(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155418
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】遊技機情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070115
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川元 敬太
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA27
(57)【要約】
【課題】コンプリート表示を見やすくすると同時に、コンプリート機能が発動された後も、遊技情報の確認を可能にする。
【解決手段】遊技機情報表示装置CLは、遊技機MのスランプグラフX1および獲得差枚数X2を含む遊技情報を表示する表示パネルWと、表示パネルWの表示を制御する演算処理部108と、遊技機Mが打ち止めになったことを示すコンプリート信号を受信するリモコン受信部104および/または入出力部101とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の上方位置に設置される遊技機情報表示装置であって、
前記遊技機のスランプグラフおよび獲得差数を含む遊技情報を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの表示を制御する表示制御部と、
前記遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート信号を受信する入力部とを備え、
前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信された場合に、前記表示パネルに、前記遊技情報のうちの少なくとも前記スランプグラフおよび/または前記獲得差数が視認できる状態を確保しつつ前記遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート画像を表示させる
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記コンプリート画像は、前記スランプグラフが表示されたグラフ表示領域以外の領域に表示される
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記コンプリート画像は、前記スランプグラフの一部または全部に重なるように手前側にポップアップ表示され、前記スランプグラフと重なる部分が透過性を有する
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項4】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記入力部は、リモコンからの表示切替信号を受信可能に構成され、
前記表示制御部は、リモコンからの前記表示切替信号に応じて前記コンプリート画像の大きさおよび表示位置を変更する
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項5】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
遊技者の入力操作を受け付ける操作部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信され、前記コンプリート画像を表示させた後も、前記操作部の入力操作に応じて前記表示パネルの表示から前記コンプリート画像を消去して画像の切り替えを行い、遊技情報の閲覧が可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項6】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信された場合に、前記表示パネルに、前記コンプリート画像とともに、遊技場の名称がわかる表示および/または遊技場の広告表示を行う
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項7】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記表示パネルとは別に、前記表示制御部の制御を受けて、前記遊技機の遊技状態または他の遊技機の遊技状態に応じて発光する発光部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信され、前記遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート画像を表示させた後も、前記遊技機が設置された島の演出に対応して隣接設置された他の遊技機情報表示装置に連動して前記発光部を発光させる
