(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155288
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】振り分け距離計及び距離計測方法
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20241024BHJP
B66B 31/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G01B21/00 A
B66B31/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069898
(22)【出願日】2023-04-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】波田野 利昭
【テーマコード(参考)】
2F069
3F321
【Fターム(参考)】
2F069AA01
2F069DD15
2F069DD19
2F069GG01
2F069GG07
2F069GG09
2F069GG64
2F069JJ04
2F069MM04
3F321AA01
3F321HA10
(57)【要約】
【課題】基準芯から計測対象面までの距離を容易かつ効率的に計測できる振り分け距離計及び距離計測方法を提供する。
【解決手段】振り分け距離計100は、センサユニット105を有する計測ユニット101と、支持ユニット102と、を備えている。計測ユニット101は、基準芯センサ103と、距離センサ104a、104bと、制御部107と、を備えている。基準芯センサ103は、基準芯13とセンサユニット105との中心位置との間隔の長さである乖離距離を計測する。距離センサ104a、104bは、計測対象物4の計測対象面17a、17bまでの距離を計測する。制御部107は、乖離距離及び距離センサ104a、104bが計測した距離に基づいて、基準芯13から計測対象面17a、17bまでの距離を演算する。基準芯センサ103と、センサユニット105の中心位置は、上下方向に沿って直線上に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準芯から計測対象物の計測対象面までの距離を計測する振り分け距離計において、
センサユニットを有する計測ユニットと、
前記計測ユニットを計測対象物の長手方向に沿って移動可能に支持する支持ユニットと、を備え、
前記計測ユニットは、
前記計測対象物に設けた前記基準芯を検出し、前記基準芯と前記センサユニットとの中心位置との間隔の長さである乖離距離を計測する基準芯センサと、
前記センサユニットに設けられ、前記計測対象物の計測対象面までの距離を計測する距離センサと、
前記基準芯センサが計測した乖離距離及び前記距離センサが計測した距離に基づいて、前記基準芯から前記計測対象面までの距離を演算する制御部と、を備え、
前記基準芯センサと、前記センサユニットの中心位置は、上下方向に沿って直線上に配置される
振り分け距離計。
【請求項2】
前記計測ユニットは、
前記支持ユニットに固定され、前記センサユニットを上下方向に移動可能に支持する支持機構をさらに備えている
請求項1に記載の振り分け距離計。
【請求項3】
前記基準芯は、前記計測対象物の長手方向と直交し、かつ前記上下方向とも直交する幅方向の中心を通り、前記計測対象物の長手方向に沿って配置される
請求項1に記載の振り分け距離計。
【請求項4】
前記距離センサは、
前記センサユニットから前記計測対象物の幅方向の一側に配置された計測対象面までの距離を計測する第1距離センサと、
前記センサユニットから前記計測対象物の幅方向の他側に配置された計測対象面までの距離を計測する第2距離センサと、を有する
請求項3に記載の振り分け距離計。
【請求項5】
前記第1距離センサと前記第2距離センサは、前記センサユニットの中心位置からの距離が等しい位置に配置される
請求項4に記載の振り分け距離計。
【請求項6】
前記支持ユニットは、
前記計測ユニットを支持する横梁と、
前記横梁を支持する支持柱と、
前記支持柱と前記計測対象物の間に配置され、前記計測対象物に接触する複数のガイドローラと、を有する
請求項1に記載の振り分け距離計。
【請求項7】
前記ガイドローラは、少なくとも3つ以上設けられる
請求項6に記載の振り分け距離計。
【請求項8】
前記支持ユニットは、前記ガイドローラにおける前記計測対象物への突出量を調整する接触圧調整部を有する
請求項6に記載の振り分け距離計。
【請求項9】
前記計測ユニットは、
前記基準芯センサ及び前記距離センサが計測した情報を表示可能な表示部を有する
請求項1に記載の振り分け距離計。
【請求項10】
基準芯から計測対象物の計測対象面までの距離を計測する距離計測方法において、
前記計測対象物を設置する工程と、
前記計測対象物に前記基準芯を設置する工程と、
前記計測対象物に振り分け距離計を配置する工程と、
前記振り分け距離計に設けた基準芯センサにより、前記基準芯と前記振り分け距離計との中心位置との間隔の長さである乖離距離を計測する工程と、
前記振り分け距離計に設けた距離センサにより、前記計測対象物の計測対象面までの距離を計測する工程と、
前記基準芯センサが計測した乖離距離及び前記距離センサが計測した距離に基づいて、前記基準芯から前記計測対象面までの距離を演算する工程と、
