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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155274
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241024BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20241024BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20241024BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/00 302C
H02J7/04 A
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069873
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】514105011
【氏名又は名称】株式会社東光高岳
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恵一
(72)【発明者】
【氏名】瀬古 典之
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA04
5G503BB02
5G503CA01
5G503CC02
5G503DA18
5G503GD03
5H030AA10
5H030AS08
5H030AS18
5H030BB01
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】大きな定格入力容量のコンバータを用いることなく、充電対象の二次電池に効率良く電気エネルギーを供給する。
【解決手段】本発明の一態様においては、充電対象の二次電池に電気エネルギーを供給する充電器が提供される。充電器は、充電対象の二次電池に電気エネルギーを供給するための電池であって、並列に接続された複数の二次電池を有する組電池を備える。充電器は、組電池が有する二次電池の起電力及び内部抵抗の推定値に応じて、組電池が有する二次電池のうち、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電対象の二次電池に電気エネルギーを供給する充電器であって、
充電対象の二次電池に電気エネルギーを供給するための電池であって、並列に接続された複数の二次電池を有する組電池を備え、
前記組電池が有する二次電池の起電力及び内部抵抗の推定値に応じて、前記組電池が有する二次電池のうち、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる、充電器。
【請求項2】
充電対象の二次電池の状態が第1状態であるときと第2状態であるときとで、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる、請求項1に記載の充電器。
【請求項3】
充電対象の二次電池の状態が変化したときに、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが切り替わる、請求項1に記載の充電器。
【請求項4】
充電対象の二次電池を充電するときの許容電流が第1値であるときと第2値であるときとで、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる、請求項1に記載の充電器。
【請求項5】
充電対象の二次電池を充電するときの許容電流が変化したときに、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが切り替わる、請求項1に記載の充電器。
【請求項6】
充電対象の二次電池における電流スルーレートが第1割合であるときと第2割合であるときとで、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる、請求項1に記載の充電器。
【請求項7】
充電対象の二次電池における電流スルーレートが変化したときに、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが切り替わる、請求項1に記載の充電器。
【請求項8】
前記組電池が有する二次電池の充放電回数に基づいて推定される前記起電力及び前記内部抵抗の推定値に応じて、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる、請求項1に記載の充電器。
【請求項9】
前記組電池が有する二次電池を最後に充電又は放電したときの電池状態に基づいて推定される前記起電力及び前記内部抵抗の推定値に応じて、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる、請求項1に記載の充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車のバッテリーなど、メインバッテリーとして使用される二次電池は、充電に時間がかかる。特許文献1から特許文献3に記載の技術は、二次電池の充電器に関する技術である。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、充電対象の二次電池に充電するときの充電電圧と充電電流との関係性を利用して、充電に必要な最大電流を出力することにより、充電対象の二次電池を短時間で充電する。
【0004】
特許文献2に記載の技術は、充電対象の二次電池と、予め満充電された充電器の二次電池とを直結させて、短時間で充電する。
【0005】
