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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015528
(43)【公開日】2024-02-05
(54)【発明の名称】自動箱詰装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20240129BHJP
【FI】
B65B5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117623
(22)【出願日】2022-07-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年8月5日に株式会社ファンケル美健での説明会にて発表 令和3年8月12日に株式会社タイヨーパッケージでの説明会にて発表 令和3年8月12日に新新薬品工業株式会社での説明会にて発表 令和3年8月12日に日医工株式会社での説明会にて発表 令和3年9月9日に株式会社ヤマノでの説明会にて発表 令和3年9月14日に株式会社広野での説明会にて発表 令和3年9月14日に五洲薬品株式会社での説明会にて発表 令和3年10月12日に株式会社オーエム機械での説明会にて発表 令和3年11月17日に株式会社タイヨーパッケージへ納品 令和3年12月20日にニプロファーマ株式会社での説明会にて発表 令和3年12月20日に野村マイクロ・サイエンス株式会社での説明会にて発表 令和4年1月10日にジェイドルフ製薬株式会社での説明会にて発表 令和4年1月19日に株式会社スズキエンジニアリングでの説明会にて発表 令和4年1月24日に株式会社ノードクラフトでの説明会にて発表 令和4年3月2日に武蔵野設計工業株式会社での説明会にて発表 令和4年3月3日にINSPIRE株式会社での説明会にて発表 令和4年7月14日に味の素ヘルシーサプライ株式会社での説明会にて発表 令和4年7月15日に株式会社大塚製薬工場での説明会にて発表 令和4年7月15日に株式会社大林組での説明会にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】522038499
【氏名又は名称】株式会社M&S
(74)【代理人】
【識別番号】100181881
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 俊一
(72)【発明者】
【氏名】水野 博昭
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003BA02
3E003BD06
3E003BE01
3E003DA01
3E003DA02
(57)【要約】
【課題】 様々な被充填物を整然と整列させた状態で歩留まり良く円滑に包装用箱に供給充填できる自動箱詰装置の提供。
【解決手段】 直方体状の空カートンβへ整列された商品群を包装する装置であって、充填位置で空カートンβをその開口部が下向きになる様に保持する充填ベース2と、充填位置において商品群が整列状態で搭載されたトレイ3を保持するトレイホルダ9及び前記トレイ3の底板ともなり当該トレイ3に搭載された商品群を前記空カートンβ内に留置する為の受けプレート7を充填高へ差上げる充填手段と、前記空カートンβの封鎖板を開口部を封じる方向へ折り曲げて下支えする封緘手段を備え、前記充填手段は、前記受けプレート7の位置以下でトレイホルダ9を昇降させるトレイ昇降リフタ5と、前記トレイホルダ9の位置以上で前記受けプレート7を昇降させる受けプレート昇降リフタ6を備える自動箱詰装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面又は下面が開口した直方体状のカートンへ整列された商品群を充填し封緘する製函装置であって、
充填位置においてカートンをその開口部が下向きになる様に保持する充填ベースと、前記充填位置において整列された商品群を搭載したトレイを保持するトレイホルダ、及び前記トレイの底板となり当該トレイに搭載された商品群を前記カートン内に留置する平板状の受けプレートを充填高へ差上げる充填手段と、前記カートンの開口部を封じる方向へ左右封鎖板及び前後封鎖板を個別に折り曲げて下支えする封緘手段を備え、
前記充填手段は、
前記受けプレートの位置以下でトレイホルダを昇降させるトレイ昇降リフタと、前記トレイホルダの位置以上で前記受けプレートを昇降させる受けプレート昇降リフタと、前記トレイ昇降リフタ及び前記受けプレート昇降リフタを支持する差上げベースを備えることを特徴とする自動箱詰装置。
【請求項2】
前記充填手段は、前記差上げベースを充填位置と退避位置間で水平移動させる進退手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動箱詰装置。
【請求項3】
前記充填位置において、
充填手段に整列された商品群を搭載したトレイを保持したトレイホルダ及び受けプレートを充填高へ差上げさせ、
トレイホルダ及び受けプレートの充填高への差上げが完了した後にトレイ昇降リフタにトレイホルダを受けプレートの位置以下へ下降させ、
トレイホルダの下降が完了した後に封緘手段に左右封鎖板をカートンの開口部を封じる方向へ折り曲げて下支えさせ、
当該下支えが完了した後に進退手段に差上げベースを充填位置から退避位置間へ水平移動させる制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の自動箱詰装置。
【請求項4】
前記封緘手段は、充填高に留置された受けプレートの下において左右封鎖板を下支えする左右保持プレートを支持位置と退避位置間で水平移動させる支え手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動箱詰装置。
【請求項5】
前記左右保持プレートは、それぞれ前記開口部の前後縁部を覆い横一列に整列された商品群を当該カートン内に留置する前受け爪及び後受け爪を備えることを特徴とする請求項4に記載の自動箱詰装置。
【請求項6】
前記充填ベースは、カートンが形作る直方体状の有底収容空間を備え、当該収容空間の周壁の前面に平坦な基準面を備え、前記周壁の内面及び底壁の内面に平坦な保持面を備え、前記保持面に、収容空間に装着されたカートンの表面に対し吸着及び解放を行う保持手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動箱詰装置。
【請求項7】
前記封緘手段は、封鎖板を前記周壁の基準面に密着させて加圧し、若しくは前記基準面に沿って進退し、又は前記カートンの開口部における当該基準面の高さにおいて進退若しくは停止することで封鎖板を加圧し下支えする成形ユニットを備えることを特徴とする請求項6に記載の自動箱詰装置。
【請求項8】
前記充填ベースは、カートンの装填前に前記収容空間の幅を伸展し、カートンの装填後に縮小させて当該カートンの側板を加圧する伸縮手段又は開閉手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の自動箱詰装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランクシートから起函された包装用箱に整列状態の商品群を充填する自動箱詰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬品や食品等の箱詰商品は、ブランクシートから包装用箱へ立体的に展開され、天面及び底面を封じる作業(以下「製函作業」という。)が行われる過程で包装用箱に充填される。
