(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155383
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】利用許可装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20241024BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20241024BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241024BHJP
【FI】
E05B49/00 J
E05B49/00 C
E05B47/00 U
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070052
(22)【出願日】2023-04-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.公開の事実 (1)ウェブサイトの掲載日 令和5年3月23日 (2)ウェブサイトのアドレス [令和5年3月23日] アドレス1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000040203.html [令和5年3月23日] アドレス2:https://www.walkerplus.com/press/9727/ (3)公開者 アドレス1:株式会社PR TIMES アドレス2:株式会社KADOKAWA (4)公開された発明の内容 アドレス1:株式会社PR TIMESが、上記アドレスの株式会社PR TIMESのウェブサイトを通じて、佐藤 拓人、正岡 宏規、柳田 恭成及び佐藤 祥来が発明した利用許可装置、方法及びプログラム等に係るサービスを公開した。 アドレス2:株式会社KADOKAWが、上記アドレス2の株式会社KADOKAWのウェブサイトを通じて、佐藤 拓人、正岡 宏規、柳田 恭成及び佐藤 祥来が発明した利用許可装置、方法及びプログラム等に係るサービスを公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】519055788
【氏名又は名称】株式会社ビットキー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓人
(72)【発明者】
【氏名】正岡 宏規
(72)【発明者】
【氏名】柳田 恭成
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祥来
【テーマコード(参考)】
2E250
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250AA05
2E250BB05
2E250BB08
2E250BB28
2E250BB29
2E250BB53
2E250FF06
2E250FF27
2E250FF36
2E250GG06
2E250GG15
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザからの情報提供の要求に好適に応答する。
【解決手段】本開示に係る利用許可装置は、少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを具備する利用許可装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応するモード識別情報を特定し、前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードが一致する場合には、前記入力情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する、ための処理を実行するように構成される。
【選択図】
図7C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを具備する利用許可装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応するモード識別情報を特定し、
前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記入力情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する、
ための処理を実行するように構成された利用許可装置。
【請求項2】
前記現在のモード及び前記他のモードには、互いに異なる一又は複数の実施可能な動作が対応付けられている、請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項3】
前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードが一致しない場合には、前記現在のモードの変更は行わない、請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項4】
前記モード識別情報と当該利用許可装置の前記現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードが一致する場合であって、前記現在のモードを変更する場合の入力情報とは異なる入力情報が入力される場合には、前記現在のモードの変更とは異なる他の動作が実施される、請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項5】
前記入力情報は、複数のモードのうちいずれかのモードを示すモード識別情報に対応しており、
前記変更後のモードは、前記入力情報に対応する前記モード識別情報によって決められる、
請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項6】
前記利用対象物の利用の制限は、錠の解錠及び施錠によって行われる、請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項7】
前記ユーザによる入力情報の入力の受け付けは、前記入力情報とは異なる他の入力情報が入力された場合に可能となる、請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項8】
前記入力情報は、ワンタイムパスコードである、請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項9】
前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応する前記モード識別情報を特定するための情報は、あらかじめ他の装置から入力される、
請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項10】
前記他の装置は、ユーザの所有する端末装置を介してサーバ装置から入力される、請求項9に記載の利用許可装置。
【請求項11】
前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更するとき、前記現在のモードで受け付け可能な入力情報の入力を受け付け不可にする、請求項1に記載の利用許可装置。
【請求項12】
少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを具備する利用許可装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記利用許可装置の現在のモードを変更するか否かを判断するためのモード変更情報を受け付けると、前記モード変更情報に基づいて前記モード変更情報に対応するモード識別情報を特定し、
前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記モード変更情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する、
ための処理を実行するように構成された利用許可装置。
【請求項13】
少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを含む利用許可装置において、前記少なくとも一つのプロセッサが所定の指示命令を実行することによりなされる方法であって、
前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応するモード識別情報を特定する段階と、
前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記入力情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する段階と、
を含む方法。
【請求項14】
少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを含む利用許可装置において、前記少なくとも一つのプロセッサが所定の指示命令を実行することによりなされる方法であって、
前記利用許可装置の現在のモードを変更するか否かを判断するためのモード変更情報を受け付けると、前記モード変更情報に基づいて前記モード変更情報に対応するモード識別情報を特定する段階と、
前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記モード変更情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する段階と、
を含む方法。
【請求項15】
少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な利用許可装置を、
前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応するモード識別情報を特定し、
前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記入力情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する、
処理を行うように構成されたプロセッサとして機能させるプログラム。
【請求項16】
少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な利用許可装置を、
前記利用許可装置の現在のモードを変更するか否かを判断するためのモード変更情報を受け付けると、前記モード変更情報に基づいて前記モード変更情報に対応するモード識別情報を特定し、
前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記モード変更情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する、
処理を行うように構成されたプロセッサとして機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、利用許可装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、内覧用物件に取り付けられる電気錠には、管理装置が発行するワンタイムパスワードを用いて扉を解錠する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、「認証部によるワンタイムパスワードの認証成立を条件に解錠し、所定時間経過後、施錠状態に移行する空室モードと、ワンタイムパスワードによる認証を停止し、入居者専用の入居者用電子認証情報によってのみ入室可能な入居モードとの間を遷移可能で、前記空室モードから入居モードへの遷移が、前記ワンタイムパスワードによる解錠操作後の前記登録部への認証情報の登録処理により実行される電気錠」がある。すなわち、空室モードから入居モードへ遷移する際にワンタイムパスワードによる解錠操作後の登録部への認証情報の登録処理が必要であり、モード変更の自由度が低いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示に係る実施形態は、上述した背景からなされたものであり、利用許可装置のモードを好適に変更することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る利用許可装置は、「少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを具備する利用許可装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応するモード識別情報を特定し、前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記入力情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する、ための処理を実行する」ように構成される。
【0007】
本開示に係る利用許可装置は、「少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを具備する利用許可装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、前記利用許可装置の現在のモードを変更するか否かを判断するためのモード変更情報を受け付けると、前記モード変更情報に基づいて前記モード変更情報に対応するモード識別情報を特定し、前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記モード変更情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する、ための処理を実行する」ように構成される。
【0008】
また、本開示に係る方法は、「少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを含む利用許可装置において、前記少なくとも一つのプロセッサが所定の指示命令を実行することによりなされる方法であって、前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応するモード識別情報を特定する段階と、前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記入力情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する段階と、を含む」ように構成される。
【0009】
また、本開示に係る方法は、「少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な、少なくとも一つのプロセッサを含む利用許可装置において、前記少なくとも一つのプロセッサが所定の指示命令を実行することによりなされる方法であって、前記利用許可装置の現在のモードを変更するか否かを判断するためのモード変更情報を受け付けると、前記モード変更情報に基づいて前記モード変更情報に対応するモード識別情報を特定する段階と、前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記モード変更情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する段階と、を含む」ように構成される。
【0010】
本開示に係るプログラムは、「少なくとも一つのプロセッサを含む利用許可装置を、前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記入力情報に基づいて前記入力情報に対応するモード識別情報を特定し、前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記入力情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する処理を行うように構成されたプロセッサとして機能させる」ように構成される。
【0011】
本開示に係るプログラムは、「少なくともユーザによる利用対象物の利用を制限することが可能な利用許可装置を、前記ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、前記利用許可装置の現在のモードを変更するか否かを判断するためのモード変更情報を受け付けると、前記モード変更情報に基づいて前記モード変更情報に対応するモード識別情報を特定し、前記モード識別情報と当該利用許可装置の現在のモードとを比較して前記モード識別情報と前記現在のモードとが一致する場合には、前記モード変更情報により特定される前記現在のモードとは異なる他のモードに前記現在のモードを変更する処理を行うように構成されたプロセッサとして機能させる」ように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る利用許可装置、方法及びプログラムによれば、利用許可装置のモードを好適に変更することができる。
