IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エフピコの特許一覧

<>
  • 特開-包装用容器 図1
  • 特開-包装用容器 図2
  • 特開-包装用容器 図3
  • 特開-包装用容器 図4
  • 特開-包装用容器 図5
  • 特開-包装用容器 図6
  • 特開-包装用容器 図7
  • 特開-包装用容器 図8
  • 特開-包装用容器 図9
  • 特開-包装用容器 図10
  • 特開-包装用容器 図11
  • 特開-包装用容器 図12
  • 特開-包装用容器 図13
  • 特開-包装用容器 図14
  • 特開-包装用容器 図15
  • 特開-包装用容器 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155286
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/08 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
B65D43/08 210
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069891
(22)【出願日】2023-04-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000239138
【氏名又は名称】株式会社エフピコ
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】広末 康弘
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084DC04
3E084DC05
3E084FC04
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA20
(57)【要約】
【課題】発泡樹脂製シートからなる容器本体に蓋を外嵌合する構成において、嵌合力を向上させて蓋の不用意な外れを防止する。
【解決手段】発泡樹脂製シートからなる容器本体1と、透明の樹脂製シートからなり、容器本体1に外嵌合される蓋2と、を備えた包装用容器であって、容器本体1は、底面部10と、底面部10から立ち上がる本体側面部11と、本体側面部11から外側に延びる頂面部12と、頂面部12から底面部10の高さより低い位置に延び、その下端部が容器を載置した際の接地部となるスカート部13と、を備え、スカート部13には内面側に向けて凹んだ本体嵌合部23が設けられ、蓋2は、本体嵌合部23に外嵌合する蓋嵌合部43を備え、頂面部12とスカート部13における本体嵌合部23よりも上側の部分とのうち少なくとも一方であって且つ本体嵌合部23に対応した位置に、外面側に向けて突出する嵌合補助凸部26が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡樹脂製シートからなる容器本体と、透明の樹脂製シートからなり、容器本体に外嵌合される蓋と、を備えた包装用容器であって、
容器本体は、底面部と、底面部から立ち上がる本体側面部と、本体側面部から外側に延びる頂面部と、頂面部から底面部の高さより低い位置に延び、その下端部が容器を載置した際の接地部となるスカート部と、を備え、スカート部には内面側に向けて凹んだ本体嵌合部が設けられ、
蓋は、本体嵌合部に外嵌合する蓋嵌合部を備え、
頂面部とスカート部における本体嵌合部よりも上側の部分とのうち少なくとも一方であって且つ本体嵌合部に対応した位置に、外面側に向けて突出する嵌合補助凸部が設けられている、包装用容器。
【請求項2】
嵌合補助凸部は、頂面部における外側部分に設けられている、請求項1記載の包装用容器。
【請求項3】
嵌合補助凸部は、閉蓋途中に蓋嵌合部が当接する位置に設けられている、請求項1又は2記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の収容に適した包装用容器に関し、特に、容器本体に蓋が外嵌合するものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、発泡シートを熱成形することにより容器本体を形成し、その容器本体の外周側壁の上端側に本体側嵌合部を設け、この本体側嵌合部に蓋体側嵌合部が嵌合する構成が記載されている。
