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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155264
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/56 20060101AFI20241024BHJP
   H01H 50/54 20060101ALI20241024BHJP
   H01H 50/64 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01H50/56 G
H01H50/54 C
H01H50/56 K
H01H50/64 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069855
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100206760
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 惇
(72)【発明者】
【氏名】西田 剛
(72)【発明者】
【氏名】三宅 彩加
(72)【発明者】
【氏名】田中 弘泰
(57)【要約】
【課題】復帰ばねを容易に取り付けられる電磁継電器の提供。
【解決手段】電磁継電器は、接点装置と、可動部材と、駆動装置と、復帰ばねと、絶縁部材とを備える。接点装置は、第1固定接点を含む第1固定端子と、第2固定接点を含む第2固定端子と、第1固定接点及び第2固定接点と対向する可動接触片とを含む。可動部材は、可動接触片を押圧可能である。駆動装置は、接点装置及び可動部材に対して第1方向の一方側に配置され、可動部材を介して可動接触片を第1方向と交差する第2方向の一方側に移動させる。復帰ばねは、第1方向において可動部材と駆動装置の間に配置され、可動部材を第2方向の他方側に付勢する。絶縁部材は、接点装置と駆動装置とを隔てる。絶縁部材は、復帰ばねが挿入される開口部を含む。開口部は、第1方向の一方側に向かって開口する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定接点を含む第1固定端子と、第2固定接点を含む第2固定端子と、前記第1固定接点及び前記第2固定接点と対向する可動接触片とを含む接点装置と、
前記可動接触片を押圧可能な可動部材と、
前記接点装置及び前記可動部材に対して第1方向の一方側に配置され、前記可動部材を介して前記可動接触片を前記第1方向と交差する第2方向の一方側に移動させる駆動装置と、
前記第1方向において前記可動部材と前記駆動装置の間に配置され、前記可動部材を前記第2方向の他方側に付勢する復帰ばねと、
前記第1方向の前記一方側に向かって開口し前記復帰ばねが挿入される開口部を含み、前記接点装置と前記駆動装置とを隔てる絶縁部材と、
を備える、
電磁継電器。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記可動部材の前記第1方向の移動をガイドするガイド部を含む、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
前記可動部材及び前記絶縁部材のいずれか一方は、前記復帰ばねの少なくとも一部を囲む絶縁壁を含む、
請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項4】
前記絶縁部材は、前記可動部材の前記第1方向の移動をガイドするガイド部を含み、
前記絶縁壁は、前記ガイド部に対して摺動可能である、
請求項3に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記第1固定端子及び前記第2固定端子は、前記絶縁部材に圧入固定されている、
請求項2又は4に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記絶縁部材の開口部は、前記復帰ばねの一部を覆う縁部を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項7】
