】
また、上記第2の実施の形態や各変形例では、パチンコ機10への電源投入からの全ての期間を対象として各入球部61~63,65,68への入球履歴の情報を収集したが、一部の期間を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、いわゆる連荘期間を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。なお、連荘期間としては、例えば、通常遊技状態中に大当たりとなり、その大当たりに対応する開閉実行モードの終了後に高確遊技状態(高確率モード、又は高確率モード且つ高頻度サポートモード)又は時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する場合において、当該開閉実行モードが開始されてから通常遊技状態に移行するまでの期間とすることができる。
【1327】
(6)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1~第5報知用表示装置169a~169eを設け、5桁の数値表示により差球数を表示する構成としたが、6個の報知用表示装置を備えるとともに、差球数が負の値である場合において最も左側の報知用表示装置に「-(マイナス)」を表示してもよい。また、設定値やベース値の表示に合わせて4個の報知用表示装置を備え、差球数の表示については、表示が右側から左側へ流れるように表示してその全体を表示するようにしてもよい。
【1328】
(7)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1~第5報知用表示装置169a~169eを設定値とベース値と差球数とで共用するが、設定値と差球数とで共用してもよいし、ベース値と差球数とで共用してもよい。また、設定値やベース値が表示される表示装置とは別の表示装置にて差球数が表示される構成としてもよい。
【1329】
(8)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいてベース値と差球数とが順番に切り換え表示される構成としたが、表示切換用の操作手段(切換ボタンなど)を設け、当該操作手段が操作されることにより表示が切り換えられる構成としてもよい。この場合、上記操作手段が操作される都度、現状ベース値→前回ベース値→前々回ベース値→前々々回ベース値→差球数の順で切り換え表示が行われる構成としてもよいし、上記操作手段が操作される都度、ベース値表示と差球数表示とが切り換えられる構成としてもよい。この場合、第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示内容を素早く切り換えることができ、ホール従業員が差球数を早く視認したい場合に有効である。
【1330】
(9)上記第2の実施の形態や各変形例において、
図90のタイマ割込み処理とは別に、当該タイマ割込み処理よりも割込み周期が短い第2タイマ割込み処理を設け、その第2タイマ割込み処理にて第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示制御を行うようにしてもよい。この場合、遊技の進行に関する各種処理を実行する場合よりも短い周期で第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示状態を更新することができ、ちらつきなどが発生することを抑制できる。
【1331】
(10)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数を特定個数と比較して超過判定を行ったが、遊技球の合計払出個数を特定個数と比較して超過判定を行ってもよい。すなわち、払い出された遊技球の合計個数が特定個数以上となった場合に遊技停止状態に移行する構成としてもよい。この場合、遊技領域PAから排出される遊技球の個数が判定のパラメータに含まれないため、いわゆるハマリの影響を排除することができ、公平性の高い超過判定を行うことが可能になる。
【1332】
(11)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上であるか否かの判定処理(ステップSf1305)を非特定制御用のプログラムにより実行するが、当該処理では、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア504eに記憶された差球数の情報を参照しているに留まるため、当該処理を特定制御用のプログラムにより実行する構成としてもよい。この場合、差球数が特定個数以上であるか否かを示す超過フラグは特定制御用のワークエリア391に設けるとよい。
【1333】
(12)上記第2の実施の形態や各変形例において、ステップSf1104の超過判定用処理(
図101)、ステップSf1902の部分クリア用実行処理(
図107)を特定制御用のプログラムにより実行してもよい。この場合、各カウンタ502a~502eや差球数用エリア504e、超過フラグは特定制御用のワークエリア391に設けるとよい。
【1334】
(13)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となった場合に遊技停止状態に移行するが、遊技停止状態に移行しない構成としてもよい。この場合、例えば、高確率モード中の大当たりに基づく開閉実行モードにて差球数が特定個数以上となった場合に、主側RAM314に記憶される大当たり種別や高確率モードの情報が初期化され、上記大当たりの種別にかかわらず、上記開閉実行モード後の当否抽選モードが低確率モードに設定される構成としてもよい。
【1335】
(14)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となった場合に、その時点での遊技状態にかかわらず即座に遊技停止状態に移行したが、その時点での遊技状態を参照して遊技停止状態への移行タイミングを制御してもよい。例えば、開閉実行モード中ではない状況で差球数が特定個数以上となった場合は、即座に遊技停止状態に移行する一方で、開閉実行モード中に差球数が特定個数以上となった場合は、その開閉実行モードが終了するのを待機し、当該開閉実行モードが終了した場合又はその開閉実行モードが終了した後に遊技停止状態に移行してもよい。また、上記(5)の連荘期間中に差球数が特定個数以上となった場合は、当該連荘期間が終了した場合又は当該連荘期間が終了した後に遊技停止状態に移行してもよい。
【1336】
(15)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となったことに基づいて移行した遊技停止状態において遊技球の払い出しを許容する構成としたが、これを許容しない構成としてもよい。
【1337】
但し、この場合、差球数が特定個数以上となることに応じて突然に遊技球の払い出しが停止してしまい、未払い出しの賞球があった場合にそれが払い出されなくなるおそれがある。そのような不都合の発生を抑制するため、図柄表示装置75等において注意を促す所定報知を事前に行うとよい。例えば、特定個数よりも少ない所定個数(例えば99000個)に差球数が到達したら「もうすぐ出玉上限に到達して停止状態になります。注意して下さい。」などの画像報知や音声報知を行うとよい。
【1338】
また、満タン状態等の遊技球の払い出しが停止している状況での報知について差球数が上記所定個数以上であるか否かによって報知態様を異ならせてもよい。例えば、満タン状態等において差球数が上記所定個数未満の場合は「球を抜いて下さい。」などの画像報知や音声報知を行い、満タン状態等において差球数が上記所定個数以上である場合は「速やかに球を抜いて下さい。未払い出し分が払い出されなくなるおそれがあります。」などの画像報知や音声報知を行ってもよい。
【1339】
(16)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合に、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行する場合と同じ外部出力用端子を用いて外部情報を出力したが、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行する場合とは別の外部出力用端子を用いて外部情報を出力してもよい。差球数が特定個数以上となった場合に対応した専用信号として出力してもよい。この場合、遊技ホールのホールコンピュータHCにて、受信した外部情報に基づいて、差球数が特定個数以上となったのか、それとも不正検知がなされたのかを識別することができる。
【1340】
また、同じ外部出力用端子を用いながらも、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行する場合とは信号態様(例えば出力期間)を異ならせることで、差球数が特定個数以上となった場合に対応した専用信号としての外部情報を出力することが可能な構成としてもよい。
【1341】
なお、上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となった場合において遊技停止状態への移行時に外部情報を出力するが、差球数が特定個数以上となった際に外部情報を出力してもよい。また、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行する場合についても、上記第2の実施の形態や各変形例では、遊技停止状態への移行時に外部情報を出力するが、不正検知が行われた際に外部情報を出力してもよい。
【1342】
(17)上記第2の実施の形態や各変形例において、不正検知に基づく遊技停止状態では警告用の音声報知がスピーカ部29から出力されるように制御する一方で、差球数が特定個数以上となったことに基づく遊技停止状態では上記警告用の音声報知が出力されなかったり、上記警告用の音声報知に代えて差球数が特定個数以上となったことを祝福するような音声報知が出力されたりしてもよい。また、不正検知に基づく遊技停止状態と、差球数が特定個数以上となったことに基づく遊技停止状態とで、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26~28の発光態様を異ならせてもよい。例えば、不正検知に基づく遊技停止状態では、エラー表示ランプ部27を用いて警告態様の発光制御(例えば赤色発光や点滅発光)が行われる一方で、差球数が特定個数以上となったことに基づく遊技停止状態では、エラー表示ランプ部27を発光させることなく、他のランプ部26,28を上記警告態様とは異なる態様で発光させる発光制御が行われてもよい。
【1343】
(18)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合に、パチンコ機10の電源OFF操作、電源ON操作が順に行われてパチンコ機10が再起動されることにより、その遊技停止状態が解除される構成としたが、遊技停止状態の解除にパチンコ機10の再起動を要しない構成としてもよい。例えば、差球数が特定個数以上となったことに基づいて一時的に遊技停止状態に移行する構成としてもよい。具体的には、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行し、主側RAM314に対する第2初期化処理(ステップSf1801)又は第1初期化処理(ステップSf104)と同様の初期化処理を行い、所定期間の経過後に遊技停止状態を解除して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としたり、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行し、所定期間の経過後に自動的にパチンコ機10が再起動され、その電源遮断時又は復電時に遊技停止状態を解除するとともに、再起動時における電源遮断時又は復電時に主側RAM314に対する第2初期化処理(ステップSf1801)又は第1初期化処理(ステップSf104)と同様の初期化処理を行い、遊技の進行が可能な状態に移行する構成としたりしてもよい。その際、遊技停止中における少なくとも一部の期間を利用して、差球数が特定個数以上となったことに対応した所定報知を行うとよい。
【1344】
上記の場合において、不正検知に基づく遊技停止状態については、その解除を慎重に行うべく、差球数が特定個数以上となった場合とは異なる態様(条件)で遊技停止状態が解除されるとよい。例えば、ホール従業員の立ち合いの機会を確保すべく、上記第2の実施の形態や各変形例と同様に、パチンコ機10の電源OFF操作、電源ON操作が順に行われることで遊技停止状態が解除されたり、パチンコ機10の電源OFF操作の後、リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われることで遊技停止状態が解除されたりする構成としてもよい。
【1345】
なお、差球数が特定個数以上となったことに基づいて移行した遊技停止状態の自動的な解除は、期間経過を条件として行われるものに限定されず、遊技停止状態への移行後における処理として設けられた所定処理が実行されたことを条件として行われるものであってもよい。また、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合に、パチンコ機10の外部からパチンコ機10に所定信号が出力されることで、遊技停止状態が解除されてもよい。
【1346】
(19)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合と、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行した場合とで、いずれもパチンコ機10を再起動することで遊技停止状態を解除することができ、解除操作を同じ態様としたが、異なる態様としてもよい。例えば、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合は、パチンコ機10を再起動することで遊技停止状態を解除することができる一方、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行した場合は、パチンコ機10の電源OFF操作の後、リセットボタン166cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うと、遊技停止状態を解除することができる構成としてもよい。このように不正検知が行われた場合において遊技停止状態の解除に要する手間を多くすることで、遊技停止状態が不正に解除されて引き続き不正行為が行われることを抑制できる。
【1347】
(20)上記第2の実施の形態や各変形例において、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合に、日付や時刻の情報を参照してその遊技停止状態の解除を行う構成としてもよい。より詳しくは、差球数が特定個数以上となったことに基づいて遊技停止状態に移行した後、その解除に対応する操作が行われた場合において、日付や時刻の情報を参照し、当該解除を許容するか否かを判定する構成としてもよい。
【1348】
具体的な構成としては、パチンコ機10(より詳しくは主制御装置162)において、時刻情報や日付情報を出力する時計手段(例えば、RTC:リアルタイムクロック)を搭載した上で、主制御装置162のMPU312が、時計手段から出力される時刻情報や日付情報を参照して遊技停止状態の解除の可否を制御する構成が考えられる。すなわち、MPU312において、差球数が特定個数以上となったことに基づき遊技停止状態への移行を行った場合に、時計手段からの時刻情報や日付情報を参照して移行日時を把握し、主側RAM314等の情報記憶手段に記憶する。そして、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた後、解除操作としてのパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合に、MPU312にて、時計手段から出力される時刻情報や日付情報を参照して電源ON操作が行われたときの解除日時を把握し、その解除日時が移行日時を基準として翌日以降である場合は解除を有効として遊技停止状態の解除を行う一方、解除日時が移行日時と同日である場合は解除を無効として遊技停止状態をしない構成とすることができる。
【1349】
このような構成であることにより、差球数が特定個数以上となって遊技停止状態に移行した場合、翌日にならなければ遊技を再開することができないこととなる。よって、特定個数を遊技ホールにおける1営業日当たりの上限差球数として機能させることができ、射幸性の過剰な高まりを好適に抑制することが可能になる。
【1350】
なお、上記構成において午前0時を跨いだことが把握できれば、翌日以降であることを認識できるため、必ずしも日付の把握までは必要とせず、時計手段としては時刻情報を出力するものであってもよい。
【1351】
また、上記の構成は、差球数の情報、各カウンタ502a~502eの情報、超過フラグの情報を消去する部分クリア用処理に適用してもよい。例えば、MPU312にて、部分クリア用処理を実行したときの実行日時を上記時計手段からの時刻情報等に基づいて把握して記憶するとともに、その後、パチンコ機10への電源投入が行われた場合に、その日時を上記記憶した実行日時と比較し、電源投入の日時が翌日以降に該当する場合は部分クリア用処理を実行し、該当しない場合は部分クリア用処理を実行しない構成とすることができる。
【1352】
(21)上記第2の実施の形態や各変形例において、取得された保留情報に対していわゆる保留先読み処理を実行し、その保留先読み処理により所定の結果(例えば大当たりに対応する先読み結果やリーチ表示に対応する先読み結果)が得られた場合に、保留先読み処理の対象となった遊技回よりも前の遊技回にて、図柄表示装置75等での所定の保留予告演出が行われてもよい。この場合、保留先読み処理は主制御装置162にて行うことができ、所定の保留予告演出が図柄表示装置75等にて実行されるように制御する処理は演出制御装置143にて行うことができる。
【1353】
すなわち、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における保留情報の取得処理を実行する機能)と、前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留用エリアRE)と、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、遊技者に特典を付与することに対応する付与対応結果に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理を実行する機能)と、当該付与判定手段による付与判定の結果が、前記付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における特電開始処理~特電終了処理を実行する機能)と、前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図変動開始処理~特図確定中処理を実行する機能)と、前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回よりも前に行われている遊技回にて、前記先特定手段の特定結果に対応した特定報知(保留予告演出)を行う特定報知手段(演出制御装置143における保留予告演出の実行制御を行う機能)と、を備えている」構成を備えてもよい。
【1354】
さらに、上記構成において保留予告演出の態様として複数種類の態様を備え、それら複数種類の態様のうちいずれの態様で保留予告演出を実行するかを、導出された差球数を参照(加味)して設定する構成を備えてもよい。例えば、保留予告演出として保留画像の表示色により大当たりの期待度等を示唆する演出が実行されるとともに、その保留画像の表示色として通常色(例えば白色)、青色、黄色、緑色、赤色が設けられた場合(通常色<青色<緑色<赤色の順で大当たりの期待度が高い)において、差球数が所定個数(例えば95000個)未満の状況では、保留先読み処理により上記所定の結果が特定された場合に、保留予告演出での保留画像の表示色として青色から赤色までの4色のうちからいずれかの表示色を設定することができ、差球数が上記所定個数以上の状況では、上位色である緑色及び赤色での表示が規制され、下位色である青色及び黄色の2色のうちからいずれかの表示色を設定することができる構成とすることができる。また、差球数が上記所定個数以上の状況では、保留先読み処理の結果にかかわらず保留予告演出が行われないように規制したり、差球数が上記所定個数未満である場合よりも保留予告演出の実行頻度(実行確率)が低くなったりする構成としてもよい。これらの構成によれば、差球数が特定個数以上となることで遊技停止状態に移行する時期が近づいている状況で、遊技者に過剰な期待感を抱かせないようにすることができる。
【1355】
なお、上記の場合において、上記第2の実施の形態や各変形例のように、主制御装置162からの差球数コマンドにより演出制御装置143が都度の差球数を把握できる場合は、演出制御装置143にて差球数が上記所定個数以上であるか否かを判定し、その結果に基づいて保留予告演出の実行態様を制御すればよい。一方、演出制御装置143が都度の差球数を把握できない場合は、主制御装置162にて差球数が上記所定個数以上であるか否かを判定するとともに、上記所定個数以上となった場合に所定コマンドを出力し、演出制御装置143では、その所定コマンドに基づいて保留予告演出の実行態様を制御すればよい。
【1356】
(22)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となった場合に主制御装置162から演出制御装置143に超過コマンドを出力し、演出制御装置143では、当該コマンドを受信することに応じて、差球数が特定個数以上となったことに対応した報知画像等を図柄表示装置75等にて表示するが、演出制御装置143にて差球数が特定個数以上となった否かの判定を行い、その結果に基づいて上記報知画像等を表示してもよい。なお、演出制御装置143での都度の差球数の把握は、主制御装置162から出力される差球数コマンドに基づいて行うことができる。
【1357】
また、上記の場合において、演出制御装置143にて差球数が特定個数よりも少ない所定個数(例えば99000個)以上となったか否かを判定し、例えば「もうすぐ出玉上限に到達して停止状態になります。注意して下さい。」などの事前報知を行う構成としてもよい。また、演出制御装置143にて差球数の増加量が所定の個数(例えば10000個)に到達したか否かを判定し、例えば「10000個に達しました。」、「20000個に達しました。」などの報知を行う構成としてもよい。このような構成によれば、それらの報知タイミングの都度、主制御装置162からコマンドを出力する必要がないため、主制御装置162における処理負荷の増大を抑制しながら、差球数に関する報知を充実させることが可能になる。
【1358】
(23)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となっている状態でパチンコ機10の電源OFF操作が行われ、その後、電源ON操作が行われた場合に、設定値及び賞球情報を除いて特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする第2初期化処理を実行したが、上記の場合において第2初期化処理を実行しない構成としてもよい。すなわち、差球数が特定個数以上となった場合において、特定制御用のワークエリア391に対する自動的な初期化が行われず、差球数が特定個数未満である場合と同様の態様でパチンコ機10が起動される構成としてもよい。
【1359】
(24)上記第2の実施の形態や各変形例では、第2初期化処理において、特定制御用のワークエリア391に記憶される情報のうち設定値及び賞球情報を除く全ての情報を消去したが、設定値及び賞球情報以外の情報においてその一部を消去する構成としてもよい。例えば、(a)設定値及び賞球情報以外の情報のうち、大当たり当選に対応する情報、開閉実行モードの実行中に対応する情報を消去する、(b)設定値及び賞球情報以外の情報のうち、大当たり当選に対応する情報、開閉実行モードの実行中に対する情報、高確率モード中であることに対応する情報、大当たり種別に対応する情報(確変大当たりに当選した場合に記憶されるものであって、開閉実行モードの終了後に高確率モードに移行すべきであることに対応する情報)を消去する、(c)設定値及び賞球情報以外の情報のうち、高確率モード中であることに対応する情報、大当たり種別に対応する情報を消去するなどの構成としてもよい。
【1360】
上記(a)の構成によれば、開閉実行モードの途中で差球数が特定個数以上となった場合に、開閉実行モードが継続されない状態で遊技を再開させることができ、また、上記(b)、(c)の構成によれば、連荘期間中に差球数が特定個数以上となった場合に、連荘期間を終了させた状態で遊技を再開させることができる。
【1361】
(25)上記第2の実施の形態や各変形例では、差球数が特定個数以上となっている状態でパチンコ機10の電源OFF操作が行われ、その後、リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われると、賞球情報が消去される第1初期化処理が実行されるが、賞球情報が消去されない第2初期化処理が実行される構成としてもよい。すなわち、差球数が特定個数以上となっている状況でパチンコ機10が再起動された場合、リセットボタン166cの押圧操作の有無にかかわらず、第2初期化処理が実行される構成としてもよい。
【1362】
(26)上記第2の実施の形態や各変形例では、部分クリア用処理において、差球数の情報、各カウンタ502a~502eの情報、超過フラグの情報を消去したが、これらの一部が消去される構成としてもよい。例えば、超過フラグの情報のみが消去される構成としてもよい。この際、差球数の情報や各カウンタ502a~502eの情報については、リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合に消去される構成としてもよい。
【1363】
(27)上記第2の実施の形態や各変形例では、リセットボタン166cの押圧操作の有無にかかわらず、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた後、パチンコ機10の電源ON操作が行われた場合に、非特定制御用のワークエリア393に記憶された差球数の情報を消去する部分クリア用処理を実行したが、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた後、リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合に、上記部分クリア用処理を実行してもよい。すなわち、パチンコ機10への電源投入時の操作態様によって部分クリア用処理の有無が切り換えられる構成としてもよい。
【1364】
(28)上記第2の実施の形態や各変形例では、部分クリア用処理をメイン処理の中で実行したが、タイマ割込み処理の中で実行してもよい。この場合、パチンコ機10の電源ON操作が行われた場合における初回目のタイマ割込み処理の実行に際して、遊技の進行を制御するためのステップSf409~ステップSf419の処理が行われる前に部分クリア用処理が行われる構成とするとよい。
【1365】
(29)上記第2の実施の形態や各変形例において、所定操作が行われた場合に非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394を「0」クリアする処理(初期化する処理)が実行されてもよい。例えば、リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合に、上記ワークエリア393及びスタックエリア394を「0」クリアする処理が実行されてもよい。
【1366】
(30)上記第2の実施の形態の変形例2において、差球数が特定個数以上となっている状態でパチンコ機10の電源OFF操作が行われた場合に、設定値及び賞球情報を除いて特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする第2初期化処理(ステップSf1802)が実行される構成としてもよい。この場合、停電フラグの情報は初期化の対象外とする。
【1367】
(31)上記第2の実施の形態の変形例2では、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた場合に電断時クリア用処理(ステップSf3110)を実行して差球数の情報、各カウンタ502a~502eの情報、超過フラグの情報を消去したが、これらの情報を電源遮断時におけるバックアップの対象外とする構成としてもよい。すなわち、MPU312への動作電力の供給が停止されることにより、それらの情報が自然と消去される構成としてもよい。
【1368】
(32)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
【1369】
(33)上記第2の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
【1370】
(34)上記第2の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
【1371】
(35)上記第2の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
【1372】
(36)上記第2の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【1373】
(37)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【1374】
また、所定個数の遊技球がパチンコ機内に収容され、それらの遊技球をパチンコ機内で循環させて使用することにより、従来の払出装置を有しておらず、遊技者へ直接的に遊技球の貸し出しや払い出しを行わずに、遊技者の持ち球を数値化して持ち球情報(遊技価値)として扱う管理遊技機(封入式遊技機、封入式パチンコ機)にも本発明を適用できる。この遊技機では、上記持ち球情報を遊技機又は球貸し装置に設けられた情報記憶手段に記憶可能となっており、その記憶された持ち球情報に基づき、遊技者の持ち球個数を示す数値が所定の表示部に表示される。そして、貸球操作が行われた場合は、貸球数に対応する数値が持ち球情報に加算され、遊技球発射機構により遊技球(循環球)が発射された場合は、発射球数に対応する数値が持ち球情報から減算され、遊技球が遊技領域に設けられた所定入賞口に入賞した場合は、賞球数に対応する数値が持ち球情報に加算される。また、遊技機に設けられた所定の操作手段(例えば返却ボタン)が操作されることで、持ち球情報が所定のカード型記憶媒体(携帯式記憶媒体)に書き込まれるとともに、そのカード型記憶媒体が遊技機又は球貸し装置から取り出し可能となり、これにより、持ち球分に相当する遊技価値を遊技機外部に持ち出すことが可能になる。
【1375】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。この場合、差球数に代えて差枚数を導出するとともに、その差枚数を予め定められた特定枚数(例えば20000枚)と比較し、差枚数が特定枚数以上となったか否かを判定する構成とすればよい。この際、差枚数としては、メダルの合計払出枚数からベットしたメダル数(賭数)の合計枚数を減算して導出することができる。
【1376】
また、上記スロットマシンにおいて、実際のメダルを遊技者に使用させず(換言すれば、実際のメダルを用いることなく遊技を行うことが可能であり)、クレジットに記憶されたメダル枚数に基づく電子的な情報に基づいて遊技を行うメダルレススロットマシンにも本発明を適用できる。
【1377】
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【1378】
<第3の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において
図1~
図10を参照して説明したパチンコ機10の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
【1379】
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図116を用いて説明する。
【1380】
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図116に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3を用いることとしている。
【1381】
各カウンタC1~C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
【1382】
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が、保留情報(特別情報)としていずれかのエリアに格納される。
【1383】
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【1384】
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【1385】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~1999の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり1999)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~1999)。
【1386】
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【1387】
大当たり乱数カウンタC1は、大当たりであるか否かを抽選する当否抽選に用いられるものであり、大当たり当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されている当否テーブルにて設定されている。
図117に示すように、当否テーブルとしては、第1特図に対応した低確率モード用の当否テーブル(
図117(a))と、第2特図に対応した低確率モード用の当否テーブル(
図117(b))と、第1特図に対応した高確率モード用の当否テーブル(
図117(c))と、第2特図に対応した高確率モード用の当テーブル(
図117(d))とが設定されている。
【1388】
本パチンコ機10では、当否抽選における抽選モードとして、大当たりとなる確率が相対的に低い低確率モード(低確率状態)と、大当たりとなる確率が相対的に高い高確率モード(高確率状態)とが設けられている。第1特図に対応した低確率モード用の当否テーブルは、抽選モードが低確率モードである状況で第1作動口62への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものである。この当否テーブルでは、
図117(a)に示すように、大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数カウンタC1の値)として「0」~「9」の計10個が設定され、大当たり当選確率は1/200となっている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、通常外れ結果となる確率は199/200となっている。
【1389】
第2特図に対応した低確率モード用の当否テーブルは、抽選モードが低確率モードである状況で第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものである。この当否テーブルでは、
図117(b)に示すように、大当たりとなる乱数の値として「0」~「9」の計10個が設定され、大当たり当選確率は第1特図の場合と同じく1/200となっている。
【1390】
大当たり当選となる乱数の値以外は抽選結果が外れ結果となるが、第2特図での当否抽選では外れ結果として特殊外れ結果と通常外れ結果とが含まれている。第2特図に対応した低確率モード用の当否テーブルでは、特殊外れ結果となる乱数の値として「10」~「409」の計400個が設定され、特殊外れ結果となる確率は1/5となっている。なお、特殊外れ結果は後述する突然時短遊技状態への移行契機となる抽選結果である。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、通常外れ結果となる確率は159/200となっている。
【1391】
第1特図に対応した高確率モード用の当否テーブルは、抽選モードが高確率モードである状況で第1作動口62への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものである。この当否テーブルでは、
図117(c)に示すように、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定され、大当たり当選確率は1/40となっている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、通常外れ結果となる確率は39/40となっている。
【1392】
第2特図に対応した高確率モード用の当否テーブルは、抽選モードが高確率モードである状況で第2作動口63への入賞に基づく当否抽選を行う場合に参照されるものである。この当否テーブルでは、
図117(d)に示すように、大当たりとなる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定され、大当たり当選確率は第1特図の場合と同じく1/40となっている。また、特殊外れ結果となる乱数の値として「50」~「449」の計400個が設定され、特殊外れ結果となる確率は低確率モードの場合と同じく1/5となっている。その他の乱数値は通常外れ結果に割り当てられており、通常外れ結果となる確率は155/200に設定されている。
【1393】
なお、各確率モードでの大当たり当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。すなわち、高確率モードにおいて低確率モードよりも大当たりの当選確率が高くなるのであれば、大当たりに対応する乱数の数及び値は任意である。また、第2特図用の当否テーブルでの特殊外れ結果の確率についても上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。この場合において特殊外れ結果の確率を必ずしも大当たり当選確率よりも高くする必要はなく、大当たり当選確率と同じとしてもよい。また、特殊外れ結果の確率を大当たり当選確率よりも低くしてもよい。
【1394】
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【1395】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。
図118に示すように、大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(
図118(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(
図118(b))とが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
【1396】
図118(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、4R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果Aとが設定されている。これら各大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
【1397】
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば50回)に達するまで継続され、また、高頻度サポートモードは開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が上記第1上限回数よりも多い第2上限回数(例えば51回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した後は、低確率モード且つ低頻度サポートモードの状態(通常遊技状態)に移行する。
【1398】
すなわち、4R確変大当たり結果になった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回において1回目~50回目の遊技回が、高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)で行われ、51回目の遊技回が、低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)で行われるものとなる。なお、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が50回に達する前に大当たり結果になった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って高確遊技状態が終了する。
【1399】
ここで、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードについて説明する。高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普電役物63aが開放状態とされる頻度が低頻度サポートモードよりも高く、また、1回の開放における開放期間についても低頻度サポートモードよりも長くなるようになっている。
【1400】
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードにおいて遊技者は持ち球の減りを抑えながら遊技を行うことができる。
【1401】
なお、本実施の形態では、高頻度サポートモードとして第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとが設けられている。このうち4R確変大当たり結果となった場合に移行するのは第1高頻度サポートモードである。第1高頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとの違いについては後に説明する。
【1402】
4R通常大当たり結果Aは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。すなわち、4R通常大当たり結果Aとなった場合、開閉実行モードの終了後、通常遊技状態に移行する。ちなみに開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
【1403】
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「84」が4R確変大当たり結果に対応し、「85」~「99」が4R通常大当たり結果Aに対応している。すなわち、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選にて大当たりとなった場合に4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は85%、4R通常大当たり結果Aに振り分けられる確率は15%に設定されている。
【1404】
図118(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果Bとが設定されている。10R確変大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。また、10R確変大当たり結果は、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、4R確変大当たり結果の場合と同じく、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば50回)に達するまで継続され、また、第1高頻度サポートモードは開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第2上限回数(例えば51回)に達するまで継続される。すなわち、10R確変大当たり結果になった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回において1回目~50回目の遊技回が高確遊技状態で行われ、51回目の遊技回が時短遊技状態で行われるものとなる。
【1405】
4R通常大当たり結果Bは、実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。また、4R通常大当たり結果Bは、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の第1高頻度サポートモードは、開閉実行モードの終了後、特図遊技回の実行回数が予め定められた第3上限回数(例えば1回)に達するまで継続される。第3上限回数に達した後は通常遊技状態に移行する。すなわち、4R通常大当たり結果Bとなった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回において1回目の遊技回が時短遊技状態で行われるものとなる。
【1406】
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「84」が10R確変大当たり結果に対応し、「85」~「99」が4R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選にて大当たりとなった場合に10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は85%、4R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は15%に設定されている。
【1407】
ここで、第1特図用の大当たり種別テーブルと第2特図用の大当たり種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は85%に設定され、同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図用の大当たり種別テーブルでは10R大当たり結果となるのに対して、第1特図用の大当たり種別テーブルでは4R大当たり結果となるように設定されている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
【1408】
このように、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
【1409】
なお、本実施の形態では、第1特図用の大当たり種別テーブルと第2特図用の大当たり種別テーブルとで確変大当たり結果に振り分けられる確率を同一としているが、異なる確率としてもよい。具体的には、第2特図用の大当たり種別テーブルにおいて、第1特図用の大当たり種別テーブルよりも確変大当たり結果に振り分けられる確率が高くなる構成としてもよい。このような構成によっても、第1作動口62に入賞させるよりも第2作動口63に入賞させる方が遊技者にとって有利な構成とすることができる。その際、必ずしも開閉実行モードでのラウンド数と確変大当たり結果への振分確率との両方について第1作動口62よりも第2作動口63の方が優遇される構成とする必要はなく、確変大当たり結果への振分確率のみが優遇される構成としてもよい。
【1410】
大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
【1411】
ここで、本実施の形態では、通常大当たり結果になったことを契機として移行する時短遊技状態とは別に、大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選の結果が特殊外れ結果になったことを契機として移行する時短遊技状態が設けられている。この場合の時短遊技状態は、抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが第2高頻度サポートモードとなる状態である。
【1412】
なお、特殊外れ結果は外れ結果の一種であるため、上記時短遊技状態へは開閉実行モードを経由せずに移行する。すなわち、特殊外れ結果になった場合、その特図遊技回が終了するのに合わせて遊技状態が時短遊技状態に移行する。以下においては、高確遊技状態の終了後に移行したり、4R通常大当たり結果Bを契機として移行したりする時短遊技状態と、特殊外れ結果を契機とする時短遊技状態とを区別する場合に、前者を「通常時短遊技状態」、後者を「突然時短遊技状態」ということがある。
【1413】
図118(c)に示すように、特殊外れ結果になったことを契機として移行する突然時短遊技状態は、当該状態に移行してからの外れ遊技回の回数が予め定められた第4上限回数(例えば700回)に達するまで継続される。外れ遊技回の回数が第4上限回数に達した場合は、突然時短遊技状態が終了して通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。なお、第4上限回数に達する前に大当たり結果になった場合には、当該大当たり結果に基づく開閉実行モードへの移行に伴って突然時短遊技状態が終了する。
【1414】
図117の説明に戻り、変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
【1415】
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【1416】
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。変動表示時間テーブルの詳細については後述する。
【1417】
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。
【1418】
普図当たり乱数カウンタC3は、普図当たり(サポート当選)であるか否かを抽選する普図当否抽選(サポート抽選)に用いられるものであり、サポート当選結果になった場合には、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする開閉制御が少なくとも1回行われる役物開閉遊技が実行される。
【1419】
サポート当選となる乱数の値は、ROM313の当否テーブル記憶エリア313aに記憶されたサポート抽選テーブルにて設定されている。
図119に示すように、サポート抽選テーブルとしては、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図119(a))と、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図119(b))と、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図119(c))とが設定されている。サポート抽選に際してサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照され、第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルが参照される。
【1420】
図119(a)に示すように、低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。
【1421】
図119(b)に示すように、第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、「0」~「89」の計90個が設定されており、サポート当選確率は9/10となっている。すなわち、第1高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが高確率モードとなり、低頻度サポートモードの場合よりもサポート当選となりやすくなっている。
【1422】
図119(c)に示すように、第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブルでは、サポート当選となる乱数の値として「0」~「49」の計50個が設定されており、サポート当選確率は1/2となっている。すなわち、第2高頻度サポートモードである場合は、サポート抽選における抽選モードが低確率モードとされ、第1高頻度サポートモードである場合よりもサポート当選確率が低い状態でサポート抽選が行われる。
【1423】
各サポートモードにおいて、サポート当選となる乱数の値以外は、抽選結果が普図外れ結果となる。この場合は役物開閉遊技が実行されない。
【1424】
なお、各サポートモードでのサポート当選確率は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。例えば、第1高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりもサポート当選の確率が高くなるのであれば、サポート当選となる乱数の数及び値は任意である。また、上記構成では、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を低頻度サポートモードの場合と同じ確率としているが、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率が低頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くなる構成であってもよい。その場合、第2高頻度サポートモードでのサポート当選確率を第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率と同じにしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも低くしてもよいし、第1高頻度サポートモードでのサポート当選確率よりも高くしてもよい。また、低頻度サポートモード、第1高頻度サポートモード及び第2高頻度サポートモードでサポート当選確率が等しくなる構成としてもよい。
【1425】
ちなみに本実施の形態のように、低頻度サポートモードと第2高頻度サポートモードとでサポート当選確率を等しくする場合、すなわち、これら各モード間でサポート当選の確率変動を生じさせない場合は、これら各モード用のサポート抽選テーブルを共通化し、1の抽選テーブルを備える構成としてもよい。
【1426】
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【1427】
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について
図120のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【1428】
ステップSg101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
【1429】
ステップSg102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【1430】
ステップSg103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【1431】
ステップSg104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、ステップSg103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
【1432】
ステップSg105では、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、その後、タイマ割込み処理を終了する。
【1433】
<作動口用の入賞処理>
ステップSg105の作動口用の入賞処理について
図121のフローチャートを参照しながら説明する。
【1434】
先ずステップSg201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSg202にて払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
【1435】
ステップSg203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSg204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップSg205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【1436】
また、ステップSg201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSg206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSg207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
【1437】
ステップSg208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップSg209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップSg205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【1438】
また、ステップSg206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
【1439】
なお、上記ステップSg202又はステップSg207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
【1440】
ここで、ステップSg205の情報取得処理について
図122のフローチャートを参照しながら説明する。
【1441】
先ずステップSg301にて、上述したステップSg204又はステップSg209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSg302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1加算する。ステップSg303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
【1442】
ステップSg304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSg302にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
【1443】
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSg302にて1加算した第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
【1444】
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSg302にて1加算した第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
【1445】
ステップSg305では、主表示ユニット81の特図保留数表示部AMについて表示更新処理を実行する。特図保留数表示部AMでは、第1特図用の保留数と第2特図用の保留数とを各別に表示することが可能となっている。ステップSg305の表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が第1作動口62の場合には第1特図用の保留数の表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が第2作動口63の場合には第2特図用の保留数の表示を更新する。
【1446】
ステップSg306では、演出制御装置143への送信対象として保留コマンドを設定する。保留コマンドには、第1特図又は第2特図のいずれの始動入賞であるかを示す情報や、保留数を示す情報等が含まれる。ステップSg306の実行後は、本情報取得処理を終了する。
【1447】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを
図123のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSg401~ステップSg408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSg409~ステップSg411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【1448】
通常処理においては先ず、ステップSg401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSg401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
【1449】
ステップSg402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【1450】
ステップSg403では、各特図遊技回における遊技を制御するための特図遊技回制御処理を実行する。特図遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。ステップSg404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。ステップSg403の特図遊技回制御処理及びステップSg404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
【1451】
ステップSg405では、普図遊技回における遊技を制御するための普図遊技回制御処理を実行する。普図遊技回制御処理では、サポート抽選(普図当否抽選)、普図用表示部44の表示制御などを行う。ステップSg406では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。ステップSg405の普図遊技回制御処理及びステップSg406の電役サポート用処理についての詳細は後述する。
【1452】
ステップSg407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
【1453】
ステップSg408では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
【1454】
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSg409にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。今回の通常処理の開始から所定時間が経過していない場合は、ステップSg410にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
【1455】
ステップSg411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
【1456】
ステップSg409で肯定判定した場合(今回の通常処理の開始から所定時間が経過した場合)は、ステップSg401に処理を戻り、ステップSg401以降の処理を実行する。
【1457】
このように、ステップSg408の処理を実行した後、次の通常処理の実行タイミングが到来するまでの残余期間を利用し、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。ここで、ステップSg401~ステップSg408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【1458】
ステップSg408で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップSg412に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップSg413では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップSg414では、演出制御装置143への送信対象として停電コマンドを設定する。停電コマンドが送信されることにより、電断状態の発生が演出制御装置143に通知される。
【1459】
ステップSg415ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップSg416では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
【1460】
<特図遊技回制御処理>
ステップSg403の特図遊技回制御処理について
図124のフローチャートを参照しながら説明する。
【1461】
先ずステップSg501にて、可変入賞装置65を用いた開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグがセットされているか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
【1462】
開閉実行モード中でない場合には、ステップSg502にて、特図用表示部43が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグがセットされているか否かを判定する。確定表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで確定表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【1463】
特図用表示部43が確定表示中でない場合は、ステップSg503にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグがセットされているか否かを判定する。変動表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【1464】
特図用表示部43が変動表示中でない場合は、ステップSg504にて、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。よって、共通保留数CRNが「0」である場合は、実行対象となる保留情報が存在しないことになるため、そのまま特図遊技回制御処理を終了する。
【1465】
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップSg505にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSg506にて特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
【1466】
ここで、ステップSg505のデータ設定処理及びステップSg506の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
【1467】
先ず、データ設定処理について
図125のフローチャートを参照して説明する。
【1468】
先ずステップSg601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSg602~ステップSg608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSg609~ステップSg615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
【1469】
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なくとも一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
【1470】
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSg602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。ステップSg603では共通保留数CRNを1減算する。ステップSg604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【1471】
ステップSg605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
【1472】
ステップSg606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップSg607にて第2特図フラグを消去する。
【1473】
ステップSg607の実行後又はステップSg606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップSg608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【1474】
ステップSg608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【1475】
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSg609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。ステップSg610では共通保留数CRNを1減算する。ステップSg611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【1476】
ステップSg612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSg613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップSg614にて第2特図フラグをセットする。
【1477】
ステップSg614の実行後又はステップSg613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップSg615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
【1478】
ステップSg615にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【1479】
次に、変動開始処理について
図126のフローチャートを参照して説明する。
【1480】
先ずステップSg701では、現在の遊技状態や入賞した側の作動口62,63に対応する当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、現在の抽選モードが低確率モードである場合において、今回の特図遊技回が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は、第1特図に対応した低確率モード用の当否テーブル(
図117(a))を参照し、今回の特図遊技回が第2作動口63への入賞に基づくものである場合は、第2特図に対応した低確率モード用の当否テーブル(
図117(b))を参照して当否判定を行う。また、現在の抽選モードが高確率モードである場合において、今回の特図遊技回が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は、第1特図に対応した高確率モード用の当否テーブル(
図117(c))を参照し、今回の特図遊技回が第2作動口63への入賞に基づくものである場合は、第2特図に対応した高確率モード用の当否テーブル(
図117(d))を参照して当否判定を行う。本ステップでは、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、参照する当否テーブルにて大当たり用の乱数として設定されている値や特殊外れ結果用の乱数として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
【1481】
ステップSg702では、ステップSg701における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップSg703にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。具体的には、今回の大当たり結果が第1特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(
図118(a))を参照して種別判定を行い、今回の大当たり結果が第2特図の当否抽選による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(
図118(b))を参照して種別判定を行う。例えば、第1特図用の大当たり種別テーブルを参照した種別判定の場合であれば、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、4R確変大当たり結果、4R通常大当たり結果Aのいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
【1482】
ステップSg704では、ステップSg703の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された大当たり種別が4R確変大当たり結果である場合は、4R確変大当たりフラグをセットする。
【1483】
ステップSg705では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果(大当たり図柄)を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【1484】
ステップSg702で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップSg706に進み、ステップSg701の当否判定の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。特殊外れ結果である場合は、ステップSg707にて、上記各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグをセットする。特殊外れフラグは、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であることをMPU312が把握するためのものである。
【1485】
ステップSg708では、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている特殊外れ用の停止結果テーブルを参照して特殊外れ用の停止結果(特殊外れ図柄)を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【1486】
ステップSg706で否定判定した場合(特殊外れ結果でない場合)は、今回の当否判定の結果が通常外れ結果であることを意味する。この場合は、ステップSg709に進み、通常外れ用の停止結果を設定する。本実施の形態では、外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップSg709ではその停止結果を設定する。
【1487】
ステップSg705、ステップSg708又はステップSg709の実行後は、ステップSg710にて、高確率モードでの特図遊技回の回数を更新するための高確率モード更新用処理を実行し、その後、ステップSg711にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高頻度サポートモード更新用処理を実行する。ステップSg712では、突然時短遊技状態の移行契機が成立したか否かを判定するための突然時短遊技状態の移行判定用処理を実行する。ステップSg713では、変動パターンを抽選して変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。ステップSg710~ステップSg713の詳細については後述する。
【1488】
ステップSg714では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは、特図遊技回の変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【1489】
ステップSg715では、演出制御装置143への送信対象として変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれるところ、遊技状態ごとに各別の変動パターンが設定され、また、大当たりであるか外れであるかによっても各別の変動パターンが設定される。よって、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することで、変動表示時間の情報だけでなく、大当たりの有無や現在の遊技状態についても把握することが可能になる。また、種別コマンドには大当たり種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合に設定される。
【1490】
ステップSg716では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、今回の特図遊技回が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させ、第2作動口63への入賞に基づくものである場合は第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。ステップSg716の実行後は変動開始処理を終了する。
【1491】
特図遊技回制御処理(
図124)の説明に戻り、ステップSg506の実行後は、特図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSg501で肯定判定した場合(開閉実行モード中)である場合は、ステップSg502以降の処理を実行することなく特図遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合は、保留情報が存在していても特図用表示部43での変動表示は行われない。
【1492】
ステップSg503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSg507に進み、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSg508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSg508の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。
【1493】
ステップSg507で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)には、ステップSg509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSg510では、高確率モードを終了させるための高確率モード終了用処理を実行する。ステップSg511では、高頻度サポートモードを終了させるための高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSg512では、遊技状態を突然時短遊技状態に移行させるための突然時短遊技状態の移行用処理を実行する。ステップSg510~ステップSg512の詳細については後述する。
【1494】
ステップSg513では、確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。確定表示開始用処理では、ステップSg705、ステップSg708又はステップSg709で設定した停止結果にて絵柄の停止表示を行うように特図用表示部43を制御する。また、ステップSg513では、上記停止表示を継続する確定表示時間の設定も行う。
【1495】
ステップSg502で肯定判定した場合(特図用表示部43が確定表示中である場合)は、ステップSg514に進み、確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了用処理では、ステップSg513で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合は絵柄の停止表示を終了させるように特図用表示部43を制御する。なお、確定表示時間の経過時において次の保留情報が存在しない場合は、作動口62,63への入賞が発生するまで、そのまま上記停止表示を継続するように制御する。ステップSg514の終了後は特図遊技回制御処理を終了する。
【1496】
<遊技状態移行処理>
ステップSg404(
図123)の遊技状態移行処理について、
図127のフローチャートを参照しながら説明する。
【1497】
先ずステップSg901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSg902に進み、特図遊技回が終了したタイミングであるか否か(特図用表示部43での確定表示が終了したタイミングであるか否か)を判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【1498】
特図遊技回の終了タイミングである場合には、ステップSg903にて、今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに大当たり種別フラグ(ステップSg704)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【1499】
ステップSg903で肯定判定した場合(今回の特図遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップSg904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグをセットする。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、後述する高確率フラグや各種サポートフラグが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合は、これらのフラグをクリアする。
【1500】
ステップSg905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
【1501】
ステップSg906では、対応するラウンド数をセットする。具体的には、上記ステップSg905で把握した大当たり種別に対応するラウンド数を特定し、そのラウンド数に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1にセットする。例えば、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合はラウンドカウンタエリアRC1に「10」をセットする。
【1502】
ステップSg907では、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて、演出制御装置143に送信される。
【1503】
ステップSg908では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
【1504】
ステップSg901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSg909に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSg910にて大入賞口開閉処理を実行する。
【1505】
ここで、大入賞口開閉処理について
図128のフローチャートを参照しながら説明する。
【1506】
先ずステップSg1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSg1002にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSg1003にて、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
【1507】
タイマエリアT1の値が「0」である場合は、ステップSg1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアT1に「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(
図120)が起動される都度、1ずつ減算される。ステップSg1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC1に「10」をセットする。
【1508】
ステップSg1006では、大入賞口65aを開放すべく駆動部65dを駆動状態とする。ステップSg1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。
【1509】
ステップSg1002で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)又はステップSg1003で否定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【1510】
ステップSg1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSg1008に進み、タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSg1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
【1511】
タイマエリアT1の値が「0」でない場合は、ステップSg1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSg1010にて入賞カウンタエリアPC1の値を1減算し、その後、ステップSg1011にて入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPC1の値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【1512】
ステップSg1008で肯定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」である場合)又はステップSg1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC1の値が「0」である場合)は、ステップSg1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSg1013では、ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、ステップSg1014では、ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。
【1513】
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSg1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアT1に「1000」をセットする。
【1514】
ステップSg1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。
【1515】
ステップSg1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSg1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSg1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。
【1516】
遊技状態移行処理(
図127)の説明に戻り、ステップSg910の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSg911にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【1517】
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSg912に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップSg913に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
【1518】
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について
図129のフローチャートを参照しながら説明する。
【1519】
先ずステップSg1101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされた大当たり種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSg1102にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
【1520】
ステップSg1103では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた確変カウンタエリアKCに第1上限回数に対応する値(例えば50)をセットする。確変カウンタエリアKCは、高確率モードの残り回数(高確率モードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高確率モードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
【1521】
ステップSg1104では、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。サポートAフラグは第1高頻度サポートモードに対応するものである。サポートAフラグがセットされることにより、第1高頻度サポートモード(高確遊技状態や通常時短遊技状態)に対応した内部状態に移行する。
【1522】
ステップSg1105では、上記各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第2上限回数に対応する値(例えば51)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
【1523】
ステップSg1106では、演出制御装置143への送信対象として高確開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSg1106で設定された高確開始コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。高確開始コマンドが送信されることにより、高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)への移行が演出制御装置143に通知される。なお、高確開始コマンドには、高確遊技状態への移行を示す情報のほか、高確率モードの上限回数を示す情報や第1高頻度サポートモードの上限回数を示す情報などが含まれる。
【1524】
ステップSg1101で否定判定した場合(今回の大当たり結果が通常大当たり結果である場合)は、ステップSg1107に進み、今回の通常大当たり結果が4R通常大当たり結果Bであるか否かを判定する。この判定は、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされた大当たり種別フラグを参照して行う。
【1525】
今回の通常大当たり結果が4R通常大当たり結果Bである場合は、ステップSg1108にて上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。続くステップSg1109では、上記各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第3上限回数に対応する値(例えば1)をセットする。
【1526】
ステップSg1110では、演出制御装置143への送信対象として通常時短開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSg1110で設定された通常時短開始コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。通常時短開始コマンドが送信されることにより、通常時短遊技状態(低確率モード且つ第1高頻度サポートモード)への移行が演出制御装置143に通知される。なお、通常時短開始コマンドには、通常時短遊技状態への移行を示す情報のほか、その通常時短遊技状態の上限回数を示す情報などが含まれる。
【1527】
ステップSg1107で否定判定した場合(4R通常大当たり結果Bでない場合)は、今回の通常大当たり結果が4R通常大当たり結果Aであることを意味する。この場合は、ステップSg1108~ステップSg1110の処理を実行することなく開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。すなわち、遊技状態を通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に設定する。
【1528】
遊技状態移行処理(
図127)の説明に戻り、ステップSg913の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップSg914にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
【1529】
ステップSg915では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
【1530】
次に、ステップSg710の高確率モード更新用処理、ステップSg711の高頻度サポートモード更新用処理、ステップSg712の突然時短遊技状態の移行判定用処理について説明する。これらの処理は、変動開始処理(
図126)にて実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での変動表示が開始される場合に実行されるものである。
【1531】
<高確率モード更新用処理>
ステップSg710の高確率モード更新用処理について
図130のフローチャートを参照しながら説明する。
【1532】
先ずステップSg1201では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグは、現在の抽選モードが高確率モードであることをMPU312が把握するためのものである。
【1533】
高確率フラグがセットされている場合、すなわち、高確率モード中である場合はステップSg1202にて、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合はステップSg1203に進み、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた確変カウンタエリアKCの値を更新する。具体的には、確変カウンタエリアKCの値を1減算する。これにより、高確率モードの残り回数(高確率モードに滞在可能な遊技回の残り回数)が1減算される。
【1534】
ステップSg1204では、確変カウンタエリアKCの値が「0」であるか否かを判定する。確変カウンタエリアKCの値が「0」である場合、すなわち、高確率モードでの遊技回の実行回数が第1上限回数に到達している場合には、ステップSg1205に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確終了用フラグをセットする。高確終了用フラグは、高確率モードを終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【1535】
ステップSg1202で肯定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果である場合)は、ステップSg1206にて上記確変カウンタエリアKCの値を「0」にクリアした後、ステップSg1205にて上記各種フラグ格納エリア314eに高確終了用フラグをセットする。すなわち、高確率モードの途中で大当たり結果になった場合には、その残り回数にかかわらず、当該高確率モードを終了させるように認識する。
【1536】
ステップSg1205の実行後は高確率モード更新用処理を終了する。ステップSg1201で否定判定した場合(高確率フラグがセットされていない場合)は、高確率モードの残り回数を更新しないとして、ステップSg1202以降の処理を実行せずに高確率モード更新用処理を終了する。また、ステップSg1204で否定判定した場合(確変カウンタエリアKCの値が「0」でない場合)は、高確率モードを終了すべきではないとして、ステップSg1205の処理を実行せずに高確率モード更新用処理を終了する。
【1537】
<高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSg711の高頻度サポートモード更新用処理について
図131のフローチャートを参照しながら説明する。
【1538】
先ずステップSg1301では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。具体的には、サポートAフラグ、サポートBフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。サポートAフラグは通常時短遊技状態(第1高頻度サポートモード)に対応し、サポートBフラグは突然時短遊技状態(第2高頻度サポートモード)に対応する。
【1539】
いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、第1高頻度サポートモード又は第2高頻度サポートモード中である場合は、ステップSg1302に進み、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSg1303にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。これにより、高頻度サポートモードの残り回数(高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数)が1減算される。
【1540】
ステップSg1304では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「1」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「1」である場合はステップSg1305に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグがサポートAフラグであるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの更新結果が「1」となり且つサポートAフラグがセットされている場合は、高確遊技状態が終了して通常時短遊技状態に移行したことを意味する。この場合はステップSg1306に進み、演出制御装置143への送信対象として通常時短開始コマンドを設定する。
【1541】
ステップSg1306の実行後、ステップSg1304で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「1」でない場合)又はステップSg1305で否定判定した場合(サポートAフラグがセットされていない場合)は、ステップSg1307に進み、サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、高頻度サポートモードでの遊技回の実行回数が第2上限回数又は第3上限回数に到達している場合には、ステップSg1308に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高サポ終了用フラグをセットする。高サポ終了用フラグは、高頻度サポートモードを終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【1542】
また、ステップSg1302で肯定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果である場合)は、ステップSg1309にて上記サポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアした後、ステップSg1308にて上記各種フラグ格納エリア314eに高サポ終了用フラグをセットする。すなわち、高頻度サポートモードの途中で大当たり結果になった場合には、その残り回数にかかわらず、当該高頻度サポートモードを終了させるように認識する。
【1543】
ステップSg1308の実行後は高頻度サポートモード更新用処理を終了する。ステップSg1301で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、高頻度サポートモードの残り回数を更新しないとして、ステップSg1302以降の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSg1307で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、高頻度サポートモードを終了すべきではないとして、ステップSg1308の処理を実行せずに高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
【1544】
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
ステップSg712の突然時短遊技状態の移行判定用処理について
図132(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
【1545】
先ずステップSg1401では、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグは、ステップSg701(
図126)の当否判定で特殊外れ結果と判定された場合にセットされるものである(ステップSg707)。
【1546】
特殊外れフラグがセットされていない場合(特図当否抽選の結果が特殊外れ結果でない場合)は、そのまま突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。一方、特殊外れフラグがセットされている場合(特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合)は、ステップSg1402に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグは高確率モード中であることをMPU312が把握するためのものである。
【1547】
高確率フラグがセットされていない場合(高確率モード中でない場合)は、ステップSg1403にて上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグがセットされているか否かを判定する。サポートAフラグは第1高頻度サポートモード中であることをMPU312が把握するためのものである。
【1548】
サポートAフラグがセットされている場合(第1高頻度サポートモード中である場合)は、ステップSg1404に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。このように突然時短開始用フラグがセットされた場合は、その特図遊技回の確定表示の開始タイミングで行われる突然時短遊技状態の移行用処理(ステップSg512)において突然時短遊技状態への移行が実施される。この処理の詳細については後述する。
【1549】
ステップSg1404の実行後は突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSg1402で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされており、高確率モード中である場合)は、突然時短開始用フラグをセットしないとして、ステップSg1403以降の処理を実行することなく突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。また、ステップSg1403で否定判定した場合(サポートAフラグがセットされておらず、第1高頻度サポートモード中でない場合)についても、突然時短開始用フラグをセットしないとして、ステップSg1404の処理を実行することなく突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
【1550】
前述のように突然時短開始用フラグがセットされることに基づいて突然時短遊技状態への移行が実施されるところ、ここで、特殊外れ結果になったときの遊技状態と突然時短遊技状態への移行有無との関係について
図132(b)を参照しながら説明する。
【1551】
上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされ、抽選モードが高確率モードである場合(高確遊技状態である場合)は、ステップSg1402で肯定判定し、突然時短開始用フラグをセットしない。よって、高確遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合は突然時短遊技状態への移行を行わず、高確遊技状態を維持することになる。
【1552】
本実施の形態では、第1特図の当否抽選で4R確変大当たり結果になるか、第2特図の当否抽選で10R確変大当たり結果になると、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態に移行する。この高確遊技状態は、高確遊技状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が50回に達するまで継続され、この期間の特図遊技回において特殊外れ結果になった場合には、その結果が遊技状態の移行に反映されず、特殊外れ結果への当選が無効化される。
【1553】
また、高確率フラグがセットされていない状態でサポートAフラグがセットされており、抽選モードが低確率モードで且つサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合(通常時短遊技状態である場合)は、ステップSg1402で否定判定した後、ステップSg1403で肯定判定し、突然時短開始用フラグをセットする。よって、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合は突然時短遊技状態への移行を行う。
【1554】
本実施の形態では、上記高確遊技状態が終了した後、サポートモードが第1高頻度サポートモードに維持されたまま、抽選モードが低確率モードに切り替えられることにより、通常時短遊技状態に移行する。つまり、高確遊技状態が終了して直ちに通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行するのではなく、突然時短遊技状態への移行が可能となるチャンス状態へと移行することになる。また、第2特図の当否抽選で4R通常大当たり結果Bになった場合も通常時短遊技状態に移行し、この場合も特殊外れ結果となることで突然時短遊技状態への移行が行われることになる。
【1555】
また、高確率フラグ及びサポートAフラグのいずれもセットされておらず、抽選モードが低確率モードで且つサポートモードが低頻度サポートモードである場合(通常遊技状態である場合)は、ステップSg1402及びステップSg1403で否定判定し、突然時短開始用フラグをセットしない。ここで、通常時短遊技状態の終了時点で存在している第2特図の保留分に基づいて行われる特図遊技回は、サポートAフラグがクリアされた状態(内部的に通常時短遊技状態が終了した状態)で実施されるため、これらの特図遊技回は通常遊技状態の下で行われることになる。本実施の形態では第2特図の保留数の上限が4個に設定されているため、この保留分の特図遊技回には高確遊技状態に移行してから52回目~55回目の特図遊技回が該当する。これらの特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合には、その結果が遊技状態の移行に反映されず、特殊外れ結果への当選が無効化される。
【1556】
このように通常時短遊技状態で突然時短遊技状態への移行が許容されるものの、その後に行われる保留分の第2特図の遊技回では突然時短遊技状態への移行が規制されるものとなる。そして、本実施の形態では、通常時短遊技状態にて実行可能な特図遊技回の回数が1回に設定されているため、通常時短遊技状態へ移行することにより1回分の特図遊技回にて突然時短遊技状態への移行チャンスが付与されることになる。このことは、第2特図の当否抽選で4R通常大当たり結果Bになり、開閉実行モードの終了後に通常時短遊技状態に移行した場合も同様である。
【1557】
なお、高確率フラグ及びサポートAフラグのいずれもセットされない状態には、通常遊技状態のほか、低確率モード且つ第2高頻度サポートモードの突然時短遊技状態も該当する。よって、突然時短遊技状態である状況で特殊外れ結果となっても突然時短遊技状態への移行(突然時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数の上乗せ)は行われない。
【1558】
<変動表示時間の設定処理>
ステップSg713の変動表示時間の設定処理について
図133のフローチャートを参照しながら説明する。
【1559】
先ずステップSg1601では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、高確率フラグ、各種サポートフラグのいずれがRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているかを把握し、その結果に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、通常時短遊技状態、突然時短遊技状態のいずれであるかを特定する。本ステップでは、高確率フラグ及びサポートAフラグがセットされている場合に高確遊技状態であると特定し、サポートAフラグのみがセットされている場合に通常時短遊技状態であると特定し、サポートBフラグがセットされている場合に突然時短遊技状態であると特定し、高確率フラグ、サポートAフラグ及びサポートBフラグのいずれもセットされていない場合に通常遊技状態であると特定する。
【1560】
ステップSg1602では、ステップSg1601で把握した遊技状態等に対応する変動表示時間テーブルを取得する。変動表示時間テーブルは、変動種別カウンタCSの値に基づいて変動表示時間(変動パターン)を選択するために用いられるものである。変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。
【1561】
ここで、ステップSg1602で取得する変動表示時間テーブルについて
図134を参照して説明する。
【1562】
現在の遊技状態が通常遊技状態である状況で今回の特図遊技回が第1特図の遊技回である場合は、第1特図に対応した通常遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。第1特図に対応した通常遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブルと、通常外れ用の変動表示時間テーブルとが設定されている。
【1563】
これら第1特図に対応した通常遊技状態用の各変動表示時間テーブルについて
図135を参照しながら説明する。
図135(a)に示す大当たり用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の第1特図の遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、特図用表示部43における絵柄の変動表示時間として、選択された変動パターンに対応する変動表示時間が設定される。
【1564】
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、特図用表示部43での絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
【1565】
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回用演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPSPリーチ当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回用演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
【1566】
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)になった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【1567】
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
【1568】
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。なお、
図135(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
【1569】
図135(b)に示す通常外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の第1特図の遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの特図保留数(第1特図に対応した変動表示時間テーブルを参照する場合は第1特図の保留数)を参照してその長さを設定するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には8secよりも短い4secとなるように変動表示時間を設定する。
【1570】
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチ外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPSPリーチ外れ演出に対応している。
【1571】
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチ外れ演出は、SPリーチ当たり演出に対応するものであり、SPリーチ当たり演出と同種の所定演出が行われた後、外れ対応の結末映像が表示され、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPSPリーチ外れ演出についてもSPSPリーチ当たり演出に対応するものである。
【1572】
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「29」が変動パターン2Aに対応し、「30」~「99」が変動パターン3Aに対応している。一方、通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「64」が変動パターン1Hに対応し、「65」~「84」が変動パターン2Hに対応し、「85」~「94」が変動パターン3Hに対応し、「95」~「98」が変動パターン4Hに対応している。
【1573】
第1作動口62への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン3Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が通常外れ結果である場合には、SPSPリーチ演出に対応する変動パターン4Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチ演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、通常外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
【1574】
変動パターン3Aや変動パターン4H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、通常外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチ演出<SPSPリーチ演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
【1575】
図134の説明に戻り、現在の遊技状態が高確遊技状態である場合は、高確遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。確変大当たり結果になった場合において開閉実行モードの終了後に行われる1回目~50回目の特図遊技回が高確遊技状態の下で行われる遊技回となる。高確遊技状態では第2作動口63への入賞が可能となるため、これらの特図遊技回は基本的に第2特図の遊技回となる。
【1576】
高確遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブルと、通常外れ用の変動表示時間テーブルと、特殊外れ用の変動表示時間テーブルとが設定されている。これら高確遊技状態用の各変動表示時間テーブルについて
図136を参照しながら説明する。
【1577】
図136(a)に示す大当たり用の変動表示時間テーブルは、高確遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとしてSPリーチ当たりに対応する変動パターン11A(60sec)と、SPSPリーチ当たりに対応する変動パターン12A(120sec)とが設定されている。
【1578】
図136(b)に示す通常外れ用の変動表示時間テーブルは、高確遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPリーチ外れに対応する変動パターン12H(60sec)と、SPSPリーチ外れに対応する変動パターン13H(120sec)とが設定されている。高確遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルでは、完全外れに対応する変動種別カウンタCSの範囲が通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも広くなっている。すなわち、リーチ外れ演出が発生しにくくなっており、スピーディに遊技を進められるようになっている。
【1579】
なお、完全外れに対応する変動パターン11Hの変動表示時間については、そのときの特図保留数を参照してその長さを設定するようになっている。また、通常遊技状態での通常外れ用の変動表示時間テーブルよりも早く変動表示時間の短縮機能が発動するものとなっている。具体的には、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合は4secとなるように変動表示時間を設定する。
【1580】
図136(c)に示す特殊外れ用の変動表示時間テーブルは、高確遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。選択可能な変動パターンとして変動パターン14Hが設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターン14Hが選択される。既に説明したように高確遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合は、その結果が遊技状態に反映されず、突然時短遊技状態への移行が行われない。これに対応して変動パターン14Hは完全外れ演出に対応したものとなっている。つまり、高確遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合、図柄表示装置75では遊技回用演出として完全外れ演出が実行される。これにより、遊技者に対しては今回の当否抽選の結果が通常外れ結果であったように図柄表示装置75での結果報知が行われ、特殊外れ結果への当選が無効化されたことが把握されにくくなっている。なお、特図用表示部43では特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
【1581】
変動パターン14Hの変動表示時間についても、変動パターン11Hの場合と同様に、そのときの特図保留数を参照してその長さを設定するようになっている。具体的には、保留数が1個以下である場合は8secとなり、保留数が2個以上である場合は4secとなるように変動表示時間を設定する。
【1582】
図134の説明に戻り、現在の遊技状態が通常時短遊技状態である場合は、通常時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。通常時短遊技状態の下で行われる特図遊技回には、高確遊技状態の終了後に行われる51回目の特図遊技回が該当する。また、4R通常大当たり結果になった場合において開閉実行モードの終了後に行われる1回目の特図遊技回も通常時短遊技状態の下で行われる遊技回となる。通常時短遊技状態では第2作動口63への入賞が可能となるため、これらの特図遊技回は基本的に第2特図の遊技回となる。
【1583】
通常時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、特殊外れ用の変動表示時間テーブルと、通常外れ用の変動表示時間テーブルと、大当たり用の変動表示時間テーブルとが設定されている。これら通常時短遊技状態用の各変動表示時間テーブルについて
図137を参照しながら説明する。
【1584】
図137(a)に示す特殊外れ用の変動表示時間テーブルは、通常時短遊技状態中の特図遊技回にて特殊外れ結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンW1が設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンW1が選択される。既に説明したように通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合は、突然時短遊技状態への移行が行われる。これを踏まえて変動パターンW1は、突然時短遊技状態への移行が生じることを報知(示唆又は明示)する特殊演出Aに対応したものとなっている。
【1585】
ここで、図柄表示装置75(表示画面G)にて行われる特殊演出Aについて
図138及び
図139を参照して説明する。特殊演出Aでは図柄列Z1~Z3の変動表示が開始された後、
図138(a)に示すように、表示画面G上の有効ラインL1~L5のいずれかに上図柄列Z1と下図柄列Z3がリーチの組み合わせで停止表示され、リーチ表示が実行される。次いで、中図柄列Z2(最終停止列の図柄列)が高速変動表示から低速変動表示に切り替えられるが、その際、
図138(b)に示すように、大当たりの組合せとなる図柄とは異なる図柄の位置に、例えば「LUCKY」等の文字が付された特殊図柄901が配置された状態で低速変動表示が行われる。これにより、特殊図柄901の存在を遊技者が把握できるようにして変動表示が行われる。なお、
図138(b)には、大当たりの組合せとなる「3」図柄に対して次の図柄となる「4」図柄の位置に特殊図柄901が配置された例を示している。
【1586】
その後、
図138(c)に示すように、例えば「変身チャレンジ」等のタイトル画像902や、「魔法使いに変身できたら時短ステージをゲット」等の説明画像903が表示され、突然時短遊技状態(時短ステージ)の獲得チャレンジが始まることを示唆する導入演出が実行される。その際、各画像902,903の表示色等により成功期待度を示唆する。例えば、通常色(例えば白色)で表示されるよりも特別色(例えば赤色)で表示される方が成功期待度が高くなるようになっている。
【1587】
次いで、
図139(a)に示すように、少女キャラクタ904が登場し、その少女キャラクタ904が変身するための呪文を唱える動画が表示され、その後、
図139(b)に示すように、呪文と共に少女キャラクタ904が眩い光に囲まれる動画が表示される。そして、
図139(c)に示すように、光が収まり、変身に成功した魔法使いキャラクタ905が現れる成功動画が表示される。この結果映像では、例えば「チャレンジ成功」等の文字画像906が表示され、突然時短遊技状態の獲得チャレンジに成功したことが明示される。
【1588】
その後、魔法使いキャラクタ905や文字画像906が消去され、中図柄列Z2において特殊図柄901がリーチライン上に停止表示された状態で図柄列Z1~Z3が表示される(
図139(d))。本実施の形態では、上図柄列Z1及び下図柄列Z3によりリーチラインが形成された後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の特殊図柄901が停止表示される図柄組合せが特殊外れ結果に対応する図柄組合せとなっている。これにより、特殊外れ結果を引き当てたことが図柄列Z1~Z3の停止態様によって報知される。
【1589】
図137(a)に示す特殊外れ用の変動表示時間テーブルにおいて変動パターンW1には、直前の高確遊技状態で選択され得る変動パターン11A、12A、11H~14Hよりも長い150secの変動表示時間が対応付けられる。この変動表示時間は、そのときの特図保留数を参照することなく設定されるものであり、通常時短遊技状態の下で行われる第2特図の遊技回での変動表示時間の長さは、特図保留数にかかわらず固定長とされる。
【1590】
図137(b)に示す通常外れ用の変動表示時間テーブルは、通常時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンW2が設定されている。なお、通常時短遊技状態である状況で通常外れ結果になった場合は、突然時短遊技状態への移行が行われない。これを踏まえて変動パターンW2は、突然時短遊技状態への移行が生じないことを報知(示唆又は明示)する特殊演出Bに対応したものとなっている。
【1591】
ここで、特殊演出Bについて
図140を参照して説明する。なお、呪文と共に少女キャラクタ904が眩い光に囲まれる映像(
図139(b))が表示されるまでの流れは特殊演出Aの場合と同様であるため、説明を省略する。
図140(a)に示すように、呪文と共に少女キャラクタ904が眩い光に囲まれる映像が表示された後、
図140(b)に示すように、光が収まり、変身に失敗した少女キャラクタ904が現れる失敗動画が表示される。この失敗動画では、例えば「失敗・・・」等の文字画像907が表示され、突然時短遊技状態の獲得チャレンジに失敗したことが明示される。
【1592】
その後、少女キャラクタ904や文字画像907が消去され、中図柄列Z2において特殊図柄901とは異なる図柄がリーチライン上に停止表示された状態で図柄列Z1~Z3が表示される(
図140(c))。これにより、特殊外れ結果を引き当てることができなかったことが図柄列Z1~Z3の停止態様によって報知される。
【1593】
図137(b)に示す通常外れ用の変動表示時間テーブルにおいて変動パターンW2には、特殊外れ結果である場合の変動パターンW1と同様に、150secの変動表示時間が対応付けられる。この場合の変動表示時間もそのときの特図保留数を参照することなく設定される。
【1594】
図137(c)に示す大当たり用の変動表示時間テーブルは、通常時短遊技状態中の特図遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンW3が設定されている。この変動パターンW3は、大当たり結果になったことを報知する特殊演出Cに対応したものとなっている。
【1595】
ここで、特殊演出Cについて
図141を参照して説明する。なお、呪文と共に少女キャラクタ904が眩い光に囲まれる映像(
図139(b))が表示されるまでの流れは特殊演出Aの場合と同様であるため、説明を省略する。
図141(a)に示すように、呪文と共に少女キャラクタ904が眩い光に囲まれる映像が表示された後、
図141(b)に示すように、光が収まり、変身に成功した魔法使いキャラクタ905が現れる成功動画が表示される。その際、特殊演出Aの場合とは異なり、大当たり結果になったことを明示する「大当たり!」等の文字画像908が表示される。
【1596】
その後、魔法使いキャラクタ905や文字画像908が消去され、中図柄列Z2において大当たりの組合せを構成する図柄(「3」の図柄)がリーチライン上に停止表示された状態で図柄列Z1~Z3が表示される(
図141(c))。これにより、大当たりに当選したことが図柄列Z1~Z3の停止態様によって報知される。
【1597】
図137(c)に示す大当たり用の変動表示時間テーブルにおいて変動パターンW3には、特殊外れ結果である場合の変動パターンW1と同様に、150secの変動表示時間が対応付けられる。この場合の変動表示時間もそのときの特図保留数を参照することなく設定され、固定長とされる。
【1598】
図134の説明に戻り、現在の遊技状態が通常遊技状態である状況で今回の特図遊技回が第2特図の遊技回である場合は、第2特図に対応した通常遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。通常遊技状態の下で行われる第2特図の遊技回には、通常時短遊技状態の終了後において当該通常時短遊技状態の終了時点で存在している第2特図の保留分に基づいて行われる特図遊技回が該当する。この保留分に基づく特図遊技回は最大で4回行われる。
【1599】
これらの特図遊技回は、通常時短遊技状態での特図遊技回にて通常外れ結果になった後に実行されるものであるが、既に説明したように、これらの特図遊技回では、通常時短遊技状態での特図遊技回とは異なり、特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行が制限されるようになっている。このため、突然時短遊技状態への移行機会が付与される通常時短遊技状態での特図遊技回に比べると、第2特図の保留分に基づいて行われる特図遊技回への遊技者の関心度は低くなることが想定される。これを踏まえ、第2特図に対応した通常遊技状態用の変動表示時間テーブルでは、それらの特図遊技回が短時間で消化されるように変動パターン(変動表示時間)が設定されている。
【1600】
第2特図に対応した通常遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、外れ用の変動表示時間テーブルと、大当たり用の変動表示時間テーブルとが設定されている。これら通常遊技状態用の各変動表示時間テーブルについて
図142を参照しながら説明する。
【1601】
図142(a)に示す外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて通常外れ結果又は特殊外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ1が設定されている。すなわち、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて通常外れ結果又は特殊外れ結果になった場合、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンZ1が選択される。
【1602】
上記変動表示時間テーブルにおいて変動パターンZ1には、直前の高確遊技状態において完全外れ演出が行われる場合の変動パターン11H、14H(4sec)よりも短い1secの変動表示時間が対応付けられる。この変動表示時間は、そのときの特図保留数を参照することなく設定される。このため、上記保留分に基づく初回目の遊技回(保留数が3個の状態で行われる第2特図の遊技回)だけでなく、最終回の遊技回(保留数が0個の状態で行われる第2特図の遊技回)についても、当否抽選の結果が通常外れ結果又は特殊外れ結果であれば1secの変動表示時間が設定される。よって、通常時短遊技状態の終了後において保留分に基づく第2特図の遊技回を短時間で消化させることができる。これにより、遊技者の関心が低くなりがちなそれらの遊技回が終わるまでの遊技者の待ち時間を短く抑え、次の遊技(第1作動口62への始動入賞により当否抽選を受ける左打ち遊技)への切り替えを速やかに行うことが可能になる。
【1603】
図142(a)に示すように変動パターンZ1には、図柄表示装置75にて行われる遊技回用演出として実績演出Aが対応している。ここで、実績演出Aについて
図143を参照して説明する。実績演出Aでは、例えば、大当たりの回数に対応した回数画像911や遊技球の払出総数に対応した払出球数画像912が表示され、実績表示が行われる。なお、回数画像911で表示される大当たりの回数は特に限定されるものではないが、例えば、高確遊技状態や時短遊技状態を含め、第2特図の当否抽選を受けて遊技できる期間での大当たり回数(いわゆる連荘回数)を表示することができ、また、払出球数画像912としても当該期間での払出総数を表示することができる。
【1604】
また、実績演出Aでは、表示画面Gの所定部(例えば右上隅部)に図柄表示部913が設定される。この図柄表示部913では図柄列Z1~Z3の変動表示が行われる。実績演出Aでは、図柄表示部913で変動表示される図柄列Z1~Z3が完全外れ対応の図柄組合せで停止表示され、これにより、外れ結果であることが遊技者に報知される。
【1605】
この際、図柄列Z1~Z3の各図柄は順番ではなく、3列が同時に停止表示される。また、その際の停止態様は、いずれの有効ラインL1~L5にも相互に異なる数字図柄が並ぶ態様とされ、リーチ外れの図柄組合せが形成されないように各図柄が停止表示される。すなわち、残り保留分に基づく第2特図の遊技回において当否抽選の結果が外れ結果になった場合は、リーチ表示やリーチ演出が行われることなく、常に完全外れの態様で外れ結果が報知される。
【1606】
なお、図柄表示部913では、図柄表示部913が設定されることなく図柄列Z1~Z3の変動表示が行われる場合に比べて各図柄の表示サイズが小さくなるため、図柄表示部913が設定されない場合とは異なる態様で各図柄が表示されるようにしてもよい。具体的には、数字を視認しやすいように態様が変更された状態で各図柄を表示することができ、例えば、タコ等のキャラクタ画像が付されておらず、「1」~「9」の数字画像のみの態様で表示することができる。
【1607】
図142の説明に戻り、
図142(b)に示す大当たり用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて大当たり結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンZ2が設定されている。変動パターンZ2には、図柄表示装置75にて行われる遊技回用演出として実績演出Bが対応している。実績演出Bでは、回数画像911や払出球数画像912が表示されて実績表示が行われる点は実績演出Aと同様であるが、図柄表示部913において各図柄が大当たりの組合せで停止表示される。これにより、大当たり結果であることが遊技者に報知される。この際、リーチ表示やリーチ演出が行われることなく、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりに対応する組合せで同時に停止表示される。
【1608】
変動パターンZ2には、変動表示時間として変動パターンZ1よりも長い3secが対応付けられている。これに対応して、図柄表示部913での各図柄の変動表示時間が、当否抽選の結果が通常外れ結果又は特殊外れ結果である場合よりも長くなっている。すなわち、各図柄の変動表示時間の長さにより当否抽選結果が示唆されるものとなっており、変動表示時間が長いことで遊技者が大当たり結果であることを予測することが可能となっている。この場合の変動表示時間も変動パターンZ1の場合と同様に、そのときの特図保留数を参照することなく設定され、固定長とされる。
【1609】
実績演出A及び実績演出Bでは、保留分に基づく第2特図の遊技回が複数回に亘って行われる場合、上記実績表示がそれら複数の遊技回に跨って連続的に行われる。これに対し、図柄表示部913では、遊技回ごとに各図柄の変動表示及び停止表示が繰り返される。これにより、各遊技回の当否抽選結果が各別に報知される。
【1610】
図134の説明に戻り、現在の遊技状態が突然時短遊技状態である場合は、突然時短遊技状態用の変動表示時間テーブルを取得する。突然時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブルと、通常外れ用の変動表示時間テーブルと、特殊外れ用の変動表示時間テーブルとが設定されている。なお、これらの各変動表示時間テーブルは、高確遊技状態に対応した大当たり用の変動表示時間テーブル、通常外れ用の変動表示時間テーブル及び特殊外れ用の変動表示時間テーブルと同様であるため、説明を省略する。
【1611】
変動表示時間の設定処理(
図133)の説明に戻り、ステップSg1602の変動表示時間テーブルの取得処理を実行した後は、ステップSg1603にて、取得した変動表示時間テーブルを用いて変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
【1612】
ステップSg1604では、上記ステップSg1603で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(
図120)が起動される度に1減算される。
【1613】
ステップSg1605では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされている場合は、ステップSg1606に進み、当該フラグをクリアする処理を実行する。ステップSg1606の実行後又はステップSg1605で否定判定した場合(特殊外れフラグがセットされていない場合)は変動表示時間の設定処理を終了する。
【1614】
次に、ステップSg510(
図124)の高確率モード終了用処理、ステップSg511の高頻度サポートモード終了用処理、ステップSg512の突然時短遊技状態の移行用処理について説明する。これらの処理は、特図遊技回において変動表示時間が経過した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での確定表示が開始される場合に実行されるものである。
【1615】
<高確率モード終了用処理>
ステップSg510の高確率モード終了用処理について
図144のフローチャートを参照しながら説明する。
【1616】
先ずステップSg1701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされている場合、すなわち、高確率モード中である場合は、ステップSg1702に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確終了用フラグがセットされているか否かを判定する。高確終了用フラグは高確率モードを終了すべきであることを示すものである。
【1617】
高確終了用フラグがセットされている場合は、ステップSg1703に進み、高確率フラグをクリアする処理を実行する。高確率フラグは、現在の抽選モードが高確率モードであることをMPU312が把握するためのものであり、高確率フラグがクリアされることにより、高確率モードが終了して低確率モードに移行する。
【1618】
ステップSg1704では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている高確終了用フラグをクリアする。続くステップSg1705では、演出制御装置143への送信対象として高確率モードの終了を示す高確率終了コマンドを設定する。ステップSg1705で設定された高確率終了コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。
【1619】
ステップSg1705の実行後は高確率モード終了用処理を終了する。また、ステップSg1701で否定判定した場合(高確率フラグがセットされていない場合)又はステップSg1702で否定判定した場合(高確終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSg1703以降の処理を実行することなく、高確率モード終了用処理を終了する。
【1620】
<高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSg511の高頻度サポートモード終了用処理について
図145のフローチャートを参照しながら説明する。
【1621】
先ずステップSg1801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのサポートフラグがセットされている場合、すなわち、第1高頻度サポートモード又は第2高頻度サポートモードのいずれかに滞在中である場合は、ステップSg1802に進み、高サポ終了用フラグがセットされているか否かを判定する。高サポ終了用フラグは高頻度サポートモードを終了すべきであることを示すものである。
【1622】
高サポ終了用フラグがセットされている場合は、ステップSg1803に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、第1高頻度サポートモード又は第2高頻度サポートモードが終了して低頻度サポートモードに移行する。
【1623】
ステップSg1804では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている高サポ終了用フラグをクリアする。続くステップSg1805では、演出制御装置143への送信対象として、対応する時短終了コマンドを設定する。例えば、通常時短遊技状態を終了させた場合には、通常遊技状態の終了に対応した時短終了コマンドを設定する。
【1624】
ステップSg1805の実行後は高頻度サポートモード終了用処理を終了する。また、ステップSg1801で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)又はステップSg1802で否定判定した場合(高サポ終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSg1803以降の処理を実行することなく、高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
【1625】
<突然時短遊技状態の移行用処理>
ステップSg512の突然時短遊技状態の移行用処理について
図146のフローチャートを参照しながら説明する。
【1626】
先ずステップSg1901では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグがセットされているか否かを判定する。突然時短開始用フラグは、変動開始時におけるステップSg711の移行判定処理でセットされるものであり(ステップSg1404)、突然時短遊技状態に移行すべきであることを示すものである。
【1627】
突然時短開始用フラグがセットされている場合、すなわち、突然時短遊技状態に移行すべき状況である場合は、ステップSg1902に進み、サポートBフラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。これにより、第2高頻度サポートモード(突然時短遊技状態)に対応した内部状態に移行する。
【1628】
ステップSg1903では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに第4上限回数(突然時短遊技状態の上限回数である例えば700回)に対応する値をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
【1629】
ステップSg1904では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている突然時短開始用フラグをクリアし、ステップSg1905では、演出制御装置143への送信対象として突然時短遊技状態への移行を示す突然時短開始コマンドを設定する。ステップSg1905で設定された突然時短開始コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。
【1630】
ステップSg1905の実行後は突然時短遊技状態の移行用処理を終了する。また、ステップSg1901で否定判定した場合(突然時短開始用フラグがセットされていない場合)は、突然時短遊技状態への移行を実行しないとしてステップSg1902以降の処理を実行することなく突然時短遊技状態の移行用処理を終了する。
【1631】
<普図遊技回制御処理>
ステップSg405(
図123)の普図遊技回制御処理について
図147のフローチャートを参照しながら説明する。
【1632】
先ずステップSg2001では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグが格納されているか否かを判定する。役物開閉中フラグは、役物開閉遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものであり、役物開閉遊技が実行される場合にセットされる。
【1633】
役物開閉遊技中である場合は、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。一方、役物開閉遊技中でない場合は、ステップSg2002にて、普図用表示部44において普図遊技回の実行中であるか否かを判定する。この場合における普図遊技回は、普図用表示部44における絵柄の変動表示と、普図用表示部44における絵柄の停止表示(確定表示)とを含む概念であり、ステップSg2002では上記変動表示又は停止表示のいずれかを実行中であるか否かを判定する。
【1634】
なお、特図用表示部43における特図遊技回では、可変入賞装置65を用いた開閉実行モードの実行中であると変動表示の実行が制限されるが、普図遊技回では開閉実行モード中であっても変動表示が許容される。また、普図遊技回では、普電役物63aを用いた役物開閉遊技中であると変動表示の実行が制限されるが、特図遊技回では役物開閉遊技中であっても変動表示が許容される。
【1635】
ステップSg2002で否定判定した場合(普図遊技回の実行中でない場合)は、ステップSg2003に進み、普図保留記憶数FNが「0」であるか否かを判定する。普図保留記憶数FNが「0」である場合には、そのまま普図遊技回制御処理を終了する。
【1636】
普図保留記憶数FNが「0」でない場合には、ステップSg2004にて電役用保留エリアRcに記憶されているデータを変動表示用に設定するための普図データ設定処理を実行する。普図データ設定処理では、普図保留記憶数FNを1減算するとともに、電役用保留エリアRcの第1エリアに格納されたデータを普図用の実行エリアに移動する。その後、電役用保留エリアRcの各記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行し、さらに、普図側の保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に認識させるための情報である普図シフトコマンドを設定する。
【1637】
ステップSg2005では普図変動開始処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。ここで、普図変動開始処理について
図148(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
【1638】
先ずステップSg2101では、現在のサポートモードに対応するサポート抽選テーブルを参照してサポート抽選を行う。具体的には、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は低頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図119(a))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は第1高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図119(b))を参照してサポート抽選を行い、現在のサポートモードが第2高頻度サポートモードである場合は第2高頻度サポートモード用のサポート抽選テーブル(
図119(c))を参照してサポート抽選を行う。
【1639】
ステップSg2102では、ステップSg2101のサポート抽選の結果がサポート当選結果(普図当たり結果)であるか否かを判定する。サポート当選結果である場合には、ステップSg2103に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図当たり用の停止結果を設定する。サポート当選結果でない場合、すなわち、普図外れ結果である場合には、ステップSg2104に進み、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して普図外れ用の停止結果を設定する。
【1640】
ステップSg2103又はステップSg2104の実行後は、ステップSg2105にて普図変動表示時間の設定処理を実行する。当該設定処理では、普図用表示部44における今回の普図遊技回の変動表示時間を設定する。本実施の形態では、ステップSg2105で設定可能な変動表示時間として、サポートモードの種別に応じて長さの異なる複数の変動表示時間が設けられている。具体的には、
図119(b)に示すように、低頻度サポートモード用として最も長い変動表示時間(例えば100sec)が設けられ、第2高頻度サポートモード用として最も短い変動表示時間(例えば0.5sec)が設けられ、第1高頻度サポート用として低頻度サポートモード用より短く、第2高頻度サポートモード用より長い変動表示時間(例えば2sec)が設けられている。ステップSg2105では、今回の変動表示時間として現在のサポートモードに対応した変動表示時間を設定する。
【1641】
なお、上記構成では、各サポートモードに1つずつ変動表示時間が対応付けられているが、上記各サポートモードの少なくとも1つにおいて複数の変動表示時間が対応付けられてもよい。例えば、低頻度サポートモード用、第2高頻度サポートモード用及び第1高頻度サポート用のそれぞれにおいて、複数の変動表示時間の中から1の時間を選択可能となっている場合には、各サポートモードでの変動表示時間の期待値(「変動表示時間×その変動表示時間の選択確率」の和)が上記長短関係となるようにするとよい。
【1642】
ステップSg2106では、演出制御装置143への送信対象として普図変動開始コマンドを設定する。普図変動開始コマンドには、普図変動パターンの情報(普図当否結果及び変動表示時間を示す情報)が含まれる。設定された普図変動開始コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。
【1643】
ステップSg2107では、普図用表示部44において絵柄の変動表示を開始させる処理を実行し、その後、本普図変動開始処理を終了する。
【1644】
普図遊技回制御処理(
図147)の説明に戻り、ステップSg2002で肯定判定した場合(普図遊技回の実行中である場合)は、ステップSg2006に進み、ステップSg2105で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合は、ステップSg2007に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、普図用表示部44において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該普図用表示部44を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)する。その後、普図遊技回制御処理を終了する。
【1645】
ステップSg2006で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSg2008にて普図確定表示用処理を実行し、その後、普図遊技回制御処理を終了する。普図確定表示用処理では、ステップSg2103又はステップSg2104で設定した停止結果にて絵柄が停止表示されるように普図用表示部44を制御する。その際、確定表示時間を予め定められた所定時間(例えば0.5sec)に設定する。また、普図確定表示用処理では、演出制御装置143への送信対象として普図変動終了コマンドを設定する。普図変動終了コマンドには、今回の普図遊技回の確定表示時間の情報が含まれる。
【1646】
<電役サポート用処理>
ステップSg406(
図123)の電役サポート用処理について
図149(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
【1647】
先ずステップSg2201では、役物開閉遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグがセットされているか否かを判定する。
【1648】
役物開閉遊技中でない場合は、ステップSg2202に進み、普図遊技回が終了したタイミングか否かを判定する。普図遊技回の終了タイミングでない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
【1649】
普図遊技回の終了タイミングである場合は、ステップSg2203に進み、今回の普図遊技回におけるサポート抽選の結果がサポート当選結果であるか否かを判定する。サポート当選結果でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。
【1650】
サポート当選結果である場合は、ステップSg2204にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた開放回数カウンタエリアRC2に対し、サポートモードの種別に対応した開放回数をセットする。例えば、
図149(b)に示すように、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は1回をセットし、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモード又は第2高頻度サポートモードである場合は2回をセットする。
【1651】
ステップSg2205では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに役物開閉中フラグをセットする。続くステップSg2206では、外部信号設定処理を実行し、その後、電役サポート用処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた役物開放信号用の出力端子の信号出力状態を開放信号出力状態とする。
【1652】
ステップSg2201で肯定判定した場合(役物開閉遊技中である場合)は、ステップSg2207にて役物開閉処理を実行する。ここで、役物開閉処理について
図150のフローチャートを参照しながら説明する。
【1653】
先ずステップSg2301では、普電役物63aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、駆動部63bの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。普電役物63aを開放中でない場合は、ステップSg2302にて開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。
【1654】
開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、ステップSg2303に進み、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、役物開閉遊技にて普電役物63aを複数回開放する場合において、各開放間の待機期間が経過したか否かを判定するものである。
【1655】
タイマエリアT2の値が「0」である場合は、ステップSg2304にて、上記タイマエリアT2に対し、現在のサポートモードに対応した上限開放時間をセットする。例えば、
図149(b)に示すように、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合は最短の開放時間(例えば0.1sec)をセットし、現在のサポートモードが第1高頻度サポートモードである場合は最長の開放時間(例えば2sec)をセットし、現在のサポートモードが第2高頻度サポートモードである場合は中間の開放時間(例えば1sec)をセットする。なお、ステップSg2304でセットされる値は、役物開閉遊技における1開放当たりの上限開放時間に対応するものである。
【1656】
ステップSg2305では、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPC2に「6」をセットする。この値は、役物開閉遊技における普電役物63a(第2作動口63)への上限入賞個数(6個)に対応するものである。
【1657】
ステップSg2306では、普電役物63aを開放すべく駆動部63bを駆動状態とする。ステップSg2307では、演出制御装置143への送信対象として役物開放コマンドを設定する。設定された役物開放コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの閉鎖状態から開放状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
【1658】
ステップSg2307の実行後は役物開閉処理を終了する。また、ステップSg2302で肯定判定した場合(開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合)又はステップSg2303で否定判定した場合(タイマエリアT2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aを開放しないとして、ステップSg2304以降の処理を実行せずに役物開閉処理を終了する。
【1659】
ステップSg2301で肯定判定した場合(普電役物63aが開放中である場合)は、ステップSg2308に進み、上記タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップSg2304で設定した普電役物63aの上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
【1660】
タイマエリアT2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの上限開放時間が経過していない場合は、ステップSg2309にて、第2作動口63に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞が発生している場合は、ステップSg2310にて、上記入賞カウンタエリアPC2の値を1減算する。ステップSg2311では、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」であるか否か、すなわち、第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達したか否かを判定する。
【1661】
ステップSg2309で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)又はステップSg2311で否定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合)は、普電役物63aの開放状態を継続すべく、そのまま役物開閉処理を終了する。
【1662】
ステップSg2308で肯定判定した場合(普電役物63aの上限開放時間が経過している場合)又はステップSg2311で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合)は、ステップSg2312にて、普電役物63aを閉鎖すべく駆動部63bを非駆動状態とする。
【1663】
ステップSg2313では、演出制御装置143への送信対象として役物閉鎖コマンドを設定する。設定された役物閉鎖コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。これにより、普電役物63aの開放状態から閉鎖状態への切り替えが演出制御装置143に通知される。
【1664】
ステップSg2314では、上記開放回数カウンタエリアRC2の更新処理を実行する。当該更新処理では、入賞カウンタエリアPC2の値を参照し、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」でない場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達していない場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値を1減算する。一方、入賞カウンタエリアPC2の値が「0」である場合(第2作動口63への入賞個数が上限入賞個数に達している場合)は、開放回数カウンタエリアRC2の値に「0」をセットする。
【1665】
ステップSg2315では、開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合は、そのまま役物開閉処理を終了する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合、すなわち、普電役物63aの残り開放が存在する場合は、ステップSg2316にて、上記タイマエリアT2にインターバル時間(例えば0.2sec)をセットし、その後、役物開閉処理を終了する。ステップSg2316でセットされる値は、普電役物63aを閉鎖状態として次の開放を待機する待機時間に対応するものである。
【1666】
電役サポート用処理(
図149(a))の説明に戻り、ステップSg2207の役物開閉処理を実行した後はステップSg2208にて、上記開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」でない場合は、そのまま電役サポート用処理を終了する。開放回数カウンタエリアRC2の値が「0」である場合、すなわち、役物開閉遊技が終了した場合は、ステップSg2209にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている役物開閉中フラグをクリアし、その後、電役サポート用処理を終了する。
【1667】
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、
図151のブロック図を参照して以下に説明する。
【1668】
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【1669】
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンドや、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
【1670】
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
【1671】
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
【1672】
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
【1673】
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
【1674】
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
【1675】
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
【1676】
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
【1677】
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
【1678】
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
【1679】
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
【1680】
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
【1681】
<演出設定処理>
演出設定処理について
図152のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
【1682】
先ずステップSg2501では、主制御装置162からの高確開始コマンド(ステップSg1106)を受信しているか否かを判定する。高確開始コマンドは、高確遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、開閉実行モードの終了時において高確遊技状態に移行する場合に送信されるものである。
【1683】
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
【1684】
ステップSg2501の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアに高確開始コマンドが格納されているか否かを判定する。高確開始コマンドが格納されている場合(高確開始コマンドを受信している場合)には、ステップSg2502にて、高確遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第1移行用演出設定処理を実行する。第1移行用演出設定処理の詳細については後述する。
【1685】
ステップSg2502の実行後又はステップSg2501で否定判定した場合(高確開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSg2503にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
【1686】
ステップSg2504では、主制御装置162からの突然時短開始コマンド(ステップSg1905)を受信しているか否かを判定する。突然時短開始コマンドは、突然時短遊技状態への移行を演出制御装置143に通知するものであり、特図遊技回における確定表示の開始時において突然時短遊技状態に移行する場合に送信されるものである。
【1687】
突然時短開始コマンドを受信している場合は、ステップSg2505にて、突然時短遊技状態への移行に対応した移行用演出を設定するための第2移行用演出設定処理を実行する。第2移行用演出設定処理の詳細については後述する。
【1688】
ステップSg2505の実行後又はステップSg2504で否定判定した場合(突然時短開始コマンドを受信していない場合)は、ステップSg2506にて、いずれかの遊技状態終了コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、高確終了コマンド(ステップSg1705)や時短終了コマンド(ステップSg1805)を受信しているか否かを判定する。
【1689】
これらのコマンドのいずれかを受信している場合は、ステップSg2507にて、各遊技状態の終了に対応した終了用演出を設定するための終了用演出設定処理を実行する。終了用演出設定処理の詳細については後述する。
【1690】
ステップSg2508では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
【1691】
<第1移行用演出設定処理>
ステップSg2502の第1移行用演出設定処理について
図153のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの高確開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、高確遊技状態の開始タイミングに合わせて実行されるものである。
【1692】
先ずステップSg2601では、高確遊技状態に対応した開始演出を設定する。高確遊技状態用の開始演出では、
図154(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gにて、例えば「高確ステージ」等の高確遊技状態に対応したタイトル画像921と、残り回数画像922とが表示される。残り回数画像922は、高確遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
【1693】
なお、
図154(b)は、高確遊技状態への滞在中に実行される高確中演出を示すものである。高確中演出は、
図154(a)の開始演出の終了後、高確遊技状態が終了するまで行われる。この高確中演出では、通常遊技状態中の遊技回用演出とは異なる態様で遊技回用演出が行われ、例えば、通常遊技状態中の遊技回用演出とは異なる背景画像等が表示される。
【1694】
ステップSg2601では、高確遊技状態における初回目の特図遊技回にて上記開始演出が表示画面Gに表示されるように設定する。
【1695】
続くステップSg2602では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタエリアに高確遊技状態の上限回数(例えば50回)に対応する値をセットする。この場合の残り回数カウンタエリアは、高確遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数をMPU342が把握するためのものとして機能し、残り回数カウンタエリアの値は高確遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【1696】
本実施の形態では、演出制御装置143にて主制御装置162とは別に高確遊技状態の残り回数をカウントする構成としているが、主制御装置162での更新結果に基づいて演出制御装置143が高確遊技状態の残り回数を把握する構成としてもよい。例えば、確変カウンタエリアKCの更新結果(ステップSg1203)を所定コマンドの送信により主制御装置162から演出制御装置143に通知し、演出制御装置143が当該コマンドを解析して上記更新結果を把握する構成としてもよい。その際、変動開始コマンド(ステップSg715)等の既存コマンドに上記更新結果の情報を含ませて上記所定コマンドとしてもよいし、上記更新結果を通知するための専用コマンドにより上記所定コマンドを構成してもよい。
【1697】
ステップSg2603では、残り回数画像922の表示を開始するように設定する。なお、
図154(a)では開始演出の時点から残り回数画像922が表示されるように図示しているが、残り回数画像922の表示は開始演出では行われず、当該開始演出が終了してから行われてもよい。
【1698】
ステップSg2604では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに残り回数表示フラグをセットし、その後、第1移行用演出設定処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像922の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
【1699】
<特図変動表示用処理>
ステップSg2503の特図変動表示用処理について
図155のフローチャートを参照しながら説明する。
【1700】
先ずステップSg2701では、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップSg2702に進み、主制御装置162からの変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
【1701】
変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理で抽選された変動パターンの情報が含まれる。この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
【1702】
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップSg2703に進み、図柄表示装置75にて遊技回用演出を開始させるための変動開始用処理を実行する。ここで、変動開始用処理について
図156(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
【1703】
先ずステップSg2801では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを把握する。ステップSg2802では、把握した変動パターンに対応する遊技回用演出が実行されるように設定する。変動パターンと遊技回用演出との対応関係について
図156(b)を参照しながら説明する。
【1704】
把握した変動パターンが変動パターン14Hである場合は完全外れ演出が実行されるように設定する。変動パターン14Hは、高確遊技状態である状況(特殊外れ結果が無効化される状況)で特殊外れ結果になった場合に設定されるものであり、遊技回用演出として完全外れ演出が実行されることにより、特殊外れ結果になったことを遊技者が識別不可又は識別困難とされる。
【1705】
把握した変動パターンが変動パターンW1~W3である場合は特殊演出A~Cが実行されるように設定する。変動パターンW1~W3は、通常時短遊技状態である状況(特殊外れ結果が有効される状況)において、特殊外れ結果になった場合、通常外れ結果になった場合、大当たり結果になった場合のそれぞれで設定されるものである。特殊演出Aは、突然時短遊技状態の獲得チャレンジに成功した成功演出が表示された後、図柄列Z1~Z3が特殊外れ結果に対応する組合せで停止表示されるものであり、特殊演出Bは、上記獲得チャレンジに失敗した失敗演出が表示された後、図柄列Z1~Z3がリーチ外れに対応する組合せで停止表示されるものであり、特殊演出Cは、上記成功演出が表示された後、図柄列Z1~Z3が大当たり結果に対応する組合せで停止表示されるものである。
【1706】
把握した変動パターンが変動パターンZ1、Z2である場合は実績演出A、Bが実行されるように設定する。変動パターンZ1、Z2は、通常遊技状態の下で第2特図の遊技回が行われる状況(特殊外れ結果が無効化される状況)において、特殊外れ結果又は通常外れ結果になった場合、大当たり結果になった場合のそれぞれで設定されるものである。実績演出Aは、実績表示が行われつつ図柄表示部913にて各図柄列が完全外れに対応する組合せで停止表示されるものであり、実績演出Bは、実績表示が行われつつ図柄表示部913にて各図柄列が大当たりの組合せで停止表示されるものである。
【1707】
把握した変動パターンがその他の変動パターンである場合は、把握した変動パターンに対応する遊技回用演出が実行されるように設定する。例えば、把握した変動パターンが変動パターン3A(
図135(a))であった場合はSPSPリーチ当たり演出が実行されるように設定する。
【1708】
変動開始用処理(
図156(a))の説明に戻り、ステップSg2802の実行後はステップSg2803にて、表示制御装置350への送信対象として停止結果コマンド及びパターンコマンドを送信する。パターンコマンドは、実行すべき遊技回用演出を指定する演出パターンコマンドである。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、指定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、指定された演出パターンで遊技回用演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。ステップSg2803の実行後は変動開始用処理を終了する。
【1709】
特図変動表示用処理(
図155)の説明に戻り、ステップSg2703の変動開始用処理を実行した後はステップSg2704にて、現在の遊技状態が高確遊技状態又は突然時短遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態又は突然時短遊技状態である場合は、ステップSg2705にて残り回数表示の更新用処理を実行する。残り回数表示の更新用処理では、高確遊技状態や突然時短遊技状態の残り回数を更新(減算)したり、当該残り回数の更新結果に合わせて残り回数画像922の表示内容を更新したりする。これにより、残り回数画像922により報知される残り回数が1減算される。ステップSg2705の実行後又はステップSg2704で否定判定した場合(高確遊技状態又は突然時短遊技状態でない場合)は、特図変動表示用処理を終了する。
【1710】
ステップSg2701で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSg2706に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップSg2707にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
【1711】
ステップSg2706で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、ステップSg2708にて変動終了用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSg2708では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
【1712】
<第2移行用演出設定処理>
ステップSg2505(
図152)の第2移行用演出設定処理について
図157のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの突然時短開始コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、突然時短遊技状態が開始される場合に実行されるものである。
【1713】
先ずステップSg3001では、突然時短遊技状態用の開始演出を設定する。突然時短遊技状態用の開始演出では、
図158(a)に示すように、例えば「時短ステージ」等の突然時短遊技状態に対応したタイトル画像925と、残り回数画像922とが表示される。残り回数画像922は、突然時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数を報知するものである。
【1714】
なお、
図158(b)は、突然時短遊技状態への滞在中に実行される時短中演出を示すものである。時短中演出は、
図158(a)の開始演出の終了後、突然時短遊技状態が終了するまで行われる。この時短中演出では、通常遊技状態中や高確遊技状態中の遊技回用演出とは異なる態様で遊技回用演出が行われ、例えば、通常遊技状態中や高確遊技状態中の遊技回用演出とは異なる背景画像等が表示される。
【1715】
本ステップでは、上記突然時短遊技状態用の開始演出が特図遊技回における確定表示時間にて実行されるように当該開始演出の設定処理を行う。その際、開始演出のすべてが上記確定表示時間にて実行されてもよいし、開始演出の一部が上記確定表示時間にて実行されてもよい。なお、開始演出の一部が確定表示時間内に実行される場合は、当該確定表示時間と次の特図遊技回とを跨いで上記開始演出が実行される。
【1716】
ステップSg3002では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタエリアに突然時短遊技状態の上限回数(例えば700回)に対応した値をセットする。この場合の残り回数カウンタエリアは、突然時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数をMPU342が把握するためのものとして機能し、残り回数カウンタエリアの値は突然時短遊技状態において特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【1717】
ステップSg3003では、残り回数画像922の表示を開始するように設定する。なお、
図158(a)では開始演出の時点から残り回数画像922が表示されるように図示しているが、残り回数画像922の表示は開始演出では行われず、当該開始演出が終了してから行われてもよい。
【1718】
ステップSg3004では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cに残り回数表示フラグをセットし、その後、第2移行用演出設定処理を終了する。残り回数表示フラグは、残り回数画像922の表示中であることをMPU342が把握するためのものである。
【1719】
<終了用演出設定処理>
ステップSg2507(
図152)の終了用演出設定処理について
図159のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、高確終了コマンド又は高サポ終了コマンドを受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、高確率モードや高頻度サポートモードが終了する場合に実行されるものである。
【1720】
ステップSg3101では、終了対象の遊技状態に対応した終了演出を設定する。例えば、高確率モードが終了して高確遊技状態が終了する場合は高確遊技状態用の終了演出が実行されるように設定し、第2高頻度サポートモードが終了して突然時短遊技状態が終了する場合は突然時短遊技状態用の終了演出が実行されるように設定する。なお、通常時短遊技状態が終了する場合は、第2特図の保留分に対応する特図遊技回にて実績演出が行われるため、当該演出により通常時短遊技状態の終了を報知する。
【1721】
ステップSg3102では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた残り回数カウンタの値をクリア(初期化)する。この際、残り回数カウンタの値が既に0(初期値)となっている場合はその状態のままとする。
【1722】
ステップSg3103では、図柄表示装置75の表示画面Gに表示されている残り回数画像922を消去する。続くステップSg3104では、RAM344の各種フラグ格納エリア344cにセットされている残り回数表示フラグをクリアし、その後、終了用演出設定処理を終了する。
【1723】
<遊技の流れについて>
本実施の形態における遊技の流れについて
図160~
図162を参照しながら説明する。ここでは、4R確変大当たり結果に対応する開閉実行モードが行われた後、残り回数が50回の高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)に移行しているものとする。
【1724】
図160のタイミングt1において、高確遊技状態に移行してから例えば3回目の特図遊技回(第2特図の遊技回)にて当否抽選結果が通常外れ結果になった場合には、高確遊技状態がそのまま維持され(
図160(b)、(c))、突然時短遊技状態(低確率モード且つ第2高頻度サポートモード)への移行は生じない(
図160(e))。
図161に示すように、その特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出が実行され、遊技者に対して通常外れ結果が報知される。
【1725】
図160のタイミングt2において、高確遊技状態に移行してから例えば10回目の特図遊技回にて当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合には、高確率モード中であることに基づいて突然時短遊技状態への移行が制限され(
図160(d)、(e))、特殊外れ結果への当選が無効化される(タイミングt3、
図160(e))。
図161に示すように、その特図遊技回では、図柄表示装置75にて完全外れ演出が実行される。この場合の完全外れ演出は、当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合と同様のものであり、また、演出時間(変動表示時間)も同じになっている。このため、図柄表示装置75を見ている限りは通常外れ結果との見分けが付かず、遊技者から見て特殊外れ結果になったことが分かりにくくなっている。
【1726】
なお、特図用表示部43では、特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。よって、特殊外れ結果になったことを遊技ホールの従業員が確認したい場合は、特図用表示部43を視認することで当該確認を行うことが可能である。これにより、特殊外れ結果になった場合に、それが秘匿化されるように図柄列Z1~Z3の変動表示が行われる構成が悪用されて不正行為に繋がることを抑制することが可能になる。
【1727】
ここで、本実施の形態では、特殊外れ結果の当選確率が比較的軽め(1/5)に設定されているため、高確遊技状態を遊技する過程で複数回に亘り特殊外れ結果に当選することが想定される(タイミングt4)。この場合も、特殊外れ結果への当選が遊技状態の切り替えに反映されることがなく、突然時短遊技状態への移行が無効化される(タイミングt5)。また、図柄表示装置75では完全外れ演出が実行され、特殊外れ結果になったことが明示されないようにして遊技回用演出が行われる。
【1728】
タイミングt6において、高確遊技状態に移行してから50回目の特図遊技回(高確遊技状態の最終遊技回)でその当否抽選結果が通常外れ結果になると、その特図遊技回における確定表示の開始タイミング(タイミングt7)にて抽選モードが高確率モードから低確率モードに切り替えられる。その一方で、第1高頻度サポートモードの上限回数が51回に設定されていることから、サポートモードは第1高頻度サポートモードのままとされる。これにより、遊技状態が通常時短遊技状態(低確率モード且つ第1高頻度サポートモード)に移行する。
【1729】
なお、高確遊技状態に移行してから1回目~50回目の特図遊技回(高確遊技状態での特図遊技回)では、都度の保留数を参照して各遊技回の変動表示時間が設定される。具体的には、当否抽選結果が通常外れ結果又は特殊外れ結果である場合において、そのときの特図保留数が1個以下である場合は変動表示時間として相対的に長い8secが設定され、特図保留数が2個以上である場合は変動表示時間として相対的に短い4secが設定される(
図136(b)、(c))。
【1730】
このように特図保留数が少ない状況では変動表示時間が長くなることで、次の特図遊技回が開始されるまでの間において、第2作動口63への入賞を発生させて特図保留数を増やす時間を確保することができる。これにより、特図保留数が0個の状態で実行中の特図遊技回が終了してしまう事象の発生が抑制され、第2作動口63への入賞が生じにくい印象を遊技者に与えにくくすることができる。一方で、特図保留数が多い状況では変動表示時間が短くなることで、次の当否抽選が行われるまでの待ち時間が短くなり、単位時間当たり(例えば10分当たり)の当否抽選の実行頻度を高めることができる。これにより、遊技における時間効率が高められ、遊技者が効率的に遊技を進めることが可能になる。
【1731】
変動表示時間の設定に際して参照する保留数は、第2特図の保留数とするとよい。これにより、右打ち遊技がなされることで主として第2作動口63への始動入賞を生じさせて当否抽選を受ける高確遊技状態において、第2特図の保留数に応じて変動表示時間の長さを切り替えることができる。
【1732】
なお、第2特図の保留数が0個になり且つ第2特図の遊技回が終了した場合において第1特図の保留数が存在する場合は、第1特図の遊技回が実行されるため、遊技回の実行が完全に途切れるわけではない。この点を踏まえると、変動表示時間の設定時に参照する保留数を第1特図の保留数と第2特図の保留数との総和(総保留数)とする構成としてもよい。
【1733】
図160のタイミングt8において、高確遊技状態に移行してから51回目の特図遊技回(通常時短遊技状態での特図遊技回)で当否抽選の結果が特殊外れ結果になると、その特図遊技回における確定表示の開始タイミング(タイミングt9)にて、サポートモードが第1高頻度サポートモードから第2高頻度サポートモードに切り替えられる(
図160(c)、(e))。すなわち、通常時短遊技状態での特図遊技回である51回目の特図遊技回にて特殊外れ結果になると、そのときの抽選モードが高確率モードでないこと及びサポートモードが第1高頻度サポートモードであることに基づいて当該結果が有効化され(
図131(a)のステップSg1402~ステップSg1404)、通常時短遊技状態から突然時短遊技状態への切り替えが行われる。
【1734】
上記51回目の特図遊技回において特殊外れ結果になった場合は、
図161に示すように、図柄表示装置75にて特殊演出Aが実行される。この特殊演出Aは突然時短遊技状態への移行が生じることに対応した遊技回用演出であり、当該演出では、少女キャラクタ904が魔法使いキャラクタ905に変身する成功動画が表示された後、図柄列Z1~Z3が特殊外れ結果に対応する組合せで停止表示される(
図138、
図139)。これにより、突然時短遊技状態の獲得チャレンジに成功したこと及び特殊外れ結果になったことが遊技者に報知される。この際、特図用表示部43においても特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
【1735】
そして、突然時短遊技状態に移行した場合は、当該状態に滞在可能な特図遊技回の上限回数が700回に設定される。突然時短遊技状態での抽選モードは低確率モードであり、大当たり当選確率は1/200となるところ、突然時短遊技状態が終了する前に大当たりに当選する期待値は約97%となる。突然時短遊技状態では、サポートモードが第2高頻度サポートモードに設定されることにより第2作動口63への入賞が発生しやすくなるため、持ち球の減りを抑えた状態で大当たりへの当選を大いに期待できるものとなる。つまり、持ち球の減りを抑えながら大当たりへの当選を期待できる高確遊技状態が終了しても、当該高確遊技状態の終了後の状態として設定される通常時短遊技状態にて特殊外れ結果を引き当てることにより、持ち球の減りを抑えながら大当たりへの当選を期待できる突然時短遊技状態に移行させることができ、遊技者にとって有利な状態を実質的に延長させたり、当該有利な状態に復帰させたりすることが可能になる。
【1736】
次に、高確遊技状態に移行してから51回目の上記特図遊技回(通常時短遊技状態での特図遊技回)で当否抽選の結果が通常外れ結果になった場合について
図162を参照しながら説明する。なお、本ケースにおいてタイミングt1からタイミングt7までの流れは、
図160の場合と同様であるため、説明を省略又は簡略化する。
【1737】
高確遊技状態に移行してから50回目の特図遊技回(高確遊技状態の最終遊技回)でその当否抽選結果が通常外れ結果になると、その特図遊技回における確定表示の開始タイミング(タイミングt7)にて抽選モードが高確率モードから低下率モードに切り替えられ、遊技状態が高確遊技状態から通常時短遊技状態に移行する。
【1738】
タイミングt11において、高確遊技状態に移行してから51回目の特図遊技回(通常時短遊技状態での特図遊技回)で当否抽選の結果が通常外れ結果になると、通常時短遊技状態が終了する。具体的には、通常時短遊技状態での特図遊技回の実行回数が上限回数に到達したことに基づき、その特図遊技回における確定表示の開始タイミング(タイミング12)にてサポートモードが第1高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えられ、遊技状態が通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)に移行する。
【1739】
上記51回目の特図遊技回において通常外れ結果になった場合は、
図161に示すように、図柄表示装置75にて特殊演出Bが実行される。この特殊演出Bは突然時短遊技状態への移行が生じないことに対応した遊技回演出であり、特殊外れ結果になった場合に行われる特殊演出Aと対をなすものである。特殊演出Bでは、少女キャラクタ904が魔法使いに変身できない失敗動画が表示された後、図柄列Z1~Z3がリーチ外れに対応する組合せで停止表示される(
図140)。これにより、突然時短遊技状態の獲得チャレンジに失敗したこと及び通常外れ結果になったことが遊技者に報知される。この際、特図用表示部43においても通常外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
【1740】
そして、上記のようにして通常時短遊技状態が終了した後は、通常時短遊技状態の終了時点で存在している第2特図の保留分に基づく特図遊技回が実行される。例えば、上記保留分として4個の保留情報が保留記憶されている場合は、通常遊技状態の下、当該保留情報に基づく特図遊技回が52回目~55回目の特図遊技回として実行される。
【1741】
例えば52回目の特図遊技回(タイミングt13)にて当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合には、第1高頻度サポートモード中でないことに基づいて突然時短遊技状態への移行が制限され(
図162(e))、特殊外れ結果への当選が無効化される(タイミングt14)。また、例えば53回目の特図遊技回(タイミングt14)にて当否抽選結果が通常外れ結果になった場合も突然時短遊技状態への移行が生じず、通常遊技状態が維持される(タイミングt15、
図162(e))。これらのことは残りの54回目及び55回目の特図遊技回においても同様であり、これらの特図遊技回にて当否抽選結果が如何なる結果になっても突然時短遊技状態への移行は生じない。
【1742】
このように、第2特図での遊技が可能となる状態として高確遊技状態→通常時短遊技状態→残り保留に基づく特図遊技回の実行という流れがある中で、残り保留に基づく特図遊技回において突然時短遊技状態への移行を規制する構成としたことで、通常時短遊技状態への移行が許容される通常時短遊技状態が終了することへのドキドキ感を高め、高確遊技状態の終了後に移行する通常時短遊技状態の存在を好適に引き立てることができる。
【1743】
なお、残り保留に基づく52回目~55回目の特図遊技回では、都度の保留数を参照することなく各遊技回の変動表示時間が設定される。具体的には、当否抽選結果が通常外れ結果又は特殊外れ結果である場合において、保留数にかかわらず、変動表示時間として1secが設定される(
図142(a))。この変動表示時間は、高確遊技状態に移行してから1回目~50回目の特図遊技回にて保留数が2個以上である場合の変動表示時間である4secよりも短いものである。このような構成であることにより、52回目、53回目の特図遊技回だけでなく、保留数が1個の状態で実行される54回目の特図遊技回及び保留数が0個の状態で実行される55回目の特図遊技回についても短時間で消化させることができる。
【1744】
残り保留の特図遊技回では、抽選モードが低確率モードであることにより大当たり当選確率が低く、また、特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行が生じないため、高確遊技状態や通常時短遊技状態での特図遊技回に比べると遊技者の関心度が低くなることが想定されるが、上記のような変動表示時間の設定態様であることで、そのような関心度の低い特図遊技回を速やかに消化させることができる。特に、上記残り保留の特図遊技回が行われる中で第1特図の保留数が最大値に達している状況では、遊技者は第1作動口62への入賞を狙う遊技を行うこともできず、遊技球の発射操作を行わないまま残り保留の特図遊技回が終了するのを待たざるを得なくなる。この点、本実施の形態の構成であることで、そのような待ち時間を短く抑えることができ、遊技意欲の低下を抑制することが可能になる。
【1745】
残り保留に基づく52回目~55回目の特図遊技回では、図柄表示装置75にて実績演出が実行される。実績演出では、大当たりの回数に対応した回数画像911や遊技球の払出総数に対応した払出球数画像912が表示される(
図143)。これらの特図遊技回において当否抽選結果が通常外れ結果になった場合には、表示画面G上の図柄表示部913にて各図柄列が完全外れの組合せで停止表示される。また、当否抽選結果が特殊外れ結果になった場合、上記図柄表示部913では各図柄列が完全外れの組合せで停止表示され、遊技者に対して通常外れ結果が報知されるが、特図用表示部43では特殊外れ結果に対応した絵柄が停止表示される。
【1746】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【1747】
遊技状態として、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な突然時短遊技状態を設けるとともに、当否抽選の結果が特殊外れ結果になることを契機として当該突然時短遊技状態に移行し得る構成とした上で、開閉実行モードの終了後、特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行が生じない遊技回が行われる所定状態(第1特定遊技)となり、その後、特殊外れ結果になることで突然時短遊技状態への移行が生じる特定状態(第2特定遊技)に切り替わる構成とした。この場合、所定状態の終了後、特定状態へと変化することにより、特殊外れ結果になるか否かについて遊技者をドキドキさせることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【1748】
通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な高確遊技状態を上記所定状態とし、高確遊技状態の終了後、突然時短遊技状態への移行が許容される上記特定状態に移行する構成とした。
【1749】
この場合、大当たり確率が優遇された高確遊技状態が行われたものの、残念ながら大当たり結果を引き当てることができずに高確遊技状態が終了してしまった場合に、通常遊技状態への降格が確定してしまうのではなく、特定状態に移行することにより、通常遊技状態よりも有利な突然時短遊技状態への移行機会が提供されるものとなる。これにより、高確遊技状態の終了による遊技者の落胆を軽減しつつ新たな遊技目標を創出することができ、遊技継続の意欲を好適に引き出すことが可能になる。また、高確率モードでの当否抽選が行われる高確遊技状態では、特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行が生じないため、高確遊技状態の期間において大当たり結果を引き当てて開閉実行モードへの移行を獲得することに集中して遊技させることができる。
【1750】
所定状態(第1所定状態)としての高確遊技状態が終了した後、特定状態としての通常時短遊技状態に移行し、特殊外れ結果を引き当てることなく通常時短遊技状態が終了した場合に行われる残り保留分の特図遊技回(第2所定状態、第3特定遊技)では、特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行が生じない構成とした。
【1751】
例えば、突然時短遊技状態への移行機会を付与するものとして、高確遊技状態が終了した後、残り保留分に基づく遊技回が行われる状態となる構成とし、この残り保留分に基づく遊技回が行われる期間にて特殊外れ結果になることより突然時短遊技状態への移行が生じる構成とすることが考えられる。この場合、一部の状態に限定して突然時短遊技状態への移行機会を付与できるものの、突然時短遊技状態への移行を許容する許容遊技回の回数が保留記憶の上限数(上限保留数)により定まることになる。例えば、高確遊技状態の終了後、第2作動口63への始動入賞が発生せず、残り保留分に基づく遊技回の回数が高確遊技状態終了時の保留数になる構成では、許容遊技回を実行し得る最大回数は上限保留数と同数になる。すなわち、許容遊技回の回数が上限保留数の制約を受けることになり、許容遊技回の回数を増減しようとすると、上限保留数の変更まで強いられる懸念がある。
【1752】
この点、高確遊技状態と残り保留分に基づく遊技回が行われる期間との間に通常時短遊技状態を介在させ、この通常時短遊技状態にて突然時短遊技状態への移行が許容される構成としたため、上限保留数と独立して許容遊技回の回数を設定することができる。例えば、許容遊技回を実行し得る最大回数として上限保留数よりも少ない回数を設定することができ、許容遊技回の回数設計においてその自由度を好適に高めることが可能になる。
【1753】
また、上記構成は、高確遊技状態、通常時短遊技状態、残り保留分に基づく遊技回が順に行われるという、第2特図の当否抽選を受けて遊技する場合の一連の流れの中で、その途中状態である通常時短遊技状態に限定して突然時短遊技状態への移行が許容されるものと見ることもできる。この場合、突然時短遊技状態への移行が許容される許容期間の前後が、突然時短遊技状態への移行が許容されない非許容期間で挟まれる形態となり、上記許容期間(通常時短遊技状態)を好適に引き立てることができる。これにより、許容期間(通常時短遊技状態)において特殊外れ結果になることを目指す遊技の面白みを高めることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【1754】
通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数を1回とし、高確遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数である50回や、残り保留分に基づいて行われる特図遊技回の回数である4回よりも少なくする構成とした。
【1755】
この場合、高確遊技状態から残り保留分に基づく遊技回までの流れにおける途中の通常時短遊技状態でのみ突然時短遊技状態への移行チャンスが生じる状況において、当該チャンスが少ない回数の中で与えられるものとなる。このため、特殊外れ結果を引き当てることができないまま通常時短遊技状態が終了してしまうことへの不安感を煽ることができ、その裏返しとして通常時短遊技状態の中で特殊外れ結果を引き当てることができた場合の遊技者の喜びや達成感を好適に高めることが可能になる。
【1756】
高確遊技状態での特図遊技回では、都度の保留記憶数を参照して変動表示時間の長さを設定し、残り保留分に基づく特図遊技回では、保留記憶数を参照することなく変動表示時間の長さを設定する構成とした。
【1757】
残り保留分に基づく特図遊技回では特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行が生じず、また、抽選モードも低確率モードであるため、大当たりへの当選を大いに期待できるわけでもない。このような遊技回に対しては遊技者の関心度が低くなりがちとなることが想定されるところ、そのような遊技回に対して保留記憶数にかかわらず変動表示時間の長さを設定することで、例えば、保留数が少ない状況で行われる遊技回についても変動表示時間が長くなることが抑制され、それらの遊技回を速やかに終わらせることが可能になる。特に第1特図の保留記憶数が上限数に達している場合、遊技者は第1作動口62への始動入賞を狙う遊技を行うこともできないため、遊技球の発射を止めた状態で残り保留分に基づく特図遊技回(第2特図の遊技回)の消化が終了するのを待たざるを得なくなるが、本構成によれば、そのような待ち時間を短く抑えることができる。
【1758】
高確遊技状態においてリーチ演出が行われない場合(完全外れ演出が実行される場合)の変動表示時間として長い側の8secと短い側の4secとを有する場合において、残り保留分に基づく特図遊技回における変動表示時間の長さを上記短い側の4secよりも短い1secとする構成とした。この場合、残り保留分に基づく特図遊技回をより早く終了させることができ、上記待ち時間の短縮化を好適に実現することが可能になる。
【1759】
残り保留分に基づく特図遊技回においてリーチ演出を実行しない構成とした。この場合、残り保留分に基づく特図遊技回での変動表示時間として長い時間を要することが回避され、変動表示時間の短縮化を好適に実現することが可能になる。
【1760】
<変形例1>
上記第3の実施の形態の変形例1について
図163~
図165を参照しながら説明する。ここでは上記第3の実施の形態との相違点についてのみ説明する。また、
図163~
図165において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1761】
上記第3の実施の形態では、突然時短遊技状態への移行が許容される通常時短遊技状態での特図遊技回の回数が1種類のみであったが、本変形例では、当該特図遊技回の回数として複数種類の回数を設定可能となっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
【1762】
<第2特図用の大当たり種別テーブル>
本変形例に係る第2特図用の大当たり種別テーブルについて
図163を参照しながら説明する。なお、第1特図用の大当たり種別テーブルについては上記第3の実施の形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
【1763】
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果Aと、10R確変大当たり結果Bと、10R確変大当たり結果Cと、4R通常大当たり結果Bとが設定される。なお、4R通常大当たり結果Bは上記第3の実施の形態に係る4R通常大当たり結果B(
図118(b))と同様のものである。
【1764】
10R確変大当たり結果A~Cはいずれも実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。また、これらの大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが第1高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。
【1765】
10R確変大当たり結果A~Cになった場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。すなわち、10R確変大当たり結果A~Cのいずれになっても、開閉実行モードの終了後、同じ回数の特図遊技回において抽選モードが高確率モードに設定される。
【1766】
一方、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードについては、大当たり種別によって継続回数が異なるようになっている。具体的には10R確変大当たり結果Aの場合は、開閉実行モードの終了後、特図遊技回の実行回数が第2上限回数(例えば51回)に達するまで第1高頻度サポートモードが継続される。このため、10R確変大当たり結果Aとなった場合は、開閉実行モード後の1回目~50回目の遊技回が高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)で行われ、51回目の遊技回が通常時短遊技状態(低確率モード且つ第1高頻度サポートモード)で行われる。すなわち、通常時短遊技状態にて実行可能な特図遊技回の回数は1回となる。
【1767】
10R確変大当たり結果Bの場合は、開閉実行モードの終了後、特図遊技回の実行回数が上記第2上限回数より多い第5上限回数(例えば53回)に達するまで継続される。このため、10R確変大当たり結果Bとなった場合は、開閉実行モード後の1回目~50回目の遊技回が高確遊技状態で行われ、51回目~53回目の遊技回が通常時短遊技状態で行われる。すなわち、通常時短遊技状態にて実行可能な特図遊技回の回数は、10R確変大当たり結果Aの場合よりも多い3回となる。
【1768】
10R確変大当たり結果Cの場合は、開閉実行モードの終了後、特図遊技回の実行回数が上記第5上限回数より多い第6上限回数(例えば55回)に達するまで継続される。このため、10R確変大当たり結果Cとなった場合は、開閉実行モード後の1回目~50回目の遊技回が高確遊技状態で行われ、51回目~55回目の遊技回が通常時短遊技状態で行われる。すなわち、通常時短遊技状態にて実行可能な特図遊技回の回数は、10R確変大当たり結果Bの場合よりも多い5回となる。
【1769】
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「49」が10R大当たり結果Aに対応し、「50」~「74」が10R大当たり結果Bに対応し、「75」~「84」が10R大当たり結果Cに対応し、「85」~「99」が4R通常大当たり結果Bに対応している。すなわち、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選にて大当たりとなった場合に10R確変大当たり結果Aに振り分けられる確率は50%、10R確変大当たり結果Bに振り分けられる確率は25%、10R確変大当たり結果Cに振り分けられる確率は10%、4R通常大当たり結果Bに振り分けられる確率は15%に設定されている。
【1770】
<開閉実行モード終了時の移行処理>
本変形例に係る開閉実行モード終了時の移行処理について
図164のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による遊技状態移行処理のステップSg913で実行されるものであり、
図129の開閉実行モード終了時の移行処理に代えて実行されるものである。
図164において
図129と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【1771】
ステップSg1101では今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定し、確変大当たり結果である場合はステップSg1102にてRAM314の各種カウンタエリア314dに高確率フラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。ステップSg1103では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた確変カウンタエリアKCに第1上限回数に対応した値(50)をセットする。確変カウンタエリアKCは、高確率モードの残り回数(高確率モードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高確率モードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
【1772】
ステップSg1104では、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートAフラグをセットする。これにより、サポートモードが第1高頻度サポートモードに移行する。ステップSg3501では、上記各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに対して大当たり種別に対応する値をセットする。具体的には、今回の大当たり種別が4R確変大当たり結果又は10R確変大当たり結果Aである場合は第2上限回数に対応した値(51)をセットし、10R確変大当たり結果Bである場合は第5上限回数に対応した値(53)をセットし、10R確変大当たり結果Cである場合は第6上限回数に対応した値(55)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、高頻度サポートモードの残り回数(第1高頻度サポートモード、第2高頻度サポートモードに滞在可能な特図遊技回の残り回数)をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
【1773】
ステップSg1106では、演出制御装置143への送信対象として高確開始コマンドを設定し、その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。ステップSg1106で設定された高確開始コマンドは、通常処理(
図123)におけるステップSg401にて演出制御装置143に送信される。高確開始コマンドが送信されることにより、高確遊技状態(高確率モード且つ第1高頻度サポートモード)への移行が演出制御装置143に通知される。なお、高確開始コマンドには、高確遊技状態への移行を示す情報のほか、高確率モードの上限回数を示す情報や第1高頻度サポートモードの上限回数を示す情報などが含まれる。
【1774】
<遊技の流れについて>
本変形例に係る遊技の流れについて
図165を参照しながら説明する。ここでは、第2特図の当否抽選にて10R確変大当たり結果A~Cになった場合における開閉実行モード後の遊技の流れについて説明する。
【1775】
10R大当たり結果Aになった場合は、開閉実行モード後の抽選モードが上限回数が50回の高確率モードに設定され、開閉実行モード後のサポートモードが上限回数が51回の第1高頻度サポートモードに設定される。このため、開閉実行モード後の1~50回目の遊技回が高確遊技状態にて行われ、51回目の遊技回が通常時短遊技状態にて行われる。また、通常時短遊技状態の終了後は、第2特図の保留分に基づくものとして52~55回目の遊技回が実行されるが、これらの遊技回は通常遊技状態にて行われる。
【1776】
上記第3の実施の形態で説明したように、高確遊技状態及び通常遊技状態の遊技回では特殊外れ結果となっても突然時短遊技状態への移行が制限され、通常時短遊技状態での遊技回で特殊外れ結果になった場合にのみ突然時短遊技状態への移行が許容される。このため、10R大当たり結果Aになった場合は、1~50回目の特図遊技回にて大当たりに当選せず、高確遊技状態が終了した後、突然時短遊技状態への移行チャンスが付与される通常時短遊技状態での遊技回が1回実行されることになる。
【1777】
また、10R大当たり結果Bになった場合は、開閉実行モード後の抽選モードが上限回数が50回の高確率モードに設定され、開閉実行モード後のサポートモードが上限回数が53回の第1高頻度サポートモードに設定される。このため、開閉実行モード後の1~50回目の遊技回が高確遊技状態にて行われ、51~53回目の遊技回が通常時短遊技状態にて行われる。また、通常時短遊技状態の終了後は、通常遊技状態の下、54~57回目の遊技回が実行される。すなわち、10R大当たり結果Bになった場合は、高確遊技状態が終了した後、突然時短遊技状態への移行チャンスが付与される通常時短遊技状態での遊技回が3回実行されることになる。
【1778】
また、10R大当たり結果Cになった場合は、開閉実行モード後の抽選モードが上限回数が50回の高確率モードに設定され、開閉実行モード後のサポートモードが上限回数が55回の第1高頻度サポートモードに設定される。このため、開閉実行モード後の1~50回目の遊技回が高確遊技状態にて行われ、51~55回目の遊技回が通常時短遊技状態にて行われる。また、通常時短遊技状態の終了後は、通常遊技状態の下、56~59回目の遊技回が実行される。すなわち、10R大当たり結果Cになった場合は、高確遊技状態が終了した後、突然時短遊技状態への移行チャンスが付与される通常時短遊技状態での遊技回が5回実行されることになる。
【1779】
このように本変形例では、通常時短遊技状態への移行契機となった当選遊技回(当否抽選結果が大当たりとなった特図遊技回)での大当たり種別により、突然時短遊技状態への移行にチャレンジできる遊技回の実行回数が相違するように構成されている。ここで、通常時短遊技状態での各遊技回における特殊外れ結果の確率は、10R確変大当たり結果A~Cのいずれであっても等しく、1/5となっている(
図117)。このため、突然時短遊技状態への移行が許容される遊技回の数が多いほど、突然時短遊技状態に移行する期待値が高くなる。具体的には、突然時短遊技状態への移行が許容される遊技回の回数が1回の場合は突然時短遊技状態への移行期待値が20%となり、上記遊技回の回数が3回の場合は上記期待値が約49%となり、上記遊技回の回数が5回の場合は上記期待値が約67%となる。このような構成であることにより、通常時短遊技状態の下で特殊外れ結果を引き当てることだけでなく、いずれの回数の通常時短遊技状態に振り分けられるのかについても遊技者を楽しませることができ、遊技の興趣を好適に高めることが可能になる。
【1780】
なお、通常時短遊技状態での遊技回の回数が3回、5回となる場合において、それらの遊技回では、当否抽選結果が特殊外れ結果、通常外れ結果、大当たり結果のいずれかであるかに応じて特殊演出A、特殊演出B、特殊演出Cが実行される。これら各演出の詳細については上記第3の実施の形態にて説明したため、説明を省略する。
【1781】
<変形例2>
上記第3の実施の形態の変形例2について
図166~
図171を参照しながら説明する。ここでは上記第3の実施の形態との相違点についてのみ説明する。また、
図166~
図171において第3の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、第2特図用の大当たり種別テーブルとしては
図118(b)に示すテーブルを備え、通常時短遊技状態にて実行可能な特図遊技回の回数が1回に設定されるように構成されているものとする。
【1782】
上記第3の実施の形態では、残り保留分に基づく第2特図の遊技回で特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態への移行が制限されたが、本変形例では、これらの遊技回において特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態への移行が許容されるように構成されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
【1783】
<突然時短遊技状態の移行判定用処理>
本変形例に係る突然時短遊技状態の移行判定用処理について
図166のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による変動開始処理のステップSg712で実行されるものであり、
図132(a)の突然時短遊技状態の移行判定用処理に代えて実行されるものである。
図166において
図132(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【1784】
先ずステップSg1401では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに特殊外れフラグがセットされているか否かを判定する。特殊外れフラグがセットされており、今回の特図当否抽選の結果が特殊外れ結果である場合は、ステップSg3601に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグは高確率モード中であることをMPU312が把握するためのものである。
【1785】
高確率フラグがセットされていない場合(高確率モード中でない場合)は、ステップSg3602にて上記各種フラグ格納エリア314eにサポートBフラグがセットされているか否かを判定する。サポートBフラグは第2高頻度サポートモード中(突然時短遊技状態中)であることをMPU312が把握するためのものである。
【1786】
サポートBフラグがセットされていない場合は、現在のサポートモードが低頻度サポートモード又は第1高頻度サポートモードであることを意味する。この場合はステップSg1404に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに突然時短開始用フラグをセットする。突然時短開始用フラグは、突然時短遊技状態に移行すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【1787】
ステップSg3601で肯定判定した場合(高確率フラグがセットされている場合)又はステップSg3602で肯定判定した場合(サポートBフラグがセットされている場合)は、突然時短遊技状態に移行すべきではないとして、ステップSg1404の処理を実行することなく突然時短遊技状態の移行判定用処理を終了する。
【1788】
<特図遊技回の変動表示時間テーブル>
主制御装置162にて行う特図遊技回制御処理や変動開始処理については上記第3の実施の形態の場合(
図124、
図126)と同様であるが、上記のとおり本変形例では、残り保留分に基づく第2特図の遊技回で特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態への移行が許容されるように構成されており、それに合わせて変動表示時間テーブルが設定されている。以下、本変形例に係る変動表示時間テーブルについて
図167~
図170を参照しながら説明する。ここでは、上記第3の実施の形態にて説明した
図134~
図137、
図142を参照して説明した変動表示時間テーブルと相違するものについてのみ説明する。
【1789】
本変形例に係る通常時短遊技状態用の変動表示時間テーブルについて
図167を参照しながら説明する。通常時短遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(
図167(a))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(
図167(b))と、大当たり用の変動表示時間テーブル(
図167(c))とが設定されている。このうち特殊外れ用の変動表示時間テーブル(
図167(a))及び大当たり用の変動表示時間テーブル(
図167(c))については、上記第3の実施の形態に係る特殊外れ用の変動表示時間テーブル(
図137(a))及び大当たり用の変動表示時間テーブル(
図137(c))と同様であるため、説明を省略する。
【1790】
図167(b)に示す通常外れ用の変動表示時間テーブルは、通常時短遊技状態中の特図遊技回にて通常外れ結果になった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンW4が設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンW4が選択される。変動パターンW4には、特殊外れ結果である場合の変動パターンW1や大当たり結果である場合の変動パターンW3が対応する150secの変動表示時間よりも長い160secの変動表示時間が対応付けられている。この変動表示時間は、そのときの特図保留数を参照することなく設定され、特図保留数にかかわらず固定長とされる。
【1791】
変動パターンW4に対応する変動開始コマンドが主制御装置162から出力された場合、演出制御装置143では、図柄表示装置75にて特殊演出B及びガイド演出が実行されるように表示制御装置350を制御する。通常時短遊技状態である状況で通常外れ結果になった場合は、突然時短遊技状態への移行が行われないところ、特殊演出Bは、突然時短遊技状態への移行が生じないことを報知するものである。一方、ガイド演出は、第2作動口63を狙って遊技球を発射させ、第2特図の保留数を増やすことを促す報知である。
【1792】
ここで、演出制御装置143のMPU342にて実行されるガイド演出実行用処理について
図168のフローチャートを参照しながら説明する。ガイド演出実行用処理は、特図変動表示用処理(
図155)に含まれるものであり、主制御装置162から変動パターンW4に対応する変動開始コマンドが出力された特図遊技回にて実行されるものである。
【1793】
先ずステップSg3701では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dにガイド演出フラグがセットされているか否かを判定する。ガイド演出フラグについては後に説明する。
【1794】
ガイド演出フラグがセットされていない場合はステップSg3702に進み、ガイド演出の実行タイミングであるか否かを判定する。本変形例では、特殊演出Bにて図柄列Z1~Z3の各図柄をリーチ外れに対応する組合せで停止表示させた後、ガイド演出を実行することとしており、ステップSg3702では、各図柄をリーチ外れに対応する組合せで停止表示させる期間が経過したタイミングをガイド演出の実行タイミングであるとして上記判定を行う。なお、本変形例では、特殊演出B及びガイド演出を変動表示時間の中で行うため、ステップSg3702では、変動表示時間の経過前においてガイド演出の実行タイミングが到来したかを判定する。
【1795】
ガイド演出の実行タイミングである場合はステップSg3703に進み、その時点での第2特図の保留数を把握する。ステップSg3704では、ステップSg3703で把握した保留数が保留最大数であるか否かを判定する。すなわち、第2特図の保留数の上限である4個に達しているか否かを判定する。
【1796】
保留数が保留最大数でない場合は、ステップSg3705にて、ガイド演出として第1ガイド演出を実行するように設定する。かかる設定が行われた場合、図柄表示装置75では、
図169(a)に示すように、図柄列Z1~Z3の各図柄をリーチ外れに対応する組合せで停止表示された後、
図169(b)に示すように、例えば「電チューを狙って保留をためるんだ!」等の文字画像927が表示される。これにより、第2特図の保留数が上限に達していない状況において、第2作動口63への入賞を生じる態様(右打ち態様)での遊技球の発射が案内される。なお、「電チュー」とは、電動チューリップの略称であり、換言すれば、第2作動口63及び普電役物63aを指す俗称である。このような報知が通常時短遊技状態での特図遊技回における変動表示時間の中で行われることにより、通常時短遊技状態(第1高頻度サポートモード)が終了する前の状況で第2特図の保留情報の追加を促すことができる。
【1797】
ステップSg3705の実行後はステップSg3706にて、上記各種フラグ格納エリア344dにガイド演出フラグをセットし、その後、ガイド演出実行用処理を終了する。ガイド演出フラグは、ガイド演出の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。また、ステップSg3702で否定判定した場合(ガイド演出の実行タイミングでない場合)又はステップSg3704で肯定判定した場合(第2特図の保留数が保留最大数である場合)は、ガイド演出を実行しないとしてステップSg3705の処理を実行することなくガイド演出実行用処理を終了する。
【1798】
ステップSg3701で肯定判定した場合(ガイド演出フラグがセットされている場合)は、ステップSg3707に進み、今回の特図遊技回(通常時短遊技状態での遊技回)における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合はステップSg3708にて、その時点での第2特図の保留数を把握し、続くステップSg3709では、その把握した第2特図の保留数が保留最大数となっているか否かを判定する。
【1799】
上記保留数が保留最大数となっている場合は、ステップSg3710に進み、ガイド演出として第2ガイド演出を実行するように設定する。かかる設定が行われた場合、図柄表示装置75では、
図169(c)に示すように、例えば「準備完了」等の文字画像928が表示される。これにより、第2特図の保留数が保留最大数に達したことが遊技者に報知される。第2ガイド演出は所定期間(例えば、残りの変動表示時間)に亘って継続される。第2ガイド演出の終了に際しては、上記各種フラグ格納エリア344dにセットされているガイド演出フラグをクリアする。
【1800】
ステップSg3710の実行後はガイド演出実行用処理を終了する。また、ステップSg3709で否定判定した場合(第2特図の保留数が保留最大数でない場合)は、第1ガイド演出を継続するとしてステップSg3710の処理を実行することなくガイド演出実行用処理を終了する。
【1801】
ステップSg3707で肯定判定した場合(変動表示時間が経過した場合)は、実行中の第1ガイド演出を終了すべく、ステップSg3711にてガイド演出の終了設定を行う。ガイド演出の終了設定では、第1ガイド演出を終了するように設定するとともに、上記各種フラグ格納エリア344dにセットされているガイド演出フラグをクリアする。ステップSg3711の実行後はガイド演出実行用処理を終了する。
【1802】
次に、本変形例に係る第2特図に対応した通常遊技状態用の変動表示時間テーブルについて
図170を参照しながら説明する。当該変動表示時間テーブルは通常遊技状態の下で第2特図の遊技回が行われる場合に参照されるものであるが、このような遊技回には、通常時短遊技状態の終了後において当該通常時短遊技状態の終了時点で存在している第2特図の保留分に基づいて行われる特図遊技回が該当する。この保留分に基づく特図遊技回は最大で4回行われる。本変形例では、これらの遊技回において特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態への移行が生じるように構成されている。
【1803】
第2特図に対応した通常遊技状態用の変動表示時間テーブルとしては、特殊外れ用の変動表示時間テーブル(
図170(a))と、通常外れ用の変動表示時間テーブル(
図170(b))と、大当たり用の変動表示時間テーブル(
図170(c))とが設定されている。
【1804】
図170(a)に示す特殊外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて特殊外れ結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンY1が設定されている。すなわち、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて特殊外れ結果となった場合、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンY1が選択される。
【1805】
変動パターンY1に対応する変動開始コマンドが主制御装置162から出力された場合、演出制御装置143では、少女キャラクタ904が魔法使いへの変身に成功し、その後、図柄列Z1~Z3が特殊外れ結果に対応する組合せで停止表示する特殊演出Aが図柄表示装置75にて実行されるように表示制御装置350を制御する。これにより、特殊外れ結果になったこと及び突然時短遊技状態への移行チャレンジに成功したこと(当該移行が生じること)が遊技者に報知される。
【1806】
図170(b)に示す通常外れ用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて通常外れ結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンY2が設定されている。すなわち、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて通常外れ結果となった場合、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンY2が選択される。
【1807】
変動パターンY2に対応する変動開始コマンドが主制御装置162から出力された場合、演出制御装置143では、少女キャラクタ904が魔法使いへの変身に失敗し、その後、図柄列Z1~Z3がリーチ外れに対応する組合せで停止表示する特殊演出Bが図柄表示装置75にて実行されるように表示制御装置350を制御する。これにより、通常外れ結果になったこと(特殊外れ結果にならなかったこと)及び突然時短遊技状態への移行チャレンジに失敗したこと(当該移行が生じないこと)が遊技者に報知される。
【1808】
図170(c)に示す大当たり用の変動表示時間テーブルは、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて大当たり結果となった場合に参照されるものである。この変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターンY3が設定されている。すなわち、通常遊技状態中の第2特図の遊技回にて大当たり結果となった場合、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、常に変動パターンY3が選択される。
【1809】
変動パターンY3に対応する変動開始コマンドが主制御装置162から出力された場合、演出制御装置143では、少女キャラクタ904が魔法使いへの変身に成功し、その後、図柄列Z1~Z3が大当たり結果に対応する組合せで停止表示する特殊演出Cが図柄表示装置75にて実行されるように表示制御装置350を制御する。これにより、大当たりに当選したことが遊技者に報知される。
【1810】
図170(a)~(c)の変動パターンY1~Y3には150secの変動表示時間が対応付けられている。この変動表示時間は、そのときの特図保留数を参照することなく設定され、特図保留数にかかわらず固定長とされる。
【1811】
<遊技の流れについて>
本変形例における遊技の流れについて
図171を参照しながら説明する。ここでは、第1特図の当否抽選にて4R確変大当たり結果(
図118(a))になった場合における開閉実行モード後の遊技の流れについて説明する。
【1812】
4R大当たり結果になった場合は、開閉実行モード後の抽選モードが上限回数が50回の高確率モードに設定され、開閉実行モード後のサポートモードが上限回数が51回の第1高頻度サポートモードに設定される。このため、開閉実行モード後の1~50回目の遊技回が高確遊技状態にて行われ、51回目の遊技回が通常時短遊技状態にて行われる。また、通常時短遊技状態の終了後は、第2特図の保留分に基づくものとして52~55回目の遊技回が実行されるが、これらの遊技回は通常遊技状態にて行われる。
【1813】
突然時短遊技状態の移行判定用処理(
図166)にて説明したように、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高確率フラグがセットされている状態で特殊外れ結果になった場合と、各種フラグ格納エリア314eにサポートBフラグがセットされている状態で特殊外れ結果になった場合とでは突然時短開始用フラグがセットされず、突然時短遊技状態への移行が制限されるものの、それら以外の状態で特殊外れ結果になった場合には、突然時短開始用フラグがセットされ、突然時短遊技状態への移行が許容される。このため、通常時短遊技状態の下で行われる51回目の遊技回だけでなく、通常遊技状態の下で行われる52~55回目の遊技回においても、特殊外れ結果になることで突然時短遊技状態への移行が生じるものとなる。
【1814】
よって、通常時短遊技状態での遊技回(51回目の遊技回)が終了した後も、残り保留分に基づく遊技回を利用して、引き続き突然時短遊技状態への移行にチャレンジする遊技を楽しませることができる。この際、残り保留分に基づく52~55回目の遊技回では、そのときの保留数にかかわらず、長めの変動表示時間(150sec)が設定される。このため、第2特図の保留数が2個以上の下で行われる52、53回目の遊技回においても演出期間が十分に確保され、突然時短遊技状態への移行チャレンジに成功するか否かをじっくりと見せて遊技者を大いに楽しませることができる。
【1815】
また、通常時短遊技状態での遊技回(51回目の遊技回)にて通常外れ結果になった場合(突然時短遊技状態への移行が生じず、次の遊技回が残り保留分に基づく遊技回となる場合)は、突然時短遊技状態の終了(サポートAフラグのクリア)までに所定期間を残した上で、第2作動口63への始動入賞を案内するガイド演出(
図169)が実行される。通常時短遊技状態での遊技回では、突然時短遊技状態への移行チャレンジに成功するか否かの演出(特殊演出B)に遊技者が集中して遊技球の発射操作が行われていないことがあり得るが、上記構成により、残り保留分に基づく遊技回の開始前に第2特図の保留情報の追加が促されることで、第2特図の保留数が上限数(4個)よりも少ない状態で残り保留分に基づく遊技回が開始されることが抑制される。これにより、突然時短遊技状態への移行にチャレンジできる遊技回の回数として最大回数(4回)を確保した状態で残り保留分に基づく遊技回を開始させることが可能になる。
【1816】
その際、通常外れ結果になった場合の変動表示時間(160sec)が特殊外れ結果になった場合の変動表示時間(150sec)よりも長くされ、その差分時間を利用してガイド演出が行われる。この場合、通常外れ結果になった場合の特殊演出B(移行チャレンジに失敗する演出)と特殊外れ結果になった場合の特殊演出A(移行チャレンジに成功する演出)との演出期間を揃えた上で、通常外れ結果になった場合にガイド演出を行う構成とすることができる。これにより、演出期間の長さの違いから成否の結果を推測できてしまうことを抑制しながら、第2特図の保留情報を追加することの案内及びそのための期間の確保を行うことが可能になる。
【1817】
<その他の変形例>
なお、上述した第3の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第3の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第3の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第3の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【1818】
また、理解の容易のため、例えば「第3の実施の形態の変形例1では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施の形態や変形例に対しても適用することが可能である。
【1819】
(1)上記第3の実施の形態や各変形例では、特図当否抽選の結果の一部として特殊外れ結果が設けられる構成としたが、特図当否抽選では大当たり結果であるか、それとも外れ結果であるかを抽選し、その結果が外れ結果になった場合に別抽選(外れ結果の種別抽選)にて特殊外れ結果であるか否かを抽選する構成としてもよい。この場合の別抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、外れ結果の種別を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
【1820】
また、外れ結果の種別抽選に代えて突然時短遊技状態への移行条件を成立させるか否かの移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合の抽選は、大当たり種別カウンタC2や変動種別カウンタCS等の他の既存の乱数値を利用して行われてもよいし、移行条件の成立有無を抽選するための専用乱数を用いて行われてもよい。
【1821】
(2)上記第3の実施の形態や各変形例では、外れ結果として通常外れ結果と特殊外れ結果との2種類の外れ結果を有する構成としたが、例えば、通常外れ結果と第1特殊外れ結果と第2特殊外れ結果とを含む3種類以上の外れ結果を有する構成としてもよい。この場合、例えば、第1特殊外れ結果になった場合は第1特典として突然時短遊技状態への移行が付与される一方で、第2特殊外れ結果になった場合は突然時短遊技状態への移行以外の第2特典が付与される構成としてもよい。第2特典としては例えば小当たり遊技への移行が考えられる。この小当たり遊技は、大当たり遊技(大当たり結果を契機とする開閉実行モード)と同じく、可変入賞装置65が開閉される遊技状態であるが、大当たり遊技よりも遊技者に不利な態様で実行され得る。例えば、可変入賞装置65への上限入賞個数が大当たり遊技よりも少なく設定されたり、1開放当たりの上限開放時間が大当たり遊技での1ラウンド遊技又は1開放当たりの上限開放時間よりも短く設定されたりすることで、大当たり遊技よりも少ない期待獲得球数となる態様で実行される。
【1822】
また、小当たり遊技に代えて高確率モードに移行する構成としてもよい。この場合、高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態に移行してもよいし、高確率モード且つ低頻度サポートモードの状態に移行してもよい。
【1823】
また、第1特殊外れ結果になった場合は突然時短遊技状態への移行が生じる一方で、第2特殊外れ結果になった場合は通常時短遊技状態(突然時短遊技状態への移行が許容される特定状態)が終了する構成としてもよい。この場合、通常時短遊技状態の上限回数を設けないようにした上で、通常時短遊技状態において第1特殊外れ結果よりも早く第2特殊外れ結果になると、突然時短遊技状態への移行が生じることなく通常時短遊技状態が終了する構成とすることができる。
【1824】
上記各構成のように第2特殊外れ結果を備える場合において、第2特殊外れ結果となる確率は、第1特殊外れ結果となる確率と同じでもよいし、第1特殊外れ結果となる確率よりも高くてもよいし、第1特殊外れ結果となる確率よりも低くてもよい。
【1825】
(3)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合において突然時短遊技状態への移行が実行されるか否かにかかわらず、特図用表示部43にて特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示される構成としたが、突然時短遊技状態への移行が制限される場合に特殊外れ結果に対応する停止結果が停止表示されない構成としてもよい。例えば、かかる場合において通常外れ結果に対応する停止結果が停止表示される構成としてもよい。
【1826】
(4)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として、時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態)への移行が行われる構成としたが、高確率モードへの移行が行われる構成としてもよい。この場合、高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態に移行してもよいし、高確率モード且つ低頻度サポートモードの状態に移行してもよい。
【1827】
また、時短遊技状態や高確率モードへの移行が行われる構成に代えて、通常の演出モードでは見ることができない特殊な演出が行われたり、特殊なキャラクタ等が登場したりする特定の演出モードへの移行が行われるものであってもよい。また、通常遊技状態では行われない特殊な抽選が行われる状態への移行が行われるものであってもよい。これらの場合、特殊な演出等を見ることができたり、特殊な抽選が受けられたりする点で遊技者にとって有利な状態となる。なお、特殊な抽選の一例としてはポイント抽選が考えられる。当該ポイント抽選にて付与されたポイントやその合計数により時短遊技状態や高確遊技状態、開閉実行モード等に移行したりする構成としてもよい。また、特殊な演出(例えばキャラクタの衣装等)が解放されたり、パチンコ機10に関する開発秘話が表示されたりしてもよい。
【1828】
(5)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合に開閉実行モードを経由しないで時短遊技状態に移行する構成としたが、開閉実行モードを経由して時短遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、小当たり遊技を経由して時短遊技状態に移行する構成とすることができる。
【1829】
(6)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になった場合の突然時短遊技状態として普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としたが、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態よりも高確率となる第1高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。この場合、突然時短遊技状等における普図サポート抽選の当選確率について、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態と同じ確率としてもよいし、異なる確率としてもよい。例えば、開閉実行モード後の遊技状態における優位性を確保する上では、通常時短遊技状態よりも突然時短遊技状態等のサポート当選確率を低くするとよい。
【1830】
また、開閉実行モードを経由する通常時短遊技状態について、普図サポート抽選の当選確率が通常遊技状態と同じ確率とされる第2高頻度サポートモードが実施される構成としてもよい。
【1831】
(7)上記第3の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態の種類数が1つである構成としたが、複数種類の突然時短遊技状態を有する構成としてもよい。複数種類の突然時短遊技状態としては上限回数が異なる突然時短遊技状態を備える構成が考えられる。例えば、上限回数が100回の突然時短遊技状態Aと、上限回数が300回の突然時短遊技状態Bと、上限回数が700回の突然時短遊技状態Cとを備え、突然時短遊技状態A<突然時短遊技状態B<突然時短遊技状態Cの順で有利度合いが高くなる構成とすることができる。
【1832】
この場合、突然時短遊技状態A~Cのうちからいずれかが選択されて突然時短遊技状態への移行が行われることになるが、当該選択は突然時短遊技状態への移行時(確定表示の開始時)に行われてもよいし、突然時短遊技状態への移行に先立って行われてもよい。後者の場合としては、例えば、複数種類の特殊外れ結果を設け、いずれの特殊外れ結果になったかにより、移行対象となる突然時短遊技状態の種別が選択される構成とすることが考えられる。この場合、特殊外れ結果の種別と突然時短遊技状態の種別とが1対1で対応してもよいし、複数対1の関係で対応してもよい。
【1833】
(8)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果になったことを契機として突然時短遊技状態に移行する構成としたが、他の事象を契機として当該時短遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて上記時短遊技状態への移行が行われる構成としてもよい。
【1834】
これらの場合、サポートフラグのセットは、特定の入球部に遊技球が入球したタイミングや特定の通過部を遊技球が通過したタイミングにて行われる。また、サポートフラグのセットに代えて上記入球に対応した入球フラグや上記通過に対応した通過フラグがセットされる構成としてもよい。この場合、入球フラグや通過フラグがセットされた後、それらのフラグがセットされていることに基づいて高頻度サポートモードに対応した態様への切り替えが行われる構成とすればよい。
【1835】
なお、特定の入球部について、開閉機構を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、遊技球が入球可能又は入球しやすい開状態と、遊技球が入球不可又は開状態よりも入球しにくい閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。このことは上記所定入球部についても同様である。
【1836】
また、特定の入球部や通過部が所定入球部内に設けられる構成では、当該所定入球部内に特定の入球部や通過部のみが設けられ、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部や通過部に必ず入球又は通過する構成としてもよいし、所定入球部内に特定の入球部や通過部とは異なる1又は複数の他の入球部や通過部が設けられ、所定入球部に入球した遊技球が振り分けられることにより、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球しなかったり、特定の通過部を通過しなかったりする場合が生じる構成としてもよい。後者の構成では、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球したり、特定の通過部を通過したりすることにより、時短遊技状態への移行契機が成立する一方で、所定入球部に入球した遊技球が上記他の入球部に入球したり、他の通過部を通過したりしても、時短遊技状態への移行契機が成立しない構成とすることができる。
【1837】
(9)上記第3の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態への移行(サポートフラグのセット処理)が特殊外れ結果になった特図遊技回における確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、特殊外れ結果になった特図遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて突然時短遊技状態への移行が実行されてもよい。
【1838】
(10)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果への当選に対応した報知が特図用表示部43や図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、時短回数の残り回数の報知等についても同様である。
【1839】
(11)上記第3の実施の形態や各変形例では、特殊外れ結果に対応した報知としてリーチ演出が実行される構成としたが、リーチ演出を伴わない遊技回用演出により特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、図柄列Z1~Z3を用いた報知でなくてもよく、例えば、図柄表示装置75に所定キャラクタ等の所定絵柄が表示されることにより、特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
【1840】
また、特図用表示部43に変動表示される特図絵柄と完全同期するものであって、図柄列Z1~Z3の各図柄よりも小サイズで表示される図柄(いわゆる第4図柄)が図柄表示装置75に表示されるパチンコ機にあっては、その第4図柄が通常態様とは異なる特定態様で表示されることにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。また、停止表示される上記第4図柄の態様と、停止表示される図柄列Z1~Z3の少なくとも一部の図柄列との組合せにより特殊外れ結果に対応した報知が行われてもよい。
【1841】
(12)上記第3の実施の形態や各変形例では、高確遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合、すなわち、特殊外れ結果となっても突然時短遊技状態への移行が制限される場合に、図柄表示装置75での遊技回用演出として完全外れ演出が行われる構成としたが、これに代えて又は加えてリーチ外れ演出(特殊外れ結果に対応する組合せ以外のリーチ外れ)が行われる構成としてもよい。
【1842】
(13)上記第3の実施の形態や各変形例では、高確遊技状態である状況で行われる当否抽選の結果に特殊外れ結果が含まれる構成としたが、これが含まれない構成としてもよい。具体的には、第2特図に対応する高確率モード用の当否テーブルにおいて振分結果の中に特殊外れ結果が含まれない構成とすることができる。この場合、高確遊技状態である状況では当否抽選の結果が特殊外れ結果にならないことにより、突然時短遊技状態への移行が生じないものとなる。
【1843】
(14)上記第3の実施の形態や各変形例では、低頻度サポートモードでのサポート抽選(普図当否抽選)の結果に当たり結果が含まれる構成としたが、これが含まれない構成としてもよい。すなわち、低頻度サポートモードにおいて普電役物63aが開放状態となることがなく、第2作動口63への入賞が生じ得ない構成としてもよい。
【1844】
(15)上記第3の実施の形態や各変形例では、高頻度サポートモードへの移行時にサポートカウンタエリアSCに上限回数に対応した値をセットし、特図遊技回が行われるごとにその値を1ずつ減算することで、高頻度サポートモードの残り回数を更新する構成としたが、高頻度サポートモードへの移行時にサポートカウンタエリアSCへ上限回数に対応した値をセットせず、特図遊技回が行われるごとにサポートカウンタエリアSCの値を1ずつ加算することで、高頻度サポートモードにおいて実行された特図遊技回の回数を更新する構成としてもよい。この場合、その更新されたカウンタ値が上限回数に達した場合に時短遊技状態を終了させる構成とすればよい。
【1845】
このことは確変カウンタエリアKCについても同様であり、高確率モードへの移行時に確変カウンタエリアKCへ上限回数に対応した値をセットせず、特図遊技回が行われるごとに確変カウンタエリアKCの値を1ずつ加算することで、高確率モードにおいて実行された特図遊技回の回数を更新する構成としてもよい。
【1846】
(16)上記第3の実施の形態や各変形例では、第1特図と第2特図を区別することなく、高確率モードや高頻度サポートモードでの特図遊技回の実行回数を計数する構成としたが、それらを区別して計数する構成としてもよい。具体的には、第2特図の遊技回を対象として(第1特図の遊技回を対象外として)高確率モード等での特図遊技回の実行回数を計数する構成としてもよい。
【1847】
(17)上記第3の実施の形態や各変形例では、通常時短遊技状態及び突然時短遊技状態を備える構成としたが、これらのうちの1つを備えない構成としてもよい。例えば、通常時短遊技状態を備えずに突然時短遊技状態を備える構成としてもよい。また、上記第3の実施の形態や各変形例では高確遊技状態を備えるが、高確遊技状態を備えない構成としてもよい。
【1848】
(18)上記第3の実施の形態や各変形例では、高頻度サポートモードの終了(サポートフラグのクリア処理)が最終遊技回の確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、最終遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて高頻度サポートモードの終了が実行されてもよい。
【1849】
(19)上記第3の実施の形態や各変形例では、高頻度サポートモードに移行してからの特図遊技回の回数が上限回数に達することで高頻度サポートモードの終了(サポートフラグのクリア処理)が行われる構成としたが、これに代えて又は加えて、高頻度サポートモードへの移行後、特図当否抽選にて小当たり結果になったことや、小当たり結果になった回数が予め定められた上限回数(例えば5回)に達することで高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。
【1850】
なお、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、小当たり結果になったこと又は小当たり結果の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよい。
【1851】
また、上記に代えて又は加えて、高頻度サポートモードに移行してからの普図遊技回の回数が上限回数に達することで高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。この場合、サポート抽選の結果にかかわらず全ての普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら高頻度サポートモードが終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が当たり結果になった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら高頻度サポートモードが終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が外れ結果になった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。
【1852】
例えば、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、普図遊技回の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよい。
【1853】
また、上記に代えて又は加えて、高頻度サポートモードに移行してからの期間が予め定められた上限期間に達することで高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。
【1854】
(20)上記第3の実施の形態や各変形例では、高確遊技状態において完全外れ演出に対応する変動パターンが選択された場合を対象として保留記憶数を参照して変動表示時間を設定する構成としたが、完全外れ演出に対応しない変動パターンが選択された場合も保留記憶数を参照して変動表示時間を設定してもよい。例えば、ノーマルリーチ外れ演出が行われる場合の変動表示時間として長い側の15secと短い側の8secとが設けられ、ノーマルリーチ外れ演出に対応する変動パターンが選択された場合において、それらの変動表示時間のうちから保留記憶数に対応したものが選択されて設定される構成としてもよい。具体的には、保留記憶数が基準数(例えば2個)未満である場合は長い側の15secが設定され、基準数以上である場合は短い側の8secが設定される構成とすることができる。
【1855】
(21)上記第3の実施の形態や各変形例において、通常時短遊技状態への移行より前に振分結果Aと振分結果Bの振り分けを行い、振分結果Aに振り分けられた状況で通常時短遊技状態に移行し、その通常時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合には突然時短遊技状態への移行が生じ、振分結果Bに振り分けられた状況で通常時短遊技状態に移行し、その通常時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合には突然時短遊技状態への移行が生じない構成としてもよい。すなわち、通常時短遊技状態への移行よりも前に行われる振り分けの結果が突然時短遊技状態への移行可否に影響を及ぼす構成としてもよい。この場合、通常時短遊技状態にて特殊外れ結果を特殊外れ結果を引き当てることだけでなく、いずれの結果に振り分けられているかについても遊技者を楽しませることができる。また、突然時短遊技状態への移行に至るまでの段階が増えることで、遊技の単調化を抑制できるほか、突然時短遊技状態への移行が生じた場合の遊技者の喜びを高めることができる。
【1856】
上記の場合において、振分結果Aと振分結果Bの振り分けは、内部的な抽選により行ってもよいし、遊技球の動きを利用して行ってもよい。後者の場合としては、例えば、遊技領域PEや所定役物内において、特定の通過部を含む複数の通過部と、遊技球をそれら複数の通過部のいずれかに振り分ける振分手段とを設け、通常時短遊技状態への移行が生じる前段階において、上記振分手段により遊技球が特定の通過部に振り分けられ、当該通過部を通過した場合には振分結果Aとなり、上記振分手段により遊技球が他の通過部に振り分けられ、特定の通過部を通過しない場合は振分結果Bとなる構成が考えられる。この場合、他の通過部の数は、特定の通過部と同数であってもよいし、特定の通過部よりも多い数であってもよい。
【1857】
また、前者の内部的な抽選により振り分けを行う場合は、通常時短遊技状態への移行契機となった当選遊技回(大当たり結果となった遊技回)において当該抽選を行うことが考えられる。例えば、上記当選遊技回にて行われる大当たり種別の抽選により当該振り分けを行うことができる。
【1858】
内部的な抽選と遊技球の動きとのいずれを用いる場合であっても、振分結果を遊技者が認識することが可能な所定報知を実行することが好ましい。その際、振分結果Aと振分結果Bとのそれぞれで報知を行ってもよいし、それらの一方で報知を行ってもよい。後者の場合は、遊技者にとって有利な側である振分結果Aの場合に報知を行うことが好ましい。振分結果に対応する所定報知は、文字画像やキャラクタ画像等を用いて図柄表示装置75にて行ってもよいし、発光部等の当該報知を行うための専用報知部(図柄表示装置75以外の報知部)にて行ってもよい。
【1859】
上記所定報知の実行にあたっては、当該報知が通常時短遊技状態への移行後において通常時短遊技状態での遊技回にて行われる構成としてもよいし、通常時短遊技状態への移行前に行われる構成としてもよい。また、通常時短遊技状態への移行前と移行後との両方で行われる構成としてもよい。この際、通常時短遊技状態への移行前と移行後とのそれぞれで所定報知が行われてもよいし、移行前から移行後に跨って継続的に行われてもよい。後者の場合、所定報知の実行期間を長く確保することができ、遊技者における振分結果の認識しやすさを高めることが可能になる。
【1860】
(22)上記第3の実施の形態や各変形例では、通常時短遊技状態の終了後に行われる第2特図の遊技回が通常時短遊技状態の終了時における保留記憶数と同じ回数だけ行われる構成としたが、当該第2特図の遊技回が上記保留記憶数よりも多い回数に亘って行われ得る構成としてもよい。例えば、普電役物63aによる役物開閉遊技の途中でサポートAフラグがクリアされた場合(内部的に通常時短遊技状態が終了した場合)に、当該クリアの後も残りの役物開閉遊技が継続実施される構成とすることができる。この場合、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる期間において第2作動口63への入賞を発生させることができるため、第2特図の保留記憶を追加し、通常時短遊技状態の終了時の保留記憶数よりも多くの第2特図の遊技回を実行することが可能となる。
【1861】
なお、このような構成を変形例2(残り保留分に基づく特図遊技回にて突然時短遊技状態への移行が許容される構成)に適用することで、突然時短遊技状態への移行チャンスが付与される回数を遊技者が自力で増やすことが可能となり、遊技参加を通じて遊技への注目度を高めることができる。
【1862】
(23)上記第3の実施の形態や各変形例では、突然時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態への再移行を制限する構成としたが、当該再移行が生じる構成としてもよい。この場合、突然時短遊技状態の残り回数を再移行の対象となった突然時短遊技状態の上限回数に書き換えるようにするとよい。具体的には、サポートカウンタエリアSCに対して上記上限回数に対応した値を上書きとすることができ、例えば、滞在中の突然時短遊技状態における特図遊技回の残り回数が30回の状況で上限回数が50回の突然時短遊技状態に移行した場合は残り回数が50回となる。この際、図柄表示装置65では残り回数を上乗せ報知を行うとよい。具体的には、現在の残り回数(30回)と変更後の残り回数(50回)との差分回数(20回)が現在の残り回数に対して追加されたように報知するとよい。これにより、突然時短遊技状態の残り回数が増えた印象となって、遊技者の喜びを好適に喚起することができる。
【1863】
(24)上記第3の実施の形態や各変形例において高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)である場合に低確率モードに移行するか否かの転落抽選を行い、当該転落抽選に当選した場合に通常時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行し、その通常時短遊技状態で特殊外れ結果になると突然時短遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合、高確遊技状態において転落当選する特図遊技回が遅い場合よりも早い場合の方が通常時短遊技状態に滞在できる特図遊技回の回数が多くなり、突然時短遊技状態に移行しやすくなる遊技性を実現することができる。この際、高確率モードでの大当たり確率と低確率モードでの大当たり確率との差分を小さく抑えることで(例えば前者を1/199.9とし、後者を1/200とする)、高確遊技状態において転落当選するタイミングが早いほど遊技者にとって有利となる構成とすることができる。なお、転落抽選は、当否抽選と同様に特図遊技回の開始時に行うことができる。この際、転落抽選を行ってから当否抽選を行ってもよいし、当否抽選を行ってから転落抽選を行ってもよい。
【1864】
(25)上記第3の実施の形態及び変形例1では、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)から通常時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)となり、その後、通常時短遊技状態から残り保留分に基づく特図遊技回が行われる状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)となることにより、突然時短遊技状態への移行が制限される第1所定状態(第1特定遊技)から、突然時短遊技状態への移行が許容される特定状態(第2特定遊技)となり、その後、特定状態から、突然時短遊技状態への移行が制限される第2所定状態(第3特定遊技)となる構成としたが、これら第1所定状態から第2所定状態までの切り替わりや、第1所定状態から特定状態への切り替わり、特定状態から第2所定状態への切り替わりは、抽選モードやサポートモードの変更を伴うものに限定されない。
【1865】
例えば、抽選モードやサポートモードが変更されることなく、特図遊技回の回数に基づいて上記切り替わりが行われる構成としてもよい。具体的には、開閉実行モードの終了時又は終了後や、パチンコ機10の電源オン時又は電源オン後等における所定の基準タイミングからの外れ遊技回(当否抽選の結果が外れとなった特図遊技回)の累積回数が第1回数(例えば350回)となることで、第1所定状態から特定状態となり、その後、上記基準タイミングから外れ遊技回の累積回数が第2回数(例えば400回)となることで、特定状態から第2所定状態となる場合において、それら第1所定状態→特定状態→第2所定状態の流れが全て通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)の中で行われる構成とすることができる。
【1866】
また、第1所定状態から特定状態への切り替わり条件や特定状態から第2所定状態への切り替わり条件についても特図遊技回の回数に限定されるものではない。例えば、抽選により上記切り替わりが行われる構成としてもよい。具体的には、第1所定状態の下で特定状態に移行するか否かの第1移行抽選を行い、その第1移行抽選で当選することで、第1所定状態から特定状態となり、その後、特定状態の下で第2所定状態に移行するか否かの第2移行抽選を行い、その第2移行抽選に当選することで、特定状態から第2所定状態となる構成とすることができる。なお、第1移行抽選及び第2移行抽選は遊技回ごとに行うことができる。
【1867】
また、経過期間に基づいて上記切り替わりが行われる構成としてもよい。例えば、上記基準タイミングからの経過期間が第1期間(例えば2時間)となることで、第1所定状態から特定状態となり、その後、上記基準タイミングからの経過期間が第2期間(例えば2時間10分)となることで、特定状態から第2所定状態となる構成とすることができる。
【1868】
また、遊技球の挙動に基づいて上記切り替わりが行われる構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定役物内において、特定の通過部を含む複数の通過部と、遊技球をそれら複数の通過部のいずれかに振り分ける振分手段とを設け、上記振分手段により遊技球が特定の通過部に振り分けられて当該通過部を通過することにより、第1所定状態から特定状態への切り替わりや特定状態から第2所定状態への切り替わりが行われてもよい。
【1869】
また、開閉実行モードにおけるラウンド遊技の切り替わりに基づいて上記切り替わりが行われる構成としてもよい。例えば、開閉実行モードにおけるラウンド遊技にて特定条件を成立させ得るようにした上で、第1所定状態としての第1所定ラウンド遊技にて特定条件が成立しても時短遊技状態への移行が制限され、特定状態としての第2所定ラウンド遊技にて特定条件が成立すると時短遊技状態への移行が許容され、第2所定状態としての第3所定ラウンド遊技にて特定条件が成立しても時短遊技状態への移行が制限される構成とすることができる。第2所定ラウンド遊技に特定条件が成立した場合の時短遊技状態への移行は開閉実行モードの終了後に行うとよい。
【1870】
なお、特定条件は、例えば、ラウンド遊技において可変入賞装置に所定数以上の遊技球が入賞することや、可変入賞装置内に設けた特定の通過部を遊技球が通過することなどとすることができる。前者の場合、例えば、所定数を可変入賞装置への上限入賞個数よりも多い数に設定することで、いわゆるオーバーフロー入賞を発生させることにより特定条件が成立する構成を実現することができる。
【1871】
また、上記構成において、第1所定ラウンド遊技~第3所定ラウンド遊技の各ラウンド遊技にて同一の可変入賞装置が開放されてもよいし、複数の可変入賞装置を備え、第1所定ラウンド遊技~第3所定ラウンド遊技の各ラウンド遊技にて異なる可変入賞装置が開放されてもよい。後者の場合は、複数の可変入賞装置として第1可変入賞装置と第2可変入賞装置とを備え、第1所定ラウンド遊技及び第3所定ラウンド遊技では第1可変入賞装置を開放させ、可変入賞装置では第2可変入賞装置を開放させる構成とするとよい。この場合、開放される可変入賞装置の種別と時短遊技状態への移行が許容されるラウンドであるか否かとが対応するものとなり、遊技者から見て分かりやすい構成とすることができる。
【1872】
その際、可変入賞装置内に設けた特定の通過部を遊技球が通過することにより特定条件が成立する構成とする場合は、第2所定ラウンド遊技で開放される第2可変入賞装置内には上記特定の通過部が設けられ、第1所定ラウンド遊技及び第3所定ラウンド遊技にて開放される第1可変入賞装置内には上記特定の通過部が設けられない構成としてもよい。この場合、第1所定ラウンド遊技及び第3所定ラウンド遊技では可変入賞装置(第1可変入賞装置)への入賞を発生させても特定条件を成立させることができず、第2所定ラウンド遊技では可変入賞装置(第2可変入賞装置)への入賞を発生させることで特定条件を成立させ得る構成となる。
【1873】
その他、上記各構成を組み合わせてもよく、例えば、上記第1移行抽選にて当選することにより第1所定状態から特定状態への切り替わりが行われ、その後、特定状態での外れ遊技回の累積回数が所定回数となることにより特定状態から第2所定状態への切り替わりが行われる構成としてもよい。
【1874】
抽選の結果や経過期間、遊技球の挙動に基づいて第1所定状態から第2所定状態までの切り替わりが行われる場合において、各状態の切り替わりが抽選モードやサポートモードの変更を伴うものであってもよいし、伴わないものであってもよい。
【1875】
(26)上記第3の実施の形態や各変形では、突然時短遊技状態への移行が制限される状態から、突然時短遊技状態への移行が許容される状態となり、その後、その状態から、突然時短遊技状態への移行が制限される状態となる順序で状態が切り換わる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、突然時短遊技状態への移行が許容される状態から、突然時短遊技状態への移行が制限される状態となり、その後、その状態から、突然時短遊技状態への移行が許容される状態となる順序で状態が切り換わる構成であってもよい。
【1876】
(27)上記第3の実施の形態及び変形例1では、通常時短遊技状態(特定状態)に滞在可能な特図遊技回の回数である第1回数が、高確遊技状態(第1所定状態)に滞在可能な特図遊技回の回数である第2回数や、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる状態(第2所定状態)での特図遊技回の回数である第3回数よりも少なくなる構成としたが、それらの回数が同じである構成としてもよい。また、第1回数が第2回数よりも少なく、第3回数よりも多い構成としてもよいし、第1回数が第2回数よりも多く、第3回数よりも少ない構成(この場合、第3回数は第2回数よりも多い)としてもよい。
【1877】
(28)上記第3の実施の形態及び変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回にて行われる当否抽選の結果に特殊外れ結果が含まれる構成としたが、これが含まれない構成としてもよい。具体的には、残り保留分に基づく特図遊技回用の当否テーブルを設け、当該当否テーブルにおいて振分結果の中に特殊外れ結果が含まれない構成とすることができる。この場合、残り保留分に基づく特図遊技回では当否抽選の結果が特殊外れ結果にならないことにより、突然時短遊技状態への移行が生じないものとなる。
【1878】
(29)上記第3の実施の形態及び変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回の変動表示時間を全て同じ長さ(例えば1sec)とする構成としたが、一部の遊技回にて異なる長さの変動表示時間が設定される構成としてもよい。例えば、最終遊技回(55回目の特遊技回)での変動表示時間が他の遊技回(52回目~54回目の特図遊技回)の変動表示時間より長い時間(例えば3sec)に設定される構成としてもよい。
【1879】
(30)上記第3の実施の形態及び変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回の変動表示時間として高確遊技状態における最短の変動表示時間(例えば4sec)よりも短い時間が設定される構成としたが、同じ時間が設定される構成としてもよい。
【1880】
また、残り保留分に基づく特図遊技回の変動表示時間が上記最短の変動表示時間よりも長いものであってもよい。この際、残り保留分に基づく特図遊技回においてリーチ演出を実行する構成としてもよい。
【1881】
また、残り保留分に基づく特図遊技回の変動表示時間が上記最短の変動表示時間よりも長いものである場合において、残り保留分に基づく特図遊技回においてリーチ演出を実行しない場合の変動表示時間(完全外れに対応する変動表示時間)と、高確遊技状態での特図遊技回においてリーチ演出を実行しない場合の変動表示時間(完全外れに対応する変動表示時間)のうち短い側の変動表示時間(例えば4sec)とを比較した場合に、前者の方が長い構成であってもよい。この際、残り保留分に基づく特図遊技回での完全外れに対応する変動表示時間は、高確遊技状態での完全外れに対応する変動表示時間のうち長い側の変動表示時間(例えば8sec)よりも短いものであってもよいし、長いものであってもよい。
【1882】
(31)上記第3の実施の形態及び変形例1では、保留数を参照して特図変動表示時間を設定する状態が終了し、その後、保留数を参照せずに特図変動表示時間を設定する状態に移行する構成としたが、順番が逆の構成であってもよい。すなわち、保留数を参照せずに特図変動表示時間を設定する状態が終了し、その後、保留数を参照して特図変動表示時間を設定する状態に移行する構成としてもよい。この際、前者の状態が後者の状態よりも遊技者にとって不利なものである場合は、前者の状態における特図変動表示時間を短くすることで、上記第3の実施の形態及び変形例1と同様に効果を奏することができる。
【1883】
(32)上記第3の実施の形態及び変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる場合に、回数画像911や払出球数画像912が表示される実績演出を実行する構成としたが、実績演出以外の演出を実行する構成としてもよい。例えば、高確遊技状態又は通常時短遊技状態の終了に対応したエンディング演出を実行することができる。エンディング演出では、例えば、所定キャラクタ等が登場とする動画(アニメーション画像)とともに、高確遊技状態又は通常時短遊技状態の終了を報知する文字画像の表示等が行われる。この場合、各特図遊技回での変動表示時間が短い状況であっても、エンディング演出が複数回の特図遊技回を跨いで行われることで、十分な演出期間を確保することができ、見応え感のあるエンディング演出を行うことが可能になる。
【1884】
(33)上記第3の実施の形態及び変形例1では、実績演出を実行するに際し、残り保留分に基づく特図遊技回の全てに跨って当該演出を実行する構成としたが、一部の特図遊技回に跨って実績演出を実行する構成としてもよい。例えば、54回目及び55回目の特図遊技回に跨って実績演出を実行する構成としてもよい。この場合、52回目及び53回目の特図遊技回では、遊技回を跨がずに実績演出以外の演出(例えば、当否結果を報知するための図柄変動演出)を実行することができる。
【1885】
また、上記第3の実施の形態及び変形例1において、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる場合に、それぞれの遊技回にて他の遊技回を跨がずに遊技回用演出が行われる構成としてもよい。
【1886】
(34)上記第3の実施の形態及び変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回に対応する変動表示時間テーブル(
図142)においてリーチ演出に対応する変動パターンを設けないことにより、それらの遊技回にてリーチ演出が行われない構成としたが、リーチ演出に対応する変動パターンを設けた上で、当該変動パターンが選択されているか否かにかわらず、残り保留分に基づく特図遊技回であることに基づいてリーチ演出の実行を制限する構成としてもよい。
【1887】
(35)上記第3の実施の形態及び変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回にてリーチ演出が実行されない構成としたが、リーチ演出が実行され得る構成としてもよい。その際、リーチ演出が実行されることで変動表示時間が長くなりやすいことを踏まえると、残り保留分に基づく特図遊技回の消化期間が過度に長くなることを抑えるべく、リーチ演出の実行確率を完全外れ演出の実行確率よりも低くすることが好ましい。
【1888】
また、変動表示時間(演出期間)が相対的に長い第1リーチ演出と、変動表示時間(演出期間)が相対的に短い第2リーチ演出とを有する場合にあっては、残り保留分に基づく特図遊技回において、第2リーチ演出は実行され得るものの、第1リーチ演出は実行されない構成としてもよい。
【1889】
また、残り保留分に基づく特図遊技回において当否抽選結果が大当たり結果である場合を対象としてリーチ演出が実行され得る構成としてもよい。この場合、残り保留分に基づく各遊技回にてリーチ演出が発生することにより、実質的に大当たりが確定する遊技性となり、特殊外れ結果になることなく通常時短遊技状態が終了してしまった後の遊技において、リーチ演出が発生するか否かについて遊技者を大いに楽しませることができる。
【1890】
(36)上記第3の実施の形態及び変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる場合にそれら各遊技回の変動表示時間を保留記憶数にかかわらず設定する構成としたが、上記各遊技回の変動表示時間が保留記憶数に応じて設定される構成としてもよい。例えば、上記特図遊技回での変動表示時間として長い側の第1変動表示時間(例えば3sec)と短い側の第2変動表示時間(例えば1sec)とが設けられ、保留記憶数が基準数(例えば2個)未満である場合は第1変動表示時間が設定され、基準数以上である場合は第2変動表示時間が設定される構成とすることができる。
【1891】
(37)上記第3の実施の形態の変形例1では、残り保留分に基づく特図遊技回にて特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態への移行が生じない構成としたが、変形例2のように当該移行が生じる構成としてもよい。この場合、ガイド演出(
図169)は通常時短遊技状態における最終遊技回にて実行するとよい。
【1892】
(38)上記第3の実施の形態の変形例2では、高頻度サポートモードの上限回数を高確率モードの上限回数よりも多くし、高確遊技状態の終了後、通常時短遊技状態に移行し、通常時短遊技状態の終了後、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる構成としたが、高頻度サポートモードの上限回数を高確率モードの上限回数と同じ回数に設定し、高確遊技状態の終了後、通常時短遊技状態に移行することなく、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる構成としてもよい。この場合、高確遊技状態中の特図遊技回である1回目~50回目の特図遊技回で突然時短遊技状態への移行が制限され、残り保留分の特図遊技回である51回目~54回目の特図遊技回で突然時短遊技状態への移行が許容される構成となり、大当たりに当選することなく高確遊技状態が終了してしまった場合に、残り保留分の特図遊技回にて突然時短遊技状態への移行チャンスが付与される遊技性を実現することができる。
【1893】
また、通常時短遊技状態を介在させない場合において、残り保留分に基づく特図遊技回だけでなく、高確遊技状態の最終遊技回でも突然時短遊技状態への移行チャンスが付与される構成としてもよい。このような構成としては、例えば、1の特図遊技回において、高確遊技状態での特図遊技回の実行回数を更新する更新処理と、更新後の特図遊技回の実行回数が上限回数に到達した否かに到達したか否かに基づいて高確遊技状態を終了させるか否かを判定する高確遊技状態用の終了判定処理とを行った後、突然時短遊技状態への移行を生じさせるか否かを判定する突然時短遊技状態用の移行判定を行う構成とした上で、最終遊技回において、先に実行される終了判定にて高確遊技状態を終了すべき状態であることを認識した状態で、後に実行される移行判定にて最終遊技回での当否抽選結果が特殊外れ結果となっていることを把握した場合には突然時短遊技状態への移行を生じさせる構成とすることが考えられる。この場合、高確遊技状態の最終遊技回と残り保留分に基づく特図遊技回との計5回分の遊技回に亘って突然時短遊技状態への移行チャンスを付与することができる。
【1894】
なお、上記(38)において高確遊技状態に代えて通常時短遊技状態を用いる構成としてもよい。すなわち、開閉実行モードの終了後、通常時短遊技状態に移行し、通常時短遊技状態の終了後、残り保留分に基づく特図遊技回が行われる構成において、通常時短遊技状態での特図遊技回では突然時短遊技状態への移行が制限され、残り保留分に基づく特図遊技回では突然時短遊技状態への移行が許容される構成、又は、通常時短遊技状態での特図遊技回(通常時短遊技状態の最終遊技回を除く)では突然時短遊技状態への移行が制限され、通常時短遊技状態の最終遊技回と残り保留分に基づく特図遊技回とでは突然時短遊技状態への移行が許容される構成とすることができる。
【1895】
(39)上記第3の実施の形態の変形例2では、残り保留分に基づく特図遊技回が低確率モードで実行される構成としたが、高確率モードで実行される構成としてもよい。例えば、高確率モードの上限回数を54回とし、高頻度サポートモードの上限回数をそれよりも少ない50回とする構成としてもよい。この場合、残り保留分に基づく特図遊技回において遊技者は、突然時短遊技状態への移行だけでなく、大当たりへの当選も期待して遊技することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【1896】
(40)上記第3の実施の形態の変形例2において、上記第3の実施の形態や変形例1のように、残り保留分に基づく特図遊技回の変動表示時間を短い時間(例えば1sec)に設定してもよい。この場合、残り保留分に基づく特図遊技回では、上記第3の実施の形態と同様に実績演出を実行しつつ、特殊外れ結果となった場合は、図柄表示部913にて変動表示される各図柄を特殊外れ結果に対応する態様で停止表示させる構成とするとよい。
【1897】
(41)上記第3の実施の形態の変形例2では、ガイド演出(第1ガイド演出)の実行タイミングで保留記憶数が上限数に達している場合にガイド演出を実行しない構成としたが(ステップSg3702で否定判定した場合の流れ)、第2ガイド演出を実行する構成としてもよい。これにより、保留記憶数が上限数に達しており、これ以上の始動入賞が不要であることを遊技者に把握させやすくすることができる。
【1898】
(42)上記第3の実施の形態の変形例2では、第1ガイド演出の実行後、保留記憶数が上限数に達した場合に第2ガイド演出を実行する構成としたが、第2ガイド演出を実行することなく第1ガイド演出を終了する構成としてもよい。
【1899】
(43)上記第3の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果になった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
【1900】
なお、「特定判定の結果が特定結果となることに基づいて第1遊技状態より遊技者に有利な第2遊技状態に移行させる」、「特定判定の結果が特定結果になることに基づいて遊技者に所定特典を付与する」、「特定判定の結果が特定結果になることに基づいて遊技者に特定特典を付与する」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
【1901】
(44)上記第3の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応した所定の遊技価値(クレジット等の仮想遊技媒体)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
【1902】
(45)上記第3の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
【1903】
(46)上記第3の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
【1904】
(47)上記第3の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
【1905】
(48)上記第3の実施の形態や各変形例では、変動パターンと遊技回用演出とが1対1の関係で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、演出制御装置143にて演出抽選用の乱数を取得し、1の変動パターンに対応付けられている複数の遊技回用演出の中から上記取得した乱数を用いて1の遊技回用演出が選択される構成とすることができる。
【1906】
(49)上記第3の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【1907】
(50)上記第3の実施の形態や各変形例では、主制御装置162において当否判定が行われたことに基づいて特図用表示部43における1の遊技回が開始される構成としたが、主制御装置162において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置162では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動開始コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動開始コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。この際、変動開始コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置75において図柄列Z1~Z3の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとするとよい。
【1908】
(51)上記第3の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードが実行中である場合に特図遊技回が行われない構成としたが、特図遊技回が行われる構成としてもよい。また、上記第3の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードの実行中に作動口62,63への入賞が発生した場合に、当該入賞に対応した保留情報は全て保留記憶されることになるが、開閉実行モード中に特図遊技回が実行される構成の場合は、開閉実行モード中において特図遊技回の実行中である状況で作動口62,63への入賞が発生した場合に、当該入賞に対応した保留情報が保留記憶される構成とすることができる。
【1909】
(52)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【1910】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【1911】
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【1912】
<第4の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において
図1~
図6を参照して説明した遊技盤60等の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
【1913】
<遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成>
遊技領域PAを流下した遊技球の排出に関する構成について
図172を参照しながら説明する。
【1914】
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のいずれかに入球した遊技球は、遊技盤60の背面側に導かれて遊技領域PAから排出される。換言すれば、遊技球発射機構から発射されて遊技領域PAに流入した遊技球は一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のいずれかに入球することにより遊技領域PAから排出されることとなる。
【1915】
遊技盤60の背面には、一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のそれぞれに対応させて排出通路部91~96が形成されている。排出通路部91~96に流入した遊技球はその流入した排出通路部91~96を流下することにより、遊技盤60の背面側において遊技盤60の下端部に導かれ図示しない排出球回収部にて回収される。そして、排出球回収部にて回収された遊技球は、遊技ホールにおいてパチンコ機10が設置された島設備の球循環装置に排出される。
【1916】
各排出通路部91~96には遊技球を検知するための各種検知センサ91a~96aが設けられている。これら排出通路部91~96及び検知センサ91a~96aについて以下に説明する。
【1917】
一般入賞口61は3個設けられており、それら3個のそれぞれに対応させて2個の排出通路部91,92が設けられている。この場合、最も左の一般入賞口61に対応する第1排出通路部91には1個の検知センサ91aが設けられている。具体的には、第1排出通路部91の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1入賞口検知センサ91aが設けられており、最も左の一般入賞口61に入球した遊技球は第1排出通路部91を通過する途中で第1入賞口検知センサ91aにて検知される。
【1918】
また、右側2個の一般入賞口61に対しては途中位置で合流するように形成された第2排出通路部92が設けられている。当該第2排出通路部92は、2個の一般入賞口61のそれぞれに対応する入口側領域を有しているとともに、それら入口側領域が途中で合流することで1個の出口側領域を有している。第2排出通路部92における出口側領域の途中位置に検知範囲が存在するように第2入賞口検知センサ92aが設けられている。右側2個のいずれかの一般入賞口61に入球した遊技球は第2排出通路部92を通過する途中で第2入賞口検知センサ92aにて検知される。
【1919】
第1作動口62に対応させて第3排出通路部93が設けられている。第3排出通路部93の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1作動口検知センサ93aが設けられており、第1作動口62に入球した遊技球は第3排出通路部93を通過する途中で第1作動口検知センサ93aにて検知される。第2作動口63に対応させて第4排出通路部94が設けられている。第4排出通路部94の途中位置に検知範囲が存在するようにして第2作動口検知センサ94aが設けられており、第2作動口63に入球した遊技球は第4排出通路部94を通過する途中で第2作動口検知センサ94aにて検知される。
【1920】
可変入賞装置65に対応させて第5排出通路部95が設けられている。第5排出通路部95の途中位置に検知範囲が存在するようにして大入賞口検知センサ95aが設けられており、可変入賞装置65に入球した遊技球は第5排出通路部95を通過する途中で大入賞口検知センサ95aにて検知される。アウト口68に対応させて第6排出通路部96が設けられている。第6排出通路部96の途中位置に検知範囲が存在するようにしてアウト口検知センサ96aが設けられており、アウト口68に入球した遊技球は第6排出通路部96を通過する途中でアウト口検知センサ96aにて検知される。
【1921】
なお、各種検知センサ91a~96aのうちいずれか1個の検知センサ91a~96aにて検知対象となった遊技球は他の検知センサ91a~96aの検知対象となることはない。また、スルーゲート64に対してもゲート検知センサ97aが設けられており、遊技領域PAを流下する途中でスルーゲート64を通過する遊技球はゲート検知センサ97aにて検知される。
【1922】
各種検知センサ91a~97aとしては、いずれも電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。また、各種検知センサ91a~97aは後述する主制御装置162と電気的に接続されており、各種検知センサ91a~97aの検知結果は主制御装置162に出力される。具体的には、各種検知センサ91a~97aは、遊技球を検知していない状況ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状況ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなくHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
【1923】
<主制御装置162の構成>
次に主制御装置162の構成について
図173を参照しながら説明する。
図173は主制御装置162の正面図である。
【1924】
主制御装置162は、
図173に示すように、主制御基板311が基板ボックス163aに収容されてなる。主制御基板311の一方の板面である素子搭載面には、MPU312が搭載されている。基板ボックス163aは当該基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容されたMPU312を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス163aは無色透明に形成されているが、基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容されたMPU312を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【1925】
主制御装置162は基板ボックス163aにおいて主制御基板311の素子搭載面と対向する対向壁部163bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース50の背面に搭載されている。したがって、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース50の背面を露出させることにより、基板ボックス163aの対向壁部163bを目視することが可能となるとともに当該対向壁部163bを通じてMPU312を目視することが可能となる。
【1926】
基板ボックス163aは複数のケース体163cを前後に組合せることにより形成されているが、これら複数のケース体163cには、これらケース体163cの分離を阻止するとともにこれらケース体163cの分離に際してその痕跡を残すための結合部163eが設けられている。結合部163eは、略直方体形状の基板ボックス163aにおける一辺に複数並設されている。これにより、一部の結合部163eを利用してケース体163cの分離を阻止している状態において当該一部の結合部163eを破壊してケース体163cを分離したとしても、その後に別の結合部163eを結合状態とすることでケース体163cの分離を再度阻止することが可能となる。また、ケース体163cの分離に際して結合部163eが破壊されてその痕跡が残ることにより、結合部163eを目視確認することでケース体163cの分離が不正に行われているか否かを把握することが可能となる。
【1927】
また、基板ボックス163aにおいて結合部163eが並設された一辺とは逆の一辺にはケース体163c間の境界を跨ぐようにして封印シール163fが貼り付けられている。封印シール163fはその引き剥がしに際して粘着層がケース体163cに残る。これにより、ケース体163cの分離に際して封印シール163fが剥がされた場合にはその痕跡を残すことが可能となる。
【1928】
上記構成の主制御装置162において主制御基板311には、パチンコ機10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更する契機を生じさせるために遊技ホールの管理者が所有する設定キーが挿入されてON操作される設定キー挿入部166aと、設定キー挿入部166aに対するON操作後においてパチンコ機10の設定状態を順次変更させるために操作される更新ボタン166bと、主制御装置162のMPU312に設けられた主側RAM314(
図174)のデータをクリアするために操作されるリセットボタン166cと、遊技履歴の管理結果を報知するための第1~第5報知用表示装置169a~169eとが設けられている。また、主制御基板311に搭載されたMPU312には、遊技履歴の管理結果又は主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)を外部装置にて読み取るために当該外部装置の接続端子を接続するための読み取り用端子166dが設けられている。なお、パチンコ機10の設定状態は「設定1」~「設定6」の6段階に限定されることはなく複数段階であれば任意である。
【1929】
これら設定キー挿入部166a、更新ボタン166b、リセットボタン166c、読み取り用端子166d(すなわちMPU312)及び第1~第5報知用表示装置169a~169dはいずれも主制御基板311の素子搭載面に設けられている。また、主制御基板311の素子搭載面は既に説明したとおり基板ボックス163aの対向壁部163bと対向しているが、設定キー挿入部166a、更新ボタン166b、リセットボタン166c及び読み取り用端子166dは対向壁部163bにより覆われていない。つまり、対向壁部163bには設定キー挿入部166a、更新ボタン166b、リセットボタン166c及び読み取り用端子166dのそれぞれと対向する領域が個別の開口部とされている。これにより、基板ボックス163aの開放を要することなく、設定キー挿入部166aに設定キーを挿入することが可能であり、更新ボタン166bを押圧操作することが可能であり、リセットボタン166cを押圧操作することが可能であり、読み取り用端子166dに外部装置の接続端子を接続することが可能である。
【1930】
設定キー挿入部166aに設定キーを挿入して所定方向に回転操作することにより設定キー挿入部166aがON操作された状態となる。その状態で、リセットボタン166cを押圧操作しながらパチンコ機10への動作電力の供給を開始させることで(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させることで)、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態となる。そして、この状態において更新ボタン166bを1回押圧操作する度にパチンコ機10の設定状態が「設定1」~「設定6」の範囲において昇順で1段階ずつ変更される。なお、「設定6」の状態で更新ボタン166bが操作された場合には「設定1」に更新される。
【1931】
また、設定キー挿入部166aがON操作された状態で、リセットボタン166cを押圧操作せずにパチンコ機10への動作電力の供給を開始させることで、現在の設定状態を確認することが可能な確認可能状態となる。なお、詳細は後述するが、確認可能状態では、現在の設定状態が第1~第5報知用表示装置169a~169dに表示される。
【1932】
また、設定キー挿入部166aに挿入している設定キーをON操作の位置から所定方向とは反対方向に回転操作して初期位置に復帰させることにより設定キー挿入部166aがOFF操作された状態となる。設定キー挿入部166aがOFF操作された状態となることで、上記変更可能状態や確認可能状態が終了する。
【1933】
設定キー挿入部166aに対するON操作はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後に設定キー挿入部166aに対するON操作を行ったとしても設定値の変更や確認を行うことはできない。
【1934】
パチンコ機10の設定状態は当該パチンコ機10における単位時間当たりの有利度を定めるものであり、「設定n」(nは「1」~「6」の整数)のnが大きい値ほど(すなわち設定値が高いほど)有利度が高くなる。詳細は後述するが、大当たり結果の当選確率を決定する当否抽選モードとして相対的に当選確率が低くなる低確率モードと相対的に当選確率が高くなる高確率モードとが存在しており、設定値が高いほど低確率モード及び高確率モードにおける大当たり結果の当選確率が高くなるように設定されている。
【1935】
リセットボタン166cは上記のとおり主側RAM314のデータをクリアするために操作されるが、当該データのクリアを発生させるためにはリセットボタン166cを押圧操作した状態でパチンコ機10への動作電力の供給を開始させる必要がある(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させる必要がある)。リセットボタン166cに対するON操作はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後にリセットボタン166cを押圧操作したとしても主側RAM314のデータをクリアすることはできない。
【1936】
読み取り用端子166dは既に説明したとおり遊技履歴の管理結果又は主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)を外部装置にて読み取るために当該外部装置の接続端子が接続されるが、外部装置への外部出力を行うためには読み取り用端子166dに外部装置の接続端子を接続した状態でパチンコ機10への動作電力の供給を開始させる必要がある(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させる必要がある)。読み取り用端子166dに対する外部装置の接続はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後に読み取り用端子166dに外部装置を接続したとしても当該外部装置への外部出力は行われない。
【1937】
第1~第5報知用表示装置169a~169eはいずれも、LEDによる表示用セグメントが7個配列されたセグメント表示器であるが、これに限定されることはなく多色発光タイプの単一の発光体であってもよく、液晶表示装置であってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。第1~第5報知用表示装置169a~169eはいずれもその表示面が主制御基板311の素子搭載面が向く方向を向くようにして設置されているとともに、基板ボックス163aの対向壁部163bにより覆われている。
【1938】
この場合に、基板ボックス163aが透明に形成されていることにより、基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容された第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面を目視することが可能となる。また、既に説明したとおり主制御装置162は基板ボックス163aにおいて主制御基板311の素子搭載面と対向する対向壁部163bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース50の背面に搭載されているため、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース50の背面をパチンコ機10前方に露出させた場合には、対向壁部163bを通じて第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面を目視することが可能となる。
【1939】
第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面においては「0」~「9」の数字だけではなく、アルファベット文字を含めた各種文字が表示可能となっている。第1~第5報知用表示装置169a~169eを利用して後述するベース値等が表示されるが、その表示態様については後の詳細に説明する。
【1940】
また、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な変更可能状態や現在の設定状態を確認することが可能な確認可能状態においては、設定値に対応する値が第4報知用表示装置169dにて表示される。なお、当該設定値に対応する値が第1~第3報知用表示装置169a~169c、第5報知用表示装置169eのいずれかにて表示される構成としてもよい。また、変更可能状態となる前における設定値が第1~第5報知用表示装置169a~169eのうちの一の報知用表示装置にて表示されるとともに現状の設定値が第1~第5報知用表示装置169a~169eのうちの他の一の報知用表示装置にて表示される構成としてもよい。
【1941】
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図174のブロック図に基づいて説明する。
【1942】
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る主制御基板311を具備しており、主制御基板311にはMPU312が搭載されている。MPU312には、主側ROM313及び主側RAM314のほか、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【1943】
主側ROM313は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。主側ROM313は、MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【1944】
主側RAM314は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM314は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM313よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM314は、主側ROM313内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【1945】
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。また、MPU312の入力側には、各入球検知センサ91a~97aといった各種センサが接続されている。各入球検知センサ91a~97aには、既に説明したとおり、第1入賞口検知センサ91a、第2入賞口検知センサ92a、第1作動口検知センサ93a、第2作動口検知センサ94a、大入賞口検知センサ95a、アウト口検知センサ96a及びゲート検知センサ97aが含まれる。これら入球検知センサ91a~97aの検知結果に基づいて、MPU312にて各入球部への入球判定が行われる。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
【1946】
また、MPU312の入力側には、主制御基板311に設けられた設定キー挿入部166a、更新ボタン166b及びリセットボタン166cが設けられている。設定キー挿入部166aには図示しないセンサが設けられており、当該センサにより当該設定キー挿入部166aがON操作の位置及びOFF操作の位置のいずれに配置されているのかが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいて設定キー挿入部166aがON操作の位置及びOFF操作の位置のいずれに配置されているのかを特定する。更新ボタン166bには図示しないセンサが設けられており、当該センサにより更新ボタン166bが押圧操作されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいて更新ボタン166bが押圧操作されているか否かを特定する。リセットボタン166cには図示しないセンサが設けられており、当該センサによりリセットボタン166cが押圧操作されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいてリセットボタン166cが押圧操作されているか否かを特定する。
【1947】
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入球部のうち入球の発生が遊技球(賞球)の払い出しに対応する賞球対応入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球コマンドが出力される。演出制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
【1948】
MPU312の出力側には、可変入賞装置65の開閉扉65bを開閉動作させる特電用の駆動部65d、第2作動口63の普電役物63aを開閉動作させる普電用の駆動部63b、特図用表示部43及び普図用表示部44が接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
【1949】
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置65が開閉されるように、MPU312において特電用の駆動部65dの駆動制御が実行される。また、普電役物63aの開放状態当選となった場合には、普電役物63aが開閉されるように、MPU312において普電用の駆動部63bの駆動制御が実行される。
【1950】
各遊技回に際しては、MPU312において特図用表示部43の表示制御が実行される。普電役物63aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU312において普図用表示部44の表示制御が実行される。第1作動口62若しくは第2作動口63への入賞が発生した場合、又は特図用表示部43において変動表示が開始される場合に、MPU312において特図保留数表示部AMの表示制御が実行される。スルーゲート64への入賞が発生した場合、又は普図用表示部44において変動表示が開始される場合に、MPU312において普図保留数表示部FMの表示制御が実行される。
【1951】
MPU312の出力側には、外部出力端子213が接続されている。この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報等が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
【1952】
MPU312の出力側には、第1~第4報知用表示装置169a~169dが接続されている。これら第1~第4報知用表示装置169a~169dを通じて遊技履歴の管理結果や設定値の情報が報知される。
【1953】
MPU312には読み取り用端子166dが設けられている。読み取り用端子166dには図示しないセンサが設けられており、当該センサにより読み取り用端子166dに外部装置の接続端子が接続されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいて読み取り用端子166dに外部装置の接続端子が接続されているか否かを特定する。また、読み取り用端子166dに外部装置が接続されている場合、MPU312における遊技履歴の管理結果や主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)が当該外部装置に外部出力される。
【1954】
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
【1955】
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。ちなみに、電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がOFF状態の場合には当該電断時用電源部から主側RAM314にバックアップ電力(記憶保持用の電力)が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、払出機構部202には電源スイッチが設けられており、電源スイッチがON操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が開始され、電源スイッチがOFF操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が停止される。
【1956】
払出制御装置181は、主制御装置162から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。
【1957】
演出制御装置143は、主制御装置162から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【1958】
ここで、図柄表示装置75の表示内容について
図175~
図177に基づいて説明する。
【1959】
図175(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【1960】
図176(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図176(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【1961】
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常4R大当たり結果又は10R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【1962】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【1963】
ここで、各図柄列の変動表示について
図177を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、
図177(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。
【1964】
次いで、
図177(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。そして、
図177(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
【1965】
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
【1966】
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(
図175)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
【1967】
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
【1968】
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、絵柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた絵柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(絵柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での絵柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
【1969】
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
【1970】
図176(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaと、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbとが設定されている。
【1971】
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【1972】
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【1973】
また、第2保留表示領域Gbでは、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
【1974】