【0003】
しかしながら、外周側壁を下側に向けて長く形成する容器では、成形時において発泡シートが下側に大きく引き伸ばされることとなる。そのため、嵌合部の近傍における容器本体の強度が低下しやすく、嵌合力の不足が原因となって蓋体が外れやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-74628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえに本発明は、発泡樹脂製シートからなる容器本体に蓋を外嵌合する構成において、嵌合力を向上させて蓋の不用意な外れを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る包装用容器は、発泡樹脂製シートからなる容器本体と、透明の樹脂製シートからなり、容器本体に外嵌合される蓋と、を備えた包装用容器であって、容器本体は、底面部と、底面部から立ち上がる本体側面部と、本体側面部から外側に延びる頂面部と、頂面部から底面部の高さより低い位置に延び、その下端部が容器を載置した際の接地部となるスカート部と、を備え、スカート部には内面側に向けて凹んだ本体嵌合部が設けられ、蓋は、本体嵌合部に外嵌合する蓋嵌合部を備え、頂面部とスカート部における本体嵌合部よりも上側の部分とのうち少なくとも一方であって且つ本体嵌合部に対応した位置に、外面側に向けて突出する嵌合補助凸部が設けられている。
【0007】
この構成によれば、容器本体を容器載置面に載置したとき、底面部ではなく、スカート部の下端部が容器載置面に接地することになる。即ち、底面部は容器載置面から上方に浮いた状態となり、スカート部が容器本体の脚として機能し、スカート部の下端部が容器を載置した際の接地部となる。そのため、容器本体が、あたかも膳のように見え、高級感を演出することができる。一方、頂面部あるいはスカート部の上部に、嵌合補助凸部が設けられている。そして、この嵌合補助凸部は、本体嵌合部に対応した位置に設けられている。そのため、発泡樹脂製シートからなる容器本体においてスカート部が下側に向けて長く延びた形状であっても、本体嵌合部の上側に対応した頂面部の部分やスカート部の上部の部分において強度不足が生じにくくなる。その結果、蓋嵌合部が本体嵌合部に確実に外嵌合し、十分な嵌合力を確保することができる。
【0008】
特に、嵌合補助凸部は、頂面部における外側部分に設けられていることが好ましい。この構成によれば、本体嵌合部に蓋嵌合部がより一層しっかりと外嵌合することになる。
【0009】
更に、嵌合補助凸部は、閉蓋途中に蓋嵌合部が当接する位置に設けられていることが好ましい。この構成によれば、容器本体に蓋を外嵌合させる際に、図12のように、蓋嵌合部が嵌合補助凸部に上から当接する。そのため、嵌合補助凸部に押されるようにして蓋嵌合部がスムーズに外側に開き、閉蓋作業がスムーズとなると共に、本体嵌合部に蓋嵌合部を確実に外嵌合させることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、頂面部とスカート部における本体嵌合部よりも上側の部分とのうち少なくとも一方であって且つ本体嵌合部に対応した位置に嵌合補助凸部が設けられているので、容器本体が発泡樹脂製シートから構成され且つスカート部が下側に長く延びた構成であっても、本体嵌合部に蓋嵌合部を確実に外嵌合させることができ、蓋の不用意な外れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態における包装用容器の開蓋状態を示す斜視図。
図2図1のコーナー部拡大図。
図3】同容器の開蓋状態を示す正面図。
図4】同容器の閉蓋状態を示す正面図。
図5】同容器の要部正面図であって、(a)は開蓋状態を示し、(b)は閉蓋状態を示す。
図6】同容器の容器本体を示す平面図。
図7】同容器の開蓋状態を示すA-A線に対応した断面図。
図8】同容器の閉蓋状態を示すA-A線に対応した断面図。
図9図7の要部拡大図。
図10図8の要部拡大図。
図11】同容器の開蓋状態を示すB-B線に対応した断面図。
