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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155463
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】水泳用キャップ
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/12 20060101AFI20241024BHJP
   A42B 1/00 20210101ALI20241024BHJP
【FI】
A42B1/12 Z
A42B1/00 P
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070200
(22)【出願日】2023-04-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田中 啓之
(72)【発明者】
【氏名】大竹 健司
(72)【発明者】
【氏名】木村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】窪田 佳寛
(57)【要約】
【課題】人体の頭部に当たる水流の流体抵抗を受け難い水泳用キャップを提供する。
【解決手段】シリコーンゴムで成形された水泳用キャップ1であって、キャップの頭頂部には凸状部5が複数個配列されており、凸状部5は先端が進行方向に向かう角度のある形状で形成されている。凸状部の高さは30~200μmが好ましい。凸状部の先端が前頭方向に配列されているキャップは、前頭部が前に向かう自由形、平泳ぎ、バタフライなどに好適である。凸状部の先端が後頭方向に配列されているキャップは、後頭部が前に向かう背泳ぎに好適である。凸状部の先端が前頭方向及び後頭方向にそれぞれ配列されているキャップは、前頭部が前に向かう種目と後頭部が前に向かう種目がある個人メドレーなどに好適である。飛び込み種目にも好適である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンゴムで成形された水泳用キャップであって、
前記キャップの頭頂部には凸状部が複数個配列されており、
前記凸状部は先端が進行方向に向かう角度のある形状で形成されていることを特徴とする水泳用キャップ。
【請求項2】
前記凸状部の高さは30~200μmである請求項1に記載の水泳用キャップ。
【請求項3】
前記凸状部の先端が前頭方向に配列されていること及び/又は前記凸状部は先端が後頭方向に配列されている請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項4】
前記凸状部の先端が前頭方向を向く列Aが中央に配列し、その両隣に先端が後頭方向を向く列Bが平行状に配列しており、前記列Aのほうが前記列Bよりも長い請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項5】
前記凸状部の先端が前頭方向を向く列Aが中央に配列し、その両隣に先端が後頭方向を向く列Bが平行状に配列しており、その両隣に先端が前頭方向を向く列Cが平行状に配列しており、前記列AとBとCの長さ関係は、A>B>Cである請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項6】
前記凸状部は、くの字形状、三角形状、ひし形形状、矢印形状又はこれらの組み合わせである請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項7】
前記キャップの頭側部には、上下方向を向く凸状部が複数個配列されている請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項8】
前記キャップの頭前部には、上下方向を向く凸状部が複数個配列されている請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項9】
前記キャップは、耳が露出するタイプ、又は耳が隠れるタイプのキャップである請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンゴム製の水泳用キャップ(水泳帽)に関する。
【背景技術】
【0002】
水泳用キャップは競泳、水球、高飛び込み、シンクロナイズドスイミングなど水中における運動には必須のものである。水泳用キャップの主な機能は、人体の髪の毛などの落下を防ぎ水を清浄に保つこと及び髪の毛をまとめておくことなどであるが、水の抵抗を減らすことも泳者からは求められている。
