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特開2024-155498シール部材、スピンドルモータ及びハードディスク駆動装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155498
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】シール部材、スピンドルモータ及びハードディスク駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/74 20060101AFI20241024BHJP
   F16C 17/10 20060101ALI20241024BHJP
   F16J 15/447 20060101ALI20241024BHJP
   H02K 5/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F16C33/74 Z
F16C17/10 A
F16J15/447
H02K5/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070259
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】昭和 秀明
【テーマコード(参考)】
3J011
3J042
3J216
5H605
【Fターム(参考)】
3J011AA12
3J011BA04
3J011CA02
3J011JA02
3J011KA04
3J042AA04
3J042AA08
3J042BA05
3J042CA02
3J042CA10
3J042CA11
3J042CA17
3J042DA13
3J216AA06
3J216AA14
3J216AB10
3J216BA30
3J216CB06
3J216CB15
3J216CC01
3J216CC25
3J216CC33
5H605AA02
5H605AA03
5H605BB05
5H605BB17
5H605BB19
5H605CC10
5H605DD09
5H605DD17
5H605EB06
5H605EB31
5H605GG01
5H605GG07
(57)【要約】
【課題】スピンドルモータにおいて静止部材と静止部材に対して回転する回転部材の間の隙間を小さくする。
【解決手段】静止部10と、静止部10に対して回転軸を中心にして回転する回転部20と、を備えるスピンドルモータ3に設けられ、静止部10に固定される固定部31と、静止部10と回転部20とに跨って設けられ、回転部20の回転状態に応じて回転部20の面から浮上する浮上部32と、を備え、浮上部32は、回転部20の面に対して傾斜する傾斜面35を有するシール部材30。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止部と、
前記静止部に対して回転軸を中心にして回転する回転部と、
を備えるスピンドルモータに設けられるシール部材であって、
前記静止部に固定される固定部と、
前記静止部と前記回転部とに跨って設けられ、前記回転部の回転状態に応じて前記回転部の面から浮上する浮上部と、を備え、
前記浮上部は、前記面に対して傾斜する傾斜面を有する、
シール部材。
【請求項2】
前記傾斜面は、連続する複数の斜面によって構成され、
前記複数の斜面が前記面に対して傾斜する角度はそれぞれ異なる請求項1に記載のシール部材。
【請求項3】
前記浮上部は、円環状である請求項1に記載のシール部材。
【請求項4】
前記浮上部は、円環状の環状溝を有する請求項1に記載のシール部材。
【請求項5】
前記傾斜面の法線は、前記回転軸方向視において前記回転軸の周方向を向いている請求項1に記載のシール部材。
【請求項6】
前記浮上部は、前記回転軸の径方向に突出する突出部を有し、
前記傾斜面は、前記突出部に設けられる請求項5に記載のシール部材。
【請求項7】
前記傾斜面の法線は、前記回転軸方向視において前記回転軸の径方向を向いている請求項1に記載のシール部材。
【請求項8】
前記傾斜面の法線は、前記回転軸方向視において前記回転軸の周方向と前記回転軸の径方向の両方に対して傾斜する、請求項1に記載のシール部材。
【請求項9】
前記面は、前記回転部の端面である、請求項1に記載のシール部材。
【請求項10】
前記面は、前記回転部の周面である、請求項1に記載のシール部材。
【請求項11】
請求項1から10の何れか一項に記載のシール部材を備えるスピンドルモータ。
【請求項12】
請求項11に記載のスピンドルモータを備えるハードディスク駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール部材、スピンドルモータ及びハードディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブの内部には、高い清浄度が求められる。従って、ハードディスクドライブに用いられるスピンドルモータは、モータ内部で発生するアウトガスやパーティクル(微粒子状異物)がモータ外部へ流出する量が少ない方がよい。
【0003】
例えば、特許文献1には、静止部材の一部である軸部材にカバー部材であるシールキャップを設けたスピンドルモータが開示されている。シールキャップを設けることによって、静止部材と静止部材に対して回転する回転部材の間の隙間が小さくなる。その結果、潤滑油及び気化した潤滑油がモータ外部に流出しにくくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-193840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、静止部材と回転部材の間には隙間が必要なため、隙間の大きさよりも小さいアウトガスやパーティクルの流出を防ぐことは困難である。
【0006】
本発明は、スピンドルモータにおいて静止部材と静止部材に対して回転する回転部材の間の隙間を小さくする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、静止部と、前記静止部に対して回転軸を中心にして回転する回転部と、を備えるスピンドルモータに設けられるシール部材であって、前記静止部に固定される固定部と、前記静止部と前記回転部とに跨って設けられ、前記回転部の回転状態に応じて前記回転部の面から浮上する浮上部と、を備え、前記浮上部は、前記面に対して傾斜する傾斜面を有するシール部材が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スピンドルモータにおいて静止部材と静止部材に対して回転する回転部材の間の隙間を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ハードディスク駆動装置1の斜視図である。
図2】スピンドルモータ3の部分断面図である。
図3図2のIII部の拡大図である。
図4】(a)がシール部材30の上面図、(b)が下面図である。
図5】(a)が図4(a)のA方向から見たシール部材30の部分側面図であり、(b)が傾斜面35に対して周方向の気流が流れる様子を示す図である。
図6】(a)が図4(a)のB-B断面図であり、(b)がb部の拡大図、(c)がc部の拡大図である。
図7図2のVII部の拡大図である。
図8】(a)が変形例2のシール部材30の上面図、(b)が下面図である。
図9】(a)が図8(a)のC-C断面図であり、(b)がb部の拡大図、(c)がc部の拡大図である。
図10図2のX部の拡大図である。
図11】(a)が変形例3のシール部材30の上面図、(b)が下面図である。
図12】(a)が図11(a)のD-D断面図であり、(b)がb部の拡大図、(c)がc部の拡大図である。