図12】同容器の閉蓋作業の途中の状態を示すB-B線に対応した断面図。
図13】同容器の閉蓋状態を示すB-B線に対応した断面図。
図14】同容器の容器本体のC-C断面図。
図15】同容器の容器本体の積み重ね状態を示すA-A線に対応した断面図。
図16図11の要部拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る包装用容器について図1図15を参酌しつつ説明する。容器は、各種の内容物を収容可能な容器であって、内容物としては特に各種の食品が好適である。特に、本実施形態の容器は、寿司を収容することに適している。
【0013】
図1に示すように、容器は、上面開口の浅型の容器本体1と、容器本体1の上面開口部を閉塞すべく容器本体1に上側から被せられるようにして着脱可能に装着される蓋2とを備えている。
【0014】
容器本体1及び蓋2は、何れも合成樹脂製シートからなり、いわゆるシート成形により形成されている。シート成形としては例えば真空成形、圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形、熱板成形等があり、何れにしても合成樹脂製シートを熱成形することにより形成される。合成樹脂製シートは、例えばポリエチレンテレフタレートやポリスチレンなどのスチレン系樹脂や、ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィン系樹脂などからなる。容器本体1には、これらのシート素材を発泡させた発泡シートが使用される。尚、ポリスチレンを発泡させた発泡ポリスチレンシートや、ポリスチレンとして耐熱性に優れたポリフェニレンエーテルなどを含有させた耐熱性を向上させたスチレン系樹脂を使用した耐熱性発泡スチレン系樹脂シートであってもよい。さらに、発泡シートに印刷を施した、もしくは無地の樹脂フィルムを片面もしくは両面に積層した積層シートを使用することもできる。容器本体1が発泡シートから形成されていると、容器を軽量化できる。また、蓋2には発泡させていない非発泡シートが好ましい。蓋2には透明なシートが使用される。尚、延伸シートは、透明性を担保したまま、耐熱性の向上や強度向上を図れることから好ましい。蓋2が非発泡シートから形成されていると、蓋2の強度を容易に確保でき、容器を上下段積みした時の耐荷重に優れ、薄肉化も容易になる。
【0015】
容器の平面視における形状は種々であってよく、平面視矩形状等の多角形状や円形状、楕円形状等であってよい。容器本体1と蓋2は、互いに平面視の形状が対応する。本実施形態では平面視矩形状、具体的には平面視正方形状の容器を例に説明する。
【0016】
<容器本体1>
図1図10のように、容器本体1は、底面部10と、底面部10から上方に立ち上がる本体側面部11と、本体側面部11から外側に延びる頂面部12と、頂面部12から下側に延びるスカート部13とを備えている。容器本体1は、発泡樹脂製シートから形成されているので、容器本体1の各部の肉厚は一定ではなく、容器本体1は、肉厚変化を有している。底面部10の上面には、にぎり寿司等の食品が載置される。即ち、底面部10は、食品載置面部である。底面部10は、平坦であってよいが、傾斜していてもよい。底面部10の上面に寿司を載置する場合、底面部10の上面には、筋状の区画突条14を形成してもよい。区画突条14は網目状に形成してよい。底面部10の上面に区画突条14を形成することにより、寿司を載置する際の目安となり、また、寿司の横ずれを防止することができる。尚、区画突条14に代えて、凹溝を設けてもよいし、印刷等により目印となる区画線を設けてもよい。底面部10は、容器が載置される容器載置面Pよりも上方に位置している。底面部10は、容器載置面Pには当接せず、容器載置面Pから上方に浮いた状態となる。尚、図10に二点鎖線で示すように、底面部10の下面の周縁部には、閉蓋状態の容器同士を積み重ねた際の容器同士の横ずれを防止するための積み重ね用の本体凸部15が設けられてよい。積み重ね用の本体凸部15は下方に向けて突出する。積み重ね用の本体凸部15は、周方向に延びる突条であってもよいし、島状であってもよい。底面部10に種々のリブを設けてもよい。
【0017】
