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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155321
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】積み重ね箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/032 20060101AFI20241024BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D5/52 F
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069956
(22)【出願日】2023-04-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-06
(71)【出願人】
【識別番号】514090658
【氏名又は名称】プレミアアンチエイジング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】細野 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】新井 朱
【テーマコード(参考)】
3E006
3E060
【Fターム(参考)】
3E006AA03
3E006BA01
3E006CA03
3E006DA03
3E006DB04
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA02
3E060CB02
3E060CB16
3E060DA07
(57)【要約】
【課題】 本発明は、商品の個別の包装体のような大きさにまで小型化可能で、かつ商品情報及び/又は広告を表示できる凸状板付き積み重ね箱を提供する。
【解決手段】本発明の箱100は、上面10、下面30、及び側面20を有する箱であって、前記側面20は、側面板20及び前記側面板20の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板Aを有しており、前記下面30は、前記凸状板Aが連接されている前記側面20の位置で、前記凸状板Aが下から挿入可能な開口Bを有している、凸状板付き積み重ね箱に関する。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、下面、及び側面を有する箱であって、
前記側面は、側面板、及び前記側面板の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板を有しており、
前記下面は、前記凸状板が連接されている前記側面板の位置で、前記凸状板が下から挿入可能な開口を有している、
積み重ね箱。
【請求項2】
前記上面、下面、及び側面のいずれか1つ以上が、それらを構成する板で少なくとも部分的に覆われている、請求項1に記載の積み重ね箱。
【請求項3】
前記下面が、前記側面板に連接している少なくとも1つの底面板によって、少なくとも部分的に覆われている、請求項2に記載の積み重ね箱。
【請求項4】
前記下面が、2つ以上の前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項3に記載の積み重ね箱。
【請求項5】
前記下面が、2つの前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項4に記載の積み重ね箱。
【請求項6】
前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項3に記載の積み重ね箱。
【請求項7】
前記下面が、前記底面板で覆われている部分と前記底面板で覆われていない部分とを有しており、前記底面板で覆われていない部分が前記開口を構成している、請求項5に記載の積み重ね箱。
【請求項8】
前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項5に記載の積み重ね箱。
【請求項9】
前記下面の前記開口が、前記底面板に形成されている、請求項3に記載の積み重ね箱。
【請求項10】
前記側面が、第1の側面板、第1の側面板に連接している第2の側面板、第2の側面板に連接しており第1の側面板に対向している第3の側面板、及び第3の側面板に連接しており第2の側面板に対向している第4の側面板を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の積み重ね箱。
【請求項11】
ダンボールではない紙製基材で構成されている、請求項10に記載の積み重ね箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み重ね箱に関する。特に、本発明は、商品陳列棚等に陳列される、商品情報及び/又は広告を表示できる凸状板を有する箱であって、積み重ね可能な箱に関する。
