(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155487
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】口腔ケア装置及びこれに用いる歯ブラシ用部材
(51)【国際特許分類】
A46B 15/00 20060101AFI20241024BHJP
A61C 17/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A46B15/00 D
A46B15/00 K
A61C17/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070247
(22)【出願日】2023-04-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 第19回日本口腔ケア学会 総会・学術大会併設展示会 令和4年4月23,24日 第33回日本老年医学会 近畿地方会 令和4年11月12日
(71)【出願人】
【識別番号】591240685
【氏名又は名称】ハクゾウメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(74)【代理人】
【識別番号】100146503
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】藤本 賢二
(72)【発明者】
【氏名】山田 麻未
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB15
3B202BB06
3B202BE13
3B202CA09
3B202GA02
3B202GA03
(57)【要約】
【課題】 介助者等の使用者の更なる操作性が良く、介助を手際よく行うことが可能な口腔ケア装置及びこれに用いる歯ブラシ用部材を提供すること。
【解決手段】 ヘッド部21と、ハンドル部と、ヘッド部21とハンドル部とを接続するネック部とを有する歯ブラシと、ヘッド部21に向けて光を照射する照射部3と、ネック部の内部に形成され且つヘッド部21の吸引口から吸引した吸引物を外部へ排出する排出通路4とを備える。排出通路4は、ネック部の直線部24の内部に形成された第1通路41と、ネック部のハンドル側端部25の内部で第1通路41と交差して接続する第2通路42と、第2通路42と接続し且つハンドル部の外部で吸引チューブと接続する接続口29とを有する。光源30は、光の中心が直線部24内に位置し且つ第1通路41の中心軸と一致しないようにハンドル部内に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部と、使用者が把持するハンドル部と、前記ヘッド部と前記ハンドル部とを接続するネック部とを有する歯ブラシと、
前記ハンドル部の光源から前記ヘッド部に向けて光を照射する照射部と、
前記ネック部の内部に形成され且つ前記ヘッド部の吸引口から吸引した吸引物を外部へ排出する排出通路とを備えた口腔ケア装置であって、
前記排出通路は、前記ネック部の直線部の内部に形成された第1通路と、前記ネック部のハンドル側端部の内部で前記第1通路と交差して接続する第2通路と、前記第2通路と接続し且つ前記ハンドル部の外部で吸引チューブと接続する接続口とを有し、
前記光源は、前記光の中心が前記直線部内に位置し且つ前記第1通路の中心軸と一致しないように前記ハンドル部内に配置されている口腔ケア装置。
【請求項2】
前記ネック部の上面には、前記第2通路と連通する開口部が設けられてあり、前記第2通路は前記第1通路に直交させてあり、前記第2通路を挟んで対向する前記ネック部の両側面には、前記開口部の下側に窪み部が設けられてあり、前記第2通路の一方の端部には、前記第2通路に直交し且つ前記ハンドル部の長手方向に沿う第3通路が設けられてあり、前記第3通路の端部には前記接続口が設けられている請求項1記載の口腔ケア装置。
【請求項3】
前記ヘッド部は、前記直線部に対し前記開口部を有する前記ネック部の上面側へ向けて傾斜させてある請求項2記載の口腔ケア装置。
【請求項4】
前記光の中心を前記直線部の中心軸と一致させると共に前記第1通路の中心軸を前記直線部の中心軸よりも前記上面側に位置させてある請求項3記載の口腔ケア装置。
【請求項5】
前記ヘッド部と前記直線部は一体成形されてあり、前記ネック部は前記ハンドル部に対し着脱可能であり、前記光源は、前記ハンドル部の端部に設けられてあり、前記ネック部の前記ハンドル側端部の内部には、前記第1通路と前記第2通路との交差部近傍に前記端部を収容する収容部が設けられている請求項1~4のいずれかに記載の口腔ケア装置。
