(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155303
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電子機器収納ケースとその使用方法
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20241024BHJP
H04B 1/08 20060101ALI20241024BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H05K5/02 E
H05K5/02 L
H04B1/08 A
H01Q1/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069922
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】592236371
【氏名又は名称】サン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180149
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 修
(74)【代理人】
【識別番号】100066821
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 建治
(72)【発明者】
【氏名】松原 寛至
(72)【発明者】
【氏名】工藤 太一
(72)【発明者】
【氏名】山崎 祐吾
(72)【発明者】
【氏名】浦部 祥行
【テーマコード(参考)】
4E360
5J047
【Fターム(参考)】
4E360AB64
4E360BA01
4E360BB22
4E360BD05
4E360EA05
4E360EA21
4E360EC04
4E360EC13
4E360ED02
4E360ED23
4E360ED28
4E360GA03
4E360GA04
4E360GA06
4E360GA07
4E360GA29
4E360GA53
4E360GB36
4E360GC03
5J047AA09
5J047AB03
5J047BG01
5J047BG10
(57)【要約】
【課題】増幅器や混合器などテレビ受信用電子機器を収納する電子機器ケースを、ポール等に取り付けた状態から、簡単に取り外してケーブルの接続が簡単に行える電子機器収納ケース等を提供する。
【解決手段】ケース本体2は、内部に入力端子と出力端子がある電子機器9が収納された防滴構造である。ポール取付け体3を介してケース本体2がポール1に固定可能である。ポール取付け体3がポール1に取り付けられた状態で、ケース本体2がポール取付け体3に対して着脱自在である。ケース本体2には係止手段20が設けられ、ポール取付け体3には被係止手段30が設けられ、垂直配置又は水平配置のいずれかのポール1に取り付けられたポール取付け体3の被係止手段30に対し、係止手段20によりケース本体2は係止されて固定自在である。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体とポール取付け体を備え、
前記ケース本体は、樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器が収納され、雨水が入りにくい防滴構造であること、
前記ポール取付け体を介して前記ケース本体がポールに固定可能であること、
前記ポール取付け体が前記ポールに取り付けられた状態で、電子機器が収納された前記ケース本体が前記ポール取付け体に対して着脱自在に構成されていること、
を特徴とする、電子機器収納ケース。
【請求項2】
前記ケース本体には係止手段が設けられていると共に、前記ポール取付け体には被係止手段が設けられ、
垂直配置又は水平配置のいずれかのポールに取り付けられた前記ポール取付け体の被係止手段に対し、前記係止手段により前記ケース本体は係止されて固定自在に構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載した電子機器収納ケース。
【請求項3】
前記ポール取付け体の被係止手段は、板状で正四角形状に形成されて成る各正四角形辺部で構成され、
前記ケース本体の係止手段は、裏面で縦方向に長く断面がL字形に形成されて対峙する2つの係止片で構成され、
前記ケース本体の2つの係止片の内側が、前記ポール取付け体の垂直配置状態、水平配置状態を問わず、前記正四角形辺部の外側でスライドして係止自在であること、
を特徴とする、請求項2に記載した電子機器収納ケース。
【請求項4】
前記ケース本体には、弾性片が突設され、
前記ポール取付け体には、前記ケース本体の弾性片が係止して前記ケース本体の抜け落ちを防ぐ係止孔が形成されていること、
を特徴とする、請求項2に記載した電子機器収納ケース。
【請求項5】
前記ポール取付け体には、ビスによる固定が可能な貫通孔が設けられており、