特許文献3に記載の技術は、充電器の二次電池と充電対象の二次電池とを直結する前に、充電器の二次電池の第1電圧と充電対象の二次電池の第2電圧とを測定する。そして、特許文献3に記載の技術は、許容電流の範囲内となる場合に、充電器の二次電池を使用して充電を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-273192号公報
【特許文献2】特開2010-273427号公報
【特許文献3】特開2017-108556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術は、例えば電気自動車のバッテリーのような二次電池を充電するために使用するとなると、充電に必要な最大電流が大きいことから、大きな定格入力容量のコンバータが必要となる。大きな定格入力容量のコンバータは、大きな設置コストがかかるだけでなく、高圧設備のための電気保安体制が必要になる。なお、充電に必要な最大電流は、充電対象の二次電池が接続されたときにのみ必要となる。
【0008】
特許文献2に記載の技術は、二次電池を備える充電器であり、電力需要の平準化が期待できる。しかし、特許文献2に記載の技術は、充電器の二次電池と充電対象の二次電池とを直結させるため、充電対象の二次電池の許容電流を超える可能性、及び過充電となる可能性がある。
【0009】
特許文献3に記載の技術は、許容電流について考慮されている。しかし、充電器の二次電池の第1電圧と充電対象の二次電池の第2電圧とは、充電器の二次電池と充電対象の二次電池とを直結すると同じ値となる。そのため、特許文献3に記載の技術は、充電中に許容電流が変化しても、許容電流を超えないように制御できない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様においては、充電対象の二次電池に電気エネルギーを供給する充電器が提供される。充電器は、充電対象の二次電池に電気エネルギーを供給するための電池であって、並列に接続された複数の二次電池を有する組電池を備える。充電器は、組電池が有する二次電池の起電力及び内部抵抗の推定値に応じて、組電池が有する二次電池のうち、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが異なる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】充電スタンド100の構成の一例を示す図である。
図2】第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの状態と、充電電流との関係を説明するための図である。
図3】第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの状態と、充電電流との関係を説明するための図である。
図4】第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの状態と、充電電流との関係を説明するための図である。
図5】第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの状態と、充電電流との関係を説明するための図である。
図6】第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの状態と、充電電流との関係を説明するための図である。
図7】充電コントローラ120による制御の一例を示す図である。
図8】二次電池の充放電回数と起電力との関係の一例を示す図である。
図9】二次電池の充電回数と内部抵抗との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせは、全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、同一又は類似の部分については、図面において同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0013】
図1は、充電スタンド100(charging station)の構成の一例を示す図である。充電スタンド100は、電気自動車EV(Electric vehicle)のための充電設備である。充電スタンド100は、例えば、エコ・ステーション(Eco-Station)に設けられる。エコ・ステーションは、低公害自動車用エネルギー供給施設である。充電スタンド100は、電気自動車用電池EVB(electric vehicle battery)に充電ケーブルOC(outlet cable)を介して電気エネルギーを供給する。電気自動車EVは、原動機として電動機を備えている自動車である。電気自動車EVは、EVとも称される。電気自動車用電池EVBは、電気自動車EVの主電池として使用される電池である。充電ケーブルOCは、電気自動車EVに充電するために接続する接続線である。充電スタンド100は、充電器の一例である。電気自動車用電池EVBは、充電対象の二次電池の一例である。
【0014】
充電スタンド100は、バッテリパック110(battery pack)、充電コントローラ120(charging controller)、及びコンバータ130(converter)を備える。
【0015】
バッテリパック110は、2個以上の単位電池(battery module)を並列に接続した1組の電池である。図1に示すバッテリパック110は、電気自動車用電池EVBに電気エネルギーを供給するための電池であって、並列に接続された第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cを備える。単位電池は、複数の単電池(cell)を並列又は直列に接合して、一つのモジュールにした電池である。単位電池は、モジュールとも称される。単電池は、電池を構成する最小単位である。単電池は、セルとも称される。バッテリパック110は、組電池の一例である。第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cは、組電池が有する二次電池の一例である。