前記絶縁部材の開口部の前記縁部は、前記復帰ばねの第1端を覆う第1縁部と、前記復帰ばねの第2端を覆う第2縁部とを含む、
請求項6に記載の電磁継電器。
【請求項8】
前記可動部材及び前記絶縁部材のいずれか一方は、前記復帰ばねの第1端を位置決めする位置決め部を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【請求項9】
前記絶縁部材の開口部は、前記復帰ばねの第2端を覆う縁部を含む、
請求項8に記載の電磁継電器。
【請求項10】
前記接点装置と前記第2方向に並ぶ補助接点装置をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の電磁継電器は、可動接触片を含む接点装置と、可動接触片を押圧可能な可動部材と、可動部材を介して可動接触片を移動させる駆動装置と、可動部材を復帰位置に向けて付勢する復帰ばねとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-012956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電磁継電器では、可動部材の下方に復帰ばねが配置されている。このため、電磁継電器の組み立てる時において、復帰ばねの取り付けが困難であり、改善の余地がある。
【0005】
本発明の課題は、復帰ばねを容易に取り付けられる電磁継電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電磁継電器は、接点装置と、可動部材と、駆動装置と、復帰ばねと、絶縁部材とを備える。接点装置は、第1固定接点を含む第1固定端子と、第2固定接点を含む第2固定端子と、第1固定接点及び第2固定接点と対向する可動接触片とを含む。可動部材は、可動接触片を押圧可能である。駆動装置は、接点装置及び可動部材に対して第1方向の一方側に配置され、可動部材を介して可動接触片を第1方向と交差する第2方向の一方側に移動させる。復帰ばねは、第1方向において可動部材と駆動装置の間に配置され、可動部材を第2方向の他方側に付勢する。絶縁部材は、接点装置と駆動装置とを隔てる。絶縁部材は、復帰ばねが挿入される開口部を含む。開口部は、第1方向の一方側に向かって開口する。
【0007】
この電磁継電器では、復帰ばねは、第1方向において可動部材と駆動装置の間に配置され、接点装置と駆動装置とを隔てる絶縁部材は、復帰ばねが挿入される開口部を含む。このため、例えば、接点装置と可動部材と絶縁部材とを組付けた後で、絶縁部材の開口部から復帰ばねを挿入することで、復帰ばねを容易に取り付けることができる。また、絶縁部材の開口部を介して復帰ばねが確実に組み付けられていることを視認できる。また、復帰ばねと可動部材とが第2方向に並べて配置される電磁継電器と比べて、第2方向において電磁継電器の小型化を図ることができる。また、電磁継電器が第2方向に大型化することを抑制しつつ、補助接点の配置スペースを確保することができる。
【0008】
絶縁部材は、可動部材の第1方向の移動をガイドするガイド部を含んでもよい。この場合は、絶縁部材によって可動部材の移動をガイドできる。
【0009】
可動部材及び絶縁部材のいずれか一方は、復帰ばねの少なくとも一部を囲む絶縁壁を含んでもよい。この場合は、絶縁壁によって接点装置と復帰バネとの間を絶縁できる。
【0010】
絶縁部材は、可動部材の第1方向の移動をガイドするガイド部を含んでもよい。可動部材の絶縁壁は、ガイド部に対して摺動可能であってもよい。この場合は、絶縁壁が可動部材の移動をガイドする機能を兼ねることができる。
【0011】
第1固定端子及び第2固定端子は、絶縁部材に圧入固定されてもよい。この場合は、ガイド部を含む絶縁部材に第1固定端子及び第2固定端子が圧入固定されるので、可動部材を精度よく配置できる。
【0012】
絶縁部材の開口部は、復帰ばねの一部を覆う縁部を含んでもよい。この場合は、復帰ばねが開口から抜け出ることを抑制できる。
【0013】
絶縁部材の開口部の縁部は、復帰ばねの第1端を覆う第1縁部と、復帰ばねの第2端を覆う第2縁部とを含んでもよい。この場合は、復帰ばねが開口から抜け出ることをさらに抑制できる。