本体側面部11は、底面部10の周縁部から外側に拡開しつつ延びている。本体側面部11の外面を膨出させてもよく、膨出させて厚肉とすることにより、横方向の力に対して強くなる。本体側面部11の外面には、外側に膨出した第1膨出段部16が形成されていることが好ましい。第1膨出段部16は、その下部よりも厚肉となっている。図15のように、容器本体1同士を上下に積み重ねた際に、上側の容器本体1の第1膨出段部16が下側の容器本体1の本体側面部11の内面の上部に当接する。そのため、容器本体1同士を上下に重ね合わせた際において、容器本体1同士の接触面積を減少させることができ、容器本体1同士がきつく嵌り合って離れなくなる現象(ブロッキング現象)を防止することができる。第1膨出段部16は、本体側面部11の各辺部に設けられることが好ましい。第1膨出段部16は、周方向(水平方向)に沿って長く筋状に延びた構成であることが好ましい。第1膨出段部16は、本体側面部11の全周に亘って形成されていてもよい。第1膨出段部16は、各辺部の全長に亘って形成されていることが好ましい。第1膨出段部16は、コーナー部を除いて本体側面部11の全周に亘って形成されていてよい。尚、本体側面部11の各コーナー部には、上側に膨出するコーナー膨出部17が設けられていてよい。コーナー膨出部17は、例えば平面視三角形状である。コーナー膨出部17を設けることにより、上からの力に対して強度が向上する。また、コーナー膨出部17により、容器本体1同士を上下に積み重ねた際のブロッキングが生じにくくなる。コーナー膨出部17の上面は、上側に向けて湾曲した湾曲面としてよい。
【0018】
頂面部12は、本体側面部11の上端部から外側に向けて延設されている。頂面部12は、略水平であってよいが、上側に向けて湾曲していてもよい。頂面部12は、容器本体1において最も上側に位置している。
【0019】
スカート部13は、頂面部12の外縁部から下方に垂下している。スカート部13と頂面部12との間の境界部は断面視円弧状であることが好ましい。スカート部13は、底面部10の高さよりも低い位置まで延びている。スカート部13の下端部が容器載置面Pに接地する。即ち、スカート部13の下端部は、容器を容器載置面Pに載置した際の接地部となる。スカート部13は、容器本体1の脚として機能する。尚、スカート部13の下端部には、本体縁取り部18が設けられる。本体縁取り部18は、外側に向けて略水平に延びている。
【0020】
スカート部13は、上から順に、本体嵌合壁部20と、段差部21と、スカート主部22とを有している。本体嵌合壁部20に蓋2が外嵌合する。本体嵌合壁部20は、頂面部12の外縁部から下方に略垂直に延びている。本体嵌合壁部20の上下方向の寸法は、本体側面部11の上下方向の寸法よりも小さいが、同じであってもよいし、大きくてもよい。
【0021】
本体嵌合壁部20の外面の下部に本体嵌合部23が設けられている。本実施形態では本体嵌合部23は、内面側に向けて凹んだ嵌合凹部である。本体嵌合部23は、本体嵌合壁部20の上部よりも内側に凹んでいる。本体嵌合壁部20の外面に本体嵌合部23が形成されることにより、本体嵌合壁部20の内面には、本体嵌合部23に対応して内側に突出した対応凸部24が形成される。尚、本体嵌合部23の形状は種々であってよく、例えば、下側に向けて内側に向かう逆テーパ状であってもよい。また、本体嵌合部23は外面側に向けて突出した嵌合凸部であってもよい。
【0022】
本体嵌合部23は、例えばコーナー部の近傍に設けられる。即ち、本体嵌合部23は、各辺部の両端部に設けられる。本実施形態では、コーナー部の近傍のみに本体嵌合部23が設けられているが、例えば、辺中央部に本体嵌合部23が設けられていてもよい。本体嵌合部23は、例えばコーナー部の左右両側にそれぞれ設けられる。本体嵌合部23は、コーナー部を中心として左右対称に配置される。コーナー部の両側に設けられる一対の本体嵌合部23は、コーナー部を跨いで連続しているが、互いに分離していてもよい。本体嵌合部23は、辺部の長手方向に沿って長い、即ち、水平方向に沿って長い形状であることが好ましく、本体嵌合部23は、凹溝であることが好ましい。尚、容器が平面視円形状である場合には、本体嵌合部23は周方向に間隔をあけて複数設けられることが好ましい。
【0023】
