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特開2024-155503噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置、並びに溶融はんだ供給機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024155503
(43)【公開日】2024-10-31
(54)【発明の名称】噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置、並びに溶融はんだ供給機構
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/08 20060101AFI20241024BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B23K1/08 320Z
H05K3/34 506K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070267
(22)【出願日】2023-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】392002929
【氏名又は名称】株式会社弘輝テック
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】坂田 浩二
【テーマコード(参考)】
4E080
5E319
【Fターム(参考)】
4E080AA01
4E080AB03
4E080AB05
5E319AA02
5E319AB01
5E319CC24
5E319CC28
5E319CD28
5E319CD31
5E319GG15
(57)【要約】
【課題】噴流ノズルを効率的に加熱することができ、メンテナンス性にも優れた噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置を提供する。
【解決手段】溶融はんだ1を噴流ノズル40から噴流させてワーク10のはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けするはんだ付け装置100,200に付随して、噴流ノズル40を予熱する噴流はんだ装置の予熱機構50であって、少なくとも、内部に噴流ノズル40を挿通可能な空間を有する本体部51と、本体部51の内部に、噴流ノズル40を取り囲むように設置された電磁コイル52と、電磁コイル52に交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う交流電源及び制御部53を備え、電磁コイル52を用いた電磁誘導加熱により噴流ノズル40を予熱できる位置に電磁コイル52が配置され、交流電源及び制御部53により加熱のタイミングと加熱時間及び電磁コイルへの印加電力が制御される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けするはんだ付け装置に付随して、前記噴流ノズルを予熱する噴流はんだ装置の予熱機構であって、
少なくとも、
内部に前記噴流ノズルを挿通可能な空間を有する本体部と、
前記本体部の内部に、前記噴流ノズルを取り囲むように設置された電磁コイルと、
前記電磁コイルに交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う交流電源及び制御部
を備え、
前記電磁コイルを用いた電磁誘導加熱により前記噴流ノズルを予熱できる位置に前記電磁コイルが配置され、前記交流電源及び制御部により加熱のタイミングと加熱時間及び前記電磁コイルへの印加電力が制御されることを特徴とする噴流はんだ装置の予熱機構。
【請求項2】
前記電磁コイルの外側にはソフトフェライト系のコアが付与されていることを特徴とする請求項1に記載の噴流はんだ装置の予熱機構。
【請求項3】
前記ソフトフェライト系のコアはキュリー温度が200℃以上であることを特徴とする請求項2に記載の噴流はんだ装置の予熱機構。
【請求項4】
当該予熱機構は、さらに、前記噴流ノズル及びはんだ付け箇所に対して加熱ガスを供給する加熱ガス供給機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の噴流はんだ装置の予熱機構。
【請求項5】
溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けする噴流はんだ装置であって、
複数のはんだ付け箇所が点在するワークを支持するワーク支持手段と、
前記はんだ付け箇所に向けて溶融はんだを噴出させる噴流ノズルと、
前記噴流ノズルの周辺に設けられた、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の予熱機構と、