【0014】
可動部材及び絶縁部材のいずれか一方は、復帰ばねの第1端を位置決めする位置決め部を含んでもよい。この場合は、復帰ばねを容易に位置決めできる。
【0015】
絶縁部材の開口部は、復帰ばねの第2端を覆う縁部を含んでもよい。この場合は、復帰ばねが開口から抜け出ることを抑制できる。
【0016】
電磁継電器は、接点装置と第2方向に並ぶ補助接点装置をさらに備えてもよい。この場合は、復帰ばね及び補助接点を備える電磁継電器配置において、電磁継電器が第2方向に大型化することを抑制できる。
【0017】
本発明によれば、復帰ばねを容易に取り付けられる電磁継電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】電磁継電器の斜視図である。
図2】電磁継電器の断面図である。
図3図1に示す電磁継電器から駆動装置及び絶縁部材を取り除いた斜視図である。
図4図1に示す電磁継電器から駆動装置を取り除いた斜視図である。
図5】絶縁部材を斜め下方から見た図である。
図6】復帰ばね周辺の部分断面図である。
図7】開口部の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一態様に係る電磁継電器1の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面を参照するときにおいて、矢印X1,X2が示す方向(第2方向の一例)を前後方向、矢印Y1,Y2が示す方向を左右方向、矢印Z1,Z2が示す方向(第1方向の一例)を上下方向として説明する。また、矢印X1が示す方向を前方、矢印X2が示す方向を後方、矢印Y1が示す方向を左方、矢印Y2が示す方向を右方、矢印Z1が示す方向を上方、矢印Z2が示す方向を下方として説明する。これらの方向は、説明の便宜上、定義されるものであって、電磁継電器1の配置方向を限定するものではない。
【0020】
図1から図3に示すように、電磁継電器1は、ケース2と、絶縁部材3と、接点装置4と、駆動装置5と、可動部材6と、復帰ばね7とを備えている。
【0021】
ケース2は、例えば樹脂などの絶縁材で形成されている。ケース2は、第1カバー21と、第2カバー22とを含む。第1カバー21は、略四角形の箱型であり下方に向かって開口している。第1カバー21は、絶縁部材3の上方に配置されている。第1カバー21は、例えば、スナップフィットにより絶縁部材3に結合されている。なお、図1において、第1カバー21は、図示が省略されている。
【0022】
第2カバー22は、略四角形の箱型であり上方に向かって開口している。第2カバー22は、絶縁部材3の下方に配置されている。第2カバー22は、例えば、スナップフィットにより絶縁部材3に結合されている。
【0023】
絶縁部材3は、例えば樹脂などの絶縁材で形成されている。絶縁部材3は、接点装置4と駆動装置5とを隔てる。絶縁部材3は、接点装置4と駆動装置5との間に配置されている。絶縁部材3は、接点装置4と駆動装置5との間を絶縁する。絶縁部材3は、ケース2内において、接点装置4が配置される空間と駆動装置5が配置される空間とを区画する。絶縁部材3の詳細な説明は後述する。
【0024】
接点装置4は、第2カバー22と絶縁部材3とによって形成される内部空間に配置されている。接点装置4は、複数の接点組10を含む。本実施形態では、接点装置4は、第1~第4接点組10a~10dの4つの接点組10を含む。第1~第4接点組10a~10dは、前後方向に互いに並んで配置されている。
【0025】
第1~第4接点組10a~10dは、互いに同様に構成を有している。第1~第4接点組10a~10dのそれぞれは、第1固定端子11と、第2固定端子12と、可動接触片13と接点ばね14とを含む。ここでは、第1接点組10aの第1固定端子11、第2固定端子12、可動接触片13及び接点ばね14の詳細についてのみ説明する。また、図3において、第2~第4接点組10b~10dにおける第1接点組10aと同じ構成要素の符号は省略する。
【0026】