【0013】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る処理システム1の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る施解錠装置100の構成を例示する図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る利用許可装置200の構成を例示する図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る端末装置300の構成を例示する図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るサーバ装置400の構成を例示する図である。
【
図6A】
図6Aは、第1実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、動作コードに対応するモード及び動作コードに対応する動作を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、第1実施形態に係る処理システム1における通信シーケンスを示す図である。
【
図7B】
図7Bは、第1実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212によるコード管理テーブル500の更新に係るフローチャートである。
【
図7C】
図7Cは、第1実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212におけるコード管理テーブル500を用いた制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7D】
図7Dは、第1実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212におけるコード管理テーブル500を用いた制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第3のフラグ及び第4のフラグの名称と識別番号の対応を示す表である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の別実施例に係る利用許可装置200の構成を例示する図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
【
図12A】
図12Aは、第4実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
【
図12B】
図12Bは、第4実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212におけるコード管理テーブル500を用いた制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12C】
図12Cは、第4実施形態に係る第3のフラグ、第4のフラグ及び第5のフラグの名称と識別番号の対応を示す表である。
【
図13】
図13は、第5実施形態に係る動作コードを設定する手順を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第6実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
【
図15】
図15は、第7実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
【
図16A】
図16Aは、第8実施形態に係る処理システム1における通信シーケンスを示す図である。
【
図16B】
図16Bは、第8実施形態に係るサーバ装置400における後述する重複確認処理の制御手順を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、第10実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
1.第1実施形態に係る処理システム1の構成
本開示に係る処理システム1は、ユーザによる利用が制限された対象物に対して利用許可装置によって制限を解除することが可能である。処理システム1は、典型的には、入場及び退場の少なくともいずれか一方が出入り口のドアの施錠等により制限された家屋において、ドアに設置された利用許可装置を利用してその施錠を解除し、ユーザを入場可能にするために利用される。なお、ここでは利用が制限された対象物の例として家屋を挙げたが、当然他の対象物であってもよい。他の対象物としては、例えば、ホテル、旅館、民泊施設、倉庫、住居、集合住宅(集合住宅の建物全体及び個々の部屋を含む)、ビル(ビル全体及びビル内で区画されている個々の部屋を含む)、金庫等の壁等により空間的に区分けされた区画、自動車、自転車、自動二輪車等の移動体、飛行機、船舶、列車、バス等の公共交通機関、電子カルテ、電子書籍、動画コンテンツ、ゲームコンテンツ等の電子データ、スマートフォン、PC、ゲーム機等の電子機器などが挙げられる。以下では、説明の便宜のために、利用が制限された対象物として家屋の場合について説明する。
図1は、第1実施形態に係る処理システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、処理システム1は、施解錠装置100(解錠装置)、利用許可装置200、端末装置300及びサーバ装置400を備える。また、処理システム1は、利用許可装置200とサーバ装置400とが、端末装置300及び通信ネットワーク11を介して、互いに情報及びデータを通信可能に接続されている。
【0016】
施解錠装置100は、例えば賃貸物件等の家屋の扉13の錠15の近傍に取り付けられ、当該錠15を作動させて扉13を施錠及び解錠(施解錠)することが可能な装置である。利用許可装置200は、施解錠装置100の近傍に設けられ施解錠装置100を制御することが可能な制御装置である。すなわち、利用許可装置200は、施解錠装置100を制御することで、錠15を作動させて扉13を施錠及び解錠することが可能である。また、利用許可装置200は、ユーザによる暗証番号等のコードを入力することが可能な入力インターフェイス215を有している。すなわち、利用許可装置200は、ユーザが入力インターフェイス215によって所定のコード(入力情報)を入力すると、施解錠装置100を制御して錠15を作動させることができる。端末装置300は、例えば扉13が設けられた賃貸物件等の所有者が操作する装置であり、無線で利用許可装置200と通信可能である。サーバ装置400は、例えば扉13が設けられた賃貸物件等の所有者が暗証番号等のコードを管理するための装置であり、例えば5G方式等の広帯域の無線通信方式で通信ネットワーク11を介して端末装置300と通信可能である。
【0017】
ここで、第1実施形態に係る処理システム1では、利用許可装置200は、ユーザによって所定のコード(入力情報)が入力されると、入力情報に対応するモードを特定し、現在のモードとは異なる他のモードに現在のモードを変更する。したがって、第1実施形態に係る処理システム1は、ユーザによって入力される入力情報に基づいて現在のモードを変更することで、変更後のモードで利用許可装置200による制御を実施することができ、ひいては利用許可装置200による制御態様を、ユーザによって入力される入力情報に基づいて変更されるモードにより切り替えることができる。
【0018】
ここで、本開示において、処理システム1は、一例として、扉13の錠15を作動させて扉13を施錠及び解錠(施解錠)することが可能な施解錠装置100、当該施解錠装置100を制御することが可能な利用許可装置200、Bluetooth(登録商標)等の狭帯域の無線通信方式によって利用許可装置200と通信可能な端末装置300及び5G方式等の広帯域の無線通信方式の通信ネットワーク11を介して端末装置300と通信可能なサーバ装置400を含む。そして、本開示では、施解錠装置100を制御する利用許可装置200によって実施される動作を中心に説明する。しかし、本開示においては、各装置につけられた呼称は、各装置を互いに区別するために用いられているに過ぎず、各装置の機能に応じては他の呼称がなされてもよい。なお、本開示において、「動作」は、演算処理等の結果として実施するものを意味するにすぎず、物理的な作動の制御や制御処理上の実施等、あらゆる動作を含む。
【0019】
また、本開示において、処理システム1は、一例として、端末装置300及びサーバ装置400を含む。しかし、本開示においては、端末装置300及びサーバ装置400は処理システム1に含めず、通信ネットワーク11を介した通信ができない状況下で利用許可装置200が施解錠装置100を制御するようにしてもよい。また、本開示において、処理システム1は、一例として、施解錠装置100及び利用許可装置200を含む。しかし、本開示においては、施解錠装置100及び利用許可装置200は、単一の装置として構成してもよい。
【0020】
また、本開示において、利用許可装置200は装置として説明しているが、例えば端末装置300内に記憶されるアプリケーションであってもよい。また、本開示において、ユーザは利用許可装置200を操作する者を意味しているにすぎず、扉13が設けられた施設や収納庫等の所有者、利用許可装置200の管理者、端末装置300の利用者及びサーバ装置400の管理者等、あらゆる者がユーザに該当しうる。また、本開示において、施解錠装置100は、利用許可装置200による制御対象を意味しているにすぎず、照明の点灯等、あらゆる機器が該当しうる。また、本開示において、扉13は、空間を形成する物の開口を開閉する物を意味しているにすぎず、住居やロッカーの扉、自動車のドア等のあらゆる扉が該当しうる。
【0021】
2.処理システム1の構成要素
以下、処理システム1の各構成要素について説明する。具体的には、
図1に示した施解錠装置100、利用許可装置200、端末装置300及びサーバ装置400の構成を説明する。
【0022】
(A)施解錠装置100の構成
図2は、第1実施形態に係る施解錠装置100の構成を例示する図である。施解錠装置100は、
図2に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部の構成要素が省略されてもよい。また、施解錠装置100には、
図2に示した以外の他の構成要素が加えられてもよい。
【0023】
図2に示すように、施解錠装置100は、出力インターフェイス(出力IF)111、プロセッサ112、メモリ113及び通信インターフェイス(通信IF)114を含む。そして、これらの構成要素は、バス及び制御ラインを介して電気的に接続され、データ及び情報を相互に送受信する。
【0024】
出力インターフェイス111は、一例としては、アクチュエータ等の出力デバイスであるか、これら出力デバイスと接続するためのインターフェイスとなる接続端子が挙げられる。出力インターフェイス111は、プロセッサ112からの指示を受け各種情報を出力する出力部として機能する。出力インターフェイス111としてのアクチュエータは、プロセッサ112の指示に応じて、錠15を作動させて扉13を施解錠する作動部として機能する。なお、出力インターフェイス111は、直線方向に作動するアクチュエータに代えて、回転方向に作動するモータを用いてもよく、錠15を作動させて扉13を施解錠することが可能であればよい。
【0025】
プロセッサ112は、少なくとも一つのCPU(マイクロプロセッサ)と、その周辺回路とから構成される。プロセッサ112は、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、施解錠装置100のプロセッサ112は、本実施形態に係る利用許可装置200の指示に基づき錠15を作動させて扉13を施解錠するためのプログラムを実施する。
【0026】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びHDD等から構成され、記憶部として機能する。メモリ113には、施解錠装置100に対して着脱可能な記憶媒体やデータベース等が接続されてもよい。
【0027】
ROMは、本実施形態に係るアプリケーションやOSを実行するための所定の指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間に、処理に必要とされるデータの書き込み及び読み込みが行われるメモリである。不揮発性メモリは、書き込まれたデータを電源の供給なしに保持するメモリである。不揮発性メモリには、プロセッサ112により、当該プログラムの実行によって得られたデータが書き込まれたり、書き込まれたデータが読み出されたりする。
【0028】
通信インターフェイス114は、通信処理回路及びアンテナ(不図示)を含む。通信インターフェイス114は、通信処理回路及びアンテナを介して通信ネットワーク11と接続し、通信ネットワーク11に接続された他の装置との間で、データの送受信を行う通信部として機能する。
【0029】
具体的には、通信インターフェイス114は、処理システム1の他の構成要素との間で、本実施形態に係る利用許可装置200の指示に基づき錠15を作動させて扉13を施解錠するために、必要とされる情報及びデータを送受信する処理を行う。
【0030】
通信インターフェイス114は、IEEE802.11及びBluetooth(登録商標)等の狭帯域の無線通信方式によって、アンテナを介して情報を通信するための通信処理を行う。なお、通信インターフェイス114は、上記の無線通信の代わりに、又は無線通信に加えて、有線通信を行ってもよく、通信ネットワーク11との間で5G方式等の広帯域の無線通信方式によって情報を通信するようにしてもよい。
(B)利用許可装置200の構成
【0031】
図3は、第1実施形態に係る利用許可装置200の構成を例示する図である。利用許可装置200は、
図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部の構成要素が省略されてもよい。また、利用許可装置200には、
図3に示した以外の他の構成要素が加えられてもよい。
【0032】
図3に示すように、利用許可装置200は、出力インターフェイス(出力IF)211、プロセッサ212、メモリ213、通信インターフェイス(通信IF)214及び入力インターフェイス(入力IF)215を含む。そして、これらの構成要素は、バス及び制御ラインを介して電気的に接続され、データ及び情報を相互に送受信する。
【0033】
出力インターフェイス211は、一例としては、スピーカ及びバックライト(不図示)等の出力デバイスであるか、これら出力デバイスと接続するためのインターフェイスとなる接続端子が挙げられる。出力インターフェイス211は、プロセッサ212からの指示を受け各種情報を出力する出力部として機能する。出力インターフェイス211としてのバックライトは、プロセッサ212の指示に応じて、本実施形態に係る利用許可装置200の内部で発光することで、利用許可装置200の入力インターフェイス215の文字盤(
図1参照)を蛍光させる蛍光部として機能する。出力インターフェイス211としてのスピーカは、音声信号を出力するオーディオ出力部として機能する。
【0034】
プロセッサ212は、少なくとも一つのCPU(マイクロプロセッサ)又は少なくとも一つのCPUと画像処理に特化したGPU等との組み合わせと、その周辺回路とから構成される。プロセッサ212は、メモリ213に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。
【0035】
具体的には、利用許可装置200のプロセッサ212は、ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、入力情報に基づいて入力情報に対応するモード識別情報を特定し、モード識別情報と利用許可装置200の現在のモードとを比較してモード識別情報と現在のモードとが一致する場合には、入力情報により特定される現在のモードとは異なる他のモードに現在のモードを変更するための処理を実行する。つまり、これらのプロセッサ212は、以下に詳細に記載する各機能を実現するための処理を行うプログラムを実行する。
【0036】
メモリ213は、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びHDD等から構成され、記憶部として機能する。メモリ213には、利用許可装置200に対して着脱可能な記憶媒体やデータベース等が接続されてもよい。
【0037】