段差部21は、本体嵌合壁部20の下端部から外側に向けて延びている。段差部21は、略水平である。段差部21の外縁部からスカート主部22が下側に向けて延びている。スカート主部22は、下側に向けて外側に拡開しつつ延びている。スカート主部22の上下方向の寸法は、本体嵌合壁部20の上下方向の寸法よりも大きいことが好ましい。スカート主部22の内面には、内側に向けて膨出した第2膨出段部25が設けられていることが好ましい。第2膨出段部25は、上下に複数段形成されてよいが、一段であってもよい。本実施形態では上下二段設けられいる。第2膨出段部25が設けられると、図15のように容器本体1同士を上下に積み重ねた際に、上側の容器本体1の第2膨出段部25が下側の容器本体1のスカート主部22の外面に当接する。そのため、容器本体1同士を上下に重ね合わせた際において、容器本体1同士の接触面積を減少させることができ、容器本体1同士がきつく嵌り合って離れなくなる現象(ブロッキング現象)を防止することができる。第2膨出段部25は、スカート主部22の各辺部に設けられることが好ましい。第2膨出段部25は、周方向(水平方向)に沿って長く筋状に延びた構成であることが好ましい。第2膨出段部25は、スカート主部22の全周に亘って形成されていてもよい。第2膨出段部25は、各辺部の全長に亘って形成されていることが好ましい。第2膨出段部25は、コーナー部を除いてスカート主部22の全周に亘って形成されていてよい。スカート主部22の各コーナー部には、スカート主部22の辺部よりも勾配が緩いコーナー傾斜面27が設けられてよい。コーナー傾斜面27を設けることにより、開蓋作業を行う際に蓋摘み部47を掴みやすくなり、開蓋作業が容易になる。
【0024】
頂面部12の上面と本体嵌合壁部20の上部の外面のうち少なくとも一方に、嵌合補助凸部26が形成されている。嵌合補助凸部26は、外面側に向けて突出する。嵌合補助凸部26が形成されることにより、容器本体1の肉厚は、嵌合補助凸部26が形成された部分において局所的に厚肉となっていてよい。嵌合補助凸部26は、本体嵌合部23に対応した位置に設けられる。本実施形態では、本体嵌合部23が各コーナー部の左右両側にそれぞれ設けられているので、嵌合補助凸部26も本体嵌合部23の配置態様に対応して、各コーナー部の左右両側にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0025】
嵌合補助凸部26の形状は、本体嵌合部23の形状に対応していることが好ましい。本実施形態では、本体嵌合部23が周方向に所定長さ筋状に延びた形状であるため、嵌合補助凸部26も本体嵌合部23の形状に対応して周方向に沿って筋状に延びた形状であることが好ましい。即ち、嵌合補助凸部26は、突条であることが好ましい。尚、本体嵌合部23の形状が筋状である場合、例えば、嵌合補助凸部26は、筋状に連続して延びた形状とする他、島状のものが周方向に間隔をあけて複数配置された態様であってもよい。嵌合補助凸部26を幅方向に横断したときの断面形状は、半円状であることが好ましい。
【0026】
嵌合補助凸部26が頂面部12に設けられる場合、嵌合補助凸部26は上側に向けて突出する。嵌合補助凸部26が頂面部12に設けられる場合、嵌合補助凸部26は、頂面部12における本体嵌合部23に対応した位置に設けられる。図11に二点鎖線で示しているように、嵌合補助凸部26が本体嵌合壁部20の上部に設けられる場合には、嵌合補助凸部26は側方(容器外側)に向けて突出する。嵌合補助凸部26が本体嵌合壁部20の上部に設けられる場合、嵌合補助凸部26は、本体嵌合壁部20の上下方向の全長のうち本体嵌合部23よりも上側の部分であって且つ本体嵌合部23に対応した位置に設けられる。尚、嵌合補助凸部26は、頂面部12の上面から本体嵌合壁部20の上部の外面にかけて容器内外方向に連続して設けられてもよい。また、嵌合補助凸部26は、頂面部12の上面と本体嵌合壁部20の上部の外面の双方にそれぞれ設けられてもよい。
【0027】