【背景技術】
【0002】
商品陳列棚等に陳列させる商品若しくはその包装体又はそれらの陳列什器は、消費者に購買意欲を促進させるために、商品情報及び/又は広告が見やすいように表示されている。このような表示は、他社の商品又はその包装体よりも目立つようにするために工夫されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、商品の保管・輸送及び店頭陳列に兼用可能な段ボール箱であって、店頭陳列する際に、商品情報等のための表示板を起立させることができる表示板付き段ボール箱を開示している。
【0004】
また、特許文献2は、特許文献1に記載のような表示板付き段ボール箱を積み重ね可能にした箱を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-151298号公報
【特許文献2】実用新案登録第3239036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2は、商品又はその包装体を複数輸送するための輸送用の段ボール箱をそのまま店頭で陳列させるための表示板付き段ボール箱を開示しているが、商品の個別の包装体のような大きさの箱を開示しておらず、複数段を有する商品陳列棚で用いることができない。
【0007】
本発明は、商品の個別の包装体のような大きさにまで小型化可能で、かつ商品情報及び/又は広告を表示できる凸状板付き積み重ね箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を有する:
《態様1》
上面、下面、及び側面を有する箱であって、
前記側面は、側面板、及び前記側面板の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板を有しており、
前記下面は、前記凸状板が連接されている前記側面板の位置で、前記凸状板が下から挿入可能な開口を有している、
積み重ね箱。
《態様2》
前記上面、下面、及び側面のいずれか1つ以上が、それらを構成する板で少なくとも部分的に覆われている、態様1に記載の積み重ね箱。
《態様3》
前記下面が、前記側面板に連接している少なくとも1つの底面板によって、少なくとも部分的に覆われている、態様2に記載の積み重ね箱。
《態様4》
前記下面が、2つ以上の前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、態様3に記載の積み重ね箱。
《態様5》
前記下面が、2つの前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、態様4に記載の積み重ね箱。
《態様6》
前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、態様3に記載の積み重ね箱。
《態様7》
前記下面が、前記底面板で覆われている部分と前記底面板で覆われていない部分とを有しており、前記底面板で覆われていない部分が前記開口を構成している、態様5に記載の積み重ね箱。
《態様8》
前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、態様5に記載の積み重ね箱。
《態様9》
前記下面の前記開口が、前記底面板に形成されている、態様3に記載の積み重ね箱。
《態様10》
前記側面が、第1の側面板、第1の側面板に連接している第2の側面板、第2の側面板に連接しており第1の側面板に対向している第3の側面板、及び第3の側面板に連接しており第2の側面板に対向している第4の側面板を有する、態様1~9のいずれか一項に記載の積み重ね箱。
《態様11》
ダンボールではない紙製基材で構成されている、態様10に記載の積み重ね箱。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品の個別の包装体のような大きさにまで小型化可能で、かつ商品情報及び/又は広告を表示できる凸状板付き積み重ね箱を提供することができる。このような凸状板付き積み重ね箱は、凸状板が付いているために、商品情報及び/又は広告を見やすいように表示することができ、かつ積み重ね可能であるために、商品陳列棚にコンパクトに配置させることができる。また、上の箱には、下の箱の凸状板が挿入されているため、何らかの衝撃が加わっても積み重ね状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の凸状板付き積み重ね箱の1つの実施形態の斜視図を示している。
図2図2は、図1の箱を下面側から見た斜視図を示している。
図3図3は、図1の箱を積み重ねた状態を示している。
図4図4は、図1の箱の天面板及び底面板を開いた状態を示している。
図5図5は、図1の箱を形成するためのブランクシートを示している。
図6A図6Aは、本発明の箱の他の1つの実施形態の下面側から見た斜視図を示している。
図6B図6Bは、図6Aの箱を形成するためのブランクシートを示している。