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項8】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記表示制御部は、前記獲得差数を前記コンプリート画像上に表示させる
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の遊技機情報表示装置において、
前記表示制御部は、前記遊技機の前日以前の遊技履歴が表示可能に構成されており、前記遊技履歴のうちの打ち止めになった日と対応する位置に、打ち止めになったことを示す文字および/または画像を表示させる
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の遊技機情報表示装置において、
遊技場に設置された前記遊技機を含む所定の遊技機の打ち止め履歴が表示可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技機の上方位置に設置されて、その遊技機の情報や遊技場全体の情報等を表示することができる遊技機情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技場のパチンコやスロットの遊技機の上方位置等の周辺には、各遊技機の出玉情報や大当たり情報、遊技場全体の情報を表示し、さらに店員の呼出し等を行う、いわゆる呼出しランプと呼ばれる、遊技情報表示装置が設置されている。
【0003】
こうした遊技情報表示装置では、遊技機の遊技機情報や、遊技場の施設情報、広告などの多くの情報を液晶の表示パネルに表示して、遊技者や店員への情報提供を行っている。また、最近の遊技場には、射幸性の抑制を目的とした遊技機として、コンプリート機能が搭載された遊技機が設置されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、累積差玉数が95000に達したときに、遊技機に搭載された液晶表示装置に、その他の演出に優先してコンプリート機能が発動されたことを示す表示(以下、「コンプリート表示」という)を実行する遊技機が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊技場では、隣接する遊技機との間にパーティションを設ける場合があり、遊技機の表示画面にコンプリート表示をさせただけでは、その遊技機で遊ぶ遊技者以外の遊技者(下記の周辺遊技者や回覧者)であったり、遊技場の店員が見にくいという問題がある。
【0007】
また、遊技機情報表示装置は、その遊技機の遊技者に対して遊技情報を見せるという目的の他に、周辺遊技台で遊技をする周辺遊技者や遊技場を回覧している回覧者に対しても、その遊技機の過去の遊技情報を見せるという目的がある。特に、遊技者や回覧者が確認したい遊技情報として、スランプグラフや獲得差玉数/獲得差枚数の確認ニーズが高い。
【0008】
しかしながら、特許文献1のような形で、遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート画像を表示させた場合、コンプリート機能が発動された後に、周辺遊技者や回覧者に対して過去の遊技情報を見せることができない。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者にコンプリート表示を見やすくすると同時に、コンプリート機能が発動された後にも、遊技者や回覧者に対して過去の遊技情報を見せることができる遊技機情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的を達成するために、この発明では、遊技機情報表示装置において、コンプリート機能が発動されたことを示すコンプリート信号が受信された場合に、表示パネルに、遊技情報のうちの少なくともスランプグラフおよび/または獲得差数が視認できる状態を確保しつつ遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート画像を表示させるようにしている。ここで、コンプリート機能は、営業開始前に遊技機の電源をONした後の出玉の最低地点から最高地点までの獲得差玉数または獲得差枚数が所定数に到達した時点で遊技機が打ち止めとなる機能である。本開示では、上記の獲得差玉数または獲得差枚数の総称として単に「獲得差数」という。
【0011】
具体的に、本開示の第1態様では、遊技機の上方位置に設置される遊技機情報表示装置を対象として、前記遊技機のスランプグラフおよび獲得差数を含む遊技情報を表示する表示パネルと、前記表示パネルの表示を制御する表示制御部と、前記遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート信号を受信する入力部とを備え、前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信された場合に、前記表示パネルに、前記遊技情報のうちの少なくとも前記スランプグラフおよび/または前記獲得差数が視認できる状態を確保しつつ前記遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート画像を表示させる構成とした。