本実施形態では、頂面部12の上面に筋状の嵌合補助凸部26が形成されている。嵌合補助凸部26は頂面部12のみに設けられている。嵌合補助凸部26は、頂面部12の幅方向(容器内外方向)のうち外側部分に設けられることが好ましい。尚、頂面部12の幅方向の外側部分とは、頂面部12のうち本体嵌合壁部20に近い部分である。逆に、頂面部12の幅方向の内側部分とは、頂面部12のうち本体側面部11に近い部分である。嵌合補助凸部26が頂面部12の幅方向の外側部分に設けられる場合には、嵌合補助凸部26は、頂面部12の幅方向の内側部分に比して上側に突出することになる。嵌合補助凸部26は、上述の対応凸部24の鉛直上方に位置することが好ましい。本実施形態では、コーナー部の両側に設けられた左右一対の嵌合補助凸部26がコーナー部において互いに分断された構成となっているが、即ち、平面視ハの字状に配置されているが、コーナー部を跨ぐように連続していてもよく、平面視L字状に形成されていてもよい。
【0028】
図16に、嵌合補助凸部26の詳細について拡大図で示している。まず、頂面部12に嵌合補助凸部26が設けられる場合の詳細について説明する。嵌合補助凸部26の幅W1(容器内外方向の寸法)は、嵌合補助凸部26の突出量T1(頂面部12における内側部分に対する上側への突出量)よりも大きいことが好ましい。突出量T1は、幅W1の1/20~1/2であることが好ましい。幅W1は5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることが更に好ましい。突出量T1は、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。
【0029】
次に、図16に二点鎖線で示しているように、本体嵌合壁部20の上部に嵌合補助凸部26が設けられる場合の詳細について説明する。本体嵌合壁部20の上部に嵌合補助凸部26が設けられる場合についても、上述した頂面部12に嵌合補助凸部26が設けられる場合と同様である。即ち、嵌合補助凸部26の幅W2(上下方向の寸法)は、嵌合補助凸部26の突出量T2(本体嵌合壁部20の下部に対する外側への突出量)よりも大きいことが好ましい。突出量T2は、幅W2の1/20~1/2であることが好ましい。幅W2は5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることが更に好ましい。突出量T2は、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。
【0030】
頂面部12と本体嵌合壁部20の上部の双方に嵌合補助凸部26が設けられる場合には、頂面部12の嵌合補助凸部26の幅W1と本体嵌合壁部20の上部の嵌合補助凸部26の幅W2は互いに同等であることが好ましく、突出量T1と突出量T2は互いに同等であることが好ましい。但し、頂面部12と本体嵌合壁部20の上部の双方に嵌合補助凸部26との間で、幅W1、W2を異なるようにしてもよいし、突出量T1、T2を異なるようにしてもよい。
【0031】
<蓋2>
蓋2は、容器本体1に対応した平面視形状に形成されており、本実施形態では平面視矩形状、具体的には正方形状である。蓋2は、天面部30と、天面部30から下側に延びる蓋側面部31と、蓋側面部31から外側に延びる蓋フランジ部32とを備えている。天面部30は、凹凸のない天面主要部30aを有する。天面主要部30aにはリブ等の凹凸が設けられておらず、天面主要部30aは平滑面であることが好ましい。上述したように、容器本体1の底面部10における下面の周縁部に積み重ね用の本体凸部15が設けられる場合には、図10のように、天面部30の周縁部に積み重ね用の蓋凸部33が設けられる。蓋凸部33は上側に向けて突出する。蓋凸部33は、天面主要部30aのよりも周縁側に設けられる。換言すれば、天面主要部30aは、蓋凸部33の容器内側に設けられる。閉蓋状態の容器を上下に積み重ねた際に、上側の容器の本体凸部15が下側の容器の蓋凸部33の平面視において容器内側に係合する。蓋凸部33は、島状に設けられてもよく、各コーナー部のみに設けられてもよく、コーナー部を除く各辺部の大部分に筋状に設けられてもよい。蓋凸部33の内側に凹溝が設けられてもよい。蓋凸部33が設けられずに、天面主要部30aが天面部30の全体に設けられてもよい。
【0032】
蓋側面部31は、天面部30の周縁部から下側に向けて拡開しつつ降下する。蓋側面部31には種々のリブを設けてよい。蓋側面部31には、ラベル貼り付け面を設けてよい。蓋側面部31の上下方向の寸法(高さ寸法)は、本体側面部11の上下方向の寸法よりも大きくてよい。蓋側面部31の下端部には、蓋2同士を上下に重ね合わせた際に蓋2同士がきつく嵌り合って離れなくなる現象(ブロッキング現象)を防止するためのブロッキング防止用凸部34が形成されることが好ましい。
