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特開2024-155428生産管理システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155428
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】生産管理システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241024BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070130
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 友行
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3C100AA43
3C100AA65
3C100AA68
3C100BB05
3C100BB12
3C100BB39
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】個別受注の製品の製造にかかる作業員の負荷を軽減することができる生産管理システムを提供する。
【解決手段】生産管理システム100は、受注した製品の仕様である受注仕様のデータを顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた入力データを入力する入力部11と、入力データに含まれる仕様項目のデータを過去の受注案件のデータから生成したデータベースで検索する検索部と、検索部の検索結果に基づいて、受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する生成部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受注した製品の仕様である受注仕様のデータを、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた、入力データを入力する入力部と、
前記入力データに含まれる前記仕様項目のデータを、過去の受注案件のデータから生成したデータベースで検索する検索部と、
前記検索部の検索結果に基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する生成部と、
を備える生産管理システム。
【請求項2】
前記過去の受注案件のデータから生成したデータベースは、前記製品を構成する部品の情報である部品構成情報のデータを記憶した部品構成情報データベースであって、
前記検索部は、前記部品構成情報データベースを前記入力データで検索することにより、前記入力データの前記仕様項目に対応する部品を特定し、
前記生成部は、前記入力データの前記仕様項目に対応する部品のデータに基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータを生成する、
請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項3】
前記過去の受注案件のデータから生成したデータベースは、前記製品を製造する工程経路の情報である工程経路情報のデータを記憶した工程経路情報データベースであって、
前記検索部は、前記工程経路情報データベースを前記入力データで検索することにより、前記入力データの前記仕様項目に対応する工程経路パターンを特定し、
前記生成部は、前記工程経路パターンに基づいて、前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する、
請求項1に記載の生産管理システム。
【請求項4】
前記生成部が生成した、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを表示するための表示部をさらに備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の生産管理システム。
【請求項5】
生産管理システムが実行する方法であって、
受注した製品の仕様である受注仕様のデータを、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた、入力データを入力し、
前記入力データに含まれる前記仕様項目のデータを、過去の受注案件のデータから検索し、
検索結果に基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する、
方法。
【請求項6】
コンピュータに、
受注した製品の仕様である受注仕様のデータを、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた、入力データを入力する処理、
前記入力データに含まれる前記仕様項目のデータを、過去の受注案件のデータから検索する処理、
検索結果に基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する処理、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生産管理システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場で製品を製造する際、作業員は、製品を構成する部品の調達指図、製品および部品の加工指図等の生産指図を生成する。生産指図を生成するための基準情報として、製品を構成する部品の構成情報と、製品を製造するための工程経路情報とを、作業員が入力する必要がある。しかしながら、作業員は製品を製造する度に部品の構成情報と工程経路情報とを入力することになるため、作業員にとって多大な負担となっていた。そこで、例えば、特許文献1には、新規受注された製品に製品分類コードを付与し、製品分類コードをもとに、新規受注された製品と類似した過去の製品を検索し、過去の製品の情報を流用することにより部品構成情報、工程経路情報を簡易に設定できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-263216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、新規受注された製品に製品分類コードを付与している。工場で生産される製品は、汎用的な製品だけではなく、顧客または商談ごとに異なった仕様でその都度設計する個別受注の製品もある。個別受注の製品の場合、顧客または商談ごとの多種多様な製品になるため、正確に製品の分類を把握し、適切な製品分類コードを設定することは難易度が高く、作業員への負担が大きい。