具体的には、メモリ213は、ユーザによる入力情報の入力を受け付けると、入力情報に基づいて入力情報に対応するモード識別情報を特定し、モード識別情報と利用許可装置200の現在のモードとを比較してモード識別情報と現在のモードとが一致する場合には、入力情報により特定される現在のモードとは異なる他のモードに現在のモードを変更するための処理を記憶する。
【0038】
ROMは、本実施形態に係るアプリケーションやOSを実行するための所定の指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212により処理されている間に、処理に必要とされるデータの書き込み及び読み込みが行われるメモリである。不揮発性メモリは、書き込まれたデータを電源の供給なしに保持するメモリである。不揮発性メモリには、プロセッサ212により、当該プログラムの実行によって得られたデータが書き込まれたり、書き込まれたデータが読み出されたりする。
【0039】
例えば、利用許可装置200のメモリ213は、本実施形態に係る後述するモードや当該モードに対応する制御を実行するためのプログラムを記憶する。
【0040】
通信インターフェイス214は、通信処理回路及びアンテナ(不図示)を含む。通信インターフェイス214は、通信処理回路及びアンテナを介して通信ネットワーク11と接続し、通信ネットワーク11に接続された他の装置との間で、データの送受信を行う通信部として機能する。
【0041】
具体的には、通信インターフェイス214は、端末装置300との間で、本実施形態に係る後述するモードの変更や動作コードに対応する制御を実行するために必要とされる情報及びデータを送受信する処理を行う。
【0042】
通信インターフェイス214は、IEEE802.11及びBluetooth(登録商標)等の狭帯域の無線通信方式によって、アンテナを介して情報を通信するための通信処理を行う。なお、通信インターフェイス214は、上記の無線通信の代わりに、又は無線通信に加えて、有線通信を行ってもよく、通信ネットワーク11との間で5G方式等の広帯域の無線通信方式によって情報を通信するようにしてもよい。
【0043】
入力インターフェイス215は、一例としてはタッチパネル等の入力デバイスを含み、例えば扉13を解錠させる者の操作入力を受け付ける入力部として機能する。
(C)端末装置300の構成
【0044】
図4は、第1実施形態に係る端末装置300の構成を例示する図である。端末装置300は、
図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部の構成要素が省略されてもよい。また、端末装置300には、
図4に示した以外の他の構成要素が加えられてもよい。
【0045】
図4に示すように、端末装置300は、出力インターフェイス(出力IF)311、プロセッサ312、メモリ313、通信インターフェイス(通信IF)314及び入力インターフェイス(入力IF)315を含む。そして、これらの構成要素は、バス及び制御ラインを介して電気的に接続され、データ及び情報を相互に送受信する。
【0046】
出力インターフェイス311は、一例としては、スピーカ及びディスプレイ(不図示)等の出力デバイスであるか、これら出力デバイスと接続するためのインターフェイスとなる接続端子が挙げられる。出力インターフェイス311は、プロセッサ312からの指示を受け各種情報を出力する出力部として機能する。出力インターフェイス311がディスプレイである場合は、プロセッサ312の指示に応じて、本実施形態に係る制限対象物に対する利用の制限の管理をするための各種表示を行う表示部として機能する。このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイから構成される。出力インターフェイス311がスピーカである場合は、本実施形態に係る後述するモードや当該モードに対応する制御を実行するための音声信号を出力するオーディオ出力部として機能する。
【0047】
プロセッサ312は、少なくとも一つのCPU(マイクロプロセッサ)又は少なくとも一つのCPUと画像処理に特化したGPU等との組み合わせと、その周辺回路とから構成される。プロセッサ312は、メモリ313に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。
【0048】
メモリ313は、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びHDD等から構成され、記憶部として機能する。メモリ313には、端末装置300に対して着脱可能な記憶媒体やデータベース等が接続されてもよい。
【0049】
ROMは、本実施形態に係るアプリケーションやOSを実行するための所定の指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ312により処理されている間に、処理に必要とされるデータの書き込み及び読み込みが行われるメモリである。不揮発性メモリは、書き込まれたデータを電源の供給なしに保持するメモリである。不揮発性メモリには、プロセッサ312により、当該プログラムの実行によって得られたデータが書き込まれたり、書き込まれたデータが読み出されたりする。
【0050】
通信インターフェイス314は、通信処理回路及びアンテナ(不図示)を含む。通信インターフェイス314は、通信処理回路及びアンテナを介して通信ネットワーク11と接続し、通信ネットワーク11に接続された他の装置との間で、データの送受信を行う通信部として機能する。
【0051】
具体的には、通信インターフェイス314は、処理システム1の他の構成要素との間で、本実施形態に係る後述するモードや当該モードに対応する制御を実行するために、必要とされる情報及びデータを送受信する処理を行う。
【0052】
通信インターフェイス314は、通信ネットワーク11との間で5G方式等の広帯域の無線通信方式によって、又は、IEEE802.11及びBluetooth(登録商標)等の狭帯域の無線通信方式によって、アンテナを介して情報を通信するための通信処理を行う。なお、通信インターフェイス314は、上記の無線通信の代わりに、又は無線通信に加えて、有線通信を行ってもよい。
【0053】
入力インターフェイス316は、一例としてはタッチパネル及びハードキー等の入力デバイスを含み、端末装置300の所有者(例えば管理者)の操作入力を受け付ける入力部として機能する。
【0054】
(D)サーバ装置400の構成
以下、
図1に示したサーバ装置400の構成を説明する。
【0055】
図5は、第1実施形態に係るサーバ装置400の構成を例示する図である。サーバ装置400は、
図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部の構成要素が省略されてもよい。また、サーバ装置400には、
図4に示した以外の構成要素が加えられてもよい。また、サーバ装置400は、複数の処理装置や記憶装置に処理及び記憶が分散された構成となってもよく、場合によってはこれらの各装置を一体としてサーバ装置400という場合もある。
【0056】
図4に示すように、サーバ装置400はプロセッサ412、メモリ413及び通信インターフェイス(通信IF)414を備える。そして、これらの各構成要素は、バス及び制御ラインを介して電気的に接続され、データ及び情報を相互に送受信する。
【0057】
プロセッサ412は、少なくとも一つのCPU(マイクロプロセッサ)又は少なくとも一つのCPUと画像処理に特化したGPU等との組み合わせと、その周辺回路とから構成される。プロセッサ412は、メモリ413に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。
【0058】
メモリ413は、RAM、ROM、不揮発性メモリ及びHDD等から構成され、記憶部として機能する。メモリ413は、本実施形態に係る制限対象物3に対する利用の制限の管理をするためのプログラムを記憶する。ROMは、本実施形態に係る処理を実行するための所定の指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ412により処理されている間に、処理に必要とされるデータの書き込み及び読み込みが行われるメモリである。不揮発性メモリは、書き込まれたデータを電源の供給なしに保持するメモリである。不揮発性メモリには、プロセッサ412により、当該プログラムの実行によって得られたデータが書き込まれたり、書き込まれたデータが読み出されたりする。
【0059】
通信インターフェイス414は、通信処理回路及びアンテナ(不図示)を含む。通信インターフェイス414は、通信処理回路及びアンテナを介して通信ネットワーク11と接続し、通信ネットワーク11に接続された他の装置との間で、データの送受信を行う通信部として機能する。
【0060】
通信インターフェイス414は、5G方式等の広帯域の無線通信方式、又はIEEE802.11及びBluetooth(登録商標)等の狭帯域の無線通信方式によって、通信ネットワーク11との間で、アンテナを介して情報を通信するための通信処理を行う。なお、通信インターフェイス414は、上記の無線通信の代わりに、又は無線通信に加えて、有線通信を行ってもよい。
【0061】
3.処理システム1の各構成要素の機能
処理システム1を構成する施解錠装置100、利用許可装置200、端末装置300及びサーバ装置400等は、上記のとおりの構成要素を有する。そして、これら各装置は、各装置が備えるメモリに記憶されたプログラムを読み出して、プロセッサで処理して他の構成要素を制御することにより、以下の機能を実行する。
【0062】
(A)施解錠装置100
施解錠装置100は、少なくとも利用許可装置200からの指示を受けて錠15を作動させて扉13を施解錠する出力デバイスである。好適には、施解錠装置100は、端末装置300から狭帯域の無線通信方式で指示を受け、錠15を作動させて扉13を施解錠可能に構成してもよい。
【0063】
(B)利用許可装置200
利用許可装置200は、例えばユーザからの指示を受けて施解錠装置100を制御する制御デバイスである。好適には、利用許可装置200は、端末装置300から狭帯域の無線通信方式で後述するコード管理テーブルを受信してもよい。より好適には、利用許可装置200は、端末装置300から狭帯域の無線通信方式で指示を受けて施解錠装置100を制御可能に構成してもよい。
【0064】
(C)端末装置300
端末装置300は、通信ネットワーク11との間で通信が可能なスマートフォン等の携帯用端末装置、タブレット型パーソナルコンピュータ(PC)又はノートPC又は据置型PC等が例として挙げられる。端末装置300は、利用許可装置200とサーバ装置400との通信接続を仲介するために用いられ、後述するコード管理テーブル500を利用許可装置200に送信する。好適には、端末装置300は、施解錠装置100に狭帯域の無線通信方式で指示を送信し、錠15を作動させて扉13を施解錠してもよく、利用許可装置200に狭帯域の無線通信方式で指示を送信して施解錠装置100を制御可能に構成してもよい。
【0065】
(D)サーバ装置400
サーバ装置400は、通信ネットワーク11との間で通信が可能な装置であり、コード管理テーブル500を管理する管理者が管理するサーバである。すなわち、サーバ装置400は、通信ネットワーク11に接続される端末装置300を介して利用許可装置200にコード管理テーブル500を送信する。
【0066】
5.利用許可装置200のメモリ213に記憶される情報
図6Aは、第1実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。また、
図6Bは、動作コードに対応するモード及び動作コードに対応する動作を示す図である。
図6Aによると、コード管理テーブル500は、モード管理部511及びコード管理表513を有する。モード管理部511は、複数のモード(第1のモード、第2のモード、・・・第Nのモード)を含む。
【0067】
ここで、本実施形態に係るモードは、一又は複数の実施可能な動作が対応付けられている。モードが設定された利用許可装置200は、モードに対応付けられた動作のうち、動作コードにより特定される動作を実施する。詳しくは、
図6Bによると、利用許可装置200は、動作コードに対応する入力情報が入力されると、設定されたモードに対応付けされた動作のうち、当該動作コードに基づく動作を実施する。換言すると、設定されたモードに対応しない動作コードが入力された場合には、利用許可装置200は動作しない。
【0068】
コード管理表513は、管理コードの列521、動作コードの列523及び複数のフラグの列525を含む。管理コードの列521は、コード管理表513の行ごとに連番の数字が格納された列である。この管理コードの列521に格納された数字(管理コード)は、不変的な性質を持つ。すなわち、動作コードの列523及び複数のフラグの列525に格納された動作コードが変更、削除等される場合があっても、管理コードは変更されない。
【0069】
動作コードの列523は、入力インターフェイス215に入力された数字(入力情報)をプロセッサ212が照合する際に用いられる動作コードとしての数字が格納された列である。これにより、プロセッサ212は、入力情報と動作コードとを照合し、該当する管理コードを出力する。複数のフラグの列525は、第1のフラグの列531~第4のフラグの列534のような、例えば4つのフラグの列を含む。各フラグの列の各行には、フラグとしての数字が格納されている。ここで、フラグとは、プロセッサ212が各種制御を実行するためのソースファイルを指し示す情報であり、予め設定した条件の成立の有無やデータの状態を確認する際に用いられる。なお、本実施形態における各フラグの意味や作用効果は、後ほど説明する。
【0070】
6.処理システム1により実行される処理シーケンス
(A)コード管理テーブル500の更新に係る処理
図7Aは、第1実施形態に係る処理システム1における通信シーケンスを示す図である。具体的には、サーバ装置400が管理するアプリケーションに端末装置300がログインしてから利用許可装置200がコード管理テーブル500を更新して端末装置300との接続を終了するまでに、利用許可装置200と、端末装置300と、サーバ装置400との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
【0071】
まず、端末装置300は、ユーザの操作により(U11)、サーバ装置400が管理するアプリケーションにログインするためのログイン要求をサーバ装置400に通信ネットワーク11を介して送信する(T11)。ここで、図示はしないが、予め端末装置300がアプリケーションを記憶し、サーバ装置400にアプリケーションを利用するユーザとして、ユーザの識別情報及びパスワードが登録されていることが好ましい。ログイン要求を受信したサーバ装置400は、例えば、ログイン要求に含まれるユーザの識別情報が、サーバ装置400に登録されているか否か及びログイン要求に含まれるパスワードが登録されているユーザの識別情報に紐づくパスワードと一致するか否かの認証処理を実施する(S11)。すなわちサーバ装置400は、ログイン要求に含まれるユーザの識別情報がサーバ装置400に登録されており、ログイン要求に含まれるパスワードが登録されているユーザの識別情報に紐づくパスワードと一致する場合は端末装置300にアプリケーションへのログインを許可する通知であるログイン許可通知を、通信ネットワーク11を介して送信する(T12)。このような通信処理により、端末装置300は、サーバ装置400が管理するアプリケーションにログインし、サーバ装置400と通信ネットワーク11を介してコード管理テーブル500に関する情報を受信することが可能となる。
【0072】
次に、端末装置300は、ユーザの操作により(U12)、利用許可装置200への接続を要求する接続要求を利用許可装置200に送信する(T13)。接続要求を受信した利用許可装置200は、端末装置300とデータの通信をするための接続処理を実施し(S12)、端末装置300に接続処理が完了したことを示す接続応答を送信する(T14)。ここで、利用許可装置200と端末装置300との間で行われる通信は、例えばBluetooth(登録商標)等の狭帯域の無線通信方式である。このような通信処理により、端末装置300は、利用許可装置200にコード管理テーブル500に関する情報を送信することが可能となる。
【0073】
次に、端末装置300は、ユーザの操作により(U13)、利用許可装置200に記憶されているコード管理テーブル500を更新するための要求である更新要求をサーバ装置400に通信ネットワーク11を介して送信する(T15)。更新要求を受信したサーバ装置400は、コード管理テーブル500の更新に係る情報である更新情報を生成し(S13)、更新情報を端末装置300に通信ネットワーク11を介して送信する(T16)。なお、更新情報は、更新前のコード管理テーブル500に対する差異を示す情報でもよく、更新後のコード管理テーブル500であってもよい。
