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特開2024-155380タッチパネル内蔵表示装置、及びタッチパネル内蔵表示装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155380
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】タッチパネル内蔵表示装置、及びタッチパネル内蔵表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G06F3/041 510
G06F3/041 410
G06F3/041 640
G06F3/041 495
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070049
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】吉良 隆敏
(72)【発明者】
【氏名】畠 雅幸
(57)【要約】
【課題】複数点のタッチ座標を検出することが可能な電気泳動式表示部を備えたタッチパネル、及びタッチパネルの制御方法を提供する。
【解決手段】タッチパネル1は、Y方向に並んで配置された複数の検出電極41及び42と、タッチ座標検出回路2bと、を備える。タッチ座標検出回路2bは、複数の検出電極41及び42に電圧を供給し、検出電極41及び42の電位である検出値を取得し、検出電極ペア41及び42の検出値の合計値に基づいて、検出電極41及び42が配置されたY座標におけるタッチの有無を判定し、タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極41及び42の合計値に対する検出電極42の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチのX座標を求める。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素電極と、
前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、
前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、
前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、
指示体によるタッチの前記第1方向の座標及び前記第2方向の座標を検出するタッチ座標検出回路と、を備え、
前記タッチ座標検出回路は、
前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、
前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、
検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、
タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める、タッチパネル内蔵表示装置。
【請求項2】
前記タッチ座標検出回路は、前記第1検出電極に接続された抵抗器と、前記抵抗器に接続された電圧計と、前記電圧計により検出された電圧値を、前記第1検出電極の検出値として取得する、請求項1に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
【請求項3】
前記タッチ座標検出回路は、前記対向電極の抵抗値をRとし、前記対向電極の抵抗値をRcとし、前記抵抗器の抵抗値をRsとした場合に、C0を下記の式(1)に示す値とし、K0を下記の式(2)に示す値とし、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合をPxとし、所定の定数をWxとした場合、以下の式(3)に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標Xを求める、請求項2に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
C0=(Rs+Rc)/(2Rs+2Rc+R)・・・(1)
K0=R/(2Rs+2Rc+R)・・・(2)
X=(Px-C0)/K0×Wx・・・(3)
【請求項4】
前記タッチ座標検出回路は、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に、所定の定数を乗算した値を、指示体によるタッチの前記第1方向の座標とする、請求項1に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
【請求項5】
前記対向電極に表示用信号を供給する表示駆動回路と、
前記表示駆動回路により前記表示用信号を供給する期間と、前記タッチ座標検出回路によって、指示体によるタッチの前記第1方向の座標及び前記第2方向の座標を検出する期間とを時分割で実行するタイミング制御回路と、をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
【請求項6】
複数の画素電極と、
前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、
前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、