【0005】
また、個別受注の製品の場合、汎用的な製品に比べて特別な仕様、例えば、高品質な部品または特注の部品を使用する、顧客の要求する精度を確保するために特別な試験を行う、といった場合が多い。この場合、個別受注の製品の仕様と類似した仕様の、過去の製品があったとしても、部品構成、工程経路が全く異なる可能性がある。このため、特許文献1に開示された技術を利用した場合、部品構成情報、工程経路情報の設定を支援し、作業員の負荷の軽減を図ることができない可能性がある。
【0006】
本開示は、上述の問題を解決するためになされたものであり、個別受注の製品の製造にかかる作業員の負荷を軽減することができる生産管理システム、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本開示に係る生産管理システムは、受注した製品の仕様である受注仕様のデータを、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた、入力データを入力する入力部と、入力データに含まれる仕様項目のデータを、過去の受注案件のデータから生成したデータベースで検索する検索部と、検索部の検索結果に基づいて、受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、受注仕様のデータを利用して部品構成情報のデータまたは工程経路情報のデータを生成することができるため、個別受注の製品の製造にかかる作業員の負荷を軽減することができる生産管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に係る生産管理システムの概要を示す図
図2】実施の形態に係るサーバのサーバ制御部の構成を示す図
図3】実施の形態に係るサーバのサーバ記憶部の構成を示す図
図4】実施の形態に係る端末装置のハードウエア構成の一例を示す図
図5】実施の形態に係るサーバのハードウエア構成の一例を示す図
図6】実施の形態に係る部品構成情報データベースのテーブルを示す図
図7】実施の形態に係る工程経路情報データベースのテーブルを示す図
図8A】実施の形態に係る部品構成情報取得用入力データの一例を示す図
図8B図8Aに係る部品構成情報取得用入力データによる部品構成情報データベースの検索の概要を示す図
図9A】実施の形態に係る工程経路情報取得用入力データの一例を示す図
図9B図9Aに係る工程経路情報取得用入力データによる工程経路情報データベースの検索の概要を示す図
図10】実施の形態に係る部品構成情報取得処理のフローチャート
図11】実施の形態に係る工程経路情報取得処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態に係る生産管理システム100について、図面を参照しつつ説明する。なお、同一または同等の部分に同一の符号を付す。
【0011】
生産管理システム100は、受注仕様のデータを利用して部品構成情報のデータまたは工程経路情報のデータを生成することができるため、個別受注の製品の製造にかかる作業員の負荷を軽減することができる生産管理システムを提供することができるシステムである。
【0012】
図1に示すのは、生産管理システム100の概要である。生産管理システム100は、作業員の使用する端末装置1と、部品構成情報、工程経路情報を生成するための各種データを記憶するサーバ2とを含む。端末装置1は、作業員からの各種入力を受け付ける入力部11と、サーバ2とデータを送受信する端末通信部12と、各種処理を実行する端末制御部13と、各種データおよび各種プログラムを記憶する端末記憶部14と、各種データを表示する表示部15とを備えている。
【0013】
入力部11は、作業員からの指示および各種データを入力する。端末通信部12は、入力部11から入力された、作業員からの指示および各種データをサーバ2に送信する。また端末通信部12は、サーバ2から各種データを受信する。端末制御部13は、端末装置1の各種機能を実行する。端末記憶部14は、端末制御部13で各種機能を実行するために必要な各種データおよび各種プログラムを記憶する。表示部15は、作業員により入力部11から入力された各種データ、サーバ2から取得した各種データを表示する。
【0014】
サーバ2は、端末装置1とデータを送受信するサーバ通信部21と、各種処理を実行するサーバ制御部22と、各種データおよび各種プログラムを記憶するサーバ記憶部23とを備えている。サーバ通信部21は、端末通信部12から送信された、作業員からの指示および各種データを受信する。また、サーバ通信部21は、サーバ記憶部23に記憶された各種データを端末装置1に送信する。
【0015】
サーバ制御部22は、図2に示すとおり、各種データを取得する取得部221と、各種データを検索する検索部222と、端末装置1に送信するデータを生成する生成部223とを含む。取得部221は、サーバ通信部21で受信した、端末通信部12から送信された各種データを取得する。検索部222は、取得部221で取得した各種データを用いて、後述するサーバ記憶部23に記憶されている各種データベースを検索する。生成部223は、検索部222で検索した検索結果から、端末装置1への送信用データを生成する。
