(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155287
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】意思判定装置、意思判定システム、意思判定方法および意思判定プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069892
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】山中 拓人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 端末を使用するユーザの意思を判定できる意思判定装置を提供する。
【解決手段】意思判定装置80は、端末を使用するユーザの意思を判定する。収集手段81は、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの発信情報またはそのユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集する。状況取得手段82は、ユーザの状況を取得する。判定手段83は、行動情報および状況からユーザの意思を判定する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置であって、
ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、前記端末を使用するユーザの発信情報または当該ユーザの行動予定情報を、当該ユーザの行動情報として収集する収集手段と、
前記ユーザの状況を取得する状況取得手段と、
前記行動情報および前記状況から前記ユーザの意思を判定する判定手段とを備えた
ことを特徴とする意思判定装置。
【請求項2】
収集手段は、ユーザが端末を操作した内容を示す情報である端末操作情報を、ユーザの行動情報として収集し、
判定手段は、行動情報および状況、並びに、前記端末操作情報から、ユーザの意思を判定する
請求項1記載の意思判定装置。
【請求項3】
収集手段は、ユーザが情報発信に用いるアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの発信情報を、当該ユーザの行動情報として収集する
請求項1または請求項2記載の意思判定装置。
【請求項4】
収集手段は、ユーザの予定管理に用いられるアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの行動予定情報を、当該ユーザの行動情報として収集する
請求項1または請求項2記載の意思判定装置。
【請求項5】
意思判定装置は、飲食店において、ユーザである顧客の退店意思を判定する装置であって、
収集手段は、ソーシャルネットワークサービスを利用するアプリケーション、または、カレンダーアプリケーションと連携して、ユーザの発信情報または行動予定情報を収集し、
判定手段は、収集された前記発信情報または前記行動予定情報からユーザの退店意思を判定する
請求項1または請求項2記載の意思判定装置。
【請求項6】
ユーザが使用する端末と、
前記端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置とを備え、
前記端末は、
前記ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、自端末を使用するユーザの発信情報または当該ユーザの行動予定情報を、当該ユーザの行動情報として収集する収集手段と、
前記ユーザの状況を取得する状況取得手段と、
収集された前記行動情報および取得された前記状況を、前記意思判定装置に送信する送信手段とを含み、
前記意思判定装置は、
前記端末から受信した前記行動情報および前記状況から前記ユーザの意思を判定する判定手段を含む
ことを特徴とする意思判定システム。
【請求項7】
端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定方法であって、
ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、前記端末を使用するユーザの発信情報または当該ユーザの行動予定情報を、当該ユーザの行動情報として収集し、
前記ユーザの状況を取得し、
前記行動情報および前記状況から前記ユーザの意思を判定する
ことを特徴とする意思判定方法。
【請求項8】
ユーザが使用する端末が、当該ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、自端末を使用するユーザの発信情報または当該ユーザの行動予定情報を、当該ユーザの行動情報として収集し、
前記端末が、前記ユーザの状況を取得し、
前記端末が、収集された前記行動情報および取得された前記状況を、端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置に送信し、
前記意思判定装置が、前記端末から受信した前記行動情報および前記状況から前記ユーザの意思を判定する
ことを特徴とする意思判定方法。
【請求項9】
端末を使用するユーザの意思を判定するコンピュータに適用される意思判定プログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、前記端末を使用するユーザの発信情報または当該ユーザの行動予定情報を、当該ユーザの行動情報として収集する収集処理、
前記ユーザの状況を取得する状況取得処理、および、
前記行動情報および前記状況から前記ユーザの意思を判定する判定処理
を実行させるための意思判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置、意思判定システム、意思判定方法および意思判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末を使用するユーザの意思を判定する技術が各種知られている。例えば、特許文献1には、利用者の内的要因を考慮した検索を行うシステムが記載されている。特許文献1に記載されたシステムは、各種アプリケーションの操作ごとに、操作方法、操作内容、操作対象からなる操作履歴を収集して操作履歴データベース(以下、DB:Databaseと記す。)に格納し、操作履歴ごとに各操作履歴に係る利用者の操作理由を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシステムでは、ファイルを開く、ファイルを保存する、などの操作指示を示す操作方法、Web検索で入力されたキーワード等の内容を示す操作内容、ファイル名、アプリケーション名などの操作対象からなる操作履歴から、操作理由を推定する。しかし、これらの操作履歴のみからユーザの意思を推定するには限界がある。