【0012】
このように、遊技機情報表示装置において、遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート信号に基づいて表示パネルにコンプリート画像を表示させるので、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者に対しても、遊技機にコンプリート機能が発動されたことをわかりやすく知らせることができる。それと同時に、遊技情報のうちの少なくともスランプグラフおよび/または獲得差数が視認できる状態を確保しているので、コンプリート機能が発動された後も、遊技者や回覧者に対して遊技情報として、少なくともスランプグラフおよび/または獲得差数を見せることができる。
【0013】
上記第1態様において、前記コンプリート画像は、前記スランプグラフが表示されたグラフ表示領域以外の領域に表示される、としてもよい。
【0014】
このような構成にすることで、コンプリート機能が発動された後も、遊技者や回覧客に対して、遊技機が打ち止め状態であることを示しつつ、その遊技機のスランプグラフを見やすく表示できる。
【0015】
上記第1態様において、前記コンプリート画像は、前記スランプグラフの一部または全部に重なるように手前側にポップアップ表示され、前記スランプグラフと重なる部分が透過性を有する、としてもよい。
【0016】
このような構成にすることで、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者に対して視認しやすいようにコンプリート画像を大きく表示させた場合においても、スランプグラフおよび/または獲得差数が視認できる状態を確保することができる。
【0017】
上記第1態様において、前記入力部は、リモコンからの表示切替信号を受信可能に構成され、前記表示制御部は、リモコンからの前記表示切替信号に応じて前記コンプリート画像の大きさおよび表示位置を変更する、としてもよい。
【0018】
このような構成にすることで、例えば、コンプリート画像を大きくしたコンプリート表示画面と、スランプグラフおよび/または獲得差数を大きく表示したコンプリート表示画面とを選択可能にすることができる。そうすると、遊技場の店員の意思で、コンプリート画像を見やすく表示させるのか、スランプグラフおよび/または獲得差数を見やすく表示させるのかを選択することができる。
【0019】
上記第1態様において、遊技者の入力操作を受け付ける操作部をさらに備え、前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信され、前記コンプリート画像を表示させた後も、前記操作部の入力操作に応じて前記表示パネルの表示から前記コンプリート画像を消去して画像の切り替えを行い、遊技情報の閲覧が可能に構成されていてもよい。
【0020】
このような構成にすることで、遊技機が打ち止め状態になった後も、遊技機情報表示装置では、遊技情報を継続して確認することができる。
【0021】
上記第1態様において、前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信された場合に、前記表示パネルに、前記コンプリート画像とともに、遊技場の名称がわかる表示および/または遊技場の広告表示を行う、としてもよい。
【0022】
このような構成にすることで、遊技機においてコンプリート機能が発動された場合においても、表示パネルを遊技場の宣伝等に有効に活用することができる。
【0023】
上記第1態様において、前記表示パネルとは別に、前記表示制御部の制御を受けて、前記遊技機の遊技状態または他の遊技機の遊技状態に応じて発光する発光部をさらに備え、前記表示制御部は、前記コンプリート信号が受信され、前記遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート画像を表示させた後も、前記遊技機が設置された島の演出に対応して隣接設置された他の遊技情報表示装置と連動して前記発光部を発光させるようにしてもよい。
【0024】
このような構成にすることで、打ち止め状態になった場合においても、遊技場全体としての演出を妨げることがない。
【0025】
上記第1態様において、前記表示制御部は、前記獲得差数を前記コンプリート画像上に表示させてもよい。
【0026】
これにより、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者に対して視認しやすいように、コンプリート画像をより大きく表示させることができる。
【0027】
上記第1態様において、前記表示制御部は、前記遊技機の前日以前の遊技履歴が表示可能に構成されており、前記遊技履歴のうちの打ち止めになった日と対応する位置に、打ち止めになったことを示す文字および/または画像を表示させてもよい。
【0028】