前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、を備えた、タッチパネル内蔵表示装置の制御方法であって、
前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、
前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、
検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、
タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める、タッチパネル内蔵表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル内蔵表示装置、及びタッチパネル内蔵表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、帯電粒子及び液体分散媒が封入されたマイクロカプセルを備えたタッチパネルが開示されている。このタッチパネルは、タッチパネル基材に形成された透明電極と、背面電極と、透明電極と背面電極との間に配置されたマイクロカプセル型電気泳動式表示部とを備える。透明電極は、位置検出用電圧及び共通電圧を生成する電圧生成部と、透明電極の静電容量の変化に基づいて、接触位置を検出する位置検出部とが接続されている。タッチパネルは、タッチを検出する際には、位置検出用電圧を透明電極に印加し、表示部の表示の書き換えを行う際には、共通電圧を透明電極に印加する。電圧生成部からの位置検出用電圧が透明電極に印加された状態において、タッチパネル基材にタッチペンが接触すると、透明電極の四隅の静電容量が変化する。この静電容量の変化に基づいて、位置検出部はタッチペンの接触位置を検出し、検出結果である所定の信号を制御部に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-113502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている電気泳動式表示部を備えたタッチパネルは、透明電極の四隅の静電容量に基づいて、タッチペン(指示体)の1点の接触位置を検出することが可能であるものの、指示体による複数点の接触位置(タッチ座標)を検出することはできない。
【0005】
そこで、本開示は、複数点のタッチ座標を検出することが可能な電気泳動式表示部を備えたタッチパネル内蔵表示装置、及びタッチパネル内蔵表示装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の第1の態様に係るタッチパネル内蔵表示装置は、複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、指示体によるタッチの前記第1方向の座標及び前記第2方向の座標を検出するタッチ座標検出回路と、を備え、前記タッチ座標検出回路は、前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める。
【0007】
第2の態様に係るタッチパネル内蔵表示装置の制御方法は、複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、を備えた、タッチパネル内蔵表示装置の制御方法であって、前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、第2方向に異なる位置に配置された検出電極ペアごとに、タッチの有無を判定することができるので、第2方向に異なる複数の位置において、指示体によりタッチパネルがタッチされた場合でも、複数の位置に対する各々のタッチを検出することができる。そして、タッチが有ると判定した際に、タッチされた複数の位置の各々の第1方向の座標を求めることができるので、複数点のタッチ座標を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態によるタッチパネル内蔵表示装置100の構成を示すブロック図である。
図2図2は、制御回路2の構成を示すブロック図である。
図3図3は、タッチパネル内蔵表示装置100のタッチパネル1の構成を示す断面図である。
図4図4は、タッチパネル1の構成を模式的に示す斜視図である。
図5図5は、対向電極21と検出電極41及び検出電極42との接続関係を説明するための図である。
図6図6は、対向電極21とタッチ座標検出回路2bとの接続関係を説明するための図である。
図7図7は、タッチ座標検出回路2bにより取得される電圧値V1と電圧値V2との合計値の一例を示す図である。
図8図8は、タッチ座標検出回路2bにより取得される電圧値V1と電圧値V2との合計値に対する電圧値V2の割合の一例を示す図である。
図9図9は、制御回路2から対向電極21に供給される信号を説明するための図である。
図10図10は、対向電極21と制御回路2との接続状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本開示の一実施形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0011】
[タッチパネル内蔵表示装置の全体構成]
