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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155369
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】遊技装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241024BHJP
   A63F 5/04 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A63F7/02 349A
A63F7/02 352L
A63F7/02 301C
A63F5/04 605B
A63F5/04 691B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070028
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000127628
【氏名又は名称】株式会社エース電研
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】秋田 光勇
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088AA75
2C088BB11
2C088BB31
2C088BC79
2C088EA45
2C182CA01
2C182EB11
2C182EB20
(57)【要約】
【課題】遊技機の上方に様々な用途に活用できるスペースを容易に確保することが可能な遊技装置を提供する。
【解決手段】種類の異なる各種遊技機2と、各種遊技機2の遊技に用いる遊技価値を受け付ける各遊技価値受付手段とを設置可能とした遊技装置1において、各種遊技機2における全ての各天井面よりも各遊技価値受付手段を高く設置することによって、各天井面と各遊技価値受付手段とから一部が区画された共通のスペースSを設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種類の異なる各種遊技機と、当該各種遊技機の遊技に用いる遊技価値を受け付ける各遊技価値受付手段とを設置可能とした遊技装置において、
前記各種遊技機における全ての各天井面よりも前記各遊技価値受付手段を高く設置することによって、前記各天井面と前記各遊技価値受付手段とから一部が区画された共通のスペースを設けたことを特徴とする遊技装置。
【請求項2】
前記各遊技価値受付手段は、その下方にスペーサーを設けることによって高さを変更可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技装置。
【請求項3】
前記各種遊技機は、パチンコ機、またはスロットマシンのうち遊技媒体の代わりに電子データを使用するものの何れかを少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技装置。
【請求項4】
前記各種遊技機は、全てが前記パチンコ機、または全てが前記スロットマシンのうち遊技媒体の代わりに電子データを使用するものの何れかに属することを特徴とする請求項3に記載の遊技装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種類の異なる各種遊技機と、当該各種遊技機の遊技に用いる遊技価値を受け付ける各遊技価値受付手段とを設置可能とした遊技装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機等の遊技機を並設した遊技機島においては、遊技機ごとに対応して、遊技に用いる遊技価値(例えば現金、持玉データ、貯玉データ、ポイント等)を受け付ける遊技価値受付手段が設置されている。ここで遊技価値受付手段とは、例えば遊技機ごとに隣接して設置した台間機における紙幣や各種カードの受入口、およびそれらの貯留部、紙幣識別機能を含むいわゆるビルバリ(台間機とは別体で主にスロットマシンに用いる)、あるいは各遊技機の背面側に配設された紙幣搬送装置に台間機から紙幣を取り込ませる紙幣取込機、さらにはキャッシュレス決済に関わる各種関連機器等が該当する。
【0003】
特許文献1には、パチンコ機51が並設された遊技機島Bと、スロットマシン1が並設された遊技機島Aとが記載されている。遊技機島Bでは、遊技価値受付手段に相当する台間機3の紙幣投入口31は、パチンコ機51の天井面の高さより低くなるように配置されている(図6参照)。一方、遊技機島Aでは、同じ台間機3の紙幣投入口31は、スロットマシン1の天井面とほぼ同じ高さとなるように配置されている(図1参照)。
【0004】
また、特許文献2には、パチンコ機PとスロットマシンSが混在した遊技機島が記載されている。このような遊技機島では、前述した特許文献1の場合と同様に、パチンコ機PとスロットマシンSに隣接して台間機があること考えられる(図1中の二点破線を参照)。そして、台間機の紙幣投入口は、パチンコ機PまたはスロットマシンSごとに対応する遊技機の天井面の高さより明らかに低い位置にあることが推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-107347号公報
【特許文献2】特許第6021614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した遊技機島においては、遊技機の上方に、例えば遊技客の持ち物を収容可能なパーソナル空間用に区画されたスペースを確保したいという要望がある。また、前記区画されたスペースの前面開口を板材で閉鎖して、その表面をそのまま例えば表示装置を移動可能に取り付けるスペースとしたり、あるいは遊技機の宣伝やイベント告知等のスペースとして活用したいという要望もある。
【0007】