【0074】
更新情報を受信した端末装置300は、更新情報を利用許可装置200に送信する(T17)。更新情報を受信した利用許可装置200は、コード管理テーブル500を更新する処理であるテーブル更新処理を実施する(S14)する。これにより、利用許可装置200は、サーバ装置400から端末装置300を介して更新情報を受信することができ、コード管理テーブル500を更新することができる。特に、利用許可装置200は、サーバ装置400から端末装置300を介して更新情報を受信することで、通信ネットワーク11に直接接続することなくコード管理テーブル500を更新することができる。その後、利用許可装置200は、例えば端末装置300に対するユーザの操作により、端末装置300との接続が終了する(T18)。
【0075】
なお、上記説明では、サーバ装置400からコード管理テーブル500の更新に係る情報である更新情報を、端末装置300を介して利用許可装置200に送信するよう説明したが(T16、T17)、サーバ装置400から利用許可装置200に通信ネットワーク11を介して更新情報を直接送信してもよく、サーバ装置400の管理者が更新操作(U13)等の端末装置300で行っている各種操作をサーバ装置400で直接行うようにしてもよい。また、サーバ装置400から利用許可装置200に更新情報を直接送信する条件として、利用許可装置200のモードがサーバ装置400と通信ネットワーク11を介して通信可能な特定のモードであることを条件としてもよい。
【0076】
(B)プロセッサ212によるコード管理テーブル500の更新に係る処理手順
図7Bは、第1実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212によるコード管理テーブル500の更新に係るフローチャートである。具体的には、利用許可装置200が端末装置300と情報を通信可能に接続してからコード管理テーブル500を更新して端末装置300との接続を終了するまでに実施する処理を示すフローチャートである。
【0077】
まず、ステップS21では、利用許可装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して端末装置300から接続要求を受け付けると、端末装置300とデータの通信をするための接続処理を実施する。次に、ステップS22では、利用許可装置200のプロセッサ212は、サーバ装置400が端末装置300を介して送信する更新情報を、通信インターフェイス214を介して受信する。そして、ステップS23では、利用許可装置200のプロセッサ212は、サーバ装置400から受信した更新情報に基づいて、メモリ213に記憶されているコード管理テーブル500を更新し、その後ステップS24で端末装置300との接続を終了する。これにより、利用許可装置200のプロセッサ212は、サーバ装置400から端末装置300を介して受信した更新情報に基づいて、メモリ213に記憶されているコード管理テーブル500を更新することができる。なお、上記の説明では、コード管理テーブル500を更新する際の利用許可装置200のプロセッサ212における処理手順について説明したが、例えばメモリ213にコード管理テーブル500が記憶されていない場合は、サーバ装置400から最新のコード管理テーブル500を受信してメモリ213に記憶させるようにすればよい。
(C)プロセッサ212によるコード管理テーブル500を用いた制御手順
図7C及び
図7Dは、第1実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212におけるコード管理テーブル500を用いた制御手順の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図7C及び
図7Dによると、入力インターフェイス215からプロセッサ212に入力情報が入力された際における、プロセッサ212による、出力インターフェイス211、メモリ213及び通信インターフェイス214のコード管理テーブル500に沿う制御を実施するための情報処理がフローチャートで示されている。また、
図8は、後述する第3のフラグ及び第4のフラグの名称と識別番号の対応を示す表である。以下、
図6~8に沿い、プロセッサ212による制御手順を説明する。
【0078】
図7Cによると、まず、ステップS100では、
図7A及び
図7Bを用いて上述したように、コード管理テーブル500を更新又は最新のコード管理テーブル500を受信する。以下、ステップS101以降の処理は、コード管理テーブル500を更新し(ステップS23)、端末装置300との接続を終了(ステップS24)したあと、オフライン下で処理を実施する。
【0079】
ステップS101では、入力インターフェイス215から入力情報の入力の有無を判別する。すなわち、ステップS101は、入力インターフェイス215がユーザによって操作されて入力情報の入力があるまで繰り返し(N)、入力情報の入力があると(Y)ステップS102に移行する。なお、入力情報の入力の有無についての判別は、例えば入力情報の最初の一文字が入力された時点から一定時間が経過するまでは入力された数字をメモリ213に記憶させつつ入力情報の入力がないと判別(N)してもよい。また、入力情報の入力の有無についての判別は、入力情報の入力が完了したことを示すボタン(例えば
図1の完了ボタン215a)の入力操作がされるまでは入力された数字をメモリ213に記憶させつつ入力情報の入力がないと判別(N)してもよく、これらを組み合わせるようにしてもよい。また、入力情報の最初の一文字が入力された時点から入力情報の入力がないと判別(N)している間に、入力をキャンセルすることを示すボタン(例えば
図1のキャンセルボタン215b)の入力操作がされた場合は、メモリ213に記憶させた当該数字をリセットしてもよい。
【0080】
次に、ステップS102では、入力情報と同じ値の動作コードがコード管理表513の動作コードの列523にあるか否かを判別する。このステップS102は、判別結果が偽(N)で、入力情報と同じ値の動作コードが動作コードの列523では発見されない場合、ステップS104に移行し、報知制御を実行して本ルーチンを終了する。ここで、報知制御とは、例えば、出力インターフェイス211のスピーカを作動させてブザー音を発し、バックライトを間欠的に作動させて入力インターフェイス215の文字盤を点滅させることで、入力情報と同じ値の動作コードが動作コードの列523では発見されなかったことをユーザに報知する制御である。
【0081】
一方、判別結果が真(Y)で、入力情報と同じ値の動作コードが動作コードの列523で発見された場合、ステップS103に移行する。ステップS103では、ステップS102で発見された動作コードに対応する管理コードの行における第1のフラグの列531のフラグ(以下、単に第1のフラグともいう。当該第1のフラグとして示される番号はモード識別番号として利用される。)と、現在のモードを識別するための番号である現モード番号(現在のモードを示すモード識別番号)とを比較し、現モード番号が第1のフラグの列531に含まれるか否かを判別する。以下、ステップS103以降のステップでは、ステップS102で発見された動作コードを対象動作コードと呼称し、対象動作コードと同じ行の管理コードを対象管理コードと呼称する。ここで、現在のモードとは、前述した複数のモードのうち、利用許可装置200が当該ステップS103の時点で設定されているモードのことである。現モード番号は、各モードを番号で識別するために予め設定されている識別番号である。現モード番号の具体例としては、入居モードである第1のモードの番号は「1」であり、空室モードであるモード2の識別番号は「2」である。以下、説明の便宜上、第1のモード~第Nのモードにおける「1~N」の部分と現モード番号とで同じ数字を用いていることを前提に説明するが、互いに異なる識別番号を附番してもよく、英字等の数字以外の文字を設定してもよい。
【0082】
ステップS103の判別結果が偽(N)で、現モード番号と同じ番号が第1のフラグに含まれない場合は、ステップS104に移行し、前述した報知制御を実行して本ルーチンを終了する。一方、ステップS103の判別結果が真(Y)で、現モード番号が第1のフラグの列532に含まれる場合は、ステップS105に移行する。ここで、ステップS103で現モード番号が第1のフラグに「含まれるか否か」を判別するようにしたのは、第1のフラグとして複数の番号が格納されているような場合、当該複数の番号のうちのひとつに現モード番号が該当する場合も、判別結果を真(Y)の場合に該当させるためである。なお、ステップS102からステップS104に移行した場合に実行する報知制御と、ステップS103からステップS104に移行した場合に実行する報知制御とで、報知態様を異なるものにしてもよい。
【0083】
このように、ステップS101~S103では、入力インターフェイス215が操作されて入力情報が入力され(S101で「Y])、当該入力情報と同じ値の動作コードが動作コードの列523で発見され(S102で「Y])、対象動作コード及び対象管理コードに応答する第1のフラグにモード番号が含まれる場合(S103で「Y])、ステップS105に移行する。一方、ステップS101~S103では、入力情報と同じ値の動作コードが動作コードの列523で発見されず(S102で「N])、又は、第1のフラグにモード番号と同じ番号が含まれない場合(S103で「N])、ステップS104に移行し、前述した報知制御を実行して本ルーチンを終了する。
【0084】
これにより、ステップS101~S103では、例えばユーザが動作コードを入れ間違えた場合や(S102で「N])、ユーザが入力した動作コードに係る第1のフラグが現在のモードと対応していないような場合には(S103で「N])、ステップS105以降の制御が実施されることを防止することができる。また、これらのような場合には、前述した報知制御を実行することで、例えばユーザに、動作コードを入れ間違えている可能性があることを報知することや、ユーザが解錠したいと考えている扉13とは異なる扉をユーザが誤って解錠しようとしていることを報知することができる。
【0085】
一方、ステップS101~S103では、例えばユーザが適切な動作コードを正しく入力した場合は(S102、S103でともに「Y])、コード管理表513のうち、対象管理コードと同じ行のフラグに沿って制御を実行する。すなわち、ステップS101~S103では、ユーザによって入力される入力情報に基づいて入力情報に対応するモード(第1のフラグ)を特定し(ステップS102~S103)、モード(第1のフラグ)と利用許可装置200の現在のモードとを比較してモード(第1のフラグ)と現在のモードとが一致する場合には、入力情報により特定される動作である第2のフラグ、第3のフラグ及び第4のフラグに係る動作を実施する。
【0086】
図7Dによると、ステップS105では、対象管理コードの行における第2のフラグの列532(複数の種別の情報)のフラグ(以下、単に第2のフラグともいう。複数のモードのうち変更先のモードを示すモード識別情報)が「0」か否かを判別する。ステップS105の判別結果が偽(N)で、第2のフラグが「0」以外である場合は、ステップS106に移行し、現モード番号を第2のフラグの番号(複数のモードのうち変更先のモードを示すモード識別情報)に変更して、ステップS107に移行する。一方、ステップS105の判別結果が真(Y)で、第2のフラグが「0」である場合は、ステップS106には移行せずに、ステップS107に移行する。
【0087】
ここで、第2のフラグの列532は、複数のモードのうち変更先のモードを示すモード識別情報現在を示している。具体的には、第2のフラグ「1」は、現モード番号(現在のモード)を第1のモード(入居モード)に変更することを示す情報である。また、第2のフラグ「2」は、現モード番号(現在のモード)を第2のモード(空室モード)に変更することを示す情報である。また、第2のフラグ「0」は、現モード番号(現在のモード)を変更しないことを示す情報である。したがって、ステップS106~S107は、第2のフラグに従って、現モード番号(現在のモード)を変更すべきか否か判別したあと(ステップS106)、現モード番号(現在のモード)を第2のフラグが示す変更先のモードに変更することができる。すなわち、利用許可装置200のプロセッサ212は、入力情報により特定される現在のモードとは異なる他のモードに現在のモードを変更することができる。
【0088】
次に、ステップS107では、対象管理コードの行における第3のフラグの列533のフラグ(以下、単に第3のフラグともいう)が「0」か否かを判別する。ステップS107の判別結果が偽(N)で、第3のフラグが「0」以外である場合は、ステップS108に移行し、暗証番号を削除して、ステップS109に移行する。一方、ステップS107の判別結果が真(Y)で、第2のフラグが「0」である場合は、ステップS108には移行せずに、ステップS109に移行する。
【0089】
次に、ステップS109では、対象管理コードの行における第4のフラグの列534のフラグ(以下、単に第4のフラグともいう)が「0」か否かを判別する。ステップS109の判別結果が偽(N)で、第4のフラグが「0」以外である場合は、ステップS110に移行し、施解錠装置100を制御して錠15を作動させることで扉13を解錠して本ルーチンを終了する。一方、ステップS109の判別結果が真(Y)で、第4のフラグが「0」である場合は、ステップS110には移行せずに、本ルーチンを終了する。
【0090】
ここで、
図8によると、第3のフラグに係る制御であるステップS107では、例えば予め設定された任意の暗証番号としての動作コードを、第3のフラグが「1」の場合には削除し、「0」の場合には削除しない。また、第4のフラグに係る制御であるステップS108では、第4のフラグが「1」の場合には施解錠装置100を制御して錠15を作動させることで扉13を解錠し、「0」の場合には扉13を解錠しない。
【0091】
すなわち、ステップS105~S108では、対象管理コードの行における第2のフラグ~第4のフラグに従って、現在のモードの変更、暗証番号としての動作コードの削除及び扉13の解錠を実行することができる。なお、
図6Aによると、第1~第4のフラグのすべて並びに管理コード及び動作コードのすべてを同じテーブルであるコード管理テーブル500で管理しているが、フラグの一部並びに管理コード及び動作コードの一部を別のテーブルで管理してもよい。具体例としては、管理コード「00003」及び「00004」並びに第4のフラグについては別のテーブルで管理し、ユーザが動作コードとして「5678」または「3456」を入力すると、ステップS103及びステップS105~S107の制御は実行せず、換言すると、コード管理テーブル500における第1~第3のフラグの実行はせずに、当該別のテーブルに基づいて第4のフラグを実行することが考えられる。
【0092】
また、
図6Aによると、第1~第4のフラグに基づいて、現在のモードの変更、暗証番号としての動作コードの削除及び扉13の解錠を実行するようにしたが、利用許可装置200は、第1~第2のフラグに基づいて、換言すると、第3~第4のフラグは設定せずに、現在のモードの変更、暗証番号とヒデの動作コードの削除及び扉13の解錠等のあらかじめ設定された動作を実行するようにしてもよい。具体例としては、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力された動作コードが「5678」または「3456」である場合のように、第2のフラグが「0」である場合は(ステップS105でY)、利用許可装置200は、扉13の解錠等の予め設定された動作をすることが考えられる。
【0093】
(D)利用許可装置200の利用例及び作用効果
以下、第1実施形態に係るプロセッサ212による制御の作用効果を、利用許可装置200が賃貸物件の入り口に設けられた扉に設けられている場合を例に説明する。なお、当然、当該場合は一例であって、利用許可装置200の使用態様が当該場合のみに限定されるわけではない。
【0094】
(D-1)入居者による利用
まず、ユーザとしての当該賃貸物件の入居者が、扉13を解錠して当該賃貸物件に入る場合について説明する。このような場合に、入居者は、例えば予め設定された任意の暗証番号としての動作コード「5678」を、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。ここで、暗証番号としての動作コード「5678」は、例えば入居者が当該賃貸物件に入居する際に最初に設定した動作コードである。
【0095】