例えば、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【1975】
また、第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとに挟まれるようにして実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1又は第2保留表示領域Gbの第1単位保留表示領域Gb1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
【1976】
保留表示部200の表示サイズは、主表示ユニット81に設けられた保留数表示部AMよりも大きく、保留数表示部AMよりも保留表示部200の方が目立つように構成されている。より詳しくは、保留数表示部AMにおいて複数の発光部(LED等)を用いて保留数が示される場合、それら各表示部の大きさ(表示面積)よりも各単位保留表示領域Ga1~Ga4、Gb1~Gb4又はそれらの領域に表示される保留用画像の表示サイズ(表示面積)の方が大きくなっている。なお、実行表示領域D又は当該領域Dに表示される保留用画像の表示サイズは各単位保留表示領域Ga1~Ga4、Gb1~Gb4又はそれらの領域に表示される保留用画像の表示サイズよりも大きく設定される。
【1977】
保留表示部200は、開閉実行モード中ではない状況で表示状態とされ、開閉実行モード中である状況で非表示状態とされる。これにより、開閉実行モードにおいて遊技者が保留数に気を取られず、開閉実行モードに集中しやすくなっている。なお、保留数表示部AMにおいては開閉実行モード中であっても保留数の表示が行われる。
【1978】
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図178を用いて説明する。
【1979】
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、図柄表示装置75の図柄表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図178に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43及び図柄表示装置75における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、主側RAM314の各種カウンタエリア314bに設けられている。
【1980】
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、主側RAM314に取得情報記憶手段として設けられた保留格納エリア314aに格納される。
【1981】
保留格納エリア314aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1~RE4に格納される。
【1982】
この場合、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4には、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1~RE4が設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
【1983】
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【1984】
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【1985】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【1986】
まず、普電役物開放カウンタC4について説明する。普電役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。普電役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の普電保留エリア314cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電役物開放カウンタC4の値によって普電役物63aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
【1987】
本パチンコ機10では、普電役物63aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63の普電役物63aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
【1988】
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電役物開放カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物63aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物63aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図用表示部44における1回の表示継続時間)が短く設定されている。
【1989】
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【1990】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート64への入賞に基づき普図用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【1991】
ここで、既に説明したとおりパチンコ機10には「設定1」~「設定6」の設定状態が存在しているが、低頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放頻度及び開放態様はいずれの設定値であっても同一であるとともに、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放頻度及び開放態様もいずれの設定値であっても同一となっている。但し、これに限定されることはなく、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードの少なくとも一方について普電役物63aの開放頻度及び開放態様の少なくとも一方がパチンコ機10の設定状態に応じて変動する構成としてもよい。例えば設定値が高いほど、低頻度サポートモードにおいて普電役物63aの開放頻度が高くなる構成としてもよく、低頻度サポートモードにおいて普電役物63aが1回開放状態となる場合における第2作動口63への遊技球の入球確率が高くなる構成としてもよい。また、設定値が高いほど、高頻度サポートモードにおいて普電役物63aの開放頻度が高くなる構成としてもよく、高頻度サポートモードにおいて普電役物63aが1回開放状態となる場合における第2作動口63への遊技球の入球確率が高くなる構成としてもよい。
【1992】
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~65535)。
【1993】
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングで主側RAM314の保留格納エリア314aに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【1994】
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM313に当否テーブルとして記憶されている。
図179は主側ROM313に記憶されている各種テーブルを説明するための説明図である。主側ROM313には、設定1用エリア411と、設定2用エリア412と、設定3用エリア413と、設定4用エリア414と、設定5用エリア415と、設定6用エリア416とが設けられている。
【1995】
設定1用エリア411には、パチンコ機10の設定状態が「設定1」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定1用の低確当否テーブル411aと、パチンコ機10の設定状態が「設定1」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定1用の高確当否テーブル411bと、が記憶されている。設定2用エリア412には、パチンコ機10の設定状態が「設定2」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定2用の低確当否テーブル412aと、パチンコ機10の設定状態が「設定2」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定2用の高確当否テーブル412bと、が記憶されている。設定3用エリア413には、パチンコ機10の設定状態が「設定3」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定3用の低確当否テーブル413aと、パチンコ機10の設定状態が「設定3」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定3用の高確当否テーブル413bと、が記憶されている。
【1996】
設定4用エリア414には、パチンコ機10の設定状態が「設定4」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定4用の低確当否テーブル414aと、パチンコ機10の設定状態が「設定4」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定4用の高確当否テーブル414bと、が記憶されている。設定5用エリア415には、パチンコ機10の設定状態が「設定5」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定5用の低確当否テーブル415aと、パチンコ機10の設定状態が「設定5」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定5用の高確当否テーブル415bと、が記憶されている。設定6用エリア416には、パチンコ機10の設定状態が「設定6」であって当否抽選モードが低確率モードである場合に参照される設定6用の低確当否テーブル416aと、パチンコ機10の設定状態が「設定6」であって当否抽選モードが高確率モードである場合に参照される設定6用の高確当否テーブル416bと、が記憶されている。
【1997】
低確当否テーブル411a~416aのそれぞれに設定されている大当たり結果の当選確率は相互に異なっている。例えば、設定1用の低確当否テーブル411a~設定6用の低確当否テーブル416aの各テーブルが参照された場合の大当たり当選確率はそれぞれ約1/320、約1/310、約1/300、約1/290、約1/280、約1/270となっている。
【1998】
また、高確当否テーブル411b~416bのそれぞれに設定されている大当たり結果の当選確率についても相互に異なっている。例えば、設定1用の高確当否テーブル411b~設定6用の高確当否テーブル416bの各テーブルが参照された場合の大当たり当選確率はそれぞれ約1/32、約1/31、約1/30、約1/29、約1/28、約1/29となっている。
【1999】
つまり、低確率モードにおける大当たり結果の当選確率だけでなく、高確率モードにおける大当たり結果の当選確率も含めて、パチンコ機10の設定状態が高い設定値であるほど高くなっている。よって、低確率モード及び高確率モードの双方において設定値が高いほど大当たりが発生しやすく、高い設定値が設定されていることに対する遊技者の有利度が好適に高められている。
【2000】
大当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングで保留格納エリア314aに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【2001】
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の振分先は、
図179に示すように、主側ROM313に大当たり種別テーブル417として記憶されている。ここで、大当たり種別テーブルについて
図180を参照して説明する。
【2002】
大当たり種別テーブル417としては、第1特図用の大当たり種別テーブル417a(
図180(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル417b(
図180(b))とが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブル417aが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブル417bが参照される。
【2003】
図180(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブル417aでは、選択可能な大当たり種別として、4R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
【2004】
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば35回)に達するまで継続される。第1上限回数に達した場合は、高確率モードが終了し、抽選モードが低確率モードに変更される。
【2005】
また、4R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数と同数の第2上限回数(例えば35回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した場合は、高頻度サポートモードが終了し、サポートモードが低頻度サポートモードに変更される。
【2006】
すなわち、大当たり種別が4R確変大当たり結果になった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(第2上限回数)に達するまでは高確率モード且つ高頻度サポートの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)となり、第1上限回数(第2上限回数)に達した後は低確率モード且つ低頻度サポートの状態(通常遊技状態)に移行する。なお、第2上限回数は、第1上限回数と同数に限定されるものではなく、第1上限回数よりも多い回数であってもよいし、第1上限回数よりも少ない回数であってもよい。
【2007】
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が予め定められた第3上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。すなわち、大当たり種別が4R通常大当たり結果になった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第3上限回数に達するまでは低確率モード且つ高頻度サポートの状態(時短遊技状態)となり、第3上限回数に達した後は通常遊技状態に移行する。
【2008】
第1特図用の大当たり種別テーブル417aでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「84」が4R確変大当たり結果に対応し、「85」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は85%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は15%に設定されている。
【2009】
図180(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブル417bでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果とが設定されている。10R確変大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。また、10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば35回)に達するまで継続される。
【2010】
なお、第2特図用の大当たり種別テーブル417bで設定される4R通常大当たり結果は、第1特図用の大当たり種別テーブル417aで設定される4R通常大当たり結果と同様のものである。すなわち、第2作動口63への入賞を契機として4R通常大当たり結果となった場合、開閉実行モードの終了後の遊技状態が時短遊技状態となり、この時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が第3上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。
【2011】
第2特図用の大当たり種別テーブル417bでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「84」が10R確変大当たり結果に対応し、「85」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は85%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は15%に設定されている。
【2012】
このように、第1特図用の大当たり種別テーブル417aと第2特図用の大当たり種別テーブル417bとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図用の大当たり種別テーブル417bでは10R大当たり結果となるのに対して、第1特図用の大当たり種別テーブル417aでは4R大当たり結果となるように設定されている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
【2013】
以上のとおり、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
【2014】
また、大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、主側ROM313に記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ値の大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
【2015】
大当たり種別テーブル417は、「設定1」~「設定6」のいずれの設定状態であっても共通となるように1種類のみ設けられている。これにより、大当たり結果の振分態様についてパチンコ機10の設定状態による有利又は不利が生じないようにすることが可能となるとともに、大当たり種別テーブル417を主側ROM313にて予め記憶するための記憶容量を抑えることが可能となる。
【2016】
なお、パチンコ機10の設定状態に応じて大当たり結果の振分態様が相違する構成としてもよい。例えば、高い設定値ほど高入賞大当たり結果に振り分けられる確率を高くする構成としてもよく、高い設定値ほど高入賞大当たり結果又は低入賞高確大当たり結果に振り分けられる確率を高くする構成としてもよい。この場合、高い設定値ほど大当たり結果となった後に高確率モードとなる確率を高くすることが可能となる。また、高い設定値ほど低入賞高確大当たり結果に振り分けられる確率を低くする構成としてもよく、高い設定値では低入賞高確大当たり結果に振り分けられないのに対して低い設定値では低入賞高確大当たり結果に振り分けられ得る構成としてもよい。この場合、高い設定値ほど高頻度入賞モードの開閉実行モードが発生する確率を高くすることが可能となる。
【2017】
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。本パチンコ機10には、図柄表示装置75における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
【2018】
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【2019】
リーチ表示には、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1~Z3のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【2020】
予告表示には、図柄表示装置75の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【2021】
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM313に記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
【2022】
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置162において行うのではなく、演出制御装置143において行われる。この場合、演出制御装置143は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置75にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
【2023】
ここで、外れ結果となる遊技回においてリーチ表示の発生となる確率は「設定1」~「設定6」のいずれの設定状態であっても同一である。これにより、外れ結果となる遊技回においてリーチ表示が発生する確率に関してパチンコ機10の設定状態による有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、高い設定値ほど外れ結果となる遊技回においてリーチ表示が発生する確率が高くなる構成としてもよい。
【2024】
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43における表示継続時間と、図柄表示装置75における図柄の表示継続時間とをMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述するタイマ割込み処理が1回実行される毎に1回更新され、次回のタイマ割込み処理が実行されるまでの残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図用表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【2025】
ここで、本実施の形態に係るパチンコ機10では、ベース値に関する処理が実行される。当該処理でいうところのベース値は、全ての遊技状態を対象としたものではなく、大当たり結果による開閉実行モード中の期間と高頻度サポートモード中の期間とを除く期間を対象として、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(すなわち遊技領域PAに供給された遊技球の合計個数)に対する遊技球の合計払出個数の割合を導出したものであり、言い換えれば、通常時(左打ち遊技時)のベース値である。
【2026】
ベース値に関する処理では、主制御装置162のMPU312にて上記ベース値を算出して計測する。その際、総アウト個数(遊技領域PAからの遊技球の総排出個数)が所定個数(例えば60000個)に到達するまでの期間を単位として計測区間を定め、最新の計測区間における現状ベース値と、過去の計測期間におけるベース値とを第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示する。
【2027】
図181(a)に示すように、ベース値の表示に際しては、第1~第5報知用表示装置169a~169eのうち第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bを識別用表示部として使用し、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dを比率(ベース値)用表示部として使用する。識別用表示部は、比率用表示部に表示されるベース値がリアルタイムでのベース値なのか、過去分のベース値なのかを示すものとして用いる。なお、ベース値の表示に際して第5報知用表示装置169eは使用しない。
【2028】
図181(b)は、第1~第4報知用表示装置169a~169dにおけるベース値の表示態様を説明するための説明図である。第1~第4報知用表示装置169a~169dには、最新の計測区間におけるリアルタイムでのベース値である現状ベース値と、前回の計測区間におけるベース値である前回ベース値(前回の計測区間で総アウト個数が60000個に到達したときに計測されたベース値)と、前々回の計測区間におけるベース値である前々回ベース値と、前々々回の計測区間におけるベース値である前々々回ベース値とが、所定期間(例えば5sec)ごとに切り換えて表示される。
【2029】
その際、現状ベース値を表示するにあたっては、識別用表示部(第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169b)に「bL.」を表示し、比率用表示部(第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169d)に現状ベース値を2桁で表示する。また、前回ベース値を表示する場合、前々回ベース値を表示する場合、前々々回ベース値を表示する場合は、識別用表示部に「b1.」、「b2.」、「b3.」をそれぞれ表示し、比率用表示部に各計測期間のベース値(過去分のベース値)を表示する。このように識別用表示部とセットでベース値を表示することで、遊技ホール管理者等がベース値を確認する場合に、どの時点でのベース値であるのかを適切に把握することができる。
【2030】
このように、ベース値の表示は、現状ベース値の表示だけでなく、過去複数回分のベース値の表示も併せて行われる。一般的に遊技ホールでは、1台のパチンコ機10に対して1日約10000~20000個の遊技球が発射されて遊技が行われるため、総アウト個数が60000個ごとのベース値は、3~6日程度の数日間にわたるベース値に対応したものとなる。このような過去のベース値と比較して現状ベース値を確認できることで、現状ベースの適否を好適に判断することが可能となる。よって、例えば、第1作動口62や一般入賞口61への入賞率を高める不正行為が行われた場合に、その不正行為があった可能性を発見することができる。
【2031】
その際、例えば、過去分として前回ベース値のみを表示する構成の場合は、たまたまその際のベース値が低くなっていたりすることがあると、それを現状ベース値と比較しても不正行為の有無を判断しにくくなるおそれがある。この点、前々回ベース値及び前々々回ベース値も表示されることで、複数回分の過去ベース値との比較を行うことができ、不正行為の有無を判断しやすくすることが可能になる。
【2032】
なお、上記構成では、過去3回分の計測区間についてベース値を表示するが、2回分のベース値を表示してもよいし、4回以上分のベース値を表示してもよい。すなわち、複数回分の計測区間における過去ベース値を表示するにあたって、表示対象とする計測区間の回数は任意に定めることができる。
【2033】
また、本実施の形態では、上記のベース値に関する処理に加えて差球数に関する処理が実行される。当該処理でいうところの差球数は、遊技状態を問わず、遊技球の合計払出個数から総アウト個数(遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数)を差し引いたものであり、言い換えれば、遊技期間中における通算の差球数である。差球数に関する処理では、主制御装置162のMPU312にて上記差球数を算出して計測し、その計測値を停止用球数(例えば99000個)から減算する。そして、その減算結果が所定数(例えば0個)となった場合に遊技進行を制限するための処理を実行する。また、都度の差球数を第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示する。これらの処理については、後に詳細に説明する。
【2034】
上記のように、本実施の形態では、遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理とともに、ベース値に関する処理と差球数に関する処理とが行われるが、主制御装置162のMPU312ではこれらの処理が特定制御と非特定制御とに区別して実行される。具体的には、ベース値に関する処理と差球数に関する処理の一部とが非特定制御とされ、遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理と、差球数に関する処理の他の一部とを含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされる。
【2035】
図182は、主側ROM313におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。MPU312にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、
図182に示すように、主側ROM313においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。
【2036】
具体的には、アドレスX(1)~X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)~X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)~X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)~X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。
【2037】
また、アドレスX(k+6)~X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)~X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)~X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)~X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)~X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)~X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。
【2038】
なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM313における物理アドレス及びMPU312において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【2039】
上記のように特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、例えば特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよく、例えば非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよい。よって、プログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、それに伴ってプログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別して修正する場合の作業を効率的に行うことが可能となる。
【2040】
特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲と、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、特定制御用のアドレス範囲と非特定制御用のアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【2041】
特定制御用のアドレス範囲及び非特定制御用のアドレス範囲のそれぞれにおいて、プログラムとデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、プログラムとデータとで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、プログラムが記憶されたエリアのアドレス範囲と、データが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、プログラムのアドレス範囲とデータのアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【2042】
図183は、主側RAM314における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。MPU312にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、
図183に示すように、主側RAM314においても特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392のアドレス範囲と、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394のアドレス範囲とが明確に区別されている。
【2043】
具体的には、アドレスY(1)~Y(r+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア391として設定されている。また、アドレスY(1)~Y(r+2)に連続するアドレスY(r+3)~Y(r+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+6)~Y(s+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア392として設定されている。
【2044】
また、アドレスY(r+6)~Y(s+2)に連続するアドレスY(s+3)~Y(s+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+6)~Y(t+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア393として設定されている。また、アドレスY(s+6)~Y(t+2)に連続するアドレスY(t+3)~Y(t+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+6)~Y(u+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア394として設定されている。
【2045】
なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM314における物理アドレス及びMPU312において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【2046】
上記のように特定制御用のワークエリア391と、非特定制御用のワークエリア393とが区別して設定されていることにより、MPU312において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、各種演算などを実行する場合において主側RAM314の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行する場合に他方において必要な主側RAM314の情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各ワークエリア391,393への情報の書き込み及び各ワークエリア391,393からの情報の読み出しに際してはMPU312にてロード命令が行われる。
【2047】
特定制御用のスタックエリア392と、非特定制御用のスタックエリア394とが区別して設定されていることにより、MPU312において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、MPU312のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合において主側RAM314の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行している状況においてMPU312のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合に、他方において使用される情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各スタックエリア392,394への情報の書き込みに際してはMPU312にてプッシュ命令が行われ、各スタックエリア392,394からの情報の読み出しに際してはMPU312にてポップ命令が行われる。また、各スタックエリア392,394からの情報の読み出しに際しては当該スタックエリア392,394への書き込み順序が後の情報から先に読み出し対象となる。
【2048】
ここで、MPU312において特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392への情報の書き込みが可能であるとともに、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392からの情報の読み出しが可能である。また、MPU312において特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394からの情報の読み出しは可能であるものの、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394への情報の書き込みは不可である。これにより、特定制御に対応する処理が実行されている状況において、非特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
【2049】
一方、MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394への情報の書き込みが可能であるとともに、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394からの情報の読み出しが可能である。また、MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392からの情報の読み出しは可能であるものの、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392への情報の書き込みは不可である。これにより、非特定制御に対応する処理が実行されている状況において、特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
【2050】
なお、主側RAM314にはパチンコ機10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されることとなるが、当該バックアップ電力は特定制御用のワークエリア391、特定制御用のスタックエリア392、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394の全てに供給される。これにより、これら特定制御用のワークエリア391、特定制御用のスタックエリア392、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394に記憶された情報は、パチンコ機10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されている間は記憶保持される。
【2051】
<MPU312の処理構成について>
次に、主制御装置162のMPU312にて実行される各制御処理を説明する。かかるMPU312の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(例えば4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
【2052】
<メイン処理>
先ず、
図184のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。当該メイン処理は、タイマ割込み処理が禁止された状況下で開始される。なお、メイン処理は、基本的に特定制御用のプログラムにより実行されるが、一部の処理(ステップSh115)については非特制御用のプログラムにより実行される。
【2053】
先ずステップSh101では、電源投入初期設定処理を実行する。電源投入初期設定処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。このウェイト用の所定期間において図柄表示装置75の動作開始及び初期設定が完了することとなる。また、主側RAM314のアクセスを許可する。
【2054】
ステップSh102では、内部機能レジスタ設定処理を実行する。内部機能レジスタ設定処理では、当該メイン処理に対して定期的に割り込んで起動される処理であるタイマ割込み処理(
図187)の割込み周期を所定周期(例えば4msec)に設定する。また、内部機能レジスタ設定処理では、タイマ割込み処理の割込み周期の設定以外にも例えば当たり乱数カウンタC1の数値範囲といった各種カウンタの数値範囲の設定処理などを実行する。
【2055】
ステップSh103では、リセットボタン166cが押圧操作されているか否かを判定する。つまり、リセットボタン166cが押圧操作されている状態でパチンコ機10の電源ON操作が行われ、MPU312への動作電力の供給が開始されたか否かを判定する。
【2056】
リセットボタン166cが押圧操作されている場合は、ステップSh104に進み、特定制御用のエリアについて第1初期化処理を実行する。第1初期化処理では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391においてパチンコ機10の設定状態を示す設定値の情報が設定されたエリア(設定値カウンタ)を除き、当該特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。
【2057】
なお、第1初期化処理では、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394を「0」クリアしない。これにより、遊技ホールの従業員等によるクリア操作によっては非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394が「0」クリアされないようにすることが可能となる。
【2058】
ステップSh105では、設定キーを利用して設定キー挿入部166aがON操作されているか否かを判定する。設定キー挿入部166aがON操作されている場合は、ステップSh106に進み、設定値更新処理を実行する。
【2059】
ここで、ステップSh106の設定値更新処理について
図185のフローチャートを参照しながら説明する。なお、設定値更新処理におけるステップSh201~ステップSh207の処理は特定制御用のプログラムにより実行される。
【2060】
設定値更新処理では先ずステップSh201にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定更新表示フラグに「1」をセットする。設定更新表示フラグは、パチンコ機10の設定値を更新している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。
【2061】
ステップSh202では、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定値カウンタの値が「設定1」に対応する1以上であって「設定6」に対応する6以下であるか否かを判定する。設定値カウンタの値が「0」である場合又は7以上である場合は、ステップSh203に進み、設定値カウンタに「1」をセットする。これにより、パチンコ機10の設定値が「設定1」となる。
【2062】
ステップSh203の実行後又はステップSh202で肯定判定した場合(設定値が設定1~設定6の範囲内である場合)は、ステップSh204にて、設定キーを利用して設定キー挿入部166aがOFF操作されているか否かを判定する。この場合、設定キー挿入部166aがON状態からOFF状態に切り換わったか否かを判定する構成としてもよく、設定キー挿入部166aがOFF状態であるか否かを判定する構成としてもよい。
【2063】
設定キー挿入部166aがOFF操作されていない場合は、ステップSh205にて更新ボタン166bが押圧操作されているか否かを判定する。更新ボタン166bが押圧操作されている場合はステップSh206に進み、特定制御用のワークエリア391における設定値カウンタの値を1加算する。これにより、1段階上の設定値に更新される。
【2064】
ステップSh206の実行後又はステップSh205で否定判定した場合(更新ボタン166bが押圧操作されていない場合)は、ステップSh202の処理に戻る。以後、ステップSh204で肯定判定するまでステップSh202~ステップSh206の処理を繰り返す。なお、ステップSh202にて設定値カウンタの値が7以上であると判定されると、ステップSh203にて設定値カウンタに「1」がセットされる。これにより、「設定6」の状況で更新ボタン166bが1回押圧操作された場合には「設定1」に戻ることになる。
【2065】
ステップSh204で肯定判定した場合(設定キー挿入部166aがOFF操作されている場合)は、ステップSh207に進み、特定制御用のワークエリア391における設定更新表示フラグを「0」クリアする。ステップSh207の実行後は設定値更新処理を終了する。
【2066】
メイン処理(
図184)の説明に戻り、ステップSh103で否定判定した場合(リセットボタン166cが押圧操作されていない場合)は、ステップSh107に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停電フラグは、後述するタイマ割込み処理(
図187)の停電情報記憶処理(ステップSh401)にて停電時処理が実行された場合に「1」がセットされるものであり、前回の電源遮断時において停電時処理が適切に行われたか否かをMPU312にて特定するためのフラグである。
【2067】
停電フラグに「1」がセットされている場合は、ステップSh108にて、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出する。続くステップSh109では、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
【2068】
ステップSh107又はステップSh109のいずれかで否定判定した場合は動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行し(ステップSh110)、その後、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、ステップSh104の初期化処理が実行されることにより解除される。
【2069】
ステップSh109で肯定判定した場合(チェックサムが正常である場合)は、ステップSh111にて、設定キー挿入部166aがON操作されているか否かを判定する。設定キー挿入部166aがON操作されている場合は、ステップSh112に進み、設定確認用処理を実行する。
【2070】
ここで、ステップSh112の設定確認用処理について
図186のフローチャートを参照しながら説明する。なお、設定確認用処理におけるステップSh301~ステップSh303の処理は特定制御用のプログラムにより実行される。
【2071】
設定確認用処理では先ずステップSh301にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定確認表示フラグに「1」をセットする。設定確認表示フラグは、パチンコ機10の現状の設定値を確認している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。現在の設定値は第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示される。なお、当該表示のための処理については後述する。
【2072】
ステップSh302では、設定キー挿入部166aがOFF操作されているか否かを判定する。この場合、設定キー挿入部166aがON状態からOFF状態に切り換わったか否かを判定する構成としてもよく、設定キー挿入部166aがOFF状態であるか否かを判定する構成としてもよい。設定キー挿入部166aがOFF操作されていない場は、そのままステップSh302の処理を繰り返す。
【2073】
設定キー挿入部166aがOFF操作されている場合は、特定制御用のワークエリア391における設定確認表示フラグを「0」クリアし、その後、設定確認用処理を終了する。これにより、設定値の確認状態(第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける設定値の表示状態)が解除される。
【2074】
メイン処理(
図184)の説明に戻り、ステップSh112の設定確認用処理の実行後、ステップSh106の設定値更新処理の実行後、ステップSh111で否定判定した場合(リセットボタン166cが押圧操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われた状況で設定キー挿入部166aがON操作されていない場合)又はステップSh105で否定判定した場合(リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われた状況で設定キー挿入部166aがON操作されていない場合)は、ステップSh113にて電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM314の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態に対応したコマンドを演出制御装置143に送信する。また、電源投入設定処理では、遊技停止中であるか否かを判定し、遊技停止中である場合はこれを解除する。すなわち、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされている場合は「0」にクリアして初期化する。
【2075】
ステップSh114では超過時立上げ用処理を実行し、続くステップSh115では部分クリア用処理を実行する。これらの処理は、差球数を利用した遊技制限に関するものであるが、その詳細については後述する。
【2076】
ステップSh116では、第1~第5報知用表示装置169a~169eの動作確認処理を実行する。この動作確認処理では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける全てのセグメントを点灯させ、その状態を所定期間(例えば5sec)に亘って継続する。第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて断線等の故障により点灯されないセグメントがあったりすると、ベース値等が正しく表示されなくなり、不正行為の判断等にあたって支障を来たすおそれがある。この点、動作確認処理が実行されることで、パチンコ機10の電源ON操作の都度、第1~第5報知用表示装置169a~169eが正常に点灯するかを確認することができ、ベース値等が正しく表示されない状態で遊技が進行することが抑制される。
【2077】
ステップSh117では、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行う。その後、ステップSh118~ステップSh121の残余処理に進む。つまり、MPU312はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップSh118~ステップSh121の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップSh118~ステップSh121の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
【2078】
残余処理では、まずステップSh118にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSh119では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップSh120にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、特定制御用のワークエリア391の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値を超えた際にそれぞれ「0」にクリアする。その後、ステップSh121にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップSh121の処理を実行した場合、ステップSh118に戻り、ステップSh118~ステップSh121の処理を繰り返す。
【2079】
<タイマ割込み処理>
次に、
図187のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。なお、タイマ割込み処理に対応するプログラムは特定制御用のプログラムに設定されている。
【2080】
先ずステップSh401では停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視部315から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行した後に無限ループとなる。停電時処理では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットするとともに、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出し、その算出したチェックサムを保存する。
【2081】
ステップSh402では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値を超えた際にそれぞれ「0」にクリアする。その後、ステップSh403ではステップSh119と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップSh404にてステップSh120と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
【2082】
ステップSh405では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。パチンコ機10には、振動検知センサや磁石検知センサ、電波検知センサ等の異常検知センサが搭載されており、不正検知処理では、これらの検知センサの出力に基づいて各種異常の有無を判定する。
【2083】
ステップSh406では、第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示制御を行うための報知用表示処理を実行する。続くステップSh407では、遊技停止状態とするか否かの判定を行ったりする遊技停止判定用処理を実行する。これらの詳細については後述する。
【2084】
ステップSh408では、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。遊技の進行を停止している状態でない場合は、ステップSh409に進み、ポート出力処理を実行する。
【2085】
ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部63b,65dに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置65を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部65dへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口63の普電役物63aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部63bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
【2086】
ステップSh410では読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
【2087】
ステップSh411では入球検知処理を実行する。当該入球検知処理では、各入球検知センサ91a~97aから受信している信号を読み込み、その読み込み結果に基づいて、アウト口68、一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びスルーゲート64への入球の有無を特定する。なお、入球検知処理の詳細については後に説明する。
【2088】
ステップSh412では、主側RAM314に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
【2089】
ステップSh413では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。遊技球発射ハンドル41への発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6秒に1個の遊技球が発射される。続くステップSh414では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。特図特電制御処理については後に詳細に説明する。
【2090】
ステップSh415では普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート64への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口63の普電役物63aを開閉させる処理を実行する。この場合、サポートモードが低頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行され、サポートモードが高頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行される。また、開閉実行モードである場合にはその直前のサポートモードが高頻度サポートモードであったとしても低頻度サポートモードとなる。
【2091】
ステップSh416では、直前のステップSh414及びステップSh415の処理結果に基づいて、特図用表示部43に係る保留情報の増減個数を特図保留数表示部AMに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図用表示部44に係る保留情報の増減個数を普図保留数表示部FMに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップSh416では、直前のステップSh414及びステップSh415の処理結果に基づいて、特図用表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
【2092】
ステップSh417では、払出制御装置181から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。続くステップSh418では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。また、ステップSh419では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
【2093】
ステップSh420では、ベース値や差球数を算出したりするためのベース値及び差球数処理を実行する。ベース値及び差球数処理の詳細については後に説明する。また、ステップSh408で肯定判定した場合(遊技停止中である場合)は、ステップSh421にて超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。超過フラグが「1」にセットされている場合は、ステップSh409からステップSh416までの各種処理を実行することなくステップSh417の払出状態受信処理を実行し、超過フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSh409からステップSh419までの各種処理を実行することなくステップSh420のベース値及び差球数処理を実行する。このように超過フラグの値により遊技停止中に不実行とされる処理を相違させるように制御するが、超過フラグについての詳細は後述する。
【2094】
<特図特電制御処理>
ステップSh414の特図特電制御処理について
図188のフローチャートを参照しながら説明する。
【2095】
特図特電制御処理では先ずステップSh501にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア314aにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップSh402にて更新した当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1~RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
【2096】
なお、第1作動口62及び第2作動口63への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。また、保留情報の新たな取得が行われた場合にはそれに対応する取得時コマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143は当該コマンドを受信した場合、図柄表示装置75における保留情報の個数を示す画像(保留用画像)の表示を保留情報の増加に対応する表示内容に更新させる。
【2097】
ステップSh502では、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップSh503では、主側ROM313に設けられた特図特電アドレステーブルを読み出す。続くステップSh504では、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得し、ステップSh505では、ステップSh506~ステップSh512の処理のうちその取得した開始アドレスが示す処理にジャンプする。特図特電カウンタは、ステップSh506~ステップSh512の各種処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU312にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、ステップSh506~ステップSh512の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
【2098】
具体的には、特図特電カウンタは「0」~「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」~「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、ステップSh506の特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、ステップSh507の特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、ステップSh508の特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、ステップSh509の特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、ステップSh510の特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、ステップSh511の特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、ステップSh512の特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
【2099】
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
【2100】
<特図変動開始処理>
ステップSh506の特図変動開始処理について
図189のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「0」である場合に実行されるものである。
【2101】
特図変動開始処理では先ずステップSh601にて、保留用エリアREに格納されている保留情報の個数(保留数)Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが1以上でない場合、すなわち、0である場合はそのまま特図変動開始処理を終了する。
【2102】
一方、保留数Nが1以上である場合は、ステップSh602にてデータ設定処理を実行する。データ設定処理では、まず保留数Nを1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1~RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
【2103】
このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であり、詳細には、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータをシフトさせた後に第4保留エリアRE4を「0」クリアする。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを認識させるためのシフト時コマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143は当該コマンドを受信した場合、保留表示部200における保留用画像の表示を保留情報の減少に対応する表示内容に更新させる。
【2104】
ステップSh603では、主側ROM313から当否テーブルを読み出す。具体的には先ず特定制御用のワークエリア391に設けられた設定値カウンタの値を読み出し、パチンコ機10の設定状態を把握する。その上で、現状の当否抽選モードを把握し、高確率モードである場合には、把握した設定状態に対応する高確当否テーブルを読み出し、低確率モードである場合には、把握した設定状態に対応する低確当否テーブルを読み出す。
【2105】
ステップSh604では、ステップSh603にて読み出した当否テーブルを参照して当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が、ステップSh603にて読み出した当否テーブルに設定された大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
【2106】
当否判定処理の結果が大当たり当選結果である場合には(ステップSh605:YES)、ステップSh606にて種別判定処理を実行する。種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を読み出す。そして、主側ROM313に設けられた大当たり種別テーブル417を参照し、上記読み出した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
【2107】
この際、今回の当否判定処理が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は第1特図用の大当たり種別テーブル417a(
図180(a))を参照し、4R確変大当たり結果及び4R通常大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。一方、第2作動口63への入賞に基づくものである場合は第2特図用の大当たり種別テーブル417a(
図180(b))を参照し、10R確変大当たり結果及び4R通常大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
【2108】
ステップSh607では、大当たり用の停止結果設定処理を実行する。大当たり用の停止結果設定処理では、主側ROM313に記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を上記停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として主側RAM314の特定制御用のワークエリア391に書き込む。
【2109】
ステップSh608では、種別判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。特定制御用のワークエリア391には各大当たり結果の種類に対応した種別フラグが設けられており、ステップSh608では、それら各大当たり結果の種類に対応した種別フラグのうち、ステップSh606の種別判定処理の結果に対応するものに「1」をセットする。例えば、特定された大当たり種別が10R確変大当たりである場合は、特定制御用のワークエリア391に設けられた10R確変大当たりフラグに「1」をセットする。
【2110】
一方、ステップSh604の当否判定処理の結果が外れ結果である場合(ステップSh605:NO)は、ステップSh609にて外れ用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図用表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM313に記憶されている外れ用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を特定制御用のワークエリア391に書き込む。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり当選の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【2111】
ステップSh608及びステップSh609のいずれかの処理を実行した後は、ステップSh610にて高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を実行する。高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理では、高確率モード及び高頻度サポートモードにて実行される遊技回の回数を更新する。ステップSh610の詳細については後述する。
【2112】
ステップSh611では、今回の特図遊技回における変動表示時間(遊技回用動作の実行期間)の設定処理を行う。かかる設定処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の特図遊技回において図柄表示装置75にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果でなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
【2113】
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM313に記憶されているリーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間の情報(変動パターン情報)を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM313に記憶されているリーチ非発生用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間の情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。
【2114】
なお、リーチ非発生時における変動表示時間は、保留用エリアREに格納されている保留数Nが多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留数Nが同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用の変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
【2115】
また、ステップSh611では、取得した変動表示時間の情報を、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、タイマ更新処理(ステップSh412)にて実行される。
【2116】
ステップSh612では、変動用コマンド及び種別コマンドを演出制御装置143に送信する。変動用コマンドには、変動表示時間(変動パターン)の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
【2117】
演出制御装置143は変動用コマンド及び種別コマンドをMPU312から受信した場合、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75において遊技回用の演出が実行されるようにする。この場合、当該遊技回用の演出は変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応する態様で行われる。また、図柄表示装置75では遊技回用の演出として図柄の変動表示が行われ、当該遊技回用の演出が終了する場合には当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。
【2118】
ステップSh613では、特図用表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップSh614では特図特電カウンタを1加算する。特図変動開始処理の実行時における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、当該加算処理により特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。
【2119】
<特図変動中処理>
ステップSh507(
図188)の特図変動中処理について
図190のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「1」である場合に実行されるものである。
【2120】
特図変動中処理では先ずステップSh701にて、ステップSh611で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSh702にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、特図用表示部43での絵柄の変動表示が継続されるように各表示用セグメントの発光制御を行う。具体的には各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように制御する。
【2121】
変動表示時間が経過した場合(ステップSh701:YES)は、ステップSh703にて、高確率モード及び高頻度サポートモードを終了させるための高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSh703の詳細については後述する。
【2122】
ステップSh704では、今回の特図遊技回の確定表示時間(最終停止時間)の設定処理を実行する。確定表示時間の設定処理では、特図用表示部43にて絵柄を停止表示させる際の継続時間として確定表示時間(例えば0.5sec)の情報を主側ROM313から取得し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。
【2123】
ステップSh705では、確定表示の開始処理を実行する。確定表示の開始処理では、変動表示されている絵柄がステップSh607(
図189)又はステップSh609で設定した停止結果で停止表示されるように特図用表示部43を制御する。
【2124】
ステップSh706では特図特電カウンタを1加算する。特図変動中処理の実行時における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、当該加算処理により特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。
【2125】
<特図確定中処理>
ステップSh508(
図188)の特図確定中処理は、特図特電カウンタの数値情報が「2」である場合、換言すれば、特図用表示部43における絵柄の停止表示が開始された後に実行されるものである。特図確定中処理では、ステップSh704で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行う。開閉実行モードへの移行が発生しない場合には特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする。開閉実行モードへの移行が発生する場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を「3」に更新する。
【2126】
<特電開始処理>
ステップSh509(
図188)の特電開始処理について
図191のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「3」である場合に実行されるものである。
【2127】
特電開始処理では先ずステップSh801にてオープニングコマンドを送信済みであるか否かを判定する。オープニングコマンドは、演出制御装置143に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
【2128】
オープニングコマンドの送信前である場合は、ステップSh802にて、開閉実行モードの開始処理を実行する。開閉実行モードの開始処理では、特定制御用のワークエリア391に設けられた開閉実行モードフラグに「1」をセットする。開閉実行モードフラグは、開閉実行モード中であることをMPU312が把握するためのものである。
【2129】
また、開閉実行モードの開始処理では、特定制御用のワークエリア391に設けられた高確フラグ及びサポートフラグに「1」がセットされている場合は「0」クリアする。高確フラグは、現在の当否抽選モードが高確率モードであることをMPU312が把握するためのものであり、サポートフラグは、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであることをMPU312が把握するためのものである。
【2130】
ステップSh803では、主側ROM313に記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。ステップSh804では、演出制御装置143への出力対象としてオープニングコマンドを設定する。演出制御装置143はオープニングコマンドを受信することにより、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75にてオープニング演出が実行されるように制御する。
【2131】
ステップSh804の実行後又はステップSh801でオープニングコマンドを送信済みであると判定した場合(ステップSh801:YES)は、ステップSh805に進み、オープニング時間が経過したか否かを判定する。オープニング時間が経過している場合は、ステップSh806にて、特定制御用のワークエリア391に設けられたラウンドカウンタに今回の大当たり結果に対応したラウンド数をセットする。具体的には、今回の大当たり結果が10R大当たり結果である場合にはラウンドカウンタに「10」をセットし、4R大当たり結果である場合にはラウンドカウンタに「4」をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数をMPU312にて特定するためのカウンタである。
【2132】
ステップSh807では、特定制御用のワークエリア391に設けられた入賞カウンタに対し、一のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数に対応する数値情報(例えば「10」)をセットする。入賞カウンタは、上限入賞個数までの残り個数をMPU312が特定するためのカウンタである。
【2133】
ステップSh808では、初回目のラウンド遊技における可変入賞装置65の上限開放時間を設定する。具体的には、主側ROM313に記憶されている上記上限開放時間(例えば30sec)の情報を読み出し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。
【2134】
ステップSh809では、大入賞口65aを開放すべく可変入賞装置65用の駆動部65dを駆動状態とする。また、ステップSh809では、開放コマンドを演出制御装置143への出力対象として設定する。開放コマンドは、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するためのものである。
【2135】
ステップSh810では、特図特電カウンタを1加算する。特電開始処理の実行時における特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、当該加算処理により特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。
【2136】
ステップSh810の実行後は特電開始処理を終了する。また、ステップSh805で肯定した場合(オープニング時間が経過していない場合)は、オープニングを継続すべく、ステップSh806~ステップSh810の処理を実行することなく特電開始処理を終了する。
【2137】
<特電開放中処理>
ステップSh510(
図188)の特電開放中処理は、特図特電カウンタの数値情報が「4」である場合に実行されるものである。特電開放中処理では、可変入賞装置65への入賞個数が上限入賞個数に達するか、可変入賞装置65の上限開放時間が経過するかのいずれかが成立した場合に、ラウンド遊技の終了条件が成立したとして可変入賞装置65を開放状態から閉鎖状態に切り替えるとともに、ラウンドカウンタの数値情報を1減算して更新する。また、主側ROM313に記憶されている閉鎖時間(例えば2sec)の情報を読み出し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を「5」に更新する。
【2138】
<特電閉鎖中処理>
ステップSh511(
図188)の特電閉鎖中処理は、特図特電カウンタの数値情報が「5」である場合に実行されるものである。特電閉鎖中処理では、終了したラウンド遊技が最終回のラウンド遊技でなければ、特電開放中処理に設定した閉鎖時間(ラウンド遊技間のインターバル時間)が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過した場合には、次のラウンド遊技を開始すべく、可変入賞装置65への上限入賞個数に対応する数値情報(例えば「10」)を入賞カウンタにセットするとともに、可変入賞装置65の上限開放時間(例えば30sec)を特図特電タイマカウンタにセットし、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態に切り替える。その後、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を「4」に更新する。
【2139】
一方、終了したラウンド遊技が最終回のラウンド遊技である場合は、エンディング時間を設定するとともに、エンディングコマンドを演出制御装置143への出力対象として設定する。演出制御装置143はエンディングコマンドを受信することにより、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75にてエンディング演出が実行されるように制御する。その後、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を「6」に更新する。
【2140】
<特電終了処理>
ステップSh512(
図188)の特電終了処理について
図192のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「6」である場合に実行されるものである。
【2141】
特電終了処理では先ずステップSh901にて、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過している場合は、ステップSh902にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
【2142】
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について
図193のフローチャートを参照しながら説明する。
【2143】
開閉実行モード終了時の移行処理では先ずステップSh1101にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSh1102にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた高確フラグに「1」をセットする。これにより、当否抽選モードが高確率モードに移行する。
【2144】
ステップSh1103では、特定制御用のワークエリア391に設けられた確変カウンタKCに対し、今回の確変大当たり結果に対応する高確率モードの上限回数(例えば35回)に対する数値情報を設定する。確変カウンタKCは、高確率モードに滞在可能な遊技回の残り回数をMPU312が把握するためのものであり、高確率モードである状況で特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【2145】
ステップSh1104では、特定制御用のワークエリア391に設けられたサポートフラグに「1」をセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。続くステップSh1105では、特定制御用のワークエリア391に設けられたサポートカウンタSCに対し、今回の確変大当たり結果に対応する高頻度サポートモードの上限回数(例えば35回)を設定する。サポートカウンタSCは、高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【2146】
ステップSh1101で否定判定した場合(確変大当たり結果でない場合)は、今回の大当たり結果が通常大当たり結果であることを意味する。この場合はステップSh1106に進み、上記サポートフラグに「1」をセットし、サポートモードを高頻度サポートモードに移行させる。続くステップSh1107では、上記サポートカウンタSCに対し、今回の通常大当たり結果に対応する高頻度サポートモードの上限回数(例えば50回)を設定する。
【2147】
特電終了処理(
図192)の説明に戻り、ステップSh902の開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後は、ステップSh903にて開閉実行モードの終了処理を実行する。開閉実行モードの終了処理では、特定制御用のワークエリア391における種別フラグ及び開閉実行モードフラグを「0」クリアする。
【2148】
ステップSh904では特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアし、その後、特電終了処理を終了する。また、ステップSh901で否定判定した場合(エンディング時間が経過していない場合)は、エンディングを継続すべく、ステップSh902~ステップSh904の処理を実行することなく特電終了処理を終了する。
【2149】
<高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSh610の高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理について
図194のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図変動開始処理(
図189)の一部とされ、変動表示の開始タイミングに合わせて実行される。
【2150】
先ずステップSh1201では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSh1202にて、特定制御用のワークエリア391における高確フラグが「1」であるか否か、すなわち、現在の当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
【2151】
高確フラグが「1」であり、現在の当否抽選モードが高確率モードである場合は、ステップSh1203にて、特定制御用のワークエリア391における確変カウンタKCの数値情報を1減算する。これにより、高確率モードに滞在可能な遊技回の残り回数が1減算される。
【2152】
ステップSh1204では、確変カウンタKCにおける更新後の数値情報が「0」であるか否かを判定する。確変カウンタKCの更新値が「0」である場合、すなわち、高確率モードでの特図遊技回の実行回数が上限回数に到達し、当該モードに滞在可能な遊技回の残り回数が0回となっている場合は、ステップSh1205に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた高確終了用フラグを「1」にセットする。高確終了用フラグは、高確率モードを終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【2153】
ステップSh1205の実行後、ステップSh1202で否定判定した場合(高確フラグが「1」ではなく、現在の当否抽選モードが低確率モードである場合)又はステップSh1204で否定判定した場合(確変カウンタKCの更新値が「0」ではなく、高確率モードに滞在可能な遊技回の残り回数が1以上である場合)は、ステップSh1206に進み、特定制御用のワークエリア391におけるサポートフラグが「1」であるか否かを判定する。サポートフラグが「1」であり、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSh1207にて、特定制御用のワークエリア391におけるサポートカウンタSCの数値情報を1減算する。これにより、高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数が1減算される。
【2154】
ステップSh1208では、サポートカウンタSCにおける更新後の数値情報が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタSCの更新値が「0」である場合、すなわち、高頻度サポートモードでの特図遊技回の実行回数が上限回数に到達し、当該モードに滞在可能な遊技回の残り回数が0回となっている場合は、ステップSh1209に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられたサポート終了用フラグを「1」にセットする。サポート終了用フラグは、高頻度サポートモードを終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【2155】
ステップSh1209の実行後、ステップSh1206で否定判定した場合(サポートフラグが「1」ではなく、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合)又はステップSh1208で否定判定した場合(サポートカウンタSCの更新値が「0」ではなく、高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数が1以上である場合)は、高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSh1201で否定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果である場合)は、ステップSh1202~ステップSh1209の処理を実行することなく高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
【2156】
<高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSh703の高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理について
図195のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図変動中処理(
図190)の一部とされ、変動表示の終了タイミングに合わせて実行される。
【2157】
先ずステップSh1301では、特定制御用のワークエリア391における高確フラグが「1」であるか否かを判定する。高確フラグが「1」であり、現在の当否抽選モードが高確率モードである場合は、ステップSh1302にて、特定制御用のワークエリア391における高確終了用フラグが「1」であるか否か、すなわち、高確率モードを終了すべき状況であるか否かを判定する。
【2158】
高確終了用フラグが「1」である場合(高確率モードを終了すべき状況である場合)は、ステップSh1303にて高確率モード終了処理を実行する。高確率モード終了処理では、上記高確終了用フラグ及び高確フラグをそれぞれ「0」クリアする。高確フラグのクリアにより高確率モードが終了し、当否抽選モードが低確率モードに移行する。
【2159】
ステップSh1303の実行後、ステップSh1301で否定判定した場合(高確フラグが「1」ではなく、現在の当否抽選モードが低確率モードである場合)又はステップSh1302で否定判定した場合(高確終了用フラグが「1」ではなく、高確率モードを継続すべき状況である場合)は、ステップSh1304に進み、特定制御用のワークエリア391におけるサポートフラグが「1」であるか否かを判定する。サポートフラグが「1」であり、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSh1305にて、特定制御用のワークエリア391におけるサポート終了用フラグが「1」であるか否か、すなわち、高頻度サポートモードを終了すべき状況であるか否かを判定する。
【2160】
サポート終了用フラグが「1」である場合(高頻度サポートモードを終了すべき状況である場合)は、ステップSh1306にて高頻度サポートモード終了処理を実行する。高頻度サポートモード終了処理では、上記サポート終了用フラグ及びサポートフラグをそれぞれ「0」クリアする。サポートフラグのクリアにより高頻度サポートモードが終了し、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
【2161】
ステップSh1306の実行後、ステップSh1304で否定判定した場合(サポートフラグが「1」ではなく、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合)又はステップSh1305で否定判定した場合(サポート終了用フラグが「1」ではなく、高頻度サポートモードを継続すべき状況である場合)は、高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
【2162】
<各入賞口への遊技球の入球有無を特定する構成について>
次に、MPU312にて、各入球検知センサ91a~97aの検知結果に基づき、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68及びスルーゲート64への遊技球の入球の有無を特定するための構成について説明する。
図196はMPU312に入球検知センサ91a~97aの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
【2163】
MPU312には入力ポート312aが設けられている。入力ポート312aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0~第7ビットD7を備えている。但し、本パチンコ機10においては、第7ビットD7は使用せず、7種類の信号を同時に扱う構成としている。また、入力ポート312aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート312aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。
【2164】
タイマ割込み処理(
図187)の入球検知処理(ステップSh411)では、入力ポート312aへの入力対象となる信号群が各入球検知センサ91a~97aからの信号群に設定される。かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は第1入賞口検知センサ91aからの検知信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第2入賞口検知センサ92aからの検知信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第1作動口検知センサ93aからの検知信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第2作動口検知センサ94aからの検知信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は大入賞口検知センサ95aからの検知信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5はアウト口検知センサ96aからの検知信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はゲート検知センサ97aからの検知信号に対応した情報が格納される。
【2165】
上記各入球検知センサ91a~97aは、遊技球の通過を検知していない場合には検知信号として非検知中であることを示すLOWレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には検知信号として検知中であることを示すHIレベル信号を出力する。そして、入力ポート312aではLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報を格納し、HIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報を格納する。つまり、入球検知センサ91a~97aにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
【2166】
<入球検知処理>
図197はタイマ割込み処理(
図187)のステップSh411にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
【2167】
第0ビットD0又は第1ビットD1において「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ91a又は第2入賞口検知センサ92aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSh1501:YES)。この場合、ステップSh1502にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた一般入賞センサフラグに「1」をセットし、ステップSh1503にて、上記ワークエリア391に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する。
【2168】
一般入賞センサフラグは一般入賞口61への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、10個賞球用カウンタは10個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(
図187)におけるステップSh418の払出出力処理にて10個賞球コマンドを払出制御装置181に出力するとともに、10個賞球コマンドを1回出力した場合には10個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置181は10個賞球コマンドを受信した場合、10個の遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御する。
【2169】
第2ビットD2に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ93aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSh1504:YES)。この場合、ステップSh1505にて、上記ワークエリア391に設けられた第1作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップSh1506にて、上記ワークエリア391に設けられた3個賞球用カウンタの値を1加算する。第1作動入賞フラグは第1作動口62への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、3個賞球用カウンタは3個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【2170】
タイマ割込み処理(
図187)の特図特電制御処理(ステップSh414)では第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア314aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特図特電制御処理(ステップSh414)にて第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。
【2171】
第3ビットD3に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ94aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSh1507:YES)。この場合、ステップSh1508にて、上記ワークエリア391に設けられた第2作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップSh1509にて、上記ワークエリア391に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する。第2作動入賞フラグは第2作動口63への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、1個賞球用カウンタは1個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【2172】
タイマ割込み処理(
図187)の特図特電制御処理(ステップSh414)では第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア314aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特図特電制御処理(ステップSh414)にて第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。
【2173】
第4ビットD4に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、大入賞口検知センサ95aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSh1510:YES)。この場合、ステップSh1511にて、上記ワークエリア391に設けられた特電入賞フラグに「1」をセットし、ステップSh1512にて、上記ワークエリア391に設けられた15個賞球用カウンタの値を1加算する。特電入賞フラグは可変入賞装置65への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、15個賞球用カウンタは15個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【2174】
タイマ割込み処理(
図187)の特図特電制御処理(ステップSh414)では特電入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、可変入賞装置65への1個の遊技球の入球が発生したことを特定し、ラウンド遊技における可変入賞装置65への残りの入球可能個数を1減算する。かかる入球可能個数を1減算する処理を実行した場合に特電入賞フラグを「0」クリアする。
【2175】
第5ビットD5に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ96aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSh1513:YES)。この場合、上記ワークエリア391に設けられたアウトフラグに「1」をセットする。アウトフラグはアウト口68への遊技球の入球が発生したことをMPU312が特定するためのフラグである。
【2176】
第6ビットD6に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、ゲート検知センサ97aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSh1515:YES)。この場合、ステップSh1516にて、上記ワークエリア391に設けられたゲート入賞フラグに「1」をセットする。ゲート入賞フラグはスルーゲート64に1個の遊技球が入球したことをMPU312にて特定するためのフラグである。
【2177】
タイマ割込み処理(
図187)の普図普電制御処理(ステップSh415)ではゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普電保留エリア314cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、現状の普電役物開放カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普電保留エリア314cに格納する処理を実行する。普図普電制御処理(ステップSh415)にてゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合にゲート入賞フラグを「0」クリアする。
【2178】
<払出制御装置の処理構成について>
次に、払出制御装置181にて実行される処理内容について説明する。まず払出制御装置181及び当該払出制御装置181との間で通信を行う各種装置の電気的構成について、
図198のブロック図を参照しながら説明する。
【2179】
払出制御装置181はMPU382を備えている。MPU382には、払出側ROM383、払出側RAM384、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【2180】
払出側ROM383は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。払出側ROM383は、払出側MPU382により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【2181】
払出側RAM384は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。払出側RAM384は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM383よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。払出側RAM384は、払出側ROM383内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【2182】
払出側MPU382は、主制御装置162のMPU312と双方向通信を行うことが可能となっている。払出側MPU382はMPU312から賞球コマンドを受信することにより、その賞球コマンドに対応する個数の遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御する。また、払出側MPU382は、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能な状態であるか否かを監視し、正常に行うことが可能ではない状態であると特定した場合には払出側RAM384に未払い出しの賞球個数情報が記憶されている状況であっても払出装置222を停止させる。また、払出側MPU382は、このように正常に払い出しを行うことが可能ではない状態であることを示す払出制限コマンドをMPU312に送信する。
【2183】
MPU312は当該払出制限コマンドを受信した場合、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態であることを示す報知が図柄表示装置75、ランプ部26~28及びスピーカ部29にて実行されるように演出制御装置143に報知用コマンドを送信する。遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態として、下皿34が遊技球で満タンとなる満タン状態と、タンク221に遊技球が補充されていない球無状態と、払出装置222が正常に動作しない払出異常状態と、遊技機本体12が外枠11から開放された本体開放状態と、前扉枠14が内枠13から開放された前扉開放状態と、が存在している。
【2184】
払出装置222から下皿34へと通じる遊技球通路の途中位置には図示しない満タン検知センサが設けられており、当該満タン検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、満タン検知センサにおいて遊技球が継続して検知された場合に満タン状態であると特定し、満タン検知センサにて遊技球が継続して検知される状態が解除された場合に満タン状態が解除されたと特定する。
【2185】
タンク221から払出装置222へと通じる遊技球通路の途中位置に図示しない球無検知センサが設けられており、当該球無検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、球無検知センサにおいて遊技球が継続して検知されない場合に球無状態であると特定し、球無検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に球無状態が解除されたと特定する。
【2186】
払出装置222には当該払出装置222から払い出される遊技球を検知するための図示しない払出検知センサが設けられており、当該払出検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、払出検知センサにて遊技球が検知された場合に払出装置222から1個の遊技球が払い出されたと特定する。また、払出側MPU382は、遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御しているにも関わらず払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない場合に払出異常状態であると特定し、払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に払出異常状態が解除されたと特定する。
【2187】
内枠13の前面部には前扉開放センサ232が設けられており、当該前扉開放センサ232の検知結果は払出側MPU382に入力される。この場合、内枠13に対して前扉枠14が閉鎖状態である場合に前扉開放センサ232は閉鎖検知信号を払出側MPU382に送信し、内枠13に対して前扉枠14が開放状態である場合に前扉開放センサ232は開放検知信号を払出側MPU382に送信する。
【2188】
払出側MPU382は、前扉開放センサ232から閉鎖検知信号を受信している場合に前扉枠14が閉鎖状態であると特定し、前扉開放センサ232から開放検知信号を受信している場合に前扉枠14が開放状態であると特定する。また、払出側MPU382は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングでMPU312に前扉開放コマンドを送信し、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングでMPU312に前扉閉鎖コマンドを送信する。MPU312は、前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放状態となったと特定し、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。
【2189】
裏パックユニット15の前面部には本体開放センサ233が設けられており、当該本体開放センサ233の検知結果は払出側MPU382に入力される。この場合、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖状態である場合に本体開放センサ233は閉鎖検知信号を払出側MPU382に送信し、外枠11に対して遊技機本体12が開放状態である場合に本体開放センサ233は開放検知信号を払出側MPU382に送信する。
【2190】
払出側MPU382は、本体開放センサ233から閉鎖検知信号を受信している場合に遊技機本体12が閉鎖状態であると特定し、本体開放センサ233から開放検知信号を受信している場合に遊技機本体12が開放状態であると特定する。また、払出側MPU382は、遊技機本体12が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングでMPU312に本体開放コマンドを送信し、遊技機本体12が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングでMPU312に本体閉鎖コマンドを送信する。MPU312は、本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放状態となったと特定し、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖状態となったと特定する。
【2191】
払出側MPU382にて実行されるタイマ割込み処理について
図199のフローチャートを参照しながら説明する。タイマ割込み処理は、予め定められた周期(例えば2msec)で繰り返し起動されるものである。
【2192】
先ずステップSh1601では満タン用処理を実行する。満タン用処理では、満タン検知センサの検知結果に基づいて満タン状態であるか否かを特定し、満タン状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【2193】
ステップSh1602では球無用処理を実行する。球無用処理では、球無検知センサの検知結果に基づいて球無状態であるか否かを特定し、球無状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【2194】
ステップSh1603では払出異常監視処理を実行する。払出異常監視処理では、払出検知センサの検知結果に基づいて払出異常状態であるか否かを特定し、払出異常状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【2195】
ステップSh1604では前扉開放監視処理を実行する。前扉開放監視処理では、前扉開放センサ232の検知結果に基づいて前扉枠14が開放状態であるか否かを特定し、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、前扉開放コマンドをMPU312に送信する。また、前扉枠14が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、前扉閉鎖コマンドをMPU312に送信する。
【2196】
ステップSh1605では本体開放監視処理を実行する。本体開放監視処理では、本体開放センサ233の検知結果に基づいて遊技機本体12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機本体12が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、本体開放コマンドをMPU312に送信する。また、遊技機本体12が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、本体閉鎖コマンドをMPU312に送信する。
【2197】
ステップSh1606ではコマンド読込処理を実行する。当該コマンド読込処理では、MPU312が送信した賞球コマンドを読み込む処理を実行し、その賞球コマンドを払出側RAM384に格納する。そして、その受信した賞球コマンドに対応する個数を払出側RAM384における未払い出しの賞球個数情報に加算するための賞球設定処理を実行した後に(ステップSh1607)、払出装置222による遊技球の払い出しの実行制御を行うための払出制御処理を実行する(ステップSh1608)。
【2198】
払出制御処理では、払出側RAM384に記憶されている未払い出しの賞球個数情報が1以上の値である場合に払出装置222の駆動制御を行い、払出検知センサにて1個の遊技球を検知した場合に賞球個数情報の値を1減算する。そして、賞球個数情報の値が「0」となった場合には払出装置222の駆動制御を停止する。その後、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップSh1609)。
【2199】
<ベース値及び差球数処理>
ステップSh420(
図187)のベース値及び差球数処理について
図200のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ベース値及び差球数処理におけるステップSh1701~ステップSh1705の処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【2200】
ベース値及び差球数処理では先ずステップSh1701にて、タイマ割込み処理(
図187)の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSh1702では、プッシュ命令により、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。フラグレジスタにはゼロフラグやサインフラグなどが含まれており、演算命令、ローテート命令及び入出力命令などの実行結果によってその情報は変化することとなる。このようなフラグレジスタの情報をベース値及び差球数用実行処理(ステップSh1703)に対応するサブルーチンのプログラムが開始される前に退避させることにより、当該サブルーチンのコールや当該サブルーチンの開始後において変化する前の状態のフラグレジスタの情報を特定制御用のワークエリア391に退避させておくことが可能になる。
【2201】
ステップSh1703では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているベース値及び差球数用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、ベース値及び差球数用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示すベース値及び差球数処理のプログラムに復帰する。
【2202】
ステップSh1703のベース値及び差球数処理を実行した後は、ステップSh1704にて、ポップ命令により、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させる。具体的には、ステップSh1702で特定制御用のスタックエリア392に退避させたフラグレジスタの情報を読み出し、それらをMPU312のフラグレジスタに格納する。これにより、MPU312のフラグレジスタの情報が、ステップSh1702が実行された時点の情報に復帰することとなる。
【2203】
ステップSh1705では、タイマ割込み処理(
図187)の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換えるために割込み許可の設定を行う。これにより、タイマ割込み処理の新たな実行が可能となる。
【2204】
次に、ステップSh1703にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行されるベース値及び差球数用実行処理について、
図201のフローチャートを参照しながら説明する。
【2205】
ステップSh1801では、ロード命令により、MPU312のスタックポインタに非特定制御用のスタックエリア394における開始位置のアドレス情報(具体的には
図183におけるアドレスY(u+2))を設定する。これにより、使用するスタックエリアが非特定制御用のスタックエリア394に切り換えられる。
【2206】
ステップSh1802では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち、後述のベース値算出処理(ステップSh1803)、超過判定用処理(ステップSh1804)、表示設定処理(ステップSh1805)で使用するレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393における所定領域に書き込んで退避させる。
【2207】
ステップSh1802の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSh1803~ステップSh1805のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理に先立ち、ステップSh1802にて使用レジスタの情報を退避させることで、ステップSh1803~ステップSh1805の実行に際してそれら各レジスタが上書きされたとしても、非特定制御用のワークエリア393に退避させた情報をこれらレジスタに書き込むことで、上書き前の状態に復帰させることができる。すなわち、特定制御に際して利用されていたレジスタの情報を保護することができる。
【2208】
なお、ステップSh1803~ステップSh1805の実行に際しては、それら各処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を非特定制御用のスタックエリア394に書き込む。そして、ステップSh1803~ステップSh1805が終了した場合には、当該エリア394に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示すベース値及び差球数用実行処理のプログラムに復帰する。
【2209】
ステップSh1803~ステップSh1805の処理を実行した後は、ステップSh1806にて、ロード命令により、MPU312のスタックポインタに特定制御用のスタックエリア392における固定アドレスを設定する。これにより、使用するスタックエリアが特定制御用のスタックエリア392に切り換えられる。
【2210】
なお、ベース値及び差球数用実行処理を含むステップSh420のベース値及び差球数処理は、タイマ割込み処理において遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理が終了した後に実行されるため、ステップSh1803~ステップSh1805の処理が実行される直前において特定制御用のスタックエリア39に記憶されている情報は常に一定となる。このため、その一定の情報量を踏まえて上記固定アドレスを定めておくことで、MPU312におけるスタックポインタの情報を事前に退避させていなくても、スタックポインタの状態を非特定制御に対応する処理が開始される直前の情報に復帰させることができる。よって、処理負荷を軽減させることが可能になるとともに当該退避させるための領域を主側RAM314において確保する必要がなくなる。
【2211】
ステップSh1807では、ステップSh1802にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をロード命令により読み出し、それらをMPU312の各レジスタに格納する。これにより、MPU312の各レジスタの情報が、ステップSh1802が実行された時点の情報に復帰することになる。
【2212】
次に、サブルーチンのプログラムが読み出されることにより実行されるステップSh1803のベース値算出処理、ステップSh1804の超過判定用処理、ステップSh1805の表示設定用処理について説明する。これらの処理では、ベース値や差球数の遊技履歴に関する情報を算出し、その結果を第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示するための表示データの設定を行ったり、算出した差球数が予め定められた特定個数(例えば99000個)以上となったか否かを判定したりする。
【2213】
<ベース値算出処理>
先ずステップSh1803のベース値算出処理について
図202のフローチャートを参照しながら説明する。
【2214】
ベース値算出処理では先ずステップSh1901にて、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。すなわち、第1入賞口検知センサ91a、第2入賞口検知センサ92a、第1作動口検知センサ93a、第2作動口検知センサ94a、大入賞口検知センサ95a及びアウト口検知センサ96aの各出力に基づいて上記判定を行う。
【2215】
入球が発生している場合は、ステップSh1902にて、計測区間用のアウトカウンタ501dの更新処理を実行する。
図203に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、ベース値の算出に対応するエリアとしてベース値用カウンタエリア501が設けられており、このベース値用カウンタエリア501に上記計測区間用のアウトカウンタ501dが設けられている。
【2216】
計測区間用のアウトカウンタ501dは、遊技領域PAから排出される遊技球の合計個数を計測するためのカウンタである。なお、本実施の形態では、アウト口検知センサ96aがアウト口68に入球した遊技球のみを検知するように構成されているため(
図172)、アウト口68への入球が発生した場合だけでなく、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63及び可変入賞装置65への入球が発生した場合にも、計測区間用のアウトカウンタ501dを1加算して更新する。計測区間用のアウトカウンタ501dの値は、所定個数(例えば60000個)ごとの計測区間を把握するのに利用される。
【2217】
ステップSh1903では、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合はステップSh1904に進み、上記ベース値用カウンタエリア501における通常用の一般入賞カウンタ501a、通常用の第1作動カウンタ501b、通常用のアウトカウンタ501cの更新処理を実行する。これらのカウンタ501a~501cは、通常遊技状態を対象として一般入賞口61への遊技球の入球数、第1作動口62への遊技球の入球数、遊技領域PAからの遊技球の排出個数をそれぞれ計測するためのものである。ステップSh1904では、一般入賞口61又は第1作動口62への入球が発生した場合は、一般入賞カウンタ501a及び第1作動カウンタ501bのうち対応するカウンタの値を1加算する。また、入球が発生した入球部の種別を問わず、入球が発生していれば、アウトカウンタ501cの値を1加算する。
【2218】
ステップSh1904の実行後又はステップSh1903で否定判定した場合(現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合)は、ステップSh1905にてベース値の算出処理を実行する。ベース値の算出処理では、通常用の各カウンタ501a~501cの値を用いて通常遊技状態におけるベース値を算出する。通常用の一般入賞カウンタ501a、通常用の第1作動カウンタ501b、通常用のアウトカウンタ501cの値をK1~K3とした場合にベース値は以下のものとなる。
・ベース値:遊技球の合計払出個数(K1×「一般入賞口61への入賞に対する賞球個数」+K2×「第1作動口62への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K3)。
【2219】
ステップSh1906では、ステップSh1905で算出したベース値の情報を、非特定制御用のワークエリア393に設けられた現状用エリア504aに上書きする処理を実行する。なお、非特定制御用のワークエリア393には、
図203に示すように、演算結果を記憶するためのエリアとして演算結果用エリア504が設けられており、演算結果用エリア504には、現状用エリア504aのほか、前回ベース値の情報を記憶するための前回用エリア504bと、前々回ベース値の情報を記憶するための前々回用エリア504cと、前々々回ベース値の情報を記憶するための前々々回用エリア504dとが設けられている。
【2220】
ステップSh1906の実行後又はステップSh1901で否定判定した場合(入球が発生していない場合)は、ステップSh1907にて非特定制御用のワークエリア393に設けられた各種フラグ用エリア508(
図203)の管理開始フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。管理開始フラグは、算出したベース値を報知すべき状況であることをMPU312が特定するためのフラグである。
【2221】
管理開始フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSh1908に進み、計測区間用のアウトカウンタ501dの値が所定の管理開始基準値(例えば300個)に対応する値以上であるか否かを判定する。アウトカウンタ501dの値が管理開始基準値に対応する値以上である場合は、ステップSh1909に進み、管理開始フラグを「1」にセットする。これにより、算出したベース値が報知対象とされる。
【2222】
本実施の形態では、管理開始フラグが「0」クリアされた状態となるようにしてパチンコ機10が製造される。パチンコ機10の出荷段階などにおいては出荷前にパチンコ機10の動作チェックが行われることがあり、その際には各入球部に遊技球を手入れしてその後の動作がチェックされる。このような状況の下、パチンコ機10の製造後、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達するまでの期間においては、算出されたベース値を報知の対象外とすることで、上記手入れの影響を受けたベース値が報知されることを抑制できる。
【2223】
ステップSh1910では、ベース値用カウンタエリア501に設けられた各カウンタ501a~501dを全て「0」クリアする。その結果、それら各カウンタ501a~501dの値が初期化された状態で次回のベース値算出処理が開始されることになり、ステップSh1905では、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達する前の期間を対象外としてベース値が算出される。ステップSh1910の実行後又はステップSh1908で否定判定した場合(計測区間用のアウトカウンタ501dの値が管理開始基準値未満である場合)は、ベース値算出処理を終了する。
【2224】
ステップSh1907で肯定判定した場合(管理開始フラグが「1」である場合)は、ステップSh1911に進み、計測区間用のアウトカウンタ501dの値が計測区間を規定する所定個数(例えば60000個)に対応する値以上であるか否かを判定する。
【2225】
アウトカウンタ501dの値が所定個数に対応する値以上である場合は、ステップSh1912にてデータシフト処理を実行する。データシフト処理では、非特定制御用のワークエリア393の演算結果用エリア504における現状用エリア504a、前回用エリア504b、前々回用エリア504c、前々々回用エリア504dに記憶されたベース値の情報を、前々回用エリア504c→前々々回用エリア504d、前回用エリア504b→前々回用エリア504c、現状用エリア504a→前回用エリア504bの順序でシフトさせる。これにより、2回前の算出期間(計測区間)における最終的なベース値が3回前の算出期間における最終的なベース値として前々々回用エリア504dに記憶され、1回前の算出期間における最終的なベース値が2回前の算出期間における最終的なベース値として前々回用エリア504cに記憶され、現状の算出期間において最後に算出されたベース値が1回前の算出期間における最終的なベース値として前回用エリア504bに記憶される。
【2226】
ステップSh1913では、ベース値用カウンタエリア501に設けられた各カウンタ501a~501dを全て「0」クリアする。ステップSh1913の実行後又はステップSh1911で否定判定した場合(計測区間用のアウトカウンタ501dの値が所定個数未満である場合)は、ベース値算出処理を終了する。
【2227】
<超過判定用処理>
パチンコ機では、実遊技上での当選確率に関していずれは内部的に設定された当選確率に収束していくと考えられるものの、例えば、遊技者における1回の遊技や遊技ホールの1営業日という基準でみると、実遊技上の当選確率には大きなばらつきが生じているのが現状である。このため、遊技者から見たいわゆる勝ち分について遊技機設計者が想定しなかったレベルまで伸びてしまうことが起こり得る。このような場合、そのパチンコ機を遊技していた遊技者本人だけでなく、それを見ていた周囲の者まで過度に射幸心が煽られることになりかねない。
【2228】
このような事情を踏まえ、本実施の形態に係るパチンコ機10では、パチンコ機10自身が遊技履歴を参照して遊技者側から見たプラス分が予め定めた所定の範囲内に収まっているかを監視し、当該範囲を超える場合には遊技の進行を制限するようにしている。具体的には、当該プラス分の上限値(例えば99000個)を設定し、監視により把握される都度のプラス分が当該上限値を超えると、遊技の進行を制限する機能を発動させる構成となっている。ステップSh1804の超過判定用処理はその一環として実行されるものであり、以下、当該処理について
図204のフローチャートを参照しながら説明する。
【2229】
超過判定用処理では先ずステップSh2101にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過待機フラグが「1」に設定されているか否かを判定する。超過待機フラグについては後に詳述する。
【2230】
超過待機フラグが「1」に設定されていない場合はステップSh2102に進み、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。なお、この判定には、ベース値算出処理(
図202)におけるステップSh1901の判定結果を用いる。
【2231】
入球が発生している場合は、ステップSh2103にて、差球数用カウンタエリア502の各種カウンタの値を更新する。
図203に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、差球数の算出に対応するエリアとして差球数用カウンタエリア502が設けられており、この差球数用カウンタエリア502には、常時用の一般入賞カウンタ502aと、常時用の第1作動カウンタ502bと、常時用の第2作動カウンタ502cと、常時用の特電カウンタ502dと、常時用のアウトカウンタ502eとが含まれている。
【2232】
これらのカウンタのうち一般入賞カウンタ502a、第1作動カウンタ502b、第2作動カウンタ502c、特電カウンタ502dは、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63及び可変入賞装置65への遊技球の各入球個数を計測するためのカウンタである。また、アウトカウンタ502eは、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を計測するためのカウンタである。これらのカウンタ502a~502eは、遊技状態を問わず、所定の計測開始契機からの各入球を計測するものとなっている。本実施の形態では、遊技状態として通常遊技状態、時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)、開閉実行モードが存在するところ、上記各カウンタ502a~502eでは、これら全ての遊技状態を対象とした通算の入球個数が計測される。
【2233】
ステップSh2103では、上記各カウンタ502a~502eのうち、ステップSh2101で入球発生を判定した入球部に対応するカウンタの値を更新する。例えば、第1作動口62への入球が発生したと判定した場合は、第1作動カウンタ502bの値を1加算する。なお、アウトカウンタ502eについては、入球が発生した入球部の種別を問わず、入球が発生していれば、その値を1加算する。
【2234】
続くステップSh2104ではデータシフト処理を実行する。非特定制御用のワークエリア393には、後段のステップSh2105にて算出する差球数SBの情報を記憶するためのエリアとして差球数用エリア505が設けられている(
図203)。この差球数用エリア505には、
図206(a)に示すように、今回の差球数SBを記憶するための現状差球用エリア505aと、前回の差球数SBを記憶するための前回差球用エリア505bとが設けられている。ステップSh2104のデータシフト処理では、現状差球用エリア505aに記憶されている差球数SBの情報を前回差球用エリア505bにシフトさせる。これにより、前回の処理回で算出された差球数SBの情報が前回差球用エリア505bに記憶される。
【2235】
ステップSh2105では差球数SBの算出処理を実行する。当該処理では、差球数用カウンタエリア502における各カウンタ502a~502eの値を用いて差球数SBを算出する。常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eの値をK4~K8とした場合に差球数SBは以下のものとなる。
・差球数SB:遊技球の合計払出個数(K4×「一般入賞口61への入賞に対する賞球個数」+K5×「第1作動口62への入賞に対する賞球個数」+K6×「第2作動口63への入賞に対する賞球個数」+K7×「可変入賞装置65への入賞に対する賞球個数」)-遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K8)。
【2236】
この差球数SBは、上記プラス分(勝ち分)を計るための指標として導出されるものである。ステップSh2105では、差球数SBを算出した後、その差球数SBの情報を差球数用エリア505の現状差球用エリア505aに上書きする処理を実行する。これにより、現状差球用エリア505aに今回の差球数SBの情報が記憶される。なお、超過判定用処理は、タイマ割込み周期(
図187)の実行周期に対応して4msecごとに起動されるため、差球数用エリア505には、4msecごとの差球数の情報が都度更新されながら記憶されていく。
【2237】
前述の通り、本実施の形態では、都度のプラス分を予め定められた上限値としての停止用球数(例えば99000個)と比較し、その結果に基づいて遊技進行の制限を行うものとなっている。しかしながら、ステップSh2105で導出した上記差球数SBを当該比較にそのまま利用すると、遊技の中で生じたマイナス分(いわゆるハマリ分)の影響により、停止用球数に至るまでの残り球数が変動するものとなる。すなわち、上記差球数SBは、パチンコ機10に記憶されている差球数の情報がパチンコ機10の電源ON操作により初期化されて0個となり、それをスタート値として累積されていくものであるところ、例えば、差球数SBが0個に初期化された状態で遊技を開始した先の遊技者と、差球数SBが-20000個まで低下した状態から遊技を開始した後の遊技者とがいた場合、先の遊技者は、遊技開始の時点において、停止用球数(99000個)となるまでに許容される差球数SBの増加分が99000個であるのに対し、後の遊技者は、許容される差球数SBの増加分が119000個となる。つまり、後の遊技者の方がより多くの増加分を許容されることになり、遊技の公平性が損なわれるおそれがある。
【2238】
また、許容される増加分の相違は、前後の遊技者間に限らず、遊技ホールに設置された各パチンコ機10間でも生じる。この場合、遊技者は、より多くの増加分が許容されるパチンコ機10で遊技しようと考えるため、各パチンコ機10の稼働率にも影響を及ぼす懸念がある。
【2239】
このような事情を踏まえ、本実施の形態では、差球数SBが減少状態から増加状態に転じた場合の変化点CP(
図205)を把握するとともに、その変化点CPを開始基準値とする判定用差球数SAを算出し、これを停止用球数(例えば99000個)との比較に用いるようにしている。
【2240】
ステップSh2106では、上記変化点CPを把握するための最下点判定処理を実行する。なお、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505には、変化点CPに対応する開始基準値を記憶するためのエリアとして開始基準用エリア505cが設けられている。
【2241】
ここで、最下点判定処理について
図206(b)を参照しながら説明する。
【2242】
最下点判定処理では先ず前回差球用エリア505bに記憶されている前回の差球数SB2が、開始基準用エリア505cに記憶されている開始基準値よりも小さいか否かを判定する。開始基準用エリア505cの開始基準値は、パチンコ機10への電源投入により差球数の情報が初期化されてから前回の処理回の終了までの期間における各回で算出された差球数のうちの最小値であり、換言すれば、当該期間における最新の最下点である。
【2243】
そして、前回の差球数SB2がその時点での開始基準値よりも小さい場合は、現状差球用エリア505aに記憶されている今回の差球数SB1と、前回差球用エリア505bに記憶されている前回の差球数SB2とを比較し、今回の差球数SB1が前回の差球数SB2よりも大きいか否かを判定する。この判定により、前回の処理回にてそれまでの最下点よりも小さい差球数SBが取得された後、今回の処理回にて差球数SBが増加しているか否かを特定する。
【2244】
上記比較判定の結果、今回の差球数SB1が前回の差球数SB2よりも大きい場合、すなわち、差球数SBが増加している場合は、前回の差球数SB2を新たな最下点として認識する。一方、前回の差球数SB2がその時点での開始基準値より小さくても、今回の差球数SB1が前回の差球数SB2以下である場合は、前回の差球数SB2を新たな最下点として認識しない。
【2245】
超過判定用処理(
図204)の説明に戻り、ステップSh2106の最下点判定処理の実行後は、ステップSh2107にて開始基準値の更新処理を実行する。開始基準値の更新処理では、ステップSh2106の最下点判定処理にて前回の差球数SB2を新たな最下点として認識した場合に、前回差球用エリア505bに記憶されている情報を開始基準用エリア505cに上書きする処理を実行する。これにより、開始基準値が更新される。
【2246】
ステップSh2108では判定用差球数SAの算出処理を実行する。判定用差球数SAは開始基準値からの差球数であり、その算出処理では今回の差球数SB1から開始基準値を減算することにより判定用差球数SAを導出する。例えば、
図205に示すように、今回の差球数SBが12000個であり、開始基準値(変化点CP)が-20000個である場合、判定用差球数SAは32000個となる。
【2247】
図206(a)に示すように、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505には、判定用差球数SAを記憶するためのエリアとして判定差球用エリア505dが設けられている。ステップSh2108では、判定用差球数SAを導出した後、その判定用差球数SAの情報を判定差球用エリア505dに上書きする処理を実行する。
【2248】
続くステップSh2109では残り球数RSの算出処理を実行する。残り球数RSは、停止用球数(例えば99000個)までの残数であり、換言すれば、その後の遊技にて許容される差球数SBの増加分である。本ステップでは、ステップSh2108で算出した判定用差球数SAを停止用球数から差し引くことで、残り球数RSを導出する。例えば、判定用差球数SAが32000個であった場合、残り球数RSは67000個となる。
【2249】
図206(a)に示すように、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505には、残り球数RSを記憶するためのエリアとして残数用エリア505eが設けられている。ステップSh2109では、残り球数RSを導出した後、その残り球数RSの情報を残数用エリア505eに上書きする処理を実行する。
【2250】
ステップSh2110では、演出制御装置143への出力対象として残り球数コマンドを設定する。残り球数コマンドは、主制御装置162にて把握する残り球数が更新されたことを演出制御装置143に通知するものであり、残り球数コマンドには、ステップSh2109で導出した残り球数RSの情報が含まれる。
【2251】
ステップSh2111では、ステップSh2109で導出した残り球数RSが0個以下であるか否かを判定する。これにより、ステップSh2107で設定した開始基準値からの差球数の増加分(判定用差球数SA)が停止用球数に達したか否かを判定する。
【2252】
残り球数RSが0個以下である場合、すなわち、上記増加分が停止用球数に達している場合は、ステップSh2112に進み、開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。開閉実行モードの実行中でない場合は、ステップSh2113にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグに「1」をセットする。超過フラグは、残り球数RSが0個以下になったこと(上記増加分が停止用球数に達したこと)をMPU312が把握するためのものである。
【2253】
ステップSh2114では、演出制御装置143への出力対象として超過コマンドを設定する。超過コマンドは、残り球数RSが0個以下になったことを演出制御装置143に通知するためのものである。
【2254】
ステップSh2112で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSh2115に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過待機フラグに「1」をセットする。超過待機フラグは、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下になったことをMPU312が把握するためのものである。
【2255】
ステップSh2101で肯定判定した場合(超過待機フラグに「1」がセットされている場合)は、ステップSh2116に進み、開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。開閉実行モードの実行中でない場合、すなわち、開閉実行モードが終了した場合は、ステップSh2117に進み、上記超過フラグに「1」をセットする。また、ステップSh2117では上記超過待機フラグを「0」クリアする。続くステップSh2118では、演出制御装置143への出力対象として超過コマンドを設定する。
【2256】
ステップSh2114、ステップSh2115、ステップSh2118の実行後は超過判定用処理を終了する。また、ステップSh2116で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、開閉実行モードの終了を待機すべく、ステップSh2117及びステップSh2118の処理を実行せずに超過判定用処理を終了する。また、ステップSh2102で否定判定した場合(入球が発生していない場合)は、ステップSh2103以降の処理を実行せずに超過判定用処理を終了し、ステップSh2111で否定判定した場合(残り球数RSが0個以下でない場合)は、ステップSh2112以降の処理を実行せずに超過判定用処理を終了する。
【2257】
<表示設定用処理>
次にステップSh1805の表示設定用処理について
図207(a)のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は、ステップSh1803のベース値算出処理で導出したベース値やステップSh1804の超過判定用処理で導出した残り球数を表示により報知するための設定処理を行うものである。
【2258】
表示設定用処理では先ずステップSh2201にて、遊技停止中であるか否かを判定する。具体的には、主側RAM314における特定制御用のワークエリア391を参照し、遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
【2259】
遊技停止中でない場合は、ステップSh2202に進み、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける表示内容の切換タイミングであるか否かを判定する。本実施の形態では、ステップSh1803のベース値算出処理で導出したベース値と、ステップSh1804の超過判定用処理で導出した残り球数とをいずれも第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示するようにしている。また、これらの値の表示に際し、ベース値に関しては、
図181を参照して既に説明したように、現在のベース値である現状ベース値と、過去分である1回前の前回ベース値と、2回前の前々回ベース値と、3回前の前々々回ベース値とを所定期間(例えば5sec)ごとに順番に切り換えて表示し、残り球数に関しては、前々々回ベース値の表示が終了した後、残り球数を表示するようにしている。ステップSh2202の処理は、上記各表示の切り換えタイミングが到来したか否かを判定するものである。
【2260】
ステップSh2202で肯定判定した場合(切換タイミングである場合)は、ステップSh2203にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた表示種別カウンタ506(
図203)の更新処理を実行する。表示種別カウンタ506は、上記各種ベース値及び残り球数といった遊技履歴のうち現在の表示対象がいずれであるかをMPU312が特定するためのカウンタである。
【2261】
図207(b)に示すように、表示種別カウンタ506の値が「0」である場合は現状ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ506の値が「1」である場合は前回ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ506が「2」である場合は前々回ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ506が「3」である場合は前々々回ベース値が表示対象となる。また、表示種別カウンタ506が「4」である場合は残り球数が表示対象となる。表示種別カウンタ506の更新処理では、表示種別カウンタ506の値を1加算するとともに、加算後の値が「4」を超えた場合には表示種別カウンタ506の値を「0」に設定する。これにより、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて、上記切換タイミングごとに現状ベース値、前回ベース値、前々回ベース値、前々々回ベース値及び残り球数の表示が順次に変更されていく。
【2262】
なお、本実施の形態では、上記各値の表示を一定間隔で切り換えていくが、これに限定されるものではない。例えば、各ベース値のうち一部のベース値(例えば現状ベース値)の表示期間を他のベース値の表示期間と異ならせたり(例えば長くしたり)、残り球数の表示期間を各ベース値の表示期間と異ならせたり(例えば短くしたり)してもよい。
【2263】
ステップSh2203の実行後又はステップSh2202で否定判定した場合(切換タイミングでない場合)は、ステップSh2204にて、現在の表示対象を示す表示種別データの設定処理を実行する。
図203に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、現在の表示対象に対応するエリアとして表示対象用エリア507が設けられている。表示対象用エリア507には、表示対象となる遊技履歴の種別を示す種別データが記憶される種別用エリア507aと、表示対象となる遊技履歴の値を示す履歴データが記憶される履歴用エリア507bとが設けられている。ステップSh2204の表示種別データの設定処理では、表示種別カウンタ506の値に対応した遊技履歴の種別データを上記表示対象用エリア507の種別用エリア507aに設定する。例えば、表示種別カウンタ506の値が「2」である場合には、前々回ベース値に対応した種別データを種別用エリア507aに上書きする処理を実行する。
【2264】
ステップSh2205では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた管理開始フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。管理開始フラグが「1」にセットされ、各種ベース値及び残り球数を報知すべき状況である場合は、ステップSh2206にて履歴値データの設定処理を実行する。履歴値データの設定処理では、演算結果用エリア504の各エリア504a~504eのうち表示種別カウンタ506の値に対応したエリアからベース値又は残り球数の情報を読み出し、上記表示対象用エリア507の履歴用エリア507bに履歴データを設定する。例えば、表示種別カウンタ506の値が「2」である場合には、前々回ベース値の履歴データを前々回用エリア504cから読み出して履歴用エリア507bに上書きする処理を実行する。
【2265】
ステップSh2205で否定判定した場合(管理開始フラグが「1」にセットされていない場合)は、ステップSh2207にて、上記表示対象用エリア507の履歴用エリア507bに初期表示用データを設定する。初期表示用データは、パチンコ機10の製造後、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値(例えば300個)となるまでの間の表示内容を示すものである。初期表示用データは、例えば、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dにて「-」が点滅表示されるように設定される。
【2266】
ステップSh2201で肯定判定した場合(遊技停止中である場合)は、ステップSh2208に進み、残り球数に対応する表示種別データを上記表示対象用エリア507の種別用エリア507aに設定する。続くステップSh2209では、残り球数に対応する履歴データを上記表示対象用エリア507の履歴用エリア507bに設定する。すなわち、遊技停止中である場合は、第1~第5報知用表示装置169a~169eにて残り球数の表示が行われるように設定される。
【2267】
<報知用表示処理>
次にステップSh406の報知用表示処理について
図208のフローチャートを参照しながら説明する。報知用表示処理は、第1~第5報知用表示装置169a~169eへの表示出力を行うものであり、タイマ割込み処理(
図187)の一環として実行される。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【2268】
報知用表示処理では先ずステップSh2301にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定更新表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。設定更新表示フラグは、パチンコ機10の設定値を更新している状況、すなわち、設定値更新処理(
図185)を実行している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。
【2269】
設定更新表示フラグが「1」にセットされている場合は、ステップSh2302にて設定値更新用の表示データの設定処理を実行する。特定制御用のワークエリア391には、第1~第5報知用表示装置169a~169eに所定の表示を行わせるための表示データが格納される特定の表示データバッファが設けられており、第1~第5報知用表示装置169a~169eでは、当該特定の表示データバッファに格納された表示データに基づいてそれぞれの報知用表示装置169a~169eにおける各表示用セグメントの点灯/消灯が制御される。
【2270】
ステップSh2302では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて設定値が更新されている状況であることを示す表示及びパチンコ機10の現状の設定値を示す表示が行われるようにするための表示データを上記特定の表示データバッファに格納する。これにより、例えば、
図209(a)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bにおいて中央の表示用セグメントが点灯状態とされて「-」の表示が行われ、第3報知用表示装置169cにおいて設定値の更新状態であることに対応する「H」の表示が行われ、第4報知用表示装置169dにおいて設定値を示す数値の表示が行われる。なお、第5報知用表示装置169eは全ての表示用セグメントが消灯状態とされ、表示が行われていない状態とされる。
【2271】
ステップSh2301で否定判定した場合(設定更新表示フラグが「1」にセットされていない場合)は、ステップSh2303に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。設定確認表示フラグは、パチンコ機10の現在の設定値を確認している状況、すなわち、設定確認用処理(
図186)を実行している状況であることをMPU312にて特定するためのフラグである。
【2272】
設定確認表示フラグが「1」にセットされている場合は、ステップSh2304にて設定確認用の表示データの設定処理を実行する。設定確認用の表示データの設定処理では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて現在の設定値が確認されている状況及びパチンコ機10の現状の設定値を示す表示が行われるようにするための表示データを、特定制御用のワークエリア391における上記特定の表示データバッファに格納する。この場合は、例えば、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bにおいて設定値の更新状態の場合と同様の「-」の表示が行われ、第3報知用表示装置169cにおいて設定値の確認状態であることに対応する「C」の表示が行われ、第4報知用表示装置169dにおいて設定値を示す数値の表示が行われる。この場合も第5報知用表示装置169eは全ての表示用セグメントが消灯状態とされ、表示が行われていない状態とされる。
【2273】
ステップSh2303で否定判定した場合(確認表示フラグが「1」にセットされていない場合)は、設定値の更新状態と設定値の確認状態とのいずれでもないことを意味する。この場合は、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて上記各種ベース値や残り球数を表示すべく、ステップSh2305及びステップSh2306の処理を実行する。
【2274】
ステップSh2305では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた表示対象用エリア507を参照し、上記各種ベース値や残り球数のうちその時点で表示対象となっている遊技履歴の種別データ及び履歴データを把握する。そして、ステップSh2306では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて表示対象である遊技履歴の種別及び算出値を示す表示が行われるようにするための表示データを、特定制御用のワークエリア391における上記特定の表示データバッファに格納する。
【2275】
この際、現状ベース値が表示対象となっている状況では、例えば、
図209(b)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bからなる識別用表示部において現状ベース値に対応した「bL.」の表示が行われ、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dからなる比率用表示部において現状ベース値を示す2桁の数値表示が行われる。このうち識別用表示部での表示は、非特定制御用のワークエリア393の表示対象用エリア507における種別用エリア507aの参照結果に基づくものであり、比率用表示部での表示は、上記表示対象用エリア507における履歴用エリア507bの参照結果に基づくものである。
【2276】
また、残り球数が表示対象となっている状況では、例えば、
図209(c)に示すように、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて残り球数を示す5桁の数値表示が行われる。また、残り球数に対応する表示であることを示すべく、各報知用表示装置169a~169eにおけるドット部197に対応する表示用セグメントが点灯状態とされる。このうち第1~第5報知用表示装置169a~169eでの数値表示は、上記表示対象用エリア507における履歴用エリア507bの参照結果に基づくものであり、各報知用表示装置169a~169eにおけるドット部197の表示は、上記表示対象用エリア507における種別用エリア507aの参照結果に基づくものである。
【2277】
なお、パチンコ機10の製造後、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達する前の状況であり、初期表示用データが表示対象となっている場合は、例えば、
図209(d)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bからなる識別用表示部において種別用エリア507aの参照結果に基づく表示が行われるとともに、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dからなる比率用表示部において中央の表示用セグメントが点灯状態とされて「--」の表示が行われる。また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達した後の状況においてベース値が表示対象である場合は、識別用表示部での表示が連続した点灯状態でなされるが、初期表示用データが表示対象である場合は、識別用表示部での表示が点滅状態でなされ、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に到達していないことが示される。
【2278】
<遊技停止判定用処理>
次にステップSh407の遊技停止判定用処理について
図210のフローチャートを参照しながら説明する。遊技停止判定用処理は、遊技停止状態とするか否かを判定し、その結果に基づいて遊技停止状態への移行を行うものであり、タイマ割込み処理(
図187)の一環として実行される。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【2279】
遊技停止判定用処理では先ずステップSh2501にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。遊技停止フラグは、遊技停止中であることをMPU312が特定するためのものである。
【2280】
遊技停止フラグが「1」にセットされている場合は、そのまま遊技停止判定用処理を終了する。一方、遊技停止フラグが「1」にセットされていない場合、すなわち、遊技停止中でない場合は、ステップSh2502にて、ステップSh405(
図187)の不正検知処理により不正が検知されているか否かを判定する。不正が検知されている場合は、ステップSh2503に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。これにより、以後のタイマ割込み処理(
図187)では、ステップSh409~ステップSh419における遊技の進行を制御するための処理が実行されないものとなり(ステップSh408:YES)、遊技の進行が制限される。
【2281】
ステップSh2504では、可変入賞装置65及び普電役物63aを閉鎖状態とする閉鎖制御処理を実行する。これにより、可変入賞装置65又は普電役物63aが開放中である場合は強制的に閉鎖される。
【2282】
ステップSh2505では、電源及び発射制御装置191への発射許可信号をLOWレベルに切り換える発射停止処理を実行する。これにより、遊技球の発射が規制され、遊技者が遊技球発射ハンドル41を操作しても遊技球が発射されないものとなる。
【2283】
ステップSh2506では、払出制御装置181に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置222による遊技球の払出を停止させる。これにより、遊技球を不正に払い出させる行為が行われていた場合には、それ以上の遊技球の払い出しを即座に規制し、遊技ホールの損害が拡大することを抑制する。また、ステップSh2506では、演出制御装置143に対しても遊技停止コマンドを出力し、図柄表示装置75における演出表示等を停止させたり、遊技停止中であることの画像報知や音声報知を実行させたりする。
【2284】
ステップSh2507では、不正を検知したことや遊技停止状態に移行したことに対応した所定の外部信号を外部出力端子213から出力すべく、外部情報設定処理を実行する。これにより、上記所定の外部信号が遊技ホール側のホールコンピュータHCに出力され、パチンコ機10で異常が発生したことが通知される。ステップSh2507の実行後は遊技停止判定用処理を終了する。
【2285】
ステップSh2502で否定判定した場合(不正が検知されていない場合)は、ステップSh2508に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。超過フラグが「1」に設定されている場合、すなわち、残り球数RSが0個以下である場合(差球数の増加分が停止用球数に達している場合)は、ステップSh2509にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。この処理は、ステップSh2503と同様のものであり、これにより、遊技停止状態に移行する。すなわち、本実施の形態では、差球数が特定個数(停止用球数である99000個)以上になった場合には、遊技停止状態に移行し、その後の遊技の進行を制限するようにしている。
【2286】
なお、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合は、開閉実行モードが終了してから超過フラグが「1」にセットされるため(
図204のステップSh2112で肯定判定した場合の流れ、ステップSh2101で肯定判定した場合の流れ)、遊技停止状態への移行は開閉実行モードが終了してから行われることになる。つまり、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下になっても(差球数の増加分が停止用球数に達しても)、その開閉実行モードが途中で強制終了されることはない。
【2287】
開閉実行モードの終了に際して第1特図又は第2特図の保留情報が存在する場合があるが、前述のとおり、遊技停止状態ではタイマ割込み処理(
図187)のステップSh409~ステップSh419(遊技の進行を制御するための処理)が実行されないため、上記保留情報に対応する遊技回は実行されない。よって、それらの保留情報の中に大当たりに対応する保留情報が含まれていたとしても、当該大当たりに対応する開閉実行モードが行われることはない。
【2288】
ステップSh2510では、可変入賞装置65及び普電役物63aを閉鎖状態とする閉鎖制御処理を実行し、ステップSh2511では、電源及び発射制御装置191への発射許可信号をLOWレベルに切り換える発射停止処理を実行する。これらの処理はステップSh2504及びステップSh2505と同様のものである。
【2289】
続くステップSh2512では、演出制御装置143に対して遊技停止コマンドを出力する。これにより、遊技停止状態に移行したことを演出制御装置143に通知する。
【2290】
なお、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合は、払出制御装置181に遊技停止コマンドを出力して払出装置222からの遊技球の払い出しを規制するようにしたが(ステップSh2506)、残り球数RSが0個以下となったことに対応して遊技停止状態に移行した場合は、遊技停止コマンドを払出制御装置181に出力せず、払出装置222からの遊技球の払い出しを規制しない。また、タイマ割込み処理(
図187)においても、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合、すなわち、特定制御用のワークエリア391において遊技停止フラグが「1」にセットされ、超過フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSh417及びステップSh418の遊技球の払い出しを行うための処理を含め、ステップSh409~ステップSh419の処理を実行しないように制御するが(ステップSh421:NO)、残り球数RSが0個以下となったことに対応して遊技停止状態に移行する場合、すなわち、特定制御用のワークエリア391において遊技停止フラグ及び超過フラグの両方が「1」にセットされている場合は、実行しない処理の範囲をステップSh409~ステップSh416に留めて、ステップSh417及びステップSh418の遊技球の払い出しを行うための処理を実行するようにしている。このように本実施の形態では、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合は、不正が検知されたことに基づいて遊技停止状態に移行する場合とは異なり、遊技球の払い出しを許容するように構成されている。
【2291】
開閉実行モード中である場合など多くの賞球が発生する場合において、例えば、下皿34が遊技球で満タンとなる満タン状態のままで遊技していることがあると、当該満タン状態により払出装置222からの遊技球の払い出しを行うことができないまま、未払い出しの賞球個数が増加していくことになる。このような状況で残り球数RSが0個以下となり、遊技停止状態に移行した場合において、遊技球の払い出しを規制する構成とした場合には、当該遊技停止状態中に遊技者が下皿34から遊技球を抜いて満タン状態を解消しても、遊技球の払い出しが再開されず、賞球を得ることができなくなってしまうおそれがある。この点、遊技停止状態である状況で遊技球の払い出しが許容されていることで、満タン状態が解消されて払出装置222からの遊技球の払い出しが可能な状態となれば、未払い出しの賞球に対応した遊技球の払い出しを行わせることができる。
【2292】
また、本実施の形態では、残り球数RSが0個以下となったことに対応して遊技停止状態に移行した場合に、ステップSh417及びステップSh418の遊技球の払い出しを行うための処理だけでなく、遊技機外部に外部信号を出力するためのステップSh419の外部情報設定処理も実行するように構成されている。この場合、遊技停止状態において遊技球の払い出しが行われた場合に、それに対応する外部信号(賞球信号)を出力させることでき、遊技停止状態である状況で払い出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに適切に把握させることが可能になる。
【2293】
ステップSh2512の実行後はステップSh2513にて、残り球数RSが0個以下となったことに対応した所定の外部信号を外部出力端子213から出力すべく、外部情報設定処理を実行する。これにより、上記所定の外部信号が遊技ホール側のホールコンピュータHCに出力され、残り球数RSが0個以下となったことが通知される。
【2294】
この際、残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号として、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合と共通の外部信号を用いるとよい。具体的には、外部出力端子213において、不正が検知された場合に外部信号が出力される出力端子と同じ端子から、残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号が出力される構成とするとよい。これにより、新たな出力端子を増設したり、外部出力端子213を新設したりしなくても、残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号を出力することができ、構成の簡略化を図ることが可能になる。
【2295】
なお、上記の場合では、不正が検知されたのか、それとも残り球数RSが0個以下となったのかを遊技ホール側のホールコンピュータHCが外部信号から識別できないおそれがあるが、そのような場合でも、当該外部信号がホールコンピュータHCに出力され、遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の下に駆け付けることにより、上記いずれの場合であるのかを把握することができるため、運用上の支障はないものと考えられる。
【2296】
ステップSh2513の実行後又はステップSh2508で否定判定した場合(超過フラグが「1」にセットされていない場合)は、遊技停止判定用処理を終了する。
【2297】
<超過時立上げ用処理、部分クリア用処理>
次に、ステップSh114の超過時立上げ用処理と、ステップSh115の部分クリア用処理とについて説明する。これらの処理は、メイン処理(
図184)の一環として実行されるものであり、パチンコ機10の電源ON操作が行われてMPU312への動作電力の供給が開始された場合に実行されるものである。
【2298】
先ず、ステップSh114の超過時立上げ用処理について
図211(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【2299】
超過時立上げ用処理では先ずステップSh2601において、特定制御用のワークエリア391に設けられた超過フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。超過フラグに「1」がセットされている場合は、超過フラグに「1」がセットされた状態でMPU312の動作電力の供給が停止され、その後、当該動作電力の供給が再開されたことを意味する。このような状況としては、残り球数RSが0個以下(差球数が停止用球数以上)となり、外部信号が出力された場合において、パチンコ機10の下に駆け付けた遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の電源OFF操作を行い、その後、電源ON操作を行った場合が想定される。
【2300】
上記の際、MPU312の主側RAM314には電源及び発射制御装置191からのバックアップ電力が供給されるため、主側RAM314に記憶された情報は記憶保持される。このため、例えば、当否抽選モードが高確率モードである中で残り球数RSが0個以下となり、その状況でパチンコ機10の電源OFF→ON操作が行われた場合、主側RAM314において高確率モードであることを示すエリアが「1」となっている。
【2301】
ちなみに本実施の形態では、パチンコ機10への動作電力の供給が停止された場合において、主制御装置162の主側RAM314にはバックアップ電力が供給されるものの、払出制御装置181の払出側RAM384にはバックアップ電力が供給されない。このため、主側RAM314に記憶された情報は、パチンコ機10の電源OFF操作が行われても記憶保持されるのに対し、払出側RAM384に記載された情報は、パチンコ機10の電源OFF操作が行われることに伴い消去される。
【2302】
ステップSh2601で肯定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされている場合)は、ステップSh2602に進み、特定制御用のエリアについて第2初期化処理を実行する。第2初期化処理では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391においてパチンコ機10の設定状態を示す設定値の情報が設定されたエリア(設定値カウンタ)と、払出制御装置181(払出装置222)に賞球の払い出しを行わせるための賞球情報(少なくとも未払い出しの賞球個数に関する情報)が記憶されたエリアとを除き、当該特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。
【2303】
このように設定値のエリアと賞球情報のエリアとを除いて特定制御用のワークエリア391が「0」クリアされるため、例えば、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを示すエリアが「0」クリアされ、パチンコ機10への動作電力の供給が停止される直前における当否抽選モードに関係なく当否抽選モードは低確率モードとなる。また、遊技回が実行されていない状況となり、さらに普図用表示部44が変動表示されていない状況であって普電役物63aが閉鎖状態である状況となる。また、特定制御用のワークエリア391に設けられた保留格納エリア314a及び普電保留エリア314cも「0」クリアされるため、特図保留情報及び普図保留情報が消去される。
【2304】
その一方で、賞球情報についてはパチンコ機10への動作電力の供給が停止される直前の状態が引き継がれるため、未払い出しの賞球が残存している状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われても、その後、電源ON操作が行われた場合に、記憶保持された未払い出し分の賞球情報に基づいて賞球コマンドを払出制御装置181に出力することができる。
【2305】
よって、高確率モードの下で残り球数RSが0個以下となった場合において、未払い出しの賞球が残っている状況で遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の電源OFF操作を行った場合は、電源ON操作後の当否抽選モードを低確率モードとさせつつ、未払い出しの賞球については電源ON操作後において順次に遊技球を払い出させることができる。これにより、差球数の更なる増加を好適に抑制しながら、遊技者が本来得られるべき賞球を適切に払い出すことができる。
【2306】
なお、第2初期化処理では、ステップSh104(
図184)の第1初期化処理と同様に、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394を「0」クリアしない。すなわち、遊技ホールの従業員等によるクリア操作によっては、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394が「0」クリアされないようになっている。
【2307】
ステップSh2602の実行後は超過時立上げ処理を終了する。また、ステップSh2601で否定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされていない場合)は、ステップSh2602の処理を実行することなく、超過時立上げ処理を終了する。
【2308】
次に、ステップSh115の部分クリア用処理について説明する。部分クリア用処理は非特定制御用のワークエリア393に記憶された一部の情報について「0」クリアするための処理である。以下、部分クリア用処理について
図191(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、部分クリア用処理におけるステップSh2701~ステップSh2703の処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【2309】
部分クリア用処理では先ずステップSh2701にて、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図200)におけるステップSh1702と同様のものである。
【2310】
ステップSh2702では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている部分クリア用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、部分クリア用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示す部分クリア用処理のプログラムに復帰する。
【2311】
ステップSh2703では、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させ、その後、部分クリア用処理を終了する。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図200)におけるステップSh1704と同様のものである。
【2312】
ここで、ステップSh2702にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行される部分クリア用実行処理について、
図212のフローチャートを参照しながら説明する。
【2313】
ステップSh2801では、使用するスタックエリアを特定制御用のスタックエリア392から非特定制御用のスタックエリア394に切り換える。この処理は、ベース値及び差球数用実行処理(
図201)におけるステップSh1801と同様のものである。
【2314】
ステップSh2802では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち一部のレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393に退避させる。後のステップSh2803~ステップSh2806では、情報を退避させたそれらのレジスタを利用して処理を実行する。
【2315】
ステップSh2802の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSh2803~ステップSh2806のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理にあたっては先ずステップSh2803にて、差球数の情報をクリアする。具体的には、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用エリア505(
図203)を全て「0」クリアする。これにより、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた時点で差球数用エリア505に記憶されていた差球数の情報が消去される。
【2316】
ステップSh2803の実行後はステップSh2804にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e(
図203)を全て「0」クリアする。これにより、差球数の算出に利用する常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eについて、それらのカウント値が初期値(「0」)に変更される。
【2317】
ステップSh2805では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定し、「1」にセットされている場合には超過フラグを「0」クリアする(ステップSh2806)。
【2318】
このように本実施の形態では、パチンコ機10の電源ON操作が行われることに伴い、非特定制御用のワークエリア393において記憶されていた差球数の情報と、その算出に用いる遊技履歴の収集値(各入球部についての入球個数の計測値)と、残り球数RSが0個以下となったこと(差球数が停止用球数以上となったこと)に対応した情報とが消去される。よって、電源ON操作の後に遊技を行う遊技者は、差球数に関する情報について電源ON操作が行われる前の状態を引き継がずに遊技を始めることになる。
【2319】
なお、パチンコ機10の電源ON操作が行われても、非特定制御用のワークエリア393のうち差球数用エリア505及び差球数用カウンタエリア502以外の領域は「0」クリアしない。このため、演算結果用エリア504の各エリア504a~504dに記憶された現状ベース値及び各回ベース値の情報や、ベース値用カウンタエリア501における各カウンタ501a~501cの情報は消去されず、記憶されたままの状態となる。よって、電源ON操作の後に遊技を行う遊技者は、ベース値に関する情報について電源ON操作が行われる前の状態を引き継いで遊技を始めることになる。
【2320】
ステップSh2803~ステップSh2806の処理を実行した後は、ステップSh2807にて、使用するスタックエリアを非特定制御用のスタックエリア394から特定制御用のスタックエリア392に切り換える。続くステップSh2808では、ステップSh2802にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をMPU312の各レジスタに復帰させる。
【2321】
<差球数を利用した遊技制限の流れについて>
次に差球数を利用した遊技制限の流れについて
図213、
図214を参照しながら説明する。
【2322】
遊技者により遊技が行われている状況において、パチンコ機10では、主制御装置162のMPU312により、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68に対する入球判定を実行する(
図213(a))。具体的には、上記各入球部61~63,65,68に連通する排出通路部91~96(
図172)に設けられた入球検知センサ91a~96の出力を参照し、それら各入球部61~63,65,68について入球の有無を判定する。
【2323】
そして、上記各入球部61~63,65,68にて入球発生を判定した場合は、主側RAM314の非特定制御用のワークエリア393に設けられた常時用の一般入賞カウンタ502a、第1作動カウンタ502b、第2作動カウンタ502c、特電カウンタ502d、アウトカウンタ502eの値を更新する。これらのカウンタ502a~502eのうちカウンタ502a~502dは一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65にそれぞれ対応しており、それらの入球部61~63,65で入球が発生している場合は、対応するカウンタの値を1加算する。また、アウトカウンタ502eは、遊技領域PAから排出される遊技球の合計個数(総数)を計測する役割を果たしており、アウト口68も含めて上記各入球部61~63,65,68のいずれかで入球が発生している場合は、アウトカウンタ502eの値を1加算する。
【2324】
その後、MPU312では、上記各カウンタ502a~502eの更新結果を利用して差球数SBを算出する。差球数SBの算出にあたっては先ず、各カウンタ502a~502dの値(各入球部61~63,65の入球個数)と各入球部61~63,65の賞球数の情報とに基づき、遊技球の合計払出個数を算出する。そして、その合計払出個数からアウトカウンタ502eの値(遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数)を減算し、差球数SBを導出する。
【2325】
MPU312では、算出した差球数SBの情報を非特定制御用のワークエリア393に設けられた現状差球用エリア505aに記憶した後、差球数SBから開始基準値を減算して判定用差球数SAを導出する。
図213(b)のタイミングt1に示すように、例えば、算出した差球数SBが12000個であり、開始基準値が-20000個である場合は、判定用差球数SAとして32000個を導出する。なお、開始基準値は、パチンコ機10の電源ON操作により差球数が「0」クリアされてから今回の処理回の実行時までの期間における最低の差球数SBである。
【2326】
MPU312では、導出した判定用差球数SAの情報を非特定制御用のワークエリア393に設けられた判定差球用エリア505dに記憶した後、判定用差球数SAを停止用球数(例えば99000個)から減算し、停止用球数までの残数である残り球数RSを導出する。その後、導出した残り球数RSの情報を非特定制御用のワークエリア393に設けられた残数用エリア505eに記憶するとともに、残り球数RSが0個以下であるか否かを判定する。
【2327】
そして、残り球数RSが0個以下である場合、すなわち、判定用差球数SAが停止用球数に達している場合は、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグを「1」にセットする。このときの差球数SBは79000個である。
【2328】
ここで、主側RAM314には、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392と、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394とが設けられている。MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては情報の書き込みと情報の読み出しとの両方が可能である一方で、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に対しては情報の読み出しのみが可能とされ、情報の書き込みは不可とされている。そして、遊技の進行を制御するための処理は特定制御に対応する処理に含まれ、上記入球判定から超過判定までの各処理は非特定制御に対応する処理に含まれている。よって、上記入球判定から超過判定までの処理が実行されることにより、遊技の進行を制御するための処理にて利用される情報が書き換えられたり、誤って消去されてしまったりしないようにすることが可能となる。
【2329】
また、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して特定制御に対応する処理がMPU312にて実行される場合、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に対しては情報の書き込みと情報の読み出しとの両方が可能である一方で、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては情報の読み出しのみが可能とされ、情報の書き込みは不可とされている。よって、遊技の進行を制御するための処理の実行に際し、上記各カウンタ502a~502eの値や算出した差球数の情報等が書き換えられたり、誤って消去されてしまったりしないようにすることが可能となる。
【2330】
MPU312では、上記入球判定から超過判定までの各処理を、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(
図187)の一環として実行する。よって、上記周期により差球数SB、判定用差球数SA及び残り球数RSが定期的に算出されつつ、都度の残り球数RSが0個以下となったか否かが判定される。
【2331】
その際、都度の残り球数RSは、主制御装置162に設けられた第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示される。よって、遊技ホールの従業員がパチンコ機10にて管理される残り球数RSの確認を要する場合は、施錠装置55を解錠して内枠13をパチンコ機10の前方側に回動させることにより、それが可能となる。なお、第1~第5報知用表示装置169a~169eには、パチンコ機10にて算出、管理されるベース値も表示され、ベース値の表示と残り球数RSの表示とで第1~第5報知用表示装置169a~169eが兼用される。よって、それらの各表示に対して各別の表示装置を設ける必要がなく、構成の簡略化が実現されるほか、第1~第5報知用表示装置169a~169eの有効活用を図ることができる。
【2332】
また、都度の残り球数RSは主制御装置162から出力される残り球数コマンドを通じて演出制御装置143に通知される。演出制御装置143では、残り球数RSの報知画像が図柄表示装置75に表示されるように制御し、これにより、遊技者に対しても残り球数が報知される。
【2333】
例えば通常遊技状態のように払い出される遊技球の総数が少なく抑えられ、遊技球の合計払出個数よりも合計排出個数の方が上回る状況では差球数が減少することになり、開閉実行モードのように多量の遊技球が払い出され、遊技球の合計排出個数よりも合計払出個数の方が上回る状況では差球数が増加することになる。このような状況の下、想定以上に大当たりが繰り返されるなどし、差球数が大幅に増加して停止用球数に到達すると(
図213(b)のタイミングt2)、MPU312では、前述のとおり超過フラグを「1」にセットし、遊技の進行を不可とする遊技停止状態に移行させる。
【2334】
大当たり当選確率は設定値ごとに一義的に定められているものの、実遊技上の当選確率にはばらつきが生じるため、遊技機設計者の想定を超えて出玉数が伸びることがあり、射幸性の高まりが懸念される。この点、本実施の形態では、都度の残り球数RSを監視し、これが0個以下となることにより、遊技停止状態に移行して遊技継続を不可とするため、賞球を伴う各入球部61~63,65への入球が更に発生することを抑制できる。よって、遊技者が獲得する遊技球の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【2335】
遊技停止状態では、可変入賞装置65及び普電役物63aの閉鎖制御処理を実行してこれらを強制的に閉鎖状態とするとともに、遊技球発射機構110による遊技球の発射を不可とする発射停止処理を実行する。また、特図用表示部43や普図用表示部44にて遊技回の実行中である場合は、それらの進行を制御するための処理を中断することで、それら各遊技回が中止されるようにする。
【2336】
また、MPU312では、演出制御装置143に対して超過コマンドを出力し、残り球数RSが0個以下となったことを演出制御装置143に通知する。残り球数RSが0個以下となったことに対応した報知画像や、例えば「係員を呼んで下さい」などの呼び出しを求める報知画像が図柄表示装置75に表示されるように制御する。なお、残り球数RSが0個以下となって遊技停止状態に移行した場合、MPU312からは遊技停止コマンドが送信されるため、演出制御装置143では、図柄表示装置75における演出表示等を停止させたり、遊技停止中であることの画像報知や音声報知を実行させたりする。
【2337】
さらにまた、MPU312では、外部出力端子213を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHCに対し所定の外部信号を出力する。この際、外部出力端子213において、不正が検知された場合に外部信号が出力される出力端子と同じ端子から、上記外部信号が出力されるようにする。この場合、当該外部信号をパチンコ機10にて何等かの異常が発生したことを通知する信号として機能させ、ホール従業員がパチンコ機10の下に駆け付けるように促す。このように、残り球数RSが0個以下となった場合と不正が検知された場合とで外部出力用の同一端子を兼用して外部信号を出力することで、新たな出力端子を増設しなくても残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号を出力することができ、さらには遊技ホールにおいても既存の設備(データカウンタ等の外部信号の受信機器)を利用して当該外部信号を受信することができる。
【2338】
なお、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合は、払出制御装置181に遊技停止コマンドを出力しない。すなわち、払出装置222を駆動して遊技球の払い出しを行わせるための制御処理を継続させ、遊技停止状態中での遊技球の払い出しを許容する。これにより、払い出しの途中で遊技停止状態に移行した場合でも、遊技球の払い出しが完了するまで払出処理が行われるものとなり、遊技者が本来得られるべき賞球を適切に払い出すことができる。
【2339】
また、残り球数RSが0個以下となった場合は、遊技停止状態下での外部信号の出力を許容しながら遊技停止状態への移行を行い、遊技停止状態で遊技球の払い出しが行われた場合の外部信号(賞球信号)の出力を可能とする。これにより、遊技停止中での払い出しの発生やその個数をホールコンピュータHCに通知することができ、遊技停止状態下で払い出しが実行され得る構成であっても、ホールコンピュータHCが管理する払出個数と実際に払い出された個数とを好適に整合させることが可能になる。
【2340】
ちなみに遊技停止状態には、残り球数RSが0個以下となった場合のほか、磁気や振動等の異常を検知した場合も移行する(
図214(a))。この場合は、払出制御装置181に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置222による遊技球の払出を停止させる。これにより、遊技球を不正に払い出させる行為が行われていた場合には、それ以上の遊技球の払い出しを即座に規制し、遊技ホールの損害が拡大することを抑制する。
【2341】
また、磁気や振動等の異常を検知した場合は外部信号の出力も規制する。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、遊技停止中の外部出力の出力を許容する構成としてもよい。
【2342】
残り球数RSが0個以下となり上記所定の外部信号が出力された後、パチンコ機10の下に駆け付けたホール従業員によって、パチンコ機10の電源OFF操作が行われてMPU312への動作電力の供給が停止されると、MPU312では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットし、さらに特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392を対象としてチェックサムの算出及び保存を行う。動作電力の供給が停止されている間は、電源及び発射制御装置191からバックアップ電力を主側RAM314に供給し、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392に記憶された情報と非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394とに記憶された情報とを保持する。
【2343】
その後、ホール従業員により、リセットボタン166cが押圧操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われ、その状態でMPU312に動作電力の供給が開始されると、MPU312では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出し、これと電源遮断時に保存したチェックサムとが一致するか否かを判定する。
【2344】
それらが一致する場合は記憶保持した情報を有効なものであると認識し、その後、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされている否かを判定する。超過フラグが「1」にセットされている場合は、残り球数RSが0個以下となっている状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われたことを意味する。この場合は、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392について第2初期化処理を実行する。第2初期化処理では、パチンコ機10における現在の設定値の情報が記憶されたエリアと、払出制御装置181(払出装置222)に賞球の払い出しを行わせるための賞球情報が記憶されたエリアとを除き、特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする(
図214(b))。
【2345】
上記クリア処理により特定制御用のワークエリア391の情報が消去されることで、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグが「0」クリアされ、遊技停状態が解除される。また、抽選モードが低確率モードとされるとともに、開閉実行モードや遊技回が実行されておらず、さらには特図保留情報及び普図保留情報が消去された状態となる。よって、例えば、高確モードにて大当たりが連荘している途中で残り球数RSが0個以下となった場合は、その連荘状態が解除され、当否抽選モードが低確率モードに変更された上で遊技の再開が行われることになる。
【2346】
また、第2初期化処理では、賞球情報をクリア処理の対象外とし、電源遮断時における賞球情報の状態が電源投入後においても引き継がれる。このため、未払い出しの賞球が残存している状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われることがあっても、その後、電源ON操作が行われることで、続きの払い出しを行わせることができる。
【2347】
上記第2初期化処理の後、MPU312では非特定制御用のワークエリア393について部分クリア用処理を実行する。部分クリア用処理では、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505に記憶された差球数の情報を消去し、さらに、上記ワークエリア393において各入球部61~63,65,68への遊技球の入球履歴を収集するために設けられた各カウンタ502a~502eの値を初期化する。このため、残り球数RSが0個以下となった状態でホール従業員によりパチンコ機10が再起動された場合は、差球数の超過状態が解除され且つ差球数の計測が初期状態から開始される状態でパチンコ機10が立ち上がる。
【2348】
なお、残り球数RSが1個以上の状態であり、超過フラグが「1」にセットされていない状態で、リセットボタン166cが押圧操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合は、上記第2初期化処理を実行せず、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392について動作電力の供給が停止されたときに記憶されていた情報がそのまま保持された状態とする。
【2349】
その一方で、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては部分用クリア処理を実行し、差球数の情報を消去するとともに、各カウンタ502a~502eの値や超過フラグの状態を初期化する。これにより、遊技ホールの閉店に伴うパチンコ機10の電源OFF操作と、翌日の開店に伴うパチンコ機10の電源ON操作とが行われるだけで、前日の遊技により更新された各カウンタ502a~502eの値を初期化させたり、差球数の情報を消去させたりすることができる。
【2350】
例えば、各カウンタ502a~502eの初期化や差球数の情報の消去に、リセットボタン166cを押圧操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うリセット操作を要する場合は、遊技ホールに設置された各パチンコ機について1台ずつリセット操作を行わなければならず、開店準備に際してのホール従業員の手間が大幅に増大するおそれがある。この点、上記構成であることで、そのような手間を無くすことができ、ホール従業員の作業負担を軽くすることができる。特に遊技ホールでは島設備に複数台のパチンコ機10が設置され、島設備の電源を投入することで当該島設備に設置された複数台のパチンコ機10の電源を一括して投入することが可能であるため、島設備の電源ON操作により、差球数の情報の消去等を複数台のパチンコ機10に対してまとめて行うことができ、遊技ホールでの開店準備の手間を好適に削減することが可能になる。
【2351】
上記のように電源ON操作する場合において、設定キー挿入部166aがオン操作の位置とされていた場合は、設定確認状態に移行する。設定確認状態では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにて設定値の表示を行う。
【2352】
また、残り球数RSが1個以上の状態であり、超過フラグが「1」にセットされていない状態で、リセットボタン166cが押圧操作されながらパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合は、上記第1初期化処理を実行する。第1初期化処理では、パチンコ機10における現在の設定値の情報が記憶されたエリアを除き、特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。また、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394について部分用クリア処理を実行し、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505に記憶された差球数の情報を消去するとともに、各カウンタ502a~502eの値や超過フラグの状態を初期化する。
【2353】
上記の際、設定キー挿入部166aがオン操作の位置とされた状態で電源ON操作が行われた場合は、第1初期化処理を実行した後、パチンコ機10の設定状態を変更することが可能な設定更新状態に移行する。設定更新状態では、更新ボタン166bを押圧操作することで「設定1」~「設定6」の範囲で設定値を切り換えることができる。この際、第1~第5報知用表示装置169a~169eにて設定値の表示を行う。なお、更新ボタン166bを備えず、リセットボタン166cを操作することにより設定値の切り換えを行うことが可能な構成としてもよい。
【2354】
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、
図215のブロック図を参照して以下に説明する。
【2355】
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したサブ側ROM343と、そのサブ側ROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるサブ側RAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【2356】
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、変動用コマンド、種別コマンドといった遊技回制御用コマンドや、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
【2357】
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
【2358】
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
【2359】
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
【2360】
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
【2361】
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
【2362】
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
【2363】
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
【2364】
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
【2365】
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
【2366】
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
【2367】
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
【2368】
<演出設定処理>
演出設定処理について
図216のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
【2369】
先ずステップSh3101ではコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、主制御装置162から送信されたコマンドを解析し、その結果に対応した処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。
【2370】
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のサブ側RAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
【2371】
ステップSh3102では、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
【2372】
ステップSh3103では、開閉実行モード中の演出を行うための開閉実行モード用処理を実行する。開閉実行モード用処理では、開閉実行モード中のラウンド演出のほか、オープニング演出やエンディング演出、可変入賞装置65への入賞が発生した場合の入賞時演出等を行うための処理を実行する。
【2373】
ステップSh3104では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
【2374】
<特図変動表示用処理>
ステップSh3102の特図変動表示用処理について
図217のフローチャートを参照しながら説明する。
【2375】
特図変動表示用処理では先ずステップSh3201にて、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。特図遊技回の実行中でない場合は、ステップSh3202に進み、主制御装置162から変動用コマンド(
図189のステップSh610)を受信しているか否かを判定する。この判定は、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアに変動用コマンドが格納されているか否かを判定することで行う。
【2376】
変動用コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動用処理を終了する。一方、変動用コマンドを受信している場合は、図柄表示装置75での遊技回演出(各図柄列Z1~Z3の変動表示等)を開始すべく、ステップSh3203の変動開始用処理を実行し、その後、特図変動用処理を終了する。ここで、ステップSh3203の変動開始用処理について
図218のフローチャートを参照して説明する。
【2377】
変動開始用処理では先ずステップSh3301にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから変動表示時間の情報(変動パターン情報)を特定する。なお、主制御装置162では、大当たり用の変動パターン情報と外れ用の変動パターン情報とが各別に設定されるため、演出制御装置143では、変動用コマンドを解析して変動パターン情報を特定することで、大当たりの有無を把握することができる。その結果、今回の特図遊技回が大当たり結果である場合は、主制御装置162から送信される種別コマンドに基づき、大当たり種別の情報を特定する。また、ステップSh3301では、特定した変動表示時間の情報(変動パターン情報)からリーチ発生の有無を特定する。
【2378】
ステップSh3302では、ステップSh3301にて把握した情報に基づいて、今回の特図遊技回の当否抽選結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合は、ステップSh3303に進み、大当たり用の停止結果設定処理を実行する。本ステップでは、上記ステップSh3301で把握した大当たり種別の情報に基づき、図柄表示装置75にて変動表示される図柄列Z1~Z3の停止結果を設定する。例えば、把握した大当たり種別が確変大当たり結果である場合は、図柄列Z1~Z3において同一の特定図柄の組み合わせが停止表示されるように上記停止結果を設定する。
【2379】
ステップSh3304では、大当たり用の演出設定処理を実行する。大当たり用の演出設定処理では、今回実行する遊技回の変動表示時間を参照し、ノーマルリーチやスーパーリーチ等の当たり用の演出パターンを設定する処理を実行する。
【2380】
ステップSh3302で否定判定した場合(大当たり結果でない場合)は、今回の特図遊技回の当否抽選結果が外れ結果であることを意味する。この場合はステップSh3305に進み、今回の特図遊技回にてリーチが発生する場合はステップSh3306に進み、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果設定処理では、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を今回の停止結果として設定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
【2381】
ステップSh3307では、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。当該処理では、今回実行する遊技回の変動表示時間を参照し、ノーマルリーチやスーパーリーチ等の外れリーチ用の演出パターンを設定する処理を実行する。
【2382】
ステップSh3305で否定判定した場合(リーチが発生しない場合)は、ステップSh3308に進み、完全外れ用の停止結果設定処理を実行する。完全外れ用の停止結果設定処理では、いずれの有効ラインL1~L5上にも当たり結果に対応する図柄組合せを停止させず、また外れリーチ図柄の組合せも停止させないように、今回の停止結果を設定する。続くステップSh3309では、リーチ非発生の完全外れ用の演出パターンを設定する完全外れ用の演出設定処理を実行する。
【2383】
ステップSh3304、ステップSh3307又はステップSh3309の処理を実行した後は、ステップSh3310に進み、上記決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止図柄コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置350へ出力する処理を実行する。表示制御装置350では、受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、ステップSh3304、ステップSh3307又はステップSh3309で設定された遊技回用演出が実行されるように図柄表示装置75を制御する。
【2384】
ステップSh3311では遊技回演出の開始処理を実行する。遊技回演出の開始処理では、上記決定した演出パターンに基づいてスピーカ部29を駆動制御する。ステップSh3311の実行後は変動開始用処理を終了する。
【2385】
特図変動表示用処理(
図217)の説明に戻り、ステップSh3201で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSh3204に進み、変動表示時間が経過したか否かを判定する。この判定は、特図遊技回を開始(又は変動用コマンドを受信)してからの経過時間をMPU342で計測(把握)し、当該経過時間が上記ステップSh3301で特定した変動表示時間に達したか否かを判定することにより行う。
【2386】
変動表示時間が経過していない場合は、ステップSh3205にて変動中用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
【2387】
ステップSh3204で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSh3206にて変動終了用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSh3206では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
【2388】
<コマンド対応処理>
ステップSh3101のコマンド対応処理について
図219のフローチャートを参照しながら説明する。
【2389】
コマンド対応処理では先ずステップSh3401にて、主制御装置162からの残り球数コマンド(
図204のステップSh2110)を受信しているか否かを判定する。残り球数コマンドは、主制御装置162にて残り球数RS(停止用球数である99000個までの残り球数)が更新された場合に送信されるものであり、残り球数コマンドには上記残り球数RSの情報が含まれる。
【2390】
残り球数コマンドを受信している場合は、ステップSh3402にて第1停止予告用処理を実行する。前述のとおり、本実施の形態では、残り球数RSが0個以下になることに基づいて遊技停止状態に移行するところ、ステップSh3402の第1停止予告用処理では、主制御装置162側で更新される都度の残り球数RSを参照し、遊技停止状態への移行を事前報知するための処理を実行する。
【2391】
ここで、ステップSh3402の第1停止予告用処理について
図220のフローチャートを参照しながら説明する。
【2392】
第1停止予告用処理では先ずステップSh3501にて、サブ側RAM344に設けられた第2停止予告フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第2停止予告フラグは第2停止予告用報知の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。第2停止予告用報知は、遊技停止状態への移行を予告する報知の一種であるが、その詳細については後述する。
【2393】
第2停止予告フラグに「1」がセットされている場合、すなわち、第2停止予告用報知の実行中である場合は、そのまま第1停止予告用処理を終了する。一方、第2停止予告フラグに「1」がセットされていない場合(第2停止予告用報知の実行中でない場合)は、ステップSh3502に進み、受信した残り球数コマンドに基づいて現在の残り球数RSを把握する。また、ステップSh3502では、把握した現在の残り球数RSの情報をサブ側RAM344に設けられた差球数用エリア344dに記憶する。
【2394】
続くステップSh3503では、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1停止予告フラグは、第1停止予告用報知の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。第1停止予告用報知は、遊技停止状態への移行を予告する報知の一種であるが、その詳細については後述する。
【2395】
第1停止予告フラグに「1」がセットされていない場合、すなわち、第1停止予告用報知の実行中でない場合は、ステップSh3504に進み、ステップSh3502で把握した残り球数RSが報知開始球数以下であるか否かを判定する。報知開始球数は、第1停止予告用報知を開始するか否かを振り分けるための基準値として予め定められるものであり、例えば14000個に設定されている。
【2396】
残り球数RSが報知開始球数(14000個)以下である場合は、ステップSh3505にて現在の当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。現在の当否抽選モードが高確率モードでない場合、すなわち、低確率モードである場合は、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモードの状態)、時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態)又は開閉実行モード中であることを意味する。この場合は、ステップSh3506に進み、開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。
【2397】
開閉実行モード中である場合は、ステップSh3507に進み、実行中の開閉実行モードが確変大当たり結果に基づくものであるか否かを判定する。すなわち、開閉実行モードが終了した後、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモードの状態)に移行する状況であるか否かを判定する。
【2398】
ステップSh3505で肯定判定した場合(高確率モード中である場合)又はステップSh3507で肯定判定した場合(確変大当たり結果であり、開閉実行モードの終了後に高確遊技状態に移行する場合)は、ステップSh3508に進み、第1停止予告用報知を開始するための開始設定処理を実行する。ここで、第1停止予告用報知について
図221を参照しながら説明する。
【2399】
第1停止予告用報知は、差球数の増加(出玉の獲得)が継続した場合に遊技停止状態に移行する可能性があることを報知するものであり、換言すれば、遊技停止状態への移行に先立って当該移行の実施を事前報知するものである。第1停止予告用報知では、遊技停止状態に移行するまでの残り球数(許容される増加分)を遊技者が認識できる態様で遊技停止状態への移行示唆が行われる。第1停止予告用報知は、例えば、図柄表示装置75の表示画面Gにて実行され、その際、表示画面Gには、
図221(a)、(b)に示すように、例えば、「この台は、あと約13000発の獲得で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像901が表示される。
【2400】
このメッセージ画像901は遊技停止状態に移行するまで継続して表示される。その際、実際の残り球数(残り球数RS)の変化に応じて表示上の残り球数がリアルタイムに変化するのではなく、所定の更新タイミングが到来する都度、表示上の残り球数が変化するようにしてメッセージ画像901が表示される。つまり、メッセージ画像901により残り球数として約13000個が報知された後は、更新タイミングが到来するまで当該個数が継続して報知される。
【2401】
また、メッセージ画像901にて示される残り球数は、その報知開始時点において実際の残り球数(残り球数RS)よりも少ない数とされる。例えば、残り球数RSが14000個以下となったことを契機として表示されるメッセージ画像901では、上記のとおり残り球数として13000個が報知される。
【2402】
高確遊技状態である状況で残り球数RSが報知開始球数以下となった場合(ステップSh3505で肯定判定した場合)、ステップSh3508の開始設定処理では、第1停止予告用報知が特図遊技回の開始に合わせて開始されるように設定する。残り球数RSは、作動口62,63や一般入賞口61等への入賞発生を契機として更新されるため(
図204)、特図遊技回とは非同期に変化し、特図遊技回の途中で報知開始球数以下の球数に変化する場合が多いが、第1停止予告用報知の開始は、次の特図遊技回の開始を待って行う。すなわち、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回の終了後、その次の特図遊技回が開始されるタイミングに合わせて第1停止予告用報知が開始されるように設定する。
【2403】
このように、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回では第1停止予告用報知を開始せず、次の特図遊技回にて第1停止予告用報知を開始する構成とすることで、遊技者が特図遊技回での図柄遊技に注目している状況で第1停止予告用報知が開始されることが抑制される。これにより、遊技者が図柄遊技に注目していることで第1停止予告用報知を見落としたり、逆に第1停止予告用報知の開始に気を取られて図柄遊技への注目度が低下したりすることを抑制できる。
【2404】
なお、第1停止予告用報知の開始は、必ずしも特図遊技回の開始と同時である必要はなく、次の特図遊技回における変動表示開始タイミングから所定期間(例えば0.5sec)の経過後の所定タイミングにて行われてもよい。その際、図柄列Z1~Z3の全てが変動表示されている状況(好ましくは高速変動されている状況)で第1停止予告用報知が開始されるとよい。全ての図柄列Z1~Z3が変動表示中である場合は、それら図柄列を構成する各図柄の視認性が低い状態にあると想定されるため、そのような状況下であれば第1停止予告用報知を開始しても、図柄遊技への注目度が低下したり、第1停止予告用報知の見落としが生じたりする可能性を低く抑えられると考えられるためである。
【2405】
特図遊技回が実行される中での第1停止予告用報知は、例えば、
図221(a)に示すように、表示画面Gの右上隅部にメッセージ画像901が表示されるようにして行われる。この際、メッセージ画像901の表示領域と図柄列Z1~Z3の変動表示領域とを重複させつつ、図柄列Z1~Z3よりも奥側にメッセージ画像901が表示されるように設定される。
【2406】
このため、メッセージ画像901が表示されている状態で図柄列Z1~Z3が変動表示される場合は、メッセージ画像901の手前側を図柄列Z1~Z3が通過するように表示される。これにより、メッセージ画像901により図柄列Z1~Z3の表示領域が狭められたり、図柄列Z1~Z3が隠されたりすることを抑制しながら、メッセージ画像901の表示領域を好適に確保することができる。
【2407】
また、表示画面Gの下部では保留表示部200が表示されるが、メッセージ画像901の表示に際しては、メッセージ画像901が保留表示部200と重なることがないように、メッセージ画像901の表示サイズや表示位置が設定される。このように保留表示部200との重なりを避けてメッセージ画像901を表示することで、メッセージ画像901により保留表示部200の視認性が低下したり、逆に保留表示部200によりメッセージ画像901の視認性が低下したりすることを抑制できる。
【2408】
開閉実行モード中である状況で残り球数RSが報知開始球数以下となった場合(ステップSh3507で肯定判定した場合)、ステップSh3508の開始設定処理では、可変入賞装置65が閉鎖されている状況で第1停止予告用報知が開始されるように設定する。具体的には、
図221(c)に示すように、開閉実行モードのエンディング期間においてメッセージ画像901の表示が開始されるようにする。
【2409】
このため、開閉実行モードでのラウンド遊技において、開放状態とされている可変入賞装置65に遊技球が入賞し、それに伴って残り球数RSが報知開始球数以下となった場合は、そのラウンド遊技にて直ちにメッセージ画像901が表示されるのではなく、エンディング期間になるのを待ってメッセージ画像901が表示されることになる。このような構成であることで、可変入賞装置65への入賞が生じ得る状況でメッセージ画像901が表示されることが抑制され、遊技者が可変入賞装置65への入賞を果たすことに集中しやすい構成とすることができる。
【2410】
なお、残り球数RSが報知開始球数に到達しない開閉実行モードのエンディング期間において、所定のエンディング用報知(遊技球の払い出し総数や連荘回数等の遊技実績の表示、開閉実行モードの終了を遊技者が認識可能なキャラクタ画像や背景画像の表示等)を実行するパチンコ機にあっては、エンディング期間にてメッセージ画像901を表示する場合、上記所定のエンディング用報知を開始してからメッセージ画像901の表示を開始するとよい。この場合、遊技者に対し、普段から行われる所定のエンディング用報知により開閉実行モードが終了したことを認識させてからメッセージ画像901による第1停止予告用報知を開始することができ、遊技者を心理的に落ち着かせた状態でメッセージ画像901を見せることが可能になる。
【2411】
上記の際、所定のエンディング用報知の実行中にメッセージ画像901の表示が開始されてもよいし、所定のエンディング用報知の終了後にメッセージ画像901の表示が開始されてもよい。また、メッセージ画像901の表示期間を確保すべく、残り球数RSが報知開始球数に到達した場合の開閉実行モードのエンディング期間を、残り球数RSが報知開始球数に到達しない場合の開閉実行モードのエンディング期間よりも長くしてもよい。
【2412】
また、エンディング期間にてメッセージ画像901を表示する場合において、その表示位置は特に限定されるものではないが、例えば、高確遊技状態の場合と同様に表示画面Gの右上隅部に設定することができる。この際、所定のエンディング用報知とメッセージ画像901の表示とを重複して実行する場合は、エンディング用報知に対応した画像よりも手前側にメッセージ画像901が表示されるようにすることが好ましい。これにより、メッセージ画像901の視認性を高めることができる。
【2413】
ステップSh3508の第1停止予告用報知の開始設定処理を実行した後は、ステップSh3509にて、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグに「1」をセットし、その後、第1停止予告用処理を終了する。また、ステップSh3504で否定判定した場合(残り球数RSが報知開始球数に達していない場合)、ステップSh3506で否定判定した場合(開閉実行モード中でない場合)、ステップSh3507で否定判定した場合(確変大当たりでない場合)は、第1停止予告用報知を開始しないとして、ステップSh3508及びステップSh3509の処理を実行することなく第1停止予告用処理を終了する。
【2414】
ステップSh3503で肯定判定した場合(第1停止予告フラグに「1」がセットされており、第1停止予告用報知の実行中である場合)は、ステップSh3510に進み、高確率モード中又は開閉実行モード中であるか否かを判定する。高確率モード中又は開閉実行モード中のいずれでもない場合は、ステップSh3511にて、ステップSh3502で把握した残り球数RSが報知終了球数以上であるか否かを判定する。報知終了球数は、実行中の第1停止予告用報知を終了するか否かを振り分けるための基準値として予め定められるものであり、例えば、報知開始球数と同様に14000個に設定されている。
【2415】
ステップSh3510で肯定判定した場合(高確率モード中又は開閉実行モード中である場合)又はステップSh3511で否定判定した場合(残り球数RSが報知終了球数に達してない場合)は、第1停止予告用報知の実行を継続する。この場合は、ステップSh3512に進み、第1停止予告用報知の更新タイミングであるか否かを判定する。
【2416】
第1停止予告用報知の更新タイミングである場合は、ステップSh3513にて第1停止予告用報知の更新処理を実行する。当該更新処理では、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)にて示されている残り球数を更新するための設定処理を行う。ここで、第1停止予告用報知の更新内容及び更新タイミングについて
図222を参照しながら説明する。
【2417】
第1停止予告用報知の更新は、残り球数RSに応じて更新単位(更新間隔)が変化するようにして行われる。具体的には、残り球数RSが14000個以下となることに基づいて第1停止予告用報知が開始された後、残り球数RSが12000個以下、10000個以下、9000個以下、8000個以下・・・3000個以下、2000個以下、1000個以下、900個以下、800個以下・・・200個以下、100個以下となるタイミングで第1停止予告用報知が更新されるものとなっている。すなわち、残り球数RSが14000個から10000個までの範囲では2000個単位で更新タイミングが到来し、残り球数RSが10000個から1000個までの範囲では1000個単位で更新タイミングが到来し、残り球数RSが1000個から100個までの範囲では100個単位で更新タイミングが到来するように設定されている。つまり、残り球数RSが少なくなるほど更新単位が小さく(更新間隔が短く)なるように構成されている。
【2418】
また、更新タイミングでの第1停止予告用報知の更新結果は、当該第1停止予告用報知が開始される場合と同様に、更新時点において実際の残り球数RSよりも少ない数とされる。例えば、残り球数RSが100個以下となったことを契機として第1停止予告用報知が更新される場合は、「この台は、あと50発の獲得で遊技停止します。」の文字表示が行われるように第1停止予告用報知(メッセージ画像901)が更新される。
【2419】
このような構成とすることで、遊技停止状態への移行時点での獲得球数が、遊技者が第1停止予告用報知を見て認識する残り球数よりも多くなるようにして遊技停止状態に移行させることができる。これにより、想定よりも多くの出玉を獲得できたと遊技者に思わせて得をした気分にさせることができ、停止用球数まで出玉を増やしたことの達成感と相まって遊技者の嬉しさをより高めることが可能になる。
【2420】
なお、残り球数RSは特図遊技回とは非同期に変化するため、特図遊技回の途中で第1停止予告用報知の更新タイミングが到来する場合が多くなるが、第1停止予告用報知の更新は、第1停止予告用報知の開始時と同様に、次の特図遊技回が開始されるのを待って実行する。すなわち、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回の終了後、その次の特図遊技回が開始されるタイミングに合わせて第1停止予告用報知が更新されるように設定する。
【2421】
但し、第1停止予告用報知の更新は、必ずしも特図遊技回の開始と同時である必要はなく、次の特図遊技回における変動表示開始タイミングから所定期間(例えば0.5sec)の経過後の所定タイミングにて行われてもよい。その際、図柄列Z1~Z3の全てが変動表示されている状況(好ましくは高速変動されている状況)で第1停止予告用報知が開始されるとよい。
【2422】
第1停止予告用処理(
図220)の説明に戻り、ステップSh3513の実行後は第1停止予告用処理を終了する。また、ステップSh3512で否定判定した場合(更新タイミングでない場合)は、第1停止予告用報知を更新しないとして、ステップSh3513の処理を実行せずに第1停止予告用処理を終了する。
【2423】
ステップSh3511で肯定判定した場合(残り球数RSが報知終了球数以上)となった場合は、第1停止予告用報知の開始後、例えば通常遊技状態に移行するなどして差球数が減少し、残り球数RSが一定以上増えたことを意味する。この場合はステップSh3514に進み、第1停止予告用報知を終了するための終了設定処理を実行する。
【2424】
終了設定処理では、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)が消去(非表示化)されるように設定し、また、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグを「0」クリアする。なお、第1停止予告用報知の終了タイミングは特に限定されるものではなく、残り球数RSが報知終了球数以上となったタイミング(特図遊技回の途中タイミング)であってもよいし、次の特図遊技回が開始されてからのタイミングであってもよい。
【2425】
コマンド対応処理(
図219)の説明に戻り、ステップSh3402の第1停止予告用処理の実行後又はステップSh3401で否定判定した場合(残り球数コマンドを受信していない場合)は、ステップSh3403に進み、主制御装置162からの種別コマンド(
図189のステップSh612)を受信しているか否かを判定する。種別コマンドは、大当たり結果の種別を示すものであり、特図当否抽選の結果が大当たり結果となった特図遊技回において変動表示が開始される場合に送信されるものである。
【2426】
種別コマンドを受信している場合、すなわち、大当たり結果となった場合には、ステップSh3404にて第2停止予告用処理を実行する。第2停止予告用処理は、開閉実行モードの実行中に残り球数RSが0個以下になる状況で、遊技停止状態への移行を事前報知するための報知(第2停止予告用報知)を実行するためのものである。
【2427】
ここで、ステップSh3404の第2停止予告用処理について
図223のフローチャートを参照しながら説明する。
【2428】
第2停止予告用処理では先ずステップSh3601にて、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1停止予告用フラグが「1」にセットされている場合、すなわち、第1停止予告用報知の実行中である場合は、ステップSh3602に進み、今回の大当たり結果における大当たり種別の把握処理を実行する。この把握処理は主制御装置162から受信した種別コマンドに基づいて行い、当該処理により、今回の大当たり結果が4R確変大当たり結果、4R通常大当たり結果、10R確変大当たり結果のいずれであるかを特定する。
【2429】
ステップSh3603では、今回の大当たり結果に対応する開閉実行モードでの予測払出球数を導出する。本ステップでは、先ずステップSh3602で把握した大当たり種別から今回の開閉実行モードにて実行可能なラウンド数を把握し、その上で以下のようにして予測払出球数を導出する。
・予測払出球数:可変入賞装置65の賞球数×1ラウンドにおける可変入賞装置65への上限入賞個数×開閉実行モードにて実行可能なラウンド数。
【2430】
例えば、ステップSh3602で把握した大当たり種別が10R大当たり結果である場合、予測払出球数は1000個となる。なお、予測払出球数は、必ずしも演算により導出する必要はなく、例えば、各大当たり種別に対応させて予測払出球数が規定(記憶)された予測払出球数テーブルをサブ側RAM344に備え、ステップSh3602で把握した大当たり種別に対応する予測払出球数を当該テーブルから読み出すものであってもよい。
【2431】
ステップSh3604では、ステップSh3603で導出した予測払出球数を現在の残り球数RSから減算し、続くステップSh3605では、開閉実行モードの実行中に残り球数RSが0個以下になるか否かを判定する。この際、ステップSh3604で取得した減算値が0以下である場合は、開閉実行モードの実行中に残り球数RSが0個以下になると判定し、減算値が0より大きい場合は、開閉実行モードの実行中に残り球数RSが0個以下にならないと判定する。
【2432】
開閉実行モードの実行中に残り球数RSが0個以下になる場合は、ステップSh3605に進み、第2停止予告用報知を開始するための開始設定処理を実行する。ここで、第2停止予告用報知について
図224を参照しながら説明する。
【2433】
第2停止予告用報知は、第1停止予告用報知と同じく、差球数の増加(出玉の獲得)が継続した場合に遊技停止状態に移行する可能性があることを報知するものであるが、その報知態様が第1停止予告用報知と異なっている。詳しくは、第1停止予告用報知では、遊技停止状態に移行するまでの残り球数(許容される増加分)を遊技者が認識できる態様で報知が行われるが、第2停止予告用報知では、遊技停止状態に移行するまでの残り球数が認識不可又は認識困難とされた上で、開閉実行モードの終了に対応して遊技停止状態に移行することが示されるようにして報知が行われる。第2停止予告用報知は、例えば、図柄表示装置75の表示画面Gにて実行され、その際、表示画面Gには、
図224(a)、(b)に示すように、例えば「この台は、この大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が表示される。
【2434】
ステップSh3605の開始設定処理では、実行中の第1停止予告用報知を終了しつつ、第2停止予告用報知が開始されるように設定する。その際、大当たり結果となった特図遊技回の終了後、開閉実行モードが開始されてから第2停止予告用報知(メッセージ画像902の表示)が開始されるように設定する。
【2435】
この場合、メッセージ画像902の表示は、可変入賞装置65が閉鎖されている状況で開始されるようにするとよく、具体的には、開閉実行モードのオープニング期間においてメッセージ画像902の表示が開始される構成とするとよい。可変入賞装置65の閉鎖中にメッセージ画像902の表示を開始することで、可変入賞装置65への入賞が生じ得る状況でメッセージ画像902が表示されることが抑制され、遊技者が可変入賞装置65への入賞を果たすことに集中しやすい構成とすることができる。また、オープニング期間は、開閉実行モードの開始後、可変入賞装置65の開放がまだ行われていない状態にあり、可変入賞装置65への入賞や当該入賞に基づく遊技球の払い出しが行われていないため、遊技者が心理的に落ち着いた状態にあることが想定される。このような状況でメッセージ画像902を表示することで、遊技者を当該画像902に注目させやすくすることができ、第2停止予告用報知の見落としを好適に抑制することが可能になる。
【2436】
上記のようにしてメッセージ画像902の表示が開始された場合、当該画像902は遊技停止状態に移行するまで継続して表示される。この際、メッセージ画像902の表示位置は特に限定されるものではないが、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかを示すラウンド数画像903と重ならない位置に設定するとよい。例えば、
図224(a)に示すように、ラウンド数画像903が表示画面Gの右上部に表示される場合であれば、表示画面Gの右側においてラウンド数画像903の下方にメッセージ画像902が表示される構成とすることができる。このようにラウンド数画像903との重なりを避けてメッセージ画像902を表示することで、ラウンド数画像903によりメッセージ画像902の視認性が低下したり、逆にメッセージ画像902によりラウンド数画像903の視認性が低下したりすることを抑制できる。
【2437】
ステップSh3606の第2停止予告用報知の開始設定処理を実行した後は、ステップSh3607にて、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグを「0」クリアするとともに、第2停止予告フラグを「1」にセットする。第2停止予告フラグは、第2停止予告用報知の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
【2438】
ステップSh3607の実行後は第2停止予告用処理を終了する。また、ステップSh3601で否定判定した場合(第1停止予告フラグが「1」にセットされておらず、第1停止予告用報知が実行されていない場合)は、今回の開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になることがないため、ステップSh3602以降の処理を実行せずに第2停止予告用処理を終了する。また、ステップSh3606で否定判定した場合(今回の開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合)は、第1停止予告用報知を継続するとして、ステップSh3606以降の処理を実行せずに第2停止予告用処理を終了する。
【2439】
コマンド対応処理(
図219)の説明に戻り、ステップSh3404の第2停止予告用処理の実行後又はステップSh3403で否定判定した場合(種別コマンドを受信していない場合)は、ステップSh3405にて、主制御装置162からの超過コマンドを受信しているか否かを判定する。超過コマンドは、残り球数RSが0個以下になったことを示すものである。この超過コマンドは、開閉実行モード中でない場合は残り球数RSが0個以下になったタイミングで送信され(
図204のステップSh2114)、開閉実行モード中である場合は開閉実行モードの終了タイミングで送信される(
図204のステップSh2118)。
【2440】
超過コマンドを受信している場合は、ステップSh3406に進み、停止予告用報知の終了設定処理を実行する。この場合、第1停止予告用報知の実行中であれば、第1停止予告用報知を終了するように設定するとともに、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグを「0」クリアする。また、第2停止予告用報知の実行中であれば、第2停止予告用報知を終了するように設定するとともに、サブ側RAM344に設けられた第2停止予告フラグを「0」クリアする。
【2441】
ステップSh3407では、超過用報知を開始するための設定処理を実行する。超過用報知は、差球数が停止用球数に到達したこと(残り球数が0個以下になったこと)を報知するものであり、ステップSh3407の設定処理では、当該超過用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。具体的には、
図225(a)に示すように、例えば「差球数が上限値に到達しました。遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像905が表示画面Gに表示されるように設定する。
【2442】
ステップSh3407の実行後又はステップSh3405で否定判定した場合(超過コマンドを受信していない場合)は、ステップSh3408にて、主制御装置162からの遊技停止コマンドを受信しているか否かを判定する。遊技停止コマンドは、遊技停止状態に移行した場合に送信されるものである(
図210のステップSh2506、ステップSh2512)。
【2443】
遊技停止コマンドを受信している場合は、ステップSh3409に進み、停止用報知を開始するための設定処理を実行する。停止用報知は、遊技停止状態であることを報知するものであり、ステップSh3409の設定処理では、当該停止用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。具体的には、
図225(b)に示すように、例えば「遊技停止中です。係員を読んで下さい。ハンドルから手を離して下さい。」等の文字が付されたメッセージ画像906が表示画面Gに表示されるように設定する。
【2444】
ステップSh3409の実行後又はステップSh3408で否定判定した場合(遊技停止コマンドを受信していない場合)は、ステップSh3410にてその他のコマンド対応処理を実行する。その他のコマンド対応処理では、保留情報が取得された場合に主制御装置162から送信される保留コマンドを受信しているか否かを判定し、保留コマンドを受信している場合は、保留表示部200にて保留用画像が表示されるように設定する。また、特図遊技回が終了した場合に主制御装置162から送信されるシフトコマンドを受信しているか否かを判定し、シフトコマンドを受信している場合は、保留表示部200の各単位保留表示領域に表示されている保留用画像の表示位置を下位側の表示領域にシフトさせるように設定する。ステップSh3410の実行後はコマンド対応処理を終了する。
【2445】
<各遊技状態での停止予告用報知の開始有無やその開始条件について>
次に、各遊技状態での停止予告用報知の開始有無やその開始条件について
図226を参照しながら説明する。
【2446】
現在の当否抽選モードが高確率モードである場合、すなわち、現在の遊技状態が高確遊技状態である場合は、残り球数RSが報知開始球数(例えば14000個)以下となることを契機として停止予告用報知を開始する。この場合の停止予告用報知の態様(種別)は第1停止予告用報知である。第1停止予告用報知では、例えば、
図221(a)、(b)に示すように、「この台は、あと約13000発の獲得で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像901を図柄表示装置75の表示画面Gに表示する。
【2447】
また、高確率モードである状況での第1停止予告用報知の開始タイミングは、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回の次の特図遊技回である。具体的には、次の特図遊技回の変動表示開始タイミングに合わせて第1停止予告用報知を開始する。
【2448】
現在の当否抽選モードが低確率モードである場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態又は時短遊技状態である場合は、残り球数RSにかかわらず、停止予告用報知を開始しない。
【2449】
現在の遊技状態が開閉実行モード中である場合は、残り球数RSが報知開始球数以下となることを契機として停止予告用報知を開始する。この場合の停止予告用報知の態様(種別)は第1停止予告用報知である。開閉実行モードでの第1停止予告用報知の開始タイミングは、
図221(c)に示すように、エンディング期間中の所定タイミング(エンディング期間の開始タイミング又はエンディング期間の開始から所定期間(例えば1sec)が経過したタイミング)である。すなわち、開閉実行モードの途中で残り球数RSが報知開始球数以下となっても、エンディング期間(可変入賞装置65が閉鎖状態)となるのを待って第1停止予告用報知を開始する。
【2450】
<各遊技状態と停止予告用報知の有無との関係について>
次に、各遊技状態と停止予告用報知の有無との関係について
図227を参照しながら説明する。
【2451】
現在の当否抽選モードが高確率モードである状況、すなわち、現在の遊技状態が高確遊技状態である状況で残り球数RSが報知開始球数以下である場合は、停止予告用報知を実行する。このような場合としては、高確率モード(高確遊技状態)にて停止予告用報知の開始後、その高確率モードに滞在している状態が該当する。また、停止予告用報知が実行されている状態で高確率モードに移行した場合、すなわち、確変大当たり結果に対応する開閉実行モードにて停止予告用報が実行され、その開閉実行モードが終了したことに応じて高確遊技状態に移行した場合は、実行されている停止予告用報知を継続する。これらの場合の停止予告用報知の態様(種別)は第1停止予告用報知である。
【2452】
第1停止予告用報知では、
図221(b)に示すように、メッセージ画像901において残り球数を報知するところ、差球数の増加(獲得球数の増加)に伴って残り球数RSが減少し、予め定められた更新個数(更新タイミング)に到達する都度、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)における残り球数の報知内容を更新する(
図222)。残り球数報知の更新間隔は、残り球数RSが少なくなるほど短くなるように設定される。
【2453】
現在の当否抽選モードが低確率モードである場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態又は時短遊技状態である場合は、原則として停止予告用報知を実行しない。但し、停止予告用報知が実行されている状態で低確率モードに移行した場合は、低確率モードへの移行後も停止予告用報知を継続する。停止予告用報知を実行中の状態で低確率モードに移行する場合としては、通常大当たり結果に対応する開閉実行モードにて停止予告用報知が実行され、その開閉実行モードが終了したことに応じて時短遊技状態に移行する場合や、高確遊技状態での特図遊技回の実行回数が上限回数(例えば35回)に到達したことにより高確遊技状態が終了し、それに応じて通常遊技状態に移行する場合がある。この場合の停止予告用報知の態様(種別)は第1停止予告用報知である。
【2454】
低確率モードへの移行後も継続した停止予告用報知は、差球数の減少(消費球数の増加)に伴って残り球数RSが増加し、報知終了球数(例えば14000個)以上となることを契機として終了させる。
【2455】
現在の遊技状態が開閉実行モードである状況で残り球数RSが報知開始球数以下である場合は、停止予告用報知を実行する。このような場合としては、開閉実行モード(エンディング期間)にて停止予告用報知の開始後、その開閉実行モード(エンディング期間)に滞在している状態が該当する。また、停止予告用報知が実行されている状態で開閉実行モードに移行した場合において、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下とならない場合は、実行されている停止予告用報知を開閉実行モードにおいても継続する。この場合における停止予告用報知の継続は、開閉実行モードのオープンニング期間から行ってもよいし、初回目ラウンドの開始時から行ってもよい。
【2456】
開閉実行モードである状況で残り球数RSが報知開始球数以下である場合、停止予告用報知を実行中の状態で開閉実行モードとなり、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下とならない場合の停止予告用報知の態様(種別)は、第1停止予告用報知である。
【2457】
また、停止予告用報知が実行されている状態で開閉実行モードに移行した場合において、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合は、停止予告用報知の態様(種別)を第2停止予告用報知に切り替えて停止予告用報知を実行する。第2停止予告用報知では、
図224(a)、(b)に示すように、残り球数を知らせないようにした上で、開閉実行モードの終了に対応して遊技停止状態に移行することを示唆するようにして報知を行う。第2停止予告用報知では、例えば「この台は、この大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902を図柄表示装置75の表示画面Gに表示する。
【2458】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合、開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行するところ、そのような場合において、上記のような態様の第2停止予告用報知に切り替えることにより、遊技停止状態への移行タイミングを遊技者に分かりやすく伝えながら、当該移行に関する事前報知を行うことができる。
【2459】
以上、詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【2460】
一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への入球が発生した場合に、それら各入球部61~63,65,68に対応する各カウンタ502a~502eを更新し、それらの情報に基づいて差球数SAを導出する構成とした。これにより、パチンコ機10において、各入球部61~63,65,68への入球発生の履歴を収集するとともに、都度の差球数SAをパチンコ機10が監視することができる。そして、その差球数SAを停止用球数(例えば99000個)から減算して残り球数RSを導出し、残り球数RSが0個以下となった場合に遊技停止状態に移行させる構成とした。これにより、遊技者が獲得する賞球の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるようにパチンコ機10を動作させることが可能になる。
【2461】
0個よりも多い特定球数を報知開始球数(例えば14000個)として定め、残り球数RSが報知開始球数になったことに基づき、遊技停止状態への移行が行われることを予告する停止予告用報知を実行する構成とした。すなわち、遊技停止状態への移行に先立って上記停止予告用報知を行うため、遊技者に対して不意打ち的に遊技停止状態への移行が行われることを抑制できる。これにより、遊技停止状態への移行により賞球の更なる獲得を制限する場合において、当該移行の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。
【2462】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合に、開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる構成とした。この場合、開閉実行モードの途中で遊技停止状態に移行することが回避され、遊技停止状態への移行条件が成立したか否かにかかわらず開閉実行モードを最後まで遊技させることができる。これにより、遊技者は、残り球数RSが少ない状態で開閉実行モードに移行した場合でも、開閉実行モードが途中で終了してしまうことを心配せずに遊技を続けることが可能になる。
【2463】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合と0個以下になる場合とで停止予告用報知の態様を異ならせる構成とした。具体的には、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合は、遊技停止状態に移行するまでの残り球数を報知するメッセージ画像901を含む態様の第1停止予告用報知を実行し、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合は、上記メッセージ画像901を含まない態様の第2停止予告用報知を実行する構成とした。
【2464】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合に、遊技停止状態に移行するまでの残り球数を遊技者が認識できない態様の第2停止予告用報知を実行することで、開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させるに際して、報知上の残り球数と遊技停止状態への移行タイミングとの不整合が生じることを抑制できる。すなわち、報知上の残り球数が0個となっても遊技停止状態に移行しない不都合の発生を抑制することが可能になる。
【2465】
また、残り球数RSが少ない状態で開閉実行モードに移行した場合は、残り球数RSが気になって遊技者が開閉実行モードに集中しにくくなる懸念がある。この点、そのような場合を対象として、停止予告用報知の態様を第1停止予告用報知から第2停止予告用報知に切り替えることで、0個となるまでの具体的な残り球数よりも開閉実行モードに遊技者を集中させやすくすることができる。
【2466】
開閉実行モード中に残り球数RSが報知開始球数(例えば14000個)となり、第1停止予告用報知を実行する場合において、当該第1停止予告用報知を可変入賞装置65が閉鎖状態である状況で実行する構成とした。例えば、可変入賞装置65が開放状態である状況で第1停止予告用報知が開始されると、遊技者が第1停止予告用報知に視線を移すことで、可変入賞装置65への入賞を狙える状況であるにもかかわらず、可変入賞装置65から視線を外すことになり、可変入賞装置65への入賞を目指す遊技の妨げになるおそれがある。この点、可変入賞装置65への入賞が生じない閉鎖期間にて第1停止予告用報知を開始することで、遊技者が第1停止予告用報知に視線を移しても、可変入賞装置65への入賞を目指す遊技が損なわれることが抑制される。これにより、可変入賞装置65への入賞を目指す遊技の妨げになることを抑制しつつ、遊技停止状態への移行に関する事前報知を行うことが可能になる。
【2467】
可変入賞装置65が閉鎖状態である状況としてエンディングの実行中である状況で第1停止予告用報知を実行する構成とした。開閉実行モードにおいてその終了時に実行されるエンディングは、可変入賞装置65が閉鎖された状態で開閉実行モード後の遊技が開始されることを待機する状態となる。このようなエンディングの期間を利用して第1停止予告用報知を開始することで、開閉実行モードにて可変入賞装置65への入賞を目指す遊技と、開閉実行モード後の遊技状態にて行われる特図遊技回とのいずれに対しても妨げにならないようにして第1停止予告用報知を開始することができ、当該報知を好適に行うことが可能になる。
【2468】
エンディング中に第1停止予告用報知を開始する場合において、残り球数RSにかかわらず普段から実施される所定のエンディング用報知の開始後に第1停止予告用報知を開始する構成とした。この場合、遊技者に対し、普段から行われる所定のエンディング用報知により開閉実行モードの終了を認識させてから第1停止予告用報知を視認させることができる。
【2469】
残り球数RSに応じて第1停止予告用報知の更新単位(更新間隔)を異ならせる構成とした。具体的には、残り球数RSが少ないほど更新単位が小さく(更新間隔が短く)なる構成とした。この構成によれば、遊技停止状態への移行までに遠い状況では、更新単位が大きくなるため、更新頻度が減らされて第1停止予告用報知が目立ちにくくなる。これにより、遊技停止状態への移行を早くから知らせながらも、遊技者を賞球の獲得に集中させやすくすることができる。加えて、更新頻度を減らすことで、第1停止予告用報知の更新に要する処理負荷を軽減することもできる。一方、遊技停止状態への移行に近づいた状況では、更新単位が小さくなるため、更新頻度が増やされて残り球数が細かく知らされるなど、都度の残り球数や遊技停止状態への移行が近づいたことを分かりやすく伝えることができる。
【2470】
実際の残り球数RSよりも少ない球数を示すようにして第1停止予告用報知を実行する構成とした。これにより、報知上の残り球数が確実に0個となっている状態で遊技停止状態に移行させることができ、遊技者が認識する残り球数よりも獲得球数が少ない状況で賞球の更なる獲得が制限されることを抑制できる。
【2471】
<変形例1>
上記第4の実施の形態の変形例1について
図228、
図229を参照しながら説明する。これらの図において上記第4の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【2472】
本変形例では、停止予告用報知の態様が上記第4の実施の形態と異なっており、具体的には、滞在する遊技状態によって、メッセージ画像901,902の表示サイズや表示位置が変化するように構成されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
【2473】
上記第4の実施の形態で説明したように、当否抽選モードが高確率モードである状況(遊技状態が高確遊技状態である状況)において残り球数RSが報知開始球数(例えば14000個)以下である場合に、第1停止予告用報知としてのメッセージ画像901が図柄表示装置75の表示画面Gにて表示される。この際、本変形例では、
図228(a)に示すように、メッセージ画像901が相対的に大きい表示サイズ(表示面積)で表示される。
【2474】
メッセージ画像901は、
図228(b)に示すように、視覚領域を区画するウィンドウ状の背景画像(ベース画像、キャラクタ画像)901b上に所定の文字901aが付された構成を有する。この場合、メッセージ画像901全体としての表示領域の大きさ、換言すれば、背景画像901bの表示面積を上記表示サイズとして見ることができる。
【2475】
このように高確率モード(高確遊技状態)において、メッセージ画像901を大きく表示することで、当該画像901が目立ちやすくなり、当該画像901にて報知される残り球数に遊技者の目を向けやすくすることができる。高確率モードへの滞在中は開閉実行モードに移行しやすくなるところ、このような状況で残り球数の認識が行いやすいことで、遊技球が多量に払い出されて残り球数が大きく減少し得る開閉実行モードに移行する直前状態において現状の残り球数を遊技者が把握しやすくすることができる。
【2476】
上記の際、メッセージ画像901は、
図228(a)に示すように、表示画面Gにおいて右寄りの箇所(例えば右上隅部)に表示される。上記第4の実施の形態では、当否抽選モードが高確率モードである場合にサポートモードが高頻度サポートモードとなるように構成されており(
図180)、この場合、遊技領域PAにおいて右ルート(
図4)に遊技球を流下させ、第2作動口63への入賞を目指す状態になる。メッセージ画像901の上記表示位置は、これを踏まえたものである。すなわち、表示画面Gの左右において右ルート又は第2作動口63寄りの箇所にメッセージ画像901を表示することで、遊技者が第2作動口63及びメッセージ画像901を同時に視認しやすくしたり、第2作動口63からの視線移動を少なく抑えてメッセージ画像901を視認できるようにしたりすることができる。これにより、メッセージ画像901の視認(残り球数の把握)をより一層容易化することが可能になる。
【2477】
なお、当否抽選モードが低確率モードである状況で第1停止予告用報知が実行される場合があるが、この場合は、高確率モードである場合よりも小さい表示サイズでメッセージ画像901が表示される。その際、メッセージ画像901の表示位置は任意に設定することができるが、例えば、高確率モードの場合と同様に、表示画面Gにおいて右寄りの箇所とすることができる。
【2478】
また、上記第4の実施の形態では、第1停止予告用報知が実行されている状況で大当たりとなり、それに伴って開閉実行モードに移行した場合に、開閉実行モードにおいて停止予告用報知が実行される。その際、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合は、開閉実行モード中の停止予告用報知として第1停止予告用報知(メッセージ画像901の表示)が実行される。
【2479】
この場合における第1停止予告用報知は開閉実行モードのオープニング期間から開始され、ラウンド遊技中も実行されることになるが、その際、本変形例では、
図229(a)に示すように、メッセージ画像901が相対的に小さい表示サイズで表示される。すなわち、メッセージ画像901が高確率モードの場合よりも小さく表示される。
【2480】
このように開閉実行モードにおいてメッセージ画像901を小さく表示し、当該画像901を目立ちにくくすることで、当該画像901に遊技者の目を向けにくくし、可変入賞装置65への入賞を目指す遊技に遊技者が集中しやすくすることができる。
【2481】
停止用球数(例えば99000個)までの残り球数を認識することは、獲得できるプラス分の限界値を知ることになるところ、遊技者の気分が高揚しやすい開閉実行モードにおいてそのような限界値が積極的に知らされると、高揚感に水を差すことにもなりかねない。一方で、開閉実行モードでは残り球数が大きく変化しやすいため、開閉実行モードの実行中において都度の残り球数を把握したいというニーズがあることも想定される。
【2482】
この点、上記構成であることで、残り球数を知りたい遊技者の要望を満たしながらも、メッセージ画像901が遊技者の目に留まりにくくすることができ、当該画像901の表示(第1停止予告用報知の実行)が開閉実行モードにおける興趣向上の妨げとなることを好適に抑制することが可能になる。
【2483】
上記の際、メッセージ画像901は、表示画面Gにおいて左寄りの箇所(例えば左下隅部)に表示される。上記第4の実施の形態では、可変入賞装置65が右ルートに配置され、開閉実行モード中は右ルートを流下させるように遊技球を発射させる。メッセージ画像901の上記表示位置は、これを踏まえたものである。すなわち、表示画面Gの左右において右ルート又は可変入賞装置65とは反対側に寄せてメッセージ画像901を表示することで、可変入賞装置65を見ている遊技者の視界にメッセージ画像901を入りにくくすることができる。これにより、メッセージ画像901をより一層目立ちにくくすることができる。
【2484】
なお、上記第4の実施の形態では、第1停止予告用報知が実行されていない状況で大当たりとなり、その大当たりに対応する開閉実行モードにて残り球数RSが報知開始球数以下となる場合に、その開閉実行モードのエンディング期間にて第1停止予告用報知が実行される。この場合、可変入賞装置65が閉鎖されている状況で第1停止予告用報知が行われ、第1停止予告用報知による可変入賞装置65への入賞を目指す遊技への影響を無視できるため、必ずしも
図229(a)と同様の態様で第1停止予告用報知を実行する必要はない。かと言って、遊技停止状態への移行までに期間的な余裕がある状態であり、第1停止予告用報知の重要性が高いわけでもないため、
図229(a)の場合と同様に、メッセージ画像901を相対的に小さい表示サイズで表示するなどして目立ちにくい態様で第1停止予告用報知を行ってもよい。
【2485】
また、上記第4の実施の形態では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合に、第2停止予告用報知(メッセージ画像902)が表示画面Gに表示される。この場合における第2停止予告用報知は開閉実行モードのオープニング期間から開始され、ラウンド遊技中も実行されることになるが、その際、本変形例では、
図229(b)に示すように、メッセージ画像902が中程度の表示サイズで表示される。すなわち、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合のメッセージ画像901(
図229(a))よりも大きく、高確遊技状態である場合のメッセージ画像901(
図219(a))よりも小さい大きさでメッセージ画像902が表示される。
【2486】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合は、開閉実行モードの終了に対応して遊技停止状態への移行が行われ、当該移行のタイミングが迫っている状態にある。このような状態においてメッセージ画像902をある程度目立たせることで、遊技停止状態への移行を遊技者に認識させやすくすることができる。これにより、開閉実行モードの終了後における遊技停止状態への移行が不意打ちとなり、遊技者の混乱を招くことを抑制することができる。
【2487】
なお、この場合におけるメッセージ画像902の表示位置は任意に設定することができるが、例えば、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合と同様に、表示画面Gにおいて左寄りの箇所とすることができる。
【2488】
以上のように本変形例では、メッセージ画像901,902の表示サイズや表示位置、すなわち、停止予告用報知の報知態様を、滞在する遊技状態により異ならせる構成としたため、各遊技状態の特性に適した態様で停止予告用報知(メッセージ画像901,902の表示)を行うことができ、停止予告用報知の実施を好適化することが可能になる。
【2489】
<変形例2>
上記第4の実施の形態の変形例2について
図230~
図234を参照しながら説明する。これらの図において上記第4の実施の形態や変形例1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【2490】
本変形例では、開閉実行モード中に行われる開閉実行モード用演出(大当たり遊技演出)の1つとしてラウンド昇格演出が実行可能とされ、このラウンド昇格演出の実行が停止予告用報知との関係において制限され得るように構成されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
【2491】
<コマンド対応処理>
本変形例に係る保留コマンド対応処理について
図230のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143における演出設定処理(
図216)の一環として実行されるものであり、
図219のコマンド対応処理に代えて実行されるものである。
図230において
図219と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【2492】
ステップSh3403で肯定判定した場合(種別コマンドを受信している場合)は、ステップSh3404にて第2停止予告用処理を実行する。第2停止予告用処理では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になるか否かを判定し、0個以下になると判定した場合は、第2停止予告用報知が実行されるように設定する。第2停止予告用報知では、開閉実行モード中の期間において、例えば「この台は、この大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が図柄表示装置75の表示画面Gに表示される。
【2493】
第2停止予告用処理を実行した後は、ステップSh4101にて開閉実行モード用演出の設定処理を実行する。ここで、開閉実行モード用演出の設定処理について
図231のフローチャートを参照しながら説明する。
【2494】
開閉実行モード用演出の設定処理では先ずステップSh4201にて、サブ側RAM344に設けられた第2停止予告フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。すなわち、第2停止予告用報知の開始設定が行われているか否かを判定する。なお、第2停止予告用報知の開始設定が行われていない場合とは、今回の開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならないことを意味する(
図223のステップSh3605~ステップSh3607)。
【2495】
第2停止予告フラグに「1」がセットされておらず、今回の開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない状況である場合は、ステップSh4202に進み、今回の開閉実行モードが10R大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。この判定は、第2停止予告用処理(
図223)のステップSh3602における大当たり種別の把握結果を利用して行う。
【2496】
開閉実行モードが10R大当たり結果に対応するものでない場合、すなわち、4R大当たり結果に対応するものである場合は、ステップSh4203にて4R用通常演出の設定処理を行う。当該設定処理では、今回の開閉実行モードでの開閉実行モード用演出として4R用通常演出が実行されるように設定する。
図232(a)に示すように、4R用通常演出では、各ラウンド遊技において、今回の開閉実行モードでのラウンド数が4ラウンドであることを示唆するラウンド数画像903と、4R開閉実行モード用の通常演出に対応した背景画像911とが図柄表示装置75の表示画面Gに表示される。
【2497】
ステップSh4202で肯定判定した場合、すなわち、今回の開閉実行モードが10R大当たり結果に対応するものであり、且つ、今回の開閉実行モードにて第2停止予告用報知を実行しない状況である場合は、ステップSh4204に進み、ラウンド昇格演出の実行抽選を行う。本ステップでは、ラウンド昇格演出用の実行抽選テーブルをサブ側ROM343から取得し、当該取得した実行抽選テーブルと、サブ側RAM344に設けられたカウンタエリアから取得した抽選用のカウンタ値(乱数値)とを用いて上記実行抽選を行う。
【2498】
ステップSh4204の実行抽選に非当選となった場合(ステップSh4205でNO)は、ステップSh4206にて10R用通常演出の設定処理を行う。当該設定処理では、今回の開閉実行モードでの開閉実行モード用演出として10R用通常演出が実行されるように設定する。
図232(b)に示すように、10R用通常演出では、各ラウンド遊技において、今回の開閉実行モードでのラウンド数が10ラウンドであることを示唆するラウンド数画像903と、10R開閉実行モード用の通常演出に対応した背景画像912とが図柄表示装置75の表示画面Gに表示される。
【2499】
ステップSh4204の実行抽選に当選した場合(ステップSh4205でYES)は、ステップSh4207にてラウンド昇格演出の設定処理を行う。当該設定処理では、今回の開閉実行モードでの開閉実行モード用演出としてラウンド昇格演出が実行されるように設定する。
図233に示すように、ラウンド昇格演出では、1ラウンド目から4ラウンド目までのラウンド遊技において4R用通常演出が実行され、遊技者に対して今回の開閉実行モードがあたかも4R開閉実行モードであるかのようにして演出が行われる(
図233(a))。そして、4ラウンド目のラウンド遊技の終了時において、ラウンド遊技が追加されることを示唆するラウンド追加報知が実行される(
図233(b))。このラウンド追加報知では、例えば「+6ラウンド!」等の文字が付されたラウンド追加用画像913が表示画面Gに表示される。その後、5ラウンド目のラウンド遊技が開始されることに伴い、開閉実行モード用演出が10R用通常演出に変更される(
図233(c))。
【2500】
なお、主表示ユニット81(
図4)のラウンド表示部では、開閉実行モードが開始される場合又は開始された場合にラウンド数の表示が開始されるが、このラウンド表示部に表示されるラウンド数は、ラウンド昇格演出が実行される場合であっても、10ラウンドに対応したものとされる。ラウンド表示部でのラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
【2501】
開閉実行モード用演出の設定処理(
図231)の説明に戻り、ステップSh4201で肯定判定した場合(第2停止予告フラグが「1」に設定されている場合)は、今回の開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になり、開閉実行モードの終了に対応して遊技停止状態に移行することを意味する。この場合は、ステップSh4208に進み、特別演出の設定処理を実行する。
【2502】
特別演出は、ステップSh4203、ステップSh4206で設定される通常演出とは異なる態様の開閉実行モード用演出である。特別演出では、
図232(c)、(d)に示すように、今回の開閉実行モードでのラウンド数を示唆するラウンド数画像903と、特別演出に対応した背景画像914,915とが表示画面Gに表示される。これら背景画像914,915は、残り球数RSが0個以下になる場合の専用画像であり、例えば、出玉の大量獲得を祝福する内容とされる。今回の開閉実行モードが4R大当たり結果に対応するものである場合は4ラウンド用の背景画像914が設定され、10R大当たり結果に対応するものである場合は10ラウンド用の背景画像915が設定される。
【2503】
この場合も、主表示ユニット81のラウンド表示部では、開閉実行モードの開始に合わせてラウンド数の表示が開始されるとともに、当該表示が開閉実行モードの終了まで継続される。
【2504】
ステップSh4203、ステップSh4206、ステップSh4207、ステップSh4208の実行後は、開閉実行モード用演出の設定処理を終了する。コマンド対応処理(
図230)の説明に戻り、ステップSh4101の実行後又はステップSh3403で否定判定した場合(種別コマンドを受信していない場合)は、ステップSh3405にて、主制御装置162からの超過コマンドを受信しているか否かを判定する。
【2505】
<開閉実行モード用演出と第2停止予告用報知との関係について>
次に、開閉実行モード用演出と第2停止予告用報知との関係について
図234を参照しながら説明する。
【2506】
開閉実行モードが10R大当たり結果に対応するものであり、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合、すなわち、ラウンド数が多い側の開閉実行モードにおいて第2停止予告用報知が実行されない状況である場合は、ラウンド昇格演出の実行が許容される。この場合、ラウンド昇格演出の実行抽選にて外れた場合は、開閉実行モード用演出として10R用通常演出(
図232(b))が実行され、上記実行抽選にて当選した場合は、開閉実行モード用演出としてラウンド昇格演出(
図233)が実行される。
【2507】
開閉実行モードが10R大当たり結果に対応するものであり、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合、すなわち、ラウンド数が多い側の開閉実行モードにおいて第2停止予告用報知が実行される状況である場合は、ラウンド昇格演出の実行が制限(規制)される。この場合、開閉実行モード用演出として、10R用通常演出とは異なる10R用特別演出(
図232(d))が実行される。
【2508】
なお、第1停止予告用報知が実行されている状況で大当たり結果になった場合、その大当たり結果に対応する開閉実行モードにて第1停止予告用報知が実行されるが、この場合はラウンド昇格演出の実行が許容される。
【2509】
開閉実行モードが4R大当たり結果に対応するものであり、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない(第2停止予告用報知が実行されない)場合は、開閉実行モード用演出として4R用通常演出(
図232(a))が実行される。また、開閉実行モードが4R大当たり結果に対応するものであり、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる(第2停止予告用報知が実行される)場合は、開閉実行モード用演出として、4R用通常演出とは異なる4R用特別演出(
図232(c))が実行される。
【2510】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【2511】
4R大当たり結果と10R大当たり結果とを備え、今回の大当たり結果が10R大当たり結果である場合にラウンド昇格演出が実行され得る構成とした。この場合、実行可能なラウンド数として4ラウンドが報知されている状態であっても、後にラウンド数が増えることを期待して開閉実行モードを遊技することができ、開閉実行モードの興趣性を高めることが可能になる。
【2512】
しかしながらその反面、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合、第2停止予告用報知が行われることで、ラウンド昇格演出が実行されるよりも前にラウンド数が増えることを予測できてしまう場合がある。例えば、4R大当たり結果に対応する開閉実行モードにて獲得できる総出玉数の期待値が600個であり、10R大当たり結果に対応する開閉実行モードにて獲得できる総出玉数の期待値が1500個である場合において、残り球数RSが1000個の状態で開閉実行モードに移行した場合、実行可能なラウンド数として4ラウンドが報知されていても、第2停止予告用報知が実行されることで、5ラウンド目以降のラウンド遊技が実施されることを判別できてしまい、ラウンド昇格演出の演出効果が損なわれるおそれがある。この点、本変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合はラウンド昇格演出の実行を制限する構成としたため、第2停止予告用報知によりラウンド昇格演出の演出効果が損なわれることを抑制しながら、第2停止予告用報知による遊技状態への移行に関する事前報知を行うことが可能になる。
【2513】
4ラウンド目のラウンド遊技にてラウンド昇格演出が実行される構成において、4ラウンド目よりも後のラウンド遊技で残り球数RSが0個以下となる場合であっても、4ラウンド目のラウンド遊技よりも前に第2停止予告用報知が開始される構成とした。この構成では、第2停止予告用報知が開閉実行モードの早期に実行されるため、遊技停止状態への移行を遊技者に対して早く知らせることができる。しかしながらその反面、ラウンド昇格演出が実行されていなくても、4ラウンド目よりも後のラウンド遊技が実施されることを遊技者が認識できてしまい、第2停止予告用報知によりラウンド昇格演出の演出効果が損なわれてしまうおそれがある。このような構成においてラウンド昇格演出の実行を制限し、第2停止予告用報知との競合を回避することで、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
【2514】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になるか否かを開閉実行モードが開始されるよりも前に判定する構成とした(
図223の第2停止予告用処理)。この場合、ラウンド昇格演出を制限するか否かを開閉実行モードの開始前に確定させることができる。これにより、残り球数RSが0個以下になることに基づきラウンド昇格演出の実行が制限される場合において、ラウンド昇格演出を実行しない場合用の大当たり遊技演出を開閉実行モードの当初から設定することができ、強制制限する場合でも自然な流れの演出を実行することが可能になる。
【2515】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合に、開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる構成とした(
図204の超過判定用処理)。ラウンド昇格演出の実行が制限される場合、実行可能なラウンド数として、ラウンド昇格演出の実行を前提とした4ラウンドではなく、実際のラウンド数である10ラウンドが報知される。このような場合において、例えば、開閉実行モードの途中で遊技停止状態に移行する構成であると、実際に実行されるラウンド数が報知されるラウンド数よりも少なくなる懸念がある。この点、遊技停止状態への移行が開閉実行モードの終了を待って行われる構成であることで、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下となっても、実行可能なラウンド数に変動が生じないようにすることができる。これにより、ラウンド昇格演出の実行が制限された開閉実行モードにおいて、ラウンド昇格演出の実行を前提としない多いラウンド数(10ラウンド)が報知されたとしても、報知上のラウンド数と実際のラウンド数とを整合させることが可能になる。
【2516】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合に、開閉実行モード用演出として通常演出とは異なる特別演出を実行する構成とした。開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下とならない場合とは異なる態様の演出を実行することで、第2停止予告用報知だけでなく、開閉実行モード用演出の態様によっても遊技停止状態の移行条件が成立したことを示唆することができ、遊技停止状態の移行が実施されることをより分かりやすく伝えることができる。その際、残り球数RSが0個以下となる開閉実行モードではラウンド昇格演出の実行が制限されるため、特別演出についての演出設計に際してラウンド昇格演出の有無を考慮しなくても済み、設計作業の負担を軽減することができる。
【2517】
<変形例3>
上記第4の実施の形態の変形例3について
図235~
図237を参照しながら説明する。これらの図において上記第4の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【2518】
上記第4の実施の形態では、停止予告用報知の開始が高確率モードの場合にのみ行われたが、本変形例では、低確率モードの場合にも停止予告用報知が開始され得るように構成されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
【2519】
<第1停止予告用処理>
本変形例に係る第1停止予告用処理について
図235のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143において、主制御装置162からの残り球数コマンドを受信した場合に実行されるものであり、
図220の第1停止予告用処理に代えて実行されるものである。
図235において
図220と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【2520】
ステップSh3502にて、主制御装置162から受信した残り球数コマンドに基づいて現在の残り球数RSを把握した後は、ステップSh3503にて、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1停止予告フラグに「1」がセットされていない場合、すなわち、第1停止予告用報知の実行中でない場合は、ステップSh4401に進み、現在の当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
【2521】
現在の当否抽選モードが高確率モードである場合、すなわち、現在の遊技状態が高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)である場合は、ステップSh4402にて、ステップSh3502で把握した残り球数RSが第1報知開始球数以下であるか否かを判定する。第1報知開始球数は、上記第4の実施の形態における報知開始球数に相当するものであり、例えば14000個に設定される。
【2522】
残り球数RSが第1報知開始球数(14000個)以下である場合は、ステップSh3508に進み、第1停止予告用報知を開始するための開始設定処理を実行する。これにより、残り球数RSが第1報知開始球数以下になったことに対応し、高確率モードである状況において第1停止予告用報知が開始される。なお、第1停止予告用報知は、遊技停止状態に移行するまでの残り球数(許容される増加分)を遊技者が認識できる態様で遊技停止状態への移行示唆が行われるものである(
図221)。
【2523】
ステップSh4401で否定判定した場合(高確率モードでない場合)は、現在の当否抽選モードが低確率モードであること、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)又は時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)であることを意味する。この場合は、ステップSh4403にて、ステップSh3502で把握した残り球数RSが第2報知開始球数以下であるか否かを判定する。第2報知開始球数は、第1報知開始球数よりも大きい数であり、例えば34000個に設定される。
【2524】
残り球数RSが第2報知開始球数(34000個)以下である場合は、ステップSh3508に進み、第1停止予告用報知を開始するための開始設定処理を実行する。これにより、残り球数RSが第2報知開始球数以下になったことに対応し、低確率モードである状況において第1停止予告用報知が開始される。前述のように、第2報知開始球数は第1報知開始球数よりも大きい数であるため、低確率モードに滞在している状態での第1停止予告用報知の開始は、高確率モードに滞在中の場合よりも残り球数RSが多く残っている段階で行われる。換言すれば、低確率モードである場合は、高確率モードである場合よりも早いタイミングで第1停止予告用報知が開始される。
【2525】
ステップSh3503で肯定判定した場合(第1停止予告フラグに「1」がセットされており、第1停止予告用報知の実行中である場合)は、ステップSh3510に進み、高確率モード中又は開閉実行モード中であるか否かを判定する。高確率モード中又は開閉実行モード中のいずれでもない場合、すなわち、低確率モード中である場合は、ステップSh4404にて、ステップSh3502で把握した残り球数RSが報知終了球数以上であるか否かを判定する。本変形例において報知終了球数は、第2報知開始球数に対応して設定され、例えば34000個に設定される。
【2526】
ステップSh3510で肯定判定した場合(高確率モード中又は開閉実行モード中である場合)又はステップSh4404で否定判定した場合(残り球数RSが報知終了球数に達してない場合)は、第1停止予告用報知を継続すべき状態であることを意味する。この場合は、ステップSh3512に進み、第1停止予告用報知の更新タイミングであるか否かを判定する。第1停止予告用報知の更新タイミングである場合は、ステップSh3513にて第1停止予告用報知の更新処理を実行する。本変形例においても、第1停止予告用報知の更新単位は、残り球数RSが少なくなるほど小さくなるように設定され、また、第1停止予告用報知の更新は、報知上の残り球数が実際の残り球数よりも少ない数となるようにして行われる。
【2527】
ステップSh4404で肯定判定した場合(残り球数RSが報知終了球数以上)となった場合は、第1停止予告用報知を終了するための終了設定処理を実行する。終了設定処理では、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)が消去(非表示化)されるように設定し、また、サブ側RAM344に設けられた第1停止予告フラグを「0」クリアする。
【2528】
<各遊技状態と第1停止予告用報知の有無との関係について>
次に、各遊技状態と第1停止予告用報知の有無との関係について
図236を参照しながら説明する。なお、第2停止予告用報知の有無に関しては上記第4の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【2529】
現在の当否抽選モードが低確率モードである場合、すなわち、現在の遊技状態が通常遊技状態又は時短遊技状態である場合は、残り球数RSが第2報知開始球数(例えば34000個)以下となることを契機として第1停止予告用報知を開始する。第1停止予告用報知では、例えば「この台は、あと約30000発の獲得で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像901を図柄表示装置75の表示画面Gに表示する。
【2530】
また、低確率モードである場合において残り球数RSが第2報知開始球数より大きい場合は、第1停止予告用報知を実行しない。すなわち、停止用球数(例えば99000個)に到達するまでに34000個以上の猶予が確保されている場合は、遊技停止状態への移行に関する事前報知や残り球数に関する報知は実行されない。
【2531】
現在の当否抽選モードが高確率モードである場合、すなわち、現在の遊技状態が高確遊技状態である場合は、残り球数RSが第1報知開始球数(例えば14000個)以下となることを契機として第1停止予告用報知を開始する。ここで、第1報知開始球数は、第2報知開始球数よりも少ない数であるため、高確率モードである場合は、低確率モードである場合よりも遅いタイミング(停止用球数に近づいたタイミング)で第1停止予告用報知が開始されることになる。
【2532】
また、当否抽選モードが高確率モードである状況で残り球数RSが第1報知開始球数より大きい場合における第1停止予告用報知の有無は、高確率モードへの移行前に第1停止予告用報知が実行されていたか否かにより異なる。すなわち、高確率モードへの移行前に実行された開閉実行モードにて第1停止予告用報知が実行されていなかった場合は、高確率モードへの移行後において、残り球数RSが第1報知開始球数に到達していないことを理由に第1停止予告用報知を実行しない。
【2533】
これに対し、高確率モードへの移行前に実行された開閉実行モードにて第1停止予告用報知が実行されていた場合は、高確率モードへの移行後においても第1停止予告用報知を実行する。つまり、高確率モードとなる前から実行されていた第1停止予告用報知を高確率モードにおいても継続する。
【2534】
なお、本変形例では、開閉実行モードにおいて第1停止予告用報知を開始する契機がないため(
図235)、残り球数RSが第1報知開始球数より大きい状況で開閉実行モードにて第1停止予告用報知が実行されていた場合としては、開閉実行モードに移行する前の低確率モードにて第1停止予告用報知が実行されていた場合が該当する。
【2535】
以上の構成であることにより、基本的に、低確率モードでは相対的に早いタイミング(残り球数RSを多く残した状態)で第1停止予告用報知が開始され、高確率モードでは相対的に遅いタイミング(残り球数RSが少なくなった状態)で第1停止予告用報知が開始される。
【2536】
ちなみに、低確率モードにおいて残り球数RSが第2報知開始球数よりも多く、第1停止予告用報知が実行されていない状態(例えば残り球数RSが40000個)で確変大当たりとなり、開閉実行モード後に高確率モードに移行し、その後、大当たりをある程度繰り返すことで、残り球数RSが第2報知開始球数以下となるまで増加したものの、第1報知開始球数には未到達の状態(例えば残り球数RSが25000個)で低確率モードに移行した場合は、その移行した低確率モードにて第1報知開始球数が開始されることになる。
【2537】
また、高確率モードにて残り球数RSが第1報知開始球数以下となり、第1停止予告用報知が開始された後、遊技停止状態に移行する前に低確率モードに移行した場合は、低確率モードにおいて残り球数RSが第2報知開始球数以下であることに基づき、第1停止予告用報知が継続されることになる。
【2538】
また、低確率モードにおいて残り球数RSが第2報知開始球数以下となり、第1停止予告用報知が開始された後、残り球数RSが第1報知開始球数よりも多い状態(例えば残り球数RSが33500個)で高確率モードに移行した場合は、高確率モードにおいて、残り球数RSが第1報知開始球数に未到達の状態であっても第1停止予告用報知が実行されることになる。
【2539】
<第1停止予告用報知の報知態様について>
次に、本変形例に係る第1停止予告用報知の報知態様について
図237を参照しながら説明する。
【2540】
本変形例では、低確率モードである場合と高確率モードである場合とで第1停止予告用報知の態様が異なり、より詳しくは、それら両モードにおいて第1停止予告用報知の視認性に差異が設けられている。
【2541】
図237(a)に示すように、低確率モードである場合には、メッセージ画像901が相対的に小さい表示サイズ(表示面積)で表示され、第1停止予告用報知の視認性が相対的に低い状態とされる。低確率モードの下で遊技が進められる場合、差球数SAが減少し、残り球数RSが増えていくため、遊技停止状態への移行に対しては遠のいていく状態となる。このため、遊技を続けている遊技者にとっては、第1停止予告用報知はさほど重要性が高いものとはならず、そのような意味では、上記第4の実施の形態のように基本的に低確率モードでは第1停止予告用報知を実行しないようにすることもできる。
【2542】
但し、低確率モードでは、それまで遊技していた遊技者が遊技をやめて離席し、次の遊技者が遊技を開始することが想定される。そのような新たに遊技を始める遊技者にとって、第1停止予告用報知により示される残り球数の情報は有用なものとなり、第1停止予告用報知を見たいというニーズが生じる。
【2543】
このような事情を考慮し、本変形例では、低確率モードでの第1停止予告用報知を比較的に目立ちにくい態様で実行することとしている。これにより、従前より遊技を継続している遊技者に対しては、第1停止予告用報知が遊技の妨げとなることを抑制しつつ、新たに遊技を始める遊技者に対しては第1停止予告用報知を見たいという要望に応えることが可能になる。
【2544】
なお、メッセージ画像901の表示サイズは、上記変形例1の場合と同様に、メッセージ画像901全体としての表示領域の大きさ、換言すれば、背景画像901b(
図228(b))の表示面積とすることができる。
【2545】
一方、高確率モードである場合には、基本的に、メッセージ画像901が相対的に大きい表示サイズで表示され、第1停止予告用報知に対応する表示の視認性が相対的に高い状態とされる。但し、本変形例では、高確率モードである場合において、残り球数RSが第1報知開始球数以下である状況で第1停止予告用報知が実行される場合と、残り球数RSが第1報知開始球数よりも多い状況で第1停止予告用報知が実行される場合とが生じるものとなっており、これらの場合で第1停止予告用報知の態様を異ならせるようにしている。
【2546】
具体的には、
図237(b)に示すように、高確率モードにおいて残り球数RSが第1報知開始球数以下である場合は、低確率モードの場合よりもメッセージ画像901の表示サイズが大きく設定され、視認性の高い状態で第1停止予告用報知が実行される。これにより、残り球数RSが少なく、遊技停止状態への移行が近づいている状況において、当該移行の事前報知を好適に行うことができる。
【2547】
これに対し、
図237(c)に示すように、高確率モードにおいて残り球数RSが第1報知開始球数よりも多い場合は、残り球数RSが第1報知開始球数以下である場合よりもメッセージ画像901の表示サイズが小さく設定され、視認性の低い状態で第1停止予告用報知が実行される。これにより、遊技停止状態への移行までに猶予がある状況において、第1停止予告用報知が高確率モードでの遊技の妨げとなることを抑制しつつ、高確率モードに移行する前からの第1停止予告用報知の継続を好適に行うことが可能になる。
【2548】
なお、低確率モードである場合のメッセージ画像901との関係において、残り球数RSが第1報知開始球数よりも多い状況で表示されるメッセージ画像901の大小は限定されるものではなく、両者の表示サイズが同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
【2549】
以上、詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【2550】
当否抽選モードが低確率モードである第1状態(通常遊技状態又は時短遊技状態)と、当否抽選モードが高確率モードである第2状態(高確遊技状態)とのそれぞれで停止予告用報知を実行し得る構成とした。これにより、滞在する遊技の状態がいずれであっても、都度の状況に応じて停止予告用報知を開始することができ、遊技停止状態の移行が行われ得ることの事前報知を好適に行うことが可能になる。
【2551】
当否抽選モードが低確率モードである第1状態と、当否抽選モードが高確率モードである第2状態とにおいて、停止予告用報知の実行条件を異ならせる構成とした。具体的には、第2状態では、残り球数RSが第1報知開始球数(例えば14000個)になることに基づいて停止予告用報知が実行され、第1状態では、残り球数RSが第1報知開始球数よりも手前の第2報知開始球数(例えば34000個)になることに基づいて停止予告用報知が実行される構成とした。
【2552】
遊技者が遊技を継続することが想定される第2状態(有利度合いが高い側の状態)での停止予告用報知の実行条件は、残り球数RSが相対的に少ない第1報知開始球数に到達することとされている。この場合、遊技停止状態への移行実施までの残り球数が少ない状況で停止予告用報知が開始されることになり、当該報知の開始を遅くすることができる。これにより、遊技停止状態への移行タイミングにある程度近づいてから停止予告用報知を開始させることができ、賞球(出玉)の獲得を目指す遊技に遊技者が集中できる期間を長く確保しながら、遊技停止状態への移行が不意打ち的に実施されることを抑制できる。一方で、遊技者が遊技をやめる可能性が想定される第1状態(有利度合いが低い側の状態)での停止予告用報知の実行条件は、残り球数RSが相対的に多い第2報知開始球数に到達することとされている。この場合、遊技停止状態への移行実施までの残り球数が多い状況で停止予告用報知が開始されることになり、当該報知の開始を早くすることができる。これにより、新たに遊技を開始する遊技者に対し、遊技停止状態への移行までにある程度余裕を確保した状態で、遊技停止状態への移行に関する事前報知を行うことが可能になる。
【2553】
第1状態と第2状態とにおいて停止予告用報知(メッセージ画像901)の視認性を異ならせる構成とした。具体的には、第2状態での停止予告用報知の表示サイズを大きくし、第1状態での停止予告用報知の表示サイズを小さくする構成とした。賞球を獲得しやすい第2状態では、停止予告用報知が大きく表示され、その視認性が高められる。これにより、遊技停止状態への移行が近づいていく状況において、当該移行の実施を好適に知らせることができる。一方で、賞球を獲得しにくい第1状態では、停止予告用報知が小さく表示され、その視認性が低く抑えられる。これにより、当該報知が目立つことが抑制され、大当たりを目指す本来の遊技に遊技者を集中させやすくすることが可能になる。
【2554】
<その他の変形例>
なお、上述した第4の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第4の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第4の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第4の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【2555】
また、理解の容易のため、例えば「第4の実施の形態では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施例に対しても適用することが可能である。
【2556】
(1)上記第4の実施の形態や各変形例では、「遊技球の合計払出個数」から「遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数」を減算して差球数を導出したが、「遊技球の合計払出個数」から「遊技領域PAに発射された遊技球の合計個数」を減算して差球数を導出してもよい。この場合、遊技球発射機構110から発射されたものの、遊技領域PAに到達せずにファール球通路46に回収された遊技球を差球数の算出対象から除外するとよい。具体的には、遊技領域PAに到達可能な発射強度で発射された遊技球が通過する領域に遊技球検知センサを配置し、当該センサにより検知される遊技球の個数をカウントして上記発射された遊技球の合計個数とするとよい。なお、遊技領域PAに到達可能な発射強度で発射された遊技球が通過する領域としては、例えば、逆戻り防止部材106の配置領域やその周辺部等が考えられる。
【2557】
(2)上記第4の実施の形態や各変形例では、各入球部61~63,65,68への入球の発生に基づいて各カウンタ502a~502eを更新することで、入球発生時を基準とした差球数を導出する構成としたが、賞球の付与がある入球部61~63,65については遊技球の払い出しが行われた場合に、その払い出し個数をカウントし、その合計値を「遊技球の合計払出個数」に用いることで、払い出し時を基準とした差球数を導出してもよい。この場合、例えば満タン状態となっていることにより遊技球の払い出しが中断されている状況で残り球数RSが0個以下となることが回避され、未払い出しの遊技球が多く残存している中で遊技停止状態に移行することを抑制できる。
【2558】
但し、意図的に満タン状態を形成して遊技球の払い出しが行われないようにすることで、差球数が停止用球数に到達するタイミングを遅らせることができ、遊技継続期間の実質的な延長を図ることができる懸念がある。そのような意味では、上記第4の実施の形態や各変形例のように入球発生時を基準として差球数を導出するか、又は、遊技停止状態において遊技球の払い出しを許容する機能を搭載しないようにした上で払い出し時を基準とした差球数の導出を行うとよい。
【2559】
(3)上記第4の実施の形態や各変形例において、「遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数」から「遊技球の合計払出個数」を減算して差球数を導出してもよい。この場合、導出される差球数において遊技者側のプラス分が負の値によって示されるため、停止用球数として負の値を用いる。つまり、導出される差球数が停止用球数としての-99000個以下となったら遊技停止状態に移行する構成となる。
【2560】
(4)上記第4の実施の形態や各変形例では、全ての入球部61~63,65,68を対象として入球履歴の情報を収集したが、一部の入球部を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、可変入賞装置65のみを対象として入球履歴の情報を収集する構成とすれば、開閉実行モード中での差球数の増加により遊技停止状態に移行する構成とすることができる。
【2561】
(5)上記第4の実施の形態や各変形例では、全ての遊技状態を対象として各入球部61~63,65,68への入球履歴の情報を収集したが、一部の遊技状態を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、開閉実行モード中を対象として入球履歴の情報を収集してもよく、この場合、開閉実行モード中での差球数の増加により遊技停止状態に移行する構成とすることができる。
【2562】
また、上記第4の実施の形態や各変形例では、パチンコ機10への電源投入からの全ての期間を対象として各入球部61~63,65,68への入球履歴の情報を収集したが、一部の期間を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、いわゆる連荘期間を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。なお、連荘期間としては、例えば、通常遊技状態中に大当たりとなり、その大当たりに対応する開閉実行モードの終了後に高確遊技状態(高確率モード、又は高確率モード且つ高頻度サポートモード)又は時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する場合において、当該開閉実行モードが開始されてから通常遊技状態に移行するまでの期間とすることができる。
【2563】
(6)上記第4の実施の形態や各変形例では、判定用差球数SAを停止用球数(例えば99000個)から減算して残り球数RSを導出し、その残り球数RSに基づいて超過用判定(遊技停止状態に移行すべきか否かの判定)や停止予告用報知の実行判定(停止予告用報知を実行すべきか否かの判定)を行ったが、判定用差球数SAに基づいて超過用判定や上記実行判定を行ってもよい。この場合、判定用差球数SAが停止用球数以上となることに基づいて遊技停止状態に移行したり、停止用球数よりも少ない特定球数(例えば85000個)以上となることに基づいて停止予告用報知を実行したりする構成とすることができる。また、差球数SBを停止用球数から減算して残り球数を導出し、その残り球数に基づいて超過用判定や実行判定を行ってもよいし、差球数SBに基づいて超過用判定や実行判定を行ってもよい。
【2564】
(7)上記第4の実施の形態や各変形例では、遊技停止状態への移行に際し、遊技停止フラグを「1」にセットしてステップSh409~ステップSh419における遊技の進行を制御するための処理が行われないようにしつつ(ステップSh2503、ステップSh2509)、可変入賞装置65や普電役物63aを強制的に閉鎖する閉鎖制御(ステップSh2504、ステップSh2510)と、遊技球を発射できないようにする発射停止処理(ステップSh2505、ステップSh2511)とを実行するが、閉鎖制御及び発射停止処理の少なくとも一方を実行しない構成としてもよい。
【2565】
また、振動検知や磁石検知等の不正検知(異常検知)に基づいて遊技停止状態に移行する場合と、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合とで、遊技停止状態への移行に際しての処理を異ならせてもよい。例えば、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合は、閉鎖制御及び発射停止処理のいずれも実行しない一方、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行する場合は閉鎖制御及び発射停止処理の両方を実行し、制限度合いを強めるようにしてもよい。
【2566】
(8)上記第4の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて移行した遊技停止状態において遊技球の払い出しを許容する構成としたが、これを許容しない構成としてもよい。
【2567】
但し、この場合、残り球数RSが0個以下となることに応じて突然に遊技球の払い出しが停止してしまい、未払い出しの賞球があった場合にそれが払い出されなくなるおそれがある。そのような不都合の発生を抑制するため、図柄表示装置75等において注意を促す所定報知を事前に行うとよい。例えば残り球数RSが0個よりも多い特定個数(例えば9000個)に到達し、差球数が停止用球数よりも少ない所定個数(例えば90000個)になったら「もうすぐ出玉上限に到達して停止状態になります。注意して下さい。」などの画像報知や音声報知を行うとよい。
【2568】
また、満タン状態等の遊技球の払い出しが停止している状況での報知について差球数が上記所定個数以上であるか否かによって報知態様を異ならせてもよい。例えば、満タン状態等において差球数が上記所定個数未満の場合は「球を抜いて下さい。」などの画像報知や音声報知を行い、満タン状態等において差球数が上記所定個数以上である場合は「速やかに球を抜いて下さい。未払い出し分が払い出されなくなるおそれがあります。」などの画像報知や音声報知を行ってもよい。
【2569】
(9)上記第4の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが報知開始球数(例えば14000個)以下になると、第1停止予告用報知が実行される構成としたが、残り球数RSにかかわらず、常時、第1停止予告用報知が実行される構成としてもよい。
【2570】
(10)上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行するが、開閉実行モードの途中で遊技停止状態に移行してもよい。この場合、残り球数RSが0個以下となった時点で直ちに遊技停止状態に移行してもよいし、残り球数RSが0個以下となったときに実行中のラウンド遊技が終了してから遊技停止状態に移行してもよい。
【2571】
上記の際、開閉実行モードのオープニング期間にて第2停止予告用報知を実行する構成としてもよいし、開閉実行モードに移行してからも第1停止予告用報知を継続する(第2停止予告用報知への切り替えを行なわない)構成としてもよい。開閉実行モード中のいずれのタイミングで終了するかを遊技者に分かりやすくする上では後者の構成とすることが好ましい。
【2572】
(11)上記第4の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となった場合に遊技停止状態に移行するが、遊技停止状態とは異なる状態となる構成としてもよい。例えば、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に、その開閉実行モードが途中終了されて非開閉実行モードの状態となる構成としてもよい。また、他の構成例として、例えば、高確率モードや高頻度サポートモード中の大当たりに基づく開閉実行モードにて残り球数RSが0個以下となった場合に、主側RAM314に記憶される大当たり種別や当否抽選モード、サポートモードの情報が初期化され、上記大当たりの種別にかかわらず、上記開閉実行モード後の当否抽選モードが低確率モードに設定されたり、サポートモードが低頻度サポートに設定されたりする構成としてもよい。
【2573】
また、遊技者にとって不利な状態に移行する場合に限らず、有利な状態に移行する場合であってもよい。例えば、通常大当たり結果に対応する開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に、その開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定されたりしてもよい。
【2574】
また、有利度合いに変化が生じない構成であってもよい。例えば、残り球数RSが0個以下となることで、通常演出モードとは異なる特定演出モードに移行し、残り球数RSが0個未満の状況で設定される通常演出モードでは実行されない特定演出が実行されるようになる構成としてもよい。この場合、通常演出モードでは実行確率が低い特定演出が、特定演出モードへの移行により実行されやすくなる構成としてもよい。
【2575】
(12)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1停止予告用報知において残り球数を報知するが、それとは異なる情報を報知してもよい。例えば、判定用差球数SAや差球数SB等の獲得球数を報知してもよい。また、残り球数及び差球数(獲得球数)の情報が交互に切り替え表示されるものであってもよい。
【2576】
また、残り球数の報知に代えて又は加えて大当たりに関する情報を報知してもよい。具体的には、残り球数RSが0個以下となるまでに実行可能な大当たり遊技の回数の情報を報知してもよい。例えば、「遊技停止まで大当たり回数はあと〇回です。」等の文字が付されたメッセージ画像を表示する。
【2577】
上記の際、ラウンド数が異なる(獲得球数の期待値が異なる)複数の大当たり遊技が設けられている場合は、高確遊技状態や時短遊技状態で当選可能な大当たり(例えば第2特図の当否抽選にて当選可能な大当たり)のうち最大獲得期待数の大当たりを対象として残りの大当たり回数を導出する。例えば、獲得期待値が1000個の大当たりと、400個の大当たりとがある状況で残り球数RSが10000個である場合は、残りの大当たり回数を10回又は余裕を見て9回を報知する。その後、獲得期待値が1000個の大当たりに当選し、それに対応する大当たり遊技が終了した場合には、残りの大当たり回数を1減算し、9回又は8回を報知する。一方、獲得期待値が400個の大当たりに当選した場合は、残り大当たり回数を減算せず、10回又は9回の報知を維持する。その後、獲得期待値が400個の大当たりにさらに2回当選するなど、400個の大当たりによる獲得球数の累積値が1000個を超えた場合は、残り大当たり回数の報知を更新して9回又は8回を報知する。
【2578】
(13)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1停止予告用報知において実際の残り球数RSよりも少ない球数を報知するが、実際の残り球数RSを報知してもよい。なお、上記(12)のように判定用差球数SAや差球数SBを報知する場合、実際の判定用差球数SAや差球数SBよりも多い球数を報知してもよいし、実際の判定用差球数SAや差球数SBを報知してもよい。
【2579】
