(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155279
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】アタッチメント、洗濯バサミ及び洗濯ハンガー
(51)【国際特許分類】
D06F 55/00 20060101AFI20241024BHJP
D06F 57/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
D06F55/00 M
D06F55/00 C
D06F55/00 F
D06F57/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069883
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】521503891
【氏名又は名称】棚岡 誠介
(74)【代理人】
【識別番号】100167047
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸典
(72)【発明者】
【氏名】棚岡 誠介
(57)【要約】 (修正有)
【課題】片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うことができるアタッチメント、該アタッチメントを取り付けた洗濯バサミ及び該洗濯バサミを複数有する洗濯ハンガーを提供する。
【解決手段】アタッチメント101は、長手方向中間部の挟持片連結部において回動可能に連結された一対の第一挟持片及び第二挟持片を備え、接離可能な一端部が付勢されることで挟持部として洗濯物を挟持し、他端部を押圧することで洗濯物を着脱するピンチ体102に取り付け可能であって、下端部に摘み部を有し、第一レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第一操作レバー及び第二操作レバーと、第二レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第三操作レバー及び第四操作レバーを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向中間部の挟持片連結部において回動可能に連結された一対の第一挟持片及び第二挟持片を備え、前記第一挟持片及び前記第二挟持片の接離可能な一端部が付勢部材によって付勢されることで挟持部として洗濯物を挟持し、前記第一挟持片及び前記第二挟持片の他端部を押圧することで洗濯物を着脱するピンチ体に取り付け可能なアタッチメントであって、
下端部に摘み部を有し、第一レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第一操作レバー及び第二操作レバーと、
下端部に摘み部を有し、第二レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第三操作レバー及び第四操作レバーとを備え、
前記第一操作レバーと前記第三操作レバーとは、前記挟持片連結部の回動軸と平行な軸をもって前記第一挟持片における前記挟持片連結部と前記他端部との間に枢着される第一挟持片枢着部を備え、
前記第二操作レバーと前記第四操作レバーとは、前記挟持片連結部の回動軸と平行な軸をもって前記第二挟持片における前記挟持片連結部と前記他端部との間に枢着される第二挟持片枢着部を備える、
ことを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
請求項1に記載のアタッチメントにおいて、
前記第一操作レバー及び前記第二操作レバーの外側面の少なくとも一箇所と、前記第三操作レバー及び前記第四操作レバーの外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部が設けられている、
アタッチメント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアタッチメントを前記ピンチ体に取り付けてなる、洗濯バサミ。
【請求項4】
請求項3に記載の洗濯バサミにおいて、
前記各操作レバーの前記摘み部が、洗濯物を挟持する前記一端部と近接して設けられている、
洗濯バサミ。
【請求項5】
請求項4に記載の洗濯バサミにおいて、
前記第一レバー連結部と前記第二レバー連結部との間に、該洗濯バサミを吊り下げるための吊り下げ部材を取り付け可能な吊り下げ部材取付部を備える、
洗濯バサミ。
【請求項6】
請求項5に記載の洗濯バサミが複数個、枠体に吊り下げられてなる、洗濯ハンガー。
【請求項7】
長手方向中間部の挟持片連結部において回動可能に連結された一対の第一挟持片及び第二挟持片を備え、前記第一挟持片及び前記第二挟持片の接離可能な一端部が付勢部材によって付勢されることで挟持部として洗濯物を挟持し、前記第一挟持片及び前記第二挟持片の他端部を押圧することで洗濯物を着脱するピンチ体に取り付け可能なアタッチメントであって、
下端部に摘み部を有し、第一レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第一操作レバー及び第二操作レバーを備え、
前記第一操作レバーは、前記第一挟持片における前記挟持片連結部と前記他端部との間に枢着される第一挟持片枢着部を備え、
前記第二操作レバーは、前記第二挟持片における前記挟持片連結部と前記他端部との間に枢着される第二挟持片枢着部を備える、
ことを特徴とするアタッチメント。
【請求項8】
請求項7に記載のアタッチメントにおいて、
前記第一操作レバー及び前記第二操作レバーの外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部が設けられている、
アタッチメント。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のアタッチメントを前記ピンチ体に取り付けてなる、洗濯バサミ。
【請求項10】
請求項9に記載の洗濯バサミにおいて、
前記各操作レバーの前記摘み部が、洗濯物を挟持する前記一端部と近接して設けられている、
洗濯バサミ。
【請求項11】
請求項10に記載の洗濯バサミにおいて、
前記第一操作レバーと前記第二操作レバーの少なくとも一方に、該洗濯バサミを吊り下げるための吊り下げ部材を取り付け可能な吊り下げ部材取付部を備える、
洗濯バサミ。
【請求項12】
請求項11に記載の洗濯バサミが複数個、枠体に吊り下げられてなる、洗濯ハンガー。
【請求項13】
長手方向中間部の挟持片連結部において回動可能に連結された一対の第一挟持片及び第二挟持片を備え、前記第一挟持片及び前記第二挟持片の接離可能な一端部が付勢部材によって付勢されることで挟持部として洗濯物を挟持し、前記第一挟持片及び前記第二挟持片の他端部を押圧することで洗濯物を着脱するピンチ体に取り付け可能なアタッチメントであって、
下端部に摘み部を有し、第一レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第一操作レバー及び第二操作レバーと、
下端部に摘み部を有し、第二レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第三操作レバー及び第四操作レバーとを備え、
前記第一操作レバーと前記第三操作レバーとは、前記第一挟持片における前記挟持片連結部と前記他端部との間を前記付勢部材の前記付勢に抗して押圧する第一挟持片押圧部を備え、
前記第二操作レバーと前記第四操作レバーとは、前記第二挟持片における前記挟持片連結部と前記他端部との間を前記付勢部材の前記付勢に抗して押圧する第二挟持片押圧部を備える、
ことを特徴とするアタッチメント。
【請求項14】
請求項13に記載のアタッチメントにおいて、