前記貫通孔に貫通されたビスにより、前記ポール取付け体が壁面や平面アンテナの裏面に取り付けられた状態で、前記ケース本体が前記ポール取付け体に対して着脱自在に構成されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載した電子機器収納ケース。
【請求項6】
前記ポール取付け体は、U字形ボルト又はステンレスベルトにより、ポールに取り付け自在に構成されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載した電子機器収納ケース。
【請求項7】
(a)係止手段を有するケース本体と被係止手段を有するポール取付け体を備え、前記ケース本体は、樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器が収納され、雨水が入りにくい防滴構造であり、ポールに取り付けた前記ポール取付け体の被係止手段に対し、前記係止手段を介して前記ケース本体が固定可能であり、前記ポール取付け体が前記ポールに取り付けられた状態で、前記電子機器が収納されたケース本体が前記ポール取付け体に対して着脱自在に構成された電子機器収納ケースを製作し、
(b)前記ポールが垂直配置のときは、前記電子機器収納ケースの前記ポール取付け体を前記垂直なポールに取り付けた後、前記ケース本体をその係止手段により前記ポール取付け体の被係止手段に固定し、
(c)水平配置のポールに変更して固定するときは、前記電子機器収納ケースの前記ケース本体を前記ポール取付け体から取り外し、前記ポール取付け体を90度回転して前記水平配置のポールに取り付け、前記ケース本体をその係止手段により前記ポール取付け体の被係止手段に戻して固定すること、
を特徴とする、電子機器収納ケースの使用方法。
【請求項8】
(a)係止手段を有するケース本体と被係止手段を有するポール取付け体を備え、前記ケース本体は、樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器が収納され、雨水が入りにくい防滴構造であり、ポールに取り付けた前記ポール取付け体の被係止手段に対し、前記係止手段を介して前記ケース本体が固定可能であり、前記ポール取付け体が前記ポールに取り付けられた状態で、前記電子機器が収納されたケース本体が前記ポール取付け体に対して着脱自在に構成された電子機器収納ケースを製作し、
(b)前記ポールが水平配置のときは、前記電子機器収納ケースの前記ポール取付け体を前記水平なポールに取り付けた後、前記ケース本体をその係止手段により前記ポール取付け体の被係止手段に固定し、
(c)垂直配置のポールに変更して固定するときは、前記電子機器収納ケースの前記ケース本体を前記ポール取付け体から取り外し、前記ポール取付け体を90度回転して前記垂直配置のポールに取り付け、前記ケース本体をその係止手段により前記ポール取付け体の被係止手段に戻して固定すること、
を特徴とする、電子機器収納ケースの使用方法。
【請求項9】
前記ポール取付け体の被係止手段は、板状で正四角形状に形成されて成る各正四角形辺部で構成され、
前記ケース本体の係止手段は、裏面で縦方向に長く断面がL字形に形成されて対峙する2つの係止片で構成され、
前記ケース本体の2つの係止片の内側が、前記ポール取付け体の垂直配置状態、水平配置状態を問わず、前記正四角形辺部の外側でスライドして係止自在であること、
を特徴とする、請求項7又は8に記載した電子機器収納ケースの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器収納ケースとその使用方法に関し、さらに言えば、増幅器や混合器などテレビ受信用電子機器を収納する電子機器ケースを、ポール等に取り付けた状態から、簡単に取り外してケーブルの接続が簡単に行える電子機器収納ケースとその使用方法の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビ受信機器は屋根上に設置されたポールや壁面など屋外に取り付けられ固定された状態で同軸ケーブルを接続する必要がある。一般的にこの同軸ケーブルの接続部分にはF形コネクタが使用されていて、同軸ケーブル側が雄型でテレビ受信機器側が雌型になっており各々をねじ構造で締結されるようになっている。冬場の寒い時期には、同軸ケーブルが固くなり機器が固定された状態では大変接続しづらい。
また、特許文献1の電子機器は、垂直ポールと水平ボールに取り付け可能な電子機器が開示されているが垂直ポール取り付け状態で組み立てられている状態から水平ポール取り付けに変更する場合は、蝶ナットを第2腕部から外し、押え金具も外し、取り付け具を本体から外し水平状態に組み直す必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビ共同受信システムでアンテナを設置して、その次に増幅器が設置されるシステムでは、まずアンテナからのケーブルをレベル測定機に接続して、アンテナの方向調整を行い所望のレベル以上になっていることを確認する必要がある。そして、その同軸ケーブルを増幅器の入力端子に接続して、増幅器の出力端子にレベル測定用のケーブルを接続して増幅器が既定の出力レベルになるように増幅器のレベルを調整する。その工程が完了すると増幅器に接続した測定ケーブルを外して、共同受信用ケーブルを増幅器に接続し直す必要がある(