(14)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1停止予告用報知において残り球数RSのみを報知するが、遊技停止までの上限数(例えば99000個)と、都度の残り球数RSとを報知してもよい。例えば、残り球数RSが約13000個である場合は、
図238(a)に示すように、「あと約13000個/99000個で遊技停止」等の表示を行うようにしてもよい。また、上記(12)のように獲得球数(判定用差球数SAや差球数SB)を報知する場合は、
図238(b)に示すように、86000/99000個で遊技停止」等の表示を行うようにしてもよい。これらの場合、残り球数RSや獲得球数として、上記第4の実施の形態や各変形例のように概略的な数値を報知してもよいし、実際の数値を報知してもよい。
【2580】
(15)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1停止予告用報知において数字表記により残り球数の報知を行うが、数字以外の画像により当該報知を行ってもよい。例えば、
図238(c)に示すように、遊技停止の球数(99000個)を全体とした場合の現在の獲得球数の割合をレベルゲージ等により表すようにして残り球数の報知を行ってもよい。
【2581】
(16)上記第4の実施の形態や各変形例において、残り球数に応じて第1停止予告用報知の態様を異ならせる構成としてもよい。例えば、レベルゲージ等の数字情報とは異なる画像を用いた態様で第1停止予告用報を開始し、その後、残り球数RSが所定球数(例えば2000個)に到達することで、メッセージ画像901のような数字情報を用いた態様の報知に切り替えられる構成としてもよい。このような構成とすることで、残り球数が多く、遊技停止までに十分な猶予がある状況では、遊技停止までの残りを遊技者が概略的に認識し得るようにしつつ、残り球数が少なく、遊技停止が迫っている状況では、都度の具体的な残り球数を認識できるようにすることができ、遊技者に対して分かりやすく報知を行うことが可能になる。
【2582】
(17)上記第4の実施の形態や各変形例において、遊技盤60の前面部やパチンコ機10の前面部(前扉枠14の前面部)における特定領域等の遊技機前方から視認可能な箇所に複数の発光部を備え、その発光状態により残り球数の報知を行ってもよい。例えば、
図239(a)に示すように、10個の発光部(例えばLED)951a~951jが配列された第1発光部群951と、10個の発光部952a~952jが配列された第2発光部群952とを備える。第1発光部群951は、1個の発光部が点灯状態にあることで10000個の残り球数が存在することを示し、残り球数が10000個減少するのに応じて1個の発光部が消灯状態に切り替えられるように発光制御される。一方、第2発光部群952は、1個の発光部が点灯状態にあることで1000個の残り球数が存在することを示し、残り球数が1000個減少するのに応じて1個の発光部が消灯状態に切り替えられるように発光制御される。このため、例えば、残り球数が64000個である場合には、
図239(b)に示すように、第1発光部群951において、発光部951a~951dが消灯状態、発光部951e~951jが点灯状態となり、第2発光部群952において、発光部952a~952fが消灯状態、発光部952g~952jが点灯状態となるように駆動制御される。
【2583】
また、
図240(a)に示すように、第1発光部群951として発光部951a、951bを備え、これらの点灯状態、点滅状態、消灯状態を制御し、それら3状態の組合せにより残り球数を報知するようにしてもよい。例えば、
図240(b)に示すように、残り球数が99000個~40000個の範囲内である場合は発光部951a、951bの両方が点灯状態となり、残り球数が40000個~30000個の範囲内である場合は発光部951aが点滅状態、発光部951bが点灯状態となるように駆動制御されるといった具合である。この際、第2発光部群952においては残り球数が40000個に到達するまでは全点灯状態が維持され、40000個以下となった後は、上記の場合と同様に、各発光部952a~952jの点灯の有無によって1000個単位での残り球数を示すように制御される。なお、第2発光部群952についても、点灯状態、点滅状態、消灯状態の組合せにより残り球数を報知する構成としてもよい。
【2584】
また、
図241(a)に示すように、10000個単位の残り球数を示すものとして発光部953を備え、発光部953の発光色と、上記第2発光部群952の点灯状態との組合せにより残り球数を報知する構成とすることができる。例えば、
図241(b)に示すように、残り球数が99000個~40000個の範囲内である場合は発光部953の発光色が赤色となり、残り球数が40000個~30000個の範囲内である場合は発光部953の発光色が緑色となるように駆動制御されるといった具合である。この際、第2発光部群952においては残り球数が40000個に到達するまでは全点灯状態が維持され、40000個以下となった後は、上記の場合と同様に、各発光部952a~952jの点灯の有無によって1000個単位での残り球数を示すように制御される。なお、第2発光部群952に代えて、1000個単位の残り球数を示す発光部を設け、当該発光部の発光色に残り球数を報知する構成としてもよい。
【2585】
なお、
図238~
図241の各報知例では、当初(残り球数が99000個の状態、獲得球数が0個の状態)から報知が行われるように構成されるが、残り球数RSが報知開始球数(例えば50000個)以下となることに応じて報知が行われる構成としてもよい。この際、報知の不実行状態では各発光部が消灯状態とされる。
【2586】
また、
図238~
図241の各報知例と図柄表示装置75での第1停止予告用報知や第2停止予告用報知との両方が実行されてもよいし、それら各停止予告用報知に代えて
図238~
図241の各報知例が実行されてもよい。
図238~
図241の各報知例と図柄表示装置75での第1停止予告用報知や第2停止予告用報知との両方が実行される場合は、それが並行して実行されてもよいし、所定の切替条件(操作手段の操作や所定演出の実行等)の成立によりそれらの報知が切り替えられて実行されてもよい。
【2587】
(18)
図238~
図241の上記各報知を行う場合において、遊技者やホール従業員が各発光部の発光態様に基づいて残り球数(獲得球数)を認識できるようにするための説明表示が遊技盤60の前面部における所定領域にてなされる構成としてもよい。上記説明表示としては、発光部の発光態様と残り球数(獲得球数)との対応関係を説明するものとすることができ、例えば、
図238の報知例において、第1発光部群951が10000個単位で残り球数を示し、第2発光部群952が1000個単位で残り球数を示すことや、
図239の報知例において、各発光部951a、951bにおける点灯状態、点滅状態、消灯状態の組合せと残り球数との対応関係を説明するものなどが考えられる。
【2588】
上記説明表示がなされる所定領域は、ガラスパネル23を通じて遊技機前方から視認可能な領域である。この場合、所定領域が遊技領域PE(遊技球が流下し得る領域)内に設けられ、所定領域の前方を遊技球が通過可能な構成としてもよいし、所定領域が遊技領域PE外に設けられ、所定領域の前方を遊技球が通過不可な構成としてもよい。遊技球が接触することによる説明表示の損傷や、遊技球に隠されることによる説明表示の視認性の低下等を抑制する上では、後者の構成とすることが好ましい。
【2589】
遊技盤60が透明性を有するものである場合は、遊技盤60の後方側に上記説明表示が設けられ、当該遊技盤60を通して説明表示を視認できる構成としてもよい。また、パチンコ機10の前面部(前扉枠14の前面部)に上記説明表示を設ける構成としてもよい。
【2590】
なお、発光部による報知に関しての説明表示に加えて又は代えて、獲得球数(差球数)が99000個に到達することにより遊技停止状態に移行することへの説明表示がなされる構成としてもよい。
【2591】
(19)上記第4の実施の形態や各変形例では、停止予告用報知の実行制御が演出制御装置143により行われるが、主制御装置162により行われる構成としてもよい。上記(18)のように発光部により停止予告用報知を行う場合においてその実行制御が主制御装置162により行われる場合は、それらの発光部を主表示ユニット81に設ける構成としてもよい。この場合、かかる発光部を特図用表示部の近傍や特図用表示部に隣接して配置することができ、主制御装置162からの配線の引き回しを好適化することができる。また、注目箇所の集約化が図られるというメリットもある。
【2592】
なお、発光部による停止予告用報知と、図柄表示装置75上での停止予告用報知との両方を行う場合は、それらの一方の実行制御を主制御装置162が行い、他方の実行制御を演出制御装置143が行う構成としてもよい。その際、上記第4の実施の形態や各変形例のように、図柄表示装置75の表示制御が演出制御装置143及び表示制御装置350によりなされる構成の場合は、前者の報知の実行制御を主制御装置162が行い、後者の報知の実行制御を演出制御装置143が行う構成とするとよい。
【2593】
(20)上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中ではない状況で残り球数RSが報知開始球数(例えば14000個)以下となった場合に、特図遊技回の開始(変動表示の開始)に合わせて第1停止予告用報知が開始されるが、特図遊技回の途中で第1停止予告用報知が開始されてもよい。この場合、図柄列Z1~Z3が仮停止表示中又は確定表示中の状況で第1停止予告用報知を開始するとよい。例えば、図柄列Z1~Z3が変動表示中である状況で残り球数RSが報知開始球数以下となった場合、仮停止表示又は確定表示が開始されるのを待って第1停止予告用報知を開始するとよい。
【2594】
(21)上記第4の実施の形態や各変形例では、停止予告用報知を図柄表示装置75にて実行するが、他の報知手段にて実行してもよい。この場合、他の報知手段は、停止予告用報知を報知するための専用手段であってもよいし、停止予告用報知以外の報知との兼用手段であってもよい。
【2595】
また、停止予告用報知は、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いた報知であってもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることによる報知であってもよい。また、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。
【2596】
(22)上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが報知開始球数以下となった場合、開閉実行モードのエンディング期間にて第1停止予告用報知を開始するが、可変入賞装置65が閉鎖されている状況であれば、エンディング期間以外の期間にて第1停止予告用報知を開始してもよい。例えば、オープニング期間やラウンドインターバル期間にて第1停止予告用報知を開始してもよい。ラウンドインターバル期間は、前後のラウンド遊技の間に設定されるものであり、先のラウンド遊技にて可変入賞装置65の開放が終了した後、可変入賞装置65を閉鎖状態として後のラウンド遊技の開始を待機する期間である。
【2597】
なお、上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に行われる報知(特定報知)の具体例として停止予告用報知を例示しているが、他の報知であってもよい。開閉実行モード中に実行する特定報知として停止予告用報知以外の報知を行う場合であっても、当該報知を可変入賞装置65が閉鎖されている状況で開始することにより、当該報知が可変入賞装置65への入賞を目指す遊技の妨げになることを抑制できるという効果を期待できるためである。この場合、当該報知の開始条件は、必ずしも残り球数RSが報知開始球数以下となることである必要はなく、例えば、可変入賞装置65への遊技球の入球個数が上限入賞個数より多い数に達したこと(オーバーフロー入賞の発生)や、満タン状態の発生など、他の条件であってもよい。
【2598】
ちなみに上記効果を求めない場合であれば、第1停止予告用報知の開始タイミングは可変入賞装置65の閉鎖期間中に限定されるものではなく、開閉実行モードにおいて可変入賞装置65が開放されている状況で第1停止予告用報知が開始される構成であってもよい。
【2599】
(23)上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが報知開始球数以下となった場合に開閉実行モード中に第1停止予告用報知を開始するが、開閉実行モードの終了後(エンディング期間の終了後)に第1停止予告用報知を開始してもよい。例えば、開閉実行モード終了後の遊技状態(高確遊技状態等)における特図遊技回にて第1停止予告用報知を開始してもよい。その際、当該遊技回の開始に合わせて第1停止予告用報知を開始してもよいし、当該遊技回の途中で第1停止予告用報知を開始してもよい。第1停止予告用報知を開始する特図遊技回は、開閉実行モード終了後の初回目遊技回に限らず、2回目以降の遊技回であってもよい。
【2600】
なお、開閉実行モード終了後の時点で保留個数が0個の状態であれば、開閉実行モード終了後、特図遊技回の開始前に第1停止予告用報知を開始してもよい。このような構成とすることで、特図遊技回にて図柄変動やその停止態様を見て楽しむ遊技の妨げとなることを抑制しつつ、第1停止予告用報知を開始させることができる。
【2601】
(24)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1停止予告用報知の開始後、残り球数RSが予め定められた更新球数に到達する都度、第1停止予告用報知の報知内容(残り球数の報知)を更新し、区間ごとの残り球数が報知される構成としたが、差球数コマンドを受信する都度(差球数の情報が取得又は更新される都度)、第1停止予告用報知の報知内容を更新してもよい。すなわち、リアルタイムで第1停止予告用報知の報知内容を更新し、常に最新の残り球数が報知される構成としてもよい。
【2602】
また、区間ごとの残り球数の報知とリアルタイムの残り球数の報知とを組み合わせてもよい。例えば、第1停止予告用報知の開始後、残り球数RSが所定数(例えば500個)に到達するまでは区間ごとの残り球数の報知を行い、所定数への到達後はリアルタイムの残り球数の報知を行う構成としてもよい。このような構成とすることで、報知制御の処理負荷の軽減と遊技停止に関する事前報知とを好適に両立させることができる。すなわち、残り球数RSが多い状況では、第1停止予告用報知の更新頻度を減らして処理負荷の軽減を図りつつ、残り球数RSが少ない状況では、詳しく残り球数を報知して遊技停止が迫っていることを遊技者に分かりやすく伝えることができる。
【2603】
(25)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1停止予告用報知の更新単位を変化させる具体例として、第1停止予告用報知が実行されている中でその更新単位が変化する構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、残り球数RSが特定数(例えば50000個)以下となるまでは第1停止予告用報知が実行されず、残り球数RSが特定数以下となることに応じて第1停止予告用報知が実行された後は、当該報知の内容が所定数(例えば1000個)単位で更新される構成であってもよい。この場合、第1停止予告用報知が特定数(例えば50000個)単位で更新され、その後、当該報知が特定数とは異なる所定数(例えば1000個)単位で更新されることになる。
【2604】
(26)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1停止予告用報知の更新単位が自動的に変更されるが、手動により変更される構成としてもよい。すなわち、演出用操作部36やこれとは異なる操作部等の所定操作部により特定操作が行われることで、上記更新単位が変更される構成としてもよい。このような構成とすることで、各遊技者の好みに応じた間隔で第1停止予告用報知の報知内容を更新することができる。
【2605】
(27)上記第4の実施の形態や各変形例において、第1停止予告用報知を実行中の状態で開閉実行モードに移行することに伴い、開閉実行モードでも第1停止予告用報知を継続する場合において、第1停止予告用報知が一時的に不実行とされてもよい。例えば、オープンニング期間の少なくとも一部の期間にて第1停止予告用報知が不実行とされ、その後、第1停止予告用報知が実行される構成としてもよい。
【2606】
なお、開閉実行モードでも第1停止予告用報知を継続することの契機は、第1停止予告用報知を実行中の状態で開閉実行モードに移行することであってもよいし、第1停止予告用報知を実行中の状態で開閉実行モードへの移行契機が成立することであってもよい。後者の構成にあっては、特図遊技回の当否抽選にて大当たり結果になることや、特図用表示部43の絵柄や図柄表示装置75の図柄列Z1~Z3が大当たり結果に対応する組み合わせで停止表示されることを、開閉実行モードへの移行契機とすることができる。
【2607】
(28)上記第4の実施の形態や各変形例では、報知開始球数と報知終了球数を同数に設定したが、異なる数に設定してもよい。例えば、報知終了球数を報知開始球数(例えば14000個)よりも多い数(例えば20000個)に設定してもよい。このような構成とすることで、残り球数RSが報知開始球数付近を前後している場合に停止予告用報知の有無が繰り返し切り替えられ、遊技者にとって煩わしくなることを抑制できる。
【2608】
なお、変形例3のように複数の報知終了球数が設定されている場合は、多い側の報知開始球数(例えば34000個)よりも多い数(例えば50000個)の報知終了球数を設定するとよい。
【2609】
また、報知終了球数を報知開始球数(例えば14000個)よりも少ない数に設定してもよい。例えば、報知終了球数を0個に設定すれば、残り球数RSが0個以下となること、すなわち、遊技停止状態への移行が行われることに伴って停止予告用報知を終了させることができる。その他、停止予告用報知の開始後、パチンコ機の電源オフ→電源オンの操作が行われることにより、停止予告用報知が終了されるなど、残り球数RSを要素としない(残り球数RSを参照しない)条件により停止予告用報知が終了される構成としてもよい。
【2610】
(29)上記第4の実施の形態や各変形例において、停止予告用報知を実行中の状態で開閉実行モードに移行した場合に、開閉実行モードにて停止予告用報知を制限する構成としてもよい。具体的には、開閉実行モードの全般にて又は開閉実行モード中の一部の期間(例えばラウンド遊技が行われる期間)にて停止予告用報知を不実行としたり、停止予告用報知の視認性を低下させたりする(停止予告用報知の表示を小さくしたり、表示色を薄く変化させたりすることで、非制限状態に比べて停止予告用報知の存在やその内容を認識しにくくする)構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技者を開閉実行モードでの遊技に集中させやすくすることができる。
【2611】
また、停止予告用報知を実行中の状態で開閉実行モードに移行した場合において、開閉実行モード中に残り球数RSが所定数(0個、又は500個等の0個よりも多い特定数)以下にならない場合は、開閉実行モードにて停止予告用報知を制限する又は制限度合いを高める一方、開閉実行モード中に残り球数RSが所定数以下となる場合は、制限しない又は制限度合いを低くする構成としてもよい。このような構成とすることで、残り球数RSが多い状況では遊技者を開閉実行モードでの遊技に集中させやすくしつつ、残り球数RSが少ない状況では遊技停止に関する事前報知を行うことができる。
【2612】
なお、上記各構成において、開閉実行モード中に残り球数RSが更新球数に到達した場合は、開閉実行モードの終了後、停止予告用報知が再開された場合に、停止予告用報知の報知内容を更新するとよい。
【2613】
(30)上記第4の実施の形態や各変形例において、リーチ演出が実行される期間にて停止予告用報知を制限する構成としてもよい。具体的には、リーチ演出の実行期間にて停止予告用報知を不実行としたり、停止予告用報知の視認性を低下させたりする(停止予告用報知の表示を小さくしたり、表示色を薄く変化させたりすることで、非制限状態に比べて停止予告用報知の存在やその内容を認識しにくくする)構成としてもよい。このような構成とすることで、停止予告用報知によりリーチ演出への注目度が低下し、当該演出の見落とし等が発生することを抑制できる。このような構成は、リーチ演出と停止予告用報知の両方を図柄表示装置75(同一の報知手段)で行う構成に対して特に効果的である。
【2614】
なお、必ずしもリーチ演出の実行期間の全体で停止予告用報知を制限する必要はなく、当該実行期間の少なくとも一部の期間(例えば当該リーチ演出の見どころとなる期間)を対象として停止予告用報知を制限してもよい。また、一部のリーチ演出(上位のリーチ演出)を対象として停止予告用報知を制限し、他のリーチ演出では当該制限を行わない構成としてもよい。
【2615】
(31)上記第4の実施の形態や各変形例では、第2停止予告用報知において残り球数を報知しないが、残り球数の報知を行った上でメッセージ画像902を表示する構成としてもよい。この場合における残り球数の報知は、表示サイズが小さくされたりするなどして、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)の場合に比べて遊技者が残り球数を認識しにくいものであるとよい。
【2616】
(32)上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合に開閉実行モードの開始時(オープンニング期間)から第2停止予告用報知を開始するが、開閉実行モードの途中で第2停止予告用報知を開始してもよい。例えば、残り球数RSが0個以下となった時点で第2停止予告用報知を開始したり、残り球数RSが0個以下となった当該ラウンドの次のラウンドにて第2停止予告用報知を開始したり、当該ラウンドと次のラウンドとの間のラウンドインターバルにて第2停止予告用報知を開始したりする構成が考えられる。また、実際の残り球数RSではなく、第1停止予告用報知にて報知される報知上の残り球数を参照して第2停止予告用報知を開始する構成としてもよい。例えば、第1停止予告用報知にて報知される残り球数が0個以下、又は100個等の0個よりも多い特定数以下となった場合に第2停止予告用報知を開始する構成が考えられる。
【2617】
(33)上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となるか否かの判定を種別コマンドの受信時(当選遊技回の開始時)に行うが、オープニングコマンドの受信時(開閉実行モードの開始時)に行ってもよい。要は大当たり種別(開閉実行モードの種別)の決定後、開閉実行モードの開始時までの期間にて上記判定が行われればよい。
【2618】
(34)上記第4の実施の形態や各変形例において、大当たり種別が確変大当たり結果である状況で、その開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合に、図柄列Z1~Z3を通常大当たり結果に対応する組合せで停止表示させてもよい。すなわち、確変大当たり結果となったこと(高確遊技状態への移行契機が成立したこと)を遊技者が認識不可又は認識困難となるようにしつつ、開閉実行モードにおいて第2停止予告用報知を行う構成としてもよい。例えば、図柄列Z1~Z3が確変大当たり結果に対応する組合せで停止表示された後、開閉実行モードにて「この台は、この大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が表示されると、獲得したはずの高確遊技状態はどうなってしまうのかといった遊技者の不安感を煽ったり、高確遊技状態が取り消されてしまったとして損をした気分にさせてしまったりする懸念がある。この点、上記構成であることで、高確遊技状態が消失した印象を与えることを抑制しつつ、第2停止予告用報知を実行することが可能になる。
【2619】
(35)上記第4の実施の形態や各変形例では、遊技停止状態への移行に関する特定報知を当該移行に先立って実行するが、遊技停止状態への移行契機が成立した場合(残り球数RSが0個以下となった場合)に実行してもよい。
【2620】
(36)上記第4の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となった場合に「差球数が上限値に到達しました。遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像905や、「遊技停止中です。係員を読んで下さい。ハンドルから手を離して下さい。」等の文字が付されたメッセージ画像906を図柄表示装置75に表示するが、これらのうちの一方又は双方と併せて又はその前後にて、獲得球数の実績値に対応した報知を行う構成としてもよい。獲得球数の実績値に対応した報知としては、例えば、遊技停止状態に移行した際の判定用差球数SAや差球数SBを遊技者が認識できる報知とすることができ、具体的には、判定用差球数SAや差球数SBを数字表示する報知とすることができる。このような報知を行うことで、遊技者の満足感や達成感を喚起することができ、遊技停止状態に移行すること(遊技ができなくなること)への不満感を緩和することが可能になる。
【2621】
(37)上記第4の実施の形態の変形例1では、停止予告用報知(メッセージ画像901,902)の表示サイズや表示位置により視認性に差異を設ける構成としたが、表示の濃さにより視認性に差異を設けてもよい。例えば、視認性を低くする場合は停止予告用報知の表示を薄くし、視認性を高くする場合は停止予告用報知の表示を濃くすることが考えられる。
【2622】
なお、上記第4の実施の形態の変形例1では、表示サイズと表示位置との両方を異ならせることで、停止予告用報知の視認性を異ならせる構成としたが、いずれか一方のみを異ならせることで、視認性を異ならせてもよい。
【2623】
(38)上記第4の実施の形態の変形例1では、背景画像901bの表示面積を表示サイズとしたが、文字901aの表示領域の面積を表示サイズとしてもよい。また、文字901aにおける1文字分の大きさ(表示面積)を表示サイズとしてもよい。この場合、文字901aにおいて最も大きい文字の大きさを表示サイズとしてもよいし、平均サイズを表示サイズとしてもよい。このことは上記第4の実施の形態の変形例3においても同様である。
【2624】
(39)上記第4の実施の形態の変形例1では、開閉実行モード中である場合の停止予告用報知の表示サイズを高確遊技状態(非開閉実行モード)中である場合よりも小さくしたが(
図228(a)、
図229)、前者の場合における表示サイズを後者の場合における表示サイズよりも大きくしてもよい。この場合、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合(第2停止予告用報知を行う場合)を対象として高確遊技状態中の場合よりも停止予告用報知の表示サイズを大きくしてもよい。この際、開閉実行モード中の残り球数RSが0個以下とならない場合における停止予告用報知の表示サイズは、高確遊技状態中である場合よりも小さくしてもよいし、高確遊技状態中である場合と同じであってもよい。
【2625】
(40)上記第4の実施の形態の変形例1では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合(
図229(b))と、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合(
図229(a))とで停止予告用報知の表示サイズを異ならせたが、0個以外の特定数(例えば500個等の0個よりも多い数)以下となるか否かにより表示サイズを異ならせてもよい。
【2626】
また、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下又は特定数以下となるか否かにより停止予告用報知の表示位置を異ならせてもよい。例えば、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下又は特定数以下となる場合は表示画面Gの右側に停止予告用報知を表示し、可変入賞装置65と停止予告用報知を同時に視認しやすくする一方、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下又は特定数以下とならない場合は表示画面Gの左側に停止予告用報知を表示し、可変入賞装置65に注目している遊技者の視界に停止予告用報知が入りにくくする構成としてもよい。
【2627】
(41)上記第4の実施の形態の変形例2では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合にラウンド昇格演出が実行されない構成としたが、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合に比べてラウンド昇格演出が実行されにくくする構成としてもよい。例えば、ラウンド昇格演出の実行抽選における当選確率が、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合よりも0個以下になる場合の方が低くなる構成とすることができる。
【2628】
(42)上記第4の実施の形態の変形例2では、ラウンド昇格演出の実行を制限する構成としたが、これに代えて又は加えて、開閉実行モード後の遊技に関する先読み報知の実行を制限する構成としてもよい。すなわち、いわゆる保留先読み機能を備え、当該機能により開閉実行モードの開始前又は実行中において、その時点で保留記憶されている保留情報の中に大当たりやリーチ発生等に対応するものがある場合は、それを示唆する報知を開閉実行モード中に実行し得る遊技機において、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合に当該報知の実行を制限するというものである。そのような報知が行われた状況で開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行し、実際には報知により示唆された事象が生じないことになる場合は、遊技者が損をしたような気分になる懸念があるが、本構成によればそのような不都合の発生を抑制することが可能になる。
【2629】
なお、保留先読み機能については例えば「取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)に記憶されている所定の特別情報(保留情報)が付与判定(特図当否判定)の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段」と記載することができる。また、先読み報知の実行機能については例えば「前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に特定報知(先読み報知)を実行する特定報知実行手段」や「前記先特定手段による特定結果が所定の特定結果であった場合に、当該先特定手段の特定対象となった特別情報に係る遊技回が実行されるより前に、前記先特定手段の特定結果に対応した特定報知(先読み報知)を実行する特定報知実行手段」と記載することができる。
【2630】
また、上記構成に代えて又は加えて、高確遊技状態への昇格報知を開閉実行モード中に実行し得る構成とした上で、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合に当該昇格報知の実行を制限する構成としてもよい。すなわち、確変大当たりとなった当選遊技回では、そのときの大当たり結果が確変大当たり結果であるか、それとも通常大当たり結果であるかを遊技者が判別不可又は判別困難な構成(例えば、確変大当たり結果と通常大当たり結果との両方で、図柄列Z1~Z3による当たり報知にて停止表示される図柄が同一の図柄とされ得る構成)とし、実際の大当たり結果が確変大当たり結果である場合に、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態となることを示唆する報知(昇格報知)を開閉実行モード中に実行し得る遊技機において、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合に当該報知の実行を制限するというものである。このような場合も上記と同様の効果を期待することができる。
【2631】
(43)上記第4の実施の形態の変形例2では、10R大当たり結果に対応する開閉実行モードでのみラウンド昇格演出が実行され得る構成としたが、4R大当たり結果に対応する開閉実行モードでもラウンド昇格演出が実行され得る構成としてもよい。具体的には、ラウンド昇格演出として、ラウンド昇格に成功する成功態様の結末となるラウンド昇格演出と、ラウンド昇格に失敗する失敗態様の結末となるラウンド昇格演出とを設け、4R大当たり結果に対応する開閉実行モードでは、失敗態様のラウンド昇格演出が実行される構成とすることができる。
【2632】
開閉実行モードにて第2停止予告用報知とラウンド昇格演出との両方が行われた場合、第2停止予告用報知により出玉が多くあるような印象が生じることで、ラウンド昇格が成功することに関し、第2停止予告用報知が行われない状態でラウンド昇格演出が実行される場合よりも遊技者に対して高い期待感を与えてしまうことが想定される。このような状況で、実際の開閉実行モードが4R大当たり結果に対応しており、失敗態様のラウンド昇格演出が実行されると、停止用球数まで出玉を増やしたことの達成感よりもラウンド昇格に失敗したことの落胆感の方が強く印象付けられてしまう懸念がある。この点、4R大当たり結果に対応する開閉実行モードにて第2停止予告用報知を実行する場合にラウンド昇格演出の実行を制限することで、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
【2633】
(44)上記第4の実施の形態の変形例2では、ラウンド昇格演出の実行を制限するか否かを種別コマンドの受信時(当選遊技回の開始時)に行うが、オープニングコマンドの受信時(開閉実行モードの開始時)に行ってもよい。要は大当たり種別(開閉実行モードの種別)の決定後、開閉実行モードの開始時までの期間にて上記判定が行われればよい。
【2634】
(45)上記第4の実施の形態の変形例2では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合に開閉実行モード用演出として特別演出を実行したが(
図232(c)、(d))、ラウンド昇格演出の実行を制限した上で、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合と同様の通常演出を実行してもよい。
【2635】
(46)上記第4の実施の形態の変形例2では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合にラウンド昇格演出の実行を制限する構成としたが、ラウンド昇格演出の実行を許容する構成としてもよい。開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合においてラウンド昇格演出を実行する場合は、少なくともラウンド昇格演出の実行前の期間(3ラウンド目までのラウンド遊技の期間)にて第2停止予告用報知を実行せず、ラウンド昇格演出を実行して10R大当たり結果に対応する開閉実行モードであることを報知した後、第2停止予告用報知を実行するとよい。
【2636】
(47)上記第4の実施の形態の変形例3では、低確率モード用の報知開始球数である第2報知開始球数を、高確率モード用の報知開始球数である第1報知開始球数(例えば14000個)よりも多い数(例えば34000個)とするが、第2報知開始球数を第1報知開始球数よりも少ない数としてもよい。低確率モード中の遊技では差球数が低下し、遊技停止状態への移行から遠ざかっていく状態になるが、このような状態で停止予告用報知が実行されにくくなることで、当該報知が遊技者にとって煩わしいだけのものになることを抑制できる。
【2637】
(48)上記第4の実施の形態の変形例3では、「通常遊技状態又は時短遊技状態」と「高確遊技状態」とで停止予告用報知の報知態様を異ならせるが、「通常遊技状態」と「時短遊技状態又は高確遊技状態」とで停止予告用報知の報知態様を異ならせてもよい。また、「通常遊技状態」と「時短遊技状態」と「高確遊技状態」との三者で停止予告用報知の報知態様を異ならせてもよい。
【2638】
(49)上記第4の実施の形態の変形例3では、低確率モードにて残り球数RSが第2報知開始球数以下となることを契機として停止予告用報知を開始した後、残り球数RSが第1報知開始球数より多い状態で高確率モードに移行した場合、高確率モードでも停止予告用報知を継続する構成としたが、これを継続しない構成としてもよい。すなわち、高確率モードに移行した場合において、残り球数RSが第1報知開始球数以下でないことに基づいて停止予告用報知を終了する構成としてもよい。
【2639】
(50)上記第4の実施の形態の変形例3において、演出用操作部36やこれとは異なる操作部等の所定操作部により所定操作が行われることで、停止予告用報知の有無が切り替えられる構成としてもよい。すなわち、停止予告用報知が実行されている状態で上記所定操作部の操作により当該報知が不実行の状態に切り替えられ、その状態でさらに上記所定操作部が操作されることにより停止予告用報知が再実行される構成としてもよい。
【2640】
このような構成とすることで、遊技中の遊技者にとって停止予告用報知の有用性が低い低確率モードにおいて、上記所定操作部の操作を行って停止予告用報知を消去することで、当該報知が煩わしくなることを抑制できる。その一方で、別の遊技者が遊技を始める場合には、上記所定操作部の操作を行って停止予告用報知を表示させることで、遊技停止までの残り球数を容易に把握することができる。
【2641】
上記の際、残り球数RSが報知開始球数以下である状況で上記所定操作部の操作が行われることにより、停止予告用報知の有無を切り替えられる構成としてもよい。かかる構成では、例えば、低確率モードにおいて残り球数RSが第2報知開始球数よりも多い状況では、上記所定操作部の操作が行われても停止予告用報知が実行されない。
【2642】
また、残り球数RSにかかわらず、上記所定操作部の操作が行われることにより、停止予告用報知の有無を切り替えられる構成としてもよい。この場合、低確率モードにおいて残り球数RSが第2報知開始球数以下となることにより停止予告用報知が開始される機能については、搭載されてもよいし、搭載されなくてもよい。例えば、当該機能を搭載する構成では、上記所定操作部の操作により、いつでも停止予告用報知の有無を切り替え可能となっている上で、残り球数RSが第2報知開始球数以下となった場合には停止予告用報知が自動的に開始されるものとなる。
【2643】
また、高確率モードにおいて残り球数RSが第1報知開始球数以下となることにより停止予告用報知が開始される機能についても、搭載されてもよいし、搭載されなくてもよい。
【2644】
例えば、少なくとも低確率モードにおいて上記所定操作部の操作により停止予告用報知の有無を切り替え可能とされた上で、低確率モードでは、残り球数RSに基づく停止予告用報知の開始機能を備えず、高確率モードでは、残り球数RSに基づく停止予告用報知の開始機能を備える構成とすることができる。このような構成とすることにより、高確率モードでは、残り球数RSが少なくなること(遊技停止状態への移行タイミングが近くなること)に応じて自動的に停止予告用報知を開始させることができ、遊技停止状態への移行が不意打ち的なものとなることを好適に抑制できる一方、低確率モードでは、残り球数(遊技停止までの猶予)を知りたい遊技者だけが停止予告用報知を実行させることができ、関心がない遊技者にとって停止予告用報知が煩わしくなることを抑制可能となる。
【2645】
上記の際、高確率モードにて停止予告用報知の自動的な開始処理が行われた後、不実行とするための操作が行われることで、停止予告用報知が不実行とされてもよい。このような構成とすることにより、上記効果を発揮しつつ、高確率モード中での停止予告用報知を煩わしく感じる遊技者が当該報知を消去することができる。この場合、手動消去の後、残り球数RSが所定数以下となることに応じて自動的に停止予告用報知が開始される構成とするとよい。例えば、残り球数RSが14000個以下になったことに応じて自動的に停止予告用報知が開始された後、遊技者の手動操作により当該報知が不実行とされ、その後、残り球数RSが5000以下になると、自動的に停止予告用報知が再開されるといった具合である。このような構成とすることにより、遊技者が残り球数RSを適切に把握していない状態で突然に遊技停止状態への移行が生じることを抑制できる。
【2646】
また、高確率モードでは、手動操作により停止予告用報知を不実行とすることができない構成としてもよい。
【2647】
なお、停止予告用報知を不実行とするための操作と停止予告用報知を実行するための操作とは同一操作であってもよいし、異なる操作であってもよい。前者の構成であれば、同じ操作を繰り返すだけで停止予告用報知の有無を切り替えられるため、当該切り替えを簡単に行うことが可能になる。後者の構成であれば、例えば、停止予告用報知を消去することを望んでいる状況で、誤って同じ操作が繰り返されることにより停止予告用報知が再表示されてしまうなどの操作ミスが生じることを抑制できる。
【2648】
また、停止予告用報知を不実行とするための操作部と、停止予告用報知を実行するための操作部とは同一の操作部であってもよいし、異なる操作部であってもよい。停止予告用報知の有無の切り替えは本来の遊技とは関連性が低いものであることを考慮すると、そのような操作のための操作部が複数存在して部品点数の増加や設置領域の拡大化を招くことは望ましくなく、このような観点では前者の構成とすることが好ましい。
【2649】
また、停止予告用報知の不実行状態への切り替えは所定操作を条件とするものでなくてもよい。例えば、所定のリーチ演出が実行されることや、所定の期間に亘って遊技が行われていないことに応じて、停止予告用報知が不実行状態に切り替えられてもよい。なお、遊技が行われていない状態には、所定の期間に亘って遊技球の発射操作が行われていない状態や、所定の期間に亘って入球部や通過部への遊技球の入球や通過が生じていない状態が考えられる。
【2650】
上記構成における不実行状態への切り替えは、低確率モード及び高確率モードの両方で実行されてもよいし、低確率モードを対象として実行されてもよい。すなわち、少なくとも停止確率モードにて実行されればよい。低確率モードでは残り球数RSが増加しにくく、停止予告用報知が不実行とされても遊技への影響が少ないと考えられるためである。
【2651】
また、高確率モードにて停止予告用報知の有無を切り替えることが可能とされる一方、低確率モードではそのような切り替えができない構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技停止状態に移行するまでの残り球数RSが少ない状況で遊技をやめた遊技者により、いやがらせ的に停止予告用報知を不実行状態に切り替える行為がなされることを抑制することができる。
【2652】
その他、停止予告用報知の有無を切り替えるための操作部を遊技盤60の背面側に配置し、施錠装置55を解錠して遊技機本体12(内枠13)をパチンコ機10の前方側に回動させることで、当該操作部を操作可能となる構成としてもよい。すなわち、遊技ホールの従業員のみが停止予告用報知の有無を切り替えられる構成としてもよい。
【2653】
但し、停止予告用報知の有無を切り替えることへの要望は、遊技者において生じやすいと想定されるため、上記操作部をパチンコ機10の前面側(前面部)に配置するなど遊技者が操作可能な態様とし、遊技者が停止予告用報知の有無を切り替えられる構成とすることが好ましい。その際、パチンコ機10の前面側において左右のうち、発射ハンドルとは反対側の箇所(すなわち左側)に上記操作部を設けるとよい。これにより、右手で発射ハンドルを操作しながら左手で上記操作部を操作しやすくなり、遊技を続けながらの報知有無の切り替えを容易化することが可能になる。
【2654】
なお、所定操作や所定操作以外の他の条件により停止予告用報知の有無を切り替え可能とする構成は、変形例3に限られず、上記第4の実施の形態やその変形例1、2において適用してもよい。例えば、上記第4の実施の形態に適用した場合には、高確率モードにて所定操作を行った場合や、所定操作以外の他の条件が成立した場合に停止予告用報知の有無を切り替えることが可能な構成となる。
【2655】
(51)上記第4の実施の形態の変形例3では、当否抽選モードが低確率モードである状態を第1状態として例示し、当否抽選モードが高確率モードである状態を第2状態として例示したが、第1状態及び第2状態は他の状態であってもよい。例えば、サポートモードが低頻度サポートモードである状態が第1状態であり、サポートモードが高頻度サポートモードである状態が第2状態である構成であってもよい。
【2656】
(52)上記第4の実施の形態や各変形例では、当否抽選にて大当たり結果となった場合に開閉実行モードに移行するが、遊技領域PEに又は遊技領域PEを流下する遊技者が到達可能な所定領域に特定通過部又は特定入球部が設けられ、遊技球が特定通過部を通過又は特定入球部に入球した場合に開閉実行モードに移行してもよい。
【2657】
(53)上記第4の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードにおいて表示画面Gに保留表示部200が表示されない構成としたが、保留表示部200が表示される構成としてもよい。この場合、開閉実行モードの全体に亘って保留表示部200が表示されてもよいし、開閉実行モードにおける一部の期間にて保留表示部200が表示されてもよい。保留表示部200とメッセージ画像901,902との両方が表示される状況では、両者が重ならないようにメッセージ画像901,902の表示サイズや表示位置を設定するとよい。
【2658】
(54)上記第4の実施の形態や各変形例では、通常遊技状態、時短遊技状態、高確遊技状態を備える構成としたが、高確遊技状態を備えない構成としたり、時短遊技状態を備えない構成としたりしてもよい。なお、高確遊技状態を備えず、通常遊技状態と時短遊技状態を備える場合は、通常遊技状態を第1状態とし、時短遊技状態を第2状態とすることができ、時短遊技状態を備えず、通常遊技状態と高確遊技状態を備える場合は、通常遊技状態を第1状態とし、高確遊技状態を第2状態とすることができる。
【2659】
(55)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
【2660】
(56)上記第4の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
【2661】
(57)上記第4の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
【2662】
(58)上記第4の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
【2663】
(59)上記第4の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【2664】
(60)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【2665】
また、所定個数の遊技球がパチンコ機内に収容され、それらの遊技球をパチンコ機内で循環させて使用することにより、従来の払出装置を有しておらず、遊技者へ直接的に遊技球の貸し出しや払い出しを行わずに、遊技者の持ち球を数値化して持ち球情報(遊技価値)として扱う管理遊技機(封入式遊技機、封入式パチンコ機)にも本発明を適用できる。この遊技機では、上記持ち球情報を遊技機又は球貸し装置に設けられた情報記憶手段に記憶可能となっており、その記憶された持ち球情報に基づき、遊技者の持ち球個数を示す数値が所定の表示部に表示される。そして、貸球操作が行われた場合は、貸球数に対応する数値が持ち球情報に加算され、遊技球発射機構により遊技球(循環球)が発射された場合は、発射球数に対応する数値が持ち球情報から減算され、遊技球が遊技領域に設けられた所定入賞口に入賞した場合は、賞球数に対応する数値が持ち球情報に加算される。また、遊技機に設けられた所定の操作手段(例えば返却ボタン)が操作されることで、持ち球情報が所定のカード型記憶媒体(携帯式記憶媒体)に書き込まれるとともに、そのカード型記憶媒体が遊技機又は球貸し装置から取り出し可能となり、これにより、持ち球分に相当する遊技価値を遊技機外部に持ち出すことが可能になる。
【2666】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。この場合、差球数に代えて差枚数を導出するとともに、その差枚数を予め定められた特定枚数(例えば20000枚)と比較し、差枚数が特定枚数以上となったか否かを判定する構成とすればよい。この際、差枚数としては、メダルの合計払出枚数からベットしたメダル数(賭数)の合計枚数を減算して導出することができる。
【2667】
また、上記スロットマシンにおいて、実際のメダルを遊技者に使用させず(換言すれば、実際のメダルを用いることなく遊技を行うことが可能であり)、クレジットに記憶されたメダル枚数に基づく電子的な情報に基づいて遊技を行うメダルレススロットマシンにも本発明を適用できる。
【2668】
さらに、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【2669】
<第5の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において
図1~
図3を参照して説明したパチンコ機10の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
【2670】
<遊技盤60について>
本実施の形態に係る遊技盤60の構成について
図242を参照しながら説明する。
図242は、本実施の形態に係る遊技盤60の正面図である。
【2671】
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置66、第1作動口(又は第1始動入球部)62、第2作動口(又は第2始動入球部)63、スルーゲート64、可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口61は複数設けられている。
【2672】
一般入賞口61、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置66、第1作動口62及び第2作動口63への入球が発生すると、それが入賞センサ(検知センサ)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。この場合に、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置66への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行される。また、第1作動口62への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口63への入球が発生した場合には1個の遊技球の払出が実行される。ちなみにスルーゲート64への入球が発生しても遊技球の払出は実行されない。
【2673】
なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口62に係る賞球個数と第2作動口63に係る賞球個数とが同数となる構成としてもよいし、第2作動口63に係る賞球個数の方が第1作動口62に係る賞球個数よりも多い構成としてもよい。また、第1可変入賞装置65に係る賞球個数が他の作動口等に係る賞球個数と同数又は少ない構成としてもよい。さらに、第1可変入賞装置65に係る賞球個数が第2可変入賞装置66の賞球個数よりも多い構成としてもよいし、その逆であってもよい。
【2674】
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動口62,63、可変入賞装置65,66又はスルーゲート64への入球を、入賞とも表現する。
【2675】
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって遊技球の流れが多様化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
【2676】
遊技盤60の中央部には、上記可変表示ユニット67が配置されている。可変表示ユニット67は、遊技盤60の裏面側に設置されており(
図3)、遊技盤60の中央部に設けられた開口部を通じてその表示画面Gを視認することが可能となっている。遊技盤60の前面には、上記開口部の周縁部に対応させて枠状のセンターフレーム76が取り付けられている。
【2677】
センターフレーム76は遊技盤60の前面から前方に突出しており、センターフレーム76の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球がセンターフレーム76の内側領域に流入して表示画面Gに接触することが回避されている。また、センターフレーム76により、遊技球が遊技領域PEを流下する際の流下経路が左右に分割され、センターフレーム76の左側を通る左ルートと右側を通る右ルートとが形成されている。
【2678】
左ルートと右ルートのいずれを遊技球が流下(通過)するかは、遊技球発射ハンドル41の回動操作量、すなわち、遊技球の発射勢によって定まる。発射された遊技球は、遊技盤60の左側上部から遊技領域PEに進入するため、遊技球の発射勢が強いほど遊技球が右ルートを流下しやすくなる。
【2679】
詳しくは、遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が左ルートを流下し、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が右ルートを流下する。なお、所定回動量とは、発射された遊技球が後述する誘導レール100を通過して遊技領域PEに進入可能となる回動操作量であり、基準回動量とは、センターフレーム76の頂部に到達可能な発射勢で遊技球を発射する回動操作量である。
【2680】
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の下方には、上向きに開放された第1作動口62が配置されている。第1作動口62は、遊技盤60の左右中央部に位置するが、右ルートを流下する遊技球は第1作動口62に入賞しないように釘69等の遊技部品が配設されている。すなわち、左ルートを流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となっている。よって、遊技者が第1作動口62への入賞を狙う場合には、遊技球が左ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。第1作動口62には第1作動口用入賞センサ62a(
図246)が設けられており、当該入賞センサ62aにより第1作動口62に入賞した遊技球が検知される。
【2681】
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の右方には、第2作動口63が配置されている。第2作動口63の構成について
図243を参照しながら説明する。
【2682】
第2作動口63には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物63a(可変受入手段)が設けられている。具体的には、左右方向に回動可能に支持された上記一対の可動片が第2作動口63としての開口部を左右両側から挟むようにして配置されている。
【2683】
そして、上記各可動片が回動することで、
図243(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、
図243(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替わり可能となっている。詳しくは、第2作動口63の上部には、前方に突出するようにして突出部63dが設けられており、
図243(a)に示すように上記可動片が起立姿勢である場合には、それら各可動片と突出部63dとの隙間が遊技球の直径未満となり、第2作動口63への遊技球の流入が阻止される。一方、
図243(b)に示すように上記可動片が外側へ傾斜するように回動した場合には、上記突出部63dとの間に遊技球が通過可能な大きさの開口部が形成され、第2作動口63への遊技球の流入が許容される。第2作動口63には第2作動口用入賞センサ63cが設けられており、当該入賞センサ63cにより第2作動口63に入賞した遊技球が検知される。
【2684】
また、普電役物63aには、各可動片を駆動する駆動部63bが設けられている。各可動片は、駆動部63bにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、開放状態(傾斜姿勢)と閉鎖状態(起立姿勢)とに切り替えられる。因みに第1作動口62には普電役物(開閉構造)が設けられていない。
【2685】
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2作動口63への入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。また、普電役物63aの構成は上記に限定されるものではなく、例えば、可動片が前後に回動したり、前後又は左右にスライド移動したりすることで、第2作動口63を開閉するものであってもよい。
【2686】
図242に示すように、右ルートにおいて第2作動口63の上方(上流側)にはスルーゲート64が配置されている。スルーゲート64は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート64に入賞した遊技球は、スルーゲート64を通過して再び遊技領域PEを流下する。よって、スルーゲート64に入賞した遊技球は、第2作動口63にも入賞することが可能となっている。スルーゲート64にはスルー用入賞センサ64a(
図246)が設けられており、当該入賞センサ64aによりスルーゲート64に入賞した遊技球が検知される。
【2687】
スルーゲート64は、第2作動口63に設けられた上記普電役物63aを開放状態とするためのトリガとなっている。具体的には、スルーゲート64への入賞を契機として内部抽選が行われ、その内部抽選の結果が開放結果(サポート当選)となることで、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態に復帰させる役物開閉遊技(サポート実行モード)が実行される。
【2688】
第1作動口62の下方で且つアウト口68の上方には、第1可変入賞装置65が配置されている。第1可変入賞装置65の構成について
図244を参照しながら説明する。
【2689】
第1可変入賞装置65は、前方に開口する第1大入賞口65aと、当該第1大入賞口65aを開閉する開閉扉65bとを備えている。第1大入賞口65aは、正面視で横長の長方形状をなしており、複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。第1大入賞口65aは、遊技盤60の背面側に設けられた案内通路65eと連通しており、第1大入賞口65aに入賞した遊技球は全て案内通路65eに導かれるように構成されている。案内通路65eには大入賞口用入賞センサ65cが設けられており、当該入賞センサ65cにより第1大入賞口65aに入賞した遊技球が検知される。
【2690】
また、第1可変入賞装置65には、開閉扉65bを駆動する駆動部65dが設けられている。開閉扉65bは、駆動部65dにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、第1大入賞口65aに遊技球が入賞不能な閉鎖状態(
図244(a))と、第1大入賞口65aに遊技球が入賞可能な開放状態(
図244(b))とに切り替えられる。
【2691】
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に第1大入賞口65aへの入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に、第1大入賞口65aへの入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第1大入賞口65aへの入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
【2692】
右ルートにおいて第2作動口63の下方(下流側)には第2可変入賞装置66が配置されている。第2可変入賞装置66の構成について
図245を参照しながら説明する。
【2693】
図245(a)に示すように、第2可変入賞装置66は、パチンコ機10の前方に開口する第2大入賞口66aと、第2大入賞口66aを開閉する開閉扉66bとを備えている。第2可変入賞装置66には、開閉扉66bを駆動する駆動部66cが設けられている。開閉扉66bは、駆動部66cにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、第2大入賞口66aに遊技球が入賞可能となる開放状態と、第2大入賞口66aに遊技球が入賞不可となる閉鎖状態とに切り換えられる。
【2694】
なお、必ずしも第2可変入賞装置66(開閉扉66b)が閉鎖状態となった場合に第2大入賞口66aへの入賞が不可能となる必要はなく、開放状態に比べて入賞しにくい範囲で入賞可能となる構成としてもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2大入賞口66aへの入賞し易さが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
【2695】
第2大入賞口66aは、正面視で横長の長方形状をなしており、複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。第2大入賞口66aは、遊技盤60の背面側に設けられた案内通路66dと連通しており、第2大入賞口66aに入賞した遊技球は全て案内通路66dに導かれるように構成されている。
【2696】
案内通路66dは、
図245(b)に示すように、その途中位置から二股に分岐しており、分岐位置よりも上流側を構成する上流領域66eと、分岐位置よりも下流側の一方を構成するV入賞用領域(又は有利用領域)66fと、分岐位置よりも下流側の他方を構成する排出用領域(又は不利用領域)66gとを備えている。また、分岐位置には、上流領域66eから当該分岐位置に到達した遊技球をV入賞用領域66f及び排出用領域66gのいずれかに振り分ける振分手段として振分部材66hが設けられている。振分部材66hが振分用の駆動部66iにより駆動されていない状態では、分岐位置に到達した遊技球が排出用領域66gへ流入し、振分部材66hが駆動部66iにより駆動されている状態では、分岐位置に到達した遊技球がV入賞用領域66fへ流入する。
【2697】
案内通路66dの上流領域66eには、上流領域66eに流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして、カウント用の検知センサ66kが設けられている。カウント用の検知センサ66kにて遊技球が検知されたことに基づき、第2可変入賞装置66への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。また、V入賞用領域66fには、V入賞用領域66fに流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして、V入賞用の検知センサ66mが設けられている。V入賞用の検知センサ66mにて遊技球が検知されたことに基づき、V大当たりが発生する。なお、V大当たりの詳細については後述する。
【2698】
また、排出用領域66gには、排出用領域66gに流入した遊技球が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして、排出用の検知センサ66nが設けられている。排出用の検知センサ66n及びV入賞用の検知センサ66mからの検知結果に基づき、第2可変入賞装置66内に遊技球が残存しているか否かや、第2可変入賞装置66への入賞個数と当該入賞装置66からの排出個数とが整合するか否かなどが判定される。
【2699】
駆動部66iは、予め定められた所定のタイミングから周期的に駆動制御される。具体的には、第2可変入賞装置66が開放されることとなる開閉実行モードの開始タイミングから、所定周期で振分部材用の駆動部66iが駆動制御される。その結果、第2可変入賞装置66へ入賞した遊技球がV入賞用領域66f側へ振り分けられるタイミングと、排出用領域66g側へ振り分けられるタイミングとが周期的に切り換わることになる。
【2700】
第2可変入賞装置66が開放される開閉実行モードには、開閉扉66bが開放状態となる期間が相違する複数の開閉実行モードが設定されている。詳細は後述するが、本パチンコ機10では、開閉扉66bが開放状態となる期間を相違させることによって、入賞した遊技球がV入賞用領域66fに振り分けられる確率が相対的に高低となるようにされている。以下、V入賞用領域66fに振り分けられる確率が高い側の開放態様を高振分態様(高期待度態様)といい、上記確率が低い側の開放態様を低振分態様(低期待度態様)という。
【2701】
なお、遊技球が第2可変入賞装置66へ入賞可能となる低振分態様の開閉実行モードと高振分態様の開閉実行モードとで、遊技球がV入賞用領域66fを通過するトータルの確率は所定確率(1/10)以下となるように設定されている。つまり、高振分態様の開閉実行モードにおいてV入賞用領域66fを通過する確率が高められているとはいえ、低振分態様の開閉実行モードにおいてV入賞用領域66fを通過する確率とあわせると、所定確率以下となるように、高振分態様・低振分態様の開閉実行モードにおける第2可変入賞装置66への入賞率やV入賞用領域66fの通過率、第2可変入賞装置66での開閉実行モードが実施される場合の高振分態様と低振分態様の振分割合等が設定されている。
【2702】
第2可変入賞装置66は、入賞した遊技球がV入賞用領域66f及び排出用領域66gのいずれに振り分けられるのかをパチンコ機10前方から視認可能となるように形成されていることが好ましく、具体的には第2可変入賞装置66の前面側が有色透明又は無色透明に形成されていることが好ましい。
【2703】
ここで、第2作動口63、スルーゲート64、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置66に対しては、右ルートを流下する遊技球のみが入賞可能となっている。よって、遊技者が第2作動口63、スルーゲート64、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置66への入賞を狙う場合には、遊技球が右ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。
【2704】
本実施の形態において第1可変入賞装置65は、大当たりに対応する開閉実行モード(大当たり遊技)が実行される場合に開閉される可変入賞装置となっている。大当たり遊技とは、大当たりに当選した場合に移行することとなるモードであり、大当たり遊技では、第1可変入賞装置65の開放時間が所定時間(例えば30sec)に達すること又は第1可変入賞装置65(第1大入賞口65a)に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、複数ラウンドを上限として第1可変入賞装置65が繰り返し開放されるものとなっている。
【2705】
一方、第2可変入賞装置66は、小当たり(特別当たり又は特別外れ)に対応する開閉実行モード(小当たり遊技)が実行される場合に開閉される可変入賞装置となっている。小当たり遊技とは、小当たりに当選した場合に移行することとなるモードであり、小当たり遊技では、第2可変入賞装置66の開放時間が所定時間(例えば1.8sec)に達すること又は第2可変入賞装置66(第2大入賞口66a)に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞することを1ラウンドとし、そのラウンド遊技が1回だけ実行されるものとなっている。
【2706】
なお、大当たり遊技及び小当たり遊技におけるラウンド遊技は、上限開放時間や上限入賞個数の終了条件が成立しなくても、予め定められた回数及び期間の第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置66の開放が行われた場合には終了するように構成されている。
【2707】
第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生すると、内部抽選(大当たりに当選したか否かの抽選、小当たりに当選したか否かの抽選)が行われる。そして、その抽選にて当選となった場合には、第1可変入賞装置65又は第2可変入賞装置66への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。
【2708】
図242に示すように、第2可変入賞装置66の下方には、主表示ユニット81が設けられている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面から前方に突出している。主表示ユニット81の前面には、所定の絵柄等が表示される特図用表示部43及び普図用表示部44が設けられている。これら各表示部43,44は、前扉枠14のガラスユニット22を通じて前方から視認可能となっている。なお、主表示ユニット81の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径よりも小さくなっている。これにより、主表示ユニット81の前方を遊技球が通過することが回避されており、各種表示部43,44の視認性が担保されている。
【2709】
特図用表示部43には、第1作動口62への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第1特図表示部ASと、第2作動口63への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2特図表示部BSとが設けられている。
【2710】
第1特図表示部ASでは、第1作動口62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動口62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1特図表示部ASにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、開閉実行モードに移行する。
【2711】
第2特図表示部BSでは、第2作動口63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2作動口63への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2特図表示部BSにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、開閉実行モードに移行する。
【2712】
以下においては、第1作動口62への入賞を契機に変動表示される絵柄と、第2作動口63への入賞を契機に変動表示される絵柄とを区別すべく、前者を第1特別図柄又は第1特図といい、後者を第2特別図柄又は第2特図ということがある。
【2713】
ここで、いずれかの作動口62,63への入賞に基づいて、対応する特図表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが特図表示部AS,BSにおける遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
【2714】
また、主表示ユニット81には特図保留数表示部AMが設けられている。遊技球が第1作動口62に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、特図保留数表示部AMには第1特図(第1作動口62)の保留数を表示可能となっている。なお、第2特図についての保留機能は搭載されておらず、特図保留数表示部AMにおいて第2特図の保留数を表示するための表示部も存在しない。
【2715】
普図用表示部44は、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、普図用表示部44では、スルーゲート64への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート64への入賞に基づく内部抽選の結果が普電役物63aを開放させるサポート状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、サポート状態へ移行する。なお、スルーゲート64への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
【2716】
ここで、スルーゲート64への入賞に基づいて、普図用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、普図用表示部44における遊技回の1回に相当する。以下においては、普図用表示部44における遊技回と特図表示部AS,BSにおける遊技回とを区別すべく、前者を普図遊技回といい、後者を特図遊技回ということがある。
【2717】
また、普図用表示部44には普図保留数表示部FMが設けられている。遊技球がスルーゲート64に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、普図保留数表示部FMには普図(スルーゲート64)の保留数を表示可能となっている。
【2718】
特図用表示部43及び普図用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置により構成されてもよい。
【2719】
その他、図示を省略しているが、主表示ユニット81には、開閉実行モードでのラウンド数を明示するためのラウンド表示部が設けられている。ラウンド表示部では、開閉実行モードが開始される場合又は開始された場合に上記ラウンド数の表示が開始される。この表示は、開閉実行モードが実行されている間、表示内容を変更することなく継続して行われ、開閉実行モードが終了する場合又は終了した場合に終了する。
【2720】
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切替表示)する図柄表示装置75が設けられている。
【2721】
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置75は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
【2722】
図柄表示装置75には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置75における変動表示は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて開始される。すなわち、特図用表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置75においても変動表示が行われる。そして、例えば第1可変入賞装置65が開放状態とされる大当たり遊技に移行する場合には、図柄表示装置75では予め設定されている有効ライン上に所定の図柄組み合わせが停止表示される。
【2723】
また、図柄表示装置75には、第1特図表示部ASに対応した保留表示が行われる。この保留表示では、所定の保留用画像が表示され、その表示個数により第1作動口62の保留個数が示されるようになっている。なお、保留個数は、上記保留用画像により示されるものに限定されず、数字表示により示されるものであってもよい。また、図柄表示装置75に限らず、例えば、図柄表示装置75とは別に遊技盤60上に設けられた表示部(主表示ユニット81の各保留数表示部AM,FMとは別の表示部)や発光部(保留ランプ部)等により示される構成であってもよい。
【2724】
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図246のブロック図に基づいて説明する。
【2725】
主制御装置162の主制御基板311には、MPU312が搭載されている。MPU312には、当該MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM313と、そのROM313内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM314と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【2726】
RAM314は、電断状態が発生した後においても電源及び発射制御装置191からのバックアップ電圧によりデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM314には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアとは別にバックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、電断状態が発生した場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。電断状態からの復帰時(復電時)には、バックアップエリアの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電断前の状態に復帰できるようになっている。
【2727】
なお、
図246に示す構成では、MPU312に対してROM313及びRAM314を1チップ化しているが、これに限定されるものではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置162以外の制御装置のMPUについても同様である。
【2728】
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。
【2729】
また、MPU312の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置66への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ61a、第1作動口用入賞センサ62a、第2作動口用入賞センサ63c、スルー用入賞センサ64a、第1大入賞口用入賞センサ65c、検知センサ66kや、V入賞用領域66f、排出用領域66gへの遊技球の流入を検知する検知センサ66m,66n等が設けられている。MPU312では、これら各種センサ61a,62a,63c,64a,65c,66k,66m,66nの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
【2730】
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
【2731】
演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【2732】
また、MPU312の出力側には各種駆動部として、普電役物63a用の駆動部63b、可変入賞装置65,66用の駆動部65d,66c,66iが接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モード(大当たり遊技又は小当たり遊技)への移行が発生すると、第1可変入賞装置65の開閉扉65bや第2可変入賞装置66の開閉扉66b、振分部材66hが駆動されるように、MPU312において駆動部65d,66c,66iの駆動制御が実行される。また、サポート状態への移行が発生すると、普電役物63aの各可動片が駆動されるようにMPU312において駆動部63bの駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、特図用表示部43における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行される。また、普図遊技回に際しては、普図用表示部44の表示制御が実行される。
【2733】
さらには、MPU312の出力側に外部出力端子213が接続されており、この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
【2734】
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
【2735】
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。ちなみに、電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がOFF状態の場合には当該電断時用電源部から主制御装置162のRAM314に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【2736】
払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。
【2737】
演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【2738】
ここで、図柄表示装置75の表示内容について
図247~
図249に基づいて説明する。
【2739】
図247(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【2740】
図248(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
【2741】
そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図248(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【2742】
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【2743】
ここで、各図柄列の変動表示について
図249を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、
図249(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り替わる。そして、
図249(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り替わる。そして、
図249(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
【2744】
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
【2745】
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(
図247)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
【2746】
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
【2747】
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、絵柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた絵柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(絵柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での絵柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
【2748】
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
【2749】
図248(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaが設定されている。
【2750】
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【2751】
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【2752】
また、第1保留表示領域Gaの側方には実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
【2753】
保留表示部200の表示サイズは、主表示ユニット81に設けられた保留数表示部AMよりも大きく、保留数表示部AMよりも保留表示部200の方が目立つように構成されている。より詳しくは、保留数表示部AMにおいて複数の発光部(LED等)を用いて保留数が示される場合、それら各表示部の大きさ(表示面積)よりも各単位保留表示領域Ga1~Ga4又はそれらの領域に表示される保留用画像の表示サイズ(表示面積)の方が大きくなっている。なお、実行表示領域D又は当該領域Dに表示される保留用画像の表示サイズは、各単位保留表示領域Ga1~Ga4又はそれらの領域に表示される保留用画像の表示サイズよりも大きく設定される。
【2754】
保留表示部200は、開閉実行モード中ではない状況で表示状態とされ、開閉実行モード中である状況で非表示状態とされる。これにより、開閉実行モードにおいて遊技者が保留数に気を取られず、開閉実行モードに集中しやすくなっている。なお、保留数表示部AMにおいては開閉実行モード中であっても保留数の表示が行われる。
【2755】
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図250を用いて説明する。
【2756】
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、図柄表示装置75の演出内容の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図250に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、小当たり種別を判定する際に使用する小当たり種別カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4を用いることとしている。
【2757】
各カウンタC1,C2,C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
【2758】
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRaが設けられた保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRaは、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報(判定用情報)に相当する。
【2759】
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには保留数記憶領域が設けられており、当該保留数記憶領域には第1作動口62への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【2760】
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【2761】
なお、保留エリアREにおいて第2作動口63への入賞に対応した第2特図表示部用エリアは設けられていない。このため、第2作動口63への入賞が発生し、それに対応する特別情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び変動種別カウンタCS)が抽選カウンタ用バッファ314aに格納された場合、実行エリアが使用されていないこと(換言すれば、第1特図の遊技回が実行中でないこと)を条件として当該特別情報が実行エリアAEに移動される。すなわち、第2作動口63への入賞履歴は保留記憶されない。
【2762】
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングで第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングで実行エリアAEに格納される。
【2763】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM313における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア313aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について
図251を参照しながら説明する。当否テーブルとしては、第1特図用の当否テーブル(
図251(a))と第2特図用の当否テーブル(
図251(b))とが設けられている。第1作動口62への入球に基づく抽選においては第1特図用の当否テーブルが参照され、第2作動口63への入球に基づく抽選においては第2特図用の当否テーブルが参照される。
【2764】
第1特図用の当否テーブルにおいては、
図251(a)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「0」~「2」の3個である。すなわち、「0」~「599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「0」~「2」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は1/200となっている。また、第1特図用の当否テーブルでは、「3」~「14」の12個が小当たり結果に対応しており、小当たり結果となる確率は1/50となっている。なお、大当たり結果となる乱数の値及び小当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるように構成されている。
【2765】
第2特図用の当否テーブルにおいては、
図251(b)に示すように、大当たり結果に対応する乱数の値は「0」~「2」の3個である。すなわち、「0」~「599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「0」~「2」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は1/200となっている。第2特図用の当否テーブルでは、「3」~「202」の200個が小当たり結果に対応しており、小当たり結果となる確率は1/3となっている。なお、大当たり結果となる乱数の値及び小当たり結果となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるように構成されている。
【2766】
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。
【2767】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに大当たり種別テーブル(第1振分情報群)として記憶されている。ここで、大当たり種別テーブルの内容について
図252を参照しながら説明する。
【2768】
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(
図252(a))及び第2特図用の大当たり種別テーブル(
図252(b))とが設けられている。第1作動口62への入球に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入球に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
【2769】
図252(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、2R大当たり結果Aと、2R大当たり結果Bとが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が2回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、第1可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
【2770】
2R大当たり結果Aは、大当たり遊技の終了後、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定され、時短遊技状態に移行する大当たり結果である。なお、本実施の形態では確率変動機能を備えないため、時短遊技状態とはサポートモードが高頻度サポートモードである状態を意味する。
【2771】
ここで、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普図当たり乱数カウンタC4を用いた普図当否抽選の当選確率が低頻度サポートモードよりも高くなっており、普図当否抽選に当選した場合の普電役物63aの開放回数についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が多く、さらには1回の開放時間についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が長くなっている。
【2772】
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【2773】
なお、高頻度サポートモードを実現するための構成は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、両モードで普図当否抽選の当選確率を等しくした上で、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放回数や1回の開放時間を低頻度サポートモードよりも優遇する構成としてもよい。要は、低頻度サポートモードよりも単位時間当たりの第2作動口63への入賞頻度が高くなるものであれば足り、普図当否抽選、開放回数及び開放時間のうちいずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成とすればよい。
【2774】
2R大当たり結果Aとなった場合の高頻度サポートモードは、当該モードへの移行後において特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば10回)となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。高頻度サポートモードの終了後は、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられ、通常遊技状態に移行する。
【2775】
本実施の形態において高頻度サポートモードでの特図遊技回の実行回数は、第2特図の遊技回のみを対象としてカウントされる。よって、高頻度サポートモードへの移行後は、第1特図の遊技回の実行回数にかかわらず、第2特図の遊技回の実行回数が上記終了基準回数に達することで、高頻度サポートモードが終了する。
【2776】
また、小当たり当選についても第2特図の遊技回のみを対象としており、高頻度サポートモードへの移行後、第1特図の遊技回で小当たり当選となっても高頻度サポートモードは終了しない。
【2777】
なお、本実施の形態では、遊技回の実行回数が終了基準回数に到達した場合と小当たり当選した場合とで高頻度サポートモードの終了タイミングが異なっており、さらには、小当たり当選した場合における高頻度サポートモードの終了タイミングとして複数のタイミングが設けられるが、これらについては後に詳述する。
【2778】
2R大当たり結果Bは、大当たり遊技の終了後、サポートモードが低頻度サポートモードに設定され、通常遊技状態に移行する大当たり結果である。ちなみに、大当たり遊技の実行中は、大当たり種別にかかわらず、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
【2779】
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「54」が2R大当たり結果Aに対応し、「55」~「99」が2R大当たり結果Bに対応している。すなわち、2R大当たり結果Aに振り分けられる確率は55%、2R大当たり結果Bに振り分けられる確率は45%に設定されている。つまり、第1作動口62への入球に基づいて大当たりとなった場合、55%の確率で、大当たり遊技の終了後に高頻度サポートモードに移行するように構成されている。
【2780】
図252(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として2R大当たり結果Aが設定されている。この場合における2R大当たり結果Aは、第1特図用の大当たり種別で設定される2R大当たり結果Aと同様のものである。すなわち、第2作動口63への入賞を契機として2R大当たり結果Aとなった場合、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行し、特図遊技回の実行回数が上記終了基準回数となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立するまで、その状態が継続する。
【2781】
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「99」が2R大当たり結果Aに対応しており、2R大当たり結果Aに振り分けられる確率は100%に設定されている。
【2782】
小当たり種別カウンタC3は、小当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。
【2783】
小当たり種別カウンタC3に対する遊技結果の振分先は、ROM313の振分テーブル記憶エリアに小当たり種別テーブル(第2振分情報群)として記憶されている。ここで、小当たり種別テーブルの内容について
図253(a)、(b)を参照しながら説明する。
【2784】
小当たり種別テーブルとしては、第1特図用の小当たり種別テーブル(
図253(a))と、第2特図用の小当たり種別テーブル(
図253(b))とが設けられている。第1作動口62への入球に基づいて小当たりとなった場合には第1特図用の小当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入球に基づいて小当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
【2785】
図253(a)に示すように、第1特図用の小当たり種別テーブルでは、選択可能な小当たり種別として、不利小当たり結果が設定されている。不利小当たり結果は、遊技球がV入賞用領域66fに振り分けられにくい低振分態様で第2可変入賞装置66が駆動制御される小当たり遊技に移行する小当たり結果である。
【2786】
図253(b)に示すように、第2特図用の小当たり種別テーブルでは、選択可能な小当たり種別として、有利小当たり結果Aと、有利小当たり結果Bと、有利小当たり結果Cとが設定されている。これら有利小当たり結果A~Cは、遊技球がV入賞用領域66fに振り分けられやすい高振分態様で第2可変入賞装置66が駆動制御される小当たり遊技に移行する小当たり結果である。
【2787】
第2可変入賞装置66の低振分態様及び高振分態様について
図254を参照しながら説明する。ちなみに、低振分態様及び高振分態様のいずれにおいても振分部材66h(
図245)の動作は同一であるため、先ずは振分部材66hの動作について説明する。
【2788】
図254(a3)に示すように、小当たり遊技の開始タイミングであるタイミングt1において、振分部材66hは、第2可変入賞装置66に入賞した遊技球を排出用領域66g(外れ側)に振り分ける位置に位置している。そして、タイミングt1から1secの待機時間が経過したタイミングt4になると、振分部材66hは、第2可変入賞装置66に入賞した遊技球をV入賞用領域66fへ振り分ける位置に変位する。その後、タイミングt4から2secの振分時間が経過するまでその状態を維持し、当該振分時間が経過したタイミングt5にて上記外れ側の位置に復帰する。
【2789】
この場合において、不利小当たり結果に基づいて実行される低振分態様の小当たり遊技では、
図254(a2)に示すように、そのオープニング期間として0.5secが設定されており(タイミングt2)、当該オープニング期間の経過後、第2可変入賞装置66が0.1secに亘って開放状態となる(タイミングt3)。すなわち、低振分態様の小当たり遊技では、第2可変入賞装置66の開放時間(0.1sec)が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短く、極めて短時間とされているため、第2可変入賞装置66が開放状態となっても遊技球が入賞しにくい(入賞がほぼ見込めない)ものとなっている。仮に遊技球が入賞したとしても、振分部材66hが排出用領域66g側に位置しているタイミングt1~t4の中で第2可変入賞装置66の開放から閉鎖までが完了するため、入賞した遊技球は排出用領域66gへ振り分けられる。つまり、
図254(a2),(a3)に示すように、振分部材66hがV入賞用領域66f側に位置する期間と、第2可変入賞装置66が開放状態とされる期間とが重複しない関係となるため、遊技球がV入賞用領域66fを通過できないものとなっている。
【2790】
一方、有利小当たり結果に基づいて実行される高振分態様の小当たり遊技では、
図254(b2)に示すように、そのオープニング期間として0.5secが設定されており(タイミングt12)、当該オープニング期間の経過後、第2可変入賞装置66が1.8secに亘って開放状態となる(タイミングt13)。このため、高振分態様の小当たり遊技では、
図254(b2),(b3)に示すように、第2可変入賞装置66の開放中であるタイミングt13にて振分部材66hが排出用領域66g側からV入賞用領域66f側に変位するものとなる。その結果、振分部材66hがV入賞用領域66f側に位置する期間と、第2可変入賞装置66が開放状態とされる期間とが重複し、その期間は1.3secとなる。遊技球の発射周期は0.6secであることから、当該期間にておよそ2個の遊技球を第2可変入賞装置66に入賞させ得るため、ほぼ確実に1個以上の遊技球がV入賞用領域66fを通過できるものとなっている。
【2791】
加えて、高振分態様の小当たり遊技において、第2可変入賞装置66が開放状態となってから振分部材66hがV入賞用領域66f側への変位を開始するまでの期間(0.5sec)は、遊技球の発射周期と開閉実行モードの上限入賞個数(10個)との積よりも短い期間となっている。そのため、第2可変入賞装置66が開放状態となってから振分部材66hがV入賞用領域66f側に変位するよりも前に、第2可変入賞装置66への遊技球の入賞個数が上限入賞個数に達して小当たり遊技が終了してしまうことが回避されている。
【2792】
第1特図用の小当たり種別テーブル(
図253(a))では、小当たり種別カウンタC3の「0」~「99」が不利小当たり結果に対応しており、不利小当たり結果に振り分けられる確率が100%に設定されている。すなわち、第1作動口62への入球に基づいて小当たりとなった場合、常に低振分態様の小当たり遊技が実行されることになる。
【2793】
第2特図用の小当たり種別テーブル(
図253(b))では、小当たり種別カウンタC3の「0」~「9」が有利小当たり結果Aに対応し、「10」~「29」が有利小当たり結果Bに対応し、「30」~「99」が有利小当たり結果Cに対応している。すなわち、第2作動口63への入球に基づいて小当たりとなった場合において、有利小当たり結果Aに振り分けられる確率は10%、有利小当たり結果Bに振り分けられる確率は20%、有利小当たり結果Cに振り分けられる確率は70%に設定されている。
【2794】
有利小当たり結果A~Cのいずれであっても、第2可変入賞装置66の駆動態様が同一の高振分態様の小当たり遊技が実行されるものとなっており、小当たり遊技だけで見た場合、小当たり種別による有利/不利はない。但し、小当たり遊技中のV入賞(V入賞用領域66fへの遊技球の通過)を契機とするV大当たり遊技において、小当たり種別による有利/不利が生じるものとなっている。具体的には、有利小当たり結果A又は有利小当たり結果Bになった場合と、有利小当たり結果Cになった場合とにおいて、異なる種別のV大当たり遊技に移行するように構成されている。このV大当たり遊技の種別振り分けは、ROM313の振分テーブル記憶エリアに記憶されているV大当たり種別テーブル(第3振分情報群)を用いて行われる。ここで、V大当たり種別テーブルについて
図253(c)を参照しながら説明する。
【2795】
V大当たり種別テーブルでは、選択可能なV大当たり種別として、6RV大当たり結果と、2RV大当たり結果とが設定されている。なお、V大当たり遊技では、小当たり遊技も含めてラウンド数がカウントされる。このため、6RV大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が5回となるものであり、2RV大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が1回となるものである。これらのV大当たり結果では、大当たり遊技において実施されるラウンド遊技の数、換言すれば、期待できる獲得球数の面で差異が生じるものとなっている。
【2796】
また、6RV大当たり結果及び2RV大当たり結果は、大当たり遊技の終了後、サポートモードが高頻度サポートモードに設定され、遊技状態が時短遊技状態に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態は、当該状態への移行後において特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば10回)となるか、当該状態への移行後において小当たりに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。
【2797】
V大当たり種別テーブルでは、有利小当たり結果A又は有利小当たり結果Bに対応して6RV大当たり結果が設定され、有利小当たり結果Cに対応して2RV大当たり結果が設定されている。このため、有利小当たり結果A又は有利小当たり結果Bの小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、当該小当たり遊技の終了後に6RV大当たり遊技に移行し、有利小当たり結果Cの小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、当該小当たり遊技の終了後に2RV大当たり遊技に移行するものとなる。よって、6RV大当たり結果の振分確率は、有利小当たり結果Aの振分確率(10%)と有利小当たり結果Bの振分確率(20%)とを合計した30%となり、2RV大当たり結果の振分確率は、有利小当たり結果Cの振分確率(70%)と同一の70%である。
【2798】
その他、有利小当たり結果Aと有利小当たり結果Bとでは、実施されるラウンド数以外の面で有利度合いに差異が設けられており、有利小当たり結果Bよりも有利小当たり結果Aの方が遊技者にとって有利となっているが、この点については後に詳述する。
【2799】
上記のように、本実施の形態では、第2特図の当否抽選の結果には有利小当たり結果が含まれ、V大当たりの獲得を期待できるものとなっており、さらに、高頻度サポートモードに移行する確率についても第2特図の方が第1特図よりも高くなっている。つまり、第2特図の当否抽選の方が第1特図のそれよりも優遇されており、第1作動口62よりも第2作動口63の方が遊技者にとって有利となっている。このため、遊技者は第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなる。
【2800】
また、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり、小当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3の値と対応させて、大当たりである場合及び小当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と、大当たり種別、小当たり種別の決定とにはいずれも同じ値の大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄、小当たり絵柄と、そのときに決定される大当たり種別、小当たり種別とは対応したものとなる。
【2801】
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間及び確定表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間と、をMPU312において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。
【2802】
MPU312では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM313の変動パターンテーブル記憶エリア313cが用いられる。
【2803】
普図当たり乱数カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普図当たり乱数カウンタC4の値によって普電役物63aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、普電役物63aを開放状態に制御し、C4=191~250であれば、普電役物63aを開放状態に制御しない。
【2804】
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162内のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【2805】
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について
図255のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【2806】
ステップSj101では、各種入賞センサや各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種センサ61a,62a,63c,64a,65c,66k,66m,66nの状態を読み込むとともに、それらセンサの状態(各種センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報や通過検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
【2807】
ステップSj102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【2808】
ステップSj103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【2809】
ステップSj104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、ステップSj103にて更新した普図当たり乱数カウンタC4の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
【2810】
ステップSj105では、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。ここで、ステップSj105の作動口用の入賞処理について
図121のフローチャートを参照しながら説明する。
【2811】
先ずステップSj201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップSj202にて払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
【2812】
ステップSj203では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。続くステップSj204では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。
【2813】
ステップSj205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
【2814】
また、ステップSj201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップSj206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップSj207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
【2815】
その後、ステップSj204に進んで外部信号設定処理を行うとともに、ステップSj205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。また、ステップSj206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。なお、上記ステップSj202又はステップSj207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理のステップSj401(外部出力処理)にて払出制御装置181に対して送信される。
【2816】
ここで、ステップSj205の情報取得処理について
図257のフローチャートを参照しながら説明する。
【2817】
先ずステップSj301にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにて第1特図用の入賞検知フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の始動入賞が第1作動口62への入賞であるか否かを判定する。
【2818】
第1特図用の入賞検知フラグがセットされている場合(今回の始動入賞が第1作動口62への入賞である場合)はステップSj302に進み、ステップSj203にてセットした第1始動保留記憶数RaNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。第1始動保留記憶数RaNが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップSj303にて第1始動保留記憶数RaNを1加算する。
【2819】
ステップSj304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSj303にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
【2820】
ステップSj305では、主表示ユニット81の特図保留数表示部AMについて表示更新処理を実行する。すなわち、ステップSj303で加算更新された後の保留記憶数が報知されるように特図保留数表示部AMの表示内容を変更する。
【2821】
ステップSj306では、演出制御装置143への送信対象として保留コマンドを設定する。保留コマンドには、第1特図又は第2特図のいずれの始動入賞であるかを示す情報や、保留数を示す情報等が含まれる。ステップSj306の実行後は、本情報取得処理を終了する。
【2822】
ステップSj301で否定判定した場合(第1特図用の入賞検知フラグがセットされているない場合)は、今回の始動入賞が第2作動口63への入賞であることを意味する。この場合は、ステップSj307に進み、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。特図遊技回の実行中でない場合は、ステップSj308にて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、保留球格納エリア314bの実行エリアAEに格納する。ステップSj308の実行後又はステップSj307で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、本情報取得処理を終了する。
【2823】
図255のタイマ割込み処理の説明に戻り、ステップSj105の作動口用の入賞処理を実行した後は、ステップSj106にて、V入賞の発生を検知するためのV入賞用処理を実行し、その後、本タイマ割込み処理を終了する。V入賞用処理については後に詳述する。
【2824】
<通常処理>
通常処理の流れを
図258のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSj401~ステップSj408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSj409~ステップSj411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【2825】
通常処理においては先ず、ステップSj401にて外部信号出力処理を実行する。ステップSj401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
【2826】
ステップSj402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【2827】
ステップSj403では、各特図遊技回における遊技を制御するための特図遊技回制御処理を実行する。特図遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定や大当たり種別の振分判定、小当たり種別の振分判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。続くステップSj404では、遊技状態を小当たり遊技状態に移行させるための小当たり遊技状態への移行処理を実行する。また、ステップSj405では、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させるための大当たり遊技状態への移行処理を実行する。なお、ステップSj403の特図遊技回制御処理、ステップSj404の小当たり遊技状態への移行処理、ステップSj405の大当たり遊技状態への移行処理についての詳細は後述する。
【2828】
ステップSj406では、普図遊技回における遊技を制御するための普図遊技回制御処理を実行する。普図遊技回制御処理では、サポート抽選(普図当否抽選)、普図用表示部44の表示制御などを行う。
【2829】
ステップSj407では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、ステップSj406の普図遊技回制御処理にて行われたサポート抽選の結果が当選結果(普図当たり結果)である場合に、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする開閉制御が少なくとも1回行われる役物開閉遊技を実行する。
【2830】
既に説明したとおり、普電役物63aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、大当たり遊技の終了時にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
【2831】
電役サポート用処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、普電役物63aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり普電役物63aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
【2832】
ステップSj408では、第2可変入賞装置66に設けられた振分部材66hを駆動制御するためのV振分設定処理を実行する。V振分設定処理についての詳細は後述する。
【2833】
ステップSj409では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
【2834】
ステップSj410では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
【2835】
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップSj411にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。今回の通常処理の開始から所定時間が経過していない場合は、ステップSj412にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
【2836】
ステップSj413では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
【2837】
ステップSj410で肯定判定した場合(今回の通常処理の開始から所定時間が経過した場合)は、ステップSj401に処理を戻り、ステップSj401以降の処理を実行する。
【2838】
このように、ステップSj409の処理を実行した後、次の通常処理の実行タイミングが到来するまでの残余期間を利用し、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。ここで、ステップSj401~ステップSj409の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【2839】
ステップSj410で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、電源遮断が発生したことになるので、ステップSj313以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップSj414では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップSj415にてRAM判定値を算出、保存し、ステップSj416にてRAM314のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
【2840】
<特図遊技回制御処理>
ステップSj403の特図遊技回制御処理について
図259のフローチャートを参照しながら説明する。
【2841】
先ずステップSj501にて、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに各種大当たりフラグ、各種小当たりフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。大当たりフラグは、大当たり遊技の実行中であることを示すフラグであり、後述する大当たり遊技状態への移行処理にて遊技状態を大当たり遊技状態に移行させる場合に格納され、同移行処理にて大当たり遊技状態を終了させる場合に消去される。また、小当たりフラグは、小当たり遊技の実行中であることを示すフラグであり、後述する小当たり遊技状態への移行処理にて遊技状態を小当たり遊技状態に移行させる場合に格納され、同移行処理にて小当たり遊技状態を終了させる場合に消去される。
【2842】
大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中でない場合には、ステップSj502にて、特図用表示部43が確定表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに確定表示フラグがセットされているか否かを判定する。確定表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで確定表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【2843】
特図用表示部43が確定表示中でない場合は、ステップSj503にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグがセットされているか否かを判定する。変動表示フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSで変動表示中であることをMPU312が把握するためのものである。
【2844】
特図用表示部43が変動表示中でない場合は、ステップSj504にて、第1始動保留記憶数RaNが「0」であり且つ第2作動口63への入賞が生じていない状態であるか否かを判定する。第1始動保留記憶数RaNが「0」であり且つ第2作動口63への入賞が生じていない場合は、実行対象となる保留情報が存在しないことになるため、そのまま特図遊技回制御処理を終了する。
【2845】
第1始動保留記憶数RaNが「0」でない場合は、ステップSj505にて第1特図用保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報を実行エリアAEに移動し、変動表示用のデータとして設定するためのデータ設定処理を実行する。なお、第1始動保留記憶数RaNが「0」であり、特図遊技回が実行されていない状況で、第2作動口63への入賞が生じている場合は、情報取得処理(
図257)のステップSj308にて保留情報が実行エリアAEに格納されるため、データ設定処理は行われない。
【2846】
ステップSj506では、特図用表示部43における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。ここで、ステップSj506の変動開始処理について
図260のフローチャートを参照しながら説明する。
【2847】
変動開始処理では先ずステップSj601にて、今回の遊技回が第2特図の遊技回であるか否かを判定する。今回の遊技回が第2特図の遊技回でない場合、すなわち、第1特図の遊技回である場合は、ステップSj602に進み、第1特図用の当否テーブル(
図251(a))を参照して当否判定を行う。一方、第2特図の遊技回である場合は、ステップSj603に進み、第2特図用の当否テーブル(
図251(b))を参照して当否判定を行う。
【2848】
ステップSj602又はステップSj603の当否判定の結果、大当たり当選である場合(ステップSj604でYES)は、ステップSj605にて、対応する大当たり種別テーブルを参照して大当たり種別判定(大当たり種別の抽選)を行う。より詳しくは、今回の大当たり結果が第1特図の当否判定による大当たり結果である場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(
図252(a))を参照して種別判定を行い、第2特図の当否判定による大当たり結果である場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(
図252(b))を参照して種別判定を行う。例えば、第1特図用の大当たり種別テーブルを参照した種別判定の場合であれば、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、2R大当たり結果A、2R大当たり結果Bのいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
【2849】
ステップSj606では、ステップSj605の種別判定により選択された大当たり種別に対応した大当たり種別フラグをRAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された大当たり種別が2R大当たり結果Aである場合は、2R大当たりAフラグをセットする。
【2850】
ステップSj607では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果(大当たり絵柄)を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【2851】
なお、大当たり用の停止結果は、1つの大当たり種別に対して1種類の停止結果が対応する構成としてもよいし、複数種類の停止結果が対応する構成としてもよい。また、第1特図と第2特図とで停止結果を共有する構成としてもよく、例えば、第1特図における2R大当たり結果B用の停止結果と、第2特図における2R大当たり結果A用の停止結果とが重複する構成であってもよい。
【2852】
ステップSj604で否定判定した場合(大当たり結果でない場合)は、ステップSj608にて、ステップSj602又はステップSj603の当否判定の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。小当たり結果である場合は、ステップSj609にて、対応する小当たり種別テーブルを参照して小当たり種別判定(小当たり種別の抽選)を行う。より詳しくは、今回の小当たり結果が第1特図の当否判定による小当たり結果である場合は第1特図用の小当たり種別テーブル(
図253(a))を参照して種別判定を行い、第2特図の当否判定による小当たり結果である場合は第2特図用の小当たり種別テーブル(
図253(b))を参照して種別判定を行う。例えば、第2特図用の小当たり種別テーブルを参照した種別判定の場合であれば、実行エリアAEに格納されている小当たり種別カウンタC3の値が、有利小当たり結果A~Cのいずれの数値範囲に属しているかを判定する。
【2853】
ステップSj610では、ステップSj609の種別判定により選択された小当たり種別に対応した小当たり種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。例えば、選択された小当たり種別が有利小当たり結果Aである場合は、有利小当たりAフラグをセットする。
【2854】
ステップSj611では、上記停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている小当たり用の停止結果テーブルを参照して小当たり用の停止結果(小当たり絵柄)を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている小当たり種別カウンタC3に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
【2855】
なお、1つの小当たり種別に対する停止結果の種類数や、第1特図と第2特図とで停止結果を共用してもよい点については大当たり用の停止結果の場合と同様である。
【2856】
ステップSj608で否定判定した場合(小当たり結果でない場合)は、今回の当否判定の結果が外れ結果であることを意味する。この場合は、ステップSj612に進み、外れ結果用の停止結果を設定する。本実施の形態では、外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップSj612ではその停止結果を設定する。
【2857】
ステップSj607、ステップSj611又はステップSj612の実行後は、ステップSj613にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高サポ更新用処理を実行する。高サポ更新用処理の詳細については後述する。
【2858】
ステップSj614では、今回の特図遊技回における変動表示時間(遊技回用動作の実行期間)の設定処理を行う。かかる設定処理では、ROM313の変動パターンテーブルエリア313cに記憶されている変動パターンテーブルを参照し、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値に対応した変動パターン情報を取得する。変動パターンテーブルは、大当たり用の変動パターンテーブルと、小当たり用の変動パターンテーブルと、外れ用の変動パターンテーブルとが各別に設定されており、変動パターンテーブルの参照に際しては、今回の当否判定の結果に対応するものを参照する。各変動パターンテーブルでは複数の変動パターン情報が設定されており、これら各種変動パターン情報が変動種別カウンタCSの数値範囲と対応付けられて設定される。
【2859】
ステップSj614の変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値に対応する変動パターン情報を、対応する変動パターンテーブルから取得した後、その取得した変動パターン情報に対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。変動表示時間の設定処理の詳細については後述する。
【2860】
ステップSj615では、上記各種フラグ格納エリア314eに変動表示フラグをセットする。変動表示フラグは変動表示の実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
【2861】
ステップSj616では、演出制御装置143への送信対象として変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、ステップSj614で取得された変動パターン情報を特定するための情報が含まれる。大当たり結果用、小当たり結果用、外れ結果用の変動パターンテーブルが設定され、当否結果によって各別の変動パターン情報が取得されるため、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することで、変動表示時間の情報だけでなく、今回の当否結果を把握することが可能になる。また、種別コマンドには大当たり種別や小当たり種別を特定するための情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たり結果又は小当たり結果である場合に設定され、外れ結果である場合には設定されない。
【2862】
ステップSj617では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、今回の特図遊技回が第1特図の遊技回である場合は第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させ、第2特図の遊技回である場合は第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。ステップSj617の実行後は変動開始処理を終了する。
【2863】
特図遊技回制御処理(
図259)の説明に戻り、ステップSj506の実行後は、特図遊技回制御処理を終了する。また、ステップSj501で肯定判定した場合(大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中である場合)は、ステップSj502以降の処理を実行することなく特図遊技回制御処理を終了する。すなわち、大当たり遊技又は小当たり遊技の実行中である場合は、保留情報が存在していても特図用表示部43での変動表示は行われない。
【2864】
ステップSj503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSj507に進み、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSj508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップSj508の実行後は特図遊技回制御処理を終了する。
【2865】
ステップSj507で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)には、ステップSj509に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。続くステップSj510では、小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を実行し、その後、ステップSj511にて、変動回数対応の高サポ終了用処理を実行する。ステップSj510及びステップSj511の処理はいずれも高頻度サポートモードを終了させるためのものであるが、その詳細については後述する。
【2866】
ステップSj512では、確定表示開始用処理を実行し、その後、特図遊技回制御処理を終了する。確定表示開始用処理では、ステップSj607、ステップSj611又はステップSj612で設定した停止結果にて絵柄の停止表示を行うように特図用表示部43を制御する。また、ステップSj512では、上記停止表示を継続する確定表示時間の設定も行う。
【2867】
ステップSj502で肯定判定した場合(特図用表示部43が確定表示中である場合)は、ステップSj513に進み、確定表示終了用処理を実行する。確定表示終了用処理では、ステップSj512で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合は絵柄の停止表示を終了させるように特図用表示部43を制御する。なお、確定表示時間の経過時において次の保留情報が存在しない場合は、作動口62、63への入賞が発生するまで、そのまま上記停止表示を継続するように制御する。ステップSj513の終了後は特図遊技回制御処理を終了する。
【2868】
<小当たり遊技状態への移行処理>
通常処理(
図258)におけるステップSj404の小当たり遊技状態への移行処理について
図261のフローチャートを参照して説明する。
【2869】
先ず、ステップSj801では、大当たり遊技の実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに大当たり遊技フラグがセットされているか否かを判定する。大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であることを示すフラグであり、大当たり遊技の開始に際してセットされ、大当たり遊技が終了する場合にクリアされる。
【2870】
大当たり遊技の実行中でない場合は、ステップSj802に進み、小当たり遊技の実行中であるか否かを判定する。具体的には、上記各種フラグ格納エリア314eに小当たり遊技フラグがセットされているか否かを判定する。小当たり遊技フラグは、小当たり遊技の実行中であることを示すフラグである。
【2871】
小当たり遊技の実行中でない場合は、ステップSj803に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに小当たり種別フラグ(ステップSj610)がセットされているか否かを判定する。すなわち、小当たりの当選状態であるか否かを判定する。
【2872】
小当たり種別フラグがセットされている場合は、ステップSj804にて、特図遊技回の終了タイミングであるか否かを判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合には、特図遊技回の終了を待機すべく、そのまま小当たり遊技状態への移行処理を終了する。また、上記ステップSj801で肯定判定した場合(大当たり遊技の実行中である場合)や、ステップSj803で否定判定した場合(小当たり種別フラグがセットされていない場合)も、小当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2873】
特図遊技回の終了タイミングである場合は、ステップSj805にて、小当たり遊技の開始処理を実行する。小当たり遊技の開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに小当たり遊技フラグをセットしたり、小当たり遊技の開始前において第2可変入賞装置66が閉鎖状態であることをチェックしたりする。小当たり遊技フラグは、小当たり遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
【2874】
また、小当たり遊技の開始処理では、小当たり遊技の開始に際して第2可変入賞装置66の開放を開始することなく待機するためのオープニング期間の設定処理を実行する。オープニング期間の設定処理では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた第1タイマカウンタエリアTC1に、オープニング期間に対応した値をセットする。第1タイマカウンタエリアTC1にセットされた値(カウンタ値)は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。
【2875】
ステップSj806では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1に「1」をセットする。ラウンドカウンタエリアRC1は、小当たり遊技におけるラウンド遊技の消化回数をカウントするためのものであり、本ステップの処理が行われることにより、小当たり遊技にて実行可能なラウンド遊技の回数が1回に設定される。
【2876】
ステップSj807では、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
【2877】
ステップSj808では、外部信号設定処理を実行し、その後、小当たり遊技状態への移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた小当たり信号用の出力端子の信号出力状態を小当たり信号出力状態とする。これにより、小当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に小当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて小当たりが発生したことを把握することができる。
【2878】
ステップSj802で肯定判定した場合(小当たり遊技の実行中である場合)は、ステップSj809に進み、ステップSj807で設定したオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合は、当該期間の経過を待機すべく、そのまま小当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2879】
オープニング期間が経過している場合は、ステップSj810に進み、第2可変入賞装置66の第2大入賞口66aを開閉するための小当たり用開閉処理を実行する。ここで、小当たり用開閉処理について、
図262のフローチャートを参照しながら説明する。
【2880】
小当たり用開閉処理では先ずステップSj901にて、第2可変入賞装置66の第2大入賞口66aを開放中であるか否かを判定する。この判定は第2可変入賞装置66の駆動部66cの駆動状態に基づいて行う。第2大入賞口66aを開放中でない場合は、ステップSj902にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。
【2881】
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSj903にて、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。
【2882】
タイマエリアT1の値が「0」である場合は、ステップSj904に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに有利小当たりフラグ(有利小当たり結果A~Cのいずれに対応する小当たり種別フラグ)がセットされているか否かを判定する。有利小当たりフラグがセットされている場合は、ステップSj905に進み、第2可変入賞装置66の上限開放時間として、第1タイマカウンタエリアTC1に「900」(1.8secに相当)をセットする。
【2883】
有利小当たりフラグがセットされていない場合は、ステップSj906に進み、第2可変入賞装置66の上限開放時間として、第1タイマカウンタエリアTC1に「50」(0.1secに相当)をセットする。ステップSj905又はステップSj906でセットされた値は、タイマ割込み処理(
図255)が起動される都度、1減算される。
【2884】
ステップSj905又はステップSj906の実行後は、ステップSj907にて、小当たり遊技における第2可変入賞装置66への上限入賞個数の設定処理を行う。具体的には、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた第1入賞カウンタエリアPC1に、上限入賞個数に相当する「10」の値をセットする。
【2885】
ステップSj908では、第2可変入賞装置66(第2大入賞口66a)を開放状態とすべく、開閉扉66b用の駆動部66cを駆動状態とする。続くステップSj909では、第2可変入賞装置66の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、小当たり用開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。
【2886】
ステップSj902で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRC1の値が0である場合)又はステップSj903で否定判定した場合(タイマエリアT1の値が「0」でない場合)は、そのまま小当たり用開閉処理を終了する。
【2887】
ステップSj901で肯定判定した場合(第2大入賞口66aの開放中である場合)は、ステップSj910に進み、第1タイマカウンタエリアTC1の値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ステップSj905又はステップSj906で設定した第2可変入賞装置66の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
【2888】
第1タイマカウンタエリアTC1の値が「0」ではない場合は、ステップSj911に進み、検知センサ66kの検知結果に基づいて第2大入賞口66aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合は、そのまま小当たり用開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合は、ステップSj912にて第1入賞カウンタエリアPC1の値を1減算し、続くステップSj1113では、第1入賞カウンタエリアPC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1入賞カウンタエリアPC1の値が「0」でない場合はそのまま小当たり用開閉処理を終了する。
【2889】
ステップSj910で肯定判定した場合(第1タイマカウンタエリアTC1の値が「0」である場合)又はステップSj913で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPC1の値が「0」である場合)は、ステップSj914に進み、駆動部66cを非駆動状態に切り替えて第2大入賞口66aを閉鎖する。ステップSj915では、ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算し、続くステップSj916では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、小当たり遊技のエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング期間を設定する。
【2890】
ステップSj917では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、小当たり用開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。
【2891】
小当たり遊技状態への移行処理(
図261)の説明に戻り、ステップSj810の小当たり用開閉処理を実行した後は、ステップSj811にてラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、小当たり遊技を継続させるべく、そのまま小当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2892】
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSj812に進み、エンディングが終了したか否か(ステップSj916で設定したエンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま小当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2893】
一方、エンディングが終了している場合は、ステップSj813にて小当たり遊技の終了用処理を実行する。ここで、小当たり遊技の終了用処理について
図263のフローチャートを参照しながら説明する。
【2894】
小当たり遊技の終了用処理では先ずステップSj1101にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。このV入賞フラグは、タイマ割込み処理(
図255)におけるステップSj106のV入賞用処理にてセットされるものである。
【2895】
ここで、ステップSj106のV入賞用処理について説明する。また、V入賞に関連する処理として、通常処理(
図258)におけるステップSj408のV振分設定処理について説明する。
【2896】
先ず、ステップSj408のV振分設定処理について
図264のフローチャートを参照しながら説明する。
【2897】
V振分設定処理では先ずステップSj1201にて、小当たり遊技の開始タイミング(オープニング期間の開始タイミング)であるか否かを判定する。小当たり遊技の開始タイミングである場合は、ステップSj1202にてRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた第2タイマカウンタエリアTC2に、1secに相当する「500」をセットする。第2タイマカウンタエリアTC2にセットされた値(カウンタ値)は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。
【2898】
ステップSj1203では、上記各種カウンタエリア314dに設けられた振分回数カウンタエリアHCに「1」をセットする。振分回数カウンタエリアHCは、MPU312が振分部材66hの動作回数を把握するためのである。
【2899】
ステップSj1203の実行後又はステップSj1201で否定判定した場合(小当たり遊技の開始タイミングでない場合)は、ステップSj1204に進み、振分部材66hの現在位置が遊技球をV入賞用領域66fに振り分ける側の位置であるか否かを判定する。この判定は、振分部材用の駆動部66iの駆動状態を把握することにより行う。
【2900】
振分部材66hがV入賞用領域66fへの振り分け側に位置していない場合、すなわち、遊技球を排出用領域66gに振り分ける側に位置している場合は、ステップSj1205にて第2タイマカウンタエリアTC2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマカウンタエリアTC2の値が「0」でない場合は、振分部材66hの現在位置を維持すべく、振分設定処理を終了する。
【2901】
一方、第2タイマカウンタエリアTC2の値が「0」である場合は、ステップSj1206にて振分回数カウンタエリアHCの値が「0」であるか否かを判定する。振分回数カウンタエリアHCの値が「0」でない場合、すなわち、「1」である場合は、ステップSj1207に進み、振分部材66hをV入賞用領域66fへの振り分け側の位置に変位させる。
【2902】
ステップSj1208では、タイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)にセットする。この処理は、振分部材66hをV入賞用領域66fへの振り分け側に位置させるべき期間(V側振分期間)を設定するものである。ステップSj1208の実行後は振分設定処理を終了する。また、ステップSj1206で肯定判定した場合(振分回数カウンタエリアHCの値が「0」である場合)は、ステップSj1207以降の処理を実行せずに振分設定処理を終了する。
【2903】
ステップSj1204で肯定判定した場合、すなわち、振分部材66hがV入賞用領域66fへの振り分け側に位置している場合は、ステップSj1209にて第2タイマカウンタエリアTC2の値が「0」であるか否かを判定し、ステップSj1208で設定したV側振分期間が経過した否かを判定する。第2タイマカウンタエリアTC2の値が「0」である場合、すなわち、V側振分期間が経過している場合は、ステップSj1210にて振分部材66hを排出用領域66gへの振り分け側の位置に変位させる。
【2904】
ステップSj1211では、振分回数カウンタエリアHCの値を1減算する処理を実行し、その後、振分設定処理を終了する。また、ステップSj1209で否定判定した場合(第2タイマカウンタエリアTC2の値が「0」でなく、V側振分期間が経過していない場合)は、振分部材66hの現在位置を維持すべく、ステップSj1210以降の処理を実行せずに振分設定処理を終了する。
【2905】
次に、ステップSj106のV入賞用処理について
図265のフローチャートを参照しながら説明する。
【2906】
V入賞用処理では先ずステップSj1301にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。V入賞フラグは、V入賞が発生したことをMPU312が把握するためのものである。
【2907】
V入賞フラグがセットされていない場合は、ステップSj1302に進み、V入賞が発生したか否かを判定する。具体的には、第2可変入賞装置66に設けられたV入賞用の検知センサ66mの検知状態に基づき、第2可変入賞装置66に入球した遊技球がV入賞用領域66f(検知センサ66mの検知領域)を通過したか否かを判定する。V入賞が発生していない場合はそのままV入賞用処理を終了する。
【2908】
V入賞が発生した場合は、ステップSj1303にて上記各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグをセットする。続くステップSj1304では、演出制御装置143への送信対象としてV入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、V入賞が発生したことを演出制御装置143に通知するためのコマンドであり、設定されたV入賞コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、V入賞コマンドを受信した場合、図柄表示装置75やスピーカ部29にてV入賞の発生を報知したり、V入賞を祝福したりする演出等が実行されるように、表示制御装置350等を制御する。
【2909】
ステップSj1305では、当たり回数クリア用処理を実行する。本実施の形態に係るパチンコ機10には時短リミッタ機能が搭載されており、時短遊技状態中での大当たりやV大当たりの回数を当たり回数として計数するように構成されている。当たり回数クリア用処理は、その当たり回数の計数値をクリア(初期化)するためのものである。当たり回数クリア用処理の詳細については後述する。
【2910】
ステップSj1306では、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行する。小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理は、高頻度サポートモードを終了させるためのものであるが、その詳細については後述する。
【2911】
ステップSj1306の実行後はV入賞用処理を終了する。また、ステップSj1301で肯定判定した場合(V入賞フラグがセットされている場合)、すなわち、今回の小当たり遊技で既にV入賞が発生している場合は、ステップSj1202以降の処理を実行せずにV入賞用処理を終了する。
【2912】
小当たり遊技の終了用処理(
図263)の説明に戻り、ステップSj1101でV入賞フラグがセットされていると判定した場合は、ステップSj1102にて、対応するV当選フラグをセットする。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされている小当たり種別フラグを参照し、今回の小当たり種別に対応するV当選フラグを上記各種フラグ格納エリア314eにセットする。V当選フラグは、V大当たり遊技を開始すべきこと及びV大当たり遊技の種別をMPU312が把握するためのものである。本実施の形態では、有利小当たり結果A~Cに対応させてV当選フラグA~Cが設けられている。例えば、終了対象の小当たり遊技(今回の小当たり遊技)が有利小当たり結果Aへの当選を契機としており、小当たり種別フラグとしての有利小当たりAフラグが上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている場合は、V当選フラグとしてV当選フラグAをセットする。
【2913】
ステップSj1103では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているV入賞フラグ、小当たり種別フラグ及び小当たり遊技フラグをクリアする。続くステップSj1104では、演出制御装置143への送信対象としてV当選コマンドを設定し、その後、小当たり遊技の終了用処理を終了する。V当選コマンドは、V大当たり遊技が開始されること及びV大当たり遊技の種別を演出制御装置143に通知するためのコマンドであり、設定されたV当選コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、V当選コマンドを受信した場合、V大当たり遊技が開始されること及びV大当たり遊技の種別を報知する演出が図柄表示装置75等にて実行されるように、表示制御装置350等を制御する。
【2914】
ステップSj1101で否定判定した場合(V入賞フラグがセットされていない場合)、すなわち、V入賞が発生することなく小当たり遊技の終了タイミングとなった場合は、ステップSj1105に進み、パンク時対応の高サポ終了用処理を実行する。パンク時対応の高サポ終了用処理は、V入賞が発生しないまま小当たり遊技が終了する場合(いわゆるパンクが発生した場合)において高頻度サポートモードを終了させるためのものである。パンク時対応の高サポ終了用処理の詳細については後述する。
【2915】
ステップSj1106では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている小当たり種別フラグ及び小当たり遊技フラグをクリアする。これにより、小当たり遊技が終了する。ステップSj1106の実行後は小当たり遊技の終了用処理を終了する。
【2916】
<大当たり遊技状態への移行処理>
通常処理(
図258)におけるステップSj405の大当たり遊技状態への移行処理について
図266のフローチャーを参照して説明する。
【2917】
大当たり遊技状態への移行処理では先ずステップSj1401にて、小当たり遊技の実行中であるか否かを判定する。この判定は、RAM314のフラグ格納エリア314eに小当たり遊技フラグがセットされているか否かを参照することにより行う。小当たり遊技の実行中である場合は、当該小当たり遊技の終了を待機すべく、そのまま大当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2918】
小当たり遊技の実行中でない場合はステップSj1402にて、大当たり遊技の実行中であるか否かを判定する。大当たり遊技の実行中でない場合は、ステップSj1403にて、RAM114の各種フラグ格納エリア314eにV当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、V入賞の発生に基づくV大当たり遊技を開始すべき状況であるか否かを判定する。
【2919】
V当選フラグがセットされていない場合は、ステップSj1404にて上記各種フラグ格納エリア314eに大当たり種別フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、当否判定での大当たり当選に基づく大当たり遊技を開始すべき状況であるか否かを判定する。大当たり種別フラグがセットされていない場合、すなわち、V入賞の発生に基づくV大当たり遊技と大当たり当選に基づく大当たり遊技とのいずれも開始すべき状況でない場合は、そのまま大当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2920】
大当たり種別フラグがセットされている場合は、ステップSj1405にて特図遊技回の終了タイミングであるか否かを判定する。特図遊技回の終了タイミングでない場合、すなわち、大当たり当選した特図遊技回の実行中である場合は、当該遊技回の終了を待機すべく、そのまま大当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2921】
ステップSj1405で肯定判定した場合(特図遊技回の終了タイミングである場合)又はステップSj1403で肯定判定した場合(V当選フラグがセットされており、V大当たり遊技を開始すべき状況である場合)は、ステップSj1406に進み、大当たり遊技の開始処理を実行する。当該開始処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに大当たり遊技フラグをセットしたり、オープニング期間の設定処理を実行したりする。大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であることをMPU312が把握するためのものである。
【2922】
ステップSj1407では、大当たり遊技のラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている大当たり種別フラグやV当選フラグに基づいて今回の大当たり遊技の種別を把握し、その把握した種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、大当たり遊技が終了するまで継続される。
【2923】
ステップSj1408では、対応するラウンド数をセットする。具体的には、上記ステップSj1407で把握した大当たり遊技の種別に対応するラウンド数を特定し、そのラウンド数に対応する値をRAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRC1にセットする。例えば、今回の大当たり遊技の種別が3R大当たり遊技である場合はラウンドカウンタエリアRC1に「3」をセットし、6RV大当たり遊技である場合はラウンドカウンタエリアRC1に「5」をセットする。ちなみにV大当たり遊技では、小当たり遊技にて実行されたラウンド遊技(1回)の分も含めてラウンド数が認識されるように構成されており、6RV大当たり遊技の場合、V大当たり遊技にて実行されるラウンド遊の回数は5回となる。
【2924】
ステップSj1409では、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定し、続くステップSj1410では、外部信号設定処理を実行する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。ステップSj1401の実行後は大当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2925】
ステップSj1402で肯定判定した場合(大当たり遊技の実行中である場合)は、ステップSj1411に進み、ステップSj1406で設定したオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、当該期間の終了を待機すべく、そのまま大当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2926】
オープニング期間が経過している場合は、ステップSj1412に進み、第1可変入賞装置65の第1大入賞口65aを開閉制御するための大当たり用開閉処理を実行する。大当たり用開閉処理では、第1可変入賞装置65の第1大入賞口65aが閉鎖中である場合は、ラウンド数カウンタRCが「1」以上であることを条件として、開閉扉65b用の駆動部65dを駆動状態とすることで第1大入賞口65aを開放させる。また、第1大入賞口65aが開放中である場合には、当該大入賞口65aの開放から所定時間(30sec)が経過していること又は上限入賞個数(例えば10個)の遊技球が入賞していることを条件として、駆動部65dの駆動状態を停止し、第1大入賞口65aを閉鎖させる。
【2927】
ステップSj1413では、ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合は、大当たり遊技を継続させるべく、そのまま大当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2928】
ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合は、ステップSj1414に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま大当たり遊技状態への移行処理を終了する。
【2929】
エンディングが終了している場合は、ステップSj1415にて大当たり遊技終了時の移行処理を実行する。大当たり遊技終了時の移行処理の詳細については後述する。ステップSj1416では、ラウンド表示の終了処理を実行し、その後、大当たり遊技状態への移行処理を終了する。ラウンド表示の終了処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
【2930】
<大当たり遊技終了時の移行処理>
ステップSj1415の大当たり遊技終了時の移行処理について
図267のフローチャートを参照しながら説明する。
【2931】
大当たり遊技終了時の移行処理では先ずステップSj1501にて、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果が2R大当たり結果A又はV大当たり結果であるか否かを判定する。換言すれば、今回の当たり結果が時短遊技状態への移行に対応した当たり結果であるか否かを判定する。この判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれの大当たり種別フラグがセットされているかやV当選フラグがセットされているかを参照することにより行う。
【2932】
2R大当たり結果A又はV大当たり結果である場合は、ステップSj1502に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている大当たり種別フラグ、V当選フラグ、大当たり遊技フラグをクリアする。これにより、大当たり遊技状態が終了する。
【2933】
ステップSj1503では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACの値を1加算する。本実施の形態では、時短遊技状態への移行を制限(規制)することが可能な時短リミッタ機能が搭載されている。この時短リミッタ機能は、時短遊技状態への移行時も含め、時短遊技状態での大当たり回数(大当たり及びV大当たりの合計数)をカウントし、そのカウント値が予め定められた上限回数である時短リミッタ値に達すると、大当たり結果やV大当たり結果(小当たり結果)の種別にかかわらず、時短遊技状態を強制的に終了させるものとなっている。当たり回数カウンタエリアACは、現在の大当たり回数をMPU312が把握するためのものであり、時短遊技状態への移行契機となる大当たりとなった場合(第1特図の遊技回で2R大当たり結果Aになった場合)や時短遊技状態中に大当たりとなった場合(第2特図の遊技回で2R大当たり結果Aになった場合、有利小当たり結果を経てV大当たりとなった場合)に対応して1ずつ加算される。
【2934】
ステップSj1504では、演出制御装置143への送信対象として当たり回数コマンドを設定する。設定された当たり回数コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。当たり回数コマンドには、ステップSj1503で更新された大当たり回数を特定するための情報が含まれており、当たり回数コマンドが送信されることで、主制御装置162が認識している現在の大当たり回数(更新後の大当たり回数)が演出制御装置143に通知される。
【2935】
ステップSj1505では、ステップSj1503で更新された当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値(例えば5回)に達したか否かを判定する。当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値に達していない場合は、ステップSj1506に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグをセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。
【2936】
ステップSj1507では、今回の大当たり結果に対応する時短遊技状態(高頻度サポートモード)の上限回数をセットする。時短遊技状態の上限回数は、時短遊技状態にて実行可能な特図遊技回の回数であり、いわゆる時短回数である。本実施の形態では、大当たり種別やV大当たり種別を問わず、時短遊技状態の上限回数が一律に10回に設定されているため(
図252、
図253)、本ステップでは、上記各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCに10回に対応する値(10)をセットする。サポートカウンタエリアSCは、時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の残り回数をMPU312が把握するためのものであり、時短遊技状態である状況で特図遊技回が行われるごとに1ずつ減算される。
【2937】
ステップSj1508では、演出制御装置143への送信対象として時短遊技状態開始コマンドを設定し、その後、大当たり遊技終了時の移行処理を終了する。設定された時短遊技状態開始コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。時短遊技状態開始コマンドが送信されることにより、時短遊技状態の開始が演出制御装置143に通知される。
【2938】
ステップSj1505で肯定判定した場合(当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値に達した場合)は、ステップSj1509に進み、当たり回数カウンタエリアACの値を「0」にクリアし、初期値(0回)に復帰させる。続くステップSj1510では、演出制御装置143への送信対象としてリミッタ到達コマンドを設定する。設定されたリミッタ到達コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。リミッタ到達コマンドが送信されることにより、大当たり回数の時短リミッタ値への到達が演出制御装置143に通知される。
【2939】
ステップSj1510の実行後は、そのまま大当たり遊技終了時の移行処理を終了する。すなわち、当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値に達した場合は、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグをセットすることなく、大当たり遊技終了時の移行処理を終了する。大当たり遊技中はサポートフラグがクリアされ、サポートモードが低頻度サポートモードとされているため、上記のように、大当たり遊技終了時の移行処理においてサポートフラグをセットしないことにより、大当たり遊技後のサポートモードが低頻度サポートモードに設定される。つまり、今回の大当たり遊技の契機となった大当たりの種別(いずれの大当たりであるかや、V大当たりであるか否か)にかかわらず、時短遊技状態が強制的に終了される。
【2940】
ステップSj1501で否定判定した場合(2R大当たり結果A又はV大当たり結果でない場合)は、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果が2R大当たり結果Bであることを意味する。この場合は、ステップSj1511に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている大当たり種フラグ、大当たり遊技フラグをクリアする。その後、サポートフラグをセットすることなく、大当たり遊技終了時の移行処理を終了する。これにより、大当たり遊技後のサポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
【2941】
<高サポ更新用処理>
ステップSj613の高サポ更新用処理について
図268のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(
図260)において実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回にて変動表示が開始される場合に実行されるものである。
【2942】
先ずステップSj1701では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。サポートフラグがセットされている場合、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードに設定されている場合は、ステップSj1702に進み、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。
【2943】
大当たり結果でない場合は、ステップSj1703にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を更新する。具体的には、サポートカウンタエリアSCの値を1減算する。これにより、高頻度サポートモードの残り回数(高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数)が1減算される。
【2944】
ステップSj1704では、上記サポートカウンタエリアSCの値が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタエリアSCの値が「0」である場合、すなわち、高頻度サポートモードでの遊技回の実行回数が上限回数(例えば10回)に到達している場合には、ステップSj1705に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高サポ終了用フラグをセットする。高サポ終了用フラグは、高頻度サポートモードを終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【2945】
ステップSj1702で肯定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果である場合)は、ステップSj1706にて上記サポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアした後、ステップSj1705にて上記各種フラグ格納エリア314eに高サポ終了用フラグをセットする。すなわち、高頻度サポートモードの途中で大当たり結果になった場合には、その残り回数にかかわらず、高頻度サポートモードを終了させる。
【2946】
ステップSj1705の実行後は高サポ更新用処理を終了する。ステップSj1701で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)は、高頻度サポートモードの残り回数を更新しないとして、ステップSj1702以降の処理を実行せずに高サポ更新用処理を終了する。また、ステップSj1704で否定判定した場合(サポートカウンタエリアSCの値が「0」でない場合)は、高頻度サポートモードを終了すべきではないとして、ステップSj1705の処理を実行せずに高サポ更新用処理を終了する。
【2947】
<変動回数対応の高サポ終了用処理>
ステップSj511の変動回数対応の高サポ終了用処理について
図269のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(
図259)において実行されるものであり、より詳しくは、特図遊技回にて変動表示時間が経過した場合(確定表示が開始される場合)に実行されるものである。
【2948】
先ずステップSj1801では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。サポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSj1802に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高サポ終了用フラグがセットされているか否かを判定する。
【2949】
高サポ終了用フラグがセットされている場合、すなわち、高頻度サポートモードを終了すべき状況である場合は、ステップSj1803に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高頻度サポートモード(時短遊技状態)が終了して低頻度サポートモード(通常遊技状態)に移行する。
【2950】
ステップSj1804では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアする。続くステップSj1805では、上記各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACの値を「0」にクリアする。
【2951】
ステップSj1806では、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされている高サポ終了用フラグをクリアし、その後、ステップSj1807にて、演出制御装置143への送信対象として時短遊技状態終了コマンドを設定する。時短遊技状態終了コマンドが送信されることにより、演出制御装置143に時短遊技状態の終了が通知される。
【2952】
ステップSj1807の実行後は変動回数対応の高サポ終了用処理を終了する。また、ステップSj1801で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)又はステップSj1802で否定判定した場合(高サポ終了用フラグがセットされていない場合)は、ステップSj1803以降の処理を実行することなく、変動回数対応の高サポ終了用処理を終了する。
【2953】
<小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理>
ステップSj510の小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理について
図270のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(
図259)において実行されるものであり、より詳しくは、特図遊技回にて変動表示時間が経過した場合(確定表示が開始される場合)に実行されるものである。
【2954】
小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理では先ずステップSj1901にて、今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。この判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに小当たり種別フラグがセットされているか否かを参照することで行う。
【2955】
今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果である場合はステップSj1902に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。これにより、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否か(現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否か)を判定する。
【2956】
サポートフラグがセットされており、高頻度サポートモード中である場合は、ステップSj1903にて今回の小当たり種別が有利小当たり結果Aであるか否かを判定する。有利小当たり結果Aである場合は、ステップSj1904に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高頻度サポートモード(時短遊技状態)が終了する。
【2957】
このように、時短遊技状態中の特図当否抽選にて小当たりとなり、その小当たり種別が有利小当たり結果Aとなった場合は、特図遊技回における変動表示の終了タイミングに合わせて高頻度サポートモードを終了させる。
【2958】
ステップSj1904の実行後は小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を終了する。ステップSj1901で否定判定した場合(小当たり結果でない場合)、ステップSj1902で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)又はステップSj1903で否定判定した場合(小当たり種別が有利小当たり結果Aでない場合)は、高頻度サポートモードを終了させるための処理を実行しないとして、ステップSj1904の処理を実行せずに小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を終了する。
【2959】
<小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理>
ステップSj1306の小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理について
図271のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、V入賞用処理(
図265)において実行されるものであり、より詳しくは、第2特図にて小当たり結果(有利小当たり結果)となり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合に実行されるものである。
【2960】
小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理では先ずステップSj2101にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアする。これにより、V大当たり遊技が終了した後の遊技において、特図遊技回の実行回数が0回とされた状態で高頻度サポートモード(時短遊技状態)が開始される。
【2961】
ステップSj2102では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。前述のとおり、小当たり種別が有利小当たり結果Aである場合は、特図遊技回における変動表示の終了タイミングに対応してサポートフラグがクリアされており、ステップSj2102の実行タイミングでは既にサポートフラグがセットされていない状態となっている。このため、ステップSj2102でサポートフラグがセットされている場合とは、今回の小当たり遊技の契機となった小当たり種別が有利小当たり結果B又はCであることを意味する。この場合は、ステップSj2103に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高頻度サポートモード(時短遊技状態)が終了する。
【2962】
このように、時短遊技状態中の特図当否抽選にて小当たりとなり、その小当たり種別が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cとなった場合は、小当たり遊技におけるV入賞の発生タイミングに合わせて高頻度サポートモードを終了させる。
【2963】
ステップSj2103の実行後は小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を終了する。ステップSj2102で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)は、高頻度サポートモードを終了させるための処理を実行しないとして、ステップSj2103の処理を実行せずに小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を終了する。
【2964】
<当たり回数クリア用処理>
ステップSj1305の当たり回数クリア用処理について
図272のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、V入賞用処理(
図265)において実行されるものであり、より詳しくは、第2特図にて小当たり結果(有利小当たり結果)となり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合に実行されるものである。なお、当たり回数クリア用処理は、V入賞用処理において小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理(ステップSj1306)よりも先に実行される。
【2965】
当たり回数クリア用処理では先ずステップSj2201にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、V入賞が発生した時点のサポートモードが高頻度サポートモードになっているか否か(遊技状態が時短遊技状態になっているか否か)を判定する。
【2966】
前述のとおり、小当たり種別が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cである場合は、V入賞の発生タイミングに対応して高頻度サポートモードが終了するところ(
図265のステップSj1306、
図271)、この高頻度サポートモードの終了処理(サポートフラグのクリア処理)のタイミングは、当たり回数クリア用処理の実行タイミングよりも後になっている。このため、ステップSj2201の実行タイミングでは、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態となっており、この場合におけるV入賞発生時のサポートモードは高頻度サポートモードとなる。
【2967】
これに対し、小当たり種別が有利小当たり結果Aである場合は、特図遊技回における変動表示の終了タイミングに対応して高頻度サポートモードが終了するため(
図259のステップSj510、
図270)、ステップSj2201の実行タイミングでは、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされていない状態となる。よって、この場合におけるV入賞発生時のサポートモードは低頻度サポートモードとなる。
【2968】
ステップSj2201で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)、すなわち、今回の小当たり種別が有利小当たり結果Aであり、現在のサポートモードが高頻度サポートモードでない場合は、ステップSj2202に進み、当たり回数カウンタエリアACの値を「0」にクリアする。これにより、計数されている大当たり回数が0回に初期化され、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が最大値(例えば5回)に再セットされる。
【2969】
ステップSj2203では、演出制御装置143への送信対象として当たり回数クリア用コマンドを設定する。設定された当たり回数クリア用コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。当たり回数クリア用コマンドが送信されることにより、大当たり回数のクリア(時短リミッタ値の再セット)が演出制御装置143に通知される。
【2970】
ステップSj2203の実行後は当たり回数クリア用処理を終了する。また、ステップSj2201で肯定判定した場合(サポートフラグがセットされており、今回の小当たり種別が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cである場合)は、当たり回数カウンタエリアACをクリアしない(時短リミッタ値を再セットしない)としてステップSj2202以降の処理を実行せずに当たり回数クリア用処理を終了する。
【2971】
<パンク時対応の高サポ終了用処理>
ステップSj1105のパンク時対応の高サポ終了用処理について
図273のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、小当たり遊技の終了用処理(
図263)において実行されるものであり、より詳しくは、V入賞が発生しないまま小当たり遊技の終了タイミングとなった場合に実行されるものである。
【2972】
パンク時対応の高サポ終了用処理では先ずステップSj2301にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。サポートフラグがセットされている場合、すなわち、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSj2302に進み、そのセットされているサポートモードをクリアする。このように、時短遊技状態(高頻度サポートモード)である状況で小当たり結果となり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生しなかった場合には、その小当たり遊技の終了タイミングに対応して時短遊技状態が終了する。
【2973】
なお、時短遊技状態である状況で小当たり結果となった場合に選択され得る小当たり種別としては有利小当たり結果A~Cの3種類があるが、このうち有利小当たり結果Aについては特図遊技回における変動表示の終了タイミングに対応して時短遊技状態が終了するように構成されている(
図259のステップSj510、
図270)。このため、小当たり種別が有利小当たり結果Aである場合、パンク時対応の高サポ終了用処理の実行タイミングではサポートフラグがセットされていない状態となっており、ステップSj2301で否定判定されることになる。つまり、ステップSj2302におけるサポートモードのクリア処理(時短遊技状態の終了処理)の対象となるのは、時短遊技状態にて有利小当たり結果B又はCとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生しなかった場合となる。
【2974】
ステップSj2303では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアし、その後、ステップSj2304にて、上記各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACの値を「0」にクリアする。
【2975】
ステップSj2305では、演出制御装置143への送信対象としてパンク時用時短終了コマンドを設定し、その後、パンク時対応の高サポ終了用処理を終了する。設定されたパンク時用時短終了コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。パンク時用時短終了コマンドが送信されることにより、小当たり遊技にてパンクが発生したこと及びそのパンクの発生に伴って時短遊技状態が終了したことが演出制御装置143に通知される。
【2976】
ステップSj2301で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)は、ステップSj2306に進み、終了対象の小当たり遊技が有利小当たり結果Aに対応するものであるか否かを判定する。有利小当たり結果Aに対応するものである場合は、有利小当たり結果Aに対応する小当たり遊技にてパンクが発生したことを意味する。
【2977】
この場合は、ステップSj2307に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグをセットする。つまり、有利小当たり結果Aに対応する小当たり遊技にてパンクが発生した場合は、時短遊技状態を終了させず、小当たり遊技の終了後も時短遊技状態が継続されるようにする。すなわち、今回の小当たり結果への当選が時短遊技状態の終了契機とならないようにする。
【2978】
ステップSj2308では、演出制御装置143への送信対象としてパンク時用時短継続コマンドを設定する。設定されたパンク時用時短継続コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。パンク時用時短継続コマンドが送信されることにより、小当たり遊技にてパンクが発生したこと及びその後も時短遊技状態が継続されることが演出制御装置143に通知される。
【2979】
ステップSj2308の実行後は、ステップSj2303及びステップSj2304の処理を実行することなく、パンク時対応の高サポ終了用処理を終了する。これにより、小当たり当選時の残り時短回数(サポートカウンタSCの値)や大当たり回数(当たり回数カウンタエリアACの値)が引き継がれ、時短遊技状態が終了していないと同等の状態になる。
【2980】
ステップSj2306で否定判定した場合(有利小当たり結果Aでない場合)は、不利小当たり結果に対応する小当たり遊技(低振分態様の小当たり遊技)にてパンクが発生したことを意味する。この場合はそのままパンク時対応の高サポ終了用処理を終了する。
【2981】
<変動表示時間の設定処理>
ステップSj614の変動表示時間の設定処理について
図274のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動開始処理(
図260)にて実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回での変動表示が開始される場合に実行されるものである。
【2982】
変動表示時間の設定処理では先ずステップSj2501にて、現在の遊技状態を把握する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを把握し、その結果に基づいて現在の遊技状態が通常遊技状態(低頻度サポートモード)、時短遊技状態(高頻度サポートモード)のいずれであるかを特定する。
【2983】
ステップSj2502では、今回の当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合はステップSj2503に進み、ステップSj2501で把握した遊技状態に対応する大当たり結果用の変動パターンテーブルを取得する。
【2984】
ステップSj2502で否定判定した場合(大当たり結果でない場合)は、ステップSj2504に進み、今回の当否抽選の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。小当たり結果である場合はステップSj2505に進み、ステップSj2501で把握した遊技状態に対応する小当たり用の変動パターンテーブルを取得する。ここで、時短遊技状態に対応する小当たり用の変動パターンテーブルについて
図275を参照しながら説明する。
【2985】
時短遊技状態に対応する小当たり用の変動パターンテーブルとしては、小当たり種別に対応させて複数の変動パターンテーブルが設定されている。具体的には、有利小当たり結果A用の変動パターンテーブル(
図275(a))と、有利小当たり結果B用の変動パターンテーブル(
図275(b))と、有利小当たり結果C用の変動パターンテーブル(
図275(d))とが設定されている。
【2986】
有利小当たり結果A用の変動パターンテーブルは、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Aが選択された場合に参照されるものである。この変動パターンテーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(10sec)が設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、特図用表示部43における絵柄の変動表示時間として、選択された変動パターンに対応する変動表示時間が設定される。
【2987】
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される(
図260のステップSj616)。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、特図用表示部43での絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
【2988】
また、変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回用演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはリーチ当たりA演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回用演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
【2989】
リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)になった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【2990】
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
【2991】
そして、変動パターン1Aが対応するリーチ当たりA演出は、各図柄列Z1~Z3に含まれる7図柄を用いてリーチ当たり演出が行われるものである。具体的には、各図柄列Z1~Z3の変動表示が開始された後、上図柄列Z1の7図柄と下図柄列Z3の7図柄とがいずれかの有効ライン上に並ぶように停止表示されてリーチラインが形成され(
図277(a))、その後、そのリーチライン上に中図柄列Z2の7図柄が停止表示されて当たりが報知される(
図277(b))。
【2992】
有利小当たり結果A用の変動パターンテーブルでは選択可能な変動パターンとして変動パターン1Aのみが設定されており、有利小当たり結果Aとなった場合には、変動種別カウンタCSの値にかかわらず、必ず変動パターン1Aが選択される。このため、図柄表示装置75にて7図柄によるリーチ当たり演出が実行されることにより、遊技者は、有利小当たり結果Aになったこと、換言すれば、時短リミッタが再セットされる当選状態になったことを認識することができる。
【2993】
図275(b)に示す有利小当たり結果B用の変動パターンテーブルは、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Bが選択された場合に参照されるものである。この変動パターンテーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン11A(10sec)と、変動パターン12A(10sec)とが設定されている。変動パターン11Aはリーチ当たりB演出に対応し、変動パターン12Aはリーチ当たりC演出に対応している。リーチ当たりB演出は、7図柄以外の奇数図柄によりリーチ当たり演出が行われるものであり(
図277(d))、リーチ当たりC演出は、偶数図柄によりリーチ当たり演出が行われるものである(
図277(f))。
【2994】
図275(c)に示す有利小当たり結果C用の変動パターンテーブルは、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Cが選択された場合に参照されるものである。この変動パターンテーブルでは、有利小当たり結果B用の変動パターンテーブルと同様に、選択可能な変動パターンとして変動パターン11A(10sec)と、変動パターン12A(10sec)とが設定されている。
【2995】
このように有利小当たり結果B用の変動パターンテーブルと有利小当たり結果C用の変動パターンテーブルとでは選択可能な変動パターンが同じになっているものの、各変動パターンに対応する変動種別カウンタCSの範囲が異なっている。具体的には、有利小当たり結果B用の変動パターンテーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「69」が変動パターン11Aに対応し、「70」~「99」が変動パターン12Aに対応する一方、有利小当たり結果C用の変動パターンテーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「29」が変動パターン11Aに対応し、「30」~「99」が変動パターン12Aに対応している。すなわち、有利小当たり結果B用の変動パターンテーブルでは変動パターン11Aが選択されやすく、有利小当たり結果B用の変動パターンテーブルでは変動パターン12Aが選択されやすい。
【2996】
このため、図柄表示装置75にて7図柄以外の奇数図柄によるリーチ当たり演出が実行された場合、遊技者は、有利小当たり結果Bになった確率が高いことを認識することができ、偶数図柄によるリーチ当たり演出が実行された場合は、有利小当たり結果Cになった確率が高いことを認識することができる。有利小当たり結果B及び有利小当たり結果Cはいずれも時短リミッタの再セットが行われない小当たり結果であるが、有利小当たり結果Bの方が有利小当たりCよりもV大当たり遊技でのラウンド数が多くなっている(
図253(c))。
【2997】
図274の説明に戻り、ステップSj2504で否定判定した場合(小当たり結果でない場合)は、今回の当否抽選の結果が外れ結果であることを意味する。この場合はステップSj2506に進み、ステップSj2501で把握した遊技状態に対応する外れ結果用の変動パターンテーブルを取得する。ここで、時短遊技状態に対応する小当たり用の変動パターンテーブルについて
図276を参照しながら説明する。
【2998】
時短遊技状態に対応する小当たり用の変動パターンテーブルとしては、当たり回数カウンタエリアACの値に対応させて複数の変動パターンテーブルが設定されている。具体的には、当たり回数カウンタエリアACの値が相対的に小さい場合に参照される外れ結果用の第1変動パターンテーブル(
図276(a))と、当たり回数カウンタエリアACの値が相対的に大きい場合に参照される外れ結果用の第2変動パターンテーブル(
図276(b))とが設定されている。
【2999】
図276(a)に示す外れ結果用の第1変動パターンテーブルは、当否抽選にて外れ結果となり、且つ、当たり回数カウンタエリアACの値が0~2のいずれかである場合に参照されるものである。なお、当たり回数カウンタエリアACの値が0である場合とは時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が5回である状態であり、当たり回数カウンタエリアACの値が大きくなるほど、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が少ない状態となる。
【3000】
外れ結果用の第1変動パターンテーブルでは、
図276(a)に示すように、選択可能な変動パターンとして変動パターン1H(1sec)と、変動パターン2H(10sec)と、変動パターン3H(10sec)と、変動パターン4H(10sec)とが設定されている。変動パターン1Hは完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはリーチ外れ演出Aに対応し、変動パターン3Hはリーチ外れ演出Bに対応し、変動パターン4Hはリーチ外れ演出Cに対応している。
【3001】
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、リーチ外れ演出Aは7図柄によりリーチ外れ演出が行われるものである。すなわち、上図柄列Z1の7図柄と下図柄列Z3の7図柄とがいずれかの有効ライン上に並ぶように停止表示されてリーチラインが形成され(
図277(a))、その後、そのリーチライン上の中図柄列Z2において7図柄以外の図柄が停止表示されて外れが報知されるものである(
図277(c))。また、リーチ外れ演出Bは、7図柄以外の奇数図柄によりリーチ外れ演出が行われるものであり(
図277(e))、リーチ当たりC演出は、偶数図柄によりリーチ外れ演出が行われるものである(
図277(g))。
【3002】
図276(b)に示す外れ結果用の第2変動パターンテーブルは、当否抽選にて外れ結果となり、且つ、当たり回数カウンタエリアACの値が3、4のいずれかである場合に参照されるものである。すなわち、時短リミッタまでの残りの大当たり回数が2回以下である状況で外れ結果となった場合に参照される変動パターンテーブルである。
【3003】
外れ結果用の第2変動パターンテーブルでは、外れ結果用の第1変動パターンテーブルと同様に、選択可能な変動パターンとして変動パターン1H(1sec)と、変動パターン2H(10sec)と、変動パターン3H(10sec)と、変動パターン4H(10sec)とが設定されている。
【3004】
このように外れ結果用の第1変動パターンテーブルと外れ結果用の第2変動パターンテーブルとでは選択可能な変動パターンが同じになっているものの、変動パターン2H(リーチ外れA演出)に対応する変動種別カウンタCSの範囲が異なっている。具体的には、外れ結果用の第1変動パターンテーブルでは、変動パターン2Hに対応する変動種別カウンタCSの範囲が「70」~「79」に設定されている一方、外れ結果用の第2変動パターンテーブルでは、変動パターン2Hに対応する変動種別カウンタCSの範囲が「78」~「79」に設定されている。すなわち、外れ結果用の第2変動パターンテーブルでは、外れ結果用の第1変動パターンテーブルの場合よりも変動パターン2Hが選択されにくくなっており、時短リミッタまでの残りの大当たり回数が少ない状況では、リーチ外れA演出が行われにくくなっている。
【3005】
このため、時短リミッタまでの残りの大当たり回数が少ない状況において7図柄によるリーチ表示が発生すると、その演出はリーチ当たりA演出である可能性が高く、遊技者の目線では当たりの期待度が高いものとなる。つまり、同じ演出(7図柄によるリーチ表示)でも、時短リミッタまでの残りの大当たり回数によってその期待度が異なるように設定されている。
【3006】
図274の説明に戻り、ステップSj2503、ステップSj2505又はステップSj2506の実行後は、ステップSj2507にて、それら各ステップで取得した変動表示時間テーブルを用い、変動パターンの抽選処理を実行する。具体的には、変動パターンテーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
【3007】
ステップSj2508では、上記ステップSj2507で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の特図遊技回における変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が10secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに5000をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(
図255)が起動される度に1減算される。なお、変動表示時間の情報は、各変動パターン情報に対応する時間情報として変動パターンテーブルとは別にROM313に記憶されている。ステップSj2508の実行後は変動表示時間の設定処理を終了する。
【3008】
<遊技の流れについて>
本実施の形態のパチンコ機10における遊技の流れについて
図278~
図282を参照しながら説明する。
図278は遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。
【3009】
サポートモードが低頻度サポートモードとされる通常遊技状態では、既に説明したように、第2作動口63への入賞を見込めないものとなっている。このため、遊技者は、いわゆる左打ちを行って左ルートに遊技球を打ち出し、第1作動口62への入賞を狙って遊技することになる。
【3010】
第1作動口62への入賞が発生した場合には、第1特図の当否抽選(大当たり確率1/200)が実行される。そして、当該当否抽選により大当たり当選となった場合には、第1可変入賞装置65が開閉される大当たり遊技(2R大当たり遊技)が実行される(移行ルート951)。第1可変入賞装置65には右ルートを流下する遊技球のみが入賞可能となっているため、遊技者は、遊技球発射ハンドル41の回動操作量を増大させ、右ルートに遊技球を打ち出して遊技することになる(いわゆる右打ち)。
【3011】
第1特図の大当たり種別として2R大当たり結果Aと2R大当たり結果Bとが設定されているところ、大当たり種別が2R大当たり結果Bに振り分けられた場合には、大当たり遊技終了後のサポートモードが低頻度サポートモードとなり、通常遊技状態に復帰する(移行ルート952)。この場合、遊技者は、遊技球の発射態様を左打ちに戻し、再び第1特図の大当たりの発生を目指して遊技することになる。
【3012】
一方、大当たり種別が2R大当たり結果Aに振り分けられた場合には、大当たり遊技終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとされる時短遊技状態に移行し、第2作動口63への入賞が生じやすくなる(移行ルート953)。時短遊技状態は、時短遊技状態への移行後において特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば10回)となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立するまで継続する。この間、遊技者は第2特図の当否抽選を受けやすくなり、有利な態様で当否抽選を実施することが可能になる。なお、第2作動口63には右ルートを流下する遊技球のみが入賞可能となっているため、遊技者は、大当たり遊技の終了後も引き続き右打ちを行って遊技することになる。
【3013】
第2特図の当否抽選にて小当たり結果となった場合、第2可変入賞装置66が開閉される小当たり遊技が実行される(移行ルート954)。この場合の小当たり種別は有利小当たり結果A~Cのいずれかとなるため(
図253(b))、上記小当たり遊技はV入賞が発生しやすい高振分態様(
図254(b))にて実行される。
【3014】
高振分態様で小当たり遊技が実行される場合の第2可変入賞装置66の開放時間(1.8sec)は、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長く、通常の態様で遊技球を発射させていれば、第2可変入賞装置66への入賞を簡単に発生させることができる。また、高振分態様の下では、第2可変入賞装置66が開放状態とされる期間と、振分部材358がV入賞用領域356側に配置される期間とが重複するため、第2可変入賞装置66に入賞した遊技球がV入賞用領域356側に振り分けられやすい。よって、高振分態様での小当たり遊技にて第2可変入賞装置66に遊技球を入賞させた場合、必ず又はほぼ確実にV入賞が発生する。
【3015】
つまり、小当たり当選が発生すると、V入賞の発生がほぼ見込まれるため、V入賞の発生確率と小当たり当選の確率とは同じになるか、近似する。第2特図の当否抽選において小当たり結果となる確率は1/3に設定されているため(
図251(b))、時短遊技状態への移行後、特図遊技回の実行回数が10回に達するまでの間において、小当たりを引き当てる確率は約98%となる。すなわち、時短遊技状態に移行した場合には、ほぼ100%の確率でV入賞が発生することになる。
【3016】
そして、小当たり遊技においてV入賞が発生した場合には、小当たり遊技の終了後、第1可変入賞装置65が開閉されるV大当たり遊技が実行される(移行ルート955)。V大当たりが発生した場合の大当たり種別の振り分けは、ラウンド数が異なる6RV大当たり結果と2RV大当たり結果とがあるものの、これらはいずれもV大当たり遊技の終了後のサポートモードが高頻度サポートモードに設定されるものとなっている(移行ルート956)。
【3017】
このため、時短遊技状態である状況でV入賞が発生してV大当たり遊技が行われた場合には、V大当たり遊技の終了後、再び時短遊技状態に復帰することになる。すなわち、時短遊技状態への移行→小当たり当選→V入賞の発生→V大当たり遊技→時短遊技状態への復帰という一連の流れがループし、V大当たり遊技が繰り返されることになる。これにより、遊技者は、まとまった出玉を獲得することが可能になる。
【3018】
ここで、本実施の形態に係るパチンコ機10には時短リミッタ機能が搭載されている。この時短リミッタ機能では、時短遊技状態への移行時も含め、時短遊技状態での大当たり回数がカウントされ、そのカウント値が時短リミッタ値(上限値)である5回に達すると、時短遊技状態が強制的に終了される(移行ルート957)。前述のとおり、本実施の形態では、時短遊技状態に移行した場合、普通に右打ち遊技を続けていればほぼ100%の確率でV入賞が発生し、V大当たり遊技に移行する。このため、第1特図の当否抽選にて2R大当たり結果Aを引き当てて遊技状態を時短遊技状態に移行させることにより、実質的に5回分の大当たり遊技(残り4回分の大当たり遊技)が確保されることになる。
【3019】
そして、本実施の形態では、上記時短リミッタ機能と関連させて、小当たり種別が有利小当たり結果Aになった場合と、有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cになった場合とで有利度合いに差異を設けている。以下、これら各種小当たり結果になった場合の流れについて説明する。
【3020】
<有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cになった場合の流れ>
先ずは有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cになった場合の流れについて
図279を参照しながら説明する。ここでは、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACの値が3である状態(残りの大当たり回数が2回の状態)で小当たり結果となった場合を例にとって説明する。
【3021】
RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされている状態、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードである状況(時短遊技状態である状況)において、遊技者が右打ちを行って第2作動口63に遊技球が入賞すると、第2特図の遊技回が実行される(タイミングt1、
図279(a)~(c))。この際、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Cが選択されたとする。その結果、図柄表示装置75ではリーチ当たりC演出が実行され、変動表示時間が経過するタイミングt2に合わせて偶数図柄でのゾロ目により当たり報知が行われる(
図279(c)、(h))。
【3022】
なお、時短遊技状態(大当たり回数の計数状態)において図柄表示装置75には、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数を示す残り報知画像961が表示される。この残り報知画像961を視認することで、遊技者が残りの大当たり回数を認識することが可能になる。
【3023】
タイミングt3において確定表示時間が経過すると、小当たり遊技が開始され(
図279(d))、第2可変入賞装置66が開放状態に切り替えられる。このときの小当たり遊技は高振分態様にて行われるため、第2可変入賞装置66に入賞した遊技球は、振分部材66hによりV入賞用領域66fに振り分けられ、検知センサ66mを通過する(
図245(b))。これに伴い、上記各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグがセットされ、V入賞の発生となる(タイミングt4、
図279(e))。
【3024】
V入賞が発生したタイミングt4では、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否か(サポートモードが高頻度サポートモードであるか否か)が判定され、その結果に基づいて当たり回数カウンタエリアACをクリアするか否かが判定される(
図265のステップSj1305、
図272)。当たり回数カウンタエリアACは、時短リミッタ機能においてカウントされる大当たり回数に対応するものであり、MPU312が現在の大当たり回数を把握するためのものである。
【3025】
この時点では上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態となっており、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定される。この場合は当たり回数カウンタエリアACがクリアされず、現在の値(3)が維持される(
図279(g)、
図272のステップSj2201でYES)。
【3026】
また、V入賞が発生した際には、今回の小当たり種別が有利小当たり結果Cであることに対応して、各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグがクリアされる(
図279(a)、
図265のステップSj1306、
図271)。これにより、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられ、通常遊技状態(非時短遊技状態)とされる。なお、この処理は、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かの判定よりも後に実行される。すなわち、当たり回数カウンタエリアACの維持が決定された後、時短遊技状態から非時短遊技状態への切り替えが行われる。
【3027】
その後、タイミングt5において小当たり遊技が終了すると、V大当たり遊技が開始される(
図279(f))。これにより、第1可変入賞装置65が開放状態とされ、遊技球を第1可変入賞装置65に入賞させることが可能になる。
【3028】
そして、タイミングt6においてV大当たり遊技が終了すると、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果がV大当たり結果であることに基づき、当たり回数カウンタエリアACの値が1加算され、「4」に変更される(
図279(g)、
図267のステップSj1501でYES)。これにより、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が1回に更新される。これに合わせ、上記残りの大当たり回数が1回であることを示す態様の残り報知画像961が図柄表示装置75に表示されるように設定される(
図279(i))。
【3029】
また、今回の当たり結果が時短遊技状態への移行に対応した当たり結果であり、且つ、更新後の当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値に到達していないことに基づき、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされる(
図279(a)、
図267のステップSj1505でNO)。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに切り替えられ、時短遊技状態に移行する。すなわち、小当たり種別が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cになった場合には、V大当たり遊技の終了後、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が減少した状態で時短遊技状態に移行する。
【3030】
<有利小当たり結果Aになった場合の流れ>
次に有利小当たり結果Aになった場合の流れについて
図280を参照しながら説明する。
【3031】
サポートモードが高頻度サポートモードである状況(時短遊技状態である状況)で第2作動口63に遊技球が入賞すると、第2特図の遊技回が実行される(タイミングt1、
図280(a)~(c))。この際、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Aが選択されたとする。その結果、図柄表示装置75ではリーチ当たりA演出が実行され、変動表示時間が経過するタイミングt2に合わせて7図柄でのゾロ目により当たり報知が行われる(
図280(c)、(h))。
【3032】
また、変動表示時間が経過するタイミングt2では、今回の小当たり種別が有利小当たり結果Aであることに対応して、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグがクリアされる(
図280(a)、
図259のステップSj510、
図270)。これにより、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられ、通常遊技状態(非時短遊技状態)とされる。
【3033】
その後、タイミングt3において確定表示時間が経過すると、高振分態様の小当たり遊技が開始される(
図280(d))。そして、その小当たり遊技において遊技球がV入賞用領域66fの検知センサ66mを通過すると、上記各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグがセットされ、V入賞の発生となる(タイミングt4、
図280(e))。
【3034】
既に説明したように、V入賞の発生に対応して現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かの判定が実行されるところ、有利小当たり結果Aの場合には変動表示の終了タイミング(タイミングt2)にてサポートフラグがクリアされる。このため、V入賞の発生時点ではサポートフラグがセットされていない状態となり、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かの判定では、時短遊技状態ではないと判定される。この場合は、非時短状態下での当たりであるとして大当たり回数の計数状態を解除すべく、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされて初期値(0)に変更される(
図280(g)、
図272)。
【3035】
その後、タイミングt5において小当たり遊技が終了すると、V大当たり遊技が開始され(
図280(f))、第1可変入賞装置65が開放状態とされるラウンド遊技が実行される。そして、タイミングt6においてV大当たり遊技が終了すると、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果がV大当たり結果であることに基づき、当たり回数カウンタエリアACの値が1加算されるが、前述のとおり、V入賞時において当たり回数カウンタエリアACの値が初期値(0)に変更されているため、加算後における当たり回数カウンタエリアACの値は「1」となる(
図280(g))。つまり、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が4回とされた状態になる。
【3036】
また、V大当たり遊技が終了した際には、今回の当たり結果が時短遊技状態への移行に対応した当たり結果であり、且つ、更新後の当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値に到達していないことに基づき、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされる(
図279(a)、
図267のステップSj1505でNO)。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに切り替えられ、時短遊技状態に移行する。
【3037】
このように小当たり種別が有利小当たり結果Aになった場合には、今回のV大当たり遊技を含め、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数として5回が再セットされ、5回分の大当たり遊技が確保される。すなわち、V大当たり遊技の終了後、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が増加した状態で時短遊技状態に移行し、大当たりの連荘回数を増やして更に多くの出玉を獲得することが可能になる。よって、有利小当たり結果Aの方が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cよりも遊技者にとって有利となっている。
【3038】
V大当たり遊技のエンディング期間において図柄表示装置75には、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が増えたことを報知する上乗せ報知画像962が表示される(
図280(i))。また、上乗せ報知画像962の表示後には、残りの大当たり回数が増えた状態の残り報知画像961が表示される(
図280(j))。
【3039】
以上のように、本実施の形態では、時短遊技状態への移行後、有利小当たり結果Aを引き当てることができないまま、大当たり回数(当たり回数カウンタエリアACの値)が時短リミッタ値に到達した場合には、5回目の大当たり遊技が実行された後、時短遊技状態への移行がなされず、連荘状態が終了する。一方、時短遊技状態への移行後、大当たり回数が時短リミッタ値に到達する前に有利小当たり結果Aを引き当てることができた場合には、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が増えた状態で時短遊技状態に移行し、連荘状態を延長させることができる。このため、遊技者は、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数を意識しつつ、有利小当たり結果Aになること、換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gで7図柄の当たりが発生することを目指して遊技を楽しむことができる。
【3040】
上記のように、有利小当たり結果Aとなった場合は、その当選遊技回における変動表示の終了タイミング(タイミングt2)でサポートフラグがクリアされ、時短遊技状態が終了する。この場合、有利小当たり結果Aへの当選に基づく小当たり遊技にて第2可変入賞装置66の開放が開始される前に時短遊技状態が終了されることになる。これにより、右ルートを流下する遊技球が第2作動口63に入賞することにより第2可変入賞装置66に入賞不可となり、V入賞の成立が妨げられる事象の発生を抑制できる。
【3041】
ここで、本実施の形態では、普電役物63aにより開閉される普電開閉領域(普電役物63aが開放状態とされている状況で遊技球が進入した場合にその遊技球が第2作動口63に入賞することになる領域、遊技球が存在する状況で普電役物63aが閉鎖状態から開放状態に切り替えられた場合にその遊技球が第2作動口63に入賞することになる領域)から第2可変入賞装置66により開閉される特電開閉領域(第2可変入賞装置66が開放状態とされている状況で遊技球が進入した場合にその遊技球が第2可変入賞装置66に入賞することになる領域、遊技球が存在する状況で第2可変入賞装置66が閉鎖状態から開放状態に切り替えられた場合にその遊技球が第2可変入賞装置66に入賞することになる領域)までを遊技球が移動(流下)するのに要する期間(移動期間)が例えば0.5secとなるように、普電役物63aと第2可変入賞装置66の距離やそれらの間の流路が構成される。加えて、上記当選遊技回の確定表示時間が例えば0.3secとされ、上記小当たり遊技のオープニング期間が例えば0.5secとされている。
【3042】
このような構成により、上記移動期間(0.5sec)が、サポートフラグがクリアされてから第2可変入賞装置66の開放が開始されるまでの待機期間(確定表示時間とオープニング期間との合計である0.8sec)よりも短くされた構成が実現されている。この場合、サポートフラグがクリアされたタイミング(タイミングt2)で上記普電開閉領域又はそれより上流側の所定領域(例えば0.3sec分だけ上流側の位置)に位置する遊技球が、第2可変入賞装置66が開放されるまでに第2可変入賞装置66の特電開閉領域に到達可能な構成することができる。これにより、第2可変入賞装置66の開放よりも前に時短遊技状態が終了される構成において、第2可変入賞装置66の開放が開始された場合に、第2可変入賞装置66への遊技球の入賞を速やかに果たさせることができる。
【3043】
なお、サポートフラグがクリアされてから第2可変入賞装置66の開放が開始されるまでの待機期間(確定表示時間とオープニング期間との合計期間)は、上記のものに限定されず、任意に設定することができる。その際、上記待機期間が、役物開閉遊技における1回の開放の開放期間(上限開放期間、開放可能期間)よりも長くなるようにすることが好ましい。
【3044】
例えば、時短遊技状態(高頻度サポートモード)での役物開閉遊技にて普電役物63aが1回開放される構成とされ、その開放期間が1secである場合は、上記待機期間が1secよりも長くなるように確定表示時間及びオープニング期間を設定するとよい。このような構成とすることで、例えば、役物開閉遊技の途中でサポートフラグがクリアされ、サポートフラグのクリア後に残りの役物開閉遊技(普電役物63aの残り開放)が実施される場合でも、普電役物63aが閉鎖状態とされてから第2可変入賞装置66を開放させることが可能になる。なお、1の役物開閉遊技にて複数回の開放が行われる場合は、それらのうちの1の開放(好ましくは最終回の開放)の開放期間よりも上記待機期間が長くなる構成とするとよい。
【3045】
<パンク時の流れについて>
次に、パンク時の流れについて説明する。なお、ここでいう「パンク」とは、小当たり遊技の開始後、V入賞が発生しないまま小当たり遊技が終了する状態である。先ずは有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cになった場合の流れについて
図281を参照しながら説明する。
【3046】
サポートモードが高頻度サポートモードである状況(時短遊技状態である状況)で第2作動口63に遊技球が入賞すると、第2特図の遊技回が実行される(タイミングt1、
図281(a)~(c))。この際、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Cが選択されたとする。その結果、図柄表示装置75ではリーチ当たりC演出が実行され、変動表示時間が経過するタイミングt2に合わせて偶数図柄でのゾロ目により当たり報知が行われる(
図281(c)、(f))。
【3047】
その後、タイミングt3において確定表示時間が経過すると、小当たり遊技が開始される(
図281(d))。例えば、小当たり遊技の開始後において遊技者が遊技球を発射させず、その状態を継続していると、第2可変入賞装置66に遊技球が入賞しないため、V入賞が発生しない。既に説明したように、小当たり種別が有利小当たり結果Cになった場合はV入賞の発生を契機としてサポートフラグがクリアされるため(
図279)、V入賞が発生しない場合には、それに伴って時短遊技状態(高頻度サポートモード)が継続する(
図281(a))。
【3048】
そして、その状態のまま第2可変入賞装置66の上限開放時間(1.8sec)が経過すると、V入賞が発生しない状態で小当たり遊技が終了し、パンク状態となる(タイミングt4、
図281(d))。このようにパンク状態が発生すると、これに対応して、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグがクリアされる(
図281(a)、
図263のステップSj1105、
図273のステップSj2301でYES)。これにより、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられ、通常遊技状態(非時短遊技状態)とされる。
【3049】
図278~
図281を参照して述べたように本実施の形態では、有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cよりも有利小当たり結果Aの方が遊技者にとって有利となっている。このような場合、図柄表示装置75上で7図柄以外の図柄により当たり報知がなされ、有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cとなることを遊技者が把握できると、その小当たり結果に対応する小当たり遊技にて第2可変入賞装置66に遊技球を入賞させず、意図的にパンクを生じさせることが考えられる。すなわち、その小当たり結果に対応したV大当たり遊技が実施されないようにすることで時短遊技状態の終了を回避し、有利小当たり結果Aを引き当てるまで(7図柄での当たりが発生するまで)それを繰り返すことが想定される。そのような行為が横行すると、遊技者間での公平性が阻害され、望ましくない。
【3050】
この点、上記のとおり、小当たり遊技にてパンク状態となったことに対応して時短遊技状態を終了させるため、遊技者が意図的にパンクを生じさせると、その時点で時短遊技状態が終了し、パンク後の遊技において第2作動口63への入賞を生じさせることができなくなる。その結果、次の小当たり当選を生じさせることができなくなり、有利小当たり結果Aへの当選を待つことが不可能となる。これにより、有利小当たり結果A以外の場合はV入賞を見送り、有利小当たり結果Aとなった場合を狙ってV入賞を発生させるという攻略行為の横行が抑止され、遊技の公平性を確保することが可能になる。
【3051】
小当たり遊技のパンクにより時短遊技状態を終了させる場合、図柄表示装置75では、例えば「時短終了」等の文字表示がなされた終了報知画像963が表示される。これにより、遊技者に対して時短遊技状態の終了が報知される。
【3052】
本実施の形態では、小当たり遊技におけるエンディング期間の終了に対応して時短遊技状態を終了させるため(
図261のステップSj813、
図263のステップSj1106)、終了報知画像963は上記エンディング期間の終了後に表示されることになる。この際、終了報知画像963の表示期間と、図柄列Z1~Z3の変動表示がなされる期間とが重複した場合には、図柄列Z1~Z3の手前側に終了報知画像963を表示させるとよい。これにより、図柄列Z1~Z3により終了報知画像963の視認性が低下することが抑制され、時短遊技状態の終了を遊技者に対して適切に伝えることができる。
【3053】
なお、パンク時の終了用報知(終了報知画像963)は、パンクを伴わないで時短遊技状態が終了する場合(例えば、遊技回の実行回数の上限回数への到達により時短遊技状態が終了する場合)に行われる終了用報知とは異なる態様で実行される。例えば、パンク時の終了用報知の場合は前述のとおり「時短終了」等の文字表示がなされる一方で、パンクを伴わない場合はそのような文字表示が行われることなく、図柄列Z1~Z3の奥側に表示される背景画像の表示色が変化することで、時短遊技状態の終了が報知される。
【3054】
このようにパンク発生に対応して時短遊技状態が終了する場合に特殊な報知態様にて終了報知を行うことで、当該報知を目立たせることができる。これにより、小当たり遊技でのV入賞の発生を意図的に見送ると、時短遊技状態が終了してしまうことへの意識付けが遊技者の中で構築されやすくすることができる。加えて、上記報知が目立つことで、周囲の遊技者やホール従業員からも目に付きやすくなり、意図的なパンク行為の抑止効果を高めることが可能になる。
【3055】
次に有利小当たり結果Aになった場合の流れについて
図282を参照しながら説明する。
【3056】
サポートモードが高頻度サポートモードである状況(時短遊技状態である状況)で第2作動口63に遊技球が入賞すると、第2特図の遊技回が実行される(タイミングt1、
図282(a)~(c))。この際、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Aが選択されたとする。その結果、図柄表示装置75ではリーチ当たりA演出が実行され、変動表示時間が経過するタイミングt2に合わせて7図柄でのゾロ目により当たり報知が行われる(
図282(c)、(f))。
【3057】
また、変動表示時間が経過するタイミングt2では、今回の小当たり種別が有利小当たり結果Aであることに対応して、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグがクリアされる(
図282(a)、
図259のステップSj510、
図270)。これにより、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられ、通常遊技状態(非時短遊技状態)とされる。
【3058】
その後、タイミングt3において確定表示時間が経過すると、小当たり遊技が開始される(
図282(d))。そして、タイミングt4においてV入賞が発生しないまま小当たり遊技が終了し、パンクが発生すると、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされる(
図282(a)、
図273のステップSj2306でYES)。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに復帰し、小当たり遊技が終了した後の遊技状態が時短遊技状態とされる。すなわち、小当たり当選や小当たり遊技の実行が時短遊技状態の終了契機として機能しない状態とされ、小当たり遊技の後も引き続き第2作動口63に遊技球を入賞させることが可能になる。
【3059】
既に説明したように、有利小当たり結果Aは有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cよりも遊技者にとって有利であるため、図柄表示装置75での表示により有利小当たり結果Aとなったことを認識した遊技者が、当該小当たり結果に対応する小当たり遊技で意図的にパンクを生じさせることは考えにくい。そこで、有利小当たり結果Aとなった場合には、小当たり遊技でパンクが発生しても時短遊技状態を終了させない構成としており、これによって、球詰まり等の発生によりV入賞が生じなかった場合の救済を図ることができる。特に有利小当たり結果Aとなった状況で意図せず小当たり遊技でパンクが生じてしまった場合、遊技者の落胆は非常に大きくなると考えられるところ、本構成とすることで、そのようなパンクの発生後において次の小当たり当選を目指して遊技することができ、遊技者の落胆を軽減することが可能になる。
【3060】
パンク発生後も時短遊技状態を継続させる場合、図柄表示装置75では、例えば「時短継続」等の文字表示がなされた継続報知画像964が表示される。これにより、遊技者に対して時短遊技状態の継続が報知される。
【3061】
継続報知画像964は、パンク確定後に表示が開始され、その後、所定期間(例えば5sec)に亘って表示が継続されるように設定される。このため、継続報知画像964の表示期間中に第2作動口63への入賞が発生し、第2特図の遊技回が開始される場合がある。この場合は、第2作動口63への入賞又は上記遊技回の開始(図柄列Z1~Z3の変動表示の開始)を契機として継続報知画像964の表示が終了される。すなわち、第2作動口63への入賞の発生は右打ちが行われていることを意味するため、時短遊技状態の継続を既に遊技者が認識したとみなし、継続報知画像964の表示を取り止める。このような構成とすることで、時短遊技状態の継続を遊技者に適切に伝えながらも、継続報知画像964により図柄列Z1~Z3の視認性が低下することを抑制できる。
【3062】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【3063】
時短遊技状態中の特図当否抽選にて小当たり結果になった場合に、その後の所定タイミングにて時短遊技状態であるか否かを判定し、その結果に基づいて当否抽選の結果やV入賞発生の価値を異ならせる構成とした。具体的には、上記判定において、時短遊技状態でない場合は、時短リミッタ値を再セットして時短リミッタ(時短遊技状態の強制終了)が作動するまでの残りの大当たり回数を増加させる一方、時短遊技状態である場合は、そのような再セットを行わず、残りの大当たり回数の増加が生じない構成とした。このような構成であることで、小当たり結果への当選やV入賞が発生した場合の遊技の多様化が図られ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3064】
時短遊技状態であるか否かの判定タイミングを、当否抽選の実行より後で且つ大当たり遊技の開始より前のタイミングとした。具体的には、時短遊技状態であるか否かの判定をV入賞の発生タイミングに合わせて行う構成とした。
【3065】
上記判定タイミングが当否抽選の実行より後であることで、時短遊技状態で当否抽選を実行しつつ、その後、上記判定タイミングの前で時短遊技状態を終了させるか否かを振り分けることにより、上記判定タイミングにて時短遊技状態である場合とそうでない場合とを生じさせることができる。すなわち、当否抽選を行う段階では時短遊技状態の恩恵を受けながら、その後の判定タイミングにて時短遊技状態であるか否かにより時短リミッタ値の再セットの有無を異ならせることができる。
【3066】
加えて、上記判定タイミングが大当たり遊技の開始より前であることで、大当たり遊技の途中で時短遊技状態であるか否かの結果に遊技者の関心が寄せられることが抑制され、大当たり遊技の実行時において当該遊技に遊技者を集中させやすくすることができる。また、時短遊技状態であるか否かの判定処理が大当たり遊技の実行制御と重複して実行されることが回避され、制御上の処理負荷を好適に分散させることが可能になる。
【3067】
また、V入賞の発生は大当たり遊技(V大当たり遊技)への移行契機として機能するため、V入賞の発生タイミングは当選タイミングの1つとして見ることができる。本実施の形態では、小当たり結果の種別が特定の種別(有利小当たり結果A)であった場合は、V入賞の発生より前のタイミング(変動表示の終了タイミング)で時短遊技状態を終了させるようにした上で、当選タイミングとしてのV入賞の発生タイミングにて時短遊技状態であるか否かの判定を行うようにしている。このため、第2特図の当否抽選が行われるときの状態は時短遊技状態のみの1状態であるにもかかわらず、当選タイミングでの状態として時短遊技状態と非時短遊技状態(通常遊技状態)との2状態を取ることができる。これにより、大当たり遊技後の遊技特性の振り分けパターンを増やすことができ、遊技の多様化を図ることが可能になる。
【3068】
小当たり結果の種別により、上記判定タイミングで時短遊技状態である場合とそうでない場合とが振り分けられるように構成した。具体的には、小当たり結果が有利小当たり結果Aである場合は、変動表示の終了タイミングで時短遊技状態を終了させ、上記判定タイミングであるV入賞の発生時において時短遊技状態ではない状態とし、小当たり結果が有利小当たり結果B、Cである場合は、V入賞の発生時において上記判定が行われてから時短遊技状態を終了させ、上記判定タイミングにて時短遊技状態であるように構成した。これにより、当否抽選にて小当たり結果となった場合において、上記判定タイミングにて時短遊技状態とならず、時短リミッタ値の再セットが行われる有利小当たり結果Aとなることを期待して遊技させることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3069】
小当たり結果の種別が有利小当たり結果B、Cになった場合において、それらの小当たり結果に対応する小当たり遊技にてパンクを生じさせると、時短遊技状態が終了する構成とした。
【3070】
時短リミッタ値の再セットに対応しない側の有利小当たり結果B、Cになった場合、それらの小当たり結果に対応する小当たり遊技にて意図的にV入賞を発生させず、時短リミッタ値の再セットに対応する側の有利小当たり結果Aとなった場合を狙ってV入賞を発生させる行為が行われる懸念がある。このような攻略行為が横行すると、遊技の公平性が害され、望ましくない。この点、有利小当たり結果B、Cになった場合の小当たり遊技でパンクを生じさせると、時短遊技状態が終了する構成であることで、当該小当たり遊技の後、第2作動口63(第2特図の始動入賞口)への入賞を生じさせることができなくなり、延いては、小当たり当選を繰り返して有利小当たり結果Aとなるのを待つことができなくなる。これにより、意図的にV入賞を発生させない行為が横行することが抑制され、遊技の公平性を確保することが可能になる。
【3071】
小当たり結果の種別が有利小当たり結果Aになった場合において、それに対応する小当たり遊技にてパンクを生じさせても、時短遊技状態が終了せず、当該小当たり遊技より後の遊技を時短遊技状態にて行い得る構成とした。
【3072】
時短リミッタ値の再セットに対応する側の有利小当たり結果Aになった場合は、遊技者が小当たり遊技にて意図的にV入賞を発生させないようにすることは考えにくい。これを踏まえ、有利小当たり結果Aの場合は、小当たり遊技にてパンクが発生しても、その後の遊技が時短遊技状態にて行われるものなっている。これにより、球詰まり等の発生によりV入賞が生じなかった場合の救済を図ることができる。
【3073】
時短遊技状態である状況で有利小当たり結果Aに当選し、その当選に基づく小当たり遊技が行われる場合に、有利小当たり結果Aへの当選遊技回における変動表示の終了タイミングでサポートフラグをクリアし、上記小当たり遊技にて第2可変入賞装置66が開放状態とされる前に時短遊技状態を終了させることが可能とした。
【3074】
例えば、第2可変入賞装置66が開放状態である場合において普電役物63aが開放状態であると、その遊技球によるV入賞の発生が、当該遊技球の第2作動口63への入賞により妨げられる懸念がある。この点、第2可変入賞装置66が開放状態とされる前に時短遊技状態が終了されることで、普電役物63aが閉鎖状態とされてから第2可変入賞装置66を開放させることができる。これにより、小当たり遊技において第2可変入賞装置66が開放状態とされる状況では第2作動口63への入賞が生じにくくすることができ、スムーズに遊技球を第2可変入賞装置66に入賞させ、V入賞を発生させることが可能になる。よって、V入賞の発生が妨げられることによる遊技者の苛立ちを抑制し、遊技者が遊技を楽しみやすい構成とすることが可能になる。
【3075】
時短遊技状態の終了タイミングを当選遊技回の変動表示の終了タイミングとし、時短遊技状態を終了させた場合に、所定期間(確定表示時間+小当たり遊技のオープニング期間)が経過してから第2可変入賞装置66が開放される構成とした。
【3076】
この場合、時短遊技状態が終了してから第2可変入賞装置66が開放されるまでに猶予期間を確保することができる。例えば、役物開閉遊技の途中で時短遊技状態の終了処理(サポートフラグのクリア処理)が実行された場合において、時短遊技状態の終了後に残りの役物開閉遊技が実行される場合、この残りの役物開閉遊技を上記猶予期間の中で行わせることができる。これにより、普電役物63aの開放状態(第2作動口63への入賞が生じやすい状態)を確実に終わらせてから第2可変入賞装置66を開放させることができ、よりスムーズにV入賞を発生させることが可能になる。
【3077】
<変形例1>
上記第5の実施の形態の変形例1について
図283~
図291を参照しながら説明する。ここでは上記第5の実施の形態との相違点についてのみ説明する。また、
図283~
図291において第5の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3078】
上記第1実施の形態では、時短遊技状態(高頻度サポートモード)への移行契機となった大当たり種別や小当たり種別にかかわらず、時短遊技状態の終了条件が共通化されたが、本変形例では、移行契機となった大当たり種別や小当たり種別により、時短遊技状態の終了条件が異なるように構成されている。すなわち、上記第1実施の形態では、時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が10回に達するか、小当たりに当選するかのいずれかが成立すると、時短遊技状態が終了するように構成されているが、本変形例では、大当たり種別や小当たり種別によって、時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数が異なったり、終了条件に小当たり当選が含まれるか否かが異なったりするように構成されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
【3079】
<第1特図用の大当たり種別テーブル>
本変形例に係る第1特図用の大当たり種別テーブルについて
図283を参照しながら説明する。第1特図用の大当たり種別テーブルは、第1作動口62への入賞に基づく当否抽選(第1特図の当否抽選)にて大当たり結果となった場合において大当たり種別を決定する際に用いられるものである。なお、第2特図用の大当たり種別テーブルについては上記第1の実施の形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
【3080】
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、2R大当たり結果Aと、2R大当たり結果Bとが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が2回となるものである。
【3081】
2R大当たり結果Aは、大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合における時短遊技状態は、当該時短遊技状態に移行してからの特図遊技回の回数が第1終了基準回数(例えば100回)に達するまで継続する。時短遊技状態の終了後は、通常遊技状態(低頻度サポートモード)に移行する。第1特図の当否抽選にて大当たり結果となり、2R大当たり結果Aとなったことを契機として移行する時短遊技状態を「時短遊技状態A」ということがある。
【3082】
2R大当たり結果Bは、第1の実施の形態に係る2R大当たり結果B(
図252(a))と同様のものであり、大当たり遊技の終了後、通常遊技状態に移行する大当たり結果である。
【3083】
<第2特図用の小当たり種別テーブル及びV大当たり種別テーブル>
本変形例に係る第2特図用の小当たり種別テーブル及びV大当たり種別テーブルについて
図284を参照しながら説明する。第2特図用の小当たり種別テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選にて小当たり結果となった場合において小当たり種別を決定する際に用いられるものである。また、V大当たり種別テーブルは、小当たり当選を契機としてV入賞が発生した場合においてV大当たりの種別を決定する際に用いられるものである。なお、第1特図の小当たり種別テーブルについては第5の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【3084】
第2特図用の小当たり種別テーブル(
図284(a))では、選択可能な小当たり種別として、有利小当たり結果Aと、有利小当たり結果Bと、有利小当たり結果Cとが設定されている。これら有利小当たり結果A~Cは、遊技球がV入賞用領域66fに振り分けられやすい高振分態様で第2可変入賞装置66が駆動制御される小当たり遊技に移行する小当たり結果である。有利小当たり結果Aには小当たり種別カウンタC3の「0」~「9」が対応し、有利小当たり結果Bには小当たり種別カウンタC3の「10」~「29」が対応し、有利小当たり結果Cには小当たり種別カウンタC3の「30」~「99」が対応している。すなわち、有利小当たり結果Aに振り分けられる確率は10%、有利小当たり結果Bに振り分けられる確率は20%、有利小当たり結果Cに振り分けられる確率は70%に設定されている。
【3085】
V大当たり種別テーブル(
図284(b))では、選択可能なV大当たり種別として、6RV大当たり結果Aと、6RV大当たり結果Bと、3RV大当たり結果と、2RV大当たり結果とが設定されている。6RV大当たり結果A、Bは、5回のラウンド遊技が実行されるV大当たり遊技に移行するものであり、3RV大当たり結果は、2回のラウンド遊技が実行されるV大当たり遊技に移行するものであり、2RV大当たり結果は、1回のラウンド遊技が実行されるV大当たり遊技に移行するものである。
【3086】
6RV大当たり結果Aは、小当たり種別が有利小当たり結果Aであり且つV入賞時の状態が時短遊技状態である場合に選ばれるものであり、V大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(高頻度サポートモード)に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態は、当該状態への移行後において特図遊技回の実行回数が第1終了基準回数(例えば100回)となるか、有利小当たり結果Aに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。
【3087】
6RV大当たり結果Bは、小当たり種別が有利小当たり結果Aであり且つV入賞時の状態が非時短遊技状態である場合に選ばれるものであり、V大当たり遊技の終了後、時短遊技状態に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態は、当該時短遊技状態への移行後において特図遊技回の実行回数が第2終了基準回数(例えば10回)となるか、当該状態への移行後において小当たりに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。
【3088】
3RV大当たり結果は、小当たり種別が有利小当たり結果Bである場合に選ばれるものであり、V大当たり遊技の終了後、時短遊技状態に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態は、当該時短遊技状態への移行後において特図遊技回の実行回数が第3終了基準回数(例えば3回)となるか、当該状態への移行後において小当たりに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。
【3089】
2RV大当たり結果は、小当たり種別が有利小当たり結果Cである場合に選ばれるものであり、V大当たり遊技の終了後、時短遊技状態に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態は、当該時短遊技状態への移行後において特図遊技回の実行回数が第3終了基準回数(例えば3回)となるか、当該状態への移行後において小当たりに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。
【3090】
本変形例では、6RV大当たり結果Aとなったことを契機として移行する時短遊技状態を「時短遊技状態B」といい、6RV大当たり結果Bとなったことを契機として移行する時短遊技状態を「時短遊技状態C」といい、3RV大当たり結果、2R大当たり結果となったことを契機として移行する時短遊技状態を「時短遊技状態D」ということがある。
【3091】
<小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理>
本変形例に係る小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理について
図285のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(
図259)のステップSj510で実行されるものであり、特図遊技回において変動表示時間が経過した場合(確定表示が開始される場合)に実行されるものである。
【3092】
小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理では先ずステップSj3101にて、今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。この判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに小当たり種別フラグがセットされているか否かを参照することで行う。
【3093】
今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果である場合はステップSj3102に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。具体的には、サポートフラグA、サポートフラグB、サポートフラグC、サポートフラグDのいずれかがセットされているか否かを判定する。サポートフラグAは時短遊技状態Aへの滞在中であることを示し、サポートフラグBは時短遊技状態Bへの滞在中であることを示し、サポートフラグCは時短遊技状態Cへの滞在中であることを示し、サポートフラグDは時短遊技状態Dへの滞在中であることを示すものである。本ステップの処理を実行することにより、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否か(現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否か)を判定する。
【3094】
いずれかのサポートフラグがセットされており、時短遊技状態に滞在中である場合は、ステップSj3103に進み、セットされているサポートフラグがサポートフラグB~Dのいずれかであるか否かを判定する。すなわち、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況であるか否かを判定する。
【3095】
サポートフラグB~Dのいずれかがセットされている場合は、ステップSj3104にて、今回の小当たり種別が有利小当たり結果Aであるか否かを判定する。有利小当たり結果Aである場合は、ステップSj3105に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、滞在中の時短遊技状態が終了する。
【3096】
このように、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で小当たり当選となり、その小当たり種別が有利小当たり結果Aになった場合は、特図遊技回における変動表示の終了タイミングに合わせて時短遊技状態(高頻度サポートモード)を終了させる。
【3097】
ステップSj3105の実行後は小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を終了する。ステップSj3101で否定判定した場合(小当たり結果でない場合)、ステップSj3102で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)、ステップSj3103で否定判定した場合(セットされているサポートフラグがサポートフラグAである場合)又はステップSj3104で否定判定した場合(小当たり種別が有利小当たり結果Aでない場合)は、時短遊技状態を終了させるための処理を実行しないとして、ステップSj3105の処理を実行せずに小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を終了する。
【3098】
<小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理>
本変形例に係る小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理について
図286のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、V入賞用処理(
図265)のステップSj1306で実行されるものであり、V入賞が発生した場合(遊技球がV入賞用領域66fの検知センサ66mを通過した場合)に実行されるものである。
【3099】
小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理では先ずステップSj3201にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアする。続くステップSj3202では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。
【3100】
前述のとおり、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で有利小当たり結果Aとなった場合は、特図遊技回における変動表示の終了タイミングに対応してサポートフラグがクリアされており、ステップSj3202の実行タイミングでは既にサポートフラグがセットされていない状態となっている。このため、ステップSj3202でサポートフラグがセットされている場合とは、時短遊技状態Aに滞在している状況でV入賞が発生した場合、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で小当たり種別が有利小当たり結果B又はCとなり、V入賞が発生した場合であることを意味する。
【3101】
この場合はステップSj3203に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、滞在中の時短遊技状態が終了する。
【3102】
このように、時短遊技状態Aに滞在している状況でV入賞が発生した場合、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で小当たり種別が有利小当たり結果B又はCとなり、V入賞が発生した場合は、小当たり遊技におけるV入賞の発生タイミングに合わせて時短遊技状態(高頻度サポートモード)を終了させる。
【3103】
ステップSj3203の実行後は小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を終了する。ステップSj3202で否定判定した場合(いずれのサポートフラグもセットされていない場合)は、時短遊技状態を終了させるための処理を実行しないとして、ステップSj3203の処理を実行せずに小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を終了する。
【3104】
<当たり回数クリア用処理>
本変形例に係る当たり回数クリア用処理について
図287のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、V入賞用処理(
図265)のステップSj1305にて実行されるものであり、V入賞が発生した場合において小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理よりも先に実行されるものである。
【3105】
当たり回数クリア用処理では先ずステップSj3301にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにいずれかのサポートフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、V入賞の発生時において時短遊技状態A~Dのいずれかに滞在している状態であるか否かを判定する。
【3106】
前述のとおり、時短遊技状態Aに滞在している場合、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で小当たり種別が有利小当たり結果B又はCとなった場合は、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理(
図286)のステップSj3203において、V入賞の発生タイミングに対応して時短遊技状態の終了処理が実行される。この場合、ステップSj3301の実行タイミングでは、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグA~Dのいずれかがセットされた状態となっている。
【3107】
これに対し、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で小当たり種別が有利小当たり結果Aとなった場合は、小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理(
図285)のステップSj3105において、変動表示の終了タイミングに対応して時短遊技状態の終了処理が実行される。この場合、ステップSj3301の実行タイミングでは、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれのサポートフラグもセットされていない状態となっている。
【3108】
ステップSj3301でいずれのサポートフラグもセットされていないと判定した場合、すなわち、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で小当たり種別が有利小当たり結果Aとなった場合は、ステップSj3302に進み、当たり回数カウンタエリアACの値を「0」にクリアする。これにより、計数されている大当たり回数が0回に初期化され、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が最大値(例えば5回)に再セットされる。
【3109】
ステップSj3303では、演出制御装置143への送信対象として当たり回数クリア用コマンドを設定する。設定された当たり回数クリア用コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。当たり回数クリア用コマンドが送信されることにより、大当たり回数のクリア(時短リミッタ値の再セット)が演出制御装置143に通知される。
【3110】
ステップSj3303の実行後は当たり回数クリア用処理を終了する。また、ステップSj3301で肯定判定した場合(いずれかのサポートフラグがセットされている場合(時短遊技状態Aへの滞在中にV入賞が発生した場合、時短遊技状態B~Dのいずれかに滞在している状況で小当たり種別が有利小当たり結果B又はCとなり、V入賞が発生した場合))は、当たり回数カウンタエリアACをクリアしない(時短リミッタ値を再セットしない)としてステップSj3202以降の処理を実行せずに当たり回数クリア用処理を終了する。
【3111】
<パンク時対応の高サポ終了用処理>
本変形例に係るパンク時対応の高サポ終了用処理について
図288のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、小当たり遊技の終了用処理(
図263)のステップSj1105にて実行されるものであり、V入賞が発生しないまま小当たり遊技の終了タイミングとなった場合に実行されるものである。
【3112】
パンク時対応の高サポ終了用処理では先ずステップSj3401にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグC又はDがセットされているか否かを判定する。サポートフラグC又はDがセットされている場合はステップSj3402に進み、そのセットされているサポートモードをクリアする。これにより、滞在中の時短遊技状態が終了する。
【3113】
このように、時短遊技状態C又はDに滞在している状況で小当たり結果となり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生しなかった場合(パンクが発生した場合)には、その小当たり遊技の終了タイミングに対応して時短遊技状態を終了させる。
【3114】
ステップSj3403では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアし、その後、ステップSj3404にて、上記各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACの値を「0」にクリアする。
【3115】
ステップSj3405では、演出制御装置143への送信対象としてパンク時用時短終了コマンドを設定し、その後、パンク時対応の高サポ終了用処理を終了する。設定されたパンク時用時短終了コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。パンク時用時短終了コマンドが送信されることにより、小当たり遊技にてパンクが発生したこと及びそのパンクの発生に伴って時短遊技状態が終了したことが演出制御装置143に通知される。
【3116】
ステップSj3401で否定判定した場合(サポートフラグC又はDがセットされていない場合)は、時短遊技状態A又はBに滞在している状況で小当たり結果となり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生しなかったことを意味する。この場合は、滞在中の時短遊技状態を終了させないとして、ステップSj3402以降の処理を実行せずにパンク時対応の高サポ終了用処理を終了する。
【3117】
<遊技の流れについて>
本変形例のパチンコ機10における遊技の流れについて
図289~
図291を参照しながら説明する。
【3118】
通常遊技状態にて第1作動口62に遊技球が入賞し、第1特図の当否抽選にて大当たり結果となり、その大当たり種別が2R大当たり結果Aとなった場合、大当たり遊技の終了後、サポートモードが高頻度サポートモードとされる時短遊技状態Aに移行する。この時短遊技状態Aは、当該時短遊技状態Aへの移行後、特図遊技回の実行回数が第1終了基準回数(例えば100回)に到達すると終了する(
図289(a))。
【3119】
その後、時短遊技状態Aにおいて第2作動口63に遊技球が入賞し、第2特図の当否抽選にて小当たり結果となったとする。その小当たり結果の小当たり種別が有利小当たり結果Aとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、6RV大当たり遊技が実行される(
図289(b))。また、6RV大当たり遊技の終了後、時短遊技状態Bに移行する。この時短遊技状態Bは、当該時短遊技状態Bへの移行後、特図遊技回の実行回数が第1終了基準回数(例えば100回)に到達するか、有利小当たり結果Aに当選するかのいずれかの条件が成立すると終了する(
図289(a))。
【3120】
時短遊技状態Aにおいて有利小当たり結果Bとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、3RV大当たり遊技が実行される(
図289(b))。また、3RV大当たり遊技の終了後、時短遊技状態Dに移行する。また、時短遊技状態Aにおいて有利小当たり結果Cとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、2RV大当たり遊技が実行される(
図289(b))。また、2RV大当たり遊技の終了後、時短遊技状態Dに移行する。
【3121】
時短遊技状態Dは、当該時短遊技状態Dへの移行後、特図遊技回の実行回数が第3終了基準回数(例えば3回)に到達するか、小当たり結果に当選するかのいずれかの条件が成立すると終了する(
図289(a))。第3終了基準回数は第1終了基準回数よりも少ないため、時短遊技状態Dは、時短遊技状態が終了する前に小当たりに当選する確率(期待値)が第1時短遊技状態Aよりも低くなっている。すなわち、時短遊技状態Dは、第1時短遊技状態Aよりも遊技者にとって不利な時短遊技状態となっている。
【3122】
このように、時短遊技状態Aへの滞在中は、有利小当たり結果Aとなった状況でV入賞が発生することで、ラウンド数の多いV大当たり遊技が実行され、大当たり遊技の終了後も有利な時短遊技状態に移行するものとなる。このため、時短遊技状態Aにおいて有利小当たり結果Aを引き当てることが遊技者にとって最も有利となる。
【3123】
このような構成において、
図290に示すように、時短遊技状態Aでは、有利小当たり結果A~Cのいずれかとなった場合、特図遊技回の変動終了時に時短遊技状態Aが終了せず、また、小当たり遊技にてパンクを生じさせても時短遊技状態Aが終了しないように構成されている。すなわち、遊技者にとって不利な有利小当たり結果B、Cになった場合において、それに対応する小当たり遊技にて遊技者がV入賞を発生させず、当該小当たり遊技を意図的にパンクさせたとしても、その後も時短遊技状態Aを継続させることが可能となっている。
【3124】
さらに、時短遊技状態Aでの小当たり当選確率(第2特図の小当たり当選確率)が1/3であるのに対し(
図251(b))、時短遊技状態Aに滞在可能な特図遊技回の実行回数は100回(第1終了基準回数)と多くなっている。すなわち、時短遊技状態Aは、複数回に亘って小当たりに当選することを見込めるものとなっている。
【3125】
このため、時短遊技状態Aでは、有利小当たり結果B、Cとなった場合に、それに対応する小当たり遊技にてV入賞を発生させることを見送り、残り期間にて有利小当たり結果Aとなることを待つようにして遊技することが可能になる。つまり、時短遊技状態Aは、小当たりに当選した場合において、それに対応する小当たり遊技にてV入賞を発生させるか否かを遊技者が選択できるものとなっており、換言すれば、有利小当たり結果Aになった場合を狙ってV入賞を発生させることが可能となっている。
【3126】
そして、図柄表示装置75では、そのような遊技をアシストするための報知が行われるようになっている。例えば、時短遊技状態Aにおいて有利小当たり結果B、Cになった場合には、小当たり結果となった特図遊技回にて、7図柄以外の奇数図柄又は偶数図柄により当たりが報知されるリーチ当たりB演出、リーチ当たりC演出が行われた後、例えば「ちょっと待ってね」等の文字表示がなされた回避用画像971が表示される(
図291(a)、(b))。回避用画像971は、遊技球の発射停止を促すものであり、延いては、V入賞の発生(第2可変入賞装置66への遊技球の入賞)を回避することを促すものである。
【3127】
有利小当たり結果B、Cになった場合、高振分態様の小当たり遊技が実施されるため、そのまま右打ちを継続していると、V入賞が発生する可能性が高い。そのような構成において、小当たり遊技の実施に合わせて回避用画像971を表示することで、V入賞の回避を好適に補助することが可能になる。
【3128】
回避用画像971は、小当たり遊技の開始前、換言すれば、特図遊技回の終了前から表示が開始される。その際、遊技球発射機構110により発射されてから第2可変入賞装置66に到達するまでの遊技球の移動期間の分だけ小当たり遊技の開始から遡ったタイミングよりも早く回避用画像971の表示が開始される。例えば、上記移動期間が1secである場合は、小当たり遊技の開始(第2可変入賞装置66の開放開始)の1sec前よりも早い時点から回避用画像971の表示が開始される。これにより、遊技者が回避用画像971を見てから遊技球の発射を停止した場合でも、V入賞の発生(第2可変入賞装置66への入賞)を回避することが可能になる。
【3129】
上記の際、回避用画像971の表示期間と、図柄列Z1~Z3の停止表示(確定表示)の期間とが重複することになるが、この場合、図柄列Z1~Z3の手前側に回避用画像971を表示させるとよい。これにより、図柄列Z1~Z3により回避用画像971の視認性が低下することが抑制され、回避用画像971によるアシストを好適に行うことが可能になる。
【3130】
また、回避用画像971の表示開始後は、小当たり遊技が終了するまで当該表示が継続される。これにより、小当たり遊技が終了するまで遊技球を発射しないように促すことができ、V入賞の回避をより好適にアシストすることが可能になる。
【3131】
さらに、図柄表示装置75では、例えば「小当たり遊技中」等の文字表示がなされた小当たり中報知画像972が表示される。小当たり中報知画像972は、小当たり遊技の実行中であることを遊技者に報知するためのものである。小当たり中報知画像972は、回避用画像971と同一期間にて表示されてもよいし、小当たり遊技の実行期間にて表示されてもよい。
【3132】
一方、時短遊技状態Aにおいて有利小当たり結果Aになった場合には、小当たり結果となった特図遊技回にて、7図柄により当たりが報知されるリーチ当たりA演出が行われた後、例えば「Vを狙って!!」等の文字表示がなされた促進用画像973が表示される(
図291(c)、(d))。促進用画像973は、遊技球の発射を促すものであり、延いては、V入賞の発生(第2可変入賞装置66への遊技球の入賞)を促すものである。
【3133】
V入賞を発生させる場合は、第2可変入賞装置66の上限開放時間(例えば1.8sec)が経過する前に第2可変入賞装置66への入賞が生じれば足りるため、促進用画像973は、必ずしも小当たり遊技の開始前(特図遊技回の終了前)から表示が開始される必要はなく、小当たり遊技が開始されてから表示が開始されてもよい。また、促進用画像973が表示される場合も、小当たり遊技の実行期間に対応させて小当たり中報知画像972が表示される。
【3134】
また、
図290に示すように、時短遊技状態Bにおいても、有利小当たり結果B、Cになった場合に、V入賞が発生しないまま小当たり遊技が終了しても、時短遊技状態Bが終了しないように構成されている。加えて、時短遊技状態Bに滞在可能な特図遊技回の実行回数は時短遊技状態Aと同様に100回(第1終了基準回数)であり、複数回の小当たり当選を見込めるものとなっている(
図289(a))。このため、時短遊技状態Bでの遊技は、時短遊技状態Aと同様に、有利小当たり結果Aになった場合を狙ってV入賞を発生させることが可能な遊技となっている。
【3135】
また、時短遊技状態Bにおいても、回避用画像971及び促進用画像973によるアシストが行われる。時短遊技状態Bで有利小当たり結果Aとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞を発生させた場合、V大当たりの終了後、時短遊技状態Cに移行するため、時短遊技状態Aの開始後、回避用画像971及び促進用画像973によるアシストに従ってV入賞を発生させた場合、時短遊技状態A→時短遊技状態B→時短遊技状態Cの順序で時短遊技状態が変化することになる。
【3136】
ここで、時短遊技状態Bの終了条件には有利小当たり結果Aになることが含まれており(
図289(a))、有利小当たり結果Aになった場合には小当たり当選した特図遊技回における変動表示の終了タイミングにて時短遊技状態Bが終了するように構成されている(
図290)。このため、V入賞時において非時短状態となり、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされる。これにより、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数として5回が再セットされる。
【3137】
なお、時短遊技状態Aで有利小当たり結果Aになった場合、小当たり当選した特図遊技回における変動表示の終了タイミングとなっても時短遊技状態Aが終了されない(
図290)。このため、時短遊技状態Aで有利小当たり結果Aになり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生しても、当たり回数カウンタエリアACはクリアされず、時短リミッタ値の再セットは実行されない。
【3138】
図290に示すように、時短遊技状態Cでは、有利小当たり結果B、Cになった際の小当たり遊技にてパンクが発生した場合、時短遊技状態Cが終了するように構成されている。このため、時短遊技状態A、Bのように有利小当たり結果Aになった場合を狙ってV入賞を発生させることはできない。また、時短遊技状態Cにおいて回避用画像971及び促進用画像973によるアシストも実行されない。
【3139】
さらに、有利小当たり結果B、Cになった際の小当たり遊技にてV入賞を発生させた場合に移行する時短遊技状態Dにおいても、有利小当たり結果B、Cになった際の小当たり遊技にてパンクが発生した場合、時短遊技状態Cが終了するように構成されている(
図290)。よって、時短遊技状態Dにおいても、時短遊技状態Cと同様に有利小当たり結果Aになった場合を狙ってV入賞を発生させることはできず、回避用画像971及び促進用画像973によるアシストも実行されない。
【3140】
このため、時短遊技状態C、Dでの遊技は、有利小当たり結果B、Cとなる前に有利小当たり結果Aを引き当てることを目指す遊技となる。時短遊技状態C、Dにて有利小当たり結果Aとなった場合、特図遊技回の変動終了タイミングにて時短遊技状態C、Dが終了し、V入賞時において非時短状態となる。よって、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされ、時短リミッタ値が再セットされる。
【3141】
ちなみに、時短遊技状態Cに滞在可能な特図遊技回の実行回数は10回(第2終了基準回数)であり、時短遊技状態Dの場合の3回(第3終了基準回数)よりも多くなっている(
図289(a))。このため、時短遊技状態Cは、時短遊技状態が終了する前に小当たり当選する確率が時短遊技状態Dよりも高く、時短遊技状態Dよりも遊技者にとって有利な時短遊技状態となっている。
【3142】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【3143】
時短遊技状態C、Dでは、有利小当たり結果B、Cになった場合の小当たり遊技にてパンクを発生させると時短遊技状態が終了する一方で、時短遊技状態A、Bでは、有利小当たり結果B、Cになった場合の小当たり遊技でパンクを発生させても時短遊技状態が終了しない構成とした。この場合、時短遊技状態C、Dでは、有利小当たり結果Aになった場合を狙ってV入賞を発生させる遊技が規制され、時短遊技状態A、Bでは、そのような遊技が許容される。すなわち、時短遊技状態の種別によって遊技性を大きく異ならせることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3144】
時短遊技状態A、Bにおいて、有利小当たり結果B、Cに対応する小当たり遊技が行われる場合に、図柄表示装置75にて回避用画像971を表示し、有利小当たり結果Aに対応する小当たり遊技が行われる場合に、図柄表示装置75にて促進用画像973を表示する構成とした。これにより、V入賞を発生させるべきか否かを報知によって補助することができ、有利小当たり結果B、Cの小当たり遊技と有利小当たり結果Aの小当たり遊技とのいずれが行われているかを遊技者が逐一意識しなくても、有利小当たり結果Aの場合にV入賞を発生させることが可能になる。
【3145】
有利小当たり結果Aになった場合を狙ってV入賞を発生させる遊技が許容される時短遊技状態A、Bの時短回数として、そのような遊技が規制される時短遊技状態C、Dの時短回数よりも多い回数(100回)が設定される構成とした。すなわち、時短遊技状態A、Bにおいて実行可能な遊技回の数が多いことで、これらの時短遊技状態では、V入賞を発生させずに小当たり遊技を見送っても次の小当たり当選が生じることを見込みやすくなり、有利小当たり結果Aになった場合を狙ってV入賞を発生させる遊技を行いやすくすることが可能になる。
【3146】
<変形例2>
上記第5の実施の形態の変形例2について
図292~
図309を参照しながら説明する。ここでは上記第5の実施の形態や上記変形例1との相違点についてのみ説明する。また、
図292~
図309において第5の実施の形態や上記変形例1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3147】
本変形例に係る保留球格納エリア314bについて
図292を参照しながら説明する。本変形例では、保留球格納エリア314bにおいて第2作動口63への入賞に基づく保留情報を格納する第2特図用保留エリアRbが設けられている。第2特図用保留エリアRbには、保留情報を格納するためのエリアとして第1エリア、第2エリアが設けられており、第2作動口63への入賞に基づく保留情報が最大2個まで保留記憶されるようになっている。
【3148】
図293に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される保留表示部200には、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbが設定されている。第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2が設定されており、各単位保留表示領域Gb1、Gb2には所定の保留用画像が表示されるようになっている。
【3149】
図292に示すように、本変形例では、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbに対して1の実行エリアAEが設けられており、第1特図に係る遊技回と第2特図の遊技回とが片方ずつ行われるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【3150】
<大当たり種別テーブル>
本変形例に係る大当たり種別テーブルについて
図294を参照しながら説明する。
【3151】
図294(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、2R大当たり結果Aと、2R大当たり結果Bとが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が2回となるものである。
【3152】
2R大当たり結果Aは、大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(高頻度サポートモード)に移行する大当たり結果である。この場合における時短遊技状態は、当該状態への移行後において特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば3回)となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。時短遊技状態の終了後は、通常遊技状態(低頻度サポートモード)に移行する。
【3153】
2R大当たり結果Bは、第1の実施の形態に係る2R大当たり結果B(
図252(a))と同様のものであり、大当たり遊技の終了後、通常遊技状態に移行する大当たり結果である。
【3154】
図294(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として2R大当たり結果Aが設定されている。この場合における2R大当たり結果Aは、第1特図用の大当たり種別で設定される2R大当たり結果Aと同様のものである。すなわち、第2作動口63への入賞を契機として2R大当たり結果Aとなった場合、大当たり遊技の終了後に時短遊技状態に移行し、特図遊技回の実行回数が上記終了基準回数(例えば3回)となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立するまで、その状態が継続する。
【3155】
<第2特図用の小当たり種別テーブル及びV大当たり種別テーブル>
本変形例に係る第2特図用の小当たり種別テーブル及びV大当たり種別テーブルについて
図295を参照しながら説明する。
【3156】
第2特図用の小当たり種別テーブル(
図295(a))では、選択可能な小当たり種別として、有利小当たり結果Aと、有利小当たり結果Bと、有利小当たり結果Cとが設定されている。これら有利小当たり結果A~Cは、遊技球がV入賞用領域66fに振り分けられやすい高振分態様で第2可変入賞装置66が駆動制御される小当たり遊技に移行する小当たり結果である。有利小当たり結果Aに振り分けられる確率は10%、有利小当たり結果Bに振り分けられる確率は20%、有利小当たり結果Cに振り分けられる確率は70%に設定されている。
【3157】
V大当たり種別テーブルでは、選択可能なV大当たり種別として、6RV大当たり結果と、2RV大当たり結果とが設定されている。6RV大当たり結果は、5回のラウンド遊技が実行されるV大当たり遊技に移行するものであり、2RV大当たり結果は、1回のラウンド遊技が実行されるV大当たり遊技に移行するものである。
【3158】
6RV大当たり結果は、小当たり種別が有利小当たり結果A又は有利小当たり結果Bとなり、それに対応する小当たり遊技でV入賞が発生した場合に選ばれるものであり、V大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(高頻度サポートモード)に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態は、当該状態への移行後において特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば3回)となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立するまで継続する。
【3159】
2RV大当たり結果は、小当たり種別が有利小当たり結果Cとなり、それに対応する小当たり遊技でV入賞が発生した場合に選ばれるものであり、V大当たり遊技の終了後、時短遊技状態に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態も、当該状態への移行後において特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば3回)となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立するまで継続する。
【3160】
<情報取得処理>
本変形例に係る情報取得処理について
図296のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、作動口用の入賞処理(
図256)のステップSj205で実行されるものであり、作動口62、63への入賞が発生した場合に実行されるものである。
【3161】
情報取得処理では先ずステップSj4101にて、始動保留記憶数Nが上限値(第1特図の場合は4、第2特図の場合は2)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合は、ステップSj4102にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1加算する。ステップSj4103では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1加算する。
【3162】
ステップSj4104では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(保留情報)を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSj4102にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
【3163】
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1等の保留情報を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSj4102にて1加算した第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
【3164】
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1等の保留情報を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップSj4102にて1加算した第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
【3165】
ステップSj4105では、後述する保留予告演出を実行するための保留先読み処理を実行する。保留先読み処理の詳細については後述する。ステップSj4105の実行後又はステップSj4101で否定判定した場合(始動保留記憶数Nが上限値未満でない場合)は情報取得処理を終了する。
【3166】
<データ設定処理>
本変形例に係るデータ設定処理について
図297のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(
図259)のステップSj1505で実行されるものであり、特図遊技回が開始される場合に実行されるものである。
【3167】
データ設定処理では先ずステップSj4201にて、第2特図用保留エリアRbに格納されている保留情報の数(第2始動保留記憶数RbN)が「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップSj4202~ステップSj4208の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップSj4209~ステップSj4215の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
【3168】
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップSj4202にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。ステップSj4203では共通保留数CRNを1減算する。ステップSj4204では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【3169】
ステップSj4205では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
【3170】
ステップSj4206では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグがセットされている場合は、ステップSj4207にて第2特図フラグをクリアする。
【3171】
ステップSj4207の実行後又はステップSj4206で否定判定した場合(第2特図フラグがセットされていない場合)は、ステップSj4208に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
【3172】
ステップSj4208にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【3173】
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップSj4209にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。ステップSj4210では共通保留数CRNを1減算する。ステップSj4211では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
【3174】
ステップSj4212では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップSj4213では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグがセットされているか否かを判定する。第2特図フラグがセットされていない場合は、ステップSj4214にて第2特図フラグをセットする。
【3175】
ステップSj4214の実行後又はステップSj4213で肯定判定した場合(第2特図フラグがセットされている場合)は、ステップSj4215に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
【3176】
ステップSj4213にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
【3177】
<遊技の流れについて>
本変形例のパチンコ機10における遊技の流れについて
図298~
図299を参照しながら説明する。
【3178】
第1特図の当否抽選にて大当たり結果となり、その大当たり種別が2R大当たり結果Aとなった場合には、大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(高頻度サポートモード)に移行する。この時短遊技状態の終了条件は、当該状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が3回となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立することになっている。そして、この時短遊技状態において3回の特図遊技回が終了する前に、第2特図の当否抽選で小当たり結果になったとする。
【3179】
その小当たり種別が有利小当たり結果Aとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、6RV大当たり遊技が実行される(
図298(a))。また、小当たり種別が有利小当たり結果Aとなった場合は、小当たり当選した特図遊技回の変動終了タイミング(確定表示の開始タイミング)でサポートフラグがクリアされ、時短遊技状態が終了する(
図259のステップSj510、
図270)。このため、
図298(a)に示すように、V入賞時において非時短状態となり、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされる。これにより、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数として5回が再セットされる。
【3180】
小当たり種別が有利小当たり結果Aとなった遊技回では、7図柄により当たりが報知されるリーチ当たりA演出(
図278(a)、(b))が行われる。これにより、遊技者に対し、6RV大当たりが行われたり、時短リミッタが再セットされたりする当選状態になったことが報知される。
【3181】
小当たり種別が有利小当たり結果Bとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、6RV大当たり遊技が実行される。また、小当たり種別が有利小当たり結果Bとなった場合は、V入賞の発生タイミングでサポートフラグがクリアされ、時短遊技状態が終了する。サポートフラグのクリアはV入賞時における状態判定の後に行われるため、V入賞時において時短状態となり、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされない。すなわち、時短リミッタ値の再セットは行われない。
【3182】
小当たり種別が有利小当たり結果Bとなった遊技回では、7図柄以外の奇数図柄により当たりが報知されるリーチ当たりB演出(
図278(d))が行われる。これにより、遊技者に対し、実施されるラウンド遊技の数が多い6RV大当たりが行われるものの、時短リミッタ値の再セットは生じない当選状態になったことが報知される。
【3183】
小当たり種別が有利小当たり結果Cとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、2RV大当たり遊技が実行される。また、小当たり種別が有利小当たり結果Cとなった場合は、有利小当たり結果Bの場合と同じく、V入賞の発生タイミングでサポートフラグがクリアされる。よって、V入賞時において時短状態となり、時短リミッタ値の再セットは行われない。
【3184】
小当たり種別が有利小当たり結果Cとなった遊技回では、偶数図柄により当たりが報知されるリーチ当たりC演出(
図278(f))が行われる。これにより、遊技者に対し、実施されるラウンド遊技の数が少ない2RV大当たりが行われ、時短リミッタ値の再セットも生じない当選状態になったことが報知される。
【3185】
なお、時短遊技状態において小当たり当選することなく、3回目の特図遊技回が終了した場合は、当該3回目の特図遊技回における変動終了タイミング(確定表示の開始タイミング)でサポートフラグがクリアされ、時短遊技状態が終了する(
図259のステップSj511、
図269)。このようにして時短遊技状態が終了した場合には、その後、時短遊技状態の終了時点で保留記憶されている第2特図の保留情報が消化され、それに対応する特図遊技回(残り保留の特図遊技回)が実行される状態となる。本変形例では、2個を上限として第2特図の保留情報を保留記憶することが可能となっているため、残り保留の特図遊技回として2回の遊技回(第2特図の当否抽選)が行われることになる。
【3186】
そして、残り保留の特図遊技回にて小当たり結果となり、その小当たり種別が有利小当たり結果Aとなった場合は、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生することで、6RV大当たり遊技が実行される(
図298(b))。このときの特図遊技回は非時短状態(サポートフラグがクリアされた状態)の下で行われるため、V入賞時において非時短状態となり、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされる。すなわち、時短リミッタ値が再セットされるものとなり、時短遊技状態にて有利小当たり結果Aになった場合と同様の特典が付与されることになる。この場合、有利小当たり結果Aとなった遊技回では、7図柄により当たりが報知されるリーチ当たりA演出が行われる。
【3187】
残り保留の特図遊技回にて有利小当たり結果Bとなり、それに対応する小当たり遊技でV入賞が発生した場合は、6RV大当たり遊技が実行される。このときの特図遊技回は有利小当たり結果Aの場合と同様に非時短状態の下で行われるため、V入賞時において非時短状態となる。すなわち、小当たり種別が有利小当たり結果Bであっても、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされ、時短リミッタ値が再セットされることになる。つまり、残り保留の特図遊技回にて有利小当たり結果Bとなった場合は、時短遊技状態にて有利小当たり結果Aになった場合と同様の特典が付与される。
【3188】
残り保留の特図遊技回にて有利小当たり結果Bになった場合は、時短遊技状態中に遊技小当たり結果Bになった場合とは異なり、図柄表示装置75での遊技回用演出として7図柄により当たりが報知されるリーチ当たりA演出が実行される。これにより、遊技者に対し、6RV大当たりが行われたり、時短リミッタが再セットされたりする当選状態になったことが報知される。
【3189】
残り保留の特図遊技回にて有利小当たり結果Cとなり、それに対応する小当たり遊技でV入賞が発生した場合は、2RV大当たり遊技が実行される。このときの特図遊技回も非時短状態の下で行われるため、V入賞時において非時短状態となる。すなわち、有利小当たり結果Bの場合に限らず、有利小当たり結果Cの場合についても時短リミッタ値の再セットが生じることになる。
【3190】
残り保留の特図遊技回にて有利小当たり結果Cになった場合は、時短遊技状態中に遊技小当たり結果Cになった場合とは異なり、図柄表示装置75での遊技回用演出として3図柄により当たりが報知されるリーチ当たり演出が実行される。これにより、遊技者に対し、2RV大当たりが行われたり、時短リミッタが再セットされたりする当選状態になったことが報知される。
【3191】
以上のように本変形例では、時短遊技状態中の遊技において有利小当たり結果Aになった場合にのみ時短リミッタ値が再セットされる一方、時短遊技状態後の残り保留の遊技では、有利小当たり結果A~Cのいずれになっても時短リミッタ値が再セットされる。すなわち、有利小当たり結果B、Cになった場合に付与される特典が時短遊技状態中の遊技と時短遊技状態後の遊技とで変化し、後者の方が有利な特典を獲得し得るようになっている。
【3192】
一般に、当選状態が生じないまま時短遊技状態が終了する時短抜けが生じた場合、有利な状態が終了してしまったとして遊技者は落胆することになるが、本変形例によれば、時短遊技状態の終了後、より強い期待感を喚起して遊技者に遊技を行わせることができ、時短遊技状態及びその後の遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
【3193】
ちなみに本変形例では、
図299に示すように、時短遊技状態中の遊技で小当たり当選した場合に時短リミッタ値の再セットが生じる確率は10%となり、時短遊技状態中の遊技で時短リミッタ値の再セットが生じる確率(期待値)は約7%となる。一方、時短遊技状態後の残り保留の遊技で小当たり当選した場合に時短リミッタ値の再セットが生じる確率は100%となり、時短遊技状態後の残り保留の遊技で時短リミッタ値の再セットが生じる確率(期待値)は約55%となる。
【3194】
すなわち、時短遊技状態中よりもその後の残り保留の消化期間の方が時短リミッタ値の再セットの発生期待値が高くなっている。このため、有利な状態(時短遊技状態)において大当たりや小当たりを引き当てることができず、その状態を抜けてしまうことで、より有利な状態に昇格するという意外性に富んだ遊技を提供することができる。これにより、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3195】
しかも、時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数を3回とする一方で、第2特図の保留記憶の上限数を2個とし、時短遊技状態後の残り保留の遊技にて実行可能な特図遊技回の回数が時短遊技状態の遊技にて実行可能な特図遊技回の回数よりも少なくなっている。これにより、時短遊技状態後の残り保留の遊技において遊技者のドキドキ感を高め、当該遊技にて小当たりを引き当てた場合の喜びや嬉しさを格別なものとすることができる。
【3196】
なお、時短遊技状態にて小当たり当選した際に保留記憶されている第2特図の保留情報については、V大当たり遊技の終了後に移行する時短遊技状態にて消化されることになる。このため、これらの保留情報に対応する遊技回では、小当たりに当選したとしても、その種別が有利小当たり結果Aにならなければ時短リミッタ値の再セットが生じないことになる。
【3197】
<保留先読み処理>
ステップSj4105(
図296)の保留先読み処理について
図300のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて保留情報が取得された場合に実行されるものであり、取得された保留情報について、当該保留情報に対応する変動開始処理(
図260)の実行に先立ち、大当たりや小当たりの有無、当たり種別及び変動パターンの抽選を行うものである。
【3198】
先ずステップSj4301では、保留球格納エリア314bの各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア314bの総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、それらの情報をMPU312のレジスタに記憶する。
【3199】
ステップSj4302では、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づき、ステップSj4104(
図296)にて取得した保留情報に含まれる大当たり乱数カウンタC1の値(当否判定用の乱数値)を把握する。ステップSj4303では、ステップSj4302で把握した大当たり乱数カウンタC1の値と、第1特図又は第2特図用の当否テーブル(
図251)とを用いて当否判定を行う。
【3200】
ステップSj4304では、ステップSj4302における当否判定の結果が大当たり当選又は小当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選又は小当たり当選である場合は、ステップSj4305にて、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づいて取得した保留情報に含まれる大当たり種別カウンタC2又は小当たり種別カウンタC3の値を把握する。
【3201】
ステップSj4306では、ステップSj4305で把握した大当たり種別カウンタC2又は小当たり種別カウンタC3の値を用いて大当たり種別や小当たり種別の抽選を行う。大当たり当選である場合は大当たり種別テーブル(
図294)を参照し、小当たり当選である場合は小当たり種別テーブル(
図295)を参照する。
【3202】
ステップSj4307では、大当たりや小当たりであることを示す当たり情報と、ステップSj4306で抽選した当たり種別を示す種別情報とをMPU312のレジスタに記憶する。
【3203】
ステップSj4307の実行後又はステップSj4304で否定判定した場合(大当たり当選、小当たり当選のいずれでもない場合)は、ステップSj4308にて、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づいて取得した保留情報に含まれる変動種別カウンタCSの値を把握する。ステップSj4309では、ステップSj4308で把握した変動種別カウンタCSの値と変動パターンテーブルとを用いて変動パターンの抽選を行う。
【3204】
ステップSj4310では、ステップSj4309で抽選した変動パターンを示す変動パターン情報をMPU312のレジスタに記憶する。ステップSj4311では、演出制御装置143への出力対象として保留コマンドをセットし、その後、保留先読み処理を終了する。保留コマンドには、今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するのかを示す情報のほか、レジスタに記憶された各種情報(始動保留記憶数RaN,RbNの情報、共通保留数CRNの情報、当たり情報、種別情報、変動パターン情報)が含まれる。なお、大当たりや小当たりの有無は変動パターンから把握することができるため、当たり情報を含まないように保留コマンドを設定してもよい。ステップSj4311にて設定された保留コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。
【3205】
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、
図301のブロック図を参照して以下に説明する。
【3206】
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【3207】
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、シフトコマンド、保留コマンドといった保留表示制御用コマンドや、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
【3208】
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
【3209】
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
【3210】
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
【3211】
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
【3212】
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
【3213】
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
【3214】
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
【3215】
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
【3216】
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
【3217】
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
【3218】
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
【3219】
<保留コマンド対応処理>
保留コマンド対応処理について
図302のフローチャートを参照しながら説明する。保留コマンド対応処理は、主制御装置162から送信される保留コマンド(
図300のステップSj4311)を受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、作動口62、63への入賞が発生して保留情報が取得された場合に実行されるものである。
【3220】
保留コマンド対応処理では先ずステップSj4501にて、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、保留情報(当たり情報、種別情報、変動パターン情報等)をRAM344の保留用記憶エリア344cに記憶する。
【3221】
図303に示すように、保留用記憶エリア344cには、主制御装置162側の保留球格納エリア314bと対応させて第1特図用保留エリアSRaと第2特図用保留エリアSRbとが設けられている。第1特図用保留エリアSRaには第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアが設けられており、第2特図用保留エリアSRbには第1エリア、第2エリアの2個の記憶エリアが設けられている。また、保留用記憶エリア344cには、主制御装置162側の実行エリアAEに対応させて実行エリアSAEが設けられている。
【3222】
ステップSj4501では、保留用コマンドに基づいて今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するものであるかと、対応する特図において何個目の保留情報であるかとをそれぞれ把握し、保留用記憶エリア344cの対応する記憶エリアに変動パターン情報(大当たり又は小当たりである場合はさらに当たり情報及び種別情報)を記憶する。例えば、今回の保留情報が第1特図に対応する2個目の保留情報である場合は、第1特図用保留エリアSRaの第2記憶エリアに変動パターン情報等を記憶する。
【3223】
ステップSj4502では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1加算する。各種カウンタエリア344bには、第1特図用の保留数カウンタと第2特図用の保留数カウンタとが設けられており、ステップSj4502では、対応する側の始動保留記憶数SNを更新する。
【3224】
ステップSj4503では、保留予告演出を実行するための保留予告用の設定処理を実行する。ここで、保留予告演出について
図304を参照しながら説明する。
【3225】
本実施の形態では、表示画面Gの保留表示部200に表示される保留用画像の表示態様によって、当該保留用画像が対応する遊技回で大当たりや小当たりが発生する期待度を報知又は示唆する保留予告演出を行うこととしている。保留用画像の表示態様としては、保留予告演出が行われない場合の通常表示態様と、保留予告演出が行われる場合の特定表示態様とが設定されている。
【3226】
本実施の形態では、保留用画像の表示色(色彩)により上記期待度を示唆するものとしている。具体的には、
図304(a)に示すように、通常表示態様として主たる表示色が通常色(例えば白色)とされる通常表示態様HMaが設定されており、特定表示態様として、主たる表示色が青色とされる青色表示態様HMbが設定されている。
【3227】
例えば、第2特図において2個目の保留記憶となる保留情報にて小当たり結果が先読みされた場合には、
図304(b)に示すように、保留表示部200の第2保留表示領域Gbにおける第2単位保留表示領域Gb2に青色表示態様HMbの保留用画像が表示される。これにより、遊技者に対し、当該保留情報に対応する特図遊技回にて小当たり当選となる可能性が高いことが報知又は示唆される。
【3228】
保留用画像を用いた上記保留予告演出は、当該演出の実施対象となる保留用画像の表示開始から表示終了までの期間、換言すれば、保留情報の発生からその保留情報の遊技回が終了するまでの期間の少なくとも一部を用いて行われる。保留用画像が第1保留表示領域Ga又は第2保留表示領域Gbに表示されている期間(保留期間)での保留予告演出の実行タイミングは、その保留用画像の表示開始時やシフト時など複数のタイミングが設定されている。また、遊技回の実行中における保留予告演出の実行タイミングは、保留変化ポイントとして複数設定されている。各保留変化ポイントは、例えば、遊技回の開始タイミング(変動開始タイミング)や各種リーチ演出の開始タイミング、リーチ演出の発展タイミング等に合わせて設定されている。
【3229】
保留コマンド対応処理(
図302)の説明に戻り、ステップSj4503の保留予告用の設定処理では、今回の保留情報について保留予告演出を実行するか否かの抽選を行ったり、保留用画像の表示態様を設定する処理を実行したりする。保留予告用の設定処理の詳細については後述する。
【3230】
ステップSj4504では、表示画面Gの保留表示部200に保留用画像を表示するための処理を実行する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbにおいて対応する単位保留表示領域に保留用画像が追加表示されるように保留表示コマンドを作成し、表示制御装置350への出力対象として設定する。当該保留表示コマンドには、今回の保留情報が第1特図又は第2特図のいずれに対応するかの情報や、何番目の保留情報であるかを示す情報が含まれる。ステップSj4504の実行後は保留コマンド対応処理を終了する。
【3231】
<シフト時コマンド対応処理>
シフト時コマンド対応処理について
図305(a)のフローチャートを参照しながら説明する。シフト時コマンド対応処理は、主制御装置162から送信されるシフト時コマンド(
図297のステップSj4208、ステップSj4215)を受信した場合に実行されるものであり、換言すれば、特図遊技回が開始される場合に実行されるものである。
【3232】