【0005】
そこで、本発明では、端末を使用するユーザの意思を判定できる意思判定装置、意思判定システム、意思判定方法および意思判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による意思判定装置は、端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置であって、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの発信情報またはユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集する収集手段と、ユーザの状況を取得する状況取得手段と、行動情報および状況からユーザの意思を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明による意思判定システムは、ユーザが使用する端末と、端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置とを備え、端末が、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、自端末を使用するユーザの発信情報またはユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集する収集手段と、ユーザの状況を取得する状況取得手段と、収集された行動情報および取得された状況を、意思判定装置に送信する送信手段とを含み、意思判定装置は、端末から受信した行動情報および状況からユーザの意思を判定する判定手段を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明による意思判定方法は、端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定方法であって、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの発信情報またはユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集し、ユーザの状況を取得し、行動情報および状況からユーザの意思を判定することを特徴とする。
【0009】
本発明による他の意思判定方法は、ユーザが使用する端末が、そのユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、自端末を使用するユーザの発信情報またはユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集し、端末が、ユーザの状況を取得し、端末が、収集された行動情報および取得された状況を、端末を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置に送信し、意思判定装置が、端末から受信した行動情報および状況からユーザの意思を判定することを特徴とする。
【0010】
本発明による意思判定プログラムは、端末を使用するユーザの意思を判定するコンピュータに適用される意思判定プログラムであって、コンピュータに、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの発信情報またはユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集する収集処理、ユーザの状況を取得する状況取得処理、および、行動情報および状況からユーザの意思を判定する判定処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、端末を使用するユーザの意思を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の意思判定装置の一実施形態の構成例を示すブロック図である。
【
図4】意思判定装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の意思判定システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
【
図6】意思判定システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図7】意思判定システムの具体例を示す説明図である。
【
図8】意思判定システムを用いた具体的処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明による意思判定装置の概要を示すブロック図である。
【
図10】本発明による意思判定システムの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
実施形態1.
図1は、本発明の意思判定装置の一実施形態の構成例を示すブロック図である。本実施形態の意思判定装置100は、記憶部110と、収集部120と、状況取得部130と、判定部140と、出力部150を備えている。
【0015】
本実施形態の意思判定装置100は、ユーザが使用する端末200に組み込まれ、そのユーザの意思を判定する装置である。また、本実施形態の端末200は、ユーザが利用するサービスに用いられるアプリケーション(以下、一のアプリケーションと記すこともある。)が組み込まれているものとする。さらに、端末200は、一のアプリケーションとは異なるアプリケーションとして、端末200を使用するユーザが情報発信に用いるアプリケーションや、端末200を使用するユーザの予定管理に用いられるアプリケーション(以下、他のアプリケーションと記す。)などが組み込まれているものとする。
【0016】
ユーザが利用するサービスに用いられるアプリケーションとして、例えば、飲食店における注文アプリケーションなどが挙げられる。また、情報発信に用いるアプリケーションとして、例えば、SNS(ソーシャルネットワークサービス:Social Networking Service)を利用するアプリケーションが挙げられ、予定管理に用いられるアプリケーションとして、例えば、カレンダー機能を有するアプリケーションが挙げられる。
【0017】
なお、ここでは、他のアプリケーションとして、SNSを利用するアプリケーションおよびカレンダー機能を有するアプリケーションを例示した。ただし、他のアプリケーションの内容は、これらの内容に限定されない。ユーザの行動(例えば、情報発信行為など)またはユーザの行動予定を利用するアプリケーションであれば、他のアプリケーションの内容は任意である。
【0018】
また、これらのアプリケーション(一のアプリケーションおよび他のアプリケーション)は、プログラムに従って動作するコンピュータ(例えば、端末200)のプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit )、GPU(Graphics Processing Unit))によって実現される。