図13】(a)が変形例3のシール部材30の上面図、(b)が下面図である。
図14】(a)が図13(a)のE-E断面図であり、(b)がb部の拡大図、(c)がc部の拡大図である。
図15】(a)が変形例4のシール部材30の上面図、(b)が下面図である。
図16】(a)が図15(a)のF-F断面図であり、(b)がb部の拡大図、(c)がc部の拡大図である。
図17】(a)が変形例4のシール部材30の上面図、(b)が下面図である。
図18】(a)が図17(a)のG-G断面図であり、(b)がb部の拡大図、(c)がc部の拡大図である。
図19図2のIII部に変形例4のシール部材30を適用した場合の拡大図である。
図20図2のX部に変形例4のシール部材30を適用した場合の拡大図である。
図21】(a)が変形例5のシール部材30の上面図、(b)が下面図である。
図22】(a)が図21(a)のH-H断面図であり、(b)がb部の拡大図である。
図23】第2の実施形態に係るシール部材230を備えるスピンドルモータ3の部分断面図である。
図24図23のXXIV部の拡大図である。
図25図23のXXV部の拡大図である。
図26】(a)がシール部材230の上面図、(b)が下面図である。
図27】(a)が図26(a)のI-I断面図であり、(b)がb部の拡大図である。
図28図23のXXVIII部の拡大図である。
図29図23のXXIX部の拡大図である。
図30】(a)が変形例11のシール部材230の断面図であり、(b)がb部の拡大図である。
図31図23のXXIV部に変形例11のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図32】(a)が変形例11のシール部材230の断面図であり、(b)がb部の拡大図である。
図33図23のXXIV部に変形例11のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図34】(a)が変形例12のシール部材230の断面図であり、(b)がb部の拡大図である。
図35図23のXXIV部に変形例12のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図36】(a)が変形例13のシール部材230の断面図であり、(b)がb部の拡大図である。
図37図23のXXIV部に変形例13のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図38】(a)が変形例13のシール部材230の断面図であり、(b)がb部の拡大図である。
図39図23のXXV部に変形例13のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図40図23のXXIX部に変形例13のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図41図23のXLI部に変形例14のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図42図23のXLII部に変形例15のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図43図23のXXIX部に変形例16のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図44図23のXLI部に変形例17のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図45】(a)が変形例18のシール部材230の上面図、(b)が下面図である。
図46図23のXLII部に変形例19のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図47図23のXLI部に変形例19のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図48図23のXLI部に変形例19のシール部材230を適用した場合の拡大図である。
図49】(a)が第3の実施形態に係るシール部材330の上面図、(b)が下面図である。
図50図49(a)のJ方向から見たシール部材330の部分側面図である。
図51図49(a)のK方向から見たシール部材330の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
=第1の実施形態=
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
図1は、ハードディスク駆動装置1の構成を示す斜視図である。図2は、ハードディスク駆動装置1に用いられるスピンドルモータ3の一例を示す部分断面図である。
【0012】
ここで、図2等に示すように、後述するシャフト50の中心軸に平行な方向を軸方向、シャフト50の中心軸周りの方向を周方向、軸方向に垂直な方向を径方向とする。また、説明のために軸方向を上下方向とし、静止部10に対して回転部20側を上、静止部10側を下とする。
【0013】
<ハードディスク駆動装置>
ハードディスク駆動装置1は、筐体2と、スピンドルモータ3と、記録ディスク4と、軸受装置5と、を備える。
【0014】
筐体2は、ケース6と、カバー7と、を備える。ケース6は、略直方体の一方の面が開放された有底の箱状の形状を有する。カバー7は、ケース6の開放された面を塞ぐ板状の部材である。カバー7は、ねじ7Aを用いてケース6に締結される。ケース6とカバー7との間には図示しないシール手段が設けられ、これにより、カバー7は、ケース6と共に密閉された内部空間Sを有する筐体2を形成する。
【0015】
筐体2の内部空間Sには、空気、あるいは空気よりも密度の低いヘリウムガスが充填されている。なお、内部空間Sには、空気やヘリウムガスの他に、例えば窒素ガス、もしくはヘリウムと窒素との混合ガスが充填されてもよい。内部空間Sには、スピンドルモータ3と、記録ディスク4と、軸受装置5とが収容される。
【0016】
スピンドルモータ3は、複数の記録ディスク4を回転可能に支持する。なお、スピンドルモータ3の詳細な構造については、後述する。
【0017】
記録ディスク4は、複数設けられ、それぞれのディスク面が対向するようにスピンドルモータ3に支持される。それぞれの記録ディスク4の間には、隙間が形成される。
【0018】
軸受装置5は、それぞれの記録ディスク4の間の隙間に配置される複数のスイングアーム8を揺動可能に支持する。
【0019】
スイングアーム8は、先端部に磁気ヘッド9を有する。磁気ヘッド9は、記録ディスク4に磁気を与え、また、記録ディスク4から磁気を読み取る。スイングアーム8が揺動すると、磁気ヘッド9は、記録ディスク4の上を移動する。
【0020】
スピンドルモータ3が回転すると、記録ディスク4も回転する。その状態で、スイングアーム8が揺動すると、磁気ヘッド9は、回転する記録ディスク4の上を移動する。そして、磁気ヘッド9は、記録ディスク4に磁気を与え、記録ディスク4にデータを記録する。また、磁気ヘッド9は、記録ディスク4から磁気を読み取って、記録ディスク4に記憶されたデータの読み出しを行う。
【0021】
<スピンドルモータ>
続いて、スピンドルモータ3の詳細な構成について説明する。図2は、スピンドルモータ3と、記録ディスク4と、カバー7の部分断面図である。スピンドルモータ3は、静止部10と、軸受機構を介して静止部10に対して回転する回転部20と、シール部材30と、を備える。
【0022】
(静止部)
静止部10は、ベースプレート40と、シャフト50と、ステータコア60と、を有する。
【0023】
ベースプレート40は、金属製の部材である。ベースプレート40には、貫通穴41と、円周溝部42と、円周壁部43とが形成される。
【0024】