本実施形態によるタッチパネル内蔵表示装置100(以下、「表示装置100」という)の構成について説明する。図1は、本実施形態による表示装置100の構成を示すブロック図である。図2は、制御回路2の構成を示すブロック図である。図3は、表示装置100のタッチパネル1の構成を示す断面図である。
【0012】
図1に示すように、表示装置100は、タッチパネル1と、制御回路2とを備える。表示装置100は、本実施形態では、電子ペーパー、電気泳動ディスプレイ、及び非発光型ディスプレイとして構成されている。タッチパネル1は、制御回路2からの制御信号に基づいて、画像又は映像を表示する。また、本実施形態では、タッチパネル1は、指示体による複数点においてタッチされた位置(タッチ座標)を検出する。制御回路2は、タッチパネル1に制御信号を出力し、タッチパネル1の動作を制御する。
【0013】
図2に示すように、制御回路2は、装置制御回路2aと、タッチ座標検出回路2bと、タイミング制御回路2cとを含む。装置制御回路2aと、タッチ座標検出回路2bと、タイミング制御回路2cとは、それぞれ、例えば、画素基板10(図3参照)上に形成されたSOG(System On Glass)として構成されている。装置制御回路2aは、タッチパネル1に表示する画像を書き換える制御を行う。タッチ座標検出回路2bは、タッチパネル1に電圧を出力し、タッチパネル1から検出値を取得し、当該検出値に基づいて、指示体(指又はペン)によるタッチパネル1に対するタッチ(接触)を検出する。タッチ座標検出回路2bは、制御回路2にタッチの検出結果(レポート)を送信する。装置制御回路2aは、タッチ座標検出回路2bから、指示体によるタッチされた位置であるタッチ座標のレポートを取得して、当該レポートに応じて表示装置100の制御を行う。タイミング制御回路2cは、タッチパネル1(対向電極21)と装置制御回路2aとを接続した状態と、タッチパネル1(対向電極21)とタッチ座標検出回路2bとを接続した状態とを切り替える。
【0014】
図3に示すように、タッチパネル1は、画素基板10と、対向基板20と、電気泳動表示部30と、検出電極41と、検出電極42とを含む。画素基板10及び対向基板20は、可撓性を有する基板である。また、画素基板10は、可視光を透過する透明の基板である。画素基板10及び対向基板20は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルム基板である。画素基板10には、複数の画素電極11、及び複数の配線12が配置されている。画素電極11は、金属又は酸化インジウムスズ(ITO)などの導電体により構成されている。複数の画素電極11は、平面視でマトリクス状に配置されている。また、配線12は、例えば、金属(銅、金、又は銀など)により画素基板10の表面に形成されている。
【0015】
対向基板20は、画素基板10に対して法線方向(図2のZ1方向)に対向して配置されている。対向基板20には、対向電極21が配置されている。対向電極21は、複数の画素電極11に対して対向して配置されている。すなわち、対向電極21は、複数の画素電極11に対して共通に設けられた1枚の共通電極である。また、対向電極21は、可視光を透過する透明電極である。対向電極21として、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)を採用することができる。対向電極21は、検出電極41又は検出電極42を介して、配線12に接続されている。
【0016】
電気泳動表示部30は、画素基板10と対向基板20との間に配置されている。電気泳動表示部30は、複数のマイクロカプセル31と、複数の帯電粒子32a及び32bと、分散媒33と、絶縁層34とを含む。複数のマイクロカプセル31は、絶縁層34内に配置されている。複数の帯電粒子32a及び32bと分散媒33とは、マイクロカプセル31内に封入されている。複数の帯電粒子32a及び32bは、白色の帯電粒子32aと、黒色の帯電粒子32bとを含む。白色の帯電粒子32aは、例えば、正に帯電しており、黒色の帯電粒子32bは、負に帯電している。分散媒33は、絶縁性を有する液体であり、例えば、有機溶剤である。絶縁層34は、画素基板10と対向基板20との間を満たしている。絶縁層34は、例えば、高分子樹脂材料からなる層である。
【0017】
そして、画素電極11と対向電極21との間に所定の電圧を印加することにより、画素電極11が正極でかつ対向電極21が負極となった場合、黒色の帯電粒子32bは画素電極11に引き付けられ、白色の帯電粒子32aは対向電極21に引き付けられる。この場合、画素基板10側から観察するユーザに対して、タッチパネル1は白色を表示する。また、図3に示すように、画素電極11が負極でかつ対向電極21が正極となった場合、黒色の帯電粒子32bは対向電極21に引き付けられ、白色の帯電粒子32aは画素電極11に引き付けられる。この場合、画素基板10側から観察するユーザに対して、タッチパネル1は黒色を表示する。
【0018】
検出電極41及び検出電極42は、例えば、画素基板10と対向基板20との間に配置されたコモン転移電極である。検出電極41及び検出電極42は、樹脂材内に導電性の粒子が配置されることにより、導電性を有する。これにより、検出電極41及び検出電極42は、対向電極21と配線12とを電気的に接続する。
【0019】