このような要望に応えるためには、遊技機の上方の空間を仕切る構造が必要となり、その具体的な構造としては、例えば遊技機ごとに天井面の両側を仕切るような壁の存在が適している。そこで、遊技機の上方に新たに仕切り壁を設置するとなると、コスト高を招くため、既存の設備として各遊技機の天井面の両側に位置する台間機等の利用が考えられる。
【0008】
しかしながら、前述した特許文献1に記載の遊技機島では、パチンコ機51の遊技機島Bの場合、台間機3の上端側に位置する紙幣投入口31は、パチンコ機51の天井面の高さより低く、スロットマシン1の遊技機島Aの場合も、紙幣投入口31は、スロットマシン1の天井面とほぼ同じ高さである。従って、紙幣投入口31の周辺部位は、前述したスペースを確保する壁として活用することはできなかった。
【0009】
また、前述した特許文献2に記載の遊技機島でも、台間機の紙幣投入口は、パチンコ機PまたはスロットマシンSごとに対応する遊技機の天井面の高さより明らかに低い位置にあることが推測される。従って、前述した特許文献1の場合と同様に、紙幣投入口の周辺部位は、前述したスペースを確保する壁として活用することはできなかった。
【0010】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、遊技機の種類を問わず全ての各天井面よりも各遊技価値受付手段を高く設置することにより、各天井面と各遊技価値受付手段とから区画された共通のスペースを設けることができ、様々な用途に活用できるスペースを容易に確保することが可能な遊技装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
種類の異なる各種遊技機と、当該各種遊技機の遊技に用いる遊技価値を受け付ける各遊技価値受付手段とを設置可能とした遊技装置において、
前記各種遊技機における全ての各天井面よりも前記各遊技価値受付手段を高く設置することによって、前記各天井面と前記各遊技価値受付手段とから区画された共通のスペースを設けたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る遊技装置の一例を示す正面図である。
図2】本実施形態に係る遊技装置の一例を示す平面図である。
図3】本実施形態に係る遊技装置の別例を示す正面図である。
図4】本実施形態に係る遊技装置の別例を示す平面図である。
図5】本実施形態に係る遊技装置を示す縦断面図である。
図6】本実施形態に係る遊技装置の付帯ユニットを示す(a)平面図、(b)正面図、(c)右側面図である。
図7】本実施形態に係る遊技装置の付帯ユニットに対する幕板の取り付けを示す(a)説明図、(b)付帯ユニットの右側面図である。
図8】本実施形態に係る遊技装置の構造体の上部ユニットを示す縦断面図である。
図9】本実施形態に係る遊技装置の構造体の上部ユニットにおける上部ユニット下段枠を示す(a)分解平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図10】本実施形態に係る遊技装置の構造体の上部ユニットにおける上部ユニット上段枠を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図11】本実施形態に係る遊技装置の構造体の上部ユニットにおける背押え板を示す(a)正面図、(b)側面図である。
図12】本実施形態に係る遊技装置のケンドン扉を示す正面図である。
図13】本実施形態に係る遊技装置のケンドン扉を示す側面図である。
図14】本実施形態に係る遊技装置の幕板を示す正面図である。
図15】本実施形態に係る遊技装置の幕板を示す側面図である。
図16】本実施形態に係る遊技装置の構造体の下部ユニットを示す縦断面図である。
図17】本実施形態に係る遊技装置の構造体の下部ユニットを示す(a)分解平面図、(b)正面図である。
図18】本実施形態に係る遊技装置の構造体の追加座板を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図19】本実施形態に係る遊技装置の構造体の柱部材を示す(a)側面図、(b)正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
図1から図19に示すように、本実施形態に係る遊技装置1は、種類の異なる各種遊技機2と、各種遊技機2の遊技に用いる遊技価値を受け付ける各遊技価値受付手段とを設置可能としたものである。遊技装置1では、後述する各遊技価値受付手段を、各種遊技機2における全ての各天井面よりも高く設置することによって、各天井面と各遊技価値受付手段とから一部が区画された共通のスペースSが設けられている。なお、本実施形態で示される構成要素、形状等は、何れも本発明の一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。
【0014】
<遊技装置1の概要>
先ず、遊技装置1の概要について説明する。ここで遊技装置1は、従来の遊技機島の一般的な範疇に限定されず、遊技機2を装備した新たな装置として広く捉えることができるものである。図1から図4に示すように、遊技装置1は、装置全体のフレームをなす構造体10の内部に、種類の異なる各種遊技機2のほか、各種遊技機2の関連設備を装備して構築されている。
【0015】
構造体10は、全体的には各種遊技機2を左右に並べる長手方向に延びる枠組み状であり、各種遊技機2が並ぶ中段より上方は上部ユニット12、また中段より下方は下部ユニット13として構成されている。なお、遊技装置1の前方のフロアA上には、各種遊技機2ごとに遊技客が着座して遊技を行うための椅子6が設置されている。このような遊技装置1は、例えば遊技店内において通常は複数設置されるが、遊技店以外の場所に単体として設置することも考えられる。
【0016】
図1図3に示すように、構造体10は、その長手方向に亘って複数の柱部材11が、所定間隔おきに床面A上に立設されている。柱部材11の詳細は、図19に示すように、縦長な長方形の枠組み状に組まれたベース111上に、前後一対の支柱112,112が垂直に立ち上がるように立設され、各支柱112の上端間に上端フレーム113が架設されている。ベース111の底辺111aは、床面A上に対してレベル調整可能にアンカーボルト114によって固設可能である。また、各支柱112は、互いに装置の長手方向と直交する前後方向に対向しており、各支柱112の途中の間には、補強用のビーム115も架設されている。