製函作業及び包装用箱への商品の装填は未だ人手によるものが多いが自動製函装置で機械的に行われる場合もある。
前記ブランクシートは、紙や樹脂等からなるシート材を素材とし、包装用箱として形作るために予定された形状に裁断されたものである。
【0003】
従来の製函箱詰作業は、例えば、下記特許文献1の如く、被充填物を充填装置の吸着パッドで吸着し上向きの開口部から包装用箱に供給充填し、その後に吸引力を解除する手法や、下記特許文献2の如く箱を寝かせて横向きの開口部から供給充填する手法が紹介されている。
なかには、袋詰品を整然と包装するために、下記特許文献3の如く、所要個数の袋詰品をその送り間隔をつめた状態で下から突き上げる事によりそれぞれ前下がりの傾斜状態にさせ、その後、各袋詰品の上方で待機する吸着ユニットをもって傾斜させた前記袋詰品の後部を把持して吊り上げつつ、前記吸着ユニットの可動範囲内に設けた外装箱内に、隣接する袋詰品の後端と先端とを互いに一部重ねた状態にして箱詰めする手法も紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-70917号公報
【特許文献2】実全昭49-38668号公報
【特許文献3】特開平5-139405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献3に記載の手法は、いずれも被充填物を確保して持ち上げ、所定の位置へ降ろす動作が必要となるため、確保の不備や移乗の不備によるズレ若しくは落下、又は配置の欠落若しくは乱れ等によって供給充填後の外観が見苦しくなる場合がある。また、特許文献2に記載の手法にあっても、側方から包装用箱に供給充填する際に、被充填物と包装用箱との干渉によって配置が乱れる場合が少なくない。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、様々な被充填物を整然と整列させた状態で歩留まり良く、且つ円滑に包装用箱に供給充填できる自動箱詰装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明による自動箱詰装置は、上面又は下面が開口した直方体状のカートンへ整列された商品群を充填し封緘する製函装置であって、充填位置においてカートンをその開口部が下向きになる様に保持する充填ベースと、前記充填位置において整列された商品群を搭載したトレイを保持するトレイホルダ、及び前記トレイの底板(一部又は全部のいずれでもよい)となり当該トレイに搭載された商品群を前記カートン内に留置する平板状の受けプレートを充填高へ差上げる充填手段と、前記カートンの開口部を封じる方向へ左右封鎖板及び前後封鎖板を個別に折り曲げて下支えする封緘手段を備え、前記充填手段は、前記受けプレートの位置以下でトレイホルダを昇降させるトレイ昇降リフタと、前記トレイホルダの位置以上で前記受けプレートを昇降させる受けプレート昇降リフタと、前記トレイ昇降リフタ及び前記受けプレート昇降リフタを支持する差上げベースを備えることを特徴とする。
【0008】
前記充填手段は、前記差上げベースを充填位置と退避位置間で水平移動させる進退手段を備える構成を採ることができる。
また、この構成に加えて更に、前記充填位置において、充填手段に整列された商品群を搭載したトレイを保持したトレイホルダ及び受けプレートを充填高へ差上げさせ、トレイホルダ及び受けプレートの充填高への差上げが完了した後にトレイ昇降リフタにトレイホルダを受けプレートの位置以下へ下降させ、トレイホルダの下降が完了した後に封緘手段に左右封鎖板をカートンの開口部を封じる方向へ折り曲げて下支えさせ、当該下支えが完了した後に進退手段に差上げベースを充填位置から退避位置間へ水平移動させる制御手段を備える構成を採ることができる。
【0009】
前記封緘手段は、充填高に留置された受けプレートの下において左右封鎖板を下支えする左右保持プレートを支持位置と退避位置間で水平移動させる支え手段を備える構成とすることができる。前記左右保持プレートは、それぞれ前記開口部の前後縁部を覆い横一列に整列された商品群を当該カートン内に留置する前受け爪及び後受け爪を備える構成とすることができる。
【0010】
前記充填ベースは、カートンが形作る直方体状の有底収容空間を備え、当該収容空間の周壁の前面に平坦な基準面を備え、前記周壁の内面及び底壁の内面に平坦な保持面を備え、前記保持面に、収容空間に装着されたカートンの表面に対し吸着及び解放を行う保持手段を備える構成とすることができる。
この構成に加えて、前記封緘手段は、封鎖板を前記周壁の基準面に密着させて加圧し、若しくは前記基準面に沿って進退し、又は前記カートンの開口部における当該基準面の高さにおいて進退若しくは停止することで封鎖板を加圧し下支えする成形ユニットを備える構成とし、又は前記充填ベースは、カートンの装填前に前記収容空間の幅を伸展し、カートンの装填後に縮小させて当該カートンの側板を加圧する伸縮手段又は開閉手段を備える構成を採ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明による自動箱詰装置によれば、被充填物たる商品群が搭載されたトレイ及びその底板として機能する平板状の受けプレートを、その位置関係を保ちつつ空カートンの下向きの開口部へ向けて充填高にまで差上げ、更に、前記受けプレートのみを前記充填高にまで差し上げることで、包装用箱内に商品群がトレイ上に存在した時の状態で充填され、その後、前記受けプレートを留置したままトレイのみを回収することができるため、様々な商品群を所定の配置で整列させた状態で、歩留まり良く、且つ円滑に包装することができる。
【0012】
前記受けプレートが平板状であるため、商品群を充填しトレイを回収した後に、満カートンの開口部の充填高に平板状の受けプレートを留置したまま、開口部を封鎖板で封鎖することができる。
また、封鎖板が糊付けされ開口部が封緘されるに至るまでの間、封緘手段で商品群を支持する封鎖板を下支えすることができるため、当該受けプレートを開口部の充填高から水平方向へ離脱させた際の商品群の落下を防止することができる他、その際、空カートンの側板をもって配置の乱れを防止することができる。
【0013】
更に、封鎖板で形成される封鎖領域が商品群を内空部に留置するに不足する場合にあっても、前記支え手段を備えることにより、全ての封鎖板をもって開口部の全体が閉じられるに至るまでの間、当該受けプレートに重ねて開口部を封じる方向へ折り曲げられた前記封鎖板の直下に保持プレートを進入させ封鎖板の不足分を補うことができるため、当該受けプレートを内空部から離脱させた際の商品群の配置の乱れや落下を防止することができる。
【0014】
前記封緘手段に、前記空カートンの開口部における当該基準面の高さにおいて進退若しくは停止することで封鎖板を操作し、加圧し又は下支えする成形ユニットを備える構成を採ることによって、基準面に沿った正確な折り曲げが可能となる他、下開口部の側方へ封鎖板を十分に退避させて充填を行うことができるため、封鎖板との干渉による商品群の配置の乱れや落下を防止することができる。