図4は、タッチパネル1の構成を模式的に示す斜視図である。ここで、X軸は、タッチパネル1の平面上の軸である。Y軸は、タッチパネル1の平面上の軸であり、X軸と直交する。X1方向とは、X軸に平行な一方向であり、X2方向とは、X1方向に対して逆の方向である。Y1方向とは、Y軸に平行な一方向であり、Y2方向とは、Y1方向に対して逆の方向である。図4に示すように、複数の検出電極41は、対向電極21のうちのX1方向の縁部21aに接続されている。「縁部」とは、電極の端部のみならず、端部から所定の範囲内の領域を意味する。所定の範囲内の領域とは、例えば、対向電極21における、平面視で電気泳動表示部30に対して外側の領域である。
【0020】
複数の検出電極41は、Y軸に平行な方向に互いに間隔を空けて配置されている。例えば、複数の検出電極41は、Y1方向に等間隔に配置されている。また、複数の検出電極42は、対向電極21のうちのX2方向の縁部21bに接続されている。また、複数の検出電極42は、Y1方向に互いに間隔を空けて配置されている。例えば、複数の検出電極42は、Y1方向に等間隔に配置されている。検出電極41の数は、検出電極42の数と同一である。なお、図4では、抵抗を図示しているが、対向電極21の内部抵抗を模式的に図示したものであり、抵抗器が対向電極21上に配置されていることを示すものではない。
【0021】
図5は、対向電極21と検出電極41及び検出電極42との接続関係を説明するための図である。図5に示すように、複数の検出電極41を互いに区別するために、複数の検出電極41を、Y2方向に検出電極41a~41hとする。また、複数の検出電極42を互いに区別するために、複数の検出電極42を、Y2方向に検出電極42a~42hとする。ここで、検出電極41aは、Y軸に平行な方向の座標(「Y座標」という)において、検出電極42aと同一である。検出電極41b~41hは、それぞれ、検出電極42b~42hと同一のY座標である。ここで、同一のY座標の2つの検出電極(例えば、検出電極41a及び検出電極42a)を、「検出電極ペア」と呼ぶ。検出電極41b~41hは、それぞれ、検出電極42b~42hと検出電極ペアを構成する。
【0022】
図6は、対向電極21とタッチ座標検出回路2bとの接続関係を説明するための図である。図6に示すように、検出電極41と検出電極42との間の対向電極21の抵抗値を、Rとする。言い換えると、検出電極41a~41hと、検出電極42a~42hとの間の対向電極21の抵抗値は、いずれも、Rである。また、検出電極41a~41h、及び検出電極42a~42hの各々の抵抗値は、いずれも、Rcである。Rcは、Rよりも小さい。
【0023】
図3に示すように、検出電極41及び42は、それぞれ、配線12を介して、電源回路51と2つの電流検出器52とが接続されている。詳細には、図6に示すように、電流検出器52は、複数のシャント抵抗器52aと、選択回路52ba及び52bbと、電圧計52ca及び52cbとを含む。シャント抵抗器52aは、電源回路51と、検出電極41a~41hとの間の各々に配置されている。また、シャント抵抗器52aは、電源回路51と、検出電極41a~41hとの間の各々に配置されている。シャント抵抗器52aの抵抗値は、Rsである。Rsは、Rよりも小さい。
【0024】
電源回路51は、複数のシャント抵抗器52aのうちのいずれかを介して、検出電極41a~41h及び検出電極42a~42hに接続されている。そして、電源回路51は、駆動電圧を出力する。例えば、駆動電圧は、所定の振幅を有し、所定の周波数を有するサイン波(交流電圧)である。これにより、対向電極21に指示体がタッチしていない状態では、対向電極21には電流が流れない。しかしながら、対向電極21に指示体がタッチした場合、タッチした箇所が接地された状態となるため、タッチした箇所に向かって検出電極ペア(検出電極41及び42)から電流が流れる。そこで、本実施形態による表示装置100は、上記電流に対応する電圧値(検出値)を検出することにより、タッチした箇所(座標)を特定する。
【0025】
選択回路52baは、検出電極41a~41hのいずれか1つと、シャント抵抗器52aとの間に接続された接続点のうちから、電圧計52caに接続される接続点を選択する。例えば、選択回路52baは、タッチ座標検出回路2bから供給される制御信号に応じて、順次、電圧計52caに接続される接続点を切り替える(走査する)。そして、電圧計52caは、電圧値を検出し、検出結果をタッチ座標検出回路2bに送信する。
【0026】
選択回路52bbは、検出電極42a~42hのいずれか1つと、シャント抵抗器52aとの間に接続された接続点のうちから、電圧計52cbに接続される接続点を選択する。例えば、選択回路52bbは、タッチ座標検出回路2bから供給される制御信号に応じて、順次、電圧計52cbに接続される接続点を切り替える(走査する)。選択回路52bbは、選択回路52baにより選択された接続点に接続された検出電極41と同一のY座標の検出電極42に接続された接続点を選択する。
【0027】
ここで、本実施形態では、タッチ座標検出回路2bは、電源回路51から駆動電圧が検出電極41a~41h、及び検出電極42a~42hに供給されている状態で、電圧計52ca及び52cbから、電圧値を取得する。ここで、電圧計52caにより検出された電圧値をV1とする。また、電圧計52cbにより検出された電圧値をV2とする。選択回路52ba、及び選択回路52bbにより、n番目(nは自然数)に検出される接続点をCLn(クロックn)とする。そして、タッチ座標検出回路2bは、電圧計52ca及び52cbから、電圧値V1と電圧値V2との差分値(V2-V1)を取得する。タッチ座標検出回路2bは、差分値(V2-V1)が0でない場合、タッチがあったものとし、タッチ座標検出回路2bは、電圧値V1と電圧値V2との合計値(V1+V2)を取得する。なお、タッチ座標検出回路2bは、差分値(V2-V1)が0の場合、タッチがないものと判定する。