【0017】
各柱部材11を装置の長手方向に並べる間隔は、例えば各種遊技機2の2台分と遊技機2ごと併設する後述の付帯ユニット20の横幅を合わせた寸法である。この場合、図1から図4に示した構造体10の範囲内では、その長手方向の両端と中間に合計3本の柱部材11が立設されている。ただし、各柱部材11を並べる間隔や数は、適宜定め得る設計事項である。なお、柱部材11は、構造体10の両端に位置するものと、構造体10の中程に位置するものとでは、それぞれ構造が若干異なる場合がある。
【0018】
各柱部材11の間には、各種フレーム材として、梁、ビーム、板材等が組み付けられており、各種フレーム材によって、上部ユニット12および下部ユニット13がそれぞれ構成されている。また、構造体10において、上部ユニット12と下部ユニット13の間である中段で各柱部材11の間の空間には、複数の各種遊技機2が背中合わせの状態で前後2列に設置されている。
【0019】
図1に示す構造体10の中段において、隣り合う遊技機2の間と、左端の遊技機2の左側方には、それぞれ遊技機2ごとに対応した付帯ユニット20が配設されている。各種遊技機2および付帯ユニット20は、後述するが下部ユニット13の上面をなす膳板132上に載置されている。なお、構造体10の両端に位置する遊技機2または付帯ユニット20の外側方には、構造体10全体の端末処理として、必要に応じて付帯ユニット20と同等な横幅あるいは細幅の構造物を適宜設置すると良い。
【0020】
図2図4に示す遊技装置1の範囲内では、構造体10の前後の列ごとに、各種遊技機2(および付帯ユニット20)が4台ずつ並設されており、合計8台の各種遊技機2(および付帯ユニット20)を図示しているが、これより左側に位置する構造体10は図示省略している。なお、遊技装置1は、各種遊技機2(および付帯ユニット20)を前後2列に設置する構成に限られることはなく、各種遊技機2(および付帯ユニット20)を片側一列にだけ並設して壁際に構築しても良い。もちろん、各列に並べる各種遊技機2(および付帯ユニット20)の数も、図示した4台に限定されることはなく、適宜定め得る設計事項である。
【0021】
さらに、構造体10において、背中合わせとなる各種遊技機2の背面側には、各種遊技機2の遊技に用いられて排出された紙幣を搬送する紙幣搬送装置14が配設されている。ここで紙幣搬送装置14の主要部をなす紙幣搬送経路140は、各種遊技機2における全ての各天井面よりも上方に設置されている。よって、紙幣搬送経路140は、各種遊技機2の背面側であっても、正確には背中合わせとなる各上部ユニット12の間の空間に設置されることになる。
【0022】
<各種遊技機2>
遊技装置1に設置される各種遊技機2は、基本的には種類が異なるものが混在している。ここで種類の異なる各種遊技機2とは、例えばパチンコ機2Aとスロットマシン2Bとのように、互いに遊技媒体が異なるものである。図1図2に示す遊技装置1では、その前列には右側に2台のパチンコ機2A、左側に2台のスロットマシン2Bが並び、後列には左右に4台ともスロットマシン2Bが並んでいる(図2の上側参照)。図3および図4に示す遊技装置1では、その前列には右側に2台のスロットマシン2B、左側に2台のパチンコ機2Aが並び、後列には左右に4台ともパチンコ機2Aが並んでいる(図4の上側参照)。なお、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bを総称するときは、単に各種遊技機2と表記する。
【0023】
このように本実施形態の遊技装置1は、種類の異なる各種遊技機2を備えるものであるが、各種遊技機2の具体的な種類は、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bの2種類だけに限定されることはない。また、各種遊技機2ごとの台数や、前述した具体的な配置は、適宜定め得る設計事項であり、図1から図4に示した例に限定されることはない。さらに、図示省略したが、例外的に全ての遊技機2を、パチンコ機2A、またはスロットマシン2Bのうち後述するがメダルの代わりに電子データを使用するもので揃えても良い。ここでパチンコ機2Aまたはスロットマシン2Bの何れかであっても、同一機種でなければ狭義には種類が異なると解釈することもできる。
【0024】
パチンコ機2Aは、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を使用して遊技を行うものであり、ガラス扉で囲われた遊技盤面上に遊技球を打ち出すためのハンドルや、遊技球を貯留する受け皿等を備えている。特に本実施形態のパチンコ機2Aは、遊技球を機体内で循環させて使用し、賞出した遊技球の遊技価値を電子データとして管理するタイプ(いわゆる封入式パチンコ機(例えばスマパチ(登録商標))を採用している。これにより遊技装置1の内部には、従来の遊技機島のように、遊技球を貯留するタンク、遊技球を回収ないし配給する樋部材、遊技球を研磨揚送する装置等を含む遊技球の循環設備の類いは不要となる。
【0025】
スロットマシン2Bは、通常は有体物としてのメダルを遊技媒体として使用して遊技を行うものであるが、本実施形態では有体物としてのメダルは使用せず、電子データとして計数される電子メダルを遊技媒体として使用するタイプ(いわゆるメダルレススロットマシン(例えばスマスロ(登録商標))である。かかるスロットマシン2Bも、通常のスロットマシン同様に、回転する各リール(画面表示も含む)や、各リールの回転を開始ないし停止させるボタン等の操作部のほか、電子メダルを表示可能な画面等を備えている。これにより遊技装置1の内部には、遊技球の循環設備と同様にメダルの循環設備の類いも不要となる。
【0026】