【0016】
サーバ記憶部23は、図3に示すとおり、製品を構成する部品の構成情報をまとめた部品構成情報データベース231と、製品を製造するための工程経路情報をまとめた工程経路情報データベース232とを含む。部品構成情報データベース231および工程経路情報データベース232について、詳細は後述する。
【0017】
上述した端末装置1およびサーバ2で実行される各機能は、ソフトウェアにより実現される機能である。本実施の形態では、端末装置1の端末制御部13およびサーバ2のサーバ制御部22の各機能を実行するソフトウェアを部品構成・工程経路情報取得処理プログラムとする。データ取得処理プログラムを実行するための、端末装置1のハードウエア構成の一例を図4に示す。
【0018】
端末装置1は、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶機器101と、サーバ2と通信するための通信機器102と、各種データの入力を受け付ける入力機器103と、各種データを表示する表示機器104と、表示機器104に表示させる表示用データを生成する表示コントローラ105と、各種プログラムを展開するためのメモリ106と、各種プログラムを実行するプロセッサ107とを備える。記憶機器101と、通信機器102と、入力機器103と、表示コントローラ105と、メモリ106と、プロセッサ107とは、データバス108を介して相互に接続されている。
【0019】
記憶機器101には、プロセッサ107で実行する各種プログラムと、表示機器104に表示するための画像、文字等の表示用データが保存されている。記憶機器101は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いて構成することができる。記憶機器101は、図1に示した端末記憶部14として機能する。
【0020】
通信機器102は、サーバ2と各種データを送受信することができる機器である。通信機器102は、有線または無線のLAN(Local Area Network)ポート、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート等、機器同士でデータを送受信可能な各種ポートを用いて構成することができる。通信機器102は、図1に示した端末通信部12として機能する。
【0021】
入力機器103は、作業員からの指示および各種データを入力するための入力部である。入力機器103は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等を用いて構成することができる。入力機器103は、図1に示した入力部11として機能する。表示機器104は、作業員により図1に示した入力部11から入力された各種データ、サーバ2から端末通信部12で受信した各種データを表示する。
【0022】
表示機器104は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)モニタ等を用いて構成することができる。表示コントローラ105は、表示機器104に対して、文字及び画像を含む表示用データを表示させるため映像信号を出力するコントローラである。表示コントローラ105は、例えば、ビデオカード、GPU(Graphics Processing Unit)、グラフィックボード等の映像信号出力装置を用いて構成することができる。表示機器104および表示コントローラ105は、図1に示した表示部15として機能する。
【0023】
メモリ106は、記憶機器101に記憶された各種プログラムを展開するための機器である。メモリ106は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の揮発性または不揮発性の半導体メモリといった記憶素子および記憶媒体を用いて構成することができる。プロセッサ107は、記憶機器101に記憶された各種プログラムを読み出してメモリ106に展開し、実行する。プロセッサ107は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing Unit)等の処理装置を用いて構成することができる。
【0024】
続いて、図5に示すのは、サーバ2のハードウエア構成の一例である。サーバ2は、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶機器201と、端末装置1と通信するための通信機器202と、各種プログラムを展開するためのメモリ203と、各種プログラムを実行するプロセッサ204とを備える。記憶機器201と、通信機器202と、メモリ203と、プロセッサ204とは、データバス205を介して相互に接続されている。
【0025】
記憶機器201は、各種データおよび各種プログラムを記憶する機器である。記憶機器201は、図1に示したサーバ記憶部23として機能する機器である。記憶機器201は、例えば、HDD、SSD等の記憶装置を用いて構成することができる。
【0026】
通信機器202は、端末装置1と各種データを送受信することができる機器である。通信機器202は、有線または無線のLAN(Local Area Network)ポート、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート等、機器同士でデータを送受信可能な各種ポートを用いて構成することができる。通信機器202は、図1に示したサーバ通信部21として機能する。
【0027】
メモリ203は、記憶機器201に記憶された各種プログラムを展開するための機器である。メモリ203は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の揮発性または不揮発性の半導体メモリといった記憶素子および記憶媒体を用いて構成することができる。