また、前記充填ベースに、空カートンの装填前に前記収容空間の幅を伸展し、空カートンの装填後に縮小させて当該空カートンの側板を加圧する伸縮手段又は開閉手段を備える構成を採ることによって、空カートンの保持不良及び充填ベースへの配置不良の発生を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による自動箱詰装置の充填手段の一例を示す斜視図である。
図2】本発明による自動箱詰装置の包装行程の一例を示す斜視図である。
図3】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図4】本発明による自動箱詰装置の搬送手段の一例を示す斜視図である。
図5】本発明による自動箱詰装置で用いられる包装用箱のブランクシートを例示した裏面図である。
図6】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図7】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図8】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図9】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図10】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図11】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図12】本発明による自動箱詰装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図13】本発明による自動箱詰装置を採用した製函装置の、(A)起函行程、(B)(C)空カートン授受行程の一例を示す行程図である。
図14】本発明による自動箱詰装置を採用した製函装置の封緘行程の一例を示す行程図である。
図15】本発明による自動箱詰装置で用いられる受けプレートの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による自動箱詰装置(以下、「箱詰装置」という。)の実施の形態を、図面を示しつつ詳細に説明する。
この例は、直方体状の包装用箱に製函する製函装置の一部として構成されている。
この例において製函装置は、所定の起函動作により前記ブランクシートαから上面又は下面が開放した比較的浅い有底四角筒状の包装用箱(以下、「空カートンβ」と言う。)を製造する起函手段1と、被充填物として軟包装された規定数の商品(商品群)を当該空カートンβの内空部へ整然と充填し、開口部を封緘する包装手段と、それらを制御する制御手段を具備する。
【0017】
<<制御手段>>
前記制御手段は、コンピュータに製函装置の各種機能手段として機能させる様に制御するプログラムがインストールされたコンピュータシステムとして構成されており、前記起函手段1や包装手段等の制御対象、各種情報を取り込むための各種入力装置及び各種情報を表示等するための各種出力装置との間で各種情報の入出力を行うための入出力部と、入力された情報の演算又は操作を行うための情報処理部と、端末装置や他のサーバー等との情報通信を行うための通信部と、各種情報を保存するための記憶部と、日時を管理する為のタイマーと、各種情報を採取するためのセンサー等を備える。
【0018】
<<起函手段>>
起函手段1は、前記制御手段の機能により、シート供給手段に規定嵩のブランクシートαが仕掛けられていることを検知しつつ、前記包装手段とタイミングを取りながら起函動作を繰り返す。
この例において前記起函手段1は、起函動作時において前記ブランクシートαを保持する成形ベース1bと、前記ブランクシートαを一枚ずつ起函手段1の成形ベース1bの定位置に配置するシート供給手段と、前記成形ベース1bに保持されたブランクシートαを起函する成形ヘッド1aと、前記成形ベース1b及び成形ヘッド1aと共に前記ブランクシートαから空カートンβに成形する成形手段を具備する(例えば、特願2022-011161参照)。
【0019】
この例で用いられるブランクシートαは、同じ高さの側板B,C,D,Eが一列に連続し、その連続方向の一方の端部に糊代Aが延設され、各側板の上下に、それぞれ上封鎖板F,G,H,I及び下封鎖板J,K,L,Mが延設されている(図5(A)参照。以下、「第1シートα1」と言う。)。
この例は、側板B,Dの下左右閉鎖板J,Lはともに奥行きが当該カートンの長側板の長さの略半分(半分未満)に達し、下開口部の略全域を覆った下左右閉鎖板J,Lを下支えすることによって商品群をカートンの内空部に留置できるものとする。
この例の起函手段は、成形ヘッド1aの周面を前記一連の側板B,C,D,Eが配置された成形ベース1bに沿って転がしながら、成形ベース1b上のブランクシートα1を当該周面で巻き取る起函動作を行う。 その際、前記起函手段は、製函時の各側面B,C,D,Eを内から支える成形ヘッド1aを前記成形ベース1b上で転動させ当該成形ベース1bの吸着から解放される領域を順次吸着しつつ起函する。
前記起函手段は、当該起函動作の過程で糊代Aにホットメルトを塗布し、当該糊代Aをその反対側の側面Eの裏面端部に接着してブランクシートα1を筒状の形態に固定すると共に、形作られた筒状の上封鎖板F,Hを順次重ね合わせ、続いて、上封鎖板I,Gを順次折り重ねて接着し封じる(図2(A)参照)。
【0020】
同じ直方体状のカートンに組み上げられるブランクシートαの形態は、目的に応じて様々である。例えば、紙のロスを少なくできる構成のひとつとして、ブランクシートαの中央部に長方形の底板Nがワンピースで配置され、その四辺からそれぞれ同じ深さの長方形状の側板O,P,Q,Rが延設され、各側板O,P,Q,Rの端縁から開口部を封じる封鎖板S,T,U,Vが延設されているものが挙げられる(図5(B)参照。以下、「第2シートα2」と言う。)。
この例は、前記側板O,P,Q,Rの対向する一対の側板Q,Oの両側縁に、隣接する側板P,Rと連結するための糊代Y,Z,W,Xがそれぞれ延設されているが、当該糊代Y,Z,W,Xを備える側板Q,Oの封鎖板U,S(以下、「上左右封鎖板U,S」と言う。)はともに奥行きが短く、これらだけでは開口部の略全域を覆い商品群を包装用箱の内空部に留置することができない構成である。
【0021】
この例では、第2シートα2の底板Nの外縁に成形ヘッド1aの前保持面の外縁を位置合わせし、当該成形ヘッド1aの側保持面に沿って糊代Y,Z,W,Xが延設された側板Q,Oを折り、次に、各側板Q,Oに設けられた糊代Y,Z,W,Xを当該側板Q,Oと連結する側板P,Rが面する側保持面に沿って折り、当該糊代Y,Z,W,Xに接着剤を塗布し、最後に糊代Y,Z,W,Xが延設されていない側板P,Rを糊代Y,Z,W,Xで覆われた側保持面に沿って折り曲げ、接着剤が固化するまで加圧を行うと言う行程を経て有底四角筒上の空カートンβが形成される。
【0022】
この例で扱われる商品は、空カートンβの内空部の前後幅と略等しい長さのスティック状に軟包装された包装品であるが、シリンジやバイアル等の容器に収められた物品が個包装されてなる商品を扱うこともできる。