【0016】
単位電池は、例えば、リチウムイオン電池(lithium ion battery)、鉛電池(lead-acid battery)等である。鉛電池は、正極活物質に二酸化鉛、負極活物質に海綿状鉛、電解液に希硫酸を用いた二次電池である。リチウムイオン電池は、一般には正極にリチウムを含む化合物を、負極にリチウムを含まない炭素材料を、電解液にリチウム塩を有機溶媒に溶かしたものを用い、リチウムをイオンとして使用している二次電池である。リチウムイオン電池は、鉛電池と比較して内部抵抗が小さい。鉛電池は、リチウムイオン電池と比較して内部抵抗が大きい。複数の単位電池は、通常、互いに同じ種類であって、個々の単位電池が劣化していない状態において、互いに同じ内部抵抗である。しかし、複数の単位電池は、個々の単位電池の劣化の度合いに応じて、互いに内部抵抗が異なり得る。
【0017】
バッテリパック110は、第1開閉器112A、第2開閉器112B及び第3開閉器112Cを備える。第1開閉器112Aは、第1単位電池111Aの出力端に設けられ、バッテリパック110の出力端と第1単位電池111Aとを電気的に区分するための装置である。第2開閉器112Bは、第2単位電池111Bの出力端に設けられ、バッテリパック110の出力端と第2単位電池111Bとを電気的に区分するための装置である。第3開閉器112Cは、第3単位電池111Cの出力端に設けられ、バッテリパック110の出力端と第3単位電池111Cとを電気的に区分するための装置である。
【0018】
充電コントローラ120は、電池の電圧、電流、温度等の数値データを収集し、充電スタンド100を制御する装置である。充電コントローラ120は、第1開閉器112A、第2開閉器112B及び第3開閉器112Cのオン、オフを制御することにより、電気自動車用電池EVBを充電するために用いる単位電池の組み合わせを切り替える。
【0019】
充電コントローラ120は、電気自動車EVの電池管理システムBMS(battery management system)と通信接続される。電池管理システムBMSは、電池状態を監視制御する、又は他の制御装置に情報伝達する装置である。電池管理システムBMSは、電池監視装置、バッテリマネージメントシステムとも称される。
【0020】
充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データを、電池管理システムBMSから収集する。充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データとして、例えば電気自動車用電池EVBを充電するときの許容電流(allowable current)を示す数値データを収集する。許容電流は、電気自動車用電池EVBの充電において連続的に許容できる充電電流である。充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データとして、例えば、電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートを示す数値データを収集する。電流スルーレートは、充電電流の応答速度を表すパラメータで、単位時間あたりの電流変化率を意味する。
【0021】
コンバータ130は、交流から直流に変えるための変換器である。コンバータ130は、バッテリパック110を充電するために用いられる。コンバータ130の定格入力容量(rated input capacity)は、バッテリパック110を充電するために必要十分な値に設定される。定格入力容量は、定格出力でバッテリパック110を充電したときの入力容量である。コンバータ130は、電気自動車用電池EVBを充電するためには用いられない。
【0022】
図2から図6は、第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの状態と、充電電流との関係を説明するための図である。充電電流(charge current)は、充電時に電気自動車用電池EVBに流れる電流である。図2から図6を参照する説明は、第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの状態と、充電電流との関係に関する。
【0023】
分かり易く要点を図示することを目的として、図2から図6は、バッテリパック110以外の充電スタンド100の構成、及び電気自動車EVの電池管理システムBMSが図示されていない。また、分かり易く要点を説明することを目的として、図2から図6は、第1単位電池111A、第2単位電池111B、第3単位電池111C及び電気自動車用電池EVBの起電力(electromotive force)が図示されている。起電力は、実際には検出されない。また、分かり易く要点を説明することを目的として、図2から図6は、第1単位電池111A、第2単位電池111B、第3単位電池111C及び電気自動車用電池EVBの内部抵抗が図示されている。内部抵抗(internal resistance)は、電池内部における抵抗のことで、電解液、正・負極群、隔離板等の抵抗の総和である。内部抵抗は、実際には検出されない。
【0024】
