(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155476
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/02 20060101AFI20241024BHJP
G06F 40/58 20200101ALI20241024BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20241024BHJP
【FI】
G09B5/02
G06F40/58
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070223
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐地 宏太
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028AA07
2C028AA12
2C028BA00
2C028BB01
2C028BC01
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】数式を記述するための種々の言語を学習する機会を提供する。
【解決手段】翻訳サーバ10のCPU11は、数式を記述するための入力形式の言語(第1言語)でコマンド入力画面41のコマンド入力領域411にコマンド(第1記述内容)が入力された場合に、入力形式の言語とは異なる出力形式の言語(第2言語)に翻訳されたコマンド(第2記述内容)を翻訳コマンド出力領域415に表示させるとともに、翻訳コマンド出力領域415に表示されたコマンド(第2記述内容)に従った数式を翻訳コマンド確認領域416に表示させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数式を記述するための第1言語で所定の入力領域に第1記述内容が入力された場合に、前記第1言語とは異なる第2言語に翻訳された第2記述内容を第1出力領域に表示させるとともに、前記第1記述内容に従った数式または前記第2記述内容に従った数式を第2出力領域に表示させる制御部を備える、
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項2】
前記第2記述内容を前記第1出力領域に表示させる場合に、当該第2記述内容を、前記第1記述内容に対応する内容であって前記第2言語に翻訳された内容とするか、当該第1記述内容に従った数式を計算した値を表す内容であって前記第2言語に翻訳された内容とするかをユーザが予め選択するための第1設定手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1設定手段により前記第2記述内容を前記第1記述内容に対応する内容であって前記第2言語に翻訳された内容とする設定がなされた場合、前記第1記述内容に従った数式または前記第2記述内容に従った数式を前記第2出力領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1設定手段により前記第2記述内容を前記第1記述内容に従った数式を計算した値を表す内容であって前記第2言語に翻訳された内容とする設定がなされた場合、前記数式を計算した値を前記第2出力領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2記述内容に従った数式を前記第2出力領域に表示させ、前記第1記述内容に従った数式を前記第2出力領域とは異なる第3出力領域に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記第2記述内容を前記第1出力領域に表示させる場合に、前記第2出力領域に表示させる出力対象を前記第2記述内容に従った数式とするか前記第2記述内容に従った数式を計算した値とするかをユーザが予め選択するための第2設定手段を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記入力領域、前記第1出力領域、前記第2出力領域及び前記第3出力領域は、一つの表示画面内に設けられている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の学習支援装置。
【請求項8】
前記表示画面内において、前記入力領域と前記第3出力領域とが互いに隣接する位置に設けられるとともに、前記第1出力領域と前記第2出力領域とが互いに隣接する位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載の学習支援装置。
【請求項9】
数式を記述するための複数種の言語のうちから前記第1言語及び前記第2言語をユーザが選択するための第3設定手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項10】
数式を記述するための第1言語で所定の入力領域に第1記述内容が入力された場合に、前記第1言語とは異なる第2言語に翻訳された第2記述内容を第1出力領域に表示させるとともに、前記第1記述内容に従った数式を計算した値または前記第2記述内容に従った数式を計算した値を第2出力領域に表示させる制御部を備える、