第1固定端子11は、板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。第1固定端子11は、絶縁部材3に支持されている。第1固定端子11は、例えば、絶縁部材3に圧入固定されている。
【0027】
第1固定端子11は、第1固定接点11aと、第1外部接続部11bを含む。第1固定接点11aは、第1固定端子11の前面に配置されている。第1外部接続部11bは、第2カバー22から下方に突出する。
【0028】
第2固定端子12は、板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。第2固定端子12は、絶縁部材3に支持されている。第2固定端子12は、例えば、絶縁部材3に圧入固定されている。第2固定端子12は、第1固定端子11と左右方向に離れて配置されている。
【0029】
第2固定端子12は、第2固定接点12aと、第2外部接続部12bを含む。第2固定接点12aは、第2固定端子12の前面に配置されている。第2外部接続部12bは、第2カバー22から下方に突出する。
【0030】
可動接触片13は、板状の端子であり、導電性を有する材料で形成されている。可動接触片13は、左右方向に延びている。可動接触片13は、第1固定接点11a及び第2固定接点12aの前方に配置されており、第1固定接点11a及び第2固定接点12aと前後方向に対向する。可動接触片13は、前後方向において、接点ばね14を介して可動部材6に接続されている。可動接触片13は、可動部材6に対して前後方向に相対移動可能に配置されている。
【0031】
可動接触片13は、前後方向に移動可能に構成される。可動接触片13は、第1可動接点13aから第1固定接点11aに向かう接触方向と、接触方向と反対の開離方向とに移動可能に構成される。本実施形態において、接触方向は、後方に対応し、開離方向は、前方に対応する。
【0032】
可動接触片13は、第1可動接点13aと、第2可動接点13bと、位置決め部13cを含む。第1可動接点13aは、第1固定接点11aと前後方向に対向する。第1可動接点13aは、可動部材6の移動に応じて、第1固定接点11aに接触又は第1固定接点11aから開離する。第2可動接点13bは、第2固定接点12aと前後方向に対向する。第2可動接点13bは、可動部材6の移動に応じて、第2固定接点12aに接触又は第2固定接点12aから開離する。位置決め部13cは、左右方向における可動接触片13の中央に配置されている。位置決め部13cは、可動接触片13の前面から前方に突出する突起形状を有する。
【0033】
接点ばね14は、可動接触片13を接触方向に付勢する。接点ばね14は、位置決め部13cに位置決めされる。
【0034】
駆動装置5は、絶縁部材3と第1カバー21とによって形成される内部空間に配置されている。駆動装置5は、接点装置4及び可動部材6の上方に配置されている。駆動装置5は、絶縁部材3の上部に載置されている。駆動装置5は、可動部材6を介して第1~第4接点組10a~10dのそれぞれの可動接触片13を前後方向に移動させる。本実施形態では、駆動装置5は、可動部材6を接触方向に移動させる電磁力を発生させる。
【0035】
駆動装置5は、図1及び図2に示すように、コイル51と、ボビン52と、固定鉄心53と、ヨーク54と、可動鉄片55と、ヒンジばね56とを含む。コイル51は、ボビン52に巻回されている。ボビン52の軸線は、前後方向に延びている。固定鉄心53は、ボビン52内に配置されている。固定鉄心53の前後方向の両端は、ボビン52から突出している。ヨーク54は、L字状に屈曲した形状を有している。ヨーク54は、コイル51の上方とボビン52の後方とに配置されている。ヨーク54は、固定鉄心53の後端に接続されている。
【0036】
可動鉄片55は、ヨーク54の前端に連結されている。可動鉄片55は、ヒンジばね56を介してヨーク54に回動可能に支持されている。可動鉄片55は、ヨーク54の前端を支点として回動する。可動鉄片55は、固定鉄心53の前方に配置されている。可動鉄片55の下端は、可動部材6に連結されている。ヒンジばね56は、可動鉄片55を固定鉄心53から離れる方向に付勢する。
【0037】