【請求項6】
前記ヘッド部と前記ネック部は、透光性を有する材料よりなる請求項5記載の口腔ケア装置。
【請求項7】
前記ヘッド部にスポンジ部材又は刷毛を設けてある請求項6記載の口腔ケア装置。
【請求項8】
請求項1~4のいずれかに記載の口腔ケア装置に用いる歯ブラシ用部材であって、
前記排出通路は、前記直線部の内部に形成された第1通路と、前記ハンドル側端部の内部で前記第1通路と交差して接続する第2通路と、前記第2通路と接続し且つ前記ハンドル部の外部で吸引チューブと接続する接続口とを有し、
前記ネック部の前記ハンドル側端部内に、前記光の中心が前記直線部内に位置し且つ前記第1通路の中心軸と一致しないように前記光源を配置する収容部が形成されている歯ブラシ用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔ケア装置及びこれに用いる歯ブラシ用部材に関する。さらに詳しくは、ヘッド部と、使用者が把持するハンドル部と、前記ヘッド部と前記ハンドル部とを接続するネック部とを有する歯ブラシと、前記ハンドル部の光源から前記ヘッド部に向けて光を照射する照射部と、前記ネック部の内部に形成され且つ前記ヘッド部の吸引口から吸引した吸引物を外部へ排出する排出通路とを備えた口腔ケア装置及びこれに用いる歯ブラシ用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述の如き口腔ケア装置として、例えば特許文献1に記載の如きものがしられている。この口腔保清用具は、吸引機構と照明機構とを備えているものの、吸引物を排出する中空管路がグリップ部を貫通して設けられ、LEDがグリップ部の下部に設けられている。しかしながら、介助者等の使用者の更なる操作性の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、介助者等の使用者の更なる操作性が良く、介助を手際よく行うことが可能な口腔ケア装置及びこれに用いる歯ブラシ用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る口腔ケア装置の特徴は、ヘッド部と、使用者が把持するハンドル部と、前記ヘッド部と前記ハンドル部とを接続するネック部とを有する歯ブラシと、前記ハンドル部の光源から前記ヘッド部に向けて光を照射する照射部と、前記ネック部の内部に形成され且つ前記ヘッド部の吸引口から吸引した吸引物を外部へ排出する排出通路とを備えた構成において、前記排出通路は、前記ネック部の直線部の内部に形成された第1通路と、前記ネック部のハンドル側端部の内部で前記第1通路と交差して接続する第2通路と、前記第2通路と接続し且つ前記ハンドル部の外部で吸引チューブと接続する接続口とを有し、前記光源は、前記光の中心が前記直線部内に位置し且つ前記第1通路の中心軸と一致しないように前記ハンドル部内に配置されていることにある。
【0006】
上記構成によれば、排出通路は、ネック部の直線部の内部に形成された第1通路と、ネック部のハンドル側端部の内部で第1通路と交差して接続する第2通路と、第2通路と接続し且つハンドル部の外部で吸引チューブと接続する接続口とを有する。これにより、排出通路がハンドル部を貫通することなく、ハンドル部の外部で吸引器に接続された吸引チューブと接続される。そして、光源は、光の中心がネック部の直線部内に位置し且つ第1通路の中心軸と一致しないようにハンドル部内に配置される。光の中心と第1通路の中心軸とをずらす(一致しない)ことで、ヘッド部へ照射される光が吸引物によって遮られることを抑制し、被介助者の口腔内をより見えやすくし、介助(歯磨き等)を行いやすくなる。しかも、上述の如く、排出通路がハンドル部を貫通することなく、ハンドル部の外部で吸引チューブと接続するので、介助者が吸引チューブを保持(把持)することもでき、操作性も良い。
【0007】
係る構成において、前記ネック部の上面には、前記第2通路と連通する開口部が設けられてあり、前記第2通路は前記第1通路に直交させてあり、前記第2通路を挟んで対向する前記ネック部の両側面には、前記開口部の下側に窪み部が設けられてあり、前記第2通路の一方の端部には、前記第2通路に直交し且つ前記ハンドル部の長手方向に沿う第3通路が設けられてあり、前記第3通路の端部に前記接続口が設けられているとよい。第1通路に直交する第2通路の一方の端部に開口部を設け且つ第2通路を挟んで対向するネック部の両側面の開口部の下側に窪み部を設けたので、