この例において前記包装品は、腹を搬送方向へ向けて向き及び姿勢を揃えた横臥位で搬送され(例えば、特開2020-152388号及び特願2022-011161公報参照。)、充填用のトレイ3に当該包装用箱に定められた規定数が各々の腹を密着させて横一列に整列搭載されたユニットとして供給される(以下、小ユニットの搭載を終えたトレイ3を、「満トレイ3」という。)。
前記満トレイ3は、搬送手段に移乗され包装位置に供給される。
前記搬送手段は、包装位置と移乗位置を結ぶルートフレーム10と、当該ルートフレーム10に沿って水平移動する搬送ベース4を備える(図4参照)。
前記搬送ベース4は、充填手段を搭載している。
【実施例0023】
<<包装手段>>
前記包装手段は、前記起函手段1で組み立てられた空カートンβと、商品群が整然と並べて搭載されたトレイ3の供給を受けて、当該空カートンβの内空部に商品群のみを装填し封緘する(図2及び図3参照)。
【0024】
包装手段は、前記成形ヘッド1aから下開口部を開放した空カートンβを当該下開口部を外側に向けて確保し、当該空カートンβを充填位置へ移送し、当該空カートンβを充填姿勢で配置するカートン配置手段13と(図6及び図13参照)、前記充填位置において商品群が整列状態で搭載されたトレイ3を前記充填ベース2に保持された空カートンβの内空部へ向けて差上げる前記充填手段と(図1参照)、商品群が充填された満カートンγの開口部の左右封鎖板(内封鎖板)及び前後封鎖板(外封鎖板)を操作し又は封鎖する封緘手段を備える(図7及び図14参照)。
ここで充填姿勢とは、充填位置において空カートンβをその開口部が下向きになる様に保持する姿勢を言う(図8及び図14参照)。
【0025】
<カートン配置手段>
前記カートン配置手段13は、空カートンβを収容する充填ベース2と、充填ベース2を支持する昇降フレーム14、前記昇降フレーム14を支持する走行ベース15、前記昇降フレーム14を前記走行ベース15に対して昇降させるベース昇降手段16、前記走行ベース15を受け位置と充填位置を結ぶガイドフレーム17に沿って移動させる移送手段18、及び前記昇降フレーム14に対して前記充填ベース2の向きを側方と下方とに切り替え得る旋回手段19を備える構成(多軸移送機構)を採ることができる(図6乃至図10参照)。
【0026】
ここで、前記受け位置は、前記走行ベース15を停止させて前記成形ヘッド1aから空カートンβを受ける位置であり、前記充填位置は、前記走行ベース15を停止させて前記空カートンβに商品群を充填する位置である。
尚、前記充填ベース2を移送自在に、且つ向きの切換が出来る様に支持する構成は、前記多軸移送機構に限定されるものではなく、前記充填ベース2を支持する多軸多関節のロボットアーム(以下、「ロボットアーム」と記す。)を用いることができる(図13又は図14参照)。
【0027】
以下、充填ベース2の一例を、前記左右封鎖板J,Lが下開口部の略全域を覆う構成が与えられた第一シートα1を用いるものとして例示する。
前記充填ベース2は、空カートンβの四側板B,C,D,Eの高さと同じ深さを持ち、同四側板B,C,D,Eの対向する二つの前後側板E,Cの長さと同じ長さを持ち、且つ同四側板の対向する二つの左右側板B,Dの長さと略同じ幅を持つ直方体状の有底収容空間を形作る様に組み合わされた4個の保持ブロックを備える(図6(A)参照)。
前記充填ベース2は、その有底収容空間の左右内側面の中心を結ぶ線の後方に当該線と平行に配置された軸を前記旋回手段の旋回軸として縦に旋回する(図6(C)参照)。
前記充填ベース2の前記旋回手段19の旋回軸は、前記昇降フレーム14の軸受に回転制御可能に支持されている。
【0028】
この例の前記充填ベース2は、前記空カートンβの左右側板B,Dの表面を覆う左右保持ブロック2a,2aと、前記空カートンβの前側板Eの表面を覆う前保持ブロック2bと、前記空カートンβの後側板Cの表面を覆い、且つ当該後側板Cから下開口部へ向けて延設された後封鎖板Kを支持する後保持ブロック2cと、これら四つの保持ブロック2a,2a,2b,2cを支持し当該保持ブロック2a,2a,2b,2cで囲まれた保持空間の背板となる封止ブロック2dを備える。
【0029】
各保持ブロック2a,2a,2b,2cは、前面に平坦な基準面をそれぞれ備え、前記有底収容空間の内面に平坦な保持面を備えたブロック又はブロックの組み合わせであって各々が直方体状に形作られている。各保持ブロック2a,2a,2b,2cの基準面は、保持すべき下左右封鎖板J,L、並びに下前封鎖板M及び下後封鎖板Kの操作(折り曲げ又は保持若しくは解放等)に必要な形態の領域を各々備える。
特に、下後封鎖板Kを保持する後保持ブロック2cは、当該下後封鎖板Kの全域を保持できる広さ及び形状を持った基準面を備え、空カートンβを装填する際に位置が固定された前保持ブロック2bとそれに対向する後保持ブロック2cとの間隔を伸展し、当該空カートンβを装填した後に縮小させて当該空カートンβの前後側板E,Cを加圧保持する伸縮手段を備える。
【0030】
各保持ブロック2a,2c,2a,2bは、各々の保持面に、前記空カートンβの左側板B,後側板C,右側板D及び前側板Eの表面に対しその領域毎に確保と解放を行う保持手段を備え、前記後保持ブロック2cは、更にその前面(基準面)に前記空カートンβの下後封鎖板Kに対し確保と解放を行う保持手段を備える。
封止ブロック2dは、その保持面に上後封鎖板Gの表面に対し確保と解放を行う保持手段を備える。
この例の保持ブロック2a,2c,2a,2b,2dの保持手段は、空カートンβの表面に対し吸着及び解放を行う吸引手段であり、左側板B,後側板C,右側板D、前側板E及び上後封鎖板Gを保持する保持面、並びに下後封鎖板Kを保持する後保持ブロック2cの基準面に単数又は複数の吸着孔を備え、各保持ブロック2a,2c,2a,2bの保持面及び基準面以外の面に、当該
吸着孔から単数又は複数の連結面(他の保持ブロック又は継手が連結される面)へ通じる通気路を備える。
【0031】
尚、各保持ブロック2a,2a,2bの基準面にも、前記空カートンβの下左封鎖板J、下右封鎖板L及び下前封鎖板Mに対し、その領域毎に吸着と解放を行う保持手段を備える構成を採ることもできる。その際、保持ブロック2a,2a,2bの基準面にも、前記空カートンβの下左封鎖板J、下右封鎖板L及び下前封鎖板Mを保持する吸着孔を備え、各保持ブロック2a,2a,2bの保持面及び基準面以外の面に、前記吸着孔から単数又は複数の連結面へ通じる通気路を備える構成を採ることができる。
各保持ブロック2a,2a,2b,2cを構成する単数又は複数のブロックは、それぞれ、保持面で保持する系統と基準面で保持する系統とに分かれて各々の通気路が連通し、系統毎に同時に吸着及び解放を行う保持手段を具備することとなる。
【0032】
この例の封止ブロック2dの保持手段は、当該封止ブロック2dの保持面に対し上後封鎖板Gの吸着及び解放を行う吸引手段である。当該封止ブロック2dは、その保持面に吸着孔を備え、当該保持面の吸着孔から単数又は複数の連結面(他の保持ブロック又は継手が連結される面)へ通じる通気路を備える。
前記封止ブロック2dを構成する単数又は複数のブロックは、各々の通気路が連通し、同時に吸着及び解放を行う保持手段となる。