可動部材6は、樹脂などの絶縁材で形成されている。可動部材6は、前後方向に延びている。可動部材6は、第2カバー22と絶縁部材3とによって形成される内部空間に配置されている。可動部材6は、絶縁部材3の下方に配置されている。可動部材6は、第2カバー22の上部に載置されている。可動部材6は、第1固定端子11と第2固定端子12の間に配置されている。可動部材6は、可動接触片13を押圧可能である。可動部材6は、可動鉄片55の回動に伴い、可動鉄片55に押圧される。これにより、可動部材6は、前後方向に移動する。
【0038】
図2図3及び図6に示すように、可動部材6は、本体部61と、カバー部62と、挿入孔63と、第1接触部64と、位置決め部65と、絶縁壁66とを含む。本体部61は、第1~第4接点組10dの可動接触片13及び接点ばね14がそれぞれ収容される4つの空間を有する。4つの空間は、前後方向に並んでいる。図2に示すように、カバー部62は、4つの空間の下方を塞ぐ。カバー部62は、例えば、スナップフィットにより本体部61に結合されている。挿入孔63、本体部61の前端上部に形成されている。挿入孔63は、上下方向に延びている。挿入孔63は、上方に向かって開口しており、可動鉄片55の下端が挿入される。挿入孔63は、絶縁部材3に形成される開口に配置されている。
【0039】
第1接触部64は、本体部61の上部に形成されている。第1接触部64は、前後方向における本体部61の中央付近に配置されている。第1接触部64は、本体部61の上面から上方に突出している。第1接触部64は、前後方向と交差する方向に延びている。第1接触部64は、復帰ばね7の第1端が接触する。本実施形態では、第1接触部64は、復帰ばね7の前端が接触する。
【0040】
図6に示すように、位置決め部65は、復帰ばね7の第1端を位置決めする。位置決め部65は、第1接触部64に配置されている。位置決め部65は、第1接触部64の後面から後方に突出する突起形状を有する。位置決め部65は、復帰ばね7の内径よりも小さい外径を有する。位置決め部65は、復帰ばね7の内側に配置される。なお、位置決め部65は、復帰ばね7の第1端を収容可能な形状であってもよい。位置決め部65は、例えば、前方に向かって凹む形状であってもよい。
【0041】
絶縁壁66は、本体部61の上面から上方に突出している。絶縁壁66は、左右方向と交差する方向に延びている。絶縁壁66は、前後方向及び上下方向に延びている。絶縁壁66は、復帰ばね7の少なくとも一部を囲む。絶縁壁66は、復帰ばね7の左右の側方を囲むように配置されている。絶縁壁66は、復帰ばね7と接点装置4との間を絶縁する。絶縁壁66は、第1接触部64に接続されている。絶縁壁66は、第1壁部66aと、第1壁部66aと左右方向に対向する第2壁部66bとを含む。
【0042】
ここで、図2から図6に示すように、絶縁部材3は、区画壁31と、複数の位置決め凹部32と、第1端子固定部33と、第2端子固定部34と、第1絶縁壁35と、第2絶縁壁36と、開口部37と、第2接触部38、ガイド部39とを含む。
【0043】
区画壁31は、接点装置4と駆動装置5とを隔てる。区画壁31は、ケース2内において、接点装置4が配置される空間と駆動装置5が配置される空間とを区画する。区画壁31は、上下方向と交差する方向に延びている。
【0044】
図4に示すように、複数の位置決め凹部32は、区画壁31の上面に配置されている。複数の位置決め凹部32は、下方に凹む形状を有する。複数の位置決め凹部32は、ボビン52を位置決めする。
【0045】
図5に示すように、第1端子固定部33及び第2端子固定部34は、区画壁31の下面から下方に延びている。第1端子固定部33及び第2端子固定部34は、上方に凹む形状を有する。第1端子固定部33は、第2端子固定部34と左右方向に離れている。第1固定端子11は、第1端子固定部33に圧入固定される。第2固定端子12は、第2端子固定部34に圧入固定される。第1端子固定部33及び第2端子固定部34は、複数の接点組10の数に対応して設けられる。
【0046】
第1絶縁壁35及び第2絶縁壁36は、複数の接点組10の間を絶縁する。第1絶縁壁35及び第2絶縁壁36は、区画壁31の下面から下方に延びている。第1絶縁壁35及び第2絶縁壁36は、前後方向と交差する方向に延びている。第1絶縁壁35は、第2絶縁壁36と左右方向に離れている。可動部材6は、第1絶縁壁35と第2絶縁壁36の間に配置されている。