【0019】
記憶部110は、本実施形態の意思判定装置100が処理に用いる各種情報を記憶する。また、記憶部110は、後述する収集部120および状況取得部130が、収集または取得した情報を記憶してもよい。記憶部110は、例えば、磁気ディスク等により実現される。
【0020】
収集部120は、ユーザの行動を示す情報(以下、行動情報と記す。)を扱う、端末200内のアプリケーション(すなわち、上述する他のアプリケーション)と連携して、ユーザの行動情報を収集する。具体的には、収集部120は、端末200を使用するユーザの発信情報、または、ユーザの行動予定情報を、ユーザの行動情報として収集する。収集部120は、他にも、ユーザが端末200を操作した内容を示す情報(以下、端末操作情報と記す。)を、ユーザの行動情報として収集してもよい。収集部120は、収集したユーザの行動情報を記憶部110に記憶させてもよい。
【0021】
図2は、収集されたユーザの行動情報の例を示す説明図である。
図2に示す例では、ユーザ情報として、収集ID=0001で特定される端末操作情報、収集ID=0002で特定される、SNSアプリケーションが管理する情報、収集ID=0003で特定される、カレンダーアプリケーションが管理する情報が収集されたことを示す。
【0022】
なお、他のアプリケーションと連携して情報を収集する方法はアプリケーションごとに特定され、このような情報を収集する方法も広く知られているため、アプリケーションから情報を収集する処理については詳細な説明を省略する。
【0023】
状況取得部130は、ユーザの状況を取得する。具体的には、状況取得部130は、ユーザの状況として、ユーザの周囲の環境や、ユーザ自身の状態を取得する。さらに、状況取得部130は、取得した情報を、後述する判定部140が判定に利用可能な形式に変換してもよい。
【0024】
ユーザの状況を取得する方法は任意である。状況取得部130は、例えば、端末200が備えるカメラ(図示せず)を介して、ユーザの周囲の環境やユーザ自身を撮像した画像をユーザの状況として取得してもよい。この場合、状況取得部130は、後述する判定部140が判定に用いる特徴量などを撮像した画像から抽出してもよい。なお、画像から特徴量を抽出する方法は広く知られているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0025】
他にも、状況取得部130は、例えば、端末200が備えるマイクロフォン(図示せず)を介して、ユーザの周囲の環境音やユーザの音声等を録音した音声情報をユーザの状況として取得してもよい。この場合、状況取得部130は、音声情報からテキスト化した文字情報や単語などを抽出してもよい。なお、音声情報から文字情報や単語を抽出する方法も広く知られているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0026】
さらに、状況取得部130は、収集部120と同様、ユーザの状況を取得可能なアプリケーションと連携して、ユーザの状況を取得してもよい。
【0027】
図3は、取得されたユーザの状況の例を示す説明図である。
図3に示す例では、ユーザの状況として、計測ID=0001で特定される音声データが取得されたことを示す。
【0028】
判定部140は、収集された行動情報および取得された状況からユーザの意思を判定する。ユーザの意思を判定する方法は任意である。判定部140は、例えば、ベイズ統計に基づいたベイジアン学習により、ユーザの意思を判定してもよい。
【0029】
また、判定部140は、例えば、ユーザの行動情報および状況に対してユーザの意思を対応付けた判定規則を用いて、収集された行動情報および取得された状況から、ユーザの意思を判定してもよい。他にも、判定部140は、過去に収集された行動情報および状況と、その際のユーザの意思とを対応付けた学習データを用いて、教師あり機械学習により学習された確率モデルや予測モデルをユーザの意思の判定に用いてもよい。
【0030】
また、ユーザの行動情報として端末操作情報が収集されている場合、判定部140は、行動情報および状況、並びに、端末操作情報から、ユーザの意思を判定してもよい。
【0031】
出力部150は、判定されたユーザの意思を出力する。
【0032】
収集部120と、状況取得部130と、判定部140と、出力部150とは、プログラム(意思判定プログラム)に従って動作するコンピュータのプロセッサ(例えば、CPU、GPU)によって実現される。
【0033】
例えば、プログラムは、意思判定装置100の記憶部110に記憶され、プロセッサは、そのプログラムを読み込み、プログラムに従って、収集部120と、状況取得部130と、判定部140と、出力部150として動作してもよい。また、意思判定装置100の機能がSaaS(Software as a Service )形式で提供されてもよい。
【0034】
また、収集部120と、状況取得部130と、判定部140と、出力部150とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用又は専用の回路(circuitry )、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。
【0035】
また、意思判定装置100の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0036】
次に、本実施形態の意思判定装置の動作を説明する。
図4は、本実施形態の意思判定装置100の動作例を示すフローチャートである。収集部120は、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、端末200を使用するユーザの発信情報またはユーザの行動予定情報を、ユーザの行動情報として収集する(ステップS11)。また、状況取得部130は、ユーザの状況を取得する(ステップS12)。なお、ステップS11とステップS12の処理は、同じタイミングであってもよく、ステップS12の処理がステップS11の処理の前であってもよい。そして、判定部140は、行動情報および状況からユーザの意思を判定する(ステップS13)。
【0037】
以上のように、本実施形態では、収集部120が、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、端末200を使用するユーザの発信情報またはユーザの行動予定情報を、ユーザの行動情報として収集し、状況取得部130が、ユーザの状況を取得する。そして、判定部140が、行動情報および状況からユーザの意思を判定する。よって、端末を使用するユーザの意思を判定できる。
【0038】
実施形態2.