図2は、電気自動車用電池EVBに充電ケーブルOCが接続されていない状態を示す。分かり易く要点を説明することを目的として、図2に示す第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cは、同じ状態の単位電池としている。図2に示す第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの起電力は、E1(V)である。図2に示す第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの内部抵抗は、R1(Ω)である。第1開閉器112Aは、オンになっている。第2開閉器112B及び第3開閉器112Cは、オフになっている。第1開閉器112Aがオンであり、充電ケーブルOCが接続されていないため、バッテリパック110の放電口の電圧は、第1単位電池111Aの起電力と同じ電圧であるE1(V)となる。図2に示す電気自動車用電池EVBの起電力は、E0(V)である。図2に示す電気自動車用電池EVBの内部抵抗は、R0(Ω)である。電気自動車用電池EVBの充電口の電圧は、電気自動車用電池EVBの起電力と同じE0(V)となる。充電ケーブルOCが接続されていないため、第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの放電電流は、0(A)となる。放電電流(discharge current)は、放電時に電池から流れる電流である。第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの放電電流が0(A)であるため、充電電流は、0(A)となる。
【0025】
図3は、電気自動車用電池EVBに充電ケーブルOCが接続された状態を示す。図3に示す第1単位電池111A、第2単位電池111B、第3単位電池111C及び電気自動車用電池EVBの状態は、図2示す状態と同じ状態である。第1開閉器112Aは、オンになっている。第2開閉器112B及び第3開閉器112Cは、オフになっている。充電ケーブルOCが接続されているため、バッテリパック110の放電口の電圧、及び電気自動車用電池EVBの充電口の電圧は、同じ電圧となる。図3に示す放電口及び充電口の電圧は、第1単位電池111Aの起電力のE1(V)よりも小さく、電気自動車用電池EVBの起電力のE0(V)よりも大きいE10(V)となっている。図3に示す放電口及び充電口の電圧は、第1単位電池111A及び電気自動車用電池EVBの起電力及び内部抵抗に基づいてキルヒホッフの法則により求められる値となる。充電ケーブルOCが接続されており、第1開閉器112Aがオンとなっているため、第1単位電池111Aの放電電流は、I1(A)となっている。第2開閉器112Bがオフとなっているため、第2単位電池111Bの放電電流は、0(A)となる。第3開閉器112Cがオフとなっているため、第3単位電池111Cの放電電流は、0(A)となる。第1単位電池111Aの放電電流がI1(A)、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの放電電流が0(A)であるため、充電電流は、I1(A)となる。
【0026】
図4は、第1単位電池111Aが図2及び図3に示す状態から劣化して内部抵抗が上がった状態を示す。図4に示す第1単位電池111Aの内部抵抗は、第1単位電池111Aが劣化していないときの内部抵抗のR1(Ω)よりも大きいR2(Ω)となっている。図4に示す第1単位電池111Aの起電力は、図2及び図3に示す起電力と同じE1(V)である。図4に示す第2単位電池111B、第3単位電池111C及び電気自動車用電池EVBの状態は、図2及び図3に示す状態と同じ状態である。第1開閉器112Aは、オンになっている。第2開閉器112B及び第3開閉器112Cは、オフになっている。充電ケーブルOCが接続されているため、バッテリパック110の放電口の電圧、及び電気自動車用電池EVBの充電口の電圧は、同じ電圧となる。第1単位電池111Aの内部抵抗が上がっているため、図4に示す放電口及び充電口の電圧は、第1単位電池111Aが劣化していないときの電圧のE10(V)よりも小さいE20(V)となっている。第1単位電池111Aの内部抵抗が上がっているため、図4に示す第1単位電池111Aの放電電流は、第1単位電池111Aが劣化していないときの放電電流のI1(A)よりも小さいI2(A)となっている。第1単位電池111Aの放電電流がI2(A)、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの放電電流が0(A)であるため、充電電流は、I2(A)となる。
【0027】
図5は、第1単位電池111Aが図4に示す状態から更に劣化して起電力が下がった状態を示す。図5に示す第1単位電池111Aの起電力は、第1単位電池111Aが劣化していないときの起電力のE1(V)よりも小さいE2(V)となっている。図5に示す第1単位電池111Aの内部抵抗は、図4に示す内部抵抗と同じR2(Ω)である。図5に示す第2単位電池111B、第3単位電池111C及び電気自動車用電池EVBの状態は、図2から図4に示す状態と同じ状態である。第1開閉器112Aは、オンになっている。第2開閉器112B及び第3開閉器112Cは、オフになっている。充電ケーブルOCが接続されているため、バッテリパック110の放電口の電圧、及び電気自動車用電池EVBの充電口の電圧は、同じ電圧となる。第1単位電池111Aの起電力が下がっているため、図5に示す放電口及び充電口の電圧は、図4に示す状態の放電口及び充電口の電圧のE20(V)よりも小さいE30(V)となっている。第1単位電池111Aの起電力が下がっているため、図5に示す第1単位電池111Aの放電電流は、図4に示す状態の第1単位電池111Aの放電電流のI2(A)よりも小さいI3(A)となっている。第1単位電池111Aの放電電流がI3(A)、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cの放電電流が0(A)であるため、充電電流は、I3(A)となる。
【0028】