【0028】
プロセッサ204は、記憶機器201に記憶された各種プログラムを読み出してメモリ203に展開し、実行する。プロセッサ204は、例えば、CPU、MPU等の処理装置を用いて構成することができる。
【0029】
次に、図1に示したサーバ2のサーバ記憶部23に記憶している部品構成情報データベース231、工程経路情報データベース232のデータテーブルについて、図6図7を参照しつつ、以下に説明する。まず、図6に示すのは、部品構成情報データベース231のデータテーブルの構成である。部品構成情報データベース231は、各部品の仕様を、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様の項目に対応付けて記憶しているデータベースである。部品構成情報データベース231は、過去の受注案件のデータから生成する。例えば、まず、過去の受注案件における部品構成情報を取得する。次に、過去の受注案件における顧客仕様と製品仕様とを用意する。
【0030】
複数の過去の受注案件における部品構成情報と、顧客仕様および製品仕様を比較し、部品構成情報に影響を与える項目を持つ、顧客仕様の項目および製品仕様の項目を抽出する。部品構成情報に影響を与える項目とは、例えば、使用される部品が追加された項目、多くの選択肢の中から仕様に相応しい部品が選定される項目等である。
【0031】
顧客仕様の項目に、例えば、「速度センサの有無」との項目を含むものとする。この項目について顧客が「有」との仕様を選択した場合、部品構成情報には「速度センサ」および「速度センサを作るための部品」の項目が追加される。また、製品仕様の項目に、例えば、「モータ」との項目を含むものとする。この項目について客先が「低騒音型」との仕様を選択した場合、モータの周辺機器であるファンについても、冷却力、小型等の選択肢の中から低騒音型が選定される。
【0032】
その後、製品仕様について、今後の製品開発計画、法規制等を踏まえ、項目を精査する。例えば、今後販売する製品に適用されることのない仕様の項目を除外する。精査の結果、残された項目が、部品構成情報データベース231に残る。また、精査の結果、残された項目は、部品構成情報データベース231を検索するために、図1に示した端末装置1の入力部11から、作業員が入力する入力データに含まれる項目となる。
【0033】
例えば、図6に示す部品構成情報データベース231では、部品の仕様を記憶する「部品」の項目と、顧客特有の仕様を示す「顧客仕様」の項目と、製品の仕様を示す「製品仕様」の項目とを備えている。「部品」の項目は、部品の名称である「部品名」と、部品の種別を示す「種別」との項目を備えている。例えば、図6に示すとおり、部品名「ローター」には、部品の種別として「ファン」が対応付けられている。
【0034】
また、「顧客仕様」の項目には、顧客特有の仕様として「速度センサ」、「グリース銘柄」等の項目を備えている。例えば、図6に示すとおり、部品名「ローター」の種別「ファン」について、「速度センサ」の項目として「有」、「無」の仕様が対応付けられている。また「グリース銘柄」の項目には、「仕様無し」を意味する「-」が対応付けられている。
【0035】
「製品仕様」の項目には、製品の仕様として「風量」、「スロット」、「クランパ」、「ころ軸受」、「部品番号」等の項目を備えている。例えば、図6に示すとおり、部品名「ローター」の種別「ファン」について、顧客仕様の「速度センサ」の「有」、「無」にそれぞれ、風量「大」、「中」の仕様が対応付けられている。また、「スロット」、「クランパ」、「ころ軸受」の項目は、「仕様無し」を意味する「-」が対応付けられている。「部品番号」の項目には、顧客仕様の「速度センサ」の「有」における風量「大」には「H3XXX-001」が対応付けられ、風量「中」には「H7XXX-002」が対応付けられている。また、「部品番号」の項目には、顧客仕様の「速度センサ」の「無」における風量「大」には「H7XXX-003」が対応付けられ、風量「中」には「H9XXX-007」が対応付けられている。
【0036】
次に、図7に示す工程経路情報データベース232のデータテーブルについて説明する。工程経路情報データベース232は、顧客仕様と製品仕様に対応する工程経路情報を定めるデータベースである。工程経路情報データベース232は、過去の受注案件のデータから生成する。例えば、まず、過去の受注案件における工程経路情報を取得する。次に、過去の受注案件における顧客仕様と製品仕様とを用意する。
【0037】
複数の過去の受注案件における工程経路情報と、顧客仕様および製品仕様を比較し、工程経路情報に影響を与える項目を持つ、顧客仕様の項目および製品仕様の項目を抽出する。工程経路情報に影響を与える項目とは、例えば、顧客の選択した仕様により工程経路が変化する項目、工程経路が追加された項目等である。
【0038】
顧客仕様の項目に、例えば、製品を使用する環境として「雨量の多寡」との項目があるとする。この項目について、顧客が「多い」との仕様を選択した場合、製品に大量の水をかけながら水漏れがないかを確認するテスト工程が追加される。また、製品仕様の項目に、例えば、「塗装の有無」との項目を含むものとする。この項目について客先が「有」との仕様を選択した場合、製品に塗装を施す工程が追加される。
【0039】
その後、製品仕様について、今後の製品開発計画、法規制等を踏まえ、項目を精査する。例えば、今後販売する製品に適用されることのない仕様の項目を除外する。精査の結果、残された項目が、工程経路情報データベース232に残る。また、精査の結果、残された項目は、工程経路情報データベース232を検索するために、図1に示した端末装置1の入力部11から、作業員が入力する入力データに含まれる項目となる。
【0040】