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。第一の実施形態では、意思判定装置が、ユーザが使用する端末に組み込まれている態様を例示した。第二の実施形態では、意思判定装置と端末とが、それぞれ異なる装置で実現される態様を説明する。
【0039】
図5は、本発明の意思判定システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。本実施形態の意思判定システム101は、端末210と、意思判定装置300とを備えている。端末210と、意思判定装置300とは、通信可能に接続される。
【0040】
端末210は、記憶部110と、収集部120と、状況取得部130と、送受信部340と、出力部150を含む。記憶部110、収集部120、状況取得部130、および、出力部150の内容は、第一の実施形態の意思判定装置100が備える構成と同様である。
【0041】
送受信部340は、収集された行動情報および取得された状況を、意思判定装置300に送信し、意思判定装置300から判定結果を受信する。なお、ユーザの行動情報として端末操作情報が収集されている場合、送受信部340は、端末操作情報を合わせて意思判定装置300に送信してもよい。
【0042】
意思判定装置300は、入力部310と、判定部320と、出力部330とを含む。
【0043】
入力部310は、端末210から、収集されたユーザの行動情報および取得された状況の入力を受け付ける。
【0044】
判定部320は、入力された行動情報および状況からユーザの意思を判定する。なお、ユーザの意思を判定する方法は、第一の実施形態の判定部140が行う方法と同様である。
【0045】
出力部330は、判定結果を出力する。出力部330は、判定結果を端末210に送信してもよく、他の表示装置(図示せず)に判定結果を表示してもよい。
【0046】
入力部310と、判定部320と、出力部330とは、プログラム(意思判定プログラム)に従って動作するコンピュータのプロセッサ(例えば、CPU、GPU)によって実現される。
【0047】
次に、本実施形態の意思判定装置の動作を説明する。
図6は、本実施形態の意思判定システムの動作例を示すフローチャートである。収集部120が行動情報を収集する処理、および、状況取得部130がユーザの状況を取得する処理は、
図4に例示するステップS11およびステップS12の処理と同様である。
【0048】
送受信部340は、収集された行動情報および取得された状況を、意思判定装置300に送信する(ステップS21)。意思判定装置300の判定部320は、端末210から受信した行動情報および状況からユーザの意思を判定する(ステップS22)。
【0049】
以上のように、本実施形態では、送受信部340が、行動情報および状況を意思判定装置300に送信し、判定部320が、端末210から受信した行動情報および状況からユーザの意思を判定する。よって、第一の実施形態と同様に、端末を使用するユーザの意思を判定できる。
【0050】
次に、本発明の意思判定システムの具体例を説明する。
図7は、意思判定システムの具体例を示す説明図である。本実施形態の意思判定システム102は、判定部1と、アプリケーション2と、アプリケーション提供部3と、端末4と、収集DB5と、計測部6と、通信部7と、解析部8と、解析結果DB9と、判定データストア10とを備えている。また、
図7で示す一方向性の矢印は、情報の流れの方向を端的に示したものであり、双方向性を排除するものではない。
【0051】
アプリケーション2は、サービス提供機能21および端末情報収集機能22を有する。 サービス提供機能21は、アプリケーションを介してユーザが利用するサービスを提供する。
【0052】
端末情報収集機能22は、サービス提供機能21が提供する機能とは異なる機能を有する。具体的には、端末情報収集機能22は、SNSを利用するアプリケーションや、カレンダー機能を持つアプリケーションなどと連携し、端末内の情報を収集して収集DB5へ収集結果を登録する。端末情報収集機能22は、上記実施形態における収集部120が有する機能である。
【0053】