貫通穴41は、シャフト50を固定するための穴である。貫通穴41は、ベースプレート40を軸方向に貫通するように設けられる。貫通穴41は、筒形で、筒の内径がシャフト50の外径と略同じかそれよりも大きい。
【0025】
円周溝部42は、貫通穴41の径方向外側に形成される。円周溝部42は、軸方向視で貫通穴41の中心軸と同軸となるように設けられる環状の溝である。
【0026】
円周壁部43は、軸方向視で円周溝部42の底面から軸方向上向きに突出する環状の壁面部として形成される。円周壁部43の径は、貫通穴41の径よりも大きい。
【0027】
シャフト50は、円柱棒状の金属製部材である。シャフト50には、下端部から順に、貫通穴挿入部51、第1取付部52、第2取付部53が形成されている。それぞれの部位は、軸方向に離間している。
【0028】
貫通穴挿入部51は、貫通穴41に挿入され、接合される。貫通穴挿入部51の外径が貫通穴41の径よりも大きい場合、貫通穴挿入部51は、例えば圧入によって貫通穴41に挿入され、接合される。このようにして、シャフト50がベースプレート40に固定され、接続される。なお、貫通穴挿入部51の外径が貫通穴41の径よりも小さい場合、貫通穴挿入部51は、貫通穴41に挿入された後、接着等の方法によって貫通穴41に接合される。
【0029】
第1取付部52には、下側円錐軸受部材71が固定され、第2取付部53には、上側円錐軸受部材72が固定される。下側円錐軸受部材71及び上側円錐軸受部材72は、円錐外面を有し、円錐外面が径方向外側を向いている。
【0030】
ステータコア60は、軸方向視で環状の電磁鋼板を軸方向に複数積層した部材である。ステータコア60は、円周溝部42の内部に配置され、接着等の方法によって固定される。ステータコア60は、径方向外側に延び、周方向に沿って複数配置される極歯(突極)を有する。極歯にはコイル61が巻き回されている。ステータコア60は、コイル61に電流が流れることによって磁束を発生させる。
【0031】
(回転部)
回転部20は、ロータハブ80と、ロータマグネット90と、エンドキャップ100と、クランプ122と、を有する。
【0032】
ロータハブ80は、シャフト50に対して回転する部材である。ロータハブ80は、内側円筒壁部81と、円板部82と、外側円筒壁部83と、外縁部84とを有する。
【0033】
内側円筒壁部81は、略円筒形状の部材である。内側円筒壁部81の中心(ロータハブ80の回転中心にあたる部分)には、軸方向にロータハブ80を貫通するロータハブ貫通穴85が形成される。ロータハブ貫通穴85には、シャフト50が挿通される。ロータハブ貫通穴85は、下側の端部に下側円錐内面86を、上側の端部に上側円錐内面87を、それぞれ有する。
【0034】
下側円錐内面86は、微小隙間110aを介して下側円錐軸受部材71と対向する。また、上側円錐内面87は、微小隙間110bを介して上側円錐軸受部材72と対向する。
【0035】
円板部82は、軸方向視で内側円筒壁部81の中心と同軸となるような円盤状の部材である。円板部82は、内側円筒壁部81から径方向外側に向かって形成される。
【0036】
外側円筒壁部83は、径方向に厚さを有する円筒状の部材である。外側円筒壁部83は、軸方向視で内側円筒壁部81の中心と同軸となるように設けられ、軸方向下向きに突出する。外側円筒壁部83は、円板部82の外縁に設けられる。
【0037】
外縁部84は、環状の部材である。外縁部84は、外側円筒壁部83の下端に設けられる。外縁部84は、外側円筒壁部83から径方向外側に突出し、フランジ状に形成される。外縁部84の上方且つ外側円筒壁部83の径方向外側には、複数の記録ディスク4が設置される。
【0038】
複数の記録ディスク4は、軸方向に積み重ねられるように設置される。軸方向に隣接する2枚の記録ディスク4の間には、スペーサ120が配置され、隙間が形成される。つまり、記録ディスク4とスペーサ120は、軸方向に交互に積み重ねられる。そのように積み重ねられた複数の記録ディスク4とスペーサ120は、ロータハブ80の上面にねじ121で取り付けられたクランプ122によって、ロータハブ80に固定される。
【0039】
ロータマグネット90は、軸方向視で周方向に沿って極性がN,S,N,S…と反転する状態で着磁された磁極構造を有する環状の部材である。ロータマグネット90は、外側円筒壁部83の内周面に取り付けられている。ロータマグネット90は、軸方向においてステータコア60と略同一の位置にある。
【0040】
エンドキャップ100は、内側円筒壁部81に固定される環状の部材である。エンドキャップ100は、軸方向視で中心に貫通穴が設けられている。エンドキャップ100の貫通穴には、シャフト50が挿通される。エンドキャップ100とシャフト50との間には、エンドキャップ100によってロータハブ80の回転が妨げられないように、微小な隙間が形成される。エンドキャップ100は、接着、または接着及び圧入によって、ロータハブ80の内側円筒壁部81の上端と下端にそれぞれ固定される。
【0041】
微小隙間110aと、微小隙間110bには、潤滑油が充填される。さらに、下側円錐内面86と下側円錐軸受部材71の少なくとも何れか一方、及び、上側円錐内面87と上側円錐軸受部材72の少なくとも何れか一方には、動圧発生溝(不図示)が形成される。これにより、流体動圧軸受111が形成される。
【0042】
シール部材30は、静止部10と回転部20とに跨って設けられる部材である。シール部材30は、例えば、図3の上部に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。また、シール部材30は、図3の下部に示すように、上側円錐軸受部材72と内側円筒壁部81とに跨って設けられる。シール部材30は、図4に示すように、軸方向視で円環状の部材である。シール部材30は、固定部31と、浮上部32と、を有する。
【0043】
固定部31は、静止部10に固定される部材である。図4に示すように、固定部31は、軸方向視で円環状の部材である。固定部31は、下面側において径方向の最も内側から外側に向かって一定の領域又は全てが静止部10に固定される。固定部31は、接着、溶着などの方法で静止部10に固定される。なお、図3の上部に示すシール部材30の固定部31は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定される。また、図3の下部に示すシール部材30の固定部31は、上側円錐軸受部材72の上面に固定される。
【0044】
浮上部32は、静止部10と回転部20とに跨って設けられる部材である。浮上部32は、軸方向視で円環状の部材である。浮上部32は、固定部31から径方向外側に連続して形成され、固定部31の径方向外側の縁から径方向外側に向かって延びる。浮上部32の下面は、回転部20が静止している状態において回転部20の端面と接触する。ここで、回転部20の端面とは、回転部20の軸方向端部に形成される面を指す。図3の上部に示すシール部材30の浮上部32の下面は、エンドキャップ100の上側端面100Aと接触する。また、図3の下部に示すシール部材30の浮上部32の下面は、内側円筒壁部81の上側端面81Aと接触する。浮上部32は、突出部33と、環状溝34と、を有する。
【0045】
突出部33は、浮上部32において、径方向に突出するように形成された部位である。図3に示す2つのシール部材30においては、突出部33は、浮上部32の円状の外周部から、径方向外側に突出して設けられる。突出部33は、周方向に等間隔となるように3つ設けられる(この場合、突出部33は、120度毎に設けられる。)。なお、突出部33は、3つ以上設けられることが好ましい。また、隣り合う2つの突出部33の間隔は、等間隔であることが好ましい。突出部33は、下面側に傾斜面35を有する。
【0046】