前記第一操作レバー及び前記第二操作レバーの外側面の少なくとも一箇所と、前記第三操作レバー及び前記第四操作レバーの外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部が設けられている、
アタッチメント。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のアタッチメントを前記ピンチ体に取り付けてなる、洗濯バサミ。
【請求項16】
請求項15に記載の洗濯バサミにおいて、
前記各操作レバーの前記摘み部が、洗濯物を挟持する前記一端部と近接して設けられている、
洗濯バサミ。
【請求項17】
請求項16に記載の洗濯バサミにおいて、
前記第一レバー連結部と前記第二レバー連結部との間に、該洗濯バサミを吊り下げるための吊り下げ部材を取り付け可能な吊り下げ部材取付部を備える、
洗濯バサミ。
【請求項18】
請求項17に記載の洗濯バサミが複数個、枠体に吊り下げられてなる、洗濯ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアタッチメント、洗濯バサミ及び洗濯ハンガーに関し、より詳しくは、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うことができるアタッチメント、該アタッチメントを取り付けた洗濯バサミ及び該洗濯バサミを複数有する洗濯ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗濯バサミを使って洗濯物を干す際は、片方の手で洗濯物を保持し、もう片方の手で洗濯バサミを摘まんで、洗濯物を挟む必要があった。しかしながら、例えば怪我や病気によって片手での洗濯バサミの使用を強いられた場合、従来の洗濯バサミで洗濯物を干すことには大きな困難が伴っていた。また、健常者であっても、両手を使って洗濯物を挟持せざるを得ないため、一度に挟持できるのは1か所のみで、複数箇所を挟持する必要のある大きな洗濯物を干す際には洗濯物を摘まんで挟む動作を逐次繰り返す必要があり、この分時間が掛かっていた。
【0003】
ところで、片手での使用を可能とする洗濯バサミや、それを組み合わせた洗濯ハンガーは、これまでにも考案されている。例えば、片手での使用を可能とする洗濯バサミが、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている洗濯バサミは、洗濯バサミの挟持部の隙間に指を差し込んで押し広げ、そこに洗濯物を挟み込むにようにして使用する。しかしながら、特許文献1に開示されている洗濯バサミは、その動作の性質上、利用者の指を挟む恐れがあり、また、指に怪我をしている場合などには使用が躊躇われる。また、特許文献1に開示されている洗濯バサミは、指を傷つけない程度に挟持力を弱めなければならない欠点が存在していた。また、片手での使用を可能とする他の洗濯バサミが、特許文献2に開示されている。特許文献2に開示されている洗濯バサミは、指を挟み込まないように形状に工夫が施されている。しかしながら、特許文献2に開示されている洗濯バサミは、洗濯バサミの端部を洗濯ハンガーに固定しなければ使うことができず、風雨に晒される厳しい環境下では、従来型の洗濯バサミと比べて破損しやすいと言える。また、片手での使用を可能とする他の洗濯バサミが、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示されている洗濯バサミは、一定の仕組みによって、挟持部が開いた状態と閉じた状態のどちらかを維持するように構成されている。このような構成により、例えば前日の夜に洗濯物を取り込む際に挟持部を開いたままにし、当日の朝に洗濯物を干す際はワンタッチで簡単に挟持部を閉じて挟持完了するという使用方法が想定される。しかし、その動作の性質上、洗濯物を挟む際に洗濯バサミの一部に衝撃が加わったり、状態を維持するために端部に力が集中したりすることは避けられないと言える。また、片手での使用を可能とする他の洗濯バサミが、特許文献4に開示されている。特許文献4に開示されている洗濯バサミは、片手で洗濯バサミの挟持部を開くことを可能としている。しかしながら、特許文献4に開示されている洗濯バサミは、片手で洗濯バサミの挟持部を開いた上で洗濯物を挟持することまでは困難であると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-000320号公報
【特許文献2】特開2008-289607号公報
【特許文献3】特開2014-133096号公報
【特許文献4】特開平3-247395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うことができるアタッチメント、該アタッチメントを取り付けた洗濯バサミ及び該洗濯バサミを複数有する洗濯ハンガーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係るアタッチメントは、長手方向中間部の挟持片連結部において回動可能に連結された一対の第一挟持片及び第二挟持片を備え、第一挟持片及び第二挟持片の接離可能な一端部が付勢部材によって付勢されることで挟持部として洗濯物を挟持し、第一挟持片及び第二挟持片の他端部を押圧することで洗濯物を着脱するピンチ体に取り付け可能なアタッチメントであって、下端部に摘み部を有し、第一レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第一操作レバー及び第二操作レバーと、下端部に摘み部を有し、第二レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第三操作レバー及び第四操作レバーとを備え、第一操作レバーと第三操作レバーとは、挟持片連結部の回動軸と平行な軸をもって第一挟持片における挟持片連結部と他端部との間に枢着される第一挟持片枢着部を備え、第二操作レバーと第四操作レバーとは、挟持片連結部の回動軸と平行な軸をもって第二挟持片における挟持片連結部と他端部との間に枢着される第二挟持片枢着部を備えることを特徴とする。
【0007】
第一操作レバー及び第二操作レバーの外側面の少なくとも一箇所と、第三操作レバー及び第四操作レバーの外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部を設けることができる。
【0008】
上記のアタッチメントをピンチ体に取り付けて、洗濯バサミとすることができる。
【0009】
各操作レバーの摘み部は、洗濯物を挟持する一端部と近接して設けることができる。
【0010】
第一レバー連結部と第二レバー連結部との間に、該洗濯バサミを吊り下げるための吊り下げ部材を取り付け可能な吊り下げ部材取付部を備えることができる。
【0011】
上記の洗濯バサミを複数個、枠体に吊り下げて、洗濯ハンガーとすることができる。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係るアタッチメントは、長手方向中間部の挟持片連結部において回動可能に連結された一対の第一挟持片及び第二挟持片を備え、第一挟持片及び第二挟持片の接離可能な一端部が付勢部材によって付勢されることで挟持部として洗濯物を挟持し、第一挟持片及び第二挟持片の他端部を押圧することで洗濯物を着脱するピンチ体に取り付け可能なアタッチメントであって、下端部に摘み部を有し、第一レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第一操作レバー及び第二操作レバーを備え、第一操作レバーは、第一挟持片における挟持片連結部と他端部との間に枢着される第一挟持片枢着部を備え、第二操作レバーは、第二挟持片における挟持片連結部と他端部との間に枢着される第二挟持片枢着部を備えることを特徴とする。
【0013】
第一操作レバー及び第二操作レバーの外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部を設けることができる。