自動はんだ付けの実行中には前記噴流ノズルから前記複数のはんだ付け箇所までの距離をそれぞれ接近させる一方で待機中には前記距離を遠ざけるアクセス手段
を備えることを特徴とする噴流はんだ装置。
【請求項6】
溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けする噴流はんだ装置であって、
複数のはんだ付け箇所が点在するワークを支持するワーク支持手段と、
前記はんだ付け箇所に向けて溶融はんだを噴出させる噴流ノズルと、
自動はんだ付けの実行中には前記噴流ノズルから前記複数のはんだ付け箇所までの距離をそれぞれ接近させる一方で待機中には前記距離を遠ざけるアクセス手段
を備え、
さらに、取り替え前の噴流ノズルに対して、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の予熱機構を用いて予熱を行う予備加熱機構を備えることを特徴する噴流はんだ装置。
【請求項7】
溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けする噴流はんだ装置のはんだ槽に溶融はんだを供給する溶融はんだ供給機構であって、
棒状はんだを受け入れる受入口と、内部で該棒状はんだを溶融させて外部へ供給する供給口とを有する供給ノズルと、
前記供給ノズルに前記棒状はんだを供給する押し出し機構を
備え、
前記供給ノズルには、少なくとも、
前記供給ノズルを取り囲むように配置された電磁コイルと、
前記電磁コイルに交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う交流電源及び制御部
が設けられ、
前記電磁コイルを用いた電磁誘導加熱により前記供給ノズルを加熱できる位置に前記電磁コイルが配置され、前記交流電源及び制御部により加熱のタイミングと加熱時間及び前記電磁コイルへの印加電力が制御され、加熱された前記供給ノズルの熱によって前記棒状はんだを溶融させて前記はんだ槽に供給することを特徴とする溶融はんだ供給機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けするはんだ付け装置に付随して、噴流ノズルを予熱する噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置、並びに溶融はんだ供給機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークとしてのプリント配線板のスルーホール(プレインホール)にリード部品を挿入し、はんだ付けする場合に、はんだ付け面(主に下面)から、溶融はんだを円筒形の噴流ノズルから噴出して行う局所はんだ付け装置がある。
【0003】
局所はんだ付け装置においては、基板の狭い箇所のはんだ付けには、細い噴流ノズルを使用する。溶融はんだは、はんだ槽からの熱伝導により加熱されているため、はんだ槽から遠い、はんだが噴流する先端付近では、温度が低下し、噴流ノズル内で凝固してしまい目詰まりが発生する場合がある。
【0004】
また、局所はんだ付け装置においては、噴流ノズルが交換可能なものもあり、細いノズルではなく、先端のみ太さや形状の違うノズルと交換可能にした装置では、ノズルの連結部の熱伝導が悪く、噴流ノズル内で溶融はんだが凝固してしまう。さらに、噴流ノズルを交換する際は、新たに取り付ける噴流ノズルは、予めはんだ融点まで加熱させておかないと、取付け時に、はんだが凝固してしまう。
【0005】
このため、新たに取り付けるノズルは、はんだ槽から伝熱がないため、溶融はんだが凝固しないように予熱しておく必要がある。
【0006】
例えば、特許文献1には、局所ノズルに取付けられ、局所ノズル内の溶融はんだを加熱するヒータを具備することで、ヒータにより小口径の局所ノズルを介して溶融はんだを加熱し、局所ノズルに供給された溶融はんだが固まるおそれを防止することが記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、噴流ノズルの周囲に設けられており、窒素ガス供給部から供給された窒素ガスを加熱する加熱部により、ノズル口から溶融はんだを加熱された不活性ガスの雰囲気下で噴流させることが記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、バンドヒータにより噴流ノズルを熱伝導で加熱しているため、溶融はんだからのヒータやヒータ配線材を電気的絶縁や汚れなどから保護する必要がある。また、噴流ノズルのサイズや形状の変更の際は、ヒータも変更しなければならず、噴流ノズルの劣化などにより交換やメンテナンスで取り外す際は、ヒータの取り外しも行なう必要がありメンテナンス性に劣っていた。
【0009】
また、特許文献2に記載の加熱ガスでは、気体による加熱のため非効率で予熱のために多くの時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11-123540号公報