<付帯ユニット20>
図1から図4に示すように、付帯ユニット20は、各種遊技機2ごとに対応して1台ずつ設置されている。本実施形態では、遊技機2の左側方の付帯ユニット20が、当該遊技機2で遊技を行う遊技客が使用するものとなる。付帯ユニット20には、紙幣の挿入、あるいはキャッシュレス決済媒体(クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、スマートフォン(非接触型IC決済、二次元バーコード決済)等)を受け付けて、遊技媒体(遊技球または仮想メダル)を貸し出す台間機3等が設置されている。
【0027】
図6(a)から(c)に示すように、詳しく言えば付帯ユニット20は、前後(装置奥行方向)に長い略矩形の下面板21と、下面板21の後半側の両端に立設された左右一対の側面板22,22と、各側面板22の上側に連結された上面板23とによって、基本的には前方が開口した縦長の筐体として構成されている。各側面板22の間で下面板21より上方には、下面板21上の奥の空間である小物入れ21aを仕切る棚板24が設けられており、下面板21上の前半側は物置スペースとなっている。
【0028】
ここで棚板24を設ける高さ位置、言い換えれば小物入れ21aの内部の高さは、事前に台間機3が最適な高さ位置となるように予め設計されている。ここで最適な高さとは、後述するが台間機3の紙幣受入口3aが、前記紙幣搬送経路140の高さに合致する高さである。なお、下面板21の前半側の左端には、隣との間を仕切る仕切板25が、小物入れ21aの高さに合わせて立設されている。
【0029】
付帯ユニット20の開口内部の右端には、棚板24上に前記台間機3が設置されている。台間機3は、パチンコ機2Aに対応するものは、紙幣等の挿入に応じて遊技球を貸し出す仕様であり、スロットマシン2Bに対応するものは、紙幣等の挿入に応じて仮想メダルを貸し出す仕様である。台間機3は、前記何れの仕様であっても、その細幅な筐体の正面上部に紙幣受入口3aが縦長のスリット状に設けられている。台間機3の正面には、紙幣受入口3aのほか、各種表示ランプやボタンスイッチ類、それに紙幣受入口3aではなく、キャッシュレス決済媒体の受入口等を設けても良い。
【0030】
台間機3の背面上部には、紙幣受入口3aに受け入れられた紙幣を、筐体内部の紙幣通過路を経て紙幣搬送装置14に排出する紙幣排出手段3bが設けられている。図2図4図5に示すように、紙幣排出手段3bは、例えば紙幣搬送経路140の途中箇所に連通する部材からなり、紙幣を垂直に立てた状態で紙幣搬送経路140の途中箇所から紙幣搬送方向へ排出可能に構成されている。
【0031】
紙幣排出手段3bは、台間機3の構成の一部とは限らず、台間機3と紙幣搬送経路140との間に配設される別部材、あるいは紙幣搬送装置14側の構成の一部であっても良い。また、紙幣排出手段3bには、前記ビルバリ等が付設されている。なお、付帯ユニット20の背面板28には、紙幣排出手段3bを背後の紙幣搬送経路140に向けて露出させる切欠ないし開口が設けられている。
【0032】
また、図6(b)に示すように、付帯ユニット20の開口内部の左端には、棚板24上に隣と分煙するための仕切パネル4が設置されている。仕切パネル4は、所要な強度と弾性のある透明樹脂製であることが好ましく、その取付ベース4aに対して着脱自在あるいは出没可能に収納できるように構成されている。よって、仕切パネル4には取手孔を設けると良い。また、付帯ユニット20の前面側の開口において、台間機3の正面と仕切パネル4の取付ベース4aとの間は、縦長で細幅な前面間板26によって塞がれている。
【0033】
付帯ユニット20の前面側の開口において、台間機3、取付ベース4a、それに前面間板26の上端は同じ高さに揃えられており、これらの上端より上方に位置する後述の各延出部220の間は、前面上板27によって塞がれている。また、付帯ユニット20の背面側の開口は、全体的に背面板28によって塞がれている。なお、付帯ユニット20のうち下面板21、前面間板26、前面上板27等の露出する外表面には、化粧シートを貼り付けて装飾すると良い。
【0034】
図1図3に示すように、遊技装置1の最も端(いわゆるエンド)、すなわち図中の右端の各種遊技機2の右側方に設置する付帯ユニット20Aは、対応する遊技機2がなく台間機3や小物入れ21a等を備える必要はない。そのため、付帯ユニット20Aは、前述した付帯ユニット20とは異なり、例えば前面側の開口が全て塞がれている等の別構成となっている。これらの付帯ユニット20,20Aは、構造体10とは独立のユニットとして後述の膳板132上に設置可能であり、後から別のユニットに交換することもできる。
【0035】
ところで、図6(c)に示すように、各側面板22のうち前端側には、上面板23の連結位置よりさらに上方に延出した延出部220が形成されている。各延出部220は、遊技機2を間にして対向する別の付帯ユニット20における側面板22の延出部220と共に、これらの間に後述する幕板30を上下方向にスライド可能に取り付ける部位をなしている。すなわち、図7(a)に示すように、延出部220の後端縁に沿った外面側は、幕板30の両側端を摺動可能に嵌入させる溝状の凹部221が形成されている。
【0036】
凹部221は、延出部220の下端よりさらに下方まで延びており、凹部221より後方に位置する側面板22の外面は、凹部221の底と同等の板厚となるように削られ(図7(b)中の斜線部分)、幕板30を後方より取り付けられるように設計されている。これにより、幕板30は、延出部220とさらにその下方まで延びた凹部221に沿って上下方向にスライド可能となる。幕板30を下方に位置させる時は(図3参照)、幕板30の下端を凹部221の下端に係合させる。
【0037】
一方、幕板30を上方に位置させる時は(図1参照)、幕板30の下端と凹部221の下端との間にストッパ223を介在させる。図7(a)に示すように、ストッパ223は、例えば凹部221に収まる角柱状に形成されており、その表面には図示省略したが磁石シートが貼り付けられている。また、凹部221の底にも、磁石シート222が貼り付けられている(図7(a)中の斜線部分)。よって、ストッパ223は、凹部221に沿った任意の高さ位置に磁力によって吸着保持させることがきる。