このように利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「5678」が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コード「5678」を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00003」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。ここで、当該賃貸物件は、入居者によって入居されている状態であるため、現在のモードは、「入居モード」であり、現モード番号が「1」である。
【0096】
すなわち、第1のフラグと現モード番号とを比較すると、共に「1」で一致するため(S103のY)、第4のフラグに沿って扉13を解錠する(S107)。ここで、第2のフラグ及び第3のフラグは、共に「0」であるため、現モード番号は変更せず(S105のY)、暗証番号としての動作コードは削除しない(S107)。
【0097】
これにより、入居者は、現在のモードを「入居モード」のまま維持しつつ、暗証番号としての動作コードを利用して扉13を解錠することができる。
【0098】
(D-2)退去
次に、ユーザとしての当該賃貸物件の入居者が、例えば引っ越し等に伴い退去する場合について説明する。このような場合に、入居者は、引っ越し作業等の当該賃貸物件から退去するために必要なすべての作業を完了させると、例えば当該賃貸物件を管理する不動産会社等の管理者から予め知らされている動作コード「1234」を、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。
【0099】
このように利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「1234」が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コード「1234」を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00001」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。ここで、当該賃貸物件の入居者が退去する場合であるため、退去直前のモードである現在のモードは、「入居モード」であり、現モード番号が「1」である。
【0100】
すなわち、第1のフラグと現モード番号とを比較すると、共に「1」で一致するため(S103のY)、第2のフラグに沿って現モード番号「1」を「2」に変更し(S105、S016)、第3のフラグに沿って予め設定された任意の暗証番号としての動作コードである、管理コード「00003」の行における動作コードの列523の「5678」を削除する(S108)。
【0101】
これにより、現在のモードを「入居モード」から「空室モード」へ変更しつつ、管理コード「00003」の行における動作コードの列523の「5678」を削除することで、利用許可装置200は、利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「1234」を入力した入居者、すなわち退去者が、当該賃貸物件に入るために動作コード「5678」を利用して扉13を解錠することを防止することができる。
【0102】
具体的には、上述した「(D-1)入居者による利用」と同じように、退去者が動作コード「5678」を、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力すると、利用許可装置200のプロセッサ212は、管理コード「00003」の行における動作コードの列523の「5678」が削除されているため、動作コードの列523から動作コード「5678」を発見できない(S102のN)。これにより、利用許可装置200は、退去者による当該賃貸物件への侵入を防止することができる。また、退去者は、例えば鍵をシリンダに挿入して回し錠前を解錠するような場合と比較して、当該鍵を管理者に返却することなく退去することができる。
【0103】
好ましくは、利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「1234」が入力される場合、再度「1234」を入力されるまで待機し、再度の「1234」の入力があった場合にのみステップS103以降の、処理を実施するとよい。これにより、ユーザによる誤動作で現在のモードを「入居モード」から「空室モード」へ変更することを防止することができる。なお、動作コード「5678」は、例えば入居者が入居を開始する際に任意に設定した番号であってもよく、他の動作コードと同じコードとならないように設定することが好ましい。
【0104】
(D-3)メンテナンス・内見
次に、ユーザとしての当該賃貸物件の管理者が、退去後の当該賃貸物件の清掃や修繕等のメンテナンスをするために当該賃貸物件に入る場合や、当該賃貸物件に入居するか否かを検討している者(顧客)に管理者が当該賃貸物件を内見させる場合について説明する。このような場合に、管理者は、動作コード「3456」を、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。
【0105】
このように利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「3456」が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コード「3456」を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00004」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。ここで、当該賃貸物件の入居者が退去した後の場合であるため、退去後のモードである現在のモードは、「空室モード」であり、現モード番号が「2」である。
【0106】
すなわち、第1のフラグと現モード番号とを比較すると、共に「2」で一致するため(S103のY)、第4のフラグに沿って扉13を解錠する(S107)。ここで、第2のフラグ及び第3のフラグは、共に「0」であるため、現モード番号は変更せず(S105のY)、暗証番号としての動作コードは削除しない(S107)。これにより、管理者は、現在のモードを「空室モード」のまま維持しつつ、動作コード「3456」を利用して扉13を解錠することができる。
【0107】
ところで、退去後の当該賃貸物件の清掃や修繕等のメンテナンスをする場合、管理者の代わりに清掃業者等の協力会社の者が単独で当該賃貸物件に入ることが考えられる。また、管理者が当該賃貸物件を顧客に内見させる場合、例えば管理者が遠方に位置するとき、顧客に単独で内見させる、すなわち顧客が単独で当該賃貸物件に入ることが考えられる。このような場合、ユーザとしての当該協力会社の者や顧客に管理者が予め動作コード「3456」を伝えることで、管理者が不在の状態であっても、該協力会社の者や顧客は、扉13を解錠することができる。
【0108】
一方、当該協力会社の者や顧客が、本来入るべき賃貸物件ではない他人が入居中の当該賃貸物件に、誤って入ろうとする場合が考えられる。このような場合、利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「3456」が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コード「3456」を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00004」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。
【0109】
ここで、当該賃貸物件は、入居者によって入居されている状態であるため、現在のモードは、「入居モード」であり、現モード番号が「1」である。一方、対象管理コード「00004」の行における第1のフラグは、「2」であり、現モード番号とは相違する。すなわち、ステップS103の判別結果が偽(N)となるため、ステップS105以降のステップに移行せず、扉13は解錠されない。これにより、利用許可装置200は、入居者以外の者による当該賃貸物件への侵入を防止することができる。
【0110】
(D-4)新規入居
次に、空室状態の当該賃貸物件に新規に入居する者(以下、新規入居者という)が利用許可装置200を操作する場合について説明する。このような場合に、ユーザとしての新規入居者は、例えば当該賃貸物件を管理する不動産会社等の管理者から予め知らされている動作コード「2468」を、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。
【0111】
このように利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「2468」が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コード「2468」を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00002」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。ここで、当該賃貸物件に新規入居者が新たに入居する(新規入居)場合であるため、新規入居の直前のモードである現在のモードは、「空室モード」であり、現モード番号が「2」である。
【0112】
すなわち、第1のフラグと現モード番号とを比較すると、共に「2」で一致するため(S103のY)、第2のフラグに沿って現モード番号「2」を「1」に変更する(S105、S016)。
【0113】
これにより、現在のモードを「空室モード」から「入居モード」へ変更することで、利用許可装置200は、前述した「当該協力会社の者や顧客が、本来入るべき賃貸物件ではなく、他人が入居中の当該賃貸物件に、誤って入ろうとする場合」ような、第1のフラグが「2」の動作コードの操作による解錠等の操作を防止することができる。
【0114】
以上、第1実施形態においては、ユーザによる入力情報により特定されるモードと利用許可装置200の現在のモードとが一致する場合に、現在のモードを変更することで、ユーザによる入力情報が現在のモードを変更する前の情報である場合の利用許可装置200の動作を制限することが可能となる。すなわち、ユーザによる入力情報により、利用許可装置200のモードを好適に変更することができる。特に、第1実施形態においては、利用許可装置200がステップS101以降の制御(
図7C及び
図7D参照)を、オフライン下であっても実施可能であるため、例えば利用許可装置200を扉13に設置する際に必要な工事を簡単なものにすることができる。
【0115】
なお、上記の通り説明した第1のフラグ~第4のフラグにおける動作は一例であり、そのほかの動作を実施するようにしてもよく、フラグを増減してもよい。また、上記の説明では、動作コードは互いに異なるコードを用いるようにしたが、同じコードを使用できるようにしつつ第1のフラグで判別して第2のフラグ以降の動作を決定できるようにしてもよい。
【0116】
7.第1実施形態の別実施例
以下、上述した第1実施形態の別実施例について説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、別実施例との差異を主に説明する。
【0117】
図9は、第1実施形態の別実施例に係る利用許可装置200の構成を例示する図である。別実施例に係る利用許可装置200の入力インターフェイス215は、一例としてはタッチパネルに加え、ICカードリーダ及びカメラを含む。IC(integrated circuit)カードリーダは、例えばカード型の情報媒体であるICカードに書き込まれている情報を、ICカードが接触した際に読み取ることが可能な装置である。このICカードは、集積回路が内蔵されており、いわゆるカードライタで予め識別情報等の情報が書き込まれている。すなわち、ICカードリーダは、接触したICカードから識別情報等の情報を読み取ることが可能である。カメラは、例えば利用許可装置200に対向するものを撮像することが可能な撮像装置である。
【0118】
ここで、別実施例に係る利用許可装置200のプロセッサ212は、予めICカードからICカードリーダが読み取った情報を動作コードして記憶しており、ICカードリーダでICカードから識別情報等の情報を読み取ると、ICカードリーダから読み取った情報と動作コードとを照合する。これにより、ユーザは、タッチパネルへの数字の入力に代えて、ICカードをICカードリーダに接触させて入力情報を入力することができる。
【0119】
また、別実施例に係る利用許可装置200のプロセッサ212は、カメラによって撮像される二次元バーコードからコード情報を読み取り、このコード情報を入力情報として動作コードと照合する。すなわち、予め二次元バーコードから読み取られるコード情報を動作コードとしてメモリ213に記憶することで、ユーザは、タッチパネルへの数字の入力に代えて、二次元バーコードをカメラに撮像させて入力情報を入力することができる。
【0120】
また、別実施例に係る利用許可装置200のプロセッサ212は、カメラによって撮像されるユーザの顔の撮像情報から特徴量を抽出し、この特徴量を入力情報として動作コードと照合する。すなわち、予めユーザの顔の撮像情報から抽出される特徴量を動作コードとしてメモリ213に記憶することで、ユーザは、タッチパネルへの数字の入力に代えて、ユーザの顔をカメラに撮像させて入力情報を入力することができる。なお、ユーザの顔の撮像情報から抽出される特徴量については、別のテーブルで管理する等、ICカードリーダが読み取った情報や二次元バーコードから読み取るコード情報とは異なる管理方法で管理してもよい。
【0121】
すなわち、別実施例に係る利用許可装置200のプロセッサ212は、ICカードリーダ及びカメラを含む入力インターフェイス215から、ICカードからICカードリーダが読み取った情報、二次元バーコードから読み取るコード情報及びユーザの顔の撮像情報から抽出される特徴量を入力情報として処理を実施することで、ユーザによるタッチパネルへの数字の入力の手間を削減することができる。
【0122】
<第2実施形態>
8.第2実施形態に係るコード管理テーブル500
上述した第1実施形態においては、動作コードに対応する入力情報が入力されることで、現在のモードを入居モードから空室モードに、又は空室モードから入居モードに変更するコード管理テーブル500を用いて説明した。しかしながら、現在のモードを入居モードから、一旦、モード変更モードにモードを変更してから、空室モードに変更するのもよい。このような形態を第2実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態との差異を主に説明する。
【0123】
図10は、第2実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
図10によると、モード管理部511は、モード変更モード(第3のモード)を更に含む。また、
図10によると、第2実施形態に係るコード管理表513は、管理コード「00011」~「00016」のコードが記憶される。
【0124】
管理コード「00011」は、利用許可装置200の現在のモードが「入居モード」又は「空室モード」のときに、ユーザの操作により動作コード「9999」が利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力されると、利用許可装置200の現在のモードを「モード変更モード」に変更する、ことが示されている。
【0125】
管理コード「00012」は、利用許可装置200の現在のモードが「モード変更モード」のときに、ユーザの操作により動作コード「1234」が利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力されると、利用許可装置200の現在のモードを「空室モード」に変更する、ことが示されている。
【0126】
管理コード「00013」は、管理コード「00012」と同様に、利用許可装置200の現在のモードが「モード変更モード」のときに、ユーザの操作により動作コード「1235」が利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力されると、利用許可装置200の現在のモードを「空室モード」に変更しつつ、例えば管理コード「00015」の動作コードを削除する、ことが示されている。
【0127】
管理コード「00014」は、利用許可装置200の現在のモードが「モード変更モード」のときに、ユーザの操作により動作コード「7321」が利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力されると、利用許可装置200の現在のモードを「入居モード」に変更する、ことが示されている。