例えば、図7に示す工程経路情報データベース232では、顧客仕様または製品仕様の「仕様」の項目に「仕様A」、「仕様B」、「仕様C」等が対応付けられている。「仕様A」には、工程経路パターンの「パターン1」が対応付けられている。「仕様B」には、工程経路パターンの「パターン2」が対応付けられている。「仕様C」には、工程経路パターンの「パターン3」が対応付けられている。
【0041】
「仕様A」では、「コネクタ付加」、「Rコア径:400以上」、「貨物用」、「ギヤケース」、「塗指定」等の項目には全て、仕様に含まれないことを意味する「無」が設定されている。「仕様A」に対応付けられた工程経路パターンの「パターン1」では、「結合」、「試験」、「部品組立」、「入手」、「コネクタ接続」、「塗り」のうち「結合」~「入手」には、工程有りの意味を示す「○」が設定されている。また、「コネクタ接続」および「塗り」には、工程なしの意味を示す「×」が設定されている
【0042】
「仕様B」では、「コネクタ付加」、「Rコア径:400以上」、「貨物用」、「ギヤケース」、「塗指定」等の項目のうち、「コネクタ付加」と「ギヤケース」に仕様に含まれることを意味する「有」が設定され、その他には仕様に含まれないことを意味する「無」が設定されている。「仕様B」に対応付けられた工程経路パターンの「パターン2」では、「結合」、「試験」、「部品組立」、「入手」、「コネクタ接続」、「塗り」のうち「結合」~「コネクタ接続」には、工程有りの意味を示す「○」が設定されている。また、「塗り」には、工程なしの意味を示す「×」が設定されている
【0043】
「仕様C」では、「コネクタ付加」、「Rコア径:400以上」、「貨物用」、「ギヤケース」、「塗指定」等の項目のうち、「Rコア径:400以上」、「貨物用」および「塗指定」には、仕様に含まれることを意味する「有」が設定され、その他には仕様に含まれないことを意味する「無」が設定されている。「仕様C」に対応付けられた工程経路パターンの「パターン3」では、「結合」、「試験」、「部品組立」、「入手」、「コネクタ接続」、「塗り」のうち「結合」~「入手」および「塗り」には、工程有りの意味を示す「○」が設定されている。また、「コネクタ接続」には、工程なしの意味を示す「×」が設定されている。
【0044】
生産管理システム100では、図1に示した端末装置1の入力部11から、作業員が入力した部品構成情報取得用入力データにより、図6に示した部品構成情報データベース231を検索することにより、顧客仕様と製品仕様に即した部品構成情報を取得することができる。作業員が端末装置1の入力部11から入力する、部品構成情報取得用入力データの一例を、図8Aに示す。部品構成情報取得用入力データは、顧客仕様および製品仕様を含む仕様項目と、受注した製品の仕様である受注仕様のデータとを対応付けて設定している。顧客仕様は、例えば、図8Aに示すとおり、「速度センサ」、「グリース銘柄」等の項目を含んでいる。顧客仕様の「速度センサ」には、受注仕様として、速度センサがあること示す「有」が対応付けされている。顧客仕様の「グリース銘柄」には受注仕様の「L」が対応付けられている。
【0045】
また、製品仕様は、例えば、図8Aに示すとおり、「風量」、「スロット」、「クランパ」、「ころ軸受」等の項目を含んでいる。製品仕様の「風量」には、受注仕様として、風量が多いこと意味する「大」が対応付けされている。製品仕様の「スロット」には受注仕様として、スロットの種類を示す「S36」が対応付けられている。製品仕様の「クランパ」には、受注仕様として、クランパが無いことを意味する「無」が対応付けられている。製品仕様の「ころ軸受」には、受注仕様として、ころ軸受の種類を示す「XX214」が対応付けられている。
【0046】
図2に示したサーバ制御部22の検索部222が、部品構成情報取得用入力データに含まれる各データにより、図6に示した部品構成情報データベース231を検索する場合、まず、顧客仕様を検索する。図8Bにおいて、検索部222が探し出した項目を、太枠で示す。
【0047】
図8Aの部品構成情報取得用入力データには、顧客仕様の仕様項目として、「速度センサ」、「グリース銘柄」等が設定されている。「速度センサ」には受注仕様として「有」、「グリース銘柄」には受注仕様として「L」が対応付けられている。検索部222は、図6に示した部品構成情報データベース231から、顧客仕様の「速度センサ」の項目で仕様として「有」を対応付けている項目を探す。図8Bでは、部品名「ローター」に対応付けられた顧客仕様の「速度センサ」の項目に仕様として「有」が対応付けられている。そこで、検索部222は、図8Bに示すとおり、部品名「ローター」に対応付けられた顧客仕様の「速度センサ」の項目で「有」を探し出す。
【0048】
次いで、検索部222は、図6に示した部品構成情報データベース231から、顧客仕様の「グリース銘柄」の項目で仕様として「L」を対応付けている項目を探す。図8Bでは、部品名「ベアリング」に対応付けられた顧客仕様の「グリース銘柄」の項目に仕様として「L」が対応付けられている。例えば、検索部222は、図8Bに示す、部品名「ベアリング」に対応付けられた顧客仕様の「グリース銘柄」の項目「L」を探し出す。
【0049】
続いて、検索部222は、製品仕様を検索する。図8Aの部品構成情報取得用入力データには、製品仕様の仕様項目として、「風量」、「スロット」、「クランパ」、「ころ軸受」等が設定されている。「風量」には受注仕様として「大」、「スロット」には受注仕様として「S36」が対応付けられている。「クランパ」には受注仕様として「無」、「ころ軸受」には受注仕様として「XX214」が対応付けられている。
【0050】
検索部222は、図6に示した部品構成情報データベース231から、製品仕様の「風量」の項目で仕様として「大」を対応付けている項目を探す。例えば、検索部222は、図8Bに示すとおり、部品名「ローター」に対応付けられた製品仕様の「風量」の項目にある「大」の箇所を探し出す。
【0051】