【0033】
蓋フランジ部32は、蓋側面部31の下端部から外側に向けて延設されている。蓋フランジ部32は、蓋フランジ上面部40と、第1蓋フランジ面取り部41と、蓋嵌合壁部42とを有する。蓋フランジ上面部40は、蓋側面部31の下端部から外側に向けて略水平に延びている。蓋フランジ上面部40は、容器本体1の頂面部12に対応している。第1蓋フランジ面取り部41は、蓋フランジ上面部40と蓋嵌合壁部42との間の境界部に形成される。蓋嵌合壁部42は、第1蓋フランジ面取り部41を介して、蓋フランジ上面部40から下側に略垂直に延びている。蓋嵌合壁部42は、本体嵌合壁部20に対応している。蓋嵌合壁部42は、本体嵌合壁部20に外嵌合する。
【0034】
蓋嵌合壁部42の下部に蓋嵌合部43が形成されている。蓋嵌合部43は、蓋嵌合壁部42の内面に形成され、内側に向けて突出している。蓋嵌合部43は、内面側に向けて突出した嵌合凸部である。蓋嵌合部43は、蓋嵌合壁部42の上部よりも内側に突出している。尚、蓋嵌合壁部42の外面には、蓋嵌合部43に対応して、内面側に凹んだ対応凹部44が形成される。尚、蓋嵌合部42は外面側に向けて凹んだ嵌合凹部であってもよい。
【0035】
蓋嵌合部43の形状と配置は、本体嵌合部23に対応している。本実施形態では、各コーナー部の左右両側にそれぞれ筋状の本体嵌合部23が形成されているため、それに対応して、蓋嵌合部43は、各コーナー部の左右両側にそれぞれ周方向に筋状に延びるように形成されている。蓋フランジ部32の外縁部には、蓋縁取り部46が設けられる。蓋縁取り部46は、蓋嵌合壁部42の下端部から外側に向けて略水平に延びている。尚、蓋嵌合壁部42と蓋縁取り部46との間の境界部には、第2蓋フランジ面取り部45が形成されてよい。
【0036】
尚、本体縁取り部18や蓋縁取り部46の少なくとも外周縁側には、極細の多数の凹凸を形成し、補強するとともに、指などがあたっても、指などを切ることがないようにされてよい。この凹凸は、正面から拡大して見たときに波形状とされ、多数の山と谷の方向が、各辺においては幅方向に短く形成され、角部においては平面視放射方向に沿って形成される。また、この凹凸は、例えば、平目ローレット目や綾目ローレット目のようなローレット目によって形成され、さらには、滑りにくいようにするため、綾目ローレット目によって形成することが好ましい。蓋縁取り部46の所定箇所には蓋摘み部47が設けられてよい。蓋摘み部47は、コーナー部に設けられることが好ましい。また、本体縁取り部18にも、図示しない本体摘み部が設けられてよい。
【0037】
<閉蓋状態>
図4図5(b)、図8図10及び図13に容器の閉蓋状態を示している。蓋2は、容器本体1の段差部21に載置されるようにして外嵌合される。平面視において蓋2は容器本体1よりも小さく、蓋2は容器本体1よりも外側にはみ出さないことが好ましい。蓋フランジ上面部40は、頂面部12の上側に対峙する。蓋フランジ上面部40は、頂面部12から上側に隙間をあけて対向することが好ましい。蓋フランジ上面部40は、嵌合補助凸部26に当接しないことが好ましいが当接してもよい。蓋嵌合壁部42は、本体嵌合壁部20の外側に嵌合する。蓋嵌合部43は本体嵌合部23に嵌り込む。蓋縁取り部46は、段差部21に当接することが好ましい。蓋縁取り部46は、蓋摘み部47を除いて、段差部21よりも外側にはみ出さないことが好ましい。
【0038】
以上のように、本実施形態の容器にあっては、容器本体1を容器載置面Pに載置したときに、底面部10ではなく、スカート主部22の下端部に設けられた本体縁取り部18が容器載置面Pに接地することになる。そのため、スカート主部22が脚として機能し、容器本体1が膳のように見えて高級感を演出することができる。特に、スカート主部22が蓋2よりも平面視において容器外側に張り出しているので、良好な見栄えが得られる。
【0039】