図6は、第1開閉器112Aに加えて第2開閉器112Bをオンにした状態を示す。第3開閉器112Cは、オフになっている。図6に示す第1単位電池111A、第2単位電池111B、第3単位電池111C及び電気自動車用電池EVBの状態は、図5に示す状態と同じ状態である。充電ケーブルOCが接続されているため、バッテリパック110の放電口の電圧、及び電気自動車用電池EVBの充電口の電圧は、同じ電圧となる。第1開閉器112A及び第2開閉器112Bがオンになっているため、図6に示す放電口及び充電口の電圧は、図5に示す状態の放電口及び充電口の電圧のE30(V)よりも大きいE40(V)となっている。第2開閉器112Bがオンになっているため、図6に示す第1単位電池111Aの放電電流は、I5(A)となっている。図6に示す第2単位電池111Bの放電電流は、I4(A)となっている。第1単位電池111Aの放電電流がI5(A)、第2単位電池111Bの放電電流がI4(A)、第3単位電池111Cの放電電流が0(A)であるため、充電電流は、I5(A)+I4(A)=I6(A)となる。第1単位電池111A及び第2単位電池111Bの放電電流は、第1単位電池111A、第2単位電池111B及び電気自動車用電池EVBの起電力及び内部抵抗に基づいてキルヒホッフの法則により求められる値となる。
【0029】
図7は、充電コントローラ120による制御の一例を示す図である。充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの充電を開始するにあたり、図7に示す制御を実行する。また、充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの充電を行っているときに、図7に示す制御を繰り返し実行する。
【0030】
電気自動車用電池EVBの充電を開始するにあたり、充電コントローラ120は、バッテリパック110が有する各単位電池の起電力及び内部抵抗を推定する(S101)。S101において、充電コントローラ120は、例えば、単位電池の充放電回数(cycle number)に基づいて、各単位電池の起電力及び内部抵抗を推定する。充放電回数は、充電放電を繰り返した場合の充放電の回数である。
【0031】
図8は、二次電池の充放電回数と起電力との関係の一例を示す図である。二次電池の起電力は、充放電回数が多くなるにつれて小さくなるが、ある程度充電放電が繰り返されると、しばらく安定する。しかし、二次電池の起電力は、充放電回数が多くなるに伴い二次電池の劣化の度合いが大きくなると、急激に小さくなる。
【0032】
充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と起電力との関係を特定可能なデータを用いて、各単位電池の起電力を推定する。充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と起電力との関係を特定可能なデータとして、充放電回数と起電力との関係を示すデータベースを用いる。また、充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と起電力との関係を特定可能なデータとして、充放電回数と起電力との関係を示す関数を用いる。充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と起電力との関係を特定可能なデータを記憶装置に記憶しておく。また、充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と起電力との関係を特定可能なデータを、起電力を推定するときに外部のコンピュータから収集する。
【0033】
図9は、二次電池の充電回数と内部抵抗との関係の一例を示す図である。二次電池の内部抵抗は、充放電回数が多くなるにつれて大きくなるが、ある程度充電放電が繰り返されると、しばらく安定する。しかし、二次電池の内部抵抗は、充放電回数が多くなるに伴い二次電池の劣化の度合いが大きくなると、急激に大きくなる。
【0034】
充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と内部抵抗との関係を特定可能なデータを用いて、各単位電池の内部抵抗を推定する。充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と内部抵抗との関係を特定可能なデータとして、充放電回数と内部抵抗との関係を示すデータベースを用いる。また、充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と内部抵抗との関係を特定可能なデータとして、充放電回数と内部抵抗との関係を示す関数を用いる。充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と内部抵抗との関係を特定可能なデータを記憶装置に記憶しておく。また、充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110に使用される単位電池に関する充放電回数と内部抵抗との関係を特定可能なデータを、起電力を推定するときに外部のコンピュータから収集する。
【0035】
また、電気自動車用電池EVBの充電を開始するにあたり、充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データを収集する(S102)。S102において、充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データを、例えば、電池管理システムBMSから収集する。充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データとして、例えば、電気自動車用電池EVBを充電するときの許容電流を示す数値データを収集する。充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データとして、例えば、電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートを示す数値データを収集する。