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項11】
数式を記述するための第1言語で所定の入力領域に第1記述内容が入力された場合であって、前記第1言語とは異なる第2言語に翻訳された第2記述内容を第1出力領域に表示させる場合に、第2出力領域に表示させる出力対象を前記第2記述内容に従った数式とするか前記第2記述内容に従った数式を計算した値とするかをユーザが予め選択するための設定手段を備える、
ことを特徴とする学習支援装置。
【請求項12】
学習支援装置のコンピュータにより実行される学習支援方法であって、
数式を記述するための第1言語による所定の入力領域への第1記述内容の入力を受け付ける受付工程と、
前記受付工程により前記第1記述内容の入力が受け付けられた場合に、前記第1言語とは異なる第2言語に翻訳された第2記述内容を第1出力領域に表示させるとともに、前記第1記述内容に従った数式または前記第2記述内容に従った数式を第2出力領域に表示させる表示工程と、
を含むことを特徴とする学習支援方法。
【請求項13】
コンピュータに、
数式を記述するための第1言語で所定の入力領域に第1記述内容が入力された場合に、前記第1言語とは異なる第2言語に翻訳された第2記述内容を第1出力領域に表示させるとともに、前記第1記述内容に従った数式または前記第2記述内容に従った数式を第2出力領域に表示させる処理、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援装置、学習支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Webページの作成者がWebページに表示された数式を迅速に修正できるWWWサーバ機能を備えたコンピュータシステム(数式表示制御装置)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているコンピュータシステムでは、数式を記述するための言語を当該言語とは異なる言語に翻訳する機能を有していない。このため、上記翻訳を通じて数式を記述するための種々の言語を学習することはできない。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、数式を記述するための種々の言語を学習する機会を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る学習支援装置は、
数式を記述するための第1言語で所定の入力領域に第1記述内容が入力された場合に、前記第1言語とは異なる第2言語に翻訳された第2記述内容を第1出力領域に表示させるとともに、前記第1記述内容に従った数式または前記第2記述内容に従った数式を第2出力領域に表示させる制御部を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、数式を記述するための種々の言語を学習する機会を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】翻訳サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】計算サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】端末装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】数式記述言語翻訳処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
<学習支援システムの構成>
まず、
図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態の学習支援システム100の概略構成図である。
【0011】
図1に示すように、学習支援システム100は、翻訳サーバ(学習支援装置)10と、計算サーバ20と、端末装置30と、を備える。翻訳サーバ10は、計算サーバ20と端末装置30とのそれぞれと通信ネットワークNを介して情報通信可能に接続される。なお、
図1では1台の端末装置30が示されているが、端末装置30の台数は特に限定されない。
【0012】
翻訳サーバ10は、数式を記述するための言語(数式記述言語)に係る翻訳サイトを運営するクラウド上のサーバである。この翻訳サイトでは、数式を記述するための或る言語(例えば、LaTeX)で所望の記述内容(コマンド)が入力された場合に、当該言語とは異なる言語(例えば、MathML(Mathematical Markup Language))に翻訳(機械翻訳)された記述内容を出力するとともに、当該記述内容に従った数式を出力する翻訳サービスが提供される。また、この翻訳サイトでは、翻訳された記述内容を出力するにあたり、出力対象を数式に対応した記述内容とするか当該数式を計算した値(計算結果)に対応した記述内容とするかを、ユーザ操作に基づき選択可能となっている。
【0013】