【0014】
上記のアタッチメントをピンチ体に取り付けて、洗濯バサミとすることができる。
【0015】
各操作レバーの摘み部は、洗濯物を挟持する一端部と近接して設けることができる。
【0016】
第一操作レバーと第二操作レバーの少なくとも一方に、該洗濯バサミを吊り下げるための吊り下げ部材を取り付け可能な吊り下げ部材取付部を備えることができる。
【0017】
上記の洗濯バサミを複数個、枠体に吊り下げて、洗濯ハンガーとすることができる。
【0018】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係るアタッチメントは、長手方向中間部の挟持片連結部において回動可能に連結された一対の第一挟持片及び第二挟持片を備え、第一挟持片及び第二挟持片の接離可能な一端部が付勢部材によって付勢されることで挟持部として洗濯物を挟持し、第一挟持片及び第二挟持片の他端部を押圧することで洗濯物を着脱するピンチ体に取り付け可能なアタッチメントであって、下端部に摘み部を有し、第一レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第一操作レバー及び第二操作レバーと、下端部に摘み部を有し、第二レバー連結部において上端が回動可能に連結された一対の第三操作レバー及び第四操作レバーとを備え、第一操作レバーと第三操作レバーとは、第一挟持片における挟持片連結部と他端部との間を付勢部材の付勢に抗して押圧する第一挟持片押圧部を備え、第二操作レバーと第四操作レバーとは、第二挟持片における挟持片連結部と他端部との間を付勢部材の付勢に抗して押圧する第二挟持片押圧部を備えることを特徴とする。
【0019】
第一操作レバー及び第二操作レバーの外側面の少なくとも一箇所と、第三操作レバー及び第四操作レバーの外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部を設けることができる。
【0020】
上記のアタッチメントをピンチ体に取り付けて、洗濯バサミとすることができる。
【0021】
各操作レバーの摘み部は、洗濯物を挟持する一端部と近接して設けることができる。
【0022】
第一レバー連結部と第二レバー連結部との間に、該洗濯バサミを吊り下げるための吊り下げ部材を取り付け可能な吊り下げ部材取付部を備えることができる。
【0023】
上記の洗濯バサミを複数個、枠体に吊り下げて、洗濯ハンガーとすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うことができるアタッチメント、該アタッチメントを取り付けた洗濯バサミ及び該洗濯バサミを複数有する洗濯ハンガーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミを表した斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係るアタッチメントを表した斜視図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係るピンチ体を表した斜視図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミの使用の過程を表した斜視図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミの使用の過程を表した斜視図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミの使用の過程を表した斜視図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミの第一変形例を表した一部分解斜視図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミの第二変形例を表した一部分解斜視図である。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミの第三変形例を表した一部分解斜視図である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミの第四変形例を表した一部分解斜視図である。
【
図11】本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミを表した斜視図である。
【
図12】本発明の第二実施形態に係るアタッチメントを表した斜視図である。
【
図13】本発明の第二実施形態に係るピンチ体を表した斜視図である。
【
図14】本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミを表した斜視図である。
【
図15】本発明の第三実施形態に係るアタッチメントを表した斜視図である。
【
図16】本発明の第三実施形態に係るアタッチメントを表した一部分解斜視図である。
【
図17】本発明の第三実施形態に係るピンチ体を表した斜視図である。
【
図18】本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミを表した一部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るアタッチメント、洗濯バサミ及び洗濯ハンガーを説明する。なお、各図を通して、同一の参照符号が付されているものは、同一または同等のものである。また、全体を通して、上下左右の方向の記載は各図に表された状態を基準としているところ、これは構造等の理解を容易とするための便宜的なものであり、実際の使用における向き、態様、権利範囲等を限定・指定するものではない。
【0027】
まず、
図1乃至
図3を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100について説明する。
【0028】
図1は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100を表した斜視図である。
図2は、本発明の第一実施形態に係るアタッチメント101を表した斜視図である。
図3は、本発明の第一実施形態に係るピンチ体102を表した斜視図である。
図1乃至
図3に示されるように、洗濯バサミ100は、アタッチメント101と、ピンチ体102と、チェーン103とを備えている。
【0029】
アタッチメント101は、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うための、ピンチ体102用のアタッチメントである。図示されるように、アタッチメント101は、第一操作レバー120と、第二操作レバー121と、第三操作レバー122と、第四操作レバー123とを備えている。第一操作レバー120、第二操作レバー121、第三操作レバー122及び第四操作レバー123の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。
【0030】
第一操作レバー120及び第二操作レバー121は、下端部(一端部)に摘み部120F及び摘み部121Fをそれぞれ備え、上端(他端)は回動可能に連結されている。摘み部120F及び摘み部121Fは、例えば親指と中指によって互いの摘み部を近づけるように摘むことで、後述する挟持部を開くための摘み部である。摘み部120F及び摘み部121Fは、参照符号129で示されるような滑り止め用の凸部を備えることができる。なお、第一操作レバー120及び第二操作レバー121が回動可能に連結されている部位を、第一レバー連結部とする。
【0031】
第三操作レバー122及び第四操作レバー123は、下端部(一端部)に摘み部122F及び摘み部123Fをそれぞれ備え、上端(他端)は回動可能に連結されている。摘み部122F及び摘み部123Fは、例えば親指と中指によって互いの摘み部を近づけるように摘むことで、後述する挟持部を開くための摘み部である。摘み部122F及び摘み部123Fは、参照符号129で示されるような滑り止め用の凸部を備えることができる。なお、第三操作レバー122及び第四操作レバー123が回動可能に連結されている部位を、第二レバー連結部とする。