【0033】
この様に、充填ベース2は、高精度に成形された直方体状の保持ブロックを組み合わせて構成することができるため、起函行程を経た未封緘の空カートンβを外側から確実に保形し、定位置に正確に位置決めし、且つ空カートンβを静止させた状態で、開口部に延設された下封鎖板J,K,L,Mを成形ユニットで折り込み、相重なる部位に接着剤を適宜塗布し、封緘する作業を行うことができる。
そのため、下封鎖板J,K,L,Mの折り曲げ又は挿し込みを伴う封緘行程が容易で且つ確実となり、各保持ブロック2a,2c,2a,2bの形態及び組立の精度に応じた再現性の高い封緘加工が可能となる。しかも、空カートンβのコーナーを折り曲げ線の位置で定められた角度に屈曲させる際に、過剰な折り曲げが生じ過度に応力がかかる事もないため、外観の損傷により歩留まりを低下させるという問題を解消することもできる。
【0034】
<充填手段>
前記充填手段は、前記搬送ベース4に配置され、前記トレイ3を昇降させるトレイ昇降リフタ5と、前記トレイ3の下降後に商品群を前記内空部内に留める為の受けプレート7を昇降させる受けプレート昇降リフタ6と、前記トレイ昇降リフタ5及び前記受けプレート昇降リフタ6を支持する前記差上げベース8と、充填位置と退避位置(搬送軌道上のいずれか)間で前記差上げベース8を水平移動させる進退手段を備える(図4参照)。
尚、この例では、前記ルートフレーム10が充填ベース2の前後軸に沿っているため、前記進退手段として前記搬送手段が用いられる。
【0035】
前記トレイ昇降リフタ5及び受けプレート昇降リフタ6は、それぞれが独立して略同じ軌道で昇降動作を行うロッドをそれぞれ備える。前記受けプレート昇降リフタ6は、前記ロッドの先端部に受けプレート7の中央部を固定したものである。一方、前記トレイ昇降リフタ5は、前記ロッドの先端部に、前記受けプレート7を囲み前記トレイ3を下支えする様にトレイホルダ9が固定されたものである(図1参照)。
【0036】
前記トレイ3は、商品群の整列した状態を保ちつつ確保できる皿状に形作られている。
前記トレイ3を搭載する前記トレイホルダ9は、当該トレイ3を着脱自在に、且つ前記搬送手段による搬送動作で落下しない程度に確保できる台座を備える。
前記トレイホルダ9及びそこに搭載されるトレイ3は、各々の中央部に前記受けプレート昇降リフタ6のロッド及びその先端に固定された受けプレート7が通過できる貫通孔11を備える。前記貫通孔11を設けたことにより、前記トレイ昇降リフタ5は、前記受けプレート7の位置以下でトレイ3及びトレイホルダ9を昇降させ、前記受けプレート昇降リフタ6は、前記トレイホルダ9の位置以上で前記受けプレート7を昇降させることができる。その結果、前記空トレイ3を搭載したトレイホルダ9が前記受けプレート7を上位に留置したままその下位において独立して下降させことが出来る。
【0037】
前記受けプレート7は、空カートンβの下開口部からその内空部に充填された商品群を全て落下させることなく下支えできる構造を備えた板状部材であって、例えば、開口部の前後奥行きの中央部約三分の一から約二分の一を当該開口部の略全幅に亘って封じることができる寸法とする。素材は、金属又は合成樹脂など、商品群全てを支持できる強度を持つものから適宜選択することができる。
前記受けプレート7は、空カートンβの下開口部において閉じられた下左右封鎖板J,Lと後側板Cとの隙間を通過できる平板等の偏平構造が採用され、その中央部に下左右封鎖板J,Lの間の隙間を通過できる連結片12を備える。前記受けプレート7は、当該連結片12を介して前記受けプレート昇降リフタ6のロッドに固定されている。
【0038】
<封緘手段>
前記封緘手段は、前記起函手段1の封緘手段1cと同様に、下左封鎖板Jを開閉させる下左封鎖板成形手段21と、下右封鎖板Lを開閉させる下右封鎖板成形手段22と、下前封鎖板Mを開閉させる下前封鎖板成形手段23と、当該下前封鎖板Mの表面に接着剤を塗布する封緘接着剤吐出手段と(図示省略)、下後封鎖板Kを開閉させる下後封鎖板成形手段24を備える(図7乃至図10参照)。
【0039】
前記下左封鎖板成形手段21及び下右封鎖板成形手段22は、前記下左封鎖板J及び下右封鎖板Lを、充填姿勢をとる充填ベース2の前記左右保持ブロック2a,2aの基準面に密着させて加圧し、若しくは前記左右保持ブロック2a,2aの基準面に沿って進退し、又は開口部における当該基準面の高さ(以下、「充填高」という。)において進退若しくは停止することで空カートンβの内空部に充填された商品群を前記下左封鎖板J及び下右封鎖板Lを介して加圧し下支えする成形ローラーを具備する成形ユニットである(図7及び図8(A)(B)参照)。
【0040】
前記下前封鎖板成形手段23は、前記下前封鎖板Mを、充填姿勢をとる充填ベース2の前記前保持ブロック2bの基準面に密着させて加圧し、若しくは前保持ブロック2bの基準面に沿って進退し、又は開口部における充填高において進退若しくは停止することで空カートンβの内空部に充填された商品群を前記下左封鎖板J及び下右封鎖板L並びに下前封鎖板Mを介して加圧し下支えする成形ローラーを具備する成形ユニットである(図8(C)及び図9参照)。
前記後封鎖板成形手段24は、前記下後封鎖板Kを、充填姿勢をとる充填ベース2の前記後保持ブロック2cの基準面に密着させて加圧し、若しくは後保持ブロック2cの基準面に沿って進退し、又は開口部における充填高において進退若しくは停止することで前記下後封鎖板Kを空カートンβの内空部に充填された商品群を下支えする前記下左封鎖板J及び下右封鎖板L並びに下前封鎖板Mに密着させ加圧し下支えする成形ローラーを具備する成形ユニットである(図10参照)。
【0041】
前記下左封鎖板成形手段21と、前記下右封鎖板成形手段22と、前記下前封鎖板成形手段23と、前記下後封鎖板成形手段24は、充填位置を囲んで配置されている(図4及び10図)。
各封鎖板成形手段が具備する成形ローラーは、退避位置と充填位置(封緘位置)を行き来する成形ユニットの一部として可動ブロックに回転自在に支持されている(7図乃至図10)。各封鎖板成形手段は、当該可動ブロックを、充填位置に対向し、空カートンβの成形を担当する封鎖板が連なる側板の向きに沿って進退させる進退手段と、充填高と退避高の間で当該可動ブロックを空カートンβの天面の向きに沿って昇降させる昇降手段をそれぞれ備える(図4又は図9参照)。
【0042】
前記各成形ユニットは、前記左右保持ブロック2a,2a、前保持ブロック2b,及び後保持ブロック2cの基準面の形態に応じて単数又は複数の成形ローラーが回転自在に軸支され、各成形ユニットが具備する進退手段の稼働により前記左右保持ブロック2a,2a、前保持ブロック2b及び後保持ブロック2cの基準面の奥行き方向に進退する(図8参照)。
尚、この例の進退手段及び昇降手段は、エアシリンダ等の直線アクチュエータ若しくはそれらの組み合わせ、又は三軸移動手段又はロボットアーム等のアクチュエータを採用することができ、基台に位置調整可能に固定し、又は当該基台に架設されたフレームに沿って走行自在に設置することができる。
【0043】
前記封緘接着剤吐出手段は、空カートンβの開口部を臨んで配置されている。
前記封緘接着剤吐出手段は、ホットメルトを吐出するホットメルトガンと、当該ホットメルトガンを上下前後左右に移動させるアクチュエータを具備したユニットと、ホットメルトの塗布状態を検査するためのカメラを備える。