【特許文献2】特開2011-35044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上記従来技術の実情に鑑み、噴流ノズルを効率的に加熱することができ、メンテナンス性にも優れた噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置、並びに溶融はんだ供給機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けするはんだ付け装置に付随して、噴流ノズルを予熱する噴流はんだ装置の予熱機構であって、少なくとも、内部に噴流ノズルを挿通可能な空間を有する本体部と、本体部の内部に、噴流ノズルを取り囲むように設置された電磁コイルと、電磁コイルに交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う交流電源及び制御部を備え、電磁コイルを用いた電磁誘導加熱により噴流ノズルを予熱できる位置に電磁コイルが配置され、交流電源及び制御部により加熱のタイミングと加熱時間及び電磁コイルへの印加電力が制御される。
【0013】
このとき、本発明の一態様では、電磁コイルの外側にはソフトフェライト系のコアが付与されているとしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様では、ソフトフェライト系のコアはキュリー温度が200℃以上であるとしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様では、予熱機構は、さらに、噴流ノズル及びはんだ付け箇所に対して加熱ガスを供給する加熱ガス供給機構を備えるとしてもよい。
【0016】
本発明の他の態様は、溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けする噴流はんだ装置であって、複数のはんだ付け箇所が点在するワークを支持するワーク支持手段と、はんだ付け箇所に向けて溶融はんだを噴出させる噴流ノズルと、噴流ノズルの周辺に設けられた、上述した予熱機構と、自動はんだ付けの実行中には噴流ノズルから前記複数のはんだ付け箇所までの距離をそれぞれ接近させる一方で待機中には距離を遠ざけるアクセス手段を備える。
【0017】
あるいは、本発明の他の態様は、溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けする噴流はんだ装置であって、複数のはんだ付け箇所が点在するワークを支持するワーク支持手段と、はんだ付け箇所に向けて溶融はんだを噴出させる噴流ノズルと、自動はんだ付けの実行中には噴流ノズルから前記複数のはんだ付け箇所までの距離をそれぞれ接近させる一方で待機中には距離を遠ざけるアクセス手段を備え、さらに、取り替え前の噴流ノズルに対して上述した予熱機構を用いて予熱を行う予備加熱機構を備える。
【0018】
また、本発明の他の態様は、溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けする噴流はんだ装置のはんだ槽に溶融はんだを供給する溶融はんだ供給機構であって、棒状はんだを受け入れる受入口と、内部で棒状はんだを溶融させて外部へ供給する供給口とを有する供給ノズルと、供給ノズルに棒状はんだを供給する押し出し機構を備え、供給ノズルには、少なくとも、供給ノズルを取り囲むように配置された電磁コイルと、電磁コイルに交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う交流電源及び制御部が設けられ、電磁コイルを用いた電磁誘導加熱により供給ノズルを加熱できる位置に電磁コイルが配置され、交流電源及び制御部により加熱のタイミングと加熱時間及び電磁コイルへの印加電力が制御され、加熱された供給ノズルの熱によって棒状はんだを溶融させてはんだ槽に供給する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、噴流ノズルを電磁誘導加熱(IH:Induction Heating)により自己発熱させるため、加熱効率が良く、はんだ装置の電源立ち上げ時のノズル加熱待ちの時間ロスが短縮できる。また、非接触で加熱することができるため、ノズルサイズの制約がなくなり各種ノズルに共有して適用することができる。
【0020】
また、非接触加熱のため、予熱機構を別置きユニットとして簡単に構成することができ、交換して固定する前の予備の噴流ノズルの予熱も容易に行うことができる。これにより、噴流ノズル交換時に冷えたノズルを取り付けることがなくなり、生産切替え時の時間ロスが短縮できるとともに、別置きユニットとすることで、はんだ装置本体の改造なしで対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る噴流はんだ装置の一態様を示す斜視図である。
図2】本発明に係る噴流はんだ装置の他の態様を示す斜視図である。