【0032】
アタッチメント101は、後述するピンチ体102に取り付けるための構成乃至部位として、第一挟持片枢着部と、第二挟持片枢着部とを備えている。本実施形態においては、第一挟持片枢着部は参照符号125で示される軸状部材であり、第二挟持片枢着部は参照符号126で示される軸状部材である。参照符号125で示される軸状部材は、第一操作レバー120及び第三操作レバー122を連結するようにして、これらの操作レバーが備えている。参照符号126で示される軸状部材は、第二操作レバー121及び第四操作レバー123を連結するようにして、これらの操作レバーが備えている。参照符号125で示される軸状部材及び参照符号126で示される軸状部材の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。
【0033】
アタッチメント101は、第一レバー連結部と第二レバー連結部との間に、チェーン取付部124を備えることができる。チェーン取付部124は、洗濯バサミ100(アタッチメント101及びピンチ体102)を吊り下げるチェーン103を取り付けるための部位である。なお、チェーン103及びチェーン取付部124は、洗濯バサミ100(アタッチメント101及びピンチ体102)を天井に固定する等の場合には適宜省略することができる。
【0034】
アタッチメント101は、第一操作レバー120及び第二操作レバー121の外側面の少なくとも一箇所と、第三操作レバー122及び第四操作レバー123の外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部を備えることができる。本実施形態においては、第一レバー連結部の位置に凹み部127を備えると共に、第二レバー連結部の位置に凹み部128を備えている。これらの凹み部は、指(例えば、親指と中指によって摘み部を摘んだ際には、その手の人差し指)の先端を添えるための凹み部であり、洗濯バサミ100を傾ける動作(後述する)を補助するように作用する。
【0035】
ピンチ体102は、従来の洗濯ピンチに相当するものである。図示されるように、ピンチ体102は、第一挟持片140と、第二挟持片141と、付勢部材(トーションばね)144とを備えている。第一挟持片140及び第二挟持片141の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。
【0036】
第一挟持片140及び第二挟持片141は、長手方向中間部の挟持片連結部142において、回動軸143をもって回動可能に連結された一対の挟持片である。第一挟持片140の一端部140S及び第二挟持片141の一端部141Sは、洗濯物を挟持する挟持部として作用する部位である。具体的には、一端部140S及び一端部141Sは接離可能であって、付勢部材144によって付勢されており、第一挟持片140の他端部140P及び第二挟持片141の他端部141Pを近づけるように押圧することで隙間が生まれ、他端部140P及び他端部141Pの押圧を解除することで洗濯物を挟持する。
【0037】
第一挟持片140は、挟持片連結部142と他端部140Pとの間に、参照符号125で示される軸状部材に対応する穴140Hを備えている。具体的には、穴140Hは、参照符号125で示される軸状部材が挿通されて枢着される一対の穴であり、参照符号125で示される軸状部材が回動軸143と平行な軸をもって枢着されるように、穴140Hは回動軸143と平行に構成されている。
【0038】
第二挟持片141は、挟持片連結部142と他端部141Pとの間に、参照符号126で示される軸状部材に対応する穴141Hを備えている。具体的には、穴141Hは、参照符号126で示される軸状部材が挿通されて枢着される一対の穴であり、参照符号126で示される軸状部材が回動軸143と平行な軸をもって枢着されるように、穴141Hは回動軸143と平行に構成されている。
【0039】
次に、
図4乃至
図6を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100によって洗濯物を挟持する際の使用過程、及び作用・効果について説明する。
【0040】
図4は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の使用の第一過程を表した斜視図である。
図5は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の使用の第二過程を表した斜視図である。
図6は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の使用の第三過程を表した斜視図である。
【0041】
まず、
図4を参照しながら、洗濯バサミ100の使用の第一過程として、摘み部を摘んで挟持部を開くまでの過程について説明する。まず、使用者は片手(例えば左手)で洗濯物を摘む。ここでは、左手の親指の腹と薬指の先端によって洗濯物を摘むものとする。続いて、使用者は親指の先端を第一操作レバー120の摘み部120Fにあてがい、中指の先端を第二操作レバー121の摘み部121Fにあてがう。なお、反対側の手で使用する場合には、使用者は親指の先端を第三操作レバー122の摘み部122Fにあてがい、中指の先端を第四操作レバー123の摘み部123Fにあてがう。反対側の手で使用する場合には左右が反対となるのみであるため、以後は説明を省略する。続いて、使用者は矢印Fで示すように、親指の先端と中指の先端によって摘み部120F及び摘み部121Fを近づけるように摘む。これにより、挟持部としての一端部140S及び一端部141Sが離れて(開いて)隙間が生じる。ここで、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100は、アタッチメント101とピンチ体102の組み合わせにより、二重てこの構成となっている。そのため、ピンチ体102のみの場合と比較してより少ない力で、挟持部としての一端部140S及び一端部141Sを離して隙間を生じさせることができる。
【0042】
続いて、
図5を参照しながら、第一過程に続く第二過程として、洗濯バサミ100を傾けて、洗濯物を挟持部に移動させるまでの過程について説明する。即ち、使用者は親指の先端と中指の先端によって摘み部120F及び摘み部121Fを近づけるように摘んだまま、矢印Tで示すように、人差し指の先端を凹み部127に添えて洗濯バサミ100を傾ける。これにより、親指の腹と薬指の先端で摘まれた洗濯物の一部が、挟持部としての一端部140S及び一端部141Sの隙間に移動する。即ち、挟持部としての一端部140S及び141Sが、親指の腹と薬指の先端で摘まれた洗濯物の一部を挟むことができる位置まで移動する。ここで、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100は、摘み部120F及び摘み部121Fと挟持部とが近くに位置しているため、短時間で容易に洗濯物の一部を挟持部に(即ち、挟持部を洗濯物の近くまで)移動させることができる。なお、挟持部に対して摘み部120F及び摘み部121Fをより接近するように(隣り合うように、若しくは近接するように)各操作レバーを構成することで、より短時間で容易に洗濯物の一部を挟持部に(即ち、挟持部を洗濯物の近くまで)移動させることができる。
【0043】
続いて、
図6を参照しながら、第二過程に続く第三過程として、洗濯バサミ100によって洗濯物を挟持するまでの過程について説明する。即ち、使用者は洗濯バサミ100を傾けたまま、摘み部120F及び摘み部121Fに対する親指と中指の力を弱める。これにより、挟持部としての一端部140S及び一端部141Sが閉じて、洗濯物が挟持される。