シフト時コマンド対応処理では先ずステップSj4601にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1減算する。各種カウンタエリア344bには、第1特図用の保留数カウンタと第2特図用の保留数カウンタとが設けられており、本ステップでは対応する側の始動保留記憶数SNを更新する。
【3233】
ステップSj4602では、保留用画像を移動表示させるためのシフト処理を実行し、その後、シフト時コマンド対応処理を終了する。シフト処理では、RAM344の保留用記憶エリア344cの第1エリアに記憶されている保留情報を実行エリアSAEに移すとともに、第2エリア~第4エリアに記憶されている保留情報を下位エリア側に順にシフトさせる。この際、表示態様記憶エリア344eの各エリアに記憶されている表示態様の情報についても下位エリア側に順にシフトさせる。
【3234】
また、シフト処理では、表示画面Gの保留表示部200における保留用画像の表示位置を下位側の単位保留表示領域に変更するように表示制御装置350を制御する。当該制御前の状態として、例えば、
図305(b1)に示すように、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1及び第2単位保留表示領域Ga2に保留用画像が表示されている場合には、当該制御により、
図305(b2)に示すように、それら保留用画像の表示位置が実行表示領域D及び第1単位保留表示領域Ga1に変更される。
【3235】
<保留予告用の設定処理>
ステップSj4503の保留予告用の設定処理について
図306のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162から送信される保留コマンドを受信した場合に実行されるものである。
【3236】
保留予告用の設定処理では先ずステップSj4701にて、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、今回の保留情報における変動パターン等を把握する。すなわち、主制御装置162での保留先読み処理(
図300)により特定された先読み結果を把握する。
【3237】
ステップSj4702では、ステップSj4701で把握した変動パターンが特定変動パターンであるか否かを判定する。具体的には、
図275の変動パターン1A(有利小当たり結果Aに対応)、変動パターン11A、12A(有利小当たり結果Bに対応)、変動パターン21A、22A(有利小当たり結果Cに対応)、
図276の変動パターン2H~4H(リーチ外れに対応)のいずれかであるか否かを判定する。
【3238】
特定変動パターンである場合は、ステップSj4703に進み、保留予告用の可否判定処理を実行する。保留予告用の可否判定処理は、保留予告の実行を許容するか否かを判定するものであり、一部の状況において保留予告を制限するために設けられている。保留予告用の可否判定処理の詳細については後述する。
【3239】
保留予告用の可否判定処理にて保留予告の実行を許容すると判定した場合(ステップSj4704のYES)は、ステップSj4705にて保留予告の実行抽選を行う。保留予告の実行抽選では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する保留予告実行抽選テーブルを取得し、その実行抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とを用いて、保留予告演出を実行するか否かの抽選を行う。保留予告実行抽選テーブルは、当たりの有無に対応させて複数設定されている。例えば、今回の保留情報が小当たりである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルは、外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が高く設定されている。
【3240】
上記実行抽選の結果が当選結果である場合(ステップSj4706のYES)は、ステップSj4707にて保留予告演出の設定処理を実行する。保留予告演出の設定処理では、先読み対象となった保留情報に対応する保留用画像が特定表示態様HMbで表示されるように設定する。加えて、特定表示態様での表示がどの時点から開始されるのかの表示変化タイミングの設定も行う。表示変化タイミングの設定では、例えば、保留用画像の表示開始の時点から特定表示態様で表示する旨の設定を行ったり、保留用画像の表示開始後の所定タイミング(例えば保留表示部200でのシフト時)にて通常表示態様HMaから特定表示態様HMbに切り替える旨の設定を行ったりする。
【3241】
ステップSj4708では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の設定処理を終了する。保留予告フラグは、保留予告演出の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
【3242】
ステップSj4702で否定判定した場合(把握した変動パターンが特定変動パターンでない場合)、ステップSj4704で否定判定した場合(保留予告の実行を許容しない場合)、ステップSj4706で否定判定した場合(実行抽選で外れとなった場合)は、ステップSj4701に進み、保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。その後、保留予告用の設定処理を終了する。
【3243】
<保留予告用の可否判定処理>
ステップSj4703の保留予告用の可否判定処理について
図307のフローチャートを参照しながら説明する。
【3244】
保留予告用の可否判定処理では先ずステップSj4801にて、先読み対象の保留情報が時短遊技状態後の遊技回に対応するものであるか否かを判定する。本変形例では、第2特図の保留情報を記憶可能な数が2個に設定されているため、時短遊技状態中における2回目遊技回の実行中に2個目の保留記憶として取得された保留情報や、時短遊技状態の最終遊技回(3回目遊技回)の実行中に取得された保留情報が、時短遊技状態後の遊技回に対応する保留情報に該当する。
【3245】
先読み対象の保留情報が時短遊技状態後の遊技回に対応するものである場合は、ステップSj4802に進み、その保留情報が大当たり結果に対応するものであるか否か(先読み結果が大当たり結果であるか否か)を判定する。この判定は、ステップSj4701で把握した変動パターンが大当たり結果に対応するものであるか否かや、保留コマンドに含まれる当たり情報に基づいて行う。
【3246】
先読み対象の保留情報が大当たり結果に対応するものでない場合は、ステップSj4803にて、当該保留情報が小当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。先読み対象の保留情報が小当たり結果に対応するものである場合は、ステップSj4804に進み、その小当たり種別が有利小当たり結果Aであるか否かを判定する。この判定は、ステップSj4701で把握した変動パターンが小当たり結果に対応するものであるか否かや、保留コマンドに含まれる当たり情報に基づいて行う。
【3247】
ステップSj4804で否定判定した場合、すなわち、先読み対象の保留情報が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cに対応するものである場合は、ステップSj4805に進み、先読み対象の保留情報よりも先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在するか否かを判定する。これにより、先読み対象の保留情報に対応する遊技回よりも前に実行される遊技回にて小当たりが発生するか否かを判定する。この判定は、保留記憶中の保留情報だけでなく、遊技回を実行中の保留情報も対象にして行う。
【3248】
上記先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在しない場合は、ステップSj4806にて、先読み対象の保留情報よりも先に取得された保留情報について保留予告演出が実行されているか否かを判定する。この判定は、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグがセットされているか否かを参照することで行う。
【3249】
ステップSj4806で否定判定した場合、すなわち、先読み対象の保留情報よりも先に取得された保留情報の中に小当たり結果に対応するものが含まれておらず、且つ当該先に取得された保留情報について保留予告演出が実行されていない場合は、ステップSj4807に進み、先読み対象の保留情報についての保留予告演出の実行を許容する。この場合、保留予告用の設定処理(
図306)においてステップSj4705に進み、保留予告演出の実行抽選を実行する。そして、当該抽選にて当選した場合は、先読み対象の保留情報に対応する保留用画像が特定表示態様HMbで表示されるように設定し、保留予告演出が実行されるようにする。
【3250】
また、ステップSj4801で否定判定した場合(先読み対象の保留情報が時短遊技状態中の遊技回に対応するものである場合)、ステップSj4802で肯定判定した場合(先読み対象の保留情報が大当たり結果に対応する場合)、ステップSj4804で肯定判定した場合(先読み対象の保留情報が有利小当たり結果Aに対応するものである場合)も、ステップSj4807に進み、先読み対象の保留情報についての保留予告演出の実行を許容する。
【3251】
これらに対し、ステップSj4805で肯定判定した場合、すなわち、時短遊技状態後の遊技回に対応する保留情報について有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cが先読みされた状況において、当該保留情報よりも先に取得された保留情報の中に小当たり結果に対応するものが存在する場合は、ステップSj4808に進み、先読み対象の保留情報についての保留予告演出の実行を制限(規制)する。この場合、保留予告用の設定処理(
図306)においてステップSj4709に進み、先読み対象の保留情報に対応する保留用画像が通常表示態様HMaで表示されるように設定する。つまり、当該保留情報について保留予告演出が実行されないようにする。
【3252】
また、ステップSj4806で肯定判定した場合(先の保留情報について保留予告演出を実行中である場合)も、ステップSj4808にて、先読み対象の保留情報についての保留予告演出の実行を制限するように判定する。これにより、上記先に取得された保留情報の中に小当たり結果に対応するものが存在しない場合であっても、保留予告演出の実行中である場合は、先読み対象の保留情報について保留予告演出が実行されないようにする。
【3253】
ステップSj4803で否定判定した場合(先読み対象の保留情報が小当たり結果に対応するものでない場合)は、先読み対象の保留情報がリーチ外れ演出に対応するものであることを意味する。この場合は、ステップSj4809に進み、先読み対象の保留情報よりも先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在するか否かを判定する。
【3254】
上記先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在する場合、すなわち、先読み対象の保留情報に対応する遊技回よりも前に実行される遊技回にて小当たりが発生する場合は、ステップSj4810に進み、先読み対象の保留情報についての保留予告演出の実行を制限する。これにより、先読み対象の保留情報についての保留予告演出(いわゆるガセ演出)が実行されないようにする。
【3255】
ステップSj4809で否定判定した場合(先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在しない場合)は、ステップSj4811に進み、先読み対象の保留情報よりも先に取得された保留情報について保留予告演出が実行されているか否かを判定する。保留予告演出が実行されている場合は、ステップSj4810に進み、先読み対象の保留情報についての保留予告演出の実行を制限する。一方、上記先に取得された保留情報について保留予告演出が実行されていない場合は、ステップSj4812に進み、先読み対象の保留情報についての保留予告演出の実行を許容する。
【3256】
<保留予告演出の流れについて>
保留予告演出の流れについて
図308~
図309を参照しながら説明する。
【3257】
図308(a)に示すように、本変例では、小当たり種別が有利小当たり結果B又はCとなる場合において、その遊技回が時短遊技状態中に実行される場合には、当該遊技回において時短リミッタ値の再セットは生じない。これに対し、有利小当たり結果B又はCとなる遊技回が、時短遊技状態後の残り保留の遊技にて実行される場合には、当該遊技回において時短リミッタ値の再セットが生じる。すなわち、有利小当たり結果B又はCとなる場合においては、その遊技回が時短遊技状態中に実行されるよりも時短遊技状態の終了後に実行される方が遊技者にとって有利となるようになっている。
【3258】
かかる構成の下、
図309(a)に示すように、時短遊技状態に移行してからの2回目の遊技回(保留情報Aに対応する遊技回)が実行されており、且つ3回目の遊技回(時短遊技状態における最終回の遊技回)に対応する保留情報Bが保留記憶されている状況で、新たな保留情報Cが取得され、この保留情報Cが有利小当たり結果B又はCに対応するものであったとする。この時点において保留情報Cは、時短遊技状態の終了後における残り保留に該当するため、
図309(b)に示すように、保留情報Cに対応する保留用画像を特定表示態様HMbで表示すると、遊技者は、時短遊技状態が終了した後の残り保留の遊技回(保留情報Cに対応する遊技回)にて小当たりが発生することを強く期待し、延いては時短リミッタ値が再セットされると予測する。
【3259】
このような状況において、例えば、
図309(c)に示すように、保留情報Aの遊技回で小当たりが発生し、それに対応する小当たり遊技でV入賞が発生したとすると、V大当たり遊技に移行するとともに時短遊技状態が終了する。その結果、保留情報B、Cに対応する遊技回の実行前に時短遊技状態が終了することになり、保留情報B、Cに対応する遊技回は、V大当たり遊技の終了後に移行する次の時短遊技状態にて実行されるものとなる。この場合、保留情報Cに対応する遊技回は時短遊技状態中に行われる遊技回となるため、当該遊技回において時短リミッタ値の再セットは生じない。
【3260】
このため、
図309(b)に示すように、保留情報Cについての保留予告演出を実行している状態で、それよりも前の保留情報に対応する遊技回で小当たりが発生すると、遊技者に対して、保留情報Cについて時短リミッタ値の再セットが消失してしまったかのような印象を与えてしまい、小当たり当選したことの嬉しさが損なわれる懸念がある。
【3261】
この点、本変形例では、
図308(b)に示すように、対象保留情報(保留情報C)についての先読み結果が有利小当たり結果B又はCであり、それよりも先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在する場合は、対象保留情報についての保留予告演出の実行を制限する。これにより、上記先に取得された保留情報において小当たりが発生する前の時点において遊技者に対し、対象保留情報の遊技回にて時短リミッタ値の再セットが生じることへの強い期待感が喚起されることを抑制できる。その結果、小当たり発生時において遊技者が落胆することが抑制され、小当たり発生による嬉しさを好適に感受させることが可能になる。
【3262】
なお、上記先に取得された保留情報が小当たり結果に対応するものである場合、当該保留情報について保留予告演出が実行されている場合があるが、当該保留予告演出の有無にかかわらず、対象保留情報についての保留予告演出を制限する。すなわち、先に取得された保留情報が小当たり結果に対応するものである場合、当該保留情報についての保留予告演出が実行されている場合と実行されていない場合とのそれぞれにおいて、対象保留情報についての保留予告演出が実行されないようにする。
【3263】
一方、上記先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在しない場合は、当該先に取得された保留情報について保留予告演出が実行されている場合において、対象保留情報についての保留予告演出の実行を制限する(
図308(b))。例えば、
図309(d)に示すように、保留情報Bについての保留予告演出が実行されている状況で保留情報Cについての保留予告演出を実行した場合、遊技者において、保留情報Bの遊技回で小当たりが発生することの期待感よりも、保留情報Cの遊技回における時短リミッタ値の再セットがどうなってしまうかの不安感の方が強くなり、保留予告による演出効果が好適に発揮されなくなる懸念がある。この点、本変形例の構成であることで、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
【3264】
これに対し、上記先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在しない場合において、当該先に取得された保留情報について保留予告演出が実行されていない場合は、対象保留情報についての保留予告演出の実行を許容する(
図308(b))。上記先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在しない場合、対象保留情報(保留情報C)の遊技回は、当該保留情報の取得時点での認識と同じく時短遊技状態後の残り保留に対応する遊技回として実行されるため、当該遊技回において時短リミッタ値が再セットされる。また、それよりも前の保留情報について保留予告演出による小当たり発生の煽りもないため、上記のような不安感が誘発される可能性も低い。よって、このような場合を対象として保留予告演出の実行を許容することで、時短リミッタ値の再セットが生じることへの期待感を喚起し、時短遊技状態での遊技を好適に盛り上げることができる。
【3265】
また、
図308(b)に示すように、対象保留情報(保留情報C)がリーチ外れ演出に対応する場合の保留予告演出(いわゆるガセ演出)についても、上記と同様にして制限を行う。具体的には、先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在する場合は、対象保留情報についての保留予告演出の実行を制限し、先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在しない場合は、当該先に取得された保留情報についての保留予告演出が実行されているか否かにより、対象保留情報についての保留予告演出の実行を制限するか否かを切り替える。
【3266】
対象保留情報がリーチ外れ演出に対応する(外れ結果に対応する)ものであったとしても、保留予告演出の実行時点において遊技者がそれを把握することはできず、対象保留情報の遊技回にて小当たり当選すると予測する可能性が高いため、対象保留情報が有利小当たり結果B又はCに対応する場合と同様の懸念が生じるおそれがある。この点、本変形例の構成とすることで、対象保留情報についての保留予告演出に起因して遊技者の不安感が煽れられてしまうことを抑制できる。
【3267】
ちなみに、第1特図の保留情報が保留記憶されている状況で第2特図の保留情報が取得される場合があるが、上述した対象保留情報についての保留予告演出の制限は、第1特図の保留情報が保留記憶されているか否かにかかわらず行う。すなわち、第1特図の保留情報が保留記憶されている場合と保留記憶されていない場合とのそれぞれにおいて、同様に対象保留情報についての保留予告演出の実行を制限する。
【3268】
このことは、第1特図の保留情報についての保留予告演出が実行されている場合も同様である。すなわち、第1特図の保留情報についての保留予告演出が実行されているか否かにかかわらず、上述した対象保留情報についての保留予告演出の制限を実行する。
【3269】
図308(b)に示すように、対象保留情報(保留情報C)が有利小当たり結果Aに対応する場合は、先に取得された保留情報において小当たり結果に対応するものが存在するか否かや、先に取得された保留情報についての保留予告演出が実行されているか否かとは無関係に、対象保留情報についての保留予告の実行を許容する。小当たり種別が有利小当たり結果Aである場合は、その遊技回が時短遊技状態中の遊技回として実行される場合と、時短遊技状態後の残り保留の遊技回として実行される場合との両方において、時短リミッタ値の再セットが行われるためであり、換言すれば、遊技回が実行されるときの状態によって有利度合いに差異が生じないためである。
【3270】
なお、本変形例では、対象保留情報が有利小当たり結果B又はCに対応する場合や、対象保留情報がリーチ外れ演出に対応する場合において先の保留情報についての保留予告演出が実行されている場合に、対象保留情報についての保留予告演出の実行を制限するため、
図309(d)に示すように、保留情報B及び保留情報Cの両方について保留予告演出が実行された場合、対象保留情報Cについて有利小当たり結果Aに対応するものであることが確定し、対象保留情報Cの遊技回で時短リミッタ値の再セットが生じる期待度が最も高い演出となる。
【3271】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【3272】
時短遊技状態中に小当たり結果になった場合と、時短遊技状態の終了後、残り保留の遊技回にて小当たり結果になった場合とで、当否抽選の結果やV入賞発生の価値を異ならせる構成とした。具体的には、時短遊技状態中に小当たり結果になった場合においてその種別が有利小当たり結果B、Cである場合は、時短リミッタ値の再セットが行われないが、時短遊技状態の終了後、残り保留の遊技回にて小当たり結果になった場合は、その種別が有利小当たり結果B、Cであっても時短リミッタ値の再セットが行われる構成とした。
【3273】
このような構成であることで、時短遊技状態中に取得された保留情報について小当たり種別が同じ結果であっても、その保留状態に対応する遊技回が実行されるときの状況によって、その後の遊技の展開を異ならせることができる。これにより、例えば、当否抽選の結果や小当たり種別により時短リミッタ値の再セットの有無が定まる場合に比べて、遊技の多様化を図ることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3274】
第2特図の保留記憶数の上限数(時短遊技状態での保留記憶数の上限数)が時短遊技状態の時短回数よりも少なくなる構成とした。この場合、残り保留により実行し得る遊技回の回数が時短遊技状態中に実行可能な遊技回の回数よりも少なく制限され、時短遊技状態の終了後、時短リミッタ値の再セットの生じやすさが優遇された遊技が行われる場合において、当該遊技が終了してしまうことへのドキドキ感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることが可能になる。
【3275】
時短遊技状態中に取得され且つ時短遊技状態の終了後の遊技回に対応する保留情報(残り保留の保留情報)についての保留予告(先読み報知)の実行を制限可能とした。
【3276】
残り保留の保留情報についての当否判定等の結果が時短遊技状態の中で知らされると、遊技者が時短遊技状態での遊技を楽しみにくくなる場合がある。この点、上記構成であることで、残り保留の保留情報についての先読み結果が遊技者に対して過剰に知らされることが抑制される。これにより、当該先読み結果の報知により時短遊技状態の遊技を楽しみにくくなることが抑制され、遊技演出の好適化を図ることが可能になる。
【3277】
残り保留の保留情報より先に取得された保留情報が大当たり結果や小当たり結果に対応する場合に、残り保留の保留情報についての先読み報知の実行を制限する構成とした。
【3278】
残り保留の保留情報より先に取得された保留情報に対応する遊技回にて大当たり結果等となり、残り保留の保留情報が消化される前に時短遊技状態が終了すると、残り保留の保留情報に対応する遊技回は次の時短遊技状態で実行される。その結果、残り保留の保留情報の取得時とその保留情報の遊技回の実行時とで特典内容の不整合が生じる。このような場合を対象とし、残り保留の保留情報についての先読み報知の実行を制限することで、上記不整合に起因して遊技者に不愉快な印象を与えることを抑制できる。
【3279】
また、上記のような場合において、先の時短遊技状態では残り保留の保留情報についての先読み報知を制限しておき、その後、次の時短遊技状に移行してから当該先読み報知を許容するようにすれば、残り保留の保留情報についての先読み報知により、先の保留情報に対応する遊技回(大当たり結果や小当たり結果への当選が報知される遊技回)への注目度が低下するのを抑制しつつ、残り保留の保留情報についての先読み報知の機会を好適に確保することができる。
【3280】
残り保留の保留情報より先に取得された保留情報についての先読み報知が実行中である場合に、残り保留の保留情報についての先読み報知の実行を制限する構成とした。
【3281】
先の保留情報についての先読み報知が実行されている状況で残り保留の保留情報についての先読み報知が実行された場合、残り保留の保留情報が消化される前に大当たり結果等への当選が発生し、残り保留の保留情報に対応する遊技回が次の時短遊技状態で実行されるのではないかと遊技者に不安感を与える懸念がある。このような場合において、残り保留の保留情報についての先読み報知の実行を制限することで、遊技者が遊技を楽しみにくくなることが抑制され、遊技演出の好適化を図ることが可能になる。
【3282】
<変形例3>
上記第5の実施の形態の変形例3について
図310~
図317を参照しながら説明する。ここでは上記第5の実施の形態や上記各変形例との相違点についてのみ説明する。また、
図310~
図317において第5の実施の形態や上記各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3283】
上記第5の実施の形態や各変形例では時短リミッタ値が1種類のみ設定されたが、本変形例では複数種類の時短リミッタ値が設定されるように構成されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
【3284】
<第2特図用の小当たり種別テーブル及びV大当たり種別テーブル>
本変形例に係る第2特図用の小当たり種別テーブル及びV大当たり種別テーブルについて
図310を参照しながら説明する。第2特図用の小当たり種別テーブルは、第2作動口63への入賞に基づく当否抽選にて小当たり結果となった場合において小当たり種別を決定する際に用いられるものである。また、V大当たり種別テーブルは、小当たり当選を契機としてV入賞が発生した場合においてV大当たりの種別を決定する際に用いられるものである。なお、第1特図の小当たり種別テーブルについては第5の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【3285】
第2特図用の小当たり種別テーブル(
図310(a))では、選択可能な小当たり種別として、有利小当たり結果A1と、有利小当たり結果A2と、有利小当たり結果Bと、有利小当たり結果Cとが設定されている。これら有利小当たり結果A1、A2、B、Cは、遊技球がV入賞用領域66fに振り分けられやすい高振分態様で第2可変入賞装置66が駆動制御される小当たり遊技に移行する小当たり結果である。有利小当たり結果A1には小当たり種別カウンタC3の「0」~「4」が対応し、有利小当たり結果A2には小当たり種別カウンタC3の「5」~「9」が対応し、有利小当たり結果Bには小当たり種別カウンタC3の「10」~「29」が対応し、有利小当たり結果Cには小当たり種別カウンタC3の「30」~「99」が対応している。すなわち、有利小当たり結果A1に振り分けられる確率は5%、有利小当たり結果A2に振り分けられる確率は5%、有利小当たり結果Bに振り分けられる確率は20%、有利小当たり結果Cに振り分けられる確率は70%に設定されている。
【3286】
V大当たり種別テーブル(
図310(b))では、選択可能なV大当たり種別として、6RV大当たり結果と、2RV大当たり結果とが設定されている。6RV大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が5回となるものであり、2RV大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が1回となるものである。
【3287】
また、6RV大当たり結果及び2RV大当たり結果は、大当たり遊技の終了後、サポートモードが高頻度サポートモードに設定され、遊技状態が時短遊技状態に移行するV大当たり結果である。この場合の時短遊技状態は、当該状態への移行後において特図遊技回の実行回数が終了基準回数(例えば10回)となるか、当該状態への移行後において小当たりに1回当選するかのいずれかの終了条件が成立するまで継続する。
【3288】
V大当たり種別テーブルでは、有利小当たり結果A1、A2、Bに対応して6RV大当たり結果が設定され、有利小当たり結果Cに対応して2RV大当たり結果が設定されている。このため、有利小当たり結果A1、A2、Bの小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、当該小当たり遊技の終了後に6RV大当たり遊技に移行し、有利小当たり結果Cの小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、当該小当たり遊技の終了後に2RV大当たり遊技に移行するものとなる。よって、6RV大当たり結果の振分確率は、有利小当たり結果A1の振分確率(5%)、有利小当たり結果A2の振分確率(5%)、有利小当たり結果Bの振分確率(20%)を合計した30%となり、2RV大当たり結果の振分確率は、有利小当たり結果Cの振分確率(70%)と同一の70%である。
【3289】
<V入賞用処理>
本変形例に係るV入賞用処理について
図311のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、タイマ割込み処理(
図255)のステップSj106にて実行されるものであり、
図265のV入賞用処理に代えて実行されるものである。
図311において
図265と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3290】
V入賞用処理では先ずステップSj1301にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。V入賞フラグは、V入賞が発生したことをMPU312が把握するためのものである。
【3291】
V入賞フラグがセットされていない場合は、ステップSj1302に進み、V入賞が発生したか否かを判定する。V入賞が発生した場合は、ステップSj1303にて上記各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグをセットする。続くステップSj1304では、演出制御装置143への送信対象としてV入賞コマンドを設定する。
【3292】
ステップSj5101では、時短リミッタ値を再セットするためのリミッタ再セット用処理を実行する。リミッタ再セット用処理の詳細については後述する。続くステップSj5102では、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行し、その後、V入賞用処理を終了する。小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理の詳細については後述する。
【3293】
<小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理>
本変形例に係る小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理について
図312のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図遊技回制御処理(
図259)のステップSj510で実行されるものであり、特図遊技回にて変動表示時間が経過した場合(確定表示が開始される場合)に実行されるものである。
【3294】
小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理では先ずステップSj5201にて、今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果であるか否かを判定する。この判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに小当たり種別フラグがセットされているか否かを参照することで行う。
【3295】
今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果である場合はステップSj5202に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。サポートフラグは、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるか否か(換言すれば、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否か)をMPU312が把握するためのものである。
【3296】
サポートフラグがセットされており、時短遊技状態に滞在中である場合は、ステップSj5203に進み、今回の小当たり種別が有利小当たり結果A1又は有利小当たり結果A2であるか否かを判定する。有利小当たり結果A1又はA2である場合は、ステップSj5204に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高頻度サポートモード(時短遊技状態)が終了する。
【3297】
このように、時短遊技状態中の特図当否抽選にて小当たりとなり、その小当たり種別が有利小当たり結果A1又はA2となった場合は、特図遊技回における変動表示の終了タイミングに合わせて高頻度サポートモードを終了させる。
【3298】
ステップSj5204の実行後は小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を終了する。ステップSj5201で否定判定した場合(小当たり結果でない場合)、ステップSj5202で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)又はステップSj5203で否定判定した場合(小当たり種別が有利小当たり結果A1、A2のいずれでもない場合)は、高頻度サポートモードを終了させるための処理を実行しないとして、ステップSj5204の処理を実行せずに小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を終了する。
【3299】
<小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理>
ステップSj5102の小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理について
図313のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、V入賞が発生した場合(遊技球がV入賞用領域66fの検知センサ66mを通過した場合)に実行されるものである。
【3300】
小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理では先ずステップSj5301にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたサポートカウンタエリアSCの値を「0」にクリアする。これにより、V大当たり遊技が終了した後の遊技において、特図遊技回の実行回数が0回とされた状態で高頻度サポートモード(時短遊技状態)が開始される。
【3301】
ステップSj5302では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。前述のとおり、小当たり種別が有利小当たり結果A1又はA2である場合は、特図遊技回における変動表示の終了タイミングに対応してサポートフラグがクリアされており、ステップSj5302の実行タイミングでは既にサポートフラグがセットされていない状態となっている。このため、ステップSj5302でサポートフラグがセットされている場合とは、今回の小当たり遊技の契機となった小当たり種別が有利小当たり結果B又はCであることを意味する。この場合は、ステップSj5303に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高頻度サポートモード(時短遊技状態)が終了する。
【3302】
このように、時短遊技状態中の特図当否抽選にて小当たりとなり、その小当たり種別が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cとなった場合は、小当たり遊技におけるV入賞の発生タイミングに合わせて高頻度サポートモードを終了させる。
【3303】
ステップSj5303の実行後は小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を終了する。ステップSj5302で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)は、高頻度サポートモードを終了させるための処理を実行しないとして、ステップSj5303の処理を実行せずに小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を終了する。
【3304】
<リミッタ再セット用処理>
ステップSj5101のリミッタ再セット用処理について
図314のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、V入賞が発生した場合に実行されるものであり、上述の小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理に先立って実行されるものである。
【3305】
リミッタ再セット用処理では先ずステップSj5401にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、V入賞の発生時において時短遊技状態に滞在している状態であるか否かを判定する。
【3306】
前述のとおり、小当たり種別が有利小当たり結果B又はCである場合は、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理(
図313)のステップSj5303において、V入賞の発生タイミングに対応して時短遊技状態の終了処理が実行される。この場合、ステップSj5401の実行タイミングでは、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態となっている。
【3307】
これに対し、小当たり種別が有利小当たり結果A1又はA2である場合は、小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理(
図312)のステップSj5204において、変動表示の終了タイミングに対応して時短遊技状態の終了処理が実行される。この場合、ステップSj5401の実行タイミングでは、上記各種フラグ格納エリア314eにいずれのサポートフラグもセットされていない状態となっている。
【3308】
ステップSj5401でサポートフラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、今回の小当たり種別が有利小当たり結果A1又はA2であり、V入賞時の状態が非時短状態である場合は、ステップSj5402に進み、今回の小当たり種別が有利小当たり結果A1であるか否かを判定する。今回の小当たり種別が有利小当たり結果A1である場合は、ステップSj5403にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACに第1リミッタ値(例えば5)をセットする。当たり回数カウンタエリアACは、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数(大当たり及びV大当たりの合計数)をカウントするものである。
【3309】
有利小当たり結果A1は、第2特図の当否抽選にて小当たり結果となった場合に選択され得るものであり、有利小当たり結果A1になるのは時短遊技状態で小当たり結果になった場合が対象となる。このため、ステップSj5403の処理が実行されることにより、それまでの当たり回数のカウントがクリアされ、時短リミッタ値が第1リミッタ値(例えば5回)に再セットされることになる。
【3310】
ステップSj5402で否定判定した場合、すなわち、今回の小当たり種別が有利小当たり結果A2である場合は、ステップSj5404に進み、上記当たり回数カウンタエリアACに上記第1リミッタ値とは異なる第2リミッタ値(例えば4)をセットする。これにより、それまでの当たり回数のカウントがクリアされ、時短リミッタ値が第2リミッタ値(例えば4回)に再セットされる。
【3311】
ステップSj5403又はステップSj5404の実行後は、ステップSj5405にて、演出制御装置143への送信対象としてリミッタ再セット用コマンドを設定する。設定されたリミッタ再セット用コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。リミッタ再セット用コマンドには、時短リミッタ値が再セットされることを示す情報の他、再セット後の時短リミッタ値を示す情報(第1リミッタ値、第2リミッタ値のいずれであるかを示す情報)が含まれる。
【3312】
ステップSj5405の実行後はリミッタ再セット用処理を終了する。また、ステップSj5401で肯定判定した場合(サポートフラグがセットされており、今回の小当たり種別が有利小当たり結果B又はCである場合)は、時短リミッタ値を再セットしないとしてステップSj5402以降の処理を実行せずにリミッタ再セット用処理を終了する。
【3313】
<大当たり遊技終了時の移行処理>
本変形例に係る大当たり遊技終了時の移行処理について
図315のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162による大当たり遊技状態への移行処理(
図266)のステップSj1415で実行されるものであり、
図267の大当たり遊技終了時の移行処理に代えて実行されるものである。
図315において
図267と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3314】
大当たり遊技終了時の移行処理では先ずステップSj5501にて、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果が2R大当たり結果A(
図252(a))であるか否かを判定する。換言すれば、第1特図の当否抽選にて大当たり結果となり、その種別が時短遊技状態への移行に対応した種別となったか否かを判定する。
【3315】
2R大当たり結果Aである場合は、ステップSj5502に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされている大当たり種フラグ、大当たり遊技フラグをクリアする。これにより、大当たり遊技状態が終了する。
【3316】
ステップSj5503では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACに第1リミッタ値(例えば5)をセットする。これにより、時短リミッタ値が第1リミッタ値にセットされる。
【3317】
ステップSj5501で否定判定した場合(2R大当たり結果Aでない場合)は、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果がV大当たり結果であるか否かを判定する。V大当たり結果である場合は、ステップSj5505に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているV当選フラグ、大当たり遊技フラグをクリアする。これにより、大当たり遊技状態が終了する。
【3318】
ステップSj5503又はステップSj5505の実行後は、ステップSj5506にて当たり回数カウンタエリアACの値を更新する。具体的には、当たり回数カウンタエリアACの値を1減算する。これにより、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が1減算される。
【3319】
ステップSj5507では、演出制御装置143への送信対象として当たり回数コマンドを設定する。設定された当たり回数コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。当たり回数コマンドには、ステップSj5506で更新された大当たり回数を特定するための情報が含まれており、当たり回数コマンドが送信されることで、主制御装置162が認識している現在の大当たり回数(更新後の大当たり回数)が演出制御装置143に通知される。
【3320】
ステップSj5508では、当たり回数カウンタエリアACの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、残りの大当たり回数が0回となり、時短遊技状態での大当たり回数が時短リミッタ値に到達したか否かを判定する。
【3321】
当たり回数カウンタエリアACの値が「0」ではなく、大当たり回数が時短リミッタ値に到達していない場合は、ステップSj1506に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグをセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。以後、ステップSj1508、ステップSj1509の処理を実行する。
【3322】
ステップSj5508で肯定判定した場合、すなわち、当たり回数カウンタエリアACの値が「0」であり、大当たり回数が時短リミッタ値に到達した場合は、ステップSj1510に進み、演出制御装置143への送信対象としてリミッタ到達コマンドを設定する。ステップSj1510の実行後は、そのまま大当たり遊技終了時の移行処理を終了する。すなわち、大当たり回数が時短リミッタ値に到達した場合は、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグをセットすることなく、大当たり遊技終了時の移行処理を終了する。これにより、今回の大当たり遊技の契機となった大当たりの種別(いずれの大当たりであるかや、V大当たりであるか否か)にかかわらず、時短遊技状態が強制的に終了される。
【3323】
<遊技の流れについて>
本変形例のパチンコ機10における遊技の流れについて
図316~
図317を参照しながら説明する。
【3324】
第1特図の当否抽選にて大当たり結果となり、その大当たり種別が2R大当たり結果Aとなった場合には、大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(高頻度サポートモード)に移行する。この際、時短リミッタ値は第1リミッタ値(5回)に設定される。また、この場合の時短遊技状態の終了条件は、当該状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が10回となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立することに設定される(
図310(b))。
【3325】
そして、この時短遊技状態において10回の特図遊技回が終了する前に、第2特図の当否抽選で小当たり結果になったとする。その小当たり種別が有利小当たり結果Cとなり、それに対応する小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、2RV大当たり遊技が実行される(
図310(a))。また、小当たり種別が有利小当たり結果Cとなった場合は、V入賞の発生タイミングでサポートフラグがクリアされ、時短遊技状態が終了する。サポートフラグのクリアはV入賞時における状態判定の後に行われるため、V入賞時において時短状態となり、時短リミッタ値の再セットは行われない。その結果、大当たり回数の更新(減算)だけが行われ、時短リミッタ値(5回)までの残りの大当たり回数が1減少して4回となる。
【3326】
小当たり種別が有利小当たり結果Cとなった遊技回では、偶数図柄により当たりが報知されるリーチ当たりC演出(
図317(d))が行われる。これにより、遊技者に対し、実施されるラウンド遊技の数が少ない2RV大当たりが行われ、時短リミッタ値の再セットも生じない当選状態になったことが報知される。
【3327】
2RV大当たり遊技の終了後、時短遊技状態に移行する。この場合の時短遊技状態の終了条件は、当該状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が10回となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立することに設定される(
図310(b))。そして、この時短遊技状態において10回の特図遊技回が終了する前に、第2特図の当否抽選で小当たり結果になり、その種別が有利小当たり結果Bになったとする。
【3328】
当該小当たり結果を契機とする小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、6RV大当たり遊技が実行される(
図310(a))。また、小当たり種別が有利小当たり結果Bとなった場合は、有利小当たり結果Cの場合と同じく、V入賞の発生タイミングでサポートフラグがクリアされる。よって、
図316に示すように、V入賞時において時短状態となり、時短リミッタ値の再セットは行われない。その結果、時短リミッタ値(5回)までの残りの大当たり回数が再び減少し、残り3回となる。
【3329】
小当たり種別が有利小当たり結果Bとなった遊技回では、7図柄及び3図柄以外の奇数図柄により当たりが報知されるリーチ当たりB演出(
図317(c))が行われる。これにより、遊技者に対し、実施されるラウンド遊技の数が多い6RV大当たりが行われるものの、時短リミッタ値の再セットは生じない当選状態になったことが報知される。
【3330】
6RV大当たり遊技の終了後、時短遊技状態に移行する。この場合の時短遊技状態の終了条件は、当該状態に移行してからの特図遊技回の実行回数が10回となるか、小当たりに1回当選するかのいずれかが成立することに設定される(
図310(b))。そして、この時短遊技状態において10回の特図遊技回が終了する前に、第2特図の当否抽選で小当たり結果になり、その種別が有利小当たり結果A1になったとする。
【3331】
当該小当たり結果を契機とする小当たり遊技にてV入賞が発生した場合は、6RV大当たり遊技が実行される(
図310(a))。また、小当たり種別が有利小当たり結果A1となった場合は、小当たり当選した特図遊技回の変動終了タイミング(確定表示の開始タイミング)でサポートフラグがクリアされ、時短遊技状態が終了する(
図316)。このため、V入賞時において非時短状態となり、時短リミッタ値が第1リミッタ値(5回)に再セットされる。この際、大当たり回数の更新(減算)も行われるため、V大当たり遊技の終了後における残りの大当たり回数は4回となる。
【3332】
上記V大当たり遊技の終了後は再び時短遊技状態に移行する。つまり、残り2回の状態でV大当たりとなった後、残りが4回に増えた状態に変化し、今回のV大当たりも含め、連荘を継続可能な大当たりの回数が3回上乗せされた状態で、新たな時短遊技状態が開始されることになる。
【3333】
また、有利小当たり結果A1に代えて有利小当たり結果A2になった場合は、これを契機とする小当たり遊技にてV入賞が発生することに基づき、6RV大当たり遊技が実行される(
図310(a))。また、小当たり種別が有利小当たり結果A2となった場合は、有利小当たり結果A1の場合と同じく、小当たり当選した特図遊技回の変動終了タイミングでサポートフラグがクリアされる(
図316)。このため、時短リミッタ値の再セットが行われるが、有利小当たり結果A2の場合は、有利小当たり結果A1の場合の第1リミッタ値(5回)よりも少ない第2リミッタ値(4回)に再セットされる。この場合も、大当たり回数の更新(減算)が行われるため、V大当たり遊技の終了後における残りの大当たり回数は3回となる。つまり、残り2回の状態でV大当たりとなった後、残りが3回に増えた状態に変化し、今回のV大当たりも含め、連荘を継続可能な大当たりの回数が2回上乗せされた状態で、新たな時短遊技状態が開始されることになる。
【3334】
このように、再セットされる場合の時短リミッタ値として第1リミッタ値と第2リミッタ値とを有し、小当たり種別によっていずれのリミッタ値が適用されるかが異なるため、再セットの実行に対応した小当たり種別を引き当てることだけでなく、時短リミッタ値の回数が多い側の小当たり種別を引き当てることを期待して遊技を楽しむことが可能になる。これにより、時短遊技状態における遊技の興趣をより一層高めることが可能になる。
【3335】
小当たり種別が有利小当たり結果A1となった遊技回では、7図柄により当たりが報知されるリーチ当たりA1演出(
図317(a))が行われる。これにより、遊技者に対し、6RV大当たりが行われたり、時短リミッタが再セットされたりすることに加え、再セットされる時短リミッタ値が多い側の第1リミッタ値とされる当選状態になったことが報知される。
【3336】
一方、小当たり種別が有利小当たり結果A2となった遊技回では、3図柄により当たりが報知されるリーチ当たりA2演出(
図317(b))が行われる。これにより、遊技者に対し、6RV大当たりが行われたり、時短リミッタが再セットされたりすることに加え、再セットされる時短リミッタ値が少ない側の第2リミッタ値とされる当選状態になったことが報知される。
【3337】
なお、小当たり種別が有利小当たり結果A1となり、時短リミッタ値が第1リミッタ値(5回)に再セットされた後、次の時短遊技状態で有利小当たり結果A2となった場合は、時短リミッタ値が第2リミッタ値(4回)に再セットされたとしても、残りの大当たり回数に変化が生じない。つまり、有利小当たり結果A2になったときの残りの大当たり回数が4回であるため、時短リミッタ値として第2リミッタ値が再セットされた場合と、そのような再セットが行われなかった場合とのいずれもV大当たり遊技後の残りの大当たり回数が同数となり、再セットによる残り回数の増加が生じない状態になる。
【3338】
このような場合は、小当たり種別が有利小当たり結果A2となった遊技回において、7図柄及び3図柄以外の奇数図柄により当たりが報知されるリーチ当たりB演出(
図317(c))が行われる。すなわち、少ない側の第2リミッタ値に対応する有利小当たり結果A2になった場合は、小当たり種別だけでなく、小当たり種別と遊技の状況(残り回数)とを参照して遊技回演出(当たり報知の態様)が設定される。
【3339】
例えば、上記のように結果的に残りの大当たり回数が増えない状況で有利小当たり結果A2(時短リミッタ値が再セットされる小当たり種別)になったことを積極的に報知すると、そのような小当たり種別を引き当てたことに対して遊技者が損をした気分になり、逆効果になる懸念がある。この点、上記のような状況において、有利小当たり結果A2になったことを明示せず、有利小当たり結果A2になったことや時短リミッタ値が再セットされたことを遊技者が認識不可又は認識困難とすることで、遊技者に対して悪い印象を与えることを抑制可能となる。
【3340】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【3341】
第1リミッタ値と第2リミッタ値との複数のリミッタ値を設け、それら複数のリミッタ値のいずれかが設定される構成とした。いずれのリミッタ値が設定されるかにより、時短遊技状態への移行回数を異ならせることができ、延いてはV大当たり遊技の獲得回数(連荘回数)を異ならせることができる。これにより、遊技の多様化を図り、興趣を高めることが可能になる。
【3342】
小当たり結果になった場合の小当たり種別により、複数のリミッタ値のうちのいずれが設定されるかが定まる構成とした。この場合、当否抽選に小当たり結果になることを目指すだけでなく、有利なリミッタ値に対応した小当たり種別(有利小当たり結果A1)を引き当てる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3343】
リミッタ値が設定されている状況で小当たり結果になり、その種別が有利小当たり結果A1、A2になると、新たなリミッタ値が再セットされる構成とした。そのような再セットが行われた場合、リミッタ値までの残りの大当たり回数を増やすことができるため、先のリミッタ値として不利な側のリミッタ値(第2リミッタ値)が設定されたとしても、遊技者がリミッタ値の再セットを目指して遊技することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3344】
第2リミッタ値(不利な側のリミッタ値)に対応する小当たり種別(有利小当たり結果A2)となった場合に、そのときの遊技の状況により遊技回での当たり報知の態様を異ならせるようにした。このように、第2リミッタ値に対応する小当たり種別になった場合の当たり報知の態様を遊技の状況によって使い分けることで、不利な側の第2リミッタ値であっても遊技者にとって嬉しい状況である場合は、遊技回での当たり報知により第2リミッタ値の設定契機の成立を積極的に示唆する一方で、嬉しくない状況の場合は当該設定契機の成立が分かりにくい態様で当たり報知を行うことができる。
【3345】
<変形例4>
上記第5の実施の形態の変形例4について
図318~
図323を参照しながら説明する。ここでは上記第5の実施の形態や上記各変形例との相違点についてのみ説明する。また、
図318~
図323において第5の実施の形態や上記各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3346】
上記第5の実施の形態や各変形例では、時短遊技状態の終了タイミングが複数設けられるが、時短遊技状態であるか否かの判定タイミングが複数設けられるように構成されている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。なお、本変形例における大当たり種別テーブル、小当たり種別テーブル、V大当たり種別テーブルは、上記第5の実施の形態における大当たり種別テーブル(
図252)、小当たり種別テーブル(
図253(a)、(b))、V大当たり種別テーブル(
図253(c))と同様である。
【3347】
<特図遊技回制御処理>
本変形例に係る特図遊技回制御処理について
図318のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、通常処理(
図258)のステップSj403で実行されるものであり、
図259の特図遊技回制御処理に代えて実行されるものである。
図318において
図259と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3348】
ステップSj503で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSj507にて、今回の特図遊技回における変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合は、ステップSj509に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにセットされている変動表示フラグをクリアする。
【3349】
ステップSj6101では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果又は小当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果又は小当たり結果である場合は、ステップSj6102に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。なお、サポートフラグがセットされている場合とは、サポートモードが高頻度サポートモードに設定されている状況(時短遊技状態である状況)で今回の特図当否抽選が行われたことを意味する。
【3350】
サポートフラグがセットされている場合は、ステップSj6103にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているサポートフラグをクリアする。これにより、高頻度サポートモード(時短遊技状態)が終了する。このように本変形例では、特図当否抽選の結果が小当たり結果になった場合、その種別にかかわらず、一律に変動表示の終了タイミングに合わせて高頻度サポートモードを終了させる。
【3351】
ステップSj6103の実行後はステップSj511に進み、変動回数対応の高サポ終了処理を実行する。また、ステップSj6101で否定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が外れ結果である場合)、ステップSj6102で否定判定した場合(サポートフラグがセットされていない場合)は、高頻度サポートモードを継続させるべく、ステップSj6103の処理を実行せずにステップSj511の変動回数対応の高サポ終了処理を実行する。
【3352】
<変動開始処理>
本変形例に係る変動開始処理について
図319のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、変動表示の開始タイミングにて実行されるものであり、
図260の変動開始処理に代えて実行されるものである。
図319において
図260と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3353】
ステップSj607、ステップSj611又はステップSj612の実行後は、ステップSj613にて、高頻度サポートモードでの特図遊技回の回数を更新するための高サポ更新用処理を実行する。続くステップSj6201では、今回の当否抽選結果が有利小当たり結果B又はCであるか否かを判定する。有利小当たり結果B又はCである場合は、ステップSj6202にて当たり回数クリア用処理を実行する。当たり回数クリア用処理の詳細については後述する。
【3354】
ステップSj6202の実行後はステップSj614に進み、変動表示時間の設定処理を実行する。また、ステップSj6201で否定判定した場合(今回の当否抽選結果が有利小当たり結果B、Cのいずれでもない場合)は、ステップSj6202の処理を実行せずにステップSj614の変動表示時間の設定処理を実行する。
【3355】
<V入賞用処理>
本変形例に係るV入賞用処理について
図320のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、タイマ割込み処理(
図255)のステップSj106で実行されるものであり、
図265のV入賞用処理に代えて実行されるものである。
図320において
図265と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3356】
ステップSj1302で肯定判定した場合(V入賞が発生した場合)は、ステップSj1303にてRAM314の各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグをセットする。その後、ステップSj1304にて、演出制御装置143への送信対象としてV入賞コマンドを設定する。続くステップSj6401では当たり回数クリア用処理を実行し、その後、V入賞用処理を終了する。
【3357】
<当たり回数クリア用処理>
ステップSj6202の当たり回数クリア用処理、ステップSj6401の当たり回数クリア用処理について
図321のフローチャートを参照しながら説明する。これらの処理は同一のものである。
【3358】
当たり回数クリア用処理では先ずステップSj6501にて、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにクリア無しフラグがセットされているか否かを判定する。クリア無しフラグは、当たり回数のクリア処理(時短リミッタ値の再セット)を実行すべきでないことをMPU312が把握するためのものである。
【3359】
クリア無しフラグがセットされていない場合は、ステップSj6502に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、V入賞が発生した時点のサポートモードが高頻度サポートモードになっているか否か(遊技状態が時短遊技状態になっているか否か)を判定する。
【3360】
前述のとおり、小当たり結果となった場合はその種別にかかわらず、変動表示の終了タイミングに合わせて時短遊技状態が終了される。また、当たり回数クリア用処理は、変動表示の開始タイミング(ステップSj6202)と、V入賞の発生タイミング(ステップSj6401)とで実行するが、そのうち変動表示の開始タイミングでの当たり回数クリア用処理は、小当たり種別が有利小当たり結果B又はCである場合を対象として実行される(
図319)。
【3361】
このため、小当たり種別が有利小当たり結果B又はCとなり、変動表示の開始タイミングにて当たり回数用処理が実行される場合は、時短遊技状態の終了処理(変動表示の終了タイミング)より前に当たり回数用処理が実行されることになる。その結果、サポートフラグがセットされた状態でステップSj6502の判定を実行することになり、ステップSj6502では肯定判定することになる。
【3362】
この場合はステップSj6503に進み、上記各種フラグ格納エリア314eにクリア無しフラグをセットする。これにより、MPU312において当たり回数のクリア処理(時短リミッタ値の再セット)を実行しないと認識する。
【3363】
一方、V入賞の発生タイミングでの当たり回数クリア用処理は、小当たり種別にかかわらず実行されるが(
図320)、ステップSj6502の判定に先立ってクリア無しフラグがセットされているか否かが判定され(ステップSj6501)、クリア無しフラグがセットされていない場合にのみ、ステップSj6502の判定が実行される。このため、V入賞の発生タイミングでの当たり回数クリア用処理では、小当たり種別が有利小当たり結果Aである場合を対象としてステップSj6502の判定が実行されることになる。
【3364】
この際、サポートフラグがセットされていない状態でステップSj6502の判定を実行することになるため、ステップSj6502では否定判定することになる。この場合はステップSj6504に進み、当たり回数カウンタエリアACの値を「0」にクリアする。これにより、計数されている大当たり回数が0回に初期化され、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が最大値(例えば5回)に再セットされる。
【3365】
ステップSj6505では、演出制御装置143への送信対象として当たり回数クリア用コマンドを設定し、その後、当たり回数クリア用処理を終了する。設定された当たり回数クリア用コマンドは、通常処理(
図258)のステップSj401にて演出制御装置143に送信される。当たり回数クリア用コマンドが送信されることにより、大当たり回数のクリア(時短リミッタ値の再セット)が演出制御装置143に通知される。
【3366】
なお、ステップSj6501で肯定判定した場合(クリア無しフラグがセットされている場合)は、小当たり種別が有利小当たり結果B又はCである状況で、V入賞の発生タイミングでの当たり回数クリア用処理を実行した状態であることを意味する。この場合は、ステップSj6506にて、上記各種フラグ格納エリア314eにセットされているクリア無しフラグをクリアし、その後、当たり回数クリア用処理を終了する。
【3367】
<遊技の流れについて>
本変形例に係るパチンコ機10における遊技の流れについて説明する。先ずは有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cになった場合の流れについて
図322を参照しながら説明する。ここでは、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた当たり回数カウンタエリアACの値が3である状態(残りの大当たり回数が2回の状態)で小当たり結果となった場合を例にとって説明する。
【3368】
RAM314の各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされている状態、すなわち、サポートモードが高頻度サポートモードである状況(時短遊技状態である状況)において、遊技者が右打ちを行って第2作動口63に遊技球が入賞すると、第2特図の遊技回が実行される(タイミングt1、
図322(a)~(c))。この際、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Cが選択されたとする。その結果、図柄表示装置75ではリーチ当たりC演出が実行され、変動表示時間が経過するタイミングt2に合わせて偶数図柄でのゾロ目により当たり報知が行われる(
図322(c)、(i))。
【3369】
また、有利小当たり結果Cである場合、タイミングt1の変動表示開始タイミングにて当たり回数クリア用処理(ステップSj6202)が実行される。この際、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否か(サポートモードが高頻度サポートモードであるか否か)が判定され、その結果に基づいて当たり回数カウンタエリアACをクリアするか否かが判定される(
図321)。当たり回数カウンタエリアACは、時短リミッタ機能においてカウントされる大当たり回数に対応するものであり、MPU312が現在の大当たり回数を把握するためのものである。
【3370】
この時点では上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされた状態となっており、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判定される。この場合は、当たり回数カウンタエリアACをクリアしないとして上記各種フラグ格納エリア314eにクリア無しフラグがセットされ(
図322(g))、当たり回数カウンタエリアACの値が現在の値(3)に維持される(
図322(h))。
【3371】
また、変動表示時間が経過するタイミングt2では、今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果であることに基づいてサポートフラグがクリアされる(
図322(a)、
図318)。これにより、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられ、通常遊技状態(非時短遊技状態)とされる。
【3372】
タイミングt3において確定表示時間が経過すると、小当たり遊技が開始され(
図322(d))、第2可変入賞装置66が開放状態に切り替えられる。このときの小当たり遊技は高振分態様にて行われるため、第2可変入賞装置66に入賞した遊技球は、振分部材66hによりV入賞用領域66fに振り分けられ、検知センサ66mを通過する。これに伴い、上記各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグがセットされ、V入賞の発生となる(タイミングt4、
図322(e))。
【3373】
その後、タイミングt5において小当たり遊技が終了すると、V大当たり遊技が開始される(
図322(f))。これにより、第1可変入賞装置65が開放状態とされ、遊技球を第1可変入賞装置65に入賞させることが可能になる。
【3374】
そして、タイミングt6においてV大当たり遊技が終了すると、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果がV大当たり結果であることに基づき、当たり回数カウンタエリアACの値が1加算され、「4」に変更される(
図322(g))。また、今回の当たり結果が時短遊技状態への移行に対応した当たり結果であり、且つ、更新後の当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値に到達していないことに基づき、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされる(
図322(a))。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに切り替えられ、時短遊技状態に移行する。すなわち、小当たり種別が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cになった場合には、V大当たり遊技の終了後、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が減少した状態で時短遊技状態に移行する。
【3375】
次に有利小当たり結果Aになった場合の流れについて
図323を参照しながら説明する。
【3376】
サポートモードが高頻度サポートモードである状況(時短遊技状態である状況)で第2作動口63に遊技球が入賞すると、第2特図の遊技回が実行される(タイミングt1、
図323(a)~(c))。この際、当否抽選にて小当たり結果となり、その種別として有利小当たり結果Aが選択されたとする。その結果、図柄表示装置75ではリーチ当たりA演出が実行され、変動表示時間が経過するタイミングt2に合わせて7図柄でのゾロ目により当たり報知が行われる(
図323(c)、(i))。
【3377】
また、変動表示時間が経過するタイミングt2では、今回の特図当否抽選の結果が小当たり結果であることに基づいてサポートフラグがクリアされる(
図322(a)、
図318)。これにより、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替えられ、通常遊技状態(非時短遊技状態)とされる。
【3378】
その後、タイミングt3において確定表示時間が経過すると、高振分態様の小当たり遊技が開始される(
図323(d))。そして、その小当たり遊技において遊技球がV入賞用領域66fの検知センサ66mを通過すると、上記各種フラグ格納エリア314eにV入賞フラグがセットされ、V入賞の発生となる(タイミングt4、
図323(e))。
【3379】
タイミングt4のV入賞の発生タイミングでは、当たり回数クリア用処理(ステップSj6401)が実行されるところ、有利小当たり結果Aである場合は、当該当たり回数クリア用処理にてサポートフラグがセットされていないと判定され、当たり回数カウンタエリアACの値がクリアされて初期値(0)に変更される(
図323(h))。これにより、時短リミッタ値が5回に再セットされる。
【3380】
その後、タイミングt5において小当たり遊技が終了すると、V大当たり遊技が開始され(
図323(f))、第1可変入賞装置65が開放状態とされるラウンド遊技が実行される。そして、タイミングt6においてV大当たり遊技が終了すると、今回の大当たり遊技の契機となった大当たり結果がV大当たり結果であることに基づき、当たり回数カウンタエリアACの値が1加算されるが、前述のとおり、V入賞時において当たり回数カウンタエリアACの値が初期値(0)に変更されているため、加算後における当たり回数カウンタエリアACの値は「1」となる(
図323(h))。つまり、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が4回とされた状態になる。
【3381】
また、V大当たり遊技が終了した際には、今回の当たり結果が時短遊技状態への移行に対応した当たり結果であり、且つ、更新後の当たり回数カウンタエリアACの値が時短リミッタ値に到達していないことに基づき、上記各種フラグ格納エリア314eにサポートフラグがセットされる(
図323(a))。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに切り替えられ、時短遊技状態に移行する。
【3382】
このように小当たり種別が有利小当たり結果Aになった場合には、今回のV大当たり遊技を含め、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数として5回が再セットされ、5回分の大当たり遊技が確保される。すなわち、V大当たり遊技の終了後、時短リミッタ値までの残りの大当たり回数が増加した状態で時短遊技状態に移行し、大当たりの連荘回数を増やして更に多くの出玉を獲得することが可能になる。よって、有利小当たり結果Aの方が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cよりも遊技者にとって有利となっている。
【3383】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【3384】
時短遊技状態であるか否かの判定結果により時短リミッタ値を再セットするか否かが振り分けられるとともに、時短遊技状態であるか否かの状態判定を行うタイミングを時短遊技状態の終了タイミングの前後に設ける構成とした。この場合、先のタイミングで状態判定を行った場合は時短遊技状態であるとの判定結果になり、後のタイミングで状態判定を行った場合は時短遊技状態でないとの判定結果になる。すなわち、いずれのタイミングで状態判定を行うかにより時短リミッタ値の再セットの有無を振り分けることができる。これにより、遊技の多様化を図り、興趣を高めることが可能になる。
【3385】
小当たり結果になった場合の小当たり種別により、いずれのタイミングで状態判定を行うかが定まる構成とした。この場合、当否抽選にて小当たり結果になることを目指すだけでなく、有利なタイミングに対応した小当たり種別(有利小当たり結果A)を引き当てる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【3386】
<その他の変形例>
なお、上述した第5の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第5の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第5の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第5の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【3387】
また、理解の容易のため、例えば「第5の実施の形態の変形例1では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施の形態や変形例に対しても適用することが可能である。
【3388】
(1)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、特定状態として第2作動口63への入賞が生じやすくなる時短遊技状態を備えるが、これに代えて又は加えて、大当たりの当選確率が高くなり、通常遊技状態よりも大当たり結果になりやすくなる高確遊技状態を備える構成としてもよい。なお、特定状態は、必ずしも通常遊技状態(所定状態)よりも遊技者にとって有利なものである必要はなく、大当たりの当選確率やサポートモードが通常遊技状態とされたまま、通常遊技状態では設定されない何等かの内部状態が設定されるものでもよい。また、所定状態は必ずしも通常遊技状態である必要はなく、例えば、高確遊技状態と時短遊技状態を有する遊技機であれば、一方を特定状態とし、他方を所定状態とするものであってもよい。
【3389】
(2)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、大当たり種別や小当たり種別により時短遊技状態への移行条件が成立するが、それら以外の事象を契機として時短遊技状態に移行する構成としてもよい。例えば、遊技領域PEや所定入球部の内部に設けられた特定の入球部や特定の通過部に遊技球が入球又は通過することに基づいて時短遊技状態に移行する構成としてもよい。この場合、上記入球又は通過に基づく賞球の払い出しは行われてもよいし、行われなくてもよい。
【3390】
なお、特定の入球部について、開閉機構を備えず、常時開放しているタイプの入球部としてもよいし、開閉機構を備え、遊技球が入球可能又は入球しやすい開状態と、遊技球が入球不可又は開状態よりも入球しにくい閉状態とに切り替わり可能な可変タイプの入球部としてもよい。このことは上記所定入球部についても同様である。
【3391】
また、特定の入球部や通過部が所定入球部内に設けられる構成では、当該所定入球部内に特定の入球部や通過部のみが設けられ、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部や通過部に必ず入球又は通過する構成としてもよいし、所定入球部内に特定の入球部や通過部とは異なる1又は複数の他の入球部や通過部が設けられ、所定入球部に入球した遊技球が振り分けられることにより、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球しなかったり、特定の通過部を通過しなかったりする場合が生じる構成としてもよい。後者の構成では、所定入球部に入球した遊技球が特定の入球部に入球したり、特定の通過部を通過したりすることにより、時短遊技状態への移行契機が成立する一方で、所定入球部に入球した遊技球が上記他の入球部に入球したり、他の通過部を通過したりしても、時短遊技状態への移行契機が成立しない構成とすることができる。
【3392】
上記のほか、当否判定で連続して外れ結果となった回数(いわゆるハマリ回数)が所定回数に到達することで、時短遊技状態に移行するものであってもよいし、特定の外れ結果になることにより時短遊技状態に移行するものであってもよい。これらの場合、大当たり遊技を経由せずに時短遊技状態に移行させるものとするとよい。なお、特定の外れ結果となるか否かの抽選は大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選により行われてもよいし、大当たり乱数カウンタC1を用いた当否抽選により外れ結果となった後、種別抽選用の乱数カウンタを用いた外れ種別抽選により行われてもよい。
【3393】
(3)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、所定特典として大当たり遊技の実行が付与される構成としたが、通常の演出モードでは見ることができない特殊な演出が行われたり、特殊なキャラクタ等が登場したりする特定の演出モードへの移行が行われるものであってもよい。また、通常遊技状態では行われない特殊な抽選が行われる状態への移行が行われるものであってもよい。これらの場合、特殊な演出等を見ることができたり、特殊な抽選が受けられたりする点で遊技者にとって有利な状態となる。
【3394】
なお、特殊な抽選の一例としてはポイント抽選が考えられる。当該ポイント抽選にて付与されたポイントやその合計数により時短遊技状態や高確遊技状態、開閉実行モードに移行したりする構成としてもよい。また、特殊な演出(例えばキャラクタの衣装等)が解放されたり、パチンコ機10に関する開発秘話が表示されたりしてもよい。
【3395】
(4)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、小当たり遊技にてV入賞が発生することを契機としてV大当たり遊技に移行するが、V大当たり遊技への移行契機はV入賞の発生とは異なるものであってもよい。例えば、当否抽選の結果が所定結果(小当たり結果であってもよいし、他の結果であってもよい)となることにより、他の所定抽選が有効化される状態に移行し、その状態で当該所定抽選により特定結果を引き当てることにより大当たり遊技が実行されてもよい。
【3396】
(5)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、時短リミッタ値の再セットの有無により価値を異ならせるものとしたが、大当たり遊技の終了後に移行する時短遊技状態での時短回数の大小や時短遊技状態への移行有無により価値を異ならせるものであってもよい。例えば、第5の実施の形態において状態判定時(
図272のステップSj2201)での判定結果が時短中(サポートフラグのセット有り)の場合は、大当たり遊技の終了後に移行する時短遊技状態の時短回数が第1回数(例えば10回)に設定され、上記判定結果が非時短中(サポートフラグのセット無し)の場合は時短回数が上記第1回数とは異なる第2回数(例えば20回)に設定される構成としてもよい。
【3397】
また、大当たり遊技の有利度合いの違いにより価値を異ならせてもよい。例えば、上記判定結果が時短中の場合は大当たり遊技の総ラウンド数が第1ラウンド数(例えば5ラウンド)に設定され、上記判定結果が非時短中の場合は総ラウンド数が上記第1ラウンド数とは異なる第2ラウンド数(例えば10ラウンド)に設定される構成としてもよい。
【3398】
(6)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、状態判定時に非時短中の場合に時短リミッタ値が再セットされ、状態判定時に時短中の場合に再セットされない構成としたが、前者の場合に時短リミッタ値が再セットされず、後者の場合に再セットされる構成としてもよい。すなわち、状態判定時に非時短中の場合よりも時短中の場合の方が遊技者にとって有利な構成としてもよい。
【3399】
(7)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、有利小当たり結果B、Cになった場合に時短リミッタ値の再セットが実行されない構成としたが、有利小当たり結果B、Cになった場合に上記再セットが実行可能とされつつ、有利小当たり結果Aになった場合よりも実行されにくい(実行確率が低い)構成としてもよい。
【3400】
(8)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、時短リミッタ値の再セットの有無が遊技回での当たり報知での図柄により明示される構成としたが、明示するものでなくてもよい。例えば、上記再セットが行われる場合でも7図柄以外の図柄により当たり報知がされ得る構成とし、7図柄により当たり報知が行われた場合の方が7図柄以外の図柄により当たり報知が行われた場合よりも再セットの期待値が高くなる構成としてもよい。
【3401】
また、V入賞が発生した場合のV入賞報知の態様(V入賞の文字色やエフェクトの有無等)により、上記再セットの明示又は示唆が行われる構成としてもよい。
【3402】
(9)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、時短リミッタ値の再セットの有無を明示又は示唆する報知が図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、上乗せ報知画像962や終了報知画像963等の他の報知についても同様である。
【3403】
(10)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、有利小当たりAの場合の時短リミッタ値(5回)が2R大当たり結果Aの場合の時短リミッタ値(5回)と同じ値になるようにしたが、異なる値になるようにしてもよい。
【3404】
例えば、前者のリミッタ値を後者のリミッタ値よりも多くなるようにしてもよい。この場合、時短遊技状態(右打ち遊技により第2特図の当否抽選を受けて遊技できる状態)の優位性を高めることができ、当該遊技を際立たせるうえで有効となる。
【3405】
また、前者のリミッタ値を後者のリミッタ値よりも少なくしてもよい。この場合、時短リミッタ値の1回の再セットにおける残り大当たり回数の上乗せ分が少なく抑えられ、その結果、時短遊技状態(時短リミッタ値の再セットが繰り返され得る状態)にて許容される再セットの発生確率(有利小当たり結果Aの振り分け確率)を高めることができ、上記再セットを遊技者が体験しやすい構成とすることができる。
【3406】
(11)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、時短遊技状態での当たり回数(大当たり及びV大当たりの回数)を計数(更新)し、その結果が上限数に到達した場合に時短遊技状態への移行を制限するが、遊技状態にかかわらず当たり回数を計数し、その結果に基づいて上記制限を行う構成としてもよい。例えば、遊技機の電源オンからの当たり回数を計数するものであってもよいし、所定の当たり(例えば、時短遊技状態への移行に対応する種別となった当たり)への当選回数を計数するものであってもよい。
【3407】
(12)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、時短リミッタを発動させるリミッタ条件(リミッタ値)が大当たり回数により規定されるが、大当たり回数以外の要素により規定されるものであってもよい。例えば、時短遊技状態中の外れ回数が所定回数以上になると、大当たり結果や小当たり結果になったときの種別にかかわらず、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が通常遊技状態とされるなど、時短遊技状態中の外れ回数によりリミッタ条件が規定されたりしてもよい。
【3408】
なお、複数のリミッタ値を設定可能な変形例3においては、一のリミッタ値が大当たり回数により規定され、他の一のリミッタ値が外れ回数により規定されるなど、リミッタ値によって、リミッタ条件を規定する要素が異なる構成としてもよい。
【3409】
(13)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、有利小当たり結果B、Cに対応する小当たり遊技でパンクを生じさせると時短遊技状態が終了する構成とすることで、V入賞の発生を意図的に回避する攻略行為の抑止を図るが、これに代えて又は加えて次の構成としてもよい。発射された遊技球が第2可変入賞装置66に到達するまでの流路の構造により、時短リミッタ値の再セットの有無を示唆する報知(第5の実施の形態では7図柄のゾロ目の停止表示による当たり報知)を見てから遊技者が遊技球の発射を止めてもV入賞の回避に間に合わないようにし、それによって、上記攻略行為への対策を行う構成とする。具体的には、発射された遊技球が第2可変入賞装置66に到達するまでの移動期間が、時短リミッタ値の再セットの有無を示唆する報知(第5の実施の形態では7図柄のゾロ目の停止表示による当たり報知)の開始から小当たり遊技の開始(第2可変入賞装置66の開放開始)までの第1期間よりも長く、上記報知の開始から小当たり遊技の終了(第2可変入賞装置66の開放終了)までの第2期間よりも短くなるように上記流路が形成される構成とすることが考えられる。
【3410】
(14)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、当否抽選とは別の種別抽選により大当たり種別や小当たり種別を抽選するが、当否抽選により大当たり種別や小当たり種別を抽選する構成としてもよい。すなわち、大当たり乱数カウンタC1を用いて大当たり種別や小当たり種別を抽選してもよい。
【3411】
(15)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、時短リミッタ値の再セットの有無を示唆する報知(図柄列Z1~Z3による当たり報知)を遊技回にて実行するが、遊技回ではそのような報知を実行せず、大当たり遊技にて実行する構成としてもよい。この場合、時短遊技状態であるか否かの状態判定は、大当たり遊技より前に実行してもよいし、大当たり遊技中に実行してもよい。但し、大当たり遊技中は、第1可変入賞装置65の開閉制御を行う必要があるとともに、多量の遊技球が払い出され、そのための制御も必要となるため、制御上の処理負荷が大きくなる。この点を踏まえると、時短遊技状態であるか否かの状態判定を大当たり遊技より前に実行するのが好ましい。
【3412】
(16)上記第5の実施の形態及びその各変形例では、第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置66とを備え、V入賞用領域66fが設けられない可変入賞装置とV入賞用領域66fが設けられる可変入賞装置とを各別に有するが、V入賞用領域66fが設けられる可変入賞装置(第2可変入賞装置66)のみを有する構成としてもよい。この場合、大当たり遊技中はV入賞の発生を無効化し、大当たり遊技中でのV入賞用領域66fの遊技球通過が次の大当たり遊技の実行契機にならない構成とするとよい。
【3413】
(17)上記第5の実施の形態及びその各変形例において、V入賞用領域66fを有する可変入賞装置を複数設け、有利小当たり結果Aの場合の小当たり遊技では、それら複数の可変入賞装置のうちの1つ(可変入賞装置A)にて開閉制御が実行され、有利小当たりB、Cの場合の小当たり遊技では、上記複数の可変入賞装置のうちの他の1つ(可変入賞装置B)にて開閉制御が実行される構成としてもよい。この場合、当たり報知のときの図柄の種別だけでなく、開閉制御がなされる可変入賞装置によっても区別が行われるため、時短リミッタ値の再セットに対応する小当たり種別(有利小当たり結果A)になったか否かをより分かりやすくすることができる。
【3414】
上記の場合において、可変入賞装置Aが開閉制御される場合と可変入賞装置Bが開閉制御される場合とで遊技球の入球しやすさが異なる構成としてもよい。例えば、可変入賞装置Aが開閉制御される場合において、その開放上限時間を可変入賞装置Bの場合よりも長くし、遊技球の入賞が発生しやすい構成とすることで、時短リミッタ値の再セットに対応する小当たり遊技の実行時においてV入賞を発生しやすくすることができる。
【3415】
なお、有利小当たり結果Aの場合の小当たり遊技と有利小当たりB、Cの場合の小当たり遊技とで遊技球の入球しやすさを異ならせる構成は、V入賞用領域66fを有する可変入賞装置が1個の場合にも適用可能である。例えば、小当たり遊技時の第2可変入賞装置66の開放上限時間について有利小当たりB、Cの場合よりも有利小当たり結果Aの場合の方が長い構成とすることができる。
【3416】
(18)上記第5の実施の形態及びその各変形例において、時短遊技状態である状況で点灯し、時短遊技状態でない状況で消灯する時短ランプを設け、時短遊技状態の終了を遊技者が視覚的に認識できる構成としてもよい。これにより、時短遊技状態がいずれのタイミングで終了するかへの遊技者の関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。なお、時短ランプに代えて、時短遊技状態への滞在中に対応する特定画像(時短マーク等)が図柄表示装置75に表示され、この特定画像の表示の有無が時短遊技状態の有無に応じて切り換えられる構成としてもよい。
【3417】
(19)上記第5の実施の形態では、時短遊技状態の終了に関する複数のタイミングとして変動表示の終了タイミングとV入賞の発生タイミングとが設定されるが、これに限定されるものではなく、変動表示の開始タイミングから大当たり遊技の終了タイミングまでの期間における任意の2タイミングとすることができる。例えば、有利小当たり結果Aの場合は小当たり遊技の開始タイミングにて時短遊技状態の終了処理が実行され、有利小当たり結果B、Cの場合は小当たり遊技の終了タイミング(エンディングの開始時又は終了時)にて時短遊技状態の終了処理が実行されるものとし、時短遊技状態であるか否かの状態判定がV入賞発生時に実行される構成とすることができる。このことは変形例1~3においても同様である。
【3418】
(20)上記第5の実施の形態では、小当たり種別により時短遊技状態の終了タイミング(時短リミッタ値の再セットの有無)が異なる構成としたが、小当たり種別とは別の抽選により上記終了タイミングの振り分けが行われる構成としてもよい。また、少なくとも第1通過部及び第2通過部を有する複数の通過部を備え、遊技球が第1通過部を通過した場合は第1タイミングで時短遊技状態が終了し、遊技球が第2通過部を通過した場合は第1タイミングとは異なる第2タイミングで時短遊技状態が終了する構成としてもよい。
【3419】
(21)上記第5の実施の形態では、有利小当たり結果B、Cの小当たり遊技にてパンクが発生すると、時短遊技状態が終了する一方で、有利小当たり結果Aの小当たり遊技にてパンクが発生しても時短遊技状態が終了しない構成としたが、小当たり種別にかかわらず小当たり遊技にてパンクが発生すると、時短遊技状態が終了する構成としてもよい。
【3420】
また、有利小当たり結果Aの小当たり遊技にてパンクが発生すると、時短遊技状態が終了する一方で、有利小当たり結果B、Cの小当たり遊技にてパンクが発生しても時短遊技状態が終了しない構成としてもよい。
【3421】
(22)上記第5の実施の形態では、終了報知画像963を図柄列Z1~Z3の手前側に表示するが、奥側に表示してもよい。また、図柄列Z1~Z3と重ならない位置に表示してもよい。なお、終了報知画像963は必ずしも図柄列Z1~Z3と同一の表示画面上に表示される必要はなく、他の表示部に表示されてもよい。但し、遊技者が終了報知画像963に気付きやすくする上では、図柄列Z1~Z3と同一の表示画面上に表示することが好ましい。
【3422】
(23)上記第5の実施の形態では、第2作動口63への入賞に基づいて継続報知画像964を終了させるが、第2作動口63への入賞後も継続報知画像964の表示が継続される構成としてもよい。その場合、終了報知画像963と同様に図柄列Z1~Z3の手前側に継続報知画像964を表示してもよいし、図柄列Z1~Z3の奥側に継続報知画像964を表示してもよい。
【3423】
(24)上記第5の実施の形態及び変形例1では、いわゆる1種2種混合機のパチンコ機としたが、始動入賞に基づく当否抽選にて大当たり結果となることにより大当たり遊技への移行が行われつつ、V入賞の発生を契機とする大当たり遊技への移行機能を備えないいわゆる1種タイプのパチンコ機としてもよい。この場合、大当たり種別により時短遊技状態の終了タイミングが異なり、その結果によって時短リミッタ値の再セットの有無が振り分けられる構成とすることができる。例えば、大当たり当選した場合において大当たり種別が大当たり結果Aになった場合に、変動開始時(当否判定より後)に時短遊技状態の終了処理(サポートフラグのクリア)が実行され、大当たり種別が大当たり結果Bになった場合に、変動終了時に時短遊技状態の終了処理が実行されるものとし、時短遊技状態であるか否かの状態判定が変動終了時(時短遊技状態の終了処理より前)に実行される構成とするとよい。大当たり結果Aの場合は、状態判定時にて非時短中となり、時短リミッタ値の再セットが実行され、大当たり種別Bの場合は、状態判定時にて非時短中となり、時短リミッタ値の再セットが実行されない構成とすることができる。
【3424】
(25)上記第5の実施の形態の変形例1では、回避用画像971と小当たり中報知画像972の両方が表示されるが、これらのうちの一方のみを表示する構成としてもよい。
【3425】
(26)上記第5の実施の形態の変形例1では、時短遊技状態Aの終了条件を時短回数100回(特図遊技回の実行回数が100回)のみとし、小当たりに関する要件を含まないようにすることで、小当たり遊技の回数に制限を設けずに、有利小当たり結果Aの場合を狙ってV入賞を発生させる遊技を許容する構成としたが、例えば、上記終了条件を時短回数100回又は小当たり当選が30回のいずれかの成立とすることで、小当たり遊技の回数に一定の制限を設けて上記遊技を許容する構成としてもよい。
【3426】
(27)上記第5の実施の形態の変形例1では、時短遊技状態A、B(有利小当たり結果Aの場合を狙ってV入賞を生じさせる遊技が許容される時短遊技状態)にて有利小当たり結果B、Cになった場合の小当たり遊技が高振分態様で実行されるが、低振分態様で実行される構成としてもよい。この場合、遊技者が強く意識しなくても小当たり遊技でのパンクが生じやすくなり、V入賞を回避しやすくすることが可能になる。また、上記小当たり遊技を第2可変入賞装置66への入賞が不可又は有利小当たり結果Aになった場合よりも当該入賞が生じにくい態様で実行する構成としてもよい。
【3427】
(28)上記第5の実施の形態の変形例2では、いわゆる1種2種混合機のパチンコ機としたが、いわゆる1種タイプのパチンコ機としてもよい。例えば、大当たり種別として大当たり結果Aと大当たり結果Bを含む複数の結果を有し、時短遊技状態中の大当たり当選では大当たり結果Aになった場合のみに時短リミッタ値が再セットされ、残り保留の遊技回での大当たり当選では大当たり結果Aと大当たり結果Bのいずれの場合も時短リミッタ値が再セットされる構成とするとよい。
【3428】
(29)上記第5の実施の形態の変形例2では、時短遊技状態中の小当たり当選では特定の小当たり種別(有利小当たり結果A)を対象として時短リミッタ値が再セットされ、時短遊技状態の終了後における残り保留の遊技回での小当たり当選では小当たり種別を問わず時短リミッタ値が再セットされる構成としたが、これを逆としてもよい。すなわち、時短遊技状態中の小当たり当選では小当たり種別を問わず時短リミッタ値が再セットされ、時短遊技状態の終了後における残り保留の遊技回での小当たり当選では特定の小当たり種別を対象として時短リミッタ値が再セットされる構成としてもよい。
【3429】
(30)上記第5の実施の形態の変形例2では、第2特図の保留記憶の上限数を2個としたが、1個としてもよいし、3個以上としてもよい。
【3430】
(31)上記第5の実施の形態の変形例2において、第1移行契機の成立に基づいて移行する時短遊技状態aと、第2移行契機の成立に基づいて移行する時短遊技状態bとを有し、それら時短遊技状態aの時短回数が時短遊技状態bの時短回数より多い構成としてもよい。この場合、時短遊技状態aは、時短遊技状態aの中で大当たり結果や小当たり結果になりやすい一方、時短遊技状態bは、大当たり結果や小当たり結果にならないまま時短遊技状態が終了しやすく、時短遊技状態後の遊技が行われやすくなる。
【3431】
上記の際、時短遊技状態aの時短回数は第2特図の保留記憶の上限数(2個)より多く、時短遊技状態bの時短回数は第2特図の保留記憶の上限数より少ない構成としてもよい。
【3432】
(32)上記第5の実施の形態の変形例2では、時短遊技状態中に小当たり結果になった場合と、時短遊技状態の終了後、残り保留の遊技回にて小当たり結果になった場合とで有利度合いに差異が生じる構成を対象として残り保留についての保留予告(先読み報知)を所定の状況で制限する構成としたが、時短遊技状態中に小当たり結果になった場合と、時短遊技状態の終了後、残り保留の遊技回にて小当たり結果になった場合とで有利度合いに差異が生じない構成を対象として残り保留についての保留予告を制限してもよい。例えば、時短遊技状態中の遊技回にてSPリーチ演出等の上位演出が実行されている状況で残り保留の保留情報についての保留予告を行うと当該報知に遊技者の意識が向き、上位演出を行っているにもかかわらず、時短遊技状態中の遊技回への注目度が低下するおそれがある。このような場合に残り保留についての保留予告を制限することで、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
【3433】
(33)上記第5の実施の形態の変形例2において、残り保留についての保留予告の実行を全面的に制限する構成としてもよい。すなわち、時短遊技状態中の遊技回の当否結果や当該遊技回に対応する保留情報についての保留予告の有無にかかわらず、残り保留についての保留予告を制限してもよい。
【3434】
(34)上記第5の実施の形態の変形例2において、複数の時短遊技状態を備え、それら時短遊技状態の種別により、残り保留についての保留予告の制限の有無を異ならせる構成としてもよい。例えば、第1移行契機の成立に基づいて移行する時短遊技状態Aと、第2移行契機の成立に基づいて移行する時短遊技状態Bとを有し、時短遊技状態Aでは残り保留の保留情報についての保留予告を制限し、時短遊技状態Bでは残り保留の保留情報についての保留予告を許容する構成としてもよい。
【3435】
上記の場合において、時短遊技状態の種別を遊技者が認識することが可能な所定報知を実行してもよい。例えば、時短遊技状態Aの開始時又は実行中において第1報知を実行し、時短遊技状態Bの開始時又は実行中において上記第1報知とは異なる第2報知を実行する。これらの報知は図柄表示装置75にて行ってもよいし、他の報知部にて行ってもよい。
【3436】
また、上記のような報知を行わず、滞在している時短遊技状態の種別を遊技者に予測させる構成としてもよい。
【3437】
(35)上記第5の実施の形態の変形例2では、保留予告が行われる場合の保留用画像の特定表示態様として青色表示態様HMbの1種類を備える構成としたが、当該特定表示態様として2種類以上の態様を備える構成としてもよい。この場合、残り保留の保留情報についての保留予告に関し、特定表示態様における複数の態様のうち所定の態様での保留予告を制限し、他の態様での保留予告を許容する構成としてもよい。例えば、特定表示態様として、下位態様(大当たり等の期待度が相対的に低い態様)の青色表示態様と、上位態様(大当たり等の期待度が相対的に高い態様)の赤色表示態様とを有し、残り保留の保留情報についての保留予告として赤色表示態様での実施を制限し、青色表示態様での実施を許容する構成とすることができる。
【3438】
(36)上記第5の実施の形態の変形例2では、保留予告として保留用画像を特定表示態様で表示する演出を実行するが、これに代えて又は加えて連続予告演出による保留予告を実行してもよい。
【3439】
ここで、連続予告演出について
図324を参照しながら説明する。連続予告演出では、取得された保留情報について小当たり結果等の所定の先読み結果が得られた場合、その保留情報に対応する遊技回と、それよりも前に実行される遊技回とからなる複数の遊技回に亘って所定の予告用絵柄を表示する。
【3440】
具体的には、所定の遊技回の実行中に保留情報(対象保留)が取得され、この保留情報について有利小当たり結果Aの先読み結果が得られた場合(
図324(a))、その次の遊技回の変動表示の開始タイミングにて所定の予告用絵柄としての泡画像を表示し(
図324(b))、その次の遊技回である対象保留の遊技回の変動表示の開始タイミングでも泡画像を表示する(
図324(c))。このように遊技回中の所定タイミングにて予告用絵柄が表示される演出を遊技回単位で繰り返すことにより、小当たり結果等に当選する遊技回が到来することを事前に示唆する。
【3441】
第5の実施の形態の変形例2で説明した保留予告(保留用画像を特定表示態様で表示する演出)は、いずれの保留情報が契機となって保留予告が開始されたかを明示するのに対し、上記連続予告演出は、いずれの保留情報が契機となって保留予告が開始されたかを明示しないものとなっている。
【3442】
そして、上記第5の実施の形態の変形例2において、保留予告の契機となった保留情報を明示する明示タイプの保留予告と、保留予告の契機となった保留情報を明示しない非明示タイプの保留予告との両方の実行機能を備える場合、残り保留の保留情報についての保留予告に関して、明示タイプの保留予告での実行を制限し、非明示タイプの保留予告での実行を許容する構成としてもよい。残り保留の保留情報について、いずれの保留情報が対象であるかが明確化された上で保留予告が実行されると、上記変形例2で述べた不都合が生じやすくなるところ、明示タイプの保留予告の実行を制限することで、当該不都合の発生を抑制できる。その一方で、明示タイプに比べれば、そのような不都合が緩和されやすい非明示タイプの保留予告については、その実行を許容することで、残り保留の保留情報について保留予告を実行する機会を一定程度確保することができる。このように明示タイプ及び非明示タイプの各特性を踏まえ、残り保留の保留情報についての保留予告の制限の有無を使い分けることで、保留予告が遊技の妨げになることを抑制しつつ、残り保留の保留情報についての保留予告の機会が過度に制限されることを抑制できる。
【3443】
なお、連続予告演出は、上記のように所定の予告絵柄を表示させるものに限らず、対象保留の遊技回よりも前の遊技回における図柄列Z1~Z3の停止結果を利用して行うものであってもよい。具体的には、
図324(e)に示すように、有効ライン上に大当たり結果に対応する図柄の組合せが形成されず、且つ、表示画面(停止表示領域)内において同一の図柄が全ての図柄列Z1~Z3で停止表示される態様(チャンス目)により図柄列Z1~Z3を停止表示させることで、保留予告を行うものであってもよい。
【3444】
(37)上記第5の実施の形態の変形例3では、いわゆる1種2種混合機のパチンコ機としたが、いわゆる1種タイプのパチンコ機としてもよい。例えば、大当たり種別として大当たり結果Aと大当たり結果Bを含む複数の結果を有し、大当たり結果Aになると第1リミッタ値が再セットされ、大当たり結果Bになると第2リミッタ値が再セットされ、他の大当たり結果になると時短リミッタ値が再セットされない構成とするとよい。
【3445】
(38)上記第5の実施の形態の変形例3では、第1リミッタ値として5回の大当たり回数が設定される一方、第2リミッタ値として4回の大当たり回数が設定され、両者の差分が1回とされる構成としたが、例えば、第1リミッタ値を5回としつつ、第2リミッタ値を3回とするなど、両者の差分が2回以上とされる構成としてもよい。この場合、例えば、第1リミッタ値が設定された次の大当たりで第2リミッタ値が設定されるなど、第2リミッタ値の設定タイミングによっては、残り大当たり回数が減少する場合が生じ得る。これにより、そのような減少が生じるかもしれないスリルを味合わせながら、残り大当たり回数の増加を目指す遊技を楽しませることができ、時短遊技状態の興趣性を好適に高めることが可能になる。
【3446】
上記の際、残りの大当たり回数をそのまま報知(報知画像961)に反映させてもよいが、第2リミッタ値側の回数をベースとする報知を行うようにしてもよい。具体的には、時短リミッタ値が設定された場合において、設定されたリミッタ値が第1リミッタ値(5回)と第2リミッタ値(3回)のいずれであっても「残り3回」である旨を報知する。その後、報知上の残り回数が0回となった場合に、実際の残り分を参照し、1回以上残っていれば、残りの大当たり回数の上乗せ演出等を行ったうえで、上記残り分を報知に反映させる。その際、上記残り分が3回以下である場合は当該残り分に対応する回数を報知し、4回以上である場合は「残り3回」である旨を報知する。このような構成とすることで、残りの大当たり回数が減少した場合でも、それを遊技者に悟られにくくできるばかりか、上乗せ報知の頻度を高めることができ、残りの大当たり回数が増えやすい印象を与えることが可能になる。
【3447】
(39)上記第5の実施の形態の変形例3では、有利小当たり結果A1となってV入賞した場合と有利小当たり結果A2となってV入賞した場合とで、V大当たり遊技が行われるラウンド数を等しくしたが、異ならせてもよい。その際、有利小当たり結果A1の場合のV大当たり遊技の方がラウンド数を多くすることで、有利小当たり結果A1になった場合の優位性を際立たせることができる。一方、有利小当たり結果A2の場合のV大当たり遊技の方がラウンド数を多くすることで、有利小当たり結果A1の場合に比べて時短リミッタ値の有利度合いが低いことをラウンド数でカバーすることができ、両者のバランスを取ることが可能になる。
【3448】
(40)上記第5の実施の形態の変形例3では、残り大当たり回数が増える状況で有利小当たり結果A2に当選した場合に3図柄による当たり報知を実行し、有利小当たり結果A2への当選や残り大当たり回数の上乗せ(増加)を遊技者が認識可能とする一方、残り大当たり回数が増えない状況で有利小当たり結果A2に当選した場合に7図柄及び3図柄以外の奇数図柄による当たり報知を実行し、有利小当たり結果A2への当選等が生じたことを遊技者が認識不可とする構成としたが、残り大当たり回数が増えない状況で有利小当たり結果A2に当選した場合において、有利小当たり結果A2への当選等が生じたことを遊技者が認識可能でありながらも、残り大当たり回数が増える場合よりも当該当選の発生を認識しにくい構成としてもよい。具体的には、残り大当たり回数が増える場合は、3図柄による当たり報知とともに残り大当たり回数の報知等の特定表示を実行する一方、残り大当たり回数が増えない場合は、3図柄による当たり報知を実行しながらも上記特定表示を実行しない構成としたり、残り大当たり回数が増える場合は、3図柄による当たり報知を相対的に大きい表示サイズで行う一方、残り大当たり回数が増えない場合は3図柄による当たり報知を小さい表示サイズで行う構成としたりすることが考えられる。
【3449】
(41)上記第5の実施の形態の変形例4では、いわゆる1種2種混合機のパチンコ機としたが、いわゆる1種タイプのパチンコ機としてもよい。例えば、大当たり種別として大当たり結果Aと大当たり結果Bを含む複数の結果を有し、大当たり結果Aになった場合は、時短遊技状態であるか否かの状態判定が第1タイミングで行われるとともに、大当たり結果Bになった場合は上記状態判定が上記第1タイミングとは異なる第2タイミングで行われ、それら第1タイミングと第2タイミングとの間に時短遊技状態の終了タイミングが設定される構成とするとよい。
【3450】
(42)上記第5の実施の形態の変形例4では、時短遊技状態であるか否かの状態判定の実行に関する複数のタイミングとして変動表示の開始タイミングとV入賞の発生タイミングとが設定されるが、これに限定されるものではなく、変動表示の開始タイミングから大当たり遊技の終了タイミングまでの期間における任意の2タイミングとすることができる。例えば、有利小当たり結果Aの場合は変動表示中の所定タイミングにて上記状態判定が実行され、有利小当たり結果B、Cの場合は小当たり遊技の終了タイミング(エンディングの開始時又は終了時)にて上記状態判定が実行されるものとし、変動表示の終了タイミングにて時短遊技状態の終了処理が実行される構成とすることができる。
【3451】
(43)上記第5の実施の形態の変形例4では、有利小当たり結果に当選したときの小当たり種別により、時短遊技状態であるか否かの状態判定のタイミングが異なる構成としたが、これに代えて又は加えて、小当たり種別とは別の要素により上記状態判定のタイミングが異なる構成としてもよい。
【3452】
例えば、変形例1のように複数種類の時短遊技状態を備え、有利小当たり結果の当選時に滞在している時短遊技状態により上記状態判定のタイミングが異なる構成としてもよい。具体的には、時短遊技状態B(6RV大当たり結果Aとなったことを契機として移行する時短遊技状態)で有利小当たり結果に当選した場合は変動表示の開始タイミングにて上記状態判定が行われ、時短遊技状態C(6RV大当たり結果Bとなったことを契機として移行する時短遊技状態)で有利小当たり結果に当選した場合はV入賞の発生タイミングにて上記状態判定が行われる構成とすることができる。
【3453】
また、小当たり種別の抽選とは別に所定の抽選処理を実行し、その結果に基づいて上記状態判定のタイミングを設定する構成としてもよい。例えば、上記所定の抽選処理の結果が第1結果である場合は変動表示の開始タイミングにて上記状態判定が行われ、上記所定の抽選処理の結果が上記第1結果とは異なる第2結果である場合はV入賞の発生タイミングにて上記状態判定が行われる構成とすることができる。
【3454】
(44)上記第5の実施の形態の変形例4では、ステップSj6201で今回の小当たり結果が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cであると判定した場合に、ステップSj6202の当たり回数クリア用処理を実行し、その当たり回数クリア用処理においてサポートフラグがセットされているか否かの判定を行う構成としたが、サポートフラグの有無判定を省略してもよい。すなわち、ステップSj6201で今回の小当たり結果が有利小当たり結果B又は有利小当たり結果Cであると判定した場合に、その判定結果に基づいて当たり回数カウンタエリアACの値をクリアしない(残り大当たり回数の再セットを実行しない)旨を認識する構成としてもよい。この場合、ステップSj6201の判定処理が実質的に時短遊技状態であるか否かの状態判定として機能することになる。
【3455】
(45)上記第5の実施の形態や各変形例において、普電役物63aに代えて、
図325に示す普電役物980を備える構成としてもよい。普電役物980は、遊技盤60の前面部から前方に膨出する膨出部981を備えている。膨出部981の前面部981aは、遊技機前後方向においてガラスパネル23と対向しており、上記前面部981aとガラスパネル23との距離は遊技球の直径よりも小さく設定されている。これにより、膨出部981の前方を遊技球が通過することが防止されている。
【3456】
膨出部981には、上方に開口するようにして遊技球が入球可能な第2作動口63が形成されており、この第2作動口63を上方から覆うようにして可動体としてのシャッタ982が配置されている。シャッタ982は、平板状をなしており、遊技盤60の厚み方向(前後方向)へのスライド移動が可能な状態で保持されている。つまり、シャッタ982は、遊技盤60の前面部から前方に突出する突出位置(前進位置)と、突出位置から後方に退避し、遊技機前方への突出量が抑えられた退避位置(後退位置)とに変位可能となっている。
【3457】
図325(a)に示すように、シャッタ982が突出位置に位置する場合には、シャッタ982により第2作動口63が上方から覆われる。これにより、第2作動口63(普電役物980)が閉鎖状態となり、右ルートを流下する遊技球が第2作動口63の上方領域に到達しても当該作動口63に入賞できない状態となる。シャッタ982の高さ位置は、当該シャッタ982が突出位置に位置する際、その上面部982aが膨出部981の上面部981bと略面一となるように設定されている。
【3458】
図示を省略しているが、膨出部981の右側には、右ルートを流下する遊技球を膨出部981の上面部981b上に案内する釘等の案内部が設けられている。このため、第2作動口63が閉鎖状態にある状況で普電役物980に到達した遊技球は、膨出部981の上面部981bに載った後、シャッタ982の上面部982aに受けられる。また、シャッタ982の上面部982の上方から流下し、膨出部981の上面部981bを介することなく、シャッタ982の上面部982に直接受けられる遊技球もある。そして、シャッタ982の上面部982aに受けられた遊技球は、
図325(b)に示すように、右側から左側に移動するようにして当該上面部982a上を転動する。
【3459】
なお、図示の構成では、閉鎖状態である場合に第2作動口63への遊技球の入賞を不可とする構成としているが、後述する開放状態に比べて入賞しにくい範囲で入賞可能となる構成であってもよい。
【3460】
図325(c)に示すように、シャッタ982が退避位置に位置する場合には、第2作動口63の上方からシャッタ982が退避し、第2作動口63が上方に開放される。これにより、第2作動口63が開放状態となり、第2作動口63の上方領域の遊技球が当該作動口63に入賞可能となる。シャッタ982の位置が突出位置から退避位置に切り換わる際、シャッタ982の上面部982a上に遊技球が載っていた場合には、それらの遊技球は、シャッタ982の後退に伴って下方に落下し、第2作動口63に入賞する。
【3461】
図325(a)に示すように、シャッタ982の上面部982aには、上方に突出する複数の突出部983が設けられている。これら突出部983は、上面部982aの前端部に配置され、遊技機左右方向に所定の間隔を隔てて並べられる。また、遊技盤60の前面部には、上記突出部983に対応して前方に突出する複数の突出部984が設けられている。突出部984は、遊技機左右方向において突出部983と互い違いとなるように配置されており、これら突出部983、984によりシャッタ982の上面部982aには蛇行ルートが形成されている。このため、シャッタ982の上面部982aに受けられた遊技球は、突出部983、984との衝突によりその移動速度が減速されつつ、蛇行して進むことで、上面部982a上での滞在期間が長期化される。つまり、突出部983、984によって、遊技球を上面部982a上に滞留させることが可能な滞留手段又は遊技球の移動速度を減速させる減速手段が構成されている。
【3462】
なお、滞留手段又は減速手段は、上記のように遊技球を蛇行させるものに限られず、例えば、前後方向に延び且つ上方に突出する複数の突条をシャッタ982の上面部982a上に設けるなど、他の構成であってもよい。
【3463】
また、複数の突出部983は、シャッタ982の上面部982aに代えて、膨出部981の前面部981aに設けた前カバー部(又は前側装飾体)に形成してもよい。具体的には、その横方向寸法が少なくともシャッタ982の横方向寸法よりも長い板状の前カバー部を膨出部981の前面部981aに一体又は別体に設け、当該前カバー部の上端部がシャッタ982の上面部982aよりも上方に位置するようにする。この際、前カバー部は、遊技機前方からシャッタ982の少なくとも一部が視認できるように、詳しくは、遊技者がシャッタ982の開閉を認識し得る程度にシャッタ982を視認できるように、前カバー部の少なくとも一部を有色又は無色透明な透光部とする。そして、シャッタ982の上面部982aよりも上方において、前カバー部の内側面(突出部984との対向面)に、遊技盤60側に突出させるようにして上記突出部983を形成する。この場合、各突出部983は、遊技盤60側の突出部984と同様に上下方向に延在させるとよい。このような構成によっても、シャッタ982上を転動する遊技球を蛇行(減速)させることができ、
図325に示す普電役物980と同様の作用効果を奏することができる。なお、突出部983は、前カバー部の内側面とシャッタ982の上面部982aとの両方に設けてもよい。
【3464】
上記普電役物980は、シャッタ982が前進した場合に閉鎖状態となり、シャッタ982が後退した場合に開放状態となるように構成されるが、シャッタ982が前進した場合に開放状態となり、シャッタ982が後退した場合に閉鎖状態となるように構成されるものであってもよい。このような普電役物として、
図326に示す普電役物990を備えてもよい。
【3465】
図326に示すように普電役物990では、シャッタ982の左側方においてシャッタ982に隣接して膨出部991が設けられている。膨出部991は、遊技盤60の前面部から前方に突出しており、その側部には、シャッタ982側に開口するようにして第2作動口63が設けられている。第2作動口63は1個の遊技球が入賞可能な大きさとなっている。普電役物990には、第2作動口63に入賞した遊技球を遊技盤60の背面側に案内する案内通路992が設けられ、案内通路992の途中位置には、第2作動口63に入賞した遊技球を検知する第2作動口用入賞センサ63c(
図246)が配置されている。
【3466】
シャッタ982には、遊技球を第2作動口63に案内する案内機能が付与されている。具体的には、シャッタ982の上面部982aが第2作動口63の下端部と同じ高さとなるようにシャッタ982の高さ位置が設定され、シャッタ982の上面部982a上を移動する遊技球が第2作動口63に流入するように構成されている。また、シャッタ982の右側方には、右ルートを流下する遊技球をシャッタ982の上面部982a上に案内する案内部993が設けられている。
【3467】
図326(b)に示すように、シャッタ982が突出位置(前進位置)に配置される場合には、シャッタ982の上面部982aにより遊技球を第2作動口63へと案内する球通路が形成される。このため、右ルートを流下する遊技球は、案内部993によりシャッタ982側へと案内された後、上記球通路(シャッタ982の上面部982a上)を転動して第2作動口63に入賞可能となる。つまり、シャッタ982が突出位置に配置される状況で第2作動口63への入賞が可能となり、普電役物990が開放状態となる。
【3468】
一方、
図326(c)に示すように、シャッタ982が退避位置(後退位置)に配置される場合には、シャッタ982の前端部が遊技盤60の前面部よりも後方側に位置することで、上記球通路が消失する。よって、案内部993によりシャッタ982側に案内された遊技球は、第2作動口63に至ることなく下方に落下し、第2可変入賞装置66に導出される(
図326(d))。つまり、シャッタ982が退避位置に配置される状況で第2作動口63への入賞が不可となり、普電役物990が閉鎖状態となる。
【3469】
なお、図示の構成では、閉鎖状態である場合に第2作動口63への遊技球の入賞を不可とする構成としているが、開放状態に比べて入賞しにくい範囲で入賞可能となる構成であってもよい。
【3470】
また、他の構成として、板状の開閉部材が閉鎖位置にて起立することで第2作動口63を前方から覆う状態と、その状態から開閉部材が前方に回動することで第2作動口63を開放する状態とが切り替わることで、第2作動口63への入賞を不可とする閉鎖状態と第2作動口63への入賞を可能とする開放状態との切り替えが行われる構成であってもよい。
【3471】
なお、上記普電役物980、990等の構成は、第1可変入賞装置65や第2可変入賞装置66にも適用することができる。すなわち、第1可変入賞装置65や第2可変入賞装置66において、可動体としてのシャッタが前後に進退することで、大入賞口が開閉される構成としてもよい。
【3472】
(46)上記第5の実施の形態や各変形例において、普電役物63aの普電開閉領域を通過した遊技球のみが第2可変入賞装置66の特電開閉領域に到達可能となる構成としてもよい。換言すれば、上記普電開閉領域を通過しない遊技球が上記特電開閉領域に到達することを規制する規制手段(第2可変入賞装置66までの遊技球の流路を形成する遊技釘や障害部等の流路形成部)を備える構成としてもよい。このような構成としては、例えば、
図325に示す普電役物980であれば、普電役物63aが閉鎖状態(
図325(a))とされている状況でシャッタ982の上面部982a状態を通過(転動)した遊技球のみが第2可変入賞装置66に到達可能となるものが考えられる。
【3473】
また、第2可変入賞装置66(特電開閉領域)への遊技球の到達ルートとして複数の流路が設けられ、普電開閉領域を通過した遊技球だけでなく、普電開閉領域を通過していない遊技球についても第2可変入賞装置66への到達が可能な構成としてもよい。例えば、右ルートにおいて普電役物63a(普電開閉領域)を迂回する迂回路が設けられ、この迂回路を流下する遊技球が第2可変入賞装置66に到達可能となるものが考えられる。
【3474】
なお、小当たり遊技における第2可変入賞装置66の開放前に時短遊技状態を終了させるようにする場合は、普電開閉領域を通過した遊技球のみが第2可変入賞装置66に到達し得る構成に適用すると、特に有益である。すなわち、第2可変入賞装置66に遊技球を到達させるには必ず普電開閉領域を経由させる必要がある構成にあっては、第2作動口63への入賞によりV入賞の発生が阻害される程度が顕著となり、遊技者が気付きやすいため、このような構成において第2可変入賞装置66の開放前に時短遊技状態を終了させることで、スムーズなV入賞の発生が好適に実現され、遊技者が気持ちよく遊技を行やすい構成とすることができる。
【3475】
(47)上記第5の実施の形態や各変形例では、小当たり遊技にて第2可変入賞装置66が1回開放される構成としたが、複数回開放される構成としてもよい。その場合において、第2可変入賞装置66の開放前に時短遊技状態を終了させるにあたっては、初回目開放の開始前に時短遊技状態を終了させることが好ましい。
【3476】
但し、例えば、1の小当たり遊技にて2回以上の開放が行われる場合において初回目開放で第2可変入賞装置66に遊技球が入賞してもV入賞用領域66fを通過することが規制され(通過不可とされ)、2回目開放で第2可変入賞装置66に遊技球が入賞すると、V入賞用領域66fを通過することが許容されるように、振分部材66hの動作態様が設定されている場合は、必ずしも初回目開放の開始前である必要はなく、2回目開放の開始前に時短遊技状態を終了させるものであってもよい。すなわち、複数回開放のうちV入賞用領域66fへの通過を許容される最初の開放の開始前に時短遊技状態を終了させる構成とすることが好ましい。
【3477】
(48)上記第5の実施の形態や各変形例において、有利小当たり結果Aに基づく小当たり遊技にて第2可変入賞装置66が開放されるときに、閉鎖状態の普電役物63aの普電開閉領域に位置する遊技球が、その後、第2可変入賞装置66の特電開閉領域に到達した場合にV入賞用領域66fを通過する構成としてもよい。すなわち、上記小当たり遊技での第2可変入賞装置66の開放時において、仮に普電役物63aが開放状態であれば第2作動口63に入賞することにより第2可変入賞装置66を通過しない遊技球が、第2可変入賞装置66の開放前に時短遊技状態が終了され、普電役物63aが閉鎖状態であることにより、第2作動口63に入賞せず、V入賞用領域66fを通過する(V入賞の発生に寄与する)構成としてもよい。具体的には、普電役物63aの普電開閉領域から第2可変入賞装置66の特電開閉領域までの遊技球の移動期間が、第2可変入賞装置66が開放されてから振分部材66hがV入賞用領域66f側に変位されるまでの期間よりも長く、第2可変入賞装置66が開放されてから振分部材66hが排出用領域66g側に戻されるまでの期間よりも短くなるように構成してもよい。換言すれば、第2可変入賞装置66の開放タイミングにて普電役物63aの普電開閉領域に位置する遊技球が、振分部材66hがV入賞用領域66f側に変位されている期間中に第2可変入賞装置66の特電開閉領域に到達し得るように、上記移動期間及び振分部材66hの振分態様(V入賞用領域66f側への変位タイミングや変位期間)が設定される構成としてもよい。
【3478】
このような構成によれば、小当たり遊技での第2可変入賞装置66の開放後に時短遊技状態が終了される構成であれば、V入賞の発生に寄与することがなかった遊技球により、V入賞が果たされることになり、第2可変入賞装置66の開放前に時短遊技状態を終了させることの意義を高めることが可能になる。
【3479】
(49)上記第5の実施の形態や各変形例において、第2作動口63への遊技球の入賞しやすさが異なる複数の時短遊技状態を設けてもよい。例えば、第1時短遊技状態と第2時短遊技状態とを設け、第1時短遊技状態では、サポート当選確率が第2時短遊技状態よりも低くなっていたり、1回当たりの普図遊技回の変動表示時間が長くなっていたりすることで、単位時間当たりの普電役物63aの開放頻度が低くされた構成としてもよい。この場合、第1時短遊技状態は、遊技者にとって第2時短遊技状態よりも不利な時短遊技状態として機能する。但し、例えば、1回当たりの普図遊技回の変動表示時間として通常遊技状態の場合よりも短いものが選ばれる又は選ばれやすくなっていることで、単位時間当たりの普電役物63aの開放頻度が通常遊技状態の場合よりも高く、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として機能する。かかる構成において、第1時短遊技状態を「所定状態」と解し、第2時短遊技状態を「特定状態」と解することができる。
【3480】
なお、第1時短遊技状態において第2時短遊技状態よりも第2作動口63への入賞が生じにくくするための構成は、普電役物63aの開放時間(1回分の開放における開放時間や、複数回開放の総開放時間)として第2作動口63の場合よりも短い時間が選ばれる又は選ばれやすい構成としてもよい。
【3481】
また、第1時短遊技状態は、必ずしも第2作動口63への入賞が可能な遊技状態である必要はなく、例えば、普電役物63aの開放時間が極めて短いなど、第2作動口63への入賞が生じない又は当該入賞を期待することができない遊技状態であってもよい。
【3482】
(50)上記第5の実施の形態や各変形例において、役物開閉遊技の途中でサポートフラグがクリアされた場合に、当該クリアタイミングに対応させて役物開閉遊技を途中終了させてもよい。例えば、普電役物63aの開放中にサポートフラグがクリアされた場合に、当該開放を途中で終了させつつ、役物開閉遊技を終了させる構成としてもよい。この場合、サポートフラグのクリアに合わせて速やかに普電役物63aを閉鎖状態とすることができ、有利小当たり結果Aに基づく小当たり遊技にて第2可変入賞装置66が開放される前に普電役物63aを閉鎖状態とする構成を好適に実現することができる。
【3483】
また、普電役物63aの複数回開放が行われる役物開閉遊技の途中でサポートフラグがクリアされた場合に、2回目以降の開放に対応するタイミング(開放開始タイミングや開放終了タイミング)に合わせて非時短遊技状態(低頻度サポートモード)用の動作態様への切り替えが行われる構成としてもよい。3回の開放が予定されている役物開閉遊技の1回目開放の途中でサポートフラグがクリアされた場合に2回目以降の開放を取り止めるようにしたり、2回目以降の開放を短い開放時間(低頻度サポートモード用の開放時間)で行ったりする構成としてもよい。この場合、サポートフラグのクリア時に実行されている普電役物63aの開放については当初の設定どおりに実行されるため、途中での設定変更を不要化して構成の複雑化を抑制しながらも、サポートフラグのクリアがなされた後、速やかに普電役物63aを閉鎖状態とすることができる。
【3484】
また、役物開閉遊技の途中でサポートフラグがクリアされた場合に、その役物開閉遊技を途中終了されることなく、当初に設定された回数の開放が終了するか、当初に設定された上限開放時間が経過するか、当初に設定された上限入賞個数に達するかのいずれかの条件が成立するまで役物開閉遊技が継続されてもよい。
【3485】
(51)上記第5の実施の形態や各変形例において、普図当否判定にて当たりとなった当選遊技回(普図遊技回)の途中でサポートフラグがクリアされた場合に、その当選遊技回が途中終了されるとともに、その後の役物開閉遊技の実行も取りやめる構成としてもよい。また、上記当選遊技回は最後まで行うものの、その後の役物開閉遊技の実行は取り止める構成としてもよい。これらの場合、サポートフラグのクリアに合わせて速やかに普電役物63aを閉鎖状態とすることができる。
【3486】
なお、上記各構成において、普図当否判定の結果を外れ結果に書き換えることで、普図遊技回での停止結果として外れ結果が報知されるように構成としてもよい。例えば、普図遊技回での停止結果として当たり結果が報知される状況で役物開閉遊技が実行されない場合、遊技者に不自然な印象を与えたり、故障と勘違いさせたりする懸念がある。この点、上記構成とすることで、普図遊技回での停止結果を、その後に役物開閉遊技が実行されないことと整合させることができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
【3487】
また、上記当選遊技回の途中でサポートフラグがクリアされた場合に、その後の役物開閉遊技を含めて最後まで実行する構成としてもよい。
【3488】
(52)上記第5の実施の形態や各変形例では、第2作動口63に遊技球が入賞した場合に、その遊技球は、遊技盤60の背面側に設けられた遊技球回収機構にて回収され、第2可変入賞装置66のV入賞用領域66fを通過不可となるように構成されているが、上記遊技球がV入賞用領域66fを通過可能となる構成としてもよい。
【3489】
このような構成としては、例えば、第2作動口63に入賞した遊技球を遊技領域PE(遊技盤60の前面側)に戻す案内通路を設け、第2作動口63への入賞後、遊技領域PEに戻された遊技球が第2可変入賞装置66に到達可能な構成とすることが考えられる。また、第2作動口63に入賞した遊技球が通過する球通路の途中位置にV入賞用領域66fを配置し、第2作動口63に入賞した遊技球がV入賞用領域66fを通過し、その後、上記遊技球回収機構にて回収される構成とすることが考えられる。さらには、第2作動口63に入賞した遊技球を第2可変入賞装置66内におけるV入賞用領域66fの上流部(例えば振分部材66hよりも上流側の所定部)に案内する案内通路を設け、第2作動口63に入賞した遊技球が上記上流部に案内された後、V入賞用領域66fを通過可能となる構成とすることができる。
【3490】
しかしながら、これらいずれの構成においても、第2作動口63に入賞した遊技球が通る球通路の構成が複雑となる懸念があり、そのような裏側構造の複雑化を抑制する観点では、上記第5の実施の形態や各変形例のように、第2作動口63を入賞した遊技球がV入賞用領域66fを通過不可となる構成とすることが好ましい。
【3491】
(53)上記第5の実施の形態や各変形例では、有利小当たり結果Aに当選した場合にその当選遊技回の変動表示の終了タイミングで時短遊技状態が終了され、有利小当たり結果B、Cに当選した場合にそれらの小当たり結果に基づく小当たり遊技でのV入賞の発生タイミングで時短遊技状態が終了される構成としたが、小当たり結果の種別にかかわらず、当選遊技回の変動表示の終了タイミング(小当たり遊技にて第2可変入賞装置66の開放が開始される前のタイミング)にて時短遊技状態が終了される構成としてもよい。
【3492】
(54)上記第5の実施の形態や各変形例では、大当たり結果や小当たり結果への当選に対応した報知が特図用表示部43や図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。また、上記各報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。このことは、時短回数の残り回数の報知等についても同様である。
【3493】
(55)上記第5の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応した所定の遊技価値(クレジット等の仮想遊技媒体)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
【3494】
(56)上記第5の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、2個未満であってもよいし(1個であってもよい)、3個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が同じである構成としてもよい。
【3495】
(57)上記第5の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
【3496】
(58)上記第5の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
【3497】
(59)上記第5の実施の形態や各変形例では、変動パターンと遊技回用演出とが1対1の関係で対応するが、1対複数の関係で対応してもよい。この場合、演出制御装置143にて演出抽選用の乱数を取得し、1の変動パターンに対応付けられている複数の遊技回用演出の中から上記取得した乱数を用いて1の遊技回用演出が選択される構成とすることができる。
【3498】
(60)上記第5の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【3499】
(61)上記第5の実施の形態や各変形例では、主制御装置162において当否判定が行われたことに基づいて特図用表示部43における1の遊技回が開始される構成としたが、主制御装置162において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置162では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動開始コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動開始コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。この際、変動開始コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置75において図柄列Z1~Z3の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとするとよい。
【3500】
(62)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【3501】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【3502】
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【3503】
<第6の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第6の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図327はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、
図328及び
図329はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、
図328では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
【3504】
図327に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機本体12とを有している。
【3505】
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホール(遊技場)の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【3506】
遊技機本体12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機本体12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(
図328及び
図329参照)。
【3507】
図328に示すように、遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【3508】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(
図329参照)。
【3509】
次に、前扉枠14について説明する。
図328に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
【3510】
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
【3511】
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
【3512】
図327に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵したランプ部(環状電飾部)26が設けられている。ランプ部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、ランプ部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
【3513】
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31の内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32の内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【3514】
また、上側膨出部31の上面部には、遊技者により手動操作される演出用操作部36(詳しくは押し操作ボタン)が設けられている。例えば、後述する図柄表示装置75の表示画面Gに表示された示唆等に従って演出用操作部36が手動操作されることにより、表示画面G等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
【3515】
下側膨出部32(下皿34)の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
【3516】
下側膨出部32(下皿34)の左方には、ジャック部37が設けられている。ジャック部37はヘッドホン38を接続するためのものであり、ジャック部37にヘッドホン38のプラグ部39を差し込むことで、パチンコ機10とヘッドホン38とが接続され、パチンコ機10からの音声がヘッドホン38に出力されるようになる。なお、ジャック部37に対しては、ヘッドホン38に限らず、イヤホンを接続できるように構成してもよく、要は、遊技者(人)が耳や頭部に装着して使用する外付けタイプのリスニング機器(音声出力手段)を接続できるものであればよい。
【3517】
前扉枠14の背面には、
図328に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
【3518】
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、
図328に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
【3519】
次に、
図328及び
図329に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
【3520】
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
【3521】
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、
図329に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる複数の内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機本体12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
【3522】
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
【3523】
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
【3524】
以下、
図330に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。
図330は遊技盤60の正面図である。
【3525】
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65、可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。
【3526】
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62及び第2作動口63への入球が発生すると、それが入賞センサ(検知センサ)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。この場合に、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置65への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行される。また、第1作動口62への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口63への入球が発生した場合には1個の遊技球の払出が実行される。ちなみにスルーゲート64への入球が発生しても遊技球の払出は実行されない。
【3527】
なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口62に係る賞球個数と第2作動口63に係る賞球個数とが同数となる構成としてもよいし、第2作動口63に係る賞球個数の方が第1作動口62に係る賞球個数よりも多い構成としてもよい。また、可変入賞装置65に係る賞球個数が他の作動口等に係る賞球個数と同数又は少ない構成としてもよい。また、スルーゲート64への入球が発生した場合に所定数の遊技球が払い出される構成してもよい。
【3528】
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動口62,63、可変入賞装置65又はスルーゲート64への入球を、入賞とも表現する。
【3529】
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって遊技球の流れが多様化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
【3530】
遊技盤60の中央部には、上記可変表示ユニット67が配置されている。可変表示ユニット67は、遊技盤60の裏面側に設置されており(
図329)、遊技盤60の中央部に設けられた開口部を通じてその表示画面Gを視認することが可能となっている。遊技盤60の前面には、上記開口部の周縁部に対応させて枠状のセンターフレーム76が取り付けられている。
【3531】
センターフレーム76は遊技盤60の前面から前方に突出しており、センターフレーム76の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球がセンターフレーム76の内側領域に流入して表示画面Gに接触することが回避されている。また、センターフレーム76により、遊技球が遊技領域PEを流下する際の流下経路が左右に分散され、センターフレーム76の左側を通る左ルートと右側を通る右ルートとが形成されている。
【3532】
左ルートと右ルートのいずれを遊技球が流下(通過)するかは、遊技球発射ハンドル41の回動操作量、すなわち、遊技球の発射勢によって定まる。発射された遊技球は、遊技盤60の左側上部から遊技領域PEに進入するため、遊技球の発射勢が強いほど遊技球が右ルートを流下しやすくなる。
【3533】
詳しくは、遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が左ルートを流下し、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が右ルートを流下する。なお、所定回動量とは、発射された遊技球が後述する誘導レール100を通過して遊技領域PEに進入可能となる回動操作量であり、基準回動量とは、センターフレーム76の頂部に到達可能な発射勢で遊技球を発射する回動操作量である。
【3534】
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の下方には、上向きに開放された第1作動口62が配置されている。第1作動口62は、遊技盤60の左右中央部に位置するが、右ルートを流下する遊技球は第1作動口62に入賞しないように釘69等の遊技部品が配設されている。すなわち、左ルートを流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となっている。よって、遊技者が第1作動口62への入賞を狙う場合には、遊技球が左ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。第1作動口62には第1作動口用入賞センサ62a(
図333)が設けられており、当該入賞センサ62aにより第1作動口62に入賞した遊技球が検知される。
【3535】
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の右方には、第2作動口63が配置されている。第2作動口63の構成について
図331を参照しながら説明する。
【3536】
第2作動口63には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物63a(可変受入手段)が設けられている。具体的には、左右方向に回動可能に支持された上記一対の可動片が第2作動口63としての開口部を左右両側から挟むようにして配置されている。
【3537】
そして、上記各可動片が回動することで、
図331(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、
図331(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替わり可能となっている。詳しくは、第2作動口63の上部には、前方に突出するようにして突出部63dが設けられており、
図331(a)に示すように上記可動片が起立姿勢である場合には、それら各可動片と突出部63dとの隙間が遊技球の直径未満となり、第2作動口63への遊技球の流入が阻止される。一方、
図331(b)に示すように上記可動片が外側へ傾斜するように回動した場合には、上記突出部63dとの間に遊技球が通過可能な大きさの開口部が形成され、第2作動口63への遊技球の流入が許容される。第2作動口63には第2作動口用入賞センサ63cが設けられており、当該入賞センサ63cにより第2作動口63に入賞した遊技球が検知される。
【3538】
また、普電役物63aには、各可動片を駆動する駆動部63bが設けられている。各可動片は、駆動部63bにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、開放状態(傾斜姿勢)と閉鎖状態(起立姿勢)とに切り替えられる。因みに第1作動口62には普電役物(開閉構造)が設けられていない。
【3539】
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2作動口63への入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。また、普電役物63aの構成は上記に限定されるものではなく、例えば、可動片が前後に回動したり、前後又は左右にスライド移動したりすることで、第2作動口63を開閉するものであってもよい。
【3540】
図330に示すように、右ルートにおいて第2作動口63の上方(上流側)にはスルーゲート64が配置されている。スルーゲート64は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート64に入賞した遊技球は、スルーゲート64を通過して再び遊技領域PEを流下する。よって、スルーゲート64に入賞した遊技球は、第2作動口63にも入賞することが可能となっている。スルーゲート64にはスルー用入賞センサ64a(
図333)が設けられており、当該入賞センサ64aによりスルーゲート64に入賞した遊技球が検知される。
【3541】
スルーゲート64は、第2作動口63に設けられた上記普電役物63aを開放状態とするためのトリガとなっている。具体的には、スルーゲート64への入賞を契機として内部抽選が行われ、その内部抽選の結果が開放結果(サポート当選)となることで、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態に復帰させる役物開閉遊技(サポート実行モード)が実行される。
【3542】
右ルートにおいて第2作動口63の下方(下流側)には可変入賞装置65が配置されている。可変入賞装置65の構成について
図332を参照しながら説明する。
【3543】
可変入賞装置65は、前方に開口する大入賞口65aと、当該大入賞口65aを開閉する開閉扉65bとを備えている。大入賞口65aは、正面視で横長の長方形状をなしており、複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。大入賞口65aは、遊技盤60の背面側に設けられた案内通路65eと連通しており、大入賞口65aに入賞した遊技球は全て案内通路65eに導かれるように構成されている。案内通路65eには大入賞口用入賞センサ65cが設けられており、当該入賞センサ65cにより大入賞口65aに入賞した遊技球が検知される。
【3544】
また、可変入賞装置65には、開閉扉65bを駆動する駆動部65dが設けられている。開閉扉65bは、駆動部65dにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、大入賞口65aに遊技球が入賞不能な閉鎖状態(
図332(a))と、大入賞口65aに遊技球が入賞可能な開放状態(
図332(b))とに切り替えられる。具体的には、通常は開閉扉65bが閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(大当たり遊技)への移行に当選した場合に開放状態に切り替えられる。
【3545】
開閉実行モードとは、大当たりに当選した場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置65の開放態様としては、大当たりである場合は、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば10ラウンド)を上限として可変入賞装置65が繰り返し開放される態様がある。
【3546】
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に大入賞口65aへの入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に、大入賞口65aへの入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで大入賞口65aへの入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
【3547】
ここで、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65に対しては、右ルートを流下する遊技球のみが入賞可能となっている。よって、遊技者が第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を狙う場合には、遊技球が右ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。
【3548】
図330に示すように、可変入賞装置65の下方には、主表示ユニット81が設けられている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面から前方に突出している。主表示ユニット81の前面には、所定の絵柄等が表示される特図用表示部43及び普図用表示部44が設けられている。これら各表示部43,44は、前扉枠14のガラスユニット22を通じて前方から視認可能となっている。なお、主表示ユニット81の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径よりも小さくなっている。これにより、主表示ユニット81の前方を遊技球が通過することが回避されており、各種表示部43,44の視認性が担保されている。
【3549】
特図用表示部43には、第1作動口62への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第1特図表示部ASと、第2作動口63への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2特図表示部BSとが設けられている。
【3550】
第1特図表示部ASでは、第1作動口62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動口62への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第1特図表示部ASにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードに移行する。
【3551】
第2特図表示部BSでは、第2作動口63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2作動口63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第2特図表示部BSにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードに移行する。
【3552】
以下においては、第1作動口62への入賞を契機に変動表示される絵柄と、第2作動口63への入賞を契機に変動表示される絵柄とを区別すべく、前者を第1特別図柄又は第1特図といい、後者を第2特別図柄又は第2特図ということがある。
【3553】
ここで、いずれかの作動口62,63への入賞に基づいて、対応する特図表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが特図表示部AS,BSにおける遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
【3554】
また、主表示ユニット81には特図保留数表示部AMが設けられている。遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、特図保留数表示部AMには、第1特図(第1作動口62)の保留数と第2特図(第2作動口63)の保留数とを各別に表示可能となっている。
【3555】
普図用表示部44は、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、普図用表示部44では、スルーゲート64への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート64への入賞に基づく内部抽選の結果が普電役物63aを開放させるサポート状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、サポート状態へ移行する。なお、スルーゲート64への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
【3556】
ここで、スルーゲート64への入賞に基づいて、普図用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、普図用表示部44における遊技回の1回に相当する。以下においては、普図用表示部44における遊技回と特図表示部AS,BSにおける遊技回とを区別すべく、前者を普図遊技回といい、後者を特図遊技回ということがある。
【3557】
また、普図用表示部44には普図保留数表示部FMが設けられている。遊技球がスルーゲート64に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、普図保留数表示部FMには普図(スルーゲート64)の保留数を表示可能となっている。
【3558】
特図用表示部43及び普図用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置により構成されてもよい。
【3559】
その他、図示を省略しているが、主表示ユニット81には、開閉実行モードでのラウンド数を明示するためのラウンド表示部が設けられている。ラウンド表示部では、開閉実行モードが開始される場合又は開始された場合に上記ラウンド数の表示が開始される。この表示は、開閉実行モードが実行されている間、表示内容を変更することなく継続して行われ、開閉実行モードが終了する場合又は終了した場合に終了する。
【3560】
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切替表示)する図柄表示装置75が設けられている。
【3561】
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置75は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
【3562】
図柄表示装置75には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置75における変動表示は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて開始される。すなわち、特図用表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置75においても変動表示が行われる。そして、可変入賞装置65が開放状態とされる大当たり遊技状態(開閉実行モード)に移行する場合には、図柄表示装置75では予め設定されている有効ライン上に所定の図柄組み合わせが停止表示される。
【3563】
また、図柄表示装置75には、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSに対応した保留表示が行われる。この保留表示では、所定の保留用画像が表示され、その表示個数により各作動口63,64の保留個数が示されるようになっている。なお、保留個数は、上記保留用画像により示されるものに限定されず、数字表示により示されるものであってもよい。また、図柄表示装置75に限らず、例えば、図柄表示装置75とは別に遊技盤60上に設けられた表示部(主表示ユニット81の各保留数表示部AM,FMとは別の表示部)や発光部(保留ランプ部)等により示される構成であってもよい。
【3564】
ここで、遊技盤60の裏面側において第1作動口62の近傍には、磁石検知センサ47と電波検知センサ48とが設けられている。
【3565】
上述のとおり、第1作動口62は内部抽選(第1特図の当否判定)のトリガとなるため、ガラスユニット22の前方において第1作動口62の周辺に磁石を近付け、不正に第1作動口62へと遊技球を誘導させようとしたり、第1作動口62に向けて電波を不正に出力し、第1作動口62の入賞検知センサに遊技球の通過を誤検知させようとしたりする行為が想定される。これらに対して磁石検知センサ47及び電波検知センサ48が設けられていることで、磁石や電波を用いた不正行為が行われた場合に、それを検知することが可能となる。なお、不正行為への対策として、必ずしも磁石検知センサ47と電波検知センサ48との両方を設ける必要はなく、それら検知センサ47、48のいずれかのみを設ける構成としてもよい。
【3566】
再び
図328を参照して内枠13の構成について説明する。樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えている。ベースプレート114は樹脂ベース50に固定されており、これにより、遊技球発射機構110が樹脂ベース50と一体化されている。
【3567】
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが設けられている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
【3568】
ソレノイド111は、後述する電源及び発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
【3569】
図330に示すように、誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。
【3570】
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
【3571】
図328に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより、両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間に所定間隔の隙間を形成している。
【3572】
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制されつつ、ファール球となった遊技球が遊技者に返却される。
【3573】
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
【3574】
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
【3575】
次に、
図329に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
【3576】
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
【3577】
樹脂ベース50の背面には、係止金具が複数設けられており、これら係止金具により樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
【3578】
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に演出制御装置143が装着されている。
【3579】
演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
【3580】
遊技盤60の背面には、
図329に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
【3581】
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
【3582】
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する入賞センサ(検知センサ)が設けられている。これら各種入賞センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。すなわち、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知する。入賞センサは、例えば、検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサにより構成されている。
【3583】
これら各種入賞センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら入賞センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
【3584】
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
【3585】
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
【3586】
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われたことを容易に発見できる。
【3587】
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
【3588】
【3589】
図328に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
【3590】
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、
図329に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
【3591】
ベース部211には、その右側上部に外部出力端子213が設けられている。外部出力端子213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHC(管理制御装置)に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
【3592】
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
【3593】
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
【3594】
図329に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
【3595】
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【3596】
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
【3597】
電源及び発射制御装置191は、基板ボックス内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
【3598】
電源及び発射制御装置191には、電源を監視して停電等の電断状態の発生を検知する停電監視部(停電監視回路)315が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。また、電源及び発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
【3599】
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図333のブロック図に基づいて説明する。
【3600】
主制御装置162の主制御基板311には、MPU312が搭載されている。MPU312には、当該MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM313と、そのROM313内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM314と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【3601】
RAM314は、電断状態が発生した後においても電源及び発射制御装置191からのバックアップ電圧によりデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM314には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアとは別にバックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、電断状態が発生した場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。電断状態からの復帰時(復電時)には、バックアップエリアの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電断前の状態に復帰できるようになっている。
【3602】
なお、
図333に示す構成では、MPU312に対してROM313及びRAM314を1チップ化しているが、これに限定されるものではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置162以外の制御装置のMPUについても同様である。
【3603】
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。また、MPU312の入力側には、各種センサが接続されている。
【3604】
各種センサには、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ61a、第1作動口用入賞センサ62a、第2作動口用入賞センサ63c、スルー用入賞センサ64a、大入賞口用入賞センサ65c等が設けられている。MPU312では、これら各種センサ61a,62a,63c,64a,65cの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
【3605】
メインMPU312の入力側には、さらに、磁石検知センサ47及び電波検知センサ48が接続されている。メインMPU312では、磁石検知センサ47及び電波検知センサ48から信号を受信し、その受信結果に基づいて、それぞれの検知対象となっている異常の発生の有無が判定される。
【3606】
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
【3607】
演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
【3608】
また、MPU312の出力側には各種駆動部として、普電役物63a用の駆動部63b、可変入賞装置65用の駆動部65dが接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モードへの移行が発生すると、可変入賞装置65の開閉扉65bが駆動されるようにMPU312において駆動部65dの駆動制御が実行される。また、サポート状態への移行が発生すると、普電役物63aの各可動片が駆動されるようにMPU312において駆動部63bの駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、特図用表示部43における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行される。また、普図遊技回に際しては、普図用表示部44の表示制御が実行される。
【3609】
さらには、MPU312の出力側に上述した外部出力端子213が接続されており、この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
【3610】
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技ホールの商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
【3611】
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。
【3612】
電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がオフ状態の場合には当該電断時用電源部から主制御装置162のRAM314に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【3613】
払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。払出制御装置181には、球受け皿としての下皿34が遊技球で満杯状態となっているかを検知する満杯検知センサ82aと、タンク221内での遊技球の貯留量が不足する球無し状態となっているかを検知する球無し検知センサ82bとが接続されている。満杯検知センサ82aは、下皿34に遊技球を排出するための通路に設けられており、球無し検知センサ82bは、タンク221から払出装置222に遊技球を供給するための通路に設けられている。満杯検知センサ82a及び球無し検知センサ82bは、検知信号を払出制御装置181に対して出力する。
【3614】
演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【3615】
ここで、図柄表示装置75の表示内容について
図334~
図336に基づいて説明する。
【3616】
図334(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【3617】
図335(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図335(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【3618】
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常4R大当たり結果又は10R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【3619】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、10R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大4R当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
【3620】
ここで、各図柄列の変動表示について
図336を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、
図336(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り替わる。そして、
図336(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り替わる。そして、
図336(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
【3621】
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
【3622】
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(
図334)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
【3623】
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
【3624】
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、絵柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた絵柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(絵柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での絵柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
【3625】
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
【3626】
また、図柄表示装置75にて図柄の変動表示が行われる場合は、スピーカ部29から所定の変動音が出力される。変動音は変動表示中のBGM(背景音)であり、変動表示の開始タイミングに合わせてその出力が開始される。このように変動表示の期間に合わせて変動音が出力されることで、遊技者は、変動表示中であることを聴覚的にも認識することが可能になる。
【3627】
図335(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaと、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbとが設定されている。
【3628】
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【3629】
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【3630】
また、第2保留表示領域Gbでは、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
【3631】
例えば、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【3632】
また、第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとに挟まれるようにして実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1又は第2保留表示領域Gbの第1単位保留表示領域Gb1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
【3633】
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図337を用いて説明する。
【3634】
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図337に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4を用いることとしている。
【3635】
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
【3636】
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
【3637】
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【3638】
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【3639】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~199)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【3640】
大当たり当選となる乱数の値は、ROM313における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア313aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。各当否テーブルでは、低確率モード用の当否テーブルよりも高確率モード用の当否テーブルの方が大当たり当選となる確率が高くなるように乱数の値が設定されている。
【3641】
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
【3642】
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることで設定されている。
【3643】
第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63の普電役物63aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
【3644】
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、普図当たり乱数カウンタC4を用いた普図当否抽選におけるサポート当選結果(普図当たり)となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、サポート当選結果となった際に普電役物63aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいてサポート当選結果となり普電役物63aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普図当否抽選が行われてから次の普図当否抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
【3645】
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【3646】
なお、高頻度サポートモードを実現するための構成は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、両モードで普図当否抽選の当選確率を等しくした上で、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放回数や1回の開放時間を低頻度サポートモードよりも優遇する構成としてもよい。要は、低頻度サポートモードよりも単位時間当たりの第2作動口63への入賞頻度が高くなるものであれば足り、普図当否抽選、開放回数及び開放時間のうちいずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成とすればよい。
【3647】
また、大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
【3648】
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【3649】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。
【3650】
本実施の形態では、大当たり結果の種類として、通常大当たり結果と確変大当たり結果とが設定されている。通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。
【3651】
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
【3652】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM313のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
【3653】
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU312では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
【3654】
なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
【3655】
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、可変入賞装置65の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
【3656】
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
【3657】
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
【3658】
変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
【3659】
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【3660】
普図当たり乱数カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普図当たり乱数カウンタC4の値によって普電役物63aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、普電役物63aを開放状態に制御し、C4=191~250であれば、普電役物63aを開放状態に制御しない。
【3661】
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162のMPU312にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU312では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
【3662】
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について
図338のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
【3663】
ステップSk101では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【3664】
ステップSk102では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【3665】
ステップSk103では、遊技の進行を停止している状態(遊技停止状態)であるか否かを判定する。遊技停止状態であるか否かの判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに遊技停止フラグが格納されていることを条件に、遊技停止状態であると判定する。遊技停止状態であると判定した場合には、本タイマ割込み処理を終了する。
【3666】
一方、遊技停止状態でないと判定した場合は、ステップSk104に進み、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
【3667】
ステップSk105では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップSk103にて更新した普図当たり乱数カウンタC4の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
【3668】
ステップSk106では、作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、各作動口62,63のいずれかに遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞に基づいて遊技球を払い出させる賞球コマンドを設定するとともに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行う。
【3669】
情報取得処理では、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。第1作動口62に入賞している場合には、第1特図表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第1始動保留記憶数RaNとしてセットする。一方、遊技球が第1作動口62に入賞していない場合には、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。第2作動口63に入賞している場合には、第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第2始動保留記憶数RbNとしてセットする。
【3670】
これらセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1増加するように更新する。そして、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納し、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、演出制御装置143に対して、保留表示部200の表示状態を更新させ、保留表示部200にて現在の始動保留記憶数が示されるようにするための処理を実行する。
【3671】
ステップSk107では異常監視処理を実行し、その後、本タイマ割込み処理を終了する。異常監視処理では、磁石検知センサ47及び電波検知センサ48の検知結果を参照して磁石検知や電波検知の有無を判定する。ここで、ステップSk107の異常監視処理について
図339のフローチャートを参照しながら説明する。
【3672】
異常監視処理では先ずステップSk201にて、電波検知センサ48により電波が検知されているか否かを判定する。電波が検知されている場合は、ステップSk202にてRAM314の各種フラグ格納エリア314eに電波検知フラグをセットする。
【3673】
ステップSk203では、演出制御装置143への送信対象として電波検知コマンドを設定する。電波検知コマンドは、電波の検知をMPU312にて特定したことを演出制御装置143に認識させるためのコマンドである。電波検知コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理において演出制御装置143に送信される。
【3674】
ステップSk204では、電波の検知を特定したことを遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して信号出力すべく、異常用の外部出力処理を実行する。
【3675】
ステップSk204の実行後又はステップSk201で否定判定した場合(電波が検知されていない場合)は、ステップSk205に進み、磁石検知センサ47によって磁石が検知されているか否かを判定する。磁石が検知されていない場合は異常監視処理を終了する。
【3676】
一方、磁石が検知されている場合は、ステップSk206に進み、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに磁石検知フラグをセットする。続くステップSk207では、演出制御装置143への送信対象として磁石検知コマンドを設定する。磁石検知コマンドは、磁石の検知をMPU312にて特定したことを演出制御装置143に認識させるためのコマンドである。磁石検知コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理において演出制御装置143に送信される。
【3677】
ステップSk208では、磁石の検知を特定したことをホールコンピュータに対して信号出力すべく、異常用の外部出力処理を実行する。ステップSk208の実行後又はステップSk205で否定判定した場合(磁石が検知されていない場合)は、異常監視処理を終了する。
【3678】
<通常処理>
次に、通常処理の流れを
図340のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSk301~ステップSk308の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSk311、ステップSk312のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【3679】
通常処理では先ずステップSk301にて、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに電波検知フラグ又は磁石検知フラグがセットされているか否かを参照し、不正が検知されたか否かを判定する。そして、電波検知フラグと磁石検知フラグの少なくとも1つがセットされている場合は、不正が検知されたとして、遊技停止状態に移行させる遊技停止処理(異常対応処理)を実行する。
【3680】
遊技停止処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに遊技停止フラグをセットするとともに、可変入賞装置65及び普電役物63aを閉鎖状態とする閉鎖制御処理を実行する。また、電源及び発射制御装置191への発射許可信号をLOWレベルに切り換える発射停止処理を実行し、遊技者が遊技球発射ハンドル41を操作しても遊技球が発射されない状態とする。さらに、払出制御装置181に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置222による遊技球の払出を停止させる。これにより、遊技球を不正に払い出させる行為が行われていた場合には、それ以上の遊技球の払い出しを即座に規制する。
【3681】
また、遊技停止処理では、演出制御装置143に対して遊技停止コマンドを出力する。演出制御装置143では、遊技停止コマンドを受信することで、図柄表示装置75における演出表示等を停止させる。その上で、図柄表示装置75にてエラー報知画像を表示させたり、スピーカ部29からエラー報知音声(不正検知音)を出力させたりするように制御する。
【3682】
さらに、遊技停止処理では、不正を検知したことや遊技停止状態に移行したことに対応した所定の外部信号を外部出力端子213から出力すべく、外部情報設定処理を実行する。これにより、上記所定の外部信号が遊技ホール側のホールコンピュータに出力され、パチンコ機10で異常が発生したことが通知される。
【3683】
ステップSk301の遊技停止判定処理の実行後は、ステップSk302にて、上記各種フラグ格納エリア314eに遊技停止フラグがセットされているか否かを判定することで、遊技停止状態(遊技の進行を停止している状態)であるか否かを判定する。遊技停止状態でない場合は、ステップSk303に進み、外部信号出力処理を実行する。
【3684】
外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
【3685】
ステップSk304では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
【3686】
ステップSk305では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。
【3687】
ステップSk306では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップSk305の遊技回制御処理及びステップSk306の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
【3688】
ステップSk307では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM314の普図保留エリア314cに格納されている普図当たり乱数カウンタC4から取得した数値情報を用いて普電役物63aを開放状態とするか否かの普図当否抽選を行うとともに、当選となった場合には普電役物63aの開閉処理を実行する。また、普図当否抽選の抽選結果を教示するように、普図用表示部44の表示制御などを行う。
【3689】
ここで、既に説明したとおり、普電役物63aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、後述する遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
【3690】
電役サポート用処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、普電役物63aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり普電役物63aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
【3691】
ステップSk308では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
【3692】
ここで、ステップSk302で肯定判定した場合(遊技停止状態であると判定した場合)は、ステップSk303の外部処理からステップSk308の遊技球発射処理をスキップして実行しない。また、タイマ割込み処理(
図338)においても、ステップSk103で遊技停止状態であると判定した場合は、ステップSk104の各種センサ読み込み処理からステップSk106の作動口用の入賞処理をスキップして実行しない。これらの処理は実質的に遊技を進行させるものであるため、これらの処理を実行しないことで、遊技が全く進行しない状態となる。
【3693】
ステップSk308の実行後又はステップSk302で肯定判定した場合は、ステップSk309に進み、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視部315において停電の発生が確認され、MPU312に停電信号が入力されることによりセットされるものである。
【3694】
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップSk310にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
【3695】
つまり、ステップSk310では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。また、ステップSk312では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
【3696】
ここで、ステップSk303~ステップSk308の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
【3697】
一方、ステップSk309にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップSk313以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップSk313では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップSk314にてRAM判定値を算出、保存する。続くステップSk315では、RAM314のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
【3698】
<遊技回制御処理>
次に、ステップSk305の遊技回制御処理を
図341のフローチャートを参照しながら説明する。
【3699】
遊技回制御処理では先ずステップSk501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグがセットされているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にセットされ、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合にクリアされる。
【3700】
開閉実行モード中である場合には、ステップSk502以降の処理、すなわちステップSk503~ステップSk505の遊技回開始用処理及びステップSk506~ステップSk509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口62,63への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
【3701】
開閉実行モード中でない場合は、ステップSk502にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にセットされ、その変動表示が終了する場合にクリアされる。
【3702】
特図用表示部43が変動表示中でない場合には、ステップSk503~ステップSk505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップSk503にて、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSの始動保留記憶数の合計である共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。
【3703】
共通保留数CRNが「0」でない場合は、ステップSk504にて第1特図表示部用保留エリアRa又は第2特図表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップSk505にて特図用表示部43における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。
【3704】
変動開始処理では、データ設定処理にて設定されたデータ(保留情報)に基づいて当否抽選を実行するとともに、当該当否抽選の結果に対応する停止結果で遊技回が終了するように、停止結果の設定を行う。また、今回実行する遊技回の変動表示時間を変動種別カウンタCS等に基づいて設定する。
【3705】
また、変動開始処理では、今回実行する遊技回に対応する演出が行われるように、遊技結果の情報が含まれる変動用コマンドや変動表示時間の情報が含まれる種別コマンドを、演出制御装置143への送信対象として設定する。変動用コマンドや種別コマンドは、通常処理(
図339)におけるステップSk303にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置350に送信する。表示制御装置350では、当該コマンドを受信することにより、その遊技回の演出を開始するように図柄表示装置75等の表示制御を実行する。
【3706】
ステップSk505の変動開始処理の実行後又はステップSk503で肯定判定した場合(共通保留数CRNが「0」である場合)は、遊技回制御処理を終了する。
【3707】
ステップSk502で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップSk506~ステップSk509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップSk506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM314の変動表示時間カウンタエリアにセットされている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、遊技回の開始に際して変動開始処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(
図338)が起動される度に、1ディクリメントされる。
【3708】
変動表示時間が経過していない場合には、ステップSk507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、遊技回制御処理を終了する。
【3709】
変動表示時間が経過している場合には、ステップSk508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、変動開始処理の当否抽選の結果に基づいて設定された情報を特定し、その情報に対応した絵柄が特図用表示部43にて停止表示されるように当該特図用表示部43を制御する。
【3710】
続くステップSk509では、演出制御装置143への送信対象として変動終了コマンドを設定し、その後、遊技回制御処理を終了する。ステップSk509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(
図339)におけるステップSk303にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置350に送信する。表示制御装置350では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
【3711】
<遊技状態移行処理>
ステップSk306(
図340)の遊技状態移行処理について、
図342のフローチャートを参照しながら説明する。
【3712】
先ず、ステップSk601では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップSk602に進み、1の遊技回の第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
【3713】
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップSk603にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。開閉実行モードへの移行に対応したものではない場合には、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
【3714】
開閉実行モードの移行に対応したものである場合には、ステップSk604にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードの開始前において可変入賞装置65が閉鎖状態であることをチェックしたりする。また、開閉実行モードの開始処理では、開閉実行モードの開始に際して可変入賞装置65の開放を開始することなく待機するためのオープニング期間の設定処理を実行する。オープニング期間の設定処理では、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたタイマカウンタTに、ROM313に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。タイマカウンタTの値は、所定周期(例えば2msec周期、タイマ割込み処理が起動される都度)で1ディクリメントされる。
【3715】
続くステップSk605では、ラウンド数の設定処理を実行する。ラウンド数の設定処理では、今回の開閉実行モードのラウンド数に対応する値を上記各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタRCにセットする。例えば、今回の開閉実行モードのラウンド数が10ラウンドである場合は、ラウンドカウンタRCの値として「10」をセットする。
【3716】
ステップSk606では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。ラウンド表示の開始処理では、ステップSk605で設定したラウンド数が特図用表示部43のラウンド表示部にて表示されるように制御する。このラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
【3717】
ステップSk607では、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(
図339)におけるステップSk303にて、演出制御装置143に送信される。
【3718】
ステップSk608では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
【3719】
上記ステップSk601で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSk609に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップSk610にて大入賞口開閉処理を実行する。
【3720】
ここで、大入賞口開閉処理について
図343のフローチャートを参照しながら説明する。
【3721】
先ずステップSk701では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップSk702にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップSk703にてRAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアTの値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
【3722】
タイマエリアTの値が「0」である場合は、ステップSk704に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアTに「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(
図338)が起動される都度、1ディクリメントされる。ステップSk705では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。
【3723】
ステップSk706では、大入賞口65aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。ステップSk707では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(
図340)におけるステップSk303にて演出制御装置143に送信される。
【3724】
上記ステップSk702で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRCの値が0である場合)又はステップSk703で否定判定した場合(タイマエリアTの値が0でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【3725】
また、上記ステップSk701で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップSk708に進み、タイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップSk704で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
【3726】
タイマエリアTの値が「0」でない場合は、ステップSk709に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップSk710にて入賞カウンタエリアPCの値を1ディクリメントし、その後、ステップSk711にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPCの値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
【3727】
上記ステップSk708で肯定判定した場合(タイマエリアTの値が0である場合)又はステップSk711で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPCの値が0である場合)は、ステップSk712に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップSk713では、ラウンドカウンタエリアRCの値を1ディクリメントし、ステップSk714では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。
【3728】
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップSk715に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアTに「1000」をセットする。
【3729】
ステップSk716では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(
図340)におけるステップSk303にて演出制御装置143に送信される。
【3730】
上記ステップSk714で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRCの値が0である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップSk717に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップSk718では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(
図340)におけるステップSk303にて演出制御装置143に送信される。
【3731】
遊技状態移行処理(
図342)の説明に戻り、ステップSk610の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップSk611にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【3732】
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合は、ステップSk612に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
【3733】
エンディングが終了している場合は、ステップSk613に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理では、開閉実行モード後の当否抽選モード及びサポートモードの設定を行う。具体的には、今回の開閉実行モードの契機が確変大当たり結果であった場合には、開閉実行モード終了後は高確率モード且つ高頻度サポートモードの遊技状態に移行し、通常大当たり結果となっている場合には、開閉実行モード終了後は低確率モード且つ回数限定の低頻度サポートモードの遊技状態に移行する。
【3734】
ステップSk614では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
【3735】
ステップSk615では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
【3736】
<払出状態検知処理>
次に、払出制御装置181にて実行される払出状態検知処理について
図344のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本処理は、払出制御装置181により、予め定められた周期(例えば2msec周期)で定期的に起動される。
【3737】
払出状態検知処理では、先ずステップSk801にて賞球完了状態を検知しているか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から受信した賞球コマンドの賞球数に対応した遊技球が払出装置222から払い出された(払い出しが完了した)ことを確認する。なお、払出装置222には、その下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサが設けられており、その払出検知センサの出力結果に基づいて払い出しが完了したことの確認を行う。
【3738】
賞球完了状態を検知している場合は、ステップSk802に進み、主制御装置162への送信対象として賞球完了コマンドを設定する。賞球完了コマンドは、主制御装置162からの賞球コマンドにより指定された賞球数の払い出しが完了したことを主制御装置162に通知するためのものである。
【3739】
ステップSk802の実行後又はステップSk801で否定判定した場合は、ステップSk803にて、球無し検知センサ82bの検知結果に基づいてタンク球無状態であるか否かを判定する。タンク球無状態である場合は、ステップSk804に進み、主制御装置162への送信対象としてタンク球無コマンドを設定する。タンク球無コマンドは、タンク221での遊技球の貯留量が不足していること、換言すれば、払出装置222に送り出す遊技球が不足していることを主制御装置162に通知するためのものである。
【3740】
主制御装置162では、払出制御装置181からのタンク球無コマンドを受信した場合、演出制御装置143への送信対象として球無エラーコマンドを設定する。球無エラーコマンドは、タンク221にてタンク球無状態となり、球無エラーが発生していることを演出制御装置143に通知するためのコマンドである。演出制御装置143では、球無エラーコマンドを受信した場合、球無エラーが発生していることを報知する球無エラー画像が図柄表示装置75にて表示されたり、かかる報知が音声にて行われる球無エラー音がスピーカ部29から出力されたりするように制御する。
【3741】
ステップSk804の実行後又はステップSk803で否定判定した場合(タンク球無状態でない場合)は、ステップSk805に進み、満杯検知センサ82aの検知結果に基づいて下皿満杯状態であるか否かを判定する。下皿満杯状態である場合は、ステップSk806に進み、主制御装置162への送信対象として下皿満杯コマンドを設定する。下皿満杯コマンドは、下皿34が満杯状態になっていること、換言すれば、払出装置222から下皿34に向けて遊技球を送り出すことができず、賞球の払い出しができないことを主制御装置162に通知するためのものである。
【3742】
主制御装置162では、払出制御装置181からの下皿満杯コマンドを受信した場合、演出制御装置143への送信対象として満杯エラーコマンドを設定する。満杯エラーコマンドは、下皿34での遊技球の貯留量が満杯状態に達しており、下皿34からの球抜きを遊技者に促すべき状態であることを演出制御装置143に通知するためのコマンドである。演出制御装置143では、満杯エラーコマンドを受信した場合、満杯エラーが発生していることを知らせたり、下皿34からの球抜きを促したりするための満杯エラー画像が図柄表示装置75にて表示されたり、かかる報知が音声にて行われる満杯エラー音がスピーカ部29から出力されたりするように制御する。
【3743】
ステップSk806の実行後又はステップSk805で否定判定した場合(下皿満杯状態でない場合)は、払出状態検知処理を終了する。
【3744】
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、
図345のブロック図を参照して以下に説明する。
【3745】
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【3746】
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、シフトコマンド、保留コマンドといった保留表示制御用コマンドや、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
【3747】
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29、ジャック部37が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
【3748】
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
【3749】
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
【3750】
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
【3751】
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
【3752】
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
【3753】
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
【3754】
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
【3755】
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
【3756】
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
【3757】
次に、演出制御装置143のうち音声の出力制御に関する構成について
図346を参照しながら説明する。
【3758】
演出制御装置143のMPU342には、音(音声)の出力を制御するためのサウンドIC83が接続されている。サウンドIC83は、MPU312からの指定に基づいて、出力対象となる音声の音信号を出力する。本実施の形態では、例えば、スピーカ部29として、右上側のスピーカ、右下側のスピーカ、左上側のスピーカ、左下側のスピーカからなる4つのスピーカが搭載されており、音の出力チャンネルとして4チャンネルが設定されている。これに対応してサウンドIC83からは、4チャンネル分の音信号が出力される。
【3759】
なお、出力チャンネル数は4チャンネルに限定されるものではなく、5チャンネル以上であってもよいし、3チャンネル以下であってもよい。
【3760】
MPU342のROM343には、複数の音データが記憶される音データ記憶エリア84が設けられている。
図347(a)に示すように、各音データには、各音データに対して割り当てられる固有の識別情報と、音源となる音源データと、その音源を出力する際の基準音量を指定する音量情報と、出力チャンネルを指定するチャンネル情報等が含まれる。音源データとしては、不正検知音や球無しエラー音等のエラー音のほか、変動音やリーチ発生音等の演出音の音源データが記憶されている。なお、変動音は、遊技回(変動表示)の実行を契機として出力されるものであり、変動表示中の背景音である。また、リーチ発生音は、リーチ表示の実行を契機として出力されるものであり、例えば「リーチ」などの音声からなるものである。
【3761】
また、ROM343には、音データテーブルが記憶される音データテーブル記憶エリア85が設けられている。
図347(b)に示すように、音データテーブルでは、各音データに割り当てられた識別情報と対応付けて、各音データの記憶領域(ROM343のアドレス)を示すアドレス情報が記憶されている。
【3762】
なお、
図347(a)、(b)における「音種別」の項目は、便宜上付したものであり、音データ記憶エリア84や音データテーブル記憶エリア85に記憶されるものではない。
【3763】
図346に示すように、MPU342のRAM344には、再生対象(出力対象)となる音データを記憶するための領域として再生音データ記憶エリア86が設けられている。
図347(c)に示すように、再生音データ記憶エリア86には複数のチャンネル対応エリア86a~86nが設けられており、これらチャンネル対応エリア86a~86nは、少なくとも、サウンドIC83の出力チャンネル数に応じた数(本実施の形態では4チャンネル分)が設定されている。
【3764】
MPU342では、出力音として例えば球無しエラー音(
図347(a))を出力する場合、ROM343の音データテーブル記憶エリア85に記憶されている音データテーブル(
図347(b))を参照し、球無しエラー音の音データが記憶されているアドレスを把握する。そして、把握したアドレスに基づいてROM343の音データ記憶エリア84から球無しエラー音の音データを読み出し、RAM344の再生音データ記憶エリア86に書き込む。
【3765】
その際、音データにおいて、例えば球無しエラー音をチャンネル1とチャンネル2で出力するように設定されている場合には、ROM343の音データ記憶エリア84から読み出した球無しエラー音の音データを、再生音データ記憶エリア86におけるチャンネル1用のチャンネル対応エリア86aとチャンネル2用のチャンネル対応エリア86aとに書き込む。その後、サウンドIC83に対して音声を出力すべき旨の出力指示信号とともに、球無しエラー音の音データが記憶されているアドレス(RAM344のアドレス)を示すアドレス情報を送信する。
【3766】
なお、上記の球無しエラー音の出力に関するMPU342の処理は、主制御装置162からの球無エラーコマンドを受信した場合に実行される。このようにしてMPU342から出力指示がなされると、サウンドIC83では、当該指示に基づき、スピーカ部29から出力すべき音信号を出力するように動作する。
【3767】
ここで、サウンドIC83で実行される音出力処理について
図348のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、予め定められた周期(例えば10msec)で定期的に起動される。
【3768】
ステップSk901では、MPU342からの出力指示信号を受信したか否かを判定する。出力指示信号を受信した場合は、ステップSk902にて、出力対象である音声の音データを取得する。具体的には、MPU342から送信されるアドレス情報に基づいて音データが記憶されているアドレス(RAM344の再生音データ記憶エリア86のアドレス)を把握し、当該アドレスにより示される領域から音データを読み出す。
【3769】
ステップSk903では、取得した音データに含まれる識別情報を把握し、ステップSk4904では、取得した音データに含まれる音源データを再生する。ステップSk905では、ステップSk902で取得した音データに基づいて出力対象である音声の音量を設定する。この場合に設定される音量は、各音声(音源)に対して予め設定されている基準音量である。ステップSk906では、ステップSk904で再生が開始された音声の音信号をD/A変換部やアンプ部等を介して出力する。これにより、音データにより指定される音声の音信号がサウンドIC83から出力される。
【3770】
ステップSk906の実行後又はステップSk901で否定判定した場合(出力指示信号を受信していない場合)は、ステップSk907にて、MPU342からの終了指示信号を受信したか否かを判定する。終了指示信号は、出力対象の音声の出力期間が終了した場合に、その出力の終了を指示するものとしてMPU342から出力されるものである。音声の出力期間が終了した際、MPU342からは、上記終了指示信号のほか、出力を終了すべき音声の種類を示す識別情報が出力される。
【3771】
終了指示信号を受信した場合は、ステップSk908にて、識別情報により指定される音声の再生及び出力を終了する。ステップSk908の実行後又はステップSk907で否定判定した場合(終了指示信号を受信していない場合)は、音出力処理を終了する。
【3772】
図346に戻り、再び、演出制御装置143のうち音声の出力制御に関する構成について説明する。
【3773】
上記のとおり、サウンドIC83は、MPU342により指定される音声の音信号を出力するものであるところ、その出力側には、サウンドIC83からの音信号をスピーカ部29に伝送するための第1音信号経路87が接続されている。第1音信号経路87には、サウンドIC83からの音信号に対して音量調整を行うSP出力制御IC88が設けられており、SP出力制御IC88により音量調整された音信号はスピーカ部29に出力される。
【3774】
演出制御装置143の入力側には、スピーカ部29からの放出音の音量を調整するための操作部として第1音量スイッチ89と第2音量スイッチ90とが接続されている。第1音量スイッチ89は、演出制御基板341の表面部(素子搭載面)など、遊技盤60を内枠13とともに前方回動させた場合に操作可能となる位置に配置されており、ホール従業員が操作することを目的に設けられた音量調整部である。一方、第2音量スイッチ90は、前扉枠14の前面部(例えば上側膨出部31)など、パチンコ機10の外側に露出するようにしてパチンコ機10の前面部に配置されており、主として遊技者が操作するための音量調整部である。
【3775】
演出制御装置143では、それら各音量スイッチ89、90からの音量調整信号がSP出力制御IC88に入力されるように構成されている。その際、音量調整信号がSP出力制御IC88に対して直接入力される構成であってもよいし、MPU342やサウンドIC83を介してSP出力制御IC88に入力される構成であってもよい。
【3776】
SP出力制御IC88では、各音量スイッチ89、90からの音量調整信号により指定される音量に応じて、サウンドIC83から出力される音信号の出力レベルを増減した後、スピーカ部29に出力する。このため、ホール従業員が第1音量スイッチ89を操作したり、遊技者が第2音量スイッチ90を操作したりすることで、スピーカ部29からの放出音の音量を変更することができる。各音量スイッチ89、90での音量調整は、例えば5段階で行うことができるようになっている。
【3777】
なお、不正検知音や球無しエラー音等のエラー音(警報音)に対しては、上記各音量スイッチ89、90が操作されても音量調整が行われない。すなわち、これらの音声に対応する音信号がSP出力制御IC88に出力された場合は、各音量スイッチ89、90による音量設定にかかわらず、予め定められた固定音量でスピーカ部29から放出されるようになっている。
【3778】
図346に示すように、サウンドIC83の出力側には、サウンドIC83からの音信号をジャック部37(ヘッドホン38)に伝送するための第2音信号経路93が接続されている。より詳しくは、サウンドIC83の出力部と第1音信号経路87の入力部とを結ぶ音信号出力線91の途中部から分岐線(分岐路)92が分岐しており、この分岐線92を介して第2音信号経路93がサウンドIC83の出力部に接続されている。
【3779】
音信号出力線91からの分岐線92の分岐は、音信号出力線91(サウンドIC83から第1音信号経路87に向かう出力用配線)の途中から第2音信号経路93の入力側に向かう出力用配線が枝分かれするように、回路基板上の配線パターンが組まれることで実現されている。この際、スイッチ等による経路切替部を介していないため、サウンドIC83から出力される音信号は、第1音信号経路87と第2音信号経路93との両方に出力されることになる。
【3780】
なお、本実施の形態では、スピーカ部29用の出力チャンネルを4チャンネルとする一方で、ジャック部37(ヘッドホン38)用の出力チャンネルを2チャンネルとしている。このため、分岐線92では、音信号出力線91を伝送される4チャンネル分の音信号を2チャンネル分に合成(ミキシング)するように構成されている。例えば、スピーカ部29として、右上側のスピーカ、右下側のスピーカ、左上側のスピーカ、左下側のスピーカを備え、それら各スピーカに対して1つずつ出力チャンネルを割り当てている場合は、右上側のスピーカ用の音信号と右下側のスピーカ用の音信号が合成され、左上側のスピーカ用の音信号と左下側のスピーカ用の音信号とが合成されるように、上記配線パターンが組まれている。
【3781】
第2音信号経路93には、サウンドIC83からの音信号に対して音量調整を行うHP出力制御IC94が設けられており、HP出力制御IC94により音量調整された音信号はジャック部37に出力される。HP出力制御IC94には、SP出力制御IC88と同様に、各音量スイッチ89、90からの音量調整信号が入力される。
【3782】
HP出力制御IC94では、音量調整信号により指定される音量に応じて、サウンドIC83から出力される音信号の出力レベルを増減し、その後、ジャック部37に向けて出力する。このため、ホール従業員が第1音量スイッチ89を操作したり、遊技者が第2音量スイッチ90を操作したりすることで、ヘッドホン38から放出される音の音量を変更することができる。
【3783】
なお、不正検知音や球無しエラー音等のエラー音(警報音)が音量調整の対象外となる点については、SP出力制御IC88の場合と同様である。このため、エラー音に対応する音信号がHP出力制御IC94に出力された場合は、各音量スイッチ89、90による音量設定にかかわらず、予め定められた固定音量でヘッドホン38から放出される。
【3784】
ここで、第2音信号経路93では、HP出力制御IC94からの音信号の出力線95がジャック部37に対して直接的には繋がっておらず、絶縁トランス96を介してジャック部37に接続されている。すなわち、HP出力制御IC94の出力側が絶縁トランス96の1次側に接続され、絶縁トランス96の2次側がジャック部37の入力側に接続された状態となっている。
【3785】
HP出力制御IC94から音信号が出力されて絶縁トランス96の1次側にそれに応じた電流が流れると、絶縁トランス96の2次側に誘導起電力が発生し、当該2次側において上記音信号の出力レベルに応じた大きさの電流が流れる。その結果、配線97を通じて絶縁トランス96の2次側に繋がるジャック部37にも音信号の出力レベルに応じた大きさの電流が流れたり、電位の変化が生じたりするため、HP出力制御IC94から出力された音信号がジャック部37に伝送される。
【3786】
一方で、絶縁トランス96の内部では1次側と2次側とがそれぞれ巻き線によって構成されており、これらの各巻き線は物理的には繋がっていない状態となっている。すなわち、絶縁トランス96の1次側と2次側とは結線されておらず、絶縁された状態となっている。このため、HP出力制御IC94とジャック部37との間に絶縁トランス96を介在させることで、HP出力制御IC94の出力部とジャック部37の入力部とを結線的に分離しつつ、HP出力制御IC94の出力部からジャック部37の入力部への音信号の流れを許容する伝送路を構築することができる。
【3787】
パチンコ機10の前面部にジャック部37を設けてヘッドホン38を接続可能とした場合、遊技者は、周囲のパチンコ機からの音や遊技ホール内の騒音の影響を受けにくくしながら、自身が遊技するパチンコ機からの演出音等を聴くことができ、演出音等を聴き取りやすくなって利便性が向上する。しかしながらその反面、ジャック部37を狙って不正機器が使用され、ジャック部37を通じて不正な外部信号がパチンコ機10の内部に入力されるおそれがある。すなわち、ジャック部37が悪用されて不正行為が行われる懸念がある。
【3788】
この点、HP出力制御IC94の出力側からジャック部37の入力側への音信号の伝送を許容しつつ、それらの間を結線的には分離された状態とすることで、HP出力制御IC94とジャック部37とが直接的に結線されている場合に比べ、逆方向(ジャック部37側からHP出力制御IC94側に向かう方向)への信号の流れを生じさせにくくすることができる。これにより、ジャック部37を通じて不正な外部信号がパチンコ機10内の制御部(例えばMPU342)に送り込まれることを抑制できる。
【3789】
加えて、本実施の形態では、HP出力制御IC94と絶縁トランス96の1次側とを繋ぐ出力線95がHP出力制御IC94側においてOUT端子94aに接続されている。このOUT端子94aは出力専用の端子であり、当該端子を通じたHP出力制御IC94への入力が規制されたものとなっている。このため、この端子を絶縁トランス96の1次側に接続することで、仮に、ジャック部37側から入力された不正な外部信号が絶縁トランス96の1次側まで伝送されたとしても、HP出力制御IC94の出力部より先は当該信号が到達できないようになっている。これにより、不正な外部信号がパチンコ機10の内部に入力されることをより好適に抑制することが可能になる。
【3790】
さらに、本実施の形態では、HP出力制御IC94の出力部とジャック部37の入力部との間の伝送路において電源ラインが設けられておらず、当該伝送路では音信号のみが伝送されるように構成されている。例えば、上記伝送路において電源ラインを設けた場合、当該電源ラインから電力を得て検出回路等を駆動させることができるため、ジャック部37へのプラグ部39の接続を電気的に検出したりすることが可能になる。しかしながらその反面、ジャック部37を通じて不正機器が接続された場合に、上記電源ラインが不正機器の動作電力として悪用されるおそれがある。この点、本実施の形態のように構成することで、不正機器の接続を抑制することができ、不正行為に対する抑止効果を高めることが可能になる。
【3791】
なお、
図346では図示を省略しているが、第2音信号経路93での出力チャンネルが2チャンネルに設定されていることにより、HP出力制御IC94の出力側からジャック部37の入力側までの信号経路が2系統設けられている。絶縁トランス96は、それら各系統(各チャンネル)の信号経路に対して1つずつ配置されている。
【3792】
<ジャック部の構成について>
ジャック部37の構成について
図349及び
図350を参照しながら説明する。ここでは、ジャック部37の説明に先だち、ジャック部37に差し込まれるプラグ部39の構成について説明する。
【3793】
本実施の形態において、ヘッドホン38のプラグ部39は、例えば、ステレオ用の3極プラグとして構成されている。プラグ部39は、
図349に示すように、絶縁性の持ち手部231から棒状に延びるプラグ本体230を有しており、プラグ本体230には、その先端部から基端部に向けて順に第1電極232、第2電極233、第3電極234が配置されている。これら第1電極232~第3電極234はいずれも円環状をなしている。第1電極232と第2電極233との間には第1絶縁リング235が配置されるとともに、第2電極233と第3電極234との間には第2絶縁リング236が配置されている。これにより、第1電極232~第3電極234間が絶縁され、それらが各電極232~234が電気的に分離されている。
【3794】
第1電極232~第3電極234は、その内側にてケーブル40内の導線に接続され、当該導線を介してヘッドホン38に内蔵される左側HPスピーカ241と右側HPスピーカ242とに接続されている。より詳しくは、プラグ部39の第1電極232が左側HPスピーカ241の入力端子241aに接続され、第2電極233が右側HPスピーカ242の入力端子242aに接続され、第3電極234が各HPスピーカ241、242のGND端子241b、242bに接続されている。
【3795】
次に、ジャック部37の構成について
図350を参照しながら説明する。
【3796】
ジャック部37は、例えば角柱状を有するジャック本体37aを備え、その内側には、プラグ部39を挿入可能なプラグ挿入孔251が形成されている。プラグ挿入孔251は、ジャック本体37aの前面部に設けられた開口部252を通じて外側に開口している。
【3797】
ジャック本体37a内には、導電性を有する第1接触端子253、第2接触端子254、第3接触端子255が設けられている。これら各接触端子253~255は、プラグ挿入孔251にプラグ部39が差し込まれたときに、プラグ部39の第1電極232、第2電極233、第3電極234とそれぞれ接触するように配置されている。
【3798】
第1接触端子253は、プラグ部39の第3電極234に対応して設けられるものであり、その先端部には円環状のリング端子256が接続されている。リング端子256は、プラグ挿入孔251にプラグ部39が差し込まれた際に、その内周側をプラグ部39が通るようにして配置される。リング端子256の内径は、プラグ部39における第3電極234の外径に対応しており、具体的には第3電極234の外径よりも僅かに小さい寸法となっている。
【3799】
第2接触端子254は、プラグ部39の第2電極233に対応して設けられるものであり、ジャック本体37aの後部から前部側に向けて延びるようにして配置されている。第2接触端子254の先端部には、プラグ挿入孔251側に突出するようにして接触部254aが形成され、接触部254aは、プラグ部39の挿入方向において、プラグ部39の差し込み時に第2電極233に接触する位置に形成されている。第2接触端子254は、プラグ部39が差し込まれていない状態において、接触部254aがプラグ挿入孔251内に臨むようにして配置されている。
【3800】
第3接触端子255は、プラグ部39の第1電極232に対応して設けられるものであり、ジャック本体37aの後部から前部側に向けて延びるようにして配置されている。第3接触端子255の先端部には、プラグ挿入孔251側に突出するようにして接触部255aが形成され、接触部255aは、プラグ部39の挿入方向において、プラグ部39の差し込み時に第1電極232に接触する位置に形成されている。第3接触端子255は、プラグ部39が差し込まれていない状態において、接触部255aがプラグ挿入孔251内に臨むようにして配置されている。
【3801】
ジャック本体37aの後部において第2接触端子254と第3接触端子255との間には、第1接地端子257、第2接地端子258が設けられている。これら各接地端子257、258はアース接続されており、その電位が接地電位に固定されている。各接地端子257、258は、プラグ部39が差し込まれた際にプラグ部39に接触しない長さで形成されるとともに、その先端部には第2接触端子254側、第3接触端子255側にそれぞれ突出する突出部257a、258aが形成されている。
【3802】
ジャック本体37a内において、第2接触端子254は、第1戻りばね261によって第1接地端子257側に付勢され、第3接触端子255は、第2戻りばね262によって第2接地端子258側に付勢されている。このため、プラグ部39が差し込まれていない状態では、第2接触端子254が第1接地端子257の突出部257aに当接し、第3接触端子255が第2接地端子258の突出部258aに当接した状態となっている。
【3803】
なお、第1接触端子253~第3接触端子255、第1接地端子257、第2接地端子258は、金属板をプレス成型することなどによって形成される。
【3804】
次に、プラグ部39を抜き差しした場合のジャック部37の状態について説明する。
【3805】
プラグ部39が差し込まれていない状態では、
図350(a)に示すように、第2接触端子254が第1接地端子257の突出部257aに当接し、第3接触端子255が第2接地端子258の突出部258aに当接している。これにより、第2接触端子254の電位が第1接地端子257を通じて接地電位とされ、第3接触端子255の電位が第2接地端子258を通じて接地電位とされる。
【3806】
また、第1接触端子253は、絶縁トランス96の2次側巻き線における一対の出力端子のうち一方に接続されている。また、他方の出力端子は、ジャック部37の第3接触端子255に接続されている。このため、第1接触端子253は、絶縁トランス96の2次側巻き線を通じて第3接触端子255と導通している状態となっており、これにより、第1接触端子253の電位が接地電位とされる。
【3807】
このような状態においてジャック部37にプラグ部39が差し込まれる場合は、プラグ部39がプラグ挿入孔251内をジャック部37の奥側に向けて差し込まれていく過程で、プラグ部39(プラグ本体230)と第2接触端子254の接触部254aとが当接する。その後、プラグ部39がさらに奥側に差し込まれていくことで、プラグ部39により第2接触端子254が外側に押し広げられる。そして、
図350(b)に示すように、プラグ部39が所定の差し込み位置まで差し込まれた時点では、第2接触端子254の接触部254aがプラグ部39の第2電極233に接触してそれらが導通しつつ、第2接触端子254が第1接地端子257の突出部257aから離間した状態となる。
【3808】
第3接触端子255についても同様に、プラグ部39の挿入に伴って接触部255aにプラグ部39が当接し、その後、プラグ部39がさらに奥側に差し込まれていくことで、第3接触端子255が外側に押し広げられる。そして、プラグ部39が所定の差し込み位置まで差し込まれた時点では、第3接触端子255の接触部255aがプラグ部39の第1電極232に接触してそれらが導通しつつ、第3接触端子255が第2接地端子258の突出部258aから離間した状態となる。
【3809】
また、第1接触端子253についても、リング端子256の内周部とプラグ部39の第3電極234とが接触し、第3電極234と導通した状態となる。
【3810】
これらにより、プラグ部39の各電極232~234と第2音信号経路93における絶縁トランスの2次側とが接続された状態となる。より詳しくは、左側チャンネル用の信号経路に設けられた絶縁トランスの2次側とプラグ部39の第1電極232及び第3電極234とが接続され、右側チャンネル用の信号経路に設けられた絶縁トランスの2次側とプラグ部39の第2電極233及び第3電極234とが接続される。この状態で、HP出力制御IC94から絶縁トランスの1次側に向けて音信号が出力されることで、プラグ部39の各電極232~234に音信号が伝送され、ヘッドホン38から音が放出される。
【3811】
上記のような差し込み状態からプラグ部39が引き抜かれる場合は、プラグ部39がプラグ挿入孔251内を後退していくことに伴い、プラグ部39による第2接触端子254及び第3接触端子255への押圧力が徐々に解除され、外側に押し広げられていたそれらの端子254、255の位置が内側に戻っていく。この際、戻りばね261、262による戻り方向への付勢力が各接触端子254、255に付与されているため、各接触端子254、255における元の位置への復帰が円滑に行われる。
【3812】
そして、プラグ部39の全体がプラグ挿入孔251から抜き出た時点では、
図350(a)に示すように、第2接触端子254及び第3接触端子255が元の位置(プラグ挿入前の位置)まで完全に戻り、各接触端子254、255が各接地端子257、258の突出部257a、258aに当接した状態となる。これにより、第2接触端子254及び第3接触端子255の電位が接地電位とされる。また、第1接触端子253の電位についても、上記のように絶縁トランスの2次側と第3接触端子255を通じて接地電位とされる。つまり、本実施の形態では、プラグ部39の差し込み時にプラグ部39の各電極232~234と接続される接触端子253~255の電位について、プラグ部39が差し込まれていない状態では、いずれも接地電位に固定されるようになっている。
【3813】
前述のとおり、パチンコ機10にジャック部37を設けることで、遊技者の利便性を高めたりすることができる反面、ジャック部37が不正行為の対象として狙われるおそれがある。その際、ジャック部37内の各接触端子253~255の電位が不定となっており、それらの端子253~255が電気的に浮いた状態となっていると、不正信号の入力にそれらの端子253~255が利用されやすくなることが懸念される。この点、各接触端子253~255の電位が接地電位に固定されていることで、それらの端子253~255に不正な外部信号が供給されても、当該信号がパチンコ機10の内部に伝送されることを抑制できる。
【3814】
なお、
図350に示すジャック部37の内部構造は一例に過ぎず、プラグ部39が差し込まれていない状態(換言すれば、ヘッドホン38が使用されていない状態)において、ジャック部37内の接触端子253~255を接地し、それらの電位を接地電位に固定できるものであれば、他の構造を有するものであってもよい。
【3815】
<ヘッドホン38の接続をパチンコ機10が認識するための構成について>
前述のように本実施の形態では、ジャック部37に音信号を伝送するための第2音信号経路93において、本来の出力方向とは逆方向(ジャック部37からMPU342に向かう方向)の信号の流れが規制されている。これによって、ジャック部37を通じて不正な外部信号が送り込まれても、当該信号が例えばMPU342まで到達することがないように防御されている。
【3816】
しかしながら、この場合、不正な外部信号に限らず、第2音信号経路93を流れる全ての信号を対象として上記逆方向の流れが規制されるため、プラグ部39が抜き差しされた場合の電位変化を検出し、その検出信号をMPU342側に出力しようとしても、第2音信号経路93上では、それを行うことができない。つまり、ヘッドホン38の接続やその解除をパチンコ機10で認識することが困難となる。
【3817】
そこで、本実施の形態では、そのような場合でも、上記接続やその解除をパチンコ機10が認識できるように構成が工夫されている。以下、その構成について
図346及び
図351を参照しながら説明する。
【3818】
図351に示すように、前扉枠14の前面部(前面側壁部14a)においてジャック部37の配置領域には、パチンコ機前方からジャック部37を覆うことが可能な板状のカバー部271が設けられている。カバー部271は上下方向のスライド移動が可能なように支持されており、カバー部271の上下動によりジャック部37の開口部252が開閉されるものとなっている。より詳しくは、
図351(a)に示すように、カバー部271の下端位置(通常位置)において開口部252の全体をパチンコ機前方から覆う閉状態となり、
図351(b)に示すように、カバー部271の上端位置(上昇位置)において開口部252の全体を露出させる開状態となるように、カバー部271の上下位置が設定されている。
【3819】
そして、カバー部271の下端位置では、ジャック部37の開口部252がカバー部271により塞がれることで、プラグ部39の差し込みが規制される一方、カバー部271の上端位置では、プラグ部39を差し込み可能な程度に開口部252が開放され、プラグ部39の差し込みが許容される。つまり、カバー部271は、上端位置と下端位置との間を移動することで、ジャック部37へのプラグ部39の接続可否を切り替えるものとなっている。
【3820】
カバー部271の前面部には、前方に突出する指掛け部277が設けられている。この指掛け部277に指を引っかけてカバー部271を持ち上げることで、カバー部271を上端位置に移動させることができる。
【3821】
カバー部271の少なくとも一部は透明又は半透明となっており(透光性を有しており)、カバー部271がジャック部37を覆う状態(閉状態)において、カバー部271を介して後方のジャック部37を視認し得るようになっている。このような構成であることで、カバー部271によりジャック部37を覆いながらも、ジャック部37の存在に遊技者が気付きやすくすることができ、ジャック部37の積極的な利用を促すことが可能になる。
【3822】
カバー部271の裏面部には、パチンコ機後方側に突出するようにして突出片272が設けられている。突出片272は、その先端部272aが前面側壁部14aの裏面部よりも後方側に位置するように突出している。
【3823】
前面側壁部14aの裏面側には、カバー部271の開閉を検知するための検知部273が設けられている。検知部273は、例えば、発光部と受光部が対向配置されたフォトセンサによって構成され、カバー部271と一体になって移動する突出片272に合わせてその配置位置が定められている。具体的には、カバー部271が上端位置まで移動した際に、突出片272が発光部と受光部の間に入り込むように、検知部273の位置が設定されている。この構成では、カバー部271の上端位置では、突出片272により発光部と受光部との間の光路が遮られる一方、他の位置では当該光路が遮られないことで、カバー部271が開状態となったことを検知できる。
【3824】
検知部273は、第2音信号経路93とは別の独立した配線274によりMPU342と電気的に接続されており、検知部273からの検知信号DSは配線274を通じてMPU342に出力される。これにより、カバー部271が開状態とされたことをMPU342が認識可能となる。
【3825】
なお、検知部273を動作させるには駆動電力(電源)の供給が必要となるが、そのための供給路(電源ライン)は第2音信号経路93とは別の独立した配線により確保される。この配線はパチンコ機10の内部を通っており、外部からのアクセスが不可又は困難な状態とされる。このため、ジャック部37を狙って不正機器が仕込まれた場合に、検知部273を動作させるための駆動電力が不正機器の動力として悪用されることを抑制できる。
【3826】
このように本実施の形態では、第2音信号経路93を利用することなく、カバー部271が閉状態から開状態に切り替えられたことをMPU342が認識することができる。ジャック部37にプラグ部39を差し込むには、遊技者がカバー部271を上方に移動させてジャック部37(開口部252)を露出させる必要があるため、カバー部271の開状態への切り替えの検知により、ジャック部37にプラグ部39が接続されたことの検知を代替することができる。よって、第2音信号経路93において逆方向への信号伝達が規制される構成であっても、ジャック部37にプラグ部39が接続された場合に、パチンコ機10がそれを把握することが可能になる。
【3827】
ここで、前面側壁部14aの裏面側では、カバー部271と前面側壁部14aとの間にコイルばね等の付勢部材275が架け渡されており、当該付勢部材275によりカバー部271が閉方向に付勢されている。このため、ジャック部37からプラグ部39が取り外された場合は、遊技者が手でカバー部271を動かさなくても、プラグ部39の取り外しに伴って自動的にカバー部271を閉じることができる。
【3828】
よって、ジャック部37の使用後、カバー部271が開状態(ジャック部37が露出状態)とされたままの状態となることが抑制される。これにより、プラグ部39の取り外しに応じて検知部273における開状態の検知を終了させることができ、延いては、プラグ部39が取り外されたことをMPU342(パチンコ機10)において把握することが可能になる。
【3829】
<ミュート制御について>
前述のとおり、検知部273の検知信号DSに基づいてカバー部271が開状態とされたこと、換言すれば、ジャック部37にプラグ部39が接続されたことをパチンコ機10が認識することができる。これを利用し、ジャック部37へのプラグ部39の接続時(ヘッドホン38の使用時)においてスピーカ部29からの放出音の音量を低減させるように構成されている。以下、そのための構成について
図346、
図352~
図354を参照しながら説明する。
【3830】
図346に示すように、MPU342の出力部からはミュート信号MTが出力されるようになっており、このミュート信号MTは、第1音信号経路87(音信号をスピーカ部29に伝送するための経路)のSP出力制御IC88に入力されるようになっている。ミュート信号MTは、音信号の音量(出力レベル)を低減することの指示信号である。
【3831】
<ミュート制御処理>
次に、MPU342で実行されるミュート制御処理について
図352を参照しながら説明する。ミュート制御処理は、スピーカ部29からの放出音の音量を低減させるためのものであり、予め定められた周期(例えば2msec)で定期的に起動される。
【3832】
ミュート制御処理では先ずステップSk1101にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344aに一時解除フラグがセットされているか否かを判定する。一時解除フラグの詳細については後述する。
【3833】
一時解除フラグがセットされていない場合は、ステップSk1102に進み、上記各種フラグ格納エリア344aにミュートフラグがセットされているか否かを判定する。ミュートフラグは、ミュート処理、すなわち、スピーカ部29からの放出音の音量が低減されていることをMPU342が把握するためのフラグである。
【3834】
ミュートフラグがセットされていない場合、すなわち、ミュート処理の実行状態でない場合は、ステップSk1103にて、カバー部271が開状態であるか否かを判定する。この判定は、検知部273から出力される検知信号DSを参照して行う。
【3835】
カバー部271が開状態である場合は、ジャック部37にプラグ部39が接続されたと推認し、ステップSk1104にて、SP出力制御IC88に出力されるミュート信号MTをオン状態とする。これを受けてSP出力制御IC88では、第1音量スイッチ89、第2音量スイッチ90からの音量調整信号にかかわらず、サウンドIC83から出力された音信号の音量レベル(出力レベル)を所定レベルにまで低減させる。より詳しくは、上記音信号の音量レベルを0レベルとし、スピーカ部29から音が放出されないようにする。
【3836】
ミュート処理の実行に際しては、その時点での音量設定値(各音量スイッチ89、90からの音量調整信号に基づくもの)を示す音量情報をRAM344の所定領域に記憶する。これは、ミュート処理が解除された際に元の音量に戻すための処理である。
【3837】
なお、サウンドIC83からの音信号は、SP出力制御IC88だけでなく、第2音信号経路93(音信号をジャック部37に伝送するための経路)のHP出力制御IC94にも出力されているところ、HP出力制御IC94では、上記のようなミュート処理は実行されない。このため、スピーカ部29への音信号に対してはミュート処理が実行される一方で、ジャック部37に対しては、各音量スイッチ89、90からの音量調整信号に応じて音量調整された音信号が出力される。
【3838】
ステップSk1105では、上記各種フラグ格納エリア344aにミュートフラグをセットし、ミュート処理の実行状態であることをMPU342にて把握可能とする。ステップSk1105の実行後又はステップSk1103で否定判定した場合(カバー部271が開状態でない場合)は、ミュート制御処理を終了する。
【3839】
ステップSk1102で肯定判定した場合(ミュートフラグがセットされており、ミュート処理の実行状態である場合)は、ステップSk1106にて、出力対象音がエラー音であるか否かを判定する。具体的には、今回の音出力処理において、出力対象の音信号が不正検知音、球無しエラー音、満杯エラー音のいずれかの音信号であるかを判定する。
【3840】
出力対象音がエラー音でない場合は、ステップSk1107にて、カバー部271が閉状態であるか否か、換言すれば、カバー部271の開状態が検知されていない状態であるか否かを判定する。カバー部271が閉状態である場合は、ジャック部37からプラグ部39が取り外されたと推認し、ステップSk1108にて、SP出力制御IC88に出力されるミュート信号MTをオフ状態とする。これを受けてSP出力制御IC88では音信号に対するミュート処理を解除するとともに、RAM344の所定領域に記憶された音量情報に基づいて音量設定を行う。その結果、スピーカ部29からは、ミュート処理の実行前の音量で音が放出されるようになる。
【3841】
この際、HP出力制御IC94からも音信号が出力されるが、プラグ部39が差し込まれていない状態では、ジャック部37の各接触端子253~255や絶縁トランス96の2次側の電位が接地電位に固定されているため、ジャック部37には音信号が伝送されない。
【3842】
ステップSk1109では、上記各種フラグ格納エリア344aにセットされているミュートフラグをクリアし、ミュート処理の実行状態でないことをMPU342にて把握可能とする。ステップSk1109の実行後又はステップSk1107で否定判定した場合(カバー部271が閉状態でない場合)は、ミュート制御処理を終了する。
【3843】
ステップSk1106で肯定判定した場合(出力対象音がエラー音である場合)は、ステップSk1110に進み、SP出力制御IC88に出力されるミュート信号MTをオフ状態とする。すなわち、ジャック部37へのプラグ部39の接続状態(ヘッドホン38の使用状態)であっても、エラー音が出力対象となる場合は、ミュート状態を一時的に解除してスピーカ部29からエラー音が放出されるようにする。この場合、スピーカ部29とヘッドホン38との両方からエラー音が出力されることになる。
【3844】
ステップSk1111では、上記各種フラグ格納エリア344aに一時解除フラグをセットする。一時解除フラグは、出力対象音がエラー音であることによりミュート処理を解除している状態であることをMPU342が把握するためのものである。ステップSk1111の実行後は、ミュート制御処理を終了する。
【3845】
ステップSk1101で肯定判定した場合(一時解除フラグがセットされている場合)は、ステップSk1112にて一時解除中処理を実行し、その後、ミュート制御処理を終了する。ここで、ステップSk1112の一時解除中処理について
図353のフローチャートを参照しながら説明する。
【3846】
一時解除中処理では先ずステップSk1201にて、エラー音の出力が終了したか否かを判定する。エラー音の出力が終了した場合は、ステップSk1202にて、SP出力制御IC88に出力されるミュート信号MTをオン状態とする。これにより、ミュート処理を再開し、再びスピーカ部29から音が放出されないようにする。
【3847】
ステップSk1203では、上記各種フラグ格納エリア344aにセットされている一時解除フラグをクリアし、その後、一時解除中処理を終了する。この場合、ミュートフラグがセットされたままの状態となっているため、MPU342としては、ミュート処理の実行状態であることを把握することになる。
【3848】
ステップSk1201で否定判定した場合(エラー音の出力が終了していない場合)は、ステップSk1204にてカバー部271が閉状態であるか否かを判定する。カバー部271が閉状態である場合は、ミュート処理の一時解除中である状況で、ジャック部37からプラグ部39が取り外されたことを意味する。
【3849】
この場合はステップSk1205に進み、上記各種フラグ格納エリア344aにセットされているミュートフラグ、一時解除フラグをクリアする。その結果、エラー音の出力が終了した後もミュート処理が再開されず、スピーカ部29から音が放出される状態が継続される。ステップSk1205の実行後又はステップSk1204で否定判定した場合(カバー部271が閉状態でない場合)は、ミュート制御処理を終了する。
【3850】
<ミュート処理の流れについて>
次に、ミュート処理の流れについて
図354を参照しながら説明する。ここでは、ジャック部37にプラグ部39が接続されておらず、カバー部271が閉じられている状態を初期状態として説明を進める。
【3851】
タイミングt1においてカバー部271が閉状態である場合、MPU342は、ジャック部37にプラグ部39が接続されていないとして、第1音信号経路87(音信号をスピーカ部29に伝送するための経路)のSP出力制御IC88に対するミュート信号MTをオフ状態とする(
図355(a)、(b))。この場合、第1音量スイッチ89、第2音量スイッチ90からの音量調整信号に応じた音量レベルの音信号がSP出力制御IC88から出力され、スピーカ部29から音が放出される(
図355(d))。
【3852】
この際、サウンドIC83からの音信号は、第2音信号経路93(音信号をジャック部37に伝送するための経路)のHP出力制御IC94にも入力される。HP出力制御IC94ではミュート処理を実行しないため、HP出力制御IC94からは各音量スイッチ89、90からの音量調整信号に応じた音量レベルの音信号が出力される。しかしながら、ジャック部37にプラグ部39が接続されていない状態では、当該音信号に対応する音の放出はなされない。
【3853】
タイミングt2において、カバー部271が開状態に切り替えられると(
図355(a))、MPU342では、検知部273から出力される検知信号DSに基づいてそれを検知する。この場合、MPU342は、ジャック部37にプラグ部39が接続されたとして、SP出力制御IC88に対するミュート信号MTをオン状態に切り替える(
図355(b))。
【3854】
これを受けてSP出力制御IC88では、音信号に対するミュート処理を実行し、各音量スイッチ89、90からの音量調整信号にかかわらず、音信号の音量レベル(出力レベル)を0レベルまで低減する(
図355(d))。これにより、スピーカ部29から音が放出されなくなる。一方で、HP出力制御IC94からは、各音量スイッチ89、90からの音量調整信号に応じた音量レベルの音信号が出力されているため、当該音信号がジャック部37を通じてヘッドホン38に出力されることにより、ヘッドホン38から音が放出される(
図355(e))。
【3855】
このように、カバー部271の開状態への切り替えを検知した場合に、ジャック部37に向けて出力される音信号については、遊技者が聴こえる状態での音量レベルにて出力する一方で、スピーカ部29に向けて出力される音信号に対してはミュート処理を施し、スピーカ部29からの放出音の音量を小さくするようにしている。これにより、ヘッドホン38が接続されたパチンコ機10を遊技している遊技者に対しては、ヘッドホン38を通じて演出音等が聴こえるようにしつつ、周囲に対しては、当該パチンコ機10から発さられる音を小さくしたり、無くしたりすることで、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献する。
【3856】
上記ミュート処理の実行状態であるタイミングt3において、エラー音に対応する音信号を出力する状態となった場合は、MPU342は、SP出力制御IC88に対するミュート信号MTをオフ状態に切り替える(
図355(b)、(c))。これを受けてSP出力制御IC88では、音信号に対するミュート処理を解除し、エラー音に対応する音信号を所定の音量レベルで出力する。これにより、スピーカ部29からエラー音が放出される。
【3857】
この際、ヘッドホン38がジャック部37に接続されている状態で、HP出力制御IC94からも上記所定の音量レベルでエラー音に対応する音信号が出力されるため、ヘッドホン38からもエラー音が放出される。すなわち、ヘッドホン38の接続状態でエラー音の出力状態となった場合は、スピーカ部29とヘッドホン38との両方からエラー音が放出されるように制御される。
【3858】
例えば、エラー音として不正検知音が出力される場合において、ヘッドホン38が接続されていることにより、当該不正検知音がヘッドホン38のみから放出される構成とした場合には、周囲の遊技者やホール従業員に不正検知音が聞こえないようにすることができるため、ジャック部37が不正行為に悪用されるおそれがある。この点、出力対象音が不正検知音である場合にミュート状態を解除する構成であることにより、不正が検知されたことを周囲の遊技者やホール従業員に速やかに知らせることができ、不正行為の発見に遅れが生じることを好適に抑制できる。
【3859】
また、他の例として、ヘッドホン38の接続状態において球無しエラー音が出力される場合に、当該球無しエラー音がヘッドホン38のみから放出される構成であると、例えば、遊技者がヘッドホン38を装着していない場合に、球無しエラー音が聴こえない結果、球無し状態の発生に遊技者が気付かず、遊技に支障を来たすおそれがある。この点、上記球無しエラー音がスピーカ部29から放出されることにより、遊技者がヘッドホン38を装着していなくてもエラー音が聴こえるものとなり、球無し状態の発生を速やかに認識させることが可能になる。
【3860】
また、満杯エラー音が出力される場合についても、ヘッドホン38だけでなく、スピーカ部29からも満杯エラー音が放出されることで、遊技者がヘッドホン38を装着していない場合でも、球抜き操作を促すことができ、満杯状態が長期間に亘って放置されることを抑制できる。
【3861】
なお、スピーカ部29とヘッドホン38との両方からエラー音が放出される場合において、それらの音量レベルは同じレベルであってもよいし、異なるレベルであってもよい。ヘッドホン38の使用時における耳の保護を図る上では、ヘッドホン38からのエラー音の音量レベルは、スピーカ部29からのエラー音の音量レベルよりも低いものであることが好ましい。
【3862】
また、上記の場合においてスピーカ部29からのエラー音は、ヘッドホン38が接続されていない場合と同じ音量レベルで放出される。このような構成とすることで、例えば、エラー音が不正検知音である場合は、ヘッドホン38の接続有無にかかわらず、不正行為者に対して同じレベルで警告を発したり、周囲の遊技者やホール従業員に対してそのパチンコ機10への注目を好適に促したりすることが可能になる。
【3863】
その後、タイミングt4において、エラー状態の解消等になり、エラー音に対応する音信号の出力が終了すると(
図355(c))、MPU342は、SP出力制御IC88に対するミュート信号MTをオン状態に切り替える(
図355(b))。これにより、SP出力制御IC88から出力される音信号の音量レベルが低減され、スピーカ部29から音が放出されなくなる。この際、HP出力制御IC94からは各音量スイッチ89、90からの音量調整信号に応じた音量レベルの音信号が出力されるため(
図355(e))、遊技者は、演出音等のパチンコ機10から発せられる音を、ヘッドホン38を通じて聴くことができる。
【3864】
そして、タイミングt5において、カバー部271が閉状態に切り替えられると(
図355(a))、MPU342では、検知部273から出力される検知信号DSに基づいてそれを検知する。この場合、MPU342は、ジャック部37からプラグ部39(ヘッドホン38)が取り外されたとして、SP出力制御IC88に対するミュート信号MTをオフ状態に切り替える(
図355(b))。
【3865】
その結果、SP出力制御IC88では音信号に対するミュート処理が解除され、スピーカ部29から音が放出されるようになる(
図355(d))。この場合、ミュート処理が実行される前の音量設定に従って、SP出力制御IC88を伝送される音信号への音量調整が行われるものとなり、プラグ部39(ヘッドホン38)が接続される前(ミュート処理の実行前)と同レベルの音量でスピーカ部29から音が放出されることになる。
【3866】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【3867】
パチンコ機10にジャック部37を設け、ヘッドホン38を接続可能とした。この場合、遊技者は、周囲のパチンコ機からの音や遊技ホール内の騒音の影響を受けにくくしながら、自身が遊技するパチンコ機からの演出音等を聴くことができる。よって、遊技中の演出音等を聴き取りやすくなり、利便性を向上させることが可能になる。
【3868】
ヘッドホン38が接続されている場合に、スピーカ部29への音信号に対してミュート処理を実行する構成とした。この場合、そのパチンコ機10を遊技している遊技者に対しては、ヘッドホン38を通じて演出音等が聴こえるようにしつつ、周囲に対しては、聴こえる態様でパチンコ機10から音が発せられることを抑制できる。これにより、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができ、遊技ホールに来店する各遊技者が遊技を行いやすい環境づくりに寄与することが可能になる。
【3869】
サウンドICから出力される音信号を第1音信号経路87(音信号をスピーカ部29に伝送するための経路)と第2音信号経路93(音信号をジャック部37に伝送するための経路)との両方に出力する構成とした。
【3870】
この場合、サウンドICから出力された音信号が、常に上記各音信号経路87、93の両方を通る状態とすることができる。よって、ヘッドホン38の接続時において第1音信号経路87でのミュート処理を実行するだけで、スピーカ部29からの音量レベルを低減しつつ、ヘッドホン38に対しては通常の音量レベルで出力させることができ、処理構成を簡単化することが可能になる。また、かかる状態から、スピーカ部29とヘッドホン38の両方にて通常の音量レベルで音が出力される状態に切り替えたい場合も、第1音信号経路87にて行っているミュート処理を解除するだけで足りるため、上記切り替えを簡単に行うことが可能になる。
【3871】
サウンドIC83の出力部と第1音信号経路87の入力部とを結ぶ音信号出力線91の途中部から分岐線92を分岐させ、この分岐線92を第2音信号経路93の入力部に接続する構成とした。
【3872】
この場合、サウンドIC83での出力チャンネル数を増設しなくても、サウンドIC83からの音信号を第1音信号経路87と第2音信号経路93との両方に入力させることができる。例えば、スピーカ部29用に既に多くのチャンネル数を割り当てており、ジャック部37(ヘッドホン38)用のチャンネルを確保することが困難な場合にあっては特に有効となる。
【3873】
スピーカ部29への音信号に対するミュート処理の実行状態においてプラグ部39が引き抜かれると、SP出力制御IC88へのミュート信号MTがオフ状態とされ、ミュート処理が解除される構成とした。
【3874】
例えば、ミュート処理の開始後、そのままの状態でパチンコ機が放置されると、次の遊技者が遊技を開始した場合にスピーカ部29から音が放出されないことで、その遊技者を困惑させてしまうおそれがある。この点、プラグ部39の引き抜き(カバー部271の閉状態への切り替え)に応じてミュート処理を解除する構成であることで、遊技者が手動で出力の切り替え操作を行わなくても、スピーカ部29から音が放出される状態に自動的に復帰させることができる。これにより、ミュート処理の実行状態のままでパチンコ機が放置されることが抑制され、次の遊技者を困惑させる事態の発生を好適に抑制することが可能になる。
【3875】
ヘッドホン38が接続されており、スピーカ部29への音信号に対するミュート処理の実行状態において、エラー音が出力される状態になった場合には、ミュート処理を一時的に解除してスピーカ部29とヘッドホン38との両方からエラー音が出力される構成とした。
【3876】
例えば、ヘッドホン38を接続することで、スピーカ部29からエラー音が放出されない状態となった場合、不正行為者がこれを悪用するおそれがある。また、パチンコ機において球無しエラーや満杯エラーが発生した場合において、ヘッドホン38が接続されているにもかかわらず、遊技者がヘッドホン38を装着していない場合は、エラー音が聴こえないことで、それらのエラー状態が放置される懸念がある。この点、ミュート処理の実行状態であってもエラー音が出力対象となる場合は、スピーカ部29からエラー音を出力させる構成とすることで、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
【3877】
第2音信号経路93(音信号をジャック部37に伝送するための経路)においてHP出力制御IC94とジャック部37との間に絶縁トランス96を介在させる構成とした。
【3878】
ジャック部37を設けることで遊技者の利便性を高めることができる反面、ジャック部37を狙って不正機器が使用され、ジャック部37を通じて不正な外部信号がパチンコ機10の内部に入力されるおそれがある。この点、HP出力制御IC94とジャック部37との間に絶縁トランス96を介在させることで、HP出力制御IC94の出力部とジャック部37の入力部とを結線的に分離しつつ、HP出力制御IC94の出力部からジャック部37の入力部への音信号の流れを許容する伝送路を構築することができる。この場合、HP出力制御IC94とジャック部37とが直接的に結線されている場合に比べ、逆方向への信号の流れを生じさせにくくすることができ、不正な外部信号がパチンコ機10内の制御部(例えばMPU342)に送り込まれることを抑制できる。
【3879】
ジャック部37にプラグ部39が取り付けられていない場合に、ジャック部37の接触端子253~255の電位が接地電位に固定される構成とした。
【3880】
ジャック部37が不正行為の対象として狙われるおそれがあり、その際、ジャック部37内の各接触端子253~255が電気的に浮いた状態となっていると、不正信号の入力にそれらの端子253~255が利用されやすくなることが懸念される。この点、各接触端子253~255の電位が接地電位に固定されていることで、それらの端子253~255に不正な外部信号が供給されても、当該信号がパチンコ機10の内部に伝送されることを抑制できる。
【3881】
ジャック部37にプラグ部39が取り付けられていない場合に、第2接触端子254及び第3接触端子255が第1接地端子257及び第2接地端子258に当接することで、各接触端子254、255の電位が接地電位とされ、プラグ部39の取り付けに伴って付与される押圧力により、各接触端子254、255と各接地端子257、258とが離間する構成とした。
【3882】
この構成によれば、ジャック部37からプラグ部39が引き抜かれると、押圧力が解除されて再び各接触端子254、255と各接地端子257、258とが当接し、各接触端子254、255の電位が接地電位に固定される。すなわち、プラグ部39の着脱に連動して、各接触端子254、255の電位が接地電位に固定される状態と、プラグ部39の電極232、233と導通する状態とが機械的に切り替えられるため、プラグ部39が取り付けられていない場合に各接触端子254、255の電位が接地電位に固定される構成を好適に実現することが可能になる。
【3883】
ジャック部37(開口部252)を前方から覆うことでプラグ部39の取り付けを規制可能なカバー部271を設け、このカバー部271について、上記取り付けを規制する閉状態(通常位置に位置する状態)と、上記取り付けを許容する開状態(上昇位置に位置する状態)とに切り替え可能な構成とした。
【3884】
この構成では、ジャック部37(開口部252)を覆うことで、プラグ部39が取り付けられていない状態で開口部252が剥き出しとなることを抑制し、不正行為者によってジャック部37が狙われることを抑制できる。さらに、不正行為者がジャック部37に不正を行おうとした場合に、カバー部271を通常位置から上昇位置に切り替える必要が生じ、不正行為を行う際の手間を増やすことができる。これにより、不正の抑止を図ることが可能になる。
【3885】
カバー部271を透明又は半透明なものとし、閉状態において、カバー部271を通してジャック部37を視認できる構成とした。この場合、カバー部271が閉状態に保持さる場合でも、遊技者がジャック部37の存在に気付くことができる。これにより、不正の抑止効果を担保しながらも、遊技者に対してジャック部37の積極的な利用を促すことができる。すなわち、不正への対策によって、ヘッドホン38との接続を可能とした意義が損なわれることを抑制できる。
【3886】
カバー部271の開閉を検知部273によって検知し、その結果に基づいて、スピーカ部29への音信号に対するミュート処理の有無を切り替える構成とした。
【3887】
ジャック部37にプラグ部39を取り付けてヘッドホン38をパチンコ機10に接続するには、カバー部271の閉状態から開状態への切り替えが不可欠となるため、カバー部271の開放に応じてミュート処理を実行することで、ヘッドホン38の接続がなされるのに合わせてスピーカ部29から音が出なくなる構成とすることができる。
【3888】
この場合、ヘッドホン38(プラグ部39)の接続検知をカバー部271の開放検知によって代替できるため、プラグ部39が抜き差しされた場合の電位変化を検知(検出)する回路を第2音信号経路93上に設けなくても、パチンコ機10にてヘッドホン38(プラグ部39)の接続を把握し得るものとなる。例えば、そのような検知回路を設けた場合、当該回路を駆動させるための電源ラインを第2音信号経路93に組み込む必要があるが、ジャック部37を狙って不正機器が仕込まれた場合、その電源ラインが不正機器の動力として悪用されるおそれがある。この点、本構成によれば、上記検知回路を省略できるため、第2音信号経路93上に電源ラインを設けない構成とすることができ、当該電源ラインが不正に利用されることを抑制できる。これにより、不正の抑止効果を高めることが可能になる。
【3889】
<変形例1>
上記第6の実施の形態の変形例1について
図355を参照しながら説明する。ここでは上記第6の実施の形態との相違点についてのみ説明する。また、
図355において第6の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3890】
上記第6の実施の形態では、ジャック部37の前方にカバー部271を設け、そのカバー部271の開閉を検知部273により検知する構成としたが、本変形例では、カバー部271を設けず、ジャック部37へのプラグ部39の抜き差しを検知するように構成されている。以下、そのための構成について詳細に説明する。
【3891】
図355に示すように、ジャック部37の前方には検知部291が配置されている。この検知部291は、発光部291aと受光部291bとが分離した状態でそれぞれ配置される分離型フォトセンサである。
【3892】
本変形例では、ジャック部37における開口部252の前方領域を発光部291aと受光部291bとの間に挟むようにして検知部291が配置されている。この際、発光部291aの発光面と受光部291bの受光面とは対向する状態となっている。
【3893】
このような構成において、ジャック部37にプラグ部39が差し込まれている場合は、プラグ部39によって発光部291aと受光部291bとの間の光路が遮られる一方、プラグ部39が差し込まれていない場合は、当該光路が遮られない。このため、検知部291からは、プラグ部39の抜き差しに応じて出力レベルが変化する検知信号DSが出力されることになる。
【3894】
MPU342では、上記検知信号DSを参照することで、ジャック部37へのプラグ部39の取り付け有無を把握することができる。そして、プラグ部39が取り付けられたことを把握した場合は、ヘッドホン38が接続されたと推認し、SP出力制御IC88へのミュート信号MTをオン状態としてミュート処理を実行させる。これにより、ヘッドホン38が接続された場合を対象として、スピーカ部29から音が放出されないようにすることができる。
【3895】
なお、検知信号DSが伝送される配線は、上記第6の実施の形態と同様に、第2音信号経路93とは別の独立したものとなっている。また、検知部291の駆動電力の供給路は第2音信号経路93とは別の独立した配線により確保されており、この配線はパチンコ機10の内部を通っており、外部からのアクセスが不可又は困難な状態となっている。このため、ジャック部37を狙って不正機器が使用されても、検知部273を動作させるための駆動電力が不正機器の動力として悪用されることを抑制できる。
【3896】
例えば、第6の実施の形態において、プラグ部39が外されているにもかかわらず、カバー部271が上端位置に保持されることがあった場合、スピーカ部29から音が放出されなくなるおそれがある。この点、本変形例では、プラグ部39の抜き差しを検知する構成としたため、カバー部271を省略したり、カバー部271を設ける場合でも、ミュート処理の有無をカバー部271の開閉に連動させなくても済んだりするものとなり、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
【3897】
<変形例2>
上記第6の実施の形態の変形例2について
図356~
図373を参照しながら説明する。ここでは上記第6の実施の形態やその変形例1との相違点についてのみ説明する。また、
図356~
図373において第6の実施の形態等と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【3898】
上記第6の実施の形態では、ジャック部37の前方にカバー部271を設け、そのカバー部271が開状態とされることに基づいて、遊技者によるヘッドホン38の使用をパチンコ機10が認識する構成としたが、本変形例では、パチンコ機10に設けた所定の操作部を遊技者が操作することで、ヘッドホン38とスピーカ部29のいずれを使用するかを選択し得るものとし、その選択操作に基づいてヘッドホン38の使用をパチンコ機10が認識するように構成されている。以下、そのための構成について詳細に説明する。
【3899】
<音声の出力制御に関する構成について>
本変形例にかかる音声の出力制御に関する構成について
図356を参照しながら説明する。
【3900】
サウンドIC83の出力側には、サウンドIC83からの音信号をスピーカ部29に伝送するための第1音信号経路87が接続されている。第1音信号経路87には、サウンドIC83からの音信号に対して音量調整を行うSP出力制御IC88が設けられており、SP出力制御IC88により音量調整された音信号はスピーカ部29に出力される。
【3901】
演出制御装置143の入力側には、各種入力操作を行うための入力用操作部300と、音量を調整するための第1音量スイッチ301とが接続されている。ここで、これら入力用操作部300及び第1音量スイッチ301について
図357を参照しながら説明する。
【3902】
入力用操作部300及び第1音量スイッチ301は、例えば、前扉枠14の前面部(例えば上側膨出部31)など、パチンコ機10の外側に露出するようにしてパチンコ機10の前面部に配置されており、遊技者が操作可能となっている。このうち入力用操作部300は、遊技者が遊技演出(遊技の進行に伴って実行される演出)に関する設定を変更したりするものである。遊技演出に関する設定変更(カスタマイズ)としては、所定演出についての大当たり期待度や出現頻度等を変更するものがある。
【3903】
図357(a)に示すように、入力用操作部300は、平面視で円形を有する膨出状のスイッチ本体381を有しており、スイッチ本体381の中央部には中スイッチ382が設けられている。また、スイッチ本体381には、中スイッチ382を環状に囲むようにして、上スイッチ383、右スイッチ384、下スイッチ385、左スイッチ386が設けられている。上下左右のスイッチ263~266は、項目の選択等に用いられる所謂十字キーとして機能するものであり、中スイッチ382は、選択している項目の決定等に用いられる所謂決定キーとして機能するものである。
【3904】
上記各スイッチ382~386は、例えば押し下げ操作が可能な押しボタンスイッチとして構成されており、上下への変位が可能な状態で支持されている。スイッチ本体381内において各スイッチ382~386の下方には、それら各スイッチ382~386の押し下げ(下方への変位)を検知するためのセンサ(不図示)が配置されており、演出制御装置143では、それらセンサから出力される検知信号を参照することで、いずれのスイッチ382~386が操作されたかを把握することが可能となっている。
【3905】
第1音量スイッチ301は、主として遊技者が操作するための音量設定用の操作部であり、
図357(b)に示すように、音量を増大させるためのアップスイッチ388と、音量を低減させるためのダウンスイッチ389とを備えている。これら各スイッチ388、389は、例えば押しボタンスイッチとして構成されており、入力用操作部300と同様に、それら各スイッチ388、389の下方に配置されたセンサ(不図示)により、それら各スイッチ388、389に対する押し下げ操作を検知することが可能となっている。演出制御装置143では、それらセンサから出力される検知信号を参照することで、いずれのスイッチ388、389が操作されたかを把握することが可能となっている。
【3906】
また、演出制御装置143の入力側には、他の音量設定用の操作部として第2音量スイッチ302が接続されている。第2音量スイッチ302は、ホール従業員が操作することを目的に設けられた音量設定用の操作部であり、演出制御基板341の表面部(素子搭載面)など、内枠13及び遊技盤60を前方回動させた場合に操作可能となる位置に配置されている。
【3907】
図356に示すように、演出制御装置143では、入力用操作部300、第1音量スイッチ301、第2音量スイッチ302からの検知信号(操作信号)がMPU342に入力されるように構成されている。MPU342では、入力用操作部300等からの操作信号に基づき、入力用操作部300等に対する遊技者の操作内容を把握し、その結果に基づいて第1音量制御信号VC1を出力する。
【3908】
第1音量制御信号VC1は、スピーカ部29からの放出音の音量を変更したりするためのものであり、第1音信号経路87のSP出力制御IC88に入力される。SP出力制御IC88では、第1音量制御信号VC1により指定される音量に応じて、サウンドIC83から出力される音信号の出力レベルを増減した後、スピーカ部29に出力する。なお、スピーカ部29からの放出音の音量調整は、例えば5段階で行うことができるようになっている。
【3909】
図356に示すように、サウンドIC83の出力側には、サウンドIC83からの音信号をジャック部37(ヘッドホン38)に伝送するための第2音信号経路93が接続されている。より詳しくは、サウンドIC83の出力部と第1音信号経路87の入力部とを結ぶ音信号出力線91の途中部から分岐線(分岐路)92が分岐しており、この分岐線92を介して第2音信号経路93がサウンドIC83の出力部に接続されている。
【3910】
音信号出力線91からの分岐線92の分岐は、音信号出力線91(サウンドIC83から第1音信号経路87に向かう出力用配線)の途中から第2音信号経路93の入力側に向かう出力用配線が枝分かれするように、回路基板上の配線パターンが組まれることで実現されている。この際、スイッチ等による経路切替部を介していないため、サウンドIC83から出力される音信号は、第1音信号経路87と第2音信号経路93との両方に出力されることになる。
【3911】
第2音信号経路93には、サウンドIC83からの音信号に対して音量調整を行うHP出力制御IC94が設けられており、HP出力制御IC94により音量調整された音信号はジャック部37に出力される。HP出力制御IC94には、MPU342から出力される第2音量制御信号VC2が入力される。
【3912】
第2音量制御信号VC2は、ヘッドホン38からの放出音の音量を変更したりするためのものであり、第1音量制御信号VC1と同様に、入力用操作部300等の操作内容に基づいて生成される。HP出力制御IC94では、第2音量制御信号VC2により指定される音量に応じて、サウンドIC83から出力される音信号の出力レベルを増減し、その後、ジャック部37に向けて出力する。このため、遊技者が入力用操作部300や第1音量スイッチ301を操作したりすることで、ヘッドホン38から放出される音の音量を変更することができる。
【3913】
また、第2音信号経路93では、HP出力制御IC94からの音信号の出力線95がジャック部37に対して直接的には繋がっておらず、絶縁トランス96を介してジャック部37に接続されている。すなわち、HP出力制御IC94の出力側が絶縁トランス96の1次側に接続され、絶縁トランス96の2次側がジャック部37の入力側に接続された状態となっている。
【3914】
なお、本変形例では、上記第6の実施の形態に係るカバー部271及び検知部273や、上記変形例1に係る検知部291が設けられておらず、ジャック部37にプラグ部39が差し込まれたことの検知は行われない。
【3915】
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理について説明する。
【3916】
<メイン処理>
図358は、パチンコ機10への電源投入(演出制御装置143への電力供給の開始)に伴い起動されるメイン処理を示すフローチャートである。
【3917】
メイン処理では先ずステップSk1401にて、初期化処理を実行する。初期化処理では、スタックポインタの値をMPU342内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後、MPU342内のレジスタ群やI/O装置等に対する各種の設定などを行う。
【3918】
ステップSk1402では、立ち上げ時音量設定処理を実行する。立ち上げ時音量設定処理では、スピーカ部29からの放出音の音量を予め定められた初期音量に設定したりするための処理を実行する。立ち上げ時音量設定処理の詳細については後述する。
【3919】
ステップSk1403では、停電状態(電断状態)が発生しているか否かを判定する。この判定は、主制御装置162からの停電コマンドを受信しているか否かを判定することにより行う。なお、停電コマンドは、主制御装置162のMPU312にて停電状態の発生が認識された場合、すなわち、
図340のステップSk309にて肯定判定した場合に出力されるものである。停電コマンドを受信しており、停電状態が発生している場合は、ステップSk1404にて停電処理を実行する。
【3920】
ステップSk1403で否定判定した場合(停電状態が発生していない場合)は、ステップSk1405に進み、各種演出の選択等の際に用いる乱数値の更新処理を行う。続くステップSk1406では、タイマ割込み用処理を実行する。タイマ割込み用処理では、例えば、タイマ割込み処理の割込みタイミングである否かを判定し、割込みタイミングである場合には、当該タイマ割込み処理を起動させるための処理を行う。タイマ割込み処理では、各種タイマカウンタや設定済みの演出データの更新処理等を行う。
【3921】
ステップSk1407では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、主制御装置162から送信されたコマンドを解析し、その結果に対応した処理を実行する。
【3922】
例えば、コマンド対応処理では、特図遊技回が開始される場合に主制御装置162から送信される変動開始コマンドを受信しているか否かを判定し、変動開始コマンドを受信している場合は、当該変動開始コマンドに基づいて今回の特図遊技回の当否抽選結果が大当たり結果であるか否かや、今回の特図遊技回における変動表示時間(変動パターン情報)を把握する。そして、それらの把握結果に基づいて今回の特図遊技回にて実行する遊技回演出の設定を行う。例えば、図柄列Z1~Z3の停止結果、リーチ演出の有無や種別、予告演出の有無や種別等の設定を行う。
【3923】
また、コマンド対応処理では、保留情報が取得された場合に主制御装置162から送信される保留コマンドを受信しているか否かを判定し、保留コマンドを受信している場合は、保留表示部200にて保留用画像が表示されるように設定する。また、特図遊技回が終了した場合に主制御装置162から送信されるシフトコマンドを受信しているか否かを判定し、シフトコマンドを受信している場合は、保留表示部200の各単位保留表示領域に表示されている保留用画像の表示位置を下位側の表示領域にシフトさせるように設定する。
【3924】
ステップSk1407のコマンド対応処理を実行した後は、ステップSk1408にて操作対応処理を実行する。操作対応処理は、入力用操作部300や第1音量スイッチ301が操作された場合の処理を実行するものであり、各種演出のカスタイマイズや音量設定等を行ったりするための処理を実行する。操作対応処理の詳細については後述する。
【3925】
ステップSk1409では音出力設定処理を実行する。音出力設定処理は、ステップSk1408で設定された遊技回演出に対応する演出音や、エラー発生時に主制御装置162から送信されるエラーコマンドに対応するエラー音を、スピーカ部29やヘッドホン38(ジャック部37)から出力させるための処理である。音出力設定処理の詳細については後述する。
【3926】
上記ステップSk1403~ステップSk1409のループ処理は、例えば2msec周期で実行されるように設定されている。このため、ステップSk1408の操作対応処理やステップSk1409の音出力設定処理は、2msec周期で定期的に実行されることになる。
【3927】
<操作対応処理>
ステップSk1408の操作対応処理について
図359のフローチャートを参照しながら説明する。
【3928】
操作対応処理では先ずステップSk1501にて、音量設定画面411の表示中であるか否かを判定する。音量設定画面411の詳細については後述する。
【3929】
音量設定画面411の表示中でない場合は、ステップSk1502に進み、メニュー画面405の表示中であるか否かを判定する。ここで、メニュー画面405について
図369及び
図370を参照しながら説明する。
【3930】
メニュー画面405は、入力用操作部300の操作に基づいて図柄表示装置75の表示画面Gに表示されるウィンドウ状の操作用画面であり、遊技演出のカスタマイズを行ったりするためのユーザーインターフェイスである。例えば、
図369(a)に示すように、メニュー画面405は横長の長方形状をなしており、表示画面Gの左下部に表示されるようになっている。
【3931】
図369(b)に示すように、メニュー画面405内には、演出カスタマイズメニュー等の各種選択項目を表示するためのメニューバー406が設けられている。メニューバー406に表示可能な選択項目は複数となっており、例えば、
図370(a)に示すように、遊技回演出として所定の予告演出(例えば「〇〇予告」)が実行された場合の大当たりへの期待度を高めるための期待度アップ項目KP1a、所定の予告演出(例えば「××予告」)の出現率(実行頻度)を高めるための出現率アップ項目KP1b等を含む演出カスタマイズ項目KP1や、ヘッドホン38の使用有無を切り替えるためのヘッドホン項目KP2、演出カスタマイズの設定状態を初期状態に戻すための設定リセット項目KP3等が設定されている。これら各選択項目KP1~KP3は、メニューバー406において文字等によって示されている。
【3932】
メニューバー406には、上記各選択項目KP1~KP3のうちの1つが表示されるようになっており、入力用操作部300の上スイッチ383、下スイッチ385を操作することで、メニューバー406への表示対象となる選択項目を順次に切り替えることが可能になっている。
【3933】
また、メニューバー406には、当該メニューバー406にて示される選択項目を適用するか否かを選択するためのオンボタン407及びオフボタン408が設けられている。これらオンボタン407及びオフボタン408は、その時点で選択状態となっている側が、例えば明るく表示されるなどして強調表示されるようになっている。
【3934】
例えば、メニューバー406に期待度アップ項目KP1aが表示されている状態で、オフボタン408が強調表示されている場合は、期待度アップの設定が適用されていないことを示すことになる。このため、遊技者は、メニュー画面405上のメニューバー406を視認することで、各選択項目が適用されているか否かを容易に理解することができる。
【3935】
そして、オフボタン408が強調表示されている状況で、入力用操作部300の左スイッチ386を操作してオンボタン407を選択し、その状態で中スイッチ382を操作することで、メニューバー406に表示されている選択項目の非適用状態から適用状態への切り替えを行うことが可能になる。なお、以下の説明においては、オンボタン407の選択状態で中スイッチ382を操作することを「オン操作」といい、オフボタン408の選択状態で中スイッチ382を操作することを「オフ操作」ということがある。
【3936】
操作対応処理(
図359)の説明に戻り、ステップSk1502で否定判定した場合(メニュー画面405の表示中でない場合)は、ステップSk1503に進み、メニュー画面405を表示するための操作(メニュー表示の操作)が行われたか否かを判定する。メニュー表示の操作は特に限定されるものではないが、例えば、メニュー画面405が表示されていない状況で入力用操作部300の中スイッチ382を押し下げる操作が該当する。
【3937】
メニュー表示の操作が行われている場合は、ステップSk1504に進み、メニュー画面405を表示させるためのメニュー画面の表示用処理を実行する。これにより、図柄表示装置75の表示画面Gにてメニュー画面405の表示が開始される。
【3938】
メニュー画面の表示用処理では、表示制御装置350への送信対象として、メニュー画面405の表示を開始させるためのコマンドを設定する。表示制御装置350では、当該コマンドを受信すると、メニュー画面405用の画像データをキャラクタROM376から読み出し、当該画像データが表示画面Gに表示されるように図柄表示装置75を制御する。なお、以下の各種表示を行う場合の処理において、表示のためのコマンドを表示制御装置350に送信したり、表示制御装置350にて、対応する画像データを読み出して表示画面Gに表示させたりする点については同様であるため、その説明を省略する。
【3939】
ステップSk1505では、RAM344の各種カウンタエリア305に設けられたメニュー表示タイマカウンタエリア(以下、単に「メニュー表示タイマ」という)にメニュー画面405の表示継続期間に対応する値(例えば20sec相当)を入力する。メニュー表示カウンタの値は、操作対応処理が起動される都度、1ずつ減算される。ステップSk1505の実行後は操作対応処理を終了する。
【3940】
ステップSk1503で否定判定した場合(メニュー表示の操作が行われていない場合)は、ステップSk1506に進み、第1音量スイッチ301が操作されているか否かを判定する。第1音量スイッチ301が操作されている場合は、ステップSk1507にて、音量設定画面411を表示するための表示用処理を実行する。当該表示用処理の詳細については後述する。ステップSk1507の実行後又はステップSk1506で否定判定した場合(第1音量スイッチ301が操作されていない場合)は、操作対応処理を終了する。
【3941】
ステップSk1502で肯定判定した場合(メニュー画面405の表示中である場合)は、ステップSk1508に進み、メニュー表示中の操作対応処理を実行する。また、ステップSk1501で肯定判定した場合(音量設定画面411の表示中である場合)は、ステップSk1509に進み、音量設定表示中の操作対応処理を実行する。これらメニュー表示中の操作対応処理や音量設定表示中の操作対応処理の詳細については後述する。
【3942】
<メニュー表示中の操作対応処理>
ステップSk1508のメニュー表示中の操作対応処理について
図360のフローチャートを参照しながら説明する。メニュー表示中の操作対応処理は、メニュー画面405の表示中において入力用操作部300や第1音量スイッチ301により各種操作が行われた場合に、行われた操作に対応する処理を実行するためのものである。
【3943】
メニュー表示中の操作対応処理では先ずステップSk1601にて、選択項目の切替操作が行われたか否かを判定する。具体的には、メニュー画面405の表示状態において入力用操作部300の上スイッチ383又は下スイッチ385が操作されているか否かを判定する。
【3944】
選択項目の切替操作が行われている場合は、ステップSk1602に進み、選択項目の切替表示用処理を実行する。当該切替表示用処理では、メニューバー406に表示される選択項目を、操作されたスイッチに対応する側の選択項目に切り替える処理を実行する。例えば、期待度アップ項目KP1aが表示されている状況で下スイッチ385が操作された場合は、出現率アップ項目KP1bが表示されるようにメニューバー406の表示を切り替える。
【3945】
ステップSk1603では、メニュー表示タイマにメニュー画面405の表示継続期間に対応する値(例えば20secに相当)を再入力する。これにより、メニュー画面405の残り表示期間が上限期間(例えば20sec)まで延長される。ステップSk1603の実行後は、メニュー表示中の操作対応処理を終了する。
【3946】
ステップSk1601で否定判定した場合(選択項目の切替操作が行われていない場合)は、ステップSk1604に進み、カスタム項目の選択状態であるか否かを判定する。すなわち、メニューバー406に演出カスタマイズ項目KP1が表示されているか否かを判定する。カスタム項目の選択状態である場合は、ステップSk1605にて、演出カスタムの実行操作が行われているか否かを判定する。具体的には、演出カスタマイズ項目KP1の表示状態でオン操作が行われているか否かを判定する。
【3947】
演出カスタムの実行操作が行われている場合は、ステップSk1606にて演出カスタム処理を実行する。演出カスタム処理では、メニューバー406に表示される選択項目が適用されるように演出設定を行う。例えば、メニューバー406に期待度アップ項目KP1aが表示されている状況でオン操作が行われた場合は、対象演出(例えば〇〇予告)について、当該対象演出が実行された場合の大当たりの期待度を高めるように演出設定を変更する。具体的には、当否抽選結果が外れ結果である外れ遊技回での出現頻度を低下させたり、当否抽選結果が大当たり結果である場合の当たり遊技回での出現頻度を増大させたりするように設定する。
【3948】
ステップSk1606の実行後はメニュー表示中の操作対応処理を終了する。また、ステップSk1605で否定判定した場合(演出カスタムの実行操作が行われていない場合)は、ステップSk1606の処理を実行せずにメニュー表示中の操作対応処理を終了する。
【3949】
ステップSk1604で否定判定した場合(カスタム項目の選択状態でない場合)は、ステップSk1607に進み、ヘッドホン設定の選択状態であるか否かを判定する。すなわち、メニューバー406にヘッドホン項目KP2が表示されている状態(
図370(b))であるか否かを判定する。ヘッドホン設定の選択状態である場合は、ステップSk1608にて、オン/オフ切替の操作が行われているかを判定する。すなわち、ヘッドホン項目KP2の表示状態でオン操作又はオフ操作のいずれかが行われているか否かを判定する。
【3950】
オン操作又はオフ操作のいずれかが行われている場合は、ステップSk1609にて、当該操作がオン操作であるか否かを判定する。オン操作である場合は、ヘッドホン38の不使用状態から使用状態に切り替えるための操作が行われていることを意味する。この場合は、ステップSk1610に進み、RAM344の各種フラグ格納エリア304にHPフラグをセットする。HPフラグは、ヘッドホン38の使用状態であることをMPU342が把握するためのものである。
【3951】
ステップSk1609で否定判定した場合、すなわち、オフ操作が行われている場合は、ヘッドホン38を使用状態から不使用状態に切り替えるための操作が行われていることを意味する。この場合は、ステップSk1611に進み、上記各種フラグ格納エリア304にセットされているHPフラグをクリアする。ここで、本変形例では、ヘッドホン38の不使用状態である場合、自動的にスピーカ部29の使用状態となるように構成されている。このため、上記各種フラグ格納エリア304にHPフラグがセットされていない場合は、ヘッドホン38の不使用状態であるのと同時にスピーカ部29の使用状態であることを示すものとなる。
【3952】
ステップSk1610又はステップSk1611の実行後は、ステップSk1612にて出力切替用処理を実行する。出力切替用処理は、パチンコ機10から発する演出音等の各種音を出力(放出)する出力デバイスをスピーカ部29とヘッドホン38(ジャック部37)との間で切り替えるための処理である。出力切替用処理の詳細については後述する。
【3953】
ステップSk1613では、音量設定画面411を表示するための表示用処理を実行し、その後、メニュー表示中の操作対応処理を終了する。なお、ステップSk1613の処理は、ステップSk1507(
図359)と同様のものであり、これらの処理の詳細については後述する。
【3954】
ステップSk1607で否定判定した場合(ヘッドホン設定の選択状態でない場合)は、リセット設定の選択状態(設定リセット項目KP3の表示状態)であることを意味する。この場合は、ステップSk1614に進み、リセット操作が行われているか否かを判定する。リセット操作は、設定中の期待度変更等についてそれらを解除するための操作(クリア操作)であり、設定リセット項目KP3の表示状態でオン操作を行うことにより実行されるものである。
【3955】
リセット操作が行われている場合は、ステップSk1615にて変更解除処理(初期化処理)を実行し、その後、メニュー表示中の操作対応処理を終了する。ステップSk1615の変更解除処理では、遊技演出に関する設定変更に関して初期状態(変更前の状態)に戻すように設定する。例えば、所定の予告演出の大当たり期待度を高める設定変更がなされていた場合であれば、上記変更解除処理の実行により、通常の大当たり期待度となるように切り替えが行われる。
【3956】
ここで、本変形例では、放出音の出力デバイスに関してスピーカ部29から音を放出する状態が初期状態(デフォルト状態)とされるが、上記リセット操作が行われた場合の対応に関して、ヘッドホン38の使用については変更解除処理の例外とされる。すなわち、ヘッドホン38の使用状態で上記リセット操作が行われた場合、スピーカ部29の使用状態への切り替えは行われず、ヘッドホン38の使用状態が維持されるように構成されている。
【3957】
ちなみに、スピーカ部29の使用状態で上記リセット操作が行われた場合も、ヘッドホン38の使用状態への切り替えは行われず、スピーカ部29の使用状態が維持される。すなわち、本変形例では、上記変更解除処理が実行された場合において、ヘッドホン38とスピーカ部29とのいずれを使用するかに関しては変化が生じないものとなっている。
【3958】
ステップSk1614で否定判定した場合(リセット操作が行われていない場合)は、ステップSk1616にてメニュー表示タイマの値が「0」になったか否かを判定する。また、ステップSk1608で否定判定した場合(オン/オフ切替の操作が行われていない場合)も同様に、ステップSk1616に進み、メニュー表示タイマの値が「0」になったか否かを判定する。
【3959】
メニュー表示タイマの値が「0」になった場合は、ステップSk1617にてメニュー画面の消去用処理を実行する。これにより、メニュー画面405が消去される。このため、メニュー画面405の表示を開始した後、入力用操作部300や第1音量スイッチ301を用いた操作が行われないまま放置されていた場合は、所定期間(例えば20sec)の経過後に自動的にメニュー画面405が消去される。
【3960】
ステップSk1617の実行後はメニュー表示中の操作対応処理を終了する。また、ステップSk1616で否定判定した場合(メニュー表示タイマの値が0でない場合)は、メニュー画面405の表示を継続すべく、ステップSk1617の処理を実行せずにメニュー表示中の操作対応処理を終了する。
【3961】
<音量設定画面の表示用処理>
ステップSk1507(
図359)、ステップSk1613(
図360)の音量設定画面の表示用処理について説明する。音量設定画面の表示用処理は、図柄表示装置75の表示画面Gに音量設定画面411を表示するための処理である。ここで、音量設定画面411について
図371を参照しながら説明する。
【3962】
音量設定画面411は、入力用操作部300や第1音量スイッチ301の操作に基づいて表示画面Gに表示されるウィンドウ状の操作用画面であり、スピーカ部29とヘッドホン38のいずれを使用するかを選択したり、スピーカ部29やヘッドホン38からの放出音の音量を変更(調節)したりするためのユーザーインターフェイスである。例えば、
図371(a)に示すように、音量設定画面411は矩形状をなしており、表示画面Gの右下部に表示されるようになっている。
【3963】
図371(b)に示すように、音量設定画面411内には、スピーカ部29の使用状態であることを示したり、スピーカ部29の使用を選択したりするためのスピーカボタン415(以下、「SPボタン415」という)と、ヘッドホン38の使用状態であることを示したり、ヘッドホン38の使用を選択したりするためのヘッドホンボタン416(以下、「HPボタン416」という)とが設けられている。これらSPボタン415及びHPボタン416は、その時点で選択状態となっているものが、例えば明るく表示されるなどして強調表示されるようになっており、遊技者は、それらのボタン415、416を視認することで、スピーカ部29とヘッドホン38のいずれが選択状態となっているかを把握することができる。
【3964】
図371(b)では、HPボタン416が選択状態となっている場合を例示している。なお、SPボタン415及びHPボタン416の選択状態の切り替えは、入力用操作部300の上スイッチ383、下スイッチ385を操作することで行うことが可能となっている。その他、音量設定画面411には、スピーカ部29とヘッドホン38のうちいずれが使用状態となっているかを文字等により報知する状態報知画像425が表示される。
【3965】
また、音量設定画面411では、スピーカ部29からの放出音の音量を示す第1音量表示部417と、ヘッドホン38からの放出音の音量を示す第2音量表示部418とが設けられている。第1音量表示部417はSPボタン415の右側に配置され、第2音量表示部418はHPボタン416の右側に配置されている。
【3966】
各音量表示部417、418には、
図371(c)に示すように、それぞれに音量レベル画像OPを表示可能な複数のレベル表示領域M1~M5が設定されている。音量レベル画像OP及びレベル表示領域M1~M5は、その時点での音量を表すためのものである。
【3967】
レベル表示領域M1~M5は、音量変更(音量調整)の段数に対応してその表示数が設定されている。本変形例では、スピーカ部29からの放出音とヘッドホン38からの放出音とのそれぞれについて5段階での音量変更が可能となっているため、各音量表示部417、418には5本のレベル表示領域(M1~M5)が設定されている。
【3968】
そして、どのレベル表示領域M1~M5に音量レベル画像OPが表示されるかにより、その時点での音量レベルが示される。例えば、レベル表示領域M1~M3に音量レベル画像OPが表示されている場合は、5段階のうち3段階目の音量レベル(音量レベル3)であることを示す状態となる。音量レベルは音量の大きさに対応しており、音量レベルが高いほど放出音の音量が大きいことを表すものとなる。レベル表示領域M1~M5において音量レベル画像OPが表示されない状態では、それらレベル表示領域M1~M5の輪郭だけが表示されるようにしてもよいし、何らの表示も行われないようにしてもよい。
【3969】
なお、音量レベルの段数は必ずしも5段である必要はなく、4段以下であってもよいし、6段以上であってもよい。
【3970】
音量レベルは、入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386や、第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389を操作することで、切り替えることが可能になっている。その際、SPボタン415及びHPボタン416のうちその時点で選択状態になっているものに対応する側の音量レベルが切り替え対象となるようになっている。例えば、SPボタン415の選択状態で右スイッチ384等を操作した場合は、スピーカ部29からの放出音の音量が変更される。
【3971】
各音量表示部417、418には、上記音量レベル画像OP及びレベル表示領域M1~M5の他、その時点での音量レベルを文字等により報知する音量レベル画像422や、エラー音の音量レベルを文字等により報知するエラー音レベル画像423が表示される。なお、エラー音の音量レベルについては後に詳述する。
【3972】
次に、音量設定画面の表示用処理について