【0128】
管理コード「00015」及び管理コード「00016」は、第1実施形態に係るコード管理テーブル500における管理コード「00003」及び管理コード「00004」と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0129】
このような構成により、ユーザによる入力情報の入力を受け付け、例えば利用許可装置200の現在のモードを入居モードから空室モードに変更することは、入力情報とは異なる他の入力情報が入力された場合に可能となる。具体例としては、「入居モード」から「空室モード」に現在のモードを変更する場合、第2のフラグが「2」である動作コード「1234」や動作コード「1235」を入力情報として入力せず、まずは動作コード「9999」を他の入力情報として入力する。その後、第2のフラグが「2」である動作コード「1234」や動作コード「1235」を入力情報として入力して「入居モード」から「空室モード」に現在のモードを変更する。このような構成により、利用許可装置200は、現在のモードをモード変更モードに変更したあと、モードの変更先を示す動作コードを入力して、現在のモードを変更するため、ユーザによる誤った動作コードの入力があっても、現在のモードが変更されることを抑制することができる。なお、上記第2実施形態では、「モード変更モード」を一例として用いたが、入力情報が入力された際に現在のモードを「入居モード」から「空室モード」に直接変更せずに、再度の入力情報が必要な構成にすればよく、「モード変更モード」を用いなくてもよい。
【0130】
<第3実施形態>
9.第3実施形態に係るコード管理テーブル500
上述した第1実施形態及び第2実施形態においては、動作コード「1235」が入力されることで、利用許可装置200の現在のモードを「モード変更モード」から「空室モード」に変更しつつ、例えば管理コード「00015」の動作コードを削除するコード管理テーブル500を用いて説明した。しかしながら、動作コードとしてTOTPを用いてもよい。このような形態を第3実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態及び第2実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第2実施形態との差異を主に説明する。
【0131】
図11は、第3実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
図11によると、第3実施形態に係るコード管理表513は、管理コード「00017」のコードが管理コード「00013」に代えて記憶される。
【0132】
管理コード「00017」は、管理コード「00013」における動作コード「1235」に代えて、「TOTP」を用いる。TOTP(Time-based One-time Password)は、インターバルの時間情報に対応する入力情報及び動作コードとして生成されるワンタイムパスコードである。TOTPに関する情報は、seed情報、インターバルの時間情報、桁数情報等のワンタイムパスコードを生成するための情報が含まれる。
【0133】
第3実施形態に係る利用許可装置200は、例えばコード管理テーブル500を更新する際に、サーバ装置400からTOTPに関する情報を受信する。また、第3実施形態に係る端末装置300は、利用許可装置200が受信したTOTPに関する情報と同じ情報をサーバ装置400から予め受信する。なお、利用許可装置200及び端末装置300は、必ずしも同じ時期にサーバ装置400からTOTPに関する情報を受信する必要はなく、TOTPに関する情報が一致していれば、異なる時期に受信してもよい。
【0134】
ここで、ユーザが「TOTP」を用いて利用許可装置200の現在のモードを「モード変更モード」から「空室モード」に変更しつつ、例えば管理コード「00015」の動作コードを削除する場合、端末装置300は、予めサーバ装置400から受信したTOTPに関する情報を基に、入力情報を生成する。具体的には、端末装置300は、まず、インターバルの時間情報と対応付けられるseed情報のうち、ユーザが当該操作をした時間に対応するseed情報を抽出する。次に、端末装置300は、抽出したseed情報から桁数情報に基づく桁数の数字を抽出する。これによって、抽出された数字が入力情報として生成されることとなる。このようにして生成された入力情報は、端末装置300の出力インターフェイス311であるディスプレイに表示される。また、端末装置300は、表示されてから所定時間が経過すると、まず、所定時間後の時間に係るインターバルの時間情報と対応付けられるseed情報を抽出する。次に、端末装置300は、抽出したseed情報から桁数情報に基づく桁数の数字を抽出する。これによって、抽出された数字が入力情報として再度生成(再生成)されることとなる。このようにして再生成された入力情報は、端末装置300の出力インターフェイス311であるディスプレイに表示される。すなわち、ユーザは、端末装置300が入力情報を生成してディスプレイに表示してから所定時間内に、端末装置300のディスプレイに表示された入力情報を利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。また、当該所定時間が経過した場合であっても、ユーザは、インターバルの時間情報に応じて再生成されてディスプレイに表示される入力情報を利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。
【0135】
一方、利用許可装置200のプロセッサ212は、ユーザの操作により端末装置300が生成した入力情報が入力されると、予めサーバ装置400から受信したTOTPに関する情報に基づいて、動作コードを生成する。具体的には、利用許可装置200のプロセッサ212は、端末装置300と同様に、まず、ユーザが当該操作をした時間(例えば
図1の完了ボタン215aを選択した時間)インターバルの時間情報と対応付けられるseed情報を抽出する。次に、プロセッサ212は、抽出したseed情報から桁数情報に基づく桁数の数字を抽出するようにして動作コードを生成する。そして、利用許可装置200のプロセッサ212は、ユーザの操作により入力された入力情報と予めサーバ装置400から受信したTOTPに関する情報に対応して生成した動作コードとを用いてステップS102(
図7C)の制御を実行する。これにより、利用許可装置200のプロセッサ212は、予めサーバ装置400から受信したTOTPに関する情報を用いて利用許可装置200の現在のモードを「モード変更モード」から「空室モード」に変更する等の制御を実施することができ、ひいてはユーザによる利用許可装置200の入力インターフェイス215への入力情報の入力の際に、利用許可装置200及び端末装置300が通信ネットワーク11を介した通信を行わなくても、ワンタイムパスコードのような一時的に利用可能なパスコードを利用することができる。
【0136】
なお、上記説明では、端末装置300は、予めサーバ装置400から受信したTOTPに関する情報を基に、入力情報を生成するようにしたが、ユーザにより入力情報を取得するための操作がされた際に、サーバ装置400が入力情報を生成して送信し、端末装置300が受信するようにしてもよい。このように、端末装置300に入力情報を受信させることで、TOTPに関する情報を端末装置300に受信させずに、TOTPに関する認証を用いた利用許可装置200による制御を実施することができ、ひいてはTOTPに関する情報が端末装置300から流出することを抑制することができる。
【0137】
また、上記説明では、TOTPに関する認証における入力情報及び動作コードの生成の一例を説明したが、ユーザが当該操作をした時間、seed情報及び桁数情報を基に入力情報を生成するものであればよく、上記説明に限定されない。また、上記説明では、ワンタイムパスコードによる認証の一例として、TOTPを用いた認証を説明したが、HOTP(HMAC-based One-Time Password)を用いてもよく、一時的に利用可能なパスコードを生成して認証に用いる形式であればよい。
【0138】
<第4実施形態>
10.第4実施形態に係るコード管理テーブル500
上述した第1~3実施形態においては、利用許可装置200による機器の制御のひとつとして、第4のフラグに従って施解錠装置100を制御して錠15を作動させることで扉13を解錠することを説明した。しかしながら、利用許可装置200による機器の制御は、施解錠装置100の制御に限らず、カメラを制御するようにしてもよい。このような形態を第4実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態及び第1実施形態における別実施例の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態及び第1実施形態における別実施例との差異を主に説明する。
【0139】
図12Aは、第4実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。また、
図12Bは、第4実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212におけるコード管理テーブル500を用いた制御手順の一例を示すフローチャートである。また、
図12Cは、第4実施形態に係る第3のフラグ、第4のフラグ及び後述する第5のフラグの名称と識別番号の対応を示す表である。
図12Aによると、モード管理部511は、第3のモードとして防犯モードが設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00005」の行における動作コードに、入力インターフェイス215から入力される「1357」が設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00006」の行における動作コードに、カメラによって撮像されるユーザの顔の撮像情報から抽出される特徴量が設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00007」の行における動作コードに、入力インターフェイス215から入力される「7531」が設定される。さらに、コード管理表513における複数のフラグの列525は、第5のフラグの列535が設定される。
【0140】
図12Bによると、第4実施形態に係るプロセッサ212による制御手順では、ステップS109、S110で第4のフラグに係る制御を実行したあと、ステップS121は、対象管理コードの行における第5のフラグの列535のフラグ(以下、単に第5のフラグともいう)が「0」か否かを判別する。ステップS121の判別結果が偽(N)で、第5のフラグが「0」以外である場合は、ステップS122に移行し、カメラをONにして本ルーチンを終了する。一方、ステップS121の判別結果が真(Y)で、第5のフラグが「0」である場合は、ステップS122には移行せずに、本ルーチンを終了する。
【0141】
ここで、
図12Cによると、第5のフラグに係る制御であるステップS122では、第5のフラグが「1」の場合には入力インターフェイス215のカメラをONにすることで、例えば利用許可装置200に対向するものを撮像し、「0」の場合にはカメラをOFFにする。
【0142】
次に、第4実施形態に係るプロセッサ212による制御の作用効果を、第1実施形態と同様に利用許可装置200が賃貸物件の入り口に設けられた扉に設けられている場合を例に説明する。なお、当然、当該場合は一例であって、利用許可装置200の使用態様が当該場合のみに限定されるわけではない。
【0143】
(A)「入居モード」から「防犯モード」への変更
まず、ユーザとしての当該賃貸物件の入居者が、利用許可装置200のモードを入居モードから防犯モードに変更させることについて説明する。入居者は、例えば予め管理者から知得した動作コード「1357」を、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。
【0144】
このように利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「1357」が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コード「1357」を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00005」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。ここで、当該賃貸物件の入居者が利用許可装置200のモードを入居モードから防犯モードに変更させる場合であるため、動作コードを入力する前である現在のモードは、「入居モード」であり、現モード番号が「1」である。
【0145】
すなわち、第1のフラグと現モード番号とを比較すると、共に「1」で一致するため(S103のY)、第2のフラグに沿って現モード番号「1」を「3」に変更し(S105、S016)、第5のフラグに沿ってカメラをONにする(S122)。
【0146】
これにより、現在のモードを「入居モード」から「防犯モード」へ変更しつつカメラをONにすることで、利用許可装置200は、利用許可装置200に対向するものを撮像することが可能である。したがって、「防犯モード」における利用許可装置200は、例えば入居者とは異なる者が入居者の不在時に、利用許可装置200を操作して侵入を試みた場合に、カメラによって当該入居者とは異なる者を撮像してメモリ213に記憶することで、撮像情報を例えばBluetooth(登録商標)を利用して端末装置300に送信して帰宅後の入居者に報知することができる。なお、上記説明では、「防犯モード」における利用許可装置200は、カメラをONにすると説明したが、常にカメラをONにするのではなく、例えば近接センサ等を用いて利用許可装置200に近づいた者がいる場合にONにしてもよく、入力インターフェイス215への入力があった場合にONにしてもよく、間欠的にONにしてもよい。
【0147】
(B)「防犯モード」中の解錠
次に、利用許可装置200のモードが防犯モードの際に、入居者が扉13を解錠させることについて説明する。入居者は、例えば予め入居者の顔の撮像情報から抽出される特徴量を動作コードとしてメモリ213に記憶させておくことで、顔をカメラに撮像させて入力情報としての特徴量を入力する。
【0148】
このように利用許可装置200の入力インターフェイス215に入居者の顔の撮像情報が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コードとしての入居者の顔の特徴量(以下、単に特徴量という)を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00006」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。ここで、利用許可装置200のモードが防犯モードの際に、当該賃貸物件の入居者が扉13を解錠させる場合であるため、動作コードを入力する前である現在のモードは、「防犯モード」であり、現モード番号が「3」である。
【0149】
すなわち、第1のフラグと現モード番号とを比較すると、共に「3」で一致するため(S103のY)、第4のフラグに沿って扉13を解錠し(S107)、第5のフラグに沿ってカメラのON状態を維持させる(S122)。
【0150】
これにより、「防犯モード」における利用許可装置200がカメラをONにすることで、入居者がカメラに顔を撮像させることで扉13を解錠することが可能である。したがって、「防犯モード」における利用許可装置200は、例えば入居者とは異なる者が入居者の不在時に、利用許可装置200のカメラに入居者とは異なる者の顔を撮像させても、動作コードである特徴量が異なるため、扉13の解錠を防止することができる。また、入居者とは異なる者が、利用許可装置200が「入居モード」の際に扉13を解錠するために使用する動作コードである「1234」を入力インターフェイス215に入力することがあっても、第1のフラグと現モード番号とが異なるため(S103のN)、扉13の解錠を防止することができる。
【0151】
(C)「防犯モード」から「入居モード」への変更
次に、ユーザとしての当該賃貸物件の入居者が、利用許可装置200のモードを防犯モードから入居モードに変更させることについて説明する。入居者は、例えば予め管理者から知得した動作コード「7531」を、利用許可装置200の入力インターフェイス215に入力する。さらに、入居者は、顔をカメラに撮像させて入力情報としての特徴量を入力する。
【0152】