図7に示すように、介助者が第2通路と連通する開口部を人差し指で開口状態を調整して吸引量を調整することができる。その際、親指を窪み部に添えることで持ちやすくなり、作業し易くなる。しかも、第3通路が第2通路に直交し且つハンドル部の長手方向に沿って設けられているので、同図に示すように、介助者は人差し指と親指の間に吸引チューブとハンドルとを挟んで(纏めて)保持できるので、吸引チューブが歯磨きの邪魔になることもなく、歯ブラシの操作性もさらに向上する。
【0008】
加えて、前記ヘッド部は、前記直線部に対し前記開口部を有する前記ネック部の上面側へ向けて傾斜させてあるとよい。開口部を有するネック部の上面側へ向けて傾斜させることで、刷毛等の清掃部材を歯にフィットさせ易くなり、歯磨きがし易く磨き残しも抑制できる。
【0009】
しかも、前記光の中心を前記直線部の中心軸と一致させると共に前記第1通路の中心軸を前記直線部の中心軸よりも前記上面側に位置させてあるとよい。これにより、ネック部の上面側に第1通路が形成されるので、例えば刷毛等を設けたヘッド下面側に光を照射でき、ヘッド部(刷毛)をより明るく照らすことができる。
【0010】
上記いずれかの構成において、前記ヘッド部と前記直線部は一体成形されてあり、前記ネック部は前記ハンドル部に対し着脱可能であり、前記光源は、前記ハンドル部の端部に設けられてあり、前記ハンドル側端部の内部には、前記端部を前記交差部近傍に収容する収容部が設けられているとよい。これにより、ハンドル部の着脱によって光源を交差部近傍に配置でき、被介助者の口腔内をより明るく照らすことができる。
【0011】
また、前記ヘッド部と前記ネック部は、透光性を有する材料よりなる。これにより、照射部から照射された光がネック部を通過してヘッド部まで到達するので、被介助者の口腔内をより明るく照らすことができる。前記ヘッド部にスポンジ部材又は刷毛を設けるとよい。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る口腔ケア装置に用いる歯ブラシ用部材の特徴は、上記に記載の口腔ケア装置に用いる歯ブラシ用部材において、前記排出通路は、前記直線部の内部に形成された第1通路と、前記ハンドル側端部の内部で前記第1通路と交差して接続する第2通路と、前記第2通路と接続し且つ前記ハンドル部の外部で吸引チューブと接続する接続口とを有し、前記ハンドル側端部内に、前記光の中心が前記直線部内に位置し且つ前記第1通路の中心軸と一致しないように前記光源を前記第1通路と前記第2通路との交差部近傍に配置する収容部が形成されていることにある。
【発明の効果】
【0013】
上記本発明に係る口腔ケア装置及びこれに用いる歯ブラシ用部材の特徴によれば、介助者等の使用者の更なる操作性が良く、介助を手際よく行うことが可能となった。
【0014】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図6】光の経路と排出通路の位置関係を示す図である。
【
図7】介助者が歯ブラシを把持した状態を示す図である。
【
図8】清掃部材の他の例を示すヘッド部の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
(全体構成)
本発明に係る口腔ケア装置1は、主に介助者が使用するものであり、
図1に示すように、大略、ヘッド部21とハンドル部22とヘッド部21とハンドル部22とを接続するネック部23とを有する歯ブラシ2と、ヘッド部21に向けて光を照射する照射部3と、ネック部23の内部に形成され且つヘッド部21の吸引口21a,21bから吸引した吸引物を外部へ排出する排出通路4とを備える。排出通路4には、その端部に設けた接続口29に吸引チューブ7(以下、単にチューブと称する)を介して吸引器6が接続される。
【0017】
本発明において、照射部3(光源30)を設けたハンドル部22内部には、排出通路4は設けられていない。よって、上記特許文献1の如く、チューブ7をハンドル部22の端部に連結しないため、歯磨き時のチューブ7の扱い(取り回し)が問題となる。さらに、ネック部23内部に排出通路4を設けてあるので、排出通路4を通過する吸引物によって被介助者の口腔内が暗くならないように、照射部3(光源30)を配置する必要がある。
【0018】
下記で詳述するが、排出通路4の第1通路41と交差して接続する第2通路42にハンドル部22の外部でチューブ7と接続する接続口29を設けたので、介助の際にチューブ7を歯ブラシ2と一緒に把持できるので、チューブ7が歯磨きの邪魔にならずに操作性がよい。しかも、光の中心O1が第1通路41の中心軸O2と一致しないようにずらして光源30を配置してあるので、吸引物Sによって光が遮られることを抑制し、被介助者の口腔内が暗くならないよう照らすことができる。