アプリケーション提供部3は、アプリケーション2を端末4へダウンロードさせる装置である。アプリケーション提供部3は、例えば、Webサーバなどにより実現される。なお、アプリケーション2は、端末4にプリインストールされていてもよい。
【0054】
端末4は、スマートフォン端末やタブレット端末などにより実現される装置である。端末4は、ユーザである顧客が所有する装置であってもよく、店舗等が所有して来店時に顧客に貸し出される装置であってもよい。この端末4に、アプリケーション2がダウンロードされ、インストールされることになる。
【0055】
収集DB5は、端末情報収集機能22によって収集された、
図2に例示するような情報を保管するデータベースである。収集DB5は、例えば、上記実施形態における意思判定装置100の記憶部110に記憶される。
【0056】
計測部6は、カメラやマイクロフォンなどの計測器により実現され、ユーザである顧客の状況をリアルタイムで計測する。
【0057】
通信部7は、計測部6によって計測された情報を解析部8へ送信する。
【0058】
解析部8は、通信部7から送信された情報を解析し、顧客意思を判定するために必要な情報へ加工する。解析部8は、上記実施形態における意思判定装置100の状況取得部130に対応する。
【0059】
解析結果DB9は、解析部8によって解析された、
図3に例示するような情報を保管するデータベースである。解析結果DB9は、例えば、上記実施形態における意思判定装置100の記憶部110に記憶される。
【0060】
判定データストア10は、判定に必要な教師データから学習したデータや、新たに学習したデータを格納するデータストアである。
【0061】
判定部1は、収集DB5および解析結果DB9から必要な情報を取得し、ユーザである顧客の意思を判定する。具体的には、判定部1は、取得した情報を判定データストア10の情報と照合することで顧客の意思を判定する。判定部1は、上記実施形態における判定部140に対応する。
【0062】
次に、
図7に例示する意思判定システムを用いた処理を説明する。
図8は、
図7に例示する意思判定システムを用いた具体的処理の例を示すフローチャートである。
図8に例示する処理では、飲食店において、ユーザである顧客の退店意思を判定する場合を想定する。
【0063】
例えば、
図7に例示するアプリケーション2は、飲食店の注文アプリケーションなどである。そのため、サービス提供機能21は、注文アプリケーションにおける注文機能に対応する。
【0064】
アプリケーション2は、端末情報収集機能22により、端末4の操作履歴を収集する(ステップS101)。また、アプリケーション2は、端末情報収集機能22により、SNSアプリケーションや、カレンダーアプリケーションなど、端末4内の他のアプリケーションと連携し、情報を収集する(ステップS102)。収集する情報は、例えば、SNSでのやり取りや投稿、カレンダーに記載された今後の予定などである。アプリケーション2は、収集した情報を収集DB5へ送信する(ステップS107)。
【0065】
また、計測部6は、顧客の状態(リアルタイム情報)を計測する(ステップS103)。本実施例では、計測部6は、例えば、顧客の音声情報をマイクロフォンによって計測する。計測部6は、通信部7を介して計測結果を解析部8へ送信する(ステップS104)。
【0066】
解析部8は、ステップS104で送信された情報を解析し、判定に必要な要素を抽出する(ステップS105)。本実施例では、解析部8は、例えば、音声情報から単語を抽出する。解析部8は、解析により抽出された情報を、解析結果DB9へ送信する(ステップS106)。
【0067】
判定部1は、収集DB5及び解析結果DB9に格納された情報から、該当する情報を参照する(ステップS108)。そして、判定部1は、参照した情報と判定データストア10に記憶された教師データを照合し、顧客が退店しようとしている意思を判定する(ステップS109)。
【0068】
例えば、SNSに退店意思を示すコメントが投稿された場合、判定部1は、このコメントを発信情報として、ユーザの退店意思を判定してもよい。また、カレンダーに所定期間内の別スケジュールが登録されている場合、判定部1は、このスケジュールを行動予定情報として、ユーザの退店意思を判定してもよい。
【0069】
以上に示すように、顧客の端末4及び計測部6から得た情報を基に、顧客の意思を判定できる。