傾斜面35は、突出部33の下面側に設けられる。傾斜面35は、浮上部32が接触する回転部20の端面に対して傾斜する面である。図3の上部に示すシール部材30の傾斜面35は、エンドキャップ100の上側端面100Aに対して傾斜する。また、図3の下部に示すシール部材30の浮上部32の下面は、内側円筒壁部81の上側端面81Aに対して傾斜する。図5に示すように、傾斜面35は、連続する複数の斜面35A、35B及び35Cによって構成される。2つのシール部材30のそれぞれの浮上部32が接触する上側端面100A又は端面81Aに対して、斜面35A、35B及び35Cが傾斜する角度は、それぞれ異なる。図4に示すように、斜面35A、35B及び35Cの法線L1、L2及びL3は、軸方向視において周方向を向いている。
【0047】
環状溝34は、円環状の溝である。図6に示すように、環状溝34は、浮上部32の下面に設けられる。環状溝34は、径方向において浮上部32の一部の領域に設けられる。なお、環状溝34の幅は、径方向において静止部10と回転部20の間に形成される隙間の幅と同じ大きさであることが好ましい。
【0048】
<スピンドルモータの動作>
コイル61に通電した場合、ロータマグネット90の磁極とステータコア60の極歯との間で生じる磁気吸引力と磁気反発力とが切り替わる。その結果、回転部20は、シャフト50を中心にして回転する。
【0049】
回転部20のロータハブ80が高速で回転することにより、下側円錐内面86と下側円錐軸受部材71の間の微小隙間110a、及び、上側円錐内面87と上側円錐軸受部材72の間の微小隙間110bに充填された潤滑油は、動圧発生溝によって加圧される。その結果、流体動圧軸受111には、動圧が発生する。発生した動圧によって、ロータハブ80は、シャフト50、下側円錐軸受部材71及び上側円錐軸受部材72に対して非接触状態で支持されながら回転する。
【0050】
<シール部材の状態>
続いて、スピンドルモータ3の動作状態毎のシール部材30の状態について詳細に説明する。初めに、スピンドルモータ3が静止状態の場合について説明する。スピンドルモータ3が静止状態の場合、シール部材30は、静止部10と回転部20とに跨って設けられているため、静止部10と回転部20との隙間を塞いでいる。例えば、図3の上部に示すシール部材30の固定部31は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定されている。また、浮上部32の下面は、環状溝34が形成されている部分及び突出部33を除き、エンドキャップ100の上側端面100Aと接触する。このようにして、シール部材30は、シャフト50とエンドキャップ100の間に形成される隙間を塞いでいる。一方、図3の下部に示すシール部材30の固定部31は、上側円錐軸受部材72の上面に固定されている。また、浮上部32の下面は、環状溝34が形成されている部分及び突出部33を除き、内側円筒壁部81の上側端面81Aと接触する。このようにして、シール部材30は、上側円錐軸受部材72と内側円筒壁部81の間に形成される隙間を塞いでいる。
【0051】
次に、スピンドルモータ3が回転状態の場合について説明する。スピンドルモータ3が回転すると、図4(a)及び図5(b)の破線矢印で示すように、周方向の気流が発生する。図5(b)に示すように、周方向の気流が傾斜面35に向かって流れると、周方向の気流は、斜面35A、35B及び35Cに沿って流れる。すると、図3の上部に示すシール部材30において、周方向の気流は、突出部33をエンドキャップ100の上側端面100Aから微小な距離だけ持ち上げる。その結果、突出部33と径方向に連続する浮上部32において、浮上部32の下面は、エンドキャップ100の上側端面100Aから微小な距離だけ浮上する。また、図3の下部に示すシール部材30において、周方向の気流は、突出部33を内側円筒壁部81の上側端面81Aから微小な距離だけ持ち上げる。その結果、突出部33と径方向に連続する浮上部32において、浮上部32の下面は、内側円筒壁部81の上側端面81Aから微小な距離だけ浮上する。
【0052】
つまり、スピンドルモータ3の回転状態に応じて、浮上部32は、回転部20から浮上し、微小な距離だけ離間する。一方、図3の上部に示すシール部材30において、固定部31は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定されている。また、図3の下部に示すシール部材30において、固定部31は、上側円錐軸受部材72の上面に固定されている。つまり、シール部材30の固定部31は、静止部10に固定されているため浮上しない。その結果、シール部材30は、固定部31が静止部10に固定された状態で浮上部32が回転部20から浮上するため、回転部20の回転を妨げない。また、図3の上部に示すシール部材30において、浮上部32の下面が上側端面100Aから離間する距離、及び、図3の下部に示すシール部材30において、浮上部32の下面が内側円筒壁部81の上側端面81Aから離間する距離がどちらも微小であるため、浮上部32が離間する際に形成される隙間を通じて流出するアウトガスやパーティクルの量は、少ない。
【0053】
<変形例>
なお、シール部材30は、以下に説明する各変更点を組み合わせたものでもよい。
【0054】
(1)変形例1
シール部材30は、上下反転された状態でスピンドルモータ3に取り付けられてもよい。例えば、図7に示すように、シール部材30は、下側円錐軸受部材71と内側円筒壁部81とに跨って設けられる。この場合、浮上部32の上面は、内側円筒壁部81の下側端面81Bと接触する。また、突出部33は、上面側に傾斜面35を有する。そして、環状溝34は、浮上部32の上面側に設けられる。
【0055】
(2)変形例2
シール部材30は、軸方向視において、径方向内側に回転部20、径方向外側に静止部10となる部位に対して取り付けられるように構成されてもよい。つまり、図8図9に示すように、シール部材30は、軸方向視において、径方向外側から固定部31、浮上部32、突出部33の順となるように構成されてもよい。このようなシール部材30は、例えば、図10に示すように、ベースプレート40とロータハブ80の外縁部84に跨って設けられる。
【0056】
(3)変形例3
シール部材30は、突出部33を有していなくてもよい。この場合、図11から図14に示すように、浮上部32が軸方向視で円環状に形成され、傾斜面35は、浮上部32の下面側に設けられる。例えば、図11及び図12に示すシール部材30において、傾斜面35は、浮上部32の下面側且つ環状溝34よりも径方向外側に設けられる。なお、傾斜面35は、浮上部32の径方向外側に設けられることが好ましい。
【0057】
また、図13及び図14に示すシール部材30において、傾斜面35は、浮上部32の下面側且つ環状溝34よりも径方向内側に設けられる。このシール部材30は、軸方向視において、径方向外側から固定部31、浮上部32の順となるように構成されている。なお、傾斜面35は、浮上部32の径方向内側に設けられることが好ましい。
【0058】
(4)変形例4
図15から図18に示すように、傾斜面35は、環状溝34に設けられてもよい。例えば、図15及び図16に示すシール部材30において、傾斜面35は、環状溝34の径方向外側の壁面に沿って設けられる。なお、傾斜面35は、環状溝34において径方向外側の領域に設けられることが好ましい。このようなシール部材30は、例えば、図19の上側に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。
【0059】
また、図17及び図18に示すシール部材30において、傾斜面35は、環状溝34の径方向内側の壁面に沿って設けられる。このシール部材30は、軸方向視において、径方向外側から固定部31、浮上部32の順となるように構成されている。なお、傾斜面35は、環状溝34において径方向内側の領域に設けられることが好ましい。このようなシール部材30は、例えば、図20に示すように、ベースプレート40と外縁部84とに跨って設けられる。