そして、頂面部12における本体嵌合部23に対応した位置に嵌合補助凸部26が設けられている。そのため、容器本体1が発泡樹脂製シートから構成され、しかも、スカート主部22が容器本体1の脚となるように下側に長く延びた形状であっても、本体嵌合部23に対応した頂面部12の部分が嵌合補助凸部26で補強され、大きな強度を確保することができる。そのため、蓋嵌合部43を本体嵌合部23に確実に外嵌合させることができ、大きな嵌合力を確保することができる。従って、蓋2の不用意な外れを防止することができる。
【0040】
特に、嵌合補助凸部26が頂面部12の幅方向の外側部分に設けられていると、嵌合補助凸部26が頂面部12の幅方向の内側部分に設けられている構成に比して、蓋嵌合部43を本体嵌合部23に、より一層確実に外嵌合させることができ、嵌合力をより一層向上させることができる。
【0041】
また、図12のように、閉蓋作業の途中において、蓋嵌合部43が嵌合補助凸部26に上から当接すると、蓋嵌合壁部42が外側にスムーズに開く。そのため、蓋嵌合壁部42を本体嵌合壁部20にスムーズに、しかも、確実に外嵌合させることができ、閉蓋作業が容易になり、大きな嵌合力も確保することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 容器本体
2 蓋
10 底面部
11 本体側面部
12 頂面部
13 スカート部
14 区画突条
15 本体凸部
16 第1膨出段部
17 コーナー膨出部
18 本体縁取り部
20 本体嵌合壁部
21 段差部
22 スカート主部
23 本体嵌合部
24 対応凸部
25 第2膨出段部
26 嵌合補助凸部
27 コーナー傾斜面
30 天面部
30a 天面主要部
31 蓋側面部
32 蓋フランジ部
33 蓋凸部
34 ブロッキング防止用凸部
40 蓋フランジ上面部
41 第1蓋フランジ面取り部
42 蓋嵌合壁部
43 蓋嵌合部
44 対応凹部
45 第2蓋フランジ面取り部
46 蓋縁取り部
47 蓋摘み部
P 容器載置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡樹脂製シートからなる容器本体と、透明の樹脂製シートからなり、容器本体に外嵌合される蓋と、を備えた包装用容器であって、
容器本体は、底面部と、底面部から立ち上がる本体側面部と、本体側面部から外側に延びる頂面部と、頂面部から底面部の高さより低い位置に延び、その下端部が容器を載置した際の接地部となるスカート部と、を備え、
スカート部には、本体嵌合壁部が設けられ、本体嵌合壁部の外面に蓋が外嵌合し、
本体嵌合壁部の外面の全周のうち一部のみに本体嵌合部が設けられ、
蓋は、本体嵌合部に外嵌合する蓋嵌合部を備え、
頂面部の上面に、頂面部の上面から上側に突出する嵌合補助凸部が設けられ
嵌合補助凸部は、頂面部の上面の全周のうち一部のみに設けられ且つ本体嵌合部に対応した位置に設けられ、
嵌合補助凸部は、本体嵌合部が設けられた位置で頂面部を上下方向に切断した断面視において、頂面部の肉厚を上側に向けて局所的に増大させる、包装用容器。
【請求項2】
発泡樹脂製シートからなる容器本体と、透明の樹脂製シートからなり、容器本体に外嵌合される蓋と、を備えた包装用容器であって、
容器本体は、底面部と、底面部から立ち上がる本体側面部と、本体側面部から外側に延びる頂面部と、頂面部から底面部の高さより低い位置に延び、その下端部が容器を載置した際の接地部となるスカート部と、を備え、
スカート部には、本体嵌合壁部が設けられ、本体嵌合壁部の外面に蓋が外嵌合し、
本体嵌合壁部の下部の外面の全周のうち一部のみに本体嵌合部が設けられ、
本体嵌合部が設けられた位置で本体嵌合壁部を上下方向に切断した断面視において、本体嵌合部の外面は、本体嵌合壁部の上部の外面よりも容器中心側に凹んでおり、
蓋は、本体嵌合部に外嵌合する蓋嵌合部を備え、
本体嵌合壁部の上部の外面に嵌合補助凸部が設けられ、
嵌合補助凸部は、本体嵌合壁部の上部の外面から前記断面視において容器中心側とは反対側に突出し、
嵌合補助凸部は、本体嵌合壁部の全周のうち一部のみに設けられ且つ本体嵌合部に対応した位置に設けられ、
嵌合補助凸部は、前記断面視において、本体嵌合壁部の上部の肉厚を容器中心側とは反対側に向けて局所的に増大させる、包装用容器。
【請求項3】
嵌合補助凸部は、閉蓋途中に蓋嵌合部が当接する位置に設けられている、請求項1又は2記載の包装用容器。