を含む距離計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振り分け距離計及び距離計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両や乗客コンベア等の組立作業では、部品の取付け時に基準芯(中心線等)から部品までの距離を測定して、位置決め、固定する作業がある。特に、乗客コンベアの製造時には、上部、中間部、下部のフレームをそれぞれ製作した後、それらのフレームを連結させ、1本のフレームとする。続いて踏段を含むフレーム内の部品を全て取り付け、循環移動する踏段とその他の内蔵する部品との干渉確認を行い、工場から出荷する前に再度分解している。
【0003】
また、乗客コンベアの安全性と快適な乗り心地(運転時の騒音を最小限に止め、振動が少ない)を実現するためには、乗客コンベアの高い組立精度が要求されている。高い組立精度を実現するために、基準芯から計測対象面までの距離を精度よく計測することが求められている。基準芯から計測対象面までの距離を計測する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているような技術が開示されている。
【0004】
ここで、
図14及び
図15を参照して従来の乗客コンベアの距離計測方法について説明する。
図14は、従来の距離計測作業を示す図であり、
図15は、
図14のA-A線断面図である。
図14に示すように、事前に組み上げたフレーム4は、作業床10に設けられた組立台車11を介して平置きされる。フレーム4の長手方向の一端部(上部)と、他端部(下部)には、基準芯柱12、12が取り付けられる。2つの基準芯柱12、12は、フレーム4の幅方向であるX軸方向の中央部に設置される。そして、基準芯柱12、12の上端部には、基準芯13が張り渡される。この基準芯13がフレーム4の幅方向の基準となる。
【0005】
また、
図14及び
図15に示すように、基準芯13には、鉛直方向にそって垂れ下がる下げ振り14が吊り下げられる。また、
図15に示すように、作業者15は、下げ振り14を基準として、定規やコンベックス等の計測器16を用いて、基準芯13からフレーム4内の計測対象面17までの距離を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、作業者がコンベックス等の計測器を使用して、基準芯から計測対象面までの距離を測定する必要があるため、作業者によって測定値のばらつきが発生するおそれがあった。
【0008】
さらに、計測箇所は、フレームの長手方向に沿って複数あるため、計測箇所が変わるたびに、下げ振りを移動させる必要があり、計測作業に時間を要していた。さらに、下げ振りは、僅かな風や振動で揺れやすい不安定な計測基準であるため、下げ振りを移動させた後に、下げ振りの揺れが収まるまで待つ必要があり、作業効率が悪化していた。
【0009】
本目的は、上記の問題点を考慮し、基準芯から計測対象面までの距離を容易かつ安定して精度良く効率的に計測できる振り分け距離計及び距離計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決し、目的を達成するため、振り分け距離計は、基準芯から計測対象物の計測対象面までの距離を計測する振り分け距離計である。振り分け距離計は、センサユニットを有する計測ユニットと、計測ユニットを計測対象物の長手方向に沿って移動可能に支持する支持ユニットと、を備えている。計測ユニットは、基準芯センサと、距離センサと、制御部と、を備えている。基準芯センサは、計測対象物に設けた基準芯を検出し、基準芯とセンサユニットとの中心位置との間隔の長さである乖離距離を計測する。距離センサは、センサユニットに設けられ、計測対象物の計測対象面までの距離を計測する。制御部は、基準芯センサが計測した乖離距離及び距離センサが計測した距離に基づいて、基準芯から計測対象面までの距離を演算する。そして、基準芯センサと、センサユニットの中心位置は、上下方向に沿って直線上に配置される。
【0011】
また、距離計測方法は、上述した振り分け距離計が用いられ、基準芯から計測対象物の計測対象面までの距離を計測する。そして、以下(1)から(6)に示す工程を含む。
(1)計測対象物を設置する工程。
(2)計測対象物に基準芯を設置する工程。
(3)計測対象物に振り分け距離計を配置する工程。
(4)振り分け距離計に設けた基準芯センサにより、基準芯と振り分け距離計との中心位置との間隔の長さである乖離距離を計測する工程。
(5)振り分け距離計に設けた距離センサにより、計測対象物の計測対象面までの距離を計測する工程。
(6)基準芯センサが計測した乖離距離及び距離センサが計測した距離に基づいて、基準芯から計測対象面までの距離を演算する工程。
【発明の効果】
【0012】
上記構成の振り分け距離計及び距離計測方法によれば、基準芯から計測対象面までの距離を容易かつ安定して精度良く効率的に計測できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を用いて組み立てられる計測対象物として乗客コンベアを示す概略構成図である。
【
図2】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を示す正面図である。
【