前記アクチュエータは、例えば、三軸移動手段又はロボットアームを採用することができる。これらは、前記制御手段によってホットメルトガンが予め設定された三次元座標の位置を狙う様に制御され、予め定められた位置に規定量のホットメルト材が吐出される。
【0044】
上記構成をもって、前記充填手段は、前記制御手段により、トレイ3及び受けプレート7を充填位置の充填高へ差上げて(トレイ3の最上位に受けプレート7の最上位である支持面を合わせる)商品群を前記空カートンβの内空部に装填した後に、受けプレート7を留置して前記トレイ3及びトレイホルダ9のみを降下させることができる他、前記封緘手段で下左右封鎖板J,Lが折り曲げられ支持された後に前記差上げベース8を退避位置へ水平に離脱させることによって受けプレート7を満カートンγの内空部から離脱させることができる。
前記差上げベース8が退避位置へ離脱した後、封緘手段は、下前後封鎖板M,下後封鎖板Kを折り曲げて封緘する。
この様な商品群の充填手法を採ることによって、商品群があたかも刺身を引き重ねた様に整頓された形で空カートンβの内空部へ搬入され、且つその整頓状態を崩すことなく商品群のみを空カートンβの内空部に留置し封緘することが可能となる。
【0045】
<<<商品群の包装>>>
包装手段は以上の如く構成され、前記制御手段により下記のとおり制御される。
空カートンβを起函した成形ヘッド1aは、当該空カートンβを装着したまま前記受け位置において前記充填ベース2の有底収容空間に空カートンβを装填し、当該成形ヘッド1aの空カートンβへの吸着を解除する(図6(B)及び図13(B)(C)参照)。
その際、前記受け位置において成形ヘッド1aから空カートンβを受けた前記充填ベース2では、当該充填ベース2を形作る各ブロックの保持面(内面)に設けられた吸着孔の吸引手段が稼働し、空カートンβの四側板B,C,D,E及び上後封鎖板Gを吸着する。
続いて、前記成形ヘッド1aは、後保持ブロック2cの基準面に沿って下後封鎖板Kを案内し当該保持ブロック2cに密着させ(図13(C)参照)、前記カートン配置手段13の後保持ブロック2cは、下後封鎖板Kの表面を吸引しその基準面に吸着させる。
次に、前記カートン配置手段13は、当該空カートンβを保持した充填ベース2を充填位置へ移送し、開口部を下へ向けた充填姿勢で停止する(図6(C)及び図14参照)。
【0046】
充填位置においては、前記下左封鎖板成形手段21と、下右封鎖板成形手段22と、下前封鎖板成形手段23の各成形ユニットは、充填位置を囲んで降下し、空カートンβの下開口部の入り口に面する位置へ進んで集合し、再び、各保持ブロックの基準面の高さ(充填高)まで上昇することによって、前記下開口部の直前に前記下左封鎖板J、下右封鎖板L及び前封鎖板Mに面してそれぞれ配置される(図7(A))。
【0047】
続いて、各々は、前記下左封鎖板J、下右封鎖板L及び前封鎖板Mを伴って当該充填位置の充填高から相互に離隔する方向へ水平に直線移動し、更に各保持ブロック2a,2a及び2bの基準面に沿って水平に直線移動して前記下左封鎖板J、下右封鎖板L及び前封鎖板Mを押し開き、前記下左封鎖板J、下右封鎖板L及び前封鎖板Mの各々を各保持ブロック2a,2a及び2bの基準面に押し当てて下支えする(図7(B))。
次に、前記充填ベース2は、下上一回の往復運動を行うことによって下開きに癖付けされた前記下左封鎖板J、下右封鎖板L及び前封鎖板Mを自由に垂れ下がらせる(図7(C)及び図8(A))。
【0048】
その間、搬送手段は、前記移乗位置から満トレイ3を確保し包装位置へ搬送する(図4参照)。
その際、搬送ベース4に支持されたトレイ昇降リフタ5及び受けプレート昇降リフタ6と、トレイホルダ9上の満トレイ3は一体となって水平移動を行う。
充填位置に到着すると、前記トレイ昇降リフタ5及び受けプレート昇降リフタ6は、トレイ3及び受けプレート7が充填高に至るまで等しい速度で上昇させ、満トレイ3の商品群を空カートンβの内空部に充填する(図2参照)。
この時、トレイ3及び受けプレート7の上縁は、共に前記保持ブロックの基準面にまでに上昇するため、商品群はトレイ3の内側面及び空カートンβの四側板B,C,D,Eの裏面に沿ってトレイ3から脱出する(図2(B)参照)。
商品群が充填されると、トレイ昇降リフタ5のみが収縮しトレイホルダ9が空のトレイ3を伴って降下する。その際、受けプレート7は、空カートンβの内空部に収められた商品群を充填高で下支えし、当該受けプレート7及びそのロッドは、前記トレイ3及びトレイホルダ9の貫通孔11を貫通する(図1(B))。
【0049】
<<<封緘>>>
次に、前記下左封鎖板成形手段21と下右封鎖板成形手段22の成形ユニットは、充填高において水平に充填位置まで進んで近接状態で集合し、それぞれ下左封鎖板Jと下右封鎖板Lで満カートンγの下開口部を封じる(図8(B))。
続いて、下後封鎖板成形手段24は、前記下左封鎖板成形手段21及び下右封鎖板成形手段22と共に、満カートンγの下開口部を封じる下左封鎖板J及び下右封鎖板Lの後部を下支えする(図8(C))。
前記下左封鎖板成形手段21と下右封鎖板成形手段22は、前記下後封鎖板成形手段24が上記の如く下開口部の封鎖に介在することを待って充填位置の側方(退避位置)へ後退する(図9(A))。
【0050】
次に、前記下前封鎖板成形手段23は、前記下前封鎖板Mを、満カートンγの内空部に充填された商品群を支える前記下左封鎖板J及び下右封鎖板Lに密着させその後部を加圧する(図9(B))。
この時、支え手段25は、前記下前封鎖板Mを下支えする一対の偏平な棒状の支持片25aを側板E側から前進させ、満カートンγの内空部に充填された商品群と、前記下左封鎖板J及び下右封鎖板Lと前記下前封鎖板Mの配置を確保する。
前記支持片25aを具備する支え手段25は、前記下前封鎖板成形手段23の上位に配置され、充填位置の充填高に配置された充填ベース2の基準面に沿って(充填高に沿って)前記支持片25aを出没させる進退手段を備える。
前記下前封鎖板成形手段23及び下後封鎖板成形手段24は、当該支持片25aの前進を待って充填位置から退避位置へ後退する(図9(C))。
【0051】
続いて、搬送手段は、トレイ昇降リフタ5及び受けプレート昇降リフタ6を受けプレート6の高さを充填高に維持したまま充填位置から水平に後退させて前記満カートンγから抜き取り(図3(C)及び図4参照)、前記下後保持ブロック2cによる下後封鎖板Kの吸着を解除する。
最後に、前記封緘接着剤吐出手段により前記下前封鎖板Mの表面へ接着剤を塗布し、前記下後封鎖板成形手段24により、前記下後封鎖板Kを前記下前封鎖板Mに密着させ前記下前封鎖板成形手段23及び下後封鎖板成形手段24により加圧する(図10(A))。
当該加圧を一定時間継続しホットメルトが固化を待った後、前記下前封鎖板成形手段23及び下後封鎖板成形手段24が充填位置から退避位置に退くことをもって満カートンγの封緘が完了する(図10(B))。
【実施例0052】
<<包装手段>>
以下、第二シートα2の様に前記上左右封鎖板U,Sの奥行きが短く開口部の略全域を覆うことができない構成のブランクシートαからなる空カートンβを用いる場合に有効な自動箱詰装置の包装手段の一例を詳細に説明する。