図3】本発明に係る噴流はんだ装置の噴流部の一態様を示す断面図である。
図4】噴流ノズルの周囲に配置された本発明の一態様に係る予熱機構を示す断面図である。
図5】本発明の他の態様に係る噴流はんだ装置の予熱機構の態様を示す概略図である。
図6】従来の噴流はんだ装置におけるはんだ材の供給態様を示す概略図である。
図7】本発明の他の態様に係る溶融はんだ供給機構を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置、並びに溶融はんだ供給機構について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
【0023】
本発明の一態様は、溶融はんだを噴流ノズルから噴流させてワークのはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けするはんだ付け装置に付随するものである。まず、本発明が適用される噴流ノズル型はんだ付け装置について説明し、その後、本発明に係る予熱機構の構成について説明し、最後に溶融はんだ供給機構について説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る噴流はんだ装置の一態様を示す斜視図であり、電子部品が実装されたワーク(プリント配線基板等)をローラコンベアで所定位置まで搬送し、噴流ノズルによりはんだ付けする様子を示している。図1に示すように、本発明の一態様は、後述する予熱機構50を備える噴流はんだ装置100であって、複数のはんだ付け箇所が点在するワーク10を支持するワーク支持手段20と、はんだ付け箇所30に向けて溶融はんだ1を噴出させる噴流ノズル40と、噴流ノズル40の周辺に設けられた予熱機構50と、自動はんだ付けの実行中には噴流ノズル40から複数のはんだ付け箇所30までの距離をそれぞれ接近させる一方で待機中には距離を遠ざけるアクセス手段60を備える。
【0025】
図1における噴流はんだ装置100では、ワーク支持手段20はワーク搬送手段としての役割も兼ねており、一例として、ローラコンベアであって、図1に示すように、ワーク10(例えば、プリント配線基板)の両側を挟むように縦型5軸のローラ21~25が連なって配設され、チェーン26掛けにより連動して回転することにより、搬送方向27(矢印)へワーク10を搬送する機能を発揮する。
【0026】
ワーク支持手段(ワーク搬送手段)20は、ワーク10をはんだ付け工程の進捗に応じて搬送する。噴流はんだ装置100に投入されたワーク10は、ワーク支持手段20により、はんだ付け工程が実行される位置まで到達する。噴流ノズル40は、噴流はんだ装置100が稼動中であれば、常時溶融はんだ1を噴出させており、近付けられたワーク10のはんだ付けする箇所30に届くように溶融はんだ1を噴出させる。アクセス手段60(ノズル駆動部)は、噴流ノズル40をはんだ付け箇所30に近づけるようにXYZ方向へ移動させることが可能な駆動機構である。ワーク支持手段20(ワーク搬送手段)やアクセス手段60(ノズル駆動部)の駆動制御は、例えば、制御装置61により統合制御される。
【0027】
なお、本発明において、ワーク10は主にプリント配線基板としているが、プリント配線基板以外のワーク10であっても、はんだ付け箇所を予熱した方が良いような部材であれば本発明に係る予熱機構を適用することが可能である。
【0028】
図2は、本発明に係る噴流はんだ装置の他の態様を示す斜視図である。図2に示すように、噴流はんだ装置200は、固定式のはんだ槽15と、そのはんだ槽15の上方に位置するテーブルX軸駆動部(「X軸駆動レール」ともいう)33Xと、Y方向及びZ方向に移動可能なテーブル支柱33YZと、そのテーブル支柱33YZの上でX方向に移動可能なワーク固定テーブル(以下、「テーブル」と略す)31を備えている。また、ワーク固定テーブル31にはワーク10(プリント配線基板等)が着脱自在に固定されている。なお、図2における噴流はんだ装置200では、ワーク固定テーブル31がワーク支持手段に対応し、テーブルX軸駆動部33X(X軸駆動レール)およびテーブル支柱33YZがアクセス手段に対応している。
【0029】
噴流ノズル40は、はんだ付け箇所に向けて溶融はんだ1を噴出させる。アクセス手段33は、自動はんだ付けの実行中には噴流ノズル40から複数のはんだ付け箇所までの距離をそれぞれ接近させる一方で待機中には距離を遠ざける。アクセス手段33は、ワーク支持手段(ワーク固定テーブル31)によって支持されたワーク10を噴流ノズル40に対してXYZ方向に移動可能である。
【0030】
図1に示す噴流はんだ装置100と図2に示す噴流はんだ装置200との主要な相違点は、噴流ノズルとはんだ付け箇所とのアクセス動作において、噴流はんだ装置100(図1)ではノズル側が動き、噴流はんだ装置200(図2)ではワーク側が動くという点である。本発明に係る噴流はんだ装置の予熱機構50は、このいずれの噴流はんだ装置100,200に対しても適用可能である。