検索部222は、図6に示した部品構成情報データベース231から、製品仕様の「スロット」の項目で仕様として「S36」を対応付けている項目を探す。例えば、検索部222は、図8Bに示すとおり、部品名「ステーター」の種別「クランパ」に対応付けられた製品仕様の「スロット」の項目にある「S36」の箇所を探し出す。
【0052】
検索部222は、図6に示した部品構成情報データベース231から、製品仕様の「クランパ」の項目で仕様として「無」を対応付けている項目を探す。例えば、検索部222は、図8Bに示すとおり、部品名「ステーター」の種別「クランパ」に対応付けられた製品仕様の「クランパ」の項目にある「無」の箇所を探し出す。
【0053】
検索部222は、図6に示した部品構成情報データベース231から、製品仕様の「ころ軸受」の項目で仕様として「XX214」を対応付けている項目を探す。例えば、検索部222は、図8Bに示すとおり、部品名「ベアリング」の種別「グリース銘柄」に対応付けられた製品仕様の「ころ軸受」の項目にある「XX214」の箇所を探し出す。
【0054】
検索部222は、探し出した項目に対応付けられた、製品仕様の部品番号を探し出す。図8Bにおいて、検索部222が探し出した部品番号を点線枠で示す。例えば、図8Bにおいて、検索部222は、部品名「ローター」、顧客仕様の「速度センサ」の項目で「有」、製品仕様の「風量」の項目で「大」に対応付けられた製品仕様の部品番号「H3XXX-001」を探し出す。
【0055】
また、検索部222は、例えば、図8Bにおいて、部品名「ベアリング」、顧客仕様の「グリース銘柄」の項目で「L」、製品仕様の「ころ軸受」の項目で「XX214」に対応付けられた製品仕様の部品番号「L-XX214」を探し出す。検索部222は、例えば、図8Bにおいて、部品名「ステーター」の種別「クランパ」に対応付けられた製品仕様の「スロット」の項目で「S36」に対応付けられた製品仕様の部品番号「H3MXX-001」を探し出す。
【0056】
図2に示したサーバ制御部22の生成部223は、検索部222が探し出した製品仕様の部品番号を付与された部品の構成情報を取得し、部品の構成情報をまとめて部品構成情報を生成する。なお、検索部222が探し出した製品仕様の部品番号は、特許請求の範囲における検索結果の一例である。
【0057】
また、生産管理システム100では、図1に示した端末装置1の入力部11から、作業員が入力した入力データにより、図7に示した工程経路情報データベース232を検索することにより、顧客仕様と製品仕様に即した部品構成情報を取得することができる。作業員が端末装置1の入力部11から入力する、工程経路情報取得用入力データの一例を、図9Aに示す。工程経路情報取得用入力データは、顧客仕様および製品仕様を含む仕様項目と、今回受注した仕様である受注仕様とを対応付けて設定している。顧客仕様は、例えば、図9Aに示すとおり、「製品用途」、「塗指定」等の項目を含んでいる。顧客仕様の「製品用途」には、受注仕様として「貨物用」が対応付けされている。顧客仕様の「塗指定」には受注仕様には塗装をすることを示す「有」が対応付けられている。
【0058】
また、製品仕様は、例えば、図9Aに示すとおり、「Rコア径:400以上」、「コネクタ付加」、「ギヤケース」等の項目を含んでいる。製品仕様の「Rコア径:400以上」には、受注仕様として、この条件に該当することを意味する「有」が対応付けされている。製品仕様の「コネクタ付加」には受注仕様として、コネクタを付加することを意味する「有」が対応付けられている。製品仕様の「ギヤケース」には、受注仕様として、ギヤケースが無いことを意味する「無」が対応付けられている。
【0059】
図2に示したサーバ制御部22の検索部222が、工程経路情報取得用入力データに含まれる各データにより、図7に示した工程経路情報データベース232を検索する場合、まず、顧客仕様を検索する。図9Bにおいて、検索部222が探し出した項目を、太枠で示す。
【0060】
検索部222は、図7に示した工程経路情報データベース232から、顧客仕様の「製品用途」の項目で仕様として「貨物用」を対応付けている項目を探す。図9Bでは、「仕様C」において、顧客仕様/製品仕様の「貨物用」の項目に「有」が対応付けられている。このため、例えば、検索部222は、図9Bに示す、顧客仕様/製品仕様の「貨物用」の項目に対応付けられた、「仕様C」の「有」を探し出す。
【0061】
次に、検索部222は、工程経路情報データベース232から、顧客仕様の「塗指定」の項目で仕様として「有」を対応付けている項目を探す。図9Bでは、「仕様C」において、顧客仕様/製品仕様の「塗指定」の項目に「有」が対応付けられている。このため、例えば、検索部222は、図9Bに示す、顧客仕様/製品仕様の「塗指定」の項目に対応付けられた、「仕様C」の「有」を探し出す。
【0062】
続いて、検索部222は、製品仕様を検索する。図9Aの工程経路情報取得用入力データには、製品仕様の仕様項目として、「Rコア径:400以上」、「コネクタ付加」、「ギヤケース」等の項目を含んでいる。検索部222は、工程経路情報データベース232から、製品仕様の「Rコア径:400以上」の項目で仕様として「有」を対応付けている項目を探す。図9Bでは、「仕様C」において、顧客仕様/製品仕様の「Rコア径:400以上」の項目に「有」が対応付けられている。このため、例えば、検索部222は、図9Bに示す、顧客仕様/製品仕様の「Rコア径:400以上」の項目に対応付けられた、「仕様C」の「有」を探し出す。
【0063】
続いて、検索部222は、工程経路情報データベース232から、製品仕様の「コネクタ付加」の項目で仕様として「有」を対応付けている項目を探す。図9Bでは、「仕様B」において、顧客仕様/製品仕様の「コネクタ付加」の項目に「有」が対応付けられている。このため、例えば、検索部222は、図9Bに示す、顧客仕様/製品仕様の「コネクタ付加」の項目に対応付けられた、「仕様B」の「有」を探し出す。
【0064】