図361のフローチャートを参照しながら説明する。
【3973】
音量設定画面の表示用処理では先ずステップSk1701にて、スピーカ部29とヘッドホン38のうちいずれが使用状態となっているかを把握する。この把握は、RAM344の各種フラグ格納エリア304にHPフラグがセットされているか否かを判定することにより行う。具体的には、HPフラグがセットされている場合はヘッドホン38の使用状態であると認識し、HPフラグがセットされていない場合はスピーカ部29の使用状態であると認識する。
【3974】
ステップSk1702では、スピーカ部29用の音量設定カウンタの値を把握する。本変形例では、RAM344の各種カウンタエリア305に音量設定カウンタエリア(以下、単に「音量設定カウンタ」という)が設けられている。音量設定カウンタは、現在設定されている音量レベルを示すカウンタであり、「0」~「5」のうちのいずれかが入力されるようになっている。音量設定カウンタの値が「0」である場合とは放出音の音量が0であること、すなわち、音が出力されない状態であることを意味する。また、音量設定カウンタの値が「1」~「5」のいずれかである場合は、5段階の音量レベルのうちのいずれかのレベルに設定されている状態であることを意味する。例えば、音量レベル1の場合は音量設定カウンタの値が「1」とされ、音量レベル5の場合は音量設定カウンタの値が「5」とされる。なお、音量レベル1は、音が出力されない状態よりも音量が高いものであり、音が出力される状態においてその音量が最小である状態に対応する。
【3975】
上記各種カウンタエリア305には、スピーカ部29用の音量設定カウンタと、ヘッドホン38用の音量設定カウンタとが設けられており、ステップSk1702では、そのうちの前者の音量設定カウンタの値を把握する。これにより、MPU342において、スピーカ部29に対して設定されている現在の音量レベルが把握される。
【3976】
ステップSk1703では、ヘッドホン38用の音量設定カウンタの値を把握する。すなわち、ヘッドホン38に対して設定されている現在の音量レベルを把握する。
【3977】
ステップSk1704では、ステップSk1701~ステップSk1703の把握結果に基づいて音量設定画面411を表示する。これにより、音量設定画面411の表示が開始される。なお、音量設定画面411の表示に先立ちメニュー画面405が表示されている場合は、音量設定画面411の表示と併せてメニュー画面405の消去を行う。
【3978】
音量設定画面411の表示にあたっては、第1音量表示部417においてステップSk1702で把握したスピーカ部29用の音量設定カウンタの値に対応する分の音量レベル画像OPがレベル表示領域M1~M5に表示されるように設定する。例えば、把握した音量設定カウンタの値が2であれば、レベル表示領域M1、M2に音量レベル画像OPが表示されるように設定する。また、第2音量表示部418においても同様に、ステップSk1703で把握したヘッドホン38用の音量設定カウンタの値に対応する分の音量レベル画像OPがレベル表示領域M1~M5に表示されるように設定する。
【3979】
加えて、音量設定画面411の表示に際しては、ステップSk1701の把握結果に応じた強調表示が行われるように設定する。例えば、把握した状態がヘッドホン38の使用状態である場合は、
図371(b)に示すように、ヘッドホン38に対応する部分(HPボタン416及び第2音量表示部418)が明るく表示され、スピーカ部29に対応する部分(SPボタン415及び第1音量表示部417)が暗く表示(暗転表示)されるようにする。
【3980】
ステップSk1705では、RAM344の各種カウンタエリア305に設けられた音量表示タイマカウンタエリア(以下、単に「音量表示タイマ」という)に音量設定画面411の表示継続期間に対応する値(例えば20sec相当)を入力する。音量表示タイマの値は、操作対応処理(
図359)が起動される都度、1ずつ減算される。ステップSk1705の実行後は音量設定画面の表示用処理を終了する。
【3981】
<音量設定表示中の操作対応処理>
ステップSk1509(
図359)の音量設定表示中の操作対応処理について
図362のフローチャートを参照しながら説明する。音量設定表示中の操作対応処理は、音量設定画面411の表示中において入力用操作部300や第1音量スイッチ301により各種操作が行われた場合に、行われた操作に対応する処理を実行するためのものである。
【3982】
音量設定表示中の操作対応処理では先ずステップSk1801にて、音量の決定操作が行われているか否かを判定する。音量の決定操作が行われていない場合は、ステップSk1802にて音量表示タイマの値が「0」になったか否かを判定する。
【3983】
音量表示タイマの値が「0」になっていない場合、すなわち、音量設定画面411の表示継続期間中である場合は、ステップSk1803に進み、音量を変更するための操作が行われているか否かを判定する。具体的には、入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386、第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389が操作されているか否かを判定する。
【3984】
音量を変更するための操作が行われている場合は、ステップSk1804に進み、スピーカ部29とヘッドホン38のうちいずれが使用状態となっているかを把握する。この把握は、ステップSk1701(
図361)と同様にHPフラグを参照して行う。
【3985】
ステップSk1805では、使用状態となっている側の音量設定カウンタの値を更新する。例えば、ステップSk1804でヘッドホン38の使用状態が把握されており、ステップSk1803でダウンスイッチ389の操作が把握されている場合は、ヘッドホン38用の音量設定カウンタの値を1減算する。
【3986】
ステップSk1806では、ステップSk1805の音量設定カウンタの更新結果に基づいて使用状態となっている側の音量表示部417、418の表示内容を更新する。上記のような把握状態である場合は、第2音量表示部418において、報知されている音量レベルが1段階下がるようにその表示内容が変更される。例えば、レベル表示領域M1~M3に音量レベル画像OPが表示され、音量レベル3が報知されている状況であれば、レベル表示領域M3に表示されている音量レベル画像OPが消去され、音量レベル2が報知されるように設定される。
【3987】
ステップSk1807では、ステップSk1805の音量設定カウンタの更新結果に基づき、各音量制御信号VC1、VC2をSP出力制御IC88、HP出力制御IC94に出力する。例えば、ヘッドホン38用の音量設定カウンタの値が1減算された場合、すなわち、ヘッドホン38の使用状態においてダウンスイッチ389が操作されている場合であれば、ヘッドホン38からの放出音の音量を1段階低減させる旨の第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。HP出力制御IC94では、音量変更を指定する第2音量制御信号VC2が入力された場合、その設定を次の音量変更の指定があるまで保持するように構成されている。このため、ヘッドホン38からの放出音の音量が1段階だけ低下した状態は、遊技者が次の音量変更操作を行うまで維持される。
【3988】
ステップSk1807の実行後又はステップSk1803で否定判定した場合(音量を変更するための操作が行われていない場合)は、ステップSk1808に進み、出力切替の操作が行われているか否かを判定する。すなわち、スピーカ部29とヘッドホン38のうち使用状態とする側を切り替えるための操作が行われているか否かを判定する。使用状態の切り替え操作には、SPボタン415とHPボタン416において、入力用操作部300の上スイッチ383、下スイッチ385により使用状態になっていない側を選択状態とする逆側選択の下で中スイッチ382を押し下げて決定操作を行うものや、上記逆側選択の下で右スイッチ384、左スイッチ386、アップスイッチ388、ダウンスイッチ389を押し下げて音量変更操作を行うものが該当する。ステップSk1808では、上記逆側選択である状況で中スイッチ382等の操作が行われているか否かを判定する。
【3989】
出力切替の操作が行われている場合は、ステップSk1809に進み、切り替え後の状態がヘッドホン38の使用状態であるか、すなわち、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われているか否かを判定する。切り替え後の状態がヘッドホン38の使用状態である場合は、RAM344の各種フラグ格納エリア304にHPフラグをセットする。一方、切り替え後の状態がヘッドホン38の使用状態でない場合、すなわち、ヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態への切り替えである場合は、上記各種フラグ格納エリア304にセットされているHPフラグをクリアする。
【3990】
ステップSk1810又はステップSk1811の実行後は、ステップSk1812にて出力切替用処理を実行する。出力切替用処理は、パチンコ機10から発する演出音等の各種音を出力(放出)する出力デバイスをスピーカ部29とヘッドホン38(ジャック部37)との間で切り替えるための処理である。なお、ステップSk1812の処理は、ステップSk1612(
図360)と同様のものであり、これらの処理の詳細については後述する。
【3991】
ステップSk1812の実行後は音量設定表示中の操作対応処理を終了する。また、ステップSk1808で否定判定した場合(出力切替の操作が行われていない場合)は、ステップSk1809~ステップSk1812の処理を実行せずに音量設定表示中の操作対応処理を終了する。
【3992】
ステップSk1801で肯定判定した場合(音量の決定操作が行われている場合)又はステップSk1802で肯定判定した場合(音量表示タイマの値が「0」になった場合)は、ステップSk1813にて音量設定画面の消去用処理を実行する。これにより、音量設定画面411が消去される。なお、音量の決定操作には、音量変更を行った状態で中スイッチ382を押し下げ操作するものが該当する。ステップSk1813の実行後は音量設定表示中の操作対応処理を終了する。
【3993】
<出力切替用処理>
ステップSk1612、ステップSk1812の出力切替用処理について
図363のフローチャートを参照しながら説明する。出力切替用処理は、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替え又はヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態への切り替えが行われた場合に実行されるものである。
【3994】
出力切替用処理では先ずステップSk1901にて、切り替え後の状態がヘッドホン38の使用状態であるか、すなわち、RAM344の各種フラグ格納エリア304にHPフラグがセットされているか否かを判定する。
【3995】
HPフラグがセットされており、ヘッドホン38の使用状態である場合は、ステップSk1902に進み、スピーカ部29からの放出音の音量を低減させる処理を実行する。具体的には、スピーカ部29から音が放出されないようにすべく、スピーカ部29からの放出音の音量を0に低減させる旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力する。このように本変形例では、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合、スピーカ部29から音が放出されないように音量の低減処理が実行される。
【3996】
その際、切り替え前のスピーカ部29の音量は参照されない。すなわち、切り替え前のスピーカ部29の音量の大きさとは無関係に、その音量が0となるように低減処理が実行される。
【3997】
ステップSk1903では、上記低減処理に対応させてスピーカ部29用の音量設定カウンタの値を更新する。具体的には、当該音量設定カウンタに「0」を入力する。これにより、MPU342において、スピーカ部29から音が放出されない状態であることが把握される。
【3998】
ステップSk1904では、ヘッドホン38からの音量を増大させる処理を実行する。具体的には、ヘッドホン38からの放出音の音量を1段階増大させる旨の第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。本変形例では、スピーカ部29の使用状態ではヘッドホン38からの音量が0となるように構成されており、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えを行った時点では、ヘッドホン38から音が放出されない状態になっている。ステップSk1904では、そのような状態から、遊技者がヘッドホン38用の音量を上げる操作を行わなくても、ヘッドホン38から音が放出される状態となるようにすべく、音量を自動的に増大させる。続くステップSk1905では、上記増大処理に対応させるべく、ヘッドホン38用の音量設定カウンタに「1」を入力する。
【3999】
ステップSk1905の実行後はステップSk1906にて、音量設定画面411の表示中であるか否かを判定する。音量設定画面411の表示中である場合は、ステップSk1907に進み、スピーカ部29及びヘッドホン38用の各音量設定カウンタの値に基づき、第1音量表示部417、第2音量表示部418の表示内容を更新する。具体的には、
図372に示すように、第1音量表示部417において、スピーカ部29の音量レベルが「0」であることに対応した表示内容とされるとともに、第2音量表示部418において、ヘッドホン38の音量レベルが「1」であることに対応した表示内容とされる。また、HPボタン416及び第2音量表示部418にて強調表示が行われるとともに、ヘッドホン38の使用状態であることを示す状態報知画像425が表示される。
【4000】
ステップSk1907の実行後又はステップSk1906で否定判定した場合(音量設定画面411の表示中でない場合)は、出力切替用処理を終了する。なお、音量設定画面411の表示中でない場合は、メニュー画面405の表示中に出力切替操作が行われたこと、換言すれば、ステップSk1612(
図360)にて出力切替用処理が実行された状態であることを意味する。この場合は、ステップSk1613の音量設定画面の表示用処理が実行されることにより、
図372に示す表示内容にて音量設定画面411の表示が開始されることになる。
【4001】
ステップSk1901で否定判定した場合、すなわち、ヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態への切り替えである場合は、ステップSk1908に進み、ヘッドホン38からの放出音の音量を低減させる処理を実行する。ステップSk1902の場合と同様に、ヘッドホン38から音が放出されないようにすべく、ヘッドホン38からの放出音の音量を0に低減させる旨の第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。その後、ステップSk1909にて、ヘッドホン38用の音量設定カウンタに「0」を入力する。
【4002】
ステップSk1910では、スピーカ部29からの音量を増大させる処理を実行する。ステップSk1904の場合と同様に、スピーカ部29から音が放出されるようにすべく、スピーカ部29からの音量を1段階増大させる旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力する。その後、ステップSk1911にて、スピーカ部29用の音量設定カウンタに「1」を入力する。
【4003】
ステップSk1911の実行後はステップSk1906に進み、音量設定画面411の表示中であるか否かを判定する。音量設定画面411の表示中である場合は、ステップSk1907の処理を実行し、音量設定画面411の表示中でない場合は、そのまま出力切替用処理を終了する。
【4004】
<音出力設定処理>
ステップSk1409(
図358)の音出力設定処理について
図364のフローチャートを参照しながら説明する。音出力設定処理は、演出音やエラー音等の各種音声をスピーカ部29やヘッドホン38から出力させるための処理である。
【4005】
音出力設定処理では先ずステップSk2001にて、RAM344の各種フラグ格納エリア304に一時解除フラグがセットされているか否かを判定する。一時解除フラグがセットされていない場合は、ステップSk2002にて、出力対象の音データが存在するか否かを判定する。すなわち、スピーカ部29やヘッドホン38から放出すべき演出音やエラー音等が存在するか否かを判定する。
【4006】
出力対象の音データが存在する場合は、ステップSk2003にて、出力対象の音データを設定する処理を実行する。具体的には、ROM343の音データテーブル記憶エリア85に記憶されている音データテーブル(
図347(b))を参照して出力対象の音データが記憶されているアドレスを把握し、その把握したアドレスに基づいてROM343の音データ記憶エリア84から出力対象の音データを読み出し、さらに、その読み出した音データをRAM344の再生音データ記憶エリア86に書き込む。
【4007】
続くステップSk2004では、今回の出力対象の音データがエラー音の音データであるか否かを判定する。すなわち、出力対象音が不正検知音、球無しエラー音、満杯エラー音のいずれかであるかを判定する。出力対象音がエラー音である場合は、ステップSk2005にてエラー音対応処理を実行する。エラー音対応処理の詳細については後述する。
【4008】
ステップSk2005の実行後又はステップSk2004で否定判定した場合(出力対象音がエラー音でない場合)は、ステップSk2006にて、サウンドIC83に対する出力指示を行う。当該処理では、音声を出力すべき旨の出力指示信号とともに、出力対象音の音データが記憶されているアドレス(RAM344のアドレス)のアドレス情報をサウンドIC83に送信する。
【4009】
ステップSk2006の実行後は音出力設定処理を終了する。また、ステップSk2002で否定判定した場合(出力対象の音データが存在しない場合)は、ステップSk2003~ステップSk2006の処理を実行せずに音出力設定処理を終了する。
【4010】
ステップSk2001で肯定判定した場合(一時解除フラグがセットされている場合)は、ステップSk2007にて一時解除中処理を実行し、その後、音出力設定処理を終了する。一時解除中処理の詳細については後述する。
【4011】
<エラー音対応処理>
ステップSk2005のエラー音対応処理について
図365のフローチャートを参照しながら説明する。エラー音対応処理は、今回の出力対象音がエラー音である場合に実行されるものである。
【4012】
エラー音対応処理では先ずステップSk2101にて、ヘッドホン38の使用状態であるか、すなわち、RAM344の各種フラグ格納エリア304にHPフラグがセットされているか否かを判定する。ヘッドホン38の使用状態である場合は、ステップSk2102に進み、ヘッドホン38用の音量設定カウンタの値を把握する。
【4013】
ステップSk2103では、今回の出力対象音であるエラー音をヘッドホン38から放出する際の音量設定を行う。この設定は、ステップSk2102で把握したヘッドホン38用の音量設定カウンタの値と、ROM343の各種テーブル記憶エリア303に記憶されているエラー音量設定テーブルとに基づいて行う。ここで、エラー音量設定テーブルについて
図366を参照しながら説明する。
【4014】
エラー音量設定テーブルは、ヘッドホン38からエラー音を放出する場合の音量が規定されるものであり、音量設定カウンタの値、すなわち、演出音を放出する場合の音量レベルに対応付けてエラー音を放出する場合の音量レベルが設定されたものとなっている。この設定は、演出音の音量が大きいほど、エラー音の音量が大きくなるものとされる。また、演出音の場合は5段階で音量を変更可能となっているのに対し、エラー音の場合は3段階とされ、演出音の場合よりも段数が少なくなっている。その上で、エラー音の最小音量は、演出音の最小音量よりも大きくなるように設定されている。
【4015】
ヘッドホン38からエラー音を放出させるにあたり、遊技者がヘッドホン38を装着した状態で大きな音量の音声が放出されると、遊技者が不快に感じて遊技意欲を低下させるおそれがある。このため、ヘッドホン38からエラー音が出力される場合の音量変更を可能とし、エラー音の音量を小さくできるようにすることは、遊技者のニーズに応えて利便性を高めることに繋がる。しかしながらその反面、音量変更の自由度を高め、エラー音の音量を小さくできるようにし過ぎると、ヘッドホン38からエラー音が聴こえにくくなり、注意喚起を図るというエラー音本来の役割が適切に果たされなくなるおそれがある。
【4016】
この点、エラー音の音量変更を可能としながらも、音量を低減させる方向への変更については演出音の場合よりも自由度を狭く制限することで、エラー音が出力される場合の音量を一定以上に保つことができる。これにより、エラー音としての本来の機能が損なわれることを抑制しつつ、遊技者の意思とは無関係にヘッドホン38から大きな音が出力されることを抑制可能となる。
【4017】
エラー音量設定テーブルは、例えば、
図366に示すように、音量設定カウンタの値=「1」~「3」(演出音の音量レベル1~3)に対してエラー音の音量レベル3が割り当てられ、音量設定カウンタの値=「4」(演出音の音量レベル4)に対してエラー音の音量レベル4が割り当てられ、音量設定カウンタの値=「5」(演出音の音量レベル5)に対してエラー音の音量レベル5が割り当てられるように設定されている。
【4018】
その際、本変形例では、演出音の音量レベルとエラー音の音量レベルとが同一レベルである場合、それらは同じ音量となるように演出音及びエラー音の各音量が設定されている。このため、エラー音の音量レベルが3である場合は、演出音の音量レベルが3である場合と同等の音量でエラー音が放出される。演出音の音量レベルの最小値は1であるのに対し、エラー音の音量レベルの最小値は3であるため、エラー音が出力される場合の最小音量は、演出音が出力される場合の最小音量よりも大きくなっている。
【4019】
ステップSk2103においてMPU342では、エラー音量設定テーブルを参照し、ステップSk2102で把握した音量設定カウンタの値に対応したエラー音の音量(音量レベル)を特定する。そして、特定した音量レベルに対応する音量のエラー音が出力されるように、HP出力制御IC94に第2音量制御信号VC2を出力する。
【4020】
このように本変形例では、エラー音を出力する場合に、エラー音の音量を音量設定カウンタの値に対応した音量に設定するため、遊技者により演出音の音量が変更されるのに連動してエラー音の音量を変化させることができる。これにより、遊技者の好みに応じてエラー音の音量を増減できるようにしながらも、エラー音を対象とした専用の音量変更操作を不要化することができ、操作の煩わしさを解消したり、音量変更のし忘れを抑制したりすることが可能になる。
【4021】
図372に示すように、音量設定画面411の第2音量表示部418(ヘッドホン38用の音量表示部)では、ヘッドホン38からのエラー音の音量を変更できることに対応して、その時点でのエラー音の音量レベルを報知するエラー音レベル画像423が表示される。
【4022】
エラー音対応処理(
図365)の説明に戻り、ステップSk2103の実行後はステップSk2104にて、ヘッドホン38の使用状態でエラー音を出力する場合のスピーカ部29側の音量設定を行う。本ステップでは、スピーカ部29からの放出音に対して実行している低減処理を解除し、スピーカ部29からエラー音が放出されるように音量設定を行う。この際、スピーカ部29の使用状態でエラー音が出力される場合と同程度の音量でエラー音が出力されるように、SP出力制御IC88への第1音量制御信号VC1の出力を行う。
【4023】
また、スピーカ部29から放出されるエラー音の音量変更は不可とし、予め定められた所定の音量(例えば演出音の音量レベル5相当)でエラー音が出力されるようにする。これに対応して音量設定画面411の第1音量表示部417(スピーカ部29用の音量表示部)では、エラー音の音量変更ができないことを文字等により報知するエラー音用画像424が表示される(
図372)。
【4024】
ステップSk2105では、上記各種フラグ格納エリア304に一時解除フラグをセットする。一時解除フラグは、出力対象音がエラー音であることにより、スピーカ部29からの放出音に対する音量低減処理を解除している状態であることをMPU342が把握するためのものである。ステップSk2105の実行後はエラー音対応処理を終了する。
【4025】
ステップSk2101で否定判定した場合、すなわち、スピーカ部29の使用状態でエラー音を出力する場合は、ステップSk2106に進み、スピーカ部29からエラー音を放出する場合の音量設定を行う。前述のとおり、この場合のエラー音の音量は、予め定められた所定の音量に設定される。ステップSk2106の実行後はエラー音対応処理を終了する。
【4026】
<一時解除中処理>
ステップSk2007の一時解除中処理について
図367のフローチャートを参照しながら説明する。一時解除中処理は、ヘッドホン38の使用状態において、エラー音が出力されることに対応してスピーカ部29からの放出音に対する音量低減処理を解除している場合に実行されるものである。
【4027】
一時解除中処理では先ずステップSk2201にて、エラー音の出力が終了したか否かを判定する。エラー音の出力が終了した場合は、ステップSk2202にて、スピーカ部29からの放出音の音量を低減させる処理を実行する。これにより、再びスピーカ部29から音が放出されない状態となる。続くステップSk2203では、RAM344の各種フラグ格納エリア304にセットされている一時解除フラグをクリアし、その後、一時解除中処理を終了する。
【4028】
ステップSk2201で否定判定した場合(エラー音の出力が終了していない場合)は、ステップSk2204にて、ヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態への切り替え操作が行われているか否かを判定する。当該切り替え操作が行われている場合は、ステップSk2205にて、上記各種フラグ格納エリア304にセットされている一時解除フラグをクリアする。
【4029】
ステップSk2205の実行後は一時解除中処理を終了する。また、ステップSk2204で否定判定した場合(上記切り替え操作が行われていない場合)は、ステップSk2205の処理を実行せずに一時解除中処理を終了する。
【4030】
<立ち上げ時音量設定処理>
ステップSk1402(
図358)の立ち上げ時音量設定処理について
図368のフローチャートを参照しながら説明する。立ち上げ時音量設定処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合に実行されるものである。
【4031】
立ち上げ時音量設定処理では先ずステップSk2301にて、スピーカ部29の使用状態を設定する。具体的には、RAM344の各種フラグ格納エリア304にHPフラグがセットされていない状態を維持する。
【4032】
ステップSk2302では、スピーカ部29からの放出音の音量をスピーカ部29用の初期音量(第1基準音量)に設定する。スピーカ部29用の初期音量は、音量レベル1の音量、換言すれば、ヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態に切り替えられたときの音量よりも高いものであり、例えば音量レベル3とされる。本ステップの設定処理では、スピーカ部29用の音量設定カウンタに「3」を入力する。
【4033】
ステップSk2303では、ヘッドホン38からの放出音の音量をヘッドホン38用の初期音量(第2基準音量)に設定する。ヘッドホン38用の初期音量は0であり、本ステップでは、ヘッドホン38から音が放出されないようにすべく、ヘッドホン38用の音量設定カウンタに「0」を入力する。
【4034】
ステップSk2304では、スピーカ部29用及びヘッドホン38用の各音量設定カウンタの値に対応させて各音量制御信号VC1、VC2を出力する。具体的には、音量レベル3に対応する音量とする旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力し、音量を0とする旨の第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。ステップSk2304の実行後は立ち上げ時音量設定処理を終了する。
【4035】
<音量制御の流れについて>
メニュー画面405や音量設定画面411を用いて音量設定を行った場合等の音量制御の流れについて
図373を参照しながら説明する。ここでは、パチンコ機10への電源投入後、メニュー画面405や音量設定画面411を用いた音量設定が行われておらず、スピーカ部29側の使用となっている状態を初期状態として説明を進める。
【4036】
タイミングt1においてスピーカ部29の使用状態である場合、MPU342は、スピーカ部29からの放出音の音量を初期音量(例えば音量レベル3)とする旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力する。これにより、スピーカ部29から演出音が初期音量で放出される(
図373(a)、(d))。
【4037】
上記の際、MPU342は、ヘッドホン38の使用状態でないことに対応して、ヘッドホン38からの放出音の音量を0とする旨の第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。この場合、HP出力制御IC94からジャック部37に対して音信号が出力されず、この状態でジャック部37にヘッドホン38(プラグ部39)を接続しても、ヘッドホン38からは演出音が放出されない(
図373(b)、(e))。
【4038】
スピーカ部29の使用状態であるタイミングt2において、エラー音に対する音信号を出力する状態となった場合、MPU342は、スピーカ部29からの放出音の音量をエラー音用の所定音量(例えば音量レベル5)とする旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力する。これにより、スピーカ部29からエラー音が上記所定音量で放出される(
図373(c)、(d))。
【4039】
その際、HP出力制御IC94に対しては音量変更を指定する旨の第2音量制御信号VC2を出力せず、ヘッドホン38から音が放出されない状態が維持される(
図373(e))。すなわち、スピーカ部29の使用状態においてエラー音を出力する状態となった場合、当該エラー音はスピーカ部29のみから放出され、ヘッドホン38からは放出されない。
【4040】
エラー音の出力が終了した後のタイミングt3において、メニュー画面405や音量設定画面411を用いてスピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替え操作が行われると、MPU342は、スピーカ部29の使用状態を解除すべく、スピーカ部29からの放出音の音量を0とする旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力する。これにより、スピーカ部29から演出音が放出されない状態となる(
図373(a)、(d))。
【4041】
上記と併せ、MPU342は、ヘッドホン38からの放出音の音量を増大させる旨の第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。より詳しくは、ヘッドホン38からの放出音の音量を音量レベル1とする旨の第2音量制御信号VC2を出力する。これにより、HP出力制御IC94からジャック部37への音信号の出力が開始され、ジャック部37にヘッドホン38を接続した際にヘッドホン38から演出音が聴こえる状態となる(
図373(b)、(e))。
【4042】
このように、スピーカ部29からヘッドホン38への使用状態の切り替え操作が行われた場合に、遊技者がヘッドホン38の音量を上げる操作を行わなくても、自動的に音量を増大させるため、ヘッドホン38側に使用状態が切り替わったことを分かりやすくすることができる。
【4043】
その際、スピーカ部29の音量設定(音量レベル3)を引き継き、同一の音量レベルでヘッドホン38から音が放出されるように自動設定することも考えられるが、遊技者がヘッドホン38を装着した状態で出力の切り替え操作を行った場合、スピーカ部29の使用状態としていたときの音量設定によっては、突然、ヘッドホン38から大きな音が放出されるおそれがある。特に、スピーカ部29の使用状態に設定して音量をある程度上げていた遊技者が遊技をやめて離席した後、次の遊技者がヘッドホン38の使用状態で遊技を始めようした場合にあっては、その遊技者は前の遊技者の音量設定を知らない可能性が高いため、上記の事象が生じやすくなることが想定される。
【4044】
この点、ヘッドホン38の使用状態への切り替え時における音量を低く抑えるため(本変形例では音量レベル1とする)、スピーカ部29の使用状態としていたときの音量よりも小さい音量でヘッドホン38からの演出音の放出を開始させることができる。これにより、切り替えと同時にヘッドホン38から演出音が放出されるようにして出力が切り替わったことを分かりやすくしながらも、突然、ヘッドホン38から大きな音が放出される事象の発生を抑制することが可能になる。
【4045】
上記のようにヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合、音量設定画面411では、
図372に示すように、スピーカ部29に対応した第1音量表示部417において、スピーカ部29の音量レベルが「0」であることが報知されるとともに、ヘッドホン38に対応した第2音量表示部418において、ヘッドホン38の音量レベルが「1」であることが報知される。また、ヘッドホン38の使用状態であることを示すべく、HPボタン416及び第2音量表示部418にて強調表示が行われる。
【4046】
その後、入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386や、第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389により音量変更の操作が行われると、MPU342は、当該変更操作に対応した指定内容の第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。これにより、ヘッドホン38から放出される演出音の音量が増減される。
【4047】
なお、ヘッドホン38は遊技者が頭部に装着して使用する分、耳からの距離が近い状態で音が放出されるため、小さめの音であっても聴き取ることができる。このため、ヘッドホン38からの放出音の音量は、同一の音量レベルであっても、スピーカ部29からの放出音の音量よりも低く設定されている。
【4048】
上記のように、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われることに伴い、スピーカ部29からの放出音に対する音量低減が実行された後、例えばそのままの状態で遊技者が放置していた場合は、音量設定画面411の表示継続期間が経過することに基づき、音量設定画面411が消去される。
【4049】
その後、遊技者が入力用操作部300や第1音量スイッチ301を操作し、音量設定画面411を再表示させると、ヘッドホン38の使用状態が報知された状態(HPボタン416が強調表示された状態)で当該音量設定画面411が立ち上がる。この状態で第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389を操作して音量レベルを増減すると、ヘッドホン38からの放出音の音量が変更される。但し、スピーカ部29からの放出音の音量は変更されず、音量低減(音量0)がなされたままとなる。すなわち、ヘッドホン38の使用状態では、第1音量スイッチ301が操作されても、スピーカ部29からは演出音が放出されない状態が維持される。
【4050】
なお、このことはスピーカ部29の使用状態で第1音量スイッチ301を操作した場合も同様であり、第1音量スイッチ301の操作にかかわらず、ヘッドホン38からは演出音が放出されない状態が維持される。
【4051】
ちなみに本変形例では、メニュー画面405にて表示可能な選択項目において、ヘッドホン38の使用有無を切り替えるためのヘッドホン項目KP2(
図370)が含まれ、メニュー画面405の表示状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えを行うことができる。また、メニュー画面405にて表示可能な選択項目には設定リセット項目KP3が含まれており、設定リセット項目KP3の選択状態にてオン操作を行うことにより各種設定をリセット(初期化)することが可能になっている。
【4052】
そのような構成の下、本変形例では、上記リセット操作が行われた場合に、その影響がヘッドホン38の使用有無や音量設定には及ばないようになっている。このため、ヘッドホン38の使用状態において、演出カスタマイズ項目KP1により変更した期待度等の設定を初期状態に戻すべく、遊技者が上記リセット操作を行った場合でも、勝手にスピーカ部29への使用状態に切り替わることがなく、ヘッドホン38の使用状態やその時点での音量設定がそのまま維持されることになる。
【4053】
ヘッドホン38の使用状態であるタイミングt4において、エラー音に対応する音信号を出力する状態となった場合、MPU342は、スピーカ部29からの放出音に対する音量低減を解除すべく、スピーカ部29からの放出音の音量をエラー音用の所定音量(例えば音量レベル5)とする旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力する。これにより、スピーカ部29からエラー音が上記所定音量で放出される(
図373(c)、(d))。
【4054】
なお、この場合のエラー音の音量は、スピーカ部29の使用状態でエラー音が出力される場合と同程度の音量となるように設定される。すなわち、ヘッドホン38の使用状態でスピーカ部29から出力されるエラー音は、スピーカ部29の使用状態で出力されるエラー音と同様の音量設定がなされたものであり、音量変更が不可とされているものである。
【4055】
上記の際、ヘッドホン38からもエラー音が放出されるため(
図373(e))、ヘッドホン38の使用状態でエラー音の出力状態となった場合は、スピーカ部29とヘッドホン38の両方からエラー音が放出されることになる。
【4056】
例えば、エラー音として不正検知音が出力される場合において、ヘッドホン38の使用状態とされていることにより、当該不正検知音がヘッドホン38のみから放出される構成とした場合には、周囲の遊技者やホール従業員に不正検知音が聞こえないようにすることができるため、ヘッドホン38の接続を可能とした機能が不正行為に悪用されるおそれがある。この点、出力対象音が不正検知音である場合にスピーカ部29に対する音量低減を解除する構成であることにより、不正が検知されたことを周囲の遊技者やホール従業員に速やかに知らせることができ、不正行為の発見に遅れが生じることを好適に抑制できる。
【4057】
また、他の例として、ヘッドホン38の使用状態において球無しエラー音が出力される場合に、当該球無しエラー音がヘッドホン38のみから放出される構成であると、例えば、遊技者がヘッドホン38を装着していない場合に、球無しエラー音が聴こえない結果、球無し状態の発生に遊技者が気付かず、遊技に支障を来たすおそれがある。この点、上記球無しエラー音がスピーカ部29から放出されることにより、遊技者がヘッドホン38を装着していなくてもエラー音が聴こえるものとなり、球無し状態の発生を速やかに認識させることが可能になる。
【4058】
ヘッドホン38から放出されるエラー音に関しては、その音量変更を行うことが可能となっている。エラー音の音量変更は、演出音に対する音量変更を行うことに連動して行われる(
図365のステップSk2201~ステップSk2203、
図366)。これにより、演出音の音量変更とエラー音の音量変更とを各別に行うことの煩わしさを解消できると同時に、エラー音の音量変更をし忘れを抑制することができる。
【4059】
その後、タイミングt5において、エラー状態の解消等になり、エラー音に対応する音信号の出力が終了すると(
図373(c))、MPU342は、スピーカ部29に対する音量低減を再開すべく、音量を0とする旨の第1音量制御信号VC1をSP出力制御IC88に出力する。これにより、SP出力制御IC88から出力される音信号の音量レベルが低減され、スピーカ部29から音が放出されなくなる。この際、HP出力制御IC94からは、入力用操作部300や第1音量スイッチ301による音量設定に応じた音量レベルの音信号が出力されるため(
図373(e))、遊技者は、演出音等のパチンコ機10から発せられる音を、ヘッドホン38を通じて聴くことができる。
【4060】
そして、タイミングt6において、スピーカ部29への使用状態への切り替え操作が行われると(
図373(a))、MPU342は、スピーカ部29に対する音量低減を解除するとともに、ヘッドホン38に対する音量低減を開始する(
図373(d)、(e))。これにより、スピーカ部29から演出音が放出されつつ、ヘッドホン38からは演出音が放出されない状態となる。
【4061】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【4062】
スピーカ部29からヘッドホン38への使用状態の切り替えが行われることに応じて、スピーカ部29からの音量を低減し、スピーカ部29から演出音が放出されないように構成した。
【4063】
この場合、遊技者が使用する側の出力としてヘッドホン38を選択することにより、スピーカ部29から演出音が放出されないように自動変更されるため、スピーカ部29側の音量を低減させるための別途の操作を遊技者に強いることなく、パチンコ機10から演出音が放出されないようにすることができる。これにより、そのパチンコ機10を遊技している遊技者に対してはヘッドホン38を通じて演出音が聴こえるようにしつつ、周囲に対しては、聴こえる態様でパチンコ機10から音が発せられることを抑制できる。よって、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができ、遊技ホールに来店する各遊技者が遊技を行いやすい環境づくりに寄与することが可能になる。
【4064】
また、上記のようにスピーカ部29から音量を低減した後、ヘッドホン38の使用状態で音量変更の操作を行った場合に、ヘッドホン38からの音量が変更されるのみで、スピーカ部29からは演出音が放出されない状態が維持される構成とした。
【4065】
この場合、ヘッドホン38の使用状態への切り替えによりスピーカ部29からの音量が低減された後は、スピーカ部29の使用状態への切り替えが行われるまでスピーカ部29から演出音が放出されない状態とされる。このため、遊技ホール内での騒音レベルの低減に好適に貢献することができる。
【4066】
ヘッドホン38からスピーカ部29への使用状態の切り替えが行われることに応じて、ヘッドホン38からの音量を低減し、ヘッドホン38から演出音が放出されないように構成した。
【4067】
例えば、スピーカ部29の使用状態が設定されている状況でスピーカ部29及びヘッドホン38から同様に演出音が出力される構成であると、スピーカ部29の使用状態にしたまま、遊技者がヘッドホン38を装着して演出音を聴くことが可能になる。このため、そのパチンコ機10を遊技している遊技者がヘッドホン38を通じて演出音を聴いている状態で、スピーカ部29から大きな音量で演出音が放出される懸念がある。
【4068】
この点、スピーカ部29の使用状態にてヘッドホン38から演出音が放出されない構成とすることで、スピーカ部29の使用状態に設定したままで、遊技者がヘッドホン38を使用することを抑制できる。これにより、遊技者がヘッドホン38を通じて演出音を聴いている状態で、スピーカ部29から大きな音量で演出音が放出されることが抑制され、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができる。
【4069】
スピーカ部29用の第1音量表示部417とヘッドホン38用の第2音量表示部418とを設け、それらが図柄表示装置75(1の表示画面)内に同時に表示される構成とした。
【4070】
この場合、スピーカ部29からの演出音の音量レベルと、ヘッドホン38からの演出音の音量レベルとを遊技者が同時に把握することができる。このため、使用出力の切替操作により使用状態とは反対側の出力の音量が自動変更される構成であっても、遊技者がそれを視覚的に認識することができ、上記反対側の出力の音量が勝手に変化する構成であっても遊技者が困惑することを抑制できる。
【4071】
スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合に、遊技者が音量を上げる操作を行わなくても、ヘッドホン38からの音量を所定レベル(音量レベル1)に増大させる構成とした。
【4072】
例えば、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合に、スピーカ部29からの音量に対しては低減処理が実行されることにより演出音が放出されず、ヘッドホン38からの音量についてもスピーカ部29の使用状態にて音量が0とされていた状態がそのまま引き継がれる状態であると、切り替え操作の直後ではスピーカ部29とヘッドホン38の双方から演出音が放出されない状態になり、使用出力の切り替わりが分かりにくくなる懸念がある。この点、切り替え操作が行われるのに伴ってヘッドホン38からの音量を自動的に増大させることで、スピーカ部29からヘッドホン38への使用状態の切り替わりが生じていることを分かりやすくすることが可能になる。
【4073】
その際、ヘッドホン38からの音量を増大させるにあたり、スピーカ部29側の音量設定を引き継いだり、スピーカ部29の使用状態とされる前の過去のヘッドホン38側の音量設定を適用したりするのではなく、予め定めた所定音量(音量レベル1)に増大させる構成とした。
【4074】
この場合、遊技者がヘッドホン38を装着した状態でスピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替え操作を行ったとしても、ヘッドホン38において無音状態から突然大きな音量で演出音が放出されることがなく、遊技者に不快感を与えることを抑制できる。
【4075】
演出カスタマイズ項目KP1を含むメニュー画面405からヘッドホン38の使用有無を切り替えられる構成とした。
【4076】
この場合、仮に遊技者がヘッドホン38を使用する意思がない状態であっても、メニュー画面405を操作することで、ヘッドホン項目KP2が表示されることになり、ヘッドホン38の接続機能に気付きやすくすることができる。これにより、ヘッドホン38の積極利用を促すことができ、延いては遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能になる。
【4077】
ヘッドホン38の使用状態でメニュー画面405から設定リセット項目KP3が選択され、リセット操作が行われた場合でも、スピーカ部29の使用状態への切り替えが行われない構成とした。
【4078】
例えば、演出カスタムによる期待度変更等の実行状態では、遊技者が気分を変えたい場合等に設定リセット項目KP3の選択状態としてリセット操作を行い、演出の期待度等に関する設定を初期状態に戻すことがある。上記構成では、そのようなリセット操作をヘッドホン38の使用状態になっている状況で行ったとしても、リセット操作に基づく初期化処理がヘッドホン38の使用有無に適用されないため、ヘッドホン38の使用状態を維持することができる。これにより、ヘッドホン38の使用状態への切り替え操作のやり直しを強いられることが抑制され、遊技者においてヘッドホン38の使用状態であるか否かを気にせずに演出カスタムのリセット操作を行うことが可能になる。
【4079】
ヘッドホン38から放出されるエラー音の音量を遊技者が変更できる構成とした。
【4080】
ヘッドホン38では耳の近くで音が発せられるため、大きな音が放出された場合にスピーカ部29からの場合よりも遊技者がそれを感受しやすくなることが想定される。このため、エラー音とはいえ、ヘッドホン38から大きな音量で放出されると、遊技者が不快に感じて遊技意欲を低下させるおそれがある。この点、ヘッドホン38から放出されるエラー音の音量変更を可能としたため、遊技者に不快感を与えて遊技意欲が低下することを抑制できる。
【4081】
その際、ヘッドホン38からのエラー音に関する音量変更の段数を、ヘッドホン38からの演出音に関する音量変更の段数よりも少なくする構成とした。
【4082】
上記のように、ヘッドホン38からエラー音が出力される場合の音量変更を可能とし、エラー音の音量を小さくできるようにすることは、遊技者のニーズに応えて利便性を高めることに繋がる。しかしながらその反面、音量変更の自由度を高め、エラー音の音量を小さくできるようにし過ぎると、ヘッドホン38からエラー音が聴こえにくくなり、注意喚起を図るというエラー音本来の役割が適切に果たされなくなるおそれがある。この点、エラー音に関する音量変更の自由度を演出音の場合よりも狭く制限するため、エラー音が出力される場合の音量を一定以上に保つことができる。これにより、エラー音の音量変更を可能としながらも、エラー音が聴こえなくなることが抑制され、エラー音としての本来の機能が損なわれることを抑制可能となる。
【4083】
ヘッドホン38の使用状態でエラー音が出力される場合に、スピーカ部29に対する音量低減を解除し、スピーカ部29からエラー音が放出される構成とした。
【4084】
例えば、ヘッドホン38の使用状態ではスピーカ部29からエラー音が放出されない構成であると、不正行為者がこれを悪用するおそれがある。また、パチンコ機において球無しエラーや満杯エラーが発生した場合において、ヘッドホン38の使用状態が選択されているにもかかわらず、遊技者がヘッドホン38を装着していない場合には、エラー音が聴こえないことで、それらのエラー状態が放置される懸念がある。この点、ヘッドホン38の使用状態であり、スピーカ部29からの音量を低減している状態であっても、エラー音が出力対象となる場合は、スピーカ部29からエラー音を放出させる構成とすることで、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
【4085】
ヘッドホン38から放出されるエラー音の音量変更を可能とする一方で、スピーカ部29から放出されるエラー音については音量変更を不可とする構成とした。これにより、音量調整によりスピーカ部29からのエラー音が小さくされて不正利用されることを抑制できる。
【4086】
<変形例3>
上記第6の実施の形態の変形例3について
図374~
図376を参照しながら説明する。なお、本変形例は、上記第6の実施の形態の変形例2と基本的な構成が共通するため、当該変形例2との相違点についてのみ説明する。また、
図374~
図376において上記変形例2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4087】
上記第6の実施の形態の変形例2では、スピーカ部29から放出されるエラー音の音量を固定する構成としたが、本変形例では、当該エラー音の音量を変更可能なように構成されている。以下、そのための構成について詳細に説明する。
【4088】
<エラー音対応処理>
本変形例に係るエラー音対応処理について
図374のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、音出力設定処理(
図364)のステップSk2005で実行されるものであり、今回の出力対象音がエラー音である場合に実行されるものである。
図374において、
図365のエラー音対応処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4089】
ステップSk2101で否定判定した場合、すなわち、スピーカ部29の使用状態において今回の出力対象音がエラー音である場合は、ステップSk2501に進み、スピーカ部29用の音量設定カウンタの値を把握する。
【4090】
ステップSk2502では、今回の出力対象音であるエラー音をスピーカ部29から放出する際の音量設定を行う。この設定は、ステップSk2501で把握したスピーカ部29用の音量設定カウンタの値と、ROM343の各種テーブル記憶エリア303に記憶されているスピーカ用のエラー音量設定テーブルとに基づいて行う。ここで、スピーカ用のエラー音量設定テーブルについて
図375(b)を参照しながら説明する。なお、
図375(a)はヘッドホン用のエラー音量設定テーブルであり、
図366に示すものと同様である。
【4091】
スピーカ用のエラー音量設定テーブルは、スピーカ部29からエラー音を放出する場合の音量が規定されるものであり、音量設定カウンタの値、すなわち、演出音を放出する場合の音量レベルに対応付けてエラー音を放出する場合の音量レベルが設定されたものとなっている。この設定は、演出音の音量が大きいほど、エラー音の音量が大きくなるものとされる。また、演出音の場合は5段階で音量を変更可能となっているのに対し、エラー音の場合は2段階とされ、演出音の場合よりも段数が少なくなっている。
【4092】
具体的には、音量設定カウンタの値=「1」~「3」(演出音の音量レベル1~3)に対してエラー音の音量レベル4が割り当てられ、音量設定カウンタの値=「4」、「5」(演出音の音量レベル4、5)に対してエラー音の音量レベル5が割り当てられるように設定されている。本変形例では、演出音の音量レベルとエラー音の音量レベルとが同一レベルである場合、それらは同じ音量となるように演出音及びエラー音の各音量が設定されている。このため、エラー音の音量レベルが4である場合は、演出音の音量レベルが4である場合と同等の音量でエラー音が放出される。演出音の音量レベルの最小値は1であるのに対し、エラー音の音量レベルの最小値は4であるため、エラー音が出力される場合の最小音量は、演出音が出力される場合の最小音量よりも大きくなっている。
【4093】
ここで、
図375(a)のヘッドホン用のエラー音量設定テーブルでは、エラー音の音量変更の段数が3段階であるのに対し、
図375(b)のスピーカ用のエラー音量設定テーブルでは、エラー音の音量変更の段数が2段階となっており、ヘッドホン用のエラー音量設定テーブルの場合より少なくなっている。すなわち、スピーカ部29から放出されるエラー音については、ヘッドホン38から放出されるエラー音よりも音量変更の自由度が狭く制限されている。
【4094】
スピーカ部29から放出されるエラー音について音量変更の自由度を高め、当該エラー音の音量を演出音と同程度に小さくできるようにすると、エラー音が周囲の者に聴こえにくくなり、音量変更の機能が不正行為に悪用されるおそれがある。この点、エラー音の音量を低減させる方向への変更に関して、その自由度をヘッドホン38から放出されるエラー音の場合よりも狭く制限することで、スピーカ部29からのエラー音の音量変更を可能としながらも、当該エラー音の音量が小さくなり過ぎることを抑制できる。これにより、スピーカ部29からのエラー音の音量変更を可能とする機能が、不正行為に悪用されることを抑制可能となる。
【4095】
ステップSk2502の実行後はエラー音対応処理を終了する。
【4096】
図376に示すように、本変形例に係る音量設定画面411では、スピーカ部29からのエラー音の音量変更が可能であることに対応し、第1音量表示部417(スピーカ部29用の音量表示部)において、エラー音の音量レベルを文字等により報知するエラー音レベル画像426が表示される。遊技者は、エラー音レベル画像426を視認することで、スピーカ部29からのエラー音に関して都度の音量を把握することができる。
【4097】
なお、MPU342では、ヘッドホン38の使用状態でエラー音に対応する音信号を出力する状態となった場合(
図374のステップSk2101で肯定判定した場合)、スピーカ部29からの放出音に対する音量低減を解除し、スピーカ部29からエラー音が放出されるようにする(ステップSk2104)。この場合のエラー音の音量は、スピーカ部29の使用状態でエラー音が出力される場合と同程度の音量となるように設定される。
【4098】
すなわち、ヘッドホン38の使用状態でスピーカ部29から出力されるエラー音は、スピーカ部29の使用状態で出力されるエラー音と同様の音量設定がなされたものであり、段数を2段として音量変更が許容されているものである。その際のエラー音の音量レベルは、ヘッドホン38の使用状態に切り替えられる前のスピーカ部29の使用状態での演出音の音量レベル、換言すれば、ヘッドホン38の使用状態への切り替え時に設定されていたスピーカ部29側の音量レベルに基づいて決定される。
【4099】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【4100】
スピーカ部29からのエラー音に関する音量変更の段数を、スピーカ部29からの演出音に関する音量変更の段数よりも少なくする構成とした。
【4101】
この場合、エラー音に関する音量変更の自由度を演出音の場合よりも狭く制限し、エラー音が出力される場合の音量を一定以上に保つことができる。これにより、エラー音の音量変更を可能としながらも、エラー音が聴こえなくなることが抑制され、注意喚起や不正抑止等のエラー音本来の機能が損なわれることを抑制できる。
【4102】
ヘッドホン38から放出されるエラー音とスピーカ部29から放出されるエラー音とのいずれについても音量変更を可能としつつ、スピーカ部29からのエラー音に関する音量変更の段数をヘッドホン38からのエラー音に関する音量変更の段数よりも少なくする構成とした。
【4103】
スピーカ部29から放出されるエラー音では、当該エラー音を周囲の者に聴かせることにより、不正行為の抑止を図る役割もある。この点、本構成であることにより、スピーカ部29からのエラー音が過度に小さくされ、エラー音が周囲の者に聴こえなくなることを抑制できる。すなわち、本構成によれば、スピーカ部29からのエラー音の音量変更を許容しながらも、当該変更機能が不正行為に悪用されることを抑制できる。
【4104】
<変形例4>
上記第6の実施の形態の変形例4について
図377~
図388を参照しながら説明する。なお、本変形例は、上記第6の実施の形態の変形例2と基本的な構成が共通するため、当該変形例2との相違点についてのみ説明する。また、
図377~
図388において上記変形例2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4105】
本変形例では、ヘッドホン38からの放出音の音量設定(音量変更)に関する構成が、上記第6の実施の形態の変形例2と異なっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。なお、スピーカ部29とヘッドホン38での出力切替や、出力切替時の音量低減、スピーカ部29の音量変更等については、上記変形例2の場合と同様であるため、説明や図示を省略する。
【4106】
先ずは、本変形例に係るヘッドホン38の音量設定操作について概略的に説明する。
【4107】
本変形例では、第1音量操作による第1音量の設定と、第2音量操作による第2音量の設定との2種類の音量設定が組み合わされることにより、ヘッドホン38からの放出音の音量が設定されるように構成されている。第1音量操作は、入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386を操作することで実行することが可能であり、第2音量操作は、第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389を操作することで実行することが可能になっている。すなわち、第1音量操作及び第2音量操作は、相互に異なる操作部によって実現されるものとなっている。
【4108】
第1音量操作により設定される第1音量は、例えば、「大」、「中」、「小」の3段階で変更し得るものとなっている。これらの各段階の第1音量は、第2音量操作により設定される第2音量の選択範囲を規定するものとなっており、「大」→「中」→「小」の順で第2音量の選択範囲が狭くなっていく。
【4109】
具体的には、第1音量が「大」の場合は、第2音量として音量レベル1~5の範囲で音量レベルを選択可能になり、第1音量が「中」の場合は、第2音量として音量レベル1~4の範囲で音量レベルを選択可能になり、第1音量が「小」の場合は、第2音量として音量レベル1~3の範囲で音量レベルを選択可能になる。そして、そのような選択範囲の中で設定される第2音量が、ヘッドホン38からの放出音の音量(音量レベル)となる。
【4110】
上記では、第1音量が「中」の場合は第2音量操作で音量レベル5を選択できず、第1音量が「中」の場合は第2音量操作で音量レベル4、5を選択できなくなる。つまり、第1音量が「中」又は「小」である場合は、「大」である場合よりも第2音量操作により選択可能な音量レベルの上限値が低く制限されるものとなる。そのような意味において第1音量は、第2音量操作により設定される第2音量(ヘッドホン38からの放出音の音量レベル)の上限値を規定するものともいえる。
【4111】
ヘッドホン38では耳の近くで音が発せられるため、大きな音が放出された場合に遊技者がそれを感受しやすくなり、スピーカ部29からの放出音の場合よりも大きな音に対して強い不快感を抱く懸念がある。このような場合において第1音量操作により第1音量を「小」に設定することで、音量レベル4、5での音声出力を制限することができ、大きめの音量でヘッドホン38から演出音等が放出されることを未然に回避しておくことが可能になる。
【4112】
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理について説明する。なお、下記の説明において、上記第6の実施の形態の変形例2と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4113】
<操作対応処理>
本変形例に係る操作対応処理について
図377のフローチャートを参照しながら説明する。
【4114】
操作対応処理では先ずステップSk3001にて、第1音量設定画面430の表示中であるか否かを判定する。第1音量設定画面430の詳細については後述する。第1音量設定画面430の表示中でない場合は、ステップSk3002にて第2音量設定画面431の表示中であるか否かを判定する。第2音量設定画面431の詳細については後述する。
【4115】
第2音量設定画面431の表示中でない場合は、ステップSk3003に進み、メニュー画面405の表示中であるか否かを判定する。メニュー画面405の表示中でない場合は、ステップSk3004にて、メニュー画面405を表示するための操作(メニュー表示の操作)が行われたか否かを判定する。
【4116】
メニュー表示の操作が行われている場合は、ステップSk1504に進み、メニュー画面405を表示させるためのメニュー画面の表示用処理を実行する。一方、メニュー表示の操作が行われていない場合は、ステップSk3005にて、ヘッドホン38の使用状態であるか否かを判定する。この判定は、RAM344の各種フラグ格納エリア304にHPフラグがセットされているか否かを判定することにより行う。
【4117】
ヘッドホン38の使用状態でない場合は、そのまま操作対応処理を終了する。一方、ヘッドホン38の使用状態である場合は、ステップSk3006に進み、第1音量操作が行われているか否かを判定する。第1音量操作は、ヘッドホン38の使用状態において入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386を操作することで実現されるものである。第1音量操作が行われている場合は、ステップSk3007にて第1音量設定画面の表示用処理を実行する。当該表示用処理は、第1音量設定画面430を表示するためのものであるが、その詳細については後述する。ステップSk3007の実行後は操作対応処理を終了する。
【4118】
ステップSk3006で否定判定した場合(第1音量操作が行われていない場合)は、ステップSk3008に進み、第2音量操作が行われているか否かを判定する。第2音量操作は、ヘッドホン38の使用状態において第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389を操作することで実現されるものである。
【4119】
第2音量操作が行われている場合は、ステップSk3009にて第2音量設定画面の表示用処理を実行する。当該表示用処理は、第2音量設定画面431を表示するためのものであるが、その詳細については後述する。ステップSk3009の実行後は操作対応処理を終了する。また、ステップSk3008で否定判定した場合(第2音量操作が行われていない場合)は、ステップSk3009の処理を実行せずに操作対応処理を終了する。
【4120】
ステップSk3001で肯定判定した場合(第1音量設定画面430の表示中である場合)は、ステップSk3010に進み、第1音量設定表示中の操作対応処理を実行する。また、ステップSk3002で肯定判定した場合(第2音量設定画面431の表示中である場合)は、ステップSk3011に進み、第2音量設定表示中の操作対応処理を実行する。ステップSk3010、ステップSk3011の実行後は操作対応処理を終了する。なお、それら各ステップの操作対応処理の詳細については後述する。
【4121】
ステップSk3003で肯定判定した場合(メニュー画面405の表示中である場合)は、ステップSk3012にてメニュー表示中の操作対応処理を実行し、その後、操作対応処理を終了する。メニュー表示中の操作対応処理の詳細については後述する。
【4122】
<第1音量設定画面の表示用処理>
ステップSk3007の第1音量設定画面の表示用処理について説明する。第1音量設定画面の表示用処理は、図柄表示装置75の表示画面Gに第1音量設定画面430を表示するための処理である。ここで、第1音量設定画面430について
図385(a)を参照しながら説明する。
【4123】
第1音量設定画面430は、第1音量の設定を確認したり、第1音量の設定を変更したりするための操作用画面である。第1音量設定画面430には、SPボタン415(
図371)や第1音量表示部417(
図371)、HPボタン416のほか、第1音量用の音量表示部435が設けられている。
【4124】
第1音量用の音量表示部435には、現在の第1音量を表すものとして、「小」、「中」、「大」の各設定値にそれぞれ対応する3つの第1音量用アイコン436a~436cが表示されるようになっている。これら第1音量用アイコン436a~436cは、強調表示により、第1音量における現在の設定値を示すものとなっている。例えば、第1音量が「大」に設定されている場合は、「大」に対応する第1音量用アイコン436cが明るく表示され、「小」、「中」に対応する第1音量用アイコン436a、436bが暗く表示される。
【4125】
また、第1音量用の音量表示部435には、第1音量の変更操作の実行が規制されている場合に、それを報知する規制中画像437が表示されるようになっている。詳細は後述するが、本変形例では、第1音量を変更するための操作である第1音量操作が行われても、その操作結果が第1音量の設定に反映されず、第1音量の変更を規制することが可能となっている。規制中画像437は、そのような規制状態であることを遊技者に報知するものとなっている。
【4126】
なお、上記のような規制状態でない場合には、
図385(b)に示すように、第1音量用の音量表示部435において規制中画像437が表示されない。このような状況下では、第1音量操作を行うことで、第1音量の設定値を変更することが可能となっている。
【4127】
次に、第1音量設定画面の表示用処理について
図378のフローチャートを参照しながら説明する。
【4128】
第1音量設定画面の表示用処理では先ずステップSk3101にて、第1音量の変更が規制される規制状態の有無を把握する。続くステップSk3102では、第1音量設定カウンタの値を把握する。
【4129】
本変形例では、RAM344の各種カウンタエリア305に第1音量設定カウンタエリア(以下、単に「第1音量設定カウンタ」という)が設けられている。第1音量設定カウンタは、第1音量の現在の設定値を示すカウンタであり、「1」~「3」のうちのいずれかが入力されるようになっている。具体的には、
図379に示すように、現在の第1音量が「小」の場合は第1音量設定カウンタの値が「1」とされ、第1音量が「中」の場合は第1音量設定カウンタの値が「2」とされ、第1音量が「大」の場合は第1音量設定カウンタの値が「3」とされる。
【4130】
ステップSk3103では、第1音量設定画面430が表示されるように設定する。その際、ステップSk3101及びステップSk3102の把握結果が第1音量設定画面430に反映されるようにする。例えば、ステップSk3101にて上記規制状態であることを把握した場合は、第1音量設定画面430(第1音量用の音量表示部435)にて規制中画像437が表示されるように設定し、ステップSk3102にて第1音量設定カウンタの値が「3」であることを把握した場合は、「大」に対応する第1音量アイコン436cが強調表示されるように設定する(
図385(a))。ステップSk3103の処理が実行されることにより、第1音量設定画面430の表示が開始される。
【4131】
ステップSk3104では、音量表示タイマに第1音量設定画面430の表示継続期間に対応する値(例えば20sec相当)を入力する。ステップSk3104の実行後は第1音量設定画面の表示用処理を終了する。
【4132】
<第2音量設定画面の表示用処理>
ステップSk3009の第2音量設定画面の表示用処理について説明する。第2音量設定画面の表示用処理は、図柄表示装置75の表示画面Gに第2音量設定画面431を表示するための処理である。ここで、第2音量設定画面431について
図386を参照しながら説明する。
【4133】
第2音量設定画面431は、第2音量(ヘッドホン38からの放出音の音量レベル)の設定を確認したり、第2音量の設定を変更したりするための操作用画面である。第2音量設定画面431には、SPボタン415や第1音量表示部417、HPボタン416のほか、第2音量用の音量表示部439が設けられている。
【4134】
第2音量用の音量表示部439には、現在の第2音量を表すものとして、音量レベル画像OPを表示可能な複数のレベル表示領域M1~M5が設定される。これら音量レベル画像OP及びレベル表示領域M1~M5については、上記変形例2に係るものと同様であるため、説明を省略する。また、第2音量用の音量表示部439には、現在の第1音量の設定値を報知する第1音量報知画像440が表示される。
【4135】
次に、第2音量設定画面の表示用処理について
図380のフローチャートを参照しながら説明する。
【4136】
第2音量設定画面の表示用処理では先ずステップSk3201にて、第1音量設定カウンタの値を把握する。この処理は、第1音量設定画面の表示用処理(
図378)におけるステップSk3102と同様のものである。
【4137】
ステップSk3202では、第2音量設定カウンタの値を把握する。本変形例では、RAM344の各種カウンタエリア305に第2音量設定カウンタエリア(以下、単に「第2音量設定カウンタ」という)が設けられている。第2音量設定カウンタは、第2音量の現在の設定値を示すカウンタであり、「0」~「5」のうちのいずれかが入力されるようになっている。音量設定カウンタの値が「0」である場合とは放出音の音量が0であること、すなわち、音が出力されない状態であることを意味する。また、音量設定カウンタの値が「1」~「5」のいずれかである場合は、5段階の音量レベルのうちのいずれかのレベルに設定されている状態であることを意味する。
【4138】
また、本変形例では、第1音量により第2音量の選択範囲が規定されるため、第1音量がいずれに設定されているかにより、第2音量設定カウンタに入力される値の範囲が変動するようになっている。具体的には、
図379に示すように、第1音量が「小」の場合は第2音量設定カウンタに「1」~「3」のいずれかが入力され、第2音量が「中」の場合は第2音量設定カウンタに「1」~「4」のいずれかが入力され、第2音量が「大」の場合は第2音量設定カウンタに「1」~「5」のいずれかが入力される。
【4139】
ステップSk3203では、第2音量設定画面431が表示されるように設定する。その際、ステップSk3201、ステップSk3202の把握結果が第2音量設定画面431にて反映されるようにする。
【4140】
例えば、ステップSk3201で第1音量設定カウンタの値が「3」であることを把握し、ステップSk3202で第2音量設定カウンタの値が「4」であることを把握した場合は、第2音量設定画面431(第2音量用の音量表示部439)にて5本のレベル表示領域M1~M5を設定した上で、レベル表示領域M1~M4に音量レベル画像OPが表示されるように設定する(
図386(a))。また、第1音量が「大」であることを報知する第1音量報知画像440が表示されるように設定する。なお、ステップSk3201で把握した第1音量設定カウンタの値が「2」や「1」である場合は、
図386(b)、(c)に示すように、第2音量用の音量表示部439にて、第1音量値の設定値に対応した本数のレベル表示領域が設定されるようにする。ステップSk3203の処理が実行されることにより、第2音量設定画面431の表示が開始される。
【4141】
ステップSk3204では、音量表示タイマに第2音量設定画面431の表示継続期間に対応する値(例えば20sec相当)を入力する。ステップSk3204の実行後は第2音量設定画面の表示用処理を終了する。
【4142】
<第1音量設定表示中の操作対応処理>
ステップSk3010の第1音量設定表示中の操作対応処理について
図381のフローチャートを参照しながら説明する。第1音量設定表示中の操作対応処理は、第1音量設定画面430の表示中において入力用操作部300や第1音量スイッチ301により各種操作が行われた場合に、行われた操作に対応する処理を実行するためのものである。
【4143】
第1音量設定表示中の操作対応処理では先ずステップSk3301にて、決定操作が行われているか否かを判定する。本ステップの「決定操作」には、第1音量の変更後に入力用操作部300の中スイッチ382を操作して設定音量を確定させる音量の決定操作や、第1音量設定画面430の表示中において第1音量の変更を行わず、単に中スイッチ382を押し下げするだけの操作が含まれる。決定操作が行われていない場合は、ステップSk3302にて音量表示タイマが「0」になったか否かを判定する。
【4144】
音量表示タイマが「0」になっていない場合、すなわち、第1音量設定画面430の表示継続期間中である場合は、ステップSk3303に進み、第1音量操作が行われているか否かを判定する。具体的には、入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386が操作されているか否かを判定する。
【4145】
第1音量操作が行われている場合は、ステップSk3304にてRAM344の各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグがセットされているか否かを判定する。変更規制フラグは、第1音量の変更が規制されていることをMPU342が把握するためのものである。
【4146】
本変形例では、パチンコ機10の電源が投入された場合に、上記各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグがセットされるように構成されており、電源投入後、遊技者が遊技を開始する前の初期段階にて、既に第1音量の変更が規制された状態になっている。このため、遊技に際して遊技者が第1音量を変更するには、規制状態を解除するための規制解除操作を行い、変更規制フラグがクリアされた状態に切り替える必要がある。規制解除操作の詳細については後述する。
【4147】
変更規制フラグがセットされておらず、第1音量の変更が規制されていない場合は、ステップSk3305にて第1音量設定カウンタの値を更新する。例えば、行われた第1音量操作が左スイッチ386を操作するものであり、第1音量を小さい側の音量に変更することに対応した操作である場合は、第1音量設定カウンタの値を1減算する。例えば、それまでの第1音量の設定値が「大」であり、左スイッチ386による第1音量操作が行われた場合であれば、更新後の第1音量設定カウンタの値が「2」とされる。
【4148】
ステップSk3306では、ステップSk3305の第1音量設定カウンタの更新結果に基づいて第1音量用の音量表示部435の表示内容を更新する。例えば、上記のように第1音量設定カウンタの値が「3」から「2」に更新された場合は、第1音量用の音量表示部435において、「大」に対応する第1音量用アイコン436cが強調表示されている状態(
図385(a))から「中」に対応する第1音量用アイコン436bが強調表示されている状態に変更されるように、その表示内容を更新する。
【4149】
ステップSk3307では、第2音量設定カウンタの値を把握する。第2音量設定カウンタは、第2音量の現在の設定値を示すカウンタである。
【4150】
ステップSk3308では、現在の第2音量の設定値が、変更後の第1音量に対して割り当てられている第2音量の選択範囲外のものであるか否かを判定する。例えば、ステップSk3307で把握した第2音量設定カウンタの値が「5」であり、ステップSk3305での更新による更新後の第1音量設定カウンタの値が「2」である場合は、現在の第2音量が音量レベル5であり、変更後の第1音量が「中」であることを意味する。第1音量が「中」である場合の第2音量の選択範囲は音量レベル1~4となっているため、上記の場合は現在の第2音量が選択範囲外のものであると判定する。
【4151】
現在の第2音量が選択範囲外のものである場合は、ステップSk3309に進み、第2音量の設定値が選択範囲内のものとなるように第2音量設定カウンタの値を更新する。具体的には、第2音量設定カウンタの値を1減算する。続くステップSk3310では、ステップSk3309の第2音量設定カウンタの更新結果に基づき、第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。すなわち、ヘッドホン38からの放出音の音量を1段階低減させる旨の第2音量制御信号VC2を出力する。
【4152】
ここで、ステップSk3304で肯定判定した場合、すなわち、変更規制フラグがセットされている場合は、上記ステップSk3305~ステップSk3310の処理をスキップしてこれらを実行しないものとなっている。このため、規制状態では、第1音量操作を行っても第1音量を変更することが不可となる。
【4153】
ステップSk3310の実行後、ステップSk3303で否定判定した場合(第1音量操作が行われていない場合)又はステップSk3304で肯定判定した場合は、ステップSk3311にて第2音量操作が行われているか否かを判定する。すなわち、第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389が操作されているか否かを判定する。
【4154】
第2音量操作が行われている場合は、ステップSk3312に進み、第2音量設定画面の表示用処理を実行する。当該表示用処理は、ステップSk3009(
図377)の第2音量設定画面の表示用処理と同様のものである。ステップSk3312の実行後又はステップSk3311で否定判定した場合(第2音量操作が行われていない場合)は、第1音量設定表示中の操作対応処理を終了する。
【4155】
ステップSk3301で肯定判定した場合(決定操作が行われている場合)又はステップSk3302で肯定判定した場合(音量表示タイマの値が「0」になった場合)は、ステップSk3313に進み、上記各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグがセットされているか否かを判定する。変更規制フラグがセットされておらず、規制状態になっていない場合は、ステップSk3314にて上記各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグをセットし、規制状態への切り替えを行う。
【4156】
ステップSk3314の実行後又はステップSk3313で肯定判定した場合(変更規制フラグがセットされている場合)は、ステップSk3315に進み、第1音量設定画面の消去用処理を実行する。これにより、第1音量設定画面430が消去される。ステップSk3315の実行後は第1音量設定表示中の操作対応処理を終了する。
【4157】
<第2音量設定表示中の操作対応処理>
ステップSk3009の第2音量設定表示中の操作対応処理について
図382のフローチャートを参照しながら説明する。第2音量設定表示中の操作対応処理は、第2音量設定画面431の表示中において第1音量スイッチ301や入力用操作部300により各種操作が行われた場合に、行われた操作に対応する処理を実行するためのものである。
【4158】
第2音量設定表示中の操作対応処理では先ずステップSk3401にて、RAM344の各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグがセットされているか否かを判定する。変更規制フラグがセットされておらず、規制状態になっていない場合は、ステップSk3402にて上記各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグをセットし、規制状態への切り替えを行う。すなわち、第1音量の変更が規制されていない状況で第2音量設定画面431の表示状態(第2音量操作による第2音量の変更を行い得る状態)となった場合は、第1音量の変更を規制する状態に切り替えてから以降の処理(第2音量を変更するための処理)を実行する。
【4159】
ステップSk3402の実行後又はステップSk3401で肯定判定した場合(変更規制フラグがセットされている場合)は、ステップSk3403にて決定操作が行われているか否かを判定する。本ステップの「決定操作」には、第2音量の変更後に入力用操作部300の中スイッチ382を操作して設定音量を確定させる音量の決定操作や、第2音量設定画面431の表示中において第2音量の変更を行わず、単に中スイッチ382を押し下げするだけの操作が含まれる。
【4160】
決定操作が行われていない場合は、ステップSk3404にて音量表示タイマが「0」になったか否かを判定する。音量表示タイマが「0」になっていない場合、すなわち、第2音量設定画面431の表示継続期間中である場合は、ステップSk3405に進み、第2音量操作が行われているか否かを判定する。具体的には、第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389が操作されているか否かを判定する。
【4161】
第2音量操作が行われている場合は、ステップSk3406にて第2音量設定カウンタの値を更新する。その際、行われた第2音量操作がアップスイッチ388を操作するものであり、第2音量の音量レベルを増大させることに対応した操作である場合は、第2音量設定カウンタの値を1加算する。例えば、第2音量が音量レベル3に設定されている状況で上記第2音量操作が行われた場合であれば、更新後の第2音量設定カウンタの値が「4」とされる。
【4162】
上記の際、例えば、第1音量が「小」に設定され、第2音量の選択範囲が音量レベル1~3となっている状況で、今回の第2音量操作が第2音量を音量レベル3から音量レベル4に上げることに対応するものであった場合は、当該第2音量操作を無効なものとし、第2音量設定カウンタの更新を実行しない。すなわち、第1音量により規定される第2音量の選択範囲において、現在の第2音量がその上限レベルに達している状況では、音量レベルを増大させる側の操作が行われても音量レベルが変更されず、操作時点での音量レベルがそのまま維持される。
【4163】
ステップSk3407では、ステップSk3406の第2音量設定カウンタの更新結果に基づいて第2音量用の音量表示部439の表示内容を更新する。すなわち、更新後の第2音量設定カウンタの値に対応する音量レベルが上記音量表示部439にて報知されるように、音量レベル画像OPの表示制御が行われる。この処理は、上記変形例2に係るステップSk1805(
図362)の処理と同様であるため、説明を省略する。
【4164】
ステップSk3408では、ステップSk3406の第2音量設定カウンタの更新結果に基づき、第2音量制御信号VC2をHP出力制御IC94に出力する。例えば、上記のように第2音量操作として音量レベルを増大させる操作が行われた場合は、ヘッドホン38からの放出音の音量を1段階増大させる旨の第2音量制御信号VC2を出力する。
【4165】
ステップSk3408の実行後又はステップSk3405で否定判定した場合(第2音量操作が行われていない場合)は、ステップSk3409にて第1音量操作が行われているか否かを判定する。すなわち、入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386が操作されているか否かを判定する。
【4166】
第1音量操作が行われている場合は、ステップSk3410に進み、第1音量設定画面の表示用処理を実行する。当該表示用処理は、ステップSk3007(
図377)の第1音量設定画面の表示用処理と同様のものである。ステップSk3410の実行後又はステップSk3409で否定判定した場合(第1音量操作が行われていない場合)は、第2音量設定表示中の操作対応処理を終了する。
【4167】
ステップSk3403で肯定判定した場合(決定操作が行われている場合)又はステップSk3404で肯定判定した場合(音量表示タイマの値が「0」になった場合)は、ステップSk3411にて第2音量設定画面の消去用処理を実行する。これにより、第2音量設定画面431が消去される。ステップSk3411の実行後は第2音量設定表示中の操作対応処理を終了する。
【4168】
<メニュー表示中の操作対応処理>
本変形例に係るメニュー表示中の操作対応処理について
図383のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は
図360のメニュー表示中の操作対応処理に代えて実行されるものである。
【4169】
ステップSk1604で否定判定した場合(カスタム項目の選択状態でない場合)は、ステップSk1607に進み、ヘッドホン設定の選択状態であるか否かを判定する。すなわち、メニューバー406にヘッドホン項目KP2が表示されている状態(
図370(b))であるか否かを判定する。
【4170】
ヘッドホン設定の選択状態でない場合は、ステップSk3601に進み、変更規制項目の選択状態であるか否かを判定する。本変形例では、
図387(a)に示すように、メニュー画面405のメニューバー406に表示可能な選択項目として、演出カスタマイズ項目KP1やヘッドホン項目KP2、設定リセット項目KP3のほか、変更規制項目KP4が含まれるように構成されている。変更規制項目KP4は、第1音量の変更規制の有無を確認したり、切り替えたりするための項目である。本ステップでは、メニューバー406に変更規制項目KP4が表示されている状態(
図387(b))であるか否かを判定する。
【4171】
ステップSk3601で肯定判定した場合(変更規制項目の選択状態である場合)は、ステップSk3602にて規制切替用処理を実行し、その後、メニュー表示中の操作対応処理を終了する。規制切替用処理の詳細については後述する。
【4172】
一方、ステップSk3601で否定判定した場合(変更規制項目の選択状態でない場合)は、リセット設定の選択状態(設定リセット項目KP3の表示状態)であることを意味する。この場合は、ステップSk1614に進み、リセット操作が行われているか否かを判定する。
【4173】
<規制切替用処理>
ステップSk3602の規制切替用処理について
図384のフローチャートを参照しながら説明する。規制切替用処理は、変更規制項目の選択状態(変更規制項目KP4の表示状態)である場合に実行されるものであり、第1音量の変更規制の有無を切り替えるための処理である。
【4174】
規制切替用処理では先ずステップSk3701にて、RAM344の各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグがセットされているか否かを判定する。変更規制フラグがセットされており、現在の状態が規制状態(第1音量の変更が規制される状態)である場合は、ステップSk3702に進み、オフ状態への切替操作が行われたか否かを判定する。オフ状態への切替操作は、
図387(c)に示すように、メニューバー406に変更規制項目KP4が表示されている状況で入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386を操作してオフボタン408を選択し、その状態で中スイッチ382を操作することで実現される。
【4175】
オフ状態への切替操作が行われている場合は、ステップSk3703に進み、上記各種フラグ格納エリア304にセットされている変更規制フラグをクリアする。これにより、上記規制状態が解除され、第1音量の変更が許容される状態となる。
【4176】
ステップSk3704では、図柄表示装置75の表示画面Gにて規制解除報知が実行されるように設定する。規制解除報知は、例えば「第1音量の変更が可能になりました」などの文字画像等が表示されることにより行われる。ステップSk3704の実行後又はステップSk3702で否定判定した場合(オフ状態への切替操作が行われていない場合)は、規制切替用処理を終了する。
【4177】
ステップSk3701で否定判定した場合(変更規制フラグがセットされていない場合)は、ステップSk3705に進み、オン状態への切替操作が行われたか否かを判定する。オン状態への切替操作は、
図387(b)に示すように、変更規制項目KP4の表示状態でオンボタン407を選択し、その状態で中スイッチ382を操作することで実現される。
【4178】
オン状態への切替操作が行われている場合は、ステップSk3706に進み、上記各種フラグ格納エリア304に変更規制フラグをセットする。続くステップSk3707では、図柄表示装置75の表示画面Gにて規制設定報知が実行されるように設定する。規制設定報知は、例えば「第1音量の変更が規制されました」などの文字画像等が表示されることにより行われる。ステップSk3707の実行後又はステップSk3705で否定判定した場合(オン状態への切替操作が行われていない場合)は、規制切替用処理を終了する。
【4179】
<音量設定の流れについて>
第1音量の設定と第2音量の設定との組み合わせによるヘッドホン38の音量設定の流れについて
図385~
図388を参照しながら説明する。ここでは、第1音量の変更が規制され且つ第1音量が「大」に設定されている状態を初期状態として説明を進める。
【4180】
上記初期状態の下で、遊技者が入力用操作部300の右スイッチ384又は左スイッチ386を操作すると、
図385(a)に示すように、第1音量が「大」に設定されていることを報知する態様の第1音量設定画面430が表示される。この第1音量設定画面430では、第1音量の変更が規制されていることを示す規制中画像437が表示される。
【4181】
この状態で遊技者が上記右スイッチ384又は左スイッチ386を再び操作して第1音量操作を行ったとしても、それらの操作は無効化され、第1音量は変更されない。すなわち、第1音量の設定が「大」に固定される。
【4182】
また、上記初期状態の下で、遊技者が第1音量スイッチ301のアップスイッチ388又はダウンスイッチ389を操作すると、
図386(a)に示すように、第1音量が「大」の場合に対応した態様の第2音量設定画面431が表示される。第1音量が「大」になっている場合、第2音量の選択範囲が音量レベル1から音量レベル5までの5段階となるため(
図379)、第2音量設定画面431では、音量レベル画像OPを表示可能な領域としてレベル表示領域M1~M5が設定される。
【4183】
上記の際、第2音量の変更は規制されていないため、上記アップスイッチ388又はダウンスイッチ389を操作して第2音量操作を行うことにより、第2音量を音量レベル1から音量レベル5までの範囲で変更することが可能になる。そして、第2音量の音量レベルが変更された場合、それに応じた内容の第2音量制御信号VC2がHP出力制御IC94に出力される。これにより、HP出力制御IC94からジャック部37に出力される音信号の出力レベルが増減され、ヘッドホン38からの放出音の音量が変更される。すなわち、第2音量の音量レベルに対応した大きさの演出音がヘッドホン38から放出されることになる。ここでは、例えば、第2音量が音量レベル4に設定されたとする。
【4184】
上記のように第2音量設定画面431の表示状態とすることで、第2音量の変更操作を行うことができるが、その場合でも第1音量に対する変更は規制されたままの状態が維持される。このため、第2音量設定画面431の表示中に遊技者が右スイッチ384や左スイッチ38を操作しても、第1音量を変更することはできない。但し、現状の第1音量の設定を視認できるようにすべく、第1音量設定画面430を表示させることは可能となっている。
【4185】
かかる状態において、遊技者が入力用操作部300の上スイッチ383、下スイッチ385又は中スイッチ382を操作してメニュー画面405を表示させるとともに、上記上スイッチ383又は下スイッチ385を操作して選択項目を切り替えていくと、
図387(b)に示すように、メニューバー406に変更規制項目KP4を表示させ、変更規制項目KP4の選択状態とすることが可能になる。そして、その状態で右スイッチ384を操作してオフボタン408を選択し、中スイッチ382を操作すると、第1音量の変更規制が解除される。
【4186】
このように第1音量の変更規制が解除された状態で遊技者が右スイッチ384や左スイッチ38を操作すると、第1音量が「大」であることに対応した第1音量設定画面430が表示されるが、この第1音量設定画面430では、
図385(b)に示すように、規制中画像437が表示されず、第1音量の変更が許容されている状態であることが示唆される。この状態で遊技者が右スイッチ384又は左スイッチ386を操作して第1音量操作を行うことで、第1音量を変更することが可能になる。
【4187】
そして、遊技者が所望の音量を選択した状態で中スイッチ382を操作すると、第1音量の変更が適用される。このようにして第1音量が変更されると、第1音量の変更規制が解除された状態から当該変更が規制される状態に復帰する。
【4188】
ここでは、第1音量が「小」に変更されたとする。第1音量が「小」である場合の第2音量の選択範囲は音量レベル1~3であるところ(
図379)、例えば、その時点での第2音量が音量レベル4であったとすると、その音量レベルは変更後の第1音量が対応する第2音量の選択範囲に属さないものとなる。この場合は、変更後の選択範囲の上限値まで第2音量の音量レベルを低減させるべく、音信号の出力レベルを低減させる旨の第2音量制御信号VC2がHP出力制御IC94に出力される。これにより、第1音量の変更に応じてヘッドホン38からの放出音の音量が自動調整される。
【4189】
かかる状態の下、遊技者がアップスイッチ388又はダウンスイッチ389を操作すると、
図388(a)に示すように、第1音量が「小」の場合に対応した態様の第2音量設定画面431が表示される。上記のように、第2音量の音量レベルは、第1音量が「小」である場合の選択範囲に自動調整されているため、この場合の第2音量設定画面431では、第2音量(ヘッドホン38からの放出音の音量)が音量レベル3であるように報知される。
【4190】
そして、上記のような第2音量設定画面431が表示されている状態で、遊技者がアップスイッチ388又はダウンスイッチ389を操作すると、
図388(a)~(c)に示すように、音量レベル1~3の範囲で第2音量を変更することができる。その際、第2音量が音量レベル3となっている状態でアップスイッチ388を操作しても有効化されず、ヘッドホン38からの放出音の音量は増大されない。このため、事前に第1音量を「小」に設定することで、音量レベル4以上の大きさの演出音がヘッドホン38から放出されないように音量制限をかけておくことが可能になる。
【4191】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【4192】
音量レベルを選択可能な範囲を規定する第1音量の設定状態と、その規定された範囲内で音量レベルを選択する第2音量の設定状態との組み合わせにより、ヘッドホン38からの放出音の音量が設定される構成とし、その上で、第2音量を変更可能な状況では第1音量の変更が規制される構成とした。
【4193】
ヘッドホン38では耳の近くで音が発せられるため、大きな音が放出された場合にスピーカ部29からの場合よりも遊技者がそれを感受しやすく、不快な印象を与えて遊技意欲を低下させる懸念がある。この点、上記構成では、第1音量の設定状態により第2音量の操作で選択可能な音量レベルの範囲が規定されるため、第1音量操作により第1音量を下げておくことで、ヘッドホン38から大きな音量で演出音等が放出されることを未然に回避しておくことが可能になる。
【4194】
しかも、第2音量の設定状態を変更する第2音量操作が実行可能な状況では、仮に第1音量の設定状態を変更する第1音量操作を行ったとしても、当該操作が無効化されて第1音量の変更が規制される。このため、第2音量を変更するための第2音量設定画面431を表示させている状況で、誤解や操作ミス等により第1音量操作を行った場合でも、第1音量の設定状態が変更されて音量レベルの選択範囲が拡がってしまうことが抑制される。これにより、第2音量操作によるヘッドホン38の音量調整時に演出音等の音量が過大となることが抑制され、遊技者が安心して音量変更を行うことが可能になる。
【4195】
なお、本変形例では、ヘッドホン38から放出されるエラー音について触れていないが、上記変形例2や変形例3のようにヘッドホン38から放出されるエラー音の音量変更を可能とする場合は、当該音量変更のための構成として本変形例の構成を適用してもよい。すなわち、エラー音の音量変更を行う場合の選択範囲(上限値)が第1音量の設定値によって規定されるとともに、規制解除操作が行われていない状況では、当該設定値の変更が規制される構成とすることができる。
【4196】
入力用操作部300を操作することで、第1音量の設定状態を変更する第1音量操作を実施することができ、第1音量スイッチ301を操作することで、第2音量の設定状態を変更する第2音量操作を実施することができる構成とした。
【4197】
この場合、第1音量操作及び第2音量操作の各操作で用いる操作部が異なるため、第2音量の変更中に誤って第1音量の設定を変更する操作を行ってしまう事象が生じにくくなり、そもそもの構成として、第2音量操作によるヘッドホン38の音量調整時に演出音等の音量が過大となりにくい構成とすることができる。そして、そのような構成において仮に上記のような事象が発生した場合でも、第1音量の設定状態の変更が規制されていることにより、ヘッドホン38からの音量が過大となることが回避される。すなわち、音量調整時に出力音量が過度に大きくなることへの抑止機能を強化することが可能になる。
【4198】
メニュー画面405から変更規制項目KP4を選択し、その状態でオフ操作を行うことで、第1音量の変更規制を解除できる構成とした。これにより、遊技者が現状の上限レベルを超えてヘッドホン38からの音量を上げたい場合には、メニュー画面405の表示操作、変更規制項目KP4の選択操作、オフ操作を順に行うことで、ヘッドホン38からの音量を大きくすることが可能になる。
【4199】
その際、規制状態を解除するための規制解錠操作において、第2音量の設定変更に用いる第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389の操作が含まれない構成とした。これにより、上記各スイッチ388、380を操作して第2音量の設定を変更している際に、意図せず規制解除操作が実施されてしまうことを抑制できる。
【4200】
第1音量の設定状態を変更した場合に、その時点での第2音量の設定状態(音量レベル)が変更後の第1音量が対応する選択範囲外である場合は、第2音量の設定状態を自動変更する構成とした。
【4201】
この場合、遊技者が第1音量の設定を下げたことに追従して第2音量の設定も下がるため、手動で逐一第2音量を設定し直さなくても足りる。すなわち、第1音量及び第2音量の両方の変更操作を行う必要がないため、操作の煩わしさを軽減して利便性を高めることが可能になる。
【4202】
第1音量の設定状態を変更した場合に、当該変更操作の終了後、自動的に規制状態に復帰する構成とした。
【4203】
この場合、変更操作の終了後も規制解除状態が継続されることが抑制され、延いては意図せず第1音量の設定状態が変更されることを抑制できる。これにより、ヘッドホン38からの音量が過大となることがより好適に抑制され、遊技者が安心して音量変更を行うことが可能になる。
【4204】
<その他の変形例>
なお、上述した第6の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第6の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第6の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第6の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【4205】
また、理解の容易のため、例えば「第6の実施の形態では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施の形態や変形例に対しても適用することが可能である。
【4206】
(1)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、ミュート処理において音信号の音量レベルを0レベルとし、スピーカ部29から音が放出されない構成としたが、ミュート処理が実行されない場合の音量レベルよりも低く且つ0レベルよりも高い所定レベルに低減されるものであってもよい。すなわち、ミュート処理の不実行時よりもスピーカ部29からの放出音の音量が低下するものであれば、スピーカ部29から音が放出されるものであってもよい。
【4207】
スピーカ部29から音が放出されない構成では、その分、そのパチンコ機にて発生する発射音(遊技球発射機構110にて遊技球を発射するときに発生する打球音)や弾球音(遊技領域PEを流下する遊技球が遊技釘に接触することで発生する衝突音)が際立つようになり、ヘッドホン38を装着せずに遊技している周囲の遊技者からすると、それらの音が耳障りになるおそれがある。そのような場合に、スピーカ部29から比較的に小さな音で演出音等を放出し、それによって発射音や弾球音を目立ちにくくなるようにすることで、周囲の遊技者が遊技しにくくなることを抑制できる。
【4208】
この場合、遊技ホール内の騒音レベルを低減する上では、ミュート処理の実行状態にてスピーカ部29から放出する演出音等の音量は、通常音量(遊技者が操作可能な第2音量スイッチ90が操作されていない場合の初期音量(基準音量))よりも低く、当該通常音量で放出される場合よりも演出音等の内容を遊技者が聴き取りにくいもの(認識困難なもの)とすることが好ましい。例えば、音が放出される範囲での音量調整として5段階が設定されている場合であれば、ミュート処理の実行状態での音量は、そのうち1段階目(最小音量)や2段階目(その次の音量)と同程度の音量とすることができる。ミュート処理の実行に際しては、そのような予め定められたミュート用の専用音量に自動変更される構成とするとよい。
【4209】
(2)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、第1音信号経路87を伝送されるスピーカ部29用の音信号のみを対象としてミュート処理を実行するが、第2音信号経路93を伝送されるジャック部37(ヘッドホン38)用の音信号についてもミュート処理を実行する構成としてもよい。この場合におけるジャック部37用の音信号へのミュート処理は、スピーカ部29が使用される場合(カバー部271の開状態が検知されない場合)を対象として行うとよい。このような構成とすることで、スピーカ部29とヘッドホン38との間でハウリングが発生することを抑制できる。
【4210】
なお、ハウリングの発生を抑止する観点では、スピーカ部29の使用時において所定の音量レベル以上の音が出力される場合を対象として、ジャック部37用の音信号へのミュート処理(レベル低減処理)を行う構成としてもよい。
【4211】
(3)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、ジャック部37へのプラグ部39(ヘッドホン38)の接続状態においてスピーカ部29から音が放出されないようにする場合に、第1音信号経路87を伝送される音信号の音量レベル(出力レベル)を低減させるようにしたが、第1音信号経路87における音信号の伝送経路を遮断し、音信号がスピーカ部29まで伝送されないようにすることで、スピーカ部29から音が放出されないようにしてもよい。例えば、上記伝送経路上に当該伝送経路の導通/非導通を切り替え可能なスイッチ回路を設け、当該スイッチ回路について、カバー部271の開状態が検知されない状況では導通状態で動作させ、上記開状態が検知される状況では非導通状態で動作させる構成としたりすることが考えられる。
【4212】
(4)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、カバー部271の開状態が検知される場合にスピーカ部29用の音信号へのミュート処理を実行するが、カバー部271の開状態が検知され且つジャック部37用の音信号が出力される場合(ヘッドホン38から音を放出させる場合)にスピーカ部29用の音信号へのミュート処理を実行する構成としてもよい。
【4213】
(5)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、ジャック部37にプラグ部39が接続されている場合にパチンコ機10にてヘッドホン38用の出力(外部出力)の使用有無を遊技者が選択できる構成としてもよい。この場合、外部出力の使用が選択(設定)されている場合を対象としてスピーカ部29用の音信号へのミュート処理を実行する構成としてもよい。なお、外部出力の使用有無の選択は演出用操作部36や他の操作部(遊技者が操作可能な位置に設けられるもの)を用いて実行できる構成とするとよい。
【4214】
上記の際、カバー部271が開状態から閉状態に切り替えられたことや、ジャック部37からプラグ部39が引き抜かれたことに応じて、ミュート処理の実行状態を解除する構成としてもよいし、遊技者が出力の切り替え操作(外部出力からスピーカ出力に戻す操作)を行うことに応じてミュート処理の実行状態を解除する構成としてもよい。但し、出力の戻し忘れを抑制する観点では、前者のようにカバー部271の閉状態への切り替え等に応じて自動解除される構成とするのが好ましい。
【4215】
(6)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、ジャック部37へのプラグ部39の接続状況にかかわらず、スピーカ部29用の音信号に対するミュート処理が実行されない構成としてもよい。すなわち、ジャック部37へのプラグ部39の接続に応じてミュート処理を実行する機能を備えず、常にスピーカ部29とヘッドホン38との両方から音が放出され得る構成としてもよい。
【4216】
(7)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、カバー部271の開状態が検知された場合や、プラグ部39がジャック部37に挿入されたことが検知された場合に、ジャック部37への接続がなされたとして、第1音信号経路87を伝送される音信号へのミュート処理を実行したが、上記とは異なる条件でミュート処理が実行されてもよい。例えば、遊技者が操作可能な操作手段(演出用操作部36や他の操作部)にて所定操作が行われたことを条件として、ミュート処理が実行される構成としてもよい。すなわち、遊技者の意思によってミュート処理が実行されてもよく、このような構成であっても、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能となる。
【4217】
(8)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、エラー音に対応する音信号が出力される場合にミュート処理を解除する構成としたが、エラー音以外の音に対応する音信号が出力される場合にミュート処理を解除する構成としてもよい。例えば、パチンコ機の返却ボタン(カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める場合に操作される操作部)が操作された場合の返却音が出力される際にミュート処理を解除する構成としてもよい。この場合、他者によって返却ボタンが操作された場合に、返却音が聴こえないことによりカード等の抜き取りに気付きにくくなることを抑制できる。
【4218】
なお、上記カード等は、カードユニットに挿入された状態で所定の投入口に現金が投入された場合に残額情報が記録されたりする記録媒体であり、遊技者は、パチンコ機の貸出ボタンを操作することで、カード等に記録された残額の範囲内で貸し球の提供を受けることができる。貸し球の提供(遊技球の貸し出し)は、既に説明したように払出装置222を介して行われる。
【4219】
(9)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、エラー音に対応する音信号が出力される場合に、その種類にかかわらず、画一的にミュート処理を解除する構成としたが、エラー音の種類に応じて解除の有無を異ならせる構成としてもよい。例えば、不正検知音のように周囲の遊技者やホール従業員にも聴こえる方が好ましいもの(不正に関するもの)については、当該検知音の出力に応じてミュート処理を解除する一方、満杯エラー音のように、そのパチンコ機を遊技している遊技者にさえ報知がなされれば足りるようなもの(正規に遊技している中で生じる事象に関するもの)については、かかるエラー音が出力される状態になってもミュート処理を解除しない構成としてもよい。ミュート処理の解除時においては、パチンコ機10からの音が聞こえない状態から突然に音が放出されるため、周囲の遊技者が驚いて遊技に集中しにくくなる懸念があるところ、そのような機会が低減されることで、いたずらに周囲の遊技者を驚かせてしまうことを抑制できる。
【4220】
また、エラー音の種類に応じて解除の度合い(音量レベルの低減度合い)を異ならせるようにしてもよい。例えば、不正検知音の場合はミュート処理を完全に解除し、ミュート処理の不実行時と同じ音量で不正検知音がスピーカ部29から放出されるようにする一方、満杯エラー音の場合は、例えば解除の度合いを半分程度とし、ミュート処理の不実行時の半分の音量で満杯エラー音が放出されるようにしてもよい。このような構成とすることで、周囲の遊技者を驚かせるのを抑制しつつ、そのパチンコ機10を遊技している遊技者がヘッドホン38を未装着の場合でも満杯エラーの発生を知らせることが可能になる。
【4221】
なお、返却音の場合は重要性が高いため、不正検知音の場合と同様にミュート処理を完全に解除し、ミュート処理の不実行時と同じ音量でスピーカ部29から放出されるようにすることが好ましい。
【4222】
(10)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、エラー音の出力に合わせてミュート処理を解除する場合、すなわち、ミュート処理の実行状態でエラー音を出力する場合に、当該エラー音として、演出音に対するミュート処理の実行状態でないときとは異なる音声が出力される構成としてもよい。例えば、満杯エラーが発生したときのエラー音として、ミュート処理の実行状態でないときは、スピーカ部29から「球を抜いて下さい」という音声が放出される一方で、ミュート処理の解除時には、「ピッピッ」などの上記の場合よりも目立ちにくい音声が放出される構成としてもよい。満杯エラーの発生時には図柄表示装置75にその旨の表示がなされるのが一般的であるため、そのような目立ちにくい音声であっても、注意喚起して図柄表示装置75への視線移動を促すことができれば、満杯エラーの発生を知らせることが可能になる。このため、上記のような構成とすることで、周囲の遊技者を驚かせることを抑制しながら、そのパチンコ機10を遊技している遊技者に対してエラーの発生を知らせることができる。
【4223】
(11)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、カバー部271の開状態から閉状態への切り替えやジャック部37からのプラグ部39の引き抜きに基づいてミュート処理を解除する構成としたが、これに代えて又は加えて、遊技者による出力の切り替え操作が実行されたことに基づいてミュート処理を解除する構成としてもよい。なお、出力の切り替え操作は、遊技者が手動で出力を切り替えることができれば特に限定されるものではないが、例えば、演出用操作部36又は遊技者が操作可能な他の操作部により所定操作が行われることにより、外部出力状態(ミュート処理の実行状態)からスピーカ出力状態(スピーカ部29から音を放出させる状態)への設定変更が行われるものとすることができる。
【4224】
(12)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、カバー部271の開状態から閉状態への切り替えやジャック部37からのプラグ部39の引き抜きに基づいてミュート処理を解除する場合に、ミュート処理を実行する前の音量レベルをそのまま適用するのではなく、音量レベルを下げてスピーカ部29から放出させるようにしてもよい。例えば、ミュート処理を実行する前の音量レベル(又は音量設定)を参照し、所定の基準レベルよりも高い場合は、当該基準レベルまで低下させた状態で放出させるようにしてもよい。このような構成とすることで、突然、スピーカ部29から大きな音が放出されることが抑制され、周囲の遊技者を驚かせて遊技に集中しにくくなることを抑制できる。本構成は上記(11)の構成にも適用することができる。
【4225】
なお、ミュート処理を実行する前の音量レベルが基準レベルより低い場合はそのまま出力するようにしてもよいし、基準レベルまで上げてから出力するようにしてもよい。ちなみに後者の場合は、実質的に「ミュート処理を実行する前の音量レベルにかかわらず、解除後の音量レベルを基準レベルに設定してスピーカ部29から音を放出させるもの」になる。
【4226】
(13)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、エラー音に対応する音信号が出力される場合であってもミュート処理を実行する(ミュート処理を解除しない)構成としてもよい。
【4227】
(14)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、第2音量スイッチ90が操作された場合に、図柄表示装置75の表示画面Gにて音量調整用表示を行う構成としてもよい。音量調整用表示としては、現在の音量レベルや音量の上げ下げなどを遊技者が認識できるようにするものであればよい。その場合において、
図389(a)に示すように、スピーカ部29用の音量調整用表示295と、外部出力(ヘッドホン38)用の音量調整用表示296とが各別に行われるとともに、それら音量調整用表示295、296が、スピーカ部29と外部出力とのどちらの使用中であるかを遊技者が認識できる態様で表示される構成としてもよい。例えば、外部出力の使用状態であれば、音量調整用表示296が明るく表示され、音量調整用表示295が暗く表示される構成とすることができる。
【4228】
上記第6の実施の形態及びその各変形例のように、ジャック部37へのプラグ部39の接続時においてスピーカ部29用の音信号へのミュート処理を実行する構成の場合、それまで遊技していた遊技者がそのままの状態で遊技をやめて離席した場合、次の遊技者はスピーカ部29から音が放出されない状態で遊技を行うことになる。この場合、その遊技者は、音を放出させようとして第2音量スイッチ90を操作すると想定されるところ、上記のように、外部出力の使用状態であることを認識できる表示が行われることで、音が放出されない要因を速やかに察知することができ、遊技者が困惑することを抑制できる。
【4229】
また、
図389(b)に示すように、スピーカ部29用と外部出力用とで兼用される1の音量調整用表示297を行い、それとは別に、スピーカ部29と外部出力とのどちらの使用中であるかを示す使用デバイス表示298を行うようにしてもよい。このような構成によっても上記と同様の効果を期待することができる。なお、使用デバイス表示298は、外部出力の使用状態でのみ行われてもよいし、スピーカ部29の使用状態と外部出力の使用状態とのそれぞれにおいてどちらが使用状態であるかを報知する態様で行われてもよい。
【4230】
(15)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、スピーカ部29からのエラー音とヘッドホン38からのエラー音との双方について固定音量とし、音量調整できない構成としたが、スピーカ部29からのエラー音については固定音量とする一方で、ヘッドホン38からのエラー音については音量調整できる構成としてもよい。ヘッドホン38の場合、放出される音が直接、耳に入る構造であり、大きな音が発せられた際の遊技者への影響が大きいと考えられるところ、上記の構成とすることで、ヘッドホン38から過剰に大きな音が発せられることを抑制できる。
【4231】
その場合、演出音用の音量調整とエラー音用の音量調整とを各別に行えるようにしてもよいし、演出音用の音量調整に連動して自動的にエラー音用の音量調整が行われる構成としてもよい。調整操作の煩わしさを解消したり、エラー音に対する音量調整のし忘れを抑制したりする上では、後者の連動タイプの構成とすることが好ましい。
【4232】
その際、エラー音の音量調整の段数は、演出音用の音量調整の段数と同じにしてもよいし、異なるものとしてもよい。エラー音の音量が小さくなり過ぎることを抑制する上では、エラー音の音量調整の段数を演出音用の音量調整の段数よりも少なくすることが好ましい。例えば、
図390に示すように、演出音用の音量調整の段数として5段階が設定され、1段階目から5段階目にかけて順に音量レベルが大きくなっていく場合であれば、エラー音の音量調整の段数を3段階とする。その上で、第2音量スイッチ90により演出音用の音量レベルが1段階目から3段階目の範囲で設定される場合にはエラー音の音量レベルが1段階目で設定される構成とする。
【4233】
この場合、演出音用の音量レベルを1段階目から3段階目の範囲で変えても、エラー音の音量レベルを1段階目の音量レベルで固定することができる。この1段階目の音量レベルにエラー音の音量レベルとして最低限必要な基準レベルを割り当てることで、第2音量スイッチ90により演出音用の音量レベルが3段階目から1段階目に向けて低減される中でも、エラー音の音量レベルとして一定以上のレベルを確保することができ、エラー音の音量が小さくなり過ぎることを抑制できる。
【4234】
その際のエラー音の音量レベル(1段階目の音量レベル)は、演出音用の音量レベルの1段階目から3段階目のうちのいずれかと同じレベルであってもよいし、それらのいずれとも異なり、独自に設定されるレベルであってもよい。エラー音の特性上、注意喚起を果たす必要があるため、そのような意味では、大きめの音であることが好ましく、このような観点からすると、後者の構成とすることが好ましい。すなわち、エラー音における1段階目の音量レベルは、演出音における3段階目の音量レベルよりも大きいものであることが好ましい。
【4235】
なお、演出音用の音量調整の段数とエラー音の音量調整の段数とを等しくする場合においても、各段階における両者の音量レベルを同じにしてもよいし、異なるものとしてもよい。但し、上で述べたエラー音の役割を考慮すると、演出音よりも大きな音量でエラー音が発せられる方が好ましく、そのような観点では、エラー音の音量レベルが独自に設定されるものであることが好ましい。
【4236】
また、エラー音の音量調整を可能とする場合において、エラー音の種類によって音量調整の可否を異ならせる構成としてもよい。例えば、球無しエラー音や満杯エラー音については音量調整を可能とする一方で、不正検知音については音量調整を不可として固定音量で出力する構成としてもよい。すなわち、不正に関するエラー音については固定音量とし、不正行為者が当該検知音の音量を小さくできない構成とする一方で、そうではないエラー音については、遊技者が好みに応じて音量を変えられる構成としてもよい。
【4237】
なお、音量調整を不可とするエラー音としては、不正検知音のほか、前扉枠14が開放された場合に発せられる扉開放音や、パチンコ機10の電源が投入された場合(電源スイッチがオン状態とされた場合)に発せられる電源投入音が考えられる。前扉枠14の開放操作や電源スイッチの投入操作は、それら自体が不正行為ではなくても、不正行為が行われる際に併せて実施されるおそれがあるためである。
【4238】
また、スピーカ部29からのエラー音についての音量調整を可能とする構成としてもよい。この場合、ヘッドホン38からのエラー音についても音量調整できる構成としてもよいし、ヘッドホン38からのエラー音については固定音量とする構成としてもよい。
【4239】
(16)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、音信号出力線91から分岐線92を分岐させることで、サウンドIC83からの音信号を第2音信号経路93に出力する構成としたが、サウンドIC83の出力部において、音信号を第1音信号経路87に出力する経路と、音信号を第2音信号経路93に出力する経路とが各別に設けられる構成としてもよい。例えば、サウンドIC83の出力チャンネルとして6チャンネルを設定し、そのうちの4チャンネルを第1音信号経路87への出力経路として用い、残りの2チャンネルを第2音信号経路93への出力経路として用いる構成としてもよい。
【4240】
この場合、第1音信号経路87と第2音信号経路93とのいずれに音信号を出力するかをサウンドIC83にて切り替えることが可能になり、それによって、スピーカ部29から音が放出されないようにできるため、ミュート処理の実行機能を省略することができる。但し、サウンドIC83にて確保すべき出力チャンネル数が多くなるため、そのような意味では、上記第6の実施の形態及びその各変形例のように分岐させる構成の方が好ましい。
【4241】
(17)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、スピーカ部29とジャック部37とに同じ内容の音信号を出力する構成としたが、異なる内容の音信号を出力する構成としてもよい。例えば、ヘッドホン38を使用する場合、遊技球の発射音や遊技球の釘への衝突音が聴こえにくくなり、遊技している実感が得にくくなることが想定されるため、ジャック部37への音信号に対して上記発射音や衝突音に対応する音を合成してもよい。この場合、「対応する音」は、実際の発射音等を録音したものであってもよいし、人為的に作成した音であってもよい。
【4242】
(18)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、サウンドIC83にて音信号を基準音量まで増幅した後、SP出力制御IC88やHP出力制御IC94にて音量調整に応じて再び増幅する構成としたが、サウンドIC83にて増幅せず、各出力制御IC88、94でのみ増幅する構成としてもよい。
【4243】
(19)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、第2音信号経路93に配置した絶縁トランス96を省略してもよい。すなわち、HP出力制御IC94の出力側とジャック部37の入力側とを結線する構成としてもよい。
【4244】
(20)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、絶縁トランス96に代えて、一対の発光素子と受光素子とが対向するフォトカプラを配置する構成としてもよい。この場合、発光素子がHP出力制御IC94の出力部側に位置し、受光素子がジャック部37の入力部側に位置するようにフォトカプラを配置する。HP出力制御IC94の出力部側とジャック部37の入力部側とが結線的に分離されつつ、HP出力制御IC94の出力部側からジャック部37の入力部側への信号の流れが許容されるようにすることができる。同時に、HP出力制御IC94の出力部側からジャック部37の入力部側への信号の流れが許容されつつ、それとは逆方向への信号の流れが規制されるようにすることができる。
【4245】
なお、フォトカプラの配置位置は、HP出力制御IC94の出力部とジャック部37の入力部との間に限らず、サウンドIC83の出力部とHP出力制御IC94の入力部との間であってもよい。また、絶縁トランス96と併せてフォトカプラを用いてもよい。この場合、フォトカプラは、絶縁トランス96の1次側に配置してもよいし、2次側に配置してもよい。
【4246】
その他、フォトカプラに代えてダイオードを用いるようにしてもよい。但し、ダイオードよりもフォトカプラの方が逆方向への信号の流れをより強く規制できるため、そのような意味ではフォトカプラを用いる方が好ましい。なお、ダイオードを絶縁トランス96やフォトカプラと併用してもよい。
【4247】
(21)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、ジャック部37にプラグ部39が差し込まれていない場合に、接触端子253~255の全てについて、その電位が接地電位に固定されるが、それら接触端子253~255のうちの一部について、その電位が接地電位に固定される構成としてもよい。このような場合でも、それら接触端子253~255の全てが不定状態である場合よりは不正な信号を流しにくくなり、一定の不正抑止効果を見込めるものとなる。
【4248】
また、固定される電位は、必ずしも接地電位である必要はなく、例えば5V等の他の電位であってもよい。
【4249】
(22)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、プラグ部39を差し込んだときの押圧力が第2接触端子254、第3接触端子255に付与されることにより、第1接地端子257、第2接地端子258との離間が果たされる構成としたが、上記押圧力が各接地端子257、258に直接的又は間接的に付与されることにより、それら各接地端子257、258が各接触端子254、255から離れる方向に押されるなどして、各接触端子254、255との離間が果たされる構成としてもよい。また、上記押圧力が各接触端子254、255及び各接地端子257、258とは異なる箇所に付与されることにより、それらの離間が果たされる構成してもよい。
【4250】
(23)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、プラグ部39の引き抜きに機械的に連動して各接触端子253~255を接地化する構成としたが、制御によりそれら各接触端子253~255の接地化を図る構成としてもよい。
【4251】
例えば、パチンコ機10のアース部に繋がる配線と各接触端子253~255とをスイッチ部(例えば接点スイッチ)を介して接続し、当該スイッチ部に対してMPU342等からスイッチ制御信号を出力し、スイッチ部の動作を切り替え可能とする。このような構成の下、カバー部271の開状態やプラグ部39の差し込み状態が検知部273、291により検知されている場合は、MPU342等からのスイッチ制御信号をオフ状態として上記スイッチ部を非導通状態とする一方で、上記開状態や差し込み状態が検知されない場合は、スイッチ制御信号をオン状態として上記スイッチ部を導出状態とし、各接触端子253~255をアース接続して接地化する。このような構成においても、ジャック部37にプラグ部39が取り付けられていない場合に各接触端子253~255の電位を接地電位に固定する構成を実現することが可能になる。
【4252】
なお、上記スイッチ部を用いた構成において、プラグ部39を差し込んだときの押圧力がスイッチ部により付与されることにより、プラグ部39の引き抜きに機械的に連動して各接触端子253~255を接地化する構成としてもよい。すなわち、プラグ部39の差し込み時における押圧力がスイッチ部に直接的又は間接的に付与されることで、当該スイッチ部が非導通状態に切り替わる一方、プラグ部39の引き抜きに応じて上記押圧力が解除されることにより上記スイッチ部が導通状態に切り替わって各接触端子253~255の電位が接地電位に固定される構成としてもよい。
【4253】
(24)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、パチンコ機10にジャック部37を設け、パチンコ機10とヘッドホン38とを有線接続する構成としたが、パチンコ機10に無線通信装置を設け、パチンコ機10とヘッドホン38とを無線接続する構成としてもよい。
【4254】
(25)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、スマートフォンなどの表示端末(外部機器)を接続するための接続部をパチンコ機10に設け、遊技演出表示等の画像を上記表示端末の画面上に表示させながら遊技可能とする構成としてもよい。この際、表示端末との接続状態又は当該表示端末の画面上に遊技演出表示等の画像を表示している状態では、図柄表示装置75での表示を行わないようにしたり、図柄表示装置75での表示が暗くなるようにして行われたりする構成としてもよい。なお、遊技演出表示等の画像が図柄表示装置75以外の表示部でも表示され得るパチンコ機にあっては、図柄表示装置75に代えて、当該表示部での表示を行わないようにしたりする構成としてもよい。
【4255】
(26)上記第6の実施の形態では、ジャック部37からプラグ部39が取り外された場合に、付勢部材275の付勢力によりカバー部271が開状態から閉状態に切り替わる構成としたが、付勢部材275を省略し、カバー部271の自重により閉状態への切り替えが行われる構成としてもよい。
【4256】
また、カバー部271の開状態から閉状態への切り替わりに遊技者の閉操作を要する構成としてもよい。但し、この場合、遊技者が閉操作を行わず、遊技の終了後もカバー部271の開状態が維持されるおそれがあり、特に、カバー部271が開状態であることに応じてミュート処理を実行する構成にあっては、遊技の終了後もミュート状態が維持され続ける懸念がある。これを踏まえ、カバー部271が開状態とされている状況で、既に遊技者が遊技をやめていると推認できる場合(例えば、遊技球の発射操作や作動口62、63への遊技球の入賞が所定期間に亘ってなされていない場合)に、ミュート状態を解除する構成とすることが好ましい。
【4257】
(27)上記第6の実施の形態では、カバー部271がスライド移動するが、回動する構成であってもよい。また、カバー部271の移動方向についても上下に限らず、左右であってもよい。要は、ジャック部37を開閉することができ、且つ、開状態と閉状態の少なくとも一方を検知部によって検知できるものであれば、その具体的な構成は任意である。
【4258】
(28)上記第6の実施の形態では、カバー部271の閉状態(
図351(a))において、ジャック部37の開口部252の全体がカバー部271により覆われるが、ジャック部37へのプラグ部39の接続が規制される範囲で、開口部252の一部がカバー部271により覆われる構成としてもよい。
【4259】
また、カバー部271の開状態(
図351(b))において、カバー部271が開口部252と全く重ならず、開口部252の全体が露出する構成としたが、ジャック部37へのプラグ部39の接続が許容される範囲で、カバー部271と開口部252の一部とが重なる構成としてもよい。
【4260】
(29)上記第6の実施の形態では、カバー部271の開状態を検知する構成としたが、カバー部271の閉状態を検知する構成(検知部273がカバー部271の閉位置に合わせて配置される構成)としてもよい。また、カバー部271の開位置、閉位置のそれぞれに合わせて各別の検知部が配置され、開状態と閉状態の両方を検知可能な構成としてもよい。
【4261】
また、上記第6の実施の形態では、検知部273としてフォトセンサを用いたが、カバー部271の位置を検知できるものであれば、センサの種類は特に限定されるものではなく、他のセンサを用いてもよい。このことは、上記第6の実施の形態の変形例1においても同様であり、プラグ部39の抜き差しを検知する検知部291として分離型フォトセンサ以外のセンサを用いてもよい。
【4262】
(30)上記第6の実施の形態では、ジャック部37へのプラグ部39への接続を規制する接続規制部をカバー部271(開口部252を覆うもの)により構成したが、上記接続を規制できるものであれば、他の構成であってもよい。例えば、棒状の突き出し部がプラグ挿入孔251の奥側から前方に向けて延びており、それによって、プラグ挿入孔251へのプラグ部39の挿入(ジャック部37へのプラグ部39への接続)が阻害される構成としてもよい。
【4263】
この場合、例えば、遊技者が操作可能な所定操作部をパチンコ機10の前面部に設け、当該操作部にて所定操作が行われている状態では、上記突き出し部が奥側に収容可能となり、プラグ部39とともに突き出し部を押し込むことで、ジャック部37への接続が許容される構成とすることができる。かかる構成では、上記所定操作が行われていない場合、上記突き出し部の位置がロック(固定)され、突き出し部を押し込めないことにより、ジャック部37への接続が規制されることになる。
【4264】
(31)上記第6の実施の形態では、カバー部271を透明又は半透明なものとしたが、不透明なものとし、カバー部271の閉状態においてジャック部37を視認できない又は視認しにくい構成としてもよい。これにより、プラグ部39(ヘッドホン38)の未接続時においてジャック部37(開口部252)が目立つことを抑制し、ジャック部37の存在によりパチンコ機10(前扉枠14)の見映えが損なわれることを抑制できる。
【4265】
(32)上記第6の実施の形態においてカバー部271が開状態とされたことを検知した場合や、上記第6の実施の形態の変形例1においてプラグ部39の差し込みを検知した場合に、所定報知を行う構成としてもよい。例えば、カバー部271の開状態の検知に応じて行う場合の報知は、カバー部271が開状態とされたことを示唆するものであってもよいし、プラグ部39(ヘッドホン38)が接続されたことを示唆するものであってもよい。また、外部出力の使用状態になったことを示唆するものであってもよい。
【4266】
(33)上記第6の実施の形態では、カバー部271の開閉を検知するための検知部273に対し、その電源(動作電力)を第2音信号経路93とは別の経路により供給するが、当該電力供給用の別経路を備えず、検知部273の動作電力を第2音信号経路93にて得る構成としてもよい。例えば、絶縁トランス96の2次側を流れる音信号(音信号としての電流)を検知部273の動作電力に利用することが考えられる。上記第6の実施の形態の変形例1において、プラグ部39がジャック部37に差し込まれたことを検知する検知部291についても同様であり、絶縁トランス96の2次側を流れる音信号(音信号としての電流)を検知部291の電源(動作電力)に利用する構成としてもよい。
【4267】
その他、検知部273からの検知信号を1次側(上流側)に返す構成とした場合において、当該信号経路に逆流防止用のフォトカプラ(発光素子側を2次側、受光素子を1次側)を配置することが考えられるが、このフォトカプラの電源(動作電力)として上記2次側の電流(音信号)を利用する構成としてもよい。
【4268】
(34)上記第6の実施の形態の変形例1では、カバー部271を省略する構成としたが、これを設ける構成としてもよい。この場合、カバー部271は検知部291よりも手前側に配置するものとし、このような構成とすることで、プラグ部39が取り付けられていない場合において、外部の光が検知部291(受光部291b)に入射することを抑制できる。
【4269】
(35)上記第6の実施の形態の変形例1では、プラグ部39の取り付けを光学的に検知する構成としたが、電気的に検知する構成としてもよい。プラグ部39の引き抜きに応じて第2接触端子254、第3接触端子255の電位が接地電位とされるところ、例えば、それら各接触端子254、255の少なくとも1つの電位変化を検知する検知信号を出力する検知部を設けてもよい。この検知部からの検知信号は、上記電位変化に応じて出力レベルが変化するものとし、MPU342等では当該検知信号の出力レベルを参照することで、プラグ部39の接続有無を把握することができる。
【4270】
(36)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合にスピーカ部29からの放出音について音量低減が行われ、ヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態への切り替えが行われた場合にヘッドホン38からの放出音について音量低減が行われる構成としたが、それらのうちの一方のみが行われる構成としてもよい。例えば、ヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態への切り替えが行われた場合にヘッドホン38からの放出音に対する音量低減が行われない構成では、スピーカ部29の使用状態においてジャック部37にプラグ部39を差し込んだ場合にヘッドホン38から演出音等が放出される状態になる。
【4271】
(37)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合にスピーカ部29からの音量を低減したが、ヘッドホン38の使用状態への切り替え後、ヘッドホン38からの放出音の音量変更が行われた場合にスピーカ部29からの音量を低減してもよい。この場合、変更後の音量にかかわらず、音量変更操作の実行に応じて音量低減を行う構成としてもよいし、変更後の音量が所定音量(所定音量レベル)未満の状況では音量低減を行わず、所定音量以上となった場合に音量低減を行う構成としてもよい。
【4272】
(38)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29とヘッドホン38のいずれが使用状態であるかや、スピーカ部29やヘッドホン38の音量レベル等を画像表示により報知する構成としたが、LED等の発光手段を用いて報知する構成としてもよい。また、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、音声による聴覚的な報知であってもよい。
【4273】
(39)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、音量変更操作を行う際に表示される画面において、スピーカ部29用の第1音量表示部417とヘッドホン38用の第2音量表示部418との両方を表示するが、使用状態となっている側の音量表示部だけが表示される構成としてもよい。この場合、当該表示される画面において、スピーカ部29とヘッドホン38のいずれが使用状態であることを遊技者が認識できる表示(状態報知画像425)を行うとよい。このような表示態様としては、例えば
図389(b)のものを用いることができる。
【4274】
(40)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合にヘッドホン38の音量レベルを音量レベル1に増大するが、音量レベルを増大することなく、0のままとする構成としてもよい。すなわち、ヘッドホン38の使用状態への切り替え後、ヘッドホン38の音量レベルを増大させる音量変更操作が遊技者によって行われない限り、音量レベル0の状態が継続される構成としてもよい。また、音量レベルを自動的に増大させる場合において、音量レベル1以外のレベル(例えば音量レベル2)に増大させてもよい。
【4275】
これらのことは、ヘッドホン38の使用状態からスピーカ部29の使用状態への切り替えが行われた場合についても同様であり、ヘッドホン38の音量レベルを音量レベル1以外のレベルに増大させてもよいし、増大自体を行わない構成としてもよい。
【4276】
なお、スピーカ部29とヘッドホン38の双方について音量レベルの増大を行う場合、ヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合とスピーカ部29の使用状態への切り替えが行われた場合とで増大後の音量レベルが異なる構成としてもよい。例えば、スピーカ部29の使用状態への切り替えが行われた場合は音量レベル3に増大される一方で、ヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合は音量レベル1に増大されるなど、前者の方が後者の場合よりも高い音量レベルに増大される構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技ホール内の騒音が大きい場合でも、スピーカ部29から音が発せられていることが分かりやすくなり、スピーカ部29への使用状態の切り替えを遊技者が認識しやすい構成とすることができる。
【4277】
また、スピーカ部29とヘッドホン38の増大後の音量レベルを設定するための操作部を設け、使用状態の切り替え時において、使用状態とされた側の出力の音量レベルをいずれとするかをホール従業員や遊技者が設定し得る構成としてもよい。この場合、スピーカ部29とヘッドホン38のそれぞれについて各別の音量レベルを設定し得るようにしてもよいし、それらをまとめて1の音量レベルを設定し得るようにしてもよい。
【4278】
(41)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合にスピーカ部29からの音量を低減したが、上記切り替え以外を条件としてスピーカ部29からの音量低減を実行する構成としてもよい。
【4279】
例えば、音量を小さくするための小音量スイッチをパチンコ機10の前面部等に設けて遊技者が操作可能な態様で配置し、上記小音量スイッチが操作された場合にスピーカ部29からの音量を低減する構成としてもよい。この場合、ヘッドホン38の接続機能を備えない構成であってもよい。
【4280】
また、図柄表示装置75にデモ画面(遊技の進行を待機する待機用画面)が表示される場合に、スピーカ部29からの音量低減を実行する構成としてもよい。なお、デモ画面の表示状態への移行は、遊技回の実行状況や発射操作の実行状況を参照して行うことができる。例えば、遊技回の実行状況を参照する場合であれば、遊技回の終了後に開閉実行モードに移行しない状況で、当該遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの経過期間(遊技回が実行されない期間)が予め定められた所定期間に達した場合(例えば、次の遊技回に対応する保留記憶がない状況で作動口62、63への始動入賞が発生せず、その状態が継続している場合)に、遊技が行われていないと認識し、デモ画面の表示状態に移行させることができる。この場合、ヘッドホン38の接続機能を備えない構成であってもよい。
【4281】
(42)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29側の音量変更操作とヘッドホン38側の音量変更操作とが共通の操作部(入力用操作部300、第1音量スイッチ301)にて行われる構成としたが、スピーカ部29側の音量変更操作を行うための操作部と、ヘッドホン38側の音量変更操作を行うための操作部とが各別に設けられる構成としてもよい。この場合、一方の操作部の操作中に誤って他方の操作部を操作してしまうことを抑制するため、上記両操作部は距離を離して配置するとよい。具体的には、遊技者が片手で上記両操作部を操作できない距離、すなわち、一方の操作部に遊技者の手(片手)が触れている状況でその手の指が他方の操作部には届かない距離以上に上記両操作部を離間させるとよい。
【4282】
(44)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、ヘッドホン38の使用状態においてリセット操作(変更規制項目KP4の選択し、オン操作を行う操作)が行われた場合にヘッドホン38の使用状態が維持されるが、スピーカ部29の使用状態(デフォルト状態)に切り替えられる構成としてもよい。
【4283】
また、上記リセット操作が遊技者により手動で行われる場合と、時間経過により自動で行われる場合とがある構成とした上で、手動リセットの場合と自動リセットの場合とで使用状態の切り替えに関する取り扱いが異なる構成としてもよい。例えば、手動リセットの場合はヘッドホン38の使用状態が維持され、自動リセットの場合はスピーカ部29の使用状態に切り替えられる構成としてもよい。この構成では、手動リセット時にヘッドホン38の使用状態が維持されることで、遊技者によりリセット(演出カスタム設定の初期化)が行われた場合に、その後にヘッドホン38の使用状態に戻す操作が強いられることを抑制できる。一方、自動リセット時にスピーカ部29の使用状態への切り替えが行われることで、前の遊技者がヘッドホン38の使用状態で遊技をやめた後、次の遊技者が遊技を行う場合において、スピーカ部29から演出音等が発せられる状態で遊技が開始されるようにすることができる。
【4284】
なお、時間経過による自動リセットは、遊技回の実行状況や発射操作の実行状況を参照して行うことができる。例えば、遊技回の実行状況を参照する場合であれば、遊技回の終了後に開閉実行モードに移行しない状況で、当該遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの経過期間が予め定められた所定期間に達した場合に、遊技が行われていないと認識し、リセット処理を行う構成とすることができる。また、発射操作の実行状況を参照する場合であれば、遊技球の発射操作が行われていない期間が予め定められた所定期間に達した場合に、遊技が行われていないと認識し、リセット処理を行う構成とすることができる。その他、いずれの入球部にも入球が生じていない期間が所定期間に達した場合や、所定入球部への入球が所定期間に亘って生じていない場合など、遊技者が遊技をやめていると推認できる状況でリセット処理を行う構成とすることができる。
【4285】
(45)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29とヘッドホン38との一方を使用状態にすると、それらの他方の音量が自動的に低減される構成としたが、自動的な音量低減が実行されない構成としてもよい。この場合、一方の使用状態にて他方の音量(音量レベル)を変更できる構成としてもよいし、他方の音量を変更できない構成としてもよい。前者の場合は、一方の音量変更と独立して他方の音量変更を実行できる構成とするとよい。
【4286】
(46)上記第6の実施の形態の変形例2~4において、遊技中の遊技者が視認可能な箇所にてヘッドホン38の使用設定を促す表示を行う構成としてもよい。例えば、「メニュー画面等からヘッドホン使用を選択してください」などの文字が記載されたシール等をジャック部37の周辺部に貼付するとよい。
【4287】
また、図柄表示装置75の表示画面Gにて「ヘッドホンを使用したい場合はメニュー画面等からヘッドホン使用を選択してください」などの文字表示が行われてもよい。その際、そのような表示が常に行われていると、ヘッドホン使用の意思がない遊技者にとっては煩わしくなるおそれがあるため、例えばデモ画面の表示状態等の遊技が行われていない所定状況にて上記文字表示が行われる構成とするとよい。
【4288】
(47)上記第6の実施の形態の変形例2~4において、ヘッドホン38の使用状態であることによりスピーカ部29から音が放出されない場合に、その旨を遊技者が認識できる所定報知を実行する構成としてもよい。例えば、「ヘッドホン使用中であるため、スピーカから音が出ていません」などの文字表示が図柄表示装置75にて行われる構成とするとよい。その場合、そのような報知がヘッドホン38の使用状態において常に行われる構成としてもよいし、上記使用状態における一部の期間にて行われる構成としてもよい。後者の場合は、例えば、スピーカ部29の使用状態からヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合に所定期間(例えば1分間)に亘って上記所定報知が行われたり、デモ画面の表示状態等の遊技が行われていない所定状況で上記所定報知が行われたりする構成とするとよい。
【4289】
また、上記第6の実施の形態や変形例1の場合は、上記所定報知がカバー部271の開放状態で行われたり、プラグ部39がジャック部37に差し込まれている状態で行われたりする構成とするとよい。
【4290】
(48)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、スピーカ部29とヘッドホン38との一方の音量レベルを増大させると(使用状態とすると)、他方の音量レベルが低減させる構成としたが、一方の音量レベルを増大させると他方の音量レベルが増大されたり、一方の音量レベルを低減させると他方の音量レベルが低減されたりする構成としてもよい。例えば、スピーカ部29の使用状態においてジャック部37にプラグ部39を接続すると、ヘッドホン38から演出音等が放出される構成とした上で、スピーカ部29の音量を上げると、それに対応してヘッドホン38の音量が上がる構成とすることができる。この場合、スピーカ部29を通じて演出音等を聴いていた遊技者がヘッドホン38を装着した場合に、スピーカ部29の使用時に行った音量変更が反映された状態でヘッドホン38からの演出音等を聴くことが可能になる。
【4291】
(49)上記第6の実施の形態の変形例2~4では、第1出力手段及び第2出力手段としてヘッドホン38(ジャック部37)とスピーカ部29との組み合わせを例示したが、他の組み合わせであってもよい。例えば、遊技者の耳の位置に対して相対的に近い側のスピーカ(例えば上側スピーカ)と、遊技者の耳の位置に対して相対的に遠い側のスピーカ(例えば下側スピーカ)との組み合わせとしてもよいし、ヘッドホンとイヤホンをそれぞれ接続できるようにした上でヘッドホンとイヤホンの組み合わせとしてもよい。
【4292】
(50)上記第6の実施の形態の変形例2、3では、ヘッドホン38からのエラー音の音量について、ヘッドホン38からの演出音の音量レベルを変更すると、それに連動して当該エラー音の音量レベルが変更される構成としたが、ヘッドホン38からのエラー音の音量レベルをヘッドホン38からの演出音の音量レベルと独立して変更し得る構成としてもよい。
【4293】
(51)上記第6の実施の形態の変形例2、3では、ヘッドホン38からのエラー音の音量変更の段数をヘッドホン38からの演出音の音量変更の段数よりも少なくしたが、それらが同じである構成としてもよい。その際、エラー音の最小音量を演出音の最小音量よりも大きくするとよい。
【4294】
(52)上記第6の実施の形態の変形例2、3では、演出音の音量レベルとエラー音の音量レベルとが同じである場合に、それらの音量が同じになるように構成したが、異なる音量であってもよい。例えば、演出音の音量を音量レベル1~5で設定可能であり、エラー音の音量を音量レベル1~3で設定可能である場合は、音量レベル1~3の少なくとも1つにおいて演出音の音量とエラー音の音量とが異なる構成とすることができる。この場合、エラー音における音量レベル1の音量が演出音における音量レベル1の音量よりも大きいことが好ましい。また、エラー音における音量レベル3の音量が演出音における音量レベル5の音量よりも大きいことが好ましい。
【4295】
(53)上記第6の実施の形態の変形例2、3において、ヘッドホン38からのエラー音の音量変更を不可とする構成としてもよい。すなわち、ヘッドホン38からの演出音の音量設定にかかわらず、ヘッドホン38からのエラー音が予め定められた所定音量で出力される構成としてもよい。
【4296】
(54)上記第6の実施の形態の変形例2、3では、ヘッドホン38の使用状態でスピーカ部29から放出されるエラー音の音量をスピーカ部29の使用状態でスピーカ部29から放出されるエラー音の音量と同じにしたが、これらが異なる構成としてもよい。例えば、ヘッドホン38の使用状態での音量がスピーカ部29の使用状態での音量よりも小さい構成としてもよい。ヘッドホン38の使用状態でスピーカ部29からエラー音が出力される場合、それまでスピーカ部29から演出音が放出されていなかった状態から突然エラー音が鳴り出すため、周囲の遊技者が驚いて遊技に集中しにくくなるおそれがある。この点、ヘッドホン38の使用状態でスピーカ部29からエラー音が放出される場合の音量を小さめに設定することで、エラー音が周囲の遊技者に聴こえるようにしながらも、いたずらにそれらの遊技者を驚かせてしまうことを抑制できる。
【4297】
(55)上記第6の実施の形態の変形例2、3において、ヘッドホン38の使用状態においてエラー音が出力対象となった場合に、スピーカ部29からエラー音を放出しない(スピーカ部29側の音量低減を解除しない)構成としてもよい。
【4298】
(56)上記第6の実施の形態の変形例2、3では、エラー音が出力される第1出力手段及び第2出力手段としてヘッドホン38(ジャック部37)とスピーカ部29との組み合わせを例示したが、他の組み合わせであってもよい。
【4299】
例えば、遊技者の耳の位置に対して相対的に近い側のスピーカ(例えば上側スピーカ)と、遊技者の耳の位置に対して相対的に遠い側のスピーカ(例えば下側スピーカ)との組み合わせとしてもよい。この場合、上側スピーカから出力されるエラー音の音量(音量レベル)を変更可能とし、下側スピーカから出力されるエラー音の音量の変更を不可としてもよい。つまり、近い側のスピーカからのエラー音の音量変更を許容することで、エラー音がうるさくて遊技者が不快感を抱くことを抑制しつつ、遠い側のスピーカについてはエラー音の音量変更を不可とすることで、エラー音の音量として一定以上の音量を確保し、注意喚起等の機能が適切に果たされなくなることを抑制できる。
【4300】
また、ヘッドホンとイヤホンをそれぞれ接続できるようにした上でヘッドホンとイヤホンの組み合わせとしてもよい。この場合、ヘッドホンから出力されるエラー音の音量を変更可能とし、イヤホンから出力されるエラー音の音量の変更を不可としてもよい。ヘッドホンの場合、装着状態からの取り外しがイヤホンの場合よりも行いにくいことが想定されるが、そのような場合において、ヘッドホンからのエラー音の音量が変更可能であることで、大きな音量でエラー音が出力されないようにエラー音の音量を低減させておくことができる。
【4301】
(57)上記第6の実施の形態の変形例4では、第1音量の変更についてその内容にかかわらず一切を規制する構成としたが、音量(設定値)を低減させる側への変更については許容されてもよい。すなわち、第1音量の変更が規制される規制状態において、音量を増大させる側への変更だけが規制対象となる構成としてもよい。
【4302】
(58)上記第6の実施の形態の変形例4では、パチンコ機10の電源投入に応じて変更規制フラグがセットされ、その後、規制解除操作が行われるまで変更規制フラグのセット状態が継続されることで、第1音量の変更が常に規制されるが、少なくとも第2音量設定画面431の表示状態(第2音量の変更操作を行い得る状況)で第1音量の変更が規制されればよい。この場合でも、第2音量の変更による音量調整時に誤って第1音量を変更してしまい、意図せずヘッドホン38から大きな音量で演出音等が放出され得る状態になることを抑制できる。
【4303】
(59)上記第6の実施の形態の変形例4では、パチンコ機10の電源投入に応じて変更規制フラグがセットされ、パチンコ機10の起動時から第1音量の変更が規制される構成としたが、パチンコ機10の電源投入後、第1音量の変更を規制するための規制変更操作や第1音量の設定を変更する変更操作が行われた場合に変更規制フラグがセットされ、第1音量の変更が規制される構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技者が遊技の開始前に第1音量について自らが好む設定値に設定し、その状態で遊技に臨むことができる。その際、設定変更が行われたこと、設定変更後に遊技が開始されたこと(遊技球の発射開始や遊技回の開始等)、設定変更の完了から所定期間が経過したことなどに応じて、変更規制フラグのセット状態(規制状態)に移行する構成とするとよい。
【4304】
(60)上記第6の実施の形態の変形例4では、第1音量の変更が制御処理によってソフト的に規制される構成としたが、機械的(物理的)に規制される構成としてもよい。例えば、第1音量を変更するための操作部を上方から覆うようにして開閉可能なカバー部を設け、第1音量の変更を規制する場合には、当該カバー部を閉鎖状態にて開放不能にロックする。これにより、遊技者が上記操作部に触れないようにし、第1音量を変更するための操作自体を規制する。なお、第1音量の変更を許容する場合は、カバー部に対する上記ロックを解除することで、遊技者がカバー部を開放して上記操作部を露出させることを可能にする。
【4305】
(61)上記第6の実施の形態の変形例4において、遊技回の実行中(変動表示中)である状況では、第1音量の変更が規制されつつ第2音量の変更が許容され、遊技回の実行中でない状況(例えばデモ画面の表示状態等)では、第1音量の変更が許容される構成としてもよい。遊技回の実行中に第2音量の変更を許容し、ヘッドホン38からの演出音を遊技者が実際に聴きながらその大きさを変えられようにすることで、利便性を高めることができる。しかしながらその反面、遊技回の実行中は遊技者が遊技に気を取られやすく、あまり手元を見ないで操作を行っている可能性が高いことが想定される。そのような場合において第1音量の変更が規制されていることで、意図せず第1音量を変更してヘッドホン38からの演出音等が過大になることを抑制できる。
【4306】
なお、遊技回の実行中でない状況で第1音量の変更を許容する場合に、併せて第2音量の変更を許容してもよいし、第2音量の変更を規制してもよい。但し、遊技回の実行中でない状況で第1音量の設定を変えて第2音量の選択範囲を変更した場合に、引き続き第2音量の変更操作を行って細かい音量調整をできるようにする上では、前者の構成とすることが好ましい。
【4307】
また、遊技回の実行中でない状況で第1音量の変更を許容する場合に、遊技回が実行されていない状態で常に当該変更を許容するのではなく、遊技回の終了後、所定期間に亘って次の遊技回が開始されていないなどの特定の状況を対象として第1音量の変更を許容する構成としてもよい。
【4308】
(62)上記第6の実施の形態の変形例4では、第1音量の設定値によって第2音量操作にて選択可能な音量レベルの上限値が規定される構成としたが、上限値と下限値の両方が規定される構成としてもよい。このような構成としては、例えば、パチンコ機10の性能として音量レベル1~7の範囲で音量レベルを選択可能としておき、第1音量の設定値が「小」の場合は音量レベル1~5の範囲で選択可能となり、第1音量の設定値が「中」の場合は音量レベル2~6の範囲で選択可能となり、第1音量の設定値が「大」の場合は音量レベル3~7の範囲で選択可能となる構成とすることが考えられる。
【4309】
(63)上記第6の実施の形態の変形例4では、第1音量操作と第2音量操作が異なる操作部により実行されるが、第1音量操作のための操作部と第2音量操作のための操作部とを共通化して部品点数の低減を図り、その上で第1音量操作の操作方法と第2音量操作の操作方法とが異なる構成としてもよい。但し、第2音量操作の実行中に誤って第1音量操作を行ってしまう事態の発生を抑制する上では、第1音量操作と第2音量操作が異なる操作部により実行される構成とすることが好ましい。
【4310】
(64)上記第6の実施の形態の変形例4では、変更規制項目KP4を選択状態としてオン操作を行うことにより規制状態が解除される構成としたが、他の条件により規制状態が解除される構成としてもよい。例えば、解除ボタン等の規制解除用の操作部がパチンコ機10に設けられ、当該規制解除用の操作部により所定操作が行われることに応じて規制状態が解除される構成としてもよい。また、前述のように、遊技回の実行中でない状況に移行すること(遊技回が終了すること)に応じて規制状態が解除される構成としてもよい。
【4311】
(65)上記第6の実施の形態の変形例4では、ヘッドホン38から放出されるエラー音について、演出音の場合と同様に、音量レベルの選択範囲(上限値)が第1音量の設定値により規定される構成としたが、エラー音については第1音量の設定値の影響を受けない構成としてもよい。すなわち、ヘッドホン38からのエラー音について、第1音量の設定値にかかわらず、予め定められた所定音量で出力される構成としてもよい。このことは、返却ボタンが操作された場合の返却音についても同様である。
【4312】
(66)上記第6の実施の形態の変形例4において、パチンコ機10の電源が遮断された場合に、RAM344にバックアップ電力が供給されることにより、少なくとも第1音量の設定結果が記憶保持され、パチンコ機10の電源投入後の第1音量の設定として電源遮断時の設定が適用される構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の電源が遮断され、その後、電源が投入された場合に第1音量等の設定が初期状態に戻る構成であると、遊技中に何らかの不具合が生じてパチンコ機10の再起動が必要になった場合に、その再起動後に第1音量等の設定し直しを遊技者に強いることになるが、上記構成とすることで、そのようなやり直しを不要化することができる。本構成において記憶保持の対象は第1音量の設定結果だけであってもよいし、第1音量の設定結果と第2音量の設定結果との両方であってもよい。
【4313】
(67)上記第6の実施の形態の変形例4において、第1音量操作で設定できる設定値の中に、第2音量操作を規制(無効化)するものが含まれる構成としてもよい。具体的には、第1音量操作の設定値として「小」、「中」、「大」とは別に「固定小」、「固定中」、「固定大」を設け、第1音量操作が「固定小」~「固定大」のいずれかに設定されている状態では、第2音量操作を行っても第2音量レベルが変更されない構成としてもよい。このような設定値を、設定可能な第1音量の設定値として含むことで、ヘッドホン38からの演出音等の音量が過大となることをより好適に抑制できる。
【4314】
(68)上記第6の実施の形態の変形例4の構成をスピーカ部29から放出される演出音等に適用してもよい。すなわち、スピーカ部29からの演出音等の音量変更を行う場合の選択範囲(上限値)が第1音量の設定値によって規定されるとともに、規制解除操作が行われていない状況では、当該設定値の変更が規制される構成とすることができる。ヘッドホン38の場合のほど顕著ではなくても、スピーカ部29から大きな音量で演出音等が放出されると不快感を抱く遊技者がいることも想定されるため、本構成とすることで、そのような遊技者のニーズに応えることが可能になる。なお、本構成において、ヘッドホン38の接続機能は備えてもよいし、備えなくてもよい。
【4315】
(69)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、予め定められた音量(例えば0)とするように音量低減を実行したが、低減後の音量にかかわらず、予め定められた低減量だけ音量を低減させるようにしてもよい。すなわち、音量低減に際し、低減後の音量が定められているものに限らず、低減量が定められているものであってもよい。
【4316】
(70)上記第6の実施の形態及びその各変形例では、音量レベルが0となり、音が放出されないように音量低減を実行したが、1以上の所定レベルとなるように音量低減を実行してもよい。例えば、音量レベル4となるように音量低減を実行してもよい。この場合、音量低減が実施された出力側では、音量レベル5(音量変更が可能な範囲における上限値、換言すれば、パチンコ機10にて出力可能な最大音量)での出力が不可となる。この際、音量低減前の音量レベルが音量レベル4未満である場合は、その音量レベルをそのまま維持する構成とするとよい。
【4317】
なお、上記のように低減後の音量レベルを0以外とする場合における低減後の音量レベル(低減時用レベル)は、音量変更が可能な範囲(音量レベル1~5)における中間レベル(音量レベル3)よりも低いレベル(例えば音量レベル2)とすることが好ましい。この場合、例えば、ヘッドホン38の使用状態への切り替えが行われた場合においてスピーカ部29からの放出音の音量を小さく抑えることができ、遊技ホール内での騒音レベルの低減に好適に貢献することができる。その際、それまでのスピーカ部29の音量設定によっては切り替え時のレベルが低減時用レベル(例えば音量レベル2)よりも低い場合があり得るが、この場合は、その時点での音量レベルを維持してもよいし、低減時用レベルまで音量レベルを増大させてもよい。
【4318】
(71)上記第6の実施の形態及びその各変形例において、ジャック部37が設けられず、ヘッドホン38の接続機能を備えない構成としてもよい。
【4319】
(72)上記第6の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
【4320】
(73)上記第6の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
【4321】
(74)上記第6の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
【4322】
(75)上記第6の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
【4323】
なお、本発明における「付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能」や、「付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」等には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
【4324】
(76)上記第6の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【4325】
(77)上記第6の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応した所定の遊技価値(クレジット等の仮想遊技媒体)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
【4326】
(78)上記第6の実施の形態や各変形例では、主制御装置162において当否判定が行われたことに基づいて特図用表示部43における1の遊技回が開始される構成としたが、主制御装置162において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置162では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動開始コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動開始コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。この際、変動開始コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置75において図柄列Z1~Z3の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとするとよい。
【4327】
(79)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【4328】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【4329】
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【4330】
<第7の実施の形態>
以下、本実施の形態に係る遊技機について説明する。なお、上記第1の実施の形態において
図1~
図6を参照して説明した遊技盤60等の基本構成については、本実施の形態においても同様であるため、その説明を省略する。
【4331】
<遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成>
遊技領域PEを流下した遊技球の排出に関する構成について
図391を参照しながら説明する。
【4332】
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のいずれかに入球した遊技球は、遊技盤60の背面側に導かれて遊技領域PEから排出される。換言すれば、遊技球発射機構から発射されて遊技領域PEに流入した遊技球は一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のいずれかに入球することにより遊技領域PEから排出されることとなる。
【4333】
遊技盤60の背面には、一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びアウト口68のそれぞれに対応させて排出通路部91~96が形成されている。排出通路部91~96に流入した遊技球はその流入した排出通路部91~96を流下することにより、遊技盤60の背面側において遊技盤60の下端部に導かれ図示しない排出球回収部にて回収される。そして、排出球回収部にて回収された遊技球は、遊技ホールにおいてパチンコ機10が設置された島設備の球循環装置に排出される。
【4334】
各排出通路部91~96には遊技球を検知するための各種検知センサ91a~96aが設けられている。これら排出通路部91~96及び検知センサ91a~96aについて以下に説明する。
【4335】
一般入賞口61は3個設けられており、それら3個のそれぞれに対応させて2個の排出通路部91,92が設けられている。この場合、最も左の一般入賞口61に対応する第1排出通路部91には1個の検知センサ91aが設けられている。具体的には、第1排出通路部91の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1入賞口検知センサ91aが設けられており、最も左の一般入賞口61に入球した遊技球は第1排出通路部91を通過する途中で第1入賞口検知センサ91aにて検知される。
【4336】
また、右側2個の一般入賞口61に対しては途中位置で合流するように形成された第2排出通路部92が設けられている。当該第2排出通路部92は、2個の一般入賞口61のそれぞれに対応する入口側領域を有しているとともに、それら入口側領域が途中で合流することで1個の出口側領域を有している。第2排出通路部92における出口側領域の途中位置に検知範囲が存在するように第2入賞口検知センサ92aが設けられている。右側2個のいずれかの一般入賞口61に入球した遊技球は第2排出通路部92を通過する途中で第2入賞口検知センサ92aにて検知される。
【4337】
第1作動口62に対応させて第3排出通路部93が設けられている。第3排出通路部93の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1作動口検知センサ93aが設けられており、第1作動口62に入球した遊技球は第3排出通路部93を通過する途中で第1作動口検知センサ93aにて検知される。第2作動口63に対応させて第4排出通路部94が設けられている。第4排出通路部94の途中位置に検知範囲が存在するようにして第2作動口検知センサ94aが設けられており、第2作動口63に入球した遊技球は第4排出通路部94を通過する途中で第2作動口検知センサ94aにて検知される。
【4338】
可変入賞装置65に対応させて第5排出通路部95が設けられている。第5排出通路部95の途中位置に検知範囲が存在するようにして大入賞口検知センサ95aが設けられており、可変入賞装置65に入球した遊技球は第5排出通路部95を通過する途中で大入賞口検知センサ95aにて検知される。アウト口68に対応させて第6排出通路部96が設けられている。第6排出通路部96の途中位置に検知範囲が存在するようにしてアウト口検知センサ96aが設けられており、アウト口68に入球した遊技球は第6排出通路部96を通過する途中でアウト口検知センサ96aにて検知される。
【4339】
なお、各種検知センサ91a~96aのうちいずれか1個の検知センサ91a~96aにて検知対象となった遊技球は他の検知センサ91a~96aの検知対象となることはない。また、スルーゲート64に対してもゲート検知センサ97aが設けられており、遊技領域PEを流下する途中でスルーゲート64を通過する遊技球はゲート検知センサ97aにて検知される。
【4340】
各種検知センサ91a~97aとしては、いずれも電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。また、各種検知センサ91a~97aは後述する主制御装置162と電気的に接続されており、各種検知センサ91a~97aの検知結果は主制御装置162に出力される。具体的には、各種検知センサ91a~97aは、遊技球を検知していない状況ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状況ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなくHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
【4341】
<主制御装置162の構成>
次に主制御装置162の構成について
図392を参照しながら説明する。
図392は主制御装置162の正面図である。
【4342】
主制御装置162は、
図392に示すように、主制御基板311が基板ボックス163aに収容されてなる。主制御基板311の一方の板面である素子搭載面には、MPU312が搭載されている。基板ボックス163aは当該基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容されたMPU312を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス163aは無色透明に形成されているが、基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容されたMPU312を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【4343】
主制御装置162は基板ボックス163aにおいて主制御基板311の素子搭載面と対向する対向壁部163bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース50の背面に搭載されている。したがって、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース50の背面を露出させることにより、基板ボックス163aの対向壁部163bを目視することが可能となるとともに当該対向壁部163bを通じてMPU312を目視することが可能となる。
【4344】
基板ボックス163aは複数のケース体163cを前後に組合せることにより形成されているが、これら複数のケース体163cには、これらケース体163cの分離を阻止するとともにこれらケース体163cの分離に際してその痕跡を残すための結合部163eが設けられている。結合部163eは、略直方体形状の基板ボックス163aにおける一辺に複数並設されている。これにより、一部の結合部163eを利用してケース体163cの分離を阻止している状態において当該一部の結合部163eを破壊してケース体163cを分離したとしても、その後に別の結合部163eを結合状態とすることでケース体163cの分離を再度阻止することが可能となる。また、ケース体163cの分離に際して結合部163eが破壊されてその痕跡が残ることにより、結合部163eを目視確認することでケース体163cの分離が不正に行われているか否かを把握することが可能となる。
【4345】
また、基板ボックス163aにおいて結合部163eが並設された一辺とは逆の一辺にはケース体163c間の境界を跨ぐようにして封印シール163fが貼り付けられている。封印シール163fはその引き剥がしに際して粘着層がケース体163cに残る。これにより、ケース体163cの分離に際して封印シール163fが剥がされた場合にはその痕跡を残すことが可能となる。
【4346】
上記構成の主制御装置162において主制御基板311には、主制御装置162のMPU312に設けられた主側RAM314(
図393)のデータをクリアするために操作されるリセットボタン166cと、遊技履歴の管理結果を報知するための第1~第5報知用表示装置169a~169eとが設けられている。また、主制御基板311に搭載されたMPU312には、遊技履歴の管理結果又は主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)を外部装置にて読み取るために当該外部装置の接続端子を接続するための読み取り用端子166dが設けられている。
【4347】
これらリセットボタン166c、読み取り用端子166d及び第1~第5報知用表示装置169a~169dはいずれも主制御基板311の素子搭載面に設けられている。また、主制御基板311の素子搭載面は既に説明したとおり基板ボックス163aの対向壁部163bと対向しているが、リセットボタン166c及び読み取り用端子166dは対向壁部163bにより覆われていない。つまり、対向壁部163bにはリセットボタン166c及び読み取り用端子166dのそれぞれと対向する領域が個別の開口部とされている。これにより、基板ボックス163aの開放を要することなく、リセットボタン166cを押圧操作することが可能であり、読み取り用端子166dに外部装置の接続端子を接続することが可能である。
【4348】
リセットボタン166cは上記のとおり主側RAM314のデータをクリアするために操作されるが、当該データのクリアを発生させるためにはリセットボタン166cを押圧操作した状態でパチンコ機10への動作電力の供給を開始させる必要がある(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させる必要がある)。リセットボタン166cに対するON操作はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後にリセットボタン166cを押圧操作したとしても主側RAM314のデータをクリアすることはできない。
【4349】
読み取り用端子166dは、遊技履歴の管理結果又は主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)を外部装置にて読み取るために当該外部装置の接続端子が接続されるが、外部装置への外部出力を行うためには、読み取り用端子166dに外部装置の接続端子を接続した状態でパチンコ機10への動作電力の供給を開始させる必要がある(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給を開始させる必要がある)。読み取り用端子166dに対する外部装置の接続はパチンコ機10への動作電力の供給開始時(すなわち主制御装置162のMPU312への動作電力の供給開始時)のみ有効とされる。したがって、主制御装置162のMPU312において動作電力の供給開始時の処理が終了した後に読み取り用端子166dに外部装置を接続したとしても当該外部装置への外部出力は行われない。
【4350】
第1~第5報知用表示装置169a~169eはいずれも、LEDによる表示用セグメントが7個配列されたセグメント表示器であるが、これに限定されることはなく多色発光タイプの単一の発光体であってもよく、液晶表示装置であってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。第1~第5報知用表示装置169a~169eはいずれもその表示面が主制御基板311の素子搭載面が向く方向を向くようにして設置されているとともに、基板ボックス163aの対向壁部163bにより覆われている。
【4351】
この場合に、基板ボックス163aが透明に形成されていることにより、基板ボックス163aの外部から当該基板ボックス163a内に収容された第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面を目視することが可能となる。また、既に説明したとおり主制御装置162は基板ボックス163aにおいて主制御基板311の素子搭載面と対向する対向壁部163bがパチンコ機10後方を向くようにして樹脂ベース50の背面に搭載されているため、遊技機本体12を外枠11に対してパチンコ機10前方に開放させて樹脂ベース50の背面をパチンコ機10前方に露出させた場合には、対向壁部163bを通じて第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面を目視することが可能となる。
【4352】
第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示面においては「0」~「9」の数字だけではなく、アルファベット文字を含めた各種文字が表示可能となっている。第1~第5報知用表示装置169a~169eを利用して後述するベース値等が表示されるが、その表示態様については後の詳細に説明する。
【4353】
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、
図393のブロック図に基づいて説明する。
【4354】
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る主制御基板311を具備しており、主制御基板311にはMPU312が搭載されている。MPU312には、主側ROM313及び主側RAM314のほか、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【4355】
主側ROM313は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。主側ROM313は、MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【4356】
主側RAM314は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM314は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM313よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM314は、主側ROM313内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【4357】
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。また、MPU312の入力側には、各入球検知センサ91a~97aといった各種センサが接続されている。各入球検知センサ91a~97aには、既に説明したとおり、第1入賞口検知センサ91a、第2入賞口検知センサ92a、第1作動口検知センサ93a、第2作動口検知センサ94a、大入賞口検知センサ95a、アウト口検知センサ96a及びゲート検知センサ97aが含まれる。これら入球検知センサ91a~97aの検知結果に基づいて、MPU312にて各入球部への入球判定が行われる。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
【4358】
また、MPU312の入力側には、主制御基板311に設けられたリセットボタン166cが設けられている。リセットボタン166cには図示しないセンサが設けられており、当該センサによりリセットボタン166cが押圧操作されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいてリセットボタン166cが押圧操作されているか否かを特定する。
【4359】
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入球部のうち入球の発生が遊技球(賞球)の払い出しに対応する賞球対応入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球コマンドが出力される。演出制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
【4360】
MPU312の出力側には、可変入賞装置65の開閉扉65bを開閉動作させる特電用の駆動部65d、第2作動口63の普電役物63aを開閉動作させる普電用の駆動部63b、特図用表示部43及び普図用表示部44が接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
【4361】
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置65が開閉されるように、MPU312において特電用の駆動部65dの駆動制御が実行される。また、普電役物63aの開放状態当選となった場合には、普電役物63aが開閉されるように、MPU312において普電用の駆動部63bの駆動制御が実行される。
【4362】
各遊技回に際しては、MPU312において特図用表示部43の表示制御が実行される。普電役物63aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU312において普図用表示部44の表示制御が実行される。第1作動口62若しくは第2作動口63への入賞が発生した場合、又は特図用表示部43において変動表示が開始される場合に、MPU312において特図保留数表示部AMの表示制御が実行される。スルーゲート64への入賞が発生した場合、又は普図用表示部44において変動表示が開始される場合に、MPU312において普図保留数表示部FMの表示制御が実行される。
【4363】
MPU312の出力側には、外部出力端子213が接続されている。この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報等が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
【4364】
MPU312の出力側には、第1~第5報知用表示装置169a~169eが接続されている。これら第1~第5報知用表示装置169a~169eを通じて遊技履歴の管理結果等の情報が報知される。
【4365】
MPU312には読み取り用端子166dが設けられている。読み取り用端子166dには図示しないセンサが設けられており、当該センサにより読み取り用端子166dに外部装置の接続端子が接続されているか否かが検知される。そして、MPU312はそのセンサからの検知結果に基づいて読み取り用端子166dに外部装置の接続端子が接続されているか否かを特定する。また、読み取り用端子166dに外部装置が接続されている場合、MPU312における遊技履歴の管理結果や主側ROM313に記憶された情報(プログラム及びデータ)が当該外部装置に外部出力される。
【4366】
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
【4367】
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。ちなみに、電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がOFF状態の場合には当該電断時用電源部から主側RAM314にバックアップ電力(記憶保持用の電力)が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、払出機構部202には電源スイッチが設けられており、電源スイッチがON操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が開始され、電源スイッチがOFF操作されることによりパチンコ機10への動作電力の供給が停止される。
【4368】
払出制御装置181は、主制御装置162から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。
【4369】
演出制御装置143は、主制御装置162から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
【4370】
ここで、図柄表示装置75の表示内容について
図394~
図396に基づいて説明する。
【4371】
図394(a)~(j)に示すように、図柄表示装置75に表示される図柄(演出用の装飾図柄)は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【4372】
図395(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、
図395(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
【4373】
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常4R大当たり結果又は10R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
【4374】
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「確変図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の確変図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非確変図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非確変図柄の組み合わせが停止表示される。
【4375】
ここで、各図柄列の変動表示について
図396を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、
図396(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。
【4376】
次いで、
図396(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。そして、
図396(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
【4377】
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
【4378】
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(
図394)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
【4379】
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
【4380】
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、図柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた図柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(図柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での図柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
【4381】
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
【4382】
図395(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaと、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbとが設定されている。
【4383】
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
【4384】
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【4385】
また、第2保留表示領域Gbでは、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
【4386】
例えば、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てに所定の保留用画像が表示される。
【4387】
また、第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとに挟まれるようにして実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1又は第2保留表示領域Gbの第1単位保留表示領域Gb1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
【4388】
保留表示部200の表示サイズは、主表示ユニット81に設けられた保留数表示部AMよりも大きく、保留数表示部AMよりも保留表示部200の方が目立つように構成されている。より詳しくは、保留数表示部AMにおいて複数の発光部(LED等)を用いて保留数が示される場合、それら各表示部の大きさ(表示面積)よりも各単位保留表示領域Ga1~Ga4、Gb1~Gb4又はそれらの領域に表示される保留用画像の表示サイズ(表示面積)の方が大きくなっている。なお、実行表示領域D又は当該領域Dに表示される保留用画像の表示サイズは各単位保留表示領域Ga1~Ga4、Gb1~Gb4又はそれらの領域に表示される保留用画像の表示サイズよりも大きく設定される。
【4389】
保留表示部200は、開閉実行モード中ではない状況で表示状態とされ、開閉実行モード中である状況で非表示状態とされる。これにより、開閉実行モードにおいて遊技者が保留数に気を取られず、開閉実行モードに集中しやすくなっている。なお、保留数表示部AMにおいては開閉実行モード中であっても保留数の表示が行われる。
【4390】
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について
図397を用いて説明する。
【4391】
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、
図397に示すように、当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43及び図柄表示装置75における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、主側RAM314の各種カウンタエリア314bに設けられている。
【4392】
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値が主側RAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
【4393】
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
【4394】
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
【4395】
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
【4396】
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~199)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【4397】
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM313に当否テーブルとして記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について
図398を参照しながら説明する。
【4398】
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」~「5」の5種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「17」,「27」,「37」,「47」の5種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」~「199」に含まれている。
【4399】
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い5個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/200であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/40であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
【4400】
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングで主側RAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
【4401】
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM313に大当たり種別テーブルとして記憶されている。ここで、大当たり種別テーブルについて
図399を参照しながら説明する。
【4402】
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(
図399(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(
図399(b))とが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
【4403】
図399(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、4R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
【4404】
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が予め定められた第1上限回数(例えば35回)に達するまで継続される。第1上限回数に達した場合は、高確率モードが終了し、抽選モードが低確率モードに変更される。
【4405】
また、4R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数と同数の第2上限回数(例えば35回)に達するまで継続される。第2上限回数に達した場合は、高頻度サポートモードが終了し、サポートモードが低頻度サポートモードに変更される。
【4406】
すなわち、大当たり種別が4R確変大当たり結果になった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第1上限回数(第2上限回数)に達するまでは高確率モード且つ高頻度サポートの状態(高確遊技状態、確変遊技状態)となり、第1上限回数(第2上限回数)に達した後は低確率モード且つ低頻度サポートモードの状態(通常遊技状態)に移行する。なお、第2上限回数は、第1上限回数と同数に限定されるものではなく、第1上限回数よりも多い回数であってもよいし、第1上限回数よりも少ない回数であってもよい。
【4407】
ここで、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普図当たり乱数カウンタC4を用いた普図当否抽選の当選確率が低頻度サポートモードよりも高くなっており、普図当否抽選に当選した場合の普電役物63aの開放回数についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が多く、さらには1回の開放時間についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が長くなっている。
【4408】
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球(遊技価値としての遊技者の持ち分)をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【4409】
ちなみに、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードに比べて持ち球の減りを少なく抑えることができるものの、高頻度サポートモードの全体で見た場合、第2作動口63への入賞に基づく賞球の付与による持ち球の増加分が発射球数(消化球数)よりも多くなることはなく、持ち球が増えない又はほぼ増えない状態となる。換言すれば、高頻度サポートモードは、当該モード中での遊技球の合計払出個数を、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数(すなわち遊技領域PEに供給された遊技球の合計個数)で除算した出玉率(ベース値)が1以下となる状態である。なお、低頻度サポートモードの出玉率は、高頻度サポートモードの出玉率よりも小さい値となる。
【4410】
高頻度サポートモードを実現するための構成は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、両モードで普図当否抽選の当選確率を等しくした上で、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放回数や1回の開放時間を低頻度サポートモードよりも優遇する構成としてもよい。要は、低頻度サポートモードよりも単位時間当たりの第2作動口63への入賞頻度が高くなるものであれば足り、普図当否抽選、開放回数及び開放時間のうちいずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成とすればよい。
【4411】
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が予め定められた第3上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。すなわち、大当たり種別が4R通常大当たり結果になった場合は、開閉実行モード後の特図遊技回の実行回数が第3上限回数に達するまでは低確率モード且つ高頻度サポートモードの状態(時短遊技状態)となり、第3上限回数に達した後は通常遊技状態に移行する。
【4412】
第1特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「84」が4R確変大当たり結果に対応し、「85」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は85%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は15%に設定されている。
【4413】
図399(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として10R確変大当たり結果と4R通常大当たり結果とが設定されている。10R確変大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。また、10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、高確遊技状態に移行する大当たり結果である。この場合の高確遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が第1上限回数(例えば35回)に達するまで継続される。
【4414】
なお、第2特図用の大当たり種別テーブルで設定される4R通常大当たり結果は、第1特図用の大当たり種別テーブルで設定される4R通常大当たり結果と同様のものである。すなわち、第2作動口63への入賞を契機として4R通常大当たり結果となった場合、開閉実行モードの終了後の遊技状態が時短遊技状態となり、この時短遊技状態は、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が第3上限回数(例えば50回)に達するまで継続される。
【4415】
第2特図用の大当たり種別テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の「0」~「84」が10R確変大当たり結果に対応し、「85」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は85%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は15%に設定されている。
【4416】
このように、第1特図用の大当たり種別テーブルと第2特図用の大当たり種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図用の大当たり種別テーブルでは10R大当たり結果となるのに対して、第1特図用の大当たり種別テーブルでは4R大当たり結果となるように設定されている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
【4417】
以上のとおり、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
【4418】
また、大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される図柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、主側ROM313に記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり図柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ値の大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり図柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
【4419】
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。本パチンコ機10には、図柄表示装置75における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
【4420】
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【4421】
リーチ表示には、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1~Z3のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面Gの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【4422】
予告表示には、図柄表示装置75の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1~Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【4423】
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM313に記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
【4424】
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置162において行うのではなく、演出制御装置143において行われる。この場合、演出制御装置143は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置75にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
【4425】
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43における表示継続時間と、図柄表示装置75における図柄の表示継続時間とをMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述するタイマ割込み処理が1回実行される毎に1回更新され、次回のタイマ割込み処理が実行されるまでの残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図用表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
【4426】
普図当たり乱数カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普図当たり乱数カウンタC4の値によって普電役物63aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、普電役物63aを開放状態に制御し、C4=191~250であれば、普電役物63aを開放状態に制御しない。
【4427】
ここで、本実施の形態に係るパチンコ機10では、ベース値に関する処理が実行される。当該処理でいうところのベース値は、全ての遊技状態を対象としたものではなく、大当たり結果による開閉実行モード中の期間と高頻度サポートモード中の期間とを除く期間を対象として、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数(すなわち遊技領域PEに供給された遊技球の合計個数)に対する遊技球の合計払出個数の割合を導出したものであり、言い換えれば、通常時(左打ち遊技時)のベース値である。
【4428】
ベース値に関する処理では、主制御装置162のMPU312にて上記ベース値を算出して計測する。その際、総アウト個数(遊技領域PEからの遊技球の総排出個数)が所定個数(例えば60000個)に到達するまでの期間を単位として計測区間を定め、最新の計測区間における現状ベース値と、過去の計測期間におけるベース値とを第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示する。
【4429】
図400(a)に示すように、ベース値の表示に際しては、第1~第5報知用表示装置169a~169eのうち第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bを識別用表示部として使用し、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dを比率(ベース値)用表示部として使用する。識別用表示部は、比率用表示部に表示されるベース値がリアルタイムでのベース値なのか、過去分のベース値なのかを示すものとして用いる。なお、ベース値の表示に際して第5報知用表示装置169eは使用しない。
【4430】
図400(b)は、第1~第4報知用表示装置169a~169dにおけるベース値の表示態様を説明するための説明図である。第1~第4報知用表示装置169a~169dには、最新の計測区間におけるリアルタイムでのベース値である現状ベース値と、前回の計測区間におけるベース値である前回ベース値(前回の計測区間で総アウト個数が60000個に到達したときに計測されたベース値)と、前々回の計測区間におけるベース値である前々回ベース値と、前々々回の計測区間におけるベース値である前々々回ベース値とが、所定期間(例えば5sec)ごとに切り換えて表示される。
【4431】
その際、現状ベース値を表示するにあたっては、識別用表示部(第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169b)に「bL.」を表示し、比率用表示部(第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169d)に現状ベース値を2桁で表示する。また、前回ベース値を表示する場合、前々回ベース値を表示する場合、前々々回ベース値を表示する場合は、識別用表示部に「b1.」、「b2.」、「b3.」をそれぞれ表示し、比率用表示部に各計測期間のベース値(過去分のベース値)を表示する。このように識別用表示部とセットでベース値を表示することで、遊技ホール管理者等がベース値を確認する場合に、どの時点でのベース値であるのかを適切に把握することができる。
【4432】
このように、ベース値の表示は、現状ベース値の表示だけでなく、過去複数回分のベース値の表示も併せて行われる。一般的に遊技ホールでは、1台のパチンコ機10に対して1日約10000~20000個の遊技球が発射されて遊技が行われるため、総アウト個数が60000個ごとのベース値は、3~6日程度の数日間にわたるベース値に対応したものとなる。このような過去のベース値と比較して現状ベース値を確認できることで、現状ベースの適否を好適に判断することが可能となる。よって、例えば、第1作動口62や一般入賞口61への入賞率を高める不正行為が行われた場合に、その不正行為があった可能性を発見することができる。
【4433】
その際、例えば、過去分として前回ベース値のみを表示する構成の場合は、たまたまその際のベース値が低くなっていたりすることがあると、それを現状ベース値と比較しても不正行為の有無を判断しにくくなるおそれがある。この点、前々回ベース値及び前々々回ベース値も表示されることで、複数回分の過去ベース値との比較を行うことができ、不正行為の有無を判断しやすくすることが可能になる。
【4434】
なお、上記構成では、過去3回分の計測区間についてベース値を表示するが、2回分のベース値を表示してもよいし、4回以上分のベース値を表示してもよい。すなわち、複数回分の計測区間における過去ベース値を表示するにあたって、表示対象とする計測区間の回数は任意に定めることができる。
【4435】
また、本実施の形態では、上記のベース値に関する処理に加えて差球数に関する処理が実行される。当該処理でいうところの差球数は、遊技状態を問わず、遊技球の合計払出個数から総アウト個数(遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数)を差し引いたものであり、言い換えれば、遊技期間中における通算の差球数である。差球数に関する処理では、主制御装置162のMPU312にて上記差球数を算出して計測し、その計測値を停止用球数(例えば95000個)から減算する。そして、その減算結果が所定数(例えば0個)となった場合に遊技進行を制限するための処理を実行する。また、都度の差球数を第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示する。これらの処理については、後に詳細に説明する。
【4436】
上記のように、本実施の形態では、遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理とともに、ベース値に関する処理と差球数に関する処理とが行われるが、主制御装置162のMPU312ではこれらの処理が特定制御と非特定制御とに区別して実行される。具体的には、ベース値に関する処理と差球数に関する処理の一部とが非特定制御とされ、遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理と、差球数に関する処理の他の一部とを含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされる。
【4437】
図401は、主側ROM313におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。MPU312にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、
図401に示すように、主側ROM313においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。
【4438】
具体的には、アドレスX(1)~X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)~X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)~X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)~X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。
【4439】
また、アドレスX(k+6)~X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)~X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)~X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)~X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)~X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)~X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。
【4440】
なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM313における物理アドレス及びMPU312において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【4441】
上記のように特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、例えば特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよく、例えば非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよい。よって、プログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、それに伴ってプログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別して修正する場合の作業を効率的に行うことが可能となる。
【4442】
特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲と、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、特定制御用のアドレス範囲と非特定制御用のアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【4443】
特定制御用のアドレス範囲及び非特定制御用のアドレス範囲のそれぞれにおいて、プログラムとデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、プログラムとデータとで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、プログラムが記憶されたエリアのアドレス範囲と、データが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、プログラムのアドレス範囲とデータのアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【4444】
図402は、主側RAM314における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。MPU312にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、
図402に示すように、主側RAM314においても特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392のアドレス範囲と、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394のアドレス範囲とが明確に区別されている。
【4445】
具体的には、アドレスY(1)~Y(r+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア391として設定されている。また、アドレスY(1)~Y(r+2)に連続するアドレスY(r+3)~Y(r+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+6)~Y(s+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア392として設定されている。
【4446】
また、アドレスY(r+6)~Y(s+2)に連続するアドレスY(s+3)~Y(s+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+6)~Y(t+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア393として設定されている。また、アドレスY(s+6)~Y(t+2)に連続するアドレスY(t+3)~Y(t+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+6)~Y(u+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア394として設定されている。
【4447】
なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM314における物理アドレス及びMPU312において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【4448】
上記のように特定制御用のワークエリア391と、非特定制御用のワークエリア393とが区別して設定されていることにより、MPU312において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、各種演算などを実行する場合において主側RAM314の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行する場合に他方において必要な主側RAM314の情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各ワークエリア391,393への情報の書き込み及び各ワークエリア391,393からの情報の読み出しに際してはMPU312にてロード命令が行われる。
【4449】
特定制御用のスタックエリア392と、非特定制御用のスタックエリア394とが区別して設定されていることにより、MPU312において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、MPU312のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合において主側RAM314の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行している状況においてMPU312のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合に、他方において使用される情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各スタックエリア392,394への情報の書き込みに際してはMPU312にてプッシュ命令が行われ、各スタックエリア392,394からの情報の読み出しに際してはMPU312にてポップ命令が行われる。また、各スタックエリア392,394からの情報の読み出しに際しては当該スタックエリア392,394への書き込み順序が後の情報から先に読み出し対象となる。
【4450】
ここで、MPU312において特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392への情報の書き込みが可能であるとともに、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392からの情報の読み出しが可能である。また、MPU312において特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394からの情報の読み出しは可能であるものの、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394への情報の書き込みは不可である。これにより、特定制御に対応する処理が実行されている状況において、非特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
【4451】
一方、MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394への情報の書き込みが可能であるとともに、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394からの情報の読み出しが可能である。また、MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、MPU312は特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392からの情報の読み出しは可能であるものの、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392への情報の書き込みは不可である。これにより、非特定制御に対応する処理が実行されている状況において、特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
【4452】
なお、主側RAM314にはパチンコ機10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されることとなるが、当該バックアップ電力は特定制御用のワークエリア391、特定制御用のスタックエリア392、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394の全てに供給される。これにより、これら特定制御用のワークエリア391、特定制御用のスタックエリア392、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394に記憶された情報は、パチンコ機10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されている間は記憶保持される。
【4453】
<MPU312の処理構成について>
次に、主制御装置162のMPU312にて実行される各制御処理を説明する。かかるMPU312の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(例えば4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
【4454】
<メイン処理>
先ず、
図403のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。当該メイン処理は、タイマ割込み処理が禁止された状況下で開始される。なお、メイン処理は、基本的に特定制御用のプログラムにより実行されるが、一部の処理(ステップSn112)については非特制御用のプログラムにより実行される。
【4455】
先ずステップSn101では、電源投入初期設定処理を実行する。電源投入初期設定処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。このウェイト用の所定期間において図柄表示装置75の動作開始及び初期設定が完了することとなる。また、主側RAM314のアクセスを許可する。
【4456】
ステップSn102では、内部機能レジスタ設定処理を実行する。内部機能レジスタ設定処理では、当該メイン処理に対して定期的に割り込んで起動される処理であるタイマ割込み処理(
図404)の割込み周期を所定周期(例えば4msec)に設定する。また、内部機能レジスタ設定処理では、タイマ割込み処理の割込み周期の設定以外にも例えば大当たり乱数カウンタC1の数値範囲といった各種カウンタの数値範囲の設定処理などを実行する。
【4457】
ステップSn103では、リセットボタン166cが押圧操作されているか否かを判定する。つまり、リセットボタン166cが押圧操作されている状態でパチンコ機10の電源ON操作が行われ、MPU312への動作電力の供給が開始されたか否かを判定する。
【4458】
リセットボタン166cが押圧操作されている場合は、ステップSn104に進み、特定制御用のエリアについて第1初期化処理を実行する。当該第1初期化処理では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392を「0」クリアする。すなわち、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に記憶されている情報を全消去する。
【4459】
なお、上記第1初期化処理では、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394を「0」クリアしない。これにより、遊技ホールの従業員等によるクリア操作によっては非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394が「0」クリアされないようにすることが可能となる。
【4460】
ステップSn105では、第2部分クリア用処理を実行する。この処理は、非特定制御用のワークエリア393に記憶された一部の情報を消去するものであるが、その詳細については後述する。
【4461】
ステップSn103で否定判定した場合(リセットボタン166cが押圧操作されていない場合)は、ステップSn106に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停電フラグは、後述するタイマ割込み処理(
図404)の停電情報記憶処理(ステップSn401)にて停電時処理が実行された場合に「1」がセットされるものであり、電源遮断(電断状態)が発生したことや、電源遮断時において停電時処理が適切に行われたことをMPU312が把握するためのものである。
【4462】
停電フラグに「1」がセットされている場合は、ステップSn107にて、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392についてチェックサムを算出する。続くステップSn108では、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
【4463】
ステップSn106又はステップSn108のいずれかで否定判定した場合は動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行し(ステップSn109)、その後、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、ステップSn104の第1初期化処理が実行されることにより解除される。
【4464】
ステップSn108で肯定判定した場合(チェックサムが正常である場合)は、ステップSn110にて、特定制御用のワークエリア391にセットされている停電フラグを「0」クリアする。ステップSn110又はステップSn105の実行後はステップSn111にて超過時立ち上げ用処理を実行し、その後、ステップSn112にて第1部分クリア用処理を実行する。これらの処理は、差球数を利用した遊技制限に関するものであるが、その詳細については後述する。続くステップSn113では、電断状態から復電した際に演出制御装置143や払出制御装置181に送信するコマンドを設定するための復電時用のコマンド設定処理を実行する。復電時用のコマンド設定処理の詳細については後述する。
【4465】
ステップSn114では、第1~第5報知用表示装置169a~169eの動作確認処理を実行する。この動作確認処理では、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける全てのセグメントを点灯させ、その状態を所定期間(例えば5sec)に亘って継続する。第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて断線等の故障により点灯されないセグメントがあったりすると、ベース値等が正しく表示されなくなり、不正行為の判断等にあたって支障を来たすおそれがある。この点、動作確認処理が実行されることで、パチンコ機10の電源ON操作の都度、第1~第5報知用表示装置169a~169eが正常に点灯するかを確認することができ、ベース値等が正しく表示されない状態で遊技が進行することが抑制される。
【4466】
ステップSn115では、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行う。その後、ステップSn116~ステップSn119の残余処理に進む。つまり、MPU312はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップSn116~ステップSn119の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップSn116~ステップSn119の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
【4467】
残余処理では、まずステップSn116にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSn117では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップSn118にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、特定制御用のワークエリア391の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値を超えた際にそれぞれ「0」にクリアする。その後、ステップSn119にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップSn119の処理を実行した場合、ステップSn116に戻り、ステップSn116~ステップSn119の処理を繰り返す。
【4468】
<タイマ割込み処理>
次に、
図404のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。なお、タイマ割込み処理に対応するプログラムは特定制御用のプログラムに設定されている。
【4469】
先ずステップSn201では停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視部315から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行した後に無限ループとなる。停電時処理では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットするとともに、特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392についてチェックサムを算出し、その算出したチェックサムを保存する。
【4470】
ステップSn202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普図当たり乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値を超えた際にそれぞれ「0」にクリアする。その後、ステップSn203ではステップSn116と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップSn204にてステップSn117と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
【4471】
ステップSn205では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。パチンコ機10には、振動検知センサや磁石検知センサ、電波検知センサ等の異常検知センサが搭載されており、不正検知処理では、これらの検知センサの出力に基づいて各種異常の有無を判定する。
【4472】
ステップSn206では報知用表示処理を実行する。報知用表示処理では、主制御装置162に設けられた第1~第5報知用表示装置169a~169eの表示制御を行う。ステップSn207では、遊技停止状態とするか否かの判定を行ったりする遊技停止判定用処理を実行する。遊技停止判定用処理の詳細については後述する。
【4473】
ステップSn208では、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。遊技の進行を停止している状態でない場合は、ステップSn209に進み、ポート出力処理を実行する。
【4474】
ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部63b,65dに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置65を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部65dへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口63の普電役物63aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部63bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
【4475】
ステップSn210では読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
【4476】
ステップSn211では入球検知処理を実行する。当該入球検知処理では、各入球検知センサ91a~97aから受信している信号を読み込み、その読み込み結果に基づいて、アウト口68、一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62、第2作動口63及びスルーゲート64への入球の有無を特定する。なお、入球検知処理の詳細については後に説明する。
【4477】
ステップSn212では、主側RAM314に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
【4478】
ステップSn213では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。遊技球発射ハンドル41への発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6秒に1個の遊技球が発射される。続くステップSn214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。特図特電制御処理については後に詳細に説明する。
【4479】
ステップSn215では普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート64への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口63の普電役物63aを開閉させる処理を実行する。この場合、サポートモードが低頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行され、サポートモードが高頻度サポートモードであればそれに対応する処理が実行される。また、開閉実行モードである場合にはその直前のサポートモードが高頻度サポートモードであったとしても低頻度サポートモードとなる。
【4480】
ステップSn216では、直前のステップSn214及びステップSn215の処理結果に基づいて、特図用表示部43に係る保留情報の増減個数を特図保留数表示部AMに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図用表示部44に係る保留情報の増減個数を普図保留数表示部FMに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップSn216では、直前のステップSn214及びステップSn215の処理結果に基づいて、特図用表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
【4481】
ステップSn217では、払出制御装置181から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。続くステップSn218では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。また、ステップSn219では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
【4482】
ステップSn220では、ベース値や差球数を算出したりするためのベース値及び差球数処理を実行する。ベース値及び差球数処理の詳細については後に説明する。また、ステップSn208で肯定判定した場合(遊技停止中である場合)は、ステップSn221にて超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。超過フラグが「1」にセットされている場合は、ステップSn209からステップSn216までの各種処理を実行することなくステップSn217の払出状態受信処理を実行し、超過フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSn209からステップSn219までの各種処理を実行することなくステップSn220のベース値及び差球数処理を実行する。このように超過フラグの値により遊技停止中に不実行とされる処理を相違させるように制御するが、超過フラグについての詳細は後述する。
【4483】
<特図特電制御処理>
ステップSn213の特図特電制御処理について
図405のフローチャートを参照しながら説明する。
【4484】
特図特電制御処理では先ずステップSn301にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留球格納エリア314aにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、タイマ割込み処理のステップSn202で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留球格納エリア314bの空き保留エリアのうち最初の保留エリアに格納する。
【4485】
なお、第1作動口62及び第2作動口63への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。また、保留情報の新たな取得が行われた場合にはそれに対応する取得時コマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143は当該コマンドを受信した場合、図柄表示装置75における保留情報の個数を示す画像(保留用画像)の表示を保留情報の増加に対応する表示内容に更新させる。
【4486】
ステップSn302では、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップSn303では、主側ROM313に設けられた特図特電アドレステーブルを読み出す。続くステップSn304では、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得し、ステップSn305では、ステップSn306~ステップSn312の処理のうちその取得した開始アドレスが示す処理にジャンプする。特図特電カウンタは、ステップSn306~ステップSn312の各種処理のうちいずれを実行すべきであるかをMPU312にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、ステップSn306~ステップSn312の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
【4487】
具体的には、特図特電カウンタは「0」~「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」~「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、ステップSn306の特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、ステップSn307の特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、ステップSn308の特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、ステップSn309の特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、ステップSn310の特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、ステップSn311の特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、ステップSn312の特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
【4488】
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
【4489】
<特図変動開始処理>
ステップSn306の特図変動開始処理について
図405のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「0」である場合に実行されるものである。
【4490】
特図変動開始処理では先ずステップSn401にて、保留球格納エリア314bに格納されている保留情報の個数(保留数)Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが1以上でない場合、すなわち、0である場合はそのまま特図変動開始処理を終了する。
【4491】
一方、保留数Nが1以上である場合は、ステップSn402にてデータ設定処理を実行する。データ設定処理では、第2特図の保留数RbNが1以上である場合は、当該保留数RbNを1減算するとともに、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納された実行エリアAEに移動する。その後、第2特図用保留エリアRbの第2エリア~第4エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。第2特図の保留数RbNが0である場合は、第1特図の保留数RaNを1減算するとともに、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納された実行エリアAEに移動する。その後、第1特図用保留エリアRaの第2エリア~第4エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
【4492】
上記シフト処理は、第1エリア~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であり、詳細には、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせた後に第4エリアを「0」クリアする。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを認識させるためのシフト時コマンドを演出制御装置143に送信する。演出制御装置143は当該コマンドを受信した場合、保留表示部200における保留用画像の表示を保留情報の減少に対応する表示内容に更新させる。
【4493】
ステップSn403では、主側ROM313から当否テーブルを読み出す。具体的には先ず、現状の当否抽選モードを把握し、高確率モードである場合には、把握した設定状態に対応する高確当否テーブルを読み出し、低確率モードである場合には、把握した設定状態に対応する低確当否テーブルを読み出す。
【4494】
ステップSn404では、ステップSn403にて読み出した当否テーブルを参照して当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が、ステップSn403にて読み出した当否テーブル(
図398)に設定された大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
【4495】
当否判定処理の結果が大当たり当選結果である場合には(ステップSn405:YES)、ステップSn406にて種別判定処理を実行する。種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を読み出す。そして、主側ROM313に設けられた大当たり種別テーブル(
図399)を参照し、上記読み出した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
【4496】
この際、今回の当否判定処理が第1作動口62への入賞に基づくものである場合は第1特図用の大当たり種別テーブル(
図399(a))を参照し、4R確変大当たり結果及び4R通常大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。一方、第2作動口63への入賞に基づくものである場合は第2特図用の大当たり種別テーブル(
図399(b))を参照し、10R確変大当たり結果及び4R通常大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
【4497】
ステップSn407では、大当たり用の停止結果設定処理を実行する。大当たり用の停止結果設定処理では、主側ROM313に記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を上記停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として主側RAM314の特定制御用のワークエリア391に書き込む。
【4498】
ステップSn408では、種別判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。特定制御用のワークエリア391には各大当たり結果の種類に対応した種別フラグが設けられており、ステップSn408では、それら各大当たり結果の種類に対応した種別フラグのうち、ステップSn406の種別判定処理の結果に対応するものに「1」をセットする。例えば、特定された大当たり種別が10R確変大当たりである場合は、特定制御用のワークエリア391に設けられた10R確変大当たりフラグに「1」をセットする。
【4499】
一方、ステップSn404の当否判定処理の結果が外れ結果である場合(ステップSn405:NO)は、ステップSn409にて外れ用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図用表示部43に最終的に停止表示させる図柄の態様の情報を、主側ROM313に記憶されている外れ用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を特定制御用のワークエリア391に書き込む。この場合に選択される図柄の態様の情報は、大当たり当選の場合に選択される図柄の態様の情報とは異なっている。
【4500】
ステップSn408及びステップSn409のいずれかの処理を実行した後は、ステップSn410にて高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を実行する。高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理では、高確率モード及び高頻度サポートモードにて実行される遊技回の回数を更新する。ステップSn410の詳細については後述する。
【4501】
ステップSn411では、今回の特図遊技回における変動表示時間(遊技回用動作の実行期間)の設定処理を行う。かかる設定処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の特図遊技回において図柄表示装置75にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、大当たり結果でなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
【4502】
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM313に記憶されているリーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間の情報(変動パターン情報)を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM313に記憶されているリーチ非発生用の変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示時間の情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間は、リーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得され得る変動表示時間と異なっている。
【4503】
なお、リーチ非発生時における変動表示時間は、第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbの保留数RaN,RbNが多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留数RaN,RbNが同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用の変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数RaN,RbNやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
【4504】
また、ステップSn411では、取得した変動表示時間の情報を、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。特図特電タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、タイマ更新処理(ステップSn412)にて実行される。
【4505】
ステップSn412では、変動用コマンド及び種別コマンドを演出制御装置143に送信する。変動用コマンドには、変動表示時間(変動パターン)の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用の変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。
【4506】
演出制御装置143は変動用コマンド及び種別コマンドをMPU312から受信した場合、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75において遊技回用の演出が実行されるようにする。この場合、当該遊技回用の演出は変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応する態様で行われる。また、図柄表示装置75では遊技回用の演出として図柄の変動表示が行われ、当該遊技回用の演出が終了する場合には当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。
【4507】
ステップSn413では、特図用表示部43における図柄の変動表示を開始させる。続くステップSn414では特図特電カウンタを1加算する。特図変動開始処理の実行時における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、当該加算処理により特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。
【4508】
<特図変動中処理>
ステップSn307(
図405)の特図変動中処理について
図407のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「1」である場合に実行されるものである。
【4509】
特図変動中処理では先ずステップSn501にて、ステップSn411で設定した変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップSn502にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、特図用表示部43での図柄の変動表示が継続されるように各表示用セグメントの発光制御を行う。具体的には各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように制御する。
【4510】
変動表示時間が経過した場合(ステップSn501:YES)は、ステップSn503にて、高確率モード及び高頻度サポートモードを終了させるための高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理を実行する。ステップSn503の詳細については後述する。
【4511】
ステップSn504では、今回の特図遊技回の確定表示時間(最終停止時間)の設定処理を実行する。確定表示時間の設定処理では、特図用表示部43にて図柄を停止表示させる際の継続時間として確定表示時間(例えば0.5sec)の情報を主側ROM313から取得し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。
【4512】
ステップSn505では、確定表示の開始処理を実行する。確定表示の開始処理では、変動表示されている図柄がステップSn407(
図406)又はステップSn409で設定した停止結果で停止表示されるように特図用表示部43を制御する。
【4513】
ステップSn506では特図特電カウンタを1加算する。特図変動中処理の実行時における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、当該加算処理により特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。
【4514】
<特図確定中処理>
ステップSn308(
図405)の特図確定中処理は、特図特電カウンタの数値情報が「2」である場合、換言すれば、特図用表示部43における図柄の停止表示が開始された後に実行されるものである。特図確定中処理では、ステップSn504で設定した確定表示時間が経過したか否かを判定し、経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行う。開閉実行モードへの移行が発生しない場合には特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする。開閉実行モードへの移行が発生する場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を「3」に更新する。
【4515】
<特電開始処理>
ステップSn309(
図405)の特電開始処理について
図408のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「3」である場合に実行されるものである。
【4516】
特電開始処理では先ずステップSn601にてオープニングコマンドを送信済みであるか否かを判定する。オープニングコマンドは、演出制御装置143に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
【4517】
オープニングコマンドの送信前である場合は、ステップSn602にて、開閉実行モードの開始処理を実行する。開閉実行モードの開始処理では、特定制御用のワークエリア391に設けられた開閉実行モードフラグに「1」をセットする。開閉実行モードフラグは、開閉実行モード中であることをMPU312が把握するためのものである。
【4518】
また、開閉実行モードの開始処理では、特定制御用のワークエリア391に設けられた高確フラグ及びサポートフラグに「1」がセットされている場合は「0」クリアする。高確フラグは、現在の当否抽選モードが高確率モードであることをMPU312が把握するためのものであり、サポートフラグは、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであることをMPU312が把握するためのものである。
【4519】
ステップSn603では、主側ROM313に記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。ステップSn604では、演出制御装置143への出力対象としてオープニングコマンドを設定する。演出制御装置143はオープニングコマンドを受信することにより、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75にてオープニング演出が実行されるように制御する。
【4520】
ステップSn604の実行後又はステップSn601でオープニングコマンドを送信済みであると判定した場合(ステップSn601:YES)は、ステップSn605に進み、オープニング時間が経過したか否かを判定する。オープニング時間が経過している場合は、ステップSn606にて、特定制御用のワークエリア391に設けられたラウンドカウンタに今回の大当たり結果に対応したラウンド数をセットする。具体的には、今回の大当たり結果が10R大当たり結果である場合にはラウンドカウンタに「10」をセットし、4R大当たり結果である場合にはラウンドカウンタに「4」をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数をMPU312にて特定するためのカウンタである。
【4521】
ステップSn607では、特定制御用のワークエリア391に設けられた入賞カウンタに対し、一のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数に対応する数値情報(例えば「10」)をセットする。入賞カウンタは、上限入賞個数までの残り個数をMPU312が特定するためのカウンタである。
【4522】
ステップSn608では、初回目のラウンド遊技における可変入賞装置65の上限開放時間を設定する。具体的には、主側ROM313に記憶されている上記上限開放時間(例えば30sec)の情報を読み出し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。
【4523】
ステップSn609では、大入賞口65aを開放すべく可変入賞装置65用の駆動部65dを駆動状態とする。また、ステップSn609では、開放コマンドを演出制御装置143への出力対象として設定する。開放コマンドは、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するためのものである。
【4524】
ステップSn610では、特図特電カウンタを1加算する。特電開始処理の実行時における特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、当該加算処理により特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。
【4525】
ステップSn610の実行後は特電開始処理を終了する。また、ステップSn605で肯定した場合(オープニング時間が経過していない場合)は、オープニングを継続すべく、ステップSn606~ステップSn610の処理を実行することなく特電開始処理を終了する。
【4526】
<特電開放中処理>
ステップSn310(
図405)の特電開放中処理は、特図特電カウンタの数値情報が「4」である場合に実行されるものである。特電開放中処理では、可変入賞装置65への入賞個数が上限入賞個数に達するか、可変入賞装置65の上限開放時間が経過するかのいずれかが成立した場合に、ラウンド遊技の終了条件が成立したとして可変入賞装置65を開放状態から閉鎖状態に切り換えるとともに、ラウンドカウンタの数値情報を1減算して更新する。また、主側ROM313に記憶されている閉鎖時間(例えば2sec)の情報を読み出し、特定制御用のワークエリア391に設けられた特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を「5」に更新する。
【4527】
上記の通り、開閉実行モードでは、可変入賞装置65が開放されるため、可変入賞装置65への入賞が見込めるものとなる。開閉実行モード中の可変入賞装置65への入賞に基づく遊技球の合計払出個数は、開閉実行モード中の消化球数(遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数)を上回るため、遊技者は、大当たりに当選して開閉実行モードに移行させることで、持ち球を増やすことが可能になる。すなわち、開閉実行モードでは、上記合計払出個数を上記消化球数で除算した出玉率が1よりも大きくなる。
【4528】
<特電閉鎖中処理>
ステップSn311(
図405)の特電閉鎖中処理は、特図特電カウンタの数値情報が「5」である場合に実行されるものである。特電閉鎖中処理では、終了したラウンド遊技が最終回のラウンド遊技でなければ、特電開放中処理に設定した閉鎖時間(ラウンド遊技間のインターバル時間)が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過した場合には、次のラウンド遊技を開始すべく、可変入賞装置65への上限入賞個数に対応する数値情報(例えば「10」)を入賞カウンタにセットするとともに、可変入賞装置65の上限開放時間(例えば30sec)を特図特電タイマカウンタにセットし、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態に切り換える。その後、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を「4」に更新する。
【4529】
一方、終了したラウンド遊技が最終回のラウンド遊技である場合は、エンディング時間を設定するとともに、エンディングコマンドを演出制御装置143への出力対象として設定する。演出制御装置143はエンディングコマンドを受信することにより、ランプ部26~28、スピーカ部29及び図柄表示装置75にてエンディング演出が実行されるように制御する。その後、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を「6」に更新する。
【4530】
<特電終了処理>
ステップSn312(
図405)の特電終了処理について
図409のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図特電カウンタの数値情報が「6」である場合に実行されるものである。
【4531】
特電終了処理では先ずステップSn701にて、エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過している場合は、ステップSn702にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
【4532】
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について
図410のフローチャートを参照しながら説明する。
【4533】
開閉実行モード終了時の移行処理では先ずステップSn801にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップSn802にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた高確フラグに「1」をセットする。これにより、当否抽選モードが高確率モードに移行する。
【4534】
ステップSn803では、特定制御用のワークエリア391に設けられた確変カウンタKCに対し、今回の確変大当たり結果に対応する高確率モードの上限回数(例えば35回)に対する数値情報を設定する。確変カウンタKCは、高確率モードに滞在可能な遊技回の残り回数をMPU312が把握するためのものであり、高確率モードである状況で特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【4535】
ステップSn804では、特定制御用のワークエリア391に設けられたサポートフラグに「1」をセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。続くステップSn805では、特定制御用のワークエリア391に設けられたサポートカウンタSCに対し、今回の確変大当たり結果に対応する高頻度サポートモードの上限回数(例えば35回)を設定する。サポートカウンタSCは、高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数をMPU312が把握するためのものであり、高頻度サポートモードである状況で特図遊技回が実行されるごとに1ずつ減算される。
【4536】
ステップSn801で否定判定した場合(確変大当たり結果でない場合)は、今回の大当たり結果が通常大当たり結果であることを意味する。この場合はステップSn806に進み、上記サポートフラグに「1」をセットし、サポートモードを高頻度サポートモードに移行させる。続くステップSn807では、上記サポートカウンタSCに対し、今回の通常大当たり結果に対応する高頻度サポートモードの上限回数(例えば50回)を設定する。
【4537】
特電終了処理(
図409)の説明に戻り、ステップSn702の開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後は、ステップSn703にて開閉実行モードの終了処理を実行する。開閉実行モードの終了処理では、特定制御用のワークエリア391における種別フラグ及び開閉実行モードフラグを「0」クリアする。
【4538】
ステップSn704では特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアし、その後、特電終了処理を終了する。また、ステップSn701で否定判定した場合(エンディング時間が経過していない場合)は、エンディングを継続すべく、ステップSn702~ステップSn704の処理を実行することなく特電終了処理を終了する。
【4539】
<高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理>
ステップSn410の高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理について
図411のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図変動開始処理(
図405)の一部とされ、変動表示の開始タイミングに合わせて実行される。
【4540】
先ずステップSn901では、今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果でない場合は、ステップSn902にて、特定制御用のワークエリア391における高確フラグが「1」であるか否か、すなわち、現在の当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
【4541】
高確フラグが「1」であり、現在の当否抽選モードが高確率モードである場合は、ステップSn903にて、特定制御用のワークエリア391における確変カウンタKCの数値情報を1減算する。これにより、高確率モードに滞在可能な遊技回の残り回数が1減算される。
【4542】
ステップSn904では、確変カウンタKCにおける更新後の数値情報が「0」であるか否かを判定する。確変カウンタKCの更新値が「0」である場合、すなわち、高確率モードでの特図遊技回の実行回数が上限回数に到達し、当該モードに滞在可能な遊技回の残り回数が0回となっている場合は、ステップSn905に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた高確終了用フラグを「1」にセットする。高確終了用フラグは、高確率モードを終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【4543】
ステップSn905の実行後、ステップSn902で否定判定した場合(高確フラグが「1」ではなく、現在の当否抽選モードが低確率モードである場合)又はステップSn904で否定判定した場合(確変カウンタKCの更新値が「0」ではなく、高確率モードに滞在可能な遊技回の残り回数が1以上である場合)は、ステップSn906に進み、特定制御用のワークエリア391におけるサポートフラグが「1」であるか否かを判定する。サポートフラグが「1」であり、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSn907にて、特定制御用のワークエリア391におけるサポートカウンタSCの数値情報を1減算する。これにより、高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数が1減算される。
【4544】
ステップSn908では、サポートカウンタSCにおける更新後の数値情報が「0」であるか否かを判定する。サポートカウンタSCの更新値が「0」である場合、すなわち、高頻度サポートモードでの特図遊技回の実行回数が上限回数に到達し、当該モードに滞在可能な遊技回の残り回数が0回となっている場合は、ステップSn909に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられたサポート終了用フラグを「1」にセットする。サポート終了用フラグは、高頻度サポートモードを終了すべきであることをMPU312が把握するためのものである。
【4545】
ステップSn909の実行後、ステップSn906で否定判定した場合(サポートフラグが「1」ではなく、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合)又はステップSn908で否定判定した場合(サポートカウンタSCの更新値が「0」ではなく、高頻度サポートモードに滞在可能な遊技回の残り回数が1以上である場合)は、高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を終了する。また、ステップSn901で否定判定した場合(今回の特図当否抽選の結果が大当たり結果である場合)は、ステップSn902~ステップSn909の処理を実行することなく高確率モード・高頻度サポートモード更新用処理を終了する。
【4546】
<高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理>
ステップSn503の高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理について
図412のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図変動中処理(
図407)の一部とされ、変動表示の終了タイミングに合わせて実行される。
【4547】
先ずステップSn1101では、特定制御用のワークエリア391における高確フラグが「1」であるか否かを判定する。高確フラグが「1」であり、現在の当否抽選モードが高確率モードである場合は、ステップSn1102にて、特定制御用のワークエリア391における高確終了用フラグが「1」であるか否か、すなわち、高確率モードを終了すべき状況であるか否かを判定する。
【4548】
高確終了用フラグが「1」である場合(高確率モードを終了すべき状況である場合)は、ステップSn1103にて高確率モード終了処理を実行する。高確率モード終了処理では、上記高確終了用フラグ及び高確フラグをそれぞれ「0」クリアする。高確フラグのクリアにより高確率モードが終了し、当否抽選モードが低確率モードに移行する。
【4549】
ステップSn1103の実行後、ステップSn1101で否定判定した場合(高確フラグが「1」ではなく、現在の当否抽選モードが低確率モードである場合)又はステップSn1102で否定判定した場合(高確終了用フラグが「1」ではなく、高確率モードを継続すべき状況である場合)は、ステップSn1104に進み、特定制御用のワークエリア391におけるサポートフラグが「1」であるか否かを判定する。サポートフラグが「1」であり、現在のサポートモードが高頻度サポートモードである場合は、ステップSn1105にて、特定制御用のワークエリア391におけるサポート終了用フラグが「1」であるか否か、すなわち、高頻度サポートモードを終了すべき状況であるか否かを判定する。
【4550】
サポート終了用フラグが「1」である場合(高頻度サポートモードを終了すべき状況である場合)は、ステップSn1106にて高頻度サポートモード終了処理を実行する。高頻度サポートモード終了処理では、上記サポート終了用フラグ及びサポートフラグをそれぞれ「0」クリアする。サポートフラグのクリアにより高頻度サポートモードが終了し、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
【4551】
ステップSn1106の実行後、ステップSn1104で否定判定した場合(サポートフラグが「1」ではなく、現在のサポートモードが低頻度サポートモードである場合)又はステップSn1105で否定判定した場合(サポート終了用フラグが「1」ではなく、高頻度サポートモードを継続すべき状況である場合)は、高確率モード・高頻度サポートモード終了用処理を終了する。
【4552】
<各入賞口への遊技球の入球有無を特定する構成について>
次に、MPU312にて、各入球検知センサ91a~97aの検知結果に基づき、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68及びスルーゲート64への遊技球の入球の有無を特定するための構成について説明する。
図413はMPU312に入球検知センサ91a~97aの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
【4553】
MPU312には入力ポート312aが設けられている。入力ポート312aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0~第7ビットD7を備えている。但し、本パチンコ機10においては、第7ビットD7は使用せず、7種類の信号を同時に扱う構成としている。また、入力ポート312aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート312aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。
【4554】
タイマ割込み処理(
図404)の入球検知処理(ステップSn210)では、入力ポート312aへの入力対象となる信号群が各入球検知センサ91a~97aからの信号群に設定される。かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は第1入賞口検知センサ91aからの検知信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第2入賞口検知センサ92aからの検知信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第1作動口検知センサ93aからの検知信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第2作動口検知センサ94aからの検知信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は大入賞口検知センサ95aからの検知信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5はアウト口検知センサ96aからの検知信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はゲート検知センサ97aからの検知信号に対応した情報が格納される。
【4555】
上記各入球検知センサ91a~97aは、遊技球の通過を検知していない場合には検知信号として非検知中であることを示すLOWレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には検知信号として検知中であることを示すHIレベル信号を出力する。そして、入力ポート312aではLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報を格納し、HIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報を格納する。つまり、入球検知センサ91a~97aにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
【4556】
<入球検知処理>
図414はタイマ割込み処理(
図404)のステップSn210にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
【4557】
第0ビットD0又は第1ビットD1において「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ91a又は第2入賞口検知センサ92aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSn1201:YES)。この場合、ステップSn1202にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた一般入賞センサフラグに「1」をセットし、ステップSn1203にて、上記ワークエリア391に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する。
【4558】
一般入賞センサフラグは一般入賞口61への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、10個賞球用カウンタは10個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(
図404)におけるステップSn217の払出出力処理にて10個賞球コマンドを払出制御装置181に出力するとともに、10個賞球コマンドを1回出力した場合には10個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置181は10個賞球コマンドを受信した場合、10個の遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御する。
【4559】
第2ビットD2に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ93aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSn1204:YES)。この場合、ステップSn1205にて、上記ワークエリア391に設けられた第1作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップSn1206にて、上記ワークエリア391に設けられた3個賞球用カウンタの値を1加算する。第1作動入賞フラグは第1作動口62への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、3個賞球用カウンタは3個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【4560】
タイマ割込み処理(
図404)の特図特電制御処理(ステップSn213)では第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、第1特図用保留エリアRaの保留数RaNが上限数である4個未満であることを条件として、第1特図用保留エリアRaに保留情報を新たに格納する処理を実行する。特図特電制御処理(ステップSn213)にて第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。
【4561】
第3ビットD3に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ94aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSn1207:YES)。この場合、ステップSn1208にて、上記ワークエリア391に設けられた第2作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップSn1209にて、上記ワークエリア391に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する。第2作動入賞フラグは第2作動口63への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグであり、1個賞球用カウンタは1個の遊技球の払い出しをMPU312にて実行すべき回数を特定するためのカウンタである。
【4562】
タイマ割込み処理(
図404)の特図特電制御処理(ステップSn213)では第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、第2特図用保留エリアRbの保留数RbNが上限数である4個未満であることを条件として、第2特図用保留エリアRbに保留情報を新たに格納する処理を実行する。特図特電制御処理(ステップSn213)にて第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第2作動入賞フラグを「0」クリアする。
【4563】
第4ビットD4に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、大入賞口検知センサ95aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSn1210:YES)。この場合、ステップSn1211にて、上記ワークエリア391に設けられた特電入賞フラグに「1」をセットし、ステップSn1212にて、上記ワークエリア391に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する。特電入賞フラグは可変入賞装置65への入賞が発生したことをMPU312にて特定するためのフラグである。
【4564】
タイマ割込み処理(
図404)の特図特電制御処理(ステップSn213)では特電入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、可変入賞装置65への1個の遊技球の入球が発生したことを特定し、ラウンド遊技における可変入賞装置65への残りの入球可能個数を1減算する。かかる入球可能個数を1減算する処理を実行した場合に特電入賞フラグを「0」クリアする。
【4565】
第5ビットD5に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ96aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSn1213:YES)。この場合、上記ワークエリア391に設けられたアウトフラグに「1」をセットする。アウトフラグはアウト口68への遊技球の入球が発生したことをMPU312が特定するためのフラグである。
【4566】
第6ビットD6に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、ゲート検知センサ97aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップSn1215:YES)。この場合、ステップSn1216にて、上記ワークエリア391に設けられたゲート入賞フラグに「1」をセットする。ゲート入賞フラグはスルーゲート64に1個の遊技球が入球したことをMPU312にて特定するためのフラグである。
【4567】
タイマ割込み処理(
図404)の普図普電制御処理(ステップSn214)ではゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普電保留エリア314cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限数である4個未満であることを条件として、現状の普図当たり乱数カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普電保留エリア314cに格納する処理を実行する。普図普電制御処理(ステップSn214)にてゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合にゲート入賞フラグを「0」クリアする。
【4568】
<払出制御装置の処理構成について>
次に、払出制御装置181にて実行される処理内容について説明する。まず払出制御装置181及び当該払出制御装置181との間で通信を行う各種装置の電気的構成について、
図415のブロック図を参照しながら説明する。
【4569】
払出制御装置181はMPU382を備えている。MPU382には、払出側ROM383、払出側RAM384、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【4570】
払出側ROM383は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。払出側ROM383は、払出側MPU382により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【4571】
払出側RAM384は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。払出側RAM384は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM383よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。払出側RAM384は、払出側ROM383内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【4572】
払出側MPU382は、主制御装置162のMPU312と双方向通信を行うことが可能となっている。払出側MPU382はMPU312から賞球コマンドを受信することにより、その賞球コマンドに対応する個数の遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御する。また、払出側MPU382は、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能な状態であるか否かを監視し、正常に行うことが可能ではない状態であると特定した場合には払出側RAM384に未払い出しの賞球個数情報が記憶されている状況であっても払出装置222を停止させる。また、払出側MPU382は、このように正常に払い出しを行うことが可能ではない状態であることを示す払出制限コマンドをMPU312に送信する。
【4573】
MPU312は当該払出制限コマンドを受信した場合、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態であることを示す報知が図柄表示装置75、ランプ部26~28及びスピーカ部29にて実行されるように演出制御装置143に報知用コマンドを送信する。遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態として、下皿34が遊技球で満タンとなる満タン状態と、タンク221に遊技球が補充されていない球無状態と、払出装置222が正常に動作しない払出異常状態と、遊技機本体12が外枠11から開放された本体開放状態と、前扉枠14が内枠13から開放された前扉開放状態と、が存在している。
【4574】
払出装置222から下皿34へと通じる遊技球通路の途中位置には図示しない満タン検知センサが設けられており、当該満タン検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、満タン検知センサにおいて遊技球が継続して検知された場合に満タン状態であると特定し、満タン検知センサにて遊技球が継続して検知される状態が解除された場合に満タン状態が解除されたと特定する。
【4575】
タンク221から払出装置222へと通じる遊技球通路の途中位置に図示しない球無検知センサが設けられており、当該球無検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、球無検知センサにおいて遊技球が継続して検知されない場合に球無状態であると特定し、球無検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に球無状態が解除されたと特定する。
【4576】
払出装置222には当該払出装置222から払い出される遊技球を検知するための図示しない払出検知センサが設けられており、当該払出検知センサの検知結果は払出側MPU382に入力される。払出側MPU382は、払出検知センサにて遊技球が検知された場合に払出装置222から1個の遊技球が払い出されたと特定する。また、払出側MPU382は、遊技球が払い出されるように払出装置222を駆動制御しているにも関わらず払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない場合に払出異常状態であると特定し、払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に払出異常状態が解除されたと特定する。
【4577】
内枠13の前面部には前扉開放センサ232が設けられており、当該前扉開放センサ232の検知結果は払出側MPU382に入力される。この場合、内枠13に対して前扉枠14が閉鎖状態である場合に前扉開放センサ232は閉鎖検知信号を払出側MPU382に送信し、内枠13に対して前扉枠14が開放状態である場合に前扉開放センサ232は開放検知信号を払出側MPU382に送信する。
【4578】
払出側MPU382は、前扉開放センサ232から閉鎖検知信号を受信している場合に前扉枠14が閉鎖状態であると特定し、前扉開放センサ232から開放検知信号を受信している場合に前扉枠14が開放状態であると特定する。また、払出側MPU382は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングでMPU312に前扉開放コマンドを送信し、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングでMPU312に前扉閉鎖コマンドを送信する。MPU312は、前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放状態となったと特定し、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。
【4579】
裏パックユニット15の前面部には本体開放センサ233が設けられており、当該本体開放センサ233の検知結果は払出側MPU382に入力される。この場合、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖状態である場合に本体開放センサ233は閉鎖検知信号を払出側MPU382に送信し、外枠11に対して遊技機本体12が開放状態である場合に本体開放センサ233は開放検知信号を払出側MPU382に送信する。
【4580】
払出側MPU382は、本体開放センサ233から閉鎖検知信号を受信している場合に遊技機本体12が閉鎖状態であると特定し、本体開放センサ233から開放検知信号を受信している場合に遊技機本体12が開放状態であると特定する。また、払出側MPU382は、遊技機本体12が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングでMPU312に本体開放コマンドを送信し、遊技機本体12が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングでMPU312に本体閉鎖コマンドを送信する。MPU312は、本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放状態となったと特定し、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖状態となったと特定する。
【4581】
払出側MPU382にて実行されるタイマ割込み処理について
図416のフローチャートを参照しながら説明する。タイマ割込み処理は、予め定められた周期(例えば2msec)で繰り返し起動されるものである。
【4582】
先ずステップSn1301では満タン用処理を実行する。満タン用処理では、満タン検知センサの検知結果に基づいて満タン状態であるか否かを特定し、満タン状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【4583】
ステップSn1302では球無用処理を実行する。球無用処理では、球無検知センサの検知結果に基づいて球無状態であるか否かを特定し、球無状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【4584】
ステップSn1303では払出異常監視処理を実行する。払出異常監視処理では、払出検知センサの検知結果に基づいて払出異常状態であるか否かを特定し、払出異常状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示すコマンドをMPU312に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示すコマンドをMPU312に送信する。
【4585】
ステップSn1304では前扉開放監視処理を実行する。前扉開放監視処理では、前扉開放センサ232の検知結果に基づいて前扉枠14が開放状態であるか否かを特定し、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、前扉開放コマンドをMPU312に送信する。また、前扉枠14が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、前扉閉鎖コマンドをMPU312に送信する。
【4586】
ステップSn1305では本体開放監視処理を実行する。本体開放監視処理では、本体開放センサ233の検知結果に基づいて遊技機本体12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機本体12が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、本体開放コマンドをMPU312に送信する。また、遊技機本体12が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、本体閉鎖コマンドをMPU312に送信する。
【4587】
ステップSn1306ではコマンド読込処理を実行する。当該コマンド読込処理では、MPU312が送信した賞球コマンドを読み込む処理を実行し、その賞球コマンドを払出側RAM384に格納する。そして、その受信した賞球コマンドに対応する個数を払出側RAM384における未払い出しの賞球個数情報に加算するための賞球設定処理を実行した後に(ステップSn1307)、払出装置222による遊技球の払い出しの実行制御を行うための払出制御処理を実行する(ステップSn1308)。
【4588】
払出制御処理では、払出側RAM384に記憶されている未払い出しの賞球個数情報が1以上の値である場合に払出装置222の駆動制御を行い、払出検知センサにて1個の遊技球を検知した場合に賞球個数情報の値を1減算する。そして、賞球個数情報の値が「0」となった場合には払出装置222の駆動制御を停止する。その後、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップSn1309)。
【4589】
<ベース値及び差球数処理>
ステップSn219(
図404)のベース値及び差球数処理について
図417のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ベース値及び差球数処理におけるステップSn1401~ステップSn1405の処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【4590】
ベース値及び差球数処理では先ずステップSn1401にて、タイマ割込み処理(
図404)の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSn1402では、プッシュ命令により、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。フラグレジスタにはゼロフラグやサインフラグなどが含まれており、演算命令、ローテート命令及び入出力命令などの実行結果によってその情報は変化することとなる。このようなフラグレジスタの情報をベース値及び差球数用実行処理(ステップSn1403)に対応するサブルーチンのプログラムが開始される前に退避させることにより、当該サブルーチンのコールや当該サブルーチンの開始後において変化する前の状態のフラグレジスタの情報を特定制御用のワークエリア391に退避させておくことが可能になる。
【4591】
ステップSn1403では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているベース値及び差球数用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、ベース値及び差球数用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示すベース値及び差球数処理のプログラムに復帰する。
【4592】
ステップSn1403のベース値及び差球数処理を実行した後は、ステップSn1404にて、ポップ命令により、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させる。具体的には、ステップSn1402で特定制御用のスタックエリア392に退避させたフラグレジスタの情報を読み出し、それらをMPU312のフラグレジスタに格納する。これにより、MPU312のフラグレジスタの情報が、ステップSn1402が実行された時点の情報に復帰することとなる。
【4593】
ステップSn1405では、タイマ割込み処理(
図404)の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換えるために割込み許可の設定を行う。これにより、タイマ割込み処理の新たな実行が可能となる。
【4594】
次に、ステップSn1403にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行されるベース値及び差球数用実行処理について、
図418のフローチャートを参照しながら説明する。
【4595】
ステップSn1501では、ロード命令により、MPU312のスタックポインタに非特定制御用のスタックエリア394における開始位置のアドレス情報(具体的には
図402におけるアドレスY(u+2))を設定する。これにより、使用するスタックエリアが非特定制御用のスタックエリア394に切り換えられる。
【4596】
ステップSn1502では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち、後述のベース値算出処理(ステップSn1503)、超過判定用処理(ステップSn1504)、表示設定処理(ステップSn1505)で使用するレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393における所定領域に書き込んで退避させる。
【4597】
ステップSn1502の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSn1503~ステップSn1505のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理に先立ち、ステップSn1502にて使用レジスタの情報を退避させることで、ステップSn1503~ステップSn1505の実行に際してそれら各レジスタが上書きされたとしても、非特定制御用のワークエリア393に退避させた情報をこれらレジスタに書き込むことで、上書き前の状態に復帰させることができる。すなわち、特定制御に際して利用されていたレジスタの情報を保護することができる。
【4598】
なお、ステップSn1503~ステップSn1505の実行に際しては、それら各処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を非特定制御用のスタックエリア394に書き込む。そして、ステップSn1503~ステップSn1505が終了した場合には、当該エリア394に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示すベース値及び差球数用実行処理のプログラムに復帰する。
【4599】
ステップSn1503~ステップSn1505の処理を実行した後は、ステップSn1506にて、ロード命令により、MPU312のスタックポインタに特定制御用のスタックエリア392における固定アドレスを設定する。これにより、使用するスタックエリアが特定制御用のスタックエリア392に切り換えられる。
【4600】
なお、ベース値及び差球数用実行処理を含むステップSn420のベース値及び差球数処理は、タイマ割込み処理において遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御処理が終了した後に実行されるため、ステップSn1503~ステップSn1505の処理が実行される直前において特定制御用のスタックエリア39に記憶されている情報は常に一定となる。このため、その一定の情報量を踏まえて上記固定アドレスを定めておくことで、MPU312におけるスタックポインタの情報を事前に退避させていなくても、スタックポインタの状態を非特定制御に対応する処理が開始される直前の情報に復帰させることができる。よって、処理負荷を軽減させることが可能になるとともに当該退避させるための領域を主側RAM314において確保する必要がなくなる。
【4601】
ステップSn1507では、ステップSn1502にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をロード命令により読み出し、それらをMPU312の各レジスタに格納する。これにより、MPU312の各レジスタの情報が、ステップSn1502が実行された時点の情報に復帰することになる。
【4602】
次に、サブルーチンのプログラムが読み出されることにより実行されるステップSn1503のベース値算出処理、ステップSn1504の超過判定用処理、ステップSn1505の表示設定用処理について説明する。これらの処理では、ベース値や差球数の遊技履歴に関する情報を算出し、その結果を第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示するための表示データの設定を行ったり、算出した差球数が予め定められた特定個数(例えば99000個)以上となったか否かを判定したりする。
【4603】
<ベース値算出処理>
先ずステップSn1503のベース値算出処理について
図419のフローチャートを参照しながら説明する。
【4604】
ベース値算出処理では先ずステップSn1601にて、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。すなわち、第1入賞口検知センサ91a、第2入賞口検知センサ92a、第1作動口検知センサ93a、第2作動口検知センサ94a、大入賞口検知センサ95a及びアウト口検知センサ96aの各出力に基づいて上記判定を行う。
【4605】
入球が発生している場合は、ステップSn1602にて、計測区間用のアウトカウンタ501dの更新処理を実行する。
図420に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、ベース値の算出に対応するエリアとしてベース値用カウンタエリア501が設けられており、このベース値用カウンタエリア501に上記計測区間用のアウトカウンタ501dが設けられている。
【4606】
計測区間用のアウトカウンタ501dは、遊技領域PEから排出される遊技球の合計個数を計測するためのカウンタである。なお、本実施の形態では、アウト口検知センサ96aがアウト口68に入球した遊技球のみを検知するように構成されているため(
図391)、アウト口68への入球が発生した場合だけでなく、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63及び可変入賞装置65への入球が発生した場合にも、計測区間用のアウトカウンタ501dを1加算して更新する。計測区間用のアウトカウンタ501dの値は、所定個数(例えば60000個)ごとの計測区間を把握するのに利用される。
【4607】
ステップSn1603では、現在の遊技状態が通常遊技状態(低確率モード且つ低頻度サポートモード)であるか否かを判定する。通常遊技状態である場合はステップSn1604に進み、上記ベース値用カウンタエリア501における通常用の一般入賞カウンタ501a、通常用の第1作動カウンタ501b、通常用のアウトカウンタ501cの更新処理を実行する。これらのカウンタ501a~501cは、通常遊技状態を対象として一般入賞口61への遊技球の入球数、第1作動口62への遊技球の入球数、遊技領域PEからの遊技球の排出個数をそれぞれ計測するためのものである。ステップSn1604では、一般入賞口61又は第1作動口62への入球が発生した場合は、一般入賞カウンタ501a及び第1作動カウンタ501bのうち対応するカウンタの値を1加算する。また、入球が発生した入球部の種別を問わず、入球が発生していれば、アウトカウンタ501cの値を1加算する。
【4608】
ステップSn1604の実行後又はステップSn1603で否定判定した場合(現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合)は、ステップSn1605にてベース値の算出処理を実行する。ベース値の算出処理では、通常用の各カウンタ501a~501cの値を用いて通常遊技状態におけるベース値を算出する。通常用の一般入賞カウンタ501a、通常用の第1作動カウンタ501b、通常用のアウトカウンタ501cの値をK1~K3とした場合にベース値は以下のものとなる。
・ベース値:遊技球の合計払出個数(K1×「一般入賞口61への入賞に対する賞球個数」+K2×「第1作動口62への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数(K3)。
【4609】
ステップSn1606では、ステップSn1605で算出したベース値の情報を、非特定制御用のワークエリア393に設けられた現状用エリア504aに上書きする処理を実行する。なお、非特定制御用のワークエリア393には、
図420に示すように、演算結果を記憶するためのエリアとして演算結果用エリア504が設けられており、演算結果用エリア504には、現状用エリア504aのほか、前回ベース値の情報を記憶するための前回用エリア504bと、前々回ベース値の情報を記憶するための前々回用エリア504cと、前々々回ベース値の情報を記憶するための前々々回用エリア504dとが設けられている。
【4610】
ステップSn1606の実行後又はステップSn1601で否定判定した場合(入球が発生していない場合)は、ステップSn1607にて非特定制御用のワークエリア393に設けられた各種フラグ用エリア508(
図420)の管理開始フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。管理開始フラグは、算出したベース値を報知すべき状況であることをMPU312が特定するためのフラグである。
【4611】
管理開始フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSn1608に進み、計測区間用のアウトカウンタ501dの値が所定の管理開始基準値(例えば300個)に対応する値以上であるか否かを判定する。アウトカウンタ501dの値が管理開始基準値に対応する値以上である場合は、ステップSn1609に進み、管理開始フラグを「1」にセットする。これにより、算出したベース値が報知対象とされる。
【4612】
本実施の形態では、管理開始フラグが「0」クリアされた状態となるようにしてパチンコ機10が製造される。パチンコ機10の出荷段階などにおいては出荷前にパチンコ機10の動作チェックが行われることがあり、その際には各入球部に遊技球を手入れしてその後の動作がチェックされる。このような状況の下、パチンコ機10の製造後、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達するまでの期間においては、算出されたベース値を報知の対象外とすることで、上記手入れの影響を受けたベース値が報知されることを抑制できる。
【4613】
ステップSn1610では、ベース値用カウンタエリア501に設けられた各カウンタ501a~501dを全て「0」クリアする。その結果、それら各カウンタ501a~501dの値が初期化された状態で次回のベース値算出処理が開始されることになり、ステップSn1605では、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達する前の期間を対象外としてベース値が算出される。ステップSn1610の実行後又はステップSn1608で否定判定した場合(計測区間用のアウトカウンタ501dの値が管理開始基準値未満である場合)は、ベース値算出処理を終了する。
【4614】
ステップSn1607で肯定判定した場合(管理開始フラグが「1」である場合)は、ステップSn1611に進み、計測区間用のアウトカウンタ501dの値が計測区間を規定する所定個数(例えば60000個)に対応する値以上であるか否かを判定する。
【4615】
アウトカウンタ501dの値が所定個数に対応する値以上である場合は、ステップSn1612にてデータシフト処理を実行する。データシフト処理では、非特定制御用のワークエリア393の演算結果用エリア504における現状用エリア504a、前回用エリア504b、前々回用エリア504c、前々々回用エリア504dに記憶されたベース値の情報を、前々回用エリア504c→前々々回用エリア504d、前回用エリア504b→前々回用エリア504c、現状用エリア504a→前回用エリア504bの順序でシフトさせる。これにより、2回前の算出期間(計測区間)における最終的なベース値が3回前の算出期間における最終的なベース値として前々々回用エリア504dに記憶され、1回前の算出期間における最終的なベース値が2回前の算出期間における最終的なベース値として前々回用エリア504cに記憶され、現状の算出期間において最後に算出されたベース値が1回前の算出期間における最終的なベース値として前回用エリア504bに記憶される。
【4616】
ステップSn1613では、ベース値用カウンタエリア501に設けられた各カウンタ501a~501dを全て「0」クリアする。ステップSn1613の実行後又はステップSn1611で否定判定した場合(計測区間用のアウトカウンタ501dの値が所定個数未満である場合)は、ベース値算出処理を終了する。
【4617】
<超過判定用処理>
パチンコ機では、実遊技上での当選確率に関していずれは内部的に設定された当選確率に収束していくと考えられるものの、例えば、遊技者における1回の遊技や遊技ホールの1営業日という基準でみると、実遊技上の当選確率には大きなばらつきが生じているのが現状である。このため、遊技者から見たいわゆる勝ち分について遊技機設計者が想定しなかったレベルまで伸びてしまうことが起こり得る。このような場合、そのパチンコ機を遊技していた遊技者本人だけでなく、それを見ていた周囲の者まで過度に射幸心が煽られることになりかねない。
【4618】
このような事情を踏まえ、本実施の形態に係るパチンコ機10では、パチンコ機10自身が遊技履歴を参照して遊技者側から見たプラス分が予め定めた所定の範囲内に収まっているかを監視し、当該範囲を超える場合には遊技の進行を制限するようにしている。具体的には、当該プラス分の上限値(例えば95000個)を設定し、監視により把握される都度のプラス分が当該上限値を超えると、遊技の進行を制限する機能を発動させる構成となっている。ステップSn1504の超過判定用処理はその一環として実行されるものであり、以下、当該処理について