このように利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「7531」及び動作コードのとしての入居者の顔の撮像情報が入力されると、利用許可装置200のプロセッサ212は、動作コードの列523から動作コード「7531」及び動作コードとしての特徴量を発見し(S102のY)、対応する管理コードである対象管理コード「00007」の行における第1のフラグと現モード番号とを比較する(S103)。ここで、当該賃貸物件の入居者が利用許可装置200のモードを防犯モードから入居モードに変更させる場合であるため、動作コードを入力する前である現在のモードは、「防犯モード」であり、現モード番号が「3」である。
【0153】
すなわち、第1のフラグと現モード番号とを比較すると、共に「3」で一致するため(S103のY)、第2のフラグに沿って現モード番号「3」を「1」に変更し(S105、S016)、第5のフラグに沿ってカメラをOFFにする(S122)。
【0154】
このように、利用許可装置200のモードを防犯モードから入居モードに変更させる場合、入力インターフェイス215に動作コード「7531」の入力のみならず、動作コードのとしての入居者の顔の撮像情報が必要となるため、例えば入居者とは異なる者によって利用許可装置200のモードが防犯モードから入居モードに変更されることを防止することができる。
【0155】
<第5実施形態>
11.第5実施形態に係る動作コードの設定
上述した第1~4実施形態においては、入力インターフェイス215の一例として、タッチパネル(ユーザによる数字の入力手段)、ICカードリーダ及びカメラを用い、タッチパネルへの入力操作によって入力される入力値、ICカードから読み取る識別情報、カメラによって撮像される二次元バーコードから読み取るコード情報及びカメラによって撮像されるユーザの顔の撮像情報から抽出される特徴量を、動作コードとして用いる、すなわち、複数の認証方法(入力情報の入力手段)を用いた利用許可装置200について説明した。さらには、ユーザによる任意の設定で、これら複数の認証方法による利用許可装置200のモードの設定及び変更をするようにしてもよい。このような形態を第5実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の別実施例の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態の別実施例との差異を主に説明する。
【0156】
図13は、第5実施形態に係る動作コードを設定する手順を示すフローチャートである。具体的には、利用許可装置200が端末装置300と情報を通信可能に接続してから動作コードを設定して端末装置300との接続を終了するまでに実施する処理を示すフローチャートである。
【0157】
まず、ステップS31では、利用許可装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して端末装置300から接続要求を受け付けると、端末装置300とデータの通信をするための接続処理を実施する。次に、ステップS32では、ユーザによる端末装置300の操作により、動作コードを設定する管理コードを選択する。
【0158】
次に、ステップS33では、ステップS32で選択された管理コードにおける動作コードについての、新たに設定する動作コードを入力する。具体例としては、
図6Aにおけるコード管理テーブル500の動作コード「5678」をICカードに記憶される識別情報に変更するよう設定する場合、ステップS32で管理コード「00003」を選択し、利用許可装置200の入力インターフェイス215に含まれるICカードリーダにICカードをかざす。その後ステップS35で端末装置300との接続を終了する。
【0159】
これにより、例えば入居者としてのユーザの任意で、管理コード「00003」に係る制御、すなわち利用許可装置200が入居モードであるときの扉13の解錠に必要な動作コードを、ICカードによる入力として設定することができる。また、同様にして、ユーザが任意で選択した管理コードの動作モードを上述した複数の認証方法から選択することで、ユーザの使用用途や好みに合うよう、動作モードを設定することができる。
【0160】
なお、上記説明では、一例として、管理コード「00003」に係る動作コードを動作コード「5678」からICカードに記憶される識別情報に変更するよう設定することを説明したが、管理コード「00003」に係る動作コードとして「5678」及びICカードに記憶される識別情報の両方を設定し、いずれか一方の入力のみであっても動作コードの列523から動作コードが発見された(
図7CのS102のY)と判別するようにユーザの任意で設定してもよく、管理コード「00003」に係る動作コードとして「5678」及びICカードに記憶される識別情報の双方が入力された場合にのみ動作コードの列523から動作コードが発見された(S102のY)と判別するようにユーザの任意で設定してもよい。
【0161】
また、上記説明では、一例として、ユーザとしての入居者が動作モードを設定することを説明したが、ユーザとしての当該賃貸物件の管理者が動作モードを任意に設定するようにしてもよい。また、上記説明では、端末装置300を用いて動作モードを設定することを説明したが、利用許可装置200の操作により動作モードを設定するようにしてもよく、サーバ装置400から通信インターフェイス214を介して設定するようにしてもよい。
【0162】
また、認証方法としては、一例として、ICカードリーダを用いたICカードによる認証、カメラを用いた二次元バーコードによる認証及びカメラを用いたユーザの顔の撮像情報による認証を説明したが、例えばBluetooth(登録商標)を利用した端末装置300の認証情報並びに指紋、静脈、声紋及び網膜等の生体情報を予め利用許可装置200のメモリ213に記憶させて用いてもよい。
【0163】
<第6実施形態>
12.第6実施形態に係るコード管理テーブル500
上述した第1~5実施形態においては、家屋の扉の施解錠を行う利用許可装置200について主に説明した。しかしながら、荷物を収納可能に一時的に利用客に貸し出すロッカーの扉の施解錠を行うようにしてもよい。このような形態を第6実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態との差異を主に説明する。
【0164】
図14は、第6実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
図14によると、モード管理部511は、第1のモードとして通常利用モードが設定される。また、モード管理部511は、第2のモードとしてメンテナンスモードが設定される。またさらに、コード管理表513は、管理コード「00001」の行における動作コードに、ICカードリーダがICカードから読み取る識別情報が設定される。
【0165】
すなわち、第6実施形態に係る利用許可装置200は、例えばロッカーの管理者が所有するICカードをICカードリーダにかざすことで、ICカードリーダがICカードから識別情報を読み取り、この識別情報がコード管理表513の管理コード「00001」の行における動作コードとして記憶される識別情報と一致する場合、利用許可装置200のモードを「通常利用モード」から「メンテナンスモード」に変更する。これにより、例えばロッカーが破損や劣化によりメンテナンスをする必要がある状態の場合、ロッカーの管理者がICカードをICカードリーダにかざすことで、利用許可装置200のモードを、ロッカーを利用客に貸し出す「通常利用モード」から利用客によるロッカーの利用を停止する「メンテナンスモード」に変更することが可能である。
【0166】
一方、コード管理表513の管理コード「00002」の行における動作コードは、「2468」である。すなわち、「メンテナンスモード」に変更された利用許可装置200は、第1実施形態に係る利用許可装置200と同様に、入力インターフェイス215に「2468」が入力されると、利用許可装置200のモードを「メンテナンスモード」から「通常利用モード」に変更する。これにより、例えばロッカーのメンテナンスを完了させた作業者は、ロッカーを再び利用客に貸し出すべく、入力インターフェイス215に「2468」を入力すると、利用許可装置200のモードを「メンテナンスモード」から再び「通常利用モード」に変更することが可能である。
【0167】
したがって、第6実施形態に係る利用許可装置200は、利用許可装置200のモードを「通常利用モード」から「メンテナンスモード」に変更することを管理者の所有するICカードによる認証のみ許可することが可能となり、管理者以外の者による「通常利用モード」から「メンテナンスモード」への利用許可装置200のモードの変更を防止することができる。また、第4実施形態に係る利用許可装置200は、ロッカーのメンテナンスを完了させた作業者が入力インターフェイス215に「2468」を入力することで利用許可装置200のモードを「メンテナンスモード」から「通常利用モード」に変更することが可能となり、管理者の所有するICカードを用いずに利用許可装置200のモードを「メンテナンスモード」から「通常利用モード」に変更することができる。なお、第6実施形態では、管理コード「00002」の行における動作コードを「2468」のままにしているが、ICカードの識別情報も追加することで、入力インターフェイス215に「2468」を入力するか、ICカードをICカードリーダにかざすことにより、利用許可装置200のモードを「メンテナンスモード」から「通常利用モード」に変更するようにしてもよく、管理コード「00001」の行における動作コードの「識別情報」と管理コード「00002」の行における動作コードの「識別情報」とで異なる識別情報を記憶して、異なるICカードで利用許可装置200のモードの変更をする態様としてもよい。
【0168】
<第7実施形態>
13.第7実施形態に係るコード管理テーブル500
上述した第1~6実施形態においては、家屋の扉の施解錠を行う利用許可装置200及び荷物を収納可能に一時的に利用客に貸し出すロッカーの扉の施解錠を行う利用許可装置200について主に説明した。しかしながら、一時的に利用客に入室を許可して利用させる部屋(いわゆるシェアオフィス)扉の施解錠を行うようにしてもよい。このような形態を第7実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態との差異を主に説明する。
【0169】
図15は、第7実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
図15によると、モード管理部511は、第1のモードとして通常利用モードが設定される。また、モード管理部511は、第2のモードとして限定利用モードが設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00001」の動作コードに、入力インターフェイス215から入力される「9999」並びにICカードリーダが第1ICカードから読み取る第1識別情報及び第2ICカードから読み取る第2識別情報が設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00002」の行における動作コードに、カメラによって撮像される特定のユーザの顔の撮像情報から抽出される特徴量が設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00003」の行における動作コードに、第1識別情報及び第2識別情報が設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00004」の行における動作コードに、ICカードリーダが第2ICカードから読み取る第2識別情報が設定される。
【0170】
ここで、管理コード「00001」及び「00003」の動作コードにおける「第1識別情報及び第2識別情報」は、第1識別情報及び第2識別情報のいずれか一方を意味している。すなわち、管理コード「00001」の動作コードは、入力インターフェイス215から入力される「9999」と第1識別情報、入力インターフェイス215から入力される「9999」と第2識別情報の組み合わせが、動作コードとして設定される。
【0171】
すなわち、第7実施形態に係る利用許可装置200は、利用許可装置200のモードが「通常利用モード」の場合、例えばシェアオフィスの会員のうち、一般会員が所有する第1ICカードをICカードリーダにかざすことで、扉13を解錠し、例えばシェアオフィスの会員のうち、一般会員のうち一部の限定的な会員である限定会員が所有する第2ICカードをICカードリーダにかざすことによっても、扉13を解錠することが可能である。
【0172】
一方、第7実施形態に係る利用許可装置200は、利用許可装置200のモードが「限定利用モード」の場合、第2ICカードをICカードリーダにかざすことによって、扉13を解錠するが、第1ICカードをICカードリーダにかざした場合は、扉13を解錠しない。したがって、第7実施形態に係る利用許可装置200は、第2ICカードを所有する例えば限定会員については、「通常利用モード」及び「限定利用モード」のいずれのモードが設定されている場合であっても扉13を解錠し、第1ICカードを所有する一般会員については、「通常利用モード」の場合にのみ解錠することが可能である。
【0173】
また、第7実施形態に係る利用許可装置200は、利用許可装置200のモードが「通常利用モード」の場合、例えば一般会員が入力インターフェイス215から「9999」を入力したあと、所有する第1ICカードをICカードリーダにかざすことで、または、例えば限定会員が入力インターフェイス215から「9999」を入力したあと、所有する第2ICカードをICカードリーダにかざすことで、利用許可装置200のモードを「通常利用モード」から「限定利用モード」に変更することが可能である。
【0174】
一方、第7実施形態に係る利用許可装置200は、利用許可装置200のモードが「限定利用モード」の場合、入力インターフェイス215から入力される「9999」、第1識別情報及び第2識別情報のいずれの組み合わせでも利用許可装置200のモードを「限定利用モード」から「通常利用モード」に変更せず、カメラによって特定のユーザの顔が撮像されることでのみ、利用許可装置200のモードを「限定利用モード」から「通常利用モード」に変更することが可能である。
【0175】
これにより、例えば、上述した特徴量が、カメラによって撮像されるシェアオフィスの管理者の顔の撮像情報から抽出される特徴量である場合、管理者のみが利用許可装置200のモードを「限定利用モード」から「通常利用モード」に変更することが可能となる。一方、管理者は、利用許可装置200のモードを「通常利用モード」から「限定利用モード」に変更することや、「通常利用モード」及び「限定利用モード」のいずれのモードが設定されている場合であっても扉13を解錠することができない。
【0176】
したがって、第7実施形態に係る利用許可装置200は、例えばすべての会員がシェアオフィス内に集合する会議のような場合は、利用許可装置200のモードを「通常利用モード」にすることで会員のみが扉13を解錠可能にすることができ、例えば限定会員にのみ開示されるべき情報がシェアオフィス内にあるような場合に、利用許可装置200のモードを「限定利用モード」にすることで限定会員のみが扉13を解錠可能にすることができ、いずれのモードにおいてもシェアオフィスの管理者による扉13の解錠をできないようにすることができ、ひいてはセキュリティレベルに適合する扉13の解錠及び利用許可装置200のモード変更の許可を実現できる。
【0177】
<第8実施形態>
14.第8実施形態に係る動作コードの設定
上述した第1実施形態においては、一例として、動作コード「5678」を、入居者が扉13を解錠する際の暗証番号として用いることについて説明した。また、動作コード「5678」は、例えば入居者が当該賃貸物件に入居する際に最初に設定した動作コードであることについて説明した。このように入居者が動作コードを任意に設定する際、特定の動作コードと同一の動作コードが設定されることを制限するようにしてもよい。このような形態を第8実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態との差異を主に説明する。
【0178】
図16Aは、第8実施形態に係る処理システム1における通信シーケンスを示す図である。また、
図16Bは、第8実施形態に係るサーバ装置400における後述する重複確認処理の制御手順を示すフローチャートである。ユーザによる動作コードの設定は、端末装置300が通信インターフェイス314を介してサーバ装置400と通信して行われ、サーバ装置400のメモリ413に制御結果である動作コードの設定値が記憶される。例えば、利用許可装置200は、上述したようにサーバ装置400からコード管理テーブル500の更新情報を受信することで動作コードの設定値をメモリ213に記憶させる(S14)。