図7A図7Aは、本発明の箱の他の1つの実施形態の下面側から見た斜視図を示している。
図7B図7Bは、図7Aの箱を形成するためのブランクシートを示している。
図8A図8Aは、本発明の箱の他の1つの実施形態の下面側から見た斜視図を示している。
図8B図8Bは、図8Aの箱を形成するためのブランクシートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を以下の実施形態を例として具体的に説明をするが、本発明はこれによって限定されるものではない。凸状板付き積み重ね箱、そのためのブランクシート及びそれらの製造方法について、特に詳細な言及がない場合には、これらについては当業者であれば周知の手段を用いることができる。各実施形態は、当業者が通常の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、各実施形態について特記していない構成については、他の実施形態と同じ構成又はその実施形態に適した構成を有することができる。特に、上面、下面、及び側面の位置関係については、本発明において有利な効果が得られる範囲で、当業者であれば任意に変更することができる。
【0012】
〈第1の実施形態〉
図1は、本発明の凸状板付き積み重ね箱の1つの実施形態の斜視図を示しており、図2は、その下面側からみた斜視図を示している。図3は、図1の箱を積み重ねた状態を示しており、図4は、図1の箱の天面板及び底面板を開いた状態を示している。図5は、図1の箱を形成するためのブランクシートを示している。なお、本明細書において、ブランクシート又は箱の紙基材の「表」とは、箱の内側を構成する側をいい、「裏」とは、箱の外側を構成する側をいう。また、「上」とは、上面がある方向をいい、「下」とは下面がある方向をいう。
【0013】
図1は、凸状板Aを有する第1の積み重ね箱100及び第2の積み重ね箱200を示している。凸状板Aは、箱100の側面20に連接されており、凸状板A及び側面20に、商品情報、広告等を印刷することができる。凸状板Aは、側面20から上面10のある上方向に略垂直に延びている。
【0014】
図2に示すように、積み重ね箱100は、側面20と下面30との間に隙間Bを有しており、凸状板Aは、その隙間Bに挿入可能となっている。図3に示すように、第2の箱200の凸状板Aが、第1の箱100の隙間Bに挿入されて、第1の箱100及び第2の箱200は、積み重ねられる。これにより、第1の箱100は、何らかの衝撃が加わっても積み重ね状態を維持することができる。また、第1の箱100の側面20及び凸状板A、並びに第2の箱200の側面20の全体で、商品情報等を表示させることができる。
【0015】
図4は、図1の箱100の上面10を構成する天面板11及び下面30を構成する底面板31を開いた状態を示している。図5は、図1の箱100を形成するためのブランクシートを示している。なお、本明細書において、ブランクシートの図面における破線は、折り目線を意味しており、実線は基材の切断線を意味している。
【0016】
箱100は、6面体で構成されており、側面20は、4つの側面板、すなわち第1の側面板21、第1の側面板21に連接している第2の側面板22、第2の側面板22に連接しており第1の側面板21に対向している第3の側面板23、及び第3の側面板23に連接しており第2の側面板22に対向している第4の側面板24を有している。この実施形態において、側面20は、第1の側面板21~第4の側面板24で全体が覆われているが、少なくとも部分的には側面板が存在していない部分、例えば孔があってもよい。同様に、上面10及び下面30は、それぞれ天面板11及び底面板31によって実質的に全体が覆われているが、上面10及び下面30においても、少なくとも部分的には板が存在していない部分、例えば孔があってもよい。
【0017】
第1の側面板21には、第2の側面板22が連接していない側に、側面のりしろ部21aが連接されており、側面のりしろ部21aの裏側と第4の側面板24の表側とを接着させることで、第1の側面板21と第4の側面板24を隣接させることができる。当然に、側面のりしろ部21aは、第1の側面板21ではなく、第4の側面板24に連接されていてもよく、また第1の側面板21と第4の側面板24とを連接させて、他の側面板間を分離させることで、その分離している部分を接着させるように、第2の側面板22又は第3の側面板23にも、側面のりしろ部を連接させてもよい。
【0018】
この実施形態において、第1の側面板21には、上側に天面板11及び下側に底面板31が連接しており、第2の側面板22には、上側に第1の天面フラップ板15及び下側に第1の底面フラップ板35が連接している。また、第3の側面板23には、上側に凸状板Aが連接されているが、下側にはなにも連接されていない。それにより、この箱100は、第3の側面板23と底面板31との間に、箱200の凸状板Aを挿入可能な隙間(開口)Bを形成することができる。さらに、第4の側面板24には、上側に第2の天面フラップ板16及び下側に第2の底面フラップ36板が連接している。
【0019】