【0031】
次に、本発明に係る噴流はんだ装置100,200の噴流部70(はんだ槽15内の溶融はんだを噴流ノズル40に送る構成)について説明する。図3は、本発明に係る噴流はんだ装置の噴流部の一態様を示す断面図である。
【0032】
噴流部70は、図3に示すように、筐体71の内部に断熱固定構造を介して断熱空間部71Aを有する溶融はんだを貯留する小型のはんだ槽15が設置されている。はんだ槽15には、その開口を閉塞して取り付けられることにより内部に密閉空間部を構成する蓋体の機能を有するとともに各構成部位の取付機能を奏するシャーシ72が組み合わされる。
【0033】
噴流部70には、後に詳述するように噴流ノズル40が、ノズル取付部73に直立状態で着脱自在に取り付けられる。また、噴流はんだ装置100,200の噴流部70においては、はんだ槽15の内部にヒータ(図示せず)が設けられ、はんだ槽15内に投入されたはんだ材を溶融して所定量の溶融はんだ1を貯留する(約260℃で一定)。
【0034】
噴流部70においては、はんだ槽15の内部に噴流ノズル40へと溶融はんだ1を供給する機構が設けられ、供給された溶融はんだ1を噴流ノズル40から噴流させ、余ったはんだは噴流ノズル40の外壁を伝ってはんだ槽15へと還流される(図4参照)。一例として、図3に示すように、はんだ槽15の内部にケース74と、ケース74内に設けられたインペラ(回転羽根)75が設置される。ケース74は、筒状の取付スタッド76を介してシャーシ72に取り付けられ、はんだ槽15内に漬けられた状態で設置されている。ケース74には、一方側に位置してインペラ75が内蔵されているとともに、他方側に溶融はんだ1を噴流ノズル40に供給するはんだ供給口77が形成されている。これにより、インペラ75の回転動作によって溶融はんだ1がインペラ75の付近に設けられた流入口からケース74の内部に流れ込むようになり、さらにケース74内において溶融はんだ1にはんだ供給口77方向への流れを生成させることができる。
【0035】
また、インペラ75は、例えば、モータ(図示せず)を動力源とし、モータに回転出力を調整する適宜の調速手段を設けて、この調速手段の設定により、インペラ75の回転を調整して溶融はんだ1の流速が調整されるようにすることができる。もちろん、溶融はんだ1の供給手段はこの態様に限定されるわけではなく、例えば、適宜の噴流ポンプ手段により溶融はんだ1に噴流圧を生成して、はんだ槽15内から噴流ノズル40に供給するようにしてもよい。
【0036】
また、一例として、ケース74にはノズル取付部73が設置され、ノズル取付部73の上部フランジ部に締付けナットがねじ込まれる複数のネジ付きスタッドを設けることで、ネジ付きスタッドと締付けナットとにより上部フランジ部に対して噴流ノズル40が着脱されるようにすることができる。あるいは、噴流ノズル40の内部とノズル取付部の外部にそれぞれネジ溝を設けて、噴流ノズル40をノズル取付部73に螺合するようにしてもよく、固定の手段は特に限定はされない。
【0037】
また、図3に示すように、はんだ噴流装置100,200の噴流部70には、後述するノズル加熱のための予熱機構が設けられている。また、一例として、噴流部70では、加熱した窒素ガスによって噴流ノズル40を加熱するとともにノズル口の周囲を窒素ガス雰囲気として、溶融はんだ1の酸化を抑制する。噴流ノズル40の周囲には、フード体78とガスを加熱するヒータ79が設けられている。
【0038】
次に、本発明に係る噴流はんだ装置の予熱機構について説明する。図4は、噴流ノズルの周囲に配置された本発明の一態様に係る予熱機構を示す断面図である。本発明の一態様は、溶融はんだ1を噴流ノズル40から噴流させてワーク10のはんだ付け箇所を部分的にはんだ付けするはんだ付け装置100,200に付随して、噴流ノズル40を予熱する噴流はんだ装置の予熱機構50であって、少なくとも、内部に噴流ノズル40を挿通可能な空間を有する本体部51と、本体部51の内部に、噴流ノズル40を取り囲むように設置された電磁コイル52と、電磁コイル52に交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う交流電源及び制御部53を備え、電磁コイル52を用いた電磁誘導加熱により噴流ノズル40を予熱できる位置に電磁コイル52が配置され、交流電源及び制御部53により加熱のタイミングと加熱時間及び電磁コイルへの印加電力が制御される。
【0039】
本発明に係る噴流はんだ装置100によりはんだ付け処理が施されるワーク10の一例であるプリント配線基板は、一例として、主面に所定の回路パターンやランド11等の導体部をプリント形成するとともに、多数個のスルーホール12を形成した基板13の主面上に、リード端子14をスルーホール12に貫通させて電子部品を組み付けて構成される。プリント配線基板10は、スルーホール12を貫通されたリード端子14及びランド11にはんだ付けを施して、電子部品を基板13に電気的かつ機械的に結合して実装する。