図3】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を上方から見た平面図である。
【
図4】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を計測対象物に設置した状態を示す側面図である。
【
図5】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を示す側面図である。
【
図6】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計のセンサユニットを上方に移動させた状態を示す正面図である。
【
図7】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計のシステム構成図である。
【
図8】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を用いた計測結果の報告画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9A及び
図9Bは第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を用いた計測結果の報告画面の一部を拡大して示す図である。
【
図10】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計における距離の算出方法を示す説明図である。
【
図11】第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計を用いた振り分け距離の計測方法を示すフローチャートである。
【
図12】第2の実施の形態例にかかる振り分け距離計を上方から見た平面図である。
【
図13】第3の実施の形態例にかかる振り分け距離計を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、振り分け距離計及び距離計測方法の実施の形態例について、
図1~
図13を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0015】
1.第1の実施の形態例
1-1.乗客コンベアの構成例
まず、第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる振り分け距離計を用いて基準芯からの距離を測定する装置の一例として乗客コンベアの構成について
図1を参照して説明する。
図1は、乗客コンベアを示す概略構成図である。
【0016】
図1に示す乗客コンベア1は、建築構造物の下階床8と上階床9に設置される傾斜型の乗客コンベア、いわゆるエスカレーターである。
図1に示すように、乗客コンベア1は、建築構造物に設置されたフレーム4と、下部乗降床2と、上部乗降床3と、複数の踏段5と、欄干6と、を備えている。下部乗降床2は、下階床8に設置され、上部乗降床3は、上階床9に設置さている。
【0017】
フレーム4は、上階床9と下階床8にまたがって設置されている。そして、フレーム4は、上下方向の上部が開口したトラス構造により構成されている。フレーム4には、不図示のガイドレールが設けられている。そして、無端状に連結された複数の踏段5は、フレーム4に設けたガイドレールに移動可能に支持されている。そして、複数の踏段5は、フレーム4の長手方向に沿って循環移動する。
【0018】
複数の踏段5の幅方向の両端部には、欄干6が設置されている。欄干6の周縁部には、ハンドレール7が設けられている。そして、ハンドレール7は、複数の踏段5の循環移動の動作に同期して、循環移動する。
【0019】
1-2.振り分け距離計の構成例
次に、上述した乗客コンベア1のフレーム4における基準芯13からの距離を計測する際に用いられる本例の振り分け距離計100の構成例について
図2から
図6を参照して説明する。
図2は、本例の振り分け距離計を示す正面図、
図3は、本例の振り分け距離計を上方から見た平面図である。
図4は、本例の振り分け距離計を計測対象物に設置した状態を示す側面図、
図5は、振り分け距離計を示す側面図である。
【0020】
図2に示す振り分け距離計100は、計測対象物の一例を示す乗客コンベアのフレーム4における基準芯13から計測対象面17a、17bまでの距離を測定する際に用いられる。
【0021】
ここで、鉛直方向をZ軸方向として、鉛直方向と直交するフレーム4の幅方向をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向と直交する方向であるフレーム4の長手方向をY軸方向とする。さらに、X軸、Y軸、Z軸周りの回転をそれぞれPitch、Roll、Yawとする。なお、
図2に示すように、フレーム4は、鉛直方向を示すZ軸方向が開口した、U字状に形成されている。また、フレーム4は、その長手方向がY軸方向に延在している。
【0022】
また、作業時には、フレーム4は、作業床10に設けられた組立台車11を介して平置きされる。組立台車11は、作業床10に設けられた台車ガイドレール19に沿って移動可能に設置される。また、
図4に示すように、フレーム4の長手方向の一端部(上部)と、他端部(下部)には、基準芯柱12が取り付けられる。基準芯柱12は、フレーム4の幅方向であるX軸方向の中央部に設置される。そして、基準芯柱12の上端部には、基準芯13が張り渡される。そのため、基準芯13は、フレーム4の幅方向(X軸方向)の中心を通り、フレーム4の長手方向(Y軸方向)に沿って配置される。