【0060】
このようなシール部材30によれば、環状溝34に流れる周方向の気流によって浮上部32を浮上させることができる。
【0061】
(5)変形例5
図21及び図22に示すように、シール部材30は、環状溝34を有さなくともよい。
【0062】
(6)変形例6
傾斜面35は、1つの斜面35Aのみによって構成されてもよい。
【0063】
(7)変形例7
傾斜面35は、突出部33に設けられる場合においても、突出部33を除いた部位に設けられる場合においても、1つのシール部材30に対して4箇所以上設けられてもよい。
【0064】
(8)変形例8
周方向に隣り合う傾斜面35の間隔は、等間隔でなくてもよい。
【0065】
<効果>
本実施形態に係るシール部材30は、静止部10と、静止部10に対して回転軸を中心にして回転する回転部20と、を備えるスピンドルモータ3に設けられ、静止部10に固定される固定部31と、静止部10と回転部20とに跨って設けられ、回転部20の回転状態に応じて回転部20の面から浮上する浮上部32と、を備え、浮上部32は、回転部20の面に対して傾斜する傾斜面35を有する。
【0066】
以上のシール部材30によれば、スピンドルモータ3が静止状態の場合、シール部材30が静止部10と回転部20とに跨って設けられているため、静止部10と回転部20との隙間は、シール部材30によって塞がれる。従って、スピンドルモータ3の内部で発生するアウトガスやパーティクルは、この隙間を通じて流出しない。一方、スピンドルモータ3が回転状態の場合、回転部20の回転に伴って周方向の気流が発生する。周方向の気流が傾斜面35に向かって流れると、周方向の気流は、傾斜面35に沿って流れる。周方向の気流が傾斜面35の端部まで流れると、周方向の気流は、傾斜面35の端部と回転部20の面の間を流れようとする。その結果、傾斜面35は、回転部20の面から微小な距離だけ持ち上げられる。そして、傾斜面35が設けられている浮上部32は、回転部20の面から微小な距離だけ浮上し、浮上部32と回転部20の面との間に微小な隙間が形成される。この隙間の大きさは、シール部材30が塞いでいる静止部10と回転部20との隙間の大きさと比べると小さい。従って、本実施形態におけるシール部材30を用いることによって、スピンドルモータ3における静止部10と回転部20との間の隙間を小さくすることができる。
【0067】
また、スピンドルモータ3が回転状態の場合、浮上部32は、回転部20の面から微小な距離だけ浮上する。従って、シール部材30は、回転部20の回転を妨げない。
【0068】
そして、スピンドルモータ3が回転状態の場合、浮上部32と回転部20の面との間に形成される微小な隙間の大きさは、シール部材30が塞いでいる隙間の大きさと比べると小さい。従って、浮上部32と回転部20の面との間に形成される微小な隙間を通じてスピンドルモータ3の内部から流出するアウトガスやパーティクルの量は、少なくなる。
【0069】
また、本実施形態に係るシール部材30の傾斜面35は、連続する複数の斜面35A、35B及び35Cによって構成され、複数の斜面35A、35B及び35Cが回転部20の面に対して傾斜する角度はそれぞれ異なる。
【0070】
以上のシール部材30によれば、回転部20の面に対して傾斜する角度がそれぞれ異なる斜面35A、35B及び35Cが連続するように傾斜面35を構成することによって、回転部20が回転することにより発生する周方向の気流は、傾斜面35全体を持ち上げやすくなる。その結果、傾斜面35が回転部20の面に対して持ち上げられやすくなり、浮上部32は、回転部20の端面から浮上しやすくなる。
【0071】
また、本実施形態に係るシール部材30の浮上部32は、円環状である。
【0072】
スピンドルモータ3の静止部10と回転部20との隙間は円環状であることが多い。従って、以上のシール部材30は、静止部10と回転部20との隙間を塞ぐように取り付けられやすい。
【0073】
また、本実施形態に係るシール部材30の浮上部32は、円環状の環状溝34を有する。
【0074】
以上のシール部材30によれば、浮上部32が環状溝34を有することによって、浮上部32は、環状溝34が設けられている分だけ軽くなる。従って、スピンドルモータ3が回転状態の場合に、浮上部32は、回転部20の面から浮上しやすい。
【0075】
また、本実施形態に係るシール部材30の傾斜面35の法線は、回転軸方向視において回転軸の周方向を向いている。
【0076】
以上のシール部材30によれば、傾斜面35の法線が周方向を向いている。つまり、傾斜面35は、周方向を向いている。その結果、傾斜面35は、回転部20の回転によって生じる周方向の気流を正面から受けやすくなる。従って、傾斜面35が回転部20の面から持ち上げられやすくなるとともに、浮上部32は、浮上しやすくなる。
【0077】
また、本実施形態に係るシール部材30の浮上部32は、回転軸の径方向に突出する突出部33を有し、傾斜面35は、突出部33に設けられる。
【0078】
以上のシール部材30によれば、浮上部32において径方向に突出するように形成される突出部33に傾斜面35が設けられることによって、傾斜面35は、回転部20の回転によって生じる周方向の気流を受けやすくなる。従って、傾斜面35が回転部20の面から持ち上げられやすくなるとともに、浮上部32は、浮上しやすくなる。
【0079】
また、本実施形態に係るスピンドルモータ3は、前述のシール部材30を備える。
【0080】
以上のスピンドルモータ3によれば、静止部10と回転部20とに跨って設けられるシール部材30を備えるため、スピンドルモータ3が静止状態の場合、静止部10と回転部20との間の隙間は、シール部材30によって塞がれる。一方、スピンドルモータ3が回転状態の場合、シール部材30の浮上部32が回転部20の面から浮上し、浮上部32と回転部20の面との間には微小な隙間が形成される。従って、スピンドルモータ3が静止状態の場合、スピンドルモータ3内部で発生するアウトガスやパーティクルは、静止部10と回転部20との間の隙間がシール部材30によって塞がれているため、流出しにくい。一方、スピンドルモータ3が回転状態の場合、スピンドルモータ3内部で発生するアウトガスやパーティクルは、浮上部32と回転部20の面との間に形成される微小な隙間を通じて流出する。この隙間が微小であるため、本実施形態におけるスピンドルモータ3は、内部から流出するアウトガスやパーティクルの量が少ない。
【0081】
また、本実施形態に係るハードディスク駆動装置1は、前述のスピンドルモータ3を備える。
【0082】
以上のハードディスク駆動装置1によれば、スピンドルモータ3の内部から流出するアウトガスやパーティクルの量が少ないため、内部空間Sが清浄な状態に保たれやすい。
【0083】
=第2の実施形態=
続いて、第2の実施形態におけるシール部材230について説明する。シール部材230は、後述する傾斜面235が軸方向視において径方向を向いている。なお、図23に示すスピンドルモータ3の構造は、第1の実施形態に係るスピンドルモータ3と同様である。以下、同様の構成には同符号を付して説明する。
【0084】
シール部材230は、静止部10と回転部20とに跨って設けられる部材である。シール部材230は、例えば、図24の上部に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。また、シール部材230は、図25の下部に示すように、上側円錐軸受部材72と内側円筒壁部81とに跨って設けられる。シール部材230は、図26に示すように、軸方向視で円環状の部材である。シール部材230は、固定部231と、浮上部232と、を有する。
【0085】