カートン配置手段13と充填手段の構成は、実施例1と概ね同じである。ここでは、実施例1と異なる構成のみを説明する。
この例では、当然に空カートンβの上開口部が充填口とななる。
【0053】
<封緘手段>
この例の封緘手段は、前記実施例1の構成に加えて、前記空カートンβの開口部を封じる様に直角に折り曲げられた、上左封鎖板Uを支持する左保持プレート25b、上右封鎖板Sを支持する右保持プレート25c及び当該上左右封鎖板U,Sの真上に折り重ねられた上前封鎖板Vを支持する前保持プレート25dを備える。
前記左保持プレート25b及び右保持プレート25c並びに前保持プレート25dは、空カートンβの中央に向けて、上左右封鎖板U,Sが延設された側板Q,O及び上前封鎖板Vが延設された側板Rと垂直な軌道に沿って水平に進退させる支え手段25を備える(図11又は図12参照)。この際、実施例1の支持片25aとして前記前保持プレート25dを利用する。
【0054】
前記左保持プレート25b及び右保持プレート25cは、前後対となる受け爪を間隙を隔てて平行に備えるコの字状に形成され、各々の前後受け爪及びそれらに挟まれる間隙が相互に対向する様に配置される。
この例の左右保持プレート25b,25cは、左右対称となる形態をそれぞれ備える。
前記左右保持プレート25b,25cの前後受け爪は、左右一対で空カートンβの内空部に装填される商品群全ての両端部を確実に支持できる長さと幅を備え、前後受け爪の間隙は、空カートンβの開口部に対向配置された左右保持プレート25b,25cの間隙が一体となって、前記受けプレートが上下に通過できる幅と奥行きを持つことが望ましい。
前記前保持プレート25dは、上前封鎖板Vを支持する複数の受け爪をそれぞれ接着剤を塗布する領域の間隔を隔てて平行に備える。
当該前保持プレート25dの各受け爪は、少なくとも左右保持プレート25b,25cの後受け爪の幅程度の長さを備える。好ましくは、当該保持プレート25dの進退量に応じて、前記空カートンβの開口部の後縁部を覆いその内空部に横一列に整列された商品群の全てを上前封鎖板Vと共に確実に留置できる長さと幅を備えることが望ましい。
【0055】
前記左右保持プレート25b,25c及び前保持プレート25dは、前面にわたって滑らかな平板状の部材であり、前方(各々の進行方向)に解放した隙間を持つフォーク状に成形されている。各保持プレート25b,25c,25dの隙間は、上左右封鎖板U,S及び上前封鎖板Vの表面の接着剤が塗布される位置に合わせて配置されている。前記支え手段の左右保持プレート25b,25c及び前保持プレート25dは、前記充填位置の充填高に配置された充填ベース2の基準面に沿って(充填高に沿って)各々を進退させる進退手段を備える。
【0056】
この例は、前記封緘手段で左右封鎖板U,Sが折り曲げられた後に、当該左右封鎖板U,Sの間に一定の間隙が形成されるが、受けプレート7がその間隙を通過できる場合や、受けプレート7を伸縮可能な構成であれば、前記差上げベース8及び受けプレート7を水平に離脱させずとも、前記間隙を退避間隙としてその受けプレート7、又は長さ若しくは幅が縮小された前記受けプレート7を充填高から垂直に下降させる手法を採ることが出来る。
【0057】
前記受けプレート7の幅寸法を前記退避間隙の幅未満に縮める縮小手段は、例えば、長方形状の鞘プレート7aと、当該鞘プレート7aに摺動自在に支持された左右一対の長方形状の副プレート7b,7cと、前記鞘プレート7aの中央で支持された操作ロッド7dの回転で旋回するリンク7eを具備したスライダリンク機構を採用する(図15参照)。
前記副プレート7b,7cは、それぞれの内縁に沿って長孔7fが穿設され、当該長孔7fに沿って前記リンク7eの左右端部に設けれられた支持軸7hが規制孔7gに沿って摺動することによって副プレート7b,7cが前記鞘プレート7aの内部から左右各々の方向へ水平に出没する。
前記操作ロッド7dを回転させる駆動手段は、前記差上げベース8等に配置する構成等を採ることができる。
【0058】
<<<商品群の包装>>>
実施例2における充填位置への空カートンβの配置と、商品群の充填及び受けプレート7の留置は、実施例1と同様に行われる。
【0059】
<<<封緘>>>
前記下左封鎖板成形手段21及び下右封鎖片成形手段22の成形ユニットは、充填高において水平に充填位置まで進んで近接状態で集合し、それぞれ上左封鎖片U及び上右封鎖片Sで満カートンγの開口部を図8(B)の様に被覆する。
前記支え手段25は、左右保持プレート25b,25cを前進させて前記上左右封鎖片U,Sを開口部の充填高に支持する(図11(B)参照)。
【0060】
前記上左右封鎖片U,Sによる開口部の被覆、及び前記左右保持プレート25b,25cの前進を受けて、前記下前封鎖板成形手段23は、前記上前封鎖板Vを、満カートンγの内空部に充填された商品群を支える前記上左右封鎖片U,Sに密着させ、前記支え手段25は、前記前保持プレート25dを前進させて前記副閉鎖板Vを開口部の充填高に支持し、満カートンγの内空部に充填された商品群と、前記上左右封鎖片U,Sと前記上前封鎖板Vの配置を確保する(図11(C参照))。
【0061】
この際、前記左右保持プレート25b,25c及び前保持プレート25dが前記上左右封鎖片U,S及び上前封鎖板Vの基部を支持することによって、当該上左右封鎖片U,Sの間の上前封鎖板Vの非被覆領域に受けプレート7が上下に通過できるだけの退避間隙が形成されれば、受けプレート昇降リフタ6を下降させて満カートンγの内部から当該受けプレート7を離脱させる。
尚、上下に通過できる間隙が受けプレート7の離脱に不足する場合には、商品群の充填状態を維持しつつ可能な限り左右保持プレート25b,25cを後退させて間隙の拡幅を図り、又は受けプレート7を縮小させて通過を図ることができる。
【0062】
商品群の留置状態の維持するために左右保持プレート25b,25cを後退させられない場合には、トレイ昇降リフタ5及び受けプレート昇降リフタ6(差上げベース8)を受けプレート7の高さを充填高に維持したまま充填位置から水平に後退させて受けプレート7を、左右保持プレート25b,25c及び前保持プレート25dと商品群との隙間から離脱させることにより前記満カートンγから抜き取ることができる(図3(C)参照)。
【0063】
最後に、封緘接着剤吐出手段により前記上左右封鎖片U,S及び上前封鎖板Vの表面の前保持プレート25dの隙間から覗く部分へ、図5(C)破線丸印の様に接着剤を塗布し、前記後保持ブロック2cによる上後封鎖板Tの吸着を解除する(図12(A)参照)。
続いて、前記下後封鎖板成形手段24により、前記上後封鎖板Tを前記上前封鎖板Vに密着させ前記下前封鎖板成形手段23及び下後封鎖板成形手段24により加圧する(図12(B)参照)。
当該加圧を一定時間継続しホットメルトが固化を待った後、前記前封鎖板成形手段23及び後封鎖板成形手段24、並びに前記左右保持プレート25b,25c及び前保持プレート25dが充填位置から退避位置に退くことをもって満カートンγの封緘が完了する(図12(C))。
尚、接着剤の固化を待つ際、前記左右保持プレート25b,25c又は前保持プレート25dの存在によって前記上左右封鎖片U,S及び上前封鎖板Vの表面と上後封鎖板Tとの密着が不良となる場合には、前記左右保持プレート25b,25c又は前保持プレート25dを適宜後退させることができる。