計算サーバ20は、上述の翻訳サイトにおいて入力された記述内容(コマンド)に従った数式の計算を実行するクラウド上のサーバである。
【0014】
端末装置30は、上述の翻訳サイトを利用するユーザが使用する端末装置である。端末装置30は、例えば、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレットPC等である。
【0015】
通信ネットワークNは、例えば、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
【0016】
<翻訳サーバの構成>
次に、
図2を参照して、翻訳サーバ10の機能構成について説明する。
図2は、翻訳サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、翻訳サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、通信部14と、バス15などを備える。翻訳サーバ10の各部は、バス15を介して接続されている。なお、翻訳サーバ10は、翻訳サーバ10の管理者等により使用される操作部や表示部などをさらに備えていてもよい。
【0018】
CPU11(第1設定手段、第2設定手段、第3設定手段)は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、翻訳サーバ10の各部の動作を制御するプロセッサである。本実施形態では、CPU11が「制御部」に相当する。なお、制御部は、複数のプロセッサ(例えば、複数のCPU)を有していてもよく、本実施形態のCPU11が実行する複数の処理を、当該複数のプロセッサが実行してもよい。この場合には、複数のプロセッサが「制御部」に相当する。この場合において、複数のプロセッサが共通の処理に関与してもよいし、あるいは、複数のプロセッサが独立に異なる処理を並列に実行してもよい。
【0019】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0020】
記憶部13は、コンピュータとしてのCPU11により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム131及び各種データを記憶する。プログラム131は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。
【0021】
通信部14は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部14は、この通信動作により、通信ネットワークNを介して計算サーバ20や端末装置30との間で情報の送受信を行う。
【0022】
<計算サーバの構成>
次に、
図3を参照して、計算サーバ20の機能構成について説明する。
図3は、計算サーバ20の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
図3に示すように、計算サーバ20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、通信部24と、バス25などを備える。計算サーバ20の各部は、バス25を介して接続されている。なお、計算サーバ20は、計算サーバ20の管理者等により使用される操作部や表示部などをさらに備えていてもよい。
【0024】
CPU21は、記憶部23に記憶されているプログラム231を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、計算サーバ20の各部の動作を制御するプロセッサである。
【0025】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0026】
記憶部23は、コンピュータとしてのCPU21により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム231及び各種データを記憶する。プログラム231は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部23に格納されている。
【0027】
通信部24は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部24は、この通信動作により、通信ネットワークNを介して翻訳サーバ10との間で情報の送受信を行う。
【0028】
<端末装置の構成>
次に、
図4を参照して、端末装置30の機能構成について説明する。
図4は、端末装置30の機能構成を示すブロック図である。
【0029】
図4に示すように、端末装置30は、CPU31と、RAM32と、記憶部33と、操作部34と、表示部35と、通信部36と、バス37などを備える。端末装置30の各部は、バス37を介して接続されている。
【0030】
CPU31は、記憶部33に記憶されているプログラム331を読み出して実行し、各種演算処理を行うことで、端末装置30の各部の動作を制御するプロセッサである。
【0031】
RAM32は、CPU31に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