【0023】
振り分け距離計100は、フレーム4のX軸方向の両側に配置されて、フレーム4のZ軸方向の上方に位置している。そして、作業者は、フレーム4内に入り、フレーム4の長手方向であるY軸方向にそって振り分け距離計100を移動させながら基準芯13から計測対象面17a、17bまでの距離を測定する。
【0024】
図2に示すように、振り分け距離計100は、計測ユニット101と、計測ユニット101をY軸方向に沿って移動可能に支持する支持ユニット102と、を備えている。
【0025】
1-3.支持ユニットの構成
次に、支持ユニット102の構成について説明する。
支持ユニット102は、2つの支持柱109と、横梁116と、複数のガイドローラ110と、移動部111とを有している。2つの支持柱109は、フレーム4の幅方向であるX軸方向の外側に配置される。そして、支持柱109は、Z軸方向に沿って立設している。支持柱109のZ軸方向の下端部には、移動部111が設けられている。
【0026】
移動部111としては、例えば、作業床10上に設けられたレールを移動するスライダや、キャスタ等が適用される。そのため、支持柱109は、移動部111によりY軸方向に沿って移動可能に支持される。なお、移動部111をレールに沿って摺動するスライダとして構成する場合、レールは、フレーム4を支持する組立台車11が摺動する台車ガイドレール19と平行に配置されており、Y軸方向に沿って延在している。
【0027】
支持柱109のZ軸方向の上端部には、横梁116が取り付けられている。横梁116は、X軸方向に沿って延在し、フレーム4のZ軸方向の上方において、フレーム4のX軸方向にわたって配置される。そして、横梁116は、2つの支持柱109の上端部に配置される。すなわち、
図2に示すように、支持ユニット102は、フレーム4を跨ぐ門型の構造に構成されている。
【0028】
また、支持柱109には、上部支持部109aと、下部支持部109bとを有している。上部支持部109aは、支持柱109のZ軸方向の上端部に設置され、下部支持部109bは、支持柱109のZ軸方向の下端部に設置される。そして、上部支持部109a及び下部支持部109bは、それぞれ支持柱109からフレーム4に向けて突出している。すなわち、上部支持部109aと下部支持部109bは、支持柱109とフレーム4との間に配置される。
【0029】
上部支持部109a及び下部支持部109bには、2組のガイドローラ110が回転可能に配置されている。そのため、本例の支持ユニット102は、X軸方向の両端部にそれぞれ2組のガイドローラ110が設けられ、全体で4つのガイドローラ110を有している。ガイドローラ110は、円柱状に形成されている。ガイドローラ110は、その軸方向がZ軸方向と平行に配置される。そして、ガイドローラ110は、上部支持部109aと下部支持部109bの間において回転可能に配置される。また、2組のガイドローラ110は、Y軸方向に間隔を空けて配置される。
【0030】
支持ユニット102をフレーム4に設置した際、複数のガイドローラ110は、フレーム4におけるX軸方向の外側の面に接触する。そのため、フレーム4は、支持ユニット102における複数のガイドローラ110によって挟み込まれる。これにより、ガイドローラ110が常にフレーム4に接触することで、支持ユニット102をスムーズに移動させることができる。さらに、フレーム4の幅方向に対して、支持ユニット102の横梁116が延在する方向を平行に配置することができる。その結果、振り分け距離計100におけるフレーム4に対する幅方向(X軸方向)のズレや、Yaw軸方向のねじれを抑制することができる。
【0031】
また、支持ユニット102における横梁116の幅方向の中間部には、計測ユニット101が設置されている。
【0032】
1-4.計測ユニットの構成
次に、計測ユニット101の構成について説明する。
【0033】
図2から
図5に示すように、計測ユニット101は、基準芯センサ103と、センサユニット105と、リニアガイド部106と、を備えている。また、計測ユニット101は、各センサの信号処理や演算等を実行する制御部107と、各センサ及び制御部107等に電力を供給する電源108と、計測結果や現在の状態を表示させる表示部113とを備えている。
【0034】
支持機構を示すリニアガイド部106は、横梁116の幅方向(X軸方向)の中間部に設置されている。そして、リニアガイド部106は、Z軸方向と平行に配置される。また、リニアガイド部106は、横梁116からZ軸方向の下方に向けて延在している。このリニアガイド部106には、センサユニット105がZ軸方向に移動可能に支持されている。また、リニアガイド部106には、表示部113が設置される。
【0035】
なお、支持機構としては、リニアガイド部106に限定されるものではない。支持機構としては、センサユニット105をZ軸方向に真っ直ぐ移動できる構成であればよく、例えば、複数のパイプを連結し、複数のパイプのうちZ軸方向の最下端部に配置されたパイプにセンサユニット105を取り付ける構成でもよい。
【0036】