このような構成にすることで、打ち止め状態になった翌日以降においても、遊技者、周辺遊技者、回覧者に対して、コンプリート機能の発動状況についての情報提供をすることができる。
【0029】
上記第1態様から第9態様のいずれか1態様において、遊技場に設置された前記遊技機以外の遊技機の打ち止め情報の履歴が表示可能に構成されていてもよい。
【0030】
このような構成にすることで、他の遊技機を含めた遊技場内のコンプリート達成状況を確認することができるようになり、遊技者または回覧者の利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者に対してもコンプリート表示を見やすくすると同時に、コンプリート機能が発動された後も、遊技者や回覧者に対して遊技情報として、少なくともスランプグラフおよび/または獲得差数を見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】遊技機情報表示管理システムの全体構成を示すイメージ図
【
図3】遊技機情報表示装置の構成例を示すブロック図
【
図5】遊技機情報表示装置の正面図であり、表示パネルに通常遊技画面が表示されている例を示す図
【
図6】表示パネルの表示画面にコンプリート画像が表示された例を示す図
【
図7】表示パネルの表示画面にコンプリート画像が表示された例を示す図
【
図8】遊技場に設置された遊技機の打ち止め履歴の表示画面例を示す図
【
図9】表示パネルの通常遊技画面にコンプリート予告画像が表示された例を示す図
【
図10】表示パネルの通常遊技画面に前日のコンプリート画像が表示された例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0034】
<遊技機情報表示システムの構成>
図1は実施形態に係る遊技機情報表示システムを含む全体構成のイメージ図である。周知のように遊技場には、それぞれに複数の遊技機Mが並べて設置される複数の島IRが設けられている。また、遊技場には、遊技機情報表示装置CLの管理を行う管理コンピュータMCと、管理コンピュータMCと双方向通信可能に接続された中継ユニットGWとが設けられる。それぞれの島IRには、中継ユニットGWを介して管理コンピュータMCと双方向通信可能に接続された島管理ユニットIRCが設けられている。中継ユニットGWは、例えば、単一のハブで構成されたり、複数のハブを階層的に接続した構成になっている。
【0035】
さらに、遊技場には、遊技機Mの遊技情報を集計・管理するホールコンピュータHCおよび管理コンピュータBCが設けられている。
【0036】
いわゆるスマート遊技機(スマートパチンコ、スマートスロット)は、従来型の遊技機と異なり、それぞれの遊技機Mが、遊技機Mごとに設けられた専用ユニットSAを介してHCボックスHBに接続されている。専用ユニットSAは、遊技玉や遊技メダルの貸し出しを行うとともに、接続対象の遊技機Mの遊技情報(出玉情報、各種エラー情報を含む)を取得する。専用ユニットSAで取得された遊技情報は、HCボックスHBを介して管理コンピュータBCおよび遊技機情報表示装置CLに送信される。スマート遊技機では、営業開始前の電源ON後の出玉の最低地点から最高地点までの獲得差数として、スマートパチンコの場合で95,000発の獲得差玉数、スマートスロットの場合で19,000枚の獲得差枚数が生じた時点で遊技機が打ち止めとなるコンプリート機能が発動する。コンプリート機能が発動すると、専用ユニットSAから遊技機情報表示装置CLにコンプリート機能が発動したことを示すコンプリート信号が、例えばエラー信号の1つとして送信される。コンプリート信号は、遊技場の店員等が操作するリモコン(図示省略)から遊技機情報表示装置CLに送信される場合もある。
【0037】
ホールコンピュータHCとそれぞれの遊技機情報表示装置CLの間には、遊技機Mごとに設けられた中継ユニットIUが介在している。言い換えると、遊技機情報表示装置CLは、中継ユニットIUを介して、ホールコンピュータHCに接続されている。遊技機情報表示装置CLは、接続対象の専用ユニットSA、HCボックスHBを介して遊技機Mから取得された遊技情報を表示パネルWに表示させるとともに、専用ユニットSA、HCボックスHBを介して遊技機Mから受信した信号を中継ユニットIUを介してホールコンピュータHCに出力する。
【0038】
なお、
図1では、管理コンピュータMCとホールコンピュータHCとが別々に設けられた例を示しているが、管理コンピュータMCとホールコンピュータHCを一体的に構成してもよい。この場合、例えば、ホールコンピュータHCが、管理コンピュータMCとしての機能を兼ね備える。
【0039】
図2は、遊技機情報表示装置CLの設置状態を示す正面図であり、より具体的には、島IRの一部を正面から見た図である。以下の説明では、遊技機情報表示装置CLの設置状態を基準として、上下を定義する。また、遊技機情報表示装置CLが設置された状態で、遊技者P側を「前」、パチンコ台等の遊技機Mを設置する島側を「後」とし、遊技者Pの視点(正面視)を基準として左右を定義する(