従来、側面がクラウン状であり、正面断面が細長逆U字状のシリコーンゴム製キャップが提案されている(特許文献1)。また、開口部が狭く奥(頂部)が広い形状のキャップも提案されている(特許文献2)。また本出願人は、特許文献3において後頭部に千鳥状の突起を設けたキャップを提案し、特許文献4において、耳が隠れるタイプのキャップを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平8-15498号公報
【特許文献2】実開平6-83050号公報
【特許文献3】特開平10-18120号公報
【特許文献4】特許第5554789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のキャップは、泳者がレースで泳いでいる時には、選手の頭部には水が当たり続けて大きな抵抗が生じており、速く泳ぐためには頭部の抵抗を低減することが求められていた。
【0005】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、人体の頭部に当たる水流の流体抵抗を受け難い水泳用キャップを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水泳用キャップは、シリコーンゴムで成形された水泳用キャップであって、前記キャップの頭頂部には凸状部が複数個配列されており、前記凸状部は先端が進行方向に向かう角度のある形状で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、シリコーンゴムで成形された水泳用キャップであって、前記キャップの頭頂部には凸状部が複数個配列されており、前記凸状部は先端が進行方向に向かう角度のある形状で形成されていることにより、頭部に当たる水流の流体抵抗を受け難い水泳用キャップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本発明の一実施形態における水泳用キャップの正面側から見た模式的斜視図である。
図2図2は同、模式的平面図である。
図3図3A図2の凸状部の模式的要部拡大図、図3B図3AのI-I線断面図である。
図4図4は本発明の別の実施形態における耳が隠れるタイプの水泳用キャップの模式的側面図である。
図5図5は本発明の一実施形態における頭頂部を示す模式的側面図である。
図6図6は同、水泳用キャップの流体抵抗を測定する模式的説明図である。
図7図7は本発明の一実施例の水泳用キャップの速度とモーター負荷率との関係を示すグラフである。
図8図8は本発明の一実施例における水泳用キャップと従来品との水の抵抗低減効果を示すグラフである。
図9図9Aは従来品の水泳用キャップの模式的平面図、図9B-Eは本発明の別の実施例における凸部パターン示す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の泳用キャップは、頭頂部には凸状部が複数個配列されており、凸状部は先端が進行方向に向かう角度のある形状で形成されている。各キャップは次の種目に好適である。
(1)凸状部の先端が前頭方向に配列されているキャップは、前頭部が前に向かうクロール(自由形)種目、平泳ぎ種目、バタフライ種目などに好適である。
(2)凸状部の先端が後頭方向に配列されているキャップは、後頭部が前に向かう背泳ぎ種目に好適である。
(3)凸状部の先端が前頭方向及び後頭方向にそれぞれ配列されているキャップは、前頭部が前に向かう種目と後頭部が前に向かう種目がある個人メドレーなどに好適である。飛び込み種目にも好適である。
【0010】
凸状部の高さは30~200μmが好ましく、より好ましくは40~180μmであり、さらに好ましくは50~150μmである。これにより水流の流体抵抗低減効果がより高くなる。また、水の整流効果がより高くなる。
【0011】
凸状部の先端が前頭方向を向く列Aが中央に配列し、その両隣に頂点が後頭方向を向く列Bが平行状に配列しており、列Aのほうが列Bよりも長いのが好ましい。これにより水流の流体抵抗低減効果がより高くなる。
【0012】
凸状部の先端が前頭方向を向く列Aが中央に配列し、その両隣に頂点が後頭方向を向く列Bが平行状に配列しており、その両隣に頂点が前頭方向を向く列Cが平行状に配列しており、列AとBとCの長さ関係は、A>B>Cであるのが好ましい。これにより水流の流体抵抗低減効果がより高くなる。
【0013】
凸状部は、くの字形状、三角形状、ひし形形状、矢印形状又はこれらの組み合わせであることが好ましい。これにより水流の流体抵抗低減効果がより高くなる。