図9参照)。
このようにアンテナ直下に設置されている増幅器などへの同軸ケーブルの接続回数は多くその接続のやりにくさは大変問題であった。特にアンテナ直下の足場の悪い状態では大変困難を伴っている不都合がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、増幅器や混合器などテレビ受信用電子機器を収納する電子機器ケースを、ポール等に取り付けた状態から、簡単に取り外してケーブルの接続が簡単に行え、元に戻したり、垂直ポールや水平ポールへの取り付け状態の配置変更も簡単で便利な電子機器収納ケースとその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、ケース本体2とポール取付け体3を備え、
前記ケース本体2は、樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器9が収納され、雨水が入りにくい防滴構造であること、
前記ポール取付け体3を介して前記ケース本体2がポール1に固定可能であること、
前記ポール取付け体3が前記ポール1に取り付けられた状態で、電子機器9が収納された前記ケース本体2が前記ポール取付け体3に対して着脱自在に構成されていること、
を特徴とする、電子機器収納ケースである。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記ケース本体2には係止手段20が設けられていると共に、前記ポール取付け体3には被係止手段30が設けられ、
垂直配置又は水平配置のいずれかのポール1に取り付けられた前記ポール取付け体3の被係止手段30に対し、前記係止手段20により前記ケース本体2は係止されて固定自在に構成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載した電子機器収納ケースである。
【0008】
請求項3に記載した発明は、前記ポール取付け体3の被係止手段30は、板状の正四角形状に形成されて成る各正四角形辺部30で構成され、
前記ケース本体2の係止手段20は、裏面22で縦方向に長く断面がL字形に形成されて対峙する2つの係止片20で構成され、
前記ケース本体2の2つの係止片20の内側20aが、前記ポール取付け体3の垂直配置状態、水平配置状態を問わず、前記正四角形辺部30の外側30aでスライドして係止自在であること、
を特徴とする、請求項2に記載した電子機器収納ケースである。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記ケース本体2には、弾性片21が突設され、
前記ポール取付け体3には、前記ケース本体2の弾性片21が係止して前記ケース本体2の抜け落ちを防ぐ係止孔31が形成されていること、
を特徴とする、請求項2に記載した電子機器収納ケースである。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記ポール取付け体3には、ビス33による固定が可能な貫通孔32が設けられており、
前記貫通孔32に貫通されたビス33により、前記ポール取付け体3が壁面や平面アンテナ8の裏面80に取り付けられた状態で、前記ケース本体2が前記ポール取付け体3に対して着脱自在に構成されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載した電子機器収納ケースである。
【0011】
請求項6に記載した発明は、前記ポール取付け体3は、U字形ボルト4又はステンレスベルト7により、ポール1に取り付け自在に構成されていること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載した電子機器収納ケースである。
【0012】
請求項7に記載した発明は、
(a)係止手段20を有するケース本体2と被係止手段30を有するポール取付け体3を備え、前記ケース本体2は、樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器9が収納され、雨水が入りにくい防滴構造であり、ポール1に取り付けた前記ポール取付け体3の被係止手段30に対し、前記係止手段20を介して前記ケース本体2が固定可能であり、前記ポール取付け体3が前記ポール1に取り付けられた状態で、前記電子機器9が収納されたケース本体2が前記ポール取付け体3に対して着脱自在に構成された電子機器収納ケースを製作し、
(b)前記ポール1が垂直配置のときは、前記電子機器収納ケースの前記ポール取付け体3を前記垂直なポール1に取り付けた後、前記ケース本体2をその係止手段20により前記ポール取付け体3の被係止手段30に固定し、
(c)水平配置のポール1に変更して固定するときは、前記電子機器収納ケースの前記ケース本体2を前記ポール取付け体3から取り外し、前記ポール取付け体3を90度回転して前記水平配置のポール1に取り付け、前記ケース本体2をその係止手段20により前記ポール取付け体3の被係止手段30に戻して固定すること、