検索部222は、工程経路情報データベース232から、製品仕様の「ギヤケース」の項目で仕様として「無」を対応付けている項目を探す。図9Bでは、「仕様A」および「仕様C」において、顧客仕様/製品仕様の「ギヤケース」の項目に「無」が対応付けられている。このため、例えば、検索部222は、図9Bに示す、顧客仕様/製品仕様の「ギヤケース」の項目に対応付けられた、「仕様A」および「仕様C」の「無」を探し出す。
【0065】
検索部222は、顧客仕様/製品仕様のうち、一番該当する項目の多かった仕様に対応付けられた工程経路パターンを探し出す。例えば、図9Bでは、顧客仕様/製品仕様のうち、一番該当する項目が多かった仕様は「仕様C」である。このため、検索部222は、「仕様C」に対応付けられた工程経路パターンを探し出す。図9Bでは、点線枠で示す「パターンC」が該当する。
【0066】
図2に示したサーバ制御部22の生成部223は、検索部222が探し出した工程経路パターンに含まれる各工程の情報を取得し、各工程の情報をまとめて工程経路情報を生成する。なお、検索部222が探し出した工程経路パターンは、特許請求の範囲における検索結果の一例である。
【0067】
続いて、本実施の形態に係る生産管理システム100の動作の流れを、図10図11に示すフローチャートを参照しつつ、以下に説明する。なお、以下では、図10に示した部品構成情報取得処理のプログラムである部品構成情報取得処理プログラムと、図11に示した工程経路情報取得処理のプログラムである工程経路情報取得処理プログラムとを合わせて、部品構成・工程経路情報取得処理プログラムと称する。
【0068】
生産管理システム100に含まれる端末装置1は、例えば、起動時に、図4に示したプロセッサ107に、記憶機器101に保存された部品構成・工程経路情報取得処理プログラムをメモリ106に読み出させ、実行させる。また、生産管理システム100に含まれるサーバ2は、端末装置1で部品構成・工程経路情報取得処理プログラムが実行されると、図5に示したプロセッサ204に、記憶機器201に保存された部品構成・工程経路情報取得処理プログラムをメモリ203に読み出させ、実行させる。
【0069】
まず、部品構成情報を取得する。図10において、作業員は、図1に示した端末装置1の入力部11から部品構成情報取得用入力データを入力する(ステップS101)。例えば、作業員は、端末装置1の入力部11から、図8Aに示した部品構成情報取得用入力データを入力する。図1に示した端末装置1の端末通信部12は、部品構成情報取得用入力データをサーバ2に送信する(ステップS102)。図1に示したサーバ2のサーバ通信部21は、部品構成情報取得用入力データを受信する(ステップS103)。
【0070】
図2に示したサーバ制御部22の取得部221は、サーバ通信部21から部品構成情報取得用入力データを取得する。図2に示したサーバ制御部22の検索部222は、部品構成情報取得用入力データにより、図6に示した部品構成情報データベース231を検索する(ステップS104)。例えば、検索部222は、図8Bに示すとおり、太枠で示す各項目を探し出す。
【0071】
図2に示したサーバ制御部22の生成部223は、図6に示した部品構成情報データベース231において、検索部222が探し出した製品仕様の部品番号を付与された部品の構成情報を取得する。生成部223は、全ての部品の構成情報をまとめ、部品構成情報のデータを生成する(ステップS105)。生成部223は、図1に示したサーバ通信部21に部品構成情報のデータを渡す。サーバ通信部21は、部品構成情報のデータを端末装置1に送信する(ステップS106)。
【0072】
図1に示した端末装置1の端末通信部12は、サーバ2から部品構成情報のデータを受信する(ステップS107)。図1に示した端末装置1の端末制御部13は、部品構成情報のデータを表示部15の画面上に表示させる(ステップS108)。
【0073】
続いて、工程経路情報を取得する。図11において、作業員は、図1に示した端末装置1の入力部11から工程経路情報取得用入力データを入力する(ステップS201)。例えば、作業員は、端末装置1の入力部11から、図9Aに示した工程経路情報取得用入力データを入力する。図1に示した端末装置1の端末通信部12は、工程経路情報取得用入力データをサーバ2に送信する(ステップS202)。図1に示したサーバ2のサーバ通信部21は、工程経路情報取得用入力データを受信する(ステップS203)。
【0074】
図2に示したサーバ制御部22の取得部221は、サーバ通信部21から工程経路情報取得用入力データを取得する。図2に示したサーバ制御部22の検索部222は、工程経路情報取得用入力データにより、図7に示した工程経路情報データベース232を検索する(ステップS204)。例えば、検索部222は、図9Bに示すとおり、太枠で示す各項目を探し出す。
【0075】
検索部222は、工程経路情報データベース232において、顧客仕様/製品仕様のうち、工程経路情報取得用入力データに設定された項目に、一番該当する項目が多かった仕様を探し、その仕様に対応付けられた工程経路パターンを特定する。図2に示したサーバ制御部22の生成部223は、検索部222が探し出した工程経路パターンに含まれる各工程の情報を取得し、各工程の情報をまとめて工程経路情報のデータを生成する(ステップS205)。生成部223は、図1に示したサーバ通信部21に工程経路情報のデータを渡す。サーバ通信部21は、工程経路情報のデータを端末装置1に送信する(ステップS206)。
【0076】
図1に示した端末装置1の端末通信部12は、サーバ2から工程経路情報のデータを受信する(ステップS207)。図1に示した端末装置1の端末制御部13は、工程経路情報のデータを表示部15の画面上に表示させる(ステップS208)。その後、作業員は、表示部15の画面上に表示された部品構成情報のデータおよび工程経路情報のデータを確認し、必要に応じて各データを修正する。
【0077】