横梁116における幅方向の中間部には、基準芯センサ103が設置されている。また、基準芯センサ103は、横梁116の上面部に配置されている。基準芯センサ103は、リニアガイド部106が延在する方向であるZ軸方向の直線上に配置される。すなわち、基準芯センサ103及びリニアガイド部106、センサユニット105は、Z軸方向に沿って直線上に配置される。また、基準芯センサ103は、振り分け距離計100及びセンサユニット105における幅方向(X軸方向)の中心位置に配置される。
【0037】
基準芯センサ103は、例えば、発光部と、受光部を有する透過型レーザセンサが適用される。そして、基準芯センサ103の検出領域112内に基準芯13が入っていれば、基準芯センサ103は、基準芯13のエッジの位置を計測する。基準芯センサ103の計測結果は、表示部113に表示される。また、基準芯センサ103は、検出領域112の計測中心線(装置中心線)から基準芯13が外れた乖離距離X
c(
図10参照)を計測して、制御部107に出力する。
【0038】
次に、センサユニット105について説明する。
センサユニット105は、リニアガイド部106にZ軸方向に沿って移動可能に支持さている。また、センサユニット105には、第1距離センサ104aと、第2距離センサ104bと、保持部131とを有している。
【0039】
図6は、センサユニット105を上方に移動させた状態を示す正面図である。
保持部131は、例えば、ネジやフック等により構成されている。そして、
図6に示すように、保持部131は、センサユニット105をリニアガイド部106に沿って移動させた後、センサユニット105を任意の高さで保持する。これにより、後述する第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bを用いて距離を計測する際に、センサユニット105の位置がずれることを防止することができる。
【0040】
第1距離センサ104aは、センサユニット105の幅方向(X軸方向)の一端部に配置され、第2距離センサ104bは、センサユニット105の幅方向(X軸方向)の他端部に配置されている。そして、第1距離センサ104aと第2距離センサ104bは、センサユニット105の中心位置からの距離がそれぞれ等しい位置に配置されている。
【0041】
第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bとしては、例えば、可視光型のレーザ距離センサや、超音波センサ等の非接触式の距離センサが適用される。なお、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bは、非接触式の距離センサに限定されるものではなく、リニアエンコーダ等の接触式の距離センサを適用してもよい。第1距離センサ104aは、X軸方向の一側に向けて距離検出レーザ115を照射し、第2距離センサ104bは、X軸方向の他側に向けて距離検出レーザ115を照射する。そして、第1距離センサ104aは、フレーム4におけるX軸方向の一側の計測対象面17aまでの距離X
L(
図10参照)を検出し、第2距離センサ104bは、フレーム4におけるX軸方向の他側の計測対象面17bまでの距離X
R(
図10参照)を検出する。
【0042】
なお、本例の振り分け距離計100では、センサユニット105に2つの距離センサ104a、104bを設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、センサユニット105に設ける距離センサの数は、1つでもよい。また、距離センサとして、少なくとも水平方向に180°の検出範囲を有する距離センサを用いてもよい。
【0043】
1-5.振り分け距離計のシステム構成
次に、
図7を参照して振り分け距離計100のシステム構成について説明する。
図7は、本例の振り分け距離計100のシステム構成図である。
【0044】
図7に示すように、振り分け距離計100は、制御部107、基準芯センサ103と、第1距離センサ104aと、第2距離センサ104bと、電源108と、表示部113と、通信部117とを有している。制御部107は、信号処理や演算を行う。この制御部107には、駆動用の電源108や表示部113、通信部117が接続されている。また、制御部107には、基準芯センサ103や、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bからの検出結果が入力される。
【0045】
制御部107は、例えば、バスにそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)RAM(Random Access Memory)、不揮発性ストレージを備える。
【0046】
CPUは、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROMから読み出してRAMに展開して実行する。なお、制御処理部は、CPUの代わりに、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を備えてもよい。RAMには、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
【0047】
不揮発性ストレージとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。この不揮発性ストレージには、OS(Operating System)、各種のパラメータの他に、制御処理部を機能させるためのプログラム等が記録される。なお、プログラムは、ROMに格納されてもよい。