【0032】
記憶部33は、コンピュータとしてのCPU31により読み取り可能な非一時的な記録媒体であり、プログラム331及び各種データを記憶する。プログラム331は、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部33に格納されている。
【0033】
操作部34は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有し、ユーザからのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報を、CPU31に出力する。CPU31は、操作部34から送信された情報に基づいて、ユーザの入力操作を受け付ける。
【0034】
表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、CPU31から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0035】
通信部36は、予め定められた通信規格に従った通信動作を行う。通信部36は、この通信動作により、通信ネットワークNを介して翻訳サーバ10との間で情報の送受信を行う。
【0036】
<翻訳サーバの動作>
次に、
図5を参照して、翻訳サーバ10の動作について説明する。
図5は、翻訳サーバ10により実行される数式記述言語翻訳処理の制御手順を示すフローチャートである。この数式記述言語翻訳処理は、例えば、端末装置30から上述の翻訳サイトにアクセスがなされたことを契機として開始される。
【0037】
図5に示すように、数式記述言語翻訳処理が開始されると、まず、翻訳サーバ10のCPU11は、上述の翻訳サイトにアクセスした端末装置30の表示部35にコマンド入力画面41を表示させる(ステップS1)。
【0038】
図6は、コマンド入力画面41の例を示す図である。
図6に示すように、コマンド入力画面41は、コマンド入力領域411、第1プルダウン412、確認領域(第3出力領域)413、第2プルダウン414、翻訳コマンド出力領域(第1出力領域)415、翻訳コマンド確認領域(第2出力領域)416、計算モードボタン417、変換モードボタン418等で構成されている。なお、確認領域413が本発明の第2出力領域に対応するものと解釈してもよい。
【0039】
コマンド入力領域411は、端末装置30の操作部34のユーザ操作によって所望の数式(例えば、下記式(1))を記述するためのコマンド(第1記述内容)を入力するための領域である。
図6に示すように、コマンドが未入力の状態のとき、コマンド入力領域411には、コマンドの入力を促すメッセージ(例えば“計算するにはコマンドを入力してください。”)411aが表示されるようになっている。
【数1】
【0040】
第1プルダウン412は、コマンド入力領域411に入力されるコマンドの入力形式(数式記述言語)を選択するためのプルダウンである。このプルダウンには、選択肢として、例えば、LaTex、MathJax、MathML等が用意されている。第1プルダウン412は、コマンド入力領域411の上方に設けられている。
【0041】
確認領域413は、コマンド入力領域411に入力されたコマンドに従った数式を表示するための領域である。確認領域413は、コマンド入力領域411の右隣に設けられている。
【0042】
第2プルダウン414は、翻訳コマンド出力領域415に表示(出力)されるコマンドの出力形式(数式記述言語)を選択するためのプルダウンである。このプルダウンには、選択肢として、例えば、LaTex、MathJax、MathML等が用意されている。第2プルダウン412は、翻訳コマンド出力領域415の上方に設けられている。
【0043】
翻訳コマンド出力領域415は、第2プルダウン414に対するユーザ操作により選択された出力形式(数式記述言語)で翻訳されたコマンド(第2記述内容)を表示するための領域である。翻訳コマンド出力領域415は、確認領域413の右隣に設けられている。
【0044】
翻訳コマンド確認領域416は、翻訳コマンド出力領域415に表示されたコマンドに従った数式(又は数式を計算した値(計算結果))を表示するための領域である。翻訳コマンド確認領域416は、翻訳コマンド出力領域415の右隣に設けられている。
【0045】
計算モードボタン(第1設定手段)417は、数式記述言語の翻訳を行う際のモードを「計算モード」に設定するためのボタンである。「計算モード」とは、コマンド入力領域411に入力されたコマンドに従った数式を計算した値に係るコマンドを、第2プルダウン414に対するユーザ操作により選択された出力形式(数式記述言語)で翻訳して翻訳コマンド出力領域415に表示するとともに、当該数式を計算した値を翻訳コマンド確認領域416に表示するモードである。計算モードボタン417は、押下操作がなされ「計算モード」に設定されると、
図7に示すように、押下操作がなされていないときの表示色(例えば、白色;
図6参照)とは異なる色(例えば、水色)で表示されるようになっている。
【0046】