【0019】
(ヘッド部21及び清掃部材5)
図1に示すように、本実施形態において、ヘッド部21には清掃部材5が設けられる。同図の例では、清掃部材5は、スポンジ部材51である。このスポンジ部材51には、ヘッド部21を挿入する挿入孔51aと、ヘッド部21の第2吸引口21bに対向する位置に一対の略円形の孔51bが設けられている。
【0020】
なお、この清掃部材5は、スポンジ部材51に限らず、
図8,9に示す如き刷毛52より構成しても構わない。係る場合、刷毛52は、ヘッド下面21dに形成された穴21eに固定される。
【0021】
このヘッド部21は、
図1,9に示すように、ネック部23の直線部24に対し開口部26を有するネック部23の上面23a側(ヘッド上面21c側)へ向けて傾斜させてある。この傾斜角θは、数度程度(例えば5°)である。ヘッド部21が傾斜していない(直線部24と同一直線上)と、介助の際に、清掃部材5の内、ヘッド部21の先端側しか被介助者の歯に当たらず、介助者は歯を磨きにくく磨き残しも生じやすい。ヘッド部21を数度傾斜させることで、ヘッド部21の先端側だけでなく、ヘッド部21の長手方向に沿って清掃部材5全体を歯にフィットさせ易くなり、介助者は歯磨きをし易く磨き残しも防止できる。特に、清掃部材5が刷毛52である場合、歯と歯肉の間に45°の角度で刷毛52を当てて歯磨きしやすくなる。
【0022】
(ハンドル部22及び照射部3)
ハンドル部22は、
図1に示すように、大略、略円筒状の本体部22aと、本体部22aより小径の先端部22bとを有する。本実施形態において、先端部22bの内部には、照射部3としてのLED等より構成される光源30が内蔵してあり、その光源30の電力となる乾電池やバッテリー等の電池31が本体部22aに収納されている。そして、本体部22aの末端部22cには、光源30のスイッチ32が設けられている。また、先端部22bの外面には、後述するネック部23の係合孔28に係合する突起部22dが一対形成されている。このように、本実施形態において、ハンドル部22はネック部23に対し着脱可能である。
【0023】
(ネック部23)
ネック部23は、
図1~4に示すように、直線部24とハンドル側端部としての基端部25とよりなる。本実施形態において、直線部24とヘッド部21とは一体成型されており、別の金型で成型した基端部25と分離不能に接続固定されている。このヘッド部21及びネック部23(直線部24及び基端部25)が、歯ブラシ用部材20を構成する。この歯ブラシ用部材20(ヘッド部21及びネック部23)は、例えば、透明のPET樹脂より成型される。被介助者の口腔内を照らすため、透明のPET樹脂に限らず、透光性を有する材料であればよい。そして、この歯ブラシ用部材20(ヘッド部21及びネック部23)の内部には、後述する排出通路4が形成されている。
【0024】
基端部25は、
図1に示すように、ハンドル部22を連結させる第1端部25aと、吸引器6に接続したチューブ7を連結させる第2端部25bとを有する。
【0025】
第1端部25aは、
図1~3に示すように、第1窪み部27aが上面23aに形成されていると共に、第1窪み部27aの下方の両側面23b,23bに第2窪み部27bが設けられている。そして、第1窪み部27aの略中央には、後述する第2通路42と連通する開口部26が形成されている。これにより、
図7に示すように、介助者は、第2窪み部27bに親指を添えると共に第1窪み部27aに人差し指を置いて開口部26の開口状態を調整する。このように、介助者は歯磨きをしながら片手(人差し指)で吸引量を調整できるので、操作性がよい。また、第2窪み部27bを両側面23b,23bにそれぞれ設けることで、介助者の右利き左利きに関係なく使い勝手もよい。
【0026】
また、第1端部25aには、
図3,4に示すように、ハンドル部22の先端部22bを収容する収容部25cと、先端部22bに設けられた突起部22dを通過させる溝部25dが設けられている。そして、両側面23b,23bには係合孔28が設けられており、溝部25dを通過した突起部22dを係合孔28に係合させることで連結状態がロックされる。本実施形態において、光源30はハンドル部22の先端部22bに設けてあるので、ハンドル部22を第1端部25aに取り付けることで、光源30を後述する第1通路41と第2通路42との交差部40近傍に配置することができる。
【0027】
第2端部25bは、