【0048】
プログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。つまり、ROM又は不揮発性ストレージは、コンピュータによって実行されるプログラムを格納した、コンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
【0049】
制御部107は、基準芯センサ103や、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bが取得した検出結果を集約し、演算処理を行う。そして、制御部107は、演算処理を行った情報を表示部113や通信部117に出力する。表示部113には、制御部107で演算処理された計測結果が表示される。
【0050】
通信部117は、例えば、Wi-FiやBluetoothによる通信機能である。通信部117は、外部装置130と無線または有線により接続されている。そして、通信部117は、外部装置130と情報を送受信可能に接続される。外部装置130としては、例えば、ノートPCやスマートフォン等の携帯端末118や、ルーター・モデム119を介して接続されるクラウドサーバ120等が適用される。通信部117から送られた情報は、外部装置130によって記録される他、そのデータを用いて後述する検査報告書を自動的、または半自動的に作成する。
【0051】
外部装置130として携帯端末118を用いる場合、振り分け距離のデータを受信することにより、検査作業の進捗を表示して、遠隔監視が行えるだけでなく、データ管理も行うことができる。また、通信部117を介して、携帯端末118へ、測定済みのデータを送信することで、作業者が測定結果を紙に手書きする手間を省くことができる。
【0052】
図8、
図9A及び
図9Bは、測定結果の報告画面の一例を示す図である。
図8に示すように、携帯端末118に設けた検査報告書作成アプリケーションによって、「作業名」、「日付」等の各種情報だけでなく、「計測結果」や「合否判定」等の情報を自動的に作成してもよい。「合否判定」は、例えば、測定結果が予め設定した閾値の範囲内であるか否かで合否判定を行ってもよい。
【0053】
さらに、
図8、
図9A及び
図9Bに示すように、携帯端末118の表示画面には、フレーム4の長手方向(Y軸方向)に対する計測箇所(1)、(2)・・・(10)や、計測箇所のA-A線断面図等を表示させてもよい。これにより、計測作業を行う作業者は、携帯端末118の表示画面を見ることで、容易にフレーム4の計測箇所を認識することができる。
【0054】
また、
図8、
図9A及び
図9Bに示すように、携帯端末118において、受信した振り分け距離のデータが所定枠に自動的に記入されるだけで、品質保証部等へ提出すべき検査報告書を瞬時に作成することができる。なお、上述した検査報告書は、説明の便宜上の表現であり、該当する電子データも含まれる。
【0055】
1-6.距離の算出方法
次に、
図10を参照して、振り分け距離計100における基準芯13から計測対象面17a、17bまでの距離の算出方法について説明する。
図10は、距離の算出方法を示す説明図である。なお、
図10では、支持ユニット102を省略して説明する。
【0056】
図10に示すように、基準芯13から計測対象面17a、17bまでの振り分け距離W
LとW
Rは、例えば、下記式(1)、(2)により算出される。距離W
Lは、基準芯13からX軸方向の一側の計測対象面17aまでの距離であり、距離W
Rは、基準芯13からX軸方向の他側の計測対象面17bまでの距離である。ここで、距離X
Bは、第1距離センサ104aと第2距離センサ104b間のX軸方向の距離であり、センサユニット105の幅方向(X軸方向)の長さに相当する。そして、距離X
Bは、既知のデータとして制御部107に格納されている。さらに、距離X
Lは、第1距離センサ104aが計測した距離であり、距離X
Rは、第2距離センサ104bが計測した距離である。そして、距離X
Cは、基準芯センサ103が計測した装置中心と基準芯13とのX軸方向の距離(間隔の長さ)を示す乖離距離である。
【0057】
式(1)
WL=XL+XB/2-XC
式(2)
WR=XR+XB/2+XC
【0058】
式(1)及び式(2)に示すように、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bが計測した実測距離XL、XRに対して、制御部107は、装置中心と基準芯13との間隔の長さである乖離距離XCで補正することで、振り分け距離WL、WRを正確に演算することができる。
【0059】
なお、本例では、第1距離センサ104aと第2距離センサ104bがセンサユニット105の中心位置からの距離がそれぞれ等しい位置に配置されている。そのため、装置(センサユニット105)の中心から第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bまでの距離は、式(1)、式(2)に示すように、XB/2となる。
【0060】