【0038】
<紙幣搬送装置14>
図1から図4に示すように、構造体10において各種遊技機2の背面側には、前述したように紙幣搬送装置14が配設されている。紙幣搬送装置14は、各種遊技機2の遊技に用いられて排出された紙幣を、遊技装置1の一端側まで搬送するものである。遊技装置1の一端側には、前記付帯ユニット20Aの一側面に沿って妻板5が立設されており、妻板5の外側方には、紙幣搬送装置14によって搬送された紙幣を回収して保管する金庫15が設置されている。
【0039】
図1図3に示すように、紙幣搬送装置14の主要部をなす紙幣搬送経路140は、各種遊技機2の背面側において遊技装置1の長手方向に水平に延びる状態に設置されている。ここで紙幣搬送経路140は、前記付帯ユニット20に装備された台間機3の紙幣受入口3aないし紙幣排出手段3bと同じ高さ位置に配置されており、その結果、各種遊技機2における全ての各天井面よりも上方に位置している。本実施形態では、紙幣受入口3aが本発明の「遊技価値受付手段」に該当する。
【0040】
紙幣搬送経路140は、例えば紙幣を垂直に立てた状態で水平方向に通過させるハウジングとして構成されており、該ハウジングの長手方向に沿って、紙幣を搬送するためベルトないしローラ等の搬送機構が付設されている。紙幣搬送経路140は、構造体10の一端から他端の金庫15に向けて水平な直線状に配設されている。このような紙幣搬送装置14の構成は、一般的であるので詳細な説明は省略する。
【0041】
<上部ユニット12>
図1図3に示すように、構造体10の前後の列において、各種遊技機2の上方(各柱部材11の上部の間)には、構造体10の上部をなす上部ユニット12が配設されている。上部ユニット12は、全体的には横長な長方形の枠体として構成されており、図8に示すように、下側から順に、上部ユニット下段枠121、上部ユニット上段枠122、それに背押え板123を備えている。
【0042】
図9に示すように、上部ユニット下段枠121は、例えば各種遊技機2の1台分の横幅に合わせた長さ寸法の枠組み状に構成されている。詳しく言えば、上部ユニット下段枠121は、両端の側板1211,1211と、各側板1211の上端間に架設されて水平に延びる上端梁1212と、各側板1211の下端間に架設されて水平に延びる下端梁1213とを備えている。
【0043】
上端梁1212の前端側の上面には、左右に分かれた角柱状の止め部材1214が固定されている。上端梁1212の前端側には、後述する表示装置31等からの配線を通す切欠1212aが設けられている。また、下端梁1213の下面には、別体の上座板1215が取り付けられている。ここで上座板1215は、各種遊技機2の天井面を支持するように配置されている。
【0044】
図8に示すように、上部ユニット下段枠121の前面開口、すなわち上端梁1212の前端側の下面と下端梁1213の前端側の上面との間には、それぞれに固定された支持部材1216~1219等を介して、パネル状のケンドン扉33が着脱自在に取り付けられている。図12に示すように、ケンドン扉33は、横長な長方形で金属製の平板として形成されている。
【0045】
図13に示すように、ケンドン扉33の上端側には、支持部材1218に下方より宛がい前後より挟持する止着部33aが設けられている。一方、ケンドン扉33の下端縁は、図8に示すように、支持部材1216の上側に沿って設けられた凹溝1216aに嵌入される。なお、ケンドン扉33の外表面は、幕板30が上方に位置する時は露出するため、化粧シートを貼り付けて装飾すると良い。
【0046】
図10に示すように、上部ユニット上段枠122は、例えば各種遊技機2の2台分と付帯ユニット20の3台分との横幅を合わせた長さ寸法の枠組み状に構成されており、複数の前記上部ユニット下段枠121の上方に跨がるように配設されている。詳しく言えば上部ユニット上段枠122は、両端の側板1221,1221と、各側板1221の上端間に架設されて水平に延びる上端梁1222と、各側板1221の下端間に架設されて水平に延びる下端梁1223とを備えている。
【0047】
上部ユニット上段枠122は、その下端梁1223が前記上部ユニット下段枠121の上端梁1212の上面に取り付けられており、前記止め部材1214に後方より係合している。また、上端梁1222と下端梁1223との間には、長手方向の所定間隔おきに補強用の間柱1224が立設されている。
【0048】
図11に示すように、背押え板123は、例えば前記上部ユニット上段枠122の上端梁1222の長さと同じ長さ寸法で垂直に配される板材である。背押え板123は、水平方向に細幅状に延びる下端梁1231の前端縁に沿って立壁状に立設されている。背押え板123は、その下端梁1231が前記上部ユニット上段枠122の上端梁1222の上面に取り付けられて、次述する幕板30を背面側から支えるものである。
【0049】
<幕板30>
図8において、上部ユニット12の上部ユニット下段枠121、上部ユニット上段枠122、それに背押え板123の各前面が連なる基準面の前方には、幕板30が上下方向にスライド自在に配設される。図14図15に示すように、幕板30は、各種遊技機2の1台分の横幅を合わせた長方形の平板状に形成されている。前述したように幕板30の両側端は、遊技機2の両側の各付帯ユニット20で互いに対向する各延出部220にある凹部221(図7参照)に摺動可能に嵌入している。よって、幕板30は、上部ユニット12の前記基準面に背面が当接する状態で、凹部221に沿って上下方向にスライド可能である。
【0050】
幕板30の正面には、各種遊技機2に関する遊技情報等を表示する表示装置31、遊技店員を呼び出すための呼出ランプ32等が配設される。ここで表示装置31および呼出ランプ32は、ユニットとして構成されており、取り付け角度、あるいは取り付け位置も適宜変更できるように構成すると良い。なお、幕板30には、表示装置31等の配線を通す円孔34が穿設されている。