【0047】
開口部37は、上方に向かって開口する。開口部37は、復帰ばね7が挿入される。開口部37は、区画壁31を上下方向に貫通して形成されている。開口部37は、上下方向から見て、略矩形状である。開口部37は、前後方向に延びている。前後方向における開口部37の寸法は、復帰ばね7の自由長よりも短い。
【0048】
図6に示すように、開口部37は、復帰ばね7の一部を覆う縁部37aを含む。縁部37aは、上下方向から見て、復帰ばね7の一部と重なる。縁部37aは、復帰ばね7の第2端(ここでは後端)を覆う。
【0049】
第2接触部38は、区画壁31の下面から下方に突出している。第2接触部38は、前後方向と交差する方向に延びている。第2接触部38は、第1接触部64の後方に配置され、第1接触部64と前後方向に対向する。第2接触部38は、復帰ばね7の第2端が接触する。本実施形態では、第2接触部38は、復帰ばね7の後端が接触する。第2接触部38は、絶縁壁66の第1壁部66aと第2壁部66bの間に配置されている。
【0050】
ガイド部39は、可動部材6の前後方向の移動をガイドする。ガイド部39は、可動部材6の絶縁壁66の前後方向の移動をガイドする。ガイド部39は、区画壁31の下面に形成されている。ガイド部39は、前後方向に延びている。ガイド部39は、後方に凹む形状を有する。ガイド部39は、第2接触部38の左右方向の両端から後方に延びている。ガイド部39は、溝形状を有する。絶縁壁66の第1壁部66a及び第2壁部66bは、ガイド部39の溝内に配置される。絶縁壁66の第1壁部66a及び第2壁部66bは、ガイド部39に対して摺動可能である。
【0051】
復帰ばね7は、可動部材6を開離方向に付勢する。復帰ばね7は、例えばコイルばねであり、上下方向において駆動装置5と可動部材6の間に配置される。復帰ばね7は、第1壁部66aと第2壁部66bの間に配置される。復帰ばね7は、第1接触部64と第2接触部38の間に配置される。復帰ばね7は、絶縁部材3及び第2カバー22に接点装置4及び可動部材6を取り付けた後で、圧縮された状態で絶縁部材3の開口部37の上方から開口部37に挿入されることで、第1接触部64と第2接触部38の間に配置される。
【0052】
図2及び図3に示すように、電磁継電器1は、補助接点装置80をさらに備える。補助接点装置80は、接点装置4と前後方向に並ぶ。補助接点装置80は、接点装置4の後方に配置されている。補助接点装置80は、第1補助固定端子81と、第2補助固定端子82と、補助可動接触片83とを含む。
【0053】
第1補助固定端子81及び第2補助固定端子82は、絶縁部材3に支持されている。第1補助固定端子81は、第2補助固定端子82と左右方向に離れている。第2補助固定端子82は、補助固定接点82aを含む。補助固定接点82aは、第1補助固定端子81の前面に配置されている。
【0054】
補助可動接触片83は、板ばねで構成されている。補助可動接触片83は、左右方向に延びている。補助可動接触片83の一端は、第1補助固定端子81に固定されている。補助可動接触片83の他端は、自由端であり、補助固定接点82aの後方に配置されている。補助可動接触片83の他端は、補助固定接点82aと前後方向に対向する。
【0055】
補助可動接触片83は、補助可動接点83aを含む。補助可動接点83aは、補助可動接触片83の自由端に配置されている。補助可動接触片83の自由端は、可動部材6の移動に応じて可動部材6の押圧突起67に押圧される。これにより、補助可動接点83aは、補助固定接点82aに接触又は補助固定接点82aから開離する。
【0056】
本実施形態では、補助可動接点83aは、補助可動接触片83の自由端が押圧突起67に押圧されていない状態において、補助固定接点82aと接触する。一方、補助可動接点83aは、補助可動接触片83の自由端が押圧突起67に押圧された状態において、補助固定接点82aから開離する。
【0057】