【0040】
例えば、図4に示すように、電子部品のリード端子14が、プリント配線基板10の部品面(上面)からはんだ面(下面)へと貫通し、はんだ面に銅箔が露出したスルーホール12から、短く切り残された状態で突出している。一方で、噴流はんだ装置100においては、制御装置61がノズル駆動部60を制御し、噴流ノズル40をはんだ付け箇所30に接近させる。このように、噴流ノズル40が、はんだ1を噴出させながら、はんだ付け箇所30に接近すると、リード端子14はランド11にはんだ付けされる。
【0041】
本体部51は、内部に噴流ノズル40を挿通可能な空間を有する。例えば、噴流ノズル40の周囲を囲うような円筒形状をしており、一部が噴流ノズル40や設置する噴流はんだ装置100の部分に合わせて、テーパ状に縮径又は拡径した形状としてもよい。上述したように、噴流はんだ装置100では、はんだ実行時には、噴流ノズル40からはんだが供給され、余ったはんだは噴流ノズル40の外壁を伝って還流されるため、本体部51はこれらの噴流はんだの流れを妨げないように噴流ノズル40を囲うように設置される。また、一例として、本体部51は、径方向に2分割あるいは4分割できる構造として、噴流ノズル40に対して設置と取り外しが容易にできる構造となっていることが好ましい。本体部51は、図4に示すように、一例として、噴流はんだ装置100のフード体78の上部にぶら下げるように取り付けることが出来るが、この態様のみに限定されるわけでは無く、予熱機構50単独で自立できるような構造でも良い。また、噴流ノズル40の加熱する位置を細かく調整できるように、高さを調整できる機構を備えることが望ましい。
【0042】
電磁コイル52は、本体部51の内部に、噴流ノズル40を取り囲むように設置されている。電磁コイル52に交流電流を流すことで、磁力線F(交番磁界)を発生させ、この磁力線Fにより鉄又は炭素鋼等でできた噴流ノズル40に渦電流が生じ、電気抵抗によって発熱する電磁誘導加熱(IH)を起こす。これにより、噴流ノズル40を予熱しておくことができ、はんだ装置の電源立ち上げ時や、ノズルの交換時などに噴流ノズル40の内部で溶融はんだが凝固してしまうのを防止することができる。例えば、はんだ槽15内では、溶融はんだは約260℃で一定であるが、細い噴流ノズル40の先端付近では、240~250℃となることがあり、このような場合に噴流ノズル40を予熱しておくことで内部や口縁部でのはんだの凝固を防止することができる。一例として、電磁コイル52は、噴流ノズル40の直径2~20mmに応じてノズル中心部から水平方向に10~60mmの位置に配置される。また、一例として、電磁コイル52はガラスチューブ内に銅線を有するものであるが、この態様に限定されるものではなく、素材、太さ、コイルの巻き数等は、予熱の程度や予熱箇所などに応じて適宜選択すればよい。
【0043】
交流電源及び制御部53は、電磁コイル52に交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う。これにより、噴流ノズル40を電磁誘導加熱するタイミングと加熱量を時間及び電磁コイルへ52への印加電力でコントロールすることができる。印加電力の制御は、例えば、印加電圧を切り替えた電力調整により行うことができる。本発明の一態様では、主に、噴流はんだ装置100の電源をONにした直後や、噴流ノズル40を取り換えた直後など、噴流ノズル40が十分に加熱されていない状態を解消するために、短時間で噴流ノズル40を急加熱するために使用される。交流電源及び制御部53により、噴流ノズル40がはんだの融点付近の温度に達するように適宜、条件設定の調整が可能である。
【0044】
本発明の一態様では、電磁コイル52の外側にソフトフェライト系のコア54が付与されていてもよい。ソフトフェライトは、電磁コイルに電流が流れて磁界が発生すると磁石として作用し、電磁コイルに電流が流れなくなって磁界が消失すると元に戻って磁気が無くなるフェライトであり、酸化鉄を主原料とするセラミックスの一種である。ソフトフェライト系のコア54は、噴流はんだ装置100の周辺の支えや補強のための金属及び構成材料より比透磁率の大きなものであることが望ましい。ソフトフェライト系のコアを用いることにより、電磁コイルから発生する磁束を効率よく噴流ノズル40に照射して電磁誘導加熱(IH)を起こすことができるとともに、交流電源及び制御部53のON/OFF制御に連動して電磁誘導加熱するタイミングと加熱量を制御することができる。
【0045】
なお、本発明の一態様では、上述した本体部51をソフトフェライト系のコア54として兼ねるように形成してもよい。このようにすることで、より予熱機構50の構成を簡易なものとすることができる。
【0046】