を特徴とする、電子機器収納ケースの使用方法である。
【0013】
請求項8に記載した発明は、
(a)係止手段20を有するケース本体2と被係止手段30を有するポール取付け体3を備え、前記ケース本体2は、樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器9が収納され、雨水が入りにくい防滴構造であり、ポール1に取り付けた前記ポール取付け体3の被係止手段30に対し、前記係止手段20を介して前記ケース本体2が固定可能であり、前記ポール取付け体3が前記ポール1に取り付けられた状態で、前記電子機器9が収納されたケース本体2が前記ポール取付け体3に対して着脱自在に構成された電子機器収納ケースを製作し、
(b)前記ポール1が水平配置のときは、前記電子機器収納ケースの前記ポール取付け体3を前記水平なポール1に取り付けた後、前記ケース本体2をその係止手段20により前記ポール取付け体3の被係止手段30に固定し、
(c)垂直配置のポール1に変更して固定するときは、前記電子機器収納ケースの前記ケース本体2を前記ポール取付け体3から取り外し、前記ポール取付け体3を90度回転して前記垂直配置のポール1に取り付け、前記ケース本体2をその係止手段20により前記ポール取付け体3の被係止手段30に戻して固定すること、
を特徴とする、電子機器収納ケースの使用方法である。
【0014】
請求項9に記載した発明は、前記ポール取付け体3の被係止手段30は、板状で正四角形状に形成されて成る各正四角形辺部30で構成され、
前記ケース本体2の係止手段20は、裏面22で縦方向に長く断面がL字形に形成されて対峙する2つの係止片20で構成され、
前記ケース本体2の2つの係止片20の内側20aが、前記ポール取付け体3の垂直配置状態、水平配置状態を問わず、前記正四角形辺部30の外側30aでスライドして係止自在であること、
を特徴とする、請求項7又は8に記載した電子機器収納ケースの使用方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載した発明によれば、ケース本体が樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器が収納され、雨水が入りにくい防滴構造であり、ポール取付け体を介してケース本体がポールに固定可能で、ポール取付け体がポールに取り付けられた状態で、電子機器が収納されたケース本体がポール取付け体に対して着脱自在に構成されているため、設置時に行う同軸ケーブルの接続が冬場で固くなっている状態でも容易に行え便利である。
【0016】
請求項2、7、8に記載した発明に関しては、通常地上デジタル放送を受信するアンテナは屋根の側壁などから垂直に設置されたポールに設置される。このポールに電子機器収納ケースは取り付け固定されるケースが考えられる。この時は垂直ポール取り付けである。そのほかにBS衛星放送を受信する場合は、パラボラアンテナが壁面から水平に出たポールがJの字型に曲がったポールに取り付けられるケースが多い。この場合ポールの水平部分に取り付ける必要がある。本請求項の発明によれば、係止手段と被係止手段を使用して、電子機器収納ケースはポール取付け体を本体から取り外し90度回転して本体に戻すことにより、水平になっているポールにも固定できるという配置変更にも適宜対応する。
【0017】
請求項3、9に記載した発明は、電子機器収納ケースのポール取付け体の本体ケースと係止(嵌合)する部分は板状の正四角形辺部に形成され、L字形に本体ケースに形成された二つの係止片の内側に前記正四角形辺部がスライドして固定される構造になっているため90度回転させても本体を係止固定することができる。
また、請求項4のように、ケース本体からポール取付け体が落下しないように、ケース本体に突設された弾性片がポール取付け体の係止孔に係止される構造になっているため、取り外しの場合は弾性片を取り外す電子機器本体側に倒す、すなわち本体をつまむ感覚で容易にポール取付け体から取り外すことができる。
【0018】
請求項5に記載した発明は、ポール取付け体に、ビスによる固定が可能な貫通孔が設けられており、貫通孔に貫通されたビスにより、ポール取付け体が壁面や平面アンテナの裏面に取り付けられた状態で、ケース本体が前記ポール取付け体に対して着脱自在に構成されているので、いろいろな場面で電子機器が収納されたケース本体を取り付け可能で、しかも、固定されているところから必要に応じて取り外して同軸ケーブルなどの接続を容易に行うことができる。
【0019】
請求項6に記載した発明は、ポール取付け体が、U字形ボルトやステンレスベルトによりポールに取り付け自在に構成されているので、取り付け状況に応じて電子機器収納ケースをポールにしっかり固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の電子機器収納ケースを垂直ポールに取り付けた状態を示した斜視図である。
【
図2】電子機器収納ケースのポール取付け体を示した斜視図である。
【
図3A】垂直ポール取り付け時におけるポール取付け体へケース本体を係止する直前状況を示した斜視図である。