次に、接点装置4、駆動装置5及び可動部材6の動作について説明する。コイル51に電圧が印加されていない状態では、ヒンジばね56及び復帰ばね7の弾性力によって可動部材6が開離方向に押圧されており、可動部材6は、図3に示す復帰位置に位置している。このとき、第1接点組10a~第4接点組10dのそれぞれにおいて、第1可動接点13aは、第1固定接点11aから開離しており、第2可動接点13bは、第2固定接点12aから開離している。
【0058】
コイル51に電圧が印加されて駆動装置5が励磁されると、可動鉄片55が固定鉄心53に吸引されて回動し、可動部材6が接触方向に押圧される。これにより、可動部材6が復帰ばね7の弾性力に抗して接触方向に移動する。可動部材6の接触方向の移動に伴い、第1~第4接点組10a~10dのそれぞれの可動接触片13が接触方向に移動する。これにより、第1~第4接点組10a~10dのそれぞれにおいて、第1可動接点13aは、第1固定接点11aに接触し、第2可動接点13bは、第2固定接点12aに接触する。コイル51の電圧の印加が停止されると、可動部材6は、ヒンジばね56及び復帰ばね7の弾性力によって開離方向に移動して復帰位置に戻る。
【0059】
この電磁継電器1では、復帰ばね7は、前後方向において可動部材6と駆動装置5の間に配置され、接点装置4と駆動装置5とを隔てる絶縁部材3は、復帰ばね7が挿入される開口部37を含む。このため、例えば、接点装置4と可動部材6と絶縁部材3とを組付けた後で、絶縁部材3の開口部37から復帰ばね7を挿入することで、復帰ばね7を容易に取り付けることができる。また、絶縁部材3の開口部37を介して復帰ばね7が確実に組み付けられていることを視認できる。また、復帰ばね7と可動部材6とが前後方向に並べて配置される電磁継電器と比べて、前後方向において電磁継電器1の小型化を図ることができる。また、電磁継電器1が前後方向に大型化することを抑制しつつ、補助接点装置80の配置スペースを確保することができる。
【0060】
以上、本発明の一態様に係る電磁継電器の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0061】
接点装置4の構成は変更されてもよい。接点装置4は、少なくとも1つの接点組を含んでいればよい。例えば、第2~第4接点組10b~10dは省略されてもよい。補助接点装置80は、省略されてもよい。接点装置4は、b接点の接点組を含んでもよい。第1固定端子11及び第2固定端子12は、第2カバー22に圧入固定されてもよい。可動接触片13が第1固定端子11及び第2固定端子12の後方に配置される電磁継電器に、本発明を適用してもよい。
【0062】
駆動装置5の構成は変更されてもよい。ヨーク54は、例えば、コイル51の下方とボビン52の左方とに配置されてもよい。ヨーク54によって開口部37から復帰ばね7が抜け出ることを防止してもよい。
【0063】
ガイド部39は、例えば、可動部材6の本体部61の左右の側壁をガイドする構成であってもよい。すなわち、可動部材6の本体部61の左右の側壁がガイド部39に対して摺動することで、可動部材6の前後方向に移動がガイドされてもよい。
【0064】
前記実施形態では、可動部材6に絶縁壁66が形成されていたが、絶縁部材3に絶縁壁が形成されもよい。
【0065】
前記実施形態では、可動部材6に位置決め部65が形成されていたが、絶縁部材3に位置決め部が形成されてもよい。
【0066】
開口部37の形状は変更されてもよい。図7に模式的に示すように、開口部37は、復帰ばね7の第1端部(ここでは前端)を覆う縁部37bを含んでもよい。縁部37bは、第1可動接点13aが第1固定接点11aに接触した状態において、復帰ばね7の第1端部を覆う。すなわち、図7では、復帰ばね7が可動部材6によって接触方向に押圧されて、第1可動接点13aが第1固定接点11aに接触した状態において、復帰ばね7が圧縮された状態を示している。
【符号の説明】
【0067】
1 電磁継電器
3 絶縁部材
4 接点装置
5 駆動装置
6 可動部材
7 復帰ばね
37 開口部
39 ガイド部
65 位置決め部
66 絶縁壁
80 補助接点装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7