【0070】
例えば、顧客自身の意思表示に頼らずに顧客意思を判定するには、顧客の状態を何らかの計測器によって計測し、その結果を基に判定する場合が多い。しかし、計測結果のみを基に正確な顧客意思を判定することは困難であり、より正確な判定のためには、計測器による計測以外の情報収集手段を追加することが好ましい。
【0071】
これに関し、上記具体例では、操作履歴の他、SNSやカレンダーなど、端末内の他のアプリケーション情報を収集する機能を持つアプリケーション2が、顧客の端末4から意思判定に有用な情報を抽出する。また、リアルタイムで発せられる情報を収集する計測部6により情報収集が行われる。判定部1は、これらの情報を組み合わせ、解析することで現在の顧客意思を判定する。よって、計測器のみによる顧客意思の判定よりも精度の向上が期待できる。
【0072】
次に、本発明の概要を説明する。
図9は、本発明による意思判定装置の概要を示すブロック図である。本発明による意思判定装置80は、端末(例えば、端末200)を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置(例えば、意思判定装置100)であって、ユーザの行動情報を扱うアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの発信情報またはそのユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集する収集手段81(例えば、収集部120)と、ユーザの状況を取得する状況取得手段82(例えば、状況取得部130)と、行動情報および状況からユーザの意思を判定する判定手段83(例えば、判定部140)とを備えている。
【0073】
そのような構成により、端末を使用するユーザの意思を判定できる。
【0074】
また、収集手段81は、ユーザが端末を操作した内容を示す情報である端末操作情報を、ユーザの行動情報として収集し、判定手段83は、行動情報および状況、並びに、端末操作情報から、ユーザの意思を判定してもよい。
【0075】
また、収集手段81は、ユーザが情報発信に用いるアプリケーション(例えば、SNSを利用するアプリケーションと連携して、端末を使用するユーザの発信情報を、そのユーザの行動情報として収集してもよい。
【0076】
他にも、収集手段81は、ユーザの予定管理に用いられるアプリケーション(例えば、カレンダーアプリケーション)と連携して、端末を使用するユーザの行動予定情報を、そのユーザの行動情報として収集してもよい。
【0077】
また、意思判定装置80は、飲食店において、ユーザである顧客の退店意思を判定する装置であってもよい。そして、収集手段81は、ソーシャルネットワークサービスを利用するアプリケーション、または、カレンダーアプリケーションと連携して、ユーザの発信情報または行動予定情報を収集し、判定手段83は、収集された発信情報または行動予定情報からユーザの退店意思を判定してもよい。
【0078】
図10は、本発明による意思判定システムの概要を示すブロック図である。本発明による意思判定システム90(例えば、意思判定システム101)は、ユーザが使用する端末91(例えば、端末200)と、端末91を使用するユーザの意思を判定する意思判定装置93とを備えている。
【0079】
端末91は、
図9に例示する収集手段81および状況取得手段82、並びに、収集された行動情報および取得された状況を、意思判定装置93に送信する送信手段92(例えば、送受信部340)を含む。そして、意思判定装置93は、端末91から受信した行動情報および状況からユーザの意思を判定する判定手段94(例えば、判定部320)を含む。
【0080】
そのような構成によっても、端末を使用するユーザの意思を判定できる。
【符号の説明】
【0081】
1 判定部
2 アプリケーション
3 アプリケーション提供部
4 端末
5 収集DB
6 計測部
7 通信部
8 解析部
9 解析結果DB
10 判定データストア
100,300 意思判定装置
101,102 意思判定システム
110 記憶部
120 収集部
130 状況取得部
140 判定部
150 出力部
210 端末
310 入力部
320 判定部
330 出力部
340 送受信部