【0036】
次に、充電コントローラ120は、充電電流に関する制約を充足し得る単位電池の組み合わせの候補を導出する(S103)。充電電流に関する制約は、例えば、充電電流が許容電流以下でなければならない、という条件である。また、充電電流に関する制約は、例えば、電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートを超えてはいけない、という条件である。また、充電電流に関する制約は、例えば、充電電流が許容電流以下でなければならず、電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートを超えてはいけない、という条件である。
【0037】
S103において、充電コントローラ120は、S101にて推定した各単位電池の起電力及び内部抵抗に基づいて、各単位電池を用いたときの放電電流の推定値を算出する。充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データと、各単位電池の放電電流の推定値とを用いて、充電電流に関する制約を充足し得る単位電池の組み合わせの候補を導出する。
【0038】
充電電流に関する制約を充足し得る単位電池の組み合わせがある場合(S104;YES)、充電コントローラ120は、適切な充電電流となり得る単位電池の組み合わせを候補から選択する(S105)。S105にて充電コントローラ120は、組み合わせに含まれる単位電池の放電電流の推定値を加算して、単位電池の組み合わせ毎に充電電流を算出する。充電コントローラ120は、適切な充電電流となり得る単位電池の組み合わせを選択する。適切な充電電流となり得る単位電池の組み合わせは、例えば、充電電流が最も大きくなる単位電池の組み合わせや、充電効率が最も高くなる単位電池の組み合わせである。適切な充電電流となり得る単位電池の組み合わせは、充電の目的に応じて設定されればよい。
【0039】
そして、充電コントローラ120は、S105にて選択された組み合わせに含まれる単位電池に対応する開閉器をオンにし、その他の開閉器をオフにする(S106)。S106の制御が実行されることにより、充電スタンド100は、電気自動車用電池EVBの充電を開始する。
【0040】
充電スタンド100は、充電開始前にS101からS105の制御を実行することにより、充電開始時の充電電流に関する制約を充足し、適切な充電電流となり得る組み合わせの単位電池を用いて充電を開始できる。
【0041】
ところで、バッテリパック110に含まれる各単位電池の起電力は、前述のとおり、充放電回数が多くなるにつれて小さくなる。また、バッテリパック110に含まれる各単位電池の内部抵抗は、前述のとおり、充放電回数が多くなるにつれて大きくなる。また、電気自動車用電池EVBを充電するときの充電電流に関する制約は、充電しているときにも変化する。そこで、充電コントローラ120は、充電しているときにも、S101からS106の制御を繰り返し実行する。
【0042】
充電コントローラ120は、S106の制御を実行した後、単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件が成立したかを判定する(S107)。単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件は、例えば、特定時間が経過したことである。充電コントローラ120は、例えば、特定時間が経過したときに、単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件が成立したと判定する。また、単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件は、例えば、充電電流に関する制約が変わることである。充電コントローラ120は、例えば、電気自動車用電池EVBの許容電流が変わったときに、充電電流に関する制約が変わり、単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件が成立したと判定する。また、充電コントローラ120は、例えば、電気自動車用電池EVBの電流スルーレートが変わったときに、充電電流に関する制約が変わり、単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件が成立したと判定する。
【0043】
S107にて単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件が成立していない場合(S107)、充電コントローラ120は、条件が成立するまで待機する。
【0044】
単位電池の組み合わせを見直す契機となる条件が成立した場合(S107;YES)、充電コントローラ120は、S101以降の制御を再び実行する。S107の制御を実行した後にS101以降の制御を再び実行する場合、充電コントローラ120は、充電しているときにS101以降の処理を実行していることになる。
【0045】
充電スタンド100は、充電時にもS101からS105の制御を実行することにより、充電時の充電電流に関する制約を充足し、適切な充電電流となり得る組み合わせの単位電池を用いて充電を継続できる。
【0046】
S101にて推定された各単位電池の起電力又は内部抵抗が変化し、S106の処理が再び実行される場合、単位電池の組み合わせは、現在の組み合わせとは異なる組み合わせとなり得る。換言すれば、充電スタンド100は、バッテリパック110が有する単位電池の起電力及び内部抵抗の推定値に応じて、各単位電池のうち、電気エネルギーを供給するために用いられる単位電池の組み合わせが異なる。例えば、電気エネルギーを供給するために用いられる単位電池の組み合わせは、バッテリパック110が有する単位電池の充放電回数に基づいて推定される起電力及び内部抵抗の推定値に応じて異なる。