【0028】
図7は、タッチ座標検出回路2bにより取得される電圧値V1と電圧値V2との合計値の一例を示す図である。図7の例では、CL1~CL8における、電圧値V1と電圧値V2との合計値を示している。タッチ座標検出回路2bは、CL1~CL8における、電圧値V1と電圧値V2との合計値から、ピーク値となるCLを検出する。タッチ座標検出回路2bは、例えば、隣接するCLよりも大きな値となるCL(図7の例の場合、CL2及びCL6)をピーク値となるCLとして検出する。これにより、タッチ座標検出回路2bは、CL2に対応する検出電極41b及び42bのY座標の位置で、指示体によるタッチが有ると判定する。そして、タッチ座標検出回路2bは、CL2に対応する検出電極41b及び42bのY座標の位置を、指示体によるタッチのY座標として決定する。例えば、タッチ座標検出回路2bは、クロックの数(CL2の場合、「2」)に所定の値(検出電極41及び42のY軸に平行な方向の幅)を乗算した値をY座標(Yp)とする。
【0029】
図8は、タッチ座標検出回路2bにより取得される電圧値V1と電圧値V2との合計値に対する電圧値V2の割合の一例を示す図である。図8の例では、CL1~CL8における、電圧値V1と電圧値V2との合計値に対する電圧値V2の割合を示している。そして、タッチ座標検出回路2bは、CL1~CL8における、電圧値V1と電圧値V2との合計値に対する電圧値V2の割合Px(=V2/(V1+V2))を求める。
【0030】
タッチ座標検出回路2bは、タッチパネル1のX軸に平行な方向の幅Wxとすると、タッチが有ると判定した検出電極41及び42の割合Pxを用いて、下記式(1)に基づいて、指示体によりタッチされたX座標(Xp)を決定する。
Xp=(Px-C0)/K0×Wx・・・(1)
ここで、C0及びK0は、検出電極41又は42の抵抗(配線抵抗)及びシャント抵抗器52aの抵抗の影響を考慮した値であり、以下の式(2)及び(3)に示す値である。
C0=(Rs+Rc)/(2Rs+2Rc+R)・・・(2)
K0=R/(2Rs+2Rc+R)・・・(3)
これにより、検出電極41又は42の抵抗(配線抵抗)及びシャント抵抗器52aの抵抗が無視できない大きさであっても、表示装置100は、正確なX座標(Xp)を求めることができる。
【0031】
タッチ座標検出回路2bは、求めたX座標及びY座標(図6の例では2点(P1及びP2)のタッチ座標)の情報(レポート)を、装置制御回路2aに送信する。
【0032】
本実施形態によれば、Y軸に平行な方向に異なる位置に配置された検出電極41及び42ごとに、タッチの有無を判定することができるので、Y軸に平行な方向に異なる複数の位置において、指示体によりタッチパネル1がタッチされた場合でも、複数の位置に対する各々のタッチを検出することができる。そして、タッチが有ると判定した際に、タッチされた複数の位置の各々のX座標を求めることができるので、複数点のタッチ座標を検出することができる。
【0033】
図9は、制御回路2から対向電極21に供給される信号を説明するための図である。図9では、対向電極21に供給される電位をVcとして示されている。図9に示すように、制御回路2は、タッチ検出期間T1においては、対向電極21に電源回路51からの電圧を印加して、タッチ座標検出回路2bによりタッチ座標が検出される。また、制御回路2は、表示期間T2においては、対向電極21に、正極の電圧と負極の電圧とを交互に印加する共通電圧Vcを印加する。そして、制御回路2は、画素電極11に画像信号が供給され、電気泳動表示部30により表示される画像が書き換えられる。制御回路2のタイミング制御回路2cは、タッチ検出期間T1と表示期間T2とを所定の時間間隔で切り替える。これにより、タッチの検出の処理と、表示の処理とが時分割で実行される。これにより、対向電極21をタッチの検出及び表示の両方に用いることができるので、対向電極21とは別途(別の層に)電極を設ける必要がない。
【0034】
図10は、対向電極21と制御回路2との接続状態を説明するための図である。図10に示すように、タッチ検出期間T1では、対向電極21は、タッチ座標検出回路2bに接続される。また、表示期間T2では、対向電極21は、装置制御回路2aに接続される。なお、タッチ検出期間T1から表示期間T2に切り替わる時点t2において、タッチ座標検出回路2bから装置制御回路2aにレポート(タッチ座標)が送信される。
【0035】
[変形等]
以上、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0036】
(1)上記実施形態では、電気泳動表示部に、マイクロカプセルを設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、電気泳動表示部にマイクロカプセルを設けずに、電気泳動表示部を、帯電粒子と分散媒とにより構成してもよい。
【0037】