図1,3に示すように、ネック部23の下面23c側に設けられている。そして、この第2端部25bには、その下端部からハンドル部22の長手方向Xに沿って突出し且つチューブ7と接続する接続口29が設けられている。
【0028】
(排出通路4)
ここで、
図4~6を参照しながら、排出通路4について説明する。
図4に示すように、排出通路4は、直線部24の長手方向Xに沿って直線部24の内部に形成された第1通路41と、ネック部23の基端部(ハンドル側端部)25の内部で第1通路41と交差して接続する第2通路42とを有する。第1通路41の一端はヘッド部21の第1吸引口21aと連通し、他端側は第1端部25a内において、第2通路42に直交して接続されている。
【0029】
本実施形態において、第2通路42は、ネック部23の上面23aに形成された開口部26から長手方向Xに直交する直交方向Yに沿って第1端部25aを縦断し第2端部25bの下部にかけて形成されてあり、その端部は第2端部25b内において第2通路42に直交し且つハンドル部22の長手方向Xに沿う第3通路43に直交して接続されている。そして、第3通路43の端部には、先の接続口29が設けられている。
【0030】
ここで、第3通路43を含む接続口29はハンドル部22の下側(ネック部23の下面23c側)に位置するので、
図7に示すように、介助者は第1、第2窪み部27a,27bに指を添える際に、ハンドル部22(歯ブラシ2)と共にチューブ7も纏めて片手で把持することができる。よって、チューブ7が歯磨きの動作を阻害せずに操作性が極めてよい。
【0031】
また、
図5,6に示すように、光源30は、光の中心O1(光源30の中心)は直線部24の中心軸と一致するように先の収容部25cに配置されている。一方で、第1通路41の中心軸O2は、光の中心O1とは一致しておらず、直線部24の中心軸よりもネック部23の上面23a側に位置させてある。光源30から照射された光の一部は、直線部24を含むネック部23の肉厚部分を介してヘッド部21へ伝播する。このように、光の中心O1と第1通路41の中心軸O2とを一致しないように光源30を配置することで、吸引した吸引物Sによって光Lが遮られることを抑制し、被介助者の口腔内をより明るく照らし見やすくすることができる。しかも、第1通路41の中心軸O2を直線部24の中心軸よりもネック部23の上面23a側に位置するので、口腔内をより明るく照らすことができる。特に、
図8,9に示す如き清掃部材5が刷毛52である場合、刷毛52側に光の中心O1が位置するので、刷毛52側を照らすことができる。
【0032】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、照射部3としての光源30をハンドル部22の先端部22bに設け、ハンドル部22をネック部25に連結することで、先端部22b内の光源30をネック部23の基端部25内に配置した。しかし、ハンドル部22とネック部23の連結は上記実施形態に限られるものではなく、光源30をネック部23の基端部25内に配置できる態様であればよい。
【0033】
上記実施形態において、ヘッド部21の第1、第2吸引口21a,21bは
図1及び
図8に示すように、清掃部材5によって適宜形状を変更してもよく、口数もこれに限られない。また、歯を磨く清掃部材5としてスポンジ部材51や刷毛52を設けたが、清掃部材5は歯を磨くものであれば、上記実施形態のものに限られない。また、清掃部材5は必須ではなく、スポンジ部材51や刷毛52を省略し唾液や食物残渣等を吸引する吸引口を設けたヘッド部21であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
1:口腔ケア装置、2:歯ブラシ、3:照射部、4:排出通路、5:清掃部材、6:吸引器、7:吸引チューブ、20:歯ブラシ用部材、21:ヘッド部、21a:第1吸引口、21b:第2吸引口、21c:ヘッド上面、21d:ヘッド下面、21e:穴、22:ハンドル部、22a:本体部、22b:先端部、22c:末端部、22d:突起部、23:ネック部、23a:上面、23b:側面、23c:下面、24:直線部、25:基端部(ハンドル側端部)、25a:第1端部、25b:第2端部、25c:収容部、25d:溝部、26:開口部、27a:第1窪み部、27b:第2窪み部、28:係合孔、29:接続口、30:光源、31:電池、32:スイッチ、40:交差部、41:第1通路、42:第2通路、43:第3通路、51:スポンジ部材、51a:挿入孔、51b:孔、52:刷毛、L:光、S:吸引物、O1:光の中心、O2:第1通路の中心軸、X:長手方向、Y:直交方向、θ:傾斜角