固定部231は、静止部10に固定される部材である。図26に示すように、固定部231は、軸方向視で円環状の部材である。固定部231は、下面側において径方向の最も内側から外側に向かって一定の領域又は全てが静止部10に固定される。固定部231は、接着、溶着などの方法で静止部10に固定される。なお、図24の上部に示すシール部材230の固定部231は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定される。また、図25の下部に示すシール部材230の固定部231は、上側円錐軸受部材72の上面に固定される。
【0086】
浮上部232は、静止部10と回転部20とに跨って設けられる部材である。浮上部232は、軸方向視で円環状の部材である。浮上部232は、固定部231から径方向外側に連続して形成され、固定部231の径方向外側の縁から径方向外側に向かって延びる。浮上部232の下面は、回転部20が静止している状態において回転部20の端面と接触する。図24の上部に示すシール部材の浮上部232の下面は、エンドキャップ100の上側端面100Aと接触する。また、図25の下部に示すシール部材230の浮上部232の下面は、内側円筒壁部81の上側端面81Aに接触する。浮上部232は、固定部231と連続しない側(本実施形態においては径方向外側)の縁部236に傾斜面235を有する。
【0087】
傾斜面235は、浮上部232の下面側且つ縁部236に設けられる。傾斜面235は、浮上部232が接触する端面に対して傾斜する面である。図24の上部に示すシール部材230の傾斜面235は、エンドキャップ100の上側端面100Aに対して傾斜する。また、図25の下部に示すシール部材230の傾斜面235は、内側円筒壁部81の上側端面81Aに対して傾斜する。図26に示すように、傾斜面235は、縁部236に周方向の全周に設けられる。図27に示すように、傾斜面235は、連続する複数の斜面235A、235B及び235Cによって構成される。2つのシール部材230のそれぞれの浮上部232が接触する上側端面100A又は端面81Aに対して、斜面235A、235B及び235Cが傾斜する角度は、それぞれ異なる。図26に示すように、斜面235A、235B及び235Cの法線L21、L22及びL23は、軸方向視において径方向を向いている。傾斜面235は、法線L21、L22及びL23が径方向外側を向くように縁部236の外縁に設けられる。それゆえ、縁部236の傾斜面235が設けられていない部分の下面は、浮上部232の下面と同様に回転部20の端面と接触する。
【0088】
<シール部材の状態>
続いて、スピンドルモータ3の動作状態毎のシール部材230の状態について詳細に説明する。初めに、スピンドルモータ3が静止状態の場合について説明する。スピンドルモータ3が静止状態の場合、シール部材230は、静止部10と回転部20とに跨って設けられているため、静止部10と回転部20との隙間を塞いでいる。例えば、図24の上部に示すシール部材230の固定部231は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定されている。また、浮上部232の下面は、エンドキャップ100の上側端面100Aと接触する。このようにして、シール部材230は、シャフト50とエンドキャップ100の間に形成される隙間を塞いでいる。一方、図25の下部に示すシール部材230の固定部231は、上側円錐軸受部材72の上面に固定されている。また、浮上部232の下面は、内側円筒壁部81の上側端面81Aに接触する。このようにして、シール部材230は、上側円錐軸受部材72と内側円筒壁部81の間に形成される隙間を塞いでいる。
【0089】
次に、スピンドルモータ3が回転状態の場合について説明する。スピンドルモータ3が回転すると、図26(a)の破線矢印で示すように、周方向だけではなく径方向の気流も発生する。径方向の気流が傾斜面235に向かって流れると、径方向の気流は、斜面235A、235B及び235Cに沿って流れる。すると、図24の上部に示すシール部材230において、径方向の気流は、傾斜面235と連続する浮上部232の下面をエンドキャップ100の上側端面100Aから微小な距離だけ持ち上げる。その結果、浮上部232の下面は、エンドキャップ100の上側端面100Aから微小な距離だけ浮上する。また、図25の下部に示すシール部材230において、径方向の気流は、傾斜面235と連続する浮上部232の下面を内側円筒壁部81の上側端面81Aから微小な距離だけ持ち上げる。その結果、浮上部232の下面は、内側円筒壁部81の上側端面81Aから微小な距離だけ浮上する。
【0090】
つまり、スピンドルモータ3の回転状態に応じて、浮上部232は、回転部20から浮上し、微小な距離だけ離間する。一方、図24の上部に示すシール部材230において、固定部231は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定されている。また、図25の下部に示すシール部材230において、固定部231は、上側円錐軸受部材72の上面に固定されている。つまり、シール部材230の固定部231は、静止部10に固定されているため浮上しない。その結果、シール部材230は、固定部231が静止部10に固定された状態で浮上部232が回転部20から浮上するため、回転部20の回転を妨げない。また、図24の上部に示すシール部材230において、浮上部232の下面が上側端面100Aから離間する距離、及び、図25の下部に示すシール部材230において、浮上部232の下面が内側円筒壁部81の上側端面81Aから離間する距離がどちらも微小であるため、離間する際に形成される隙間を通じて流出するアウトガスやパーティクルの量は、少ない。
【0091】
<変形例>
なお、シール部材230は、以下に説明する各変更点を組み合わせたものでもよい。
【0092】
(9)変形例9
シール部材230は、上下反転された状態でスピンドルモータ3に取り付けられてもよい。例えば、図28に示すように、シール部材230は、下側円錐軸受部材71と内側円筒壁部81とに跨って設けられる。この場合、浮上部232の上面は、内側円筒壁部81の下側端面81Bと接触する。
【0093】
(10)変形例10
シール部材230は、軸方向視において、径方向内側に回転部20、径方向外側に静止部10となる部位に対して取り付けられるように構成されてもよい。つまり、シール部材230は、軸方向視において、径方向外側から固定部231、浮上部232、の順となるように構成されてもよい。この場合、縁部236は、浮上部232の径方向内側に位置する。このようなシール部材230は、例えば、図29に示すように、ベースプレート40とロータハブ80の外縁部84に跨って設けられる。
【0094】
(11)変形例11
図30に示すように、シール部材230は、固定部231及び浮上部232の縁部236を除いた部分が縁部236の最も厚い部分(つまり、回転部20の端面と接触する部分)よりも薄く形成されてもよい。このようなシール部材230は、例えば、図31に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。
【0095】
変形例11に示すシール部材230によれば、浮上部232の縁部236を除いた部分が薄く形成されるため、浮上部232が軽くなる。従って、浮上部232が浮上しやすい。また、浮上部232の下面と回転部20の面とが接触する面積が小さくなるため、回転部20が回転状態且つ浮上部232が回転部20の面と接触する状態において、浮上部232と回転部20の面との間に発生する摩擦力が小さくなる。従って、シール部材230は、回転部20の回転を妨げにくい。そして、固定部231が浮上部232の縁部236を除いた部分と同様に薄く形成されるため、浮上部232は、スピンドルモータ3に取り付けられた状態において弓なりに反った状態となる。従って、縁部236が回転部20の面に押し付けられる力が大きくなるため、スピンドルモータ3が静止状態において、縁部236は、回転部20の端面から離れにくい。