ただし、天面板11、第1の天面フラップ板15及び第2の天面フラップ板16、第1の側面板21~第4の側面板24、並びに底面板31、第1の底面フラップ板35及び第2の底面フラップ板36の位置関係は、これに限定されることはない。例えば、第1の天面フラップ板15及び第2の天面フラップ板16、並びに第1の底面フラップ板35及び第2の底面フラップ板36は、それぞれ対向する側面に連接されていればよい。また、天面板11及び底面板31は、どの側面板に連接されていてもよい。天面フラップ板及び底面フラップ板は、任意の構成であり、凸状板Aが連接している側面板に隣接している側面板に天面板11及び/又は底面板31が連接されていてもよい。また、天面板11及び底面板31は、同じ側面板に連接されている必要はない。
【0020】
天面板11には、天面板差込部11bが連接している。第1の天面フラップ板15及び第2の天面フラップ板16を折り曲げた後に、天面板11を折り曲げて、上面10を構成することができる。ここで、天面板差込部11bを、第3の側面板23と第1の天面フラップ板15及び第2の天面フラップ板16との隙間に差し込むことによって、天面板差込部11bが天面フラップ板15,16と係合し、天面板11は、その隙間から抜けづらくなり、しっかりと固定される。
【0021】
底面板31にも、底面板差込部31bが連接している。第1の底面フラップ板35及び第2の底面フラップ板36を折り曲げた後に、底面板31を折り曲げて、下面30を構成することができる。ここで、底面板差込部31bを、第3の側面板23と第1の底面フラップ板35及び第2の底面フラップ板36との隙間に差し込むことによって、底面板差込部31bが底面フラップ板35,36と係合し、底面板31は、その隙間から抜けづらくなり、しっかりと固定される。なお、この隙間は、箱200の凸状板Aをさらに挿入可能な開口Bである。
【0022】
〈第2の実施形態〉
図6Aは、本発明の箱の他の1つの実施形態を下面側から斜視図で示しており、図1~5に示した実施形態とは下面の構成が異なっている。図6Bは、図6Aの箱を形成するためのブランクシートを示している。
【0023】
図6A及び図6Bで示されている実施形態の箱は、第1の底面板31及び第2の底面板32の2つの底面板が係合されていることによって下面30が部分的にのみ覆われており、底面板31,32に覆われていない部分が凸状板Aのための開口となっている。この実施形態においては、2つの底面板が係合されて下面が覆われているが、凸状板Aが下から挿入可能な開口が設けられる範囲で、2つ以上の底面板、例えば4つの底面板が係合されて下面が覆われていてもよい。
【0024】
このような箱は、箱の内部に何も収容していない空箱であってもよい。その場合、例えば、消費者は、このような空箱をレジカウンターまで持っていくことによって、真正の商品入りの包装箱を店員によってレジカウンター側の棚等から出してもらうことができる。近年、高価な化粧品等においてこのような販売方法が一般化しており、その空箱にとって、下面は、収容される製品を支持するための構成を有している必要はない。この場合、底面板は、図6Aに示されているような、下側に積まれる箱の上面に箱100が載せられるような構成であればよい。
【0025】
図6Bに示すように、この実施形態の箱は、天面板11が連接している第1の側面板21とは異なる第2の側面板22及び第4の側面板24において、第1の底面板31及び第2の底面板32が連接されている。このように、下面30が2つの底面板で構成される場合には、上側に凸状板Aが連接する側面の下側には何も連接させないように(すなわち、下面を構成する板をその側面に連接させないように)することができる。この場合、第1の底面板31及び第2の底面板32は、凸状板Aが連接する側面に隣接する2つの側面に連接していることが好ましい。
【0026】
この実施形態の箱は、第1の底面板31及び第2の底面板32が、互いに係合可能な係合部31c,32cをその先端部に有する略三角形を有する形状を有している。このような係合部31c,32cを有する第1の底面板31及び第2の底面板32は、箱をブランクシートから組み立てる際に、箱の内側に2つの底面板を押し込めて戻すだけで係合されて、非常に容易に組み立てることができる。このような箱は、通常は、ブランクシートの状態又はのりしろ部の接着だけをしたブランクシートの状態で、商品陳列棚のある店舗に発送され、店舗の従業員が組み立てて使われるため、容易に組み立てられることは特に有用である。
【0027】
〈第3の実施形態〉
図7Aは、本発明の箱の他の1つの実施形態を下面側から斜視図で示しており、図1~5及び図6に示した実施形態とは下面の構成が異なっている。図7Bは、図7Aの箱を形成するためのブランクシートを示している。
【0028】
図7A及び図7Bで示されている実施形態の箱は、第1の底面板31及び第2の底面板32の2つの底面板が係合されていることによって、第1の底面板31及び第2の底面板32が下面を実質的に全面的に覆っており、第1の底面板31及び第2の底面板32と側面板との間の隙間が凸状板Aのための開口となっている。