以上のとおり、実施の形態によれば、生産管理システム100は、受注仕様を利用して部品構成情報のデータまたは工程経路情報のデータを生成することができる。これにより、受注仕様のデータを利用して部品構成情報、工程経路情報の設定を支援することができるため、個別受注の製品の製造にかかる作業員の負荷を軽減することができる。
【0078】
(変形例1)
上記の実施の形態において、生産管理システム100は端末装置1とサーバ2とを含むシステムとした。これに限らず、端末装置1とサーバ2で動作する各機能を1つの装置に内蔵し、生産管理システム100としてもよい。
【0079】
(変形例2)
上記の実施の形態において、端末装置1には表示部15を備えるものとした。これに限らず、表示部15は端末装置1と別体の表示装置としても良い。その場合、端末装置1から別体の表示装置に表示用データを送信する端子が、表示部15に相当する。
【0080】
また、本開示の実施の形態では、生産管理システム100を、専用のシステムとして実現できるものとした。しかしながら、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、上述の生産管理システム100における各機能を実現するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能なCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)などの記録媒体に格納して配布し、このプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、アプリケーションのみを記録媒体に格納してもよい。
【0081】
なお、本開示の技術的範囲は、上記実施の形態と変形例によっては限定されない。本開示は特許請求の範囲に記載された技術的思想の限りにおいて、自由に応用、変形あるいは改良して、実施することができる。
【0082】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0083】
(付記1)
受注した製品の仕様である受注仕様のデータを、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた、入力データを入力する入力部と、
前記入力データに含まれる前記仕様項目のデータを、過去の受注案件のデータから生成したデータベースで検索する検索部と、
前記検索部の検索結果に基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する生成部と、
を備える生産管理システム。
【0084】
(付記2)
前記過去の受注案件のデータから生成したデータベースは、前記製品を構成する部品の情報である部品構成情報のデータを記憶した部品構成情報データベースであって、
前記検索部は、前記部品構成情報データベースを前記入力データで検索することにより、前記入力データの前記仕様項目に対応する部品を特定し、
前記生成部は、前記入力データの前記仕様項目に対応する部品のデータに基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータを生成する、
付記1に記載の生産管理システム。
【0085】
(付記3)
前記過去の受注案件のデータから生成したデータベースは、前記製品を製造する工程経路の情報である工程経路情報のデータを記憶した工程経路情報データベースであって、
前記検索部は、前記工程経路情報データベースを前記入力データで検索することにより、前記入力データの前記仕様項目に対応する工程経路パターンを特定し、
前記生成部は、前記工程経路パターンに基づいて、前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する、
付記1または2に記載の生産管理システム。
【0086】
(付記4)
前記生成部が生成した、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを表示するための表示部をさらに備える、
付記1から3の何れか一つに記載の生産管理システム。
【0087】
(付記5)
生産管理システムが実行する方法であって、
受注した製品の仕様である受注仕様のデータを、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた、入力データを入力し、
前記入力データに含まれる前記仕様項目のデータを、過去の受注案件のデータから検索し、
検索結果に基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する、
方法。
【0088】
(付記6)
コンピュータに、
受注した製品の仕様である受注仕様のデータを、顧客ごとの仕様である顧客仕様および製品ごとの仕様である製品仕様を含む仕様項目と対応付けた、入力データを入力する処理、
前記入力データに含まれる前記仕様項目のデータを、過去の受注案件のデータから検索する処理、
検索結果に基づいて、前記受注した製品を構成する部品のデータである部品構成情報のデータまたは前記受注した製品を製造する工程のデータである工程経路情報のデータを生成する処理、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0089】
1 端末装置、2 サーバ、11 入力部、12 端末通信部、13 端末制御部、14 端末記憶部、15 表示部、21 サーバ通信部、22 サーバ制御部、23 サーバ記憶部、100 生産管理システム、101、201 記憶機器、102、202 通信機器、103 入力機器、104 表示機器、105 表示コントローラ、106、203 メモリ、107、204 プロセッサ、108、205 データバス、221 取得部、222 検索部、223 生成部、231 部品構成情報データベース、232 工程経路情報データベース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11