図2参照)。
【0040】
島IRにおいて、複数の遊技機Mが左右方向に並べて設置されている。それぞれの遊技機Mの上部には、着席した遊技者Pからも表示パネルWが見える位置に遊技機情報表示装置CLが設置されている。具体的には、島IRの上部に設けられた幕板I1と遊技機Mの間に、左右方向に延びる梁部I2が設けられており、この梁部I2に取付部材(図示省略)を介して遊技機情報表示装置CLが取り付けられている。
【0041】
なお、説明の便宜上、複数の遊技機Mについて、M1、M2、M3、…、Mnの符号を付して区別して説明する場合がある。同様に、遊技機情報表示装置CLについて、CL1、CL2、CL3、…、CLnの符号を付して区別して説明し、それぞれの遊技機情報表示装置CL1、CL2、CL3、…、CLnの表示パネルWについて、W1、W2、W3、…、Wnの符号を付して説明する場合がある。
図2の例では、遊技機情報表示装置CL1は、遊技台M1の遊技情報を表示する。同様に、遊技機情報表示装置CL2,CL3,…,CLnは、それぞれ、遊技機M2,M3,…,Mnの遊技情報を表示する。
【0042】
図3は、遊技機情報表示装置CLの構成例を示すブロック図である。遊技機情報表示装置CLには、制御基板(図示省略)が内蔵されており、その制御基板に
図3に示す回路等が実装されたり、直接または間接的に接続されたりしている。
【0043】
遊技機情報表示装置CLは、入出力手段として、入出力部101と、外部通信部102と、外部メモリソケット103とを備え、入力手段として、リモコン受信部104と、タッチスイッチ105とを備え、出力手段として、表示パネルW及び装飾発光部3と、音声出力部106とを備える。
【0044】
入出力部101は、HCボックスHBを介して専用ユニットSAと通信可能に構成され、専用ユニットSAを介して遊技機Mの遊技情報を取得する。なお、入出力部101は、直接遊技機Mから出力情報を取得してもよい。また、入出力部101は、中継ユニットIUを介してホールコンピュータHCと通信可能に構成され、遊技機Mから取得した遊技情報をホールコンピュータHCに送信する。
【0045】
外部通信部102は、管理コンピュータMC等と通信可能に構成され、管理コンピュータMC等から送信される音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。外部通信部102と管理コンピュータMCの接続に用いられる通信方式は特に限定されないが、例えば、RS485が好適に適用できる。外部通信部102は、遊技機情報表示装置CLの電源がオンされた場合に、自動的に管理コンピュータMCとの通信確立動作をするように構成されている。
【0046】
外部メモリソケット103は、USBメモリ等の記憶媒体(図示省略)が接続可能に構成され、その記憶媒体に記録された音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。
【0047】
リモコン受信部104は、遊技場の店員等が操作するリモコン(図示省略)から送信される操作信号を受信可能に構成され、そのリモコンから受信した操作信号を後述するメイン制御回路109に送信する。リモコン受信部104は、リモコンからのコンプリート信号や表示切替信号を受信可能に構成された入力部としての機能を有する。表示切替信号については後ほど説明する。
【0048】
タッチスイッチ105は、フロントプレート部材1(
図5参照)の表面(前面)から遊技者等が操作するタッチ操作の情報(以下、「操作情報」という)を取得可能に構成されている。タッチスイッチ105で取得された操作情報は、タッチコントローラ111を介して後述するメイン制御回路109に送信される。タッチスイッチ105は、遊技者の入力操作を受け付ける操作部としての機能を有する。
【0049】
図5の例では、タッチスイッチ105として、店員の呼び出しに用いる呼出しボタンP1と、呼出しボタンP1の右側において右方向に一列に並べて配置され、表示内容や表示項目などの各種設定をするための複数の設定ボタンP2~P8が配置(表示)されている例を示している。
図5の設定ボタンP2~P8は、各種メニューを表示させる「メニューボタンP2」、シンプル表示に切り替える「シンプル表示ボタンP3」、休憩中であることを示す「休憩ボタンP4」、機種情報を表示させる「機種情報ボタンP5」、データの表示モードを切り替える「最高データボタンP6」及び「過去データボタンP7」並びに過去の履歴を表示させる「履歴ボタンP8」で構成されている。
【0050】
さらに、遊技機情報表示装置CLは、遊技機Mから通知される遊技状態に応じて、記憶部114に記憶された画像情報を用いて表示パネルWの表示を制御する演算処理部108を備える。演算処理部108は、表示パネルWの表示を制御する表示制御部としての機能を有する。記憶部114には、表示画面の表示を構成するための画像素材が記憶されている。
【0051】
演算処理部108は、メイン制御回路109と、音声画像制御回路110とを備える。
【0052】