【0029】
このような箱は、箱の内部に化粧品容器等を収容している包装体であってもよいが、図6A及び図6Bの実施形態のように空箱であってもよい。
【0030】
図7Bに示すように、この実施形態の箱は、図6A及び図6Bの実施形態と同様に、天面板11が連接している第1の側面板21とは異なる第2の側面板22及び第4の側面板24において、第1の底面板31及び第2の底面板32が連接されている。
【0031】
この実施形態の箱は、第1の底面板31及び第2の底面板32が、互いに係合可能な係合部31c,32cをその先端部に有する略四角形を有する形状を有している。このような係合部31c,32cを有する第1の底面板31及び第2の底面板32は、箱をブランクシートから組み立てる際に、箱の内側に2つの底面板を押し込めて戻すだけで係合されて、非常に容易に組み立てることができる。
【0032】
〈第4の実施形態〉
図8Aは、本発明の箱の他の1つの実施形態を下面側から斜視図で示しており、図1~5、図6及び図7に示した実施形態とは下面の構成が異なっている。図8Bは、図8Aの箱を形成するためのブランクシートを示している。
【0033】
図8A及び図8Bで示されている実施形態の箱は、第1~第4の底面板31,32,33,34によって下面が実質的に全面的に覆われており、凸状板Aが連接している第3の側面板23に連接している第3の底面板33において、下に重ねられる箱の凸状板Aを挿入するための開口Bが孔状に形成されている。なお、下面の底面板の構成は、凸状板Aを挿入するための開口Bが形成されていれば、これに限定されない。
【0034】
このような実施形態においては、凸状板Aは、図1~5、図6及び図7に示した実施形態とは異なり、第3の側面板23の幅の全体に渡って、第3の側面23と連接していない。これは、凸状板Aが第3の側面板23の幅の全体に渡って連接している場合、第3の底面板33に形成する開口Bを大きくする必要があり、第3の底面板33の強度が低下するためである。したがって、第3の側面板23の全体の幅に対する凸状板Aが連接している幅の比は、底面板の強度に問題のない程度に大きいことが好ましく、例えば0.5~0.95、又は0.6~0.9程度であることが好ましい。この比は、箱に用いる基材の強度にも依存するが、当業者であれば、用いる基材に応じて、凸状板A及び開口Bの適切な幅を選択することができる。
【0035】
このような箱は、箱の内部に化粧品容器等を収容している包装体であってもよいが、図6A及び図6Bの実施形態のように空箱であってもよい。
【0036】
図8Bに示すように、この実施形態の箱は、第1の側面板21に、底面板のりしろ部31aを有する第1の底面板31が連接されており、第1の底面板31は、さらに係合部31cを有している。第2の側面板22には、第1の底面板31の底面板のりしろ部31aと接着される第2の底面板32が連接されている。また、第3の側面板23には、底面板のりしろ部33aを有する第3の底面板33が連接されており、第3の底面板33は、さらに係合部33cを有している。第4の側面板24には、第3の底面板33の底面板のりしろ部33aと接着される第4の底面板34が連接されている。第1の底面板31の係合部31cと、第3の底面板33の係合部33cとは互いに係合し、箱の内側又は外側から力がかかっても開かないようになっている。
【0037】
〈その他〉
本発明の箱は、好ましくは紙製基材で構成される。紙製基材としては、化粧品の包装箱等として一般的に用いられる紙製基材であれば特に限定されず、植物由来のパルプを主成分とする紙であることが好ましく、木材パルプを主成分とする紙であることがより好ましい。具体的には、クラフト紙、上質紙、板紙、紙器用原紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、ライナ紙、塗工紙、片艶紙、グラシン紙、グラファン紙等を挙げることができる。一方で、紙製基材は、商品陳列棚に陳列するための適度な厚みを有することが好ましいため、厚みの大きなダンボールではないことが好ましい。
【0038】
紙製基材の秤量は、例えば、50g/m以上、80g/m以上、100g/m以上、120g/m以上、又は150g/m以上であってもよく、又は300g/m以下、250g/m以下、200g/m以下、180g/m以下、150g/m以下、又は130g/m以下であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
10…上面
11…天面板
11b…天面板差込部
15,16…第1,第2の天面フラップ板
20…側面
21~24…第1~第4の側面板
21a…側面のりしろ部
30…下面
31~34…第1~第4の底面板
31a,33c…底面板のりしろ部
31b…底面板差込部
31c,32c…係合部
35,36…第1,第2の底面フラップ板
100,200…箱
A…凸状板
B…開口

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、下面、及び側面を有する箱であって、