【0096】
なお、図32に示すように、浮上部232の径方向外側の縁部236を除いた部分は、固定部231よりも薄く形成されてもよい。このようなシール部材230は、例えば、図33に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。
【0097】
浮上部232の縁部236を除いた部分が固定部231よりも薄く形成されることによって、浮上部232は、スピンドルモータ3に取り付けられた状態においてさらに弓なりに反った状態となる。従って、縁部236が回転部20の面に押し付けられる力が大きくなるため、スピンドルモータ3が静止状態において、縁部236は、回転部20の面からさらに離れにくくなる。
【0098】
(12)変形例12
図34に示すように、変形例11のような、浮上部232の縁部236を除いた部分が薄く形成されるシール部材230において、傾斜面235は、径方向外側だけではなく、径方向内側にも設けられてもよい。この場合、傾斜面235は、径方向外側を向く傾斜面235及び径方向内側を向く傾斜面235が縁部236に設けられる。このようなシール部材230は、例えば、図35に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。
【0099】
変形例12に示すシール部材230によれば、径方向外側を向く傾斜面235及び径方向内側を向く傾斜面235の両方が縁部236に設けられることによって、回転部20が回転する際に発生する径方向外側から内側に向かって流れる気流だけではなく、径方向内側から外側に向かって流れる気流によっても浮上部232を浮上させることができる。
【0100】
(13)変形例13
図36に示すように、シール部材230は、浮上部232の縁部236を除いた部分が、径方向外側に向かうにしたがって傾斜してもよい。図36に示すシール部材230は、浮上部232の縁部236を除いた部分が径方向外側に向かうにしたがって軸方向下方側(浮上部232が回転部20の面と接触する側)に傾斜する。このようなシール部材230は、例えば、図37(a)に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。
【0101】
変形例13に示すシール部材230によれば、浮上部232の縁部236を除いた部分が径方向外側に向かうにしたがって回転部20の面側に傾斜しているため、浮上部232は、スピンドルモータ3に取り付けられた状態において弓なりに反った状態になりやすい。従って、縁部236が回転部20の面に押し付けられる力が大きくなるため、スピンドルモータ3が静止状態において、縁部236は、回転部20の面からさらに離れにくくなる。
【0102】
なお、図38に示すように、シール部材230は、固定部231及び浮上部232の縁部236を除いた部分が縁部236の最も厚い部分(つまり、回転部20の面と接触する部分)よりも薄く形成されてもよい(変形例11と変形例13の組み合わせ)。このようなシール部材230は、例えば、図37(b)に示すように、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。
【0103】
また、シール部材230は、浮上部232の径方向外側に向かう途中から軸方向下方に傾斜してもよい。このようなシール部材230は、例えば、図39に示すように、シール部材230は、上側円錐軸受部材72と内側円筒壁部81とに跨って設けられる。図39に示すシール部材230は、浮上部232が径方向外側に向かう途中から軸方向下方に向かって傾斜する。なお、図39に示す内側円筒壁部81は、図25に示す内側円筒壁部81に対して軸方向の高さが低く形成されている。
【0104】
さらに、軸方向視において、シール部材230は、径方向内側に回転部20、径方向外側に静止部10となる部位に対して取り付けられるように構成されてもよい(変形例10と変形例13の組み合わせ)。このようなシール部材230は、例えば、図40に示すように、ベースプレート40と外縁部84とに跨って設けられる。なお、図40に示す外縁部84は、図29に示す外縁部84に対して軸方向の高さが低く形成されている。
【0105】
(14)変形例14
シール部材230は、固定部231の上面を静止部10に固定してもよい。このようなシール部材230は、例えば、図41に示すように、カバー7とクランプ122に跨って設けられる。このシール部材230は、固定部231の上面がカバー7に固定されている。
【0106】
(15)変形例15
シール部材230は、傾斜面235が縁部236の上面側に設けられてもよい。このようなシール部材230は、例えば、図42に示すように、ベースプレート40と外側円筒壁部83とに跨って設けられる。
【0107】
(16)変形例16
シール部材230は、浮上部232が径方向内側に向かって複数回傾斜してもよい。このようなシール部材230は、例えば、図43に示すように、ベースプレート40と外縁部84とに跨って設けられる。図43に示すシール部材230は、浮上部232が径方向内側に向かう途中から軸方向下方に向かって傾斜する。そして、浮上部232は、さらに径方向内側に向かう途中から傾斜する角度を変えて軸方向下方に向かって傾斜する。なお、本変形例では、浮上部232において径方向内側の傾斜部分の方が傾斜する角度が緩やかになっている。また、シール部材230は、傾斜面235が縁部236の上面側に設けられている(変形例15と変形例16の組み合わせ)。なお、図43に示す外縁部84は、図29に示す外縁部84に対して下端に面取りがなされている。縁部236は、外縁部84の面取りされた面に対して接触する。
【0108】
(17)変形例17
シール部材230は、縁部236を径方向に曲げた形状を有してもよい。このようなシール部材230は、例えば、図44に示すように、カバー7とクランプ122に跨って設けられる。図44に示すシール部材230は、固定部231の上面がカバー7の下面に固定されている。また、傾斜面235は、縁部236の上面側に設けられる。そして、縁部236は、軸方向視において固定部231に対して、径方向内側に設けられる。さらに、縁部236の径方向に最も厚い部分は、回転部20の周面であるクランプ122の周面と接触する。ここで、回転部20の周面とは、回転部20の径方向端部に形成される面を指す。なお、図44に示すカバー7は、図41に示すカバー7に対してカバー7の下面から軸方向下方に突出する部位が削除されている。また、カバー7は、ケース6を構成するベースプレート40に固定されるため、静止部の一例である。
【0109】
(18)変形例18
シール部材230は、傾斜面235が縁部236の周方向の全周に設けられていなくてもよい。例えば、図45に示すように、傾斜面235は、縁部236に2つの領域で設けられる。縁部236に設けられた傾斜面235の領域は、周方向に90度分の領域である。
【0110】
(19)変形例19
シール部材230は、固定部231及び浮上部232が軸方向に向かって延びてもよい。このようなシール部材230は、例えば、図46に示すように、ベースプレート40と外側円筒壁部83とに跨って設けられる。図46に示すシール部材230は、固定部231が軸方向上方に向かって延びる。また、固定部231は、径方向内側の側面がベースプレート40に固定される。浮上部232は、固定部231から軸方向上方に向かって延びる。また、浮上部232は、軸方向上方に向かうにしたがって径方向(図46において径方向外側)に傾斜する。縁部236は、固定部231に対して径方向外側に設けられる。そして、傾斜面235は、縁部236の回転部20の面と対向する側(図46において軸方向上側)に設けられる。