また、第1距離センサ104aと第2距離センサ104bにおけるセンサユニット105の中心位置からの距離が等しい例に限定されるものではなく、中心位置からの距離が異なる位置に第1距離センサ104aと第2距離センサ104bを配置してもよい。この場合、式(1)、式(2)に示すXB/2は、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bの測定面から中心位置までの距離に変更される。そのため、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bの測定面から中心位置までの距離を既知のデータとして制御部107に格納し、この既知のデータと、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bが計測した実測距離XL、XRと、基準芯センサ103が計測した乖離距離XCに基づいて、振り分け距離WL、WRを演算してもよい。
【0061】
1-7.振り分け距離の計測方法
次に、
図2から
図11を参照して、上述した構成を有する振り分け距離計100を用いて振り分け距離の計測方法について説明する。
図11は、振り分け距離の計測方法を示すフローチャートである。
【0062】
図11に示すように、作業者は、フレーム4を組立台車11に設置する(ステップS1)。次に、
図4に示すように、フレーム4の長手方向の両端部に基準芯柱12を設置し、幅方向と基準となる基準芯13を設置する(ステップS2)。
【0063】
次に、振り分け距離計100をフレーム4の長手方向の上部又は下部に配置する(ステップS3)。この際、振分け距離計100の支持ユニット102を一度、横梁116と、支持柱109に分解して導入することで、振り分け距離計100を設置する時に基準芯柱12との干渉を回避することができる。
【0064】
次に、支持ユニット102の幅方向(X軸方向)の両側に設けたガイドローラ110によってフレーム4を挟み込む(ステップS4)。上述したように、ガイドローラ110は、X軸方向の両側に、それぞれY軸方向に間隔を空けて2つ設けられている。これにより、複数のガイドローラ110をフレーム4のX軸方向の両端部に接触させることで、振り分け距離計100とフレーム4の平行出しを行うことができる。
【0065】
次に、基準芯センサ103からの検出結果に基づいて、基準芯13が基準芯センサ103の検出領域112にあるか確認する(ステップS5)。基準芯13が基準芯センサ103の検出領域112にあることを確認できたら、作業者は、振り分け距離計100を計測箇所(
図8及び
図9A参照)に移動させる(ステップS6)。ここで、フレーム4に接触するガイドローラ110は、回転可能に構成されているため、振り分け距離計100をスムーズに移動させることができる。
【0066】
次に、計測ユニット101のセンサユニット105をリニアガイド部106に沿ってZ軸方向(上下方向)に移動させる。そして、第1距離センサ104a及び第2距離センサ104bから照射された距離検出レーザ115が計測対象面17a、17bに照射されていることを確認する(ステップS7)。
【0067】
次に、制御部107は、基準芯センサ103が計測した乖離距離XCを取得する。さらに、制御部107は、第1距離センサ104aが計測した距離XLと、第2距離センサ104bが計測した距離XRを取得する(ステップS8)。そして、制御部107は、距離XL、XRを乖離距離XCで補正し、基準芯13から計測対象面17a、17bまでの振り分け距離WL、WRを算出(演算)する(ステップS9)。
【0068】
次に、制御部107は、算出した振り分け距離WL、WRを表示部113に出力し、計測結果を表示部113に表示させる(ステップS10)。さらに、制御部107は、算出した振り分け距離WL、WRを、通信部117を介して外部装置130に送信する(ステップS11)。そして、外部装置130の一例を示す携帯端末118は、データを受信し(ステップS12)、受信したデータを記録する(ステップS13)。
【0069】
次に、上述したステップS5からステップS13の工程を、計測箇所分繰り返し実施する(ステップS14)。これにより、本例の振り分け距離計100を用いたフレーム4に対する振り分け距離の計測作業が完了する。このように、本例の振り分け距離計100を用いた距離計測方法によれば、下げ振りを用いた計測作業が不要となる。その結果、基準芯13から計測対象面17a、17bまでの距離を容易かつ安定して精度良く効率的に計測することができる。
【0070】
2.第2の実施の形態例
次に、
図12を参照して第2の実施の形態例にかかる振り分け距離計について説明する。
図12は、第2の実施の形態例にかかる振り分け距離計を上方から見た平面図である。
【0071】
この第2の実施の形態例にかかる振り分け距離計100Aが第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と異なる点は、ガイドローラ110の数である。そのため、ここでは、第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0072】
図12に示すように、振り分け距離計100Aの支持ユニット102Aは、3つのガイドローラ110を有している。支持ユニット102Aの幅方向(X軸方向)の一端部には、1つのガイドローラ110が配置されており、支持ユニット102Aの幅方向(X軸方向)の他端部には、2つのガイドローラ110が配置されている。そして、他端部に配置された2つのガイドローラ110は、Y軸方向に間隔を空けて配置されている。
【0073】