(2)上記実施形態では、制御回路(装置制御回路、タッチ座標検出回路、及びタイミング制御回路)を、画素基板上に形成されたSOGとして構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、装置制御回路、タッチ座標検出回路、及びタイミング制御回路の少なくとも一部を、画素基板とは別の基板上に配置してもよい。
【0038】
(3)上記実施形態では、電圧計により検出された検出電極の電位を、検出値とする例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、検出電極に流れる電流を検出する電流計を配置して、当該電流の値に基づいて、タッチの有無を判定し、タッチされたX座標を決定してもよい。図6に示すように、タッチされた位置に向かって電流が流れるため、タッチされたY座標に対応する検出電極ペアに流れる電流の合計値が増加する。これにより、表示装置が、電流のピーク値を検出すれば、図7に示す電圧値の例と同様に、ピーク値に対応するY座標をタッチ座標として決定することができ、図8に示す電圧値の例と同様に、割合に基づいて、X座標をタッチ座標として決定することができる。
【0039】
(4)上記実施形態では、選択回路を設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、複数の検出電極の各々に電圧計を配置してもよい。
【0040】
(5)上記実施形態では、タッチ座標検出回路を、隣接するCLよりも大きな値となるCLをピーク値となるCLとして検出するように構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、タッチ座標検出回路を、合計値(V1+V2)がしきい値電圧Vth以上となった場合に、タッチが有ると判定するように構成してもよい。
【0041】
(6)上記実施形態では、画素基板及び対向基板を、PETにより構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、画素基板及び対向基板を、ポリカーボネート、アクリル、又は石英ガラスから構成してもよい。
【0042】
(7)上記実施形態では、指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアの電圧値の差分値(V2-V1)が0であるか否かに基づいて、判定し、差分値(V2-V1)が0でない場合、検出電極ペアの電圧値の合計値(V2+V1)のピーク値をタッチが有ると判定する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアの電圧値の差分値(V2-V1)が0であるか否か、又は、検出電極ペアの電圧値の合計値(V2+V1)のピーク値があるか否かのうちのいずれか一方のみに基づいて、タッチの有無を判定してもよい。
【0043】
また、上述した構成は、以下のように説明することができる。
【0044】
第1の構成に係るタッチパネル内蔵表示装置は、複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、指示体によるタッチの前記第1方向の座標及び前記第2方向の座標を検出するタッチ座標検出回路と、を備え、前記タッチ座標検出回路は、前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める(第1の構成)。
【0045】
上記第1の構成によれば、第2方向に異なる位置に配置された検出電極ペアごとに、タッチの有無を判定することができるので、第2方向に異なる複数の位置において、指示体によりタッチパネルがタッチされた場合でも、複数の位置に対する各々のタッチを検出することができる。そして、タッチが有ると判定した際に、タッチされた複数の位置の各々の第1方向の座標を求めることができるので、複数点のタッチ座標を検出することができる。
【0046】
第1の構成において、前記タッチ座標検出回路は、前記第1検出電極に接続された抵抗器と、前記抵抗器に接続された電圧計と、前記電圧計により検出された電圧値を、前記第1検出電極の検出値として取得するように構成されてもよい(第2の構成)。
【0047】
上記第2の構成によれば、電圧値を検出することにより、第1検出電極の検出値を取得することができる。
【0048】
第2の構成において、前記タッチ座標検出回路は、前記対向電極の抵抗値をRとし、前記対向電極の抵抗値をRcとし、前記抵抗器の抵抗値をRsとした場合に、C0を下記の式(1a)に示す値とし、K0を下記の式(2a)に示す値とし、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合をPxとし、所定の定数をWxとした場合、以下の式(3a)に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標Xを求めるように構成されてもよい(第3の構成)。
C0=(Rs+Rc)/(2Rs+2Rc+R)・・・(1a)
K0=R/(2Rs+2Rc+R)・・・(2a)
X=(Px-C0)/K0×Wx・・・(3a)
【0049】
上記第3の構成によれば、検出電極の抵抗値及び抵抗器の抵抗値が無視できない大きさであっても、正確に第1方向の座標を求めることができる。
【0050】
第1の構成において、前記タッチ座標検出回路は、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合を、指示体によるタッチの前記第1方向の座標とするように構成されてもよい(第4の構成)。