【0179】
なお、当該制御手順は、利用許可装置200のプロセッサ212で実施してもよい。具体例としては、利用許可装置200のプロセッサ212において、現在のモードが「空室モード」から「入居モード」に変更された際に当該制御手順がスタートし、入力インターフェイス215に入力される入力情報に基づいて実施することが考えられる。
【0180】
図16Aによると、端末装置300は、ユーザの操作により(U14)、サーバ装置400に記憶されている動作コード「5678」を変更するための要求である変更要求をサーバ装置400に通信ネットワーク11を介して送信する(T20)。変更要求には、ユーザが任意で設定した設定コードが含まれる。変更要求を受信したサーバ装置400は、重複確認処理を実施し(S31)、処理結果を端末装置300に通信ネットワーク11を介して送信する(T21)。
【0181】
図16Bによると、サーバ装置400は、ステップS131では、設定コードが特定の動作コードと一致するか否かを判別する。ステップS131は、判別結果が偽(N)で、設定コードが特定の動作コードと一致しない場合、ステップS133に移行する。ステップS133では、管理コード「00003」の行の動作コードとして、設定コードの値をメモリ413に記憶させ、本ルーチンを終了する。一方、判別結果が真(Y)で、設定コードと同じ値の動作コードが動作コードの列523で発見された場合、ステップS132に移行する。ステップS132では、例えば端末装置300の出力インターフェイス311に、設定コードを動作コードとして設定しない旨をユーザに報知するための情報を生成して本ルーチンを終了する。ステップS132における報知態様の具体例としては、「このコードは設定できません」等のメッセージを端末装置300の出力インターフェイス311におけるディスプレイに表示すること及びスピーカから音声を発すること等が考えられる。このように生成された報知情報は、処理結果を端末装置300に通信ネットワーク11を介して送信する(T21)際に端末装置300に送信される。
【0182】
ここで、特定の動作コードとは、例えば、動作コード「1234」である。これにより、予め管理コード「00001」の行の動作コードとして設定されている動作コード「1234」と同じ値が、管理コード「00003」の行の動作コードとして記憶されることを防止することができ、ユーザが意図しないモード変更を防止することができる。
【0183】
そのほか、特定の動作コードの別の例としては、コード管理表513の動作コードの列523の動作コードが挙げられる。このような特定の動作コードは、管理コード「00003」の行の動作コードとして記憶される動作コードが他の動作コードと一致することを防止することができる。また、特定の動作コードのさらなる別の例としては、コード管理表513の動作コードの列523の動作コードのうち、第1のフラグが管理コード「00003」の行の第1のフラグと一致する動作コードが挙げられる。このような特定の動作コードは、入力情報が他の動作コードと一致する場合であっても、第1のフラグが一致しない、すなわちユーザの意図しない動作が生じない値であれば、管理コード「00003」の行の動作コードとして記憶させることができる。
【0184】
<第9実施形態>
15.第9実施形態に係る現在のモードの変更
上述した第1~8実施形態においては、一例として、現在のモードは、ユーザによる入力情報の入力に基づいて変更することを説明した。しかしながら、現在のモードは、ユーザによる入力情報の入力とは異なるモード変更情報に基づいて変更するようにしてもよい。特に、利用許可装置200は、現在のモードを時間に関する情報(経過時間)に基づいて変更するようにしてもよい。このような形態を第9実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態との差異を主に説明する。
【0185】
第1実施形態のステップS105及びS106では、第2のフラグが「0」以外である場合にステップS106に移行し、現モード番号を第2のフラグの番号に変更してからステップS107に移行することを説明した。一方、第9実施形態においては、ステップS106に移行してすぐにはステップS106を実行せずにステップS107に移行し、ユーザによる入力情報の入力から所定時間(例えば1時間)経過後にステップS106による現モード番号を第2のフラグの番号に変更する制御を実施する。換言すると、ユーザによる入力情報の入力のみならず、ユーザによる入力情報の入力から、時間に関する情報として設定された所定時間が経過したことを検出すると現在のモードを変更する。これにより、例えば管理者が予め利用許可装置200の入力インターフェイス215に動作コード「1234」を入力すると、入力情報の入力から所定時間後に利用許可装置200の現在のモードを「空室モード」から「入居モード」へ変更することができる。
【0186】
また、第9実施形態に係る利用許可装置200は、設置されてから所定時間(例えば3週間)経過後に現モード番号を例えば「空室モード」から「入居モード」に変更する。換言すると、入力情報の入力からの経過時間のみならず、利用許可装置200が設置されてからの経過時間の検出に基づいて現在のモードを変更する。これにより、例えば管理者が利用許可装置200を設置したあと、所定時間後に利用許可装置200の現在のモードを「空室モード」から「入居モード」へ変更することができるので、所定時間が経過するまでは、管理者等の、動作コード「3456」を知っている特定の者による扉13の解錠を許可しつつ、所定時間後には現在のモードを「空室モード」から「入居モード」へ変更することができる。なお、利用許可装置200が設置された時点は、例えば利用許可装置200の電源がONにされた時点としてもよく、電源が入力された時点としてもよい。また、第9実施形態に係る利用許可装置200は、時間に関する入力に基づいて現在のモードを変更することを説明したが、所定時間経過前にユーザの入力等によって現在のモードが変更された場合は、所定時間経過後における現在のモードの変更は行わなくてもよい。
【0187】
なお、当該実施形態においては、ユーザにより入力情報に代えて時間に関する情報(経過時間)に基づいて現在のモードの変更をするようにした。しかし、これに限らず、ユーザによる入力情報に加えて、さらに時間に関する情報(経過時間)に基づいて現在のモードの変更をするようにしてもよい。
【0188】
<第10実施形態>
16.第10実施形態に係る現在のモードの変更
上述した第9実施形態においては、現在のモードをモード変更情報(時間に関する情報)に基づいて変更することの一例として、入力情報の入力から所定時間経過後に現在のモードを変更すること及び利用許可装置200が設置されてから所定時間経過後に現在のモードを変更することについて説明した。しかしながら、利用許可装置200は、利用許可装置200の現在のモードを変更するか否かを判断するために、入力情報に代えて現在のモードをモード変更情報(現在の時間に関する情報(時刻))に基づいて変更するようにしてもよい。このような形態を第10実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態との差異を主に説明する。
【0189】
図17は、第10実施形態に係る利用許可装置200のメモリ213に記憶されるコード管理テーブル500を示す図である。
図17によると、モード管理部511は、第1のモードとして通常利用モードが設定される。また、モード管理部511は、第2のモードとして夜間モードが設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00001」の動作コードに、第1の時刻が設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00002」の行における動作コードに、第2の時刻が設定される。また、コード管理表513は、管理コード「00003」の行における動作コードに、ICカードリーダがICカードから読み取る第1識別情報が設定される。
【0190】
ここで、管理コード「00001」及び「00002」の動作コードにおける「第1の時刻」及び「第2の時刻」は、それぞれ1日のうちの特定の時刻を意味している。第1の時刻は、一例として、20時(午後8時)である。また、第2の時刻は、一例として、7時(午前7時)である。また、第10実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212は、モード変更情報として現在の時間に関する情報(時刻)が入力されている。すなわち、第10実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212は、利用許可装置200の現在のモードが「通常利用モード」の場合、現在時刻が20時になると、現在のモードが「通常利用モード」から「夜間モード」に変更される。同様に、プロセッサ212は、利用許可装置200の現在のモードが「夜間モード」の場合、現在時刻が7時になると、現在のモードが「夜間モード」から「通常利用モード」に変更される。
【0191】
これにより、例えば利用許可装置200の設置場所が、オフィスの扉13を施錠及び解錠する施解錠装置100の近傍である場合、第10実施形態に係る利用許可装置200は、7時~20時までの期間は、ICカードリーダがICカードから第1識別情報を読み取ると当該オフィスの扉13を解錠し、20時~7時までの期間は、ICカードリーダがICカードから第1識別情報を読み取った場合であっても当該オフィスの扉13を解錠しないようにすることができる。ゆえに、第10実施形態に係る利用許可装置200のプロセッサ212は、時間に関する入力として、時刻を含み、時刻に基づいて現在のモードを変更することができる。
【0192】
なお、当該実施形態においては、ユーザにより入力情報に代えて時間に関する情報(時刻)に基づいて現在のモードの変更をするようにした。しかし、これに限らず、ユーザによる入力情報に加えて、さらに時間に関する情報(時刻)に基づいて現在のモードの変更をするようにしてもよい。
【0193】
<第11実施形態>
17.第11実施形態に係る動作コードの設定
上述した第1~10実施形態においては、一例として、ユーザによる入力及びモード変更情報(時間に関する情報)に基づいて現在のモードを変更することについて説明した。しかしながら、現在のモードを変更する際、利用許可装置200の現在のモードを変更するか否かを判断するために、入力情報に代えてモード変更情報(利用許可装置200の状態情報)に基づいて変更するようにしてもよい。このような形態を第11実施形態として、以下に説明する。以下、上述した第1実施形態の構成と同様の構成については説明を省略し、第1実施形態との差異を主に説明する。
【0194】
第11実施形態の利用許可装置200は、例えば利用許可装置200の故障を検知するICが出力インターフェイス211に含まれている。すなわち、利用許可装置200のプロセッサ212は、ICによって検知された利用許可装置200の故障を検知する。なお、施解錠装置100の故障を検知してもよい。また、施解錠装置100及び利用許可装置200の故障の検知に限らず、例えば施解錠装置100と利用許可装置200との間での通信状態に異常があることを検知することで、施解錠装置100及び利用許可装置200の設置状態が不適切であることを判定してもよく、施解錠装置100及び利用許可装置200等の状態を検知することができればよい。
【0195】
このように利用許可装置200の故障を検知したことを状態情報として受信すると、利用許可装置200のプロセッサ212は、利用許可装置200の現在のモードを通信モードに変更する。ここで、通信モードとは、利用許可装置200がサーバ装置400と、例えば5G方式等の広帯域の無線通信方式で通信可能なモードである。これにより、利用許可装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介してサーバ装置400に利用許可装置200が故障していること等の、利用許可装置200の状態に関する情報をサーバ装置400に通知することができる。このとき、利用許可装置200は、通信可能な対象を特定の装置のみに制限するとよい。特に、利用許可装置200は、通信可能な対象をサーバ装置400に限るとよい。これにより、利用許可装置200のメモリ213に記憶された情報が流出することを抑制することができる。
【0196】
したがって、第11実施形態の利用許可装置200のプロセッサ212は、利用許可装置200の故障等の施解錠装置100または利用許可装置200の状態情報に基づいて、現在のモードを通信モードに変更することで、ユーザによる利用許可装置200の使用感からは認識できないような利用許可装置200の故障等が発生している場合であっても、好適に利用許可装置200の現在のモードを変更することができる。特に、現在のモードを通信モードに変更することで、利用許可装置200の故障等による扉13の施解錠の不具合を早急に管理者等に通知し、迅速な修繕を図ることができる。また、このようにして修繕がされた利用許可装置200は、再び通常のモードに戻り、5G方式等の広帯域の無線通信方式での通信を停止させることで、利用許可装置200内の情報が外部に漏出することを防止することができる。
【0197】
なお、当該実施形態においては、ユーザにより入力情報に代えて利用許可装置200の状態情報に基づいて現在のモードの変更をするようにした。しかし、これに限らず、ユーザによる入力情報に加えて、さらに利用許可装置200の状態情報に基づいて現在のモードの変更をするようにしてもよい。
【0198】
なお、上記実施形態において明示的に説明されたような賃貸物件等の家屋の扉を施解錠する利用許可装置200並びに「入居モード」及び「退去モード」だけでなく、ロッカーの扉を施解錠する利用許可装置として、「利用可能モード」及び「メンテナンスモード」を用いるようにしてもよく、セキュリティシステムにおける利用許可装置として、「警備モード」及び「執務モード」を用いるようにしてもよく、自動車等のドアにおける利用許可装置として、「公用車モード」及び「使用禁止モード」を用いるようにしてもよく、3つ以上のモードを設定してもよく、これらの例に限定されるものではない。
【0199】
また、上記実施形態において明示的に説明されたような入力情報の入力態様だけでなく、利用許可装置200の周囲で火災が発生した際に報知機が鳴らす警報音を入力情報として用い、火災時に扉13を解錠させるようにしてもよく、これらの例に限定されるものではない。
【0200】
また、複数の実施形態において説明された各態様は、独立して実施されてよもよく、適宜組み合わせて実施してもよく、これらの例に限定されるものではない。
【0201】
また、実施形態において明示的に説明された装置によってだけでなく、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせにより実現されうる。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することにより実現されうる。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理及び手順をコンピュータプログラムとして実装されえ、端末装置及びサーバ装置を含む各種のコンピュータにより実行されうる。
【0202】
本明細書中において、単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、及び/又は、モジュールによって実行されると説明された処理及び手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されうる。また、本明細書において、単一のメモリ及び記憶装置に格納される旨が説明された各種情報は、単一の装置に含まれる複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されうる。更に、本明細書において説明された複数のソフトウェア及びハードウェアは、それらをより少ない構成要素に統合することにより、又は、より多い構成要素に分解することにより実現されうる。
【0203】
本発明の実施形態が説明されたが、この実施形態は、例として提示されたものであり、発明の範囲を限定することを意図されていない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更され得る。これら実施形態やその変形は、本発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0204】
1 システム
15 錠
200 利用許可装置
202 プロセッサ
300 端末装置
400 サーバ装置