【0014】
キャップの頭側部には、上下方向を向く凸状部が複数個配列されているのが好ましい。これにより、息継ぎなどで頭を横に向けた際に頂点が進行方向に向き、水流の流体抵抗低減効果がより高くなる。また、キャップの頭前部には、上下方向を向く凸状部が複数個配列されているのが好ましい。これにより、頭を上げた際に頂点が進行方向に向き、水流の流体抵抗低減効果がより高くなる。
【0015】
キャップは、様々なキャップに適用することができ、一例として耳が露出するタイプ、又は耳が隠れるタイプのキャップであってもよい。
【0016】
本発明の水泳用キャップは、シリコーンゴム製であり一体成形されている。シリコーンゴムはケイ素ゴムともいい、主鎖がオルガノシロキサン結合からなる合成ゴムである。好ましくはアルキル・シロキサン縮合物であり、シリコーンゴムコンパウンド、液状シリコーン、液状ゲルとして市販されている。シリコーンゴムは化学式、RnSiO(4-n)/2(ただし、式中Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基(炭素数1)であり、nは1.98~2.02の正数である。)で示され、脂肪族不飽和基を少なくても2個有するオルガノポリシロキサンである。硬化剤としては、有機過酸化物又はオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金触媒を使用する付加反応硬化の何れの硬化機構でも良く、熱硬化できて電気的に安定した体積固有抵抗が得られるものを選択する。シリカなどの補強性充填材を加えてもよい。一液型と二液型があり、どちらも使用できる。二液型は使用時に主剤と硬化剤を混合し、シラノール縮合やビニル付加反応により硬化する。二液型は液状シリコーン成形材料(LIM: Liquid Injection Molding)として付加反応を利用するもので、自動成形機を使用して計量、混合、吐出、硬化の成形プロセスが低圧かつ短時間で行える利点がある。硬化は加熱硬化、常温硬化のいずれであってもよいが、硬化速度を速めて生産性を上げるためには加熱硬化が好ましい。
【0017】
本発明の水泳用キャップは、インジェクション・プレス・モールド加工などにより金型内にシリコーンゴム材料を吐出し、成形・硬化させて一体成形する。部分的な断片を作成して、後に張り合わせる成形法とは異なる。本発明の水泳用キャップには、継ぎ目や接着部などは存在しない。これを一体成形という。また金型内に所定形状の凹部を形成しておくことにより、水泳用キャップに所定形状の凸部を形成できる。なお、水泳用キャップの厚さは0.3~2.0mm程度が好ましい。部分的に厚さが異なるようにしてもよい。
【0018】
以下、図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1は本発明の一実施形態における水泳用キャップ1の正面側から見た模式的斜視図である。この水泳用キャップ1はシリコーンゴムで成形されており、耳が露出するタイプのキャップである。このキャップ1の頭頂部には凸状部5が複数個配列されており、凸状部5は略くの字状であり、屈曲部の頂点が前頭方向に配列している列と、頂点が後頭方向に配列している列がある。これにより、前頭部が前に向かうクロール(自由形)種目、平泳ぎ種目、バタフライ種目と、後頭部が前に向かう背泳ぎ種目の両方に好適である。また、キャップ1の頭側部にも、さらに凸状部6a,6bが複数個配列されている。これにより、息継ぎなどで頭を横に向けた際に頂点が進行方向に向き、流体抵抗低減効果がより高くなる。また、キャップ1の頭前部にも、さらに凸状部7a,7bが複数個配列されている。これにより、頭を上げた際に頂点が進行方向に向き、流体抵抗低減効果がより高くなる。
【0019】
図2は本発明の一実施形態の模式的平面図である。凸状部5の屈曲部の頂点が前頭方向を向く列A(2)が中央に配列し、その両隣に頂点が後頭方向を向く列B(3a,3b)が平行状に配列しており、その両隣に頂点が前頭方向を向く列C(4a,4b)が平行状に配列しており、列AとBとCの長さ関係は、A>B>Cであるのが好ましい。これにより流体抵抗低減効果がより高くなる。
また、キャップの頭側部にも、さらに凸状部6a,6bが複数個配列され、キャップの頭前部にも、さらに凸状部7a,7bが複数個配列されている。
【0020】
図3A図2の凸状部の模式的要部拡大図、図3B図3AのI-I線断面図である。凸状部5の高さは30~200μmが好ましく、より好ましくは40~180μmであり、さらに好ましくは50~150μmである。これにより流体抵抗低減効果がより高くなる。キャップ1の厚さは0.3~2.0mm程度が好ましい。