メイン制御回路109は、記憶部112に格納されたプログラム等に基づいて、遊技機情報表示装置CLの全体を制御する機能を有する。
【0053】
具体的には、メイン制御回路109では、各種の演算処理を行ったり、表示パネルWの表示制御、装飾発光部3の点滅制御といった遊技機情報表示装置CLの表示制御を行ったりするように構成されている。
【0054】
メイン制御回路109は、入出力部101を介して、専用ユニットSAから、遊技機Mでコンプリート機能が発動されたことを示すコンプリート信号を受信した場合に、表示パネルWに遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート画像を表示させる制御を行う。このとき、遊技情報のうちの少なくともスランプグラフおよび/または獲得差数が視認できる状態を確保しつつ、コンプリート画像を表示させる。表示画像の具体例は、後ほど説明する。
【0055】
さらに、入出力部101を介して、ホールコンピュータHCに遊技機Mがコンプリートモードに移行したことを通知する。このように、入出力部101は、遊技機が打ち止めになったことを示すコンプリート信号を受信する入力部としての機能を有する。
【0056】
また、メイン制御回路109は、呼出しボタンP1(
図5参照)へのタッチ操作があった場合に、入出力部101を介してホールコンピュータHCに呼出情報を送信する機能を有する。
【0057】
音声画像制御回路110は、メイン制御回路109から出力される制御信号によって制御される。
【0058】
具体的には、音声画像制御回路110は、メイン制御回路109の制御を受けて、画像信号変換回路115に画像信号を送信する。画像信号変換回路115には、表示パネルWが接続されており、画像信号変換回路115で生成した画像表示データが表示パネルWに表示される。また、音声画像制御回路110は、メイン制御回路109の制御を受けて、音声出力部106に音声情報を送信し、音声出力部106から音声が出力される。
【0059】
遊技機情報表示装置CLには、動作モードとして、遊技機Mが通常遊技状態である通常動作モードと、コンプリート機能が発動されて遊技機Mが打ち止め状態となったコンプリートモードとを含む。
【0060】
以下では、通常動作モード時の表示パネルWの表示例とコンプリートモード時の表示パネルWの表示例について、
図4のフローチャートを参照しつつ遊技機情報表示装置CLの動作とともに説明する。
【0061】
-通常動作モード-
図4のS1において、遊技機情報表示装置CLの電源がONされると、遊技機情報表示装置CLは、通常動作モードでの動作を開始する(S2)。
【0062】
通常表示モードでは、演算処理部108は、表示パネルWに通常遊技画面VNが表示されるように制御する。
図5には、通常遊技画面VNの一例を示している。
【0063】
図5に例示する通常遊技画面VNでは、表示パネルWの上端において左右に延びる上側表示領域RU、表示パネルWの下端において左右に延びる下側表示領域RL、上側表示領域RUと下側表示領域RLの間に配置された中間表示領域RMに分かれている。
【0064】
上側表示領域RUには、台番号Z1及び機種名(ここでは「ワンエー物語」)が左右に並べて配置されている。
【0065】
中間表示領域RMには、遊技機Mの遊技情報が表示される。
図5の例では、3本の横グリッド線と、4本の縦グリッド線により、5つの表示領域V1~V5(
図5の破線枠で表示)に区画されている。
【0066】
表示領域V1(中間表示領域RMの左上領域)には、遊技機Mの遊技情報として、当日、前日および前々日の「B.B回数」、「R.B回数」および「合成確率」が表示されている。表示領域V2(表示領域V1の右側)には、遊技機Mの遊技情報として、当日、前日および前々日の「B.B回数」と「R.B回数」を合算した「合算回数」が表示されている。表示領域V3(表示領域V2の右側)には、遊技機Mの遊技情報として、当日のスランプグラフX1(差枚数推移グラフ)および獲得差枚数X2(
図5では「最高差枚数」と記載)が表示されている。表示領域V4(表示領域V1の下側)には、遊技機Mの遊技情報として、「総スタート回数」及び「現在スタート回数」が表示されている。表示領域V5(表示領域V2,V3の下側)には、遊技機Mの遊技情報として、現在及び過去(この例では、現在~15回前)のスタート回数の推移グラフX3が表示されている。すなわち、中間表示領域RMには、前日以前の遊技履歴が表示可能に構成されている。そして、遊技機Mでの遊技が開始されると、遊技機Mから取得される遊技情報に応じて、対応する項目の表示内容が適宜更新される。
【0067】
下側表示領域RLには、タッチスイッチ105として、店員の呼び出しに用いる呼出しボタンP1と、呼出しボタンP1の右側において右方向に一列に並べて配置され、表示内容や表示項目などの各種設定をするための複数の設定ボタンP2~P8が配置(表示)されている。なお、設定ボタンP2~P8は、
図5の項目に限定されず、他の機能を有する設定ボタンを設けてもよい。
【0068】