【0044】
以上のとおり説明した本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100によれば、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うことができる。なお、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100は、アタッチメント101とピンチ体102の組み合わせにより単純に二重てこの構成を備えることに止まらず、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とを互いの位置関係の制約から解放した点も特別な技術的特徴と言える。即ち、従来の洗濯バサミでは、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とは、挟持片連結部142を挟んでそれぞれ反対側に位置する必要があった。それに対して、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100によれば、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とを、どちらも挟持片連結部142の片側に(一方に)位置させることができる。これは、摘み部と挟持部とを近くに位置させるという新規な着想に基づくものである。
【0045】
次に、
図7乃至
図10を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の変形例について説明する。
【0046】
図7は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の第一変形例を一部分解して表した斜視図である。
図8は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の第二変形例を一部分解して表した斜視図である。
図9は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の第三変形例を一部分解して表した斜視図である。
図10は、本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の第四変形例を一部分解して表した斜視図である。
【0047】
まず、
図7を参照しながら、洗濯バサミ100の第一変形例について説明する。洗濯バサミ100の第一変形例においては、第二操作レバー121及び第四操作レバー123を連結するようにしてこれらの操作レバーが備えている軸状部材(参照符号126)が、長丸状の穴166によって移動可能に構成されている。即ち、第二操作レバー121及び第四操作レバー123は、第二挟持片141に対して上下方向に移動可能に構成されている。なお、
図7では、構成を説明する都合上、第一操作レバー120、第一挟持片140及び軸状部材(参照符号125)を省略しているが、第一操作レバー120及び第三操作レバー122を連結するようにしてこれらの操作レバーが備えている軸状部材(参照符号125)も同様に、長丸状の穴166と同様の長丸状の穴165によって移動可能に構成されている。
【0048】
次に、
図8を参照しながら、洗濯バサミ100の第二変形例について説明する。洗濯バサミ100の第二変形例においては、第二操作レバー121及び第四操作レバー123を連結するようにして第二挟持片141(もしくはこれらの操作レバー)が備えている軸状部材(参照符号126)が、各操作レバーに設けられた切欠部176に嵌まるようにして構成されている。なお、
図8では、構成を説明する都合上、第一操作レバー120、第一挟持片140及び軸状部材(参照符号125)を省略しているが、第一操作レバー120及び第三操作レバー122を連結するようにして第一挟持片140(もしくはこれらの操作レバー)が備えている軸状部材(参照符号125)も同様に、各操作レバーに設けられた切欠部175に嵌まるようにして構成されている。
【0049】
次に、
図9を参照しながら、洗濯バサミ100の第三変形例について説明する。洗濯バサミ100の第三変形例においては、第二操作レバー121及び第四操作レバー123が、第二挟持片枢着部として、第二変形例における切欠部176と同様の切欠部186をそれぞれ備えている。第二操作レバー121及び第四操作レバー123が備えている各切欠部186は、第二挟持片141における挟持片連結部142と他端部141Pとの間に設けられた突起等に嵌まるようにして枢着される。なお、
図9では、構成を説明する都合上、第一操作レバー120及び第一挟持片140を省略しているが、第一操作レバー120及び第三操作レバー122も同様に、第一挟持片枢着部として、切欠部186と同様の切欠部185をそれぞれ備えており、第一操作レバー120及び第三操作レバー122が備えている各切欠部185は、第一挟持片140における挟持片連結部142と他端部140Pとの間に設けられた突起等に嵌まるようにして枢着される。
【0050】
次に、
図10を参照しながら、洗濯バサミ100の第四変形例について説明する。洗濯バサミ100の第四変形例においては、第二操作レバー121及び第四操作レバー123を連結するようにしてこれらの操作レバーが備えている軸状部材(参照符号126)が、第二挟持片141における挟持片連結部142と他端部141Pとの間の外面に設けられた溝部196に嵌まるように構成されている。なお、
図10では、構成を説明する都合上、第二操作レバー121、第四操作レバー123及び第一挟持片140を省略しているが、第一操作レバー120及び第三操作レバー122を連結するようにしてこれらの操作レバーが備えている軸状部材(参照符号125)も同様に、第一挟持片140における挟持片連結部142と他端部140Pとの間の外面に設けられた溝部195(溝部196と同様)に嵌まるように構成されている。
【0051】
本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100の変形方法・変形態様は、以上のとおり説明した変形例に限定されるものではない。
【0052】
本発明の第一実施形態に係る洗濯バサミ100は、これを複数個用意した上で枠体に吊り下げることにより、洗濯ハンガーとすることができる。
【0053】
次に、
図11乃至
図13を参照しながら、本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200について説明する。
【0054】
図11は、本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200を表した斜視図である。
図12は、本発明の第二実施形態に係るアタッチメント201を表した斜視図である。
図13は、本発明の第二実施形態に係るピンチ体202を表した斜視図である。
図11乃至
図13に示されるように、洗濯バサミ200は、アタッチメント201と、ピンチ体202と、チェーン103とを備えている。
【0055】
アタッチメント201は、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うための、ピンチ体202用のアタッチメントである。図示されるように、アタッチメント201は、第一操作レバー220と、第二操作レバー221とを備えている。第一操作レバー220及び第二操作レバー221の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。
【0056】