【0021】
図4は本発明の別の実施形態における耳が隠れるタイプの水泳用キャップ8の模式的側面図である。耳が隠れると流体抵抗低減効果がより高くなる。
図5は本発明の一実施形態における頭頂部9を示す模式的側面図である。頭頂部9の領域内に凸状部があればよい。
【0022】
図9Aは従来品の水泳用キャップの模式的平面図、図9B-Eは本発明の別の実施例における凸部パターン示す模式的平面図である。下が前頭部、上が後頭部である。ドット部が凸部であり、白抜き部はキャップのベース素材と同じ厚さである。図9Bはキャップの頭頂部に三角形状の凸状部を5個並列に配列し、三角形状の先端が進行方向に向いている。図9C図9Bと同じ三角形状で中央部分がベース素材と同じ厚さとした凸状部を5個並列に配列し、三角形状の先端が進行方向に向いている。図9D図9Bと同じ三角形状の凸状部を3個直列に配列し、三角形状の先端が進行方向に向いている。図9E図9Dと同じ三角形状で中央部分がベース素材と同じ厚さとした凸状部が3個直列に配列し、三角形状の先端が進行方向に向いている。図9B-Eの形状の凸状部であっても流体抵抗低減効果はある。
【0023】
本発明の水泳用キャップは、競泳のみならず、遠泳、水球、高飛び込み、シンクロナイズドスイミングなど水中における運動に好適である。
【実施例0024】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
シリコーンゴム原料として信越化学社製、製品名“KE1950-35”(二液タイプのシリコーンゴム)を使用し、インジェクション・プレス・モールド加工により金型内にシリコーンゴム材料を吐出して、熱加硫プレス機を使用し150℃で10分間の1次加硫後に、200℃で4時間の2次加硫を行い、一体成形した。金型は、独立行政法人産業技術総合研究所が「平均頭部ダミーの開発」として発表している「頭部モデル」を基準に作成した。得られた成形物の特性は次のとおりであった。
(1)硬度:35度(JIS-K6253 A型)
(2)引張り強さ:10.3Mpa(JIS-K6251)
(3)伸び:750%(JIS-K6251)
(4)引裂き強さ:28N/mm(JIS-K6252・アングル形)
(5)圧縮永久歪:28%(JIS-K6262・25%圧縮試験)
(6)反発弾性:53%(JIS-K6255)
得られた水泳用キャップを図1~3に示す。各部分の厚みは次のとおりである。
・半球部の肉厚:0.35mm
・それ以外の肉厚:1.25mm
・凸状部5の高さ:0.1mm(100μm)
【0026】
(比較例1)
凸状部5を作成しない以外は実施例1と同様にキャップを成形した。
【0027】
<水泳用キャップの水流抵抗測定方法>
図6はキャップの水流抵抗を測定する模式的説明図である。この水流抵抗測定装置10は、水槽11に水12を入れ、支持台14に固定されている支持アーム15A-15Dの先端部の治具にキャップ16を被せる。図6に示すようにキャップ16を水面下に配置した。キャップの上端が水面から10cm、中央部が18cm、下端が26cmとなるように沈めた。この状態で、最大1.0m/sでキャップを前方に進行させたときの水流抵抗減少率を確認した。13はレール、17はモーター、18はロープ、19は牽引方向(進行方向)である。
図7は本発明の実施例1のキャップの速度とモーター負荷率との関係を示すグラフである。図7において時間:0~1秒は加速領域、1~3秒は定速領域、3~4秒は減速領域である。実験条件は次のとおりである。
・移動速度:1.0m/sを最大速度(定速領域速度)とした。
・モーター負荷率:モデル走行前からかかる負荷率を0%として計算した。
・測定領域:移動開始から1.5~2.5秒の間の1秒間の平均値を求めた。
実施例1と比較例1のキャップをそれぞれ10回試行し、牽引前の値を負荷率0%としたときの測定領域におけるモーターの平均負荷率を求めた。
その結果、実施例1のキャップの平均負荷率は17.8%であり、比較例1の平均負荷率は18.7%であった。このデータから水流抵抗減少率を下記式で算出した。
流体抵抗減少率=[(A-B)/(B)]×100
[(17.8)-(18.7)/(18.7)]×100=-4.8%
但し、
A:実施例1のキャップの平均負荷率
B:比較例1のキャップの平均負荷率
以上から、凸状部により流体抵抗が4.8%低下することが確認できた。
結果を図8のグラフにまとめて示す。
【0028】
(実施例2~5)