-コンプリートモード-
遊技機情報表示装置CLにおいて、通常動作モードでの動作中にコンプリート信号が受信されると、表示パネルWにコンプリート画像を表示させるコンプリートモードに移行する(S3でYES)。前述のとおり、コンプリート信号は、専用ユニットSAまたは遊技場の店員等が操作するリモコンから受信される。なお、コンプリート信号の受信相手は、特に限定されず、ホールコンピュータHCや管理コンピュータMCから受信されてもよいし、遊技機Mから直接受信される構成としてもよい。
【0069】
図6(a)~(c)および
図7(a)~(c)には、コンプリートモード時の表示パネルWの表示画面(以下、「コンプリート画面VC」という)の一例を示している。
【0070】
図6(a)の例では、コンプリート画面VCとして、
図5の通常遊技画面VNと同じ背景画像が用いられ、表示領域V1~V5の遊技情報が削除されている。そして、中間表示領域RMの画面左側において、コンプリート画像F1とスランプグラフX1とが上下に並べて配置されている。言い換えると、コンプリート画像F1は、スランプグラフX1が表示されたグラフ表示領域以外の領域に表示されている。これにより、コンプリート機能が発動して遊技機Mが打ち止め状態になった場合に、遊技者Pや回覧客に対して、遊技機Mが打ち止め状態であることを示すとともに、遊技機MのスランプグラフX1を見せることができる。
【0071】
また、
図6(a)において、演算処理部108は、獲得差枚数X2(
図6(a)内では「獲得メダル数」と記載)をコンプリート画像F1上に表示させている。これにより、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者に対して視認しやすいように、コンプリート画像をより大きく表示させることができる。コンプリート画像F1およびスランプグラフX1の右側には、遊技機MのキャラクターC1が配置されている。
図6(b)、(c)においても同様である。
【0072】
なお、遊技機情報表示装置CLは、コンプリートモードに移行した後も、呼出しボタンP1および設定ボタンP2~P8への遊技者Pの入力操作を受け付けるように構成されている。これにより、打ち止め状態になった後においても、必要に応じて、遊技場の店員を呼び出すことができる。また、演算処理部108は、コンプリート信号が受信され、コンプリート画像F1を表示させた後も、設定ボタンP2~P8の入力操作に応じて、表示パネルWのコンプリート画面VCからコンプリート画像F1を消去して画像の切り替えを行い、遊技情報の閲覧が可能に構成されている。例えば、機種情報、過去の履歴を表示させるように構成されている。
【0073】
図8には、過去の履歴として、遊技場に設置された遊技機の打ち止め履歴画面VMを表示した例を示している。遊技場内の遊技機においてコンプリート機能が発動されると、その情報は、ホールコンピュータHCまたは管理コンピュータMCに集約される。そこで、遊技機情報表示装置CLは、ホールコンピュータHCまたは管理コンピュータMCから、遊技場に設置された遊技機の打ち止め履歴を取得し、遊技者Pまたは回覧者の設定ボタンP2~P8の入力操作に基づいて表示させる。これにより、遊技者Pまたは回覧者の利便性を高めることができる。
【0074】
打ち止め履歴画面VMには、下側表示領域RLに戻るボタンP9が設けられており、戻るボタンP9が押されるか、所定の時間が経過すると、表示パネルWの表示がコンプリート画面VCに戻るようになっている。
【0075】
図6に戻り、
図6(b),(c)では、
図6(a)と比較して、中間表示領域RMの背景画像が変更されている。
【0076】
具体的に、
図6(b)では、コンプリート画面VCの背景画像として、遊技場の名称がわかる表示が追加されている。遊技場の名称がわかる表示は、特に限定されず、文字列であってもよいし、遊技場のロゴやキャラクター画像であってもよい。
図6(b)では、背景画像に、遊技場の名称として遊技場の運営企業の名称C2(
図6(b)の例では「oneA」)と、遊技場の名称がわかるマスコットキャラクターC3が表示された例を示している。また、
図6(c)では、コンプリート画面VCの背景画像として、広告表示C4が追加されている。
【0077】
このような構成にすることで、遊技機においてコンプリート機能が発動された場合においても、表示パネルWを遊技場の宣伝等に有効に活用することができる。
【0078】
図7(a),(b)では、コンプリート画像F2が、通常遊技画面VNの手前側にポップアップ表示されている例を示している。
図7(a),(b)では、コンプリート画像F2の背後にある遊技情報が見えるように、コンプリート画像F2が透過性を有するように構成されている。
図7(a)では、コンプリート画像F2は、表示領域V2(
図5参照)の手前側に配置されている。すなわち、コンプリート画像F2が、表示領域V3に表示されるスランプグラフX1および獲得差枚数X2には重ならないように配置されている。一方で、