【0051】
<下部ユニット13>
図1図5に示すように、構造体10の前後列において、各種遊技機2の下方(各柱部材11の下部の間)には、構造体10の下部をなす下部ユニット13が配設されている。下部ユニット13は、例えば各種遊技機2の2台分と付帯ユニット20の3台分との横幅を合わせた長さ寸法の枠組み状に構成されている。詳しく言えば下部ユニット13は、両端の側板131,131と、各側板131の上端間に架設されて水平に延びる膳板132とを備えている。
【0052】
図16図17に示すように、膳板132上には、重ね板133が貼り合わされている。重ね板133は、膳板132と外形が合致するものであるが、各種遊技機2を載置する領域に合わせて切欠133aが形成されている。重ね板133の各切欠133aには、各種遊技機2を載置する座板134が着脱可能に嵌め込まれている。ここで膳板132の前端縁と重ね板133の前端縁とは、金属製の略コ字形断面の連結ブラケット132aにより互いに固定されている。
【0053】
図18に示すように、座板134上には、各種遊技機2を重ね板133の基準面と面一となる座板134上よりも高い位置に載置するための追加座板135を重ね合わせることも可能である。かかる追加座板135は、例えばパチンコ機2Aを嵩上げして載置する場合に用いることができる。追加座板135の板厚は、各種遊技機2の高さ寸法等に合わせて適宜定め得る設計事項である。なお、本実施形態の遊技装置1では、図5に示すように、追加座板135は使用していない。
【0054】
各側板131の上半側における前端縁の間は、垂直に配される腰板136によって覆われている。また、各側板131の途中の間で、腰板136の下端縁より若干上側の位置には、膳板132の下方で水平に延びる中板137が架設されている。膳板132と中板137との間には、長手方向の所定間隔おきに補強用の間柱138が立設されている。さらに、下部ユニット13において腰板136の下端縁より下方には、図5に示すように、前面側がパネルで覆われたベース部材139が配設されている。ここでベース部材139は、下部ユニット13の一端から多端に亘って複数のものが並設されている。
【0055】
<遊技装置1の作用>
次に、本実施形態に係る遊技装置1の作用について説明する。
図1に示すように、遊技装置1全体のフレームをなす構造体10を構築するには、遊技店内等の施工現場の床面A上に、先ずは各柱部材11(図19参照)を、それぞれ装置の長手方向に亘り所定間隔おきに立設する。次いで、図5に示すように、各柱部材11の下部の間における前後両側に、図16図17に示す下部ユニット13を組み付け、各柱部材11の上部の間における前後両側に、図8から図11に示す上部ユニット12を組み付ける。
【0056】
各柱部材11の上部の間には、上部ユニット12を組み付ける前に、後で設置する各種遊技機2の背面側で、かつ各種遊技機2の全ての各天井面よりも上方の位置に、予め紙幣搬送装置14を配設する。紙幣搬送装置14は、その主要部をなす紙幣搬送経路140を、柱部材11の各支柱112の間を水平に延びる状態で通すように配設する。ここで紙幣搬送経路140は、後述するが付帯ユニット20に装備された台間機3の紙幣受入口3aないし紙幣排出手段3bと同じ高さ位置となる。
【0057】
図5に示すように、構造体10の上部ユニット12と下部ユニット13との間の中段には、その前後両側から各種遊技機2を2列に設置する。下部ユニット13の膳板132が、各種遊技機2を設置する部位となり、膳板132上には、図16図17に示すように、重ね板133が貼り合わされている。重ね板133には、各種遊技機2を載置する領域に合わせて切欠133aが形成され、切欠133aごとに、各種遊技機2を直接載置する座板134が嵌め込まれている。
【0058】
パチンコ機2Aを設置する場合は、図5の右側に示すように、下部ユニット13の上面をなす前記座板134の上に、パチンコ機2Aの底面を載置して固定すると共に、上部ユニット12側の上座板1215に、パチンコ機2Aの天井面を固定する。ここでパチンコ機2Aのハンドルは、椅子6に座った遊技客にとって操作し易い高さ位置となるが、パチンコ機2Aの高さを嵩上げする場合は、図18に示すように、座板134上に追加座板135を重ね合わせて、追加座板135上にパチンコ機2Aの底面を載置することになる。
【0059】
一方、スロットマシン2Bの設置もほぼ同様であり、図5の左側に示すように、下部ユニット13の上面をなす前記座板134の上にスロットマシン2Bの底面を載置して固定すると共に、上部ユニット12側の上座板1215にスロットマシン2Bの天井面を固定する。ここでスロットマシン2Bの操作ボタンは、椅子6に座った遊技客にとって操作し易い高さ位置となる。なお、スロットマシン2Bの操作ボタンは、一般的にパチンコ機2Aのハンドルよりも高い位置にあるため、通常の機種では追加座板135は不要となる。
【0060】
特に、本実施形態の各種遊技機2は、全てのパチンコ機2Aとスロットマシン2Bとで高さが同一である機種を採用している。これにより、構造体10の中段における座板134と上座板1215の高さ位置も一律に固定することができる。従って、種類の異なるパチンコ機2Aとスロットマシン2Bを、それぞれ1つの構造体10に混在させる場合であっても、全ての天井面の高さを揃えることができ、各種遊技機2の設置作業が容易になるだけでなく、各種遊技機2の天井面の上方に同じ高さの後述するスペースSを確保することができる。
【0061】
このように本遊技装置1によれば、1つの構造体10を共用して、各種遊技機2は、例えばパチンコ機2Aだけで揃えたり、スロットマシン2Bだけで揃えたり、あるいは図1から図4に示したように、両者を混在させた装置も容易に構成することが可能となる。また、構造体10を構成する柱部材11、上部ユニット12、下部ユニット13の各種パーツも、基本的には変更したり追加することなく、後から異なる機種の遊技機2に容易に取り替えることも可能となる。