【
図3B】
図3Aの状態からケース本体がポール取付け体へスライド移動して係止する状況を示した斜視図である。
【
図4】電子機器収納ケースを水平ポールに取り付けた状態を示した斜視図である。
【
図5】電子機器収納ケースを水平ポール取り付ける時のポール取付け体を示した斜視図である。
【
図6A】水平ポール取り付け時におけるポール取付け体へケース本体を係止する直前状況を示した斜視図である。
【
図6B】
図6Aの状態からケース本体がポール取付け体へスライド移動して係止する状況を示した斜視図である。
【
図7】平面アンテナの裏面に電子機器収納ケースを取り付ける際の要領を示した斜視図である。
【
図8】電子機器収納ケースをステンレスベルトでポールに固定した状態を示した斜視図である。
【
図9】受信アンテナと増幅器への同軸ケーブルの接続状況を示した説明図である。
【
図10】J形ポールの水平部に取り付けた電子機器収納ケースを示した斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の電子機器収納ケースの好適な実施形態を、以下図面にしたがって説明する。
この電子機器収納ケースは、ポール(マスト)や壁面に固定されている増幅器や混合器が固定されている状態から、取り付け取り外しが自在にできる構造にしたことにより、機器は手元で同軸ケーブルが取り付けやすい角度や位置に自在にすることができて、接続が簡単に行えるものである。
【0022】
テレビ共同受信システムで屋外に設置されるアンテナの直下に取り付けられる地上デジタル放送とBS衛星放送を混合する混合器や増幅器9は、地上デジタル放送受信やBS衛星放送受信用の各アンテナ8A、8Bが取り付けられるポール1に同じく取り付けられるケースが多い(
図1、
図9参照)。
図9に示すこれらの機器9は、設置工事をするとき、まずポール1に取り付けられ、その後アンテナ8A、8Bからの同軸ケーブルsにレベル測定器kが接続され、アンテナ8A、8Bの方向調整が行われ適切な受信レベルが得られるかを確認する。その後、アンテナ8A、8Bからの同軸ケーブルsが機器9の入力端子に接続される。一般的に共同受信では、分配損失を補うために増幅器9が使用され、その増幅器9の出力レベルが定格出力レベル以下になるようにレベル調整とその確認が行われる。その時、増幅器9の出力にはレベル測定機kに接続される測定用同軸ケーブルsが接続される。調整後その同軸ケーブルsは取り外され、共同受信システムへの同軸ケーブルsが接続される。このように機器9の入力端子や出力端子への同軸ケーブルsの接続は複数回にわたって行われることになる。
この時、機器9がポール1等に固定されていると、接続端子は防水構造の関係で下向きになっているため、接続が大変やりにくいという問題があった。特に冬場は同軸ケーブルsが固くなっており、F型コネクタのねじ込みがより難しくなっている。
この接続のやりにくさを解決するため、本発明の電子機器収納ケースは、ポール1に機器9が取り付けられていても、機器9の本体部分を簡単に取り外すことができるので、機器9への同軸ケーブルsの取り付けを自在な位置で行うことができるものである。また、測定時などは元の固定位置に戻して簡単に取り付けができる(
図3参照)。
【0023】
本実施形態の電子機器収納ケースを要説すると、ケース本体2とポール取付け体3を備え、ケース本体2は、樹脂成形品で、内部に入力端子と出力端子がある電子機器9が収納され、雨水が入りにくい防滴構造となっており、ポール取付け体3を介してケース本体2がポール1に固定可能となっている。そして、ポール取付け体3のポール1取付け状態で、ケース本体2が前記ポール取付け体3に対して着脱自在に構成されている。
つまり、ケース本体2には係止手段20が設けられ、ポール取付け体3には被係止手段30が設けられており、垂直配置又は水平配置のいずれかのポール1に取り付けられたポール取付け体3の被係止手段30に対し、係止手段20によりケース本体2は係止されて固定自在に構成されている。一方、ポール取付け体3の被係止手段30は、板状の正四角形状に形成されて成る各正四角形辺部30で構成され、ケース本体2の係止手段20は、裏面22で縦方向に長く断面がL字形に形成されて対峙する2つの係止片20で構成され、前記ケース本体2の2つの係止片20の内側20aが、ポール取付け体3の垂直配置状態、水平配置状態を問わず、前記正四角形辺部30の外側30aでスライドして係止自在である。
また、ケース本体2には、弾性片21が突設されている一方、ポール取付け体3には、ケース本体2の弾性片21が係止してケース本体2の抜け落ちを防ぐ係止孔31が形成されている。
【0024】
以下、詳細にこの電子機器収納ケースを説明する。
この屋外で使用される電子機器収納ケースのポール取付け体3において、
図1のケース本体2と係止される契合構造たる被係止手段30は、
図2のように正四角形をなす各外側の辺部(正四角形辺部)として形成されており、その反対側(裏面)におけるポール1の取り付け部は、V字形凹部35に形成されている。
【0025】
これに対し、ケース本体2は、