【0047】
S102にて収集された電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データが変化し、S106の処理が再び実行される場合、単位電池の組み合わせは、現在の組み合わせとは異なる組み合わせとなり得る。換言すれば、充電スタンド100は、電気自動車用電池EVBの状態が第1状態であるときと第2状態であるときとで、電気エネルギーを供給するために用いられる単位電池の組み合わせが異なる。更に換言すれば、充電スタンド100は、電気自動車用電池EVBの状態が変化したときに、電気エネルギーを供給するために用いられる二次電池の組み合わせが切り替わる。
【0048】
S102にて収集された電気自動車用電池EVBの許容電流を示す数値データが変化し、S106の処理が再び実行される場合、単位電池の組み合わせは、現在の組み合わせとは異なる組み合わせとなり得る。換言すれば、充電スタンド100は、電気自動車用電池EVBを充電するときの許容電流が第1値であるときと第2値であるときとで、電気エネルギーを供給するために用いられる単位電池の組み合わせが異なる。更に換言すれば、充電スタンド100は、電気自動車用電池EVBを充電するときの許容電流が変化したときに、電気エネルギーを供給するために用いられる単位電池の組み合わせが切り替わる。
【0049】
S102にて収集された電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートを示す数値データが変化しS106の処理が再び実行される場合、単位電池の組み合わせは、現在の組み合わせとは異なる組み合わせとなり得る。換言すれば、充電スタンド100は、電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートが第1割合であるときと第2割合であるときとで、電気エネルギーを供給するために用いられる単位電池の組み合わせが異なる。更に換言すれば、電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートが変化したときに、電気エネルギーを供給するために用いられる単位電池の組み合わせが切り替わる。
【0050】
S101からS107の制御は、S104にて充電電流に関する制約を充足し得る単位電池の組み合わせがなくなるまで繰り返し実行される。S104にて充電電流に関する制約を充足し得る単位電池の組み合わせがない場合(S104;NO)、充電コントローラ120は、図7に示す制御を終了する。ここで、充電電流に関する制約は、完全充電に近づくにつれて厳しくなる。したがって、充電電流に関する制約を充足し得る単位電池の組み合わせは、電気自動車用電池EVBが完全充電されたときに導出できなくなる。完全充電(full charge)は、反応し得る全ての活物質が、放電前の状態に戻るまで充電することである。完全充電は、満充電とも称される。S104の制御を実行されることにより、電気自動車用電池EVBは、過充電(overcharge)となることがない。過充電は、完全充電状態に達した後の充電である。
【0051】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能であることは、当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項は、他の実施形態に適用することができる。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0052】
上記実施形態における充電スタンド100は、充電器の一例である。充電器は、充電スタンド100に限定されない。充電器は、例えば、USB充電器であってよい。USB充電器(USB Battery charger)は、電子機器の内蔵バッテリーに充電する装置のうち、接続方式にUSB(Universal Serial Bus)を採用しているものである。充電器がUSB充電器である場合、充電対象の二次電池は、例えば、電子機器の内蔵バッテリーであってよい。
【0053】
上記実施形態において、充電スタンド100は、充電ケーブルOCを介して電気エネルギーを供給する。しかし、充電スタンド100が電気エネルギーを供給する方式は、コンダクティブ充電に限定されない。コンダクティブ充電(conductive charger)は、接触器を用いて充電電力を供給する方式である。充電スタンド100は、インダクティブ充電により電気エネルギーを供給してよい。インダクティブ充電(inductive charger)は、電磁誘導を利用して充電電力を供給する方式である。インダクティブ充電は、非接触式充電とも称される。インダクティブ充電により電気エネルギーを供給する場合、充電スタンド100は、無線通式を備えていればよい。無線通信機(transceiver)は、インタラクティブ方式の充電スタンド100と、電気自動車EVの電池管理システムBMSとの間の充電制御信号伝達に使用する装置である。無線通信機は、トランシーバ、RF(Radio Frequency)モジュールとも称される。
【0054】
上記実施形態におけるバッテリパック110は、複数の単位電池を並列に接続した1組の電池である。バッテリパック110は、複数の単位電池を並列に接続した1組の電池に限定されない。バッテリパック110は、例えば、複数の単電池を並列に接続した1組の電池であってよい。単電池は、組電池が有する二次電池の一例である。
【0055】
上記実施形態における複数の単位電池は、互いに同じ種類であり、個々の単位電池が劣化していない状態において、互いに同じ内部抵抗である。しかし、複数の単位電池は、互いに異なる種類であって、個々の単位電池が劣化していない状態において、互いの内部抵抗が異なっていてよい。