変換モードボタン(第1設定手段)418は、数式記述言語の翻訳を行う際のモードを「変換モード」に設定するためのボタンである。「変換モード」とは、コマンド入力領域411に入力されたコマンド(数式を記述するためのコマンド)を、第2プルダウン414に対するユーザ操作により選択された出力形式(数式記述言語)で翻訳して翻訳コマンド出力領域415に表示するとともに、当該コマンドに従った数式を翻訳コマンド確認領域416に表示するモードである。変換モードボタン418は、押下操作がなされ「変換モード」に設定されると、
図8に示すように、押下操作がなされていないときの表示色(例えば、白色;
図6参照)とは異なる色(例えば、水色)で表示されるようになっている。
【0047】
図5の数式記述言語翻訳処理の制御手順の説明に戻り、CPU11は、ステップS1でコマンド入力画面41を端末装置30の表示部35に表示させた後、翻訳元のコマンドの入力、すなわちコマンド入力領域411へのコマンドの入力、並びに、第1プルダウン412及び第2プルダウン414の操作による入出力形式の選択、及び、計算モードボタン417又は変換モードボタン418の操作によるモードの選択を受け付ける(ステップS2)。
【0048】
次いで、CPU11は、翻訳元のコマンドの入力並びに入出力形式及びモードの選択が終了したか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、CPU11は、第1プルダウン412及び第2プルダウン414の操作による入出力形式の選択、及び、計算モードボタン417又は変換モードボタン418の操作によるモードの選択がなされていることを前提として、コマンド入力領域411へのコマンドの入力操作が行われるごとに、次のコマンド入力領域411への入力操作が行われるまでの経過時間を計時し、当該経過時間が所定の時間(例えば、1秒)を超えた場合、翻訳元のコマンドの入力並びに入出力形式及びモードの選択が終了したと判定する。なお、翻訳元のコマンドの入力が終了したことを知らせる実行ボタン(図示省略)をコマンド入力画面41に設けるようにしてもよい。かかる場合、CPU11は、第1プルダウン412及び第2プルダウン414の操作による入出力形式の選択、及び、計算モードボタン417又は変換モードボタン418の操作によるモードの選択がなされていることを前提として、上記の実行ボタンの押下操作がなされたとき、翻訳元のコマンドの入力並びに入出力形式及びモードの選択が終了したと判定する。
【0049】
ステップS3において、翻訳元のコマンドの入力並びに入出力形式及びモードの選択が終了していないと判定された場合(ステップS3;NO)、CPU11は、翻訳元のコマンドの入力及び入力形式の選択がなされているか否かを判定する(ステップS4)。
【0050】
ステップS4において、翻訳元のコマンドの入力及び入力形式の選択がなされていないと判定された場合(ステップS4;NO)、CPU11は、処理をステップS2に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0051】
また、ステップS4において、翻訳元のコマンドの入力及び入力形式の選択がなされていると判定された場合(ステップS4;YES)、CPU11は、翻訳元のコマンドの入力及び入力形式の選択の内容に応じて、確認領域413の表示を随時更新する(ステップS5)。
【0052】
また、ステップS3において、翻訳元のコマンドの入力並びに入出力形式及びモードの選択が終了したと判定された場合(ステップS3;YES)、CPU11は、ステップS2で受け付けたコマンド(翻訳元のコマンド)を入力形式から共通形式に変換する(ステップS6)。ステップS2で受け付けたコマンドを入力形式から共通形式に変換しているのは、計算サーバ20による当該コマンドに従った数式の計算を円滑に行わせるためである。即ち、入力形式としての数式記述言語の違いにかかわらず数式の計算を円滑に行わせるために同じ数式記述言語に変換している。このときの数式記述言語は計算サーバ20に対応させて適宜設定することができる。
【0053】
次いで、CPU11は、数式記述言語の翻訳を行う際のモードが「計算モード」に設定されているか否かを判定する(ステップS7)。
【0054】
ステップS7において、数式記述言語の翻訳を行う際のモードが「計算モード」に設定されていると判定された場合(ステップS7;YES)、CPU11は、ステップS6で共通形式に変換されたコマンドを、通信部14を介して計算サーバ20に送信する(ステップS8)。ここで、計算サーバ20は、翻訳サーバ10よりステップS6で共通形式に変換されたコマンドを受信すると、当該コマンドに従った数式を計算する。そして、計算サーバ20は、計算された値(計算結果)を表すコマンド(共通形式)を導出する。
【0055】
次いで、CPU11は、計算サーバ20によって計算された値(計算結果)を表すコマンドを当該計算サーバ20から取得する(ステップS9)。
【0056】
次いで、CPU11は、ステップS9で取得された計算結果を表すコマンドを、第2プルダウン414に対するユーザ操作により選択された出力形式に変換する(ステップS10)。
【0057】