【0062】
また、図1から図4に示すように、各種遊技機2の間には、台間機3を備えた付帯ユニット20を設置する。図17に示す下部ユニット13の膳板133において、遊技機用の座板134を嵌め込む切欠133aの間の領域が、各台間機3を設置する部位となり、この領域上に付帯ユニット20の下面板21をそのまま載置して固定する。このように、本実施形態の付帯ユニット20は、各種遊技機2と同様に下部ユニット13の膳板133上に設置される。
【0063】
図6に示すように、付帯ユニット20の内部には台間機3を設置するが、台間機3における紙幣受入口3aないし紙幣排出手段3bの高さ位置は、前述したように紙幣搬送装置14における紙幣搬送経路140の高さ位置に合わせることになる。そこで、各台間機3の高さ、すなわち紙幣受入口3aないし紙幣排出手段3bの高さ位置は、その下方における付帯ユニット20の小物入れ21a(図6参照)をスペーサーとして、該小物入れ21aのサイズ調整(棚板24の位置決め)により、予め紙幣搬送経路140の高さに合致するように変更することができる。
【0064】
特に本実施形態では、前述したように各種遊技機2の天井面の高さを揃えたことにより、各種遊技機2に対応させる各台間機3(紙幣受入口3aないし紙幣排出手段3b)の高さ位置も一律に揃えることができ、容易に紙幣搬送経路140の高さに合致させることが可能となる。従って、従来の遊技機島のように、例えば種類の異なる遊技機ごとの設置高さの違いに応じて、紙幣搬送経路140のレイアウトを再構築するような必要もない。また、パチンコ機用の紙幣排出手段3bをスロットマシン用として兼用することができ、各紙幣排出手段3bは、同じ高さであれば共通で使用することが可能になる。
【0065】
そして、付帯ユニット20の設置後は、台間機3の紙幣受入口3aに受け入れられた紙幣は、紙幣排出手段3bを経て紙幣搬送経路140に排出され、紙幣搬送経路140を通って金庫15まで搬送される。このような紙幣搬送経路140は、各種遊技機2における全ての各天井面よりも上方に設置されるため、その保守や点検ないし修理の時は、上部ユニット12の天井側から容易にアクセスして作業を行うことが可能となる。これにより、従来の遊技機島にように、パチンコ機の外枠部分を固定したまま本体部分のみを開放するような煩わしい開閉作業は不要となり、紙幣搬送経路140を露出させる負担を掛けずに済み、外部から紙幣搬送経路140に容易に到達することができる。
【0066】
その他、付帯ユニット20に関して、台間機3のスペーサーとなる小物入れ21aは、遊技客が例えば飲み物や携帯端末等の所持品を自由に置く等、個人空間として活用することができる。また、台間機3に隣接して設けた仕切パネル4によれば、隣り合う遊技客の間の空間を仕切ることにより、遊技客同士の喫煙や音等を遮蔽することが可能となる。さらに、付帯ユニット20の延出部220は、後述するが幕板30を上下方向にスライド可能に取り付ける部位として活用することができる。
【0067】
また、付帯ユニット20の延出部220を含む上側によって、上部ユニット12は各種遊技機2ごとに区画される。すなわち、各種遊技機2における全ての各天井面よりも、前記紙幣受入口3aおよび前記紙幣排出手段3bが高く設置されている。これにより、各種遊技機2の水平な天井面と、それぞれ天井面の両側で立ち上がる紙幣受入口3aないし紙幣排出手段3bの側面とによって、少なくとも空間の一部が面的に区画された共通のスペースSが形成される。スペースSは、各種遊技機2ごとに区画された領域であり、基本的には区画ごとに、それぞれ開口面積や奥行等の大きさ(容積)が共通するものとなる。
【0068】
このようにスペースSは、本実施形態では、付帯ユニット20自体の上側の一部の配置スペースとなる他、上部ユニット12の一部として、幕板30上の表示装置31を上下にスライド可能に取り付けるスペース、ケンドン扉32の取り付けスペース、あるいは遊技客の小物入れ等とパーソナル空間用のスペース、さらには各種遊技機2の宣伝やイベント告知等のスペース等、遊技装置1の具体的な構成に応じて様々な用途に活用することができる。
【0069】
ここで幕板30に関しては、図7に示すように、付帯ユニット20の延出部220を利用して、スペースS内にて上下方向にスライド可能である。そして、前述したようにストッパ223を利用することにより、例えば幕板30の下方に位置する遊技機2の上部筐体(装飾部品)が上方に迫り出すように場合には、この上部筐体と幕板30上の表示装置31が干渉しないように、上方の位置に固定することができる。
【0070】
また、各種遊技機2として、前述したスマートパチンコ機やスマートスロットマシンを採用すれば、上部ユニット12には、従来の遊技機島における遊技媒体の貯留タンクや配給樋部材等が不要となる。従って、各種遊技機2の天井面の上方には、各紙幣受入口3a(各紙幣排出手段3b)によって区画された共通のスペースSを広く容易に確保することが可能となる。しかも、従来の貯留タンクや配給樋部材等に対する紙幣搬送装置14の干渉を避ける対策も不要となる。
【0071】
さらに、紙幣搬送装置14を、全ての各種遊技機2の各天井面よりも上方に設置しても、上部ユニット12の高さが必要以上に嵩むことを防ぐこともできる。なお、下部ユニット13の内部に関しても、前述したスマートパチンコ機やスマートスロットマシンを採用すれば、従来の遊技機島における下部貯留タンクや遊技媒体の回収樋部材、それに遊技媒体を研磨揚送する装置等を含む遊技球の循環設備の類いは不要となり、各種遊技機2を含む装置全体の構成を簡略化することが可能となる。
【0072】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0073】
先ず、本発明は、種類の異なる各種遊技機2と、当該各種遊技機2の遊技に用いる遊技価値を受け付ける各遊技価値受付手段とを設置可能とした遊技装置1において、