図421のフローチャートを参照しながら説明する。
【4619】
超過判定用処理では先ずステップSn1801にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過待機フラグが「1」に設定されているか否かを判定する。超過待機フラグについては後に詳述する。
【4620】
超過待機フラグが「1」に設定されていない場合はステップSn1802に進み、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。なお、この判定には、ベース値算出処理(
図419)におけるステップSn1601の判定結果を用いる。
【4621】
入球が発生している場合は、ステップSn1803にて、差球数用カウンタエリア502の各種カウンタの値を更新する。
図420に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、差球数の算出に対応するエリアとして差球数用カウンタエリア502が設けられており、この差球数用カウンタエリア502には、常時用の一般入賞カウンタ502aと、常時用の第1作動カウンタ502bと、常時用の第2作動カウンタ502cと、常時用の特電カウンタ502dと、常時用のアウトカウンタ502eとが含まれている。
【4622】
これらのカウンタのうち一般入賞カウンタ502a、第1作動カウンタ502b、第2作動カウンタ502c、特電カウンタ502dは、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63及び可変入賞装置65への遊技球の各入球個数を計測するためのカウンタである。また、アウトカウンタ502eは、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数を計測するためのカウンタである。これらのカウンタ502a~502eは、遊技状態を問わず、所定の計測開始契機からの各入球を計測するものとなっている。本実施の形態では、遊技状態として通常遊技状態、時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)、高確遊技状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)、開閉実行モードが存在するところ、上記各カウンタ502a~502eでは、これら全ての遊技状態を対象とした通算の入球個数が計測される。
【4623】
ステップSn1803では、上記各カウンタ502a~502eのうち、ステップSn1801で入球発生を判定した入球部に対応するカウンタの値を更新する。例えば、第1作動口62への入球が発生したと判定した場合は、第1作動カウンタ502bの値を1加算する。なお、アウトカウンタ502eについては、入球が発生した入球部の種別を問わず、入球が発生していれば、その値を1加算する。すなわち、アウト口68への遊技球の入球を判定した場合に限らず、上記のように第1作動口62への入球が発生したと判定した場合にもアウトカウンタ502eの値を1加算する。
【4624】
続くステップSn1804ではデータシフト処理を実行する。非特定制御用のワークエリア393には、後段のステップSn1805にて算出する差球数SBの情報を記憶するためのエリアとして差球数用エリア505が設けられている(
図420)。この差球数用エリア505には、
図423(a)に示すように、今回の差球数SBを記憶するための現状差球用エリア505aと、前回の差球数SBを記憶するための前回差球用エリア505bとが設けられている。ステップSn1804のデータシフト処理では、現状差球用エリア505aに記憶されている差球数SBの情報を前回差球用エリア505bにシフトさせる。これにより、前回の処理回で算出された差球数SBの情報が前回差球用エリア505bに記憶される。
【4625】
ステップSn1805では差球数SBの算出処理を実行する。当該処理では、差球数用カウンタエリア502における各カウンタ502a~502eの値を用いて差球数SBを算出する。常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eの値をK4~K8とした場合に差球数SBは以下のものとなる。
・差球数SB:遊技球の合計払出個数(K4×「一般入賞口61への入賞に対する賞球個数」+K5×「第1作動口62への入賞に対する賞球個数」+K6×「第2作動口63への入賞に対する賞球個数」+K7×「可変入賞装置65への入賞に対する賞球個数」)-遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数(K8)。
【4626】
この差球数SBは、上記プラス分(勝ち分)を計るための指標として導出されるものである。ステップSn1805では、差球数SBを算出した後、その差球数SBの情報を差球数用エリア505の現状差球用エリア505aに上書きする処理を実行する。これにより、現状差球用エリア505aに今回の差球数SBの情報が記憶される。なお、超過判定用処理は、タイマ割込み周期(
図404)の実行周期に対応して4msecごとに起動されるため、差球数用エリア505には、4msecごとの差球数の情報が都度更新されながら記憶されていく。
【4627】
前述の通り、本実施の形態では、都度のプラス分を予め定められた上限値としての停止用球数(例えば95000個)と比較し、その結果に基づいて遊技進行の制限を行うものとなっている。しかしながら、ステップSn1805で導出した上記差球数SBを当該比較にそのまま利用すると、遊技の中で生じたマイナス分(いわゆるハマリ分)の影響により、停止用球数に至るまでの残り球数が変動するものとなる。すなわち、上記差球数SBは、パチンコ機10に記憶されている差球数の情報がパチンコ機10の電源ON操作により初期化されて0個となり、それをスタート値として累積されていくものであるところ、例えば、差球数SBが0個に初期化された状態で遊技を開始した先の遊技者と、差球数SBが-20000個まで低下した状態から遊技を開始した後の遊技者とがいた場合、先の遊技者は、遊技開始の時点において、停止用球数(95000個)となるまでに許容される差球数SBの増加分が95000個であるのに対し、後の遊技者は、許容される差球数SBの増加分が115000個となる。つまり、後の遊技者の方がより多くの増加分を許容されることになり、遊技の公平性が損なわれるおそれがある。
【4628】
また、許容される増加分の相違は、前後の遊技者間に限らず、遊技ホールに設置された各パチンコ機10間でも生じる。この場合、遊技者は、より多くの増加分が許容されるパチンコ機10で遊技しようと考えるため、各パチンコ機10の稼働率にも影響を及ぼす懸念がある。
【4629】
このような事情を踏まえ、本実施の形態では、差球数SBが減少状態から増加状態に転じた場合の変化点CP(
図422)を把握するとともに、その変化点CPを開始基準値とする判定用差球数SAを算出し、これを停止用球数(例えば95000個)との比較に用いるようにしている。
【4630】
ステップSn1806では、上記変化点CPを把握するための最下点判定処理を実行する。なお、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505には、変化点CPに対応する開始基準値を記憶するためのエリアとして開始基準用エリア505cが設けられている。
【4631】
ここで、最下点判定処理について
図423(b)を参照しながら説明する。
【4632】
最下点判定処理では先ず前回差球用エリア505bに記憶されている前回の差球数SB2が、開始基準用エリア505cに記憶されている開始基準値よりも小さいか否かを判定する。開始基準用エリア505cの開始基準値は、パチンコ機10への電源投入により差球数の情報が初期化されてから前回の処理回の終了までの期間における各回で算出された差球数のうちの最小値であり、換言すれば、当該期間における最新の最下点である。
【4633】
そして、前回の差球数SB2がその時点での開始基準値よりも小さい場合は、現状差球用エリア505aに記憶されている今回の差球数SB1と、前回差球用エリア505bに記憶されている前回の差球数SB2とを比較し、今回の差球数SB1が前回の差球数SB2よりも大きいか否かを判定する。この判定により、前回の処理回にてそれまでの最下点よりも小さい差球数SBが取得された後、今回の処理回にて差球数SBが増加しているか否かを特定する。
【4634】
上記比較判定の結果、今回の差球数SB1が前回の差球数SB2よりも大きい場合、すなわち、差球数SBが増加している場合は、前回の差球数SB2を新たな最下点として認識する。一方、前回の差球数SB2がその時点での開始基準値より小さくても、今回の差球数SB1が前回の差球数SB2以下である場合は、前回の差球数SB2を新たな最下点として認識しない。
【4635】
超過判定用処理(
図421)の説明に戻り、ステップSn1806の最下点判定処理の実行後は、ステップSn1807にて開始基準値の更新処理を実行する。開始基準値の更新処理では、ステップSn1806の最下点判定処理にて前回の差球数SB2を新たな最下点として認識した場合に、前回差球用エリア505bに記憶されている情報を開始基準用エリア505cに上書きする処理を実行する。これにより、開始基準値が更新される。
【4636】
ステップSn1808では判定用差球数SAの算出処理を実行する。判定用差球数SAは開始基準値からの差球数であり、その算出処理では今回の差球数SB1から開始基準値を減算することにより判定用差球数SAを導出する。例えば、
図422に示すように、今回の差球数SBが12000個であり、開始基準値(変化点CP)が-20000個である場合、判定用差球数SAは32000個となる。
【4637】
図423(a)に示すように、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505には、判定用差球数SAを記憶するためのエリアとして判定差球用エリア505dが設けられている。ステップSn1808では、判定用差球数SAを導出した後、その判定用差球数SAの情報を判定差球用エリア505dに上書きする処理を実行する。
【4638】
続くステップSn1809では残り球数RSの算出処理を実行する。残り球数RSは、停止用球数(例えば95000個)までの残数であり、換言すれば、その後の遊技にて許容される差球数SBの増加分である。本ステップSnでは、ステップSn1808で算出した判定用差球数SAを停止用球数から差し引くことで、残り球数RSを導出する。例えば、判定用差球数SAが32000個であった場合、残り球数RSは63000個となる。
【4639】
図423(a)に示すように、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505には、残り球数RSを記憶するためのエリアとして残数用エリア505eが設けられている。ステップSn1809では、残り球数RSを導出した後、その残り球数RSの情報を残数用エリア505eに上書きする処理を実行する。
【4640】
ステップSn1810では、演出制御装置143への出力対象として残り球数コマンドを設定する。残り球数コマンドは、主制御装置162にて把握する残り球数が更新されたことを演出制御装置143に通知するものであり、残り球数コマンドには、ステップSn1809で導出した残り球数RSの情報が含まれる。
【4641】
ステップSn1811では、ステップSn1809で導出した残り球数RSが0個以下であるか否かを判定する。これにより、ステップSn1807で設定した開始基準値からの差球数の増加分(判定用差球数SA)が停止用球数に達したか否かを判定する。
【4642】
残り球数RSが0個以下である場合、すなわち、上記増加分が停止用球数に達している場合は、ステップSn1812に進み、開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。開閉実行モードの実行中でない場合は、ステップSn1813にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグに「1」をセットする。超過フラグは、残り球数RSが0個以下になったこと(上記増加分が停止用球数に達したこと)をMPU312が把握するためのものである。
【4643】
ステップSn1814では、演出制御装置143への出力対象として超過コマンドを設定する。超過コマンドは、残り球数RSが0個以下になったことを演出制御装置143に通知するためのものである。
【4644】
ステップSn1812で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップSn1815に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過待機フラグに「1」をセットする。超過待機フラグは、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下になったことをMPU312が把握するためのものである。
【4645】
ステップSn1816では、演出制御装置143への出力対象として超過待機コマンドを設定する。超過待機コマンドは、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下になったことを演出制御装置143に通知するためのものである。
【4646】
ステップSn1801で肯定判定した場合(超過待機フラグに「1」がセットされている場合)は、ステップSn1817に進み、開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。開閉実行モードの実行中でない場合、すなわち、開閉実行モードが終了した場合は、ステップSn1818に進み、上記超過フラグに「1」をセットする。続くステップSn1819では、上記超過待機フラグを「0」クリアする。その後、ステップSn1820にて、演出制御装置143への出力対象として超過コマンドを設定する。
【4647】
ステップSn1814、ステップSn1816、ステップSn1820の実行後は超過判定用処理を終了する。また、ステップSn1817で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、開閉実行モードの終了を待機すべく、ステップSn1818~ステップSn1820の処理を実行せずに超過判定用処理を終了する。なお、ステップSn1801で肯定判定した場合は、ステップSn1803の処理(差球数用カウンタエリア502の更新処理)を実行しないため、可変入賞装置65への入賞等が発生しても、主制御装置162が把握する差球数(判定用差球数SAや残り球数RS)を更新しないことになる。
【4648】
ステップSn1802で否定判定した場合(入球が発生していない場合)は、ステップSn1803以降の処理を実行せずに超過判定用処理を終了し、ステップSn1811で否定判定した場合(残り球数RSが0個以下でない場合)は、ステップSn1812以降の処理を実行せずに超過判定用処理を終了する。
【4649】
<表示設定用処理>
次にステップSn1505の表示設定用処理について
図424(a)のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は、ステップSn1503のベース値算出処理で導出したベース値やステップSn1504の超過判定用処理で導出した残り球数を表示により報知するための設定処理を行うものである。
【4650】
表示設定用処理では先ずステップSn1901にて、遊技停止中であるか否かを判定する。具体的には、主側RAM314における特定制御用のワークエリア391を参照し、遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
【4651】
遊技停止中でない場合は、ステップSn1902に進み、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおける表示内容の切換タイミングであるか否かを判定する。本実施の形態では、ステップSn1503のベース値算出処理で導出したベース値と、ステップSn1504の超過判定用処理で導出した残り球数とをいずれも第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示するようにしている。また、これらの値の表示に際し、ベース値に関しては、
図400を参照して既に説明したように、現在のベース値である現状ベース値と、過去分である1回前の前回ベース値と、2回前の前々回ベース値と、3回前の前々々回ベース値とを所定期間(例えば5sec)ごとに順番に切り換えて表示し、残り球数に関しては、前々々回ベース値の表示が終了した後、残り球数を表示するようにしている。ステップSn1902の処理は、上記各表示の切り換えタイミングが到来したか否かを判定するものである。
【4652】
ステップSn1902で肯定判定した場合(切換タイミングである場合)は、ステップSn1903にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた表示種別カウンタ506(
図420)の更新処理を実行する。表示種別カウンタ506は、上記各種ベース値及び残り球数といった遊技履歴のうち現在の表示対象がいずれであるかをMPU312が特定するためのカウンタである。
【4653】
図424(b)に示すように、表示種別カウンタ506の値が「0」である場合は現状ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ506の値が「1」である場合は前回ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ506が「2」である場合は前々回ベース値が表示対象となり、表示種別カウンタ506が「3」である場合は前々々回ベース値が表示対象となる。また、表示種別カウンタ506が「4」である場合は残り球数が表示対象となる。表示種別カウンタ506の更新処理では、表示種別カウンタ506の値を1加算するとともに、加算後の値が「4」を超えた場合には表示種別カウンタ506の値を「0」に設定する。これにより、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて、上記切換タイミングごとに現状ベース値、前回ベース値、前々回ベース値、前々々回ベース値及び残り球数の表示が順次に変更されていく。
【4654】
なお、本実施の形態では、上記各値の表示を一定間隔で切り換えていくが、これに限定されるものではない。例えば、各ベース値のうち一部のベース値(例えば現状ベース値)の表示期間を他のベース値の表示期間と異ならせたり(例えば長くしたり)、残り球数の表示期間を各ベース値の表示期間と異ならせたり(例えば短くしたり)してもよい。
【4655】
ステップSn1903の実行後又はステップSn1902で否定判定した場合(切換タイミングでない場合)は、ステップSn1904にて、現在の表示対象を示す表示種別データの設定処理を実行する。
図420に示すように、非特定制御用のワークエリア393には、現在の表示対象に対応するエリアとして表示対象用エリア507が設けられている。表示対象用エリア507には、表示対象となる遊技履歴の種別を示す種別データが記憶される種別用エリア507aと、表示対象となる遊技履歴の値を示す履歴データが記憶される履歴用エリア507bとが設けられている。ステップSn1904の表示種別データの設定処理では、表示種別カウンタ506の値に対応した遊技履歴の種別データを上記表示対象用エリア507の種別用エリア507aに設定する。例えば、表示種別カウンタ506の値が「2」である場合には、前々回ベース値に対応した種別データを種別用エリア507aに上書きする処理を実行する。
【4656】
ステップSn1905では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた管理開始フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。管理開始フラグが「1」にセットされ、各種ベース値及び残り球数を報知すべき状況である場合は、ステップSn1906にて履歴値データの設定処理を実行する。履歴値データの設定処理では、演算結果用エリア504の各エリア504a~504eのうち表示種別カウンタ506の値に対応したエリアからベース値又は残り球数の情報を読み出し、上記表示対象用エリア507の履歴用エリア507bに履歴データを設定する。例えば、表示種別カウンタ506の値が「2」である場合には、前々回ベース値の履歴データを前々回用エリア504cから読み出して履歴用エリア507bに上書きする処理を実行する。
【4657】
上記のように表示対象用エリア507の種別用エリア507aに種別データを記憶し、履歴用エリア507bに履歴データが記憶した後に、タイマ割込み処理(
図404)におけるステップSn206の報知用表示処理の実行タイミングになると、MPU312では、非特定制御用のワークエリア393の表示対象用エリア507を参照し、その時点で表示対象となっている遊技履歴の種別及び算出値(履歴)を把握する。そして、把握した種別及び算出値に対応する表示データを特定制御用のワークエリア391に設けられた特定の表示データバッファに格納する。当該表示データバッファは、第1~第5報知用表示装置169a~169eへの表示を行うにあたって参照されるものであり、第1~第5報知用表示装置169a~169eに表示すべき対象の表示データが格納されるものである。
【4658】
現状ベース値が表示対象となっている状況では、例えば、
図425(a)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bからなる識別用表示部において現状ベース値に対応した「bL.」の表示が行われ、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dからなる比率用表示部において現状ベース値を示す2桁の数値表示が行われる。このうち識別用表示部での表示は、非特定制御用のワークエリア393の表示対象用エリア507における種別用エリア507aの参照結果に基づくものであり、比率用表示部での表示は、上記表示対象用エリア507における履歴用エリア507bの参照結果に基づくものである。
【4659】
また、残り球数が表示対象となっている状況では、例えば、
図425(b)に示すように、第1~第5報知用表示装置169a~169eにおいて残り球数を示す5桁の数値表示が行われる。また、残り球数に対応する表示であることを示すべく、各報知用表示装置169a~169eにおけるドット部197に対応する表示用セグメントが点灯状態とされる。このうち第1~第5報知用表示装置169a~169eでの数値表示は、上記表示対象用エリア507における履歴用エリア507bの参照結果に基づくものであり、各報知用表示装置169a~169eにおけるドット部197の表示は、上記表示対象用エリア507における種別用エリア507aの参照結果に基づくものである。
【4660】
ステップSn1905で否定判定した場合(管理開始フラグが「1」にセットされていない場合)は、ステップSn1907にて、上記表示対象用エリア507の履歴用エリア507bに初期表示用データを設定する。初期表示用データは、パチンコ機10の製造後、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値(例えば300個)となるまでの間の表示内容を示すものである。
【4661】
初期表示用データが表示対象となっている場合は、例えば、
図425(c)に示すように、第1報知用表示装置169a及び第2報知用表示装置169bからなる識別用表示部において種別用エリア507aの参照結果に基づく表示が行われるとともに、第3報知用表示装置169c及び第4報知用表示装置169dからなる比率用表示部において中央の表示用セグメントが点灯状態とされて「--」の表示が行われる。また、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に達した後の状況においてベース値が表示対象である場合は、識別用表示部での表示が連続した点灯状態でなされるが、初期表示用データが表示対象である場合は、識別用表示部での表示が点滅状態でなされ、遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数が管理開始基準値に到達していないことが示される。
【4662】
ステップSn1901で肯定判定した場合(遊技停止中である場合)は、ステップSn1908に進み、残り球数に対応する表示種別データを上記表示対象用エリア507の種別用エリア507aに設定する。続くステップSn1909では、残り球数に対応する履歴データを上記表示対象用エリア507の履歴用エリア507bに設定する。すなわち、遊技停止中である場合は、第1~第5報知用表示装置169a~169eにて残り球数の表示が行われるように設定される。
【4663】
<遊技停止判定用処理>
ステップSn207の遊技停止判定用処理について
図426のフローチャートを参照しながら説明する。遊技停止判定用処理は、遊技停止状態とするか否かを判定し、その結果に基づいて遊技停止状態への移行を行うものであり、タイマ割込み処理(
図404)の一環として実行される。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【4664】
遊技停止判定用処理では先ずステップSn2101にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。遊技停止フラグは、遊技停止中であることをMPU312が特定するためのものである。
【4665】
遊技停止フラグが「1」にセットされている場合は、そのまま遊技停止判定用処理を終了する。一方、遊技停止フラグが「1」にセットされていない場合、すなわち、遊技停止中でない場合は、ステップSn2102にて、ステップSn205(
図404)の不正検知処理により不正が検知されているか否かを判定する。不正が検知されている場合は、ステップSn2103に進み、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。これにより、以後のタイマ割込み処理(
図404)では、ステップSn209~ステップSn219における遊技の進行を制御するための処理が実行されないものとなり(ステップSn208:YES)、遊技の進行が制限される。
【4666】
ステップSn2104では、可変入賞装置65及び普電役物63aを閉鎖状態とする閉鎖制御処理を実行する。これにより、可変入賞装置65又は普電役物63aが開放中である場合は強制的に閉鎖される。
【4667】
ステップSn2105では、電源及び発射制御装置191への発射許可信号をLOWレベルに切り換える発射停止処理を実行する。これにより、遊技球の発射が規制され、遊技者が遊技球発射ハンドル41を操作しても遊技球が発射されないものとなる。
【4668】
ステップSn2106では、払出制御装置181に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置222による遊技球の払出を停止させる。これにより、遊技球を不正に払い出させる行為が行われていた場合には、それ以上の遊技球の払い出しを即座に規制し、遊技ホールの損害が拡大することを抑制する。また、ステップSn2106では、演出制御装置143に対しても遊技停止コマンドを出力し、図柄表示装置75における演出表示等を停止させたり、遊技停止中であることの画像報知や音声報知を実行させたりする。
【4669】
ステップSn2107では、不正を検知したことや遊技停止状態に移行したことに対応した所定の外部信号を外部出力端子213から出力すべく、外部情報設定処理を実行する。これにより、上記所定の外部信号が遊技ホール側のホールコンピュータHCに出力され、パチンコ機10で異常が発生したことが通知される。ステップSn2107の実行後は遊技停止判定用処理を終了する。
【4670】
ステップSn2102で否定判定した場合(不正が検知されていない場合)は、ステップSn2108に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。超過フラグが「1」に設定されている場合、すなわち、残り球数RSが0個以下である場合(差球数の増加分が停止用球数に達している場合)は、ステップSn2109にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットする。この処理は、ステップSn2103と同様のものであり、これにより、遊技停止状態に移行する。すなわち、本実施の形態では、差球数が特定個数(停止用球数である95000個)以上になった場合には、遊技停止状態に移行し、その後の遊技の進行を制限するようにしている。
【4671】
なお、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合は、開閉実行モードが終了してから超過フラグが「1」にセットされるため(
図421のステップSn1812で肯定判定した場合の流れ、ステップSn1801で肯定判定した場合の流れ)、遊技停止状態への移行は開閉実行モードが終了してから行われることになる。つまり、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下になっても(差球数の増加分が停止用球数に達しても)、その開閉実行モードが途中で強制終了されることはない。
【4672】
開閉実行モードの終了に際して第1特図又は第2特図の保留情報が存在する場合があるが、前述のとおり、遊技停止状態ではタイマ割込み処理(
図404)のステップSn209~ステップSn219(遊技の進行を制御するための処理)が実行されないため、上記保留情報に対応する遊技回は実行されない。よって、それらの保留情報の中に大当たりに対応する保留情報が含まれていたとしても、当該大当たりに対応する開閉実行モードが行われることはない。
【4673】
ステップSn2110では、可変入賞装置65及び普電役物63aを閉鎖状態とする閉鎖制御処理を実行し、ステップSn2111では、電源及び発射制御装置191への発射許可信号をLOWレベルに切り換える発射停止処理を実行する。これらの処理はステップSn2104及びステップSn2105と同様のものである。
【4674】
続くステップSn2112では、演出制御装置143に対して遊技停止コマンドを出力する。これにより、遊技停止状態に移行したことを演出制御装置143に通知する。
【4675】
なお、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合は、払出制御装置181に遊技停止コマンドを出力して払出装置222からの遊技球の払い出しを規制するようにしたが(ステップSn2106)、残り球数RSが0個以下となったことに対応して遊技停止状態に移行した場合は、遊技停止コマンドを払出制御装置181に出力せず、払出装置222からの遊技球の払い出しを規制しない。また、タイマ割込み処理(
図404)においても、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合、すなわち、特定制御用のワークエリア391において遊技停止フラグが「1」にセットされ、超過フラグが「1」にセットされていない場合は、ステップSn217及びステップSn218の遊技球の払い出しを行うための処理を含め、ステップSn209~ステップSn219の処理を実行しないように制御するが(ステップSn221:NO)、残り球数RSが0個以下となったことに対応して遊技停止状態に移行する場合、すなわち、特定制御用のワークエリア391において遊技停止フラグ及び超過フラグの両方が「1」にセットされている場合は、実行しない処理の範囲をステップSn209~ステップSn216に留めて、ステップSn217及びステップSn218の遊技球の払い出しを行うための処理を実行するようにしている。このように本実施の形態では、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合は、不正が検知されたことに基づいて遊技停止状態に移行する場合とは異なり、遊技球の払い出しを許容するように構成されている。
【4676】
開閉実行モード中である場合など多くの賞球が発生する場合において、例えば、下皿34が遊技球で満タンとなる満タン状態のままで遊技していることがあると、当該満タン状態により払出装置222からの遊技球の払い出しを行うことができないまま、未払い出しの賞球個数が増加していくことになる。このような状況で残り球数RSが0個以下となり、遊技停止状態に移行した場合において、遊技球の払い出しを規制する構成とした場合には、当該遊技停止状態中に遊技者が下皿34から遊技球を抜いて満タン状態を解消しても、遊技球の払い出しが再開されず、賞球を得ることができなくなってしまうおそれがある。この点、遊技停止状態である状況で遊技球の払い出しが許容されていることで、満タン状態が解消されて払出装置222からの遊技球の払い出しが可能な状態となれば、未払い出しの賞球に対応した遊技球の払い出しを行わせることができる。
【4677】
また、本実施の形態では、残り球数RSが0個以下となったことに対応して遊技停止状態に移行した場合に、ステップSn217及びステップSn218の遊技球の払い出しを行うための処理だけでなく、遊技機外部に外部信号を出力するためのステップSn219の外部情報設定処理も実行するように構成されている。この場合、遊技停止状態において遊技球の払い出しが行われた場合に、それに対応する外部信号(賞球信号)を出力させることでき、遊技停止状態である状況で払い出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに適切に把握させることが可能になる。
【4678】
ステップSn2112の実行後はステップSn2113にて、残り球数RSが0個以下となったことに対応した所定の外部信号を外部出力端子213から出力すべく、外部情報設定処理を実行する。これにより、上記所定の外部信号が遊技ホール側のホールコンピュータHCに出力され、残り球数RSが0個以下となったことが通知される。
【4679】
この際、残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号として、不正が検知されたことに対応して遊技停止状態に移行した場合と共通の外部信号を用いるとよい。具体的には、外部出力端子213において、不正が検知された場合に外部信号が出力される出力端子と同じ端子から、残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号が出力される構成とするとよい。これにより、新たな出力端子を増設したり、外部出力端子213を新設したりしなくても、残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号を出力することができ、構成の簡略化を図ることが可能になる。
【4680】
なお、上記の場合では、不正が検知されたのか、それとも残り球数RSが0個以下となったのかを遊技ホール側のホールコンピュータHCが外部信号から識別できないおそれがあるが、そのような場合でも、当該外部信号がホールコンピュータHCに出力され、遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の下に駆け付けることにより、上記いずれの場合であるのかを把握することができるため、運用上の支障はないものと考えられる。
【4681】
ステップSn2113の実行後又はステップSn2108で否定判定した場合(超過フラグが「1」にセットされていない場合)は、遊技停止判定用処理を終了する。
【4682】
<超過時立上げ用処理、部分クリア用処理>
ステップSn111の超過時立上げ用処理と、ステップSn112の部分クリア用処理とについて説明する。これらの処理は、メイン処理(
図403)の一環として実行されるものであり、パチンコ機10が電源OFF状態か電源ON状態に切り換わってMPU312への動作電力の供給が開始された場合に実行されるものである。
【4683】
先ず、ステップSn111の超過時立上げ用処理について
図427(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【4684】
超過時立上げ用処理では先ずステップSn2201において、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。超過フラグに「1」がセットされている場合は、超過フラグに「1」がセットされた状態でMPU312の動作電力の供給が停止され、その後、当該動作電力の供給が再開されたことを意味する。このような状況としては、残り球数RSが0個以下(差球数が停止用球数以上)となり、外部信号が出力された場合において、パチンコ機10の下に駆け付けた遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の電源OFF操作を行い、その後、電源ON操作を行った場合や、残り球数RSが0個以下となって遊技停止状態に移行した後、遊技ホールにて停電が発生してパチンコ機10が電源OFF状態となり、その後、電源が復旧してパチンコ機10が電源ON状態となった場合が想定される。
【4685】
上記の際、MPU312の主側RAM314には電源及び発射制御装置191からのバックアップ電力が供給されるため、主側RAM314に記憶された情報は記憶保持される。このため、例えば、当否抽選モードが高確率モードである中で残り球数RSが0個以下となり、その状況でパチンコ機10が電源OFF状態から電源ON状態に切り換わった場合、主側RAM314において高確率モードであることを示すエリアが「1」となっている。
【4686】
ちなみに本実施の形態では、パチンコ機10への動作電力の供給が停止された場合において、主制御装置162の主側RAM314にはバックアップ電力が供給されるものの、払出制御装置181の払出側RAM384にはバックアップ電力が供給されない。このため、主側RAM314に記憶された情報は、パチンコ機10の電源OFF操作が行われても記憶保持されるのに対し、払出側RAM384に記載された情報は、パチンコ機10の電源OFF操作が行われることに伴い消去される。
【4687】
ステップSn2201で肯定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされている場合)は、ステップSn2202に進み、特定制御用のエリアについて第2初期化処理を実行する。第2初期化処理では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391において、遊技停止フラグが設定されるエリアと、払出制御装置181(払出装置222)に賞球の払い出しを行わせるための賞球情報(少なくとも未払い出しの賞球個数に関する情報)が記憶されたエリアとを除き、当該特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。
【4688】
このように遊技停止フラグと賞球情報のエリアを除いて特定制御用のワークエリア391が「0」クリアされるため、例えば、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを示すエリアが「0」クリアされ、パチンコ機10への動作電力の供給が停止される直前における当否抽選モードに関係なく当否抽選モードは低確率モードとなる。また、遊技回が実行されていない状況となり、さらに普図用表示部44が変動表示されていない状況であって普電役物63aが閉鎖状態である状況となる。また、特定制御用のワークエリア391に設けられた保留球格納エリア314a及び普電保留エリア314cも「0」クリアされるため、特図保留情報及び普図保留情報が消去される。
【4689】
その一方で、賞球情報についてはパチンコ機10への動作電力の供給が停止される直前の状態が引き継がれるため、未払い出しの賞球が残存している状況でパチンコ機10が電源OFF状態となっても、その後、電源ON状態に切り換わった場合に、記憶保持された未払い出し分の賞球情報に基づいて賞球コマンドを払出制御装置181に出力することができる。
【4690】
よって、高確率モードの下で残り球数RSが0個以下となった場合において、未払い出しの賞球が残っている状況で遊技ホールの従業員等がパチンコ機10の電源OFF操作を行ったり、遊技ホールで停電が発生したりした場合は、電源ON状態への復帰後の当否抽選モードを低確率モードとさせつつ、未払い出しの賞球については電源ONの後において順次に遊技球を払い出させることができる。これにより、差球数の更なる増加を好適に抑制しながら、遊技者が本来得られるべき賞球を適切に払い出すことができる。
【4691】
なお、第2初期化処理では、ステップSn104(
図403)の第1初期化処理と同様に、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394を「0」クリアしない。
【4692】
ステップSn2202の実行後は超過時立上げ処理を終了する。また、ステップSn2201で否定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされていない場合)は、ステップSn2202の処理を実行することなく、超過時立上げ処理を終了する。
【4693】
次に、ステップSn112の第1部分クリア用処理について
図427(b)のフローチャートを参照しながら説明する。第1部分クリア用処理は非特定制御用のワークエリア393に記憶された一部の情報について「0」クリアするための処理である。以下、第1部分クリア用処理について
図408(b)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、第1部分クリア用処理におけるステップSn2301~ステップSn2303の処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【4694】
第1部分クリア用処理では先ずステップSn2301にて、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図417)におけるステップSn1402と同様のものである。
【4695】
ステップSn2302では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている第1部分クリア用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、第1部分クリア用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示す第1部分クリア用処理のプログラムに復帰する。
【4696】
ステップSn2303では、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させ、その後、第1部分クリア用処理を終了する。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図417)におけるステップSn1404と同様のものである。
【4697】
ここで、ステップSn2302にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行される第1部分クリア用実行処理について、
図428のフローチャートを参照しながら説明する。
【4698】
ステップSn2401では、使用するスタックエリアを特定制御用のスタックエリア392から非特定制御用のスタックエリア394に切り換える。この処理は、ベース値及び差球数用実行処理(
図418)におけるステップSn1501と同様のものである。
【4699】
ステップSn2402では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち一部のレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393に退避させる。後のステップSn2403、ステップSn2404では、情報を退避させたそれらのレジスタを利用して処理を実行する。
【4700】
ステップSn2402の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSn2403、ステップSn2404のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理にあたっては先ずステップSn2403にて、差球数の情報をクリアする。具体的には、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用エリア505(
図420、
図423(a))を全て「0」クリアする。これにより、パチンコ機10が電源OFF状態となった時点で差球数用エリア505に記憶されていた差球数の情報(現状差球用エリア505aに記憶されていた現状の差球数SBの情報、前回差球用エリア505bに記憶されていた前回の差球数SBの情報、開始基準用エリア505cに記憶されていた開始基準値の情報、判定差球用エリア505dに記憶されていた判定用差球数SAの情報、残数用エリア505eに記憶されていた残り球数RSの情報)が消去される。
【4701】
ステップSn2403の実行後はステップSn2404にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e(
図420)を全て「0」クリアする。これにより、差球数の算出に利用する常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eについて、それらのカウント値が初期値(「0」)に変更される。
【4702】
既に説明したように、非特定制御用のワークエリア393及び非特定制御用のスタックエリア394にも電源遮断後のバックアップ電力が供給され、それらのエリアに記憶された情報は記憶保持されるが、本実施の形態では、パチンコ機10が電源OFF状態から電源ON状態に切り換わることに伴い、上記のように保持された情報のうち、差球数の情報と、その算出に用いる遊技履歴の収集値(各入球部についての入球個数の計測値)とが消去される。
【4703】
なお、電源OFF状態から電源ON状態への切り換わりが生じても、非特定制御用のワークエリア393のうち差球数用エリア505及び差球数用カウンタエリア502以外の領域は「0」クリアしない。このため、演算結果用エリア504の各エリア504a~504dに記憶された現状ベース値及び各回ベース値の情報や、ベース値用カウンタエリア501における各カウンタ501a~501cの情報は消去されず、記憶されたままの状態となる。よって、電源ON状態への切り換わり後に遊技を行う遊技者は、ベース値に関する情報について電源OFF時の状態を引き継いで遊技を始めることになる。
【4704】
また、非特定制御用のワークエリア393における各種フラグ用エリア508についてもクリア処理の対象外となるため、各種フラグ用エリア508に設けられた超過フラグ(
図421のステップSn1813)や超過待機フラグ(
図421のステップSn1816)に「1」がセットされた状態で上記切り換わりが生じた場合は、電源ON状態への切り換わり後もこれらのフラグに「1」がセットされたままの状態となる。よって、残り球数RSが0個以下となって遊技停止に移行した状態(超過フラグに「1」がセットされた状態)や、残り球数RSが0個以下となったものの、開閉実行モード中であることにより遊技停止への移行を待機している状態(超過待機フラグに「1」がセットされた状態)でパチンコ機10が電源OFF状態となり、その後、電源ON状態となった場合は、それらの状態であることを認識可能な状態でパチンコ機10が立ち上がることになる。
【4705】
ちなみに、遊技停止への移行が生じている場合は、遊技停止フラグ(
図426のステップSn2103、ステップSn2109)に「1」がセットされた状態となるが、この遊技停止フラグは特定制御用のワークエリア391に設けられており、電源遮断時はバックアップの対象になるとともに、電源ON状態への切り換わり時(復電時)は、メイン処理におけるステップSn104の第1初期化処理が実行されない限り、「0」クリアされない。すなわち、遊技停止状態で電断状態(電源OFF状態)となり、その後、リセットボタン166cが押されることなく電源ON操作が行われた場合は、復電後において遊技停止フラグが「1」にセットされた状態となっているため、パチンコ機10が遊技停止状態で立ち上がることになるか、或いは、立ち上がり後に直ちに遊技停止状態に移行することになる。
【4706】
ステップSn2403、ステップSn2404の処理を実行した後は、ステップSn2405にて、使用するスタックエリアを非特定制御用のスタックエリア394から特定制御用のスタックエリア392に切り換える。続くステップSn2406では、ステップSn2402にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をMPU312の各レジスタに復帰させる。
【4707】
<第2部分クリア用処理について>
ここで、ステップSn105(
図403)の第2部分クリア用処理について説明する。この処理は、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合に実行されるものである。
【4708】
第2部分クリア用処理は、上記第1部分クリア用処理と同様に、非特定制御用のワークエリア393に記憶された一部の情報を消去するためのものである。第2部分クリア用処理では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、「1」がセットされている場合は、これを「0」クリアする。このため、残り球数RSが0個以下(判定用差球数SAが停止用球数以上)となったことを契機として遊技停止状態に移行し、その遊技停止状態において電源OFF操作が行われ、その後、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合は、停止用球数の超過状態や遊技停止状態がクリアされた状態でパチンコ機10が立ち上がることになる。
【4709】
なお、残り球数RSが0個以下になったことを契機として移行した遊技停止状態において電断状態となり、その後、リセットボタン166cがON操作されずに電源ON操作が行われた場合は、復電後においてステップSn105の第2部分クリア用処理が実行されず、超過フラグに「1」がセットされた状態が維持される。よって、復電に際し、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行したことを認識できる状態でパチンコ機10が立ち上がることになる。
【4710】
また、第2部分クリア用処理では、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、「1」がセットされている場合は、これを「0」クリアする。このため、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となり、開閉実行モードの終了まで遊技停止状態への移行を待機している状態(遊技停止待ち状態)で電源OFF操作が行われ、その後、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合は、遊技停止待ち状態がクリアされた状態でパチンコ機10が立ち上がることになる。
【4711】
なお、遊技停止待ち状態で電断状態となり、その後、リセットボタン166cがON操作されずに電源ON操作が行われた場合は、復電後においてステップSn105の第2部分クリア用処理が実行されず、超過待機フラグに「1」がセットされた状態が維持される。この場合は、復電後において、残りの開閉実行モードが行われ、その後、その開閉実行モードが終了すると、遊技停止状態に移行することとなる。
【4712】
<復電時用のコマンド設定処理>
ステップSn113の復電時用のコマンド設定処理について
図429のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、メイン処理(
図403)の一環として実行されるものであり、パチンコ機10が電源OFF状態から電源ON状態に切り換わってMPU312への動作電力の供給が開始された場合に実行されるものである。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【4713】
復電時用のコマンド設定処理では先ずステップSn2501にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。遊技停止フラグは、遊技停止状態に移行する場合にセットされるものである。
【4714】
遊技停止フラグに「1」がセットされていない場合は、ステップSn2502に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。超過待機フラグは、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合にセットされるものである。
【4715】
ステップSn2502で否定判定した場合(遊技停止フラグ及び超過待機フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合)は、遊技停止状態ではない状況で電断状態となり、その後、リセットボタン166cがON操作されずに電源ON操作が行われたか、電断状態の発生後、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われたことを意味する。この場合は、ステップSn2503に進み、演出制御装置143への送信対象として第1差球用コマンドを設定する。
【4716】
本実施の形態では、その時点での判定用差球数SAを演出制御装置143に通知するためのコマンドとして差球用コマンドが設定されている。差球用コマンドに属するものとして複数のコマンドが設定されており、第1差球用コマンドはそのうちの1つである。第1差球用コマンドは、例えば、上位バイト(上位情報)と下位バイト(下位情報)とからなる2又は3バイトで構成されている。上位バイトには、差球用コマンドであることに対応した情報(識別情報)が設定され、下位バイトには、判定用差球数SAに対応した情報(差球数又は残り球数を示す情報)が設定される。
【4717】
なお、本実施の形態では、復電時用のコマンド設定処理に先立って第1部分クリア用処理(
図428)を実行するところ、この第1部分クリア用処理では、判定差球用エリア505dに記憶されていた判定用差球数SAの情報を消去する処理(ステップSn2403)を実行する。このため、ステップSn2503における第1差球用コマンドの設定時点では判定用差球数SAが0個を示す初期値になっており、第1差球用コマンドの下位情報には0個に対応した情報が設定される。
【4718】
続くステップSn2504では、演出制御装置143や払出制御装置181への送信対象として第1復電用コマンドを設定する。本実施の形態では、復電したことを演出制御装置143や払出制御装置181に通知するためのコマンドとして復電用コマンドが設定されている。復電用コマンドに属するものとして複数のコマンドが設定されており、第1復電用コマンドはそのうちの1つである。第1復電用コマンドは、不正検知による遊技停止状態への移行がなされていない状態で電断が発生し、その後、復電したか、復電に際して主側RAM314がクリアされたことのいずれかに対応するものとなっている。
【4719】
ステップSn2505では、演出制御装置143に送信するその他のコマンドとして、高確率モードであるか否かや、高頻度サポートモードであるか否か、保留情報の記憶数を示すコマンドなどを設定する。なお、これらのコマンドは、必ずしも復電コマンドとは別に設定する必要はなく、例えば、高確率モードであることに対応した復電コマンドが設けられるなど、復電コマンドに上記各情報の少なくとも1つが含まれる構成としてもよい。
【4720】
ステップSn2502で肯定判定した場合(超過待機フラグが「1」にセットされている場合)は、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となり、開閉実行モードの終了まで遊技停止状態への移行が待機されている状況で電断が発生し、その後、復電したことを意味する。この場合は、ステップSn2503の処理を実行することなく、ステップSn2504の処理に進む。すなわち、第1差球用コマンドを設定せずに第1復電用コマンドだけを設定する。
【4721】
ステップSn2501で肯定判定した場合(遊技停止フラグに「1」がセットされている場合)は、ステップSn2506に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。超過フラグは、開閉実行モードの実行中ではない状況で残り球数RSが0個以下になった場合や、開閉実行モードの実行中に残り球数RSが0個以下になった後、その開閉実行モードが終了した場合にセットされるものである。
【4722】
超過フラグに「1」がセットされている場合は、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行し、その遊技停止状態にて電断が発生したことを意味する。この場合は、ステップSn2507に進み、演出制御装置143への送信対象として第2差球用コマンドを設定する。第2差球用コマンドは差球用コマンドの1つであるため、その上位バイトには差球用コマンドであることに対応した情報が設定されるが、その下位バイトには、残り球数RSが0個以下になったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合に対応するものとしての固有値が設定される。すなわち、第2差球用コマンドの下位バイトには、その時点での判定用差球数SAを特定するための情報ではなく、停止用球数の超過状態であること又は当該超過状態により遊技停止状態に移行したことの特定が可能となる情報が設定される。
【4723】
ステップSn2507の実行後はステップSn2504に進み、演出制御装置143や払出制御装置181への送信対象として第1復電用コマンドを設定する。よって、停止用球数の超過により遊技停止状態となった後に電断が発生し、その後、復電した場合は、主制御装置162から第1復電用コマンドと第2差球用コマンドとが送信されることになる。
【4724】
ステップSn2506で否定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされていない場合)は、不正検知を契機として遊技停止状態に移行し、その遊技停止状態にて電断が発生したことを意味する。この場合は、ステップSn2508に進み、演出制御装置143や払出制御装置181への送信対象として第2復電用コマンドを設定する。第2復電用コマンドの上位情報には復電用コマンドであることに対応した情報が設定され、下位情報には、不正検知による遊技停止中に電断状態となった場合に対応した固有値(不正検知による遊技停止中に電断状態となったことの特定が可能な情報)が設定される。
【4725】
ステップSn2508の実行後はステップSn2505に進み、その他のコマンドの設定処理を実行し、その後、復電時用のコマンド設定処理を終了する。
【4726】
<差球数を利用した遊技制限の流れについて>
次に差球数を利用した遊技制限の流れについて
図430、
図431を参照しながら説明する。
【4727】
遊技者により遊技が行われている状況において、パチンコ機10では、主制御装置162のMPU312により、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68に対する入球判定を実行する(
図430(a))。具体的には、上記各入球部61~63,65,68に連通する排出通路部91~96(
図391)に設けられた入球検知センサ91a~96の出力を参照し、それら各入球部61~63,65,68について入球の有無を判定する。
【4728】
そして、上記各入球部61~63,65,68にて入球発生を判定した場合は、主側RAM314の非特定制御用のワークエリア393に設けられた常時用の一般入賞カウンタ502a、第1作動カウンタ502b、第2作動カウンタ502c、特電カウンタ502d、アウトカウンタ502eの値を更新する。これらのカウンタ502a~502eのうちカウンタ502a~502dは一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65にそれぞれ対応しており、それらの入球部61~63,65で入球が発生している場合は、対応するカウンタの値を1加算する。また、アウトカウンタ502eは、遊技領域PEから排出される遊技球の合計個数(総数)を計測する役割を果たしており、アウト口68も含めて上記各入球部61~63,65,68のいずれかで入球が発生している場合は、アウトカウンタ502eの値を1加算する。
【4729】
その後、MPU312では、上記各カウンタ502a~502eの更新結果を利用して差球数SBを算出する。差球数SBの算出にあたっては先ず、各カウンタ502a~502dの値(各入球部61~63,65の入球個数)と各入球部61~63,65の賞球数の情報とに基づき、遊技球の合計払出個数を算出する。そして、その合計払出個数からアウトカウンタ502eの値(遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数)を減算し、差球数SBを導出する。
【4730】
遊技者の持ち球は、右打ち遊技となる確変状態(高確率モード且つ高頻度サポートモード)や時短状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)にて大当たりに当選し、それを繰り返す(いわゆる連荘する)ことで、大きく増やすことができるが、その際、確変状態や時短状態(高頻度サポートモードの状態)自体は出玉率が1以下となる。すなわち、高頻度サポートモードの下では、差球数SBが増えない又はほぼ増えない状態となる。これに対し、可変入賞装置65が開放される開閉実行モードでは、開閉実行モード中の可変入賞装置65への入賞に基づく遊技球の合計払出個数が消化球数(遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数)を上回る。すなわち、出玉率が1を超え、差球数SBが増えることになる。このため、連荘中では、確変状態や時短状態にて差球数SBが横ばい又は若干減りつつ、開閉実行モードにて差球数SBが増加する、という流れが繰り返されることで、差球数SBが伸びていくことになる。
【4731】
MPU312では、算出した差球数SBの情報を非特定制御用のワークエリア393に設けられた現状差球用エリア505aに記憶した後、差球数SBから開始基準値を減算して判定用差球数SAを導出する。
図430(b)のタイミングt1に示すように、例えば、算出した差球数SBが12000個であり、開始基準値が-20000個である場合は、判定用差球数SAとして32000個を導出する。なお、開始基準値は、パチンコ機10の電源ON操作により差球数が「0」クリアされてから今回の処理回の実行時までの期間における最低の差球数SB(差球数SBの最小値)である。
【4732】
MPU312では、導出した判定用差球数SAの情報を非特定制御用のワークエリア393に設けられた判定差球用エリア505dに記憶した後、判定用差球数SAを停止用球数(例えば95000個)から減算し、停止用球数までの残数である残り球数RSを導出する。その後、導出した残り球数RSの情報を非特定制御用のワークエリア393に設けられた残数用エリア505eに記憶するとともに、残り球数RSが0個以下であるか否かを判定する。
【4733】
そして、残り球数RSが0個以下である場合、すなわち、判定用差球数SAが停止用球数に達している場合は、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグを「1」にセットする。このときの差球数SBは75000個である。
【4734】
ここで、主側RAM314には、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392と、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394とが設けられている。MPU312において非特定制御に対応する処理を実行する場合、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては情報の書き込みと情報の読み出しとの両方が可能である一方で、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に対しては情報の読み出しのみが可能とされ、情報の書き込みは不可とされている。そして、遊技の進行を制御するための処理は特定制御に対応する処理に含まれ、上記入球判定から超過判定までの各処理は非特定制御に対応する処理に含まれている。よって、上記入球判定から超過判定までの処理が実行されることにより、遊技の進行を制御するための処理にて利用される情報が書き換えられたり、誤って消去されてしまったりしないようにすることが可能となる。
【4735】
また、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して特定制御に対応する処理がMPU312にて実行される場合、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に対しては情報の書き込みと情報の読み出しとの両方が可能である一方で、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては情報の読み出しのみが可能とされ、情報の書き込みは不可とされている。よって、遊技の進行を制御するための処理の実行に際し、上記各カウンタ502a~502eの値や算出した差球数の情報等が書き換えられたり、誤って消去されてしまったりしないようにすることが可能となる。
【4736】
MPU312では、上記入球判定から超過判定までの各処理を、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(
図404)の一環として実行する。よって、上記周期により差球数SB、判定用差球数SA及び残り球数RSが定期的に算出されつつ、都度の残り球数RSが0個以下となったか否かが判定される。
【4737】
その際、都度の残り球数RSは、主制御装置162に設けられた第1~第5報知用表示装置169a~169eにて表示される。よって、遊技ホールの従業員がパチンコ機10にて管理される残り球数RSの確認を要する場合は、施錠装置55を解錠して内枠13をパチンコ機10の前方側に回動させることにより、それが可能となる。なお、第1~第5報知用表示装置169a~169eには、パチンコ機10にて算出、管理されるベース値も表示され、ベース値の表示と残り球数RSの表示とで第1~第5報知用表示装置169a~169eが兼用される。よって、それらの各表示に対して各別の表示装置を設ける必要がなく、構成の簡略化が実現されるほか、第1~第5報知用表示装置169a~169eの有効活用を図ることができる。
【4738】
また、都度の残り球数RSは主制御装置162から出力される残り球数コマンドを通じて演出制御装置143に通知される。演出制御装置143では、残り球数RSの報知画像が図柄表示装置75に表示されるように制御し、これにより、遊技者に対しても残り球数が報知される。
【4739】
例えば通常遊技状態のように払い出される遊技球の総数が少なく抑えられ、遊技球の合計払出個数よりも合計排出個数の方が上回る状況では差球数が減少することになり、開閉実行モードのように多量の遊技球が払い出され、遊技球の合計排出個数よりも合計払出個数の方が上回る状況では差球数が増加することになる。このような状況の下、想定以上に大当たりが繰り返されるなどし、差球数が大幅に増加して停止用球数に到達すると(
図430(b)のタイミングt2)、MPU312では、前述のとおり超過フラグを「1」にセットし、遊技の進行を不可とする遊技停止状態に移行させる。
【4740】
内部的な大当たり当選確率は一義的に定められているものの、実遊技上の当選確率にはばらつきが生じるため、遊技機設計者の想定を超えて出玉数が伸びることがあり、射幸性の高まりが懸念される。この点、本実施の形態では、都度の残り球数RSを監視し、これが0個以下となることにより、遊技停止状態に移行して遊技継続を不可とするため、賞球を伴う各入球部61~63,65への入球が更に発生することを抑制できる。よって、遊技者が獲得する遊技球の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【4741】
遊技停止状態では、可変入賞装置65及び普電役物63aの閉鎖制御処理を実行してこれらを強制的に閉鎖状態とするとともに、遊技球発射機構110による遊技球の発射を不可とする発射停止処理を実行する。また、特図用表示部43や普図用表示部44にて遊技回の実行中である場合は、それらの進行を制御するための処理を中断することで、それら各遊技回が中止されるようにする。
【4742】
また、MPU312では、演出制御装置143に対して超過コマンドを出力し、残り球数RSが0個以下となったことを演出制御装置143に通知する。演出制御装置143では、残り球数RSが0個以下となったことに対応した報知画像や、例えば「係員を呼んで下さい」などの呼び出しを求める報知画像が図柄表示装置75に表示されるように制御する。なお、残り球数RSが0個以下となって遊技停止状態に移行した場合、MPU312からは遊技停止コマンドが送信されるため、演出制御装置143では、図柄表示装置75における演出表示等を停止させたり、遊技停止中であることの画像報知や音声報知を実行させたりする。
【4743】
さらにまた、MPU312では、外部出力端子213を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHCに対し所定の外部信号を出力する。この際、外部出力端子213において、不正が検知された場合に外部信号が出力される出力端子と同じ端子から、上記外部信号が出力されるようにする。この場合、当該外部信号をパチンコ機10にて何等かの異常が発生したことを通知する信号として機能させ、ホール従業員がパチンコ機10の下に駆け付けるように促す。このように、残り球数RSが0個以下となった場合と不正が検知された場合とで外部出力用の同一端子を兼用して外部信号を出力することで、新たな出力端子を増設しなくても残り球数RSが0個以下となった場合の外部信号を出力することができ、さらには遊技ホールにおいても既存の設備(データカウンタ等の外部信号の受信機器)を利用して当該外部信号を受信することができる。
【4744】
なお、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合は、払出制御装置181に遊技停止コマンドを出力しない。すなわち、払出装置222を駆動して遊技球の払い出しを行わせるための制御処理を継続させ、遊技停止状態中での遊技球の払い出しを許容する(
図431(a))。これにより、払い出しの途中で遊技停止状態に移行した場合でも、遊技球の払い出しが完了するまで払出処理が行われるものとなり、遊技者が本来得られるべき賞球を適切に払い出すことができる。
【4745】
また、残り球数RSが0個以下となった場合は、遊技停止状態下での外部信号の出力を許容しながら遊技停止状態への移行を行い、遊技停止状態で遊技球の払い出しが行われた場合の外部信号(賞球信号)の出力を可能とする。これにより、遊技停止中での払い出しの発生やその個数をホールコンピュータHCに通知することができ、遊技停止状態下で払い出しが実行され得る構成であっても、ホールコンピュータHCが管理する払出個数と実際に払い出された個数とを好適に整合させることが可能になる。
【4746】
ちなみに遊技停止状態には、残り球数RSが0個以下となった場合のほか、磁気や振動等の異常を検知した場合も移行する(
図431(a))。この場合は、払出制御装置181に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置222による遊技球の払出を停止させる。これにより、遊技球を不正に払い出させる行為が行われていた場合には、それ以上の遊技球の払い出しを即座に規制し、遊技ホールの損害が拡大することを抑制する。
【4747】
また、磁気や振動等の異常を検知した場合は外部信号の出力も規制する。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、遊技停止中の外部出力の出力を許容する構成としてもよい。
【4748】
残り球数RSが0個以下となり上記所定の外部信号が出力された後、例えば、パチンコ機10の下に駆け付けたホール従業員によって、パチンコ機10の電源OFF操作が行われてMPU312への動作電力の供給が停止されると、MPU312では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットし、さらに特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392を対象としてチェックサムの算出及び保存を行う。動作電力の供給が停止されている間は、電源及び発射制御装置191からバックアップ電力を主側RAM314に供給し、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392に記憶された情報と非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394とに記憶された情報とを保持する。
【4749】
その後、例えば、ホール従業員により、リセットボタン166cがON操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われると、MPU312では、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392についてチェックサムを算出し、これと電源遮断時に保存したチェックサムとが一致するか否かを判定する。
【4750】
それらが一致する場合は、記憶保持した情報を有効なものであると認識し、その後、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグが「1」にセットされている否かを判定する。超過フラグが「1」にセットされている場合は、残り球数RSが0個以下となっている状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われたことを意味する。この場合は、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392について第2初期化処理を実行する。第2初期化処理では、遊技停止状態であることを特定するためのエリア(遊技停止フラグが設定されるエリア)と、払出制御装置181(払出装置222)に賞球の払い出しを行わせるための賞球情報が記憶されたエリアとを除き、特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする(
図431(b))。
【4751】
第2初期化処理により特定制御用のワークエリア391の情報が消去されることで、抽選モードが低確率モードとされるとともに、開閉実行モードや遊技回が実行されておらず、さらには特図保留情報及び普図保留情報が消去された状態となる。よって、例えば、高確モードにて大当たりが連荘している途中で残り球数RSが0個以下となった場合は、その連荘状態が解除され、当否抽選モードが低確率モードに変更された上で遊技の再開が行われることになる。
【4752】
その一方で第2初期化処理では、遊技停止フラグの情報をクリア処理の対象外とするため、遊技停止状態で電断状態が発生した際、電源投入後においても遊技停止状態が引き継がれる。また、第2初期化処理では、賞球情報をクリア処理の対象外とし、電源遮断時における賞球情報の状態が電源投入後においても引き継がれる。このため、未払い出しの賞球が残存している状況でパチンコ機10の電源OFF操作が行われることがあっても、その後、電源ON操作が行われることで、続きの払い出しを行わせることができる。
【4753】
上記第2初期化処理の後、MPU312では非特定制御用のワークエリア393について第1部分クリア用処理を実行する。第1部分クリア用処理では、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505に記憶された差球数の情報を消去し、さらに、上記ワークエリア393において各入球部61~63,65,68への遊技球の入球履歴を収集するために設けられた各カウンタ502a~502eの値を初期化する。このため、残り球数RSが0個以下となった状態でホール従業員によりパチンコ機10が再起動された場合は、差球数の計測が初期状態から開始される状態でパチンコ機10が立ち上がる。
【4754】
上記に対し、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合は、MPU312において第1初期化処理を実行し、主側RAM314の特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする。これに伴い、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグが「0」クリアされ、遊技停状態が解除される(
図431(b))。
【4755】
併せて、MPU312において第2部分クリア用処理を実行し、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグを「0」クリアする。これにより、差球数の超過状態(判定用差球数SAが停止用球数以上となった状態)が解除される(
図431(b))。
【4756】
リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合も、MPU312において第1部分クリア用処理を実行し、差球数に関する情報を初期化するため、差球数の計測が初期状態から開始される状態でパチンコ機10が立ち上がる。
【4757】
なお、残り球数RSが1個以上の状態(超過フラグが「1」にセットされていない状態)で、リセットボタン166cがON操作されずにパチンコ機10の電源ON操作が行われた場合は、上記第2初期化処理を実行しない。このため、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392について、電源遮断時に記憶されていた情報がそのまま保持された状態となる(
図431(b))。
【4758】
その一方で、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に対しては第1部分用クリア処理を実行し、差球数の情報を消去するとともに、各カウンタ502a~502eの値や超過フラグの状態を初期化する。これにより、遊技ホールの閉店に伴うパチンコ機10の電源OFF操作と、翌日の開店に伴うパチンコ機10の電源ON操作とが行われるだけで、前日の遊技により更新された各カウンタ502a~502eの値を初期化させたり、差球数の情報を消去させたりすることができる。
【4759】
例えば、各カウンタ502a~502eの初期化や差球数の情報の消去に、リセットボタン166cをON操作しながらパチンコ機10の電源ON操作を行うリセット操作を要する場合は、遊技ホールに設置された各パチンコ機について1台ずつリセット操作を行わなければならず、開店準備に際してのホール従業員の手間が大幅に増大するおそれがある。この点、上記構成であることで、そのような手間を無くすことができ、ホール従業員の作業負担を軽くすることができる。一般に遊技ホールでは、複数台のパチンコ機10が設置された島設備の電源を投入することで、それら複数台のパチンコ機10の電源を一括して投入することが可能となっている。このため、島設備の電源ON操作により、差球数の情報の消去等を複数台のパチンコ機10に対してまとめて行うことができ、遊技ホールでの開店準備の手間を好適に削減することが可能になる。
【4760】
また、残り球数RSが1個以上の状態(超過フラグが「1」にセットされていない状態)で、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合は、上記第1初期化処理を実行する。第1初期化処理では、特定制御用のワークエリア391を「0」クリアする(
図431(b))。また、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394について部分用クリア処理を実行し、非特定制御用のワークエリア393における差球数用エリア505に記憶された差球数の情報を消去するとともに、各カウンタ502a~502eの値や超過フラグの状態を初期化する。
【4761】
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
本実施の形態に係る演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、
図432のブロック図を参照して以下に説明する。
【4762】
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したサブ側ROM343と、そのサブ側ROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるサブ側RAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【4763】
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、変動用コマンド、種別コマンドといった遊技回制御用コマンドや、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
【4764】
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
【4765】
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
【4766】
なお、電断状態が発生した場合において、主制御装置162(主側RAM314)に対してはデータ保持用の電断時電力が供給され、これによって主側RAM314に記憶された各種情報が電断状態である間も記憶保持されるが、演出制御装置143(サブ側RAM344)には上記電断時電力が供給されない。このため、電断状態が発生すると、サブ側RAM344に記憶されている各種情報(例えば、主制御装置162から受信したコマンド情報や、遊技演出や各種報知を行ったりするの設定情報等)は全て消去されることになる。
【4767】
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
【4768】
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
【4769】
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
【4770】
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
【4771】
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
【4772】
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
【4773】
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
【4774】
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
【4775】
なお、表示制御装置350に対しても演出制御装置143と同様に、電断時における電断時電力の供給はなされない。このため、電断状態が発生すると、ワークRAM374等に記憶されている情報は全て消去されることになる。
【4776】
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
【4777】
<演出設定処理>
演出設定処理について
図433のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
【4778】
先ずステップSn2801ではコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、主制御装置162から送信されたコマンドを解析し、その結果に対応した処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。
【4779】
なお、主制御装置162から受信する各種コマンドは、演出制御装置143のサブ側RAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
【4780】
ステップSn2802では、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
【4781】
ステップSn2803では、開閉実行モード中の演出を行うための開閉実行モード用処理を実行する。開閉実行モード用処理では、開閉実行モード中のラウンド演出のほか、オープニング演出やエンディング演出、可変入賞装置65への入賞が発生した場合の入賞時演出等を行うための処理を実行する。
【4782】
ステップSn2804では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り換え等を行うための処理を実行する。
【4783】
<特図変動表示用処理>
ステップSn2802の特図変動表示用処理について
図434のフローチャートを参照しながら説明する。
【4784】
特図変動表示用処理では先ずステップSn2901にて、特図遊技回の実行中であるか否かを判定する。特図遊技回の実行中でない場合は、ステップSn2902に進み、主制御装置162から変動用コマンド(
図406のステップSn412)を受信しているか否かを判定する。この判定は、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアに変動用コマンドが格納されているか否かを判定することで行う。
【4785】
変動用コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動用処理を終了する。一方、変動用コマンドを受信している場合は、図柄表示装置75での遊技回演出(各図柄列Z1~Z3の変動表示等)を開始すべく、ステップSn2903の変動開始用処理を実行し、その後、特図変動用処理を終了する。ここで、ステップSn2903の変動開始用処理について
図435のフローチャートを参照して説明する。
【4786】
変動開始用処理では先ずステップSn3101にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから変動表示時間の情報(変動パターン情報)を特定する。なお、主制御装置162では、大当たり用の変動パターン情報と外れ用の変動パターン情報とが各別に設定されるため、演出制御装置143では、変動用コマンドを解析して変動パターン情報を特定することで、大当たりの有無を把握することができる。その結果、今回の特図遊技回が大当たり結果である場合は、主制御装置162から送信される種別コマンドに基づき、大当たり種別の情報を特定する。また、ステップSn3101では、特定した変動表示時間の情報(変動パターン情報)からリーチ発生の有無を特定する。
【4787】
ステップSn3102では、ステップSn3101にて把握した情報に基づいて、今回の特図遊技回の当否抽選結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合は、ステップSn3103に進み、大当たり用の停止結果設定処理を実行する。本ステップでは、上記ステップSn3101で把握した大当たり種別の情報に基づき、図柄表示装置75にて変動表示される図柄列Z1~Z3の停止結果を設定する。例えば、把握した大当たり種別が確変大当たり結果である場合は、図柄列Z1~Z3において同一の確変図柄の組み合わせが停止表示されるように上記停止結果を設定する。
【4788】
ステップSn3104では、大当たり用の演出設定処理を実行する。大当たり用の演出設定処理では、今回実行する遊技回の変動表示時間を参照し、ノーマルリーチやスーパーリーチ等の当たり用の演出パターンを設定する処理を実行する。
【4789】
ステップSn3102で否定判定した場合(大当たり結果でない場合)は、今回の特図遊技回の当否抽選結果が外れ結果であることを意味する。この場合はステップSn3105に進み、今回の特図遊技回にてリーチが発生するか否かを判定する。リーチが発生する場合はステップSn3106に進み、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果設定処理では、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を今回の停止結果として設定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。
【4790】
ステップSn3107では、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。当該処理では、今回実行する遊技回の変動表示時間を参照し、ノーマルリーチやスーパーリーチ等の外れリーチ用の演出パターンを設定する処理を実行する。
【4791】
ステップSn3105で否定判定した場合(リーチが発生しない場合)は、ステップSn3108に進み、完全外れ用の停止結果設定処理を実行する。完全外れ用の停止結果設定処理では、いずれの有効ラインL1~L5上にも当たり結果に対応する図柄組合せを停止させず、また外れリーチ図柄の組合せも停止させないように、今回の停止結果を設定する。続くステップSn3109では、リーチ非発生の完全外れ用の演出パターンを設定する完全外れ用の演出設定処理を実行する。
【4792】
ステップSn3104、ステップSn3107又はステップSn3109の処理を実行した後は、ステップSn3110に進み、上記決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止図柄コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置350へ出力する処理を実行する。表示制御装置350では、受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、ステップSn3104、ステップSn3107又はステップSn3109で設定された遊技回用演出が実行されるように図柄表示装置75を制御する。
【4793】
ステップSn3111では遊技回演出の開始処理を実行する。遊技回演出の開始処理では、上記決定した演出パターンに基づいてスピーカ部29を駆動制御する。ステップSn3111の実行後は変動開始用処理を終了する。
【4794】
特図変動表示用処理(
図434)の説明に戻り、ステップSn2901で肯定判定した場合(特図遊技回の実行中である場合)は、ステップSn2904に進み、変動表示時間が経過したか否かを判定する。この判定は、特図遊技回を開始(又は変動用コマンドを受信)してからの経過時間をMPU342で計測(把握)し、当該経過時間が上記ステップSn2901で特定した変動表示時間に達したか否かを判定することにより行う。
【4795】
変動表示時間が経過していない場合は、ステップSn2905にて変動中用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
【4796】
ステップSn2904で肯定判定した場合(変動表示時間が経過している場合)は、ステップSn2906にて変動終了用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる。また、ステップSn2906では、主制御装置162で設定された確定表示時間にて各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させるように制御する。
【4797】
<コマンド対応処理>
ステップSn2801のコマンド対応処理について
図436のフローチャートを参照しながら説明する。
【4798】
コマンド対応処理では先ずステップSn3201にて、主制御装置162からの残り球数コマンド(
図421のステップSn1810)を受信しているか否かを判定する。残り球数コマンドは、主制御装置162にて残り球数RS(停止用球数である95000個までの残り球数)が更新された場合に送信されるものであり、残り球数コマンドには上記残り球数RSの情報が含まれる。
【4799】
残り球数コマンドを受信している場合は、ステップSn3202にて第1停止予告用処理を実行する。前述のとおり、本実施の形態では、残り球数RSが0個以下になることに基づいて遊技停止状態に移行するところ、ステップSn3202の第1停止予告用処理は、遊技停止状態への移行を事前に伝える報知(第1停止予告用報知)を実行するためのものである。
【4800】
ここで、ステップSn3202の第1停止予告用処理について
図437のフローチャートを参照しながら説明する。
【4801】
第1停止予告用処理では先ずステップSn3301にて、受信した残り球数コマンドに基づいて現在の残り球数RSを把握する。また、ステップSn3301では、把握した現在の残り球数RSの情報をサブ側RAM344の差球数用エリア344dに記憶する。
【4802】
ステップSn3302では、サブ側RAM344の各種フラグ格納エリア344cに第1停止予告フラグがセットされているか否かを判定する。第1停止予告フラグは、第1停止予告用報知の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
【4803】
第1停止予告フラグがセットされていない場合、すなわち、第1停止予告用報知の実行中でない場合は、ステップSn3303に進み、ステップSn3301で把握した残り球数RSが報知開始球数以下であるか否かを判定する。報知開始球数は、第1停止予告用報知を開始するか否かを振り分けるための基準値として予め定められるものであり、例えば7000個に設定されている。
【4804】
残り球数RSが報知開始球数(7000個)以下である場合は、ステップSn3304に進み、第1停止予告用報知を開始するための開始設定処理を実行する。ここで、第1停止予告用報知について
図438を参照しながら説明する。
【4805】
第1停止予告用報知は、差球数の増加(出玉の獲得)が継続した場合に遊技停止状態に移行する可能性があることを報知するものであり、換言すれば、遊技停止状態への移行に先立って当該移行の実施を事前報知するものである。第1停止予告用報知では、遊技停止状態に移行するまでの残り球数(許容される増加分)を遊技者が認識できる態様で遊技停止状態への移行示唆が行われる。第1停止予告用報知は、例えば、図柄表示装置75の表示画面Gにて実行され、その際、表示画面Gには、
図438(a)、(b)に示すように、例えば、「この台は、あと約7000発の獲得で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像901が表示される。
【4806】
このメッセージ画像901は遊技停止状態に移行するまで継続して表示される。その際、実際の残り球数(残り球数RS)の変化に応じて表示上の残り球数がリアルタイムに変化するのではなく、所定の更新タイミングが到来する都度、表示上の残り球数が変化するようにしてメッセージ画像901が表示される。つまり、メッセージ画像901により残り球数として約7000個が報知された後は、更新タイミングが到来するまで当該個数が継続して報知される。
【4807】
残り球数RSが報知開始球数以下となる状況としては、開閉実行モード中ではない場合と開閉実行モード中である場合とがあるが、前者の状況で残り球数RSが報知開始球数以下となった場合は、ステップSn3304の開始設定処理にて、第1停止予告用報知が特図遊技回の開始に合わせて開始されるように設定する。残り球数RSは、作動口62,63や一般入賞口61等への入賞発生を契機として更新されるため(
図421)、特図遊技回とは非同期に変化し、特図遊技回の途中で報知開始球数以下の球数に変化する場合が多いが、第1停止予告用報知の開始は、次の特図遊技回の開始を待って行う。すなわち、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回の終了後、その次の特図遊技回が開始されるタイミングに合わせて第1停止予告用報知が開始されるように設定する。
【4808】
このように、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回では第1停止予告用報知を開始せず、次の特図遊技回にて第1停止予告用報知を開始する構成とすることで、遊技者が特図遊技回での図柄遊技に注目している状況で第1停止予告用報知が開始されることが抑制される。これにより、遊技者が図柄遊技に注目していることで第1停止予告用報知を見落としたり、逆に第1停止予告用報知の開始に気を取られて図柄遊技への注目度が低下したりすることを抑制できる。
【4809】
なお、第1停止予告用報知の開始は、必ずしも特図遊技回の開始と同時である必要はなく、次の特図遊技回における変動表示開始タイミングから所定期間(例えば0.5sec)の経過後の所定タイミングにて行われてもよい。その際、図柄列Z1~Z3の全てが変動表示されている状況(好ましくは高速変動されている状況)で第1停止予告用報知が開始されるとよい。全ての図柄列Z1~Z3が変動表示中である場合は、それら図柄列を構成する各図柄の視認性が低い状態にあると想定されるため、そのような状況下であれば第1停止予告用報知を開始しても、図柄遊技への注目度が低下したり、第1停止予告用報知の見落としが生じたりする可能性を低く抑えられると考えられるためである。
【4810】
特図遊技回が実行される中での第1停止予告用報知は、例えば、
図438(a)に示すように、表示画面Gの右上隅部にメッセージ画像901が表示されるようにして行われる。この際、メッセージ画像901の表示領域と図柄列Z1~Z3の変動表示領域とを重複させつつ、図柄列Z1~Z3よりも奥側にメッセージ画像901が表示されるように設定される。
【4811】
このため、メッセージ画像901が表示されている状態で図柄列Z1~Z3が変動表示される場合は、メッセージ画像901の手前側を図柄列Z1~Z3が通過するように表示される。これにより、メッセージ画像901により図柄列Z1~Z3の表示領域が狭められたり、図柄列Z1~Z3が隠されたりすることを抑制しながら、メッセージ画像901の表示領域を好適に確保することができる。
【4812】
また、表示画面Gの下部では保留表示部200が表示されるが、メッセージ画像901の表示に際しては、メッセージ画像901が保留表示部200と重なることがないように、メッセージ画像901の表示サイズや表示位置が設定される。このように保留表示部200との重なりを避けてメッセージ画像901を表示することで、メッセージ画像901により保留表示部200の視認性が低下したり、逆に保留表示部200によりメッセージ画像901の視認性が低下したりすることを抑制できる。
【4813】
開閉実行モード中である状況で残り球数RSが報知開始球数以下となった場合は、ステップSn3304の開始設定処理にて、可変入賞装置65が閉鎖されている状況で第1停止予告用報知が開始されるように設定する。具体的には、
図438(c)に示すように、開閉実行モードのエンディング期間においてメッセージ画像901の表示が開始されるようにする。
【4814】
このため、開閉実行モードでのラウンド遊技において、開放状態とされている可変入賞装置65に遊技球が入賞し、それに伴って残り球数RSが報知開始球数以下となった場合は、そのラウンド遊技にて直ちにメッセージ画像901が表示されるのではなく、エンディング期間になるのを待ってメッセージ画像901が表示されることになる。このような構成であることで、可変入賞装置65への入賞が生じ得る状況でメッセージ画像901が表示されることが抑制され、可変入賞装置65への入賞を果たすことに遊技者を集中させやすくすることができる。
【4815】
なお、残り球数RSが報知開始球数に到達しない開閉実行モードのエンディング期間において、所定のエンディング用報知(遊技球の払い出し総数や連荘回数等の遊技実績の表示、開閉実行モードの終了を遊技者が認識可能なキャラクタ画像や背景画像の表示等)を実行するパチンコ機にあっては、エンディング期間にてメッセージ画像901を表示する場合、上記所定のエンディング用報知を開始してからメッセージ画像901の表示を開始するとよい。この場合、遊技者に対し、普段から行われる所定のエンディング用報知により開閉実行モードが終了したことを認識させてからメッセージ画像901による第1停止予告用報知を開始することができ、遊技者を心理的に落ち着かせた状態でメッセージ画像901を見せることが可能になる。
【4816】
上記の際、所定のエンディング用報知の実行中にメッセージ画像901の表示が開始されてもよいし、所定のエンディング用報知の終了後にメッセージ画像901の表示が開始されてもよい。また、メッセージ画像901の表示期間を確保すべく、残り球数RSが報知開始球数に到達した場合の開閉実行モードのエンディング期間を、残り球数RSが報知開始球数に到達しない場合の開閉実行モードのエンディング期間よりも長くしてもよい。
【4817】
また、エンディング期間にてメッセージ画像901を表示する場合において、その表示位置は特に限定されるものではないが、例えば、開閉実行モード中ではない場合と同様に表示画面Gの右上隅部に設定することができる。この際、所定のエンディング用報知とメッセージ画像901の表示とを重複して実行する場合は、エンディング用報知に対応した画像よりも手前側にメッセージ画像901が表示されるようにすることが好ましい。これにより、メッセージ画像901の視認性を高めることができる。
【4818】
ステップSn3304の第1停止予告用報知の開始設定処理を実行した後は、ステップSn3305にて、サブ側RAM344の各種フラグ格納エリア344cに第1停止予告フラグをセットし、その後、第1停止予告用処理を終了する。また、ステップSn3303で否定判定した場合(残り球数RSが報知開始球数に達していない場合)は、第1停止予告用報知を開始しないとして、ステップSn3304及びステップSn3305の処理を実行することなく第1停止予告用処理を終了する。
【4819】
ステップSn3302で肯定判定した場合(第1停止予告フラグがセットされており、第1停止予告用報知の実行中である場合)は、ステップSn3306に進み、ステップSn3301で把握した残り球数RSが報知終了球数以上であるか否かを判定する。報知終了球数は、第1停止予告用報知を終了するか否かを振り分けるための基準値として予め定められるものであり、例えば、報知開始球数と同様に7000個に設定されている。
【4820】
ステップSn3306で肯定判定した場合(残り球数RSが報知終了球数に達してない場合)は、第1停止予告用報知の実行を継続する。この場合は、ステップSn3307に進み、第1停止予告用報知の更新タイミングであるか否かを判定する。第1停止予告用報知の更新タイミングである場合は、ステップSn3308にて第1停止予告用報知の更新処理を実行する。当該更新処理では、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)にて示されている残り球数を更新するための設定処理を行う。ここで、第1停止予告用報知の更新内容及び更新タイミングについて
図439を参照しながら説明する。
【4821】
第1停止予告用報知の更新は、残り球数RSに応じて更新単位(更新間隔)が変化するようにして行われる。具体的には、残り球数RSが7000個以下となることに基づいて第1停止予告用報知が開始された後、残り球数RSが7000個以下、6000個以下、5000個以下・・・2000個以下、1000個以下、900個以下、800個以下・・・400個以下、350個以下となるタイミングで第1停止予告用報知が更新されるものとなっている。すなわち、残り球数RSが7000個から1000個までの範囲では1000個単位で更新タイミングが到来し、残り球数RSが900個から400個までの範囲では100個単位で更新タイミングが到来し、残り球数RSが350個から0個までの範囲では1個単位で更新タイミングが到来するように設定されている。つまり、残り球数RSが少なくなるほど更新単位が小さく(更新間隔が短く)なるように構成されている。
【4822】
なお、残り球数RSは特図遊技回とは非同期に変化するため、特図遊技回の途中で第1停止予告用報知の更新タイミングが到来する場合が多くなるが、第1停止予告用報知の更新は、第1停止予告用報知の開始時と同様に、次の特図遊技回が開始されるのを待って実行する。すなわち、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回の終了後、その次の特図遊技回が開始されるタイミングに合わせて第1停止予告用報知が更新されるように設定する。
【4823】
但し、第1停止予告用報知の更新は、必ずしも特図遊技回の開始と同時である必要はなく、次の特図遊技回における変動表示開始タイミングから所定期間(例えば0.5sec)の経過後の所定タイミングにて行われてもよい。その際、図柄列Z1~Z3の全てが変動表示されている状況(好ましくは高速変動されている状況)で第1停止予告用報知が開始されるとよい。
【4824】
第1停止予告用処理(
図437)の説明に戻り、ステップSn3308の実行後は第1停止予告用処理を終了する。また、ステップSn3307で否定判定した場合(更新タイミングでない場合)は、第1停止予告用報知を更新しないとして、ステップSn3308の処理を実行せずに第1停止予告用処理を終了する。
【4825】
ステップSn3306で肯定判定した場合(残り球数RSが報知終了球数以上)となった場合は、第1停止予告用報知の開始後、例えば通常遊技状態に移行するなどして差球数が減少し、残り球数RSが一定以上増えたことを意味する。この場合はステップSn3309にて、第1停止予告用報知を終了するための終了設定処理を実行し、その後、第1停止予告用処理を終了する。
【4826】
終了設定処理では、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)が消去(非表示化)されるように設定し、また、上記各種フラグ格納エリア344cにセットされている第1停止予告フラグをクリアする。なお、第1停止予告用報知の終了タイミングは特に限定されるものではなく、残り球数RSが報知終了球数以上となったタイミング(特図遊技回の途中タイミング)であってもよいし、次の特図遊技回が開始されてからのタイミングであってもよい。
【4827】
コマンド対応処理(
図436)の説明に戻り、ステップSn3202の第1停止予告用処理の実行後は、ステップSn3203にて第2停止予告用処理を実行する。第2停止予告用処理は、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になり、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行する場合において、遊技停止状態への移行を事前に伝える報知(第2停止予告用報知)を実行するためのものである。ここで、ステップSn3203の第2停止予告用処理について
図440のフローチャートを参照しながら説明する。
【4828】
第2停止予告用処理では先ずステップSn3401にて、サブ側RAM344の各種フラグ格納エリア344cに第1停止予告フラグがセットされているか否かを判定する。第1停止予告フラグがセットされている場合、すなわち、残り球数RSが報知開始球数(例えば7000個)以下となっている場合は、ステップSn3402に進み、開閉実行モードのオープニング中又は開閉実行モード中であるか否かを判定する。
【4829】
オープニング中又は開閉実行モード中である場合は、ステップSn3403に進み、その開閉実行モードでの獲得期待数(獲得出玉数の予測値)を導出する。獲得期待数は、可変入賞装置65への遊技球の入賞に基づく賞球の付与数(払出数)を踏まえて導出し、具体的には、「1ラウンド分の払出予定数(可変入賞装置65の上限入賞個数×可変入賞装置65の賞球数)」×「残りのラウンド数」により導出する。例えば、今回の開閉実行モードが10R大当たり結果に対応するものであり、そのオープニング中である場合は、10個(可変入賞装置65の上限入賞個数)×10個(可変入賞装置65の賞球数)×10R(残りのラウンド数)により、獲得期待数として1000個を導出する。
【4830】
なお、獲得期待数は、必ずしも演算により導出する必要はなく、例えば、10R大当たりに1000個が対応し、4R大当たりに400個が対応するように、各大当たり種別に対応させて獲得期待数が規定(記憶)された獲得期待数テーブルをサブ側ROM343に備え、今回の大当たり種別に対応する獲得期待数を当該テーブルから読み出すものであってもよい。
【4831】
ステップSn3404では、ステップSn3301で把握した残り球数RS(現在の残り球数)からステップSn3403で導出した獲得期待数を減算する。続くステップSn3405では、上記減算の結果に基づき、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になるか否か(判定用差球数SAが停止用球数を超過するか否か)を判定する。具体的には、ステップSn3404で導出した減算値が0個以下であるか否かを判定し、減算値が0以下である場合は開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になると判定し、減算値が0より大きい場合は開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならないと判定する。
【4832】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になる場合は、ステップSn3406に進み、第2停止予告用報知を開始するための開始設定処理を実行する。ここで、第2停止予告用報知について
図441を参照しながら説明する。
【4833】
第2停止予告用報知は、第1停止予告用報知と同じく、差球数の増加(出玉の獲得)が継続した場合に遊技停止状態に移行する可能性があることを報知するものであるが、その報知態様が第1停止予告用報知と異なっている。詳しくは、第1停止予告用報知では、遊技停止状態に移行するまでの残り球数(許容される増加分)を遊技者が認識できる態様で報知が行われるが、第2停止予告用報知では、遊技停止状態に移行するまでの残り球数が認識不可又は認識困難とされた上で、開閉実行モードの終了に対応して遊技停止状態に移行することが示されるようにして報知が行われる。第2停止予告用報知は、例えば、図柄表示装置75の表示画面Gにて実行され、その際、表示画面Gには、
図441(a)、(b)に示すように、例えば「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が表示される。
【4834】
ステップSn3406の開始設定処理では、第2停止予告用報知が開始されるように設定する。その際、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になるとオープニング中に判定された場合は、当該オープニングの終了前に第2停止予告用報知(メッセージ画像902の表示)が開始されるように設定し、上記判定がラウンド遊技中に行われた場合は、当該ラウンド遊技の終了前に第2停止予告用報知が開始されるように設定する。
【4835】
上記のようにしてメッセージ画像902の表示が開始された場合、当該画像902は遊技停止状態に移行するまで継続して表示される。この際、メッセージ画像902の表示位置は特に限定されるものではないが、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技であるかを示すラウンド数画像903と重ならない位置に設定するとよい。例えば、
図441(a)に示すように、ラウンド数画像903が表示画面Gの右上部に表示される場合であれば、表示画面Gの右側においてラウンド数画像903の下方にメッセージ画像902が表示される構成とすることができる。このようにラウンド数画像903との重なりを避けてメッセージ画像902を表示することで、ラウンド数画像903によりメッセージ画像902の視認性が低下したり、逆にメッセージ画像902によりラウンド数画像903の視認性が低下したりすることを抑制できる。
【4836】
第2停止予告用報知が開始される際、表示画面Gでは第1停止予告用報知(メッセージ画像901の表示)が実行されているが、この第1停止予告用報知は、第2停止予告用報知が開始された後も継続して実行される。すなわち、第2停止予告用報知の開始後は、第1停止予告用報知と第2停止予告用報知との両方が実行されることになる。このような構成であることで、開閉実行モードの終了により遊技停止に移行することを第2停止予告用報知を通じて事前報知する上で、既に残り球数RSが0個になっていることを遊技者に分かりやすく伝えることができる。
【4837】
その際、第1停止予告用報知では、残り球数RSが0個になったこと(判定用差球数SAが停止用球数になったこと)の報知が行われる。例えば、「この台はあと0発の獲得で遊技停止します。」や「獲得球数が95000個に達しました。」などの文字が付されたメッセージ画像901が表示される。第2停止予告用報知の開始後も開閉実行モードの残り期間にて可変入賞装置65への入賞が発生することにより、獲得球数が増加することになるが、第1停止予告用報知にはそれが反映されず(メッセージ画像901の表示内容が更新されず)、残り球数RSが0個になったことを示す態様(例えば「この台はあと0発の獲得で遊技停止します。」の文字表示がなされた状態)が維持される。例えば、メッセージ画像901により報知される残り球数がマイナス表示になったりすると、遊技者に対して不自然な印象を与えるおそれがあるが、上記のような構成であることにより、そのような不都合の発生を抑制することができる。
【4838】
なお、第1停止予告用報知は、第2停止予告用報知と同様に、遊技停止状態に移行するまで継続して実行される。
【4839】
ステップSn3406の第2停止予告用報知の開始設定処理を実行した後は、ステップSn3407にて、上記各種フラグ格納エリア344cに第2停止予告フラグをセットする。第2停止予告フラグは、第2停止予告用報知の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
【4840】
ステップSn3407の実行後は第2停止予告用処理を終了する。また、ステップSn3401で否定判定した場合(第1停止予告フラグがセットされていない場合)は、今回の開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になることがないため、ステップSn3402以降の処理を実行せずに第2停止予告用処理を終了する。また、ステップSn3405で否定判定した場合(開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下にならない場合)は、第2停止予告用報知を開始しないとして、ステップSn3406以降の処理を実行せずに第2停止予告用処理を終了する。
【4841】
コマンド対応処理(
図436)の説明に戻り、ステップSn3203の実行後又はステップSn3201で否定判定した場合(残り球数コマンドを受信していない場合)は、ステップSn3204にて、主制御装置162からの超過コマンドを受信しているか否かを判定する。超過コマンドは、残り球数RSが0個以下になったことを示すものである。この超過コマンドは、開閉実行モード中でない場合は残り球数RSが0個以下になったタイミングで送信され(
図421のステップSn1814)、開閉実行モード中である場合は開閉実行モードの終了タイミングで送信される(
図421のステップSn1820)。
【4842】
超過コマンドを受信している場合は、ステップSn3205に進み、停止予告用報知の終了設定処理を実行する。この場合、第1停止予告用報知の実行中であれば、第1停止予告用報知を終了するように設定するとともに、サブ側RAM344の各種フラグ格納エリア344cにセットされている第1停止予告フラグをクリアする。また、第2停止予告用報知の実行中であれば、第2停止予告用報知を終了するように設定するとともに、上記各種フラグ格納エリア344cにセットされている第2停止予告フラグをクリアする。
【4843】
ステップSn3206では、超過用報知を開始するための設定処理を実行する。超過用報知は、差球数が停止用球数に到達したこと(残り球数が0個以下になったこと)を報知するものであり、ステップSn3206の設定処理では、当該超過用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。具体的には、
図442(a)に示すように、例えば「差球数が上限値に到達しました。遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像905が表示画面Gに表示されるように設定する。
【4844】
ステップSn3206の実行後又はステップSn3204で否定判定した場合(超過コマンドを受信していない場合)は、ステップSn3207にて、主制御装置162からの遊技停止コマンドを受信しているか否かを判定する。遊技停止コマンドは、遊技停止状態に移行した場合に送信されるものである(
図426のステップSn2106、ステップSn2112)。
【4845】
遊技停止コマンドを受信している場合は、ステップSn3208に進み、停止用報知を開始するための設定処理を実行する。停止用報知は、遊技停止状態であることを報知するものであり、ステップSn3208の設定処理では、当該停止用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行されるように設定する。具体的には、
図442(b)に示すように、例えば「遊技停止中です。係員を読んで下さい。ハンドルから手を離して下さい。」等の文字が付されたメッセージ画像906が表示画面Gに表示されるように設定する。
【4846】
この際、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行した場合と、不正検知を契機として遊技停止状態に移行した場合とで、停止用用報知の報知態様を異ならせるとよい。例えば、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行した場合は、
図442(b)に示すように、表示画面Gでの背景画像907aをシンプルな態様(例えば青色の単色表示)で表示した上で、上記メッセージ画像906を表示する一方、不正検知を契機として遊技停止状態に移行した場合は、
図442(c)に示すように、表示画面Gでの背景画像907bを派手で目立ちやすい態様(例えば点滅表示)を表示した上で、上記メッセージ画像906を表示するようにしてもよい。
【4847】
残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行する場合において、そのことが周囲の遊技者に広く知らしめられると、それらの遊技者の射幸心が煽られる結果を招くおそれがある。そのような意味では、かかる場合の停止用報知を目立ちにくい態様で行うことで、残り球数RSが0個以下になったこと(差球数が停止用球数に到達したこと)が周囲の遊技者に対して過剰にアピールされることを抑制できる。その一方で、不正検知を契機として遊技停止状態に移行した場合は、停止用報知を目立ちやすい態様で行うことで、不正行為が疑われる異常が検知されたことに周囲の遊技者が気付きやすくすることができ、不正行為の早期発見や不正行為の抑止に寄与することが可能になる。
【4848】
なお、報知態様の相違は、音声報知を利用するものであってもよい。例えば、不正検知を契機として遊技停止状態に移行した場合は、停止用報知として、背景画像907bやメッセージ画像906の表示とともに、所定の音声報知を出力する一方、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行する場合は、停止用報知として、背景画像907aやメッセージ画像906の表示だけを行って音声報知を出力しないようにしたり、不正検知の場合よりも小さい音量で音声報知を出力するようにしたりしてもよい。
【4849】
ちなみに、上記の例では、残り球数RSが0個以下になった場合と不正検知がなされた場合とで、共通のメッセージ画像906を表示するが、これに限定されるものではなく、遊技停止状態への移行や遊技停止状態であることを遊技者が認識できるものであれば、両者の場合で異なる態様の表示が行われてもよい。また、音声報知についても両者の場合で必ずしも同じである必要はなく、異なる態様の音声報知が行われてもよい。
【4850】
ステップSn3208の実行後又はステップSn3207で否定判定した場合(遊技停止コマンドを受信していない場合)は、ステップSn3209にて、主制御装置162からの復電用コマンドを受信しているか否かを判定する。復電用コマンドは、電断状態の発生後、復電した場合に送信されるものである。復電用コマンドを受信している場合は、ステップSn3210に進み、復電用コマンド対応処理を実行する。復電用コマンド対応処理は、復電したことに対応する報知である復電用報知を実行するためのものである。復電用コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSn3210の実行後又はステップSn3209で否定判定した場合(復電用コマンドを受信していない場合)は、コマンド対応処理を終了する。
【4851】
<復電用コマンド対応処理>
ステップSn3210の復電用コマンド対応処理について
図443のフローチャートを参照しながら説明する。
【4852】
復電用コマンド対応処理では先ずステップSn3601にて、主制御装置162からの第1復電用コマンド(
図429のステップSn2504)を受信しているか否かを判定する。第1復電用コマンドは、不正検知(振動や磁気等の検知)がなされていない状況で電断が発生し、その後に復電した場合に、主制御装置162から送信されるものである。
【4853】
第1復電用コマンドを受信している場合は、ステップSn3602にて、主制御装置162からの第1差球用コマンド(
図429のステップSn2503)を受信しているか否かを判定する。第1復電用コマンドと第1差球用コマンドとを受信している場合は、残り球数RSが1個以上の状態(判定用差球数SAが停止用球数に到達していない状態)で電断が発生し、その後に復電した状態であることを意味する。この場合は、ステップSn3603に進み、第1復電用報知を実行するための設定処理を行う。
【4854】
パチンコ機10では、電源OFF状態から電源ON状態への切り換えが生じた場合、その直後から表示画面Gにて遊技演出用画像(図柄列Z1~Z3や遊技回での背景画像等)が表示されるわけではなく、電源投入してから所定準備期間が経過した後に遊技演出用画像の表示が開始されるように構成されている。また、電源OFF状態から電源ON状態への切り換えが生じた場合に、主制御装置162では第1部分クリア用処理(
図403のステップSn112)が実行され、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e(
図420)が全て「0」クリアされる。すなわち、電断前に記憶されていた残り球数RSに関する情報が消去され、残り球数RSが初期値(「95000個」)にリセットされる。
【4855】
これらを踏まえ、本実施の形態では、第1復電用報知として、しばらく後に遊技演出用画像の表示が開始されることと、残り球数RSが初期化されたこととを示す報知を行う。具体的には、
図444(a)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「遊技停止用カウンタがリセットされました」等の文字が付されたメッセージ画像912とを表示画面Gに表示する。これら各メッセージ画像911、912の表示は、表示画面Gに遊技演出用画像が表示されず、表示画面Gの背景表示が単色表示(例えば黒色表示)とされた状態にて行われる。
【4856】
なお、第1復電用報知としての上記表示は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、メッセージ画像911、912の一方が表示され、メッセージ画像911、912の他方が表示されない構成としてもよい。また、メッセージ画像911に代えて又は加えて、電源投入がなされたことを示す表示(例えば「電源が投入されました。」等の文字が付されたメッセージ画像の表示)が行われてもよい。電源投入の表示に関しては、後述する第2復電用報知~第4復電用報知についても同様である。
【4857】
ステップSn3602で否定判定した場合(第1差球用コマンドを受信していない場合)は、ステップSn3604にて、主制御装置162からの第2差球用コマンド(
図429のステップSn2507)を受信しているか否かを判定する。第1復電用コマンドと第2差球用コマンドとを受信している場合は、残り球数RSが0個以下(判定用差球数SAが停止用球数に到達)となったことを契機として移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した状態であることを意味する。この場合はステップSn3605に進み、第2復電用報知を実行するための設定処理を行う。
【4858】
本実施の形態では、遊技停止状態で電断が発生した場合に、主制御装置162の主側RAM314に記憶されている遊技停止フラグの情報(遊技停止状態であることをMPU312が特定できる情報)が電断後も保持される。そして、復電時においてリセットボタン166cが操作されなければ、遊技停止フラグの情報がクリアされず、復電後、当該情報が参照されてパチンコ機10が遊技停止状態となるように制御される。
【4859】
これを踏まえ、第2復電用報知では、しばらく後に遊技演出用画像の表示が開始されることのほか、遊技停止状態であることを示す報知を行う。具体的には、
図444(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「遊技停止中です。」等の文字が付されたメッセージ画像913とを表示画面Gに表示する。これら各メッセージ画像911、913の表示は、第1復電用報知の場合と同様に、単色表示(例えば黒色表示)とされた背景上にて行われる。
【4860】
なお、第2復電用報知としての上記表示は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、メッセージ画像911、913の一方が表示され、メッセージ画像911、913の他方が表示されない構成としてもよい。また、メッセージ画像913に代えて、遊技停止状態に移行することを示す表示(例えば「電源投入処理の後、遊技停止状態になります。」等の文字が付されたメッセージ画像の表示)が行われてもよい。
【4861】
ステップSn3604で否定判定した場合(第2差球用コマンドを受信していない場合)、すなわち、第1復電用コマンドを受信したものの、第1差球用コマンドと第2差球用コマンドとについてはいずれも受信していない場合は、開閉実行モードである状況で残り球数RSが0個以下(判定用差球数SAが停止用球数に到達)となり、遊技停止状態への移行が待機されている状態で電断が発生し、その後、復電した状態であることを意味する。この場合はステップSn3606に進み、第3復電用報知を実行するための設定処理を行う。
【4862】
本実施の形態では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となり、開閉実行モードの終了(最終ラウンドの終了)まで遊技停止状態への移行を待機している状態(遊技停止待ち状態)で電断が発生した場合に、主制御装置162の主側RAM314に記憶されている超過待機フラグの情報(遊技停止待ち状態であることをMPU312が特定できる情報)が電断後も保持される。そして、復電時においてリセットボタン166cが操作されなければ、超過待機フラグの情報がクリアされず、復電後、当該情報が参照されてパチンコ機10が遊技停止待ち状態となるように制御される。すなわち、復電後に再開された遊技にて、残りの開閉実行モードを遊技可能となり、当該開閉実行モードが終了すると、遊技停止状態に移行することになる。
【4863】
これを踏まえ、第3復電用報知では、しばらく後に遊技演出用画像の表示が開始されることのほか、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することを示す報知を行う。具体的には、
図445(a)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像914とを表示画面Gに表示する。これら各メッセージ画像911、914の表示は、第1復電用報知の場合と同様に、単色表示(例えば黒色表示)とされた背景上にて行われる。
【4864】
なお、第3復電用報知としての上記表示は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、メッセージ画像911、914の一方が表示され、メッセージ画像911、914の他方が表示されない構成としてもよい。また、メッセージ画像914に代えて又は加えて、残りの開閉実行モードが行われることを示す表示(例えば「電源投入処理の後、大当たり遊技の残りラウンドが実施されます。」の文字が付されたメッセージ画像の表示)や開閉実行モードが行われることを示す表示(例えば「電源投入処理の後、大当たり遊技が実施されます。」)が行われてもよい。
【4865】
ステップSn3601で否定判定した場合(第1復電用コマンドを受信していない場合)は、復電用コマンドとして第2復電用コマンド(
図429のステップSn2508)を受信したことになる。これは、不正検知を契機として移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した状態であることを意味する。この場合はステップSn3607に進み、第4復電用報知を実行するための設定処理を行う。
【4866】
既に説明したように、遊技停止状態で電断が発生すると、電断後も遊技停止フラグの情報が記憶保持され、復電後、パチンコ機10が遊技停止状態となる。これを踏まえ、第4復電用報知では、第2復電用報知の場合と同様に、しばらく後に遊技演出用画像の表示が開始されることを示す報知と、遊技停止状態であることを示す報知とを行う。具体的には、
図445(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「遊技停止中です。」等の文字が付されたメッセージ画像913とを表示画面Gに表示する。
【4867】
但し、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行した場合との区別を図るべく、第4復電用報知でのメッセージ画像911、913の表示は、第2復電用報知の場合の背景表示(黒色の単色表示)とは異なる背景表示915上で行われる。背景表示915の具体的態様は、第2復電用報知における背景表示との識別を遊技者や遊技ホールの従業員が行うことができるものであれば特に限定されないが、例えば、第2復電用報知における背景表示とは異なる表示色(例えば赤色)での単色表示を用いたり、第2復電用報知よりも目立たせるべく点滅表示を用いたりすることができる。このような背景画像を用いるのは、
図442(c)の停止用報知と同じ趣旨である。
【4868】
なお、第4復電用報知としての上記表示は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。例えば、メッセージ画像911、913の一方が表示され、メッセージ画像911、913の他方が表示されない構成としてもよい。また、メッセージ画像913に代えて、遊技停止状態に移行することを示す表示(例えば「電源投入処理の後、遊技停止状態になります。」等の文字が付されたメッセージ画像の表示)が行われてもよい。
【4869】
また、第2復電用報知との報知態様の相違は、音声報知を利用するものであってもよい。例えば、第4復電用報知では、メッセージ画像911、913の表示とともに、所定の音声報知を出力する一方、第2復電用報知では、メッセージ画像911、913の表示だけを行って音声報知を出力しないようにしたり、第4復電用報知よりも小さい音量で音声報知を出力するようにしたりしてもよい。この場合、第4復電用報知の背景画像は、第2復電用報知の背景画像と同じ態様であってもよいし、異なる態様であってもよい。
【4870】
<停止予告用報知の流れについて>
次に、残り球数RS(判定用差球数SA)に基づく遊技停止に関する報知としての停止予告用報知の流れについて説明する。
【4871】
残り球数RSの減少(判定用差球数SAの増加)により残り球数RSが報知開始球数(例えば7000個、判定用差球数SAが88000個)に到達すると、遊技停止状態への移行を遊技者に示唆する第1停止予告用報知が実行される。第1停止予告用報知では、例えば、
図438(a)、(b)に示すように、「この台は、あと約7000発の獲得で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像901が図柄表示装置75の表示画面Gに表示される。
【4872】
この際、報知開始球数への到達が開閉実行モード中ではない状況で生じた場合、すなわち、通常遊技状態や高確遊技状態にて生じた場合は、残り球数RSが報知開始球数以下となった特図遊技回の次の遊技回にて第1停止予告用報知が開始される。具体的には、次の特図遊技回の変動表示開始タイミングに合わせて第1停止予告用報知が開始される。
【4873】
一方、報知開始球数への到達が開閉実行モード中に生じた場合は、
図438(c)に示すように、その開閉実行モードでのエンディング期間にて第1停止予告用報知が開始される。この場合における第1停止予告用報知は、エンディング期間中の所定タイミング(エンディング期間の開始タイミング又はエンディング期間の開始から所定期間(例えば1sec)が経過したタイミング)である。すなわち、開閉実行モードの途中で残り球数RSが報知開始球数以下となった場合、直ちに第1停止予告用報知が開始されるのではなく、エンディング期間(可変入賞装置65が閉鎖状態)となるのを待って第1停止予告用報知が開始される。
【4874】
また、開閉実行モード中に残り球数RSが0個になった場合(判定用差球数SAが停止用球数としての95000個に到達する場合)は、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することを遊技者に示唆する第2停止予告用報知が実行される。第2停止予告用報知では、例えば、
図441(a)、(b)に示すように、「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が図柄表示装置75の表示画面Gに表示される。
【4875】
開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個になった場合、開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行するところ、そのような場合において、上記のような態様の停止予告用報知を行うことで、遊技停止状態への移行タイミングを遊技者に分かりやすく伝えながら、当該移行に関する事前報知を行うことができる。
【4876】
なお、第2停止予告用報知が開始される際、表示画面Gでは第1停止予告用報知が実行中の状態となっているが、この第1停止予告用報知は、第2停止予告用報知の開始後も引き続き実行される。その際、第1停止予告用報知の態様は、残り球数RSが0個になったことを示す態様(例えば「この台はあと0発の獲得で遊技停止します。」の文字表示が行われた状態)に維持され、可変入賞装置65への入賞により獲得球数が増加してもそれが反映されない。つまり、開閉実行モードの途中でメッセージ画像901の更新が停止され、その後は、実際の獲得球数とは異なる内容(実際の判定用差球数に対応しない内容)の表示が行われることになる。
【4877】
このように開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個となり、当該開閉実行モードの終了後に遊技停止に移行する場合において、残り球数RSが0個になった後も第1停止予告用報知の実行を継続することで、既に残り球数RSが0個になっていることを遊技者に分かりやすく伝えることができ、また、その後に獲得球数が増加しても第1停止予告用報知の内容(メッセージ画像901の表示内容)を更新しないことで、残り球数がマイナス表示になったり、停止用球数を超える獲得球数が表示されたりすることが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制できる。
【4878】
<電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて>
電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて説明する。先ずは、残り球数RSが1個以上の(判定用差球数SAが停止用球数としての95000個に到達していない)状況で電断が発生し、その後、復電した場合について
図446を参照しながら説明する。
【4879】
例えば、
図446(a)に示すように、遊技回の実行中において残り球数RSが1個以上の状態で停電等が発生して電断状態になると、主制御装置162の主側RAM314に対して電源及び発射制御装置191からデータ保持用の電断時電力(バックアップ電力)が供給される。これにより、主側RAM314における特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392や、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394に記憶された各種情報が消失せず、実行中の遊技回に関する情報(当否結果の情報等)や保留情報、ベース値に関する情報、差球数に関する情報等が電断中において記憶保持される。
【4880】
その後、停電等(電断状態)が解消されて復電すると、主制御装置162では第1部分クリア用処理(
図403のステップSn112、
図428)が実行され、非特定制御用のワークエリア393に記憶された差球数の情報と、その算出に用いる遊技履歴の収集値(各入球部についての入球個数の計測値)とが消去される。これにより、残り球数RSがクリアされ、初期値(0個)に変更される。
【4881】
このように、パチンコ機10への電源投入に伴って残り球数RSの情報をクリアする構成であることにより、遊技ホールの閉店後、翌日の開店に合わせて島設備の電源ON操作を行うだけで、昨日の残り球数RSの消去を複数台のパチンコ機10に対してまとめて行うことができる。よって、各パチンコ機10における残り球数RSのリセットを簡単且つ迅速に行うことができ、遊技ホールでの開店準備の手間を好適に削減することが可能になる。
【4882】
また、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後、復電した場合には、主制御装置162から第1復電用コマンド及び第1差球用コマンドが出力される(
図429のステップSn2503、ステップSn2504)。これらのコマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第1復電用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行される(
図443のステップSn3603)。
【4883】
第1復電用報知では、
図446(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「遊技停止用カウンタがリセットされました」等の文字が付されたメッセージ画像912とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰すること(電断前の画面表示状態に戻ること)と、残り球数RSが初期化されたこととが報知される。
【4884】
なお、第1復電用報知は、電断発生時に実行中であった遊技回の残りが実施(再開)されるのに合わせて実行されてもよいし、当該実施の前から実行されてもよい。いずれにしても、第1復電用報知が実行されている状況で上記遊技回の残りが実施される。この際、図柄表示装置75の表示画面Gでは第1復電用報知が表示され、図柄列Z1~Z3の変動表示や停止表示が行われないが、特図用表示部43での変動表示や停止表示は行われる。
【4885】
その後、電断発生時に実行中であった遊技回が終了し、次の遊技回が開始されると、
図446(c)に示すように、表示画面Gでの遊技回用の演出表示(図柄列Z1~Z3の変動表示や背景表示等)が開始される。遊技回用の演出表示の開始前には第1復電用報知としてのメッセージ画像911、912が表示されているが、そのうちメッセージ画像912については遊技回用の演出表示の開始後も継続表示される。このようにメッセージ画像912を継続表示することにより、当該画像の表示期間が長く確保され、残り球数RSがリセットされたことをホール従業員や遊技者に対して分かりやすく伝えることができる。
【4886】
遊技回用の演出表示が開始された後のメッセージ画像912の表示は、その視認性を確保すべく、遊技回用演出における背景画像の手前側にメッセージ画像912が重なるようにして行われる。また、メッセージ画像912により遊技回用の演出表示(図柄列Z1~Z3による図柄表示等)の視認性が低下することを抑制すべく、メッセージ画像912の表示サイズが縮小される。また、メッセージ画像912の表示位置が表示画面Gの中央部から離れた所定位置(例えば隅部等)に変更される。なお、遊技回用の演出表示が開始された後のメッセージ画像912は、所定期間(例えば3sec)が経過した後に消去される。
【4887】
次に、残り球数RSが0個以下となった(判定用差球数SAが停止用球数に到達した)ことを契機として移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した場合について
図447を参照しながら説明する。
【4888】
残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行すると、
図447(a)に示すように、例えば「遊技停止中です。係員を読んで下さい。ハンドルから手を離して下さい。」等の文字が付されたメッセージ画像906が表示画面Gに表示され、遊技停止状態であることが報知される。この状態で停電等が発生して電断状態になると、主制御装置162の主側RAM314に対して電断時電力が供給されることにより、遊技停止状態であることを特定可能な遊技停止フラグの情報や、残り球数RSが0個以下になったことを特定可能な超過フラグの情報が電断状態である間も記憶保持される。
【4889】
その後、停電等が解消されて復電すると、主制御装置162では、メイン処理(
図403)の実行後にタイマ割込み処理(
図404)が実行され、当該タイマ割込み処理にて遊技停止フラグの情報が参照されることにより(
図404のステップSn208)、遊技停止状態への移行が行われる。すなわち、復電後のパチンコ機10の状態が遊技停止状態とされる。
【4890】
また、復電に際しては、遊技停止フラグ及び超過フラグに「1」がセットされていることに基づき、主制御装置162から第1復電用コマンド及び第2差球用コマンドが出力される(
図429のステップSn2504、ステップSn2507)。このように、復電時のコマンドとして、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後、復電した場合とは異なる内容のコマンドが出力されるため、演出制御装置143にバックアップ機能が搭載されない構成であっても、復電後において、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合と、残り球数RSが0個以下となり、その後、遊技停止された状態で電断が発生した場合とを演出制御装置143が区別して把握することが可能になる。
【4891】
そして、第1復電用コマンド及び第2差球用コマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第2復電用報知が表示画面Gにて実行される(
図443のステップSn3605)。第2復電用報知では、
図447(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「遊技停止中です。」等の文字が付されたメッセージ画像913とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰することと、遊技停止状態であることとが報知される。
【4892】
その後、第2復電用報知の開始から所定期間が経過すると、
図447(c)に示すように、メッセージ画像913の表示が継続されたまま、メッセージ画像911が消去される。これにより、遊技停止状態であることが引き続き報知される。この場合における表示画面Gの背景表示は、電断前の背景表示である背景画像907aが用いられ、例えば青色の単色表示とされる。
【4893】
次に、開閉実行モードである状況で残り球数RSが0個以下(判定用差球数SAが停止用球数に到達)となり、遊技停止状態への移行が待機されている状態で電断が発生し、その後、復電した場合について
図448を参照しながら説明する。
【4894】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合は、その開閉実行モードが終了するまで遊技停止状態への移行が待機される。これにより、遊技者は、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下になったとしても、その開閉実行モードを最後まで遊技することができる。
【4895】
このような遊技停止待ち状態では、
図448(a)に示すように、例えば「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が表示画面Gに表示され、第2停止予告用報知が実行される。この状態で停電等が発生して電断状態になると、主制御装置162の主側RAM314に対して電断時電力が供給されることにより、開閉実行モード中であることを特定可能な情報(大当たり遊技フラグの情報等)や開閉実行モードの途中であることを特定可能な情報(ラウンド情報等)、遊技停止待ち状態であることを特定可能な超過待機フラグの情報が電断状態である間も記憶保持される。
【4896】
その後、停電等が解消されて復電すると、主制御装置162では、メイン処理の実行後にタイマ割込み処理が実行される。この際、タイマ割込み処理にて超過待機フラグの情報が参照されることにより、遊技停止待ち状態への復帰がなされる(
図421のステップSn1801でYESの流れ)。また、復電に際しては、超過待機フラグに「1」がセットされていることに基づき、主制御装置162からは復電用コマンドとして第1復電用コマンドのみが出力され、第1差球用コマンドや第2差球用コマンドは出力されない(
図429のステップSn2502でYESの流れ)。復電時のコマンドとして、上記のような状態のコマンドが出力されることにより、復電後の演出制御装置143において、遊技停止待ち状態で電断が発生したことを識別できる。
【4897】
そして、上記のような状態のコマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第3復電用報知が表示画面Gにて実行される。第3復電用報知では、
図448(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像914とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰することと、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することとが報知される。
【4898】
この際、メッセージ画像911、914の表示は、表示画面Gにて開閉実行モード用の演出画像が表示されず、表示画面Gでの背景画像が例えば黒色の単色表示とされた状態で行われる。このような表示状態は、電断発生時に実行中であったラウンド遊技(
図448(a)の例では5ラウンド目のラウンド遊技)が実施(再開)されるのに合わせて実行されてもよいし、当該実施の前から実行されてもよい。いずれにしても、第3復電用報知が実行されている状況で上記ラウンド遊技が実施される。
【4899】
その後、電断発生時に実行中であったラウンド遊技が終了し、次のラウンド遊技が開始されると、
図448(c)に示すように、表示画面Gでの開閉実行モード用の演出表示(ラウンド数画像903等の表示)が開始される。開閉実行モード用の演出表示の開始前にはメッセージ画像911、914が表示されているが、そのうちメッセージ画像914については開閉実行モード用の演出表示の開始後も継続表示される。このようにメッセージ画像914を継続表示することにより、当該画像の表示期間が長く確保され、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することを遊技者に対して分かりやすく伝えることができる。
【4900】
開閉実行モード用の演出表示が開始された後のメッセージ画像914の表示は、その視認性を確保すべく、開閉実行モード用演出における背景画像の手前側にメッセージ画像914が重なるようにして行われる。その際、メッセージ画像914により開閉実行モード用の演出表示の視認性が低下することを抑制すべく、メッセージ画像914の表示サイズが縮小される。また、ラウンド数画像903と重ならないようにしつつ、メッセージ画像914の表示位置が表示画面Gの中央部から離れた所定位置(例えば隅部等)に変更される。
【4901】
本実施の形態では、メッセージ画像914の表示内容が第2停止予告用報知としてのメッセージ画像902の表示内容と同じになっているため、開閉実行モード用の演出表示が開始された後のメッセージ画像914は、開閉実行モードが終了(遊技停止状態に移行)するまで継続される。なお、メッセージ画像914とメッセージ画像902との表示内容が異なる場合は、所定期間に亘ってメッセージ画像914が表示された後、メッセージ画像902の表示に切り換えられるようにしてもよい。
【4902】
なお、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後、復電した場合は、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後、復電した場合と同様に、主制御装置162にて第1部分クリア用処理が実行され、残り球数RSの情報が消去される。このように、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合も残り球数RSの情報を消去する構成であることにより、残り球数RSの情報の消去に関する制御処理を、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合と共通化することができる。すなわち、復電時に残り球数RSの情報を消去するにあたって電断時の状況により処理を切り換える必要がないため、制御処理の簡単化を図ることができる。これにより、制御プログラムを簡素化して主側ROM313のメモリ使用量を節約したり、復電時の処理負荷を軽減してパチンコ機10の起動に要する期間を短縮化したりすることが可能になる。
【4903】
ちなみに、残り球数RSが1個以上の状況で開閉実行モード中に電断が発生し、その後、復電した場合は、第1復電用報知(
図446)が実行される。この場合も、例えば黒色の単色表示の背景画面上にメッセージ画像911、912が表示される状態が、電断発生時に実行中であったラウンド遊技の終了まで継続され、その後、次のラウンド遊技が開始されることに伴い、開閉実行モード用の演出表示の上にメッセージ画像912が表示される状態への切り換えが行われる。
【4904】
次に、不正検知(振動や磁気等の検知)を契機として移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した場合について
図449を参照しながら説明する。
【4905】
不正検知を契機として遊技停止状態に移行すると、
図449(a)に示すように、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行した場合とは異なる背景表示907bにて、例えば「遊技停止中です。係員を読んで下さい。ハンドルから手を離して下さい。」等の文字が付されたメッセージ画像906が表示される。この状態で電断が発生し、その後、復電すると、主制御装置162から第2復電用コマンドが出力される(
図429のステップSn2508)。このコマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第4復電用報知が表示画面Gにて実行される(
図443のステップSn3607)。
【4906】
第4復電用報知では、
図449(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「遊技停止中です。」等の文字が付されたメッセージ画像913とが表示される。メッセージ画像911、913の表示は、第2復電用報知の場合の背景表示とは異なる背景表示915上で行われ、残り球数RSに基づく遊技停止状態で電断が発生した場合とは異なる態様で報知が行われる。背景表示915の具体的な表示態様は特に限定されるものではなく、例えば、第2復電用報知における背景表示とは異なる表示色(例えば赤色)での単色表示や、所定期間ごとに表示色が変化する点滅表示等を用いることができる。
【4907】
その後、第4復電用報知の開始から所定期間が経過すると、
図449(c)に示すように、メッセージ画像913の表示が継続されたまま、メッセージ画像911が消去される。この場合、背景表示915の表示は継続される。これにより、第2復電用報知の場合よりも目立つ態様で遊技停止状態であることの報知が行われる。
【4908】
なお、残り球数RSが0個以下になったことを契機として移行した遊技停止状態で電断が発生した場合、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合、不正検知を契機として移行した遊技停止状態で電断が発生した場合のいずれにおいても、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合は、主制御装置162にて第1初期化処理及び第2部分クリア処理(
図403のステップSn104、ステップSn105)が実行され、ベース値に関する情報を除き、主側RAM314にて記憶保持された情報が消去される。この場合は、復電時の報知として第1復電用報知が実行される。
【4909】
以上、詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【4910】
一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への入球が発生した場合に、それら各入球部61~63,65,68に対応する各カウンタ502a~502eを更新し、それらの情報に基づいて差球数SAを導出する構成とした。これにより、パチンコ機10において、各入球部61~63,65,68への入球発生の履歴を収集するとともに、都度の差球数SAをパチンコ機10が監視することができる。そして、その差球数SAを停止用球数(例えば95000個)から減算して残り球数RSを導出し、残り球数RSが0個以下となった場合に遊技停止状態に移行させる構成とした。これにより、遊技者が獲得する賞球の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるようにパチンコ機10を動作させることが可能になる。
【4911】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に、開閉実行モードが終了するまで遊技停止状態への移行が待機される遊技停止待ち状態となるように構成とした。この場合、開閉実行モードの途中で遊技停止状態に移行することが回避され、遊技停止状態への移行条件が成立したか否かにかかわらず開閉実行モードを最後まで遊技させることができる。これにより、遊技者は、残り球数RSが少ない状態で開閉実行モードに移行した場合でも、開閉実行モードが途中で終了してしまうことを心配せずに遊技を続けることが可能になる。
【4912】
遊技停止待ち状態となった場合に、主制御装置162から演出制御装置143に対して超過待機コマンドが出力されるように構成した。これにより、遊技停止待ち状態となったことを演出制御装置143に把握させることができ、遊技停止状態への移行に先立ち、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することの報知(第2停止予告用報知)を行うことが可能になる。
【4913】
遊技停止待ち状態であることを特定することが可能な情報(超過待機フラグ)を設けるとともに、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合に超過待機フラグの情報が電断状態である間も記憶保持されるようにした。これにより、復電後におけるパチンコ機10の状態を遊技停止待ち状態に復帰させることができる。よって、復電後において開閉実行モードの続きを楽しませることが可能となり、さらには開閉実行モードが終了することに応じて遊技停止状態に移行させることが可能になる。
【4914】
残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電した場合に、電断前の残り球数RSの情報が消去される構成とした上で、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合も、電断前の残り球数RSの情報が消去される構成とした。
【4915】
電断発生後の復電時に、電断前の残り球数RSの情報が消去されることで、遊技ホールの閉店時にパチンコ機10を電源オン状態から電源オフ状態とし、その後、翌日の開店時にパチンコ機10を電源オフ状態から電源オン状態に切り換えることで、昨日の残り球数RSの実績を消去することができる。これにより、当該消去のための専用操作を要する場合に比べ、ホール従業員の手間を軽減することが可能になる。
【4916】
その際、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合と、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合とのいずれでも、同様に残り球数RSの情報が消去される構成としたため、残り球数RSの消去に関する制御処理を両者の場合で共通化することができる。すなわち、復電時において残り球数RSの情報を消去するにあたって電断時の状況により処理を切り換える必要がないため、制御処理の簡単化を図ることが可能になる。これにより、制御プログラムを簡素化して主側ROM313の使用量を節約したり、復電時の処理負荷を軽減してパチンコ機10の起動に要する期間を短縮したりすることが可能になる。
【4917】
残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電した場合と、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合とで、主制御装置162から演出制御装置143に対して異なるコマンドが出力されるように構成した。具体的には、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合は、復電時に第1復電用コマンドと第1差球用コマンドが出力され、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合は、復電時に第1差球用コマンドが出力されず、第1復電用コマンドのみが出力される構成とした。
【4918】
すなわち、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合は、電断前の超過待機コマンドとは別に、復電後に改めて遊技停止待ち状態を示すようにしてコマンドの出力が行われるため、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電してパチンコ機10が遊技停止待ち状態で復帰した場合に、演出制御装置143がバックアップ機能を備えていなくても、復電後のパチンコ機10(主制御装置162)の状態が遊技停止待ち状態であることを演出制御装置143に把握させることができる。その際、上記コマンドの出力を復電用コマンド(復電時の初期段階で出力するコマンド)を利用して行うため、遊技停止待ち状態であることを通知するコマンドを復電後の早期に出力することができ、復電時において、演出制御装置143での遊技停止待ち状態であることの把握を速やかに行わせることが可能となる。
【4919】
そして、演出制御装置143において、上記コマンドに基づき、復電時の状態が遊技停止待ち状態であることが認識されると、第3復電用報知が実行される構成とした。第3復電用報知では、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することが報知されるため、復電後の遊技において、開閉実行モードが終了して直ちに遊技停止状態に移行しても、遊技者に対して不意に遊技停止状態に移行した印象を与えることを抑制できる。また、復電時に第3復電用報知が実行されることで、パチンコ機10が遊技停止待ち状態に復帰しているかをホール従業員が確認したい場合に当該確認を容易に行うことが可能になる。
【4920】
その際、第3復電用報知では、第1復電用報知(残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電した場合に実行される報知)の場合とは異なり、残り球数RSが消去されたことの報知が行われない。このため、内部的には残り球数RSが初期状態にリセットされている状態であっても、それを遊技者に分かりにくくすることができ、復電後に再開した遊技でほどなくして遊技停止状態に移行する場合であっても、不自然な印象となることを抑制できる。
【4921】
遊技停止待ち状態での電断状態の発生後、復電時に第3復電用報知を実行するにあたり、開閉実行モード用の演出表示が再開されるよりも早く第3復電用報知が実行される構成とした。この場合、遊技者が第3復電用報知に気付きやすくすることができ、当該報知の見逃し等を抑制することが可能になる。また、ホール従業員においても演出表示の再開よりも早く第3復電用報知を視認することができ、遊技を邪魔せずに遊技停止待ち状態への復帰を確認することが可能になる。
【4922】
その際、演出表示の再開前に生じる準備期間(メッセージ画像911の表示期間)を活用して第3復電用報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにしたため、演出表示の再開に遅れを生じさせることなく、遊技停止待ち状態であることの報知を行うことができる。
【4923】
<変形例1>
上記第7の実施の形態の変形例1について
図450~
図452を参照しながら説明する。これらの図において上記第7の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4924】
上記第7の実施の形態では、MPU312への動作電力の供給が開始された場合に、差球数の情報の消去や差球数用カウンタエリア502における各カウンタ502a~502eの初期化を実行したが、本変形例では、これをMPU312への動作電力の供給が停止された場合に実行する構成としている。以下、そのための構成について詳細に説明する。なお、本変形例に係るメイン処理(
図403)では、ステップSn112の第1部分クリア用処理が省略され、ステップSn111の超過時立上げ用処理を実行した後、ステップSn1113の復電時用のコマンド設定処理を実行するように構成される。
【4925】
<停電情報記憶処理>
本変形に係る停電情報記憶処理について
図450のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、タイマ割込み処理(
図404)のステップSn201で実行されるものである。なお、本処理は、MPU312において特定制御用のプログラムにより実行される。
【4926】
停電情報記憶処理では先ずステップSn3701にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた繰り返しカウンタに停電信号用の繰り返し回数情報である「10」の情報をセットする。続くステップSn3702では、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電検知カウンタを「0」クリアする。
【4927】
ステップSn3703では、MPU312の入力ポートに受信している停電信号の情報を読み込む処理を実行する。この場合、電源遮断が発生していないことに対応した停電信号(LOWレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに非電断情報として「0」の情報が格納されており、電源遮断が発生していることに対応した停電信号(HIレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに電断発生情報として「1」の情報が格納されている。ステップSn3703では、かかる停電信号の情報をMPU312のレジスタに読み込む処理を実行する。
【4928】
ステップSn3703にて読み込んだ停電信号の情報が停電発生(電断の発生)に対応したものである場合は(ステップSn3704:YES)、ステップSn3705にて停電検知カウンタの値を1加算する。ステップSn3704で否定判定した場合又はステップSn3705の処理を実行した場合は、ステップSn3706にて繰り返しカウンタの値を1減算する。
【4929】
ステップSn3707では、その1減算後における繰り返しカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。繰り返しカウンタの値が「0」でない場合は、ステップSn3703に戻り、ステップSn3703~ステップSn3706の処理を繰り返す。一方、繰り返しカウンタの値が「0」である場合は、ステップSn3708に進み、停電検知カウンタの値が、停電発生に対応した契機基準回数(例えば「8」)以上となっているか否かを判定する。契機基準回数未満である場合には、そのまま本停電情報記憶処理を終了する。一方、契機基準回数以上である場合には、ステップSn3709~ステップSn3713の停電時処理を実行する。
【4930】
具体的には先ずステップSn3709にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた停電フラグに「1」をセットする。これにより、正常に停電時処理が実行されるとともに主側RAM314における情報の記憶保持が正常に行われた場合には、MPU312への動作電力の供給が再度開始された場合に特定制御用のワークエリア391の停電フラグに「1」がセットされていることとなる。
【4931】
ステップSn3710では、非特定制御用のワークエリア393に記憶された差球数等を消去するための電断時クリア用処理を実行する。電断時クリア用処理の詳細については後述する。
【4932】
ステップSn3710の実行後はステップSn3711にて、特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392についてチェックサムを算出する。この場合、チェックサムの算出に際して演算対象となる特定制御用のワークエリア391及びスタックエリア392における記憶エリアは、メイン処理(
図403)のステップSn107にてチェックサムの演算対象となる特定制御用のワークエリア391及び特定制御用のスタックエリア392における記憶エリアと同一である。そして、その算出したチェックサムを特定制御用のワークエリア391における当該チェックサムを記憶するための記憶エリアであってチェックサムの算出対象から除外されている記憶エリアに記憶させる。
【4933】
ステップSn3712では、MPU312のレジスタにおける出力ポートの情報を全て「0」にセットし、続くステップSn3713では、主側RAM314へのアクセスを禁止する。そして、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
【4934】
なお、タイマ割込み処理の最初の処理として停電情報記憶処理を実行するようにしたことにより、復電後にタイマ割込み処理の途中から実行する必要がなくなる。これにより、停電発生時に実行していた処理のアドレスをスタック情報として主側RAM314に記憶する必要がなくなり、停電発生時の処理負荷を軽減することが可能となる。
【4935】
<電断時クリア用処理>
ステップSn3710の電断時クリア用処理について
図451のフローチャートを参照しながら説明する。なお、電断時クリア用処理におけるステップSn3801~ステップSn3805の処理は特定制御用のプログラムにより実行される。
【4936】
電断時クリア用処理では先ずステップSn3801にて、タイマ割込み処理(
図404)の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップSn3802では、MPU312に設けられた複数のレジスタのうちフラグレジスタに格納されている情報を特定制御用のワークエリア391における所定領域に書き込んで退避させる。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図417)におけるステップSn1402と同様のものである。
【4937】
ステップSn3803では、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている電断時クリア用実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出し、当該実行処理を開始する。この際、当該実行処理の実行後における戻り番地を特定するための情報を特定制御用のスタックエリア392に書き込む。そして、電断時クリア用実行処理が終了した場合には、当該スタックエリア392に書き込まれた戻り番地を特定するための情報を読み出し、その戻り番地が示す電断時クリア用処理のプログラムに復帰する。
【4938】
ステップSn3804では、退避させたフラグレジスタの情報を復帰させ、その後、電断時クリア用処理を終了する。この処理はベース値及び差球数算出処理(
図417)におけるステップSn1404と同様のものである。
【4939】
ステップSn3805では、タイマ割込み処理(
図404)の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換えるために割込み許可の設定を行う。これにより、タイマ割込み処理の新たな実行が可能となる。
【4940】
ここで、ステップSn3803にて非特定制御用のプログラムが読み出されることにより実行される電断時クリア用実行処理について、
図452のフローチャートを参照しながら説明する。
【4941】
ステップSn3901では、使用するスタックエリアを特定制御用のスタックエリア392から非特定制御用のスタックエリア394に切り換える。この処理は、ベース値及び差球数用実行処理(
図418)におけるステップSn1501と同様のものである。
【4942】
ステップSn3902では、MPU312に設けられる複数のレジスタのうち一部のレジスタに格納されている情報を非特定制御用のワークエリア393に退避させる。後のステップSn3903、ステップSn3904では、情報を退避させたそれらのレジスタを利用して処理を実行する。
【4943】
ステップSn3902の実行後は、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているステップSn3903、ステップSn3904のサブルーチンのプログラムを読み出し、順次に実行する。これらの処理にあたっては先ずステップSn3903にて、差球数の情報をクリアする。具体的には、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用エリア505(
図420、
図423(a))を全て「0」クリアする。これにより、パチンコ機10の電源OFF操作が行われた時点で差球数用エリア505に記憶されていた差球数の情報(現状差球用エリア505aに記憶されていた現状の差球数SBの情報、前回差球用エリア505bに記憶されていた前回の差球数SBの情報、開始基準用エリア505cに記憶されていた開始基準値の情報、判定差球用エリア505dに記憶されていた判定用差球数SAの情報、残数用エリア505eに記憶されていた残り球数RSの情報)が消去される。
【4944】
ステップSn3903の実行後はステップSn3904にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e(
図420)を全て「0」クリアする。これにより、差球数の算出に利用する常時用の一般入賞カウンタ502a、常時用の第1作動カウンタ502b、常時用の第2作動カウンタ502c、常時用の特電カウンタ502d、常時用のアウトカウンタ502eについて、それらのカウント値が初期値(「0」)に変更される。
【4945】
ステップSn3905では、使用するスタックエリアを非特定制御用のスタックエリア394から特定制御用のスタックエリア392に切り換える。続くステップSn3906では、ステップSn3902にて非特定制御用のワークエリア393に退避させた各レジスタの値をMPU312の各レジスタに復帰させる。
【4946】
<電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて>
電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて説明する。なお、上記第7の実施の形態と同様の部分については説明を省略又は簡略化する。
【4947】
停電等が発生して電断状態になると、主制御装置162により実行される停電情報記憶処理(
図449)にて、当該電断の発生が認識され、主側RAM314に設けられた停電フラグに「1」がセットされる。その後、電断時クリア用処理(
図450のステップSn3710、
図452)が実行され、非特定制御用のワークエリア393に記憶された差球数の情報と、その算出に用いる遊技履歴の収集値(各入球部についての入球個数の計測値)とが消去される。これにより、残り球数RSがクリアされ、初期値(0個)に変更される。
【4948】
また、電断が発生した場合は、主制御装置162の主側RAM314に対して電源及び発射制御装置191からデータ保持用の電断時電力が供給される。このため、電断時クリア用処理により消去される差球数の情報や差球数の算出に用いる情報を除き、電断時において主側RAM314に記憶されていた各種情報(実行中の遊技回に関する情報や保留情報、ベース値に関する情報等)が電断状態である間も記憶保持される。
【4949】
その後、停電等(電断状態)が解消されることによりパチンコ機10への電力供給が再開されて復電状態となるが、電断時に残り球数RSが1個以上の状態(判定用差球数SAが停止用球数としての95000個に到達していない状態)であった場合は、復電時において、遊技停止フラグ及び超過待機フラグのいずれも「1」にセットされていないことに基づき、主制御装置162から第1復電用コマンド及び第1差球用コマンドが出力される(
図429のステップSn2503、ステップSn2504)。これらのコマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第1復電用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行される(
図443のステップSn3603)。
【4950】
第1復電用報知では、
図446(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「遊技停止用カウンタがリセットされました」等の文字が付されたメッセージ画像912とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰すること(電断前の画面表示状態に戻ること)と、残り球数RSが初期化されたこととが報知される。
【4951】
また、電断時の状況が遊技停止待ち状態(開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となり、遊技停止状態への移行が待機されている状態)であった場合は、復電時において、超過待機フラグに「1」がセットされていることに基づき、主制御装置162から第1復電用コマンドが出力され、第1差球用コマンドが出力されない状態となる(
図429のステップSn2502でYESの流れ)。このような状態の復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第3復電用報知が表示画面Gにて実行される。
【4952】
第3復電用報知では、
図448(b)に示すように、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像914とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰することと、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することとが報知される。
【4953】
以上のように本変形例では、電断状態が発生すると、電断時クリア用処理が実行され、差球数の情報や各カウンタ502a~502eの値が初期化される。このため、遊技ホールの閉店に伴うパチンコ機10への電源遮断が行われることで、差球数の情報等を自然と消去することができる。その後、復電した場合は、残り球数RSが1個以上の状態で電断したか、遊技停止待ち状態で電断したかなどにより、主制御装置162から演出制御装置143に対して出力されるコマンドが異なるように構成されているため、上記第7の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【4954】
<変形例2>
上記第7の実施の形態の変形例2について
図453~
図455を参照しながら説明する。これらの図において上記第7の実施の形態や変形例1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4955】
上記第7の実施の形態では、復電時に主制御装置162から出力する復電用コマンドと差球用コマンドとの組み合わせにより、復電後の演出制御装置143において、どの状態で電断が発生したのかを識別し得るように構成したが、本変形例では、復電用コマンドとして複数のコマンドを備え、復電時に主制御装置162から出力する復電用コマンドの種類により、どの状態で電断が発生したのかの識別を行い得るように構成されている。
【4956】
本変形例では、復電用コマンドとして第1復電用コマンド~第4復電用コマンドよりなる4種類の復電用コマンドが設けられている。これら第1復電用コマンド~第4復電用コマンドは、例えば、上位バイト(上位情報)と下位バイト(下位情報)とからなる2又は3バイトで構成されている。上位情報には、復電用コマンドであることに対応した情報(識別情報)が設定され、下位情報には、各復電用コマンドで固有の値が設定されている。すなわち、第1復電用コマンド~第4復電用コマンドは、上位バイトに共通の値が設定される一方で、下位バイトに設定される値が相互に異なるものとなっている。
【4957】
<復電時用のコマンド設定処理>
本変形例に係る復電用のコマンド設定処理について
図453のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162のMPU312にて実行されるものであり、電源投入時(復電時)に起動されるメイン処理(
図403)のステップSn113にて実行されるものである。
図453において
図429の復電時用のコマンド設定処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4958】
復電用のコマンド設定処理では先ずステップSn2501にて、特定制御用のワークエリア391に設けられた遊技停止フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。遊技停止フラグは、遊技停止状態に移行する場合にセットされるものである。
【4959】
遊技停止フラグに「1」がセットされていない場合は、ステップSn2502に進み、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。超過待機フラグは、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合にセットされるものである。
【4960】
ステップSn2502で否定判定した場合(遊技停止フラグ及び超過待機フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合)は、遊技停止状態ではない状況で電断状態となり、その後、リセットボタン166cがON操作されずに電源ON操作が行われたか、電断状態の発生後、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われたことを意味する。この場合は、ステップSn4104に進み、演出制御装置143や払出制御装置181への送信対象として第1復電用コマンドを設定する。
【4961】
ステップSn2502で肯定判定した場合(超過待機フラグが「1」にセットされている場合)は、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となり、開閉実行モードの終了まで遊技停止状態への移行が待機されている状況で電断が発生し、その後、復電したことを意味する。この場合は、ステップSn4102に進み、演出制御装置143や払出制御装置181への送信対象として第2復電用コマンドを設定する。
【4962】
また、ステップSn2501で肯定判定した場合(遊技停止フラグが「1」にセットされている場合)は、ステップSn2506にて、非特定制御用のワークエリア393に設けられた超過フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。超過フラグは、開閉実行モードの実行中ではない状況で残り球数RSが0個以下になった場合や、開閉実行モードの実行中に残り球数RSが0個以下になった後、その開閉実行モードが終了した場合にセットされるものである。
【4963】
超過フラグに「1」がセットされている場合は、残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行し、その遊技停止状態にて電断が発生したことを意味する。この場合は、ステップSn4103に進み、演出制御装置143や払出制御装置181への送信対象として第3復電用コマンドを設定する。
【4964】
ステップSn2506で否定判定した場合(超過フラグに「1」がセットされていない場合)は、不正検知を契機として遊技停止状態に移行し、その遊技停止状態にて電断が発生したことを意味する。この場合は、ステップSn4104に進み、演出制御装置143や払出制御装置181への送信対象として第4復電用コマンドを設定する。
【4965】
ステップSn4101、ステップSn4102、ステップSn4103又はステップSn4104の実行後は、ステップSn2505に進み、演出制御装置143に送信するその他のコマンドとして、高確率モードであるか否かや、高頻度サポートモードであるか否か、保留情報の記憶数を示すコマンドなどを設定する。
【4966】
<復電用コマンド対応処理>
本変形例に係る復電用コマンド対応処理について
図454のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143のMPU342にて実行されるものであり、
図443の復電用コマンド対応処理に代えて実行されるものである。
【4967】
復電用コマンド対応処理では先ずステップSn4201にて、主制御装置162からの第1復電用コマンドを受信しているか否かを判定する。第1復電用コマンドを受信している場合は、ステップSn4202に進み、第1復電用報知(
図444(a))を実行するための設定処理を行う。
【4968】
ステップSn4201で否定判定した場合(第1復電用コマンドを受信していない場合)は、ステップSn4203にて、主制御装置162からの第3復電用コマンドを受信しているか否かを判定する。第3復電用コマンドを受信している場合は、ステップSn4204に進み、第2復電用報知(
図444(b))を実行するための設定処理を行う。
【4969】
ステップSn4203で否定判定した場合(第3復電用コマンドを受信していない場合)は、ステップSn4205にて、主制御装置162からの第2復電用コマンドを受信しているか否かを判定する。第2復電用コマンドを受信している場合は、ステップSn4206に進み、第3復電用報知(
図445(a))を実行するための設定処理を行う。
【4970】
ステップSn4205で否定判定した場合(第2復電用コマンドを受信していない場合)は、ステップSn4207にて、主制御装置162からの第4復電用コマンドを受信しているか否かを判定する。第4復電用コマンドを受信している場合は、第4復電用報知(
図445(b))を実行するための設定処理を行う。
【4971】
<電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて>
電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて
図455等を参照しながら説明する。
【4972】
残り球数RSが1個以上の状態で停電等が発生して電断状態になり、その後、復電した場合は、主制御装置162から第1復電用コマンドが出力される(
図455)。既に説明したように、第1復電用コマンドの下位バイトには、他の復電用コマンドとは異なる固有の値が設定されているため、第1復電用コマンドは、復電したことのほか、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生したこと(換言すれば、遊技停止されていない状態で電断が発生したこと)を示すものとして機能する。
【4973】
このため、復電時に第1復電用コマンドを演出制御装置143が受信することで、演出制御装置143にバックアップ機能が搭載されない構成であっても、復電後の演出制御装置143において、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後のパチンコ機10の状態が遊技停止状態でもないし、遊技停止待ち状態でもないこと)を把握することができる。なお、本変形例では、復電時における差球用コマンドの出力は行われない。
【4974】
第1復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第1復電用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行される。第1復電用報知では、例えば、
図446に示すように、「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、「遊技停止用カウンタがリセットされました」等の文字が付されたメッセージ画像912とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰すること(電断前の画面表示状態に戻ること)と、残り球数RSが初期化されたこととが報知される。
【4975】
残り球数RSが0個以下となった(判定用差球数SAが停止用球数に到達した)ことを契機として移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した場合は、主制御装置162から第3復電用コマンドが出力される(
図455)。第3復電用コマンドの下位バイトには、他の復電用コマンドとは異なる固有の値が設定されているため、第3復電用コマンドは、復電したことのほか、残り球数RSが0個以下となったことを契機とする遊技停止状態で電断が発生したことを示すものとして機能する。このため、復電後の演出制御装置143において、第3復電用コマンドを受信することにより、残り球数RSに基づく遊技停止状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後のパチンコ機10の状態が遊技停止状態であること)を把握することができる。
【4976】
第3復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第2復電用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行される。第2復電用報知では、例えば、
図447に示すように、「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、「遊技停止中です。」等の文字が付されたメッセージ画像913とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰することと、遊技停止状態であることとが報知される。
【4977】
開閉実行モードである状況で残り球数RSが0個以下(判定用差球数SAが停止用球数に到達)となり、遊技停止状態への移行が待機されている状態(遊技停止待ち状態)で電断が発生し、その後、復電した場合は、主制御装置162から第2復電用コマンドが出力される(
図455)。第2復電用コマンドの下位バイトには、他の復電用コマンドとは異なる固有の値が設定されているため、第2復電用コマンドは、復電したことのほか、遊技停止待ち状態で電断が発生したことを示すものとして機能する。このため、復電後の演出制御装置143において、第2復電用コマンドを受信することにより、遊技停止待ち状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後のパチンコ機10の状態が遊技停止待ち状態であること)を把握することができる。
【4978】
第2復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第3復電用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行される。第3復電用報知では、例えば、
図448に示すように、「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像914とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰することと、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することとが報知される。
【4979】
なお、遊技停止待ち状態となった後に開閉実行モードの残りが実施されて開閉実行モードが終了し、それに伴って移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した場合は、主制御装置162から第3復電用コマンドが出力される。この場合は、既に説明したように、復電時における報知として第2復電用報知が実行される。
【4980】
不正検知(振動や磁気等の検知)を契機として移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した場合は、主制御装置162から第4復電用コマンドが出力される(
図455)。第4復電用コマンドの下位バイトには、他の復電用コマンドとは異なる固有の値が設定されているため、第4復電用コマンドは、復電したことのほか、不正検知に基づく遊技停止状態で電断が発生したことを示すものとして機能する。このため、復電後の演出制御装置143において、第4復電用コマンドを受信することにより、不正検知に基づく遊技停止状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後のパチンコ機10の状態が遊技停止待ち状態であること)を把握することができる。
【4981】
第4復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第4復電用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行される。第4復電用報知では、例えば、
図449に示すように、「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、「遊技停止中です。」等の文字が付されたメッセージ画像913とが表示される。メッセージ画像911、913の表示は、第2復電用報知の場合の背景表示とは異なる背景表示915上に行われる。
【4982】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【4983】
残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合は、復電時に第1復電用コマンドが出力され、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合は、復電時に第2復電用コマンドが出力され、遊技停止状態で電断が発生した場合は、復電時に第3復電用コマンド又は第4復電用コマンドが出力される構成とした。この場合、演出制御装置143では、復電時に主制御装置162から受信する復電用コマンドの違いにより、遊技停止待ち状態で電断が発生したこと(復電後の状態が遊技停止待ち状態であること)や、遊技停止状態で電断が発生したこと(復電後の状態が遊技停止状態であること)を認識することができる。
【4984】
これにより、例えば、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合は、復電後において、遊技停止待ち状態であることに対応した第3復電用報知(メッセージ画像914の表示)を行うことができ、遊技停止状態への移行に関する事前報知を行うことができる。このため、遊技者に対しては、復電後の遊技にて開閉実行モードの終了後に直ちに遊技停止状態に移行しても、不意に遊技停止状態に移行した印象を与えることを抑制することが可能になる。また、ホール従業員に対しては、パチンコ機10が遊技停止待ち状態に復帰しているかを確認したい場合に当該確認を容易に行わせることが可能になる。
【4985】
さらに、本変形例では、複数の復電用コマンドを備え、いずれの状態で電断したのかの情報を復電用コマンドに含ませて(換言すれば、復電用コマンドに集約して)出力することができる。このため、復電に際してのコマンドの授受回数を低減することができ、復電時(起動時)の処理負荷を軽減してパチンコ機10の起動時間を短縮することが可能になる。
【4986】
<変形例3>
上記第7の実施の形態の変形例3について
図456~
図461を参照しながら説明する。これらの図において上記第7の実施の形態や各変形例と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【4987】
本変形例では、判定用差球数SA(残り球数RS)に関する報知の態様が上記第7の実施の形態やその各変形例と異なっている。以下、本変形例の構成について詳細に説明する。
【4988】
図456(a)に示すように、遊技盤60の前面部における左下部には、遊技盤60の盤面からパチンコ機10前方に延出するようにして装飾部材621が設けられている。装飾部材621の前面部は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために設けられた窓パネル23(
図1)と対向しており、装飾部材621の前面部と窓パネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材621の前面部の前方を遊技球が通過(落下)していくことが防止されている。
【4989】
装飾部材621の前面部には、判定用差球数SAに対応した報知が行われる差球数報知部622が設けられている。この差球数報知部622は、窓パネル23を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっている。但し、図柄表示装置75の表示画面Gよりも表示領域が小さく、また、遊技盤60の中央部から離れて配置されているため、表示画面Gよりも目立ちにくくなっている。
【4990】
図456(b)に示すように、差球数報知部622には複数の発光部(例えばLED)が設けられており、具体的には、第1発光部622a~第5発光部622eよりなる5個の発光部が設けられている。これら第1発光部622a~第5発光部622eは直線状に並ぶようにして配置されている。
【4991】
図457に示すように、差球数報知部622では、第1発光部622a~第5発光部622eの点灯状態(点灯、消灯のいずれであるか)と発光色との組み合わせにより、都度の判定用差球数SA(残り球数RS)を報知するように構成されている。例えば、判定用差球数SAが0~44999個(残り球数RSが95000~50001個)の状態では、第1発光部622a~第5発光部622eの全てが消灯状態とされる(
図458(a))。
【4992】
その後、判定用差球数SAが45000個(残り球数RSが50000個)に達すると、第1発光部622aが青色発光の状態とされ、さらに判定用差球数SAが増えて50000個(残り球数RSが45000個)になると、第1発光部622aの発光色が緑色に変更される。そして、判定用差球数SAが55000個(残り球数RSが40000個)になると、第1発光部622aが緑色発光されたまま、第2発光部622bが消灯状態から青色発光の状態に切り換られ、その後、判定用差球数SAが60000個(残り球数RSが35000個)に達すると、第2発光部622bの発光色が緑色に変更される。すなわち、判定用差球数SAが50000個に到達した後は、判定用差球数SAが10000個増えるごとに、点灯する発光部の数が1個ずつ増えるとともに、判定用差球数SAが5000個増えるごとに、点灯した発光部の発光色が変化するようになっている。このため、例えば、判定用差球数SAが67000個の場合は、
図448(b)に示すように、第1発光部622a及び第2発光部622bが緑色発光し、第3発光部622cが青色発光し、第4発光部622d及び第5発光部622eが消灯状態となる。
【4993】
既に説明したように、上記第7の実施の形態では、復電時に起動されるメイン処理(
図403)のステップSn112で第1部分クリア処理(
図427(b)、
図428))が実行され、電断前に記憶されていた判定用差球数SAや残り球数RSに関する情報が消去される。この場合、差球数報知部622では、
図455に示すように、第1発光部622a~第5発光部622eの全てが白色点滅するように発光制御される(
図458(c))。これにより、判定用差球数SAや残り球数RSに関する情報が初期化(リセット)されたことが報知される。
【4994】
なお、第1発光部622a~第5発光部622eにおける上記発光態様は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。すなわち、都度の判定用差球数SA(残り球数RS)に対応した報知をできつつ、それとは区別して判定用差球数SA(残り球数RS)の初期化を報知できるものであれば、具体的な発光態様は任意に定めることができる。また、発光部の数についても5個である必要はなく、4個以下であってもよいし、6個以上であってもよい。
【4995】
差球数報知部622(第1発光部622a~第5発光部622e)は演出制御装置143と電気的に接続され、差球数報知部622の発光制御は演出制御装置143により行われる。演出制御装置143では、主制御装置162において残り球数SAの更新時に出力される残り球数コマンド(
図421のステップSn1810)を受信することにより、都度の判定用差球数SA(残り球数RS)を把握し、それに基づいて第1発光部622a~第5発光部622eの点灯/非点灯や発光色の切換制御を行う。
【4996】
また、復電時に主制御装置162から出力される復電用コマンドを受信することに基づき、第1発光部622a~第5発光部622eを白色点滅させるように制御する。なお、復電用コマンドとは別に、判定用差球数SA(残り球数RS)の初期化を行ったことに対応するコマンドが出力される場合は、そのコマンドを受信することに基づいて第1発光部622a~第5発光部622eを白色点滅させるようにしてもよい。
【4997】
<電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて>
電断が発生し、その後、復電した場合の流れについて説明する。なお、上記第7の実施の形態と同様の部分については説明を省略又は簡略化する。
【4998】
先ずは、残り球数RSが1個以上の状態(判定用差球数SAが停止用球数としての95000個に到達していない状態)で電断が発生し、その後、復電した場合について
図459を参照しながら説明する。
【4999】
例えば、遊技回の実行中において判定用差球数SAが47000個(残り球数RSが48000個)の状態では、
図459(a)に示すように、差球数報知部622において第1発光部622aが青色発光の状態とされつつ、第2発光部622b~第5発光部622eが消灯状態とされる。この際、図柄表示装置75の表示画面Gでは、判定用差球数SA(残り球数RS)に関する報知は行われない。
【5000】
この状態で停電等が発生して電断状態になり、その後、復電すると、主制御装置162では第1部分クリア用処理が実行され、非特定制御用のワークエリア393に記憶された差球数の情報と、その算出に用いる遊技履歴の収集値(各入球部についての入球個数の計測値)とが消去される。これにより、残り球数RSがクリアされ、初期値(0個)に変更される。
【5001】
また、上記の復電に際しては、主制御装置162から第1復電用コマンド及び第1差球用コマンドが出力される(
図429のステップSn2503、ステップSn2504)。これらのコマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第1復電用報知が図柄表示装置75の表示画面Gにて実行される(
図443のステップSn3603)。
【5002】
第1復電用報知では、例えば、
図459(b)に示すように、「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911が表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰すること(電断前の画面表示状態に戻ること)が報知される。なお、上記第7の実施の形態では、メッセージ画像911とともに、「遊技停止用カウンタがリセットされました」等の文字が付されたメッセージ画像912が表示されるが、本変形例では、メッセージ画像912の表示は行われない。
【5003】
また、第1復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されることにより、差球数報知部622にてリセット用報知が行われるように制御される。具体的には、第1発光部622a~第5発光部622eが白色点滅するように制御され、これによって、残り球数RS(判定用差球数SA)が初期化されたことが報知される。このような構成であることにより、残り球数RS(判定用差球数SA)が初期化されたことを遊技者に分かりにくくしながら、当該初期化が適切に実施されたことの確認をホール従業員が行い得るようにすることができる。
【5004】
なお、差球数報知部622でのリセット用報知は、表示画面Gでの第1復電用報知と並行して実行される。また、当該リセット用報知は、電断発生時に実行中であった遊技回の残りが実施(再開)されるのに合わせて実行されてもよいし、当該実施の前から実行されてもよい。いずれにしても、リセット用報知が実行されている状況で上記遊技回の残りが実施される。
【5005】
その後、電断発生時に実行中であった遊技回が終了し、次の遊技回が開始されると、
図459(c)に示すように、表示画面Gでの遊技回用の演出表示(図柄列Z1~Z3の変動表示や背景表示等)が開始される。遊技回用の演出表示の開始に先立ち、差球数報知部622ではリセット用報知が実行されているが、このリセット用報知は、遊技回用の演出表示の開始後も継続される。これにより、ホール従業員において、復電時における初期段階でリセット用報知を見逃した場合や、遊技回用の演出表示が再開されるまでの期間(電断発生時に実行中であった遊技回の残り期間)が短い場合であっても、残り球数RSが初期化されたことの確認を行うことが可能になる。なお、遊技回用の演出表示が開始された後のリセット用報知は、所定期間(例えば3sec)が経過した後に終了される。
【5006】
次に、残り球数RSが0個以下となった(判定用差球数SAが停止用球数に到達した)ことを契機として移行した遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した場合について
図460を参照しながら説明する。
【5007】
残り球数RSが0個以下になったことを契機として遊技停止状態に移行すると、例えば、
図460(a)に示すように、「遊技停止中です。係員を読んで下さい。ハンドルから手を離して下さい。」等の文字が付されたメッセージ画像906が表示画面Gに表示され、遊技停止状態であることが報知される。また、差球数報知部622では、残り球数RSが0個以下であることに対応し、第1発光部622a~第5発光部622eが緑色発光の状態とされている。この際、表示画面Gにおいて残り球数RSに関する報知は実行されない。
【5008】
この状態で停電等が発生して電断状態になり、その後、復電すると、主制御装置162では第1部分クリア用処理が実行され、残り球数RSが初期化される。また、復電に際しては、遊技停止フラグ及び超過フラグに「1」がセットされていることに基づき、主制御装置162から第1復電用コマンド及び第2差球用コマンドが出力される(
図429のステップSn2504、ステップSn2507)。
【5009】
これらのコマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として第2復電用報知が表示画面Gにて実行される(
図443のステップSn3605)。第2復電用報知では、例えば、
図460(b)に示すように、「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、「遊技停止中です。」等の文字が付されたメッセージ画像913とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰することと、遊技停止状態であることとが報知される。
【5010】
また、第1復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されることにより、第1発光部622a~第5発光部622eが白色点滅するように制御され、差球数報知部622でのリセット用報知が行われる。これにより、残り球数RS(判定用差球数SA)が初期化されたことが報知される。この場合も、残り球数RS(判定用差球数SA)が初期化されたことを遊技者に分かりにくくしながら、当該初期化の報知を行うことが可能になる。差球数報知部622でのリセット用報知は、表示画面Gでの第2復電用報知と並行して実行される。
【5011】
その後、第2復電用報知の開始から所定期間が経過すると、
図460(c)に示すように、メッセージ画像913の表示が継続されたまま、メッセージ画像911が消去される。これにより、遊技停止状態であることが引き続き報知される。なお、この場合における表示画面Gの背景表示は、電断前の背景表示である背景画像907aが用いられ、例えば青色の単色表示とされる。
【5012】
この際、差球数報知部622でのリセット用報知は、メッセージ画像911が消去されて表示画面Gの画面状態が切り換えられた後も継続して実行される。これにより、ホール従業員において、復電時における初期段階でリセット用報知を見逃した場合であっても、残り球数RSに関する情報が初期化されたことの確認を行うことが可能になる。なお、表示画面Gの画面状態が切り換えられた後のリセット用報知は、所定期間(例えば3sec)が経過した後に終了される。
【5013】
次に、開閉実行モードである状況で残り球数RSが0個以下(判定用差球数SAが停止用球数に到達)となり、遊技停止状態への移行が待機されている状態で電断が発生し、その後、復電した場合について
図461を参照しながら説明する。
【5014】
開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合は、その開閉実行モードが終了するまで遊技停止状態への移行が待機される。これにより、遊技者は、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下になったとしても、その開閉実行モードを最後まで遊技することができる。
【5015】
このような遊技停止待ち状態では、例えば、
図461(a)に示すように、「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が表示画面Gに表示され、第2停止予告用報知が実行される。また、差球数報知部622では、残り球数RSが0個以下であることに対応し、第1発光部622a~第5発光部622eが緑色発光の状態とされている。この際、表示画面Gにおいて残り球数RSに関する報知は実行されない。
【5016】
この状態で停電等が発生して電断状態になり、その後、復電すると、主制御装置162では第1部分クリア用処理が実行され、残り球数RSが初期化される。また、復電に際しては、超過待機フラグに「1」がセットされていることに基づき、主制御装置162からは復電用コマンドとして第1復電用コマンドのみが出力され、第1差球用コマンドや第2差球用コマンドは出力されない(
図429のステップSn2502でYESの流れ)。
【5017】
このような状態のコマンドが演出制御装置143にて受信されると、復電時における報知として復電時における報知として第3復電用報知が表示画面Gにて実行される。第3復電用報知では、例えば、
図461(b)に示すように、「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像914とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰することと、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することとが報知される。
【5018】
また、第1復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されることにより、第1発光部622a~第5発光部622eが白色点滅するように制御され、差球数報知部622でのリセット用報知が行われる。これにより、残り球数RS(判定用差球数SA)が初期化されたことが報知される。この場合も、残り球数RS(判定用差球数SA)が初期化されたことを遊技者に分かりにくくしながら、当該初期化の報知を行うことが可能になる。
【5019】
なお、差球数報知部622でのリセット用報知は、表示画面Gでの第3復電用報知と並行して実行される。また、当該リセット用報知は、電断発生時に実行中であったラウンド遊技(
図461(a)の例では5ラウンド目のラウンド遊技)が実施(再開)されるのに合わせて実行されてもよいし、当該実施の前から実行されてもよい。いずれにしても、リセット用報知が実行されている状況で上記ラウンド遊技が実施される。
【5020】
その後、電断発生時に実行中であったラウンド遊技が終了し、次のラウンド遊技が開始されると、
図461(c)に示すように、表示画面Gでの開閉実行モード用の演出表示(ラウンド数画像903等の表示)が開始される。開閉実行モード用の演出表示の開始前にはメッセージ画像911、914が表示されているが、そのうちメッセージ画像914については開閉実行モード用の演出表示の開始後も継続表示される。
【5021】
また、差球数報知部622でのリセット用報知においても、メッセージ画像914の表示と同様に、継続して実行される。これにより、ホール従業員において、復電時における初期段階でリセット用報知を見逃した場合や、開閉実行モード用の演出表示が再開されるまでの期間(電断発生時に実行中であったラウンド遊技の残り期間)が短い場合であっても、残り球数RSに関する情報が初期化されたことの確認を行うことが可能になる。なお、開閉実行モード用の演出表示が開始された後のリセット用報知は、所定期間(例えば3sec)が経過した後に終了される。
【5022】
なお、遊技停止待ち状態となった後に開閉実行モードの残りが実施されて開閉実行モードが終了し、それに伴って遊技停止状態に移行し、その遊技停止状態にて電断が発生し、その後、復電した場合は、遊技停止フラグ及び超過フラグに「1」がセットされていることに基づき、主制御装置162から第1復電用コマンド及び第2差球用コマンドが出力される。このため、遊技停止待ち状態とならずに移行した遊技停止状態で電断状態が発生した場合(
図460)と同様に、復電時における報知として第2復電用報知が表示画面Gにて実行される。
【5023】
また、第1復電用コマンドが演出制御装置143にて受信されることにより、差球数報知部622でのリセット用報知が行われる。このときのリセット用報知の実行態様(リセット用報知の実行タイミングや実行期間等)は、遊技停止待ち状態とならずに移行した遊技停止状態で電断状態が発生した場合(
図460)と同様である。
【5024】
以上詳述した本変形例によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
【5025】
遊技停止待ち状態で電断が発生した場合に、その後の復電時に第3復電用報知とともにリセット用報知が実行される構成とした。この場合、ホール従業員がそれらの報知を見ることで、遊技停止待ち状態に復帰していることだけでなく、電断前に記憶されていた判定用差球数SA(残り球数RS)が消去されていることの確認を行うことができる。
【5026】
その際、第3復電用報知が図柄表示装置75にて実行される一方で、リセット用報知が差球数報知部622で実行される構成とした。
【5027】
遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合は、パチンコ機10が遊技停止待ち状態に復帰するため、復電後の遊技で開閉実行モードの残りが消化されると、直ちに遊技停止状態に移行することになる。この場合、判定用差球数SAが停止用球数に全く届かないにもかかわらず、遊技停止状態への移行が生じることになり、遊技者がそれを知ると、不自然な印象となることが懸念される。かと言って、復電後における判定用差球数SAの報知が行われない構成とすると、ホール従業員において電断前の判定用差球数SAが適切に消去されたかの確認が行いにくくなる。この点、本変形例の構成であることで、遊技者の意識が図柄表示装置75での第3復電用報知に向いている状態で、他の報知手段である差球数報知部622にてリセット用報知を行うことができる。これにより、判定用差球数SAの初期化を遊技者に知られることを抑制しながら、ホール従業員が当該初期化の確認を行うことが可能になる。
【5028】
第3復電用報知の実行期間と重複してリセット用報知が実行される構成とした。この場合、ホール従業員において、パチンコ機10における復電時処理(起動処理)が適切に行われていることの確認と、判定用差球数SAが適切に消去されているかの確認とを同時に進めることができ、確認作業の円滑化を図ることが可能になる。
【5029】
遊技停止待ち状態での電断状態の発生後、復電時にリセット用報知を実行するにあたり、開閉実行モード用の演出表示が再開されるよりも早くリセット用報知が実行される構成とした。この場合、ホール従業員においても演出表示の再開よりも早くリセット用報知を視認することができ、遊技の邪魔をすることなく、判定用差球数SAが初期化されたことの確認を行うことが可能になる。
【5030】
演出表示の再開後もリセット用報知が継続される構成とした。この場合、演出表示が再開されるまでの期間が短い場合でもリセット用報知の実行期間を長く確保することができる。これにより、復電時の初期段階でホール従業員がリセット用報知を見逃した場合でも、判定用差球数SAが初期化されたことの確認を行うことが可能になる。
【5031】
<その他の変形例>
なお、上述した第7の実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第7の実施の形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第7の実施の形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記第7の実施の形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【5032】
また、理解の容易のため、例えば「第7の実施の形態では」などとし、前提構成として一部の実施例を特定するものがあるが、以下の各構成は、特定した前提構成(実施例)に限定して適用されるものではなく、他の実施例に対しても適用することが可能である。
【5033】
(1)上記第7の実施の形態や各変形例では、超過判定用処理や第1部分クリア用処理、第2部分クリア用処理等の差球数に関する制御処理を非特定制御用のプログラムにより実行したが、これらの少なくとも一部を特定制御用のプログラムにより実行してもよい。また、非特定制御用のワークエリア393に記憶される差球数の情報や、当該差球数を導出するための入賞情報等の遊技履歴情報についても、それらの少なくとも一部が特定制御用のワークエリア391に記憶される構成としてもよい。また、非特定制御用のプログラムや、非特定制御用のワークエリア393及びスタックエリア394を備えない構成としてもよい。
【5034】
(2)上記第7の実施の形態や各変形例では、「遊技球の合計払出個数」から「遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数」を減算して差球数を導出したが、「遊技球の合計払出個数」から「遊技領域PEに発射された遊技球の合計個数」を減算して差球数を導出してもよい。この場合、遊技球発射機構110から発射されたものの、遊技領域PEに到達せずにファール球通路46に回収された遊技球を差球数の算出対象から除外するとよい。具体的には、遊技領域PEに到達可能な発射強度で発射された遊技球が通過する領域に遊技球検知センサを配置し、当該センサにより検知される遊技球の個数をカウントして上記発射された遊技球の合計個数とするとよい。なお、遊技領域PEに到達可能な発射強度で発射された遊技球が通過する領域としては、例えば、逆戻り防止部材106の配置領域やその周辺部等が考えられる。
【5035】
(3)上記第7の実施の形態や各変形例では、各入球部61~63,65,68への入球の発生に基づいて各カウンタ502a~502eを更新することで、入球発生時を基準とした差球数を導出する構成としたが、賞球の付与がある入球部61~63,65については遊技球の払い出しが行われた場合に、その払い出し個数をカウントし、その合計値を「遊技球の合計払出個数」に用いることで、払い出し時を基準とした差球数を導出してもよい。この場合、例えば満タン状態となっていることにより遊技球の払い出しが中断されている状況で残り球数RSが0個以下となることが回避され、未払い出しの遊技球が多く残存している中で遊技停止状態に移行することを抑制できる。
【5036】
但し、意図的に満タン状態を形成して遊技球の払い出しが行われないようにすることで、差球数が停止用球数に到達するタイミングを遅らせることができ、遊技継続期間の実質的な延長を図ることができる懸念がある。そのような意味では、上記第7の実施の形態や各変形例のように入球発生時を基準として差球数を導出するか、又は、遊技停止状態において遊技球の払い出しを許容する機能を搭載しないようにした上で払い出し時を基準とした差球数の導出を行うとよい。
【5037】
(4)上記第7の実施の形態や各変形例において、「遊技領域PEから排出された遊技球の合計個数」から「遊技球の合計払出個数」を減算して差球数を導出してもよい。この場合、導出される差球数において遊技者側のプラス分が負の値によって示されるため、停止用球数として負の値を用いる。つまり、導出される差球数が停止用球数としての-95000個以下となったら遊技停止状態に移行する構成となる。
【5038】
(5)上記第7の実施の形態や各変形例では、全ての入球部61~63,65,68を対象として入球履歴の情報を収集したが、一部の入球部を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、可変入賞装置65のみを対象として入球履歴の情報を収集する構成とすれば、開閉実行モード中での差球数の増加により遊技停止状態に移行する構成とすることができる。
【5039】
(6)上記第7の実施の形態や各変形例では、全ての遊技状態を対象として各入球部61~63,65,68への入球履歴の情報を収集したが、一部の遊技状態を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、開閉実行モード中を対象として入球履歴の情報を収集してもよく、この場合、開閉実行モード中での差球数の増加により遊技停止状態に移行する構成とすることができる。
【5040】
また、上記第7の実施の形態や各変形例では、パチンコ機10への電源投入からの全ての期間を対象として各入球部61~63,65,68への入球履歴の情報を収集したが、一部の期間を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。例えば、いわゆる連荘期間を対象として入球履歴の情報を収集してもよい。なお、連荘期間としては、例えば、通常遊技状態中に大当たりとなり、その大当たりに対応する開閉実行モードの終了後に高確遊技状態(高確率モード、又は高確率モード且つ高頻度サポートモード)又は時短遊技状態(低確率モード且つ高頻度サポートモード)に移行する場合において、当該開閉実行モードが開始されてから通常遊技状態に移行するまでの期間とすることができる。
【5041】
(7)上記第7の実施の形態や各変形例では、判定用差球数SAを停止用球数(例えば95000個)から減算して残り球数RSを導出し、その残り球数RSに基づいて超過用判定(遊技停止状態に移行すべきか否かの判定)や停止予告用報知の実行判定(停止予告用報知を実行すべきか否かの判定)を行ったが、判定用差球数SAに基づいて超過用判定や上記実行判定を行ってもよい。この場合、判定用差球数SAが停止用球数以上となることに基づいて遊技停止状態に移行したり、停止用球数よりも少ない特定球数(例えば85000個)以上となることに基づいて停止予告用報知を実行したりする構成とすることができる。また、差球数SBを停止用球数から減算して残り球数を導出し、その残り球数に基づいて超過用判定や実行判定を行ってもよいし、差球数SBに基づいて超過用判定や実行判定を行ってもよい。
【5042】
(8)上記第7の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下(判定用差球数SAが停止用球数以上)となることに基づいて遊技停止状態に移行する構成としたが、他の条件により遊技停止状態への移行が行われる構成としてもよい。例えば、当否判定の回数(遊技回の実行回数)が予め定められた所定回数(停止用回数)に到達することに基づいて遊技停止状態に移行する構成としてもよい。
【5043】
また、所定契機により付与されるポイントの合計値が所定値(停止用ポイント数)に到達することに基づいて遊技停止状態に移行する構成としてもよい。例えば、当否判定の結果が外れ結果である遊技回に対して1ポイントが付与され、当たり結果である遊技回に対して100ポイントが付与される構成とし、その合計値(累積加算値)が上記所定値に到達すると、遊技停止状態への移行が行われる構成とすることが考えられる。
【5044】
また、遊技停止状態に移行させるか否かの判定に用いる指標値は、必ずしも累積されていくものに限定されない。例えば、所定の抽選契機により実行される抽選の結果により、遊技停止状態に移行させるか否かが決定される構成としてもよい。なお、所定の抽選契機としては、大当たりの連荘回数が特定回数に達したことなどを用いることができる。
【5045】
また、遊技領域PEに又は遊技領域PEを流下する遊技球が到達可能な所定領域に特定通過部又は特定入球部が設けられ、遊技球が特定通過部を通過又は特定入球部に入球した場合に遊技停止状態への移行が行われたり、遊技停止状態に移行させるか否かの抽選が行われたりする構成としてもよい。
【5046】
(9)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となるか否かの判定を種別コマンドの受信時(当選遊技回の開始時)に行うが、オープニングコマンドの受信時(開閉実行モードの開始時)に行ってもよい。要は大当たり種別(開閉実行モードの種別)の決定後、開閉実行モードの開始時までの期間にて上記判定が行われればよい。
【5047】
(10)上記第7の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて移行した遊技停止状態において遊技球の払い出しを許容する構成としたが、これを許容しない構成としてもよい。
【5048】
但し、この場合、残り球数RSが0個以下となることに応じて突然に遊技球の払い出しが停止してしまい、未払い出しの賞球があった場合にそれが払い出されなくなるおそれがある。そのような不都合の発生を抑制するため、図柄表示装置75等において注意を促す所定報知を事前に行うとよい。例えば残り球数RSが0個よりも多い特定個数(例えば5000個)に到達し、差球数が停止用球数よりも少ない所定個数(例えば90000個)になったら「もうすぐ出玉上限に到達して停止状態になります。注意して下さい。」などの画像報知や音声報知を行うとよい。
【5049】
また、満タン状態等の遊技球の払い出しが停止している状況での報知について差球数が上記所定個数以上であるか否かによって報知態様を異ならせてもよい。例えば、満タン状態等において差球数が上記所定個数未満の場合は「球を抜いて下さい。」などの画像報知や音声報知を行い、満タン状態等において差球数が上記所定個数以上である場合は「速やかに球を抜いて下さい。未払い出し分が払い出されなくなるおそれがあります。」などの画像報知や音声報知を行ってもよい。
【5050】
(11)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止状態への移行に際し、遊技停止フラグを「1」にセットしてステップSn209~ステップSn219における遊技の進行(遊技回の進行、換言すれば、当否判定の実行)を制御するための処理が行われないようにしつつ(ステップSn2103、ステップSn2109)、可変入賞装置65や普電役物63aを強制的に閉鎖する閉鎖制御(ステップSn2104、ステップSn2110)と、遊技球を発射できないようにする発射停止処理(ステップSn2105、ステップSn2111)とを実行するが、遊技停止の態様はこれに限定されるものではない。
【5051】
すなわち、閉鎖制御と、発射停止処理と、遊技回進行の制限とのうち1つ又は2つを実行し、残りを実行しない構成としてもよい。例えば、遊技回の進行を制限しつつ、閉鎖制御及び発射停止処理を実行しない構成としてもよい。閉鎖制御及び発射停止処理を実行する場合、そのタイミングによっては球詰まりが生じたりするおそれがあり、遊技停止解除後の遊技再開時に球詰まりを解消する作業が必要となって手間がかかる懸念がある。この点、遊技球の発射や可変入賞装置65等の開放を許容しておくことで、そのような不都合の発生を抑制できることが期待される。
【5052】
また、振動検知や磁石検知等の不正検知(異常検知)に基づいて遊技停止状態に移行する場合と、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合とで、遊技停止状態への移行に際しての処理を異ならせてもよい。例えば、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行する場合は、閉鎖制御及び発射停止処理のいずれも実行しない一方、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行する場合は閉鎖制御及び発射停止処理の両方を実行し、制限度合いを強めるようにしてもよい。
【5053】
(12)上記第7の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となった場合に遊技停止状態に移行するが、遊技停止状態とは異なる状態となる構成としてもよい。例えば、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に、その開閉実行モードが途中終了されて非開閉実行モードの状態となる構成としてもよい。また、他の構成例として、例えば、高確率モードや高頻度サポートモード中の大当たりに基づく開閉実行モードにて残り球数RSが0個以下となった場合に、主側RAM314に記憶される大当たり種別や当否抽選モード、サポートモードの情報が初期化され、上記大当たりの種別にかかわらず、上記開閉実行モード後の当否抽選モードが低確率モードに設定されたり、サポートモードが低頻度サポートに設定されたりする構成としてもよい。
【5054】
また、遊技者にとって不利な状態に移行する場合に限らず、有利な状態に移行する場合であってもよい。例えば、通常大当たり結果に対応する開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に、その開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードに設定されたりしてもよい。
【5055】
また、有利度合いに変化が生じない構成であってもよい。例えば、通常演出モードと、通常演出モードでは実行されない特定演出モードとを備え、残り球数RSが0個以下となることで、通常演出モードから特定演出モードに移行する構成としてもよい。また、特定演出モードとして、通常演出モードでは実行確率が低い特定演出が実行されやすくなるモードを備えてもよい。
【5056】
(13)上記第7の実施の形態や各変形例において、残り球数RS(判定用差球数SA)に基づく遊技停止への移行機能を備えない構成としてもよい。この場合、差球数を導出する機能を備えてもよいし、備えなくてもよい。
【5057】
(14)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行するが、開閉実行モードの途中で遊技停止状態への移行が行われてもよい。この場合、残り球数RSが0個以下となった時点で直ちに遊技停止状態への移行が行われてもよいし、残り球数RSが0個以下となったときに実行中のラウンド遊技が終了してから遊技停止状態への移行が行われてもよいし、残り球数RSが0個以下となってから所定ラウンド数(例えば3ラウンド)分のラウンド遊技が終了してから遊技停止状態への移行が行われてもよい。
【5058】
また、遊技領域PEに又は遊技領域PEを流下する遊技者が到達可能な所定領域に特定通過部又は特定入球部が設けられ、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった後、遊技球が特定通過部を通過又は特定入球部に入球すると、遊技停止状態への移行が行われる構成としてもよい。
【5059】
(15)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合を対象として遊技停止状態への移行が待機されるが、開閉実行モード以外の状態への滞在中に残り球数RSが0個以下となった場合を対象として遊技停止状態への移行が待機される構成としてもよい。
【5060】
例えば、高頻度サポートモード中に残り球数RSが0個以下となった場合に、滞在中の高頻度サポートモードが終了するまで遊技停止状態への移行が待機される構成としてもよい。その際、低頻度サポートモード中に残り球数RSが0個以下となった場合は、遊技停止状態への移行を待機しない、又は、待機の期間が高頻度サポートモード中の場合よりも短い構成とすることができる。なお、「滞在中の高頻度サポートモードが終了するまで」とは、高頻度サポートモードで実行可能な遊技回の上限回数が定められる構成であれば、当該上限回数への到達により高頻度サポートモードが終了するまでとすることができる。
【5061】
また、通常演出モードでは見ることができない特殊な演出が行われたり、特殊なキャラクタ等が登場したりする特定演出モードへの滞在中に残り球数RSが0個以下となった場合を対象として遊技停止状態への移行が待機される構成としてもよい。例えば、特定演出モード中の各遊技回又は所定遊技回で行われる当該演出モードの終了抽選に当選すると、特定演出モードが終了する構成であれば、上記終了抽選への当選により特定演出モードが終了するまで遊技停止状態への移行を待機する構成とすることができる。
【5062】
(16)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合に、開閉実行モードが終了すると直ちに遊技停止状態への移行が行われる構成としたが、開閉実行モードの終了後、所定の遊技期間を経てから遊技停止状態への移行が行われてもよい。例えば、開閉実行モードの終了後、所定遊技(例えば10回の遊技回)が行われたり、所定期間(例えば5分)が経過したりしてから遊技停止状態への移行が生じる構成とすることができる。すなわち、開閉実行モードの終了より後に遊技停止状態に移行することが開閉実行モード中に決定されるものであれば、いずれのタイミングで遊技停止状態に移行するかは任意である。
【5063】
(17)上記第7の実施の形態や各変形例において、大当たり種別が確変大当たり結果である状況で、その開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となる場合に、図柄列Z1~Z3を通常大当たり結果に対応する組合せで停止表示させてもよい。すなわち、確変大当たり結果となったこと(高確遊技状態への移行契機が成立したこと)を遊技者が認識不可又は認識困難となるようにしつつ、開閉実行モードにおいて第2停止予告用報知を行う構成としてもよい。例えば、図柄列Z1~Z3が確変大当たり結果に対応する組合せで停止表示された後、開閉実行モードにて「大当たり遊技の終了で遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像902が表示されると、獲得したはずの高確遊技状態はどうなってしまうのかといった遊技者の不安感を煽ったり、高確遊技状態が取り消されてしまったとして損をした気分にさせてしまったりする懸念がある。この点、上記構成であることで、高確遊技状態が消失した印象を与えることを抑制しつつ、第2停止予告用報知を実行することが可能になる。
【5064】
(18)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になると遊技停止待ち状態になるが、1個以上の所定値(例えば500個)以下になると遊技停止待ち状態になる構成としてもよい。すなわち、遊技停止待ち状態への移行契機となる残り球数RSの数と、遊技停止状態への移行契機となる残り球数RSの数とは必ずしも一致する必要はない。
【5065】
(19)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になることに基づいて遊技停止待ち状態になるが、他の条件により遊技停止待ち状態になる構成としてもよい。例えば、上記(8)のように、当否判定の回数(遊技回の実行回数)が所定回数に到達することに基づいて遊技停止状態に移行する構成であれば、当該所定回から遡って100回以内の範囲で大当たり結果になった場合は、当該大当たり結果に対応する開閉実行モードの終了により遊技停止状態への移行が行われる構成としてもよい。また、大当たり当選や開閉実行モードへの移行が生じる都度、ポイントが付与される構成とした上で、そのポイントの合計値が所定値に到達することに基づいて遊技停止待ち状態になる構成としてもよい。また、開閉実行モード中に実行される所定抽選の結果により遊技停止待ち状態になる構成としてもよい。この場合、上記所定抽選の契機は、開閉実行モード中に成立するものであってもよいし、開閉実行モードの実行前に成立するものであってもよい。
【5066】
(20)上記第7の実施の形態や各変形例では、電断状態の発生時において超過待機フラグの情報(遊技停止待ち状態であることを特定可能な情報)が非特定制御用のワークエリア393における各種フラグ用エリア508に記憶された状態でバックアップ(電断中での記憶保持)が行われる構成としたが、バックアップのための専用エリア(バックアップRAMなど)を設け、当該専用エリアに超過待機フラグの情報が移動又はコピーされた状態でバックアップされる構成としてもよい。この場合、上記専用エリアへのアクセスに関する制約を非特定制御用のワークエリア393よりも少ないものとすれば、復電時における情報の読み出しが容易となり、処理負荷の軽減や起動時間の短縮化を図ることが可能になる。
【5067】
このことは、超過フラグの情報(残り球数RSが0個以下であることを特定可能な情報)のバックアップについても同様である。また、遊技停止フラグの情報(遊技停止状態であることを特定可能な情報)についても、バックアップのための専用エリアでバックアップが行われる構成としてもよい。
【5068】
(21)上記第7の実施の形態や各変形例では、電断状態の発生時に超過待機フラグの情報がバックアップされるが、当該バックアップが行われない構成としてもよい。すなわち、遊技停止待ち状態の終了後に移行した遊技停止状態で電断状態となった場合は、遊技停止状態(遊技停止フラグの情報)がバックアップされるものの、遊技停止待ち状態で電断状態となった場合は、遊技停止待ち状態がバックアップされない構成としてもよい。
【5069】
(22)上記第7の実施の形態や各変形例では、電断状態の発生時に遊技停止状態(遊技停止フラグの情報)がバックアップされるが、遊技停止状態のバックアップが行われない構成としてもよい。この場合、遊技停止状態への移行後、パチンコ機10の電源オフ操作→電源オン操作を行うだけで遊技停止状態を解除することができ、遊技停止状態の解除に要するホール従業員の手間を軽減することが可能になる。
【5070】
(23)上記第7の実施の形態や各変形例では、所定の異常として電断状態を例示したが、例えば、磁気センサ異常や振動センサ異常等の他の異常であってもよいし、前扉枠14の開放に対応する扉開放エラーや、下皿34が遊技球で満タンとなる満タンエラーや、タンク221に遊技球が補充されていない球無状態である球切れエラー等であってもよい。これらのエラーが発生した場合に差球数の情報がクリアされる構成としてもよい。
【5071】
(24)上記第7の実施の形態や各変形例では、復電時におけるステップSn113の復電時用のコマンド設定処理にて、超過待機フラグの情報を参照し、当該情報が「1」にセットされていることに基づいて遊技停止待ち状態を特定するように構成したが、遊技停止待ち状態を特定するための構成は、これに限定されるものではない。例えば、超過待機フラグを設けず、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になると、超過フラグに「1」がセットされるものとし、さらに開閉実行モード中に対応した情報としての大当たり遊技フラグを設けた上で、復電時において、大当たり遊技フラグの情報と超過フラグの情報とを参照し、これらの情報に「1」がセットされていることに基づいて遊技停止待ち状態を特定する構成としてもよい。
【5072】
また、復電時において、遊技停止待ち状態を特定する処理を第1部分クリア用処理(差球数の情報をクリアする処理)より前に実行するか、第1部分クリア用処理を実行しない(復電時に差球数の情報をクリアしない)構成とした上で、復電時において、大当たり遊技フラグの情報と差球数の情報とを参照し、大当たり遊技フラグに「1」がセットされていることと、差球数の情報により残り球数RSが0個以下であることが示されていることとに基づき、遊技停止待ち状態を特定する構成としてもよい。
【5073】
要は、復電後のパチンコ機10(主制御装置162)において遊技停止待ち状態であることを特定できればよく、その具体的な方法は任意である。
【5074】
(25)上記第7の実施の形態や各変形例では、復電時用のコマンド設定処理(ステップSn113)を第1部分クリア用処理(ステップSn112)よりも後に実行するが、第1部分クリア用処理よりも前に実行してもよい。この場合、復電時用のコマンド設定処理の実行時点では差球数の情報がクリアされておらず、電断前の差球数の情報が保持された状態となっているため、当該差球数の情報を参照して遊技停止待ち状態を特定してもよい。
【5075】
例えば、上記(24)のように大当たり遊技フラグの情報を設けた上で、大当たり遊技フラグに「1」がセットされていることと、差球数の情報により残り球数RSが0個以下であることが示されていることとに基づき、遊技停止待ち状態を特定する構成としてもよい。なお、かかる構成において、大当たり遊技フラグに「1」がセットされておらず、差球数の情報により残り球数RSが0個以下であることが示されている場合は、残り球数RSを契機として移行する遊技停止状態であることを特定することができる。
【5076】
(26)上記第7の実施の形態や各変形例では、ステップSn105の第2初期化処理(高確率モードであることの情報や保留情報を消去するための処理)が復電時に実行される構成としたが、電断時(遊技停止状態で電断状態となった場合)に実行される構成としてもよい。また、電断状態の発生前に実行されてもよく、例えば、残り球数RSが0個以下となった場合や遊技停止状態に移行する場合に実行される構成としてもよい。なお、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて第2初期化処理を実行する場合において、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下となった場合は、その開閉実行モードが終了してから第2初期化処理を実行するとよい。
【5077】
(27)上記第7の実施の形態や各変形例では、復電時に第1部分用クリア処理(ステップSn112)が実行されたり、電断時に電断時クリア用処理(ステップSn3710)が実行されたりすることで、電断前の差球数の情報が消去される構成としたが、差球数の情報が消去されない(初期化されない)構成としてもよい。
【5078】
復電時での第1部分用クリア処理を実行しない構成にあっては、「残り球数RSが1個以上の状態で電断状態となり、その後に復電した場合」と、「遊技停止待ち状態で電断状態となり、その後に復電した場合」と、「遊技停止状態で電断状態となり、その後に復電した場合」との全てで第1部分用クリア処理を実行しない構成としてもよいし、それらの一部で第1部分用クリア処理を実行しない構成としてもよい。後者の場合は、電断時の状態に応じて第1部分用クリア処理を実行するか否かを切り換えるものとなるが、例えば、差球数に応じて実行の有無を切り換える構成としてもよい。具体的には、残り球数RSが1個以上の状態で電断状態となった場合は第1部分用クリア処理を実行する一方で、残り球数RSが0個以下である場合は第1部分用クリア処理を実行しない構成とすることができる。
【5079】
また、電断時の状態が遊技停止待ち状態又は遊技停止状態のいずれであるかにより第1部分用クリア処理の有無を切り換える構成としてもよい。例えば、遊技停止待ち状態で電断状態となった場合は第1部分用クリア処理を実行しないが、遊技停止状態で電断状態となった場合は第1部分クリア用処理を実行する構成としてもよい。この場合、復電後の遊技において、停止用球数までの残り球数RSが十分に残っているにもかかわらず、ほどなくして遊技停止状態への移行が生じる事象の発生を回避することができる。
【5080】
逆に、遊技停止待ち状態で電断状態となった場合は第1部分用クリア処理を実行する一方、遊技停止状態で電断状態となった場合は第1部分クリア用処理を実行しない構成としてもよい。かかる構成において、遊技停止状態で電断状態となった場合(例えば電源オフ操作が行われた場合)は、復電時において、リセットボタン166cのON操作を行いながら電源ON操作を行うことで、遊技停止状態の解除とともに差球数の情報の消去(初期化)を行うことができる。
【5081】
(28)上記第7の実施の形態や各変形例では、差球数の情報が初期化された場合の判定用差球数SAの初期値が0個になるが、消去前の数よりも小さい1以上の数であってもよい。例えば、消去前(電断前)の判定用差球数SAが36000個の場合は、初期化処理により1000個に変更されるものであってもよい。このような意味で初期化処理は、判定用差球数SAを低減させる処理と見ることができるため、低減処理と言い換えることもできる。
【5082】
(29)上記第7の実施の形態や各変形例では、復電時に第1部分用クリア処理(ステップSn112)が実行されたり、電断時に電断時クリア用処理(ステップSn3710)が実行されたりすることで、電断前の差球数の情報が消去される構成としたが、復電や電断以外の事象を契機として差球数の情報を消去する構成としてもよい。
【5083】
(30)上記第7の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが報知開始球数(例えば14000個)以下になると、第1停止予告用報知が実行される構成としたが、残り球数RSにかかわらず、常時、第1停止予告用報知が実行される構成としてもよい。
【5084】
(31)上記第7の実施の形態や各変形例では、第2停止予告用報知において残り球数を報知しないが、残り球数の報知を行った上でメッセージ画像902を表示する構成としてもよい。この場合における残り球数の報知は、表示サイズが小さくされたり、メッセージ画像902が表示される表示部とは異なる他の表示部にて行われたりするなどして、第1停止予告用報知(メッセージ画像901)の場合に比べて遊技者が残り球数を認識しにくいものであるとよい。
【5085】
(32)上記第7の実施の形態や各変形例では、第2停止予告用報知においてメッセージ画像902を表示し、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することを知らせるものとしたが、例えば、残り球数RSが0個になったことの報知を行ったり、獲得数(判定用差球数SA)が95000個に到達したことの報知を行ったりするものであってもよい。また、例えば「まもなく遊技停止状態に移行します。」等の文字表示を行い、遊技停止状態への移行を事前報知するものであってもよい。これらのことは復電時に実行される第3復電用報知に対しても適用することができる。
【5086】
(33)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モード中に第2停止予告用報知が開始された後、当該開閉実行モードの終了まで第2停止予告用報知が継続される構成としたが、開閉実行モードの終了前に第2停止予告用報知が終了する構成としてもよい。例えば、第2停止予告用報知の開始後、当該第2停止予告用報知が予め定められた所定期間(例えば4sec)に亘って継続された後、当該第2停止予告用報知が終了する構成としてもよい。この場合、上記所定期間の経過よりも早く開閉実行モードが終了(エンディング期間が終了)した場合は、開閉実行モードの終了後も所定期間が経過するまで第2停止予告用報知を継続する構成としてもよいし、所定期間の経過前であっても開閉実行モードの終了に合わせて第2停止予告用報知を終了させる構成としてもよい。
【5087】
上記(33)構成は、第2停止予告用報知の開始後に継続実行される第1停止予告用報知にも適用することができる。なお、必ずしも第2停止予告用報知と第1停止予告用報知とが同時に終了する必要はなく、これらが異なるタイミングで終了してもよい。
【5088】
(34)上記第7の実施の形態や各変形例では、その途中で残り球数RSが0個以下となる開閉実行モードにおいて、第2停止予告用報知としてのメッセージ画像902と、何ラウンド目のラウンド遊技であるかを示すラウンド報知としてのラウンド数画像903との両方を表示するが、後者の表示を行わない構成としてもよい。具体的には、メッセージ画像902の表示が開始されることに合わせてラウンド数画像903の表示が消去されたり、その開閉実行モードの当初からラウンド数画像903の表示が実行されなかったりする構成とすることが考えられる。このような構成とすることで、メッセージ画像902への遊技者の注目度を高めて報知の見逃しを抑制したり、特別感を演出して遊技者の優越感を喚起したりすることができる。
【5089】
なお、ラウンド数画像903の表示を実行しない構成に代えて、残り球数RSが0個以下とならない開閉実行モードの場合に比べてラウンド数画像903の表示サイズが小さくなる構成としてもよい。このような場合でもメッセージ画像902を目立たせることができ、上記構成と同様の効果を期待することができる。
【5090】
(35)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個となることに応じて第2停止予告用報知を実行する場合に、第1停止予告用報知の実行を継続する構成としたが、第1停止予告用報知を終了してもよい。すなわち、実行対象の報知を第1停止予告用報知から第2停止予告用報知に切り替える構成としてもよい。
【5091】
(36)上記第7の実施の形態や各変形例では、第2停止予告用報知の開始後も第1停止予告用報知の実行を継続する場合に、第1停止予告用報知(メッセージ画像910)により報知される残り球数を更新しない構成としたが、これを更新する構成としてもよい。このような構成とすることで、獲得球数(判定用差球数SA)の総数や、停止用球数に対する超過数を遊技者に認識させることが可能になる。この際、更新後のメッセージ画像910の表示は、残り球数をマイナス表示するものに限らず、獲得球数(判定用差球数SA)の総数を表示したり、停止用球数に対する超過数(オーバー分)を表示したりするものであってもよい。
【5092】
(37)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下となった場合に、その後、遊技停止状態に移行するまで残り球数カウンタ(判定用差球数SAや残り球数RS)を更新しない構成としたが、これを更新する構成としてもよい。この場合、残り球数カウンタを更新した上で第1停止予告用報知(メッセージ画像910)については更新しない構成(メッセージ画像910の表示内容を維持する構成)としてもよいし、残り球数カウンタの更新結果に合わせて第1停止予告用報知の内容を更新する構成(メッセージ画像910により報知される残り球数がさらに減少していく構成)としてもよい。
【5093】
(38)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下となった場合に、残り球数カウンタの更新を残り球数RSが0個になった状態で止める構成としたが、0個よりも手前の所定数(例えば1個)の状態で止める構成としてもよい。
【5094】
(39)上記第7の実施の形態や各変形例において、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下となった後、第1停止予告用報知と第2停止予告用報知との両方を実行する場合に、これらの目立ちやすさを異ならせるようにしてもよい。例えば、第2停止予告用報知におけるメッセージ画像902の表示サイズや文字サイズを第1停止予告用報知におけるメッセージ画像901の表示サイズや文字サイズよりも大きくすることで、第2停止予告用報知が第1停止予告用報知よりも目立ちやすくなるようにしてもよい。
【5095】
(40)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止待ち状態であることに対応した報知(第2停止予告用報知や第3復電用報知)が図柄表示装置75にて実行される構成としたが、他の報知部にて実行される構成としてもよい。また、画像表示による報知に限らず、LED等の発光手段を用いて報知してもよく、この場合の発光手段は、遊技盤60上に配置されるものであってもよいし、前扉枠14に配置されるものであってもよい。また、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を所定の動作態様で動作させることにより報知してもよい。なお、上記報知は、必ずしも視覚的な報知である必要はなく、スピーカ部29からの音声による聴覚的な報知であってもよい。
【5096】
上記(40)の変形例については、第1停止予告用報知や復電時における各報知(第1復電用報知~第4復電用報知)等の他の報知についても適用することが可能である。
【5097】
(41)上記第7の実施の形態や各変形例では、電断状態の発生後、リセットボタン166cがON操作されながら電源ON操作が行われた場合に、第1復電用報知(
図444(a))が実行されるが、リセットボタン166cがON操作された場合に対応した第5復電用報知が実行されてもよい。第5復電用報知は、第1復電用報知~第4復電用報知とは報知態様が異なるものである。この第5復電用報知では、例えば「まもなく画面が復帰します。」等の文字が付されたメッセージ画像911と、例えば「RAMがクリアされました」等の文字が付されたメッセージ画像とが表示される。これにより、復電時における初期画面において、しばらく後に画面表示が復帰すること(電断前の画面表示状態に戻ること)と、主側RAM314のクリア処理(初期化処理)が実行されたことが報知される。
【5098】
(42)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止状態への移行に関する特定報知を当該移行に先立って実行するが、遊技停止状態への移行契機が成立した場合(残り球数RSが0個以下となった場合)に実行してもよい。
【5099】
(43)上記第7の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となった場合に「差球数が上限値に到達しました。遊技停止します。」等の文字が付されたメッセージ画像905や、「遊技停止中です。係員を読んで下さい。ハンドルから手を離して下さい。」等の文字が付されたメッセージ画像906を図柄表示装置75に表示するが、これらのうちの一方又は双方と併せて又はその前後にて、獲得球数の実績値に対応した報知を行う構成としてもよい。獲得球数の実績値に対応した報知としては、例えば、遊技停止状態に移行した際の判定用差球数SAや差球数SBを遊技者が認識できる報知とすることができ、具体的には、判定用差球数SAや差球数SBを数字表示する報知とすることができる。このような報知を行うことで、遊技者の満足感や達成感を喚起することができ、遊技停止状態に移行すること(遊技ができなくなること)への不満感を緩和することが可能になる。
【5100】
(44)上記第7の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合と、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行した場合とで、遊技停止状態であることを報知する停止用報知の態様を異ならせたが(
図442(b)、(c))、それらの場合で同じ態様の停止用報知が実行されてもよい。この場合、主制御装置162や演出制御装置143での制御処理として、両者の場合を識別した上で同じ態様の停止用報知が実行される構成としてもよいし、そもそも両者を区別して認識しないことで、結果的に同じ態様の停止用報知が実行されることになる構成としてもよい。
【5101】
(45)上記第7の実施の形態や各変形例では、残り球数RSが0個以下となったことに基づいて遊技停止状態に移行した場合の停止用報知(
図442(b))と、不正検知に基づいて遊技停止状態に移行した場合の停止用報知(
図442(c))とで、異なる背景画像を表示することにより報知態様を相違させる構成としたが、これに代えて又は加えて、背景画像以外の部分を異ならせる構成としてもよい。
【5102】
例えば、音声の有無や音声の大きさの違いにより、両者の場合における停止用報知の態様を相違させる構成としてもよい。具体的には、残り球数RSに基づく遊技停止の場合の停止用報知では、音声報知が行われずに表示のみの報知とされる一方、不正検知に基づく遊技停止の場合の停止用報知では、表示とともに音声報知が行われる構成とすることが考えられる。
【5103】
また、残り球数RSに基づく遊技停止の場合の停止用報知と不正検知に基づく遊技停止の場合の停止用報知との両方で表示とともに音声報知が行われるものの、前者の場合は後者の場合は音声報知の音量が小さくされる構成としてもよい。この際、停止用報知での音声報知の内容は、残り球数RSに基づく遊技停止の場合と不正検知に基づく遊技停止の場合とで同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
【5104】
上記(44)、(45)の変形例については、遊技停止状態で電断が発生し、その後、復電した場合に実行される第2復電用報知及び第4復電用報知についても適用することが可能である。
【5105】
(46)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合の第3復電用報知(
図445(a))として、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することの表示(メッセージ画像914の表示)が行われる構成としたが、そのような表示が行われず、復電用の表示(メッセージ画像911の表示)のみが行われる構成としてもよい。すなわち、開閉実行モード中に残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電した場合の第1復電用報知(
図444(a))では、復電用の表示(メッセージ画像911の表示)と、差球数が初期化されたことの表示(メッセージ画像912の表示)とが行われる一方、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合の第3復電用報知では、復電用の表示のみが実行され、差球数が初期化されたことの表示が行われないことにより、遊技者に差球数が初期化されていないと思わせ、これによって、開閉実行モードの終了後に遊技停止状態に移行することを認識させてもよい。
【5106】
また、電断前の遊技停止待ち状態で、差球数(判定用差球数SA)が停止用球数に到達している旨の報知を表示画面Gにて実行するようにした上で、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合の第3復電用報知として、復電用の表示(メッセージ画像911の表示)とともに、差球数(判定用差球数SA)が停止用球数に到達している旨の報知が実行される構成としてもよい。なお、内部的には差球数の情報が初期化されているため、上記報知はそれとは異なる内容を報知するものとなる。
【5107】
また、遊技盤60や前扉枠14の前面部に所定の発光部を備え、表示画面G上の報知との組み合わせにより、第1復電用報知と第3復電用報知との使い分けを行う構成としてもよい。例えば、第1復電用報知の場合は表示画面Gに復電用の表示(メッセージ画像911の表示)が実行されつつ、上記所定の発光部が消灯状態とされる一方、第3復電用報知の場合は復電用の表示(メッセージ画像911の表示)が実行されつつ、上記所定の発光部が発光状態とされてもよい。このような報知の違いにより、ホール従業員や遊技者において両者の場合を識別できるようにする構成としてもよい。なお、上記所定の発光部は発光の有無により報知の違いが担保されるものに限らず、発光色や発光パターンの違いにより報知の違いが担保されるものであってもよい。
【5108】
(47)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合のメッセージ画像914が図柄表示装置75に表示されるが、図柄表示装置75とは異なる他の表示部に表示されてもよい。この際、メッセージ画像911を図柄表示装置75に表示しつつ、メッセージ画像914を上記他の表示部に表示する構成としてもよいし、メッセージ画像911、914の両方を上記他の表示部に表示する構成としてもよい。
【5109】
また、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電した場合のメッセージ画像912や、遊技停止状態で電断が発生し、その後に復電した場合のメッセージ画像913についても他の表示部に表示される構成としてよい。これらの場合、必ずしもメッセージ画像912~914の全てを他の表示部に表示する必要はなく、メッセージ画像912~914のうちの1又は2を他の表示部に表示し、残りを図柄表示装置75に表示する構成としてもよい。
【5110】
(48)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合の第3復電用報知において、メッセージ画像911、914が同時に表示されるが、メッセージ画像911、914の一方が表示された後、メッセージ画像911、914の他方が表示される構成としてもよい。この場合、後の表示が開始されることに応じて先の表示が消去される構成としてもよいし、後の表示が開始された後も先の表示が継続される構成としてもよい。
【5111】
(49)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合の第3復電用報知において、起動中の期間を利用してメッセージ画像914が表示されるが、遊技演出(開閉実行モード用の演出表示)が再開されてからメッセージ画像914が表示される構成としてもよい。但し、復電後に行われる残りの開閉実行モードの期間が短い場合は、メッセージ画像914の表示期間も短くなり、十分な報知を行えない懸念があるため、報知期間を確保する観点では、遊技演出の再開前からメッセージ画像914を表示するのがよい。
【5112】
(50)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合の第3復電用報知において、遊技演出(開閉実行モード用の演出表示)の再開前に実行されたメッセージ画像914の表示が遊技演出の再開後も継続される構成としたが、当該表示が遊技演出の再開時に終了したり、遊技演出の再開前に終了したりする構成としてもよい。この場合、メッセージ画像914により遊技演出の視認性が低下することを抑制することが可能になる。
【5113】
上記(48)~(50)の変形例については、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電した場合に実行される第1復電用報知や、遊技停止状態で電断が発生し、その後に復電した場合に実行される第2復電用報知及び第4復電用報知についても適用することが可能である。
【5114】
(51)上記第7の実施の形態や各変形例では、第1復電用報知~第4復電用報知にてメッセージ画像911の表示が実行されるが、当該表示が実行されない構成としてもよい。例えば、第1復電用報知の場合であれば、メッセージ画像912のみが表示される構成としてもよい。
【5115】
なお、上記第7の実施の形態や各変形例では、復電したことに対応する報知(復電用の報知)としてのメッセージ画像911にて「まもなく画面が復帰します」の文字表示が実行される構成としたが、例えば、「電源供給が再開されました」や「電源ON状態となりました」、「しばらくお待ちください」などの他の文字表示が実行される構成としてもよい。ちなみに、復電用の報知は、必ずしも報知の内容が復電したことを示すものである必要はなく、復電の都度、その表示が行われるなど、ホール従業員や遊技者に対して復電を連想させるもの(復電を示唆するもの)であればよい。
【5116】
(52)上記第7の実施の形態や各変形例では、第2復電用報知~第4復電用報知にて差球数に関する報知(メッセージ画像912の表示)が実行されない構成としたが、当該報知が実行される構成としてもよい。
【5117】
(53)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止待ち状態となった場合に主制御装置162から超過待機コマンド(
図421のステップSn1816)を出力することにより、演出制御装置143に対して遊技停止待ち状態への移行を通知する構成としたが、遊技停止待ち状態になったことの通知は複数のコマンドによりなされるものであってもよい。例えば、開閉実行モードへの移行を通知するための大当たり遊技コマンドと、残り球数RSが0個以下となったことを通知するための超過コマンド(
図421のステップSn1814)とが出力されることにより、演出制御装置143において遊技停止待ち状態が認識される構成としてもよい。この場合、超過待機コマンドの出力機能を備えない構成としてもよい。
【5118】
なお、上記の場合における超過コマンドは、残り球数RSが0個に到達したタイミングで出力されてもよいし、当該到達より後で開閉実行モードの終了前の所定タイミングで出力されてもよい。要は、開閉実行モードの終了前に演出制御装置143が遊技停止待ち状態を認識することができ、開閉実行モードの終了により遊技停止することの事前報知を行うことができるものであればよい。
【5119】
(54)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技停止状態となった場合に主制御装置162から遊技停止コマンド(
図426のステップSn2106、ステップSn2112)を出力することにより、演出制御装置143に対して遊技停止状態への移行を通知する構成としたが、遊技停止状態になったことの通知は複数のコマンドによりなされるものであってもよい。例えば、主制御装置162において、開閉実行モードへの移行を通知するための大当たり遊技コマンドと、残り球数RSが0個以下となったことを通知するための超過コマンドとの出力機能を備え、演出制御装置143において、大当たり遊技コマンドを受信せず、超過コマンドを受信したことに基づき、遊技停止状態を認識する構成としてもよい。また、発射停止処理が実行されたことを通知するためのコマンドと、閉鎖制御処理が実行されたことを通知するためのコマンドとの出力機能を備え、演出制御装置143において、これらのコマンドを受信したことに基づき、遊技停止状態を認識する構成としてもよい。これらの場合、遊技停止コマンドの出力機能を備えない構成としてもよい。
【5120】
(55)上記第7の実施の形態や各変形例では、都度の残り球数RSを通知するためのコマンドとして残り球数コマンドが出力されるが、残り球数RSの通知は複数のコマンドにより実行されてもよい。例えば、前半側の残り球数コマンドと、後半側の残り球数コマンドとからなる2つのコマンドにより、都度の残り球数RSが通知される構成としてもよい。この場合、前半側の残り球数コマンドにおける下位バイトの情報と、後半側の残り球数コマンドにおける下位バイトの情報との組み合わせにより、残り球数RSが示されるものとなる。
【5121】
(56)上記第7の実施の形態では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合に、主制御装置162から差球用コマンドが出力されない構成としたが、第1及び第2差球用コマンドとは異なる第3差球用コマンドが出力される構成としてもよい。第3差球用コマンドの上位バイトには、差球用コマンドであることに対応した情報(識別情報)が設定され、下位バイトには、遊技停止待ち状態に対応するものとしての固有値が設定される。この場合、演出制御装置143では、第1復電用コマンドと第3差球用コマンドとを受信したことに基づき、遊技停止待ち状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後の状態が遊技停止待ち状態であること)を認識することになる。
【5122】
また、第3差球用コマンドに代えて、遊技停止待ち状態に対応した専用コマンドが出力される構成としてもよい。この場合、演出制御装置143では、第1復電用コマンドと専用コマンドとを受信したことに基づき、遊技停止待ち状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後の状態が遊技停止待ち状態であること)を認識することになる。
【5123】
なお、第3差球用コマンドや上記専用コマンドは、第1差球用コマンドや第2差球用コマンドと同様に第1復電用コマンドと併せて出力されてもよいし、第1復電用コマンドより後に出力されてもよい。後者の構成においては、主制御装置162にて、第1復電用コマンドの設定(出力)がメイン処理の中で実行され、第3差球用コマンドや上記専用コマンドの設定(出力)がタイマ割込み処理の中で実行される構成としてもよい。
【5124】
(57)上記第7の実施の形態では、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電した場合に、メッセージ画像912(「遊技停止用カウンタがリセットされました」の文字)が表示される構成としたが、メッセージ画像912が表示されない構成としてもよい。すなわち、メッセージ画像911(「まもなく画面が復帰します」の文字)のみが表示される構成としてもよい。
【5125】
(58)上記第7の実施の形態では、第1差球用コマンドや第2差球用コマンドが第1復電用コマンドと併せて出力される構成としたが、第1復電用コマンドが出力された後に第1差球用コマンドや第2差球用コマンドが出力される構成としてもよい。この場合、主制御装置162において、第1復電用コマンドの設定(出力)がメイン処理の中で実行され、第1差球用コマンドや第2差球用コマンドの設定(出力)がタイマ割込み処理の中で実行される構成としてもよい。
【5126】
(59)上記第7の実施の形態の変形例1において、ステップSn2202の第2初期化処理(ステップSn111の超過時立上げ用処理)が電断時に実行される構成としてもよい。すなわち、電断状態となった場合に残り球数RSが0個以下であるか否か(超過フラグに「1」がセットされているか否か)を判定し、残り球数RSが0個以下である場合に第2初期化処理を実行する構成としてもよい。この場合、差球数の情報だけでなく、高確率モードであることの情報や特図保留情報等についても電断時に消去されることなる。
【5127】
なお、上記第7の実施の形態において第2初期化処理が電断時に実行される構成としてもよい。この場合、差球数の情報については復電時に消去され、高確率モードであることの情報や特図保留情報等については電断時に消去されることなる。
【5128】
(60)上記第7の実施の形態の変形例2では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合に、主制御装置162から第2復電用コマンド(
図453のステップSn4102)を出力することにより、演出制御装置143に対して遊技停止待ち状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後の状態が遊技停止待ち状態であること)を通知する構成としたが、遊技停止待ち状態で電断が発生したことの通知は複数のコマンドによりなされるものであってもよい。例えば、開閉実行モードへの移行を通知するための大当たり遊技コマンドと、残り球数RSが0個以下となったことを通知するための超過コマンドとが出力されることにより、演出制御装置143において、遊技停止待ち状態で電断が発生したことが認識される構成としてもよい。この場合、第2復電用コマンドの出力機能を備えない構成としてもよい。
【5129】
なお、遊技停止状態で電断が発生し、その後に復電する場合に、主制御装置162から複数のコマンドが出力されることにより、演出制御装置143に対して遊技停止状態で電断が発生したこと(換言すれば、復電後の状態が遊技停止状態であること)が通知される構成としてもよい。また、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生し、その後に復電する場合に、主制御装置162から複数のコマンドが出力されることにより、そのような状態で電断が発生したことが通知される構成としてもよい。
【5130】
(61)上記第7の実施の形態の変形例2では、復電用コマンドにより、遊技停止待ち状態で電断が発生したことや、遊技停止状態で電断が発生したことを通知する構成としたが、復電用コマンド以外のコマンドにより上記通知を行う構成としてもよい。例えば、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合であれば、第2復電用コマンドに代えて超過待機コマンドを出力したりすることが考えられる。この場合の超過待機コマンドは、遊技停止待ち状態となった場合に出力される超過待機コマンド(
図421のステップSn1816)と同じコマンドであってもよいし、ステップSn1816の超過待機コマンドとは異なる復電時専用の超過待機コマンドであってもよい。
【5131】
(62)上記第7の実施の形態の変形例2では、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合に第2復電用コマンドが出力され、遊技停止状態で電断が発生し、その後に復電した場合に第3復電用コマンドが出力される構成としたが、第2復電用コマンドと第3復電用コマンドとの少なくとも一方が出力されない構成としてもよい。例えば、遊技停止待ち状態で電断が発生し、その後に復電した場合は、第2復電用コマンドを出力することにより、復電に合わせて遊技停止待ち状態の通知を行う一方で、遊技停止状態で電断が発生し、その後に復電した場合は、第3復電用コマンドを出力せずに遊技停止の通知を行わないようにするか、或いは、復電後に遊技状態に移行してから他のコマンドにより遊技停止の通知を行うようにしてもよい。
【5132】
(63)上記第7の実施の形態の変形例2では、復電時に差球用コマンドが出力されない構成としたが、差球用コマンドが出力される構成としてもよい。この場合の差球用コマンドは、復電時の差球数(初期化後の判定用差球数SA)を示す態様で出力するとよい。
【5133】
(64)上記第7の実施の形態の変形例3では、複数の発光部622a~622eを備える差球数報知部622により差球数に関する報知が実行される構成としたが、他の態様で差球数に関する報知が実行される構成としてもよい。例えば、
図462(a)に示すように、都度の残り球数RSと遊技停止までの上限数(例えば95000個)とを数値表示により表すものとしてもよい。残り球数RSが約13000個の場合であれば、「あと約13000個/95000個で遊技停止」等の表示を行うことができる。
【5134】
上記の場合において、開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下となった後の表示態様(第1停止予告用報知)は95000個/95000個で遊技停止」とすることができる。また、復電時(差球数が初期化された状態)での表示態様は「あと95000個/95000個で遊技停止」とすることができる。
【5135】
また、
図462(b)に示すように、都度の判定用差球数SAと遊技停止までの上限数とを表示するものとしてもよい。また、
図462(c)に示すように、レベルゲージ等の数字情報とは異なる画像を用いた態様で残り球数RSや判定用差球数SAの表示を行う構成としてもよい。
【5136】
なお、
図462(a)~(c)の各表示は、図柄表示装置75にて実行されてもよいし、他の表示部で実行されてもよい。これらの場合、
図462(a)~(c)の各表示は、図柄表示装置75における図柄列Z1~Z3の変動表示領域よりも小さい表示領域で行う構成とするとよい。この場合、差球数の報知を目立ちにくくし、差球数が初期化されたことに遊技者が気付きにくい構成とすることができる。
【5137】
また、
図462(a)~(c)の各表示は、差球数報知部622での報知に代えて実行されてもよいし、差球数報知部622での報知と併せて実行されてもよい。
【5138】
(64)上記第7の実施の形態の変形例3では、差球数報知部622(差球数に関する情報が報知される報知部)を遊技盤60の前面側に配置する構成としたが、差球数報知部622を遊技盤60の背面側に配置し、施錠装置55を解錠して遊技機本体12(内枠13)をパチンコ機10の前方側に回動させることで、差球数報知部622を視認可能となる構成としてもよい。すなわち、遊技ホールの従業員のみが差球数報知部622を視認できる構成としてもよい。
【5139】
また、遊技盤60の前面側に代えて前扉枠14の前面部に差球数報知部622を配置する構成としてもよい。この場合、差球数報知部622に代えて、前扉枠14に設けられた既存の発光部(ランプ部)を利用して差球数に関する報知を行う構成としてもよい。前扉枠14の発光部を利用して差球数に関する報知を行う場合は、当該報知が遊技者に視認されることを抑制すべく、遊技機前方から視認可能な図柄表示装置75の表示領域(表示画面Gの一部がセンターフレーム76等により隠される場合は、センターフレーム76等が前方から重ならない残りの領域)の上端部よりも上方に配置される発光部を利用して上記報知を行うとよい。また、前扉枠14に差球数報知部622を設ける場合も、上記表示領域よりも上方に差球数報知部622を配置するとよい。
【5140】
(65)上記第7の実施の形態の変形例3では、差球数の情報が差球数報知部622に表示され、差球数(初期化)に関する報知が図柄表示装置75とは異なる報知手段にて実行されるが、当該報知が図柄表示装置75にて実行され、復電用の報知が図柄表示装置75以外の報知手段にて実行される構成としてもよい。
【5141】
また、上記第7の実施の形態の変形例3では、差球数(初期化)に関する報知と、復電用の報知(メッセージ画像911の表示)とが異なる報知手段にて実行されるが、これらの報知が同じ報知手段にて実行されてもよい。この場合、両報知が図柄表示装置75にて実行されてもよいし、図柄表示装置75とは異なる他の報知手段にて実行されてもよい。
これらの際、上記第7の実施の形態の変形例3と同様に、差球数に関する報知と復電用の報知とが重複して実行されたり、差球数に関する報知が遊技回演出や開閉実行モード用演出の再開前に実行されたりする構成とすることができる。
【5142】
なお、図柄表示装置75にて差球数に関する報知を行う場合は、上記第7の実施の形態の変形例3に係る差球数報知部622での報知と同様に、遊技者が当該報知を見てもその内容を認識できない又は認識しにくい態様で報知を行う構成としてもよい。ちなみに、認識しにくい態様としては、例えば、復電用の報知を文字により行って分かりやすくする場合であれば、復電用の報知に比べて認識しにくい態様で差球数に関する報知を行う構成とすることが考えられる。復電用の報知に比べて認識しにくい態様としては、差球数に関する報知では文字を用いないで報知を行う態様としたり、差球数に関する報知の表示サイズ(例えば、区画される表示領域としてのウィンドウを表示して報知を行う場合はそのウィンドウの表示サイズ)を復電用の報知の表示サイズ(例えばウィンドウの表示サイズ)よりも小さくしたりすることが考えられ、また、差球数に関する報知で文字を用いる場合は、その文字サイズを復電用の報知での文字サイズよりも小さくしたりして目立ちにくくすることが考えられる。
【5143】
(66)上記第7の実施の形態の変形例3において、ホール従業員が差球数報知部622の発光態様に基づいて残り球数RS(判定用差球数SA)を認識できるようにするための説明表示が遊技盤60の前面部における所定領域にてなされる構成としてもよい。上記説明表示としては、各発光部622a~622eの発光態様と残り球数(獲得球数)との対応関係を説明するものが考えられる。
【5144】
上記説明表示がなされる所定領域は、ガラスパネル23を通じて遊技機前方から視認可能な領域である。この場合、所定領域が遊技領域PE(遊技球が流下し得る領域)内に設けられ、所定領域の前方を遊技球が通過可能な構成としてもよいし、所定領域が遊技領域PE外に設けられ、所定領域の前方を遊技球が通過不可な構成としてもよい。遊技球が接触することによる説明表示の損傷や、遊技球に隠されることによる説明表示の視認性の低下等を抑制する上では、後者の構成とすることが好ましい。
【5145】
遊技盤60が透明性を有するものである場合は、遊技盤60の後方側に上記説明表示が設けられ、当該遊技盤60を通して説明表示を視認できる構成としてもよい。また、パチンコ機10の前面部(前扉枠14の前面部)に上記説明表示を設ける構成としてもよい。
【5146】
なお、発光部による報知に関しての説明表示に加えて又は代えて、獲得球数(差球数)が95000個に到達することにより遊技停止状態に移行することへの説明表示がなされる構成としてもよい。
【5147】
(67)上記第7の実施の形態の変形例3では、差球数報知部622でのリセット用報知(白色点滅)により残り球数RSの初期化が報知される構成としたが、当該報知に代えて又は加えて、その時点での残り球数RS(判定用差球数SA)が報知される構成としてもよい。例えば、残り球数RSが初期値(判定用差球数SAが0個)である場合に差球数報知部622の発光部622a~622eが全消灯する構成であれば、復電時において差球数報知部622が全消灯の状態であることにより、残り球数RSが初期値(判定用差球数SAが0個)であることの報知が行われるものとしてもよい。
【5148】
(68)上記第7の実施の形態の変形例3では、復電時に残り球数RS(判定用差球数SA)が初期化されると、電断時の状態にかかわらず、一律に差球数報知部622が白色点滅して初期化の報知が実行されるが、電断時の状態に応じて当該報知が実行されるか否かが切り換えられる構成としてもよい。例えば、残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合は、復電時に差球数報知部622が白色点滅して初期化の報知が実行され、遊技停止待ち状態で電断が発生した場合は、復電時に差球数報知部622が白色点滅せずに初期化の報知が実行されない構成としてもよい。このような構成とすることで、日常での電源オン時(遊技ホールの開店に伴うパチンコ機10への電源投入)では、差球数報知部622が白色点滅することで、昨日の残り球数RSの実績がクリアされていることをホール従業員が容易に確認できる一方、遊技停止待ち状態で停電等が発生して不意に電源オフ状態になり、その後、停電等が解消されて電源オン状態となった場合に、遊技者がパチンコ機10の前方で着座していたとしても、残り球数RSが初期化されたことが分かりにくく、遊技の再開後、開閉実行モードの終了に伴って遊技停止状態に移行したとしても不自然な印象となることを抑制できる。
【5149】
(69)上記第7の実施の形態の変形例3では、差球数報知部622でのリセット用報知が図柄表示装置75での遊技回用演出の再開前に実行されるが、遊技回用演出の再開後に実行されてもよい。この場合、差球数報知部622でのリセット用報知に先立ち、遊技者の意識が図柄表示装置75に向けられるため、差球数報知部622でリセット用報知が実行されても遊技者が気付きにくく、残り球数RSの初期化をさらに分かりにくくすることができる。
【5150】
(70)上記第7の実施の形態の変形例3では、差球数報知部622でのリセット用報知が図柄表示装置75での遊技回用演出の再開後も継続して実行されるが、遊技回用演出の再開に伴ってリセット用報知が終了する構成としてもよい。また、リセット用報知が遊技回用演出の再開前に終了する構成としてもよい。この場合、復電用の報知(メッセージ画像911の表示)より先にリセット用報知が終了してもよいし、復電用の報知が終了してからリセット用報知が終了してもよい。
【5151】
(71)上記第7の実施の形態の変形例3では、復電時において、復電用の報知(メッセージ画像911の表示)とリセット用報知(差球数報知部622の白色点滅)とが同時に実行されるが、これらの報知が異なるタイミングで実行されてもよい。例えば、復電用の報知が実行された後にリセット用報知が実行されてもよい。このような構成とすることで、遊技者の意識を復電用の報知(図柄表示装置75)に向けてから差球数報知部622でのリセット用報知が実行されるものとなり、残り球数RSの初期化をさらに分かりにくくすることができる。なお、復電用の報知の実行後にリセット用報知を実行する上では、それらの報知の期間が重複してもよいし、重複しなくてもよい。但し、ホール従業員による初期化の確認を速やかにできるようにする上では、復電用の報知の実行期間に重複してリセット用報知を実行するとよい。
【5152】
また、リセット用報知が実行されてから復電用の報知が実行されてもよい。この場合も、リセット用報知の実行期間に重複して復電用の報知が実行されてもよいし、それらの期間を重複させず、リセット用報知が終了してから復電用の報知が実行されてもよい。
【5153】
(72)上記第7の実施の形態の変形例3では、復電時においてメッセージ画像912の表示(「遊技停止用カウンタがリセットされました」の文字表示)が実行されない構成としたが、当該表示が実行されてもよい。すなわち、図柄表示装置75と差球数報知部622との両方で残り球数RSの初期化が報知される構成としてもよい。
【5154】
(73)上記第7の実施の形態の変形例3では、リセット用報知の実効制御が演出制御装置143により行われるが、主制御装置162により行われる構成としてもよい。この場合、差球数報知部622を主表示ユニット81に設け、特図用表示部の近傍や特図用表示部に隣接して配置する構成としてもよい。このような構成とすることで、主制御装置162からの配線の引き回しを好適化することができるほか、注目箇所の集約化が図られるというメリットもある。
【5155】
(74)上記第7の実施の形態の変形例3では、復電用の報知(メッセージ画像911の表示)が図柄表示装置75にて実行されるが、図柄表示装置75とは異なる他の報知手段にて実行されてもよい。
【5156】
(75)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードでのラウンド数が10ラウンドと4ラウンドに設定されるが、他のラウンド数であってもよい。また、開閉実行モードで実行可能なラウンド数は必ずしも複数である必要はなく、1ラウンドのみであってもよい。
【5157】
(76)上記第7の実施の形態や各変形例では、確変大当たり結果又は通常大当たり結果になることにより、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行する構成としたが、高頻度サポートモードへの移行条件はこれに限定されるものではない。例えば、上記に代えて又は加えて、遊技領域PEに又は遊技領域PEを流下する遊技球が到達可能な所定領域に特定通過部又は特定入球部が設けられ、遊技球が特定通過部を通過又は特定入球部に入球した場合又は当該入球の回数が所定回数に達した場合に高頻度サポートモードに移行する構成としてもよい。このことは、高確率モードへの移行についても同様である。
【5158】
(77)上記第7の実施の形態や各変形例では、特図当否判定で大当たりとなって開閉実行モードに移行し、その開閉実行モードが終了した後に高頻度サポートモードに移行する構成としたが、通常遊技状態(低頻度サポートモード)から開閉実行モードを経由せずに高頻度サポートモードに移行し得る構成としてもよい。
【5159】
(78)上記第7の実施の形態や各変形例では、高頻度サポートモードの終了(サポートフラグのクリア処理)が最終遊技回の確定表示の開始タイミングにて実行される構成としたが、確定表示の開始後に実行される構成としてもよい。具体的には、最終遊技回における確定表示の途中タイミングや確定表示の終了タイミング、次の特図遊技回の開始タイミングにて高頻度サポートモードの終了が実行されてもよい。
【5160】
(79)上記第7の実施の形態や各変形例では、高頻度サポートモードに移行してからの特図遊技回の回数が上限回数に達することで高頻度サポートモードの終了(サポートフラグのクリア処理)が行われる構成としたが、高頻度サポートモードの終了条件はこれに限定されるものではない。例えば、上記に代えて又は加えて、高頻度サポートモードへの移行後、特図当否抽選にて小当たり結果になったことや、小当たり結果になった回数が予め定められた上限回数(例えば5回)に達することで高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。
【5161】
なお、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、小当たり結果になったこと又は小当たり結果の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよい。
【5162】
また、上記に代えて又は加えて、高頻度サポートモードに移行してからの普図遊技回の回数が上限回数に達することで高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。この場合、サポート抽選の結果にかかわらず全ての普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら高頻度サポートモードが終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が当たり結果になった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら高頻度サポートモードが終了する構成としてもよいし、サポート抽選の結果が外れ結果になった普図遊技回を対象とし、その回数が上限回数に達したら高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。
【5163】
例えば、特図遊技回の回数が上限回数に達することと、普図遊技回の回数が上限回数に達することとの両方の条件を備える場合は、それら条件の一方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよいし、それら条件の両方が成立したら高頻度サポートモードの終了が行われる構成としてもよい。
【5164】
また、上記に代えて又は加えて、遊技領域PEに又は遊技領域PEを流下する遊技球が到達可能な所定領域に特定通過部又は特定入球部が設けられ、高頻度サポートモードへの移行後において、遊技球が特定通過部を通過又は特定入球部に入球した場合又は当該入球の回数が所定回数に達した場合に高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。
【5165】
(80)上記第7の実施の形態や各変形例では、確変状態で持ち球が増えない又はほぼ増えない構成としたが、確変状態で持ち球が増える構成としてもよい。例えば、可変入賞装置65が開放される小当たり遊技を頻発させることにより持ち球を増やす、いわゆる小当たりRUSHタイプの遊技機では、低確率モード且つ低頻度サポートモードの確変状態が設けられており、この確変状態にて小当たり遊技が頻発し得るように構成されている。この場合の確変状態は出玉率が1よりも大きい状態(差球数が増加していく状態)となるが、このような確変状態を有する遊技機に対して上記第7の実施の形態や各変形例の構成を適用してもよい。
【5166】
(81)上記第7の実施の形態や各変形例では、入賞等に対する遊技価値の付与として賞球の払い出しが行われる構成としたが、付与される遊技価値は賞球以外のものであってもよい。例えば、賞球の付与に代えて又は加えて、入賞等が発生した場合にポイントが付与される構成としてもよい。この場合、付与されたポイントの累積加算値が所定値に達することに基づいて開閉実行モード等の遊技者にとって有利な状態に移行する構成としてもよい。
【5167】
(82)上記第7の実施の形態や各変形例では、当否抽選にて大当たり結果となった場合に開閉実行モードに移行するが、遊技領域PEに又は遊技領域PEを流下する遊技者が到達可能な所定領域に特定通過部又は特定入球部が設けられ、遊技球が特定通過部を通過又は特定入球部に入球した場合に開閉実行モードに移行してもよい。
【5168】
(83)上記第7の実施の形態や各変形例では、開閉実行モードにおいて表示画面Gに保留表示部200が表示されない構成としたが、保留表示部200が表示される構成としてもよい。この場合、開閉実行モードの全体に亘って保留表示部200が表示されてもよいし、開閉実行モードにおける一部の期間にて保留表示部200が表示されてもよい。保留表示部200とメッセージ画像901,902との両方が表示される状況では、両者が重ならないようにメッセージ画像901,902の表示サイズや表示位置を設定するとよい。
【5169】
(84)上記第7の実施の形態や各変形例では、通常遊技状態、時短遊技状態、高確遊技状態を備える構成としたが、高確遊技状態を備えない構成としたり、時短遊技状態を備えない構成としたりしてもよい。なお、高確遊技状態を備えず、通常遊技状態と時短遊技状態を備える場合は、通常遊技状態を第1状態とし、時短遊技状態を第2状態とすることができ、時短遊技状態を備えず、通常遊技状態と高確遊技状態を備える場合は、通常遊技状態を第1状態とし、高確遊技状態を第2状態とすることができる。
【5170】
(85)上記第7の実施の形態や各変形例では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
【5171】
(86)上記第7の実施の形態や各変形例では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
【5172】
(87)上記第7の実施の形態や各変形例では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
【5173】
(88)上記第7の実施の形態や各変形例では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
【5174】
(89)上記第7の実施の形態や各変形例では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
【5175】
(90)上記第7の実施の形態や各変形例では、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機としたが、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機としてもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、入賞等に対する特典(遊技価値の付与)として賞球を付与する場合に、例えば、賞球数に対応したクレジット等の仮想遊技媒体(遊技価値)を遊技者に付与するとともに、賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
【5176】
(91)上記第7の実施の形態や各変形例では、主制御装置162において当否判定が行われたことに基づいて特図用表示部43における1の遊技回が開始される構成としたが、主制御装置162において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置162では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動開始コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動開始コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。この際、変動開始コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置75において図柄列Z1~Z3の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとするとよい。
【5177】
(92)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
【5178】
また、所定個数の遊技球がパチンコ機内に収容され、それらの遊技球をパチンコ機内で循環させて使用することにより、従来の払出装置を有しておらず、遊技者へ直接的に遊技球の貸し出しや払い出しを行わずに、遊技者の持ち球を数値化して持ち球情報(遊技価値)として扱う管理遊技機(封入式遊技機、封入式パチンコ機)にも本発明を適用できる。この遊技機では、上記持ち球情報を遊技機又は球貸し装置に設けられた情報記憶手段に記憶可能となっており、その記憶された持ち球情報に基づき、遊技者の持ち球個数を示す数値が所定の表示部に表示される。そして、貸球操作が行われた場合は、貸球数に対応する数値が持ち球情報に加算され、遊技球発射機構により遊技球(循環球)が発射された場合は、発射球数に対応する数値が持ち球情報から減算され、遊技球が遊技領域に設けられた所定入賞口に入賞した場合は、賞球数に対応する数値が持ち球情報に加算される。また、遊技機に設けられた所定の操作手段(例えば返却ボタン)が操作されることで、持ち球情報が所定のカード型記憶媒体(携帯式記憶媒体)に書き込まれるとともに、そのカード型記憶媒体が遊技機又は球貸し装置から取り出し可能となり、これにより、持ち球分に相当する遊技価値を遊技機外部に持ち出すことが可能になる。
【5179】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。この場合、差球数に代えて差枚数を導出するとともに、その差枚数を予め定められた特定枚数(例えば20000枚)と比較し、差枚数が特定枚数以上となったか否かを判定する構成とすればよい。この際、差枚数としては、メダルの合計払出枚数からベットしたメダル数(賭数)の合計枚数を減算して導出することができる。
【5180】
また、上記スロットマシンにおいて、実際のメダルを遊技者に使用させず(換言すれば、実際のメダルを用いることなく遊技を行うことが可能であり)、クレジットに記憶されたメダル枚数に基づく電子的な情報に基づいて遊技を行うメダルレススロットマシンにも本発明を適用できる。
【5181】
さらに、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
【5182】
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【5183】
<特徴eA群~特徴eG群>
下記の特徴eA群~特徴eG群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第1の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
【5184】
<特徴eA群>
特徴eA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
【5185】
なお、特徴eA群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5186】
特徴eA1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、所定遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態等)とを含む複数の遊技状態を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立に基づいて特定遊技状態に移行させることが可能な第1手段(主制御装置162における天井時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態である状況等)で特定条件が成立した場合に当該成立に基づく特定遊技状態への移行を制限することが可能な第2手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)と、
前記第2手段により特定遊技状態への移行が制限される場合又は制限された場合に特定報知(第1上乗せ演出、特殊リーチ外れA演出、開始用演出等)が実行されるようにする特定手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第2設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5187】
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、この特定遊技状態には特定条件の成立を通じて移行するものとなっている。このため、遊技者は、特定条件を成立させ、特定遊技状態に移行させることを目指して遊技を楽しむことができる。但し、特定条件を成立させれば常に特定遊技状態への移行が果たされるわけではなく、所定の状況で特定条件が成立した場合には特定遊技状態への移行が制限されるものとなっている。このような特定遊技状態への移行制限がなされる場合に特定報知が実行されるため、移行制限がなされた印象を軽減することが可能になる。
【5188】
特徴eA2.前記特定報知は、特定遊技状態への移行又は特定の特典付与(残り回数の増加等)を遊技者が認識できる報知(開始用演出、第1上乗せ演出等)であることを特徴とする特徴eA1に記載の遊技機。
【5189】
上記構成では、特定遊技状態への移行が制限される場合に、特定報知の実行により特定遊技状態への移行又は特定の特典付与が遊技者に認識されるため、あたかも移行が生じたかのように思わせることができる。これにより、遊技者の気分を高揚させ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5190】
特徴eA3.前記第1手段による移行が行われる場合に所定報知(第1上乗せ演出、特殊リーチ外れA演出、開始用演出等)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第1設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記所定報知に含まれる報知(特殊図柄811、上乗せ画像826等)に対応する態様の報知を含むものであることを特徴とする特徴eA1又は特徴eA2に記載の遊技機。
【5191】
上記構成では、特定遊技状態に移行する場合に所定報知が実行されるように構成された上で、特定遊技状態への移行が制限される場合に、その所定報知に含まれる報知に対応する態様の報知を含むようにして特定報知が実行される。これにより、移行制限が行われる場合においてあたかも移行が生じたような印象を与えることができる。
【5192】
なお、本特徴の「前記所定報知に含まれる報知に対応する態様の報知を含むものである」は、「前記所定報知に含まれる報知と同じ態様の報知を含むものである」や「前記所定報知に含まれる報知と同様の報知を含むものである」、「前記所定報知に対応する態様の報知である」、「前記所定報知と同じ態様の報知である」などと表現することもできる。
【5193】
特徴eA4.特定条件が成立した場合に、特定遊技状態への移行の有無にかかわらず、特定条件の成立に対応した所定の報知(特図用表示部43における特殊外れ結果に対応した絵柄の停止表示等)が実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA3のいずれかに記載の遊技機。
【5194】
上記構成では、特定遊技状態への移行がなされる場合と移行が制限される場合との両方において、特定条件の成立に対応した所定の報知が行われる。このような構成では、所定の報知を遊技者が見ることで特定条件の成立を認識し得るため、それに伴い特定遊技状態への移行が制限されたことを悟られてしまうおそれがある。この場合、せっかく特定条件を成立させたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。このような場合において特定報知の実行により移行制限がなされた印象を軽減できることで、遊技者の気分を害することが抑制され、遊技意欲の低下を好適に抑制することが可能になる。
【5195】
なお、本特徴は、「前記所定の状況で特定条件が成立した場合において特定遊技状態への移行が制限される場合に特定条件の成立に対応した所定の報知(特図用表示部43における特殊外れ結果に対応した絵柄の停止表示等)が実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能等)を備えている」と表現することもできる。
【5196】
特徴eA5.特定遊技状態において所定の更新契機(特図遊技回の実行、小当たり当選等)に基づいて所定数値情報(時短遊技状態に滞在可能な残りの遊技回の回数、時短遊技状態に移行してからの遊技回の実行回数等)を更新する更新手段(主制御装置162における高頻度サポートモード更新用処理を実行する機能)と、
前記更新手段により更新される所定数値情報が所定値(0回、上限回数)となることに基づいて特定遊技状態を終了させる終了手段(主制御装置162における高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知には、特定遊技状態における残りの所定数値情報に関する報知(上乗せ画像826)が含まれることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA4のいずれかに記載の遊技機。
【5197】
上記構成では、特定遊技状態において所定の更新契機により所定数値情報が更新され、その更新結果が所定値になると特定遊技状態が終了する。このような場合において、特定報知として特定遊技状態における残りの所定数値情報に関する報知がなされ、例えば残りの所定数値情報が増加又は追加される旨の報知がなされれば、特定遊技状態への移行が制限される場合でも当該移行が行われるかのような印象を与えることができる。
【5198】
特徴eA6.前記所定の状況は特定遊技状態である状況であり、
前記特定報知は、前記残りの所定数値情報が増加した又は追加されたと遊技者が認識できる報知であることを特徴とする特徴eA5に記載の遊技機。
【5199】
上記構成では、残りの所定数値情報が増加した又は追加されたと遊技者に認識されるようにして特定報知が行われる。これにより、内部的には特定遊技状態への移行制限を実施しているものの、遊技者の目線では特定条件を成立させて特定遊技状態の延長を勝ち取ったかのような印象となり、上記移行制限を行う中でも遊技者の遊技意欲が低下することを抑制できる。
【5200】
特徴eA7.前記所定の状況は特定遊技状態である状況であり、
滞在中の特定遊技状態についての前記残りの所定数値情報に関する報知として実際の残り分より少ない数に対応した報知が行われるようにする手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第1設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA5又は特徴eA6に記載の遊技機。
【5201】
上記構成では、特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立した場合に特定遊技状態の移行が制限され得る構成において、滞在中の特定遊技状態についての残りの所定数値情報が実際の残り分より少なく減らされて報知される。これにより、実際の残り分の一部を未報知分として確保することができ、その未報知分を利用して特定報知を行うようにすれば、実際の残り分の範囲内で、残りの所定数値情報が増加又は追加される旨の報知を行うことが可能になる。
【5202】
特徴eA8.前記特定手段は、滞在中の特定遊技状態についての前記実際の残り分と、前記残りの所定数値情報に関する報知による報知上の残り分との差分に基づいて前記特定報知が実行されるようにする手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA7に記載の遊技機。
【5203】
上記構成では、滞在中の特定遊技状態についての実際の残り分の一部である未報知分を利用して特定報知が実行されるため、実際には特定遊技状態への移行がなされておらず、残り分に変化がない中でも、残りの所定数値情報が増えたように特定報知を行うことができる。この場合、実際の残り分と整合させながら特定報知を行うことができるため、特定遊技状態への移行が行われたような印象をより好適に与えることが可能になる。
【5204】
特徴eA9.前記第2手段により特定遊技状態への移行が制限される場合又は制限された場合において前記差分が特定数未満である場合に前記特定報知の実行を制限することが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe3201、ステップSe3207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA8に記載の遊技機。
【5205】
上記構成では、滞在中の特定遊技状態の残りに関する未報知分が特定数未満である場合に特定報知の実行が制限されるため、特定遊技状態への移行が制限される場合であっても未報知分の残りが僅かである場合は特定報知が実行されない。これにより、実際の残り分を超えて残りの所定数値情報が増加又は追加される旨が報知されたり、不自然なまでに少ない数が増加又は追加される旨の報知がなされたりすることを抑制できる。
【5206】
特徴eA10.前記特定条件が成立していない状況において前記報知上の残り分に対応した残り数が所定数未満である場合に前記特定報知が実行されるようにする所定手段(演出制御装置143におけるステップSe3302、ステップSe3304~ステップSe3307、ステップSe3402、ステップSe3403~ステップSe3406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eA8又は特徴eA9に記載の遊技機。
【5207】
滞在中の特定遊技状態について実際の残り分よりも少ない数を報知した場合は、特定遊技状態の終了よりも早く報知上の残り分が尽きてしまう可能性がある。このような事情を踏まえ、報知上の残り分が所定数未満になると、特定条件の成立有無や特定遊技状態への移行制限の有無にかかわらず特定報知が実行されるように構成されている。この場合、報知上の残り分が少なくなることに応じて特定報知により残り分を補充することができるため、特定遊技状態の途中で報知上の残り分が尽きてしまうことが抑制され、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することが可能になる。
【5208】
特徴eA11.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の期間を設定する期間設定手段(主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、前記期間設定手段により設定された期間にて前記遊技回用動作が実行されるように遊技回の制御を行うものであり、
前記所定手段は、遊技回において前記特定報知が実行されるようにするものであり、
前記所定手段による特定報知として、長さの異なる前記遊技回用動作の期間に対応した複数種の特定報知(第1上乗せ演出、第2上乗せ演出等)を有していることを特徴とする特徴eA10に記載の遊技機。
【5209】
上記構成では、長さの異なる遊技回用動作の期間に対応した複数種の特定報知が設けられるため、特定報知の実行にあたり、遊技回用動作の期間長の相違による制約を緩和することができる。これにより、特定報知の実行機会を拡大することができ、報知上の残り分が尽きる前に良好に特定報知を実行することが可能になる。
【5210】
特徴eA12.前記第2手段は、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合又は特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合のうち特定の状況(今回の上限回数が滞在時短の残り回数より少ない状況等)である場合に、当該成立に基づく特定遊技状態への移行を制限することが可能であることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA11のいずれかに記載の遊技機。
【5211】
上記構成では、特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合又はそのような場合の一部で当該成立に基づく特定遊技状態への移行が制限されるため、複数の特定遊技状態が重複して制御処理が複雑化したり、遊技性が分かりにくくなって遊技者の混乱を招いたりする不都合の発生を好適に抑制できる。しかしながらその反面、特定条件が成立したにもかかわらず特定遊技状態への移行が制限されたことを遊技者が察知してしまうと、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eA1から特徴eA11のいずれかの構成を適用することで、移行が制限されたことを悟られにくくすることができ、遊技者の気分を害してしまうことを好適に抑制することが可能になる。
【5212】
特徴eA13.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果となることに基づいて、所定遊技状態より有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定条件の成立に基づいて移行し得る特定遊技状態は、特別遊技状態を経由しないで移行し得るものであることを特徴とする特徴eA1乃至特徴eA12のいずれかに記載の遊技機。
【5213】
上記構成では、特定条件の成立に基づいて移行し得る特定遊技状態が特別遊技状態を経由しないで移行し得るものであるため、このような特定遊技状態について移行の制限が行われると、遊技者は、特定条件を成立させたことに対する恩恵を何も受けられない状態となる。このため、移行の制限に遊技者が気付いた場合に気分を害しやすくなり、遊技意欲を大きく低下させてしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eA1から特徴eA12のいずれかの構成を適用することで、移行が制限されたことを悟られにくくすることができ、遊技者の気分を害してしまうことを好適に抑制することが可能になる。
【5214】
なお、上記特徴eA1乃至特徴eA13の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5215】
<特徴eB群>
特徴eB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
【5216】
なお、特徴eB群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5217】
特徴eB1.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、所定遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態等)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記特定遊技状態として、第1特定遊技状態(例えば通常時短遊技状態)と第2特定遊技状態(例えば突然時短遊技状態)とを含む複数の特定遊技状態を有しており、
前記第2特定遊技状態は、前記第1特定遊技状態とは異なる態様(普図遊技回における変動表示時間の長さ、役物開閉遊技における普電役物63aの挙動、サポート抽選における当選確率、背景色等)を少なくとも1つ有しており、予め定められた特定条件(特殊外れ結果の当選、特定入球部への入球等)の成立に基づいて移行させることが可能であり、
前記特定遊技状態を構成する要素には遊技者の有利度合に関連する特定要素(時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数、小当たり回数、普図遊技回の回数、時短遊技状態に滞在可能な期間等)が含まれており、
前記第1特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合に、当該成立後の遊技における前記特定要素に関して前記第1特定遊技状態に対応する第1要素(滞在時短の残り回数、残り期間等)と前記第2特定遊技状態に対応する第2要素(今回の上限回数、上限期間等)とのうちいずれか一方を設定することが可能な設定手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
【5218】
上記構成では、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有しており、また、そのような特定遊技状態として第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを含む複数の特定遊技状態を有している。これら第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態では少なくとも1つの態様が異なっており、また、第1特定遊技状態である状況で第2特定遊技状態への移行に対応した特定条件が成立すると、遊技者の有利度合に関連する特定要素として第1特定遊技状態に対応する第1要素と第2特定遊技状態に対応する第2要素とのいずれかが選ばれて採用される。このような構成であることで、第1特定遊技状態を遊技する過程で態様の変化が生じたか否かを遊技者が判別することにより、上記第1要素と上記第2要素とのいずれが選ばれたかを推測する遊技を付与することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5219】
なお、本特徴において「遊技者の有利度合に関連する特定要素」は、「遊技者の有利度合に関する特定要素」、「遊技者の有利度合を変動させることが可能な特定要素」、「遊技者の有利度合に影響を及ぼす特定要素」等と表現することもできる。
【5220】
特徴eB2.前記第1特定遊技状態及び前記第2特定遊技状態の少なくとも一方の前記特定要素又は前記特定要素の少なくとも一部が非明示とされるようにすることが可能な手段(時短遊技状態の残り回数又は残り回数の一部を非明示とする機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1に記載の遊技機。
【5221】
上記構成では、第1特定遊技状態や第2特定遊技状態における特定要素やその少なくとも一部が非明示とされるため、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技の面白みを高めることが可能になる。
【5222】