次いで、CPU11は、ステップS10で変換された計算結果を表すコマンドを翻訳コマンド出力領域415に表示する(ステップS11)。続けて、CPU11は、上記の計算結果を翻訳コマンド確認領域416に表示する(ステップS12)。
具体的には、
図7に示すように、第1プルダウン412の操作により入力形式として“LaTex”が選択され、第2プルダウン414の操作による出力形式として“MathML”が選択され、コマンド入力領域411へコマンド“”が入力された状態で当該入力が終了した場合、翻訳コマンド出力領域415には当該コマンドに従った数式(上述の式(1))の計算結果(下記の数(2))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”のコマンド“<math><mi> 8</mi>・・・</math>”が表示されることとなる。また、翻訳コマンド確認領域416には上記の計算結果(下記の数(2))が表示されることとなる。そして、CPU11は、数式記述言語翻訳処理を終了する。
【数2】
【0058】
ここで、
図7に例示されている状態のコマンド入力画面41において変換モードボタン418の押下操作がなされると、
図8に示すように、翻訳コマンド出力領域415には数式(上述の式(1))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”に変換された当該コマンド“<math><msubsup>・・・</math>”が表示されることとなる。また、翻訳コマンド確認領域416には当該コマンドに従った数式(上述の式(1))が表示されることとなる。
【0059】
図5に戻り、ステップS7において、「計算モード」に設定されていない、すなわち「変換モード」に設定されていると判定された場合(ステップS7;NO)、CPU11は、ステップS6で共通形式に変換されたコマンドを、第2プルダウン414に対するユーザ操作により選択された出力形式に変換する(ステップS13)。
【0060】
次いで、CPU11は、ステップS13で変換されたコマンドを翻訳コマンド出力領域415に表示する(ステップS14)。続けて、CPU11は、ステップS13で変換されたコマンドに従った数式を翻訳コマンド確認領域416に表示する(ステップS15)。
具体的には、
図8に示すように、第1プルダウン412の操作により入力形式として“LaTex”が選択され、第2プルダウン414の操作による出力形式として“MathML”が選択され、コマンド入力領域411へコマンド“”が入力された状態で当該入力が終了した場合、翻訳コマンド出力領域415には出力形式“MathML”に変換された当該コマンド“<math><msubsup>・・・</math>”が表示されることとなる。また、翻訳コマンド確認領域416には当該コマンドに従った数式(上述の式(1))が表示されることとなる。そして、CPU11は、数式記述言語翻訳処理を終了する。
【0061】
ここで、
図8に例示されている状態のコマンド入力画面41において計算モードボタン417の押下操作がなされると、
図7に示すように、翻訳コマンド出力領域415には数式(上述の式(1))の計算結果(上述の数(2))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”に変換されたコマンド“<math><mi> 8</mi>・・・</math>”が表示されることとなる。また、翻訳コマンド確認領域416には上記の計算結果(上述の数(2))が表示されることとなる。
【0062】
以上説明したように、翻訳サーバ10のCPU11は、数式を記述するための入力形式の言語(第1言語)でコマンド入力画面41のコマンド入力領域411にコマンド(第1記述内容)が入力された場合に、入力形式の言語とは異なる出力形式の言語(第2言語)に翻訳されたコマンド(第2記述内容)を翻訳コマンド出力領域415に表示させるとともに、翻訳コマンド出力領域415に表示されたコマンド(第2記述内容)に従った数式を翻訳コマンド確認領域416に表示させる。
したがって、CPU11によれば、入力形式の言語(数式記述言語)とは異なる出力形式の言語に翻訳されたコマンドを翻訳コマンド出力領域415に表示させるとともに、翻訳コマンド出力領域415に表示されたコマンドに従った数式を翻訳コマンド確認領域416に表示させるので、上記の翻訳を通じて種々の数式記述言語を分かりやすく学習する機会を提供することができる。
【0063】
また、翻訳サーバ10によれば、出力形式の言語に翻訳されたコマンド(第2記述内容)を翻訳コマンド出力領域415に表示させる場合に、当該コマンドを、入力形式の言語で入力されたコマンド(第1記述内容)に対応する内容であって出力形式の言語に翻訳された内容とするか、入力形式の言語で入力されたコマンドに従った数式を計算した値を表す内容であって出力形式の言語に翻訳された内容とするかをユーザが予め選択可能であるので、種々の数式記述言語をより分かりやすく学習できるようにすることができる。
【0064】