第一操作レバー220及び第二操作レバー221は、下端部(一端部)に摘み部220F及び摘み部221Fをそれぞれ備え、上端(他端)は回動可能に連結されている。摘み部220F及び摘み部221Fは、例えば親指と中指によって互いの摘み部を近づけるように摘むことで、後述する挟持部を開くための摘み部である。摘み部220F及び摘み部221Fは、参照符号229で示されるような滑り止め用の凸部を備えることができる。なお、第一操作レバー220及び第二操作レバー221が回動可能に連結されている部位を、第一レバー連結部とする。
【0057】
アタッチメント201は、後述するピンチ体202に取り付けるための構成乃至部位として、第一挟持片枢着部と、第二挟持片枢着部とを備えている。本実施形態においては、第一挟持片枢着部は参照符号225で示される穴状部位であり、第二挟持片枢着部は参照符号226で示される穴状部位である。参照符号225で示される穴状部位は、摘み部220Fと第一レバー連結部との間において第一操作レバー220が備えている。参照符号226で示される穴状部位は、摘み部221Fと第一レバー連結部との間において第二操作レバー221が備えている。
【0058】
アタッチメント201は、第一操作レバー220と第二操作レバー221の少なくとも一方(例えば、端部やその近傍)に、チェーン取付部224を備えることができる。
図12では、第一レバー連結部の中央に設けた穴をチェーン取付部224としている。チェーン取付部224は、洗濯バサミ200(アタッチメント201及びピンチ体202)を吊り下げるチェーン103を取り付けるための部位である。なお、チェーン103及びチェーン取付部224は、洗濯バサミ200(アタッチメント201及びピンチ体202)を天井に固定する等の場合には適宜省略することができる。
【0059】
アタッチメント201は、第一操作レバー220及び第二操作レバー221の外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部を備えることができる。本実施形態においては、第一レバー連結部の位置に凹み部227を備えている。この凹み部は、指(例えば、親指と中指によって摘み部を摘んだ際には、その手の人差し指)の先端を添えるための凹み部であり、洗濯バサミ200を傾ける動作(後述する)を補助するように作用する。
【0060】
ピンチ体202は、従来の洗濯ピンチに相当するものである。図示されるように、ピンチ体202は、第一挟持片240と、第二挟持片241と、付勢部材(トーションばね)244とを備えている。第一挟持片240及び第二挟持片241の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。
【0061】
第一挟持片240及び第二挟持片241は、長手方向中間部の挟持片連結部242において、回動軸243をもって回動可能に連結された一対の挟持片である。第一挟持片240の一端部240S及び第二挟持片241の一端部241Sは、洗濯物を挟持する挟持部として作用する部位である。具体的には、第一挟持片240の一端部240S及び第二挟持片241の一端部241Sは接離可能であって、付勢部材244によって付勢されており、第一挟持片240の他端部240P及び第二挟持片241の他端部241Pを近づけるように押圧することで隙間が生まれ、他端部240P及び他端部241Pの押圧を解除することで洗濯物を挟持する。
【0062】
第一挟持片240は、挟持片連結部242と他端部240Pとの間に、参照符号225で示される穴状部位に対応する突起部240Hを備えている。具体的には、突起部240Hは、これを参照符号225で示される穴状部位に挿通することで参照符号225で示される穴状部位が枢着される部位である。突起部240Hは、例えば参照符号225で示される穴状部位が回動軸243と平行な軸をもって枢着されるように回動軸243と平行に構成することができるが、必ずしも回動軸243と平行である必要はない。なお、
図13では、第一挟持片240の両方の側面に突起部240Hが設けられているが、アタッチメント201をピンチ体202の両方の側面に対して選択的に取り付けられるようにする必要がない場合には、後述する突起部241Hと共にどちらか一方の側面に備えれば良い。
【0063】
第二挟持片241は、挟持片連結部242と他端部241Pとの間に、参照符号226で示される穴状部位に対応する突起部241Hを備えている。具体的には、突起部241Hは、これを参照符号226で示される穴状部位に挿通することで参照符号226で示される穴状部位が枢着される部位である。突起部241Hは、例えば参照符号226で示される穴状部位が回動軸243と平行な軸をもって枢着されるように回動軸243と平行に構成することができるが、必ずしも回動軸243と平行である必要はない。なお、
図13では、第二挟持片241の両方の側面に突起部241Hが設けられているが、アタッチメント201をピンチ体202の両方の側面に対して選択的に取り付けられるようにする必要がない場合には、上述した突起部240Hと共にどちらか一方の側面に備えれば良い。
【0064】
次に、本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200によって洗濯物を挟持する際の使用過程、及び作用・効果について説明する。
【0065】
まず、洗濯バサミ200の使用の第一過程として、摘み部を摘んで挟持部を開くまでの過程について説明する。まず、使用者は片手(例えば左手)で洗濯物を摘む。ここでは、左手の親指の腹と薬指の先端によって洗濯物を摘むものとする。続いて、使用者は親指の先端を第一操作レバー220の摘み部220Fにあてがい、中指の先端を第二操作レバー221の摘み部221Fにあてがう。続いて、使用者は親指の先端と中指の先端によって摘み部220F及び摘み部221Fを近づけるように摘む。これにより、挟持部としての一端部240S及び一端部241Sが離れて(開いて)隙間が生じる。ここで、本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200は、アタッチメント201とピンチ体202の組み合わせにより、二重てこの構成となっている。そのため、ピンチ体202のみの場合と比較してより少ない力で、挟持部としての一端部240S及び一端部241Sを離して隙間を生じさせることができる。
【0066】
続いて、第一過程に続く第二過程として、洗濯バサミ200を傾けて、洗濯物を挟持部に移動させるまでの過程について説明する。即ち、使用者は親指の先端と中指の先端によって摘み部220F及び摘み部221Fを近づけるように摘んだまま、人差し指の先端を凹み部227に添えて洗濯バサミ200を傾ける。これにより、親指の腹と薬指の先端で摘まれた洗濯物の一部が、挟持部としての一端部240S及び一端部241Sの隙間に移動する。即ち、挟持部としての一端部240S及び241Sが、親指の腹と薬指の先端で摘まれた洗濯物の一部を挟むことができる位置まで移動する。ここで、本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200は、摘み部220F及び摘み部221Fと挟持部とが近くに位置しているため、短時間で容易に洗濯物の一部を挟持部に(即ち、挟持部を洗濯物の近くまで)移動させることができる。なお、挟持部に対して摘み部220F及び摘み部221Fをより接近するように(隣り合うように、若しくは近接するように)各操作レバーを構成することで、より短時間で容易に洗濯物の一部を挟持部に(即ち、挟持部を洗濯物の近くまで)移動させることができる。
【0067】
続いて、第二過程に続く第三過程として、洗濯バサミ200によって洗濯物を挟持するまでの過程について説明する。即ち、使用者は洗濯バサミ200を傾けたまま、摘み部220F及び摘み部221Fに対する親指と中指の力を弱める。これにより、挟持部としての一端部240S及び一端部241Sが閉じて、洗濯物が挟持される。
【0068】