特徴eB3.前記設定手段は、前記第1要素と前記第2要素とのうち、特定条件の成立後における前記第1特定遊技状態の残り分と特定条件の成立に対応した前記第2特定遊技状態とについて有利度合に関わる所定値(時短遊技状態の残り回数等)が大きい側の特定遊技状態に対応した要素を設定することが可能な手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1又は特徴eB2に記載の遊技機。
【5223】
上記構成では、第1特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立した場合に、第1特定遊技状態の残り分と特定条件の成立に対応した第2特定遊技状態とについて有利度合に関わる所定値が比較され、当該所定値が大きい側の要素が採用される。すなわち、上記第1要素と上記第2要素とのうち有利な側の要素が採用されるため、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技の面白みを高めることが可能になる。例えば、遊技者が第1要素の有利度合を認識不可又は認識困難で且つ第2要素の有利度合を認識し得る状況で態様変化の有無から第1要素の採用が推測された場合であれば、その採用された第1要素の有利度合は、遊技者が認識する第2要素の有利度合よりも有利なものであることを推測することが可能になる。
【5224】
特徴eB4.前記設定手段は、前記第1特定遊技状態である状況で特定条件が成立した場合に、滞在中の前記第1特定遊技状態を継続させるか、前記第2特定遊技状態に移行させるかのいずれかを設定することが可能な手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB3のいずれかに記載の遊技機。
【5225】
上記構成では、第1特定遊技状態への滞在中に特定条件が成立した場合に、第1特定遊技状態を継続するか、それとも第2特定遊技状態に移行するかが選択されて採用される。例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とのいずれとされているかが遊技者に明示されない構成であれば、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技を付与することができ、興趣性を高めることが可能になる。
【5226】
なお、上記特徴eB4の「滞在中の前記第1特定遊技状態を継続させるか、前記第2特定遊技状態に移行させるか」は、「前記第2特定遊技状態に移行させることなく滞在中の前記第1特定遊技状態を継続させるか、滞在中の前記第1特定遊技状態を終了させて前記第2特定遊技状態に移行させるか」と表現することもできる。
【5227】
特徴eB5.特定条件が成立した場合に所定の報知手段(特図用表示部43)にて特定報知(特殊外れ結果に対応した停止結果SD15~SD17の停止表示)が実行されるようにする特定報知実行手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB4のいずれかに記載の遊技機。
【5228】
上記構成では、特定条件が成立した場合に特定報知が行われるため、第1特定遊技状態への滞在中において遊技者は特定報知が行われたことを契機として態様変化の判別を開始すればよく、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技を好適に行うことが可能になる。
【5229】
特徴eB6.前記第2特定遊技状態として有利度合が異なる前記第2要素を有する複数種の第2特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C)を有しており、
前記特定報知実行手段は、前記第2特定遊技状態の種類に対応した複数種の前記特定報知が実行されるようにする手段(特殊外れ結果の種別に応じて停止結果SD15~SD17のいずれを選択して停止表示する機能)を備えていることを特徴とする特徴eB5に記載の遊技機。
【5230】
上記構成では、第2特定遊技状態の種類に応じた態様で特定報知が行われるため、当該特定報知を遊技者が視認することで、特定条件の成立に対応した第2特定遊技状態を把握することができ、さらにはその第2特定遊技状態における第2特定要素の有利度合を把握することができる。このような把握がなされた状態で、態様変化の有無より第1要素の採用が判別された場合には、その第1要素が上記把握した第2特定要素の有利度合よりも有利なものであることを推測可能となるため、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技をより好適に盛り上げることができる。
【5231】
特徴eB7.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定報知(停止結果SD0~SD19の停止表示)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定判定の結果が前記第1結果とは異なる所定の第2結果(外れ結果)となった場合において特定の場合(特殊外れ結果となった場合)に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記第2結果に対応する特定報知の報知態様(外れ結果用の停止結果)には前記特定条件の成立に対応した報知態様(特殊外れ結果に対応した停止結果SD15~SD17)が含まれることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB6のいずれかに記載の遊技機。
【5232】
上記構成では、特定判定の結果が第1結果となることで所定特典が付与されるとともに、特定判定の結果に対応した特定報知が実行される構成において、特定条件が成立すると、第2結果に対応する特定報知が特定条件の成立に対応した報知態様で実行される。よって、第1特定遊技状態への滞在中において特定態様の特定報知が行われたことを遊技者が視認することで、特定条件が成立したことを把握することができる。これを契機として態様変化の判別を行うことで、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に行うことが可能になる。
【5233】
特徴eB8.遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(開閉実行モード)を有し、
前記所定特典の付与は特別遊技状態への移行であり、
特定遊技状態として、特別遊技状態を経由して移行し得る第1遊技状態(通常時短遊技状態)と、特別遊技状態を経由しないで移行し得る第2遊技状態(突然時短遊技状態)とを有しており、
前記第1遊技状態は、前記特定判定の結果が前記第1結果となった場合又は前記第1結果となった場合において所定の場合(通常大当たり結果の場合)に移行し得るものであり、
前記第1結果に対応する特定報知の報知態様(大当たり結果用の停止結果)として前記第1遊技状態への移行に対応した報知態様(通常大当たり結果に対応した停止結果SD3~SD14)を有しており、
前記特定条件の成立に対応した報知態様の種類数が前記第1遊技状態への移行に対応した報知態様の種類数より少ないことを特徴とする特徴eB7に記載の遊技機。
【5234】
上記構成では、特定報知の報知態様において、第1遊技状態への移行に対応した報知態様の種類数が相対的に多く、特定条件の成立に対応した報知態様の種類数が相対的に少ないように構成されている。この場合、遊技者が第1遊技状態への移行に対応した報知態様を覚えにくく、特定条件の成立に対応した報知態様を覚えやすくなる。これにより、第1遊技状態への滞在中に特定条件が成立するという流れの中で、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に楽しませることが可能になる。
【5235】
特徴eB9.特定遊技状態に移行してからの特定回数(遊技回の回数、小当たり当選の回数等)が所定の上限回数に到達したことに基づいて当該特定遊技状態を終了させることが可能な手段(主制御装置162における高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定遊技状態として前記上限回数が異なる複数種の第2特定遊技状態(突然時短遊技状態A~C)を有しており、
前記特定条件の成立に対応した報知態様として第2特定遊技状態の種類に対応した複数の報知態様(特殊外れ結果に対応した停止結果SD15~SD17)を有することを特徴とする特徴eB7又は特徴eB8に記載の遊技機。
【5236】
上記構成では、第2特定遊技状態の種類に応じた態様で特定報知が行われるため、当該特定報知を遊技者が視認することで、特定条件の成立に対応した第2特定遊技状態の種類を把握することができ、さらにはその第2特定遊技状態における第2特定要素の有利度合を把握することができる。このような把握がなされた状態で、態様変化の有無より第1要素の採用が判別された場合には、その第1要素が上記把握した第2特定要素の有利度合よりも有利なものであることを推測可能となるため、態様変化の有無から滞在する特定遊技状態の種別を推測する遊技をより好適に盛り上げることができる。
【5237】
特徴eB10.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定報知(停止結果SD0~SD19の停止表示)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記所定の第2結果に対応する特定報知の報知態様(通常外れ結果用の停止結果)として複数種の報知態様(停止結果SD18、SD19)を有しており、
前記所定の第3結果に対応する特定報知の報知態様(特殊外れ結果用の停止結果)として複数種の報知態様(停止結果SD15~SD17)を有していることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB9のいずれかに記載の遊技機。
【5238】
上記構成では、所定の第2結果に対応する特定報知と所定の第3結果に対応する特定報知とにおいて報知態様の種別数が複数同士となり、いずれか一方や双方の報知態様の種別数が単数である場合と比べ、両者の特定報知の見分けが付きにくくなり、所定の第3結果に対応する特定報知を識別しにくくなる。これにより、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技の難易度を一定程度高め、当該遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
【5239】
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
【5240】
特徴eB11.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD19)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様(通常外れ結果用の停止結果)として前記第1表示部の数が複数である所定態様(停止結果SD19)を含み、
前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様(特殊外れ結果用の停止結果)として前記第1表示部の数が複数である特定態様(停止結果SD15~SD17)を含むことを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB10のいずれかに記載の遊技機。
【5241】
第1状態とされる第1表示部の数が多くなるほど特定表示の表示態様が複雑化して覚えにくくなるところ、そのような表示態様の特定表示が所定の第2結果と所定の第3結果とのそれぞれで存在する。このため、実際になされた特定表示が所定の第2結果と所定の第3結果とのいずれに対応するかの識別難易度が低くなり過ぎることが抑制され、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に盛り上げることができる。
【5242】
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
【5243】
特徴eB12.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD19)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記特定判定の結果に関して前記所定特典の付与が行われない外れ結果として、所定外れ結果(通常外れ結果)と、前記所定外れ結果とは異なる特定外れ結果(特殊外れ結果)とを含む複数の外れ結果を有しており、
前記特定外れ結果になった場合に前記特定条件が成立するように構成されており、
前記所定外れ結果に対応する特定表示の表示態様として第1表示態様(停止結果SD18)と第2表示態様(停止結果SD19)とを含む複数の表示態様を有しており、
前記第1表示態様における前記第1表示部の数と前記第2表示態様における前記第1表示部の数とが異なることを特徴とする特徴eB1乃至特徴eB10のいずれかに記載の遊技機。
【5244】
上記構成では、所定外れ結果に対応する特定表示の表示態様として第1表示態様と第2表示態様とを含む複数の表示態様が設けられるとともに、それら第1表示態様と第2表示態様とにおいて第1状態とされる第1表示部の数が異なるように構成されている。この場合、第1表示態様と第2表示態様とにおいて第1表示部の数が異なることで、それらの表示態様が同種の外れ結果(所定外れ結果)に対応するものであることを分かりにくくすることができる。これにより、実際になされた特定表示から所定外れ結果に対応するものであるか否かを識別する難易度を高めることができ、その結果、特定外れ結果に対応する特定表示との区別が付きにくくなる。よって、特定外れ結果の識別難易度が低くなり過ぎることが抑制され、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に盛り上げることができる。
【5245】
特徴eB13.前記第1表示態様における前記第1表示部の数が前記第2表示態様における前記第1表示部の数より少ない構成となっており、
前記特定外れ結果に対応する特定表示の表示態様として、前記第1表示部の数が前記第1表示態様より多い第3表示態様(停止結果SD15~SD17)を有することを特徴とする特徴eB12に記載の遊技機。
【5246】
上記構成では、第1表示態様の特定表示がなされた場合に第3表示態様との識別が容易となることで、第2表示態様の特定表示がなされた場合の第3表示態様との識別しにくさが強調され、第2表示態様の特定表示が特定外れ結果に対応する特定表示であると遊技者に思わせやすくすることができる。これにより、実際になされた特定表示が特定外れ結果に対応するか否かの識別難易度が低くなり過ぎることが抑制され、採用される側の特定要素を態様変化の有無から推測する遊技を好適に盛り上げることができる。
【5247】
なお、上記特徴eB1乃至特徴eB13の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5248】
<特徴eC群>
特徴eC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
【5249】
なお、特徴eC群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5250】
特徴eC1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD19)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様として前記第1表示部の数が複数である所定態様(停止結果SD19)を含み、
前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様として前記第1表示部の数が複数である特定態様(停止結果SD15~SD17)を含むことを特徴とする遊技機。
【5251】
上記構成では、特定判定の結果として所定特典の付与に対応した所定の第1結果が設けられるとともに、所定特典が付与されない結果として所定の第2結果及び所定の第3結果が設けられている。遊技機ではこれらの各結果に対応した特定表示を行わざるを得ないところ、提供する遊技性や演出構成によっては、表示手段にて行われる特定表示に基づいて遊技者が所定の第3結果となったことを容易に把握できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、所定の第2結果に対応する特定表示と所定の第3結果に対応する特定表示とのそれぞれにおいて、第1状態とされる第1表示部の数が複数である表示態様を含むため、遊技者が両者の特定表示を見分けにくくなり、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。これにより、上記遊技性や演出構成の効果を好適に発揮させることができ、延いては遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5252】
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
【5253】
特徴eC2.前記特定態様における前記第1表示部の数が前記所定態様における前記第1表示部の数以上であることを特徴とする特徴eC1に記載の遊技機。
【5254】
上記構成では、所定の第2結果に対応する特定表示と所定の第3結果に対応する特定表示とのそれぞれで、第1表示部の数が複数である表示態様があるというだけでなく、所定の第3結果に対応する特定表示での第1表示部の数が多く、所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様を遊技者が覚えにくいため、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
【5255】
特徴eC3.前記特定態様(停止結果SD17)における前記第1表示部の数が前記所定態様における前記第1表示部の数と同じであることを特徴とする特徴eC1又は特徴eC2に記載の遊技機。
【5256】
上記構成では、特定態様と所定態様とで第1表示部が同数であるため、遊技者が第1表示部の数から両者を識別することができず、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
【5257】
特徴eC4.前記特定態様の数が前記所定態様の数より多いことを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC3のいずれかに記載の遊技機。
【5258】
上記構成では、特定態様の数が所定態様の数より多いため、第2結果に対応するものとして第1表示部の数が複数である特定表示が実行された場合に、多くが所定の第3結果である中で一部に所定の第2結果に対応する特定表示が混在している状態とすることができる。これにより、所定の第2結果に対応する所定態様の特定表示について所定の第3結果に対応するものであると思わせやすくすることができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
【5259】
特徴eC5.複数の前記表示部のうち前記所定態様と前記特定態様とのいずれでも前記第1状態とされる特定表示部(停止結果SD17と停止結果SD19とにおける表示用セグメントSG2、SG4)が少なくとも1つ存在するように、前記所定態様での前記第1表示部と前記特定態様での前記第1表示部とが設定されていることを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC4のいずれかに記載の遊技機。
【5260】
上記構成では、第1表示部とされる表示部が所定態様と特定態様とで重複するため、これらの態様を見分けにくくすることができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
【5261】
特徴eC6.前記所定態様と前記特定態様とにおいて複数の前記特定表示部を有することを特徴とする特徴eC5に記載の遊技機。
【5262】
上記構成では、所定態様と特定態様とで重複する第1表示部が複数設けられるため、それらの態様の見た目を類似させることができ、両者の見分けを行いにくくすることができる。これにより、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
【5263】
特徴eC7.前記特定態様として第1特定態様(停止結果SD15)と第2特定態様(停止結果SD17)とを含む複数の前記特定態様を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に、複数の前記特定態様を含む前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様のうちからいずれかが選択され、その選択結果に基づいて前記表示手段での表示が行われるように構成されており、
前記第2特定態様の選択確率が前記第1特定態様の選択確率より高くなっており、
少なくとも前記所定態様と前記第2特定態様とにおいて前記特定表示部を有することを特徴とする特徴eC5又は特徴eC6に記載の遊技機。
【5264】
上記構成では、選択確率が高く表示頻度が高い側の第2特定態様と所定態様とにおいて重複する第1表示部が設けられるため、所定の第2結果に対応する所定態様の特定表示を所定の第3結果に対応するものと思わせやすくすることができる。これにより、両者の態様を見分けにくくすることができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制できる。
【5265】
特徴eC8.前記特定判定が行われることに基づいて所定の演出表示(遊技回用演出等)が行われる第1表示手段(図柄表示装置75)と、
前記第1表示手段より小さく形成され、前記表示手段としての第2表示手段(特図用表示部43)と、
を備えていることを特徴とする特徴eC1乃至特徴eC7のいずれかに記載の遊技機。
【5266】
上記構成では、特定表示が行われる第2表示手段が第1表示手段よりも小さく、第1表示手段での演出表示よりも目立ちにくい態様で特定表示が行われるとはいえ、かかる特定表示を遊技者が視認していた場合、当該特定表示から所定の第3結果になったことを把握できてしまうことが想定される。しかしながら、提供する遊技性や演出構成によっては、そのような把握が容易になり過ぎてしまうと好ましくないことがある。このような構成に対して上記特徴eC1から特徴eC7のいずれかの構成を適用することで、これら各特徴の上記各効果を好適に発揮させることができ、上記把握が容易になり過ぎることを好適に抑制可能となる。
【5267】
なお、上記特徴eC1乃至特徴eC8の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5268】
<特徴eD群>
特徴eD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
【5269】
なお、特徴eD群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5270】
特徴eD1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(時短遊技状態等)を有しており、
特定条件(特殊外れ結果の当選、天井回数への到達、特定入球部への入球等)の成立に基づいて特定遊技状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における天井時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
所定の報知手段(図柄表示装置75)にて報知を実行することが可能な報知実行手段(演出制御装置143における演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知実行手段は、
前記特定条件が成立した場合に特定報知(第1上乗せ演出、特殊リーチ外れA演出、開始用演出等)を実行することが可能な第1手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第1設定処理を実行する機能)と、
前記特定条件とは異なる所定条件(特殊外れ結果になっていない状況でリーチ外れ用の変動パターンが選択された場合等)が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能な第2手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第3設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5271】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。この特定遊技状態には特定条件の成立により移行する。このため、遊技者は特定判定の結果が特定結果になることだけでなく、特定条件が成立することを目指して遊技を行うことができる。このような構成において、特定条件の成立に対応した特定報知が、特定条件が成立した場合だけでなく、特定条件とは異なる所定条件が成立した場合にも実行され得るものとなっている。この場合、特定条件の成立回数よりも多く特定報知が実行されるため、特定条件が成立しやすい印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5272】
なお、本特徴の「前記特定条件とは異なる所定条件が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能な第2手段」は、「前記特定条件が成立していない状況で前記特定報知を実行することが可能な第2手段」と表現することもできる。
【5273】
特徴eD2.前記第2手段は、特定遊技状態である状況で前記所定条件が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴eD1に記載の遊技機。
【5274】
例えば、所定条件の成立に基づく特定報知の実行後、遊技状態が特定遊技状態にならなければ、実際には特定条件が成立していないことを悟られてしまう懸念がある。この点、上記構成では、特定遊技状態である状況で所定条件が成立した場合に特定報知が実行されるように構成されている。この場合、滞在している特定遊技状態の継続を利用することで、報知後の遊技状態を特定遊技状態とさせながら、特定条件が成立していない中での特定報知を行うことができる。よって、実際には特定条件が成立していないことを分かりにくくすることができ、特定条件が成立しやすい印象を与えやすくすることが可能になる。
【5275】
特徴eD3.特定遊技状態である状況で前記所定条件が成立し得るように構成されており、
特定遊技状態を構成する要素には遊技者の有利度合に関連する特定要素(時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数、小当たり回数、普図遊技回の回数、時短遊技状態に滞在可能な期間等)が含まれており、
滞在中の特定遊技状態に関する前記特定要素又は前記特定要素の少なくとも一部に対応する情報が非明示とされるようにすることが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe2703、ステップSe3106の処理等を実行する機能であって、滞在時短の残り回数又は残り回数の一部についてその情報を非明示とする機能)を備えていることを特徴とする特徴eD1又は特徴eD2に記載の遊技機。
【5276】
上記構成では、滞在中の特定遊技状態における特定要素やその少なくとも一部が非明示とされるため、その非明示分を利用して所定条件の成立に基づく特定報知を実行することができる。これにより、滞在中の特定遊技状態における実際の残り分との整合を好適に図りながら上記特定報知を行うことが可能になる。
【5277】
特徴eD4.前記第2手段は、特定遊技状態である状況で前記所定条件が成立した場合に、その特定遊技状態に関する前記特定要素又は前記特定要素の少なくとも一部に対応する情報の非明示分に基づいて前記特定報知を実行することが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe3301、ステップSe3306の処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eD3に記載の遊技機。
【5278】
上記構成によれば、滞在中の特定遊技状態における特定要素についての非明示分を利用して、所定条件の成立に基づく特定報知が実行されるため、滞在中の特定遊技状態における実際の残り分との整合を好適に図りながら当該特定報知を行うことが可能になる。
【5279】
特徴eD5.特定遊技状態に移行してからの特定回数(遊技回の回数、小当たり当選の回数等)が所定の上限回数に到達したことに基づいて当該特定遊技状態を終了させることが可能な手段(主制御装置162における高頻度サポートモード終了用処理を実行する機能)と、
特定遊技状態において、当該特定遊技状態に滞在可能な残りの前記特定回数の一部が非明示とされるようにすることが可能な非明示用手段(演出制御装置143におけるステップSe2703、ステップSe3106の処理等を実行する機能であって、滞在時短の残り回数の一部を非明示とした状態で残り回数画像823の表示を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD4のいずれかに記載の遊技機。
【5280】
上記構成では、特定遊技状態に移行してからの特定回数が上限回数となることにより当該特定遊技状態が終了する構成において、特定遊技状態についての残りの特定回数の一部が非明示とされる。この場合、所定条件の成立に基づく特定報知を実行した際に、当該報知後において上記非明示分を利用して特定遊技状態に滞在させることができ、特定遊技状態に移行したように思わせることができる。これにより、所定条件の成立に基づく特定報知が疑似的なものであることを分かりにくくすることができ、特定条件が成立しやすい印象を与えやすくすることが可能になる。
【5281】
特徴eD6.前記特定報知は、残りの前記特定回数が増加した又は追加されたと遊技者が認識できる報知であり、
前記第2手段は、前記非明示用手段により非明示とされた残りの前記特定回数の一部に基づいて前記特定報知を実行することが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSe3301、ステップSe3306の処理等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eD5に記載の遊技機。
【5282】
上記構成では、所定条件の成立に基づく特定報知において、残りの特定回数の非明示分を利用して残りの特定回数が増加した又は追加された旨を報知することができる。これにより、特定遊技状態への移行が生じていない状況において、実際の残り分と整合させながら特定遊技状態への移行が生じたと思わせることができる。よって、所定条件の成立に基づく特定報知が疑似的なものであることを分かりにくくすることができ、特定条件が成立しやすい印象を与えやすくすることが可能になる。
【5283】
特徴eD7.前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記第1手段は、前記特定条件が成立した遊技回にて前記特定報知を実行することが可能であり、
前記第2手段は、前記所定条件が成立した遊技回にて前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD6のいずれかに記載の遊技機。
【5284】
上記構成では、特定条件の成立に基づく特定報知と所定条件の成立に基づく特定報知とのいずれもが遊技回の中で実行され、これらの報知が遊技回用演出の一環として行われる。このため、遊技者は遊技回に注目しながら特定報知を視認することができ、特定報知の見落とし等を好適に抑制することが可能になる。
【5285】
特徴eD8.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の期間を設定する期間設定手段(主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、前記期間設定手段により設定された期間にて前記遊技回用動作が実行されるように遊技回の制御を行うものであり、
前記遊技回用動作の期間が特定期間(リーチ外れ用の変動表示時間)の遊技回にて前記所定条件が成立可能であり、前記遊技回用動作の期間が前記特定期間とは異なる所定期間(完全外れ用の変動表示時間)の遊技回にて前記所定条件が成立不可であることを特徴とする特徴eD7に記載の遊技機。
【5286】
上記構成では、遊技回用動作の期間が特定期間の場合に所定条件が成立可能となり、特定期間とは異なる所定期間の場合に所定条件が成立不可となるように構成される。すなわち、所定条件の成立に基づく特定報知が遊技回用動作の期間の長さを踏まえて実行されるため、当該報知を遊技回の中で好適に実行することが可能になる。
【5287】
特徴eD9.前記特定期間は前記特定報知の実行期間より長い期間であることを特徴とする特徴eD8に記載の遊技機。
【5288】
上記構成では、特定期間が特定報知の実行期間よりも長い期間とされているため、遊技回用動作の期間が当該特定期間である遊技回において、他の遊技回用演出とともに特定報知を好適に実行することが可能になる。
【5289】
特徴eD10.所定の状況(時短遊技状態である状況等)で前記特定条件が成立した場合に特定遊技状態への移行が制限されるようにすることが可能な特定手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)を備え、
前記報知実行手段は、前記特定手段により特定遊技状態への移行が制限される場合又は制限された場合に前記特定報知を実行することが可能な第3手段(演出制御装置143における遊技回用演出の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD9のいずれかに記載の遊技機。
【5290】
上記構成では、所定の状況で特定条件が成立した場合に特定遊技状態への移行が制限される。このような制限が行われた場合、遊技者としては、特定条件を成立させたにもかかわらずその恩恵を受けられないことになるため、遊技者の気分を害する懸念がある。この点、移行制限が行われる場合において特定報知が実行されるため、当該制限が行われる中でも特定遊技状態への移行が生じるように思わせることができる。その際、移行制限が行われる場合だけでなく、特定条件が成立していない場合にも特定報知が行われるため、移行制限時の特定報知を目立ちにくくして不自然な印象となることを抑制することができる。これにより、移行制限が行われたことをより好適に悟られにくくすることが可能になる。
【5291】
特徴eD11.前記特定条件が成立した場合に特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行させ得るように構成されていることを特徴とする特徴eD1乃至特徴eD10のいずれかに記載の遊技機。
【5292】
上記構成では、特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行し得るように構成されており、このような構成に対して上記特徴eD1から特徴eD10のいずれかの構成を適用することで、そのような特定遊技状態の移行条件(特定条件)が成立しやすい印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5293】
なお、上記特徴eD1乃至特徴eD11の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5294】
<特徴eE群>
特徴eE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1に基づいて抽出されるものである。
【5295】
なお、特徴eE群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては抽選結果に対応した特定報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5296】
特徴eE1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(時短遊技状態等)を有しており、
特定遊技状態として、第1所定条件(通常大当たり結果となること)の成立に基づいて特別遊技状態を経由して移行し得る第1特定遊技状態(通常時短遊技状態)と、前記第1所定条件とは異なる第2所定条件(特殊外れ結果になること)の成立に基づいて特別遊技状態を経由しないで移行し得る第2特定遊技状態(突然時短遊技状態)とを含む複数の特定遊技状態を有しており、
前記第1所定条件が成立した場合に第1特定報知(停止結果SD3~SD14)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする手段(主制御装置162におけるステップSe705の処理を実行する機能)と、
前記第2所定条件が成立した場合に第2特定報知(停止結果SD15~SD17)が前記所定の報知手段にて実行されるようにする手段(主制御装置162におけるステップSe708の処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも前記第1特定報知の報知態様として複数種の報知態様(停止結果SD3~SD)を有しており、
前記第2特定報知の種類数が前記第1特定報知の種類数より少ないことを特徴とする遊技機。
【5297】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する特別遊技状態のほか、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として特定遊技状態を有している。また、このような特定遊技状態として、特別遊技状態を経由して移行する第1特定遊技状態と、特別遊技状態を経由することなく移行する第2特定遊技状態とが設けられている。さらに第1特定遊技状態への移行条件である第1所定条件が成立した場合に第1特定報知が実行され、第2特定遊技状態への移行条件である第2所定条件が成立した場合に第2特定報知が実行されるように構成されている。このような構成において、第2特定報知の種類数が第1特定報知の種類数よりも少ないため、第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすくすることができ、特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5298】
特徴eE2.前記第1所定条件は、前記特定判定の結果が前記特定結果となることを少なくとも1の条件とするものであり、
前記第2所定条件は、前記特定判定の結果が前記特定結果とは異なる所定結果(外れ結果)となることを少なくとも1の条件とするものであり、
前記第1特定報知及び前記第2特定報知は、前記特定判定の結果に対応した報知(特図用表示部43での大当たり図柄又は外れ図柄の停止表示)として実行されるものであることを特徴とする特徴eE1に記載の遊技機。
【5299】
上記構成では、特定判定の結果に対応した結果報知として第1特定報知及び第2特定報知が行われる場合において、第2特定報知の種類数が第1特定報知の種類数よりも少なくなっており、結果報知として行われる第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすくすることができる。
【5300】
特徴eE3.前記所定の報知手段として、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、
前記複数の表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記第1特定報知及び前記第2特定報知を実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴eE1又は特徴eE2に記載の遊技機。
【5301】
上記構成では、第1状態と第2状態とに切り替え可能な複数の表示部を有する表示手段において、第1状態とされる第1表示部と第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより第1特定報知と第2特定報知とが実行される。このような場合、各特定報知の識別性が低く、各報知態様を遊技者が覚えにくくなるが、上記特徴eE1や特徴eE2の構成であることで、第2特定報知の報知態様を覚えやすくすることができる。
【5302】
特徴eE4.前記第2特定遊技状態として、所定の第2特定遊技状態(例えば突然時短遊技状態B)と、前記所定の第2特定遊技状態より遊技者に有利な特定の第2特定遊技状態(例えば突然時短遊技状態A)とを含む複数種の第2特定遊技状態を有しており、
前記第2特定報知として、前記特定の第2特定遊技状態に対応する第1表示態様の報知(例えば突然時短遊技状態Aに対応する停止結果)と、前記所定の第2特定遊技状態に対応する第2表示態様の報知(例えば突然時短遊技状態Bに対応する停止結果)とを有しており、
前記第1表示態様における前記第1表示部の数が前記第2表示態様における前記第1表示部の数より多いことを特徴とする特徴eE3に記載の遊技機。
【5303】
上記構成では、第2特定遊技状態として有利度合が異なる複数種の第2特定遊技状態を有しており、第2特定報知において、遊技者に有利な第2特定遊技状態に対応する報知ほど第1表示部の数が多くなるように構成されている。これにより、第2特定報知同士の識別において遊技者が各報知の詳細まで記憶していなくても感覚的に有利度合を把握することが可能になる。
【5304】
特徴eE5.前記第2特定報知の実行期間が前記第1特定報知の実行期間より短くなるようにすることが可能な手段(特殊外れ結果に対応する停止結果の停止表示期間を通常大当たり結果に対応する停止結果の停止表示期間よりも短くする機能)を備えていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE4のいずれかに記載の遊技機。
【5305】
第2特定遊技状態に対応する第2特定報知が行われた場合に、それを遊技者があまりにも簡単に識別できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、第2特定報知の実行期間が第1特定報知の実行期間よりも短くされる。すなわち、第2特定報知が実行された際に、当該報知を遊技者が視認することが可能な期間が短く抑えられるため、第2特定報知が行われたことの識別難易度がある程度高められ、第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすい構成でありながらも、その識別が簡単化し過ぎることを抑制できる。
【5306】
特徴eE6.前記第1特定報知及び前記第2特定報知は、前記特定判定の結果に対応した結果報知(特図用表示部43での大当たり図柄又は外れ図柄の停止表示)として実行されるものであり、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した前記結果報知が行われることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記結果報知が行われる報知期間を設定する期間設定手段(主制御装置162において確定表示時間を設定する機能)を備え、
前記期間設定手段は、前記第2特定報知を実行する場合の所定の前記報知期間として前記第1特定報知を実行する場合の所定の前記報知期間より短い期間を設定することが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴eE1乃至特徴eE5のいずれかに記載の遊技機。
【5307】
第2特定遊技状態に対応する第2特定報知が行われた場合に、それを遊技者があまりにも簡単に識別できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、第1所定条件、第2所定条件が成立した各遊技回において、第2特定報知を実行する場合の報知期間が第1特定報知実行する場合の報知期間よりも短くされる。すなわち、第2特定報知が実行された際に、当該報知を遊技者が視認することが可能な期間が短く抑えられるため、第2特定報知が行われたことの識別難易度がある程度高められ、第2特定報知の報知態様を遊技者が覚えやすい構成でありながらも、その識別が簡単化し過ぎることを抑制できる。
【5308】
なお、上記特徴eE1乃至特徴eE6の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5309】
<特徴eF群>
特徴eF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
【5310】
なお、特徴eF群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5311】
特徴eF1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定の第1結果(大当たり結果)となることに基づいて所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に対応した特定表示(停止結果SD0~SD21)が行われる表示手段(特図用表示部43)と、
を備え、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記所定の第1結果と異なる結果(外れ結果)として所定の第2結果(通常外れ結果)と所定の第3結果(特殊外れ結果)とを含む複数の結果を有しており、
前記所定の第3結果に対応する特定表示として、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18、SD21)における前記第1表示部の数以下である特定態様の特定表示(停止結果SD20)を含むことを特徴とする遊技機。
【5312】
上記構成では、特定判定の結果として所定特典の付与に対応した所定の第1結果が設けられるとともに、所定特典が付与されない結果として所定の第2結果及び所定の第3結果が設けられている。遊技機ではこれらの各結果に対応した特定表示を行わざるを得ないところ、提供する遊技性や演出構成によっては、表示手段にて行われる特定表示に基づいて遊技者が所定の第3結果となったことを容易に把握できてしまうと好ましくないことがある。この点、上記構成では、所定の第3結果用の特定表示の表示態様として、第1状態とされる第1表示部の数が所定の第2結果用の特定表示における第1表示部の数以下である特定態様を有するため、所定の第3結果となった場合の特定表示を所定の第2結果用の特定表示に似せて行うことができ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることが抑制される。これにより、上記遊技性や演出構成の効果を好適に発揮させることができ、延いては遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5313】
なお、本特徴の「前記所定の第1結果と異なる結果」は「前記所定特典の付与に対応しない結果」や「前記所定特典の付与が行われない結果」と表現することもできる。
【5314】
特徴eF2.前記所定の第3結果に対応する特定表示として、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示における前記第1表示部の数と同じである特定態様の特定表示を含むことを特徴とする特徴eF1に記載の遊技機。
【5315】
上記構成では、特定態様において第1表示部の数が所定の第2結果用の特定表示における第1表示部の数と同じであるため、所定の第3結果となった場合の特定表示を所定の第2結果用の特定表示に似せて行うことができる。また、第1表示部の数に基づいて所定の第2結果と所定の第3結果とを見分けることができないため、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることをより好適に抑制することが可能になる。
【5316】
特徴eF3.前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様として複数の表示態様(SD15~SD17、SD20)を有しており、
前記複数の表示態様には、前記特定態様と、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18)における前記第1表示部の数より多い所定態様(停止結果SD15~SD17)とが含まれることを特徴とする特徴eF1又は特徴eF2に記載の遊技機。
【5317】
上記構成では、所定の第3結果となった場合に行われる特定表示の表示態様として、第1表示部の数が所定の第2結果用の特定表示以下である特定態様と、所定の第2結果用の特定表示より多い所定態様とが設けられている。このため、所定の第3結果用の特定表示のうち一部について所定の第2結果用の特定表示との識別が行いにくく、他の一部について識別が行いやすい構成とすることができる。これにより、所定の第3結果となった場合の結果報知としての機能が過度に損なわれることを抑制しつつ、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることを抑制することが可能になる。
【5318】
特徴eF4.前記所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様として複数の表示態様(SD18、SD21)を有しており、
前記特定態様は、前記第1表示部の数が前記複数の表示態様のうちの所定表示態様(SD18)における前記第1表示部の数以下であることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF3のいずれかに記載の遊技機。
【5319】
上記構成では、所定の第2結果に対応する特定表示の表示態様が複数設定されるため、遊技者が所定の第2結果用の特定表示を覚えにくくなる。その結果、所定の第3結果となった場合に行われる特定態様の特定表示を遊技者が所定の第2結果用の特定表示と混同しやすくなり、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることをより好適に抑制することが可能になる。
【5320】
特徴eF5.前記所定の第3結果となった場合に、所定の演出手段(図柄表示装置75)にて前記所定の第2結果に対応した所定報知(完全外れ演出)を実行することが可能な手段(演出制御装置143において変動パターンW3に対応する変動開始コマンドを受信した場合に完全外れ演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF4のいずれかに記載の遊技機。
【5321】
上記構成では、所定の第3結果となった場合に、所定の演出手段にて所定の第2結果に対応した所定報知が行われるため、遊技者に所定の第2結果になったと思わせることができる。これにより、所定の第3結果用の特定表示と所定の第2結果用の特定表示との識別が行いにくいこととも相俟って、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを簡単に判別し得ることを好適に抑制することが可能になる。
【5322】
特徴eF6.前記所定の第3結果となったことに基づいて特定特典(突然時短遊技状態への移行等)を付与することが可能な手段(主制御装置162における天井時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行判定用処理、時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
所定の状況(時短遊技状態である状況等)で前記所定の第3結果となった場合に前記特定特典の付与を制限することが可能な手段(主制御装置162における優先用処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF5のいずれかに記載の遊技機。
【5323】
上記構成では、所定の第3結果となったことに基づいて特定特典が付与されるとともに、所定の状況で所定の第3結果となった場合にはその付与が制限されるように構成されている。このような制限が行われた場合、遊技者としては、所定の第3結果となったにもかかわらずその恩恵を受けられないことになるため、遊技者の気分を害する懸念がある。このような場合において、所定の第3結果になった場合とそうでない場合とを特定表示の内容から簡単に判別し得ることが抑制されることで、特典付与の制限が行われたことを悟られにくくすることが可能になる。
【5324】
特徴eF7.前記所定の状況で前記所定の第3結果となった場合に前記特定態様の特定表示を実行することが可能な手段(突然時短遊技状態への移行が制限される場合に停止結果SD20を停止表示させる機能)を備えていることを特徴とする特徴eF6に記載の遊技機。
【5325】
上記構成では、所定の第3結果となったにもかかわらず特定特典の付与が制限される場合を対象に特定態様の特定表示が実行され、所定の第3結果に対応する特定表示が所定の第2結果用の特定表示に類似した態様で行われる。これにより、かかる場合において所定の第3結果となったことに気づかせにくくすることができ、延いては特典付与の制限が行われたことを悟られにくくすることが可能になる。
【5326】
特徴eF8.前記所定の状況で前記所定の第3結果となった場合に、所定の演出手段(図柄表示装置75)にて前記所定の第2結果に対応した所定報知(完全外れ演出)を実行することが可能な手段(演出制御装置143において変動パターンW3に対応する変動開始コマンドを受信した場合に完全外れ演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eF6又は特徴eF7に記載の遊技機。
【5327】
上記構成では、所定の第3結果となったにもかかわらず特定特典の付与が制限される場合に所定の第2結果に対応した所定報知が行われるため、所定の第3結果用の特定表示と所定の第2結果用の特定表示との識別が行いにくいことと相俟って、所定の第3結果になったことにより一層気づかせにくくすることができる。
【5328】
特徴eF9.前記所定の第3結果に対応する特定表示の表示態様として複数の表示態様(SD15~SD17、SD20)を有しており、
前記複数の表示態様には、前記特定態様と、前記第1表示部の数が前記所定の第2結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18)における前記第1表示部の数より多い所定態様(停止結果SD15~SD17)とが含まれており、
前記特定特典が付与される場合に前記所定態様の特定表示を実行することが可能な手段(停止結果SD15~SD17を停止表示させる機能)と、
前記特定特典の付与が制限される場合に前記特定態様の特定表示を実行することが可能な手段(停止結果SD20を停止表示させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴eF6乃至特徴eF8のいずれかに記載の遊技機。
【5329】
上記構成では、所定の第3結果となった場合において特定特典が付与される場合を対象に所定の第2結果用の特定表示より第1表示部の数が多い所定態様の特定表示が行われるため、そのような特性の特定表示と特定特典の付与とが遊技者の中で結び付けられる結果、所定の第3結果となった場合の特定表示として強く印象付けられることが想定される。その印象付けが行われた状況で、所定の第3結果となった場合において特定特典が付与されない場合を対象に上記所定態様とは表示上の特性が異なる特定態様の特定表示が行われることにより、遊技者が当該特定表示を所定の第3結果と結び付けて認識しにくくなる。これにより、特定特典の付与が制限される場合に所定の第3結果になったと気づかせにくくすることができ、当該制限が行われたことを悟られにくくすることが可能になる。
【5330】
特徴eF10.前記特定判定が行われることに基づいて所定の演出表示(遊技回用演出等)が行われる第1表示手段(図柄表示装置75)と、
前記第1表示手段よりも小さく形成され、前記表示手段としての第2表示手段(特図用表示部43)と、
を備えていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF9のいずれかに記載の遊技機。
【5331】
上記構成では、特定表示が行われる第2表示手段が第1表示手段よりも小さく、第1表示手段での演出表示よりも目立ちにくい態様で特定表示が行われるとはいえ、かかる特定表示を遊技者が視認していた場合、当該特定表示から所定の第3結果になったことを把握できてしまうことが想定される。しかしながら、提供する遊技性や演出構成によっては、そのような把握が容易になり過ぎてしまうと好ましくないことがある。このような構成に対して上記特徴eF1から特徴eF9のいずれかの構成を適用することで、これら各特徴の上記各効果を好適に発揮させることができ、上記把握が容易になり過ぎることを好適に抑制可能となる。
【5332】
特徴eF11.前記特定判定の結果が前記第1結果となることに基づいて所定遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能であり、
前記所定特典の付与は特定遊技状態への移行であり、
遊技状態として、所定遊技状態より遊技者に有利なものであって特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(時短遊技状態等)を有しており、
前記所定の第3結果となった場合に特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行させ得るように構成されていることを特徴とする特徴eF1乃至特徴eF10のいずれかに記載の遊技機。
【5333】
上記構成では、所定の第3結果となった場合に特別遊技状態を経由しないで特定遊技状態に移行し得るように構成されており、このような構成に対して上記特徴eF1から特徴eF10のいずれかの構成を適用することで、そのような特定遊技状態の移行条件の成立を特定表示から簡単に把握できてしまうことが抑制され、上記移行の制限が行われる場合に好適に適用することができる。
【5334】
なお、上記特徴eF1乃至特徴eF11の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5335】
<特徴eG群>
特徴eG群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第1の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
【5336】
なお、特徴eG群は「例えばパチンコ機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては抽選結果に対応した特定報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5337】
特徴eG1.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定結果(特殊外れ結果)となった場合に特定制御(突然時短遊技状態への移行等)を実行するか否かに対応した判定を実行する特定制御判定手段(ステップSe1404の処理を実行する機能等)と、
前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の実行に対応した結果となることに基づいて前記特定制御が実行されるようにする特定制御実行手段(ステップSe1404で肯定判定した場合にステップSe1405、ステップSe1406の処理を実行する機能等)と、
前記特定判定の結果に対応した特定報知(停止結果SD0~SD21の停止表示)が所定の報知手段(特図用表示部43)にて実行されるようにする特定報知実行手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定結果に対応する特定報知の報知態様として複数種の報知態様(停止結果SD15~SD17、SD20)を有しており、前記特定判定の結果が前記所定結果である場合に、それら複数種の報知態様のうちのいずれかの報知態様により前記所定結果に対応する特定報知が実行されるように構成されており、
前記特定判定の結果が前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様を前記特定制御判定手段の判定結果を参照して決定することが可能な特定手段(主制御装置162における特殊外れ用の停止結果設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【5338】
上記構成では、特定判定の結果が所定結果である場合に特定制御を実行するか否かが判定され、その結果に基づいて特定制御が実行される。また、特定判定が行われた場合に所定の報知手段にて特定報知が実行され、その特定報知により特定判定の結果が報知される。このような構成の下、所定結果に対応する特定報知の報知態様として複数種の報知態様が設けられるとともに、それらの報知態様のうちのいずれで特定報知を行うかの決定に際し、特定制御を実行するか否かの判定結果が参照される。この場合、特定制御を実行するか否かに応じて所定結果に対応する特定報知の報知態様を使い分けることができる。このため、例えば、特定制御が実行されない状況で特定報知から所定結果が把握されてしまうことが好ましくない場合に、所定結果を把握しにくい報知態様となるように特定報知の調整を行うことができ、特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5339】
特徴eG2.前記特定判定の結果が前記所定結果である場合に、前記特定制御判定手段による判定の実行より後、前記複数種の報知態様のうちからいずれかの報知態様を決定することが可能に構成されていることを特徴とする特徴eG1に記載の遊技機。
【5340】
上記構成では、特定制御を実行するか否かの判定→特定報知の報知態様の選択・決定の順番で処理が行われるため、所定結果に対応する特定報知の報知態様を決定する場合に、上記判定の結果を反映させた決定を好適に行うことが可能になる。
【5341】
特徴eG3.前記複数種の報知態様は、第1報知態様(停止結果SD15~SD17)と、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(停止結果SD20)とを含むものであり、
前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第2報知態様を決定する又は前記第1報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい手段を備えていることを特徴とする特徴eG1又は特徴eG2に記載の遊技機。
【5342】
上記構成では、所定結果に対応する特定報知の報知態様として第1報知態様と第2報知態様とを含む複数種の報知態様を有しており、特定制御判定手段により特定制御を実行しないと判定された場合に、所定結果に対応する特定報知の報知態様として第2報知態様が決定される又は第2報知態様が決定されやすい構成となっている。この場合、第2報知態様として遊技者が所定結果を連想しにくい態様を設定することで、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
【5343】
なお、本特徴における「前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第2報知態様を決定する又は前記第1報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい手段を備えている」は、「前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第1報知態様を決定する又は前記第2報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい第1手段と、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第2報知態様を決定する又は前記第1報知態様より前記第2報知態様を決定しやすい第2手段と、を備えている」と表現することもできる。
【5344】
特徴eG4.前記特定判定の結果として前記所定結果とは異なる特定結果(通常外れ結果)を取り得る構成となっており、
前記第2報知態様は、遊技者が前記所定結果より前記特定結果を認識しやすい又は遊技者が前記特定結果を認識できる態様(通常外れ結果に対応する停止結果SD18、SD21に類似する態様)であることを特徴とする特徴eG3に記載の遊技機。
【5345】
上記構成によれば、特定制御が実行されない場合に決定される第2報知態様は、遊技者が所定結果よりも特定結果を認識しやすい態様となっている。このため、特定判定にて所定結果となった場合において特定制御が実行されないと判定された場合に、遊技者が特定報知に基づいて特定結果を把握しやすくなり、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
【5346】
特徴eG5.前記特定判定の結果が前記特定結果となった場合に、前記特定制御判定手段による判定が行われることなく前記特定制御が不実行とされるように構成されていることを特徴とする特徴eG4に記載の遊技機。
【5347】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となった場合に一律に特定制御が実行されないため、所定結果となった場合に行われる第2報知態様の特定報知から遊技者が特定結果を認識した場合に特定制御が実行されない点で整合する。このため、不自然な印象となることが抑制され、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
【5348】
特徴eG6.前記特定判定の結果として前記所定結果とは異なる特定結果(通常外れ結果)を取り得る構成となっており、
前記特定報知としての特定表示が前記所定の報知手段としての表示手段にて行われるように構成されており、
前記表示手段は、所定表示状態の第1状態(点灯状態、第1表示色等)と前記第1状態とは異なる第2状態(消灯状態、第2表示色等)とに切り替え可能な複数の表示部(表示用セグメントSG1~SG7)を有しており、これらの表示部において前記第1状態とされる第1表示部と前記第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより前記特定表示が行われるように構成されており、
前記第2報知態様の特定表示における前記第1表示部の数は、前記特定結果に対応する所定の特定表示(停止結果SD18、SD21)における前記第1表示部の数以下であることを特徴とする特徴eG3乃至特徴eG5のいずれかに記載の遊技機。
【5349】
上記構成では、第1状態とされる第1表示部と第2状態とされる第2表示部との組み合わせにより特定判定の結果に対応した特定表示が行われるところ、第2報知態様の特定表示における第1表示部の数が特定結果に対応する所定の特定表示における第1表示部の数以下であるため、特定判定の結果が所定結果となった場合において特定制御が実行されない場合の特定表示を特定結果用の特定表示に似せて行うことができ、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
【5350】
特徴eG7.前記第1報知態様の特定表示における前記第1表示部の数は、前記特定結果に対応する所定の特定表示における前記第1表示部の数より多いことを特徴とする特徴eG6に記載の遊技機。
【5351】
上記構成では、所定結果となった場合に行われる特定表示の表示態様として、第1表示部の数が特定結果用の特定表示以下である第2態様と、特定結果用の特定表示より多い第1態様とを有するため、所定結果となった場合に行われる特定表示のうち一部について特定結果との識別が行いにくく、他の一部について識別が行いやすい構成とすることができる。これにより、所定結果となった場合の結果報知としての機能が過度に損なわれることを抑制しつつ、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
【5352】
なお、本特徴において「前記特定手段は、前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の実行に対応した結果である場合に、前記所定結果である場合の前記特定報知の報知態様として前記第1報知態様を決定する又は前記第2報知態様より前記第1報知態様を決定しやすい手段を備えている」という構成をさらに備えてもよい。
【5353】
特徴eG8.前記特定判定の結果として前記所定結果とは異なる特定結果(通常外れ結果)を取り得る構成となっており、
前記特定制御判定手段の判定結果が前記特定制御の不実行に対応した結果である場合に、所定の演出手段(図柄表示装置75)にて前記特定結果に対応した所定報知(完全外れ演出)を実行することが可能な手段(演出制御装置143において変動パターンW3に対応する変動開始コマンドを受信した場合に完全外れ演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴eG1乃至特徴eG7のいずれかに記載の遊技機。
【5354】
上記構成では、特定判定にて所定結果となった場合において特定制御を実行しないと判定された場合に、所定の演出手段にて特定結果に対応した所定報知が行われるため、遊技者に特定結果になったと思わせることができ、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることを好適に抑制可能となる。
【5355】
特徴eG9.前記特定制御により遊技者に特定特典(特定遊技状態への移行)を付与することが可能であることを特徴とする特徴eG1乃至特徴eG8のいずれかに記載の遊技機。
【5356】
上記構成では、特定制御により遊技者に特定特典が付与されるところ、特定制御が実行されない場合、当該特典が付与されないことになる。このため、特定判定で所定結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eG1から特徴eG8のいずれかの構成を適用することで、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることが抑制され、延いては特典付与が制限されたことに気づきにくくすることができる。
【5357】
特徴eG10.遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、所定遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態等)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記特定制御は特定遊技状態への移行であることを特徴とする特徴eG1乃至特徴eG9のいずれかに記載の遊技機。
【5358】
上記構成では、遊技状態として、所定遊技状態と、所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態とを有しており、特定制御により特定遊技状態への移行が行われるように構成されている。このような構成では、特定制御が実行されないことにより、特定遊技状態への移行が行われないことになるため、特定判定で所定結果を引き当てたにもかかわらず、その恩恵を得られないとして、遊技者の気分を害してしまう懸念がある。そのような場合において上記特徴eG1から特徴eG9のいずれかの構成を適用することで、特定制御が実行されない状況で所定結果が把握されることが抑制され、延いては特定遊技状態への移行が制限されたことに気づきにくくすることができる。
【5359】
なお、上記特徴eG1乃至特徴eG10の各構成に対して、特徴eA1乃至特徴eA13、特徴eB1乃至特徴eB13、特徴eC1乃至特徴eC8、特徴eD1乃至特徴eD11、特徴eE1乃至特徴eE6、特徴eF1乃至特徴eF11、特徴eG1乃至特徴eG10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5360】
なお、以上詳述した特徴eA群乃至特徴eG群の各構成に対して、他の特徴eA群乃至特徴eG群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5361】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【5362】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【5363】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【5364】
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【5365】
<特徴fA群~特徴fC群>
下記の特徴fA群~特徴fC群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第2の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
【5366】
下記の特徴fA群~特徴fC群に記載された発明は、「遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技機を好適に動作させる上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5367】
<特徴fA群>
特徴fA1.情報の記憶保持に電力の供給を要する情報記憶手段(主側RAM314)と、
前記情報記憶手段に所定情報(差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ、差枚数の情報等)が記憶されている状況において前記所定情報に基づいて特定制御を実行することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
動作電力(外部電力)の供給が停止されている状況において情報を記憶保持するための保持用電力(バックアップ電力)が前記情報記憶手段に供給され、当該情報記憶手段において情報が記憶保持されることを可能とする手段(停電監視部315からのバックアップ電力により主側RAM314に記憶された情報をバックアップする機能)と、
動作電力の供給が開始された場合に前記情報記憶手段にて前記所定情報が消去されるようにする又は前記情報記憶手段にて前記所定情報が消去されている状態で動作電力の供給が開始されるようにすることが可能な特定手段(第1の実施の形態や変形例1の主制御装置162における部分クリア用処理を実行する機能、変形例2の主制御装置162における電断時クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5368】
上記構成では、動作電力の供給が停止されると、保持用電力が情報記憶手段に供給され、当該情報記憶手段に記憶された情報の保持が図られる。その一方で、所定情報については、動作電力の供給が開始された場合に情報記憶手段から消去されるか、動作電力の供給の開始前に当該所定情報が消去された状態となっていることにより、情報記憶手段に所定情報が記憶されていない状態で遊技機が立ち上がるように構成されている。この所定情報は特定制御の実行に利用されるものであるところ、例えば、前日の遊技にて記憶された所定情報により特定制御が行われることを抑制したい場合に、遊技ホールにて開店前に遊技機の電源を投入することで、それを好適に実現することができ、遊技機の動作を好適化することが可能になる。
【5369】
なお、本特徴において「動作電力の供給が開始された場合に前記情報記憶手段にて前記所定情報が消去される」は、必ずしも、動作電力の供給が開始されたのと同時や当該供給が開始された直後に所定情報の消去が行われる構成である必要はなく、当該供給の開始に基づくものであれば、当該開始から所定期間の経過後に所定情報の消去が行われる構成であってもよい。そのような意味では「動作電力の供給が開始された場合」について「動作電力の供給の開始より後」と読み替えることができるし、「動作電力の供給が開始された場合」について「動作電力の供給の開始より後」を含む概念であると解することができる。
【5370】
特徴fA2.動作電力の供給が開始された場合において前記所定情報を消去するための操作を要することなく、前記特定手段により前記所定情報が消去されることを可能とする手段(主制御装置162における部分クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1に記載の遊技機。
【5371】
例えば、所定情報の消去に電源投入とは別の専用操作を要する構成である場合は、遊技ホールに設置された各遊技機について1台ずつ所定情報の消去操作を行う必要があり、ホール従業員にとって非常に手間のかかる作業となるおそれがある。この点、本特徴によれば、遊技機への電源投入に伴い自然と所定情報が消去されるため、当該消去に要する手間を大きく減らすことができる。特に遊技ホールでは、島設備の電源を投入することで当該島設備に設置された複数の遊技機に一括して電源を投入し得るため、1の操作により複数の遊技機についてまとめて所定情報を消去することができ、所定情報の効率的な消去を行うことが可能になる。
【5372】
特徴fA3.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への入球等)の発生に基づいて前記所定情報を導出する手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1又は特徴fA2に記載の遊技機。
【5373】
上記構成では、遊技が実行されることにより生じる所定事象に基づいて所定情報が導出されるため、所定情報に遊技の実績が反映される。そして、このような所定情報の消去が遊技機への電源投入を契機に行われるため、特定制御の実行に前日の遊技実績が影響することを好適に抑制することが可能となる。
【5374】
特徴fA4.予め定められた付与契機(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)が成立した場合に所定の遊技価値が付与されるように制御する手段(払出制御装置181におけるステップSf906~ステップSf908を実行する機能等)を備え、
前記所定事象は、前記所定の遊技価値の付与又は前記付与契機の成立であることを特徴とする特徴fA3に記載の遊技機。
【5375】
上記構成では、所定事象が遊技価値の付与又はその実行契機の成立であるため、遊技価値の獲得状況が反映された所定情報が導出される。そして、このような所定情報の消去が遊技機への電源投入を契機に行われるため、特定制御の実行に前日の遊技における遊技価値の獲得状況が影響することを好適に抑制することが可能となる。
【5376】
特徴fA5.前記情報記憶手段には、遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報が記憶される履歴情報領域(差球数用エリア504e、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e)が設けられており、
前記所定情報は、前記履歴情報領域に記憶される前記履歴情報である又は前記履歴情報に基づいて導出されるものであることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA4のいずれかに記載の遊技機。
【5377】
上記構成によれば、所定事象が発生した場合に、それに対応する履歴情報が履歴記憶手段にて記憶される。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生頻度の管理を好適に行うことが可能となる。また、所定情報がそのようにして管理される所定事象の発生頻度を示す履歴情報であるか、又はその履歴情報を利用して導出される情報であるかのいずれかとなっており、そのような所定情報の消去が遊技機への電源投入を契機に行われるため、前日になされた遊技の実績が特定制御の実行に影響することを好適に抑制することが可能となる。
【5378】
特徴fA6.予め定められた特定契機(差球数が特定個数以上となること)の成立に基づいて前記特定制御が実行され得るように構成されており、
前記所定情報は、前記特定契機の成立に対応した特定の情報(超過フラグ)であることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA5のいずれかに記載の遊技機。
【5379】
上記構成では、所定情報により特定制御を実行すべきことが示され、そのような所定情報の消去が遊技機への電源投入を契機に行われるため、特定制御が実行された場合に遊技機の電源遮断操作を行い、その後、電源投入操作を行うことで、特定制御の実行状態が解除される。よって、当該解除にホール従業員の立ち合いが不可欠となり、特定制御の実行状態が遊技者によって解除されないようにすることができる。
【5380】
なお、本特徴において「前記所定情報は、前記特定契機の成立に対応した特定の情報(超過フラグ)である」は、「前記所定情報は、当該遊技機が前記特定契機の成立を把握するのに利用する特定の情報(超過フラグ)である」と読み替えることができる。
【5381】
特徴fA7.前記特定手段は、動作電力の供給が開始された場合において、遊技の進行を制御するための進行対応処理(タイマ割込み処理のステップSf409~ステップSf419)が実行されるよりも前に前記情報記憶手段にて前記所定情報が消去されるようにする手段(メイン処理においてステップSf115の部分クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA6のいずれかに記載の遊技機。
【5382】
上記構成では、遊技機への電源が投入された場合に、所定情報の消去処理が実行されてから進行対応処理が実行されるため、前日の所定情報が消去された状態で遊技の進行を開始させることができる。これにより、前日の所定情報を引き継いで、遊技進行の開始前や開始後の早期に特定制御が行われることが回避され、特定制御の影響を受けて遊技の進行が適切に行われなくなることを抑制できる。
【5383】
特徴fA8.動作電力の供給が開始された場合に供給開始時処理を実行する手段(主制御装置162におけるメイン処理を実行する機能)を備え、
前記供給開始時処理に、前記特定手段による前記所定情報の消去処理(ステップSf115の部分クリア用処理)が含まれることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA7のいずれかに記載の遊技機。
【5384】
上記構成では、動作電力の供給が開始されることに応じて実行される供給開始時処理の中で所定情報が消去されるため、前日の所定情報が残ったままの状態で進行対応処理が実行されることを好適に抑制することができる。これにより、前日の所定情報を引き継いで、遊技進行の開始前や開始後の早期に特定制御が行われることが回避され、特定制御の影響を受けて遊技の進行が適切に行われなくなることを抑制できる。
【5385】
特徴fA9.定期的に起動される割込み処理を実行する手段(主制御装置162におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備え、
遊技の進行を制御するために実行される進行対応処理(主制御装置162におけるステップSf409~ステップSf419)が前記割込み処理に含まれており、
動作電力の供給が開始されて前記供給開始時処理が実行される場合において、前記消去処理の実行より後に前記割込み処理の割込みが許容されるように構成されている(メイン処理において、タイマ割込み処理の割込みが禁止された状態でステップSf101~ステップSf116の処理が実行される構成)ことを特徴とする特徴fA8に記載の遊技機。
【5386】
上記構成では、供給開始時処理の中で所定情報の消去処理が実行される場合において、遊技の進行を制御するための進行対応処理が定期的に起動される割込み処理として実行され、供給開始時処理において上記消去処理が行われた後に上記割込み処理の割込みが許容されるため、所定情報を消去してから進行対応処理を起動させることができる。これにより、前日の所定情報を引き継いだ状態で進行対応処理が開始されることを確実に回避することができ、特定制御の影響を受けて遊技の進行が遊技の進行が適切に行われなくなることを好適に抑制することが可能になる。
【5387】
特徴fA10.動作電力の供給が停止されている状況において、前記所定情報としての第1所定情報と、当該第1所定情報とは異なる第2所定情報(ベース値の情報、ベース値用カウンタエリア501の各カウンタ501a~501cの値、遊技の進行を制御するための処理に用いる情報等)とが前記情報記憶手段に記憶されている状態で前記保持用電力が前記情報記憶手段に供給され、前記情報記憶手段において前記第1所定情報と前記第2所定情報とが記憶保持されるようにすることを可能とする手段(停電監視部315からのバックアップ電力により主側RAM314に記憶された情報をバックアップする機能)を備え、
前記特定手段は、動作電力の供給が開始された場合に、前記情報記憶手段に前記第2所定情報が記憶保持されたまま、前記第1所定情報が消去されるようにする、又は前記情報記憶手段にて前記第2所定情報が記憶保持され且つ前記所定情報が消去されている状態で動作電力の供給が開始されるようにする手段(第1の実施の形態や変形例1の主制御装置162における部分クリア用処理を実行する機能、変形例2の主制御装置162における電断時クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA9のいずれかに記載の遊技機。
【5388】
上記構成では、情報記憶手段に第1所定情報と第2所定情報とが記憶されている状況で動作電力の供給が停止され、その後、動作電力の供給が開始された場合に、第2所定情報については情報記憶手段に残しつつ、第1所定情報については情報記憶手段から消去された状態で遊技機を起動させることができる。これにより、第2所定情報に対する電源遮断からの保護を適切に図りつつ、第1所定情報の消去により、特定制御の実行に前日の遊技実績が影響することを好適に抑制することが可能になる。
【5389】
特徴fA11.各種処理を実行する制御手段(MPU312)を備え、
当該制御手段は、
前記各種処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段(主制御装置162におけるステップSf401~ステップSf419の処理を実行する機能)と、
前記各種処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段(主制御装置162におけるステップSf1103~ステップSf1105、ステップSf2103~ステップSf2106、ステップSf3303~ステップSf3306の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報記憶手段には、前記第1所定処理が実行される場合に情報が記憶される第1所定記憶領域(特定制御用のワークエリア391)と、前記第2所定処理が実行される場合に情報が記憶される第2所定記憶領域(非特定制御用のワークエリア393)とが設けられており、
前記第2所定記憶領域には前記所定情報が記憶される特定領域(差球数用エリア504e、差球数用カウンタエリア502、差球数用エリア601)が含まれており、
前記第2所定処理実行手段は、前記特定手段として、動作電力の供給が開始された場合において、前記第2所定記憶領域に対して少なくとも前記特定領域を含む領域の情報が消去されるようにする又は前記第2所定記憶領域に対して少なくとも前記特定領域を含む領域の情報が消去されている状態で動作電力の供給が開始されるようにする手段(第1の実施の形態や変形例1の主制御装置162における部分クリア用処理を実行する機能、変形例2の主制御装置162における電断時クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA10のいずれかに記載の遊技機。
【5390】
上記構成によれば、第1所定記憶領域と第2所定記憶領域とが設けられており、第1所定記憶領域が第1所定処理の専用の記憶領域として扱われるとともに、第2所定記憶領域が第2所定処理の専用の記憶領域として扱われる。これにより、第1所定処理と第2所定処理とで情報記憶手段における情報の記憶先を明確に相違させることが可能となる。よって、第1所定処理及び第2所定処理のうち一方の処理の実行に際して他方の処理において利用される情報が消去されてしまわないようにすることが可能となる。
【5391】
また、特定制御の実行に用いられる所定情報が記憶される特定領域の情報が動作電力の供給が開始された場合に消去される又は動作電力の供給の開始前に特定領域の情報が消去された状態となっているように、第2所定記憶領域に対して処理が行われるため、例えば、前日の遊技にて記憶された所定情報により特定制御が行われることを抑制したい場合に、遊技ホールの開店前に遊技機の電源を投入することで、それを好適に実現することができる。
【5392】
その際、上記のとおり、第1所定処理及び第2所定処理のうち一方の処理の実行に際して他方の処理において利用される情報が消去されることが回避されていることにより、第2所定領域に含まれる特定領域の情報を消去するに際して、第1所定領域に記憶される他の情報が消去されてしまうことを抑制することができる。つまり、動作電力の供給の停止から開始までの流れの中で、記憶保持すべき他の情報の保護に影響が及ぶことを回避しながら、特定制御の実行に用いる所定情報の消去を好適に行うことができる。
【5393】
特徴fA12.前記特定制御にて実行される処理には、所定の遊技の進行が制限される特定状態(遊技停止状態)への移行に対応した特定処理(主制御装置162におけるステップSf407)が含まれることを特徴とする特徴fA1乃至特徴fA11のいずれかに記載の遊技機。
【5394】
上記構成では、特定制御が実行されることにより、その後の遊技の進行が制限される制限状態に移行する。このような構成に対して上記特徴fA1から特徴fA11のいずれかの構成を適用することで、前日の遊技実績が上記制限状態への移行に影響し、現在の遊技者により行われている遊技が過剰に制限されてしまうことを抑制できる。
【5395】
特徴fA13.前記特定手段は、前記情報記憶手段に前記所定情報が記憶されている状態で動作電力の供給が停止された場合に前記所定情報が消去されることを可能とする手段(変形例2の主制御装置162における電断時クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA1に記載の遊技機。
【5396】
上記構成では、動作電力の供給が停止されることにより情報記憶手段に記憶された所定情報が消去されるため、動作電力の供給が開始された場合に所定情報が消去されている状態で遊技機を起動させることができる。また、動作電力の供給が停止されたときに所定情報の消去が行われるため、動作電力の供給の開始に際して消去処理を行う必要がなく、当該開始を契機として実行される遊技機の起動用処理の負荷を軽減することができる。これにより、遊技機の起動時間を短縮し、遊技者に早く遊技を再開させることが可能になる。
【5397】
特徴fA14.動作電力の供給が停止された場合において前記所定情報を消去するための操作を要することなく、前記特定手段により前記所定情報が消去されることを可能とする手段(変形例2の主制御装置162における電断時クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fA13に記載の遊技機。
【5398】
上記構成では、情報記憶手段に記憶された所定情報の消去に電源遮断とは別の専用操作を要しないため、遊技ホールの閉店に伴う電源遮断により所定情報が自然と消去され、当該消去に要する手間を大きく減らすことができる。特に遊技ホールでは島設備に複数の遊技機が設置され、島設備の電源を遮断することで当該島設備に設置された複数の遊技機に対して一括して電源遮断を行い得るため、1の操作により複数の遊技機についてまとめて所定情報を消去することができ、所定情報の効率的な消去を行うことが可能になる。
【5399】
なお、上記特徴fA1乃至特徴fA14の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA14、特徴fB1乃至特徴fB11、特徴fC1乃至特徴fC7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5400】
<特徴fB群>
特徴fB1.遊技の進行に関する所定処理(主制御装置162によるステップSf409~ステップSf419)を実行する制御手段(主制御装置162)を備えた遊技機において、
前記所定処理を実行する上で用いられる情報が記憶される所定領域(特定制御用のワークエリア391、特定制御用のスタックエリア392)を有する情報記憶手段(主側RAM314)と、
前記所定領域における情報の記憶状況が第1状況(ステップSf409~ステップSf419で用いる各種情報が記憶された状況)である状態で第1所定条件(差球数が特定個数以上になること、判定用差球数が特定個数以上になること)が成立した場合に、少なくとも前記第1状況が引き継がれた状態での遊技の進行が制限されるようにする第1手段(主制御装置162における遊技停止判定用処理により遊技停止状態に移行する機能)と、
前記第1手段による遊技の進行の制限より後、前記第1所定条件とは異なる第2所定条件(パチンコ機10の電源ON操作を行うこと)が成立した場合に、前記第1状況が引き継がれた状態で又は前記所定領域における情報の記憶状況が前記第1状況とは異なる第2状況(第2初期化処理が行われた状況)とされた状態で遊技の進行が許容されるようにする第2手段(主制御装置162における電源投入設定処理により遊技停止状態を解除しつつ、部分クリア用処理により差球数の情報等を消去する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5401】
上記構成では、情報記憶手段の所定領域への情報の書き込みや当該所定領域からの情報の読み出しを利用して遊技の進行に関する制御処理が行われる遊技機において、第1所定条件が成立すると、上記所定領域における情報の記憶状況を引き継いだ状態での遊技の進行が制限される。このため、第1所定条件が成立した状態で遊技が継続されることを抑制したい場合に、それを好適に実現することができる。また、そのような制限状態である状況で第2所定条件が成立すると、所定領域の情報の記憶状況を引き継いだ状態で又は記憶状況を異ならせた状態で制限状態が解除され、遊技の進行が許容される。このため、ホール従業員の行為により第2所定条件が成立する構成とすれば、第1所定条件の成立により移行した制限状態をホール従業員の立ち合いの下で解除し、遊技を再開させることができる。
【5402】
特徴fB2.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象の発生に基づいて前記第1所定条件が成立し得るように構成されていることを特徴とする特徴fB1に記載の遊技機。
【5403】
上記構成では、遊技が実行されることにより生じる所定事象に基づいて第1所定条件が成立するため、遊技進行の制限状態への移行が遊技の実績に応じて行われる。このため、例えば、遊技機設計者の想定以上の実績が生じたときに遊技の進行を制限したい場合に、それを好適に実現することができる。
【5404】
特徴fB3.予め定められた付与契機(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の成立に基づいて所定の遊技価値が付与されるように制御する手段(主制御装置162におけるステップSf417、ステップSf418の処理を実行する機能、払出制御装置181におけるステップSf906~ステップSf908の処理を実行する機能)を備え、
前記所定事象は、前記所定の遊技価値の付与又は前記付与契機の成立であることを特徴とする特徴fB2に記載の遊技機。
【5405】
上記構成では、所定事象が遊技価値の付与又はその実行契機の成立であり、それらの発生状況に基づいて第1所定条件が成立するため、遊技進行の制限状態への移行が遊技価値の獲得実績に応じて行われる。このため、実際の遊技において遊技価値が過剰に獲得されることを抑制したい場合にそれを好適に実現することができる。
【5406】
特徴fB4.前記情報記憶手段には、遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報が記憶される履歴情報領域(差球数用エリア504e、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502e)が設けられており、
前記履歴情報に基づいて前記第1所定条件が成立し得るように構成されていることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB3のいずれかに記載の遊技機。
【5407】
上記構成によれば、所定事象が発生した場合に、それに対応する履歴情報が履歴記憶手段に記憶される。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生頻度の管理を好適に行うことが可能となる。また、そのようにして管理される所定事象の発生頻度に基づいて第1所定条件が成立するため、遊技の実績に応じて遊技進行の制限状態に移行させることができる。
【5408】
特徴fB5.第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段(主制御装置162におけるステップSf401~ステップSf419の処理を実行する機能)と、
前記第1所定処理とは異なる第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段(主制御装置162におけるステップSf1103~ステップSf1105、ステップSf2103~ステップSf2106、ステップSf3303~ステップSf3306の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報記憶手段には、前記第1所定処理が実行される場合に情報が記憶される第1所定記憶領域(特定制御用のワークエリア391)と、前記第2所定処理が実行される場合に情報が記憶される第2所定記憶領域(非特定制御用のワークエリア393)とが設けられており、
前記第1所定処理に前記所定処理が含まれており、
前記第1所定記憶領域に前記所定領域が含まれており、
前記第2所定記憶領域に記憶される特定情報(差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ、差枚数の情報等)に基づいて前記第1所定条件が成立することを可能とする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB4のいずれかに記載の遊技機。
【5409】
上記構成では、情報記憶手段に記憶される特定情報に基づいて第1所定条件が成立するところ、遊技の進行を制御する処理の実行に際して、その特定情報の内容が誤って書き換えられたりすると、第1所定条件の成立が適切に行われなくなってしまうおそれがある。この点、本特徴では、情報記憶手段に第1所定記憶領域と第2所定記憶領域とが設けられており、第1所定記憶領域が、遊技の進行を制御する第1所定処理の専用の記憶領域として扱われるとともに、特定情報が記憶される第2所定記憶領域が第2所定処理の専用の記憶領域として扱われる。これにより、第1所定処理の実行に際して特定情報が書き換えられてしまわないようにすることができ、延いては第1所定条件を適切に成立させ、制限状態への移行制御を適切に行わせることが可能になる。
【5410】
特徴fB6.操作可能な所定操作手段(電源スイッチ、リセットボタン166c)を備え、前記第2所定条件の成立に当該所定操作手段の操作を要するように構成されており、
遊技機前方へ開閉可能な遊技機構成体(内枠13)を備え、
前記遊技機構成体を遊技機前方へ開放した場合に前記所定操作手段を操作可能な位置に、前記所定操作手段が配置されていることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB5のいずれかに記載の遊技機。
【5411】
上記構成では、所定操作手段を操作しなければ第2所定条件が成立しないように構成されているとともに、その所定操作手段が遊技機構成体を遊技機前方に開放させないと操作できない位置に配置されている。この場合、ホール従業員でなければ所定操作手段の操作を行うことができず、制限状態の解除にホール従業員の立ち合いを不可欠とすることができる。よって、遊技者によって制限状態が解除されないようにすることができる。
【5412】
特徴fB7.前記制御手段への動作電力の供給が停止される第1状態より後、前記制御手段の動作電力の供給が開始される第2状態となった場合に前記第2所定条件が成立することを可能とする手段(主制御装置162におけるステップSf113の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB6のいずれかに記載の遊技機。
【5413】
上記構成では、遊技機の電源遮断操作と電源投入操作とが順番に行われることにより、制限状態を解除するための第2所定条件が成立するため、遊技ホールの従業員のみが第2所定条件を成立させることが可能になる。よって、制限状態の解除にホール従業員の立ち合いが不可欠となり、遊技者によって制限状態が解除されないようにすることができる。
【5414】
特徴fB8.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象の発生に基づいて前記情報記憶手段に所定情報(差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ、差枚数の情報等)を記憶する手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)を備え、前記情報記憶手段に記憶された前記所定情報に基づいて前記第1所定条件が成立する又は前記第1所定条件の成立有無が判定されるように構成されており、
前記情報記憶手段に前記所定情報が記憶されている状況で前記第1状態となった場合において、当該第1状態より後、前記第2状態となった場合に前記情報記憶手段にて前記所定情報が消去されるようにする又は前記情報記憶手段にて前記所定情報が消去されている状態で前記第2状態となるようにすることが可能な手段(第1の実施の形態や変形例1の主制御装置162における部分クリア用処理を実行する機能、変形例2の主制御装置162における電断時クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fB7に記載の遊技機。
【5415】
上記構成では、情報記憶手段に記憶される所定情報に基づいて第1所定条件が成立して制限状態への移行が行われるとともに、情報記憶手段に所定情報が記憶されている状況で制御手段への動作電力の供給が停止された場合に、その後、動作電力の供給が開始されることで所定情報が消去されるか、動作電力の供給の開始前に所定情報が消去された状態となっているように構成される。これにより、遊技機への電源投入操作が行われることにより、制限状態の解除を行うと同時に第1所定条件の成立状態を初期化して遊技機を起動させることができ、ホール従業員の手間を好適に軽減することが可能になる。
【5416】
特徴fB9.予め定められた付与契機(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65、アウト口68への入球等)が成立した場合に所定の遊技価値が付与されるように制御する手段(払出制御装置181におけるステップSf906~ステップSf908を実行する機能等)と、
前記第1手段による遊技の進行の制限中に前記所定の遊技価値の付与が許容されることを可能とする手段(主制御装置162におけるステップSf1610~ステップSf1615の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB8のいずれかに記載の遊技機。
【5417】
上記構成では、第1所定条件の成立により制限状態に移行した場合に当該制限状態の中で遊技価値の付与が行われることが許容されている。例えば、遊技価値を付与している途中タイミングで第1所定条件が成立した場合、制限状態への移行に伴って遊技価値の付与が途中終了されてしまうおそれがある。この点、本特徴によれば、付与の途中で制限状態に移行しても最後まで遊技価値の付与を行わせることができ、遊技者が得られるべき遊技価値が適切に付与されるようにすることが可能になる。
【5418】
特徴fB10.前記所定の遊技価値の付与に対応した特定情報(賞球信号)を遊技機外部に出力可能な出力手段(主制御装置162におけるステップSf419の処理を実行する機能、払出制御装置181におけるステップSf909の処理を実行する機能)と、
前記第1手段による遊技の進行の制限中に前記出力手段による前記特定情報の出力が許容されることを可能とする手段(主制御装置162におけるステップSf1610~ステップSf1615の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fB9に記載の遊技機。
【5419】
上記構成では、制限状態において、遊技価値の付与に対応した外部出力を行うことが許容されているため、制限状態の中で遊技価値の付与が行われた場合に、当該付与の発生が上記外部出力を通じて遊技ホール側の管理装置に適切に通知される。よって、制限状態中に遊技価値の付与が行われることに起因して、遊技価値に関して実際に付与した数値と、付与されたものとして管理装置が把握する数値との不整合が生じることを抑制することが可能になる。
【5420】
特徴fB11.前記第2手段は、前記第1手段による遊技の進行の制限より後、前記第2所定条件が成立した場合に、前記所定領域における情報の記憶状況が前記第2状況とされた状態で遊技の進行が許容されるようにするものであることを特徴とする特徴fB1乃至特徴fB10のいずれかに記載の遊技機。
【5421】
上記構成では、第2所定条件が成立した場合に、所定領域における情報の記憶状況が第1状況とは異なる第2状況に変更された上で遊技の進行が許容されるため、第1所定条件が成立したときと同じ遊技条件で再び遊技が行われることを抑制できる。その際、第2所定条件が成立することで、制限状態そのものと、制限状態への移行条件が成立している状態との両方が解除されるため、ホール従業員が第2所定条件を成立させる1の操作を行うだけで、それらの解除を同時に行うことができ、遊技を再開させる際の遊技ホール側の手間を好適に軽減できる。
【5422】
なお、上記特徴fB1乃至特徴fB11の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA14、特徴fB1乃至特徴fB11、特徴fC1乃至特徴fC7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5423】
<特徴fC群>
特徴fC1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与する手段(払出制御装置181におけるステップSf906~ステップSf908を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定判定用情報(差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ、差枚数の情報等)を導出する手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定判定用情報が予め定められた特定値(100000個)以上となった場合に特定制御が実行されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5424】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定判定用情報が導出され、その導出された判定用情報が特定値以上となったか否かが判定される。これにより、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、判定用情報が特定値以上となった場合にはそれに対応する特定制御が行われる。この特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5425】
特徴fC2.前記特定制御にて実行される処理には、所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる特定処理(主制御装置162におけるステップSf1610~ステップSf1614の処理)が含まれることを特徴とする特徴fC1に記載の遊技機。
【5426】
上記構成では、判定用情報が特定値以上になると、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5427】
特徴fC3.所定の異常要因を検知することが可能な検知手段(振動検知センサ、磁石検知センサ、電波検知センサ)と、
前記検知手段により検知が行われた場合に所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる手段(主制御装置162におけるステップSf1604~ステップSf1608の処理を実行する機能)と、
前記検知手段により検知が行われた場合に、複数の外部出力用端子のうち所定の外部出力用端子を通じて外部情報が遊技機外部に出力されるようにする第1出力手段(主制御装置162におけるステップSf1609の処理を実行する機能)と、
前記所定判定用情報が前記特定値となった場合に、前記所定の外部出力用端子を通じて外部情報が遊技機外部に出力されるようにする第2出力手段(主制御装置162におけるステップSf1615の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fC2に記載の遊技機。
【5428】
上記構成では、所定判定用情報が特定値以上となったことに基づいて遊技進行の制限状態に移行した場合に、異常検知に基づいて遊技進行の制限状態に移行した場合と共通の外部出力用端子を用いて外部情報の出力が行われる。これにより、遊技機では新たな外部出力用端子の増設が不要になり、遊技ホールでは情報受信部や管理装置等について既存の構成を用いることができ、双方においてコストの削減を図ることが可能になる。
【5429】
特徴fC4.前記所定判定用情報が前記特定値以上となっても、前記所定の遊技価値の付与が許容されることを可能とする手段(主制御装置162におけるステップSf1610~ステップSf1615の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC3のいずれかに記載の遊技機。
【5430】
上記構成では、所定判定用情報が特定値以上となることにより特定制御が行われる状態となっても、遊技価値の付与が行われることが許容されている。よって、付与の途中で特定制御が開始されることがあっても最後まで遊技価値の付与を行わせることができ、遊技者が得られるべき遊技価値が適切に付与されるようにすることが可能になる。
【5431】
なお、本特徴を上記特徴fC2に適用した場合は「所定の遊技の進行が制限される状態において前記所定の遊技価値の付与が許容されることを可能とする手段を備えている」と表現することができる。
【5432】
特徴fC5.遊技に関する状態として、少なくとも、第1状態(低確率モード、非開閉実行モード)と、前記所定の遊技価値が前記第1状態よりも付与されやすい第2状態(高確率モード、開閉実行モード)とを有しており、
少なくとも、前記第2状態である場合に当該第2状態であることに対応した特定情報(高確率フラグ、大当たり中フラグ)と、後に前記第2状態となる所定状態(高確率モードへの移行に対応した種別の大当たりとなった場合において、開閉実行モード後の高確率モードへの移行がまだ行われていない状態)である場合に当該所定状態であることに対応した所定情報(高確率モードへの移行に対応した種別の大当たりであることを示す大当たり種別情報)とが記憶される情報記憶手段(主側RAM314)と、
前記判定用情報が前記特定値以上となったことに基づいて、前記情報記憶手段に記憶された前記特定情報又は前記所定情報が消去されるようにすることを可能とする手段(主制御装置162における超過時立上げ用処理を実行する機能、電源遮断時に高確率フラグの情報等を初期化する機能)を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC4のいずれかに記載の遊技機。
【5433】
上記構成では、遊技価値が相対的に付与されやすい第2状態である状況で判定用情報が特定値以上となった場合に、第2状態であることに対応した特定情報や、後に第2状態になることに対応した所定情報が初期化される。これにより、遊技価値が相対的に付与されにくい第1状態に変更されて遊技が行われることになり、その結果として遊技価値の更なる獲得が制限される。よって、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。また、そのような変更を遊技機自身が自動的に行うため、判定用情報が特定値以上となった場合のホール従業員の手間を軽減することができる。さらに当該変更を行うか否かがホール従業員の判断に委ねられることがないため、遊技の公平性を担保することもできる。
【5434】
特徴fC6.前記所定判定用情報が記憶される情報記憶手段(主側RAM314)と、
前記情報記憶手段に前記所定判定用情報が記憶された状態で動作電力の供給が停止された場合において、動作電力の供給が開始された場合に前記情報記憶手段にて前記所定判定用情報が消去されるようにする又は前記情報記憶手段にて前記所定判定用情報が消去されている状態で動作電力の供給が開始されるようにすることが可能な手段(第1の実施の形態や変形例1の主制御装置162における部分クリア用処理を実行する機能、変形例2の主制御装置162における電断時クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC5のいずれかに記載の遊技機。
【5435】
上記構成では、情報記憶手段に所定判定用情報が記憶された状態で動作電力の供給が停止された後、動作電力の供給が開始されることで所定判定用情報が消去されたり、所定判定用情報が消去されている状態で動作電力の供給が開始されたりするように構成されている。この場合、遊技ホールの閉店に伴う遊技機への電源遮断と、翌日の開店に伴う遊技機への電源投入とが順に行われることにより、所定判定用情報が自然と消去されるため、特定制御の実行に前日の遊技における遊技価値の獲得状況が影響することを抑制できる。
【5436】
特徴fC7.前記所定判定用情報に対応する表示が行われるように情報表示手段(第1~第5報知用表示装置169a~169e)を表示制御する第1表示制御手段(主制御装置162における表示設定用処理、報知用表示処理を実行する機能)と、
前記所定判定用情報とは異なる別情報に対応する表示(設定値の情報、ベース値の情報等)が行われるように前記情報表示手段を表示制御する第2表示制御手段(主制御装置162における表示設定用処理、報知用表示処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴fC1乃至特徴fC6のいずれかに記載の遊技機。
【5437】
上記構成では、所定判定用情報に対応する表示が情報表示手段にて行われるため、都度の所定判定用情報を把握することが可能になる。また、情報表示手段においては所定判定用情報に対応する表示だけでなく別情報に対応する表示が行われる。これにより、情報表示手段を有効利用することが可能になる。
【5438】
なお、上記特徴fC1乃至特徴fC7の各構成に対して、特徴fA1乃至特徴fA14、特徴fB1乃至特徴fB11、特徴fC1乃至特徴fC7のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5439】
なお、以上詳述した特徴fA群乃至特徴fC群の各構成に対して、他の特徴fA群乃至特徴fC群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5440】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【5441】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典(遊技価値)を付与する遊技機。
【5442】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【5443】
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【5444】
<特徴gA群~特徴gC群>
下記の特徴gA群~特徴gC群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第3の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
【5445】
<特徴gA群>
特徴gA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第3の実施の形態やその各変形例に基づいて抽出されるものである。
【5446】
なお、特徴gA群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果になった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5447】
特徴gA1.遊技状態として、第1遊技状態(通常遊技状態)と、前記第1遊技状態より遊技者に有利な第2遊技状態(高確遊技状態)と、前記第1遊技状態より遊技者に有利な第3遊技状態(時短遊技状態)とを有しており、
予め定められた判定事象(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(確変大当たり結果)となることに基づいて前記第2遊技状態への移行が行われることを可能とする第1手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
遊技における特定状態(通常時短遊技状態等)にて所定事象(特殊外れ結果になること、外れ遊技回の回数が第2回数になること、第2移行抽選に当選することなど)が成立した場合に前記第3遊技状態への移行が行われることを可能とする第2手段(主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行用処理において通常時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合に突然時短遊技状態への移行を生じさせる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5448】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する第2遊技状態とは別に、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態として第3遊技状態を有している。遊技における特定状態にて所定事象が成立することにより第3遊技状態への移行が生じるため、遊技の状態が他の状態から特定状態へと変化することにより、所定事象が成立するか否かについて遊技者をドキドキさせることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5449】
特徴gA2.前記第1遊技状態より遊技者に有利な所定状態(高確遊技状態等)となり、当該所定状態より後に前記特定状態となることが可能に構成されていることを特徴とする特徴gA1の遊技機。
【5450】
上記構成では、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な所定状態の終了後に特定状態となり、その特定状態で所定事象を成立させることで第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第3遊技状態に移行する。この場合、有利な状態(所定状態)の後の特定状態にて所定事象を成立させることで再び有利な状態(第3遊技状態)に復帰したり、有利な状態が実質的に延長されたりするチャンスが付与されるものとなり、有利な状態(所定状態)が終了した後の遊技として興趣性を高めることが可能になる。
【5451】
特徴gA3.前記所定状態が前記第2遊技状態であることを特徴とする特徴gA2に記載の遊技機。
【5452】
上記構成では、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態の終了後に特定状態となり、その特定状態で所定事象を成立させることで第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第3遊技状態に移行する。この場合、有利な状態(第2遊技状態)の後の特定状態にて所定事象を成立させることで再び有利な状態(第3遊技状態)に復帰したり、有利な状態が実質的に延長されたりするチャンスが付与されるものとなり、特定判定の結果に基づいて移行した第2遊技状態の終了後における遊技として興趣性を高めることが可能になる。
【5453】
特徴gA4.遊技における所定状態(高確遊技状態等)より後に前記特定状態となることが可能に構成されており、
前記所定状態である状況で前記所定事象が成立しても前記第3遊技状態への移行が制限される又は前記所定状態において前記所定事象が成立しないように構成されており、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記特定状態に滞在可能な遊技回の回数が前記所定状態に滞在可能な遊技回の回数より少なくなることを可能とする手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時に移行処理においてステップSg1102~ステップSg1105、ステップSg1102~ステップSg3501の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA3のいずれかに記載の遊技機。
【5454】
上記構成では、第3遊技状態への移行が許容されない所定状態が終了した後、第3遊技状態への移行が許容される特定状態になるとともに、特定状態に滞在可能な遊技回の回数が所定状態に滞在可能な遊技回の回数よりも少なく抑えられている。すなわち、所定状態の終了により特定状態となり、第3遊技状態への移行チャンスが付与される状況において、当該チャンスが少ない遊技回の中で与えられるものとなる。このため、所定事象が成立しないまま特定状態が終了してしまうことへの不安感を煽ることができ、所定事象を成立させた場合の遊技者の喜びや達成感を好適に高めることが可能になる。
【5455】
特徴gA5.前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定状態に滞在可能な遊技回の回数として複数の回数(1回、3回、5回)が設けられており、
前記特定状態への移行が生じる場合において前記複数の回数のうちのいずれかを移行対象の前記特定状態での回数として設定する手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時に移行処理においてステップSg3501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA4のいずれかに記載の遊技機。
【5456】
上記構成では、特定状態に滞在可能な遊技回の回数として複数の回数が設けられ、特定状態への移行時にはそれらのうちのいずれかの回数が設定されるため、所定事象の成立しやすさとしての有利度合いが異なる複数の特定状態を設けることができる。これにより、特定状態において所定事象を成立させることだけでなく、いずれの特定状態となるかについても遊技者を楽しませることが可能になる。
【5457】
特徴gA6.前記複数の回数には、第1回数(1回)と、前記第1回数より多い第2回数(3回)とが含まれており、
前記特定状態中の各遊技回にて前記所定事象が成立し得るように構成されており、
前記第1回数の前記特定状態と前記第2回数の前記特定状態とで各遊技回での前記所定事象の成立確率が同じであることを特徴とする特徴gA5に記載の遊技機。
【5458】
上記構成では、滞在可能な遊技回の回数が第1回数である特定状態と、それよりも多い第2回数である特定状態とにおいて、1の遊技回における所定事象の成立確率が同じであるため、滞在可能な遊技回の回数が多いほど、特定状態の中で所定事象が成立する期待値が高くなる。これにより、滞在可能な遊技回の回数が多い側の特定状態となることへの遊技者の期待感が喚起され、いずれの特定状態となるかについて遊技者を好適に楽しませることが可能になる。
【5459】
特徴gA7.前記所定事象が成立することなく前記特定状態が終了した場合に所定の状態(残り保留分に基づく第2特図の遊技回が実行される状態等)となるように構成されており、
前記所定の状態である状況で前記所定事象が成立しても前記第3遊技状態への移行が制限される又は前記所定の状態において前記所定事象が成立しないようにすることを可能とする手段(主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行用処理において、残り保留分に基づいて行われる第2特図の遊技回にて特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行を生じさせない機能)を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA6のいずれかに記載の遊技機。
【5460】
上記構成では、特定状態が終了して所定の状態になると、第3遊技状態への移行が許容されなくなるため、第3遊技状態への移行が許容される特定状態を引き立てることができる。これにより、特定状態において所定事象の成立を目指す遊技の面白みを高めることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5461】
特徴gA8.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球手段(第2作動口63)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定の判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報取得手段が取得した判定用情報に基づいて前記特定判定が実行されるように構成されており、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
遊技回の実行中に前記所定入球手段に遊技球が入球した場合に当該入球に対応する判定用情報を保留記憶することが可能な保留記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
を備え、
前記特定状態では、前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は前記所定の状態よりも当該入球が生じやすく、
前記所定の状態では、前記所定入球手段に遊技球が入球不可又は前記特定状態よりも当該入球が生じにくく、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に対応する遊技回が実行されることを特徴とする特徴gA7に記載の遊技機。
【5462】
上記構成では、所定入球手段への遊技球の入球が可能又は生じやすい特定状態にて第3遊技状態への移行が許容され、その後、特定状態の終了時に存在する保留記憶分の遊技回が消化される所定の状態(所定入球手段への遊技球の入球が不可又は生じにくい状態)になると、第3遊技状態への移行が許容されないように構成されている。例えば、第3遊技状態への移行機会を付与するものとして、所定入球手段に遊技球が入球可能又は入球しやすい状態では、第3遊技状態への移行を許容しないようにし、その後、保留記憶分の遊技回が行われる期間にて第3遊技状態への移行を許容する構成とすることが考えられる。つまり、所定入球手段に遊技球が入球可能な有利状態が終了した後の残り保留分の遊技回にて第3遊技状態への移行チャンスを付与するというものである。この場合、一部の状態に限定して第3遊技状態への移行機会を付与できるものの、第3遊技状態への移行を許容する許容遊技回の回数が保留記憶の上限数(上限保留数)により定まることになる。このため、許容遊技回の回数が上限保留数の制約を受けることになり、許容遊技回の回数を増減しようとすると、上限保留数の変更まで強いられることになる。この点、本特徴によれば、保留記憶分の遊技回が消化される状態(所定の状態)の前に、第3遊技状態への移行が許容される状態(特定状態)が設けられるため、上限保留数と独立して許容遊技回の回数を設定することができる。例えば、許容遊技回の回数として上限保留数よりも少ない回数を設定することができ、許容遊技回の回数設計においてその自由度を好適に高めることが可能になる。
【5463】
特徴gA9.遊技における第1所定状態(高確遊技状態等)より後に前記特定状態となり、当該特定状態より後に第2所定状態(残り保留分に基づく第2特図の遊技回が実行される状態等)となることが可能であり、
前記第1所定状態である状況で前記所定事象が成立しても前記第3遊技状態への移行が制限される又は前記第1所定状態において前記所定事象が成立しないようにすることを可能とする手段(主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行用処理において、高確遊技状態で特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行を生じさせない機能)と、
前記第2所定状態である状況で前記所定事象が成立しても前記第3遊技状態への移行が制限される又は前記第2所定状態において前記所定事象が成立しないようにすることを可能とする手段(主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行用処理において、残り保留分に基づいて行われる第2特図の遊技回にて特殊外れ結果になっても突然時短遊技状態への移行を生じさせない機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA8のいずれかに記載の遊技機。
【5464】
上記構成では、第3遊技状態への移行が許容されない第1所定状態となり、その第1所定状態の終了後、所定事象の成立により第3遊技状態への移行が生じる特定状態となり、その特定状態の終了後、第3遊技状態への移行が許容されない第2所定状態となるように構成されている。この場合、第3遊技状態への移行が許容される特定状態の前後が、第3特定状態への移行が許容されない第1所定状態及び第2所定状態に挟まれる形態となり、特定状態を好適に引き立てることができる。これにより、特定状態において所定事象の成立を目指す遊技の面白みを高めることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5465】
特徴gA10.前記第1所定状態は、前記第1遊技状態より遊技者に有利な状態であることを特徴とする特徴gA9に記載の遊技機。
【5466】
上記構成では、第1所定状態が第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。このような構成に対して上記特徴gA9の構成を適用することにより、所定事象の成立により第3遊技状態への移行が生じ、第1遊技状態よりも有利な状態に復帰したり、有利な状態が実施的に延長されたりする遊技において、特定状態を好適に引き立てることができ、特定状態において所定事象の成立を目指す遊技の面白みを高めることが可能になる。
【5467】
特徴gA11.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球手段(第2作動口63)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定の判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報取得手段が取得した判定用情報に基づいて前記特定判定が実行されるように構成されており、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に対応して取得された判定用情報を保留記憶することが可能な保留記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
を備え、
前記第1所定状態及び前記特定状態では、前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は前記第2所定状態よりも当該入球が生じやすく、
前記第2所定状態では、前記所定入球手段に遊技球が入球不可又は前記特定状態よりも当該入球が生じにくく、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に対応する遊技回が実行されることを特徴とする特徴gA9又は特徴gA10に記載の遊技機。
【5468】
上記構成では、保留記憶分の遊技回が消化される第2所定状態(所定入球手段への遊技球の入球が不可又は生じにくい状態)の前に、第3遊技状態への移行が許容される状態(特定状態)が設けられるため、保留記憶手段にて保留記憶が可能な上限保留数とは独立して、第3遊技状態への移行を許容する許容遊技回の回数を設定することができる。例えば、許容遊技回の回数として上限保留数よりも少ない回数を設定することができ、許容遊技回の回数設計においてその自由度を好適に高めることが可能になる。
【5469】
特徴gA12.前記第3遊技状態では、前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は前記第2所定状態よりも当該入球が生じやすいことを特徴とする特徴gA11に記載の遊技機。
【5470】
上記構成では、第3遊技状態が所定入球手段への遊技球の入球が可能又は生じやすい状態であるため、特定状態で所定事象を成立させて第3遊技状態への移行を生じさせることにより、所定入球手段への遊技球の入球が可能又は生じやすい状態を実質的に延長させることができる。そのような場合において、延長のチャンスが付与される上記許容遊技回の回数を保留記憶手段における上限保留数の制約を受けずに設定することが可能になる。
【5471】
特徴gA13.前記特定判定の結果が前記特定結果になることに基づいて遊技者に所定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記第1手段は、前記特定判定の結果が前記特定結果になった場合において前記特典付与手段による前記所定特典の付与後に前記第2遊技状態への移行が行われることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記特定状態にて前記所定事象が成立した場合に前記特典付与手段による前記所定特典の付与を経由しないで前記第3遊技状態への移行が行われることを可能とするものであることを特徴とする特徴gA1乃至特徴gA12のいずれかに記載の遊技機。
【5472】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果(いわゆる当たり結果)となることで付与される所定特典の付与を経由しないで第3遊技状態への移行を行うことが可能となっている。すなわち、第3特定状態への移行に対して特定結果への当選を要しないため、第3特定状態への移行確率(所定事象の成立確率)を特定結果の当選確率と独立して設定することができ、第3特定状態への移行しやすさの設計に際してその自由度を好適に高めることが可能になる。
【5473】
特徴gA14.前記特定判定の実行又は当該実行により行われる所定判定(外れ結果の種別抽選等)の実行に対応して前記所定事象が成立し得るように構成されていることを特徴とする特徴gA13に記載の遊技機。
【5474】
上記構成では、特定判定の実行や、当該実行を条件として行われる所定判定の実行に対応して所定事象が成立し得るため、遊技者は、特定結果となるか否かの判定と、所定事象が成立するか否かの判定とを1の遊技回の中で受けることができる。これにより、特定状態での遊技回を、特定結果への当選による所定特典の付与と、所定事象の成立による第3遊技状態への移行との両方に挑戦できるチャンス遊技回として機能させることができ、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
【5475】
特徴gA15.前記特定判定の結果が前記特定結果とは異なる所定結果(外れ結果)になった場合のうち特定の場合(特殊外れ結果になった場合)に前記所定事象が成立するように構成されていることを特徴とする特徴gA13又は特徴gA14に記載の遊技機。
【5476】
上記構成では、特定判定の結果が所定結果(いわゆる外れ結果)になった場合、すなわち、特定結果にならなかった場合の一部で所定事象が成立するため、所定特典の付与判定と所定事象の成立判定とを1の遊技回の中で行う場合において、それら判定間での干渉(特定結果と所定事象との同時成立)を回避しながら両判定を同時に行うことができる。また、1の契機(特定判定の実行契機)により、所定特典の付与判定と所定事象の成立判定とが実行されるため、特定状態において遊技回の都度、必ず所定事象の成立判定が行われるものとすることができる。
【5477】
なお、上記特徴gA1乃至特徴gA15の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA15、特徴gB1乃至特徴gB15、特徴gC1乃至特徴gC13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5478】
<特徴gB群>
特徴gB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第3の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
【5479】
なお、特徴gB群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果になった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5480】
特徴gB1.予め定められた判定事象(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する特定判定手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて第1遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な第2遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第1遊技状態より遊技者に有利なものであって第2遊技状態とは異なる第3遊技状態(時短遊技状態等)を有しており、
第1特定遊技(高確遊技状態)の後に第2特定遊技(通常時短遊技状態)が実行され、当該第2特定遊技の後に第3特定遊技(残り保留分に基づく特定遊技回)が実行されることを可能とする第1手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時の移行処理において、高確遊技状態の終了後に通常時短遊技状態に移行するように高確率モード及び第1高頻度サポートモードの各上限回数を設定する機能)と、
前記第2特定遊技で所定事象(特殊外れ結果になること、外れ遊技回の回数が第2回数になること、第2移行抽選に当選することなど)が発生した場合に当該第2特定遊技において第3遊技状態への移行契機が成立することを可能とする第2手段(主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理において、通常時短遊技状態である状況で特殊外れ結果になった場合に突然時短開始用フラグをセットし、突然時短遊技状態への移行を可能とする機能)と、
前記第1特定遊技及び前記第3特定遊技で所定事象が発生した場合に当該第1特定遊技及び第3特定遊技において前記移行契機が成立しないことを可能とする第3手段(主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理において、高確遊技状態及び残り保留分の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合に突然時短開始用フラグをセットせず、突然時短遊技状態への移行が生じないようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5481】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となることに基づいて移行する第2遊技状態とは別に、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第3遊技状態を有している。第1特定遊技、第2特定遊技及び第3特定遊技が順に行われる中で、第2特定遊技で所定事象が発生すると、第3遊技状態への移行契機が成立するものの、第1特定遊技及び第3特定遊技で所定事象が発生しても上記移行契機が成立しないように構成されている。この場合、第3遊技状態への移行が許容される許容期間(第2特定遊技の期間)の前後が、第3遊技状態への移行が許容されない非許容期間(第1特定遊技の期間、第3特定遊技の期間)で挟まれることとなり、第2特定遊技にて所定事象を発生させる遊技を好適に引き立てることができ、第3遊技状態への移行を目指す遊技の興趣性を高めることが可能になる。
【5482】
特徴gB2.前記第1特定遊技及び前記第2特定遊技では、前記所定事象を発生させることができる所定遊技(特図遊技回)が行われるように構成されており、
前記第2特定遊技で実行可能な前記所定遊技の回数(通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数)が前記第1特定遊技で実行可能な前記所定遊技の回数(高確遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数)より少なくなることを可能とする手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時の移行処理において、高確率モードの上限回数を50回に設定し、第1高頻度サポートモードの上限回数を51回に設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1に記載の遊技機。
【5483】
第2特定遊技で所定事象が発生した場合に第3遊技状態への移行が生じる構成において、所定事象を発生させることができる所定遊技が第1特定遊技及び第2特定遊技のそれぞれで行われるようにした上で、第2特定遊技では、その所定遊技の回数が第1特定遊技よりも少なく抑えられている。すなわち、第1特定遊技から第3特定遊技までの流れにおける途中の第2特定遊技でのみ第3遊技状態への移行チャンスが生じる状況において、当該チャンスが少ない回数の中で与えられるものとなる。このため、所定事象を発生させることができないまま第2特定遊技が終了してしまうことへの不安感を煽ることができ、その裏返しとして第2特定遊技の中で所定事象を発生させることができた場合の遊技者の喜びや達成感を好適に高めることが可能になる。
【5484】
特徴gB3.前記第2特定遊技及び前記第3特定遊技では、前記所定事象を発生させることができる所定遊技(特図遊技回)が行われるように構成されており、
前記第2特定遊技で実行可能な前記所定遊技の回数(通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数)が前記第3特定遊技で実行可能な前記所定遊技の回数(通常時短遊技状態の終了時点で保留記憶されている第2特図の保留情報により実行される特図遊技回の回数)より少なくなることを可能とする手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時の移行処理において、通常時短遊技状態に滞在可能な特図遊技回の回数が第2特図の最大保留数よりも少なくなるように高確率モード及び第1高頻度サポートモードの各上限回数を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1又は特徴gB2に記載の遊技機。
【5485】
第2特定遊技で所定事象が発生した場合に第3遊技状態への移行が生じる構成において、所定事象を発生させることができる所定遊技が第2特定遊技及び第3特定遊技のそれぞれで行われるようにした上で、第2特定遊技では、その所定遊技の回数が第3特定遊技よりも少なく抑えられている。すなわち、第1特定遊技から第3特定遊技までの流れにおける途中の第2特定遊技でのみ第3遊技状態への移行チャンスが生じる状況において、当該チャンスが少ない回数の中で与えられるものとなる。このため、所定事象を発生させることができないまま第2特定遊技が終了してしまうことへの不安感を煽ることができ、その裏返しとして第2特定遊技の中で所定事象を発生させることができた場合の遊技者の喜びや達成感を好適に高めることが可能になる。
【5486】
特徴gB4.前記第2特定遊技では、前記所定事象を発生させることができる所定遊技(特図遊技回)が行われるように構成されており、
前記第2特定遊技で実行可能な前記所定遊技の回数として複数の回数(1回、3回、5回)が設けられており、
前記第2特定遊技の実行が生じる場合において前記複数の回数のうちのいずれかを実行対象の前記第2特定遊技での回数として設定する手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時に移行処理においてステップSg3501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB3のいずれかに記載の遊技機。
【5487】
第2特定遊技で所定事象が発生した場合に第3遊技状態への移行が生じる構成において、所定事象を発生させることができる所定遊技が第2特定遊技で行われるようにした上で、第2特定遊技にて実行可能な所定遊技の回数として複数の回数が設けられている。第2特定遊技に際してはそれら複数の回数のうちのいずれかが設定されるため、所定事象を発生させるチャンスの回数を多様化することができ、所定事象の発生しやすさとしての有利度合いが異なる複数の第2特定遊技を設けることができる。これにより、第2特定遊技で所定事象を発生させることだけでなく、いずれの第2特定遊技となるかについても遊技者を楽しませることが可能になる。
【5488】
特徴gB5.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(第2作動口63)と、
を備え、
少なくとも前記第1特定遊技及び前記第2特定遊技では、前記可変入球手段に遊技球が入球可能又は前記第1遊技状態よりも当該入球が生じやすく、
前記第3遊技状態では、前記可変入球手段に遊技球が入球可能又は前記第1遊技状態よりも当該入球が生じやすいように構成されていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB4のいずれかに記載の遊技機。
【5489】
上記構成では、第1特定遊技及び第2特定遊技にて可変入球手段への遊技球の入球が可能又は入球が生じやすく、また、第3遊技状態にて可変入球手段への遊技球の入球が可能又は入球が生じやすい。このような構成であることで、第2特定遊技にて所定事象を発生させて第3遊技状態に移行させることにより、可変入球手段への遊技球の入球が可能又は入球が生じやすい状態を延長させることができる。すなわち、可変入球手段への遊技球の入球が可能又は入球が生じやすい状態となっている一部の期間で所定事象を発生させることにより、当該状態をより長く遊技できるようになる遊技性を付与することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5490】
特徴gB6.遊技球が入球可能な所定入球手段(第1作動口62)を備え、
前記特定判定手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球及び前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて前記特定判定を実行し得るものであり、
前記所定入球手段への入球に基づいて前記特定判定が行われる場合よりも前記可変入球手段への入球に基づいて前記特定判定が行われる場合の方が遊技者にとって有利なように構成されている(第2特図に対応する大当たり種別テーブルの方が第1特図に対応する大当たり種別テーブルよりも有利な振り分けとなっている構成)ことを特徴とする特徴gB5に記載の遊技機。
【5491】
上記構成では、可変入球手段に遊技球を入球させることで、所定入球手段に遊技球を入球させるよりも有利な態様の特定判定を受けることができる。このため、第2特定遊技にて所定事象を発生させて第3遊技状態に移行させることにより、その有利な態様の特定判定を受けられる状態を延長させることができる。すなわち、有利な態様の特定判定を受けられる状態となっている一部の期間で所定事象を発生させることにより、当該状態をより長く遊技できるようになる遊技性を付与することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5492】
特徴gB7.前記特定判定手段による前記特定判定にて前記特定結果の確率状態として、前記特定結果となる確率が相対的に低い第1確率状態(低確率モード)と、当該確率が相対的に高い第2確率状態(高確率モード)とを有しており、
前記第2確率状態での前記特定判定が前記第1特定遊技にて行われることを可能とする手段(主制御装置162における変動開始処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB6のいずれかに記載の遊技機。
【5493】
上記構成では、第1特定遊技にて第2確率状態での特定判定が行われ、その特定判定で特定結果とならず第1特定遊技が終了した後、所定事象を発生させることにより第3遊技状態に移行する第2特定遊技が行われるものとなる。これにより、特定結果の当選確率が優遇された第1特定遊技が行われたものの、残念ながら特定結果を引き当てることができず第1特定遊技が終了してしまった場合に、遊技者にとって有利な第3遊技状態への移行チャンスを到来させることができ、第1特定遊技の終了による遊技者の落胆を軽減して遊技継続の意欲を喚起することが可能になる。また、第2確率状態での特定判定が行われる第1特定遊技では、所定事象が発生しても第3遊技状態への移行が生じないため、第1特定遊技の期間において、特定結果を引き当てて第2遊技状態を獲得することに集中して遊技させることができる。
【5494】
特徴gB8.前記第2特定遊技である状況で特定報知(特殊演出A、B)が所定の報知手段(図柄表示装置75)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB7のいずれかに記載の遊技機。
【5495】
上記構成では、第2特定遊技にて特定報知が行われるため、都度の遊技がいずれの特定遊技に該当するかを遊技者が逐一把握していなくても、第2特定遊技(所定事象を発生させることで第3遊技状態に移行させ得る状態)であることを認識させることができる。
【5496】
なお、本特徴において「前記第1特定遊技及び前記第3特定遊技では前記特定報知が実行されないように構成されている」という特徴をさらに備えてもよい。
【5497】
特徴gB9.前記第2手段は、第1所定状態(振分結果Aに振り分けられた状態)である状況で前記第2特定遊技にて前記所定事象が発生した場合に当該第2特定遊技において第3遊技状態への移行契機が成立することを可能とするものであり、
前記第1所定状態とは異なる第2所定状態(振分結果Bに振り分けられた状態)である状況で前記第2特定遊技にて前記所定事象が発生した場合に当該第2特定遊技において前記移行契機が成立しないことを可能とする第4手段(振分結果Bに振り分けられた状況で通常時短遊技状態に移行し、その通常時短遊技状態で特殊外れ結果になった場合には突然時短遊技状態への移行が生じないようにする構成)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB8のいずれかに記載の遊技機。
【5498】
上記構成では、同じ第2特定遊技であっても、第1所定状態である状況で第2特定遊技が行われ、その第2特定遊技で所定事象を発生させた場合は第3遊技状態への移行が生じるものの、第2所定状態である状況で第2特定遊技が行われ、その第2特定遊技で所定事象を発生させた場合は第3遊技状態への移行が生じない。このような構成であることで、第2特定遊技で所定事象を発生させることだけでなく、第1所定状態である状況で第2特定遊技が行われることへの期待感を喚起させて遊技者を楽しませることができる。
【5499】
特徴gB10.前記第1所定状態である場合において、前記第1所定状態に対応した所定報知(振分結果Aに対応した報知)が前記第2特定遊技にて行われることを可能とする手段(振分結果Aに対応した報知が通常時短遊技状態での遊技回にて行われるようにする機能)を備えていることを特徴gB9に記載の遊技機。
【5500】
上記構成では、第1所定状態の下で第2特定遊技が行われる場合に、その第2特定遊技において、所定報知により第1所定状態であることが報知されるため、第3遊技状態への移行が生じ得る第2特定遊技であることを遊技者に認識させた上で、その第2特定遊技を遊技させることができる。これにより、所定事象が発生するか否かについて遊技者をより注目させることができ、第2特定遊技の面白みを高めることが可能になる。
【5501】
特徴gB11.前記第1所定状態である場合において、前記第1所定状態であることに対応した所定報知(振分結果Aに対応した報知)が前記第2特定遊技より前に行われることを可能とする手段(振分結果Aに対応した報知が通常時短遊技状態への移行前に行われるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴gB9又は特徴gB10に記載の遊技機。
【5502】
上記構成では、第1所定状態の下で第2特定遊技が行われる場合に、その第2特定遊技が開始されるよりも前に、所定報知により第1所定状態であることが報知されるため、第3遊技状態への移行が生じ得る第2特定遊技が行われることを事前に認識させることができる。これにより、第1特定遊技の終了後、所定事象が発生することへの期待感を強く喚起した状態で第2特遊遊技に臨ませることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5503】
特徴gB12.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球手段(第2作動口63)と、
を備え、
前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は入球が生じやすい第1状態(高頻度サポートモード)と、前記所定入球手段に遊技球が入球不可又は前記第1状態より入球が生じにくい第2状態(低頻度サポートモード)とを有しており、
前記第1状態である状況で前記第1特定遊技及び前記第2特定遊技、又は、前記第1特定遊技、前記第2特定遊技及び前記第3特定遊技が行われることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB11のいずれかに記載の遊技機。
【5504】
上記構成では、所定入球手段に遊技球が入球可能又は入球が生じやすい第1状態の下で第1特定遊技及び第2特定遊技、又は第1特定遊技、第2特定遊技及び第3特定遊技が行われるため、所定入球手段に遊技球を入球させる遊技が継続して行われている期間の途中における一部の期間(第2特定遊技の期間)を対象として第3遊技状態への移行チャンスを付与することができる。これにより、所定入球手段に遊技球を入球させる遊技が繰り返される中で遊技結果への期待感や注目度に抑揚を付すことができ、当該遊技の単調化を抑制することが可能になる。
【5505】
なお、本特徴における「前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は入球が生じやすい第1状態(高頻度サポートモード)と、前記所定入球手段に遊技球が入球不可又は前記第1状態より入球が生じにくい第2状態(低頻度サポートモード)とを有しており、前記第1状態である状況で前記第1特定遊技及び前記第2特定遊技、又は、前記第1特定遊技、前記第2特定遊技及び前記第3特定遊技が行われる」という構成は、「前記第1特定遊技及び前記第2特定遊技にて前記所定入球手段への遊技球の入球が可能であるか(高確遊技状態、通常時短遊技状態にて第2作動口63への入賞が可能である構成)、又は、前記第1特定遊技、前記第2特定遊技及び前記第3特定遊技にて前記所定入球手段への遊技球の入球が可能である(高確遊技状態、通常時短遊技状態、残り保留分に基づく遊技回が行われる期間にて第2作動口63への入賞が可能である構成)」と表現することもできる。
【5506】
特徴gB13.前記第2特定遊技にて前記移行契機が成立した場合に前記第2遊技状態を経由しないで前記第3遊技状態への移行が行われることを可能とする手段(主制御装置162における突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴gB1乃至特徴gB12のいずれかに記載の遊技機。
【5507】
上記構成では、第2特定遊技で所定事象が発生した場合に第2遊技状態を経由しないで第3遊技状態への移行を行うことが可能となっている。すなわち、第3遊技状態への移行に対して特定結果(いわゆる当たり結果)への当選を要しないため、第3遊技状態への移行確率(所定事象の発生確率)を特定結果の当選確率と独立して設定することができ、第3遊技状態への移行しやすさの設計に際してその自由度を好適に高めることが可能になる。
【5508】
特徴gB14.前記特定判定の実行又は当該実行により行われる所定判定(外れ結果の種別抽選等)の実行に対応して前記所定事象が発生し得るように構成されていることを特徴とする特徴gB13に記載の遊技機。
【5509】
上記構成では、特定判定の実行や、当該実行を条件として行われる所定判定の実行に対応して所定事象が発生し得るため、遊技者は、特定結果となるか否かの判定と、所定事象が発生するか否かの判定とを1の遊技回の中で受けることができる。これにより、第2特定遊技を、特定結果への当選による第2遊技状態への移行と、所定事象の発生による第3遊技状態への移行との両方に挑戦できるチャンス遊技として機能させることができ、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
【5510】
特徴gB15.前記特定判定の結果が前記特定結果とは異なる所定結果(外れ結果)となる場合の結果として第1所定結果(通常外れ結果)及び第2所定結果(特殊外れ結果)を含む複数の所定結果を有しており、
前記所定事象の発生は前記第2所定結果になることであることを特徴とする特徴gB14に記載の遊技機。
【5511】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果とは異なる所定結果(いわゆる外れ結果)として第1所定結果と第2所定結果とが設けられ、第2特定遊技にて第2所定結果となることにより第3遊技状態への移行が生じるため、第2遊技状態への移行判定と第3遊技状態への移行判定とを1の遊技回の中で行う場合において、それら判定間での干渉(特定結果への当選と所定事象の発生との同時成立)を回避しながら両判定を同時に行うことができる。
【5512】
なお、上記特徴gB1乃至特徴gB15の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA15、特徴gB1乃至特徴gB15、特徴gC1乃至特徴gC13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5513】
<特徴gC群>
特徴gC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第3の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
【5514】
なお、特徴gC群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果になった場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するなどの特典を付与するものがある。また、上記抽選処理を実行することに基づいて図柄を変動表示させる遊技回を行い、当該遊技回において図柄を上記抽選処理の結果に対応した態様で停止表示させるものがある(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技回を好適に行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5515】
特徴gC1.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球手段(作動口62,63)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定の判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段が取得した判定用情報に基づいて特定判定(当否抽選)を実行する特定判定手段(主制御装置162における当否抽選を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に対応して取得された判定用情報を保留記憶することが可能な保留記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の期間を設定する期間設定手段(主制御装置162における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、前記期間設定手段により設定された期間にて前記遊技回用動作が実行されるように遊技回の制御を行うものであり、
第1所定状態(高確遊技状態)である状況で前記保留記憶手段の保留記憶数が参照されて前記遊技回用動作の期間が設定されることを可能とする第1手段(主制御装置162による変動表示時間の設定処理において、高確遊技状態である場合に
図136の変動表示時間テーブルを取得し、保留数に応じた長さの変動表示時間を設定する機能)と、
前記第1所定状態とは異なる第2所定状態(残り保留分の特図遊技回の消化状態)である状況で前記保留記憶手段の保留記憶数にかかわらず前記遊技回用動作の期間が設定されることを可能とする第2手段(主制御装置162による変動表示時間の設定処理において、残り保留分の特図遊技回の消化状態である場合に
図142の変動表示時間テーブルを取得し、保留数にかかわらず変動表示時間を設定する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5516】
上記構成では、第1所定状態での遊技回において、判定用情報の保留記憶数を踏まえた長さの遊技回用動作の期間が設定され、それとは別の第2所定状態での遊技回において、保留記憶数の影響を受けない長さの遊技回用動作の期間が設定される。このような構成であることにより、例えば、有利な状態の終了により第1所定状態から第2所定状態への切り替わりが生じ、第2所定状態にて遊技者の関心度が低い遊技回が行われる場合に、第2所定状態において保留記憶数が少ない状況で遊技回が行われても、その遊技回の遊技回用動作を短い期間で終わらせることができる。よって、都度の状況に応じた長さの遊技回用動作の期間を設定することができ、遊技回を好適に行うことが可能になる。
【5517】
特徴gC2.前記第1手段は、前記特定判定の結果が所定結果(外れ結果)である場合の前記遊技回用動作の期間が前記保留記憶手段の保留記憶数が参照されて設定されることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記特定判定の結果が前記所定結果である場合の前記遊技回用動作の期間が前記保留記憶手段の保留記憶数にかかわらず設定されることを可能とするものであることを特徴とする特徴gC1に記載の遊技機。
【5518】
上記構成では、特定判定の結果が同じく所定結果である場合の遊技回用動作の期間の決め方として上記特徴gC1の構成を有するため、状況に応じた遊技回用動作の期間の設定を好適に行うことができる。
【5519】
特徴gC3.前記第1所定状態にて設定可能な前記遊技回用動作の期間として相対的に長い第1期間(8sec)と相対的に短い第2期間(4sec)とを有しており、
前記第1手段は、前記保留記憶手段の保留記憶数が所定数(2個)以上である場合に前記第1所定状態である状況での前記遊技回用動作の期間として前記第2期間が設定されることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記第2所定状態である状況での前記遊技回用動作の期間として前記第2期間より短い第3期間(1sec)が設定されることを可能とするものであることを特徴とする特徴gC1又は特徴gC2に記載の遊技機。
【5520】
上記構成では、第1所定状態において、判定用情報の保留記憶数が所定数以上であるか否かに基づき、長さの異なる第1期間と第2期間を使い分けて遊技回用動作の期間が設定されるところ、第2所定状態では、そのうちの短い側の期間である第2期間よりもさらに短い第3期間が保留記憶数にかかわらず固定的に設定される。これにより、第2所定状態での遊技回を速やかに消化させることができ、第2所定状態が終了するまでの待ち期間を短く抑えることが可能になる。
【5521】
特徴gC4.前記第2所定状態である状況で複数回の遊技回に跨って特定演出(実績演出、エンディング演出等)を実行する手段(演出制御装置143において52~55回目の特図遊技回に跨って実績演出が実行されるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴gC3に記載の遊技機。
【5522】
上記構成では、各遊技回での遊技回用動作の期間が短い第2所定状態において複数回の遊技回に跨って演出が行われるため、遊技回用動作の期間が短い中でも十分な長さの演出期間を確保しながら演出を行うことができる。
【5523】
特徴gC5.遊技回において所定事象(リーチ演出の実行に対応した変動パターンが抽選されること)が成立した場合にリーチ演出が実行されるようにする手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
前記第2所定状態での遊技回において前記所定事象の成立有無にかかわらずリーチ演出が実行されないようにする、又は前記第2所定状態での遊技回において前記所定事象が成立しないようにする手段(第2特図における外れ用の変動表示時間テーブルにてリーチ演出の実行に対応した変動パターンが設定されていない構成等)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC4のいずれかに記載の遊技機。
【5524】
上記構成では、第2所定状態での遊技回にてリーチ演出が行われないように構成されるため、当該遊技回での遊技回用動作の期間が長くなることが抑制される。これにより、第2所定状態において長さの短い遊技回用動作の期間を固定的に設定することができ、第2所定状態での遊技回を速やかに消化させることが可能になる。
【5525】
なお、本特徴は、「前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)になることに基づいて特定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、前記特定判定の結果が前記特定結果とは異なる非特定結果(外れ結果)である遊技回において所定事象(リーチ演出の実行に対応した変動パターンが抽選されること)が成立した場合にリーチ演出が実行されるようにする手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、前記第2所定状態での遊技回にて前記特定判定の結果が前記非特定結果になった場合において前記所定事象の成立有無にかかわらずリーチ演出が実行されないようにする、又は前記第2所定状態での遊技回にて前記特定判定の結果が前記非特定結果になった場合において前記所定事象が成立しないようにする手段(第2特図における外れ用の変動表示時間テーブルにてリーチ演出の実行に対応した変動パターンが設定されていない構成等)と、を備えている」と表現することもできる。
【5526】
特徴gC6.遊技状態として、第1遊技状態(低頻度サポートモード)と、前記第1遊技状態より遊技者に有利な第2遊技状態(高頻度サポートモード)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記第1所定状態である状況で前記第2遊技状態での遊技回が行われることを可能とする手段(主制御装置162による開閉実行モード終了時の移行処理においてサポートモードを高頻度サポートモードに設定する機能)と、
前記第2所定状態である状況で前記第1遊技状態での遊技回が行われることを可能とする手段(主制御装置162による高頻度サポートモード終了用処理において高頻度サポートモードを終了させて低頻度サポートモードに切り替える機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC5のいずれかに記載の遊技機。
【5527】
上記構成では、第1所定状態にて有利な態様の遊技回が実行され、第2所定状態にて不利な態様の遊技回が実行される。すなわち、有利な状態の終了により第1所定状態から第2所定状態への切り替わりが生じるところ、このような構成に対し上記特徴gC1の構成を適用することで、第2所定状態での遊技回を速やかに消化させることができ、第2所定状態が終了するまでの待ち期間を短く抑えることが可能になる。
【5528】
特徴gC7.前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は入球が生じやすい第1状態(高頻度サポートモード)と、前記所定入球手段に遊技球が入球不可又は前記第1状態より入球が生じにくい第2状態(低頻度サポートモード)とを有しており、
前記第1状態である状況で前記第1所定状態での遊技回が行われ、前記第2状態である状況で前記第2所定状態での遊技回が行われるように構成されており、
前記第2所定状態では、前記第1状態にて保留記憶された判定用情報に対応する遊技回が実行されることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC6のいずれかに記載の遊技機。
【5529】
上記構成によれば、所定入球手段への入球が可能又は生じやすい第1状態が終了した後に行われる残り保留分に基づく遊技回を速やかに消化させることができる。これにより、保留記憶機能を搭載しながらも残り保留分に基づく遊技回が終了するまでの待ち期間を短く抑えることが可能になる。
【5530】
特徴gC8.前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)になることに基づいて特定特典(開閉実行モード)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定判定にて前記特定結果となる確率状態として、前記特定結果となる確率が相対的に低い第1確率状態(低確率モード)と、前記特定結果となる確率が相対的に高い第2確率状態(高確率モード)とを有しており、
前記第1所定状態にて前記第2確率状態での前記特定判定が行われ、前記第2所定状態にて前記第1確率状態での前記特定判定が行われるように構成されていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC7のいずれかに記載の遊技機。
【5531】
上記構成では、特定判定により特定結果となる確率が高くされた第2確率状態での遊技回が第1所定状態にて実行され、特定判定により特定結果となる確率が低くされた第1確率状態での遊技回が第2所定状態にて実行される。すなわち、高確状態(第2確率状態)の終了により第1所定状態から第2所定状態への切り替わりが生じるところ、このような構成に対し上記特徴gC1の構成を適用することで、第2所定状態での遊技回を速やかに消化させることができ、第2所定状態が終了するまでの待ち期間を短く抑えることが可能になる。
【5532】
特徴gC9.予め定められた特定事象(特殊外れ結果になること、外れ遊技回の回数が第2回数になること、第2移行抽選に当選することなど)の成立に基づいて所定特典(高頻度サポートモードへの移行等)を付与することが可能な手段(主制御装置162における突然時短遊技状態の移行判定用処理、突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
前記第2所定状態で前記特定事象が成立しても前記所定特典が付与されない又は前記第2所定状態において前記特定事象が成立しないようにする手段(主制御装置162による突然時短遊技状態の移行判定用処理において、残り保留分の特図遊技回で特殊外れ結果になった場合に突然時短開始用フラグをセットせず、突然時短遊技状態への移行が生じないようにする機能、残り保留分の特図遊技回にて参照される当否テーブルで取り得る抽選結果の中に特殊外れ結果が含まれない構成)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC1乃至特徴gC8のいずれかに記載の遊技機。
【5533】
上記構成では、特定事象の成立により所定特典が付与される前提において、第2所定状態で特定事象が成立しても所定特典が付与されない又は第2所定状態では特定事象の成立が生じない。この場合、第2所定状態にて行われる遊技回に対して遊技者の関心が低くなりがちであるところ、このような構成に対し上記特徴gC1の構成を適用することで、第2所定状態での遊技回を速やかに消化させることができ、第2所定状態が終了するまでの待ち期間を短く抑えることが可能になる。
【5534】
特徴gC10.遊技状態として、第1遊技状態(低頻度サポートモード)と、前記第1遊技状態より遊技者に有利な第2遊技状態(高頻度サポートモード)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記所定特典は前記第2遊技状態への移行であることを特徴とする特徴gC9に記載の遊技機。
【5535】
上記構成では、特定事象の成立により第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態への移行が生じるところ、そのような移行が生じない第2所定状態での遊技回を速やかに消化させることができ、第2所定状態が終了するまでの待ち期間を短く抑えることが可能になる。
【5536】
特徴gC11.遊技状態として、前記第1遊技状態より遊技者に有利なものであって、前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態(開閉実行モード)を有しており、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)になることに基づいて前記第3遊技状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定事象が成立した場合に前記第3遊技状態を経由しないで前記第2遊技状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における突然時短遊技状態の移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴gC10に記載の遊技機。
【5537】
上記構成では、特定事象が成立した場合に第3遊技状態を経由しないで第2遊技状態への移行を行うことが可能となっている。すなわち、第2遊技状態への移行に対して特定結果(いわゆる当たり結果)への当選を要しないため、第2遊技状態への移行確率(特定事象の成立確率)を特定結果の当選確率と独立して設定することができ、第2遊技状態への移行しやすさの設計に際してその自由度を好適に高めることが可能になる。
【5538】
特徴gC12.前記特定判定の実行又は当該実行により行われる所定判定(外れ結果の種別抽選等)の実行に対応して前記特定事象が成立し得るように構成されていることを特徴とする特徴gC11に記載の遊技機。
【5539】
上記構成では、特定判定の実行や、当該実行を条件として行われる所定判定の実行に対応して特定事象が成立し得るため、遊技者は、特定結果となるか否かの判定と、特定事象が成立するか否かの判定とを1の遊技回の中で受けることができる。これにより、第2遊技状態への移行が許容される遊技回を、特定結果への当選による第3遊技状態への移行と、特定事象の成立による第3遊技状態への移行との両方に挑戦できるチャンス遊技回として機能させることができ、遊技の興趣性を高めることが可能になる。
【5540】
特徴gC13.前記特定判定の結果が前記特定結果とは異なる所定結果(外れ結果)になった場合のうち特定の場合(特殊外れ結果になった場合)に前記特定事象が成立するように構成されていることを特徴とする特徴gC11又は特徴gC12に記載の遊技機。
【5541】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果とは異なる所定結果(いわゆる外れ結果)となった場合の一部で特定事象が成立するため、第3遊技状態への移行判定と第2遊技状態への移行判定とを1の遊技回の中で行う場合において、それら判定間での干渉を回避しながら両判定を同時に行うことができる。
【5542】
なお、上記特徴gC1乃至特徴gC13の各構成に対して、特徴gA1乃至特徴gA15、特徴gB1乃至特徴gB15、特徴gC1乃至特徴gC13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5543】
なお、以上詳述した特徴gA群乃至特徴gC群の各構成に対して、他の特徴gA群乃至特徴gC群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5544】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【5545】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【5546】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【5547】
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【5548】
<特徴hA群~特徴hF群>
下記の特徴hA群~特徴hF群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第4の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
【5549】
<特徴hA群>
特徴hA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【5550】
なお、特徴hA群は「遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技機の動作に関する報知を行う場合があり、そのような報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5551】
ちなみに上記課題は「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技者に対する報知を行う上で未だ改善の余地がある。」と表現することもできる。
【5552】
特徴hA1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行より前に前記特定制御に関する特定報知(停止予告用報知)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技の状態として、第1状態(非開閉実行モード、開閉実行モード中に残り球数が0個以下又は所定数に到達しない状態、当否抽選モードが低確率モードである状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(開閉実行モード、開閉実行モード中に残り球数が0個以下又は所定数に到達する状態、当否抽選モードが高確率モードである状態)とを含む複数の状態を有しており、
前記第1状態である状況で前記特定報知が第1態様(第1停止予告用報知、相対的に大きい表示サイズ等)にて実行されることを可能とする第1手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)と、
前記第2状態である状況で前記特定報知が前記第1態様とは異なる第2態様(第2停止予告用報知、相対的に小さい表示サイズ等)にて実行されることを可能とする第2手段(演出制御装置143における第2停止予告用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5553】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5554】
そのような場合において、特定制御に関する特定報知を特定制御の実施に先立って行うため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。また、遊技の状態として第1状態と第2状態とを含む複数の状態を有するところ、特定報知の実行にあたっては、報知実行時に滞在している状態によって特定報知の態様が変化するものとなっている。これにより、状態の移行により滞在する状態が切り替わる中で、各状態の特性に適した態様で特定報知を行うことができ、特定制御が行われ得ることの事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5555】
特徴hA2.前記第2状態(開閉実行モード)は、前記所定事象の発生頻度(可変入賞装置65への入球発生頻度)又は遊技価値の付与度合い(単位時間当たりの総払い出し数等)が前記第1状態(非開閉実行モード)とは異なるものであることを特徴とする特徴hA1に記載の遊技機。
【5556】
上記構成によれば、第1状態と第2状態とで遊技価値の獲得しやすさが異なる状況において、それら各状態のいずれに滞在するかにより、特定報知の態様を異ならせることができる。これにより、各状態での遊技価値の獲得しやすさに適した態様で特定報知を行うことができ、特定制御が行われ得ることの事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5557】
なお、本特徴は、「前記第2状態は、遊技者にとっての有利度合いが前記第1状態とは異なるものである」と表現することもできる。有利度合いが高い状態では遊技価値を獲得しやすくなることが想定されるため、本構成によっても同様の効果を奏することができる。
【5558】
特徴hA3.前記第2状態(開閉実行モード)は、前記所定事象の発生頻度(可変入賞装置65への入球発生頻度)が前記第1状態(通常遊技状態等の非開閉実行モード)より多くなりやすい又は遊技価値の付与度合い(単位時間当たりの総払い出し数等)が前記第1状態より高くなりやすい状態であることを特徴とする特徴hA1又は特徴hA2に記載の遊技機。
【5559】
上記構成によれば、第1状態よりも第2状態の方が遊技価値を獲得しやすい状況において、それら各状態のいずれに滞在するかにより、特定報知の態様を異ならせることができる。これにより、各状態での遊技価値の獲得しやすさに適した態様で特定報知を行うことができ、特定制御が行われ得ることの事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5560】
なお、本特徴は「前記第2状態は、前記第1状態より遊技者にとって有利な状態である」と表現することもできる。有利度合いが高い状態では遊技価値を獲得しやすくなることが想定されるため、本構成によっても同様の効果を奏することができる。
【5561】
特徴hA4.所定の場合(大当たり結果となった場合)に、所定状態(通常遊技状態等の非開閉実行モード)より遊技者にとって有利な特定状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)を備え、
前記第1状態は、前記特定状態において、前記導出手段による前記所定情報の導出結果が第1結果となる状態(開閉実行モード中に残り球数が0個以下又は所定数に到達しない状態)であり、
前記第2状態は、前記特定状態において、前記導出手段による前記所定情報の導出結果が前記第1結果とは異なる第2結果となる状態(開閉実行モード中に残り球数が0個以下又は所定数に到達する状態)であることを特徴とする特徴hA1に記載の遊技機。
【5562】
上記構成によれば、所定の場合に遊技者にとって有利な特定状態に移行する遊技機において、特定制御の事前報知である特定報知をその特定状態にて行う場合に、所定情報の導出結果の状況により特定報知の報知態様を異ならせることができる。これにより、特定制御の実施までの残り状況を踏まえ、特定状態の遊技を楽しませることと、特定制御の実施を事前に知らせることとのいずれを優先するかを切り替えて特定報知を行うことが可能になる。
【5563】
特徴hA5.前記特定制御実行手段は、前記導出手段により導出される前記所定情報が所定値(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数に到達)となることに基づいて前記特定制御を実行することが可能であり、
前記第1結果は、前記導出手段による前記所定情報の導出結果が前記所定値とは異なる特定値に対応する結果であり、
前記第2結果は、前記導出手段による前記所定情報の導出結果が前記所定値に対応する結果であることを特徴とする特徴hA4に記載の遊技機。
【5564】
上記構成によれば、所定情報が所定値となることに基づいて特定制御が実行され得るとともに、特定制御の事前報知である特定報知が遊技者にとって有利な特定状態の中で実行され得る構成において、特定状態中に所定情報が所定値となるか否かに応じて上記特定報知の報知態様を異ならせることができる。これにより、例えば、所定情報の導出結果が第2結果となる第2状態において目立ちやすい態様で特定報知が行われることで、遊技者が遊技に集中しやすい特定状態であっても特定制御が実行されることを好適に知らせることが可能になる。
【5565】
特徴hA6.前記特定制御実行手段は、前記導出手段により導出される前記所定情報が所定値(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数に到達等)となることに基づいて前記特定制御を実行することが可能であり、
前記第1態様は、前記所定値までの残り又は前記所定情報に対応する特定情報(実際の残り球数の情報、実際の残り球数よりも少ない球数の情報、実際の差球数の情報、実際の差球数よりも多い差球数の情報)を遊技者が認識可能なものであり、
前記第2態様は、前記特定情報を遊技者が認識不可又は前記第1態様より認識しにくいものであることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA5のいずれかに記載の遊技機。
【5566】
上記構成では、所定情報が所定値となることに基づいて特定制御が実行されるとともに、第2態様の特定報知として、所定値までの残りを遊技者が認識不可又は第1態様よりも認識しにくい報知が行われるものとなっている。例えば、第1状態よりも第2状態の方が遊技価値を獲得しやすい構成であれば、第2状態において特定制御の実施が近づくことよりも遊技価値の獲得やその獲得量が増えることに遊技者を注目させることが可能になる。
【5567】
また、本特徴を特徴hA2に適用することで、各状態での遊技価値の獲得しやすさを踏まえ、特定情報(所定状況となるまでに獲得し得る遊技価値)の認識しやすさを異ならせて特定報知を行うことができる。これにより、例えば、第1状態よりも第2状態の方が遊技価値を獲得しやすい構成であれば、特定情報の認識しやすさが低く抑えられることで、遊技価値を獲得しやすい状況において、第2状態において特定制御の実施が近づくことよりも遊技価値の獲得やその獲得量が増えることに遊技者を注目させることが可能になる。
【5568】
また、本特徴を特徴hA3に適用することで、遊技価値を獲得しやすい第2状態にて特定報知を行うにあたり、特定情報の認識しやすさを低く抑えて当該報知が行われるものとなる。これにより、遊技価値を獲得しやすい状況下では、特定制御の実施が近づくことよりも遊技価値の獲得やその獲得量が増えることに遊技者を注目させることが可能になる。
【5569】
また、本特徴を特徴hA4又は特徴hA5に適用することで、特定状態中に所定情報が所定値となるか否かに応じて、特定情報の認識しやすさを異ならせて特定報知を行うことができる。これにより、例えば、特定状態中に所定情報が所定値となる場合において、特定情報の認識しやすさを低く抑えることで、所定値までの具体的な残り数よりも特定遊技に遊技者を集中させやすくすることができる。
【5570】
特徴hA7.前記特定報知としての特定表示(メッセージ画像901,902)が所定の表示手段(図柄表示装置75等)にて表示されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)を備え、
前記第2態様は、前記第1態様とは前記特定表示の視認性が異なるものである(変形例1における
図228(a)、
図230の構成等)ことを特徴とする特徴hA1に記載の遊技機。
【5571】
上記構成では、第1状態と第2状態とで特定表示の視認性を異ならせて特定報知が行われるため、特定制御が実施されることの事前報知の目立ちやすさを、各状態の特性に合わせて変化させることができる。例えば、遊技価値を獲得しやすい状態では、特定報知の目立ちやすさを低く抑えることで、遊技者を遊技価値の獲得に集中させやすくすることができ、遊技価値の獲得を楽しむ遊技と特定制御の事前報知とを好適に両立させることが可能になる。
【5572】
特徴hA8.前記特定報知としての特定表示(メッセージ画像901,902)が所定の表示手段(図柄表示装置75等)にて表示されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)を備え、
前記第2態様は、前記第1態様とは前記特定表示における表示の大きさが異なるものである(変形例1における
図228(a)、
図230の構成等)ことを特徴とする特徴hA1に記載の遊技機。
【5573】
上記構成では、第1状態と第2状態とで特定表示の大きさを異ならせて特定報知が行われるため、特定制御が実施されることの事前報知の目立ちやすさを、各状態の特性に合わせて変化させることができる。例えば、遊技価値を獲得しやすい状態では、特定報知の目立ちやすさを低く抑えることで、遊技者を遊技価値の獲得に集中させやすくすることができ、遊技価値の獲得を楽しむ遊技と特定制御の事前報知とを好適に両立させることが可能になる。
【5574】
特徴hA9.前記第2状態(当否抽選モードが高確率モードである状態、開閉実行モード)は、遊技者にとっての有利度合いが前記第1状態(当否抽選モードが低確率モードである状態、非開閉実行モード)とは異なるものであることを特徴とする特徴hA7又は特徴hA8に記載の遊技機。
【5575】
上記構成では、第1状態と第2状態とで遊技者にとっての有利度合いが異なる状況において、それら各状態のいずれに滞在するかにより、特定表示の視認性を異ならせ、特定報知への遊技者の注目しやすさを変化させることができる。例えば、有利な側の状態では、特定表示の視認性を低く抑えることで、遊技者を遊技価値の獲得に集中させやすくすることができ、遊技価値の獲得を楽しむ遊技と特定制御の事前報知とを好適に両立させることが可能になる。
【5576】
なお、本特徴は、「前記第2状態は、前記所定事象の発生頻度(可変入賞装置65への入球発生頻度)又は遊技価値の付与度合い(単位時間当たりの総払い出し数等)が前記第1状態とは異なるものである」と表現することもできる。
【5577】
特徴hA10.前記第2状態(当否抽選モードが高確率モードである状態、開閉実行モード)は、前記第1状態(当否抽選モードが低確率モードである状態、非開閉実行モード)よりも遊技者に有利なものであり、
前記第2態様は、前記特定表示の視認性が前記第1態様より低いものである(変形例1における
図228(a)、
図230の構成)ことを特徴とする特徴hA9に記載の遊技機。
【5578】
上記構成では、有利度合いが高く、遊技価値を獲得しやすい第2状態では、特定表示の目立ちやすさを低く抑えて特定報知が行われる。これにより、第2状態において、特定制御の実施が近づくことよりも遊技価値の獲得やその獲得量が増えることに遊技者を注目させることができる。よって、遊技価値を獲得しやすい状況で特定制御の事前報知を行いながらも、当該報知が遊技価値を獲得する遊技の妨げとなることを抑制できる。
【5579】
なお、本特徴を、上記特徴hA9を通じて上記特徴hA8に適用する場合は、「前記特定表示の視認性が前記第1態様より低い」を「前記特定表示における表示の大きさが前記第1態様より小さい」と言い換えることができる。
【5580】
また、本特徴の「前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者に有利なものであり」は、「前記第2状態は、前記所定事象の発生頻度が前記第1状態より多くなりやすい又は遊技価値の付与度合いが第1状態より高くなりやすい状態であり」と表現することもできる。
【5581】
特徴hA11.所定の場合(大当たり結果となった場合)に、所定状態(通常遊技状態等の非開閉実行モード)より遊技者にとって有利な特定状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)を備え、
前記第1状態は、前記特定状態において、前記導出手段による前記所定情報の導出結果が第1結果となる状態(開閉実行モード中に残り球数が0個以下又は所定数に到達しない状態)であり、
前記第2状態は、前記特定状態において、前記導出手段による前記所定情報の導出結果が前記第1結果とは異なる第2結果となる状態(開閉実行モード中に残り球数が0個以下又は所定数に到達する状態)であることを特徴とする特徴hA7又は特徴hA8に記載の遊技機。
【5582】
上記構成によれば、所定の場合に遊技者にとって有利な特定状態に移行する遊技機において、特定制御の事前報知である特定報知をその特定状態にて行う場合に、所定情報の導出結果の状況により特定表示の目立ちやすさを異ならせることができる。例えば、特定状態において特定制御の実施までに十分な猶予がある状況では、特定表示の目立ちやすさを低く抑えることで、特定状態を楽しむ遊技に遊技者を集中させることができる。一方、特定状態において特定制御の実施が迫っている状況では、特定表示を目立たせて注目させやすくすることで、遊技者が遊技に集中しやすい特定状態であっても特定制御が実行されることを好適に知らせることが可能になる。
【5583】
特徴hA12.所定の場合(大当たり結果となった場合)に、所定状態(通常遊技状態等の非開閉実行モード)より遊技者にとって有利な特定状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)を備え、
前記特定制御実行手段は、前記導出手段による前記所定情報の導出結果が所定結果(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数に到達)となることに基づいて前記特定制御を実行することが可能であり、
前記第1状態は、前記特定状態において前記所定情報の導出結果が前記所定結果とならない状態であり、
前記第2状態は、前記特定状態において前記所定情報の導出結果が前記所定結果となる状態であることを特徴とする特徴hA7又は特徴hA8に記載の遊技機。
【5584】
上記構成によれば、所定の場合に遊技者にとって有利な特定状態に移行する遊技機において、特定制御の事前報知である特定報知をその特定状態にて行う場合に、所定情報の導出結果が特定制御の実行に対応した所定結果となるか否かにより、特定表示の目立ちやすさを異ならせることができる。例えば、特定状態中に所定結果とならない第1状態では、特定表示の目立ちやすさを低く抑えることで、特定状態を楽しむ遊技に遊技者を集中させることができる。一方、特定状態中に所定結果となる第2状態では、特定表示を目立たせて注目させやすくすることで、遊技者が遊技に集中しやすい特定状態であっても特定制御が実行されることを好適に知らせることが可能になる。
【5585】
特徴hA13.前記特定制御は、所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSh2509の処理)を含むものであることを特徴とする特徴hA1乃至特徴hA12のいずれかに記載の遊技機。
【5586】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において、上記特徴hA1から特徴hA12のいずれかの構成を適用することにより、遊技進行が制限させる状態への移行に関する事前報知を好適に行うことができ、当該移行が遊技者にとって不意打ち的に行われることを抑制することが可能になる。
【5587】
特徴hA14.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行より前に前記所定情報に関する特定報知(停止予告用報知における残り球数の表示)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技の状態として、第1状態(非開閉実行モード、当否抽選モードが低確率モードである状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(開閉実行モード、当否抽選モードが高確率モードである状態)とを含む複数の状態を有しており、
前記第1状態である状況で前記特定報知が第1態様(小さい表示サイズ等)にて実行されることを可能とする第1手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)と、
前記第2状態である状況で前記特定報知が前記第1態様とは異なる第2態様(相対的に大きい表示サイズ等)にて実行されることを可能とする第2手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5588】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5589】
そのような場合において、所定情報に関する特定報知が特定制御の実施に先立って実行され、遊技者に対して所定情報の状況が事前に知らされるため、不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。また、遊技の状態として第1状態と第2状態とを含む複数の状態を有するところ、特定報知の実行にあたっては、報知実行時に滞在している状態によって特定報知の態様が変化するものとなっている。これにより、状態の移行により滞在する状態が切り替わる中で、各状態の特性に適した態様で特定報知を行うことができ、特定制御が行われ得ることの事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5590】
本特徴に対して上記特徴hA1から特徴hA13の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
【5591】
特徴hA15.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行より前に前記特定制御に関する特定報知(停止予告用報知)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5592】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。そのような場合において、特定制御に関する特定報知を特定制御の実施に先立って行うため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。
【5593】
本特徴に対して上記特徴hA1から特徴hA14の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
【5594】
特徴hA16.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行より前に前記特定制御に関する特定報知(停止予告用報知)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技の状態として、第1状態(当否抽選モードが高確率モードである状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(当否抽選モードが低確率モードである状態)とを含む複数の状態を有しており、
前記第1状態にて前記特定報知が実行されることを可能とする手段(上記第4の実施の形態及び変形例1、2における高確率モードにて停止予告用報知を実行する機能)を備え、
前記第2状態にて前記特定報知が不実行とされるように構成されていることを特徴とする遊技機。
【5595】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5596】
そのような場合において、特定制御に関する特定報知を特定制御の実施に先立って行うため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。また、遊技の状態として第1状態と第2状態を有するところ、第1状態では特定報知が実行され、第2状態では特定報知が実行されないように構成されている。これにより、各状態の特性に合わせて特定報知の有無を使い分けることが可能になる。
【5597】
本特徴に対して上記特徴hA1から特徴hA15の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
【5598】
なお、上記特徴hA1乃至特徴hA16の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA16、特徴hB1乃至特徴hB10、特徴hC1乃至特徴hC7、特徴hD1乃至特徴hD12、特徴hE1乃至特徴hE12、特徴hF1乃至特徴hF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5599】
<特徴hB群>
特徴hB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【5600】
なお、特徴hB群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技者に対する報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5601】
特徴hB1.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置65)と、
所定の場合(大当たり結果となった場合)に特定状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な移行手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態では、前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切替制御が実行され得るように構成されており、
特定事象(残り球数が報知開始球数以下となること等)が発生した場合に特定報知(第1停止予告用報知等)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されるようにすることが可能であり、
前記特定状態にて前記特定報知の実行契機が成立した場合に、前記可変入球手段が前記第2態様とされる所定状況(オープニング期間、ラウンドインターバル、エンディング期間等)で前記特定報知が実行されることを可能とする特定手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能等)を備えていることを特徴とする遊技機。
【5602】
上記構成では、所定の場合に特定状態への移行が行われる。特定状態では、可変入球手段が第1態様(遊技球が入球可能又は入球しやすい)と第2態様(遊技球が入球不可又は入球しにくい)とに切り替えられるため、特定状態において遊技者は、可変入球手段への遊技球の入球を狙って遊技を行うことができる。また、上記構成では、特定事象の発生に応じて特定報知を実行し得るものとなっているところ、可変入球手段が第2態様とされる状態で特定報知が行われる。これにより、可変入球手段への遊技球の入球を生じさせることに遊技者が集中するあまり、特定報知の見落としが発生することを好適に抑制することができ、特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5603】
特徴hB2.前記所定状況は、前記特定状態において前記可変入球手段が前記第2態様とされる状況であることを特徴とする特徴hB1に記載の遊技機。
【5604】
上記構成によれば、特定報知の契機である特定事象が特定状態中に発生した場合に、その特定状態において可変入球手段が第2態様とされる期間にて特定報知が開始されるため、遊技者が遊技に集中しやすい特定状態であっても、特定報知に注目させやすい状態で当該報知を開始することができる。
【5605】
特徴hB3.前記特定手段は、前記特定状態において前記可変入球手段が前記第1態様である状況で前記特定報知の実行契機が成立した場合に、当該実行契機が成立した場合の前記第1態様より後の前記所定状況(ラウンドインターバル、エンディング期間等)で前記特定報知が実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hB1又は特徴hB2に記載の遊技機。
【5606】
上記構成では、可変入球手段が第1態様である状況で特定事象が発生した場合に、可変入球手段が第2態様に切り替えられるのを待って特定報知が開始される。このため、特定状態中のいずれのタイミングで特定事象が発生しても、可変入球手段が第2態様とされた状態で特定報知が開始されるものとなり、特定報知に注目させやすい状態で当該報知を開始することができる。
【5607】
特徴hB4.前記特定状態が終了される場合に、前記可変入球手段が前記第2態様とされた状態でエンディングが実行されるように構成されており、
前記特定手段は、前記特定状態にて前記特定報知の実行契機が成立した場合に前記エンディングの期間にて前記特定報知が実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hB1乃至特徴hB3のいずれかに記載の遊技機。
【5608】
特定状態においてその終了時に実行されるエンディングは、可変入球手段の切替制御が終了した後、可変入球手段が第2態様とされた状態で特定状態後の遊技が開始されることを待機する状態となる。このようなエンディングの期間を利用して特定報知を開始することで、上記特徴hB1~特徴hB3の各構成により奏する上記効果を発揮しつつ、特定状態において可変入球手段への入球を目指す遊技と特定状態後に行われる遊技とのいずれに対しても妨げにならないようにして特定報知を開始することができ、当該報知を好適に行うことが可能になる。
【5609】
特徴hB5.前記特定事象の有無にかかわらず、前記エンディングの期間にて所定報知(普段のエンディング用報知)を実行する手段を備え、
前記特定手段は、前記エンディングの期間において、前記所定報知の開始より後に前記特定報知が実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hB4に記載の遊技機。
【5610】
上記構成では、エンディング期間にて特定報知を開始する場合に、特定事象の発生がない状況でエンディング期間にて行われる普段の報知(所定報知)の開始後に特定報知を開始させる。この場合、所定報知によりエンディング期間の実行を遊技者に認識させてから特定報知を行うことができるため、特定報知の開始による違和感を軽減することが可能になる。
【5611】
特徴hB6.前記特定状態の終了後、前記可変入球手段が第2態様とされる所定状態(高確遊技状態等)に移行するように構成されており、
前記特定手段は、前記特定状態にて前記特定報知の実行契機が成立した場合に前記所定状態における所定タイミング(開閉実行モード終了後の遊技状態における特図遊技回の開始タイミング等)にて前記特定報知が実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hB1に記載の遊技機。
【5612】
上記構成では、特定状態にて特定事象が発生した場合に、特定状態の終了後において可変入球手段が第2態様とされる所定状態となるのを待って特定報知が開始される。このため、特定状態の期間は当該特定状態を楽しむことに遊技者を集中させつつ、特定状態の終了後、落ち着いた状況で特定報知を開始することができ、特定報知に注目させやすい状態で当該報知を行うことが可能になる。
【5613】
特徴hB7.前記特定報知を実行中の状態で前記特定状態に移行した場合又は前記特定状態への移行契機が成立した場合に、前記特定状態において前記可変入球手段が前記第1態様である状況で前記特定報知が実行されることを可能とする特徴hB1乃至特徴hB6のいずれかに記載の遊技機。
【5614】
上記構成では、特定報知が実行されている状況で特定状態への移行が行われたり、その移行契機が成立したりした場合に、特定状態において可変入球手段の状態にかかわらず、特定報知が実行される。このため、特定状態への移行前に行われていた特定報知が特定状態への移行後も円滑に継続されるものとなり、特定状態への移行に伴う報知の途切れや終了を抑制することが可能になる。
【5615】
なお、本特徴の「前記特定状態において前記可変入球手段が前記第1態様である状況で前記特定報知が実行されることを可能とする」は、「前記可変入球手段が前記第2態様であるか否かにかかわらず、前記特定状態において前記特定報知が実行されることを可能とする」と表現することもできる。
【5616】
特徴hB8.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定事象は、前記所定情報が所定値(報知開始球数)になることであることを特徴とする特徴hB1乃至特徴hB7のいずれかに記載の遊技機。
【5617】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報が所定値となることにより、特定報知の契機である特定事象が発生する。可変入球手段の切替制御が行われる特定状態では、遊技価値が獲得されやすく、特定事象が発生しやすくなる。このような構成に対して上記特徴hB1から特徴hB7のいずれかの構成を適用することで、特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5618】
特徴hB9.所定の場合(残り球数が0個以下に到達した場合、差球数が停止用球数以上に到達した場合)に前記特定状態よりも遊技者にとって不利な所定の状態(遊技停止状態等)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記所定の状態に関する報知であることを特徴とする特徴hB1乃至特徴hB8のいずれかに記載の遊技機。
【5619】
上記構成では、特定報知が遊技者にとって不利な所定の状態に関する報知であるため、このような報知が特定状態において可変入球手段が第1態様である状態で開始されると、可変入球手段への入球を目指す遊技に遊技者が集中しにくくなる懸念がある。このような構成に対して上記特徴hB1から特徴hB8のいずれかの構成を適用することで、特定報知が特定状態での遊技の妨げになることを抑制しつつ、当該報知を好適に行うことが可能になる。
【5620】
特徴hB10.前記所定の状態は、所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)であることを特徴とする特徴hB9に記載の遊技機。
【5621】
上記構成では、所定の状態が遊技進行の制限状態であり、特定報知が遊技者にとって望ましくない報知となる。このような報知が特定状態において可変入球手段が第1態様である状態で開始されると、可変入球手段への入球を目指す遊技に遊技者が集中しにくくなる懸念がある。このような構成に対して上記特徴hB1から特徴hB8のいずれかの構成を適用することで、特定報知が特定状態での遊技の妨げになることを抑制しつつ、当該報知を好適に行うことが可能になる。
【5622】
なお、上記特徴hB1乃至特徴hB10の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA16、特徴hB1乃至特徴hB10、特徴hC1乃至特徴hC7、特徴hD1乃至特徴hD12、特徴hE1乃至特徴hE12、特徴hF1乃至特徴hF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5623】
<特徴hC群>
特徴hC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【5624】
なお、特徴hC群は「遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技機の動作に関する報知を行う場合があり、そのような報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5625】
ちなみに上記課題は「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技者に対する報知を行う上で未だ改善の余地がある。」と表現することもできる。
【5626】
特徴hC1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報が所定値(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数以上)となることに基づいて特定制御(遊技停止状態への移行)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行より前に前記特定制御に関する特定報知(停止予告用報知)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする特定報知実行手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)と、
前記特定報知実行手段による特定報知が所定の更新単位で更新されることを可能とする報知更新手段(演出制御装置143におけるステップSh3513の処理を実行する機能)と、
前記所定値までの残り値(残り球数)に応じて前記更新単位が変化することを可能とする特定手段(残り球数が少なくなるほど更新単位が短くなるように更新単位を変化させる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5627】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報が所定値になった場合に特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5628】
そのような場合において、特定制御に関する特定報知を特定制御の実施に先立って行うため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。また、特定報知の開始後は、所定値までの残り値に応じて特定報知の更新単位を変化させるものとなっている。例えば、残り値が少なくなるほど更新単位が小さく(更新間隔が短く)なる構成とすれば、特定制御の実施(所定値への到達)までに遠い状況では、更新頻度を減らして特定報知を目立ちにくくする一方、近づいた状況では、更新頻度を増やして特定制御の実施が近づいたことを分かりやすく伝えることができる。これにより、特定制御が行われ得ることの事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5629】
特徴hC2.前記特定手段は、前記残り値が第1特定数(900個)である場合に、前記残り値が前記第1特定数より大きい第2特定数(9000個)である場合に比べて前記更新単位が小さくなることを可能とするものであることを特徴とする特徴hC1に記載の遊技機。
【5630】
上記構成では、特定制御の実施(所定値への到達)までに遠い状況では、更新単位が大きくなるため、更新頻度が減らされて特定報知が目立ちにくくなる。これにより、特定制御の実施を早くから知らせながらも、遊技者を遊技価値の獲得に集中させやすくすることができる。加えて、更新頻度を減らすことで、特定報知の更新に要する処理負荷を軽減することもできる。一方、特定制御の実施に近づいた状況では、更新単位が小さくなるため、更新頻度が増やされて残り値が細かく知らされるなど、都度の残り値や特定制御の実施が近づいたことを分かりやすく伝えることができる。
【5631】
特徴hC3.前記特定報知は、前記残り値に対応する所定報知(実際の残り球数、実際の残り球数よりも少ない球数、実際の差球数、実際の差球数よりも多い差球数の報知)を含むものであることを特徴とする特徴hC1又は特徴hC2に記載の遊技機。
【5632】
上記構成では、特定制御が実施されるまでの残り値に対応する所定報知が特定報知に含まれるため、特定報知が行われることで上記残り値を遊技者が認識することが可能になる。このような構成に対して上記特徴hC1又は特徴hC2の構成を適用することで、所定情報の進み具合に応じて所定報知(特定報知)の更新頻度を異ならせることができる。これにより、特定報知により上記残り値を認識可能としながらも、特定報知が遊技価値の獲得を目指す本来の遊技の妨げとなることを抑制可能となる。
【5633】
特徴hC4.前記特定報知実行手段による特定報知にて、実際の前記残り値より少ない値に対応した態様の前記所定報知が行われることを可能とする手段(演出制御装置143におけるステップSh3508の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hC3に記載の遊技機。
【5634】
上記構成では、所定報知において実際の残り値よりも少ない値が報知される。これにより、特定制御の開始時点では報知上の残り球数が確実に0となっている状態となり、遊技者が認識する残り値よりも獲得数が少ない状況で遊技価値の更なる獲得が制限されることを抑制できる。
【5635】
特徴hC5.前記報知更新手段により更新された前記特定報知にて、実際の前記残り値より少ない値に対応した態様の前記所定報知が行われることを可能とする手段(演出制御装置143におけるステップSh3513の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hC3又は特徴hC4に記載の遊技機。
【5636】
上記構成では、特定報知としての所定報知が更新単位に従って更新される中で、その更新後の所定報知の態様が、実際の残り値よりも少ない値に対応した態様となるようにして更新が行われる。これにより、特定制御の開始時点では報知上の残り球数が確実に0となっている状態となり、遊技者が認識する残り値よりも獲得数が少ない状況で遊技価値の更なる獲得が制限されることを抑制できる。
【5637】
特徴hC6.前記特定制御は、所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSh2509の処理)を含むものであることを特徴とする特徴hC1乃至特徴hC5のいずれかに記載の遊技機。
【5638】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において、上記特徴hC1から特徴hC5のいずれかの構成を適用することにより、遊技進行の制限状態への移行に関する特定報知を事前に行う中で、所定情報の進み具合に応じて特定報知の更新頻度を異ならせることができる。例えば、残り値が少なくなるほど更新単位が小さくなる構成とすれば、上記移行までに遠い状況では、更新頻度を減らして特定報知を目立ちにくくする一方、近づいた状況では、更新頻度を増やして遊技進行の制限が近づいたことを分かりやすく伝えることができる。
【5639】
特徴hC7.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報が所定値(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数以上)となることに基づいて特定制御(遊技停止状態への移行)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記所定値までの残り値に対応する所定報知(実際の残り球数RSよりも少ない球数の報知、実際の残り球数RSの報知)が前記特定制御の実行より前に所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定報知として、実際の前記残り値より少ない値に対応した態様の報知を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
【5640】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報が所定値になった場合に特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5641】
そのような場合において、所定値までの残り値に対応する所定報知を特定制御の実施に先立って行うため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。また、上記所定報知の実施に際しては、実際の残り値よりも少なく数に対応した態様で報知を行うため、特定制御の開始時点では報知上の残り球数が確実に0となっている状態となり、遊技者が認識する残り値よりも獲得数が少ない状況で遊技価値の更なる獲得が制限されることを抑制できる。
【5642】
本特徴に対して上記特徴hC1~特徴hC6の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
【5643】
なお、上記特徴hC1乃至特徴hC7の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA16、特徴hB1乃至特徴hB10、特徴hC1乃至特徴hC7、特徴hD1乃至特徴hD12、特徴hE1乃至特徴hE12、特徴hF1乃至特徴hF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5644】
<特徴hD群>
特徴hD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
【5645】
なお、特徴hD群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技者に対する報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5646】
特徴hD1.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置65)と、
所定の場合(大当たり結果となった場合)に、前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切替制御(ラウンド遊技)が実行される特定状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な移行手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者にとって有利な特定事象を示唆する特別報知(ラウンド昇格報知等)が前記特定状態において実行され得るように構成されており、
予め定められた所定条件(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数以上)が成立した場合に特定制御(遊技停止状態への移行等)が実行されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記所定条件が成立する場合又は成立した場合に特定報知(第2停止予告用報知)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における第2停止予告用処理を実行する機能)と、
前記特定状態にて前記所定条件が成立する状況において前記特別報知の実行が制限されることを可能とする特定手段(開閉実行モードにおいて残り球数が0個以下となる場合にラウンド昇格演出等の実行を制限する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5647】
上記構成では、可変入球手段を第2態様(遊技球が入球不可又は入球しにくい)から第1態様(遊技球が入球可能又は入球しやすい)に切り替える切替制御が実行される特定状態において、遊技者にとって有利な特定事象を示唆する特別報知が実行される。これにより、特定状態において特別報知が実行されることへの期待感を喚起することができ、特定状態での遊技の興趣を高めることが可能になる。また、上記構成では、所定条件が成立した場合に特定制御が行われるところ、所定条件の成立に応じて特定報知が実行されるため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。しかしながら、特定制御が行われる状況で特別報知が実行された場合、遊技者が遊技を楽しむことの妨げになる場合がある。この点、所定条件が成立する特定状態では特別報知の実行が制限されるため、特別報知の演出効果が損なわれることを抑制しながら、特定制御の実施に関する特定報知を実行することが可能になる。
【5648】
特徴hD2.前記特定手段は、前記特定状態にて前記特定報知が実行される状況において、当該特定状態にて前記特別報知の実行が制限されることを可能とするものである(開閉実行モードにおいて第2停止予告用報知を実行する場合にラウンド昇格演出の実行を制限する機能)ことを特徴とする特徴hD1に記載の遊技機。
【5649】
上記構成によれば、特定報知が実行される特定状態にて特別報知の実行が制限されるため、特定報知と特別報知とが干渉することを抑制できる。これにより、特別報知の演出効果が損なわれることを抑制しながら、特定制御の実施に関する特定報知を実行することが可能になる。
【5650】
特徴hD3.前記特定状態の所定タイミング(4ラウンド目のラウンド遊技)で前記特別報知が実行され得るように構成されており、
前記特定手段は、前記特定状態において前記所定タイミングより後に前記所定条件が成立する状況で前記特別報知の実行が制限されることを可能とするものである(5ラウンド以降のラウンド遊技で残り球数が0個以下となる状況でラウンド昇格演出の実行を制限する機能)ことを特徴とする特徴hD1又は特徴hD2に記載の遊技機。
【5651】
上記構成では、特別報知の実行タイミングより前に所定条件が成立する場合に限らず、特別報知の実行タイミングより後の所定条件が成立する場合も特別報知の実行を制限し得る。これにより、特定制御が実行される状況で特別報知が実行されることを好適に抑制可能となる。
【5652】
特徴hD4.前記特定状態の所定タイミング(4ラウンド目のラウンド遊技)で前記特別報知が実行され得るように構成されており、
前記特定状態において前記所定タイミングより後に前記所定条件が成立するか否かを前記所定タイミングより前の特定タイミングにて判定する判定手段(演出制御装置143によるステップSh3403、ステップSh3404、ステップSh3605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD3のいずれかに記載の遊技機。
【5653】
上記構成では、所定タイミングより前の特定タイミングにて、所定タイミングより後に所定条件が成立するか否かを判定するため、特別報知の実行タイミングより後に所定条件が成立する場合であっても特別報知の実行を制限することができる。これにより、特定制御が実行される状況で特別報知が実行されることを好適に抑制可能となる。
【5654】
特徴hD5.前記特定状態において前記所定条件が成立するか否かを、その特定状態が開始される場合又は開始される前に判定する手段(主制御装置162における第2停止予告用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD4のいずれかに記載の遊技機。
【5655】
上記構成では、所定条件が成立するか否かの判定が特定状態の開始時やそれより前に実行されるため、特別報知の実行タイミングが到来するよりも前に所定条件の成立の有無を特定することができる。これにより、特別報知の実行タイミングより後に所定条件が成立する場合であっても特別報知の実行を制限することができ、特定制御が実行される状況で特別報知が実行されることを好適に抑制可能となる。
【5656】
特徴hD6.前記特定状態の所定タイミング(4ラウンド目のラウンド遊技)で前記特別報知が実行され得るように構成されており、
前記所定タイミングより後に前記所定条件が成立する状況において、前記所定タイミングより前に前記特定報知が実行され得るように構成されている(第2停止予告用報知がオープニング期間から実行される構成)ことを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD5のいずれかに記載の遊技機。
【5657】
上記構成では、特定報知が特定状態の早期に実行されるため、特定制御が実行されることを遊技者に対して早く知らせることができる。しかしながらその反面、特別報知の実行前に特定制御が実施されることを遊技者が認識できてしまい、特別報知の演出効果が損なわれてしまうおそれがある。この点、特定状態にて所定条件が成立する場合に特別報知の実行が制限されるため、特定報知が行われてから特別報知が行われる事象の発生が抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
【5658】
特徴hD7.前記特定状態において特定演出(開閉実行モード用演出)が実行され得るように構成されており、
前記特定状態において前記所定条件が成立しない場合に前記特定演出を第1態様(10R用通常演出)にて実行する第1手段(演出制御装置143におけるステップSh4206の処理を実行する機能)と、
前記特定状態において前記所定条件が成立する場合に前記特定演出を前記第1態様とは異なる第2態様(10R用特別演出)にて実行する第2手段(演出制御装置143におけるステップSh4208の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD6のいずれかに記載の遊技機。
【5659】
上記構成では、特定状態にて行われる特定演出として、特定状態中に所定条件が成立しない場合には第1態様の特定演出が行われ、成立する場合には第2態様の特定演出が行われる。これにより、特定報知だけでなく、特定演出の態様によっても所定条件の成立を示唆することができ、特定制御が実施されることをより分かりやすく伝えることができる。その際、所定条件が成立する特定状態では特別報知の実行が制限されるため、第2態様の特定演出についての演出設計に際して特別報知の有無を考慮しなくても済み、設計作業の負担を軽減することができる。
【5660】
特徴hD8.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定条件が前記所定情報に基づいて成立し得るように構成されていることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD7のいずれかに記載の遊技機。
【5661】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。そのような場合において、所定情報に基づく所定条件の成立に対応して特定報知を実行するため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。また、特定報知が実行される特定状態では特別報知の実行が制限されるため、特定報知により特別報知の演出効果が妨げられることを抑制できる。
【5662】
特徴hD9.前記特定制御は、所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSh2509の処理)を含むものであることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD8のいずれかに記載の遊技機。
【5663】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において、上記特徴hD1から特徴hD8のいずれかの構成を適用することにより、遊技進行の制限状態への移行に関する特定報知を事前に行う中で、特定報知が実行される特定状態では特別報知の実行が制限される。これにより、特定報知が実行される特定状態では特別報知の実行が制限されることが抑制され、特別演出の実行機能を備えた遊技機であっても上記特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5664】
特徴hD10.前記特別報知は、実行可能な前記切替制御の回数が増えることに関する報知(ラウンド昇格報知、成功態様のラウンド昇格演出、失敗態様のラウンド昇格演出)であることを特徴とする特徴hD1乃至特徴hD9のいずれかに記載の遊技機。
【5665】
上記構成では、特定状態において切替制御の回数が増えることに対応した特別報知が実行され得る。このため、切替制御の回数として少ない回数が報知されている状態であっても、後に回数が増えることを期待して特定状態を遊技することができ、特定状態の興趣性を高めることが可能になる。しかしながら、特定状態の中で所定条件が成立する場合、特定報知が行われることで、特別報知が実行されるよりも前に上記回数が増えることを予測できてしまう場合があり、特別報知の演出効果が損なわれるおそれがある。この点、所定条件が成立する特定状態では特別報知の実行が制限されるため、特別報知の演出効果が損なわれることを抑制しながら、特定制御の実施に関する特定報知を実行することが可能になる。
【5666】
特徴hD11.前記特定状態において所定回目の前記切替制御(4ラウンド目のラウンド遊技)で前記特別報知が実行され得るように構成されており、
前記特定報知が前記所定回目より前の前記切替制御で実行された場合に、前記所定回目より後の特定回目の切替制御(5ラウンド目以降のラウンド遊技)が実行されることを遊技者が認識可能な構成であることを特徴とする特徴hD10に記載の遊技機。
【5667】
上記構成では、実行可能な切替制御の回数が増えることを示唆する特別報知が実行されていなくても、特定制御の実施に関する特定報知が実行されることで、遊技者は、所定回目より後の切替制御が実行されることを認識できるものとなっている。このような構成において、特定状態において特定報知が実行される場合に特別報知の実行を制限することで、所定回目より後の切替制御が実行されることが特定報知の実施から判明している状況で特別報知が実行されることを抑制できる。これにより、特別報知の演出効果が損なわれることを抑制しながら、特定制御の実施に関する特定報知を実行することが可能になる。
【5668】
特徴hD12.前記特定状態において前記所定条件が成立した場合に当該特定状態の終了より後に前記特定制御が実行されるようにする手段(主制御装置162におけるステップSh2101、ステップSh2115、ステップSh2116、ステップSh2118、ステップSh2508、ステップSh2509の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hD10又は特徴hD11に記載の遊技機。
【5669】
特別報知の実行が制限される場合、特定制御にて報知される実行可能な切替制御の回数として、特別報知の実行を前提とした少ない回数ではなく、特定制御にて実際に実行され得る回数が報知されることになる。このような場合において、例えば、特定状態の途中で所定条件が成立した場合に、当該条件の成立タイミングで特定制御が実行されると、切替制御に関する報知上の回数と実際の回数とが整合しなくなる懸念がある。この点、本特徴では、特定状態において所定条件が成立した場合に、その特定状態の終了を待って特定制御が開始されるため、特定状態の途中で所定条件が成立しても、特定状態にて実行可能な切替制御の回数に変動が生じないようにすることができる。これにより、特別報知の実行が制限された特定状態において、特別報知の実行を前提としない多い回数を報知した後に所定条件が成立する場合でも、報知上の回数と実際の回数とを整合させることが可能になる。
【5670】
なお、本特徴において、「前記特定状態にて実行可能な前記切替制御の回数を遊技者が認識できる所定報知(ラウンド数画像903の表示)を実行する手段」又は「前記特別報知が実行されない所定の前記特定状態において、当該所定の特定状態にて実行可能な前記切替制御の回数を遊技者が認識できる所定報知(ラウンド数画像903の表示)が実行されることを可能とする手段」という構成をさらに備えていてもよい。
【5671】
なお、上記特徴hD1乃至特徴hD12の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA16、特徴hB1乃至特徴hB10、特徴hC1乃至特徴hC7、特徴hD1乃至特徴hD12、特徴hE1乃至特徴hE12、特徴hF1乃至特徴hF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5672】
<特徴hE群>
特徴hE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態の変形例3に基づいて抽出されるものである。
【5673】
なお、特徴hE群は「遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技機の動作に関する報知を行う場合があり、そのような報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5674】
ちなみに上記課題は「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技者に対する報知を行う上で未だ改善の余地がある。」と表現することもできる。
【5675】
特徴hE1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行より前に前記特定制御に関する特定報知(停止予告用報知)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技の状態として、第1状態(当否抽選モードが低確率モードである状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(当否抽選モードが高確率モードである状態)とを含む複数の状態を有しており、
前記第1状態である状況で前記特定報知を実行することが可能な第1手段(演出制御装置143におけるステップSh4403、ステップSh3508の処理を実行する機能)と、
前記第2状態である状況で前記特定報知を実行することが可能な第2手段(演出制御装置143におけるステップSh4402、ステップSh3508の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5676】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5677】
そのような場合において、特定制御に関する特定報知を特定制御の実施に先立って行うため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。また、遊技の状態として第1状態と第2状態とを含む複数の状態を有するところ、それら第1状態と第2状態のそれぞれで特定報知を実行し得るものとなっている。これにより、滞在する遊技の状態がいずれであっても、都度の状況に応じて特定報知を開始することができ、特定制御が行われ得ることの事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5678】
特徴hE2.前記第1手段は、前記第1状態である状況で第1所定条件(残り球数が第2開始球数以下になること)が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能であり、
前記第2手段は、前記第2状態である状況で前記第1所定条件とは異なる第2所定条件(残り球数が第1開始球数以下になること)が成立した場合に前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴hE1に記載の遊技機。
【5679】
上記構成では、第1状態に滞在中である場合は第1所定条件の成立により特定報知が実行され、第2状態に滞在中である場合は第2所定条件の成立により特定報知が実行される。それら第1所定条件、第2所定条件を第1状態、第2状態の特性を踏まえて設定することで、滞在する状態に適したタイミングで特定報知を開始させることができ、特定制御の実施に関する特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5680】
特徴hE3.前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者に有利なものであることを特徴とする特徴hE2に記載の遊技機。
【5681】
有利度合いが高い第2状態では遊技者が遊技を継続することが想定され、有利度合いが低い第1状態では遊技者が遊技をやめることが想定される。そのような各状態の特性の違いを踏まえて第1所定条件、第2所定条件を設定することで、滞在する状態に適したタイミングで特定報知を開始させることができ、特定制御の実施に関する特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5682】
特徴hE4.前記特定制御実行手段は、前記所定情報が予め定められた所定値(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数以上)になった場合に前記特定制御を実行することが可能なものであり、
前記第1所定条件は、前記第2所定条件よりも前記所定値までの残り値(残り球数)が多い状況で成立し得るものであることを特徴とする特徴hE2又は特徴hE3に記載の遊技機。
【5683】
上記構成によれば、特定制御の実施(所定値)までの残りが相対的に多い状況で第1所定条件が成立し、上記残りが相対的に少ない状況で第2所定条件が成立する。この場合、第1状態では相対的に早いタイミングで特定報知が開始され、第2状態では相対的に遅いタイミングで特定報知が開始されることになる。これにより、滞在する状態に適したタイミングで特定報知を開始させることができ、特定制御の実施に関する特定報知を好適に行うことが可能になる。
【5684】
なお、本特徴を上記特徴hE3に適用した場合は、次の効果を奏することができる。遊技者が遊技を継続することが想定される第2状態(有利度合いが高い側の状態)では、特定制御の実施(所定値)までの残りが少ない状況で第2所定条件が成立することで、特定報知の開始を遅くすることができる。これにより、特定制御の実施タイミングにある程度近づいてから特定報知を開始させることができ、遊技価値の獲得を目指す遊技に遊技者が集中できる期間を長く確保しながら、特定制御が不意打ち的に実施されることを抑制できる。一方で、遊技者が遊技をやめる可能性が想定される第1状態(有利度合いが低い側の状態)では、上記残りが多い状況で第1所定条件が成立することで、特定報知の開始を早くすることができる。これにより、新たに遊技を開始する遊技者に対し、特定制御の実施までにある程度余裕を確保した状態で、特定制御の実施を知らせることが可能になる。
【5685】
特徴hE5.前記第1所定条件は、所定操作手段により所定操作が行われた場合(演出用操作部36の押し下げ操作が行われた場合等)に成立し得るものであることを特徴とする特徴hE2又は特徴hE3に記載の遊技機。
【5686】
上記構成では、第1状態での特定報知の開始条件である第1所定条件が、所定操作手段により所定操作が行われることで成立するため、第1状態において特定報知の有無を遊技者が手動で切り替えることが可能になる。
【5687】
なお、本特徴を上記特徴hE3に適用した場合は、次の効果を奏することができる。有利度合いの低い第1状態では、遊技価値が獲得されにくく、特定制御の実施に対して遠ざかる状況といえるため、遊技中の遊技者にとっては、特定報知がさほど重要なものとはならず、寧ろ特定報知がない方が望ましいと言えることもある。しかしながらその反面、新たに遊技を始める遊技者は、それまでの状況を知らないため、特定報知を見たいというニーズが生じる。この点、第1状態において手動により特定報知の有無を切り替えることができるため、遊技中の遊技者と新たに遊技を始める遊技者とのそれぞれの要望を満たすようにして特定報知を行うことが可能になる。
【5688】
特徴hE6.前記第2所定条件は、遊技の進行に基づく特定事象(残り球数が第1報知開始球数以下になること)が発生した場合に成立し得るものであることを特徴とする特徴hE5に記載の遊技機。
【5689】
上記構成では、第2状態での特定報知の開始条件である第2所定条件が、遊技の進行に基づく特定事象の発生により成立するように構成されている。この場合、第1状態では、特定報知の有無が遊技者の手動操作に委ねられる一方で、第2状態では、特定制御の実施が近づくことに応じて自動的に特定報知が実行されるものとなり、特定制御の事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5690】
特徴hE7.前記第1状態にて前記特定報知が実行され、その後、前記第2状態に移行した場合に、当該第2状態において前記第2所定条件が不成立である状況で前記特定報知を実行することが可能な手段(演出制御装置143におけるステップSh3503、ステップSh3510の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴hE2乃至特徴hE6のいずれかに記載の遊技機。
【5691】
上記構成では、第1状態で特定報知が実行されている状況で第2状態への移行がなされた場合、第2状態において第2所定条件が成立していなくても特定報知が実行されるように構成されている。これにより、第1状態で特定報知が実行されていた場合において、第2状態への移行により報知が途切れることが抑制され、特定制御の実施までの残りが不明化することによる遊技者の混乱等を抑制することが可能になる。
【5692】
特徴hE8.前記第1手段は、前記第1状態である状況で前記特定報知を第1態様(相対的に小さい表示サイズ等)にて実行することが可能であり、
前記第2手段は、前記第2状態である状況で前記特定報知を前記第1態様とは異なる第2態様(相対的に大きい表示サイズ等)にて実行することが可能であることを特徴とする特徴hE1乃至特徴hE7のいずれかに記載の遊技機。
【5693】
上記構成では、第1状態と第2状態とで異なる態様で特定報知が行われる。これにより、状態の移行により滞在する状態が切り替わる中で、各状態の特性に適した態様で特定報知を行うことができ、特定制御の実施に関する事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5694】
特徴hE9.前記特定報知としての特定表示(メッセージ画像901)が所定の表示手段(図柄表示装置75等)にて表示されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)を備え、
前記第2態様は、前記特定表示の視認性が前記第1態様とは異なるものであることを特徴とする特徴hE8に記載の遊技機。
【5695】
第1状態と第2状態とで特定表示の視認性を異ならせて特定報知が行われるため、特定制御が実施されることの事前報知の目立ちやすさを、各状態の特性に合わせて変化させることができる。例えば、遊技価値を獲得しにくい状態では、特定報知の視認性を低く抑えることで、本来の遊技に遊技者を集中させやすくしながら特定報知を行うことが可能になる。
【5696】
特徴hE10.前記特定報知としての特定表示(メッセージ画像901)が所定の表示手段(図柄表示装置75等)にて表示されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)を備え、
前記第2態様は、前記特定表示における表示の大きさが前記第1態様と異なるものであることを特徴とする特徴hE8又は特徴hE9に記載の遊技機。
【5697】
上記構成では、第1状態と第2状態とで特定表示の大きさを異ならせて特定報知が行われるため、特定制御が実施されることの事前報知の目立ちやすさを、各状態の特性に合わせて変化させることができる。例えば、遊技価値を獲得しにくい状態では、特定報知の大きさを小さくして目立ちにくくすることで、本来の遊技に遊技者を集中させやすくしながら特定報知を行うことが可能になる。
【5698】
特徴hE11.前記第2状態は、前記第1状態よりも遊技者に有利なものであり、
前記第2態様は、前記特定表示の視認性が前記第1態様より高いものであることを特徴とする特徴hE9又は特徴hE10に記載の遊技機。
【5699】
上記構成によれば、有利度合いが高く、遊技価値を獲得しやすい第2状態では、特定表示の視認性が高められるため、特定制御の実施が近づいていく状況において当該実施を好適に知らせることができる。一方で、有利度合いが低く、遊技価値を獲得しにくい第1状態では、特定表示の視認性が低く抑えられるため、当該表示が目立つことが抑制され、本来の遊技に遊技者を集中させやすくすることが可能になる。
【5700】
なお、本特徴を上記特徴hE10に適用する場合は、「前記特定表示の視認性が前記第1態様より高い」を「前記特定表示における表示の大きさが前記第1態様より大きい」と言い換えることができる。
【5701】
特徴hE12.前記特定制御は、所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSh2509の処理)を含むものであることを特徴とする特徴hE1乃至特徴hE11のいずれかに記載の遊技機。
【5702】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において、上記特徴hE1から特徴hE11のいずれかの構成を適用することにより、遊技進行が制限させる状態への移行に関する事前報知を好適に行うことができ、当該移行が遊技者にとって不意打ち的に行われることを抑制することが可能になる。また、第1状態と第2状態のそれぞれで特定報知を実行し得るため、滞在する遊技の状態がいずれであっても、都度の状況に応じて特定報知を開始することができ、上記移行に関する事前報知を好適に行うことが可能になる。
【5703】
なお、上記特徴hE1乃至特徴hE12の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA16、特徴hB1乃至特徴hB10、特徴hC1乃至特徴hC7、特徴hD1乃至特徴hD12、特徴hE1乃至特徴hE12、特徴hF1乃至特徴hF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5704】
<特徴hF群>
特徴hF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第4の実施の形態、第4の実施の形態の変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【5705】
なお、特徴hF群は「遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技機の動作に関する報知を行う場合があり、そのような報知を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5706】
ちなみに上記課題は「ここで、上記例示したような遊技機等においては、遊技者に対する報知を行う上で未だ改善の余地がある。」と表現することもできる。
【5707】
特徴hF1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な付与手段(払出制御装置181におけるステップSh1608の処理を実行する機能等)と、
前記所定事象の発生又は前記所定の遊技価値の付与に基づいて所定情報(残り球数の情報、差球数の情報、差球数用カウンタエリア502の各カウンタ502a~502eの値、超過フラグ等)を導出する導出手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な特定制御実行手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行より前に前記特定制御に関する特定報知(停止予告用報知)が所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理、第2停止予告用処理を実行する機能)と、
特定事象(演出用操作部36の操作等)の発生に基づいて前記特定報知の実行状態と不実行状態の切り替えが実行されることを可能とする特定手段(演出制御装置143における、演出用操作部36等が操作された場合に停止予告用報知の有無を切り替える機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5708】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。この場合、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【5709】
そのような場合において、特定制御に関する特定報知を特定制御の実施に先立って行うため、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることが抑制される。これにより、特定制御により遊技価値の更なる獲得を制限する場合において、特定制御の実施に伴う遊技者の混乱等を抑制することができる。また、特定事象の発生に応じて特定報知の有無を切り替え可能であるため、特定報知が遊技者にとって煩わしくなったりする不都合の発生を好適に抑制できる。
【5710】
特徴hF2.前記特定事象は、所定操作手段(演出用操作部36等)により所定操作が行われることであることを特徴とする特徴hF1に記載の遊技機。
【5711】
上記構成では、所定操作手段が操作されることにより、特定報知の有無が切り替えられる。これにより、特定報知を煩わしく感じる遊技者が所定操作を行うことで、特定報知が実行されないようにすることができ、逆に、特定制御の有無に関する情報を知りたい遊技者が所定操作を行うことで、特定報知を実施させることができる。
【5712】
特徴hF3.前記所定操作手段が遊技機の前面側に配置されることを特徴とする特徴hF2に記載の遊技機。
【5713】
上記構成では、所定操作手段が遊技機の前面側に配置され、特定報知の有無を切り替えるための所定操作を遊技者が簡単に行うことが可能になる。
【5714】
特徴hF4.遊技の状態として、第1状態(当否抽選モードが低確率モードである状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(当否抽選モードが高確率モードである状態)とを含む複数の状態を有しており、
前記特定手段は、前記第1状態にて前記特定事象が発生した場合に前記切り替えが実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF3のいずれかに記載の遊技機。
【5715】
上記構成によれば、遊技の状態として複数の状態を有する遊技機において、特定報知の有無に関する切り替えの可否を各状態の特性を踏まえて使い分けることができる。これにより、特定報知の有無の切り替えが望まれる状態では当該切り替えを許容する一方で、むやみな切り替えを制限すべき状態では当該切り替えを制限することができる。
【5716】
特徴hF5.遊技の状態として、第1状態(当否抽選モードが低確率モードである状態)と、前記第1状態より遊技者に有利な第2状態(当否抽選モードが高確率モードである状態)とを含む複数の状態を有しており、
前記特定手段は、少なくとも前記第1状態にて前記特定事象が発生した場合に前記切り替えが実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF4のいずれかに記載の遊技機。
【5717】
有利度合いの低い第1状態では、遊技価値が獲得されにくく、特定制御の実施に対して遠ざかる状況といえるため、遊技中の遊技者にとっては、特定報知がさほど重要なものとはならず、寧ろ特定報知がない方が望ましいと言えることもある。このような場合を対象として、特定事象の発生により特定報知の有無を切り替え可能であるため、特定報知が遊技者にとって煩わしくなることを抑制できる。
【5718】
特徴hF6.遊技の状態として、第1状態(当否抽選モードが低確率モードである状態)と、前記第1状態より遊技者に有利な第2状態(当否抽選モードが高確率モードである状態)とを含む複数の状態を有しており、
前記特定手段は、前記第1状態にて所定操作手段(演出用操作部36等)により所定操作が行われることに基づいて前記切り替えが実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF5のいずれかに記載の遊技機。
【5719】
有利度合いの低い第1状態では、遊技価値が獲得されにくく、特定制御の実施に対して遠ざかる状況といえるため、遊技中の遊技者にとっては、特定報知がさほど重要なものとはならず、寧ろ特定報知がない方が望ましいと言えることもある。しかしながらその反面、新たに遊技を始める遊技者は、それまでの状況を知らないため、特定報知を見たいというニーズが生じる。この点、第1状態において手動により特定報知の有無を切り替えることができるため、遊技中の遊技者と新たに遊技を始める遊技者とのそれぞれの要望を満たすようにして特定報知を行うことが可能になる。
【5720】
特徴hF7.前記所定情報に基づいて前記特定報知が実行されることを可能とする第1手段(演出制御装置143における、残り球数を参照して停止予告用報知を開始する機能)と、
前記特定手段としての第2手段と、
を備えていることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF6のいずれかに記載の遊技機。
【5721】
上記構成では、特定報知の有無を切り替えるための特定手段(第2手段)とは別に、遊技価値の付与や所定事象の発生に基づいて導出される所定情報に基づいて特定報知を実行する第1手段を備えている。例えば、遊技者が手動で特定報知を不実行とする状態に設定していたとしても、遊技価値の獲得状況に応じて自動的に特定報知を開始させることができ、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることを好適に抑制可能となる。
【5722】
特徴hF8.前記特定制御実行手段は、前記所定情報が予め定められた所定値(残り球数が0個以下、差球数が停止用球数以上)になった場合に前記特定制御を実行することが可能なものであり、
前記第1手段は、前記所定値までの残り値(残り球数)が特定値(報知開始球数)以下である状況で前記特定報知が実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴hF7に記載の遊技機。
【5723】
上記構成によれば、特定制御の実施(所定値)までの残り値が特定値以下となることで特定報知が実行されるため、上記残り値が少なくなることに応じて自動的に特定報知を開始させることができる。これにより、例えば遊技者が手動で特定報知を不実行とする状態に設定していた場合でも、遊技者に対して不意打ち的に特定制御が実施されることを好適に抑制可能となる。
【5724】
特徴hF9.前記特定制御は、所定の遊技の進行が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSh2509の処理)を含むものであることを特徴とする特徴hF1乃至特徴hF8のいずれかに記載の遊技機。
【5725】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。この場合、特定報知は、ある意味で遊技の限界(獲得出玉の限界)を知らせるものであり、遊技中の遊技者にとって必ずしも望ましいものといえない。その一方で、新たに遊技を始める遊技者にとっては有用な情報となり、当該報知を見たいというニーズが生じる。この点、上記特徴hF1から特徴hF8のいずれかの構成を適用することにより、それぞれの遊技者の要望に沿うようにして特定報知を行うことが可能になる。
【5726】
なお、上記特徴hF1乃至特徴hF9の各構成に対して、特徴hA1乃至特徴hA16、特徴hB1乃至特徴hB10、特徴hC1乃至特徴hC7、特徴hD1乃至特徴hD12、特徴hE1乃至特徴hE12、特徴hF1乃至特徴hF9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5727】
なお、以上詳述した特徴hA群乃至特徴hF群の各構成に対して、他の特徴hA群乃至特徴hF群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5728】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【5729】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典(遊技価値)を付与する遊技機。
【5730】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【5731】
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【5732】
<特徴jA群~特徴jH群>
下記の特徴jA群~特徴jH群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。
【5733】
<特徴jA群>
特徴jA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態やその変形例1~4に基づいて抽出されるものである。
【5734】
なお、特徴jA群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5735】
特徴jA1.予め定められた判定契機(作動口62、63への入球)の成立に基づいて特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置162における特図当否判定や小当たり種別判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて、又は前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)となった後、特定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に所定特典(大当たり遊技等)を付与する所定特典付与手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
所定の移行契機(大当たり種別が2R大当たり結果A、小当たり種別が有利小当たり結果A~Cになること等)の成立に基づいて特定状態(時短遊技状態等)に移行させる特定状態移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態への移行後、所定の終了契機(小当たり種別が有利小当たりに結果A~Cになること等)の成立に基づいて前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置162における小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理等を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が前記特定結果又は前記所定結果の場合において予め定められた所定タイミング(V入賞の発生タイミング等)にて前記特定状態である場合と、前記所定タイミングにて前記特定状態ではない場合とで、前記特定判定の結果又は前記特定事象の発生の価値が異なることを可能とする特定手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5736】
特定判定の結果が特定結果になることにより、又は特定判定の結果が所定結果となり、その後、特定事象が発生することにより、遊技者に所定特典が付与される構成の下、特定判定の結果が特定結果又は所定結果になった場合において、当該特定判定の後の所定タイミングにて特定状態に滞在しているか否かにより、特定判定の結果や特定事象の発生の価値が異なるように構成されている。この場合、特定判定の結果が同じ結果であっても、所定タイミングで特定状態であるか否かにより、遊技の展開を異ならせることができる。これにより、例えば、特定結果や所定結果の種別のみにより特定判定の結果や特定事象の発生の価値が定まる場合に比べ、特定結果になった場合や特定事象が発生した場合の遊技の多様化が図られ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5737】
特徴jA2.前記所定タイミングは、前記特定判定より後のタイミングであることを特徴とする特徴jA1に記載の遊技機。
【5738】
上記構成では、現在の状態が特定状態であるか否かを判定する所定タイミングが特定判定より後に設定されている。この場合、特定状態にて特定判定を実行しつつ、その後、所定タイミングの前で特定状態を終了させるか否かを振り分けることにより、所定タイミングにて特定状態である場合とそうでない場合とを生じさせることができる。例えば、特定状態が特定判定に影響を及ぼし得るものであった場合、特定判定にてその恩恵を受けながら、所定タイミングにて特定状態であるか否かにより特定判定の結果や特定事象の発生の価値を異ならせることが可能になる。
【5739】
特徴jA3.前記所定特典付与手段は、前記所定特典の付与として、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技等)が実行されるようにするものであり、
前記所定タイミングは、前記特定判定より後で且つ前記特別遊技より前のタイミングであることを特徴とする特徴jA1又は特徴jA2に記載の遊技機。
【5740】
上記構成では、現在の状態が特定状態であるか否かを判定する所定タイミングが特定判定より後に設定されている。この場合、特定状態にて特定判定を実行しつつ、その後、所定タイミングの前で特定状態を終了させるか否かを振り分けることにより、所定タイミングにて特定状態である場合とそうでない場合とを生じさせることができる。例えば、特定状態が特定判定に影響を及ぼし得るものであった場合、特定判定にてその恩恵を受けながら、所定タイミングにて特定状態であるか否かにより特定判定の結果や特定事象の発生の価値を異ならせることが可能になる。
【5741】
加えて、上記所定タイミングが、特定判定にて特定結果を引き当てたことや、特定判定にて所定結果を引き当て、その後、特定事象を発生させたことへの特典として実行される特別遊技より前に設定されている。これにより、特別遊技の途中で特定状態であるか否かの結果に遊技者の関心が寄せられることが抑制され、特別遊技の実行時において当該遊技に遊技者を集中させやすくすることができる。また、特定状態であるか否かの判定処理や、特定判定の結果や特定事象の発生の価値を異ならせるための設定処理が、特別遊技の実行制御と重複して実行されることが回避され、制御上の処理負荷を好適に分散させることが可能になる。
【5742】
特徴jA4.前記所定特典付与手段は、前記特定判定の結果が前記所定結果となった後、前記特定事象が発生することに基づいて前記所定特典を付与するものであり、
前記所定タイミングは、前記特定事象の発生に対応したタイミングであることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA3のいずれかに記載の遊技機。
【5743】
特定事象の発生は所定特典の付与契機として機能するため、特定事象の発生タイミングは当選タイミングの1つとして見ることができる。そのような構成において本特徴では、そのタイミングに対応して特定状態であるか否かの判定が行われるため、当選タイミングでの状態として特定状態である場合とそうでない場合との2状態を取ることができ、当選タイミングでの状態に応じて遊技性を振り分ける遊技機において好適な構成とすることができる。
【5744】
特徴jA5.遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、
前記特定状態は、前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記特定手段は、前記特定状態にて前記特定判定が実行され、当該特定判定の結果が前記特定結果又は前記所定結果となった状況において、前記所定タイミングにて前記特定状態である場合と前記所定タイミングにて前記特定状態ではない場合とで、前記価値が異なることを可能とするものであることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA4のいずれかに記載の遊技機。
【5745】
上記構成では、特定状態が有利な状態とされ、その特定状態の下で行われた特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合において、所定タイミングで特定状態である場合とそうでない場合とで特定判定の結果や特定事象の発生の価値に差異を生じさせる。この場合、特定判定の実行時においては特定状態中であることの恩恵を遊技者に受けさせつつ、その結果等の価値は所定タイミングにて特定状態であるか否かにより異ならせることが可能になる。
【5746】
特徴jA6.遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、
前記特定状態は、前記所定状態よりも遊技者に有利な態様で前記特定判定を行い得るものであり、
前記特定手段は、前記特定状態にて前記特定判定が実行され、当該特定判定の結果が前記特定結果又は前記所定結果となった状況において、前記所定タイミングにて前記特定状態である場合と前記所定タイミングにて前記特定状態ではない場合とで、前記価値が異なることを可能とするものであることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA5のいずれかに記載の遊技機。
【5747】
上記構成では、特定状態である場合に所定状態の場合よりも有利な態様で特定判定が行い得るものとされ、その特定状態の下で行われた特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合において、所定タイミングで特定状態である場合とそうでない場合とで特定判定の結果や特定事象の発生の価値に差異を生じさせる。この場合、特定判定自体は特定状態中であることに基づく有利な態様で実行させつつ、その結果等の価値は所定タイミングにて特定状態であるか否かにより異ならせることが可能になる。
【5748】
特徴jA7.前記所定特典付与手段は、前記特定判定の結果が前記所定結果となった後、前記特定事象が発生することに基づいて前記所定特典を付与するものであり、
前記所定結果として第1所定結果(有利小当たり結果A)と、前記第1所定結果とは異なる第2所定結果(有利小当たり結果B)とを含む複数の種別の所定結果を有しており、
前記第1所定結果となった場合に前記所定タイミングにて前記特定状態ではない非特定状態であることを可能とする第1手段(主制御装置162における小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を実行する機能)と、
前記第2所定結果となった場合に前記所定タイミングにて前記特定状態であることを可能とする第2手段(主制御装置162における小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA6のいずれかに記載の遊技機。
【5749】
上記構成では、特定判定にて所定結果となり、その種別によって所定タイミングでの特定状態の有無が変化し、それによって特定事象の発生の価値を異ならせることができる。これにより、特定判定にて所定結果となった場合において、所定タイミングでの特定状態の有無のうち遊技者に有利な側に対応する種別の所定結果となることの期待感が喚起され、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5750】
特徴jA8.前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定遊技(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技にて前記特定事象を発生させることが可能に構成されており、
前記特定遊技が実行された場合において前記特定事象が発生することなく前記特定遊技が終了した場合に、前記特定事象が発生した場合よりも遊技者に不利となることを可能とする手段(主制御装置162におけるパンク時対応の高サポ終了用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA7のいずれかに記載の遊技機。
【5751】
特定判定にて所定結果となった場合において、所定タイミングでの特定状態の有無のうち遊技者にとって不利な側に対応する種別の所定結果となった場合、その所定結果に対応して実行される特定遊技にて意図的に特定事象を発生させず、それを有利な側に対応する種別の所定結果となるまで繰り返す行為が想定される。そのような行為が横行すると、遊技の公平性が阻害され、望ましくない。この点、本特徴では、特定事象が発生しないまま特定遊技が終了すると、特定事象を発生させた場合よりも不利となるように構成されている。この場合、特定事象を発生させないで特定遊技を終了させると、遊技者が損をすることになるため、そのような行為が意図的に行われることを抑制でき、遊技の公平性を確保することが可能になる。
【5752】
なお、本特徴の「前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定遊技(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)」は、「前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定制御(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定制御実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)」と表現することもできる。このことは「特定遊技」の記載を用いる他の特徴についても同様である。
【5753】
特徴jA9.前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定遊技(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技にて前記特定事象を発生させることが可能に構成されており、
前記所定タイミングにて前記特定状態である第1状態と、前記所定タイミングにて前記特定状態ではない第2状態との一方の場合に、前記第1状態と前記第2状態との他方の場合よりも前記価値が有利となるように構成されており、
少なくとも、前記所定結果の種別が前記他方の側に対応する結果である場合の前記特定遊技にて前記特定事象が発生することなく前記特定遊技が終了した場合に、前記特定事象が発生した場合よりも遊技者に不利となることを可能とする手段(主制御装置162におけるパンク時対応の高サポ終了用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA8のいずれかに記載の遊技機。
【5754】
上記構成では、少なくとも不利な側に対応する種別の所定結果となった場合に、それに対応する特定遊技にて特定事象が発生せず、そのままその特定遊技が終了すると、特定事象を発生させた場合よりも不利となる。この場合、特定事象を発生させないで特定遊技を終了させると、遊技者が損をすることになるため、不利な側に対応する種別の所定結果となったことを遊技者が把握した上で、その後に行われる特定遊技にて意図的に特定事象を発生させないようにする行為が横行することを抑制できる。これにより、遊技の公平性を確保することが可能になる。
【5755】
特徴jA10.前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定遊技(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技にて前記特定事象を発生させることが可能に構成されており、
前記特定手段は、前記所定タイミングにて前記特定状態である第1状態と、前記所定タイミングにて前記特定状態ではない第2状態との一方の場合に、前記第1状態と前記第2状態との他方の場合よりも前記価値が有利となることを可能とするものであり、
前記特定遊技が実行された場合において前記特定事象が発生することなく当該特定遊技が終了した場合に、前記特定事象が発生した場合よりも遊技者に不利となることを可能とする手段(ステップSj2301でYESの場合の流れ)と、
少なくとも、前記所定結果の種別が前記一方の側に対応する結果である場合の前記特定遊技にて前記特定事象が発生することなく当該特定遊技が終了した場合に、当該特定遊技の終了後の遊技が前記特定状態にて行われることを可能とする手段(ステップSj2301でNO、ステップSj2306でYESの場合の流れ)と、
を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA9のいずれかに記載の遊技機。
【5756】
上記構成では、特定事象が発生しないまま特定遊技が終了すると、特定事象を発生させた場合よりも不利となるように構成されている。この場合、特定事象を発生させないで特定遊技を終了させると、遊技者が損をすることになるため、不利な側に対応する種別の所定結果となったことを遊技者が把握した上で、その後に行われる特定遊技にて意図的に特定事象を発生させないようにする行為が横行することを抑制できる。これにより、遊技の公平性を確保することが可能になる。その一方で、有利な側に対応する種別の所定結果となった場合は、それに対応して行われる特定遊技にて遊技者が意図的に特定事象を発生させないようにすることは考えにくい。これを踏まえ、所定結果の種別が有利な側に対応する種別の場合は、特定事象が発生しないまま特定遊技が終了しても、その後の遊技が特定状態にて行われるものとなっている。これにより、せっかく有利な側に対応する種別の所定結果を引き当てたにもかかわらず、異常等により特定事象が発生しなった場合の救済を図ることができる。
【5757】
特徴jA11.前記特定状態終了手段は、
前記特定状態である状況で前記特定判定が行われた場合において、当該特定判定の実行後、前記所定タイミングより前の所定の第1タイミング(変動終了タイミング等)にて前記特定状態を終了させる第1手段(主制御装置162における小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を実行する機能)と、
前記特定状態である状況で前記特定判定が行われた場合において、前記所定タイミングより後であって前記所定特典の付与前である所定の第2タイミング(V入賞の発生タイミング等)にて前記特定状態を終了させる第2手段(主制御装置162における小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA10のいずれかに記載の遊技機。
【5758】
上記構成では、特定状態にて特定判定が行われた場合において、現在の状態が特定状態であるか否かを判定する所定タイミングよりも前の第1タイミングにて特定状態を終了させる手段と、上記所定タイミングよりも後の第2タイミングにて特定状態を終了させる手段とを備えている。この場合、上記所定タイミングの前後に特定状態の終了タイミングを有するため、当該所定タイミングにて特定状態である場合とそうでない場合とを生じさせることができ、これによって、特定判定の結果や特定事象の発生の価値を異ならせることが可能になる。
【5759】
特徴jA12.前記第1手段は、第1終了契機(有利小当たり結果Aになること等)の成立に基づいて前記第1タイミングにて前記特定状態を終了させるものであり、
前記第2手段は、前記第1終了契機とは異なる第2終了契機(有利小当たり結果B、Cになること等)の成立に基づいて前記第2タイミングにて前記特定状態を終了させるものであることを特徴とする特徴jA11に記載の遊技機。
【5760】
上記構成では、第1終了契機が成立すると、所定タイミングよりも前の第1タイミングにて特定状態が終了し、第2終了契機が成立すると、所定タイミングよりも後の第2タイミングにて特定状態が終了する。この場合、第1終了契機の成立時には所定タイミングにて特定状態ではない非特定状態となり、第2終了契機の成立時には所定タイミングにて特定状態となるため、所定タイミングでの特定状態の有無のうち有利な側に対応する終了契機が成立することを期待して遊技させることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5761】
特徴jA13.前記所定特典付与手段は、前記所定特典の付与として、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技等)が実行されるようにするものであり、
前記特定手段は、前記所定タイミングにて前記特定状態である場合と前記所定タイミングにて前記特定状態ではない場合とで、前記特別遊技より後の遊技の有利度合いが異なることを可能とするものであることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA12のいずれかに記載の遊技機。
【5762】
上記構成によれば、特定判定の結果が特定結果になることにより、又は特定判定の結果が所定結果となり、その後、特定事象が発生することにより、遊技者に有利な特別遊技が実行されるほか、特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合の所定タイミングにて現在の状態が特定状態であるか否かが判定され、その結果により、特別遊技が終了した後の遊技の展開に差異が生じる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5763】
特徴jA14.前記所定特典付与手段は、前記所定特典の付与として、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技等)が実行されるようにするものであり、
遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記特定手段は、
前記所定タイミングにて前記特定状態である第1状態と、前記所定タイミングにて前記特定状態ではない第2状態との一方の場合に、前記特別遊技の終了後の遊技が前記特定状態で行われることを可能とする手段(残り大当たり回数が0回の状況で有利小当たり結果Aとなった場合に時短リミッタ値を再セットする機能)と、
前記第1状態と前記第2状態との他方の場合に、前記特別遊技の終了後の遊技が前記所定状態で行われることを可能とする手段(残り大当たり回数が0回の状況で有利小当たり結果B、Cとなった場合に時短リミッタ値を再セットしない機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA13のいずれかに記載の遊技機。
【5764】
上記構成によれば、特定判定の結果が特定結果になることにより、又は特定判定の結果が所定結果となり、その後、特定事象が発生することにより、遊技者に有利な特別遊技が実行されるほか、特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合の所定タイミングにて現在の状態が特定状態であるか否かが判定され、その結果により、特別遊技の終了後に特定状態とそれよりも不利な所定状態とのいずれに移行するかが振り分けられる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5765】
特徴jA15.前記所定特典付与手段は、前記所定特典の付与として、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技等)が実行されるようにするものであり、
遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記特別遊技の実行に対応して前記特別遊技の回数に関する所定情報(当たり回数カウンタエリアACの値)を更新する更新手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段による更新は特定値(0又は上限値)を開始値として行われ、当該更新の結果が所定結果(上限値又は0)となった場合に前記特別遊技より後の状態が前記特定状態となることが制限され得るように構成されており、
前記特定手段は、前記所定情報の更新の開始より後、前記所定タイミングにて前記特定状態ではない状況となった場合に、前記所定情報の値が前記特定値に変更される特定制御が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA14のいずれかに記載の遊技機。
【5766】
上記構成では、特別遊技の実行に対応して特別遊技の回数に関する所定情報が更新され、その結果が所定結果になると、特別遊技後の状態が特定状態となることが制限される。また、所定タイミングにて現在の状態が特定状態であるか否かが判定され、その結果が特定状態ではない場合には所定情報の値が更新の開始値である特定値に変更される。この場合、それまでの更新状態がリセットされ、その結果として、制限が発動されるまでの特別遊技の回数が増加する。よって、有利な特定状態での特定判定にて特定結果等になり、特別遊技の終了後、再び特定状態に復帰するループの回数を増加させることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5767】
特徴jA16.前記所定特典付与手段は、前記所定特典の付与として、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技等)が実行されるようにするものであり、
遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記特定状態への移行後、前記特定判定の実行回数(特図遊技回の実行回数)、前記特定判定にて前記所定結果となった回数(小当たり当選の回数)又は前記所定結果の種別が所定種別になった回数(有利小当たり結果Aになった回数)に対応する所定回数が特定回数(上限回数)になったことに基づいて、前記特定状態を終了させることが可能な手段(主制御装置162における変動回数対応の高サポ終了用処理、小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記所定タイミングにて前記特定状態である場合と、前記所定タイミングにて前記特定状態でない場合とで、前記特定回数として異なる回数が設定されることを可能とするものであることを特徴とする特徴jA1乃至特徴jA15のいずれかに記載の遊技機。
【5768】
有利な特定状態への移行後、特定判定の実行回数等に対応する所定回数が特定回数に到達すると、当該特定状態が終了するとともに、特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合の所定タイミングにて現在の状態が特定状態であるか否かが判定され、その結果により、上記特定回数として設定される回数が異なるように構成されている。すなわち、上記所定タイミングでの特定状態の有無により、特別遊技後に移行する特定状態にて実行可能な特定判定の回数等を振り分けることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5769】
なお、上記特徴jA1乃至特徴jA16の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5770】
<特徴jB群>
特徴jB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態やその変形例1~4から抽出されるものである。
【5771】
なお、特徴jB群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5772】
特徴jB1.予め定められた判定契機(作動口62、63への入球)の成立に基づいて特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置162における特図当否判定や小当たり種別判定を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)になった場合に前記遊技回より後に特定遊技(小当たり遊技、高振分態様の小当たり遊技)が行われることを可能とする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
所定の移行契機(大当たり種別が2R大当たり結果A、小当たり種別が有利小当たり結果A~Cになること等)の成立に基づいて特定状態(時短遊技状態等)に移行させる特定状態移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態である状況で前記特定状態の終了契機が成立した場合に、前記遊技回及び前記特定遊技を含む所定遊技動作(特図遊技回及び小当たり遊技を含む特図側遊技)における所定の第1タイミング(変動終了タイミング等)にて前記特定状態が終了されることを可能とする第1手段(主制御装置162における小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理を実行する機能)と、
前記特定状態である状況で前記特定状態の終了契機が成立した場合に、前記第1タイミングとは異なるものであって前記所定遊技動作における所定の第2タイミング(V入賞の発生タイミング等)にて前記特定状態が終了されることを可能とする第2手段(主制御装置162における小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5773】
上記構成では、所定の移行契機が成立することにより特定状態に移行する遊技機において、特定状態への移行後においてその終了契機が成立した場合に、遊技回及びその後に実行される特定遊技を含む所定遊技動作における第1タイミングにて特定状態を終了させる手段と、上記所定遊技動作における第2タイミングにて特定状態を終了させる手段とを備えている。例えば、第1タイミングで特定状態が終了する場合と、第2タイミングで特定状態が終了する場合とで遊技者にとっての有利度合いに差異が生じる構成とすれば、特定判定の結果だけでなく、特定状態の終了タイミングによっても、その後の遊技の展開を異ならせることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5774】
なお、本特徴の「前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定遊技(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)」は、「前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定制御(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定制御実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)」と表現することもできる。このことは「特定遊技」の記載を用いる他の特徴についても同様である。
【5775】
特徴jB2.前記第1タイミングで前記特定状態が終了する場合と、前記第2タイミングで前記特定状態が終了する場合とで遊技者にとっての有利度合いが異なるようにする手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jB1に記載の遊技機。
【5776】
上記構成では、第1タイミングで特定状態が終了する場合と、第2タイミングで特定状態が終了する場合とで遊技者にとっての有利度合いが異なるため、特定判定の結果だけでなく、特定状態の終了タイミングによっても、その後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5777】
なお、本特徴は「前記第1タイミングで前記特定状態が終了する場合と、前記第2タイミングで前記特定状態が終了する場合とで、前記所定遊技動作より後の所定遊技(大当たり遊技後の遊技)の有利度合いが異なるようにする手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)を備えている」と表現することができる。
【5778】
特徴jB3.前記第1タイミングは前記第2タイミングより早いタイミングであり、
前記第2タイミングで前記特定状態が終了する場合よりも前記第1タイミングで前記特定状態が終了する場合の方が遊技者に有利となるようにする手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jB1又は特徴jB2に記載の遊技機。
【5779】
上記構成では、第2タイミングで特定状態が終了するよりも、それも早い第1タイミングで特定状態が終了する場合の方が遊技者にとって有利となる。これにより、第2タイミングが到来する前に第1タイミングにて特定状態が終了することを期待して楽しむ遊技を提供することができる。
【5780】
特徴jB4.前記第1手段は、第1特定事象(有利小当たり結果Aになること等)が発生した場合に前記第1タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記第1特定事象とは異なる第2特定事象(有利小当たり結果B、Cになること等)が発生した場合に前記第2タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とするものであることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB3のいずれかに記載の遊技機。
【5781】
上記構成では、第1特定事象と第2特定事象のいずれが発生するかにより、特定状態の終了タイミングを異ならせることができ、それによって、その後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5782】
特徴jB5.前記特定判定の結果が第1結果(有利小当たり結果A)になった場合に、所定の可変入球手段(第2可変入賞装置66、可変入賞装置A)を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様(閉鎖状態)から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様(開放状態)とし、その後、前記第1態様とする第1可変入球制御を実行することが可能であり、
前記特定判定の結果が前記第1結果とは異なる第2結果(有利小当たり結果B、C)になった場合に、前記所定の可変入球手段又はそれとは異なる可変入球手段(可変入賞装置B)を前記第1態様から前記第2態様とし、その後、前記第1態様とする第2可変入球制御を実行することが可能であり、
前記第1手段は、前記特定状態での前記特定判定の結果が前記第1結果になった場合に前記第1タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記特定状態での前記特定判定の結果が前記第2結果になった場合に前記第2タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とするものであることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB4のいずれかに記載の遊技機。
【5783】
上記構成では、特定判定の結果により、可変入球手段を遊技球が入球可能な状態に切り替える可変入球制御が実行されるほか、特定状態での特定判定の結果により特定状態の終了タイミングを異ならせることができる。この場合、特定判定にて可変入球制御の実行に対応した結果が得られることにより、可変入球制御による恩恵が受けられるのとは別に、特定状態の終了タイミングの違いにより、その後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5784】
特徴jB6.前記特定判定の結果が第1結果(有利小当たり結果A)になった場合に、第1可変入球手段(可変入賞装置A)を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様とし、その後、前記第1態様とする第1可変入球制御を実行することが可能であり、
前記特定判定の結果が前記第1結果とは異なる第2結果(有利小当たり結果B、C)になった場合に、前記第1可変入球手段とは異なる第2可変入球手段(可変入賞装置B)を前記第1態様から前記第2態様とし、その後、前記第1態様とする第2可変入球制御を実行することが可能であり、
前記第1手段は、前記特定状態での前記特定判定の結果が前記第1結果になった場合に前記第1タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記特定状態での前記特定判定の結果が前記第2結果になった場合に前記第2タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とするものであることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB5のいずれかに記載の遊技機。
【5785】
上記構成では、特定判定の結果により、可変入球手段を遊技球が入球可能な状態に切り替える可変入球制御が実行されるほか、特定状態での特定判定の結果により特定状態の終了タイミングを異ならせることができる。この場合、特定判定にて可変入球制御の実行に対応した結果が得られることにより、可変入球制御による恩恵が受けられるのとは別に、特定状態の終了タイミングの違いにより、その後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5786】
その際、第1タイミングで特定状態を終了させる第1結果の場合は、第1可変入球手段にて可変入球制御が実行され、第2タイミングで特定状態を終了させる第2結果の場合は、第2可変入球手段にて可変入球制御が実行される。このような構成であることで、可変入球制御の実行対象がいずれの可変入球手段であるかにより、特定状態の終了タイミングを示唆することができる。これにより、特定状態がいずれのタイミングで終了するかへの遊技者の関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
【5787】
特徴jB7.前記第1タイミングは前記第2タイミングより早いタイミングであり、
前記第1タイミングより後で且つ前記第2タイミングより前の特定タイミング(V入賞の発生タイミング等)にて前記特定状態であるか否かを判定する手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
前記特定タイミングにて前記特定状態である場合とそうでない場合とで遊技者にとっての有利度合いが異なるようにする手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB6のいずれかに記載の遊技機。
【5788】
上記構成では、第1タイミングより後で且つ第2タイミングより前の特定タイミングにて特定状態であるか否かを判定する手段を備えている。この場合、第1タイミングで特定状態を終了させる場合と第2タイミングで特定状態を終了させる場合とがあることで、特定状態であるか否かの判定タイミングの前後に特定状態の終了タイミングを設けることができ、当該判定タイミングにて特定状態である場合とそうでない場合とを生じさせることができる。そして、その結果により有利度合いを異ならせる手段を備えるため、第1タイミングと第2タイミングのいずれで特定状態が終了するかにより、その後の遊技の展開に差異を生じさせることが可能になる。
【5789】
特徴jB8.前記特定遊技にて所定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行されるようにする特別遊技実行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記所定事象の発生に対応した特定タイミングにて前記特定状態であるか否かの状態判定を行う手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
前記状態判定にて前記特定状態であると判定された場合とそうでない場合とで遊技者にとっての有利度合いが異なるようにする手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1タイミングは前記特定タイミングより前のタイミングであり、前記第2タイミングは前記特定タイミングより後のタイミングであることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB7のいずれかに記載の遊技機。
【5790】
所定事象の発生は特別遊技の実行契機として機能するため、所定事象の発生タイミングは当選タイミングの1つとして見ることができる。そのような構成において、本特徴では、そのタイミングに対応して特定状態であるか否かの判定が行われるため、当選タイミングでの状態として特定状態である場合とそうでない場合との2状態を取ることができ、当選タイミングでの状態に応じて遊技性を変化させ得る遊技機に対して好適な構成とすることができる。
【5791】
特徴jB9.前記特定状態であるか否かを遊技者が認識できる所定報知が実行されるようにする手段(時短ランプ等)を備えていることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB8のいずれかに記載の遊技機。
【5792】
上記構成では、いずれのタイミングで特定状態が終了するかを所定報知により遊技者に認識させることができる。これにより、特定状態がいずれのタイミングで終了するかへの遊技者の関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
【5793】
特徴jB10.前記特定遊技にて所定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行されるようにする特別遊技実行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記第1タイミングで前記特定状態が終了する場合と、前記第2タイミングで前記特定状態が終了する場合とで、前記特別遊技より後の遊技の有利度合いが異なるようにする手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB9のいずれかに記載の遊技機。
【5794】
上記構成によれば、特定判定の結果が所定結果となり、その後、所定事象が発生することにより、遊技者に有利な特別遊技が実行されるほか、第1タイミングと第2タイミングのいずれで特定状態が終了するかにより、特別遊技が終了した後の遊技の展開に差異が生じる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5795】
特徴jB11.前記特定遊技にて所定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行されるようにする特別遊技実行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記第1タイミングで前記特定状態が終了する第1状態と前記第2タイミングで前記特定状態が終了する第2状態との一方の場合に、前記特別遊技の終了後の遊技が前記特定状態で行われることを可能とする手段(残り大当たり回数が0回の状況で有利小当たり結果Aとなった場合に時短リミッタ値を再セットする機能)と、
前記第1状態と前記第2状態との他方の場合に、前記特別遊技の終了後の遊技が前記所定状態で行われることを可能とする手段(残り大当たり回数が0回の状況で有利小当たり結果B、Cとなった場合に時短リミッタ値を再セットしない機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB10のいずれかに記載の遊技機。
【5796】
上記構成によれば、特定判定の結果が所定結果となり、その後、所定事象が発生することにより、遊技者に有利な特別遊技が実行されるほか、第1タイミングと第2タイミングのいずれで特定状態が終了するかにより、特別遊技の終了後に特定状態とそれよりも不利な所定状態とのいずれに移行するかが振り分けられる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5797】
特徴jB12.前記特定遊技にて所定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行されるようにする特別遊技実行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)を備え、
遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記特別遊技の実行に対応して前記特別遊技の回数に関する所定情報(当たり回数カウンタエリアACの値)を更新する更新手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)を備え、
前記更新手段による更新は特定値(0又は上限値)を開始値として行われ、当該更新の結果が所定結果(上限値又は0)となった場合に前記特別遊技より後の状態が前記特定状態となることが制限され得るように構成されており、
前記所定情報の更新の開始より後、前記第1タイミングで前記特定状態が終了する状況となった場合に、前記所定情報の値が前記特定値に変更される特定制御が実行されるようにする手段(主制御装置162における当たり回数クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB11のいずれかに記載の遊技機。
【5798】
上記構成では、特別遊技の実行に対応して特別遊技の回数に関する所定情報が更新され、その結果が所定結果になると、特別遊技後の状態が特定状態となることが制限される。また、第1タイミングで特定状態が終了する場合には所定情報の値が更新の開始値である特定値に変更される。この場合、それまでの更新状態がリセットされ、その結果として、制限が発動されるまでの特別遊技の回数が増加する。これにより、有利な特定状態にて行われた特定判定を契機として特別遊技が実行され、その後、再び特定状態に復帰するループの回数が増えた状態とすることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5799】
特徴jB13.前記特定遊技にて所定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行されるようにする特別遊技実行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記特定状態への移行後、前記特定判定の実行回数(特図遊技回の実行回数)、前記特定判定にて前記所定結果となった回数(小当たり当選の回数)又は前記所定結果の種別が所定種別になった回数(有利小当たり結果Aになった回数)に対応する所定回数が特定回数(上限回数)になったことに基づいて、前記特定状態を終了させることが可能な手段(主制御装置162における変動回数対応の高サポ終了用処理、小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行する機能)と、
前記第1タイミングで前記特定状態が終了する場合と、前記第2タイミングで前記特定状態が終了する場合とで、前記特定回数として異なる回数が設定されることを可能とする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jB1乃至特徴jB12のいずれかに記載の遊技機。
【5800】
上記構成では、有利な特定状態への移行後、特定判定の実行回数等に対応する所定回数が特定回数に到達すると、当該特定状態が終了するとともに、第1タイミングと第2タイミングのいずれで特定状態が終了するかにより、上記特定回数として異なる回数が設定されるように構成されている。すなわち、特定状態の終了タイミングの違いにより、特別遊技後に移行する特定状態にて実行可能な特定判定の回数等を振り分けることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5801】
なお、上記特徴jB1乃至特徴jB13の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5802】
<特徴jC群>
特徴jC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態やその変形例1~4から抽出されるものである。
【5803】
なお、特徴jC群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5804】
特徴jC1.予め定められた判定契機(作動口62、63への入球)の成立に基づいて特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置162における特図当否判定や小当たり種別判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)となった場合に特定遊技(小当たり遊技、高振分態様の小当たり遊技)が行われることを可能とする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技にて第1特定事象(V入賞)が発生した場合に遊技者に所定特典(大当たり遊技等)を付与することが可能な所定特典付与手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
を備え、
移行可能な状態として所定状態(通常遊技状態等)よりも遊技者に有利な特定状態(時短遊技状態等)を有しており、
前記特定状態で行われた前記特定判定の結果に基づいて所定の前記特定遊技が実行され、その特定遊技において前記第1特定事象とは異なる第2特定事象(パンク)が発生した場合に、前記特定状態が終了されることを可能とする第1手段(第5の実施の形態において、時短遊技状態中に有利小当たり結果B、Cとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させる機能、第5の実施の形態の変形例1において、時短遊技状態C、Dにて有利小当たり結果B、Cとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させる機能等)と、
前記特定状態で行われた前記特定判定の結果に基づいて所定の前記特定遊技が実行され、その特定遊技において前記第2特定事象が発生した場合に、前記特定状態が継続されることを可能とする第2手段(第5の実施の形態において、時短遊技状態中に有利小当たり結果Aとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させない機能、第5の実施の形態の変形例1において、時短遊技状態A、Bにて有利小当たり結果B、Cとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させない機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5805】
上記構成では、特定判定の結果が所定結果となることに基づいて特定遊技が実行され、その特定遊技にて第1特定事象が発生することにより遊技者に所定特典が付与される。また、所定の移行条件が成立することで所定状態よりも有利な特定状態に移行するように構成されている。そのような構成の下、特定状態中に特定遊技が実行され、その特定遊技において第2特定事象が発生した際に特定状態が終了する場合と終了しない場合とが生じるものとなっている。例えば、第1特定事象を生じさせた場合の結果が相対的に有利な有利側の特定遊技と相対的に不利な不利側の特定遊技とを有する場合において、不利側の特定遊技にて第2特定事象を生じさせると特定状態が終了する構成とすれば、有利側の特定遊技が実行されることを待つべく、意図的に第1特定事象を発生させないようにする攻略行為を抑制できる。その際、有利側の特定遊技にて第2特定事象を生じさせても特定状態が終了しない構成とすれば、上記攻略行為の抑制を行う中で、有利側の特定遊技において遊技者の意に反して第2特定事象が発生してしまった場合の救済を図ることができる。また、ある状況では、特定遊技にて第2特定事象を生じさせると特定状態が終了する一方で、他の状況では、特定遊技にて第2特定事象を生じさせても特定状態が終了しない構成とすることで、前者の状況では、第1特定事象を意図的に発生させない行為が抑制されつつ、後者の状況では、そのような行為が許容されるようになる遊技性を実現することができる。
【5806】
なお、本特徴の「前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)となった場合に特定遊技(小当たり遊技、高振分態様の小当たり遊技)が行われることを可能とする特定遊技実行手段」は、「前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)となった場合に特定制御(小当たり遊技、高振分態様の小当たり遊技)が実行されるようにする特定制御実行手段」と表現することもできる。このことは「特定遊技」の記載を用いる他の特徴についても同様である。
【5807】
特徴jC2.前記特定判定の結果が第1所定結果(有利小当たり結果B、C)となった場合に第1特定遊技(有利小当たり結果B、Cへの当選を契機とする小当たり遊技)が実行可能とされ、前記特定判定の結果が前記第1所定結果より遊技者に有利な第2所定結果(有利小当たり結果A)となった場合に第2特定遊技(有利小当たり結果Aへの当選を契機とする小当たり遊技)が実行可能とされる構成であり、
前記第1手段は、前記特定状態にて所定の前記第1特定遊技が実行され、その第1特定遊技において前記第2特定事象が発生した場合に、前記特定状態が終了されることを可能とするものである(第5の実施の形態において、時短遊技状態中に有利小当たり結果B、Cとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させる機能)ことを特徴とする特徴jC1に記載の遊技機。
【5808】
上記構成では、特定遊技の契機となる所定結果について相対的に不利な第1所定結果と相対的に有利な第2所定結果とが設けられている。このような構成においては、特定判定の結果が不利側の第1所定結果となり、それに対応して行われる第1特定遊技にて意図的に第1特定事象を発生させないようにしつつ、特定判定の結果が有利側の第2所定結果になった場合を狙って、それに対応する第2特定遊技にて第1特定事象を発生させる攻略行為が想定される。この点、本特徴では、上記第1特定遊技にて第1特定事象を発生させず、第2特定事象を発生させると、遊技者にとって有利な特定状態が終了するように構成されている。これにより、上記第1特定遊技にて意図的に第1特定事象を発生させない行為が行われることが抑制され、遊技の公平性を確保することが可能になる。
【5809】
特徴jC3.前記特定判定の結果が第1所定結果(有利小当たり結果B、C)となった場合に第1特定遊技(有利小当たり結果B、Cへの当選を契機とする小当たり遊技)が実行可能とされ、前記特定判定の結果が前記第1所定結果より遊技者に有利な第2所定結果(有利小当たり結果A)となった場合に第2特定遊技(有利小当たり結果Aへの当選を契機とする小当たり遊技)が実行可能とされる構成であり、
前記第2手段は、前記特定状態にて所定の前記第2特定遊技が実行され、その第2特定遊技において前記第2特定事象が発生した場合に、その第2特定遊技より後の遊技が前記特定状態にて行われることを可能とするものである(第5の実施の形態において、時短遊技状態中に有利小当たり結果B、Cとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させる機能)ことを特徴とする特徴jC1又は特徴jC2に記載の遊技機。
【5810】
特定状態での特定判定にて遊技者に有利な第2所定結果となり、それに対応する第2特定遊技において第2特定事象が発生した場合に、当該第2特定遊技の終了後も特定状態が継続されるように構成されている。これにより、上記第2特定遊技の実行時にて遊技者としては第1特定事象を生じさせるべく遊技を行っていたにもかかわらず、その意に反して第2特定事象が発生してしまった場合に、その救済を図ることができる。
【5811】
特徴jC4.前記所定結果に対応した所定の報知(リーチ当たりA演出等)が前記特定遊技の開始より前に所定の報知手段(図柄表示装置75等)にて行われるようにする手段(演出制御装置143における図柄列Z1~Z3の変動表示を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC3のいずれかに記載の遊技機。
【5812】
上記構成では、特定判定にて所定結果となった場合に、当該所定結果に対応した報知が特定遊技の開始前に実行される。例えば、所定結果の中でも有利な結果と不利な結果とを有する場合であれば、上記のような事前報知を行うことで、有利な結果になった際にそれを遊技者に速やかに知らせることができ、遊技者の喜びを好適に誘うことができる。しかしながら、不利な結果になった場合にも同様に、その結果を遊技者が認識できるものとなり、それに対応する特定遊技にて意図的に第1特定事象を生じさせない行為が行われる懸念がある。このような構成において、上記特徴jC1から特徴jC3のいずれかの構成に係る第1手段を備えることで、そのような行為が行われることを抑制できる。また、有利な結果になった場合において、遊技者としては第1特定事象を生じさせるべく遊技を行っていたにもかかわらず、その意に反して第2特定事象が発生してしまった場合、有利な結果になったことを遊技者が知っていたが故にその落胆が大きくなることが想定される。このような場合において、上記特徴jC1乃至特徴jC3のいずれかの構成に係る第2手段を備えることで、その救済を図ることができる。