また、CPU11は、出力形式の言語に翻訳されたコマンド(第2記述内容)を入力形式の言語で入力されたコマンド(第1記述内容)に対応する内容であって出力形式の言語に翻訳された内容とする設定がなされた場合、出力形式の言語に翻訳されたコマンド(第2記述内容)に従った数式を翻訳コマンド確認領域416に表示させる。
したがって、CPU11によれば、入力形式の言語で入力されたコマンド(第1記述内容)に対応する内容であって出力形式の言語に翻訳された内容のコマンド(第2記述内容)が翻訳コマンド出力領域415に表示される場合、当該コマンドに従った数式が翻訳コマンド確認領域416に表示されるので、種々の数式記述言語をより一段と分かりやすく学習できるようにすることができる。
【0065】
また、CPU11は、出力形式の言語に翻訳されたコマンド(第2記述内容)を入力形式の言語で入力されたコマンドに従った数式を計算した値を表す内容であって出力形式の言語に翻訳された内容とする設定がなされた場合、当該数式を計算した値を翻訳コマンド確認領域416に表示させる。
したがって、CPU11によれば、入力形式の言語で入力されたコマンドに従った数式を計算した値を表す内容であって出力形式の言語に翻訳された内容のコマンド(第2記述内容)が翻訳コマンド出力領域415に表示される場合、当該数式を計算した値が翻訳コマンド確認領域416に表示されるので、種々の数式記述言語をより一段と分かりやすく学習できるようにすることができる。
【0066】
また、CPU11は、出力形式の言語に翻訳されたコマンドに従った数式を翻訳コマンド確認領域416に表示させ、入力形式の言語で入力されたコマンドに従った数式を確認領域(第3出力領域)413に表示させる。
したがって、CPU11によれば、コマンド入力領域411に入力されたコマンドに従った数式を確認領域413に表示させることによって、コマンド入力領域411に入力されたコマンドの入力ミスの有無を確認することができるので、種々の数式記述言語をより分かりやすく学習できるようにすることができる。
【0067】
また、翻訳サーバ10によれば、出力形式の言語に翻訳されたコマンドを翻訳コマンド出力領域415に表示に表示させる場合に、翻訳コマンド確認領域416に表示させる出力対象をコマンドに従った数式とするかコマンドに従った数式を計算した値とするかをユーザが予め選択可能であるので、種々の数式記述言語をより一段と分かりやすく学習できるようにすることができる。
【0068】
また、翻訳サーバ10によれば、コマンド入力領域411、翻訳コマンド出力領域415、翻訳コマンド確認領域416及び確認領域413が一つのコマンド入力画面(表示画面)41内に設けられている。
したがって、翻訳サーバ10によれば、コマンド入力領域411に入力されたコマンド、確認領域413に表示された、コマンド入力領域411に入力されたコマンドに従った数式、翻訳コマンド出力領域415に表示された、出力形式の言語に翻訳されたコマンド、及び、翻訳コマンド確認領域416に表示された当該コマンドに従った数式(又は当該コマンドに従った数式を計算した値)のそれぞれを対比しやすくすることができるので、種々の数式記述言語をより一段と分かりやすく学習できるようにすることができる。
【0069】
また、翻訳サーバ10によれば、コマンド入力画面41内において、コマンド入力領域411と確認領域413とが互いに隣接する位置に設けられるとともに、翻訳コマンド出力領域415と翻訳コマンド確認領域416とが互いに隣接する位置に設けられている。
したがって、翻訳サーバ10によれば、コマンド入力領域411に入力されたコマンド、確認領域413に表示された、コマンド入力領域411に入力されたコマンドに従った数式、翻訳コマンド出力領域415に表示された、出力形式の言語に翻訳されたコマンド、及び、翻訳コマンド確認領域416に表示された当該コマンドに従った数式(又は当該コマンドに従った数式を計算した値)のそれぞれをより対比しやすくすることができる。
【0070】
また、翻訳サーバ10によれば、数式を記述するための複数種の言語のうちから入力出力形式の言語をユーザが選択可能であるので、ユーザ所望の数式記述言語をより分かりやすく学習できるようにすることができる。
【0071】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0072】
例えば、上記実施形態では、第1プルダウン412の操作に基づいてコマンド入力領域411に入力されるコマンドの入力形式を選択するようにしているが、機械学習を使用することにより、コマンド入力領域411に入力されたコマンドから当該コマンドの入力形式を推定するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、数式記述言語翻訳処理(
図5参照)において、設定されているモードが「計算モード」であるか「変換モード」であるかにかかわらず、ステップS6の処理でコマンドを入力形式から共通形式に変換しているが、ステップS7の判定処理により、設定されているモードが「計算モード」であると判定された場合(ステップS7;YES)にのみステップS2で受け付けたコマンドを入力形式から共通形式に変換するようにしてもよい。即ち、設定されているモードが「計算モード」でないと判定された場合(ステップS7;No)には、ステップS2で受け付けたコマンドを共通形式を介することなく選択された出力形式(数式記述言語)に変換するようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、設定されているモードが「計算モード」である場合、