【0056】
上記実施形態において、充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBを充電するときの許容電流を示す数値データ、及び電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートを示す数値データを収集する。しかし、充電コントローラ120は、許容電流を示す数値データと、電流スルーレートを示す数値データとのうち、いずれか一方の数値データを収集してよい。
【0057】
上記実施形態において、充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBを充電するときの許容電流を示す数値データ、及び電気自動車用電池EVBにおける電流スルーレートを示す数値データを収集する。しかし、充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データとして、許容電流を示す数値データ、及び電流スルーレートを示す数値データ以外の数値データを収集してよい。充電コントローラ120は、電気自動車用電池EVBの状態を特定可能な数値データとして、例えば、充電電流を示す数値データを収集してよい。
【0058】
上記実施形態において、コンバータ130は、電気自動車用電池EVBを充電するためには用いられない。しかし、コンバータ130は、電気自動車用電池EVBを充電するために用いられてよい。電気自動車用電池EVBを充電するためにコンバータ130を用いる場合であっても、コンバータ130の定格入力容量は、バッテリパック110を充電するために必要十分な値に設定される。
【0059】
上記実施形態において、充電コントローラ120は、単位電池の充放電回数に基づいて、各単位電池の起電力及び内部抵抗を推定する。しかし、各単位電池の起電力及び内部抵抗を推定する方法は、単位電池の充放電回数に基づいて推定する方法に限定されない。充電コントローラ120は、例えば、バッテリパック110が有する単位電池を最後に充電又は放電したときの電池状態に基づいて起電力及び内部抵抗を推定してよい。単位電池を最後に充電又は放電したときの電池状態に基づいて起電力及び内部抵抗を推定する場合、バッテリパック110は、各単位電池が充電放電したときの放電電流を検出可能な電流センサを備えていればよい。電流センサ(current sensor)は、電流を検出して電圧信号に変換する機器である。また、バッテリパック110は、各単位電池が充電放電したときの放電電圧を検出可能な電圧センサを備えていればよい。電圧センサ(voltage sensor)は、電圧を検出して電圧信号に変換する機器である。バッテリパック110に使用される単位電池の起電力は、単位電池の放電電流が0(A)となるときの単位電池の放電口の電圧値である。電圧センサを用いる場合、充電コントローラ120は、単位電池の起電力を推定するにあたり、電圧センサによる計測値を用いて推定値を補正してよい。もしくは、電圧センサを用いる場合、充電コントローラ120は、電圧センサによる計測値を単位電池の起電力とみなしてよい。また、単位電池の内部抵抗は、単位電池の放電口の電流値及び電圧値を用いて算出できる。電流センサ及び電圧センサを用いる場合、充電コントローラ120は、単位電池の内部抵抗を推定するにあたり、電流センサ及び電圧センサによる計測値を用いて推定値を補正してよい。もしくは、電流センサ及び電圧センサを用いる場合、充電コントローラ120は、電流センサ及び電圧センサによる計測値を用いて推定値を算出してよい。
【0060】
上記実施形態において、第1単位電池111A、第2単位電池111B及び第3単位電池111Cは、互いに同じ種類であってもよいし、互いに異なる種類であってもよい。
【0061】
上記実施形態において、充電コントローラ120は、バッテリパック110が有する各単位電池の起電力及び内部抵抗の推定値を用いることにより、バッテリパック110が劣化しているかを診断できる。例えば、充電スタンド100の管理者は、充電コントローラ120によりバッテリパック110が劣化していると診断された場合、バッテリパック110を交換すればよい。
【0062】
上記実施形態において、充電コントローラ120は、バッテリパック110が有する各単位電池の起電力及び内部抵抗の推定値を用いることにより、各単位電池が劣化しているかを診断できる。例えば、充電スタンド100の管理者は、充電コントローラ120により劣化している診断された単位電池を交換すればよい。例えば、充電スタンド100の管理者は、充電コントローラ120により劣化している診断された単位電池がある場合、バッテリパック110を交換すればよい。
【0063】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した事項における動作、手順、ステップ及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示していない。また、各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。各処理の実行順序は、特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0064】
100 充電スタンド
110 バッテリパック
111A 第1単位電池
111B 第2単位電池
111C 第3単位電池
112A 第1開閉器
112B 第2開閉器
112C 第3開閉器
120 充電コントローラ
130 コンバータ
BMS 電池管理システム
EV 電気自動車
EVB 電気自動車用電池
OC 充電ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9