【0111】
なお、シール部材230は、浮上部232が軸方向に向かって途中から径方向に傾斜してもよい。このようなシール部材230は、例えば、図47に示すように、カバー7とクランプ122とに跨って設けられる。図47に示すシール部材230は、浮上部232が固定部231から軸方向下方に向かって延びる。また、浮上部232は、軸方向下方に向かって途中から径方向(図47において径方向内側)に傾斜する。傾斜面235は、縁部236において、回転部20の外周面と対向する側(図47において径方向内側)に設けられる。
【0112】
さらに、シール部材230は、縁部236を径方向に曲げた形状を有してもよい。このようなシール部材230は、例えば、図48に示すように、カバー7とクランプ122に跨って設けられる。図48に示すシール部材230は、浮上部232が固定部231から軸方向下方に向かって延びる。また、浮上部232は、軸方向下方に向かって途中から径方向(図48において径方向内側)に傾斜する。また、縁部236は、軸方向視において固定部231に対して、径方向内側に設けられる。そして、傾斜面235は、縁部236において、回転部20の端面と対向する(図48において軸方向下側)ように設けられる。
【0113】
(20)変形例20
傾斜面235は、1つの斜面235Aのみによって構成されてもよい。
【0114】
<効果>
第2の実施形態に係るシール部材230の傾斜面235の法線は、回転軸方向視において回転軸の径方向を向いている。
【0115】
以上のシール部材230によれば、傾斜面235が径方向を向いている。つまり、傾斜面235は、径方向を向いている。その結果、傾斜面235は、回転部20の回転によって生じる径方向の気流を正面から受けやすくなる。従って、傾斜面235が径方向の気流によって持ち上げられるため、傾斜面235と連続する浮上部232は、径方向の気流によって回転部20の面から浮上する。
【0116】
=第3の実施形態=
続いて、第3の実施形態におけるシール部材330について説明する。シール部材330は、後述する傾斜面335が軸方向視において周方向と径方向の両方に対して傾斜する。なお、スピンドルモータ3の構造は、第1の実施形態に係るスピンドルモータ3と同様である。以下、同様の構成には同符号を付して説明する。
【0117】
シール部材330は、静止部10と回転部20とに跨って設けられる部材である。シール部材330は、例えば、シャフト50とエンドキャップ100とに跨って設けられる。シール部材330は、図49に示すように、軸方向視で円環状の部材である。シール部材330は、固定部331と、浮上部332と、を有する。
【0118】
固定部331は、静止部10に固定される部材である。図49に示すように、固定部331は、軸方向視で円環状の部材である。固定部331は、下面側において径方向の最も内側から外側に向かって一定の領域又は全てが静止部10に固定される。固定部331は、接着溶着などの方法で静止部10に固定される。なお、本実施形態におけるシール部材330において、固定部331は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定される。
【0119】
浮上部332は、静止部10と回転部20とに跨って設けられる部材である。浮上部332は、軸方向視で円環状の部材である。浮上部332は、固定部331から径方向外側に連続して形成され、固定部331の径方向外側の縁から径方向外側に向かって延びる。浮上部332の下面は、回転部20が静止している状態において回転部20の端面と接触する。本実施形態におけるシール部材330において、浮上部332の下面は、エンドキャップ100の上側端面100Aと接触している。浮上部332は、固定部331とは連続しない側(本実施形態においては径方向外側)の縁部336に傾斜面335を有する。
【0120】
傾斜面335は、浮上部332の下面側に設けられる。図50及び図51に示すように、傾斜面335は、浮上部332が接触する端面に対して傾斜する面である。本実施形態に示すシール部材330において、傾斜面335の法線L31は、エンドキャップ100の上側端面100Aに対して傾斜する。傾斜面335は、縁部336に周方向に間隔を空けて8カ所設けられる。傾斜面335の法線L31は、軸方向視において径方向及び周方向の両方に対して傾斜する。
【0121】
<シール部材の状態>
続いて、スピンドルモータ3の動作状態毎のシール部材330の状態について詳細に説明する。初めに、スピンドルモータ3が静止状態の場合について説明する。スピンドルモータ3が静止状態の場合、シール部材330は、静止部10と回転部20とに跨って設けられているため、静止部10と回転部20との隙間を塞いでいる。本実施形態に示すシール部材330の固定部331は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定されている。また、浮上部332の下面は、エンドキャップ100の上側端面100Aと接触する。このようにして、シール部材330は、シャフト50とエンドキャップ100の間に形成される隙間を塞いでいる。
【0122】
次に、スピンドルモータ3が回転状態の場合について説明する。スピンドルモータ3が回転すると、周方向及び径方向の気流が発生する。そして、周方向及び径方向の気流が合流して、図49(a)の破線矢印で示すように、周方向と径方向の両方に対して傾斜する気流となる。そのような気流が傾斜面335に向かって流れると、気流は、傾斜面335に沿って流れ、傾斜面335と連続する浮上部332の下面をエンドキャップ100の上側端面100Aから微小な距離だけ持ち上げる。その結果、浮上部332の径方向外側の一部は、エンドキャップ100の上側端面100Aから微小な距離だけ浮上する。
【0123】
つまり、スピンドルモータ3の回転状態に応じて、浮上部332は、回転部20から浮上し、微小な距離だけ離間する。一方、固定部331は、シャフト50の上端近傍に形成された凹部の上面に固定されているため浮上しない。その結果、シール部材330は、固定部331が静止部10に固定された状態で浮上部332が回転部20から浮上するため、回転部20の回転を妨げない。また、浮上部332が上側端面100Aから離間する距離が微小であるため、離間する際に形成される隙間を通じて流出するアウトガスやパーティクルの量は、少ない。
【0124】
<効果>
第3の実施形態に係るシール部材330の傾斜面335の法線は、回転軸方向視において回転軸の周方向と回転軸の径方向の両方に対して傾斜する。
【0125】
スピンドルモータ3が回転することで発生する周方向及び径方向の気流は、合流して周方向と径方向の両方に対して傾斜する気流となる。以上のシール部材330によれば、傾斜面335が周方向及び径方向の両方に対して傾斜するため、傾斜面335は、合流した気流を正面から受けやすい。合流した気流は、傾斜面335に沿って流れることによって浮上部332を微小な距離だけ浮上させる。つまり、シール部材330は、周方向及び径方向の気流が合流した気流においても浮上部332を浮上させることができる。
【0126】
以上、各実施形態に係るシール部材30、230及び330について説明した。なお、スピンドルモータ3は、シール部材30、230及び330のうち複数のシール部材を備えるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1…ハードディスク駆動装置,3…スピンドルモータ,10…静止部,20…回転部,30,230,330…シール部材,31,231,331…固定部,32,232,332…浮上部,33…突出部,34…環状溝,35,235,335…傾斜面
図1
図2
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