前記側面は、側面板、及び前記側面板の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板を有しており、
前記下面は、前記凸状板が連接されている前記側面板の位置で、前記凸状板が下から挿入可能な開口を有しており、
内部に何も収容していない空箱である、商品陳列棚に陳列するための積み重ね箱。
【請求項2】
前記凸状板が、商品情報及び/又は広告を表示している、請求項1に記載の積み重ね箱。
【請求項3】
上面、下面、及び側面を有する箱であって、
前記側面は、側面板、及び前記側面板の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板を有しており、
前記下面は、前記凸状板が連接されている前記側面板の位置で、前記凸状板が下から挿入可能な開口を有しており、
前記凸状板が、商品情報及び/又は広告を表示している
積み重ね箱。
【請求項4】
前記上面、下面、及び側面のいずれか1つ以上が、それらを構成する板で少なくとも部分的に覆われている、請求項2又は3に記載の積み重ね箱。
【請求項5】
前記下面が、前記側面板に連接している少なくとも1つの底面板によって、少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の積み重ね箱。
【請求項6】
前記下面が、2つ以上の前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の積み重ね箱。
【請求項7】
前記下面が、2つの前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の積み重ね箱。
【請求項8】
前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項に記載の積み重ね箱。
【請求項9】
前記下面が、前記底面板で覆われている部分と前記底面板で覆われていない部分とを有しており、前記底面板で覆われていない部分が前記開口を構成している、請求項に記載の積み重ね箱。
【請求項10】
前記底面板が、第1の底面板及び第2の底面板で構成されており、前記第1の底面板及び前記第2の底面板が、互いに係合可能な係合部をその先端部に有する略三角形を有する形状を有している、請求項9に記載の積み重ね箱。
【請求項11】
前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項に記載の積み重ね箱。
【請求項12】
前記下面の前記開口が、前記底面板に形成されている、請求項に記載の積み重ね箱。
【請求項13】
前記側面が、第1の側面板、第1の側面板に連接している第2の側面板、第2の側面板に連接しており第1の側面板に対向している第3の側面板、及び第3の側面板に連接しており第2の側面板に対向している第4の側面板を有する、請求項2又は3に記載の積み重ね箱。
【請求項14】
ダンボールではない紙製基材で構成されている、請求項13に記載の積み重ね箱。
【請求項15】
請求項2に記載の積み重ね箱を商品陳列棚に配置して、商品情報及び/又は広告を表示させる化粧品の販売方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報及び/又は広告を表示できる積み重ね箱を商品陳列棚に配置する、商品の販売方法であって、
前記積み重ね箱は、
上面、下面、及び側面を有する箱であって、
前記側面は、側面板、及び前記側面板の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板を有しており、
前記下面は、前記凸状板が連接されている前記側面板の位置で、前記凸状板が下から挿入可能な開口を有しており、
前記凸状板が、商品情報及び/又は広告を表示することができ、
内部に何も収容していない空箱である、
販売方法
【請求項2】
商品情報及び/又は広告を表示できる積み重ね箱を商品陳列棚に配置する、商品の販売方法であって、
前記積み重ね箱は、
上面、下面、及び側面を有する箱であって、
前記側面は、側面板、及び前記側面板の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板を有しており、
前記下面は、前記凸状板が連接されている前記側面板の位置で、前記凸状板が下から挿入可能な開口を有しており、
前記凸状板が、商品情報及び/又は広告を表示している、
販売方法
【請求項3】
前記積み重ね箱の前記上面、下面、及び側面のいずれか1つ以上が、それらを構成する板で少なくとも部分的に覆われている、請求項1又は2に記載の販売方法
【請求項4】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記側面板に連接している少なくとも1つの底面板によって、少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の販売方法
【請求項5】