【5813】
特徴jC5.前記特定状態として、第1移行契機(有利小当たり結果B、Cになること)の成立に基づいて移行する第1特定状態(時短遊技状態D)と、第2移行契機(2R大当たり結果になること)の成立に基づいて移行する第2特定状態(時短遊技状態A)とを有しており、
前記第1手段は、前記第1特定状態にて所定の前記特定遊技が実行され、その特定遊技において前記第2特定事象が発生した場合に、前記第1特定状態が終了されることを可能とするものであり(第5の実施の形態の変形例1において、時短遊技状態Dにて有利小当たり結果B、Cとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させる機能)、
前記第2手段は、前記第2特定状態にて所定の前記特定遊技が実行され、その特定遊技において前記第2特定事象が発生した場合に、その特定遊技より後の遊技が前記第2特定状態にて行われることを可能とするものである(第5の実施の形態の変形例1において、時短遊技状態Aにて有利小当たり結果B、Cとなり、それを契機として行われる小当たり遊技にてパンクが発生した場合に、時短遊技状態を終了させない機能)ことを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC4のいずれかに記載の遊技機。
【5814】
上記構成では、特定状態として第1特定状態と第2特定状態とを有しており、第1特定状態では特定遊技にて第2特定事象が発生すると、第1特定状態が終了し、第2特定状態では特定遊技にて第2特定事象が発生しても第2特定状態が終了しないものとなっている。この場合、第1特定状態では、特定遊技にて第1特定事象を発生させないと、第1特定状態(所定状態よりも有利な状態)が終了してしまうため、遊技者が特定遊技を選んで第1特定事象を発生させる遊技が規制される。一方で、第2特定状態では、特定遊技にて第1特定事象を発生させなくても第2特定状態が終了しないため、遊技者が特定遊技を選んで第1特定事象を発生させる遊技が許容される。このような構成であることで、第1特定状態と第2特定状態とで遊技性を大きく異ならせることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5815】
特徴jC6.前記第2特定状態にて前記特定判定の結果が第1所定結果(有利小当たり結果B、C)となった場合に第1特定遊技(有利小当たり結果B、Cへの当選を契機とする小当たり遊技)が実行可能とされ、前記第2特定状態にて前記特定判定の結果が前記第1所定結果より遊技者に有利な第2所定結果(有利小当たり結果A)となった場合に第2特定遊技(有利小当たり結果Aへの当選を契機とする小当たり遊技)が実行可能とされる構成であり、
前記第2手段は、少なくとも前記第1特定遊技にて前記第2特定事象が発生した場合に、その第1特定遊技より後の遊技が前記第2特定状態にて行われることを可能とするものであることを特徴とする特徴jC5に記載の遊技機。
【5816】
上記構成では、第2特定状態での特定判定にて取り得る所定結果として相対的に不利な第1所定結果と相対的に有利な第2所定結果とが設けられており、不利側の第1所定結果に対応して実行される第1特定遊技にて第1特定事象を発生させなくても第2特定状態が終了しないものとなっている。このため、第2特定状態では、有利側の第2所定結果となり、それに対応する第2特定遊技が実行される場合を狙って第1特定事象を発生させる遊技を行うことができる。
【5817】
特徴jC7.前記第2特定状態において前記第1特定遊技が行われる場合に第1所定報知(促進用画像973の表示)が行われるようにする手段と、
前記第2特定状態において前記第2特定遊技が行われる場合に前記第1所定報知とは異なる第2所定報知(回避用画像971の表示)が行われるようにする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jC6に記載の遊技機。
【5818】
上記構成では、相対的に不利な第1所定結果になったことに対応して第1特定遊技が行われる場合と、相対的に有利な第2所定結果になったことに対応して第2特定遊技が行われる場合とで異なる所定報知が実行される。これにより、第1特定事象を生じさせるべきか否かを報知によって補助することができ、第1特定遊技と第2特定遊技とのいずれが行われているかを遊技者が逐一意識しなくても、第2特定遊技の場合に第1特定事象を発生させることが可能になる。
【5819】
特徴jC8.前記特定遊技の実行態様として、第1実行態様(高振分態様)と、前記第1実行態様より前記第2特定事象が生じやすい第2実行態様(低振分態様)とを有しており、
前記第2手段は、前記第2特定状態にて、実行態様が前記第2実行態様の所定の前記特定遊技が実行され、その特定遊技において前記第2特定事象が発生した場合に、その特定遊技より後の遊技が前記特定状態にて行われることを可能とするものであることを特徴とする特徴jC5乃至特徴jC7のいずれかに記載の遊技機。
【5820】
第2特定状態にて、第2特定事象が生じやすい第2実行態様の特定遊技が実行され、その特定遊技にて第2特定事象が発生した場合に第2特定状態が終了しないように構成されている。例えば、第1特定事象を生じさせるべきでない特定遊技を上記第2実行態様にて行うようにすれば、遊技者が意識しなくても自然と第2特定事象が生じやすくなり、第1特定事象を生じさせるべき特定遊技を狙って第1特定事象を発生させる遊技を行いやすくすることが可能になる。
【5821】
特徴jC9.図柄が可変表示され、前記特定判定の結果に対応した停止結果とされることを1回として遊技回(特図遊技回)が実行されるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記特定状態への移行後、遊技回の回数が特定回数となった場合に前記特定状態が終了されることを可能とする手段(主制御装置162における変動回数対応の高サポ終了用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定状態の前記特定回数として第1回数(3回)を設定し、前記第2特定状態の前記特定回数として前記第1回数より多い第2回数(100回)を設定することが可能であることを特徴とする特徴jC5乃至特徴jC8のいずれかに記載の遊技機。
【5822】
上記構成では、特定状態への移行後、遊技回の実行回数が特定回数に到達することで、その特定状態が終了するようにした上で、特定遊技を選んで第1特定事象を発生させる遊技が許容される第2特定状態の特定回数が、そのような遊技が規制される第1特定状態の回数よりも多い回数に設定される。この場合、第2特定状態においては、第1特定事象を発生させずに特定遊技を見送っても次の所定結果への当選が見込みやすくなり、特定遊技を選んで第1特定事象を発生させる遊技を行いやすくすることが可能になる。
【5823】
特徴jC10.前記第1手段により前記特定状態が終了された状況で、遊技者が前記特定状態の終了を認識することが可能な特定報知(終了報知画像963の表示)が実行されるようにする特定報知手段を備えていることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC9のいずれかに記載の遊技機。
【5824】
上記構成では、特定遊技を選んで第1特定事象を発生させる遊技が規制される第1特定遊技において、特定遊技にて第2特定事象を生じさせたことにより特定状態が終了した場合に、特定状態の終了を遊技者に知らせる特定報知が実行される。これにより、特定遊技での第1特定事象の発生を意図的に見送ると、特定状態(所定状態より有利な状態)が終了してしまうことへの意識付けが遊技者の中で構築されやすくなり、攻略行為の抑止効果を高めることが可能になる。
【5825】
特徴jC11.図柄が可変表示される所定表示手段(図柄表示装置75)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知に対応する特定表示(終了報知画像963)が前記所定表示手段にて行われるようにするものであり、
前記特定状態の終了後、図柄が可変表示されている所定の状況で前記特定表示を実行することが可能であり、前記所定の状況で前記特定表示を実行する場合に、前記特定表示を図柄の手前側にて実行することが可能であることを特徴とする特徴jC10に記載の遊技機。
【5826】
上記構成では、図柄が可変表示される表示手段にて特定報知に対応する特定表示を行いつつ、その実行期間を図柄の可変表示と重複させて当該期間を比較的に長く確保するため、遊技者が特定表示に気付きやすくすることができ、上記意識付けの促進を図ることが可能になる。その際、特定表示を図柄の手前側に表示するため、図柄により特定表示が隠されることが抑制され、遊技者が特定表示を視認しやすくすることが可能になる。
【5827】
特徴jC12.前記特定状態は、前記所定状態より前記特定遊技が実行されやすいものであることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC11のいずれかに記載の遊技機。
【5828】
上記構成では、特定状態にて所定状態よりも特定遊技が実行されやすくなっている。この場合、特定遊技にて第2特定事象を生じさせたことより特定状態が終了すると、特定遊技が行われにくくなり、延いては所定特典を獲得しにくくなる。つまり、当該終了により遊技者にとっての有利度合いが大きく低下するものとなり、攻略行為の抑止効果を高めることが可能になる。
【5829】
特徴jC13.前記特定遊技の開始より後、所定条件(上限開放時間の経過)の成立に基づいて前記特定遊技を終了させる手段(主制御装置162における小当たり用開閉処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技の開始より後、前記第1特定事象が発生することなく前記所定条件が成立した場合に、前記第2特定事象が発生するように構成されていることを特徴とする特徴jC1乃至特徴jC12のいずれかに記載の遊技機。
【5830】
上記構成では、第2特定事象が特定遊技におけるいわゆるパンクとなる。このような構成に対して特徴jC1から特徴jC12のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
【5831】
なお、上記特徴jC1乃至特徴jC13の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5832】
<特徴jD群>
特徴jD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態の変形例2から抽出されるものである。
【5833】
なお、特徴jD群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5834】
特徴jD1.予め定められた取得条件(第2作動口63への入球)が成立したことに基づいて所定の判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された判定用情報に基づいて特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置162における特図当否判定や小当たり種別判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて、又は前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)となった後、特定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に所定特典(大当たり遊技等)を付与する特典付与手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも遊技回の実行中である状況で前記取得条件が成立した場合に当該成立に基づく判定用情報を保留記憶することが可能な保留記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
所定の移行契機(大当たり種別が2R大当たり結果A、小当たり種別が有利小当たり結果A~Cになること等)の成立に基づいて特定状態(時短遊技状態等)に移行させる特定状態移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合と、前記特定状態より後、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合とで、前記特定判定の結果又は前記特定事象の発生の価値が異なることを可能とする特定手段(第5の実施の形態の変形例2において、時短遊技状態で有利小当たりBとなってV入賞した場合に6RV大当たり遊技が実行され、時短遊技状態後の残り保留の遊技回で有利小当たりBとなってV入賞した場合に6RV大当たり遊技に加えて時短リミッタ値の再セットが実行されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5835】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果になることにより、又は特定判定の結果が所定結果となり、その後、特定事象が発生することにより、遊技者に所定特典が付与される構成の下、所定の移行契機の成立により特定状態に移行し、その特定状態中に行われた特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合と、特定状態で保留記憶された判定用情報に基づき、その特定状態の終了後に行われた特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合とで、特定判定の結果や特定事象の発生の価値が異なる。このような構成であることにより、特定状態中に取得された判定用情報について特定判定の結果が同じ結果であっても、その特定判定の実行されるときの状況によって遊技の展開を異ならせることができる。これにより、例えば、特定結果や所定結果の種別のみにより特定判定の結果や特定事象の発生の価値が定まる場合に比べ、特定結果になった場合や特定事象が発生した場合の遊技を多様化することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5836】
特徴jD2.前記特定手段は、前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合よりも、前記特定状態より後、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合の方が、前記特定判定の結果又は前記特定事象の発生に対応する特典が有利となることを可能とするものである(時短遊技状態で有利小当たり結果Bになった場合の特典が6RV大当たり遊技とされ、残り保留の遊技回で有利小当たり結果Bになった場合の特典が6RV大当たり遊技に加えて時短リミッタ値の再セットとされるようにする機能)ことを特徴とする特徴jD1に記載の遊技機。
【5837】
上記構成では、特定状態で保留記憶された判定用情報に基づき、その特定状態の終了後に特定結果又は所定結果になると、特定状態中に特定結果又は所定結果になる場合に比べて、特定判定の結果や特定事象の発生に対する特典が有利となる。例えば、特定状態自体が有利なものであった場合、その特定状態が終了することで、遊技者が落胆して遊技意欲の低下を招くおそれがある。この点、本特徴の構成を有することで、特定状態が終了した後の遊技に遊技者が大いに期待することができ、特定状態の終了後も好適に期待感を持続させることが可能になる。その際、特定状態中に保留記憶された判定用情報に基づいて行われた特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合を対象として有利な特典が付与されるため、有利な特典の付与対象となる遊技回が一定の範囲に制限され、遊技者にとって過剰に有利となることを抑制できる。
【5838】
特徴jD3.前記特定手段は、前記特定状態より後、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合に、特定特典(時短リミッタ値の再セット)が付与されることを可能とする手段(残り保留の遊技回で有利小当たり結果Bになった場合に時短リミッタ値が再セットされるようにする機能)を備え、
前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合に、前記特定特典が付与されないように構成されている(時短遊技状態で有利小当たり結果Bになった場合に時短リミッタ値が再セットされないようにする構成)ことを特徴とする特徴jD1又は特徴jD2に記載の遊技機。
【5839】
上記構成では、特定状態で保留記憶された判定用情報に基づき、その特定状態の終了後特定結果又は所定結果になると、特定特典が付与される一方で、特定状態中に特定結果又は所定結果になっても、そのような特定特典の付与は行われない。すなわち、特定状態の終了後の遊技に特化して特定特典の付与がなされるため、特定状態が終了した後の遊技に遊技者が大いに期待することができ、特定状態の終了後も好適に期待感を持続させることが可能になる。
【5840】
特徴jD4.前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合に特定特典(時短リミッタ値の再セット等)を付与可能な構成とされており、
前記特定手段は、前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合よりも、前記特定状態より後、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合の方が、前記特定特典が付与されやすいことを可能とするものである(時短遊技状態中に小当たり結果となった場合に、その種別が有利小当たり結果Aである場合にのみ時短リミッタ値が再セットされ、時短遊技状態後の残り保留の遊技回で小当たり結果となった場合に、その種別が有利小当たり結果A~Cのいずれでも時短リミッタ値が再セットされるようにする機能)ことを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD3のいずれかに記載の遊技機。
【5841】
上記構成では、特定状態で保留記憶された判定用情報に基づき、その特定状態の終了後特定結果又は所定結果になると、特定特典の付与期待値が高まるものとなっている。これにより、特定状態が終了した後の遊技に遊技者が大いに期待することができ、特定状態の終了後も好適に期待感を持続させることが可能になる。
【5842】
特徴jD5.前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合と、前記特定状態より後、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合とで、前記特定結果又は前記所定結果に対応する報知(当たり報知時の図柄の種類)又はその態様(図柄の表示色等)が異なることを可能とする手段(時短遊技状態で有利小当たり結果Bになった場合に7以外の奇数図柄により当たり報知が行われ、残り保留の遊技回で有利小当たり結果Bになった場合に7図柄により当たり報知が行われるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD4のいずれかに記載の遊技機。
【5843】
上記構成では、特定状態で保留記憶された判定用情報に基づき、その特定状態の終了後特定結果又は所定結果になった場合と、特定状態中に特定結果又は所定結果になった場合とで、特定結果又は所定結果に対応する当選報知又はその態様が異なるものとなっている。この場合、特定状態が終了しているのかを否かを遊技者が逐一把握していなくても、上記当選報知やその態様から有利度合いや付与される特典が異なる状況で特定結果等になったことを認識することができ、遊技を行いやすい構成とすることができる。
【5844】
特徴jD6.前記特定状態への移行後、遊技回の回数が特定回数となった場合に前記特定状態が終了されることを可能とする手段(主制御装置162における変動回数対応の高サポ終了用処理を実行する機能)と、
前記特定状態にて取得される判定用情報の保留記憶の上限数(2個)がその特定状態の前記特定回数(3回)より少なくなるようにする手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD5のいずれかに記載の遊技機。
【5845】
上記構成では、特定状態への移行後、遊技回の回数が特定回数になるまで特定状態が継続されるところ、その特定回数として判定用情報の保留記憶数の上限数よりも多い回数を設定することが可能となっている。この場合、特定状態の終了後に実行できる特定判定の回数が、特定状態にて実行できる特定判定の回数よりも少なくなり、その遊技期間を短く制限することができる。これにより、特定状態が終了した後の遊技にて当該遊技が終了してしまうことへの遊技者のドキドキ感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることが可能になる。
【5846】
特徴jD7.前記特定状態への移行後、遊技回の回数が特定回数となった場合に前記特定状態が終了されることを可能とする手段(主制御装置162における変動回数対応の高サポ終了用処理を実行する機能)と、
前記特定状態として、第1移行契機の成立に基づいて移行する第1特定状態(時短遊技状態a)と、第2移行契機の成立に基づいて移行する第2特定状態(時短遊技状態b)とを有しており、
前記第1特定状態の前記特定回数を第1回数とする手段と、
前記第2特定状態の前記特定回数を前記第1回数より少ない第2回数とする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD6のいずれかに記載の遊技機。
【5847】
特定状態として第1特定状態と第2特定状態とを有しており、第1特定状態では、遊技回を実行可能な特定回数として相対的に多い第1回数が設定され、第2特定状態では、上記特定回数として相対的に少ない第2回数が設定される。この場合、第1特定状態は、当該第1特定状態の中で特定結果又は所定結果になりやすい一方、第2特定状態は、特定結果等にならないまま終了しやすく、第2特定状態後の遊技が行われやすくなる。上記特徴jD1の構成を有する遊技機において、特定状態の種別により特定状態の終了後の遊技の行われやすさを異ならせることで、例えば、終了後の遊技にて特定結果等になると、有利な特典が付与されるような構成であれば、特定回数が少ない側の第2特定状態に移行することへの期待感を喚起することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5848】
特徴jD8.前記第1回数は、前記第1特定状態にて取得される判定用情報の保留記憶の上限数(2個)より多い数であり、
前記第2回数は、前記第2特定状態にて取得される判定用情報の保留記憶の上限数(2個)より少ない数であることを特徴とする特徴jD7に記載の遊技機。
【5849】
上記構成では、第2特定状態の特定回数である第2回数が、当該第2特定状態での判定用情報の保留記憶数の上限数より少ない数とされている。この場合、第2特定状態の終了後の遊技にて実行される特定判定の回数が、第2特定状態にて実行される特定判定の回数よりも多くなり、終了後の遊技の方が支配的になる。この場合、主として第2特定状態の終了後の遊技にて特定結果等になることを目指すものとなり、当該終了後の遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
【5850】
特徴jD9.遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、
前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であり、
前記特定手段は、前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合よりも、前記特定状態より後、前記特定状態にて保留記憶された判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合の方が、前記特定判定の結果又は前記特定事象の発生に対応する特典が有利となることを可能とするものである(時短遊技状態で有利小当たり結果Bになった場合の特典が6RV大当たり遊技とされ、残り保留の遊技回で有利小当たり結果Bになった場合の特典が6RV大当たり遊技に加えて時短リミッタ値の再セットとされるようにする機能)ことを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD8のいずれかに記載の遊技機。
【5851】
上記構成では、特定状態が有利なものとなっており、そのような特定状態が終了した場合には遊技者が落胆して遊技意欲の低下を招くおそれがある。この点、特定状態の終了後に特定結果又は所定結果になると、特定状態中に特定結果又は所定結果になる場合に比べて、特定判定の結果や特定事象の発生に対する特典が有利となるため、特定状態が終了した後の遊技に遊技者が大いに期待することができ、特定状態の終了後も好適に期待感を持続させることが可能になる。
【5852】
特徴jD10.前記情報取得手段により取得された所定の判定用情報について当該所定の判定用情報が前記特定判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その判定用情報が前記特定判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された結果に基づいて特定報知(保留予告)が所定の報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)と、
前記特定状態である状況で取得され且つその特定状態の終了より後の遊技回に対応する判定用情報についての所定の前記特定報知が所定の状況(先の保留情報が小当たり結果に対応する状況等)で制限されることを可能とする特定手段(第5の実施の形態の変形例2に係る演出制御装置143において保留予告用の可否判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jD1乃至特徴jD9のいずれかに記載の遊技機。
【5853】
上記構成では、取得された所定の判定用情報についての特定判定の結果が、その判定用情報が特定判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定され、その結果に基づいて特定報知が行われる。これにより、当該遊技回の実行前から当該遊技回にて特定結果や所定結果が発生することへの期待感を喚起することができ、遊技の興趣を高めることができる。
【5854】
しかしながら、特徴jD1の構成では、特定状態中に特定結果等になった場合と特定状態の終了後に特定結果等になった場合とで、特定判定の結果や特定事象の発生の価値が異なるところ、保留記憶の時点では、その判定用情報が特定状態後の特定判定に対応していても、それよりも前の保留記憶に対応する特定判定にて特定結果等になると、その判定用情報が次の特定状態の中で行われる特定判定に対応するものに変化し、判定用情報の取得時と特定判定の実行時とで上記価値の不整合が生じ得る。この点、所定の状況では、取得時点において特定状態後の特定判定に対応する判定用情報についての上記特定報知の実行を制限可能であるため、上記不整合に起因して遊技者に不愉快な印象を与えることを抑制でき、上記特定報知を用いた遊技演出の好適化を図ることが可能になる。
【5855】
なお、上記特徴jD1乃至特徴jD10の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5856】
<特徴jE群>
特徴jE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態の変形例2から抽出されるものである。
【5857】
なお、特徴jE群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技演出の好適化を図る上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5858】
特徴jE1.予め定められた取得条件(第2作動口63への入球)が成立したことに基づいて判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段より取得された判定用情報に基づいて特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置162における当否抽選を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて、又は前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)となった後、特定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に所定特典(大当たり遊技等)を付与する所定特典付与手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも遊技回の実行中である状況で前記取得条件が成立した場合に当該成立に基づく判定用情報を保留記憶することが可能な保留記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記情報取得手段により取得された所定の判定用情報について当該所定の判定用情報が前記特定判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その判定用情報が前記特定判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定された結果に基づいて特定報知(保留予告)が所定の報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)と、
所定の移行契機(大当たり種別が2R大当たり結果A、小当たり種別が有利小当たり結果A~Cになること等)の成立に基づいて特定状態(時短遊技状態等)に移行させる特定状態移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態にて取得され且つその特定状態の終了より後の遊技回に対応する特定の判定用情報について所定の前記特定報知の制限状態とされることを可能とする特定手段(第5の実施の形態の変形例2に係る演出制御装置143において保留予告用の可否判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5859】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果になることにより、又は特定判定の結果が所定結果となり、その後、特定事象が発生することにより、遊技者に所定特典が付与される構成の下、取得された所定の判定用情報についての特定判定の結果が、その判定用情報が特定判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定され、その結果に基づいて当該判定用情報に対応する遊技回の実行前に特定報知(先読み報知)が行われる。これにより、当該遊技回の実行前から当該遊技回にて特定結果や所定結果が発生することへの期待感を喚起することができ、遊技の興趣を高めることができる。しかしながら、特定状態にて取得された判定用情報についての遊技回がその特定状態の終了後に行われる場合において、当該判定用情報についての特定判定の結果が事前に知らされると、遊技者が特定状態での遊技を楽しみにくくなる場合がある。この点、特定状態にて取得された判定用情報がその特定状態の終了後の遊技回に対応する場合に、当該判定用情報についての先読み報知を制限し得るように構成されているため、当該判定用情報についての先読み結果が遊技者に対して過剰に知らされることが抑制される。これにより、当該先読み結果の報知により特定状態の遊技を楽しみにくくなることが抑制され、遊技演出の好適化を図ることが可能になる。
【5860】
なお、本特徴の「前記特定状態である状況で取得され且つその特定状態の終了より後の遊技回に対応する特定の判定用情報」は、「前記特定状態である状況で取得され且つその特定状態の終了より後に前記特定判定の対象となる特定の判定用情報」と表現することもできる。
【5861】
特徴jE2.前記特定手段は、前記特定状態にて前記特定の判定用情報より先に取得された判定用情報に基づく前記特定判定の結果が前記特定結果又は前記所定結果である状況で、前記特定の判定用情報についての所定の前記特定報知の制限状態とされることを可能とするものであることを特徴とする特徴jE1に記載の遊技機。
【5862】
先に取得された判定用情報に基づく特定判定にて特定結果等となり、先読みの対象になった特定の判定用情報が消化される前に特定状態が終了すると、特定の判定用情報に対応する遊技回は、次の特定状態で実行されるものとなる。このような場合、先の特定状態では特定の判定用情報についての先読み報知を制限しておき、その後、次の特定状態に移行してから当該先読み報知を許容するようにすれば、特定の判定用情報についての先読み報知により、先の判定用情報に対応する遊技回(特定結果又は所定結果への当選が報知される遊技回)への注目度が低下することを抑制しつつ、特定の判定用情報についての先読み報知の機会を好適に確保することができる。
【5863】
特徴jE3.前記特定手段は、前記特定状態である状況で取得され且つその特定状態の終了より後の遊技回に対応する特定の判定用情報についての所定の前記特定報知が、前記特定状態である状況で前記特定の判定用情報より先に取得された判定用情報についての前記特定報知が実行中である状況で制限されることを可能とするものであることを特徴とする特徴jE1又は特徴jE2に記載の遊技機。
【5864】
上記構成では、先に取得された判定用情報の先読み報知が行われている状況において、特定の判定用情報についての先読み報知の実行を制限し得るため、先の判定用情報についての特定報知が終了してから特定の判定用情報についての特定報知を実行することができる。これにより、特定状態中に行われる遊技回(先の判定用情報に対応する遊技回)への注目度が低下することを抑制しつつ、特定の判定用情報についての先読み報知の機会を好適に確保することができる。
【5865】
特徴jE4.前記所定結果として、第1所定結果(有利小当たり結果B、C)と、前記第1所定結果よりも遊技者に有利な第2所定結果(有利小当たり結果A)とを有しており、
前記特定手段は、前記特定の判定用状情報についての前記先特定手段の特定結果が前記第1所定結果に対応する結果(有利小当たり結果B、Cに対応する先読み結果)である場合に、前記特定の判定用状情報についての所定の前記特定報知の制限状態とされることを可能とするものであることを特徴とする特徴jE1乃至特徴jE3のいずれかに記載の遊技機。
【5866】
上記構成では、所定結果の種別により先読み報知の制限の有無を使い分けるため、先読み報知の実行に制限を課す中でも先読み報知の機会を一定程度確保することができる。その際、不利な側の先読み結果(第1所定結果)が得られた場合を制限の対象としている。例えば、特定状態の終了後の遊技回に対応する特定の判定用情報について先読み報知を実行中の状態で特定状態が終了すると、特定状態の終了により落胆している遊技者は、先読み報知が行われている特定の判定用情報(保留記憶)に対して大きな期待感を寄せることが想定される。その場合において、その判定用情報に対応する遊技回にて不利側の所定結果が生じることがあると、期待感が大きかった分、遊技者をがっかりさせる懸念がある。この点、不利な側の先読み結果が得られた場合を制限の対象とし、有利な側の先読み結果(第2所定結果)が得られた場合を制限の対象外とすることで、特定状態の終了後の遊技回に対応する特定の判定用情報について先読み報知が実行された場合には、当該特定の判定用情報に対応する遊技回にて遊技者にとって望ましい側の所定結果が報知されるものとなり、先読み報知に起因して遊技者をがっかりさせる不都合の発生を抑制することが可能になる。
【5867】
特徴jE5.前記特定状態として、第1移行契機の成立に基づいて移行する第1特定状態(時短遊技状態A)と、第2移行契機の成立に基づいて移行する第2特定状態(時短遊技状態B)とを有しており、
前記特定手段は、前記第1特定状態にて取得され且つその第1特定状態の終了より後の遊技回に対応する特定の判定用情報について所定の前記特定報知の制限状態とされることを可能とするものであることを特徴とする特徴jE1乃至特徴jE4のいずれかに記載の遊技機。
【5868】
上記構成によれば、特定状態の種別により先読み報知の制限の有無を使い分けるため、先読み報知の実行に制限を課す中でも先読み報知の機会を一定程度確保することができる。その際、第1特定状態にて取得される特定の判定用情報を制限の対象とし、第2特定状態にて取得される特定の判定用情報を制限の対象外とする。これにより、第2特定状態を先読み報知の実行を期待する遊技性の特定状態として機能させる一方で、第1特定状態をそのような遊技性ではない特定状態として機能させることができ、遊技の多様化を図ることが可能になる。
【5869】
なお、本特徴の「前記特定手段は、前記第1特定状態にて取得され且つその第1特定状態の終了より後の遊技回に対応する特定の判定用情報について所定の前記特定報知の制限状態とされることを可能とするものである」は、「前記第1特定状態にて取得され且つその第1特定状態の終了より後の遊技回に対応する特定の判定用情報について所定の前記特定報知の制限状態とされることを可能とする手段と、前記第2特定状態にて取得され且つその第2特定状態の終了より後の遊技回に対応する所定の判定用情報について所定の前記特定報知の実行状態とされることを可能とする手段と、を備えている」と表現することもできる。
【5870】
特徴jE6.前記第1特定状態にて第1所定報知(第1報知)が行われるようにする手段と、
前記第2特定状態にて前記第1所定報知とは異なる第2所定報知(第2報知)が行われるようにする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jE5に記載の遊技機。
【5871】
上記構成では、第1特定状態にて第1所定報知が実行され、第2特定状態にて第2所定報知が実行される。第2特定状態を先読み報知の実行を期待する遊技性の特定状態として機能させる一方で、第1特定状態をそのような遊技性ではない特定状態として機能させる構成において、現在の特定状態がそれらいずれの特定状態であるかを上記各所定報知によって遊技者に知らせることができる。これにより、それら各特定状態の区別を容易化して遊技性の誤認を抑制することが可能になる。
【5872】
特徴jE7.前記特定報知として、第1態様の特定報知(赤色態様の保留絵柄の表示)と、前記第1態様とは異なる第2態様の特定報知(青色態様の保留絵柄の表示)とを実行することが可能であり、
前記特定の判定用情報についての前記第1態様の特定報知の制限状態とされることを可能とする手段(残り保留の保留情報について赤色態様の保留絵柄を表示する保留予告の実行を制限する機能)と、
前記特定の判定用情報についての前記第2態様の特定報知の実行状態とされることを可能とする手段(残り保留の保留情報について青色態様の保留絵柄を表示する保留予告の実行を許容する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jE1乃至特徴jE6のいずれかに記載の遊技機。
【5873】
上記構成では、先読み報知の態様により先読み報知の制限の有無を使い分けるため、先読み報知の実行に制限を課す中でも先読み報知の機会を一定程度確保することができる。
【5874】
なお、本特徴の「前記特定報知として、第1態様の特定報知(赤色態様の保留絵柄の表示)と、前記第1態様とは異なる第2態様の特定報知(青色態様の保留絵柄の表示)とを実行することが可能であり」は、「前記特定報知として、第1態様の特定報知と、前記第1態様より下位の第2態様の特定報知とを実行することが可能であり」と表現することもできる。
【5875】
特徴jE8.前記特定報知として、特定報知の契機となった判定用情報が明示される第1態様の特定報知(明示タイプの保留予告)と、特定報知の契機となった判定用情報が明示されない第2態様の特定報知(非明示タイプの保留予告)とを実行することが可能であり、
前記特定の判定用情報についての前記第1態様の特定報知の制限状態とされることを可能と、
前記特定の判定用情報についての前記第1態様の特定報知の制限状態とされている状況で、前記第2態様の特定報知の実行状態とされることを可能とする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jE1乃至特徴jE7のいずれかに記載の遊技機。
【5876】
上記構成では、特定状態の終了後の遊技回に対応する特定の判定用情報についての先読み報知に関して、先読み報知の契機となった判定用情報が明示される明示タイプの先読み報知の実行が制限され、先読み報知の契機となった判定用情報が明示されない非明示タイプの先読み報知の実行が許容される。特定状態の終了後の遊技回に対応する特定の判定用情報について、いずれの判定用情報が対象であるかが明確化された上で先読み報知が実行されると、特定状態中の遊技回への注目度が低下しやすい懸念があるが、このような先読み報知の実行を制限することで、そのような不都合の発生を抑制することができる。その一方で、対象の判定用情報が明確化されない非明示タイプの特定報知については、その実行を許容することで、先読み報知の機会を一定程度確保することが可能になる。
【5877】
特徴jE9.前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合よりも、前記特定状態ではない状況で前記特定の判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合の方が、遊技者に有利となることを可能とする手段(時短遊技状態で有利小当たり結果Bになった場合の特典が6RV大当たり遊技とされ、残り保留の遊技回で有利小当たり結果Bになった場合の特典が6RV大当たり遊技に加えて時短リミッタ値の再セットとされるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴jE1乃至特徴jE8のいずれかに記載の遊技機。
【5878】
上記構成では、特定状態中に取得された判定用情報について、特定状態中の特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合よりも、特定状態の終了後、特定状態ではない状況での特定判定にて特定結果又は所定結果になった場合の方が遊技者に有利となる。しかしながら、このような構成では、保留記憶の時点では、その判定用情報が特定状態後の特定判定に対応していても、それよりも前の保留記憶に対応する特定判定にて特定結果等になると、その判定用情報が次の特定状態の中で行われる特定判定に対応するものに変化し、判定用情報の取得時と特定判定の実行時とで有利度合いに不整合が生じ得る。このような場合において上記特徴jE1の構成を適用し、特定状態後の遊技回に対応する特定の判定用情報についての先読み報知を制限することで、上記不整合に起因して遊技者に不愉快な印象を与えることが抑制され、先読み報知を用いた遊技演出の好適化を図ることが可能になる。
【5879】
特徴jE10.前記特定状態より後、前記特定の判定用情報に基づく前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合に、特定特典(時短リミッタ値の再セット)が付与されることを可能とする手段(残り保留の遊技回で有利小当たり結果Bになった場合に時短リミッタ値が再セットされるようにする機能)を備え、
前記特定状態での前記特定判定にて前記特定結果又は前記所定結果になった場合に、前記特定特典が付与されないように構成されている(時短遊技状態で有利小当たり結果Bになった場合に時短リミッタ値が再セットされないようにする構成)ことを特徴とする特徴jE1乃至特徴jE9のいずれかに記載の遊技機。
【5880】
上記構成では、特定状態で保留記憶された判定用情報に基づき、その特定状態の終了後特定結果又は所定結果になると、特定特典が付与される一方で、特定状態中に特定結果又は所定結果になっても、そのような特定特典の付与は行われない。すなわち、特定状態の終了後の遊技に特化して特定特典の付与がなされるため、特定状態が終了した後の遊技に対して遊技者に期待感を抱かせ、特定状態後の遊技を好適に盛り上げることができる。しかしながら、このような構成では、保留記憶の時点では、その判定用情報が特定状態後の特定判定に対応していても、それよりも前の保留記憶に対応する特定判定にて特定結果等になると、その判定用情報が次の特定状態の中で行われる特定判定に対応するものに変化し、判定用情報の取得時と特定判定の実行時とで特定特典の有無に不整合が生じ得る。このような場合において上記特徴jE1の構成を適用し、特定状態後の遊技回に対応する特定の判定用情報についての先読み報知を制限することで、上記不整合に起因して遊技者に不愉快な印象を与えることが抑制され、先読み報知を用いた遊技演出の好適化を図ることが可能になる。
【5881】
特徴jE11.遊技の状態として前記特定状態と所定状態(通常遊技状態等)とを含む複数の状態を有しており、
前記特定状態は前記所定状態よりも遊技者に有利な状態であることを特徴とする特徴jE9又は特徴jE10に記載の遊技機。
【5882】
上記構成では、特定状態が有利なものであり、その終了時には遊技者の落胆を招くおそれがあるが、上記特徴jE9又は特徴jE10のように特定状態後の遊技が優遇されていることで、そのような落胆を軽減することが可能になる。しかしながら、特定の判定用情報よりも前の保留記憶に対応する遊技回で特定結果等が生じると、判定用情報の取得時と特定判定の実行時とで有利度合いや特定特典の有無に不整合が生じ、当該判定用情報の先読み報知により遊技者に不愉快な印象を与えるおそれがある。この点、上記特徴jE1の構成により、特定状態後の遊技回に対応する特定の判定用情報についての先読み報知が制限されることで、上記不整合に起因して遊技者に不愉快な印象を与えることを抑制可能となる。
【5883】
なお、上記特徴jE1乃至特徴jE11の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5884】
<特徴jF群>
特徴jF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態の変形例3から抽出されるものである。
【5885】
なお、特徴jF群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5886】
特徴jF1.予め定められた判定契機(作動口62、63への入球)の成立に基づいて特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置162における特図当否判定や小当たり種別判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて、又は前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A1、A2)となった後、特定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、第1遊技状態(通常遊技状態)より遊技者に有利な第2遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させることが可能な第1移行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
所定移行条件の成立に対応する所定事象(時短対応の当たり結果への当選、V大当たり等)が発生した場合に、前記第1遊技状態より遊技者に有利なものであって前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態(時短遊技状態)に移行させることが可能な第2移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合において特定条件(大当たり回数の時短リミッタ値への到達等)の成立状態の場合に前記第3遊技状態への移行が制限されることを可能とする手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定条件として、第1特定条件(第1リミッタ値)と、前記第1特定条件とは異なる第2特定条件(第2リミッタ値)とを含む複数の特定条件を有しており、
複数の前記特定条件のうちいずれかを設定することが可能である(上記第5の実施の形態の変形例3に係る主制御装置162によりステップSj5403、ステップSj5404の処理を実行する機能)ことを特徴とする遊技機。
【5887】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果になることにより、又は特定判定の結果が所定結果となり、その後、特定事象が発生することにより、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態に移行する構成の下、移行条件の成立に対応する所定事象の発生により、第2遊技状態とは異なるものであって第1遊技状態よりも有利な第3遊技状態に移行し得る。但し、特定条件が成立している状況では上記所定事象が発生しても第3遊技状態への移行が制限されるとともに、そのような制限の契機となる特定条件について第1特定条件と第2特定条件とを含む複数の特定条件が設けられている。この場合、特定判定の結果だけでなく、特定条件としていずれの条件が設定されるかによっても、その後の遊技の展開を異ならせることができる。これにより、遊技の多様化を図り、興趣を高めることが可能になる。
【5888】
特徴jF2.前記所定事象が発生した場合において前記特定条件の成立状態でない場合に前記第3遊技状態への移行が許容されるように構成されている(ステップSj5508で否定判定した場合の流れ)ことを特徴とする特徴jF1に記載の遊技機。
【5889】
上記構成では、第3遊技状態への移行契機に対応する所定事象の発生時において特定条件が成立していない場合は第3遊技状態への移行が許容される一方で、上記所定事象の発生時において特定条件が成立している場合は第3遊技状態への移行が制限される。すなわち、特定条件が成立するまで所定事象が発生する都度、第3遊技状態への移行を繰り返すことができるところ、特定条件として第1特定条件と第2特定条件が設けられるため、いずれの特定条件が設定されるかにより、上記繰り返しの程度を異ならせることができる。
【5890】
特徴jF3.前記特定結果又は前記所定結果として第1結果(有利小当たり結果A1)と第2結果(有利小当たり結果A2)とを含む複数の結果を有しており、
前記第1結果となった場合に前記第1特定条件が設定されるようにする手段(上記第5の実施の形態の変形例3において有利小当たり結果A1となった場合に第1リミッタ値が再セットされるようにする機能)と、
前記第2結果となった場合に前記第2特定条件が設定されるようにする手段(上記第5の実施の形態の変形例3において有利小当たり結果A2となった場合に第2リミッタ値が再セットされるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jF1又は特徴jF2に記載の遊技機。
【5891】
上記構成では、特定判定における当たり(特定結果又は所定結果)の種別により複数の特典条件のいずれが設定されるが定まる。このため、特定判定にて特定結果等への当選を目指すことだけでなく、複数の特定条件のうち有利な条件に対応した当たりの種別を引き当てる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5892】
特徴jF4.前記特定条件は、所定の更新手段により更新される前記第2遊技状態への移行回数(当たり回数カウンタエリアACの値)が特定数に到達することであり、
前記第1特定条件は前記特定数が第1特定数(5回)とされるものであり、
前記第2特定条件は前記特定数が前記第1特定数とは異なる第2特定数(4回)とされるものであることを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF3のいずれかに記載の遊技機。
【5893】
上記構成では、第2遊技状態への移行回数が特定数に到達することで、所定事象が発生した場合の第3遊技状態への移行が制限されるとともに、複数の特定条件のうちいずれが設定されるかにより特定数としての回数が異なるものとなっている。この場合、特定数が多い回数になるほど、第3遊技状態への移行回数を増やすことができ、遊技者にとって有利となる。これにより、より多い回数に対応する特定条件が設定されることを期待して楽しむ遊技を提供することができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5894】
特徴jF5.前記特定条件として前記第2特定条件が設定されている状況(第2リミッタ値が設定されている状況)で前記第1特定条件の設定契機(有利小当たり結果A1となり、V入賞が発生すること)が成立した場合に、新たな前記特定条件として前記第1特定条件が設定されることを可能とする手段(上記第5の実施の形態の変形例3に係る主制御装置162によりステップSj5403、ステップSj5404の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF4のいずれかに記載の遊技機。
【5895】
上記構成では、第2特定条件の設定中において第1特定条件の設定契機が成立すると、新たな特定条件として第1特定条件が再設定される。この場合、遊技者にとって不利な特定条件が設定された場合において、遊技者を単に落胆させるに留まらず、有利な特定条件に設定し直すことを目指す楽しみを提供することができる。逆に、有利な特定条件が設定されても不利な特定条件に切り替わる可能性が生じ、そのような降格が生じることへのドキドキ感を喚起することができる。
【5896】
特徴jF6.前記第2特定条件は前記第1特定条件より遊技者に不利なものであり、
遊技の状況が第1所定状況(第2リミッタ値が再セットされることにより残りの大当たり回数が増加する状況)である状態で前記第2特定条件の設定契機(有利小当たり結果A2となり、V入賞が発生すること)が成立した場合に第1特定報知(3図柄による当たり報知)が所定の報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする手段と、
遊技の状況が前記第1所定状況とは異なる第2所定状況(第2リミッタ値が再セットされても残りの大当たり回数が変わらない状況)である状態で前記第2特定条件の設定契機が成立した場合に前記第1特定報知とは異なる第2特定報知(7、3以外の奇数図柄による当たり報知)が前記所定の報知手段にて実行されるようにする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF5のいずれかに記載の遊技機。
【5897】
不利な側の第2特定条件の設定契機が成立した場合に、それに対応する特定報知を行う構成において、上記設定契機の成立時における遊技の状況により特定報知の態様を異ならせるように構成されている。これにより、不利な側の第2特定条件の設定契機であっても遊技者にとって嬉しい状況である場合は積極的に報知を行う一方で、嬉しくない状況の場合は当該設定契機の成立を分かりにくくして報知を行うなど、上記設定契機が成立した場合の報知の使い分けを行うことができる。
【5898】
特徴jF7.前記第2特定条件は前記第1特定条件より遊技者に不利なものであり、
前記第2特定条件の設定契機は、前記特定判定の結果が前記特定結果又は前記所定結果の遊技回で成立し得るように構成されており、
遊技の状況が第1所定状況(第2リミッタ値が再セットされることにより残りの大当たり回数が増加する状況)である状態で前記第2特定条件の設定契機(有利小当たり結果A2となり、V入賞が発生すること)が成立した場合に、前記特定判定の結果に対応する報知が第1態様(3図柄による当たり報知)で実行されるようにする手段と、
遊技の状況が前記第1所定状況とは異なる第2所定状況(第2リミッタ値が再セットされても残りの大当たり回数が変わらない状況)である状態で前記第2特定条件の設定契機が成立した場合に、前記特定判定の結果に対応する報知が前記第1態様とは異なる第2態様(7、3以外の奇数図柄による当たり報知)で実行されるようにする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF6のいずれかに記載の遊技機。
【5899】
不利な側の第2特定条件の設定契機が成立した遊技回において当たり報知(特定結果又は所定結果の報知)を行う場合に、上記設定契機が成立したときの遊技の状況により上記当たり報知の態様を異ならせるように構成されている。これにより、不利な側の第2特定条件の設定契機であっても遊技者にとって嬉しい状況である場合は、当該設定契機の成立を積極的に示唆する当たり報知を行う一方で、嬉しくない状況の場合は当該設定契機の成立を分かりにくくして当たり報知を行うことで、遊技者の落胆を抑制することができる。
【5900】
特徴jF8.前記第1所定状況は、前記特定条件として前記第2特定条件が設定された場合に前記第2特定条件が設定されない場合よりも遊技者に有利になる状況であり、
前記第2所定状況は、前記特定条件として前記第2特定条件が設定された場合に前記第2特定条件が設定されない場合よりも遊技者に有利にならない状況であることを特徴とする特徴jF6又は特徴jF7に記載の遊技機。
【5901】
上記構成によれば、第2特定条件の設定がなされることにより有利になる場合と、当該設定がなされることにより不利になる場合とを対象として、第2特定条件の設定契機の成立時における報知の使い分けを行うことができる。
【5902】
特徴jF9.前記第1特定報知は、前記第2特定条件が設定されることを遊技者が認識可能又は認識しやすいものであり、前記第2特定報知は、前記第2特定条件が設定されることを遊技者が認識不可又は前記第1特定報知より認識しにくいものであることを特徴とする特徴jF6乃至特徴jF8のいずれかに記載の遊技機。
【5903】
上記構成では、第1特定報知が第2特定条件の成立が分かりやすい報知であり、第2特定報知が第2特定条件の成立が分かりにくい報知であるため、これらを第2特定条件の設定契機の成立時における遊技の状況によって使い分けることで、第2特定条件の設定が遊技者にとって嬉しい状況である場合は第1特定報知により当該設定を積極的に報知し、第2特定条件の設定が遊技者にとって嬉しくない状況である場合は第2特定報知により当該設定を分かりにくくして遊技者の落胆を抑制することができる。
【5904】
特徴jF10.前記第3遊技状態は、前記第1遊技状態より前記判定契機が成立しやすい又は前記特定判定の結果が前記特定結果若しくは前記所定結果になりやすいことを特徴とする特徴jF1乃至特徴jF9のいずれかに記載の遊技機。
【5905】
複数の特定条件のうち有利な条件が設定されることで第3遊技状態の継続期間を長くできるところ、第3遊技状態が第1遊技状態よりも特定判定が行われやすかったり、特定判定にて特定結果等になりやすかったりするものであることで、いずれの特定条件が設定されるかへの遊技者の関心が高まり、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
【5906】
なお、上記特徴jF1乃至特徴jF10の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5907】
<特徴jG群>
特徴jG群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態の変形例4から抽出されるものである。
【5908】
なお、特徴jG群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5909】
特徴jG1.予め定められた判定契機(作動口62、63への入球)の成立に基づいて特定判定を実行する特定判定手段(主制御装置162における特図当否判定や小当たり種別判定を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記特定判定の結果に対応した報知結果とされることを遊技回の1回として、遊技回が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が所定結果(小当たり結果、有利小当たり結果A~C)になった場合に前記遊技回より後に特定遊技(小当たり遊技、高振分態様の小当たり遊技)が行われることを可能とする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記遊技回及び前記特定遊技を含む所定遊技動作(特図遊技回及び小当たり遊技を含む特図側遊技)より後の所定遊技における遊技者の有利度合いに関する特定要素(時短リミッタ値が再セットされるか否か)が、前記所定遊技動作における所定の第1タイミングでの状態(変動表示開始タイミングでの時短遊技状態の有無)に対応して設定されることを可能とする第1手段(第5の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162により変動開始処理、当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
前記特定要素が前記第1タイミングとは異なるものであって前記所定遊技動作における所定の第2タイミングでの状態(V入賞発生タイミングでの時短遊技状態の有無)に対応して設定されることを可能とする第2手段(第5の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162によりV入賞用処理、当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5910】
上記構成では、遊技回及びその後に実行される特定遊技を含む所定遊技動作より後の所定遊技における遊技者の有利度合いに関する特定要素を上記所定遊技動作の期間における第1タイミングでの状態に対応して設定する手段と、上記所定遊技動作の期間における第2タイミングでの状態に対応して設定する手段とを備えている。例えば、特定判定の実行後において第1タイミングでの状態と第2タイミングでの状態とが異なる構成とすれば、第1タイミングでの状態に対応させて特定要素が設定される場合と、第2タイミングでの状態に対応させて特定要素が設定される場合とで、上記所定遊技での有利度合いに差異を生じさせることができる。これにより、いつの状態を参照するかを制御することにより、その後の遊技の展開を異ならせることができ、遊技の多様化を図ることができる。
【5911】
なお、本特徴の「前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定遊技(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定遊技実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)」は、「前記特定判定の結果が前記所定結果となった場合に特定制御(小当たり遊技等)が実行されるようにする特定制御実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)」と表現することもできる。このことは「特定遊技」の記載を用いる他の特徴についても同様である。
【5912】
特徴jG2.前記第1手段は、第1特定事象(有利小当たり結果Aになること等)が発生した場合に、前記第1タイミングでの状態に対応して前記特定要素が設定されることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記第1特定事象とは異なる第2特定事象(有利小当たり結果B、Cになること等)が発生した場合に、前記第2タイミングでの状態に対応して前記特定要素が設定されることを可能とするものであることを可能とするものであることを特徴とする特徴jG1に記載の遊技機。
【5913】
上記構成では、第1特定事象と第2特定事象のいずれが発生するかにより、第1タイミングでの状態と第2タイミングでの状態とのいずれに対応させて特定要素を設定するかを振り分けることができ、それによって、その後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5914】
特徴jG3.前記特定判定の結果が第1結果(有利小当たり結果A)になった場合に、所定の可変入球手段(第2可変入賞装置66、可変入賞装置A)を遊技球が入球不可又は入球しにくい第1態様(閉鎖状態)から遊技球が入球可能又は前記第1態様よりも入球しやすい第2態様(開放状態)とし、その後、前記第1態様とする第1可変入球制御を実行することが可能であり、
前記特定判定の結果が前記第1結果とは異なる第2結果(有利小当たり結果B、C)になった場合に、前記所定の可変入球手段又はそれとは異なる可変入球手段(可変入賞装置B)を前記第1態様から前記第2態様とし、その後、前記第1態様とする第2可変入球制御を実行することが可能であり、
前記第1手段は、前記特定判定の結果が前記第1結果になった場合に、前記第1タイミングでの状態に対応して前記特定要素が設定されることを可能とするものであり、
前記第2手段は、前記特定判定の結果が前記第2結果になった場合に、前記第2タイミングでの状態に対応して前記特定要素が設定されることを可能とするものであることを特徴とする特徴jG1又は特徴jG2に記載の遊技機。
【5915】
上記構成では、特定判定の結果により、可変入球手段を遊技球が入球可能な状態に切り替える可変入球制御が実行されるほか、特定状態での特定判定の結果により、第1タイミングでの状態と第2タイミングでの状態とのいずれに対応させて特定要素を設定するかを振り分けることができる。この場合、特定判定にて可変入球制御の実行に対応した結果が得られることにより、可変入球制御による恩恵が受けられるのとは別に、いつの状態を参照するかの違いにより、その後の遊技の展開に差異を生じさせることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5916】
特徴jG4.前記第1タイミングは前記第2タイミングより早いタイミングであり、
所定の移行契機(大当たり種別が2R大当たり結果A、小当たり種別が有利小当たり結果A~Cになること等)の成立に基づいて特定状態(時短遊技状態等)に移行させる特定状態移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態である状況で前記特定状態の終了契機が成立した場合に、前記第1タイミングより後で且つ前記第2タイミングより前の所定タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とする手段(第5の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162により特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jG1乃至特徴jG3のいずれかに記載の遊技機。
【5917】
所定の移行契機の成立により特定状態への移行がなされるとともに、終了契機の成立により第1タイミングより後で且つ第2タイミングより前の所定タイミングにて特定状態が終了されるように構成されている。この場合、第1タイミングでは特定状態となり、第2タイミングでは非特定状態となるため、特定状態であるか否かにより特定要素が設定される構成とすれば、第1タイミングでの状態に対応させて特定要素が設定される場合と、第2タイミングでの状態に対応させて特定要素が設定される場合とで、上記所定遊技での有利度合いを異ならせることができ、遊技の多様化を図ることが可能になる。
【5918】
特徴jG5.前記第1タイミングでの状態が当該第1タイミングにて前記特定状態であるか否かの状態であり、
前記第2タイミングでの状態が当該第2タイミングにて前記特定状態であるか否かの状態であることを特徴とする特徴jG4に記載の遊技機。
【5919】
上記構成では、特定状態であるか否かにより特定要素が設定されるため、第1タイミングでの状態に対応させて特定要素が設定される場合と、第2タイミングでの状態に対応させて特定要素が設定される場合とで、上記所定遊技での有利度合いを異ならせることができ、遊技の多様化を図ることが可能になる。
【5920】
特徴jG6.前記第1タイミングは、前記特定判定より後のタイミングであることを特徴とする特徴jG4又は特徴jG5に記載の遊技機。
【5921】
上記構成では、第1タイミング及び第2タイミングが特定判定の実行後に到来する。このため、特定状態の下で特定判定が行われる場合であれば、特定判定にてその恩恵を受けつつ、特定状態であるか否かの状態判定に関し、いつの時点での状態を参照して判定を行うかについては、その後の第1タイミング及び第2タイミングで振り分けることができる。特に第2タイミングでの状態を参照する場合は、特定判定を特定状態中に実行しながら、状態判定の結果としては特定状態ではないとの結果を得ることができる。
【5922】
特徴jG7.前記特定遊技にて所定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行されるようにする特別遊技実行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
所定の移行契機(大当たり種別が2R大当たり結果A、小当たり種別が有利小当たり結果A~Cになること等)の成立に基づいて、所定状態(通常遊技状態等)より遊技者に有利な特定状態(時短遊技状態等)に移行させる特定状態移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技の実行に対応して前記特別遊技の回数に関する所定情報(当たり回数カウンタエリアACの値)を更新する更新手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記更新手段による更新は特定値(0又は上限値)を開始値として行われ、当該更新の結果が所定結果(上限値又は0)となった場合に前記特別遊技より後の状態が前記特定状態となることが制限され得るように構成されており、
前記特定状態である状況で前記特定状態の終了契機が成立した場合に、前記第1タイミングより後で且つ前記第2タイミングより前の所定タイミングにて前記特定状態が終了されることを可能とする手段(第5の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162により特図遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記所定情報の更新の開始より後、前記所定情報の値が前記特定値に変更される特定制御を実行することが可能な手段(第5の実施の形態の変形例4に係る主制御装置162により当たり回数クリア用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2手段による前記第2タイミングでの状態に対応した前記特定要素の設定として、前記特定制御が実行されることを特徴とする特徴jG1乃至特徴jG6のいずれかに記載の遊技機。
【5923】
上記構成では、特別遊技の実行に対応して特別遊技の回数に関する特定情報が更新され、その結果が所定結果になると、特別遊技後の状態が特定状態となることが制限される。また、第1タイミングより後で且つ第2タイミングより前の所定タイミングにて特定状態を終了させることが可能であり、この場合、特定状態が終了してから第2タイミングが到来するため、第2タイミングでの状態は非特定状態となる。そして、第2タイミングでの状態に対応させて特定要素を設定するものとして、特別遊技の回数に関する特定情報の値が更新の開始値である特定値に変更される。この場合、それまでの更新状態がリセットされ、その結果として、制限が発動されるまでの特別遊技の回数が増加する。これにより、有利な特定状態にて行われた特定判定を契機として特別遊技が実行され、その後、再び特定状態に復帰するループの回数が増えた状態とすることができ、遊技の興趣を高めることが可能になる。
【5924】
特徴jG8.前記特定遊技にて所定事象(V入賞等)が発生することに基づいて、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)が実行されるようにする特別遊技実行手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
所定の移行契機(大当たり種別が2R大当たり結果A、小当たり種別が有利小当たり結果A~Cになること等)の成立に基づいて、所定状態(通常遊技状態等)より遊技者に有利な特定状態(時短遊技状態等)に移行させる特定状態移行手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特定状態への移行後、前記特定判定の実行回数(特図遊技回の実行回数)、前記特定判定にて前記所定結果となった回数(小当たり当選の回数)又は前記所定結果の種別が所定種別になった回数(有利小当たり結果Aになった回数)に対応する所定回数が特定回数(上限回数)になったことに基づいて、前記特定状態を終了させることが可能な手段(主制御装置162における変動回数対応の高サポ終了用処理、小当たり種別対応の第1高サポ終了用処理、小当たり種別対応の第2高サポ終了用処理を実行する機能)と、
前記所定遊技動作より後の遊技状態が前記特定状態である場合において、前記第1タイミングでの状態に対応して前記特定要素が設定される場合と、前記第2タイミングでの状態に対応して前記特定要素が設定される場合とで、前記特定回数として異なる回数が設定されることを可能とする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jG1乃至特徴jG7のいずれかに記載の遊技機。
【5925】
上記構成では、有利な特定状態への移行後、特定判定の実行回数等に対応する所定回数が特定回数に到達すると、当該特定状態が終了するとともに、第1タイミングと第2タイミングとのいずれの状態に対応して特定要素が設定されるかにより、上記特定回数として異なる回数が設定される。すなわち、いつの状態を参照するかの違いにより、特別遊技後に移行する特定状態にて実行可能な特定判定の回数等を振り分けることができる。これにより、遊技の多様化が図られ、興趣性を高めることが可能になる。
【5926】
なお、上記特徴jG1乃至特徴jG8の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5927】
<特徴jH群>
特徴jH群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第5の実施の形態やその変形例1~4から抽出されるものである。
【5928】
なお、特徴jH群は「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技の興趣を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5929】
特徴jH1.所定の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能な所定入球手段(第2作動口63)と、
特定領域(第2可変入賞装置66の内側領域)に流下した遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞用領域66f)と、
前記特定通過部への遊技球の通過に基づいて所定特典(V大当たり遊技等)を付与可能な手段(主制御装置162における大当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、を備え、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合、その遊技球は前記特定通過部を通過しないように構成されており(第2作動口63に入賞した遊技球が遊技盤60の背面側に回収され、第2可変入賞装置66に到達不可となるようにされている構成)、
遊技状態として、所定遊技状態(通常遊技状態)と、前記所定遊技状態より遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態を有しており、
前記特定領域への遊技球の流下又は前記特定通過部への遊技球の通過が許容される第1態様(開放状態)と、前記特定領域への遊技球の流下又は前記特定通過部への遊技球の通過が許容されない又は前記第1態様である場合より許容されにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変手段(第2可変入賞装置66)と、
特定条件(有利小当たり結果Aへの当選)の成立に基づいて、前記可変手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする特定制御(小当たり遊技における第2可変入賞装置66の開閉制御)が実行されるようにする特定制御実行手段(主制御装置162における小当たり遊技状態への移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態である状況で前記特定条件の成立が生じた場合に、当該成立に基づく前記特定制御の実行前に前記特定遊技状態が終了されることを可能とする特定手段(有利小当たり結果Aに当選した場合にその当選遊技回における変動表示の終了タイミングにて時短遊技状態を終了させる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5930】
上記構成では、特定領域に流下した遊技球が通過可能なものであって、遊技球が通過すると所定特典が付与される特定通過部と、上記特定領域への遊技球の流下を許容する第1態様と、それを許容しない第2態様とに切り替わり可能な可変手段とを備えている。このため、可変手段が第1態様とされる状況では、遊技球が特定通過部を通過し、所定特典が付与されることを期待して遊技を楽しむことができる。但し、上記特定通過部や可変手段とは別に所定入球手段が設けられており、この所定入球手段に入球した遊技球は特定通過部を通過できないように構成されている。よって、可変手段が第1態様であっても、所定入球手段に遊技球が入球してしまうと、特定通過部への通過が実現されないことになり、所定入球手段への入球により当該通過が妨げられてしまう懸念がある。この点、本特徴では、遊技者に有利な特定遊技状態である状況で特定条件で成立し、可変手段を第2態様から第1態様とし、その後、第2態様とする特定制御の実行契機が成立した場合に、特定制御の実行前に特定遊技状態を終了させるように構成されている。これにより、可変手段が第1態様とされる状況では所定入球手段への入球が生じにくくすることができ、スムーズに遊技球を特定通過部に通過させることが可能になる。よって、当該通過が妨げられることによる遊技者の苛立ちを抑制し、遊技者が遊技を楽しみやすい構成とすることが可能になる。
【5931】
特徴jH2.前記特定遊技状態は第1内部状態(サポートフラグのセット状態)とされるものであり、前記所定遊技状態は第2内部状態(サポートフラグのクリア状態)とされるものであり、
所定条件(2R大当たり結果Aへの当選、V入賞の発生等)の成立に基づいて前記第1内部状態とする手段(主制御装置162における大当たり遊技終了時の移行処理を実行する機能)を備え、
前記第1内部状態では、前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は前記第2内部状態の場合より前記所定入球手段に遊技球が入球しやすくなり、
前記第2内部状態では、前記所定入球手段に遊技球が入球不可又は前記第1内部状態の場合より前記所定入球手段に遊技球が入球しにくくなり、
前記特定手段は、前記第1内部状態である状況で前記特定条件の成立が生じた場合に、当該成立に基づく前記特定制御の実行前に前記第2内部状態とされることを可能とするものであることを特徴とする特徴jH1に記載の遊技機。
【5932】
上記構成では、第1内部状態である場合に所定入球手段に遊技球が入球可能又は第2内部状態の場合よりも入球が発生しやすくなっている。このため、可変手段が第1態様とされても第1内部状態である場合は、所定入球手段に遊技球が入球することにより特定通過部への遊技球の通過が妨げられる事象が発生しやすくなる。この点、第1内部状態である状況で特定条件が成立した場合、特定制御の実行前に第2内部状態への切り替えが行われるため、上記事象の発生が抑制され、特定通過部への遊技球の通過をスムーズに実現させることが可能になる。
【5933】
なお、本特徴は、「前記特定遊技状態は、前記所定入球手段に遊技球が入球可能又は前記所定遊技状態より前記所定入球手段への遊技球の入球が生じやすいものであり、前記所定入球手段は、前記所定入球手段に遊技球が入球不可又は前記特定遊技状態より前記所定入球手段への遊技球の入球が生じにくいものであることを特徴とする」と表現することもできる。
【5934】
特徴jH3.所定領域(普電開閉領域)の遊技球を受入可能又は受け入れやすい第1状態(開放状態)と、前記所定領域の遊技球を受入不可又は前記第1状態より受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な受入手段(普電役物63a)を備え、前記受入手段により受け入れられた遊技球が前記所定入球手段に入球するように構成されており、
前記可変手段より上流側に前記受入手段が配置され、前記受入手段が前記第2状態とされている状況で前記所定領域を通過した遊技球が前記可変手段に到達可能に構成されており(右ルートにおいて第2可変入賞装置66の上流側に普電役物63aが配置され、第2作動口63に入賞しなかった遊技球が第2可変入賞装置66に到達可能な構成)、
前記所定領域を通過していない遊技球が前記可変手段に到達することを規制する規制手段(普電開閉領域を通過した遊技球のみが第2可変入賞装置66に到達し得るように、遊技釘や障害部等の流路形成部により遊技球の流路が形成される構成)を備えていることを特徴とする特徴jH1又は特徴jH2に記載の遊技機。
【5935】
上記構成では、遊技球を特定通過部に通過させるには、受入手段により遊技球の受入可否が切り替えられる所定領域を経由させる必要があるところ、このような構成では、所定入球手段への入球により遊技球の特定通過部への通過が阻害される程度が顕著となる。このため、そのような事象の発生に遊技者が気付きやすく、気分が害されるやすくなることが懸念される。このような構成に対して上記特徴jH1の構成を適用することで、スムーズな特定通過部への通過が好適に実現され、遊技者が気持ちよく遊技を行やすい構成とすることができる。
【5936】
特徴jH4.前記特定手段により前記特定遊技状態が終了された後、所定期間(確定表示時間及びオープニング期間)が経過した後に前記特定制御が実行されることを可能とする手段(有利小当たり結果Aに当選した当選遊技回の変動表示の終了タイミングでサポートフラグをクリアする機能)を備えていることを特徴とする特徴jH1乃至特徴jH3のいずれかに記載の遊技機。
【5937】
上記構成では、特定遊技状態である状況で特定条件が成立し、特定制御の実行前に特定遊技状態を終了させる場合に、特定遊技状態の終了後、所定期間が経過してから特定制御が実行されるように構成されている。これにより、特定遊技状態が終了してから特定制御が実行されるまでに時間的な猶予が確保され、所定入球手段に遊技球が入球しやすい状態を確実に終わらせてから特定制御(可変手段における第1態様への切り替え)を開始させることができる。
【5938】
特徴jH5.所定領域(普電開閉領域)の遊技球を受入可能又は受け入れやすい第1状態(開放状態)と、前記所定領域の遊技球を受入不可又は前記第1状態より受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な受入手段(普電役物63a)を備え、前記受入手段により受け入れられた遊技球が前記所定入球手段に入球するように構成されており、
前記特定遊技状態では、前記所定遊技状態の場合より、前記所定入球手段への入球が生じやすいように前記第1状態と前記第2状態の切り替えが行われるように構成されており、
前記所定領域に所定の遊技球が位置する状況で前記特定手段により前記特定遊技状態が終了される場合に、前記所定の遊技球が前記特定制御が実行されるまでに前記可変手段に到達可能であるように構成されていることを特徴とする特徴jH1乃至特徴jH4のいずれかに記載の遊技機。
【5939】
上記構成では、特定制御の実行前に特定遊技状態が終了される場合において、特定制御が開始された際に特定領域に遊技球を速やかに流下させることができ、延いては、特定通過部への遊技球の通過を迅速に行わせることが可能になる。
【5940】
特徴jH6.所定領域(普電開閉領域)の遊技球を受入可能又は受け入れやすい第1状態(開放状態)と、前記所定領域の遊技球を受入不可又は前記第1状態より受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な受入手段(普電役物63a)を備え、前記受入手段により受け入れられた遊技球が前記所定入球手段に入球するように構成されており、
前記特定遊技状態では、前記所定遊技状態の場合より、前記所定入球手段への入球が生じやすいように前記第1状態と前記第2状態の切り替えが行われるように構成されており、
前記特定手段により前記特定制御の実行前に前記特定遊技状態が終了される場合に、前記所定領域に所定の遊技球が位置する状況で前記特定制御が実行された場合に、前記所定の遊技球が前記特定領域に流下し且つ前記特定通過部を通過可能であるように構成されている(有利小当たり結果Aに基づく小当たり遊技にて第2可変入賞装置66が開放されるときに、閉鎖状態の普電役物63aの普電開閉領域に位置する遊技球が、その後、第2可変入賞装置66の特電開閉領域に到達した場合にV入賞用領域66fを通過する構成)ことを特徴とする特徴jH1乃至特徴jH5のいずれかに記載の遊技機。
【5941】
上記構成によれば、特定制御の実行後に特定遊技状態が終了される構成であれば、特定通過部への通過に寄与することがなかった遊技球により、特定通過部への通過が果たされることになり、特定制御の実行前に特定遊技状態を終了させることの意義を高めることが可能になる。
【5942】
特徴jH7.所定領域(普電開閉領域)の遊技球を受入可能又は受け入れやすい第1状態(開放状態)と、前記所定領域の遊技球を受入不可又は前記第1状態より受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な受入手段(普電役物63a)を備え、前記受入手段により受け入れられた遊技球が前記所定入球手段に入球するように構成されており、
所定の場合に、前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2態様とする可変受入制御が少なくとも1回行われる所定遊技(役物開閉遊技)が実行されるようにする手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能)と、
前記所定遊技の途中で前記特定遊技状態の終了が行われた場合に、前記所定遊技の態様について、前記特定遊技状態に対応する態様から前記所定遊技状態に対応する態様への切り替えが前記所定遊技の途中で行われることを可能とする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴jH1乃至特徴jH6のいずれかに記載の遊技機。
【5943】
上記構成によれば、特定手段による特定遊技状態の終了が所定遊技の途中で行われた場合であっても、特定遊技状態の終了に合わせて速やかに受入手段を第2状態とすることができる。これにより、特定遊技状態である状況で特定条件が成立して特定制御が実行される場合において、その特定制御の実行前に受入手段が第2状態とされやすい構成とすることができ、スムーズに遊技球を特定通過部に通過させることが可能になる。
【5944】
特徴jH8.所定領域(普電開閉領域)の遊技球を受入可能又は受け入れやすい第1状態(開放状態)と、前記所定領域の遊技球を受入不可又は前記第1状態より受け入れにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な受入手段(普電役物63a)を備え、前記受入手段により受け入れられた遊技球が前記所定入球手段に入球するように構成されており、
所定の場合に、前記受入手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2態様とする可変受入制御が少なくとも1回行われる所定遊技(役物開閉遊技)が実行されるようにする手段(主制御装置162における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
前記所定遊技の態様として、少なくとも2回の前記可変受入制御が実行され得る所定態様を有しており、
前記所定態様の前記所定遊技の途中で前記特定遊技状態の終了が行われた場合に、前記所定遊技の態様について、前記特定遊技状態に対応する態様から前記所定遊技状態に対応する態様への切り替えが、前記所定遊技にて2回目以降である所定回目の前記可変受入制御に対応する特定タイミング(2回目以降の開放の開始タイミングや終了タイミング)で行われることを可能する手段を備えていることを特徴とする特徴jH1乃至特徴jH7のいずれかに記載の遊技機。
【5945】
上記構成によれば、例えば、所定遊技における初回目の可変受入制御の実行中に特定遊技状態の終了が行われた場合に、2回目以降の可変受入制御の実行を取り止めることができる。この場合、特定遊技状態の終了時に実行されている初回目の可変受入制御については当初の設定どおりに実行されるため、途中での設定変更を不要化して構成の複雑化を抑制することができる。一方で、2回目以降の可変受入制御については実行自体を取り止めることができるため、その分、受入手段が第2状態に維持される状態を速やかに到来させることできる。つまり、本構成によれば、処理構成の複雑化を抑制しながらも、特定遊技状態の終了がなされた後、速やかに受入手段を第2状態とすることが可能になる。
【5946】
特徴jH9.前記特定制御実行手段は、第1特定条件(有利小当たり結果Aへの当選)が成立した場合と第2特定条件(有利小当たり結果Bへの当選)が成立した場合とのそれぞれにおいて前記特定制御を実行可能となっており、
前記特定遊技状態である状況で前記第1特定条件の成立が生じた場合に、当該成立に基づく前記特定制御の開始より前に前記特定遊技状態が終了されることを可能とする、前記特定手段としての第1手段(有利小当たり結果Aに当選した場合にその当選遊技回における変動表示の終了タイミングにて時短遊技状態を終了させる機能)と、
前記特定遊技状態である状況で前記第2特定条件の成立が生じた場合に、当該成立に基づく前記特定制御の開始より後に前記特定遊技状態が終了されることを可能とする第2手段(有利小当たり結果Bに当選した場合に当該当選に基づく小当たり遊技でV入賞が発生した場合に時短遊技状態を終了させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴jH1乃至特徴jH8のいずれかに記載の遊技機。
【5947】
上記構成によれば、特定遊技状態に滞在している場合に第1特定条件と第2特定条件とのいずれを成立させるかにより、遊技球の特定通過部の通過しやすさに差異を設けることができる。これによって、遊技の多様化を図り、興趣性を向上させることが可能になる。
【5948】
なお、上記特徴jH1乃至特徴jH9の各構成に対して、特徴jA1乃至特徴jA16、特徴jB1乃至特徴jB13、特徴jC1乃至特徴jC13、特徴jD1乃至特徴jD10、特徴jE1乃至特徴jE11、特徴jF1乃至特徴jF10、特徴jG1乃至特徴jG8、特徴jH1乃至特徴jH9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5949】
なお、以上詳述した特徴jA群乃至特徴jH群の各構成に対して、他の特徴jA群乃至特徴jH群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5950】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【5951】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【5952】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【5953】
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【5954】
<特徴kA群~特徴kI群>
下記の特徴kA群~特徴kI群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第6の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。これらの特徴群に記載された発明は、「遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報)。また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技を好適に行えるようにする上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【5955】
<特徴kA群>
特徴kA群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態やその変形例1、2に基づいて抽出されるものである。
【5956】
特徴kA1.少なくとも遊技の進行に応じて所定出力(変動音やリーチ発生音等の演出音の出力)を実行し得るように構成された遊技機であって、
遊技の進行に伴う所定契機(遊技回やリーチ表示の実行)の成立に基づいて前記所定出力が実行されるように制御する制御手段(MPU342及びサウンドIC83による音出力処理を実行する機能)と、
前記制御手段により前記所定出力が実行されるように制御される場合に、前記所定出力が当該遊技機にて実行されるようにする第1出力手段(スピーカ部29)と、
所定の外部手段(ヘッドホン38)と接続されることで、前記制御手段により前記所定出力が実行されるように制御される場合に、前記所定出力が前記所定の外部手段を通じて実行されるようにする第2出力手段(ジャック部37、第2音信号経路93)と、
前記所定の外部手段の接続状態又は使用状態にて前記所定出力が前記所定の外部手段を通じて実行され得る状況で、前記第1出力手段にて出力が実行されない又は前記第1出力手段からの出力レベルが前記接続状態又は使用状態ではない所定の場合より低くなることを可能とする特定手段(MPU342によるミュート制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5957】
上記構成では、遊技の進行に応じた所定出力を実行する手段として、当該所定出力が遊技機にて実行されるようにする第1出力手段と、所定の外部手段と接続されることで、当該外部手段を通じて上記所定出力が実行されるようにする第2出力手段と、を備えている。そして、上記第2出力手段により外部手段にて所定出力を実行させる場合は、第1出力手段からの所定出力を実行しないか、第1出力手段からの所定出力の出力レベルを低減させるように構成されている。この場合、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、その使用時において第1出力手段からの所定出力が行われなくなったりすることにより、周囲に聴こえる態様で所定出力としての音が遊技機から発せられることを抑制できる。これにより、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができ、遊技ホールに来店する各遊技者が遊技を行いやすい環境づくりに寄与することが可能になる。
【5958】
特徴kA2.前記所定出力に対応する所定信号(音信号)を出力する信号用手段(サウンドIC83)と、
前記所定信号を前記第1出力手段側に伝送する第1伝送手段(第1音信号経路87)と、
前記所定信号を前記第2出力手段側に伝送する第2伝送手段(第2音信号経路93)と、
を備え、
前記信号用手段から前記所定信号が出力される場合に、前記所定信号が前記第1伝送手段に入力され、且つ、前記所定信号が前記第2伝送手段に入力されるように構成されている(サウンドIC83の出力側とSP出力制御IC88の入力側と結ぶ音信号出力線91の途中部から、HP出力制御IC94の入力側に向かう分岐線92が分岐する構成)ことを特徴とする特徴kA1に記載の遊技機。
【5959】
上記構成では、所定出力を行うにあたって信号用手段から出力される所定信号が第1出力手段への伝送路である第1伝送手段と第2出力手段への伝送路である第2伝送手段とに出力されるため、信号用手段から出力された所定信号が常に上記各伝送路の両方を通る状態とすることができる。よって、所定の外部手段が接続された場合において第1伝送手段を伝送される所定信号のレベルを低減させるだけで、第1出力手段からの出力レベルを低減しつつ、上記外部手段からは通常の出力レベルで出力させることができ、処理構成を簡単化することが可能になる。また、かかる状態から、第1出力手段と第2出力手段との両方から通常の出力レベルで出力させる状態に切り替えたい場合も、第1伝送手段でのレベル低減を解除するだけで済むため、上記切り替えを簡単に行うことが可能になる。
【5960】
特徴kA3.前記所定の外部手段の接続状態(ジャック部37にプラグ部39が接続された状態)又は当該接続状態を推認可能な所定状態(カバー部271の開状態)を検知する状態検知手段(検知部273、291)を備え、
前記特定手段は、前記状態検知手段の検知結果に基づいて、前記第1出力手段にて出力が実行されない又は前記第1出力手段からの出力レベルが前記所定の場合より低くなるようにするものであり、
前記状態検知手段による前記接続状態又は前記所定状態の検知が、前記所定出力に対応する所定信号(音信号)を前記第2出力手段側に伝送するための伝送路を用いずに行われるように構成されていることを特徴とする特徴kA1又は特徴kA2に記載の遊技機。
【5961】
例えば、外部手段の接続検知を行う検知手段が所定出力用の伝送路(所定出力を行うための所定信号が伝送される伝送路)上に設けられる構成であると、不正機器が第2出力手段を介して上記伝送路に接続された場合に、上記検知手段を駆動させるための電力が上記不正機器の電源として悪用されるおそれがある。この点、本特徴では、外部手段の接続有無を遊技機が把握するための検知を行う検知手段が上記伝送路上に設けられないように構成されているため、上記のような電力の悪用が行われることを抑制できる。これにより、不正機器の電源を容易に確保できることを抑制し、不正の抑止効果を高めることが可能になる。
【5962】
特徴kA4.前記特定手段は、前記第1出力手段にて出力が実行されない又は前記第1出力手段からの出力レベルが前記所定の場合より低くなるように特定処理(ミュート処理)を実行するものであり、
前記所定の外部手段が前記接続状態又は使用状態から未接続又は未使用の状態に切り替えられた場合に、前記第1出力手段からの出力に対する前記特定処理の実行が解除されるようにする手段(カバー部271の閉状態への切り替えやプラグ部39の引き抜きに応じてミュート処理を解除する機能)を備えていることを特徴kA1乃至特徴kA3のいずれかに記載の遊技機。
【5963】
例えば、第1出力手段からの出力が行われないようにしたりするための特定処理が実行された後、特定処理の実行状態のままで遊技機が放置されると、次の遊技者が遊技を開始した場合に出力が行われないことで、その遊技者を困惑させてしまうおそれがある。この点、本特徴では、外部手段の接続が解除されると、それに応じて特定処理の実行が解除されるように構成されている。すなわち、遊技者が手動で出力の切り替え操作を行わなくても、外部手段の接続が解除されたことに応じて、第1出力手段から出力が行われる状態に自動的に復帰させることができる。よって、特定処理の実行状態のままで遊技機が放置されることが抑制され、次の遊技者を困惑させる事態の発生を好適に抑制することが可能になる。
【5964】
特徴kA5.前記特定手段は、前記第1出力手段にて出力が実行されない又は前記第1出力手段からの出力レベルが前記所定の場合より低くなるように特定処理(ミュート処理)を実行するものであり、
所定条件(カバー部271の閉状態への切り替え、プラグ部39の引き抜き、遊技者による出力の切り替え操作の実行)の成立に基づいて、前記第1出力手段からの出力に対する前記特定処理の実行が解除されるようにすることが可能に構成されており、
前記特定処理の実行が解除された場合の前記第1出力手段の出力レベルが、前記特定処理が実行される前の出力レベルより低く且つ前記特定処理が実行された場合の出力レベルより高くなるようすることが可能な手段(ミュート処理の解除時に音量レベルを調整して出力を復帰させる機能)を備えていることを特徴とする特徴kA1乃至特徴kA4のいずれかに記載の遊技機。
【5965】
例えば、遊技の途中で出力を切り替えるべく、遊技者が外部手段の接続を解除した場合に、第1出力手段からの出力レベルが復帰することで、高レベルでの出力が突然開始されることがある。その結果、周囲の遊技者を驚かせ、遊技への集中度を低下させてしまうおそれがある。この点、本特徴では、特定処理の実行を解除して第1出力手段からの出力レベルを復帰させる場合に、特定処理の実行前の出力レベルのままで復帰させず、それよりも低いレベルに調整して復帰させるように構成されている。このような構成とすることで、高レベルでの出力が突然始まることが抑制され、周囲の遊技者を驚かせてしまう事態の発生を抑制することが可能になる。
【5966】
なお、本特徴の「前記特定処理の実行が解除された場合の前記第1出力手段の出力レベルが、前記特定処理が実行される前の出力レベルより低く且つ前記特定処理が実行された場合の出力レベルより高くなるようすることが可能な手段」は、「前記特定処理の実行が解除された場合の前記第1出力手段の出力レベルが、前記特定処理が実行される前の出力レベルより低く且つ前記特定処理が実行された場合の出力レベルより高くなるようにして前記特定処理の実行が解除されることを可能とする手段」と表現することもできる。
【5967】
特徴kA6.前記所定の外部手段は、人が頭部又は耳に装着して使用することで音を聴くことが可能なものであることを特徴とする特徴kA1乃至特徴kA5のいずれかに記載の遊技機。
【5968】
上記構成では、所定の外部手段がいわゆるヘッドホンやイヤホンであるところ、これらのリスニング機器を遊技機に接続した場合に、第1出力手段からの出力(遊技機に搭載のスピーカからの音の出力)が行われないようにすることで、周囲の遊技者に聴こえる態様で当該遊技機から音が発せられることを抑制できる。これにより、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができ、遊技ホールに来店する各遊技者が遊技を行いやすい環境づくりに寄与することが可能になる。
【5969】
特徴kA7.音を出力可能な出力手段(スピーカ部29)と、
所定状況の場合に、前記出力手段から出力される音のうち少なくとも特定音(演出音)の音量を変更可能な変更手段(SP出力制御IC88)と、
を備えた遊技機において、
前記変更手段は、
前記特定音を遊技者が認識不可又は認識困難となるよう前記音量を変更可能な手段(MPU342によるミュート制御処理を実行する機能)を含んでいることを特徴とする遊技機。
【5970】
上記構成では、出力手段から出力される音のうち少なくとも特定音の音量について、所定状況である場合に、当該特定音を遊技者が認識不可又は認識困難となるように変更することが可能となっている。これにより、周囲に聴こえる態様で所定出力としての音が遊技機から発せられることを抑制でき、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能になる。
【5971】
なお、上記特徴kA1乃至特徴kA7の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5972】
<特徴kB群>
特徴kB群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態に基づいて抽出されるものである。
【5973】
特徴kB1.少なくとも遊技の進行に応じて所定出力(変動音やリーチ発生音等の演出音の出力)を実行し得るように構成された遊技機であって、
遊技の進行に伴う所定契機(遊技回やリーチ表示の実行)の成立に基づいて前記所定出力が実行されるように制御する制御手段(MPU342及びサウンドIC83による音出力処理を実行する機能)と、
所定の外部手段(ヘッドホン38)と接続されることで、前記制御手段により前記所定出力が実行されるように制御される場合に、前記所定出力が前記所定の外部手段を通じて実行されるようにする外部出力手段(ジャック部37、第2音信号経路93)と、
前記所定出力を実行するための所定信号(音信号)の伝送路において、第1所定部(HP出力制御IC94の出力部)と、前記第1所定部より前記外部出力手段側の第2所定部(ジャック部37の入力部)とが結線的に分離されるようにしつつ、前記第1所定部から前記第2所定部への前記所定信号の流れが許容されるようにする特定手段(絶縁トランス96、フォトカプラ)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【5974】
上記構成では、遊技の進行に応じた所定出力を実行する手段として、所定の外部手段と接続されることで、当該外部手段を通じて上記所定出力が実行されるようにする外部出力手段を備えている。この場合、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、周囲の音の影響を受けにくくしながら、自身が遊技している遊技機からの演出音等を聴くことができ、かかる演出音等を聴き取りやすくなって利便性が向上する。しかしながら、遊技者が利用可能な外部出力手段を遊技機に設けると、例えば、外部出力手段に不正機器を接続し、所定出力を行うための信号伝送路を通じて不正な信号を遊技機の内部(例えば制御手段)に送り込む行為が行われることが懸念される。
【5975】
この点、本特徴では、所定出力を行うための信号伝送路にて、正規の信号出力方向において上流側に位置する第1所定部と、それよりも下流側の第2所定部とを結線的に分離しつつ、第1所定部から第2所定部への信号の流れを許容する特定手段が設けられている。この場合、上記第1所定部と第2所定部とが直接的に結線されている場合に比べ、第2所定部から第1所定部への信号の流れを生じさせにくくすることができ、外部出力手段に不正機器が接続されても不正な信号が遊技機の内部に入力されることを抑制できる。これにより、不正の抑止を図りながら、好適に遊技を行うことができる遊技機を提供することが可能になる。
【5976】
特徴kB2.前記外部出力手段は、所定の接続部材(プラグ部39)を取り付け可能な接続手段(ジャック部37)を含み、
前記所定の接続部材が前記接続手段に取り付けられた場合に、当該遊技機と前記所定の外部手段との接続が可能となるように構成されており、
当該遊技機において前記接続手段と前記伝送路とが導通していることを特徴とする特徴kB1に記載の遊技機。
【5977】
上記構成では、遊技機において上記伝送路と導通する接続手段が設けられ、この接続手段に対して所定の接続部材を取り付けることで、遊技機と所定の外部手段との接続が図られるように構成されている。このような構成では、遊技機において接続手段が表出した状態となるため、接続手段を利用して不正な信号を遊技機の内部に送り込む行為が行われやすくなることが想定される。この点、上記特徴kB1の特徴を備えることで、そのような行為が行われることを好適に抑制することが可能になる。
【5978】
特徴kB3.前記所定の外部手段が接続されていない場合に、前記伝送路における前記第2所定部の電位が所定電位に固定されるようにする手段(プラグ部39が引き抜かれることで、接触端子253~255が接地端子257、258と接触する構成)を備えていることを特徴とする特徴kB1又は特徴kB2に記載の遊技機。
【5979】
上記構成では、所定の外部手段が遊技機に接続されていない場合に、所定信号の伝送路における第2所定部の電位が所定電位に固定されるように構成されている。これにより、第2所定部が電気的に浮いた状態となることが抑制され、上記伝送路に対して遊技機の外部から信号入力が行われた場合に、当該信号が第1所定部に伝送されることを抑制できる。すなわち、不正な信号が遊技機の内部に入力されることを好適に抑制できる。
【5980】
特徴kB4.前記所定電位が接地電位であることを特徴とする特徴kB3に記載の遊技機。
【5981】
上記構成では、所定の外部手段が遊技機に接続されていない場合に、所定信号の伝送路における第2所定部の電位が接地電位に固定されるように構成されている。これにより、第2所定部が電気的に浮いた状態となることが抑制されるとともに、遊技機の外部からの入力に対して第1所定部側に電流が流れにくくすることができる。よって、不正な信号が遊技機の内部に入力されることを好適に抑制できる。
【5982】
特徴kB5.前記特定手段は、絶縁トランス又はフォトカプラを含むことを特徴とする特徴kB1乃至特徴kB4のいずれかに記載の遊技機。
【5983】
本特徴では、絶縁トランス又はフォトカプラを含んで特定手段が構成されている。すなわち、絶縁トランスやフォトカプラを用いることで、所定信号の伝送路にて、第1所定部と第2所定部とを結線的に分離しつつ、第1所定部から第2所定部への信号の流れを許容する構成を好適に実現することが可能になる。
【5984】
特徴kB6.前記特定手段は絶縁トランスを含み、前記所定の外部手段が接続されていない場合に、前記絶縁トランスの2次側の電位を所定電位に固定する手段(プラグ部39が引き抜かれることで、接触端子253~255が接地端子257、258と接触し、絶縁トランス96の2次側が接地化される構成)を備えていることを特徴とする特徴kB1乃至特徴kB5のいずれかに記載の遊技機。
【5985】
上記構成では、所定の外部手段が遊技機に接続されていない場合に、絶縁トランスの2次側の電位が所定電位に固定される。これにより、絶縁トランスの2次側が電気的に浮いた状態となることが抑制され、上記伝送路に対して遊技機の外部から信号入力が行われた場合に、当該信号が絶縁トランスの1次側に伝送されることを抑制できる。
【5986】
なお、上記特徴kB1乃至特徴kB6の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【5987】
<特徴kC群>
特徴kC群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態に基づいて抽出されるものである。
【5988】
特徴kC1.少なくとも遊技の進行に応じて所定出力(変動音やリーチ発生音等の演出音の出力)を実行し得るように構成された遊技機であって、
遊技の進行に伴う所定契機(遊技回やリーチ表示の実行)の成立に基づいて前記所定出力が実行されるように制御する制御手段(MPU342及びサウンドIC83による音出力処理を実行する機能)と、
所定の外部手段(ヘッドホン38)と接続されることで、前記制御手段により前記所定出力が実行されるように制御される場合に、前記所定出力が前記所定の外部手段を通じて実行されるようにする外部出力手段(ジャック部37、第2音信号経路93)と、
を備え、
前記外部出力手段は、所定の接続部材(プラグ部39)を取り付け可能な接続手段(ジャック部37)を含み、
前記所定の接続部材が前記接続手段に取り付けられ、前記接続手段の接続端子(接触端子253~255)と前記所定の接続部材の所定部(電極232~234)とが導通した場合に、前記所定の外部手段との接続が可能となるように構成されており、
前記所定の接続部材が前記接続手段に取り付けられていない場合に前記接続端子の電位が所定電位に固定されることを可能とする手段(プラグ部39が引き抜かれることで、接触端子253~255が接地端子257、258と接触する構成)を備えていることを特徴とする遊技機。
【5989】
上記構成では、遊技の進行に応じた所定出力を実行する手段として、所定の外部手段と接続されることで、当該外部手段を通じて上記所定出力が実行されるようにする外部出力手段を備えている。この場合、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、周囲音の影響を受けにくくしながら、自身が遊技している遊技機の演出音等を聴くことができ、遊技者にとっての利便性が向上する。
【5990】
ここで、本構成では、遊技機に設けられた接続手段に対して所定の接続部材を取り付けることで、遊技機と外部手段との接続が図られるところ、このような構成では、遊技機において接続手段が表出し、接続手段における接続端子へのアクセスが比較的に容易となるため、接続端子を利用して不正な信号を遊技機の内部(例えば制御手段)に送り込む行為が行われることが懸念される。この点、本特徴では、接続部材が接続手段に取り付けられていない場合、すなわち、接続端子への外部からのアクセスが可能な状況である場合に、接続端子の電位が所定電位に固定されるため、不正な信号が遊技機の内部に入力されることを抑制できる。これにより、不正の抑止を図りながら、好適に遊技を行うことができる遊技機を提供することが可能になる。
【5991】
特徴kC2.前記所定電位が接地電位であることを特徴とする特徴kC1に記載の遊技機。
【5992】
上記構成では、所定の接続部材が接続手段に取り付けられていない場合に、接続端子の電位が接地電位に固定されるように構成されている。これにより、接続端子が電気的に浮いた状態となることが抑制されるとともに、接続端子に対して外部から不正な信号が入力された場合に、所定出力を行うための信号伝送路を当該不正な信号が逆流して遊技機の内部に送り込まれることを抑制できる。
【5993】
特徴kC3.前記所定の接続部材が前記接続手段に取り付けられていない場合に、前記接続端子が特定部(接地端子257、258)に当接することで、前記接続端子の電位が所定電位とされるように構成され、
前記所定の接続部材の前記接続手段への取り付けに伴って付与される押圧力により、前記接続端子と前記特定部とが離間するように構成されていることを特徴とする特徴kC1又は特徴kC2に記載の遊技機。
【5994】
上記構成では、接続部材が取り付けられていない状態では、接続手段の接続端子が特定部と当接することで、接続端子の電位が所定電位に固定され、その後、接続部材が接続手段に取り付けられると、そのときの押圧力により接続端子が特定部から離間する。そして、接続部材が接続手段から取り外されると、押圧力が解除されて再び接続端子と特定部とが当接し、接続端子の電位が所定電位に固定される。すなわち、接続部材の着脱に連動して、接続端子の電位が所定電位に固定される状態と、接続部材の所定部と導通する状態とが機械的に切り替えられるため、接続部材が取り付けられていない場合に接続端子の電位が所定電位に固定される構成を好適に実現することが可能になる。
【5995】
特徴kC4.前記所定出力を実行するための所定信号(音信号)の伝送路において前記制御手段側の第1所定部(HP出力制御IC94の出力部)と前記接続手段側の第2所定部(ジャック部37の入力部)とが結線的に分離されるようにしつつ、前記第1所定部から前記第2所定部への前記所定信号の流れが許容されるようにする手段(絶縁トランス96、フォトカプラ)を備え、
前記第2所定部と前記接続端子とが導通していることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC3のいずれかに記載の遊技機。
【5996】
上記構成では、所定出力を実行するための所定信号の伝送路にて、正規の信号出力方向において上流側の第1所定部と、それよりも下流側の第2所定部とを結線的に分離した構成において、接続部材が取り付けられていない状態では、接続端子を通じて第2所定部の電位を所定電位に固定するため、接続端子に対して外部から不正な信号が入力された場合に、当該信号が第1所定部に伝送されることを抑制できる。すなわち、不正な信号が遊技機の内部に入力されることを好適に抑制できる。
【5997】
特徴kC5.遊技機前方から前記接続手段に対して重なることが可能に構成された重なり部(カバー部271)を備え、
前記重なり部は、前記接続手段に対して遊技機前方から重なる第1状態(閉状態)と、前記接続手段に重ならない又は前記第1状態より前記接続手段に重なる面積が小さい第2状態(開状態)とに切り替え可能であり、
前記重なり部を前記第2状態とすることで、前記接続手段への前記所定の接続部材の取り付けが可能になることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC4のいずれかに記載の遊技機。
【5998】
上記構成では、重なり部を第2状態に切り替えてからでないと、接続手段に設けられた接続端子にアクセスすることができないため、少なくとも当該切り替えを行う必要がある分、不正行為の実施に手間がかかるものとなり、不正の抑止効果を高めることが可能になる。
【5999】
特徴kC6.前記接続端子の電位を前記所定電位とするか否かを切り替え可能な切替手段(接点スイッチ)と、
前記重なり部が前記第1状態である場合に、前記切替手段を前記接続端子の電位を前記所定電位とするように動作させる手段(カバー部271の開閉に関する検知結果に基づいて接点スイッチのオン/オフを切り替える機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴kC5に記載の遊技機。
【6000】
接続部材が接続手段に取り付けられている状態では必然的に重なり部が第2状態となっているところ、接続端子の電位を所定電位とするか否かを切り替え可能な切替手段を設け、重なり部が第2状態から第1状態に切り替えられた場合に、上記切替手段を接続端子の電位を所定電位とするように動作させる構成とすることで、接続部材が取り外されたことに応じて接続端子の電位を所定の電位に固定することができる。これにより、不正な信号が遊技機の内部に入力されることを抑制できる。
【6001】
特徴kC7.前記所定の接続部材は所定の挿入部材(プラグ部39)であり、
前記接続手段は、前記所定の挿入部材の挿入及び引き抜きが可能な挿入部(ジャック部37)であることを特徴とする特徴kC1乃至特徴kC6のいずれかに記載の遊技機。
【6002】
上記構成では、遊技機に設けられた挿入部に対して所定の挿入部材を挿入することで、遊技機と外部手段との接続が図られる。このような構成では、遊技機において挿入部の開口部(挿入口)が表出し、外部からの接続端子へのアクセスが比較的に容易となる。このような場合において上記特徴kC1の構成を適用することで、接続端子を通じて不正な信号を遊技機の内部に送り込む行為が行われることを抑制できる。
【6003】
特徴kC8.所定の接続部材(プラグ部39)を取り付け可能な接続手段(ジャック部37)を備え、
前記所定の接続部材が前記接続手段に取り付けられ、前記接続手段の接続端子(接触端子253~255)と前記所定の接続部材の所定部(電極232~234)とが導通した場合に、所定の外部手段との接続が可能となるように構成されており、
前記所定の接続部材が前記接続手段に取り付けられていない場合に前記接続端子の電位が所定電位に固定されることを可能とする手段(プラグ部39が引き抜かれることで、接触端子253~255が接地端子257、258と接触する構成)を備えていることを特徴とする遊技機。
【6004】
上記構成では、遊技機に設けられた接続手段に対して所定の接続部材を取り付けることで、遊技機と外部手段との接続が図られるところ、このような構成では、遊技機において接続手段が表出し、接続手段における接続端子へのアクセスが比較的に容易となるため、接続端子を利用して不正な信号を遊技機の内部(例えば制御手段)に送り込む行為が行われることが懸念される。この点、本特徴では、接続部材が接続手段に取り付けられていない場合、すなわち、接続端子への外部からのアクセスが可能な状況である場合に、接続端子の電位が所定電位に固定されるため、不正な信号が遊技機の内部に入力されることを抑制できる。
【6005】
なお、本特徴に対して上記特徴kC2~特徴kC7の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
【6006】
なお、上記特徴kC1乃至特徴kC8の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6007】
<特徴kD群>
特徴kD群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態に基づいて抽出されるものである。
【6008】
特徴kD1.遊技の進行に応じて第1所定音(変動音やリーチ発生音等の演出音)が所定出力手段(スピーカ部29)から出力されるように制御する第1手段(MPU342及びサウンドIC83により演出音の出力制御を行う機能)と、
前記所定出力手段から前記第1所定音が出力されない又は前記所定出力手段からの前記第1所定音の出力レベルが低減されるように特定制御(ミュート処理)を実行する手段(MPU342によるミュート制御処理を実行する機能)と、
所定事象(電波受信、満杯エラー、返却ボタンの操作等)の発生を検知する検知手段(電波検知センサ48、満杯検知センサ82a等)と、
前記検知手段の検知結果に基づいて前記第1所定音とは異なる第2所定音(エラー音や返却音)が前記所定出力手段から出力されるように制御する第2手段(MPU342及びサウンドIC83によりエラー音の出力制御を行う機能)と、
前記第1所定音に対して前記特定制御が実行され得る状況(ミュートフラグのセット状態)で前記第2手段により前記第2所定音が出力されるように制御される場合に、前記第2所定音に対する前記特定制御の実行が制限されることを可能とする特定手段(エラー音に対応する音信号が出力対象となる場合に、第1音信号経路87を伝送される音信号に対してのミュート処理を解除する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6009】
上記構成では、遊技の進行に応じて所定出力手段から第1所定音を出力可能とされた遊技機において、上記所定出力手段から第1所定音が出力されない又は第1所定音の出力レベルが低減されるようにする特定制御を実行することが可能となっている。かかる特定制御が実行されることで、周囲に聴こえる態様で第1所定音が遊技機から発せられることを抑制できる。これにより、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができ、遊技ホールに来店する各遊技者が遊技を行いやすい環境づくりに寄与することが可能になる。
【6010】
その一方で、所定事象の発生に関する検知結果に基づいて上記所定出力手段から出力される第2所定音に関しては上記特定制御の実行が制限されるように構成されている。例えば、第2所定音が聴こえないことで遊技者が所定事象の発生に気付かないまま遊技を継続していると、遊技に支障を来たす場合がある。この点、本特徴のような構成であることで、第1所定音に対する特定制御の実行状態であっても、第2所定音の出力時には遊技者に聴こえる音量で第2所定音が出力されるため、所定事象の発生を好適に知らせることが可能になる。
【6011】
なお、本特徴において「前記第1所定音に対して前記特定制御が実行され得る状況で前記第2手段により前記第2所定音が出力されるように制御される場合に、前記第2所定音に対する前記特定制御の実行が制限されることを可能とする特定手段」は、「前記特定制御により前記所定出力手段から前記第1所定音が出力されない又は前記所定出力手段からの前記第1所定音の出力が前記特定制御の実行に対応した出力レベルで行われる所定状況で前記第2手段により前記第2所定音が出力されるように制御される場合に、前記第2所定音に対する前記特定制御の実行が制限されることを可能とする特定手段」と表現することもできる。
【6012】
特徴kD2.前記検知手段は、所定の異常要因(電波受信、満杯エラー等)の発生を検知するものであり、
前記第2所定音は、前記検知手段の結果に基づく異常報知音(エラー音)であることを特徴とする特徴kD1に記載の遊技機。
【6013】
上記構成では第2所定音が異常報知音となっており、このような構成に対して上記特徴kD1の構成を適用することで、第1所定音に対する特定制御の実行状態であっても、異常の発生を知らせることができ、遊技者に対する注意喚起を好適に行うことが可能になる。
【6014】
特徴kD3.当該遊技機は、前記所定事象として、第1事象(電波受信、返却音の操作等)と、前記第1事象とは異なる第2事象(満杯エラー等)とを含む複数の事象が発生し得るものであり、
前記第2所定音として、少なくとも、前記第1事象の検知に基づく第1特定音(不正検知音、返却音等)と、前記第2事象の検知に基づく第2特定音(満杯エラー音等)とを出力することが可能となっており、
前記特定手段は、前記第1所定音に対して前記特定制御が実行され得る状況で前記第2手段により前記第1特定音が出力されるように制御される場合に、前記第1特定音に対する前記特定制御の実行が制限されることを可能とするものであり(不正検知音に対応する音信号が出力対象となる場合に、第1音信号経路87を伝送される音信号に対してのミュート処理を解除する機能)、
前記第1所定音に対して前記特定制御が実行され得る状況で前記第2手段により前記第2特定音が出力されるように制御される場合に、前記第2特定音に対して前記特定制御が実行されることを可能とする手段(満杯エラー音に対応する音信号が出力対象となる場合に、第1音信号経路87を伝送される音信号に対してのミュート処理を解除しない機能)を備えていることを特徴とする特徴kD1又は特徴kD2に記載の遊技機。
【6015】
検知結果に基づいて出力される第2所定音に対しての特定制御の実行を制限することで、第1所定音に対する特定制御の実行状態であっても所定事象の発生を遊技者に知らせることが可能になる。しかしながら、その反面、所定出力手段から音が出力されていない状態が続いていた状況で、突然、大きな音量で音が出力されると、周囲の遊技者が驚いて遊技に集中しにくくなることが懸念される。この点、本特徴では、第2所定音に対する特定制御の実行制限が一律に行われるのではなく、その種類によって制限の有無が使い分けられるため、突然、大きな音量で音が出力される頻度を低減することができる。これにより、いたずらに周囲の遊技者を驚かせてしまうことを抑制できる。
【6016】
特徴kD4.当該遊技機は、前記所定事象として、第1事象(電波受信、返却音の操作等)と、前記第1事象とは異なる第2事象(満杯エラー等)とを含む複数の事象が発生し得るものであり、
前記第2所定音として、少なくとも、前記第1事象の検知に基づく第1特定音(不正検知音、返却音等)と、前記第2事象の検知に基づく第2特定音(満杯エラー音等)とを出力することが可能となっており、
前記第1所定音に対して前記特定制御が実行され得る状況で前記第2手段により前記第2特定音が出力されるように制御される場合に、前記第2手段により前記第1特定音が出力されるように制御される場合より制限度合いが低くなるようにして、前記第2特定音に対する前記特定制御の実行が制限されることを可能とする手段(不正検知音に対応する音信号が出力対象となる場合にミュート処理を完全に解除する一方、満杯エラー音に対応する音信号が出力対象となる場合にミュート処理の解除の度合いを半分程度とし、ミュート処理の不実行時の半分の音量で満杯エラー音が放出されるようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴kD1又は特徴kD2に記載の遊技機。
【6017】
検知結果に基づいて出力される第2所定音に対しての特定制御の実行を制限することで、第1所定音に対する特定制御の実行状態であっても所定事象の発生を遊技者に知らせることが可能になる。しかしながら、その反面、所定出力手段から音が出力されていない状態が続いていた状況で、突然、大きな音量で音が出力されると、周囲の遊技者が驚いて遊技に集中しにくくなることが懸念される。
【6018】
この点、本特徴では、第1所定音に対する特定制御の実行状態において第2所定音の1つである第2特定音が出力されることになった場合に、第2所定音の他の1つである第1特定音が出力される場合よりも制限度合いを低く抑えて特定制御の実行制限を行うように構成されている。この場合、第2特定音は、第1特定音よりも小さい音量で出力される。すなわち、本特徴では、第2所定音に対する特定制御の実行制限が行われるに際し、第2所定音の種類によって音量調整が行われるため、突然、大きな音量で音が出力される頻度を低減することができる。これにより、いたずらに周囲の遊技者を驚かせてしまうことを抑制できる。
【6019】
特徴kD5.前記第1事象は、不正に関する異常要因(電波受信等)であり、
前記第2事象は、正規に遊技している状況で発生し得る異常要因(満杯エラー等)であることを特徴とする特徴kD3又は特徴kD4に記載の遊技機。
【6020】
上記構成では、第1特定音が、不正に関する異常発生の報知音であり、第2特定音が、正規に遊技している中での異常発生の報知音となっている。このような構成に対して上記特徴kD3又は特徴kD4の構成を適用することで、不正行為が行われることを抑止しつつ、いたずらに周囲の遊技者を驚かせてしまうことを抑制できる。
【6021】
特徴kD6.当該遊技機は、人が頭部又は耳に装着して使用することで音を聴くことが可能な所定の外部手段(ヘッドホン38、イヤホン等)を接続可能となっており、
前記所定の外部手段の接続状態又は使用状態において前記第1所定音に対する前記特定制御が実行されるように構成されていることを特徴とする特徴kD1乃至特徴kD5のいずれかに記載の遊技機。
【6022】
所定の外部手段としていわゆるヘッドホンやイヤホンを遊技機に装着できる構成であるところ、それらの接続時に所定出力手段からの出力(遊技機に搭載のスピーカからの音の出力)に対して上記特定制御(いわゆるミュート処理)を行うことで、周囲の遊技者に聴こえる態様で当該遊技機から音が発せられることが抑制され、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能になる。しかしながら、遊技機に対するヘッドホン等の接続は行われているものの、遊技者がヘッドホン等を装着していない場合は、検知結果に基づく第2所定音がヘッドホン等から出力されていても、遊技者には聴こえず、所定事象の発生に気付かない状態が続く懸念がある。このような場合に対して上記特徴kD1の構成を適用することで、遊技者がヘッドホン等を装着していない場合でも、第2所定音が聴こえるものとなり、所定事象の発生を好適に知らせることが可能になる。
【6023】
なお、上記特徴kD1乃至特徴kD6の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6024】
<特徴kE群>
特徴kE群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態に基づいて抽出されるものである。
【6025】
特徴kE1.少なくとも遊技の進行に応じて所定出力(変動音やリーチ発生音等の演出音の出力)を実行し得るように構成された遊技機であって、
遊技の進行に伴う所定契機(遊技回やリーチ表示の実行)の成立に基づいて前記所定出力が実行されるように制御する制御手段(MPU342及びサウンドIC83による音出力処理を実行する機能)と、
所定の外部手段(ヘッドホン38)と接続されることで、前記制御手段により前記所定出力が実行されるように制御される場合に、前記所定出力が前記所定の外部手段を通じて実行されるようにする外部出力手段(ジャック部37、第2音信号経路93)と、
を備え、
前記外部出力手段は、所定の接続部材(プラグ部39)を取り付け可能な接続手段(ジャック部37)を含み、
前記所定の接続部材が前記接続手段に取り付けられた場合に前記所定の外部手段との接続が可能となるように構成されており、
前記接続手段への前記所定の接続部材の取り付けを規制することが可能な特定手段(カバー部271)を備え、
前記特定手段は、前記取り付けを規制する第1状態(閉状態)と、前記取り付けを許容する又は前記第1状態より規制しにくい第2状態(開状態)とに切り替え可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
【6026】
上記構成では、遊技の進行に応じた所定出力を実行する手段として、所定の外部手段と接続されることで、当該外部手段を通じて上記所定出力が実行されるようにする外部出力手段を備えている。この場合、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、周囲の音の影響を受けにくくしながら、自身が遊技している遊技機の演出音等を聴くことができ、遊技者にとっての利便性が向上する。しかしながら、遊技者が利用可能な外部出力手段を遊技機に設けると、例えば、外部出力手段に不正機器を接続し、所定出力を行うための信号伝送路を通じて不正な信号を遊技機の内部(例えば制御手段)に送り込む行為が行われることが懸念される。この点、本構成では、接続手段への接続部材の取り付けを規制することが可能な特定手段を設け、この特定手段について、上記取り付けを規制する第1状態と、上記取り付けを許容する第2状態との切り替えが可能であるように構成されている。この場合、接続手段への不正を行うに際し、特定手段を第1状態から第2状態に切り替える必要を生じさせることができ、不正行為を行う際の手間を増やして不正の抑止を図ることが可能になる。
【6027】
特徴kE2.前記特定手段は、少なくとも前記第1状態において遊技機前方から前記接続手段に重なる重なり部(カバー部271)であることを特徴とする特徴kE1に記載の遊技機。
【6028】
上記構成では、特定手段としての重なり部が遊技機前方から接続手段に重なり、当該重なり部によって接続手段を覆う(塞ぐ)ため、接続手段への接続部材の取り付けを規制する第1状態において、接続手段に対する不正を好適に抑制することが可能になる。
【6029】
特徴kE3.前記重なり部の少なくとも一部は透光性を有しており、
前記第1状態において前記重なり部を通して前記接続手段を視認可能に構成されていることを特徴とする特徴kE2に記載の遊技機。
【6030】
上記構成では、重なり部が接続手段を覆う第1状態において重なり部を通して接続手段を視認可能となっているため、重なり部が第1状態とされていても、接続手段の存在を遊技者に気付かせやすくすることができる。これにより、遊技者に対して接続手段の利用を促すことができ、外部手段との接続機能を搭載した意義を高めることが可能になる。
【6031】
特徴kE4.前記特定手段は、前記第1状態に対応する第1位置(通常位置)と、前記第2状態に対応する第2位置(上昇位置)とに変位可能であり、
前記特定手段が前記第2位置に位置する場合において、前記特定手段を前記第1位置に変位させる側への所定の付勢力を付与する付勢手段(付勢部材275)を備えていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE3のいずれかに記載の遊技機。
【6032】
上記構成では、接続手段への接続部材の取り付けが許容される第2位置に特定手段が位置する場合に、特定手段を第1位置に変位させる付勢力が付勢手段によって付与される。このため、接続手段に対する不正を試みようとして不正行為者が特定手段を第1位置から第2位置に変位させた場合に、その後も特定手段を手で押さえるなどして、特定手段を第2位置に保持し続ける必要が生じる。これにより、不正行為を行う際の手間をさらに増やすことができ、不正の抑止効果を高めることが可能になる。
【6033】
また、外部手段との接続を行いながら正規に遊技していた遊技者が特定手段を第1位置に戻すのを忘れて遊技をやめてしまった場合に、第2位置とされたままの状態が続く構成であると、そのような状態とされた遊技機を狙って不正行為が行われる懸念がある。この点、本特徴では、特定手段の第1位置への戻しが遊技者により手動で行われなくても、付勢手段の付勢力によりそれが自動的に行われるため、特定手段が第2位置とされたままで放置されることが抑制され、不正の抑止効果を高めることが可能になる。
【6034】
特徴kE5.前記特定手段の前記第1状態と前記第2状態の少なくとも一方を検知する検知手段(検知部273)を備えていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE4のいずれかに記載の遊技機。
【6035】
上記構成では、特定手段が第1状態と第2状態とのいずれの状態であるかが検知手段によって検知されるため、特定手段の状態を遊技機が認識することが可能になる。
【6036】
特徴kE6.前記制御手段により前記所定出力が実行されるように制御される場合に、前記所定出力が当該遊技機にて実行されるようにする第1出力手段(スピーカ部29)と、
前記外部出力手段としての第2出力手段と、
前記特定手段が前記第2状態である場合に、前記第1出力手段にて出力が実行されない又は前記第1出力手段からの出力レベルが低減されるようにすることが可能な手段と、
を備えていることを特徴とする特徴kE1乃至特徴kE5のいずれかに記載の遊技機。
【6037】
上記構成では、所定出力が遊技機にて実行されるようにする第1出力手段と、所定の外部手段と接続されることで、当該外部手段を通じて上記所定出力が実行されるようにする第2出力手段と、を備えている。このような場合において、特定手段が第2状態であることに応じて、第1出力手段からの出力を実行しない又は第1出力手段からの出力レベルを低減させる構成とすることで、接続手段に接続部材が取り付けられて外部手段との接続がなされたことに合わせて、第1出力手段側の出力にいわゆるミュートをかける構成を実現することが可能になる。この場合、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、その遊技機を遊技している遊技者に対しては外部手段を通じて演出音を聴かせることができる一方、第1出力手段からは周囲に聴こえる態様で音が発せられることを抑制できる。これにより、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができ、遊技ホールに来店する各遊技者が遊技を行いやすい環境づくりに寄与することが可能になる。
【6038】
なお、本特徴を上記特徴kE5に適用した場合には、検知手段の検知結果に基づいてミュートの有無を切り替えることで、ミュートするか否かの切り替え制御を好適に行うことが可能になる。
【6039】
なお、上記特徴kE1乃至特徴kE6に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6040】
<特徴kF群>
特徴kF群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
【6041】
特徴kF1.遊技の進行に応じて所定音(変動音やリーチ発生音等の演出音)が出力されるように制御する手段(MPU342及びサウンドIC83により演出音の出力制御を行う機能)と、
所定操作手段(入力用操作部300、第1音量スイッチ301)の操作に基づいて音量を設定することが可能な音量設定手段(MPU342により音量設定表示中の操作対応処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段の設定に対応した音量の前記所定音が所定の出力手段(スピーカ部29)を通じて出力されるようにする手段(SP出力制御IC88)と、
を備え、
予め定められた特定音量(音量レベル5)を上限として音量の変更を行うことが可能に構成されており(音量レベル1~5の範囲で演出音の音量を変更できる機能)、
所定状況(ヘッドホン38の使用状態、小音量スイッチの操作に基づく音量制限状態とされている状況等)において、前記所定操作手段の操作にかかわらず、前記所定の出力手段を通じた前記所定音の出力として少なくとも前記特定音量での出力が不可とされるようにする特定手段(MPU342により出力切替用処理を実行する機能、ステップSk1803~ステップSk1805の処理を実行する機能(音量変更が行われた場合に使用側出力に対してのみ音量変更を行う機能)等)を備えていることを特徴とする遊技機。
【6042】
上記構成では、所定操作手段を操作することで、遊技の進行に応じて出力される所定音の音量を設定することが可能であり、遊技に際して遊技者は、自らが好む音量で所定音を出力させることができる。そのような構成の下、所定状況では、所定操作手段の操作にかかわらず、特定音量(上限音量)での所定音の出力が不可となるように構成されている。このような構成であることにより、例えば、音を出力するための出力手段が複数設けられる遊技機においてその出力切替を行った場合に、逆側の出力手段から過度に大きな音量で所定音が出力されることを抑制できる。これにより、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することができ、遊技ホールに来店する各遊技者が遊技を行いやすい環境づくりに寄与することが可能になる。
【6043】
特徴kF2.前記所定状況とは異なる第1状況(スピーカ部29の使用状態等)から前記所定状況としての第2状況(ヘッドホン38の使用状態等)への切り替わりが生じた場合に、前記所定の出力手段を通じた前記所定音の出力として少なくとも前記特定音量での出力が不可とされる制限状態(音量低減状態)に移行させる手段(MPU342により出力切替用処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記第2状況において、前記所定操作手段の操作にかかわらず、前記制限状態が維持されることを可能とするものである(MPU342によりステップSk1803~ステップSk1805の処理を実行する機能(音量変更が行われた場合に使用側出力に対してのみ音量変更を行う機能))ことを特徴とする特徴kF1に記載の遊技機。
【6044】
上記構成では、第1状況から第2状況への切り替わりが生じることに応じて、特定音量での出力が不可とされる制限状態への移行が自動的に行われるため、遊技者による操作を強いることなく、過度に大きな音量で所定音が出力されることを抑制できる。しかも、制限状態への移行後において第2状況では、所定操作手段の操作が行われても当該制限状態が維持されるため、総じて遊技機から大きな音量で所定音が放出されることを抑制できる。
【6045】
特徴kF3.前記所定状況とは異なる第1状況(スピーカ部29の使用状態等)から前記所定状況としての第2状況(ヘッドホン38の使用状態等)への切り替わりが生じた場合に、前記所定の出力手段を通じた前記所定音の音量を低減させる低減手段(MPU342により出力切替用処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記第2状況において、前記所定操作手段の操作にかかわらず、前記低減手段による音量の低減状態が維持されることを可能するものであることを特徴とする特徴kF1又は特徴kF2に記載の遊技機。
【6046】
上記構成では、第1状況から第2状況への切り替わりが生じることに応じて、所定の出力手段からの所定音の音量が自動的に低減されるため、遊技者による操作を強いることなく、過度に大きな音量で所定音が出力されることを抑制できる。しかも、その後の第2状況では、所定操作手段の操作が行われても音量の低減状態が維持されるため、総じて遊技機から大きな音量で所定音が放出されることを抑制できる。
【6047】
特徴kF4.前記音量設定手段は、前記所定操作手段の操作に基づいて前記特定音量を上限とする所定範囲(音量レベル1~5)で音量を変更することが可能となっており、
前記低減手段は、前記所定の出力手段を通じた前記所定音の音量の設定状態が前記所定範囲における中間音量(音量レベル3)より小さい所定音量に対応した所定設定状態(音量レベル2以下の設定状態)となるように低減を行うものであることを特徴とする特徴kF3に記載の遊技機。
【6048】
上記構成では、低減手段による音量の低減が行われる場合に、選択範囲内における中間音量よりもさらに小さい音量にまで音量が低減されるため、第2状況において所定の出力手段からの所定音の音量を小さく抑えることができ、遊技ホール内での騒音レベルの低減に好適に貢献することができる。
【6049】
特徴kF5.前記特定手段は、前記所定状況において、前記所定操作手段の操作にかかわらず、前記所定の出力手段を通じた前記所定音の出力が不可とされるようにするものである(音量を0に低減する機能)ことを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF4のいずれかに記載の遊技機。
【6050】
上記構成では、例えば、出力切替を行った場合に、逆側の出力手段から音が放出されないようにすることができるため、遊技ホール内での騒音レベルの低減に好適に貢献することが可能になる。
【6051】
特徴kF6.前記所定状況において、前記所定の出力手段を通じた前記所定音について少なくとも前記特定音量での出力が不可とされていることを遊技者が認識できる所定報知(第1音量表示部417の暗転表示)が実行されるようにする手段(ヘッドホン38の使用状態においてスピーカ部29用の第1音量表示部417を表示する機能)を備えている特徴kF1乃至特徴kF5のいずれかに記載の遊技機。
【6052】
上記構成によれば、特定手段による制限が加えられている場合に、所定報知によって遊技者がそれを把握できるため、所定操作手段を操作しても音量が上がらない場合に、故障であると勘違いして遊技者が困惑することを抑制できる。
【6053】
特徴kF7.前記所定の出力手段としての第1出力手段とは異なる第2出力手段(ヘッドホン38)を通じて前記所定音を出力することが可能となっており、
所定の操作が行われて特定状態になった場合(入力用操作部300が操作されてヘッドホン38の使用状態になった場合)に、当該特定状態になったことに対応した所定音量の前記所定音が前記第2出力手段を通じて出力され得るように構成されており(ヘッドホン38の使用状態に切り替えられることで、可聴音レベルの音量でヘッドホン38から演出音が出力され得るようにする機能)、
前記所定状況は、前記特定状態とされている状況であることを特徴とする特徴kF1乃至特徴kF6のいずれかに記載の遊技機。
【6054】
上記構成では、所定音を出力可能な出力手段として第1出力手段と第2出力手段との複数の出力手段が設けられている。かかる構成において、例えば、所定の操作が行われて特定状態になり、第2出力手段から所定音が出力される状態となった場合に、第1出力手段から過度に大きな音量で所定音が出力されることを抑制でき、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能になる。
【6055】
特徴kF8.前記第2出力手段を通じて出力される前記所定音の音量を前記所定操作手段の操作に基づいて変更することが可能となっており、
前記特定状態である状況で前記所定操作手段の操作が行われた場合に、前記第1出力手段を通じた前記所定音の出力として少なくとも前記特定音量での出力が不可とされつつ、前記第2出力手段を通じて出力される前記所定音の音量の変更が可能であるように構成されていることを特徴とする特徴kF7に記載の遊技機。
【6056】
上記構成では、第1出力手段から所定音が出力される場合と第2出力手段から所定音が出力される場合とで音量変更のための操作手段がいずれも所定操作手段とされ、操作手段の共通化が図られている。これにより、出力切替の前後において遊技者が音量変更の操作に戸惑うことを抑制でき、利便性を高めることが可能になる。しかも、第2出力手段から所定音が出力される特定状態では、第1出力手段からの音量が特定音量になることを不可としつつ、所定操作手段の操作による第1出力手段からの所定音の音量変更が許容される。このため、第1出力手段から過度に大きな音量で所定音が出力されることを抑制しながら、遊技者が第2出力手段からの所定音の音量を変更することが可能になる。
【6057】
特徴kF9.前記第1出力手段は、当該遊技機から前記所定音が出力されるようにするものであり、
前記第2出力手段は、所定の外部手段から前記所定音が出力されるようにするものであることを特徴とする特徴kF7又は特徴kF8に記載の遊技機。
【6058】
上記構成において、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、その使用時において第1出力手段(例えばスピーカ)からの所定音の音量に制限を加えることができる。これにより、当該遊技機を使用している遊技者に対して外部手段を通じて所定音が聴こえるようにしつつ、第1出力手段を通じて周囲に聴こえる音量が過度に大きくなることを抑制でき、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能になる。
【6059】
なお、本特徴は、「前記第1出力手段は、当該遊技機に設けられた音放出手段(スピーカ部29)から前記所定音が出力されるようにするものであり、前記第2出力手段は、人が頭部又は耳に装着して使用することで音を聴くことが可能な所定の外部手段(ヘッドホン38)から前記所定音が出力されるようにするものである」と表現することもできる。
【6060】
なお、上記特徴kF1乃至特徴kF9の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6061】
<特徴kG群>
特徴kG群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態の変形例2に基づいて抽出されるものである。
【6062】
特徴kG1.遊技の進行に応じて所定音(変動音やリーチ発生音等の演出音)が出力されるように制御する手段(MPU342及びサウンドIC83により演出音の出力制御を行う機能)と、
前記所定音を含む音の出力に関して用いられる第1手段(ジャック部37)と、
前記所定音を含む音の出力に関して用いられるものであって前記第1手段とは異なる第2手段(スピーカ部29)と、
前記第2手段を使用して出力される音量の状況が前記第1手段の状況に応じて変更されるようにする特定手段(MPU342により出力切替用処理を実行する機能、ヘッドホン38の使用状態の設定によりスピーカ部29からの放出音の音量を自動低減する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6063】
上記構成では、所定音を含む音を出力するための手段として第1手段及び第2手段を有しており、第2手段を使用して出力される音量が第1手段の状況に応じて変更されるように構成されている。例えば、第2手段から第1手段への出力切替を行った場合に、使用しなくなった側の第2手段からの音量を自動的に低減させることができる。すなわち、第2手段からの音量を低減させるための操作を遊技者が逐一行う必要がないため、利便性を高めることが可能になる。
【6064】
なお、本特徴の「少なくとも前記所定音を含む音の出力に関して用いられる第1手段(ジャック部37)」及び「少なくとも前記所定音を含む音の出力に関して用いられるものであって前記第1手段とは異なる第2手段(スピーカ部29)と」は、「前記所定音を出力する場合の第1音量制御(ヘッドホン38の音量制御)に関する特定処理(第2音量制御信号VC2に基づく音量設定処理)を実行するための第1手段(第2音信号経路93)」及び「前記所定音を出力する場合の第2音量制御(スピーカ部29の音量制御)に関する所定処理(第1音量制御信号VC1に基づく音量設定処理)を実行するための第2手段(第1音信号経路87)」と表現することも可能である。
【6065】
特徴kG2.前記第1手段の音量状態として第1状態(不使用状態、音量レベル0)と第2状態(使用状態、音量レベル1~5)とを設定可能になっており、
前記特定手段は、前記第1手段の音量状態が前記第1状態から前記第2状態に切り替えられた場合に、前記第2手段を使用して出力される音量の状況が変更されるようにするものであることを特徴とする特徴kG1に記載の遊技機。
【6066】
上記構成では、第1手段から所定音が出力される場合の音量状態を第1状態から第2状態に切り替えた場合に、第2手段を使用して出力される音量が変更されるように構成されている。この場合、第1手段側の音量の変更に追従して第2手段側の音量が自動的に変更されるため、遊技者が第1手段側と第2手段側の両方について音量変更の操作を行う必要がなく、利便性を高めることが可能になる。
【6067】
特徴kG3.前記第1手段の音量状態として、第1状態(不使用状態、音量レベル0)と、前記第1状態より音量が大きい第2状態(使用状態、音量レベル1~5)とを設定可能になっており、
前記特定手段は、前記第1手段の音量状態が前記第1状態から前記第2状態に切り替えられた状況で、前記第2手段を使用して出力される音量が低減されることを可能とするものであることを特徴とする特徴kG1又は特徴kG2に記載の遊技機。
【6068】
上記構成では、第1手段からの所定音の音量を大きくする操作が遊技者により行われた場合に、それに追従して第2手段からの所定音の音量を低減することが可能になる。これにより、第1手段が使用側の出力として選択されている状況で、第2手段から大きな音量で所定音が出力されることを抑制でき、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能になる。
【6069】
特徴kG4.所定操作手段(入力用操作部300、第1音量スイッチ301)の操作に基づいて前記第2手段を使用して出力される音量を変更することが可能となっており、
前記特定手段により前記第2手段を使用して出力される音量の状況が変更された場合に、前記所定操作手段の操作にかかわらず、前記第2手段を使用して出力される音量が所定音量以上(音量レベル5)となることが不可となるように構成されていることを特徴とする特徴kG1乃至特徴kG3のいずれかに記載の遊技機。
【6070】
上記構成では、所定操作手段を操作することで、第2手段からの所定音の音量を変更することができるため、遊技者が第2手段を使用側の出力として選択している場合に、自らが好む音量で所定音を出力させることができる。そのような構成の下、第1手段の状況に応じて特定手段による変更が行われると、所定操作手段が操作されても、第2手段を使用して出力される音量が所定音量に達しないように制限される。このような構成であることにより、例えば、第2手段から第1手段への出力切替が行われた場合に、第2手段からの所定音の出力に対して上記制限を加え、第2手段から大きな音量で所定音が出力されることを抑制できる。
【6071】
特徴kG5.所定の場合(入力用操作部300、第1音量スイッチ301が操作された場合)に、前記第1手段の状況を遊技者が認識できる第1特定表示(HPボタン416、第2音量表示部418)と、前記第2手段を使用して出力される音量を遊技者が認識できる第2特定表示(第1音量表示部417)とが所定の表示手段(図柄表示装置75)にて実行されるように構成されていることを特徴とする特徴kG1乃至特徴kG4のいずれかに記載の遊技機。
【6072】
上記構成では、第1手段の状況と第2手段からの所定音の音量とが表示によって報知されるとともに、それらが1の表示手段を通じて行われるため、第1手段の状況と第2手段からの所定音の音量とを同時に把握することができる。これにより、第1手段の状況に応じて第2手段からの所定音の音量が自動変更されることを視覚的に認識することができ、第2手段側の音量が勝手に変化する構成であっても遊技者が困惑することを抑制できる。
【6073】
特徴kG6.予め定められた判定条件(第1作動口62又は第2作動口63への入賞)の成立に基づいて特定判定(特図当否判定)を実行する手段(主制御装置162における特図当否判定を実行する機能)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて遊技者に所定特典(開閉実行モードへの移行)を付与することが可能な手段(主制御装置162における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定判定が行われることに基づいて絵柄(図柄列Z1~Z3)の可変表示が開始され、前記特定判定の結果に対応した停止結果の停止表示が行われるように制御する手段(MPU342によりコマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変表示及び前記停止表示が前記所定の表示手段にて行われるように構成されていることを特徴とする特徴kG5に記載の遊技機。
【6074】
所定の表示手段では、絵柄の可変表示と特定判定の結果に対応した停止結果の停止表示とが行われるため、当該表示手段の表示内容に対する遊技者の注目度が高いことが想定される。そのような構成の下、第1手段の状況を示す第1特定表示と、第2手段を使用して出力される音量を示す第2特定表示とが上記表示手段にて実行されるため、それらの表示の見逃しが抑制され、第1手段の状況や第2手段からの音量を遊技者に対して好適に伝えることが可能になる。
【6075】
特徴kG7.前記第1手段は、所定の外部手段から前記所定音が出力されるようにするものであり、
前記第2手段は、当該遊技機から前記所定音が出力されるようにするものであることを特徴とする特徴kG1乃至特徴kG6のいずれかに記載の遊技機。
【6076】
上記構成において、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、当該ヘッドホン等の使用状態への切り替えに応じて、第2手段(例えばスピーカ)からの所定音の音量を自動的に変更することができる。これにより、当該遊技機を使用している遊技者に対して外部手段を通じて所定音が聴こえるようにしつつ、第2手段を通じて周囲に聴こえる音量が過度に大きくなることを抑制でき、遊技ホール内での騒音レベルの低減に貢献することが可能になる。
【6077】
なお、本特徴は、「前記第1手段は、人が頭部又は耳に装着して使用することで音を聴くことが可能な所定の外部手段(ヘッドホン38)から前記所定音が出力されるようにするものであり、前記第2手段は、当該遊技機に設けられた音放出手段(スピーカ部29)から前記所定音が出力されるようにするものである」と表現することもできる。
【6078】
なお、上記特徴kG1乃至特徴kG7の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6079】
<特徴kH群>
特徴kH群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態の変形例2、3に基づいて抽出されるものである。
【6080】
特徴kH1.遊技の進行に応じて第1所定音(変動音やリーチ発生音等の演出音)が出力されるように制御する手段(MPU342及びサウンドIC83により演出音の出力制御を行う機能)と、
所定事象(電波受信、満杯エラー、返却ボタンの操作等)の発生を検知する検知手段(電波検知センサ48、満杯検知センサ82a等)と、
前記検知手段の検知結果に基づいて前記第1所定音とは異なる第2所定音(エラー音や返却音)が出力されるように制御する手段(MPU342及びサウンドIC83によりエラー音の出力制御を行う機能)と、
所定の第1出力手段(ジャック部37、遊技者の耳に相対的に近い側のスピーカ、ヘッドホン)を通じて出力される前記第2所定音について、所定操作手段(入力用操作部300、第1音量スイッチ301)の操作に基づいて当該第2所定音の音量が変更されることを可能とする第1手段(MPU342によりステップSk2102~ステップSk2103の処理を実行する機能)と、
前記第1出力手段とは異なる所定の第2出力手段(スピーカ部29、遊技者の耳に相対的に遠い側のスピーカ、イヤホン)を通じて出力される前記第2所定音について、前記所定操作手段が操作されても当該第2所定音の音量変更が不可とされる又は前記所定操作手段の操作に基づく音量変更の段数(2段)が前記第2出力手段を通じて出力される前記第1所定音についての音量変更の段数(5段)より少なくされることを可能とする第2手段(第6の実施の形態の変形例2に係るMPU342によりステップSk2106の処理を実行する機能、第6の実施の形態の変形例3に係るMPU342によりステップSk2501、ステップSk2502の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6081】
上記構成では、所定事象の発生に関する検知結果に基づいて第2所定音が出力され、当該第2所定音により遊技者に対して注意喚起を行ったり、不正行為を抑止したりすることができる。この場合において、第2所定音を出力可能な出力手段として第1出力手段と第2出力手段とを備え、第1出力手段から出力される第2所定音については、所定操作手段の操作によりその音量を変更することができ、第2出力手段から出力される第2所定音については、所定操作手段が操作されてもその音量を変更することができなかったり、音量変更の段数が第1所定音の場合よりも少なく制限されたりする。すなわち、本特徴によれば、第2所定音が第1出力手段と第2出力手段のいずれから出力されるかにより、当該第2所定音に対する音量変更の取り扱いを使い分けることができる。
【6082】
例えば、第1出力手段としてヘッドホン等を用い、第2出力手段として遊技機に搭載されるスピーカを用いる構成であれば、遊技者が第1出力手段を通じて第2所定音を聴く場合に、音量調整を可能として耳の近くで大きな音が発せられることを抑制できる。一方、遊技者が第2出力手段を通じて第2所定音を聴く場合は、遊技者に対して音量調整の裁量を与えなかったり、与えたとしてもその自由度を狭く制限したりすることで、第2出力手段からの第2所定音の音量が過度に小さくなることを抑制できる。これにより、注意喚起や不正抑止という第2所定音の本来の機能が損なわれることを抑制可能になる。
【6083】
特徴kH2.前記第1出力手段を通じて出力される前記第2所定音の音量変更の段数(3段)が、前記第1出力手段を通じて出力される前記第1所定音についての音量変更の段数(5段)より少なくされることを可能とする手段(ヘッドホン38からの演出音の音量を変更する場合の段数を5段とし、ヘッドホン38からのエラー音の音量を変更する場合の段数を3段とする機能)を備えていることを特徴とする特徴kH1に記載の遊技機。
【6084】
上記構成では、第1出力手段から第2所定音が出力される場合の音量変更の自由度が第1出力手段から第1所定音が出力される場合よりも狭く制限されるため、遊技者の操作により第2所定音が過度に小さく変更されてしまうことを抑制できる。これにより、第2所定音の音量変更を許容しながらも、第2所定音による注意喚起が適切に行われなくなることを抑制できる。
【6085】
特徴kH3.前記第1出力手段を通じて出力される前記第2所定音について設定可能な下限の音量(ヘッドホン38からのエラー音について設定可能な最小音量)が、前記第1出力手段を通じて出力される前記第1所定音について設定可能な下限の音量(ヘッドホン38からの演出音について設定可能な最小音量)より大きいように構成されていることを特徴とする特徴kH1又は特徴kH2に記載の遊技機。
【6086】
上記構成では、第1出力手段から出力される第2所定音の最小音量が、第1出力手段から出力される第1所定音の最小音量よりも大きく、一定以上の音量が確保されるものとなっている。このため、遊技者により第2所定音の音量が小さく変更された場合でも、第2所定音が聴こえなくなることを抑制できる。これにより、第2所定音の音量変更を許容しながらも、第2所定音による注意喚起が適切に行われなくなることを抑制できる。
【6087】
特徴kH4.前記第2出力手段を通じて出力される前記第2所定音について音量を変更する操作を行うことが可能となっており(第6の実施の形態の変形例3においてスピーカ部29からのエラー音の音量変更を可能とする機能)、
前記第2出力手段を通じて出力される前記第2所定音の音量変更の段数(2段)が、前記第1出力手段を通じて出力される前記第2所定音の音量変更の段数(3段)より少なくされることを可能とする手段(第6の実施の形態の変形例3においてヘッドホン38からのエラー音の音量を変更する場合の段数を3段とし、スピーカ部29からのエラー音の音量を変更する場合の段数を2段とする機能)を備えていることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH3のいずれかに記載の遊技機。
【6088】
上記構成では、第1出力手段から出力される第2所定音と第2出力手段から出力される第2所定音とのいずれについても音量変更を行うことが可能となっており、その上で、第2出力手段からの第2所定音に関する音量変更の段数が、第1出力手段からの第2所定音に関する音量変更の段数より少なくなっている。例えば、第1出力手段としてヘッドホン等を用い、第2出力手段として遊技機に搭載されるスピーカを用いる構成であれば、第2出力手段からの第2所定音では、当該第2所定音を周囲の者に聴かせることにより、不正行為の抑止を図る役割もあるところ、本特徴の構成であることにより、第2出力手段からの第2所定音が過度に小さくされ、第2所定音が周囲の者に聴こえなくなることを抑制できる。すなわち、本特徴によれば、第2出力手段からの第2所定音の音量変更を許容しながらも、当該変更機能が不正行為に悪用されることを抑制可能になる。
【6089】
特徴kH5.前記所定操作手段が遊技機前面側の所定部(前扉枠14の上側膨出部31)に配置されることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH4のいずれかに記載の遊技機。
【6090】
上記構成では、第2所定音の音量を変更するための所定操作手段が遊技機前面側に位置するため、遊技者の手が所定操作手段に届きやすく、第2所定音の音量の変更操作を行いやすい構成とすることができる。
【6091】
特徴kH6.前記第1出力手段を通じて出力される前記第1所定音について、前記所定操作手段の操作に基づいて当該第1所定音の音量が変更されることを可能とする手段(MPU342によりステップSk1803~ステップSk1807の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH5のいずれかに記載の遊技機。
【6092】
上記構成では、第1出力手段から出力される第1所定音と第1出力手段から出力される第2所定音とで音量変更のための操作手段がいずれも所定操作手段とされ、操作手段の共通化が図られている。これにより、音量変更の対象が第1所定音と第2所定音のいずれの場合でも遊技者が操作に戸惑うことを抑制でき、利便性を高めることが可能になる。
【6093】
特徴kH7.前記第1出力手段を通じて出力される前記第1所定音について、前記所定操作手段の操作に基づいて当該第1所定音の音量が変更されることを可能とする手段(MPU342によりステップSk1803~ステップSk1807の処理を実行する機能)を備え、
前記第1出力手段を通じて出力される前記第1所定音の音量が変更されることに応じて、前記第1出力手段を通じて出力される前記第2所定音の音量が変更されるように構成されていることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH6のいずれかに記載の遊技機。
【6094】
上記構成では、遊技者により第1所定音の音量変更が行われることに連動して第2所定音の音量変更を行うことができる。これにより、第2所定音の音量変更を各別に行うことに対しての煩わしさを解消したり、音量変更のし忘れを抑制したりすることが可能になる。
【6095】
特徴kH8.前記第1出力手段の使用状態である状況で前記第2所定音が出力される場合に、前記第1出力手段及び前記第2出力手段を通じて前記第2所定音が出力されることを可能とする特定手段(MPU342によりステップSk2104の処理を実行する機能)を備えており、
前記第2手段は、前記特定手段により前記第2出力手段を通じて出力される前記第2所定音について、前記所定操作手段が操作されても当該第2所定音の音量変更が不可とされる又は前記所定操作手段の操作に基づく音量変更の段数が前記第2出力手段を通じて出力される前記第1所定音についての音量変更の段数より少なくされることを可能とするものであることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH7のいずれかに記載の遊技機。
【6096】
上記構成では、使用側の出力手段として第1出力手段が選択されている状況で第2所定音の出力状態になった場合は、第1出力手段と第2出力手段との双方から第2所定音が出力される。しかも、その場合における第2出力手段からの第2所定音は、その音量を変更することができなかったり、音量変更の段数が少なく制限されたりする。これにより、例えば、第2出力手段として遊技機に搭載されるスピーカを用いる構成であれば、遊技者が第1出力手段を使用側に選択している場合であっても、第2出力手段から周囲の者に聴こえる音量で第2所定音を出力させることができる。
【6097】
特徴kH9.前記検知手段は、所定の異常要因(電波受信、満杯エラー等)の発生を検知するものであり、
前記第2所定音は、前記検知手段の結果に基づく異常報知音(エラー音)であることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH8のいずれかに記載の遊技機。
【6098】
上記構成では第2所定音が異常報知音となっており、このような構成に対して上記特徴kH1の構成を適用することで、第1出力手段及び第2出力手段のそれぞれから異常報知音から出力可能とする場合に好適な構成とすることができる。
【6099】
特徴kH10.前記第1出力手段は、所定の外部手段(ヘッドホン38)から前記第2所定音が出力されるようにするものであり、
前記第2出力手段は、当該遊技機から前記第2所定音が出力されるようにするものであることを特徴とする特徴kH1乃至特徴kH9のいずれかに記載の遊技機。
【6100】
上記構成において、例えば、外部手段としてヘッドホン等を用いる構成とすれば、当該ヘッドホン等から出力される第2所定音については音量調整を可能として耳の近くで大きな音が発せられることを抑制できる。一方、第2手段(例えばスピーカ)から出力される第2所定音については、遊技者に対して音量調整の裁量を与えなかったり、与えたとしてもその自由度を狭く制限したりすることで、第2出力手段からの第2所定音の音量が過度に小さくなることを抑制し、注意喚起や不正抑止といった第2所定音の本来の機能が損なわれることを抑制できる。
【6101】
なお、本特徴は、「前記第1出力手段は、人が頭部又は耳に装着して使用することで音を聴くことが可能な所定の外部手段(ヘッドホン38)から前記第2所定音が出力されるようにするものであり、前記第2出力手段は、当該遊技機に搭載された音放出手段(スピーカ部29)から前記第2所定音が出力されるようにするものである」と表現することもできる。
【6102】
なお、上記特徴kH1乃至特徴kH10の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6103】
<特徴kI群>
特徴kI群は、上述した第6の実施の形態やその各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第6の実施の形態の変形例4に基づいて抽出されるものである。
【6104】
特徴kI1.遊技の進行に応じて所定音(変動音やリーチ発生音等の演出音)を出力し得るように構成された遊技機であって、
音量を設定することが可能な音量設定手段(MPU342により第1音量設定表示中の操作対応処理及び第1音量設定表示中の操作対応処理を実行する機能)と、
前記音量設定手段の設定に対応した音量の前記所定音が出力されるようにする出力手段(HP出力制御IC94及びジャック部37)と、
を備え、
第1音量設定の設定状態(第1音量の設定値)と、前記第1音量設定とは異なる第2音量設定の設定状態(第2音量の設定値)とに基づいて前記音量設定手段による音量の設定が行われるように構成されており、
前記第2音量設定の設定状態の変更が可能である所定状況(第2音量設定画面431が表示されており、第2音量の変更操作を行い得る状況等)にて前記第1音量設定の設定状態の変更が規制されることを可能とする特定手段(パチンコ機10の電源が投入された場合等に変更規制フラグをセットし、第1音量操作が行われても第1音量が変更されないように規制する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【6105】
上記構成では、遊技の進行に応じて所定音が出力される遊技機において、第1音量設定の設定状態と第2音量設定の設定状態との組み合わせにより、出力手段を通じた所定音の出力音量が定められるように構成されており、その上で、第2音量設定の設定状態を変更可能な状況では第1音量設定の設定状態の変更が規制されるようになっている。このため、第2音量設定の設定状態を変更して所定音の出力音量を調整している際に、操作ミス等によって第1音量設定の設定状態が意図せず変更されてしまうことが抑制され、所定音の音量が大きく変化することを抑制できる。これにより、音量調整時に所定音の音量が過大となることが抑制され、遊技者が安心して音量変更を行うことが可能になる。
【6106】
特徴kI2.前記音量設定手段は、第1所定音量(音量レベル3に対応する音量)と、前記第1所定音量より大きい第2所定音量(音量レベル5に対応する音量)とを含む複数の音量(音量レベル1~5に対応する音量)を設定することが可能であり、
前記第1音量設定の設定状態として、第1設定状態(小の設定値)と、前記第1設定状態とは異なる第2設定状態(大の設定値)とを含む複数の設定状態(小、中、大の設定値)が設けられており、
前記第1音量設定が前記第2設定状態である場合に前記音量設定手段にて前記第2所定音量を設定することが可能となっており(第1音量を大に設定することで、音量レベル1~5の範囲で音量レベルを設定し得るようになる構成)、
前記特定手段は、少なくとも前記第1音量設定が前記第1設定状態であり且つ前記第2音量設定の設定状態の変更が可能である所定状況にて、前記第1音量設定の設定状態の変更又は前記第2設定状態への変更が規制されることを可能とするものであることを特徴とする特徴kI1に記載の遊技機。
【6107】
上記構成では、所定音の出力音量を大きい側の第2所定音量とするには、第1音量設定を第2設定状態とすることが必要であるところ、第1音量設定が第1設定状態となっている状況で第2音量設定の設定状態の変更操作が行われる場合には、第1音量設定の設定状態の変更又は第2設定状態への変更が規制される。このため、第2音量設定の設定状態を変更して所定音の出力音量を調整している場合に、意図せず第1音量設定が第2設定状態に変更されることを抑制できる。これにより、音量調整時に所定音の出力音量が第2所定音量に変更されてしまうことが抑制され、遊技者が安心して音量変更を行うことが可能になる。
【6108】
特徴kI3.前記第1音量設定の設定状態が前記第1設定状態であり且つ前記第2音量設定の設定状態の変更が可能である所定状況にて前記第2音量設定の設定状態を変更した場合に、前記第1所定音量を超えない範囲で前記音量設定手段により設定される音量を変更し得るように構成されていることを特徴とする特徴kI2に記載の遊技機。
【6109】
上記構成では、第1音量設定が第1設定状態である状況で第2音量設定の設定状態の変更が行われると、第1所定音量を超えないように上限音量が制限された状態で所定音の出力音量を変更することができる。このような構成において、第1音量設定の設定状態の変更を規制しながら第2音量設定の設定状態の変更を許容することで、音量調整時に操作ミス等が生じても所定音の音量が過大となることが抑制され、遊技者が安心して音量変更を行うことが可能になる。
【6110】
特徴kI4.所定操作手段(入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386)により所定操作(第1音量操作)が行われることに基づいて前記第1音量設定の設定状態を変更し得るように構成されており、
前記特定手段は、前記第2音量設定の設定状態の変更が可能である所定状況にて前記所定操作が行われても前記第1音量設定の設定状態の変更が不可であるようにするか又は前記所定状況にて前記所定操作の実行が不可であるようにするものであることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI3のいずれかに記載の遊技機。
【6111】
上記構成では、所定操作手段の操作により第1音量設定の設定状態を変更可能であるところ、第2音量設定の設定状態の変更が許容される状況では、所定操作手段の操作にかかわらず第1音量設定の設定状態が固定されるか、所定操作手段の操作自体が不可となるように構成されている。これにより、第2音量設定の設定状態の変更により所定音の出力音量を調整している場合に、第1音量設定の設定状態が変更されることを確実に回避することができ、上記特徴kI1による上記効果を好適に発揮させることが可能になる。
【6112】
特徴kI5.第1操作手段(入力用操作部300の右スイッチ384、左スイッチ386)の操作に基づいて前記第1音量設定の設定状態を変更することが可能であり、
前記第1操作手段とは異なる第2操作手段(第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389)の操作に基づいて前記第2音量設定の設定状態を変更することが可能であることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI4のいずれかに記載の遊技機。
【6113】
上記構成では、第1音量設定と第2音量設定とで設定状態の変更に用いる操作手段が異なる。これにより、第2音量設定の設定状態の変更中に誤って第1音量設定の設定状態を変更する操作を行ってしまう事象が生じにくくなり、そもそもの構成として、第2音量設定の設定状態の変更による音量調整の最中に所定音の音量が過大となりにくい構成とすることができる。そして、そのような構成において仮に上記のような事象が発生した場合でも、第1音量設定の設定状態の変更が規制されていることにより、所定音の音量が過大となることが回避され、音量調整時に出力音量が過度に大きくなることへの抑止機能を強化することが可能になる。
【6114】
特徴kI6.前記第1音量設定の設定状態として、第1設定状態(小、中、大の設定値)と、前記第1設定状態とは異なる第2設定状態(固定小、固定中、固定大の設定値)とを含む複数の設定状態が設けられており、
前記第1音量設定が前記第1設定状態である場合に前記第2音量設定の設定状態の変更が許容され、前記第1音量設定が前記第2設定状態である場合に前記第2音量設定の設定状態の変更が規制されるように構成されており、
前記特定手段は、前記第1音量設定が前記第1設定状態であり且つ前記第2音量設定の設定状態の変更が可能である第1状況にて前記第1音量設定の設定状態の変更が規制され、前記第1音量設定が前記第2設定状態である第2状況にて前記第1音量設定の設定状態の変更が規制されることを可能とするものであることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI5のいずれかに記載の遊技機。
【6115】
上記構成では、第1音量設定が第2設定状態とされる場合は、第2音量設定の設定状態の変更が規制される。この場合、第2音量設定の設定状態を変更するための操作が遊技者により実行されても、所定音の出力音量が変更されず、当該音量を固定化することができる。このような設定状態を、設定可能な第1音量設定の設定状態の1つとして設けることで、所定音の音量が過大となることをより好適に抑制できる。
【6116】
特徴kI7.前記第1音量設定の設定状態の変更が規制されている状況で特定操作(メニュー画面405を表示し、変更規制項目KP4を選択状態とし、オフ状態とする操作)が行われた場合に前記第1音量設定の設定状態の変更が許容されることを可能とする手段(MPU342による規制切替用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI6のいずれかに記載の遊技機。
【6117】
上記構成では、遊技者が特定操作を行うことにより、第1音量設定の設定状態の変更が規制された状態を解除することができる。このため、必要な場合には特定操作を行って規制を解除し、その状態で、第1音量設定の設定状態を変更することで、所定音の出力音量を大きくすることが可能になる。
【6118】
特徴kI8.所定の操作手段(第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389)により所定の操作(第2音量操作)が行われることに基づいて前記第2音量設定の設定状態を変更し得るように構成されており、
前記特定操作には、前記所定の操作手段を用いた操作が含まれないように構成されていることを特徴とする特徴kI7に記載の遊技機。
【6119】
上記構成では、特定手段による規制の解除に必要な特定操作の中に、第2音量設定の設定状態の変更に用いる所定の操作手段の操作が含まれないように構成されている。これにより、所定の操作手段を操作して第2音量設定の設定状態を変更している際に、意図せず特定操作が実施されてしまうことを抑制できる。
【6120】
特徴kI9.前記第1音量設定の設定状態の変更が規制されている状況で所定条件(規制解除操作が行われること)が成立した場合に前記第1音量設定の設定状態の変更が許容されることを可能とする第1手段(MPU342による規制切替用処理を実行する機能)と、
前記所定条件が成立した場合又は前記第1手段により前記第1音量設定の設定状態の変更が許容された場合に特定報知(規制解除報知)が実行されるようにする第2手段(MPU342によるステップSk3704の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI8のいずれかに記載の遊技機。
【6121】
上記構成では、特定手段による規制が解除された場合に特定報知が実行されるため、当該報知を通じて規制の解除を遊技者に認識させることができる。これにより、解除状態に移行したことを分かりやすくし、出力音量が大きく増大する可能性があることに対しての注意を好適に促すことが可能になる。
【6122】
特徴kI10.所定の操作手段(第1音量スイッチ301のアップスイッチ388、ダウンスイッチ389)により所定の操作(第2音量操作)が行われることに基づいて前記第2音量設定の設定状態を変更し得るように構成されており、
前記第1音量設定の設定状態の変更が規制されている状況で所定条件(規制解除操作が行われること)が成立した場合に前記第1音量設定の設定状態の変更が許容されることを可能とする手段(MPU342による規制切替用処理を実行する機能)と、
前記第1音量設定の設定状態が変更された場合において、前記所定音の音量が変更後の前記第1音量設定の設定状態に対応しない場合(第1音量の設定値を下げた場合において、その時点での音量レベルが変更後の第1音量の選択範囲外である場合)に、前記所定音の音量が変更後の前記第1音量設定の設定状態に対応する所定音量に変更されるようにする手段(MPU342によりステップSk3308~ステップSk3310の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI9のいずれかに記載の遊技機。
【6123】
上記構成では、第1音量設定の規制が解除され、その設定状態が変更された場合において、その時点での所定音の出力音量が変更後の第1音量設定の設定状態に対応しない場合(例えば、その時点での所定音の出力音量が変更後の第1音量設定の設定状態により規定される上限音量を超えている場合)は、当該変更後の第1音量設定の設定状態に対応する音量となるように自動変更される。このため、遊技者が所定の操作手段を操作して第2音量設定の設定状態を変更しなくても足りるため、利便性を高めることが可能になる。
【6124】
特徴kI11.所定事象(電波受信、満杯エラー、返却ボタンの操作等)の発生を検知する検知手段(電波検知センサ48、満杯検知センサ82a等)を備え、
当該遊技機は、前記所定音として第1所定音(演出音)と、前記第1所定音とは異なるものであって、前記検知手段の検知結果に基づく第2所定音(エラー音や返却音)とを出力し得るように構成されており、
前記第1音量設定の設定状態にかかわらず、前記第2所定音の音量を予め定められた所定音量に設定する手段(第1音量の設定値がエラー音の音量制御に適用されないようにする機能)を備えていることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI10のいずれかに記載の遊技機。
【6125】
上記構成では、出力対象が第2所定音(例えばエラー音)である場合は、第1音量設定の設定状態にかかわらず、予め定められた所定音量で出力されるため、第1音量設定により第1所定音の音量を低く抑えている状態でも、第2所定音を大きな音量で出力させることができる。これにより、注意喚起や不正抑止という第2所定音の本来の機能が損なわれることを抑制可能になる。
【6126】
特徴kI12.当該遊技機の電源が遮断され、その後、投入された場合に、電源の投入後における前記第1音量設定の設定状態として電源の遮断前における前記第1音量設定の設定状態が適用されることを可能とする手段(電源遮断時に少なくとも第1音量の設定結果を記憶保持する機能)を備えていることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI11のいずれかに記載の遊技機。
【6127】
上記構成では、遊技機の電源が遮断され、その後、投入された場合に、電源投入後の第1音量設定の設定状態として電源遮断前の第1音量設定の設定状態が適用される。このため、遊技機に不具合が生じて再起動させることがあっても、再起動が行われる前の第1音量設定の設定状態を引き継ぐことができる。これにより、再起動後に遊技者が音量調整を行った場合に所定音の音量が過大となることを抑制できる。
【6128】
特徴kI13.当該遊技機は、人が頭部又は耳に装着して使用することで音を聴くことが可能な所定の外部手段(ヘッドホン38、イヤホン等)を接続可能となっており、
前記音量設定手段は、前記所定の外部手段から前記所定音を出力する場合の音量を設定するものであることを特徴とする特徴kI1乃至特徴kI12のいずれかに記載の遊技機。
【6129】
本特徴に係る外部手段では耳の近くで音が発せられるため、大きな音が放出された場合に遊技者がそれを感受しやすくなり、遊技機に搭載されたスピーカからの放出音の場合よりも大きな音に対して強い不快感を抱く遊技者がいることも想定される。このような場合において上記特徴kI1の構成を適用することで、音量調整時に所定音の音量が過大となることが抑制され、遊技者が安心して音量変更を行うことが可能になる。
【6130】
なお、上記特徴kI1乃至特徴kI13の各構成に対して、特徴kA1乃至特徴kA7、特徴kB1乃至特徴kB6、特徴kC1乃至特徴kC8、特徴kD1乃至特徴kD6、特徴kE1乃至特徴kE6、特徴kF1乃至特徴kF9、特徴kG1乃至特徴kG7、特徴kH1乃至特徴kH10、特徴kI1乃至特徴kI13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6131】
なお、以上詳述した特徴kA群乃至特徴kI群の各構成に対して、他の特徴群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6132】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【6133】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【6134】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【6135】
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【6136】
<特徴nA群~特徴nH群>
下記の特徴nA群~特徴nH群に記載された発明は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上述した第7の実施の形態やその各変形例から抽出されるものである。これらの特徴群に記載された発明は、「遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球が発射され、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に賞球等の遊技価値の付与が行われる(例えば特開2004-81853号公報参照)。また、スロットマシンでは、スタートレバーの操作により抽選処理が実行されるとともにリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した遊技価値が遊技者に付与される。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては好適な制御が望まれている。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
【6137】
<特徴nA群>
特徴nA群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第7の実施の形態やその変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【6138】
特徴nA1.所定契機(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の成立に基づいて所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を更新することが可能な更新手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果が特定結果(残り球数RSの更新結果が0個、判定用差球数SAの更新結果が95000個)になったことに基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な第1手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
特定状態(開閉実行モード、高頻度サポートモード等)で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった場合に、前記特定状態とは異なる所定状態(開閉実行モードの非実行中、低頻度サポートモード等)で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった場合よりも遅くに前記特定制御が実行されることを可能とする第2手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能(開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる機能))と、
前記特定状態にて所定状況(電断状態等)が発生し、その後、前記所定状況が終了した場合において、前記更新手段の更新結果が第1結果(残り球数RSが1個以上、判定用差球数SAの更新結果が95000個未満等)である第1状況で前記所定状況が発生した場合と、前記更新手段の更新結果が前記第1結果とは異なる第2結果(残り球数RSが0個以下、判定用差球数SAの更新結果が95000個以上等)である第2状況で前記所定状況が発生した場合とで、前記所定状況が終了した後の報知態様が異なることを可能とする所定手段(主制御装置162における復電時用のコマンド設定処理を実行する機能、演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能(開閉実行モード中に残り球数RSが1個以上の状況で電断が発生し、その後、復電した場合に第1復電用報知を実行し、開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下である状況で電断が発生し、その後、復電した場合に第3復電用報知を実行する機能))と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6139】
上記構成では、所定契機の成立により所定情報が更新され、その更新結果が特定結果になると、特定制御が実行される。その際、特定状態の下で所定情報の更新結果が特定結果になった場合は、特定状態ではない状況で更新結果が特定結果となった場合に比べ、特定制御が遅れて実行される。この場合、更新結果が特定結果になってから特定制御が実行されるまでの待機期間が生じるため、この期間の途中で異常等の所定状況が発生して遊技が中断する事象が起こり得る。そして、そのような事象の発生後に上記所定状況が解消されて遊技が再開されると、待機期間が経過することに伴って特定制御が実行されることになるが、遊技の再開後に程なくして特定制御が実行されることを遊技者が認識できていなかった場合は、不意に特定制御が実行された印象となって困惑を招くおそれがある。
【6140】
この点、上記構成では、特定状態の下で上記所定状況となった場合に、そのときの更新結果の進み具合の違いにより、当該状況が終了したときの報知の態様を異ならせるため、上記待機期間にて上記所定状況となった場合に、当該状況の終了後における報知の違いにより、再開後の遊技にて特定制御が実行されることを遊技者に認識させることができる。これにより、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制し、遊技を好適に行えるようにすることが可能になる。
【6141】
特徴nA2.前記第1結果は、前記特定結果より手前側の結果であり、
前記第2結果は、前記特定結果である、又は前記第1結果より更新が進んだ結果であって前記第1結果より前記特定結果に近い結果であることを特徴とする特徴nA1に記載の遊技機。
【6142】
上記構成において例えば第2結果を特定結果とすることで、上記待機期間中に上記所定状況となった場合と、特定状態の下で所定情報の更新結果が特定結果に到達していない状況で上記所定状況となった場合とで、当該状況から復帰した場合の報知の態様を異ならせることができる。これにより、待機期間中に所定状況となった場合は、その復帰後において、報知の違いにより、再開後の遊技にて特定制御が実行されることを遊技者に認識させることができる。
【6143】
特徴nA3.前記所定手段は、
前記特定状態にて前記第1状況又は前記第2状況の一方の状況(残り球数RSが0個以下である状況等)で前記所定状況が発生し、その後、前記所定状況が終了した後に特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されることを可能とする手段と、
前記特定状態にて前記第1状況又は前記第2状況の他方の状況(残り球数RSが1個以上の状況等)で前記所定状況が発生し、その後、前記所定状況が終了した後に前記特定報知が実行されないことを可能とする手段と、
を備えていることを特徴とする特徴nA1又は特徴nA2に記載の遊技機。
【6144】
上記構成によれば、特定状態にて上記所定状態となり、その後、当該状況が終了した場合に、特定報知の有無により、特定制御の実行が待機されている状態で復帰しているか否かを遊技者に認識させることができる。これにより、再開後の遊技で特定制御が実行される場合に、それを事前に把握させることができ、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6145】
特徴nA4.前記第1結果は、前記特定結果より手前側の結果であり、
前記第2結果は、前記特定結果であり、又は前記第1結果より更新が進んだ結果であって前記第1結果より前記特定結果に近い結果であり、
前記所定手段は、前記特定状態にて前記第2状況で前記所定状況が発生し、その後、前記所定状況が終了した後に、前記特定制御が行われることを遊技者又はホール従業員が認識できる特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA3のいずれかに記載の遊技機。
【6146】
上記構成では、上記待機期間中に上記所定状況となり、その後、当該状況が終了した場合に、特定制御が行われることの特定報知が実行されるため、再開後の遊技で特定制御が実行される場合に、それを遊技者に対して事前に知らせることができる。これにより、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。また、所定状況が終了した後の遊技機の状態が特定制御の待機状態となっているかをホール従業員が確認したい場合に当該確認を容易に行うことが可能になる。
【6147】
特徴nA5.前記第1結果は、前記特定結果より手前側の結果であり、
前記第2結果は、前記特定結果であり、又は前記第1結果より更新が進んだ結果であって前記第1結果より前記特定結果に近い結果であり、
前記所定手段は、前記特定状態にて前記第2状況で前記所定状況が発生し、その後、前記所定状況が終了した後に特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されることを可能とするものであり、
前記所定状況が終了した後、所定の遊技演出が実行されるようにする手段(復電後、次の遊技回の開始時に遊技回用演出を再開させたり、次のラウンド遊技の開始時に開閉実行モード用演出を再開させたりする機能)と、
前記所定状況が終了した後、前記所定の遊技演出の実行より前に前記特定報知が実行されるようにする手段(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の再開前にメッセージ画像914の表示を開始させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA4のいずれかに記載の遊技機。
【6148】
上記構成では、上記待機期間中に上記所定状況となり、その後、当該状況が終了した場合に特定報知が実行されるため、再開後の遊技で特定制御が実行されることを遊技者に認識させることができる。その場合において、遊技演出の再開よりも早く特定報知を開始させるため、遊技者が特定報知に気付きやすくすることができ、当該報知の見逃し等を抑制することが可能になる。
【6149】
特徴nA6.前記所定の遊技演出より前に実行された前記特定報知が前記所定の遊技演出の実行中も実行されるようにする手段(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の開始後もメッセージ画像914の表示を継続する機能)を備えていることを特徴とする特徴nA5に記載の遊技機。
【6150】
上記構成では、遊技演出の再開よりも早く特定報知を開始させた後、特定報知の実行を遊技演出の開始後も継続するため、遊技演出が再開されるまでの期間が短い場合でも特定報知の実行期間を長く確保することができる。これにより、特定報知の見逃し等をより好適に抑制することができ、再開後の遊技で特定制御が実行されることを遊技者に対して分かりやすく伝えることが可能になる。
【6151】
特徴nA7.前記第2手段は、前記特定状態で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった場合に、前記特定状態の終了より後に前記特定制御が実行されることを可能とするものであり、
前記第2状況は、前記特定状態で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった後、前記特定制御が実行される前の状況であり、
前記所定手段は、前記第2状況で前記所定状況が発生し、その後、前記所定状況が終了した後に、前記特定制御が行われることを遊技者又はホール従業員が認識できる特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されることを可能とするものであることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA6のいずれかに記載の遊技機。
【6152】
上記構成では、特定状態で所定情報の更新結果が特定結果になると、特定制御の実行が特定状態の終了まで待機される。そのような待機期間にて上記所定状況となって遊技が中断し、その後、当該状況が終了して遊技が再開されると、再開後の遊技で特定状態の続きが行われた後、特定制御が実行されることになる。このような場合において、上記待機期間中に上記所定状況となり、その後、当該状況が終了した場合に、特定制御が行われることの特定報知が実行されるため、再開後の遊技で特定制御が実行される場合に、それを遊技者に対して事前に知らせることができる。これにより、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。また、所定状況が終了した後の遊技機の状態が特定制御の待機状態となっているかをホール従業員が確認したい場合に当該確認を容易に行うことが可能になる。
【6153】
特徴nA8.前記第2手段は、前記特定状態で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった場合に、前記特定状態の終了より後に前記特定制御が実行されることを可能とするものであり、
前記第2状況は、前記特定状態で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった後、前記特定制御が実行される前の状況であり、
前記所定状況が発生した場合又は前記所定状況が終了した場合に、前記更新手段の更新結果が消去されるようにする手段(主制御装置162における第1部分クリア用処理、電断時クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA7のいずれかに記載の遊技機。
【6154】
上記構成では、特定状態で所定情報の更新結果が特定結果になると、特定制御の実行が特定状態の終了まで待機される。そのような待機期間にて上記所定状況となって遊技が中断し、その後、当該状況が終了して遊技が再開されると、再開後の遊技で特定状態の続きが行われた後、特定制御が実行されることになる。また、所定状況となったり、当該状況が終了したりした場合に、所定情報の更新結果が消去され、更新結果の値が初期化される。
【6155】
特徴nA9.遊技の進行に応じて所定の遊技演出表示(遊技回用の演出表示や開閉実行モード用の演出表示)が所定報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする手段を備え、
前記第2状況で前記所定状況が発生し、その後、前記所定状況が終了した場合に、前記更新結果の消去を示す報知(例えば「遊技停止用カウンタがリセットされました」等の文字が付されたメッセージ画像912の表示)が前記所定報知手段にて実行されないように構成されていることを特徴とする特徴nA8に記載の遊技機。
【6156】
上記特徴nA8の構成では、所定状況の終了後に再開された遊技にて、更新結果が初期値に変更されているにもかかわらず、特定状態の終了後に特定制御が実行されることになり、不整合が生じる。この点、本特徴では、上記待機期間中に上記所定状況となり、その後、当該状況が終了した場合に、遊技演出表示が実行される所定報知手段にて、更新結果の消去を示す所定報知が実行されないように構成されているため、所定状況の終了に再開された遊技で、遊技者が所定報知手段を見ていても、所定状況となる前の更新結果が消去されていることに気付きにくくなる。よって、特定状態の終了後に特定制御が実行されても不自然な印象となることを抑制できる。
【6157】
特徴nA10.前記第1状況で前記所定状況が発生し、その後、前記所定状況が終了した後に、前記更新結果の消去を遊技者又はホール従業員が認識できる報知が前記所定報知手段又はそれとは異なる報知手段(差球数報知部622)にて実行されることを可能とする手段(第7の実施の形態において第1復電用報知を実行する機能、第7の実施の形態においてリセット用報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nA9に記載の遊技機。
【6158】
上記構成によれば、所定状況の終了後に再開された遊技にて特定制御が実行されない場合は、更新結果の消去を示す報知が実行されるため、所定情報の更新結果が初期化されたことをホール従業員や遊技者に知らせることができる。その一方で、所定状況の終了後に再開された遊技にて特定制御が実行される場合は、更新結果の消去を示す報知の実行が回避されるため、特定状態の終了後に特定制御が実行されても不自然な印象となることを抑制できる。
【6159】
特徴nA11.前記所定状況が電断状態であることを特徴とする特徴nA8乃至特徴nA10のいずれかに記載の遊技機。
【6160】
上記構成では、遊技ホールの閉店時に遊技機を電源オン状態から電源オフ状態とし、その後、翌日の開店時に遊技機を電源オフ状態から電源オン状態に切り換えることで、所定情報の更新結果を初期化することができる。これにより、当該初期化のための専用操作を要する場合に比べ、ホール従業員の手間を軽減することができる。このような場合において上記特徴nA8から特徴nA10のいずれかの構成を備えるため、遊技機の電源オフ操作又は電源オン操作に伴い更新結果を初期化しながらも、上記待機期間中に上記所定状況となり、その後、当該状況が終了した場合において、特定状態の終了後に特定制御が実行されても不自然な印象となることを抑制できる。
【6161】
特徴nA12.前記特定状態が前記所定状態より遊技者にとって有利な状態であることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA11のいずれかに記載の遊技機。
【6162】
上記構成では、特定状態が遊技者にとって有利な状態であるところ、その特定状態の下で所定情報の更新結果が特定結果になった場合は、特定制御が遅れて実行されるため、特定状態(有利状態)を遊技者が十分に楽しめないまま、特定制御が実行されることを抑制できる。その反面、特定制御の待機期間中に所定状況が発生して遊技が中断されると、当該状況が終了して遊技が再開された場合に、当該待機期間の残りが経過したことに応じて特定制御が実行されることになるが、上記特徴nA1の構成を適用することにより、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6163】
特徴nA13.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様より入球しくい第2態様とに切り換わり可能な所定入球手段(可変入賞装置65)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定特典(賞球)を付与することが可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御が実行され得る前記特定状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA12のいずれかに記載の遊技機。
【6164】
上記構成では、特定状態に移行することで、所定入球手段の開閉制御が行われることとなり、遊技者は、特定状態において所定入球手段に遊技球を入球させることにより、所定特典を獲得することが可能になる。そのような特定状態の下で所定情報の更新結果が特定結果になった場合は特定制御が遅れて実行されるため、特定状態を遊技者が十分に楽しめないまま、特定制御が実行されることを抑制できる。その反面、特定制御の待機期間中に所定状況が発生して遊技が中断されると、当該状況が終了して遊技が再開された場合に、当該待機期間の残りが経過したことに応じて特定制御が実行されることになる。このような場合、遊技者に対して不意に特定制御が実行された印象を与えやすくなるが、上記特徴nA1の構成を適用することにより、そのような印象となることを抑制可能となる。
【6165】
特徴nA14.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)を備え、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に前記所定契機が成立可能であることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA13のいずれかに記載の遊技機。
【6166】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が更新されるため、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【6167】
特徴nA15.前記特定制御は、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSn2109)を含むものであることを特徴とする特徴nA1乃至特徴nA14のいずれかに記載の遊技機。
【6168】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において上記特徴nA1の構成を適用することにより、遊技進行が制限させる状態への移行に関する事前報知を好適に行うことができ、当該移行が遊技者にとって不意打ち的に行われることを抑制することが可能になる。
【6169】
なお、上記特徴nA1乃至特徴nA15の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6170】
<特徴nB群>
特徴nB群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第7の実施の形態やその変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【6171】
特徴nB1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を導出することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な第1手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
特定状態(開閉実行モード、高頻度サポートモード等)で前記所定情報が前記特定制御の実行に対応する所定値となった場合に、前記特定制御の実行が待機される所定状態(遊技停止待ち状態)を経て前記特定制御が実行されることを可能とする第2手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能(開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる機能))と、
前記所定状態であることを特定することが可能な特定情報(超過待機フラグや大当たりフラグ、超過フラグ等)が記憶されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能(開閉実行モードである状況で残り球数RSが0個以下になった場合に主側RAM314の超過待機フラグに「1」をセットする機能))と、
前記所定状態で電断状態となった場合に、前記電断状態にて前記特定情報が記憶保持されることを可能とする手段(超過待機フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も超過待機フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6172】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に応じて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。遊技機では、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【6173】
そのような構成において、特定状態で所定情報が特定制御の実行に対応した所定値となった場合は、特定制御の実行を待機する所定状態を経てから特定制御が実行される。これにより、遊技者に特定状態での遊技を十分に楽しませてから特定制御を実行させることができる。また、上記所定状態の下で電断が発生した場合は、当該所定状態であることを特定することが可能な特定情報が電断発生後において記憶保持されるようにバックアップ制御が行われる。これにより、復電後における遊技機の状態を上記所定状態(特定制御の待機状態)とすることができる。よって、復電後において所定状態の残り期間にて特定状態の続きを楽しませることが可能になり、さらには所定状態が終了することに応じて特定制御を実行させることが可能になる。
【6174】
特徴nB2.前記所定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、記憶保持された前記特定情報に基づいて当該遊技機の状態が前記所定状態となるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nB1に記載の遊技機。
【6175】
上記構成によれば、所定状態で電断が発生した場合に、復電後において遊技機の状態を所定状態に復帰させることができる。これにより、復電後の遊技にて特定状態の続きを楽しませることができるとともに、所定状態の終了に伴い特定制御を実行させることができる。
【6176】
特徴nB3.前記第2手段は、前記特定状態で前記所定情報が前記所定値となった場合に、前記特定状態の終了より後に前記特定制御が実行されることを可能とするものであり、
前記所定状態は、前記所定情報が前記所定値となった後に前記特定状態が継続される状態であることを特徴とする特徴nB1又は特徴nB2に記載の遊技機。
【6177】
上記構成では、特定状態で所定情報が所定値になると、特定状態の終了まで特定制御の実行が待機されるため、遊技者に特定状態での遊技を十分に楽しませてから特定制御を実行させることができる。
【6178】
特徴nB4.前記所定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、記憶保持された前記特定情報に基づいて特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(主制御装置162における復電時用のコマンド設定処理を実行する機能、演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB3のいずれかに記載の遊技機。
【6179】
復電後における遊技機の状態を所定状態(特定制御の待機状態)に復帰させることで、復電後、所定状態の終了により特定制御を実行させることができるが、特定制御が実行されることを遊技者が認識できていなかった場合は、不意に特定制御が実行された印象となって困惑を招くおそれがある。この点、記憶保持された特定情報に基づいて特定報知の実行制御が行われるため、復電後において特定制御の事前報知を行うことができる。これにより、再開後の遊技にて特定制御が実行されることを遊技者に認識させることができ、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6180】
特徴nB5.前記所定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定制御が行われることを遊技者又はホール従業員が認識できる特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(主制御装置162における復電時用のコマンド設定処理を実行する機能、演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB4のいずれかに記載の遊技機。
【6181】
復電後における遊技機の状態を所定状態(特定制御の待機状態)に復帰させることで、復電後、所定状態の終了により特定制御を実行させることができるが、特定制御が実行されることを遊技者が認識できていなかった場合は、不意に特定制御が実行された印象となって困惑を招くおそれがある。この点、所定状態での電断発生から復電した場合に、特定制御が実行されることの特定報知が実行されるため、復電後において、特定制御が実行されることを事前に知らせることができ、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。また、復電後の遊技機の状態が特定制御の待機状態となっているかをホール従業員が確認したい場合に当該確認を容易に行うことが可能になる。
【6182】
特徴nB6.前記所定状態で電断状態となり、その後の復電より後に特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(主制御装置162における復電時用のコマンド設定処理を実行する機能、演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)と、
復電した後に、所定の遊技演出が実行されるようにする手段(復電後、次の遊技回の開始時に遊技回用演出を再開させたり、次のラウンド遊技の開始時に開閉実行モード用演出を再開させたりする機能)と、
を備え、
復電後において、前記所定の遊技演出の実行より前に前記特定報知を実行可能である(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の再開前にメッセージ画像914の表示を開始させる構成)ことを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB5のいずれかに記載の遊技機。
【6183】
上記構成では、所定状態での電断発生から復電した場合に特定報知が実行されるため、再開後の遊技で特定制御が実行されることを遊技者に認識させることができる。その場合において、遊技演出の再開よりも早く特定報知を開始させるため、遊技者が特定報知に気付きやすくすることができ、当該報知の見逃し等を抑制することが可能になる。
【6184】
特徴nB7.前記所定の遊技演出より前に実行された前記特定報知が前記所定の遊技演出の実行中も実行されるようにする手段(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の開始後もメッセージ画像914の表示を継続する機能)を備えていることを特徴とする特徴nB6に記載の遊技機。
【6185】
上記構成では、遊技演出の再開よりも早く特定報知を開始させた後、特定報知の実行を遊技演出の開始後も継続するため、遊技演出が再開されるまでの期間が短い場合でも特定報知の実行期間を長く確保することができる。これにより、特定報知の見逃し等をより好適に抑制することができ、再開後の遊技で特定制御が実行されることを遊技者に対して分かりやすく伝えることが可能になる。
【6186】
特徴nB8.電断状態となった場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されることを可能とする手段(主制御装置162における第1部分クリア用処理、電断時クリア用処理を実行する機能)を備え、
前記所定状態で電断状態となった場合又はその電断状態の発生後に復電した場合にも、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにすることが可能である(遊技停止待ち状態で電断が発生した場合や当該電断の発生後に復電した場合にも第1部分クリア用処理、電断時クリア用処理が実行される構成)ことを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB7のいずれかに記載の遊技機。
【6187】
上記構成では、電断状態となった場合又は復電した場合に所定情報が消去されるため、遊技ホールの閉店時に遊技機を電源オン状態から電源オフ状態とし、その後、翌日の開店時に遊技機を電源オフ状態から電源オン状態に切り換えることで、所定情報を初期化することができる。これにより、当該初期化のための専用操作を要する場合に比べ、ホール従業員の手間を軽減することができる。
【6188】
その際、所定状態で電断状態となった場合やその後に復電した場合も同様に所定情報が消去されるため、所定情報の消去に関する制御処理を、所定状態の下で電断状態が発生した場合と、そうではない場合とで共通化することができる。すなわち、電断時や復電時に所定情報を消去するにあたって電断時の状況により処理を切り換える必要がないため、制御処理の簡単化を図ることができる。これにより、制御プログラムを簡素化してメモリ使用量を節約したり、復電時の処理負荷を軽減して遊技機の起動に要する期間を短縮化したりすることが可能になる。
【6189】
特徴nB9.前記特定制御の実行に対応する第2特定情報(遊技停止フラグ)が記憶されるようにする手段(主制御装置162における遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行中に電断状態となった場合に、当該電断状態にて前記第2特定情報が記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も遊技停止フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB8のいずれかに記載の遊技機。
【6190】
上記構成では、特定制御の実行中に電断が発生した場合は、特定制御の実行状態に対応した第2特定情報が電断発生後において記憶保持されるようにバックアップ制御が行われる。このため、所定状態(特定制御の待機状態)にて電断が発生した場合だけでなく、特定制御の開始後に電断が発生した場合も、復電後における遊技機の状態を電断前の状態に復帰させることが可能になる。
【6191】
特徴nB10.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置162)と、
前記第1制御手段からの出力情報(コマンド)に基づいて所定制御を行う第2制御手段(演出制御装置143)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
前記所定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定情報に対応する情報(超過フラグが「1」であることを示す情報)が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする出力手段(第7の実施の形態において第1復電用コマンドを出力する一方で、第1差球用コマンド及び第2差球用コマンドを出力しないようにする機能、第7の実施の形態の変形例2において第2復電用コマンドを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB9のいずれかに記載の遊技機。
【6192】
上記構成では、所定状態で電断状態となり、その後に復電した場合に、第1制御手段から第2制御手段に対し、特定情報に対応する情報が1又は複数の出力情報により出力されるため、所定状態で電断状態となった場合と、そうでない場合とを区別してその後の制御処理を行うことができる。この場合、第2制御手段の制御により、例えば、復電後に所定状態(特定制御の待機状態)の終了後に特定制御の実行状態となることを遊技者等が認識できる報知が実行されるようにすることで、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6193】
本特徴の「前記所定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定情報に対応する情報が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする出力手段」は、「前記所定状態としての第1所定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定情報に対応する第1情報(超過フラグが「1」であることを示す情報)が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする出力手段(第7の実施の形態において、第1復電用コマンドを出力する一方で、第1差球用コマンド及び第2差球用コマンドを出力しないようにする機能、第7の実施の形態の変形例2において第2復電用コマンドを出力する機能)と、前記第1所定状態とは異なる第2所定状態(残り球数が1個以上の状態)で電断状態となり、その後の復電より後に、前記第1情報とは異なる第2情報が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする第2出力手段(第7の実施の形態において第1復電用コマンド及び第1差球用コマンドを出力する機能、第7の実施の形態の変形例2において第1復電用コマンドを出力する機能)と、を備えている」と表現することもできる。
【6194】
特徴nB11.前記所定制御は、報知に関する制御であり、
前記第2制御手段は、前記特定情報に対応する情報を受信したことに基づいて特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nB10に記載の遊技機。
【6195】
上記構成では、第1主制御装置から特定情報に対応する情報が出力されることにより、特定報知が実行されるように第2制御手段が報知の制御を行うため、復電後において、特定制御が行われることの事前報知を行うことができ、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6196】
特徴nB12.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様より入球しくい第2態様とに切り換わり可能な所定入球手段(可変入賞装置65)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定特典(賞球)を付与することが可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御が実行され得る前記特定状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB11のいずれかに記載の遊技機。
【6197】
上記構成では、特定状態に移行することで、所定入球手段の開閉制御が行われることとなり、遊技者は、特定状態において所定入球手段に遊技球を入球させることにより、所定特典を獲得することが可能になる。かかる構成に上記特徴nB1の構成を適用することにより、復電後における遊技機の状態を上記所定状態(特定制御の待機状態)とすることができ、復電後においても特定状態(所定特典を獲得する遊技)の続きを楽しませることが可能となり、さらには待機期間の経過に伴い特定制御を実行させることが可能になる。
【6198】
特徴nB13.前記特定制御は、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSn2109)を含むものであることを特徴とする特徴nB1乃至特徴nB12のいずれかに記載の遊技機。
【6199】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において上記特徴nB1の構成を適用することにより、復電後において所定状態の残り期間にて特定状態の続きを楽しませるようにしつつ、所定状態の終了に伴い遊技の進行の制限(特定制御)を実行させることが可能になる。
【6200】
なお、上記特徴nB1乃至特徴nB13の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6201】
<特徴nC群>
特徴nC群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第7の実施の形態やその変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【6202】
特徴nC1.所定の判定契機(作動口62,63への入賞)の成立に基づいて特定判定(当否判定)を実行する手段(主制御装置162における変動開始処理を実行する機能)と、
遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様より入球しにくい第2態様とに切り換わり可能な所定入球手段(可変入賞装置65)と、
前記特定判定の結果が特定結果(大当たり結果)となることに基づいて、前記所定入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御が少なくとも1回実行され得る第1状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
所定事象(残り球数RSが0個以下になること、判定用差球数SAの更新結果が95000個以上となることなど)の発生に基づいて第2状態(遊技停止状態等)に移行させることが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2状態では、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限されるように構成されており、
前記第1状態で前記所定事象が発生した場合に、前記第1状態の終了より後に前記第2状態に移行することとなる特定状態(遊技停止状態等への移行待ち状態)となることを可能とする手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能(開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になった場合に、開閉実行モードの終了まで遊技停止状態への移行を待機する機能))と、
前記特定状態であることを特定することが可能な所定情報(超過待機フラグや大当たりフラグ、超過フラグ等)を所定記憶手段(主側RAM314)又は前記所定記憶手段とは異なる記憶手段(バックアップ用RAM等)に記憶することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6203】
上記構成では、特定判定の結果が特定結果となることに基づいて、所定入球手段の開閉制御が行われる第1状態に移行するため、遊技者は当該第1状態において所定入球手段への遊技球の入球を生じさせる遊技を楽しむことができる。また、所定事象が発生すると、遊技進行が制限される第2状態への移行が行われるが、第1状態の途中で所定事象が発生した場合は、第1状態が終了するまで第2状態への移行が待機される特定状態となる。よって、第1状態の途中において、第2状態への移行契機である所定事象が生じてしまったとしても、最後まで第1状態を遊技することが可能になる。加えて、特定状態であることを特定することが可能な所定情報が記憶されるため、例えば、特定状態の下で電断が発生した場合に当該所定情報が電断期間も保持される構成とすれば、復電後の遊技においても、残りの第1状態を遊技させることができ、さらには、第1状態が終了することに応じて第2状態に移行させることができる。
【6204】
特徴nC2.前記特定状態で電断状態となった場合に、前記電断状態にて前記所定情報が記憶保持されることを可能とする手段(超過待機フラグの情報を電断状態である間も記憶保持することが可能な機能)を備えていることを特徴とする特徴nC1に記載の遊技機。
【6205】
上記構成では、特定状態で電断状態となった場合に、所定記憶手段に記憶された所定情報(特定状態であることを特定するための情報)が電断状態である間も記憶保持されるため、復電後、遊技機において、特定状態とすべきであることを認識することができる。これにより、復電後の遊技においても、残りの第1状態を遊技させることができ、さらには、第1状態が終了することに応じて第2状態に移行させることができる。
【6206】
特徴nC3.前記特定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記電断状態にて記憶保持された前記所定情報に基づいて前記第2状態への移行制御を行うことが可能な手段(復電後に超過待機フラグを参照し、遊技停止状態への移行制御を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴nC2に記載の遊技機。
【6207】
上記構成によれば、電断中に記憶保持された所定情報(電断前に記憶された所定情報)に基づき、復電後の遊技における第2状態への移行制御が行われるため、電断が発生しなかった場合と同様の態様で第2状態への移行制御を行うことができる。すなわち、復電後の遊技においても、残りの第1状態を遊技させることができ、さらには、第1状態が終了することに応じて第2状態に移行させることができる。
【6208】
特徴nC4.前記所定情報は第1所定情報であり、
前記第2状態であることを特定することが可能な第2所定情報(遊技停止フラグ等)を前記所定記憶手段又は前記異なる記憶手段に記憶することが可能な手段(主制御装置162における遊技停止判定用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nC1乃至特徴nC3のいずれかに記載の遊技機。
【6209】
上記構成では、第2状態であることを特定することが可能な第2所定情報が記憶されるため、例えば、第2状態の下で電断が発生した場合に当該第2所定情報が電断期間も保持される構成とすれば、復電後、遊技機の状態を第2状態に制御して所定遊技の進行を制限することができる。すなわち、電断状態が発生した場合の対応として、特定状態への復帰だけでなく、第2状態への復帰も適切に行うことができる。
【6210】
なお、本特徴において「前記第2状態で電断状態となった場合に、前記電断状態にて前記第2所定情報が記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグの情報を電断状態である間も記憶保持することが可能な機能)」という構成をさらに備えてもよい。
【6211】
特徴nC5.前記特定状態となった後の前記第1状態の終了に対応して、前記所定記憶手段又は前記異なる記憶手段に記憶された前記第1所定情報が消去されることを可能とする手段(主制御装置162におけるステップSn1820の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nC4に記載の遊技機。
【6212】
上記構成によれば、第2状態への移行が待機される特定状態では、特定状態であることを特定するための第1所定情報が記憶され、その後、第1状態が終了すると、その第1所定情報が消去される。また、第1状態の終了後は第2状態への移行が行われるが、その場合は、第2状態であることを特定するための第2所定情報が記憶される。このような構成であることで、第1所定情報と第2所定情報との両方が記憶された状態となることが回避され、特定状態と第2状態のいずれで電断が発生しても、復電後の遊技機の挙動が不安定になることを抑制できる。すなわち、特定状態で電断が発生した場合は復電後において特定状態に復帰し、第2状態で電断が発生した場合は復電後において第2状態に復帰する動作を適切に行わせることが可能になる。
【6213】
特徴nC6.前記第1状態で前記所定事象が発生した場合に特定報知(メッセージ画像902の表示)が実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第2停止予告用処理を実行する機能)と、
前記特定状態の終了に対応して前記特定報知が終了することを可能する手段(メッセージ画像902を開閉実行モードの終了まで継続表示する機能)、又は前記特定状態となってから所定期間の経過後に前記特定報知が終了することを可能とする手段(メッセージ画像902を遊技停止待ち状態となってから所定期間が経過するまで継続表示する機能)のうち少なくとも1つの手段と、
を備えていることを特徴とする特徴nC1乃至特徴nC5のいずれかに記載の遊技機。
【6214】
上記構成によれば、第1状態で所定事象が発生した場合に特定報知が実行されるとともに、その特定報知が特定状態である間も継続されるため、第1状態の終了後に第2状態となることを第2状態への移行に先立って事前報知することができる。これにより、不意に第2状態となった印象になることを抑制することが可能となる。
【6215】
特徴nC7.前記第1状態で前記所定事象が発生した場合に特定報知(メッセージ画像902の表示)が実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における第2停止予告用処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記第1状態の終了より後に前記第2状態に移行すること又は前記所定事象が発生したことを遊技者又はホール従業員が認識できる報知であることを特徴とする特徴nC1乃至特徴nC6のいずれかに記載の遊技機。
【6216】
上記構成によれば、第1状態で所定事象が発生した場合に、第1状態の終了後に第2状態に移行すること又は所定事象が発生したことを遊技者等が認識できる特定報知が実行されるため、第1状態の終了後に第2状態となることを第2状態への移行に先立って事前報知することができる。これにより、不意に第2状態となった印象になることを抑制することが可能となる。また、復電後の遊技機の状態が特定状態となっているかをホール従業員が確認したい場合に当該確認を容易に行うことが可能になる。
【6217】
特徴nC8.前記特定状態で電断状態となった場合に、前記電断状態にて前記所定情報が記憶保持されることを可能とする手段(超過待機フラグの情報を電断状態である間も記憶保持することが可能な機能)と、
前記電断状態から復電した後に、前記電断状態にて記憶保持された前記所定情報に基づいて所定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されることを可能とする手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nC1乃至特徴nC7のいずれかに記載の遊技機。
【6218】
上記構成では、特定状態で電断状態となった場合に、所定記憶手段に記憶された所定情報(特定状態であることを特定するための情報)が電断状態である間も記憶保持されるため、復電後、遊技機において、特定状態とすべきであることを認識することができる。これにより、復電後の遊技においても、残りの第1状態を遊技させることができ、さらには、第1状態が終了することに応じて第2状態に移行させることができる。
【6219】
また、復電後において、電断状態にて記憶された所定情報に基づいて所定報知が行われるため、復電後の遊技において、第1状態の終了により第2状態に移行させるにあたり、当該第2状態への移行を事前報知することができる。これにより、不意に第2状態となった印象になることを抑制することが可能となる。
【6220】
特徴nC9.前記所定報知は、前記第1状態の終了より後に前記第2状態に移行することを遊技者又はホール従業員が認識できる報知であることを特徴とする特徴nC8に記載の遊技機。
【6221】
上記構成によれば、復電後の遊技において、第1状態の終了により第2状態に移行させるにあたり、当該第2状態への移行を事前報知することができ、遊技者に対して不意に第2状態となった印象を与えることを抑制したり、ホール従業員の確認作業を容易化したりすることが可能となる。
【6222】
特徴nC10.前記特定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、所定の遊技演出が実行されるようにする手段(復電後、次の遊技回の開始時に遊技回用演出を再開させたり、次のラウンド遊技の開始時に開閉実行モード用演出を再開させたりする機能)と、
前記特定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記所定の遊技演出の実行前に前記所定報知が実行されるようにする手段(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の再開前にメッセージ画像914の表示を開始させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nC8又は特徴nC9に記載の遊技機。
【6223】
上記構成では、特定状態で電断状態となり、その後に復電した場合において、電断状態である間に記憶保持された所定情報(特定状態であることを特定するための情報)に基づいて行われる所定報知が、遊技演出が再開されるよりも先に開始されるため、所定報知が目立ちやすくすることができる。これにより、遊技者が所定報知に気付きやすくすることができ、当該報知の見逃し等を抑制することが可能になる。
【6224】
特徴nC11.復電後に実行される前記所定の遊技演出は、電断状態の発生前に実行されていた遊技演出の続きに対応するものであることを特徴とする特徴nC10に記載の遊技機。
【6225】
上記構成では、復電後において、遊技演出を再開するための準備期間を活用して所定報知が行われる。これにより、遊技演出の再開タイミングを遅らせることなく、遊技演出が再開されるよりも早く所定報知を実行することが可能になる。
【6226】
なお、上記特徴nC1乃至特徴nC11の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6227】
<特徴nD群>
特徴nD群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第7の実施の形態やその変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【6228】
特徴nD1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能に構成された遊技機であって、
当該遊技機は、
第1制御を行うことが可能な第1制御手段(主制御装置162)と、
前記第1制御手段からの出力情報(コマンド)に基づいて第2制御を行うことが可能な第2制御手段(演出制御装置143)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を導出することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
電断状態となり、その後の復電より後に、前記所定情報が前記特定制御の実行に対応する所定値であり、前記特定制御が実行される前の状態であることに対応した特定情報(遊技停止待ちの状態であることに対応した情報)が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする第1出力手段(第7の実施の形態において第1復電用コマンドを出力する一方で、第1差球用コマンド及び第2差球用コマンドを出力しないようにする機能、第7の実施の形態の変形例2において第2復電用コマンドを出力する機能)、又は電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定制御の実行状態に対応した所定情報(遊技停止状態に対応した情報)が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする第2出力手段(第7の実施の形態において第1復電用コマンド及び第2差球用コマンドを出力する機能、第7の実施の形態の変形例2において第3復電用コマンドを出力する機能)のうち、少なくともいずれかの出力手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6229】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に応じて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。遊技機では、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【6230】
そのような構成において、電断状態が発生し、その後に復電した場合に第1制御手段から第2制御手段への出力情報として、上記所定情報が特定制御の実行に対応する所定値でありながらも当該特定制御が実行されていない状態であることを特定することが可能な特定情報や、特定制御の実行状態であることを特定することが可能な所定情報が出力される。このような構成であることにより、上記各状態で電断状態が発生し、その後に復電した場合にそれぞれの状態に対応した適切な報知を行うことができる。
【6231】
特徴nD2.前記第2制御手段は、前記第1制御手段からの前記特定情報又は前記所定情報を受信したことに基づいて特定報知(メッセージ画像913の表示、メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nD1に記載の遊技機。
【6232】
上記構成では、第1制御手段からの特定情報又は所定情報が第2制御手段にて受信されると、特定報知が実行されるように制御されるため、復電後、特定制御が行われることや特定制御の実行状態であることを遊技者やホール従業員に対して知らせることができる。
【6233】
特徴nD3.前記第2制御手段は、前記第1制御手段からの前記特定情報を受信したことに基づいて、前記特定制御が行われることを遊技者又はホール従業員が認識できる特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nD1又は特徴nD2に記載の遊技機。
【6234】
上記構成では、第1制御手段からの特定情報が第2制御手段にて受信されると、特定制御が行われることを遊技者が認識できる特定報知が実行されるように制御されるため、復電後に特定制御が行われる場合において当該特定制御の実行を事前報知することが可能になる。これにより、復電後に再開された遊技にて特定制御が実行された場合に遊技者において不意に特定制御が実行された印象となることを抑制したり、遊技機が特定制御の実行待機状態に復帰しているかをホール従業員が確認したい場合に当該確認を容易に行ったりすることが可能になる。
【6235】
特徴nD4.前記第2制御手段は、前記第1制御手段からの前記所定情報を受信したことに基づいて、前記特定制御の実行状態であることを遊技者又はホール従業員が認識できる特定報知(メッセージ画像913の表示等)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD3のいずれかに記載の遊技機。
【6236】
上記構成では、第1制御手段からの所定情報が第2制御手段にて受信されると、特定制御の実行状態であることを遊技者が認識できる特定報知が実行されるように制御されるため、復電後の遊技機の状態が特定制御の実行状態であることを知らせることが可能になる。これにより、特定制御の実行状態で電断が発生し、その後に復電した場合に、特定制御の実行状態で遊技機が復帰しても遊技者が困惑することを抑制したり、遊技機が特定制御の実行状態で復帰しているかをホール従業員が確認したい場合に当該確認を容易に行ったりすることが可能になる。
【6237】
特徴nD5.前記第2制御手段は、
前記第1制御手段からの前記特定情報又は前記所定情報を受信したことに基づいて特定報知(メッセージ画像913の表示、メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする第1実行手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)と、
電断状態となり、その後の復電より後に、所定の遊技演出が実行されるようにする第2実行手段(復電後、次の遊技回の開始時に遊技回用演出を再開させたり、次のラウンド遊技の開始時に開閉実行モード用演出を再開させたりする機能)と、
を備え、
前記第1実行手段による前記特定報知が前記第2実行手段による前記所定の遊技演出の実行より前に実行可能であるように構成されていることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD4のいずれかに記載の遊技機。
【6238】
上記構成では、第1制御手段からの特定情報又は所定情報が第2制御手段にて受信されると、特定報知が実行されるように制御されるため、復電後、特定制御が行われることや特定制御の実行状態であることを遊技者やホール従業員に対して知らせることができる。その場合において、遊技演出の再開よりも早く特定報知を開始させるため、遊技者が特定報知に気付きやすくすることができ、当該報知の見逃し等を抑制することが可能になる。また、ホール従業員においても遊技演出の再開よりも早く特定報知を確認することができ、遊技者による遊技を邪魔することなく特定報知の確認を行うことが可能になる。
【6239】
特徴nD6.前記第2制御手段は、前記所定の遊技演出より前に実行された前記特定報知が前記所定の遊技演出の実行中も実行されるようにする手段(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の開始後もメッセージ画像914等の表示を継続する機能)を備えていることを特徴とする特徴nD5に記載の遊技機。
【6240】
上記構成では、遊技演出の再開よりも早く特定報知を開始させた後、特定報知の実行を遊技演出の開始後も継続するため、遊技演出が再開されるまでの期間が短い場合でも特定報知の実行期間を長く確保することができる。これにより、特定報知の見逃し等をより好適に抑制することができ、再開後の遊技で特定制御が実行されることを遊技者等に対して分かりやすく伝えることが可能になる。
【6241】
特徴nD7.前記第1制御手段は、電断状態となり、その後に復電より後に、前記出力情報として復電用情報(復電用コマンド)が出力されるようにする手段(第7の実施の形態の変形例2において主制御装置162により復電時用のコマンド設定処理を実行する機能)を備え、
出力可能な前記復電用情報として、情報態様(下位バイトの値)が異なる複数の復電用情報(第1復電用コマンド~第4復電用コマンド)が設けられており、
前記複数の復電用情報のうちの1の復電用情報(第2復電用コマンド、第3復電用コマンド)により前記特定情報又は前記所定情報を出力することが可能に構成されていることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD6のいずれかに記載の遊技機。
【6242】
上記構成では、電断発生後に復電した場合の出力情報として復電用情報が出力されるとともに、そのような復電用情報が複数設けられ、それらのうちの1つに上記特定情報や所定情報が対応付けられて出力される。この場合、第2制御手段が復電用情報を受信することにより、第2制御手段では、復電したことだけでなく、所定情報が特定制御の実行に対応する所定値でありながらも当該特定制御が実行されていない状態であることなどを把握することができる。このため、第1制御手段と第2制御手段の間での出力情報の授受回数を低減することができ、制御処理の簡単化を図ることが可能になる。
【6243】
特徴nD8.前記第1制御手段は、前記所定情報が前記所定値であり、前記特定制御が実行される前の状態である特定状態にて電断状態となった場合に、前記特定状態であることに対応した第1情報(超過待機フラグや大当たりフラグ、超過フラグ等)が前記電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(超過待機フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も超過待機フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)を備え、
前記第1出力手段は、前記電断状態にて記憶保持された前記第1情報に基づいて前記特定情報が出力されるようにするものであることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD7のいずれかに記載の遊技機。
【6244】
上記構成では、所定情報が特定制御の実行に対応する所定値で且つ特定制御が実行前の状態である特定状態にて電断状態となった場合に、第1制御手段において、当該特定状態であることを特定可能な第1情報が電断発生後において記憶保持される。このため、復電後における遊技機の状態を上記特定状態(特定制御の待機状態)とすることができる。この場合に、電断中に記憶保持された第1情報に基づいて上記特定情報を第2制御手段に出力するため、早ければ復電のタイミングに合わせて、特定状態であることの報知を行うことができる。これにより、復電後に特定制御が行われる場合において当該特定制御の実行を事前報知することが可能になる。
【6245】
特徴nD9.特別状態(開閉実行モード、高頻度サポートモード等)で前記所定情報が前記所定値となった場合に、前記特別状態の終了より後に前記特定制御が実行されることとなる特定状態(遊技停止待ち状態)となるようにする所定手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能(開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる機能))を備え、
前記第1出力手段は、前記特定状態にて電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定情報が出力されるようにするものであることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD8のいずれかに記載の遊技機。
【6246】
上記構成では、特別状態で所定情報が所定値(特定制御の実行に対応した値)になった場合は、特別状態の終了まで特定制御の実行が待機される特定状態とされるため、最後まで特別状態を遊技させてから特定制御を実行することが可能になる。この場合において特定状態に電断状態が発生し、その後に復電した場合を対象として上記特定情報が第2制御手段に出力されるため、復電後、残りの特別状態が実施された後に特定制御が行われる場合において、当該特定制御の実行を事前報知することが可能になる。
【6247】
特徴nD10.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様より入球しくい第2態様とに切り換わり可能な所定入球手段(可変入賞装置65)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定特典(賞球)を付与することが可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御が実行され得る前記特別状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nD9に記載の遊技機。
【6248】
上記構成では、特別状態に移行することで、所定入球手段の開閉制御が行われることとなり、遊技者は、特別状態において所定入球手段に遊技球を入球させることにより、所定特典を獲得することが可能になる。そのような特別状態の下で所定情報が所定値になった場合は特定制御が遅れて実行されるため、特別状態を遊技者が十分に楽しめないまま、特定制御が実行されることを抑制できる。その反面、特定制御の待機期間中に電断が発生すると、復電後に遊技が再開された場合に、残りの特別状態が実施された後に特定制御が行われることになるが、上記特徴nD9の構成を適用することにより、不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6249】
特徴nD11.前記第1制御手段は、前記特定制御の実行中に電断状態となった場合に、前記特定制御の実行状態であることに対応した第2情報(遊技停止フラグ)が前記電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も遊技停止フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)を備え、
前記第2出力手段は、前記電断状態にて記憶保持された前記第2情報に基づいて前記所定情報が出力されるようにするものであることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD10のいずれかに記載の遊技機。
【6250】
上記構成では、特定制御の実行中に電断状態となった場合に、特定制御の実行状態であることを特定可能な第2情報が電断発生後において記憶保持されるため、復電後における遊技機の状態を特定制御の実行状態とすることができる。この場合に、電断中に記憶保持された第2情報に基づいて上記所定情報を第2制御手段に出力するため、早ければ復電のタイミングに合わせて、遊技機の状態が特定制御の実行状態となることを報知することが可能になる。
【6251】
特徴nD12.前記特定制御は、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSn2109)を含むものであることを特徴とする特徴nD1乃至特徴nD11のいずれかに記載の遊技機。
【6252】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において上記特徴nD1の構成を適用することにより、所定情報が所定値でありながらも特定制御の実行前である状態や特定制御の実行状態で電断が発し、その後に復電した場合にそれぞれの状態に対応した適切な報知を行うことができる。
【6253】
特徴nD13.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能に構成された遊技機であって、
当該遊技機は、
第1制御を行うことが可能な第1制御手段(主制御装置162)と、
前記第1制御手段からの出力情報(コマンド)に基づいて第2制御を行うことが可能な第2制御手段(演出制御装置143)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行するか否かの特定判定が実行されることを可能とする手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)を備え、
前記特定制御の実行状態では、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限されるように構成されており、
前記第1制御手段は、
前記特定判定の結果が前記特定制御の実行に対応する結果である状況で前記特定制御の実行前である特定状態(遊技停止待ち状態)で電断状態となった場合に、前記特定状態であることを特定可能な所定情報(超過待機フラグや大当たりフラグ、超過フラグ等)が電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(超過待機フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も超過待機フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
前記特定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定制御が行われることに対応した特定情報が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする手段(主制御装置162における復電時用のコマンド設定処理を実行する機能(第7の実施の形態にて、遊技停止待ち状態で電断状態が発生し、その後、復電した場合に、第1復電用コマンドのみを出力する機能、第7の実施の形態の変形例2にて、遊技停止待ち状態で電断状態が発生し、その後、復電した場合に、第2復電用コマンドを出力する機能))と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6254】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に応じて、遊技進行を制限する特定制御の実行判定が行われる。このため、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じている認識される状況であれば、特定制御を実行して遊技価値の更なる獲得を制限することができる。これにより、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【6255】
このような構成において、上記実行判定の結果が特定制御の実行に対応する結果で且つ特定制御が実行前の状態である特定状態にて電断状態となった場合に、第1制御手段において、当該特定状態であることを特定可能な所定情報が電断発生後において記憶保持される。このため、復電後における遊技機の状態を上記特定状態(特定制御の待機状態)とすることができる。この場合、復電後の遊技でほどなくして特定制御が実行される場合があるが、特定制御が実行されることに対応した特定情報が第2制御手段に出力されるため、復電後において、特定制御が実行されることの事前報知を行うことができる。これにより、遊技者においては不意に特定制御が実行された印象となることが抑制され、ホール従業員においては復電後の遊技機の状態が特定状態となることの確認を容易に行うことが可能になる。
【6256】
本特徴に対して上記特徴nD1から特徴nD12のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
【6257】
なお、本特徴の「前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行するか否かの特定判定が実行されることを可能とする手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)を備え」は、「前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)が記憶されることを可能とする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、を備え」と表現することもできる。
【6258】
なお、上記特徴nD1乃至特徴nD13の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6259】
<特徴nE群>
特徴nE群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第7の実施の形態やその変形例3に基づいて抽出されるものである。
【6260】
特徴nE1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を導出することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報が所定記憶手段(差球数用エリア505)に記憶されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
特定状態(開閉実行モード、高頻度サポートモード等)で前記所定情報が前記特定制御の実行に対応する所定値となった場合に、所定条件(開閉実行モードの終了等)の成立より後に特定制御(遊技停止状態への移行等)が実行されるようにすることを可能とする手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能(開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる機能))と、
前記所定情報が前記所定値となる前に電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)と、
前記所定条件の成立後における前記特定制御の実行状態で電断状態が発生した場合に、前記特定制御の実行状態であることを特定することが可能な特定情報(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報)が当該電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も遊技停止フラグ及び超過フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
前記所定条件の成立後における前記特定制御の実行状態で電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(開閉実行モード後の遊技停止状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6261】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に応じて所定情報が導出され、その導出された所定情報が所定値になることに基づいて特定制御が行われる。遊技機では、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【6262】
また、上記構成では、遊技機の電源がオフ状態とされて電断状態となるか、又はその後にオン状態とされて復電することにより、電断前に記憶されていた所定情報が消去される。これにより、遊技ホールの閉店に伴う電源オフ操作を行った後、翌日の開店に伴う電源オン操作を行うだけで、所定情報を消去することができ、当該消去のための専用操作を要する場合に比べ、ホール従業員の手間を軽減することができる。
【6263】
さらに、上記構成では、特定状態の下で所定情報が所定値になると、その後に所定条件が成立するまで特定制御の実行が待機される。これにより、特定状態の途中で所定情報が所定値になった場合に即座に特定制御が実行されることが抑制され、より長く特定状態を遊技させることが可能になる。そのような構成の下、上記所定条件の成立後における特定制御の実行状態で電断が発生した場合は、かかる状態を特定することが可能な特定情報のバックアップが行われる。これにより、復電後において特定制御の実行状態に適切に復帰させることができる。その際、電断前に記憶されていた所定情報の消去については、所定情報が所定値となる前に電断が発生した場合と同様に行われるため、所定情報の消去に関する制御処理を電断時の状況に応じて切り換える必要がなく、処理の共通化を図ることができる。これにより、制御処理の負荷を軽減したり、処理構成の複雑化を抑制したりすることが可能になる。
【6264】
特徴nE2.前記特定状態としての第1状態で前記所定情報が前記所定値となった場合に、前記所定条件の成立より後に前記特定制御が実行されることとなる第2状態(遊技停止待ち状態)となるようにすることを可能とするものであり、
前記第2状態で電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(主制御装置162における第1部分クリア用処理を実行する機能(遊技停止待ち状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nE1に記載の遊技機。
【6265】
上記構成では、特定制御の実行が待機される第2状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合にも、電断前に記憶されていた所定情報の消去が行われる。このため、所定情報が所定値となる前であるか否かや、特定制御の実行状態であるか否か、特定制御の実行を待機している状態であるか否かを問わず、所定情報の消去に関する制御処理を共通化することができ、より一層の負荷軽減等を図ることが可能になる。
【6266】
特徴nE3.前記所定条件の成立後における前記特定制御の実行状態で電断状態が発生し、その後の復電より後に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されたことを認識できる報知(リセット用報知)、又は前記所定情報の値に対応する報知(判定用差球数SAの情報)のうちの少なくとも一方である特定報知が実行されることを可能とする手段(第7の実施の形態の変形例3においてリセット用報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nE1又は特徴nE2に記載の遊技機。
【6267】
上記構成では、所定条件の成立後における特定制御の実行状態で電断が発生し、その後に復電した場合において、電断前に記憶されていた所定情報が適切に消去されているかの確認をホール従業員が行うことが可能になる。
【6268】
特徴nE4.前記所定条件の成立後における前記特定制御の実行状態で電断状態となり、その後の復電より後に、復電用の所定報知(メッセージ画像911の表示)が第1報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする手段と、
前記特定報知が前記第1報知手段とは異なる第2報知手段(差球数報知部622)にて実行されるようにする手段(第7の実施の形態の変形例3においてリセット用報知を差球数報知部622にて実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nE3に記載の遊技機。
【6269】
上記構成では、所定条件の成立後における特定制御の実行状態で電断が発生し、その後に復電した場合において、復電用の所定報知が実行されるため、ホール従業員だけでなく、遊技者においても遊技機への電源供給が再開されていることを認識できる。その場合において、電断前の情報が消去された状態の所定情報に関する特定報知を復電用の所定報知が実行される第1報知手段とは異なる第2報知手段にて実行するため、所定情報が消去されたことを遊技者に分かりにくくしながら、当該消去が適切に実行されたことの確認をホール従業員が行い得るようにすることができる。
【6270】
特徴nE5.前記所定条件の成立後における前記特定制御の実行状態で電断状態となり、その後の復電より後に、復電用の所定報知(メッセージ画像911の表示)が実行されるようにする手段と、
前記所定報知が実行される期間の少なくとも一部と重複して前記特定報知が実行されるようにする手段(第7の実施の形態の変形例3において、図柄表示装置75でのメッセージ画像911の表示と差球数報知部622でのリセット用報知とが並行して実行されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nE3又は特徴nE4に記載の遊技機。
【6271】
上記構成では、消去後の所定情報に関する特定報知と復電用の所定報知との実行期間が重複するため、ホール従業員において、遊技機における復電時処理(起動処理)が適切に行われていることの確認と、所定情報が消去されていることの確認とを同時に行うことができ、確認作業の円滑化を図ることが可能になる。
【6272】
特徴nE6.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様より入球しくい第2態様とに切り換わり可能な所定入球手段(可変入賞装置65)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定特典(賞球)を付与することが可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御が実行され得る前記特定状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nE1乃至特徴nE5のいずれかに記載の遊技機。
【6273】
上記構成では、特定状態に移行することで、所定入球手段の開閉制御が行われることとなり、遊技者は、特定状態において所定入球手段に遊技球を入球させることにより、所定特典を獲得することが可能になる。そのような特定状態の下で所定情報が所定値になった場合は特定制御が遅れて実行されるため、特定状態を遊技者が十分に楽しめないまま、特定制御が実行されることを抑制できる。そのような構成において上記特徴nE1の構成を適用することにより、復電後における状態のバックアップを可能としながらも、所定情報の消去に関する制御処理を共通化することができる。
【6274】
特徴nE7.前記特定制御は、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSn2109)を含むものであることを特徴とする特徴nE1乃至特徴nE6のいずれかに記載の遊技機。
【6275】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において上記特徴nE1の構成を適用することにより、復電後における状態のバックアップを可能としながらも、所定情報の消去に関する制御処理を共通化することができる。
【6276】
特徴nE8.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を導出することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報が所定記憶手段(差球数用エリア505)に記憶されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行前の第1状態(残り球数RSが1個以上の状態)で電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)と、
前記特定制御の実行状態である第2状態(残り球数RSが0個以下の状態)で電断状態が発生した場合に、前記特定制御の実行状態であることを特定することが可能な特定情報(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報)が当該電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も遊技停止フラグ及び超過フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
前記第2状態で電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(遊技停止状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6277】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に応じて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。遊技機では、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【6278】
また、上記構成では、遊技機の電源がオフ状態とされて電断状態となるか、又はその後にオン状態とされて復電することにより、電断前に記憶されていた所定情報が消去される。これにより、遊技ホールの閉店に伴う電源オフ操作を行った後、翌日の開店に伴う電源オン操作を行うだけで、所定情報を消去することができ、当該消去のための専用操作を要する場合に比べ、ホール従業員の手間を軽減することができる。
【6279】
さらに、上記構成では、特定制御の実行状態で電断が発生した場合は、かかる状態を特定することが可能な特定情報のバックアップが行われる。これにより、復電後において特定制御の実行状態に適切に復帰させることができる。その際、電断前に記憶されていた所定情報の消去については、特定制御の実行前に電断が発生した場合と同様に行われるため、所定情報の消去に関する制御処理を電断時の状況に応じて切り換える必要がなく、処理の共通化を図ることができる。これにより、制御処理の負荷を軽減したり、処理構成の複雑化を抑制したりすることが可能になる。
【6280】
特徴nE9.前記第2状態で電断状態となり、その後の復電より後に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されたことを認識できる報知(リセット用報知)、又は前記所定情報の値に対応する報知(数値表示による残り球数RS等の報知)のうちの少なくとも一方である特定報知が実行されることを可能とする手段(第7の実施の形態の変形例3においてリセット用報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nE8に記載の遊技機。
【6281】
上記構成では、特定制御の実行状態で電断が発生し、その後に復電した場合において、電断前に記憶されていた所定情報が適切に消去されているかの確認をホール従業員が行うことが可能になる。
【6282】
特徴nE10.前記第2状態で電断状態となり、その後の復電より後に、復電用の所定報知(メッセージ画像911の表示)が第1報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする手段と、
前記特定報知が前記第1報知手段とは異なる第2報知手段(差球数報知部622)にて実行されるようにする手段(第7の実施の形態の変形例3においてリセット用報知を差球数報知部622にて実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nE9に記載の遊技機。
【6283】
上記構成では、特定制御の実行状態で電断が発生し、その後に復電した場合において、復電用の所定報知が実行されるため、ホール従業員だけでなく、遊技者においても遊技機への電源供給が再開されていることを認識できる。その場合において、電断前の情報が消去された状態の所定情報に関する特定報知を復電用の所定報知が実行される第1報知手段とは異なる第2報知手段にて実行するため、所定情報が消去されたことを遊技者に分かりにくくしながら、当該消去が適切に実行されたことの確認をホール従業員が行い得るようにすることができる。
【6284】
特徴nE11.前記第2状態で電断状態となり、その後の復電より後に、復電用の所定報知(メッセージ画像911の表示)が実行されるようにする手段と、
前記所定報知が実行される期間の少なくとも一部と併行して前記特定報知が実行されるようにする手段(第7の実施の形態の変形例3において、図柄表示装置75でのメッセージ画像911の表示と差球数報知部622でのリセット用報知とが並行して実行されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nE9又は特徴nE10に記載の遊技機。
【6285】
上記構成では、消去後の所定情報に関する特定報知が復電用の所定報知と並行して実行されるため、ホール従業員において、遊技機における復電時処理(起動処理)が適切に行われていることの確認と、所定情報が消去されていることの確認とを同時に行うことができ、確認作業の容易化を図ることが可能になる。
【6286】
特徴nE12.前記特定制御は、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSn2109)を含むものであることを特徴とする特徴nE8乃至特徴nE10のいずれかに記載の遊技機。
【6287】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において上記特徴nE8の構成を適用することにより、復電後における状態のバックアップを可能としながらも、所定情報の消去に関する制御処理を共通化することができる。
【6288】
特徴nE13.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を導出することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報が所定記憶手段(差球数用エリア505)に記憶されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報が所定値となったこと(残り球数RSが0個以下になったことなど)に基づいて所定状態(遊技停止状態、遊技停止待ち状態等)となるようにすることが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報が前記所定値となる前に電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)と、
前記所定状態で電断状態が発生した場合に、前記所定状態であることを特定することが可能な特定情報(遊技停止フラグ、超過フラグ、超過待機フラグの情報)が当該電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグ等の情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も遊技停止フラグ等の情報を記憶保持できるようにする機能)と、
前記所定状態で電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(遊技停止状態や遊技停止待ち状態で電断が発生した場合、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6289】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に応じて所定情報が導出され、その導出された所定情報が所定値になると所定状態となるように構成されえている。遊技機では、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、上記所定状態において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【6290】
また、上記構成では、遊技機の電源がオフ状態とされて電断状態となるか、又はその後にオン状態とされて復電することにより、電断前に記憶されていた所定情報が消去される。これにより、遊技ホールの閉店に伴う電源オフ操作を行った後、翌日の開店に伴う電源オン操作を行うだけで、所定情報を消去することができ、当該消去のための専用操作を要する場合に比べ、ホール従業員の手間を軽減することができる。
【6291】
さらに、上記構成では、所定状態で電断が発生した場合は、かかる状態を特定することが可能な特定情報のバックアップが行われる。これにより、復電後において所定状態に適切に復帰させることができる。その際、電断前に記憶されていた所定情報の消去については、所定情報が所定値となる前に電断が発生した場合と同様に行われるため、所定情報の消去に関する制御処理を電断時の状況に応じて切り換える必要がなく、処理の共通化を図ることができる。これにより、制御処理の負荷を軽減したり、処理構成の複雑化を抑制したりすることが可能になる。
【6292】
本特徴に対して上記特徴nE1から特徴nE12のいずれかの構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
【6293】
なお、上記特徴nE1乃至特徴nE13の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6294】
<特徴nF群>
特徴nF群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第7の実施の形態やその変形例1~3に基づいて抽出されるものである。
【6295】
特徴nF1.第1制御を行うことが可能な第1制御手段(主制御装置162)と、
前記第1制御手段からの出力情報(コマンド)に基づいて第2制御を行うことが可能な第2制御手段(演出制御装置143)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
所定の判定契機(作動口62,63への入賞)の成立に基づいて特定判定(当否判定)を実行する手段(主制御装置162における変動開始処理を実行する機能)と、
前記特定判定の結果に基づいて第1遊技状態(通常遊技状態)より遊技者にとって有利な第2遊技状態(開閉実行モード、高頻度サポートモード等)に移行させることが可能な手段(制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
所定事象(開閉実行モード中に残り球数RSが0個以下になることなど)の発生に基づいて前記第2遊技状態の終了より後に特定制御(遊技停止状態への移行等)が実行されることを可能とする所定手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定制御の実行状態では、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限されるように構成されており、
前記第1制御手段は、前記第2遊技状態の終了より後に前記特定制御が実行されることを特定することが可能な特定情報(遊技停止待ちの状態であることに対応した情報)が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とする出力手段(主制御装置162における超過待機コマンドを出力する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【6296】
上記構成では、所定の判定契機の成立を契機として実行される特定判定の結果に基づいて、第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態に移行させるとともに、所定事象が発生した場合は第2遊技状態の終了後に特定制御が実行されるようになっている。特定制御の実行状態では遊技の進行が制限されるため、第2遊技状態への移行が想定以上に繰り返されて遊技者の勝ち分が増大し過ぎている際に、第2遊技状態の終了に合わせて特定制御を実行することで、進行中の第2遊技状態を最後まで楽しませて遊技者の満足感を満たしつつ、更なる勝ち分の上昇を抑えて射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。さらに、そのような特定制御を行うにあたっては、当該制御の実施機能を担う第1制御手段から第2制御手段への出力情報として、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行されることを特定することが可能な特定情報が出力されるため、第2制御手段において当該特定制御の実行を把握することが可能になる。これにより、第2制御手段による制御の下、特定制御の事前報知を行うことができ、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行された際に、遊技者において不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6297】
特徴nF2.前記所定手段は、前記所定事象の発生に基づいて前記第2遊技状態の終了より後に前記特定制御が実行されることとなる特定状態(遊技停止待ち状態)となることを可能とするものであり、
前記出力手段は、前記第2遊技状態の終了より前に、前記特定情報が1又は複数の前記出力情報により出力されることを可能とするものであることを特徴とする特徴nF1に記載の遊技機。
【6298】
上記構成では、第2遊技状態の終了より後に特定制御が実行されることになる特定状態となった場合に、第1制御手段から第2制御手段への特定情報(特定状態であることを特定するための情報)が第2遊技状態の終了前に出力されるため、第2制御手段において、特定制御が実行されることを第2遊技状態である間に把握することができる。これにより、実行中の第2遊技状態が終了すると特定制御が実行されることを、当該第2遊技状態が終了する前に遊技者に知らせることができ、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行された際に不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6299】
特徴nF3.前記第2制御手段は、前記第1制御手段からの前記特定情報を受信したことに基づいて、前記特定制御が行われることを遊技者又はホール従業員が認識できる特定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における第2停止予告用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nF1又は特徴nF2に記載の遊技機。
【6300】
上記構成では、第1制御手段からの特定情報が第2制御手段にて受信されると、特定制御が行われることを遊技者等が認識できる特定報知が実行されるように制御されるため、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行される場合において当該特定制御の実行を事前報知することが可能になる。これにより、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行された際に、遊技者において不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6301】
特徴nF4.前記第2制御手段は、前記第1制御手段からの前記特定情報を受信したことに基づく特定報知(メッセージ画像902の表示)が第2遊技状態の終了より前に実行されるようにする手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF3のいずれかに記載の遊技機。
【6302】
上記構成では、第1制御手段からの特定情報に基づく特定報知が第2遊技状態の終了前に実行されるため、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行される場合において当該特定制御の実行を事前報知することが可能になる。これにより、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行された際に、遊技者において不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6303】
特徴nF5.前記所定手段は、前記所定事象の発生に基づいて前記第2遊技状態の終了より後に前記特定制御が実行されることとなる特定状態(遊技停止待ち状態)となることを可能とするものであり、
前記特定状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定状態であることを特定することが可能な情報(遊技停止待ちの状態であることに対応した情報)が1又は複数の出力情報により出力されることを可能とする出力用手段(第7の実施の形態において第1復電用コマンドを出力する一方で、第1差球用コマンド及び第2差球用コマンドを出力しないようにする機能、第7の実施の形態の変形例2において第2復電用コマンドを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF4のいずれかに記載の遊技機。
【6304】
上記構成では、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行されることとなる特定状態で電断が発生し、その後に復電すると、第1制御手段から第2制御手段への出力情報として、上記特定状態であることを特定することが可能な情報が出力される。このため、特定状態中に停電等が発生した場合でも、復電後、第2制御手段において、特定状態であることを認識させることが可能になる。これにより、特定制御が実行されることを改めて遊技者に知らせることができ、復電後の遊技において、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行されても、遊技者において不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6305】
特徴nF6.前記特定状態であることを特定することが可能な所定情報(超過待機フラグや大当たりフラグ、超過フラグ等)が記憶されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能(開閉実行モードである状況で残り球数RSが0個以下になった場合に主側RAM314の超過待機フラグに「1」をセットする機能))と、
前記特定状態で電断状態となった場合に、前記電断状態にて前記所定情報が記憶保持されることを可能とする手段(超過待機フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も超過待機フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
を備え、
前記出力用手段は、記憶保持された前記所定情報に基づき、前記特定状態であることを特定することが可能な情報が1又は複数の出力情報により出力されることを可能とするものであることを特徴とする特徴nF5に記載の遊技機。
【6306】
上記構成では、特定状態(第2遊技状態の終了後に特定制御が行われる状態)で電断が発生した場合に、当該特定状態であることを特定することが可能な所定情報が電断発生後において記憶保持されるようにバックアップ制御が行われる。これにより、復電後における遊技の状態を上記特定状態に復帰させることができる。よって、復電後において特定状態の残り期間にて第2遊技状態の続きを楽しませることが可能になり、さらには第2遊技状態が終了することに応じて特定制御を実行させることが可能になる。
【6307】
特徴nF7.前記第2制御手段は、電断状態となり、その後の復電より後に、前記特定状態であることを特定することが可能な情報を前記第1制御手段から受信したことに基づいて所定報知(メッセージ画像914の表示)が実行されるようにする手段(演出制御装置143における復電用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴nF5又は特徴nF6のいずれかに記載の遊技機。
【6308】
上記構成では、特定状態(第2遊技状態の終了後に特定制御が行われる状態)で電断が発生した場合に、復電後において、第1制御手段からの情報(特定状態であることを特定するための情報)を第2制御手段が受信することに基づき、所定報知が実行される。このため、復電後の遊技にて特定制御の事前報知を行うことができ、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行されても、遊技者において不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6309】
特徴nF8.前記第2遊技状態の終了より後に前記特定制御が実行された場合に前記特定制御の実行を特定することが可能な情報が1又は複数の出力情報により出力されることを可能とする手段(第7の実施の形態において第1復電用コマンド及び第2差球用コマンドを出力する機能、第7の実施の形態の変形例2において第3復電用コマンドを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF7のいずれかに記載の遊技機。
【6310】
上記構成では、第1制御手段にて第2遊技状態の終了後に特定制御が実行された場合に、第2制御手段への出力情報として特定制御の実行を特定することが情報が出力される。このため、第2制御手段において、特定制御の実行が待機されている状態から特定制御の実行状態に移行したことを適切に把握することが可能になる。
【6311】
特徴nF9.遊技が実行されている場合に発生し得る特定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)と、
前記特定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定の情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を導出することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定事象は、前記第2遊技状態で前記所定の情報が前記特定制御の実行に対応した所定値となることであることを特徴とする特徴nF1乃至特徴nF8のいずれかに記載の遊技機。
【6312】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である特定事象の発生に応じて所定の情報が導出され、その導出された所定の情報が所定値となるに基づいて特定制御が行われるが、第2遊技状態で所定の情報が所定値となった場合は、第2遊技状態の終了まで特定制御の実行が待機される。これにより、遊技者に第2遊技状態での遊技を十分に楽しませてから特定制御を実行させることができる。この場合において、第1制御手段から第2制御手段への出力情報として特定制御の待機状態であることに対応した特定情報が出力されるため、当該状態であることを第2制御手段に把握させることができる。これにより、特定制御の実行が待機されている状況で特定制御の事前報知を行うことができ、第2遊技状態の終了後に特定制御が実行された際に不意に特定制御が実行された印象となることを抑制可能となる。
【6313】
特徴nF10.前記第1制御手段は、前記所定の情報に関する情報が1又は複数の出力情報により出力されることを可能とする手段(主制御装置162における差球用コマンドを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴nF9に記載の遊技機。
【6314】
上記構成では、第1制御手段から第2制御手段への出力情報として所定の情報に関する情報が出力されるため、所定の情報における都度の値を第2制御手段に把握させることができる。これにより、所定の情報に関する報知を実行する場合に、これを好適に行わせることが可能になる。
【6315】
なお、上記特徴nF1乃至特徴nF10の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6316】
<特徴nG群>
特徴nG群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に第7の実施の形態の変形例3に基づいて抽出されるものである。
【6317】
特徴nG1.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な遊技機であって、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を導出することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
電断状態となり、その後の復電より後に、復電用の第1報知(メッセージ画像911の表示)が第1報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする第1手段(7の実施の形態の変形例3においてメッセージ画像911の表示を図柄表示装置75の表示画面Gにて実行する機能)と、
電断状態となり、その後の復電より後に、前記所定情報に関する第2報知(リセット用報知)が前記第1報知手段とは異なる第2報知手段(差球数報知部622)にて実行されるようにする第2手段(第7の実施の形態の変形例3においてリセット用報知を差球数報知部622にて実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6318】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に応じて所定情報が導出され、その導出された所定情報に基づいて特定制御が行われる。遊技機では、上記所定情報を参照することで、遊技価値の獲得状況を認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりを抑制することが可能になる。
【6319】
かかる構成の下、電断状態の発生後における復電時において、復電用の第1報知を第1報知手段にて実行しつつ、所定情報に関する第2報知を第2報知手段にて実行するように構成されている。この場合、遊技者の意識が復電用の第1報知に向いている状態で他の報知手段にて所定情報に関する第2報知を実行することができ、復電時における所定情報の内容を遊技者に知られることを抑制しながら、ホール従業員が当該所定情報の内容を確認することが可能になる。
【6320】
特徴nG2.前記第2手段は、前記第1手段により前記第1報知が実行される期間の少なくとも一部と重複して前記第2報知が実行されるようにするものである(第7の実施の形態の変形例3において、図柄表示装置75でのメッセージ画像911の表示と差球数報知部622でのリセット用報知とが並行して実行される構成)ことを特徴とする特徴nG1に記載の遊技機。
【6321】
上記構成では、所定情報に関する第2報知と復電用の第1報知との実行期間が重複するため、ホール従業員において、遊技機における復電時処理(起動処理)が適切に行われていることの確認と、復電時における所定情報の内容確認とを同時に行うことができ、確認作業の円滑化を図ることが可能になる。
【6322】
特徴nG3.電断状態となり、その後の復電より後に、所定の遊技演出が再開されるようにする手段(復電後、次の遊技回の開始時に遊技回用演出を再開させたり、次のラウンド遊技の開始時に開閉実行モード用演出を再開させたりする機能)と、
前記所定の遊技演出の再開より前に前記第2報知が実行されることを可能とする手段(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の再開前にリセット用報知を開始させる機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nG1又は特徴nG2に記載の遊技機。
【6323】
上記構成では、所定情報に関する第2報知が遊技演出の再開よりも早く実行されるため、復電後において、遊技者が遊技を始める前に、ホール従業員が所定情報の内容確認を済ませることができる。これにより、遊技の邪魔となることを抑制しながら、ホール従業員が上記確認を行うことが可能になる。
【6324】
特徴nG4.前記所定の遊技演出より前に実行された前記第2報知が前記所定の遊技演出の実行中も実行されるようにする手段(遊技回用演出や開閉実行モード用演出の開始後もメッセージ画像914の表示を継続する機能)を備えていることを特徴とする特徴nG3に記載の遊技機。
【6325】
上記構成では、遊技演出の再開よりも早く第2報知を開始させた後、第2報知の実行を遊技演出の開始後も継続するため、遊技演出が再開されるまでの期間が短い場合でも第2報知の実行期間を長く確保することができる。これにより、復電時の初期段階でホール従業員が第2報知を見逃した場合でも、所定情報の内容確認を行うことが可能になる。
【6326】
特徴nG5.遊技の進行に応じて所定の遊技演出表示(遊技回用の演出表示や開閉実行モード用の演出表示)が前記第1報知手段(図柄表示装置75)にて実行されるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴nG1乃至特徴nG4のいずれかに記載の遊技機。
【6327】
上記構成では、遊技演出表示が行われる第1報知手段にて復電用の第1報知が行われるため、当該第1報知が行われる場面において遊技者の意識を第1報知手段に向けやすくすることができる。これにより、第2報知手段での第2報知(所定情報に関する報知)に遊技者が気付きにくくなるようにすることができ、特徴nG1による上記効果を増強することが可能になる。
【6328】
特徴nG6.前記所定情報が所定記憶手段(差球数用エリア505)に記憶されるようにする手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
電断状態が発生した場合又はその電断状態の発生後に復電した場合に、当該電断状態の発生前の前記所定情報が消去されるようにする手段(残り球数RSが1個以上の状態で電断が発生した場合や、その後に復電した場合に第1部分クリア用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nG1乃至特徴nG5のいずれかに記載の遊技機。
【6329】
上記構成では、遊技機の電源がオフ状態とされて電断状態となるか、又はその後にオン状態とされて復電することにより、電断前に記憶されていた所定情報が消去される。これにより、遊技ホールの閉店に伴う電源オフ操作を行った後、翌日の開店に伴う電源オン操作を行うだけで、所定情報を消去することができ、当該消去のための専用操作を要する場合に比べ、ホール従業員の手間を軽減することができる。その際、復電時に第2報知が行われることで、所定情報が適切に消去されたか否かをホール従業員が確認することができる。
【6330】
しかしながら、天災等により停電が発生し、その後に復電した場合も遊技機が同様に動作するため、遊技ホールの営業時間内に所定情報が消去され、それを遊技者に知られてしまうおそれがある。この点、上記特徴nG1の構成を適用することにより、所定情報が適切に消去されたことの確認をホール従業員が行えるようにしながらも、所定情報の消去が遊技者に知られることを抑制することが可能になる。
【6331】
特徴nG7.前記特定制御の実行状態で電断状態が発生した場合に、前記特定制御の実行状態であることを特定することが可能な特定情報(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報)が当該電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も遊技停止フラグ及び超過フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
前記第1手段は、前記特定制御の実行状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記第1報知が前記第1報知手段にて実行されるようにするものであり、
前記第2手段は、前記特定制御の実行状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記第2報知が前記第2報知手段にて実行されるようにするものであることを特徴とする特徴nG6に記載の遊技機。
【6332】
上記構成では、特定制御の実行状態で電断が発生した場合は、かかる状態を特定することが可能な特定情報のバックアップが行われる。これにより、復電後において特定制御の実行状態に適切に復帰させることができる。この際、特定制御の実行状態では、遊技者において所定情報が所定値に達していると認識している可能性が高いため、電断前の内容が消去された状態の所定情報に対応した報知が行われると、遊技者において報知の内容と自身の認識とが整合せず、不自然な印象を抱くおそれがある。かと言って、復電後における所定情報の報知が行われない構成とすると、ホール従業員において電断前の所定情報が適切に消去されたかの確認が行いにくくなる。この点、上記特徴nG1の構成を適用することにより、所定情報が適切に消去されたことの確認をホール従業員が行えるようにしながらも、所定情報の消去が遊技者に知られることを抑制することが可能になる。
【6333】
特徴nG8.第1状態(開閉実行モード、高頻度サポートモード等)で前記所定情報が前記特定制御の実行に対応する所定値となった場合に、所定条件(開閉実行モードの終了等)の成立より後に特定制御(遊技停止状態への移行等)が実行されることとなる第2状態(遊技停止待ち状態)となるようにすることを可能とする手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能(開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる機能))と、
前記第2状態で電断状態が発生した場合に、前記第2状態であることを特定することが可能な特定の情報(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報)が当該電断状態にて記憶保持されることを可能とする手段(遊技停止フラグ及び超過フラグの情報をバックアップの対象とし、電断状態の発生時に供給されるバックアップ用電力により、電断期間中も遊技停止フラグ及び超過フラグの情報を記憶保持できるようにする機能)と、
前記第1手段は、前記第2状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記第1報知が前記第1報知手段にて実行されるようにするものであり、
前記第2手段は、前記第2状態で電断状態となり、その後の復電より後に、前記第2報知が前記第2報知手段にて実行されるようにするものであることを特徴とする特徴nG6又は特徴nG7に記載の遊技機。
【6334】
上記構成では、第1状態の下で所定情報が所定値になると、その後に所定条件が成立するまで特定制御の実行が待機される第2状態となる。これにより、第1状態の途中で所定情報が所定値になった場合に即座に特定制御が実行されることが抑制され、より長く第1状態を遊技させることが可能になる。そのような構成の下、第2状態で電断が発生した場合は、かかる状態を特定することが可能な特定の情報がバックアップされる。これにより、復電後において第2状態に復帰させることができ、復電後の遊技にて所定条件が成立するまで第1状態を遊技させつつ、所定条件の成立に伴い特定制御を実行させることが可能になる。
【6335】
この場合、復電後において、電断前の内容が消去されて所定情報が初期値になっていることを遊技者が知ると、復電後の遊技において、所定情報が初期値になっていることと、ほどなくして特定制御が実行されることとが整合せず、遊技者が不自然な印象を抱くことをおそれがある。かと言って、復電後における所定情報の報知が行われない構成とすると、ホール従業員において電断前の所定情報が適切に消去されたかの確認が行いにくくなる。この点、上記特徴nG1の構成を適用することにより、所定情報が適切に消去されたことの確認をホール従業員が行えるようにしながらも、所定情報の消去が遊技者に知られることを抑制することが可能になる。
【6336】
特徴nG9.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様より入球しくい第2態様とに切り換わり可能な所定入球手段(可変入賞装置65)と、
前記所定入球手段への遊技球の入球に基づいて所定特典(賞球)を付与することが可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする切換制御が実行され得る前記第1状態に移行させることが可能な手段(主制御装置162における特電開始処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴nG8に記載の遊技機。
【6337】
上記構成では、第1状態に移行することで、所定入球手段の開閉制御が行われることとなり、遊技者は、第1状態において所定入球手段に遊技球を入球させることにより、所定特典を獲得することが可能になる。そのような第1状態の下で所定情報が所定値になった場合は特定制御が遅れて実行されるため、第1状態を遊技者が十分に楽しめないまま、特定制御が実行されることを抑制できる。そのような構成において上記特徴nG1の構成を適用することにより、所定情報が適切に消去されたことの確認をホール従業員が行えるようにしながらも、所定情報の消去が遊技者に知られることを抑制することが可能になる。
【6338】
特徴nG10.前記特定制御は、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSn2109)を含むものであることを特徴とする特徴nG1乃至特徴nG9のいずれかに記載の遊技機。
【6339】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技の進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において上記特徴nG1の構成を適用することにより、所定情報が適切に消去されたことの確認をホール従業員が行えるようにしながらも、所定情報の消去が遊技者に知られることを抑制することが可能になる。
【6340】
なお、上記特徴nG1乃至特徴nG10の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6341】
<特徴nH群>
特徴nH群は、上述した各実施の形態や各変形例又はこれらの組み合わせから抽出される発明群であり、主に上記第7の実施の形態に基づいて抽出されるものである。
【6342】
特徴nH1.所定契機(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の成立に基づいて所定情報(残り球数RS、判定用差球数SA等)を更新することが可能な更新手段(主制御装置162における超過判定用処理を実行する機能)と、
前記更新手段の更新結果が特定結果(残り球数RSの更新結果が0個、判定用差球数SAの更新結果が95000個)になったことに基づいて特定制御(遊技停止状態への移行等)を実行することが可能な第1手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能)と、
前記所定情報に対応した特定報知(第1停止予告用報知)を実行することが可能な手段(演出制御装置143における第1停止予告用処理を実行する機能)と、
前記特定報知の内容を前記更新手段の更新結果に基づいて更新する手段(演出制御装置143におけるステップSn3308の処理を実行する機能)と、
特定状態(開閉実行モード、高頻度サポートモード等)で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった場合に、前記特定制御の実行が待機される所定状態(遊技停止待ち状態)を経て前記特定制御が実行されることを可能とする第2手段(主制御装置162における超過判定用処理、遊技停止判定用処理を実行する機能(開閉実行モードが終了してから遊技停止状態に移行させる機能))と、
前記特定状態で前記更新手段の更新結果が前記特定結果になった後、前記所定状態の少なくとも一部の期間にて、前記特定結果になったことに対応した態様で前記特定報知が実行されることを可能とする所定手段(開閉実行モードの途中で残り球数RSが0個以下となった後、報知内容を更新せずに第1停止予告用報知の実行を継続する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【6343】
上記構成では、所定契機の成立により所定情報が更新され、その更新結果が特定結果になると、特定制御が実行されるとともに、所定情報に対応した特定報知が実行される。こにより、遊技者は、特定報知を通じて都度の所定情報(更新結果)を把握し、特定制御のタイミングが近づいているか否かを意識しながら遊技することができる。
【6344】
そのような構成において、特定状態で所定情報の更新結果が特定結果になった場合は、特定制御の実行を待機する所定状態を経てから特定制御が実行される。よって、遊技者に特定状態での遊技を十分に楽しませてから特定制御を実行させることができる。その際、特定報知については、更新結果が特定結果になった後の所定状態(特定制御の実行が待機される状態)にて、特定結果になったことに対応した態様とされて実行される。これにより、所定情報の更新結果が特定結果になったことを遊技者に分かりやすく伝えながら、特定報知の内容が不自然なものとなることを抑制できる。
【6345】
特徴nH2.前記所定手段は、前記所定状態にて前記所定契機が成立した場合に前記特定報知の内容が変更されないことを可能とするものであることを特徴とする特徴nH1に記載の遊技機。
【6346】
上記構成では、所定状態にて所定契機が成立しても特定報知の内容が変更されず、特定結果になったことを遊技者が認識することが可能な内容の特定報知が実行され続ける。これにより、所定情報の更新結果が特定結果になったことを遊技者に分かりやすく伝えながら、特定報知の内容が不自然なものとなることを抑制できる。
【6347】
特徴nH3.前記所定状態にて前記所定契機が成立した場合に前記所定情報の更新が実行されないことを可能とする手段(ステップSn1801で肯定判定した場合の流れ)を備えていることを特徴とする特徴nH1又は特徴nH2に記載の遊技機。
【6348】
上記構成では、特定状態で所定情報の更新結果が特定結果になって所定状態に移行すると、当該所定状態にて所定契機が成立しても所定情報の更新が実行されない。よって、特定報知では、所定状態への移行後、更新されない状態での所定情報(更新結果)に従って報知を実行するだけで、特定結果になったことを遊技者が認識することが可能な態様の報知を継続させることができ、簡単な構成によって上記特徴nH1の構成を実現することが可能になる。
【6349】
特徴nH4.遊技が実行されている場合に発生し得る所定事象(一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、可変入賞装置65への入球等)の発生に基づいて所定の遊技価値を付与可能な手段(主制御装置162における入球検知処理を実行する機能、払出制御装置181における払出制御処理を実行する機能)を備え、
前記所定事象が発生した場合又は前記所定の遊技価値が付与された場合に前記所定契機が成立可能であることを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH3のいずれかに記載の遊技機。
【6350】
上記構成では、遊技価値の付与又はその実行契機である所定事象の発生に基づいて所定情報が更新されるため、遊技価値の獲得状況を遊技機が認識し、過剰な獲得実績が生じていないかを監視することができる。そして、特定制御において遊技価値の更なる獲得を制限するための処理が行われる構成とすれば、遊技者が獲得する遊技価値の増加が抑えられ、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。
【6351】
特徴nH5.前記特定制御は、所定遊技の進行(遊技球の発射、可変入賞装置65の開放等)が制限される状態(遊技停止状態)に移行させる所定制御(主制御装置162におけるステップSn2109)を含むものであることを特徴とする特徴nH1乃至特徴nH4のいずれかに記載の遊技機。
【6352】
上記構成では、特定制御の実施により、その後の遊技進行が制限されるため、所定事象の更なる発生が抑えられる。これにより、遊技価値の更なる獲得が制限され、射幸性の過剰な高まりが抑制されるように遊技機を動作させることが可能になる。このような場合において上記特徴nH1の構成を適用することにより、遊技進行制限が待機される所定状態にて、所定情報の更新結果が特定結果になったこと(所定情報から見た遊技進行制限の実行条件が満たされたこと)を遊技者に分かりやすく伝えながら、特定報知の内容が不自然なものとなることを抑制できる。
【6353】
なお、上記特徴nH1乃至特徴nH5の各構成に対して、特徴nA1乃至特徴nA15、特徴nB1乃至特徴nB13、特徴nC1乃至特徴nC11、特徴nD1乃至特徴nD13、特徴nE1乃至特徴nE13、特徴nF1乃至特徴nF10、特徴nG1乃至特徴nG10、特徴nH1乃至特徴nH5のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6354】
なお、以上詳述した特徴nA群乃至特徴nH群の各構成に対して、他の特徴nA群乃至特徴nH群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
【6355】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【6356】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典(遊技価値)を付与する遊技機。
【6357】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
【6358】
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【符号の説明】
【6359】
10…パチンコ機、143…演出制御装置、162…主制御装置。