図7(b)では、コンプリート画像F2の一部がスランプグラフX1と重なっている。ただし、コンプリート画像F2のスランプグラフX1と重なる部分が透過性を有するので、遊技者Pや回覧者は、コンプリート画像F2を通してスランプグラフX1が視認できるようになっている。
【0079】
図7(c)では、中間表示領域RMをブラックアウトし、その手前側にコンプリート画像F3をポップアップ表示するように構成している。
【0080】
以上のように、本実施形態によると、遊技機情報表示装置CLは、遊技機MのスランプグラフX1および獲得差枚数X2を含む遊技情報を表示する表示パネルWと、表示パネルWの表示を制御する演算処理部108(表示制御部に相当)と、遊技機Mが打ち止めになったことを示すコンプリート信号を受信するリモコン受信部104および/または入出力部101(入力部に相当)とを備える。
【0081】
このような構成にすることで、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者に対して、遊技機にコンプリート機能が発動されたことをわかりやすく知らせることができる。それと同時に、遊技情報のうちの少なくともスランプグラフおよび/または獲得差数が視認できる状態を確保しているので、コンプリート機能が発動された後も、遊技者や回覧者に対して過去の遊技情報を見せることができる。
【0082】
なお、遊技機情報表示装置CLは、例えば、遊技場の店員等が操作するリモコン(図示省略)から、コンプリート画面VCを切り替える表示切替信号を受信可能に構成されていてもよい。例えば、演算処理部108は、リモコン受信部104を介して受信された表示切替信号に応じて、
図6(a)~(c)や
図7(a)~(c)の表示を切り替えることができるように構成されている。これにより、リモコンからの表示切替信号に応じてコンプリート画像の大きさおよび表示位置を変更したり、背景画像を変更することができる。また、演算処理部108が、複数のコンプリート画面VC(例えば、
図6(a)~(c)や
図7(a)~(c))を所定の時間ごとに切り替えて表示するようにしてもよい。
【0083】
-その他の実施形態-
なお、本開示における技術は、上記実施形態での説明した構成に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用が可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0084】
例えば、
図9に示すように、演算処理部108は、通常動作モードにおいて、遊技機Mにおいて所定の獲得差枚数X2が発生した場合に、表示パネルWの通常遊技画面VNにコンプリート予告画像F4を表示させる制御をしてもよい。
図9は、獲得差枚数X2があと1,000枚増加するとコンプリート機能が発動することを予告している例を示している。
【0085】
また、例えば、
図10に示すように、演算処理部108は、スタート回数(遊技履歴に相当)の推移グラフX3において、打ち止めになった日と対応する位置に、コンプリート画像F5(打ち止めになったことを示す文字および/または画像に相当)を表示させる制御をしてもよい。具体的に、
図10の例では、表示領域V51において本日のスタート回数履歴が、左から右に新しい順で表示されている。同様に、表示領域V52において前日のスタート回数履歴が、左から右に新しい順で表示されている。そして、表示領域V52の左端、すなわち、前日の最後のスタート回数の欄に、コンプリート画像F5が表示されている。
【0086】
このような構成にすることで、遊技機Mが打ち止め状態になった翌日以降においても、遊技者Pおよび回覧者に対して、コンプリート機能の発動状況についての情報提供をすることができる。
【0087】
また、上記実施形態において、演算処理部108は、コンプリート信号が受信されて、コンプリート画像を表示させた後も、遊技機Mが設置された島IRの演出に対応して隣接設置された他の遊技機情報表示装置CLに連動して装飾発光部3を発光させるようにしてもよい。例えば、
図2において、遊技機M2にコンプリート機能が発動された場合においても、遊技機情報表示装置CL2では、遊技機情報表示装置CL1,CL3,CL4に連動して装飾発光部3を発光させるように構成されている。
【0088】
これにより、島IRの中で一部の遊技機Mが打ち止め状態になった場合においても、遊技場全体としての演出を妨げることがない。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、遊技場の店員、周辺遊技者や回覧者に対してもコンプリート表示を見やすくすると同時に、周辺遊技者や回覧者に対して遊技機の過去の遊技情報を見せることができるので、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0090】
CL 遊技機情報表示装置
F1 コンプリート画像
W 表示パネル
X1 スランプグラフ
X2 獲得差枚数(獲得差数)
101 入出力部(入力部)
104 リモコン受信部(入力部)
108 演算処理部(表示制御部)