【実施例0064】
<<包装手段>>
この例の様に、充填ベース2に前記伸縮手段を備えている場合には、商品群の包装時において、差込糊代X,Yの貼着を行わずに有底収容空間へ空カートンβを装填保持し(保持手段を稼働し)、位置固定された前保持ブロック2bとそれに対向する後保持ブロック2cとの間隔を伸展したまま当該空カートンβへ整列された商品群を装填することができる。これにより、空カートンβの開口部が広くなる他、空カートンβの開口部に後側板Pの傾斜による案内角が形成されるため、商品群の装填が確実に行えることとなる(図5(B)参照)。
その後、伸縮手段により前保持ブロック2bとそれに対向する後保持ブロック2cとの間隔を縮小させて当該空カートンβの前後側板R,Pを加圧保持し、同時に、後側板Pを介して有底収容空間に装填された商品群の前後の整列の乱れを整えることができる。
【0065】
上記機能をより充実させるべく、後保持ブロック2cをその裏側内縁付近を軸として開閉させて充填ベース2の開口部の間口量(前保持ブロック2bとそれに対向する後保持ブロック2cの表側内縁間の距離)を増減させる開閉手段を伸縮手段に代えて設けた構成、又は開閉手段を前記伸縮手段と共に併設した構成を採ることもできる。
この構成によれば、商品群の包装時において、差込糊代X,Yの貼着を行わずに有底収容空間へ空カートンβを装填保持し(保持手段を稼働し)、後保持ブロック2cの保持面が開口部の内側斜め前方へ向く様に開いたまま当該空カートンβへ整列された商品群を装填することができる。これにより、空カートンβの開口部に、後保持ブロック2cの保持面の傾斜と後側板Pの傾斜による案内角が安定的に形成されるため、商品群の装填が確実に行えることとなる。
その後、開閉手段、又は開閉手段及び伸縮手段の双方により前保持ブロック2bの保持面とそれに対向する後保持ブロック2cの保持面との間隔及び開口部の寸法を封緘時の寸法に縮小させて当該空カートンβの前後側板R,Pを加圧保持し、同時に、後側板Pを介して有底収容空間に装填された商品群の前後の整列の乱れを整えることができる。
尚、これらは、その後再度充填ベース2の開口部を開放又は伸展させて差込糊代X,Yの表面又は後側板Pの裏面に接着剤を塗布し、再び縮小させて接着剤が固化するに至るまで加圧を継続することで有底筒状のカートンが形成される。
【0066】
この様に、商品群の前後の整列の乱れを整える動作を行う際に便宜であり、ブランクシートαから空カートンβに組み立てる際に便宜であり、且つ紙のロスを少なくできる構成のひとつとして、例えば、ブランクシートαの中央部に長方形の天板aがワンピースで配置され、その四辺からそれぞれ同じ深さの長方形状の側板b,c,dが延設され、各側板b,c,dの端縁から開口部を封じる封鎖板f,g,hが延設され、更に、封鎖板gの端縁から差込片iが延設されているものが挙げられる(以下、「第3シートα3」と言う。)。
この例は、左右側板b,dの前側縁に、隣接する前側板eの側縁部と連結するための差込糊代k,lがそれぞれ延設され、後側板cの左右側縁に、隣接する側板と連結するための糊代j、mがそれぞれ延設されている。当該差込糊代k,lを備える側板b,dから延出する封鎖板f,h(以下、「下左右封鎖板f,h」と言う。)は、第二シートα2と同様にともに奥行きが短く、これらだけでは開口部の略全域を覆い商品群を包装用箱の内空部に留置することができない構成である(図5(C)参照)。
【0067】
この例の起函手段1は、第3シートα3の天板aの外縁に成形ヘッド1aの前保持面の外縁を位置合わせし、糊代j,mが延設された後側板cを当該後側板cが面する側保持面に沿って折り、次に、当該後側板cに設けられた糊代j,mを当該後側板cと連結する左右側板b,dが面する側保持面に沿って折り、続いて、当該糊代j,mに接着剤を塗布し、その上に当該成形ヘッド1aの側保持面に沿って差込糊代k,lが延設された側板b,dを折り、接着剤が固化するに至るまで加圧を継続する。
次に、各側板b,dに設けられた差込糊代k,lを当該側板b,dと連結する前側板eが面する側保持面に沿って折り、当該差込糊代k,lの上に前側板eを当該前側面eが面する側保持面に沿って折り曲げる行程を経て有底四角筒上の空カートンβが形成される。
【0068】
この様に組み立てられた空カートンβを充填ベース2の有底収容空間へ先の例と同様に装填保持して空カートンβの内空部へ商品群を装填した後、前側板eの裏面に接着剤を塗布した上で、差込片iを内空部へ向けて略直角に折り曲げた封鎖板gを、前記封緘手段により内空部へ向けて天板aと平行となる様に折り曲げて加圧し、最後に、開閉手段により前保持ブロック2bの保持面とそれに対向する後保持ブロック2cの保持面との間隔及び開口部の寸法を封緘時の寸法に縮小させ、接着剤が固化するに至るまで前記封緘手段による加圧を継続すると言う行程を経て満カートンγの封緘が完了する。
尚、前記下左封鎖板成形手段21、下右封鎖板成形手段22、下前封鎖板成形手段23及び下後封鎖板成形手段24、並びに左右保持プレート25b,25c及び前保持プレート25dの構成は先のブランクシートαを用いる場合と同様でよい。
【0069】
本発明による製函装置は、前記軟包装された商品群を包装する構成に限定されるものではなく、未包装の固形商品や箱詰された商品群を更に包装する為のカートンの包装行程にも、成形ヘッド、充填ベース、成形手段又は保持プレートの形態(形状、大きさ又は組合せ)等の構成を変えて適用することができる。
【符号の説明】
【0070】
α ブランクシート,β 空カートン,γ 満カートン,
A 糊代,B 左側板,C 後側板,D 右側板,E 前側板,
F 上左封鎖板,G 上後封鎖板,H 上右封鎖板,I 上前封鎖板,
J 下左封鎖板,K 下後封鎖板,L 下右封鎖板,M 前封鎖板,N 下封鎖板,
O 右側板,P 後側板,Q 左側板,R 前側板,
S 上右封鎖板,T 上後封鎖板,U 上左封鎖板,V 上前封鎖板,
W 糊代,X 糊代,Y 糊代,Z 糊代,
a 天板,b 右側板,c 後側板,d 左側板,e 前側板,
f 下右封鎖板,g 下後封鎖板,h 下左封鎖板,i 差込板,
j 糊代,k 差込糊代,l 差込糊代,m 糊代,
1 起函手段,1a 成形ヘッド,1b 成形ベース,1c 封緘手段,
2 充填ベース,2a 左右保持ブロック,2b 前保持ブロック,
2c 後保持ブロック,2d 封止ブロック,
3 トレイ,4 搬送ベース,5 トレイ昇降リフタ,
6 受けプレート昇降リフタ,
7 受けプレート,7a 鞘プレート,7b 副プレート,7c 副プレート,
7d 操作ロッド,7e リンク,7f 長孔,7g 規制孔,7h 支持軸,
8 差上げベース,9 トレイホルダ,10 ルートフレーム,
11 貫通孔,12 連結片,13 カートン配置手段,14 昇降フレーム,
15 走行ベース,16 ベース昇降手段,17 ガイドフレーム,18 移送手段,
19 旋回手段,20
21 下左封鎖板成形手段,22 下右封鎖板成形手段,23 下前封鎖板成形手段,
24 下後封鎖板成形手段,
25 支え手段,25a 支持片,
25b 左保持プレート,25c 右保持プレート,25d 前保持プレート,
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