前記各種遊技機2における全ての各天井面よりも前記各遊技価値受付手段を高く設置することによって、前記各天井面と前記各遊技価値受付手段とから一部が区画された共通のスペースSを設けたことを特徴とする。
【0074】
このような遊技装置1によれば、パチンコ機2Aあるいはスロットマシン2B等の種類を問わず、全ての遊技機2の各天井面よりも各遊技価値受付手段を高く設置することにより、各天井面と各遊技価値受付手段とから区画された共通のスペースSを設けることができる。かかるスペースSは、例えば遊技客のパーソナル空間用のスペースの他、幕板30上の表示装置31を上下にスライド可能に配置するスペース、あるいは各種遊技機2の宣伝やイベント告知等のスペース等、遊技装置1の具体的な構成に応じて様々な用途に活用することができる。
【0075】
ここで各遊技価値受付手段は、本実施形態では紙幣受入口3aとして説明したが、必ずしも紙幣受入口3aだけに限らず、例えば遊技に用いる遊技価値として、紙幣以外に持玉データ、貯玉データ、ポイント等を記録した記録媒体(カード等)を受け付ける構成、あるいは紙幣や記録媒体の貯留部、紙幣識別機能を含むビルバリ等であっても良い。
【0076】
さらに、各遊技価値受付手段は、前述した紙幣排出手段3bと兼用の構成であっても構わず、例えば台間機3から紙幣搬送経路140に紙幣を取り込ませる紙幣取込機も該当し得る。ただし、何れの遊技価値受付手段も、遊技機2の天井面より上方に設置されるものであり、よって、例えば台間機3の正面下部にカード受入口があったとしても、これは本発明の遊技価値受付手段には該当しない。
【0077】
要するに各遊技価値受付手段は、遊技価値を受け付ける機能を備え、遊技機2の天井面より高く立ち上がるような壁面を備え、この壁面と天井面とによって少なくとも空間の一部を面的に区画できるものであれば足りる。ここでスペースSは、前述した紙幣排出手段3bによる区画と同様に、全周に亘って区画される必要もないが、図1および図2中に薄墨色の網掛けで例示したように、それぞれ共通のスペースSとして、基本的には開口面積や奥行等の大きさ(容積)が共通するものとなる。
【0078】
また、本発明では、前記各遊技価値受付手段は、その下方にスペーサーを設けることによって高さを変更可能にしたことを特徴とする。
このような構成によれば、各遊技価値受付手段の高さ位置を、各種遊技機2の全ての天井面より上方に配置した紙幣搬送経路140の高さ位置に容易に合わせることができる。前述した実施形態では、付帯ユニット20の内部において、台間機3の土台とする小物入れ21a(図6参照)をスペーサーとして、該小物入れ21aのサイズ調整(棚板24の位置決め)により、予め紙幣搬送経路140の高さに合致するように容易に変更することができる。
【0079】
これにより、パチンコ機用の各遊技価値受付手段をスロットマシン用として兼用することができ、各遊技価値受付手段は、同じ高さであれば共通で使用することが可能になる。また、従来の遊技機島のように、例えば種類の異なる遊技機ごとの設置高さの違いに応じて、紙幣搬送経路140のレイアウトを再構築するような必要もない。なお、各遊技価値受付手段の高さを調整するためのスペーサーは、小物入れ21aのように付帯ユニット20の一部である必要はなく、別部材によって構成することもできる。
【0080】
また、本発明では、前記各種遊技機2は、パチンコ機2A、またはスロットマシン2Bのうち遊技媒体の代わりに電子データを使用するもの(=スマスロ)の何れかを少なくとも含むことを特徴とする。
【0081】
このように、一つの遊技装置1に異なる種類の遊技機2として、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bとを装備する場合、パチンコ機2Aに関しては、従来一般の実際に遊技球を使用する機種でも、あるいは遊技球の遊技価値を電子データで管理するスマートパチンコ機でも良いが、スロットマシン2Bに関しては、従来一般の実際にメダルを使用する機種ではなく、メダルの遊技価値を電子データで管理するスマートスロットマシンを採用すると良い。これにより、従来一般のスロットマシンだけを備えた遊技機島と差別化することができる。
【0082】
さらに、本発明では、前記各種遊技機2は、全てが前記パチンコ機2A、または全てが前記スロットマシン2Bのうち遊技媒体の代わりに電子データを使用するものの何れかに属することを特徴とする。
【0083】
このように、一つの遊技装置1に装備する遊技機2を、全てパチンコ機2A、または全てスロットマシン2Bで揃えても良いが、かかる場合、スロットマシン2Bに関しては、前述したようにスマートスロットマシンを採用すると良い。すなわち、遊技機2を、パチンコ機2Aまたはスロットマシン2Bの分類で統一する場合は、スマートスロットマシンではない従来一般のスロットマシンだけでの統一は除外すると良い。
【0084】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、遊技装置1における各種遊技機2の種類、台数、それに具体的に割付け(レイアウト)は、前述した実施形態の態様に限られず、設置場所の状況に応じて適宜定めると良い。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る遊技装置は、各種遊技機として、パチンコ機やスロットマシンを備えるものとして広く適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1…遊技装置
2…各種遊技機
2A…パチンコ機
2B…スロットマシン
3…台間機
3a…紙幣受入口
3b…紙幣排出手段
4…仕切パネル
10…構造体
11…柱部材
12…上部ユニット
13…下部ユニット
14…紙幣搬送装置
140…紙幣搬送経路
20…付帯ユニット
30…幕板
31…表示装置
S…共通のスペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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