球のような物体が水面に衝突する際,衝突速度が速くなるとキャビティが形成される。このとき特異点を持たない球は、はく離点が不安定となってしまう。そこで、はく離点を固定するために高さの低い凸部を設けたモデルを製作し、水面から150mm進むまでの移動時間を比較した。
(1)球体のサイズ(D):直径50mm
(2)球体の質量:78.5g
(3)球体の落下高さ:水面から1270mm
(4)実験方法
・水面から1270mmの位置からアクリル樹脂製の球を自由落下させ、静水面に衝突させた。
・衝突後、球が深さ150mmの位置に到達する時間をハイスピードカメラの映像から計測した。
・球の表面には高さ0.1mmの柱状突起を設け、突起形状の違いによる移動速度の違いを比較した。
設けた凸部のパターンは図9B-Dに示す。図9Aは比較例1である。以上の結果を表1に示す。表1中、msはマイクロ秒(μs)である。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示すとおり、比較例1の凸部パターンがないキャップに比べて、凸部パターンがある実施例2~5(図9B-D)は移動時間が短かった。とくに三角柱状凸部を並列に配置した実施例2は移動時間が最も短く、平均移動速度が速い結果となった。さらに標準偏差を比較すると、凸部を有するモデルの標準偏差が小さく、はく離点を固定した結果が明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の水泳用キャップは、競泳のみならず、遠泳、水球、高飛び込み、シンクロナイズドスイミングなど水中における運動に好適である。
【符号の説明】
【0032】
1,8,16 水泳用キャップ
2,4a,4b 凸状部の屈曲部の頂点が前頭方向を向く列
3a,3b 凸状部の屈曲部の頂点が後頭方向を向く列
5 頭頂部の凸状部
6a,6b 頭側部の凸状部
7a,7b 頭前部の凸状部
9 頭頂部
10 水流抵抗測定装置
11 水槽
12 水
13 レール
14 支持台
15A-D 支持アーム
17 モーター
18 ロープ
19 牽引方向(進行方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンゴムで成形された水泳用キャップであって、
前記水泳用キャップの頭頂部には凸状部が複数個配列されており、
前記凸状部は先端が進行方向に向かう角度のある形状で形成されており、
前記凸状部の先端が前頭方向を向く列Aが中央に配列し、その両隣に先端が後頭方向を向く列Bが平行状に配列しており、前記列Aのほうが前記列Bよりも長いことを特徴とする水泳用キャップ。
【請求項2】
前記凸状部の高さは30~200μmである請求項1に記載の水泳用キャップ。
【請求項3】
前記凸状部の先端が前頭方向に配列されていること及び/又は前記凸状部は先端が後頭方向に配列されている請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項4】
前記凸状部の先端が前頭方向を向く列Aが中央に配列し、その両隣に先端が後頭方向を向く列Bが平行状に配列しており、その両隣に先端が前頭方向を向く列Cが平行状に配列しており、前記列AとBとCの長さ関係は、A>B>Cである請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項5】
前記凸状部は、くの字形状、三角形状、ひし形形状、矢印形状又はこれらの組み合わせである請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項6】
前記水泳用キャップの頭側部には、上下方向を向く凸状部が複数個配列されている請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項7】
前記水泳用キャップの頭前部には、上下方向を向く凸状部が複数個配列されている請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【請求項8】
前記水泳用キャップは、耳が露出するタイプ、又は耳が隠れるタイプのキャップである請求項1又は2に記載の水泳用キャップ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の水泳用キャップは、シリコーンゴムで成形された水泳用キャップであって、前記水泳用キャップの頭頂部には凸状部が複数個配列されており、前記凸状部は先端が進行方向に向かう角度のある形状で形成されており、前記凸状部の先端が前頭方向を向く列Aが中央に配列し、その両隣に先端が後頭方向を向く列Bが平行状に配列しており、前記列Aのほうが前記列Bよりも長いことを特徴とする。