以上のとおり説明した本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200によれば、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うことができる。なお、本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200は、アタッチメント201とピンチ体202の組み合わせにより単純に二重てこの構成を備えることに止まらず、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とを互いの位置関係の制約から解放した点も特別な技術的特徴と言える。即ち、従来の洗濯バサミでは、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とは、挟持片連結部242を挟んでそれぞれ反対側に位置する必要があった。それに対して、本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200によれば、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とを、どちらも挟持片連結部242の片側に(一方に)位置させることができる。これは、摘み部と挟持部とを近くに位置させるという新規な着想に基づくものである。
【0069】
本発明の第二実施形態に係る洗濯バサミ200は、これを複数個用意した上で枠体に吊り下げることにより、洗濯ハンガーとすることができる。
【0070】
次に、
図14乃至
図18を参照しながら、本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300について説明する。
【0071】
図14は、本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300を表した斜視図である。
図15は、本発明の第三実施形態に係るアタッチメント301を表した斜視図である。
図16は、本発明の第三実施形態に係るアタッチメント301を一部分解して表した斜視図である。
図17は、本発明の第三実施形態に係るピンチ体302を表した斜視図である。
図18は、本発明の第三実施形態に係るアタッチメント301とピンチ体302の取り付け状態(組み立て状態)を一部分解して表した斜視図である。
図14乃至
図18に示されるように、洗濯バサミ300は、アタッチメント301と、ピンチ体302と、チェーン103とを備えている。
【0072】
アタッチメント301は、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うための、ピンチ体302用のアタッチメントである。図示されるように、アタッチメント301は、第一操作レバー320と、第二操作レバー321と、第三操作レバー322と、第四操作レバー323とを備えている。第一操作レバー320、第二操作レバー321、第三操作レバー322及び第四操作レバー323の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。
【0073】
第一操作レバー320及び第二操作レバー321は、下端部(一端部)に摘み部320F及び摘み部321Fをそれぞれ備え、上端(他端)は回動可能に連結されている。摘み部320F及び摘み部321Fは、例えば親指と中指によって互いの摘み部を近づけるように摘むことで、後述する挟持部を開くための摘み部である。摘み部320F及び摘み部321Fは、滑り止め用の凸部を備えることができる。なお、第一操作レバー320及び第二操作レバー321が回動可能に連結されている部位を、第一レバー連結部330とする。
【0074】
第三操作レバー322及び第四操作レバー323は、下端部(一端部)に摘み部322F及び摘み部323Fをそれぞれ備え、上端(他端)は回動可能に連結されている。摘み部322F及び摘み部323Fは、例えば親指と中指によって互いの摘み部を近づけるように摘むことで、後述する挟持部を開くための摘み部である。摘み部322F及び摘み部323Fは、滑り止め用の凸部を備えることができる。なお、第三操作レバー322及び第四操作レバー323が回動可能に連結されている部位を、第二レバー連結部331とする。
【0075】
アタッチメント301は、後述するピンチ体302が備えている第一挟持片340及び第二挟持片341を押圧する構成乃至部位として、第一挟持片押圧部332と、第二挟持片押圧部333とを備えている。本実施形態においては、第一挟持片押圧部332は参照符号332で示される曲面であり、第二挟持片押圧部333は参照符号333で示される曲面である。第一挟持片押圧部332は、第一操作レバー320及び第三操作レバー322を連結するようにして、これらの操作レバーが備えている。第二挟持片押圧部333は、第二操作レバー321及び第四操作レバー323を連結するようにして、これらの操作レバーが備えている。第一挟持片押圧部332及び第二挟持片押圧部333の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。また、第一挟持片押圧部332及び第二挟持片押圧部333は、必ずしも曲面である必要はなく、曲面以外の形状(平面など)を排除するものではない。
【0076】
アタッチメント301は、第一レバー連結部330と第二レバー連結部331との間に、チェーン取付部324を備えることができる。チェーン取付部324は、洗濯バサミ300(アタッチメント301及びピンチ体302)を吊り下げるチェーン103を取り付けるための部位である。なお、チェーン103及びチェーン取付部324は、洗濯バサミ300(アタッチメント301及びピンチ体302)を天井に固定する等の場合には適宜省略することができる。
【0077】
アタッチメント301は、第一操作レバー320及び第二操作レバー321の外側面の少なくとも一箇所と、第三操作レバー322及び第四操作レバー323の外側面の少なくとも一箇所に、指の先端を添えるための凹み部を備えることができる。本実施形態においては、第一レバー連結部330の外側近傍に凹み部327を備えると共に、第二レバー連結部331の外側近傍に凹み部328を備えている。これらの凹み部は、指(例えば、親指と中指によって摘み部を摘んだ際には、その手の人差し指)の先端を添えるための凹み部であり、洗濯バサミ300を傾ける動作(後述する)を補助するように作用する。
【0078】
アタッチメント301は、ピンチ体302から脱落することを防ぐため、係合部334及び係合部335を備えることができる。
【0079】
アタッチメント301は、ピンチ体302が備えている付勢部材344(後述する)との干渉を防ぐため、挿通穴325及び挿通穴326を備えることができる。
【0080】
ピンチ体302は、従来の洗濯ピンチに相当するものである。図示されるように、ピンチ体302は、第一挟持片340と、第二挟持片341と、付勢部材(リングばね)344とを備えている。第一挟持片340及び第二挟持片341の素材(材質)については特に限定されず、必要な強度等に応じて、プラスチック、金属等の種々の素材(材質)から任意に選択して良い。
【0081】
第一挟持片340及び第二挟持片341は、長手方向中間部の挟持片連結部342において、回動軸343をもって回動可能に連結された一対の挟持片である。第一挟持片340の一端部340S及び第二挟持片341の一端部341Sは、洗濯物を挟持する挟持部として作用する部位である。具体的には、一端部340S及び一端部341Sは接離可能であって、付勢部材344によって付勢されており、第一挟持片340の他端部340P及び第二挟持片341の他端部341Pを近づけるように押圧することで隙間が生まれ、他端部340P及び他端部341Pの押圧を解除することで洗濯物を持する。
【0082】
第一挟持片340は、挟持片連結部342と他端部340Pとの間に、参照符号350で示される第一挟持片被押圧部350を備えている。具体的には、第一挟持片被押圧部350は、第一挟持片押圧部332が当接して押圧される曲面である。なお、第一挟持片被押圧部350は、必ずしも曲面である必要はなく、曲面以外の形状(平面など)を排除するものではない。