【0051】
上記第4の構成によれば、第1方向の座標を求めるための演算を簡素化することができる。
【0052】
第1~第4の構成のいずれか1つにおいて、タッチパネルは、前記対向電極に表示用信号を供給する表示駆動回路と、前記表示駆動回路により前記表示用信号を供給する期間と、前記タッチ座標検出回路によって、指示体によるタッチの前記第1方向の座標及び前記第2方向の座標を検出する期間とを時分割で実行するタイミング制御回路と、をさらに備えてもよい(第5の構成)。
【0053】
上記第5の構成によれば、タッチパネルに画像を表示する期間と、タッチを検出する期間とを、分割することができるので、画像の表示がタッチの検出に影響を与えるのを防止することができるとともに、タッチの検出が画像の表示に影響を与えるのを防止することができる。
【0054】
第6の構成に係るタッチパネル内蔵表示装置の制御方法は、複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、を備えた、タッチパネル内蔵表示装置の制御方法であって、前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める(第7の構成)。
【0055】
上記第6の構成によれば、複数点のタッチ座標を検出することが可能な電気泳動式表示部を備えたタッチパネルの制御方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0056】
1:タッチパネル、2:制御回路、2a:装置制御回路、2b:タッチ座標検出回路、2c:タイミング制御回路、10:画素基板、11:画素電極、20:対向基板、21:対向電極、21a、21b:縁部、30:電気泳動表示部、31:マイクロカプセル、32a、32b:帯電粒子、33:分散媒、41、41a~41h、42、42a~42h:検出電極、51:電源回路、52:電流検出器、52ca、52cb:電圧計、100:タッチパネル内蔵表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素電極と、
前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、
前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、
前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、
指示体によるタッチの前記第1方向の座標及び前記第2方向の座標を検出するタッチ座標検出回路と、を備え、
前記タッチ座標検出回路は、
前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、
前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、
検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、
タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める、タッチパネル内蔵表示装置。
【請求項2】
前記タッチ座標検出回路は、前記第1検出電極に接続された抵抗器と、前記抵抗器に接続された電圧計と、を備え、
前記タッチ座標検出回路は、前記電圧計により検出された電圧値を、前記第1検出電極の検出値として取得する、請求項1に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
【請求項3】
前記タッチ座標検出回路は、前記対向電極の抵抗値をRとし、前記検出電極の抵抗値をRcとし、前記抵抗器の抵抗値をRsとした場合に、C0を下記の式(1)に示す値とし、K0を下記の式(2)に示す値とし、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合をPxとし、所定の定数をWxとした場合、以下の式(3)に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標Xを求める、請求項2に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
C0=(Rs+Rc)/(2Rs+2Rc+R)・・・(1)
K0=R/(2Rs+2Rc+R)・・・(2)
X=(Px-C0)/K0×Wx・・・(3)
【請求項4】
前記タッチ座標検出回路は、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に、所定の定数を乗算した値を、指示体によるタッチの前記第1方向の座標とする、請求項1に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
【請求項5】
前記対向電極に表示用信号を供給する表示駆動回路と、
前記表示駆動回路により前記表示用信号を供給する期間と、前記タッチ座標検出回路によって、指示体によるタッチの前記第1方向の座標及び前記第2方向の座標を検出する期間とを時分割で実行するタイミング制御回路と、をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のタッチパネル内蔵表示装置。
【請求項6】
複数の画素電極と、
前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、