本発明の一態様では、予熱機構50は、さらに、噴流ノズル及びはんだ付け箇所に対して加熱ガスを供給する加熱ガス供給機構56を備えていてもよい。一例として、加熱した窒素ガスを下方から噴流ノズル40のノズル口周辺に向かって供給する機構を備える。このようにすることで、ワーク10(プリント配線基板等)のはんだ付け箇所30を加熱することができるとともに、噴流ノズル40のノズル口の周囲を窒素ガス雰囲気として、溶融はんだ1の酸化を抑制することができる。
【0047】
本発明の一態様では、ソフトフェライト系のコア54はキュリー温度が200℃以上であることが好ましい。上述した加熱ガス供給機構56から供給される加熱ガスHにより、ソフトフェライト系のコア54も加熱されるため、磁力を失って電磁誘導加熱ができなくなるのを防止するため、キュリー温度が200℃以上の素材を用いることが好ましい。
【0048】
本発明の一態様では、図4に示すように、ソフトフェライト系のコア54は、噴流ノズル40を囲うように円筒状に形成されるとともに端部が噴流ノズル40側に折れ曲がっており、電磁コイル52は、円筒状のコアの内側の高さ方向に沿って巻かれているようにすることができる。このようにすることで、ソフトフェライト系のコア54により、磁力線F(交番磁界)を発生させる方向を噴流ノズル40側に定めることができ、噴流ノズル40を効率的に加熱することができるとともに、噴流はんだ装置100の噴流ノズル40以外の箇所が加熱されてしまうのを防止することもできる。なお、ソフトフェライト系のコア54には、電磁コイル52を外側に引き出すためのスリット等が設けられていてもよい。
【0049】
図5は、本発明の他の態様に係る噴流はんだ装置の予熱機構の態様を示す概略図である。上述した態様では、本発明の一態様に係る予熱機構50は、噴流はんだ装置100,200の噴流部70のノズル取付部73に取付けられた噴流ノズル40を囲むように設定されていたが、本発明の他の態様では、図5に示すように、取り替え前の噴流ノズルに対して予熱を行う予備加熱機構80として設けてもよい。
【0050】
噴流はんだ装置100,200においては、はんだ付けを行うワーク10(基板)の大きさに応じて噴流ノズル40の口径が適したものに交換する。したがって、噴流ノズル40を口径の異なる他の噴流ノズル40Bなどに交換する場合や、メンテナンス清掃後に噴流ノズル40Bを取り付ける場合などに、別置き若しくははんだ装置の他の部分に設置した予備加熱機構80を用いて噴流ノズル40Bを予熱しておくことができる。このようにすることで、交換して固定する前の予備の噴流ノズル40Bの予熱も容易に行うことができ、噴流ノズル交換時に冷えたノズルを取り付けることがなくなり、生産切替え時の時間ロスが短縮できる。
【0051】
予備加熱機構80は、図5に示すように、噴流はんだ装置100,200に設置前の噴流ノズル40Bに対して設置する。予備加熱機構80には、噴流ノズル40Bの上方から覆い被せることができるように、適宜、支持台となるような枠組み(図示せず)が設けられていてもよい。あるいは、予備加熱機構80を接地面に配置して、噴流ノズル40Bを逆さにして差し込むような態様でも良い。
【0052】
図5に示す予備加熱機構80を使用する場合、噴流はんだ装置100,200に取付けた噴流ノズル40の周囲には予熱機構50は設置しなくてもよいし、予熱機構50と予備加熱機構80の両方を設置してもよい。予熱機構50と予備加熱機構80の両方を設置する場合には、ノズルの交換前やはんだ装置の電源をONにする前には、予備加熱機構80によって取り付け(交換)前の噴流ノズルを予熱しておき、取り付け(交換)後には、予熱機構50を用いて噴流ノズル40を加熱することができる。この時、予備加熱機構80の交流電源及び制御部53Bは、予熱機構50と共通のものを用いてもよいし、別に用意してもよい。その他の、本体部51B、電磁コイル52B、ソフトフェライト系のコア54B等の構成は予熱機構50と同様なものとすることができる。
【0053】
次に、本発明に係る噴流はんだ装置の予熱機構の原理を利用した溶融はんだ供給機構について説明する。噴流はんだ装置100,200の噴流部70においては、溶融はんだの貯留量が検出手段により検出され、貯留量が規定値よりも少なくなると、例えば、検出手段から出力される検出信号に基づいて適宜のアラームが行われる。このアラームにより、はんだ噴流はんだ装置100,200においては、はんだ材の追加投入を行う必要が生じる。
【0054】
図6は、従来の噴流はんだ装置におけるはんだ材の供給態様を示す概略図である。従来は、図6に示すように、ロール状の糸はんだ110を回転ローラ式の供給駆動部120を用いて糸はんだ供給管130内を通して、噴流部70の溶融はんだ1が貯留されたはんだ槽15内へと糸はんだ115を供給し溶融させていた。しかしながら、このような態様においては、(1)供給駆動部120での糸はんだ115の絡まりが生じやすい。(2)糸はんだ供給管130内での詰まりが生じやすい。(3)糸はんだ115の価格が高い。といった課題が生じていた。
【0055】