【0083】
第二挟持片341は、挟持片連結部342と他端部341Pとの間に、参照符号351で示される第二挟持片被押圧部351を備えている。具体的には、第二挟持片被押圧部351は、第二挟持片押圧部333が当接して押圧される曲面である。なお、第二挟持片被押圧部351は、必ずしも曲面である必要はなく、曲面以外の形状(平面など)を排除するものではない。
【0084】
ピンチ体302は、アタッチメント301の脱落を防ぐため、アタッチメント301が備えている係合部334及び係合部335が係合する部位を備えることができる。本実施形態においては、第一挟持片被押圧部350の中央に長手方向に設けられた付勢部材344用の挿通穴354に係合部334が係合し、また、第二挟持片被押圧部351の中央に長手方向に設けられた付勢部材344用の挿通穴355に係合部335が係合することで、アタッチメント301の脱落を防ぐ構成となっている。
【0085】
次に、本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300によって洗濯物を挟持する際の使用過程、及び作用・効果について説明する。
【0086】
まず、洗濯バサミ300の使用の第一過程として、摘み部を摘んで挟持部を開くまでの過程について説明する。まず、使用者は片手(例えば左手)で洗濯物を摘む。ここでは、左手の親指の腹と薬指の先端によって洗濯物を摘むものとする。続いて、使用者は親指の先端を第一操作レバー320の摘み部320Fにあてがい、中指の先端を第二操作レバー321の摘み部321Fにあてがう。なお、反対側の手で使用する場合には、使用者は親指の先端を第三操作レバー322の摘み部322Fにあてがい、中指の先端を第四操作レバー323の摘み部323Fにあてがう。反対側の手で使用する場合には左右が反対となるのみであるため、以後は説明を省略する。続いて、親指の先端と中指の先端によって摘み部320F及び摘み部321Fを近づけるように摘む。これにより、挟持部としての一端部340S及び一端部341Sが離れて(開いて)隙間が生じる。ここで、本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300は、アタッチメント301とピンチ体302の組み合わせにより、二重てこの構成となっている。そのため、ピンチ体302のみの場合と比較してより少ない力で、挟持部としての一端部340S及び一端部341Sを離して隙間を生じさせることができる。
【0087】
続いて、第一過程に続く第二過程として、洗濯バサミ300を傾けて、洗濯物を挟持部に移動させるまでの過程について説明する。即ち、使用者は親指の先端と中指の先端によって摘み部320F及び摘み部321Fを近づけるように摘んだまま、人差し指の先端を凹み部327に添えて洗濯バサミ300を傾ける。これにより、親指の腹と薬指の先端で摘まれた洗濯物の一部が、挟持部としての一端部340S及び一端部341Sの隙間に移動する。即ち、挟持部としての一端部340S及び一端部341Sが、親指の腹と薬指の先端で摘まれた洗濯物の一部を挟むことができる位置まで移動する。ここで、本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300は、摘み部320F及び摘み部321Fと挟持部とが近くに位置しているため、短時間で容易に洗濯物の一部を挟持部に(即ち、挟持部を洗濯物の近くまで)移動させることができる。なお、挟持部に対して摘み部320F及び摘み部321Fをより接近するように(隣り合うように、若しくは近接するように)各操作レバーを構成することで、より短時間で容易に洗濯物の一部を挟持部に(即ち、挟持部を洗濯物の近くまで)移動させることができる。
【0088】
続いて、第二過程に続く第三過程として、洗濯バサミ300によって洗濯物を挟持するまでの過程について説明する。即ち、使用者は洗濯バサミ300を傾けたまま、摘み部320F及び摘み部321Fに対する親指と中指の力を弱める。これにより、挟持部としての一端部340S及び一端部341Sが閉じて、洗濯物が挟持される。
【0089】
以上のとおり説明した本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300によれば、片手での簡易な動作によって洗濯物の挟持を行うことができる。なお、本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300は、アタッチメント301とピンチ体302の組み合わせにより単純に二重てこの構成を備えることに止まらず、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とを互いの位置関係の制約から解放した点も特別な技術的特徴と言える。即ち、従来の洗濯バサミでは、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とは、挟持片連結部342を挟んでそれぞれ反対側に位置する必要があった。それに対して、本発明の第三実施形態に係る洗濯バサミ300によれば、挟持部を開くために摘む部位と挟持部とを、どちらも挟持片連結部342の片側に(一方に)位置させることができる。これは、摘み部と挟持部とを近くに位置させるという新規な着想に基づくものである。
【0090】
上述した本明細書内で使用した用語や表現は、あくまでも説明のためのものであり、限定のためのものではなく、そのような用語や表現の使用において、図示され、説明された特徴またはその一部の均等物を、本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0091】
100 洗濯バサミ
101 アタッチメント
102 ピンチ体
103 チェーン
120 第一操作レバー
120F 摘み部
121 第二操作レバー
121F 摘み部
122 第三操作レバー
122F 摘み部
123 第四操作レバー
123F 摘み部
124 チェーン取付部
125 軸状部材
126 軸状部材
127 凹み部
128 凹み部
129 凸部
140 第一挟持片
140S 一端部
140P 他端部
140H 穴
141 第二挟持片
141S 一端部
141P 他端部
141H 穴
142 挟持片連結部
143 回動軸
144 付勢部材
165 穴
166 穴
175 切欠部
176 切欠部
185 切欠部
186 切欠部
195 溝部
196 溝部
200 洗濯バサミ
201 アタッチメント
202 ピンチ体
220 第一操作レバー
220F 摘み部
221 第二操作レバー
221F 摘み部
224 チェーン取付部
225 穴状部位
226 穴状部位
227 凹み部
229 凸部
240 第一挟持片
240S 一端部
240P 他端部
240H 突起部
241 第二挟持片
241S 一端部
241P 他端部
241H 突起部
242 挟持片連結部
243 回動軸
244 付勢部材
300 洗濯バサミ
301 アタッチメント
302 ピンチ体
320 第一操作レバー
320F 摘み部
321 第二操作レバー
321F 摘み部
322 第三操作レバー
322F 摘み部
323 第四操作レバー
323F 摘み部
324 チェーン取付部
325 挿通穴
326 挿通穴
327 凹み部
328 凹み部
330 第一レバー連結部
331 第二レバー連結部
332 第一挟持片押圧部
333 第二挟持片押圧部
334 係合部
335 係合部
340 第一挟持片
340S 一端部
340P 他端部
341 第二挟持片
341S 一端部
341P 他端部
342 挟持片連結部
343 回動軸
344 付勢部材
350 第一挟持片被押圧部
351 第二挟持片被押圧部
354 挿通穴
355 挿通穴