図3Aの上図に示したように、裏面22においてポール取付け体3の正四角形辺部30と契合(係止)する部分が、縦方向の両サイド付近にL字形で一対形成された係止片20に形成されている。よって、ポール取付け体3の正四角形辺部30の両辺にスライド移動して位置決め固定して止まるようになっている。そのため、係止した後に、ポール取付け体3から本体ケース2が取り外すことができる構造になっている。
また、前記のように、ポール取付け体3のケース本体2と契合(係止)する部分は、正四角形辺部30となっているので、ポール取付け体3を90度回転させて本体ケース2に固定すると、水平方向になっているポール1にも取り付けることができる(
図4、
図5参照)。
なお、
図10は、取付け金具10で壁面等に取り付けられた水平部を有するJ形ポール1の前記水平部に固定したポール取付け体3へのケース本体2の係止状況を示している。
【0026】
本実施形態における電子機器収納ケースの寸法は、縦92×横117×奥行52mm(突起部含む)で、前面カバーは上方へ開けることができる構造になっている。
前記ポール取付け体3の正四角形辺部30の寸法は、65×65mmである。そして、ポール取付け体3にはポール1に取り付けるためのU字形又はコ字形のボルト4(広くUボルトの意味)が取り付けられており、ポール1をV字形固定金具5とで挟み、蝶ナット6を締め付けることにより固定できる構造になっている(
図1、
図4参照)。ポール取付け体3のケース本体2と契合する部分は正四角形辺部30になっているため、水平、垂直のどちらの向きでも契合して係止することができる。
【0027】
この正四角形辺部30には、ケース本体2が係止された際に固定するための係止孔31が、上部と左右いずれかの側部に2ケ所設けられている。一方、ケース本体2には、
図3に示した如く、前記係止孔31に対応した位置に、ケース本体2の裏面22で上方にL字形に曲がった弾性片21が設けられ、且つこの弾性片21の略中央部に直角三角形をした突起21aが形成されている。この突起21aがポール取付け体3の係止孔31に嵌ってケース本体2はポール取付け体3に固定される。ポール取付け体3からケース本体2を外すときは、弾性片21をケース本体2側に倒すことにより突起21aが係止孔31から解除され、簡単に外すことができる。
【0028】
また、上述のポール取付け体3には、ビス33による固定が可能な貫通孔32が設けられており、ケース本体2から取り外した状態で、
図7に示したように平面アンテナ8の裏面80や壁面にビス33で固定することができる。よって、このポール取付け体3にケース本体2を取り付けたり、又は取り外し自在な形で固定することができる。よって、同軸ケーブルの接続も容易に行えて、見栄えもよくなる。
その理由は、平面アンテナ8を壁面に設置して、その次に増幅器9を設置する際、各々を別々に壁面に設置した場合、接続ケーブルもあり大変見栄えが悪くなるため、増幅器9を平面アンテナ8の裏面80に取り付けることを考えたものである。
【0029】
かくして、ポール取付け体3は、U字形ボルト4(
図1~
図6)又はステンレスベルト7(
図8)により、ポール1に取り付け自在に構成されている。
図8は、ポール取付け体3にステンレスベルト7が貫通できる孔34があり、この孔34にステンレスベルト7を通し、太いポール1に取り付けた実施例を示している。
【0030】
以下、上述した電子機器収納ケースの使用方法について説明する。
ポール1が垂直配置のときは、上記の電子機器収納ケースのポール取付け体3を垂直なポール1に取り付けた後、ケース本体2をその係止手段20によりポール取付け体3の被係止手段30に固定する。
そのような垂直配置のポール1から、水平配置のポール1に変更して固定するときは、電子機器収納ケースのケース本体2をポール取付け体3から弾性片21を本体側に倒して取り外し、ポール取付け体3を90度回転して水平配置のポール1に取り付け、ケース本体2をその係止手段20によりポール取付け体3の被係止手段30に戻して固定する。
【0031】
一方、ポール1が水平配置のときは、電子機器収納ケースのポール取付け体3を水平なポール1に取り付けた後、ケース本体2をその係止手段20によりポール取付け体3の被係止手段30に固定する。
そのような水平配置のポール1から、垂直配置のポール1に変更して固定するときは、やはり、電子機器収納ケースのケース本体2をポール取付け体3から弾性片21を本体側に倒して取り外し、ポール取付け体3を90度回転して垂直配置のポール1に取り付け、ケース本体2をその係止手段20によりポール取付け体3の被係止手段30に戻して固定すればよい
【0032】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0033】
1 ポール
2 ケース本体
20 係止手段(係止片)
20a 内側
21 弾性片
21a 突起
22 裏面
3 ポール取付け体
30 被係止手段(正四角形辺部)
30a 外側
31 係止孔
32 貫通孔
33 ビス
4 U字形ボルト
5 固定金具
6 蝶ナット
7 ステンレスベルト
8 平面アンテナ
80 裏面
9 電子機器