前記積み重ね箱の前記下面が、2つ以上の前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の販売方法
【請求項6】
前記積み重ね箱の前記下面が、2つの前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の販売方法
【請求項7】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項に記載の販売方法
【請求項8】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記底面板で覆われている部分と前記底面板で覆われていない部分とを有しており、前記底面板で覆われていない部分が前記開口を構成している、請求項に記載の販売方法
【請求項9】
前記積み重ね箱の前記底面板が、第1の底面板及び第2の底面板で構成されており、前記第1の底面板及び前記第2の底面板が、互いに係合可能な係合部をその先端部に有する略三角形を有する形状を有している、請求項に記載の販売方法
【請求項10】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項に記載の販売方法
【請求項11】
前記積み重ね箱の前記下面の前記開口が、前記底面板に形成されている、請求項に記載の販売方法
【請求項12】
前記積み重ね箱の前記側面が、第1の側面板、第1の側面板に連接している第2の側面板、第2の側面板に連接しており第1の側面板に対向している第3の側面板、及び第3の側面板に連接しており第2の側面板に対向している第4の側面板を有する、請求項1又は2に記載の販売方法
【請求項13】
前記積み重ね箱は、ダンボールではない紙製基材で構成されている、請求項12に記載の販売方法
【請求項14】
前記商品が、化粧品である、請求項1又は2に記載の販売方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報及び/又は広告を表示できる積み重ね箱を商品陳列棚に配置する、商品の販売方法であって、
前記積み重ね箱は、
上面、下面、及び側面を有する箱であって、
前記側面は、側面板、及び前記側面板の一部に連接され、かつ上に延びる凸状板を有しており、
前記下面は、前記凸状板が連接されている前記側面板の位置で、前記凸状板が下から挿入可能な開口を有しており、
前記凸状板が、商品情報及び/又は広告を表示しており、
内部に何も収容していない空箱である、
販売方法。
【請求項2】
前記積み重ね箱の前記上面、下面、及び側面のいずれか1つ以上が、それらを構成する板で少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の販売方法。
【請求項3】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記側面板に連接している少なくとも1つの底面板によって、少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の販売方法。
【請求項4】
前記積み重ね箱の前記下面が、2つ以上の前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の販売方法。
【請求項5】
前記積み重ね箱の前記下面が、2つの前記底面板が係合されていることによって少なくとも部分的に覆われている、請求項に記載の販売方法。
【請求項6】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項に記載の販売方法。
【請求項7】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記底面板で覆われている部分と前記底面板で覆われていない部分とを有しており、前記底面板で覆われていない部分が前記開口を構成している、請求項に記載の販売方法。
【請求項8】
前記積み重ね箱の前記底面板が、第1の底面板及び第2の底面板で構成されており、前記第1の底面板及び前記第2の底面板が、互いに係合可能な係合部をその先端部に有する略三角形を有する形状を有している、請求項に記載の販売方法。
【請求項9】
前記積み重ね箱の前記下面が、前記底面板で実質的に全面的に覆われており、前記下面の前記開口が、前記底面板と前記側面板との間の隙間で構成されている、請求項に記載の販売方法。
【請求項10】
前記積み重ね箱の前記下面の前記開口が、前記底面板に形成されている、請求項に記載の販売方法。
【請求項11】
前記積み重ね箱の前記側面が、第1の側面板、第1の側面板に連接している第2の側面板、第2の側面板に連接しており第1の側面板に対向している第3の側面板、及び第3の側面板に連接しており第2の側面板に対向している第4の側面板を有する、請求項に記載の販売方法。
【請求項12】
前記積み重ね箱は、ダンボールではない紙製基材で構成されている、請求項11に記載の販売方法。
【請求項13】
前記商品が、化粧品である、請求項に記載の販売方法。