前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、
前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、を備えた、タッチパネル内蔵表示装置の制御方法であって、
前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、
前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、
検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、
タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める、タッチパネル内蔵表示装置の制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
そして、画素電極11と対向電極21との間に所定の電圧を印加することにより、画素電極11が正極でかつ対向電極21が負極となった場合、黒色の帯電粒子32bは画素電極11に引き付けられ、白色の帯電粒子32aは対向電極21に引き付けられる。この場合、対向基板20側から観察するユーザに対して、タッチパネル1は白色を表示する。また、図3に示すように、画素電極11が負極でかつ対向電極21が正極となった場合、黒色の帯電粒子32bは対向電極21に引き付けられ、白色の帯電粒子32aは画素電極11に引き付けられる。この場合、対向基板20側から観察するユーザに対して、タッチパネル1は黒色を表示する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
図3に示すように、検出電極41及び42は、それぞれ、配線12を介して、電源回路51と2つの電流検出器52とが接続されている。詳細には、図6に示すように、電流検出器52は、複数のシャント抵抗器52aと、選択回路52ba及び52bbと、電圧計52ca及び52cbとを含む。シャント抵抗器52aは、電源回路51と、検出電極41a~41hとの間の各々に配置されている。また、シャント抵抗器52aは、電源回路51と、検出電極42a~42hとの間の各々に配置されている。シャント抵抗器52aの抵抗値は、Rsである。Rsは、Rよりも小さい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
第1の構成において、前記タッチ座標検出回路は、前記第1検出電極に接続された抵抗器と、前記抵抗器に接続された電圧計と、を備える。前記タッチ座標検出回路は、前記電圧計により検出された電圧値を、前記第1検出電極の検出値として取得するように構成されてもよい(第2の構成)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
第2の構成において、前記タッチ座標検出回路は、前記対向電極の抵抗値をRとし、前記検出電極の抵抗値をRcとし、前記抵抗器の抵抗値をRsとした場合に、C0を下記の式(1a)に示す値とし、K0を下記の式(2a)に示す値とし、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合をPxとし、所定の定数をWxとした場合、以下の式(3a)に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標Xを求めるように構成されてもよい(第3の構成)。
C0=(Rs+Rc)/(2Rs+2Rc+R)・・・(1a)
K0=R/(2Rs+2Rc+R)・・・(2a)
X=(Px-C0)/K0×Wx・・・(3a)
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
第1の構成において、前記タッチ座標検出回路は、前記合計値に対する前記検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に、所定の定数を乗算した値を指示体によるタッチの前記第1方向の座標とするように構成されてもよい(第4の構成)。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
第6の構成に係るタッチパネル内蔵表示装置の制御方法は、複数の画素電極と、前記複数の画素電極に対向して配置された対向電極と、前記複数の画素電極と前記対向電極との間に配置された帯電粒子を有する電気泳動式表示部と、前記対向電極のうちの第1方向の縁部に接続された第1検出電極と、前記対向電極のうちの第1方向に対して逆方向の縁部に接続された第2検出電極とからなる検出電極ペアであって、複数の検出電極ペアが前記第1方向に平面視で交差する第2方向に並んでいる、複数の検出電極ペアと、を備えた、タッチパネル内蔵表示装置の制御方法であって、前記複数の検出電極ペアに電圧を供給し、前記複数の検出電極ペアの各々の検出電極に流れる電流、又は当該検出電極の電位である検出値を取得し、検出電極ペアの検出値の合計値又は差分値に基づいて、当該検出電極ペアが配置された前記第2方向の座標における指示体によるタッチの有無を、検出電極ペアごとに判定し、タッチが有ると判定した際に、タッチが有ると判定された検出電極ペアの前記合計値に対する当該検出電極ペアの第1検出電極の検出値の割合に基づいて、指示体によるタッチの前記第1方向の座標を求める(第の構成)。