図7は、本発明の他の態様に係る溶融はんだ供給機構を示す概略図である。なお、図7では、溶融はんだ供給機構90について主に説明するために、他の構成より大きめに記載しており、溶融はんだ供給機構90の設置位置や大きさについては、必ずしも実際の装置の態様を正確に反映しているわけではない。本発明の他の態様は、溶融はんだ1を噴流ノズル40から噴流させてワーク10のはんだ付け箇所30を部分的にはんだ付けする噴流はんだ装置100,200のはんだ槽15に溶融はんだ1を供給する溶融はんだ供給機構90であって、棒状はんだ91を受け入れる受入口81と、内部で棒状はんだ91を溶融させて外部へ供給する供給口82とを有する供給ノズル92と、供給ノズル92に棒状はんだ91を供給する押し出し機構93を備え、供給ノズル92には、少なくとも、供給ノズル92を取り囲むように配置された電磁コイル94と、電磁コイル94に交流電流を流すとともにそのON/OFF制御を行う交流電源及び制御部95が設けられ、電磁コイル94を用いた電磁誘導加熱により供給ノズル92を加熱できる位置に電磁コイル94が配置され、交流電源及び制御部95により加熱のタイミングと加熱時間及び電磁コイル94への印加電力が制御され、加熱された供給ノズル92の熱によって棒状はんだ91を溶融させてはんだ槽15に供給する。
【0056】
すなわち、上述の予熱機構50と同様に、供給ノズル92の周囲に配置した電磁コイル94に交流電流を流すことで、磁力線F(交番磁界)を発生させ、この磁力線Fにより供給ノズル92に渦電流が生じ、電気抵抗によって発熱する電磁誘導加熱(IH)を起こす。これにより、供給ノズル92を棒状はんだの融点以上に加熱しておくことで、供給された棒状はんだを融解して供給口82から噴流はんだ装置100,200のはんだ槽15へと溶融はんだ1を供給することができる。なお、溶融はんだ供給機構90においても、上述した予熱機構50と同様に、電磁コイル94の外側にソフトフェライト系のコアを設けてもよい。また、溶融はんだ供給機構90は、基板をはんだ付けする際に噴流ノズル40と干渉しないようにするため、噴流ノズル40の先端よりも低い位置に設置される。
【0057】
棒状はんだ91は、押し出し機構93により、加熱された供給ノズル92の受入口81へと送られる。例えば、図7に示すように、棒はんだ91をはんだガイド96上に載せ、ばね等で加圧できる押し出し機構93により、供給ノズル92の受入口81へと押し出す。供給ノズル92は電磁誘導加熱されているため、内部で棒状はんだ91は溶融して供給口82からはんだ槽15へと供給され、棒状はんだ91が溶融して短くなると押し出し機構93によって、溶融して短くなった分だけ新しい棒状はんだ91が供給ノズル92へと押されて移動する。
【0058】
このように本発明に係る溶融はんだ供給機構90を適用することにより、棒はんだを用いることができるため、はんだコストを低減することができる。また、機構をシンプルにすることができ、はんだの詰まりによるトラブルを減らすことができる。
【0059】
以上説明したように、本発明によれば、噴流ノズルを効率的に加熱することができ、メンテナンス性にも優れた噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置、並びに溶融はんだ供給機構とすることができる。
【0060】
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0061】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、噴流はんだ装置の予熱機構及び噴流はんだ装置、並びに溶融はんだ供給機構の構成も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 溶融はんだ、10 ワーク(プリント配線基板)、11 ランド、12 スルーホール、13 基板、14 リード端子、15 はんだ槽、20 ワーク支持手段、21~25 ローラ、26 チェーン、27 搬送方向、30 はんだ付け箇所、31 ワーク固定テーブル、33 アクセス手段、33X 軸駆動部、33YZ テーブル支柱、40,40B 噴流ノズル、50 予熱機構、51,51B 本体部、52,52B 電磁コイル、53,53B 交流電源及び制御部、54,54B ソフトフェライト系のコア、56 加熱ガス供給機構、60 アクセス手段(ノズル駆動部)、61 制御装置、70 噴流部、71 筐体、71A 断熱空間部、72 シャーシ、73 ノズル取付部、74 ケース、75 インペラ、76 取付スタッド、77 供給口、78 フード体、79 ヒータ、80 予備加熱機構、81 受入口、82 供給口、90 溶融はんだ供給機構、91 棒状はんだ、92 供給ノズル、93 押し出し機構、94 電磁コイル、95 交流電源及び制御部、100,200 噴流はんだ装置、110 ロール状の糸はんだ、115 糸はんだ、120 供給駆動部、130 供給管、F 磁力線、H 加熱ガス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7