図7に示すように、確認領域413には、コマンド入力領域411に入力されたコマンドに従った数式が表示されるようになっているが、
図9に示すように、例えば第2の確認領域419を設け、当該コマンドに従った数式を計算した値(計算結果)をこの第2の確認領域419に表示できるようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、設定されているモードが「計算モード」である場合、
図7に示すように、翻訳コマンド出力領域415にはコマンドに従った数式(上述の式(1))の計算結果(上述の数(2))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”のコマンド“<math><mi> 8</mi>・・・</math>”が表示されるようになっているが、
図10に示すように、当該数式(上述の式(1))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”に変換されたコマンド“<math><msubsup>・・・</math>”が表示されるようにしてもよい。さらに、かかる場合には、翻訳コマンド出力領域415に表示される内容(コマンド)を、コマンドに従った数式(上述の式(1))の計算結果(上述の数(2))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”のコマンド“<math><mi> 8</mi>・・・</math>”とするか、当該数式(上述の式(1))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”に変換されたコマンド“<math><msubsup>・・・</math>”とするかをユーザが予め選択できるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、設定されているモード(「計算モード」又は「変換モード」)に応じて、翻訳コマンド出力領域415及び翻訳コマンド確認領域416に表示される内容を異ならせているが、例えば、
図11に示すように、第1の翻訳コマンド出力領域415A及び第2の翻訳コマンド出力領域415B並びに第1の翻訳コマンド確認領域416A及び第2の翻訳コマンド確認領域416Bをそれぞれ設け、第1の翻訳コマンド出力領域415Aには出力形式“MathML”に変換されたコマンド“<math><msubsup>・・・</math>”が表示され、第2の翻訳コマンド出力領域415Bには当該コマンドに従った数式(上述の式(1))の計算結果(上述の数(2))を表すコマンドであって、出力形式“MathML”に変換されたコマンド“<math><mi> 8</mi>・・・</math>” が表示されるようにしてもよい。また、第1の翻訳コマンド確認領域416Aには上記コマンドに従った数式(上述の式(1))が表示され、第2の翻訳コマンド確認領域416Bには上記の計算結果(上述の数(2))が表示されるようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、設定されているモードが「計算モード」である場合、第1プルダウン412により選択される入力形式と第2プルダウン414により選択される出力形式とは、異なる形式の数式記述言語であってもよいし、同じ形式の数式記述言語であってもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、数式記述言語翻訳処理(
図5参照)において、設定されているモードが「計算モード」である場合、コマンド入力領域411に入力されたコマンドに従った数式の計算を、計算サーバ20が行うようになっているが、翻訳サーバ10が行うようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、学習支援システム100により数式記述言語の翻訳に係る一連の動作が行われるようになっているが、スタンドアロンの端末装置により実現してもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13の非一時的な記録媒体を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【符号の説明】
【0081】
100 学習支援システム
10 翻訳サーバ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
14 通信部
20 計算サーバ
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
231 プログラム
24 通信部
30 端末装置
31 CPU
32 RAM
33 記憶部
331 プログラム
34 操作部
35 表示部
36 通信部