ここで、上述した第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100では、左右に2つずつ、全体で4つのガイドローラ110を有している。そのため、全てのガイドローラ110におけるフレーム4への押し当てが適切でない場合や、フレーム4が曲がっている場合、4つのガイドローラ110のうちいずれかが接触しないことも考えられる。
【0074】
これに対して、第2の実施の形態例にかかる振り分け距離計100Aによれば、
図12に示すように、3つのガイドローラ110によってフレーム4を3点で支持している。これにより、3つのガイドローラ110を確実にフレーム4に接触させることができる。その結果、部品点数の削減を図ることができる。
【0075】
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と同様であるため、それらの説明は省略する。この第2の実施の形態例にかかる振り分け距離計100Aにおいても、上述した第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0076】
3.第3の実施の形態例
次に、
図13を参照して第3の実施の形態例にかかる振り分け距離計について説明する。
図13は、第3の実施の形態例にかかる振り分け距離計を上方から見た平面図である。
【0077】
この第3の実施の形態例にかかる振り分け距離計100Bが第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と異なる点は、ガイドローラ110の接触圧を調整する部材を設けた点である。そのため、ここでは、第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0078】
図13に示すように、振り分け距離計100Bの支持ユニット102Bは、2つの支持柱109と、横梁116と、複数のガイドローラ110と、移動部111と、接触圧調整部121とを有している。接触圧調整部121は、ガイドローラ110と支持柱109との間に配置されている。また、接触圧調整部121は、ガイドローラ110及び支持柱109のZ軸方向の上端部と下端部に配置されている。
【0079】
接触圧調整部121は、一端部が支持柱109に固定されており、反対側の他端部がガイドローラ110の回転軸に固定されている。そして、接触圧調整部121は、ガイドローラ110における支持柱109からの突出量を調整する。接触圧調整部121としては、例えば、ボルトジャッキのように、突出量を調整可能な機構を有している。この接触圧調整部121によってガイドローラ110の突出量を調整することで、ガイドローラ110がフレーム4を挟み込む力を調整することができる。さらに、ガイドローラ110を確実にフレーム4に接触させることができる。
【0080】
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と同様であるため、それらの説明は省略する。この第3の実施の形態例にかかる振り分け距離計100Bにおいても、上述した第1の実施の形態例にかかる振り分け距離計100と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0081】
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0082】
上述した実施の形態例では、振り分け距離計を用いて作業を行う計測対象物として、乗客コンベアのフレームを適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。計測対象物としては、電車の車両等、その長手方向がY軸方向に沿って延在するものであればその他各種の物が適用可能である。
【0083】
また、上述した実施の形態例では、支持ユニット102が作業床10上から立設する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、フレーム4のX軸方向の両端部で、かつZ軸方向の上端部に設けられた上限材に、支持ユニットを設置してもよい。そして、支持ユニットは、フレーム4の上限材に沿ってY軸方向に移動させる。このような構成の場合、複数のガイドローラで上限材をX軸方向で挟み込むことが好ましい。そして、支持ユニット102としては、上述した構成に限定されるものではなく、その他各種の構成の支持ユニットが適用できるものである。
【0084】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…乗客コンベア(計測対象物)、 4…フレーム(計測対象物)、 5…踏段、 6…欄干、 7…ハンドレール、 10…作業床、 11…組立台車、 12…基準芯柱、 13…基準芯、 15…作業者、 17、17a、17b…計測対象面、 100、100A、100B…振り分け距離計、 101…計測ユニット、 102、102A、102B…支持ユニット、 103…基準芯センサ、 104a、104b…距離センサ、 105…センサユニット、 106…リニアガイド部(直線支持機構)、 107…制御部、 108…電源、 109…支持柱、 109a…上部支持部、 109b…下部支持部、 110…ガイドローラ、 111…移動部、 112…検出領域、 113…表示部、 115…距離検出レーザ、 116…横梁、 117…通信部、 118…携帯端末、 119…ルーター・モデム、 120…クラウドサーバ、 121…接触圧調整部、 130…外部装置、 131…保持部